JP2022537446A - 圧迫包帯及び圧迫包帯の組み合わせ - Google Patents

Abstract

本発明は、ステッチボンディング方法により弾性繊維糸でオーバーステッチされた不織布ベースの包帯層を備える圧迫包帯であって、繊維糸が熱収縮性であり且つ非エラストマー性であり、圧迫包帯は、繊維糸を５０～２００％、特に５０～９０％、特に５０～７０％熱収縮させた後に伸展性を有する圧迫包帯に関する。本発明はまた、圧迫包帯の組み合わせに関する。

Description

本発明は圧迫包帯に関し、また２つの層を含む圧迫包帯の組み合わせに関する。

圧迫包帯が、従来技術において、例えば糖尿病性潰瘍に使用されている。ここでの問題は、その臨床状況が、異なる難題に不可避的に取り組まなければならないことを意味することであり、すなわち、治療対象の四肢に、一方では十分な圧迫感を、他方ではクッション効果を提供しなければならない。

したがって、パディングを当てて、その上に圧迫包帯を巻く場合があるかもしれない。しかしながらそれ以上に、同時の動脈閉塞症は禁忌症であるという共通の見解がある。

圧迫療法では、「作動圧」と「安静圧」を基本的に区別しており、安静圧とは、四肢が静止しているときに圧迫デバイス（この場合は圧迫材）によって四肢にかかる圧力のことである。そして作動圧とは、筋肉が動かされているときに四肢に及ぼされる圧力である。作動圧は、安静圧よりも２０～４０ｍｍＨｇ高いことが望ましい。

異なるタイプの包帯を使用することも同様に知られている。例えば、いわゆるロングストレッチ包帯が知られており、これは非常に高い弾性を示し、しばしば２００％を超える伸展性を有する一方、対照的にショートストレッチ包帯が知られており、これは低い伸展性と低い反動力しか有していないが、非常に初期の段階でもそれ以上の伸展を許さず、したがって比較的高い作動圧を構築することができる。他方、ショートストレッチ包帯は、比較的長いスパンで低い抵抗力しか構築せず、それにより伸展性の限界が非常に高くなる。従来のショートストレッチ包帯による圧迫療法は、静脈疾患の治療に用いられる措置である。ショートストレッチ包帯の材料は、一般的には非弾性材料から作られ、仕上げプロセスを介して弾性にされる。しかしながら、治療の間、弾性が著しく低下する。これにより、使用時の圧迫圧力が低下する可能性がある。

既知の圧迫包帯は、例えば欧州特許出願公開第２ ２７５ ０６２ Ａ２号明細書に記載されており、これには、細長い弾性基材及び、この基材の皮膚に面した側に配置された細長い発泡層を有する内側の皮膚に面した弾性包帯と、この上に適用されたさらなる細長い自己凝集性の弾性包帯とが記載されている。

さらに、独国実用新案第２０ ２０１２ ０００ ５２９ Ｕ１号明細書には、支持、適合又は圧迫用のドレッシングが開示されており、このドレッシングはここでは、少なくとも４つの層と、反動力を発生させ、穿孔を有する張力調整層とを有し、残りの層は、穿孔を介して互いに固定されている。４つの層が提供された結果、ドレッシングは比較的高価で複雑である。

さらに、国際公開第２０１４／１３１９７６ Ａ２号パンフレットを参照すべきであり、これは、同様に、弾性の帯を取り囲み、それと接合されている非弾性層を備える弾性包帯に関する。

独国特許出願公開第１０ ２０１５ ２２６ ７０６ Ａ１号明細書は、ステッチボンディングプロセスによって互いに接合されたパディング層及び支持層を有する圧迫ドレッシングを開示しており、その上に第２の圧迫ドレッシングを適用することができる。

代替的に圧迫ドレッシングとも呼ばれる圧迫包帯、及び高い装着の安全性を有すると同時に良好な治療特性を有する圧迫包帯の組み合わせを提供することが望ましい。

層又はプライという用語が使用される場合、それらは同じものを意味する。

この先行技術から出発して、本発明は、請求項１の特徴を有する圧迫包帯、及びまた請求項９の圧迫包帯の組み合わせによって目的を達成する。

圧迫包帯は、弾性繊維糸によってステッチボンディングプロセスによってオーバーステッチされた不織布ベースの包帯層を備え、繊維糸は熱収縮性であり且つ非エラストマー性であり、圧迫包帯は、繊維糸が５０～２００％熱収縮された後、弾性伸展性を有し、好ましくは繊維糸の熱収縮率は５０～９０％であり、さらに好ましくは熱収縮率は５０～７０％である。熱処理の結果、ステッチボンディングプロセスによって不織布中に加工された熱収縮性繊維糸は、収縮して短くなる。これはまた、不織布の構造全体を短くし、それによって、反動力及び伸張弾性特性が保たれる。収縮は、好ましくは縦方向に起こる。ステッチボンド不織布の熱収縮処理は、熱風（１３０℃～２００℃）又は蒸気（１００℃～１４０℃の飽和蒸気又は加圧蒸気）で行うことが好ましい。

