本明細書および図面は、送達システムおよび方法の複数の実施形態の文脈において本開示の態様および特徴を提供する。送達システムおよび方法は好ましくは、人体の中での医療デバイスの植え込み中の精度および使いやすさを改善するために使用される。現在の医療デバイス植え込みは、最小限の侵襲性の処置を使用して実施されることが多いが、これには典型的には、患者の血管系を通って処置の場所まで進められる可撓性の細長いカテーテルが伴う。処置の場所には直接の目視線がないため、臨床医は、蛍光透視法または他の撮像に頼る必要があり、これは困難な場合がある。さらに、臨床医は、治療処置中に、送達システムハンドル上のボタンおよびノブを操作する必要があることが多く、このことは、臨床医をさらに悩ませる場合がある。したがって、センサ、モータおよび/または人工知能を利用する改善された送達システムは、品質および結果の整合性を大いに高める可能性を有する。
本明細書に記載される送達システムおよび方法の実施形態は、患者の正常な心臓弁の置換えのため、または心臓弁の修復のためなど、患者の血管系において使用するように構成されている。これらの実施形態は、患者の大動脈弁、三尖弁、僧帽弁または肺動脈弁などの特有の弁の置換えまたは修復に関連して考察され得る。しかしながら、本明細書で考察される特徴および概念は、心臓弁インプラント以外のデバイスに適用され得ることを理解されたい。例えば、送達システムおよび方法は、動脈、静脈内または他の体腔内または他の場所内など、体内の他の場所で使用するために、例えば他のタイプの拡張式プロテーゼなどの医療用インプラントに適用することができる。加えて、弁、送達システムおよび方法などの特有の特徴は、限定として捉えるべきではなく、本明細書で考察される任意の一実施形態の特徴は、要望通りに、かつ適切な場合に、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。本明細書に記載される特定の実施形態は、経大腿動脈/経中隔的送達アプローチに関連して記載されているが、本明細書に開示される実施形態はまた、経心尖、経右房または経頸静脈アプローチなどの、他の送達アプローチにも十分適している。さらに、特定の実施形態に関連して記載される特徴は、異なる送達アプローチに関連して記載したものを含め、他の実施形態と合体される場合がある。
図1は、本開示の一実施形態による送達システム10の一実施形態を示す。送達システム10は、患者の体内の特定の場所に、プロテーゼ置換心臓弁などのインプラントを展開するために使用される。いくつかの実施形態において、送達システム10は、患者の血管を通るナビゲーションを支援するため、およびインプラントの送達中の精度を高めるために、偏向の複数の平面(例えば2つの平面)を提供してもよい。置換心臓弁は、患者の僧帽(または三尖)弁の環帯または他の心臓弁の場所(例えば大動脈弁または肺動脈弁)に、種々のやり方で、例えば開腹手術、最小限の侵襲性の手術および経皮または患者の血管系を通る経カテーテル送達などによって送達されてよい。送達システム10は、経皮送達アプローチに関連して、より具体的には経大腿動脈送達アプローチに関連して特定の実施形態において記載され得るが、送達システム10の特徴は、経心先端、経右房または経頸静脈送達アプローチ用の送達システムを含む、他の送達システムに適用され得ることを理解されたい。
送達システム10は、この明細書の他の場所で記載され得る置換心臓弁などのインプラントを体内で展開するのに使用されてよい。送達システム10は、図3Aに示される、インプラント70、すなわちプロテーゼの第1の端部301および第2の端部303などのインプラントの一部を受け入れる、および/またはカバーしてよい。例えば、送達システム10は、拡張式インプラント70を送達するのに使用されてよく、インプラント70は、第1の端部301と、第2の端部303とを含み、この場合、第2の端部303は、第1の端部301より前に展開または拡張されるように構成される。
図2Aは、送達システム10の一部に、具体的にはインプラント保持領域16に挿入され得るインプラント70の一例をさらに示す。図2Aにおいて、理解しやすくするために、インプラントは、図示されるむき出しの金属フレームのみで示される。インプラント70、すなわちプロテーゼは、任意の数の異なる形態をとることができる。インプラント用のフレームの一例が図3Aに示されるが、他のフレーム構成が他の実施形態で利用されてもよい。インプラント70は、アンカー、例えば遠位(または心室)アンカー80(図3Aに印がつけられる)の1つまたは複数のセットを含んでよく、これらは、インプラントの遠位端部分に結合され、インプラントフレームが拡張構成にあるとき、概ね近位方向に延在する。インプラントが僧帽弁または三尖弁置換えに使用されるとき、遠位アンカーは、アンカーとインプラントの管状本体との間で生来の弁を捕らえるように成形されてよい。インプラントはまた、環帯の心房側に配置するための近位(または心房)アンカー82を含んでよく、これにより安定性をさらに高める。心房アンカーは、インプラントフレームが拡張構成にあるとき、半径方向および/または遠位方向に延在してよい。インプラントは、心房端に支柱72をさらに含んでよく、これらは、第1の端部301(図3Aに印がつけられる)上にタブ74を含んでよい。タブは、送達システムの遠位端に沿って、スロットまたはくぼみなどの対応する保持領域に配置するためにサイズが決められた、マッシュルーム形状などの拡大された先端を提供し、これにより、送達システムへのインプラントの安定した結合を保証してよい。
いくつかの実施形態において、送達システム10は、図3Bに示されるなど、置換大動脈弁と併せて使用されてよい。いくつかの実施形態において、送達システム10は、置換大動脈弁を支持し送達するように修正される場合がある。しかしながら以下で考察する処置および構造は、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁または大動脈弁ならび人体の中の静脈弁などの他の弁の機能に置き換わるように同様に使用することができる。開示される実施形態の原理、処置および構造は、他のインプラントにも十分に適用可能であり、これらは、他の医療処置(心臓弁に関係のない)に使用されてもよい。
図1を再び参照すると、送達システム10は、患者の体内の特定の場所にインプラントを送達するように構成されてよい。送達システム10は、シャフト組立体を備えてよく、インプラントを保持するように構成される細長いシャフト12を含んでよい。細長いシャフト12は、近位端11および遠位端13を含んでよく、この場合、ハンドル14の形態のハウジングが細長いシャフト12の近位端に結合される。細長いシャフト12は、血管系を介して治療場所にインプラントを進めるためにインプラントを保持するのに使用されてよい。細長いシャフト12は、シャフト12の内部部分の望ましくない動きを低減し得る、シャフト12の内部部分を取り囲む比較的剛性の継続型(または一体式)シース51をさらに備えてよい。継続型シース51は、ハンドル14の近位のシャフト12の近位端において、例えばシースハブにおいて装着することができる。
図2Aおよび図2Bを参照すると、細長いシャフト12は、この目的のために使用することができるその遠位端に、インプラント保持領域16(図2A~図2Bに示され、図2Aは、インプラント70を示しており、図2Bは、インプラント70が除去されている)を含んでよい。いくつかの実施形態において、細長いシャフト12は、体内でインプラント70を進めるために、インプラント保持領域16において圧縮された状態で拡張式インプラントを保持することができる。シャフト12はその後、治療場所でインプラント70の制御された拡張を可能にするのに使用されてよい。いくつかの実施形態において、シャフト12は、以下でより詳細に考察するように、インプラント70の連続する制御された拡張を可能にするのに使用されてよい。インプラント保持領域16は、図2A~図2Bに、送達システム10の遠位端で示されているが、他の位置にある場合もある。いくつかの実施形態において、インプラント70は、例えば本明細書で考察される内側シャフト組立体18の回転を通してインプラント保持領域16内で回転されてもよい。
図2A~図2Bの断面図に示されるように、送達システム10の遠位端は、以下でより詳細に記載されるような外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、レール組立体20、内側シャフト組立体18およびノーズコーン組立体31などの1つまたは複数の組立体を含むことができる。いくつかの実施形態において、送達システム10は、本明細書に開示される組立体を全く持たない場合もある。例えば、いくつかの実施形態において、完全な中間シャフト組立体が送達システム10に組み込まれない場合がある。いくつかの実施形態では、組立体は、考察されるものとは異なる半径方向の順番である場合もある。
開示される送達システム10の実施形態は、細長いシャフト12の遠位端を操縦する/偏向させるためにレール組立体20内の内側操縦式レールを利用してよく、これによりインプラントをより容易に、かつより正確に患者の体内に位置決めすることを可能にする。以下でより詳細に考察するように、操縦式レールは、例えば、ハンドル14から細長いシャフト12の概ね遠位端まで細長いシャフト12の中を通って延在するレールシャフトであり得る。いくつかの実施形態において、操縦式レールは、インプラント保持領域16の近位で終わる遠位端を有する。ユーザはレールの遠位端の屈曲作用を操作することができ、これによりレールを所望の方向に屈曲させることができる。好ましい実施形態では、レールは、その長さに沿って2つ以上の屈曲部を有し、これにより偏向の複数の面を提供する。レールは好ましくは、細長いシャフト12を少なくとも2つの平面内で偏向させる。レールが屈曲するとき、それが他の組立体に当たって押圧することで他の組立体も同様に屈曲させ、これにより、細長いシャフト12の他の組立体は、対応する単一のユニットとしてレールと共に進むように構成され、よって細長いシャフト12の遠位端に沿った十分な操縦性を提供することができる。
レールが、患者の体内の所望の場所へと操縦されると、インプラント70を、レールに対する他のシース/シャフトの移動を介してレールに沿って、またはレールに対して進めることができ、体内へと解放することができる。例えば、インプラント70を生来の僧帽弁または植え込みのための他の弁(例えば大動脈、三尖弁、肺動脈など)に向けて誘導するためなど、レールは、体内の所望の位置へと屈曲させることができる。他の組立体(例えば、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)は、レールの屈曲部に受動的に従うことができる。さらに、インプラント70を(例えばインプラント保持領域16内で)解放または拡張することなく、圧縮位置にインプラント70を維持しながら、他の組立体(例えば、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)をレールに対して一緒に(例えば、相対的に一緒に、連続して、同時に、ほとんど同時に、一度に、厳密に一度に)進めることができる。他の組立体(例えば、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)は、レールに対して遠位方向または近位方向に進めることができる。いくつかの実施形態において、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21および内側組立体18のみがレールの上で一緒に進められる。よってノーズコーン組立体31は、同じ位置に留まっていてもよい。インプラント70をインプラント保持領域16から解放するために、組立体を内側組立体18に対して、個別に、連続して、または同時に並進させることができる。
図2Cは、シース組立体、具体的にはレール組立体20に沿って一緒に遠位方向に並進されている外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側シャフト組立体18およびノーズコーン組立体31を示す。いくつかの実施形態において、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側シャフト組立体18およびノーズコーン組立体31は、一緒に(例えば、相対的に一緒に、1つのアクチュエータで順番に、同時に、ほとんど同時に、一度に、厳密に一度に)並進する。この遠位の並進は、インプラント70がインプラント保持領域16内で圧縮構成で留まる間に生じてよい。
図2A~図2Cに示され、および図4~図8にさらに示されるように、最も外側の組立体で始まって、送達システムは、インプラント保持領域16を取り囲み、インプラントが半径方向に拡張するのを阻止するために、半径方向外側のカバー、またはシースを形成する外側シース組立体22を含んでよい。具体的には、外側シース組立体22は、インプラントの遠位端の半径方向の拡張が半径方向に拡張するのを阻止してよい。半径方向内側に移動し、かつ図5を参照すると、中間シャフト組立体21は、その遠位端が、インプラント70の近位端などのインプラントの一部を圧縮構成で半径方向に保持するための外側保持部材42または外側保持リングに装着された中間シャフトハイポチューブ43で構成されてよい。中間シャフト組立体21は、外側シース組立体22の内腔内に配置されてよい。さらに内側に移動し、かつ図6Aを参照すると、レール組立体20は、上記に挙げたように、および以下でさらに記載されるように操縦性のために構成されてよい。レール組立体20は、中間シャフト組立体21の内腔内に配置されてよい。さらに内側に移動し、かつ図7を参照すると、内側シャフト組立体18は、その遠位端が、プロテーゼ、例えばプロテーゼの近位端を軸方向に維持するための内側保持部材または内側保持リング40(PEEKリングなど)に装着された内側シャフトで構成されてよい。内側シャフト組立体18は、レール組立体20の内腔内に配置されてよい。さらに、および図8を参照すると、最も半径方向内側の組立体は、ノーズコーン28に接続されたその遠位端を有するノーズコーンシャフト27を含むノーズコーン組立体31であってよい。ノーズコーン28は、先細になった先端を有することができる。ノーズコーン組立体31は好ましくは、内側シャフト組立体18の内腔内に配置されてよい。ノーズコーン組立体31は、その中を通過するためのガイドワイヤのための内腔を含んでよい。
細長いシャフト12およびその組立体、より具体的にはノーズコーン組立体31、内側組立体18、レール組立体20、中間シャフト組立体21および外側シース組立体22は、インプラント保持領域16(図2Aに示される)内に位置決めされたインプラント70を治療場所に送達するように一括して構成され得る。組立体のうちの1つまたは複数はその後、インプラント70が治療場所で解放されることを可能にするために移動されてよい。例えば、組立体のうちの1つまたは複数は、他の組立体のうちの1つまたは複数に対して可動であってよい。ハンドル14は、1つまたは複数のモータまたは他の構成要素を含んでよく、これらは、種々の組立体を作動させるのに使用されてよい。インプラント70は、送達システム10上に制御可能に装填されて、その後体内で展開されてよい。さらに、ハンドル14は、レール組立体20に対して操縦を提供し、細長いシャフト12の遠位端の屈曲/曲げ/操縦を可能にすることができる。
図2A~図2Cを参照すると、内側保持部材40、外側保持部材42および外側シース組立体22は、インプラント70をコンパクトな構成で保持するために協働することができる。図2Aでは、内側保持部材40は、インプラント70の近位端301において支柱72(図3Aで印がつけられる)に係合して示される。例えば内側保持部材40上の半径方向に延在する歯の間に位置するスロットは、インプラント70の近位端上のマッシュルーム形状のタブ(図3Aで印がつけられる)で終わってよい支柱72を受け入れ、それと係合することができる。中間シャフト組立体21は、内側保持部材40の上に位置決めすることができるため、インプラント70の第1の端部301(図3Aに印がつけられる)は、内側保持部材40と外側保持部材42との間に捕捉され、これによりそれを中間シャフト組立体21と内側保持部材40との間で送達システム10にしっかりと装着する。外側シース組立体22は、インプラント70の第2の端部303(図3Aに印がつけられる)を覆うように位置決めすることができる。
外側保持部材42は、近位端において近位管44に装着され得る中間シャフトハイポチューブ43(図5に印がつけられる)の遠位端に装着されてよく、近位管は近位端においてハンドル14に装着することができる。外側保持部材42は、圧縮位置にあるとき、インプラント70にさらなる安定性を提供することができる。インプラント70の近位端がそれらの間に捕捉され、送達システム10にしっかりとそれを装着するように、外側保持部材42を内側保持部材40の上に位置決めすることができる。外側保持部材42は、インプラント70の一部、好ましくは第1の端部301を取り巻くことができ、よってインプラント70が完全に拡張するのを阻止することができる。さらに、中間シャフト組立体21は、外側シース組立体22の中へと、内側組立体18に対して近位方向に並進させることができ、したがって外側保持部材42内で保持されるインプラント70の第1の端部301を露出させることができる。この方法において、外側保持部材42は、インプラント70を固定するのを助ける、または送達システム10からそれを解放するのを助けるのに使用することができる。外側保持部材42は、円筒形または細長い管形状を有してよく、外側保持リングと呼ばれる場合もあるが、特定の形状に限定されない。
図2Aに示されるように、遠位アンカー80(図3Aに印がつけられる)は、インプラントが送達のために圧縮されるとき、概ね遠位方向(図示されるように、インプラントフレームの本体から軸方向に離れて、かつ送達システムのハンドルから離れて)に延在する。遠位アンカー80は、外側シース組立体22によってこの送達構成に抑制することができる。したがって、外側シース22が、近位方向に引き抜かれるとき、遠位アンカー80は、展開構成(例えば概ね近位方向を指す)に位置を反転する(例えば、おおよそ180度屈曲する)ことができる。遠位アンカーの反転は、外部の力がないときにアンカーを反転させる付勢または形状記憶プリセットのために生じる。図2Aはまた、外側シース組立体22内でその送達構成で遠位方向に延在する近位アンカー(図3Aの82を参照)も示す。他の実施形態では、遠位アンカー80は、送達構成にある間、概ね近位方向に延在し、インプラントフレームの本体に対して圧縮され、これにより展開中に反転する必要性をなくす場合もある。
送達システム10は、インプラント70が予め導入された状態でユーザに提供されてよい。他の実施形態において、インプラント70は、使用のすぐ前に、医師または看護師などによって、送達システム10に装填される場合もある。
図4~図8は、異なる組立体が近位方向に並進され、詳細に記載される送達システム10のさらなる図を示す。
図4に示される最も外側の組立体で始めて、外側シース組立体22は、その近位端においてハンドル14に直接装着された外側近位シャフト102と、その遠位端において装着された外側ハイポチューブ104とを含むことができる。カプセル106をその後、外側ハイポチューブ104の概ね遠位端において装着することができる。いくつかの実施形態において、カプセル106は、28フレンチ以下のサイズであり得る。外側シース組立体22のこれらの構成要素は、他の副次的組立体が通過するための内腔を形成することができる。
カプセル106は、外側近位シャフト102の遠位端に配置することができる。カプセル106は、プラスチックまたは金属材料で形成された管であり得る。いくつかの実施形態において、カプセル106は、ePTFEまたはPTFEで形成される。いくつかの実施形態において、このカプセル106は、引き裂きを防ぎ、自動拡張式インプラントをコンパクトな構成で維持するのを助けるために比較的厚みがある。いくつかの実施形態において、カプセル106の材料は、外側ハイポチューブ104上のコーティングと同じ材料である。示されるように、カプセル106は、外側ハイポチューブ104より大きな直径を有することができるが、一部の実施形態では、カプセル106は、ハイポチューブ104と同様の直径を有する場合がある。いくつかの実施形態において、カプセル106は、より大きな直径の遠位部分、およびより小さい直径の近位部分を含む場合がある。いくつかの実施形態において、2つの部分の間に段差またはテーパが存在する場合がある。カプセル106は、インプラント70をカプセル106内で圧縮位置に保持するように構成され得る。カプセル106のさらなる構造の詳細が以下で考察される。
外側シース組立体22は、他の組立体に対して個別に摺動可能であるように構成される。さらに、外側シース組立体22は、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31と一緒にレール組立体20に対して遠位方向および近位方向に摺動することができる。
半径方向内側に移動すると、次の組立体は、中間シャフト組立体21である。図5は、図4と同様の図であるが、外側シース組立体22が除去され、これにより中間シャフト組立体21を露出している。
中間シャフト組立体21は、その近位端において中間シャフト近位管44に概ね装着される中間シャフトハイポチューブ43であって、中間シャフト近位管44は、その近位端においてハンドル14に装着することができる、中間シャフトハイポチューブ43と、中間シャフトハイポチューブ43の遠位端に配置された外側保持リング42とを含むことができる。よって、外側保持リング42は、概ね中間シャフトハイポチューブ43の遠位端において装着することができる。中間シャフト組立体21のこれらの構成要素は、他の副次的組立体が通過するための内腔を形成することができる。
外側保持部材42は、図2Aに関して考察したように、インプラント70と係合するのに使用することができるプロテーゼ保持機構として構成することができる。例えば、外側保持部材42は、インプラント70上の支柱72(図3Aで印がつけられる)を半径方向に覆うように構成されたリングまたはカバーであってよい。外側保持部材42はまた、インプラント保持領域16の一部と見なすことができ、インプラント保持領域16の近位端にあってもよい。インプラント70の支柱または他の部品が内側保持部材40と係合した状態で、外側保持部材42が、インプラント70と内側保持部材40の両方を覆うことで、インプラント70を送達システム10上に固定することができる。よって、インプラント70を内側シャフト組立体18の内側保持部材40と中間シャフト組立体21の外側保持部材42との間に挟むことができる。
中間シャフト組立体21は、他の組立体に対して個別に摺動可能であるように配置される。さらに、中間シャフト組立体21は、外側シース組立体22、中間内側組立体18およびノーズコーン組立体31と一緒にレール組立体20に対して遠位方向および近位方向に摺動することができる。
次に、中間シャフト組立体21の半径方向内側は、レール組立体20である。図6Aは、おおよそ図5と同じ図を示すが、中間シャフト組立体21が除去され、これによりレール組立体20が露出している。図6Bは、引っ張りワイヤを見るためにレール組立体20の断面図をさらに示す。レール組立体20は、その近位端でハンドル14に対して概ね装着されるレールシャフト132(またはレール)を含むことができる。レールシャフト132は、近位端においてハンドルに直接装着されたレール近位シャフト134と、レール近位シャフト134の遠位端に装着されたレールハイポチューブ136とで構成されてよい。レールハイポチューブ136は、その遠位端において非外傷性のレール先端をさらに含んでよい。さらに、レールハイポチューブ136の遠位端は、図6Aに示されるように内側保持部材40の近位端に当接することができる。いくつかの実施形態において、レールハイポチューブ136の遠位端は、内側保持部材40から離れて離間される場合がある。レールシャフト組立体20のこれらの構成要素は、他の副次的が通過するための内腔を形成することができる。
図6Bに示されるように、レールハイポチューブ136の内側表面には、レールハイポチューブ136に力を加え、レール組立体20を操縦するのに使用することができる1つまたは複数の引っ張りワイヤが装着される。引っ張りワイヤは、ハンドル14からレールハイポチューブ136まで遠位方向に延在することができる。いくつかの実施形態において、引っ張りワイヤは、レールハイポチューブ136上の異なる長手方向の場所に装着することができ、これによりレールハイポチューブ136内に複数の屈曲場所を提供し、多次元の操縦を可能にすることができる。レールハイポチューブ136は、少なくとも2つの平面内での細長いシャフト12の偏向を可能にし得る。
