JP2022536375A - 食欲抑制化合物 - Google Patents

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Abstract

自然発生するペプチド配列から変更され、例えば、それらのガンマ-カルボン酸基、イプシロン-アミノ基、またはアルファ-アミノ基で、直接または短いペンダントオリゴペプチドを介して脂肪二酸基で置換された残基を含む、PYY由来化合物。特に食欲抑制および糖尿病または肥満の治療または予防における使用のための、関連する方法、組成物、および使用。

Description

本出願は、ペプチドYY(PYY)の類縁体であり、単独でまたは他の薬剤と組み合わせてのいずれかで、特にGLP-1類縁体と組み合わせて、糖尿病および肥満などの障害を治療するのに有用である、化合物に関する。
米国国民健康栄養調査(NHANES、2011~2012)によれば、米国の成人の3分の2超が過体重または肥満である。米国では、20歳以上の男性の78%および女性の74%が過体重または肥満のいずれかである。さらに、米国において多くの割合の子供が過体重または肥満である。
肥満の原因は、複雑かつ多元的である。肥満が、単純な自己制御の問題ではなく、食欲抑制およびエネルギー代謝に関与する複合疾患であるという証拠が増えてきている。さらに、肥満は、人口の罹患率および死亡率の増加に関連する様々な条件に関連している。肥満の病因は、決定的には立証されていないが、遺伝的、代謝的、生化学的、文化的、および心理社会的な因子が一因となるものと考えられる。一般的に、肥満は、過剰な体脂肪が個体を健康リスクにさらす状態であると言われてきた。
肥満は罹患率と死亡率の増加と関連しているという強力な証拠がある。循環器疾患リスクおよびII型糖尿病疾患リスクなどの疾患リスクは、肥満度指数(BMI)の増加とは無関係に増加する。実際、このリスクは、24.9超のBMIの各ポイントを、女性の心疾患リスクの5パーセントの増加として、および男性の心疾患リスクの7パーセントの増加として、定量化されている(Kenchaiah et al.,N.Engl.J.Med.347:305,2002、Massie,N.Engl.J.Med.347:358,2002を参照のこと)。
糖尿病は、不十分なインスリンの分泌または標的組織のインスリン抵抗性による炭水化物、タンパク質、脂肪代謝が損なわれた慢性症候群である。それは2つの主要な形態で発生する。インスリン依存型糖尿病(I型糖尿病)と非インスリン依存型糖尿病(II型糖尿病)である。I型糖尿病、またはインスリン依存型糖尿病(IDDM)は、β細胞の破壊によって引き起こされ、内因性インスリンのレベルを不十分にする。II型糖尿病、またはインスリン非依存型糖尿病は、インスリンに対する体の感受性の欠如およびインスリン産生の相対的欠乏の両方の障害に起因する。全国糖尿病統計レポート2014によると、20歳以上の米国の成人約2,890万人が糖尿病を患っている(2009年~2012年の全国健康栄養調査の推定値を、2012年の米国国勢調査のデータに当てはめている)。成人では、糖尿病の90~95%がII型糖尿病である。
肥満の人の体重減少が重要な病気の危険因子を減らすというしっかりした証拠がある。過体重および肥満の両方の成人の初期体重の10%といった、わずかな体重減少でさえ、高血圧、高脂血症、高血糖などの危険因子の減少と関連している。かなりの体重減少がII型糖尿病を効果的に治療することができることが示されている(Lim et al,Diabetologia June 2011)。
食事制限および運動は、体重増加を減少させる簡単な方法を提供するが、過体重および肥満の個体は、効果的に体重を減少させるためにこれらの因子を十分に制御できないことが多い。薬物療法が利用可能であり、包括的な体重減少プログラムの一部として使用され得るいくつかの減量薬が、食品医薬品局(Food and Drug Administration)によって認可されている。しかしながら、これらの薬物の多くは深刻な不利な副作用を有する。より侵襲性の低い方法が不成功に終わり、かつ患者が肥満に関連する罹患率または死亡率の高いリスクがある場合、慎重に選択された、臨床的に重度の肥満を有する患者にとっては、減量手術が1つの選択肢である。しかしながら、これらの処置はリスクが高く、限られた数の患者における使用にのみ好適である。体重の減少を望むのは、肥満対象だけではない。推奨範囲内、例えば、推奨範囲の上部の体重を有する人々は、理想体重により近づくように体重を減少させることを望む場合がある。したがって、過体重および肥満の対象、ならびに正常な体重である対象において体重減少をもたらすために使用することができる薬剤の必要性が残っている。
PYYは、内臓のL細胞によって生成される36アミノ酸のペプチドであり、大腸および直腸に最高濃度で見られる。2つの内因性形態のPYYおよびPYY3-36は、循環に放出される。PYY3-36はさらに、酵素ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV)による、PYYのTyr-Proアミノ末端残基の切断によって生成される。PYY3-36は、受容体のYファミリーのY2受容体に結合する(De Silva and Bloom,Gut Liver,2012,6,p10-20)。げっ歯類およびヒトへのPYY3-36の末梢投与は、食物摂取の顕著な阻害をもたらし、PYY類縁体が肥満などの状態の治療に有用であり得るという見込みにつながることを、研究は示している(例えば、Batterham et al,Nature,2002,418,p650-654、Batterham et al,New England Journal of Medicine,2003,349,p941-948を参照のこと)。
PYYはまた、対象の代謝の変化にも関与しており、II型糖尿病のインスリンおよびグルカゴン分泌障害を回復可能であるという証拠に従い、II型糖尿病の治療薬として提案されている。過体重であることが糖尿病のリスクを増加し、糖尿病であることが過体重になる可能性を増加するので、肥満と糖尿病の関係は複雑である。2つの状態間がつながる場合、PYYは、ますます認識されている役割を果たす。
WO2011/092473およびWO2012/101413(Imperial Innovations Limited)は、PYYのある特定の類縁体について開示している。しかしながら、肥満および/または糖尿病などのエネルギー代謝の障害の治療または予防の治療剤として効果的であるように好適な特性を有する、さらなる化合物が依然として必要とされている。
WO2011/092473 WO2012/101413
大幅な進歩にもかかわらず、薬物として有用な物質を特定するプロセスは依然複雑であり、多くの場合、予測できない分野である。治療薬として有用であるためには、化合物は適切な範囲の特性を持たなければならない。関心のある生物学的標的で良好な効能を有することに加えて、化合物は、良好なインビボ薬物動態特性、低毒性および許容可能な副作用プロファイルを有していなければならない。例えば、リラグルチドなどの市販の薬剤を使用した場合でも、副作用として、悪心および嘔吐を含む可能性があり、甲状腺癌および膵炎についても懸念が高まっている。
したがって、糖尿病および肥満などの疾患および病気の治療に有用なさらなる化合物が依然として必要とされている。例えば、改善された活性プロファイルなどの有益な特性を有する、および/または副作用が低減されたペプチドを同定することが望ましいであろう。化合物が減少させる食物摂取が少ない場合、化合物が有する悪心などの副作用は少ないであろうと予想される。あるいは、または加えて、持続的な期間にわたってこれらおよび他の生物学的効果を有するペプチドが特定されることが望ましいであろう。より長い活性期間を有する化合物は、より少ない頻度およびより低い用量で投与することができ、これは、対象の改善した利便性、より少ない副作用、およびより低いコストに寄与する。
本発明の第1の態様によれば、式I、II、もしくはIIIの化合物であって、
C-NH
式I、
B-C-NH
式II、
A-B-C-NH
式III、
式中、Cは、以下のペプチド配列であり、
Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Pro8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Tyr20-Tyr21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu28-Asn29-Xaa30-Xaa31-Thr32-Arg33-Gln34-Arg35-Tyr36[配列番号1]

Xaa2は、ProまたはCysであり、
Xaa3は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはIleであり、
Xaa4は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはLysであり、
Xaa5は、ProまたはCysであり、
Xaa6は、そのγカルボン酸基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、またはGluであり、
Xaa7は、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Ala、またはCysであり、
Xaa9は、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Gly、またはCysであり、
Xaa10は、そのγカルボン酸基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Lys、Glu、またはCysであり、
Xaa11は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asp、Gly、Asn、またはGluであり、
Xaa12は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
Xaa13は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはSerであり、
Xaa14は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはProであり、
Xaa15は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
Xaa16は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
Xaa17は、LeuまたはIleであり、
Xaa18は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asn、Leu、Ala、またはValであり、
Xaa19は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Arg、Lys、またはHisであり、
Xaa22は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Ala、またはIleであり、
Xaa23は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Ala、またはGluであり、
Xaa24は、LeuまたはCysであり、
Xaa25は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはArgであり、
Xaa26は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはHisであり、
Xaa27は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Tyr、Phe、またはCysであり、
Xaa30は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Arg、Lys、またはHisであり、
Xaa31は、ValまたはLeuであり、
Bは、以下から選択されるペプチド残基であり、
そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたAla、Tyr、Val、Ala、Ser、Gly、Lys、およびGlu、
Aは、以下のペプチド配列であり、
Xaa51-Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56、[配列番号2]
Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56、[配列番号3]
Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号4]
Xaa54-Xaa55-Xaa56、
Xaa55-Xaa56、または
Xaa56、

Xaa51は、そのα-アミノ基で置換されたGluまたはGluであり、
Xaa52は、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、Gly、またはTyrであり、
Xaa53は、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGly、Ser、Asn、Gly、Glu、またはTyrであり、
Xaa54は、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたSer、そのα-アミノ基で置換されたAsn、Ser、Gly、Glu、Tyr、Pro、Asn、またはHisであり、
Xaa55は、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたSer、Gly、Ser、Glu、Pro、His、Asn、またはThrであり、
Xaa56は、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGly、Gly、Ser、Pro、His、Thr、Tyr、またはGluであり、
化合物は、上記のアミノ酸残基の1つに単一の置換を有し、置換基は、以下から選択される、化合物、
(a)以下の式の基
Figure 2022536375000001
(式中、置換基は、当該置換残基のα-アミノ基に結合しているか、または置換残基は、Lysであり、置換基は、Lys残基のγ-アミノ基に結合しており、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)
(b)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
Figure 2022536375000002
(式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)
(c)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
Figure 2022536375000003
(式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、または
(d)X-Q-
(式中、Qは、以下から選択されるペプチド配列または単一アミノ酸残基であり、
Xaa65-Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号5]、
Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号6]、
Xaa63-Xaa62-Xaa61、
Xaa62-Xaa61、および
Xaa61、
Xは、以下の式の基であり、
Figure 2022536375000004
式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、
またはその塩もしくは誘導体が提供される。
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様の化合物、誘導体、または塩を、薬学的に許容される担体および任意にさらなる治療剤(例えば、GLP-1誘導体である食欲抑制剤)と共に含む組成物が提供される。
