JP2022534663A - グラフェンの製造方法 - Google Patents

グラフェンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022534663A
JP2022534663A JP2021564891A JP2021564891A JP2022534663A JP 2022534663 A JP2022534663 A JP 2022534663A JP 2021564891 A JP2021564891 A JP 2021564891A JP 2021564891 A JP2021564891 A JP 2021564891A JP 2022534663 A JP2022534663 A JP 2022534663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphene
cavitation
graphite
reactor
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021564891A
Other languages
English (en)
Inventor
スタルコヴァ マリーナ
アレクシーフ セルゲイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Graphene Star Ltd
Original Assignee
Graphene Star Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Graphene Star Ltd filed Critical Graphene Star Ltd
Publication of JP2022534663A publication Critical patent/JP2022534663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/184Preparation
    • C01B32/19Preparation by exfoliation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/50Mixing liquids with solids
    • B01F23/51Methods thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F25/00Flow mixers; Mixers for falling materials, e.g. solid particles
    • B01F25/10Mixing by creating a vortex flow, e.g. by tangential introduction of flow components
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F35/00Accessories for mixers; Auxiliary operations or auxiliary devices; Parts or details of general application
    • B01F35/50Mixing receptacles
    • B01F35/53Mixing receptacles characterised by the configuration of the interior, e.g. baffles for facilitating the mixing of components
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/008Processes for carrying out reactions under cavitation conditions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside
    • B01J19/241Stationary reactors without moving elements inside of the pulsating type
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/26Nozzle-type reactors, i.e. the distribution of the initial reactants within the reactor is effected by their introduction or injection through nozzles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J4/00Feed or outlet devices; Feed or outlet control devices
    • B01J4/001Feed or outlet devices as such, e.g. feeding tubes
    • B01J4/002Nozzle-type elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/04Specific amount of layers or specific thickness
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/20Graphene characterized by its properties
    • C01B2204/22Electronic properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/20Graphene characterized by its properties
    • C01B2204/30Purity
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/20Graphene characterized by its properties
    • C01B2204/32Size or surface area
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2002/00Crystal-structural characteristics
    • C01P2002/80Crystal-structural characteristics defined by measured data other than those specified in group C01P2002/70
    • C01P2002/82Crystal-structural characteristics defined by measured data other than those specified in group C01P2002/70 by IR- or Raman-data

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)

Abstract

本発明によって、以下のステップ:(a)グラファイト/水の混合物を形成するステップ、および(b)少なくとも2つのオフセットノズルを使用し、キャビテーション反応器中へグラファイト/水の混合物を導入するステップ、を含むグラフェンの製造方法、該方法で使用されるキャビテーション反応器であって、該キャビテーション反応器は、キャビテーションチャンバーを有し、該キャビテーションチャンバーが、キャビテーションチャンバーの中心に向けられた少なくとも2つのオフセット注入口ノズル、および少なくとも1つの放出口を有している、キャビテーション反応器、並びに、少なくとも約98重量%の炭素含有量を有するグラフェンが提供される。

