JP2022524446A - 嚥下可能な薬物送達デバイスを使用する腸管の内腔への薬物送達のための治療薬調製物および方法 - Google Patents

嚥下可能な薬物送達デバイスを使用する腸管の内腔への薬物送達のための治療薬調製物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明の実施形態は、GI管内に治療薬(TA)を送達するための、嚥下可能なデバイス、調製物、および方法を提供する。多くの実施形態は、TAを腸壁(IW)または他のGI場所に送達するためのカプセルなどの嚥下可能なデバイスを提供する。実施形態はまた、カプセル内に含まれ、カプセルからIWに前進し、分解して、TAを血流に放出するように構成された様々なTA調製物(例えば、インスリンまたはIgG)を提供し、TA調製物は、選択された薬物動態パラメータを有し得る選択された血漿濃度プロファイルを示す。調製物は、調製物がカプセルに含まれる第1の構成と、調製物がカプセルから出てIWに前進する第2の構成と、を有する送達手段に動作可能に結合されることができる。本発明の実施形態は、GI管内で、吸収性、耐性が低く、および/または分解される薬物の送達に特に有用である。【選択図】図8c

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年3月13日に出願された米国仮特許出願第62/818,053号および2019年3月18日に出願された同第62/820,174号に対する優先権およびその利益を主張し、これらは両方とも、あらゆる目的のために、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、また以下の米国特許および特許出願、すなわち米国特許第8,562,589号、同第8,721,620号、同第8,734,429号、同第8,759,284号、同第8,809,269号、同第9,149,617号、ならびに2019年12月31日に出願された米国特許出願第16/731,834号、2018年12月31日に出願された同第62/786,831号、および2019年2月28日に出願された同第62/812,118号に関連し、これらのすべては、本明細書に引用された任意の論文とともに、あらゆる目的のために参照により本明細書に完全に組み込まれる。
[発明の分野]
本発明の実施形態は、嚥下可能な薬物送達デバイスに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、小腸に薬物を送達するための嚥下可能な薬物送達デバイスに関する。
近年、様々な病気の治療のために、新薬の開発が進んでいるが、多くは、経口投与することができないため、用途が限られている。これは、胃の不快感および出血を含む合併症を伴う経口耐性の低下、胃の中の薬物化合物の崩壊(breakdown)/分解(degradation)、および薬物の不良な、遅い、または一定しない吸収を含む、いくつかの理由によるものである。静脈内および筋肉内送達などの従来の代替的な薬物送達方法には、針を刺すことによる痛みや感染の危険性、滅菌技術の使用の必要、長期間にわたって患者の静脈(IV)ラインを維持する必要およびそれに関連する危険性を含む、いくつかの多くの欠点がある。埋め込み型薬物送達ポンプなどの他の薬物送達アプローチが採用されているが、これらのアプローチでは、デバイスの半永久的な埋め込みが必要であり、依然として静脈内(IV)送達の限界の多くを有する可能性がある。したがって、薬物および他の治療薬の送達のための改善された方法へのニーズが存在する。また、経口送達によるそのような薬物の送達のいくつかの試みがあったが、それらは、多くの患者に対するそれらの実用性を制限する絶食状態中にのみ薬物を送達することができるという欠点を有する。
本発明の実施形態は、薬物および他の治療薬を体内の様々な場所に送達するためのデバイス、システム、キット、および方法を提供する。多くの実施形態は、胃腸(GI)管内に薬物および他の治療薬を送達するための嚥下可能なデバイスを提供する。特定の実施形態は、薬物および他の治療薬を小腸の壁および/もしくは周囲の組織、または他のGI器官壁に送達するためのカプセルなどの嚥下可能なデバイスを提供する。本発明の実施形態は、GI管内で、吸収性、耐性が低く、および/または分解される薬物および他の治療薬の送達に特に有用である。さらに、本発明の実施形態は、GI管内での分解および/または小腸からの不良な吸収のために、静脈内投与、または好ましくは筋肉内もしくは皮下注射などの様々な非血管注射形態の投与を含む他の形態の非経口投与によってのみ以前は送達することができた、または好ましくは送達された薬物および他の治療薬を送達するために使用することができる。様々な実施形態では、そのような治療薬は、インスリン(例えば、基礎インスリン、組換えインスリン)、および様々な免疫グロブリンまたは免疫グロブリンGを含む抗体などの様々な他の生物学的治療薬(生物学的製剤としても記載される)を含み得る。特定の実施形態は、バイオアベイラビリティが70または80パーセント以上のそのような生物学的製剤を送達するためのデバイスおよび方法を提供する。本明細書で使用される場合、「生物学的薬物」(生物学的製剤とも呼ばれる)という用語は、生体から生成されるか、または生体の成分を含む製品を指す。それは、基礎インスリン、組換えヒトインスリン、または例えば免疫グロブリンG(IgG)を含む1つ以上の抗体などの1つ以上の形態のインスリンを含み得る。それはまた、様々な免疫細胞(例えば、白血球、マクロファージ、T細胞など、および同様のもの)などの細胞、または血小板などの細胞の成分もしくは断片を含み得る。
本発明の一態様では、本発明は、消化管(例えば、胃、小腸、大腸など)の内腔の壁または周囲の組織(例えば、腹膜壁または腹膜腔)への送達のための治療薬調製物を提供し、調製物は、基礎インスリンまたは他の形態のインスリンなどの少なくとも1つの治療薬の治療有効用量を含む。調製物は、嚥下可能なカプセルまたは他の嚥下可能なデバイスに含まれるか、さもなければ保護され、カプセルから腸壁に送達されて、腸壁、または腹膜壁もしくは腹膜腔などの周囲組織内から治療薬の用量を放出するための形状および材料の粘稠度を有する。多くの実施形態では、調製物は、嚥下可能なカプセルに含まれ、第1の構成および第2の構成を有するアクチュエータ、拡張可能な部材(例えば、バルーン)、または他のデバイスのうちの1つ以上に動作可能に結合されるように構成されている。調製物は、第1の構成ではカプセル内に含まれ、第2の構成ではカプセルから出て腸壁に前進して、治療薬を腸壁に送達する。変形形態では、調製物は、カプセルに部分的に含まれるように構成されてもよく、またはカプセル表面に付着もしくはそうでなければ配置されてもよい。これらの実施形態および関連する実施形態では、調製物の放出は、小腸で分解する溶解可能なpH感受性コーティングの使用によって達成されるか、またはそうでなければ促進されてもよい。
他の実施形態では、本発明は、カプセル、アクチュエータ、および治療薬調製物の実施形態を含む薬物送達デバイスを飲む込むことを含む、治療薬を、GI管(例えば、胃、腸など)内の内腔の壁に送達するための方法を提供する。アクチュエータは、小腸の壁への治療薬調製物の送達を作動させるように、GI内の特定の場所の条件(例えば、pH)に応答する。特定の実施形態では、アクチュエータは、胃、小腸、大腸の選択されたpHによって分解されるカプセル上の解放要素またはコーティングを含むことができる。分解されると、要素またはコーティングは、例えば、治療薬調製物を含み、バルーンの拡張時に、貫通して腸壁に前進するように構成されている組織貫通部材に動作可能に結合されている1つ以上のバルーンの拡張によって、1つ以上の送達手段によって、治療薬調製物の送達を開始する。組織貫通部材が腸壁または周囲組織に入ると、それらは、分解して治療薬を血流に放出する。本発明の実施形態は、治療薬調製物をGI管(例えば、小腸、胃など)の壁または周囲組織に直接送達するので、血流中または体内の他の場所の治療薬の最大濃度を達成するための期間(本明細書ではTmaxとして記載される)は、筋肉注射または他の皮下注射によってなど治療薬が体内に非血管注射される場合の、そのような最大濃度を達成するための対応する期間よりも短い。様々な実施形態では、本発明の1つ以上の実施形態(嚥下可能なデバイスの実施形態など)を使用して、腸壁への治療用調製物の挿入によって達成されるTmaxは、治療薬の非血管注射の使用により達成されるTmaxの80%、50%、30%、20またはさらには10%であってもよい。
