JP2022536761A - 新規ペプチドホルモン類縁体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペプチドホルモン類縁体であり、糖尿病および肥満などの障害の治療に有用である新規化合物を提供する。本明細書に列挙される一般的な配列の化合物は、グルカゴンおよびGLP-1受容体での効力特性に関して調整されたプロファイルを有する。インビボ特性に関して、本発明の例示的なペプチドの投与は、動物モデルにおいて、向上した体重減少をもたらすことが示されている。好ましい化合物は、食物摂取を顕著に低減することなくこれを達成する。

Description

本開示は、ペプチドホルモン類縁体であり、糖尿病および肥満などの疾患の治療に有用である化合物に関する。
国民健康栄養調査(NHANES、2009~2010)によると、20歳以上の米国の成人の33.0%が過体重、35.7%が肥満、6.3%が非常に肥満である。さらに、米国において多くの割合の子供が過体重または肥満である。
肥満の原因は、複雑かつ多元的である。肥満は自制という単純な問題ではなく、食欲調節とエネルギー代謝を含む複雑な疾患であることを示唆する証拠が増えつつある。肥満の病因は確定されていないが、遺伝的、代謝的、生化学的、文化的および心理社会的要因が寄与していると考えられている。一般的に、肥満は、過剰な体脂肪が個体を健康リスクにさらす状態であると言われてきた。
肥満は罹患率と死亡率の増加と関連しているという強力な証拠がある。心血管疾患リスクおよび2型糖尿病疾患リスクなどの疾患リスクは、ボディ・マス指数(BMI)の増加に伴い、独立して増加する。実際、このリスクは、24.9超のBMIの各ポイントを、女性の心疾患リスクの5パーセントの増加として、および男性の心疾患リスクの7パーセントの増加として、定量化されている(Kenchaiah et al.,N.Engl.J.Med.347:305,2002、Massie,N.Engl.J.Med.347:358,2002を参照のこと)。
糖尿病は、不十分なインスリンの分泌または標的組織のインスリン抵抗性による炭水化物、タンパク質、脂肪代謝が損なわれた慢性症候群である。それは2つの主要な形態で発生する。インスリン依存型糖尿病(1型糖尿病)と非インスリン依存型糖尿病(2型糖尿病)である。1型糖尿病、またはインスリン依存型糖尿病(IDDM)は、β細胞の破壊によって引き起こされ、内因性インスリンのレベルを不十分にする。2型糖尿病、またはインスリン非依存型糖尿病は、インスリンに対する体の感受性の欠如およびインスリン産生の相対的欠乏の両方の障害に起因する。全国糖尿病統計レポート2014によると、20歳以上の米国の成人約2,890万人が糖尿病を患っている(2009年~2012年の全国健康栄養調査の推定値を、2012年の米国国勢調査のデータに当てはめている)。成人では、糖尿病の90~95%が2型糖尿病である。
肥満の人の体重減少が重要な病気の危険因子を減らすというしっかりした証拠がある。過体重および肥満の両方の成人の初期体重の10%といった、わずかな体重減少でさえ、高血圧、高脂血症、高血糖などの危険因子の減少と関連している。かなりの体重減少が2型糖尿病を効果的に治療することができることが示されている(Lim et al,Diabetologia June 2011)。
減食と運動は体重増加を減らすための簡単な方法を提供するが、過体重と肥満の人はこれらの要因を十分に制御して効果的に体重を減らすことができないことがよくある。薬物療法が利用可能である。包括的な減量プログラムの一部として使用され得るいくつかの減量薬が食品医薬品局によって承認されている。しかしながら、これらの医薬品の多くは深刻な副作用があることが証明されており、撤退する必要があった。より侵襲性の低い方法が失敗し、患者が肥満関連の罹患または死亡に関しリスクが高い場合、減量手術は、臨床的に重度の肥満を有する慎重に選択された患者における選択肢である。しかしながら、これらの処置はリスクが高く、限られた数の患者における使用にのみ好適である。体重を減らしたいのは肥満の対象だけではない。例えば、体重の推奨範囲の上位にある、推奨範囲内の体重の人は、体重を減らして理想的な体重に近づけたいと思う場合がある。したがって、過体重および肥満の対象、ならびに正常な体重である対象において体重減少をもたらすために使用することができる薬剤の必要性が残っている。
減量をもたらすのに有用な薬剤の開発への多くのアプローチは、胃腸ペプチドホルモンおよびそれらの類縁体と関係していた。例えば、プレプログルカゴン分子に由来するペプチドの誘導体は、肥満および/または糖尿病の治療における使用が提案されている。プレプログルカゴンは、グルカゴンおよびグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)などの他のホルモンの前駆体ペプチドである。グルカゴンは、血糖値が低くなるとインビボで放出され、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンをグルコースに変換させ、血流に放出されて血糖値を上昇させる作用がある。GLP-1は、腸管腔内の栄養の存在に応答して、腸のL細胞で、インビボで生成される。GLP-1は、グルコース依存的に膵臓からのインスリン分泌を増加させること、膵臓からのグルカゴン分泌を低減させること、胃内容排出を阻害すること、満腹感を増加させることにより食物摂取を低減させることなど、多くの生理学的機能を備えている。インスリン分泌の増加は、循環するグルコースの濃度の低下につながる。
そのようなペプチドの類縁体への研究の例は、例えば、GLP-1およびグルカゴンペプチドの両方からの配列を含むペプチド分子を記載するWO2013/004983に記載されている。WO2015/132599はまた、プレプログルカゴンから誘導可能であり、肥満および糖尿病などの疾患の治療に有用であるペプチドホルモン類縁体も開示している。WO2017/178829は、改変されたリガンドバイアスおよび治療的に有用な特徴を有する、エキセンディン-4、GLP-1およびオキシントモジュリンの類縁体である化合物を開示している。別の例は、ペプチドリラグルチド、GLP-1(7-37)の配列を有するGLP-1アゴニストであり、34位の天然リジンがアルギニン残基で置換され、26位のリジン残基の側鎖がグルタミン酸スペーサーを通してリジンに結合したヘキサデカノイル基(パルミチン酸)によってアシル化されている。リラグルチドは、2型糖尿病の治療のための注射剤として使用するために開発された。
WO2013/004983 WO2015/132599 WO2017/178829
しかし、大幅な進歩にもかかわらず、薬物として有用な物質を特定するプロセスは依然複雑であり、多くの場合、予測できない分野である。治療薬として有用であるためには、化合物は適切な範囲の特性を持たなければならない。関心のある生物学的標的で良好な効能を有することに加えて、化合物は、良好なインビボ薬物動態特性、低毒性および許容可能な副作用プロファイルを有していなければならない。例えば、リラグルチドなどの市販の薬剤を使用した場合でも、副作用として、悪心および嘔吐を含む可能性があり、甲状腺癌および膵炎についても懸念が高まっている。
したがって、糖尿病および肥満などの疾患および病気の治療に有用なさらなる化合物が依然として必要とされている。例えば、改善された活性プロファイルなどの有益な特性を有する、および/または副作用が低減されたペプチドを特定することが望ましいであろう。例えば、対象におけるエネルギー消費を増加させるが、食物摂取を顕著に低減しないペプチドが特定されることが望ましいであろう。化合物が減少させる食物摂取が少ない場合、化合物が有する悪心などの副作用は少ないであろうと予想される。あるいは、または加えて、持続的な期間にわたってこれらおよび他の生物学的効果を有するペプチドが特定されることが望ましいであろう。より長い活性期間を有する化合物は、より少ない頻度およびより低い用量で投与することができ、これは、対象の改善した利便性、より少ない副作用、およびより低いコストに寄与する。
第1の態様では、式(I)の化合物が提供され、
X-W-Y1-Y2
式(I)
式中、
Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-Xaa2-Xaa3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Xaa10-Ser11-Xaa12-Xaa13-Leu14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Phe22-Xaa23-Xaa24-Trp25-Leu26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-[配列番号742]
Xaa2は、AIBまたはSerであり、
Xaa3は、His、Glu、Gln、Asp、またはPheであり、
Xaa10は、Leu、Tyr、またはValであり、
Xaa12は、Arg、Lys、またはHisであり、
Xaa13は、Tyr、Gln、またはHisであり、
Xaa15は、AspまたはGluであり、
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、Ser、His、またはThrであり、
Xaa17は、Arg、Glu、His、またはLysであり、
Xaa18は、Ala、Arg、またはLysであり、
Xaa19は、AlaまたはValであり、
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、
Xaa21は、Asp、Leu、His、またはGluであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GlnまたはGluであり、
Xaa27は、Asn、Leu、またはLysであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、Gly、His、Thr、Leu、Ser、またはIleであり、
Xaa29は、Gly、His、Ser、またはThrであり、
Wは、以下のアミノ酸配列であり、
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号743]、
5つのHis残基のうち任意に最大4つは、各々独立して、Gly、Ala、Glu、Gln、Pro、およびSerから選択されるアミノ酸によって置換され得、Wにおける5つの残基のうちの少なくとも3つは、HisおよびGlnから選択される。
Y1は、以下のアミノ酸配列であり、
-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Lys42-Xaa43-Xaa44[配列番号744]
Xaa35は、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
Xaa36は、Ser、Gly、Pro、またはThrであり、
Xaa37は、Pro、Ala、Ser、Glu、Gly、または不在であり、
Xaa38は、Pro、Ala、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在であり、
42位のリジン残基は、そのε-アミノ基がY2基で置換されており、Y2は、以下であり、
Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号745]
Xaa45は、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa46は、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、Ala、または不在であり、
Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在であり、
Zは、以下の式の基であり、
Figure 2022536761000002
式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン基であり、
は、COHである。
化合物は、任意に、本明細書で定義される誘導体、塩、または溶媒和物であり得る。
驚くべきことに、本発明の化合物は優れた生物学的特性を有することが見出された。例えば、該化合物は、グルカゴンおよびGLP-1受容体における効力特性に関して調整されたプロファイルを有する。インビボ特性に関して、本発明の例示的なペプチドをラットに投与すると、体重減少が促進されることが示されている。例示的な化合物はまた、摂取する食物の量を減らすことなく、または最小限に抑えるだけでこれらの効果を達成することが示されており、該化合物が代謝の改善に特に有効であることを示している。げっ歯類は嘔吐することができないが、悪心を経験しているげっ歯類は食物の消費を控えている可能性がある。摂取された食物レベルの低下がないことは、げっ歯類が本発明の化合物の投与を受けた後に悪心を経験しなかったことを示唆している。よって、インビボ実験で摂取される食物のレベルの低減がないこと(または少なくとも体重減少のレベルよりも摂取される食物のレベルの低減が少ないこと)は、本発明の化合物が改善された副作用プロファイルを有することをさらに支持する。加えて、本発明の化合物は、インスリン放出を増強する。
以前に行ったGLP-1ならびにGLP-1の類縁体および誘導体と比較して、本発明の化合物は、42位にリジン残基があることを含み、リジン残基が、RがCOHである基R-Rを含むように、特定の方法で官能化されることを含み、特定の残基でC末端において伸長される。これらは以前に調査されていない官能化であり、現在の発明者らによって発見された有益な特性は以前に見られていなかった。
本明細書ではまた、本明細書で定義される化合物、誘導体または塩を、薬学的に許容される担体および任意にさらなる治療薬と共に含む組成物も提供される。
本明細書ではまた、例えば、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中または非アルコール性脂肪性肝疾患の予防または治療での使用のための、対象のエネルギー消費の増加のための、対象のインスリン放出の改善のための、対象の炭水化物代謝の改善のための、対象の脂質プロファイルの改善のための、対象の炭水化物耐性の改善のための、食欲の低減のための、食物摂取の低減のための、カロリー摂取の低減のための、および/または細胞保護剤としての使用のための薬剤として使用するための、本明細書に定義されたような化合物、誘導体または塩、もしくは該化合物、誘導体または塩および薬学的に許容される担体を含有する組成物も提供する。
また、本明細書では、また、例えば、対象における糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中または非アルコール性脂肪性肝疾患を治療または予防する方法において、対象におけるエネルギー消費の増加のため、対象におけるインスリン放出の改善のため、対象における代謝の改善のため、対象における脂質プロファイルの改善のため、対象における炭水化物耐性の改善のため、食欲の低減のため、食物摂取の低減のため、カロリー摂取の低減のための方法、および/または対象の細胞を保護するための方法において、治療的有効量の本明細書に定義される化合物、誘導体または塩の投与、または治療的有効量の該化合物、誘導体または塩および薬学的に許容される担体を含む組成物の投与を含む、対象の病気または疾患または他の所望されない生理学的状態を治療または予防する方法も提供する。
本明細書ではまた、対象のエネルギー消費を増加し、対象におけるインスリン放出を改善し、対象での炭水化物代謝を改善し、対象の脂質プロファイルを改善し、対象における炭水化物耐性を改善し、食欲を低減させ、食物摂取を低減させ、カロリー摂取を低減させ、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患を予防または治療するための薬剤、および/または細胞保護剤としての利用のための医薬品、の製造用に本明細書で定義される化合物、誘導体または塩の使用が提供される。
本明細書ではまた、美容目的で、有効量の本明細書で定義される化合物、誘導体、塩、または組成物の投与を含む、対象の体重を低減させる、または体重増加を防止する方法も提供される。
本発明の例示的な化合物のアミノ酸配列を示す。化合物は、表の左側(「1」というタイトルの列で示す)にN末端残基を置いて表示されている。各化合物のアミノ酸配列は、2つの水平ページに記載されている。食餌および受容体結合実験の結果は、右側の列に示されている。 図1-1の続きである。 図1-2の続きである。 図1-3の続きである。 図1-4の続きである。 図1-5の続きである。 図1-6の続きである。 図1-7の続きである。 図1-8の続きである。 図1-9の続きである。 図1-10の続きである。 図1-11の続きである。 図1-12の続きである。 図1-13の続きである。 図1-14の続きである。 図1-15の続きである。 図1-16の続きである。 図1-17の続きである。 図1-18の続きである。 図1-19の続きである。 図1-20の続きである。 図1-21の続きである。 本発明のさらなる例示的な化合物のアミノ酸配列を示す。化合物は、表の左側(「1」というタイトルの列で示す)にN末端残基を置いて表示されている。各化合物のアミノ酸配列は、2つの水平ページに記載されている。食餌実験の結果は、右側の列に示されている。 図2-1の続きである。 図2-2の続きである。 図2-3の続きである。 図2-4の続きである。 図2-5の続きである。 図2-6の続きである。 図2-7の続きである。 図2-8の続きである。 図2-9の続きである。 図2-10の続きである。 図2-11の続きである。 図2-12の続きである。 図2-13の続きである。 図2-14の続きである。 図2-15の続きである。 図2-16の続きである。 図2-17の続きである。
配列表
本出願には、機械可読配列表が添付されている。特定の実施形態では、本発明は、配列表の配列、それらの配列を含むか、またはそれらからなるペプチド、ならびにその中に記載されるすべての関連する使用、方法、および生成物を包含する。
本明細書中のアミノ酸配列は、N末端を左にして示され、配列が複数の行にわたって配置されている場合、N末端は左上にある。別に明記しない限り、配列中のアミノ酸残基はL-アミノ酸である。
本出願に列挙されるアミノ酸配列は、アミノ酸に関する標準的な略語を使用して示される。非天然アミノ酸の2-アミノイソ酪酸には、それの通常の略称「AIB」が使用される。
本明細書に示される特定の配列は、本発明の特定の実施形態に関する。
定義
本開示の様々な実施形態の検討を容易にするために、以下の具体的な用語の説明が提供される。
動物:生きた多細胞脊椎生物、例えば、哺乳動物および鳥類を含む分類。哺乳動物という用語は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物の両方を含む。同様に、「対象」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象の両方を含む。本発明の好ましい実施形態では、対象はヒト対象である。
食欲:食物に対する自然な欲求または渇望。一実施形態では、食欲は、食物に対する欲求を評価するための調査によって測定される。食欲の増加は一般的に摂食行動の増加につながる。
食欲抑制剤:食物に対する欲求を減少させる化合物。市販の食欲抑制剤には、アンフェプラモン(ジエチルプロピオン)、フェンテルミン、マジンドールおよびフェニルプロパノールアミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、およびフルオキセチンが含まれるが、これらに限定されない。
肥満度指数(BMI):肥満度を測定するための数式であり、時にはケトレー指数とも呼ばれる。BMIは、重量(kg)を身長の2乗(m)で割って計算される。男女について「正常」と認められている現在の標準は、BMIが20~24.9kg/mである。一実施形態では、25kg/mを超えるBMIを使用して、肥満の対象を特定することができる。グレードIの肥満(肥満ではなく、時折「過体重」と称される)は、BMIが25~29.9kg/mに相当する。グレードIIの肥満は、30~40kg/mのBMIに相当し、グレードIIIの肥満は、40kg/m超のBMIに相当する(Jequier,Am.J Clin.Nutr.45:1035-47,1987)。理想体重は、身長、体格、骨格、および性別に基づいて、人種および個体の間で異なる。
心臓保護とは、アポトーシス、壊死性細胞死または変性(機能の喪失)から心臓細胞(および特に心筋細胞)を保護することを指す。心臓保護は、心筋梗塞後に最も頻繁に必要とされる。しかし、虚血性心臓病(たとえば狭心症)を患っている対象にも使用され得る。
細胞保護とは、アポトーシス、壊死性細胞死または変性(機能喪失)からの細胞の保護を指す。
糖尿病:内因性インスリン欠乏および/またはインスリン感受性欠陥のいずれかによって、細胞が、それらの膜を通した内因性グルコースの輸送が不全であること。糖尿病は、インスリンの不十分な分泌、または標的組織のインスリン抵抗性に起因する、炭水化物代謝、タンパク質代謝、および脂肪代謝の障害である慢性症候群である。糖尿病は、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM、I型)およびインスリン非依存性真性糖尿病(NIDDM、II型)の2つの主要な形態で発症し、これらは、病因、病態、遺伝的特徴、発症年齢、および治療において異なる。
糖尿病の2つの主要な形態は、どちらも、グルコース恒常性の制御のために必要とされる量および正確なタイミングでインスリンを送達することができないということを特徴とする。I型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)は、内因性インスリンの不十分なレベルをもたらすβ細胞の破壊によって引き起こされる。II型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病は、インスリンに対する体の感受性、およびインスリン生成における相対的欠乏の両方における欠陥から生じる。
