JP2022537056A - 線維芽細胞及びその誘導体を用いた自己スペクトル障害及び関連ニューロン炎症の治療 - Google Patents

線維芽細胞及びその誘導体を用いた自己スペクトル障害及び関連ニューロン炎症の治療 Download PDF

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Abstract

広範性発達障害の処置に有用な物質の手段、方法、及び組成物が開示される。治療は、広汎性発達障害を有するなど、治療を必要とする患者における神経炎症及び/又は胃腸炎症の軽減のための線維芽細胞、改変線維芽細胞、及びその誘導体の使用を含む。線維芽細胞、改変線維芽細胞、及びそれらの誘導体は、自閉症スペクトル障害を有する患者の腸におけるインターロイキン-17産生を減少させるのに十分な頻度及び濃度で投与され得る。【選択図】図1

Description

本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年6月21日に出願された米国仮特許出願第62/864,503号の優先権を主張する。
(技術分野)
開示の実施形態には、少なくとも分子生物学、細胞生物学、神経生物学、及び医学の分野が含まれる。
自閉症は、新生児約150人に1人の割合で発生すると報告されており、流行の域に達している[1]。この病態に対する理解は進歩したもの、治癒的な治療介入は存在しない。現在行われている臨床試験は症状を標的とした様々な薬理学的アプローチと同様に、主として定型及び非定型抗精神病薬に焦点が当てられている[2]。医学的アプローチの多くは、子供を「薬漬けの歩くゾンビ」ようにするために、親及び患者の活動家グループから火災を引き起こしてきた[3]。したがって、自閉症の問題にアプローチするためには、新しい治療の方向性が切実に求められている。
自閉症スペクトラム障害(ASD)患者において、多数の解剖学的及び生理学的変化が報告されているが、それらの意義は議論の的である。Redcay及びCourchesneは、発達中の脳成長を定量化するために頭囲及びMRI評価を用いた15件の研究を概観した。彼らは自閉症の小児の脳の大きさは出生時にわずかに縮小し、生後1年以内に劇的に増大したが、その後プラトーに達するため、成人期までに患者の大半が正常範囲内にとどまることを見出した[4]。別の研究では、参加者70例(ASD患者45例、対照者25例)を対象とした1年間の縦断的MRI検査により、ASD患児の扁桃体は2~4歳の間に加速度的な速度で成長することが実証された[5]。年長児にも発達異常がみられるよう。例えば、平均年齢12歳の患者を対象とした研究では、自閉症の対照群13例と非自閉症の対照群7例のMRIスキャンが検討された。自閉症男児は被殻や前帯状皮質などの灰白質構造の異常な過成長と同様に、頭頂葉、側頭葉、後頭葉で最も著明な白質発達の異常な遅れを示すことが分かった[6]。自閉症との関連が指摘されているその他の異常としては、神経線維の発育減弱[7]、酸化ストレスの亢進[8~10]、アミロイド蛋白分解産物の高分泌[11]、顔検出や自動情動顔処理に関与する皮質下脳領域の利用能の低下などがある[12]。これらの多様な観察は、共通の基礎となる生物学的テーマに統合することが困難であった。
ASDの神経発達障害には、異常な免疫活性が関与している。ASDの小児のコホートを対象とした最近の研究では、クローン病(CD)で認められるものと同様のASD関連の全身性及び腸の免疫調節異常が示された。CDは活性化1型ヘルパーT細胞によって駆動される消化管の慢性炎症性疾患であり、腸内微生物叢(3a)の正常な構成成分に対する無調節な粘膜免疫応答に起因する。
炎症とASDとの関連性を支持する初期の示唆は、腹痛などの消化器症状のほか、下痢及び便秘がASD患者では年齢をマッチさせた対照群と比較して有意に多いという観察結果によってなされた。例えば、ある研究では、ASD患者の9人~70%に1つ以上のGI症状が認められた[13]。この研究における有病率の大きなばらつきは、ASD及びGI症状の定義が異なることに起因していた。ASD GI症状の特異的な症状は、その性質が炎症性腸疾患と類似していることが報告されている。例えば、HorvathとPerman[14]は、上部腸管と下部腸管の両方に炎症が存在するだけでなく、肝臓の硫酸化能、病的な腸管透過性、静脈内セクレチン注射に対する分泌反応の亢進、消化酵素活性の低下にも注目した。著者らは、これらの症状発現が退行行動と相関すると思われることを観察した。GI異常の存在はかなり確立されているが、その発現はきわめて不均一であることに注意することが重要である。例えば、Molloyらは137人の自閉症患者を調査し、少なくとも1つの慢性消化器症状の病歴があるのはわずか24%であり、最も一般的な症状は下痢であり、17%に発現したことを明らかにした[15]。しかしながら、消化管の病理を経験している患者のサブセットは、実際にはより重症の型のASDに苦しんでいることを示唆するいくつかの示唆がある。例えば、Nikolovら[16]は172例の自閉症患者を対象に試験を実施し、そのうち39例(22.7%)が主に便秘及び下痢などのGI症状を示した。消化管症状を発現した患者のうち、過敏性、不安、社会的引きこもりの尺度でより大きな症状の重症度が観察された。
議論の余地はあるもの、リンパ球浸潤、補体沈着、サイトカイン産生を特徴とする慢性回結腸リンパ様結節性過形成という形態の粘膜病変が自閉症児に特異的に報告されているが、健常対照者や脳性麻痺患者には認められていない[17、18]。この限局性炎症の可能性のある症状は、自閉症患者[19]及びASD患者の第一度近親者において多数のグループによって実証されている「漏出性腸症候群」である[20]。最近の1件の研究では、ASD患者58人と年齢をマッチさせた対照39人が調査された。自閉症患者は、総短鎖脂肪酸のレベルがはるかに低く、Bifidobacter種の数が少なく、Lactobacillus種のレベルが高い細菌叢の異常が認められることがわかった。さらに、本研究では、消化管炎症の亢進が自閉症状の重症度と正の相関を示すことも確認された[21]。興味深いことに、漏出腸管は実際には炎症の結果であるだけでなく、エンドトキシンの全身放出を介して発現する伝播因子である可能性を示す証拠がいくつかある[22]。臨床的エビデンスは不足しているが、プロバイオティクスが腸内環境を変化させ、限局性炎症を減少させる可能性があるという考えは最近の米国の調査で、補完医療専門医の5分の1までがASDの小児に対してプロバイオティクスの使用を奨励していると報告されている点で、多数の臨床医に受け入れられている[23]。そのようなものとして、ASDのための非炎症性基礎に取り組むことが当該技術分野において必要とされている。
