本願は、2019年4月26日に中国国家知識産権局に出願された、「ビーム選択方法及び装置」と題する中国特許出願第201910346557.3号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
本願の実施形態は通信技術の分野に関し、とりわけビーム選択方法及び装置に関する。
通信技術の発展に伴って、高低周波数協調に基づくキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)方式は、将来の新無線(new radio、NR)ネットワークの避けられない開発トレンドになっている。例えば、NRネットワークでは、端末及び基地局は、低周波帯搬送波で信号を送信し、ミリ波周波数帯で信号を送信し得る。しかしながら、ミリ波周波数帯は比較的高い減衰率、比較的弱い回折能力等に特徴があるため、ミリ波周波数帯で信号を送信することによって、著しい信号減衰や経路損失の増大等の問題がもたらされる。これらの問題を避けるために、基地局及び端末は、高周波ビーム形成技術を用いることにより信号を送信し得る。例えば、端末(又は基地局)は、アンテナアレイを用いることにより送信すべき信号に対して高周波ビーム形成を行って、正確なナロー高周波ビームを形成し、次いで高周波ビームを基地局(又は端末)に送信し得る。基地局(又は端末)は、端末(又は基地局)によって送信された信号を受信するために高周波ビーム形成技術を用いることによって、正確なナロー高周波ビームを形成し得る。このように、基地局と端末との間の伝送チャネルのチャネル品質を改善でき、ミリ波周波数帯での通信によってもたらされる著しい信号減衰や経路損失の増大等の問題を解消できる。
基地局と端末との間に複数の高周波ビームが形成され、高周波ビームの信号品質は異なり得る。現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project、3GPP)のNRプロトコルのフェーズP1~P3で基地局と端末との間での信号品質が最適な高周波ビームが得られ、ステージ毎の走査を行って先ずワイドビームを得て、次にナロービームを得る。フェーズP1:基地局及び端末のワイドビームを得る。フェーズP2:基地局のナロービームを得る。フェーズP3:端末のナロービームを得る。例えば、15のワイドビームが基地局側で設定され、各ワイドビームは10のナロービームを含む。端末側は、先ず合計256個のビームのセットからいくつかのビームを見つけ、次に、7つのワイドビームについて全体的な粗い走査を行い、7つのナロービームについて近隣トラッキングを行ってグローバルに最適な高周波ビームを選択する。この場合、フェーズP1で15×7回の走査が必要になり、フェーズP2では10回の走査が必要になり、フェーズP3では7回の走査が必要となる。
前述の説明から、既存のビーム選択の間に3つの処理プロセス、すなわち、フェーズP1~P3を行う必要があることが分かる。各フェーズにおけるビーム探索及び参照信号フィードバックを用いることは、極めて高い信号オーバーヘッド、高い遅延及び高い電力消費が必要になる。
既存のビーム走査方法における高い信号オーバーヘッド及び比較的長い走査処理時間の問題を解決するために、本願の実施形態はビーム選択方法及び装置を提供する。
前述の目的を実現するために、本願の実施形態では以下の技術的解決策を用いる。
第1の態様によれば、本願の実施形態はビーム選択方法を提供し、当該方法は、端末が該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することと、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することと、前記アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を走査することと、を含む。
第1の態様に係る方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームを走査する場合、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、端末は特定の範囲で高周波ビームを走査し、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより、大きな範囲(例えば、全方向範囲)で高周波ビームを走査する必要がない。従来の技術と比較して、第1の態様の方法は走査時間を低減し、それに加えて、走査時間の量を削減し、アクセスネットワーク装置との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
第1の態様を参照して、第1の態様の第1の実施形態では、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することは、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて前記低周波チャネルのピーク対平均比の計算し、前記低周波チャネルのピーク対平均比及び該ピーク平均比と高周波ビーム領域範囲との対応関係に基づいて、前記低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を特定し、前記第1の領域範囲及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を決定することを含む。
第1の態様の第1の実施形態に基づいて、端末は、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定、例えば、角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を特定し、低周波チャネルのピーク対平均比及び低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との予め設定された対応に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を取得し、第1の領域及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。このプロセスは簡素で簡単である。
第1の態様又は第1の態様の第1の実施形態を参照して、前記第1の角度パワースペクトルは、到来方向DOAパワースペクトル又は出発方向DODパワースペクトルである。このように、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査する場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって端末に送信された、低周波チャネルのDOAパワースペクトルに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、チャネルレシプロシティの場合、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルのDODパワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。決定方法は柔軟で多様である。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第3の実施形態では、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する前に、前記方法は、前記端末が前記端末の回転角を特定することと、前記端末が、前記端末の回転角に基づいて前記第1の角度パワースペクトルを補正することと、をさらに含む。
第1の態様の第3の実施形態によれば、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルは端末の回転角に基づいて時間内に補正され、第1の高周波ビーム走査範囲は補正された角度パワースペクトルに基づいて決定され、決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第4の実施形態では、前記端末が第1の角度パワースペクトルを特定した後に、前記方法は、前記端末が移動し、前記端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合に、前記端末が、前記端末の移動後に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定、例えば、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定することをさらに含む。チャネル相関距離は前記端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいて決定され、前記端末が現在位置するチャネルシナリオは前記第1の角度パワースペクトルに基づいて決定される。
第1の態様の第4の実施形態に基づいて、端末が移動し、移動振幅が比較的大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定して、特定されたパワースペクトルが、端末が移動した後の端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性に適合することを確実にされ得る。
第1の態様の第4の実施形態を参照して、第1の態様の第5の実施形態では、本方法は、前記端末が、前記第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定することと、前記アクセスネットワーク装置によって送信される前記高周波ビームについて、前記第2の高周波ビーム走査範囲を走査することと、をさらに含む。
第1の態様の第5の実施形態に基づいて、端末が移動した場合、端末は、再度特定された第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第2の高周波ビーム走査範囲を走査して走査精度を改善させ得る。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第6の実施形態では、前記端末が、該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することは、ホワイトリストが前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む場合、前記端末が、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することを含み、前記ホワイトリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートする前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第1の態様の第6の実施形態に基づいて、本願のこの実施形態の方法は、アクセスネットワーク装置が、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査を行うアクセスネットワーク装置に関する情報をサポートする場合にのみ、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定するために用いられ得る。端末は、高周波ビームについて決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するため、端末は、従来技術を用いることによる高周波ビームの走査を試みる必要がないため、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様の第1の態様から第5の実施形態のうちのいずれか1つを参照して、第1の態様の第7の実施形態では、前記端末が該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することは、前記アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていないと前記端末が判断した場合に、前記端末が、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することを含み、前記ブラックリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートしない前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第1の態様の第7の実施形態に基づいて、アクセスネットワーク装置がブラックリストに含まれていない場合、本願のこの実施形態の方法は、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームついて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲で走査するために用いられ得る。すなわち、高周波ビームを走査する場合、端末は、本願のこの実施形態で説明した方法を優先的に用いる。また、本願のこの実施形態の方法を用いることにより高周波ビームが見つからない場合、端末は、従来技術を用いることにより高周波ビームの走査を試みることにより、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第8の実施形態では、本方法は、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて候補ビームを選択することをさらに含む。
第1の態様の第7の実施形態に基づいて、端末は候補ビームを選択し得るため、決定された第1の高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームがうまく見つからない場合に、候補ビームの位置でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームの走査を端末が試み得る。
第2の態様によれば、本願は通信装置を提供する。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得るか又は端末内にあり、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な設計に係る方法を実施するように構成された機能モジュールであり得る。通信装置は、第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態で端末によって行われる機能を実施してもよく、機能は、ハードウェアによって対応するソフトウェアを実行することにより実施され得る。ハードウェア又はソフトウェアは、機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。例えば、通信装置は決定ユニット及び走査ユニットを含み得る。
決定ユニットは、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定するように構成されている。
走査ユニットは、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査するように構成されている。
第2の態様に係る方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームを走査する場合、通信装置は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、高周波ビームが特定の範囲で走査され、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより大きな範囲(例えば、全方向範囲)で高周波ビームを走査する必要がない。従来の技術と比較して、第2の態様の方法は走査時間を低減し、それに加えて、走査時間の量を削減し、アクセスネットワーク装置との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
第2の態様を参照して、第2の態様の第1の実施形態では、決定ユニットは、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて前記低周波チャネルのピーク対平均比の計算することと、前記低周波チャネルのピーク対平均比及び該ピーク平均比と高周波ビーム領域範囲との対応関係に基づいて、前記低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を決定することと、前記第1の領域範囲及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を決定することと、を行うように具体的に構成されている。
第2の態様の第1の実施形態に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲が決定され、例えば、角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比が特定され、低周波チャネルのピーク対平均比及び低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との予め設定された対応に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲が取得され、第1の領域及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲が決定され得る。このプロセスは簡素で簡単である。
第2の態様又は第2の態様の第1の実施形態を参照して、前記第1の角度パワースペクトルは、到来方向DOAパワースペクトル又は出発方向DODパワースペクトルである。このように、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査する場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって端末に送信された、低周波チャネルのDOAパワースペクトルに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、チャネルレシプロシティの場合、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルのDODパワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。決定方法は柔軟で多様である。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第3の実施形態では、前記決定ユニットは、前記決定ユニットが前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する前に、前記端末の回転角を特定することと、前記端末の回転角に基づいて前記第1の角度パワースペクトルを補正することと、を行うようにさらに構成されている。
第2の態様の第3の実施形態によれば、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルは端末の回転角に基づいて時間内に補正され、第1の高周波ビーム走査範囲は補正された角度パワースペクトルに基づいて決定され、決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第4の実施形態では、第1の角度パワースペクトルを特定した後に、前記端末が移動し、前記端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合に、前記決定ユニットが、前記端末の移動後に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定、例えば、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定するようさらに構成されている。チャネル相関距離は前記端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいて決定され、前記端末が現在位置するチャネルシナリオは前記第1の角度パワースペクトルに基づいて決定される。
第2の態様の第4の実施形態に基づいて、端末が移動し、移動振幅が比較的大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定して、特定されたパワースペクトルが、端末が移動した後の端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性に適合することを確実にされ得る。
第2の態様の第4の実施形態を参照して、第2の態様の第5の実施形態では、前記決定ユニットは、前記第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定することと行うようにさらに構成され、前記走査ユニットは、前記アクセスネットワーク装置によって送信される前記高周波ビームに対して前記第2の高周波ビーム走査範囲を走査することと行うようにさらに構成されている。
第2の態様の第5の実施形態に基づいて、端末が移動した場合、端末は、再度特定された第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第2の高周波ビーム走査範囲を走査して走査精度を改善させ得る。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第6の実施形態では、前記決定ユニットは、ホワイトリストが前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む場合、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するように具体的に構成され、前記ホワイトリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートする前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第2の態様の第6の実施形態に基づいて、本願のこの実施形態の方法は、アクセスネットワーク装置が、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査を行うアクセスネットワーク装置に関する情報をサポートする場合にのみ、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定するために用いられ得る。端末は、高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲で走査するため、端末は、従来技術を用いることによる高周波ビームの走査を試みる必要がなく、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様の第1の態様から第5の実施形態のうちのいずれか1つを参照して、第2の態様の第7の実施形態では、前記決定ユニットは、前記アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていないと前記端末が判断した場合に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するよう具体的に構成され、前記ブラックリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートしない前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第2の態様の第7の実施形態に基づいて、アクセスネットワーク装置がブラックリストに含まれていない場合、本願のこの実施形態の方法は、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するために用いられ得る。すなわち、高周波ビームを走査する場合、端末は、本願のこの実施形態で説明した方法を優先的に用いる。また、本願のこの実施形態の方法を用いることにより高周波ビームが見つからない場合、端末は、従来技術を用いることにより高周波ビームの走査を試みることにより、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第8の実施形態では、通信装置は、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて候補ビームを選択するように構成された選択ユニットをさらに含む。
第2の態様の第7の実施形態に基づいて、端末は候補ビームを選択し得るため、決定された第1の高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームがうまく見つからない場合に、候補ビームの位置でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームの走査を端末が試み得る。
第3の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置は、第1の態様又は第1の態様の実施形態のいずれかで端末によって行われる機能を実施してもよく、機能はハードウェアによって実施され得る。例えば、可能な設計では、通信装置は、プロセッサ及び通信インターフェイスを含み得る。
プロセッサは、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査するように構成されている。
通信装置の具体的な実施については、第1の態様又は第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法における端末の挙動及び機能を参照されたい。詳細についてはここでは繰り返さない。したがって、提供される通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つと同じ有益な効果を得ることができる。
さらに別の可能な設計では、第3の態様において、通信装置はメモリをさらに含み得る。メモリは、コンピュータ実行可能命令と、通信装置に必要なデータとを記憶するように構成されている。通信装置が動作する場合、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するため、通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行う。
第4の態様によれば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、読み取り可能不揮発性記憶媒体であり得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第5の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第6の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置は1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを含む。1つ以上のメモリは1つ以上のプロセッサに連結され、1つ以上のメモリはコンピュータプログラムコードを記憶するように構成されている。コンピュータプログラムコードはコンピュータ命令を含み、1つ以上のプロセッサがコンピュータ命令を実行した場合、通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第3の態様~第6の態様の設計のいずれか1つによって得られる技術的効果については、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つによって得られる技術的効果を参照されたい。詳細については再度説明しない。
第7の態様によれば、本願の実施形態はビーム選択方法システムを提供する。システムは、第2の態様~第6の態様のうちのいずれか1つに係る端末及びアクセスネットワーク装置を含み得る。
図1aは、LOSシナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルである。
図1bは、NLOSシナリオにおける異なる周波数帯の角度パワースペクトルである。
図1cは、低周波チャネルを用いることにより高周波チャネルのチャネル特性を推定したシミュレーション結果である;
図2は、本願の一実施形態に係る通信システムの概略図である。
図3は、本願の一実施形態に係る通信装置の概略構成図である。
