JP2022538426A - 水からpfasを除去する方法 - Google Patents

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Abstract

PFAS含有水性相からPFASを除去する方法であって、前記水性相に少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加し、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと、を含む方法。【選択図】なし

Description

本発明は、水からペルフロオロ化合物を除去する方法に関する。より詳細には、本発明は、カチオン性界面活性剤および/もしくは洗剤、またはカチオン性界面活性剤および/もしくは洗剤と非イオン性界面活性剤および/もしくは洗剤との混合物の水への添加と組み合わせた、ミセル促進(micellar-enhanced)限外濾過の使用によって、水からPFASを除去する方法に関する。
限外濾過(UF)は、圧力または濃度勾配のような力が半透膜を通した分離に導く、様々な膜濾過である。高分子量の懸濁した固体および溶質は、いわゆる保持液中に保持され、一方、水および低分子量の溶質は、透過液(濾液)において膜を通過する。この分離プロセスは、高分子溶液、特にタンパク質溶液を精製および濃縮する産業ならびに研究で使用される。
限外濾過は、原水から微粒子および高分子を除去して飲料水を製造するために、使用され得る。限外濾過は、水処理設備において、既存の2次濾過(凝集、フロキュレーション、沈降)系および3次濾過(砂濾過および塩素化)系を置き換えるため、または人口が増大する孤立地域における独立型システムとして、のいずれかに使用されてきた。限外濾過は乳タンパク質を濃縮し、ミルクから水を除去するために、乳業によって使用される。限外濾過はタンパク質を濃縮するために、バイオ産業によって使用される
ミセル促進限外濾過(本明細書では、以下:MEUF)は、様々な異物、例えば、重金属(例えば、鉛、カドミウム、または亜鉛)、有毒な有機材料(例えば、フェノール、リン酸ジ-ブチル、リン酸トリ-ブチル、またはトリハロメタン)および有機染料を含む低分子量異物を除去するために最近開発された、強力な分離プロセスとして公知である6,8
MEUFでは、洗剤は、洗剤の臨界ミセル濃度を超える濃度で水に添加される。洗剤がミセルを形成する時、洗剤分子の疎水性部分は一緒に凝集して疎水性空間を形成し、一方洗剤分子の親水性基は水に露出され続ける。これが、通常親水性表面および疎水性内部を有する球状構造を形成する。球状ミセルの重量は、少なくとも60000ダルトンであり、これが、洗剤ミセルを限外濾過によって分離することを可能にする。ミセルの表面上の親水性基は、ミセルの疎水性内部と水との間に相分離を形成する。有機汚染物質は多くの場合かなり疎水性であるので、それらは一般に好ましくはミセルの内部に存在し、これが汚染物質を除去するMEUFの基本である
PFAS(ペル-およびポリフルオロアルキル物質)は、3000を超える工業的に製造された化学物質に対する集合名である。
PFASは、(1)長鎖PFAA、(2)短鎖PFAA、(3)非ポリマー性およびポリマー性フルオロテロマー系生成物、ならびに(4)フッ素樹脂およびフルオロポリマーに分類され得;長鎖PFAAは、6以上の炭素鎖長を有するペルフルオロアルカンスルホン酸(PFSA)、および8以上の炭素鎖長を有するペルフルオロカルボン酸(PFCA)を含み;短鎖PFAAは、5以下の炭素鎖長を有するPFSA、および7以下の炭素鎖長を有するPFCAを含む。
最も通常的なPFASは、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロトリデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン酸、ペルフルオロノナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸、ペルフルオロドデカンスルホン酸、4:2フルオロテロマースルホネート、8:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、ペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、7H-ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロ-3,7-ジメチルオクタン酸ならびにこれらの物質の異性体、同族体および他の置換体(permutation)である。
PFASの最も通常的な基準は、最も通常的なPFASの11種を対象とするいわゆる「PFAS Sum11」であり、これは、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネートである。
PFASは、世界的に多くの製品、例えば、消火剤および含浸剤で使用される。PFASは、広く環境に分散し;それらは残留性であり、一部は有毒である。PFASに汚染された土地は世界の多くの場所で見出され、そこではPFASが地下水および飲料水の貯水槽に漏れている。最近の研究はPFASによるいくつかの健康問題を示しており、飲料水中のPFAS閾値は進行中である10~12
PFASは、人によって全て作り出され、自然界への供給はもっぱら人間の活動から生ずる。それらは、例えば布地保護剤として、多くの製造プロセスにおいて世界的に発生する。例えば、スウェーデンの環境におけるPFASの最も通常的なポイント源は、飛行場で使用される消化泡状物質(extinguishing foam)である。軍用飛行場は環境中に漏れるPFASの最も多い供給源であり、民間飛行場がすぐ後に続く。PFASは自然界で分解されず、いくつかのPFASは生物蓄積性を有するので、それらの使用を制限することに加えて、積極的対策によりこの汚染と戦うことが必要である。
PFASは、汚染された飲料水を介して、魚および家畜などの食品を介して、汚染水とともに作物の潅漑を通して、および粉塵の吸入を通して人々に入る13。PFASは、人間の肝障害および生殖毒性をもたらし得る。飲料水から大量の高度フッ素化物質PFOA(ペルフルオロオクタン酸)を受けた、米国のおよそ60,000人について最大の調査が行われた。調査の結論は、調査した人々のPFOA曝露と、高い血中コレステロールレベル、妊娠中の高血圧、潰瘍性大腸炎、甲状腺疾患、ならびに精巣および腎臓の癌との間に、蓋然的な関係が存在するということであった(C8 Science Panel 2013)。
環境において最も通常的な水溶性PFASは、それらを水に可溶性にする負に帯電した部分を有する。通常的なPFAS、例えば、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、およびフルオロテロマースルホネートは、全て、大部分の汚染された場所に高濃度で存在する。これらのペルフルオロ分子は分解することが非常に困難であり、それらを生物学的廃水処理方法によって除去することはできず、オゾン水処理による酸化にそれらは耐性を有する。
水からPFASを除去するための通常的な方法は、異なるタイプの炭素濾過、しばしば粒状活性炭(GAC)濾過である。炭素濾過は、長鎖PFAS分子のペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロトリデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ペルフルオロノナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸、ペルフルオロドデカンスルホン酸、4:2フルオロテロマースルホネート、8:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロスルホンアミドエタノール、N-エチルペルフルオロオクタンスルホン(ethylperfluoroctanesulphone)アミドエタノール、ペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、7H-ペルフルオロヘプタン酸およびペルフルオロ-3,7-ジメチルオクタン酸にとって効果的である。しかしながら、GACおよび他の炭素濾過方法は、より短いPFAS分子、例えば、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸およびペルフルオロヘプタンスルホン酸に関しては、それほど効果的ではない。廃水流に低分子量PFAS分子が高濃度で存在する場合、より頻繁な間隔で炭素フィルターを交換することが必要になり;水が高レベルの有機物も含有している場合、これは炭素フィルターをさらにより頻繁に交換する必要性につながる14
PFAS汚染廃水を処理する別の提案された方法は、逆浸透(RO)である。逆浸透は個別の金属イオンを水から高効率で分離することができ、全てのタイプのPFASを水から除去できることが立証されてきた15。しかしながらROの短所は、ROは高イオン濃度の水を濾過できないことである。実際に、ROは膜の浸透移動性(osmotic mobility)に依存するので、処理される水の塩濃度が高い場合、膜の浸透移動性は常圧ではほとんど達成され得ない。ROの効率はかなり高くあり得るが、90%を超える効率はほとんど達成することができず、ROは、廃棄物体積の量をせいぜい90%低減することができ;より通常的には、この体積は約75~80%であることを意味する。限外濾過と比較して、ROはより多くのエネルギーを消耗する。ROのさらなる短所は、しばしば前濾過として限外濾過ユニットを必要とし、系の複雑性を増加させることである。
