JP2022528100A - 光学部品、ヘッドライト、自動車 - Google Patents

Abstract

本発明は、光学アセンブリ、車両用ランプおよび自動車に関する。特に光学アセンブリ（１）は導光体（１０）を備え、導光体（１０）は少なくとも第１導光部分（２）、第２導光部分（３）および架橋導光部分（５）を有し、第１導光部分（２）および第２導光部分（３）は、一端で接続されて端部領域（Ｓ）を形成するとともに端部領域から分枝し、端部領域は、光源からの光の入光カップリングのための端面を有し、架橋導光部分（５）は、第１導光部分（２）および第２導光部分（３）の間に配置され、架橋導光部分（５）は第１導光部分（２）および第２導光部分（３）の分岐位置（Ｇ）から離れており、架橋導光部分（５）は、分岐位置に対面する入光カップリング面（５１）と、出光カップリング面（５２）とを有する。

Description

本発明は、光学部品、ヘッドライトおよび自動車に関するものである。

導光体アセンブリは、現在の自動車用ランプに多く採用されている。光源からの光は、導光体アセンブリの端面から導光体アセンブリに結合（couple）される。導光体アセンブリは円筒形で、通常は円形の断面を有しているが、例えば楕円形といった他の断面形状を有していてもよい。導光体アセンブリは、その長さの少なくとも一部に沿って、例えば光学歯の形態の光デカップリング構造（decoupling structure）を有しており、導光体アセンブリ内での光の全反射を妨げ、導光体アセンブリの光デカップリング構造とは反対側で光が放出されるようにしている。ここで、導光体アセンブリの全体的な経路は、通常、自動車の全体的な形状に応じて設計される。場合によっては、所望の形状にするために、導光体アセンブリを少なくとも２つの分枝に分ける必要がある。このような場合、通常、分枝位置の照明が不均一になり、許容できない制御不能な光のスポット、特に暗領域が発生するという問題がある。

したがって、本発明の目的は、均一な照明効果を得ることができ、コスト効率良く製造することができる光学アセンブリを提供することである。

本発明によれば、この目的は、提案された光学アセンブリによって達成される。光学アセンブリは、少なくとも第１導光部分、第２導光部分および架橋導光部分を有する導光体を備え、第１導光部分および第２導光部分は、一端で接続されて端部領域を形成するとともに、端部領域の分岐位置のところで分離されており、端部領域は、光源からの光の入光カップリングのための端面を有し、架橋導光部分は、第１導光部分と第２導光部分との間に配置されており、架橋導光部分は、第１導光部分および第２導光部分の分岐位置から例えば１０ｍｍ離れており、架橋導光部分は、分岐位置に対面する入光カップリング面と、入光カップリング面と反対側の出光カップリング面とを有している。

この光学アセンブリでは、光源からの光はその端面で端部領域に結合される。架橋導光部分を設けることで、端部領域に結合された光は、架橋導光部分に向かって伝搬し、光学アセンブリの導光部に沿って伝搬し続けることができる。これにより、光出力の全長にわたって均一な光が得られる。

「分岐位置」とは、導光部分同士が、互いに結合された接続から外れて互いに分離する位置であると理解される。ここでいう接続とは、直接的な接続と間接的な接続を含む。特に、直接的な接続とは、導光部分同士が互いに当接していることを意味し、間接的な接続とは、導光部部分同士が中間要素を介して接続されていることを意味する。そのため、分岐位置は線や面であっても構わない。

架橋導光部分の長手方向に対して横断方向に延びる面において、架橋導光部分は台形の断面を有しており、入光カップリング面の幅が出光カップリング面の幅よりも大きくなっている。ここで、出光カップリング面の幅は、第１導光部分および第２導光部分の（各々の）光デカップリング構造の幅、または、それらの長手方向に対して横断方向に延びる断面内においてそれに対向して配置された光出口面の幅に実質的に対応していてもよい。台形断面の側縁の少なくとも１つは、光学アセンブリの主光出射方向と、０～２２．７°の間の角度を成している。このため、本解決策では、架橋導光部分の出光カップリング面から出射される全方向の光の強度が、導光部分の光出射面から出射される全方向の光の強度と全方向で実質的に同じになるので、全方向に均一な光出力を実現することができる。