エネルギー代謝:身体は、正常な代謝を維持するために一定量のエネルギーを消費する必要がある。文明人では、これはしばしば、毎日約2800カロリーに設定されている。食物消費がこれを提供しない場合、体重減少が起こる。しかしながら、エネルギー代謝もまた調節されており、例えば、グルカゴンの投与は代謝率を増加させ、エネルギーバランスを達成し、体重を維持するには、より多くの食物摂取が必要であると考えられている。したがって、食物摂取は通常のレベルに維持されるが、エネルギー代謝が増加すると、体重減少が起こる。
食物摂取:個体によって消費される食物の量。食物摂取は、体積または重量によって測定することができる。例えば、食物摂取は、個体によって摂取される食物の総量であってもよい。または、食物摂取は、タンパク質、脂肪、炭水化物、コレステロール、ビタミン、鉱物、または個体の任意の他の食物成分の量であってもよい。「タンパク質摂取」は、個体によって消費されるタンパク質の量を指す。同様に、「脂肪摂取」、「炭水化物摂取」、「コレステロール摂取」、「ビタミン摂取」、および「ミネラル摂取」は、個体によって消費されるタンパク質、脂肪、炭水化物、コレステロール、ビタミン、またはミネラルの量を指す。
GLP-1:グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、プログルカゴン遺伝子の転写産物に由来する。GLP-1の生物学的活性型は、GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-36)-NH(-NHの表記は、C-末端アミノ酸がカルボン酸基の代わりに-C(O)NH基を有するアミノ酸配列を示す)として知られる短縮型である。
ヒトGLP-1(7-37)の配列は、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg-Glyである。[配列番号746]
ヒトGLP-1(7-36)-NHの配列は、His-Ala-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Val-Ser-Ser-Tyr-Leu-Glu-Gly-Gln-Ala-Ala-Lys-Glu-Phe-Ile-Ala-Trp-Leu-Val-Lys-Gly-Arg--CONHである。[配列番号747]
グルカゴン:グルカゴンは、プログルカゴン遺伝子に由来するペプチドである。これは、ヒトでは29個のアミノ酸のポリペプチドであり、以下の配列を有する:
His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr。[配列番号748]
神経保護とは、アポトーシス、壊死性細胞死または変性(機能喪失)から神経系内(好ましくは中枢神経系内)のニューロンを保護することを指す。本発明の様々な態様に関連するものを含む、神経保護治療は、脳損傷後(例えば、身体的外傷後または、脳卒中、脳腫瘍、感染症、中毒、低酸素症、虚血、脳症もしくは薬物乱用などの非外傷的損傷後の脳損傷)に必要とされる可能性がある。本発明の様々な態様に関連するものを含む神経保護治療は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ゲーリッグ病またはハンチントン病などの慢性神経変性病を有する対象にも適用され得る。
正常な日常の食生活:所与の人種の個体の平均的な食物摂取。標準的な日常の食生活は、カロリー摂取、タンパク質摂取、炭水化物摂取、および/または脂肪摂取の観点から表すことができる。ヒトの標準的な日常の食生活は、概して以下を含む:約2,000、約2,400、または約2,800~それより著しく高いカロリー。さらに、ヒトの標準的な日常の食生活は、概して、約12g~約45gのタンパク質、約120g~約610gの炭水化物、および約11g~約90gの脂肪を含む。低カロリー食は、ヒト個体の標準的なカロリー摂取の約85%以下、好ましくは約70%以下である。
動物において、カロリーおよび栄養必要量は、動物の種および大きさに応じて異なる。例えば、ネコでは、1ポンド当たりの総カロリー摂取、ならびにタンパク質、炭水化物、および脂肪の配分率は、ネコの年齢および繁殖状態によって異なる。しかしながら、ネコについての一般的なガイドラインでは、40cal/lb/日(18.2cal/kg/日)である。約30%~約40%はタンパク質であるべきであり、約7%~約10%は炭水化物であるべきであり、約50%~約62.5%は脂肪摂取に由来するべきである。当業者は、任意の人種の個体の通常の日常の食生活を容易に特定することができる。
肥満:過剰な体脂肪が個人を健康リスクにさらし得る状態(Barlow and Dietz,Pediatrics 102:E29,1998、National Institutes of Health,National Heart,Lung,and Blood Institute(NHLBI),Obes.Res.6(suppl.2):51S-209S,1998を参照のこと)。過剰な体脂肪は、エネルギー摂取とエネルギー消費の不均衡の結果である。例えば、肥満を評価するために肥満度指数(BMI)が使用されてもよい。一般的に使用される1つの慣習において、25.0kg/m~29.9kg/mのBMIは過体重であり、30kg/m以上BMIは肥満である。
別の慣習では、肥満を評価するために胴囲が使用される。この慣習において、男性では102cm以上の胴囲が肥満であるとみなされ、女性では89cm以上の胴囲が肥満であるとみなされる。強力な証拠は、肥満が個人の罹患率と死亡率の両方に影響を与えることを示している。例えば、肥満の個人は、とりわけ、心臓病、非インスリン依存性(2型)糖尿病、高血圧、脳卒中、癌(例えば、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および大腸癌)、脂質異常症、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、低減した生殖能力、および変形関節炎のリスクが高い(Lyznicki et al.,Am.Fam.Phys.63:2185,2001を参照のこと)。
過体重:理想体重よりも重い個体。過体重の個人は肥満である可能性があるが、必ずしも肥満であるとは限らない。例えば、過体重の個人とは、体重を減らしたい個人である。1つの慣習において、過体重の個人は、25.0kg/m~29.9kg/mのBMIを有する個人である。
オキシントモジュリン(OXM):オキシントモジュリンは、グルカゴンの全29アミノ酸配列を含むグルカコンスーパーファミリーの37個のアミノ酸ペプチドのメンバーであり、脳と腸においてプレプログルカゴン前駆体の組織特異的な処理から生じる、カルボキシ末端が8アミノ酸分伸長しているものである。ヒトのOXM配列は、次の通りである。
His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-Lys-Arg-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala。[配列番号749]
ペグ(PEG)化およびペグ(PEG)化された:ペグ化は、ポリ(アルキレングリコール)、好ましくは活性化ポリ(アルキレングリコール)を反応させて共有結合を形成するプロセスを指す。促進剤、例えばアミノ酸、例えばリジン、が使用され得る。「ペグ化」は、しばしばポリ(エチレングリコール)またはその誘導体、例えばメトキシポリ(エチレングリコール)を使用して行われるが、この用語は、本明細書ではメトキシポリ(エチレングリコール)の使用に限定されず、任意の他の有用なポリ(アルキレングリコール)、例えばポリ(プロピレングリコール)の使用も含む。ペグ化されたという用語は、そのようなポリ(アルキレングリコール)基を含む化合物を指す。
pI:pIは、等電位点の略語である。場合によって使用される代替的な略語は、IEPである。IEPは、特定の分子が正味電荷を有しないpHである。そのpI未満のpHでは、タンパク質またはペプチドは、正味の正電荷を有する。そのpIを超えるpHでは、タンパク質またはペプチドは正味の負電荷を帯びる。タンパク質とペプチドは、ポリアクリルアミドゲル内に含まれるpH勾配を利用する電気泳動法である、等電点電気泳動と呼ばれる技術を使用して、等電点に従って分離できる。
末梢投与:中枢神経系以外の投与。末梢投与は、脳への直接投与を包まない。末梢投与は、限定されないが、血管内、筋肉内、皮下、吸入、経口、直腸内、経皮、または鼻腔内投与を含む。
ポリペプチド:モノマーが、アミド結合を通じて一緒に結合しているアミノ酸残基であるポリマー。文脈によって別段の定めがない限り、本明細書で使用される「ポリペプチド」、「ペプチド」、または「タンパク質」という用語は、任意のアミノ酸配列を包含し、糖タンパク質などの修飾配列を含む。「ポリペプチド」という用語は、天然に存在するタンパク質だけでなく、組換えまたは合成により生成されたタンパク質も含む。「ポリペプチド断片」という用語は、ポリペプチドの一部、例えば、受容体との結合において少なくとも1つの有用な配列を呈する断片を指す。「ポリペプチドの機能的断片」という用語は、ポリペプチドの活性を保持しているポリペプチドのすべての断片を指す。生物学的機能性ペプチドはまた、対象となるペプチドが、その望ましい活性を減少させない別のペプチドに融合された融合タンパク質を包むことができる。
皮下投与:皮下投与は、皮膚の真皮と深部組織との間に見られる脂肪の皮下層への物質の投与である。皮下投与は、例えば、シリンジまたは「ペン」型注射デバイスを装着した皮下注射針を使用した注射によるものであってもよい。他の投与方法、例えば、マイクロニードルが使用されてもよい。皮下注射針を用いた注射は、典型的には、受け手の利益になるようにある程度の疼痛を伴う。そのような疼痛は、局所麻酔薬または鎮痛薬の使用によって抑制することができる。しかしながら、注射の知覚される疼痛を軽減するために通常使用される方法は、注射の直前および注射中に対象の気をそらすことに過ぎない。比較的小さなゲージの皮下注射針を使用することによって、比較的少量の物質を注射することによって、および注射部位で対象に「刺すような」感覚を経験させる可能性がある過度の酸性またはアルカリ組成物を避けることによって、痛みを最小限に抑えることができる。pH4~10のpHを有する組成物は、通常、許容できるほど苦痛が少ないとみなされている。
治療有効量:障害の進行を予防するか、もしくは障害の退行を引き起こすのに十分であるか、または障害の徴候もしくは症状を軽減することが可能であるか、または所望の結果を達成することが可能である、用量。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の治療的有効量は、体重増加を阻害または停止するのに十分な量、または食欲を低下させるのに十分な量、またはエネルギー消費を増加させるのに十分な量である。
本発明の化合物
本発明者らは、本発明の例示的な化合物が、食物摂取を低減しない(または体重減少のレベルよりも少なく食物摂取を低減しない)一方で、インビボでの体重減少を増加させることを含む特性を有することを見出した。
以前に行ったGLP-1およびGLP-1の誘導体と比較して、本発明の化合物は、42位にリジン残基があることを含み、リジン残基が、RがCOHである基R-Rを含むように、特定の方法で官能化されることを含み、特定の残基でC末端において伸長される。これらは以前に調査されていない官能化であり、現在の発明者らによって発見された有益な特性は以前に見られていなかった。
上記のように、本発明の化合物は、式(I):X-W-Y1-Y2を有する。
分子のX部分内では、
Xaa2は、AIBであり、
Xaa3は、His、Gln、またはGluであり、
Xaa10は、LeuまたはTyrであり、
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa13は、TyrまたはGlnであり、
Xaa15は、AspまたはGluであり、
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、またはSerであり、
Xaa17は、Arg、Glu、またはLysであり、
Xaa18は、Ala、Arg、またはLysであり、
Xaa19は、AlaまたはValであり、
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、
Xaa21は、Asp、Glu、またはLeuであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GlnまたはGluであり、
Xaa27は、LeuまたはLysであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrであることが好ましく、
分子のX部分内では、一実施形態では、
Xaa2は、AIBであり、
Xaa3は、His、Gln、またはGluであり、
Xaa10は、Tyrであり、
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa13は、Tyrであり、
Xaa15は、Aspであり、
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、またはSerであり、
Xaa17は、ArgまたはLysであり、
Xaa18は、ArgまたはLysであり、
Xaa19は、Alaであり、
Xaa20は、GlnまたはHisであり、
Xaa21は、GluまたはAspであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GluまたはGlnであり、
Xaa27は、Leuであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、His、Thrであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrであることが好ましい。
特に、
Xaa2は、AIBであり、
Xaa3は、His、Gln、またはGluであり、
Xaa10は、Tyrであり、
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa13は、Tyrであり、
Xaa15は、Aspであり、
Xaa16は、Ala、Gln、またはSerであり、
Xaa17は、ArgまたはLysであり、
Xaa18は、ArgまたはLysであり、
Xaa19は、Alaであり、
Xaa20は、GlnまたはHisであり、
Xaa21は、GluまたはAspであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GluまたはGlnであり、
Xaa27は、Leuであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrであることが好ましい。
残基を順番に考慮して、Xaa2は、AIBおよびSerから選択される。好ましくは、Xaa2は、AIBである。
Xaa3は、His、Glu、Gln、Asp、およびPheから選択される。好ましくは、Xaa3は、His、Gln、またはGluであり、例えば、Xaa3は、Hisである。あるいは、Xaa3は、Gluであり得る。
Xaa10は、Leu、Tyr、およびValから選択される。好ましくは、Xaa10は、Tyrである。
Xaa12は、Arg、Lys、およびHisから選択される。好ましくは、Xaa12は、ArgまたはLysであり、例えば、Xaa12は、Argである。例えば、Xaa12は、Lysである。
Xaa13は、Tyr、Gln、およびHisから選択される。好ましくは、Xaa13は、Tyrである。
Xaa15は、AspおよびGluから選択される。好ましくは、Xaa15は、Aspである。
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、Ser、His、およびThrから選択される。好ましくは、Xaa16は、Ala、Gln、Glu、またはSerである。Xaa16は、Ala、Gln、またはGluであり得る。例えば、Xaa16は、Ala、Gln、またはSerであり、例えば、Xaa16は、AlaまたはGln、特にAlaである。
Xaa17は、Arg、Glu、His、およびLysから選択される。好ましくは、Xaa17は、ArgまたはLysであり、例えば、Xaa17は、Argである。例えば、Xaa17は、Lysである。
Xaa18は、Ala、Arg、およびLysから選択される。好ましくは、Xaa18は、ArgまたはLysであり、例えば、Xaa18は、Argである。
Xaa19は、AlaおよびValから選択される。好ましくは、Xaa19は、Alaである。
Xaa20は、Arg、Gln、およびHisから選択される。好ましくは、Xaa20は、GlnまたはHisである。一実施形態では、Xaa20は、Argであり、別の実施形態では、Xaa20は、Glnであり、さらなる実施形態では、Xaa20は、Hisである。
Xaa21は、Asp、Leu、His、およびGluから選択される。好ましくは、Xaa21は、GluまたはAspであり、例えば、Xaa21は、Gluである。
Xaa23は、IleおよびValから選択される。好ましくは、Xaa23は、Ileである。
Xaa24は、GlnおよびGluから選択される。好ましくは、Xaa24は、GluまたはGln、特にGluである。
Xaa27は、Asn、Leu、およびLysから選択される。好ましくは、Xaa27は、Leuである。
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、Gly、His、Thr、Leu、Ser、およびIleから選択される。好ましくは、Xaa28は、Ala、Asn、Gln、His、またはThrである。例えば、Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHis、特にGlnである。
Xaa29は、Gly、His、Ser、およびThrから選択される。好ましくは、Xaa29は、Gly、Ser、またはThr、特にSerである。
好ましい実施形態では、Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-AIB2-His3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Tyr10-Ser11-Xaa12-Tyr13-Leu14-Asp15-Xaa16-Xaa17-Arg18-Ala19-Xaa20-Glu21-Phe22-Ile23-Glu24-Trp25-Leu26-Leu27-Xaa28-Xaa29-[配列番号750]
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa16は、Ala、Gln、またはGluであり、
Xaa17は、ArgまたはLysであり、
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、例えば、GlnまたはHisであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrである。
特に好ましい実施形態では、Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-AIB2-His3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Tyr10-Ser11-Lys12-Tyr13-Leu14-Asp15-Ala16-Lys17-Arg18-Ala19-Xaa20-Glu21-Phe22-Ile23-Glu24-Trp25-Leu26-Leu27-Gln28-Ser29-[配列番号751]
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisである。
そのような化合物では、Xaa20は、好ましくは、Glnである。
分子のW部分において、一実施形態では、Wは、以下から選択されるアミノ酸配列を有する。
-Gly30-His31-His32-His33-His34-[配列番号752]
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号753]
-His30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号754]
-His30-Gln31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号755]
-His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
-His30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号757]
-His30-His31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号758]
-His30-His31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号759]
-His30-Glu31-Pro32-Ser33-Pro34-[配列番号760]
-His30-Glu31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号761]
-His30-Gln31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号762]
-Gln30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号763]
-His30-Gln31-Gln32-His33-His34-[配列番号764]
-His30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号765]
-His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
-His30-Gln31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号767]
-His30-Gln31-Gln32-Pro33-Ser34-[配列番号768]
