JP2022531218A - 超低透過率及び高縫い目強度布地、並びにその作製方法 - Google Patents
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Abstract
上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた合成繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地であって、布地が、布地を恒久的に改質するために、細繊維状構造体又は先端構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有するように、処理される、コーティングされていない織布布地、が提供される。自動車エアバッグ、帆布、膨張式スライド、一時的なシェルタ、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品への用途におけるこの布地を生産及び使用するための方法も提供される。
Description
本発明は、合成繊維の糸のコーティングされていない織布布地、並びにそのような布地を生産及び使用して、限定するものではないが、エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品を生産するための方法に関する。
自動車業界では、より小型かつより軽量の車両に移行する傾向が続いている。それに応じて、エアバッグなどの必須の安全項目にとって利用可能な空間がより少ないことがある一方で、エアバッグの一部は、進化する自動車安全基準を満たすために物理的により大きくされる必要がある。これは、一部のエアバッグがより大きくされる必要がある一方で、より小さくされる必要がある一部のエアバッグモジュールの問題のある状況がもたらされている。より高い圧力及び/又は温度でエアバッグを詰め込む方法が進化している。そのような方法は、モジュール内のエアバッグの収納性の改善をもたらすが、それらはまた、高価であり、エアバッグモジュールの製造プロセスに複雑さを追加する傾向がある。
有効な膨張の要件を満たすために、エアバッグ布地は、一定の強度要件を満たし、空気透過率の測定によって定義される空気の通過に抵抗する能力を有しなければならない。したがって、織布ナイロン又は織布ポリエステルのエアバッグは、非常に低い気孔率及びそれに応じて低い空気透過率を有することが望ましい。糸の線密度、ツイスト係数、織布構造並びに厚さ及び重量などの布地特性は、すべて空気透過率に影響を及ぼすが、多くの場合、工業規格を満たすために、コーティング又は追加層をエアバッグ布地に追加することが必要である。
しかしながら、コーティングプロセスが遅く、それに労力がかかるだけでなく、コーティング自体が高価であり、したがって、これらのエアバッグのコストが非常に高くなる。更に、コーティングは、エアバッグに必要な特徴である、これらの布地の折り畳み性又は収納性を妨害する場合がある。
コーティングが使用されない場合、十分に低い透過率を有するために、エアバッグ布地は、一般に、より高い構造で織られる必要があり、これが、コスト及び重量に加わり、再び収納性を低減させる。
より低い布地構造が使用され、それにより、布地のカバーファクタが低下するとき、次いでエッジコーム抵抗強度などの布地特性が低減される。この布地特性は、切断及び縫製されたエアバッグの縫い目強度と相関し、布地のカバーファクタを低減しようとする際に、設計段階中、エアバッグクッションが縫い目開口部を通して縫い目で破損し、縫い目で布地が損傷する傾向があると考えられる。
更に、コーティングが除去され、布地構造が低減されるとき、展開中に生成される高温ガスに耐える布地の能力が低減される。これは恐らく、布地がより開いた構造を有し、それにより、縦糸糸線及び横糸糸線が互いに対して移動する能力が高くなり、それにより、ガス流に対してより低い障壁が作製されるためである。この例は、非コーティングの低構造布地がエアバッグモジュール内で折り畳まれるとき、折り目が布地に形成されることであり得る。展開中、布地の折り目付きセクションは、折り目でのひずみ状態から起こる縦糸及び横糸の糸線の相対移動によって、布地の非折り目部分よりも開いた構造を有し得る。このより開いた構造は、布地の非折り目付き部分よりも高温ガス流に対する障壁がより低くなり、それにより、高温ガスは、より開いた構造を優先的に貫流する。
国際公開第2017/079499(Α1)号及び国際公開第2018/204154(A1)号に教示されているように、布地のカレンダ加工は、布地の透過率における大幅なかつ恒久的な低減をもたらし、その中に説明されたプロセス条件は、カレンダ加工工程の直接的な結果として布地の引張強度の変化を阻止するように慎重に設計されている。これらの参考文献の教示から生産された布地は、エアバッグクッションに使用される布地に対して、コーティングの排除、及びある程度の布地構造の低減を可能にするのに有用である。これが、エアバッグ布地のより低いコスト及び改善された収納性につながっている。
しかしながら、コーティングを排除するための一部の特定のエアバッグクッションについては、静的空気透過率及び動的空気透過率(SAP及びDAP)によって測定されるような、布地の透過率は、ゼロ、及び許容可能な縫い目強度性能に近似する必要があり、それにより、引張強度における一部の変化を阻止するよりも、改善されたエッジコーム抵抗強度がより重要である。
他のエアバッグクッションについては、再び、許容可能な縫い目強度、及びそれにより、改善されたエッジコーム抵抗強度と併せて、高温ガスの展開前又は展開中の縦糸糸線と横糸糸線との間の相対移動に対してより安定している布地が、最も重要である。
当該技術分野では、低減された量のコーティングを必要とする又は全くコーティングを必要とせず、より低い布地構造に製織することができ、恒久的な低空気透過率及び十分に高い引張強度、並びに十分に高い引裂強度などの重大な性能基準を依然として満たす、更なる非常に低い透過率で高いエッジコーム抵抗強度の折り畳み可能な布地が必要とされている。
本発明は、合成繊維の糸を含むコーティングされていない織布布地、並びにそのような布地を生産及び使用するための方法に関する。
第1の態様では、本発明は、上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた合成繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地であって、布地の表面構造体が、布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する、コーティングされていない織布布地、に関する。
この第1の態様の一実施形態では、縦糸は、上記合成繊維の物理的特性(線密度など)における1つ以上の相違に由来するそれらの物理的特性(線密度など)における1つ以上の相違により、横糸とは異なり、縦糸を形成する繊維が、横糸を形成する繊維と化学的に同一である。好ましくは、縦糸を形成する繊維は、横糸の繊維が形成される単一のポリマーと同じである単一のポリマーから形成される。
この第1の態様の代替的な実施形態では、縦糸は、縦糸の合成繊維の化学組成が横糸の合成繊維の化学組成とは異なるという点で、横糸とは異なる。この実施形態では、縦糸及び横糸は、同じ等級のポリマーから作製され、縦糸及び横糸の繊維を形成するポリマー材料が、単一の溶融相を呈する。この実施形態では、縦糸及び横糸は、例えば、異なるブレンド比で同じポリマーのブレンド、又は異なるポリマー材料のブレンドを含み得る。化学組成におけるそのような相違がまた、縦糸と横糸との間の物理的特性における相違をもたらし得ることは、当業者には理解されよう。
第2の態様では、本発明は、上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地に関する。本開示の布地では、布地の表面構造体は、布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分は、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分は、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。
この第2の態様の一実施形態では、本発明は、上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維の繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地に関する。本開示の布地では、布地の表面構造体は、布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分又は下面上の糸の少なくとも一部分は、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分又は下面上の糸の大部分は、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。
第3の態様では、本発明は、上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維の繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地であって、布地が、0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有し、動的空気透過率が、150mm/秒以下であり、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地の引張強度が、1000N以上であり、布地の表面構造体の15~200倍に拡大された画像が、布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を示す、コーティングされていない織布布地、に関する。