いくつかの実施形態において、遠位引っ張りワイヤ138が、レールハイポチューブ136の遠位区域まで延在することができ、2本の近位引っ張りワイヤ140は、レールハイポチューブ136の近位区域まで延在することができるが、それ以外の数の引っ張りワイヤが使用される場合もあり、特定の数の引っ張りワイヤは限定ではない。例えば、2本の引っ張りワイヤが遠位の場所まで延在する場合があり、単一の引っ張りワイヤが近位の場所まで延在する場合もある。いくつかの実施形態において、レールハイポチューブ136の内側に装着されたリング状構造は、引っ張りワイヤコネクタとして知られており、例えば近位リング137および遠位リング135など、引っ張りワイヤのための装着場所として使用することができる。いくつかの実施形態において、レール組立体20は、遠位引っ張りワイヤコネクタを遠位リング135の形態で含み、近位引っ張りワイヤコネクタを近位リング137の形態で含む場合がある。いくつかの実施形態において、引っ張りワイヤは、レールハイポチューブ136の内側表面に直接接続される場合がある。
遠位引っ張りワイヤ138は、(そのままで、または遠位リング135などのコネクタを介してのいずれかで)概ねレールハイポチューブ136の遠位端において接続することができる。近位引っ張りワイヤ140は、(そのままで、または近位リング137などのコネクタを介してのいずれかで)近位端からレールハイポチューブ136までの長さのおおよそ1/4、1/3または1/2の場所において接続することができる。いくつかの実施形態において、遠位引っ張りワイヤ138は、レールハイポチューブ136の内側に装着された小さい直径の引っ張りワイヤ内腔139(例えば、管、ハイポチューブ、シリンダ)を通過することができる。これは、ワイヤ138が、遠位接続部に対して近位の場所においてレールハイポチューブ136を引っ張るのを阻止することができる。さらに、内腔139は、レールハイポチューブ136の近位部分を強化し、望ましくない屈曲を阻止するために圧縮コイルとして作用することができる。したがって、いくつかの実施形態において、内腔139は、レールハイポチューブ136の近位の半分の部分のみに配置される。いくつかの実施形態において、長手方向に離間された、または長手方向に隣接する複数の内腔139が、遠位引っ張りワイヤ138ごとに使用される場合がある。いくつかの実施形態において、単一の内腔139が遠位引っ張りワイヤ138ごとに使用される。いくつかの実施形態において、内腔139は、レールハイポチューブ136の遠位の半分の中に延在することができる。いくつかの実施形態において、内腔139は、レールハイポチューブ136の外側表面に装着される。いくつかの実施形態において、内腔139は使用されない。
近位引っ張りワイヤ140の対に関して、両方向に操縦することを可能にするためにワイヤは互いからおおよそ180度離間され得る。同様に、遠位引っ張りワイヤ138の対が使用される場合、両方向に操縦することを可能にするためにワイヤは互いからおおよそ180度離間され得る。いくつかの実施形態において、遠位引っ張りワイヤ138の対および近位引っ張りワイヤ140の対は、互いからおおよそ90度離間される場合がある。いくつかの実施形態において、遠位引っ張りワイヤ138の対および近位引っ張りワイヤ140の対は、互いからおおよそ0度離間される場合がある。しかしながら引っ張りワイヤのための他の場所も同様に使用することができ、引っ張りワイヤの図示される場所は限定ではない。いくつかの実施形態において、遠位引っ張りワイヤ138は、レールハイポチューブ136の内腔内に装着された内腔139を通過することができる。これは、遠位引っ張りワイヤ138に対する軸方向の力がレールハイポチューブ136の近位区域内で屈曲部を形成するのを阻止することができる。
レール組立体20は、内側シャフト組立体18とノーズコーン組立体31の上を摺動可動であるように配置される。いくつかの実施形態において、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側シャフト組立体18およびノーズコーン組立体31は、レール組立体20の屈曲と共に、または屈曲なしで近位方向および遠位方向などに、レール組立体20に沿って、またはレール組立体20に対して一緒に摺動するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側シャフト組立体18およびノーズコーン組立体31は、それらがレール組立体20に沿って、またはレール組立体20に対して同時に摺動するとき、インプラント70を圧縮位置に保持するように構成されてよい。
半径方向内側に移動すると、次の組立体は内側シャフト組立体18である。図7は、図6Aとほとんど同じ図を示すが、レール組立体20が除去され、これにより内側シャフト組立体18を露出している。
内側シャフト組立体18は、その近位端においてハンドル14に概ね装着された内側シャフト122と、内側シャフト122の遠位端に位置する内側保持部材40とを含むことができる。内側シャフト122自体は、近位端においてハンドル14に直接装着された内側近位シャフト129と、内側近位シャフト129の遠位端に装着された遠位区域126とで構成され得る。よって、内側保持部材40は、概ね遠位区域126の遠位端に装着され得る。内側シャフト組立体18のこれらの構成要素は、他の副次的組立体が通過するための内腔を形成することができる。
内側保持部材40は、図2Aに関して考察したように、インプラント70と係合するのに使用することができるインプラント保持機構として構成されてよい。例えば、内側保持部材40は、リングであってよく、インプラント70上の支柱72(図3Aで印がつけられる)と係合するように構成された複数のスロットを含むことができる。内側保持部材40はまた、インプラント保持領域16の一部として構成される場合もあり、インプラント保持領域16の近位端にあってもよい。インプラント70の支柱または他の部分が内側保持部材40と係合した状態で、外側保持リング42が、インプラントと内側保持部材40の両方を覆うことで、プロテーゼを送達システム10上に固定することができる。よって、インプラント70を内側シャフト組立体18の内側保持部材40と中間シャフト組立体21の外側保持部材42との間に挟むことができる。
内側シャフト組立体18は、他の組立体に対して個別に摺動可能であるように配置される。さらに、内側シャフト組立体18は、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21およびノーズコーン組立体31と一緒にレール組立体20に対して遠位方向および近位方向に摺動することができる。
内側シャフト組立体18からさらに内側に移動すると、図8に見られるノーズコーン組立体31がある。ノーズコーン組立体は、ノーズコーンシャフト27を含んでよく、またいくつかの実施形態では、その遠位端上にノーズコーン28を有する場合がある。ノーズコーン28は、非外傷性の進入のため、および静脈血管系への損傷を最小限にするためにポリウレタンで作成されてよい。ノーズコーン28はまた、蛍光透視法の下で視認性を提供するために放射線不透過性であってよい。
ノーズコーンシャフト27は、ガイドワイヤを摺動可能に収容するようにサイズが決められ、そのように構成されることで、送達システム10を血管系を通ってガイドワイヤの上を進めることができる内腔を含んでよい。しかしながら、本明細書で考察されるシステム10の実施形態は、ガイドワイヤを使用しない場合があり、したがって特定の実施形態におけるノーズコーンシャフト27は中実である場合がある。ノーズコーンシャフト27は、ノーズコーン28からハンドルまで接続されてよい、または他の組立体などの異なる部分で形成されてもよい。さらに、ノーズコーンシャフト27は、上記に詳細に記載したものと同様にプラスチックまたは金属などの異なる材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態において、ノーズコーンシャフト27は、ノーズコーンシャフト27の一部に位置するガイドワイヤシールド1200を含む。
ノーズコーン組立体31は、他の組立体に対して個別に摺動可能に配置されてよい。さらに、ノーズコーン組立体31は、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21および内側組立体18と一緒にレール組立体20に対して近位方向および遠位方向に摺動してよい。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のスペーサスリーブ(図示せず)を送達システム10の異なる組立体の間で使用することができる。例えば、スペーサスリーブは、中間シャフト組立体とレール組立体20との間に、一般に中間シャフトハイポチューブ43とレールハイポチューブ136との間に同心に配置され得る。スペーサスリーブは、中間シャフト組立体21の内側表面上など、中間シャフト組立体21のハイポチューブ43内に概ね埋め込むことができる。いくつかの実施形態において、スペーサスリーブは、概ねレールハイポチューブ136の中で、レール組立体20と内側組立体18との間に同心に配置される場合がある。いくつかの実施形態において、スペーサスリーブは、外側シース組立体22と中間シャフト組立体21との間で使用される場合がある。いくつかの実施形態において、スペーサスリーブは、内側シャフト組立体18とノーズコーン組立体31との間で使用される場合がある。いくつかの実施形態において、上記に挙げたスペーサスリーブのうちの4つ、3つ、2つまたは1つが使用される場合がある。スペーサスリーブは、上記の位置のいずれかで使用することができる。
上記で考察したように、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびレール組立体20は、外側ハイポチューブ104、中間シャフトハイポチューブ、遠位区域126およびレールハイポチューブ136をそれぞれ収容してよい。これらのハイポチューブ/区域/シャフトの各々は、いくつかのスロットを含むようにレーザ切断され、これにより、送達システムがたどるための屈曲経路を形成することができる。
例えば図9は、レールハイポチューブ136の一実施形態(右に向かって遠位端)を示す。レールハイポチューブ136はまた、いくつかの円周方向スロットを含むことができる。レールハイポチューブ136は、いくつかの異なる区域に概ね分けることができる。最も近位の端部には、カットされない(またはスロットが付けられない)ハイポチューブ区域231がある。遠位方向に移動すると、次の区域は、近位のスロット付きハイポチューブ区域233である。この区域は、レールハイポチューブ136内に切り取られたいくつかの円周方向スロットを含む。一般に、2つのスロットが、円周のほぼ半分を形成する各々の円周方向の場所の周りで切り取られる。したがって、2つの背骨状の部分が、ハイポチューブ136の長さに完全に延在するスロットの間に形成される。これは、近位引っ張りワイヤ140によってガイドすることができる区域である。さらに遠位方向に移動すると、近位引っ張りワイヤ140が接続し、これによりスロットが回避され得る場所237である。この区域は、近位方向にスロットが付けられた区域のちょうど遠位である。
近位引っ張りワイヤ接続領域を遠位方向にたどると、遠位のスロット付きのハイポチューブ区域235がある。この区域は、近位のスロット付きのハイポチューブ区域233と同様であるが、同等の長さで切り取られた、著しく多いスロットを有する。よって、遠位方向にスロットが付けられた区域235は、近位方向にスロットが付けられたハイポチューブ区域233よりも容易な屈曲を提供する。いくつかの実施形態において、近位のスロット付きのハイポチューブ区域233は、1/2インチの半径でおおよそ90度の屈曲を受けるように構成することができ、その一方で、遠位のスロット付きの区域235は、1/2インチの範囲内でおおよそ180度で屈曲することができる。さらに、図9に示されるように、遠位方向にスロットが付けられたハイポチューブ区域235は、近位方向にスロットが付けられたハイポチューブ区域233の背骨状の部分からオフセットされている。したがって、2つの区域は、異なる屈曲パターンを達成し、レール組立体20の三次元の操縦を可能にすることになる。いくつかの実施形態において、背骨状の部分は、オフセット30度、45度または90度であり得るが、特定のオフセットは限定ではない。いくつかの実施形態において、近位方向にスロットが付けられたハイポチューブ区域233は、圧縮コイルを含むことができる。これは、近位方向にスロットが付けられたハイポチューブ区域233が、遠位方向にスロットが付けられた区域235の特有の屈曲のために剛性を保持するのを可能にする。
遠位のスロット付きのハイポチューブ区域235の最も遠位の端部には、これもまたレールハイポチューブ136のスロットがない区域である、遠位引っ張りワイヤ接続領域241がある。
図1を再び参照すると、細長いシャフト12およびハンドル14の形態のハウジングは、患者の体内の特定の場所にインプラント70を送達するように構成された送達装置を形成してよい。送達システム10は、送達装置の少なくとも一部を作動させるように構成された少なくとも1つのモータを含んでよい。送達装置の少なくとも一部の作動は、送達装置の一部(細長いシャフトを含む)の偏向または送達装置の他の移動を含んでよく、送達装置の動作の作動を含んでよい。動作には、送達装置の他の動作の中でも、身体のその場所へのインプラント70の展開(完全であっても、部分的であっても)が含まれてよい。モータは、図10に示されるようなモータ500を備えてよい、またはモータの他の形態の中でも、図41に示される複数のモータ502を備えてもよい(すなわち、少なくとも1つのモータを備えてよい)。
図1に示されるように、ハンドル14の形態のハウジングは、細長いシャフト12の近位端11において位置決めされてよい。細長いシャフト12の近位端11は、ハンドル14に結合されてよい。ハンドル14は、少なくとも1つのモータを制御するように構成された制御デバイス504を含んでよい。図1に示されるような制御デバイス504は、複数のボタンを含んでよいが、他の実施形態では、他の形態の制御デバイスが利用されてもよい。制御デバイス504は、図1に示されるようにハンドル14上に位置決めされてよい、または離れた場所に配置されてもよい。
図10は、送達装置の少なくとも一部を作動させるために利用され得るモータ500と、作動機構506とを含むハンドル14の断面図を示す。種々の実施形態において、モータおよび作動機構は、血管系を通って前進する間に引っ張りワイヤを作動させるように使用されてよい。モータおよび作動機構は、インプラントを治療箇所において展開し解放するためにシャフト/シースを作動させるのに使用されてよい。ハンドル14の本体は、遠位部分508および近位部分510を含む複数の部品を含んでよい。図10に示されるような遠位部分508は、作動機構506を保持するように構成されてよく、近位部分510はモータ500を保持するように構成されてよい。他の実施形態において、他の構成要素が、それぞれの遠位部分508および近位部分510内に位置決めされてもよく、特定の実施形態では、ハンドル14は、単一の本体を含む場合がある。図10に示される実施形態では、遠位部分508および近位部分510は、カプラー512、514(図13および図14で印がつけられる)を介して一緒に結合するように構成されてよく、特定の実施形態では互いから分離可能であってもよい。
作動機構506は、図10に示されるような形態をとってよく、複数の駆動ロッド518a~g(駆動ロッド518f~gが図12で印がつけられる)と係合するように構成された複数のアダプタ516a~gを含んでよい。各アダプタ516a~gは、複数の開口部を含むプレートまたは他の本体を備えてよい。図11は、アダプタ516aの前方平面図を示す。図11に示されるアダプタ516aは、開口部520a~gおよび522を含んでよい。開口部520a~gは各々、それぞれの駆動ロッド518a~gがその中を通過する(図12に表現されるように)ことを可能にするように構成されてよい。開口部520b~gは、滑らかな座面であるように各々構成されてよく、この座面は、それぞれの駆動ロッド518b~gに係合しない。しかしながら開口部520aは、駆動ロッド518aに係合するねじ込み面または他の表面を有して構成されてもよい。例えば、駆動ロッド518aは、ギアねじ切りを含んでよく、開口部520aは、ギアねじ切りに合致するねじ切りを含んでもよい。そのような構成は、駆動ロッド518aが、駆動ロッド518aが回転する方向に基づいてアダプタ516aを2方向(遠位および近位)に作動させることを可能にする。他の実施形態では他の形態の係合が利用されてもよい。
中央開口部522は、作動機構506の他の構成要素、組立体コネクタなどが、中央開口部を通過して、残りのそれぞれのアダプタ516a~gに結合することを可能にしてよい。
図12は、代表的な駆動ロッド518a~gが開口部520a~gを通って延在している状態のアダプタ516aの斜視図を示す。
他のアダプタ516b~gは、アダプタ516aと同様に構成されてよいが、各それぞれのアダプタ516b~gは、残りの開口部が滑らかな座面を備えた状態で、それぞれの駆動ロッド518b~gに係合するように構成された開口部を有してよい。例えば、アダプタ516bに関して、開口部520bと同等の開口部は、駆動ロッド518bに係合するように構成され、その一方で開口部520a、520c~gに対する残りの同等の開口部は、滑らかな座面を備えてよい。アダプタ516c~gは、それぞれの駆動ロッド518c~gに係合するように構成された同様のそれぞれの開口部を有する。この方法において、単一の駆動ロッド518a~gは、それぞれの専用のアダプタ516a~gを作動させるように構成されてよい。残りの駆動ロッドは、アダプタに係合せずに、残りのアダプタを通過してよい。
図10を再び参照すると、アダプタ516a~gは、ハンドル14を備えるハウジングの内部空洞の中で摺動するように構成されてよい。アダプタ516a~gの外側表面は、例えばハンドル14内の軌道上に位置決めされてよい、またはそうでなければハンドル14内で摺動または移動するように構成されてもよい。
駆動ロッド518a~gは、ハンドル14の内部に沿って長手方向に延在してよく、それぞれのアダプタ516a~gに係合するように構成されてよい。例えば、図10は、駆動ロッド518aによって係合されたアダプタ516a、および駆動ロッド518eによって係合されたアダプタ516gを示す(アダプタ516gは、駆動ロッド518eによって係合されるように構成された構成において、例えばアダプタ516gが駆動ロッド518gによって係合されている他の構成が利用されてもよい)。駆動ロッド518a~gの近位端は、モータ500に係合し、モータ500によって作動されるように構成されてよい。
アダプタ516a~gは、引っ張りワイヤ組立体138、140を含め、組立体(外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、レール組立体20、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)のそれぞれの部分に結合する組立体コネクタに結合されてよい。特定の実施形態において、アダプタ516a~gは、組立体の各々を備える特定の構成要素に結合してよく、例えばアダプタ516aは、特定の実施形態ではノーズコーンシャフト27に直接結合してもよい。組立体コネクタへのアダプタ516a~gの結合は、アダプタ516aが外側シース組立体22のための組立体コネクタ521に結合するようなものであってよい。アダプタ516bは、中間シャフト組立体21のための組立体コネクタ523に結合してよい。アダプタ516cは、レール組立体20のための組立体コネクタ524に結合してよい。アダプタ516dは、遠位引っ張りワイヤ138のための組立体コネクタに結合してよい、または遠位引っ張りワイヤ138に直接結合してもよい。アダプタ516eは、近位引っ張りワイヤ140のための組立体コネクタに結合してよい、または近位引っ張りワイヤ140に直接結合してもよい。アダプタ516fは、内側組立体18のための組立体コネクタ526に結合してよい。アダプタ516gは、ノーズコーン組立体31のための組立体コネクタ528に結合してよい。組立体コネクタ521、523、524、526、528は、互いの上に同心に延在するシースを備えてよい、またはロッド、ワイヤまたは他の形態のコネクタを備えてもよい。組立体コネクタ521、523、524、526、528は、それぞれのアダプタ516a~gの中央開口部(例えば図11に示される開口部522)を通過するように構成されてよい。
組立体コネクタ521、523、524、526、528は、それぞれの組立体を作動させるために、それぞれのアダプタ516a、b、c、f、gに結合された近位部分と、それぞれの組立体の一部に結合された遠位部分とを有してよい。例えば、組立体コネクタ521は、組立体コネクタ521の移動が外側カバー、すなわち外側シース組立体22のシースを移動させてカプセル106内のインプラント70を露出させるように外側シース組立体22に結合してよい。組立体コネクタ523は、組立体コネクタ523の移動が外側保持部材42を移動させるように中間シャフト組立体21に結合してよい。組立体コネクタ524は、組立体コネクタ524の移動がレール組立体20を移動させるようにレール組立体20に結合してよい。アダプタ516dおよび516eの移動は、それぞれの引っ張りワイヤ138、140を移動させてよい。組立体コネクタ526は、組立体コネクタ526の移動が内側保持部材40を移動させるように内側組立体18に結合してよい。組立体コネクタ528は、組立体コネクタ528の移動が、ノーズコーン28を移動させるようにノーズコーン組立体31に結合してよい。それぞれの駆動ロッド518a~gは、それぞれのアダプタ516a~g、およびこれに従って組立体(外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、レール組立体20、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)のそれぞれの部分を選択的に移動させるようにモータ500によって作動されてよい。
組立体(外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、レール組立体20、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)の動きは、所望の移動(例えば偏向)または動作(例えばインプラントの展開)を生み出すための、引っ張りワイヤ138、140を含み得る、それぞれの組立体の並進であってよい。例えば、モータ500は、レール組立体20のレールシャフトを内側組立体18の内側シースおよび外側シース組立体22の外側シースに対して並進させるように構成されてよい。モータ500は、特定の実施形態において、外側シース組立体22の外側シースを内側組立体18の内側シースに対して並進させるように構成されてよい。モータ500は、所望の結果を生み出すために、組立体のいずれかを互いに対して並進させるように構成されてよい。モータ500は、例えば引っ張りワイヤ138、140を作動させることによってレール組立体20を操縦するように構成されてよい。他の移動は、細長いシャフト12の深さを作動させること、および例えばインプラント70の完全なまたは部分的展開など、細長いシャフト12の動作を作動させることを含んでよい。
他の実施形態において、モータ500による送達装置の作動は、図10に示されるのとは異なるやり方で生じる場合がある。一実施形態において、作動機構506の構成は、図10に示される構成と異なる場合がある。
送達システム10は、モータ500の動作を制御し、これにより送達装置の一部の作動を制御するように構成されたコントローラ530を含んでよい。図10に示されるようなコントローラ530は、入力デバイスおよび出力デバイス(アイテム532として印がつけられる)を含んでよい。コントローラ530は、メモリ534と、プロセッサ536とを含んでよい。コントローラは、電源538を含んでよい。
