JP2022537500A - バンコマイシンリポソーム組成物および方法 - Google Patents

バンコマイシンリポソーム組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明の主題は、薬物動態を改善し、薬物負荷および溶液安定性を増強したリポソーム化バンコマイシンための組成物および方法に関する。【選択図】図5

Description

本出願は、2019年5月28日に出願された連続番号62/853,597の我々の同時係属する米国仮特許出願の優先権を主張し、参照により本明細書に組み込む。
技術分野
本発明の分野は、リポソーム製剤中のバンコマイシンを含み、特に薬物動態、薬物負荷、および経過中の高薬物負荷の維持が改善された注射可能なバンコマイシン組成物に関する、医薬組成物である。
背景説明は、本発明を理解するのに有用でありうる情報を含む。ここで提供される情報のいずれかが、先行技術またはここで特許請求される発明に関連すること、または具体的または暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
バンコマイシンは、分枝した三環式でグリコシレート化した非リボソームペプチド抗生物質であり、従来の抗生物質に反応しなかった様々なグラム陽性菌(特に多剤耐性黄色ブドウ球菌)によって引き起こされる感染症の予防および治療に頻繁に使用される。
Figure 2022537500000002
バンコマイシン
バンコマイシンは、分子量が~1450Daの大きな糖ペプチドであるため、経口経路を介しては感知できるほどには吸収されず、したがって静脈内投与される。バンコマイシンは、様々な不都合な事象、特に血栓性静脈炎および痛みを回避するために、比較的遅い速度で(例えば、少なくとも1時間にわたって)投与される。腎機能の通常なヒトでは、バンコマイシンの半減期は約3から6時間である。それは主に腎臓経路を介して排除され、1回投与後24時間以内に尿中で変化せずに>80%-90%が回収される。
バンコマイシンは、依然として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療のために選択される抗生物質である。バンコマイシンの通常の用量は、6時間毎に500mgまたは12時間毎に1グラムのいずれかに分割した2グラムである。複数回の静脈内注入後、60分にわたって注入された1グラムのバンコマイシンは、ヒトへの注入の終了11時間後に、8μg/mLの平均血漿濃度を生じさせる。MRSAに冒された患者の臨床転帰を改善するためには、次の用量が投与される前の血漿レベルが15μg/mLから20μg/mLの間であることが推奨される。より高い最終血漿濃度を達成するために投与する必要がある用量の増加のために、バンコマイシン関連腎毒性の出現率は、残念ながら増加するであろう。
薬物動態および薬物力学をそのように強めるために、様々な薬物をリポソームに配合することができる。概念的には、バンコマイシンは、リポソームに封入された場合、薬物の腎臓への曝露を低減することができ、腎臓への曝露の低減は、おそらくバンコマイシン関連腎毒性を低減するであろう。しかしながら、バンコマイシンを封入する際の重要な課題は、投与する必要がある大量の用量である。さらに、バンコマイシンは以前にリポソームに封入されていたが、文献に報告されている薬物負荷は比較的低かった。これに関連して、バンコマイシンの低薬物負荷は、患者に投与されている大量の脂質に至り、それが次に患者のマクロファージ系を過負荷にすることを理解されたい。
例えば、特許文献1に記載されているように、極性の小さな親水性薬物をリポソームに封入することが知られている。本明細書中にあるすべての刊行物および特許出願は、刊行物または特許出願のそれぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合のように、参照により組み込まれる。組み込まれた参照における用語の定義または使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と矛盾するかまたは反対である場合には、本明細書に提供されるその用語の定義が適用され、参照におけるその用語の定義は適用されない。特許文献1の組成物において、リポソームは、少なくとも1つの中性飽和リン脂質および少なくとも1つの荷電飽和脂質を含むように配合された。しかしながら、そのような製剤は、典型的には、5-FUなどの小分子に限定され、バンコマイシンなどの大分子は、しばしば非常に低い負荷パラメータを有するであろう。さらに、ほとんどの従来のリポソームの循環時間は、多くの場合、依然として比較的短い。
リポソームの血液循環時間は、PEG化によって増加させることができ、これはまた、標的組織の肺およびマクロファージにおけるバンコマイシン濃度を増加させうる。一例では、PEG化したリポソーム化バンコマイシンが、MRSA肺炎の治療の有効性を改善するために提案された(非特許文献1)。ここで、バンコマイシンリポソームは、当初は薄膜水和法および硫酸アンモニウム勾配法を用いて調製され、封入効率および調製された製剤の安定性が不十分であった。後続の製剤は、脱水-再水和法で、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、およびポリエチレングリコール(PEG)を3:1:0および3:1:0.02のモル比で使用して調製した。残念ながら、負荷および安定性は望ましい程度には満たなかった。さらに、PEG化リポソームおよび非PEG化リポソームの薬物動態データは、実質的な差異を明らかにしなかった。特許文献2は同様のデータを示している。
さらに他のアプローチでは、バンコマイシン塩酸塩リポソーム(VANH-Lips)は修正逆相蒸発法によって調製され、キトサンで包まれたバンコマイシン塩酸塩リポソーム(c-VANH-Lips)ナノ懸濁液は、静電沈着によって調製された(非特許文献2)。残念ながら、そのようなリポソーム調製物はまた、封入効率および薬物負荷が比較的低かった。PEG化リポソーム組成物のさらに別の態様および例は、他(非特許文献3)で説明されているが、それらのほとんどは、低い薬物負荷および/または溶液の不安定性に悩まされている。
有意に高いバンコマイシン濃度は、特許文献3に開示され、リポソームは、比較的低い脂質対薬物比(例えば、3:1またはそれ未満)を有していた。ここでは、リポソームは、溶媒注入プロセスを用いて調製された。そのような方法は、改善された薬物負荷を有するリポソームをもたらしたが、リポソームの溶媒安定性は、は望ましい程度には満たなかった。実際、凝集および相分離は、典型的には、特許文献3のリポソーム製剤と関連していた。
したがって、様々なバンコマイシン組成物が当技術分野で知られているが、バンコマイシン組成物、好ましくは注射に適しており、かつ望ましい薬物動態および薬物負荷を示し、かつ望ましい溶液安定性を有する、リポソーム化バンコマイシン組成物が依然として必要である。
欧州特許出願公開第1757270号明細書 米国特許第9566238号明細書 米国特許出願公開第2009/0104257号明細書
Antimicrobial Agents And Chemotherapy、2011年10月、p.4537-4542 International Journal of Pharmaceutics、第495巻、2015年、p.508-515 International Journal of Nanomedicine、2006年、第1巻、第3号、p.297-315
本発明の主題は、注射に適し、望ましい薬物動態および薬物負荷を示す、リポソーム化バンコマイシン組成物およびそのための方法に関する。
本発明の主題の一態様では、本発明者らは、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含むバンコマイシンリポソーム組成物を企図し、ここで前記リポソームは、浸透圧調整剤を含む水溶液中に配置される。企図される組成物において、リポソームは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含み、ここで前記第1の脂質成分はC14:0脂肪酸部分を含み、前記第2の脂質成分はC16:0脂肪酸部分を含む。
いくつかの実施形態において、前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmであり、および/または前記水溶液のpHは、pH5.5以下である。さらに、前記浸透圧調整剤は、スクロースなどの非イオン性薬剤であることが企図される。
さらなる実施形態において、前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む。例えば、適する第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンであり、および/または適する第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである。PEG化ジグリセリドは、好ましくは、分子量2000±200のPEG鎖を有し、および/または少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分を含む(例えば、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン)。したがって、リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含みうることが企図される。
さらに別の実施形態では、前記第1および第2の脂質成分のコレステロールに対する重量比は、2.2-3.2:1および1.1:1の間であり、および/または前記第1および第2の脂質成分のPEG化ジグリセリドに対する比は、11.4-16.6:1および5.6:1の間である。さらに、前記バンコマイシンは、企図される組成物中に、0.1-100mg/mlの間(例えば、5-6mg/ml)の濃度で存在する。加えて、企図されるリポソームは、総脂質1mgあたり少なくとも0.55mgまたは少なくとも0.80mgのバンコマイシンの薬物負荷を有しえ、そして前記組成物が注射用に製剤化されることが一般的に好ましい。したがって、前記組成物のエタノール濃度は、0.05%(v/v)以下であろう。
したがって、異なる観点から見ると、企図されるバンコマイシンリポソーム組成物は、バンコマイシンを封入している複数のリポソーム、ここで前記リポソームは浸透圧調整剤を含む水溶液中に配置される、を含みうるか、または本質的にそれからなるであろう。例えば、そのようなリポソームは、第1の脂質成分として1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、任意の第2の脂質成分として1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドとして1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンを含みうる。必ずしもではないが、典型的には、前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nm(またはD90で400-450nm±15nm)であり、および/または前記水溶液のpHは、pH5.5以下である。浸透圧調整剤は、スクロースなどの非イオン性薬剤であることがさらに好ましい。
企図されるリポソームにおいて、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンは、分子量2000±200のPEG鎖を有しえ、コレステロールに対する前記第1および第2の脂質成分の重量比が2.2-3.2:1および1.1:1の間でありえ、および/またはPEG化ジグリセリドに対する前記第1および第2の脂質成分との比は、11.4-16.6:1および5.6:1の間である。典型的には、バンコマイシンは、1-10mg/mlの間の濃度で前記組成物中に存在し、ここで前記組成物は、好ましくは、注射用に製剤化される。