水から効率的にPFASを除去する方法への、緊急で増大する必要性が残っていると思われる。
水からPFASを除去する方法が、本明細書で開示される。この方法は有利なことに、例えば、PFASの分子量に関係なく、効率が改善され、廃棄物体積が低減されて、全てのタイプのPFASにとって一般に有用である。この方法は、任意のタイプのPFAS含有水、例えば、排水、浸出水、プロセス水、地下水など、すなわち、一般に任意のタイプのPFAS含有水性相から、PFASを除去するのにも一般に有用である。従って、本発明の方法は、PFAS汚染の減少の観点から、改善された純度の水を得ることを可能にする。
従って、本明細書で開示されるのは、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法であって、
(i)前記水性相に少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加し、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相(permeate flow aqueous phase)を得るステップと
を含む方法である。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(i)前記水性相に、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加して、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと、任意選択で
(iii)(i)および(ii)を少なくとも1回繰り返すステップと
を含む。
一部の実施形態では、(i)および(ii)は少なくとも1回繰り返される。一部の実施形態では、(i)および(ii)は1回繰り返される。一部の実施形態では、(i)および(ii)は2回以上繰り返される。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(i)前記水性相に、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加して、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと、
(iii)任意選択で、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相中の、1種または複数のPFASの濃度を決定するステップと、
(iv)決定した濃度が所定の閾値より高い場合に、任意選択で(i)~(iii)を繰り返すステップと
を含む。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(i)前記水性相に少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加して、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと、
(iii)PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相中の、1種または複数のPFASの濃度を決定するステップと、
(iv)決定した濃度が所定の閾値より高い場合に、(i)~(iii)を繰り返すステップと
を含む。
本発明の方法は、様々なタイプの水が、非常に少ないかまたは無視さえできるPFASの残留レベルまでPFASから精製されることを可能にし、これは、環境におけるPFASの残留性および動物および人間でのその毒性作用を考慮すると重要である。
図1Aは、親水性頭部および疎水性尾部を有する界面活性剤分子を、模式的に示す図である。 図1Bは、親水性表面および疎水性内部を有する、いくつかの界面活性剤分子によって形成されたミセル構造を、模式的に示す図である。 最も通常的なPFAS、いわゆる「PFAS Sum11」の化学構造を示す図である。 図3Aは、界面活性剤の添加、続く限外濾過によってPFASが水から除去される、概略の原理を示す図である。 図3Bは、プロセス中に形成された、ミセル表面およびミセル内部にPFASを保有するミセルを示す図である。 本明細書で開示される、PFAS含有水からPFASを除去するための限外濾過手順を模式的に表す、ブロックダイヤグラムの図である。 25.13μg/Lの初期PFAS Sum11濃度を有する水において、界面活性剤なし(比較例10)、またはアニオン性界面活性剤(比較例11)、非イオン性界面活性剤(比較例12)、アニオン性および非イオン性界面活性剤の混合物(比較例13)、カチオン性界面活性剤(実施例14)もしくはカチオン性および非イオン性界面活性剤の混合物(実施例15および実施例16)を添加して限外濾過を受けた水の、%残留PFAS Sum11として表現されるPFASの残存部分を示す、棒グラフの図である。 初期に12μg/Lの濃度でPFAS Sum11を含有する水において、界面活性剤の添加なし、または異なる量のカチオン性界面活性剤塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)を添加した、限外濾過の後のPFAS Sum11の濃度(μg/L)を示すグラフの図である。 69μg/Lの初期濃度を有する水において、界面活性剤として塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)の存在下で、プロセスを1回(1)、2回(2)または3回(3)反復後の、%残留PFAS Sum11として表現されるPFASの残存部分を示す、棒グラフの図である。
定義
本明細書で使用する場合、「界面活性剤」は、2つの液体間、ガスと液体の間、または液体と固体の間の表面張力(または界面張力)を低下させる有機化合物を指す。界面活性剤は、両親媒性化合物、すなわち疎水性部分(「疎水性尾部」)および親水性部分(「親水性頭部」または「極性頭部」)を含有する化合物である(図1A参照)。
最も通常的には、界面活性剤は親水性頭部によって分類される。「非イオン性界面活性剤」はその頭部に電気的に帯電した基を有さず;「カチオン性界面活性剤」の親水性頭部は正味の正電荷を保有し、「アニオン性界面活性剤」の親水性頭部は正味の負電荷を保有する。
本明細書で使用する場合、「ミセル」は、液相中に分散した界面活性剤分子の凝集体または超分子の集合体を指す。水溶液中の典型的なミセルは、親水性部分(「親水性頭部」)が周囲の液相と接し、疎水性部分(「疎水性尾部」)をミセルの中心に隔離した凝集体を形成する。図1Bを参照。
本明細書で使用する場合、「臨界ミセル濃度」(「CMC」)は、ミセルの形成が生じる液相中の界面活性剤の濃度を指す。
本明細書で使用する場合、「親水性」は、水への親和性、すなわち水に溶ける傾向を有する特性を指す。
本明細書で使用する場合「疎水性」は、水をはじくまたは水と混合しない傾向の特性を指す。
本明細書で使用する場合、「限外濾過」は、液体が、典型的にはいくらかの水頭圧(head of pressure)下で、指定された大きさ(カットオフサイズ)の孔を含有する半透膜(限外濾過膜)と接触して配置され、それによって、膜のカットオフサイズ未満の大きさを有する分子または複合体は孔を通過することができ、一方膜のカットオフサイズより大きい大きさを有する分子または複合体は、孔を通過せず膜の上流側に保持されるプロセスを指す。
本明細書で使用する場合、「保持液」(retentate)(リテンテート)は、限外濾過中に半透膜の孔を通過せず、膜の上流側に保持される分子または複合体を指す。
本明細書で使用する場合、「透過液」(permeate)(パーミエート)は、限外濾過中に半透膜の孔を通過した分子または複合体を指す。
限外濾過膜に関して本明細書で使用する「カットオフサイズ」または「分子量カットオフ」という用語は、膜によって90%が保持される分子または粒子の分子量を指す。
ダルトン(Da)は、12Cの原子の質量の12分の1に等しい質量の単位である。それは、およそ1.66×10-27kgに相当する。
単位kDaは、10ダルトンに相当する。
本明細書で使用する場合、「CTAC」は塩化セチルトリメチルアンモニウムを指す。
本明細書で使用する場合、「CTAB」は臭化セチルトリメチルアンモニウムを指す。
本明細書で使用する場合、「SDS」はドデシルスルホン酸ナトリウムを指す。
本明細書で使用する場合、「PFAS Sum11」は、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、および6:2フルオロテロマースルホネートを指す。
本明細書で使用する場合、「PFAS」は、ペルフルオロアルキル(またはポリフルオロアルキル)物質を指す。従って「PFAS」という用語は、化合物の種類への集合的な言及であるが、この用語は本明細書では、単に1つのこうした化合物、および2つ以上のこうした化合物の混合物を指すように使用され得る。例えば、本明細書で言及するPFASは、例えば、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロトリデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン酸、ペルフルオロノナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸、ペルフルオロドデカンスルホン酸、4:2フルオロテロマースルホネート、8:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、ペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、7H-ペルフルオロヘプタン酸、およびペルフルオロ-3,7-ジメチルオクタン酸、ならびにこれらの物質の異性体、同族体および他の変形物および組み合わせの1種または複数を含み得る。