また、光学アセンブリは、第１導光部分と第２導光部分の対応する端部同士が中間部分により接続され、光の少なくとも一部が中間部分での透過を介して架橋導光部分に入射するように構成され、中間部分が端部領域の一部を形成するようにしてもよい。これにより、光の均一化がさらに促進される。

また、架橋導光部分の入光カップリング面および出光カップリング面の少なくとも一方に、光均一化（光均質化）のための構造が設けられていてもよい。一例として、光均一化のための構造は、波状の表面、マイクロピロー構造アレイ表面、または粗面化された表面の形態であるか、または他の適切な形態をとる。上記の均一化のための構造により、例えば、光の伝搬方向に垂直な面の部分では伝搬方向を変えずに、凹部では拡散的に、凸部では収束的に光を屈折させることができ、光を均一に変調させることができる。

ライトガイド（導光体）の第１導光部分と第２導光部分には、光デカップリング構造が設けられており、その一端は、架橋導光部分の入光カップリング面を超えて延びているので、光デカップリング構造を介して、光の少なくとも一部を架橋導光部分の入光カップリング面に入るように偏向させることができる。例えば、光デカップリング構造は、光学歯、すなわち（複数の）プリズムであってもよく、これは、導光部分における光の全反射を乱し（崩し）、光デカップリング構造と反対の面からの光の出射を可能にする。この設計によれば、架橋導光部分から放射される光をさらに均一化することができる。

一例として、光デカップリング構造は、異なる光デカップリング能力を持つ２列のサブ光デカップリング構造から構成されている。光デカップリング構造がプリズム構造である場合、（複数の）サブ光デカップリング構造は、異なる光出射方向を実現するために、互いに異なるサイズまたは互いに異なる幾何学的構造の（複数の）プリズムであってもよい。

光学アセンブリは、透明材料で形成されたワンピース部品である。例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、その他の適切な材料から射出成形される。

第１導光部分と第２導光部分は、閉ループを形成（包囲）していてもよい。

光学アセンブリは、互いに分岐する２つの導光部分を有していてもよい。

架橋導光部分は、製作を容易にするために、分岐位置から少なくとも１０ｍｍの間隔を空けて配置されている。

本発明の別の側面は、上述のような光学アセンブリを有する車両用ランプに関するものである。

本発明のさらなる側面は、上述のようなヘッドライトを有する車両に関するものである。

本発明は、添付の図面を用いて以下のように説明される。

図１は、本発明に係る光学アセンブリの一実施形態を模式的に示す三次元図である。 図２は、本発明に係る光学アセンブリの分岐部分の詳細を模式的に示す図である。 図３は、図２の切断線Ｂ－Ｂに沿った断面を模式的に示した図である。 図４は、図１の領域Ａの部分拡大図を模式的に示した図である。 図５は、図４の切断線Ｃ－Ｃに沿った断面を模式的に示した図である。

発明の実施の形態

本発明の例示的な実施形態を以下に示す。当業者であれば、発明の概念を逸脱することなく、図示された実施形態を様々に変更することができることを認識しているはずである。したがって、添付の図面および明細書は、その性質上、例示的なものであり、限定的なものではない。以下において、同一の参照符号は、概ね機能的に同一または類似の部品を示している。

図１は、本発明による光学アセンブリ１の例示的な説明図である。光学アセンブリ１は、ここでは、２つの導光部分２，３と、架橋導光部分５とを有し、架橋導光部分５は、２つの導光部分２，３の間に設けられている。原則として、任意の数の導光部分とそれに対応する架橋導光部分を選択することができる。これら導光部分は、一端で接続（連結）されて端部領域Ｓを形成し、この端部領域の分岐位置Ｇのところで分離しており、架橋導光部分５は、分岐位置Ｇから離れている。架橋導光部分５は、入光カップリング面（入光結合面）５１と出光カップリング面（出光結合面）５２とを有し、入光カップリング面５１は分岐位置に面し、出光カップリング面５２は入光カップリング面５１の反対側に配置されている。

