本発明は様々な変更及び代替形態が可能であるが、特定の実施形態を例として図面に示し、本明細書で詳細に述べる。しかし、特定の実施形態の図面及び詳細な説明は、開示される特定の形態に本発明を限定することを意図されてはいないことを理解されたい。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある全ての変形形態、均等形態、及び代替形態を網羅する。
本明細書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じる/述べる。特定の例及び実施形態のいくつかの態様及び特徴は、従来通りに実現することができ、簡潔にするために、これらを詳細には論じない/述べない。したがって、詳細に述べていない本明細書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を実現するための任意の従来の技法に従って実現することができることを理解されたい。
本開示は、eシガレットなどのエアロゾル供給システム(エアロゾル供給システムとも呼ばれる)に関する。以下の説明全体を通して、「eシガレット」及び「電子タバコ」という用語を時として使用することがある。しかし、これらの用語は、エアロゾル供給システム/デバイス及び電子エアロゾル供給システム/デバイスと交換可能に使用されることがあることを理解されたい。さらに、当技術分野で一般的であるように、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語、並びに「気化」、「揮発」、及び「エアロゾル化」などの関連用語は、一般に交換可能に使用されることがある。
図1は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の概略図を示す。デバイス100は、デバイス100内にエアロゾル生成媒体を含む基材110を有する。デバイス100と基材110の組合せが、エアロゾル供給システムを形成する。
基材110は、エアロゾル生成媒体を含む第1の表面112を有する。ここで述べる実施形態では、基材は、エアロゾル生成媒体が配設される第1の表面を有するキャリア層111(本明細書ではキャリア又は基材支持層と呼ばれることもある)を含む。この実施形態では、キャリア層111の表面とエアロゾル生成材料との組合せが、基材110の第1の表面112を形成する。ここで述べる実施形態では、エアロゾル生成媒体は、媒体の複数のドーズ114として配置されることがある。基材110は、第1の表面112に面する第2の表面116を有する。第2の表面116は第1の表面112に面し、第1の表面112及び第2の表面116の一方又は両方は、滑らかでも粗くてもよい。ここで述べる実施形態では、第2の表面116は、キャリア層111によって形成される。すなわち、キャリア層111は、第1の表面、及び第1の表面に面する第2の表面を有し、エアロゾル生成材料は、キャリア層111の第1の表面に配設される。デバイス100は、基材110の第2の表面116に面するように配置された加熱用エネルギー源120を有する。加熱用エネルギー源120は、バッテリー(図示せず)などの動力源からエアロゾル生成媒体120にエネルギーを伝達してエアロゾル生成媒体114からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一要素である。以下に述べる例では、加熱用エネルギー源120は、エアロゾル生成媒体からエアロゾルを生成するためにエアロゾル生成媒体に(熱の形での)エネルギーを供給するヒータ、例えば抵抗ヒータである。デバイス100は、基材110、特にエアロゾル生成媒体の部分114(又はいくつかの場合にはドーズ)を移動させるように構成された移動機構130を有する。エアロゾル生成媒体の部分114は、ヒータ120に対して回転可能であり、それにより、エアロゾル生成媒体の各部分が、この場合は個別にヒータ120に提示される。デバイス100は、エアロゾル生成媒体の少なくとも1つのドーズ114が第2の表面116に対して角度θで軸線Aの周りで回転されるように配置される。この実施形態での基材110は、実質的に平坦である。この実施形態での基材110のキャリア層111は、部分的又は全体的に紙又はカードで形成されることがある。
図1での基材110は、いくつか(5つ)のエアロゾル生成媒体のドーズ(又は部分)114を有する。他の例では、基材110は、より多数又は少数のエアロゾル生成媒体のドーズ114を有することがある。いくつかの例では、基材110は、図1に示されるように、個別のドーズとして配置されたエアロゾル生成媒体のドーズ114を有することがある。他の例では、ドーズ114は、基材110の周方向で連続的又は不連続的であり得るディスクの形態でよい。さらに他の例では、ドーズ114は、環体、リング、又は任意の他の形状の形態でよい。基材110は、軸線Aの周りで、第1の表面112においてドーズ114の回転対称分布を有することも、有さないこともある。ドーズ114の対称的な分布は、(回転対称の分布内で)均等に配置されたドーズが、望みに応じて、軸線Aの周りでの回転時にヒータ120から均等な加熱プロファイルを受け取ることを可能にする。
この例の基材110は、基材110のキャリア層111に配設されたエアロゾル生成媒体を含む。しかし、他の実施形態では、基材110は、エアロゾル生成媒体のみで形成されることもある。すなわち、いくつかの実施形態では、基材は完全にエアロゾル生成媒体からなる。さらに他の実施形態では、基材110は、複数の材料からの層状構造を有することがある。一例では、基材110は、熱伝導性材料、誘導性材料、透過性材料、又は不透過性材料のうちの少なくとも1つから形成された層を有することがある。
いくつかの実施形態では、基材のキャリア層111は、変動磁場によって加熱されるように配置された金属要素であり得る、又はそれを含むことがある。そのような実施形態では、加熱用エネルギー源120は誘導コイルを含むことがあり、誘導コイルは、通電されると、基材110の金属要素内で加熱を引き起こす。加熱の程度は、金属要素と誘導コイルとの間の距離によって影響を受けることがある。
一例では、エアロゾル生成材料は、加熱用エネルギー源120からエアロゾル生成材料までの距離が0.010mm、0.015mm、0.017mm、0.020mm、0.023mm、0.025mm、0.05mm、0.075mm、0.1mm~約4mm、3.5mm、3mm、2.5mm、2.0mm、1.5mm、1.0mm、0.5mm、又は0.3mmの範囲内になるように、基材110のキャリア層111に配設される。いくつかの場合には、加熱用エネルギー源120と基材110のエアロゾル生成材料との間に、少なくとも約10μm、15μm、17μm、20μm、23μm、25μm、50μm、75μm、又は0.1mmの最小間隔があり得る。
