JP2022536364A - 操作されたヒト内在性ウイルス様粒子および細胞への送達のためのその使用方法 - Google Patents

操作されたヒト内在性ウイルス様粒子および細胞への送達のためのその使用方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022536364000001
ヒト由来のウイルス様粒子(heVLP)であって、外側に、1つまたは複数のHERV由来のエンベロープタンパク質を有するリン脂質二重層を含む膜、膜の内側のheVLPコアに1つまたは複数のHERV由来のGAGタンパク質、およびheVLPのコアに配置されたカーゴ分子、例えば、生体分子および/または化学カーゴ分子を含み、ヒトゲノムにおいてコードされるgagタンパク質またはヒトゲノムに見出されるgagタンパク質に由来するコンセンサス配列によってコードされるgagタンパク質を除いて、gagタンパク質を含まないheVLP、ならびに細胞へのカーゴ分子の送達のためのその使用方法。

Description

優先権主張
本出願は、2019年6月13日に出願された、米国特許出願第62/861,186号明細書の権利を主張するものである。上述の内容全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
連邦政府により資金援助された研究または開発
本発明は、米国国立衛生研究所(NIH)から交付された助成金番号GM118158に基づく政府の支援により行われた。政府は本発明について一定の権利を有する。
技術分野
本明細書において、操作されたヒト内在性ウイルス様粒子(heVLP)であって、外側にリン脂質二重膜を含む膜、および膜の内側のheVLPのコアに配置されたカーゴ、例えば生体分子および/または化学カーゴを含み、非ヒトgagまたはpol由来のタンパク質を含まないheVLP、ならびに細胞へのカーゴの送達のためのその使用方法を記載する。
タンパク質、核酸、および/または化学物質等のカーゴを生細胞のサイトゾルに送達することは、生物学的療法の開発において重要な課題となっている。
本明細書において、DNA、RNA、タンパク質、化学化合物および/または分子、およびこれらの4つの実体の任意の組合せをパッケージングし、真核細胞に送達することができるheVLPが記載されている。本明細書に記載されている非ウイルスheVLPシステムは、従来の人工的に得られる脂質/金属ナノ粒子およびウイルス粒子ベースの送達システムよりも単純で、より効率的かつより安全である可能性があり、これは、heVLPがヒト由来の構成要素から構成されているためである。内部のカーゴは、ヒト由来であってもまたはそうでなくてもよいが、heVLPは、完全にヒトおよび合成非免疫原性構成要素によって構成されている。「合成」構成要素は、免疫刺激性でないことが示されており、heVLPの標的化および細胞取り込みを増強するのに使用し得る表面scFv/ナノボディ/ダーピン(darpin)ペプチドを含む。これは、粒子の外部表面が有意に免疫刺激性である構成要素を欠いていることを意味しており、これは、これらの粒子の免疫原性および抗体中和を最小化するものである。カーゴを除けば、heVLPは、他のVLPに固有の外来性のウイルス構成要素を含まず、このことは、技術の顕著および新規の進歩を表している。さらに、heVLPは、化学ベースの二量体化因子(dimerizer)を利用することができ(必要ではない)、heVLPは、治療剤または診断剤を含むカーゴ分子、例えば生体分子および化学物質、例えば特殊一本および/または二本鎖DNA分子(例えば、プラスミド、ミニサークル、閉環直鎖DNA、AAV DNA、エピソーム、バクテリオファージDNA、相同組換えテンプレート等)、一本および/または二本鎖RNA分子(例えば、一本鎖ガイドRNA、プライム編集ガイドRNA、メッセンジャーRNA、転移RNA、長鎖ノンコーディングRNA、環状RNA、RNAレプリコン、環状または直鎖スプライシングRNA、マイクロRNA、低分子干渉RNA、低分子ヘアピンRNA、piwi-相互作用RNA、toeholdスイッチRNA、RNA結合タンパク質が結合し得るRNA、バクテリオファージRNA、内部リボソーム侵入部位含有RNA等)、タンパク質、化学化合物および/または分子(例えば、低分子)、および上記に列挙したカーゴの組合せ(例えば、AAV粒子)をパッケージングおよび送達する能力を有する。
本明細書に記載のheVLPは、従来のレトロウイルス粒子、ウイルス様粒子(VLP)、エキソソーム、および以前に報告されている、カーゴを導入し得る他の細胞外小胞とは異なっており、これは少なくとも、heVLPが、ヒト細胞におけるヒト由来の構成要素の戦略的な過剰発現によって産生することができ、heVLPが、広範にわたる可能なカーゴおよび導入戦略を有し、heVLPが、限定的なDNA/RNA長さ制約を欠いており、heVLPが、polおよび外来性gag由来のタンパク質を欠いており、heVLPが、特有の細胞進入機構を有しているためである。
本明細書において、多くの疾患療法に適用可能な、種々のタンパク質および核酸分子と共に使用し得るカーゴ送達のための組成物および方法、例えばゲノム編集、エピゲノム調節、トランスクリプトーム編集およびプロテオーム調節試薬が記載されている。
したがって、本明細書において、外側に、1つまたは複数のHERV由来のENV/糖タンパク質(例えば、heVLP産生細胞において、外来供給源、例えばプラスミドまたは安定的に組み込まれた導入遺伝子から過剰発現される)(例えば、表1に示す)を有するリン脂質二重層を含む膜、および膜の内側のheVLPのコアに配置されたヒト内在性GAGタンパク質、他の細胞膜動員ドメイン、および/または生体分子/化学カーゴを含む、操作されたheVLPが提供され、生体分子カーゴは、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメイン(例えば表6に示す)と融合していてもしていなくてもよく、heVLPは、非ヒトgagおよび/またはpolタンパク質を発現せず、ヒトゲノムにおいてコードされるgagタンパク質またはヒトゲノムに見出されるgagタンパク質由来のコンセンサス配列によってコードされるgagタンパク質を除いて、gagおよび/またはpolタンパク質を発現しない。ヒト由来のGAGまたは生体分子カーゴと融合した他の細胞膜動員ドメインは、heVLP産生細胞において、外来供給源、例えばプラスミドまたは安定的に組み込まれた導入遺伝子から過剰発現することができる。
いくつかの実施形態において、HERV ENVは、切断されていてもよく、またはscFvもしくは他の標的化ポリペプチドと融合していてもよい。
いくつかの実施形態において、HERV GAGは、細胞膜動員ドメイン(例えば表6に示す)と融合していてもよい。
他の実施形態において、操作されたheVLPは、外側に1つまたは複数のHERV由来のENV/糖タンパク質(例えば、heVLP産生細胞において、外来供給源、例えばプラスミドまたは安定的に組み込まれた導入遺伝子から過剰発現される)(例えば、表1に示す)有するリン脂質二重層を含む膜;および粒子内部に、所望によって細胞膜動員ドメイン(例えば、表6に示す);および所望によって生体分子/化学カーゴを含む。
また、カーゴとして生体分子および/または化学物質を含む、請求項1のheVLPと細胞を接触させることによって、カーゴを標的細胞、例えばインビボまたはインビトロの細胞に送達する方法が提供される。
さらに、本明細書において、生体分子カーゴを含むheVLPを産生する方法が提供される。前記方法は、1つまたは複数のHERV由来のエンベロープタンパク質(例えば、表1に示す)およびカーゴを発現する(例えば、発現または過剰発現するように操作された)細胞であって、ヒトゲノムにおいてコードされるgagタンパク質またはヒトゲノムに見出されるgagタンパク質に由来するコンセンサス配列によってコードされるgagタンパク質を除いて、gagおよび/またはpolタンパク質を発現しない細胞を用意すること;および細胞がheVLPを産生するような条件下で細胞を維持することを含む。いくつかの実施形態において、前記方法は、産生されたheVLPを回収し、場合によって精製および/または濃縮することをさらに含む。
また、本明細書において、1つまたは複数のHERV由来のエンベロープタンパク質(例えば、外来供給源、例えばプラスミドまたは安定的に組み込まれた導入遺伝子から過剰発現される)(例えば、表1に示す)、およびヒト内在性または他の細胞膜動員ドメインと融合したカーゴ(例えば、表6に示す)を組み合わせて発現する、例えば過剰発現するように誘導された細胞(例えば、単離細胞、好ましくは哺乳動物細胞、例えばヒト細胞)であって、ヒトゲノムにおいてコードされるgagタンパク質またはヒトゲノムにおいて見られるgagタンパク質に由来するコンセンサス配列によってコードされるgagタンパク質(外来供給源、例えばプラスミドまたは安定的に組み込まれた導入遺伝子から過剰発現される)を除いて、gagタンパク質を発現しない細胞が提供される。いくつかの実施形態において、細胞は、初代のまたは安定的なヒト細胞株、例えば、ヒト胎児腎(HEK)293細胞、HEK293 T細胞、またはBeWo細胞である。前記細胞は、本明細書に記載するようにheVLPを産生するために使用し得る。
いくつかの実施形態において、前記方法は、HERV エンベロープ以外の任意の外来性タンパク質(例えば、表1に示す)および所望により細胞膜動員ドメイン(例えば表6に示す)を発現するように操作された、またはされていない細胞を使用することを含む。本実施形態において、産生される「空」の粒子は、カーゴと混合された精製粒子のヌクレオフェクション、脂質、ポリマー、またはCaClトランスフェクション、超音波処理、凍結融解および/または熱ショックを使用することによって、生体分子または化学分子カーゴを担持し得る。全ての実施形態において、産生細胞は、ヒト外来性gagタンパク質を全く発現しない。この種類の担持によって、細胞膜動員ドメインとの融合によってカーゴが改変されないことが可能になっており、既存のVLP技術からの著しい進歩を表す。
他の実施形態において、産生され、単離された、カーゴを含むheVLPは、カーゴと混合された精製粒子のヌクレオフェクション、脂質、ポリマー、またはCaClトランスフェクション、超音波処理、凍結融解、種々の温度におけるインキュベーションおよび/または熱ショックを使用することによって、さらなる生体分子または化学物質カーゴを担持することができる。
いくつかの実施形態において、カーゴは、治療用もしくは診断用タンパク質、または治療用もしくは診断用タンパク質をコードする核酸である。
いくつかの実施形態において、カーゴは化学化合物または分子である。
いくつかの実施形態において、化学分子は、タンパク質-タンパク質二量体化または多量体化のトリガー、例えばA/Cヘテロ二量体形成因子またはラパマイシンである。
いくつかの実施形態において、化学化合物は、DNA PK阻害剤、例えばM3814、NU7026またはNU7441であり、これは強度に相同組換え修復遺伝子編集を増強する。
いくつかの実施形態において、生体分子カーゴは遺伝子編集試薬である。
いくつかの実施形態において、遺伝子編集試薬は、ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質;ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質をコードする核酸;またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質を含むリボヌクレオタンパク質複合体(RNP)を含む。
いくつかの実施形態において、遺伝子編集試薬は、表2、3、4&5に列挙するタンパク質から選択される。