本発明の第3の態様によれば、薬剤としての使用のための、例えば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療における使用のための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象の脂質プロファイルを改善するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、本発明の第1の態様の化合物、誘導体、もしくは塩、または本発明の第2の態様の組成物が提供される。
本発明の第4の態様によれば、対象における疾患もしくは障害または他の望ましくない生理学的状態を治療または予防する方法であって、例えば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患を治療もしくは予防、対象における炭水化物代謝を改善、対象における脂質プロファイルを改善、対象における炭水化物耐性を改善、食欲を低減、食物摂取を低減、カロリー摂取を低減、および/または対象において細胞保護を提供する方法において、治療有効量の本発明の第1の態様の化合物、誘導体、もしくは塩、または本発明の第2の態様の組成物の投与を含む、方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療における使用のための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象の脂質プロファイルを改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、本発明の第1の態様の化合物、誘導体、もしくは塩、または本発明の第2の態様の薬学的組成物が提供される。
本発明の第6の態様によれば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患を治療もしくは予防、対象におけるインスリン放出を改善、対象における炭水化物代謝を改善、対象の脂質プロファイルを改善、対象における炭水化物耐性を改善、食欲を低減、食物摂取を低減、カロリー摂取を低減、および/または対象において細胞保護を提供する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様の化合物、誘導体、もしくは塩、または本発明の第2の態様の組成物の投与を含む、方法が提供される。
本発明の第7の態様によれば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療のための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象の脂質プロファイルを改善するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、薬剤の製造のための本発明の第1の態様の化合物、誘導体、または塩の、使用が提供される。
本発明の第8の態様によれば、美容目的で対象において体重減少を引き起こすか、または体重増加を防止する方法であって、有効量の本発明の第1の態様の化合物、誘導体、もしくは塩、または本発明の第2の態様の組成物の投与を含む、方法が提供される。
本発明は、食物摂取の減少、カロリー摂取の減少、食欲の減少、およびエネルギー代謝の変化を引き起こすために、特定のアミノ酸残基が欠失および/または置換されているPYY類縁体を対象に投与することもできるという発見に基づく。多くの場合、本発明のPYY類縁体は、天然PYYよりも改善された効力、および/またはより長い作用期間、および/またはより少ない副作用を呈する。
本発明の化合物はまた、GLP-1受容体のアゴニストとの併用療法における使用に特に好適である。これは、PYYとGLP-1類縁体とが広く互換性を有し、同様の化学的性質を有することが、それらを組み合わせて製剤化することに役立つので、単回注射として便利に投与することができる。加えて、PYY類縁体とGLP-1類縁体とは、異なる別々の機序によって食欲を阻害するので、併用療法を受けている患者は、いずれかの薬剤単独で治療される場合よりも望ましい薬効から「離脱する」傾向が少ない。最後に、異なる作用機序によって、食欲抑制に対する相加効果または相乗効果が可能になり、より強力な療法になる。
本発明の特定の好ましい実施形態に関係するいくつかのPYY類縁体のアミノ酸配列を列挙する表である。ヒトPYY(hPYY)の自然発生する配列が参照のために1行目に含まれる。 図1-1の続きである。 図1-2の続きである。 図1-3の続きである。 図1-4の続きである。 図1-5の続きである。 図1-6の続きである。 図1-7の続きである。 図1-8の続きである。 図1-9の続きである。 図1-10の続きである。 図1-11の続きである。 図1-12の続きである。 図1-13の続きである。 図1-14の続きである。 図1-15の続きである。 本発明の例示的な化合物および特定の対照または参照化合物のヒトcAMP阻害研究および溶解度スコアの結果、ならびに本発明の例示的な化合物または特定の対照もしくは参照化合物が投与されたラットにおける食餌研究の結果を示す表である。 図2-1の続きである。 図2-2の続きである。 図2-3の続きである。 図2-4の続きである。 図2-5の続きである。 図2-6の続きである。 図2-7の続きである。
図1に示されるアミノ酸配列における誘導体化は、「*n」によって示される。これらの誘導体は、以下の表1に記載される。
Figure 2022536375000005
Figure 2022536375000006
Figure 2022536375000007
Figure 2022536375000008
上記で使用されるように、「γGlu」という記号は、通常のユーペプチド結合を介してではなく、隣接するアミノ酸残基のα-アミノ基と、Gluのγ-炭素(C-4)上のカルボン酸基との間のイソペプチド結合を介して、その隣接するアミノ酸残基に結合しているGlu残基を示すことに留意されたい。
[配列表]
本出願には、機械可読配列表が添付されている。特定の実施形態における本発明は、配列表の配列、それらの配列を含むか、またはそれらからなるペプチド、ならびにその中に記載されるすべての関連する使用、方法、および生成物を包含する。
定義
本開示の様々な実施形態の検討を容易にするために、以下の具体的な用語の説明が提供される。
動物:生きた多細胞脊椎生物、例えば、哺乳動物および鳥類を含む分類。哺乳動物という用語は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物の両方を含む。同様に、「対象」という用語は、ヒトおよび動物対象の両方を含む。
食欲:食物に対する自然な欲求または渇望。一実施形態において、食欲は、食物に対する欲求を評価するための調査によって測定される。食欲増進は、概して、摂食行動の増加をもたらす。
食欲抑制剤:食物に対する欲求を減少させる化合物。市販の食欲抑制剤には、限定されないが、アンフェプラモン(ジエチルプロピオン)、フェンテルミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミンフェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、ならびにフルオキセチンが含まれる。
肥満度指数(BMI):肥満度を測定するための数式であり、時にはケトレー指数とも呼ばれる。BMIは、体重(kg)を身長(m)で除すことによって算出される。「正常」と認められている男女両方の現在の基準は、20~24.9kg/mのBMIである。一実施形態において、25kg/m超のBMIを使用して、肥満の対象を識別することができる。グレードIの肥満は、25~29.9kg/mのBMIに相当する。グレードIIの肥満は、30~40kg/mのBMIに相当し、グレードIIIの肥満は、40kg/m超のBMIに相当する(Jequier,Am.J Clin.Nutr.45:1035-47,1987)。理想体重は、身長、体格、骨格、および性別に基づいて、人種および個体の間で異なる。
保存的置換:ポリペプチドにおける、生物学的に同様の別の残基によるアミノ酸残基の置換。「保存的変異」という用語はまた、置換アミノ酸、すなわち、親アミノ酸の代わりに、1つ以上の原子が別の原子または基で置換されているアミノ酸の使用を含むが、ただし、ポリペプチドがその活性を保持するものとするか、または置換ポリペプチドに対して生成される抗体もまた非置換ポリペプチドと免疫応答するものとする。限定的ではないが典型的な保存的置換は、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIle間での互いへの置換;ヒドロキシル含有残基SerとThrとの相互交換、酸性残基AspとGluとの相互交換、アミド含有残基AsnとGlnとの間の相互交換、塩基性残基LysとArgとの相互交換、芳香族残基PheとTyrとの相互交換、および小型アミノ酸Ala、Ser、Thr、Met、およびGlyの相互交換である。さらなる保存的置換は、別の類似する空間配置または立体配置によるアミノ酸の置換、例えば、AsnのAspとの相互交換、またはGlnのGluとの相互交換を含む。
Figure 2022536375000009
非保存的置換:ポリペプチドにおける、生物学的に同様ではない別の残基によるアミノ酸残基の置換。例えば、実質的に異なる電荷、実質的に異なる疎水性、または実質的に異なる空間配置もしくは立体配置を有する別の残基によるアミノ酸残基の置換。
糖尿病:内因性インスリン欠乏および/またはインスリン感受性欠陥のいずれかによって、細胞が、それらの膜を通した内因性グルコースの輸送が不全であること。糖尿病は、不十分なインスリンの分泌または標的組織のインスリン抵抗性による炭水化物、タンパク質、脂肪代謝が損なわれた慢性症候群である。糖尿病は、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型)およびインスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM、II型)の2つの主要な形態で発症し、これらは、病因、病態、遺伝的特徴、発症年齢、および治療において異なる。
糖尿病の2つの主要な形態は、どちらも、グルコース恒常性の制御のために必要とされる量および正確なタイミングでインスリンを送達することができないということを特徴とする。I型糖尿病、またはインスリン依存型糖尿病(IDDM)は、β細胞の破壊によって引き起こされ、内因性インスリンのレベルを不十分にする。II型糖尿病、またはインスリン非依存型糖尿病は、インスリンに対する体の感受性の欠如およびインスリン産生の相対的欠乏の両方の障害に起因する。
食物摂取:個体によって消費される食物の量。食物摂取は、体積または重量によって測定することができる。例えば、食物摂取は、個体によって摂取される食物の総量であってもよい。または、食物摂取は、タンパク質、脂肪、炭水化物、コレステロール、ビタミン、鉱物、または個体の任意の他の食物成分の量であってもよい。「タンパク質摂取」は、個体によって消費されるタンパク質の量を指す。同様に、「脂肪摂取」、「炭水化物摂取」、「コレステロール摂取」、「ビタミン摂取」、および「ミネラル摂取」は、個体によって消費されるタンパク質、脂肪、炭水化物、コレステロール、ビタミン、またはミネラルの量を指す。
正常な日常の食生活:所与の人種の個体の平均的な食物摂取。標準的な日常の食生活は、カロリー摂取、タンパク質摂取、炭水化物摂取、および/または脂肪摂取の観点から表すことができる。ヒトの標準的な日常の食生活は、概して以下を含む:約2,000、約2,400、または約2,800~それより著しく高いカロリー。さらに、ヒトの標準的な日常の食生活は、概して、約12g~約45gのタンパク質、約120g~約610gの炭水化物、および約11g~約90gの脂肪を含む。低カロリー食は、ヒト個体の標準的なカロリー摂取の約85%以下、好ましくは約70%以下である。
動物において、カロリーおよび栄養必要量は、動物の種および大きさに応じて異なる。例えば、ネコでは、1ポンド当たりの総カロリー摂取、ならびにタンパク質、炭水化物、および脂肪の配分率は、ネコの年齢および繁殖状態によって異なる。しかしながら、ネコについての一般的なガイドラインでは、40cal/lb/日(18.2cal/kg/日)である。約30%~約40%はタンパク質であるべきであり、約7%~約10%は炭水化物であるべきであり、約50%~約62.5%は脂肪摂取に由来するべきである。当業者は、任意の人種の個体の通常の日常の食生活を容易に特定することができる。
肥満:過剰な体脂肪が個人を健康リスクにさらし得る状態(Barlow and Dietz,Pediatrics 102:E29,1998、National Institutes of Health,National Heart,Lung,and Blood Institute(NHLBI),Obes.Res.6(suppl.2):51S-209S,1998を参照のこと)。過剰な体脂肪は、エネルギー摂取とエネルギー消費の不均衡の結果である。例えば、肥満を評価するために肥満度指数(BMI)が使用されてもよい。一般的に使用される1つの慣習において、25.0kg/m~29.9kg/mのBMIは過体重であり、30kg/m以上BMIは肥満である。
別の慣習では、肥満を評価するために胴囲が使用される。この慣習において、男性では102cm以上の胴囲が肥満であると見なされ、女性では89cm以上の胴囲が肥満であるとみなされる。有力な証拠が、個体の罹患率および死亡率の両方に肥満が影響することを示している。例えば、肥満の個体は、中でも、心疾患、インスリン非依存性(-II型)糖尿病、高血圧、脳卒中、癌(例えば、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌)、脂質異常症、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、受精能低下、および変形性関節症のリスクが増加する(Lyznicki et al.,Am.Fam.Phys.63:2185,2001を参照のこと)。
過体重:理想体重よりも重い個体。過体重の個体は、肥満である可能性があるが、必ずしも肥満ではない。例えば、過体重の個体は、体重の減少を望む任意の個体である。1つの慣習において、過体重の個体は、25.0kg/m~29.9kg/mのBMIを有する個体である。
ペグ化されたおよびペグ化:共有結合を形成するようにポリ(アルキレングリコール)、好ましくは活性化ポリ(アルキレングリコール)を反応させるプロセス。促進剤、例えばアミノ酸、例えばリジンを使用してもよい。「ペグ化」は、ポリ(エチレングリコール)、またはメトキシポリ(エチレングリコール)などのその誘導体を使用して行われることが多いが、本明細書ではこの用語は、メトキシポリ(エチレングリコール)の使用に限定されず、任意の他の有用なポリ(アルキレングリコール)、例えば、ポリ(プロピレングリコール)の使用も含む。
pI:pIは、等電位点の略語である。場合によって使用される代替的な略語は、IEPである。IEPは、特定の分子が正味電荷を有しないpHである。そのpI未満のpHでは、タンパク質またはペプチドは、正味の正電荷を有する。そのpIを上回るpHでは、タンパク質またはペプチドは、正味の負電荷を有する。タンパク質およびペプチドは、ポリアクリルイミドゲル中に含有されるpH勾配を利用した電気泳動方法である等電点電気泳動と呼ばれる技法を使用して、それらの等電位点に従って分離することができる。
ペプチドYY(PYY):本明細書で使用されるPYYという用語は、ペプチドYYポリペプチド、下部小腸(回腸)および結腸の内側を覆う細胞によって血液中に分泌されるホルモンを指す。様々な種の自然発生する野生型PYY配列を、表2に示す。
Figure 2022536375000010
Figure 2022536375000011
末梢投与:中枢神経系以外の投与。末梢投与は、脳への直接投与を包まない。末梢投与は、限定されないが、血管内、筋肉内、皮下、吸入、経口、直腸内、経皮、または鼻腔内投与を含む。
ポリペプチド:モノマーが、アミド結合を通じて一緒に結合しているアミノ酸残基であるポリマー。アミノ酸がα-アミノ酸である場合、L-光学異性体またはD-光学異性体のいずれかが使用され得、L-異性体が好ましい。本明細書で使用される「ポリペプチド」または「タンパク質」という用語は、任意のアミノ酸配列を包含し、糖タンパク質などの修飾配列を含む。「ポリペプチド」という用語は、厳密には、自然発生するタンパク質、ならびに組み換えによって、または合成によって生成されるタンパク質も網羅する。「ポリペプチド断片」という用語は、ポリペプチドの一部分、例えば、受容体との結合において少なくとも1つの有用な配列を呈する断片を指す。「ポリペプチドの機能的断片」という用語は、ポリペプチドの活性を保持しているポリペプチドのすべての断片を指す。生物学的機能性ペプチドはまた、対象となるペプチドが、その望ましい活性を減少させない別のペプチドに融合された融合タンパク質を包むことができる。
