JP2022536635A - リン及び低イオン電界強度調整剤を含むディスプレイ組成物 - Google Patents

リン及び低イオン電界強度調整剤を含むディスプレイ組成物 Download PDF

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Abstract

ガラス組成物及び基板が提供される。ガラス基板は、約50~約80モルパーセントのSiO2;約1~約30モルパーセントのAl2O3;0~約30モルパーセントのB2O3;約1.0~約10.1モルパーセントのP2O5;及び、約10.5~約15.7モルパーセントのSrO、BaO、K2O、又はそれらの組合せを含むことができ、この組成物は、約5モルパーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含有する。ガラス基板を組み込んだデバイスもまた提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2019年06月13日出願の米国仮特許出願第62/861095号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
本開示は、概して、ガラス組成物に関し、より詳細には、薄膜トランジスタ(TFT)又は有機発光ダイオード(OLED)を備えたデバイスなどのディスプレイ用途のためのガラス基板に関する。
電子デバイスがますます小さくなり、より複雑になるにつれて、ディスプレイパネルの製造に用いられるガラス基板の要件はますます厳しくなってきている。例えば、より小さく、より薄いガラス基板は、該ガラス基板の寸法変化に対し、より低い許容度を有しうる。同様に、例えば、強度、密度、及び弾性などのガラス基板の特性の変動に対する許容度も減少しうる。特定のガラス基板組成物の寸法及び特性は、概して、その熱履歴に依存する。例えば、速い速度で急冷することによって調製されたガラスは、遅い速度で調製されたガラス又はそのガラス転移温度の近くでアニールされたガラスよりも比較的開放された構造を有することができる。緩く充填された開放構造を有することにより、ガラスは、その全体的な構造に影響を与えることなく、ある範囲の温度にわたって小規模な構造変化に適応することが可能となりうる。言い換えれば、ガラスの特性は温度にはあまり依存しない。対照的に、局所的な結晶構造を有するガラスを含む、あまり開放されていない構造を有するガラスは、ある範囲の温度にわたる構造変化に適応する能力が低くなりうる。その結果、特定のガラスは、冷却又は仕上げの前には電子デバイスの仕様を満たすことができるが、冷却又はその後の処理後には、仕様を満たしていない場合がある。
したがって、ディスプレイ用途のための適切な基板である、ガラス組成物が必要性とされている。
さまざまな実施形態において、ガラス基板が提供される。該ガラス基板は、モルパーセント単位で、約40~約80パーセントのSiO;約1~約30パーセントのAl;0~約30パーセントのB;約1.0~約10.1パーセントのP;及び、約10.5~約15.7パーセントのSrO、BaO、KO、又はそれらの組合せを含有しうる。このような実施形態では、ガラス基板は、5パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含有しうる。
さまざまな実施形態において、ガラス基板を組み込んだデバイスが提供される。
追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明に記載され、一部には、その説明から当業者に容易に明らかとなり、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含めた本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識されよう。
前述の概要及び後述する詳細な説明はいずれも、単なる例示であり、特許請求の範囲の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されているものと理解されたい。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて、その一部を構成する。図面は、1つ以上の実施形態を例証しており、その説明とともに、さまざまな実施形態の原理及び動作を説明する役割を担う。
通常のガラスの仮想温度(T)を示すグラフ 特異なガラスの仮想温度(T)を示すグラフ
これより、その一例が添付の図面に示されている、本発明にかかる好ましい実施形態について詳細に参照する。可能な場合はいつでも、同一又は類似した部分についての言及には、図面全体を通して同じ参照番号が用いられる。
特に定義されていない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本出願が属する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似した又は同等の方法及び材料を、本出願の実施又は試験に使用することができるが、好ましい方法及び材料が記載されている。概して、化学に関連して利用される命名法、及び化学の技法は、当技術分野で知られており、当技術分野で一般的に用いられているものである。具体的に定義されていない、ある特定の実験技法は、概して、当技術分野で知られている従来の方法に従って、並びに、本明細書全体を通して引用され、論じられているさまざまな一般的な及びより具体的な参考文献に記載されているように、実施される。
本開示において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形の言及を含み、特定の数値への言及は、文脈が明確に別のことを示さない限り、少なくともその特定の値を含む。本明細書で用いられる用語「実質的な」、「実質的に」、及びそれらの変形は、記載された特徴が値又は説明に等しいか又はほぼ等しいことを示すことが意図されている。値が近似値として表される場合には、先行詞「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されよう。記載されている場合には、すべての範囲は包括的かつ組み合わせ可能である。