デバイス100は、互いに分離されていても分離されていなくてもよい複数のチャンバ又は領域を有することがある。デバイス100は、加熱用エネルギー源120及び/又は移動機構130に電力を供給するための電源を備える電力チャンバ(図示せず)を有することがある。ここで述べる例での加熱用エネルギー源120は、電気抵抗ヒータ120である。しかし、他の例では、加熱用エネルギー源120は、化学的に活性化されるヒータでもよく、発熱反応などによって動作することもそうでないこともある。加熱用エネルギー源120は、誘導加熱システムの一部分でもよく、ここで、加熱用エネルギー源120は、銅線のコイルなどの誘導加熱用エネルギー源であり、基材110は、サセプタなどを含むことがある。サセプタは、例えばアルミ箔などのシートでよい。具体的な例を提供する目的で、加熱用エネルギー源120は、ここでは抵抗ヒータ120(又は簡潔にするためにヒータ120)として述べるが、異なるヒータ又は加熱システム構成要素を本開示に従って実装することもできることを理解されたい。
ヒータ120は、ヒータ120の周囲環境に熱エネルギー、すなわち熱を提供する。基材110の少なくとも一部分は、ヒータ120の影響エリア内にある。ヒータ120の影響エリアは、ヒータ120が要素に熱を提供することができるエリアである。
図1に示される構成は、エアロゾル生成材料の複数のドーズをヒータ120に割出し運動(間欠運動ともいう)させる(又は移動させる)ことによって動作する。図1のこの構成は、基材110を移動させるための移動機構130の複雑さをわずかに増すことがあるが、エアロゾル生成媒体の複数の部分を加熱するのに必要なヒータが1つだけであることによって利点が得られる。例えば、図1の構成のヒータ120は、複数の制御機構を必要とする複数のヒータではなく、1つの制御機構のみを必要とする。したがって、この構成は、ヒータ120の動作及び制御に関連するコスト及び制御の複雑さを低減することができる。
デバイス100の形状は、シガレット形状(1つの寸法が他の2つの寸法よりも長い)でも、他の形状でもよい。一例では、デバイス100は、例えばコンパクトディスクプレーヤなどのように、2つの寸法で他の寸法よりも長い形状を有することがある。代替として、形状は、基材110、加熱用エネルギー源120、及び移動機構130を適切に収容することができる任意の形状でよい。
図2は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の断面図を示す。図2は、図1に示した構成と同様の構成を示すが、エアロゾル生成媒体の特定の個別化されたドーズ114A、114B、114Cを含む追加の特徴を有する。ヒータ120は、加熱位置140と呼ばれる、基材110に関連する特定の影響領域を有する。図1に示されるように、加熱位置140は、ヒータ120の真上に位置することがある。加熱位置140は、エアロゾル生成媒体のドーズ114が移動機構130によって移動されてエアロゾルを生成する領域である。加熱位置140へのドーズ114のこの移動は、ヒータ120によるエアロゾル生成媒体のドーズ114の加熱前に行われることがある。図2に示される例では、エアロゾル生成媒体のドーズ114Cが加熱領域140に移動されている。ヒータ120は、加熱領域140内のドーズ114Cを加熱して、エアロゾルを生成することができる。逆に、加熱位置140に配置されないドーズ114A、114Bは、ヒータ120によって加熱されないように、加熱位置140から十分に離して配置される。
デバイス100の一例では、使用中、ドーズ114Cが加熱領域140に移動された後、ヒータ120が起動される。この構成は、基材110の移動段階中にエネルギーが保存されるという利点を有する。これは、ヒータ120への電源(図示せず)の寿命の長さ、及びヒータ120自体の寿命の長さにより、デバイス100の動作寿命を延ばす。
別の例では、ヒータ120は、ドーズ114Cが加熱領域140に移動される前に起動されることがある。この構成は、ドーズ114Cが加熱領域140に到達した後、ヒータ120がエアロゾル生成媒体のエアロゾル化を誘発するのに適した温度に達するためにウォームアップ期間が必要とされないという利点を有する。したがって、デバイス100を吸引するユーザへのエアロゾルの送達は、より迅速に行われ、したがってデバイス100のユーザエクスペリエンスを改善する。この構成では、ドーズ114Cが加熱領域140に移動される前に、ヒータ120をエアロゾル生成媒体をエアロゾル化するのに適した動作温度にすることができる。或いは、ドーズ114Cが加熱領域140に移動される前に、ヒータ120を予熱温度(すなわち周囲温度と動作温度との間の温度)にすることができ、その後、ドーズ114Cが加熱領域140に移動された後に動作温度まで上昇させることができる。
さらに図2を参照すると、デバイス100は、ドーズ114の移動を可能にするための移動機構130を有する。図2に示される例での移動機構130は接続要素132を含み、接続要素132によって基材110に接続するように構成される。移動機構130は、ボールベアリングなど、基材110がその周りを回転することができる回転要素を含むことがある。一例では、基材110は、移動機構130のベアリングに配置され、ユーザ又はデバイス100内に含まれる回転システム(例えばモータ及びシャフト)によって回転させることができる。移動機構130は、図2に概略的に示されるように、基材110の実質的に中央に配置されることがある、又は代替として基材110に対して異なる相対位置に配置されることがある。移動機構130を中央に配置することは、基材110の中心を通る明確な中心軸線A(図1を参照)があり、その中心軸線Aの周りで、移動機構130により基材110が回転することができるという利点を提供する。代替として又は追加として、基材110に対する移動機構130の位置は、基材110に接続された移動機構130の部分で基材110のバランスを取りたいという望みによって一部決定されることがある。接続要素132を省くこともあるこの構成は、ストラット又はガイドなど、デバイス100内で基材110のバランスを取るための追加の構造を必要としないという利点を有する。
代替として、追加の構造を使用して、移動機構130を基材110に対して任意の位置に配置できるようにすることができる。軸線A(基材110がその周りで回転することができる)が基材110の中心軸線に対して中心を外されているそのような配置も可能であるが、ヒータ120の配置と共に、基材110のエアロゾル生成媒体のドーズ114のインテリジェントな配置を必要とすることがある。追加の構造は、デバイス100のハウジングの側面から突出し、基材110の動きを可能にしながら基材110を所定の位置に固定するのを助けることができる。