入力デバイスおよび出力デバイス532は、電気信号を伝達するように構成された電気ポートまたは電気端子を含む、複数の構成を有してよい。入力デバイスは、モータ500から、ならびに送達システム10上に位置決めされたセンサから信号を受信するように構成されてよい。出力デバイスは、プロセッサ536またはシステム10の他の構成要素から受信し得る信号をモータ500またはシステム10の他の構成要素に伝達するように構成されてよい。特定の実施形態において、入力デバイスおよび出力デバイス532は、Wi-Fiまたはブルートゥースデバイスまたは無線通信用に構成された他のデバイスなどの無線伝送デバイスを備えてよい。コントローラ530が送達装置から離れた場所に位置決めされる一実施形態において、入力デバイスおよび出力デバイス532は、インターネットまたは他の形態の通信媒体を介して情報を送受信するように構成されてもよい。他の実施形態において、他の形態の入力デバイスおよび出力デバイスが利用されてもよい。
メモリ534は、プロセッサ536による動作のためのプログラム、ならびにコントローラ530に記憶されるように望まれる他のデータを記憶するように構成されてよい。メモリ534は、例えば患者に関する、および処置中のモータ500および送達装置の動作に関するデータを記憶およびログ記録し、これによりシステムが過去の事象から学習することを可能にするように構成されてよい。学習の態様は、過去に肯定的な結果を生んだ処置を識別することが可能なアルゴリズムに基づいてよく、これによりシステムが処置を継続的に改良して成功の結果の確率を高める。好ましくは、データは、異なる患者、異なる臨床医および/または異なる病院からプールすることができる。データの編集は、将来の処置における精度を高め結果を改善するのに使用することができる。これは、例えば、新たな患者の特徴を、過去に治療した患者と比較することによって達成することができる。同様の解剖学的構造および/または患者の性別、年齢および健康などの他のパラメータを有する過去の患者に対する処置からのデータがとりわけ有益である。臨床医のスキルレベルおよび経験量および/または病院で利用可能な設備などの他のパラメータがアルゴリズムに組み込まれる場合もある。データは、過去の植え込み処置から、または患者の特徴からのデータを利用する機械学習アルゴリズムで使用されてよい。
メモリ534は、ハードディスク、ソリッドステートメモリ、種々の形態のRAMまたはROM、あるいは他の形態のメモリを含む、種々の形態のメモリを備えてよい。一実施形態においてメモリ534は、記憶および/またはデータ分析のためにコントローラ530から取り外し可能であるように構成されてよい。別個のメモリ534が、コントローラ530にインストールされてもよい、または特定の動作に関して、要望通りにコントローラ530内に交換される、またはコントローラ530から交換されてもよい。
プロセッサ536は、本明細書に開示されるプロセスを実行するように構成されてよく、例えばシステム10の構成要素、例えばモータ500に信号を提供して所望のプロセスを実行するように構成されてよい。プロセッサ536は、モータ500または少なくとも1つのモータ500を稼働させて、送達装置の少なくとも一部を作動させるように構成されてよい。プロセッサ536は、少なくとも1つのモータ500を稼働させて送達装置の少なくとも一部を移動させる(例えば細長いシャフト12の深さを偏向させる、または制御する)、または送達装置の動作を実行するように構成されてよく、動作は、インプラント70を送達装置から展開することを含んでよい。プロセッサ536は、メモリ534に記憶されたプロセスを実施するように構成されてよい。プロセッサ536は、制御デバイス(例えば制御デバイス504)またはシステム10のセンサなど、システム10の構成要素から信号を受信するように構成されてよい。プロセッサ536は、そのような信号に基づいて処理し、動作を実行するように構成されてよい。プロセッサ536は、マイクロプロセッサ、または要望通りに他の形態のプロセッサを備えてよい。一実施形態においてプロセッサ536は、複数のプロセッサを備えてもよく、一実施形態ではクラウドコンピューティング環境などに分散されてもよい。
電源538は、コントローラ530の構成要素に電力を提供するように構成されてよい、モータ500またはシステム10の他の構成要素に電力を提供するように構成されてもよい。電源538は、特定の実施形態による1つまたは複数のバッテリを備えてよく、これらは、コントローラ530または要望通りにシステム10の他の構成要素から再充電可能であり、脱着可能であってよい。一実施形態において、電源538は、ACプラグなどの電源プラグを備えてよく、AC電力をシステム10によって使用可能な電力に変換するための電力レギュレータを含んでよい。他の形態の電源538(例えば中でもスーパーキャパシタ、太陽電池)が、要望通りに他の実施形態で使用される場合もある。
コントローラ530の構成要素は、図10に示されるように一緒に位置決めされてよい、または要望通りに分散されてもよい。コントローラ530の構成要素は、別個のハウジングまたは制御ボックス内に位置決めされてよく、ケーブルなどを使用して送達装置に結合されてよい。図10は、コントローラ530の送達装置へのケーブルによる接続を示している。他の実施形態において、コントローラ530の1つまたは複数の構成要素と送達装置との間で無線通信が可能であってもよい。他の実施形態において、コントローラ530の構成要素は、例えば、図41に示される構成で、送達装置のハウジング内に位置決めされてもよい。
電力および信号コネクタ540が、コントローラ530と送達装置との間に延在してよい。例えば信号コネクタ540は、ハンドル14の一部に沿って延在して示され、電気カプラー542においてハンドル14の遠位部分508と近位部分510との間に結合してよい。電力コネクタ540は、コントローラ530の電源538からモータ500まで延在してよい。
図13は、ハンドル14の遠位部分508の斜視図を示す。ハンドル14の遠位部分508は、近位部分510(図14に示される)から分離するように構成されてよい。そのような構成により、送達装置のハンドル14の特定の部分が、インプラントの送達において利用され、その後、遠位部分508の滅菌または廃棄が行われ得るように、ハンドル14の別の部分(例えば近位部分510)から分離されることを可能にしてよい。このプロセスは、近位部分510内に位置決めされたモータ500を含み得る、またはコントローラ530を含み得るシステム10の電気構成要素を、患者の身体の一部に挿入される、または接触する構成要素から分離してよい。これは、システム10の再利用性を高め、システム10の滅菌に関連する全体の複雑さを低減させてよい。図13に示されるように、駆動ロッド518a~gの近位部分は、ハンドル14の近位部分510内のそれぞれの開口部544a~gに結合するためにハンドル14の遠位部分508から近位方向に延在してよい。駆動ロッド518a~gの近位部分がそれぞれの開口部544a~gに結合することで、モータ500が駆動ロッド518a~gに係合するのを可能にし得る。電気カプラー542およびカプラー512はまた、ハンドル14の遠位部分508から突出して示される。
図14は、ハンドル14の近位部分510の斜視図を示す。近位部分510は、ケーブ546、または近位部分510をコントローラ530に結合する他のコネクタを含んでよく、これは、制御ボックスなどに収容されてよい。
図13を再び参照すると、制御デバイス504は、複数のボタンを含むように、ハンドル14の遠位部分508上に示される。制御デバイス504は、ユーザからの入力を受信して、モータ500を動作させ、これにより送達装置の一部を作動させるように構成されてよい。制御デバイス504は、信号をモータ500に直接送信するように構成されてよい、または処理のためにコントローラ530のプロセッサ536に送信されてもよい。制御デバイス504は、送達装置の偏向および移動を制御するように構成されてよい。制御デバイス504は、インプラント70の展開などの送達装置の動作を制御するように構成されてよい。制御デバイス504は、多様な形態を有してよく、また図13に示されるように送達装置の特定の移動または動作を制御するように指定された部分を有してよい。
図13の制御デバイス504は、レール組立体20を制御する、およびとりわけレール組立体20の偏向の方向を制御するボタン548を含んでよく、偏向の方向は複数の平面内であってよい。ボタン548は、レール組立体20の操縦を制御するように構成されてよい。ユーザは、所望のボタン548を押すことで、モータに、所望の方向に偏向させるように送達装置を作動させてよい。図13の制御デバイス504は、例えば外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31を含む組立体をレール組立体20に対して摺動させることによって、細長いシャフト12の深さを制御するボタン550を含んでよい。ボタン550は、ユーザが深さを増減することを可能にし得る。図13の制御デバイス504は、インプラント70の展開を作動させるボタン552を含んでよい。例えば、ボタン552は、インプラント70を展開するために外側シース組立体22および中間シャフト組立体21を後退させるようにモータに送達装置を作動させてよい。図13の制御デバイス504は、ノーズコーン28を進める、または後退させるために、ノーズコーン組立体31の移動を作動させるボタン554を含んでよい。送達装置を偏向させるため、または送達装置の動作を実行するために制御の種々の構成が利用されてよい。制御デバイス504からの制御信号は、動作のためにモータ500に直接送信されてよい、または送達装置の少なくとも一部を作動させるためにモータ500を稼働させるために、処理のためにプロセッサ536に送信されてもよい。制御デバイス504の構成は他の実施形態では変更されてもよい。
図15は、例えば、制御デバイス556が、ハンドル14上にタッチパッド558のうちの1つまたは複数と、タッチスクリーン560とを備える、ハンドル14の一部の断面図の一部を示す。タッチパッド558は、ユーザがレール組立体20を介して送達装置のために方向の制御を提供するように構成されてよい。タッチスクリーン560は、ユーザが、深さ制御、インプラント70の展開または送達装置の組立体のうちの1つまたは複数の移動を含む、送達装置への他の制御を提供するように構成されてよい。タッチパッドまたはタッチスクリーンは、ユーザを補助するために触覚、光、または可聴フィードバックを含んでよい。
図16は、例えば、制御デバイス562が、ジョイスティック564と、1つまたは複数のボタン566とを備える、ハンドル14の一部の断面図の一部を示す。ジョイスティック564は、ユーザがレール組立体20を介して送達装置のために方向の制御を提供するように構成されてよい。1つまたは複数のボタン566は、ユーザが、深さ制御、インプラント70の展開または送達装置の組立体のうちの1つまたは複数の移動を含む、送達装置への他の制御を提供するように構成されてよい。
タッチパッド558またはジョイスティック564などのデバイスの使用を通してレール組立体20を制御することで、ユーザは、レール組立体20を同時に方向を組み合わせて移動させることが可能であり得る。これは、機械的ノブなどを主に使用し、ユーザが一回に単一の平面内でしかレール組立体20を移動させることができない従来の方法に対する改善である。モータ500の使用によりレール組立体20を作動させることで、レール組立体20は、同時に複数の平面内で移動してよい。同時の制御は、制御デバイスからの対応する信号によってモータ500に提供されてよい。一実施形態において、同時の制御は、プロセッサ536によってモータ500に提供されてもよい。例えば、ユーザ(例えば臨床医)は、プロセッサ536に送信される移動の特定の方向のための入力をジョイスティック564を介して提供してもよい。プロセッサ536は、入力を処理して、細長いシャフト12をその方向に移動させるようにモータ500を制御してよい。プロセッサ536は、種々の方向に移動するようにモータ500を制御してよく、例えばモータ500は、引っ張りワイヤ138、140を同時に移動させて、または連続して移動させて、様々な方向の移動を生み出してよい。プロセッサ536は、多様な他の方向の中でも、細長いシャフト12を少なくとも2つの平面内で偏向させるようにモータ500を稼働するように構成されてよい。プロセッサ536またはモータ500に入力を提供するのに使用される制御デバイスは、入力の他の形態の中でも、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、ノブまたは動き感知デバイスを含んでよい。動き感知デバイスの一例が図37および図38に示され、そこでは、制御デバイス588は、プロセッサ536またはモータ500に入力を提供するために制御デバイス588の動き(例えば傾斜または空間移動)を感知するように構成されてよい。
図15を再び参照すると、システム10は、種々の形態を有し得る出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、送達装置の状態または患者の状態の示し得る出力をユーザに提供するように構成されてよい。出力デバイスは、送達装置の状態または患者の状態の指標を提供するように構成されてよい。例えば、図15に示されるように、出力デバイスは、送達装置の状態または患者の状態を示すために照明し得る光源568を含んでよい。光源568は、患者の身体の表面に接触している、または接近していることを示すために照明してよい(送達装置の状態)、あるいは患者の体内で感知されている正確なまたは不正確な圧力など患者の身体の特定の状態を示すために照明してもよい。振動アクチュエータなど、触覚デバイス570を含め、出力デバイスの他の形態が利用されてもよく、これらは、送達装置の状態または患者の状態を示してよい。出力デバイスは、図15に示されるタッチスクリーン560のディスプレイスクリーンを含んでよい。出力デバイスは、図37に示されるようなディスプレイスクリーン584を含んでよい。出力デバイスは、出力デバイスの他の形態の中でも、ディスプレイスクリーン、光源、スピーカーまたは触覚デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。種々の形態の出力デバイスが要望通りに利用されてよい。出力デバイス上に生成された指標は、画像、データ、音声、光または触覚信号のうちの1つまたは複数を含んでよい。出力デバイスは、プロセッサ536によって提供された出力に基づいて指標を提供するように構成されてよい。
送達装置の作動は、送達装置の一部の偏向と、送達装置の動作を実行することを含んでよい。少なくとも1つのモータによる送達装置の作動は、細長いシャフト12の並進を含んでよく、細長いシャフト12の近位端におけるハウジングの並進を含んでよい。送達装置の軸方向の並進が提供されてよい。図17は、例えば、細長いシャフト572と、ハウジング574とを含む送達装置の側部斜視図を示す。送達装置は、患者の身体576内へと大腿切断式に通されている。細長いシャフト572は、細長いシャフト12と同様に構成されてよい。ハウジング574は、ハンドル14を形成するハウジングと同様に構成されてよいが、ハウジング574は、ユーザによる把持のためのハンドル14を備えていない場合がある。むしろハウジング574は、モータを含んでよい、またはモータ駆動レール577、または患者の体内への送達装置の軸方向の移動を作動させる他の組立体に沿って移動するように構成されてもよい。送達装置の軸方向の移動は、制御デバイスによって制御されてよく、制御デバイスは、ハウジング574に近接して位置決めされてよい、またはハウジング574から離れて配置されてもよい。制御デバイスは、本明細書で考察されるように、送達装置の一部の偏向、および送達装置のプロセスの実行を含めた、送達装置の他の制御を実行するように構成されてよい。このようなやり方において、ユーザは、ハウジング574を保持する必要がなく、送達装置に接触せずに、またはインプラント送達処置のために居合わせることなく、インプラント送達処置を続行してよい。プロセッサ536は、本明細書で考察されるように、モータ駆動レール577のモータ、および送達装置を作動させるのに使用される任意の他のモータの制御を提供してよい。
モータ500は、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18、レール組立体20、遠位引っ張りワイヤ138を含む組立体、近位引っ張りワイヤ140を含む組立体およびノーズコーン組立体31のうちの1つまたは複数を選択的に移動させることによって送達装置を作動させるように構成されてよい。図10に関して考察したように、モータ500は、作動機構506の構成に基づいてそのような構成要素を選択的に移動させるように構成されてよい。モータ500の選択的作動の一例として、深さ制御の例が提供されている。送達装置の細長いシャフト12の深さは、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31を、レール組立体20に対して移動させることによって設定されてよい。そのような移動によって、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31がレール組立体20に対して摺動することが可能になり、レール組立体20は特定の角度で偏向されてよい。レール組立体20の偏向によって、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31が特定の角度でレール組立体20に沿って摺動し、これに従って、別の環帯または身体の場所を含め、僧帽弁または三尖弁環帯などに向かって特定の方向の深さを有することが可能になる。したがって、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31のレール組立体20に対する相対移動は、深さを形成する。図18に示されるようにモータ500は、アダプタ516c、516dおよび516eを移動させるために駆動ロッド518c、518dおよび518eを同時に作動させることによってそのような深さを作動させるように構成されてよい。アダプタ516c、516dおよび516eは近位方向に移動してよく、よってレール組立体20および引っ張りワイヤ138、140を近位方向に、ならびに外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31に対して移動させ、これにより細長いシャフト12の深さを生じさせてよい。モータ500はよって、所望の結果を生み出すように細長いシャフト12の種々の部分を同時に作動させるように構成されてよい。モータ500は、レール組立体20と共に引っ張りワイヤ138、140を含む組立体を移動させて、引っ張りワイヤ138、140内で張力を維持してよい。深さを生み出すための動作として示されているが、モータ500は、移動の他の組合せを生み出すように構成されてもよい。例えば、先に考察したように、複数の平面内のレール組立体20の偏向が行われてもよい。モータ500は、遠位引っ張りワイヤ138および近位引っ張りワイヤ140両方を同時に、または連続して作動させることでレール組立体20の所望の移動を生み出すように構成されてよい。
モータ500は、各々が細長いシャフトの長さに沿って延在する組立体(外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18、レール組立体20、遠位引っ張りワイヤ138を含む組立体、近位引っ張りワイヤ140を含む組立体およびノーズコーン組立体31およびノーズコーン組立体31)のうちの1つを組立体のうちの別の1つに対して移動させるように構成されてよい。組立体は、組立体の内腔内に位置決めされた(例えばレール組立体20は、外側シース組立体22の内腔内に位置決めされてよい)別の組立体に対して移動されてよい。種々の組立体が同時に移動されてよい(例えばレール組立体20は、遠位引っ張りワイヤ138を含む組立体と同時に移動されてよい、および遠位引っ張りワイヤ138を含む組立体は、近位引っ張りワイヤ140を含む組立体と同時に移動されてよい)。プロセッサ536は、本明細書に開示される移動を提供するためにモータ500を制御するように構成されてよい。
一実施形態において、モータ500は、細長いシャフト12の別の部分の移動に基づいて、細長いシャフト12の一部の移動を補償するように構成されてよい。例えば、細長いシャフト12の一部が移動されるとき、細長いシャフト12の別の部分の位置も同様に、望まれずに移動される場合がある。モータ500は、望ましくない移動を補償するように構成されてよい。図19は、例えば、レール組立体20の一部の側部断面図を示す。遠位引っ張りワイヤ138は近位方向に引っ張られており、レール組立体20の遠位部分を図19に示されるような方向に偏向させる。近位引っ張りワイヤ140がその後、レール組立体20の近位部分を偏向させるために引っ張られると、遠位引っ張りワイヤ138は結果として、レール組立体20の近位部分の偏向のために引っ張られてよい。図20は、例えば、図19に示されるものから90度の角度で見た(レール組立体20の軸方向の寸法に対して回転された)レール組立体20の側部断面図を示す。レール装置20の偏向された遠位部分は、図20においてこのページに向き合っている。レール装置20の近位部分を偏向させるために近位引っ張りワイヤ140が引っ張られると、レール装置20の遠位部分は結果として、図20に点線で表されるように偏向される。レール装置20を制御するのに機械的ノブなどを使用する従来の方法の下では、レール装置20の遠位端の短縮は、複数の機械的ノブを作動して遠位引っ張りワイヤ138を移動させることによって調節されていた。しかしながらここでは、モータ500は、引っ張りワイヤ138、140のうちの1つまたは複数の移動を自動的に補償することで、レール組立体20の遠位部分の短縮を低減するように構成され得る。実施形態では、モータ500は、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31の一部を含む、細長いシャフト12の任意の部分の短縮または伸長を補償するように構成されてよい。例えば、モータ500は、レール組立体20以外の細長いシャフト12の一部を並進させることで、レール組立体20の偏向を補償するように構成されてよい。
モータ500は、制御デバイス(例えば制御デバイス504)からの入力に基づいて、またはモータ500の配線に基づいて、またはその両方の組合せに基づいて図18~図20に関して考察した動作を実行するように構成されてよい。例えば、制御デバイス504が細長いシャフト12のうちの2つの組立体の同時の移動をリクエストするために利用される場合、このとき、そのような組立体に対応するそれぞれの駆動ロッドを稼働するために、モータ500に信号が提供されてよい。制御デバイス504が、補償を必要とする細長いシャフト12の一部の移動をリクエストするのに利用される場合、このとき、モータ500は、そのような補償を自動的に実行するように配線されてよい。例えばモータ500は、他の組立体の移動に基づいて特定の組立体の移動を補償するように配線されてよい。
特定の実施形態において、プロセッサ536は、図18~図20に関して考察した動作を実行するために、組立体または細長いシャフト12の他の部分を自動的に移動させるのに利用されてよい。例えば、細長いシャフト12の深さを増大する、またはインプラント70を展開するためのリクエストがなされた場合、このときプロセッサ536は、細長いシャフト12の対応する組立体または他の部分を移動させるためにモータ500を制御するために、プログラム(メモリ534に記憶されてよい)を稼働するように構成されてよい。補償を要求するリクエストがなされた場合、このときプロセッサ536は、そのような補償を自動的に実行するために、細長いシャフト12の対応する組立体または他の部分を移動させるためにモータ500を制御するために、プログラム(メモリ534に記憶されてよい)を稼働するように構成されてよい。プロセッサ536は、組立体のうちの別の組立体の動きを補償するために、組立体のうちの1つを移動させるようにモータを稼働するように構成されてよい。細長いシャフト12の組立体または他の部分の特定の移動または移動の組合せは、メモリ534にプログラミングされ、プロセッサ536によって稼働されてよい。上記で考察したように、プログラムされた移動は、これ以前の処置から「学習した」、例えば、同様の解剖学的構造および/または他の特徴を有する患者に対して行われたこれ以前の処置から学習したデータに基づいてよい。移動は、過去の植え込み処置から、または患者の特徴からのデータを利用する機械学習アルゴリズムに基づいてよい。したがって、同様の解剖学的構造を有する患者に対して首尾よく行われた手順のステップを繰り返すことができ、これにより、現在の患者に対する処置が成功する可能性を高めることができる。プロセッサ536は、所望のやり方で送達装置の一部を作動させるためにモータ500を自動的に稼働するように構成されてよい。