「含まない」及び「実質的に含まない」という用語は、ガラス組成物中の特定の成分の濃度及び/又は不存在を説明するために用いられる場合には、その成分がガラスの原料又は組成物に意図的に添加されていないことを意味する。しかしながら、存在する場合には、組成物中の成分の含有量は、プロセスにおいて不可避的に含まれる不純物のレベルにまでしか達しない。例えば、ガラス組成物は、不純物又はトランプとして、微量の成分を約0.1モルパーセント(モル%)未満、0.05モル%未満、0.03モル%未満、0.01モル%未満などの量で含みうる。
ガラスの液相線温度(T)は、それを超えると結晶相がガラスと平衡状態で共存することができない温度(℃)である。液相線粘度は、液相線温度におけるガラスの粘度である。
本明細書で用いられる場合、電界強度(F)は、カチオンの原子価(Z)をカチオンの半径(r)とアニオンの半径(r)との二乗和で割った商として定義される:F=Z/(r+r。この文脈では、1.3を超える値は高電界強度と見なされ、0.4未満の値は低電界強度と見なされ、0.4から1.3の間の値は中電界強度と見なされる。
仮想温度(T)は、ガラスの構造及び特性を特徴づけるのに効果的なパラメータである。所与のガラスについて、仮想温度は、突然その温度範囲内に置かれた場合に、ガラスが平衡状態になるであろう温度(又は温度範囲)に対応する。溶融物からの冷却速度は、仮想温度に影響を及ぼす。例えば、図1Aは、ある温度範囲にわたる、「通常」のガラスの体積変化を示すグラフを示している。冷却速度が速いほど、仮想温度は高くなる。図1Bに示されるように、「特異」なガラスでは逆の傾向が観察されるが、本明細書には通常のガラスのみが開示される。図1Bは、冷却速度が遅いほど、仮想温度が低くなることを示している。「通常」として特徴付けられるガラスでは、ヤング率、剪断弾性率、屈折率、及び密度などの特性は、仮想温度の上昇に伴って低下する。仮想温度に伴うこれらの特性の変化率は、ガラスの組成に依存する。ガラスの仮想温度は、ガラス転移範囲内の所与の温度でガラスを保持することによって設定することができる。仮想温度をリセットするために必要とされる最小時間は、30×((熱処理温度でのガラスの粘度)/剪断弾性率)によって近似することができる。新しい仮想温度への完全な緩和を確実にするために、ガラスは、30×((熱処理温度でのガラスの粘度)/剪断弾性率)をはるかに超える時間、保持されうる。
ガラスの熱履歴に対する感度は、アニール点温度に設定された仮想温度(本明細書では「第1の端点」と呼ばれる)を有するガラスのヤング率と、歪み点温度に設定された仮想温度(本明細書では「第2の端点」と呼ばれる)を有するガラスのヤング率とを比較することによって測定することができる。熱履歴に対する感度が低いガラスは、第1の端点におけるヤング率が第2の端点におけるヤング率と同様になる。これは、ヤング率がガラスの熱履歴に大きく影響されないことを示すためである。したがって、その熱履歴に対するガラス組成物の感度は、第1の端点と第2の端点との間の線の傾きによって決定することができる。このような実施形態では、傾きは、仮想温度の1℃の変化あたりのヤング率E(ギガパスカル、GPa)の変化として定義される。特に、このような線の傾きdE/dTが0.0に近くなるほど、ガラスの熱履歴に対する感度が低くなる。傾きの値は絶対値で表すことができる。第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きが正であるか負であるかは関係ない。例えば、ガラスのヤング率が第1の端点と第2の端点との間で測定され、第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きが0.02であるとき、熱履歴に対するガラスの感度は、第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きdE/dTが-0.02であるガラスの感度とほぼ同じであろう。したがって、仮想温度の関数としてのヤング率の傾きdE/dTは、絶対値として表すことができ、縦棒の括弧を用いて指定することができる(例えば、|0.02|)。例えば、傾きdE/dTが「|0.020|以下」と示されている場合、この表現は、-0.020から0.020までの範囲の傾きが含まれるように、傾きの絶対値を指す。
ヤング率は高精度で測定することができるため、ガラスの熱履歴に対する感度を決定するための第1の端点及び第2の端点として、ヤング率が用いられる。幾つかの実施形態では、第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きの絶対値は、|0.022|GPa/℃以下、例えば|0.020|GPa/℃以下、例えば|0.019|GPa/℃以下、|0.018|GPa/℃以下、|0.017|GPa/℃以下、|0.016|GPa/℃以下、|0.015|GPa/℃以下、|0.014|GPa/℃以下、|0.013|GPa/℃以下、|0.012|GPa/℃以下、|0.011|GPa/℃以下、|0.010|GPa/℃以下、|0.009|GPa/℃以下、|0.008|GPa/℃以下、|0.007|GPa/℃以下、|0.006|GPa/℃以下、|0.005|GPa/℃以下、|0.004|GPa/℃以下、|0.003|GPa/℃以下、|0.002|GPa/℃以下、又は|0.001|GPa/℃以下などである。幾つかの実施形態では、dE/dTは、約|0.001|GPa/℃~約|0.022|GPa/℃の範囲、例えば約|0.001|GPa/℃~約|0.020|GPa/℃の範囲、例えば約|0.002|GPa/℃~約|0.019|GPa/℃の範囲、又は約|0.002|GPa/℃~約|0.018|GPa/℃の範囲でありうる。上記値の各々について、第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きの絶対値は、|0.000|以上である。
