JP2022536977A - 生体組織の蛍光画像化のためのシステムおよび方法 - Google Patents

生体組織の蛍光画像化のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

生体組織を検査する際に使用するシステムおよび方法が提示される。この技術によれば、生体組織内の予め設定された位置が、生体組織内に天然に存在するタイプの2以上の予め設定された異なる生体物質の2以上の自家蛍光応答を実質的に同時に誘発するように選択された予め設定された励起波長範囲を含む照明パターンによって照明され、それにより照明パターンに対する生体組織の組み合わされたスペクトル応答の検出が可能になる。検出された2以上の物質の組み合わされたスペクトル応答の発光波長を識別すると、2以上の予め設定された異なる生体物質の組合せが前記位置に同時に存在することを示す出力データが生成され、それにより病理学的状態に関する直接的な指標が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、生体組織の画像化に関し、特に、組織内の生体物質の自家蛍光応答を使用する画像化に関連するものである。
生体サンプルを画像化するための様々な技術が知られている。典型的な画像化技術は、生体物質の反射または透過特性に依存しているが、一部のアプリケーションは、組織からの蛍光応答の画像化を利用している。蛍光応答を利用することで、選択された物質の検出が改善され、検査される組織の生物学的および/または医学的状態に関連する追加情報が得られる。それらの技術は、1または複数の選択された生体物質を特定して、検査対象の選択されたパラメータに関連するデータを提供するために用いられる。
医学的および生物学的画像化の分野では、様々な蛍光画像化技術が知られている。そのような技術には、例えば、蛍光眼底血管造影法(FA)、眼底自家蛍光法(FAF)などが含まれる。
蛍光眼底血管造影法(FA)は、現在のところ、網膜微小循環の画像化に好ましい方法である。この技術は、血管からの漏れ、浮腫の発生、網膜血管の閉塞など、網膜における多くの病理学的プロセスの検出に使用されている。一般的に、FAでは、励起およびバリアフィルタを備えた専用の眼底カメラと、選択した蛍光物質を使用する必要がある。蛍光応答を得るために、フルオレセイン色素が、血管造影の初期段階で高コントラストの画像を生成するのに十分な速度で、通常は前肘静脈から静脈内に注入される。そして、フラッシュからの白色光が、青色の励起フィルタに通される。青色光(波長465~490nm)は、結合していないフルオレセイン分子に吸収され、当該分子が、可視スペクトルの黄緑色領域の波長(520~530nm)の蛍光光を発する。520~530nmのバリアフィルタにより、励起されたフルオレセインから発せられた光のみを取り込むことができる。画像は注入直後に取得され、病理および検査の必要性に応じて最大で10分間継続される。
FAでは、様々な合併症が起こる可能性がある。最も一般的な反応は、患者の3~15%に生じる一過性の吐き気、嘔吐(7%)、そう痒である。蕁麻疹、発熱、血栓性静脈炎、失神などのより重篤な反応が起こることは稀である。染料の溢出により局所的な組織壊死が起こることがあるが、軽度の痛みと発赤が典型的である。アナフィラキシー、心停止、気管支痙攣など、生命を脅かす重篤な反応が起こることもあるが、極めて稀である。死亡率は221,781人に1人と推定されている。妊娠中に発生した重篤な有害事象は報告されていないが、禁忌とされている。
眼底自家蛍光法(FAF)は、天然に存在する様々な蛍光物質を検出する非侵襲的な画像化技術である。古典的には、FAFは青色光の励起を利用し、予め設定されたスペクトル内の発光を収集して、網膜色素上皮(RPE)に存在する主要な蛍光物質であるリポフスチンの分布を反映した輝度マップを形成する。FAFは、メラニンの自家蛍光を検出するための近赤外線など、他の蛍光物質を検出するために、他の励起波長を使用する場合がある。FAFは、1980年代にDeloriによって発表されて以来、その範囲と実用性を拡大してきた。FAFは、眼底検査、眼底写真または蛍光眼底血管造影法では特定されない独自の所見が得られることから、変性、ジストロフィー、炎症、感染、腫瘍、毒性など、網膜やRPEに関わる様々な疾患の評価に役立っている。本考察は、既知の眼球蛍光物質、様々な画像診断法およびFAFの幅広い臨床応用を要約する。
当技術分野では、生物学的システムにおける1または複数の生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)の検出を可能にする新規の画像化技術が必要とされている。
人体における自家蛍光は、選択した特定の物質(蛍光物質)がUV、濃紺またはNIRのスペクトル範囲の電磁放射によって照射および励起されたときに、様々な組織の様々な成分を可視化することに基づくものである。一般に、自家蛍光は、アルブミン、エラスチン、コラーゲン、リポフスチン、脂肪酸、LDL、NADH、フラビン、ポルフィリンなど、様々な物質で実現することができる。様々な生体組織におけるそのような物質の検出は、例えば、毛細血管や、細胞代謝が乱された状態で溶解を受けた損傷細胞からの様々な物質の漏出による、異常な物質濃度と関連している場合がある。そのような漏出は、細胞内および細胞外に起因する可能性があり、組織自体にセジメントを形成するため、それらを可視化することができる。本願の目的のために、そのような物質はすべて、生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)と呼ばれる。
したがって、本発明は、様々な病理学的状態の診断を支援するために、生物学的システムに天然に存在する、選択されたBASAの自家蛍光特性を利用する。本発明は、生体組織内の、そのようなBASAが自然には一緒に蓄積しない領域/位置に、予め設定された複数(2以上)のBASA関連物質/物質が同時に存在することの検出(実質的に同時の検出)、および/または、そのようなBASAが通常量よりも多く蓄積していることの検出(実質的に同時の検出)が、生体組織の様々な病理学的状態の診断を可能にするという、本発明者等の理解に基づいている。
より具体的には、眼組織(網膜、強膜、角膜、水晶体など)は光学的に透明であることにより、血管の画像化が可能であるため、本検査技術は眼組織に対して行うことを意図している。本発明の技術は、眼組織の光学的特性を利用して、特定の組織(血管壁など)における生理的な量および構成のBASAの存在を検出するとともに、それらの特定の組織のコントラストを周囲と比較して高めることができる。
一般的に、様々なBASAの自家蛍光特性が知られている。例えば、ヒトの血漿中には、アルブミン、ニコチンアミド、アデニンジヌクレオチド(NADH)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、脂肪酸、内因性ポルフィリンおよびそれらの誘導体など、いくつかの蛍光物質が含まれていることが知られている。アルブミンは、ヒト血漿中に最も多く含まれている物質で、血漿量の約50%を占めていることが知られている。ヒト血漿中のアルブミンは、約280nmに励起ピーク、約330~350nmに最大発光を示す。ウシ血清は、340~400の範囲で励起され、450~550nmで発光する。ヒト血漿は、400~420nmに励起極大、460~520nmに発光極大を有する。脂質、リポタンパク質、NADHおよびFADは、糖尿病性網膜症などの病理学的状態における自家蛍光画像化に使用できる潜在的な網膜蛍光物質である。低密度リポタンパク質(LDL)は、282nmに吸収極大、331nmに発光極大を有する。脂質の構成成分である脂肪酸は、330~350nmに吸収極大、470~480nmに発光極大を有する。NADHは340~380nmに吸収極大、450~480nmに発光極大を有する。フラボタンパク質(FAD)は、430~500nmに吸収極大、520~590nmに発光極大を有する。エラスチンは、血管壁(および他の結合組織)に見られる構造タンパク質であり、最大350nmのUV光で励起されたときに、最大500nmの発光を示す。
本願の発明者等は、励起波長範囲を適切に選択することにより、対象組織において複数の物質の組合せを同時に検出(可視化)することができ、前記領域における2以上の選択されたBASAの同時存在のそのような組合せ検出(可視化)により、組織の病理学的状態、例えば網膜のそのような組み合わされた画像化から特定される糖尿病性網膜症(DR)の正確な診断が得られることを見出した。
より具体的には、本発明によれば、2以上の異なるBASAを励起できる数N(N≧1)の励起波長を含む励起波長範囲を含む照明パターンで生体組織内の予め設定された領域/位置を照明することにより前記領域/位置を画像化し、それにより前記BASAの組み合わされた発光応答を誘導および検出することにより、生体組織内の所与の病理学的状態を検出または予測することができる。
好ましくは、励起波長範囲は比較的狭く、すなわち100nmを超えない範囲である。
また、照明パターンは複数の励起波長範囲を含むことができ、励起波長範囲の少なくとも1つは2以上の異なるBASAを励起することが意図されていることに留意されたい。
例えば、約350~380nmの範囲(30nmの範囲幅)の励起照明で網膜を照らす場合、例えば眼組織の網膜領域に与えられた励起波長範囲に応答して実質的に同時に発光する間に、組み合わされた応答におけるそれぞれの発光波長を検出することにより、NADHおよびフラビン(軟性白斑)および脂肪酸(硬性白斑)の組合せを同時に可視化することができる。網膜領域におけるそれら物質の組合せの同時存在は、糖尿病性網膜症(DR)の存在/予測に関する直接的な指標を提供する。