「繊維」という用語は、糸又は糸が作製される連続フィラメントのいずれかを指すために当該技術分野において使用され得ることが当業者には理解されよう。本開示では、「糸」という用語は、布地を生産するために織られた繊維の束を指すために使用され、「繊維」という用語は、糸が作製される連続フィラメントを指すために使用されることが理解されよう。
上記先端構造体は、好適には、縦糸と横糸との交点に少なくとも沿って、好ましくは、交点がその長さの少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%に沿って1つ以上の先端構造体(複数可)を呈するように配置され、上記織布布地の表面又は各表面上のすべての交点の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%が、そのように先端構造体を呈する。先端構造体は、交点に沿って連続的に配置され得る。代替的に、交点に沿ってそのような先端構造体内に不連続部が存在し得、この場合、1つ以上の先端構造体が、交点に沿って配置され得る。先端構造体は、交点に沿ってその高さが変わり得る。
本明細書で使用するとき、「交点」という用語は、縦糸が織布布地の表面上の横糸の長手方向縁部を満たすか、又は横糸が織布布地の表面上の縦糸の長手方向縁部を満たす、織布布地の線セクションを指す。
上記先端構造体はまた、好ましくは、上記交点の接合部の周りの環状形成部内に配置され、上記布地の1つの表面上のすべての接合部の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%が、そのような環状先端構造体を呈する。先端構造体は、連続的な環状形成部内の接合部の周りに配置され得る。代替的に、接合部の周りのそのような先端構造体内に不連続部が存在し得、この場合、1つ以上の先端構造体が、接合部の周りの環状形成部内に配置され得る。先端構造体は、接合部の周りのその高さが変わり得る。
本明細書に後述される図から明らかであるように、先端構造体はまた、布地の表面にわたって個別の位置に存在し得るが、これらは、上述のように、上記の交点及び接合部と主に関連付けられ、かつそれらに位置する。好ましくは、布地の表面上のすべての先端構造体の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%は、上記交点に沿って、又は上記接合部の周りの環状形成部内に位置する。
先端構造体は、高さが変わり、高さ分布を呈し得る。50パーセンタイルを上回る先端構造体のうち、布地の表面上のすべての先端構造体の好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも99%は、上記交点に沿って、又は上記接合部の周りの環状形成部内に位置する。
そのような先端構造体は、布地の表面構造体の15~200倍に拡大された画像、特にSEM画像において視認可能である。したがって、先端構造体は、肉眼では視認可能ではないことが理解されよう。
好ましくは、布地は、0.3l/dm2/分以下、例えば0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)を有し、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地の引張強度が、1000N以上である。
布地は、400N以上のエッジコーム抵抗強度を有することができる。
第4の態様では、本発明は、本発明の第1、第2、又は第3の態様のコーティングされていない織布布地から形成された物品に関する。物品の例としては、限定するものではないが、エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品が挙げられる。
第5の態様では、本発明は、本発明の第1、第2、又は第3の態様のコーティングされていない織布布地から形成されたエアバッグに関する。
第6の態様では、本発明は、本発明の第1の態様のコーティングされていない織布布地を形成する方法に関する。
第7の態様では、本発明は、本発明の第2又は第3の態様のコーティングされていない織布布地を形成する方法に関する。本発明のこの方法は、単一のポリマーから形成された同じ合成繊維から形成された糸を織ることを含み、単一ポリマーが、その溶融挙動において二成分特徴を有しない、つまり、単一の溶融相を有する単一のポリマー又は均質なブレンドとして定義される。
第6及び第7の態様の各々では、上記合成繊維から形成された糸は、上面及び下面を有する布地を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られる。次いで、布地は、布地を恒久的に改質するために、表面構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分がそれらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分が共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有するように、処理され、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。
1つの非限定的な実施形態では、形成された布地は、0.3l/dm2/分以下、例えば0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有し、形成された布地は、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)を有し、縦糸方向及び横糸方向の両方における形成された布地の引張強度は、未処理布地と比較して低減されるが、1000N以上である。
第8の態様では、本発明は、第6又は第7の態様の方法で形成された布地から形成された物品に関する。物品の例としては、限定するものではないが、エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品が挙げられる。
第9の態様では、本発明は、第6又は第7の態様の方法で形成された布地から形成されたエアバッグに関する。
添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、上記で与えられた全般的な説明及び下記で与えられる詳細な説明と共に、本開示の原理を例として説明する役割を果たす。
本発明は、合成繊維の糸を含むコーティングされていない織布布地、並びにそのような布地を生産及び使用するための方法に関する。
本発明は、特に、単一のポリマーから形成された同じ合成繊維から形成された糸を含むコーティングされていない織布布地であって、単一ポリマーが、その溶融挙動において二成分特徴を有しない、つまり、単一の溶融相を有する単一のポリマー又は均質なブレンドとして定義される、コーティングされていない織布布地、に関する。上述したように、これは、本発明の第2、第3及び第7の態様の要件である。
上記合成繊維から形成された糸は、上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られる。本開示の布地では、布地の表面構造体は、布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分は、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分は、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。
布地は、0.3l/dm2/分以下、例えば0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)を有し、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地の引張強度は、未処理布地と比較して低減されるが、1000N以上である。
布地は、400N以上のエッジコーム抵抗強度を有する。
本発明は更に、コーティングされていない織布布地から形成された物品に関する。物品の例としては、限定するものではないが、エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品が挙げられる。
本発明は更に、コーティングされていない織布布地から形成されたエアバッグに関する。
本発明は更に、コーティングされていない織布布地を形成する方法に関する。本発明の第7の態様の方法は、上面及び下面を有する布地を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に、単一のポリマーから形成された同じ合成繊維から形成された糸を織ることを含む。次いで、布地は、布地を恒久的に改質するために、布地の表面構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分がそれらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分が共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有するように、処理され、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。同様に、本発明の第6の態様の方法は、上面及び下面を有する布地を形成するために、合成繊維から形成された糸を縦糸方向及び横糸方向に織ること、続いて、布地を恒久的に改質するための上記処理を含む。
1つの非限定的な実施形態では、形成された布地は、0.3l/dm2/分以下、例えば0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有し、形成された布地は、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)を有し、縦糸方向及び横糸方向の両方における形成された布地の引張強度は、未処理布地と比較して低減されるが、1000N以上である。