特定の理論に縛られるわけではないが、第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きの絶対値が|0.022|GPa/℃以下のガラスは、ガラスの製造方法及びガラスの製造に用いられる条件に関係なく、このようなガラスの体積が変化しないか、又はほとんど変化しないことから、特に有用であると考えられる。これもまた特定の理論に縛られるわけではないが、大量のシリカ及びおそらくは他の四面体単位を含むガラスは、それらの熱履歴に対して鈍感である可能性が高く、|0.022|GPa/℃以下の第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きの絶対値を有する可能性が高いと考えられる。
加えて、約1.0~約10.1モルパーセントの五酸化リン(P)及び約10.5~約15.7モルパーセントの低電界強度調整剤(SrO、BaO、KO、又はそれらの組合せ)を有するガラス組成物が、結果的にdE/dTの低下をもたらすことが分かった。低電界強度調整剤の存在は、ヤング率の傾きの減少とも相関し、さらに、低電界強度調整剤は、高電界強度調整剤よりも低いヤング率の傾きをもたらすことができることが分かった。これらの要件を満たすガラス組成物が以下に説明される。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、約2.00g/cm~約3.30g/cmの範囲、例えば約2.25g/cm~約3.10g/cmの範囲、約2.40g/cm~約2.90g/cmの範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)の密度を有する。本開示で列挙される密度値は、ASTM C693-93(2013)の浮力法によって測定された値を指す。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、約50.0GPa~約80.0GPaの範囲、例えば約55.0GPa~約78.0GPaの範囲、約59.0GPa~約74.0GPaの範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)のヤング率を有する。この開示に列挙されるヤング率の値は、「金属および非金属部品の欠陥検出のための共鳴超音波分光法の標準ガイド(Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non-metallic Parts)」と題されたASTM E2001-13に記載されている一般的なタイプの共鳴超音波分光法技術によって測定された値を指す。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、その範囲の端点、並びに、約0.190~約0.230以下の範囲、例えば約0.200~約0.228の範囲、約0.210~約0.223の範囲、又は約0.215~約0.220の範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)のポアソン比を有する。この開示に記載されるポアソン比の値は、「金属および非金属部品の欠陥検出のための共鳴超音波分光法の標準ガイド(Standard Guide for Resonant Ultrasound Spectroscopy for Defect Detection in Both Metallic and Non-metallic Parts)」と題されたASTM E2001-13に記載されている一般的なタイプの共鳴超音波分光法技術に準拠して測定した値を指す。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、約500℃~約850℃の範囲、例えば約530℃~約825℃の範囲、約560℃~約800℃の範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)の歪み温度(歪み点)を有する。歪み点は、ASTM C598-93(2013)のビーム曲げ粘度法を使用して決定した。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、約550℃~約900℃の範囲、例えば約575℃~約880℃の範囲、約600℃~約865℃の範囲、又は約615℃~約850℃の範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)のアニール温度(アニール点)を有する。アニール点は、ASTM C598-93(2013)のビーム曲げ粘度法を使用して決定した。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は、仮想温度に関係なく、約800℃~約1200℃の範囲、例えば約850℃~約1150℃の範囲、約875℃~約1130℃の範囲、又は約895℃~約1120℃の範囲(前述の値の間のすべての範囲及びサブ範囲を含む)の軟化温度(軟化点)を有する。軟化点は、ASTM C1351M-96(2012)の平行プレート粘度法を使用して決定した。
さまざまな実施形態では、構成成分(例えば、SiO、Al、B、SrOなど)の濃度は、特に明記しない限り、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で与えられる。実施形態によるガラスの構成成分は、以下に個別に論じられる。一の構成成分のさまざまに記載された範囲のいずれかは、他の任意構成成分についてさまざまに記載された範囲のいずれかと個別に組み合わせることができる。
さまざまな実施形態では、五酸化リン(P)を伴ったアルミノケイ酸塩又はホウアルミノケイ酸塩ガラス組成物が提供される。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、二酸化ケイ素(SiO)(「シリカ」)、酸化アルミニウム(Al)(「アルミナ」)、及び五酸化リン(P)(「リン」)を含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、シリカ、アルミナ、酸化ホウ素(B)、及びリンを含む。ガラス組成物はまた、1つ以上のアルカリ酸化物及び/又は1つ以上のアルカリ土類金属酸化物も含む。幾つかの実施形態では、例えば、ガラス組成物は、酸化カリウム(KO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、又はそれらの任意の組合せを含む。