システム10は、送達装置の状態を感知するように構成されたセンサを含んでよく、患者の状態を感知するように構成されたセンサを含んでよい。
特定の実施形態では、センサは送達装置の状態を感知するのに利用されてよい。センサは、組立体のうちの1つまたは複数の移動および/または位置を特定するのに利用され得る位置センサを備えてよい。例えば、位置センサは、モータ500が組立体の位置および移動を追跡するために組立体を移動させた量を感知するように構成されてよい。モータ500は、位置センサからの信号に基づいて種々の組立体の移動を追跡し、所望の移動(例えば組立体の同時の移動、または1つまたは複数の組立体の補償のための移動)を実行するように配線されてよい。一実施形態において、位置センサからの信号は、プロセッサ536が所望の移動を実行するためにプロセッサ536に提供されてよい。位置センサからの信号は、プロセッサ536に対するフィードバック信号であってよい。例えば、位置センサは、細長いシャフト12の一部が、細長いシャフト12の別の部分の移動に応答して移動していることを感知してよく、プロセッサ536は、この信号に基づいて補償のための移動を生み出すようにモータ500を稼働してよい。送達装置の位置を示す指標が、本明細書で考察されるように出力デバイスに提供されてよい。指標は、位置センサによって感知された位置に基づいて提供されてよい。
センサは、モータトルクセンサの形態で送達装置の状態を感知するのに利用されてよい。センサは、モータ500によって及ぼされるトルクの量を特定するのに利用されてよい。
モータトルクセンサは、例えば、モータ500によって引き込まれる電流の量を感知することが可能な電流引き込みセンサであってよい。トルクの量が特定の量を超えた場合、モータ500は、その動作を自動的に停止する、または逆転させる、あるいはトルクを減少させるように構成されてよい。一実施形態においてモータトルクセンサからの信号は、プロセッサ536が所望の移動を実行するためにプロセッサ536に提供されてよい。モータトルクセンサからの信号は、プロセッサ536に対するフィードバック信号であってよい。例えば、プロセッサ536は、この信号に基づいて、その動作を自動的に停止する、または逆転させる、あるいはトルクを減少させるようにモータ500を稼働してよい。送達装置のモータのトルクを示す指標が、本明細書で考察されるように出力デバイスに提供されてよい。指標は、モータトルクセンサによって感知されたトルクに基づいて提供されてよい。
図21を参照すると、患者の状態を感知するように構成されたセンサが利用されてよい。そのようなセンサは、送達装置上に要望通りに位置決めされてよい。患者の状態を感知するように構成されたセンサは、周辺圧力センサ578を含んでよい。そのような圧力センサ578は、患者の体内で流体圧力などの圧力を感知するように構成されてよい。圧力センサ578は、インプラント70の送達中およびその後に利用されて、展開されたインプラント70が植え込みの後に要望通りに動作しているどうか特定する、または植え込み前、および植え込みの後に患者の状態を全体的にモニタしてもよい。図21に示される実施形態では、圧力センサ578は、ノーズコーン28上に位置決めされてよく、圧力センサは、他の場所の中でも、カプセル106上に位置決めされてもよい。圧力センサ578のこの特定の構成の場合、1つの圧力センサが、インプラント70の植え込み中に左心室に位置決めされてよく、1つの圧力センサが、植え込み中に左心房に位置決めされてよい。よって、植え込みの後で、僧帽弁にわたる圧力勾配を特定することができる。圧力センサ578からの信号は、ユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)に提供されてよい。一実施形態において、圧力センサ578によって感知された圧力は、送達装置を作動させるために、プロセッサ536などのシステム10に対するフィードバックとして利用されてもよい。例えば、不正確な圧力が読み取られた場合、プロセッサ536は、インプラントを展開し直す、または別の動作を実行するように送達装置を作動させてよい。他の実施形態において、圧力センサ578の他の位置および他の圧力読み取り値が提供されてもよい。
一実施形態において、送達装置の状態を感知するように構成されたセンサは、送達装置と患者の身体の表面との間の空間関係を感知するように構成されたセンサを含んでよい。そのようなセンサは、送達装置上に位置決めされてよい。そのようなセンサは、接触センサ580を含んでよい。接触センサ580は、力変換器またはロードセル、あるいは送達装置に加えられた力を感知するように構成された他の形態の接触センサ580を備えてよい。示されるように、接触センサ580は、ノーズコーン28上または他の場所(概ね細長いシャフト12の外側表面上など)の上を含めた、細長いシャフト12上の様々な位置に位置決めされてよい。接触センサ580は、細長いシャフト12が患者の身体の一部に接触するとき信号を提供するように構成されてよい。そのような信号は、細長いシャフト12による、患者の身体の損傷の可能性を示してよい。接触センサ580からの信号は、ユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)に提供されてよい。一実施形態において、接触センサ580によって感知された接触は、送達装置を作動させるために、プロセッサ536などのシステム10に対するフィードバックとして利用されてもよい。例えば表面との接触が感知された場合、このときプロセッサ536は、その表面から離れるように移動する、またはモータ500の動作を停止するように送達装置を作動させてよい。他の実施形態において、接触センサ580の他の位置および他の接触センサが提供されてもよい。
一実施形態において、送達装置の状態を感知するように構成されたセンサは近接センサ582を含んでよい。近接センサ582は、送達装置と患者の身体の表面との間の空間関係を感知するように構成されてよい。そのようなセンサは、送達装置上に位置決めされてよい。近接センサ582は、超音波またはエコー信号あるいは視覚的識別の使用を含め、患者の身体の一部までの距離を感知するためのデバイスを備えてよい。示されるように、近接センサ582は、ノーズコーン28または他の場所(細長いシャフト12の概ね外側表面上など)を含めた、細長いシャフト12上の様々な位置に位置決めされてよい。近接センサ582は、細長いシャフト12が患者の身体の一部に接近するとき信号を提供するように構成されてよく、そのような信号をユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)に提供してよい。一実施形態において、近接センサ582によって感知された近接は、送達装置を作動させるために、プロセッサ536などのシステム10に対するフィードバックとして利用されてもよい。例えば、特定の表面(例えば、血管の内壁)に対する近接が感知された場合、プロセッサ536は、その表面から離れるように移動するように送達装置を作動させる、またはモータ500の動作を停止してもよい。したがって、血管の内壁を損傷することなく、送達装置を患者の血管系を通して進めることができる。この「スマートカテーテル」技術は、現在の「ブラインドカテーテル」に対して大きな改善を提供することができる。例えばこの技術は、血管切開の可能性を低減させる、またはなくすことができ、血管切開の可能性は、現在の送達システムに伴う重要で命にかかわるリスクである。実施形態を説明の目的で記載してきたが、近接センサ582の他の位置および他の近接読み取り値が提供される場合があることを理解されたい。
図22~図24は、患者の状態を感知するように構成されたセンサの一実施形態を示す。センサは、患者の体内の流体流れ(例えば、血流)を感知し得る流量センサを備える。複数のセンサ583a~lが送達装置上に位置決めされ、センサ583a~lの離間した配列を形成してよい。センサ583a~lは、局所的流体流れを感知するように構成されてよく、そのため、センサ583a~lは、他のセンサ583a~lによって感知された流体流れと異なる体内の局所的領域内の流体流れを感知してよい。図22は、センサ583a~cをカプセル106上で見ることができる、細長いシャフト12の遠位端の斜視図を示す。図23は、センサ583a~lの離間した配列を示す、カプセル106の断面図を示す。センサ583a~lは、インプラント70のための展開場所に近接する特定の場所において流体流れを感知するように、送達装置上に位置決めされてよい。そのような特定の場所は、カプセル106または送達装置の別の部分を含んでよい。
図24は、センサ583a~lの例示の動作を示す。インプラント70は、一方の遠位アンカー80aが弁膜1108を捕らえており、別の遠位アンカー80bが弁膜1108を捕らえていない状態で生来の僧帽弁または三尖弁内で展開されてよい。センサ583k、583lは、捕らえ損ねた弁膜1108による血液の流れを感知してよく、これに従って信号を提供してよい。センサ583a~lは、捕らえられた弁膜1108に近接するセンサ583f、583gと、捕らえ損ねた弁膜1108に近接するセンサ583k、583lとの間の格差のある流量を感知するように構成されてよい。流量センサ583a~lは、流量が感知されたとき、信号を提供するように構成されてよく、そのような信号をユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)に提供してよい。一実施形態において、流量センサ583a~lによって感知された流量は、送達装置を作動させるために、プロセッサ536などのシステム10に対するフィードバックとして利用されてもよい。例えば、弁膜を捕らえ損ねたことを示す流量が感知された場合、このときプロセッサ536は、インプラント70を展開し直す、または別の動作を実行するように送達装置を作動させてよい。他の実施形態において、流量センサ583a~lの他の位置および他の流量読み取り値が提供されてもよい。
送達装置の状態を感知するように構成されたセンサおよび患者の状態を感知するように構成されたセンサは、送達装置に結合されてよい。しかしながら特定の実施形態において、送達装置の状態を感知するように構成されたセンサおよび患者の状態を感知するように構成されたセンサは、送達装置に結合されない場合があり、患者の身体の外側にあってもよい。
送達装置の状態を感知するように構成されたセンサおよび患者の状態を感知するように構成されたセンサからの信号は、多様なやり方で利用されてよい。一実施形態において、信号は、ユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)に提供されてよい。例えば、送達装置の状態は、多様な形態でユーザに示されてよく、例えば、出力デバイスは、出力デバイスの他の形態の中でも、ディスプレイスクリーン、光源、スピーカーまたは触覚デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。出力デバイス上に生成された指標は、画像、データ、音声、光または触覚信号のうちの1つまたは複数を含んでよい。ユーザは、この指標に基づいてこれに従って行動することが可能であり得る。例えば、指標が、送達装置が患者の身体の一部と接触したことを示した場合、このときユーザは、これに従って行動して、送達装置を身体から離れるように移動させてよい。患者の身体の状態も同様に、多様な形態でユーザに示されてよい。
実施形態では、送達装置の状態を感知するように構成されたセンサおよび患者の状態を感知するように構成されたセンサからの信号は、プロセッサ536に提供されてよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数に基づいて多様な出力を提供してよい。出力の1つのそのような形態は、送達装置を伴う植え込み処置に関するデータのログを含む。そのようなデータのログは、メモリ534に記憶されてよい。データは、分析のためにユーザによるその後の検索のために記憶されてよい、または送達装置によって取得された行動のログを記録してもよい。例えば、センサ信号の他の形態の中でも、位置センサ信号は、送達装置の移動を記録するためにログ記録されてよい。
プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態に基づいて出力デバイスに出力を提供してよい。出力は、ユーザへの指示のために出力デバイス(出力デバイス568、570または他の出力デバイスなど)上に指標をもたらしてよい。例えば、送達装置の状態は多様な形態でユーザに示されてよく、例えば、出力デバイスは、出力デバイスの他の形態の中でも、ディスプレイスクリーン、光源、スピーカーまたは触覚デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。プロセッサ536は、信号を処理してユーザに対して所望の指標を生成してよい。例えば、センサ583a~lは、インプラント70の展開中に血液の流れを感知してよく、プロセッサ536は、これらの信号を処理して、捕捉し損ねた弁膜が生じたことの指標をユーザに提供してよい。
プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態に基づいたモータ500の制御を含む出力を提供してよい。プロセッサ536は、センサからの信号に基づいて送達装置を作動させるようにモータ500を稼働するように構成されてよい。センサからの信号は、プロセッサがモータ500の動作を制御するためにプロセッサ536に入力されるフィードバック信号を含んでよい。例えば、接触センサ580または近接センサ582からの信号は、送達装置が患者の身体の表面に接触したこと、または患者の身体の表面に近接していることのフィードバックとして、プロセッサ536に提供されてよい。プロセッサ536は、これに従って、患者の身体の表面を回避する、または患者の身体の表面から後退するようにモータ500を稼働する出力を提供してよい。流量センサ583a~lからの信号は、プロセッサ536に、インプラント70を展開し直す、または送達装置の一部を移動させて弁膜1108を捕らえ直すためにモータ500に出力を提供させてよい。位置センサからの信号は、送達装置が正しい移動を実行しているかどうかに関してプロセッサ536にフィードバックを提供してよく、プロセッサ536は、必要に応じて、補正移動を実行する(例えば、必要であれば細長いシャフト12を偏向させる)ようにモータ500を稼働してもよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態に基づいて自動的に応答し、出力を生成するようにプログラムされてよい。プロセッサ536のプログラミングは、メモリ534に記憶されプロセッサ536によって稼働されてよい。
インプラント70を送達するためのシステム10の利用方法が図25~図30に表現される。方法は、本明細書に開示されるシステムまたは方法のいずれかを利用してよい。送達システム10は、中程度から重篤な僧帽弁逆流を煩う患者を治療するための置換え僧帽弁の経皮送達のための方法において使用することができる。しかしながら本明細書に記載される送達システムは、弁の修復用インプラント、ならびに他の心臓弁へのインプラントの送達および他のインプラントの送達など、他の方法の一部として同様に使用することができることを理解されたい。
図25に示されるように、一実施形態において、方法は、インプラントを特定の身体の場所に送達するために、患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるステップを含んでよい。送達システム10は、同側大腿静脈1074内に配置され、右心房1076に向けて進めることができる。既知の技術を使用する経中隔穿刺がその後行われて、左心房1078への進入路を獲得する。送達システム10はその後、左心房1078内に進められ、その後左心室1080へと進められ、心房中隔を通過することができる。図25は、送達システム10が同側大腿静脈1074から左心房1078へと伸長するのを示す。本開示の実施形態では、送達システム10を適切な位置に位置決めするのにガイドワイヤは必要とされないが、他の実施形態では、1つまたは複数のガイドワイヤが使用される場合がある。
したがって、生来の僧帽弁と一致するように置換え僧帽弁を位置決めするために、ユーザが送達システム10を心臓の複雑な領域を通して操縦することができることは有利であり得る。この作業は、上記で開示したシステムで、ガイドワイヤの使用と共に、またはガイドワイヤを使用せずに実行することができる。送達システムの遠位端を左心房1078内に進めることができる。モータ500は、その後、送達システム10の遠位端が適切な領域を標的とするようにレール組立体20を作動させるために稼働されてよい。モータ500は、本明細書で考察されるようにプロセッサ536によって稼働されてよい。ユーザは、その後、経中隔穿刺を通り、左心房1078内に屈曲した送達システム10を継続して通過させることができる。モータ500はその後、レール組立体20内でさらにより大きな屈曲部を形成するために稼働されてよい。完全に屈曲した構成では、ユーザはその後、置換え僧帽弁を適切な場所に配置することができる。
レール組立体20は、生来の僧帽弁に進入するためにとりわけ有利であり得る。上記で考察したように、レール組立体20は、2つの屈曲部を形成することができ、その両方とも左心房1078内に配置することができる。レール組立体20における屈曲部は、インプラント保持領域16内に位置するインプラント70を位置決めすることができることから、インプラントは生来の僧帽弁と同軸である。インプラント70が同軸になると、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31をレール組立体20に対して遠位方向に一緒に進める(例えば、モータ500を使用して)ことができる。これらの組立体は、レール組立体20から離れてまっすぐに進み、よって以下で考察するように、インプラント70を圧縮構成に維持しつつ、インプラント70が解放されるまでそれらを生来の僧帽弁と同軸に進める。よって、レール組立体20は、ユーザに、角度位置を所定の場所でロック固定する能力を提供することで、ユーザはその後、いかなる角度の変化も行う必要がなく、他の組立体をレール組立体20の上で単に長手方向に進めるだけでよく、処置を大きく簡素化する。レール組立体20は、独立した操縦組立体として機能し、この場合全ての組立体が操縦性を提供し、さらなるインプラント解放機能は提供しない。さらに、上記に記載したようなレール組立体20の構造は、レール組立体がその屈曲形状まで作動される、すなわち他の構成要素、例えば外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18および/またはノーズコーン組立体31の移動まで作動されるとき、レール組立体20がその形状を維持するのに十分に剛性である。よって、レール組立体20は、他の組立体のレール組立体20に対する摺動中、所望の屈曲位置に留まることができ、レール組立体20は、他の組立体を最終位置に誘導するのを助けることができる。他の組立体のレール組立体20上での近位/遠位の並進によって、心室-心房移動が可能になる。加えて、インプラント70の遠位アンカー80が左心室1080内で解放されるが、完全に解放するより前に、他の組立体をレール組立体20の上で近位方向に後退させて、任意の弁膜または腱を捕らえることができる。
心臓83の生来の僧帽弁内に位置決めされた置換心臓弁(インプラント70)の一実施形態の一部の概略的表現を示す図26を次に参照されたい。生来の僧帽弁の一部が概略的に示され、環帯1106より上に位置する左心房1078と、環帯1106より下に位置する左心室1080とを含む、典型的な解剖学的構造を表す。左心房1078および左心室1080は、僧帽弁環帯1106を介して違いに連通する。僧帽弁の弁膜1108の下流端を左心室の乳頭筋に接続する腱索1110を有する生来の僧帽弁の弁膜1108も図26に概略的に示される。環帯1106の上流に(左心房1078に向かって)配置されたインプラント70の一部は、大動脈弁輪上に位置決めされるように表すことができる。概ね環帯1106内の部分は、大動脈弁輪内に位置決めされるように表される。環帯1106の下流の部分は、大動脈弁輪の下に(左心室1080に向かって)位置決めされるように表される。
図26に示されるように、置換心臓弁(例えば、インプラント70)は、僧帽弁環帯1106が、遠位アンカー80と近位アンカー82との間に位置するように位置決めすることができる。一部の状況では、インプラント70は、遠位アンカー80の端部または先端が、例えば図26に示されるように環帯1106に接触するように位置決めされる場合もある。一部の状況では、インプラント70は、遠位アンカー80の端部または先端が環帯1106に接触しないように位置決めされる場合がある。一部の状況では、インプラント70は、遠位アンカー80が弁膜1108の周りに延在しないように位置決めされる場合がある。
図26に示されるように、置換心臓弁インプラント70は、遠位アンカー80の端部または先端が僧帽弁環帯1106の心室側にあり、近位アンカー82の端部または先端が僧帽弁環帯1106の心房側にあるように位置決めすることができる。遠位アンカー80は、遠位アンカー80の端部または先端が、腱索1110が生来の弁膜の自由端に接続する場所を越えて生来の弁膜の心室側にあるように位置決めすることができる。遠位アンカー80は、腱索1110の少なくとも一部の間に延在してよく、図26に示されるような一部の状況では、環帯1106の心室側に接触する、または係合することができる。遠位アンカー80は、環帯1106に接触しなくてもよいが、遠位アンカー80はなおも生来の弁膜1108に接触する場合も一部の状況において企図される。一部の状況では、遠位アンカー80は、環帯1106を越えた左心室1080の組織および/または弁膜の心室側に接触する場合がある。
送達中、遠位アンカー80が腱索1110の少なくとも一部の間に延在することで腱索1110に張力を与えながら、他の組立体(例えば外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31)をレール組立体20に対して近位方向に並進させるなどによって、遠位アンカー80を(フレームと共に)環帯1106の心室側に向けて移動させることができる。腱索1110上に与えられる張力の度合いは異なる場合がある。例えば、弁膜1108が遠位アンカー80よりサイズが短い、または同様のサイズである場合、腱索1110内の張力はほとんどないか、全く存在しなくてよい。弁膜1108が遠位アンカー80より長く、したがってコンパクトな形態をとり、近位方向に引っ張られる場合、腱索1110内にはより大きな度合いの張力が存在し得る。弁膜1108が遠位アンカー80に対してさらにより長い場合、さらにより大きな度合いの張力が腱索1110内に存在する場合がある。弁膜1108は、遠位アンカー80が環帯1106に接触しないように十分な長さであり得る。
近位アンカー82は、存在するならば、近位アンカー82の端部または先端が、環帯1106の心房側および/または環帯1106を越えた左心房1078の組織に隣接するように位置決めすることができる。一部の状況では、近位アンカー82の一部または全ては、環帯1106の心房側および/または環帯1106を越えた左心房1078の組織に、場合により接触する、または係合するのみの場合がある。例えば、図26に示されるように、近位アンカー82は、環帯1106の心房側および/または環帯1106を越えた左心房1078の組織から離間されてもよい。近位アンカー82は、インプラント70に軸方向の安定性を提供することができる。近位アンカー82の一部または全ては、環帯1106の心房側および/または環帯1106を越えた左心房1078の組織に接触する場合があることも企図される。図27は、心臓に植え込まれたインプラント70を示す。示される置換心臓弁は、近位アンカーおよび遠位アンカーの両方を含むが、近位アンカーおよび遠位アンカーが全てのケースで必要とされないことを理解されたい。例えば、遠位アンカーのみを備える置換心臓弁は、置換心臓弁を環帯内にしっかりと維持することが可能であり得る。このことは、置換心臓弁に対する最大の力が、収縮中に左心房に向けて誘導されることが理由である。したがって遠位アンカーは、置換心臓弁を環帯にアンカー固定し、移動を阻止するのに最も重要である。