関連する実施形態では、本発明は、治療用調製物、および胃腸壁または送達の1つ以上の薬物動態パラメータを達成することができる周囲組織へのそれらの送達のための関連する方法を提供する。そのようなパラメータは、例えば、絶対的バイオアベイラビリティ、相対的バイオアベイラビリティ、Tmax、T1/2max、および曲線下面積のうちの1つ以上を含み得る。「絶対的バイオアベイラビリティ」は、パーセンテージで表され、静脈内(IV)用量に対する、体循環に到達する製剤からの薬物の量であり(曲線下面積(AUC)測定から決定される)、IV用量は、100%生物学的に利用可能であると想定されている。「相対的バイオアベイラビリティ」もまた、パーセンテージで表され、体循環に到達する第1の製剤からの薬物の量であり(AUC測定から決定される)、同じまたは異なる投与経路で送達された同じ薬物の別の製剤の薬物の量と比較した量である。Tmaxは、治療薬が血流中のその最大濃度であるCmaxに到達する期間であり、T1/2は、血流(または体内の他の場所)中の治療薬の濃度がCmaxに到達した後、元のCmax値の半分に到達するのに必要な期間である。例えば、治療用調製物がIgGなどの抗体を含む実施形態を含む特定の実施形態では、本発明の実施形態によって送達される治療薬の絶対的バイオアベイラビリティは、約50~68.3%の範囲であってもよく、特定の値は60.7%である。さらに他の値も企図される。また、抗体、例えば、IgGの送達のためのTmaxは、約24時間であってもよく、T1/2は、約40.7~128時間の範囲であってもよく、特定の値は、約87.7時間である。
また、関連する実施形態では、治療用調製物、および小腸の壁または周囲組織へのそれらの送達のための関連する方法は、CmaxまたはTmaxを基準点として有する選択された形状を有する治療薬の血漿/血液濃度対時間プロファイルを生成するように構成されてもよい。例えば、血漿濃度対時間プロファイルは、上昇部分および下降部分を有し得、上昇部分の間に治療薬の送達前濃度からCmaxレベルに移行するのにかかる時間(上昇時間として知られる)と、下降部分の間にCmaxレベルから送達前濃度に戻るまでにかかる時間(下降時間として知られる)との選択された比率を有する。様々な実施形態では、上昇部分と下降部分との比率は、約1対20、1対10、および1対5の範囲であってもよい。IgGなどの抗体を含む治療用調製物の特定の実施形態では、プロファイルにおける上昇時間と下降時間との比率は、約1対9であってもよい。一方、組換えヒトインスリンを含む様々なタイプのインスリンの場合、上昇時間と下降時間との比率は、約1対2~1対6の範囲であってもよく、特定の実施形態は、1:4、1:4.5、および1:6である。
別の態様では、本発明は、薬物または他の治療薬調製物を小腸もしくは大腸の壁または胃などの消化管の他の器官に送達するための嚥下可能なデバイスを提供する。デバイスは、嚥下して、消化管を通過するようにサイズ設定されたカプセル、カプセルの長手方向軸を小腸の長手方向軸に整列させるためのカプセル内に位置付けされた展開可能なアライナ、治療薬を腸壁に送達するための送達機構、およびアライナまたは送達機構のうちの少なくとも1つを展開するための展開部材である。カプセル壁は、消化管内の液体との接触によって分解可能であるが、外側のコーティングまたは層も含み得、これは、小腸で見られるより高いpHでのみ分解し、カプセルが小腸に到達し、その時点でコーティングの分解によって薬物送達が開始される前に、下にあるカプセル壁が胃内で分解することから保護するのに役立つ。使用において、そのような材料は、小腸などの腸管の選択された部分における治療薬の標的化送達を可能にする。好適な外側コーティングは、メタクリル酸とアクリル酸エチルの様々なコポリマーなどの様々な腸溶コーティングを含むことができる。
カプセルの別の実施形態は、少なくとも1つのガイドチューブ、少なくとも1つのガイドチューブ内に位置付けられた1つ以上の組織貫通部材、送達部材、および作動機構を含む。組織貫通部材は、通常、中空針または他の同様の構造を含み、腸壁に選択可能な深さを貫通するための内腔および組織貫通端部を有する。様々な実施形態では、デバイスは、企図された追加の数を伴う第2および第3の組織貫通部材を含むことができる。各組織貫通部材は、同じまたは異なる薬物を含むことができる。複数の組織貫通部材を有する好ましい実施形態では、組織貫通部材は、薬物の送達中にカプセルを腸壁に固定するように、カプセルの周囲に対称的に分布させることができる。いくつかの実施形態では、組織貫通部材(例えば、組織貫通端部)の全部または一部分は、薬物調製物自体から製造することができる。これらの実施形態および関連する実施形態では、薬物調製物は、腸壁に貫通して保持されるように構成された針またはダーツ状の構造(棘の有無にかかわらず)を有することができる。
組織貫通部材は、小腸内で分解するように、様々な生分解性材料(例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、PLGA(ポリ乳酸-コ-グリコール酸)、マルトース、または他の糖)から製造することができ、この成分が腸壁に保持されるようになった場合に、組織貫通部材を腸壁から取り外すためのフェイルセーフ機構を提供することができる。さらに、これらの実施形態および関連する実施形態では、カプセルの選択可能な部分は、デバイス全体が制御可能に小さな断片に分解することを可能にするために、そのような生分解性材料から製造することができる。そのような実施形態は、GI管を通るデバイスの通過および排泄を容易にする。特定の実施形態では、カプセルは、カプセルを制御可能に分解して、選択可能なサイズおよび形状の断片に分割して、GI管の通過を容易にする生分解性材料のシームを含むことができる。シームは、プレストレスを与えるか、穿孔するか、またはその他の方法で処理して、分解を加速することができる。生分解性シームを使用して、GI管内の嚥下可能なデバイスの制御された分解を引き起こすという概念はまた、嚥下可能なカメラなどの他の嚥下可能なデバイスにも適用することができ、GI管の通過を容易にし、デバイスがGI管に詰まる可能性を低減する。
送達部材は、カプセルから組織貫通部材の内腔を通って、腸壁、胃壁、またはGI管の他の内腔壁に薬物を前進させるように構成されている。通常、送達部材の少なくとも一部分は、組織貫通部材の内腔内で前進可能である。1つ以上の実施形態では、送達部材は、送達部材の内腔内に適合するようにサイズ設定されたピストンまたは同様の構造を有することができる。送達部材の遠位端(組織内に前進する端部)は、組織貫通部材の内腔内で薬物を前進させ、また内腔とのシールを形成するプランジャ要素を有することができる。プランジャ要素は、一体型であるか、または送達部材に取り付けられ得る。好ましくは、送達部材は、一定の、または計量された用量の薬物を腸壁に送達するように、針の内腔内で一定距離を移動するように構成されている。これは、送達部材の直径(例えば、直径を遠位にテーパー状にすることができる)、組織貫通部材の直径(その遠位端で狭くすることができる)の選択、止め具の使用、および/または作動機構のうちの1つ以上によって達成することができる。薬物から製造された組織貫通部材(例えば、薬物ダーツ)を有するデバイスの実施形態について、送達部材は、ダーツをカプセルから組織内に前進させるように適合されている。
送達部材および組織貫通部材は、液体、半液体、もしくは固体形態の薬物、または3つすべての送達のために構成することができる。固体形態の薬物には、粉末またはペレットの両方が含まれ得る。半液体には、スラリーまたはペーストが含まれ得る。薬物は、カプセルの空洞内に、または液体または半液体の場合は密閉されたリザーバ内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、カプセルは、第1の第2の、または第3の薬物(またはそれ超)を含むことができる。そのような薬物は、組織貫通部材の内腔(固体または粉末の場合)内に、またはカプセル本体内の別個のリザーバに含まれ得る。