図4は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法のフローチャートである。
図5aは、LOS及び強反射シナリオにおける角度パワースペクトルである。
図5bは、複素反射、散乱及び閉塞シナリオにおける角度パワースペクトルである。
図6は、本願の一実施形態に係る端末が回転した場合の角度パワースペクトル変化の概略図である。
図7は、本願の一実施形態に係る別のビーム選択方法のフローチャートである。
図8は、本願の一実施形態に係るさらに別のビーム選択方法のフローチャートである。
図9は、本願の一実施形態に係る通信装置90の概略構成図である。
図10は、本願の一実施形態に係るビーム選択システムの概略構成図である。
本願の実施形態の原理は次の通りである。低周波チャネル及び高周波ビームは、特定の角度範囲において同様のチャネル特性を有する(例えば、角度、エネルギー、遅延、ドップラー及び偏波モードは基本的に同一である)。低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより高周波ビーム走査範囲の比較的小さな範囲を決定し、高周波ビームのために決定した高周波ビーム走査範囲が走査される。従来技術では、処理P1~P3と同様に、先ず、ワイドビームが広い範囲で走査され、次に、そのワイドビームに基づいて複数回の走査を行うことにより、要件を満たすナロービームが最終的に決定されるのに対して、本願の実施形態では、比較的小さな高周波ビーム走査範囲が低周波チャネルのチャネル特性に基づいて直接決定され、高周波ビームが比較的小さな角度範囲で走査される。このように、高周波ビームの走査時間及び信号オーバーヘッドを低減することができる。
例えば、従来技術では、端末がワイドビームを用いる場合、端末は、レベル毎のビーム幅調整を行うことによってアクセスネットワーク装置の高周波ビームを走査し得る。例えば、端末は、先ずアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを60度方向で走査することを試みる。端末が高周波ビームを見つけることができない場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを50度方向で走査することを試みる。端末が依然として高周波ビームを見つけることができない場合、端末は、高周波ビームが見つかるまで、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを40度方向で走査することの試みを続ける。このプロセスでは、長時間のビーム選択及びペアリングが必要になる。しかしながら、上述の原理に従ってビーム走査を行う場合、端末は、複数の盲目的な試みを行うことなく且つより長い時間を要することなしに、低周波チャネルのチャネル特性に基づいて高周波ビーム走査範囲の特定の範囲を先ず決定し、高周波ビームについて決定された高周波ビーム走査範囲が走査され得る。
本願の実施形態における高周波ビーム及び低周波チャネルの定義は以下の通りである。
高周波ビームは、高周波範囲及び特定の方向における参照信号であり得る。高周波数範囲は6ギガヘルツ(GHz)を超える周波数範囲であってもよく、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト3GPPプロトコルリリース(release)15で規定された周波数範囲2(frequency range 2、FR2)であり得る。
低周波チャネルは、低周波レンジにおける伝送チャネルであってもよく、例えば、低周波レンジの搬送波であり得るか又は低周波レンジのBWP及び別の周波数ドメインリソースであり得る。低周波数範囲は6GHz以下の周波数範囲、例えば3GPPリリース15で指定された周波数範囲1(frequency range 1、FR1)であり得る。なお、高周波ビーム及び低周波チャネルは相対的な概念であり、高周波ビームの周波数帯域は低周波チャネルよりも大きいことがある。本願の実施形態では、6GHzより大きい周波数範囲の搬送波は高周波ビームと呼ばれ、6GHz以下の周波数範囲の搬送波は低周波チャネルと呼ばれる。あるいは、予め設定された周波数帯域よりも大きい搬送波が高周波ビームと呼ばれ、予め設定された周波数帯域よりも小さい搬送波が低周波チャネルと呼ばれ得る。予め設定された周波数帯域は要件に基づいて設定され得る。これは本明細書では限定されない。
例えば、図1aは、視線(line of sight、LOS)シナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルであり、水平軸は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信されるチャネル又はビームの方向を表し、垂直軸は正規化された信号強度、すなわち各マルチパスの信号強度が最強のパワーによって分割されることを示す。図1aに示すように、低周波が5.8GHzの場合、エネルギーは15度の方向に集中し、高周波が14.8GHz及び高周波が58.7GHzの場合、能力も約15度の方向に集中する。図1aから、LOSシナリオでは、低周波チャネルの能力集中角は、高周波ビームのそれとほぼ同じであり、高周波ビームの方向は、基本的に低周波チャネルのそれと同じであることが分かる。
図1bは、非視線(non-line of sight、NLOS)シナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルである。水平軸は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信されるチャネル又はビームの方向を表し、垂直軸は正規化された信号品質を示す。図1bに示すように、低周波が5.8GHzの場合、低周波チャネルのエネルギーは15度の方向で最も大きくなり、約-50度の方向における低周波チャネルのエネルギーが二番目に大きい。高周波が14.8GHzの場合、低周波チャネルのエネルギーは15度の方向で最も大きくなり、約-80度の方向における低周波チャネルのエネルギーが二番目に大きい。より良好な信号品質の高周波ビームを走査する場合、高周波ビームは約15度の方向及び約-80度の方向で走査され得ることが図1bから分かる。
図1a及び図1bから、低周波チャネルのエネルギー集中方向は、高周波ビームの能力集中方向とほぼ同じであるか又は特定の角度範囲異なることがわかる。したがって、低周波チャネルのチャネル特性が測定され得る。低周波チャネルの方向が優先され、高周波ビームは方向を中心とする特定の範囲で走査され得る。
研究によれば、異なる通信シナリオにおいて低周波チャネルのピーク対平均比(peak to average ratio、PAR)は異なり、高周波ビーム走査範囲は低周波チャネルのチャネル特性を用いて決定される。決定された高周波ビーム走査範囲を走査することによって得られた高周波ビームの精度は、実際に送信された高周波ビームとは異なり得る。PARが大きいほど、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することによって得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間のより高い精度を示す。PARが小さいほど、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査して得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度が低いことを示す。
例えば、図1cは、低周波チャネルを用いることによる高周波チャネルのチャネル特性を推定したシミュレーション結果である。水平軸は、角度パワースペクトルにおける平均値に対する最も強いマルチパスの比を表す。垂直軸は、低周波チャネルを用いることによる高周波チャネルの角度の推定の精度を表す。図1cに示すように、PARが4以上の場合、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度は98%に達し、比較的高い。しかしながら、PARが2の場合、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度は約77%に過ぎず、比較的低い。この観点から、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られる高周波ビームと、実際に送信される高周波ビームとの間の精度を改善するために、低周波チャネルの異なるPARに基づいて異なる高周波ビーム走査範囲を決定する必要がある。
前述の原理にしたがって、本願の実施形態に提供されるビーム選択方法を以下で説明する。
本願の実施形態で提供されるビーム選択方法は、高周波通信及び低周波通信をサポートする通信システムに適用可能である。例えば、通信システムはセルラー通信システムであってもいいし、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムであってもいいし、第5世代(5th
generation、5G)移動通信システムであってもいいし、新無線(new radio、NG)システムであってもいいし、別の移動通信システムであってもよい。これは限定されない。以下では、本願の実施形態で提供される方法を説明するための一例として、図2に示す通信システムのみを用いる。
図2は、本願の一実施形態に係る通信システムの概略アーキテクチャ図である。図2に示すように、通信システムは、アクセスネットワーク装置及び複数の端末を含む。端末は、高周波ビームを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信し得るか、低周波チャネルを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信し得るか、低周波チャネル及び高周波ビームの協調方式でアクセスネットワーク装置と通信し得る。端末が高周波ビームを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信するシナリオでは、端末及びアクセスネットワーク装置は、ビーム形成技術を用いることにより端末とアクセスネットワーク装置との間に複数のビーム対を形成し、ビーム対上でデータを送受信し得る。本願のこの実施形態では、端末は、低周波チャネルのチャネル特性に基づいて、高周波ビームを走査するために用いられる高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、該高周波ビーム走査範囲を走査し得る。具体的には、実施プロセスについては、図4に対応する実施形態の説明を参照されたい。
図2の端末は、複数の低周波無指向性アンテナアレイ及び複数の高周波アンテナアレイを有し、アクセスネットワーク装置と低周波通信を行い得るか又はアクセスネットワーク装置と高周波通信を行い得る。図2の端末は端末装置(terminal device)、ユーザ装置(user equipment、UE)、移動局(mobile station、MS)、移動端末(mobile terminal、MT)等と呼ばれ、水上(例えば、船上)に配置されて得るか又は空中(例えば、飛行機、気球、衛星上)に配置され得る。具体的には、図2の端末は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ又は無線トランシーバ機能を有するコンピュータであり得る。あるいは、端末は、仮想現実(virtual reality、VR)端末、拡張現実(augmented reality、AR)端末、産業用制御における無線端末、自動運転における無線端末、遠隔医療における無線端末、スマートグリッドにおける無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末等であり得る。本願の実施形態では、端末の機能を実施するための装置は端末であり得るか又はその機能を実施する上で端末をサポート可能な装置、例えばチップシステムであり得る。本願の実施形態で提供される技術的解決策において、端末機能を実施するための装置が端末である例を用いて、本願の実施形態で提供される技術的解決策を説明する。
図2のアクセスネットワーク装置はアクセスネットワークと呼ばれ、無線物理制御機能、リソーススケジューリング及び無線リソース管理、無線アクセス制御、モビリティ管理等の機能を実施するように主に構成されている。アクセスネットワーク装置は端末と低周波通信を行い得るか又は端末と高周波通信を行い得る。具体的には、アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク(access network、AN)装置/無線アクセスネットワーク(radio
access network、RAN)装置であり得るか、複数の5G-AN/5G-RANノードを含む装置であり得るか又はノードB(nodeB、NB)、エボルブドノードB(evolution nodeB、eNB)、次世代ノードB(generation NodeB、gNB)、送信受信ポイント(transmission
reception point、TRP)、送信ポイント(transmission point、TP)又は他のアクセスノードのうちの任意のノードであり得る。本願のこの実施形態では、アクセスネットワーク装置の機能を実施するように構成された装置は、アクセスネットワーク装置であり得るか又はその機能を実施する上でアクセスネットワーク装置をサポート可能な装置、例えばチップシステムであり得る。これに限定されない。
例えば、アクセスネットワーク装置は基地局である。図2の基地局は、低周波及び高周波が共存する装置であり得る。例えば、基地局は、NR高周波及びLTEが共存する装置であり得るか、NR低周波及びNR高周波が共存する装置であり得るか、NR高周波及び無線エミュレーション(wireless fidelity、WI-FI)が共存する装置であり得る。あるいは、図2の基地局は代替的に共存しないものであり得る。これは限定されない。
なお、図2は一例としての図に過ぎない。図2に含まれる装置の数は限定されない。図2に示す装置に加えて、通信アーキテクチャは別の装置をさらに含んでもよく、例えばコアネットワーク装置又はデータネットワークをさらに含み得る。加えて、図2の各装置の名称は限定されない。図2に示す名称に加えて、各装置は別の名称を有し得る。これは限定されない。
特定の実施の間、図2に示す端末は図3に示すコンポーネントを有する。図3は、本願の一実施形態に係る通信装置100の概略構成図である。通信装置は端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。図3に示すように、通信装置100は、プロセッサ110、センサモジュール120、アンテナ1、アンテナ2、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)インターフェイス130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ1701、受信機1702、マイクロフォン1703、ヘッドセットジャック1704、外部メモリインターフェイス180、内部メモリ181、ボタン190、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カードインターフェイス191等を含む。センサモジュール120はジャイロセンサ1201、磁力センサ1202、加速度センサ1203、重力センサ1204等を含み得る。
図3のプロセッサ110は1つ以上の処理ユニットを含み得る。例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor、AP)、モデムプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、画像信号プロセッサ(image
signal processor、ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital
signal processor、DSP)、ベースバンドプロセッサ及び/又はニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit、NPU)を含み得る。異なる処理ユニットは独立したコンポーネントであり得るか又は1つ以上のプロセッサに統合され得る。
メモリがプロセッサ110内にさらに配置されてもよく、命令及びデータを記憶するように構成されている。一部の実施形態では、プロセッサ110内のメモリは高速キャッシュメモリである。メモリは、プロセッサ110によってちょうど用いられるか又は周期的に用いられる命令又はデータを記憶し得る。プロセッサ110が命令又はデータを再度用いる必要がある場合、プロセッサ110はメモリから命令又はデータを直接呼び出し得るため、繰り返しのアクセスが回避され、プロセッサ110の待ち時間が短縮され、システム効率が改善される。
一部の実施形態では、プロセッサ110は1つ以上のインターフェイスを含んでもよく、例えば、集積回路間(inter-integrated circuit、I2C)インターフェイス、集積回路間音響(inter-integrated circuit sound、I2S)インターフェイス、パルスコード変調(pulse code modulation、PCM)インターフェイス、汎用非同期受信機/送信機(universal asynchronous receiver/transmitter、UART)インターフェイス、モバイルインダストリープロセッサインターフェイス(mobile industry processor interface、MIPI)、汎用入出力(general-purpose input/output、GPIO)インターフェイス、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)インターフェイス及び/又はUSBインターフェイス130等を含み得る。
ジャイロセンサ1201は、通信装置100の動作姿勢を特定するように構成され得る。一部の実施形態では、3つの軸(即ち、x、y及びz軸)を中心とする通信装置100の角速度がジャイロセンサ1201を用いることによって特定され得る。ジャイロセンサ1201は撮影中に手ぶれを補正するように構成され得る。例えば、シャッタが押されると、ジャイロセンサ1201は通信装置100が振動する角度を検出し、その角度に基づいてレンズモジュールを補正する必要がある距離を計算するため、レンズが反転動作により通信装置100の振動を相殺し、手ぶれ補正を実施する。ジャイロセンサ1201は、ナビゲーション及び動作検知ゲームシナリオでさらに用いられ得る。
磁力計センサ1202はホールセンサを含む。通信装置100は、磁力計センサ1202を用いることによりフリップレザーケースの開閉を検出し得る。一部の実施形態では、通信装置100がクラムシェル電話である場合、通信装置100は、磁力計センサ180Dを用いることによりフリップカバーの開閉を検出し得る。また、フリップカバーの開閉時の自動ロック解除等の機能は、レザーケースの開閉検知状態又はフリップカバーの開閉検知状態に基づいて設定される。
加速度センサ1203は、各方向(通常、3軸)における通信装置100の加速度の大きさを検出し得る。通信装置100が静止している場合、重力の大きさ及び方向が検出され得る。加速度センサ1203は、電子装置の姿勢を特定するようにさらに構成されてもよく、ランドスケープモードとポートレートモードとの間の切り替えや歩数計等の用途で用いられる。
重力センサ1204は、カンチレバー型変位装置を作製するために弾性感受性素子及び重力から電気信号に完全に変換するために電気接触を駆動するために弾性感受性素子で作られたエネルギー蓄積ばねを用いる。重力センサは、重力によってもたらされた加速度を測定し、水平面に対する装置の傾斜角を計算する。例えば、重力センサを備える携帯電話はスクリーンの状態を検知し、高さを維持するためにスクリーンを自動的に調節できる。
充電管理モジュール140は充電器からの充電入力を受信するように構成されている。充電器は無線充電器又は有線充電器であってもよい。有線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール140は、USBインターフェイス130を介して有線充電器から充電入力を受信し得る。無線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール140は、通信装置100の無線充電コイルを用いることにより無線充電入力を受信し得る。充電管理モジュール140は、バッテリ142が充電される間に電力管理モジュール141を用いることにより電子装置に電力をさらに供給し得る。
電力管理モジュール141は、バッテリ142、充電管理モジュール140及びプロセッサ110に接続するように構成されている。電力管理モジュール141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140から入力を受け取り、通信装置100の各コンポーネントに電力を供給する。電力管理モジュール141はさらに、バッテリ容量、バッテリサイクル数及びバッテリ健康状態(漏電又はインピーダンス)等のパラメータをモニタリングするように構成され得る。一部の他の実施形態では、電力管理モジュール141は、代替的にプロセッサ110内に配置され得る。一部の他の実施形態では、電力管理モジュール141及び充電管理モジュール140は、代替的に同じ装置内に配置され得る。
通信装置100の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデムプロセッサ、ベースバンドプロセッサ等を介して実施され得る。
アンテナ1及びアンテナ2は電磁波信号を送受信するように構成されている。通信装置100内の各アンテナは、1つ以上の通信帯域をカバーするように構成され得る。アンテナの利用を改善するために、異なるアンテナがさらに多重化され得る。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシチアンテナとして多重化され得る。一部の他の実施形態では、アンテナは同調スイッチと組み合わせて用いられ得る。
移動通信モジュール150は2G/3G/4G/5G等を含み、通信装置100に適用される無線通信ソリューションを提供し得る。移動通信モジュール150は少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低ノイズ増幅器(low noise amplifier、LNA)等を含み得る。移動通信モジュール150はアンテナ1を介して電磁波を受信し、受信した電磁波に対してフィルタリング又は増幅等の処理を行い、復調のために電磁波をモデムプロセッサに転送し得る。移動通信モジュール150は、モデムプロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、アンテナ1を用いて放射するために信号を電磁波に変換し得る。一部の実施形態では、移動通信モジュール150の少なくとも一部の機能モジュールはプロセッサ110内に配置され得る。一部の実施形態では、移動通信モジュール150内の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110内の少なくとも一部のモジュールと同じ装置内に配置され得る。
モデムプロセッサは変調器及び復調器を含み得る。変調器は、低周波数ベースバンド信号が中及び高周波数信号として送信されるように変調するように構成されている。復調器は、受信した電磁波信号を低周波ベースバンド信号に復調するように構成されている。そして、復調器は、復調によって得られた低周波ベースバンド信号を処理のためにベースバンドプロセッサに送信する。低周波ベースバンド信号はベースバンドプロセッサによって処理され、次いでアプリケーションプロセッサに送信される。アプリケーションプロセッサは、オーディオ装置(スピーカ1701、受信機1702等に限定されない)を用いることにより音声信号を出力する。一部の実施形態では、モデムプロセッサは独立したコンポーネントであり得る。一部の他の実施形態では、モデムプロセッサはプロセッサ110から独立していてもよく、移動通信モジュール150又は別の機能モジュールと共に同じ装置内に配置されてもよい。
無線通信モジュール160は、通信装置100に適用される無線ローカルエリアネットワーク(wireless local network、WLAN)、(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(Bluetooth、BT)、グローバルナビゲーション衛星システム(global
navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency
modulation、FM)、近距離無線通信(near field communication、NFC)技術又は赤外線(infrared、IR)技術等の無線通信のためのソリューションを提供し得る。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信処理モジュールを統合する1つ以上の装置であり得る。無線通信モジュール160はアンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタリングを行い、処理された信号をプロセッサ110に送信する。無線通信モジュール160は送信すべき信号をプロセッサ110からさらに受信し、その信号に対して周波数変調及び増幅を行い、処理した信号をアンテナ2を介した放射のために電磁波に変換し得る。
一部の実施形態では、通信装置100のアンテナ1は移動通信モジュール150に連結され、アンテナ2は無線通信モジュール160に連結されているため、通信装置100は、無線通信技術を用いることによりネットワーク及び他の装置と通信し得る。無線通信技術は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(global system for mobile communication、GSM)、汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)、符号分割多元接続(code
division multiple access、CDMA)、広帯域符号分割多元接続(wideband
code division multiple access、WCDMA)、時分割符号分割多元接続(time-division
code division multiple access、TD-CDMA)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術等を含み得る。GNSSは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、グローバルナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system、GLONASS)、北斗衛星測位システム(BeiDou navigation satellite system、BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)及び/又は衛星航法補強システム(satellite based augmentation systems、SBAS)を含み得る。
外部メモリインターフェイス180は、通信装置100の記憶能力を拡張するために外部記憶カード、例えばマイクロSDカードに接続されるように構成され得る。外部記憶カードは、外部メモリインターフェイス180を介してプロセッサ110と通信し、データ記憶機能を実施する。例えば、音楽やビデオ等のファイルが外部記憶カードに記憶される。
内部メモリ181は、コンピュータ実行可能プログラムコードを記憶するように構成され得る。実行可能プログラムコードは命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ181に記憶された命令を実行して、通信装置100の様々な機能アプリケーションを行い、データを処理する。内部メモリ181はプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含み得る。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能(音声再生機能又は画像再生機能等)によって必要とされるアプリケーション等を記憶し得る。データ記憶領域は、通信装置100の使用の間に生成されたデータ(例えば、オーディオデータ及びアドレス帳)等を記憶し得る。加えて、内部メモリ181は高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置又はユニバーサルフラッシュ記憶装置(ユニバーサルフラッシュ記憶装置、UFS)をさらに含み得る。