皮下投与:皮下投与は、皮膚の真皮と深部組織との間に見られる脂肪の皮下層への物質の投与である。皮下投与は、例えば、シリンジまたは「ペン」型注射デバイスを装着した皮下注射針を使用した注射によるものであってもよい。他の投与方法、例えば、マイクロニードルが使用されてもよい。皮下注射針を用いた注射は、典型的には、受け手の利益になるようにある程度の疼痛を伴う。そのような疼痛は、局所麻酔薬または鎮痛薬の使用によって抑制することができる。しかしながら、注射の知覚される疼痛を軽減するために通常使用される方法は、注射の直前および注射中に対象の気をそらすことに過ぎない。疼痛は、比較的小さいゲージの皮下注射針を使用することによって、比較的少量の物質を注射することによって、および対象が注射部位に「刺すような」感覚を経験することを引き起こし得る過度に酸性またはアルカリ性の組成物を回避することによって、最小限に抑えることができる。pH4~pH10のpHを有する組成物は通常、許容できるほど快適であるとみなされている。
治療有効量:障害の進行を予防するか、もしくは障害の退行を引き起こすのに十分であるか、または障害の徴候もしくは症状を軽減することが可能であるか、または所望の結果を達成することが可能である、用量。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の治療有効量は、体重増加を阻害もしくは停止するのに十分な量、または食欲を低下させるのに十分な量、またはカロリー摂取もしくは食物摂取を低減するのに十分な量である。
配列表
本明細書中のアミノ酸配列は、N末端を左にして示され、配列が複数の行にわたって配置されている場合、N末端は左上にある。別に明記しない限り、配列中のアミノ酸残基はL-アミノ酸である。
本発明の化合物
本発明のすべての態様に関連する化合物は、(残基置換、欠失、および付加を介して)天然のPYY配列から(好ましくは天然のヒト配列から)誘導される30~42残基の一次アミノ酸配列を有するPYY類縁体であり、その一次配列のアミノ酸残基は、脂肪二酸から誘導される置換基の結合によって誘導体化される。この置換基は、一次アミノ酸配列の残基に直接結合している脂肪二酸であり得るか、またはその上で脂肪二酸が運ばれる短い(例えば、1~6残基の)ペプチドを含み得る。
本発明のすべての態様によれば、置換基は、以下:
(a)以下の式の基
Figure 2022536375000012
(式中、置換基は、当該置換残基のα-アミノ基に結合しているか、または置換残基は、Lysであり、置換基は、Lys残基のγ-アミノ基に結合しており、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、
(b)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
Figure 2022536375000013
(式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、
(c)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
Figure 2022536375000014
(式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、または
(d)X-Q-
(式中、Qは、以下から選択されるペプチド配列または単一アミノ酸残基であり、
Xaa65-Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号5]、
Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号6]、
Xaa63-Xaa62-Xaa61、
Xaa62-Xaa61、および
Xaa61、
Xは、以下の式の基であり、
Figure 2022536375000015
式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)から選択される。
いくつかの実施形態によれば、置換基は、好ましくは、上記で表1に記載される誘導体のうちの1つから選択され得る。
上記の選択肢(a)は、置換基が一次ペプチド配列に直接結合した脂肪二酸である状況を表す。特定の好ましい実施形態によれば、脂肪二酸は、ヘキサデカ二酸、オクタデカ二酸、またはエイコサン二酸である(すなわち、Rは、それぞれ、14、16、または18であり、追加の炭素原子は、R部分およびC=O基に存在して、それぞれ、二酸鎖における16、18、または20個の炭素原子となる)。そのような二酸の結合は、酸の2つのCO(OH)基のうちの1つを介して、一次ペプチド配列上のNH基に対するものであることが理解される。そのNHは、非α-NH基(例えば、リジン残基の側鎖のε-NH基)であり得る。あるいは、それは一次ペプチド配列のN末端でα-NH基を介するものであり得る。特定の実施形態によれば、置換基の結合は、自然発生するPYYアミノ酸残基の、NH含有側鎖を有する残基(例えば、ArgまたはLys、最も好ましくはLys)での置換によって促進される。
上記の選択肢(b)は、置換基が脂肪二酸由来部分を含み、Glu残基を介して一次ペプチド配列に結合している状況を表す。特定の好ましい実施形態によれば、脂肪二酸は、ヘキサデカ二酸、オクタデカ二酸、またはエイコサン二酸である(すなわち、Rは、それぞれ、14、16、または18であり、追加の炭素原子は、R部分およびC=O基に存在して、それぞれ、二酸鎖における16、18、または20個の炭素原子となる)。そのような二酸の結合は、酸の2つのCO(OH)基のうちの1つを介して、Glu残基のα-NH基に対するものであることが理解される。Glu残基は、順番に、一次ペプチド配列上のNH基に結合するそのα-CO(OH)基を介して一次ペプチド配列に結合している。そのNHは、非α-NH基(例えば、リジン残基の側鎖のε-NH基)であり得る。あるいは、それは一次ペプチド配列のN末端でα-NH基を介するものであり得る。特定の実施形態によれば、置換基の結合は、自然発生するPYYアミノ酸残基の、NH含有側鎖を有する残基(例えば、ArgまたはLys、最も好ましくはLys)での置換によって促進される。
上記の選択肢(c)は、置換基がGlu残基を介してジペプチドGlu-Cysに結合した脂肪二酸由来部分を含む状況を表す。特定の好ましい実施形態によれば、脂肪二酸は、ヘキサデカ二酸、オクタデカ二酸、またはエイコサン二酸である(すなわち、Rは、それぞれ、14、16、または18であり、追加の炭素原子は、R部分およびC=O基に存在して、それぞれ、二酸鎖における16、18、または20個の炭素原子となる)。置換基は、ジペプチドのCys残基と一次ペプチド配列のCys残基との間に-S-S-架橋が形成されるための十分な還元条件を提供することによって結合され得る。特定の実施形態によれば、置換基の結合は、自然発生するPYYアミノ酸残基の、Cys残基での置換によって促進される。
誘導体の結合
本発明によれば、置換基は、特許請求の範囲によって許容される一次ペプチド配列における位置のいずれかで結合され得る。すなわち、位置Xaa51、Xaa52、Xaa53、Xaa54、Xaa55、Xaa56、Xaa3、Xaa4、Xaa6、Xaa7、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa18、Xaa19、Xaa22、Xaa23、Xaa25、Xaa26、Xaa27、またはXaa30のうちの1つである。好ましい位置は、Xaa51、Xaa52、Xaa53、Xaa54、Xaa55、Xaa56、Xaa6、Xaa7、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa18、Xaa19、Xaa26、またはXaa30から選択され、例えば、Xaa6、Xaa7、Xaa9、Xaa10、Xaa11、Xaa12、Xaa13、Xaa14、Xaa15、Xaa16、Xaa18、Xaa19、Xaa26、またはXaa30から選択されるか、あるいはXaa7、Xaa9、もしくはXaa10から、またはXaa7、Xaa9、Xaa10、もしくはXaa30から選択される。
置換基は、位置Glu51、Glu52、Glu53、Glu54、Glu55、Glu56、Glu3、Glu4、Glu6、Glu7、Glu9、Glu10、Glu11、Glu12、Glu13、Glu14、Glu15、Glu16、Glu18、Glu19、Glu22、Glu23、Glu25、Glu26、Glu27、Lys51、Lys52、Lys53、Lys54、Lys55、Lys56、Lys3、Lys4、Lys6、Lys7、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、Lys16、Lys18、Lys19、Lys22、Lys23、Lys25、Lys26、Lys27、またはLys30のうちの1つで結合していることが好ましい。好ましい位置は、Glu51、Glu52、Glu53、Glu54、Glu55、Glu56、Glu6、Glu7、Glu9、Glu10、Glu11、Glu12、Glu13、Glu14、Glu15、Glu16、Glu18、Glu19、Glu26、Lys51、Lys52、Lys53、Lys54、Lys55、Lys56、Lys6、Lys7、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、Lys16、Lys18、Lys19、Lys26、またはLys30から選択され、例えば、Glu6、Glu7、Glu9、Glu10、Glu11、Glu12、Glu13、Glu14、Glu15、Glu16、Glu18、Glu19、Glu26、またはLys 30、Lys6、Lys7、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、Lys16、Lys18、Lys19、Lys26、またはLys30から選択されるか、あるいはGlu7、Glu9、Glu10、Lys7、Lys9、Lys10、またはLys30から選択される。他の実施形態では、位置は、Glu51、Glu52、Glu53、Glu54、Glu55、Glu56、Glu6、Glu7、Glu9、Glu10、Glu11、Glu12、Glu13、Glu14、Glu15、Glu16、Glu18、Glu19、Glu26、Lys51、Lys52、Lys53、Lys54、Lys55、Lys56、Lys6、Lys7、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、Lys16、Lys18、Lys19、またはLys26から選択され、例えば、Glu6、Glu7、Glu9、Glu10、Glu11、Glu12、Glu13、Glu14、Glu15、Glu16、Glu18、Glu19、またはGlu26、Lys6、Lys7、Lys9、Lys10、Lys11、Lys12、Lys13、Lys14、Lys15、Lys16、Lys18、Lys19、またはLys26から選択されるか、あるいはGlu7、Glu9、Glu10、Lys7、Lys9、またはLys10から選択される。
特定の好ましい実施形態によれば、本発明による化合物は、以下に列挙されるさらなる特徴:
1、Xaa2は、Proであり、
2、Xaa3は、Ileであり、
3、Xaa4は、Lysであり、
4、Xaa5は、Proであり、
5、Xaa6は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
6、Xaa7は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
7、Xaa9は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGlyであり、
8、Xaa10は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
9、Xaa11は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asp、Gly、またはGluであり、
10、Xaa12は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
12、Xaa13は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはSerであり、
13、Xaa14は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはProであり、
14、Xaa15は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
15、Xaa16は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
16、Xaa17は、LeuまたはIleであり、
17、Xaa18は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Leu、またはValであり、
18、Xaa19は、Arg、Lys、またはHisであり、
19、Xaa22は、Ala、またはIleであり、
20、Xaa23は、AlaまたはGluであり、
21、Xaa24は、Leuであり、
22、Xaa25は、Argであり、
23、Xaa26は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはHisであり、
24、Xaa27は、Pheであり、
25、Xaaは、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはHisであり、
26、Xaa31は、ValまたはLeuである、のうちの少なくとも1つが適用されるようなものである。
いくつかの実施形態によれば、上記の基準1~26の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個が適用される(ただし、化合物は、単一の脂肪二酸由来置換基のみを含む)。他の実施形態によれば、上記の基準1~25のすべてが適用される(ただし、化合物は、単一の脂肪二酸由来置換基のみを含む)。他の実施形態によれば、残基2~36の1つ以下または2つ以下が保存的置換に供されることを除き、上記の基準1~25のすべてが適用される(ただし、化合物は、単一の脂肪二酸由来置換基のみを含む)。
さらなる誘導体化
直接または本明細書に記載される短いペプチド部分と一緒の、二酸部分の結合に加えて、本発明の化合物は、アミド化、グリコシル化、カルバミル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、環化、脂質化、ペグ化、および別のペプチドまたはタンパク質へ融合して融合タンパク質を形成することから選択されるさらなる誘導体化を組み込み得る。多くの実施形態では、本発明の化合物の一次ペプチド鎖は、それらのC末端でアミド化され得ることが特に好ましい。そのような修飾は、自然界で非常に一般的であり、多くの場合PYYを含む、自然発生するペプチドの約半分が、それらのC末端でのアミド化を受けやすい。本発明は、配列表および図面における、アミド化および非アミド化形態の両方での、存在する場合、一次ペプチド配列のC末端上で特に好ましい、アミド化を含む、本明細書に開示される一般的および特定の配列のすべてを包含する。
一次配列のN末端。
特定の好ましい実施形態によれば、本発明の化合物は、式Iを有する(すなわち、一次ペプチド配列はXaa2で始まる)。BがLysである(好ましくは本開示に従って置換されている)式IIの化合物も好ましい。
他の実施形態によれば、本発明の化合物は、式IIIに従い、Aは、以下のペプチド配列であり、
Xaa51-Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号38]、
Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号39]、
Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号40]、
Xaa54-Xaa55-Xaa56、
Xaa55-Xaa56、または