移動機構130及び接続要素132は、ベアリングの周りでモータによって駆動される回転可能なシャフトと、基材110に接続するように配置されたスプロケット及び/又はキーイング機構との形態を取ることができる。この場合、回転可能なシャフト132を駆動するためにモータが使用され、移動機構130のベアリングは、シャフトを支持し、シャフト132の回転運動を容易にする。基材110及び接続要素132は、基材を接続部に接続させるキーイング及び位置合わせ機能の組合せを備えることもある。代替として、移動機構130を移動させる力は、例えば基材110を手動で動かすことによって、ユーザが供給することができる。この手動での移動は、基材110を回転させること又は基材110を引っ張ることなどによるものでよい。したがって、デバイス100は、ユーザが基材110に物理的に触れて基材110を移動させるために基材110の少なくとも一部分を露出することができ、例えば、基材110の周方向縁部の一部分を露出するために開口部を設けることができる。移動機構130によって提供される移動は、回転運動に限定されない。とりわけ直線運動及び振動による移動も提供されることがある。そのような移動を提供するための構成はよく知られている。基材は、移動機構130によって、可変でも一定でもよい回転速度で回転させることができる。基材110が一定に回転し、したがって新鮮なエアロゾル生成材料を加熱用エネルギー源120に提供するとき、一定の移動は、実質的に一定のレベルのエアロゾル生成をユーザに提供する。エアロゾルが生成される速度は、ヒータの温度など他のパラメータに加えて、基材の回転速度に依存することがある。代替として、基材は、移動機構130によって可変回転速度で回転させることができる。この例では、デバイス100は、より高い又はより低い回転速度を使用することによって、ユーザが望むように、より多量又はより少量のエアロゾルを提供することができる。様々な回転速度の使用は、加熱用エネルギー源120からの可変加熱プロファイルと組み合わせて使用することができる。移動機構130は、基材110が離散的に移動するように、割出し移動を提供することもできる。すなわち、基材110は、事前設定された角度位置に移動するように構成される。基材110が割出し位置ごとに移動する量は、基材110の回転全体にわたって(すなわち360度にわたって)一定でも可変でもよい。
図2は、エアロゾル出口150も示す。エアロゾル出口150は、エアロゾルが流れてユーザが吸引することができる出口を提供する。出口150は、デバイス100内で生成されたエアロゾルがデバイス100から出られるようにする。このようにして、エアロゾル出口150で吸引するユーザは、エアロゾル生成媒体のドーズ114A、114B、114Cの加熱により生成されたエアロゾルを吸引することができる。出口150は、ユーザが吸引するのに快適なマウスピースなどの形態でよい。
図2に示されるように、デバイス100は、ヒータ120、加熱位置140、及び出口150の間に実質的に配置された流路160を有する。流路160は、加熱されたドーズ114から生成された、デバイス100内で生成されたエアロゾルが流れてデバイス100から出る経路である。流路160(すなわち、加熱されるドーズ114と出口150との間の距離)は比較的短く、したがって、エアロゾルが凝縮し得るデバイス100の内側のエリアが減少される。これは、デバイス100の機能の全体的な清浄度を改善し、その結果、デバイス100を洗浄しなければならない頻度が減少する。さらに、エアロゾルがデバイス100からの比較的短い流路に沿ってより少数の構成要素を通過するので、エアロゾルの凝縮によって影響を受ける構成要素がより少数になり得て、したがって構成要素の交換が必要となる頻度がより少なくなる。これは、デバイス100の保守のコストを削減し、デバイス100全体の寿命を延ばす。図2では、出口150は、デバイス100のほぼ中央に示されているが、いくつかの実施形態では、出口150は、デバイス100の中央の中心からずらすことができる。さらに別の実施形態では、出口150は、加熱されているドーズ114及び/又はヒータ120にほぼ一直線に配置されることがある(例えば、出口の中心軸線は、ドーズの法線と位置合わせされることがある)。これにより、流路160をさらに短縮することができる。
一例では、ヒータ120は可動である。図3に示されるデバイス100の例では、ヒータ120は、ヒータ120からドーズ114への熱送達を改良するように移動される。ヒータ120は、特定のドーズ114Aが加熱位置140に移動される又は移動されているときに、第1の表面112に向かって移動させることができる。加熱すべきドーズに向かってヒータを移動させると、ヒータ120とドーズ114との間のエアジャケットが縮小される。そうしなければ、エアジャケットがヒータ120から熱エネルギーを吸収し、したがって特定のドーズ114Aに提供される熱エネルギーを減少させることになる。エアジャケットを縮小することによって、ヒータ120は、加熱位置140にある特定のドーズ114Aに熱エネルギーをより効率的に送達する。図3の例では、ヒータ120は、基材110の第1の表面112に向かって直線的に移動される。
一例では、ヒータ120は、ヒータ120と特定のドーズとの間の熱伝達を最大化するために、加熱位置140に移動される特定のドーズ(又はドーズの一部分)に面する基材の第2の表面116と接触するように移動される。上述したように、1つの特定のドーズが加熱された後、新鮮なドーズが加熱位置140に移動されるようにドーズが移動される。ヒータ120が基材110に接触している場合、新たな特定のドーズを加熱位置140に移動するためにドーズ114を移動する前に、ヒータ120は、基材/ドーズから離れる(又は接触しなくなる)ように移動されて、高レベルの摩擦を防止する。そうしなければ、ヒータ120が基材110の第2の表面116と接触したままである場合には、移動機構130によるドーズ114の移動中にそのような高レベルの摩擦が生じる。
図3の例では、ヒータ接続要素134は、移動機構130をヒータ120にリンクして、ヒータ120の直線運動を可能にする。例えば、移動機構130は、回転カム(それ自体がモータによって駆動される)によって駆動されるジュネーブホイールを含むことがあり、回転カムは、ヒータの直線運動を提供する別個の要素(例えばロッド又は他の機構)に結合されることがある。この場合、単一のモータが、基材110の回転運動とヒータ120の直線運動との両方を可能にすることができる。そのような回転及び直線運動を引き起こすための他の歯車構成も考えられる。代替構成では、移動機構130は、基材110の移動のみを担当することがあり、第2の移動機構(場合によっては別のモータに取り付けられる又はユーザによって作動される)を提供して、ヒータ120の直線運動を可能にすることができる。さらなる別の実施形態では、移動機構130は、ヒータ120と第1の表面112又は第2の表面116との間の軸線に沿った基材110の直線運動を可能にすることができる。上述したように、この構成は、ヒータが基材110又はドーズ114に引っ掛かる又はそれらを引き裂く可能性を低減する。特定の例では、ヒータ120及び基材110の移動は、一方が静止している(すなわち速度がゼロである)間に他方が移動するようにずらされることがある。この例では、基材110を回転させて、エアロゾル生成材料の新鮮な部分を加熱位置140に移動させることができ、次いで、加熱用エネルギー源120を基材110に向けて移動させることができ、次いで、上記部分が使い尽くされた後、加熱用エネルギー源120を基材110から離れるように移動させ、その後、基材110をさらに回転させることができる。これは、加熱用エネルギー源120が基材110に引っ掛かって、基材110の引き裂きを生じ得るのを防ぐことができる。
一例では、加熱用エネルギー源120及び/又はエアロゾル生成媒体が直線方向に移動され、その後、エアロゾル生成媒体が加熱用エネルギー源120に対して回転運動される。