本発明の主題の別の態様では、本発明者らは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む脂質アルコール溶液を調製する工程、およびバンコマイシン水溶液を調製するさらなる工程を含むバンコマイシンリポソーム組成物を製造する方法も企図する。さらに別の工程において、前記脂質アルコール溶液および前記バンコマイシン水溶液は、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含む生成物を形成するのに十分な流速で、静的ミキサーを備えるマイクロ流体チャネル内で混合される。さらに別の工程では、前記生成物を接線流濾過または透析に供して、アルコールおよび封入されていないバンコマイシンを除去する。
いくつかの実施形態において、前記接線流濾過または透析は、浸透圧調整剤(例えば、スクロース)を含む水溶液を用いて行われ、および/または水溶液のpHは、pH5.5以下である。最も典型的には、前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである。
さらなる実施形態において、前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む。例えば、前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンでありえ、前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンでありえ、前記PEG化ジグリセリドは、分子量が2000±200のPEG鎖を含みえ、および/または前記PEG化ジグリセリドは、少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分(例えば、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン)を含む。
さらに、前記リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含み、コレステロールに対する前記第1および第2の脂質成分の重量比は、2.2-3.2:1および1.1:1の間であり、および/またはPEG化ジグリセリドに対する前記第1および第2の脂質成分の比は、11.4-16.6:1および5.6:1の間であることが企図される。必要な場合には前記脂質アルコール溶液はエタノールを含む。
本発明の主題のさらに他の局面において、本発明者らは、バンコマイシン製剤の腎毒性を低減する方法であって、バンコマイシンをリポソーム中に封入する工程を含み、ここで、前記リポソームは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む、方法を企図する。いくつかの実施形態では、前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分(例えば、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分(例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含む。さらなる実施形態において、前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmであり、前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、および/または前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である。
腎毒性の減少は、同量の非リポソーム化バンコマイシンの投与と比較した腎毒性を示す尿中バイオマーカーの減少によって測定できることが企図される。例えば、腎毒性の減少は、尿中バイオマーカーの測定値の、少なくとも10%、または少なくとも30%、または少なくとも50%の減少でありうる。適切なバイオマーカーには、KIM-1およびクラステリンが含まれる。あるいは、またはさらに、腎毒性の減少は、尿細管細胞損傷などの組織病理学的マーカーを使用して決定することもできる。
本発明の主題のさらに別の局面において、本発明者らは、バンコマイシンの薬物動態パラメータを増加させる方法であって、バンコマイシンをリポソーム中に封入する工程を含み、ここで、前記リポソームは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む、方法を企図する。いくつかの実施形態において、前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分(例えば、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分(例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン)を含む。さらなる実施形態において、前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmであり、前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、および/または前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である。
例えば、Cmaxは、少なくとも5倍、または少なくとも10倍増加されえ、AUCは、少なくとも30倍、または少なくとも60倍増加されえ、および/またはT1/2は、少なくとも2倍、または少なくとも4倍増加されうる。
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、添付の図面とともに、以下の、好ましい実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
スクロース濃度のリポソーム粒子サイズに及ぼす影響についての例示的な結果を示すグラフ。 3.42%スクロース濃度のpHのリポソーム粒子サイズに及ぼす影響についての例示的な結果を示すグラフ。 本発明の主題によるリポソームからの薬物漏出についての例示的な結果を示すグラフ。 本発明の主題によるリポソームを使用する選択された薬物動態パラメータの一組の例示的な結果を示すグラフ。 本発明の主題によるリポソームを使用する選択された薬物動態パラメータの別の一組の例示的な結果を示すグラフ。 腎毒性評価の試験手順の概略図。 選択された薬物動態結果を示すグラフ。 腎障害のマーカーについて選択された結果を示すグラフ。
本発明の主題は、注射に適しており、望ましい薬物動態、薬物負荷、および溶液安定性を示すリポソーム化バンコマイシン組成物に関する。さらに、本発明者らは、バンコマイシンリポソームが、概念的に単純であるが、高い薬物負荷/封入を伴う効果的な受動負荷アプローチで調製されうることも見出した。
より具体的に、そして以下により詳細に記載されるように、本発明者らは、バンコマイシンリポソームが、コレステロールおよびPEG化ジグリセリドと組み合わせて、比較的短い脂肪酸鎖部分を有する1つ以上の脂質成分から調製されうることを見出した。特に、そのようなリポソームは、有利な薬物負荷パラメータおよび溶液安定性を示しただけでなく、マイクロ流体工学技術などの拡大可能な製造プロセスを介して調製することもできた。
例えば、本発明者らは、マイクロ流体工学機器で(1)第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む脂質アルコール溶液を(2)バンコマイシン水溶液と、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含む生成物を形成する条件下で混合することにより、バンコマイシンリポソーム組成物を調製した。次に、生成物を接線流濾過(TFF)または透析に供して、アルコールおよび封入されていないバンコマイシンを除去した。
前記第1および/または前記第2の脂質成分に関して、リポソームに適した多くの脂質成分が本明細書での使用に適切であると見なされることが企図されるが、前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含みうることが一般的に好ましい。例えば、および他の適切な選択の中で、前記第1および/または第2の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンおよび/または1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである。さらに、前記第1の脂質成分は、C12、C14、および/またはC16脂肪酸部分を含みうる。同様に、前記第2の脂質成分は、C14、C16、および/またはC18脂肪酸部分を含みうる。容易に理解されるように、第1および第2の脂質成分の間の比率は大幅に変化しうる。
しかしながら、典型的には、前記第1の脂質成分は、C-14脂肪酸部分(典型的にはグリセロール部分でエステル化されている)、そして最も好ましくは2つのC-14脂肪酸部分を含むことになると好ましい。さらに、一方または両方の脂肪酸部分は飽和脂肪酸となることが好ましい(しかし必須ではない)。あるいは、そして特により多くの柔軟性が望まれる場合、一方または両方の脂肪酸部分は、1つ、または2つ、または3つの二重結合を有しうる。
第2の脂質成分が存在する場合、前記第2の脂質成分は、C-16脂肪酸部分(典型的にはグリセロール部分でエステル化されている)を含むことになると好ましく、2つのC-16脂肪酸部分が最も好ましい。前述のように、前記第2の脂質成分中の一方または両方の脂肪酸部分は、飽和脂肪酸であることが好ましい(しかし必須ではない)。あるいは、そして特により柔軟性が望まれる場合、一方または両方の脂肪酸部分は、1つ、または2つ、または3つの二重結合を有しうる。他の態様では、前記第2の脂質成分はまた、1つまたは2つのC-18またはより長い脂肪酸部分(典型的にはグリセロール部分でエステル化されている)を含みうる。これらのより長い脂肪酸は、任意の不飽和度を有することができ、したがって、1、2、3、またはそれより多くの二重結合(共役、シスまたはトランス配向でありうる)を含みうる。
したがって、企図されるリポソーム中の適切な脂質成分は、1つ以上のホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(Pl)、ホスファチジルセリン(PS)、およびそれらのすべての合理的な混合物を含む。例えば、適切な脂質成分は、卵ホスファチジルコリン(EPC)、卵ホスファチジルグリセロール(EPG)、卵ホスファチジルイノシトール(EPI)、卵ホスファチジルセリン(EPS)、ホスファチジルエタノールアミン(EPE)、ホスファチジン酸(EPA)、大豆ホスファチジルコリン(SPC)、大豆ホスファチジルグリセロール(SPG)、大豆ホスファチジルセリン(SPS)、大豆ホスファチジルイノシトール(SPI)、大豆ホスファチジルエタノールアミン(SPE)、大豆ホスファチジン酸(SPA)、水素化卵ホスファチジルコリン(HEPC)、水素化卵ホスファチジルグリセロール(HEPG)、水素化卵ホスファチジルイノシトール(HEPI)、水素化卵ホスファチジルセリン(HEPS)、水素化ホスファチジルエタノールアミン(HEPE)、水素化ホスファチジン酸(HEPA)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、水素化大豆ホスファチジルグリセロール(HSPG)、水素化大豆ホスファチジルセリン(HSPS)、水素化大豆ホスファチジルイノシトール(HSPI)、水素化大豆ホスファチジルエタノールアミン(HSPE)、水素化大豆ホスファチジン酸(HSPA)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジオレイルホスファチジル-エタノールアミン(DOPE)、パルミトイルステアロイルホスファチジル-コリン(PSPC)、パルミトイルステアロールホスファチジルグリセロール(PSPG)、モノ-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(MOPE)、トコフェロール、脂肪酸のアンモニウム塩、リン脂質のアンモニウム塩、グリセリドのアンモニウム塩、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ジラウロイルエチルホスホコリン(DLEP)、ジミリストイルエチルホスホコリン(DMEP)、ジパルミトイルエチルホスホコリン(DPEP)およびジステアロイルエチルホスホコリン(DSEP)、N-(2,3-ジ-(9-(Z)-オクタデセニルオキシ)-プロプ-1-イル-N、N、N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1,2-ビス(オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、ジミリストイルホスファチジル酸(DMPA)、ジパルミトイルホスファチジル酸(DPPA)、ジステアロイルホスファチジル酸(DSPA)、ジミリストイルホスファチジルイノシトール(DMPI)、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール(DPPI)、ジステアロイルホスファチジルイノシトール(DSPI)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、およびそれらのすべての合理的な組み合わせでありうる。