「PFAA」という用語は、ペルフルオロアルキル酸(またはポリフルオロアルキル酸)を指す。
「PFSA」という用語は、ペルフルオロアルキルスルホン酸(またはポリフルオロアルキルスルホン酸)を指す。
「PFCA」という用語は、ペルフルオロアルキルカルボン酸(またはポリフルオロアルキルカルボン酸)を指す。
一般に本明細書で使用する場合、PFASという用語はポリマー性物質を指さない、すなわち、本明細書で一般に使用する場合、PFASという用語は非ポリマー性PFAS、特に水溶性PFASを指す。
従って本明細書で使用する場合、PFASという用語は、一般に1種または複数の非ポリマー性PFAS、例えば、長鎖PFAA、短鎖PFAA、および非ポリマー性フルオロテロマー系生成物を指す。
PFAS含有水
本発明の方法によって処理される水性相は、PFASを含有する任意のタイプの水、例えば、PFASで汚染された汚染水、排水、浸出水、プロセス水、地下水および他のタイプの水ならびに/またはPFASを含有する水溶液であり得る。一般に、本発明によって処理されるPFASを含有する水性相は、水中でPFASの乳濁液ではない。一般に、水性相は、水性相中に溶解したPFASを含有している。
処理される水性相中に存在するPFASの濃度は、例えば、非常に低いものから高いものまで経時的に変動し得る。そのうえ、処理される水中に存在する特定のタイプのPFASは、本発明の方法の有効性を損なうことなく、未知であり得る、または変動し得る。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水性相は、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロトリデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン酸、ペルフルオロノナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸、ペルフルオロドデカンスルホン酸、4:2フルオロテロマースルホネート、8:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、ペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、7H-ペルフルオロヘプタン酸、およびペルフルオロ-3,7-ジメチルオクタン酸、ならびにこれらの物質の異性体、同族体および他の置換体の1種または複数を含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水性相は、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、および6:2フルオロテロマースルホネートの1種または複数を含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、少なくとも10g/L、または少なくとも5g/L、または少なくとも2g/L、または少なくとも1g/L、または少なくとも500mg/L、または少なくとも200mg/L、または少なくとも100mg/L、または少なくとも50mg/L、または少なくとも20mg/L、または少なくとも10mg/L、または少なくとも5mg/L、または少なくとも2mg/L、または少なくとも1mg/L、または少なくとも500μg/L、または少なくとも200μg/L、または少なくとも100μg/L、または少なくとも50μg/L、または少なくとも20μg/L、または少なくとも10μg/L、または少なくとも5μg/L、または少なくとも2μg/L、または少なくとも1μg/L、または少なくとも0.5μg/L、または少なくとも0.2μg/L、または少なくとも0.1μg/Lの初期全濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、10g/L以下、または5g/L、または2g/L以下、または1g/L以下、または500mg/L以下、または200mg/L以下、または100mg/L以下、または50mg/L以下、または20mg/L以下、または10mg/L以下、または5mg/L以下、または2mg/L以下、または1mg/L以下、または500μg/L以下、または200μg/L以下、または100μg/L以下、または50μg/L以下、または20μg/L以下の初期全濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、いずれかの上記特定された下限からいずれかの上記特定された上限までの範囲内の初期濃度、例えば、0.1μg/L~10g/L、0.1μg/L~5g/L、0.1μg/L~2g/L、0.1μg/L~1g/L、0.1μg/L~500mg/L、0.1μg/L~200mg/L、0.1μg/L~100mg/L、0.1μg/L~50mg/L、0.1μg/L~20mg/L、0.1μg/L~10mg/L、0.1μg/L~5mg/L、0.1μg/L~2mg/L、0.1μg/L~1mg/L、0.1μg/L~500μg/L、0.1μg/L~200μg/L、0.1μg/L~100μg/L、0.1μg/L~50μg/L、または0.1μg/L~20μg/Lの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
上記実施形態の一部では、本発明の方法によって処理される水は、少なくとも0.2μg/L、または少なくとも0.5μg/L、または少なくとも1μg/L、または少なくとも2μg/L、または少なくとも5μg/L、または少なくとも10μg/Lの初期濃度のPFASを含有する。
従って、一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから10g/Lまで、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから5g/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから2g/Lまで、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから1g/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから500mg/Lまで、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから200mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから100mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから50mg/Lまで、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから20mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから10mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから5mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから2mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから1mg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから500μg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから200μg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから100μg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから50μg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、本発明の方法によって処理される水は、0.2μg/L、または0.5μg/L、または1μg/L、または2μg/L、または5μg/L、または10μg/Lから20μg/Lまでの範囲の初期濃度のPFASを含有する。
一部の実施形態では、PFASの初期濃度は、PFAS Sum11から選択される少なくとも1種のPFASの初期濃度を測定し、測定値を全初期PFAS濃度の値として採用することによって決定される。
一部の実施形態では、PFASの初期濃度は、PFAS Sum11の初期全濃度を測定し、測定値を全初期PFAS濃度の値として採用することによって決定される。