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は二酸化ケイ素(SiO)を含む。二酸化ケイ素は、ガラス組成物中の最大の単一成分である。SiO濃度は、ガラスの安定性及び粘度を制御する役割を果たす。SiO濃度が高いと、ガラスの粘度が上昇し、ガラスの溶融が困難となる。高粘度の高SiO含有ガラスは、バッチ材料の混合、溶解、及び清澄中の気泡の上昇を妨げる。高いSiO濃度は、適切な流れとガラスの品質を維持するために、非常に高い温度を必要とする。したがって、ガラス中のSiO濃度は、約75モル%を超えないことが好ましい。ガラス中のSiO濃度が約60モル%未満に低下すると、液相線温度が上昇する。液相線温度が上昇すると、ガラスの液相線粘度(液相線温度における溶融ガラスの粘度)が低下する。Bの存在は液相線温度を抑制するが、ガラスが過度に高い液相線温度及び低い液相線粘度を有することを防ぐために、SiO含有量を好ましくは約50モル%超に維持するべきである。液相線粘度が低くなりすぎるか、又は高くなりすぎるのを避けるために、SiO濃度は、約50モル%~約75モル%の範囲の量で含めることができる。SiO濃度はまた、フッ化水素酸(HF)を除いた鉱酸に対して化学的耐久性を有するガラスも提供する。したがって、本明細書に記載されるガラス中のSiO濃度は、十分な耐久性を提供するためには、50モル%を超えなければならない。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約50モル%~約80モル%のSiO、又は約55モル%~約72モル%のSiO、又は約55~約69モル%のSiOを含む。好ましくは、SiOの濃度は、約50モル%から約72モル%の間、幾つかの実施形態では約58モル%から約72モル%の間、及び他の実施形態では約60モル%から約72モル%の間の範囲でありうる。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は酸化アルミニウム(Al)を含む。SiOと同様に、Alはガラスネットワーク形成剤として機能することができる。Alは、ガラス組成物から形成されたガラス溶融物中のその四面体配位に起因して、ガラス組成物の粘度を増加させることができ、したがって、Alの量が多すぎる場合に、ガラス組成物の成形性を低下させる。しかしながら、Alの濃度がガラス組成物中のSiOの濃度に対してバランスをとっている場合、Alは、ガラス溶融物の液相線温度を低下させることができ、それによって、液相線粘度を高め、溶融成形プロセスなどのある特定の成形プロセスとのガラス組成物の適合性を改善することができる。幾つかの実施形態では、酸化アルミニウムは、約1モル%~約30モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約5モル%~約20モル%のAl、又は約9モル%~約18モル%のAl、又は約9モル%~約15モル%のAlを含む。
さまざまな実施形態では、ガラス組成物は五酸化リン(P)を含む。五酸化リンは、仮想温度に対するさまざまなガラス特性の依存性を低減する傾向がある。例えば、仮想温度に対して比容積を低減することにより、ガラスは、熱サイクルによる少ない寸法変化を示すことができ、これにより、圧縮の改善をもたらすことができる。仮想温度に対し、低い比容積依存性を有するガラスは、マイクロ回路及びディスプレイ用途のための良好な基板となるであろう。しかしながら、Pは、ガラス組成物の化学的均質性に悪影響を及ぼす可能性があり、特にPがより高濃度で含まれている場合に、相分離を引き起こす可能性がある。通常、Pの濃度が約10モル%超~約15モル%である場合、得られたガラスは、ヘイズがあるか、又は曇っている可能性がある。幾つかの実施形態では、Pは、約1モル%~約15モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約1モル%~約10.5モル%のP、又は約5モル%~約15モル%のP、又は約9モル%~約15モル%のPを含む。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化ホウ素(B)を含む。概して、酸化ホウ素は、溶融温度を低下させ、液相線温度を低下させ、液相線粘度を上昇させ、かつBを含まないガラスと比較して機械的耐久性を向上させるために、ガラスに添加される。酸化ホウ素は、0モル%~約25モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、0モル%~約20モル%のB、又は約5モル%~約20モル%のB、又は約10モル%~約20モル%のBを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、Bを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化カリウム(KO)を含む。酸化カリウムは、仮想温度に対する特性依存性を低減するために使用することができる。酸化カリウムはまた、組成物の液相線温度を低下させるのに有利でありうる。酸化カリウムは、0モル%~約15モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、0モル%~約12モル%のKO、又は約5モル%~約12モル%のKO、又は約7モル%~約10モル%のKOを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、KOを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化ストロンチウム(SrO)を含む。酸化ストロンチウムは、0モル%~約15モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約0.5モル%~約12モル%のSrO、又は約5~約12モル%のSrO、又は約7モル%~約12モル%のSrOを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、SrOを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化バリウム(BaO)を含む。