Description

本発明は、改良型グラフェンおよびキャビテーションを用いたグラフェンの製造方法に関するものである。
グラフェンは、炭素の2次元同素体であり、sp2-ハイブリダイゼーションで1原子の厚さを持つ炭素原子層で形成され、6角形の2次元格子内に結合している。これは、バルク結晶から分離した、グラファイトの単一平面として表現できる。グラフェンは、高い機械的剛性および高い熱伝導性を有する。グラフェンは、高い電荷担体移動度(すべての既知の材料の中で最大の電子移動度)をもつので、様々な用途、特にナノエレクトロニクスの将来的な基礎および集積回路内のシリコンと代替可能な物として使用でき得る、将来有望な材料である。
グラフェンは、化学的安定性、例外的な強度および弾性、ガスの不透過性およびほぼ完璧な光透過性などの重要な応用特性も持つ。
グラフェンに関する商業上の関心は、その電子特性によるものである。これは、弾道性があり(散乱がない)、電子の輸送において、基板や環境の影響がとても弱い、という特徴がある。グラフェンのバンド構造の特徴によって、有効質量が0の、電子と正孔が存在可能となり、これらは、準相対論的であり、ディラック方程式に記述されている挙動である。グラフェンは、室温下でさえも観測可能な異常な量子ホール効果を示す。研究によって、グラフェンは、スピントロニクスの有望な材料でもあるということが示されている。
化学修飾の影響下で、グラフェンの特性は、変化し得る。最も反応性が高いのは、グラフェン断片の端である。断片全体の全部または部分的な機能化をすることが出来る。例えば、グラフェンは、水素付加してグラファンにすることが出来る。
強い炭素の共有結合によって、グラフェンは、酸およびアルカリに関して、室温下で不活性である。しかし、大気中に特定の化合物が存在することで、グラフェンのドーピングを誘導することができ、個々の分子に対する最高の検知感度を持つセンサーにおいて応用されている。
現在、大量のグラフェン材料を生産するいくつかの方法がある。
a.天然のグラファイトを濃縮した酸によって酸化することで、酸化グラフェンを得る。この方法の欠点は、これが生態学的に危険であること、および得られたグラフェンが酸による高度な汚染を受けていることである。加えて、この方法で得られたグラフェンプレートは、大量の欠陥を有する。
b.様々な酸のグラファイトへの挿入およびそれに続く熱衝撃によって、グラフェンを得る。この方法の欠点は、高度な化学汚染、派生したグラフェン、グラフェンプレート内の大量の欠陥、および熱による変形である。
c.界面活性剤を加えた、溶媒または水の中で、機械的にグラファイトを剥離することで、グラフェンを得る。この方法の欠点は、グラフェンプレートの分離の際に、元のグラファイトに起きる影響、およびグラファイトをサブミクロンサイズにする単純な粉砕にある。この結果、グラフェンプレートおよびアモルファスカーボンの混合物ができ、これは、分離が非常に困難である。加えて、使用した溶剤または界面活性剤によるグラフェンの汚染である。
d.低温プラズマによって、グラフェンを製造する方法。この方法の主な欠点は、得られたグラフェン内の大量の欠陥、およびグラフェンプレートの変形である。
これらの問題を改善する方法が求められている。
本発明によると、少なくとも98重量%の炭素含有量を有するグラフェンが提供される。
本発明によると、以下のステップを含む、グラフェンを製造する方法も提供される。
a.グラファイト/水の混合物を形成すること、および
b.少なくとも2つのオフセットノズルを用いてキャビテーション反応器中へグラファイト/水の混合物を導入すること。
本発明によると、さらに、本発明の方法において使用するキャビテーション反応器が提供され、該キャビテーション反応器は、キャビテーションチャンバーを有し、該キャビテーションチャンバーが、キャビテーションチャンバーの中心に向けられた少なくとも2つのオフセット注入口ノズル、および少なくとも1つの放水口を有している。
驚くことに、本発明の方法によって、上記グラフェンの製造方法の実質的にすべての欠点が、改善することが分かっている。
a.化学物質および添加物を使用する必要が無いので、これによりプロセスが環境に優しく、1段階で行えるようになる。
b.本発明の方法は、例えば、摂氏50度までなどの低温で行われるような、加熱の必要が無い。これにより、得られるグラフェンプレートのいかなる変形も除去される。
c.オフセット注入口ノズルを使用することで、接線効果が生まれ、これは、グラフェン平面にすべりが無いことを意味する。これにより、グラファイトを機械的にサブミクロンに粉砕してジャンク状態にすることが、実質的になくなる。
d.化学物質がないことにより、端の欠陥が無く、99.8%までという高純度の炭素含有量を有する、グラフェンプレートを得ることが出来る。