作動機構は、組織貫通部材または送達部材の少なくとも1つに結合されることができる。作動機構は、組織貫通部材を腸壁内に選択可能な距離だけ前進させるだけでなく、送達部材を前進させて薬物を送達し、次いで組織貫通部材を腸壁から引き抜くように構成されている。様々な実施形態では、作動機構は、解放要素によって解放されるように構成されている、予め組み込まれているばね機構を含むことができる。好適なばねは、コイル(円錐形状のばねを含む)および板ばねの両方を含み得、他のばね構造もまた企図される。特定の実施形態では、ばねは、円錐形状に成形され、ばねの圧縮長さが、ほぼ、いくつかのコイル(例えば、2つまたは3つ)または1つのコイルのみの厚さである点までにさえも圧縮された状態に、ばねの長さを縮小することができる。
特定の実施形態では、作動機構は、ばねと、第1の運動変換器と、第2の運動変換器およびトラック部材と、を含む。解放要素は、ばねに結合されており、解放要素の分解がばねを解放するように、ばねを圧縮状態に保持する。第1の運動変換器は、ばねの運動を変換して、組織貫通要素を組織に出し入れするように構成されている。第2の運動変換器は、ばねの運動を変換して、送達部材を組織貫通部材の内腔に前進させるように構成されている。運動変換器は、スプリングによって押され、変換器の経路をガイドするのに役立つロッドまたは他のトラック部材に沿って進む。それらは、組織貫通部材および/または送達部材と(直接的または間接的に)係合して、所望の運動を生成する。それらは、ばねの長手方向軸に沿った運動を組織貫通部材および/または送達部材の直交運動に変換するように構成されていることが望ましいが、他の方向への変換も企図される。運動変換器は、くさび形状、台形形状、または湾曲した形状を有することができ、他の形状も企図される。特定の実施形態では、第1の運動変換器は、台形形状を有し、スロットを含むことができ、スロットは、スロット内を進む組織貫通部材上のピンと係合する。スロットは、台形形状を有することができ、台形形状は、変換器の全体的な形状を反映するか、またはそうでなければ対応し、台形の上り坂部分の間に組織貫通部材を押し、次いで下り坂部分の間にそれを引き戻すのに役立つ。一変形形態では、運動変換器のうちの一方または両方は、カムまたはカム状デバイスを含むことができ、これは、ばねによって回転し、組織貫通部材および/または送達部材と係合する。
他の変形形態では、作動機構はまた、電気機械デバイス、またはソレノイドもしくは圧電デバイスなどの機構を含むことができる。一実施形態では、圧電デバイスは、非展開状態および展開状態を有する成形された圧電素子を含むことができる。この素子は、電圧の印加時に展開状態になり、電圧の除去時に非展開状態に戻るように構成されてもよい。この実施形態および関連する実施形態は、組織貫通部材を前進させること、次いでそれを引き抜くことの両方を行うように、作動機構の往復運動を可能にする。
解放要素は、作動機構または作動機構に結合されたばねのうちの少なくとも1つに結合されている。特定の実施形態では、解放要素は、ばねを圧縮状態に保持するように、カプセル内に位置付けられたばねに結合されている。解放要素の分解は、ばねを解放して、作動機構を作動させる。多くの実施形態では、解放要素は、pHなどの小腸または大腸における化学的条件に曝露されると分解するように構成された材料を含む。通常、解放要素は、小腸において選択されたpH、例えば、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、8.0以上に曝露されると分解するように構成されている。ただし、小腸の他の状態に応答して分解するように構成することもできる。特定の実施形態では、解放要素は、食事(例えば、脂肪またはタンパク質を多く含む食事)の摂取後に生じるものなど、小腸内の流体中の特定の化学的条件に応答して分解するように構成することができる。
小腸、胃(またはGI管の他の場所)の1つ以上の条件からの解放要素の生分解は、解放要素の材料、それらの材料の架橋の量、ならびに解放要素の厚さおよび他の寸法の選択によって、達成することができる。架橋の量がより少ないか、または寸法がより薄いと、分解の速度が速くなる可能性があり、その逆も同様である。解放要素に好適な材料は、小腸内のより高いpHまたは他の条件に曝露されると分解するように構成されている様々な腸管材料などの生分解性材料を含むことができる。腸管材料は、1つ以上のポリマーと共重合するか、またはそうでなければ混合して、生分解に加えて、いくつかの特定の材料特性を得ることができる。このような特性には、剛性、強度、柔軟性、および硬度が含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、解放要素は、フィルムまたはプラグを含むことができ、これは、ガイドチューブに適合するか、またはそうでなければそれを閉塞し、ガイドチューブ内に組織貫通部材を保持する。これらの実施形態および関連する実施形態では、組織貫通部材は、ばね式作動機構に結合されており、したがって、解放要素が十分に分解されると、組織貫通部材を解放し、次いで組織貫通部材がガイドチューブから飛び出して腸壁に貫通する。他の実施形態では、解放要素は、組織貫通要素を所定の位置に保持するラッチとして機能するように成形することができる。これらの実施形態および関連する実施形態では、解放要素は、カプセルの外部または内部に位置特定されてもよい。内部の実施形態では、カプセルおよびガイドチューブは、腸液のカプセル内部への貫通を可能にして、解放要素の分解を可能にするように構成されている。
いくつかの実施形態では、作動機構は、pHまたは他の化学センサなどのセンサによって作動させることができ、センサは、小腸内のカプセルの存在を検出し、作動機構(または機構を作動させるための、作動機構に結合された電子制御装置)に信号を送る。pHセンサの実施形態は、電極ベースのセンサを含み得るか、またはそれは、小腸内のpHまたは他の化学的条件に曝露されると収縮または拡張するポリマーなどの機械ベースのセンサであってもよい。関連する実施形態では、拡張可能/収縮可能センサはまた、センサの拡張または収縮からの機械的運動を使用することによって、作動機構自体を含むことができる。
デバイスが小腸(またはGI管の他の場所)にあることを検出するための別の実施形態によれば、センサは、カプセルが腸管の特定の場所内で受けている蠕動収縮の数を検出するためのひずみゲージまたは他の圧力/力センサを含むことができる。これらの実施形態では、カプセルは、蠕動収縮中に小腸によって把持されるように、望ましくはサイズ設定される。GI管内の異なる場所は、蠕動収縮の異なる数を有する。小腸は、1分あたり12~9回の収縮を有し、頻度は、腸の長さとともに減少する。したがって、1つ以上の実施形態によれば、蠕動収縮の数の検出を使用して、カプセルが小腸にあるかどうかだけでなく、腸内の相対的な場所も判定することができる。
内部で作動された薬物送達の代替または補足として、いくつかの実施形態では、ユーザは、作動機構を外部から作動させて、RF、磁気または当技術分野で知られている他の無線信号手段によって薬物を送達し得る。これらの実施形態および関連する実施形態では、ユーザは、信号手段を含むだけでなく、デバイスが小腸またはGI管の他の場所にあるときにユーザに通知するための手段も含むハンドヘルドデバイス(例えば、ハンドヘルドRFデバイス)を使用することができる。後者の実施形態は、デバイスが小腸または他の場所にあるときにユーザに信号を送るために(例えば、センサからの入力を信号で送ることによって)、嚥下可能なデバイスにRF伝送機を含めることによって実装することができる。同じハンドヘルドデバイスは、作動機構が作動され、選択された薬物が送達されたときにユーザを変更するように構成することもできる。このようにして、ユーザには、薬物が送達されたことの確認が提供される。これは、ユーザが、他の適切な薬物/治療薬を服用するだけでなく、他の関連する決定(例えば、糖尿病患者が食事をするかどうか、どの食品を食べるべきか)を下すことを可能にする。ハンドヘルドデバイスはまた、嚥下可能なデバイスに信号を送信して、作動機構を無効にし、したがって、薬物の送達を阻止、遅延、または加速するように構成することができる。使用において、そのような実施形態は、他の症状および/または患者の行動(例えば、食事をすること、就寝することを決定すること、運動など)に基づいて、薬物の送達を阻止、遅延、または加速するためにユーザが介入することを可能にする。