いくつかの実施形態において、遺伝子編集試薬は、CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質を含み、heVLPは、CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質に結合し、これらを標的配列に向かわせる1つまたは複数のガイドRNAをさらに含む。
いくつかの実施形態において、カーゴは、好ましくは表6に示される、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインへの共有または非共有結合を含む。例えば、共有結合は、単一のリーディングフレームから生成された直接的なタンパク質-タンパク質融合、ペプチド結合を形成することができるインテイン、R-基および/またはRNAスプライシングにおいて共有結合を形成することができる他のタンパク質を含むことができる。非共有結合は、例えば、DNA/DNA、DNA/RNA、および/またはRNA/RNAハイブリッド(水素結合相互作用を介する他の核酸に対する核酸塩基対形成)、タンパク質-タンパク質結合を誘導するのに化学化合物/分子を必要とする、または必要とせずに二量体または多量体化するタンパク質ドメイン、一本鎖可変フラグメント、ナノボディ、アフィボディ、DNAおよび/またはRNAに結合するタンパク質、4次構造相互作用を有するタンパク質、特定の光波長の存在下で二量体または多量体化することができる光遺伝学タンパク質ドメインおよび/または自然に再構成するスプリットタンパク質を含み得る。
いくつかの実施形態において、カーゴは、二量体化またはタンパク質-タンパク質結合を引き起こすのに分子を必要としてもしなくてもよい二量体化ドメインまたはタンパク質-タンパク質結合ドメインに対する融合体を含む。
いくつかの実施形態において、産生細胞は、FDA承認細胞株、同種異系細胞、および/またはドナー由来の自家細胞である。
いくつかの実施形態において、ヒトCD47の完全または活性ペプチドドメインを、免疫原性を低下させるためにheVLP表面に取り込んでもよい。
本明細書に含まれるAAVタンパク質の例は、AAV REP52、REP78、およびVP1-3である。タンパク質が挿入され得るカプシド部位は、VP1アミノ酸カウントから出発してT138である。二量体化ドメインは、この点において例えばカプシドに挿入され得る。
低分子誘導因子を必要としてもしなくてもよい、本明細書に含まれる二量体化ドメインの例は、dDZF1、dDZF2、DmrA、DmrB、DmrC、FKBP、FRB、GCN4 scFv、10x/24xGCN4、GFPナノボディ、およびGFPである。
本明細書に含まれるスプリットインテインの例は、Npu DnaE、Cfa、Vma、およびSsp DnaEである。
共に共有結合を作成する、本明細書に含まれる他のスプリットタンパク質の例は、SpyタグおよびSpyキャッチャーである。
本明細書に含まれるRNA結合タンパク質の例は、MS2、Com、およびPP7である。
本明細書に含まれる合成DNA結合ジンクフィンガーの例は、ZF6/10、ZF8/7、ZF9、MK10、ジンクフィンガー268、およびジンクフィンガー268/NREである。
本明細書に含まれる、4次構造の結果として多量体化するタンパク質の例は、大腸菌(E. coli)フェリチン、およびフェリチンの他のキメラ形態である。
本明細書に含まれる光遺伝学「光誘導性タンパク質」の例は、Cry2、CIBN、およびLov2-Jaである。
本明細書に含まれる形質導入を増強するペプチドの例は、L17E、Vectofusin、KALA、および種々の形態のナイシンである。
特に断らない限り、本明細書において使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野において当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本発明において使用するための方法および材料は本明細書に記載されており、他の、当技術分野において公知の適切な方法および材料もまた使用し得る。材料、方法および例は、例示のためのみであり、限定することを意図するものではない。本明細書において言及する全ての出版物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、および他の参照文献は、参照によりその全体が取り込まれる。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が優先される。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
RNP/タンパク質送達のための例示的なT2heVLP/T4heVLP産生および形質導入の図示。全てのheVLP発現コンストラクトは、産生細胞のゲノムに安定的に組み込まれている。コンストラクト1-0は、ヒト内在性GAG(hGAG)に対応する。コンストラクト1-1は、ヒト内在性GAGまたは他のリン脂質二重層動員ドメインに対応する。1-2はカーゴに対応する。2は任意のガイドRNAに対応する。1-0、1-1、および1-2は、サイトゾルにおいて翻訳され、ここで、1-1および1-2の融合体がガイドRNAと複合体化した後、リン脂質二重層に動員される。3は、HERV由来の糖タンパク質(hENV)に対応する。HERV由来の糖タンパク質は、細胞膜上において膜貫通タンパク質として発現する。hGAGは、カーゴ含有heVLPを細胞膜から細胞外空間へと出芽させる。これらの粒子は精製され、標的細胞表面において表面受容体と相互作用することによって、標的細胞と融合し、カーゴを送達することができる。 標的細胞に進入し、カーゴをサイトゾルに送達する精製heVLPの図示。重要なことに、カーゴが核酸局在配列を有する限り、ヒト内在性GAGまたは他のリン脂質二重層動員ドメインによって、標的細胞核にカーゴが進入することが可能になる。 インビトロにおける例示的T1heVLP送達spCas9ゲノム編集。VEGF部位#3を標的とする、spCas9と融合したPLC PH、spCas9と融合したhGAGKcon、またはspCas9と融合したヒト活動調節細胞骨格関連タンパク質(hArc)を含有するT1heVLPによって形質導入されたHEK 293T細胞。heVLPは、hENVW(左図)またはhENVFRD(右図)のいずれかによってシュードタイプ化される。遺伝子改変はアンプリコン配列決定によって測定される。 T1heVLP/T3heVLP産生の図示。トランスフェクションに使用されるプラスミドDNAコンストラクトは、カーゴ、任意のガイドRNA、hGAGおよびHERV由来の糖タンパク質をコードする。プラスミド、または他の種類のDNA分子は、産生細胞にわたって分布し、核内に局在するコンストラクトがheVLP構成要素およびカーゴを発現し、細胞膜またはエンドソーム付近に局在するコンストラクトが、出芽heVLP内に封入されるようになっている。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴ-gag融合体を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴ-PH融合体を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴ-gag/PH融合体を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびDmrAまたはDmrCと融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびDmrAまたはDmrCと融合したpHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびDmrAまたはDmrCと融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと複合体化しているMS2 RNAステムループ(MS2 SL)に結合する、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2と融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと複合体化しているRNAステムループ(MS2 SL)に結合する、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2と融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと複合体化しているRNAステムループ(MS2 SL)に結合する、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2と融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびgagおよびカーゴと複合体化しているRNAステムループ(MS2 SL)に結合する、DmrAまたはDmrCと融合した、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびPHおよびカーゴと複合体化しているRNAステムループ(MS2 SL)に結合する、DmrAまたはDmrCと融合した、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、カーゴおよびgag/PHおよびカーゴと複合体化しているRNAステムループ(MS2 SL)に結合する、DmrAまたはDmrCと融合した、RNA結合タンパク質(RBP)、MS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと融合したscFVが結合している反復GCN4ドメインと融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと融合したscFVが結合している反復GCN4ドメインと融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、カーゴおよびカーゴと融合したscFVが結合している反復GCN4ドメインと融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、gagおよびDmrAまたはDmrCと融合した反復GCN4ドメインを発現する産生細胞によって、粒子内にパッケージングされた。GCN4は、産生細胞においても発現されているカーゴと融合したscFVが結合している。本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、PHおよびDmrAまたはDmrCと融合している反復GCN4ドメインを発現する産生細胞によって、粒子内にパッケージングされた。GCN4は、産生細胞においても発現されているカーゴと融合したscFVが結合している。本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴは、二量体化分子(A/Cヘテロ二量体化因子)の存在下で、gag/PHおよびDmrAまたはDmrCと融合している反復GCN4ドメインを発現する産生細胞によって、粒子内にパッケージングされた。GCN4は、産生細胞においても発現されているカーゴと融合したscFVが結合している。