企図されるリポソームにおける特に好ましい脂質成分には、1,2-ジミリストロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-リン酸一ナトリウム塩、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-[ホスホル-rac-(1-グリセロール)]ナトリウム塩、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-[ホスホ-L-セリン]ナトリウム塩、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-グルタリルナトリウム塩、1,2-ジパルミトイル-sn-3-ホスファチジルコリン、および1,1’,2,2’-テトラミリストイルカルジオリピンアンモニウム塩、およびそれらのすべての合理的な組み合わせが含まれる。
PEG化ジグリセリドに関して、典型的には、PEG化ジグリセリドは、脂肪酸部分の少なくとも1つがPEG部分によって置換または修飾されている、上述の脂質化合物であることが好ましい。最も好ましくは、前記PEGは、平均分子量が約500から約10,000ダルトンのポリエチレングリコールであり、これは、任意で、アルキル、アルコキシ、アシル、またはアリール部分に置換されうる。例えば、PEGは、末端ヒドロキシル位置でメチルに置換されうる。別の例では、PEGの平均分子量は、約750から約5,000ダルトン、より好ましくは約1,000から約5,000ダルトン、最も好ましくは約1,500から約3,000ダルトンであろう。他の適したPEG化ジグリセリドの中でも、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン(分子量2000±200のPEG鎖を有する)などの、C14および/またはC16脂肪酸部分を有するものが特に好ましい。
同様に、コレステロール成分は大幅に変更しうる。しかしながら、最も典型的な実施形態では、前記コレステロール成分は、化学的に未修飾なコレステロールであろう。あるいは、前記コレステロールは、ブチレート部分またはフェニルアセテート部分、または炭水化物部分を含むように化学的に修飾されうる。
容易に理解されるように、企図されるリポソームは、前記第1および/または前記第2の脂質成分、PEG化ジグリセリド、および/またはコレステロール成分を様々な比率で含みうる。しかしながら、通常、コレステロールは前記リポソーム中の少数成分であろうと企図される。したがって、コレステロール(またはその任意の誘導体)は、50モル%以下、または40モル%以下、または30モル%以下、または20モル%以下、または15モル%以下、または10モル%以下、または5モル%以下で存在しうる。別の観点から見ると、企図される製剤は、コレステロールに対する、前記第1と第2とを合わせた脂質成分の重量比が少なくとも2:1、または少なくとも2.5:1、または少なくとも3:1、または少なくとも3.5:1、または少なくとも4.0:1、またはさらに高くありうる。したがって、コレステロールに対する、前記第1と前記第2とを合わせた脂質成分の例示的な重量比は、2.5:1と3.0:1との間、または3.0:1と3.5:1との間、または3.5:1と4.0:1との間であろう。同様に、通常、PEG化ジグリセリド成分は、少数成分であることに留意されたい。例えば、前記PEG化ジグリセリドに対する、前記第1と前記第2とを合わせた脂質成分の企図される比率は、5:1と10:1との間、または10:1と20:1との間、または20:1と30:1との間でありうる。
さらに、バンコマイシンが一般的に好ましいが、様々な他の糖ペプチド抗生物質もまた、本明細書での使用に適していると見なされることに留意されたい。例えば、本明細書で企図される糖ペプチド抗生物質は、アボパルシン、リストセチン、テイコプラニン、およびそれらの誘導体を含み、バンコマイシン誘導体も含む。例えば、バンコマイシンの誘導体は、多価バンコマイシン、PEG化バンコマイシン複合体、ノルバンコマイシン、バンコマイシンジスルフィド、シンモニシン、モノ-またはジ-デクロロバンコマイシン、バンコマイシンのグルタミン類似体(例えば、A51568B、およびM43G)、バンコマイシンのアスパラギン酸類似体(例えば、M43F、M43B)、バンコマイシンのデスバンコサミン誘導体(例えば、A51568AおよびM43A、ならびに対応するアグリコン)、バンコマイシンの塩素誘導体(例えば、A82846B、A82846A(エレモマイシン)、オリエンチシンA、A82846C)、バンコマイシンのベンジルアミノ糖誘導体(例えば、A82846B)、N-アシルバンコマイシン、N-アラシルバンコマイシン、N-アルキルバンコマイシン(例えば、オクチルベンジル、オクチルオキシベンジル、ブチルベンジル、ブチルオキシベンジル、およびブチル、誘導体)、またはそれらの混合物を含む。
最も好ましくは、企図されるリポソーム組成物は、少なくとも0.1mg/ml、または少なくとも0.5mg/ml、または少なくとも1.0mg/ml、または少なくとも5.0mg/ml、または少なくとも10mg/ml、または少なくとも50mg/ml、または少なくとも100mg/ml、またはそれより多くの量のバンコマイシンを含むこととなる。例えば、適した組成物は、0.1と1mg/mlとの間、または1.0と3.0mg/mlとの間、または3.0と10mg/mlとの間、または10と50mg/mlとの間、または30と80mg/mlとの間、または50と100mg/lとの間の量のバンコマイシンを含みうる。したがって、さらなる例示的な組成物は、0.1と0.5mg/mlとの間、または0.5と1mg/mlとの間、または1と3mg/mlとの間、または3と6mg/mlとの間、または5と7mg/mlとの間、または7と9mg/mlとの間、または8と10mg/mlとの間、または10と15mg/mlとの間、または15と25mg/mlとの間、または25と50mg/mlとの間の量のバンコマイシンを含みうる。
適したリポソーム組成物は、哺乳動物への投与に薬学的に許容される水溶液を含むであろう。好ましい資質水溶液は、主に水を含むか、または本質的に水からなるが、様々な水混和性共溶媒(例えば、短鎖アルコール、ギ酸または酢酸などの小有機酸、DMF、DMSO、THF、NMPなど)もまた、本使用に適していると見なされる。最も典型的には、そのような共溶媒は、15重量%以下、または10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、または1重量%以下の量で存在するであろう。好ましくは、そのようなリポソーム溶液は、1mg/ml以下、または0.5mg/ml以下、または0.1mg/ml以下、または0.01mg/ml以下の量の封入されていないバンコマイシンを含み、および/または溶液は、1%v/v以下、または0.5%v/v以下、または0.1%v/v以下、または0.05%v/v以下の量の残留アルコールまたは他の非水溶媒を含む。最も典型的には、適した水溶液は、pHが、pH5.5以下、またはpH4.5以下、またはpH3.5以下、pH3.0以下、またはpH2.5以下であろう。別の観点から見ると、そのような溶液のpHは、2.5-4.0の間、または3.0-5.0の間、または4.0と5.5との間でありうる。好ましくはないが、より高いpH値もまた企図される。
以下により詳細に記載されるように、リポソーム組成物の水溶液は、浸透圧調整剤をさらに含むことがさらに企図される。適した浸透圧調整剤に関して、そのような薬剤は、薬学的に許容される糖(例えば、様々な炭水化物および炭水化物誘導体)などの非イオン性薬剤、薬学的に許容される塩、および張性を増加させることが知られている様々な極性ポリマーでありうることが企図される。例えば、適した糖は、スクロース、マンニトール、ラクトース、およびデキストロース、グルコースなどを含み、一方、適した塩は、NaClを含む。使用される張性調整剤の量は、リポソームおよびリポソーム組成物中の周囲の流体の浸透圧が実質的に一致(例えば、30mOsm/kg以内、または20mOsm/kg以内、または10mOsm/kg以内)するように調整されうる。例えば、リポソームと周囲の流体との間の差は、0.1-2mOsm/kgの間、または2-5mOsm/kgの間、または5-10mOsm/kgの間、または10-20mOsm/kgの間、または10-20mOsm/kgの間、または20-3,0mOsm/kgの間でありうる。所望のオスモル濃度をえるために添加される張性調整剤の量をチェックし、および調整するために浸透圧計が使用されうる。
企図されるリポソーム製剤に緩衝液が含まれる場合、適した緩衝液は、一般に、バンコマイシンが正の正味電荷を有するpH範囲またはその近傍、例えばpH2.0と3.5との間、またはpH3.5と4.0との間、またはpH4.0と5.5との間に、企図される製剤のpHを安定化する緩衝液であることに留意されたい。したがって、企図される製剤のpHは、5.5以下、または4.0以下、または3.5未満、または3.0未満であろう。例えば、適切な組成物は、2.3(±0.2)のpH、または2.5(±0.2)のpH、または2.7(±0.2)のpHを有しうる。本発明の主題に限定されないが、緩衝液強度は、典型的には比較的低く、例えば、100mM以下、75mM以下、60mM以下、50mM以下、または5mMから50mMの間(例えば、10mM、20mM、30mM、40mM、または50mM)である。
したがって、例示的な実施形態では、緩衝液は、医薬組成物中、約10mMから約75mM、または約10mMから約60mM、または約0.1mMから約60mM、または約0.1mMから約55mM、または約0.1mMから約50mM、または約5mMから約60mM、または約0.1mMから約10mM、または約1mMから約10mM、または約9mMから約20mM、または約15mMから約25mM、または約19mMから約29mM、または約24mMから約34mM、または約29mMから約39mM、または約34mMから約44mM、または約39mMから約49mM、または約44mMから約54mM、または約19mMから約54mM、または約25mMから約54mMの濃度で存在する。当然、酸および酸の塩、第1および第2塩(例えば、一塩基性および二塩基性塩)、および両性緩衝液分子を含む緩衝液系を含む、当技術分野で知られている多くのタイプの緩衝液系および緩衝液があり、それらのすべてが本明細書での使用に適しているとみなされることを理解されたい。