ユーザはまた、カプセルを嚥下した後、選択された期間に作動機構を外部から作動させ得る。期間は、ユーザのGI管を通って胃、小腸、大腸などの管内の特定の場所に移動する食品の通常の通過時間または通過時間の範囲と相関させることができる。
本発明の別の態様は、本明細書に記載の嚥下可能なデバイスの実施形態を使用して、小腸の壁または周囲の組織への送達のための治療薬調製物を提供する。調製物は、治療有効量の少なくとも1つの治療薬、例えば、IgGまたは別の抗体を含む。また、それは、固体、液体、または両方の組み合わせを含み得、1つ以上の医薬賦形剤を含むことができる。調製物は、嚥下可能なカプセルの実施形態に含まれ、カプセルから腸壁に送達され、壁または周囲組織内で分解して、治療薬の用量を放出するための形状および材料の粘稠度を有する。調製物はまた、小腸の壁または他の体の内腔における調製物の分解の速度を上昇させるか、またはそうでなければ制御するように、選択可能な表面積対体積比を有し得る。様々な実施形態では、調製物は、調製物がカプセルに含まれる第1の構成および調製物がカプセルから出て小腸の壁に前進する第2の構成を有する解放要素または作動機構などのアクチュエータに結合されるように構成することができる。調製物中の薬物または他の治療剤の用量は、従来の経口送達方法に必要とされる用量から漸減することができ、したがって、薬物からの潜在的な副作用を低減することができる。
通常、必ずしもそうではないが、調製物は、カプセルから出て小腸の壁に前進するように構成されている中空針などの組織貫通部材の内腔に含まれるように成形およびそうでなければ構成されている。また、調製物自体は、小腸の壁または腸管の他の内腔に前進するように構成された組織貫通部材を含み得る。組織貫通部材の先端は、対称または非対称のテーパーまたは斜角を有することを含む様々な形状を有し得る。後者の実施形態は、組織貫通部材を腸壁などの特定の組織層に偏向させるか、または誘導するために使用し得る。
本発明の別の態様は、嚥下可能な薬物送達デバイスの実施形態を使用して、薬物および治療薬のGI管の壁への送達のための方法を提供する。そのような方法は、治療有効量の様々な薬物および他の治療薬の送達に使用することができる。これらには、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、インスリン、インターフェロン、および他の同様の化合物など、さもなければ、胃の化学的分解のために注射が必要となるいくつかの高分子ペプチドおよびタンパク質が含まれる。本発明の実施形態によって送達され得る好適な薬物および他の治療薬には、様々な化学療法剤(例えば、インターフェロン)、抗生物質、抗ウイルス剤、インスリンおよび関連化合物、グルカゴン様ペプチド(例えば、GLP-1、エキセナチド)、副甲状腺ホルモン、成長ホルモン(例えば、IFG(インスリン様成長因子)および他の成長因子)、抗発作剤、免疫抑制剤、および様々な抗マラリア剤などの抗寄生虫剤が含まれる。特定の薬物の投与量は、患者の体重、年齢、状態、または他のパラメータに応じて漸増することができる。
本発明の様々な方法の実施形態では、薬物嚥下可能な薬物送達デバイスの実施形態は、複数の状態の治療または特定の状態の治療のために複数の薬物(例えば、HIV AIDS治療のためのプロテアーゼ阻害剤の混合物)を送達するために使用することができる。使用において、そのような実施形態は、患者が、特定の状態または複数の状態のために複数の薬剤を服用しなければならない必要性を放棄することを可能にする。また、それらは、2つ以上の薬物のレジメンが、ほぼ同時に、小腸、したがって血流に送達および吸収されることを容易にするための手段を提供する。化学組成、分子量などの相違により、薬物は、異なる速度で腸壁から吸収され得、異なる薬物動態分布曲線が得られる。本発明の実施形態は、所望の薬物混合物をほぼ同時に注射することによってこの問題に取り組む。これにより次に、薬物動態、したがって、選択された薬物混合物の有効性が向上する。
以下の番号付けされた項目は、本明細書に記載の本発明の他の実施例、態様、および実施形態を説明している。
1.治療効果量のインスリンを含む治療用調製物であって、調製物は、経口摂取後の患者の小腸の壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、調製物は、分解して、インスリンを腸壁または周囲組織から血流に放出して、皮下注射されたインスリンの用量と比較して、約72~129%の範囲の相対的バイオアベイラビリティをもたらす、治療用調製物。
2.相対的バイオアベイラビリティが、皮下注射されたインスリンの用量と比較して、約104~129%の範囲にある、項目1に記載の調製物。
3.周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、項目1に記載の調製物。
4.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目1に記載の調製物。
5.放出されたインスリンが、約97~181分の範囲で、Tmaxを示す、項目1に記載の調製物。
6.放出されたインスリンが、約139分で、Tmaxを示す、項目5に記載の調製物。
7.調製物が、約19.3~19.9RUのインスリンを含む、項目1に記載の調製物。
8.調製物が、小腸の壁への挿入に適合されている、項目1に記載の調製物。
9.調製物の少なくとも一部分が、固体形態である、項目1に記載の調製物。
10.インスリンが、嚥下可能なカプセルで経口送達されるように適合されている、項目1に記載の調製物。
11.調製物が、第1の構成および第2の構成を有する送達手段に動作可能に結合されるように適合されており、調製物は、第1の構成ではカプセル内に含まれ、第2の構成ではカプセルから出て腸壁に前進する、項目10に記載の調製物。
12.調製物が、腸壁内で分解して、インスリンを血流に放出する生分解性材料を含む、項目1に記載の調製物。
13.生分解性材料が、PET、PLGA、糖、またはマルトースを含む、項目12に記載の調製物。
14.調製物が、少なくとも1つの医薬賦形剤を含む、項目1に記載の調製物。
15.少なくとも1つの医薬賦形剤が、結合剤、防腐剤、または崩壊剤のうちの少なくとも1つを含む、項目14に記載の調製物。
16.調製物が、GI管の内腔壁に貫通し、かつ挿入されるように構成されている、組織貫通部材を含む、項目1に記載の調製物。
17.組織貫通部材が、腸壁内で分解して、インスリンを血流に放出する、生分解性材料を含む、項目16に記載の調製物。
18.インスリンが、成形されたセクションにおいて、組織貫通部材に含まれている、項目16に記載の調製物。
19.成形されたセクションが、円筒形状またはペレット形状を有する、項目18に記載の調製物。
20.内腔壁が、小腸の壁または胃の壁を含む、項目16に記載の調製物。
21.治療効果量のインスリンを含む治療用調製物であって、調製物は、経口摂取後の患者小腸の壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、調製物は、分解して、インスリンを腸壁または周囲組織から血流に放出して、皮下注射されたインスリンの等価用量に匹敵するグルコース低下効果を生み出す、治療用調製物。
22.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目21に記載の調製物。
23.治療効果用量のインスリンを含む治療用調製物であって、調製物は、経口摂取後の患者の腸壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、調製物は、分解して、インスリンを腸壁または周囲組織から血流に放出して、約381~527pM/kg体重/IUのインスリン用量の範囲のインスリンの血漿濃度をもたらす、治療用調製物。
24.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目23に記載の調製物。
25.インスリンの血漿濃度が、約459pM/kg体重/IUインスリン用量である、項目23に記載の調製物。
26.治療効果用量のインスリンを含む治療用調製物であって、調製物は、経口摂取後の腸壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、調製物は、分解して、インスリンを腸壁または周囲組織から血流に放出して、単糖の摂取時に、患者の血中グルコースを正常血糖レベル内に維持する、治療用調製物。