酸化バリウムは、0~約20モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約16モル%のBaO、又は約0.02モル%~約12モル%のBaO、又は約4モル%~約10モル%のBaOを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、BaOを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化亜鉛(ZnO)を含む。酸化亜鉛は、0~約5モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約3モル%のZnO、又は約0.1モル%~約2モル%のZnO、又は約2モル%~約3モル%のZnOを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、ZnOを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は酸化(酸化第二)スズ(SnO)を含む。酸化スズは、ガラス組成物から気泡を除去するのに役立つ清澄剤である。酸化スズは、0~約1モル%の範囲の量で含まれうる。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、約0.01モル%~約0.75モル%のSnO、又は約0.03モル%~約0.3モル%のSnO、又は約0.2モル%~約0.3モル%のSnOを含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、SnOを含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、特にある特定の調整剤を除外する。例えば、幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、リチウムイオン又はナトリウムイオン(例えば、LiO、NaO)を含まないか、又は実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、ガラスは透明である。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、及び酸化カルシウム(CaO)などの高電界強度調整剤を比較的少量で含む。幾つかの実施形態では、ガラス組成物は、熱膨張係数、ガラス転移温度、強度、又は透明度を調整するために、Rb及びCsなどの低電界強度のアルカリイオン、又は他の調整剤、若しくは酸化ジルコニウム(ZrO)を含む。
幾つかの実施形態では、ガラスは、モルパーセント単位で、約40~約80パーセントのSiO;約1~約30パーセントのAl;0~約30パーセントのB;約1.0~約10.1パーセントのP;0~約15パーセントのKO;0~約1パーセントのMgO;0~約1パーセントのCaO;0~約20パーセントのSrO;0~約20パーセントのBaO;0~約5パーセントのZnO;及び、0~約1パーセントのSnOを含み、KO+SrO+BaOの合計は約10.5パーセント~約15.7パーセントの範囲であり、ZnO+MgO+CaOの合計は約5パーセント未満である。
幾つかの実施形態では、ガラスは、モルパーセント単位で、約55~約69パーセントのSiO;約5~約20パーセントのAl;0パーセントのB;約1.0~約10パーセントのP;0~約15パーセントのKO;0~約1パーセントのMgO;0~約1パーセントのCaO;約1~約17パーセントのSrO;0~約20パーセントのBaO;0~約3パーセントのZnO;及び、0~約1パーセントのSnOを含み、KO+SrO+BaOの合計は約10.5パーセント~約15.7パーセントの範囲であり、ZnO+MgO+CaOの合計は5パーセント未満である。
ガラス物品は、その形成方法によって特徴付けることができる。幾つかの実施形態では、ガラスはダウンドロー可能であり、該ガラスは、限定はしないが、ガラス製造技術の当業者に知られているフュージョンドロー法及びスロットドロー法などのダウンドロー法を使用してシートへと成形することができる。このようなダウンドロープロセスは、イオン交換可能な板ガラスの大規模製造に用いられる。幾つかの実施形態では、ガラスはフロート成形可能として特徴付けることができ、該ガラスはフロートプロセスによって成形される。
フュージョンドロープロセスは、溶融ガラス原料を受け入れるためのチャネルを有する延伸タンクを使用する。チャネルは、該チャネルの両側に、チャネルの長さに沿って上部が開放されている堰を有する。チャネルが溶融材料で満たされると、溶融ガラスは堰から溢れ出る。重力に従い、溶融ガラスは、延伸タンクの外面を流下する。これらの外面は、それらが延伸タンクの下方の縁部で接合するように、下方かつ内側へと延びている。2つの流れるガラス表面は、この縁部で接合し、融着して、単一の流れるシートを形成する。フュージョンドロー法は、チャネル上を流れる2つのガラスフィルムが互いに融着することから、得られるガラスシートの外面はどちらも、装置のいずれの部分とも接触しないという利点をもたらす。したがって、表面特性は、このような接触による影響を受けない。
スロットドロー法は、フュージョンドロー法とは異なる。ここでは、溶融原料ガラスは延伸タンクへと供給される。延伸タンクの底部は、スロットの長さにわたって延在する、ノズルを備えた開口スロットを有している。溶融ガラスは、スロット/ノズルを通って流れ、連続シートとして下方に延伸され、アニーリング領域内へと入る。フュージョンドロープロセスと比較して、スロットドロープロセスは、フュージョンダウンドロープロセスのように2枚のシートがともに融着されるのではなく、単一のシートのみがスロットを通じて延伸されるため、より薄いシートを提供する。