図示の例では、導光部分２，３は、例えば、円形または楕円形の断面を持ち、直径が３ｍｍから１２ｍｍの２本の導光体の形をしている。これらは、分岐位置Ｇから両側方に向かって広がっており、光を光源に結合するための端面２１、３１と、当該端面に対向して配置された他の端面２２、３２をそれぞれ有しており、このため、光が光学アセンブリを伝搬する際に直線的な照明効果が得られる。見てわかるように、端面２１、３１には、この光学アセンブリのための位置決めピン１１が設けられている。

図示されていない別の例では、光学アセンブリ１の導光部分２、３および架橋導光部分５は、閉ループを形成する（包囲する）。この閉ループの形状は、希望する照明の形状に応じて特別に選択することができる。

光学アセンブリ１の導光部分２，３は、互いに直接当接させることができる。ここでは、導光部分２，３および架橋導光部分５が、略三角形の隙間を囲んでいる。

上記に代えて、図２に示すように、導光部分２，３が中間部分４によって結合されていてもよい。導光部分２と３の間の中間部分４は、図３に示すように、主発光方向Ｈに直交する断面において幅Ｄを有している。中間部分は、導光部分と同じ材質であってもよく、これにより、導光部分から中間部分への光の入射が容易になる。ここで、中間部分４のうちの主光出射方向でみて最前の面４１は、導光部分２，３が架橋導光部分５と共に実質的に台形を形成して（包囲して）いる。架橋導光部分５に対向する中間部分４の面４１は、図４に示すように、波状の構造を有していてもよい。波状にすることで、面４１から照射される光を少なくともある程度は均一化することができる。

なお、図２では、中間部分４は導光部分２，３の端面から始まっているように示されているが、導光部分２，３の端面から所定の距離だけ離れた位置から始まっていてもよい。

また、上述した架橋導光部分５の面４１と同様に、架橋導光部分５の入光カップリング面５１および出光カップリング面５２も、光均一化の効果を達成するするために、波状の構造を有していてもよい。また、前述の３つの面が、微小ピロー構造アレイ構造や、粗面化された構造、その他の適切な構造など、他の光均質化構造を持つことも可能である。光の均一化構造は、必要に応じて各面に適用することができる。

導光部分２，３は、それぞれ外周部にその長手方向に沿って延びる光デカップリング（デカップリング）構造を有していてもよく、これにより導光部分２，３に入射する光の全反射状態を導光部分２，３内で乱し（崩し）、導光部分２，３の光デカップリング構造とは反対側から光が出てくるようにしてもよい。光デカップリング構造は、光導波路方向に約１．５ｍｍのピッチを持つ光学歯、すなわち（複数の）プリズムの形をしていてもよい。導光部分２，３の光デカップリング構造の一端は、光学アセンブリ１の端面方向に、架橋導光部分５を超えて、必要に応じて分岐位置Ｇを超えて、延びており、導光部分２，３から架橋導光部分５の入光カップリング面５１に入るように光を偏向させることができるようになっている。

なお、導光部分２，３の光デカップリング構造は、複数のサブ光デカップリング構造から構成されていてもよい。図２に示すように、導光部分３の光デカップリング構造は、全ての方向に均一な光出力を実現するために、例えば、異なるサイズの光学歯を有するなど、互いに異なる形状を有する可能性のあるサブ光デカップリング構造３３、３４を重ね合わせて構成されている。導光部分２のサブ光デカップリング構造２４は、導光部分３と同様の方法で構成することができる。もちろん、導光部分２と３のそれぞれの光デカップリング構造を異なるように構成することができる。

図４の切断線Ｃ－Ｃに沿った架橋導光部分５の断面図を図５に示す。ここで分かるように、架橋導光部分５は、略台形の断面を有している。台形断面の少なくとも一方の側縁（脚）は、主発光方向に対して０～２２．７°の角度αをなしており、断面の長底縁（長い底辺）の長さは導光部分の直径に対応させることができ、短底縁（短い底辺）の長さは光出射面、または導光部分に設けられた光デカップリング構造の幅に対応させることができ、これにより均一で最適な光の出射が実現される。特に、側縁と主光出射方向との間の角度αの値を調整することで、架橋導光部分における出射光の幅を設定することができる。