図28~図30は、送達システム10の解放機構を示す。インプラント70および送達システム10の体内への最初の挿入中、インプラント70は、図2Aに示されるのと同様にシステム10内に配置することができる。インプラント70の遠位端303、および具体的には遠位アンカー80は、外側シース組立体22のカプセル106内に抑制され、これによりインプラント70の拡張を阻止する。同様のものが図2Aに示されており、遠位アンカー80は、カプセル内に位置決めされたとき、遠位方向に延在することができる。インプラント70の近位端301は、カプセル106内に、および内側保持部材40の一部の中に抑制され、よってカプセル106と内側保持部材40との間に概ね拘束される。
システム10は、本明細書で考察される操縦機構または他の技術の使用を通して、生来の僧帽弁など、患者の体内の特定の場所に最初に位置決めすることができる。
インプラント70が送達システム10内に装填されると、ユーザは、ガイドワイヤを患者の中に所望の場所まで通すことができる。ガイドワイヤは、ノーズコーン組立体31の内腔を通過し、よって送達システム10を、ガイドワイヤをたどって患者の体内を通って全体的に進めることができる。送達システム10は、ユーザが手動でハンドル14を軸方向に移動させることによって進めることができる。いくつかの実施形態において、送達システム10は、ハンドル14の制御を操作しつつ、スタンド内に配置することができる。一実施形態において、送達システムは、図17に示されるモータで軸方向に進められてもよい。
概ね心臓の中に入ると、ユーザは、モータ500を使用してレール組立体20の操縦動作を開始することができる。モータ500は、(遠位端上または近位端上のいずれかで)レール組立体20の曲げ/屈曲を提供し、よって送達システム10の遠位端を、1つ、2つまたはそれ以上の場所で所望の構成になるように屈曲させることができる。上記で考察したように、ユーザは、レール組立体20内に複数の屈曲部を設けることで、送達システム10を僧帽弁に向けて誘導することができる。詳細には、レール組立体20の屈曲部は、送達システム10の遠位端、およびこれによりカプセル106を、生来の僧帽弁を通過する中心軸に沿って誘導することができる。よって、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31が圧縮されたインプラント70と共にレール組立体20の上を一緒に進められるとき、カプセル106は、インプラント70の適切な解放のためにこの軸と正に一致するように前進する。
次のステップにおいて、ユーザは、細長いシャフト12の深さを調節することができる。モータ500がそのような動作のために利用されてよい。考察したように、深さの調節は、インプラント70がインプラント保持領域16内で圧縮構成で留まっている間、内側シャフト組立体18、中間シャフト組立体21、外側シース組立体22およびノーズコーン組立体31をレール組立体20の上で/レール組立体20を通るように進める。例えば、内側シャフト組立体18、中間シャフト組立体21、および/または外側シース組立体22のいずれかの剛性のために、これらの組立体は、レール組立体20によって位置合わせされた方向でまっすぐ前方に前進する。
解放位置になると、モータ500は、外側シース組立体22(およびこれによりカプセル106)を、図28に示されるようにハンドル14に向かって近位方向で、内側組立体18などの他の組立体に対して個別に並進させるように動作することができる。そうすることによって、インプラント70の遠位端303は体内で覆いが外され、拡張を開始することが可能になる。この時点で、遠位アンカー80は、近位方向に反転することができ、遠位端303は、半径方向外向きに拡張し始める。例えば、システム10が経中隔アプローチを通して生来の僧帽弁の場所に送達されたならば、ノーズコーンは、左心室内に位置決めされ、好ましくは、インプラント70を、それが僧帽弁環帯の平面に概ね直交するように位置合わせする。遠位アンカー80は、左心室内に半径方向外向きに拡張する。遠位アンカー80は、乳頭筋ヘッドより上ではあるが、僧帽弁環帯および僧帽弁の弁膜より下に配置することができる。いくつかの実施形態において、遠位アンカー80は、それらが半径方向に拡張するとき、左心室内の腱に接触する、および/または腱の間に延在する、ならびに弁膜に接触してよい。いくつかの実施形態において、遠位アンカー80は、腱に接触する、および/または腱の間に延在する、または弁膜に接触しない場合がある。インプラント70の位置に応じて、遠位アンカー80の遠位端は、腱が生来の弁膜の自由縁部に接続する場所であっても、またはその場所より下であってもよい。
例示される実施形態に示されるように、インプラント70の遠位端303は外向きに拡張される。インプラント70の近位端301は、近位端301が半径方向にコンパクトになった状態のままであるように、このステップ中に外側保持リングによって覆われたままであり得ることに留意されたい。このとき、システム10は、遠位アンカー80が僧帽弁の弁膜を捕らえ、これに係合するように近位方向に引き抜かれてよい、またはインプラント70を位置決めし直すために近位方向に移動されてもよい。例えば、組立体は、レール組立体20に対して近位方向に移動されてよい。いくつかの実施形態において、遠位アンカー80は、外側シース組立体22を引き抜いた後のシステム10のいかなるさらなる移動もなしに、生来の弁膜を捕らえ、腱の間にあってよい。
このステップ中、システム10は、遠位アンカーまたは心室アンカー80を生来の僧帽弁の弁膜を適切に捕らえるようにさせるために近位方向または遠位方向に移動されてよい。
これは、モータ500が外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31をレール組立体20に対して移動させることによって行うことができる。詳細には、心室アンカー80の先端が、生来の環帯の心室側に係合するために近位方向に移動され得ることで、生来の弁膜は、アンカー80とインプラント70の本体との間に位置決めされる。インプラント70がその最終位置にあるとき、腱に対する張力は存在する場合も、存在しない場合もあるが、遠位アンカー80は、腱の少なくとも一部の間に配置することができる。
インプラント70の近位端301は、カプセル106の後退後、外側保持リング42内に留まる。図29に示されるように、インプラント70の遠位端303が完全に拡張されると(またはこの時点で可能な限り完全に拡張されるとき)、外側保持リング42が、他の組立体に対して、詳細には内側組立体18に対して近位方向に個別に引き抜かれることで、内側保持部材40を露出させ、これによりインプラント70の近位端301の拡張を開始することができる。例えば、僧帽弁置換え処置において、遠位アンカー80または心室アンカー80が腱索の少なくとも一部の間に位置決めされた後、および/または生来の僧帽弁の環帯に係合した後、インプラント70の近位端301は、左心房の中で拡張されてよい。
インプラント70の近位端301が、図30に示されるようにその完全に拡張した構成まで半径方向に拡張することができるように、外側保持リング42を近位方向に移動させることができる。インプラント70の拡張および解放後、内側組立体18、ノーズコーン組立体31、中間シャフト組立体21および外側シース組立体22は、モータ500を介してその元の位置に戻るようにレール組立体20に沿って、またはレール組立体20に対して近位方向に同時に引っ込めることができる。いくつかの実施形態において、それらはレール組立体20に対して引っ込められず、伸長位置に留まる。さらに、ノーズコーン28は、モータ500を介して、拡張されたインプラント70の中心を通り、および外側シース組立体22の中へと引っ込めることができる。システム10はその後患者から取り外すことができる。
本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるシステムおよびデバイスを利用してよい。例えば、モータ500は、送達装置の一部を偏向してよい、またはインプラントを身体の場所に展開してよい。モータ500の動作は、プロセッサ536によって稼働されてよい。ユーザは、制御デバイス504を使用してプロセッサ536に入力を提供してよい。
さらに本明細書で考察されるセンサが、特定の実施形態で利用されてよい。送達装置は、送達装置に結合され、患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを含んでよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数に基づいて出力を提供するように構成されてよい。例えば、プロセッサは、送達装置の状態に基づいて、送達装置の少なくとも一部に患者の身体の表面を回避させる、または患者の身体の表面から後退させてもよい。
実施形態では、送達システム10は、中程度から重篤な三尖弁逆流を煩う患者を治療するために置換三尖弁の経皮送達のための方法で使用することができる。そのような方法は、本明細書で開示されるシステムまたはデバイスのいずれかを利用してよい。図31を参照すると、例えば、送達装置は、特定の身体の場所にインプラントを送達するために、患者の身体の一部の中で伸長されてよい。患者の身体の一部は、右心房1076であってよく、インプラントを送達するための身体の場所は、生来の三尖弁心臓弁1082であってよい。送達装置は、例えば図25に関して考察したものと同様のやり方で、患者の身体の一部の中で伸長されてよく、送達装置は、同側大腿静脈1074(図25に印がつけられる)内に配置され、右心房1076に向けて進めることができる。他の進入方法が要望通りに利用されてもよい。
送達装置は、下大静脈1084内で右心房1076の中へと伸長されてよい。図25に表現される僧帽弁送達に関して考察したように、1つまたは複数のガイドワイヤが要望通りに利用されてもよいし、利用されなくてもよい。1つまたは複数のモータが、本明細書で考察されるようにプロセッサ536によって稼働されてよく、送達装置を右心房1076の中へと伸長させるのに利用されてよい。
送達装置は、生来の三尖弁と一致するように置換三尖弁を位置決めするために、心臓の複雑な領域を通るように操縦されてよい。モータ500は、送達装置の遠位端が適切な領域を標的とするように、レール組立体20を作動させるために稼働されてよい。例えばモータ500は、レール組立体20を三尖弁心臓弁1082に対して所望の配向に操縦するために利用されてよい。モータ500は、本明細書で考察されるようにプロセッサ536によって稼働されてよい。レール組立体20は、送達装置の遠位端が生来の三尖弁心臓弁1082と同軸に配向されるように、1つまたは複数の屈曲部を形成してよい。
図32は、例えば、送達装置が生来の三尖弁心臓弁1082に向けて右心房1076内で偏向されているのを示す。1つまたは複数の屈曲部が、右心房1076および/または下大静脈1084内に形成されてよい。インプラント70が生来の三尖弁心臓弁1082と同軸に位置決めされると、外側シース組立体22、中間シャフト組立体21、内側組立体18およびノーズコーン組立体31を右心室1086に向けてレール組立体20に対して遠位方向に(例えば、モータ500を使用して)一緒に進めることができる。細長いシャフト12の深さは、本明細書に開示されるモータ500の動作によって変更されてよく、モータはプロセッサ536によって稼働されてよい。他の組立体のレール組立体20上での近位/遠位の並進によって心室-心房移動が可能になる。
細長いシャフト12の深さは、カプセル106が生来の三尖弁心臓弁1082に対して所望の場所に位置決めされるまで変更されてよい。インプラント70の遠位端303、具体的には遠位アンカー80は、外側シース組立体22のカプセル106内に抑制されてよく、よってインプラント70の拡張を阻止する。図2Aに示されるものと同様に、遠位アンカー80は、カプセル内に位置決めされるとき、遠位方向に延在することができる。インプラント70の近位端301は、カプセル106内および内側保持部材40の一部の中に抑制され、よってカプセル106と内側保持部材40との間に概ね拘束される。インプラント70はその後、図28~図30に関して考察したのと同様のやり方で、生来の三尖弁心臓弁1082に展開されてよい。図33は、例えば、生来の三尖弁心臓弁1082に展開されたインプラント70を示す。インプラント70の遠位アンカーは、図26に示されるように遠位アンカーが生来の僧帽弁心臓弁の弁膜1108の上に延在するのと同様のやり方で、三尖弁心臓弁1082の弁膜1088の上に延在する。送達装置は、その後、患者の右心房1076から引き抜かれてよい。
図31~図33に関して開示した処置は、本明細書に開示されるシステムおよびデバイスを利用してよい。例えば、モータ500は、送達装置の一部を偏向させる、またはインプラントを身体の一部に展開してよい。モータ500の動作は、プロセッサ536によって稼働されてよい。ユーザは、制御デバイス504を使用してプロセッサ536に入力を提供してよい。システム10は、本明細書で考察される操縦機構または他の技術の使用を通して位置決めすることができる。送達システム10は、ユーザが手動でハンドル14を軸方向に移動させることによって進めることができる。いくつかの実施形態において、送達システム10は、ハンドル14の制御を操作しつつ、スタンド内に配置することができる。一実施形態において、送達システムは、図17に示されるようにモータで軸方向に進められてもよい。
送達装置は、図1に示される形態で利用されてよい、または他の形態の送達装置が利用されてもよく、例えばインプラントを生来の三尖弁に送達するように構成された送達装置が利用されてよい。
さらに、本明細書で考察されるセンサが特定の実施形態において利用されてよい。送達装置は、送達装置に結合され、患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを含んでよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数に基づいて出力を提供するように構成されてよい。例えば、プロセッサ536は、送達装置の状態に基づいて、送達装置の少なくとも一部に患者の身体の表面を回避させる、または患者の身体の表面から後退させてもよい。図31および図32は、例えば、患者の体内でナビゲートするのに利用され得る近接センサ582(図21で印がつけられる)によって生成されたセンサ信号802を示す。プロセッサは、インプラント70の展開のために生来の三尖弁に対して所望の方向に送達装置をナビゲートしてよい。プロセッサは、生来の三尖弁と同軸に位置合わせし、インプラント70を生来の三尖弁に送達するように送達装置を作動させてよい。
実施形態において、送達システム10は、置換え大動脈弁の経皮送達のための方法において使用することができる。そのような方法は、本明細書で開示されるシステムまたはデバイスのいずれかを利用してよい。さらに、そのような方法は、プロテーゼ置換え大動脈弁の送達のために構成された送達装置を含む、送達システムを利用してよい。そのような送達装置は、図1に示される装置と同様の構成要素を含んでよく、例えば、送達装置は、インプラントを保持するためのインプラント保持領域を取り囲むカプセル806を含む細長いシャフト804を含んでよく、また細長いシャフト804の遠位端にノーズコーン808を含んでよい。送達装置は、細長いシャフト804の近位端においてハンドルの形態であり得るハウジングを含んでよい。送達装置は、図1の実施形態に関して開示した、複数の組立体を含んでよい。組立体は、モータによって制御されてよく、本明細書に開示されるようなプロセッサを含むコントローラによって制御されてよい。したがって、送達装置の作動は、モータおよびプロセッサによって制御されてよい。送達装置は、患者の大動脈弓1090のカーブの周りに延在し、インプラントを大動脈弁1092に送達するように構成されてよい。例えば、患者の大動脈弓1090のカーブの周りに向けるように構成された操縦機構が利用されてよい。送達装置は、要望通りに、図1に示される装置に関して開示されたセンサおよび他の構成要素をさらに含んでもよい。
図34を参照すると、例えば、送達装置は、インプラントを特定の身体の場所に送達するために患者の身体の一部の中で伸長されてよい。患者の身体の一部は、大動脈弓1090であってよく、インプラントを送達する身体の場所は、生来の大動脈心臓弁1092であってよい。送達装置は、例えば患者の身体の一部の中で経皮的に伸長されてよく、送達装置は、大腿静脈内に配置され、大動脈弓1090に向けて進めることができる。他の進入方法が要望通りに利用されてもよい。
送達装置は大動脈弓1090の中を通過し、生来の大動脈心臓弁1092に向けて進められてよい。1つまたは複数のガイドワイヤが、要望通りに利用されてもよいし、利用されなくてもよい。1つまたは複数のモータは、本明細書で考察されるようにプロセッサ536によって稼働されてよく、送達装置を大動脈弓1090を通して伸長させるのに利用されてよい。
モータ500は、レール組立体20または送達装置の他の操縦機構を作動させて、送達装置の遠位端が適切な領域を標的とするために稼働されてよい、例えば、モータ500は、生来の大動脈心臓弁1092に対して所望の配向にレール組立体20を向けるのに利用されてよい。モータ500は、本明細書で考察されるようにプロセッサ536によって稼働されてよい。レール組立体20または送達装置の別の操縦機構、例えば1つまたは複数の引っ張りワイヤは、送達装置の遠位端が生来の大動脈心臓弁1092と同軸に配向されるように1つまたは複数の屈曲部を形成してよい。
図35は、例えば、送達装置が生来の大動脈心臓弁1092に向けて大動脈弓1090内で偏向されているのを示す。大動脈弓1090内で屈曲部が形成されてよい。インプラントが生来の大動脈心臓弁1092と同軸に位置決めされると、カプセル806は、生来の大動脈心臓弁1092に対して所望の深さまでさらに進められてよい。
カプセル806の深さは、カプセル806が生来の大動脈心臓弁1092に対して所望の場所に位置決めされるまで変更されてよい。インプラントは、外側シース組立体のカプセル806の中に抑制され、よってインプラントの拡張を阻止してよい。インプラントはその後、カプセル806の外側シースが後退される、またはそれ以外の方法でインプラント保持領域に対して移動されることによって展開されてよい。インプラントは、図3Bに示されるインプラントの形態を含め、多様な形態を含んでよい。実施形態では、インプラントは、カプセルによって覆われなくてもよい。例えば、インプラントは、カプセル内に抑制されないバルーン拡張式または機械拡張式インプラントであってもよい、または他の形態のインプラントであってもよい。インプラントは、所望の場所において展開されてよい。
図36は、生来の大動脈心臓弁1092に展開されたインプラント810を示す。送達装置は、患者の大動脈弓1090から引き抜かれてよい。
図34から図36に関して開示された方法は、本明細書に開示されるシステムおよびデバイスを利用してよい。例えばモータ500は、送達装置の一部を偏向してよい、またはインプラントを身体の場所に展開してもよい。モータ500の動作は、プロセッサ536によって稼働されてよい。ユーザは、制御デバイス504を使用してプロセッサ536に入力を提供してよい。システム10は、本明細書で考察される操縦機構または他の技術の使用を通して位置決めすることができる。送達システムは、ユーザが手動でハンドルを軸方向に移動させることによって進めることができる。いくつかの実施形態において、送達装置は、ハンドルの制御を操作しつつ、スタンド内に配置することができる。一実施形態において、送達装置は、図17に示されるようにモータを使用して軸方向に進められてよい。
さらに、本明細書で考察されるセンサが特定の実施形態において利用されてよい。送達装置は、送達装置に結合され、患者の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数を感知するように構成された1つまたは複数のセンサを含んでよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数に基づいて出力を提供するように構成されてよい。例えば、プロセッサは、送達装置の状態に基づいて、送達装置の少なくとも一部に患者の身体の表面を回避させる、または患者の身体の表面から後退させてもよい。図34および図35は、例えば、患者の体内でナビゲートするのに利用され得る近接センサ582(図21で印がつけられる)によって生成されたセンサ信号812(例えばエコー信号)を示す。送達装置と大動脈弓の表面との間の空間関係がセンサを使用して感知されてよい。センサ信号812は、大動脈弓1090の表面から反射されて示される。プロセッサは、この空間関係に基づいて、送達装置を大動脈弓の中で偏向させることによって患者の身体の表面を回避する、または患者の身体の表面から後退するように作動させ、大動脈弓の周りで、インプラント810の展開のための生来の大動脈心臓弁1092に対する所望の配向までナビゲートしてよい。大動脈弓に対する送達装置の位置を継続的に感知し、これに従って偏向を修正することによって、血管壁にほとんど、または全く接触せずに、大動脈弓を通ってナビゲートすることがこれにより可能である。上記で指摘したように、送達装置からのセンサフィードバックは、X線透視装置からなどのフィードバックを撮像して追加の詳細を提供することによって補完されてもよい。大動脈弓などの血管を通って進行する間のセンサフィードバックの使用は重要な改善を提供するが、その理由は、それが、血管切開の可能性を低下させる、および/または粒子が血管壁から逃げ出す可能性を低下させるためである。別の利点では、置換弁は、生来の大動脈心臓弁に対して正確に位置決めされてよく、これにより、生来の大動脈弁膜を横断しやすくし、病気にかかった生来の弁の中に置換弁を正確に展開する。
他の実施形態において、インプラントを生来の大動脈心臓弁に送達する他の方法が利用されてよく、例えば、経心尖、経中隔、または他の方法が利用されてよい。
弁インプラントのための他の場所には、肺動脈弁および患者の身体の他の弁が含まれてよい。他の形態のインプラントが要望通りに他の身体の場所に送達されてもよい。
本明細書に開示される実施形態では、インプラントは、蛍光透視法の下で送達され得ることで、ユーザは、インプラントを適切に位置決めするために特定の基準点を見ることができる。さらに、インプラントを適切に位置決めするために、心エコー検査法が使用される場合がある。
一実施形態において、近接センサ582は、患者の身体の内部および患者の身体の表面からの細長いシャフト12の空間関係のモデルを提供するように構成されてよい。そのようなモデルは、ディスプレイスクリーンとして図37および図38に示される出力デバイス584、586上に(モニタ上および仮想現実または拡張現実ディスプレイ上に)提供されてよい。そのようなモデルはまた、所望であれば、患者の身体の外に位置決めされた他のセンサによって提供されてもよい。そのようなモデルは、ユーザが見るための、および患者の身体を通るようにナビゲートし、インプラント70を所望の場所に送達するためのフィードバックとしてのプロセッサ536による使用のための患者の身体の二次元マップまたは三次元マップであってよい。そのような構成は、インプラントの生来の大動脈弁への送達を含め、本明細書に開示される実施形態で利用されてよい。
図37は、送達装置の動作がユーザによって離れた場所で行われ得る一実施形態を示す。ユーザは、送達装置および細長いシャフト12の移動を制御するために、ジョイスティックまたは他の形態の制御デバイスなどの制御デバイス588を利用してよい。制御デバイス588は、送達装置の動きを感知して送達装置を制御するように構成されてよい。ユーザは、ディスプレイスクリーンの形態で出力デバイス584上に細長いシャフト12の位置を見ることができる。位置は、蛍光透視法または心エコー検査法を使用するセンサを介する位置の外部感知を含む、多様なやり方で提供されてよい。位置はまた、細長いシャフト12の近接センサからの信号によって生成された画像を介して提供されてもよい。近接センサは、細長いシャフト12と患者の身体の表面との間の空間関係の画像を生成するように構成されてよい。図17に示されるような、細長いシャフト12の軸方向の移動のためのモータを含む構成が、処置のリモート制御のために同様に利用されてよい。そのような構成は、インプラントの生来の大動脈弁への送達を含め、本明細書で開示される任意の実施形態で利用されてよい。