また、本発明の技術を有利に利用する例として、血管の高コントラストな可視化が挙げられる。より具体的には、照明パターンの適切に選択された波長を使用することにより、血管内のエラスチンとコラーゲンの組合せを可視化し、血管のコントラストを高めることができる。この場合、エラスチンおよびコラーゲンがともに350nmで励起され、500nmで発光することから、350nmの波長を含む励起波長範囲で血管を照明することで、それら物質の自家蛍光を誘発することができる。エラスチンとコラーゲン(血管壁内)を可視化するための励起波長と、血管を可視化するための波長(436nm、517nm、660nm)を組み合わせると、血管からの反射と血管壁からの発光との組合せを同時に検出し、画像化された血管系のコントラストを高めた組合せ画像を形成することができる。
なお、上記の励起波長の例は、血管の可視化に関するものであり、これらの「可視化」波長のいずれも、特定の病理学的状態を一緒に示す2以上の物質の応答を引き起こすように選択された1または複数の励起波長に加えて、照明パターンに使用することができることを理解されたい。
本発明の1つの広範な態様によれば、1または複数の病理学的状態について生体組織を検査する方法が提供され、この方法が、生体組織に天然に存在するタイプの2以上の予め設定された異なる生体物質の2以上の自家蛍光応答を引き起こすように選択された予め設定された数N(N≧1)の予め設定された励起波長を含む予め設定された励起波長範囲を含む照明パターンによって、生体組織内の予め設定された位置を照明するステップと、照明パターンに対する生体組織の組み合わされたスペクトル応答を検出するステップとを含む。検出された組み合わされたスペクトル応答は、(照明された領域に存在する場合に)2以上の予め設定された異なる生体物質の自家蛍光応答の予め設定された(予想される)発光波長を含み、また、照明された生体組織内の構造/表面から戻ってきた(反射した)1または複数の励起波長も含むことができる。検出された組み合わされたスペクトル応答が、前記領域のそれぞれの物質の発光を実際に含むようであれば、それは特定の病理学的状態を示すものとなる。
予め設定された励起波長範囲に対する2以上の異なる生体物質の発光波長を含む照明された組織領域の組み合わされたスペクトル応答の同時検出は、カラーカメラデバイス(異なる波長の複数の自家蛍光応答を同時に検出することができ、場合によっては1または複数の励起波長の反射も検出するように構成されたカラーカメラデバイス)を用いて行うことができる。カラーカメラは、異なる色の複数の検出チャネルを規定するように構成されかつ動作可能なピクセルマトリクスを有する。そのようなマルチチャンネルのピクセルマトリックスは、適切なスペクトルフィルタによって規定されるものであってもよい。カラーカメラを使用することで、組み合わされた応答の異なる検出波長を示す画像データと、それらの異なる検出波長が発生した生体組織内の対応する位置データを得ることができる。これにより、周囲の照明および周囲の生体組織からの反射に比べて、検出される蛍光応答の信号対雑音比が高くなることも理解されよう。
このため、本発明の技術は、割り当てデータを提供および利用することに基づくものであり、この割り当てデータでは、各病理学的状態が、生体組織内のそれぞれの位置/領域で検出される2以上の異なるBASAと、生体組織内のそれぞれの位置で実行される1または複数の画像化モードを規定する対応する画像化モードデータのそれぞれのセットで割り当てられている。画像化モードは、2以上の異なるBASAを励起してそれらの自家蛍光応答を検出することができるように選択された予め設定された波長範囲(例えば、1または複数の特定の励起波長を含む波長範囲)を含むそれぞれの照明パターンによって特徴付けられている。
上述したように、波長範囲は、そのスペクトル幅が実質的に100nmを超えないように、スペクトル的に狭いことが好ましい。なお、「励起波長」は、スペクトルプロファイル(例えば、ガウスプロファイル)の中心波長によって構成され得ることを理解されたい。
通常、1または複数の励起波長は、青-緑または赤の波長範囲の様々なBASAからの自家蛍光発光を引き起こす近UVスペクトル内にあり、緑-赤の発光を伴う深青色の励起、赤またはNIRの発光を伴う緑色の励起を含むものであってもよいが、これに限定されるものではない。
照明パターンは、例えば、複数の励起波長を含むパルスの形態であってもよい。
励起波長範囲は、2以上の異なる生体物質の励起波長に対応する2以上の離散的な波長(好ましくはスペクトル的に互いに近い波長)を含むことができ、それらの波長は一緒に、検査される特定の生体組織の状態に対応する生体物質の選択された組合せを規定する。別の例では、励起波長範囲が、2以上の異なる生体物質を励起することができる単一の励起波長を含む。さらに別の例では、照明パターンが、2以上の励起波長範囲を含み、それらの励起波長範囲のうちの少なくとも1つが、複数の異なる生体物質を励起するための1または複数の励起波長を含む。少なくとも1の励起波長範囲を有する照明パターンのすべての実施形態に共通するのは、複数(2以上)の異なる生体物質を同時に励起させて、組み合わされた発光応答を同時に検出することを可能とし、それにより、それぞれの選択された病理学的状態を示す、特定の組織領域に同時に存在する生体物質の組合せを識別することを可能とすることである。
選択された照明パターンは、近紫外線(UVA)範囲(すなわち、深青およびUV範囲)内の1または複数の励起波長を含むことができる。これは、複数のBASA(複数の異なる蛍光物質)の励起を引き起こすための1または複数の励起波長(例えば、340nm~420nmの範囲内の励起波長)を含むことができ、または360nm、385nm、405nmおよび420nmの中心波長を有する離散的な励起波長のセットまたは波長範囲を含むことができる。
殆どの生体物質の期待される自家蛍光応答は、それらの様々な組合せが対象となる(すなわち、検出される)が、一般に可視スペクトルの青から緑の範囲内にある。これには、ヒト血清アルブミン、(脂質部分を構成する)脂肪酸、NADH、フラボタンパク質(FAD)、コラーゲン、エラスチン、アミロイド、AGEs(最終糖化産物)などの生体物質のうちの2以上の様々な組合せが含まれる。それら物質の任意の2以上の様々な組合せが組織(典型的には眼組織)内に存在することを検出することで、いくつかの病理学的状態を示すことができる。
上述したように、本技術は、天然に存在する生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)の自家蛍光の検出を利用する。この技術は、BASAの吸収スペクトルに応じて対象の組織を照射し、発光スペクトルに応じて収集される光をフィルタリングすることに基づくものである。さらに、以下に詳述するように、本技術は、収集した発光データの処理を利用して、蛍光発光と周囲の組織からの周囲光の反射とを区別する能力をさらに高めることができる。
このため、本技術は、造影剤または他の蛍光物質を患者に注入する必要性を省く。これにより、医療検査に必要な時間が短縮され、検査に対する否定的な反応(例えば、アレルギー反応)の可能性が低減される。技術的には、検査の前に注入をする必要がないため、本技術は完全に非侵襲的なものになる。
体内の選択された位置で自然に発生するBASAを識別する能力は、様々な病状の指標を提供することができる。より具体的には、本技術により、通常は発生しない身体領域におけるBASAの存在およびそのような物質の蓄積、並びに、自然環境におけるそのような物質の病気による蓄積を検出することができる。例えば、患者の網膜に2以上の特定のBASAの組合せが蓄積していることを検出することにより、網膜またはその血管に様々な損傷があることを示すことができる。
また、場合によっては、本技術は、その自然環境におけるBASAの可視化を可能にすることができる。例えば、上述したように、血管壁内部のエラスチンおよびコラーゲンの自家蛍光は、血管のコントラストを高め、それにより、血管造影を実行する際の解像度を向上させることができる。このため、本技術は、眼組織の網膜、脈絡膜および前房の組織損傷プロセスを可視化する手段を提供することができるとともに、血管の可視化の品質を向上させることができる。例えば、虚血、酸化ストレスおよび/または血管の増殖のモニタリングに関連するプロセスである。したがって、本技術による検査の簡便さは、進行中の疾患の簡易なモニタリングに使用でき、早期発見を提供するスクリーニングおよび診断ツールを提供する。
本発明の別の広い態様によれば、生体組織の検査に使用するシステムが提供される。このシステムは、
2以上の予め設定された画像化モードを実行し、それぞれの画像化モードに対応する画像データを生成するように構成されかつ動作可能な画像化デバイスであって、各画像化モードが、少なくとも1の画像化セッションを含み、少なくとも1の画像化セッションが、生体組織内に天然に存在するタイプの2以上の異なる生体物質を同時に励起して自家蛍光応答を引き起こすように選択された励起波長範囲を含む照明パターンによって、生体組織の関心領域内の選択された位置を照明することと、照明パターンに対する前記位置の組み合わされたスペクトル応答を検出することと、検出された組み合わされたスペクトル応答を示す対応する画像データを生成することとを含む、画像化デバイスと、