Xaa56、
Xaa51は、そのα-アミノ基で置換されたGluであり、
Xaa52は、そのα-アミノ基で置換されたGlu、またはそのε-アミノ基で置換されたLysであり、
Xaa53は、そのα-アミノ基で置換されたGluまたはGlyであり、
Xaa54は、Ser、またはProであり、
Xaa55は、そのε-アミノ基で置換されたLys、Gly、またはProであり、
Xaa56は、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、Ser、Pro、またはThrである。
本発明の化合物が式IIIに従う場合、Bは、Gly、Ser、またはTyrであり、Aは、置換Lysまたは置換Gluであることが好ましい。
特定の実施形態によれば、置換基は、Xaa10位でLys残基のε-アミノ基に結合していることが好ましい。
Qが式I、II、またはIIIに従って存在する場合、それは好ましくはGly65-Ser64-Gly63-Ser62-Gly61[配列番号41]である。あるいは、Qは、Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号42]であり得、
Xaa64は、Gly、Ser、またはThrであり、Xaa63は、Ser、Thr、またはGlyであり、Xaa62は、GlyまたはSerであり、Xaa61は、Ser、Thr、Gly、またはAspである。あるいは、Qは、Xaa63-Xaa62-Xaa61であり得、Xaa63は、Gly、Pro、Glu、Ser、またはThrであり、Xaa62は、Ser、Thr、またはGlyであり、Xaa61は、GlyまたはThrである。あるいは、Qは、Xaa62-Xaa61であり得、Xaa62は、Ser、Gly、Tyr、Thr、またはAsnであり、Xaa61は、Gly、Thr、His、またはSerである。あるいは、Qは、Xaa61であり得、Zaa61は、Gly、Glu、Lys、Asn、またはGlnである。あるいは、Qは、Gly63-Ser62-Gly61であり得る。あるいは、Qは、Glu63-Gly62-Ser61であり得る。あるいは、Qは、Glu63-Gly62-Thr61であり得る。あるいは、Qは、Asn62-His61であり得る。あるいは、Qは、Glu61であり得る。あるいは、Qは、Gly61であり得る。
置換基の結合
本発明のすべての態様のすべての化合物は、本発明に従って脂肪二酸から誘導される単一の置換基を含むことに留意されたい。その部分は、本発明の化合物のA、B、またはC部分に結合され得る。
本発明によれば、置換基は、一次ペプチド配列の示されたアミノ酸残基上の基に(例えば、縮合反応または-S-S-架橋を介して)結合している。それらの基は、本発明に従って、必要に応じて、例としてそれぞれアミノ酸GluおよびLysを使用して以下に示されるように、炭素原子のIUPAC付番規則を使用して示されている。
Figure 2022536375000016
環状化合物。
本発明の化合物は、上記のような、-S-S-架橋を介してCys残基に結合した置換基を有し得る。あるいはまたは加えて、一次ペプチド配列は、それらの間に-S-S-架橋を有する2つ以上のさらなるCys残基を含有し得る。そのような残基は、好ましくは、位置Xaa2、Xaa3、Xaa5、Xaa24、またはXaa27にあり、Cys2またはCys5とCys24またはCys27との間の-S-S-架橋を可能にする。置換基がCys残基に結合していない場合、それは本明細書に記載される別の残基に結合している。特定の実施形態によれば、そのような環状化合物は好ましくない。
本発明による化合物、誘導体、または塩は、以下:
A、式IIまたはIIIのBは、そのε-アミノ基で任意に置換された、Lys残基であり、
B、Xaa2は、Proであり、
C、Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6[配列番号43]は、Pro2-Ile3-Lys4-Pro5-Glu6[配列番号44]であり、
D、Xaa7は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
E、Xaa9は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGlyであり、
F、Xaa10は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
G、Xaa11は、Gly、Asn、またはGluであり、
H、Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16[配列番号45]は、Ala12-Ser13-Pro14-Glu15-Glu16[配列番号46]であり、
I、Xaa18は、Asn、Leu、Ala、またはVal、好ましくはLeuであり、
J、Xaa19は、Hisであり、
K、Xaa22は、Ala、またはIleであり、
L、Xaa23は、AlaまたはGluであり、
M、Xaa24は、LeuまたはCysであり、
N、Xaa25は、Argであり、
O、Xaa26は、Hisであり、
P、Xaa27は、Pheである、の追加の特徴のうちの1つ以上を有し得る。
好ましくは、化合物は、特徴H、I、J、K、L、M、N、O、およびPの組み合わせを有し、任意に特徴Cおよび特徴D、E、またはFのうちの1つとさらに組み合わされる。他の好ましい特徴の組み合わせは、以下を含む。
B、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、I、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、L、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、M、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、N、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、O、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、およびP
B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、およびO
A、B、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、およびP
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A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、およびO
好ましい特定の化合物には、図1に列挙されるもの、およびまた置換されていない位置での単一または二重保存的アミノ酸残基変更によって図1に開示されるものとは異なる化合物が含まれる。
特に好ましい化合物には、図1に開示される、Y1596、Y1597、Y1603、Y1606、Y1619、Y1621、Y1622、Y1631、Y1632、Y1638、Y1642、Y1644、Y1650、Y1660、Y1661、Y1662、Y1663、Y1665、Y1674、Y1679、Y1683、Y1695、Y1726、Y1733、Y1734、Y1735、Y1739、Y1740、Y1741、Y1746、Y1747、Y1748、Y1749、Y1751、Y1753、Y1754、Y1764、Y1768、Y1769、Y1770、Y1771、Y1772、Y1773、Y1775、Y1776、Y1777、Y1778、Y1779、Y1781、Y1782、Y1783、Y1784、Y1785、Y1786、Y1787、Y1788、Y1789、Y1790、Y1791、Y1792、Y1793、Y1794、Y1795、Y1796、Y1797、Y1798、Y1799、Y、Y1800、Y1801、Y1802、Y1803、Y1804、Y1805、Y1806、Y1807、Y1816、Y1818、Y1819、Y1820、Y1821、Y1822、Y1823、Y1824、Y1825、Y1826、およびY1827、ならびにまた置換されていない位置での単一または二重保存的アミノ酸残基変更によってそれらの化合物とは異なる化合物が含まれる。

薬剤での使用に好適である本発明のPYY類縁体化合物の塩は、対イオンが薬学的に許容されるものである。しかしながら、薬学的に許容されない対イオンを有する塩は、例えば、本発明のPYY類縁体、ならびにその薬学的に許容される塩および/または誘導体の調製における中間体として使用するために、本発明の範囲内である。
本発明による好適な塩は、有機または無機の酸または塩基を用いて形成される塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびイセチオン酸で形成されるものが含まれる。シュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物を得る際の中間体として有用であり得る。
塩基を有する薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、カリウム塩およびナトリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩、ならびに有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミンおよびN-メチル-D-グルコミンを有する塩を含む。
溶媒和物
有機化学の当業者は、多くの有機化合物が、それらが反応するか、またはそれらから沈殿もしくは結晶化される溶媒と複合体を形成できることを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。原薬が結晶格子に水などの溶媒を化学量論的または非化学量論的量のいずれかで組み込むと、水和物などの溶媒和物が存在する。薬物製造プロセスの任意の段階で、または原薬もしくは剤形の保管時に溶媒の組み込みに直面する場合があるので、原薬は水和物の存在について日常的にスクリーニングされる。溶媒和物については、参照により本明細書に組み込まれる、S.Byrnら、Pharmaceutical Research 12(7),1995,954-954、およびWater-Insoluble Drug Formulation,2nd ed.R.Liu,CRC Press,page 553に記載されている。したがって、本発明のPYY類縁体、ならびにその誘導体および/または塩は、したがって、溶媒和物の形態で存在し得ることが当業者には理解されるであろう。医薬での使用に好適である本発明のPYY類縁体の溶媒和物は、関連する溶媒が薬学的に許容されるものである。例えば、水和物は、薬学的に許容される溶媒和物の一例である。
生物学的活性
本発明の化合物は、ヒトY2R受容体においてアゴニスト活性を有し、したがって、Y2Rアゴニストであると考えることができる。これは、例えば、インビトロまたは細胞結合アッセイによって、またはレポーターアッセイによって評価され得る。本発明の好ましい化合物は、例えば、以下の例のセクションで説明されるアッセイに従って試験される場合、ヒトPYY(3-36)の少なくとも1/10であるヒトY2R受容体での活性、好ましくはヒトPYY(3-36)の少なくとも1/5、1/3、または1/2である活性を示す。本発明のより特定の好ましい化合物は、ヒトPYY(3-36)と少なくとも同等であるヒトY2R受容体での活性を示す。
2YR受容体での活性を評価する方法はよく知られている。
本発明の化合物、溶媒和物、誘導体、および塩は、以下の基準のいくつか、またはより好ましくはすべてを満たす。
1)食欲の抑制をもたらすヒトY2R受容体での持続的な生物活性、
2)特に治療上有効な投与量レベルでの、悪心および嘔吐などの副作用の低い発生率、
3)有効用量を低体積注射で投与すること(これにより注射痛を軽減すること)を可能にするpH5の水溶液中での高い溶解度。溶解度は、簡単なインビトロ試験で容易に評価できる。
4)許容できる治療的または美容的利益を維持しながら、1日1回以下、好ましくは1週間に2回以下、より好ましくは1週間に1回以下の注射を可能にする、インビボでの長期間の活性(ヒトまたは動物モデルで評価された場合)、
5)ヒトにおける低い抗原性。これは、ヒトまたは動物モデル(特に、ヒト抗体レパートリーを模倣するようにヒト免疫系で実験的に再構成されたマウス)で評価され得るか、あるいは「抗原指数」アルゴリズム(Jameson&Wolf(1988)Comput.Appl.Biosci.4(1):181-6)もしくはPREDITOPアルゴリズム(Pellequer&Westhof,(1993)J.Mol.Graph.11(3):204-10)を組み込んだものなどの予測ソフトウェアを使用して、またはKolaskar&Tongankar(1990)FEBS Leu.10:276(1-2):172-4の方法を使用して予測され得、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の特定の実施形態、特に体重減少、肥満、炭水化物代謝、および糖尿病に関する実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、溶媒和物、および塩は、以下の特徴の1つ、いくつか、またはすべてを有する。
A)有効用量を1ml未満、0.5ml未満、または0.3ml未満の体積で投与できるように、pH4とpH5の間での十分な溶解度。
B)ヒトY2R受容体を過剰発現しているヒト胎児腎臓細胞におけるcAMPシグナル伝達の阻害。
C)さらに上記の1~5の特徴の1つ、いくつか、またはすべて。
薬物動態、作用期間および溶解度
本発明の化合物は、皮下投与後、インビボで有効かつ延長された作用持続時間を示す。これを達成するために、該化合物は、生物学的標的での良好な活性と優れた薬物動態特性の両方を有する必要がある。水溶性が低いペプチドにHis残基を組み込むと、通常、酸性pH(pH5など)で溶解度が向上するが、これは荷電したHis側鎖基が存在するためであり、生理学的pH(pH7.4)では、溶解度は小さくなる。ヒスチジンの側鎖基のpIは約6.0である。このような特性により、弱酸性媒体でのHis含有ペプチドの製剤が可能になる。そのような製剤を皮下注射すると、溶解度が低下し、ペプチドの皮下沈殿が生じ、時間の経過と共に再溶解する。His含有ペプチドの亜鉛含有製剤は、この効果を高める。なぜなら、pH5ではなくpH7.4では、亜鉛イオンがヒスチジン残基に配位し、その結果、溶解度がさらに低下し、これが皮下注射部位での沈殿の増加に寄与できるため、または沈殿物の安定性の向上に寄与できるためである。しかしながら、皮下投与後のペプチドの沈殿が十分に迅速でない場合、ペプチドの血中濃度レベルに初期の「急騰(spike)」または「爆発(burst)」が依然として存在する可能性がある。そのような特性は、望ましくない。なぜなら、たとえ一時的であっても、対象が悪心などのペプチドの高濃度レベルに関連する副作用を被る可能性を高めるからである
条件
本発明はまた、薬剤として使用するための、本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を提供する。PYY類縁体および薬学的組成物は、糖尿病および肥満などの状態の治療および/または予防での用途を見出す。PYY類縁体、およびPYY類縁体を含む薬学的組成物はまた、対象の食欲の低減、対象の食物摂取の低減、および/または対象のカロリー摂取の低減に用途を見出す。
本発明はまた、糖尿病および/または肥満の予防または治療のための薬剤の製造のための、本発明によるPYY類縁体の使用を提供する。本発明はまた、対象の食欲の低減、対象の食物摂取の低減、および/または対象のカロリー摂取の低減のための薬剤の製造のための、本発明によるPYY類縁体の使用を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、対象の疾患、または障害、または他の望ましくない生理学的状態を治療または予防する方法を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、対象の糖尿病および/もしくは肥満の予防もしくは治療、食欲の低減、食物摂取の低減、ならびに/またはカロリー摂取の低減の方法を提供する。
一実施形態では、PYY類縁体または薬学的組成物は、非経口投与される。一実施形態では、PYY類縁体または薬学的組成物は、皮下投与される。一実施形態では、PYY類縁体または薬学的組成物は、静脈内、筋肉内、鼻腔内、経皮または舌下投与される。