本開示は、個体における1つ以上の広汎性発達障害の処置又は予防のためのシステム、方法、及び組成物を対象とする。本開示の実施形態によって治療される広汎性発達障害には、例として、自閉症、アスペルガー病、小児崩壊性障害、又は他に特定されない広汎性発達障害(PDD-NOS)などのRett症候群及び/又は自閉症スペクトル障害が含まれ得る。個体は、広汎性発達障害の1つ以上の原因及び/又は1つ以上の症状を軽減する1つ以上の組成物を投与され得る。いくつかの実施形態では、個体に投与される1つ以上の組成物が個体におけるTNF-α及び/又はインターロイキン(IL)-17を阻害又は低減し得る。特定の実施形態では、個体に投与される組成物が(例えば、血管系の細胞に分化することによって、及び/又は栄養支持を提供することによって)血管形成を刺激し、かつ/又は(歯状回及び/又は脳室下帯を含む)神経形成を刺激し得る。
本開示の組成物は、細胞、細胞の誘導体、細胞のアポトーシス体、細胞の断片、又はそれらの組み合わせを含み得る。この組成物は、線維芽細胞、線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞のアポトーシス体、又はそれらの組み合わせを含み得る。線維芽細胞を含む本開示の細胞は、CXCR4を発現し得る。本開示の細胞は、一例として、同様の起源の間葉幹細胞におけるCXCR4の発現よりも高いCXCR4の発現を有し得る。いくつかの実施形態では、アポトーシス体が線維芽細胞などの細胞を、紫外線及び/又は増感剤などの1つ又は複数のDNA損傷剤に曝露する(UVへの曝露後に細胞へのDNA損傷を増大させる)ことによって生成されてもよい。例えば、増感剤は、放射線のDNA損傷及び/又は細胞死誘導能力を増大させることができる化合物と考えることができる。一実施形態ではUV照射が8-ソラレンと一緒に利用され、ここで、請求項8-ソラレンは増感剤である。ソラレン(ソラレンとも呼ばれる)は、直鎖フラノクマリンとして知られる天然に存在する有機化合物のファミリーにおける親化合物である。これは、縮合フラン環の付加によってクマリンに構造的に関連し、そしてウムベリフェロンの誘導体と考えられ得る。ソラレンは、Psoralea corylifoliaの種子、ならびに一般的なイチジク、セロリ、パセリ、西インドのサテンウッド、及びすべてのカンキツ果実に天然に存在する。乾癬、湿疹、白斑、皮膚T細胞リンパ腫に対するPUVA(ソラレン+UVA)治療に広く用いられている。
本開示の細胞は、骨髄、胎盤マトリックス、脂肪組織、月経血、子宮内膜、筋肉、循環血液、臍帯血、又はそれらの組合せを含む任意の供給源由来であってよい。細胞は、本開示の個体に関して、自己供給源又は同種供給源に由来し得る。線維芽細胞の誘導体及び/又はアポトーシス体を含む、細胞の誘導体及び/又はアポトーシス体は、本開示の他の細胞と同系であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物はキットを含む。
本開示の個体に投与される組成物は、線維芽細胞ならし培地を含む細胞ならし培地を含み得る。
上記は、以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴及び技術的利点をかなり広く概説した。本明細書の特許請求の範囲の主題を形成する追加の特徴及び利点を以下に説明する。開示された概念及び特定の実施形態は本設計の同じ目的を実行するために他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。また、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に記載される精神及び範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本明細書に開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴はさらなる目的及び利点とともに、動作の構成及び方法の両方に関して、添付の図面と関連して考慮される場合、以下の説明からより良く理解される。しかしながら、各図は、例示及び説明の目的のためだけに提供され、本開示の限定の定義として意図されないことが明確に理解されるべきである。
本開示をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
図1は、コントロール生理食塩水、バルプロ酸(VPA)、又はVPAに暴露され、続いて線維芽細胞に暴露された自閉症スペクトル障害の試験されたモデルを示す(棒グラフの群において、左から右へ)。
定義
「同種異系」は、本明細書中で使用される場合、宿主の細胞と遺伝的に異なる同じ種の細胞をいう。
本明細書で使用される「自己」は、同じ対象に由来する細胞を指す。本明細書で使用される用語「移植片」は、組織の既存の細胞との接触を介して、インビボで関心のある組織に幹細胞を組み込むプロセスを指す。
本明細書で使用されるように、1つ又は複数の関心値に適用され用語る「ほぼ」又は「約」は、述べられた基準値に類似する値を指す。特定の実施形態では、用語「おおよそ」又は「約」は、特に明記しない限り、又は文脈から明らかでない限り、明記された基準値のいずれかの方向(より大きい又はより小さい)に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、6%、4%、3%、2%、1%、又はそれ以下に該当する数値の範囲を指す(ただしその数値が可能値の100%を越える場合であることを除く)。
本明細書で使用される場合、用語「担体」及び「希釈剤」は、医薬製剤の調製に有用な薬学的に許容される(例えば、ヒトへの投与のために安全かつ非毒性である)担体又は希釈物質を指す。例示的な希釈剤には、滅菌水、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、滅菌生理食塩水、リンゲル液又はデキストロース溶液が含まれる。
本明細書中で使用される場合、用語「投薬形態」及び「単位投薬形態」は、処置される個体についての治療剤の物理的に別個の単位をいう。各ユニットは、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含有する。しかしながら、組成物の総投与量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されるであろう。
本明細書で使用される「投薬レジメン」(又は「治療レジメン」)は、典型的には期間によって分離された、対象に個別に投与される単位用量(典型的には2つ以上)のセットである。いくつかの実施形態では、所与の治療剤は、1つ以上の用量を含み得る推奨される投薬レジメンを有する。いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、それぞれが同じ長さの期間だけ互いに分離される複数の用量を含み、いくつかの実施形態では、投薬レジメンは、複数の用量と、個々の用量を分離する少なくとも2つの異なる期間とを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、所定の期間にわたって連続的に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、1日1回(QD)又は1日2回(BID)以上投与される。