図38は、出力デバイス586が仮想現実または拡張現実ディスプレイ上のディスプレイスクリーンの形態である一実施形態を示す。ディスプレイは、ユーザによる着用のためのヘルメット(または強化された視覚化を可能にする他のヘッドセット)を含んでよく、この場合、ユーザは、ディスプレイスクリーンによって提供される視野を変えるために自分の頭を動かすことが可能である。図37に関して考察した実施形態と同様に、出力デバイス586において見られる細長いシャフト12の位置および患者の心臓の位置は、蛍光透視法または心エコー検査を介する位置の外部感知を含め、多様なやり方で提供されてよい。位置はまた、細長いシャフト12の近接センサからの信号によって生成された画像を介して提供されてもよい。近接センサは、細長いシャフト12と患者の身体の表面との間の空間関係の画像を生成するように構成されてよい。図17に示されるような細長いシャフト12の軸方向の移動のためのモータを含む構成が、処置のリモート制御のために同様に利用されてよい。そのような構成は、インプラントの生来の大動脈弁への送達を含め、本明細書に開示される任意の実施形態と共に利用されてよい。
図39は、本明細書に開示されるデバイスおよびシステムを利用し得る例示の方法を示す。方法は、本質的に例示であり、方法の特徴は、削除されたり、追加されてもよく、ステップの順番は要望通りに変更されてよい。方法の特徴は、本明細書に開示されるデバイス、システムおよび方法の他の特徴と組み合わされたり、そのような他の特徴で代用されてもよい。方法の特徴は、図25~図36に開示される実施形態で利用されてよい。
方法は、インプラントを特定の身体の場所に送達するために、患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるステップ820を含んでよい。送達装置は、本明細書に開示される送達装置の任意の実施形態と同様に構成されてよい。送達装置は、図25~図36の実施形態に示されるように、または本明細書に開示される任意の他のやり方で患者の身体の一部の中で伸長されてよい。インプラントは、本明細書に開示される任意のインプラントと同様に構成されてよく、身体の場所は、本明細書に開示される任意の場所を含んでよい。送達装置の少なくとも一部は、プロセッサによって稼働される少なくとも1つのモータによって作動されてよい。
送達装置は、患者の体内の送達装置の細長いシャフトなど、ユーザ(例えば、臨床医)が送達装置を進めることを介して患者の身体の一部の中で伸長されてよい。送達装置は、ユーザによって手動で進められてよい。例えば、ユーザは、送達装置のハンドルまたは制御機構を手で把持して送達装置を進めてよい。実施形態では、例えば、図17に示されるようにモータ駆動レール577を利用する、または送達装置の患者の体内への軸方向の移動を作動させる他の組立体を利用する、自動化された方法が利用されてもよい。実施形態では、送達装置は、例えば、図37および図38に示されるようにリモート制御デバイス588を利用して、ユーザによって離れた場所で進められてよい。他の実施形態において、患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるために他の方法が利用されてもよい。
ステップ822を参照すると、入力が制御デバイスによって提供されてよい。入力は、送達装置の少なくとも一部を作動させるためにユーザによって提供されてよい。図13、図15、図16、図37または図38に示される制御デバイス504、556、562、588などの制御デバイス、または他の形態の制御デバイスが要望通りに利用されてよい。入力は、送達装置の移動を制御するために提供されてよい。例えば、ユーザは、送達装置を偏向させる、または送達装置の深さを所望の配向に制御することを決定してよい。図25は、送達装置の細長いシャフトが生来の僧帽弁に向かって所望の配向に偏向されているのを示す。図32は、送達装置の細長いシャフトが生来の三尖弁に向かって所望の配向に偏向されているのを示す。図35は、送達装置の細長いシャフトが大動脈弓内の所望の配向に偏向されているのを示す。多様な形態の偏向が生じてよく、同様に送達装置の深さにおける変動が生じてよい。ユーザは、例えばインプラントを完全に、または部分的に展開するための送達装置の動作を実行するために入力をさらに提供してもよい。ユーザは、図37に示されるようなディスプレイスクリーン584などの出力デバイス上で患者の体内の送達装置の位置を見ることができる。ディスプレイスクリーン584上の画像は、蛍光透視法または心エコー検査センサなど、患者の身体の外のセンサによって生成されてよい、および/または細長いシャフトの近接センサからの信号を介して提供されてもよい。ユーザは、図37に関して考察したように出力デバイス上で患者の身体の内部のモデルを見ることができる。
実施形態では、入力は、例えば、図37および図38に示されるような制御デバイス588を利用してユーザによって離れた場所で提供されてもよい。
入力は、モータを稼働するために利用されてよく、プロセッサ536に提供されてよい。プロセッサ536がこれに従って利用されて、送達装置の所望の作動を生み出すようにモータを稼働してよい。
ステップ824を参照すると、1つまたは複数のセンサから信号が受信されてよい。信号は、プロセッサ536によって受信されてよく、センサからプロセッサ536に提供されるフィードバック信号を含んでよい。センサは、送達装置の状態を感知するためのセンサまたは患者の身体の状態を感知するためのセンサを含め、本明細書に開示されるセンサのいずれかを含んでよい。そのようなセンサは、位置センサ、モータトルクセンサ、接触センサ、近接センサ、圧力センサ、流量センサまたは本明細書に開示される他の形態のセンサを含んでよい。センサは、本明細書に開示されるやり方で動作してよい。センサ信号は、植え込み処置中に提供されてよく、処置中にフィードバック信号としてプロセッサ536にリアルタイムで提供されてよい。例えば、近接センサ582は、送達装置が患者の身体の表面に接触したこと、または患者の身体の表面に近接していることを示す信号を提供してよい。圧力センサ578は、患者の体内の流体圧などの圧力を示す信号を提供してよい。他のセンサが利用されてもよく、本明細書に開示させるやり方で動作してよい。実施形態では、センサは、送達装置に結合されない場合があり、患者の身体の外に位置決めされる場合もある。センサは、例えば、蛍光透視法または心エコー検査で利用されるセンサであってよく、患者の体内での送達装置の場所を特定するためのプロセスのためにプロセッサ536に提供されてよい。
ステップ826を参照すると、信号に基づいて出力が提供されてよい。プロセッサ536は、信号に基づいて出力を提供してよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態のうちの1つまたは複数に基づいて出力を提供するように構成されてよい。出力は本明細書に開示されるような多様な形態を有してよい。例えば出力は、データのログ828を含んでよい。そのようなデータのログは、送達装置を伴う植え込み処置のためであってよく、メモリ534に記憶されてよく、本明細書に開示されるような形態を有してよい。データは、分析のためにユーザによるその後の検索のために記憶されてよい、または送達装置によって取得された行動のログを記録してもよい。例えば、センサ信号の他の形態の中でも、位置センサ信号は、送達装置の移動を記録するためにログ記録されてよい。実施形態において、データのログは、システムが過去の事象から学習することを可能にするために利用されてよく、システムが処置を継続的に改良して成功の結果の確率を高めることを可能にするために機械学習アルゴリズムにおいて利用されてよい。データのログは、そのようなデータを使用し得る機械学習アルゴリズムにおいて使用するために、植え込み処置または患者の特徴からのデータを含んでよい。
出力は、指標830を含んでよい。指標は、本明細書に開示されるやり方でプロセッサ536によって生成されてよく、出力デバイス上に提供されてよい。送達装置の状態または患者の身体の状態は多様な形態でユーザに示されてよく、例えば出力デバイスは、他の形態の出力デバイスの中でも、ディスプレイスクリーン、光源、スピーカーまたは触覚デバイスのうちの1つまたは複数を含んでよい。ユーザは、指標に応答することが可能であり得る。例えば指標は、近接センサ582が、送達装置が患者の身体の表面に接触したこと、または患者の身体の表面に近接していることを感知したことを示した場合、このときユーザは、応答して、送達装置をその表面から離れるように作動させることが可能であり得る。さらに指標が、流量センサ583が植え込み中に患者の体内で望ましくない流れを感知することを示す場合、このときユーザは応答して、要望通りにインプラントを展開し直すことが可能であり得る。指標は植え込み処置が要望通りに作用しているかどうかを示す場合もある、または植え込み処置の望ましくない作用を示す場合もある。他の形態の指標が本明細書に開示されるように提供されてもよく、ユーザは望ましいやり方で応答してよい。
出力は、送達装置の少なくとも一部の作動832を含んでよい。プロセッサ536は、1つまたは複数のセンサからの信号に基づいたモータ500の制御を含む出力を提供してよい。例えば接触センサ580または近接センサ582からの信号は、送達装置が患者の身体の表面に接触したこと、または患者の身体の表面に近接していることのフィードバックとしてプロセッサ536に提供されてよい。プロセッサ536はこれに従って、患者の身体の表面を回避する、または患者の身体の表面から後退するようにセンサからのフィードバックに基づいてモータ500を稼働する出力を提供してよい。流量センサ583a~lからの信号は、プロセッサ536に、インプラント70を展開し直す、または送達装置の一部を移動させて弁膜1108を捕らえ直すためにモータ500に出力を提供させてよい。位置センサからの信号は、送達装置が正しい移動を実行しているかどうかに関してプロセッサ536にフィードバックを提供してよく、プロセッサ536は、必要に応じて、補正移動を実行する(例えば、必要であれば細長いシャフト12を偏向させる)ようにモータ500を稼働させてよい。プロセッサ536は、自動的に応答し、1つまたは複数のセンサによって感知された患者の身体の状態または送達装置の状態に基づいて出力を生成するようにプログラムされてよい。プロセッサ536のプログラミングは、メモリ534に記憶され、プロセッサ536によって稼働されてよい。
実施形態において、プロセッサ536は、センサからのフィードバックに基づいて、例えばステップ822において、ユーザによって提供される入力を調節するように構成されてよい。例えば、ユーザは、患者の身体の表面に向かって細長いシャフト12を誘導するための制御を提供しており、近接センサ582が、そのような行動が、細長いシャフトをその表面に対する近接の特定の閾値内にすると判断した場合、このとき、プロセッサ536は、ユーザの入力が安全でないと判断し、患者の身体の表面を回避する、または患者の身体の表面から後退するように入力を自動的に調節してよい。したがってプロセッサ536は、送達装置を自動的に操作して、ユーザによって提供される入力を調節してよく、これは、ユーザによって提供される入力より優位に立つことを含んでよい。同様に流量センサ583が弁の植え込み中に望ましくない流れが提供されることを感知した場合、このときプロセッサは、送達装置を自動的に操作して、弁を適切に植え込むように、ユーザによって提供される入力を調節してよい。プロセッサ536は、ユーザによって提供される入力を調節するために、本明細書に開示される任意のセンサ信号に基づいて動作してよい。
プロセッサ536によって生じる作動は、過去の植え込み処置から、または患者の特徴からのデータを利用する機械学習アルゴリズムに基づいてよい。データは、これ以前の処置から、とりわけ同様の解剖学的構造および/または他の特徴を有する患者に対して行われたこれ以前の処置から「学習」されてよい。したがって、同様の解剖学的構造を有する患者に対して首尾よく行われた手順のステップを繰り返すことができ、これにより、現在の患者に対する処置が成功する可能性を高めることができる。機械学習アルゴリズムは、送達装置の作動を制御するためにプロセッサ536によって利用されてよく、ユーザによって提供される入力を調節するために使用されてよい。
さらに、プロセッサ536によって生じる作動は、送達装置によって実行されるべきプログラムされた一連の移動に基づいてよい。そのようなプログラムは、プロセッサ536に事前にプログラムされてよい、または図37に関して考察したように患者の解剖学的構造のモデルまたはマップに基づいてプログラムされてもよい。例えば、患者の解剖学的構造のモデルまたはマップを特定するのに外部センサが利用されてよく、プロセッサ536は、所望の身体の場所にインプラントを送達するための移動でプログラムされてよい。プログラミングはまた、例えばセンサからのフィードバックに基づいて植え込み処置中に行われてよい。ユーザからの入力が、特定の閾値内の所望の移動から逸脱する場合、このときプロセッサ536は、送達装置を所望のやり方で移動させるように入力を自動的に調節するように構成されてよい。したがってプロセッサ536は、ユーザが植え込み中に望ましくない処置を実行する可能性を低減するようにプログラムされてよい。
ステップ834を参照すると、植え込みの確認が提供されてよい。そのような確認は、プロセッサ536によって提供されてよく、センサからの信号に基づいて提供されてよい。例えば、圧力センサまたは流量センサ、あるいは他の形態のセンサは、インプラントが植え込まれていると判断してよい。プロセッサ536は、出力デバイス上の指標として、植え込みのそのような確認を提供するように構成されてよく、その結果、ユーザは、インプラントが埋め込まれていることを知らされる。ユーザは、その後、患者の身体から送達装置を引き抜くためのステップを実行してよく、それ以外の方法で植え込み処置を完了してよい。
図39に関して考察した例示の方法では、ユーザ(例えば、臨床医)が入力を提供してよく、これは、本明細書に開示される構成要素(例えば、他の構成要素の中でもプロセッサ、モータおよび1つまたは複数のセンサ)の使用によって支援されてよい。実施形態では、しかしながら植え込み処置は自律式に行われてもよい(すなわち、手術中の環境に適合する)。プロセッサは、送達装置の自律制御を実行して、植え込み処置を実行してもよい。ユーザは、処置中にいくつかの入力を提供してもよく、そのため処置は、半自律式に行われてもよい。したがって、方法は、自律式または半自律式に(または少なくとも半自律式に)行われてよい。
図40は、例えば、送達装置の自律制御の方法を示す。ユーザは、処置中にいくつかの入力を提供してよく、そのため処置は、半自律式または少なくとも半自律式に行われてよい。図39に関して開示した方法と同様に、図40の方法は、本明細書に開示されるデバイスおよびシステムを利用し得る例示の方法である。方法の特徴は、削除されたり、追加されたりしてもよく、ステップの順番は要望通りに変更されてよい。方法の特徴は、本明細書に開示されるデバイス、システムおよび方法の他の特徴と組み合わされたり、そのような他の特徴で代用されたりしてもよい。方法の特徴は、図25~図36に開示される実施形態において利用されてよい。
方法は、インプラントを特定の身体の場所に送達するために、患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるステップ840を含んでよい。送達装置は、本明細書に開示される送達装置の任意の実施形態と同様に構成されてよい。送達装置は、図25~図36の実施形態に示されるように、または本明細書に開示される任意の他のやり方で患者の身体の一部の中で伸長されてよい。インプラントは、本明細書に開示される任意のインプラントと同様に構成されてよく、身体の場所は、本明細書に開示される任意の場所を含んでよい。
送達装置は、患者の体内の送達装置の細長いシャフトなど、モータが送達装置を進めることを介して患者の身体の一部の中で伸長されてよい。モータは、プロセッサ536によって制御されてよい。例えば図17に示されるようなモータ駆動レール577、または送達装置の患者の体内への軸方向の移動を作動させる他の組立体が利用されてよい。他の実施形態において、送達装置を患者の身体の一部の中で伸長させるために他の方法が利用されてもよい。
ステップ842を参照すると、プロセッサ536は、送達装置を作動させるためにプログラムを稼働させてよい。プロセッサ536は、送達装置を所望の場所に、および所望の展開動作のために作動させるために一連の移動でプログラムされてよい。例えば、プロセッサ536は、蛍光透視法または心エコー検査を介する位置の外部感知に基づいて、および/または細長いシャフト12の近接センサからの信号を介して特定されている位置に基づいて、所望の送達場所、ならびに所望の送達場所に到達するためにたどるべき経路および配向を特定するように構成されてよい。プログラムされた一連の移動は、所望の植え込み場所までの経路の幾何学形状および所望の植え込み場所の配向に基づいて提供されてよい。送達装置の移動および展開は、プロセッサ536に事前にプログラムされてよく、たどるべき患者の体内の所望の場所までの特定の経路に基づいて個別化されてよい。特定の実施形態において、機械学習アルゴリズムがプロセッサ536によって利用されて、送達装置の作動を制御してもよい。例えば、経路および配向は、同様の特徴を有する患者に対するこれ以前の処置からのデータによっても補完される。プロセッサ536およびプログラミングは、ステップ840に関して開示されるような患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるのに利用されてよい。
ステップ844を参照すると、プロセッサ536は、継続してプログラムに従ってよく、1つまたは複数のセンサから信号を受信してよい。プロセッサ536は、ステップ846においてプロセッサ536に出力を生成させる、(本明細書で考察されるように)センサからのフィードバックを受信してよい。センサからの信号は、ステップ826に関して開示したものと同様のやり方でプロセッサ536によって利用されてよく、図39の出力828、830、832に関して開示したものと同様の出力848、850、852を生成してよい。例えばプロセッサ536は、図39の方法に関して開示したものと同様のやり方でデータのログ848を生成するように構成されてよい。プロセッサ536は、図39の方法に関して開示したものと同様のやり方で指標850を生成するように構成されてよい。指標850は、ユーザが処置に介入するかどうか判断するために提供されてよい。例えば、ユーザ(例えば臨床医)が、自律式に稼働された送達装置が特定の表面に接触したこと、またはインプラントを不適切に展開したことの指標を受け取った場合、このとき、ユーザは、そのような作動を修正するように試みるために介入してよい。
プロセッサ536は、送達装置の作動852を生み出すように構成されてよい。作動852は、プロセッサ536が、本明細書で考察されるようなセンサからのフィードバックを使用して最小限の人の干渉で、または人の干渉なしに、経路および動作を修正して処置を完了するために提供されてよい。例えば、位置センサが、送達装置が意図される経路から逸脱していることを示す場合、プロセッサ536は経路を自動的に調節してよい。近接センサが、送達装置が特定の表面に近づいていることを示した場合、このときプロセッサ536は、経路を自動的に調節してよい。プロセッサ536は、インプラントの送達のための任意の所望の場所にナビゲートするために使用されてよい。そのようナビゲーションは例えば、他の形態のナビゲーションの中でも図25、図31、図32、図34および図35に示される。本明細書に開示されるセンサのいずれか、およびそのようなセンサからのフィードバック作用は、そのような方法において利用されてよい。特定の実施形態において、ユーザは、処置を修正するために処置中に何らかの入力を提供してよい、またはそうでなければ処置を制御するために入力を提供してもよい。
図39に関して考察した方法と同様に、プロセッサ536によって生じる作動は、過去の植え込み処置から、または患者の特徴からのデータを利用する機械学習アルゴリズムに基づいてよい。作動は、これ以前の処置から「学習した」、およびとりわけ同様の解剖学的構造および/または他の特徴を有する患者に対して行われたこれ以前の処置から「学習した」データに基づいてよい。したがって、同様の解剖学的構造を有する患者に対して首尾よく行われた手順のステップを繰り返すことができ、これにより、現在の患者に対する処置が成功する可能性を高めることができる。機械学習アルゴリズムは、送達装置の作動を制御するためにプロセッサ536によって利用されてよい。
プロセッサ536は、送達装置の所望の作動を生み出すためにモータ500を稼働するように構成されてよい。プロセッサ536は、送達装置を所望の身体の場所に偏向させるためにモータを自動的に稼働するように構成されてよい。プロセッサ536は、送達装置を少なくとも2つの平面内で偏向させるためにモータを自動的に稼働するように構成されてよい。プロセッサ536は、インプラント70を所望の場所に自動的に展開し、送達処置を完了するように構成されてよい。プロセッサ536は、ユーザによる制御または介入なしに特定の実施形態における送達装置を完了するように構成されてよい。ステップ854において、植え込みの確認が、図39のステップ834と同様のやり方で提供されてよい。プロセッサ536は、出力デバイス上の指標として、植え込みのそのような確認を提供するように構成されてよく、その結果、ユーザは、インプラントが埋め込まれていることを知らされる。
図39および図40の方法は、患者の体内での心臓弁の置換えまたは修復のために利用されてよい。心臓弁は、大動脈心臓弁、僧帽弁心臓弁、三尖弁心臓弁または肺動脈心臓弁のうちの1つまたは複数を含んでよい。他の弁または植え込みのための身体の場所が、他の実施形態において治療されてもよい。図39および図40の方法に対する変形が要望通りに提供されてもよい。
図41は、図10に示される装置と同様に構成された送達装置の一実施形態を示しているが、送達装置の作動を制御するために複数のモータ502が利用されてよい。複数のモータ502は、例えば、送達装置の一部を作動させるように構成されたそれぞれのアダプタ590、592、594に係合するように各々構成されてよい。モータ502は、送達装置の作動を生じさせるためにアダプタ590、592、594の線形移動を実行するように構成されてよい。さらに図41の実施形態では、図10のプロセッサ、メモリならびに入力デバイスおよび出力デバイスが、ハンドル内に位置決めされたプリント回路基板596上に設けられてよい。バッテリパックまたは他の形態の電源などの電源598もまた、ハンドル内で利用されてよい。図41の実施形態は、送達処置を実行する、センサからフィードバックを受信する、ならびに所望であればデータのログ記録を実行するためのプロセッサを含めた、自給式ハンドルユニットを備えてよい。
本明細書に開示されるモータは、とりわけ、電磁式、ステッパー、油圧式、圧電式を含めた多様な形態のモータを含んでよい。
本明細書に開示されるシステムおよび方法の多くをプロテーゼ僧帽弁インプラントの植え込みに関して考察してきたが、システムおよび方法はまた、三尖弁、動脈弁および肺動脈弁などの他の心臓弁の置換えにも適用可能である。システムおよび方法は、心臓弁の修復用のインプラントを含め、多様なインプラントを送達するのに利用され得ることも理解されたい。例えば、他のタイプのインプラントの中でも、利用され得る他のタイプの心臓弁インプラント(例えば、大動脈弁インプラントおよび他の修復インプラント)が図42~図44に示される。
本明細書で利用される送達装置は、図1に示される送達装置のように構成されてよい、または多様な他の構成を有してもよい。例えば、生来の大動脈弁にインプラントを送達するように構成された送達装置が利用されてよく、大動脈弓を通過するように構成されてよい。送達装置は、送達されるべきインプラントのタイプに従って、およびインプラントの送達の場所に従って構成されてよい。他の形態の送達装置が要望通りに利用されてよい。