幾つかの実施形態では、ガラスはシートの形態をしている。本明細書に記載されるさまざまな実施形態によれば、ガラス基板は、シートの形態でデバイスに組み込むことができる。さまざまなデバイスには、例えば、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビ、ビルボード、内部又は外部の照明用及び/又は信号伝達用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全に又は部分的に透明なディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザプリンタ、電話、携帯電話、タブレット、ファブレット、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダ、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実又は拡張現実ディスプレイ、車両、ともにタイル貼りされた複数のディスプレイを含むビデオウォール、劇場又はスタジアムの画面、及び看板が含まれる。
以下の実施例によって、さまざまな実施形態がさらに明らかになるであろう。以下の実施例は、開示された主題による方法及び結果を例証するために以下に記載される。これらの実施例は、本明細書に開示される主題のすべての実施形態を含むことを意図するものではなく、代表的な方法及び結果を例示することを意図するものである。これらの実施例は、当業者に明らかな本開示の等価物及び変形を除外することを意図するものではない。
数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するために努力してきたが、幾らかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に明記しない限り、温度は℃単位又は周囲温度であり、圧力は大気圧であるか、又は大気圧に近い。組成自体は、酸化物基準のモル(モル%)パーセントで与えられ、100%に正規化されている。記載されたプロセスから得られる生成物の純度及び収率を最適化するために使用することができる反応条件、例えば、成分濃度、温度、圧力、及び他の反応範囲又は条件には、多くのバリエーション及び組合せが存在する。このようなプロセス条件の最適化には、合理的かつ日常的な実験のみが必要とされよう。
表に記載されるガラスの特性は、ガラス技術分野の従来技術に従って決定した。したがって、25~300℃の温度範囲にわたる線形熱膨張係数(CTE)は、×10-7/℃の単位で表され、アニール点は℃単位で表される。これらの値は、ファイバ伸長技法(例えば、ASTM E228-85及びASTM C336)を使用して決定することができる。密度は、グラム/cm(g/cm)単位で、アルキメデス法(ASTM C693)を使用して測定することができる。回転シリンダー粘度測定(ASTM C965-81)で測定された高温粘度データに適合するフルチャーの方程式を使用して、℃単位の溶融温度(ガラス溶融物が200ポアズの粘度を示す温度として定義される)を計算した。
ASTM C829-81の標準勾配ボート液相線法を使用して、℃単位のガラスの液相線温度を測定した。これには、砕いたガラス粒子を白金ボートに入れ、温度勾配のある領域を有する加熱炉内にボートを入れ、該ボートを適切な温度領域で24時間加熱し、顕微鏡検査によって、ガラスの内部に結晶が現れる最高温度を決定することが含まれる。より具体的には、ガラス試料をPtボートから1片取り出し、偏光顕微鏡を使用して検査して、Pt及び空気界面に対して並びに試料の内部で形成された結晶の位置及び性質を特定する。加熱炉の勾配は非常によく知られていることから、位置に対する温度は5~10℃以内で十分に推定することができる。試料の内部で結晶が観察される温度は、(対応する試験期間の)ガラスの液相線を表すものとみなされる。成長の遅い相を観察するために、試験は、より長い時間(例えば72時間)、行われることがある。ポアズ単位での液相線粘度は、液相線温度とフルチャーの方程式の係数から決定した。
ヤング率の値は、GPa単位で、ASTM E1875-00e1の一般的なタイプなど、共鳴超音波分光(RUS)法を使用して決定した。
表1A~1Dに指定されているさまざまな組成に従って、溶融るつぼ内で原料を混合した。次に、原料混合物を炉内で、原料が完全に溶融可能な温度まで加熱した。組成物を溶融及び均質化した後、ガラスを試料へと鋳造し、アニール炉内でアニーリングした。
Figure 2022536635000002
Figure 2022536635000003
Figure 2022536635000004
Figure 2022536635000005
表1A~1Dに示されるように、ガラス組成物1~30は、約50~約80モルパーセントの量のSiO、約1~約30モルパーセントの量のAl、0~約25モルパーセントの量のB、及び約1~約15モルパーセントの量のPを含み、KO+SrO+BaOの合計は約10.5~約15.7モルパーセントの範囲であり、ZnO+MgO+CaOの合計は5モルパーセント未満である。ガラス組成物の各々は、仮想温度に関係なく、約2.00g/cm~約3.30g/cmの範囲の密度、約500℃~約850℃の範囲の歪み温度(歪み点)、約550℃~約900℃の範囲のアニール温度(アニール点)、及び約800℃~約1200℃の範囲の軟化温度(軟化点)を有する。
組成物17~21(表2A)及び23~28(表2B)のさらなる特性データが提供されている。特に、仮想温度の関数としての各ガラス基板の特性が提供される。このような特性に基づいて、歪み点及びアニール点における仮想温度の関数としてのヤング率の傾きを、基板の各々について決定した。
Figure 2022536635000006
Figure 2022536635000007
表2A及び2Bのガラス組成物の実施例の各々は、仮想温度に関係なく、約50.0GPa~約80.0GPaの範囲のヤング率、及び約0.190~約0.230以下の範囲のポアソン比を有する。さらには、表2A及び2Bの実施例の各々では、(上記定義され、かつ表1A~1Dに「傾きdE/dT(GPa/℃)」として列挙されるように)|0.022|GPa/℃未満の第1の端点から第2の端点まで延びる線の傾きを有するガラスが得られ、約1.0~約10.1モルパーセントのP及び約10.5~約15.7モルパーセントのSrO、BaO、及びKO(合わせて)を含むガラスが仮想温度に対する比較的低いヤング率の傾きを示すことを実証している。これらの結果は、予想外に、仮想温度に対する比容積依存性が低いことを示唆している。したがって、ガラス組成物は、さまざまな電子デバイスに適した基板である。