通信装置100は、オーディオモジュール170、スピーカ1701、受信機1702、マイクロホン1703、ヘッドセットジャック1704、アプリケーションプロセッサ等を用いることにより、オーディオ機能、例えば音楽の再生及び録音を実施し得る。
オーディオモジュール170は、デジタルオーディオ情報をアナログオーディオ信号出力に変換するように構成され、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するようにも構成されている。オーディオモジュール170は、オーディオ信号を符号化及び復号化するようにさらに構成され得る。一部の実施形態では、オーディオモジュール170はプロセッサ110内に配置され得るか又はオーディオモジュール170の一部の機能モジュールはプロセッサ110内に配置され得る。
「ホーン」とも呼ばれるスピーカ1701は、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。通信装置100は、スピーカ170Aを用いることによって音楽を聴くか又はハンズフリー通話に応答するように構成され得る。
「イヤピース」とも呼ばれる受信機1702は、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。通信装置100が通話に応答するか又は音声情報を聴くように構成されている場合、受信機170Bは、音声を聴くために人間の耳の近くに置かれ得る。
「マイク」又は「マイクロホン」とも呼ばれるマイクロホン1703は、音声信号を電気信号に変換するように構成されている。通話を行うか、音声情報を送信するか又は通信装置100にある機能を行わせるために音声アシスタントを用いることによりトリガーさせる必要がある場合、ユーザは、人間の口を使ってマイクロホン1703の近くで音を発して、マイクロホン1703に音声信号を入力し得る。少なくとも1つのマイクロホン1703は通信装置100内に配置され得る。一部の他の実施形態では、音声信号を収集することに加えて、ノイズ低減機能を実現するために、2つのマイクロホン1703が通信装置100内に配置され得る。一部の他の実施形態では、音声信号を収集し、ノイズを低減するために、3つ、4つ又はそれ以上のマイクロホン1703が通信装置100内に代替的に配置され得る。マイクロホンはさらに、音源を特定し、指向性録音機能等を実施し得る。
ヘッドセットジャック1704は有線ヘッドセットに接続されるように構成されている。ヘッドセットジャック1704は、USBインターフェイス130であり得るか又は3.5mmのオープン移動端末プラットフォーム(open mobile terminal platform、OMTP)標準インターフェイス又は米国のセルラー通信工業会(cellular telecommunications industry association of the USA、CTIA)標準インターフェイスであり得る。
ボタン190は電源ボタン、ボリュームボタン等を含む。ボタン190は、機械式ボタンであり得るか又はタッチボタンであり得る。通信装置100はボタン入力を受信し、通信装置100のユーザ設定及び機能制御に関するボタン信号入力を生成し得る。
SIMカードインターフェイス191は、SIMカードに接続されるように構成されている。SIMカードは、通信装置100からの接触及び分離を実施するために、SIMカードインターフェイス191に挿入されているか又はSIMカードインターフェイス191から取り外されていてもよい。通信装置100は1つ又はN個のSIMカードインターフェイスをサポートしてもよく、Nは1よりも大きい正の整数である。SIMカードインターフェイス191はナノSIMカード、マイクロSIMカード、SIMカード等をサポートし得る。複数のカードが同じSIMカードインターフェイス191に同時に挿入されてもよい。複数のカードは、同じ種類のものであってもいいし、異なる種類のものであってもよい。SIMカードインターフェイス191は異なる種類のSIMカードとも互換性があり得る。SIMカードインターフェイス191は外部記憶カードとも互換性があり得る。通信装置100は、SIMカードを用いることによりネットワークとやりとりし、通話やデータ通信等の機能を実施する。一部の実施形態では、通信装置100は、eSIM、すなわち埋め込みSIMカードを用いり得る。eSIMカードは通信装置100内に埋め込まれてもよく、通信装置100から分離することができない。
通信装置100のソフトウェアシステムは、層状アーキテクチャ、イベントドリブンアーキテクチャ、マイクロカーネルアーキテクチャ、マイクロサービスアーキテクチャ又はクラウドアーキテクチャを用いり得ることが理解されよう。この実施形態では、通信装置100のソフトウェア構造を説明するために、層状アーキテクチャを有するAndroidシステムを一例として用いる。加えて、この実施形態で示す構造は、通信装置100に対する具体的な限定を成するものではない。一部の他の実施形態では、通信装置100は、図に示すものよりも多くの又は少ないコンポーネントを含み得るか、一部のコンポーネントが統合され得るか、一部のコンポーネントが分離され得るか又は異なるコンポーネントレイアウトを有し得る。図3に示すコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いることにより実施され得る。
上述の原理に従い且つ図2に示すシステムに参照して、本願の実施形態で提供されるビーム選択方法を以下で説明する。以下の方法の実施形態における各装置は、図3に示すコンポーネントを有し得る。詳細については再度説明しない。加えて、本願の以下の実施形態では、ネットワーク要素間のメッセージの名称、メッセージ内のパラメータの名称等は一例にすぎず、特定の実施の間に他の名称が存在してもよい。これは、本願の実施形態では具体的に限定されない。
図4は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法である。図4に示すように、方法は以下のステップを含み得る。
ステップ401:端末は、該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定する。
アクセスネットワーク装置は、図2のアクセスネットワーク装置であり、端末は図2の任意の端末であり得る。アクセスネットワーク装置及び端末は、低周波チャネルを送信し得るか又は高周波ビームを送信し得る。
端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルは、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネル(又はダウンリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり得る。同時に、アクセスネットワーク装置は、複数の低周波チャネルを同時に端末に送信し得る。あるいは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信されるチャネルと、アクセスネットワーク装置によって端末に送信されるチャネルとの間に相反性がある場合、端末とアクセスネットワーク装置との間の伝送チャネルは、代替的に端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネル(又はアップリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり得る。このように、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される高周波ビーム(又はダウンリンク高周波ビームと呼ばれる)は、アップリンク低周波チャネルのチャネル特性を用いることによって決定され得る。同時に、端末は、複数の低周波チャネルをアクセスネットワーク装置に送信し得る。
第1の角度パワースペクトルは、低周波チャネルの角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し、第1の角度パワースペクトルは、到来方向(arrival direction、DOA)パワースペクトル又は出発方向(departure
direction、DOD)パワースペクトルを含み得る。
例えば、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネルの場合、端末は低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定し得る。端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルの場合、端末は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し得る。
DOAパワースペクトルは、低周波チャネルが端末に到来する角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し、DODパワースペクトルは、低周波チャネルが端末から離れる角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し得る。端末は、従来技術を用いることによりDOA角度パワースペクトル又はDODパワースペクトルを特定し得る。詳細については説明しない。同じ低周波チャネルに対して、端末によって特定されたDOAパワースペクトルは、端末によって特定されたDODパワースペクトルと同じであり、DOAパワースペクトルとDODパワースペクトルとはまとめて角度パワースペクトルと呼ばれる。
ステップ402:端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する。
第1の高周波ビーム走査範囲は、低周波チャネルの角度を中心とする角度範囲であり、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームをその角度範囲で走査し得る。本願のこの実施形態では、1つの低周波チャネルの角度は1つの高周波ビーム走査ビームに対応し、複数の低周波チャネルの角度は複数の高周波ビーム走査範囲に対応し得る。
例えば、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。
端末が第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算することは、端末が第1の角度パワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。例えば、第1の角度パワースペクトルがDOAパワースペクトルの場合、端末は、DOAパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。第1の角度パワースペクトルがDODパワースペクトルの場合、端末は、DODパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。
例えば、図5aは、LOS及び強反射シナリオにおける低周波チャネルの角度パワースペクトルである。図5aから、平均値は約0.22であり、最大ピーク値は1であることが分かる。この場合、ピーク対平均比は1/0.22≒4.5であり得る。図5bは、複雑な送信、散乱及び閉塞シナリオにおける低周波チャネルの角度パワースペクトルである。図5bから、平均値は約0.5であり、最大ピーク値は1であることが分かる。この場合、ピーク対平均比は、1/0.5=2であり得る。
端末が第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することは、端末が、低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を決定し、第1の高周波ビーム領域と、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度とに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、第1の高周波ビーム走査範囲の範囲サイズは第1の領域の範囲サイズと同じであり、第1の高周波ビーム走査範囲の中心角が、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度であり得る。
第1の閾値は必要に応じて設定され得る。任意に、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルは、全ての低周波チャネルにおいて最大ピーク値を有する低周波チャネルであり得るか又はピーク値が閾値以上である1つ以上の低周波チャネルであり得る。閾値は必要に応じて設定され得る。
なお、本願の実施形態では、低周波チャネルの角度は、低周波チャネルの主経路方向であってもよく、低周波チャネルの主経路方向は、低周波チャネル上でエネルギーが最大の方向であり得る。例えば、図5aに示すように、低周波チャネル1の主経路方向は約70度である。
本願のこの実施形態では、ピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係は予め設定され得る。ピーク対平均比が大きいほど、現在の通信環境がより良好であり、低周波チャネルのエネルギー集中範囲は高周波ビームに比較的近く、ピーク対平均比に対応する高周波ビーム領域範囲はより小さいことを示す。この場合、高周波ビームは、低周波チャネルに近い角度範囲で走査され得る。ピーク対平均比が小さいほど、現在の通信環境がより悪く、低周波チャネルのエネルギー集中範囲は高周波ビームから比較的遠く離れており、ピーク対平均比に対応する高周波ビーム領域はほぼより大きいことを示す。この場合、高周波ビームは、低周波チャネルから離れた角度範囲で走査され得る。例えば、以下は、ピーク対平均比と高周波ビーム領域の間の対応関係である。
ピーク対平均比が4以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-5度~+5度であり、
ピーク対平均比が4未満であって且つ3以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-10度~+10度であり、
ピーク対平均比が3未満であり且つ2以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-20度~+20度であり、
ピーク対平均比が2未満であり且つ1以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-30度~+30度であり、
ピーク対平均比が1未満の場合、第1の高周波ビーム走査範囲を決定する必要がなく、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームが従来技術を用いてフェーズP1~P3で走査される。
例えば、第1の高周波ビーム走査範囲内に最大ピーク値を有する低周波チャネルの角度を中心として用いられる。例えば、図5aに示すように、PARは約4.5であり、PARは4より大きく、対応する走査範囲は-5度~+5度である。図5aから、最大ピークを有する低周波チャネルの角度は約70度であることが分かる。この場合、端末は、第1の高周波ビーム走査範囲は、70度を中心として65度~75度であると判定し得る。
例えば、図5bに示すように、PARが約2であり、PARは2より大きく3より小さく、対応する走査範囲は-20度~+20度の範囲である。図5bから、最大ピーク値を有する低周波チャネルの角度は約70度であることが分かる。この場合、端末は、第1の高周波ビーム走査範囲が、70度を中心として50度~90度であると判定し得る。
ステップ403:端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、第1の高周波ビーム走査範囲で走査する。
アクセスネットワーク装置は、従来技術を用いて高周波ビームを端末に送信し得る。例えば、アクセスネットワーク装置は、大きい範囲(複数の方向)で高周波ビームを端末に送信し得る。あるいは、アクセスネットワーク装置は、以下の方法を用いることにより端末に高周波ビームを送信し得る。
アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを特定し、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて高周波ビーム送信範囲を決定し、高周波ビーム送信範囲内で端末に高周波ビームを送信する。このように、高周波ビームが特定の角度範囲で端末に送信され、高周波ビームを従来技術のように大きな範囲で送信する必要がないため、高周波ビームを送信するために占有される参照信号リソース及びネットワークリソースを減らすことができる。
端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネルの場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し、DODパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算してピーク対平均比を取得する。端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルの場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルの到来方向DOAパワースペクトルを特定し、DOAパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算してピーク対平均比を取得し得る。
アクセスネットワーク装置が計算したピーク対平均比に基づいて高周波ビーム送信範囲を決定することは、ピーク対平均比が大きいほど、良好な現在の通信環境、低周波チャネルのエネルギー集中範囲が高周波ビームのそれに近く、決定された高周波ビーム送信範囲が低周波チャネルの角度に近いことを示すことを含み得る。例えば、ピーク対平均比が4以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±5度であると判断される。ピーク対平均比が4未満で且つ3以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±10度であると判断される。ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±20度であると判断される。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±30度であると判断される。ピーク対平均比が1未満の場合、高周波ビームの送信範囲を決定する必要はないが、高周波ビームは従来技術を用いることにより比較的大きい範囲で端末に送信される。
端末がアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査することは、端末が高周波ビームの信号品質を測定、例えば、高周波ビームの参照信号受信電力(reference signal received power、RSRP)、参照信号受信品質(reference signal received quality、RSRQ)、参照信号受信強度インジケータ(reference signal received strength indicator、RSSI)、ブロックエラーレート(block error rate、BLER)、信号対干渉及びノイズ比(signal to
interference and noise ratio、SINR)、チャネル品質インジケータ(channel
quality indicator、CQI)を測定し得る。
図4に示す方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられた高周波ビームを走査する場合、端末は、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査し得る。このように、端末は、高周波ビームを特定の範囲で走査し、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより大きな範囲で高周波ビームを走査する必要がない。従来技術と比較して、図4に示す方法は走査時間を低減する。加えて、アクセスネットワーク装置との信号やりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
図4に示す方法の第1の実施形態では、さらに、端末が第1の高周波ビーム走査範囲での高周波ビームの走査を完了した後に、端末は、アクセスネットワーク装置に対して、信号品質がより良好な走査高周波ビームに関する情報を示し得る。そのため、アクセスネットワーク装置は、信号品質が最適な高周波ビームでデータを端末に送信する。高周波ビームに関する情報は、高周波ビームのインデックス番号、高周波ビームの角度、高周波ビームに対応する参照信号に関する情報、高周波ビームに隣接する低周波チャネルに関する情報等の情報のうちの1つ以上の種類の情報を含み得る。これは限定されない。
例えば、図5aに示すように、PARは4.5であり、PARは4よりも大きい。図5aから、最大ピーク値を有する低周波チャネルが約70度に位置し、2番目に大きいピーク値を有する低周波チャネルは約23度に位置することが分かる。この場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームを、65度~75度の範囲及び18度~28度の範囲で走査し得る。65度~75度の範囲で端末によって見つけられた高周波ビームの信号品質が10dbであり、18度~28度の範囲で見つけられた高周波ビームの信号品質が3dbの場合、端末は、65度~75度の範囲の高周波ビームに関連する情報をアクセスネットワーク装置に報告するため、アクセスネットワーク装置は、高周波ビームを用いることにより65度~75度の範囲でデータを送信する。
なお、端末が、決定された高周波ビーム範囲から信号品質がより良好な高周波ビームを選択できなかった場合又は端末が、見つけられた高周波ビームでデータを受信できなかった場合に、通常のデータ伝送が影響を受けるのを防止するために、図4に示すプロセスにおいて、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて1つ以上の候補ビームを選択して、選択された候補ビームでデータを受信するようにし得る。具体的には、第1の角度パワースペクトルに基づいて端末が候補ビームを選択するプロセスは以下の通りである。
ピーク対平均比が4以上の場合、端末は1つの候補ビームを選択し、候補ビームの角度はエネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。例えば、図5aに示すように、端末が65度~75度の範囲で信号品質が最適な高周波ビームを走査できない場合、端末は、18度~28度の範囲の高周波ビームを候補ビームとして用いり得る。
ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、端末は3つの候補ビームを選択し、3つの候補ビームは、エネルギーが2番目に大きいピーク値である3つの低周波チャネルに対応し、候補ビームの角度は、3つの候補ビームに対応し、エネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、端末は4つの候補ビームを選択し、4つの候補ビームは、エネルギーが2番目に大きいピーク値よりも大きい4つの低周波チャネルに対応し、候補ビームの角度は、候補ビームに対応し、エネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。
このように、高周波ビーム走査が失敗するか又は高周波ビーム通信が失敗した場合、候補ビームを用いることにより高周波通信を行って、正常なデータ伝送を確実にし得る。
図4に示す方法の第2の実施形態では、端末がステップ401を行った場合、端末は、アクセスネットワーク装置がホワイトリストに含まれるかどうかをさらに判定し得る。アクセスネットワークデバイスがホワイトリストに含まれる場合、端末はステップ401を行って第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、第1の高周波ビーム走査範囲で高周波ビームを走査し得る。反対に、ホワイトリストがアクセスネットワーク装置に関する情報を含まず、アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれる場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを図4に示す方法で走査しない。
アクセスネットワーク装置に関する情報は、アクセスネットワーク装置を示すために用いられ、例えば、アクセスネットワーク装置のインターネットプロトコル(internet protocol、IP)アドレスであり得るか又はアクセスネットワーク装置のメディアアクセス制御(media access control、MAC)であり得るか又はアクセスネットワーク装置を識別するために用いられる他の情報であり得る。これは限定されない。
ホワイトリストは、1つ以上のアクセスネットワーク装置に関する情報を含んでもよく、ホワイトリストに含まれるアクセスネットワーク装置は、端末と高周波通信を行うか又は端末と低周波通信を行い得る。加えて、アクセスネットワーク装置が端末と高周波通信を行う場合のチャネル特性は、アクセスネットワーク装置が端末と低周波通信を行う場合のチャネル特性と基本的に同じである。
例えば、端末が最初にアクセスネットワーク装置にアクセスする場合、端末はアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを既存のフェーズP1~P3で走査し、図4に示す方法で高周波ビームを走査し得る。フェーズP1~P3で走査することにより決定された高周波ビームが、図4に示す方法で端末によって見つけられた高周波ビームと同じである場合、端末は、アクセスネットワーク装置に関する情報をホワイトリストに追加することを決定する。その後、端末がアクセスネットワーク装置の高周波ビームを管理する必要がある場合、端末はホワイトリストを見得る。ホワイトリストがアクセスネットワーク装置に関する情報を含むことを端末が発見した場合、端末は、アクセスネットワーク装置の高周波ビームを図4に示す方法で直接管理し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームをフェーズP1~P3で走査する必要がない。
反対に、フェーズP1~P3で走査することによって決定された高周波ビームが、図4に示す方法で端末によって見つけられた高周波ビームと異なる場合又はアクセスネットワーク装置が、低周波チャネルの角度範囲で端末に高周波ビームを送信するのを複数回失敗した場合、低周波チャネルの角度を中心とした範囲で低周波チャネルのチャネル特性を用いて高周波ビームを見つけることができないことを示し、アクセスネットワーク装置がブラックリストに追加される。その後、端末がブラックリスト内のアクセスネットワーク装置の高周波ビームを管理する必要がある場合、端末は、既存のフェーズP1~P3で、アクセスネットワーク装置によって届けられた高周波ビームを走査し得る。
ブラックリストは、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによるビーム走査をサポートしない1つ以上のアクセスネットワークデバイスに関する情報を含み得る。アクセスネットワークデバイスに関する情報がブラックリストに含まれていないと端末が判断した場合、端末はステップ401を行って第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査する。反対に、端アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていると端末が判断した場合、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて図4に示す方法で走査せず、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームについて既存のフェーズP1~P3で走査する。