27.正常血糖レベルが、約60~90mg mlの範囲内である、項目26に記載の調製物。
28.単糖が、デキストロースである、項目26に記載の調製物。
29.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目26に記載の調製物。
30.インスリンを含む治療用調製物であって、調製物は、経口摂取後に患者の腸壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、調製物は、分解して、インスリンを腸壁または周囲組織から患者の血流に放出し、放出は、上昇部分および下降部分を有する血漿濃度プロファイルを示し、上昇部分が、下降部分でインスリンのCmaxレベルからインスリンのリース前レベルまで移行するのにかかる時間よりも、少なくとも約2倍速く、インスリンの放出前レベルからインスリンのCmaxレベルに到達する、治療用調製物。
31.上昇部分が、下降部分でインスリンのCmaxレベルからインスリンのリース前レベルに移行するのにかかる時間よりも、約3~5倍速い範囲で、インスリンの放出前レベルからインスリンのCmaxレベルに到達する、項目30に記載の調製物。
32.上昇部分が、下降部分でインスリンのCmaxからインスリンのリース前レベルに移行するのにかかる時間よりも、約4.5倍速く、インスリンの放出前レベルからインスリンのCmaxレベルに到達する、項目30に記載の調製物。
33.周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、項目30に記載の調製物。
34.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目30に記載の調製物。
35.インスリンを患者に送達するための方法であって、
固体インスリン投与量を提供することと、経口摂取後、固体投与量インスリンを患者の腸壁または周囲組織に送達することであって、インスリンは、腸壁または周囲組織の固体投与量インスリンから患者の血流に放出されて、上昇部分および下降部分を有する血漿濃度プロファイルを生成し、上昇部分が、下降部分でインスリンのCmaxからインスリンのリース前レベルに移行するまでの時間よりも、少なくとも約2倍速く、インスリンの放出前レベルからインスリンのCmaxレベルに到達する、送達することと、を含む、方法。
36.上昇部分が、下降部分でインスリンのCmaxレベルからインスリンのリース前レベルに移行するのにかかる時間よりも、約3~5倍速い範囲く、インスリンのCmaxレベルに到達する、項目35に記載の方法。
37.放出されたインスリンが、約97~181分の範囲で、Tmaxを示す、項目35に記載の方法。
38.放出されたインスリンが、約139分で、Tmaxを示す、項目35に記載の方法。
39.周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、項目35に記載の方法。
40.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目35に記載の方法。
41.インスリンを患者に送達するための方法であって、固体インスリン投与量を提供することと、経口摂取後、固形投与インスリンを患者の腸壁または周囲組織に送達することであって、インスリンは、腸壁または周囲組織の固形投与インスリンから患者の血流に放出されて、インスリンの皮下注射された用量と比較して、少なくとも約60%のインスリンの絶対的バイオアベイラビリティおよび約72~129%の範囲の相対的バイオアベイラビリティを得る、送達することと、を含む、方法。
42.周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、項目41に記載の方法。
43.放出されたインスリンが、約97~181分の範囲で、Tmaxを示す、項目41に記載の方法。
44.放出されたインスリンが、約139分で、Tmaxを示す、項目43に記載の方法。
45.インスリンが、ヒト組換えインスリンである、項目41に記載の方法。
46.治療薬を患者の消化(GI)管の内腔の壁に送達するための方法であって、方法は、内部を有する薬物送達デバイス、第1の構成および第2の構成を有するアクチュエータ、およびアクチュエータに動作可能に結合された治療用調製物を嚥下することであって、治療用調製物は、治療有効用量の少なくとも1つの治療薬を含み、調製物は、第1の構成では、デバイス内部に含まれ、第2の構成では、調製物への力の付与により、内部から出てGI内腔壁に前進して、治療薬を内腔壁に送達する、嚥下することと、GI内腔の条件に応答して、アクチュエータを作動させて、治療薬をデバイスからGI内腔の壁に送達することと、を含み、患者胃からのデバイスの退出と、患者の小腸でのアクチュエータの作動との間の期間は、患者のGI管内の食品内容物の存在によってそれほど影響を受けない、方法。
47.嚥下可能なデバイスが、嚥下可能なカプセルを含み、アクチュエータが、嚥下可能なカプセルの内部に含まれている、項目46に記載の方法。
48.嚥下可能なカプセルが、楕円形状を有する、項目47に記載の方法。
49.アクチュエータが、拡張可能部材または拡張可能なバルーンに動作可能に結合されており、アクチュエータの作動が、拡張可能部材または拡張可能なバルーンの拡張を引き起こす、項目46に記載の方法。
50.小腸内の条件が、選択されたpHである、項目46に記載の方法。
51.選択されたpHが、約7.1を超える、項目50に記載の方法。
52.治療薬を患者の小腸の壁に送達するための方法であって、方法は、内部を有する薬物送達デバイス、第1の構成および第2の構成を有するアクチュエータ、およびアクチュエータに作動可能に結合された治療用調製物を嚥下することであって、治療用調製物は、治療有効用量の少なくとも1つの治療薬を含み、調製物は、第1の構成では、デバイス内部に含まれており、第2の構成では、調製物への力の付与により、内部から出てGI内腔壁に前進して、治療薬を内腔壁に送達する、嚥下することと、GI内腔の状態に応答して、アクチュエータを作動させて、治療薬をデバイスから小腸の壁に送達することと、を含み、患者は、アクチュエータが作動するとき、知覚できるほどの感作を有していない、方法。
53.アクチュエータが、拡張可能なバルーンまたは他の拡張可能な送達手段に結合されている、項目52に記載の方法。
54.小腸内の条件が、選択されたpHである、項目52に記載の方法。
55.選択されたpHが、約7.1を超える、項目54に記載の方法。
本発明のこれらの実施形態および他の実施形態ならびに態様のさらなる詳細は、添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。
嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を示す側面図である。 嚥下可能な薬物送達デバイスを含むシステムの一実施形態を示す側面図である。 嚥下可能な薬物送達デバイスおよび使用説明書のセットを含むキットの一実施形態を示す側面図である。 薬物リザーバを含む嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を示す側面図である。 組織貫通部材を組織に前進させるためのばね式作動機構を有する嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を例解する側面図である。 第1の運動変換器を有するばね式作動機構を有する嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を例解する側面図である。 第1および第2の運動変換器を有するばね式作動機構を有する嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を例解する側面図である。 第1および第2の運動変換器と組織貫通部材および送達部材との係合を例解する斜視図である。 単一の組織貫通部材と、組織貫通部材を前進させるための作動機構とを有する嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を例解する断面図である。 