JP2022537048A - 試料中の分析物のシグナルコード化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードする方法、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするための解読オリゴヌクレオチドのセットの使用、及び試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするためのキットに関する。【選択図】なし
Description
本発明は、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードする方法、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするための解読オリゴヌクレオチドのセットの使用、及び試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするためのキットに関する。
本発明は、分子生物学の分野、より具体的には、試料中の分析物の検出、好ましくは、生物学的試料中の核酸分子及び/又はタンパク質などの生体分子の検出に関する。
生物学的及び非生物学的試料中の少量の分析物の分析及び検出は、臨床及び分析環境において日常的な業務となっている。この目的のために多数の分析方法が確立されている。それらのいくつかは、特定の第2の分析物に割り当てられたコードとは異なる特定の第1の分析物に特定の可読コードを割り当てるコード化技術を使用する。
この分野における従来技術の1つは、試料中のmRNA分子を検出するために本質的に開発された、いわゆる「単一分子蛍光インサイチュハイブリダイゼーション」(smFISH)である。Lubeck et al.(2014),Single-cell in situ RNA profiling by sequential hybridization,Nat.Methods11(4),p.360-361では、目的のmRNAは、特異的な直接標識プローブセットを介して検出される。1ラウンドのハイブリダイゼーション及び検出の後、mRNA特異的プローブのセットをmRNAから溶出し、他の(又は同じ)蛍光標識を有するプローブの同じセットを次のラウンドのハイブリダイゼーション及びイメージングで使用して、遺伝子特異的カラーコードスキームを数ラウンドにわたって生成する。この技術は、転写物ごとにいくつかの異なるタグ付きプローブセットを必要とし、各検出ラウンドごとにこれらのプローブセットを変性させる必要がある。
この技術の更なる発展は、直接標識されたプローブセットを使用しない。代わりに、プローブセットのオリゴヌクレオチドは、シグナル増幅を可能にする技術であるハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)の開始剤として機能する核酸配列を提供し、Shah et al.(2016),In situ transcription profiling of single cells reveals spatial organization of cells in the mouse hippocampus,Neuron 92(2),p.342-357を参照されたい。
「多重化エラーロバスト蛍光インサイチュハイブリダイゼーション」(merFISH)と呼ばれる別の技術は、Chen et al.(2015),RNA imaging.Spatially resolved,highly multiplexed RNA profiling in single cells,Science 348(6233):aaa6090に記載されている。そこで、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドのその後の特異的ハイブリダイゼーションのための追加の配列要素を提供する特異的プローブセットを介して、目的のmRNAが検出される。各プローブセットは、合計16個の配列要素のうちの4つの異なる配列要素を提供する。特異的プローブセットと目的のmRNAとのハイブリダイゼーション後、いわゆる読み出しハイブリダイゼーションが行われる。各読み出しハイブリダイゼーションにおいて、配列要素の1つに相補的な16個の蛍光標識オリゴヌクレオチドの1つがハイブリダイズする。全ての読み出しオリゴヌクレオチドは、同じ蛍光色を使用する。画像化後、蛍光シグナルは照射によって破壊され、次のラウンドの読み出しハイブリダイゼーションは変性ステップなしで行われる。結果として、各mRNA種についてバイナリコードが生成される。特異的プローブセットを目的のmRNAに結合させるための単一のハイブリダイゼーションラウンドのみを使用し、続いて単一の蛍光色で標識された読み出しオリゴヌクレオチドの16ラウンドのハイブリダイゼーションを使用して、16ラウンドの4つのシグナルの固有のシグナルシグネチャが作成される。
この技術の更なる開発は、2つの異なる蛍光色を使用することによってスループットを改善し、読み出しオリゴヌクレオチドと蛍光標識との間のジスルフィド切断と代替ハイブリダイゼーション緩衝液を介してシグナルを除去し、Moffitt et al.(2016),High-throughput single-cell gene-expression profiling with multiplexed error-robust fluorescence in situ hybridization,Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.113(39),p.11046-11051を参照されたい。
「イントロンseqFISH」と称される技術は、Shah et al.(2018),Dynamics and spatial genomics of the nascent transcriptome by intron seqFISH,Cell 117(2),p.363-376に記載されている。そこで、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドのその後の特異的ハイブリダイゼーションのための追加の配列要素を提供する特異的プローブセットを介して、目的のmRNAが検出される。各プローブセットは、色分けラウンドごとに12個の可能な配列要素(使用される12個の「擬似カラー」を表す)の1つを提供する。各色分けラウンドは、4つの連続ハイブリダイゼーションからなる。これらの連続ハイブリダイゼーションの各々において、各々が異なるフルオロフォアで標識された3つの読み出しプローブは、mRNA特異的プローブセットの対応する要素にハイブリダイズする。画像化後、55%ホルムアミド緩衝液によって読み出しプローブを除去し、次のハイブリダイゼーションが続く。各々4回の連続ハイブリダイゼーションによる5ラウンドの色分けの後、色分けが完了する。
欧州特許第0 611 828号は、分析物に特異的に結合するプローブにシグナル発生要素を補充するための架橋要素の使用を開示している。より具体的な記述は、架橋核酸分子を補充する特異的プローブを介した核酸の検出について記載する。この架橋核酸は、最終的にシグナル生成核酸を補充する。この文献はまた、分岐DNAのようなシグナル増幅のためのシグナル発生要素のための2つ以上の結合部位を有する架橋要素の使用を記載している。
Player et al.(2001),Single-copy gene detection using branched DNA (bDNA) in situ hybridization,J.Histochem.Cytochem.49(5),p.603-611は、目的の核酸が、追加の配列要素を提供する特異的プローブセットを介して検出される方法を記載している。第2のステップでは、プレ増幅器オリゴヌクレオチドは、この配列要素にハイブリダイズする。このプレ増幅器オリゴヌクレオチドは、後続のステップでハイブリダイズする増幅器オリゴヌクレオチドのための複数の結合部位を含む。これらの増幅器オリゴヌクレオチドは、標識オリゴヌクレオチドの複数の配列要素を提供する。このようにして、シグナルの増幅をもたらす分岐オリゴヌクレオチドツリーが構築される。
この方法の更なる開発は、Wang et al.(2012),RNAscope:a novel in situ RNA analysis platform for formalin-fixed,paraffin-embedded tissues,J.Mol.Diagn.14(1),p.22-29に記載され、これは、mRNA特異的プローブの別の設計を使用する。ここで、mRNA特異的オリゴヌクレオチドのうちの2つは、プレ増幅器オリゴヌクレオチドを補充することができる配列を提供するために、近接してハイブリダイズする必要がある。この方法では、偽陽性シグナルの数を低減することによって、方法の特異性が高められる。
Choi et al.(2010),Programmable in situ amplification for multiplexed imaging of mRNA expression,Nat.Biotechnol.28(11),p.1208-1212は、「HCRハイブリダイゼーション連鎖反応」として知られている方法を開示している。目的のmRNAは、追加の配列要素を提供する特異的プローブセットを介して検出される。追加の配列要素は、ハイブリダイゼーション連鎖反応を開始するための開始剤配列である。基本的に、ハイブリダイゼーション連鎖反応は、第1のヘアピンが開始剤配列を介して開かれた後に、ポリマーに自己集合する準安定性オリゴヌクレオチドヘアピンに基づく。
本技術の更なる発展は、RNAscope技術と同様に、HCRの開始剤配列を形成するために近接してハイブリダイズしなければならない、いわゆる分割開始剤プローブを使用し、これにより偽陽性シグナルの数を減少させ、Choi et al.(2018),Third-generation in situ hybridization chain reaction:multiplexed,quantitative,sensitive,versatile,robust.Development 145(12)を参照されたい。
Mateo et al.(2019),Visualizing DNA folding and RNA in embryos at single-cell resolution,Nature Vol,568,p.49ff.は、クロマチン構造の光学的再構築(ORCA)と呼ばれる方法を開示している。この方法は、染色体ラインを可視化することを意図している。
しかし、当該技術分野で公知の方法は、多数の欠点を有する。特に、それらは柔軟性がなく、高価で、複雑で、時間がかかり、不正確な結果をもたらすことが非常に多い。特に、既存の方法のコード化能力は低く、現代の分子生物学及び医学の要件を満たしていない。
この背景に対して、本発明の根底にある目的は、従来技術の方法の欠点を低減又は回避することができる方法を提供することである。
本発明は、これら及び他の必要性を満たす。
本発明は、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードする方法を提供し、方法は、以下のステップ、
(1)分析物特異的プローブのセットを提供するステップであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むステップと、
(2)分析物特異的プローブのセットを試料とインキュベートし、それによってコード化される分析物への分析物特異的プローブの特異的結合を可能にするステップと、
(3)試料から非結合プローブを除去するステップと、
(4)解読オリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含むトランスレータ要素(c)と、を含むステップと、
(5)解読オリゴヌクレオチドのセットを試料とインキュベートし、それによって固有の識別子配列への解読オリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、
(6)試料から非結合解読オリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(7)シグナルオリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-トランスレータ要素(c)のヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含むステップと、
(8)シグナルオリゴヌクレオチドのセットを試料とインキュベートし、それによってトランスレータ要素(c)へのシグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、を含む。
(1)分析物特異的プローブのセットを提供するステップであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むステップと、
(2)分析物特異的プローブのセットを試料とインキュベートし、それによってコード化される分析物への分析物特異的プローブの特異的結合を可能にするステップと、
(3)試料から非結合プローブを除去するステップと、
(4)解読オリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含むトランスレータ要素(c)と、を含むステップと、
(5)解読オリゴヌクレオチドのセットを試料とインキュベートし、それによって固有の識別子配列への解読オリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、
(6)試料から非結合解読オリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(7)シグナルオリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-トランスレータ要素(c)のヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含むステップと、
(8)シグナルオリゴヌクレオチドのセットを試料とインキュベートし、それによってトランスレータ要素(c)へのシグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、を含む。