本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(AAV粒子)は、カーゴを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(AAV粒子)は、カーゴおよびgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(AAV粒子)は、カーゴおよびPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(AAV粒子)は、カーゴおよびgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrBと融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrBと融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrBと融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrA、DmrB、またはDmrCと融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrA、DmrB、またはDmrCと融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(カプシドタンパク質、VP2に挿入されたDmrBを有するAAV粒子)は、DmrB二量体化およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下で、カーゴおよびDmrA、DmrB、またはDmrCと融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(一本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgagを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(一本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびPHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(一本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgag/PHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(一本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgagを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびPHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgag/PHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgagを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したPHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgag/PHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgagおよびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびPHおよびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびgag/PHおよびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgagを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したPHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびカーゴ内で特定の配列に結合するジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgag/PHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングせることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でカーゴ内で特定の配列に結合するDmrAまたはDmrCと融合したジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgagを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でカーゴ内で特定の配列に結合するDmrAまたはDmrCと融合したジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したPHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質およびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でカーゴ内で特定の配列に結合するDmrAまたはDmrCと融合したジンクフィンガータンパク質(ZFP)と融合したgag/PHを発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(Cas9 RNP-ZFP融合体が結合した二本鎖DNA)は、本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子内にパッケージングすることもできる。あるいは、Cas9 RNP-ZFP融合体は、産生細胞によって発現させることもでき、粒子は、本明細書に記載の種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することもできる。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RNA)は、カーゴを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RNA)は、カーゴおよびgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RNA)は、カーゴおよびPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RNA)は、カーゴおよびgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびMS2と融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびMS2と融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびMS2と融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびgagおよびA/Cヘテロ二量体化因子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したMS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびPHおよびA/Cヘテロ二量体化因子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したMS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(MS2ステムループを有するRNA)は、カーゴおよびgag/PHおよびA/Cヘテロ二量体化因子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合したMS2を産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、RBPと融合したカーゴおよび他のRBPと融合したgagを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、RBPと融合したカーゴおよび他のRBPと融合したPHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、RBPと融合したカーゴおよび他のRBPと融合したgag/PHを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、RBPと融合したカーゴおよびgagおよびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合した他のRBPを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的heVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、RBPと融合したカーゴおよびPHおよびA/Cヘテロ二量体化分子の存在下でDmrAまたはDmrCと融合した他のRBPを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。 例示的なheVLPおよびカーゴ構成の図示 この粒子は、エンベロープタンパク質を発現する産生細胞によって作出された。カーゴ(RBPステムループを有するRNA)は、A/Cヘテロ二量体化分子の存在下で、RBPと融合したカーゴおよびgag/PHおよびDmrAまたはDmrCと融合した他のRBPを産生細胞に発現させること、または本明細書に記載する種々の粒子導入法、例えばエレクトロポレーションによって粒子に導入することのいずれかによって、粒子内にパッケージングされた。
治療用のタンパク質および核酸は、大きな見込みを有するものであるが、これらの多くについて、大きい生体分子の細胞内への送達が、臨床開発への障害となっている。ゲノム編集試薬、例えばジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)またはRNAガイドされた、酵素的に活性/不活性のDNA結合タンパク質、例えばCas9は、実行し得る編集の特異性および種類という観点において急速に進歩しているが、安全なインビボ送達の障害により、未だに有効な遺伝子編集療法は妨げられている。以下は、heVLPをゲノム編集試薬の送達についての新規かつ最適なプラットフォームにするその特性の詳細を記載しており、これによってheVLPは古典的な送達様式とは対照的なものになっている。
ゲノムDNAに組み込まれても組み込まれなくてもよいDNAに逆転写されるRNAを送達するためのレンチウイルス等のレトロウイルス粒子が開発された。自己会合能力においてウイルス粒子を模倣しているが、コアウイルス遺伝子のいくつかを欠いているため感染性ではない、VLPが開発された。レンチウイルスベクターおよびVLPベクターは共に、典型的には、レンチウイルス粒子またはVLPの産生に必要な全ての構成要素をコードするプラスミドによって産生細胞株を一過的にトランスフェクションすることによって産生される。この従来の一過性トランスフェクション法で産生されるレンチウイルス粒子およびVSVGベースのVLPに関して、我々が発見した1つの主要な欠点は、従来のカーゴに加えて、これらの粒子が最初の一過性トランスフェクションで使用されたプラスミドDNAをパッケーングおよび送達することである。この意図しないプラスミドDNA送達は、免疫原性である可能性があり、例えばプラスミドDNAがゲノムDNAに組み込まれる等、望ましくない影響を引き起こし得る。粒子内に送達される生体分子および/または化学物質の種類を特定することは重要であり、heVLPはこの重要な機能を持つように設計されている。