一部の実施形態では、PFASの初期濃度は、PFAS Sum11の初期濃度を測定し、測定値に係数k、例えば、1.2~10、または1.2~5、または1.2~4、または1.2~3、または1.2~3、または1.2~2、または1.2~1.5の範囲の係数kを掛けて、計算値を全初期PFAS濃度の値として採用することによって決定される。特定の係数kは、各タイプの水に対して、例えば、特定のタイプの水に対して、前記水中の(例えば、ポリマー性PFAS以外の)PFASの平均全濃度、およびPFAS Sum11の平均濃度を決定することによって、決定され得る。
界面活性剤組成物
水性相からのPFASの効果的な分離を達成するために、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を前記水性相と混合して、水性相中でミセルを形成することを可能にする。
本明細書で使用する場合、「界面活性剤組成物」という用語は、任意選択で液体キャリア、例えば水中の、1つの特定の界面活性剤化合物または界面活性剤化合物の混合物を指すことができる。従って、一部の実施形態では、本発明の方法は、(i)カチオン性界面活性剤をPFAS含有水性相に添加して、前記水性相中でミセルを形成するステップと、(ii)例えば、本明細書に記述のように、水性相を限外濾過にかけるステップと、を含む。
一部の他の実施形態では、本発明の方法は、(i)カチオン性界面活性剤の混合物をPFAS含有水性相に添加して、前記水性相中でミセルを形成するステップと、(ii)例えば、本明細書に記述のように、水性相を限外濾過にかけるステップと、を含む。
一部の実施形態では、カチオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の混合物に加えて、界面活性剤組成物は、非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤の混合物をさらに含む。例えば、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、100:1~1:100、または50:1~1:50、または20:1~1:20、または10:1~1:10、または5:1~1:5、例えば、2:1~1:2のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、100:1~1:1、または50:1~1:1、または20:1~1:1、または10:1~1:1、または5:1~1:1、例えば、2:1~1:1のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、100:1~2:1、または50:1~2:1、または20:1~2:1、または10:1~2:1、または5:1~2:1のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、100:1~5:1、または50:1~5:1、または20:1~5:1、または10:1~5:1のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、1:1~1:100、または1:1~1:50、または1:1~1:20、または1:1~1:10、または1:1~1:5、例えば、1:1~1:2のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、1:2~1:100、または1:2~1:50、または1:2~1:20、または1:2~1:10、または1:2~1:5のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部のさらなる実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、1:5~1:100、または1:5~1:50、または1:5~1:20、または1:5~1:10のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む。
一部の実施形態では、界面活性剤組成物は、カチオン性界面活性剤のみを含む。
カチオン性界面活性剤
任意のカチオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の混合物は、本発明の方法において一般に有用であると考えられる。本明細書で上述のように、界面活性剤は疎水性部分および親水性部分を含む。本明細書で有用な界面活性剤の疎水性部分は、一般にC4~C20ヒドロカルビル基、例えば、4~20個の炭素原子を含有するアルキル基、例えば、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル、ウンデカニル、ドデカニル、トリデカニル、テトラデカニル、ペンタデカニル、ヘキサデカニル、ヘプタデカニル、オクタデセニル、ノナデカニル、およびアコサニル(acosanyl)である。本明細書で使用されるカチオン性界面活性剤の親水性部分は、例えば、アンモニウム(amonium)、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、メチルヒドロキシエチルアンモニウム、およびジメチルヒドロキシエチルアンモニウムから選択され得る。
例えば、一部の実施形態では、界面活性剤組成物は、(例えば、Cl塩またはBr塩として)一般式R、[式中、少なくとも1つのRは疎水性部分、例えばC10~C20アルキル鎖であり、R基は、さらにN-CまたはO-C結合を含有してもよく、分岐または直鎖、置換または非置換、飽和または不飽和、および芳香族または脂肪族であり得る]の第四級アンモニウム塩を含む。カチオン性界面活性剤の例は、例えば、C10~C20アルキルトリメチルアンモニウム塩、例えばC10~C20アルキルトリメチルアンモニウムハライドである。
一部の実施形態では、界面活性剤組成物は、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化セチルトリメチルアンモニウムから選択されるカチオン性界面活性剤を含む。しかしながら、本発明は、いずれの特定タイプのカチオン性界面活性剤にも限定されないことを認識すべきである。さらに本明細書で上に指摘したように、特に断りのない限りまたは文脈から明白でない限り、「カチオン性界面活性剤」への言及は、カチオン性界面活性剤の混合物を指すことも理解すべきである。
さらに、カチオン性界面活性剤は、カチオンポリマー性界面活性剤、例えば、R.A.Wessling&D.M.Pickelman(1981)Cationic Polymeric Surfactants,Journal of Dispersion Science and Technology,2:2~3,281~313に記述されているカチオンポリマー性界面活性剤でもあり得、その内容は全体が本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、界面活性剤組成物は、ハロゲン化セチルトリメチルアンモニウム、例えばCTABまたはCTACを含む。
一部の実施形態では、界面活性剤組成物はカチオン性界面活性剤のみを含む。一部の実施形態では、界面活性剤組成物は、液体キャリア中の1種または複数のカチオン性界面活性剤、例えば、水性液体キャリア中の1種または複数のカチオン性界面活性剤である。
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤の例は、アルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレートである。アルコールエトキシレートは、一般式R(OCHCHOH[式中、Rは例えばC9~C18の直鎖または分岐アルキルであり得、nは1~40、例えば、5~20の整数であり得る]によって表され得る。アルキルフェノールエトキシレート界面活性剤は、一般式R-(C)-(OCHCHOH[式中、Rは例えばC8~C16の直鎖または分岐アルキルであり得、nは1~30、例えば、5~15の整数であり得る]によって表され得る。
本発明の目的に対して、特に断りのない限りまたは文脈から明白でない限り、「非イオン性界面活性剤」への言及は、非イオン性界面活性剤の混合物を含むことも理解すべきである。
限外濾過膜
限外濾過膜は、典型的には、特定のカットオフサイズまたは分子カットオフ重量(molecular cut-off weight)を有するように指定される。様々な材料、例えば、ポリエーテルスルホン、再生セルロース、またはセラミックス材料から作られた、多くのタイプの限外濾過膜(またはフィルター)が存在する。本発明では、任意のタイプの限外濾過技術が使用され得る。限外濾過は、螺旋巻き膜でのクロスフロー濾過によって実行され得、供給流は加圧下で膜エレメントの中に導入され、制御された流路中を膜表面にわたって通過し、透過液は膜を通過し、一方で拒絶された材料は保持液として流し出され得る。
別の通常的な限外濾過装置は、中空繊維膜を使用する。膜は、両端のコネクターの中に密閉された、長く、非常に細い管または繊維(典型的には直径0.6~2mm)に形成される。1つの入口および出口コネクターを有する何百本ものこれらの繊維は、「束」または「カートリッジ」と呼ばれ、一緒にグループ化されて「モジュール」を形成する。供給溶液は典型的には繊維の1つの端を通って流れ、一方反対の端は完全にまたは部分的に閉鎖されている。従って流体は、繊維を取り囲むカートリッジ領域に集められて、強制的に膜を通過させられ、懸濁した材料が膜の内部に残る。