本発明者らは、この新規の方法が、特異的ハイブリダイゼーションを介して試料中の異なる分析物又は異なる単一分析物分子の特異的な定量的及び/又は空間的検出又は計数を並行して可能にするプロセスを設定するのに必要な必須のステップを提供することを認識した。技術は、利用可能な異なるシグナルよりも多数の分析物を区別することを可能にする。他の最新技術の方法とは対照的に、検出可能なシグナルを提供するオリゴヌクレオチドは、試料特異的核酸配列と直接相互作用しないが、いわゆる「解読オリゴヌクレオチド」によって媒介される。この機構は、分析物特異的オリゴヌクレオチドとシグナルオリゴヌクレオチドとの間の依存性を切り離し、したがって、コード化能力の劇的な増加をもたらす。
本発明の別の主題は、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするための解読オリゴヌクレオチドのセットの使用であって、各解読オリゴヌクレオチドは、
-分析物特異的プローブのセットに固有であるヌクレオチド配列(固有の識別子配列)の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含む。
-分析物特異的プローブのセットに固有であるヌクレオチド配列(固有の識別子配列)の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含む。
本発明の更なる主題は、試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするためのキットであって、
-分析物特異的プローブのセットであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むセットと、及び
-解読オリゴヌクレオチドのセットであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含むセットと、好ましくは、
-シグナルオリゴヌクレオチドのセットであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-トランスレータ要素(c)のヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含むセットと、を含む。
-分析物特異的プローブのセットであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むセットと、及び
-解読オリゴヌクレオチドのセットであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含むセットと、好ましくは、
-シグナルオリゴヌクレオチドのセットであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-トランスレータ要素(c)のヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含むセットと、を含む。
解読オリゴヌクレオチドの使用は、はるかに高い柔軟性を可能にしながら、必要とされる異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数を劇的に減少させ、それにより、達成されるコード化能力を増加させる。解読オリゴヌクレオチドの利用は、他の方法よりも柔軟で、安価で、単純で、高速で、及び/又はより正確な逐次的にシグナルコードする技術をもたらす。特に、本発明は、従来技術の方法と比較して、コード化能力の有意な増加をもたらす。
解読オリゴヌクレオチドの使用は、標的特異的プローブとシグナルオリゴヌクレオチドとの間の依存性を破壊する。最新技術の方法のように標的特異的プローブ及びシグナル生成を分離することなく、2つの異なる分子タグを使用する場合、2つの異なるシグナルを特定の標的についてのみ生成することができる。これらの分子タグの各々は、1回のみ使用することができる。同じ分子タグの複数回の読み出しは、標的に関する情報を増加させない。コード化スキームを作成するために、各ラウンド後の標的特異的プローブセットの変更が必要であるか(SeqFISH)又は複数の分子タグが同じプローブセットに存在しなければならない(merFISH、イントロンSeqFISHなど)。当技術分野におけるこれらの制限は非常に関連性があり、柔軟性、コード化能力、精度、再現性を低下させ、実験のコストを増加させる。
本発明によれば、「分析物」は、試料中に存在する又は存在しないとして特異的に検出され、それが存在する場合、コード化する対象である。分析物は、目的のタンパク質又は核酸分子(RNA又はDNA)を含む任意の種類の実体であり得る。分析物は、分析物特異的プローブとの特異的結合のための少なくとも1つの部位を提供する。本明細書では、「分析物」という用語は、「標的」に置き換えることがある。本発明による「分析物」は、対象の複合体、例えば、少なくとも2つの個々の核酸、タンパク質、又はペプチド分子を含む。本発明の一実施形態では、「分析物」は、染色体を除外する。本発明の別の実施形態では、「分析物」は、DNAを除外する。
本明細書で言及される「試料」は、コード化される分析物を含むことが疑われる液体又は固体形態の組成物である。
本明細書で使用される「オリゴヌクレオチド」は、DNA、PNA、LNA、又はRNAなどの短い核酸分子を指す。オリゴヌクレオチドの長さは、連続する配列要素の数に応じて、4~200ヌクレオチド(nt)、好ましくは6~80ヌクレオチド、より好ましくは8~60ヌクレオチド、より好ましくは10~50ヌクレオチド、より好ましくは12~35の範囲内である。核酸分子は、完全に又は部分的に一本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは、直鎖であってもよく、又はヘアピン若しくはループ構造を含んでもよい。オリゴヌクレオチドは、ビオチン、標識部分、ブロッキング部分、又は他の修飾などの修飾を含んでもよい。
「分析物特異的プローブ」は、少なくとも2つの要素、すなわち、分析物のうちの1つと特異的に相互作用するいわゆる結合要素(S)、及び「固有の識別子配列」を含むいわゆる識別子要素(T)からなる。結合要素(S)は、ハイブリダイゼーション配列又はアプタマーなどの核酸、又は抗体などのペプチド構造であってもよい。分析物特異的プローブに含まれる「固有の識別子配列」は、他の固有の識別子と比較して、その配列が固有である。この文脈における「固有の」は、それがサイクリンA、サイクリンD、サイクリンEなどの1つの分析物のみを特異的に同定すること、又は代替的に、分析物の群が遺伝子ファミリーを含むか否かとは無関係に、分析物の群のみを特異的に同定することを意味する。したがって、この固有の識別子によってコード化される分析物又は分析物の群は、識別子要素(T)の固有の識別子配列に基づいてコード化される他の全ての分析物又は分析物の群と区別することができる。又は言い換えれば、特定の分析物又は分析物の群に対してただ1つの「固有の識別子配列」が存在するが、1つ以下、すなわち2つでさえない。固有の識別子配列の固有性により、識別子要素(T)は、正確に1種類の解読オリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。固有の識別子配列の長さは、並行してコードされる分析物の数及び必要とされる相互作用の安定性に応じて、8~60nt、好ましくは12~40nt、より好ましくは14~20ntの範囲内である。固有の識別子は、直接又はリンカー、共有結合若しくは高親和性結合様式、例えば抗体-抗原相互作用、ストレプトアビジン-ビオチン相互作用などによって結合された、分析物特異的プローブの配列要素であってもよい。「分析物特異的プローブ」という用語は、各プローブが同じ分析物に結合するが、その異なる部分、例えばコードされる核酸分子に含まれるヌクレオチド配列の異なる(例えば、隣接する)又は重複部分に結合するように、それらの結合要素(S)が異なってもよい複数のプローブを含むことが理解される。しかし、複数のプローブの各々は、同じ識別子要素(T)を含む。
「解読オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2つの配列要素からなる。固有の識別子配列に特異的に結合することができる1つの配列要素は、「第1のコネクタ要素」(t)と呼ばれ、シグナルオリゴヌクレオチドに特異的に結合する第2の配列要素は、「トランスレータ要素」(c)と呼ばれる。配列要素の長さは、並行してコード化される分析物の数、必要とされる相互作用の安定性及び使用される異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数に応じて、8~60nt、好ましくは12~40nt、より好ましくは14~20ntの範囲内である。2つの配列要素の長さは、同じであっても、そうでなくてもよい。
本明細書で使用される「シグナルオリゴヌクレオチド」は、2つの要素、すなわち、解読オリゴヌクレオチドのトランスレータ要素(c)のヌクレオチド配列の少なくとも一部に特異的にハイブリダイズ可能なヌクレオチド配列を有するいわゆる「第2のコネクタ要素」(C)、及び検出可能なシグナルを提供する「シグナル要素」を含む。この要素は、検出可能なシグナルを能動的に生成するか、又は操作、例えば蛍光励起を介してそのようなシグナルを提供することができる。典型的なシグナル要素は、例えば、検出可能な反応を触媒する酵素、フルオロフォア、放射性元素、又色素である。
「セット」は、複数の部分又は対象、例えば、分析物特異的プローブ又は解読オリゴヌクレオチドを指し、複数のメンバーが互いに同一であるか異なるかを問わない。本発明の一実施形態では、単一のセットは、複数のオリゴヌクレオチドを指す。
「分析物特異的プローブセット」は、複数の部分又は対象、例えば、互いに異なり、分析物の独立した領域に結合する分析物特異的プローブを指す。単一の分析物特異的プローブセットは、同じ固有の識別子によって更に特徴付けられる。
「解読オリゴヌクレオチドセット」は、コードワードの長さとは無関係にコード化を実現するために必要な特定の固有の識別子に特異的な複数の解読オリゴヌクレオチドを指す。「解読オリゴヌクレオチドセット」に含まれる解読オリゴヌクレオチドの各々及び全ては、分析物特異的プローブの同じ固有の識別子要素(T)に結合する。
「本質的に相補的」とは、2つのヌクレオチド配列を指す場合、両方の配列がストリンジェントな条件下で互いに特異的にハイブリダイズし、それによって、水素結合(ワトソン-クリック塩基対)を介して互いに連結されたセンス及びアンチセンス鎖を有するハイブリッド核酸分子を形成することができることを意味する。「本質的に相補的」は、鎖全体に沿った完全な塩基対形成、すなわち完全な相補的配列だけでなく、不完全な相補的配列も含むが、ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズする能力を依然として有する。専門家の中では、「本質的に相補的な」配列は、完全に又は完璧に相補的な配列に対して少なくとも88%の配列同一性を有することが十分に認められている。
次に、「配列同一性パーセント」又は「同一性パーセント」は、比較される配列(「比較配列」)と、記載又は特許請求される配列(「参照配列」)とのアライメント後に、配列が特許請求又は記載される配列と比較されることを意味する。次いで、以下の式に従って同一性パーセントを決定し、同一性パーセント=100[1-(C/R)]
式中、Cは、参照配列と比較配列との間のアライメントの長さにわたる参照配列と比較配列との間の差異の数であり、
(i)比較配列中の対応する整列された塩基又はアミノ酸を有さない参照配列中の各塩基又はアミノ酸、及び
(ii)参照配列内の各ギャップ、及び
(iii)比較配列中の整列された塩基又はアミノ酸とは異なる参照配列中の各アライメントされた塩基又はアミノ酸は、差違を構成し、(iiii)アライメントは、整列された配列の1位で開始する必要があり、
Rは、比較配列とのアライメントの長さにわたる参照配列中の塩基又はアミノ酸の数であり、参照配列中に作成された任意のギャップも塩基又はアミノ酸としてカウントされる。
式中、Cは、参照配列と比較配列との間のアライメントの長さにわたる参照配列と比較配列との間の差異の数であり、
(i)比較配列中の対応する整列された塩基又はアミノ酸を有さない参照配列中の各塩基又はアミノ酸、及び
(ii)参照配列内の各ギャップ、及び
(iii)比較配列中の整列された塩基又はアミノ酸とは異なる参照配列中の各アライメントされた塩基又はアミノ酸は、差違を構成し、(iiii)アライメントは、整列された配列の1位で開始する必要があり、
Rは、比較配列とのアライメントの長さにわたる参照配列中の塩基又はアミノ酸の数であり、参照配列中に作成された任意のギャップも塩基又はアミノ酸としてカウントされる。
上記で計算された同一性パーセントがおおよそ特定の最小同一性パーセント以上である比較配列と参照配列との間にアライメントが存在する場合、本明細書で上記で計算された同一性パーセントが特定の同一性パーセント未満であるアライメントが存在し得るとしても、比較配列は、参照配列に対して特定の最小同一性パーセントを有する。
本明細書で理解される「インキュベーション」ステップでは、プローブ又はオリゴヌクレオチドなどの各々の部分又は対象を、特異的結合又はハイブリダイゼーション反応を可能にする当業者に公知の条件下、例えば、pH、温度、塩条件などで互いに接触させる。したがって、そのようなステップは、好ましくは、当技術分野で公知の緩衝系などの液体環境で行われてもよい。
本発明による「除去」ステップは、当技術分野で公知のように、特定の条件、例えば、pH、温度、塩条件などによって、プローブ又はオリゴヌクレオチドなどの除去される部分又は対象の洗浄を含んでもよい。