複数の組織貫通部材と、組織貫通部材を前進させるための作動機構とを有する嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態を例解する断面図である。 薬剤を送達部位に送達し、送達中にデバイスを腸壁に固定するための、図7aの実施形態の組織貫通部材の展開を例解する断面図である。 小腸における薬物送達デバイスの位置付け、および薬物を送達するための組織貫通部材の展開を例解する側面図であり、図8aは、解放要素が無傷である、組織貫通部材の展開前の小腸内のデバイスを示し、図8bは、解放要素が分解され、組織貫通要素が展開された、小腸内のデバイスを示し、図8cは、組織貫通要素が引っ込められ、薬物が送達された、小腸内のデバイスを示す。 GI管内でカプセルの制御された分解を引き起こすように位置付けられた生分解性シームを有するカプセルを含む嚥下可能な薬物送達デバイスの位置実施形態を示す。 GI管でより小さな断片に分解された後の図9aの実施形態を示す。 カプセルの生分解を促進するための細孔および/または穿孔を含む生分解性シームを有するカプセルの一実施形態を示す。 GI管内でのデバイスの通過、および薬物を送達するためのデバイスの動作を含む、嚥下可能な薬物送達デバイスの一実施形態の使用を例解する側面図である。 pH感受性生分解性コーティングでコーティングされたキャップおよび本体を含む、嚥下可能な薬物送達デバイスのためのカプセルの一実施形態を例解する側面図であり、図12aは、組み立てられていない状態のカプセルを示し、図12bは、組み立てられた状態を示す。 展開バルーン、アライナバルーン、送達バルーン、および各種接続チューブを含む、展開されたマルチバルーンアセンブリの実施形態を例解し、図13aは、展開バルーンのシングルドーム構成のためのアセンブリの一実施形態を示し、図13bは、展開バルーンのデュアルドーム構成のためのアセンブリの一実施形態を示す。 アライナバルーンを含む本明細書に記載のバルーンの1つ以上の実施形態に使用することができる入れ子になったバルーン構成の実施形態を例解する斜視図である。 多重区画展開バルーンの実施形態を示す側面図であり、図14aは、分離弁が閉塞された非膨張状態のバルーンを示し、図14bは、弁が開口され、化学反応物が混合されたバルーンを示し、図14cは、膨張状態のバルーンを示す。 複数のバルーンアセンブリの折り畳みのための方法を示す側面図であり、各図の折り畳み構成は、展開バルーンのシングルドーム構成およびデュアルドーム構成の両方に適用されるが、図15cが、デュアルドーム構成に特有の折りたたみステップに関し、図15dが、デュアルドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関し、図15eが、シングルドーム構成に特有の折り畳みステップに関し、図15fおよび15gが、シングルドーム構成に特有の最終折り畳みステップに関する直交図であることを除く。 取り付けられた送達アセンブリを備えた最終に折り畳まれたマルチバルーンアセンブリの実施形態を例解する直交図である。 カプセルに挿入された最終的に折り畳まれたマルチバルーンアセンブリの実施形態を例解する直交図である。 組織貫通部材の一実施形態の側面図である。 組織保持機構(特徴)の配置を例解する組織貫通部材の一実施形態の底面図である。 トロカール先端と逆テーパーシャフトを有する組織貫通部材の一実施形態の側面図である。 別個の薬物含有セクションを有する組織貫通部材の一実施形態の側面図である。 成形された薬物含有セクションを有する組織貫通部材の一実施形態のアセンブリを示す側面図である。図18eは、組み立て前の組織貫通部材および成形された薬物セクションを示し、図18fは、組み立て後を示す。 送達アセンブリの実施形態を組み立てるために使用される構成要素およびステップの各種の図を提供する。 腸壁に薬剤を送達するための嚥下可能なデバイスの動作の方法を例解する各種の図を提供する。 平均血漿濃度対時間のグラフであり、薬物動態結果、ならびに本明細書に記載の嚥下可能デバイス(RaniPillとも呼ばれる)の実施形態を使用したIgGの送達についての、血漿濃度対時間曲線の形状を例解する。 IgGの静脈内注射(IV群)および皮下注射(SC群)と比較した、RaniPill(Rani群)を使用するIgGの送達についての、平均血漿濃度対時間のグラフである。 図22の平均IV群グラフに使用された犬へのIgGの静脈内注射についての、血漿中濃度対時間のグラフである。 図22の平均SC群グラフに使用された犬へのIgGの皮下注射についての、血漿濃度対時間のグラフである。 図22の平均Rani群グラフに使用された犬にRaniPillを使用するIgGの送達についての、血漿濃度対時間のグラフである。 RaniPill(Rani群)を使用する、および皮下注射(SC群)を介した、ヒト組換えインスリン(HRI)の送達についての、インスリンの平均血漿濃度対時間のグラフである。 Rani群対SC群で送達されたHRIを比較した正常血糖クランプ実験についての、グルコース(デキストロース)注入速度対時間のグラフである。 平均インスリン血漿濃度およびグルコース注入速度対時間のグラフであり、正常血糖クランプ実験中にRani群で送達されたHRIについての、平均血清インスリン濃度と平均グルコース(デキストロース)注入速度との間の相互作用(例えば、薬物動態学(PK)および薬力学(PD))を例解する。 平均インスリン血漿濃度およびグルコース注入速度対時間のグラフであり、正常血糖クランプ実験中にSC群で送達されたHRIについての、平均血清インスリン濃度と平均グルコース(デキストロース)注入速度との間のPK-PD相互作用を例解する。
本発明の実施形態は、体内の様々な場所に薬剤を送達するためのデバイス、システム、および方法を提供する。本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、薬物または他の治療薬、ならびに1つ以上の医薬賦形剤を含むことができる任意の形態の医薬調製物を指す。多くの実施形態は、GI管内に薬剤を送達するための嚥下可能なデバイスを提供する。特定の実施形態は、グルコース調節障害を治療するためのインスリンもしくは他のグルコース調節剤、またはIgGもしくは他の抗体などの薬物を小腸の壁または他のGI器に送達するためのカプセルなどの嚥下可能なデバイスを提供する。本明細書で使用される場合、「GI管」は、食道、胃、小腸、大腸、および肛門を指し、「腸管」は、小腸および大腸を指す。本発明の様々な実施形態は、腸管およびGI管全体への薬剤の送達のために構成および配置することができる。様々な実施形態では、送達は、1つ以上の選択可能な薬物動態パラメータ(例えば、Tmax、絶対的バイオアベイラビリティ、相対的バイオアベイラビリティなど)、ならびにより詳細に以下に記載されるような所望の血漿薬物濃度対時間プロファイルを得るように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「約」および「実質的に」という用語は、わずかな相違を説明することを意図している。イベントまたは状況と組み合わせて使用される場合、これらの用語は、イベントまたは状況が正確に発生するインスタンス、およびイベントまたは状況がほぼ近似して発生するインスタンスを指すことができる。数値と組み合わせて使用する場合(例えば、特性、特徴、寸法、薬物動態パラメータ、またはその他のパラメータの場合)、これらの用語は、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、以下±0.5%以下、±0.1%以下、または±0.05%以下など、±10%以下の変動の範囲を指すことができ、aの記載値の10%以内、より好ましくは5%以内、さらにより好ましくは2%以内を意味する。
ここで図1~11を参照すると、小腸の壁または周囲組織などの消化管内の送達部位DSへの薬剤100の送達のためのデバイス10の実施形態は、少なくとも1つのガイドチューブ30、少なくとも1つのガイドチューブ内に位置付けられたか、またはそうでなければ前進可能な1つ以上の組織貫通部材40、送達部材50、作動機構60、および解放要素70を含むカプセル20を含む。本明細書では調製物100としても記載される薬剤100は、通常、少なくとも1つの薬物または他の治療薬101を含み、当技術分野で知られている1つ以上の医薬賦形剤を含み得る。集合的に、送達部材50および機構60のうちの1つ以上は、腸管の壁への薬剤100の送達のための手段を含み得る。本明細書で企図される他の送達手段は、1つ以上の拡張可能なバルーン(例えば、送達バルーン172)または本明細書に記載される他の拡張可能なデバイス/部材を含む。