従って本発明の方法では、任意のタイプの限外濾過膜、例えば、酢酸セルロース(CA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、または他のポリマーなどの材料の、螺旋巻き膜、管状膜、中空糸膜またはフラットシート膜が使用され得、膜はセラミックス材料から作ることもできる。
好ましくは、限外濾過膜は、100000ダルトン(100kD)以下、例えば好ましくは50kDa以下、さらに好ましくは30kDa以下、25kDa以下、20kDa以下、15kDa以下、または10kDa以下、例えば1~100kD、5~50kD、1~30kD、1~25kDa、1~20kDa、1~15kDa、または1~10kDaの分子量カットオフを有する。
方法
本発明の方法では、本明細書で定義される界面活性剤組成物をPFAS含有水性相と混合して、界面活性剤含有ミセルを形成する。
界面活性剤組成物は、水性相中の界面活性剤組成物に対して、ミセルの形成を生じさせる、すなわち少なくとも臨界ミセル濃度(CMC)を達成する量で添加される。一部の実施形態では、過剰な量、例えば、CMC到達に必要と推定される量を10~100%(例えば20~50%)超えた量の界面活性剤組成物が添加され得る。
界面活性剤組成物は、液体溶液として、または固体(例えば粉末または顆粒)形態で、例えば、水性相に溶解する塩の形態で、水性相に添加され得る。ミセルの形成は、CMCに到達している限り迅速なプロセスであると考えられる。そのうえ、ミセルが形成されて、PFAS含有水性相中にミセルの乳濁液を提供できると、ミセル含有水性相を実質的に遅延することなく、限外濾過に供することができる。すなわち、かなり素早く、例えば数分間(例えば、1~10分、または1~5分、または2~5分)またはそれ未満で、ミセル相へのPFASの分離(partition)が起こると考えられる。
任意の特定タイプの水に添加される界面活性剤組成物の量は、当業者によって、例えば、水の代表的な試料を収集し、少なくともCMCの濃度の選択された界面活性剤組成物の存在下で限外濾過前後のPFASを決定し、任意選択でいくつかの異なる界面活性剤組成物および/または異なる界面活性剤濃度を試験することによって、決定され得る。通常は、処理される任意の水に存在するPFASの濃度は、任意の界面活性剤のCMCと比較してかなり低く、従って、CMCでは、本発明の界面活性剤組成物は、本発明の方法において効果的であると考えられる。
本明細書で定義される界面活性剤組成物をCMCを超える濃度で含有する、PFASで汚染された水性相は、加圧下で限外濾過膜と接触させられ、透過液流れおよび保持液流れを得る。保持液流れは、限外濾過ユニットに入るPFASで汚染された水性相よりPFASの高い濃度を有し、一方、水性透過液流れは低減されたPFAS濃度を有するであろう。PFASはミセル内およびミセルの表面で取り込まれ、従って保持液流れに本質的に保持されることが想定される。
本発明の一部の実施形態では、PFAS含有水は、限外濾過を使用することによって、本明細書に記述の界面活性剤組成物で反復方式で処理される。従って、一部の実施形態では、限外濾過装置に入る水性流れと比較して低減された量のPFASを含有する透過液は、カチオン性界面活性剤および任意選択で非イオン性界面活性剤を含有する界面活性剤組成物のさらなる添加にかけられ、この組成物は、前に添加された界面活性剤組成物と同一または異なってもよく、その後限外濾過装置と再度接触させられ、これは前の濾過工程で使用した装置と同一かまたは異なってもよい。
一部の実施形態では、反復は再循環系を使用して達成され、限外濾過フィルター(ultrafilter)を含有する限外濾過ユニットを通して、透過液を複数回再循環させ、毎回、水性相中のCMCに到達するのに必要な量を超える量で界面活性剤組成物を添加し、毎回、PFASに富む保持液とPFASの低減された濃度を有する透過液とを分離する。
再循環は、設定回数、例えば1~5回、または1~3回(必要であれば、例えば、非常に汚染された水の場合、さらに多数の反復が使用され得るが)繰り返してもよく、または、限外濾過透過液の分析が満足すべき低いPFAS濃度に到達したことを示すまで繰り返してもよい。
従って、一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(i)界面活性剤組成物を前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させて、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと
を含む。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(1)界面活性剤組成物を前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(2)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させて、PFASの低減された濃度を有する水性相透過液流れを得るステップと、
(3)界面活性剤組成物をPFASの低減された濃度を有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤がPFASの低減された濃度を有する前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(4)PFASの低減された濃度を有する前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASのさらに低減された濃度を有する水性相透過液流れを得るステップと、任意選択で(3)および(4)を1回またはさらに複数回、例えば1、2、3または4回繰り返すステップと
を含む。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(1)界面活性剤組成物を、PFASの初期濃度cでPFASを含有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(2)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、任意選択で
(3)界面活性剤組成物をPFASの低減された濃度cを有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が、PFASの低減された濃度cを有する前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(4)PFASの低減された濃度cを有する前記ミセル含有水性相を、加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASのさらに低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、
(5)任意選択で(3)および(4)を1回もしくはさらに複数回、例えば、1、2、3もしくは4回以上、例えば、予め設定した回数、または、例えば、cn+1がcと本質的に等しくなるまで繰り返すステップと
を含む。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(1)界面活性剤組成物をPFASの初期濃度cでPFASを含有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(2)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、
(3)界面活性剤組成物を、PFASの低減された濃度cを有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が、PFASの低減された濃度cを有する前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(4)PFASの低減された濃度cを有する前記ミセル含有水性相を、加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASのさらに低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、任意選択で(3)および(4)を、1回もしくはさらに複数回、例えば、1、2、3もしくは4回以上、例えば、予め設定した回数、または、例えば、cn+1がcと本質的に等しくなるまで繰り返すステップと
を含む。
一部の実施形態では、PFAS含有水性相からPFASを除去する方法は、
(1)界面活性剤組成物を、初期濃度cでPFASを含有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(2)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、
(3)PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相中の1種または複数のPFASの濃度を決定するステップと、任意選択で
(4)(3)で決定した濃度が閾値より高い場合、界面活性剤組成物を、PFASの低減された濃度cを有する前記水性相に添加し、前記界面活性剤組成物は少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み、界面活性剤が、PFASの低減された濃度cを有する前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