本明細書に記載するheVLPは、DNAのみ、DNA+RNA+タンパク質、またはRNA+タンパク質を送達し得る。重要なことに、heVLPは、ヒト内在性レトロウイルス(HERV)から選択された構成要素を活用して、真核細胞にカスタマイズ可能なカーゴを送達するための粒子を作出する最初のVLP送達様式である。heVLPは、カーゴ(DNA、タンパク質、および/またはRNA)の形態を制御することができる。他の全ての以前に報告されているVLPおよびウイルス粒子は、意図されたタンパク質および/またはRNAカーゴに加えて、一過性のトランスフェクションによって粒子産生細胞に導入された望ましくないプラスミドDNA(または他の種類のDNAベースの遺伝子発現コンストラクト)をパッケージングして送達する。
heVLPの他の自明でない態様は、heVLPの表面にあるENVタンパク質である。ENVタンパク質は、heVLPがカーゴを効率的に細胞内に送達する能力を担っている。レトロウイルスのENVタンパク質の大部分は、ENVタンパク質の融合性を活性化するために、ENVタンパク質の細胞内ドメイン(ICD)をタンパク質分解により切断するという形態の翻訳後修飾を必要とし、これは感染性に不可欠である。表1に記載されているエンベロープタンパク質は全て、健常なヒト組織において種々のレベルで発現するHERV由来である(またはHERV ENVコンセンサス配列)。これらの配列のいくつかは、融合性を増強することが示されているICD切断を有するが、ほとんどは切断を必要としない。
heVLPは、HERV由来のヒト内在性GAGタンパク質(またはHERV GAGコンセンサス配列)を利用するため、粒子形成に外来性のウイルス由来のGAGを必要としない。これらのHERV GAGタンパク質は、heVLP形成を可能にし、健常なヒト組織においては種々のレベルで発現されている。重要なことに、heVLPは、以前に報告されているウイルス粒子、VLP、および細胞外小胞とは異なっており、これは、heVLPがHERV ENVとGAG構成要素との新しい組合せによって構成されており、外来性ウイルス由来の構成要素を含まないためである2、3。上記のような設計上の最適化により、heVLPは、DNA、RNA、タンパク質、またはDNAコードまたはRNPベースのゲノム編集試薬等の生体分子および/または化学物質の組合せの送達に特に適している。
ゲノム編集試薬、特にCRISPR-CAS、ジンクフィンガー、およびTALヌクレアーゼベースの試薬は、遺伝性疾患の処置のためのインビボ療法となる潜在的可能性を有するが、ゲノム編集試薬を細胞内に送達する技術は、患者にとって厳しい制限があるか、または安全ではない。従来の治療用モノクローナル抗体の送達は、タンパク質の直接注入を利用して成功している。残念ながら、Cas9等の遺伝子編集タンパク質を直接注入する戦略は、免疫原性、分解性、細胞特異性の低さ、および細胞膜を越えられない、またはエンドソーム/リソソームを回避できないことが障害となっている4~10。タンパク質療法および遺伝子編集のより広範の適用が、治療用タンパク質カーゴを細胞内に送達することによって達成され得る。例えば、Cas9は、リン脂質二重層を効率的に通過して細胞内に進入することができず、自然免疫原性および適応免疫原性を有することが示されている4~8。したがって、直接注入、または細胞毒性および免疫原性を有し、しばしば低レベルの所望の遺伝子改変をもたらす脂質、タンパク質、または金属ベースのナノ粒子への外側/内側コンジュゲートとしてCas9を送達することは実用的でも、好ましくもない9~20
カーゴを封入したナノ粒子は、DNA、タンパク質、RNA、およびRNPを細胞内に送達するために使用し得る他の送達戦略である9~18。ナノ粒子は、細胞特異性について操作することができ、エンドサイトーシスおよびそれに続くエンドソーム溶解を引き起こすことができる。しかしながら、ナノ粒子は、人工的に得られたビヒクルシェルによって種々のレベルの免疫原性を有し得る9~20。多くのナノ粒子は、粒子の構造的統合性を維持するために強い反対の電荷分布に依存しており、静電気によって毒性となり、多くのインビボ治療場面には適さないものになっている。RNAを送達するナノ粒子は、最近の臨床試験で成功を収めているが、ほとんどはsiRNAまたはshRNAの送達にのみ使用されている。かかるナノ粒子からの毒性は未だに主要な関心事である。ゲノム編集用RNPをコードするmRNAを送達するナノ粒子も近年成功しているが、タンパク質の送達と比較してオフターゲット効果の数が多く、RNAの安定性はタンパク質に比べて低い17。ゲノム編集RNPおよびDNAを送達するナノ粒子は、相同組換え修復(HDR)および非相同末端結合(NHEJ)の両方を利用できるために画期的な突破口であるが、インビトロおよびインビボにおける遺伝子改変頻度が非常に低く、かつそのために遺伝子編集療法としてのインビボでの適用が限られている15
現在、ゲノム編集療法を送達するための臨床的な標準ビヒクルは、アデノ随伴ウイルス(AAV)である。AAVベクターは、真核細胞へのDNAの送達が成功している有望な送達様式であるが、AAVは4.5kbを超えるDNAコンストラクトを効率的にパッケージングおよび送達することができないため、より大きなDNA発現コンストラクトを必要とする多くのCRISPRベースの遺伝子編集試薬を送達することができていない。CRISPRベースの遺伝子編集試薬は、複数の異なるAAV粒子に分割することができるが、この戦略は送達および編集効率を大幅に低下させる。AAVおよびアデノウイルスベクターは、必要な投与量に応じて、種々のレベルの免疫原性を有し得る。さらに、AAVのDNAコンストラクト中の逆位末端反復(ITR)は、自発的なエピソームの形成を促進し、これがゲノム編集試薬の発現を長引かせ、オフターゲット効果を高める可能性がある。ITRはまた、AAV DNAのゲノムDNAへの望ましくない組み込みを促進し得る21~24
近年、VLPは、mRNAおよびタンパク質のカーゴを細胞のサイトゾルに送達するために利用されている2、3、25~30。VLPは、レトロウイルス粒子についての代替的な送達様式として現れたものである。VLPは、レトロウイルスDNAを組み込む能力を欠損しており、タンパク質/RNP/DNAをパッケージングおよび送達するように設計し得る。しかし、現在までに公知であるゲノム編集試薬を送達する近年考案されたVLPを含むほとんどのVLPは、HIVまたは他のウイルス由来のgag-polタンパク質融合体およびウイルスプロテアーゼを利用してレトロウイルス様粒子を生成する25~27、29、30。第2に、RGNを含むいくつかのVLPはまた、レンチウイルスDNA転写物からのガイドRNAをパッケージングおよび発現しなければならない27。第3に、いくつかのVLPは、機能的な粒子を形成し、ゲノム編集カーゴを放出するために、ウイルスプロテアーゼを必要とする25~27、29。このウイルスプロテアーゼは、複数のアミノ酸モチーフを認識して切断するため、タンパク質カーゴに損傷を与える可能性があり、これは治療適用にとって危険なものであり得る。第4に、現在までに公開されたゲノム編集タンパク質を送達するVLP様式のほとんどは、パッケージングおよび形質導入の効率が低いため、インビトロおよびインビボにおける遺伝子改変効率が低いことが示されている25~27。第5に、これらのVLP構成要素に利用される複雑なウイルスゲノムは、複数のリーディングフレームを有し、擬似的な融合タンパク質産物の送達をもたらし得るRNAスプライシングを使用している25~27、29、30。第6に、これらのVLPに、逆転写酵素、インテグラーゼ、カプシド、およびウイルス由来のエンベロープタンパク質が存在することは、免疫原性およびオフターゲット編集が懸念されるために、ほとんどの治療用途には適していない。最後に、レンチウイルス粒子等のレトロウイルス粒子のほとんどはVSVGでシュードタイプ化されており、ゲノム編集試薬を送達する、記載されているVLPのほとんど全てはこれまで、VSVGを有し、それを利用している2、3、25~30。我々は、産生細胞を一過性にトランスフェクションすることによって形成されているVSVGベースの粒子が、トランスフェクションされたDNAをパッケージングおよび送達することを発見した。現在のVSVGベースのVLPのバージョンでは、この不用意なDNAの送達を防ぐことができず、これによって、免疫原性およびオフターゲット効果を最小限に抑える必要がある場面でのVLPの使用が妨げられている。
細胞外小胞は、エキソソームおよびエクトソーム内でカーゴをパッケージングおよび送達し得る、他の送達様式である31、32。VLPと同様に、細胞外小胞は、哺乳動物細胞由来のリン脂質二重層によって構成されている。VLPとは異なり、細胞外小胞はウイルス構成要素を欠いているため、免疫原性は限定的である。VLPが外側の融合性糖タンパク質(VSVG)により細胞内に入る能力が高いのに対し、細胞外小胞は主にマイクロピノサイトーシスによる細胞取り込みに依存しており、このことによって細胞外小胞の送達効率が制限されている。
heVLPは、細胞外小胞およびVLPの送達の利点を活用しようとするものである。heVLPは、潜在的に有害な外来性のウイルス由来の構成要素を全て排除した最初のVLP様式である。heVLPの構成要素は、細胞外小胞の生合成に関与することが知られており、局所的な免疫抑制特性を有することが知られており、健常なヒトの組織において発現することにより、中枢性寛容のために免疫反応を引き起こす可能性が最小限化される。heVLPは、以前に報告されているVLP、細胞外小胞、AAV、およびナノ粒子と比較して、特にゲノム編集試薬の送達についてより安全および効果的な代替品であり、これは、heVLPは、全てヒト由来の構成要素で構成されており、DNA+RNPまたはRNPのみを送達することができるが、以前に報告された他のVLPは、一過性のトランスフェクション用DNAが意図せずにパッケージングおよび送達されるのを防ぐことができず、heVLPは、特殊DNA分子を送達することができるが、一方以前に報告されたVLP、ナノ粒子、およびAAVは、そのことができない、またはせず、また、heVLPは、有害な免疫反応のリスクをさらに低減するために、患者由来の細胞(自家heVLP)および他のFDA承認細胞株(同種異系heVLP)を用いて産生することができるためである。ここでは、ゲノム編集、エピゲノム調節、トランスクリプトーム編集、およびプロテオーム調節をインビトロおよびインビボで適用するためにheVLPの産生、精製、および投与するための方法および組成物について記載する。望ましい編集結果は、治療の状況によって異なり、異なる遺伝子編集試薬が必要となる。化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9(spCas9)およびアシダミノコッカス属種(acidaminococcus sp.)のCas12a(機能化)は、停止コドンまたは欠失の導入にはNHEJ、または挿入を引き起こすにはHDRを活用する編集用のRNAガイド酵素として最も一般的なものの2つである34~36。塩基編集因子としても公知であるCas9デアミナーゼ融合体は、二本鎖DNAの切断を伴わずに単一ヌクレオチドを正確に編集するための現在の標準である37、38。重要なことに、本発明は、ゲノム編集、エピゲノム調節、トランスクリプトーム編集、およびプロテオーム調節の適用のために、試薬をパッケージングおよび送達する新しい方法を提供している。重要なことに、本発明はまた、VLPにおける不用意なDNA送達の現象に初めて取り組み、送達される生体分子の種類(DNA、RNA、および/またはタンパク質)を初めて制御するものであり、これによって可能な治療用のインビボゲノム改変の種類を増加させ、有害なオフターゲット効果を最小限に抑えるものである。
セクション1:DNA、タンパク質、化合物およびRNAを含むカーゴのheVLP介在性送達