本発明のさらなる利点としては、混合物のキャビテーション過程を開始するのに、超音波も機械的な処理も使わないということが含まれる。本発明の原理は、低周波数で高エネルギー密度を有するキャビテーション処理を可能にする変数を持つ2つの混合物の流れの流体力学的な相互作用に基づく。この方法は、多くの技術的方法に応用可能であるが、本発明の著者達の目標は、コスト効率が良い高効率なグラフェンプレートを製造する方法を得ることであった。この目的のために、独自の反応器が開発され、この反応器において、初期のグラファイトに対して弾性媒体による強力な接線作用が起こる(これは、水、シリコーンオイル、樹脂および様々な溶媒でも良い)。そのようなグラファイトに対する接線効果によって、グラフェン平面がグラファイトから滑り落ちる。この滑り落ちは、グラフェンプレートの分離よりもはるかに容易で、これは、グラファイト内のグラフェンプレートの相互関係の電気力学的性質によって説明できる。本発明の更なる利点は、この方法の結果、初期のグラファイトのほぼ100%が、グラフェンプレートに変換されるということである。
いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、5000S/mから85000S/mの電気伝導率を持ち、例えば、16000S/mまたは17000S/mから85000S/mの電気伝導率、例えば20000S/mから85000S/mの電気伝導率、例えば約80000S/mの電気伝導率を持つ。
いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、最大2nmの厚さを持つ場合があり、例えば0.5nmから2nmの厚さを持つ。いくつかの実施形態によれば、グラフェンの厚さは、原子間力顕微鏡および/またはラマン分光法によって決定してもよい。
いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、側面方向に最大20μmの大きさを持つ場合があり、例えば1から20μmの大きさを持つ。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、側面方向の大きさで決められる平均直径を有するプレートからなる。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、約180m2/g、例えば100から300m2/gの比表面積(SSA)を持っていてもよい。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、側面方向の大きさの厚さに対する比が最大10000である。
グラフェンプレートの質を決める1つの変数に、電気伝導率がある。これは、比抵抗の逆数である。グラフェンプレートは、異方的な伝導率をもつ。プレートに沿う方向の電気伝導率は、プレート間方向の伝導率に比べて、桁違いに高い。電気伝導率は、プレートの欠陥の有無およびプレートの側面方向の大きさと厚さの比にも大きく影響を受ける。グラフェンプレートの側面方向の大きさの厚さに対する比が大きいほど、伝導率は、高くなる。グラフェンの電気伝導率は、銅製の円筒形導体の間にグラフェンの粉を圧縮して測定される。圧縮されたグラフェンの粉は、異方的な伝導率を持つ伝導体の系として表すことが出来る。この系内で、重要な変数は、グラフェンプレート間の抵抗性接触の量と質であり、すなわち、これらの接触が多いほど、総比抵抗が高くなり、結果として低伝導率になる。また、この系内で、グラフェンプレートが欠陥または汚染を有する場合、そのようなプレート間の抵抗は、はるかに高くなる。したがって、グラフェンの粉の高電気伝導率の指標は、グラフェンプレート内の純度および欠陥の無さの結果である。
いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、1から10の層を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、少なくとも約98重量%、または99重量%、特に99.5重量%または99.7重量%の炭素含有量と、高純度な炭素含有量を有する場合がある。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、ラマンスペクトルによって決定される、端および構造上の欠陥を持たない場合がある。いくつかの実施形態によれば、グラフェンは、5000S/m以上、例えば16000S/m以上、85000S/m以下の電気伝導率を有する。驚くことに、本発明によれば、グラフェンは、最大で85000S/mの高電気伝導率を有することが分かっている。天然のグラファイトでは、この値が16000S/mであり、一方、還元型酸化グラフェン(RGO)では、この値は、4000S/mを超えない。