(5)PFASの低減された濃度cを有する前記ミセル含有水性相を、加圧下で限外濾過膜と接させ、PFASのさらに低減された濃度cを有する水性相透過液流れを得るステップと、任意選択で(3)および(4)を、1回もしくはさらに複数回、例えば、1、2、3もしくは4回以上、例えば、予め設定した回数、または(3)で決定した濃度が閾値を超えなくなるまで繰り返すステップと
を含む。
本明細書で定義される界面活性剤組成物を用いて、PFAS汚染水の処理を数回反復して繰り返すことによって、PFASは限外濾過によって、PFAS分析の検出限界未満まで除去され得る。
一部の実施形態では、本明細書の上で言及したように、水性相(例えば、透過液流れ水性相)中の1種または複数のPFASの濃度を決定するステップにおいて、PFAS Sum11から選択される少なくとも1種のPFASの濃度が決定され、例えば、PFAS Sum11の全体の濃度が決定される。
各ステップで添加される界面活性剤組成物は、一般に本明細書の上に記述のものであり得、例えば、それはカチオン性界面活性剤、例えば、CTABもしくはCTACまたはそれらの濃縮水溶液であり得る。
他の一部の実施形態では、ミセル形成量の界面活性剤組成物を1つの限外濾過フィルターから出る透過液流れに添加するステップを含み、ミセル形成量および界面活性剤は添加の各ポイントに対して異なり得る方法においては、水性相を同じ1つの限外濾過膜を通して再循環にかけるのではなく、限外濾過を、同じタイプの限外濾過フィルター、または例えば、異なる分子量カットオフサイズを有する異なるタイプのものである、いくつかの限外濾過フィルターを直列に使用して実施し得ることが想定される。
さらに、同じ1つの限外濾過フィルターでの再循環と一連の限外濾過ユニットとの組み合わせは、可能と想定される。
本発明の原理は、図3Aに概略的に示す通りであり、本明細書に記述の界面活性剤組成物(「界面活性剤」)は、ミセルの形成を可能にする濃度でPFAS含有水1に添加される。水性相中に存在するPFASは、アニオン性化合物2および非イオン性化合物3であり得ると想定される。図3Bにも示されるように、アニオン性PFAS2は、ミセルのカチオン性界面活性剤への対イオンとしてミセル表面でミセルと会合し(associate)、一方、非イオン性PFAS3はミセル内の疎水性空間へ本質的に分離し(partition)、PFAS保有ミセル4を形成するであろう。限外濾過と比較して反応は迅速であると考えられ、従って溶液は、形成されたミセル4のサイズより小さい分子量カットオフを有する限外濾過膜5を通して、本質的にすぐに限外濾過され、PFASの増加した濃度を有する保持液6およびPFASの低減された濃度を有する透過液7(図示せず)を得ることができる。
処理された水のうちの保持液の割合がかなり小さく、概略的に水の流入体積の15体積%未満、またはさらに10体積%未満を占めることは、本発明の方法の有利な特徴である。これは、大量の廃水に固有の問題を低減する。
有利には、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはさらに高い、例えば、検出レベルまで下げた、水中でのPFASの初期濃度の低減が、本発明によって達成され得る。
PFAS汚染水からPFASを除去する効率は、界面活性剤の選択だけでなく、選択される限外濾過膜の分子量カットオフにも依存する。一般に限外濾過膜にとって最適な分子量カットオフは、100kDa未満、より好ましくは50kDa未満、さらにより好ましくは30kDa未満、例えば、5~20kDaであることが見出された。例えば、5~100kDa、または5~50kDa、例えば、5~30kDaの分子量カットオフを有する膜が使用され得る。
本発明は、実験室使用のための小規模な限外濾過装置、例えば、膜が装着された遠心分離管、または100mlから数リットルまでを処理することができる実験室で使用するための接線流限外濾過装置において、および大規模に、立方メートルのPFAS汚染水の処理に使用される限外濾過装置において、機能することを示した。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって示される。比較のために、本発明によらない比較例も記述する。
材料
使用した全ての界面活性剤は、市販の品質のものであり、商業的化学供給者から、例えば市販の洗剤の形態で得た。試験した水は、スウェーデンに立地するPFAS汚染現場の様々な供給源から得た汚染水である。限外濾過膜は、限外濾過装置の供給者から得た市販の膜である。
PFAS分析
水は、スウェーデンに立地する認定された環境分析試験所によって、ステップごとに分析し、水の分析はLC-MS-MSによって行った。
PFAS汚染水の精製のための一般的手順
全ての実験は、図4に示す一般的手順に従って行った。カチオン性界面活性剤(「カチオン性洗剤」)をPFAS汚染水に添加し、混合物を数秒間混合に供し、次に限外濾過膜を通過させた。限外濾過プロセスから2つの画分が一般に得られ、通常全体積の90~95%からなる主要画分は、非濾過水と比較してPFASの低減された濃度を有する透過液であった。通常全体積の5~10%からなる少量の画分は、膜によって保持され、PFASを保有するミセルを含有した。
一般的手順1
実施例で示すように、15mlのPFAS汚染水の試料に界面活性剤を添加し、試料を1~5秒間振盪し、次に、限外濾過遠心分離管である、異なる分子量カットオフ値を有するVivaspin(登録商標)Turbo15に移した。次に遠心分離管を3000rpmで15分間遠心分離機にかけ、透過液をPFASについて分析した。示した結果は、本質的にPFAS Sum11に関してである。
実施例1
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)
界面活性剤濃度:3g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は、一般的手順1に従って、CTABを水に3g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表1に示し、ここには、PFAS Sum11の残存濃度(「残留PFAS Sum11」)も未処理水中で測定した量の%で示す。
Figure 2022538426000001
実施例2
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:CTAB
界面活性剤濃度:1g/L
膜分子量カットオフ:5kDa
実験は一般的手順1に従って、CTABを水に1g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表2に示す。
Figure 2022538426000002
実施例3
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:CTAB
界面活性剤濃度:5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、CTABを水に5g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表3に示す。
Figure 2022538426000003
実施例4
水:PFAS汚染水
界面活性剤:Luviquat(登録商標)Mono LS(CAS番号:68002-60-8)
界面活性剤濃度:1g/L
膜分子量カットオフ:5kDa
Luviquat(登録商標)Mono LSは、ラウリル/ミリスチルトリメチルアンモニウム-メトスルフェート、カチオン性第四級アンモニウム塩の水溶液であり、例えば、Sigma Aldrich社によって販売され、約30%の固形分を有する。
実験は一般的手順1に従って、Luviquat Mono LSを水に(界面活性剤の乾燥重量に基づいて)1g/Lの量で添加することによって実施した。結果を表4に示す。
Figure 2022538426000004
実施例5
水:PFAS汚染水
界面活性剤:Tetranyl(登録商標)CO-40(CAS番号 155042-51-6)
界面活性剤濃度:0.5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
Tetranyl(登録商標)CO-40は、ジオレオイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトスルフェート、カチオン性第四級アンモニウム塩であり、例えば、花王ケミカルズ社によって販売されている。
実験は一般的手順1に従って、Tetranyl(登録商標)CO-40を水に0.5g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表5に示す。
Figure 2022538426000005
実施例6
水:PFAS汚染水
界面活性剤:Tetranyl(登録商標)CO-40
界面活性剤濃度:5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、Tetranyl(登録商標)CO-40を水に5g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表6に示す。
Figure 2022538426000006
実施例7
水:PFAS汚染水
界面活性剤:Dehyquart(登録商標)H81
界面活性剤濃度:2.5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