タンパク質ベースのカーゴを封入して送達するように操作されている従来のVLPは、一般的にはカーゴをINTまたはGAGポリプロテインと融合させる25~27、29、30、39、40。産生プラスミドDNAコンストラクトを一過性にトランスフェクションした後、これらのタンパク質融合体は、従来のVLP産生細胞株のサイトゾル内で翻訳され、gagマトリックスはアセチル化されて細胞膜に動員され、VLPが膜から細胞外に出芽する際に、gag融合体はVLP内に封入される(一過性のトランスフェクション用DNAも意図せずに封入される)。
対照的に、本明細書に記載されているheVLPは、全ての産生DNAを産生細胞株のゲノムDNAに組み込むことによって、タンパク質ベースのカーゴをパッケージングすることができる。一度細胞株が作出されると、タンパク質送達heVLPは、構成的または誘導的な方法で産生することができる。タンパク質は、選択したヒト内在性GAGタンパク質または他の細胞膜動員ドメインをタンパク質ベースのカーゴと融合させることにより、heVLPにパッケージングされる(例えば、表6に示す)。ヒト内在性GAGタンパク質とヒトプレクストリン相同(PH)ドメインは、生体膜に局在する。PHドメインは、PIP2、PIP3、GPCRのβγサブユニット、およびPKC等の、生体膜内のホスファチジルイノシトール脂質およびタンパク質と相互作用する41、42。しかしながら、ヒト内在性GAGタンパク質は、リン脂質二重層に局在することに加えて、出芽および粒子形成を促進する42。このようなヒト内在性GAGの二重機能により、カーゴのパッケージングおよび粒子の出芽/形成が可能になる。この目的のために使用されるかかるヒト内在性GAGタンパク質の1つは、リン脂質二重層のサイトゾル側にカーゴを動員するためにタンパク質ベースのカーゴと融合されていてもよいヒトArcタンパク質である43。これらのヒト内在性GAGリン脂質二重層動員ドメインは、カーゴ内の1つまたは複数の核局在化配列(NLS)の位置にかかわらず、可変長のポリペプチドリンカーを介して、タンパク質ベースのカーゴのN末端またはC末端と融合し得る。好ましくは、タンパク質ベースのカーゴとヒト内在性GAGリン脂質二重層動員ドメインとの間のリンカーは、グリシンおよびセリンを主成分とする長さ5~20、例えば8~12、例えば10アミノ酸のポリペプチドリンカーである。ヒト内在性GAGまたは他のリン脂質二重層動員ドメインは、カーゴをリン脂質二重層に局在化させ、このタンパク質カーゴは、産生細胞から細胞外空間に向かって出芽するheVLP内にパッケージングされる(図1)。この適用において、これらのヒト内在性GAGおよび他のリン脂質二重層動員ドメインを使用することは、これらのヒト内在性GAGおよび他のタンパク質が、カーゴをheVLP産生細胞内の細胞膜のサイトゾル面に局在させることを容易にし、また、外来性のレトロウイルスGAGまたは化学および/または光ベースの二量体化システムを利用することなく、カーゴをheVLP形質導入細胞の核に局在させることを可能にするという点において新規かつ特有である(図2)。例えば、ヒト内在性GAGタンパク質と融合させた場合、PH細胞膜動員ドメインと融合させた場合、または全く融合させない場合と比較して、Cas9のheVLPで送達は大幅に効率が向上する(図3)。
heVLPはまた、産生細胞株への一過性トランスフェクションによって産生された場合、DNAとRNAとの組合せをパッケージングおよび送達し得る。細胞にトランスフェクションされたDNAは、サイズ依存性の移動性を有しており、トランスフェクションされたDNAのある画分はサイトゾルに留まるが、トランスフェクションされたDNAの他の画分は核に局在するようになっている44~46。核内のトランスフェクションされたDNAの1つの画分は、heVLPを作出するために必要な構成要素を発現し、サイトゾル中/細胞膜付近の他の画分は封入され、heVLP内で送達される(図4)。
本明細書において使用するheVLP「カーゴ」は、例えば、治療または診断的使用のため、またはゲノム編集、エピゲノム調節、および/またはトランスクリプトーム調節の用途のための、化学物質、例えば低分子化合物、DNA、RNA、またはタンパク質の組合せ、RNAとタンパク質との組合せ、DNAとタンパク質との組合せ、またはタンパク質の1つまたは複数を指していてもよい。さらに、産生細胞からの内在性RNAおよびタンパク質がパッケージングされ、および/またはheVLPに組み込まれる。これらの区別を簡単にするために、外来性DNA、外来性RNA、およびタンパク質(外来性および/または内在性タンパク質)の組合せを1型カーゴ(T1heVLP)と称し、外来性RNAおよびタンパク質(外来性および/または内在性タンパク質)を2型カーゴ(T2heVLP)と称し、また、外来性DNAおよびタンパク質(外来性および/または内在性タンパク質)の組合せを3型カーゴ(T3heVLP)、タンパク質(外来性および/または内在性タンパク質)を4型カーゴ(T4heVLP)と称する。したがって、T1はDNA、RNA、+/-外来性タンパク質を含み、T2は、RNA+/-外来性タンパク質を含み、T3は、DNA+/-外来性タンパク質を含み、そして、T4は、外来性タンパク質のカーゴを持つまたは持たない粒子である。したがって、外来性タンパク質を含まないT4は、「外来性カーゴ」がないため、「空の粒子」とみなされる。「外来性カーゴ」は、産生細胞に内在しないカーゴであって、heVLPにパッケージングおよび/または組み込むことができるカーゴである。さらに、T1~T4heVLPは、T1~T4heVLPに存在するカーゴの種類に加えて、外来性の化学分子をパッケージングすることができる。この文脈におけるRNAは、例えば、一本鎖ガイドRNA(sgRNA)、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Palindromic Repeat)RNA(crRNA)、および/またはカーゴをコードするmRNAであり得る。
本明細書において使用する、「低分子」は、分子量が約3000ダルトン未満の有機または無機の低分子を指す。一般的に、本発明に有用な低分子は、3000ダルトン(Da)未満の分子量を有する。低分子は、例えば、少なくとも約100Da~約3000Da(例えば、約100~約3000Da、約100~約2500Da、約100~約2000Da、約100~約1750Da、約100~約1500Da、約100~約1250Da、約100~約1000Da、約100~約750Da、約100~約500Da、約200~約1500、約500~約1000、約300~約1000Da、または、約100~約250Da)であり得る。
カーゴは、粒子の直径によって制限され、例えば、いくつかの実施形態においては、150nm~500nmの範囲である。
ゲノム編集の用途のために開発されたカーゴには、ヌクレアーゼおよび塩基編集因子も含まれる。ヌクレアーゼとしては、FokIおよびAcuI ZFN、および転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)およびCRISPRベースのヌクレアーゼまたはその機能的誘導体(例えば、表2に示す)(ZFNは、例えば、米国特許出願公開第20030232410号明細書、第20050208489号明細書、第20050026157号明細書、第20050064474号明細書、第20060188987号明細書、第20060063231号明細書、および国際公開第07/014275号パンフレットに記載されている)(TALENは、例えば、米国特許第9393257号明細書、および国際公開第2014134412号パンフレットに記載されている)(CRISPRベースのヌクレアーゼは、例えば、米国特許第8697359号明細書、米国特許出願公開第20180208976号明細書、および国際公開第2014093661号パンフレット、国際公開第2017184786号パンフレットに記載されている)34~36。本研究によって記載されている塩基編集因子としては、可変長のポリペプチドリンカーを用いた1つまたは複数のウラシルグリコシラーゼインヒビター(UGI)とのC末端での融合を伴う、または伴わない、例えば、表2に示すように、N末端でデアミナーゼと融合した、任意のCRISPRベースのヌクレアーゼオルソログ(wt、ニッカーゼ、または触媒的に不活性(CI))、またはその機能的誘導体(例えば表3に示す)を含む(塩基編集因子は、例えば、米国特許出願公開第20150166982号明細書、米国特許出願公開第20180312825号明細書、米国特許第10113163号明細書、および国際公開第2015089406号パンフレット、国際公開第2018218188号パンフレット、国際公開第2017070632号パンフレット、国際公開第2018027078号パンフレット、国際公開第2018165629号パンフレットに記載されている)37、38。さらに、プライム編集因子は、heVLP送達様式にも適合性である(プライム編集因子は、例えば、Anzalone et al., Nature. 2019 Dec;576(7785):149-157に記載されている)。
sgRNAはパッケージングの過程でゲノム編集試薬と複合体化し、heVLP内で共送達される。現在までに、この概念はインビトロにおいて、内在性の部位を部位特異的に編集する目的でRGN RNPをT2heVLPで送達することを示す実験によって実証されている(図3)。例えば、内在性のVEGF部位#3を編集する目的で、T2heVLPを用いてHEK 293T細胞にCas9 RNPが送達されている(図3)。
エピゲノム調節を目的として設計されたカーゴは、エピゲノム調節因子またはエピゲノム調節因子の組合せ、または1つもしくは複数の可変長ポリペプチドリンカーで結合したその機能性誘導体と融合したCI CRISPRベースのヌクレアーゼ、ジンクフィンガー(ZF)およびTALEを含む(表2および4)。トランスクリプトーム編集を目的として設計されたT1~T4カーゴは、表5のCRISPRベースのヌクレアーゼまたはその任意の機能的誘導体、または1つまたは複数の可変長ポリペプチドリンカーによって表3のデアミナーゼと融合した、表5のCI CRISPRベースのヌクレアーゼまたはその任意の機能的誘導体を含む。
カーゴはまた、治療的または診断的に有用な任意のタンパク質、DNA、RNP、またはDNA、タンパク質および/またはRNPの組合せを含み得る。例えば、国際公開第2014005219号パンフレット、米国特許第10137206号明細書、米国特許出願公開第20180339166号明細書、米国特許第5892020号明細書、欧州特許第2134841号明細書、国際公開第2007020965号パンフレットを参照されたい。例えば、ヌクレアーゼまたは塩基編集タンパク質もしくはRNPまたはその誘導体をコードまたはこれらによって構成されるカーゴを、リーバー先天性甘皮症10型の原因となるスプライシング部位の欠陥を修正する目的で網膜細胞に送達することができる。哺乳動物の内耳では、β-カテニンをより安定化させるために、β-カテニンを編集する(β-カテニンSer33はTyr、Pro、またはCysに編集される)目的で、塩基編集試薬またはHDR促進カーゴを蝸牛支持細胞および有毛細胞等の感覚細胞にheVLP送達することによって、難聴の回復に役立つ可能性がある。