圧迫包帯は、好ましくは９０％未満の反動値を有する包帯である（ＤＩＮ ６１６３２）。

第１の例示的な実施形態において、包帯層は、化学的、熱的及び／又は機械的に一体化された不織布からなり得、特にサーマルボンド不織布であり得る。

ベース不織布は、好ましくは、綿、ウール、ビスコース、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、又は前記繊維の混合物から構成された繊維状不織布（ステープル繊維不織布）であり得、特にそれらから形成することができ、これらの不織布は特に機械的又は化学的に接合されている。或いは、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、又はそれらの混合物から構成されたスパンボンドを好ましく使用することができる。

好ましくは、熱収縮性繊維糸は、テクスチャード加工されたマルチフィラメントヤーン、二成分ポリマー繊維、及びマイクロファイバーであり得る。特に、繊維糸はテクスチャード加工されたポリアミドヤーン及び／又はテクスチャード加工されたポリエステルヤーンであり得る。縫い糸は、特に、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンフタレート、又はポリブチレンフタレート、或いはこれらの混合物から構成された７８ｄｔｅｘ～３２０ｄｔｅｘのテクスチャード加工されたマルチフィラメントヤーンであり得る。特に、ポリアミド６～６．６を使用することができる。

熱収縮性繊維糸を含まない不織布自体は、非弾性又は伸張弾性であることが可能である。

好ましくは、圧迫包帯は凝集性の設計であり得る。

包帯層の目付量は２０～４０ｇ／ｍ^２であり、白色と有色の両方の包帯層を使用することができる。

包帯層は、平滑なもの、開孔されたもの、有孔のもの、又はエンボス加工されたものであり得る。

オーバーステッチには、包帯幅１ｃｍあたり７４～９６本の糸の縫い糸密度が使用される。好ましい縫い糸の縫い目の長さは２～５ｍｍである。

縫い糸の結合として、オープン及びクローズドフリンジの両方、又はトリコット結合、又はそれらの組み合わせを考慮することができる。この圧迫包帯は、凝集性コーティングのない状態で２５～２８ｇ／ｍ^２（伸張時）、凝集性コーティングされた形態で３０～１００ｇ／ｍ^２（伸張時）の目付量を有する。

ＤＩＮ ６１６３２に準拠した３Ｎ／ｃｍの力での伸展性は、縦方向（ＭＤ）で４０～１００％、横方向（ＣＤ）で０～５０％である。

本発明はまた、第１の内側包帯と第２の外側包帯とを含む圧迫包帯の組み合わせを含み、第２の外側包帯は、使用時に第１の内側包帯の上に適用することができる。

人間又は動物の体に圧迫ドレッシングとして使用するこの種のマルチプライドレッシング（多層ドレッシング）が知られている。このドレッシングは、少なくとも２つの別々の異なる包帯を体の一部に連続的に巻き付けることによって作られる。この場合、内側包帯をパディング包帯として設計し、それを内側の層として体の一部の皮膚に直接巻き付け、その上に圧迫包帯を配置し、それを外側の層として第１の内側の包帯の上に連続的に巻き付け、それによって２つの層が互いに接着し、滑らない接合を形成することが既知の実践である。