本発明は更に、これらの方法で形成された布地から形成された物品に関する。物品の例としては、限定するものではないが、エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品が挙げられる。
本発明は更に、これらの方法で形成された布地から形成されたエアバッグに関する。
本明細書で使用するとき、「恒久的に改質された断面」という用語は、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を指す。繊維は、限定するものではないが、円形、多葉形、三葉形、六葉形又は矩形を含む、当該技術分野で知られている任意の断面を有し得る。1つの非限定的な実施形態では、繊維は、円形断面を有する。1つの非限定的な実施形態では、恒久的に改質された断面は、実質的に平坦である繊維の少なくとも一部分をもたらす。図1A~図2Dを参照されたい。
繊維はまた、楕円形断面を有し得る。アスペクト比として繊維の断面幅で除算された断面高さを取ると、平坦な繊維は、ゼロに近似するアスペクト比を有し、円形断面繊維は1のアスペクト比を有する。したがって、開示された布地の繊維は、好適には、≧0~≦1、例えば≧0.1~≦0.9、例えば≧0.2~≦0.8、例えば、≧0.3~≦0.7、例えば、≧0.4~≦0.6のアスペクト比を有することができる。
本明細書で使用するとき、「恒久的な」又は「恒久的に」という用語は、改質された断面がその元の形状に戻らないことを意味する。
「上面上の糸」という句は、表面から隔置された地点から視認可能である繊維束(糸)を意味し、ここで、この地点は、布地の上面に垂直な想像線上に当たる。
「下面上の糸」という句は、表面から隔置された地点から視認可能である繊維束(糸)を意味し、ここで、この地点は、布地の下部表面に垂直な想像線上に当たる。
本明細書で使用するとき、「縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維の繊維から形成された糸」という用語は、縦糸が、横糸が形成される合成繊維と同じである合成繊維から形成されることを意味し、上記合成繊維が、単一のポリマー(本明細書では、単一の溶融相を有する単一のポリマー又はポリマーの均質なブレンドとして定義される)から形成される。
本発明の第2、第3及び第7の態様では、布地内のすべての糸は、単一のポリマー(本明細書で定義されるような)から形成された同じ合成繊維から作製される。
本発明の第2、第3、及び第7の態様の一実施形態では、縦糸及び横糸は、同一の糸から作製される。
本発明の第2、第3、及び第7の態様の代替的な実施形態では、縦糸及び横糸は、それらの物理的特性(線密度など)における1つ以上の相違を呈するという点で異なるが、依然として同じ合成繊維(すなわち、縦糸及び横糸を作製するために使用される合成繊維は、化学的及び物理的に同一である)から作製されている。
「同じ等級のポリマー」という用語は、縦糸の合成ポリマー材料が横糸の合成ポリマー材料と同じ官能基、特にアミド結合を含有することを意味する。
「縦糸及び横糸の繊維を形成するポリマー材料は、単一の溶融相を呈する」という用語は、縦糸及び横糸の組み合わされたポリマー材料が単一の溶融相を呈する、すなわち、組み合わされたポリマー材料がその溶融挙動において二成分特徴を有しないことを意味する。
「それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維」という用語は、縦糸繊維が横糸繊維と交差する場合、縦糸繊維の少なくとも一部分が、織布布地の上面及び/又は下面上の交差する横糸繊維と溶融融合されることを意味する。
本明細書で使用するとき、強化された「高温高圧(High Temperature-High Pressure、HTHP)」という用語は、布地の表面構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分及び/又は下面上の糸の少なくとも一部分がそれらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分及び/又は下面上の糸の大部分が共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有するように、選択された温度及び/又は選択された圧力で布地を処理することを指す。
布地のHTHP処理がフィラメントの軟化点を下回るプロセス条件で実施されるべきであり、糸の融点に近い高温で布地をカレンダ加工することにより、布地の熱的に誘発された機械的劣化、布地の引張強度及び引裂強度の低下、結果として得られる乏しい寸法安定性、並びに剛性の大幅な増加がもたらされると考えられてきた。例えば、織布布地の高温及び高圧カレンダ加工による以前の試みは、紙のように硬い製品につながり、エアバッグ布地などの用途で使用するために望ましい布地特性をもたらさなかった。しかしながら、国際公開第2017/079499(Α1)号及び国際公開第2018/204154(A1)号に教示されているように、布地のカレンダ加工は、フィラメントの軟化点を上回る特定の条件で加工することによって、布地の透過率を大幅に及び恒久的に低減し、布地の引張強度を維持することができることを示した。本開示では、本発明者らは、特定の条件下でHTHP処理を遂行することにより、布地の透過率を更に低減することができ、布地のエッジコーム抵抗を更に増加させることができ、未処理の布地と比較して、引張強度は低減するが、そのような特性のバランスが、特定の用途に適切であることを予想外に発見した。
布地の従来のHTHP処理は、布地内の繊維の軟化点を大幅に下回るカレンダロール温度を有する乾燥プロセスとして実施される。これは、プロセスがカレンダロール上への繊維の溶融なしに動作する、具体的には、布地の引張強度及び引裂強度を低減することを回避することができるためである。著者は、繊維軟化点を上回ってHTHP処理される布地をもたらす温度で湿式カレンダプロセスを使用することにより、布地は、カレンダロール上の繊維の溶融なしに加工することができ、布地の引張強度及び引裂強度は従来のカレンダ加工プロセスにおいてよりも低減されているが、エアバッグとしての適切な機能性に必要とされる値を上回ったままであり、布地の透過率の大幅な低減、及びエッジコーム抵抗の増加が特定のエアバッグ用途に有用であることを発見した。
本明細書では、「湿式カレンダプロセス」に対する言及は、例えば国際公開第2018/204154(A)号に教示されているような熱伝達流体の存在に対するものである。熱伝達流体は、HTHP処理工程中に添加され得るか、若しくは布地生産プロセスの前工程で添加され、糸によって保持される液体又は蒸気であり得る。1つの非限定的な実施形態では、熱伝達流体の存在は、ウォータジェット織機で織ることによって導入された残留水分の引き継ぎ分から、あるいは洗浄若しくは精錬プロセスから又は染色プロセスからもたらされる。好ましくは、熱伝達流体は、水である若しくは水を含む、又は主に水である。熱伝達流体が蒸気である場合、それは蒸気であり得る、又は主に蒸気であり得る若しくは蒸気を含み得る。熱伝達流体は、槽によって、又はフーラード液体適用システムによって、若しくは液体スプレーシステムによって、若しくは気相適用システムによって適用され得る。熱伝達流体は、布地を損傷しないように不活性又は無害であるべきであり、その説明に適合する任意の液体又は蒸気であり得る。好ましくは、熱伝達流体は、乾燥布地の重量に基づいて、5~30、好ましくは10~20%の量で存在する。
本発明で使用される好ましい合成繊維は、ポリアミド及びそれらのブレンド又はそれらのコポリマーから形成される。
好適なポリアミド繊維としては、ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6,12、ナイロン7、ナイロン12、ナイロン4,6又はそれらのコポリマー若しくはそれらのブレンド、好ましくはナイロン6,6から形成されるものが挙げられる。したがって、本発明の1つの好ましいが非限定的な実施形態では、ベース糸は、ナイロン6,6繊維から形成される。
本発明で使用される繊維はまた、繊維の生産及び加工に使用される様々な添加剤を含み得る。好適な添加剤としては、限定するものではないが、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑化剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤、充填剤、結合剤、定着剤、軟化剤又はそれらの組み合わせが挙げられる。
1つの好ましいが非限定的な実施形態では、繊維は、1フィラメント当たり約1~約25デシテックス(decitex per filament、DPF)の範囲の線密度を有する。別の好ましいが非限定的な実施形態では、繊維は、1フィラメント当たり約2~約12デシテックス(DPF)の範囲の線密度を有する。
本発明の織布は、当該技術分野で知られている製織技法を使用して縦糸及び横糸から形成され得る。好適な製織技法としては、限定するものではないが、平織り、綾織り、繻子織り、これらのタイプの改質された織り、ワンピース織布(OPW)織り又は多軸織りが挙げられる。織るために使用することができる好適な織機としては、ウォータジェット織機、エアジェット織機又はレピア織機が挙げられる。これらの織機はまた、OPW構造を生成するためにジャカードと併せて使用することができる。本発明の好適な織布布地は、1平方メートル当たり50~500グラムの範囲の総ベース重量を有し得る。
布地特性の開示された組み合わせを取得するために調節される独立したプロセス変数は、
a.一次制御変数が、
i.180℃~240℃の広い範囲
ii.195℃~230℃の中程度の範囲
iii.200℃~225℃の狭い範囲
iv.202~220℃のより狭い範囲
v.202~215℃のより狭い範囲