用語「有効量」又は「治療有効量」は、治療されている病態の1つ以上の症状を治療、阻害、又は軽減するために、又はそわなければ所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を提供するために充分な用量を手段する。正確な投与量は被験体依存変数(例えば、年齢、免疫系の健康など)、疾患、及び投与される治療などの様々な因子に応じて変化するであろう。
用語「自然免疫応答」は、当業者が他の生物による感染から宿主を非特異的な方法で防御する細胞及び機構、すなわち、自然免疫系の細胞が病原体を一般的な方法で認識し、それに応答するが、適応免疫系とは異なり、宿主に長期持続性又は防御免疫を付与しないことによって、影響を受けることが理解されるであろう。自然免疫反応の細胞には、マクロファージ、好中球、樹状細胞、好塩基球、好酸球などの食細胞、ナチュラルキラー細胞、及びγδT細胞などが含まれる。また、補体系も自然免疫系の構成要素の一つをなしている。自然免疫応答は、適応免疫応答を誘導することができる。本開示のいくつかの実施形態では、線維芽細胞、及び/又は線維芽細胞の誘導体の投与は、慢性炎症を軽減し、貧血を減少させるように鉄利用を刺激するために使用され得る。自閉症は、より高い自然免疫応答と関連しており、線維芽細胞は、本開示においてこれを減少させる。
細胞、改変細胞、細胞の誘導体、アポトーシス体、及び条件培地
開示の特定の態様は、上記障害に関連する炎症を含む広汎性発生障害の治療のための、細胞(線維芽細胞を含む)、変性細胞(変性線維芽細胞を含む)、細胞の誘導体(線維芽細胞の誘導体を含む)、細胞からのアポトーシス体(線維芽細胞からのアポトーシス体を含む)、及び/又は細胞からの調整培地の使用に関する。細胞、改変細胞、細胞の誘導体、細胞由来のアポトーシス体、及び/又はならし培地は、1つ以上の抗炎症因子を含み得るか、又は産生し得る。該細胞、変性細胞、細胞の誘導体、細胞からのアポトーシス体、及び/又は馴化培地は、活性化マクロファージによって産生されるTNF-αを含むIL-17及び/又はTNF-αを抑制、減少、又は阻害し得る。線維芽細胞及び/又は変性線維芽細胞は、同様の起源の間葉系幹細胞よりも高いレベルでCXCR4を発現することを含めて、CXCR4を発現することができる。
本明細書に包含される方法及び開示において利用される線維芽細胞は、骨髄、胎盤マトリックス、脂肪組織、月経血、子宮内膜、筋肉、循環血、臍帯血、及びこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の供給源に由来し得る。
いくつかの実施形態では、胎盤線維芽細胞を含む任意の種類の線維芽細胞がOct-4、Rex-1、CD9、CD13、CD29、CD44、CD166、CD90、CD105、SH-3、SH-4、TRA-1-60、TRA-1-81、SSEA-4、Sox-2、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上の抗原の少なくとも発現に基づいて、本開示の特定の実施形態について同定される。1つ以上の抗原を発現することが同定されるか、又はそわなければ公知である線維芽細胞は、本開示の方法及び組成物において利用され得る。
特定の実施形態において、骨髄線維芽細胞は、骨髄から単離され得、そして1つ以上の広汎性発生障害の処置又は予防に関連する方法及び組成物において利用され得る。骨髄線維芽細胞は、内皮細胞、平滑筋細胞、及びニューロン細胞の1つ以上の細胞型に分化可能な集団を含む、骨髄由来単核細胞から生成され得る。いくつかの実施形態において、骨髄線維芽細胞は、以下の抗原:CD34、c-kit、flk-1、Stro-1、CD105、CD73、CD31、CD56、CD146、血管内皮-カドヘリン、CD133及びCXCR-4の1つ以上の発現に基づいて選択され得る。
本開示の特定の実施形態において、線維芽細胞は、羊水又は羊膜から採取される。羊膜由来線維芽細胞は、マッチングに続いて、未精製の様式で治療的に利用され得る。羊膜線維芽細胞は自閉症に罹患している患者において、局所的に、筋肉内に、又は全身的に投与される。他の実施形態では、羊膜線維芽細胞がSSEA-3、SSEA4、Tra-1-60、Tra-1-81及び/又はTra-2-54などのマーカーの発現に基づいて実質的に精製され、続いて投与される。いくつかの実施形態において、細胞はHaasに対する米国特許出願第10/918,739号に記載されているように、培養され、その開示は参照により本明細書に組み込まれ、拡大され、その後、個体に投与される(例えば、注入によって)。羊膜線維芽細胞は、以下の参考文献[31~33]に記載されている。羊膜線維芽細胞の特定の態様の1つは、間葉系前駆細胞及び内皮前駆細胞の両方であるため、血管形成機能と同様に抗炎症機能を可能にする[32,34]ため、今回の開示の特定の態様の実践に使用しやすくするかもしれない。この特性は血管形成から恩恵を受けるであろう自閉症の個人の治療に有用であるが、線維芽細胞の抗炎症作用からも有用である。羊水線維芽細胞の使用は、低酸素が変性過程を持続させることが知られている虚血関連病態及び/又は炎症状態などの状況において特に有用である。
いくつかの実施形態では、線維芽細胞は、酵素消化、機械的分離、濾過、遠心分離、又はそれらの組み合わせにより、身体組織の試料又は生検から単離される。単離された線維芽細胞の数及び質は、例えば、使用される組織の質、潅流緩衝液の組成、及び/又は酵素の型及び濃度に依存して変化し得る。頻繁に使用される酵素としては、コラゲナーゼ、プロナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ、ヒアルロニダーゼ、サーモリシン及びパンクレアチン、ならびにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。コラゲナーゼは最も一般的に使用され、しばしば細菌(例えば、ヒストリチカム菌(Clostridium histolyticum)由来)から調製され、そしてしばしば、一貫しない酵素作用を有し得る、酵素の十分に精製されていないブレンドからなり得る。酵素のいくつかはプロテアーゼ活性を示し、これは生存可能な/健康な線維芽細胞の質及び量に影響を及ぼす望ましくない反応を引き起こし得る。生存可能な線維芽細胞集団を得るために十分な純度及び品質の酵素を使用することは、当業者によって理解される。