第１の内側包帯は、少なくとも着用者の皮膚に面する側にパディング層を有する好ましくは第１のセクション（Ｌ１）を備え、及び特に、凝集的に接着する第２のセクション（Ｌ２）を有し、第２の外側包帯は、上述したタイプの圧迫包帯である。圧迫包帯の組み合わせは、特に、第１の包帯（構成要素Ａ：パディング包帯）と第２の包帯（構成要素Ｂ：本発明の圧迫包帯）を含む、固定された圧迫圧力を有する２層の圧迫ドレッシングであり、構成要素Ａが最初に体の一部に適用され、次に構成要素Ｂがその上に巻き付けられ、この層ＡとＢの組み合わせが体の一部に固定された圧迫圧力を加える。特に、本発明は、慢性静脈不全又は慢性静脈性潰瘍などの静脈性疾患だけでなく、末梢動脈閉塞性疾患（ＰＡＯＤ：ｐｅｒｉｐｈｅｒａｌ ａｒｔｅｒｉａｌ ｏｃｃｌｕｓｉｖｅ ｄｉｓｅａｓｅ）又はいわゆる混合性潰瘍などの動脈性病変を伴う疾患を治療するための圧迫包帯を含む。

本発明はそれにより、限られた定義された治療圧力を有する２つの別々の弾性ショートストレッチ包帯を含む医療用多構成要素圧迫ドレッシングのさらなる技術的課題を解決するものである。その低反動力とその結果としての限定された接触圧力の結果として、それら構成要素の組み合わせは出発材料の創出を可能にし、その主な機能は末梢動脈閉塞性疾患の治療のための圧迫包帯である。

下腿部の圧迫療法は、静脈性下腿潰瘍（ＶＬＵ：ｖｅｎｏｕｓ ｌｅｇ ｕｌｃｅｒ）を含む慢性静脈不全（ＣＶＩ：ｃｈｒｏｎｉｃ ｖｅｎｏｕｓ ｉｎｓｕｆｆｉｃｉｅｎｃｙ）の治療の基礎となる治療法の１つである。多くのレビューやガイドラインにおいて、この治療法の有効性は、潰瘍の治癒や再発予防に関するレベル１のエビデンスによって証明されている。しかしながら、同時に、この文献には、末梢動脈閉塞性疾患（ＰＡＯＤ）は相対的禁忌とみなし、進行したＰＡＯＤは絶対的禁忌とみなすべきであることを示唆する証拠がある。この情報をより具体的に表現すると、ドップラー指数（ＡＢＩ）が０．６未満、或いは０．８未満であれば絶対的禁忌であるとする著者もいる。しかしながら、観察研究では、下腿潰瘍とＰＡＯＤ（ＡＢＩ ０．５～０．８）を持つ患者に中程度の圧迫（３０ｍｍＨｇ）を１４日間行っても合併症はなく、良好な忍容性を示している。下腿潰瘍とＰＡＯＤ（ＡＢＩ ０．５～０．８）を併発したＣＶＩでは、動脈血流はショートストレッチ圧迫によって損なわれず、静脈ポンプ機能の低下は、特に歩行時に改善される。ＰＡＯＤ（ＡＢＩ ０．５～０．８）があっても、４０ｍｍＨｇ未満の圧迫によるＶＬＵの治療は問題なく可能であるが、治癒は遅れる。動静脈性潰瘍（ＡＢＩ＞０．６）では、４０ｍｍＨｇまでのショートストレッチ圧迫で動脈血流と静脈ポンプ機能が改善する。要約すると、ＡＢＩ（限界）値が約０．５までのＰＡＯＤを併発していても、問題のない圧迫療法が可能であると思われる。本発明の圧迫包帯及び圧迫包帯の組み合わせは、最大伸展時でも４０ｍｍＨｇ未満の最大圧迫圧力を確保することができる。

したがって、本発明は、末梢動脈閉塞性疾患を併発していても、静脈障害、慢性静脈不全、及び静脈性下腿潰瘍を治療するための圧迫ドレッシング又は圧迫包帯の組み合わせを作るための本発明の圧迫包帯の使用も含む。

第１の内側包帯の２つのセクション（Ｌ１、Ｌ２）は、互いに接合され、包帯の縦方向に互いに隣接しているか、又は完全に又は部分的に互いに覆っている。

さらに、第１の包帯は、第１のパディング層と第２の支持層を含み得、２つの層は弾性のある縫い糸を介したステッチボンディングプロセスによって未伸張状態で互いに接合され、縫い目の長さは１．５～３ｍｍ／回転で、縫い糸の張力は４ｃＮ以下である。弾性のある糸、好ましくはゴム糸又はポリウレタン糸を組み込むことにより、弾性を調整することができる。例えば、Ｍａｌｉｗａｔｔステッチボンディング技術を用いて、縦方向に永久弾性エラスタン糸を用いて剛体単層不織布をオーバーステッチすることにより、弾性を得ることができる。Ｍａｌｉｗａｔｔステッチボンディング技術は、Ｍａｌｉｍｏ ｓｔｉｔｃｈ－ｂｏｎｄｉｎｇ ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｐｌｏｃｈ，Ｂｏｅｔｔｃｈｅｒ，Ｓｃｈａｒｃｈ，ＶＥＢ Ｆａｃｈｂｕｃｈｖｅｒｌａｇ Ｌｅｉｐｚｉｇ，１９７８，１ｓｔ ｅｄｉｔｉｏｎに記載されている。また、同じ技術を用いて、互いに重ねた２枚の不織布シート（布１：標準不織布、布２：フリース状不織布ワディング）を縫い合わせて、フリース状構造の弾性複合不織布材料を形成することもできる。