Dehyquart(登録商標)H81(BASF社製)は、ポリグリコール-ポリアミン縮合樹脂(INCI名:PEG-15Cocopolyamine)の形態にある擬似カチオン性界面活性剤である。
実験は一般的手順1に従って、Dehyquart(登録商標)H81を水に2.5g/Lの量で添加することによって実施した。結果を表7に示す。
Figure 2022538426000007
比較例8
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:Empigen(登録商標)BB
界面活性剤濃度:5g/L
膜分子量カットオフ:3kDa
Empigen(登録商標)BBは、ラウリルジメチルベタイン、両性界面活性剤の30%乾燥重量水溶液、である。
実験は一般的手順1に従って、Empigen(登録商標)BBを水に(界面活性剤の乾燥重量により)5g/Lの界面活性剤の量で添加することによって、実施した。結果を表8に示す。
Figure 2022538426000008
比較例9
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:Cremophor EL
界面活性剤濃度:5g/L
膜分子量カットオフ:3kDa
Cremophorは、水素化ひまし油のエトキシ化によって得られる非イオン性界面活性剤である。
実験は一般的手順1に従って、Cremophorを水に5g/Lの量で添加することによって実施した。結果を表9に示す。
Figure 2022538426000009
比較例10~13および実施例14~16は、PFAS Sum11の観点から25.13μg/LのPFAS濃度を有する、PFAS含有水に関して実施した。
比較例10
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤は添加せず。
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従うが、界面活性剤を添加せず実施した。結果を表10に示す。
Figure 2022538426000010
比較例11
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
界面活性剤濃度:3g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、SDSを水に3g/Lの量で添加することによって実施した。結果を表11に示す。
Figure 2022538426000011
比較例12
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:Glucopon(登録商標)600 CSUP、非イオン性界面活性剤
界面活性剤濃度:3g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
Glucopon(登録商標)CSUPは、ラウリル/ミリスチルグルコシド(lauryl/myristyl/l glucoside)、BASF社より販売される非イオン性界面活性剤である。実験は一般的手順1に従って、Glucopon(登録商標)CSUPを水に(界面活性剤の乾燥重量に基づいて)3g/Lの量で添加することによって、実施した。結果を表12に示す。
Figure 2022538426000012
比較例13
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:Glucopon(登録商標)600 CSUPおよびSDSの混合物
界面活性剤濃度:各界面活性剤について1g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、示された界面活性剤混合物を水に2g/Lの全量で添加することによって実施した。結果を表13に示す。
Figure 2022538426000013
実施例14
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:Luviquat(登録商標)HOLD(CAS番号 174761-16-1)(固形分20%)
界面活性剤濃度:3g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
Luviquat(登録商標)HOLDは、ポリクオタニウム-68(Quaternium-68、CAS番号 827346-45-2)、すなわち、1-エテニル-2-ピロリジノン、1-エテニルイミダゾールおよび1H-イミダゾリウムとも呼ばれる1-エテニル-3-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1-エテニル-3-メチル-、メチルスルフェート(1:1)を有するポリマー、1-エテニル-1H-イミダゾール、1-エテニル-2-ピロリジノンおよび2-メチル-2-プロペンアミドを有するポリマー(Mw 510.6g)、を含有する粘性液体、ポリマーカチオン性界面活性剤である。
実験は一般的手順1に従って、Luviquat(登録商標)HOLDを水に(界面活性剤の乾燥重量に基づいて)3g/Lの量で添加することによって、実施した。結果を表14に示す。
Figure 2022538426000014
実施例15
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤組成物 Glucopon(登録商標)CSUPおよびLuviquat(登録商標)Mono LSの混合物
界面活性剤濃度:それぞれ2g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、界面活性剤混合物を水に4g/Lの全量で添加することによって実施した。結果を表15に示す。
Figure 2022538426000015
実施例16
水:PFAS汚染水(25.13μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:Glucopon(登録商標)CSUPおよびLuviquat(登録商標)Mono LSの混合物
界面活性剤濃度:各界面活性剤について1g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順1に従って、界面活性剤混合物を水に2g/Lの全量で添加することによって実施した。結果を表16に示す。
Figure 2022538426000016
比較例10~13および実施例14~16の結果を、未処理水中のPFAS Sum11の濃度に対する残留PFAS Sum11の%の観点から、図5に示す。
実施例17
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:CTAB
界面活性剤濃度:5g/L
膜分子量カットオフ:50kDa
実験は一般的手順1に従って、CTABを水に5g/Lの量で添加することによって実施した。比較として、界面活性剤を添加しない実験も実施した。結果を表17に示す。
Figure 2022538426000017
一般的手順2
0.3~1LのPFAS汚染水の試料に界面活性剤組成物を添加し、試料を1~5分間撹拌し、次に、Vivaflow50ポリエーテルスルホン限外濾過フィルター(ultrafiltration filter)において接線流限外濾過に供した。接線流濾過は、保持液中に原体積の10%しか残存しなくなるまで実施した。得られた透過液は、PFASについて分析した。
比較例18および実施例19~21は、全て、PFAS Sum11の観点から12μg/LのPFAS濃度を有するPFAS含有水に関して、実施した。
比較例18
水:PFAS汚染水(12μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤は添加せず
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って実施したが、界面活性剤は添加しなかった。結果を表18に示す。
Figure 2022538426000018
実施例19
水:PFAS汚染水(12μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:CTAC
界面活性剤濃度:0.25g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、0.25g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表19に示す。
Figure 2022538426000019
実施例20
水:PFAS汚染水(12μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:CTAC
界面活性剤濃度:0.5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、0.5g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表20に示す。
Figure 2022538426000020
実施例21
水:PFAS汚染水(12μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:CTAC
界面活性剤濃度:1g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、1g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表21に示す。