本発明による方法の一実施形態では、複数の分析物を並行してコード化することができることが理解される。これは、ステップ(1)における異なるセットの分析物特異的プローブの使用を必要とする。特定のセットの分析物特異的プローブは、別のセットの分析物特異的プローブとは異なる。これは、セット1の分析物特異的プローブが分析物1に結合し、セット2の分析物特異的プローブは分析物2に結合し、セット3の分析物特異的プローブは分析物3に結合することなどを意味する。この実施形態では、異なるセットの解読オリゴヌクレオチドの使用もステップ(4)で必要とされる。特定のセットの解読オリゴヌクレオチドは、別のセットの解読オリゴヌクレオチドとは異なる。これは、セット1の解読オリゴヌクレオチドが上記の分析物特異的プローブのセット1の分析物特異的プローブに結合し、セット2の解読オリゴヌクレオチドが上記の分析物特異的プローブのセット2の分析物特異的プローブに結合し、セット3の解読オリゴヌクレオチドが上記の分析物特異的プローブのセット3の分析物特異的プローブに結合することなどを意味する。複数の分析物が並行してコード化されるこの実施形態では、分析物特異的プローブの異なるセットが、分析物特異的プローブの異なるセットの予備混合物としてステップ(1)で提供されてもよく、及び/又は解読オリゴヌクレオチドの異なるセットが解読オリゴヌクレオチドの異なるセットの予備混合物としてステップ(4)で提供されてもよい。各混合物は、単一のバイアルに含まれてもよい。或いは、分析物特異的プローブの異なるセット及び/又は解読オリゴヌクレオチドの異なるセットは、ステップ(1)及び/又は(4)において単独で提供されてもよい。
「キット」は、本発明の使用及び/又は方法を実行するのに有用な個々の要素の組み合わせであり、要素は、方法で一緒に使用するために最適化されている。キットはまた、本発明による方法を実行するのに有用であってもよい追加の試薬、化学物質、緩衝液、反応バイアルなどを含んでもよい。そのようなキットは、本発明による方法を実施するために必要な全ての本質的な要素を統合し、したがって、エラーのリスクを最小限に抑える。したがって、そのようなキットはまた、半熟練の実験スタッフが本発明による方法を実施することを可能にする。
本明細書で特定される特徴、特性、利点、及び実施形態は、具体的に示されていなくても、本発明による方法、使用、及びキットに適用される。
本発明の一実施形態では、試料は、生物学的試料であり、好ましくは生物学的組織を含み、更に好ましくは生物学的細胞を含む。生物学的試料は、器官、オルガノイド、細胞培養物、幹細胞、細胞懸濁液、初代細胞、ウイルス、細菌又は真菌に感染した試料、真核生物又は原核生物試料、塗抹、疾患試料、組織切片に由来してもよい。
この方法は、生物学的試料、すなわち、当該分析物として核酸又はタンパク質を含む試料中の分析物又は単一の分析物分子をコード化、同定、検出、計数又は定量するのに特に適している。生物学的試料は、その天然の環境にあるような形態(すなわち、液体、半液体、固体など)であってもよいか、又は例えば、方法が実施される前に再液化されてもよい装置の表面上の乾燥フィルムとして処理されてもよいことが理解される。
本発明の別の実施形態では、ステップ(2)の前に、生物学的組織及び/又は生物学的細胞が固定されている。
この測定は、コード化される分析物、例えば、核酸又はタンパク質が固定化され、逃げることができないという利点を有する。そうすることで、分析物は、本発明による方法によってより良好な検出又はコード化のために調製される。試料の固定は、例えば、ホルマリン、エタノール、メタノール、又は当業者に公知の他の成分によって実行することができる。
なお更なる実施形態では、分析物特異的プローブのセット内で、個々の分析物特異的プローブは、コード化される分析物の1つの異なるサブ構造と特異的に相互作用する結合要素(S1、S2、S3、S4、S5)を含む。
この手段により、方法又はサイクルの終わりに得られるシグナル強度がそれぞれ増加するため、方法は更により堅牢で信頼性が高くなる。セットの個々のプローブは、同じ分析物に結合するが、分析物における又は分析物上のそれらの結合位置又は結合部位が異なることが理解される。したがって、第1、第2、第3、第4、第5などの分析物特異的プローブの結合要素S1、S2、S3、S4、S5などは、異なる位置に結合するが、重複してもしなくてもよい。
本発明による方法の別の実施形態では、以下の追加のステップ、
(9)当該試料から非結合シグナルオリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(10)シグナルを検出するステップと、を含む。
(9)当該試料から非結合シグナルオリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(10)シグナルを検出するステップと、を含む。
この手段により、方法は、シグナル要素を可視化するように適合された任意の手段によって、コード化された分析物を検出することができる程度まで更に開発される。検出可能な物理的特徴の例としては、例えば、光、化学反応、分子量、放射能などが挙げられる。
本発明による方法の更なる実施形態では、以下の追加のステップ、
(11)試料から解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドを選択的に除去し、それによってコード化される分析物への分析物特異的プローブの特異的結合を本質的に維持するステップが実行される。
(11)試料から解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドを選択的に除去し、それによってコード化される分析物への分析物特異的プローブの特異的結合を本質的に維持するステップが実行される。
この手段により、同じ分析物特異的プローブへの更なる解読オリゴヌクレオチドを結合させる別のラウンドの必要性が確立され、したがって最終的に2つ以上のシグナルを含むコード又はコード化スキームが得られる。このステップは、当業者に公知の条件及び因子、例えば、pH、温度、塩条件、オリゴヌクレオチド濃度、ポリマーなどを適用することによって実現される。
本発明の別の実施形態では、方法は、以下のステップ、
(12)ステップ(4)~(11)を少なくとも1回[(42)~(112)]繰り返して、少なくとも2つのシグナルからなるコード化スキームを生成するステップを含む。
(12)ステップ(4)~(11)を少なくとも1回[(42)~(112)]繰り返して、少なくとも2つのシグナルからなるコード化スキームを生成するステップを含む。
この手段により、2つ以上のシグナルのコードが設定され、すなわち、ユーザによって実行される2つの[(42)-(112)]、3つの[(43)-(113)]、4つの[(44)-(114)]、5つの[(45)-(115)]など[(4n)-(11n)]ラウンドの場合、2つ、3つ、4つ、5つなどのシグナルのコードが設定され、ここで「n」はラウンドの数を表す整数である。本発明による方法のコード化能力は、分析物の性質及びオペレータの必要性に応じて増加する。
本発明の一実施形態では、当該コード化スキームは、予め決定され、コード化される分析物に割り当てられる。
この手段は、使用される解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドの適切な連続的順序を提供することによって正確な実験設定を可能にし、したがって、それぞれのコード化スキームへの特定の分析物の正しい割り当てを可能にする。
反復ステップ(42)~(112)で使用される解読オリゴヌクレオチドは、前のステップ(4)~(11)で使用された解読オリゴヌクレオチドのトランスレータ要素(c1)と同一であるトランスレータ要素(c2)を含んでもよい。本発明の別の実施形態では、解読オリゴヌクレオチドは、前のステップ(4)~(11)で使用された解読オリゴヌクレオチドのトランスレータ要素(c1)とは異なるトランスレータ要素(c2)を含む反復ステップ(42)~(112)で使用される。
解読要素は、ラウンドごとに、すなわち、トランスレータ要素c2を含む第2のラウンド(42)~(112)、トランスレータ要素c3を含む第3のラウンド(43)~(113)、トランスレータ要素c4を含む第4のラウンド(44)~(114)、トランスレータ要素c5を含む第5のラウンド、トランスレータ要素cnを含む「n」ラウンド(4n)~(11n)などで変更されてもされなくてもよく、「n」はラウンドの数を表す整数であることを理解されたい。
反復ステップ(42)~(112)で使用されるシグナルオリゴヌクレオチドは、前のステップ(4)~(11)で使用された解読オリゴヌクレオチドのシグナル要素と同一であるシグナル要素を含んでもよい。本発明の更なる実施形態では、シグナルオリゴヌクレオチドは、前のステップ(4)~(11)で使用された解読オリゴヌクレオチドのシグナル要素とは異なるシグナル要素を含む反復ステップ(42)~(112)で使用される。
この手段により、同一又は異なるシグナルが各ラウンドに提供され、多数の異なるシグナルからなるシグナル配列を特徴とするコード化スキームが得られる。この手段は、コード化スキームの他の全てのコードワードとは異なる固有のコード又はコードワードの作成を可能にする。
本発明の別の実施形態では、分析物特異的プローブの結合要素(S)は、コード化される分析物への特異的結合、好ましくはコード化される分析物への特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む核酸を含む。
この手段は、特定のDNA分子、例えばゲノムDNA、核DNA、ミトコンドリアDNA、ウイルスDNA、細菌DNA、細胞外若しくは細胞内DNAなど、又は特定のmRNA分子、例えばhnRNA、miRNA、ウイルスRNA、細菌RNA、細胞外若しくは細胞内RNAなど、核酸分析物をコードするための条件を作り出す。
本発明の代替実施形態では、分析物特異的プローブの結合要素(S)は、コード化される分析物への特異的結合を可能にするアミノ酸配列を含み、好ましくは結合要素は抗体である。
この手段は、mRNA、例えば特定のタンパク質をコードするmRNAなどの核酸分析物をコードするための条件を作り出す。
別の実施形態では、コード化又は検出される分析物は、核酸、好ましくはDNA若しくはRNA、更に好ましくはmRNAであり、及び/又は代替的に、解読される分析物は、ペプチド又はタンパク質である。
この手段により、本発明は、臨床ルーチン又は生物学的問題の焦点において最も重要であるこのような種類の分析物の検出に適合される。
前述の特徴及び以下で言及される特徴は、それぞれの場合に示される組み合わせで使用することができるだけでなく、本発明の目的から逸脱することなく、他の組み合わせ又は分離された方法でも使用することができることを理解されたい。
ここで、本発明を、本発明の更なる特徴、特性及び利点をもたらす実施形態によって更に説明する。実施形態は、純粋な例示的な性質のものであり、本発明の目的又は範囲を限定するものではない。特定の実施形態で言及される特徴は、特定の実施形態に適用可能であるだけでなく、本発明の任意の実施形態の文脈において、分離された方法でも適用可能な本発明の一般的な特徴である。
以下の非限定的な例及び図面を参照することによって、本発明を更に詳細に記述及び説明する。
図1は、分析物が核酸であり、プローブセットが、分析物に特異的に結合するオリゴヌクレオチドを含む、実施形態。プローブは、解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする固有の識別子配列を含む。
図2は、分析物がタンパク質であり、プローブセットが分析物に特異的に結合するタンパク質(ここで、抗体)を含む実施形態。プローブは、解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする固有の識別子配列を含む。
図3は、本発明による方法のフローチャート。
図4は、解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドを適用するための代替選択肢。
図5は、2つの異なるシグナルタイプ及び3つの検出ラウンドによる3つの異なる核酸配列のシグナルコード化の例。この例では、コード化スキームは、エラー検出を含む。
図6は、検出サイクル数に対する生成されたコードワードの数(対数スケール)。
図7は、単一ステップの効率に基づく5ラウンドコード化スキームの計算された総効率。
図8は、異なる実験間の相対転写物存在量の比較。
図9は、異なる実験間の相対転写物存在量の相関。
図10は、シグナルの細胞間分布の比較。
図11は、シグナルの細胞内分布の比較。
図12は、異なる細胞サイクル依存転写物の分布パターン。
例
1.序論
本明細書に開示される方法は、多くの異なる分析物を並行して特異的に検出するために使用される。技術は、異なるシグナルが利用可能であるよりも多数の分析物を区別することを可能にする。プロセスは、好ましくは、少なくとも2回の連続するラウンドの特異的結合、シグナル検出及び選択的変性(次のラウンドが必要な場合)を含み、最終的にシグナルコードを生成する。分析物特異的結合と検出可能なシグナルを提供するオリゴヌクレオチドとの間の依存性を分離するために、いわゆる「解読」オリゴヌクレオチドが導入される。解読オリゴヌクレオチドは、分析物特異的プローブセットの情報をシグナルオリゴヌクレオチドに転写する。
1.序論
本明細書に開示される方法は、多くの異なる分析物を並行して特異的に検出するために使用される。技術は、異なるシグナルが利用可能であるよりも多数の分析物を区別することを可能にする。プロセスは、好ましくは、少なくとも2回の連続するラウンドの特異的結合、シグナル検出及び選択的変性(次のラウンドが必要な場合)を含み、最終的にシグナルコードを生成する。分析物特異的結合と検出可能なシグナルを提供するオリゴヌクレオチドとの間の依存性を分離するために、いわゆる「解読」オリゴヌクレオチドが導入される。解読オリゴヌクレオチドは、分析物特異的プローブセットの情報をシグナルオリゴヌクレオチドに転写する。
第1の適用変形例では、分析物又は標的は、核酸、例えばDNA又はRNAであり、プローブセットは、検出される核酸配列の配列全体又は部分配列に部分的又は完全に相補的なオリゴヌクレオチドを含む(図1)。検出される標的核酸配列に特異的にハイブリダイズする結合要素(S)、及び当該分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)を含む分析物特異的プローブ(1)を含む核酸配列特異的オリゴヌクレオチドプローブセット。
第2の適用変形例では、分析物又は標的は、タンパク質であり、プローブセットは1つ又は複数のタンパク質、例えば抗体を含む(図2)。検出される標的タンパク質と特異的に相互作用する抗体の(超)可変領域などの結合要素(T)及び識別子要素(T)を含む分析物特異的プローブ(1)を含むタンパク質特異的プローブセット。