また、さらに企図される態様では、医薬組成物は、1つ以上のキレート剤、特に金属イオンキレート剤も含みうる。例えば、適切なキレート剤は、様々なジカルボン酸、トリカルボン酸、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N、N、N’、N’-四酢酸(EGTA)、およびペンタ(カルボキシメチル)ジエチレントリアミン(DTPA)などのアミノポリカルボン酸、ならびにそれらの塩および水和物を含む。本発明の主題に限定されないが、金属イオンキレート剤は、金属イオンで触媒された酸化および微生物の成長を遅くすることが企図されている。例えば、適切なキレート剤濃度は、10μg/mlと50μg/mlとの間、50μg/mlと250μg/mlとの間、および100μg/mlと500μg/mlとの間でありうる。別の観点から見ると、0.03重量%以下、または0.02重量%以下、または0.01重量%以下のキレート剤濃度が企図される。
したがって、適切なキレート剤は、EDTA、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ジメルカプトプロパンスルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(DMSA)、アミノトリメチレンホスホン酸(ATPA)、クエン酸、それらの眼科的に許容される塩、および前述のいずれかの組み合わせ、などのモノマーポリ酸を含む。さらに適切なキレート剤は、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、およびヘキサメタリン酸塩、クロロキンおよびテトラサイクリンなどのキレート抗生物質、イミノ基内または芳香環内に2つ以上のキレート化窒素原子を含む窒素含有キレート剤(例えば、ジイミン、2,2’-ビピリジンなど)、およびサイクラム(1,4,7,11-テトラアザシクロテトラデカン)、N-(C-C30アルキル)-置換サイクラム(例えば、ヘキサデサイクラム、テトラメチルヘキサデシルサイクラム)、ジエチレントリアミン(DETA)、スペルミン、ジエチルノルスペルミン(DENSPM)、ジエチルホモスーペルミン(DEHOP)、およびデフェロキサミン(N’-[5-[[4-[[5-(アセチルヒドロキシアミノ)ペンチル]アミノ]-1,4-ジオキソブチル]ヒドロキシ-アミノ]ペンチル]-N’-(5-アミノペンチル)-N-ヒドロキシブタンジアミド、デスフェリオキサミンBおよびDFOとしても知られている)などの様々なポリアミンを含む。
企図されるリポソーム組成物はまた、1つ以上の防腐剤を含みうることをさらに理解されたい。例えば、含まれうる防腐剤は、ベンザルコニウムクロリド、セトリミドまたはセトリモニウムクロリドまたはブロミド、ベンゾドデシニウムブロミド、ミラミン、セチルピリジニウムクロリド、ポリドロニウムクロリドまたはポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-42(ポリキセトニウムとしても知られている)、セパゾニウムクロリド、フェニル水銀塩(酢酸塩、ホウ酸塩または硝酸塩)、水銀チオレートナトリウム(別名チオメルサールまたはチメロサール)およびメルクロブトールなどの水銀誘導体、クロルヘキシジンジグルコネートまたはポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)などのアミジン、クロロブタノールまたはフェニルエタノールまたはベンジルアルコールまたはフェノールまたはm-クレゾールまたはフェノキシエタノールなどのアルコール、パラヒドロキシ安息香酸、メチルパラベン、およびプロピルパラベンなどのパラベンまたはエステルである。最も典型的には、防腐剤は、微生物の増殖を低減または防ぐために有効な量で添加される。例えば、防腐剤は、組成物中0.01-0.1重量%の間、または0.05-0.5重量%の間、または0.1-1.0重量%の間に存在しうる。
本発明の主題のさらに別の態様では、大部分の既知のリポソーム形成プロセスは、本明細書での使用に適していると見なされ、そして企図されるプロセスは、能動的および受動的負荷プロセスを含むことを理解されたい。したがって、企図される組成物は、様々な乾式フィルム水和法、噴霧乾燥プロセス、様々な溶媒注入プロセスなどを用いて調製することができる。しかしながら、特に好ましい態様では、リポソームは、2つの溶媒(1つは有機溶媒に脂質相を含み、もう1つは水相にバンコマイシンを含む)が層流で混合部に供給されるマイクロ流体工学アプローチで形成され、静的混合を使用することが好ましい。例示的なマイクロ流体デバイスは、NanoAssemblrTM(プレシジョンナノシステムズベンチトップモデル、プレシジョンナノシステムズ(94080、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、395オイスターポイント大通り145番地)から市販)として知られている。そのような方法において、脂質は、好ましくは、所望のまたは必要な濃度で脂質を完全に可溶化する溶媒中に供給されるであろう。例えば、適切な溶媒は、様々なアルコール(および特にエタノール)、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、シクロヘキサン、およびそれらのすべての合理的な組み合わせなどを含むが、バンコマイシンを含む溶媒は、特に水、THF、DMF、DMSO、アセトン、およびそれらのすべての合理的な組み合わせなどを含む。
容易に理解されるように、リポソーム形成の特定の方法は、少なくとも部分的に、1つ以上のプロセスパラメータ、特に薬物負荷/薬物対脂質比、および封入効率に影響を与えるであろう。以下により詳細に示されるように、本明細書で企図される方法は、総脂質1mgあたり少なくとも0.5mg、または総脂質1mgあたり少なくとも0.6mg、または総脂質1mgあたり少なくとも0.7mg、または総脂質1mgあたり少なくとも0.8mg、または総脂質1mgあたり少なくとも0.85mgの薬物負荷を与えることが一般的に好ましい。同様に、本明細書で企図されるプロセスは、少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも85の薬物封入効率を有することが典型的に好ましい。
本明細書で企図されるリポソームのサイズ分布に関して、リポソームは、800nm以下、600nm以下、または500nm以下、または400nm以下、または300nm以下、または200nm以下の平均粒子サイズを有することが典型的に好ましい。別の観点から見ると、リポソームのサイズ分布は、好ましくは、D10で100-200nmの間(例えば、100±20nm、または120±20nm、または140±20nm、または160±20nm、または180±20nm、または)、D50で200-300nmの間(例えば、200±20nm、または220±20nm、または240±20nm、または260±20nm、または280±20nm、または)、および/またはD90で400-500nmの間(例えば、400±20nm、または420±20nm、または440±20nm、または460±20nm、または480±20nm、または)である。したがって、典型的な全体的平均粒子サイズは、約150±20nm、または約175±20nm、または約200±20nm、または約225±20nm、または約250±20nm、または約275±20nm、または約300±20nm、または約325±20nm、または約350±20nmである。
さらに、そして以下により詳細に示されるように、本発明者らは、凝集の実質的な欠如(例えば、室温で4週間の貯蔵後、15%未満または10%未満の凝集)および/または粒子サイズの増加(例えば、室温で4週間の貯蔵後、15%未満または10%未満の増加)を示す、および/またはリポソームからの薬物漏出によるバンコマイシンの実質的な損失がないこと(例えば、室温で4週間の貯蔵後の10%未満または5%未満の損失)を示す、高薬物対脂質比(例えば、総脂質1mgあたり、少なくとも0.5mg、または少なくとも0.6mg、または少なくとも0.7mg、または少なくとも0.8mgの薬物)のリポソームおよびリポソーム製剤を特に企図する。最も注目すべきことに、そして以下により詳細に示されるように、これらのパラメータは、個々に、薬物負荷/封入効率の低下、薬物漏出の増加、およびリポソームの凝集の増加/サイズ増加をもたらすであろう特定の要因の組み合わせによって達成された。
企図される製剤の滅菌について、企図される製剤は、0.45ミクロンフィルターを通す濾過、熱滅菌、オートクレーブ、放射線(例えば、ガンマ、電子ビーム、マイクロ波)を含む、すべての既知の滅菌方法を用いて滅菌されうることを理解されたい。
実施例
以下の例は、本発明の主題に係る製剤に至る実験のいくつかを示しているが、決して特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
製剤因子:
特に明記しない限り、リポソームを、NanoAssemblrTMプラットフォーム(プレシジョンナノシステムズベンチトップモデル、プレシジョンナノシステムズ(94080、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、395オイスターポイント大通り145番地)から市販)を用いる、エタノール性脂質相と、バンコマイシンを持ち運ぶ水相とのマイクロ流体混合プロセスを使用して調製した。以下に示すように脂質をエタノールに溶解し、バンコマイシンを約150mg/mlで水に溶解した。流速は10ml/分で一定のままであり、混合を、プレシジョンナノシステムズによって商業的に供給されたベンチトップカートリッジで実施した。水対有機比は4:1であった。プロセスの温度は35℃であった。
比較的大きな親水性薬物をリポソームに載せることは困難であることが知られていたため、本発明者らは、薬物負荷、リポソーム安定性、リポソームからの薬物漏出などの様々な製剤因子に影響を与えるパラメータを調査することに着手した。そのために、本発明者らは、脂質中の異なる炭素鎖長の影響を調査し、例示的な結果を以下の表1に示す。
データから容易に分かるように、バンコマイシン負荷パラメータは、リン脂質鎖長が増加するにつれて減少した。これらの実験において、リン脂質のガラス転移温度(T)は、以下の順位であった:C18>C16>C14。脂質をエタノールに加え、脂質のガラス転移温度を超える温度にした。また、150mg/mLのバンコマイシンHCl溶液を対応する脂質温度に加熱した。溶液を別々の注射器に移し、マイクロ流体ベンチトップモデルで混合して、リポソームを製造した。
バンコマイシンの総薬物量を、組み込まれていないバンコマイシンと対比してHPLC法で決定することによって、薬物負荷を決定した。リポソームを、EMDミリポアから入手可能な100,000分子量遮断遠心濾過膜での遠心分離によって生産流体から分離し、濾液を遊離(組み込まれていない)薬物含有量について分析した。総薬物含有量から遊離薬物を差し引くことにより、封入された薬物を決定した。溶液の理論的脂質含有量に対する封入された薬物(mg)の比率を、本明細書では薬物負荷として示す。注目すべきことに、リポソーム中のバンコマイシン負荷は、脂質のTの増加とともに劇的に減少した。
Figure 2022537500000003
Tgを減少させながらバンコマイシン負荷を増加させるという注目すべき結果を受けて、本発明者らは、他の脂質の存在が薬物負荷にさらに影響を与えるかどうかをさらに調査することに着手した。そのために、C-14リン脂質成分を様々な他の脂質およびコレステロールと組み合わせて使用してバンコマイシンリポソームを調製した。また、総脂質濃度も薬物負荷の変更因子として試験した。表2は、コレステロールの影響についての例示的な結果を示し、一方、表3は、総脂質濃度の影響についての例示的な結果を示す。
Figure 2022537500000004
Figure 2022537500000005