-Gln30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号769]
-Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
-His30-Gln31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号771]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Ser34-[配列番号772]
-His30-Gln31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号773]
-Gly30-His31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号774]
-His30-Gly31-Gln32-Gly33-Ala34-[配列番号775]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
-His30-Pro31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号777]
-Gln30-His31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号778]
-Gln30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号779]
-His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
-Gly30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号781]
-His30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号782]
-Gly30-Pro31-His32-His33-Gly34-[配列番号783]
-His30-His31-Gln32-Gln33-Gln34-[配列番号784]
-Gly30-Pro31-Ser32-His33-Gly34-[配列番号785]
-Gly30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号786]
-His30-Gln31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号787]
-His30-His31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号788]
-His30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号789]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Gly34-[配列番号790]
-His30-His31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号791]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
-Gly30-Pro31-His32-Gln33-His34-[配列番号793]、および
-Gly30-Pro31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号794]。
特に、本発明の化合物において、Wは、以下のアミノ酸配列を有し、
-Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-[配列番号795]、

Xaa30は、HisまたはGlnであり、
Xaa31は、HisまたはGlnであり、
Xaa32は、HisまたはGlnであり、
Xaa33は、His、Gln、Glu、またはProであり、あるいは
Xaa34は、His、Glu、Pro、またはSerである。
本発明の好ましい化合物において、Wは、以下のアミノ酸配列を有する。
-His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
-His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
-His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
-Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
一実施形態では、分子のW部分内で、Wは以下のアミノ酸配列であることが好ましく、
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号796]、
5つのHis残基のうち任意に1つは、各々独立して、Gly、Ala、Glu、Gln、およびSerから選択されるアミノ酸によって置換され、例えば、Glnによって置換され得る。好ましい実施形態では、置換される残基は、5つの残基のうちの3番目である。例えば、Wは、以下のアミノ酸配列を有する。
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号753]、または
-His30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号754]。
分子のY1部分内では、Y1はアミノ酸配列であることが好ましく、
Xaa35は、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
Xaa36は、Ser、Gly、Pro、またはThrであり、
Xaa37は、Pro、Ala、Ser、Glu、Gly、または不在であり、
Xaa38は、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在である。
分子のY1部分内では、一実施形態では、Y1はアミノ酸配列であることが好ましく、
Xaa35は、Pro、Glu、Ser、またはAlaであり、
Xaa36は、SerまたはGlyであり、
Xaa37は、Pro、Glu、Gly、または不在であり、
Xaa38は、Pro、Gly、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在である。
例えば、好ましい実施形態では、Y1は、アミノ酸配列であり、
Xaa35は、Pro、Glu、またはSerであり、
Xaa36は、Ser、Gly、またはProであり、
Xaa37は、Pro、Ala、またはSerであり、
Xaa38は、Pro、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ala、または不在であり、
Xaa40は、Glyまたは不在であり、
Xaa41は、不在であり、
Xaa43は、不在であり、
Xaa44は、不在である。
特に、
Xaa35は、ProまたはGluであり、
Xaa36は、Serであり、
Xaa37は、Proまたは不在であり、
Xaa38は、Proまたは不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在であることが、望ましい。
残基を順番に考慮して、Xaa35は、Pro、His、Glu、Ser、およびAlaから選択される。好ましくは、Xaa35は、Pro、Glu、Ser、またはAlaであり、例えば、Xaa35は、Pro、Glu、またはSerであり、例えば、Xaa35は、ProまたはGluである。
Xaa36は、Ser、Gly、Pro、およびThr、例えば、Ser、Gly、およびThrから選択される。好ましくは、Xaa36は、Ser、Gly、またはPro、例えば、SerまたはGlyであり、例えば、Xaa36は、Serである。
Xaa37は、Pro、Ala、Ser、Glu、Glyから選択されるか、または不在であり、例えば、Pro、Glu、Gly、または不在である。好ましくは、Xaa37は、Pro、Ala、Ser、または不在であり、例えば、Xaa37は、Pro、Ala、またはSerであり、例えば、Xaa37は、Proである。
Xaa38は、Pro、Gly、Ala、Serから選択されるか、または不在であり、例えば、Pro、Gly、Ser、または不在である。好ましくは、Xaa38は、Pro、Ala、Ser、または不在であり、例えば、Xaa38は、Proである。
Xaa39は、Pro、Gly、Ala、Serから選択されるか、または不在であり、例えば、Pro、Ser、または不在である。好ましくは、Xaa39は、Pro、Gly、Ala、または不在であり、例えば、Xaa39は、Proである。
Xaa40は、Pro、Gly、Serから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa40は、GlyまたはSerであり、例えば、Xaa40は、Glyまたは不在、例えば、Glyである。
Xaa41は、Gly、Serから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa41は、Glyまたは不在、例えば、不在である。
Xaa43は、Serから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa43は、不在である。
Xaa44は、Trpから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa44は、不在である。
好ましい実施形態では、Y1は、以下のアミノ酸配列である。
-Pro35-Pro36-Pro37-Lys42[配列番号797]、
-Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Lys42[配列番号798]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Lys42[配列番号800]、
-Ser35-Gly36-Ala37-Lys42[配列番号801]、
-Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Gly39-Lys42[配列番号802]、
-Ser35-Ser36-Ser37-Ser38-Ala39-Lys42[配列番号803]、または
-Ser35-Ser36-Ser37-Ala38-Lys42[配列番号804]。
好ましい実施形態では、Y1は、以下のアミノ酸配列である。
-Pro35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号805]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]、または
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Ser40-Gly41-Lys42[配列番号806]。
例えば、Y1は、以下のアミノ酸配列である。
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]。
本発明の化合物において、Lys42上のε-アミノ基は、結合がアミド結合であるように、分子のY2部分のXaa48残基の酸基に結合している。配列Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48[配列番号745]のXaa48または1つ以上の他のアミノ酸が不在である場合、Lys42のε-アミノ基は、(Xaa45、Xaa46、Xaa47、およびXaa48のすべてが不在である場合)Z基の酸基であり得る存在する次の残基の酸基に結合している。
リジン残基において、ε-アミノ基は、6炭素に結合しているアミノ基である。標準的なIUPAC命名法に従って、リジンにおける原子は、次のように付番され、炭素原子付番およびまたαからεの位置を示す。
Figure 2022536761000003
本明細書で言及されるLys42上のε-アミノ基は、示されるようにC-6炭素原子上のアミノ基である。
分子のY2部分内では、Y2は以下であることが好ましく、
Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号807]
Xaa45は、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa46は、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、Ala、または不在であり、
Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在である。
分子のY2部分内では、例えば、Y2は、以下であり、
Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号808]
Xaa45は、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa46は、Ser、Gly、または不在であり、
Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、または不在であり、
Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在である。
特に、Xaa47は、Gly、Asn、Ser、または不在であることが好ましい。
代替の実施形態では、Y2は、アミノ酸配列であり、
Xaa45は、不在であり
Xaa46は、不在であり
Xaa47は、Gly、Asn、または不在であり、
Xaa48は、Ser、His、Asn、または不在である。
残基を順番に考慮して、Xaa45は、Gly、Thrから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa45は、不在である。
Xaa46は、Ser、Gly、Thrから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa46は、Ser、Gly、または不在であり、例えば、Xaa46は、不在である。
Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、Alaから選択されるか、または不在である。好ましくは、Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyrであるか、または不在である。例えば、Xaa47は、Gly、Asn、Ser、または不在、例えば、Gly、Asn、または不在であり、例えば、Asnである。
Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asnから選択されるか、または不在であり、例えば、Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在であり、例えば、Ser、His、または不在である。好ましくは、Xaa48は、存在し、Ser、Thr、His、Gln、Gly、およびAsnから選択され、例えば、SerまたはHis、例えば、Hisから選択される。
好ましい実施形態では、Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Ser46-Gly47-Thr48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-Gln48-、
Z-、
Z-Gly45-Ser46-Gly47-Ser48-[配列番号809]、
Z-Asn48-、または
Z-Thr45-Gly46-Ser47-Gly48-[配列番号810]である。
例えば、Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Ser46-Gly47-Thr48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-Gln48-、
Z-Gly45-Ser46-Gly47-Ser48-[配列番号809]、
Z-Asn48-、または
Z-Thr45-Gly46-Ser47-Gly48-[配列番号810]である。
好ましい実施形態では、Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-、または
Z-Asn48-である。
例えば、Y2は、Z-Asn47-His48-である。
分子のZ部分内では、Zは、以下から選択される基であり、
Figure 2022536761000004
式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン基であり、
は、COHである。
Zは基(i)であることが好ましい。
基Rは、一方の端で残基Xaa48(または、Xaa48およびXaa45~Xaa47の1つ以上のさらなる残基が不在である場合、存在する次の残基)にアミド結合によって連結されるアルキレンまたはアルケニレン鎖である。その他方の端で、Rアルキレンまたはアルケニレン鎖は、R酸基(COH)に結合している。
一般的に、Rは、偶数の炭素原子を有する。例えば、Rは、天然に存在する脂肪酸に見られるアルキレンまたはアルケニレン鎖であり得る。ルート脂肪酸は、Rのアルキレンまたはアルケニレン鎖における炭素原子の数よりも2つ長い鎖長を有する。
好ましくは、Rは、C14、C16、C18、C20、またはC22基である。例えば、Rは、直鎖アルキレンまたはアルケニレン基である。例えば、Rは、C16またはC18直鎖アルキレン基である。例えば、RがC14基である場合、それはヘキサデカン二酸部分によって提供され得る。例えば、RがC16基である場合、それはオクタデカン二酸部分によって提供され得る。例えば、RがC18基である場合、それはエイコサン二酸部分によって提供され得る。例えば、RがC20基である場合、それはドコサン二酸部分によって提供され得る。例えば、RがC22基である場合、それはテトラコサン二酸部分によって提供され得る。
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、式(I)の化合物であり、
X-W-Y1-Y2
式(I)
式中、Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-Xaa2-Xaa3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Xaa10-Ser11-Xaa12-Xaa13-Leu14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Phe22-Xaa23-Xaa24-Trp25-Leu26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-[配列番号811]
Xaa2は、AIBであり、
Xaa3は、His、Gln、またはGluであり、
Xaa10は、LeuまたはTyrであり、
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa13は、TyrまたはGlnであり、
Xaa15は、AspまたはGluであり、
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、またはSerであり、
Xaa17は、Arg、Glu、またはLysであり、
Xaa18は、Ala、Arg、またはLysであり、
Xaa19は、AlaまたはValであり、
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、
Xaa21は、Asp、Glu、またはLeuであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GlnまたはGluであり、
Xaa27は、LeuまたはLysであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrであり、
Wは、以下から選択されるアミノ酸配列であり、
-Gly30-His31-His32-His33-His34-[配列番号752]
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号753]
-His30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号754]
-His30-Gln31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号755]
-His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
-His30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号757]
-His30-His31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号758]
-His30-His31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号759]
-His30-Glu31-Pro32-Ser33-Pro34-[配列番号760]
-His30-Glu31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号761]
-His30-Gln31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号762]
-Gln30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号763]
-His30-Gln31-Gln32-His33-His34-[配列番号764]
-His30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号765]
-His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
-His30-Gln31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号767]