第3の適用変形例では、少なくとも1つの分析物は、核酸であり、少なくとも第2の分析物は、タンパク質であり、少なくとも第1のプローブセットは、核酸配列に結合し、少なくとも第2のプローブセットは、タンパク質分析物に特異的に結合する。他の組み合わせも可能である。
2.本発明による一般的な方法
ワークフローをより深く解明するために、以下のワークフローが第1の適用変形例で制限される。熟練者は、例示的なワークフローを他の適用に容易に適合させることができる。方法ステップは、図3のフローチャートに示されている。
ワークフローをより深く解明するために、以下のワークフローが第1の適用変形例で制限される。熟練者は、例示的なワークフローを他の適用に容易に適合させることができる。方法ステップは、図3のフローチャートに示されている。
ステップ1:分析物又は標的特異的プローブセットの適用。標的核酸配列を、標的核酸に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブセットと共にインキュベートする。この例では、5つの異なるプローブのプローブセットが示され、各々は、標的核酸配列(S1~S5)の個々の部分配列に相補的な配列要素を含む。この例では、領域は重複しない。同じ核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチドの各々は、それぞれ、識別子要素又は固有の識別子配列(T)を含む。
ステップ2:プローブセットのハイブリダイゼーション。プローブセットは、特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で標的核酸配列にハイブリダイズする。インキュベーション後、プローブをそれらの対応する標的配列にハイブリダイズさせ、次のステップの識別子要素(T)を提供する。
ステップ3:非結合プローブの除去。ハイブリダイゼーション後、例えば、洗浄ステップによって、非結合オリゴヌクレオチドを除去する。
ステップ4:解読オリゴヌクレオチドの適用。少なくとも2つの配列要素(t)及び(c)からなる解読オリゴヌクレオチドを適用する。配列要素(t)は、固有の識別子配列(T)に相補的であるが、配列要素(c)は、シグナルオリゴヌクレオチド(トランスレータ要素)のその後のハイブリダイゼーションのための領域を提供する。
ステップ5:解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。解読オリゴヌクレオチドは、それらの相補的な第1の配列要素(t)を介してプローブ(T)の固有の識別子配列とハイブリダイズする。インキュベーション後、解読オリゴヌクレオチドは、その後のハイブリダイゼーションステップのために、トランスレータ配列要素(c)を提供する。
ステップ6:過剰な解読オリゴヌクレオチドの除去。ハイブリダイゼーション後、例えば、洗浄ステップによって、非結合解読オリゴヌクレオチドを除去する。
ステップ7:シグナルオリゴヌクレオチドの適用。シグナルオリゴヌクレオチドを適用する。シグナルオリゴヌクレオチドは、トランスレータ配列要素(c)と本質的に相補的である少なくとも1つの第2のコネクタ要素(C)と、検出可能なシグナル(F)を提供する少なくとも1つのシグナル要素とを含む。
ステップ8:シグナルオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。シグナルオリゴヌクレオチドは、相補的配列コネクタ要素(C)を介して、解読オリゴヌクレオチドのトランスレータ要素(c)にハイブリダイズする。インキュベーション後、シグナルオリゴヌクレオチドをそれらの対応する解読オリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、検出することができるシグナル(F)を提供する。
ステップ9:過剰なシグナルオリゴヌクレオチドの除去。ハイブリダイゼーション後、例えば、洗浄ステップによって、非結合シグナルオリゴヌクレオチドを除去する。
ステップ10:シグナル検出。シグナルオリゴヌクレオチドによって提供されるシグナルが検出される。
最後の検出ラウンドでは、以下のステップ(ステップ11及び12)は不要である。
ステップ11:選択的変性。固有の識別子配列(T)と解読オリゴヌクレオチドの第1の配列要素(t)との間のハイブリダイゼーションが溶解される。不安定化は、例えば、温度の上昇、変性剤などの当業者に周知の異なる機構を介して達成することができる。標的又は分析物特異的プローブは、このステップの影響を受けない。
ステップ12:変性された解読オリゴヌクレオチドの除去。変性された解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドを除去し(例えば、洗浄ステップによって)、遊離の固有の識別子配列を有する特異的プローブセットを残し、ハイブリダイゼーション及び検出の次のラウンドで再利用可能にする(ステップ4~10)。この検出サイクル(ステップ4~12)は、計画されたコード化スキームが完了するまで「n」回繰り返される。
検出の各ラウンドにおいて、特定の固有の識別子によって提供されるシグナルのタイプは、特定の解読オリゴヌクレオチドの使用によって制御されることに留意されたい。結果として、検出サイクルに適用された解読オリゴヌクレオチドの配列は、プローブセットの結合特異性を固有のシグナル配列に転写する。
3.解読及びシグナルオリゴヌクレオチドを適用するための代替選択肢
解読オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ステップ4~6)及びシグナルオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ステップ7~9)のステップはまた、図4に示すように、2つの代替的な方法で組み合わせることもできる。
解読オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ステップ4~6)及びシグナルオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ステップ7~9)のステップはまた、図4に示すように、2つの代替的な方法で組み合わせることもできる。
選択肢1:同時ハイブリダイゼーション。図3のステップ4~9の代わりに、解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションも同時に行うことができ、過剰な解読及びシグナルオリゴヌクレオチドを除去した後、図3のステップ9に示されるものと同じ結果をもたらすことができる。
選択肢2:プレインキュベーション。図3の選択肢1に加えて、既に結合した特異的プローブセット有する標的核酸に適用する前に、解読及びシグナルオリゴヌクレオチドを別個の反応でプレインキュベートすることができる。
4.2つの異なるシグナルタイプ及び3つの検出ラウンドによる3つの異なる核酸配列のシグナルコード化の例
図3は、解読オリゴヌクレオチドによって媒介される特異的シグナルの生成及び検出の一般的な概念を示す。この手順によって達成することができるコード化の一般的な概念は示されていない。コード化スキームの生成について図3に示すプロセスの使用を説明するために、図5は、3つの異なる核酸配列を用いた複数のラウンドコード化実験の一般的な例を示す。この例では、コード化スキームは、エラー検出を含む。
図3は、解読オリゴヌクレオチドによって媒介される特異的シグナルの生成及び検出の一般的な概念を示す。この手順によって達成することができるコード化の一般的な概念は示されていない。コード化スキームの生成について図3に示すプロセスの使用を説明するために、図5は、3つの異なる核酸配列を用いた複数のラウンドコード化実験の一般的な例を示す。この例では、コード化スキームは、エラー検出を含む。
ステップ1:標的核酸。この例では、3つの異なる標的核酸(A)、(B)及び(C)は、2つの異なるタイプのシグナルのみを使用することによって検出及び区別される必要がある。実験を開始する前に、特定のコード化スキームが設定される。この例では、3つの異なる核酸配列は、エラー検出を可能にするために、2つの異なるシグナル(1)及び(2)並びに得られるハミング距離2を用いた3回ラウンドの検出によってコードされる。計画されたコードワードは以下のとおりである。
配列A:(1)-(2)-(2)、
配列B:(1)-(1)-(1)、
配列C:(2)-(1)-(2)。
配列A:(1)-(2)-(2)、
配列B:(1)-(1)-(1)、
配列C:(2)-(1)-(2)。
ステップ2:プローブセットのハイブリダイゼーション。各標的核酸について、独自のプローブセットが適用され、特異的に対象となる核酸配列にハイブリダイズする。各プローブセットは、固有の識別子配列(T1)、(T2)又は(T3)を提供する。このようにして、各異なる標的核酸が固有に標識される。この例では、配列(T)は(T1)、配列(B)は(T2)、配列(C)は(T3)で標識される。図は、図3のステップ1~3を要約する。
ステップ3:解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。存在する各固有の識別子について、特定の解読オリゴヌクレオチドが、その第1の配列要素(ここで、(t1)~(T1)、(t2)~(T2)、(t3)~(T3))によって対応する固有の識別子配列に特異的にハイブリダイズするように適用される。解読オリゴヌクレオチドの各々は、シグナルオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション後に生成されるシグナルを定義するトランスレータ要素を提供する。ここで、核酸配列(A)及び(B)は、トランスレータ要素(c1)で標識され、配列(C)は、(c2)で標識される。図は、図3のステップ4~6を要約する。
ステップ4:シグナルオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション。トランスレータ要素の各タイプについて、他のシグナルオリゴヌクレオチドのシグナルと区別可能な特定のシグナル(2)を有するシグナルオリゴヌクレオチドを適用する。このシグナルオリゴヌクレオチドは、対応するトランスレータ要素に特異的にハイブリダイズすることができる。図は、図3のステップ7~9を要約する。
ステップ5:コード化スキームのシグナル検出。異なるシグナルが検出される。この例では、核酸配列(C)は、それが提供する固有のシグナル(2)によって他の配列と区別することができるが、配列(A)及び(B)は同じ種類のシグナル(1)を提供し、最初の検出サイクル後には区別することができないことに留意されたい。これは、検出される異なる核酸配列の数が利用可能な異なるシグナルの数を超えるという事実に起因する。図は、図3のステップ10に対応する。
ステップ6:選択的変性。検出される全ての核酸配列の解読(及びシグナル)オリゴヌクレオチドは、図3のステップ11及び12に記載されるように、選択的に変性され、除去される。その後、異なるプローブセットの固有の識別子配列を、次のラウンドのハイブリダイゼーション及び検出のために使用することができる。
ステップ7:第2ラウンドの検出。ハイブリダイゼーション及び検出の次のラウンドは、ステップ3~5に記載されているように行われる。この新しいラウンドでは、異なる解読オリゴヌクレオチドの混合が変更されることに留意されたい。例えば、第1ラウンドで使用される核酸配列(A)の解読オリゴヌクレオチドは配列要素(t1)及び(c1)からなり、新しい解読オリゴヌクレオチドは配列要素(t1)及び(c2)からなる。ここで、第1及び第2ラウンドのシグナルとの固有の組み合わせにより、3つの配列全てを明確に区別できることに留意されたい。
ステップ8:第3ラウンドの検出。再び、解読オリゴヌクレオチドの新しい組み合わせが使用され、新しいシグナルの組み合わせがもたらされる。シグナル検出後、3つの異なる核酸配列の結果として得られたコードワードは、固有であり、識別可能であるだけでなく、他のコードワードに対して2のハミング距離を含む。ハミング距離に起因して、シグナルの検出(シグナル交換)のエラーは、有効なコードワードをもたらさず、したがって検出することができる。このようにして、3つの異なる核酸を2つの異なるシグナルで3回の検出ラウンドで区別することができ、エラー検出が可能になる。
5.従来技術に対する利点
コード化戦略
最新技術の方法と比較して、本発明による方法の1つの特定の利点は、標的特異的プローブとシグナルオリゴヌクレオチドとの間の依存性を破壊する解読オリゴヌクレオチドの使用である。
コード化戦略
最新技術の方法と比較して、本発明による方法の1つの特定の利点は、標的特異的プローブとシグナルオリゴヌクレオチドとの間の依存性を破壊する解読オリゴヌクレオチドの使用である。
標的特異的プローブ及びシグナル生成を分離することなく、2つの異なる分子タグを使用する場合、2つの異なるシグナルを特定の標的についてのみ生成することができる。これらの分子タグの各々は、1回のみ使用することができる。同じ分子タグの複数回の読み出しは、標的に関する情報を増加させない。コード化スキームを作成するために、各ラウンド後の標的特異的プローブセットの変更が必要であるか(SeqFISH)又は複数の分子タグが同じプローブセットに存在しなければならない(merFISH、イントロンSeqFISHなど)。
本発明による方法に続いて、異なるシグナルは、同じ固有の識別子(分子タグ)及び少数の異なる、ほとんどコスト集約的なシグナルオリゴヌクレオチドを再利用する解読オリゴヌクレオチドを使用することによって達成される。これは、他の方法とは対照的に、いくつかの利点をもたらす。