Figure 2022538426000021
比較例18および実施例19~21の結果を、未処理の水中のPFAS Sum11の濃度に対する残留PFAS Sum11の%の観点から、図6に示す。
実施例22~24は、全て、PFAS Sum11の観点から18μg/LのPFAS濃度を有するPFAS含有水に関して、実施した。
実施例22
水:PFAS汚染水(18μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)
界面活性剤濃度:0.5g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、0.5g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表22に示す。
Figure 2022538426000022
実施例23
水:PFAS汚染水(18μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)
界面活性剤濃度:0.7g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、0.7g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表23に示す。
Figure 2022538426000023
実施例24
水:PFAS汚染水(18μg/LのPFAS Sum11)
界面活性剤:塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)
界面活性剤濃度:1g/L
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順2に従って、1g/LのCTACを界面活性剤として添加して実施した。結果を表24に示す。
Figure 2022538426000024
一般的手順3
0.3~1LのPFAS汚染水の試料に界面活性剤組成物を添加し、試料を1~5分間撹拌し、次に、Vivaflow(登録商標)50ポリエーテルスルホン限外濾過フィルターにおいて接線流限外濾過に供した。接線流濾過は、保持液中に原体積の10%しか残存しなくなるまで実施した。得られた透過液は、PFASについて分析した。手順をさらにn回繰り返して、n+1の合計反復数を得た。
実施例25
水:埋め立て地からの浸出液
界面活性剤:CTAB
反復数:4
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順3に従って、表25に示す異なる量のCTABを使用して実施した。PFAS濃度は、処理前の浸出液水中、および界面活性剤なしで限外濾過を受けた水中において追加的に測定した。結果を表25に示す。
Figure 2022538426000025
実施例26
水:PFAS汚染水
界面活性剤:CTAB
反復数:3
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順3に従って、表26に示す異なる量のCTABを使用して実施した。PFAS濃度は、処理前の水中において追加的に測定した。結果を表26に示す。
Figure 2022538426000026
一般的手順4
25LのPFAS汚染水の試料に界面活性剤組成物を添加し、試料を1~5分間撹拌し、次に、40~100L/hの濾過能力を有する限外濾過ユニットにおいて、接線流限外濾過に供した。接線流濾過は、保持液中に原液体積の10%しか残存しなくなるまで実施した。得られた透過液は、PFASについて分析した。手順をn回繰り返して、n+1の合計反復数を得た。
実施例27
水:PFAS汚染水
界面活性剤:CTAC
反復数:3
膜分子量カットオフ:10kDa
実験は一般的手順4に従って、表27に示す異なる量のCTACを使用して実施した。PFAS濃度は、処理前の水中において追加的に測定した。結果を、表27に示し、図7に示す。
Figure 2022538426000027
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Claims (15)

  1. PFAS含有水性相からPFASを除去する方法であって、
    (i)前記水性相に、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む界面活性剤組成物を添加し、前記界面活性剤が前記水性相中でミセルを形成することを可能にするステップと、
    (ii)前記ミセル含有水性相を加圧下で限外濾過膜と接触させ、PFASの低減された濃度を有する透過液流れ水性相を得るステップと
    を含む方法。
  2. 前記界面活性剤が、疎水性部分としてC4~C20脂肪族基を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記界面活性剤が、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、メチルヒドロキシエチルアンモニウム、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムから選択される親水性部分、またはこれらの基の1種もしくは複数を含有するポリマーを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記PFASが、ペルフルオロブタン酸、ペルフルオロペンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプタン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロヘキサンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、6:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロウンデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、ペルフルオロトリデカン酸、ペルフルオロテトラデカン酸、ペルフルオロペンタンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン酸、ペルフルオロノナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸、ペルフルオロドデカンスルホン酸、4:2フルオロテロマースルホネート、8:2フルオロテロマースルホネート、ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエタノール、ペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、N-エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドアセテート、7H-ペルフルオロヘプタン酸、およびペルフルオロ-3,7-ジメチルオクタン酸の1種または複数を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記限外濾過膜が、100000ダルトン以下の分子量カットオフを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記限外濾過膜が、1000~30000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記界面活性剤組成物が、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記界面活性剤組成物が、カチオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、1:100~100:1のカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比で含む、請求項8に記載の方法。
  9. 前記重量比が1:10~10:1である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記重量比が1:5~5:1である、請求項9に記載の方法。
  11. (i)および(ii)を少なくとも1回繰り返すステップを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (i)および(ii)を1~5回繰り返すステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. (iii)PFASの低減された濃度を有する前記透過液流れ水性相中の1種または複数のPFASの濃度を決定し、決定した濃度が所定の閾値より高い場合は、(i)および(ii)を繰り返すステップを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記水性相が、埋め立て地浸出水、排水、地下水およびプロセス水から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記水性相が、0.1μg/L~10g/Lの範囲の初期濃度でPFASを含有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
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