例えば、ホワイトリストは{アクセスネットワーク装置1及びアクセスネットワーク装置2}を含み、ブラックリストは{アクセスネットワーク装置4及びアクセスネットワーク装置5}を含む。アクセスネットワーク装置1によって送信される高周波ビームについて走査する前に、端末はホワイトリストを閲覧し得る。セットがアクセスネットワーク装置1に関する情報を含むことを端末が見つけた場合、端末は、ステップ402及びステップ403に示される方法で第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置1によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。アクセスネットワーク装置3によって送信される高周波ビームを走査する前に、端末はホワイトリストを閲覧し、アクセスネットワーク装置3に関する情報をセットが含まないことを端末が見つける。加えて、端末はブラックリストを閲覧し、アクセスネットワーク装置4に関する情報をブラックリストが含むことをみつける。この場合、端末は、ステップ402及びステップ403に示す方法で高周波ビームについて走査せず、アクセスネットワーク装置3によって届けられる高周波ビームについて既存のフェーズP1~P3で走査する。
図4に示す方法の第3の実施形態では、端末がステップ401を実行した後であって、ステップ402の前の期間に、端末が回転する可能性が高い。そのため、端末とアクセスネットワーク装置との間の第1の角度パワースペクトルは変化する。端末が回転した後に低周波チャネルの角度パワースペクトルが変化し、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて決定された第1の高周波ビーム走査範囲は比較的大きな誤差を有するというする問題を避けるために、方法は下記をさらに含み得る。
端末は、端末が回転したかどうかを判定し、端末が回転した場合、端末は、端末の回転角に基づいて第1の角度パワースペクトルを補正する。また、任意で、端末は補正された第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのPARを計算し、低周波チャネルのPARに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲で走査する。
端末は、端末に取り付けられたセンサ(ジャイロセンサ、磁力計センサ、加速度センサ等)を用いて、端末が回転したかどうかを検出し得る。具体的には、検出プロセスについては、従来技術を参照されたい。詳細については再度説明しない。
端末の回転角に基づいて端末が第1の角度パワースペクトルを補正することは、端末は、第1の角度パワースペクトルの回転角が端末の回転角と同じになるように端末の回転角に基づいて第1の角度パワースペクトルを回転させることを含み得る。
例えば、図6に示すように、端末が30度回転した場合、角度パワースペクトルも30度回転する。例えば、最大ピーク値に対応する低周波チャネルの角度は約70度から約40度に回転し、2番目に大きいピーク値に対応する低周波チャネルの角度は約25度から約15度に回転する。PARは依然約4.5に維持されている。この場合、端末は、高周波ビームについて35度~45度の範囲で走査し、高周波ビームについて約10度~20度で走査し得る。
このように、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルの精度を保証し、第1の角度パワースペクトルに基づいて決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度をさらに改善するために、第1の角度パワースペクトルを時間内に補正できる。
図4に示す方法の第4の実施形態では、ステップ401の後に、端末が移動する可能性が高い。そのため、端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性が変化する。端末が移動した後に、端末とアクセスネットワーク装置との間のチャネル特性の変化により、低周波チャネルの角度パワースペクトルが変化し、角度パワースペクトルに基づいて決定される第1の高周波ビーム走査範囲が比較的大きな誤差を有するという問題を避けるために、本方法は以下をさらに含み得る。
端末は、端末が移動したかどうかを判断する。端末が移動し、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性が変化したことを示し、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定する必要がある。例えば、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定する。また、任意で、端末は、再度特定された角度パワースペクトル(例えば、第2の角度パワースペクトル)に基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第2の高周波ビーム走査範囲を走査する。
端末が移動しないか又は端末が移動するものの移動距離がチャネル相関距離以下の場合、端末は、ステップ401で特定された角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。
端末は、端末に取り付けられたセンサ(ジャイロセンサ、磁力計センサ、加速度センサ、重力センサ等)を用いることにより、端末が移動したかどうかを検出し得る。例えば、いずれかのセンサによって収集された値が変化し、変化値が閾値以上の場合、端末が移動したと判断されるか又は全てのセンサによって収集された値が変化しないか若しくはセンサによって収集された値が変化するものの、変化値が閾値以下の場合、端末は移動していないと判断される。
チャネル相関距離は、基本チャネル特性が変化したかどうかを測定するための基準であり得る。チャネル相関距離では、基本チャネル特性(遅延、角度、偏波等)は変化しない。チャネル相関距離を超えた場合、基本チャネル特性(遅延、角度、偏波等)が変化する。チャネル相関距離を越えた後、第1の角度パワースペクトルを再度特定する必要があり、最適な高周波ビームも変化し得るため、高周波ビームを再選択する必要がある。
本願のこの実施形態では、端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいてチャネル相関距離が決定され、異なるチャネルシナリオは異なるチャネル相関距離に対応する。例えば、表1は、チャネルシナリオとチャネル相関距離との間の対応関係を示す。表1に示すように、農村部を一例として用いて、LOSシナリオでは、チャネル相関距離は50mであり、NLOSシナリオではチャネル相関距離が60mであり、屋内から屋外(outdoor-to-indoor、O2I)シナリオでは、チャネル相関距離は15mである。
端末の移動距離がチャネル相関距離以下の場合、端末が移動しても、端末の移動前後で低周波チャネルのチャネル特性が大きく変化しないことを示し、第1の高周波ビーム走査範囲は、以前特定された第1の角度パワースペクトルを用いることにより決定され得る。反対に、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合、端末が移動した後で低周波チャネルのチャネル特性が大きく変化したことを示し、以前特定された第1の角度パワースペクトルは移動後の低周波チャネルのチャネル特性を反映できない。この場合、端末は、第1の角度パワースペクトルを再度特定するためにステップ401を再度行う必要がある。したがって、端末は、再度特定された第1の角度パワースペクトルに基づいて新たな第1の高周波ビーム走査範囲を取得し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて新たな第1の高周波ビーム走査範囲を走査する。
例えば、本願のこの実施形態では、端末が現在位置するチャネルシナリオは、第1の角度パワースペクトルに基づいて決定され得る。例えば、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、端末が現在位置するチャネルシナリオを低周波チャネルのPARに基づいて決定し得る。ピーク対平均比が4以上の場合、端末は、端末が現在位置するチャネルシナリオがLOSシナリオであると判断する。ピーク対平均比が4未満で且つ3以上の場合、端末は、端末が位置する現在の通信シナリオは、例えば、平滑なガラス又は金属面等の強伝送シナリオであると判断する。ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、端末は、端末が現在位置する通信シナリオは、共通反射が存在するシナリオ、例えばまばらな植生であると判断する。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、端末は、端末が現在位置する通信シナリオは、共通の閉塞が存在するシナリオ、例えば散乱シナリオであると判断する。ピーク対平均比が1未満の場合、端末が位置する現在の通信シナリオは、植生が密で完全な閉塞が存在するシナリオであると判断する。
なお、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて端末が走査する例を説明のために用いている。ダウンリンクの高周波ビーム管理の逆のプロセスとして、アクセスネットワーク装置は、代替的に、端末によって送信される高周波ビームについて図4に示す方法で走査し得る。例えば、端末はアクセスネットワーク装置に高周波ビーム(又はアップリンク高周波ビームと呼ばれる)を送信する。アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて高周波ビーム走査範囲を決定し、端末によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲を走査する。具体的には、プロセスの詳細な説明については、図7を参照されたい。詳細については再度説明しない。
図7は、本願の一実施形態に係る別のビーム選択方法である。図7に示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
ステップ701:アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを特定する。
ステップ701については、ステップ401を参照されたい。例えば、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネル(又はアップリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定し得る。あるいは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信されるチャネルと、アクセスネットワーク装置によって端末に送信されるチャネルとの間に相反性がある場合、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルは、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネル(又はダウンリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し得る。このように、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される高周波ビーム(又はアップリンク高周波ビームと呼ばれる)は、ダウンリンク低周波チャネルのチャネル特性を用いることによって決定され得る。
具体的には、ステップ701の詳細な説明については、ステップ401を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ702:アクセスネットワーク装置は、ステップ701で特定された低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、第3の高周波ビーム走査範囲を決定する。
ステップ702については、ステップ402を参照されたい。例えば、アクセスネットワーク装置は、特定された角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比及びピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係に基づいて第3の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。
ピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係及びアクセスネットワーク装置が第3の高周波ビーム走査範囲を決定する詳細なプロセスについては、ステップ402を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ703:アクセスネットワーク装置は、端末によって送信される高周波ビームについて、ステップ702で決定された第3の高周波ビーム走査範囲を走査する。
ステップ703については、ステップ403を参照されたい。詳細については再度説明しない。
図7に示す方法に基づいて、端末によって送信される高周波ビームを走査する場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、第3の高周波ビーム走査範囲を決定し、端末によって送信される高周波ビームについて第3の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、アクセスネットワーク装置は、高周波ビームについて特定の範囲を走査し、従来技術のように、高周波ビームについて3つのフェーズP1~P3を用いることによって大きな範囲を走査する必要がない。従来技術と比較して、図7で提供される方法は走査時間を短縮する。加えて、端末との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
端末が低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲を走査する例を用いて、図4に示す方法を以下で説明する。
図8は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法である。図8に示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
ステップ801:端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される低周波チャネルを受信し、低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定して取得するか又は端末は、アクセスネットワーク装置に低周波チャネルを送信して、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定する。
ステップ801については、ステップ401を参照されたい。詳細については再度説明しない。
アクセスネットワーク装置が端末に高周波ビームを送信する方法については、ステップ403を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ802:端末は、端末が回転したかどうかを判定する。端末が回転している場合はステップ803が行われる。端末が回転していない場合はステップ804が行われる。
端末が回転しているかどうかを端末が判定する方法については、図4に示す実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ803:端末は、端末の回転角に基づいて低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルを補正する。
端末が低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルを補正する方法については、図4に示す方法の第3の実施形態を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ804:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて、端末が現在位置するチャネルシナリオを特定する。
チャネルシナリオは、LOSシナリオ、NLOSシナリオ、O2Iシナリオ等を含み得る。
具体的には、端末が低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいてチャネルシナリオを特定する詳細なプロセスについては、図4に示す方法の第4の実施形態を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ805:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて、高周波ビーム走査範囲を決定する。
ステップ805については、ステップ402を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ806:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて候補ビームを選択する。
ステップ806の実行プロセスについては、図4に示す方法の第1の実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ807:アクセスネットワーク装置は端末に高周波ビームを送信する。
ステップ808:端末は、端末が移動しているかどうかを判定する。端末が移動している場合、ステップ809が行われる。端末が移動しない場合、ステップ810が行われる。
端末が移動するかどうかを端末が判定する方法については、図4に示す実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ809:端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きいかどうかを判定する。端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合はステップ801が再度行われる。そうでない場合に、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも小さいか等しい場合はステップ810が行われる。
端末は、ステップ804で特定された、端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいてチャネル相関距離を特定し得る。
ステップ810:端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、ステップ805で決定された高周波ビーム走査範囲を走査する。
また、任意で、端末が、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲の走査に失敗するか又はアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを決定された高周波ビーム走査範囲で正常に走査したが、データの受信に失敗した場合、端末は、ステップ806で選択された候補ビームでアクセスネットワーク装置と通信し得る。
図8に示す方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームについて走査する場合、端末は、端末が回転したかどうかを判定し、端末が回転している場合には、低周波チャネルの角度パワースペクトルを補正することにより、低周波チャネルの角度パワースペクトルの精度が改善され、決定された高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。その後に、端末は、高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームを走査する前に、端末は、端末が移動しているかどうかを判定し、端末の移動状態に基づいて、高周波ビームについて、以前計算された高周波ビーム走査範囲で走査するか又は高周波ビーム走査範囲を再計算するかを決定して高周波ビーム走査の精度を改善させる。
上記では、ノード間のやりとりの観点から本願の実施形態で提供される解決策を主に説明してきた。前述の機能を実施するために、アクセスネットワーク装置及び端末等のノードは、機能を行うための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが理解されよう。当業者であれば、本明細書で開示した実施形態で説明した例と組み合わせて、ハードウェア又はハードウェア及びコンピュータソフトウェアの組み合わせによってアルゴリズムステップが実施され得ることを容易に理解すべきである。機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって行われるかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約条件に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに、説明した機能を実施するために異なる方法を用いり得るが、その実施は本願の範囲を超えるものと考えるべきではない。
本願の実施形態では、アクセスネットワーク装置及び端末の機能モジュールは、前述の方法の例に基づいて分割され得る。例えば、各機能モジュールは、各対応する機能に基づいた分割により得られてもいいし、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能モジュールの形態で実施され得る。なお、本願の実施形態では、モジュール分割は一例であり、論理的な機能の分割にすぎない。実際の実施では、別の分割方法が用いられ得る。
図9は、本願の一実施形態に係る通信装置90の概略構造図である。この実施形態における通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置90は、前述の方法の実施形態における端末の機能を行うように構成され得る。図9に示すように、実施において、通信装置90は、決定ユニット901及び走査ユニット902を含み得る。
決定ユニット901は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するように構成されている。例えば、特定ユニット901は、ステップ401及びステップ801を行う際に通信装置90をサポートするように構成され得る。
決定ユニット901は、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定するように構成されている。例えば、決定ユニット901は、ステップ402及びステップ804を行う際に通信装置90をサポートするようにさらに構成され得る。
走査ユニット902は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するように構成されている。例えば、走査ユニット902は、ステップ403及びステップ810を行う際に通信装置90をサポートするように構成され得る。
具体的には、本願のこの実施形態で提供される通信装置90は、図4又は図8に対応する方法の実施形態における端末の動作を行い得る。実施の原理及びその技術的効果は同様である。詳細については再度説明しない。
別の可能な実施では、図9に示す通信装置90は処理モジュール及び通信モジュールを含み得る。処理モジュールは、決定ユニット901及び走査ユニット902の機能を統合し得る。処理モジュールは、ステップ401~ステップ403及び図8に示す方法における端末の動作を行う際に通信装置90をサポートし、通信装置90の動作を制御及び管理するように構成されている。通信モジュールは、他のネットワークエンティティと通信するために、例えばアクセスネットワーク装置と通信するために通信装置90をサポートするように構成されている。また、図9に示す通信装置90は、通信装置90のプログラムコード及びデータを記憶するように構成された記憶モジュールをさらに含む。
処理モジュールはプロセッサ又はコントローラであり得る。処理ユニットは、本願で開示した内容を参照して説明された様々な例示の論理ブロック、モジュール及び回路を実施又は実行し得る。あるいは、プロセッサは、計算機能を実施するプロセッサの組み合わせ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ又はDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。通信モジュールは、トランシーバ回路、通信インターフェイス等であり得る。記憶モジュールはメモリであり得る。処理モジュールがプロセッサであり、通信モジュールが通信インターフェイスであり、記憶モジュールがメモリの場合、図9に示す通信装置90は、図3に示す通信装置であり得る。
図10は、本願の一実施形態に係るビーム選択システムの概略構造図である。図10に示すように、システムは端末100及びアクセスネットワーク装置を含んでもよい。
端末100の機能は、図9に示す通信装置90の機能と同じである。例えば、端末100は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、第1の高周波ビーム走査範囲を走査するように構成され得る。
具体的には、本願の実施形態で提供される通信システムは、図3~図6に対応する方法の実施形態を行い得る。実施原理及びその技術的効果は同様であり、詳細については再度説明しない。
実施に関する前述の説明は、便宜上及び簡潔な説明のために、前述の機能モジュールのみへの分割が説明のための一例として用いられることを当業者が明確に理解することを可能にする。実際の適用の間、実施のために前述の機能を必要に応じて異なる機能モジュールに割り当てることができる。すなわち、上述した機能の全て又は一部を実施するために、装置の内部構造が異なる機能モジュールに分割される。
本願に提供されるいくつかの実施形態では、開示した装置及び方法は他の方法で実施され得ることを理解すべきである。例えば、説明した装置の実施形態は一例にすぎない。例えば、モジュール又はユニットへの分割は論理的な機能の分割にすぎない。実際の実施では別の分割方法があり得る。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが組み合わされ得るか又は別の装置に統合され得るか又は一部の特徴は無視されるか若しくは実施されなくてもよい。加えて、表示又は説明した相互連結又は直接連結又は通信接続は、いくつかのインターフェイスを用いることによって実施され得る。装置又はユニット間の間接的な連結又は通信接続は、電気的、機械的又は別の形態で実施され得る。
別個のコンポーネントとして説明したユニットは、物理的に分離されていても、されてなくてもよく、ユニットとして表示されるコンポーネントは1つ以上の物理的ユニットであってもよい。すなわち、1つの場所に位置していてもいいし、複数の異なる場所に分散されていてもよい。ユニットの一部又は全ては、実施形態における解決策の目的を実現するために実際の要件に基づいて選択され得る。
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか又はユニットのそれぞれは物理的に単独で存在し得るか又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合され得る。統合されたユニットはハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能ユニットの形態で実施され得る。
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は用いられる場合、統合されたユニットは読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づいて、本願の実施形態の技術的解決策は本質的に又は従来技術に寄与する部分又は技術的解決策の全て若しくは一部はソフトウェア製品の形態で実施され得る。ソフトウェア製品が記憶媒体に記憶され、(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ等であり得る)装置又はプロセッサ(processor)に、本願の実施形態で説明した方法のステップの全部又は一部を行う指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な任意の媒体を含む。