興味深いことに、コレステロールの濃度が増加するにつれて、バンコマイシン負荷パラメータは急激に減少した。結果から分かるように、85モル%の脂質および15モル%のコレステロールを有するバンコマイシンリポソームは、より良好なバンコマイシン負荷挙動を示した。さらに、本発明者らは、負荷パラメータに対する総脂質濃度の影響が有意であることを観察した。総脂質組成が増加するにつれて、バンコマイシン負荷パラメータは減少した。
さらなる実験において、本発明者らは、負荷パラメータに対するPEG化脂質の影響を試験し、例示的な結果を表4に示す。ここで、PEG2000分子でPEG化されたC-14飽和脂質を使用して、PEG化バンコマイシンリポソームを調製した。結果から分かるように、リポソーム中のバンコマイシン負荷は、PEG化脂質濃度が増加するにつれて実質的に減少した。
Figure 2022537500000006
不飽和脂質の影響は、負荷パラメータに関してさらに研究され、表5中の例示的な結果は、不飽和脂質がバンコマイシン負荷の減少をもたらしたことを立証している。
Figure 2022537500000007
その上、さらなる実験において、本発明者らは、C-14(DMPC)およびC-16(DPPC)脂質の組み合わせの影響も調査した。以下の表6のデータから分かるように、および同様のコレステロールレベルで、C-16脂質組成の増加は、リポソーム中のバンコマイシンの負荷を減少させた。注目すべきことに、C-14リン脂質が使用された場合、薬物負荷は、PEG化脂質の存在下でさえ(そしてより高濃度のコレステロールでさえ)比較的高かった。
Figure 2022537500000008
加工因子:
本発明者らは、バンコマイシンリポソームの負荷に影響を与える可能性のある様々な加工因子を研究した。バンコマイシンの空のリポソームへの能動負荷などの従来の方法を使用することは、能動負荷が弱塩基性分子にとってより理想的であるため、不十分である。薬物が能動負荷によって封入されたとしても、バンコマイシンは形式電荷がゼロであるという事実のために、リポソーム内でのバンコマイシンの沈殿は困難であり、したがって、従来のリポソーム負荷(例えば、塩の形成および/またはpHを介して)で一般的に行われるように沈殿させることはできない。他方、バンコマイシンのサイズが大きいため、これまでに知られている技術における薬物負荷の結果から分かるように、受動リポソーム負荷もまた困難である。
リポソームを負荷するときの従来の技術の欠点を克服するための努力において、本発明者らは、マイクロ流体技術を介したリポソームの負荷を調査した。ここで、一般的な流路中に静的混合要素を含むマイクロ流体層流装置で、脂質アルコール溶液をバンコマイシン水溶液と混合することによって、バンコマイシンをリポソームに負荷した。より具体的には、NanoAssemblrTM器具を、一定の水対有機流体の混合比4:1で、一定の温度(35℃)で、使い捨てカセットとともに使用した。以下の例示的なデータでは、リポソーム形成および薬物負荷パラメータに対する流速の影響のみが試験され、典型的な結果が表7および8に示されている。
Figure 2022537500000009
Figure 2022537500000010
しかしながら、上記の表に示されるデータは、流速の上昇が薬物負荷パラメータを上昇させることを示したが、以下でより詳細に示されるように、系から遊離薬物を除去した後にえられた製剤では薬物負荷パラメータが低下し、初めの製造プロセスの間のリポソームの表面へのバンコマイシンの吸着を示唆していることに注意されるべきである。
さらなる一組の実験では、本発明者らは、2つの異なるプロセスである、透析および接線流濾過を比較しながらリポソーム製剤からの遊離薬物およびエタノールの除去を行った。これらのプロセスの例示的な結果をそれぞれ表9および10に示す。容易に見られるように、4時間の洗浄後にもリポソーム製剤中に有意な量の遊離薬物が残っていた。薬物負荷パラメータの有意な低下は透析プロセスの間、観察された。バンコマイシンの分子量は高いので、1Kおよび10Kの膜を通過できなかった。バンコマイシンリポソームから遊離薬物およびエタノールを除去するために接線流濾過(TFF)技術を採用した。
Figure 2022537500000011
Figure 2022537500000012
TFFプロセスは、透析プロセスよりも有意に速かった。しかしながら、薬物負荷パラメータは有意に低下し、プロセスの間のリポソームからの薬物の漏出を示している。したがって、リポソーム中へのバンコマイシンのマイクロ流体受動負荷は、従来のバンコマイシンリポソーム製剤に関連する問題に対する魅力的な解決策を提供するように見えたが、表面吸着およびリポソーム安定性は、マイクロ流体混合を使用する受動負荷に対する交絡因子であるように思われた。
表面吸着を低減し、および/またはリポソームの安定性を高めるために、コレステロール組成を増やしてリポソームを調製した。表11の結果は、TFF(100K MWCO膜を使用)中の薬物負荷パラメータに対するリポソーム組成物中のコレステロールの増加の影響を示している。予想外に、コレステロールを最大30モル%増加させると、最終的なリポソーム製剤の負荷パラメータが改善された。50モル%のコレステロールで、薬物負荷は有意に減少した。しかし、残念ながら、すべてのリポソームは、TFFプロセスの終了までに沈降し、PBS緩衝液中の凝集および/または粒子サイズの増加を示した。
Figure 2022537500000013
したがって、本発明者らは、TFF緩衝液としての水の、負荷パラメータおよび粒子サイズへの影響を調査し、例示的な結果を表12に示す。特に、TFFプロセスの終了までにリポソーム内で薬物封入が有意に増加したが、薬物負荷は減少した。
Figure 2022537500000014
遊離薬物の除去を示す、薬物封入をさらに改善するために、総脂質含有量を2倍にし、緩衝液として水を用いてTFFについて試験し(100K MWCO膜を使用)、例示的な結果を表13に示す。残念ながら、リポソームは、TFFプロセス中に沈降し、水中での凝集および/または粒子サイズの増加を示していた。
Figure 2022537500000015
次に、本発明者らは、薬物負荷パラメータおよびリポソームの沈降に対する異なるTFF緩衝液の影響を試験することに着手し、例示的な結果を表14に示す。注目すべきことに、TFF流体としての生理食塩水中でのリポソームの負荷パラメータは、水中で観察されたものと比較して有意に増加し:~80%の薬物封入は、遊離薬物の20%のみが最終的なリポソーム製剤に残っていることを示唆した。残念ながら、リポソームは、TFFプロセス中に沈降し、生理食塩水中の凝集および/または粒子サイズの増加を示した。
Figure 2022537500000016
凝集および/または粒子サイズの増加を低減または防ぐための試みにおいて、本発明者らはまた、リポソームの沈降に対するDMG-PEG2000の影響を調査した。注目すべきことに、そして表15の結果から分かるように、リポソームに1モル%のDMG-PEG2000を含めることで、薬物負荷パラメータをある程度減少させたが、TFFプロセス中に沈降した非PEG化リポソームとは異なり、TFFプロセス後に3時間沈降することなく安定したリポソームがえられた。
Figure 2022537500000017
粒子サイズを分析するとき、本発明者らは、非PEG化リポソームの粒子サイズが1318nmであるのに対し、PEG化リポソームは197nmであることに注目した。その結果は、非PEG化リポソームがTFFの間に大きく成長したことを示唆し、これは、リポソームの沈降が粒子サイズの成長によるものであることを確認した。したがって、本発明者らは、粒子サイズの成長は、リポソーム二重層膜を横切る浸透圧の違いが、特に膜脂質中にC14および/またはC16脂肪酸成分を有するリポソームで、原因である可能性がある、と仮説を立てた。
その結果、本発明者らは、リポソームの沈降に対するTFF緩衝液中の浸透圧調整剤(ここではスクロース)の影響を調査した。以下の例では、バンコマイシンHCl溶液のpHおよび浸透圧は、それぞれ2.65および103mOsmolであった。したがって、3.42%w/vのスクロース溶液をTFF緩衝液として調製して、二分子膜を横切って103mOsmolを維持した。また、バンコマイシンに正電荷を誘導するために、スクロース溶液のpHを2.65に調整した。特に、そのような変更により、二分子膜を横切る薬物透過性は非常に低く、その結果、TFF中および/またはTFF後の薬物漏出が実質的に減少した。例示的な結果を表16に示す。
Figure 2022537500000018
さらに、非PEG化リポソームは、約4-5時間沈降することなく安定であるが、その後沈降することが観察された。対照的に、PEG化リポソームは、少なくとも1週間にわたって沈降しなかった。したがって、1モル%のDMG-PEG2000がリポソームの粒子サイズの成長を抑えたことを理解されたい。さらに、浸透圧が調整され(例えば、3.42%w/vのスクロース溶液)およびpHが調整された(例えば、pH2.65)、修正TFFプロセスは、遊離薬物およびエタノールを除去するのに効果的であった。
次に、スクロース濃度の影響を、リポソームの薬物負荷パラメータおよび粒子サイズ分布について試験し、例示的な結果を表17に示す。ここで、薬物負荷パラメータは、1%w/vのスクロース濃度で低いが、これらのパラメータは、3.42-7.5%w/vの間で有意に変化せず、10%w/vのスクロースでより高かった。
Figure 2022537500000019
図1に見られるように、粒子サイズにおいて同様の傾向が認められた。粒子サイズ分布は、1-7.5%w/vの間のスクロース濃度で変化しなかった。粒子サイズは、10%w/vのスクロース濃度で有意に高く、したがって、薬物負荷はより高かった。しかしながら、このスクロース濃度での薬物封入の低下は、より大きなリポソームからの薬物の漏出を示唆している。
さらに別の実験において、本発明者らは、薬物負荷パラメータおよび粒子サイズ分布に対する3.42%w/vのスクロース緩衝液のpHの影響を試験し、例示的な結果を表18に示す。注目すべきことに、スクロース緩衝液のpHを1.0から5.5の範囲で変更することによって、薬物負荷パラメータに有意差は認められなかった。しかしながら、薬物負荷パラメータは、特にTFFプロセス後、pH7.5で有意に低下した。実際、バンコマイシンについては、以下のpKa値が注目された:pKa=2.6;pKa=7.2;pKa=8.6;pKa=9.6;pKa=10.5;pKa=11.7。結果として、pH7.5での低下は、リポソームの表面への、このpHでのイオン化していない形態のバンコマイシンの吸着に起因する可能性がある。図2に示されるように、粒子サイズは、スクロース緩衝液の他の任意のpHで観察されたものと比較して、pH2.65でより低かった。
Figure 2022537500000020
上記のデータを使用して、C-14およびC-16脂質の組み合わせを有するリポソームを調製し、TFFに供して、より良好な薬物負荷特徴を有するように製剤を最適化し、例示的な結果を表19に示す。
Figure 2022537500000021
データから分かるように、44モル%のC-14脂質および20モル%のC-16脂質を含み、35モル%のコレステロールおよび1モル%のDMG-PEG2000を含むリポソームは、他の組成と比較して、より良好な負荷パラメータおよび粒子サイズ分布を示した。上記のデータおよび研究に基づき、2つのリポソーム組成物-1つはC-14(64mol%)脂質、コレステロール(35mol%)およびDMG-PEG2000(1mol%)を含み、もう1つはC-14(44mol%)およびC-16(20mol%)の脂質の組み合わせ、コレステロール(35mol%)およびDMG-PEG2000(1mol%)を含む、は、望ましい粒子サイズ分布で、より高い薬物負荷パラメータを示した。表20は、追加のインビトロおよびインビボ実験でさらに試験した、例示的なバンコマイシンリポソーム組成物を示している。