ステッチボンディングプロセスの利点は、接合が複数の箇所で同時にできること、及び接合後に２つの層がもはや分離されないことである。圧迫包帯又は内側包帯が製造される布地の縦方向の縫い目長さ（縫い目長さは、２つの縫い目の間の縫い目の縦方向の距離として理解される）、及び縫い糸の張力を選択することにより、もはや手で分離することはできないが、それにもかかわらず制御可能な２つの層の弾性複合体が得られるように、弾性複合体の弾性を調整することが可能である。これらのパラメータの選択に応じて、完成した布地は張力を解放したときに収縮し、この際材料にしわが生じる。

内側包帯の縫製技術と縫い糸の縫い目長さは以下のように調節される、すなわち、２つの層の複合体の一方の側にあるパディング層の繊維が、皮膚の快適性と補償機能を有し、その結果、最終的に内側包帯は、圧力を補償するために非常に機能的な、認識できるほど異なる２つの側を有するように調節される。さらに、縫い目の長さは、皮膚に面するパディング層の所望の吸収性と肌に優しい特性が維持されるように設定しなければならない。

パディング層とは、内側包帯の四肢に面する側のことで、支持層とは、それに適用される第２の側のことである。

内側包帯の層を接合するための、及び内側包帯又は圧迫包帯を製造するためのＭａｌｉｍｏ／Ｍａｌｉｗａｔｔプロセスは、先行技術で知られているようにここで使用される。例えば、Ｍａｌｉｗａｔｔ又はＭａｌｉｍｏステッチボンディング技術を用いて、恒久的に弾性のあるエラスタン糸で剛性不織布又は布地を縦方向にオーバーステッチすることにより、弾性を得ることができる。Ｍａｌｉｗａｔｔ／Ｍａｌｉｍｏステッチボンディング技術は、Ｍａｌｉｍｏ Ｎａｅｈｗｉｒｋｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅ，Ｍａｌｉｍｏ ｓｔｉｔｃｈ－ｂｏｎｄｉｎｇ ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｐｌｏｃｈ，Ｂｏｅｔｔｃｈｅｒ，Ｓｃｈａｒｃｈ，ＶＥＢ Ｆａｃｈｂｕｃｈｖｅｒｌａｇ Ｌｅｉｐｚｉｇ，１９７８，１ｓｔ ｅｄｉｔｉｏｎに記載されている。

内側包帯及び／又は外側包帯の材料、並びに包帯層（包帯が多層である場合）自体の一方又は両方は、特に非弾性であることができる。これにより、オーバーステッチによって提供される弾性を、特に正確に設定することが可能になる。弾性は、包帯の縦方向及び／又は横方向、好ましくは縦方向に存在し得る。

この設計により、多層包帯の場合に、２つの層をステッチボンディングプロセス、ここでは好ましくはＭａｌｉｍｏ／Ｍａｌｉｗａｔｔ方法によって接合し、層が弾性縫い糸によって未伸張状態で接合されることも可能である。

圧迫包帯（外側包帯）及び／又は内側包帯、そしてもし提供される場合、内側包帯の両方の層、すなわちパディング層及び支持層は、好ましくは、非弾性の設計であり得、ステッチボンディングプロセスによってのみ弾性にされてもよい。

さらに、内側包帯において、２つの層、すなわちパディング層及び支持層のうちの少なくとも１つが不織布材料で構成されている場合もあり得る。特に、フリース状の構造を持つ布は、単層又は多層のワディング状の不織布で構成され得る。

代替的に、しかしながら、内側包帯、特に内側包帯の一方又は両方の層に他の材料、例えば、織布、編布、又はかぎ針編みの布、又は発泡体を使用することも可能である。例えば、パディング層を不織布ワディングの層、特に熱融着不織布の層とすることも可能であり、これらの層は任意選択的にプレニードルされていてもよい。