前述の説明は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を限定することを意図していない。本願で開示した技術的範囲内の変更又は置き換えは本願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
本願は、2019年4月26日に中国国家知識産権局に出願された、「ビーム選択方法及び装置」と題する中国特許出願第201910346557.3号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
本願の実施形態は通信技術の分野に関し、とりわけビーム選択方法及び装置に関する。
通信技術の発展に伴って、高低周波数協調に基づくキャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)方式は、将来の新無線(new radio、NR)ネットワークの避けられない開発トレンドになっている。例えば、NRネットワークでは、端末及び基地局は、低周波帯搬送波で信号を送信し、ミリ波周波数帯で信号を送信し得る。しかしながら、ミリ波周波数帯は比較的高い減衰率、比較的弱い回折能力等に特徴があるため、ミリ波周波数帯で信号を送信することによって、著しい信号減衰や経路損失の増大等の問題がもたらされる。これらの問題を避けるために、基地局及び端末は、高周波ビーム形成技術を用いることにより信号を送信し得る。例えば、端末(又は基地局)は、アンテナアレイを用いることにより送信すべき信号に対して高周波ビーム形成を行って、正確なナロー高周波ビームを形成し、次いで高周波ビームを基地局(又は端末)に送信し得る。基地局(又は端末)は、端末(又は基地局)によって送信された信号を受信するために高周波ビーム形成技術を用いることによって、正確なナロー高周波ビームを形成し得る。このように、基地局と端末との間の伝送チャネルのチャネル品質を改善でき、ミリ波周波数帯での通信によってもたらされる著しい信号減衰や経路損失の増大等の問題を解消できる。
基地局と端末との間に複数の高周波ビームが形成され、高周波ビームの信号品質は異なり得る。現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project、3GPP)のNRプロトコルのフェーズP1~P3で基地局と端末との間での信号品質が最適な高周波ビームが得られ、ステージ毎の走査を行って先ずワイドビームを得て、次にナロービームを得る。フェーズP1:基地局及び端末のワイドビームを得る。フェーズP2:基地局のナロービームを得る。フェーズP3:端末のナロービームを得る。例えば、15のワイドビームが基地局側で設定され、各ワイドビームは10のナロービームを含む。端末側は、先ず合計256個のビームのセットからいくつかのビームを見つけ、次に、7つのワイドビームについて全体的な粗い走査を行い、7つのナロービームについて近隣トラッキングを行ってグローバルに最適な高周波ビームを選択する。この場合、フェーズP1で15×7回の走査が必要になり、フェーズP2では10回の走査が必要になり、フェーズP3では7回の走査が必要となる。
前述の説明から、既存のビーム選択の間に3つの処理プロセス、すなわち、フェーズP1~P3を行う必要があることが分かる。各フェーズにおけるビーム探索及び参照信号フィードバックを用いることは、極めて高い信号オーバーヘッド、高い遅延及び高い電力消費が必要になる。
既存のビーム走査方法における高い信号オーバーヘッド及び比較的長い走査処理時間の問題を解決するために、本願の実施形態はビーム選択方法及び装置を提供する。
前述の目的を実現するために、本願の実施形態では以下の技術的解決策を用いる。
第1の態様によれば、本願の実施形態はビーム選択方法を提供し、当該方法は、端末が該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することと、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することと、前記アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を走査することと、を含む。
第1の態様に係る方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームを走査する場合、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、端末は特定の範囲で高周波ビームを走査し、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより、大きな範囲(例えば、全方向範囲)で高周波ビームを走査する必要がない。従来の技術と比較して、第1の態様の方法は走査時間を低減し、それに加えて、走査時間の量を削減し、アクセスネットワーク装置との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
第1の態様を参照して、第1の態様の第1の実施形態では、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することは、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて前記低周波チャネルのピーク対平均比の計算し、前記低周波チャネルのピーク対平均比及び該ピーク平均比と高周波ビーム領域範囲との対応関係に基づいて、前記低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を特定し、前記第1の領域範囲及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を決定することを含む。
第1の態様の第1の実施形態に基づいて、端末は、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定、例えば、角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を特定し、低周波チャネルのピーク対平均比及び低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との予め設定された対応に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を取得し、第1の領域及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。このプロセスは簡素で簡単である。
第1の態様又は第1の態様の第1の実施形態を参照して、前記第1の角度パワースペクトルは、到来方向DOAパワースペクトル又は出発方向DODパワースペクトルである。このように、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査する場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって端末に送信された、低周波チャネルのDOAパワースペクトルに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、チャネルレシプロシティの場合、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルのDODパワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。決定方法は柔軟で多様である。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第3の実施形態では、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する前に、前記方法は、前記端末が前記端末の回転角を特定することと、前記端末が、前記端末の回転角に基づいて前記第1の角度パワースペクトルを補正することと、をさらに含む。
第1の態様の第3の実施形態によれば、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルは端末の回転角に基づいて時間内に補正され、第1の高周波ビーム走査範囲は補正された角度パワースペクトルに基づいて決定され、決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第4の実施形態では、前記端末が第1の角度パワースペクトルを特定した後に、前記方法は、前記端末が移動し、前記端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合に、前記端末が、前記端末の移動後に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定、例えば、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定することをさらに含む。チャネル相関距離は前記端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいて決定され、前記端末が現在位置するチャネルシナリオは前記第1の角度パワースペクトルに基づいて決定される。
第1の態様の第4の実施形態に基づいて、端末が移動し、移動振幅が比較的大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定して、特定されたパワースペクトルが、端末が移動した後の端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性に適合することを確実にされ得る。
第1の態様の第4の実施形態を参照して、第1の態様の第5の実施形態では、本方法は、前記端末が、前記第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定することと、前記アクセスネットワーク装置によって送信される前記高周波ビームについて、前記第2の高周波ビーム走査範囲を走査することと、をさらに含む。
第1の態様の第5の実施形態に基づいて、端末が移動した場合、端末は、再度特定された第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第2の高周波ビーム走査範囲を走査して走査精度を改善させ得る。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第6の実施形態では、前記端末が、該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することは、ホワイトリストが前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む場合、前記端末が、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することを含み、前記ホワイトリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートする前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第1の態様の第6の実施形態に基づいて、本願のこの実施形態の方法は、アクセスネットワーク装置が、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査を行うアクセスネットワーク装置に関する情報をサポートする場合にのみ、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定するために用いられ得る。端末は、高周波ビームについて決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するため、端末は、従来技術を用いることによる高周波ビームの走査を試みる必要がないため、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様の第1の態様から第5の実施形態のうちのいずれか1つを参照して、第1の態様の第7の実施形態では、前記端末が該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することは、前記アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていないと前記端末が判断した場合に、前記端末が、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定することを含み、前記ブラックリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートしない前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第1の態様の第7の実施形態に基づいて、アクセスネットワーク装置がブラックリストに含まれていない場合、本願のこの実施形態の方法は、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームついて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲で走査するために用いられ得る。すなわち、高周波ビームを走査する場合、端末は、本願のこの実施形態で説明した方法を優先的に用いる。また、本願のこの実施形態の方法を用いることにより高周波ビームが見つからない場合、端末は、従来技術を用いることにより高周波ビームの走査を試みることにより、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態を参照して、第1の態様の第8の実施形態では、本方法は、前記端末が前記第1の角度パワースペクトルに基づいて候補ビームを選択することをさらに含む。
第1の態様の第8の実施形態に基づいて、端末は候補ビームを選択し得るため、決定された第1の高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームがうまく見つからない場合に、候補ビームの位置でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームの走査を端末が試み得る。
第2の態様によれば、本願は通信装置を提供する。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得るか又は端末内にあり、第1の態様のいずれか1つ又は第1の態様の可能な設計に係る方法を実施するように構成された機能モジュールであり得る。通信装置は、第1の態様又は第1の態様の任意の実施形態で端末によって行われる機能を実施してもよく、機能は、ハードウェアによって対応するソフトウェアを実行することにより実施され得る。ハードウェア又はソフトウェアは、機能に対応する1つ以上のモジュールを含む。例えば、通信装置は決定ユニット及び走査ユニットを含み得る。
決定ユニットは、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定するように構成されている。
走査ユニットは、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査するように構成されている。
第1の態様に係る方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームを走査する場合、通信装置は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、高周波ビームが特定の範囲で走査され、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより大きな範囲(例えば、全方向範囲)で高周波ビームを走査する必要がない。従来の技術と比較して、第1の態様の方法は走査時間を低減し、それに加えて、走査時間の量を削減し、アクセスネットワーク装置との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
第2の態様を参照して、第2の態様の第1の実施形態では、決定ユニットは、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて前記低周波チャネルのピーク対平均比の計算することと、前記低周波チャネルのピーク対平均比及び該ピーク平均比と高周波ビーム領域範囲との対応関係に基づいて、前記低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を決定することと、前記第1の領域範囲及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて、前記第1の高周波ビーム走査範囲を決定することと、を行うように具体的に構成されている。
第2の態様の第1の実施形態に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲が決定され、例えば、角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比が特定され、低周波チャネルのピーク対平均比及び低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との予め設定された対応に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲が取得され、第1の領域及びピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲が決定され得る。このプロセスは簡素で簡単である。
第2の態様又は第2の態様の第1の実施形態を参照して、前記第1の角度パワースペクトルは、到来方向DOAパワースペクトル又は出発方向DODパワースペクトルである。このように、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査する場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって端末に送信された、低周波チャネルのDOAパワースペクトルに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、チャネルレシプロシティの場合、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルのDODパワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。決定方法は柔軟で多様である。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第3の実施形態では、前記決定ユニットは、前記決定ユニットが前記第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する前に、前記端末の回転角を特定することと、前記端末の回転角に基づいて前記第1の角度パワースペクトルを補正することと、を行うようにさらに構成されている。
第2の態様の第3の実施形態によれば、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルは端末の回転角に基づいて時間内に補正され、第1の高周波ビーム走査範囲は補正された角度パワースペクトルに基づいて決定され、決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第4の実施形態では、第1の角度パワースペクトルを特定した後に、前記端末が移動し、前記端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合に、前記決定ユニットが、前記端末の移動後に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定、例えば、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定するようさらに構成されている。チャネル相関距離は前記端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいて決定され、前記端末が現在位置するチャネルシナリオは前記第1の角度パワースペクトルに基づいて決定される。
第2の態様の第4の実施形態に基づいて、端末が移動し、移動振幅が比較的大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定して、特定されたパワースペクトルが、端末が移動した後の端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性に適合することを確実にされ得る。
第2の態様の第4の実施形態を参照して、第2の態様の第5の実施形態では、前記決定ユニットは、前記第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定することと行うようにさらに構成され、前記走査ユニットは、前記アクセスネットワーク装置によって送信される前記高周波ビームに対して前記第2の高周波ビーム走査範囲を走査することと行うようにさらに構成されている。
第2の態様の第5の実施形態に基づいて、端末が移動した場合、端末は、再度特定された第2の角度パワースペクトルに基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第2の高周波ビーム走査範囲を走査して走査精度を改善させ得る。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第6の実施形態では、前記決定ユニットは、ホワイトリストが前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む場合、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するように具体的に構成され、前記ホワイトリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートする前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第2の態様の第6の実施形態に基づいて、本願のこの実施形態の方法は、アクセスネットワーク装置が、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査を行うアクセスネットワーク装置に関する情報をサポートする場合にのみ、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定するために用いられ得る。端末は、高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲で走査するため、端末は、従来技術を用いることによる高周波ビームの走査を試みる必要がなく、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第1の態様の第1の態様から第5の実施形態のうちのいずれか1つを参照して、第2の態様の第7の実施形態では、前記決定ユニットは、前記アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていないと前記端末が判断した場合に、前記端末と前記アクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するよう具体的に構成され、前記ブラックリストは、前記低周波チャネルのチャネル特性を用いることによりビーム走査をサポートしない前記アクセスネットワーク装置に関する情報を含む。
第2の態様の第7の実施形態に基づいて、アクセスネットワーク装置がブラックリストに含まれていない場合、本願のこの実施形態の方法は、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するために用いられ得る。すなわち、高周波ビームを走査する場合、端末は、本願のこの実施形態で説明した方法を優先的に用いる。また、本願のこの実施形態の方法を用いることにより高周波ビームが見つからない場合、端末は、従来技術を用いることにより高周波ビームの走査を試みることにより、端末による高周波ビームの走査の複雑さが低減される。
第2の態様又は第2の態様の任意の実施形態を参照して、第2の態様の第8の実施形態では、通信装置は、前記第1の角度パワースペクトルに基づいて候補ビームを選択するように構成された選択ユニットをさらに含む。
第2の態様の第7の実施形態に基づいて、端末は候補ビームを選択し得るため、決定された第1の高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームがうまく見つからない場合に、候補ビームの位置でアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームの走査を端末が試み得る。
第3の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置は、第1の態様又は第1の態様の実施形態のいずれかで端末によって行われる機能を実施してもよく、機能はハードウェアによって実施され得る。例えば、可能な設計では、通信装置は、プロセッサ及び通信インターフェイスを含み得る。
プロセッサは、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査するように構成されている。
通信装置の具体的な実施については、第1の態様又は第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法における端末の挙動及び機能を参照されたい。詳細についてはここでは繰り返さない。したがって、提供される通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つと同じ有益な効果を得ることができる。
さらに別の可能な設計では、第3の態様において、通信装置はメモリをさらに含み得る。メモリは、コンピュータ実行可能命令と、通信装置に必要なデータとを記憶するように構成されている。通信装置が動作する場合、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するため、通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行う。
第4の態様によれば、コンピュータ読み取り可能記憶媒体が提供される。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、読み取り可能不揮発性記憶媒体であり得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第5の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行された場合、コンピュータは、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第6の態様によれば、通信装置が提供される。通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置は1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを含む。1つ以上のメモリは1つ以上のプロセッサに連結され、1つ以上のメモリはコンピュータプログラムコードを記憶するように構成されている。コンピュータプログラムコードはコンピュータ命令を含み、1つ以上のプロセッサがコンピュータ命令を実行した場合、通信装置は、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つに係るビーム選択方法を行うことができる。
第3の態様~第6の態様の設計のいずれか1つによって得られる技術的効果については、第1の態様又は第1の態様の可能な設計のうちのいずれか1つによって得られる技術的効果を参照されたい。詳細については再度説明しない。
第7の態様によれば、本願の実施形態はビーム選択システムを提供する。システムは、第2の態様~第6の態様のうちのいずれか1つに係る端末及びアクセスネットワーク装置を含み得る。