(1)コード化スキームは、従来技術の他の全ての方法の場合のように、標的特異的プローブセットによって定義されない。ここで、コード化スキームは、解読オリゴヌクレオチドによって転写される。これにより、ラウンド数に関するはるかに高い柔軟性及びコードワードのシグナル選択の自由度がもたらされる。先行技術の方法(例えば、merFISH又はイントロンSeqFISH)を見ると、全ての標的配列に対するコード化スキーム(検出可能なシグナルの数、タイプ及び配列)は、特異的プローブセット上の異なるタグ配列の存在によって事前に定義される(merFISHの場合はプローブセットあたり16個の異なるタグのうち4個、イントロンFISHの場合は60個の異なるタグのうち5個)。プローブセットあたり十分な数の異なるタグを作製するために、方法は、1つの標的特異的オリゴヌクレオチド上にいくつかのタグが存在するかなり複雑なオリゴヌクレオチド設計を使用する。特定の標的核酸のコード化スキームを変更するために、特異的プローブセットを交換する必要がある。本発明による方法は、新しい情報を生成するために検出ラウンドごとに再利用することができるので、分析物ごとに単一の固有のタグ配列(固有の識別子)の使用を記載する。コード化スキームは、検出ラウンドで使用される解読オリゴヌクレオチドの順序によって定義される。したがって、コード化スキームは、特異的プローブ(又は固有のタグ配列)によって事前に定義されないが、実験中でも異なる必要性に合わせて調整することができる。これは、検出ラウンドで使用される解読オリゴヌクレオチドを単に変更するか、又は追加の検出ラウンドを追加することによって達成される。
(2)異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数は、従来技術の方法(merFISHの場合は16、イントロンSeqFISHの場合は60)で異なるタグ配列の数と一致しなければならない。本発明による方法を使用すると、異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数は、使用される異なるシグナルの数と一致する。これにより、シグナルオリゴヌクレオチドの数は、本明細書に記載の方法について一定のままであり、異なるシグナルの数を超えないが、従来技術の方法におけるコード化スキームの複雑さと共に増加する(より多くの検出ラウンドが、より多くの異なるシグナルオリゴヌクレオチドを必要とする)。結果として、本明細書に記載の方法は、非常に低い複雑さ(環境とのシグナルオリゴヌクレオチドの相互作用又は互いに)をもたらし、主要なコスト要因がシグナルオリゴヌクレオチドであるため、アッセイのコストを劇的に低減する。
(3)先行技術の方法では、標的特異的プローブセットによって生成される異なるシグナルの数は、プローブセットが提供することができる異なるタグ配列の数によって制限される。各追加のタグ配列は標的特異的プローブの総サイズを増加させるため、単一のプローブが提供することができる異なるタグの数に制限がある。この制限は、いくつかの問題(意図しない分子間及び分子内相互作用、コスト、拡散速度、安定性、合成中の誤差など)のサイズ依存性の増加によって与えられる。更に、特定の分析物に適用することができる標的特異的プローブの総数の制限がある。核酸の場合、この制限は、標的配列の長さ及び適切な結合部位の割合によって与えられる。これらの要因は、プローブセットが提供することができる異なるシグナルの数に深刻な制限をもたらす(merFISHの場合は4つのシグナル、イントロンSeqFISHの場合は5つのシグナル)。この制限は、特定の数の検出ラウンドで生成することができる異なるコードワードの数に実質的に影響を及ぼす。本発明の手法では、1つのタグのみが必要であり、全ての検出ラウンドで自由に再利用することができる。これは、オリゴヌクレオチドの複雑度/長さを低くすると同時に、可能な最大コード効率(色の数、ラウンドの数)をもたらす。他の方法と比較した本発明者らの方法のコード化能力の膨大な差を図1及び5に示す。これにより、本発明の手法では、同じ量の情報を生成するために必要な検出ラウンドの数がはるかに少なくなる。検出ラウンドの数が少ないほど、コストが低く、実験時間が短く、複雑さが低く、安定性及び成功率が高く、収集及び分析されるデータの量が少なく、結果の精度が高いことにつながる。
(1)コード化スキームは、従来技術の他の全ての方法の場合のように、標的特異的プローブセットによって定義されない。ここで、コード化スキームは、解読オリゴヌクレオチドによって転写される。これにより、ラウンド数に関するはるかに高い柔軟性及びコードワードのシグナル選択の自由度がもたらされる。先行技術の方法(例えば、merFISH又はイントロンSeqFISH)を見ると、全ての標的配列に対するコード化スキーム(検出可能なシグナルの数、タイプ及び配列)は、特異的プローブセット上の異なるタグ配列の存在によって事前に定義される(merFISHの場合はプローブセットあたり16個の異なるタグのうち4個、イントロンFISHの場合は60個の異なるタグのうち5個)。プローブセットあたり十分な数の異なるタグを作製するために、方法は、1つの標的特異的オリゴヌクレオチド上にいくつかのタグが存在するかなり複雑なオリゴヌクレオチド設計を使用する。特定の標的核酸のコード化スキームを変更するために、特異的プローブセットを交換する必要がある。本発明による方法は、新しい情報を生成するために検出ラウンドごとに再利用することができるので、分析物ごとに単一の固有のタグ配列(固有の識別子)の使用を記載する。コード化スキームは、検出ラウンドで使用される解読オリゴヌクレオチドの順序によって定義される。したがって、コード化スキームは、特異的プローブ(又は固有のタグ配列)によって事前に定義されないが、実験中でも異なる必要性に合わせて調整することができる。これは、検出ラウンドで使用される解読オリゴヌクレオチドを単に変更するか、又は追加の検出ラウンドを追加することによって達成される。
(2)異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数は、従来技術の方法(merFISHの場合は16、イントロンSeqFISHの場合は60)で異なるタグ配列の数と一致しなければならない。本発明による方法を使用すると、異なるシグナルオリゴヌクレオチドの数は、使用される異なるシグナルの数と一致する。これにより、シグナルオリゴヌクレオチドの数は、本明細書に記載の方法について一定のままであり、異なるシグナルの数を超えないが、従来技術の方法におけるコード化スキームの複雑さと共に増加する(より多くの検出ラウンドが、より多くの異なるシグナルオリゴヌクレオチドを必要とする)。結果として、本明細書に記載の方法は、非常に低い複雑さ(環境とのシグナルオリゴヌクレオチドの相互作用又は互いに)をもたらし、主要なコスト要因がシグナルオリゴヌクレオチドであるため、アッセイのコストを劇的に低減する。
(3)先行技術の方法では、標的特異的プローブセットによって生成される異なるシグナルの数は、プローブセットが提供することができる異なるタグ配列の数によって制限される。各追加のタグ配列は標的特異的プローブの総サイズを増加させるため、単一のプローブが提供することができる異なるタグの数に制限がある。この制限は、いくつかの問題(意図しない分子間及び分子内相互作用、コスト、拡散速度、安定性、合成中の誤差など)のサイズ依存性の増加によって与えられる。更に、特定の分析物に適用することができる標的特異的プローブの総数の制限がある。核酸の場合、この制限は、標的配列の長さ及び適切な結合部位の割合によって与えられる。これらの要因は、プローブセットが提供することができる異なるシグナルの数に深刻な制限をもたらす(merFISHの場合は4つのシグナル、イントロンSeqFISHの場合は5つのシグナル)。この制限は、特定の数の検出ラウンドで生成することができる異なるコードワードの数に実質的に影響を及ぼす。本発明の手法では、1つのタグのみが必要であり、全ての検出ラウンドで自由に再利用することができる。これは、オリゴヌクレオチドの複雑度/長さを低くすると同時に、可能な最大コード効率(色の数、ラウンドの数)をもたらす。他の方法と比較した本発明者らの方法のコード化能力の膨大な差を図1及び5に示す。これにより、本発明の手法では、同じ量の情報を生成するために必要な検出ラウンドの数がはるかに少なくなる。検出ラウンドの数が少ないほど、コストが低く、実験時間が短く、複雑さが低く、安定性及び成功率が高く、収集及び分析されるデータの量が少なく、結果の精度が高いことにつながる。
コード化能力
以下の表1で比較した3つの方法は全て、異なる検出ラウンド間で変性しない特異的プローブセットを使用する。イントロンSeqFISHの場合、1つのコード化ラウンドの疑似色を生成するために必要な4つの検出ラウンドがあり、したがって、データは、ラウンド4、8、12、16及び20についてのみ与えられる。merFISH法は、一定数の4シグナルを使用し、したがって、データは、可能な限り少ないラウンド数で始まる。8つの検出ラウンドの後、本発明者らの方法は、20ラウンドのmerFISHで到達した最大コード化能力(1つのアスタリスクで示す)を超え、12ラウンドの検出の後、イントロンFISHの最大コード化能力(2つのアスタリスクで示す)を超える。本発明による方法では、(イントロンSeqFISHと同様に)3つの異なるシグナルの使用が想定される。
以下の表1で比較した3つの方法は全て、異なる検出ラウンド間で変性しない特異的プローブセットを使用する。イントロンSeqFISHの場合、1つのコード化ラウンドの疑似色を生成するために必要な4つの検出ラウンドがあり、したがって、データは、ラウンド4、8、12、16及び20についてのみ与えられる。merFISH法は、一定数の4シグナルを使用し、したがって、データは、可能な限り少ないラウンド数で始まる。8つの検出ラウンドの後、本発明者らの方法は、20ラウンドのmerFISHで到達した最大コード化能力(1つのアスタリスクで示す)を超え、12ラウンドの検出の後、イントロンFISHの最大コード化能力(2つのアスタリスクで示す)を超える。本発明による方法では、(イントロンSeqFISHと同様に)3つの異なるシグナルの使用が想定される。
図6に示すように、merFISHのコードワードの数は、検出サイクル数と共に指数関数的に増加しないが、各ラウンドを追加すると効果が低下する。対照的に、本発明による方法におけるイントロンSeqFISHのコードワードの数は、指数関数的に増加する。提案された方法の曲線の傾きは、イントロンFISHの傾きよりもはるかに高く、20ラウンドの検出後に使用可能な10,000倍を超えるコードワードをもたらす。
このコード化能力の最大効率は、seqFISHの場合にも達成され、この場合、特異的プローブが検出ラウンド毎に変性され、新しいプローブセットが検出ラウンド毎に標的配列に特異的にハイブリダイズされることに留意されたい。しかし、この方法は、それらのコード化スキーム(他の全ての方法)のためにただ1つの特異的ハイブリダイゼーションを使用する技術に対する大きな欠点を有する。
(1)特異的プローブの効率的な変性のためには、むしろ粗条件(高温、高濃度の変性剤、長いインキュベーション時間)を使用しなければならず、分析物の損失又は損傷の可能性がはるかに高くなる。
(2)検出の各ラウンドについて、全ての標的核酸配列に対して独自のプローブセットを使用しなければならない。したがって、実験に必要な特異的プローブの数は、コード化スキームに必要な異なるシグナルの数に比例する。これは、アッセイの複雑さ及びコストを劇的に増加させる。
(3)全ての標的核酸分子のハイブリダイゼーション効率は、いくつかの確率的効果を受けるため、異なる検出ラウンド間のシグナル強度の変動は、1つの特異的ハイブリダイゼーション事象のみを使用する方法よりもはるかに高く、完全なコードの割合を減少させる。
(4)特異的ハイブリダイゼーションに必要な時間は、シグナルオリゴヌクレオチド又は解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション(イントロンSeqFISH、merFISH及びseqFISH刊行物の方法部分に見ることができるように)よりもはるかに長く、これは実験を完了するのに必要な時間を劇的に増加させる。
(1)特異的プローブの効率的な変性のためには、むしろ粗条件(高温、高濃度の変性剤、長いインキュベーション時間)を使用しなければならず、分析物の損失又は損傷の可能性がはるかに高くなる。
(2)検出の各ラウンドについて、全ての標的核酸配列に対して独自のプローブセットを使用しなければならない。したがって、実験に必要な特異的プローブの数は、コード化スキームに必要な異なるシグナルの数に比例する。これは、アッセイの複雑さ及びコストを劇的に増加させる。
(3)全ての標的核酸分子のハイブリダイゼーション効率は、いくつかの確率的効果を受けるため、異なる検出ラウンド間のシグナル強度の変動は、1つの特異的ハイブリダイゼーション事象のみを使用する方法よりもはるかに高く、完全なコードの割合を減少させる。
(4)特異的ハイブリダイゼーションに必要な時間は、シグナルオリゴヌクレオチド又は解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション(イントロンSeqFISH、merFISH及びseqFISH刊行物の方法部分に見ることができるように)よりもはるかに長く、これは実験を完了するのに必要な時間を劇的に増加させる。
これらの理由から、全ての他の方法は、単一の特異的ハイブリダイゼーション事象を使用し、より低いコード複雑性の主な欠点、したがってより多くの検出ラウンドの必要性及びより高いオリゴヌクレオチド設計の複雑性を受け入れる。
本発明による方法は、このような方法の主要な問題を排除しながら、seqFISHの利点(主に、コード化スキームに関する完全な自由度)を、ただ1つの特異的ハイブリダイゼーション事象を使用する方法の全ての利点と組み合わせる。
20ラウンド後に生成された多数のコードワードを使用して、異なるコードワード間により高いハミング距離(差)を導入することもでき、1、2、又は更により多くのエラー、更にはエラー補正のエラー検出を可能にすることに留意されたい。したがって、非常に高いコード化能力であっても、依然として実際的に適切である。
6. 選択的変性、オリゴヌクレオチドアセンブリ、及び固有の識別子の再利用は驚くほど効率的である。
本発明による方法の重要な要素は、解読オリゴヌクレオチド結合、シグナルオリゴヌクレオチド結合、シグナル検出及び選択的変性の連続的なプロセスである。コード化スキームを生成するために、このプロセスを(コードワードの長さに応じて)数回繰り返す必要がある。同じ固有の識別子が全ての検出サイクルで再使用されるため、最初の検出サイクルから最後の検出サイクルまでの全てのイベントは互いに依存している。更に、選択的変性は、2つの異なるイベントに依存する。解読オリゴヌクレオチドは、最も高い効率を有する固有の識別子から溶解されなければならないが、特異的プローブは、最高効率でハイブリダイズされたままでなければならない。