vi.202~210℃のより狭い範囲のHTHP温度又はカレンダロール温度であることと、
b.二次制御パラメータが、
i.カレンダニップロール力(100~500N/mm、特に250~450N/mm)
ii.HTHP圧力又はカレンダ圧力(14~72MPa、特に35~70MPa、より具体的には40~60MPa)、を含むことと、
c.HTHP又はカレンダロール速度(5~30m/分、特に10~20m/分)と、
d.上記熱伝達流体が布地の重量で3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で処理プロセス中に存在するように、融合工程中に添加された、若しくは布地生産プロセスの前工程において添加され、繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気であって、好ましくは、熱伝達流体が、3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で、HTHPプロセス中に存在するか、又はHTHPプロセス中若しくはその前に(典型的には、HTHPプロセス中に)布地に添加される水である、熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在と、である。
a.一次制御変数が、
i.180℃~240℃の広い範囲
ii.195℃~230℃の中程度の範囲
iii.200℃~225℃の狭い範囲
iv.202~220℃のより狭い範囲
v.202~215℃のより狭い範囲
vi.202~210℃のより狭い範囲のHTHP温度又はカレンダロール温度であることと、
b.二次制御パラメータが、
i.カレンダニップロール力(100~500N/mm、特に250~450N/mm)
ii.HTHP圧力又はカレンダ圧力(14~72MPa、特に35~70MPa、より具体的には40~60MPa)、を含むことと、
c.HTHP又はカレンダロール速度(5~30m/分、特に10~20m/分)と、
d.上記熱伝達流体が布地の重量で3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で処理プロセス中に存在するように、融合工程中に添加された、若しくは布地生産プロセスの前工程において添加され、繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気であって、好ましくは、熱伝達流体が、3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で、HTHPプロセス中に存在するか、又はHTHPプロセス中若しくはその前に(典型的には、HTHPプロセス中に)布地に添加される水である、熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在と、である。
好ましい実施形態では、HTHPプロセス条件は、
a.202~220℃、好ましくは202~215℃、好ましくは202~210℃の範囲のHTHP温度又はカレンダロール温度と、
b.14~72MPa、特に35~70MPa、より具体的には40~60MPaの範囲のHTHP圧力又はカレンダ圧力と、
c.好ましくは、100~500N/mm、特に250~450N/mmのカレンダニップロール力と、
d.好ましくは、30m/分、特に10~20m/分のHTHP又はカレンダロール速度と、
e.熱伝達流体が布地の重量で3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で処理プロセス中に存在する(好ましくは熱伝達流体が水である)ように、融合工程中に添加された、若しくは布地生産プロセスの前工程において添加され、繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気であって、好ましくは、水が、布地の重量で3~30重量%、特に10~20重量%の量で、HTHPプロセス中に存在するか、又はHTHPプロセス中若しくはHTHPプロセス前に(典型的には、HTHPプロセス中に)布地に添加される、熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在と、である。
a.202~220℃、好ましくは202~215℃、好ましくは202~210℃の範囲のHTHP温度又はカレンダロール温度と、
b.14~72MPa、特に35~70MPa、より具体的には40~60MPaの範囲のHTHP圧力又はカレンダ圧力と、
c.好ましくは、100~500N/mm、特に250~450N/mmのカレンダニップロール力と、
d.好ましくは、30m/分、特に10~20m/分のHTHP又はカレンダロール速度と、
e.熱伝達流体が布地の重量で3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で処理プロセス中に存在する(好ましくは熱伝達流体が水である)ように、融合工程中に添加された、若しくは布地生産プロセスの前工程において添加され、繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気であって、好ましくは、水が、布地の重量で3~30重量%、特に10~20重量%の量で、HTHPプロセス中に存在するか、又はHTHPプロセス中若しくはHTHPプロセス前に(典型的には、HTHPプロセス中に)布地に添加される、熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在と、である。
本発明の1つの非限定的な実施形態では、織布布地は、0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)、並びに縦糸方向及び横糸方向の両方における1000N以上の布地の引張強度を有する。
以下の表は、本発明を実行するのに好適な処理条件を示し、本明細書に後述される実施された例に例示される。第1の列は、国際公開第2018/204154(A1)号に開示された典型的な加工条件を表し、一方、第2の列は、本発明を実施するのに好適な修正された加工条件を表す。第3及び第4の列は、本明細書の下記で実施された例に示すように、あまり望ましくない加工条件を表しており、これらは、先端構造を達成していても、好ましく最も望ましい透過性及び引裂強度の特性をもたらしていない。
1つの非限定的な実施形態では、布地の坪量は、約50~約500g/m2の範囲である。
1つの非限定的な実施形態では、布地が劣化していないとき、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地の引裂強度は、60N以上である。別の非限定的な実施形態では、布地が劣化していないとき、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地の引裂強度は、120N以上である。
1つの非限定的な実施形態では、縦糸方向及び横糸方向の両方における布地のエッジコーム抵抗は、400N以上である。
第10の態様では、本発明は、コーティングされた織布布地に関する。この態様では、織布布地は、コーティングされていない織布布地に関する本発明の態様に関して本明細書で上述した織布布地に対応する。言い換えれば、コーティングされていない織布布地について本明細書の上記で開示した材料及び製造方法及び特性並びにすべての選好は、コーティングされた織布布地にも適用される。したがって、本明細書に開示する布地は、例えば、空気透過率の低減を含む追加の特性を提供するようにコーティングされ得る。次いで、布地がコーティングされる場合、当業者に知られている任意のコーティング、ウェブ、ネット、ラミネート又はフィルムは、空気透過率の低下又は耐熱性の改善を付与する際に使用され得る。好適なコーティングの例としては、限定するものではないが、ポリクロロプレン、シリコーン系コーティング、ポリジメチレンシロキサン、ポリウレタン及びゴム組成物が挙げられる。好適なウェブ、ネット及びフィルムの例としては、限定するものではないが、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー並びにそれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。フィルムは、単層又は多層であり得、ウェブ、ネット又はフィルムの任意の組み合わせから構成され得る。これらの実施形態では、本発明の布地は、従来の量のコーティング、フィルム又はラミネートでコーティングされた同じ構造を有する布地よりも低い透過率基材として使用することができる。これにより、より低い重量のコーティング、又は適用されるより軽量の若しくは単純化されたウェブ、ネット、ラミネート若しくはフィルム構造体が可能になり、依然として非常に低い透過率の仕様を満たす。1つの非限定的な実施形態では、そのようなコーティング、ウェブ、ネット、ラミネート又はフィルムが使用される場合、次いで、それは、従来のコーティングされた織布布地で使用されるよりも低い重量で、特に布地の総重量で10重量%未満、好ましくは9重量%未満、好ましくは8重量%未満、好ましくは7重量%未満及び布地の総重量で典型的には少なくとも4重量%、典型的には少なくとも5重量%、例えば、布地の総重量で4~7重量%の範囲の量で存在する。
これらの方法に従って生産された本発明の布地は、全体的な布地の重量及びコストを限定しながら、機械的及び性能基準を満たす。更に、本発明の布地は、良好な収納性を保持する。
また、本発明では、織布布地から形成された物品、及び本明細書に開示されたそれらを作製するための方法も提供される。本発明の1つの非限定的な実施形態では、布地は、自動車エアバッグ、帆布、膨張式スライド、一時的なシェルタ、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体などの製品を生産するために使用される。本明細書で使用するとき、「エアバッグ」という用語は、エアバッグクッションを含む。エアバッグクッションは、典型的には、布地の多数のパネルから形成され、迅速に膨張させることができる。本発明の布地は、多数の布地片から又はワンピース織布(OPW)布地から縫合されたエアバッグに使用することができる。ワンピース織布(OPW)布地は、当業者に知られている任意の方法から作製することができる。