図1aは、LOSシナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルである。
図1bは、NLOSシナリオにおける異なる周波数帯の角度パワースペクトルである。
図1cは、低周波チャネルを用いることにより高周波チャネルのチャネル特性を推定したシミュレーション結果である;
図2は、本願の一実施形態に係る通信システムの概略図である。
図3は、本願の一実施形態に係る通信装置の概略構成図である。
図4は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法のフローチャートである。
図5aは、LOS及び強反射シナリオにおける角度パワースペクトルである。
図5bは、複素反射、散乱及び閉塞シナリオにおける角度パワースペクトルである。
図6は、本願の一実施形態に係る端末が回転した場合の角度パワースペクトル変化の概略図である。
図7は、本願の一実施形態に係る別のビーム選択方法のフローチャートである。
図8は、本願の一実施形態に係るさらに別のビーム選択方法のフローチャートである。
図9は、本願の一実施形態に係る通信装置90の概略構成図である。
図10は、本願の一実施形態に係るビーム選択システムの概略構成図である。
本願の実施形態の原理は次の通りである。低周波チャネル及び高周波ビームは、特定の角度範囲において同様のチャネル特性を有する(例えば、角度、エネルギー、遅延、ドップラー及び偏波モードは基本的に同一である)。低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより高周波ビーム走査範囲の比較的小さな範囲を決定し、高周波ビームのために決定した高周波ビーム走査範囲が走査される。従来技術では、処理P1~P3と同様に、先ず、ワイドビームが広い範囲で走査され、次に、そのワイドビームに基づいて複数回の走査を行うことにより、要件を満たすナロービームが最終的に決定されるのに対して、本願の実施形態では、比較的小さな高周波ビーム走査範囲が低周波チャネルのチャネル特性に基づいて直接決定され、高周波ビームが比較的小さな角度範囲で走査される。このように、高周波ビームの走査時間及び信号オーバーヘッドを低減することができる。
例えば、従来技術では、端末がワイドビームを用いる場合、端末は、レベル毎のビーム幅調整を行うことによってアクセスネットワーク装置の高周波ビームを走査し得る。例えば、端末は、先ずアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを60度方向で走査することを試みる。端末が高周波ビームを見つけることができない場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを50度方向で走査することを試みる。端末が依然として高周波ビームを見つけることができない場合、端末は、高周波ビームが見つかるまで、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを40度方向で走査することの試みを続ける。このプロセスでは、長時間のビーム選択及びペアリングが必要になる。しかしながら、上述の原理に従ってビーム走査を行う場合、端末は、複数の盲目的な試みを行うことなく且つより長い時間を要することなしに、低周波チャネルのチャネル特性に基づいて高周波ビーム走査範囲の特定の範囲を先ず決定し、高周波ビームについて決定された高周波ビーム走査範囲が走査され得る。
本願の実施形態における高周波ビーム及び低周波チャネルの定義は以下の通りである。
高周波ビームは、高周波範囲及び特定の方向における参照信号であり得る。高周波数範囲は6ギガヘルツ(GHz)を超える周波数範囲であってもよく、例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト3GPPプロトコルリリース(release)15で規定された周波数範囲2(frequency range 2、FR2)であり得る。
低周波チャネルは、低周波レンジにおける伝送チャネルであってもよく、例えば、低周波レンジの搬送波であり得るか又は低周波レンジのBWP及び別の周波数ドメインリソースであり得る。低周波数範囲は6GHz以下の周波数範囲、例えば3GPPリリース15で指定された周波数範囲1(frequency range 1、FR1)であり得る。なお、高周波ビーム及び低周波チャネルは相対的な概念であり、高周波ビームの周波数帯域は低周波チャネルよりも大きいことがある。本願の実施形態では、6GHzより大きい周波数範囲の搬送波は高周波ビームと呼ばれ、6GHz以下の周波数範囲の搬送波は低周波チャネルと呼ばれる。あるいは、予め設定された周波数帯域よりも大きい搬送波が高周波ビームと呼ばれ、予め設定された周波数帯域よりも小さい搬送波が低周波チャネルと呼ばれ得る。予め設定された周波数帯域は要件に基づいて設定され得る。これは本明細書では限定されない。
例えば、図1aは、視線(line of sight、LOS)シナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルであり、水平軸は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信されるチャネル又はビームの方向を表し、垂直軸は正規化された信号強度、すなわち各マルチパスの信号強度が最強のパワーによって分割されることを示す。図1aに示すように、低周波が5.8GHzの場合、エネルギーは15度の方向に集中し、高周波が14.8GHz及び高周波が58.7GHzの場合、能力も約15度の方向に集中する。図1aから、LOSシナリオでは、低周波チャネルの能力集中角は、高周波ビームのそれとほぼ同じであり、高周波ビームの方向は、基本的に低周波チャネルのそれと同じであることが分かる。
図1bは、非視線(non-line of sight、NLOS)シナリオにおける異なる周波数帯域の角度パワースペクトルである。水平軸は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信されるチャネル又はビームの方向を表し、垂直軸は正規化された信号品質を示す。図1bに示すように、低周波が5.8GHzの場合、低周波チャネルのエネルギーは15度の方向で最も大きくなり、約-50度の方向における低周波チャネルのエネルギーが二番目に大きい。高周波が14.8GHzの場合、低周波チャネルのエネルギーは15度の方向で最も大きくなり、約-80度の方向における低周波チャネルのエネルギーが二番目に大きい。より良好な信号品質の高周波ビームを走査する場合、高周波ビームは約15度の方向及び約-80度の方向で走査され得ることが図1bから分かる。
図1a及び図1bから、低周波チャネルのエネルギー集中方向は、高周波ビームの能力集中方向とほぼ同じであるか又は特定の角度範囲異なることがわかる。したがって、低周波チャネルのチャネル特性が測定され得る。低周波チャネルの方向が優先され、高周波ビームは方向を中心とする特定の範囲で走査され得る。
研究によれば、異なる通信シナリオにおいて低周波チャネルのピーク対平均比(peak to average ratio、PAR)は異なり、高周波ビーム走査範囲は低周波チャネルのチャネル特性を用いて決定される。決定された高周波ビーム走査範囲を走査することによって得られた高周波ビームの精度は、実際に送信された高周波ビームとは異なり得る。PARが大きいほど、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することによって得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間のより高い精度を示す。PARが小さいほど、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査して得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度が低いことを示す。
例えば、図1cは、低周波チャネルを用いることによる高周波チャネルのチャネル特性を推定したシミュレーション結果である。水平軸は、角度パワースペクトルにおける平均値に対する最も強いマルチパスの比を表す。垂直軸は、低周波チャネルを用いることによる高周波チャネルの角度の推定の精度を表す。図1cに示すように、PARが4以上の場合、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度は98%に達し、比較的高い。しかしながら、PARが2の場合、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られた高周波ビームと、実際に送信された高周波ビームとの間の精度は約77%に過ぎず、比較的低い。この観点から、低周波チャネルのチャネル特性を用いることにより決定された高周波ビーム走査範囲を走査することにより得られる高周波ビームと、実際に送信される高周波ビームとの間の精度を改善するために、低周波チャネルの異なるPARに基づいて異なる高周波ビーム走査範囲を決定する必要がある。
前述の原理にしたがって、本願の実施形態に提供されるビーム選択方法を以下で説明する。
本願の実施形態で提供されるビーム選択方法は、高周波通信及び低周波通信をサポートする通信システムに適用可能である。例えば、通信システムはセルラー通信システムであってもいいし、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システムであってもいいし、第5世代(5th
generation、5G)移動通信システムであってもいいし、新無線(new radio、NG)システムであってもいいし、別の移動通信システムであってもよい。これは限定されない。以下では、本願の実施形態で提供される方法を説明するための一例として、図2に示す通信システムのみを用いる。
図2は、本願の一実施形態に係る通信システムの概略アーキテクチャ図である。図2に示すように、通信システムは、アクセスネットワーク装置及び複数の端末を含む。端末は、高周波ビームを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信し得るか、低周波チャネルを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信し得るか、低周波チャネル及び高周波ビームの協調方式でアクセスネットワーク装置と通信し得る。端末が高周波ビームを用いることによりアクセスネットワーク装置と通信するシナリオでは、端末及びアクセスネットワーク装置は、ビーム形成技術を用いることにより端末とアクセスネットワーク装置との間に複数のビーム対を形成し、ビーム対上でデータを送受信し得る。本願のこの実施形態では、端末は、低周波チャネルのチャネル特性に基づいて、高周波ビームを走査するために用いられる高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、該高周波ビーム走査範囲を走査し得る。具体的には、実施プロセスについては、図4に対応する実施形態の説明を参照されたい。
図2の端末は、複数の低周波無指向性アンテナアレイ及び複数の高周波アンテナアレイを有し、アクセスネットワーク装置と低周波通信を行い得るか又はアクセスネットワーク装置と高周波通信を行い得る。図2の端末は端末装置(terminal device)、ユーザ装置(user equipment、UE)、移動局(mobile station、MS)、移動端末(mobile terminal、MT)等と呼ばれ、水上(例えば、船上)に配置されて得るか又は空中(例えば、飛行機、気球、衛星上)に配置され得る。具体的には、図2の端末は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ又は無線トランシーバ機能を有するコンピュータであり得る。あるいは、端末は、仮想現実(virtual reality、VR)端末、拡張現実(augmented reality、AR)端末、産業用制御における無線端末、自動運転における無線端末、遠隔医療における無線端末、スマートグリッドにおける無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末等であり得る。本願の実施形態では、端末の機能を実施するための装置は端末であり得るか又はその機能を実施する上で端末をサポート可能な装置、例えばチップシステムであり得る。本願の実施形態で提供される技術的解決策において、端末機能を実施するための装置が端末である例を用いて、本願の実施形態で提供される技術的解決策を説明する。
図2のアクセスネットワーク装置はアクセスネットワークと呼ばれ、無線物理制御機能、リソーススケジューリング及び無線リソース管理、無線アクセス制御、モビリティ管理等の機能を実施するように主に構成されている。アクセスネットワーク装置は端末と低周波通信を行い得るか又は端末と高周波通信を行い得る。具体的には、アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク(access network、AN)装置/無線アクセスネットワーク(radio
access network、RAN)装置であり得るか、複数の5G-AN/5G-RANノードを含む装置であり得るか又はノードB(nodeB、NB)、エボルブドノードB(evolution nodeB、eNB)、次世代ノードB(generation NodeB、gNB)、送信受信ポイント(transmission
reception point、TRP)、送信ポイント(transmission point、TP)又は他のアクセスノードのうちの任意のノードであり得る。本願のこの実施形態では、アクセスネットワーク装置の機能を実施するように構成された装置は、アクセスネットワーク装置であり得るか又はその機能を実施する上でアクセスネットワーク装置をサポート可能な装置、例えばチップシステムであり得る。これに限定されない。
例えば、アクセスネットワーク装置は基地局である。図2の基地局は、低周波及び高周波が共存する装置であり得る。例えば、基地局は、NR高周波及びLTEが共存する装置であり得るか、NR低周波及びNR高周波が共存する装置であり得るか、NR高周波及びワイヤレスフィディリティ(wireless fidelity、WI-FI)が共存する装置であり得る。あるいは、図2の基地局は代替的に共存しないものであり得る。これは限定されない。
なお、図2は一例としての図に過ぎない。図2に含まれる装置の数は限定されない。図2に示す装置に加えて、通信アーキテクチャは別の装置をさらに含んでもよく、例えばコアネットワーク装置又はデータネットワークをさらに含み得る。加えて、図2の各装置の名称は限定されない。図2に示す名称に加えて、各装置は別の名称を有し得る。これは限定されない。
特定の実施の間、図2に示す端末は図3に示すコンポーネントを有する。図3は、本願の一実施形態に係る通信装置100の概略構成図である。通信装置は端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。図3に示すように、通信装置100は、プロセッサ110、センサモジュール120、アンテナ1、アンテナ2、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)インターフェイス130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ1701、受信機1702、マイクロフォン1703、ヘッドセットジャック1704、外部メモリインターフェイス180、内部メモリ181、ボタン190、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カードインターフェイス191等を含む。センサモジュール120はジャイロセンサ1201、磁力センサ1202、加速度センサ1203、重力センサ1204等を含み得る。
図3のプロセッサ110は1つ以上の処理ユニットを含み得る。例えば、プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ(application processor、AP)、モデムプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、画像信号プロセッサ(image
signal processor、ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(digital
signal processor、DSP)、ベースバンドプロセッサ及び/又はニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit、NPU)を含み得る。異なる処理ユニットは独立したコンポーネントであり得るか又は1つ以上のプロセッサに統合され得る。
メモリがプロセッサ110内にさらに配置されてもよく、命令及びデータを記憶するように構成されている。一部の実施形態では、プロセッサ110内のメモリは高速キャッシュメモリである。メモリは、プロセッサ110によってちょうど用いられるか又は周期的に用いられる命令又はデータを記憶し得る。プロセッサ110が命令又はデータを再度用いる必要がある場合、プロセッサ110はメモリから命令又はデータを直接呼び出し得るため、繰り返しのアクセスが回避され、プロセッサ110の待ち時間が短縮され、システム効率が改善される。
一部の実施形態では、プロセッサ110は1つ以上のインターフェイスを含んでもよく、例えば、集積回路間(inter-integrated circuit、I2C)インターフェイス、集積回路間音響(inter-integrated circuit sound、I2S)インターフェイス、パルスコード変調(pulse code modulation、PCM)インターフェイス、汎用非同期受信機/送信機(universal asynchronous receiver/transmitter、UART)インターフェイス、モバイルインダストリープロセッサインターフェイス(mobile industry processor interface、MIPI)、汎用入出力(general-purpose input/output、GPIO)インターフェイス、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)インターフェイス及び/又はUSBインターフェイス130等を含み得る。
ジャイロセンサ1201は、通信装置100の動作姿勢を特定するように構成され得る。一部の実施形態では、3つの軸(即ち、x、y及びz軸)を中心とする通信装置100の角速度がジャイロセンサ1201を用いることによって特定され得る。ジャイロセンサ1201は撮影中に手ぶれを補正するように構成され得る。例えば、シャッタが押されると、ジャイロセンサ1201は通信装置100が振動する角度を検出し、その角度に基づいてレンズモジュールを補正する必要がある距離を計算するため、レンズが反転動作により通信装置100の振動を相殺し、手ぶれ補正を実施する。ジャイロセンサ1201は、ナビゲーション及び動作検知ゲームシナリオでさらに用いられ得る。
磁力計センサ1202はホールセンサを含む。通信装置100は、磁力計センサ1202を用いることによりフリップレザーケースの開閉を検出し得る。一部の実施形態では、通信装置100がクラムシェル電話である場合、通信装置100は、磁力計センサ1202を用いることによりフリップカバーの開閉を検出し得る。また、フリップカバーの開閉時の自動ロック解除等の機能は、レザーケースの開閉検知状態又はフリップカバーの開閉検知状態に基づいて設定される。
加速度センサ1203は、各方向(通常、3軸)における通信装置100の加速度の大きさを検出し得る。通信装置100が静止している場合、重力の大きさ及び方向が検出され得る。加速度センサ1203は、通信装置100の姿勢を特定するようにさらに構成されてもよく、ランドスケープモードとポートレートモードとの間の切り替えや歩数計等の用途で用いられる。
重力センサ1204は、カンチレバー型変位装置を作製するために弾性感受性素子及び重力から電気信号に完全に変換するために電気接触を駆動するために弾性感受性素子で作られたエネルギー蓄積ばねを用いる。重力センサは、重力によってもたらされた加速度を測定し、水平面に対する装置の傾斜角を計算する。例えば、重力センサを備える携帯電話はスクリーンの状態を検知し、高さを維持するためにスクリーンを自動的に調節できる。
充電管理モジュール140は充電器からの充電入力を受信するように構成されている。充電器は無線充電器又は有線充電器であってもよい。有線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール140は、USBインターフェイス130を介して有線充電器から充電入力を受信し得る。無線充電の一部の実施形態では、充電管理モジュール140は、通信装置100の無線充電コイルを用いることにより無線充電入力を受信し得る。充電管理モジュール140は、バッテリ142が充電される間に電力管理モジュール141を用いることにより通信装置100に電力をさらに供給し得る。
電力管理モジュール141は、バッテリ142、充電管理モジュール140及びプロセッサ110に接続するように構成されている。電力管理モジュール141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140から入力を受け取り、通信装置100の各コンポーネントに電力を供給する。電力管理モジュール141はさらに、バッテリ容量、バッテリサイクル数及びバッテリ健康状態(漏電又はインピーダンス)等のパラメータをモニタリングするように構成され得る。一部の他の実施形態では、電力管理モジュール141は、代替的にプロセッサ110内に配置され得る。一部の他の実施形態では、電力管理モジュール141及び充電管理モジュール140は、代替的に同じ装置内に配置され得る。
通信装置100の無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデムプロセッサ、ベースバンドプロセッサ等を介して実施され得る。
アンテナ1及びアンテナ2は電磁波信号を送受信するように構成されている。通信装置100内の各アンテナは、1つ以上の通信帯域をカバーするように構成され得る。アンテナの利用を改善するために、異なるアンテナがさらに多重化され得る。例えば、アンテナ1は、無線ローカルエリアネットワークのダイバーシチアンテナとして多重化され得る。一部の他の実施形態では、アンテナは同調スイッチと組み合わせて用いられ得る。
移動通信モジュール150は2G/3G/4G/5G等を含み、通信装置100に適用される無線通信ソリューションを提供し得る。移動通信モジュール150は少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低ノイズ増幅器(low noise amplifier、LNA)等を含み得る。移動通信モジュール150はアンテナ1を介して電磁波を受信し、受信した電磁波に対してフィルタリング又は増幅等の処理を行い、復調のために電磁波をモデムプロセッサに転送し得る。移動通信モジュール150は、モデムプロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、アンテナ1を用いて放射するために信号を電磁波に変換し得る。一部の実施形態では、移動通信モジュール150の少なくとも一部の機能モジュールはプロセッサ110内に配置され得る。一部の実施形態では、移動通信モジュール150内の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110内の少なくとも一部のモジュールと同じ装置内に配置され得る。
モデムプロセッサは変調器及び復調器を含み得る。変調器は、低周波数ベースバンド信号が中及び高周波数信号として送信されるように変調するように構成されている。復調器は、受信した電磁波信号を低周波ベースバンド信号に復調するように構成されている。そして、復調器は、復調によって得られた低周波ベースバンド信号を処理のためにベースバンドプロセッサに送信する。低周波ベースバンド信号はベースバンドプロセッサによって処理され、次いでアプリケーションプロセッサに送信される。アプリケーションプロセッサは、オーディオ装置(スピーカ1701、受信機1702等に限定されない)を用いることにより音声信号を出力する。一部の実施形態では、モデムプロセッサは独立したコンポーネントであり得る。一部の他の実施形態では、モデムプロセッサはプロセッサ110から独立していてもよく、移動通信モジュール150又は別の機能モジュールと共に同じ装置内に配置されてもよい。
無線通信モジュール160は、通信装置100に適用される無線ローカルエリアネットワーク(wireless local network、WLAN)、(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(Bluetooth、BT)、グローバルナビゲーション衛星システム(global
navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency
modulation、FM)、近距離無線通信(near field communication、NFC)技術又は赤外線(infrared、IR)技術等の無線通信のためのソリューションを提供し得る。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信処理モジュールを統合する1つ以上の装置であり得る。無線通信モジュール160はアンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタリングを行い、処理された信号をプロセッサ110に送信する。無線通信モジュール160は送信すべき信号をプロセッサ110からさらに受信し、その信号に対して周波数変調及び増幅を行い、処理した信号をアンテナ2を介した放射のために電磁波に変換し得る。
一部の実施形態では、通信装置100のアンテナ1は移動通信モジュール150に連結され、アンテナ2は無線通信モジュール160に連結されているため、通信装置100は、無線通信技術を用いることによりネットワーク及び他の装置と通信し得る。無線通信技術は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(global system for mobile communication、GSM)、汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)、符号分割多元接続(code
division multiple access、CDMA)、広帯域符号分割多元接続(wideband
code division multiple access、WCDMA)、時分割符号分割多元接続(time-division
code division multiple access、TD-CDMA)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術等を含み得る。GNSSは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、グローバルナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system、GLONASS)、北斗衛星測位システム(BeiDou navigation satellite system、BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)及び/又は衛星航法補強システム(satellite based augmentation systems、SBAS)を含み得る。
外部メモリインターフェイス180は、通信装置100の記憶能力を拡張するために外部記憶カード、例えばマイクロSDカードに接続されるように構成され得る。外部記憶カードは、外部メモリインターフェイス180を介してプロセッサ110と通信し、データ記憶機能を実施する。例えば、音楽やビデオ等のファイルが外部記憶カードに記憶される。