画像化モードのうちの選択された1つを実行するように画像化デバイスを動作させる画像化モードコントローラと、画像データを分析して生体組織の状態を示す出力データを生成するデータプロセッサとを備える制御ユニットであって、画像化モードコントローラが、画像化モードの各々と、検査される少なくとも1の対応する生体組織の状態との間の割り当てを示す予め設定された割り当てデータに従って構成されかつ動作可能であり、画像化モードコントローラが、ユーザの関心のある少なくとも1の生体組織の状態に関するユーザ入力に応答して、割り当てデータに基づいて、それぞれの画像化モードデータを選択し、それぞれの画像化モードの少なくとも1の画像化セッションを実行するように画像化デバイスを動作させるための対応する動作データを生成する、制御ユニットとを備える。
上述したように、いくつかの実施形態では、励起波長範囲が、100nm以下のスペクトル幅を有する。
画像化モードの各々の照明パターンは、2以上の生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)を含む異なる生体物質を励起して自家蛍光応答を引き起こすように選択された少なくとも1の励起波長を含む励起波長範囲を含み、上記2以上の生物学的自家蛍光スペクトル物質が生体組織の選択された位置に同時に存在することが、生体組織の特定の病理学的状態を直接示すものとなる。
画像化デバイスは、選択された画像化モードに対応する照明パターンを生成するように、画像化モードコントローラによって生成された動作データによって構成されかつ動作可能な光源ユニットを備える。画像化デバイスは、好ましくは、選択された位置から組み合わされたスペクトル応答を収集するように構成されかつ動作可能な集束および画像化装置も含む。
画像化デバイスは、好ましくは、異なる波長の複数の自家蛍光応答を同時に検出するように構成されたカラーカメラデバイスを含む画像検出器をさらに含む。カラーカメラは、異なる色の複数の検出チャネルを規定するように構成されかつ動作可能なピクセルマトリックスを含むことができ、画像データが、組み合わされた応答の異なる検出された波長と、異なる検出された波長が発生する生体組織内の対応する位置データとを示すものとなる。カラーカメラは、原色の収集チャンネルを有するように構成することができる。
データプロセッサは、画像データを受信および処理し、画像データにおいて、検出された組み合わされた応答に含まれる異なる発光波長に対応する画像データ片を識別し、それら画像データ片間の関係を特定して、異なる発光波長が発生する生体組織内の対応する位置データを識別するように構成されかつ動作可能である。
照明パターンは、選択された励起波長範囲を含む光の1または複数の照明パルスを含むことができる。
照明モードデータは、アルブミン、エラスチン、コラーゲン、リポフスチン、脂肪酸、LDL、NADH、フラビン、ポルフィリン、アミロイドおよびAGEsのうちの2以上を含む2以上のBASAが予め設定された位置に存在することによって識別可能な病理学的状態に割り当てられた照明パターンに関するデータを含むことができる。
検出された組み合わされたスペクトル応答は、励起波長範囲によって励起された異なる生体物質の自家蛍光応答と、照明されている生体組織内の構造物からの照明パターンの1または複数の励起波長の反射とを含むことができる。
本発明のさらに広範な態様によれば、生体組織の検査に使用する方法が提供される。この方法は、
複数のk個の病理学的状態PC...PCを含む予め設定された割り当てデータを提供するステップであって、k個の病理学的状態のうちの各i番目の病理学的状態PCが、生体組織内の少なくとも1のそれぞれの位置で実行される画像化を規定するそれぞれの少なくとも1のi番目の画像化モードデータで割り当てられ、かつ少なくとも1のそれぞれのi番目の照明パターンによって特徴付けられ、各照明パターンが、2以上の異なる生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)の予め設定されたセットの自家蛍光応答を引き起こすように選択された対応するi番目の励起波長範囲を含み、生体組織内の選択された位置に2以上の異なる生物学的自家蛍光スペクトル物質が同時に存在することが、生体組織のi番目の病理学的状態PCを直接示す、ステップと、
生体組織で検査されるi番目の病理学的状態に関するユーザ入力に応答して、割り当てデータにおいて、それぞれのi番目の画像化モードデータを選択するとともに、画像化デバイスに対して対応する動作データを生成し、それにより、予め設定された位置で少なくとも1の画像化セッションにおいて画像化モードを実行し、照明パターンに対する位置の組み合わされたスペクトル応答を検出し、検出された組み合わされたスペクトル応答を示す対応する画像データを生成する、ステップと、
画像データを処理し、i番目の病理学的状態に関する出力データを提供するステップとを備える。
本明細書に開示の主題をより良好に理解し、それが実際にどのように実施され得るかを例示するために、以下に、単なる非限定的な例によって、添付の図面を参照しながら、実施形態を説明する。
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る生体組織の蛍光画像化のためのシステムを模式的に示している。 図2は、ウシ血清アルブミンの励起スペクトルおよび発光スペクトルを示している。 図3は、本発明のいくつかの実施形態に係る生体組織の検査に使用する方法を示している。 図4は、本技術のいくつかの実施形態に係る生物学的自家蛍光物質(BASA)を検出する技術の動作を示している。 図5Aおよび図5Bは、予め設定された技術を用いて血漿滴から収集された測定された自家蛍光発光を示すもので、図5Aは、カラー画像データの生の表現を示し、図5Bは、図5Aのカラー画像の緑および青チャネルの総和を示している。 図6は、生体組織上の血清滴の写真であり、この滴は、本技術のいくつかの実施形態を用いて検出された自家蛍光発光により明るくなっている。 図7A~図7Cは、ペトリ皿に置かれた血清滴の画像を示すもので、図7Aはカラー画像の生の変換を示し、図7Bは青チャンネルと緑チャンネルの関係を特定することによって処理した後の画像を示し、図7Cは図7Bに示す画像の断面図である。
図1を参照すると、生体組織R内の物質の自家蛍光応答を誘導および検出して、生体組織内の様々な病理学的状態の存在を検出または発症を予測することにより、生体組織を検査するように構成されかつ動作可能な本発明のシステム100が、ブロック図により概略的に示されている。より具体的には、システム100は、眼組織を検査するように構成されているが、本発明の原理は、この特定の態様に限定されるものではない。
システム100は、画像化デバイス120と、制御ユニット130とを含む。画像化デバイス120は、複数のM個(2個以上)の予め設定された(検出/予測される複数のK個の病理学的状態PC...PCによって規定される)画像化モードIM...IMを実行し、各画像化モードにおいて対応する画像データを生成するように構成されかつ動作可能である。画像化モードは、少なくとも1の画像化セッションを含み、それには、選択された位置/領域における複数の(2以上の)予め設定された異なるBASAの同時励起を引き起こすように選択された少なくとも1の予め設定された(例えば、スペクトル的に狭い)励起波長範囲を含む照明パターンIPにより、組織R内の選択された位置/領域を照明すること、上記位置における予め設定されたBASAの励起誘起発光を含む、照明/励起された位置の組合せスペクトル応答CSRを検出すること、並びに、検出された組み合わされたスペクトル応答を示す画像データIDを生成することが含まれる。
通常、励起波長範囲は、数N(N≧1)の励起波長を含む。図1の非限定的な本例では、そのような照明パターンIPが、複数の励起波長W...Wを含む励起波長範囲によって例示されている。しかしながら、本発明は、そのような複数の励起波長構成に限定されないことを理解されたい。上述したように、励起波長範囲が実際には単一の関連励起波長を含むが、複数の異なる予め設定された生体物質を励起できるように選択されており、検出された組み合わされたスペクトル応答におけるそれらの発光応答の検出によってそれら物質の存在を識別することができるような場合もある。
このように、本発明の原理は、2以上の異なる自家蛍光生体物質を実質的に同時に励起することができるように励起パターンが選択されていれば、励起パターンの特定の構成、すなわち、特定の数の励起波長または励起波長範囲に限定されないことを理解されたい。しかしながら、任意選択的には、いくつかの実施形態では、複数の物質を励起するように選択された励起波長範囲が、スペクトル的に狭い(100nm以下である)ことが好ましい。
このため、選択された励起波長範囲は、予め設定された2以上の天然に存在する生体物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された1または複数の予め設定された励起波長を含み、生体組織内の励起された位置にそれらが同時に存在することが、上記組織の予め設定された病理学的状態を示している。
制御ユニット130は、通常、データ入力および出力ユーティリティ131A、131B、メモリ136、およびデータプロセッサ134などの主な機能ユーティリティを含むコンピュータシステムである。本発明によれば、制御ユニット130は、検出/予測される特定のi番目の病理学的状態PCのユーザ選択を示す、ユーザインタフェース138を介して入力されたユーザ入力に従って、画像化モードのうちの選択された1つを実行するように画像化デバイス120の動作を制御するように構成されかつ動作可能な画像化モードコントローラ132を含む。画像化モードコントローラ132は、選択された病理学的状態の関連データに応答して、割り当てデータを利用して画像化デバイス(その照明ユニット)に対する動作データODを生成する。