前述のものは、本出願の実施形態を例示し、説明し、かつ記載する目的で提供される。これらの実施形態への修正及び適合は、当業者には明らかであり、本出願の範囲又は精神から逸脱することなく行うことができる。このような修正はすべて、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
本主題について例示的な実施形態の観点から説明してきたが、それらに限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、当業者によって成されうる他の変形及び実施形態を含むように、広く解釈されるべきである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラス基板であって、モルパーセント単位で、
約40~約80パーセントのSiO
約1~約30パーセントのAl
0~約30パーセントのB
約1.0~約10.1パーセントのP;及び
約10.5~約15.7パーセントのSrO、BaO、KO、又はそれらの組合せ
を含み、
前記ガラス基板が、約5パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含有する、
ガラス基板。
実施形態2
約3パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含む、実施形態1に記載のガラス基板。
実施形態3
約1パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含む、実施形態1に記載のガラス基板。
実施形態4
約50~約72パーセントのSiO
約5~約25パーセントのAl;及び
約5~約25パーセントのB
を含む、実施形態1に記載のガラス基板。
実施形態5
約5.0~約10.0パーセントのPを含む、実施形態4に記載のガラス基板。
実施形態6
約6.5~約8.5パーセントのPを含む、実施形態4に記載のガラス基板。
実施形態7
SnOをさらに含む、実施形態1に記載のガラス基板。
実施形態8
第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きdE/dTの絶対値が、|0.022|GPa/℃以下であり、
前記第1の端点が、前記ガラス基板のアニール点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率であり、前記第2の端点が、前記ガラス基板の歪み点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率である、
実施形態1に記載のガラス基板。
実施形態9
傾きdE/dTの前記絶対値が、約|0.001|GPa/℃~約|0.022|GPa/℃の範囲である、実施形態8に記載のガラス基板。
実施形態10
ガラス基板であって、モルパーセント単位で、
40~約80パーセントのSiO
約1~約30パーセントのAl
0~約30パーセントのB
約1.0~約10.1パーセントのP
0~約15パーセントのKO;
0~約1パーセントのMgO;
0~約1パーセントのCaO;
0~約20パーセントのSrO;
0~約20パーセントのBaO;
0~約5パーセントのZnO;及び
0~約1パーセントのSnO
を含み、
O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
ガラス基板。
実施形態11
モルパーセント単位で、
約50~約72パーセントのSiO
約5~約20パーセントのAl
0~約20パーセントのB
約1.0~約10パーセントのP
0~約15パーセントのKO;
0~約1パーセントのMgO;
0~約1パーセントのCaO;
0~約17パーセントのSrO;
0~約20パーセントのBaO;
0~約3パーセントのZnO;及び
0~約1パーセントのSnO
を含み、
O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
実施形態10に記載のガラス基板。
実施形態12
モルパーセント単位で、
約55~約72パーセントのSiO
約5~約20パーセントのAl
0パーセントのB
約1.0~約10パーセントのP
0~約15パーセントのKO;
0~約1パーセントのMgO;
0~約1パーセントのCaO;
約0.1~約17パーセントのSrO;
0~約20パーセントのBaO;
0~約3パーセントのZnO;及び
0~約1パーセントのSnO
を含み、
O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
実施形態10に記載のガラス基板。
実施形態13
モルパーセント単位で、
約55~約69パーセントのSiO
約5~約20パーセントのAl
0パーセントのB
約1.0~約10パーセントのP
0~約15パーセントのKO;
0~約1パーセントのMgO;
0~約1パーセントのCaO;
約1~約17パーセントのSrO;
0~約20パーセントのBaO;
0~約3パーセントのZnO;及び
0~約1パーセントのSnO
を含み、
O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
実施形態10に記載のガラス基板。
実施形態14
第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きdE/dTの絶対値が、|0.022|GPa/℃以下であり、
前記第1の端点が、前記ガラス基板のアニール点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率であり、前記第2の端点が、前記ガラス基板の歪み点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率である、
実施形態10に記載のガラス基板。
実施形態15
傾きdE/dTの前記絶対値が、約|0.001|GPa/℃~約|0.022|GPa/℃の範囲である、実施形態14に記載のガラス基板。
実施形態16
傾きdE/dTの前記絶対値が、約|0.002|GPa/℃~約|0.018|GPa/℃の範囲である、実施形態14に記載のガラス基板。
実施形態17
実施形態1に記載のガラス基板を含むデバイス。
実施形態18