本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物が投与される対象は、過体重であり得、例えば、肥満であり得る。代替として、または加えて、対象は、例えば、インスリン抵抗性もしくは耐糖能障害、またはその両方を有する糖尿病患者であってもよい。対象は、真性糖尿病を有してもよく、例えば、対象は、II型糖尿病を有し得る。対象は、過体重、例えば、肥満であってもよく、真性糖尿病、例えば、II型糖尿病を有し得る。あるいは、対象は、I型糖尿病を有し得る。
本発明のPYY類縁体は、ランゲルハンス島細胞、具体的にはベータ細胞を保護すると考えられており、正常な生理学的機能、例えば毒素(例えばストレプトゾトシン)、病原体または自己免疫応答に立ち向かうときに、適切な刺激に応答してインスリンを分泌する能力を保持することを可能にする。本発明のPYY類縁体はまた、毒素、病原体、または自己免疫応答への曝露後の生理学的機能の低下後の、膵島機能、具体的にはベータ細胞機能の回復または救済に効果的であると考えられている。機能の回復は、低下前に呈する機能のうちの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%であり得る。したがって、本発明はまた、膵島機能(例えばベータ細胞機能)の喪失の予防、および/または膵島機能(例えば、ベータ細胞機能)の回復に使用するための、本発明のPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を提供する。本発明はさらに、膵島機能(例えばベータ細胞機能)の喪失を予防するための、および/または膵島機能(例えばベータ細胞機能)を回復するための薬剤の製造のための本発明のPYY類縁体の使用を提供する。本発明はさらに、対象に、有効量の本発明のPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、対象の膵島機能(例えばベータ細胞機能)の喪失を予防および/または膵島機能(例えばベータ細胞機能)を回復する方法を提供する。
本発明のPYY類縁体の膵島保護特性は、副作用として膵島毒性を有するさらなる治療剤と組み合わせて投与するのに有用になる。そのような治療剤の一例は、ストレプトゾトシンである。したがって、本発明はまた、副作用として膵島毒性を有するさらなる治療剤と組み合わせた、本発明によるPYY類縁体を提供する。本発明はまた、本発明によるPYY類縁体、および副作用として膵島毒性を有するさらなる治療剤を薬学的に許容される担体と共に含む、薬学的組成物を提供する。
加えて、または代替として、対象は、肥満もしくは過体重であることがリスク因子となる障害を有し得るか、またはその障害のリスクがあり得る。そのような障害には、限定されないが、循環器疾患、例えば、高血圧、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全、および脂質異常症;脳卒中;胆嚢疾患;変形性関節症;睡眠時無呼吸;生殖障害、例えば、多嚢胞性卵巣症候群;癌、例えば、乳癌、前立腺癌、大腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、および食道癌;静脈瘤;黒色表皮腫;湿疹;運動不耐性;インスリン抵抗性;高血圧高コレステロール血症;胆石症;変形性関節症;整形外科的外傷;インスリン抵抗性、例えば、-II型糖尿病およびシンドロームX;ならびに血栓塞栓性疾患が含まれる(Kopelman,Nature 404:635-43,2000、Rissanen et al,British Med.J.301,835,1990を参照のこと)。
肥満に関連する他の障害は、うつ病、不安症、パニック発作、片頭痛、月経前症候群、慢性疼痛状態、線維筋痛症、不眠症、衝動性、強迫性障害、およびミオクローヌスを含む。さらに、肥満は、全身麻酔の合併症の発生率増加に関して認識されているリスク因子である(例えば、Kopelman,Nature 404:635-43,2000を参照のこと)。一般に、肥満は、寿命を短縮し、上に列挙したような併存症の重大なリスクを伴う。
肥満に関連する他の疾患または障害は、先天性異常、神経管欠損症の発生率の増加に関連している母親の肥満症、手根管症候群(CTS)、慢性静脈不全(CVI)、昼間の眠気、深部静脈血栓症(DVT)、末期腎疾患(ESRD)、痛風、熱障害、免疫反応障害、呼吸機能障害、不妊、肝疾患、腰痛、産科および婦人科合併症、膵炎、および腹部ヘルニア、黒色表皮腫、内分泌異常、慢性低酸素症および高炭酸血症、皮膚への影響、象炎、胃食道逆流、ヒールスパーズ、下肢浮腫、ブラストラップの痛み、皮膚の損傷、頸部痛、胸の下のひだにおける慢性的な臭いおよび感染などのかなりの問題を引き起こす乳房肥大症など、大きな前腹壁の腫瘤(例えば、歩行を妨げ、頻繁な感染症、悪臭、着衣困難、腰痛を起こす、頻繁な皮下脂肪組織炎を伴う腹部皮下脂肪組織炎)、筋骨格疾患、大脳偽腫瘤(または良性頭蓋内高血圧症)、ならびにスライド裂孔ヘルニアである。
本発明はまた、本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、対象の脂質プロファイルを改善するための方法を提供する。本発明はまた、本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む薬学的組成物を対象に投与することを含む、栄養素の利用可能性を低減することによって軽減することができる状態または障害を軽減するための方法を提供する。
食欲は、当業者に既知の任意の手段によって測定することができる。例えば、食欲の減少は、心理的評価によって評価することができる。例えば、本発明の化合物の投与は、知覚される空腹、飽満、および/または満腹に変化を生じる。空腹は、当業者に既知の任意の手段によって評価することができる。例えば、空腹は、限定されないが、視覚的評価スコア(VAS)質問表などの質問表を使用する空腹感および感覚知覚の評価などによる、心理学的アッセイを使用して評価される。特定の非限定的な一例では、空腹は、食物、飲料に対する欲求、予想される食物消費、吐き気、および匂いまたは味に関する知覚に関する質問に答えることによって評価される。
本発明のPYY類縁体は、体重管理および治療、例えば、肥満の低減または予防、具体的には以下の、体重増加の予防および低減、体重減少の誘発および促進、ならびに肥満度指数によって測定される肥満の低減、のうちのいずれか1つ以上のために使用することができる。本発明のPYY類縁体は、食欲、飽満、および空腹のうちのいずれか1つ以上、具体的には以下の、食欲の低減、抑制、および阻害;飽満および飽満感覚の誘発、増加、向上、および促進;ならびに空腹および空腹感覚の低減、阻害、および抑制、のうちのいずれか1つ以上の制御に使用することができる。本発明のPYY類縁体は、所望の体重、所望の肥満度指数、所望の外見、および良好な健康のうちのいずれか1つ以上を維持するのに使用することができる。したがって、本発明はまた、有効量の本発明によるPYY類縁体、またはPYY類縁体を含む組成物を対象に投与することを含む、美容目的で対象の体重減少を引き起こすか、または体重増加を予防する方法を提供する。
対象は、体重減少を所望する対象、例えば、外見における変化を所望する男性または女性の対象であり得る。対象は、空腹感の減少を望んでいる場合があり、例えば、対象は、例えば、現役の兵士、航空管制官、または長距離ルートのトラック運転手などの高レベルの集中力を必要とする長時間の業務に関与する個人であり得る。
本発明はまた、比較的高い栄養素利用性によって引き起こされるか、複雑化するか、または悪化する状態または障害の治療、予防、寛解、または緩和に使用されてもよい。「カロリー(または栄養)利用性を低下させることによって緩和できる状態または障害」という用語は、本明細書において、比較的高い栄養利用性によって引き起こされるか、合併されるか、または悪化する、または栄養の利用性を減らすことで、例えば食物摂取を減らすことにより緩和できる、対象における任意の状態または障害を示すために使用される。インスリン抵抗性であるか、グルコース不耐性であるか、または任意の型の真性糖尿病、例えば、I型、II型、もしくは妊娠性糖尿病を有する対象も、本発明による方法から恩恵を受けることができる。
本発明は、代謝障害、例えばエネルギー代謝障害の治療に関する。カロリー摂取の増加と関連する状態または障害を含むそのような障害には、限定されないが、インスリン抵抗性、グルコース不耐性、肥満、II型糖尿病を含む糖尿病、摂食障害、インスリン抵抗性症候群、およびアルツハイマー病が含まれる。
本発明によれば、PYY類縁体は、好ましくはヒトの治療に使用される。しかしながら、本発明の化合物は、典型的にはヒト対象を治療するために使用されるが、それらは、他の脊椎動物、例えば、他の霊長類;家畜、例えば、ブタ、ウシ、および家禽;競技動物、例えば、ウマ;またはコンパニオンアニマル、例えば、イヌおよびネコにおいて、同様のまたは同一の状態を治療するためにも使用することができる。
組成物
有効成分を単独で投与することは可能であるが、有効成分は、薬学的製剤または組成物中に存在することが好ましい。したがって、本発明はまた、薬学的に許容される担体および任意に他の治療成分と共に、本発明によるPYY類縁体を含む薬学的組成物を提供する。本発明の薬学的組成物は、以下に記載するような薬学的製剤の形態をとり得る。
本発明による薬学的製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、および関節内を含む)、吸入(様々な種類の定量加圧エアロゾル、噴霧器、または吸入器によって生成され得る微粒子ダストまたはミストを含む)、直腸内、および局所(皮膚、経皮、経粘膜、頬側、絶佳、および眼内を含む)投与に好適なものを含むが、最も好適な経路は、例えば、受け手の状態および障害に依存し得る。
製剤は、単位投与形態で都合よく提示され得、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製され得る。すべての方法は、有効成分を、1つ以上の補助成分を構成する担体と関連させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分と、液体担体もしくは微細固体担体またはその両方とを均一かつ密接に関連させ、次いで、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル、サシェ剤または錠剤などの個別の単位で、粉末または顆粒として、水性液体または非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または、水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして、提示することができる。有効成分はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして提示されてもよい。様々な薬学的に許容される担体およびそれらの製剤は、標準的な製剤専門書、例えば、E. W. MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載される。Wang,Y.J.and Hanson,M.A.,Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2S,1988も参照のこと。
錠剤は、圧縮または成形によって、任意に1つ以上の補助成分を用いて、作製されてもよい。圧縮錠は、任意に、結合剤、滑剤、不活性希釈剤、滑沢剤、界面活性剤、または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの流動的な形態の有効成分を、好適な機械内で圧縮することによって調製されてもよい。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、好適な機械内で成形することによって製造されてもよい。錠剤は、任意に、コーティングするかまたは分割線を付けてもよく、有効成分の緩徐または制御された放出を提供するように製剤化されてもよい。本化合物は、例えば、即時放出または長期放出に好適な形態で投与することができる。即時放出または持続放出は、本化合物を含む適切な薬学的組成物の使用によって、または特に持続放出の場合、皮下インプラントもしくは浸透圧ポンプなどのデバイスの使用によって達成することができる。本化合物はまた、リポソームとして投与することができる。
好ましくは、本発明による組成物は、例えば、注射による皮下投与に好適である。ある特定の実施形態によれば、組成物は、金属イオン、例えば、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、またはコバルトイオンを含有してもよい。そのようなイオンの存在は、溶解度を制限することができ、したがって皮下投与の部位から循環系への吸収を遅延させることができる。特に好ましい実施形態において、組成物は、亜鉛イオンを含有する。亜鉛イオンは、任意の好適な濃度で、例えばペプチド分子に対して10:1~1:10、8:1~1:8、5:1~1:5、4:1~1:4、3:1~1:3、2:1~1:2、または1:1のモル比で存在し得る。一実施形態において、薬学的組成物は、5未満のpHを有し、薬学的組成物は亜鉛イオンを含む。
経口投与のための例示的な組成物は、例えば、嵩を出すための微結晶セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤としてのメチルセルロース、および甘味剤または香味剤を含有し得る懸濁液(当該技術分野で既知のものなど);ならびに、例えば、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/もしくはラクトース、ならびに/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、および滑剤(当該技術分野で既知のものなど)を含有し得る即時放出錠剤を含む。本発明のPYY類縁体、またはその変異体、誘導体、塩、もしくは溶媒和物はまた、舌下および/または頬側投与によって、口腔を通じて送達されてもよい。成形錠、圧縮錠、または冷凍乾燥錠は、使用され得る例示的な形態である。例示的な組成物は、本発明の化合物(複数可)をマンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデクストリンなどの速溶性の希釈剤と共に配合しているものを含む。また、そのような製剤には、セルロース(avicel)またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量の賦形剤が含まれてもよい。そのような製剤にはまた、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)などの粘膜への付着を補助するための賦形剤、およびポリアクリルコポリマー(Carbopol 934)などの放出を制御するための薬剤が含まれ得る。滑剤、流動促進剤、香味剤、着色剤、および安定剤も、製造および使用を容易にするために添加され得る。
非経口投与用の製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を対象とする受け手の血液と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含む。製剤は、単位用量または多用量容器、例えば、密封されたアンプルおよびバイアル中に提示されてもよく、また使用直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射用蒸留水の添加のみを必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵されてもよい。即時注射液および懸濁液は、前述の種類の滅菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製され得る。非経口投与用の例示的な組成物は、例えば、好適な無毒性の、非経口的に許容される希釈剤もしくは溶剤、例えば、マンニトール、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液、または他の好適な分散剤もしくは湿潤剤、および合成モノグリセリドもしくはジグリセリドを含む懸濁剤、およびオレイン酸もしくはCremaphorを含む脂肪酸を含有し得る、注射可能な液剤または懸濁液を含む。水性担体は、例えば、約3.0~約8.0のpH、好ましくは約3.5~約7.4、例えば3.5~6.0、例えば3.5~約5.0のpHの等張緩衝液であってもよい。有用な緩衝剤は、クエン酸ナトリウム-クエン酸およびリン酸ナトリウム-リン酸、ならびに酢酸ナトリウム/酢酸緩衝剤を含む。組成物は、好ましくは、酸化剤、ならびにPYYおよび関連分子に有害であることが知られている他の化合物を含まない。含まれ得る賦形剤は、例えば、ヒト血清アルブミンまたは血漿製剤などの他のタンパク質である。必要に応じて、薬学的組成物はまた、微量の無毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有してもよい。