本開示を読めば当業者には理解されるように、本明細書に例示されるものに対する代替的な方法及び装置が利用可能であり、その使用は、布地の表面構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、上面上の糸の少なくとも一部分又は下面上の糸の少なくとも一部分がそれらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、上面上の糸の大部分又は下面上の糸の大部分が共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有するように、本発明によって包含され、恒久的に改質された断面が、布地に使用される繊維の大部分の断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する。
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願、試験手順、優先書類、物品、刊行物、マニュアル、及び他の文書は、そのような開示が本発明と矛盾しない範囲で、及びそのような組み込みが許可されるすべての権限について、参照により完全に組み込まれる。
実施例
以下の実施例は、本発明及びその使用能力を実証する。本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な明らかな点で変更可能である。したがって、実施例は、性質及び非限定的な例示としてみなされるべきである。
以下の実施例は、本発明及びその使用能力を実証する。本発明は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、様々な明らかな点で変更可能である。したがって、実施例は、性質及び非限定的な例示としてみなされるべきである。
試験方法
試験基準及び方法のすべては、特定の補正を伴うASTM法又はISO法である。
試験基準及び方法のすべては、特定の補正を伴うASTM法又はISO法である。
動的空気透過率(DAP又はADAP)は、100kPa(14.2psi)の圧力及び20℃の温度に変換された30~70kPaの選択された試験圧力範囲内の空気又は気体の平均速度(mm/秒)として定義される。別のパラメータ、(空気透過率曲線の)曲線指数Eはまた、動的空気透過率試験中に自動的に測定されるが、これは単位を有しない。動的空気透過率は、試験基準ASTM D6476に従って試験されるが、以下の変更を用いて試験される。
1.測定された圧力範囲の限度(試験器具に設定されるような)は、30~70kPaである。
2.開始圧力(試験器具に設定されるような)は、100+/-5kPaのピーク圧力を達成するように調節される。
3.試験ヘッド容積は、指定された開始圧力をこのヘッドで達成することができない限り400cm3であり、その場合、試験下の布地に適切であることが見出されるように、他の交換可能な試験ヘッド(容積100、200、800及び1600cm3)のうちの1つが使用されるべきである。
4.動的空気透過率試験は、布地内の縦糸糸線及び横糸糸線の6つの別個の領域を試験するために、布地にわたる及び布地に沿ったサンプリングパターンで試験布地上の6つの部位で行われる。
5.報告された動的空気透過率の結果は、mm/秒の単位で6つのDAP測定値の平均値である。
6.報告された曲線指数(E)の結果は、6つの曲線指数測定値の平均値(単位は適用されない)である。
1.測定された圧力範囲の限度(試験器具に設定されるような)は、30~70kPaである。
2.開始圧力(試験器具に設定されるような)は、100+/-5kPaのピーク圧力を達成するように調節される。
3.試験ヘッド容積は、指定された開始圧力をこのヘッドで達成することができない限り400cm3であり、その場合、試験下の布地に適切であることが見出されるように、他の交換可能な試験ヘッド(容積100、200、800及び1600cm3)のうちの1つが使用されるべきである。
4.動的空気透過率試験は、布地内の縦糸糸線及び横糸糸線の6つの別個の領域を試験するために、布地にわたる及び布地に沿ったサンプリングパターンで試験布地上の6つの部位で行われる。
5.報告された動的空気透過率の結果は、mm/秒の単位で6つのDAP測定値の平均値である。
6.報告された曲線指数(E)の結果は、6つの曲線指数測定値の平均値(単位は適用されない)である。
静的空気透過率(SAP-l/dm2/分の単位)は、試験基準ISO9237に従って試験されるが、下記に列挙するような変更を用いて試験される。
1.試験領域は、100cm2である。
2.試験圧力(部分真空)は、500Paである。
3.各個々の試験値は、エッジ漏れについて補正される。
4.静的空気透過率は、布地内の縦糸糸線及び横糸糸線の6つの別個の領域を試験するために、布地にわたる及び布地に沿ったサンプリングパターンで試験布地上の6つの部位で行われる。
5.報告された静的空気透過率の結果は、l/dm2/分の単位で6つの補正された測定値の平均値である。
1.試験領域は、100cm2である。
2.試験圧力(部分真空)は、500Paである。
3.各個々の試験値は、エッジ漏れについて補正される。
4.静的空気透過率は、布地内の縦糸糸線及び横糸糸線の6つの別個の領域を試験するために、布地にわたる及び布地に沿ったサンプリングパターンで試験布地上の6つの部位で行われる。
5.報告された静的空気透過率の結果は、l/dm2/分の単位で6つの補正された測定値の平均値である。
最大力(N)及び最大力での伸び(%)の両方を測定する布地引張試験は、基準ISO13934-1に従って試験されるが、下記に列挙するような変更を用いて試験される。
1.Instronの引張試験機に設定されている初期ゲージ(クランプ)長さは、200mmである。
2.Instronのクロスヘッド速度は、200mm/分に設定される。
3.布地試料は、最初に、サイズ350x60mmに切断されるが、次いで、長辺の糸線を50mmの試験幅にほぐすことによってほつれさせる。
4.引張試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
5.最大力(破断力又は破断荷重としても知られている)についての報告された結果は、ニュートン(N)で試験された5つの縦糸方向試料及び(別個の)5つの横糸方向試料の最大力結果の平均である。
6.最大力での伸びについて報告された結果(伸び率又は延伸率としても知られている)は、試験された5つの縦糸方向試料及び(別個の)5つの横糸方向試料の最大力結果での伸びの平均(%)である。
1.Instronの引張試験機に設定されている初期ゲージ(クランプ)長さは、200mmである。
2.Instronのクロスヘッド速度は、200mm/分に設定される。
3.布地試料は、最初に、サイズ350x60mmに切断されるが、次いで、長辺の糸線を50mmの試験幅にほぐすことによってほつれさせる。
4.引張試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
5.最大力(破断力又は破断荷重としても知られている)についての報告された結果は、ニュートン(N)で試験された5つの縦糸方向試料及び(別個の)5つの横糸方向試料の最大力結果の平均である。
6.最大力での伸びについて報告された結果(伸び率又は延伸率としても知られている)は、試験された5つの縦糸方向試料及び(別個の)5つの横糸方向試料の最大力結果での伸びの平均(%)である。
ニュートン(N)での引裂力(引裂強度としても知られている)は、基準ISO13937-2に従って試験されるが、下記に列挙するような変更を用いて試験される。
1.布地試料のサイズは、150mm×200mm(幅狭端部の中点から中心まで延在する100mmのスリットである。
2.引裂試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
3.縦糸方向の引裂結果は、引裂が縦にわたって行われる(すなわち、縦糸糸線が引き裂かれる)試験された試料から取得され、一方、横糸方向の結果は、引裂が横にわたって行われる(すなわち、横糸糸線が引き裂かれる)試験された試料から取得される。
4.試料の各脚部を半分に折り畳んで、ISO13937-2の付属文書D/D.2に従ってInstronのクランプグリップに固定される。
5.試験結果の評価は、ISO13937-2の項10.2「電子デバイスを使用した計算(Calculation using electronic devices)」に従う。
1.布地試料のサイズは、150mm×200mm(幅狭端部の中点から中心まで延在する100mmのスリットである。
2.引裂試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
3.縦糸方向の引裂結果は、引裂が縦にわたって行われる(すなわち、縦糸糸線が引き裂かれる)試験された試料から取得され、一方、横糸方向の結果は、引裂が横にわたって行われる(すなわち、横糸糸線が引き裂かれる)試験された試料から取得される。
4.試料の各脚部を半分に折り畳んで、ISO13937-2の付属文書D/D.2に従ってInstronのクランプグリップに固定される。
5.試験結果の評価は、ISO13937-2の項10.2「電子デバイスを使用した計算(Calculation using electronic devices)」に従う。
縦引裂力についての報告された結果は、ニュートン(N)での5つの縦糸方向試料の引裂力結果の平均であり、一方、横引裂力については、5つの横糸方向試料の引裂力結果の平均である。