本発明による方法の重要な要素は、解読オリゴヌクレオチド結合、シグナルオリゴヌクレオチド結合、シグナル検出及び選択的変性の連続的なプロセスである。コード化スキームを生成するために、このプロセスを(コードワードの長さに応じて)数回繰り返す必要がある。同じ固有の識別子が全ての検出サイクルで再使用されるため、最初の検出サイクルから最後の検出サイクルまでの全てのイベントは互いに依存している。更に、選択的変性は、2つの異なるイベントに依存する。解読オリゴヌクレオチドは、最も高い効率を有する固有の識別子から溶解されなければならないが、特異的プローブは、最高効率でハイブリダイズされたままでなければならない。
この式に基づいて、各単一ステップの効率は、方法の所与の総効率について推定することができる。計算は、各プロセスが同じ効率を有することを仮定することに基づく。総効率は、存在する全シグナルのうち解読に成功可能なシグナルの部分を表す。
方法の総効率は、式によって記述される異なる因子の各単一ステップの効率に依存する。均等に分布した効率の仮定の下で、図7に示すように、総効率を単一ステップ効率に対してプロットすることができる。見て分かるように、5回の検出サイクルを有する符コード化スキームの実際に適切な総効率は、明らかに90%を超える単一ステップ効率でのみ達成することができる。例えば、50%の総効率を達成するために、97.8%の各単一ステップ内の平均効率が必要である。これらの計算は、100%シグナル検出及び分析効率の仮定に基づいている。様々な配列のオリゴヌクレオチドの広いDNA融解曲線のために、本発明者らは、実験前に、選択的変性は、解読オリゴヌクレオチドの変性に対してあまり効率的ではなく、配列特異的結合プローブは十分に安定ではないと仮定した。この仮定とは対照的に、本発明者らは、全てのステップの驚くべき有効性及び選択的変性中の配列特異的プローブの高い安定性を見出した。
実験的に、本発明者らは、5回の検出サイクルに基づいて、約30%~65%の総解読効率を達成した。上記の式による各単一ステップ(Bsp、Bde、Bsi、Ede、Ssp)の効率の計算は、約94.4%~98%の平均効率を明らかにした。これらの高い効率は非常に驚くべきことであり、この分野における熟練者は容易に予想することができない。
7.実験データ
背景
この実験は、単一分子分割と並行して10~50の異なるmRNA種の特異的検出を示す。これは、5回の検出サイクル、3つの異なる蛍光シグナル、及びシグナルギャップのないコード化スキーム、及び2のハミング距離(エラー検出)に基づく。実験は、本発明による方法の有効性及び機能性を証明している。
背景
この実験は、単一分子分割と並行して10~50の異なるmRNA種の特異的検出を示す。これは、5回の検出サイクル、3つの異なる蛍光シグナル、及びシグナルギャップのないコード化スキーム、及び2のハミング距離(エラー検出)に基づく。実験は、本発明による方法の有効性及び機能性を証明している。
オリゴヌクレオチド及びそれらの配列
実験で使用される全てのオリゴヌクレオチド配列(標的特異的プローブ、解読オリゴヌクレオチド、シグナルオリゴヌクレオチド)は、付録の配列表に列挙されている。シグナルオリゴヌクレオチドR:ST05*O_Atto594は、bioers.net GmbHに注文した。他の全てのオリゴヌクレオチドは、Integrated DNA Technologiesに注文した。オリゴヌクレオチドを水に溶解した。ストック溶液(100μM)を-20℃で保存した。
実験で使用される全てのオリゴヌクレオチド配列(標的特異的プローブ、解読オリゴヌクレオチド、シグナルオリゴヌクレオチド)は、付録の配列表に列挙されている。シグナルオリゴヌクレオチドR:ST05*O_Atto594は、bioers.net GmbHに注文した。他の全てのオリゴヌクレオチドは、Integrated DNA Technologiesに注文した。オリゴヌクレオチドを水に溶解した。ストック溶液(100μM)を-20℃で保存した。
実験の概要
50の異なる標的特異的プローブセットを5つの群に分ける。検出される転写物の名称及び標的特異的プローブセットの名称は同じである(www.ensemble.orgの転写物バリアント名)。「新規」という用語は、修正されたプローブ設計を示す。プローブセットの全てのオリゴヌクレオチド配列は、配列表に見出すことができる。表には、プローブセットの固有の識別子名、並びに異なる検出サイクルで使用される解読オリゴヌクレオチドの名称が列挙されている。得られたコードは、5回の検出サイクル中に生成された蛍光シグナルの配列を示す(G(reen)=Alexa Fluor 488、O(range)=Atto 594、Y(ellow)=Alexa Fluor 546)。
50の異なる標的特異的プローブセットを5つの群に分ける。検出される転写物の名称及び標的特異的プローブセットの名称は同じである(www.ensemble.orgの転写物バリアント名)。「新規」という用語は、修正されたプローブ設計を示す。プローブセットの全てのオリゴヌクレオチド配列は、配列表に見出すことができる。表には、プローブセットの固有の識別子名、並びに異なる検出サイクルで使用される解読オリゴヌクレオチドの名称が列挙されている。得られたコードは、5回の検出サイクル中に生成された蛍光シグナルの配列を示す(G(reen)=Alexa Fluor 488、O(range)=Atto 594、Y(ellow)=Alexa Fluor 546)。
実験の変形
実験のいくつかの変形を行った。実験1~4は、並行して検出された転写物の数が主に異なる。標的特異的プローブセットとして列挙された群は、表6を参照する。実験5~8は、解読されたシグナルと比較するための単一ラウンドの単一の標的対照である。
実験の詳細
A.細胞の播種及び培養
HeLa細胞をHeLa細胞培養培地でほぼ100%コンフルエントに増殖させた。HeLa細胞培養培地は、10%FCS(Biochrom、カタログ番号S0415)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma-Adrich、カタログ番号P0781)及び1%MEM非必須アミノ酸溶液(Thermo Fisher、カタログ番号11140035)を含むDMEM(Thermo Fisher、カタログ番号31885)を含む。細胞培養培地を吸引した後、細胞を、PBS(水中1,424g/lのNa2HPO4*2H2O、0,276g/lのNaH2PO4*2H2O、8,19g/lのNaCl、pH7,4)による洗浄ステップの後、トリプシンEDTA溶液(Sigma-Aldrich、カタログ番号T3924)での5分間の37℃でのインキュベーションによってトリプシン処理した。次いで、μ-Slide 8 Well ibidiTreat(Ibidi、カタログ番号80826)のウェルに細胞を播種した。ウェルあたりの細胞の数を、細胞の接着後に約50%のコンフルエントに達するように調整した。細胞を、ウェルあたり200μlのHeLa細胞培養培地で一晩インキュベートした。
B.細胞の固定
細胞培養培地の吸引及びウェルあたり200μlの37℃加温PBSでの2回の洗浄ステップの後、細胞を200μlの予冷メタノール(-20℃、Roth、カタログ番号0082.1)で-20℃で10分間固定した。
C.スダンブラックによる対比染色
メタノールを吸引し、70%エタノール中で希釈した150μlの0.2%スダンブラック溶液を各ウェルに添加した。ウェルを暗所で5分間、室温でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を、ウェルあたり400μlの70%エタノールで3回洗浄して、過剰のスダンブラック溶液を除去した。
D.分析物/標的特異的プローブのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。sm洗浄緩衝液は、30mMクエン酸Na3、300mM NaCl、pH7、10%ホルムアミド(Roth、カタログ番号号P040.1)及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体(NEB、カタログ番号S1402S)を含む。各標的特異的プローブセットについて、1μlの100μMオリゴヌクレオチドストック溶液を混合物に添加した。オリゴヌクレオチドストック溶液は、対応する標的特異的プローブセットの全ての標的特異的オリゴヌクレオチドの等モル量を含む。混合物の総体積を水で100μlに調整し、100μlの2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液と混合した。2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液は、120mM クエン酸Na3、1200mM NaCl、pH7、20%ホルムアミド及び20mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。得られた200μlのハイブリダイゼーション混合物を対応するウェルに添加し、37℃で2時間インキュベートした。その後、細胞をウェルあたり200μlで10分間、標的プローブ洗浄緩衝液で37℃で3回洗浄した。標的プローブ洗浄緩衝液は、30mM クエン酸Na3、300mM NaCl、pH7、20%ホルムアミド及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。
E.解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。各解読オリゴヌクレオチドについて、1,5μlの5μMストック溶液を混合物に添加した。混合物の総体積を水で75μlに調整し、75μlの2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液と混合した。得られた150μlの解読オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション混合物を対応するウェルに添加し、室温で45分間インキュベートした。その後、細胞をウェルあたり200μlで2分間、sm洗浄緩衝液で室温で3回洗浄した。
F.シグナルオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。シグナルオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション混合物は、実験1~4の全てのラウンドについて同じであり、1×濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液中に0、3μMの各シグナルオリゴヌクレオチド(表A3参照)を含んでいた。各ラウンドにおいて、ウェルあたり150μlのこの溶液を添加し、室温で45分間インキュベートした。各シグナルオリゴヌクレオチドの最終濃度が0、15μMであったことを除いて、手順は実験5~8と同じであった。その後、細胞をウェルあたり200μlで3回、室温のsm洗浄緩衝液で2分間洗浄した。
G.蛍光及び白色光画像化
細胞を、室温でウェルあたり200μlの画像化緩衝液で1回洗浄した。トロロックスを用いない実験(表7、最後の列を参照)では、画像化緩衝液は、30mMクエン酸Na3、300mM NaCl、pH7及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。トロロックスを用いた実験では、画像化緩衝液は、10%VectaCell Trolox Antifade Reagent(Vector laboratories、カタログ番号CB-1000)を更に含み、10mMの最終トロロックス濃度をもたらす。
開口数1.4の63×液浸油対物レンズ(Zeiss、apochromat)、pco.edge 4.2 CMOSカメラ(PCO AG)、及びLED光源(Zeiss、colibri 7)を備えたZeiss Axiovert 200M顕微鏡を、領域の画像化のために使用した。フィルタセット及びLED波長を、使用されるフルオロフォアの異なる最適条件に調整した。画像あたりの照射時間は、Alexa Fluor 546及びAtto 594では1000ms、Alexa Fluor 488では400msであった。
各実験では、画像化のために3つの領域をランダムに選択した。各領域について、32個の画像のzスタックを、350nmのzステップサイズで検出した。また、各領域から白色光画像を1枚撮影した。2つ以上の検出サイクルを用いた実験では、最初の検出ラウンドの領域が再び見出され、その後のラウンドごとに画像化された。
H.選択的変性
選択的変性のために、各ウェルを200μlのsm洗浄緩衝液と共に42℃で6分間インキュベートした。この手順を6回繰り返した。
実験のいくつかの変形を行った。実験1~4は、並行して検出された転写物の数が主に異なる。標的特異的プローブセットとして列挙された群は、表6を参照する。実験5~8は、解読されたシグナルと比較するための単一ラウンドの単一の標的対照である。
A.細胞の播種及び培養
HeLa細胞をHeLa細胞培養培地でほぼ100%コンフルエントに増殖させた。HeLa細胞培養培地は、10%FCS(Biochrom、カタログ番号S0415)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Sigma-Adrich、カタログ番号P0781)及び1%MEM非必須アミノ酸溶液(Thermo Fisher、カタログ番号11140035)を含むDMEM(Thermo Fisher、カタログ番号31885)を含む。細胞培養培地を吸引した後、細胞を、PBS(水中1,424g/lのNa2HPO4*2H2O、0,276g/lのNaH2PO4*2H2O、8,19g/lのNaCl、pH7,4)による洗浄ステップの後、トリプシンEDTA溶液(Sigma-Aldrich、カタログ番号T3924)での5分間の37℃でのインキュベーションによってトリプシン処理した。次いで、μ-Slide 8 Well ibidiTreat(Ibidi、カタログ番号80826)のウェルに細胞を播種した。ウェルあたりの細胞の数を、細胞の接着後に約50%のコンフルエントに達するように調整した。細胞を、ウェルあたり200μlのHeLa細胞培養培地で一晩インキュベートした。
B.細胞の固定
細胞培養培地の吸引及びウェルあたり200μlの37℃加温PBSでの2回の洗浄ステップの後、細胞を200μlの予冷メタノール(-20℃、Roth、カタログ番号0082.1)で-20℃で10分間固定した。