サーマルボンドと熱融着の両方のプロセスにおいて、不織布の繊維はコーミングプロセスで特定の方向に横たえられ、テキスタイル機能化プロセスで不織布ロールの形態で調製され、さらなる処理のために温度安定化又は温度・圧力安定化される。熱融着プロセスでは、異なる融点を持つ繊維を熱風乾燥機で融着させる。サーマルボンドプロセスでは、加熱されたカレンダーロールの間で、熱と圧力によって繊維を融着させる。いずれの場合も、技術的な用途に理想的且つ好適な柔らかく均質な不織布が得られる。熱融着プロセスは圧力がかからないため、パディング層により適している。

最適なパディング効果を得るために、内側包帯のパディング層の厚さは、好ましくは０．３～１２ｍｍ、好ましくは０．４～６ｍｍ、さらに好ましくは０．５～３ｍｍ、より好ましくは０．６～１．２ｍｍであり得る。

内側包帯の支持層は、サーマルボンド不織布であり得る。サーマルボンド不織布は好ましくは低い伸展性しか持たず、同時に所望の剛性を有する。

圧迫包帯（外側包帯）の不織布材料は、同様に、好ましくはサーマルボンド不織布である。オーバーステッチのために、それぞれの包帯の不織布材料は、経編機に供給され、好ましくは、綿紡績クレープ糸、綿撚りクレープ糸、テクスチャード加工されたポリアミドヤーン、テクスチャード加工されたポリエステルヤーン、ゴム糸若しくはポリウレタンエラスタン糸、又はそれらの組み合わせから構成された群から選択される可能性のある弾性縫い糸を用いてオーバーステッチされ、複数の層がある場合には、一緒に接合される。圧迫包帯の製造に使用される材料は、非弾性の熱可塑性プラスチックであり、これらの熱可塑性プラスチックは、その紡績プロセスの結果として、エラストマーと比較して高い結晶構造を持つ傾向があるため、通常、弾性の布の製造には適していない。非晶質構造が存在しないため、エラストマーではそれとは対照的に良好な伸展性が確保される。

縫い糸は代わりに経糸とも呼ばれ得る。この糸は、経編機の機械方向に走り、それを横切って走らない。

内側包帯及び／又は圧迫包帯の完全に縫合された生地は、常に最適化された伸展を有し、指定された最適な伸展性に対応する内側包帯及び／又は圧迫包帯の最大の伸展性、及びこれを超える伸展が、伸展の限界によって制限されていることが特に好ましい。これにより、装着の安全性を大幅に高めることができる。なぜなら、経験の浅いユーザであっても、内側包帯及び／又は圧迫包帯を伸展限界まで最大限に伸張することができ、最大伸展性だけでなく、同時に最適な伸展、ひいては最適な圧迫圧力が達成され、内側包帯及び／又は圧迫包帯をこの最大限に伸張した状態で適用できるためである。

ステッチボンディングプロセスによるオーバーステッチの結果、縫合された布が長さ方向の組み立てによってさらに処理された後、張力が解放された状態の内側包帯及び／又は圧迫包帯は、結果として不規則な表面が形成されるように、波形に設定される。この不規則な表面の結果、補償層としての第１の機能と、調節可能な伸展性とそれによる装着の安全性の向上という第２の機能の他に、波形が、最大に伸張した状態でも完全には除去されない材料の山と谷から形成された表面パターンを生じさせ、その結果、治療に使用した場合、マッサージ又はドレナージ効果が追加的に得られることが達成される。

ショートストレッチ、ミディアムストレッチ、又はロングストレッチ包帯のカテゴリーへの分類は、伸展性に従って行われ、例えば、Ｐ．Ａｓｍｕｓｓｅｎ，Ｂ．Ｓｏｅｌｌｎｅｒ，Ｃｏｍｐｒｅｓｓｉｏｎ ｔｈｅｒａｐｙ：Ｐｒｉｎｃｉｐｌｅｓ ａｎｄ ｐｒａｃｔｉｃｅ，Ｕｒｂａｎ＆Ｆｉｓｃｈｅｒ ｉｎ Ｅｌｓｅｖｉｅｒ，２００４，１２１ページに見出すことができる。伸展性は、ここではＤＩＮ ６１６３２に従って決定される。