ニュートン(N)でのエッジコーム抵抗試験(エッジ引き抜き試験としても知られている)は、基準ASTM D6479に従って試験されるが、下記に列挙するような変更を用いて試験される。
1.エッジの距離は5mmであり、これは、試験試料の端部(試験中に試験試料ホルダ内で機械加工された狭い突起上に位置決めされた)と「引き抜き」を実行するピンの線との間の距離であり、すなわち、これは、試験中に引き抜かれた糸線セクションの長さである。
2.エッジコーム抵抗試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
1.エッジの距離は5mmであり、これは、試験試料の端部(試験中に試験試料ホルダ内で機械加工された狭い突起上に位置決めされた)と「引き抜き」を実行するピンの線との間の距離であり、すなわち、これは、試験中に引き抜かれた糸線セクションの長さである。
2.エッジコーム抵抗試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
縦糸方向のエッジコーム抵抗結果は、縦糸糸線が引き抜かれている試験された試料から取得され、一方、横糸方向の結果は、横糸糸線が引き抜かれている試験された試料から取得される。
縦糸エッジコーム抵抗についての報告された結果は、ニュートン(N)での5つの縦糸方向試料のエッジコーム抵抗結果の平均であり、一方、横糸エッジ抵抗については、5つの横糸方向試料の結果の平均である。
ニュートン(N)での剛性(円形屈曲手順による布地の剛性)は、基準ASTM D4032に従ってJ.A.Kingの空気圧剛性試験機を使用して試験されるが、下記に列挙するような変更を用いて試験する。
1.プランジャストローク速度は、2000mm/分である
2.剛性試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
3.各200×100mmの試料は、試験用の器具試験プラットフォーム上に位置付けられる前に、狭い寸法にわたって一度折り畳まれる
4.縦糸剛性についての報告された結果(ニュートンでの)は、5つの縦糸方向試験片の剛性結果の平均であり、一方、横糸剛性についての結果は、5つの横糸方向試料の平均である。
1.プランジャストローク速度は、2000mm/分である
2.剛性試験は、斜めの十字パターンで各試験布地から切断された5つの縦糸方向及び5つの横糸方向の試料で行い、布地の耳の200mm内の任意の領域を避ける。
3.各200×100mmの試料は、試験用の器具試験プラットフォーム上に位置付けられる前に、狭い寸法にわたって一度折り畳まれる
4.縦糸剛性についての報告された結果(ニュートンでの)は、5つの縦糸方向試験片の剛性結果の平均であり、一方、横糸剛性についての結果は、5つの横糸方向試料の平均である。
縦糸方向剛性の結果は、最長寸法(200mm)が布地縦糸方向と平行である試験された試料から取得され、一方、横糸方向の結果は、最長寸法(200mm)が布地横糸方向と平行である試験された試料から取得される。
実施例1
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント(繊維)及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、205×195の糸線/dm構造及び210gm-2重量の布地(サンプル1)を作製した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル2)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル3)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント(繊維)及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、205×195の糸線/dm構造及び210gm-2重量の布地(サンプル1)を作製した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル2)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル3)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
サンプル1は、HTHP処理を受けていない布地である。比較的、それは、高い引張強度及び引裂強度、中程度のエッジコーム抵抗強度、中程度の剛性、並びに高い静的透過率及び動的透過率を有する。サンプル2を、著しく低い静的透過率及び動的透過率をもたらすが、布地の引張強度を維持する条件でHTHP処理する。布地は、より剛性で、より薄く、未処理の布地と比較して、中程度に増加したエッジコーム抵抗強度を有する。サンプル3は、サンプル2に異なる組の特性につながる、強化された条件でHTHP処理している。布地の静的透過率及び動的透過率は本質的にゼロであり、エッジコーム抵抗強度は著しく高くなる。布地の引張強度は低減されるが、比較的「強い」布地のままであり、引裂強度が低減され、剛性が更に増大する。
図1A~図1Dは、470dtex、136本フィラメント、高テナシティ糸から作製された100%のナイロン66布地から織られた未処理及びHTHP処理された布地の表面及び断面を比較する約15倍及び40倍の倍率でのSEM画像である。図1Aは未処理であり、縦糸糸線及び横糸糸線及び糸線内のフィラメント(繊維)は、別個及び個別のままである。図1B~図1Dは、透過率の低減をもたらすが、布地の引張強度を維持する先行技術の条件に対するHTHP処理後の同じ布地のSEM画像である。布地の表面繊維を、平坦化された断面を有するように改質し、繊維の少なくとも一部分を共に融合する。交点の縦糸糸線及び横糸糸線は、著しく閉鎖しているが、個別のままである。布地の断面(図1D)は、繊維の表面平坦化を示し、布地内の個別の主として円形の断面繊維を維持する。
図2A~図2Dは、透過率を最小化し、エッジコーム抵抗強度を最大化するために、強化された条件でHTHP処理された布地「サンプル3」の表面及び断面構造体を示す、15~200倍の倍率でのSEM画像である。図2Aは、布地表面全体が、それらの交点で共に融合される縦糸糸線及び横糸糸線を有することを示す。糸線内の個々の表面繊維を合わせたより有意な融合もある。これにより、低減された布地透過率がもたらされる。図2Bは、細繊維状構造体又は先端構造体が布地の表面に対してほぼ垂直に延在する布地表面構造体の詳細、並びに縦糸糸線及び横糸糸線を互いに対して移動させるのに必要とされるより大きい力をもたらす縦糸と横糸との交点で発生する溶融融合の詳細を示す。図2Cは、縦糸糸線と横糸糸線との間の隙間で繊維のいくらかの融合があることを示す。図1Dは、平坦化及び溶融された表面と、かなり押し縮められているが、布地内で依然として個別の繊維と、を有する布地断面構造体を示す。布地の構造体及び形態は、物理的特性-最小化された透過率、縦糸糸線及び横糸糸線の相対移動に対するより大きい抵抗、縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な融合による、より高いエッジコーム抵抗、並びに個別のままであり、強化されたHTHPプロセス条件によってほとんど改質されない布地内の繊維による引張強度>1000Nの維持、と一致する。
実施例2
以下の特性:350デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、212×213の糸線/dm構造及び163gm-2重量の布地(サンプル4)を生成した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル5)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル6)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:350デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、212×213の糸線/dm構造及び163gm-2重量の布地(サンプル4)を生成した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル5)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル6)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、169×165の糸線/dm構造及び172gm-2重量の布地(サンプル7)を作製した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル8)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル9)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、180×181の糸線/dm構造及び187g/m2重量の布地(サンプル10)を作製した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル11)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル12)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、195×195の糸線/dm構造及び202gm-2重量の布地(サンプル13)を作製した。布地を、布地のテナシティが低減しない、以前に開示されたカレンダ条件での湿式カレンダ加工プロセスで(サンプル14)、かつ布地の上面及び下面のそれらの交点で縦糸糸線及び横糸糸線の部分的な溶融並びに融合をもたらす、より高い温度で(サンプル15)処理した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地を上面及び下面の両方で処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに168℃及び205℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