C.スダンブラックによる対比染色
メタノールを吸引し、70%エタノール中で希釈した150μlの0.2%スダンブラック溶液を各ウェルに添加した。ウェルを暗所で5分間、室温でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を、ウェルあたり400μlの70%エタノールで3回洗浄して、過剰のスダンブラック溶液を除去した。
D.分析物/標的特異的プローブのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。sm洗浄緩衝液は、30mMクエン酸Na3、300mM NaCl、pH7、10%ホルムアミド(Roth、カタログ番号号P040.1)及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体(NEB、カタログ番号S1402S)を含む。各標的特異的プローブセットについて、1μlの100μMオリゴヌクレオチドストック溶液を混合物に添加した。オリゴヌクレオチドストック溶液は、対応する標的特異的プローブセットの全ての標的特異的オリゴヌクレオチドの等モル量を含む。混合物の総体積を水で100μlに調整し、100μlの2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液と混合した。2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液は、120mM クエン酸Na3、1200mM NaCl、pH7、20%ホルムアミド及び20mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。得られた200μlのハイブリダイゼーション混合物を対応するウェルに添加し、37℃で2時間インキュベートした。その後、細胞をウェルあたり200μlで10分間、標的プローブ洗浄緩衝液で37℃で3回洗浄した。標的プローブ洗浄緩衝液は、30mM クエン酸Na3、300mM NaCl、pH7、20%ホルムアミド及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。
E.解読オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。各解読オリゴヌクレオチドについて、1,5μlの5μMストック溶液を混合物に添加した。混合物の総体積を水で75μlに調整し、75μlの2x濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液と混合した。得られた150μlの解読オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション混合物を対応するウェルに添加し、室温で45分間インキュベートした。その後、細胞をウェルあたり200μlで2分間、sm洗浄緩衝液で室温で3回洗浄した。
F.シグナルオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション前に、細胞を200μlのsm洗浄緩衝液で平衡化した。シグナルオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション混合物は、実験1~4の全てのラウンドについて同じであり、1×濃縮ハイブリダイゼーション緩衝液中に0、3μMの各シグナルオリゴヌクレオチド(表A3参照)を含んでいた。各ラウンドにおいて、ウェルあたり150μlのこの溶液を添加し、室温で45分間インキュベートした。各シグナルオリゴヌクレオチドの最終濃度が0、15μMであったことを除いて、手順は実験5~8と同じであった。その後、細胞をウェルあたり200μlで3回、室温のsm洗浄緩衝液で2分間洗浄した。
G.蛍光及び白色光画像化
細胞を、室温でウェルあたり200μlの画像化緩衝液で1回洗浄した。トロロックスを用いない実験(表7、最後の列を参照)では、画像化緩衝液は、30mMクエン酸Na3、300mM NaCl、pH7及び5mMリボヌクレオシドバナジル複合体を含む。トロロックスを用いた実験では、画像化緩衝液は、10%VectaCell Trolox Antifade Reagent(Vector laboratories、カタログ番号CB-1000)を更に含み、10mMの最終トロロックス濃度をもたらす。
開口数1.4の63×液浸油対物レンズ(Zeiss、apochromat)、pco.edge 4.2 CMOSカメラ(PCO AG)、及びLED光源(Zeiss、colibri 7)を備えたZeiss Axiovert 200M顕微鏡を、領域の画像化のために使用した。フィルタセット及びLED波長を、使用されるフルオロフォアの異なる最適条件に調整した。画像あたりの照射時間は、Alexa Fluor 546及びAtto 594では1000ms、Alexa Fluor 488では400msであった。
各実験では、画像化のために3つの領域をランダムに選択した。各領域について、32個の画像のzスタックを、350nmのzステップサイズで検出した。また、各領域から白色光画像を1枚撮影した。2つ以上の検出サイクルを用いた実験では、最初の検出ラウンドの領域が再び見出され、その後のラウンドごとに画像化された。
H.選択的変性
選択的変性のために、各ウェルを200μlのsm洗浄緩衝液と共に42℃で6分間インキュベートした。この手順を6回繰り返した。
実験1~4では、ステップ(E)~(H)を5回繰り返した。5回目の検出サイクルではステップ(H)を省略した。
I.分析
カスタムImageJプラグインに基づいて、バックグラウンドから特定の蛍光シグナルを区別するために生データの半自動分析を行った。3つの蛍光チャネル全ての得られた3D点群を、カスタムVBAスクリプトとインシリコで組み合わせた。5つの検出サイクルの結果として得られた結合された3D点群を、VBAスクリプトに基づいて互いに整列させた。得られたアライメントは、検出された各固有のシグナルのコードワードを明らかにした。解読に成功したシグナルを、カスタムVBAスクリプト及びImageJ-プラグインに基づく実験の定量的及び空間的分析に使用した。
結果
1.解読シグナルの絶対数
全ての転写物についての解読に成功したシグナルの絶対数を、各実験の各領域について以下の表4に列挙する。要約すると、正しいコードの合計は、対応する実験で検出可能な転写物に割り当てられた解読されたシグナルの総数を示し、誤ったコードの合計は、対応する実験で検出できない解読されたシグナルの総数を示す。信号の総数は、解読に成功したシグナル及び解読に失敗したシグナルを含む。
I.分析
カスタムImageJプラグインに基づいて、バックグラウンドから特定の蛍光シグナルを区別するために生データの半自動分析を行った。3つの蛍光チャネル全ての得られた3D点群を、カスタムVBAスクリプトとインシリコで組み合わせた。5つの検出サイクルの結果として得られた結合された3D点群を、VBAスクリプトに基づいて互いに整列させた。得られたアライメントは、検出された各固有のシグナルのコードワードを明らかにした。解読に成功したシグナルを、カスタムVBAスクリプト及びImageJ-プラグインに基づく実験の定量的及び空間的分析に使用した。
結果
1.解読シグナルの絶対数
全ての転写物についての解読に成功したシグナルの絶対数を、各実験の各領域について以下の表4に列挙する。要約すると、正しいコードの合計は、対応する実験で検出可能な転写物に割り当てられた解読されたシグナルの総数を示し、誤ったコードの合計は、対応する実験で検出できない解読されたシグナルの総数を示す。信号の総数は、解読に成功したシグナル及び解読に失敗したシグナルを含む。
表4は、正しく解読されたシグナルの数と比較して非常に少ない数の誤って解読されたシグナルを示す。特定の転写物の解読されたシグナルの絶対値は、1つの実験の異なる領域間で非常に類似している。解読に成功することができるシグナルの総数の割合は、27.1%~64.5%である。この割合は、それぞれの領域/実験に存在する転写物の数及び/又はシグナルの総数に依存する。
結論
本発明による方法は、誤って割り当てられたコードワードを少量しか生成せず、したがって特定的であると見なすことができる。領域当たりのシグナルの数が非常に多く、並行して検出される転写物の数が非常に多い場合であっても、解読に成功可能なシグナルの割合は非常に高い。割り当て可能なシグナルの割合が高く、特異性が高いため、この方法は実用的に有用である。
2.異なる実験間の相対転写物存在量の比較
両方の比較(A及びB)について図8に示すように、実験間で検出された転写物の重複を分析に使用する。各バーは、実験の3つ全ての領域の平均存在量を表す。これらの領域間の標準偏差も示されている。
3.異なる実験間の相対転写物存在量の相関
図9に見ることができるように、実験1の転写物の平均相対存在量は、実験3、4及び2の重複転写物の存在量と相関している。相関関係及び線形回帰の式は、各相関について示される。
図8は、低い標準偏差を示しており、1つの実験の異なる領域間の相対存在量の低い変動を示している。異なる実験からの転写物間の相対存在量の差も非常に低い。これは、実験1、2、及び3で検出された群1(図8A)からの転写物の比較の場合である。また、実験1、2、及び4の間で重複した2、3、及び4群からの転写物の比較についても同様である。これらの存在量の非常に高い相関は、図9にも見ることができる。実験1からの転写物の存在量は、他のマルチラウンド実験の存在量と非常に良好に相関する。相関係数は、0.88~0.91であり、一方、線形回帰の勾配は、0.97~1.05である。
本発明による方法は、誤って割り当てられたコードワードを少量しか生成せず、したがって特定的であると見なすことができる。領域当たりのシグナルの数が非常に多く、並行して検出される転写物の数が非常に多い場合であっても、解読に成功可能なシグナルの割合は非常に高い。割り当て可能なシグナルの割合が高く、特異性が高いため、この方法は実用的に有用である。
2.異なる実験間の相対転写物存在量の比較
両方の比較(A及びB)について図8に示すように、実験間で検出された転写物の重複を分析に使用する。各バーは、実験の3つ全ての領域の平均存在量を表す。これらの領域間の標準偏差も示されている。
3.異なる実験間の相対転写物存在量の相関
図9に見ることができるように、実験1の転写物の平均相対存在量は、実験3、4及び2の重複転写物の存在量と相関している。相関関係及び線形回帰の式は、各相関について示される。
図8は、低い標準偏差を示しており、1つの実験の異なる領域間の相対存在量の低い変動を示している。異なる実験からの転写物間の相対存在量の差も非常に低い。これは、実験1、2、及び3で検出された群1(図8A)からの転写物の比較の場合である。また、実験1、2、及び4の間で重複した2、3、及び4群からの転写物の比較についても同様である。これらの存在量の非常に高い相関は、図9にも見ることができる。実験1からの転写物の存在量は、他のマルチラウンド実験の存在量と非常に良好に相関する。相関係数は、0.88~0.91であり、一方、線形回帰の勾配は、0.97~1.05である。
結論
転写物の相対存在量は、1つの実験の異なる領域間だけでなく、異なる実験間でも非常によく相関する。これは、図3及び図4の比較によって明確に見ることができる。実験間の主な違いは、異なる標的の数であり、したがって検出されたシグナルの総数である。したがって、検出された転写物の数並びにシグナルの数及び密度は、転写物の数を正確に定量化する方法の能力を妨げない。非常に良好な相関は、非常に多数のシグナルであっても、方法の特異性及び安定性を更に支持する。
4.シグナルの細胞間分布の比較
図10には、画像スタックの最大投影が示されている。A:実験7の領域1(SPOCK1を検出する単一ラウンド単一転写実験)、B:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、SPOCK1に割り当てられた領域1、C:実験8の領域1(THRAP3を検出する単一ラウンド単一転写実験)、D:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、THRAP3に割り当てられた領域1。
5.シグナルの細胞内分布の比較
図11には、画像スタックの最大投影が示されている。対応する領域の拡大されたサブ領域が示されている。A:実験8の領域1(THRAP3を検出する単一ラウンド単一転写実験)、B:実験1から選択されたシグナルの2D投影、THRAP3に割り当てられた領域1、C:実験5の領域1(DDX5を検出する単一ラウンド単一転写実験)、D:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、DDX5に割り当てられた領域1。
図10は、異なる転写物間の細胞間分布の大きな差を示す。SPOCK1は、一部の細胞では非常に豊富であるが、他の細胞ではほとんど存在しないようである(図10A)。THRAP3は、領域の全ての細胞にわたってより均一な分布を示す(図10C)。これらの空間分布パターンはまた、実験1からの対応する転写物に割り当てられた点群(図10B及びD)で明確に観察することができる。
図11は、異なる転写物間の細胞内分布の大きな差を示す。THRAP3は主に細胞の周辺部(細胞質)で観察することができ(図11A)、DDX5は細胞の中心(核)でより高い存在量を示す(図11C)。これらの細胞内分布は、THRAP3及びDDX5に割り当てられた実験1の点群でも観察することができる(図11B及びD)。
転写物の相対存在量は、1つの実験の異なる領域間だけでなく、異なる実験間でも非常によく相関する。これは、図3及び図4の比較によって明確に見ることができる。実験間の主な違いは、異なる標的の数であり、したがって検出されたシグナルの総数である。したがって、検出された転写物の数並びにシグナルの数及び密度は、転写物の数を正確に定量化する方法の能力を妨げない。非常に良好な相関は、非常に多数のシグナルであっても、方法の特異性及び安定性を更に支持する。
4.シグナルの細胞間分布の比較