図1~3に示される例では、エアロゾル生成媒体が回転される軸線Aと第1の表面112との間の角度θは、実質的に垂直である。他の例では、角度θは任意の角度であり得る。例えば、角度θは、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、少なくとも35°、少なくとも40°、少なくとも45°、少なくとも50°、少なくとも55°、少なくとも60°、少なくとも65°、少なくとも70°、少なくとも75°、少なくとも80°、又は少なくとも85°でよい。
デバイス100は、移動機構130によって提供される移動を監視及び/又は制御するためのコントローラ172を有することがある。コントローラ172は、ドーズ114の移動を制御することができ、ドーズ114が加熱位置140に制御可能に移動される。さらに、コントローラ172は、デバイス100内の残りの使用可能なドーズ114の数をユーザに通知することが可能であり得る。
一例では、デバイス100は、コントローラ172を備える動き監視システム170を有することがある。監視システム170は、デバイス100内の動きを監視することができる。監視システム170は、移動情報を検出するための検出器174を備えることもある。監視システム170は、基材110及び/又はエアロゾル生成媒体のドーズ114の動きを監視して、生じた移動を記録し、以て、同じ特定のドーズを加熱位置140に2回移動することを避ける。これにより、「使用済み」ドーズの再加熱によって望ましくないエアロゾルが生成されるのを回避する。検出器174は、デバイス100内に残っている「未使用」ドーズの数に関する情報をユーザに中継することができ、したがって、ユーザは、デバイス100内の複数のドーズ114をいつ交換すべきかを通知される。さらに、検出器174は、基材110若しくはドーズ114又はヒータ120の移動を観察することによって移動機構130の機能に関するフィードバックを提供することができ、移動機構130(又は任意の関連要素、例えば接続要素132)が誤動作しているかどうかをユーザに通知する。
コントローラ172は、スペース要件を低減するためにマイクロコントローラでもよい。検出器174は、例えば基材110の回転数、及び加熱位置140に移動された基材110の位置に関する情報を提供するためのブレークビームセンサ、ブラシ付きシステム、スピードトラッカなどでよい。この情報は、デバイス100の機能に関する定期的なチェックを可能にするために、ユーザ又は診断要素(図示せず)に中継されることがある。
動き監視システム170は、単純な電気接続などの有線接続、又はBluetoothなどの無線接続を含む任意の他の接続によって移動機構130に接続することができる。
図4は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の概略図を示す。図4に示される例での基材110は、エアロゾル生成媒体の複数のドーズ114が配置された細長いキャリア層111を含む細長い基材110である。ドーズ114は、いくつかの例では、例えば細長いエアロゾル生成媒体によってキャリア層111なしで提供されることがある。
図4に示される移動機構130は、エアロゾル生成媒体114のドーズを移動させるように構成される。移動機構130は、実質的に直線方向でのドーズ114の移動を可能にし、加熱位置140にドーズ114を1つずつ移動させて吸引可能な媒体を生成するように構成されることがある。したがって、ドーズ114は、ヒータ120を通過して加熱位置140に直線的に並進可能であり、それにより、エアロゾル生成媒体のそれぞれのドーズ114は、ヒータ120に個別に提供されて、エアロゾルを生成する。次いで、生成されたエアロゾルは、加熱位置140からエアロゾル出口150まで流路160に沿って流れる。複数のドーズ114が沿って移動するように構成された線は、生成されたエアロゾルの流路160に対してある角度を成す。
図4の例に示される基材110は、その長さに沿ってエアロゾル生成媒体の複数のドーズ114を有するストリップの形態であり、複数のドーズ114は、互いに別個である。ストリップは、デバイス100の使用前にユーザがデバイス100に挿入可能なスプール又はホイールの形態でよい。ストリップは、回転要素118などに挿入されることがあり、回転要素118は、ストリップの移動を可能にするために移動機構130によって移動される。回転要素118は、スプールの形態でのストリップを配置することができる回転ホイール、ローラ、又はリールでよい。使用後、基材110をデバイス100から取り外すことができる。
デバイス100は、加熱位置140で加熱された基材110を受け入れることができる受入れ機構138を備えることができる。受入れ機構138は、受入れ機構接続要素136によって移動機構130に接続されている。受入れ機構138は、スプール、ホイール、ローラ、又はリールなどでよく、移動機構130によって巻くことができ、ドーズ114を回転要素118の近くの開始位置から加熱位置140を通して受入れ機構138に移動させる。代替として、受入れ機構138は、エアロゾル生成媒体を受け入れることができる任意の他の機構でもよい。デバイス100は、ドーズ114の移動を監視するための上述したような監視システム170を備えることがある。監視システム170は、受入れ機構138に含まれることがあり、受入れ機構138における検出された基材110の量に基づいて動作することができる。
ストリップが回転要素118及び元のスプールから受入れ機構138及び第2のスプールに完全に移動したとき、ストリップは使い尽くされたと考えることができる。このとき、ユーザは、デバイスから両方のスプール118、138を容易に取り外して、新たなスプール118、138と交換することができる。これにより、エアロゾル生成材料をデバイス100に挿入する及びデバイス100から取り外すことができる清浄度が高まる。
図5は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の断面図を示す。図5は、基材110、ヒータ120、出口150、及び流路160を含むデバイス100の部分の拡大図を示す。基材110の移動方向Bは、矢印Bで示されている。流路160に沿ったエアロゾルの概略的な移動方向Cは、矢印Cで示されている。エアロゾル生成媒体のドーズの動きは、流路を横切る軸線に沿っている。ドーズの動きの方向とエアロゾルの流路の方向との違いは、角度φで示される。角度φは、ヒータ120と出口150との相対位置によっていくらか制御される。示される例では、加熱位置140は、実質的にエアロゾル出口150とヒータ120との間に配置されている。出口150は、角度φが実質的に90°になるように、ヒータ120及び加熱位置140と実質的に一直線上に配置されることがある。他の例では、角度φは、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、少なくとも35°、少なくとも40°、少なくとも45°、少なくとも50°、少なくとも55°、少なくとも60°、少なくとも65°、少なくとも70°、少なくとも75°、少なくとも80°、少なくとも85°でよい。