-His30-Gln31-Gln32-Pro33-Ser34-[配列番号768]
-Gln30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号769]
-Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
-His30-Gln31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号771]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Ser34-[配列番号772]
-His30-Gln31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号773]
-Gly30-His31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号774]
-His30-Gly31-Gln32-Gly33-Ala34-[配列番号775]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
-His30-Pro31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号777]
-Gln30-His31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号778]
-Gln30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号779]
-His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
-Gly30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号781]
-His30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号782]
-Gly30-Pro31-His32-His33-Gly34-[配列番号783]
-His30-His31-Gln32-Gln33-Gln34-[配列番号784]
-Gly30-Pro31-Ser32-His33-Gly34-[配列番号785]
-Gly30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号786]
-His30-Gln31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号787]
-His30-His31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号788]
-His30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号789]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Gly34-[配列番号790]
-His30-His31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号791]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
-Gly30-Pro31-His32-Gln33-His34-[配列番号793]、および
-Gly30-Pro31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号794]、
Y1は、アミノ酸配列であり、
Xaa35は、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
Xaa36は、Ser、Gly、Pro、またはThrであり、
Xaa37は、Pro、Ala、Ser、Glu、Gly、または不在であり、
Xaa38は、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在であり、
Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Ser46-Gly47-Thr48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-Gln48-、
Z-、
Z-Gly45-Ser46-Gly47-Ser48-[配列番号809]、
Z-Asn48-、および
Z-Thr45-Gly46-Ser47-Gly48-[配列番号810]から選択され、
Zは、以下の式の基であり、
Figure 2022536761000005
式中、Rは、C14、C16、C18、C20、またはC22直鎖アルキレン基であり、
は、COHである。
例えば、本発明の化合物は、式(I)の化合物であり、
X-W-Y1-Y2
式(I)
Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-Xaa2-Xaa3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Xaa10-Ser11-Xaa12-Xaa13-Leu14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Phe22-Xaa23-Xaa24-Trp25-Leu26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-[配列番号742]
Xaa2は、AIBまたはSerであり、
Xaa3は、His、Glu、Gln、Asp、またはPheであり、
Xaa10は、Leu、Tyr、またはValであり、
Xaa12は、Arg、Lys、またはHisであり、
Xaa13は、Tyr、Gln、またはHisであり
Xaa15は、AspまたはGluであり、
Xaa16は、Ala、Gln、Glu、Ser、His、またはThrであり、
Xaa17は、Arg、Glu、His、またはLysであり、
Xaa18は、Ala、Arg、またはLysであり、
Xaa19は、AlaまたはValであり、
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、
Xaa21は、Asp、Leu、His、またはGluであり、
Xaa23は、IleまたはValであり、
Xaa24は、GlnまたはGluであり、
Xaa27は、Asn、Leu、またはLysであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、Gly、His、Thr、Leu、Ser、またはIleであり、
Xaa29は、Gly、His、Ser、またはThrであり、
Wは、以下のアミノ酸配列であり、
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号797]
5つのHis残基のうち任意に最大2つは、各々独立して、Gly、Ala、Glu、Gln、およびSerから選択されるアミノ酸によって置換され得、
Y1は、以下のアミノ酸配列であり、
-Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Lys42-Xaa43-Xaa44[配列番号812]
Xaa35は、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
Xaa36は、Ser、Gly、またはThrであり、
Xaa37は、Pro、Glu、Gly、または不在であり、
Xaa38は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa39は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa40は、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa41は、Gly、Ser、または不在であり、
Xaa43は、Serまたは不在であり、
Xaa44は、Trpまたは不在であり、
42位のリジン残基は、そのε-アミノ基においてY2基で置換されており、
Y2は、以下であり、
Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号745]
Xaa45は、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa46は、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
Xaa47は、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、Ala、または不在であり、
Xaa48は、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在であり、
Zは、以下の式の基であり、
Figure 2022536761000006
式中、Rは、C-C28アルキレンまたはアルケニレン基であり、
は、COHである。
そのような化合物は、上記の好ましい特徴を有し得る。
例えば、本発明の化合物は、式(I)の化合物であり、
X-W-Y1-Y2
式(I)
式中、Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-AIB2-His3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Tyr10-Ser11-Xaa12-Tyr13-Leu14-Asp15-Xaa16-Xaa17-Arg18-Ala19-Xaa20-Glu21-Phe22-Ile23-Glu24-Trp25-Leu26-Leu27-Xaa28-Xaa29-[配列番号813]
Xaa12は、ArgまたはLysであり、
Xaa16は、Ala、Gln、またはGluであり、
Xaa17は、ArgまたはLysであり、
Xaa20は、GlnまたはHisであり、
Xaa28は、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
Xaa29は、Gly、Ser、またはThrである。
Wは、以下のアミノ酸配列である。
-His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号753]、または
-His30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号754]。
Y1は、以下のアミノ酸配列である。
-Pro35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号805]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]、または
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Ser40-Gly41-Lys42[配列番号806]。
Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Ser46-Gly47-Thr48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-Gln48-、
Z-、
Z-Gly45-Ser46-Gly47-Ser48-[配列番号809]、
Z-Asn48-、および
Z-Thr45-Gly46-Ser47-Gly48-[配列番号810]から選択され、
Zは、以下の式の基であり、
Figure 2022536761000007
式中、Rは、C16またはC18直鎖アルキレン基であり、
は、COHである。
例えば、本発明の化合物は、式(I)の化合物であり、
X-W-Y1-Y2
式(I)
式中、Xは、以下のアミノ酸配列であり、
His1-AIB2-His3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Tyr10-Ser11-Lys12-Tyr13-Leu14-Asp15-Ala16-Lys17-Arg18-Ala19-Xaa20-Glu21-Phe22-Ile23-Glu24-Trp25-Leu26-Leu27-Gln28-Ser29-[配列番号751]
Xaa20は、Arg、Gln、またはHisであり、
Wは、以下のアミノ酸配列であり、
-His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
-His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
-His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
-Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
-His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
Y1は、以下のアミノ酸配列であり、
-Pro35-Pro36-Pro37-Lys42[配列番号797]、
-Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Lys42[配列番号798]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]、
-Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Lys42[配列番号800]、
-Ser35-Gly36-Ala37-Lys42[配列番号801]、
-Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Gly39-Lys42[配列番号802]、
-Ser35-Ser36-Ser37-Ser38-Ala39-Lys42[配列番号803]、または
-Ser35-Ser36-Ser37-Ala38-Lys42[配列番号804]、
Y2は、
Z-Gly47-Ser48-、
Z-Asn47-His48-、
Z-、または
Z-Asn48-から選択され、
Zは、以下の式の基であり、
Figure 2022536761000008
式中、Rは、C16またはC18直鎖アルキレン基であり、
は、COHである。
この群の化合物は、以下では群Iと呼ばれる。
特に好ましい実施形態では、化合物は、図1の表または図2の表に記載される本発明の化合物の1つである。
誘導体および塩
本発明は、式(I)の化合物、そのような化合物の誘導体、ならびにそのような化合物および誘導体の塩または溶媒和物を提供する。
本化合物、誘導体および塩は、当技術分野でよく知られている組換え法によって製造することができ、または代替的に、また当技術分野でよく知られている合成法によって製造することができる。
誘導体
いくつかの実施形態では、本発明は式(I)の化合物に関し、誘導体ではないが、他の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物の誘導体に関する。該誘導体は、例えば、アミド化、グリコシル化、カルバミル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、環化、脂質化、ペグ化、および別のペプチドまたはタンパク質へ融合し融合タンパク質を形成することから選択される1つ以上の誘導体化を含み得る。その構造は、分子内の不特定な位置で、または分子内の所定の位置で修飾されてもよく、1、2、3個以上の結合した化学的部分構造を含んでもよい。
特定の実施形態では、本発明の化合物の一次ペプチド鎖は、それらのC末端でアミド化され得ることが好ましい。そのような修飾は、自然界で非常に一般的であり、特定の胃腸ペプチドホルモンを含む天然に存在するペプチドの約半分が、C末端でのアミド化を受けやすい。本発明は、配列表および図面における、アミド化および非アミド化形態の両方での、存在する場合、一次ペプチド配列のC末端上で特に好ましい、アミド化を含む、本明細書に開示される一般的および特定の配列のすべてを包含する。
該誘導体は、例えば、融合タンパク質であり得、該誘導体において、式(I)の構造は、当該分野で公知の組換え方法を使用して、別のタンパク質またはポリペプチド(融合パートナー)に融合される。代替的に、そのような融合タンパク質は、任意の既知の方法によって合成的に合成されてもよい。そのような融合タンパク質は、式(I)の構造を含む。任意の適切なペプチドまたはタンパク質を融合パートナーとして使用することができる(例えば、血清アルブミン、炭酸脱水酵素、グルタチオン-S-トランスフェラーゼまたはチオレドキシンなど)。このような融合タンパク質は、融合パートナーのカルボキシ末端を式(I)の構造のアミノ末端に連結し、またはその逆に連結することにより作製され得る。任意に、切断可能なリンカーを使用して、式(I)の構造を融合パートナーに連結することができる。結果として得られる切断可能な融合タンパク質は、本発明の化合物の活性型が放出されるように体内で切断されてもよい。そのような切断可能なリンカーの例には、リンカーAsp-Asp-Asp-Asp-Tyr[配列番号814]、Gly-Pro-Arg、Ala-Gly-Gly、およびHis-Pro-Phe-His-Leu[配列番号815]が含まれるが、これらに限定されず、これらは、それぞれ、エンテロキナーゼ、トロンビン、ユビキチン切断酵素、およびレニンによって切断することができる。詳細については、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,410,707号を参照されたい。
本発明の誘導体は、例えば、式(I)の構造の生理学的に機能的な誘導体であり得る。「生理学的に機能的な誘導体」という用語は、本明細書では、対応する未修飾化合物と同じ生理学的機能を有する式(I)の化合物の化学的誘導体を示すために使用される。例えば、生理学的に機能的な誘導体は、体内で式(I)の化合物に変換可能であり得る。本発明によれば、生理学的機能性誘導体の例は、エステル、アミド、およびカルバメートを含み、好ましくは、エステルおよびアミドを含む。
Lys42での誘導体化に加えて、本発明の化合物は、追加の位置でさらに誘導体化することができる。例えば、本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルおよびアミドは、例えば、アルコールもしくはアミノ部分を含有するアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、もしくはアミノアルキル基と、式(I)の化合物に存在する酸部分との反応によって形成されるか、または活性化アシル基を含有するアルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、もしくはアミノアルキル基と、式(I)の化合物に存在するアルコールもしくはアミン基との反応によって形成される、適切な部位で結合したC1-20アルキル-、C2-20アルケニル-、C5-10アリール-、C5-10ar-C1-20アルキル-、またはアミノ酸-エステル基もしくはアミド基を含み得る。好適な部分の例は、4~26個の炭素原子、好ましくは5~19個の炭素原子を有する疎水性置換基である。適切な脂質基には、脂肪酸(例えば、ラウロイル(C1223)、パルミチル(C1531)、オレイル(C1529)またはステアリル(C1735))および胆汁酸(例えば、コール酸またはデオキシコール酸)が含まれる。
スルフヒドリル含有化合物を脂肪酸誘導体で脂質化する方法は、米国特許第5,936,092号、米国特許第6,093,692号、および米国特許第6,225,445号に開示され、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の化合物を神経細胞および組織に送達するために、ジスルフィド結合を介して脂肪酸に結合した本発明の化合物を含む、本発明の化合物の脂肪酸誘導体を使用することができる。脂質化は、対応する脂質化されていない化合物の吸収速度と比較して、該化合物の吸収を著しく増加させると共に、血液および組織に該化合物が保持される時間を延長させる。さらに、脂質化誘導体のジスルフィド結合は細胞内で比較的不安定であり、したがって、脂肪酸部分からの分子の細胞内放出を促進する。適切な脂質含有部分は、4~26個の炭素原子、好ましくは5~19個の炭素原子を有する疎水性置換基である。適切な脂質基には、脂肪酸(例えば、ラウロイル(C1223)、パルミチル(C1531)、オレイル(C1529)またはステアリル(C1735))および胆汁酸(例えば、コール酸またはデオキシコール酸)が含まれる。本発明の脂質官能化化合物は、特定の状況において利益を有し得るが、ほとんどの場合、追加の脂質基が存在しないように、本発明の化合物がさらに誘導体化されない場合、最も単純で好ましいであろうと予想される。
環化法には、ジスルフィド架橋の形成による環化、および環化樹脂を使用した頭尾環化が含まれる。環化ペプチドは、それらの立体配座の制約の結果、酵素分解に対する耐性の増加など、安定性が強化されている可能性がある。環化は、特に、非環化ペプチドがN末端システイン基を含む場合に好都合である。好適な環化ペプチドには、単量体および二量体の頭-尾環化構造が含まれる。環化ペプチドは、1つ以上の付加的な残基、特に、ジスルフィド結合の形成の目的で組み込まれる付加的なシステイン、または樹脂ベースの環化の目的で組み込まれる側鎖を含んでもよい。