一実施形態において、薬学的組成物は、ヒトへの皮下投与のためのシリンジまたは他の投与デバイス中に存在する。
鼻内エアロゾルまたは吸入投与用の例示的な組成物は、例えば、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、生物学的利用能を向上させるための吸収促進剤、および/または他の可溶化剤もしくは分散剤(当該技術分野で既知のものなど)を含有し得る生理食塩水中の溶液を含む。好都合には、鼻内エアロゾルまたは吸入投与用の組成物において、本発明の化合物は、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロ-メタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適な気体の使用により、加圧パックまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、定量を送達するための弁を提供することによって決定することができる。吸入器または注入器において使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物と、好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を含有するように製剤化することができる。特定の非限定的な一例において、本発明の化合物は、アクチュエータとしても知られるエアロゾルアダプタを通して、定量弁からエアロゾル剤として投与される。任意に、安定剤も含まれ、かつ/または肺深部への送達のための多孔性粒子が含まれる(例えば、米国特許第6,447,743号を参照のこと)。
直腸内投与用の製剤は、カカオバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコールなどの通常の担体と共に停留浣腸または坐剤として調製されてもよい。かかる担体は、典型的には、常温で固体であるが、直腸腔内では液化および/または溶解して薬物を放出する。
口腔内における局所投与、例えば、頬側または舌下投与用の製剤は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどの香味付けした基剤中に有効成分を含むロゼンジ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に有効成分を含むパステル剤を含む。局所投与用の例示的な組成物は、Plastibase(ポリエチレンを用いてゲル化された鉱油)などの局所用担体を含む。
好ましい単位投与量製剤は、PYY類縁体の本明細書で前述の有効用量またはその適切な一部を含有する製剤である。
具体的に前述した成分に加えて、本発明の製剤は、当該製剤の種類を考慮して、当該技術分野で常用される他の薬剤を含んでいてもよく、例えば、経口投与に好適な製剤は香味剤を含んでもよいことを理解されたい。
本発明のPYY類縁体はまた、持続放出系として好適に投与される。本発明の持続放出系の好適な例には、好適なポリマー材料、例えば、成形物品の形態の半透性ポリマーマトリックス、例えば、フィルムもしくはマイクロカプセル;例えば、許容される油中のエマルジョンとして、好適な疎水性材料;またはイオン交換樹脂;および本発明の化合物の難溶性誘導体、例えば、難溶性塩が含まれる。持続放出系は、例えば、粉剤、軟膏剤、ゲル剤、ドロップ剤、もしくは経皮貼付剤として、または経口もしくは鼻内噴霧剤として、経口、直腸内、非経口、大槽内、腟内、腹腔内、局所投与されてもよい。
投与用の調製物は、本発明の化合物の制御放出を提供するように好適に製剤化することができる。例えば、薬学的組成物は、生分解性ポリマー、多糖類ゲル化および/もしくは生体接着性ポリマー、両親媒性ポリマー、式(I)の化合物の粒子の界面特性を変更することが可能な薬剤のうちの1つ以上を含む粒子の形態であってもよい。これらの組成物は、活性物質の制御放出を可能にする、ある特定の生体適合性の特色を呈する。米国特許第5,700,486号を参照されたい。
本発明のPYY類縁体、誘導体、または塩は、ポンプによって(Langer,前掲、Sefton,CRC Crit. Ref.Biomed. Eng.14:201,1987、Buchwald et al.,Surgery 88:507,1980、Saudek et al.、N.Engl.J.Med.321:574,1989を参照のこと)、または例えば、ミニポンプを使用した、連続皮下注入によって送達され得る。また、静脈内バッグ溶液が用いられてもよい。適切な用量を選択する際の重要な要因は、全体重もしくは除脂肪体重に対する体脂肪の比の減少によって、あるいは、医師によって適切であると見なされる、肥満の管理もしくは予防または肥満関連状態の予防を測定するための他の基準を用いて測定されることで得られる結果である。他の制御放出系については、Langer(Science 249:1527-1533,1990)による考察で論じられている。本開示の別の態様では、本発明の化合物は、例えば、米国特許第6,436,091号、米国特許第5,939,380号、米国特許第5,993,414号に記載の埋め込みポンプによって送達される。
埋め込み式の薬物注入デバイスは、患者に薬物または任意の他の治療剤の一定かつ長期の投薬または注入を提供するために使用される。本質的に、そのようなデバイスは、能動的または受動的のいずれかに分類され得る。本発明の化合物は、デポ剤として製剤化することができる。そのような長時間作用するデポ剤は、例えば、皮下もしくは筋肉内への埋め込みによって、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物は、例えば、許容される油中エマルジョンとして、またはイオン交換樹脂として、または難溶性誘導体、例えば難溶性塩として好適な、ポリマーまたは疎水性材料と製剤化することができる。
治療有効量の本発明のPYY類縁体は、単回パルス用量として、ボーラス用量として、または経時的に投与されるパルス用量として投与してもよい。したがって、パルス用量において、本発明のPYY類縁体のボーラス投与が提供され、その後、本発明の化合物が対象に投与されない期間が続き、その後、2回目のボーラス投与が続く。特定の非限定的な例において、本発明の化合物のパルス用量は、1日の間に、1週間の間に、または1か月の間に投与される。
本発明はまた、同時、逐次、または別々の投与のために、さらなる治療剤と共に本発明によるPYY類縁体を提供する。本発明はまた、本発明によるPYY類縁体およびさらなる治療剤を含む薬学的組成物を提供する。さらなる治療剤の例には、追加の食欲抑制剤、食物摂取を低減する、血漿グルコースを低下させる、または血漿脂質を変化させる薬剤が含まれる。追加の食欲抑制剤の特定の非限定的な例には、アンフェプラモン(ジエチルプロピオン)、フェンテルミン、マジンドール、およびフェニルプロパノールアミン、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、およびフルオキセチンが含まれる。上述のように、本発明のPYY類縁体は、追加の食欲抑制剤と同時に投与してもよいか、または連続的もしくは別々に投与してもよい。一実施形態において、本発明の化合物は、単回用量で食欲抑制剤と製剤化および投与される。
本発明のPYY類縁体は、効果、例えば、食欲抑制、食物摂取の減少、またはカロリー摂取の減少が所望される場合、いつでも、または限定されないが、効果が所望される時間の約10分、約15分、約30分、約60分、約90分、もしくは約120分前など、効果が所望される少し前に投与することができる。
治療有効量の本発明のPYY類縁体は、利用される分子、治療される対象、苦痛の重症度および種類、ならびに投与様式および経路に依存するであろう。例えば、本発明のPYY類縁体の治療有効量は、約0.01μg/キログラム(kg)体重~約1g/kg体重、例えば、約0.1μg~約20mg/kg体重、例えば、約1μg~約5mg/kg体重、または約5μg~約1mg/kg体重と変動し得る。
本発明の一実施形態において、本発明のPYY類縁体は、5~1000nmol/kg体重、例えば、10~750nmol/kg体重で、例えば、20~500nmol/kg体重で、具体的には30~240nmol/kg体重で対象に投与されてもよい。75kgの対象の場合、そのような用量は、375nmol~75μmol、例えば、750nmol~56.25μmol、例えば、1.5~37.5μmol、具体的には2.25~18μmolの投与量に相当する。
代替的な実施形態において、本発明のPYY類縁体は、0.5~135ピコモル(pmol)/kg体重で、例えば、5~100ピコモル(pmol)/kg体重、例えば、10~90ピコモル(pmol)/kg体重、例えば、約72pmol/kg体重で対象に投与されてもよい。特定の非限定的な一例において、本発明のPYY類縁体は、約1nmol以上、2nmol以上、または5nmol以上の用量で投与される。この例では、本発明のPYY類縁体の用量は、一般に100nmol以下であり、例えば、用量は、90nmol以下、80nmol以下、70nmol以下、60nmol以下、50nmol以下、40nmol以下、30nmol以下、20nmol以下、10nmolである。例えば、投与量範囲は、特定の下限用量のいずれかと特定の上限用量のいずれかとの任意の組み合わせを含んでもよい。したがって、本発明の化合物の非限定的な用量範囲の例は、1~100nmol、2~90mol、5~80nmolの範囲内である。
特定の非限定的な一例において、約1~約50nmolの本発明のPYY類縁体が投与され、例えば、約2~約20nmol、例えば、約10nmolが皮下注射として投与される。正確な用量は、利用される特定のPYY類縁体の効力、PYY類縁体の送達経路、ならびに対象の年齢、体重、性別、および生理学的状態に基づいて、当業者によって容易に決定される。
本発明のPYY類縁体の好適な用量にはまた、正常な食後PYYレベルによって引き起こされる、カロリー摂取、食物摂取、または食欲の低減を生じるものが含まれる。用量の例には、限定されないが、PYYの血清レベルが、約40pM~約60pM、または約40pM~約45pM、または約43pMであるときに実証される効果を生じる用量が含まれる。
上で論じた用量は、例えば、1日に1回、2回、3回、または4回提供してもよい。あるいは、2、3、または4日ごとに1回提供してもよい。亜鉛を含有する徐放性製剤では、3、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日ごとに1回の用量を提供することが可能であり得る。ある特定の実施形態によれば、それらは、各食事が摂取される直前に1回投与され得る。
本発明の特定の配列
本発明のある特定の特定の実施形態によれば、PYY類縁体は、図1に示される特定の配列のうちの1つの所与のアミノ酸配列を有する。
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。
材料および方法
ペプチド合成
ペプチドは、標準的なフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成(SPPS)法を用いて合成した。ペプチド合成は、三環式アミドリンカー樹脂上で行われた。アミノ酸は、Fmocストラテジーを使用して付着させた。C末端からN末端まで連続的に各アミノ酸を付加した。ペプチドカップリングは、TBTUなどの試薬によって媒介した。樹脂からのペプチド切断は、捕捉剤の存在下でトリフルオロ酢酸を用いて達成した。
ペプチドを逆相HPLCで精製した。品質管理がすべての精製されたペプチドについて行われ、ペプチドはほとんどの場合、2つの緩衝システムのHPLCにより90%を超える純度であることが示された。MALDI-MSは、予想された分子イオンを示した。
例示的な合成
例示的な化合物Y1592は、標準的なFmoc化学を使用して以下のように調製した。
1.樹脂調製:2Cl-Trt樹脂(0.30mmol、1.00eq)に、DCM(10.0mL)中のFMOC-TYR(TBU)-OH(137.86mg、300.00μmol、1.00eq)およびDIEA(232.63mg、1.80mmol、313.52μL、6.00eq)を添加した。混合物を20℃で2時間Nで撹拌し、次いでMeOH(0.3mL)を加え、混合物をNでさらに30分間撹拌した。樹脂をDMF(3×15.0mL)で洗浄し、次いでDMF(5.00mL)中の20%ピペリジンを加え、混合物を20℃で30分間Nで撹拌した。混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(5×15.0mL)で洗浄し、混合物を濾過して樹脂を得た。
2.カップリング:DMF(5.00mL)中のFMOC-ARG(PBF)-OH(583.89mg、900.00μmol、3.00eq)、DIEA(232.63mg、1.80mmol、313.52μL、6.00eq)およびHBTU(324.25mg、855.00μmol、2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、20℃で30分間Nで撹拌した。次いで、樹脂をDMF(3×15.0mL)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(5.00mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物を20℃で30分間Nで撹拌した。樹脂をDMF(5×15.0mL)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.最後のアミノ酸が添加されるまで、表3の試薬を使用してステップ2および3を繰り返した(表3の反応反復番号1は、上記のステップ2で説明される、最初に添加されたArg残基である)。
Figure 2022536375000017
5.反復番号37におけるtert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネートのカップリング後、3%HN・NH/DMFを加え、30分間反応させてDDEを除去し、次いで繰り返した。次いで、混合物を排水し、DMF(5×20.0mL)で洗浄した。
6.次いで、ステップ2および3の反応を、HBTU(2.85eq)およびDIEA(6.00eq)中の16-(tert-ブトキシ)-16-オキソヘキサデカン酸(3.00eq)を使用して実施した。
ペプチド切断および精製
樹脂をMeOH(2×30.0mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、2.20gのペプチド樹脂を得た。次いで、25.0mLの切断緩衝液(92.5%TFA/2.5%Mpr/2.5%TIS/2.5%HO)を、側鎖保護ペプチド樹脂を含有するフラスコに20℃で加え、混合物を2時間撹拌した。ペプチドを冷tert-ブチルメチルエーテル(300mL)で沈殿させ、遠心分離した(5000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をtert-ブチルメチルエーテル(150mL)でさらに2回洗浄した。粗ペプチドを真空下で2時間乾燥させ、LCMS(EW18009-1-P1A1)によって確認した。
残留物を分取HPLC(TFA、条件:30℃、A:0.075%TFA/HO、B:CHCN)によって精製して、化合物を白色固体として得、これをLCMS(EW18009-1-P1A)およびHPLC(EW18009-1-P1B)によって確認した。
図1は、そのすべての態様において本発明の範囲に包含される、多数の特定の配列を開示している。これらの配列の各々は、本発明の特定の実施形態である。また、最初の行に、参照のために自然発生するヒトPYYの配列も開示している。