好ましく最も望ましい透過率及び引裂強度特性をもたらさないプロセス条件の実施例
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、169×165の糸線/dm構造及び172gm-2重量の布地(サンプル7)を作製した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地(サンプル16)を上面及び下面の両方で湿式カレンダ加工プロセスで処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに200℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、169×165の糸線/dm構造及び172gm-2重量の布地(サンプル7)を作製した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地(サンプル16)を上面及び下面の両方で湿式カレンダ加工プロセスで処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに200℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
以下の特性:470デシテックス、136本フィラメント及び81cN/テックスのテナシティを有するナイロン6,6ポリマーを、ウォータジェット織機上で縦糸方向及び横糸方向に織って、210×195の糸線/dm構造及び215gm-2重量の布地を作製した。加熱ロールを有するカレンダ加工機械に2回通過させることにより、布地(サンプル17)を上面及び下面の両方で湿式カレンダ加工プロセスで処理した。布地をウォータスプレーシステムによって前処理して、布地の上面及び下面にわたって均一な15重量%の水濃度を得た。2つの処理された布地についてのプロセス 条件は、以下のような:布地幅の力300N/mmでのカレンダニップロールを介した43MPaの圧力、並びに225℃での加熱ロール、15m/分のプロセス速度であった。
布地16は、好ましい目標範囲を上回る静的空気透過率を有しており、それにより、更に試験しなかった。
比、濃度、量、及び他の数値データが、本明細書では範囲形式で表現され得ることに留意されたい。そのような範囲形式は、便宜上及び簡潔さのために使用され、したがって、範囲の限度として明示的に列挙される数値を含むだけではなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟な方法で解釈されるべきであることを理解されたい。例示するために、「約0.1%~約5%」の濃度範囲は、約0.1重量%~約5重量%の明示的に列挙された濃度だけではなく、示された範囲内の個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、及び4%)並びに部分範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、及び4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約」という用語は、修飾されている数値(複数可)の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±8%、又は±10%を含むことができる。加えて、「約「x」~「y」」という句は、「約「x」~約「y」」を含む。本発明の例示的な実施形態が詳細に説明されてきたが、本発明が他の異なる実施形態が可能であること、並びに他の様々な修正が当業者に明らかであり、かつ本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者によって容易に行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本発明の特許請求の範囲は、本明細書に説明される実施例及び詳細な説明に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲は、本発明が関連する当業者によってその等価物として扱われるすべての特徴を含む、本開示に存在する特許可能な新規性のすべての特徴を包含するものと解釈されることを意図する。
Claims (49)
- 上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた合成繊維から形成された糸を含む、コーティングされていない織布布地であって、前記布地の表面構造体が、前記布地の表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、前記上面上の前記糸の少なくとも一部分及び/又は前記下面上の前記糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、前記上面上の前記糸の大部分及び/又は前記下面上の前記糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、前記布地に使用される前記繊維の前記大部分の前記断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する、コーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸が、前記合成繊維の物理的特性における1つ以上の相違に由来するそれらの物理的特性における1つ以上の相違により、前記横糸とは異なり、前記縦糸を形成する前記繊維が、前記横糸を形成する前記繊維と化学的に同一である、請求項1に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸を形成する前記繊維が、前記横糸の前記繊維が形成される単一のポリマーと同じである単一のポリマーから形成される、請求項2に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸が、前記縦糸の前記合成繊維の化学組成が前記横糸の前記合成繊維の化学組成とは異なるという点で、前記横糸とは異なり、縦糸及び横糸が、同じ等級のポリマーから作製され、前記縦糸及び横糸の前記繊維を形成するポリマー材料が、単一の溶融相を呈する、請求項1に記載のコーティングされていない織布布地。
- 上面及び下面を形成するために、前記縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維の繊維から形成された糸を含み前記布地の表面構造体が、前記布地の前記表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有し、前記上面上の前記糸の少なくとも一部分及び/又は前記下面上の前記糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、前記上面上の前記糸の大部分及び/又は前記下面上の前記糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、前記布地に使用される前記繊維の前記大部分の前記断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する、請求項1に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸及び前記横糸が、同一の糸から作製される、請求項5に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸が、前記横糸が形成される前記合成繊維と同じである合成繊維から形成され、前記縦糸が、前記縦糸及び横糸がそれらの物理的特性において1つ以上の相違を呈するという理由で、前記横糸とは異なる、請求項5に記載のコーティングされていない織布布地。
- 0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)、及び150mm/秒以下の動的空気透過率、並びに前記縦糸方向及び横糸方向の両方における1000N以上の前記布地の引張強度を呈する、請求項1~7のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーから形成された同じ合成繊維の繊維から形成された糸を含む、コーティングされていない織布布地であって、前記布地が、0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有し、動的空気透過率が、150mm/秒以下であり、前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地の引張強度が、1000N以上であり、前記布地の表面構造体の15~200倍に拡大された画像が、前記布地の前記表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を示す、コーティングされていない織布布地。