画像化モードコントローラ132は、各画像化モードIM...IMと、少なくとも1の対応する生体組織の状態(病理学的状態)との間の割り当てを示す予め設定された割り当てデータに従って構成されかつ動作可能であり、各画像化モードは、予め設定された位置に適用される照明パターンに含まれる特定の励起波長範囲(1または複数の選択された励起波長を含む励起波長範囲)によって特徴付けられる。言い換えれば、割り当てデータによれば、i番目の病理学的状態PCの検出は、g番目の励起波長範囲WRと励起される組織内の位置とにより特徴付けられるj番目の画像化モードデータIMに割り当てられ、ここで、励起波長範囲WRは、特定の位置での同時存在が病理学的状態PCを直接示す2以上の自家蛍光物質の予め設定されたセット/組合せの励起に対応する1または複数の励起波長を含む。
割り当てデータは、典型的には、メモリ136に予め記憶され、ユーザ入力に応答して、画像化モードコントローラ132によってアクセスされるものであってもよい。画像化モードコントローラ132は、ユーザ入力により規定された選択された割り当てデータに従って、画像化デバイス120と遣り取りして、その動作データODを提供するように構成されている。
図1に簡単に例示されているように、病理学的状態PCは、励起波長範囲WR(例えば、照明ユニットが構成される波長/光源からの波長WおよびWを含む励起波長範囲)および位置データL(画像化される焦点位置),...,によって特徴付けられる照明パターンデータIPを含む、割り当てられた画像モードデータIMに関連付けられており、病理学的状態PCは、励起波長範囲WR(例えば、励起波長W、W、Wを含む励起波長範囲)および位置データL、場合によっては追加の位置データLを規定する照明パターンデータIPを含む、割り当てられた画像モードデータIMと関連付けられている。
このため、ユーザは、関心のある病理学的状態についての入力を(ユーザインタフェース138を介して)提供し、画像化モードコントローラ132は、割り当てデータ(例えば、場合によってはメモリ136に格納されている割り当てデータ)を利用して、対応する画像化モード(上記病理学的状態の検出に割り当てられた画像化モード)を選択するように動作し、画像化デバイス120に対する動作データODを生成する。画像化モードの実行から得られた画像データIDは、画像データIDを分析して、生体組織の状態を示す出力データを生成するように構成されかつ動作可能なデータプロセッサ134で受信される。
画像化デバイス120は、光源ユニット110と、検出ユニット128とを含む。光源ユニット120は、複数の波長W...Wを生成するように構成され、組織内の選択された位置を照明するための選択された対応する照明パターンを作成するために、必要な励起波長範囲を選択的に生成するように制御可能に動作可能である。検出ユニット128は、上記照明パターンに対する組織の組み合わされたスペクトル応答を収集し、対応する画像データIDを生成するように構成されかつ動作可能である。また、画像化デバイスには、集束装置112も設けられ、必要な焦点位置の画像化と、上記位置からの組み合わされたスペクトル応答の検出を可能にしている。
非限定的な本例では、光源ユニット110が、単純化のために、波長範囲のそれぞれN個の異なる波長を放出することができるN個の光源(例えば、LED)、光源1、光源2、...光源nを含むものとして示されている。画像化モードコントローラ132により提供される動作データODには、特定の組織位置における2以上の物質の対応する組合せの励起に対応する照明パターンを形成するために、少なくとも1の必要な励起波長範囲(例えば、スペクトル的に狭い励起波長範囲)を生成するための選択された1または複数の光源の起動データが含まれる。
照明パターンは、選択された1または複数の波長を含むことができ、1または複数の照明パルス、または異なる波長の一連の照明を含むパルス列の形態であってもよい。典型的には、照明パターンの時間的長さは、検出ユニット128によって使用される露光時間の範囲内であるか、またはそれよりも短くてもよい。
検出ユニット128は、カメラデバイス129を含み、このカメラデバイスが検出器アレイ126を含み、検出器アレイ126上の関心領域R(またはその上の特定の位置)を画像化するように構成された画像化レンズ配列122を含むか、または関連付けられている。検出器アレイ128は、画像化モードに従って、2以上の発光波長の予め設定されたセットを検出するために収集される光をフィルタリングするためのスペクトルフィルタ124に関連付けられている。スペクトルフィルタは、選択された波長範囲のみの透過を可能にする均一フィルタであってもよいし、ベイヤーフィルタのようなモザイクフィルタであってもよい。
本発明の目的のために、カメラデバイス129は、カラーカメラまたはカラー検出器アレイとして構成されかつ動作可能である。従来のカメラで典型的に使用されるカラー検出器アレイを考慮すると、それらは、異なる色の光、典型的には赤、緑、青(RGB)スペクトルの原色の光を収集するように構成された3つの異なるタイプの検出器セルを含む。本発明で使用されるカラーカメラデバイス129(検出器アレイおよびフィルタ)は、異なる色の複数の検出チャンネル(スペクトルチャンネル)を規定するピクセルマトリックスを提供する。その結果、画像データは、検出される組み合わされた応答の異なる検出波長と、その異なる検出波長が発生した対応する位置データとを示している。カメラによって同時に収集される波長は、応答物質のいずれかが上記位置に存在する場合、1または複数の励起波長に応答して励起された位置で発生した発光波長を含み、さらに、照明された領域内およびその周辺の様々な要素/界面から反射される1または複数の励起波長も含み得ることに留意されたい。
例えば、カメラデバイス129は、PCT/IL2020/050282に記載されているように構成されたものであってもよい。この出願は、本願の譲受人に譲渡されたものであり、カラーカメラ構成の具体例に関しては、引用により本明細書に援用されるものとする。そのようなカメラデバイスでは、検出器アレイが複数の検出器セルを含み、それら検出器セルは、予め設定された配列(2次元アレイ)に配置された2以上の異なるタイプの検出器セルを含み、そのスペクトル応答関数、すなわち異なる波長の光に対する検出器セルの感度が互いに異なる。このため、1タイプの検出器セルによって収集された出力画像データは、(検出器セルのスペクトル応答に対応する)特定の波長範囲を用いた視野の画像を提供する。異なるタイプの検出器セルは、検出器アレイの共通の平面内に適切に(例えば、インターレースの順序で)配置され、画像が、共通の視野に関連付けられた異なるタイプの検出器セルの各々によって同時に収集され、それにより追加の位置合わせ処理が不要となる。
いくつかの実施形態では、検出ユニット128が、例えば、短い波長、例えば近UVまたは450nm未満の波長の収集を防止するように構成された、追加のスペクトルフィルタをさらに含むことができる。
通常、本発明のシステム100は、予め設定された2以上の異なる生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)の自家蛍光応答を励起するように選択された1または複数の励起波長を含む照明パターンを提供するように構成することができる。そのようなBASAには、アルブミン、エラスチン、コラーゲン、リポフスチン、脂肪酸、LDL、NADH、フラビン、ポルフィリン、アミロイド、最終糖化産物(AGEs)などの生体物質/物質が含まれる。BASAとして分類できる追加の物質は既知であり、また、検査対象となる様々な生体組織で検出される病理学的状態に応じて、本技術の目的のために様々な組合せで検出されると考えられる。
通常、各生物学的自家蛍光物質は、その励起スペクトル範囲と対応する蛍光スペクトル応答によって特徴付けられる。本発明によれば、生体組織の特定の病理学的状態の予測/存在を特定するために、2以上のBASAのセットが、特定の位置に(場合によっては、ある異常な量で)同時に出現することは普通ではない/異常であると定義される。さらに、選択された組合せ/セットのBASAのすべてについて、予め設定されたセットのBASAを同時に励起するのに適した1または複数の励起波長を含む、少なくとも1の励起波長範囲(いくつかの実施形態では、スペクトル的に狭く、すなわち、実質的に100nmを超えないスペクトル帯域幅を有する励起波長範囲)が選択される。これにより、選択された位置におけるBASAの組合せ全体の有無を、高速(1回の画像化セッション/1回の露光)かつ正確に検出することができ、それにより組織の対応する1または複数の病理学的状態を直接示すことができ、選択された病理学的状態の診断を支援することができる。これにより、医師は患者の健康状態を判定し、様々な疾患の初期段階を特定することができる。代替的には、そのような状態を発症するリスクのある患者でまだ発症していない状態のスクリーニングが可能になる可能性がある。
例えば、アルブミン、またはヒト血清アルブミンは、ヒトの血漿中に最も多く含まれるタンパク質である。アルブミンは血清タンパク質の約半分を占める。アルブミンは肝臓で生成され、水に溶けやすく、単量体である。アルブミンの生物学的機能としては、ホルモン、脂肪酸および他の化合物の輸送が挙げられる。また、アルブミンは、血管内の膠質浸透圧のpH緩衝および維持も助ける。ヒト血漿アルブミンは、約280nmに励起ピーク、330~350nmに最大発光を示す。ウシ血清は、340~400nmの範囲で励起されると、450~550nmで発光する。ヒト血漿は、400~420nmの範囲に励起極大、460~520nmに発光の最大値がある。典型的には、血流の外側におけるアルブミンの大量沈着の検出は、血管からの漏出を示している可能性があり、これは様々な既知の病理学的状態に関連している可能性がある。これに関連して、図2は、ヒト血清アルブミンと非常に近い特性を持つウシ血清アルブミンの測定された吸収および蛍光発光スペクトルを示している。図示のように、アルブミンは350nm~400nmの励起範囲で光を吸収し、450nm~550nmにピークを持つ光を放出して応答する。図2には、450nmのショルダーピークと550nmのピークが示されている。