Figure 2022537500000022
「リポソーム1」組成中のリポソームは、総脂質1mgあたり0.87mgのバンコマイシンの負荷、および以下の粒子サイズ分布を有した:143nm(D10において)、249nm(D50において)、および450nm(D90において)。「リポソーム2」組成中のリポソームは、総脂質1mgあたり0.56mgのバンコマイシンの負荷、および以下の粒子サイズ分布を有した:143nm(D10において)、249nm(D50において)、および450nm(D90において)。
上記の2つのバンコマイシンリポソーム組成物のインビトロ薬物漏出挙動が試験され、図3は例示的な結果を示している。容易に明らかなように、少なくとも24時間にわたって有意な薬物漏出は観察されなかった。対照群のバンコマイシン溶液と比較して、両方のリポソーム製剤は、PBS中、37℃で24時間にわたって明らかな薬物漏出を示さなかった。加えて、試験された両方の製剤は、1週間、2-8℃で、薬物負荷パラメータおよび粒子サイズ分布のいかなる変化もなく、安定であった。両方の組成物中のリポソームの平均粒子サイズは約230nmであった。
薬物動態研究:
上記の2つのリポソーム製剤をラットモデルで試験し、例示的な結果を図4および図5に示す。以下のグラフおよび表21から容易に分かるように、リポソーム製剤は、血清半減期を有意に増加させ、曝露およびCmaxの有意な増加が観察され(図4、表21)、そしてクリアランスはすべての製剤について線形であり、これは腎経路を示している(図5)。したがって、バンコマイシンは長期間利用可能であり、より低頻度の投与が可能である。
Figure 2022537500000023
毒性研究:
リポソーム製剤の毒性を評価するために、ラットに150mg/kgの試験製剤を5日間毎日投与した。これは、ヒト投与の用量では約10倍(通常1g)である。これらの実験のために、リポソーム1およびリポソーム2が使用され、上記の表20に記載されるような組成を有していた。
腎臓損傷の評価項目は、尿中バイオマーカー(KIM-1、クラステリン、オステオポンチン)、血漿バイオマーカー(クレアチニン)、および腎臓の病理組織学的所見であった。動物実験の一般的なフローチャートを図6に示す。ここで、血液採取を総量2mLで実施し、臨床化学サンプルを、投薬前、3日目、および5日目(それぞれ0.25mL)に採取し、薬物動態サンプルを、1日目(0.125mLの4サンプル)、3日目(0.125mLの4サンプル)、および5日目(0.125mLの2サンプル)に採取した。各動物について、安楽死の時に、腎臓をホルマリン固定し、液体窒素で急速冷凍した。当技術分野で周知の標準的な手順を使用して、病理組織学的等級付けのためにサンプルを分析した。
本明細書に提示されるような、バンコマイシンおよび選択された製剤の毎日の投薬の例示的な薬物動態の結果を図7に示す。図7のグラフから容易に分かるように、本発明の主題によるリポソーム製剤は、バンコマイシン自体が投与されたものと比較して、有意に高いCmaxおよびAUCを達成した。さらに、リポソーム製剤はまた、実質的により高いT1/2および有意に減少したクリアランスを示した。図7をさらに参照すると、バンコマイシン半減期は、Cmaxの7ー12倍の増加とともに2.7-4.5倍増加した。バンコマイシン(AUC)の曝露は、バンコマイシン単独投与と比較して、リポソーム製剤において33-71倍増加したが、体循環からのバンコマイシンのクリアランスは、78倍減少した。
したがって、バンコマイシンを本明細書に提示されるようなリポソーム製剤に封入する場合、Cmaxを、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも7倍、または少なくとも10倍、あるいはそれ以上に増加させることができ、一方、AUCによって測定される曝露を、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、または少なくとも60倍増加させることができ、一方、T1/2は、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、または少なくとも5倍、またはそれ以上増加させることができる。
選択された尿中マーカーについて、さらなる例示的な結果を、図8に示す。ここでは、マーカーは、KIM-1、クラステリン、およびオステオポンチン(OPN)を含んでいた。グラフから容易に明らかなように、生理食塩水対照群および空のリポソーム群ではマーカーの有意な上昇はなかったが、バンコマイシン治療群は全てのマーカーの有意な上昇を示した。他方、本発明の主題によるリポソーム組成物が使用された、両方の治療群において、マーカーは実質的に変化しないままであるか、または対照に対してやや上昇しただけであった。
実際、これらおよび他の実験に基づいて(データは示されていない)、本発明者らは、バンコマイシン製剤の腎毒性を、本明細書に提示されるようにバンコマイシンをリポソーム中に封入することによって低減できることを企図する。このように封入されたバンコマイシンは、等量の非リポソーム化バンコマイシンの投与と比較して、腎毒性を著しく減少させた。例えば、腎毒性の尿中バイオマーカーに基づいて腎毒性を分析した場合、これらの損傷に関連するバイオマーカーの劇的な減少を観察することができる。例えば、尿中バイオマーカーの典型的な減少(定量化されたマーカーの減少の百分率によって測定される)は、しばしば少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、またはそれより高い率である。場合によっては、偽薬(空のリポソーム)またはビヒクル対照群に対して統計的に有意な差は観察されないであろう。したがって、尿中バイオマーカーによって測定される腎毒性の典型的な減少は、10-30%の間の、または20-40%の間の、または30-60%の間の、または50-80%の間の、または70-90%の間の、およびさらにより高い範囲でありうる。
これらの結果は、様々な治療群の病理組織学的所見にも反映されていた。より具体的には、バンコマイシンを投与した群において、バンコマイシン腎損傷と一致する有意な近位尿細管細胞損傷および修復が観察された。他方、本明細書に示されるようなリポソーム製剤(リポソーム1および2)を投与する治療群において、糸球体変化は、メサンギウム拡大および毛細血管内泡沫細胞(脂質を持ったマクロファージ)を含み、これは腎脂質過負荷と一致する。リポソーム偽薬群は、メサンギウム拡大を伴うまたは伴わない糸球体カプセルの尿空間における泡状の最小染色物質を含む糸球体変化を示したが、生理食塩水対照群では、病理学的変化は観察されなかった。
したがって、そして異なる視点から見た場合、腎毒性の減少は、尿細管細胞損傷などの1つ以上の病理組織学的所見の重症度および発生率または頻度の低下によって定量化することができる。同じ投与量で与えられる非リポソーム化バンコマイシン対照群と比較したそのような減少は、少なくとも10%、または少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、またはさらにより高い率でありうる。場合によっては、偽薬(空のリポソーム)またはビヒクル対照群に対して統計的に有意な差は観察されないであろう。したがって、病理組織学的所見によって測定される腎毒性の典型的な減少は、10-30%の間の、または20-40%の間、または30-60%の間、または50-80%の間、または70-90%の間、およびさらにより高い範囲でありうる。
これらの結果に基づいて、企図されたリポソーム製剤は、バンコマイシン治療による近位尿細管損傷の初期バイオマーカーの著しい減少を有したこと、およびバンコマイシンのリポソーム封入は、バンコマイシンによる腎臓の観察された組織病理学的変化をもたらさなかったことを理解されたい。したがって、本明細書に示されるリポソーム製剤は、バンコマイシン誘発性腎毒性を劇的に減少させる(バンコマイシン誘発性近位尿細管損傷の、>50%減少)ことを認識すべきである。
本明細書の説明および以下の特許請求の範囲全体で使用されるように、「a」、「an」、および「the」の意味は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数の言及を含む。また、本明細書の説明で使用される場合、「in」の意味は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、「in」および「on」を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を説明および主張するために使用される、成分の量、濃度、反応条件などの特性を表す数字は、場合によっては「約(about)」という用語によって変更されると理解されるべきである。したがって、いくつかの実施形態では、書面による説明および添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、特定の実施形態によってえられることが求められる所望の特性に応じて変化しうる近似値である。さらに、用語「約(about)」が数字と組み合わせて使用される場合、その数字±10%の範囲(両端を含む)が企図される。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らして、そして通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は、実行可能な限り正確に報告される。本発明のいくつかの実施形態で示される数値は、それらのそれぞれの試験測定で見出される標準偏差に必然的に起因する特定の誤差を含みうる。
しかしながら、当業者には、本明細書の本発明の概念から逸脱することなく、すでに説明したもの以外のさらに多くの修正が可能であることは明らかであるはずである。したがって、本発明の主題は、本開示の精神を除いて制限されるべきではない。当業者は、本発明の実施において使用されうる、本明細書に記載されたものと類似または同等の多くの方法および材料を認識するであろう。実際、本発明は、記載された方法および材料に決して限定されない。
さらに、開示を解釈する際に、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り広い方法で解釈されるべきである。特に、用語「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、非排他的な方法で要素、構成要素、またはステップを言及し、言及された要素、構成要素、またはステップが存在し、または利用されうることを示し、または明示的に言及されていない他の要素、構成要素、またはステップと組み合わされるものとして解釈されるべきである。
(付記)
(付記1)
水溶液中に配置されている、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含み、
前記リポソームは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含み、
前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、かつ前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含む、
バンコマイシンリポソーム組成物。
(付記2)
前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記3)
前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記4)
前記水溶液は、浸透圧調整剤を含む、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記5)
前記浸透圧調整剤は、スクロースである、付記4に記載のリポソーム組成物。
(付記6)
前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記7)