- 縦糸繊維及び横糸繊維が、前記布地の前記上面及び/又は前記下面上のそれらの交点で共に溶融融合され、前記上面上の前記糸の大部分及び/又は前記下面上の前記糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、前記布地に使用される前記繊維の前記大部分の前記断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する、請求項9に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記織布布地の繊維が、恒久的に改質された断面を有する、請求項9に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記恒久的に改質された断面が、実質的に平坦である前記繊維の少なくとも一部分をもたらす、請求項9、10、又は11に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地のエッジコーム抵抗強度が、400N以上である、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記布地の坪量が、50~500g/m2の範囲である、請求項1~13のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記ポリマーが、ポリアミド、好ましくはナイロンである、請求項1~14のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記糸が、約150~約2000デシテックスの範囲内の線密度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地の引裂強度が、60N以上である、請求項1~16のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記繊維が、1フィラメント当たり約1~約25デシテックス(DPF)の範囲の密度を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記先端構造体が、前記縦糸と前記横糸との交点に少なくとも沿って、好ましくは、交点がその長さの少なくとも80%に沿って1つ以上の先端構造体(複数可)を呈するように、配置され、前記織布布地の前記表面又は各表面上のすべての交点の少なくとも80%が、そのように先端構造体を呈する、請求項1~18のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記先端構造体がまた、前記交点の接合部の周りの環状形成部内に配置され、前記布地の1つの表面上のすべての接合部の少なくとも80%が、そのような環状先端構造体を呈する、請求項19に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記先端構造体が、50パーセンタイルを上回る前記先端構造体のうち、前記布地の表面上のすべての先端構造体の少なくとも70%が、前記交点に沿って、又は前記接合部の周りの環状形成部内に位置するような、高さ分布を呈する、請求項19又は20に記載のコーティングされていない織布布地。
- 前記布地の表面上のすべての先端構造体の少なくとも70%が、前記交点に沿って、又は前記接合部の周りの環状形成部内に位置する、請求項19、20又は21に記載のコーティングされていない織布布地。
- 請求項1~22のいずれか一項に記載の布地から形成された物品。
- エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体からなる群から選択される、請求項23に記載の物品。
- 請求項1~22のいずれか一項に記載の布地から形成されたエアバッグ。
- 前記エアバッグが、多数の布地片から形成される、請求項25に記載のエアバッグ。
- 前記エアバッグが、ワンピース織布(OPW)布地から形成される、請求項25に記載のエアバッグ。
- 請求項1~22のいずれか一項に記載のコーティングされていない織布布地を形成する方法であって、
a.上面及び下面を有する布地を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に、単一のポリマーから形成された同じ合成繊維から形成された糸を織ることと、
b.前記布地を、前記布地の表面構造体を恒久的に改質するために、細繊維状構造体又は先端構造体が前記布地の前記表面に対してほぼ垂直に延在するように、処理することと、を含み、
その結果、前記上面上の前記糸の少なくとも一部分及び/又は前記下面上の前記糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、前記上面上の前記糸の大部分及び/又は前記下面上の前記糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有する、方法。 - 前記布地が、0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有し、前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地の引張強度が、1000N以上である、請求項28に記載の方法。
- 前記布地が、150mm/秒以下の動的空気透過率(DAP)を有し、前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地の引張強度が、1000N以上である、請求項28又は29に記載の方法。
- 前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地のエッジコーム抵抗強度が、400N以上である、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
- 前記布地を処理することが、前記表面構造体が前記布地の前記表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を有するように、前記布地を恒久的に改質するのに十分な温度及び圧力で前記布地を高温高圧(HTHP)処理することを含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の方法。
- HTHP処理することが、融合工程中に添加されるか、又は前記布地の生産プロセスの前工程で添加され、前記繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在下で、前記布地をホットロールカレンダ加工することを含む、請求項28~32のいずれか一項に記載の方法。
- 前記恒久的に改質された断面が、実質的に平坦である前記繊維の少なくとも一部分をもたらす、請求項28~33のいずれか一項に記載の方法。
- 糸が、約150~約2000デシテックスの範囲の線密度を有する、請求項28~34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記布地の坪量が、約50~500又は約150~約500g/m2の範囲である、請求項28~35のいずれか一項に記載の方法。
- 前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地のエッジコーム抵抗強度が、400N以上である、請求項28~36のいずれか一項に記載の方法。
- 前記繊維が、約1~約25DPFの範囲の密度を有する、請求項28~37のいずれか一項に記載の方法。
- ベース糸が、ポリアミド、好ましくはナイロン6,6繊維から形成される、請求項28~38のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プロセスが、以下:
(i)202~220℃、好ましくは202~215℃、好ましくは202~210℃の範囲の温度と、
(ii)14~72MPa、好ましくは35~70MPa、好ましくは40~60MPaの範囲の圧力と、
(iii)好ましくは、100~500N/mm、好ましくは250~450N/mmのカレンダニップロール力と、
(iv)好ましくは、30m/分、好ましくは10~20m/分のカレンダロール速度と、
(v)前記熱伝達流体が前記布地の重量で3~30重量%、好ましくは10~20重量%の量で前記処理プロセス中に存在し、好ましくは前記熱伝達流体が水であるように、融合工程中に添加された、若しくは前記布地生産プロセスの前工程において添加され、前記繊維によって保持された熱伝達液体又は熱伝達蒸気の存在下と、の条件下で前記布地を処理することを含む、請求項28~39のいずれか一項に記載の方法。 - 請求項28~40のいずれか一項に記載の方法で形成された前記布地から形成された物品。
- エアバッグ、帆布、膨張式スライド、テント、ダクト、カバー、及び印刷媒体からなる群から選択される、請求項41に記載の物品。
- 請求項28~40のいずれか一項に記載の方法で形成された前記布地から形成されたエアバッグ。
- 前記エアバッグが、多数の布地片から形成される、請求項43に記載のエアバッグ。
- 前記エアバッグが、ワンピース織布(OPW)布地から形成される、請求項44に記載のエアバッグ。
- 上面及び下面を形成するために、縦糸方向及び横糸方向に織られた単一のポリマーの合成繊維から形成された糸を含む布地であって、前記上面及び前記下面のうちの少なくとも1つが、前記布地の前記表面に対してほぼ垂直に延在する細繊維状構造体又は先端構造体を含み、前記上面上の前記糸の少なくとも一部分及び/又は前記下面上の前記糸の少なくとも一部分が、それらの交点で共に溶融融合される縦糸繊維及び横糸繊維を有し、前記上面上の前記糸の大部分及び/又は前記下面上の前記糸の大部分が、共に融合される恒久的に改質された断面を有する繊維を有し、恒久的に改質された断面が、前記布地に使用される前記繊維の前記大部分の前記断面の改質又は圧縮されたバージョンである繊維断面を意味する、布地。
- 0.3l/dm2/分以下、好ましくは0.2l/dm2/分以下の静的空気透過率(SAP)を有する請求項46に記載の布地であって、前記布地が、150mm/秒の動的空気透過率(DAP)を有し、前記縦糸方向及び横糸方向の両方における前記布地の引張強度が、1000N以上である、布地。
- コーティングされていない布地である、請求項46又は47に記載の布地。
- 織布布地である、請求項46、47、又は48に記載の布地。
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