デバイス10は、液体、半液体、もしくは固体形態の薬剤100、または3つすべての送達のために構成することができる。固体形態の薬剤/調製物100は、粉末、ペレット、または他の成形された塊のうちの1つ以上を含むことができる。半液体形態は、スラリーまたはペーストを含み得る。形態がどうであれ、調製物100は、望ましくは、薬剤が、デバイスから出て腸壁(またはGI管内の他の内腔壁)に前進し、次いで腸壁で分解して、薬物または他の治療薬101を放出することが可能である形状および材料の粘稠度を有する。材料の粘稠度には、(体液中)調製物の硬度、多孔性、および溶解性のうちの1つ以上を含めることができる。材料の粘稠度は、以下、すなわち、i)調製物を作るために使用される圧縮力、ii)当技術分野で知られている1つ以上の医薬崩壊剤の使用、iii)他の医薬賦形剤の使用、iv)調製物(例えば、微粉粒子)の粒径および分布、v)当技術分野で知られている微粉化および他の粒子形成方法の使用のうちの1つ以上によって達成することができる。調製物100に好適な形状は、円筒形状、立方体状、長方形状、円錐形状、球形状、半球形状、およびそれらの組み合わせを含むことができる。また、形状は、調製物100の特定の表面積および体積、ならびにしたがって2つの間の比率を定義するように選択することができる。次に、表面積と体積との比率を使用して、GI管内の腸または他の内腔壁内の選択された分解の速度を達成することができる。より大きな比率(例えば、単位体積あたりのより大きな表面積)を使用して、より速い分解の速度を達成することができ、逆もまた同様である。特定の実施形態では、表面積対体積比は、約1:1~100:1の範囲であってもよく、特定の実施形態は、2:1、5:1、20:1、25:1、50:1、および75:1である。調製物/薬剤100は、通常、組織貫通部材40の内腔44内に事前に詰められるが、カプセル20の内部24内の別の場所に、または液体または半液体の場合には、密閉型リザーバ27内の別の場所に含まれ得る。薬剤は、内腔に適合するように事前に成形するか、または例えば粉末の形態で詰めることができる。通常、デバイス10は、薬剤100の一部として単一の薬物101を送達するように構成されるであろう。しかしながら、いくつかの実施形態では、デバイス10は、単一または複数の薬剤100に調合することができる第1の第2の薬物、または第3の薬物を含む複数の薬物101の送達のために構成することができる。複数の薬剤/薬物を有する実施形態について、薬剤は、別個の組織貫通部材40内、またはカプセル20内の別個の区画またはリザーバ27内に含まれ得る。別の実施形態では、第1の薬物101を含む第1の用量102の薬剤100を、貫通部材40に詰めることができ、第2の用量103の薬剤100(同じまたは異なる薬物101を含む)を、図1bの実施形態に示されるようなカプセルの表面25にコーティングすることができる。薬剤の2つの用量102および103における薬物101は、同じであっても異なってもよい。このようにして、同じまたは異なる薬物の二峰性の薬物動態学的放出を達成することができる。第2の用量103の薬剤100は、それが小腸で放出されることを確実にし、薬剤100の時間放出も達成するために、腸溶コーティング104を有することができる。腸溶コーティング104は、本明細書に記載されているか、または当技術分野で知られている1つ以上の腸溶コーティングを含むことができる。
小腸の壁またはGI管内の他の場所への薬剤100の送達のためのシステム11は、選択された状態または複数の状態の治療のための1つ以上の薬剤100を含むデバイス10を含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、図1bの実施形態に示されるように、デバイス10と通信するために本明細書に記載されるハンドヘルドデバイス13を含み得る。システム11はまた、図1cの実施形態に示されるように、パッケージ12にパッケージされたシステム11および使用説明書15のセットを含むキット14として構成されてもよい。説明書は、食事の摂取、または血中グルコース、コレステロールなどの生理学的測定などの1つ以上のイベントに関してデバイス10をいつ服用するかを患者に示すことができる。そのような実施形態では、キット14は、治療される状態に応じて、選択された投与期間、例えば、1日、1週間、または複数週間の薬剤100のレジメンを含む複数のデバイス10を含むことができる。
カプセル20は、嚥下して、腸管を通過するようにサイズ設定される。サイズは、送達される薬物の量、ならびに患者の体重および成人か小児かの用途に応じて調整することもできる。カプセル20は、ガイドチューブ30のためのサイズの1つ以上の開口26を有する内部容積24および外面25を含む。デバイス10の他の構成要素(例えば、作動機構など)に加えて、内部容積は、1つ以上の区画またはリザーバ27を含むことができる。カプセル20の1つ以上の部分は、好ましい実施形態ではPLGA(ポリ乳酸-コ-グリコール酸)を含むことができる様々な生分解性ポリマーを含む、当技術分野で知られている様々な生体適合性ポリマーから製造することができる。他の好適な生分解性材料には、本明細書に記載の様々な腸溶性材料、ならびにラクチド、グリコリド、乳酸、グリコール酸、パラジオキサノン、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、カプロラクトン、それらの混合物および共重合体が含まれる。本明細書でさらに詳細に説明されるように、様々な実施形態では、カプセル20は、腸管をより容易に通過するより小さな断片23に制御可能に分解するように、生分解性材料のシーム22を含むことができる。さらに、様々な実施形態では、カプセルは、透視法、超音波または他の医療画像診断法を使用してデバイスの位置特定のための様々な放射線不透過性またはエコー源性材料を含むことができる。特定の実施形態では、カプセルの全部または一部分は、図1aおよび1bの実施形態に示されるように、放射線不透過性/エコー源性マーカー20mを含むことができる。使用において、そのような材料は、GI管内のデバイス10の位置特定を可能にするだけでなく、GI管を通るデバイスの通過時間の判定も可能にする。
好ましい実施形態では、組織貫通部材40は、小腸の壁またはGI管の他の部分などの組織への部材40の前進を案内および支持するのに役立つガイドチューブ30内に位置付けられる。組織貫通部材40は、通常、中空針または他の同様の構造を含み、腸壁IWに選択可能な深さを貫通するための内腔44および組織貫通端部45を有する。部材40はまた、本明細書に記載の運動変換器90との係合のためのピン41を含み得る。貫通の深さは、部材40の長さ、本明細書に記載の運動変換器90の構成、ならびに一実施形態では、本明細書に記載のピン41に対応し得る部材40上の止め具またはフランジ40sの配置によって制御することができる。薬剤100は、通常、内腔44を介して組織に送達される。多くの実施形態では、内腔44には、送達部材50または他の前進手段(例えば、部材40の折りたたみ可能な実施形態に付与される力によって)を使用して内腔から前進する所望の薬剤100が事前に詰められている。別の方法として、薬剤100は、カプセル20内の別の場所/区画から内腔44に前進することができる。いくつかの実施形態では、組織貫通部材40の全部または一部分は、薬剤100自体から製造することができる。これらの実施形態および関連する実施形態では、薬剤物は、小腸の壁などの腸壁に貫通して保持されるように構成された針またはダーツ状の構造(棘の有無にかかわらず)を有することができる。ダーツは、薬剤、用量、および腸壁への所望の貫通の深さに応じて、サイズおよび形状を決定することができる。薬剤100は、製薬分野で知られている様々な圧縮成形方法を使用して、ダーツ、ペレット、または他の形状に形成することができる。