上述の光学部品は、少なくとも部分的に光透過性のある材料から、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどの射出成形によって一体に形成することができる。 光学アセンブリの長手方向の延長は、実際のモデリングの要求に応じて選択することができる。

なお、本発明は上述の構造に限らず、様々なバリエーションを採用することができる。 本発明は、限られた数の実施形態によって説明されてきたが、当業者は、本開示の恩恵を受けて、本明細書に開示された本発明の保護範囲から逸脱しない他の実施形態を発明することができる。したがって、発明の保護範囲は、添付された請求項によってのみ制限されるべきである。

Claims (14)

1. 少なくとも第１導光部分（２）、第２導光部分（３）および架橋導光部分（５）を有する導光体（１０）を備えた光学アセンブリ（１）であって、
   前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）は、一端で接続されて端部領域（Ｓ）を形成するとともに、前記端部領域の分岐位置（Ｇ）のところで分離されており、
   前記端部領域は、光源からの光の入光カップリングのための端面を有し、
   前記架橋導光部分（５）は、前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）の前記分岐位置（Ｇ）から離れており、
   前記架橋導光部分（５）は、前記分岐位置（Ｇ）に対面する入光カップリング面（５１）と、入光カップリング面（５１）と反対側の出光カップリング面（５２）とを有していることを特徴とする光学アセンブリ。
2. 前記架橋導光部分（５）の長手方向に対して横断方向に延びる平面内において、前記架橋導光部分（５）は台形断面を有しており、前記入光カップリング面（５１）の幅が前記出光カップリング面（５２）の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項１に記載の光学アセンブリ（１）。
3. 前記出光カップリング面（５２）の幅は、前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）の長手方向に対して横断方向に延びる断面内における、前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）の光出口面の幅に対応していることを特徴とする、請求項２に記載の光学アセンブリ（１）。
4. 前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）の対応する端部同士が、中間部分（４）によって接続されており、光の少なくとも一部が前記中間部分（４）の透過により前記架橋導光部分（５）に入ることができるようになっており、前記中間部分（４）が前記端部領域（Ｓ）の一部を形成していることを特徴とする、請求項２に記載の光学アセンブリ（１）。
5. 前記架橋導光部分（５）の入光カップリング面（５１）および出光カップリング面（５２）の少なくとも一方には、光均一化構造が設けられていることを特徴とする、請求項４に記載の光学アセンブリ（１）。
6. 前記光均一化構造が、波状の表面、マイクロピロー構造のアレイの表面、または粗面化された表面の形態であることを特徴とする、請求項５に記載の光学アセンブリ（１）。
7. 前記台形断面の側縁の少なくとも１つが、前記光学アセンブリ（１）の主発光方向と０～２２．７°の間の角度を成すことを特徴とする、請求項２に記載の光学アセンブリ（１）。
8. 前記導光体（１０）の前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）の各々に光デカップリング構造が設けられており、
   前記光デカップリング構造の一方が前記架橋導光部分（５）の入光カップリング面（５１）を超えて延びており、これにより、当該光デカップリング構造を介して、光の一部が偏向されて前記入光カップリング面（５１）に入るようになっていることを特徴とする、請求項１から７のうちのいずれか一項に記載の光学アセンブリ（１）。
9. 前記光デカップリング構造は、異なる光デカップリング能力を有する２列のサブ光デカップリング構造から形成されていることを特徴とする、請求項８に記載の光学アセンブリ（１）。
10. 前記光学アセンブリ（１）が、透明材料から形成されたワンピース部品であることを特徴とする、請求項１から７のうちのいずれか一項に記載の光学アセンブリ（１）。
11. 前記第１導光部分（２）および前記第２導光部分（３）が１つの閉ループを形成することを特徴とする、請求項１０に記載の光学アセンブリ（１）。
12. 前記架橋導光部分（５）および前記分岐位置（Ｇ）は少なくとも１０ｍｍの間隔を空けて配置されていることを特徴とする、請求項１から７のうちのいずれか一項に記載の光学アセンブリ（１）。
13. 請求項１から１２のうちのいずれか一項に記載の光学アセンブリ（１）を有する車両用のランプ。
14. 請求項１３に記載のランプを有する車両。

Images