いくつかの実施形態によれば、グラファイト/水の混合物の導入は、本発明の方法のステップ(b)にて、周波数(頻度)10から200ヘルツ(1秒当たりの回数)、例えば100ヘルツの周波数で、パルスで行われる。混合物の導入をパルスで行うことの利点としては、オフセットノズルからのグラファイト/水の混合物の流れの間の相互作用が改善されること、およびキャビテーション効果が改善されることが含まれる。グラファイト/水の混合物のパルス化によって、グラファイトのグラフェンシートへの分離を助けるキャビテーション低周波数場が形成されると考えられている。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法のステップ(B)は、60℃を超えない温度で、例えば50℃を超えない温度、例えば10℃から30℃または約25℃などの室温にて、行われる。
いくつかの実施形態によれば、グラファイト/水の混合物は、重量比5:95から50:50、例えば10:90から40:60、例えば約10:90の重量比を有している場合がある。いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、得られたペースト状のグラフェンを乾燥させる、追加のステップ(c)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態によれば、ステップ(c)は、精密ろ過を用いてペースト状のグラフェンを乾燥させることを含んでもよい。
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法のステップ(b)には、少なくとも2つのノズルを用いて、水/グラファイトの混合物の対向流を導入することが含まれており、対向流は、実質的に同じ速度および実質的に同じ圧力を有する。混合物の対向流の相互作用によって、最大で500m/sの高速において、グラファイト粒子の平面方向に沿った接線相互作用が生じると考えられる。さらに、この相互作用は、高エネルギー密度のキャビテーション場の形成を伴い、これによって、水が、低摩擦値の水相を有する2相状態へと変換されると考えられる。この場合、グラフェンプレートは、グラファイトから離脱せず、滑り落ちる。したがって、初期のグラファイトの完全なる成層化が起きる。外見上、キャビテーションプロセスは、泡立った沸騰液体のプロセスに似ている。また、液体それ自身は、加熱されないが、沸騰液体の特性を有するようになる。このような液体(特に水)は、塩類を非常によく溶かし、天然の構造を崩すことなく、ミネラル物質を徹底的に壊す。この液体の特性変化は、その構造の化学的および物理的な変化(均質な2相の媒体の形成)によるものであり、その機構は、水がいわゆる熱力学的非平衡状態になるとき、キャビテーションによって引き起こされる。
本発明を特定の科学的な理論に限定するつもりはないが、キャビテーションの条件下で、水/グラファイト液体混合物は、新たな性質を得ると考えられ、圧力が飽和蒸気圧のレベルまで低下する時、蒸気および気体の空隙の形成が起こり(圧力低下は、以前に液体の中に溶けていた気体の放出にもつながる)、空隙は、形成したらすぐに崩壊する。泡がはじけるとき、かなりのエネルギーが放出される。蒸気の泡が崩壊するとき、激しい累積噴出(速度300から500m/s)が形成され、衝突時、これによって高周波数の振動プロセスが起こり、結果として圧力ならびに温度の急激な一時的上昇(それぞれ、最大4000MPaおよび1000℃)が起きることが、実験的に証明された。
グラファイトの原子平面は、実際、3層構造であり、平滑な原子の骨格が2層の価電子間に位置する。原子価結合「陽子-電子」内の有効電荷は、時間的に定常ではなく、0に等しく、これは、-eから+eの範囲(eは、電気素量)、および熱平衡時の分布が平衡スペクトルに対応する周波数で振動する。結果として、炭素原子層内の電荷分布は、静的なものではなく、原子骨格それ自体およびこれと直交する自由な価電子結合の中の、有効電荷の振動がある。本発明を特定の科学的な理論に限定するつもりはないが、グラファイト内の原子層の電気力学的な保持のモデルによって、原子層同士に沿った容易な滑落が可能となり、グラファイトを完全にグラフェンに変換することが可能になると、華麗に説明されると考えられている。このような電気力学的な滑落があるため、化学結合を壊す必要が無い。
いくつかの実施形態によれば、キャビテーション反応器は、キャビテーション場の形成を助けるための1つ以上の反射表面を有していてもよい。例えば、キャビテーション反応器は、それぞれが反応器の角を覆うような位置に置かれた最大で4つの反射表面をもつ直方体の形状を有していてもよい。
次に、本発明を、添付図面の以下の図を参照して、説明するが、発明の請求範囲を限定する意図はない。
図1は、本発明に従うキャビテーション反応器の断面の概観図である。 図2は、本発明に従うグラフェンのFTIRスペクトルである。 図3は、本発明に従うグラフェンのラマンスペクトルである。 図4は、グラフェンプレートレットの走査型電子顕微鏡写真である。