誘導体は、例えば、式(I)のペグ化構造であり得る。本発明のペグ化化合物である誘導体は、ポリペプチドの溶解度、安定性および循環時間の増加、または免疫原性の減少などのさらなる利点を提供し得る(米国特許第4,179,337号を参照、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明の化合物の誘導体化のための化学的部分はまた、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーから選択されてもよい。本発明の化合物の誘導体化のためのポリマー部分は、任意の分子量であってもよく、分岐していても分岐していなくてもよい。取り扱いと製造を容易にするために、本発明の化合物の誘導体化のためのポリエチレングリコールの好ましい分子量は、約1kDa~約100kDaであり、用語「約」は、ポリエチレングリコールの合成において、いくつかの分子は、記載された分子量よりも大きく、いくつかの分子はより小さいことを示す。他の分子量のポリマーは、所望される治療プロファイル、例えば、所望される徐放の持続時間、もしあれば生物活性への効果、取り扱いの容易さ、抗原性の程度または欠如、およびポリエチレングリコールの治療用タンパク質または類縁体への他の既知の効果、に応じて使用することができる。例えば、ポリエチレングリコールは、約200、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、10,500、11,000、11,500、12,000、12,500、13,000、13,500、14,000、14,500、15,000、15,500、16,000、16,500、17,000、17,500、18,000、18,500、19,000、19,500、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、または100,000kDaの平均分子量を有し得る。

式(I)の化合物および該化合物の誘導体の、塩形態もまた、本発明の一部を形成する。いくつかの実施形態では、該塩は式(I)の化合物の塩である。他の実施形態では、該塩は、式(I)の化合物の誘導体の塩である。
本発明の化合物の塩は、薬学的に許容されるもの、すなわち、医薬での使用に適しているものを含む。しかしながら、薬学的に許容されない対イオンを有する塩も、例えば、化合物の調製における中間体としての使用のために、本発明の範囲内である。
本発明による好適な塩は、有機または無機の酸または塩基を用いて形成される塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、グリコール酸、サリチル酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびイセチオン酸で形成されるものが含まれる。シュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物を最終形態で得る際の中間体として有用であり得る。
塩基を有する薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、カリウム塩およびナトリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩、ならびに有機塩基、例えば、ジシクロヘキシルアミンおよびN-メチル-D-グルコミンを有する塩を含む。
溶媒和物
有機化学および/または医薬品化学の当業者は、多くの有機化合物が、その中で有機化合物が反応する、または、それから有機化合物が沈殿もしくは結晶化する溶媒と複合体を形成できることを理解するであろう。そのような複合体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として知られている。本発明は、式(I)の化合物の溶媒和物、該化合物の誘導体の溶媒和物、および該誘導体の塩の溶媒和物も包含する。
有機化学および/または医薬品化学の当業者はまた、多くの有機化合物が、非晶形物質としておよび/または1つ以上の結晶形態を含む、異なる形態で存在し得ることを理解するであろう。有機化合物の様々な物理的形態は、多形として知られている。本発明はまた、式(I)の化合物のそのような異なる物理的形態、ならびにそれらの誘導体および塩の異なる物理的形態をすべて包含する。
生物学的活性
本発明の化合物は、ヒトグルカゴン受容体においてアゴニスト活性を有し、したがって、グルカゴン受容体アゴニストであると考えることができる。これは、例えば、生体外(インビトロ)または細胞結合アッセイによって、またはレポーターアッセイによって評価され得る。本発明の好ましい化合物は、例えば、以下の例のセクションで説明されるアッセイに従って試験される場合、ヒトグルカゴンの少なくとも1/10であるヒトグルカゴン受容体での活性、好ましくはヒトグルカゴンの少なくとも1/5、1/3、または1/2である活性を示す。本発明の特定の好ましい化合物は、ヒトグルカゴンと少なくとも同等であるヒトグルカゴン受容体での活性を示す。
グルカゴン受容体での活性を評価する方法はよく知られている。例えば、Thermo Scientific(米国、コロラド州ラファイエット)は、生体外(インビトロ)グルカゴン受容体アッセイを販売している。
本発明の化合物はまた、ヒトGLP-1受容体で活性を有し、GLP-1受容体アゴニストと考えることができる。これは、例えば、生体外(インビトロ)または細胞結合アッセイによって、またはレポーターアッセイによって評価され得る。本発明の好ましい化合物は、例えば、以下の例のセクションで説明されるアッセイに従って試験される場合、ヒトGLP-1の少なくとも1/50であるヒトGLP-1受容体での活性、好ましくはヒトGLP-1の少なくとも1/30、1/20、1/10、1/5、1/3、または1/2である活性を示す。本発明の特定の好ましい化合物は、ヒトGLP-1と少なくとも同等であるヒトGLP-1受容体での活性を示す。
GLP-1受容体での活性を評価する方法はよく知られている。例えば、Mukai et al(2009)Biochem.Biophys.Re.Comm.28993:523-6は、GLP-1受容体結合についてアッセイする方法を開示する。具体的な方法については、本明細書で、以下に説明する。
本発明の好ましい化合物は、インスリンの放出/分泌を促進するのに効果的である。これは、例えば、生体外(インビトロ)アッセイによって評価され得る。ベータ細胞からのインスリンの放出を評価する方法はよく知られている。
本発明の化合物は、以下の基準のいくつか、またはより好ましくはすべてを満たす。
1)エネルギー消費の増強をもたらすヒトグルカゴン受容体での持続的な生物活性、
2)食欲の抑制をもたらすヒトGLP-1受容体での持続的な生物活性、
3)ベータ細胞からのインスリン放出の促進における活性、
4)特に治療上有効な投与量レベルでの、悪心および嘔吐などの副作用の低い発生率、
5)有効用量を低体積注射で投与すること(これにより注射痛を軽減すること)を可能にするpH5の水溶液中での高い溶解度。溶解度は、簡単な生体外(インビトロ)試験で容易に評価され得、
6)許容できる治療的または美容的利益を維持しながら、1日1回以下、好ましくは1週間に2回以下、より好ましくは1週間に1回以下の注射を可能にする、インビボでの長期間の活性(ヒトまたは動物モデルで評価された場合)、
7)良好な体重減少(ヒト対象または動物モデルで評価)、低減していないか、または体重減少のレベルよりも低減が少ない食物摂取、
8)ヒトにおける低い抗原性。これは、ヒトまたは動物モデル(特に、ヒト抗体レパートリーを模倣するようにヒト免疫系で実験的に再構成されたマウス)で評価され得るか、あるいは「抗原指数」アルゴリズム(Jameson&Wolf(1988)Comput.Appl.Biosci.4(1):181-6)もしくはPREDITOPアルゴリズム(Pellequer&Westhof,(1993)J.Mol.Graph.11(3):204-10)を組み込んだものなどの予測ソフトウェアを使用して、またはKolaskar&Tongankar(1990)FEBS Leu.10:276(1-2):172-4の方法を使用して予測され得、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の特定の実施形態、特に体重減少、肥満、炭水化物代謝および糖尿病に関する実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体および塩は、以下の特徴の1つ、いくつかまたはすべてを有する。
A)有効用量を1ml未満、0.5ml未満、または0.3ml未満の体積で投与することができるように、pH4~pH5での十分な溶解度。
B)ヒトGLP-1受容体を過剰発現しているヒト胎児腎臓細胞におけるcAMPシグナル伝達の活性化。
C)ヒトグルカゴン受容体を過剰発現する細胞におけるcAMPシグナル伝達の活性化。
D)さらに上記の1~8の特徴の1つ、いくつか、またはすべて。
薬物動態、作用期間および溶解度
本発明の化合物は、皮下投与後、インビボで有効かつ延長された作用持続時間を示す。これを達成するために、該化合物は、生物学的標的での良好な活性と優れた薬物動態特性の両方を有する必要がある。
本発明の化合物は、治療上有用な作用期間を有し、それは、数日間にわたって本明細書に記載される実験で観察される有益な効果に現れる。本発明の化合物の半減期は、ブタPKモデルで評価された。本発明の好ましい化合物は、セマグルチドよりも顕著に長い半減期を有することが見出された。長いインビボ半減期を示すと共に、本発明の化合物は、良好な貯蔵安定性を有し、25℃で4週間にわたって溶液中での貯蔵で顕著な分解は見られなかった。
低い水溶性は、脂質含有分子の既知の問題である。対照的に、本発明の化合物は、非常に良好な溶解度を有する。
水溶性が低いペプチドにHis残基を組み込むと、通常、酸性pH(pH5など)で溶解度が向上するが、これは荷電したHis側鎖基が存在するためであり、生理学的pH(pH7.4)では、溶解度は小さくなる。ヒスチジンの側鎖基のpIは約6.0である。このような特性により、弱酸性媒体でのHis含有ペプチドの製剤が可能になる。そのような製剤を皮下注射すると、溶解度が低下し、ペプチドの皮下沈殿が生じ、時間の経過と共に再溶解する。His含有ペプチドの亜鉛含有製剤は、この効果を高める。なぜなら、pH5ではなくpH7.4では、亜鉛イオンがヒスチジン残基に配位し、その結果、溶解度がさらに低下し、これが皮下注射部位での沈殿の増加に寄与できるため、または沈殿物の安定性の向上に寄与できるためである。しかしながら、皮下投与後のペプチドの沈殿が十分に迅速でない場合、ペプチドの血中濃度レベルに初期の「急騰(spike)」または「爆発(burst)」が依然として存在する可能性がある。そのような特性は、望ましくない。なぜなら、たとえ一時的であっても、対象が悪心などのペプチドの高濃度レベルと関連する副作用を被る可能性を高めるからである。本発明の多数のHisを含有するC末端配列、を有さないペプチドとは対照的に、本化合物は、皮下投与後の血漿濃度レベルの初期の「急騰」もしくは「爆発」を示さないか、または、いかなるそのような「爆発」も大幅に小さくなる。これにより、高い循環濃度の本化合物と関連して起こり得る副作用の可能性および/または重症度が低下する。
条件
本発明はまた、薬剤として使用するため、本発明の化合物、誘導体もしくは塩、または該化合物、誘導体もしくは塩と、薬学的に許容される担体と、任意にさらなる治療剤とを共に含有する組成物を提供する。
本発明はまた、治療有効量の本発明の化合物、誘導体もしくは塩、または該化合物、誘導体もしくは塩と、薬学的に許容できる担体を、任意にさらなる治療剤と共に含有する組成物、の投与を含む、対象における疾患または障害または他の所望されない生理学的状態を治療または予防する方法を提供する。好ましくは、該化合物、誘導体、塩、または組成物は皮下投与される。
特定の実施形態によれば、疾患または障害または他の所望されない生理学的状態は、糖尿病または肥満、特に糖尿病(例えば、II型糖尿病)である。
特定の実施形態によれば、該疾患または障害または他の所望されない生理学的状態は、過体重である生理学的状態であり得る。
該化合物が投与される対象は、過体重、例えば肥満であり得る。代替的に、またはさらに、該対象は、例えばインスリン抵抗性を、または耐糖能障害を、またはその両方を有する糖尿病であってもよい。対象は、真性糖尿病を有してもよく、例えば、対象は、II型糖尿病を有し得る。対象は、過体重、例えば、肥満であってもよく、真性糖尿病、例えば、II型糖尿病を有し得る。
加えて、または代替として、対象は、肥満もしくは過体重であることがリスク因子となる障害を有し得るか、またはその障害のリスクがあり得る。そのような疾患には、心臓病、心血管疾患(例えば高血圧、アテローム性動脈硬化症、うっ血性心不全および脂質異常症)、脳卒中、胆嚢疾患、;変形性関節症、睡眠時無呼吸、生殖障害(例えば多嚢胞性卵巣症候群)、癌(例えば乳癌、前立腺癌、結腸癌、子宮体癌、腎臓癌、および食道癌)、静脈瘤、黒色表皮腫、湿疹、運動不耐性、インスリン抵抗性、高血圧高コレステロール血症、結石症、変形性関節症、整形外科の傷害、インスリン抵抗性(例えば、2型糖尿病およびX症候群)および血栓塞栓症(Kopelman、Nature 404:635-43;Rissanen et al.、British Med.J.301、835、1990参照)を含むが、これらに限定されない。
肥満と関連する他の障害は、うつ病、不安症、パニック発作、片頭痛、月経前症候群、慢性疼痛状態、線維筋痛症、不眠症、衝動性、強迫性障害、およびミオクローヌスを含む。さらに、肥満は、全身麻酔の合併症の発生率の増加に関し認識された危険因子である(例えば、Kopelman、Nature 404:635-43、2000を参照)。一般に、肥満は、寿命を短縮し、上に列挙したような併存症の重大なリスクを伴う。
肥満と関連する他の疾患または障害は、先天性異常、神経管欠損症の発生率の増加と関連している母親の肥満症、手根管症候群(CTS)、慢性静脈不全(CVI)、昼間の眠気、深部静脈血栓症(DVT)、末期腎疾患(ESRD)、痛風、熱障害、免疫反応障害、呼吸機能障害、不妊、肝疾患、腰痛、産科および婦人科合併症、膵炎、および腹部ヘルニア、黒色表皮腫、内分泌異常、慢性低酸素症および高炭酸血症、皮膚への影響、象炎、胃食道逆流、ヒールスパーズ、下肢浮腫、ブラストラップの痛み、皮膚の損傷、頸部痛、胸の下のひだにおける慢性的な臭いおよび感染などのかなりの問題を引き起こす乳房肥大症など、大きな前腹壁の腫瘤(例えば、歩行を妨げ、頻繁な感染症、悪臭、着衣困難、腰痛を起こす、頻繁な皮下脂肪組織炎を伴う腹部皮下脂肪組織炎)、筋骨格疾患、大脳偽腫瘤(または良性頭蓋内高血圧症)、およびスライド裂孔ヘルニアである。
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、非アルコール性脂肪性肝疾患であり得る。
特定の実施形態によれば、疾患または障害または他の所望されない生理学的状態は、肥満または過体重ではないにもかかわらず、所望されない体重であり得る。対象は通常の体重である場合がある(これには、以前に過体重または肥満であり、不健康な体重に戻ることを防止したい対象が含まれるが、これに限定されない)。対象は、体重減少を望む対象、例えば、外見の変化を望む女性および/または男性の対象であってもよい。対象が通常の体重であるいくつかの場合において、本発明の態様は、治療的処置ではなく美容的処置に関連し得る。
本発明はまた、対象におけるエネルギー消費を増加させ、対象における食欲を低下させ(例えば、GLP-1受容体での生物活性に起し、悪心または嘔吐と関連していない)、対象における食物摂取を低減させる、対象におけるカロリー摂取を低減させる、対象におけるインスリン放出を改善する、対象における炭水化物代謝を改善する、および/または対象における炭水化物耐性を改善する方法であって、治療有効量の本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の投与を含む方法を提供する。そのような方法は、インスリン非感受性または前糖尿病などの前糖尿病状態を有する対象の治療に関連し得る。
エネルギーは、あらゆる生理学的プロセスにおいて燃焼される。体は、それらのプロセスの効率を調整することによって、または起こっているプロセスの数および性質を変化させることによって、エネルギー消費率を直接変化させることができる。例えば、消化中、体は、エネルギーを消費し、腸を通して食物を移動させて食物を消化し、細胞内では、程度の差はあるが、熱を発生するように細胞代謝の効率を変化させることができる。
一態様において、本発明の方法は、食物摂取を協調的に変化させ、かつエネルギー消費を相互的に変化させる弓状回路の操作に関与する。エネルギー消費は、細胞代謝、タンパク質合成、代謝率、およびカロリー利用の結果である。したがって、本発明のこの態様では、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の投与は、エネルギー消費の増加およびカロリー利用の効率の低下をもたらす。
エネルギー消費の増加は、食物摂取の低減後に見られるエネルギー消費の正常な減少の低下として現れる場合がある。または、それは、例えば身体活動レベルの増加の促進または基礎代謝率の増加によって、エネルギー消費の絶対的な増加として現れる場合がある。
本発明はまた、治療有効量の本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の投与を含む、対象における脂質プロファイルを改善するための方法を提供する。本発明はまた、治療的有効量の本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の投与を含む、栄養の利用性を低下させることにより軽減できる状態または障害を、軽減する方法を提供する。
本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、体重管理および治療、例えば肥満の軽減または予防、特に以下のいずれか1つ以上に使用することができる。体重増加の予防または軽減、減量の誘発と促進、ボディ・マス指数で測定される肥満の軽減。本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、所望の体重、所望のボディ・マス指数、所望の外観および良好な健康状態のいずれか1つ以上を維持するのに使用され得る。
本発明はまた、比較的高い栄養素利用性によって引き起こされるか、複雑化するか、または悪化する状態または障害の治療、予防、寛解、または緩和に使用されてもよい。「カロリー(または栄養)利用性を低下させることによって緩和できる状態または障害」という用語は、本明細書において、比較的高い栄養利用性によって引き起こされるか、合併されるか、または悪化する、または栄養の利用性を減らすことで、例えば食物摂取を減らすことにより緩和することができる、対象における任意の状態または障害を示すために使用される。インスリン抵抗性であるか、グルコース不耐性であるか、または任意の型の真性糖尿病、例えば、1型、2型、もしくは妊娠性糖尿病を有する対象も、本発明による方法から恩恵を受けることができる。
カロリー摂取の増加と関連する状態または障害には、インスリン抵抗性、耐糖能障害、肥満、2型糖尿病を含む糖尿病、摂食障害、インスリン抵抗性症候群、アルツハイマー病などがあるが、これらに限定されない。
J.Cereb.Blood Flow Metab.2011 Apr 13(Teramoto S et.al)は、心筋梗塞後の心臓保護を与えるためのGLP-1およびエキセンディン-4の両方の使用を考察し、エキセンディン-4を使用して脳虚血-再灌流傷害に対する神経保護を提供し得ることを実証する。この研究は、60分の限局性脳虚血の後にエキセンディン-4の経静脈注射を受けたマウスが、梗塞体積を顕著に減少させ、機能障害を改善し、さらに再灌流後の酸化ストレス、炎症反応、および細胞死を抑制したことを示した。この研究は、エキセンディン-4の保護効果が細胞内cAMPレベルの増加を介してもたらされるという証拠を提供し、エキセンディン-4が急性虚血性脳卒中の治療に有用である可能性のあることを示唆した。
したがって、本発明はまた、心臓保護の提供、神経保護の提供、および/または神経変性の治療または予防など、対象において細胞保護を提供する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の投与を含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物を使用して治療または予防することができる疾患または障害または他の所望されない生理学的状態は、神経変性である。そのような神経変性は、好ましくはCNSにおける神経細胞のアポトーシス、壊死または神経細胞の機能喪失によって引き起こされる可能性がある。治療または予防される神経変性は、脳損傷後(例えば、身体的外傷後または脳卒中、腫瘍、低酸素症、中毒、感染症、虚血、脳症もしくは薬物乱用などの非外傷性損傷後)の神経変性の場合がある。代替的に、またはさらに、神経変性は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ゲーリッグ病(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、多発性硬化症、他の脱髄関連疾患、老人性認知症、皮質下認知症、動脈硬化性認知症、エイズ関連認知症、他の認知症、脳血管炎、てんかん、トゥレット症候群、ギランバレー症候群、ウィルソン病、ピック病、神経炎症性障害、脳炎、脳脊髄炎、髄膜炎、他の中枢神経系感染症、プリオン病、小脳失調症、小脳変性症、脊髄小脳変性症、フリードリヒ失調症、毛細血管拡張性運動失調症、脊髄ジストロフィー、進行性核上性麻痺、ジストニア、筋痙縮、振戦、網膜色素変性症、線条体黒質変性症、ミトコンドリア脳筋症、神経性セロイドリポフスチン症などの神経変性病を有する(またはその素因を有すると診断された)対象において予防または治療され得る。好ましくは、神経変性病は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ゲーリッグ病(筋萎縮性側索硬化症)およびハンチントン病からなる群から選択される。このような状況では、治療は神経保護的と考えられる。特定の好ましい実施形態によれば、治療は、脳虚血後の神経保護または、神経変性病を有するかまたは神経変性病の素因を有すると診断された対象における神経保護である。
他の実施形態によれば、疾患または障害または他の所望されない生理学的状態は、心臓変性(特に、アポトーシス、壊死または心筋細胞の機能喪失による心筋変性)であり、その場合、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は心臓保護を提供する。特定の好ましい実施形態によれば、その治療は、心筋梗塞後の心筋機能の保護である。