前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記8)
前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記9)
前記PEG化ジグリセリドは、分子量2000±200のPEG鎖を含む、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記10)
前記PEG化ジグリセリドは、少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分を含む、付記1から9のいずれか1つに記載のリポソーム組成物。
(付記11)
前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記12)
前記リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含む、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記13)
前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記14)
前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記15)
前記バンコマイシンは、1-10mg/mlの間の濃度で前記組成物中に存在する、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記16)
前記リポソームの薬物負荷は、総脂質1mgあたり少なくともバンコマイシン55mgである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記17)
前記リポソームの薬物負荷は、総脂質1mgあたり少なくともバンコマイシン80mgである、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記18)
前記組成物は、注射用に製剤される、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記19)
前記組成物のエタノール濃度は、0.05%(v/v)以下である、付記1に記載のリポソーム組成物。
(付記20)
本質的に、
水溶液中に配置されている、バンコマイシンを封入している複数のリポソーム、
からなり、
前記リポソームは、第1の脂質成分として1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、任意の第2の脂質成分として1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドとして1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンを含む、
からなるバンコマイシンリポソーム組成物。
(付記21)
前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記22)
前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記23)
前記水溶液は、浸透圧調整剤を含む、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記24)
前記1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンは、分子量2000±200のPEG鎖を有する、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記25)
前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記26)
前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記27)
前記バンコマイシンは、1-10mg/mlの間の濃度で存在する、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記28)
注射用に製剤化される、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記29)
前記リポソームの粒子サイズは、D90で400-450nm±15nmである、付記20に記載のリポソーム組成物。
(付記30)
第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む脂質アルコール溶液を調製すること、
バンコマイシン水溶液を調製すること、
静的ミキサーを備えるマイクロ流体チャネル内で、前記脂質アルコール溶液を前記バンコマイシン水溶液と、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含む生成物を形成する流速で、混合すること、および、
アルコールおよび封入されていないバンコマイシンを除去するために前記生成物を接線流濾過または透析に供すること、
を含むバンコマイシンリポソーム組成物を製造する方法。
(付記31)
接線流濾過または透析の工程は、浸透圧調整剤を含む水溶液を用いて行われる、付記30に記載の方法。
(付記32)
前記浸透圧調整剤は、スクロースである、付記31に記載の方法。
(付記33)
前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、付記31に記載の方法。
(付記34)
前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、付記30に記載の方法。
(付記35)
前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む、付記30に記載の方法。
(付記36)
前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記30に記載の方法。
(付記37)
前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記30に記載の方法。
(付記38)
前記PEG化ジグリセリドは、分子量2000±200のPEG鎖を含む、付記30に記載の方法。
(付記39)
前記PEG化ジグリセリドは、少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分を含む、付記30に記載の方法。
(付記40)
前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンである、付記30に記載の方法。
(付記41)
前記リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含む、付記30に記載の方法。
(付記42)
前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、付記30に記載の方法。
(付記43)
前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、付記30に記載の方法。
(付記44)
前記脂質アルコール溶液は、エタノールを含む、付記30に記載の方法。
(付記45)
バンコマイシン製剤の腎毒性を減少させる方法であって、
前記バンコマイシンを第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含むリポソーム中に封入することを含み、
前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含む、
方法。
(付記46)
前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、付記45に記載の方法。
(付記47)
前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンであり、および/または前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記45に記載の方法。
(付記48)
前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である、付記45に記載の方法。
(付記49)
前記腎毒性の減少は、同量の非リポソーム化バンコマイシンの投与と比較した腎毒性を示す、尿中バイオマーカーの減少によって測定される、付記45に記載の方法。
(付記50)
前記腎毒性の減少は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも10%の減少である、付記49に記載の方法。
(付記51)
前記腎毒性の減少は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも30%の減少である、付記49に記載の方法。
(付記52)
前記減少した腎毒性は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも50%の減少である、付記49に記載の方法。
(付記53)
前記尿中バイオマーカーは、KIM-1またはクラステリンである、付記49~52のいずれか1つに記載の方法。
(付記54)
前記減少した腎毒性は、組織病理学的マーカーを使用して決定される、付記45に記載の方法。
(付記55)
前記組織病理学的マーカーは、尿細管細胞損傷である、付記54に記載の方法。
(付記56)
バンコマイシンの薬物動態パラメータを増加させる方法であって、
前記バンコマイシンを、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含むリポソーム中に封入することを含み、
前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含み、
前記薬物動態パラメータは、血清中のバンコマイシンの最大濃度(Cmax)、経時的な血清中のバンコマイシン濃度(AUC)、およびバンコマイシンの血清の半減期(T1/2)からなる群から選択される、
方法。
(付記57)
前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、付記56に記載の方法。
(付記58)
前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンであり、および/または前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、付記56に記載の方法。
(付記59)
前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である、付記56に記載の方法。
(付記60)
maxは、少なくとも5倍増加する、付記56に記載の方法。
(付記61)
maxは、少なくとも10倍増加する、付記56に記載の方法。
(付記62)
AUCは、少なくとも30倍増加する、付記56に記載の方法。
(付記63)
AUCは、少なくとも60倍増加する、付記56に記載の方法。
(付記64)
1/2は、少なくとも2倍増加する、付記56に記載の方法。
(付記65)
1/2は、少なくとも4倍増加する、付記56に記載の方法。

Claims (65)

  1. 水溶液中に配置されている、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含み、
    前記リポソームは、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含み、
    前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、かつ前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含む、
    バンコマイシンリポソーム組成物。