さらに、圧迫包帯（第２の外側包帯）は、ＤＩＮ ６１６３２に準拠して測定された伸展性が、Ｄ_ｆｉｘ＞９０％、特に４０％～８０％である場合もあり得る。

圧迫包帯の組み合わせを適用する際には、第１及び第２の包帯が完全に、特に端から端まで重なり、０からＤ_ｆｉｘの全伸展範囲にわたって互いに接着的に接合されていると有利である。

好ましくは両方の包帯は凝集的に接着する設計である。内側包帯の凝集的に接着する第２のセクション、同様に、それと相互作用する凝集的に接着する外側包帯により、滑らない接合を提供することができる。

凝集的な接着とは、例えば皮膚や衣服に接着しないことを意味し、接着は包帯の層間（表面同士）のみである。

接着力は、以下に記載する方法で決定される。

接着力とは、１８０°Ｔ字剥離試験と呼ばれる試験で、凝集性サンプルを剥離するのに必要な決定された力である。

凝集性コーティングされた生地を、張力やしわがない状態で横たえる。それから、幅１０ｃｍ、長さ４０ｃｍのサンプルを切り取る。４０ｃｍの長さのサンプルストリップを中間で切断し、２０ｃｍの長さの２つのストリップにする。

長さ２０ｃｍの２本のストリップを重ねて、第１のストリップの側Ａを第２のストリップの側Ｂに横たえる。このようにして調製したサンプルを加熱（４０℃）したステンレス鋼板の上に置き、加熱（４０℃）した金属ローラで３０秒間に合計４０回（前後に２０回）ロール掛けする。

金属ローラの重量は、サンプル幅１０ｃｍの場合は８ｋｇ、１０ｃｍ以外の場合はサンプル幅１ｃｍあたり０．８ｋｇとした。

次に、サンプルの層を分離するのに必要な力を、力伸び試験機（メーカー：Ｚｗｉｃｋ、Ｉｎｓｔｒｏｎ）で測定する。このとき、第１の層の端部を下側のジョーに、第２の層の他方の端部を上側のジョーにクランプし、サンプルが可能な限り反り返らないように、すなわち最小限の張力でジョーの間に配置されるようにして、「静止力」がかからないようにする。この配置は、１８０°Ｔ字剥離試験に相当する。測定のために、ジョーが互いに垂直方向に離れる方に移動し、作用している分離力（サンプルの瞬間的な接着に対応）が連続的に記録される。ジョーの移動距離で力を積分することで分離エネルギーを記録・算出し、このエネルギーから平均分離力＝接着力をｃＮ／ｃｍ単位で記録・算出する。この接着力は、実施例の数値データに対応している。

凝集的に接着している包帯セクション、また凝集的に接着している第２の包帯の接着力が２０～１５０ｃＮ／ｃｍ、より好ましくは３０～１００ｃＮ／ｃｍ、さらに好ましくは４０～８０ｃＮ／ｃｍであると、この文脈では特に有利である。

好ましくは、一方又は両方の包帯は、片側に接着剤の開孔被覆を有し、この表面から凝集性接着機能を生じさせる。圧迫包帯（外側包帯）の場合には、両側に凝集性コーティングを施すことも可能である。

構成要素（包帯）は、適用されると互いに接着し、相乗的な圧迫効果を発揮する。これは、身体の一部にかかる圧迫圧力の集合的な相互作用を意味すると理解される。多層構造ドレッシングは、さらに、恒久的なドレッシングとして装着されたときに、軽度の歩行性静脈及び動脈の高血圧の問題を解決することを意図している。

内側包帯を製造するために、超親水性又は超疎水性の不織布層と縫合されたサーマルボンド不織布層を含む不織布ベースの圧迫包帯を製造するプロセスが一例として挙げられる。サーマルボンド不織布は、プレニードルされてもよいウォータージェット不織布とともに未伸張の状態で経編機に供給される。経編機では、不織布（サーマルボンド）と超親水性又は超疎水性不織布が弾性材料で縫い合わされ、その結果、もはや手で分離することはできないが、それにもかかわらず制御可能な弾性複合体が得られる。完全に縫合された布地から形成されたパディング材は、常に最適化された伸展を有している。