内部メモリ181は、コンピュータ実行可能プログラムコードを記憶するように構成され得る。実行可能プログラムコードは命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ181に記憶された命令を実行して、通信装置100の様々な機能アプリケーションを行い、データを処理する。内部メモリ181はプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含み得る。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能(音声再生機能又は画像再生機能等)によって必要とされるアプリケーション等を記憶し得る。データ記憶領域は、通信装置100の使用の間に生成されたデータ(例えば、オーディオデータ及びアドレス帳)等を記憶し得る。加えて、内部メモリ181は高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置又はユニバーサルフラッシュ記憶装置(ユニバーサルフラッシュ記憶装置、UFS)をさらに含み得る。
通信装置100は、オーディオモジュール170、スピーカ1701、受信機1702、マイクロホン1703、ヘッドセットジャック1704、アプリケーションプロセッサ等を用いることにより、オーディオ機能、例えば音楽の再生及び録音を実施し得る。
オーディオモジュール170は、デジタルオーディオ情報をアナログオーディオ信号出力に変換するように構成され、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するようにも構成されている。オーディオモジュール170は、オーディオ信号を符号化及び復号化するようにさらに構成され得る。一部の実施形態では、オーディオモジュール170はプロセッサ110内に配置され得るか又はオーディオモジュール170の一部の機能モジュールはプロセッサ110内に配置され得る。
「ホーン」とも呼ばれるスピーカ1701は、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。通信装置100は、スピーカ170Aを用いることによって音楽を聴くか又はハンズフリー通話に応答するように構成され得る。
「イヤピース」とも呼ばれる受信機1702は、オーディオ電気信号を音声信号に変換するように構成されている。通信装置100が通話に応答するか又は音声情報を聴くように構成されている場合、受信機170Bは、音声を聴くために人間の耳の近くに置かれ得る。
「マイク」又は「マイクロホン」とも呼ばれるマイクロホン1703は、音声信号を電気信号に変換するように構成されている。通話を行うか、音声情報を送信するか又は通信装置100にある機能を行わせるために音声アシスタントを用いることによりトリガーさせる必要がある場合、ユーザは、人間の口を使ってマイクロホン1703の近くで音を発して、マイクロホン1703に音声信号を入力し得る。少なくとも1つのマイクロホン1703は通信装置100内に配置され得る。一部の他の実施形態では、音声信号を収集することに加えて、ノイズ低減機能を実現するために、2つのマイクロホン1703が通信装置100内に配置され得る。一部の他の実施形態では、音声信号を収集し、ノイズを低減するために、3つ、4つ又はそれ以上のマイクロホン1703が通信装置100内に代替的に配置され得る。マイクロホンはさらに、音源を特定し、指向性録音機能等を実施し得る。
ヘッドセットジャック1704は有線ヘッドセットに接続されるように構成されている。ヘッドセットジャック1704は、USBインターフェイス130であり得るか又は3.5mmのオープン移動端末プラットフォーム(open mobile terminal platform、OMTP)標準インターフェイス又は米国のセルラー通信工業会(cellular telecommunications industry association of the USA、CTIA)標準インターフェイスであり得る。
ボタン190は電源ボタン、ボリュームボタン等を含む。ボタン190は、機械式ボタンであり得るか又はタッチボタンであり得る。通信装置100はボタン入力を受信し、通信装置100のユーザ設定及び機能制御に関するボタン信号入力を生成し得る。
SIMカードインターフェイス191は、SIMカードに接続されるように構成されている。SIMカードは、通信装置100からの接触及び分離を実施するために、SIMカードインターフェイス191に挿入されているか又はSIMカードインターフェイス191から取り外されていてもよい。通信装置100は1つ又はN個のSIMカードインターフェイスをサポートしてもよく、Nは1よりも大きい正の整数である。SIMカードインターフェイス191はナノSIMカード、マイクロSIMカード、SIMカード等をサポートし得る。複数のカードが同じSIMカードインターフェイス191に同時に挿入されてもよい。複数のカードは、同じ種類のものであってもいいし、異なる種類のものであってもよい。SIMカードインターフェイス191は異なる種類のSIMカードとも互換性があり得る。SIMカードインターフェイス191は外部記憶カードとも互換性があり得る。通信装置100は、SIMカードを用いることによりネットワークとやりとりし、通話やデータ通信等の機能を実施する。一部の実施形態では、通信装置100は、eSIM、すなわち埋め込みSIMカードを用いり得る。eSIMカードは通信装置100内に埋め込まれてもよく、通信装置100から分離することができない。
通信装置100のソフトウェアシステムは、層状アーキテクチャ、イベントドリブンアーキテクチャ、マイクロカーネルアーキテクチャ、マイクロサービスアーキテクチャ又はクラウドアーキテクチャを用いり得ることが理解されよう。この実施形態では、通信装置100のソフトウェア構造を説明するために、層状アーキテクチャを有するAndroidシステムを一例として用いる。加えて、この実施形態で示す構造は、通信装置100に対する具体的な限定を成するものではない。一部の他の実施形態では、通信装置100は、図に示すものよりも多くの又は少ないコンポーネントを含み得るか、一部のコンポーネントが統合され得るか、一部のコンポーネントが分離され得るか又は異なるコンポーネントレイアウトを有し得る。図3に示すコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いることにより実施され得る。
上述の原理に従い且つ図2に示すシステムに参照して、本願の実施形態で提供されるビーム選択方法を以下で説明する。以下の方法の実施形態における各装置は、図3に示すコンポーネントを有し得る。詳細については再度説明しない。加えて、本願の以下の実施形態では、ネットワーク要素間のメッセージの名称、メッセージ内のパラメータの名称等は一例にすぎず、特定の実施の間に他の名称が存在してもよい。これは、本願の実施形態では具体的に限定されない。
図4は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法である。図4に示すように、方法は以下のステップを含み得る。
ステップ401:端末は、該端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定する。
アクセスネットワーク装置は、図2のアクセスネットワーク装置であり、端末は図2の任意の端末であり得る。アクセスネットワーク装置及び端末は、低周波チャネルを送信し得るか又は高周波ビームを送信し得る。
端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルは、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネル(又はダウンリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり得る。同時に、アクセスネットワーク装置は、複数の低周波チャネルを同時に端末に送信し得る。あるいは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信されるチャネルと、アクセスネットワーク装置によって端末に送信されるチャネルとの間に相反性がある場合、端末とアクセスネットワーク装置との間の伝送チャネルは、代替的に端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネル(又はアップリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり得る。このように、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される高周波ビーム(又はダウンリンク高周波ビームと呼ばれる)は、アップリンク低周波チャネルのチャネル特性を用いることによって決定され得る。同時に、端末は、複数の低周波チャネルをアクセスネットワーク装置に送信し得る。
第1の角度パワースペクトルは、低周波チャネルの角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し、第1の角度パワースペクトルは、到来方向(arrival direction、DOA)パワースペクトル又は出発方向(departure
direction、DOD)パワースペクトルを含み得る。
例えば、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネルの場合、端末は低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定し得る。端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルの場合、端末は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し得る。
DOAパワースペクトルは、低周波チャネルが端末に到来する角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し、DODパワースペクトルは、低周波チャネルが端末から離れる角度と低周波チャネルのパワーとの間の曲線関係を反映し得る。端末は、従来技術を用いることによりDOA角度パワースペクトル又はDODパワースペクトルを特定し得る。詳細については説明しない。同じ低周波チャネルに対して、端末によって特定されたDOAパワースペクトルは、端末によって特定されたDODパワースペクトルと同じであり、DOAパワースペクトルとDODパワースペクトルとはまとめて角度パワースペクトルと呼ばれる。
ステップ402:端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定する。
第1の高周波ビーム走査範囲は、低周波チャネルの角度を中心とする角度範囲であり、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームをその角度範囲で走査し得る。本願のこの実施形態では、1つの低周波チャネルの角度は1つの高周波ビーム走査範囲に対応し、複数の低周波チャネルの角度は複数の高周波ビーム走査範囲に対応し得る。
例えば、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。
端末が第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算することは、端末が第1の角度パワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。例えば、第1の角度パワースペクトルがDOAパワースペクトルの場合、端末は、DOAパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。第1の角度パワースペクトルがDODパワースペクトルの場合、端末は、DODパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算して低周波チャネルのピーク対平均比を得る。
例えば、図5aは、LOS及び強反射シナリオにおける低周波チャネルの角度パワースペクトルである。図5aから、平均値は約0.22であり、最大ピーク値は1であることが分かる。この場合、ピーク対平均比は1/0.22≒4.5であり得る。図5bは、複雑な送信、散乱及び閉塞シナリオにおける低周波チャネルの角度パワースペクトルである。図5bから、平均値は約0.5であり、最大ピーク値は1であることが分かる。この場合、ピーク対平均比は、1/0.5=2であり得る。
端末が第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定することは、端末が、低周波チャネルのピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係に基づいて、低周波チャネルのピーク対平均比に対応する第1の領域範囲を決定し、第1の高周波ビーム領域と、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度とに基づいて、第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、第1の高周波ビーム走査範囲の範囲サイズは第1の領域の範囲サイズと同じであり、第1の高周波ビーム走査範囲の中心角が、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度であり得る。
第1の閾値は必要に応じて設定され得る。任意に、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルは、全ての低周波チャネルにおいて最大ピーク値を有する低周波チャネルであり得るか又はピーク値が閾値以上である1つ以上の低周波チャネルであり得る。閾値は必要に応じて設定され得る。
なお、本願の実施形態では、低周波チャネルの角度は、低周波チャネルの主経路方向であってもよく、低周波チャネルの主経路方向は、低周波チャネル上でエネルギーが最大の方向であり得る。例えば、図5aに示すように、低周波チャネル1の主経路方向は約70度である。
本願のこの実施形態では、ピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係は予め設定され得る。ピーク対平均比が大きいほど、現在の通信環境がより良好であり、低周波チャネルのエネルギー集中範囲は高周波ビームに比較的近く、ピーク対平均比に対応する高周波ビーム領域範囲はより小さいことを示す。この場合、高周波ビームは、低周波チャネルに近い角度範囲で走査され得る。ピーク対平均比が小さいほど、現在の通信環境がより悪く、低周波チャネルのエネルギー集中範囲は高周波ビームから比較的遠く離れており、ピーク対平均比に対応する高周波ビーム領域はほぼより大きいことを示す。この場合、高周波ビームは、低周波チャネルから離れた角度範囲で走査され得る。例えば、以下は、ピーク対平均比と高周波ビーム領域の間の対応関係である。
ピーク対平均比が4以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-5度~+5度であり、
ピーク対平均比が4未満であって且つ3以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-10度~+10度であり、
ピーク対平均比が3未満であり且つ2以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-20度~+20度であり、
ピーク対平均比が2未満であり且つ1以上の場合、高周波ビーム領域範囲は-30度~+30度であり、
ピーク対平均比が1未満の場合、第1の高周波ビーム走査範囲を決定する必要がなく、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームが従来技術を用いてフェーズP1~P3で走査される。
例えば、第1の高周波ビーム走査範囲内に最大ピーク値を有する低周波チャネルの角度を中心として用いられる。例えば、図5aに示すように、PARは約4.5であり、PARは4より大きく、対応する走査範囲は-5度~+5度である。図5aから、最大ピークを有する低周波チャネルの角度は約70度であることが分かる。この場合、端末は、第1の高周波ビーム走査範囲は、70度を中心として65度~75度であると判定し得る。
例えば、図5bに示すように、PARが約2であり、PARは2より大きく3より小さく、対応する走査範囲は-20度~+20度の範囲である。図5bから、最大ピーク値を有する低周波チャネルの角度は約70度であることが分かる。この場合、端末は、第1の高周波ビーム走査範囲が、70度を中心として50度~90度であると判定し得る。
ステップ403: 端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームに対して第1の高周波ビーム走査範囲で走査する。
アクセスネットワーク装置は、従来技術を用いて高周波ビームを端末に送信し得る。例えば、アクセスネットワーク装置は、大きい範囲(複数の方向)で高周波ビームを端末に送信し得る。あるいは、アクセスネットワーク装置は、以下の方法を用いることにより端末に高周波ビームを送信し得る。
アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを特定し、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて高周波ビーム送信範囲を決定し、高周波ビーム送信範囲内で端末に高周波ビームを送信する。このように、高周波ビームが特定の角度範囲で端末に送信され、高周波ビームを従来技術のように大きな範囲で送信する必要がないため、高周波ビームを送信するために占有される参照信号リソース及びネットワークリソースを減らすことができる。
端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネルの場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し、DODパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算してピーク対平均比を取得する。端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルが、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネルの場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルの到来方向DOAパワースペクトルを特定し、DOAパワースペクトルから最大ピーク値及び平均値を取得し、平均値に対する最大ピーク値の比を計算してピーク対平均比を取得し得る。
アクセスネットワーク装置が計算したピーク対平均比に基づいて高周波ビーム送信範囲を決定することは、ピーク対平均比が大きいほど、良好な現在の通信環境、低周波チャネルのエネルギー集中範囲が高周波ビームのそれに近く、決定された高周波ビーム送信範囲が低周波チャネルの角度に近いことを示すことを含み得る。例えば、ピーク対平均比が4以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±5度であると判断される。ピーク対平均比が4未満で且つ3以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±10度であると判断される。ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±20度であると判断される。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、高周波ビーム送信範囲は、ピーク値が第1の閾値である低周波チャネルの角度の±30度であると判断される。ピーク対平均比が1未満の場合、高周波ビームの送信範囲を決定する必要はないが、高周波ビームは従来技術を用いることにより比較的大きい範囲で端末に送信される。
端末がアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを走査することは、端末が高周波ビームの信号品質を測定、例えば、高周波ビームの参照信号受信電力(reference signal received power、RSRP)、参照信号受信品質(reference signal received quality、RSRQ)、参照信号受信強度インジケータ(reference signal received strength indicator、RSSI)、ブロックエラーレート(block error rate、BLER)、信号対干渉及びノイズ比(signal to
interference and noise ratio、SINR)、チャネル品質インジケータ(channel
quality indicator、CQI)を測定し得る。
図4に示す方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられた高周波ビームを走査する場合、端末は、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームを第1の高周波ビーム走査範囲で走査し得る。このように、端末は、高周波ビームを特定の範囲で走査し、従来技術のように、3つのフェーズP1~P3を用いることにより大きな範囲で高周波ビームを走査する必要がない。従来技術と比較して、図4に示す方法は走査時間を低減する。加えて、アクセスネットワーク装置との信号やりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
図4に示す方法の第1の実施形態では、さらに、端末が第1の高周波ビーム走査範囲での高周波ビームの走査を完了した後に、端末は、アクセスネットワーク装置に対して、信号品質がより良好な走査高周波ビームに関する情報を示し得る。そのため、アクセスネットワーク装置は、信号品質が最適な高周波ビームでデータを端末に送信する。高周波ビームに関する情報は、高周波ビームのインデックス番号、高周波ビームの角度、高周波ビームに対応する参照信号に関する情報、高周波ビームに隣接する低周波チャネルに関する情報等の情報のうちの1つ以上の種類の情報を含み得る。これは限定されない。
例えば、図5aに示すように、PARは4.5であり、PARは4よりも大きい。図5aから、最大ピーク値を有する低周波チャネルが約70度に位置し、2番目に大きいピーク値を有する低周波チャネルは約23度に位置することが分かる。この場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信された高周波ビームを、65度~75度の範囲及び18度~28度の範囲で走査し得る。65度~75度の範囲で端末によって見つけられた高周波ビームの信号品質が10dbであり、18度~28度の範囲で見つけられた高周波ビームの信号品質が3dbの場合、端末は、65度~75度の範囲の高周波ビームに関連する情報をアクセスネットワーク装置に報告するため、アクセスネットワーク装置は、高周波ビームを用いることにより65度~75度の範囲でデータを送信する。
なお、端末が、決定された高周波ビーム範囲から信号品質がより良好な高周波ビームを選択できなかった場合又は端末が、見つけられた高周波ビームでデータを受信できなかった場合に、通常のデータ伝送が影響を受けるのを防止するために、図4に示すプロセスにおいて、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて1つ以上の候補ビームを選択して、選択された候補ビームでデータを受信するようにし得る。具体的には、第1の角度パワースペクトルに基づいて端末が候補ビームを選択するプロセスは以下の通りである。
ピーク対平均比が4以上の場合、端末は1つの候補ビームを選択し、候補ビームの角度はエネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。例えば、図5aに示すように、端末が65度~75度の範囲で信号品質が最適な高周波ビームを走査できない場合、端末は、18度~28度の範囲の高周波ビームを候補ビームとして用いり得る。
ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、端末は3つの候補ビームを選択し、3つの候補ビームは、エネルギーが2番目に大きいピーク値である3つの低周波チャネルに対応し、候補ビームの角度は、3つの候補ビームに対応し、エネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、端末は4つの候補ビームを選択し、4つの候補ビームは、エネルギーが2番目に大きいピーク値よりも大きい4つの低周波チャネルに対応し、候補ビームの角度は、候補ビームに対応し、エネルギーが2番目に大きいピーク値である低周波チャネルの角度である。
このように、高周波ビーム走査が失敗するか又は高周波ビーム通信が失敗した場合、候補ビームを用いることにより高周波通信を行って、正常なデータ伝送を確実にし得る。
図4に示す方法の第2の実施形態では、端末がステップ401を行った場合、端末は、アクセスネットワーク装置がホワイトリストに含まれるかどうかをさらに判定し得る。アクセスネットワークデバイスがホワイトリストに含まれる場合、端末はステップ401を行って第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、第1の高周波ビーム走査範囲で高周波ビームを走査し得る。反対に、ホワイトリストがアクセスネットワーク装置に関する情報を含まず、アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれる場合、端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを図4に示す方法で走査しない。
アクセスネットワーク装置に関する情報は、アクセスネットワーク装置を示すために用いられ、例えば、アクセスネットワーク装置のインターネットプロトコル(internet protocol、IP)アドレスであり得るか又はアクセスネットワーク装置のメディアアクセス制御(media access control、MAC)であり得るか又はアクセスネットワーク装置を識別するために用いられる他の情報であり得る。これは限定されない。
ホワイトリストは、1つ以上のアクセスネットワーク装置に関する情報を含んでもよく、ホワイトリストに含まれるアクセスネットワーク装置は、端末と高周波通信を行うか又は端末と低周波通信を行い得る。加えて、アクセスネットワーク装置が端末と高周波通信を行う場合のチャネル特性は、アクセスネットワーク装置が端末と低周波通信を行う場合のチャネル特性と基本的に同じである。
例えば、端末が最初にアクセスネットワーク装置にアクセスする場合、端末はアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを既存のフェーズP1~P3で走査し、図4に示す方法で高周波ビームを走査し得る。フェーズP1~P3で走査することにより決定された高周波ビームが、図4に示す方法で端末によって見つけられた高周波ビームと同じである場合、端末は、アクセスネットワーク装置に関する情報をホワイトリストに追加することを決定する。その後、端末がアクセスネットワーク装置の高周波ビームを管理する必要がある場合、端末はホワイトリストを見得る。ホワイトリストがアクセスネットワーク装置に関する情報を含むことを端末が発見した場合、端末は、アクセスネットワーク装置の高周波ビームを図4に示す方法で直接管理し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームをフェーズP1~P3で走査する必要がない。
反対に、フェーズP1~P3で走査することによって決定された高周波ビームが、図4に示す方法で端末によって見つけられた高周波ビームと異なる場合又はアクセスネットワーク装置が、低周波チャネルの角度範囲で端末に高周波ビームを送信するのを複数回失敗した場合、低周波チャネルの角度を中心とした範囲で低周波チャネルのチャネル特性を用いて高周波ビームを見つけることができないことを示し、アクセスネットワーク装置がブラックリストに追加される。その後、端末がブラックリスト内のアクセスネットワーク装置の高周波ビームを管理する必要がある場合、端末は、既存のフェーズP1~P3で、アクセスネットワーク装置によって届けられた高周波ビームを走査し得る。