本開示の特定の方法は、ヒト組織試料から得られる線維芽細胞の培養に関する。いくつかの実施形態において、線維芽細胞の集団は、ガラス基板上にプレーティングされる。本開示において、線維芽細胞は、それへの細胞の接着を可能にするガラス基板上にプレーティングされ得る。これは、例えば、細胞接着に適合する1つ以上のガラス基板表面を示す培養プレート中に細胞をプレーティングすることによって実施され得る。上記1つ以上のガラス基板表面が培養系に導入された細胞の懸濁液(例えば、培地中の懸濁液)と接触すると、細胞とガラス基板表面との間の細胞接着が起こり得る。したがって、特定の実施形態では細胞がプレートされた細胞が上記基板表面に接触することができるように、細胞の接着と一般に適合する少なくとも1つの基板表面を特徴とする培養システムに導入され、そのような実施形態は基板上にプレートすることを含み、基板は基板への細胞の接着を可能にする。接着性細胞培養物を維持する一般的な原理は、当該分野で周知である。当業者によって理解されるように、線維芽細胞は、所望の密度での細胞のその後のプレーティングを容易にするために計数され得る。本発明のように、プレーティング後の細胞が培養系(例えば、培養容器)中に存在する基質表面に主に付着し得る場合、プレーティング密度は、上記基質表面のmm又はcm当たりにプレーティングされた細胞の数として表され得る。本開示の実施において、線維芽細胞のプレーティング後、細胞懸濁液は細胞集団から上記ガラス基板への細胞の付着を可能にするために、付着性表面と接触したままにされる。線維芽細胞を接着性基質に接触させる際に、細胞は本開示の方法において、少なくとも培地を含む環境(典型的には細胞の生存及び/又は増殖を支持する液体培地)中に有利に懸濁され得る。培地はそれへの細胞の導入の前に、それと一緒に、又はその後に、系に添加され得る。培地は新鮮であってもよく、すなわち、細胞の培養のために以前に使用されていなくてもよく、又は、その中での細胞の事前培養、例えば、平板培養されているかもしくはその前の細胞の培養、又は平板培養されている細胞により遠く関連するかもしくは関連しない細胞の培養によって調整された少なくとも一部を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、線維芽細胞を含む細胞は、本開示の態様に有用な特性を増強するように改変される。細胞に対する改変には外部シグナル、低酸素、成長因子、脱分化剤、分化剤、ならし培地、又はそれらの組み合わせへの曝露が含まれるが、これらに限定されない。細胞は、本発明に有用なタンパク質及び/又は核酸を発現するように改変され得る。タンパク質及び/又は核酸の発現は、当該分野で公知の任意の方法によって生成され得る。
本開示のいくつかの実施形態は、線維芽細胞の誘導体を含む、細胞の誘導体、又は細胞から作製された生成物の使用に関する。本開示のいくつかの実施形態は、任意の種類の線維芽細胞由来のアポトーシス体を含む、線維芽細胞の誘導体としてのアポトーシス体の使用に関する。アポトーシス体は、炎症を調節することを含む免疫調節が可能であり得る。アポトーシス体は免疫系にシグナルを伝達する分子を放出することがあり、これにより免疫機構が活性化される可能性がある。アポトーシス体は、当該分野で公知の任意の方法(例えば、細胞を、1つ以上のDNA損傷剤(例えば、紫外線及び/又は増感剤)に曝露することによる)によって生成され得る。
特定の実施形態は、線維芽細胞ならし培地を含む細胞ならし培地の使用に関する。調整培地は、炎症を調節する分子(例えば、IL-17)を含む、本開示の実施形態に有用な分子を含み得る。
いくつかの実施形態では、細胞(線維芽細胞を含む)、改変細胞(改変線維芽細胞を含む)、細胞の誘導体(線維芽細胞の誘導体を含む)、細胞由来のアポトーシス体(線維芽細胞由来のアポトーシス体を含む)、及び/又は細胞由来の調整培地(線維芽細胞由来を含む)が組み合わされる。具体的な場合には、組合せは同系細胞(線維芽細胞を含む)、同系改変細胞(変性線維芽細胞を含む)、同系細胞の誘導体(線維芽細胞の誘導体を含む)、同系細胞からのアポトーシス体(線維芽細胞からのアポトーシス体を含む)、及び/又は同系細胞からの調整培地(線維芽細胞からのものを含む)の組合せを含み得る。
いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、少なくとも約10日~約40日間、少なくとも約15日~約35日間、少なくとも約15日~21日間、例えば少なくとも約15、16、17、18、19又は21日間培養され得る。いくつかの実施形態において、本開示の細胞は、60日以下、又は50日以下、又は45日以下の間培養され得る。いくつかの実施形態において、線維芽細胞(改変線維芽細胞を含む)は、液体培養培地の存在下で培養される。典型的には、培地が当技術分野で公知の基礎培地製剤を含む。Eagleの最小必須培地(MEM)、Dulbeccoの改変Eagleの培地(DMEM)、α改変最小必須培地(α-MEM)、基礎培地必須(BME)、Iscoveの改変Dulbeccoの培地(IMDM)、BGJb培地、F-12栄養混合物(Ham)、Liebovitz L-15、DMEM/F-12、Essential modified Eagleの培地(EMEM)、RPMI-1640、及び/又はそれらの改変及び/又は組み合わせを含むが、これらに限定されない、多くの基礎培地製剤を、本明細書中で線維芽細胞を培養するために使用することができる。上記基礎培地の組成は当技術分野で一般に知られており、培養された線維芽細胞に必要な培地及び/又は培地サプリメントの濃度を改変又は調節することは、当業者の技術範囲内である。いくつかの実施形態では、培養培地製剤が10%ウシ胎仔血清(FBS、Lonza)、100U/mlペニシリンG、100μG/mlストレプトマイシン及び2mmol/L-グルタミン(Sigma-Aldrich)を補充したIMDMから構成される外植培地(CEM)であってもよい。他の実施形態は、上記のものから選択されるような、さらなる基礎培地製剤を使用してもよい。
改変線維芽細胞培養物を含む線維芽細胞培養物における使用のために、培地は、1つ以上のさらなる成分を供給され得る。例えば、最適な増殖及び増殖のために必要な微量元素及び物質を細胞に供給するために、追加のサプリメントを使用することができる。そのようなサプリメントには、インスリン、トランスフェリン、セレン塩、及びそれらの組み合わせが含まれる。これらの成分はハンクス平衡塩類溶液(HBSS)、アール塩類溶液のような塩類溶液に含まれ得るが、これらに限定されない。さらなる抗酸化サプリメント、例えば、β-メルカプトエタノールを添加してもよい。多くの培地は既にアミノ酸を含有しているが、いくつかのアミノ酸、例えば、L-グルタミンを後に補充することができ、これは溶液中では安定性が低いことが知られている。培地には、典型的にはアムホテリシン、アンピシリン、ゲンタマイシン、ブレオマイシン、ヒグロマイシン、カナマイシン、マイトマイシン、マイコフェノール酸、ナリジキシン酸、ネオマイシン、ナイスタチン、パロモマイシン、ポリミキシン、ピューロマイシン、リファンピシン、スペクチノマイシン、テトラサイクリン、タイロシン、及びゼオシンの混合物などの抗生物質及び/又は抗真菌性化合物をさらに供給することができるが、これらに限定されない。また、哺乳動物の血漿又は血清による細胞培養培地の補充も意図される。血漿又は血清は、しばしば、生存及び増殖に必要な細胞因子及び成分を含む。適切な血清置換物(例えば、FBS)の使用もまた意図される。いくつかの実施形態では、組織外植片及び線維芽細胞を、本明細書中に定義されるような持続時間の間、そして好ましくは本明細書中に記載されるような培地組成物を使用して培養することは本開示の前駆細胞又は幹細胞の出現及び増殖を生じる。いくつかの実施形態において、本開示の線維芽細胞は、特定のマーカータンパク質(例えば、細胞表面マーカー)のそれらの発現によって同定及び特徴付けられる。これらの細胞の検出及び単離は、例えば、フローサイトメトリー、ELISA、及び/又は磁気ビーズによって達成され得る。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)もまた、分化に応じた遺伝子発現の変化をモニターするために使用することができる。本開示の線維芽細胞を特徴付けるための方法は、本明細書に提供される。
いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、本明細書中に開示される方法に有用な活性又は能力を増加させる様式で培養される。線維芽細胞を培養して、線維芽細胞の炎症性メディエーター産生を減少させる能力、及び/又は再生活性を有する能力を促進することができる。いくつかの実施形態において、炎症性メディエーター産生を減少させることができる線維芽細胞を含む線維芽細胞は、例えば、インターロイキン-10、インドメタシン、バルプロ酸、低用量ナルトレキソン、インターロイキン-27、又はそれらの組み合わせなどの組織培養添加物の存在下で培養される。本開示の特定の実施形態において、線維芽細胞のような再生細胞は自閉症スペクトル障害を処置するために利用され、そして細胞はそれらの効力を増加させるために、培養物中の前述の添加物(例えば、バルプロ酸)のうちの1つに曝露され得る。
いくつかの実施形態では、細胞(線維芽細胞を含む)、改変細胞(改変線維芽細胞を含む)、細胞の誘導体(線維芽細胞の誘導体を含む)、細胞由来のアポトーシス体(線維芽細胞由来のアポトーシス体を含む)、及び/又は細胞由来の調整培地(線維芽細胞由来を含む)の任意の組み合わせが、キットに含まれる。
広汎性発達障害
本開示の実施形態は、1つ以上の広汎性発達障害の治療又は予防に関する。広汎性発達障害を有する、又は有すると診断された個体は、例えば、社会的及び/又はコミュニケーション発達遅延を有し得る。広汎性発達障害には、自閉症、アスペルガー病、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)など、あらゆる自閉症スペクトラム障害が含まれる。広汎性発達障害は、少なくとも一部の症例ではレット症候群である可能性がある。
広汎性発達障害は、個人に異常な炎症を含む異常な分子マーカーを呈することもあれば、それによって引き起こされることもある。このようなマーカーは、CRP、赤血球沈降比、フィブリノーゲン、インターロイキン-1、TNF-α、プロヘプシジン、ヘプシジン、インターロイキン-6、インターロイキン-17、インターロイキン-18、インターロイキン-12、インターロイキン-18、インターロイキン-23、インターロイキン-27、インターロイキン-33、インターフェロン-γ、HMBG-1、カルレチクリンの異常なレベルを含み得る。開示の実施に伴う慢性疾患の貧血に関連する状態の評価に有用な他の炎症マーカーは、Apo A1(アポリポ蛋白質A1)、β2ミクログロブリン、クラステリン、CRP(C 反応性タンパク質)、シスタチンC、エオタキシン、第VII因子、FGF-9(線維芽細胞増殖因子-9)、GCP-2(顆粒球化学伝達蛋白質-2)、成長ホルモン、IgA(免疫グロブリンA)、IL-10(インターロイキン-10)、IL-1β(インターロイキン-1β)、IL-2(インターロイキン-2)、IL-4(インターロイキン-4)、IL-5(インターロイキン-5)、インスリン、IP-10(誘導性蛋白質-10)、Leptin、LIF(白血病抑制因子)、MDC(マクロファージ由来ケモカイン)、誘導性蛋白質、レプチン(白血病抑制因子)、MDC(マクロファージ抑制因子)、MIP-1α(マクロファージ炎症性タンパク質-1α)、MIP-1β(マクロファージ炎症性タンパク質-1β)、MIP-1γ(マクロファージ炎症性タンパク質-1γ)、MIP-2(マクロファージ炎症性タンパク質-2)、MIP-3β(マクロファージ炎症性タンパク質-3β)、MPO(骨髄過酸化酵素)、ミオグロビン、NGAL(リポカリン-2)、OSM(オンコスタチンM)、オステオポンチン、SAP(血清アミロイドP)、SCF(幹細胞因子)、SGOT(血清グルタミン酸トランスアミナーゼ)、TIMP-1(組織内メタロプロテアーゼ阻害剤タイプ-1)、組織因子、TPO(Thrombopoietin)、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)又はこれらの組み合わせを含む。
広汎性発達障害の人は、神経炎症及び/又は消化管炎症を呈することがある。特定の実施形態では、個人的な発達障害が神経炎症及び/又は胃腸炎症によって、完全に又は部分的に引き起こされてもよい。
いくつかの場合において、本開示の方法及び組成物は、1つ以上の広汎性発達障害の予防に関する。特定の場合には、その予防が障害の完全な欠如、又はオーダーの発症及び/又は重症度の遅延に関するものである。個体は個体が病歴のある家族に由来する状況において、及び/又は個体が1つ以上の広汎性発達障害を有するか又は有する可能性があると同定された場合に、本障害の組成物の有効量を提供され得る。
投薬
本開示の特定の態様は、広汎性発達障害を処置する目的のための、線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、線維芽細胞調整培地、又はそれらの組み合わせを含み得る組成物の投与に関する。広汎性発達障害を治療することは、自閉症などの広汎性発達障害に関連する炎症を減少させることを含んでもよい(場合によっては、含まなくてもよい)。
いくつかの実施形態では、自閉症などの広汎性発達障害に罹患している個体を、炎症状態に基づいて本明細書に開示される治療のために選択することができる。上記状態は、CRP、赤血球沈降比、フィブリノーゲン、インターロイキン-1、及び/又はTNF-αの異常に高い血清レベルによって同定され得る。いくつかの実施形態では、個体の炎症状態がリポ多糖などの薬剤を使用して、toll様受容体4を刺激すると、個体に由来する単球がTNF-αを産生する異常に高い能力によって同定される。本開示の組成物の投与は本明細書中に開示されるように、炎症状態マーカーを減少させ得る。代替的な場合において、個体は、上記に列挙された因子の高い血清レベルが存在するかどうかにかかわらず、本開示の方法及び組成物の有効量を提供される。