リポフスチンは、488nmのピーク励起波長で青色光を吸収し、630nmのピーク波長で赤色光を放出する主要な黄斑の蛍光物質である。リポフスチンは、網膜色素上皮(RPE)に存在し、ビタミンAと視覚サイクルの代謝副産物であるビスレチノイド化合物から自家蛍光特性を得ている不均一な混合物である。ビスレチノイドは、最初に光受容体の外側のセグメントで形成され、その後リポフスチンとしてRPEに沈着し、加齢とともにRPEのリソソームに蓄積する。リポフスチンは、加齢黄斑変性症(AMD)、ベスト病やスターガルト病などの黄斑ジストロフィーを含む変性疾患でも増加する。リポフスチンの分布、その結果としての自家蛍光の分布は、後極で最大となるが、中心窩では限られており、周辺部に向かって減少する。
最終糖化産物(AGEs)は、糖がタンパク質や脂質などに非酵素的に結合した産物である。そのような最終産物は、高レベルの血糖値が原因で発生する場合がある。AGEsは、血管の形成、増殖および構造に対するダメージの結果として、糖尿病性網膜症(DR)の発症に関与している。さらに、AGEsは、炎症プロセスの活性化、アポトーシス(プログラムされた細胞死)の誘導などにより、組織の損傷を引き起こす。AGEsが蓄積すると、血管の代謝と細胞の代謝の両方が阻害され、血管と細胞の両方から漏出する可能性がある。AGEsは、網膜全体にセジメントを形成し、架橋を形成し、かつ/または、血漿が漏出している損傷した血管の近傍に蓄積し、そこにもAGEsが存在し得る。
本発明の技術は、眼組織の網膜領域/位置におけるAGEsと血漿の両方の組合せを直接検出(および可視化)することにより、DRのような病理学的状態の存在を同時に検出することを提供する。そのために、AGEsの励起波長385nmと血漿の励起波長400nmを含む350~400nmの励起波長範囲を含む照明パターンを用いて、網膜上で画像化モードを実行する。網膜領域にAGEsと血漿の両方が同時に存在する場合、照射領域の組み合わされたスペクトル応答は、AGEsの発光波長440nmと血漿の発光波長490nmを含む発光スペクトル(例えば、430~450nmの複合発光スペクトル)を含む。このように、網膜領域にAGEsと血漿が同時に存在することを検出することで、患者のDR状態を直接検出/予測(早期診断)することができる。これに関して、血漿は様々な病理学的状態で漏出する可能性があるという事実により、血漿のみを検出/可視化してもDRの診断には役立たないが、セジメントが主に糖尿病で生じるAGEsと血漿の同時存在を検出することにより、DRの病理学的状態を直接示すことができる。
本発明の技術がDR関連疾患の早期発見に有利な効果を発揮する別の例は、(DRの網膜徴候のうち)軟性白斑中にNADHとフラボタンパク質の両方の存在を同時に検出することによるものである。NADHの励起波長365nmとフラボタンパク質の励起波長430nmとを含む360~420nmの励起スペクトル範囲を含む照明パターンで網膜領域を照明すると、NADHとフラボタンパク質の両方の組合せを検出することができる。NADHとフラボタンパク質の発光を含む複合スペクトル応答の検出を示す画像データは、予測されるDR状態に対応する。両物質の区別は発光波長に基づくものであり、NADHは上記の励起に対して約465nmの発光波長(通常、450~480nm(青)の範囲で発光)で応答し、フラボタンパクは550nmの発光(通常、520~590nm(緑)の範囲で発光)で応答する。
これまでに、網膜におけるフラボタンパク質の検出が、まだDRを発症していない糖尿病患者のDR発症の予測因子として役立つ可能性があることが分かっている。同じ狭い範囲の励起を適用することによりNADHとフラボタンパクの両方の存在の同時検出を組み合わせることで、DR状態の存在を(コントラストを高めて可視化することで)より高い精度で早期に検出することができ、DRのスクリーニングを向上させることができる。さらに、本明細書では、検出デバイスにカラーカメラを使用することで、異なる波長範囲(色)の検出チャネルが得られ、NADH(青チャネル)とフラボタンパク質(緑チャネル)の発光を別々に検出することができることを示している。
別の非限定的な例によれば、本発明は、予め設定された割り当てデータに従って、眼組織の網膜領域で実行される予め設定された画像化モードを介して、加齢黄斑変性症(AMD)などの病理学的状態の検出を提供する。割り当てデータは、同じ領域に一緒に存在する場合に上記状態を示す生物学的自家蛍光物質の組合せを規定する。そのような物質には、例えば、350nmの波長で励起されて、450nmの発光で応答するアミロイドと、350nmの波長で励起されて、475nmの発光で応答する脂肪酸とが含まれる。
アミロイドは、脳内でセジメントを形成し、アルツハイマー病の発症に関与する不完全なタンパク質として一般に知られている。しかしながら、アミロイドは、アミロイドーシスなどの他の病気の発症にも関与することが知られている。さらに、アミロイドは網膜全体にセジメントを形成することが知られており、AMDの指標として機能し得る。ドルーセン滲出液は、AMDに見られる特殊なタイプの滲出液で、多くの様々なタンパク質や脂質など、様々な物質を含んでいる。ドルーセン滲出液中のアミロイドと脂肪酸の両方の組合せは、本発明の技術を用いて、共通の励起波長350nmを含む励起波長範囲を含む照明パターンで網膜領域を励起し、検出された組み合わされた発光応答において、450nmと475nmの発光波長(430~480nmの可視スペクトルの青色範囲)を識別することによって、可視化することができる。網膜のドルーセン滲出液中にアミロイドと脂肪酸が同時に存在することを検出することで、AMDの早期かつ正確な診断が可能となる。
追加的には、または様々な種類の病理学的状態を示す眼組織の網膜領域における様々な組合せのBASAの同時存在の検出に代えて、他の領域/位置、例えば、角膜および水晶体を含む眼の前房における様々な物質(BASA)の同時存在の検出を介して、1または複数の病理学的状態を特定することができる。例えば、角膜領域におけるAGEsとフラボタンパク質の同時存在の検出により、DR(特に増殖性DR)の重症度を示すことができる。360~420nmの励起波長範囲(AGEs励起波長385nm、フラボタンパク励起波長430nmを含む励起波長範囲)を含む照明パターンと、430~450nmの範囲(440nmのAGEsの発光を検出するための範囲)および520~590nmの範囲(550nmのフラボタンパクの発光を検出するための範囲)を含む検出スペクトルを使用することで、角膜内のそれら物質の存在を直接示すことができる。上述したように、カラーカメラを使用することで、画像データ片の青チャンネルと緑チャンネルを分離することができ、1回の画像化セッションでAGEsとフラボタンパク質の位置合わせを提供することができる。
したがって、眼の網膜および前房(角膜および水晶体)におけるBASAの検出により、糖尿病性網膜症(DR)、加齢黄斑変性症(AMD)、緑内障および他の網膜および脈絡膜疾患に限定されるものではないが、これらを含む様々な医学的病状に関連する徴候を提供することができる。通常、そのような病状は、網膜、脈絡膜および前房に、虚血性および代謝性の変化をもたらすことがある。そのような病理学的プロセスによる正常な組織代謝の乱れは、血管および/または組織細胞からのBASAの漏出をもたらし、対象となる関連領域にセジメントを形成する。一般に、血管内や組織内に存在するBASAは、その近傍にある他の自家蛍光物質(例えば、血管内のヘモグロビン)から発生する干渉により、検出不可能な蛍光応答を示すことに留意されたい。このため、血管または組織細胞からの漏出は、自然環境外にあるBASAの存在に基づいて検出され得る。
さらに、いくつかの実施形態では、本技術は、エラスチンおよびコラーゲンなどのBASAの組合せの検出を、正常に機能している組織において正常な量で見出されるときに、利用することができる。この技術は、そのようなタンパク質が血管壁に存在して、自家蛍光応答の追加により画像化コントラストを向上させる場合に、血管の高コントラスト画像化を提供することができる。
図1に戻ると、システム100は、通常、特定される病理学的状態と適切な画像化モードとの間の関係を示す予め記憶された割り当てデータを保持することができ、各画像化モードは、生体組織内で識別される予め設定された物質に対応するそれぞれの少なくとも1の励起波長範囲およびそれぞれの期待される複合放射線応答と、画像化される生体組織内の最適な位置/領域とによって規定されている。これにより、選択された生体組織において、上述したように、選択されたBASAの存在を判定することができ、場合によってはその量を示すこともできる。
したがって、本発明の新規なアプローチは、様々な病理学的状態の迅速かつ効果的な検出/予測を提供する。このアプローチは、様々な生物学的自家蛍光物質(BASA)の自家蛍光特性、およびBASAの様々な組合せと病理学的状態との関係についての本発明者等の理解に基づくものである。そのような関係により、監視される病理学的状態ごとに1または複数の選択された画像化モードを規定することができる。同じ病理学的状態の検出に関連する異なる画像化モードは、励起波長範囲および/または画像化される位置/領域において異なる場合がある。選択された画像化モードに応じて、照明パターンは、2以上の異なる物質を励起する1または複数の離散的な波長で形成される励起波長範囲を含む。