本明細書に開示される方法およびシステムは特定の実施形態において、インプラントの送達に制限されないが、任意の医学的介入または患者の体内への挿入に拡張されてよく、これらは体内で医療処置を実行することを含んでよい。本明細書に開示される方法およびシステムは、カテーテルの一般的な使用において要望通りに利用されてよい。例えば、図41に示されるハンドルおよびそこに開示される構成要素は、特定の実施形態において一般的なカテーテルハンドルを備えてよい。さらに、送達装置の構成は、他の実施形態では修正される場合がある。例えば、大動脈弁送達装置に関して、インプラント保持領域および送達装置の他の特徴部の構成は修正されてもよい。
図42は、本明細書の実施形態に従って利用され得るインプラントの代替の一実施形態を示す。図42の参照番号付けは、図3Aに関して上記で考察したものと同じである
次に図43~図44を参照すると、拡張構成におけるインプラント1600の代替の一実施形態が示される。インプラント1600は、内側フレーム1620、外側フレーム1640、弁本体1660、ならびに外側スカート1680および内側スカート1690などの1つまたは複数のスカートを含むことができる。
図43~図44に示される外側フレーム1640を最初に参照すると、外側フレーム1640は、任意の既知の締め具および/または技術を使用して内側フレーム1620に装着することができる。外側フレーム1640は、内側フレーム1620とは別個の構成要素として示されるが、フレーム1620、1640は、統一されて、または1つの物で形成することができることを理解されたい。
図示の実施形態に示されるように、外側フレーム1640は、外側フレーム本体1642を含むことができる。外側フレーム本体1642は、上方領域1642a、中間領域1642bおよび下方領域1642cを有することができる。外側フレーム本体1642の上方領域1642aの少なくとも一部は、内側フレーム1620の上方領域1622aのサイズおよび/または形状と概ね一致するようにサイズを決めることができる、および/または成形することができる。図示の実施形態に示されるように、外側フレーム本体1642の上方領域1642aは、内側フレーム1620の支柱のサイズおよび/または形状と概ね一致する1つまたは複数の支柱を含むことができる。これは、組み合わされた支柱の壁の厚さを効果的に増大させることによって、インプラント1600の一部を局所的に強化することができる。
完全に拡張した構成など、拡張構成にあるとき、中間領域1642bおよび下方領域1642cは、上方領域1642aの直径より大きい直径を有することができる。外側フレーム本体1642の上方領域1642aは、上方領域1642aがインプラント1600の長手方向の軸に向かって半径方向内向きに傾斜される、または湾曲されるように、下方端から上方端まで縮小する直径を有することができる。外側フレーム本体1642は、円筒形である、または円形の断面を有するように記載され図示されているが、外側フレーム本体1642の全てまたは一部は、これに限定するものではないがD字型、長円形またはそれ以外の卵形の断面形状などの非円形断面を有する場合もあることを理解されたい。
図43に示される外側フレーム1640を続けて参照すると、外側フレーム本体1642は、複数の支柱を含むことができ、少なくとも一部の支柱はセル1646a~cを形成する。楕円、長円、角のない多角形および涙形などを形成するように示される波状支柱のリングなど、任意の数の支柱の構成を使用することができるが、山形模様、ダイアモンド形、カーブおよび種々の他の形状も同様に使用することができる。
セル1646aの上方列は、「ハート」形などの不規則な八角形形状を有することができる。このような追加の空間は、外側フレーム1640が、ひだがつけられるときに、より小さな外形を保持することを可能にすることが有益であり得る。セル1646aは、支柱の組合せを介して形成することができる。図示の実施形態に示されるように、セル1646aの上方列は、繰り返す「V」字型を形成するジグザグまたは波状形状を有する円周方向に伸長可能な支柱1648aのセットから形成することができる。支柱1648aは、上方端から下方端まで半径方向外向きに延在することができる。これらの支柱は、内側フレーム1620の支柱のサイズおよび/または形状と概ね一致することができる。
セル1646aの中間部分は、「V」字形の各々の底端から下方に延在する一セットの支柱1648bから形成することができる。支柱1648bは、上方端から下方端まで半径方向外向きに延在することができる。支柱1648bの底端から上向きに延在するセル1646aの一部は、外側フレーム1640の実質的に短縮されない部分と見なされてよい。
セル1646aの下方部分は、繰り返す「V」字形を形成するジグザグまたは波状形状を有する円周方向に伸長可能な支柱1648cのセットから形成することができる。図示の実施形態に示されるように、支柱1648cは、支柱1648cの下方端が支柱1648cの上方端より長手方向軸とより平行に延在するように、湾曲を取り入れることができる。円周方向に伸長可能な支柱1648cの上方端または先端のうちの1つまたは複数は、支柱に接続されない「自由な」頂点であり得る。例えば、図示の実施形態に示されるように、円周方向に伸長可能な支柱1648bの全ての他の上方端または先端は、自由な頂点である。しかしながら他の構成が使用される場合があることを理解されたい。例えば、上方端に沿った全ての上方頂点が支柱に接続される場合がある。
セル1646b~cの中間および/または下方列は、第1の列のセル1646aと異なる形状を有する場合がある。セル1646bの中間列およびセル1646cの下方列は、ダイアモンド形状または概ねダイアモンド形状を有することができる。ダイアモンド形状または概ねダイアモンド形状は、支柱の組合せを介して形成することができる。
セル1646bの上方部分は、セル1646bがセル1646aと支柱を共有するように、円周方向に伸長可能な支柱1648cのセットから形成することができる。セル1646bの下方部分は、円周方向に伸長可能な支柱1648dのセットから形成することができる。図示の実施形態に示されるように、円周方向に伸長可能な支柱1648dのうちの1つまたは複数は、外側フレーム1640の長手方向軸に対して概ね平行な下方向に概ね延在することができる。
セル1646cの上方部分は、セル1646cがセル1646bと支柱を共有するように、円周方向に伸長可能な支柱1648dのセットから形成することができる。セル1646cの下方部分は、円周方向に伸長可能な支柱1648eのセットから形成することができる。円周方向に伸長可能な支柱1648eは、下方向に概ね延在することができる。
図示の実施形態に示されるように、9個のセル1646aの列と、18個のセル1646b~cの列とが存在し得る。セル1646a~cの各々が、同一の列の他のセル1646a~cと同じ形状を有するように示されるが、1つの列内のセル1646a~cの形状は異なる場合があることを理解されたい。さらに、任意の数のセルの列を使用することができ、任意の数のセルが列の中に収容され得ることを理解されたい。
図示の実施形態に示されるように、外側フレーム1640は、一セットのはとめ1650を含むことができる。はとめ1650の上方セットは、外側フレーム本体1642の上方領域1642aから延びることができる。示されるように、はとめ1650の上方セットは、セル1646aの上方頂点など、セル1646aの上方部分から延びることができる。はとめ1650の上方セットは、外側フレーム1640を内側フレーム1620に装着するのに使用することができる。例えば、いくつかの実施形態において、内側フレーム1620は、はとめ1650に対応する1つまたは複数のはとめを含むことができる。そのような実施形態では、内側フレーム1620および外側フレーム1640は、はとめ1650および内側フレーム1620上の対応するはとめを介して一緒に装着することができる。例えば内側フレーム1620および外側フレーム1640は、当該はとめを通して一緒に縫合される場合がある、または機械的締め具(例えばねじ、リベットなど)などの他の手段を介して装着される場合もある。
示されるように、はとめ1650のセットは、各「V」字形支柱から順番に延びる2つのはとめを含むことができる。これは、外側フレーム1640が、はとめの軸に沿ってねじれる可能性を低減することができる。しかしながら、一部の「V」字形支柱は、はとめを含まない場合があることを理解されたい。さらに、より少ない、またはより多くの数のはとめが「V」字形支柱から延びる場合があることを理解されたい。
外側フレーム1640は、上方領域1642aの上方端においてそこから、または上方端に近接して延在する一セットのロックタブ1652を含むことができる。示されるように、ロックタブ1652は、はとめ1650のセットから上向きに延在することができる。外側フレーム1640は、12個のロックタブ1652を含むことができるが、より多くの数の、またはより少ない数のロックタブが使用される場合があることを理解されたい。ロックタブ1652は、長手方向に延びる支柱1652aを含むことができる。支柱1652aの上方端において、ロックタブ1652は、拡大されたヘッド1652bを含むことができる。示されるように、拡大されたヘッド1652bは、支柱1652aと共に「マッシュルーム」形状を形成する半円または半長円形を有することができる。ロックタブ1652は、拡大されたヘッド1652bを通して位置決めされ得るはとめ1652cを含むことができる。ロックタブ1652は、他の場所にはとめを含む場合、または2つ以上のはとめを含む場合があることを理解されたい。
ロックタブ1652は、複数のタイプの送達システムと共に有利に使用することができる。例えば支柱1652aおよび拡大されたヘッド1652bの形状は、外側フレーム1640を、上記に記載した内側保持部材40などの「スロット」ベースの送達システムに固定するのに使用することができる。はとめ1652cおよび/またははとめ1650は、外側フレーム1640を、外側フレーム1640およびインプラント1600の送達を制御するために縫合糸、ワイヤまたはフィンガーを利用するものなど、「係留」ベースの送達システムに固定するのに使用することができる。これは、外側フレーム1640およびインプラント1600を本来の位置で捕らえ直し、位置決めし直すのを有利に促進することができる。
外側フレーム本体1642などの外側フレーム1640は、インプラント1600を生来の僧帽弁などの、生来の弁に装着または固定するのに使用することができる。例えば、外側フレーム本体1642の中間領域1642bおよび/または外側アンカー機構1644は、収縮および/または拡張など、心臓周期の1つまたは複数の段階の中で、生来の弁環帯、生体の弁環帯を越える組織、生来の弁膜、および/または植え込み場所における、またはその周りの他の組織に接触または係合するように位置決めすることができる。別の例として、外側フレーム本体1642と内側フレームアンカー機構1624との間に位置決めされた体腔の組織、例えば生来の弁膜および/または生来の弁環帯などに係合する、またはそれらを挟むことで、インプラント1600を組織にさらに固定することができるように、外側フレーム本体1642は、内側フレームアンカー機構1624に対してサイズが決められ、位置決めすることができる。示されるように、内側フレームアンカー機構1624は、9個のアンカーを含むが、より少ない数、またはより多くの数のアンカーが使用される場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態において、個々のアンカーの数は、弁本体1660に関する継ぎ目の数の倍数として選択することができる。例えば弁本体1660が3つの継ぎ目を有する場合、内側フレームアンカー機構1624は、3つの個別のアンカー(1:1の比)、6つの個別のアンカー(2:1の比)、9つの個別のアンカー(3:1の比)、12個の個別のアンカー(4:1の比)、15個の個別のアンカー(5:1の比)または任意の他の3の倍数を有することができる。いくつかの実施形態において、個々のアンカーの数は、弁本体1660の継ぎ目の数に対応しない。
図43~図44に示されるプロテーゼ1600を継続して参照すると、弁本体1660は、内側フレーム本体1622の内部の中で内側フレーム1620に装着される。弁本体1660は、弁本体1660を通る第1の方向での血流を可能にし、弁本体1660を通る第2の方向の血流を阻止するための一方向弁として機能する。
弁本体1660は、例えば3つの弁膜1662などの複数の弁膜1662を含むことができ、これらは継ぎ目において結合される。弁本体1660は、1つまたは複数の中間構成要素1664を含むことができる。中間構成要素1664は、弁膜1662の少なくとも一部が、中間構成要素1664を介してフレーム1620に結合されるように、弁膜1662の一部またはその全てと内側フレーム1620との間に位置決めすることができる。この方法において、弁膜1662の継ぎ目および/または弓形縁部における弁膜1662の一部またはその全体は、内側フレーム1620に直接結合または装着されず、内側フレーム1620内に間接的に結合される、またはその中に「浮かんでいる」。
図43に示される外側スカート1680を次に参照すると、外側スカート1680は、内側フレーム1620および/または外側フレーム1640に装着することができる。示されるように、外側スカート1680は、外側フレーム1640の外側の一部、またはその全体を囲むように位置決めされ、そこに固定することができる。内側スカート1690は、弁本体1660および外側スカート1680に装着することができる。図44に示されるように、内側スカート1690の第1の端部は、内側フレーム1620に近接する弁本体1660の部分に沿って弁本体1660に結合することができる。内側スカート1690の第2の端部は、外側スカート1680の下方領域に装着することができる。そうする中で、弁膜の各々の下でそれに沿って滑らかな表面を形成することができる。これは、血液がより自由に循環することを可能にし、停滞する領域を削減することによって血流力学を有益に高めることができる。
インプラント1600は、内側フレーム1620、外側フレーム1640、弁本体1660、およびスカート1680、1690を含むように記載されてきたが、インプラント1600は、全ての構成要素を含む必要はないことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、インプラント1600は、内側フレーム1620、外側フレーム1640および弁本体1660を含むが、スカート1680は省略する場合がある。さらに、インプラント1600の構成要素は、別個の構成要素として記載され図示されてきたが、インプラント1600の1つまたは複数の構成要素は、一体式にまたは1つの物で形成される場合があることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、内側フレーム1620および外側フレーム1640は、単一の構成要素として一体式にまたは1つの物で形成される場合がある。
図45~図48は、送達装置のカプセルの一部を引き寄せる、または跳ね返すことでカプセルのサイズを変更するように構成された少なくとも1つの電磁石が利用される実施形態を示す。図45を参照すると、カプセル600は、カプセル106または本明細書に開示される任意の他のカプセルと同様に構成されてよい。カプセル600は、インプラント保持領域16または本明細書に開示される任意の他のインプラント保持領域と同様に構成され得るインプラント保持領域602を取り囲んでよい。カプセル600は、送達装置の細長いシャフトの一部であってよく、これは本明細書に開示されるのと同様のやり方で構成されてよい。インプラント保持領域602は、インプラントを保持するように構成されてよく、インプラントは、インプラント70または本明細書に開示されるような別の形態のインプラントを備えてよい。
カプセルのサイズを変更するために、少なくとも1つの電磁石604が利用されてよい。図45に示されるように、複数の電磁石604が利用されてもよい、または他の実施形態において単一の電磁石604が利用される場合もある。電磁石604は、カプセル600の第1の部分606に結合され、その上に位置決めされてよく、カプセル600の第2の部分608を引き寄せる、または跳ね返すように構成されてよい。図45に示されるような第1の部分606は、インプラント保持領域602内でインプラント70を取り囲むように構成されたカプセル600の側壁を備えてよい。第2の部分608は、インプラント70を取り囲むように構成されたカプセル600の側壁を同様に備えてよい。側壁は、インプラント70がインプラント保持領域602内に保持される間、インプラント70に圧縮力を加えるように構成されてよい。第1の部分606および第2の部分608は、カプセル600の半分を占めてよく、カプセル600の軸方向の長さに沿って延在してよい。他の実施形態において、カプセル600の一部の他の構成が利用されてもよい。さらに、1つまたは複数の電磁石604の他の位置が利用されてもよい。例えば、1つまたは複数の電磁石604が、他の場所の中でも、ノーズコーン組立体31、内側組立体18、中間シャフト組立体21などの送達装置の別の組立体の上に位置決めされてもよい。図45に示されるような電磁石604は、外側シース組立体22上に位置決めされるが、カプセル600のサイズを変更するために他の位置が利用されてもよい。
部分606、608は、部分606と608との間のギャップ610によって互いから隔てられてよい。ギャップ610は、開放ギャップ610であってよい、または例えば、所望であれば圧縮され得る材料で満たされた充填されたギャップ610であってもよい。ギャップ610は、図45に示されるようにカプセル600の軸方向の長さに沿って延在してよい、または他の実施形態において要望通りに他の構成を有する場合もある。ギャップ610によって提供される部分606の縁部と部分608の縁部との間の分離は、部分606と608が互いに対して移動することでギャップ610のサイズを増減し、およびこれに従ってカプセル600のサイズを変更することを可能にしてよい。
部分606、608を互いに向けて、または互いから離れるように付勢し得る付勢体612が利用されてよい。付勢体612は、部分606、608に付勢力を加えるように構成されてよい。そのような付勢力は、部分606、608を要望通りに互いに向けて引っ張る、または互いから離れるように引っ張ることができる。付勢力は、少なくとも1つの電磁石604によって加えられるべき力の方向に対抗してよい。例えば、少なくとも1つの電磁石604が、部分606、608を合わせて引き寄せる一実施形態では、付勢体612は、部分606、608を互いから離れるように移動させてよい。少なくとも1つの電磁石604が部分606、608を跳ね返す一実施形態では、付勢体612は、部分606、608を互いに向けて移動させてよい。付勢体612は、本体612の圧縮または拡張に抵抗するように構成された弾性体を備えてよい。例えば、本体612が圧縮されるとき、本体612は、抵抗する拡張力を提供してよく、本体612が拡張されるとき、本体612は、抵抗する圧縮力を提供してよい。本体612は要望通りに、ギャップ610内に位置決めされてよい、またはギャップ610の外に位置決めされてもよい。例えば、本体612は、要望通りにギャップ610の上またはカプセル600の外側表面上に配置されたシースを備えてよい。
1つまたは複数の電磁石604は、カプセル600の一部を要望通りに、引き寄せる、または跳ね返すことで、カプセル600のサイズを変更するように位置決めされてよい。1つまたは複数の電磁石604は、細長いシャフトの長さに沿って延在してよく、かつ図10に示される電源538または本明細書に開示される任意の他の電源と同様に構成され得る電源616に結合され得る電気導管614a、bに結合されてよい。電源616は、少なくとも1つの電磁石604に電気エネルギーを提供するように構成されてよい。電源616は、電気導管614a、bおよび1つまたは複数の電磁石604に電流を通過させて、電磁石604を作動させ、電磁石604に引き寄せ力または反発力を提供させるように構成されてよい。電源616は要望通りに引き寄せ力または反発力から変化するように、電流の方向を反転させるように構成されてよい。電源616は、1つまたは複数の電磁石604を通る電流の量を変化させて、引き寄せ力または反発力の強度を変更することも可能であり得る。
1つまたは複数の電磁石604は、カプセル600内の磁気反応材料(例えば、図45に示される第2の部分608などの電磁石604を含まないカプセル600の部分)に磁力を加えるように構成されてよい。磁気反応材料は、金属、または所望の場所でカプセル600に結合され得る他の形態の磁気反応材料であってよい。他の実施形態において、電磁石604は、他の電磁石604は、または磁気材料に磁力を加えるように構成されてよい。
カプセル600の半径方向のサイズを変更するのに1つまたは複数の電磁石604が利用されてよい。インプラント保持領域602の直径は変化してよく、カプセル600の内径および外径も同様に変化してよい。カプセル600のサイズの変動は、所望の時間におけるカプセル600の低くなった外形サイズ、および別の所望の時間におけるカプセル600のより大きな外形サイズを可能にしてよい。例えば、カプセル600の低くなった外形サイズは、患者の身体の血管系を通過する際に望ましい場合がある。カプセル600のより大きな外形サイズは、所望の時間におけるカプセル600内への、およびカプセル600から外へのインプラント70の通過のしやすさを高めるために、望ましい場合がある。例えば、装填処置中のインプラント70のカプセル600内への進入時に、より大きなサイズにされたインプラント保持領域602およびカプセル600が望ましい場合がある。さらに、カプセルからのインプラント70の展開時に、例えば図28~図30に示されるような処置中に、より大きなサイズにされたインプラント保持領域602およびカプセル600が望ましい場合がある。より大きなサイズにされたインプラント保持領域602およびカプセル600は、インプラント70の装填および展開時のインプラント70およびカプセル600に対する摩擦を低減し得る。したがって、インプラント70を展開するためのカプセル600の後退時に、カプセル600に加えられる力が削減されてよい。1つまたは複数の電磁石604の使用によって、ユーザがカプセル600のサイズを選択的に変更することが可能になり得る。
カプセル600は、カプセル600のサイズを縮小するのに1つまたは複数の電磁石604を利用しつつ、より大きなサイズを有するように付勢されてよい。例えば、図45に示されるように、付勢体612は、カプセル600の半径方向のサイズを拡大するために部分606、608に付勢力を加えてよい。1つまたは複数の電磁石604はその後、部分606を部分608に引き寄せるように作動され、こうして付勢力を克服し、ギャップ610を閉鎖してよい。1つまたは複数の電磁石604は、カプセル600の半径方向のサイズを縮小するために部分608を引き寄せてよい。図46は、図45に示されるものより縮小された半径方向のサイズを有するカプセル600を示す。そのような実施形態では、カプセル600は、カプセル600が縮小された半径方向のサイズを有する状態で、患者の体内の所望の場所に進められてよい。カプセル600内に位置決めされたインプラント70の展開のための所望の時間において、1つまたは複数の電磁石604は、電気が切断されてよく、付勢体612は、部分606、608を互いから離れるように押圧してカプセル600の半径方向のサイズを拡大してよい。インプラント70はこれに従って、カプセル600との摩擦力が減少した状態で、インプラント保持領域602から展開されてよい。1つまたは複数の電磁石604は、カプセル600および送達装置を患者の身体から引き抜くためにカプセル600の半径方向のサイズを縮小するために、インプラント70の展開後、再び通電されてよい。
実施形態では、付勢体612は、1つまたは複数の電磁石604がカプセル600の一部を跳ね返すための反発力を加えてカプセル600の半径方向のサイズを拡大しつつ、カプセル600の半径方向のサイズを縮小するように構成されてよい。そのような実施形態では、1つまたは複数の電磁石604は、付勢体612の力を克服し、カプセル600の半径方向のサイズを拡大するために所望の時間に通電されてよい。