図5に示される構成は、エアロゾルが通る流路160を単純化し、これは、エアロゾルがデバイス100内にある時間を短縮する。したがって、この構成は、エアロゾルが凝縮し得るデバイス100の内側のエリアを縮小し、エアロゾルが凝縮し得る時間を短縮する。したがって、これにより、デバイス内でのエアロゾル凝縮に関連する任意の問題の影響が低減される。
基材110及び/又はエアロゾル生成媒体の複数のドーズ114は、実質的にいくつかの形状の形態でよい。図4に示される例は、実質的にU字形を有する。図5に示されている例は、全体のうちの一部のみが示されているが、実質的に平坦化された細長いバーである。他の例では、基材110は、リングの形態でよい。基材110は、デバイス100に設置されたときにこれらの形状を取ることがあり、デバイス100に設置されていないときには同じ又は異なる形状であり得る。言い換えると、基材は、デバイス100に設置されたときに、その初期形状とは異なる特定の形状を取るように変形することができる。基材110は、基材110が移動機構130と位置合わせされ、次いで移動機構130に接続することを可能にするための位置合わせ機構又はキーイング機構を有することがある。いくつかの実施形態では、位置合わせ機構又はキーイング機構は、例えば対称性のない形状を有することによって、基材110を移動機構130と一方向でのみ位置合わせすることができるように構成される。
これまでに述べた全ての例において、エアロゾル生成媒体114は、何らかの方法でヒータ120を通過して移動される。この移動は、移動機構130によって提供される。移動機構130は、エアロゾル生成媒体のドーズ114の割出し運動を可能にするように構成された割出しシステム(図示せず)を備えることがある。割出しシステムは、特定のドーズ114からエアロゾルを生成する前に、特定のドーズ114を加熱位置140に段階的に移動させ、次いでエアロゾルを生成した後に加熱位置140から移動させる。割出しシステムは、加熱位置140への1つのドーズのより高い精度での移動を可能にすることがあり、そのドーズは、次いで別のドーズに置き換えられる。割出しシステムは、基材110に配置された、又は基材110の一部分を形成するスプロケット及び/又はキーイング機構によって提供することができる。代替の例では、ジュネーブホイールとカムとの組合せを使用して、エアロゾル生成媒体のドーズ114の割出し運動を提供することができる。
割出しシステムは、エアロゾル生成媒体の隣り合うドーズ114を加熱位置140に順次に移動するように構成することができる。この構成の利点は、割出しシステムの構築及び操作が簡単であることである。図4に戻ると、特定のドーズ114Bは、特定のドーズ114Aと特定のドーズ114Cとの間に配置されている。ドーズ114Aの加熱中、いくらかの熱エネルギーがドーズ114Bに伝達されることがある。隣り合うドーズが順次に加熱される構成では、第1のドーズ114Aの加熱中に近くにあるため第2のドーズ114Bに伝達される熱エネルギーにより、第2のドーズ114Bを加熱する際にエネルギーを節約することができる。これにより、ヒータ120の総負荷を低減し、したがってデバイス100の寿命を延ばすことができる。
代替として、割出しシステムは、エアロゾル生成媒体の隣り合っていないドーズ114のみを加熱位置140に順次に移動させるように構成されることがある。これにより、過度に高レベルの間接的な熱(前のドーズ114Aの加熱中にドーズに間接的に伝達される熱)と、その後の直接の熱(ドーズ114Bの加熱中にドーズに提供される熱)とにより特定のドーズ114Bを過熱する危険なく、高密度のドーズ114をキャリア層111に配置することが可能になる。各ドーズ114は、所定量のニコチン及び/又はエアロゾル生成成分を含むことがあり、誤った時間にエネルギーを供給すると、そのドーズからのニコチン及び/又はエアロゾル生成成分が、意図したよりも早期に放出される可能性がある。代替として、ニコチン及び/又はエアロゾル生成成分が放出された後、使用済みドーズを再加熱することができ、これにより、ドーズの他の成分が加熱されることがある。しかし、上述した構成は、過熱を防ぐために特定のドーズに関する時間又は加熱電力の変更を可能にする洗練された加熱制御システムの必要性をなくす。
割出しシステムは、上述した技法を使用して、監視システム170によって監視することができる。これにより、割出しシステムの機能をチェックして、システムが期待どおりに機能していることを確認することができる。上述の構成のいずれかにおいて、監視システム170を使用して、任意の特定のドーズ114の過熱を防止するのを補助することができる。
移動機構130及び監視システム170は、ヒータ120と組み合わさって動作して、ドーズ114の過熱を防止するためにドーズ114の割出し移動及び任意の特定のドーズ114の加熱期間が調整されることを保証することができる。移動機構130は、ある期間にわたってエアロゾル生成媒体の1つのドーズ114Aをヒータ120に提供し、異なる期間にわたってエアロゾル生成媒体の別のドーズ114Bをヒータ120に提供するように構成されることがある。これは、異なるドーズに異なる加熱レベルを提供するためであり得る。これは、上述したように直線的な割出しの場合の過熱を回避するのに有利であり得る。これはまた、エアロゾル生成媒体の1つのドーズ114Aが別のドーズ114Bとは異なる構造又は物質であり、したがってエアロゾルを生成するために異なる加熱期間が必要とされるときに有利であり得る。
移動機構130及び監視システム170は、ヒータ120と組み合わさって動作して、ドーズ114の割出し移動及び任意の特定のドーズ114のヒータ電力レベルが調整されることを保証することができる。これは、異なるドーズに異なる加熱レベルを提供するためであり得る。これは、直線的な割出し又は高密度ドーズ供給の場合の過熱を回避するのに有利であり得る。例えば、ヒータ電力レベルを、第1のドーズ114Aでは高く、次いで第2のドーズ114Bではより低くすることができる。これは、第2のドーズ114Bが第1のドーズの加熱中にいくらかのレベルの間接的な熱を受け、したがって、第2のドーズ114Bが、エアロゾルを提供するためにより少ない直接の加熱(ヒータの電力レベルを低下させることによって実現される)しか必要としないので、これは有利である。これはまた、エアロゾル生成媒体の1つのドーズ114Aが別のドーズ114Bとは異なる構造又は物質であり、したがってエアロゾルを生成するために異なるヒータの電力レベルが必要とされるときに有利であり得る。
エアロゾル生成媒体のドーズ114は、タバコ及びグリコールの少なくとも1つを含むことがあり、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、ピーチ、アップル、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はメンサ属の任意の種からのミントオイル)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化因子若しくは刺激因子、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、及び他の添加物、例えばチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含むことがある。それらは、模倣成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらの混合物でもよい。ドーズ114は、分離されていてよく、隣り合っていてよく、又は重なっていてもよい。