他の適用において、RNA編集試薬またはプロテオーム撹乱試薬のheVLP送達は、1つまたは複数の特定の目的のタンパク質の細胞レベルの一過性の低下を引き起こし(潜在的には、全身レベルで、特定の器官または腫瘍などの細胞の特定のサブセットにおいて)、これにより、副次的な薬剤を投与できる治療的に作用可能なウィンドウが作成され得る(この副次的な薬剤は、目的のタンパク質が存在しないか、または目的のタンパク質の存在のレベルが低くなっている際に、より効果的である)。例えば、RNA編集試薬またはプロテオーム擾乱試薬のheVLPによる送達によって、ベムラフェニブ/ダブラフェニブ耐性のBRAF駆動腫瘍細胞において、MAPKおよびPI3K/AKTタンパク質ならびに関連するmRNAの標的化分解が引き起こされ、BRAF阻害剤耐性が一時的に無効化される(MAPK/PI3K/AKT経路に基づく耐性機構がheVLPカーゴによって一時的に下方制御される)ために、ベムラフェニブ/ダブラフェニブ投与のためのウィンドウが開かれ得る。この例は、抗原誘導性があり、したがって腫瘍細胞に特異的なheVLPと組み合わせた場合に特に適切である。
他の適用において、heVLPは、山中因子であるOct3/4、Sox2、Klf4、およびc-Mycをヒトまたはマウスの線維芽細胞に送達し、人工多能性幹細胞を作製することができる。
他の適用において、heVLPは、治療効果を引き出すために、ドミナントネガティブ形態のタンパク質を送達し得る。
抗原特異的なheVLPを、がん細胞に対して標的化して、アポトーシス促進タンパク質であるBIM、BID、PUMA、NOXA、BAD、BIK、BAX、BAK、および/またはHRKを送達し、がん細胞のアポトーシスを引き起こし得る。
膵臓がん患者の90%は切除不能な疾患を呈している。切除不能な膵臓腫瘍患者の約30%は局所的な疾患の進行により死亡するため、局所進行膵臓腫瘍を放射線で切除して処置することが望ましいが、腸管は腫瘍切除を引き起こすのに必要な高線量の放射線に耐えることができない。腸管を選択的に放射線保護することによって、周囲の消化管に対する損傷を最小限に抑えながら、膵臓腫瘍の切除放射線療法を行うことが可能になる。この目的のために、転写抑制因子KRABおよびEGLNを標的とするガイドRNAと融合したdCas9をheVLPに導入し得る。EGLNの阻害は、膵臓腫瘍ではなく消化管の選択的な放射線保護を引き起こすため、切除的放射線処置による消化管傷害性を有意に軽減することが示されている47
結合していないステロイド受容体は、サイトゾルに存在する。リガンドへの結合後、これらの受容体は核へと局在移行し、応答遺伝子の転写を開始する。heVLPは、サイトゾルのステロイド受容体に結合し、それを破壊する一本鎖可変フラグメント(scFv)抗体を細胞のサイトゾルに送達することができる。例えば、scFvは、グルココルチコイド受容体に結合し、デキサメタゾンとの結合を阻害することで、腫瘍形成と関連しているメタロチオネイン1E等の応答遺伝子の転写を阻止し得る48
heVLPは、タンパク質の標的化破壊を伴う処置に適応し得る。例えば、抗体/scFvsを細胞のサイトゾルに送達することによって、細胞のサイトゾル内のタンパク質を標的化し、破壊するために、heVLPを利用し得る。従来、細胞膜を介して細胞のサイトゾルに抗体を送達することが、困難かつ非効率的であることが周知されていた。このようなタンパク質の阻害方法は、標的化された低分子がサイトゾル内のタンパク質に結合して破壊する方法と類似しており、多様な疾患の処置に有用であり得る49~51
さらに、標的化低分子の標的化は、触媒機能またはタンパク質-タンパク質の相互作用に関連する結合ポケットを含む一定の大きさのタンパク質に限定される。scFvは、触媒機能および他のタンパク質との相互作用を阻害するために、タンパク質の多くの異なる部位に結合するように生成し得るため、これらの制限に妨げられない。例えば、RASがんタンパク質は、多くのがんのサブタイプに関与しており、RASはがんにおいて最も頻繁に観察されるがん遺伝子の1つである。例えば、国際がんゲノムコンソーシアムでは、膵臓腺がんサンプルの95%でKRASが変異していることが見出されている。RASアイソフォームは、PI3K経路およびMAPK経路のような、ヒトのがんで制御不能となっている種々の経路を活性化することが知られている。RASはがんにおいて異常な役割を果たしているにもかかわらず、効果的な薬理学的な直接または間接のRASの低分子阻害剤は開発されておらず、臨床使用が承認されていない。RASを標的とする1つの戦略は、複数のRASアイソフォームに結合し、その機能を阻害するscFvをがん細胞に特異的に送達できるheVLPであり得る49~51
図5~69は、例示的なheVLPの構成およびカーゴ分子の非限定的な例を示している。
セクション2:heVLP組成、産生、精製および適用
heVLPは、少なくとも1つのプラスミドで一過性にトランスフェクションされたか、または産生細胞株のゲノムDNAに組み込まれたコンストラクトを安定的に発現している産生細胞株から産生される。いくつかの実施形態において、T1およびT3heVLPについて、単一のプラスミドをトランスフェクションに使用する場合、それは、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメイン(例えば、表6に示す)と融合した、1つまたは複数のHERV由来の糖タンパク質(例えば、表1に示す)、1つまたは複数のHERV由来のGAGタンパク質、カーゴ(例えば、治療用タンパク質または遺伝子編集試薬、例えばジンクフィンガー、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集/調節タンパク質および/またはRNP、例えば表2、3、4および5に記載される他のもの)、ならびに必要に応じてガイドRNAをコードする配列を含んでいるはずである。好ましくは、トランスフェクションには2~3個のプラスミドを用いる。これらの2~3個のプラスミドは、以下のものを含むことができる(任意の2つ以上を1つのプラスミドにおいて組み合わせ得る):
1. ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインと融合した、治療用タンパク質またはゲノム編集試薬をコードする配列を含む、プラスミド。
2. 1つまたは複数のHERV由来の糖タンパク質(例えば、表1に列挙するもの)を含む、プラスミド。
3. 1つまたは複数のHERV由来のGAGタンパク質を含むプラスミド。
4. プラスミド1からのゲノム編集試薬が、1つまたは複数のガイドRNAを必要とする場合、プラスミド1におけるゲノム編集試薬に適切な1つまたは複数のガイドRNAを含むプラスミド。
プラスミド以外の種類のDNA分子を送達することが望ましい場合、二本鎖の閉環直鎖DNA、エピソーム、ミニサークル、二本鎖オリゴヌクレオチドおよび/または他の特殊DNA分子を用いて、上記のトランスフェクションを行うことができる。あるいは、T2およびT4heVLPについては、上記トランスフェクションで説明したコンストラクト(1~3)を安定的に発現する産生細胞株を作製し得る。
また、プラスミド、または上記の他の種類の特殊DNA分子は、好ましくは、コードされた配列の発現または翻訳を駆動するための他の要素、例えば、プロモーター配列、エンハンサー配列、例えば、5’非翻訳領域(UTR)または3’UTR、ポリアデニル化部位、インシュレーター配列、または発現を上昇させる、または制御する他の配列(例えば、誘導性プロモーター要素)も含むであろう。
好ましくは、適切な産生細胞株は、トランスフェクション試薬の影響および糖タンパク質による融合効果に抵抗性のある初代のまたは安定的なヒト細胞株である。適切な細胞株の例としては、ヒト胎児腎(HEK)293細胞、HEK293 T/17 SF細胞腎臓由来のPhoenix-AMPHO細胞、および胎盤由来のBeWo細胞が挙げられる。例えば、かかる細胞は、接着細胞、または懸濁細胞として成長する能力について選択され得る。いくつかの実施形態において、産生細胞は、血清条件、無血清条件、またはエキソソーム無血清条件において古典的なDMEM中で培養し得る。T1およびT3heVLPは、患者に由来する細胞(自家heVLP)および他のFDA承認細胞株(同種異系heVLP)から、これらの細胞に、当技術分野で公知の種々の技術によって前述のheVLP産生構成要素をコードするDNAコンストラクトをトランスフェクトし得る限り、産生し得る。
さらに、望ましい場合には、2つ以上のゲノム編集試薬をトランスフェクションに含めることができる。DNAコンストラクトは、産生細胞株でタンパク質を過剰発現させるように設計し得る。トランスフェクションに使用されるプラスミド骨格は、例えば、RNAポリメラーゼII転写物のためのCMVプロモーターまたはRNAポリメラーゼIII転写物のためのU6プロモーターを用いるpCDNA3骨格のような、当技術分野の当業者に周知のものであり得る。核酸分子を産生細胞に導入するために、当技術分野で公知の種々の技術を採用することができる。かかる技術としては、リン酸カルシウム、カチオン性脂質、カチオン性ポリマー等の化合物を用いた化学促進トランスフェクション、LIPOFECTAMINE(LIPOFECTAMINE2000または3000、およびTransIT-X2)のようなカチオン性リポソーム、ポリエチレンイミン等のリポソーム介在トランスフェクション、エレクトロポレーション、粒子ボンバードメント、マイクロインジェクション等の非化学的方法が挙げられる。
必要なheVLP構成要素を構成的および/または誘導的に安定して発現するヒト産生細胞株を、T2およびT4heVLPの産生に用いることができる。T2およびT4heVLPは、患者に由来する細胞(自家heVLP)および他のFDA承認細胞株(同種異系heVLP)から、これらの細胞が前述のheVLP構成要素を発現する安定的な細胞株に変換されている場合、産生することができる。
本明細書において、産生細胞自体も提供される。
いくつかの実施形態において、heVLPへのカーゴの効率的な動員のために、カーゴは、好ましくは表6に示される、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインへの共有結合または非共有結合を含む。共有結合は、例えば、単一のリーディングフレームから生成された直接的なタンパク質-タンパク質融合体、ペプチド結合を形成することができるインテイン、R-基および/またはRNAスプライシングで共有結合を形成することができる他のタンパク質を含み得る52~54。非共有結合としては、例えば、DNA/DNA、DNA/RNA、および/またはRNA/RNAハイブリッド(核酸が水素結合相互作用を介して他の核酸と塩基対形成する)、タンパク質-タンパク質結合を誘導する化学化合物/分子を必要とする、または必要とせずに二量体化または多量体化するタンパク質ドメイン(例えば、DmrA/DmrB/DmrC(Takara Bio)、FKBP/FRB55、dDZF56、およびロイシンジッパー57等)、一本鎖可変フラグメント58、ナノボディ59、アフィボディ60、DNAおよび/またはRNAに結合するタンパク質、4次構造相互作用を有するタンパク質、特定の光波長の存在下で二量体化または多量体化できる光遺伝学的タンパク質ドメイン61、および/または自然に再構成されるスプリットタンパク質62が挙げられる。
いくつかの実施形態において、カーゴは、二量体化またはタンパク質-タンパク質結合を引き起こす分子を必要としてもしなくてもよい二量体化ドメインまたはタンパク質-タンパク質結合ドメインとの融合体を含む。
いくつかの実施形態において、産生細胞は、FDA承認細胞株、同種異系細胞、および/またはドナーに由来する自家細胞である。
いくつかの実施形態において、免疫原性を低減するために、ヒトCD47の完全または活性ペプチドドメインをheVLP表面に組み込んでもよい。
本明細書に含まれるAAVタンパク質の例は、AAV REP52、REP78、およびVP1-3である。タンパク質が挿入され得るカプシド部位は、VP1のアミノ酸カウントから出発してT138である63。二量体化ドメインは、例えば、カプシドのこの点に挿入され得る。