実施形態では、付勢体は、除外されてもよい。例えば、1つまたは複数の電磁石604が引き寄せ力または反発力を交互に加えることで、カプセル600のサイズを変更してもよい。1つまたは複数の電磁石604は、引き寄せ力を加えることで、所望の時間までカプセル600を低い外形構成に維持するように構成されてよい。1つまたは複数の電磁石604は、所望の時間にカプセルの半径方向のサイズを拡大するためにその後反発力を加えるように構成されてよい。電気導管614a、bを通る電流の方向は、引き寄せと反発との間で力を変更するために交互にされてよい。電流の量もまた、引き寄せ力と反発力の強度を変更し、所望のサイズにカプセルのサイズを設定するために制御されてよい。実施形態において、付勢体は、除外されてもよく、1つまたは複数の電磁石604が引き寄せ力を提供するように構成されてもよい。インプラント保持領域602内でインプラント70によって提供される拡張力は、1つまたは複数の電磁石604による引き寄せ力が中止されると、カプセル600のサイズを拡大させてよい。1つまたは複数の電磁石604を利用する他の構成が提供されてもよい。
図47および図48は、カプセルが複数の部分に分割されてよく、1つまたは複数の電磁石604が、送達装置のカプセルの一部を引き寄せる、または跳ね返すことで、カプセルのサイズを変更するように構成された一実施形態を示す。カプセル618は、部分606、608と同様に、ギャップによって隔てられ、カプセル618の側壁を形成する部分620、622、624、626を含んでよい。しかしながらギャップの位置およびより大きな数のギャップは、カプセル618の全体のサイズの変動を増大させ得る。さらに、サイズの変更は、部分620、622、624、626の対称的に離間された配置により、カプセル618の周りでより均一であってよい。1つまたは複数の電磁石604は、図45および図46に関して考察したのと同様のやり方でカプセル618のサイズを変更するように構成されてよい。
電磁石は本明細書に開示される送達システムの任意の実施形態で利用されてよい。電磁石は、本明細書に開示されるように、プロセッサによって制御されてよく、プロセッサは、電磁石を作動させ、これによりカプセルのサイズを要望通りに変更するように動作してよい。そのような動作は、制御デバイスなどを介するユーザの入力に応答して生じてよい、またはプロセッサは、電磁石を要望通りに自動的に作動させてもよい。例えば、プロセッサは、センサ読み取り値(例えば本明細書に開示されるようにセンサのうちの1つ)に応答して、またはカプセルのサイズが変更されるべきことを指示するプログラムに応答して電磁石を作動させてよい。プロセッサは、カプセルのサイズを自動的に変更し、インプラントを展開するように構成されてよい。
電磁石用の電源は、例えば図18に示されるようなコントローラ530などのコントローラと一体化されてよい。電磁石用の電気導管は、コントローラまで延びてよい。プロセッサは、電源を制御して電磁石を制御するように構成されてよい。
図45~図48の実施形態を利用し得る方法は、細長いシャフトを患者の体内の特定の場所に展開するステップであって、細長いシャフトは、患者の体内に植え込むためにインプラントを保持するインプラント保持領域を取り囲むカプセルを含むステップを含んでよい。カプセルの一部を引き寄せる、または跳ね返すことで、患者の体内でカプセルのサイズを変更するために少なくとも1つの電磁石が利用されてよい。カプセルの半径方向のサイズは、少なくとも1つの電磁石を利用して拡大されてよい。例えば、少なくとも1つの電磁石は、カプセルの一部を跳ね返すために通電されてよい、または少なくとも1つの電磁石は、付勢体がカプセルのサイズを拡大するのを可能にするために電気が切断されてよい。インプラントは、カプセルが拡大された半径方向サイズを有する状態で、カプセルから展開されてよい。加えて、カプセルは、インプラントの一部を捕らえ直すために、拡大されたそのサイズを有してもよい。さらに、インプラントは、カプセルが拡大された半径方向のサイズを有する状態で、カプセルに挿入されてよい。インプラントは、カプセル内へのインプラントの装填中に、カプセルに挿入されてよい。カプセルのサイズは、動的に調節可能であってよい。
図49~図59は、インプラントに結合し、かつインプラントの少なくとも一部から切り離されるように構成された電気的に脱着可能なカプラーを含む実施形態を示す。図49~図55は、電解式に脱着可能なカプラーを利用する実施形態を示す。
図49を参照すると、電解式に脱着可能なカプラーは、電解式に脱着可能なカプラーを電解式に浸食するために電気回路を利用してよい。電気回路は、電源702に結合され得る電気導管700a、bを含んでよい。電気導管700a、bは、電気端子に結合されてよい。患者の血液および他の流体または物質が、電気回路を電気的に電気端子に結合するために導管として利用されてよい。例えば、図49に示されるように、電気端子704は、患者の身体の一部に位置決めされるように構成されてよい。電気端子704は、患者の身体に結合されるパッチに結合される電極として構成されてよい。パッチは、患者の皮膚の上に位置決めされてよく、肩の近くであってよい、またはそうでなければ患者の胸またはそれ以外の場所に位置決めされてもよい。他の実施形態において、クリップまたは他のデバイスなど別の形態の電気端子が、患者の身体に結合するために利用されてもよい。電気端子704は、電源702に結合される電気導管700aに結合してよい。電気導管700bは、電源702に結合されてよく、送達装置の細長いシャフトに沿って延在することで、電解式に脱着可能なカプラーの一部として電気端子に到達してよい。電解式に脱着可能なカプラーは、電気回路の第1の部分を備えてよく、電気端子704は、電気回路の第2の部分を形成してよい。電源702は、電気回路の第1の部分を電気回路の第2の部分に電気的に結合してよく、第1の部分と第2の部分との間に電流を通過させるように構成されてよい。
図50は、例えば、その中に位置決めされたインプラント706を含めた、細長いシャフトのインプラント保持領域の概略側部断面図を示す。インプラント706は、インプラント70、または本明細書に開示されるようなインプラントの別の形態と同様に構成されてよい。インプラント706は、遠位アンカー708と、近位アンカー710とを含んでよく、自動拡張式インプラントであってよい。図50に示されるインプラント706は、インプラント保持領域712内で圧縮状態であってよい。
カプセル714は、インプラント保持領域712内でインプラント706を取り囲んでよく、カプセル106または本明細書に開示される任意の他のカプセルと同様に構成されてよい。カプセル714は、本明細書で別の状況で開示されるそれぞれの外側シースおよび外側保持リング42と同様に構成され得る外側シース716と、外側保持リング718とで形成されてよい。ノーズコーンシャフト27およびノーズコーン28とそれぞれ同様に構成され得る、または本明細書に開示される任意の他のノーズコーンシャフトまたはノーズコーンと同様に構成され得る、ノーズコーンシャフト720がノーズコーン722に結合してよい。
図50に示される送達装置は、インプラント706に結合する電解式に脱着可能なカプラー724a、bを含んでよい。電解式に脱着可能なカプラー724a、bは、図50に示されるようにインプラント706の近位端に結合してよい。図51は、電解式に脱着可能なカプラー724aとインプラント706との間の接続の地点の拡大図を提供する(そこでは参照番号726aは、図50におけるものを指し示す)。インプラント706は、図3Aに示されるマッシュルーム形状のタブ74と同様の場所に位置決めされ得る近位端カプラー726aを含んでよい。図51に示されるように、近位端カプラー726aは、電解式に脱着可能なカプラー724aを受け入れる空洞または他の形態のカプラーを含んでよい。電解式に脱着可能なカプラー724aは、近位端カプラー726aと共に剛性接続を形成してよい。電解式に脱着可能なカプラー724aは、露出され、インプラント706の展開中に患者の流体と接触する露出した電気端子728を含んでよい。露出した電気端子728は、電気導管700bと電気的に接続されてよく、電気導管700bは、図49に示されるように電源702まで細長いシャフトに沿って延在してよい。露出した電気端子728に隣接する部分は、電気的に絶縁されてよく、例えば、電気的に絶縁された部分730は、露出した電気端子728に近接してよく、別の電気的に絶縁された部分732は、露出した電気端子728の遠位に位置決めされてよい。したがって、電気導管700bからの電流の流れはインプラント706に到達することが阻止されてよい。他の実施形態においてインプラント706が電気的に絶縁される場合がある。
電解式に脱着可能なカプラー724aは、電源702を使用して電気導管700bに電流が通されるように構成されてよく、露出した電気端子728は、患者の流体(これは、患者の心臓の一部へのインプラントの送達中の血液であってよい)と電気接触してよく、この流体を利用して端子704と共に電気回路を完了してよい。露出した電気端子728は、電解質浸食のために分解してよく、インプラント706の一部から切り離されてよい。
例えば図52に示されるように、カプセル714は、患者の体内の所望の場所に配置されてよく、外側シース716および外側保持リング718は、インプラント706を露出させるために後退されてよい。インプラント706は、拡張のプロセスを開始してよいが、電解式に脱着可能なカプラー724a、bに結合されたままであってよい。インプラント706が所望の場所に位置決めされると、電源702に電力が供給されて、電気導管700a、bに電流を通過させてよい。電解式に脱着可能なカプラー724a、bは、電解質浸食により分解してよく、よって図53に示されるようにインプラント706から切り離されてよい。インプラント706はその後、患者の体内の所望の場所の中の所定の位置に展開されたまま残されてよく、例えば、インプラント706は、患者の心臓弁に展開されたまま残されてよい。送達装置は、その後、本明細書に開示されるように患者の身体から取り外されてよい。
電解式に脱着可能なカプラー724a、bは、インプラントのアンカー固定および血流力学的安定性を評価した後、分解されてよい。電解式に脱着可能なカプラー724a、bは、所望ならばインプラントを位置決めし直し、再度シースで覆うのに伴う力に耐えることが可能であり得る強力で剛性の取り付け具を提供してよい。さらに、電解式に脱着可能なカプラー724a、bの使用は、展開機構の全体の長さおよびサイズを縮小してよい。
図54は、図50~図53に示される実施形態の変形形態を示しており、そこでは、電気導管700aは、細長いシャフト上に位置決めされる電気端子734に結合されてよい。例えば図54に示されるように、電気端子734は、ノーズコーンシャフト720上に位置決めされてよいが、他の実施形態では、電気端子734のために他の場所が利用されてもよい。例えば、電気端子734は要望通りに内側組立体、レール組立体、中間シャフト組立体または外側シース組立体の一部の上に位置決めされてよい。電気端子734は、電気導管700aに結合して、電解式に脱着可能なカプラー736a、bまで通る、電気導管700bのための戻り経路を形成してよい。したがって、そのような実施形態では、細長いシャフト上の電気端子734が電気回路のための戻り経路を形成するため、図49に示される電気端子704を使用する必要がない。電解式に脱着可能なカプラー736a、bは、電気回路の第1の部分を備えてよく、電気端子734は、細長いシャフトに結合され、電気回路の第2の部分を形成してよい。さらに、図54に示されるように、電解式に脱着可能なカプラー736a、bは、インプラント706の近位端まで延在し、インプラント706に結合するテザーの形態であってもよい。したがって、外側シース716および外側保持リング718が後退されるとき、インプラント706は、その完全に拡張したサイズまで展開してよい。しかしながら電解式に脱着可能なカプラー736a、bは、それが、インプラント706が細長いシャフトから切り離されるのが望まれるまで、インプラント706に結合したままであってよい。電源はその後、電解質浸食により、電解式に脱着可能なカプラー736a、bが分解するように、電気導管に電流を通すために通電されてよい。
特定の実施形態において、外側シース716または外側保持リング718のうちの1つまたは複数を利用する必要がないように、電解式に脱着可能なカプラーが利用されてもよい。例えば、電解式に脱着可能なカプラーは、インプラント706の拡張が、電解式に脱着可能なカプラーによって抑制されるそのような力で、インプラント706を保持してよい。図55は、電解式に脱着可能なカプラー738がインプラント706の外側表面の上に延在する一実施形態を示す。電解式に脱着可能なカプラー738は、図55に示されるようにインプラント706の上に延在するコイルを備えてよい、または要望通りに多様な他の形状(例えば、中でも、シース、長手方向スラット、メッシュ)を有してもよい。しかしながら電解式に脱着可能なカプラー738は、本明細書に開示される他の電解式に脱着可能なカプラーに関して考察したのと同様のやり方で動作してよい、すなわち電解式に脱着可能なカプラー738は、電解質浸食によって分解してよく、インプラント706の一部から切り離されてよい。インプラント706はその後、電解式に脱着可能なカプラー738の分解時に、拡張してよい。電解式に脱着可能なカプラーの多様な他の構成が要望通りに利用されてよい。
図56~図57は、電気的に脱着可能なカプラー740の中を通過した電流によって生じる熱により分解する電気的に脱着可能なカプラー740が利用され得る一実施形態を示す。例えば、電気導管700a、700bと同様の電気導管が、電源702に結合されてよく、電気的に脱着可能なカプラー740に電流を通してよい。電気的に脱着可能なカプラー740は、ヒューズなどと同じやり方で作用する、電気的に脱着可能なカプラー740を通る電流の通過によって与えられる熱エネルギーにより分解する材料で作成されてよい。電気的に脱着可能なカプラー740は、所望の時間に分解することでインプラント742から切り離されてよい。インプラント742は、インプラント70または本明細書に開示される任意の他のインプラントと同様に構成されてよい。
電気的に脱着可能なカプラー740は、図57(そこでは参照番号744は、図56におけるものを指す)の拡大図に示されるやり方でインプラント70に結合してよい。電気的に脱着可能なカプラー740は、インプラント742の一部にあるカプラー744(例えば、図57に示されるようにインプラント742の近位端カプラー)の周りを通るループを備えてよい。ループは、導管700a、700bに結合してよく、電流が導管700a、700bおよびループに通されるとき、電気的に脱着可能なカプラー740は、熱により分解してよく、インプラント742から切り離されてよい。導管700aは、電気的に脱着可能なカプラー740の第1の部分に結合された電気回路の第1の部分を備えてよく、導管700bは、電気的に脱着可能なカプラー740の第2の部分に結合された電気回路の第2の部分を備えてよい(電気的に脱着可能なカプラー740の第1の部分および第2の部分がループの一部を備える状態で)。導管700a、700bは、細長いシャフトに沿って共に延在してよい。結合の他の場所を含め、カプラー740の他の構成が要望通りに利用されてよい。
図58~図59は、1つまたは複数の電磁石748を含む電気的に脱着可能なカプラー746の一実施形態を示す。電磁石748は、インプラント750の一部を磁気により引き寄せるように構成されてよく、インプラントはインプラント70と同様に構成されてよいが、電磁石748に結合する磁気反応材料752を含んでよい。1つまたは複数の電磁石748は、導管700a、700bと同様に構成されてよく、かつ細長いシャフトに沿って延在する電気導管に結合されてよい。図59に示されるように1つまたは複数の電磁石748への電力の不活性化の際に、電気的に脱着可能なカプラー746は、インプラント750から切り離されてよい。
本明細書に開示される電気的に脱着可能なカプラーは、本明細書に開示される送達システムの任意の実施形態と共に利用されてよい。電気的に脱着可能なカプラーは、例えば、細長いシャフトを有する送達装置と共に利用されてよい。細長いシャフトは、操縦可能であるように構成されたレールシャフトと、レールシャフトに対して移動するように構成されたシャフトとを含んでよい。シャフトは、電気的に脱着可能なカプラーに結合されてよい。実施形態における細長いシャフトは、外側シースの少なくとも一部がインプラント保持領域を取り囲んでいる状態で、外側内腔と、近位端および遠位端とを有する外側シースを含んでよく、この場合、シャフトは、外側内腔内に位置決めされ、レールシャフトは外側内腔内に位置決めされる。外側シースは、インプラントの少なくとも一部の覆いを外すために、シャフトに対して後退するように構成されてよい。電気的に脱着可能なカプラーは、例えば図2A~図2Cに示されるような内側保持リング40の代わりに、およびそれと同じ位置で利用されてよい。
電気的に脱着可能なカプラーは、本明細書に開示されるように、プロセッサによって制御されてよく、プロセッサは、電気的に脱着可能なカプラーを作動させ、これにより電気的に脱着可能なカプラーからインプラントの少なくとも一部を切り離すように動作してよい。そのような動作は、制御デバイスなどを介するユーザの入力に応答して生じてよい、またはプロセッサは、要望通りに電気的に脱着可能なカプラーを自動的に作動させてもよい。例えば、プロセッサは、センサ読み取り値(例えば本明細書に開示されるようにセンサのうちの1つ)に応答して、または電気的に脱着可能なカプラーが作動させるべきことを指示するプログラムに応答して電気的に脱着可能なカプラーを作動させてよい。プロセッサは、電気的に脱着可能なカプラーを自動的に作動させ、インプラントを展開するように構成されてよい。
電気的に脱着可能なカプラーのための電源は、例えば図18に示されるようなコントローラ530などのコントローラと一体化されてよい。電気的に脱着可能なカプラーのための電気導管は、コントローラまで延びてよい。プロセッサは、電源を制御して電気的に脱着可能なカプラーを制御するように構成されてよい。
図49~図59の実施形態を利用し得る方法は、インプラントを特定の身体の場所に送達するために、患者の身体の一部の中で送達装置を伸長させるステップを含んでよい。インプラントの少なくとも一部は、患者の体内で電気的に脱着可能なカプラーから切り離されてよい。インプラントは、拡張式プロテーゼ置換心臓弁を含めたプロテーゼ置換心臓弁を含め、本明細書に開示されるいずれの形態のインプラントであってもよい。インプラントは、自動拡張式プロテーゼ置換心臓弁であってよく、プロテーゼ僧帽弁であってもよい。他の形態のインプラント(心臓弁の修復および置換えのためのインプラントを含めた)が、要望通り利用されてよい。電気的に脱着可能なカプラーは、拡張式プロテーゼ置換心臓弁の少なくとも一部を圧縮状態で保持してよい。電気的に脱着可能なカプラーは、拡張式プロテーゼ置換心臓弁の近位端に結合されてよい。電気的に脱着可能なカプラーからのインプラントの少なくとも一部の切り離しによって、インプラントの一部が拡張することが可能になってよい。インプラントは、本明細書に開示されるような身体の場所に展開されてよい。
上述の記載から、インプラント送達システムのための進歩的製品およびアプローチが開示されることが理解されるであろう。いくつかの構成要素、技術および態様が、特定の範囲の独自性で記載されてきたが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、特有の設計、構造および方法論で多くの変更を行うことができることは明白である。
別々の実装形態の文脈で本開示に記載される特定の特徴は、単一の実装形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装形態の文脈において記載される種々の特徴は、複数の実装形態において別々に、または任意の好適な副次的組合せにおいて実装することもできる。さらに、特徴は、特定の組合せにおいて機能するように上記で記載され得るが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、一部のケースにおいては組合せから削除される場合があり、この組合せは、任意の副次的組合せとして、または任意の副次的組合せの変形形態として特許請求される場合がある。
さらに、方法は、特定の順序で図面に描かれる、または明細書に記載され得るが、そのような方法は、示される特定の順序または連続する順序で実行される必要はなく、望まれる結果を達成するために全ての方法を実行する必要もない。描かれない、または記載されない他の方法を一例の方法およびプロセスに組み込むことができる。例えば、1つまたは複数の追加の方法を、記載される方法のいずれかの後に、それと同時に、またはその間に実行することができる。さらに、方法は、他の実装形態においては再構成される、または再度順序付けされる場合がある。また、上記に記載される実装形態における種々のシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とするように理解すべきではなく、記載される構成要素およびシステムは一般に、単一の製品に一緒に統合することができる、または複数の製品にパッケージ化することもできる。追加として、他の実装形態は、本開示の範囲内である。
「できる(can)」、「できる(could)」、「~の可能性がある(might)」または「~でよい(may)」などの仮定的な文言は、そうでないことが具体的に述べられていなければ、または使用されるような文脈の中でそれ以外に理解されるのでなければ、特定の実施形態が、特定の特徴、要素および/またはステップを含む、または含まないことを伝えることが一般に意図される。よって、そのような仮定的な言葉は、特徴、要素および/またはステップが、いずれにしても1つまたは複数の実施形態に必要とされることを示唆することは一般に意図されない。
「X、YおよびZのうちの少なくとも1つ」などの接続的な文言は、そうでないことが具体的に指定されていなければ、アイテム、用語などが、X、YまたはZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用されるような文脈で別の方法で理解される。よって、そのような接続的な言葉は、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つおよびZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを示唆することは一般に意図されない。
本明細書で使用されるときの「おおよそ」、「約」、「概して」および「実質的に」などの本明細書で使用される程度の文言は、なおも所望の機能を実行する、または所望の結果を達成する、指定される値、量または特徴に近い特定の値、量または特徴を表す。例えば、用語「おおよそ」、「約」、「概して」および「実質的に」は、指定される量の10%以下の範囲内、5%以下の範囲内、1%以下の範囲内、0.1%以下の範囲内、および0.01%以下の範囲内である特定の量を指してよい。指定される量が0である場合(例えば、1つもない、全く持たない)、上記に列挙した範囲は、特有の範囲である場合があり、その値の特定の%の範囲内ではない。例えば、指定される量の10wt./vol.%以下の範囲内、5wt./vol.%以下の範囲内、1wt./vol.%以下の範囲内、0.1wt./vol.%以下の範囲内および0.01wt./vol.%以下の範囲内である。
いくつかの実施形態を添付の図面に関連して記載してきた。図面は、変倍するように描かれているが、そのような縮尺は、限定ではなく、示されるもの以外の寸法および比率が企図され、開示される発明の範囲内である。距離、角度などは、単なる例示であり、示されるデバイスの実際の寸法およびレイアウトに対する正確な関係性を必ずしも担うわけではない。構成要素は、追加する、除去する、および/または配列し直すことができる。さらに、種々の実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、本明細書に記載される全ての他の実施形態において使用することができる。追加として、本明細書に記載される任意の方法は、列挙されるステップを実行するのに適した任意のデバイスを使用して実施され得ることが理解されよう。
いくつかの実施形態およびその変形形態が詳細に記載されてきたが、同じものを使用する他の修正形態および方法が当業者には明らかであろう。したがって、本明細書の独自かつ進歩的開示または特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、種々の用途、修正形態、材料および代用品を等価物で作成することができることを理解されたい。