ヒトY2受容体、インビトロ受容体効力研究
DiscoverX(登録商標)hY2 CHO-K1細胞(96ウェルプレートにおいてウェルあたり10,000細胞)を、0.1%(体積/体積)のBSAおよび0.01mMのフォルスコリン、ならびに試験ペプチドを濃度範囲で含有する培地に30分間再懸濁した。細胞を溶解することによって反応を停止し、Cisbio cAMP dynamic 2キットを使用して、60分後にcAMPを定量化した。Y2Rアゴニストは、フォルスコリン刺激cAMP産生を阻害する。IC50値は、本発明の対照ペプチド(PYY3-36)および試験ペプチドについて計算される。試験ペプチド:PYY3-36の比が計算され、1=PYY3-36と同じ効力であり、0.1=10倍高い効力であり、10=10倍低い効力である。平均(平均)比は、独立した試験から計算される。
試験化合物:PYY3-36の比として表される、cAMP産生の阻害は、図2において「ヒトcAMP阻害」という見出しの列に示される。
溶解度研究
本発明の化合物の溶解度は、0.04mLの注射用水に2mgの材料を溶解することによって、50mg/mLで化合物の溶液を調製することによって評価した。溶液のpHは、pH4に調整した。溶解度は、以下の場合に目視検査によって評価される。
・1=希釈剤と同一の、溶けやすく、透明な溶液可視性
・2=少数(<3未満)の可視粒子で溶解性
・3=中程度の数(3~10)の可視粒子で溶解性
・4=懸濁液中の多数の不溶性粒子、不透明
・5=不溶性、沈殿物あり
この研究の結果は、図2において「50mg/ml pH4での溶解度」という見出しの列に示される。
インビボ有効性研究、雄ウィスターラットにおける単回投与食餌研究
動物
不断給餌雄ウィスターラット(Charles River Ltd(Margate,UK))を動物実験に使用した。
ラットにおける食餌研究
ラットは、IVCケージに個別に収容した。体重による層別化を用いて動物を治療群に無作為化した。すべてのペプチド溶液は、投与直前に新しく調製した。すべての研究に使用したビヒクルは、5%体積/体積の水、および95%のNaCl(0.9%重量/体積)であった。本発明の化合物(100、200、または400nmol/kg体重のいずれかで)を注射用水に再懸濁した。ペプチドおよびビヒクルを皮下注射によって初期の明期(0900時~1000時)に投与し、動物に既知の量の食物を提供した。
研究期間中、動物は、食物および水を自由に取らせた。動物の体重および残った食物は、研究全体を通して、典型的には投与後24、48、72、96、および168時間に計量した。
結果
結果は、個々のラットの食物摂取および体重の変化の、生理食塩水対照動物における平均変化との比較によって計算され、治療群平均(平均)として表される。例えば、「-16」の食物摂取値は、同じ時間間隔での研究における対照動物の平均食物摂取と比較して、食物摂取の平均16gの低減を示す。
図2は、雄ウィスターラットに本発明の例示的な化合物が投与されたラット食餌研究の結果を示す。示される値は、24時間、48時間、72時間、96時間、および7日にわたって注射用水中の対照生理食塩水またはペプチドを受けたラット間の食物摂取および体重減少の違いである。寿命の値は、食物摂取および体重減少に対する例示的なペプチドの効果の寿命を示すスコアを表し、より大きな値は、より長続きする効果を示す。

Claims (38)

  1. 式I、II、もしくはIIIの化合物であって、
    C-NH
    式I、
    B-C-NH
    式II、
    A-B-C-NH
    式III、
    式中、Cが、以下のペプチド配列であり、
    Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7-Pro8-Xaa9-Xaa10-Xaa11-Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Tyr20-Tyr21-Xaa22-Xaa23-Xaa24-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Leu28-Asn29-Xaa30-Xaa31-Thr32-Arg33-Gln34-Arg35-Tyr36[配列番号1]
    Xaa2が、ProまたはCysであり、
    Xaa3が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはIleであり、
    Xaa4が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはLysであり、
    Xaa5が、ProまたはCysであり、
    Xaa6が、そのγカルボン酸基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、またはGluであり、
    Xaa7が、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Ala、またはCysであり、
    Xaa9が、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Gly、またはCysであり、
    Xaa10が、そのγカルボン酸基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのβ-チオール基で置換されたCys、Lys、Glu、またはCysであり、
    Xaa11が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asp、Gly、Asn、またはGluであり、
    Xaa12が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
    Xaa13が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはSerであり、
    Xaa14が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはProであり、
    Xaa15が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa16が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa17が、LeuまたはIleであり、
    Xaa18が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asn、Leu、Ala、またはValであり、
    Xaa19が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Arg、Lys、またはHisであり、
    Xaa22が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Ala、またはIleであり、
    Xaa23が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Ala、またはGluであり、
    Xaa24が、LeuまたはCysであり、
    Xaa25が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはArgであり、
    Xaa26が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはHisであり、
    Xaa27が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Tyr、Phe、またはCysであり、
    Xaa30が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Arg、Lys、またはHisであり、
    Xaa31が、ValまたはLeuであり、
    Bが、以下から選択されるペプチド残基であり、
    そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたAla、Tyr、Val、Ala、Ser、Gly、Lys、およびGlu、
    Aが、以下のペプチド配列であり、
    Xaa51-Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号2]、
    Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号3]、
    Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号4]、
    Xaa54-Xaa55-Xaa56、
    Xaa55-Xaa56、または
    Xaa56、
    Xaa51が、そのα-アミノ基で置換されたGluまたはGluであり、
    Xaa52が、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、Gly、またはTyrであり、
    Xaa53が、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGly、Ser、Asn、Gly、Glu、またはTyrであり、
    Xaa54が、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたSer、そのα-アミノ基で置換されたAsn、Ser、Gly、Glu、Tyr、Pro、Asn、またはHisであり、
    Xaa55が、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGlu、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのα-アミノ基で置換されたSer、Gly、Ser、Glu、Pro、His、Asn、またはThrであり、
    Xaa56が、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、そのα-アミノ基で置換されたGly、Gly、Ser、Pro、His、Thr、Tyr、またはGluであり、
    前記化合物が、上記のアミノ酸残基のうちの1つに単一の置換を有し、前記置換基が、以下から選択される、化合物、
    (a)以下の式の基
    Figure 2022536375000018
    (式中、前記置換基は、前記置換残基のα-アミノ基に結合しているか、または前記置換残基は、Lysであり、前記置換基は、Lys残基のγ-アミノ基に結合しており、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)
    (b)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
    Figure 2022536375000019
    (式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)
    (c)Zが以下の式の基であるZ-Cys-S-
    Figure 2022536375000020
    (式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、または
    (d)X-Q-
    (式中、Qは、以下から選択されるペプチド配列または単一アミノ酸残基であり、
    Xaa65-Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号5]、
    Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号6]、
    Xaa63-Xaa62-Xaa61、
    Xaa62-Xaa61、および
    Xaa61、
    Xは、以下の式の基であり、
    Figure 2022536375000021
    式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、
    またはその塩もしくは誘導体。
  2. 前記化合物が、式IまたはIIの化合物であり、
    Xaa2が、Proであり、
    Xaa3が、Ileであり、
    Xaa4が、Lysであり、
    Xaa5が、Proであり、
    Xaa6が、Gluであり、
    Xaa7が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
    Xaa9が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGlyであり、
    Xaa10が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Lys、またはGluであり、
    Xaa11が、Asp、Gly、またはAsnであり、
    Xaa12が、Alaであり、
    Xaa13が、Serであり、
    Xaa14が、Proであり、
    Xaa15が、Gluであり、
    Xaa16が、Gluであり、
    Xaa17が、LeuまたはIleであり、
    Xaa18が、Asn、Leu、またはAlaであり、
    Xaa19が、LysまたはHisであり、
    Xaa22が、AlaまたはIleであり、
    Xaa23が、AlaまたはGluであり、
    Xaa24が、Leuであり、
    Xaa25が、Argであり、
    Xaa26が、Hisであり、
    Xaa27が、Pheであり、
    Xaa30が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Arg、Lys、またはHisであり、
    Xaa31が、ValまたはLeuであり、
    Bが、
    そのε-アミノ基で置換されたLysであり、
    前記化合物が、上記のアミノ酸残基のうちの1つに単一の置換を有し、前記置換基が、式X-Q-の基であり、
    式中、Qが、以下から選択されるペプチド配列または単一アミノ酸残基であり、
    Xaa65-Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号5]、
    Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号6]、
    Xaa63-Xaa62-Xaa61、
    Xaa62-Xaa61、および
    Xaa61、
    Xが、以下の式の基であり、
    Figure 2022536375000022
    式中、Rが、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rが、COHである、請求項1に記載の化合物、
    またはその塩もしくは誘導体。
  3. 請求項1に記載の化合物であって、
    Xaa2が、Proであり、
    Xaa3が、Ileであり、
    Xaa4が、Lysであり、
    Xaa5が、Proであり、
    Xaa6が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa7が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
    Xaa9が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGlyであり、
    Xaa10が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa11が、そのε-アミノ基で置換されたLys、Asp、Gly、またはGluであり、
    Xaa12が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
    Xaa13が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはSerであり、
    Xaa14が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはProであり、