いくつかの構成では、組織の検出された応答が、1または複数の励起波長の1または複数の反射も含み、あるいは、照明パターンが、場合によっては、組織からの反射応答を提供するように選択された非励起波長も含むことができる。組織からの反射を検出することで、周囲の組織を確実に可視化することができる。これは、例えば、反射照明に基づく血管の高コントラスト画像化と組み合わせたエラスチンおよびコラーゲンの自家蛍光を用いた血管の可視化に使用することができる。
データプロセッサ134は、対象となる組織領域の検出された複合スペクトル応答を示す画像データIDを画像化デバイス120から受信し、画像データを処理して、使用されている画像化モードに対応して、検査される組織の特定のBASAを示すデータを判定するように構成されている。通常、上述したように、画像データは、組織の検出された複合応答に含まれる異なる波長範囲の収集光にそれぞれ関連する2以上(通常は3つ)の画像データ片、またはチャネルを含むことができる。このため、データプロセッサ134は、画像データのスペクトルチャネルを処理し、組織内の応答物質の相対的な位置に対応する選択されたスペクトルチャネル間の関係を特定するように動作する。より具体的には、データプロセッサ134は、例えば、緑チャネルと青チャネルとの間の比、チャネルの和、チャネルの差などを求めることによって、ピクセルごとの関係を特定することができる。このため、データプロセッサ134は、画像データを受信し、異なるスペクトルチャネルを抽出し、1または複数、通常は2以上の選択されたチャネルにおいて画像データ片を処理するように構成することができる。
通常、上述したように、選択された照明パターンは、様々なBASA物質の組合せの同時検出および可視化のための1または複数の励起波長の選択を提供する。例えば、350nm~380nmの範囲の特定の励起波長を使用すると、NADH、フラビンおよび脂肪酸の組合せの同時検出(および可視化)が可能になる。典型的には、NADHとフラビンは軟性白斑において可視化され、脂肪酸は硬性白斑において可視化され得る。
さらに、例えば、360nm付近の特定の波長を選択することで、血管壁内のエラスチンとコラーゲンの両方の組合せを同時に可視化することができる。これを利用して、血管のコントラストを高めた画像化を行うことができる。その場合、選択した波長範囲の光の反射、および収集した画像データの処理を使用する画像化に加えて、照明パターンにより生じる自家蛍光を利用することができる。例えば、そのような構成では、照明パターンが、血管からの光の反射および吸収関係によりコントラストを向上させるために、436nm、517nmおよび/または660nmの照明をさらに含むことができる。
一般に、BASAの自家蛍光は比較的弱いことに留意されたい。しかしながら、本技術の発明者等は、1または複数の波長、通常はいくつかの波長を有する照明を使用することで、複数の異なるBASAの同時励起と、カラーカメラの検出器アレイにより検出可能な対応する複数の同時発光が得られ、検出器アレイのカラーチャンネルの出力の後処理が可能になることを確認している。これにより、組織から発せられる蛍光のコントラストを高め、BASAの組合せの存在を検出し、それらの組織内の分布を画像化することができる。そのような画像化は、網膜、角膜、水晶体などの比較的表面的な組織や、容易に見える組織において非常に有効である。
図3を参照すると、生体組織の検査に使用する本発明の方法がフロー図で示されている。図示のように、本方法は、選択されたk個の病理学的状態PC...PCを示す予め設定された割り当てデータを提供するステップ(ステップ3010)を含み、各i番目の病理学的状態PCは、検出対象の対応する病理学的状態に従って、スペクトル的に狭い励起波長範囲を含む対応する照明パターンを使用して、生体組織内のそれぞれの位置で実行される画像化を規定するそれぞれの画像化モードデータに割り当てられる。ユーザが病理学的状態を選択したことに応答して(ステップ3012)、割り当てデータがアクセスおよび分析され、それにより、それぞれの画像化モードデータを選択し(ステップ3020)、画像化デバイスに対して対応する動作データODを生成する(ステップ3030)。画像化デバイスは、画像化モードデータによって起動されて、少なくとも1の対応する画像化セッションを実行する(ステップ3040)。画像化セッションは、割り当てデータに従って予め設定された位置に向けて予め設定された照明パターンを生成すること(ステップ3050)と、組み合わされた応答を収集/検出すること(ステップ3060)と、画像データIDを生成すること(ステップ3070)とを含む。
そのようにして生成された画像データは、リアルタイム処理、いわゆるオンラインモード(ステップ3080)に向けられるか、または後にアクセスおよび処理されるように保存されて(オフラインモード)、対象となるi番目の病理学的状態に関連する組織の状態、選択されたBASAの予め設定された組合せが選択された位置に存在するか否か、および/またはそのような組合せのBASAの量が上記病理学的状態に対応するか否かに関する出力データを提供する。この処理は、収集された画像のカラーチャネルに関連付けられた1または複数の画像データ片について画像データを分析することと、画像データの2以上のカラーチャネル間の関係を特定して(ステップ3090)、選択された位置における選択された組合せのBASAの存在に関するデータを特定することとを含むことができる。
上述したように、本技術は、RGBタイプの画像データを提供するカラーカメラを利用することができる。図4を参照すると、本発明のいくつかの実施形態に係る画像化およびデータ処理段階が例示されている。図示のように、本技術は、照明パターンを提供することを利用する(ステップ4010)。照明パターンは、通常、例えば1または複数のLEDまたはレーザユニットによって生成された、選択された励起波長範囲(例えば、2以上の励起波長のセット)を含む1または複数のパルスを含むことができる。
照明パターンは、選択された2以上のBASAの励起を提供するために、例えば、340nm~420nmで選択された波長範囲の1または複数のパルスを含むことができる。いくつかの構成では、照明パターンが、例えば460nm~540nmの選択された第2の1または複数の波長を含む、少なくとも1の追加の選択された励起波長範囲も含むことができる。そのような第2の波長範囲は、リポフスチンなどの追加の1または複数のBASAの励起を提供するために選択することができる。そのような構成では、本技術は、第2の励起波長範囲に対応する自家蛍光発光の収集のフィルタリングを利用することができる。
通常、本技術は、照明と一定の同期をとって、検査された組織から画像データを収集することを利用する(4020)。いくつかの構成では、画像データが、異なるカラーチャネル(例えば、RGBなどの原色)を有する画像データを提供するカラーカメラを用いて収集される。カラーカメラは、スペクトルチャネルを区別するスペクトルフィルタを使用して、組織のカラー画像表現を提供し、収集された画像の特定のスペクトル処理を可能にする一方で、(単色画像データを収集するために異なる検出器アレイを使用し、対応する異なるスペクトルフィルタに関連付ける場合に必要となる)画像位置合わせ処理の必要性を排除することができる。検出された画像データは、予め設定されたBASAの自家蛍光発光を識別し、検出された蛍光の信号対雑音比を高めるための処理(ステップ4030)のために送信される。その処理は、通常、赤、緑、青の各チャネルに関連付けられた異なるスペクトルチャネルを分離すること(ステップ4040)と、選択されたチャネル間の関係、典型的には緑チャネルと青チャネルとの間の関係を特定すること(ステップ4050)とを含む。この関係により、選択されたチャンネルのピクセルごとのマッピングを提供し、それにより、選択されたチャンネルで収集された光の間の変動を判定することができる。第2の波長範囲(例えば、第2の励起波長のセット)を利用する構成では、処理が、630nm付近にピーク発光を有するリポフスチンの蛍光発光を一般に示す赤色チャネルの収集光に関連する蛍光マップを求めるように動作することができる(ステップ4060)。このように、この例では、BチャンネルとRチャンネルから同時に発光データが収集される。
ステップ4050および/またはステップ4060で異なるカラーチャネルに基づいて求めた蛍光マップを使用して、提供される出力データは(ステップ4070)、検出器アレイによって検出された画像内の選択されたBASAの自家蛍光分布を示し、組織内の選択されたBASAの沈着の存在を識別することを可能にする。いくつかの構成では、画像データを、分析のためにオペレータに提示することができる。いくつかの追加の構成では、画像データをさらに処理して(ステップ4080)、BASAの沈着を特定し、検査される領域の正常な典型的な物質組成と比較して典型的に異常なBASAの沈着を特定することができる。上述したように、様々な病状によって、血管の外側に沈着の形成がもたらされる。そのような沈着は、本技術によって検出されたBASA自家蛍光による明るいスポットとして画像データに表示されることがある。
図5Aおよび図5Bを参照すると、本発明の上記技術を用いて血漿滴から検出された自家蛍光発光が例示されている。図5Aは、バンドパスフィルタ450~550(450~550nmの範囲の波長の光を透過するバンドパスフィルタ)を利用してカラーカメラを使用して収集された血漿滴から検出した自家蛍光を生画像で示している。図5Bは、図5Aで収集されたカラー画像の緑チャンネルと青チャンネルの和を示している。ガラス板の上に血漿滴を置き、365nmの励起照明下に置いた。約500nmを中心に自家蛍光発光が検出され、図5Aおよび図5Bでは、円で囲まれた明るいスポットに示されている。下側のスポットは不要な反射の結果である。