本発明はまた、肥満または糖尿病の治療において使用するための、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物を提供する。
本発明はまた、対象のエネルギー消費の増加、対象におけるインスリン放出の改善、対象における炭水化物耐性の改善および/または対象における炭水化物代謝の改善に使用するための本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物を提供する。このような使用は、インスリン非感受性または前糖尿病などの前糖尿病状態を有する対象の治療に関連し得る。
本発明はまた、対象の食欲の低減における使用、対象における食物摂取の低減における使用、対象におけるカロリー摂取の低減における使用、対象におけるインスリン放出の改善、および/または対象における炭水化物耐性の改善における使用のための本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物を提供する。このような使用は、インスリン非感受性または前糖尿病などの前糖尿病状態を有する対象の治療に関連し得る。
本発明はまた、細胞保護剤として(例えば、神経変性の治療もしくは予防において、神経保護においておよび/または心臓保護の提供において)使用するための、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物を提供する。例えば、該化合物、誘導体、塩、または組成物は、心筋梗塞後の対象における心筋保護に使用するため、または脳虚血または脳卒中後の対象において神経保護に使用するため、または慢性神経変性病を有する対象において神経保護に使用するためであってもよい。様々な特徴の神経保護的なまたは心臓保護的な、該化合物、誘導体、塩、または組成物の使用は本発明の方法に関連して上記に概説された通りであり得る。
神経保護の場合、対象は以前に脳損傷、脳卒中、または脳虚血を引き起こす他の事象を経験した可能性がある。代替的に、対象は、慢性神経変性病の素因を有しているか、または慢性神経変性病を発症する素因があると診断されている場合がある。心臓保護の場合、対象は以前に、心筋梗塞および狭心症などの心筋虚血を引き起こす事象を経験した可能性がある。いくつかの実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、対象が心筋梗塞の疑いを経験した後、可能な限り早く投与することができる。特定の実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、対象が脳卒中の疑いを経験した後、可能な限り早く投与することができる。
本発明はまた、本発明の他の態様に関して先に述べた通りであり得る、対象の肥満または糖尿病の治療のための薬剤の製造のための本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物の使用を提供する。
本発明はまた、対象におけるエネルギー消費を増大させるため、対象におけるインスリン放出を改善するため、対象における炭水化物耐性を改善するため、および/または対象における炭水化物代謝を改善するための薬剤の製造のための、本発明の化合物、誘導体または塩の使用を提供する。そのような使用は、インスリン非感受性または前糖尿病などの前糖尿病状態の対象の治療に関連している可能性がある。
本発明はまた、対象における食欲の低減、対象における食物摂取の低減、対象におけるカロリー摂取の低減、対象におけるインスリン放出の改善のための、および/または対象における炭水化物耐性の改善における使用のための薬剤の製造のため、本発明の化合物、誘導体または塩の使用を提供する。
本発明はまた、本発明の他の態様を参照して先に述べられたような対象の、細胞保護(例えば、神経変性の予防もしくは治療、神経保護の提供および/または心臓保護の提供)を提供するため薬剤の製造のため、本発明の化合物、誘導体または塩の使用を提供する。
特定の実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、非経口投与される。他の実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物が、皮下、静脈内、筋肉内、鼻腔内、経皮または舌下投与される。他の実施形態によれば、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は経口投与される。好ましい一実施形態では、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、皮下投与される。
本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、好ましくはヒト対象において治療に使用される。しかしながら、本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、典型的にはヒト対象を治療するために使用されるが、それらはまた、他の脊椎動物、例えば他の霊長類、豚、牛、家禽などの家畜、スポーツ動物、例えば馬、または愛玩用動物、例えば犬もしくは猫などにおける類似または同一の状態を治療するためにも使用され得る。
組成物
式(I)の化合物、またはその誘導体および/または塩は、薬学的製剤または組成物中に含まれることが好ましい。したがって、本発明は、本発明の化合物、誘導体または塩を、薬学的に許容される賦形剤および任意に別の治療成分と共に含む組成物を提供する。化合物、誘導体または塩を含む組成物は、薬学的使用に適している。特定の好ましい実施形態によれば、該組成物は、ヒトへの皮下投与のため注射器または他の投与デバイス中に存在する。特定の好ましい実施形態によれば、該組成物は5未満のpHを有し、および/または該組成物は亜鉛イオンを含む。本発明の組成物は、以下に記載されるような薬学的製剤の形態を取り得る。
本発明による薬学的製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、および関節内を含む)、吸入(様々なタイプの計量加圧エアロゾル、ネブライザーまたはインサフレータによって生成され得る微粒子粉末もしくはミストを含む)、直腸および局所的(皮膚、経皮、経粘膜、頬側、舌下、および眼内を含む)投与に適したものを含む。しかし、最も適切な経路は、例えば、被治療者の状態および障害に依存する可能性がある。
製剤は、単位投与形態で都合よく提示され得、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製され得る。すべての方法は、有効成分を、1つ以上の補助成分を構成する担体と関連させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分と、液体担体もしくは微細固体担体またはその両方とを均一かつ密接に関連させ、次いで、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル、カシェ剤または錠剤などの個別の単位で、粉末または顆粒として、水性液体または非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または、水中油型液体エマルションまたは油中水型液体エマルションとして、提示することができる。有効成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして提供されてもよい。様々な薬学的に許容される担体およびそれらの製剤は、標準的な製剤専門書、例えば、E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciencesに記載される。その内容が参照により本明細書に組み込まれる、Wang,Y.J.and Hanson,M.A.,Journal of Parenteral Science and Technology,Technical Report No.10,Supp.42:2S,1988も参照のこと。
錠剤は、圧縮または成形によって、任意に1つ以上の補助成分を用いて、作製されてもよい。圧縮錠は、任意に、結合剤、滑剤、不活性希釈剤、滑沢剤、界面活性剤、または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの流動的な形態の有効成分を、好適な機械内で圧縮することによって調製されてもよい。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、好適な機械内で成形することによって製造されてもよい。錠剤は、任意選択的に、コーティングするかまたは分割線を付けてもよく、有効成分の緩徐または制御された放出を提供するように製剤化されてもよい。本化合物は、例えば、即時放出または持続放出に適した形態で投与することができる。即時放出または持続放出は、本化合物を含む適切な薬学的組成物の使用によって、または特に持続放出の場合、皮下インプラントもしくは浸透圧ポンプなどのデバイスの使用によって達成することができる。本化合物はまた、リポソームで投与され得る。
好ましくは、本発明による組成物は、例えば、注射による皮下投与に好適である。特定の実施形態によれば、該組成物は、金属イオン、例えば、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、ニッケルまたはコバルトイオンを含み得る。そのようなイオンの存在は溶解度を制限し、したがって皮下投与の部位から循環系への吸収を遅らせる可能性がある。特に好ましい実施形態では、組成物は亜鉛イオンを(好ましくは、亜鉛イオン対本発明の化合物、誘導体または塩が1:4、1:2、1:1、2:1もしくは4:1のモル比で、または、この与えられた全整数比の任意の2つの間の範囲である比で、例えば1:4~4:1の範囲のモル比で)含む。
経口投与のための例示的な組成物は、例えば、嵩を出すための微結晶セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤としてのメチルセルロース、および甘味剤または香味剤を含有し得る懸濁液(当該技術分野で既知のものなど);ならびに、例えば、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウムおよび/もしくはラクトース、ならびに/または他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、および滑剤(当該技術分野で既知のものなど)を含有し得る即時放出錠剤を含む。本発明の化合物はまた、舌下および/または頬側投与により口腔を通して送達されてもよい。成型錠剤、圧縮錠剤または凍結乾燥錠剤は、使用され得る例示的な形態である。例示的な組成物は、本発明の化合物(複数可)をマンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデクストリンなどの速溶性の希釈剤と共に配合しているものを含む。また、そのような製剤には、セルロース(avicel)またはポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量の賦形剤が含まれてもよい。そのような製剤にはまた、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)などの粘膜への付着を補助するための賦形剤、およびポリアクリルコポリマー(Carbopol 934)などの放出を制御するための薬剤が含まれ得る。滑剤、流動促進剤、香味剤、着色剤、および安定剤も、製造および使用を容易にするために添加され得る。
非経口投与用の製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を対象とする受け手の血液と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液を含む。製剤は、単位用量または多用量容器、例えば、密封されたアンプルおよびバイアル中に提示されてもよく、また使用直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射用蒸留水の添加のみを必要とする、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵されてもよい。即時注射液および懸濁液は、前述の種類の滅菌散剤、顆粒剤、および錠剤から調製され得る。非経口投与用の例示的な組成物は、例えば、好適な無毒性の、非経口的に許容される希釈剤もしくは溶剤、例えば、マンニトール、1,3-ブタンジオール、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液、または他の好適な分散剤もしくは湿潤剤、および合成モノグリセリドもしくはジグリセリドを含む懸濁剤、およびオレイン酸もしくはCremaphorを含む脂肪酸を含有し得る、注射可能な液剤または懸濁液を含む。水性担体は、例えば、約3.0~約8.0のpH、好ましくは約3.5~約7.4、例えば3.5~6.0、例えば3.5~約5.0のpHの等張緩衝液であってもよい。有用な緩衝液には、クエン酸ナトリウム-クエン酸、およびリン酸ナトリウム-リン酸、および酢酸ナトリウム/酢酸緩衝液が含まれる。本組成物は、ペプチド化合物に有害であることが知られているいかなる化合物も含まないことが好ましい。
含まれ得る賦形剤は、例えば、ヒト血清アルブミンまたは血漿製剤などの他のタンパク質である。必要に応じて、薬学的組成物はまた、微量の無毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、保存剤およびpH緩衝剤など、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有してもよい。
鼻内エアロゾルまたは吸入投与用の例示的な組成物は、例えば、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、生物学的利用能を向上させるための吸収促進剤、および/または他の可溶化剤もしくは分散剤(当該技術分野で既知のものなど)を含有し得る生理食塩水中の溶液を含む。好都合には、鼻内エアロゾルまたは吸入投与用の組成物において、本発明の化合物は、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロ-メタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適な気体の使用により、加圧パックまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。加圧エアロゾルの場合、投薬量単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。吸入器またはインサフレータで使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、本化合物と適切な粉末基剤、例えば乳糖またはデンプンとの粉末混合物を含むように製剤化することができる。1つの特定の非限定的な例では、本発明の化合物は、アクチュエーターとしても知られるエアロゾルアダプターを介して、定量バルブからエアロゾルとして投与される。任意選択的に、安定剤も含まれ、かつ/または肺深部への送達のための多孔性粒子が含まれる(例えば、米国特許第6,447,743号を参照のこと)。
直腸内投与用の製剤は、カカオバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコールなどの通常の担体と共に停留浣腸または坐剤として調製されてもよい。かかる担体は、典型的には、常温で固体であるが、直腸腔内では液化および/または溶解して薬物を放出する。
口腔内における局所投与、例えば、頬側または舌下投与用の製剤は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどの香味付けした基剤中に有効成分を含むロゼンジ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアなどの基剤中に有効成分を含むパステル剤を含む。局所投与用の例示的な組成物は、Plastibase(ポリエチレンを用いてゲル化された鉱油)などの局所用担体を含む。
好ましい単位投与製剤は、活性成分の上記の有効量またはその適切な一部を含むものである。
具体的に前述した成分に加えて、本発明の製剤は、当該製剤の種類を考慮して、当該技術分野で常用される他の薬剤を含んでいてもよく、例えば、経口投与に好適な製剤は香味剤を含んでもよいことを理解されたい。
本発明の化合物、誘導体、および塩もまた、持続放出系として好適に投与されてもよい。本発明の持続放出系の好適な例には、好適なポリマー材料、例えば、成形物品の形態の半透性ポリマーマトリックス、例えば、フィルムもしくはマイクロカプセル;例えば、許容される油中のエマルジョンとして、好適な疎水性材料;またはイオン交換樹脂;および本発明の化合物の難溶性誘導体、例えば、難溶性塩が含まれる。持続放出系は、例えば、粉剤、軟膏剤、ゲル剤、ドロップ剤、もしくは経皮貼付剤として、または経口もしくは鼻内噴霧剤として、経口、直腸内、非経口、大槽内、腟内、腹腔内、局所投与されてもよい。
投与のための調製物は、本発明の化合物、誘導体および塩の制御された放出を与えるように適切に製剤化され得る。例えば、薬学的組成物は、生分解性ポリマー、多糖ゼリー化および/または生体接着性ポリマー、両親媒性ポリマー、本発明の化合物の粒子の界面特性を改変することができる薬剤の、1つ以上を含む粒子の形態であってもよい。これらの組成物は、活性物質の制御放出を可能にする特定の生体適合性の特徴を示す。米国特許第5,700,486号を参照されたい。その内容は参照により組み込まれる。
本発明の化合物、誘導体および塩の制御放出は、亜鉛イオンを含む薬学的組成物の使用により達成することもできる。上記のように、pH5ではなくpH7.4では、亜鉛イオンはヒスチジン残基に配位し、皮下注射部位での沈殿の増加をもたらす。可溶化は注射部位から循環および/または周囲の組織液への亜鉛の洗い出しに依存するため、亜鉛含有沈殿物は、よりゆっくりと再溶解し、循環への放出の期間を延ばす。放出制御された組成物の使用は、注射の間の期間を最大にすることが望ましい、肥満および/または糖尿病の治療などの適応症に好ましい。しかしながら、可能な限り短期間で活性薬剤の治療的血漿濃度を達成することが所望される、神経保護または心臓保護の提供(例えば、心筋梗塞または脳卒中の疑いの後)などの適応症については、即時放出製剤が好ましいであろう。そのような場合、活性剤の即時放出製剤の用量の投与(すなわち、心筋梗塞または脳卒中が疑われた後可能な限り早く)およびその後の活性剤の制御放出製剤の用量の投与を含む投与療法が、優先される。
本発明の化合物、誘導体、または塩は、ポンプによって(Langer,前掲、Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201,1987、Buchwald et al.,Surgery 88:507,1980、Saudek et al.、N.Engl.J.Med.321:574,1989を参照のこと)、または例えば、ミニポンプを使用した、連続皮下注入によって送達され得る。また、静脈内バッグ溶液が用いられてもよい。適切な用量を選択する際の重要な要素は、総体重の減少もしくは脂肪と除脂肪体重の比の減少によって測定されるような、得られた結果、または肥満の制御もしくは予防、もしくは肥満関連状態の予防を測定するための他の基準であって、開業医が適切とみなすような基準である。他の制御放出システムは、Langerによる総説(Science 249:1527-1533、1990)で考察されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。本開示の別の態様では、本発明の化合物は、例えば、米国特許第6,436,091号、米国特許第5,939,380号、米国特許第5,993,414号に記載されている、埋め込みポンプによって送達され、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
埋め込み型薬物注入装置は、患者に薬物または他の治療薬を継続的かつ長期投与または注入するために使用される。基本的に、このようなデバイスは、能動型または受動型のいずれかとして分類できる。本発明の化合物、誘導体または塩は、デポー製剤として製剤化され得る。そのような長時間作用するデポー製剤は、例えば皮下もしくは筋肉内への埋込みによって、または筋肉内注射により、投与することができる。したがって、例えば、活性成分は、適切なポリマーまたは疎水性材料を用いて、例えば、許容可能な油中のエマルションとして製剤化でき、またはイオン交換樹脂と共に、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤化することができる。
治療的有効量の本発明の活性薬剤は、単回パルス用量として、ボーラス用量として、またはある時間の間に投与されるパルス用量として投与され得る。したがって、パルス用量では、活性剤のボーラス投与が提供され、その後、活性剤が対象に投与されない期間が続き、その後、2回目のボーラス投与が続く。特定の非限定的な例では、パルス用量は、1日、1週間、または1か月の間に投与される。
併用治療:
特定の実施形態では、治療有効量の本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、治療有効量のさらなる薬剤(複数可)と共に投与される。化合物、誘導体、または塩は、例えば、1つ以上のさらなる治療剤(複数可)と同時に投与されてもよく、あるいは、逐次または別々に投与されてもよい。したがって、本発明は、治療有効量のさらなる治療剤(複数可)と共に使用される(例えば、同時、逐次、または別々に投与するための)薬剤としての使用のための本発明の化合物、誘導体、または塩を提供する。特定の実施形態では、本発明の活性剤は、単回用量としてさらなる治療剤(複数可)と共に製剤化および投与される。