本発明によると、反応器は、一般的に図1の10で示される。反応器10は、反射表面1、2、キャビテーション空隙8、注入口ノズル6、7、および放出口ノズル4、5を有する密閉チャンバー3の細長い直方体の形状をしている。注入口ノズル6、7は、キャビテーション空隙8の中心に向けて配置されているが、それらが同軸ではないように、オフセットされている。これによって良い反応状態が与えられることが分かっている。放出口ノズル4、5は、キャビテーション空隙8の2つの角に配置されている。キャビテーション空隙8は、密閉チャンバー3および反射表面1、2で構成されている。反射表面1、2は、反射表面1が注入口ノズル7の上に配置され、反射表面2が注入口6の下に配置されるように、密閉チャンバー3の斜めに対向する角を横切って斜めに配置されている。別の実施形態によれば、反応器10は、キャビテーション空隙8の残り2つの角または頂点を覆うように、1つまたは2つのさらなる反射表面1、2を持っていてもよい。
次に、本発明を、以下の実施例を参照して、説明するが、発明の請求範囲を限定する意図はない。
以下の実施例では、グラフェンの製造において反応器10をどのように使用出来るかを示す。
重量比90:10の水とグラファイトからなる作動溶液を、注入口ノズル6、7からキャビテーションチャンバー8へと圧力15MPaから20MPaおよび流速250m/sで注入する。同時に、溶液の流入を、周波数50から100ヘルツで、パルスで行う。
上記の通り、注入口ノズルは、反応器内部において同軸上に配列されていない。これは、作動溶液の噴流の衝突が接線方向で生じるために必要である。注入口ノズル6、7の中心同士の距離は、1つの噴流の断面積の半分に等しい。
s=G/2V
ここで、sは、注入口ノズル6、7間の距離、Gは、混合物の総消費量、l/分を表す。Vは、注入口ノズル6、7それぞれからの混合物の流速、メートル/秒である。本発明の方法において使用するのに適している典型的な噴流の断面積は、1.2mm2から10mm2である。噴流間の典型的な距離は、0.6から5mmである。噴流の断面積および噴流間の距離は、ポンプの性能、およびグラフェンの製造に使用される元のグラファイトの粒子サイズに応じて、選択する。
このような注入口ノズル6、7から出る作動溶液の噴流の接線相互作用の結果、キャビテーションチャンバー8内でキャビテーションが開始する。キャビテーションチャンバー8内の混合物に伝達されるエネルギー流束密度は、
FD=W/s、またはFD=G*P/s、
であり、ここでFDは、エネルギー流束密度をW.m-2で表し、Wは、エネルギー消費率をワットで表し、Pは、ノズル内の総圧力をN/m2で表す。反応器内の圧力は、0.2Pで保たれている。キャビテーション相互作用の後、結果として生じる混合物が放出口ノズル4、5から流れ出てくる。反応器内の、結果として生じた混合物の動く方向は、反射面1、2によって与えられる。
反応器内での処理の後、結果として生じた混合物は、グラフェン含有率20から40重量%のペースト状の水-グラフェンが得られるまで、ミクロンサイズのフィルターを用いて脱水される。結果として得られたペーストは、水性バインダーを持つリチウム電池の負極材料に用いられ、並びに、導電的なおよび/または遮蔽的な特性を付与するためにアクリル系コーティング剤の製造においても使用される。その他の用途としては、水性のペーストを乾燥させて容積密度120から150kg/m3の粉末を得るということもある。
注目すべきは、本発明の方法は、生態学的な潔白さを有しており、安全なプロセスであるということである。この方法は、あらゆる化学物質も添加物も使用しない。このプロセスは、60℃以下の低温で行われる。混合物の処理後の水は、ろ過して、繰り返し使用してもよい。
得られたグラフェンは、分析され、以下の変数を有していることが分かった。
a.厚さ-最大2nm、
b.比表面積(SSA)-180m2/g、
c.側面の大きさ-最大20μm、
d.電気伝導率-80000S/m、および
f.炭素-99.7重量%。
グラフェン粉末の電気伝導率は、圧力500bar下で、電流200アンペア以上で4点法を用いて測定した。
得られたグラフェンは、図2および3に示した通り、FTIRおよびラマンスペクトルを用いて分析した。FTIRスペクトルは、グラフェンの純度および汚染の無さを示すCH2、CO2およびC=Cのピークを示している。ラマンスペクトルは、グラフェンの欠陥および汚染物質が無いことを示す。波数のデータは、試料が1から2層のグラフェンを有していることを示している。特に、図3において、以下のバンドが見られた。
1350 sm-1-Dバンド
1556 sm-1-Gバンド
2674 sm-1-2Dバンド
ラマンスペクトルのDおよびGのピーク強度から計算できる、ID/IG比は、欠陥の存在またはグラフェンの酸化状態を示す。図3から分かるように、ID/IG比は、とても小さく、本発明における方法を用いて製造されたグラフェン内に、実質的に全く欠陥が無いことを示している。
得られたグラフェンプレートレットについては、図4で示すように、走査型電子顕微鏡を用いて写真を撮った。図4に示された写真には、不純物無しのグラフェン薄片が写っており、様々な厚さを持たず、熱による変形の様子も見られないことを示している。