低分子誘導因子を必要としても必要としなくてもよい、本明細書に含まれる二量体化ドメインの例は、dDZF156、dDZF256、DmrA(Takara Bio)、DmrB(Takara Bio)、DmrC(Takara Bio)、FKBP55、FRB55、GCN4 scFv58、10x/24x GCN458、GFPナノボディ59、およびGFP64である。
本明細書に含まれるスプリットインテインの例は、Npu DnaE、Cfa、Vma、およびSsp DnaEである52
本明細書に含まれる、共有結合を共に作成する他のスプリットタンパク質の例は、SpyタグおよびSpyキャッチャーである53
本明細書に含まれるRNA結合タンパク質の例は、MS2、Com、およびPP7である65
本明細書に含まれる合成DNA結合ジンクフィンガーの例は、ZF6/10、ZF8/7、ZF9、MK10、ジンクフィンガー268、およびジンクフィンガー268/NREである66、67
本明細書に含まれる4次構造の結果として多量体化するタンパク質の例は、大腸菌(E. Coli)のフェリチン、および他のフェリチンのキメラ形態である68、69
本明細書に含まれる光遺伝学的な「光誘導性タンパク質」の例は、Cry2、CIBN、およびLov2-Jaである61
本明細書に含まれる、形質導入を増強するペプチドの例は、L17E70、Vectofusin-1(Miltenyi Biotec)、KALA71、および種々の形態のナイシン72である。
他の実施形態において、産生され、単離されたT1~T4 heVLPは、カーゴと混合された精製粒子のヌクレオフェクション、脂質、ポリマー、またはCaClトランスフェクション、超音波処理、凍結融解、種々の温度でのインキュベーション、および/または熱ショックを利用して、生体分子または化学分子カーゴを導入することができる。これらの技術は、治療用または研究用用途のためにエキソソームにカーゴを導入するために使用される技術から適応される73~75。例えば、100μgのheVLPをPBS中の50mMトレハロース200~450μlに再懸濁し、所望の濃度のカーゴと混合し、0.4cmのキュベット内で0.200kV、および125μFでエレクトロポレーション(静電容量エクステンダーを備えたGenePulser II Electroporation System、Bio-Rad、Hercules、CA、USA)を行うことができる。
カーゴ導入heVLPおよび組成物の産生
好ましくは、トランスフェクションの36~48時間後、またはheVLPが産生細胞の培地中で最大濃度であるときに、細胞培養液の上清からheVLPを回収する(産生細胞は培地中に粒子を排出しており、ある時点で培地中の粒子濃度が粒子を回収するのに最適である)。上清は、遠心分離、超遠心分離、沈殿、限外ろ過、および/またはクロマトグラフィー等、当技術分野における任意の公知の方法によって精製し得る。いくつかの実施形態において、上清を最初にろ過し、例えば、0.45孔径のポリフッ化ビニリデン親水性膜(Millipore Millex-HV)または0.8μm孔径の混合セルロースエステル親水性膜(Millipore Millex-AA)を通して、1μmより大きい粒子を除去する。ろ過後、例えば、超遠心分離を、例えば、1℃~5℃の温度で80,000~100,000xgの速度で1~2時間、または1℃~5℃の温度で8,000~15,000gの速度で10~16時間使用して、上清をさらに精製および濃縮し得る。この遠心分離ステップの後、heVLPを遠心分離物(ペレット)の形態で濃縮し、これを所望の濃度に再懸濁し、形質導入促進試薬と混合し、緩衝剤交換に供しても、またはそのまま使用してもよい。いくつかの実施形態において、heVLP含有上清をろ過し、沈殿させ、遠心分離し、濃縮溶液に再懸濁し得る。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG8000、またはheVLP表面タンパク質または膜構成要素に結合する抗体ビーズコンジュゲートを使用して、粒子を沈殿させることができる。精製された粒子は安定しており、4℃で1週間まで、または-80℃で数年間保存しても、評価可能な活性を失わない。
好ましくは、heVLPは再懸濁されるか、または粒子が適切なキャリアに懸濁されるように緩衝剤交換を受ける。いくつかの実施形態において、緩衝剤交換は、限外ろ過(Sartorius Vivaspin 500 MWCO 100,000)によって行うことができる。インビトロ用途に使用するheVLPの例示的な適切なキャリアは、好ましくは、heVLPによって形質導入されるべき細胞に適した細胞培養培地であろう。インビトロ用途のための精製および濃縮されたheVLP溶液に混合することができる形質導入促進試薬としては、当技術分野の当業者に知られている試薬(Miltenyl Biotec Vectofusin-1、Millipore Polybrene、Takara Retronectin、およびSigma Protamine Sulfate等)が挙げられる。適切なキャリア中のheVLPを形質導入すべき細胞に適用した後、遠心分離によって形質導入効率をさらに上昇させることができる。好ましくは、細胞に適用したheVLPを含むプレートを、室温で1,150gの速度で30分間遠心分離することができる。遠心分離後、細胞を適切な細胞培養インキュベーター(37℃、5%COの加湿インキュベーター)に戻す。
哺乳動物、特にヒトに投与するheVLPの適切なキャリアは、好ましくは薬学的に許容される組成物であろう。「薬学的に許容される組成物」は、任意の種類の非毒性の半固体、液体、またはエアロゾル化された充填剤、希釈剤、カプセル化材料、コロイド懸濁液、または製剤補助剤を指す。好ましくは、この組成物は注射に適している。特に等張性の無菌生理食塩水溶液(リン酸一ナトリウムもしくは二ナトリウム、塩化ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化マグネシウムおよびかかる塩の類似の溶液または混合物)、または乾燥した、特に凍結乾燥した組成物であって、場合によって滅菌水または生理食塩水を添加することにより、注射用液剤を構成することができるものであり得る。他の適切な医薬形態は、鼻腔内吸入または気管内挿管によって投与するためにエアロゾル化された粒子であり得る。
注射使用に適した医薬形態としては、無菌水性液剤または懸濁剤が挙げられる。液剤または懸濁剤は、heVLPと適合性であり、標的細胞へのheVLPの進入を妨げない添加物を含んでいてもよい。いずれの場合も、形態は無菌でなければならず、前記形態を注射器で投与できる程度の流動性がなければならない。製造および保存の条件下で安定していなければならず、細菌および真菌等の微生物の汚染作用に対して保存されていなければならない。適切な液剤の例は、リン酸緩衝生理食塩水等の緩衝剤である。
適切な医薬組成物を製剤する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed., 2005およびDrugs and the Pharmaceutical Sciences: a Series of Textbooks and Monographs (Dekker、NY)シリーズの書籍を参照されたい。例えば、非経口、皮内、または皮下の適用に使用される液剤または懸濁剤は、以下の構成要素、注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒等の無菌希釈剤、ベンジルアルコール、またはメチルパラベン等の抗菌剤、アスコルビン酸、または重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等の緩衝剤、塩化ナトリウムまたはデキストロース等の張性調整剤等を含んでいてもよい。pHは、塩酸または水酸化ナトリウム等の酸または塩基で調整し得る。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数用量バイアルに封入することができる。
注射使用に適した医薬組成物は、無菌水性液剤(水溶性の場合)または分散剤、および無菌注射用液剤または分散剤を即座に調製するための無菌粉末を含み得る。静脈内投与に適切なキャリアとしては生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、NJ)、またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。いずれの場合も、組成物は無菌でなければならず、容易に注射針を追加できる程度の流動性がなければならない。製造および保存の条件下で安定していなければならず、細菌および真菌等の微生物による汚染作用から保護されていなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング剤の使用、分散剤の場合は必要な粒子径の維持、および界面活性剤の使用によって維持し得る。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、およびチメロサール等の種々の抗菌および抗真菌剤によって達成し得る。多くの場合、等張剤、例えば糖、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましいであろう。注射用組成物の長時間の吸収は、吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に含めることによってもたらし得る。
無菌注射用液剤は、必要な量の活性化合物を、上に挙げた成分の1つまたは複数と組み合わせて適切な溶媒に取り込み、その後、必要に応じてろ過滅菌することによって調製し得る。一般的に、分散剤は、無菌ビヒクルに活性化合物を取り込むことによって調製され、これは、基本的な分散媒と上に列挙するものからの必要な他の成分とを含む。無菌注射用液剤を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これらの方法では、活性成分の粉末に加えて、事前に滅菌ろ過された溶液からの任意の追加の所望の成分を得ることができる。
カーゴ導入heVLPを含む組成物は、投与のための指示書と共に、コンテナ、パック、またはディスペンサーに含め得る。
本発明は、以下の実施例でさらに説明されるが、これらは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
方法
heVLP粒子は、ポリエチレンイミン(PEI)ベースのプラスミドのトランスフェクションを使用して、HEK293T細胞によって産生された。PEIはポリエチレニミン25kD 直鎖(Polysciences #23966-2)である。「PEI MAX」のストック溶液を作製するために、1gのPEIを1Lの事前に約80℃まで加熱したエンドトキシンフリーのdHOに添加し、室温まで冷却した。この混合物を10NのNaOHの添加によってpH7.1に中和し、0.22μmのポリエーテルスルホン(PES)でろ過滅菌した。PEI MAXは-20℃で保存する。
HEK293T細胞は、トランスフェクション時に70%~90%コンフルエントになるように分割し、10%FBSのDMEM培地で培養する。カーゴベクター、例えば、コドン最適化Cas9へのhPLCδ1 PH融合体の発現を駆動するCMVプロモーターをコードするベクターを、U6プロモーター-sgRNAコードプラスミド、hERVKconGAG(hGAGKcon)コードプラスミド、およびhENVW(シンシチン-1)コードプラスミドと共トランスフェクションした。トランスフェクション反応は、還元血清培地(Opti-MEM、GIBCO #31985-070)中で組み立てた。10cmプレートでのheVLP粒子産生のために、5μgのPH-Cas9発現プラスミド、5μgのsgRNA発現プラスミド、5μgのhERVKconGAG発現プラスミド、および5μgのシンシチン-1発現プラスミドを1mLのOpti-MEM中で混合し、次いで27.5μlのPEI MAXを添加した。室温で20~30分インキュベーションした後、トランスフェクション反応物をHEK293T細胞上に滴下分散させた。