特定の実施形態では、さらなる治療剤(複数可)は、追加の抗糖尿病剤、食欲抑制剤、食物摂取低減剤、血漿グルコース低下剤、または血漿脂質改変剤である。追加の食欲抑制剤の具体的、非限定的な例としては、アンフェプラモン(ジエチルプロピオン)、フェンテルミン、マジンドールおよびフェニルプロパノールアミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンジメトラジン、ベンズフェタミン、シブトラミン、リモナバント、トピラメート、フルオキセチン、ブプロピオン、ゾニサミド、ナルトレキソン、オルリスタットおよびセチリスタットを含む。追加の抗糖尿病薬の具体的で非限定的な例には、メトホルミン、フェンホルミン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン、レパグリニド、ナテグリニド、トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、線維芽細胞成長因子21、ミグリトール、アカルボース、エクセナチド、プラムリンチド、ビルダグリプチン、およびシタグリプチンが含まれる。
代替的な実施形態では、さらなる治療剤(複数可)は、追加の心臓保護剤または神経保護剤である。追加の心臓保護剤の具体的な、非限定的な例には、アスピリン、N-アセチルシステイン、フェネチルアミン、コエンザイムQ10、ビタミンE、ビタミンC、L-カルニチン、カルベジロールおよびデクスラゾキサンが含まれる。神経保護剤の、具体的な、非限定的な例には、シンバスタチンなどのスタチン、プロゲステロンなどのステロイド、ミノサイクリン、レスベラトロール、ビタミンEが含まれる。パーキンソン病の治療に使用される薬剤の例には、抗コリン薬、プラミペキソール、ブロモクリプチン、レボドパ、カルビドパ、ラサギリン、アマンタジンとロピニロールが含まれる。
投与量:
本発明の化合物、誘導体、塩、または組成物は、例えば食欲抑制、食物摂取の低減、エネルギー消費の増加またはカロリー摂取の低減などの効果が所望されるときにいつも、または効果が所望される少し前、これに限定されないが、例えば、効果が所望される時間の約10分、約15分、約30分、約60分、約90分、または約120分前に投与され得る。
治療的有効量の本発明の活性薬剤は、利用される分子、治療される対象、苦痛の重症度およびタイプ、ならびに投与の方法および経路に依存するであろう。例えば、本発明の化合物の治療的有効量は、体重1kg当たり約0.01μg~体重1kg当たり約1gまで、例えば、体重1kg当たり約0.1μg~約20mg、例えば、体重1kg当たり約1μg~約5mg、または体重1kg当たり約5μg~約1mgまで変動し得る。
本発明の一実施形態では、本発明の化合物、誘導体、または塩は、4~1,333nmol/kg体重で、例えば5~1,000nmol/kg体重で、例えば10~750nmol/kg体重で、20~500nmol/kg体重で、特に30~240nmol/kg体重で対象に投与することができる。75kgの対象の場合、そのような用量は、300nmol~100μmol、例えば、375nmol~75μmol、例えば、750nmol~56.25μmol、例えば、1.5~37.5μmol、特に、2.25~18μmolの用量に対応する。本発明はまた、本明細書で言及される具体的な投与量のいずれかによって制限される投与量範囲を企図する。
代替的な実施形態では、本発明の化合物、誘導体または塩は、0.5~135ピコモル(pmol)/kg体重、例えば5~100pmol/kg体重、例えば、10~90pmol/kg体重、例えば約72pmol/kg体重で対象に投与することができる。1つの特定の非限定的な例において、本発明の化合物は、約1nmol以上、2nmol以上、または5nmol以上の用量で投与される。この例では、本発明の化合物の用量は、一般に100nmol以下であり、例えば、用量は90nmol以下、80nmol以下、70nmol以下、60nmol以下、50nmol以下、40nmol以下、30nmol以下、20nmol以下、10nmolである。例えば、投与量範囲は、特定された下限用量のいずれかと特定された上限用量のいずれかとの任意の組み合わせを含むことができる。したがって、本発明の化合物、誘導体および塩の非限定的な用量範囲の例は、1~100nmol、2~90nmol、5~80nmolの範囲内である。
1つの特定の非限定的な例において、約1~約50nmolの本発明の化合物が投与され、例えば、約2~約20nmol、例えば、約10nmolが皮下注射として投与される。正確な用量は、利用される特定の化合物の効力、化合物の送達経路、ならびに対象の年齢、体重、性別、および生理学的状態に基づいて、当業者により容易に決定される。
上で考察される用量は、例えば、1日に1回、2回、3回、もしくは4回、または週に1回もしくは2回与えられてもよい。いくつかの実施形態では、用量は、週に1回以下の頻度で与えられてもよい。代替的に、2、3、または4日に1回投与することもできる。特定の実施形態によれば、それらは、各食事を摂る直前に一度投与されてもよい。
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明される。
材料および方法
ペプチド合成
ペプチド合成は、三環式アミドリンカー樹脂上で行われた。アミノ酸は、Fmocストラテジーを使用して付着させた。Xaa1~Xaa45の分子の部分について、各アミノ酸をC末端からN末端まで連続的に付加した。ペプチドカップリングは、TBTUなどの試薬を用いて媒介した。樹脂からのペプチド切断は、捕捉剤の存在下でトリフルオロ酢酸を用いて達成した。第2の段階では、リジン42残基を、ε-アミノ基の脱保護後、そのε-アミノ基で官能化した。次いで、リジン42残基上の鎖を、同じアミノ酸結合化学を使用して連続的に構築した。
ペプチドを逆相HPLCで精製した。品質管理がすべての精製されたペプチドについて行われ、ペプチドはほとんどの場合、2つの緩衝システムのHPLCにより90%を超える純度であることが示された。MALDI-MSは、予想された分子イオンを示した。
例示的な合成
例示的な化合物366は、標準的なFmoc化学を使用して以下のように調製した。
1.樹脂調製:2Cl-Trt樹脂(0.30mmol、1.00eq)に、DCM(10.0mL)中のFMOC-LYS(DDE)-OH(159.78mg、300.00umol、1.00eq)およびDIEA(232.63mg、1.80mmol、313.52uL、6.00eq)を添加した。混合物を20℃で2時間Nで撹拌し、次いでMeOH(0.3mL)を加え、さらに30分間Nで撹拌した。樹脂をDMF(15.0mL*3)で洗浄した。次いで、DMF(5.00mL)中の20%ピペリジンを添加し、混合物を20℃で30分間Nで撹拌した。次いで、混合物を濾過して樹脂を得た。樹脂をDMF(15.0mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
FMOC-LYS(DDE)-OHは、以下の構造を有する。
Figure 2022536761000009
遊離酸が樹脂に結合している。ピペリジン脱保護は、FMOC基を除去し、次のカップリングのための遊離アミノ末端基を作製する。
2.カップリング:DMF(5.00mL)中のFMOC-PRO-OH(303.66mg、900.00μmol、3.00eq)、DIEA(232.63mg、1.80mmol、313.52μL、6.00eq)およびHBTU(324.25mg、855.00μmol、2.85eq)の溶液を樹脂に添加し、20℃で30分間Nで撹拌した。次いで、樹脂をDMF(15.0mL*3)で洗浄した。
3.脱保護:DMF(5.00mL)中の20%ピペリジンを樹脂に添加し、混合物を20℃で30分間Nで撹拌した。樹脂をDMF(15.0mL*5)で洗浄し、濾過して樹脂を得た。
4.最後のアミノ酸が添加されるまで、表1の試薬を使用してステップ2~3を繰り返した(表1の反応反復番号1は、上記のステップ2および3で説明される、最初に添加されたPro残基である)。
Figure 2022536761000010
5.反復番号39におけるtert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネートのカップリング後、3%HN・NH/DMFを加え、30分間反応させてDdeを除去し、次いで繰り返した。次いで、混合物を排水し、DMF(20.0mL)で5回洗浄した。Dde基の除去後、化合物は、ステップ1からの樹脂のε-アミノ基に遊離アミノ末端基を有し、それは次のカップリングに利用可能である。
6.次いで、最後の試薬が添加される(表の反応反復番号44)まで、表2の試薬を使用してステップ2~3の反応を実施した。
Figure 2022536761000011
Figure 2022536761000012
7.ペプチド切断および精製:
樹脂をMeOH(30.0mL*2)で洗浄し、真空下で乾燥させて、2.20gのペプチド樹脂を得た。次いで、25.0mLの切断緩衝液(92.5%TFA/2.5%Mpr/2.5%TIS/2.5%HO)を、側鎖保護ペプチド樹脂を含有するフラスコに20℃で加え、混合物を2時間撹拌した。ペプチドを冷tert-ブチルメチルエーテル(300mL)で沈殿させ、遠心分離した(5000rpmで3分)。ペプチド沈殿物をtert-ブチルメチルエーテルでさらに2回(150mL)洗浄した。粗ペプチドを乾燥させ、LCMSによって同一性を確認した。
残留物を分取HPLC(TFA条件、30℃、A:0.075%TFA/HO、B:CHCN)によって精製して、表題化合物(136mg、24.82μmol、8.27%収率、98.92%純度、TFA)を白色固体として得、その同一性をLCMSによって確認した。
本明細書に記載される他のペプチドのすべてについて、同等の方法を採用した。例示されたペプチドの配列および他の構造的特徴を図1および図2に示す。図において、42位のリジン残基は、そのεアミノ基上でZ-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号745]によって置換されており、Xaa45、Xaa46、Xaa47、およびXaa48は、示される意味を有し(問題の列のブランクは、残基が不在であることを意味する)、Zは、列「Z」に以下の構造を有するものとして示される基であり、
Figure 2022536761000013
式中、Rは、n個の炭素原子を含有する直鎖アルキレン基であり、
は、COHである。
nの値は、図1および2の「n(R=Cn)」という見出しの列に示される。示される例では、nは、12、14、16、18、20、または22である。
図1および2における例示的な化合物のいくつかは、塩化物または酢酸塩であり、「備考」という見出しの列にそのように示される。図1および2における例示的な化合物のいくつかは、図の他の場所に列挙される化合物の複製調製物であり、「備考」という見出しの列に「Dupl」などと示される。
CHO細胞で過剰発現された、ヒトGLP-1およびグルカゴン受容体でのペプチドの受容体効力
生物学的活性は、ヒトGLP-1またはヒトグルカゴン受容体を過剰発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株におけるcAMP産生を刺激するペプチドの効力によって評価された。アッセイの日に、細胞を培地(0.1%体積/体積BSA、0.05 IBMXを含有するDMEM)中8x10-5細胞/mLの密度で、96ウェルハーフエリアプレートに播種した。市販のcAMPキット(Cisbio)を使用して、30分のペプチド刺激とさらに1時間の溶解の後、HTRF(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence)技術により細胞内のcAMPを定量した。SpectraMax i3xマルチモード検出プラットフォームプレートリーダでプレートを読み取り、Graph Pad Prismで濃度応答曲線を描いた。EC50値は、各ペプチドについて生成され、それぞれ、GLP-1またはグルカゴン対照と比較した化合物のEC50比を提供する日について対照と比較される。(例えば、GLP-1 EC50比についての0.5の値は、cAMPの50%最大放出を刺激するために必要な例示的な化合物の濃度が、必要な天然のGLP-1の濃度の半分であることを示し、2の値は、cAMPの50%最大放出を刺激するために必要な例示的な化合物の濃度が、天然のGLP-1の2倍であることを示すであろう)。各ペプチドについて、グルカゴンに対するそのEC50比の比は、GLP-1に対するそのEC50比と比較されて、グルカゴン:GLP-1受容体効力比を提供した。より低いEC50比がより高い活性を示すように、グルカゴン:GLP-1受容体効力比は、EC50(GLP-1)/EC50(グルカゴン)として計算される。よって、>1の値は、GLP-1受容体と比較してグルカゴン受容体での比較的高い活性(および低いEC50)を示す。
インビボ有効性研究:雄ウィスターラットにおける単回投与食餌研究
雄ウィスターラット(Charles River Ltd(Margate,UK))を動物実験に使用した。不断給餌ラットは、IVCケージに個別に収容した。体重による層別化を用いて動物を治療群に無作為化した。すべてのペプチド溶液は、投与直前に新しく調製した。対照動物には、5%体積/体積の水および95%のNaCl(0.9%重量/体積)を投与し、ペプチド(7.5、15、または30nmol/kg体重)を注射用水に再懸濁した。ペプチドおよびビヒクルを皮下注射によって初期の明期(0900~1000)に投与し、動物に既知の量の食物を提供した。研究期間中、動物は、食物および水を自由に取らせた。動物の体重および残った食物は、研究全体を通して、典型的には投与後24、48、72、96、および168時間に計量した。示された結果は、投与後7日(168時間)の数値である。
結果は、個々のラットの食物摂取および体重の変化の、生理食塩水対照動物における平均変化との比較によって計算され、治療群平均(平均)として表される。例えば、「-16」の食物摂取値は、同じ時間間隔での研究における対照動物の平均食物摂取と比較して、食物摂取の平均16gの低減を示す。例示的な化合物1~405の結果を、図1において「7.5nM単回」、「15nM単回」、および「30nM単回」という見出しの列に示す。
例示的化合物406~737の結果を図2に示す。ラットにペプチドの単回皮下注射を投与した。用量は、一般的に、7.5nmol/kg体重であったが、いくつかの場合では、1.5nmol/kg、2.0nmol/kg、3nmol/kg、5nmol/kg、または6nmol/kgの用量を使用した。図2の表において、列「n」は、問題の化合物が試験された回数を示す。各試験は、一般に、化合物が5匹の動物の群に与えられることを含んだ。化合物は、図2において「効力」と呼ばれる、体重変化をもたらすそれらの能力、および図2において「食物」と呼ばれる食物摂取を阻害するそれらの傾向について評価した。化合物をセマグルチド/オゼンピックと比較した。「効力」について、7のスコアは、化合物がオゼンピックと同じ効果を引き起こすことを意味する。7を超えるスコアは、同じ用量のオゼンピックによって達成されるよりも大きな体重減少、またはより低い用量のオゼンピックで達成される同様の体重減少があることを示す。「食物」について、0のスコアは、食物摂取の低減がオゼンピックについて同じであることを意味する。0を超えるスコアは、オゼンピックによって達成されるよりも所与の体重変化についての食物摂取低減が少ないことを示す。したがって、高いスコアは、類縁体が最小限の食物摂取低減で良好な体重減少を達成することを示す。
インビボ有効性研究:雄ウィスターラットにおける反復投与食餌研究
研究において、不断給餌雄ウィスターラット(Charles River)は、10日の期間にわたって、生理食塩水または本発明の例示的なペプチドの合計5回の皮下注射を、試験1、3、6、8、および10日目の各々に単回注射で受けた。ある研究内では、用量レベルは固定されており、異なる研究で2~5nmol/kgの範囲であった。コンパレータ化合物は、セマグルチドであり、2~4nmol/kgの用量で投与した。試験1日目から12日目までの間隔および総食物摂取ならびに同じ期間にわたる体重変化を計算した。これらのデータが利用可能な例示的な化合物1~405の結果を、図1において「反復投与」という見出しの列に示す。
反復投与後のラットの平均体重減少を、オゼンピック(セマグルチド)およびビヒクル対照の投与後の体重減少と比較した。動物のコホートと個々の研究との間で実際の体重減少が変動するため、結果は、0~12の範囲のオゼンピックと比較した平均応答として示され、「7」=研究12日目のオゼンピックと同じ体重減少、「7」未満(「0」まで)=オゼンピックよりも体重減少が小さく、「7」超(「12」まで)=オゼンピックよりも体重減少が大きい。
反復投与後のラットの平均食物摂取を、オゼンピック(セマグルチド)およびビヒクル対照の投与後の食物摂取と比較した。動物のコホートと個々の研究との間で食物摂取が変動するため、結果は、0~12の範囲のオゼンピックおよびビヒクル対照と比較した平均応答として示され、「0」=オゼンピックと同じ食物摂取阻害(多量の阻害)、「8」=研究12日目のビヒクル対照と比較して食物摂取の阻害なし、および「12」=研究12日目のビヒクル対照よりも多い食物摂取である。「0」~「8」および「8」~「12」の値は、「0」、「8」、および「12」の固定点間のグラデーションを示す。
半減期評価のためのPK測定
雄大ヨークシャー種ブタは、研究の開始時(0時間)に試験化合物の単回皮下注射を受ける。反復血液試料を進行168時間にわたってブタから採取し、血漿を分離し、-20℃~-80℃で貯蔵した。試験化合物の血漿濃度は、ラジオイムノアッセイまたは質量スペクトル分析を使用して定量化した。Cmaxの半分に対するTmaxからの時間を計算し、化合物の半減期(t1/2)を示す。典型的には、示されたt1/2は、4匹の別々の動物の平均である。
結果
図1および2は、本発明の例示的な化合物のアミノ酸配列および他の構造情報を提供する表である。例えば、例示的な化合物番号1のアミノ酸配列は、次の通り[配列番号1]であり、
Figure 2022536761000014
42位のLys残基は、そのε-アミノ基上にZ基を有し、Zは、以下であり、
Figure 2022536761000015
Rは、C14直鎖アルキレン基であり、
は、COHである。
図はまた、上記のように本発明の例示的なペプチドでのインビボ食餌有効性研究の結果を要約する。
右端の列において、図は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で過剰発現した、ヒトグルカゴンおよびGLP-1受容体での例示的なペプチドの受容体効力データを示す。生物学的活性は、CHO細胞でのcAMP産生を刺激するペプチドの効力によって評価した。各例示的な化合物について提供される値は、グルカゴン:GLP-1活性比である。
図から分かるように、食物の自由な摂取が許され、本発明の例示的なペプチドが投与されたラットは、生理食塩水が投与されたラットと比較して、低減した体重増加を達成したか、または体重減少を達成した。これは、本発明の化合物が代謝を改善するのに特に有効であること、およびそれらが肥満などの障害の治療において用途を見出すことを支持する。しかしながら、例示的なペプチドを投与されたラットによって消費された食物の量は、生理食塩水を投与されたラットによって消費された食物の量と同様か、それよりも多かった。食物摂取に対する影響がないか、最小に過ぎないことは、本化合物が悪心に関連する副作用を低減したことを支持している。上記で議論したように、げっ歯類は嘔吐することができないが、悪心を経験しているものは食物を消費することを控える可能性がある。本発明のペプチドにより、動物が食物を消費することを控えるという観察された証拠はなかった。
半減期:
本発明の選択された化合物の半減期を測定した。例示的な化合物の「群I」セットの結果は次の通りであった。
Figure 2022536761000016
上記の記載において、既知の、明白な、または予見可能な同等物を有する一体の発明または要素が述べられている場合、このような同等物は、個々に明示されているように本明細書に組み込まれる。本発明の真の範囲は、このようないずれの同等物も包含するように解釈されるべきであって、この真の範囲を決定するように、特許請求の範囲は参照されるべきである。好ましい、有利である、好都合であるなどとして述べられている本発明の全体または特徴は、任意選択的であり、独立請求項の範囲を限定しないことも、読み手によって理解されるであろう。さらに、そのような任意選択的な整数または特徴は、本発明のいくつかの実施形態において、可能な利点である一方、望ましくないことがあり、したがって、他の実施形態では存在しないことがあることを理解されたい。

Claims (29)

  1. 式(I)の化合物であって、
    X-W-Y1-Y2
    式(I)
    式中、
    Xが、以下のアミノ酸配列であり、
    His1-Xaa2-Xaa3-Gly4-Thr5-Phe6-Thr7-Ser8-Asp9-Xaa10-Ser11-Xaa12-Xaa13-Leu14-Xaa15-Xaa16-Xaa17-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Xaa21-Phe22-Xaa23-Xaa24-Trp25-Leu26-Xaa27-Xaa28-Xaa29-[配列番号742]
    Xaa2が、AIBまたはSerであり、
    Xaa3が、His、Glu、Gln、Asp、またはPheであり、
    Xaa10が、Leu、Tyr、またはValであり、
    Xaa12が、Arg、Lys、またはHisであり、
    Xaa13が、Tyr、Gln、またはHisであり、
    Xaa15が、AspまたはGluであり、
    Xaa16が、Ala、Gln、Glu、Ser、His、またはThrであり、
    Xaa17が、Arg、Glu、His、またはLysであり、
    Xaa18が、Ala、Arg、またはLysであり、
    Xaa19が、AlaまたはValであり、
    Xaa20が、Arg、Gln、またはHisであり、
    Xaa21が、Asp、Leu、His、またはGluであり、
    Xaa23が、IleまたはValであり、
    Xaa24が、GlnまたはGluであり、
    Xaa27が、Asn、Leu、またはLysであり、