図6は、生体組織上の血清滴から検出された自家蛍光の実験結果を示している。この領域は、360nmの励起波長を含む励起波長範囲のパルスで照明され、450nm~550nmの範囲の光を透過するバンドパスフィルタを備えたカラーカメラを用いて、組み合わされたスペクトル応答が検出された。この滴は、血漿中のアルブミンなどのBASAの濃度が正常な生体組織の一般的な濃度よりも高いことにより、組織のバックグラウンドを上回る明るさを示されている。
上述したように、本技術は、選択されたフィルタを利用して、バックグラウンドの反射を上回る自家蛍光発光の収集を提供することができる。さらに、本発明のいくつかの実施形態では、カラー(RGBなど)カメラを標準的なベイヤーフィルタ配列とともに使用し、収集した画像データのカラーチャンネルを処理して、自家蛍光発光の検出を向上させることができる。
図7A~図7Cは、ペトリ皿に置かれた血清滴の画像を示している。図7Aは、カラー画像の生の表現を示し、図7Bは、青チャネルと緑チャンネルの関係を求めるための処理後の画像を示し、図7Cは、図7Bに示した画像の断面に沿ったプロットを示している。血漿滴は、360nmの波長を有する励起波長を含む照明パルスパターンにより照射され、カラーカメラが、450nm~550nmの範囲の光を透過させる追加のバンドパスフィルタとともに使用された。図7Aに示すように、滴の外周に沿って自家蛍光発光が見える。しかしながら、画像データ(検出された組み合わされたスペクトル応答に対応する画像データ)を追加処理し、緑チャンネルと青チャンネルの間のピクセルごとの関係を特定することにより、図7Bに示すように、自家蛍光発光の表示が改善される。図7Cは、バックグラウンドノイズに対する血漿滴からの自家蛍光発光をさらに示し、バックグラウンドおよび周囲光からの反射に関連する2.5(A.U.)のバックグラウンド平均に対して、3(A.U.)の平均発光を示している。
このため、上記のように、本発明の技術は、脂肪酸、アルブミン、エラスチン、コラーゲン、リポフスチン、LDL、NADH、フラビン、ポルフィリン、アミロイド、最終糖化産物(AGEs)を含む生体物質(BASA)の様々な組合せの自家蛍光発光の検出を提供する。本技術は、例えば他の病理学的プロセスの血液の漏出により、生体組織にBASAの組合せが沈着することに関連する可能性のある様々な病状の指標を提供する、簡素でロバストな検出技術を可能にする。
本技術は、アルブミンおよび他の天然に存在する蛍光物質を含む様々なBASAの存在を検出することができ、これにより、血管からの漏出に関連する可能性のある病状、または組織内の血漿、タンパク質、脂質、糖、核酸または他の細胞または細胞外物質の凝集に関連する他の病状を検出することが可能になる。本技術は、通常、非常に短いパルス、例えば1/60秒未満のパルスで、そのような照明を提供しながら、近UVスペクトル照明で使用するための通常の基準に従うことができる。なお、パルス持続時間は画像化条件およびパルス強度に応じて決定されることに留意されたい。本技術は、侵入的な操作を必要とすることはなく、患者の静脈にフルオレセインまたは他の蛍光色素を投与する必要がない。このため、本技術は、BASA自家蛍光が天然に存在する物質の物理的効果であるため、準備を必要としない、すぐに利用できる検査を提供することができる。本技術は、眼の画像化に非常に有利であり、眼の網膜、脈絡膜および前房(角膜および眼水晶体)内の物質の沈着に対する感度を含む高品質の画像化を提供することができる。

Claims (32)

  1. 生体組織の検査に使用されるシステムであって、
    2以上の予め設定された画像化モードを実行し、それぞれの画像化モードに対応する画像データを生成するように構成されかつ動作可能な画像化デバイスであって、各画像化モードが、少なくとも1の画像化セッションを含み、この少なくとも1の画像化セッションが、生体組織内に天然に存在するタイプの2以上の異なる生体物質を同時に励起し、それにより前記2以上の異なる生体物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された励起波長範囲を含む照明パターンによって、生体組織の関心領域内の選択された位置を照明することと、前記照明パターンに対する前記位置の組み合わされたスペクトル応答を検出することと、検出された組み合わされたスペクトル応答を示す対応する画像データを生成することとを含む、画像化デバイスと、
    前記画像化モードのうちの選択された1つを実行するように前記画像化デバイスを動作させる画像化モードコントローラと、前記画像データを分析して、生体組織の状態を示す出力データを生成するデータプロセッサとを備える制御ユニットであって、前記画像化モードコントローラが、前記画像化モードの各々と、検査される少なくとも1の対応する生体組織の状態との間の割り当てを示す予め設定された割り当てデータに従って動作可能でありかつ構成され、前記画像化モードコントローラが、ユーザの関心のある少なくとも1の生体組織の状態に関するユーザ入力に応答して、前記割り当てデータに基づいて、それぞれの画像化モードデータを選択し、それぞれの画像化モードの少なくとも1の画像化セッションを実行するように前記画像化デバイスを動作させるための対応する動作データを生成する、制御ユニットとを備えることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    前記励起波長範囲が、実質的に100nmを超えないスペクトル幅を有することを特徴とするシステム。
  3. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
    前記画像化モードの各々の照明パターンが、2以上の生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)を含む異なる生体物質を励起して自家蛍光応答を引き起こすように選択された少なくとも1の励起波長を含む励起波長範囲を含み、前記2以上の生物学的自家蛍光スペクトル物質が生体組織の選択された位置に同時に存在することが、生体組織の特定の病理学的状態を直接示すことを特徴とするシステム。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記画像化デバイスが、選択された画像化モードに対応する照明パターンを生成するように、前記画像化モードコントローラによって生成された動作データによって動作可能でありかつ構成された光源ユニットを備えることを特徴とするシステム。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記画像化デバイスが、前記選択された位置から前記組み合わされたスペクトル応答を収集するように構成されかつ動作可能な集束および画像化装置を備えることを特徴とするシステム。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記画像化デバイスが、異なる波長の複数の自家蛍光応答を同時に検出するように構成されたカラーカメラデバイスを含む画像検出器を備えることを特徴とするシステム。
  7. 請求項6に記載のシステムにおいて、
    前記カラーカメラデバイスが、異なる色の複数の検出チャネルを規定するように構成されかつ動作可能なピクセルマトリックスを含み、前記画像データが、組み合わされた応答の異なる検出波長と、この異なる検出波長が発生する生体組織内の対応する位置データとを示すことを特徴とするシステム。
  8. 請求項6または7に記載のシステムにおいて、
    前記カラーカメラが、原色の収集チャンネルを有するように構成されていることを特徴とするシステム。
  9. 請求項6乃至8の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記データプロセッサが、前記画像データを受信および処理し、前記画像データにおいて、前記検出された組み合わされた応答に含まれる異なる発光波長に対応する画像データ片を識別し、前記画像データ片間の関係を特定して、異なる発光波長が発生する生体組織内の対応する位置データを識別するように構成されかつ動作可能であることを特徴とするシステム。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記照明パターンが、選択された励起波長範囲を含む光の1または複数の照明パルスを含むことを特徴とするシステム。
  11. 請求項3乃至10の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記照明モードが、アルブミン、エラスチン、コラーゲン、リポフスチン、脂肪酸、LDL、NADH、フラビン、ポルフィリン、アミロイドおよびAGEsのうちの2以上を含む2以上のBASAが予め設定された位置に存在することによって識別可能な病理学的状態に割り当てられた照明パターンを含むことを特徴とするシステム。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記照明パターンが、少なくとも1の追加の励起波長範囲を含み、この少なくとも1の追加の励起波長範囲が、少なくとも1の追加の生体物質を励起して、前記少なくとも1の追加の生体物質の少なくとも1の追加の蛍光応答を前記検出された組み合わされたスペクトル応答に含ませるように選択されることを特徴とするシステム。
  13. 請求項1乃至12の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記組み合わされたスペクトル応答が、励起波長範囲によって励起された異なる生体物質の自家蛍光応答と、照明されている生体組織内の構造物からの照明パターンの1または複数の波長の反射とを含むことを特徴とするシステム。