いくつかの実施形態では、治療を受けるのに適格な個体が年齢が一致した対照と比較して、より高いレベルの炎症マーカーを有する。炎症マーカーには、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノーゲン、及び赤血球沈降速度(ESR)、プロヘプシジン、ヘプシジン、TNF-α、インターロイキン-1、インターロイキン-6、インターロイキン-17、インターロイキン-18、インターロイキン-12、インターロイキン-18、インターロイキン-23、インターロイキン-27、インターロイキン-33、インターフェロン-γ、HMBG-1、カルレチクリンが含まれる。開示の実施に伴う慢性疾患の貧血に関連する状態の評価に有用な他の炎症マーカーは、ApoA1(アポリポ蛋白質A1)、β-2ミクログロブリン、CRP(C反応性タンパク質)、シスタチン-C、エオタキシン、第VII因子、FGF-9(線維芽細胞増殖因子-9)、GCP-2(顆粒球ケモタクチックタンパク質-2)、成長ホルモン(IgA)、IL-10(インターロイキン-1β)、IL-2(インターロイキン-2)、IL-4(インターロイキン-5)、インスリン、IP-10(誘導性蛋白質-10)、レプチンなどであるLIF(白血病抑制因子)、MDC(マクロファージ由来ケモカイン)、MIP-1α(マクロファージ炎症性タンパク質-1β)、MIP-2(マクロファージ炎症性タンパク質-2)、MIP-3β(マクロファージ炎症性タンパク質-3β)、MPO(ミエロペルオキシダーゼ)、ミオグロビン、NGAL(リポカリン-2)、OSM(オンコスタチンM)、オステオポンチン、SAP(血清アミロイドP)、SCF(幹細胞因子)、SGOT(血清グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)、TIMP-1(メタロプロテイナーゼタイプ-1の組織阻害因子)、組織因子、TPO(トロンボポイエチン)、VEGF(血管内皮細胞成長因子)、又はそれらの組み合わせを含む。本開示の組成物の投与は本明細書中に開示されるように、炎症性マーカーを減少させ得る。代替の場合において、個体は、上記に列挙された因子が高レベルであるかどうかにかかわらず、本開示の方法及び組成物の有効量を提供される。
治療に適していると同定された個体には、根底にある炎症の程度に基づいて線維芽細胞産物を投与することができる。いくつかの実施形態では、個体は、非免疫原性線維芽細胞の集団を、炎症及び/又は神経炎症を減少及び/又は改善するのに十分な濃度で静脈内投与され得る。いくつかの実施形態では、線維芽細胞のならし培地が投与される。いくつかの実施形態では、線維芽細胞のアポトーシス体が投与される。
開示の特定の態様において、潅流を増加させ、神経形成を刺激する本開示の個々の受容細胞及び/又は細胞誘導体に、1つ又は複数の抗炎症剤を投与することができ、上記炎症抑制剤は、NF-カッパB経路、MyD88経路、TNFシグナル伝達経路、Toll様受容体シグナル伝達経路、及びMHC発現のアップレギュレーション、C反応性タンパク質産生のアップレギュレーション、及びTNFα産生のアップレギュレーションに関連する他の経路などの分子経路を阻害する可能性がある。本開示の実施に有用な抗炎症剤は、当該技術分野において周知であり、アルクロフェナク;ジプロピオン酸アルクロメタゾン;アセトニドアルゲストン;αアミラーゼ;αリポ酸;αトコフェロール;アムシナファル;アムシナフィド;アンフェナックナトリウム;アミプリロース塩酸塩;アナキンラ;アニロラック;アニトラザフェン;アパゾン;アスコルビン酸;バルサラジド二ナトリウム;ベンダザック;ベノキサプロフェン;ベンジダミン塩酸塩;ブロメラインズ;ブロペラモーレ;ブデソニド;カルプロフェン;クロロゲン酸;シクロプロフェン;シンタゾーン;クリップロフェン;プロピオン酸クロベタゾール;酪酸クロベタゾン;クロピラック;プロピオン酸クロチタゾン;酢酸コルメサゾン;コルトドキソン;デフラザコート;デソニド;デソキシメタゾン;ジプロピオン酸デキサメタゾン;ジクロフェナクカリウム;ジクロフェナクサトリウム;ジクロラゾンディアセテート;ジフルミドンナトリウム;ジフルニサル;ジフルプレドネート;ディフタロン;ジメチルスルホキシド;ドロシノニド;エラグ酸;エンドリソン;エンリモマブ;エノリカムナトリウム;エピリゾール;エトドラク;エトフェナマート;フェルビナク;フェナモル;フェンブフェン;フェンクロフェナク;フェンクロラック;フェンドサル;フェンピパロン;フェンティアザック;フラザロン;フルアザコルト;フルフェナム酸;フルミゾール;フルニソリドアセテート;フルニキシン;フルニキシンメグルミン;フルオコルチンブチル;フルオロメソロンアセテート;フルカゾン;フルルビプロフェン;フルレトフェン;プロピオン酸フルチカゾン;フラプロフェン;フロブフェン;グルタチオン;ハルシノニド;プロピオン酸ハロベタゾール;酢酸ハロプレドン;ヘスペリン;イブフェナク;イブプロフェン;イブプロフェンアルミニウム;イブプロフェンピコノール;イロニダップ;インドメタシン;インドメタシンナトリウム;インドプロフェン;インドキソール;イントラゾール;イソフルプレドンアセテート;イソセパック;イソキシカム;ケトプロフェン;ロフェミゾール塩酸塩;ロモキシカム;ロテプレドノールエタボネート;リコピン;メクロフェナミン酸ナトリウム;メクロフェナム酸;メクロリゾンジブチレート;メフェナム酸;メサラミン;メセクラゾン;メチルプレドニゾロンスレプタン酸塩;モーンフルーメイト;ナブメトン;ナプロキセン;ナプロキセンナトリウム;ナプロキソール;ニマゾン;オレウロペイン;オルサラジンナトリウム;オルゴテイン;オルパノキシン;オキサプロジン;オキシフェンブタゾン;パラニリン塩酸塩;ペントサンポリ硫酸ナトリウム;フェンブタゾンナトリウムグリセレート;ピルフェニドン;ピロキシカム;ピロキシカムシンナメート;ピロキシカムオラミン;ピルプロフェン;ピクノジエノール;ポリフェノール;プレドナザート;プリフェロン;プロドール酸;プロキサゾール;クエン酸プロキサゾール;クエルセチン;リセベラトロール;リメキソロン;ロマザリット;ロマザリン酸;ルチン;サルコレクス;サルナセディン;サルサレート;塩化サンギナリウム;セクラゾン;セルメタシン;スドキシカム;スリンダック;スルフェン;タルメタシン;タルニフルマート;タロサレート;テブフェロン;テニダップ;テニダップナトリウム;テノキシカム;テシカム;テシミド;テトラヒドロクルクミン;テトリダミン;チオピナク;チキソコルトールピバル酸塩;トルメチン;トルメチンナトリウム;トリクロニド;トリフルミダート;ジドメタシン;ゾメピラクナトリウム、IL-4、IL-10、IL-13、IL-20、IL-1受容体拮抗薬、及びTGF-βを含む。
いくつかの実施形態において、骨髄線維芽細胞などの線維芽細胞は、再生活性を増加させることが知られている薬剤と組み合わせて、本明細書に記載されるように投与される。このような薬剤としては、例えば、エリスロポエチン[24]、プロラクチン[25]、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(米国特許第5968513号に記載され、参照により組み込まれる)、ガストリン[26]、EGF[27]、FGF[28]、及び/又はVEGF[29]が挙げられ得る。特定の実施形態において、TNFαの中和剤の投与は、循環する線維芽細胞に対するこのサイトカインの阻害効果を抑制解除するために、線維芽細胞と同時に投与される[30]。
いくつかの実施形態では、本開示の組成物の投与は、血管形成及び/又は神経形成を刺激する。いくつかの実施形態では、血管形成は、血管系の細胞に分化する本開示の細胞によって刺激される。血管形成は、血管系の細胞に栄養支持を提供することによって刺激され得る。神経形成は、歯状帯及び脳室下帯を含む個体のどこでも刺激され得る。
特定の実施形態では、線維芽細胞ならし培地を含む細胞ならし培地の投与は、神経形成を刺激するのに十分な濃度及び頻度で行うことができる。神経形成は、歯状帯及び脳室下帯を含む個体のどこでも刺激され得る。線維芽細胞調整培地を含む細胞調整培地の投与は、インターロイキン-17産生を抑制する可能性がある。