    Xaa28が、Ala、Asn、Gln、Gly、His、Thr、Leu、Ser、またはIleであり、
    Xaa29が、Gly、His、Ser、またはThrであり、
    Wが、以下のアミノ酸配列であり、
    -His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号743]、
    5つのHis残基のうち任意に最大4つは、各々独立して、Gly、Ala、Glu、Gln、Pro、およびSerから選択されるアミノ酸によって置換され得、Wにおける5つの残基のうちの少なくとも3つは、HisおよびGlnから選択される。
    Y1が、以下のアミノ酸配列であり、
    -Xaa35-Xaa36-Xaa37-Xaa38-Xaa39-Xaa40-Xaa41-Lys42-Xaa43-Xaa44[配列番号744]
    Xaa35が、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
    Xaa36が、Ser、Gly、Pro、またはThrであり、
    Xaa37が、Pro、Ala、Ser、Glu、Gly、または不在であり、
    Xaa38が、Pro、Ala、Gly、Ser、または不在であり、
    Xaa39が、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
    Xaa40が、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
    Xaa41が、Gly、Ser、または不在であり、
    Xaa43が、Serまたは不在であり、
    Xaa44が、Trpまたは不在であり、
    42位のリジン残基が、そのε-アミノ基においてY2基で置換されており、Y2が、以下であり、
    Z-Xaa45-Xaa46-Xaa47-Xaa48-[配列番号745]
    Xaa45が、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
    Xaa46が、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
    Xaa47が、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His Tyr、Ala、または不在であり、
    Xaa48が、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在であり、
    Zが、以下の式の基であり、
    Figure 2022536761000017
    式中、Rが、C-C28アルキレンまたはアルケニレン基であり、
    が、COHである、化合物。
  2. Xaa2が、AIBであり、
    Xaa3が、His、Gln、またはGluであり、
    Xaa10が、LeuまたはTyrであり、
    Xaa12が、ArgまたはLysであり、
    Xaa13が、TyrまたはGlnであり、
    Xaa15が、AspまたはGluであり、
    Xaa16が、Ala、Gln、Glu、またはSerであり、
    Xaa17が、Arg、Glu、またはLysであり、
    Xaa18が、Ala、Arg、またはLysであり、
    Xaa19が、AlaまたはValであり、
    Xaa20が、Arg、Gln、またはHisであり、
    Xaa21が、Asp、Glu、またはLeuであり、
    Xaa23が、IleまたはValであり、
    Xaa24が、GlnまたはGluであり、
    Xaa27が、LeuまたはLysであり、
    Xaa28が、Ala、Asn、Gln、またはHisであり、
    Xaa29が、Gly、Ser、またはThrである、請求項1に記載の化合物。
  3. Xaa2が、AIBであり、
    Xaa3が、Hisであり、
    Xaa10が、Tyrであり、
    Xaa12が、Lysであり、
    Xaa13が、Tyrであり、
    Xaa15が、Aspであり、
    Xaa16が、Alaであり、
    Xaa17が、Lysであり、
    Xaa18が、Argであり、
    Xaa19が、Alaであり、
    Xaa20が、Arg、Gln、またはHisであり、
    Xaa21が、Gluであり、
    Xaa23が、Ileであり、
    Xaa24が、Gluであり、
    Xaa27が、Leuであり、
    Xaa28が、Glnであり、
    Xaa29が、Serである、請求項2に記載の化合物。
  4. Wが、
    -Gly30-His31-His32-His33-His34-[配列番号752]
    -His30-His31-His32-His33-His34-[配列番号753]
    -His30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号754]
    -His30-Gln31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号755]
    -His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
    -His30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号757]
    -His30-His31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号758]
    -His30-His31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号759]
    -His30-Glu31-Pro32-Ser33-Pro34-[配列番号760]
    -His30-Glu31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号761]
    -His30-Gln31-Gln32-Glu33-Ser34-[配列番号762]
    -Gln30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号763]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-His34-[配列番号764]
    -His30-His31-Gln32-His33-Gln34-[配列番号765]
    -His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
    -His30-Gln31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号767]
    -His30-Gln31-Gln32-Pro33-Ser34-[配列番号768]
    -Gln30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号769]
    -Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
    -His30-Gln31-Gln32-Ser33-Pro34-[配列番号771]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Ser34-[配列番号772]
    -His30-Gln31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号773]
    -Gly30-His31-Gly32-Ala33-Pro34-[配列番号774]
    -His30-Gly31-Gln32-Gly33-Ala34-[配列番号775]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
    -His30-Pro31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号777]
    -Gln30-His31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号778]
    -Gln30-His31-Gln32-His33-His34-[配列番号779]
    -His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
    -Gly30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号781]
    -His30-Pro31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号782]
    -Gly30-Pro31-His32-His33-Gly34-[配列番号783]
    -His30-His31-Gln32-Gln33-Gln34-[配列番号784]
    -Gly30-Pro31-Ser32-His33-Gly34-[配列番号785]
    -Gly30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号786]
    -His30-Gln31-His32-Ser33-Gly34-[配列番号787]
    -His30-His31-Glu32-Ser33-Pro34-[配列番号788]
    -His30-His31-Ser32-Ser33-Gly34-[配列番号789]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Gly34-[配列番号790]
    -His30-His31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号791]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
    -Gly30-Pro31-His32-Gln33-His34-[配列番号793]、および
    -Gly30-Pro31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号794]から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. Wが、以下のアミノ酸配列を有し、
    -Xaa30-Xaa31-Xaa32-Xaa33-Xaa34-[配列番号795]
    Xaa30が、HisまたはGlnであるか、
    Xaa31が、HisまたはGlnであるか、
    Xaa32が、HisまたはGlnであるか、
    Xaa33が、His、Gln、Glu、またはProであるか、あるいは
    Xaa34が、His、Glu、Pro、またはSerである、請求項4に記載の化合物。
  6. Wが、以下のアミノ酸配列を有する、請求項5に記載の化合物。
    -His30-Gln31-His32-Pro33-Ser34-[配列番号756]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Glu34-[配列番号776]
    -His30-Gln31-His32-Gln33-His34-[配列番号780]
    -His30-His31-Gln32-Gln33-His34-[配列番号766]
    -Gln30-Gln31-His32-Glu33-Ser34-[配列番号770]
    -His30-Gln31-Gln32-His33-Pro34-[配列番号792]
  7. Y1が、アミノ酸配列であり、
    Xaa35が、Pro、His、Glu、Ser、またはAlaであり、
    Xaa36が、Ser、Gly、Pro、またはThrであり、
    Xaa37が、Pro、Ala、Ser、Glu、Gly、または不在であり、
    Xaa38が、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
    Xaa39が、Pro、Gly、Ala、Ser、または不在であり、
    Xaa40が、Pro、Gly、Ser、または不在であり、
    Xaa41が、Gly、Ser、または不在であり、
    Xaa43が、Serまたは不在であり、
    Xaa44が、Trpまたは不在である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. Y1が、アミノ酸配列であり、
    Xaa35が、Pro、Glu、またはSerであり、
    Xaa36が、Ser、Gly、またはProであり、
    Xaa37が、Pro、Ala、またはSerであり、
    Xaa38が、Pro、Ala、Ser、または不在であり、
    Xaa39が、Pro、Gly、Ala、または不在であり、
    Xaa40が、Glyまたは不在であり、
    Xaa41が、不在であり、
    Xaa43が、不在であり、
    Xaa44が、不在である、請求項7に記載の化合物。
  9. Y1が、以下のアミノ酸配列、
    -Pro35-Pro36-Pro37-Lys42[配列番号797]、
    -Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Lys42[配列番号798]、
    -Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Gly40-Lys42[配列番号799]、
    -Glu35-Ser36-Pro37-Pro38-Pro39-Lys42[配列番号800]、
    -Ser35-Gly36-Ala37-Lys42[配列番号801]、
    -Ser35-Pro36-Pro37-Pro38-Gly39-Lys42[配列番号802]、
    -Ser35-Ser36-Ser37-Ser38-Ala39-Lys42[配列番号803]、または
    -Ser35-Ser36-Ser37-Ala38-Lys42[配列番号804]である、請求項8に記載の化合物。
  10. Y2が、アミノ酸配列であり、
    Xaa45が、Gly、Thr、または不在であり、
    Xaa46が、Ser、Gly、Thr、または不在であり、
    Xaa47が、Gly、Asn、Ser、Gln、Thr、His、Tyr、Ala、または不在であり、
    Xaa48が、Ser、Thr、His、Gln、Gly、Asn、または不在である、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. Y2が、アミノ酸配列であり、
    Xaa45が、不在であり
    Xaa46が、不在であり
    Xaa47が、Gly、Asn、または不在であり、
    Xaa48が、Ser、His、Asn、または不在であり、
    Z=Iであり、
    Rが、C16またはC18直鎖アルキレン基である、請求項10に記載の化合物。
  12. Y2が、
    Z-Gly47-Ser48-、
    Z-Asn47-His48-、
    Z-、または
    Z-Asn48-である、請求項11に記載の化合物。
  13. Rが、C14、C16、C18、C20、またはC22直鎖アルキレン基である、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. Zが、以下の式の基であり、
    Figure 2022536761000018
    Rが、C16またはC18直鎖アルキレン基である、請求項13に記載の化合物。
  15. 図1または図2の表に列挙されたアミノ酸配列のいずれか1つに対応するアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の化合物、誘導体、または塩。
  16. アミド化、グリコシル化、カルバミル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、環化、脂質化、ペグ化、および別のペプチドまたはタンパク質に融合して融合タンパク質を形成することから選択される1つ以上の誘導体化を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物の誘導体、またはそのような誘導体の塩。
  17. 同時投与、逐次投与、または個別投与のための、さらなる治療剤と併用される、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩。
  18. 請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩を、薬学的に許容される担体、および任意にさらなる治療剤と共に含む、組成物。
  19. ヒトへの皮下投与のための注射器または他の投与デバイス中に存在する、請求項18に記載の組成物。
  20. 薬剤としての使用のための、請求項1~17のいずれかに記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項18もしくは19に記載の組成物。
  21. 対象における疾患もしくは障害または他の望ましくない生理学的状態を治療または予防する方法であって、治療有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項18もしくは19に記載の組成物の投与を含む、方法。
  22. 糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療における使用のための、対象におけるエネルギー消費を増加させるための、対象におけるインスリン放出を改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象における脂質プロファイルを改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項18もしくは19に記載の薬学的組成物。
  23. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、神経変性の予防もしくは治療、神経保護の提供、および/または心臓保護の提供における使用のためのものである、請求項22に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  24. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、心筋梗塞後の対象において心臓保護を提供するためのものである、請求項23に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  25. 前記化合物、誘導体、塩、または組成物が、慢性神経変性疾患を有するか、またはそのリスクがあると診断された対象において神経保護を提供するためのものである、請求項23に記載の細胞保護剤としての使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  26. 前記慢性神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ゲーリッグ病(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、多発性硬化症、他の脱髄関連障害、老人性認知症、皮質下認知症、動脈硬化性認知症、AIDS関連認知症、他の認知症、脳血管炎、てんかん、トゥレット症候群、ギランバレー症候群、ウィルソン病、ピック病、神経炎症性障害、脳炎、脳脊髄炎、髄膜炎、他の中枢神経系感染症、プリオン病、小脳性運動失調症、小脳変性症、脊髄小脳変性症候群、フリードライヒ運動失調症、毛細血管拡張性運動失調症(ataxia teangiectasia)、脊髄性ジスミオトロフィー、進行性核上性麻痺、ジストニア、筋痙縮、振戦、網膜色素変性症、線条体黒質変性症、ミトコンドリア脳筋症、および神経セロイドリポフスチン症からなる群から選択される、請求項25に記載の使用のための、化合物、誘導体、塩、または組成物。
  27. 対象における糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、もしくは非アルコール性脂肪性肝疾患を治療もしくは予防する、対象におけるエネルギー消費を増加させる、対象におけるインスリン放出を改善する、対象における炭水化物代謝を改善する、対象の脂質プロファイルを改善する、対象における炭水化物耐性を改善する、食欲を低減する、食物摂取を低減する、カロリー摂取を低減する、および/または対象における細胞保護を提供する方法であって、治療有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項18もしくは19に記載の組成物の投与を含む、方法。
  28. 糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中、および非アルコール性脂肪性肝疾患の予防もしくは治療のための、対象のエネルギー消費を増加させるための、対象におけるインスリン放出の改善するための、対象における炭水化物代謝を改善するための、対象における脂質プロファイルを改善するための、対象における炭水化物耐性を改善するための、食欲を低減するための、食物摂取を低減するための、カロリー摂取を低減するための、ならびに/または細胞保護剤としての使用のための、薬剤の製造のための請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、または塩の、使用。
  29. 美容目的で対象において体重減少を引き起こすか、または体重増加を防止する方法であって、有効量の請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、誘導体、もしくは塩、または請求項18もしくは19に記載の組成物の投与を含む、方法。
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