Claims (16)

  1. グラフェンの製造方法であって、以下のステップ:
    (a)グラファイト/水の混合物を形成するステップ、および
    (b)少なくとも2つのオフセットノズルを使用し、キャビテーション反応器中へグラファイト/水の混合物を導入するステップ
    を含む、グラフェンの製造方法。
  2. ステップ(b)が、10から200ヘルツの周波数でグラファイト/水の混合物をパルス化することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(b)が、50℃以下の温度で行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(b)が、少なくとも2つのノズルを用いて水/グラファイトの混合物の対向流を導入することを含み、対向流が実質的に同じ速度および実質的に同じ圧力を持つ、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. ステップ(b)の生成物を乾燥させるステップ(c)を含み、好ましくは、乾燥ステップ(c)が、精密ろ過の使用を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法で使用するキャビテーション反応器であって、
    該キャビテーション反応器は、キャビテーションチャンバーを有し、
    該キャビテーションチャンバーが、キャビテーションチャンバーの中心に向けられた少なくとも2つのオフセット注入口ノズル、および少なくとも1つの放出口を有している、
    キャビテーション反応器。
  7. キャビテーション場の形成を助けるために1つ以上の反射表面を持つ、請求項6に記載の反応器。
  8. 少なくとも約98重量%の炭素含有量を有するグラフェン。
  9. 5000S/mから85000S/mの電気伝導率を有する、請求項8に記載のグラフェン。
  10. 側面の大きさの厚さに対する比が最大10000である、請求項8又は9に記載のグラフェン。
  11. 1から10の層を含有する、請求項8から10のいずれかに記載のグラフェン。
  12. 少なくとも約99重量%の炭素含有量を有する、請求項8から11のいずれかに記載のグラフェン。
  13. ラマンスペクトルから決定される端および構造上の欠陥を実質的に有しない、請求項8から12のいずれかに記載のグラフェン。
  14. 厚さが最大で2nmである、請求項8から13のいずれかに記載のグラフェン。
  15. 側面の大きさが最大で20μmである、請求項8から14のいずれかに記載のグラフェン。
  16. 比表面積が100から300m2/gである、請求項8から15のいずれかに記載のグラフェン。
JP2021564891A 2019-05-10 2019-05-10 グラフェンの製造方法 Pending JP2022534663A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2019/062101 WO2020228931A1 (en) 2019-05-10 2019-05-10 Method for producing graphene

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022534663A true JP2022534663A (ja) 2022-08-03