  2. 前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  3. 前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  4. 前記水溶液は、浸透圧調整剤を含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  5. 前記浸透圧調整剤は、スクロースである、請求項4に記載のリポソーム組成物。
  6. 前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  7. 前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  8. 前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  9. 前記PEG化ジグリセリドは、分子量2000±200のPEG鎖を含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  10. 前記PEG化ジグリセリドは、少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のリポソーム組成物。
  11. 前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  12. 前記リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  13. 前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  14. 前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  15. 前記バンコマイシンは、1-10mg/mlの間の濃度で前記組成物中に存在する、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  16. 前記リポソームの薬物負荷は、総脂質1mgあたり少なくともバンコマイシン55mgである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  17. 前記リポソームの薬物負荷は、総脂質1mgあたり少なくともバンコマイシン80mgである、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  18. 前記組成物は、注射用に製剤化される、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  19. 前記組成物のエタノール濃度は、0.05%(v/v)以下である、請求項1に記載のリポソーム組成物。
  20. 本質的に、
    水溶液中に配置されている、バンコマイシンを封入している複数のリポソーム、
    からなり、
    前記リポソームは、第1の脂質成分として1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、任意の第2の脂質成分として1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドとして1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンを含む、
    バンコマイシンリポソーム組成物。
  21. 前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  22. 前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  23. 前記水溶液は、浸透圧調整剤を含む、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  24. 前記1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンは、分子量2000±200のPEG鎖を有する、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  25. 前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  26. 前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  27. 前記バンコマイシンは、1-10mg/mlの間の濃度で存在する、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  28. 注射用に製剤化される、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  29. 前記リポソームの粒子サイズは、D90で400-450nm±15nmである、請求項20に記載のリポソーム組成物。
  30. 第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含む脂質アルコール溶液を調製すること、
    バンコマイシン水溶液を調製すること、
    静的ミキサーを備えるマイクロ流体チャネル内で、前記脂質アルコール溶液を前記バンコマイシン水溶液と、バンコマイシンを封入している複数のリポソームを含む生成物を形成する流速で、混合すること、および、
    アルコールおよび封入されていないバンコマイシンを除去するために前記生成物を接線流濾過または透析に供すること、
    を含むバンコマイシンリポソーム組成物を製造する方法。
  31. 接線流濾過または透析の工程は、浸透圧調整剤を含む水溶液を用いて行われる、請求項30に記載の方法。
  32. 前記浸透圧調整剤は、スクロースである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記水溶液のpHは、pH5.5以下である、請求項31に記載の方法。
  34. 前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、請求項30に記載の方法。
  35. 前記第1および/または前記第2の脂質成分は、ホスファチジルコリン部分を含む、請求項30に記載の方法。
  36. 前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項30に記載の方法。
  37. 前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項30に記載の方法。
  38. 前記PEG化ジグリセリドは、分子量2000±200のPEG鎖を含む、請求項30に記載の方法。
  39. 前記PEG化ジグリセリドは、少なくとも1つのC14:0脂肪酸部分を含む、請求項30に記載の方法。
  40. 前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンである、請求項30に記載の方法。
  41. 前記リポソームは、前記第1および前記第2の脂質成分を含む、請求項30に記載の方法。
  42. 前記第1および第2の脂質成分対コレステロールの比は、3.0:1および3.4:1の間である、請求項30に記載の方法。
  43. 前記第1および第2の脂質成分対前記PEG化ジグリセリドの比は、10:1および20:1の間である、請求項30に記載の方法。
  44. 前記脂質アルコール溶液は、エタノールを含む、請求項30に記載の方法。
  45. バンコマイシン製剤の腎毒性を減少させる方法であって、
    前記バンコマイシンを第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含むリポソーム中に封入することを含み、
    前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含む、
    方法。
  46. 前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、請求項45に記載の方法。
  47. 前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンであり、および/または前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項45に記載の方法。
  48. 前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である、請求項45に記載の方法。
  49. 前記腎毒性の減少は、同量の非リポソーム化バンコマイシンの投与と比較した腎毒性を示す、尿中バイオマーカーの減少によって測定される、請求項45に記載の方法。
  50. 前記腎毒性の減少は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも10%の減少である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記腎毒性の減少は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも30%の減少である、請求項49に記載の方法。
  52. 前記腎毒性の減少は、前記尿中バイオマーカーの測定値の少なくとも50%の減少である、請求項49に記載の方法。
  53. 前記尿中バイオマーカーは、KIM-1またはクラステリンである、請求項49~52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記減少した腎毒性は、組織病理学的マーカーを使用して決定される、請求項45に記載の方法。
  55. 前記組織病理学的マーカーは、尿細管細胞損傷である、請求項54に記載の方法。
  56. バンコマイシンの薬物動態パラメータを増加させる方法であって、
    前記バンコマイシンを、第1の脂質成分、任意の第2の脂質成分、コレステロール、およびPEG化ジグリセリドを含むリポソーム中に封入することを含み、
    前記第1の脂質成分は、C14:0脂肪酸部分を含み、前記第2の脂質成分は、C16:0脂肪酸部分を含み、
    前記薬物動態パラメータは、血清中のバンコマイシンの最大濃度(Cmax)、経時的な血清中のバンコマイシン濃度(AUC)、およびバンコマイシンの血清の半減期(T1/2)からなる群から選択される、
    方法。
  57. 前記リポソームの粒子サイズは、D50で240nm±15nmである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記第1の脂質成分は、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンであり、および/または前記第2の脂質成分は、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンである、請求項56に記載の方法。
  59. 前記PEG化ジグリセリドは、1,2-ジミリストイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレンであり、前記PEG化ジグリセリド中のPEG鎖の分子量は、2000±200である、請求項56に記載の方法。
  60. maxは、少なくとも5倍増加する、請求項56に記載の方法。
  61. maxは、少なくとも10倍増加する、請求項56に記載の方法。
  62. AUCは、少なくとも30倍増加する、請求項56に記載の方法。
  63. AUCは、少なくとも60倍増加する、請求項56に記載の方法。
  64. 1/2は、少なくとも2倍増加する、請求項56に記載の方法。
  65. 1/2は、少なくとも4倍増加する、請求項56に記載の方法。
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