    Xaa15が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa16が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    Xaa17が、LeuまたはIleであり、
    Xaa18が、そのε-アミノ基で置換されたLys、LeuまたはValであり、
    Xaa19が、Arg、Lys、またはHisであり、
    Xaa22が、AlaまたはIleであり、
    Xaa23が、AlaまたはGluであり、
    Xaa24が、Leuであり、
    Xaa25が、Argであり、
    Xaa26が、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはHisであり、
    Xaa27が、Pheであり、
    Xaa31が、ValまたはLeuであり、
    Bが、Glyペプチド残基であり、
    Aが、以下のペプチド配列であり、
    Xaa51-Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号38]、
    Xaa52-Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号39]、
    Xaa53-Xaa54-Xaa55-Xaa56[配列番号40]、
    Xaa54-Xaa55-Xaa56、
    Xaa55-Xaa56、または
    Xaa56、
    Xaa51が、そのα-アミノ基で置換されたGluであり、
    Xaa52が、そのα-アミノ基で置換されたGlu、またはそのε-アミノ基で置換されたLysであり、
    Xaa53が、そのα-アミノ基で置換されたGluまたはGlyであり、
    Xaa54が、Ser、またはProであり、
    Xaa55が、そのε-アミノ基で置換されたLys、GlyまたはProであり、
    Xaa56が、そのε-アミノ基で置換されたLys、そのγ-カルボン酸基で置換されたGlu、Ser、Pro、またはThrであり、
    前記化合物が、上記のアミノ酸残基のうちの1つに単一の置換を有し、前記置換基が、以下から選択される、化合物、
    a、以下の式の基
    Figure 2022536375000023
    (式中、前記置換基は、前記置換残基のα-アミノ基に結合しているか、または前記置換残基は、Lysであり、前記置換基は、Lys残基のγ-アミノ基に結合しており、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、または
    d、X-Q-
    (式中、Qは、以下から選択されるペプチド配列または単一アミノ酸残基であり、
    Xaa65-Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号5]、
    Xaa63-Xaa62-Xaa61、
    Xaa62-Xaa61、および
    Xaa61、
    Xは、以下の式の基であり、
    Figure 2022536375000024
    式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは、COHである)、
    またはその塩もしくは誘導体。
  4. 前記置換基が、位置Xaa10でLys残基のε-アミノ基に結合している、請求項1、2、または3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  5. Qが、Gly65-Ser64-Gly63-Ser62-Gly61[配列番号41]である、請求項1、2、または3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  6. Qが、Xaa64-Xaa63-Xaa62-Xaa61[配列番号42]であり、
    Xaa64が、Gly、Ser、またはThrであり、Xaa63が、Ser、Thr、またはGlyであり、Xaa62が、GlyまたはSerであり、Xaa61が、Ser、Thr、Gly、またはAspである、請求項1に記載の化合物、誘導体、または塩。
  7. Qが、Xaa63-Xaa62-Xaa61であり、Xaa63が、Gly、Pro、Glu、Ser、またはThrであり、Xaa62が、Ser、Thr、またはGlyであり、Xaa61が、GlyまたはThrである、請求項1に記載の化合物、誘導体、または塩。
  8. Qが、Xaa62-Xaa61であり、Xaa62が、Ser、Gly、Tyr、Thr、またはAsnであり、Xaa61が、Gly、Thr、His、またはSerである、請求項1に記載の化合物、誘導体、または塩。
  9. Qが、Xaa61であり、Zaa61が、Gly、Glu、Lys、Asn、またはGlnである、請求項1に記載の化合物、誘導体、または塩。
  10. Qが、Gly63-Ser62-Gly61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  11. Qが、Glu63-Gly62-Ser61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  12. Qが、Glu63-Gly62-Thr61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  13. Qが、Asn62-His61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  14. Qが、Glu61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  15. Qが、Gly61である、請求項3に記載の化合物、誘導体、または塩。
  16. Rが、18、16、または14である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  17. Xaa2またはXaa5の少なくとも1つが、Cysであり、Xaa24またはXaa27の少なくとも1つが、Cysであり、Cys2またはCys5とCys24またはCys27との間にジスルフィド架橋が存在する、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  18. 前記置換アミノ酸残基が、Xaa7、Xaa9、Xaa10、Xaa52、Xaa53、およびXaa51から選択され、好ましくはXaa7、Xaa9、およびXaa10から選択される、いずれかの先行請求項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  19. 前記置換アミノ酸残基が、LysまたはGluである、請求項18に記載の化合物、誘導体、または塩。
  20. 式Iまたは式IIIの化合物である、いずれかの先行請求項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  21. 以下の追加の特徴:
    A、式IIまたはIIIのBは、そのε-アミノ基で任意に置換された、Lys残基であり、
    B、Xaa2は、Proであり、
    C、Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6[配列番号43]は、Pro2-Ile3-Lys4-Pro5-Glu6[配列番号44]であり、
    D、Xaa7は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはAlaであり、
    E、Xaa9は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGlyであり、
    F、Xaa10は、そのε-アミノ基で置換されたLysまたはGluであり、
    G、Xaa11は、Gly、Asn、またはGluであり、
    H、Xaa12-Xaa13-Xaa14-Xaa15-Xaa16[配列番号45]は、Ala12-Ser13-Pro14-Glu15-Glu16[配列番号46]であり、
    I、Xaa18は、Asn、Leu、Ala、またはVal、好ましくはLeuであり、
    J、Xaa19は、Hisであり、
    K、Xaa22は、Ala、またはIleであり、
    L、Xaa23は、AlaまたはGluであり、
    M、Xaa24は、LeuまたはCysであり、
    N、Xaa25は、Argであり、
    O、Xaa26は、Hisであり、
    P、Xaa27は、Pheである、のうちの1つ以上を有する、請求項1、3、4、5、6、7、8、16、17、18、19、または20のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  22. 特徴H、I、J、K、L、M、N、O、およびPの組み合わせを有し、任意に特徴Cおよび特徴D、E、またはFのうちの1つとさらに組み合わされる、請求項21に記載の化合物、誘導体、または塩。
  23. 図1の表に列挙されたアミノ酸配列のうちのいずれか1つに対応するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の化合物、誘導体または塩。
  24. Y1596、Y1597、Y1603、Y1606、Y1619、Y1621、Y1622、Y1631、Y1632、Y1638、Y1642、Y1644、Y1650、Y1660、Y1661、Y1662、Y1663、Y1665、Y1674、Y1679、Y1683、Y1695、Y1726、Y1733、Y1734、Y1735、Y1739、Y1740、Y1741、Y1746、Y1747、Y1748、Y1749、Y1751、Y1753、Y1754、Y1764、Y1768、Y1769、Y1770、Y1771、Y1772、Y1773、Y1775、Y1776、Y1777、Y1778、Y1779、Y1781、Y1782、Y1783、Y1784、Y1785、Y1786、Y1787、Y1788、Y1789、Y1790、Y1791、Y1792、Y1793、Y1794、Y1795、Y1796、Y1797、Y1798、Y1799、Y、Y1800、Y1801、Y1802、Y1803、Y1804、Y1805、Y1806、Y1807、Y1816、Y1818、Y1819、Y1820、Y1821、Y1822、Y1823、Y1824、Y1825、Y1826、またはY1827の配列に対応するアミノ酸配列を有する、請求項23に記載の化合物、誘導体、または塩。
  25. アミド化、グリコシル化、カルバミル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、環化、脂質化、ペグ化、および別のペプチドまたはタンパク質に融合して融合タンパク質を形成することから選択される1つ以上の誘導体化を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物の誘導体、またはそのような誘導体の塩。
  26. 同時投与、逐次投与、または個別投与のための、さらなる治療剤と併用される、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  27. 請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩を、薬学的に許容される担体、および任意にさらなる治療剤(例えば、GLP-1誘導体である食欲抑制剤)と共に含む、組成物。
  28. ヒトへの皮下投与のための注射器または他の投与デバイス中に存在する、請求項27に記載の組成物。
  29. 薬剤としての使用のための、請求項1~24のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項27もしくは28に記載の組成物。
  30. 対象における疾患もしくは障害または他の望ましくない生理学的状態を治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項19もしくは12に記載の組成物の投与を含む、方法。
  31. 糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療における使用のための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象の脂質プロファイルを改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項19もしくは20に記載の薬学的組成物。
  32. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、神経変性の予防もしくは治療、神経保護の提供、および/または心臓保護の提供における使用のためのものである、請求項31に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  33. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、心筋梗塞後の対象において心臓保護を提供するためのものである、請求項32に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  34. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、慢性神経変性疾患を有するか、またはそのリスクがあると診断された対象において神経保護を提供するためのものである、請求項32に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  35. 前記慢性神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ゲーリッグ病(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、多発性硬化症、他の脱髄関連障害、老人性認知症、皮質下認知症、動脈硬化性認知症、AIDS関連認知症、他の認知症、脳血管炎、てんかん、トゥレット症候群、ギランバレー症候群、ウィルソン病、ピック病、神経炎症性障害、脳炎、脳脊髄炎、髄膜炎、他の中枢神経系感染症、プリオン病、小脳性運動失調症、小脳変性症、脊髄小脳変性症候群、フリードライヒ運動失調症、毛細血管拡張性運動失調症(ataxia teangiectasia)、脊髄性ジスミオトロフィー、進行性核上性麻痺、ジストニア、筋痙縮、振戦、網膜色素変性症、線条体黒質変性症、ミトコンドリア脳筋症、および神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される、請求項34に記載の使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  36. 対象における糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患を治療もしくは予防する、対象におけるインスリン放出を改善する、対象における炭水化物代謝を改善する、対象の脂質プロファイルを改善する、対象における炭水化物耐性を改善する、食欲を低減する、食物摂取を低減する、カロリー摂取を低減する、および/または対象における細胞保護を提供する方法であって、治療有効量の請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項27もしくは28に記載の組成物の投与を含む、方法。
  37. 糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療のための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象の脂質プロファイルを改善するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、薬剤の製造のための請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩の、使用。
  38. 美容目的で対象において体重減少を引き起こすか、または体重増加を防止する方法であって、有効量の請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項27もしくは28に記載の組成物の投与を含む、方法。
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