Family

ID=66589524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021564891A Pending JP2022534663A (ja) 2019-05-10 2019-05-10 グラフェンの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220227632A1 (ja)
EP (1) EP3966163A1 (ja)
JP (1) JP2022534663A (ja)
EA (1) EA202193079A1 (ja)
WO (1) WO2020228931A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015092871A1 (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 グラフェンプラットフォーム株式会社 グラフェン粉体、グラフェン粉体の製造装置、グラフェン粉体の製造方法及びそのグラフェン粉体を用いた製品
US20180009667A1 (en) * 2016-07-05 2018-01-11 Vln Advanced Technologies Inc. Apparatus and method for preparing graphene by exfoliation of graphite using a pulsed or cavitating waterjet
WO2018183518A1 (en) * 2017-03-28 2018-10-04 Nano Graphene, Inc. Method and apparatus for producing non-oxidized graphene plates

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5720551A (en) * 1994-10-28 1998-02-24 Shechter; Tal Forming emulsions
US20020054995A1 (en) * 1999-10-06 2002-05-09 Marian Mazurkiewicz Graphite platelet nanostructures
US20030199595A1 (en) * 2002-04-22 2003-10-23 Kozyuk Oleg V. Device and method of creating hydrodynamic cavitation in fluids

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015092871A1 (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 グラフェンプラットフォーム株式会社 グラフェン粉体、グラフェン粉体の製造装置、グラフェン粉体の製造方法及びそのグラフェン粉体を用いた製品
US20180009667A1 (en) * 2016-07-05 2018-01-11 Vln Advanced Technologies Inc. Apparatus and method for preparing graphene by exfoliation of graphite using a pulsed or cavitating waterjet
WO2018183518A1 (en) * 2017-03-28 2018-10-04 Nano Graphene, Inc. Method and apparatus for producing non-oxidized graphene plates

Also Published As

Publication number Publication date
EP3966163A1 (en) 2022-03-16
EA202193079A1 (ru) 2022-02-11
WO2020228931A1 (en) 2020-11-19
US20220227632A1 (en) 2022-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6791965B2 (ja) 湿式ジェット粉砕技術による層状物質の剥離
KR102267918B1 (ko) 박리되고, 결합이 없고 산화되지 않은 2차원 물질을 다량으로 제조하기 위한 확장가능한 방법
KR101818703B1 (ko) 고속 균질화 전처리 및 고압 균질화를 이용한 그래핀의 제조 방법
US10472243B2 (en) Industrial method for preparing large-sized graphene
CN112823137B (zh) 液相剥离纳米材料
Štengl Preparation of graphene by using an intense cavitation field in a pressurized ultrasonic reactor
WO2017052294A1 (ko) 마이크로채널을 포함하는 판상 물질의 박리 장치
KR102061780B1 (ko) 최적화된 유출부를 포함하는 판상 물질의 박리 장치
CN106395768A (zh) 一种超薄氮化硼纳米片的合成方法
Chamoli et al. Green synthesis of less defect density bilayer graphene
Kuhlenkamp et al. Tunable Feshbach resonances and their spectral signatures in bilayer semiconductors
KR102097133B1 (ko) 고농도 그래핀 분산액의 제조 방법
JP2022534663A (ja) グラフェンの製造方法
JP6688398B2 (ja) 高圧均質化装置およびこれを利用したグラフェンの製造方法
GB2568499A (en) Improvements in or relating to organic material
Bahadur et al. Role of trapped water on electroresponsive characteristic of silica-graphene oxide composite microspheres
KR20170029395A (ko) 판상 물질의 박리 장치
Ng et al. 2D material production methods
Yang et al. Probing patterned defects on graphene using differential interference contrast observation
EP3350121A1 (en) Method of forming graphene material by graphite exfoliation
Ahmed et al. Recycling of graphite waste into high quality graphene products
KR20160131660A (ko) 그래핀 제조 방법
Kadam et al. Synthesis and fabrication of graphene oxide thin film
Strativnov et al. Graphene Synthesis from Natural Flake Graphite
Gadde et al. Eco-friendly synthesis of wrinkle-free ultra-flat multi-layer graphene by femtosecond laser irradiation of graphite under ambient conditions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240208