ブラックリストは、低周波チャネルのチャネル特性を用いることによるビーム走査をサポートしない1つ以上のアクセスネットワークデバイスに関する情報を含み得る。アクセスネットワークデバイスに関する情報がブラックリストに含まれていないと端末が判断した場合、端末はステップ401を行って第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査する。反対に、端アクセスネットワーク装置に関する情報がブラックリストに含まれていると端末が判断した場合、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて図4に示す方法で走査せず、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームについて既存のフェーズP1~P3で走査する。
例えば、ホワイトリストは{アクセスネットワーク装置1及びアクセスネットワーク装置2}を含み、ブラックリストは{アクセスネットワーク装置4及びアクセスネットワーク装置5}を含む。アクセスネットワーク装置1によって送信される高周波ビームについて走査する前に、端末はホワイトリストを閲覧し得る。セットがアクセスネットワーク装置1に関する情報を含むことを端末が見つけた場合、端末は、ステップ402及びステップ403に示される方法で第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置1によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。アクセスネットワーク装置3によって送信される高周波ビームを走査する前に、端末はホワイトリストを閲覧し、アクセスネットワーク装置3に関する情報をセットが含まないことを端末が見つける。加えて、端末はブラックリストを閲覧し、アクセスネットワーク装置4に関する情報をブラックリストが含むことをみつける。この場合、端末は、ステップ402及びステップ403に示す方法で高周波ビームについて走査せず、アクセスネットワーク装置3によって届けられる高周波ビームについて既存のフェーズP1~P3で走査する。
図4に示す方法の第3の実施形態では、端末がステップ401を実行した後であって、ステップ402の前の期間に、端末が回転する可能性が高い。そのため、端末とアクセスネットワーク装置との間の第1の角度パワースペクトルは変化する。端末が回転した後に低周波チャネルの角度パワースペクトルが変化し、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて決定された第1の高周波ビーム走査範囲は比較的大きな誤差を有するというする問題を避けるために、方法は下記をさらに含み得る。
端末は、端末が回転したかどうかを判定し、端末が回転した場合、端末は、端末の回転角に基づいて第1の角度パワースペクトルを補正する。また、任意で、端末は補正された第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのPARを計算し、低周波チャネルのPARに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲で走査する。
端末は、端末に取り付けられたセンサ(ジャイロセンサ、磁力計センサ、加速度センサ等)を用いて、端末が回転したかどうかを検出し得る。具体的には、検出プロセスについては、従来技術を参照されたい。詳細については再度説明しない。
端末の回転角に基づいて端末が第1の角度パワースペクトルを補正することは、端末は、第1の角度パワースペクトルの回転角が端末の回転角と同じになるように端末の回転角に基づいて第1の角度パワースペクトルを回転させることを含み得る。
例えば、図6に示すように、端末が30度回転した場合、角度パワースペクトルも30度回転する。例えば、最大ピーク値に対応する低周波チャネルの角度は約70度から約40度に回転し、2番目に大きいピーク値に対応する低周波チャネルの角度は約25度から約15度に回転する。PARは依然約4.5に維持されている。この場合、端末は、高周波ビームについて35度~45度の範囲で走査し、高周波ビームについて約10度~20度で走査し得る。
このように、端末が回転した場合、第1の角度パワースペクトルの精度を保証し、第1の角度パワースペクトルに基づいて決定された第1の高周波ビーム走査範囲の精度をさらに改善するために、第1の角度パワースペクトルを時間内に補正できる。
図4に示す方法の第4の実施形態では、ステップ401の後に、端末が移動する可能性が高い。そのため、端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性が変化する。端末が移動した後に、端末とアクセスネットワーク装置との間のチャネル特性の変化により、低周波チャネルの角度パワースペクトルが変化し、角度パワースペクトルに基づいて決定される第1の高周波ビーム走査範囲が比較的大きな誤差を有するという問題を避けるために、本方法は以下をさらに含み得る。
端末は、端末が移動したかどうかを判断する。端末が移動し、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合、端末とアクセスネットワーク装置との間の低周波チャネルのチャネル特性が変化したことを示し、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを再度特定する必要がある。例えば、端末は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第2の角度パワースペクトルを特定する。また、任意で、端末は、再度特定された角度パワースペクトル(例えば、第2の角度パワースペクトル)に基づいて第2の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第2の高周波ビーム走査範囲を走査する。
端末が移動しないか又は端末が移動するものの移動距離がチャネル相関距離以下の場合、端末は、ステップ401で特定された角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて第1の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。
端末は、端末に取り付けられたセンサ(ジャイロセンサ、磁力計センサ、加速度センサ、重力センサ等)を用いることにより、端末が移動したかどうかを検出し得る。例えば、いずれかのセンサによって収集された値が変化し、変化値が閾値以上の場合、端末が移動したと判断されるか又は全てのセンサによって収集された値が変化しないか若しくはセンサによって収集された値が変化するものの、変化値が閾値以下の場合、端末は移動していないと判断される。
チャネル相関距離は、基本チャネル特性が変化したかどうかを測定するための基準であり得る。チャネル相関距離では、基本チャネル特性(遅延、角度、偏波等)は変化しない。チャネル相関距離を超えた場合、基本チャネル特性(遅延、角度、偏波等)が変化する。チャネル相関距離を越えた後、第1の角度パワースペクトルを再度特定する必要があり、最適な高周波ビームも変化し得るため、高周波ビームを再選択する必要がある。
本願のこの実施形態では、端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいてチャネル相関距離が決定され、異なるチャネルシナリオは異なるチャネル相関距離に対応する。例えば、表1は、チャネルシナリオとチャネル相関距離との間の対応関係を示す。表1に示すように、農村部を一例として用いて、LOSシナリオでは、チャネル相関距離は50mであり、NLOSシナリオではチャネル相関距離が60mであり、屋内から屋外(outdoor-to-indoor、O2I)シナリオでは、チャネル相関距離は15mである。
端末の移動距離がチャネル相関距離以下の場合、端末が移動しても、端末の移動前後で低周波チャネルのチャネル特性が大きく変化しないことを示し、第1の高周波ビーム走査範囲は、以前特定された第1の角度パワースペクトルを用いることにより決定され得る。反対に、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合、端末が移動した後で低周波チャネルのチャネル特性が大きく変化したことを示し、以前特定された第1の角度パワースペクトルは移動後の低周波チャネルのチャネル特性を反映できない。この場合、端末は、第1の角度パワースペクトルを再度特定するためにステップ401を再度行う必要がある。したがって、端末は、再度特定された第1の角度パワースペクトルに基づいて新たな第1の高周波ビーム走査範囲を取得し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて新たな第1の高周波ビーム走査範囲を走査する。
例えば、本願のこの実施形態では、端末が現在位置するチャネルシナリオは、第1の角度パワースペクトルに基づいて決定され得る。例えば、端末は、第1の角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、端末が現在位置するチャネルシナリオを低周波チャネルのPARに基づいて決定し得る。ピーク対平均比が4以上の場合、端末は、端末が現在位置するチャネルシナリオがLOSシナリオであると判断する。ピーク対平均比が4未満で且つ3以上の場合、端末は、端末が位置する現在の通信シナリオは、例えば、平滑なガラス又は金属面等の強伝送シナリオであると判断する。ピーク対平均比が3未満で且つ2以上の場合、端末は、端末が現在位置する通信シナリオは、共通反射が存在するシナリオ、例えばまばらな植生であると判断する。ピーク対平均比が2未満で且つ1以上の場合、端末は、端末が現在位置する通信シナリオは、共通の閉塞が存在するシナリオ、例えば散乱シナリオであると判断する。ピーク対平均比が1未満の場合、端末が位置する現在の通信シナリオは、植生が密で完全な閉塞が存在するシナリオであると判断する。
なお、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて端末が走査する例を説明のために用いている。ダウンリンクの高周波ビーム管理の逆のプロセスとして、アクセスネットワーク装置は、代替的に、端末によって送信される高周波ビームについて図4に示す方法で走査し得る。例えば、端末はアクセスネットワーク装置に高周波ビーム(又はアップリンク高周波ビームと呼ばれる)を送信する。アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比に基づいて高周波ビーム走査範囲を決定し、端末によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲を走査する。具体的には、プロセスの詳細な説明については、図7を参照されたい。詳細については再度説明しない。
図7は、本願の一実施形態に係る別のビーム選択方法である。図7に示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
ステップ701:アクセスネットワーク装置は、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルの角度パワースペクトルを特定する。
ステップ701については、ステップ401を参照されたい。例えば、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される低周波チャネル(又はアップリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定し得る。あるいは、端末によってアクセスネットワーク装置に送信されるチャネルと、アクセスネットワーク装置によって端末に送信されるチャネルとの間に相反性がある場合、アクセスネットワーク装置と端末との間で送信される低周波チャネルは、アクセスネットワーク装置によって端末に送信される低周波チャネル(又はダウンリンク低周波チャネルと呼ばれる)であり、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定し得る。このように、端末によってアクセスネットワーク装置に送信される高周波ビーム(又はアップリンク高周波ビームと呼ばれる)は、ダウンリンク低周波チャネルのチャネル特性を用いることによって決定され得る。
具体的には、ステップ701の詳細な説明については、ステップ401を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ702:アクセスネットワーク装置は、ステップ701で特定された低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、第3の高周波ビーム走査範囲を決定する。
ステップ702については、ステップ402を参照されたい。例えば、アクセスネットワーク装置は、特定された角度パワースペクトルに基づいて低周波チャネルのピーク対平均比を計算し、低周波チャネルのピーク対平均比及びピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係に基づいて第3の高周波ビーム走査範囲を決定し得る。
ピーク対平均比と高周波ビーム領域範囲との間の対応関係及びアクセスネットワーク装置が第3の高周波ビーム走査範囲を決定する詳細なプロセスについては、ステップ402を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ703:アクセスネットワーク装置は、端末によって送信される高周波ビームについて、ステップ702で決定された第3の高周波ビーム走査範囲を走査する。
ステップ703については、ステップ403を参照されたい。詳細については再度説明しない。
図7に示す方法に基づいて、端末によって送信される高周波ビームを走査する場合、アクセスネットワーク装置は、低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて、第3の高周波ビーム走査範囲を決定し、端末によって送信される高周波ビームについて第3の高周波ビーム走査範囲を走査し得る。このように、アクセスネットワーク装置は、高周波ビームについて特定の範囲を走査し、従来技術のように、高周波ビームについて3つのフェーズP1~P3を用いることによって大きな範囲を走査する必要がない。従来技術と比較して、図7で提供される方法は走査時間を短縮する。加えて、端末との信号のやりとりを複数回行う必要がないため、信号オーバーヘッドが低減される。
端末が低周波チャネルの角度パワースペクトルに基づいて高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲を走査する例を用いて、図4に示す方法を以下で説明する。
図8は、本願の一実施形態に係るビーム選択方法である。図8に示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
ステップ801:端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される低周波チャネルを受信し、低周波チャネルのDOAパワースペクトルを特定して取得するか又は端末は、アクセスネットワーク装置に低周波チャネルを送信して、低周波チャネルのDODパワースペクトルを特定する。
ステップ801については、ステップ401を参照されたい。詳細については再度説明しない。
アクセスネットワーク装置が端末に高周波ビームを送信する方法については、ステップ403を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ802:端末は、端末が回転したかどうかを判定する。端末が回転している場合はステップ803が行われる。端末が回転していない場合はステップ804が行われる。
端末が回転しているかどうかを端末が判定する方法については、図4に示す実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ803:端末は、端末の回転角に基づいて低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルを補正する。
端末が低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルを補正する方法については、図4に示す方法の第3の実施形態を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ804:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて、端末が現在位置するチャネルシナリオを特定する。
チャネルシナリオは、LOSシナリオ、NLOSシナリオ、O2Iシナリオ等を含み得る。
具体的には、端末が低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいてチャネルシナリオを特定する詳細なプロセスについては、図4に示す方法の第4の実施形態を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ805:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて、高周波ビーム走査範囲を決定する。
ステップ805については、ステップ402を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ806:端末は、低周波チャネルのDOAパワースペクトル又はDODパワースペクトルに基づいて候補ビームを選択する。
ステップ806の実行プロセスについては、図4に示す方法の第1の実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ807:アクセスネットワーク装置は端末に高周波ビームを送信する。
ステップ808:端末は、端末が移動しているかどうかを判定する。端末が移動している場合、ステップ809が行われる。端末が移動しない場合、ステップ810が行われる。
端末が移動するかどうかを端末が判定する方法については、図4に示す実施形態の説明を参照されたい。詳細については再度説明しない。
ステップ809:端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きいかどうかを判定する。端末の移動距離がチャネル相関距離よりも大きい場合はステップ801が再度行われる。そうでない場合に、端末の移動距離がチャネル相関距離よりも小さいか等しい場合はステップ810が行われる。
端末は、ステップ804で特定された、端末が現在位置するチャネルシナリオに基づいてチャネル相関距離を特定し得る。
ステップ810:端末は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、ステップ805で決定された高周波ビーム走査範囲を走査する。
また、任意で、端末が、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された高周波ビーム走査範囲の走査に失敗するか又はアクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームを決定された高周波ビーム走査範囲で正常に走査したが、データの受信に失敗した場合、端末は、ステップ806で選択された候補ビームでアクセスネットワーク装置と通信し得る。
図8に示す方法に基づいて、アクセスネットワーク装置によって届けられる高周波ビームについて走査する場合、端末は、端末が回転したかどうかを判定し、端末が回転している場合には、低周波チャネルの角度パワースペクトルを補正することにより、低周波チャネルの角度パワースペクトルの精度が改善され、決定された高周波ビーム走査範囲の精度が保証される。その後に、端末は、高周波ビーム走査範囲内で高周波ビームを走査する前に、端末は、端末が移動しているかどうかを判定し、端末の移動状態に基づいて、高周波ビームについて、以前計算された高周波ビーム走査範囲で走査するか又は高周波ビーム走査範囲を再計算するかを決定して高周波ビーム走査の精度を改善させる。
上記では、ノード間のやりとりの観点から本願の実施形態で提供される解決策を主に説明してきた。前述の機能を実施するために、アクセスネットワーク装置及び端末等のノードは、機能を行うための対応するハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが理解されよう。当業者であれば、本明細書で開示した実施形態で説明した例と組み合わせて、ハードウェア又はハードウェア及びコンピュータソフトウェアの組み合わせによってアルゴリズムステップが実施され得ることを容易に理解すべきである。機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって行われるかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約条件に依存する。当業者であれば、特定の用途ごとに、説明した機能を実施するために異なる方法を用いり得るが、その実施は本願の範囲を超えるものと考えるべきではない。
本願の実施形態では、アクセスネットワーク装置及び端末の機能モジュールは、前述の方法の例に基づいて分割され得る。例えば、各機能モジュールは、各対応する機能に基づいた分割により得られてもいいし、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能モジュールの形態で実施され得る。なお、本願の実施形態では、モジュール分割は一例であり、論理的な機能の分割にすぎない。実際の実施では、別の分割方法が用いられ得る。
図9は、本願の一実施形態に係る通信装置90の概略構造図である。この実施形態における通信装置は、端末、端末内のチップ又はシステムオンチップであり得る。通信装置90は、前述の方法の実施形態における端末の機能を行うように構成され得る。図9に示すように、実施において、通信装置90は、決定ユニット901及び走査ユニット902を含み得る。
決定ユニット901は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定するように構成されている。例えば、特定ユニット901は、ステップ401及びステップ801を行う際に通信装置90をサポートするように構成され得る。
決定ユニット901は、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定するように構成されている。例えば、決定ユニット901は、ステップ402及びステップ804を行う際に通信装置90をサポートするようにさらに構成され得る。
走査ユニット902は、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、決定された第1の高周波ビーム走査範囲を走査するように構成されている。例えば、走査ユニット902は、ステップ403及びステップ810を行う際に通信装置90をサポートするように構成され得る。
具体的には、本願のこの実施形態で提供される通信装置90は、図4又は図8に対応する方法の実施形態における端末の動作を行い得る。実施の原理及びその技術的効果は同様である。詳細については再度説明しない。
別の可能な実施では、図9に示す通信装置90は処理モジュール及び通信モジュールを含み得る。処理モジュールは、決定ユニット901及び走査ユニット902の機能を統合し得る。処理モジュールは、ステップ401~ステップ403及び図8に示す方法における端末の動作を行う際に通信装置90をサポートし、通信装置90の動作を制御及び管理するように構成されている。通信モジュールは、他のネットワークエンティティと通信するために、例えばアクセスネットワーク装置と通信するために通信装置90をサポートするように構成されている。また、図9に示す通信装置90は、通信装置90のプログラムコード及びデータを記憶するように構成された記憶モジュールをさらに含む。
処理モジュールはプロセッサ又はコントローラであり得る。処理ユニットは、本願で開示した内容を参照して説明された様々な例示の論理ブロック、モジュール及び回路を実施又は実行し得る。あるいは、プロセッサは、計算機能を実施するプロセッサの組み合わせ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ又はDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであり得る。通信モジュールは、トランシーバ回路、通信インターフェイス等であり得る。記憶モジュールはメモリであり得る。処理モジュールがプロセッサであり、通信モジュールが通信インターフェイスであり、記憶モジュールがメモリの場合、図9に示す通信装置90は、図3に示す通信装置であり得る。
図10は、本願の一実施形態に係るビーム選択システムの概略構造図である。図10に示すように、システムは端末100及びアクセスネットワーク装置を含んでもよい。
端末100の機能は、図9に示す通信装置90の機能と同じである。例えば、端末100は、端末とアクセスネットワーク装置との間で送信される低周波チャネルの第1の角度パワースペクトルを特定し、第1の角度パワースペクトルに基づいて第1の高周波ビーム走査範囲を決定し、アクセスネットワーク装置によって送信される高周波ビームについて、第1の高周波ビーム走査範囲を走査するように構成され得る。
具体的には、本願の実施形態で提供される通信システムは、図3~図6に対応する方法の実施形態を行い得る。実施原理及びその技術的効果は同様であり、詳細については再度説明しない。
実施に関する前述の説明は、便宜上及び簡潔な説明のために、前述の機能モジュールのみへの分割が説明のための一例として用いられることを当業者が明確に理解することを可能にする。実際の適用の間、実施のために前述の機能を必要に応じて異なる機能モジュールに割り当てることができる。すなわち、上述した機能の全て又は一部を実施するために、装置の内部構造が異なる機能モジュールに分割される。
本願に提供されるいくつかの実施形態では、開示した装置及び方法は他の方法で実施され得ることを理解すべきである。例えば、説明した装置の実施形態は一例にすぎない。例えば、モジュール又はユニットへの分割は論理的な機能の分割にすぎない。実際の実施では別の分割方法があり得る。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが組み合わされ得るか又は別の装置に統合され得るか又は一部の特徴は無視されるか若しくは実施されなくてもよい。加えて、表示又は説明した相互連結又は直接連結又は通信接続は、いくつかのインターフェイスを用いることによって実施され得る。装置又はユニット間の間接的な連結又は通信接続は、電気的、機械的又は別の形態で実施され得る。
別個のコンポーネントとして説明したユニットは、物理的に分離されていても、されてなくてもよく、ユニットとして表示されるコンポーネントは1つ以上の物理的ユニットであってもよい。すなわち、1つの場所に位置していてもいいし、複数の異なる場所に分散されていてもよい。ユニットの一部又は全ては、実施形態における解決策の目的を実現するために実際の要件に基づいて選択され得る。
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか又はユニットのそれぞれは物理的に単独で存在し得るか又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合され得る。統合されたユニットはハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能ユニットの形態で実施され得る。
統合されたユニットがソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売又は用いられる場合、統合されたユニットは読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。このような理解に基づいて、本願の実施形態の技術的解決策は本質的に又は従来技術に寄与する部分又は技術的解決策の全て若しくは一部はソフトウェア製品の形態で実施され得る。ソフトウェア製品が記憶媒体に記憶され、(シングルチップマイクロコンピュータ、チップ等であり得る)装置又はプロセッサ(processor)に、本願の実施形態で説明した方法のステップの全部又は一部を行う指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な任意の媒体を含む。
前述の説明は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を限定することを意図していない。本願で開示した技術的範囲内の変更又は置き換えは本願の保護範囲内にあるものとする。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。