heVLPは、トランスフェクションの48~72時間後に回収した。heVLP上清は、0.8μm孔径の混合セルロースエステル膜フィルタを用いてろ過し、SW28ローター(Beckman Coulter #326823)と共に使用するポリプロピレンのBeckman超遠心チューブに移した。各超遠心チューブは、3枚の10cmプレートからのheVLP含有上清によって最終容積が約35~37.5mlに達するように充填されている。heVLP上清は、4℃で2時間、約100,000xg、または25,000rpmで超遠心分離された。超遠心分離後、上清をデカンテーションし、heVLPペレットをDMEM10%FBS培地に、超遠心分離前の約1,000倍の濃度になるように再懸濁した。heVLPを形質導入の24時間前に24ウェルプレートに播種した細胞に滴加した。必要に応じて、Polybrene(細胞培養液中5~10μg/mL;Sigma-Aldrich #TR-1003-G)を補充して、形質導入効率を高めた。必要に応じて、Vectofusin-1(細胞培養液中10μg/mL、Miltenyi Biotec #130-111-163)を添加して、形質導入効率を高めた。heVLPを添加した直後に、必要に応じて、24ウェルプレートを1,150xgで30分間、室温で遠心分離し、形質導入効率を高めた。
[実施例1]
HEK 293T細胞を、VEGF部位#3を標的とした、spCas9と融合したPLC PH、spCas9と融合したhGAGKcon、またはspCas9と融合したhArcを含むT1heVLPによって形質導入した。T1heVLPは、hENVW(左図)またはhENVFRD(右図)のいずれかによってシュードタイプ化された。遺伝子改変はアンプリコン配列決定によって測定した。粒子の精製および濃縮は、PVDFろ過および100,000xg、2時間の超遠心分離によって行った。結果を図3に示す。重要なことに、HERV由来のGAG(hGAGKcon)が産生細胞において単独で過剰発現しておらず、その際、効率的な送達は達成されなかった。
Figure 2022536364000002
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Figure 2022536364000004
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関連するタンパク質配列:
Figure 2022536364000008
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Figure 2022536364000023
Figure 2022536364000024
Figure 2022536364000025
引用文献
Figure 2022536364000026
Figure 2022536364000027
Figure 2022536364000028
Figure 2022536364000029
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Figure 2022536364000031
Figure 2022536364000032
他の実施形態
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を説明することを目的としており、本発明を限定するものではないことは理解されたい。他の局面、利点、および改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。

Claims (25)

  1. 操作されたヒト由来ウイルス様粒子(heVLP)であって、heVLPが、外側に、1つまたは複数のHERV由来のENV/糖タンパク質を有するリン脂質二重層を含む膜;膜の内側のheVLPコアにHERV由来のGAGタンパク質、およびheVLPのコアに配置されたカーゴを含み、前記カーゴがヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインと融合しており、heVLPが非ヒトのgagおよび/またはpolタンパク質を含まない、前記heVLP。
  2. 前記カーゴが、治療用もしくは診断用タンパク質、または治療用もしくは診断用タンパク質をコードする核酸、または低分子である、請求項1に記載のheVLP。
  3. 前記カーゴが遺伝子編集試薬である、請求項1に記載のheVLP。
  4. 前記遺伝子編集試薬が、ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質;ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質をコードする核酸;またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質を含むリボヌクレオタンパク質複合体(RNP)を含む、請求項1に記載のheVLP。
  5. 前記遺伝子編集試薬が、表2、3、4および5に列挙するタンパク質から選択される、請求項4に記載のheVLP。
  6. 前記遺伝子編集試薬が、CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質を含み、前記heVLPが、前記CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質に結合し、それを標的配列に誘導する1つまたは複数のガイドRNAをさらに含む、請求項4に記載のheVLP。
  7. 前記カーゴが、好ましくは表6に示される、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインとの融合体を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のheVLP。
  8. カーゴ分子を標的細胞、任意にインビボまたはインビトロの細胞に送達する方法であって、前記カーゴ分子を含む、請求項1に記載のheVLPと前記細胞を接触させることを含み、好ましくは前記カーゴ分子が生体分子および/または化学物質である、前記方法。
  9. 1つまたは複数のカーゴ分子を含むheVLPを産生する方法であって、
    1つまたは複数のHERV由来のエンベロープタンパク質、1つまたは複数のHERV由来のGAGタンパク質、および1つまたは複数のカーゴ分子を発現する細胞であって、ヒトゲノムにおいてコードされるgagタンパク質またはヒトゲノムに見出されるgagタンパク質に由来するコンセンサス配列によってコードされるgagタンパク質を除いて、gagおよび/またはpolタンパク質を発現せず細胞を用意すること、ならびに
    細胞がheVLPを産生するような条件で細胞を維持すること
    を含む、前記方法。
  10. 産生されたheVLPを回収し、任意に精製および/または濃縮することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記カーゴ分子が、治療用もしくは診断用タンパク質、または治療用もしくは診断用タンパク質をコードする核酸、または低分子の治療剤または診断剤である、請求項9に記載の方法。
  12. 前記カーゴ分子が遺伝子編集試薬である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記遺伝子編集試薬が、ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質;ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質をコードする核酸;またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質を含むリボヌクレオタンパク質複合体(RNP)を含む、請求項9に記載の方法。
  14. 前記遺伝子編集試薬が、表2、3、4、および5に列挙するタンパク質から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記遺伝子編集試薬が、CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質を含み、前記heVLPが、前記CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質に結合し、それを標的配列に誘導する1つまたは複数のガイドRNAをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記カーゴ分子が、好ましくは表6に示される、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインとの融合体を含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 1つまたは複数のHERV由来のエンベロープタンパク質、
    1つまたは複数のHERV由来のGAGタンパク質、および
    好ましくは、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員メントドメインと融合している、カーゴ分子
    を組み合わせて発現し、
    非ヒトGAGタンパク質を発現しない、細胞。
  18. 前記カーゴ分子が、治療用もしくは診断用タンパク質、または治療用もしくは診断用タンパク質をコードする核酸である、請求項17に記載の細胞。
  19. 前記カーゴ分子が遺伝子編集試薬である、請求項17に記載の細胞。
  20. 前記遺伝子編集試薬が、ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質;ジンクフィンガー(ZF)、転写活性化因子様エフェクター(TALE)、および/またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質をコードする核酸;またはCRISPRベースのゲノム編集もしくは調節タンパク質を含むリボヌクレオタンパク質複合体(RNP)を含む、請求項17に記載の細胞。
  21. 前記遺伝子編集試薬が、表2、3、4、および5に列挙するタンパク質から選択される、請求項20に記載の細胞。
  22. 前記遺伝子編集試薬が、CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質を含み、前記heVLPが、前記CRISPRベースのゲノム編集または調節タンパク質に結合し、それを標的配列に誘導する1つまたは複数のガイドRNAをさらに含む、請求項20に記載の細胞。
  23. 前記カーゴ分子が、好ましくは表6に示される、ヒト内在性GAGまたは他の細胞膜動員ドメインとの融合体を含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の細胞。
  24. 初代のまたは安定的なヒト細胞株である、請求項17~23のいずれか一項に記載の細胞。
  25. ヒト胎児腎(HEK)293細胞、HEK293 T細胞、またはBeWo細胞である、請求項24に記載の細胞。
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