  14. 請求項12に記載のシステムにおいて、
    前記照明パターンが、画像化される位置の近傍にある血管の画像化を強化するように選択された1または複数の可視化波長を含み、前記画像データが、血管および2以上の励起される物質の組み合わされた画像を含むことを特徴とするシステム。
  15. 請求項14に記載のシステムにおいて、
    前記1または複数の可視化波長が、血管構造に関連する物質を励起するように選択された1または複数の励起波長を含むことを特徴とするシステム。
  16. 請求項15に記載のシステムにおいて、
    前記1または複数の可視化波長が、436nm、517nmおよび660nmの波長のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム。
  17. 請求項16に記載のシステムにおいて、
    前記照明パターンが、エラスチンおよびコラーゲン物質を励起するための350nmの波長を含むことを特徴とするシステム。
  18. 請求項1乃至17の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記割り当てデータが、
    (a)AGEsおよび血漿物質が同時に自家蛍光応答を引き起こすように選択された385nmおよび400nmの波長を含む励起波長範囲を含む照明パターンと、
    (b)NADHおよびフラボタンパク質物質が同時に自家蛍光応答を引き起こすように選択された365nmおよび430nmの波長を含む励起波長範囲を含む照明パターンと
    のうちの少なくとも一方を利用して、網膜領域内の位置で実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた糖尿病性網膜症(DR)に関連する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とするシステム。
  19. 請求項1乃至18の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記割り当てデータが、アミロイドおよび脂肪酸物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された350nmの波長を含む励起波長範囲を含む、網膜領域内の位置に対して実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた黄斑変性症(AMD)に関する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とするシステム。
  20. 請求項1乃至19の何れか一項に記載のシステムにおいて、
    前記割り当てデータが、AGEおよびフラボタンパク質物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された385nmおよび430nmの波長を含む励起波長範囲を含む、角膜領域の位置で実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた増殖性糖尿病性網膜症(DR)に関する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とするシステム。
  21. 生体組織の検査に用いる方法であって、
    複数のk個の病理学的状態PC...PCを含む予め設定された割り当てデータを提供するステップであって、前記k個の病理学的状態のうちの各i番目の病理学的状態PCが、生体組織内の少なくとも1のそれぞれの位置で実行される画像化を規定するそれぞれの少なくとも1のi番目の画像化モードデータで割り当てられ、かつ少なくとも1のそれぞれのi番目の照明パターンによって特徴付けられ、各照明パターンが、2以上の異なる生物学的自家蛍光スペクトル物質(BASA)の予め設定されたセットの自家蛍光応答を実質的に同時に引き起こすように選択された対応するi番目の励起波長範囲を含み、生体組織内の選択された位置に前記2以上の異なる生物学的自家蛍光スペクトル物質が同時に存在することが、生体組織の前記i番目の病理学的状態PCを直接示す、ステップと、
    生体組織で検査される前記i番目の病理学的状態に関するユーザ入力に応答して、前記割り当てデータにおいて、それぞれのi番目の画像化モードデータを選択するとともに、画像化デバイスに対して対応する動作データを生成し、それにより、前記予め設定された位置で少なくとも1の画像化セッションにおいて前記画像化モードを実行し、照明パターンに対する前記位置の組み合わされたスペクトル応答を検出し、検出された組み合わされたスペクトル応答を示す対応する画像データを生成する、ステップと、
    前記画像データを処理し、前記i番目の病理学的状態に関する出力データを提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、
    前記組み合わされたスペクトル応答の検出が、異なる発光波長の複数の自家蛍光応答を同時に検出するように構成されたカラーカメラデバイスによって実行されることを特徴とする方法。
  23. 請求項22に記載の方法において、
    前記検出が、異なる色の複数の検出チャネルを規定するピクセルマトリクスによって前記組み合わされたスペクトル応答を収集することを含み、前記画像データが、前記組み合わされたスペクトル応答の異なる検出波長と、前記異なる検出波長が発生する生体組織内の対応する位置データとを示すことを特徴とする方法。
  24. 請求項21または22に記載の方法において、
    前記画像データを処理することが、前記画像データにおいて、前記検出された組み合わされたスペクトル応答に含まれる異なる波長に対応する画像データ片を識別することと、前記画像データ片間の関係を特定して、前記異なる検出波長が発生する生体組織内の対応する位置データを識別することとを含むことを特徴とする方法。
  25. 請求項21乃至24の何れか一項に記載の方法において、
    前記照明パターンが、画像化される位置の近傍にある血管の画像化を強化するように選択された1または複数の可視化波長を含み、前記画像データが、血管と2以上の励起される物質の組み合わされた画像を含むことを特徴とする方法。
  26. 請求項25に記載の方法において、
    前記1または複数の可視化波長が、血管構造に関連する物質を励起するように選択された1または複数の励起波長を含むことを特徴とする方法。
  27. 請求項26に記載の方法において、
    前記1または複数の可視化波長が、436nm、517nmおよび660nmの波長のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
  28. 請求項27に記載の方法において、
    前記照明パターンが、エラスチンおよびコラーゲン物質を励起するための350nmの波長を含むことを特徴とする方法。
  29. 請求項21乃至28の何れか一項に記載の方法において、
    前記割り当てデータが、
    (a)AGEsおよび血漿物質が同時に自家蛍光応答を引き起こすように選択された385nmおよび400nmの波長を含む励起波長範囲を含む照明パターンと、
    (b)NADHおよびフラボタンパク質物質が同時に自家蛍光応答を引き起こすように選択された365nmおよび430nmの波長を含む励起波長範囲を含む照明パターンと
    のうちの少なくとも一方を利用して、網膜領域内の位置で実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた糖尿病性網膜症(DR)に関連する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とする方法。
  30. 請求項21乃至29の何れか一項に記載の方法において、
    前記割り当てデータが、アミロイドおよび脂肪酸物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された350nmの波長を含む励起波長範囲を含む、網膜領域内の位置に対して実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた黄斑変性症(AMD)に関する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とする方法。
  31. 請求項21乃至30の何れか一項に記載の方法において、
    前記割り当てデータが、AGEおよびフラボタンパク質物質の自家蛍光応答を同時に引き起こすように選択された385nmおよび430nmの波長を含む励起波長範囲を含む、角膜領域の位置で実行される1または複数の画像化モードで割り当てられた増殖性糖尿病性網膜症(DR)に関する病理学的状態を示すデータを含むことを特徴とする方法。
  32. 1または複数の病理学的状態について生体組織を検査する方法であって、
    生体組織内に天然に存在するタイプの2以上の予め設定された異なる生体物質の2以上の自家蛍光応答を実質的に同時に引き起こすように選択された予め設定された数N(N≧1)の予め設定された励起波長を含む予め設定された励起波長範囲を含む照明パターンによって、生体組織内の予め設定された位置を照明するステップと、
    前記照明パターンに対する生体組織の組み合わされたスペクトル応答を検出するステップと、
    検出された組み合わされたスペクトル応答において2以上の物質の発光波長を識別すると、病理学的状態を示すデータを生成するステップとを含むことを特徴とする方法。
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