特定の実施形態において、本開示の組成物の投与は、神経炎症及び/又は胃腸炎症を減少させ得る。
本明細書中に開示される、線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、線維芽細胞ならし培地、又はそれらの組み合わせを含み得る組成物は、当該分野で公知の多くの方法によって、動物(例えば、ヒト)を含む個体に投与され得る。適切な方法の例としては、筋肉内、皮内、表皮内、静脈内、動脈内、皮下、又は腹腔内投与、経口投与、及び/又は局所適用(例えば、眼内、鼻腔内、及び膣内適用)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示されるような組成物の投与のための説明書が提供される。
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例に開示される技術は開示される材料の実施において十分に機能することが本発明者らによって発見された技術を表し、したがって、その実施のための特定の形態を構成すると考えることができることを、当業者には理解されるべきである。しかしながら、当業者は本開示に照らして、開示された特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、それでも、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、同様の又は類似の結果を得ることができることを理解すべきである。
〔実施例1〕
細胞投与臨床試験
ここでの実施例は、自閉症スペクトラム障害患者への線維芽細胞投与の有効性、実行可能性、及び安全性を評価するための臨床試験について記載する。患者に線維芽細胞を投与し、4回の来院時に評価する。その後の2回の来院を用いて、患者をさらに評価する。
来院1:ベースライン評価及び細胞投与(タイムゼロ)
アンケート
qEEG
睡眠中のqEEG
採血
細胞投与
来院2:2回目の細胞投与(3ヵ月間)
アンケート
定量脳波
採血
細胞投与
来院3:3回目の細胞投与(6ヵ月)
アンケート
定量脳波
採血
細胞投与
来院4:4回目の細胞投与(9ヵ月)
アンケート
定量脳波
採血
細胞投与
来院5:12ヵ月間の追跡調査
アンケート
定量脳波
睡眠中のEEG
採血
来院6:18ヵ月間の追跡調査
アンケート
定量脳波
採血
患者集団
被験者はスクリーニング来院を行い、細胞の初回投与前15日以内にベースライン評価を実施し、すべての選択基準及び除外基準を満たしている。すべての選択基準及び除外基準が満たされていることを保証するすべてのベースライン評価の結果はその被験者の登録前に、治験責任医師又はその指名人によってレビューされなければならない。被験者には試験のあらゆる側面について説明し、試験手順に先立ち、被験者から書面によるインフォームド・コンセントを得なければならない。
包含:
6~9歳
ADOS及び/又はADI-Rにより確認された自閉症のDSM IV診断
試験期間中、予期された治療法の変更(例:食事、栄養素)なし
登録6週間前に生物医学的治療を追加なし
登録前3ヵ月間の食事管理の変更なし
親ごと、歩行可能又は最低限の支援歩行を必要とする
親ごと、おもちゃが好きなアイテムで5分以上静止できる
親ごと、試験投与のための十分な視力及び聴力
親ごと、転帰測定に使用される学習及び認知課題のための適切な腕-手-指の調整(すなわち、指し示すことができる)
安定かつコントロールされた内科的疾患
定期的な予約に出席し、必要な措置を講じて参加しようとする介護者の介護のもとで
除外:
出生時の重大な未熟性(在胎期間32週未満);又は在胎期間に対して出生時体重が正常値を大きく下回る(SGA--在胎期間に対して小さい(small for gestational age))。
精神遅滞
発作性障害
自己免疫状態
消化管吸収不良
頭部外傷及びその他の神経学的又は医学的状態の既往。
臨床試験のための「原薬」は1億個のCybroCell線維芽細胞を含み、これは、15~30分間にわたって20ml溶液中で静脈内投与される。投与は4サイクルで行われる:サイクル1は、時点0、1(3ヶ月)、2(6ヶ月)、及び3(9ヶ月)で生じる。各サイクルは、4日間連続して、1日1回1億細胞の投与から成る。
主要結果変数は、治療に伴う副作用の定量化により評価した安全性及び実行可能性である。
各有害事象の重症度、又は被験者が経験した事象の強度を、以下を用いて評価する:
軽度(1):不快感に気付いたが、日常活動に支障なし。
中等度(2):通常の日常活動を減らしたり、影響を与えたりするのに十分な不快感。
重度(3):仕事ができない、又は通常の日常活動を行うことができない。
有害事象の無効化(4):入院
副次的結果変数は、以下の式によって定量化される有効性シグナルである:
小児自閉症評価尺度
自閉症行動チェックリスト
ヴィンランド適応行動尺度
示差能力尺度
小児用包括的評価尺度
社会的対応スケール
社会技能格付制度
Matsonによる若者との社会的スキルの評価
自閉症の質
感情の質
見積りの体系化-見直し
統計解析は、SPSS 16.0ソフトウェアを用いて行う。安全性及び探索的有効性の副次エンドポイントは、各患者についてベースライン値に対して観察する。p値<0.05であれば、統計的に有意であるとみなす。Intent-to-Treat(ITT)集団は適格性基準を満たし、参加に同意し、治療されたすべての被験者を含む。Per Protocol(PP)集団は、治験実施計画書を遵守していることが実証されているITT集団のサブグループと定義される。これらの被験者はすべての選択基準及び除外基準を満たし、治験実施計画書に規定された時点で評価を受けている。
患者の人口統計学的特性及び術前の臨床変数は必要に応じてパーセンテージ又は手段で表し、学生の対応のあるt検定分析を用いて評価する:評価項目は、術前の時点から初回注射後3、6、9、12及び18カ月の時点まで比較する。データが正規分布していない場合には、比較可能なノンパラメトリック方法が使用される。
グレード3又は4の治療関連有害事象に該当する患者は、レビューのために試験を中止する。
〔実施例2〕
自閉症治療用線維芽細胞
本実施例は、神経炎症の一例として、自閉症の治療のための線維芽細胞に関する。
雄Wistarラットを研究に使用した。出生日は生後日(pnd)0としてカウントした。動物を、12時間の暗/明サイクルで、温度制御環境において、食物及び水を自由に用いて飼育した。
ラットを10匹ずつ3グループに分けた。グループAには、生理食塩水を与えた。グループBは、6~11日目にバルプロ酸(150mg/kg)を受けた。げっ歯類におけるバルプロ酸は自閉症を模倣することができることが知られている(Dobrovolskyら、2019,J.Transl Med.,17:400.17:400)。グループCには、6~11日目にバルプロ酸(150mg/kg)を、6、9及び12日目に線維芽細胞(ラットあたり100万細胞、静脈内、線維芽細胞は包皮に由来し、10%ウシ胎児血清を含むOptiMem培地で増殖させた)を投与した。