本明細書で述べるエアロゾル生成媒体は、「アモルファス固体」を含み、これは、代替として「モノリシック固体」(すなわち非繊維質)又は「乾燥ゲル」と呼ばれることもある。アモルファス固体は、液体などの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの場合には、エアロゾル生成層は、約50wt%、60wt%、又は70wt%のアモルファス固体から、約90wt%、95wt%、又は100wt%のアモルファス固体を含む。いくつかの場合には、エアロゾル生成層は、アモルファス固体からなる。
いくつかの場合には、アモルファス固体は、1~50wt%のゲル化剤を含むことがあり、これらの重量は乾燥重量ベースで計算される。
適切には、アモルファス固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%、又は27wt%(全て乾燥重量ベースで計算)のゲル化剤を含むことがある。例えば、アモルファス固体は、5~40wt%、10~30wt%、又は15~27wt%のゲル化剤を含むことがある。
いくつかの実施形態では、ゲル化剤は親水コロイドを含む。いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ、又はシリコーン化合物、粘土、ポリビニルアルコール、及びそれらの組合せを含む群から選択される1つ又は複数の化合物を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガムグアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、フュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの場合には、ゲル化剤は、アルギン酸塩及び/又はペクチンを含み、アモルファス固体の形成中に硬化剤(カルシウム源など)と組み合わせることができる。いくつかの場合には、アモルファス固体は、カルシウム架橋アルギン酸塩及び/又はカルシウム架橋ペクチンを含むことがある。
適切には、アモルファス固体は、約5wt%、10wt%、15wt%、又は20wt%~約80wt%、70wt%、60wt%、55wt%、50wt%、45wt%、40wt%、又は35wt%(全て乾燥重量ベースで計算)のエアロゾル生成剤を含むことがある。エアロゾル生成剤は、可塑剤として作用することがある。例えば、アモルファス固体は、10~60wt%、15~50wt%、又は20~40wt%のエアロゾル生成剤を含むことがある。いくつかの場合には、エアロゾル生成剤は、エリスリトール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、ソルビトール、及びキシリトールから選択される1つ又は複数の化合物を含む。いくつかの場合には、エアロゾル生成剤は、グリセロールを含むか、グリセロールから実質的になる、又はグリセロールからなる。本発明者らは、可塑剤の含有量が高すぎる場合、アモルファス固体が水を吸収し、使用時に適切な消費体験を生み出さない材料となる可能性があることを確認した。本発明者らは、可塑剤の含有量が低すぎる場合、アモルファス固体が脆くなり、容易に破壊され得ることも確認した。本明細書で指定される可塑剤含有量は、アモルファス固体シートをボビンに巻き付けることを可能にするアモルファス固体の可撓性を提供し、これはエアロゾル生成物品の製造に有用である。
いくつかの場合には、アモルファス固体が、香料を含むことがある。適切には、アモルファス固体は、最大約60wt%、50wt%、40wt%、30wt%、20wt%、10wt%、又は5wt%の香料を含むことがある。いくつかの場合には、アモルファス固体は、少なくとも約0.5wt%、1wt%、2wt%、5wt%、10wt%、20wt%、又は30wt%(全て乾燥重量ベースで計算)の香料を含むことがある。例えば、アモルファス固体は、10~60wt%、20~50wt%、又は30~40wt%の香料を含むことがある。いくつかの場合には、香料(存在する場合)は、メンソールを含む、メンソールから実質的になる、又はメンソールからなる。いくつかの場合には、アモルファス固体は、香料を含まない。
いくつかの場合には、アモルファス固体は、さらにタバコ材料及び/又はニコチンを含む。例えば、アモルファス固体は、粉末タバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物をさらに含むことがある。いくつかの場合には、アモルファス固体は、約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約70wt%、60wt%、50wt%、45wt%、又は40wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ材料及び/又はニコチンを含むことがある。
いくつかの場合には、アモルファス固体は、タバコ抽出物を含む。いくつかの場合には、アモルファス固体は、5~60wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ抽出物を含むことがある。いくつかの場合には、アモルファス固体は、約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、又は25wt%~約55wt%、50wt%、45wt%、又は40wt%(乾燥重量ベースで計算)のタバコ抽出物を含むことがある。例えば、アモルファス固体は、5~60wt%、10~55wt%、又は25~55wt%のタバコ抽出物を含むことがある。タバコ抽出物は、アモルファス固体が1wt%、1.5wt%、2wt%、又は2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%、又は4wt%(乾燥重量ベースで計算)のニコチンを含むような濃度でニコチンを含むことがある。いくつかの場合には、タバコ抽出物から生じるもの以外に、アモルファス固体にニコチンがないことがある。
いくつかの実施形態では、アモルファス固体はタバコ材料を含まないが、ニコチンを含む。いくつかのそのような場合において、アモルファス固体は、約1wt%、2wt%、3wt%、又は4wt%~約20wt%、15wt%、10wt%、又は5wt%(乾燥重量ベースで計算)のニコチンを含むことがある。例えば、アモルファス固体は、1~20wt%又は2~5wt%のニコチンを含むことができる。
いくつかの場合には、タバコ材料、ニコチン、香料の総含有量は、少なくとも約1wt%、5wt%、10wt%、20wt%、25wt%、又は30wt%でよい。いくつかの場合には、タバコ材料、ニコチン、及び香料の総含有量は、約70wt%、60wt%、50wt%、又は40wt%(全て乾燥重量ベースで計算)未満でもよい。