図10には、画像スタックの最大投影が示されている。A:実験7の領域1(SPOCK1を検出する単一ラウンド単一転写実験)、B:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、SPOCK1に割り当てられた領域1、C:実験8の領域1(THRAP3を検出する単一ラウンド単一転写実験)、D:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、THRAP3に割り当てられた領域1。
5.シグナルの細胞内分布の比較
図11には、画像スタックの最大投影が示されている。対応する領域の拡大されたサブ領域が示されている。A:実験8の領域1(THRAP3を検出する単一ラウンド単一転写実験)、B:実験1から選択されたシグナルの2D投影、THRAP3に割り当てられた領域1、C:実験5の領域1(DDX5を検出する単一ラウンド単一転写実験)、D:実験1から選択された全てのシグナルの2D投影、DDX5に割り当てられた領域1。
図10は、異なる転写物間の細胞間分布の大きな差を示す。SPOCK1は、一部の細胞では非常に豊富であるが、他の細胞ではほとんど存在しないようである(図10A)。THRAP3は、領域の全ての細胞にわたってより均一な分布を示す(図10C)。これらの空間分布パターンはまた、実験1からの対応する転写物に割り当てられた点群(図10B及びD)で明確に観察することができる。
図11は、異なる転写物間の細胞内分布の大きな差を示す。THRAP3は主に細胞の周辺部(細胞質)で観察することができ(図11A)、DDX5は細胞の中心(核)でより高い存在量を示す(図11C)。これらの細胞内分布は、THRAP3及びDDX5に割り当てられた実験1の点群でも観察することができる(図11B及びD)。
結論
定量の信頼性に次いで、マルチラウンド実験の点群も、転写物の同じ細胞内及び細胞間分布パターンを示す。これは、1つの特徴的なmRNA種のみを検出する単一ラウンド実験からのシグナルと割り当てられた点群との直接比較によって明確に証明される。
6.異なる細胞サイクル依存転写物の分布パターン
図12の全ての画像は、実験1の領域1を示す。各画像には、特定の転写物A:CCNA2、B:CENPE、C:CCNE1、D:全ての転写物に割り当てられた点群が示されている。図12は、3つの異なる細胞周期依存タンパク質の転写物を示す。CENPE(図12B)は、セントロメアタンパク質Eとしても知られており、G2期の間に蓄積する。紡錘体伸長及び染色体移動を担うことが提案されている。それは相間中には存在しない。CCNA2(図12A)はサイクリンA2としても知られている。それは、G2からM期への移行中にCDK1と相互作用することによって細胞周期進行を調節する。興味深いことに、両方のmRNA種の明らかな共局在が存在する。それらは、主に領域1の3つの中央細胞に存在する。CCNE1(図12C)はサイクリンE1としても知られている。このサイクリンはCDK2と相互作用し、G1相からS相への移行に関与する。図12は、この遺伝子の転写物が3つの中央細胞に存在しないが、他の細胞にわたって非常に均等に分布していないことを明確に示す。したがって、他の2つの転写物に対する抗局在化を示す。対応する点群のデータは、非常に多数の点及び非常に高い点密度を有する点群から導出される(図12Dは印象を与える)。
定量の信頼性に次いで、マルチラウンド実験の点群も、転写物の同じ細胞内及び細胞間分布パターンを示す。これは、1つの特徴的なmRNA種のみを検出する単一ラウンド実験からのシグナルと割り当てられた点群との直接比較によって明確に証明される。
6.異なる細胞サイクル依存転写物の分布パターン
図12の全ての画像は、実験1の領域1を示す。各画像には、特定の転写物A:CCNA2、B:CENPE、C:CCNE1、D:全ての転写物に割り当てられた点群が示されている。図12は、3つの異なる細胞周期依存タンパク質の転写物を示す。CENPE(図12B)は、セントロメアタンパク質Eとしても知られており、G2期の間に蓄積する。紡錘体伸長及び染色体移動を担うことが提案されている。それは相間中には存在しない。CCNA2(図12A)はサイクリンA2としても知られている。それは、G2からM期への移行中にCDK1と相互作用することによって細胞周期進行を調節する。興味深いことに、両方のmRNA種の明らかな共局在が存在する。それらは、主に領域1の3つの中央細胞に存在する。CCNE1(図12C)はサイクリンE1としても知られている。このサイクリンはCDK2と相互作用し、G1相からS相への移行に関与する。図12は、この遺伝子の転写物が3つの中央細胞に存在しないが、他の細胞にわたって非常に均等に分布していないことを明確に示す。したがって、他の2つの転写物に対する抗局在化を示す。対応する点群のデータは、非常に多数の点及び非常に高い点密度を有する点群から導出される(図12Dは印象を与える)。
結論
図12に示される細胞周期依存性タンパク質の3つの解読された点群は、それらの対応する関数によって説明することができる分布パターンを示す。これらのデータは、本発明者らの方法が、細胞あたりのシグナル数が少なく(図12C)、シグナル密度が非常に高い(図12D)場合でも、生物学的に関連するデータを確実に生成することを強く示唆している。
図12に示される細胞周期依存性タンパク質の3つの解読された点群は、それらの対応する関数によって説明することができる分布パターンを示す。これらのデータは、本発明者らの方法が、細胞あたりのシグナル数が少なく(図12C)、シグナル密度が非常に高い(図12D)場合でも、生物学的に関連するデータを確実に生成することを強く示唆している。
配列表
添付の配列表において、配列番号1~1247は、例示的な標的特異的オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を指す。列挙されたオリゴヌクレオチドは、標的特異的結合部位(5’末端)、スペーサー/リンカー配列(gtaac及びtagac)及び1つのプローブセットの全てのオリゴヌクレオチドについて同じである固有の識別子配列からなる。
添付の配列表において、配列番号1~1247は、例示的な標的特異的オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を指す。列挙されたオリゴヌクレオチドは、標的特異的結合部位(5’末端)、スペーサー/リンカー配列(gtaac及びtagac)及び1つのプローブセットの全てのオリゴヌクレオチドについて同じである固有の識別子配列からなる。
添付の配列表において、配列番号1248~1397は、例示的な解読オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を指す。
添付の配列表において、配列番号1398~1400は、例示的なシグナルオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列を指す。各シグナルオリゴヌクレオチドについて、対応するフルオロフォアは2回存在する。1つのフルオロフォアは、5’末端に共有結合しており、1つのフルオロフォアは、3’末端に共有結合している。配列番号1398は、その5’末端に「5Alex488N」、及びその3’末端に「3AlexF488N」を含む。配列番号1399は、その5’末端に「5Alex546」、及びその3’末端に3Alex546Nを含む。配列番号1400は、その5’末端及びその3’末端に「Atto594」を含む。
Claims (15)
- 試料中の分析物を逐次的にシグナルコードする方法であって、以下のステップ、
(1)分析物特異的プローブのセットを提供するステップであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される前記分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-前記分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むステップと、
(2)前記分析物特異的プローブのセットを前記試料とインキュベートし、それによってコード化される前記分析物への前記分析物特異的プローブの特異的結合を可能にするステップと、
(3)前記試料から非結合プローブを除去するステップと、
(4)解読オリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含むトランスレータ要素(c)と、を含むステップと、
(5)前記解読オリゴヌクレオチドのセットを前記試料とインキュベートし、それによって前記固有の識別子配列への前記解読オリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、
(6)前記試料から非結合解読オリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(7)シグナルオリゴヌクレオチドのセットを提供するステップであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-前記トランスレータ要素(c)の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含むステップと、
(8)前記シグナルオリゴヌクレオチドのセットを前記試料とインキュベートし、それによって前記トランスレータ要素(c)への前記シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするステップと、を含む、方法。 - 前記試料が、生物学的試料であり、好ましくは生物学的組織を含み、更に好ましくは生物学的細胞を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(2)の前に、前記生物学的組織及び/又は生物学的細胞が固定されている、請求項2に記載の方法。
- 前記分析物特異的プローブのセット内で、前記個々の分析物特異的プローブが、コード化される前記分析物の1つの異なるサブ構造と特異的に相互作用する結合要素(S1、S2、S3、S4、S5)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- (9)前記試料から非結合シグナルオリゴヌクレオチドを除去するステップと、
(10)前記シグナルを検出するステップと、を更に含み、任意選択で、
(11)前記試料から前記解読オリゴヌクレオチド及びシグナルオリゴヌクレオチドを選択的に除去し、それによってコード化される前記分析物への前記分析物特異的プローブの前記特異的結合を本質的に維持するステップと、を更に含み、任意選択で、
(12)ステップ(4)~(11)を少なくとも1回[(42)~(112)]繰り返して、少なくとも2つのシグナルからなるコード化スキームを生成するステップと、を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。 - 前記コード化スキームが、予め決定され、コード化される前記分析物に割り当てられる、請求項5に記載の方法。
- 解読オリゴヌクレオチドが、前のステップ(4)~(11)で使用された前記解読オリゴヌクレオチドのトランスレータ要素(c1)と同一であるか、又は異なるトランスレータ要素(c2)を含む反復ステップ(42)~(112)で使用される、請求項5又は6に記載の方法。
- シグナルオリゴヌクレオチドが、前のステップ(4)~(11)で使用された前記解読オリゴヌクレオチドのシグナル要素と同一であるか、又は異なるシグナル要素を含む反復ステップ(42)~(112)で使用される、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記結合要素(S)が、コード化される前記分析物への特異的結合、好ましくはコード化される前記分析物への特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む核酸を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記結合要素(S)が、コード化される前記分析物への特異的結合を可能にするアミノ酸配列を含み、好ましくは前記結合要素が、抗体である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- コード化される前記分析物が、核酸、好ましくはDNA又はRNA、更に好ましくはmRNAである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- コード化される前記分析物が、ペプチド又はタンパク質である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
- 試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするための解読オリゴヌクレオチドのセットの使用であって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-分析物特異的プローブのセットに固有であるヌクレオチド配列(固有の識別子配列)の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含む、使用。 - 試料中の分析物を逐次的にシグナルコードするためのキットであって、
-分析物特異的プローブのセットであって、各分析物特異的プローブが、
-コード化される前記分析物のうちの1つと特異的に相互作用する結合要素(S)と、
-前記分析物特異的プローブのセットに固有のヌクレオチド配列(固有の識別子配列)を含む識別子要素(T)と、を含むセットと、
及び
-解読オリゴヌクレオチドのセットであって、各解読オリゴヌクレオチドが、
-前記固有の識別子配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第1のコネクタ要素(t)と、
-シグナルオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にするヌクレオチド配列を含む、トランスレータ要素(c)と、を含むセットと、を含む、キット。 - -シグナルオリゴヌクレオチドのセットであって、各シグナルオリゴヌクレオチドが、
-前記トランスレータ要素(c)の前記ヌクレオチド配列の少なくとも一部に本質的に相補的であるヌクレオチド配列を含む第2のコネクタ要素(C)と、
-シグナル要素と、を含む、セットを更に含む、請求項14に記載のキット。
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