32日目に、ラットを、半円形の穴(7cm×5cm)を有する透明な仕切りによって2つの等しいサイズの区画に分割されたプレキシグラスボックス(30cm×20cm×20cm)を使用して「遊び試験」に供し、一度に1匹の動物を区画間で移動させた。任意の社会的相互作用の前に、実験被験体を、黒色マーカーで背中に印を付け、薄暗く照らされた試験室において合計30分間(保持ケージ中で20分間単独+試験装置への10分間の慣れ)単離した。10分間の馴化期間中、被験者に試験ボックスを探索させた。慣らしの後、処置動物及び薬物ナイーブプレイパートナー(性別、年齢、及び体重+/10gに適合)を導入し、それらの社会的相互作用を10分間観察した
プレイファイティング(Play fighting)(又はソーシャルプレイ)は、はさみうち、とびつき、又は遊びのうなじ攻撃、追跡、と定義された。試験は、32日目(試験1)、33日目(試験2)、34日目(試験3)及び35日目(試験4)の4回に分けて実施した。図1に見られるように、バルプロ酸で処置したラットにおいて社会的遊びの有意な減少が観察され、線維芽細胞で処置したラットは逆転(reversed)した。
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される設計の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び変更を本明細書で行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者であれば、本開示から容易に理解するように、本明細書で説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、又はステップを、本開示に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲はその範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図される。

Claims (22)

  1. 線維芽細胞、改変線維芽細胞、線維芽細胞アポトーシス体、線維芽細胞ならし培地、又はそれらの組み合わせを含む組成物の治療有効量を、それを必要とする個体に投与することを含む、広汎性発生障害を処置する方法。
  2. 前記広汎性発達障害は、自閉症又は自閉症スペクトル障害、網膜症候群、小児崩壊性障害、アスペルガー症候群、特に明記されていない広汎性発達障害、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記線維芽細胞及び/又は変性線維芽細胞は、CXCR4の発現を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記組成物は、TNF-αの産生の阻害を誘導する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記組成物は、インターロイキン-17の産生の阻害を誘導する、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記組成物は、個体の血管系の細胞に分化することによって、又は個体の血管系の細胞に栄養支持を提供することによって、血管形成を刺激する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記線維芽細胞アポトーシス体は、1つ以上のDNA損傷剤への線維芽細胞の曝露によって生成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのDNA損傷剤は、紫外線、増感剤、又はそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記投与が、個体における神経形成を刺激するのに十分な濃度及び頻度である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記神経形成は、歯状回で起こる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記神経形成は、脳室下帯において起こる、請求項9に記載の方法。
  12. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び/又は線維芽細胞ならし培地は、骨髄、胎盤マトリックス、脂肪組織、月経血、子宮内膜、筋肉、循環血液、臍帯血、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される供給源から得られる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び/又は線維芽細胞ならし培地は、個体に対して同種異系及び/又は自己由来である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び線維芽細胞ならし培地の任意の組み合わせを含むキット。
  15. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び/又は線維芽細胞ならし培地は、1つ以上の抗炎症因子を産生する、請求項14に記載のキット。
  16. 前記線維芽細胞アポトーシス体は、前記線維芽細胞及び/又は変性線維芽細胞と同系である、請求項14又は15のいずれかに記載のキット。
  17. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び線維芽細胞ならし培地は、インターロイキン-17の産生、TNF-αの産生、又はその両方を抑制することができる活性を有する、請求項14~16のいずれか1項に記載のキット。
  18. 前記線維芽細胞、改変線維芽細胞、少なくとも1つの線維芽細胞の誘導体、線維芽細胞アポトーシス体、及び線維芽細胞ならし培地は、骨髄、胎盤マトリックス、脂肪組織、月経血、子宮内膜、筋肉、循環血液、臍帯血、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される供給源から採取される、請求項14~17のいずれか1項に記載のキット。
  19. 前記線維芽細胞及び/又は改変線維芽細胞は、同様の起源組織に由来する間葉幹細胞と比較して、より高濃度のCXCR4を発現する、請求項14~18のいずれか1項に記載のキット。
  20. 前記線維芽細胞アポトーシス体は、1つ以上のDNA損傷剤への線維芽細胞の曝露によって生成される、請求項14~19のいずれか1項に記載のキット。
  21. 少なくとも1つのDNA損傷剤は、紫外線、増感剤、又はそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載のキット。
  22. 前記細胞を投与するための説明書をさらに含み、前記個体における前記広汎性発達障害を治療する、請求項14~21のいずれか1項に記載のキット。
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