いくつかの実施形態では、アモルファス固体はヒドロゲルであり、湿潤重量ベースで計算して約20wt%未満の水を含む。いくつかの場合には、ヒドロゲルは、湿潤重量ベース(WWB)で計算して、約15wt%、12wt%、又は10wt%未満の水を含むことがある。いくつかの場合には、ヒドロゲルは、少なくとも約2wt%又は少なくとも約5wt%の水(WWB)を含むことがある。
アモルファス固体はゲルから作製することができ、このゲルは、0.1~50wt%で含まれる溶媒をさらに含むことがある。しかし、本発明者らは、香料が可溶な溶媒を含めることで、ゲルの安定性が低下することがあり、香料がゲルから結晶化することがあることを確認した。したがって、いくつか場合には、ゲルは、香料が可溶性である溶媒を含まない。
アモルファス固体は、20wt%未満、適切には10wt%未満、又は5wt%未満のフィラーを含む。フィラーは、1つ又は複数の無機フィラー、例えば、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び適切な無機吸収剤、例えば分子ふるいを含むことがある。フィラーは、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体などの1つ又は複数の有機フィラー材料を含むことがある。いくつかの場合には、アモルファス固体は、1wt%未満のフィラーを含み、いくつかの場合には、フィラーを含まない。特に、いくつかの場合には、アモルファス固体は、チョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
いくつかの場合には、アモルファス固体は、実質的に、ゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ材料、及び/又はニコチン源、水、及び任意選択で香料から実質的になる、又はそれらからなることがある。
エアロゾル生成材料は、当業者が適切と考える任意の他の適切なエアロゾル生成材料でもよいことを理解されたい。
図6を参照すると、丸い基材110での部分114A、114B、114C、114Dの配置の一例が示されている。部分114は同心リング状に配置され、リングは、基材の回転割出しによって順次に加熱することができ、その後、ヒータ120が横方向に割出しされて、同心リングのシーケンスで次のリングを加熱するように配置される。この割出しシーケンスは、各ドーズ114が加熱されてエアロゾルを生成するまで繰り返すことができる。基材110に提供される割出しは、前述したように、距離及び/又は時間が均一でも不均一でもよい。一例では、加熱される最終部分114は、基材110の中心に向かって配置される。この部分114Dは、例えば、喫煙セッションに爽快感を与えるメンソールを含む部分114Dでよい。ユーザは、エアロゾル生成媒体の様々な構成を使用することにより、喫煙セッションをパーソナライズすることが可能であり得る。
特にヒータ120の横方向移動により、部分114が回転対称に配置されるという制限がないことは明らかである。
デバイスがキャリア層111に配置されたドーズ114を有する上の例では、基材110は、エアロゾルに対して実質的に不透過性である底部層を有することがある。例えば、底部層は、キャリア層の第2の表面に配設されることがある(又は、他の実施形態では、底部層がキャリア層であり得る)。この構成は、エアロゾル生成媒体ドーズ114の加熱から生成されたエアロゾルが、ヒータ120から流路160に沿って出口150に向かって流れるのを促進する。これは、デバイス100内でのエアロゾルの凝縮の可能性を低減し、したがって、上述したように、デバイス100の清浄度を高めると共に寿命を延ばす。底部は、紙、ボール紙、木材パルプ、プラスチック、セラミックなどの材料の少なくとも1つから形成することができる。
基材110は、エアロゾルに対して不透過性でよい、又はエアロゾル生成材料が基材110の細孔に入ることができるように多孔性でよい。一例では、基材110は、透過性及び不透過性部分を有することがある。透過性部分は、エアロゾルが基材を通過することが望ましい部分に配置することができ、エアロゾルが基材110を通ってデバイス100の出口に向かって流れることを可能にする。不透過性部分は、エアロゾルが加熱用エネルギー源120に向かって流れるのを防ぐことが望ましい部分に配置することができる。
図7を参照すると、エアロゾル供給デバイス100の部分101の一例が示されている。図7の例に示されるエアロゾル供給デバイス100の部分101は、基材110(前述したように、エアロゾル生成媒体の一部分を有することがある)及びヒータ120である。使用時の基材110をヒータ120に対して移動させることができ、エアロゾル生成媒体の一部分をヒータ120に移動させ、加熱してエアロゾルを生成する。
ヒータ120は、複数の加熱要素120A、120B、120Cを有することができる。代替として、複数の加熱要素を備えた1つのヒータ120ではなく、部分101は、複数のヒータ120A、120B、120Cを有するヒータ構成体120を有することがある。本明細書で述べる例は、複数の加熱要素120A、120B、120Cを有するヒータ120のものであるが、複数のヒータ120A、120B、120Cを有するヒータ構成体120の使用も同様に使用することができる。
ヒータ120は、基材110に熱を供給するために電源によって起動させることができる。使用時、ヒータ120の加熱要素120A、120B、120Cは、同時には起動されないことがある。一例では、ヒータ120の加熱要素120A、120B、120Cは、別々に起動される。加熱要素120A、120B、120Cは、順次に起動されることもある。特定の例では、加熱要素120A、120B、120Cは、第1の加熱要素120A、次いで第2の加熱要素120B、次いで第3の加熱要素120Cの順序で順次に起動される。図7に示される例では、第1の加熱要素120Aは、基材110に対して最も中央に配置され、第2の加熱要素120Bは、第1の加熱要素120Aと第3の加熱要素120Cとの間に配置され、第3の加熱要素120Cは、基材110の外縁に向かって配置される。
一例では、第1の加熱要素120Aが起動されて、第1の加熱要素120Aの近位にある基材110の一部分を加熱する。その後、第2の加熱要素120Bが起動されて、第2の加熱要素120Bの近位にある基材110の異なる部分を加熱する。その後、第3の加熱要素120Cが起動されて、第3の加熱要素120Cの近位にある基材110の別の異なる部分を加熱する。加熱要素120A、120B、120Cの起動の順序は、エアロゾルの所望の出力に基づいて変えることができる。加熱要素120A、120B、120Cの起動は、基材110でのエアロゾル生成媒体の配置を念頭に置いて制御することができる。