最適化された伸展は、一般的に、弾性糸（紡績糸又は撚りをかけたクレープ糸の形態の高撚りの綿糸、テクスチャード加工されたポリアミド又はポリエステルヤーン、ゴム糸又はポリウレタン－エラスタン糸）を非弾性不織布、例えば剛性サーマルボンド不織布に組み込むことの結果である。弾性材料で不織布を縫う技術は、繊維が複合体の片側に補償層（パディング層）を形成し、従って高レベルの皮膚快適性を有するように、縫い目の長さと張力によって調節され、その結果、内側包帯自体が圧力補償のために非常に機能的な２つの認識できる異なる側を持つことになる。この層は、独国特許第１０２０１５２２６７０６号明細書に開示されているパディング層と同一である。

本発明は、より詳細には（構成要素Ｂ）、例えば、サーマルボンド不織布層と呼ばれる、化学剤によって、又は熱的若しくは機械的プロセスで一体化された自生的に結合された繊維表面と、弾性のある非エラストマーヤーンとを含む、本発明の不織布ベースの圧迫包帯を製造するためのプロセスに関する。サーマルボンド不織布層は、非エラストマー性の熱収縮性繊維糸を用いて、経編機で制御された引張力で、制御された伸張状態で縫合される。完全に縫合された布地から形成された圧迫材料は、常に最適化された伸展を有し、最適化された伸展は、非エラストマー糸（テクスチャード加工されたポリアミド又はポリエステルヤーン）と、非弾性不織布、例えば剛性サーマルボンド不織布を組み込んだ結果である。非エラストマー材料で不織布を縫合する技術と縫い目の長さは、その後の使用で１０～３０ｍｍＨｇの限定的な圧迫圧力が確実に達成されるように調節される。

縫合された布は、その後、長さ方向に組み立てることによって、さらに包帯に加工することができる。この包帯は、圧迫療法の補助具として、好ましくは２層の圧縮ドレッシングの第２（外側）層として使用することができる。

この圧迫包帯は、好ましくは、認識可能な２つの異なる側面を有する。

第２（外側）層として、包帯は全体の接触圧を調整し、必要な剛性を確保する。非エラストマー糸及び弾性糸は、本発明の圧迫包帯組成物が２０～４０ｍｍＨｇの圧力を下回らない、又は超えないことを保証する。この機能は、競合製品では作られていない。

本発明は、図面を参照して以下でより詳細に記載される。本発明のさらなる利点及び特徴は、他の出願書類から追加的に明らかになる。

本発明の圧迫包帯を製造するためのプロセスを示す。 本発明の圧迫包帯の組み合わせの第１の包帯を製造するためのプロセスを示す。

図１は、本発明の圧迫包帯を製造するプロセスを示し、前記包帯は本発明の圧迫包帯の組み合わせの外側包帯として機能することもできる。ここで、参照番号１０は、搬送装置４を介してステッチボンディング装置に供給される、供給される不織布材料、具体的にはサーマルボンド不織布材料を示す。参照番号１、２、及び３はステッチボンディング装置を示しており、これはＭａｌｉｗａｔｔ又はＭａｌｉｍｏプロセスによるオーバーステッチを行うための従来のステッチボンディング装置である。そのために、６で示されるローラを介して弾性のある縫い糸が供給される。オーバーステッチされた、したがって弾性のある不織布が、参照番号５で巻き取られる。その後、これを本発明の圧迫包帯に組み立てることができる。

第１の好ましい例示的な実施形態を以下の表に示す。
圧迫包帯の例示的な実施例：

図２は、不織布ワディングからなるパディング層２１及び支持層２２が、ここではロール材料からサーマルボンド不織布層として供給され、参照番号２４を有するたて編機によってステッチボンディングプロセスにおいて互いに接合される様子を最初に示している。これら２つの層は、事前にローラガイド２５を介して互いに固定される。ステッチボンディングプロセスは、フックを使って、それらの層を弾性のある縫い糸でオーバーステッチすることによって行われる。弾性のある縫い糸によって接合された材料は、次にさらなるローラガイド２６に通され、ローラ２７に巻き取られるが、縦方向にあらかじめ包帯に組み立てることが任意選択的に可能である。縫い糸は、弾性的に予め伸張された糸であり、これは所定の縫い目長さと所定の縫い糸張力で挿入されることにより、弾性材料の張力弛緩後に層状複合体（布地）の収縮をもたらす。

Claims (17)