前記デバイスが、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビ、ビルボード、内部又は外部の照明用及び/又は信号伝達用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全に又は部分的に透明なディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザプリンタ、電話、携帯電話、タブレット、ファブレット、携帯情報端末、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダ、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実又は拡張現実ディスプレイ、車両、ともにタイル張りされた複数のディスプレイを含むビデオウォール、劇場又はスタジアムの画面、若しくは看板である、実施形態17に記載のデバイス。
実施形態19
実施形態10に記載のガラス基板を含むデバイス。
実施形態20
前記デバイスが、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、医療用モニタ、テレビ、ビルボード、内部又は外部の照明用及び/又は信号伝達用のライト、ヘッドアップディスプレイ、完全に又は部分的に透明なディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、レーザプリンタ、電話、携帯電話、タブレット、ファブレット、携帯情報端末、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、ビューファインダ、マイクロディスプレイ、3Dディスプレイ、仮想現実又は拡張現実ディスプレイ、車両、ともにタイル張りされた複数のディスプレイを含むビデオウォール、劇場又はスタジアムの画面、若しくは看板である、実施形態19に記載のデバイス。

Claims (13)

  1. ガラス基板であって、モルパーセント単位で、
    約40~約80パーセントのSiO
    約1~約30パーセントのAl
    0~約30パーセントのB
    約1.0~約10.1パーセントのP;及び
    約10.5~約15.7パーセントのSrO、BaO、KO、又はそれらの組合せ
    を含み、
    前記ガラス基板が、約5パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含有する、
    ガラス基板。
  2. 約1パーセント未満のZnO、MgO、CaO、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載のガラス基板。
  3. 約50~約72パーセントのSiO
    約5~約25パーセントのAl;及び
    約5~約25パーセントのB
    を含む、請求項1に記載のガラス基板。
  4. 約5.0~約10.0パーセントのPを含む、請求項3に記載のガラス基板。
  5. 約6.5~約8.5パーセントのPを含む、請求項3に記載のガラス基板。
  6. SnOをさらに含む、請求項1に記載のガラス基板。
  7. 第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きdE/dTの絶対値が、|0.022|GPa/℃以下であり、
    前記第1の端点が、前記ガラス基板のアニール点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率であり、前記第2の端点が、前記ガラス基板の歪み点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率である、
    請求項1に記載のガラス基板。
  8. 傾きdE/dTの前記絶対値が、約|0.001|GPa/℃~約|0.022|GPa/℃の範囲である、請求項7に記載のガラス基板。
  9. ガラス基板であって、モルパーセント単位で、
    40~約80パーセントのSiO
    約1~約30パーセントのAl
    0~約30パーセントのB
    約1.0~約10.1パーセントのP
    0~約15パーセントのKO;
    0~約1パーセントのMgO;
    0~約1パーセントのCaO;
    0~約20パーセントのSrO;
    0~約20パーセントのBaO;
    0~約5パーセントのZnO;及び
    0~約1パーセントのSnO
    を含み、
    O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
    ガラス基板。
  10. モルパーセント単位で、
    約50~約72パーセントのSiO
    約5~約20パーセントのAl
    0~約20パーセントのB
    約1.0~約10パーセントのP
    0~約15パーセントのKO;
    0~約1パーセントのMgO;
    0~約1パーセントのCaO;
    0~約17パーセントのSrO;
    0~約20パーセントのBaO;
    0~約3パーセントのZnO;及び
    0~約1パーセントのSnO
    を含み、
    O+SrO+BaOの合計が、約10.5~約15.7パーセントの範囲であり;かつ、ZnO+MgO+CaOの合計が約5パーセント未満である、
    請求項9に記載のガラス基板。
  11. 第1の端点と第2の端点との間に延びる線の傾きdE/dTの絶対値が、|0.022|GPa/℃以下であり、
    前記第1の端点が、前記ガラス基板のアニール点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率であり、前記第2の端点が、前記ガラス基板の歪み点温度の仮想温度における前記ガラス基板のヤング率である、
    請求項9に記載のガラス基板。
  12. 傾きdE/dTの前記絶対値が、約|0.001|GPa/℃~約|0.022|GPa/℃の範囲である、請求項11に記載のガラス基板。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のガラス基板を含むデバイス。
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