図7に示される特定の例では、ヒータ120は、丸い底部を有する三角形状のヒータ120である。底部は必ずしも丸くなくてもよいが、基材110の良好なカバーを提供するように形作られる必要がある。良好なカバーは、適切なサイズのヒータ120によって提供され、これは、基材110のエアロゾル生成媒体を加熱することができることを保証しながら、基材110の周りの環境を過度に加熱してエネルギーを浪費しない。したがって、基材110及びヒータ120の形状の異なる配置を想定することもできる。加熱要素120A、120B、120Cは、三角形ヒータ120の異なる径方向位置にある。
一例では、第1の加熱要素120Aは第1のパフ(1パフは1回の吸引)に関して起動され、第2の加熱要素120Bは第2のパフに関して起動され、第3の加熱要素120Cは第3のパフに関して起動される。最後の加熱要素が起動された後(この3つの加熱要素の例では、これは第3の加熱要素120Cである)、基材110は、ヒータ120に対して移動して、新鮮なエアロゾル生成媒体をヒータ120に提供することができる。
加熱要素120A、120B、120Cは、異なる形状又はサイズでよい。加熱要素120A、120B、120Cは、同じエリアを占めていても、異なるエリアを占めていてもよい。これは、例えば上面図で見たときに、加熱要素120A、120B、120Cが基材110の比較的同様のエリアをカバーすることを意味する。加熱要素120A、120B、120Cは、図7において、比較的同様のエリアをカバーしている。(図示するように)連続するディスクの同様のエリアをカバーする加熱要素は、パフごとに同様のエアロゾル体積を生成し、以てユーザにより良い一貫性を提供することができる。
ヒータ120に対する基材110の相対移動は、段階的な(例えば割出し)移動でよい。移動は固定量でよく、加熱の各セッションの後に行われることがあり、ここで、セッションは、各加熱要素120A、120B、120Cの起動である。このようにして、新鮮なエアロゾル生成媒体をヒータ120に提供して、加熱してエアロゾルを生成することができる。この構成は、エアロゾル生成媒体の一部分が2回加熱されて、過熱又は燃焼によって望ましくない化合物が生成される可能性を低減する。
したがって、エアロゾル生成媒体を含む基材であって、第1の表面、及び第1の表面に面する第2の表面を含む基材と、基材の第2の表面に面するように配置された加熱用エネルギー源であって、エアロゾル生成媒体の加熱を生じさせてエアロゾルを生成するように構成された加熱用エネルギー源と、加熱用エネルギー源に対するエアロゾル生成媒体の移動を可能にするように構成された移動機構と、を備えるエアロゾル供給システムであって、エアロゾル生成媒体の一部分が加熱用エネルギー源に提供されるように、エアロゾル生成媒体が加熱用エネルギー源に対して回転運動可能であり、エアロゾル生成媒体が、軸線の周りで、第1の表面に対してある角度で回転される、エアロゾル供給システムが記載されている。
エアロゾル供給システムは、タバコ産業製品、例えば非燃焼式エアロゾル供給システムで使用することができる。
一実施形態では、タバコ産業製品は、ヒータ及びエアロゾル化可能な基材(例えば、エアロゾル生成材料を含む基材)などの非燃焼式エアロゾル供給システムの1つ又は複数の構成要素を備える。
一実施形態では、エアロゾル供給システムは、ベーピングデバイスとしても知られている電子タバコである。
一実施形態では、電子タバコは、ヒータ、ヒータに電力を供給することができる電源、液体又はゲルなどのエアロゾル化可能な基材、ハウジング、及び任意選択でマウスピースを備える。
一実施形態では、エアロゾル化可能な基材は、基材容器の中又は上に含まれる。一実施形態では、基材容器は、ヒータと組み合わされる、又はヒータを備える。
一実施形態では、タバコ産業製品は、基材材料を加熱する(しかし燃焼はしない)ことによって1つ又は複数の化合物を放出する加熱製品である。基材材料は、例えばタバコ、又はニコチンを含むことも含まないこともある他の非タバコ製品でよいエアロゾル化可能な材料である。一実施形態では、加熱デバイス製品は、タバコ加熱製品である。
一実施形態では、加熱製品は、電子デバイスである。
一実施形態では、タバコ加熱製品は、ヒータと、ヒータに電力を供給することができる電源と、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能な基材とを含む。
一実施形態では、加熱製品は、非電子的な物品である。
一実施形態では、加熱製品は、固体又はゲル材料などのエアロゾル化可能な基材と、例えばチャコールなどの燃焼材料を燃焼させることによって、エアロゾル化可能な基材に電子的手段なしで熱エネルギーを供給することが可能な熱源とを備える。
一実施形態では、加熱製品は、エアロゾル化可能な基材を加熱することによって生成されたエアロゾルを濾過することができるフィルターも備える。
いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能な基材材料は、エアロゾル若しくはエアロゾル生成剤、又は湿潤剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、トリアセチン、又はジエチレングリコールを含むことがある。
一実施形態では、タバコ産業製品は、基材材料の組合せを加熱する(しかし燃焼はしない)ことによってエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。基材材料は、例えば、ニコチンを含むことも含まないこともある固体、液体、又はゲルを含むことがある。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基材及び固体基材を備える。固体基材は、例えば、タバコ、又はニコチンを含むことも含まないこともある他の非タバコ製品でよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲル基材及びタバコを備える。
様々な問題に対処して当技術を発展させるために、本開示の全体は、特許請求される発明を実践することができ、優れた電子エアロゾル供給システムを提供することができる様々な実施形態を例示として示す。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表的な例にすぎず、網羅的及び/又は排他的ではない。それらは、特許請求される特徴の理解及び教示を補助するためにのみ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本開示に対する限定、又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えるべきではなく、本開示の範囲及び/又は精神から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、変更を行うことができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示される要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備える、それらからなる、又はそれらから実質的になることがある。さらに、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明も含む。