1. ステッチボンディングプロセスにより弾性繊維糸でオーバーステッチされた不織布ベースの包帯層を備える圧迫包帯であって、前記繊維糸が熱収縮性であり且つ非エラストマー性であること、及び前記繊維糸を５０～２００％、特に５０～９０％、特に５０～７０％熱収縮させた後に、前記圧迫包帯が弾性伸展性を有することを特徴とする圧迫包帯。
2. 前記包帯層が、化学的、熱的及び／又は機械的に一体化された不織布からなり、特にサーマルボンド不織布であることを特徴とする、請求項１に記載の圧迫包帯。
3. 前記不織布が非弾性又は伸張弾性であることを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の圧迫包帯。
4. 前記繊維糸が、テクスチャード加工されたポリアミドヤーン及び／又はテクスチャード加工されたポリエステルヤーン及び／又はポリエチレンフタレート及び／又はポリブチレンテレフタレート又はそれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項１～３のいずれかに一項に記載の圧迫包帯。
5. 前記包帯層が、綿、ウール、ビスコース、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、又は前記繊維の混合物を含む繊維性不織布から形成され、特に前記繊維性不織布からなり、特に機械的又は化学的に結合されていることを特徴とする、請求項１～４のいずれか一項に記載の圧迫包帯。
6. 前記包帯層が、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、又は混合物から構成されたスパンボンドを含む、特に前記スパンポンドからなることを特徴とする、請求項１～４のいずれか一項に記載の圧迫包帯。
7. 前記ステッチボンディングプロセスにおける縫い目の長さが１回転あたり２～５ｍｍであり、縫い糸の張力が１０ｃＮ以下であることを特徴とする、請求項１～６のいずれか一項に記載の圧迫包帯。
8. ＤＩＮ ６１６３２に準拠して測定された前記圧迫包帯の伸展性が、縦方向（ＭＤ）に４０～１００％であることを特徴とする、請求項１～７のいずれか一項に記載の圧迫包帯。
9. 第１の内側包帯（１２）と第２の外側包帯とを含み、使用時に前記第２の外側包帯が前記第１の内側包帯（１２）の上に適用可能である、圧迫包帯の組み合わせであって、前記第１の内側包帯が、少なくとも着用者の皮膚に面する側にパディング層を有する第１のセクション（Ｌ１）と、凝集的に接着する第２のセクション（Ｌ２）とを備え、前記第２の外側包帯が、請求項１～８のいずれか一項に記載の圧迫包帯であることを特徴とする、圧迫包帯の組み合わせ。
10. 前記第１の内側包帯（１２）の２つの前記セクション（Ｌ１、Ｌ２）が、互いに接合されており、前記包帯（１２）の縦方向において互いに隣接しているか、又は完全に若しくは部分的に互いに覆い合っていることを特徴とする、請求項９に記載の圧迫包帯の組み合わせ。
11. 前記第１の包帯が第１のパディング層（１）と第２の支持層（２）とを備え、前記２つの層（１、２）が弾性のある縫い糸を介してステッチボンディングプロセスによって未伸張状態で互いに接合されており、前記縫い目の長さが１．５～３ｍｍ／回転で、縫い糸の張力が４ｃＮ以下であることを特徴とする、請求項９又は請求項１０に記載の圧迫包帯の組み合わせ。
12. 前記内側包帯の層（２１、２２）の一方又は両方の材料が非弾性であることを特徴とする、請求項９～１１のいずれか一項に記載の圧迫包帯の組み合わせ。
13. ２つの層（２１、２２）－前記パディング層（２１）及び前記支持層（２２）－のうちの少なくとも一方が不織布材料から構成されることを特徴とする、請求項９～１２のいずれか一項に記載の圧迫包帯の組み合わせ。
14. 前記パディング層（２１）が熱融着不織布であることを特徴とする、請求項９～１３のいずれか一項に記載の圧迫包帯の組み合わせ。
15. 前記第１の包帯及び第２の包帯が、完全に、特に端から端まで重なり、０からＤ_ｆｉｘの全伸展範囲にわたって互いに接着的に接合されていることを特徴とする、請求項１～１４のいずれか一項に記載の圧迫包帯。
16. 不織布ベースの包帯層が、ステッチボンディングプロセスにおいて弾性繊維糸によってオーバーステッチされ、前記オーバーステッチされた包帯層が、さらなるステップにおいて、前記繊維糸の収縮率が５０～２００％、特に５０～７０％になるような熱処理を受けることを特徴とする、請求項１～８のいずれか一項に記載の圧迫包帯の製造方法。
17. 末梢動脈閉塞性疾患を併発している場合でも、静脈障害、慢性静脈不全、及び静脈性下腿潰瘍を治療するための、請求項１～８のいずれか一項に記載の圧迫包帯。

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