様々な実施形態では、デバイス10は、図7aおよび7bの実施形態に示されるように、第2の42組織貫通部材および第3の43組織貫通部材40を含むことができ、数の追加が企図される。各組織貫通部材40は、同じまたは異なる薬剤100を送達するために使用することができる。好ましい実施形態では、組織貫通部材40は、薬剤100の送達中にカプセルを腸壁IWに固定するように、カプセル20の周囲21の周りに実質的に対称的に分布させることができる。そのような方式でカプセル20を固定することは、薬剤の送達中に発生する蠕動収縮によってカプセルが変位または移動する可能性を低減する。特定の実施形態では、固定力の量は、小腸の蠕動収縮中に付与される通常の力に調整することができる。固定することは、湾曲または弓形の形状を有するように組織貫通部材40のいくつかまたはすべてを構成することによってさらに容易にすることができる。
送達部材50は、薬剤100を組織貫通部材内腔44を通って腸壁IWに前進させるように構成されている。したがって、送達部材50の少なくとも一部分は、組織貫通部材内腔44内で前進可能であり、したがって、部材50は、送達部材内腔44内に適合するように構成されたサイズおよび形状(例えば、ピストン状の形状)を有する。
いくつかの実施形態では、送達部材の遠位端50d(組織内に前進する端部)は、組織貫通部材内腔44内で薬剤を前進させ、また内腔とのシールを形成するプランジャ要素51を有することができる。プランジャ要素51は、一体型であるか、または送達部材50に取り付けられ得る。好ましくは、送達部材50は、一定の、または計量された用量の薬物を腸壁IWに送達するように、針の内腔44内で一定距離を移動するように構成されている。これは、送達部材の直径(例えば、直径を遠位にテーパー状にすることができる)、組織貫通部材の直径(その遠位端で狭くすることができる)の選択、止め具の使用、および/または作動機構のうちの1つ以上によって達成することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、部材50のストロークまたは移動距離は、GI管内の1つ以上の感知された条件などの様々な要因に応答して、その場で調整することができる。その場の調整は、作動機構60の電気機械的実施形態に結合された論理リソース29(制御装置29cを含む)の使用によって達成することができる。これにより、可変用量の薬剤、および/または薬剤が腸壁に注射される距離の変動が可能になる。
作動機構60は、組織貫通部材40または送達部材50のうちの少なくとも1つに結合することができる。作動機構は、組織貫通部材40を腸壁IW内に選択可能な距離だけ前進させるとともに、送達部材を前進させて薬剤100を送達し、次いで組織貫通部材を腸壁から引き抜くように構成されている。様々な実施形態では、作動機構60は、解放要素70によって解放されるように構成されているばね式機構を含むことができる。好適なばね80は、コイル(円錐形状のばねを含む)および板ばねの両方を含み得、他のばね構造もまた企図される。特定の実施形態では、ばね80は、実質的に円錐形状に成形され、ばねの圧縮長さが、ほぼ、いくつかのコイル(例えば、2つまたは3つ)または1つのコイルのみの厚さである点までにさえも圧縮された状態で、ばねの長さを縮小することができる。
特定の実施形態では、作動機構60は、図2、4、および8a~8cの実施形態に示されるように、ばね80、第1の運動変換器90および第2の運動変換器94、ならびにトラック部材98を含むことができる。解放要素70は、ばね80に結合されて、解放要素の分解がばねを解放するように、ばねを圧縮状態に保持する。ばね80は、ラッチまたは他の接続要素81によって解放要素70に結合されてもよい。第1の運動変換器90は、ばね80の運動を変換して、腸壁または他の組織の内外に組織貫通部材40を前進および後退させるように構成されている。第2の運動変換器94は、ばね80の運動を変換して、送達部材50を組織貫通部材内腔44に前進させるように構成されている。運動変換器90および94は、ばねによって押され、変換器90のトラック部材内腔99に適合するロッドまたは他のトラック部材98に沿って進む。トラック部材98は、変換器90の経路を案内するのに役立つ。変換器90および94は、組織貫通部材40および/または送達部材50と(直接的または間接的に)係合して、所望の運動を生成する。それらは、ばね80の長手方向軸に沿った動きを組織貫通部材40および/または送達部材50の直交運動に変換するように構成された形状および他の特徴を有するが、他の方向への変換も企図される。運動変換器は、くさび形状、台形形状、または湾曲した形状を有することができ、他の形状も企図される。特定の実施形態では、第1の運動変換器90は、台形形状90tを有し、図2、3、および4の実施形態に示されるように、スロット93を含むことができ、スロットは、スロット内を進む組織貫通部材上のピン41と係合する。スロット93はまた、変換器90の全体的な形状を反映するか、またはそうでなければそれに対応する台形の形状93tを有することができる。スロット93は、台形の上り坂部分91の間に組織貫通部材40を押し、次いで下り坂部分92の間にそれを引き戻すのに役立つ。一変形形態では、運動変換器90および94のうちの一方または両方は、カムまたはカム状のデバイス(図示せず)を含むことができる。カムは、組織貫通および/または送達部材40および50と係合するように、ばね80によって回転させることができる。運動変換器90および94を含む、機構60のうちの1つ以上の構成要素(およびデバイス10の他の構成要素)は、選択された量の小型化がカプセル10内に収まることを可能にするために、当技術分野で知られている様々なMEMSベースの方法を使用して製造することができる。また、本明細書に記載されているように、それらは、当技術分野で知られている様々な生分解性材料から形成することができる。
他の変形形態では、作動機構60はまた、電気機械デバイス/ソレノイドまたは圧電デバイスなどの機構を含むことができる。一実施形態では、機構60で使用される圧電デバイスは、非展開状態および展開状態を有する成形された圧電素子を含むことができる。この素子は、電圧の印加時に展開状態になり、電圧の除去または電圧の他の変化時に非展開状態に戻るように構成することができる。この実施形態および関連する実施形態は、組織貫通部材を前進させること、次いでそれを引き抜くことの両方を行うように、作動機構60の往復運動を可能にする。圧電素子の電圧は、電池、またはカプセル周囲の小腸の蠕動収縮によるカプセル20の圧縮から生じるような機械的変形によって電圧を生成する圧電ベースのエネルギー変換器を使用して、生成することができる。圧電ベースのエネルギー変換器の詳細な説明は、米国特許出願第12/556,524号に記載されており、すべての目的のために参照により本明細書に完全に組み込まれる。一実施形態では、組織貫通部材40の展開は、実際には、圧電素子に電圧を生成するための機械的エネルギーを提供する小腸の蠕動収縮からトリガすることができる。
解放要素70は、通常、作動機構60および/または作動機構に結合されたばねに結合されているが、他の構成も企図される。好ましい実施形態では、解放要素70は、図2の実施形態に示されるように、ばねを圧縮状態85に保持するように、カプセル20内に位置付けられたばね80に結合されている。解放要素70の分解は、ばね80を解放して、作動機構60を作動させる。したがって、解放要素70は、このように、アクチュエータ70aとして機能することができる(アクチュエータ70はまた、ばね80および機構60の他の要素を含み得る)。以下でさらに説明するように、解放要素70/アクチュエータ70aは、治療薬調製物100がカプセル20内に含まれる第1の構成と、治療薬調製物がカプセルから出て小腸の壁または腸管の他の内腔壁に前進する第2の構成と、を有する。
多くの実施形態では、解放要素70は、pHなどの小腸または大腸における化学的条件に曝露されると分解するように構成された材料を含む。通常、解放要素70は、小腸において選択されたpH、例えば、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、8.0以上に曝露されると分解するように構成されている。解放要素はまた、例えば、7.0~7.5などの特定の範囲のpH内で分解するように構成することができる。特定の実施形態では、解放要素70が分解するpH(本明細書では分解pHとして定義される)は、選択されたpHに対応する小腸内の場所で薬物を放出するように送達される特定の薬物に対して選択されてもよい。さらに、複数の薬剤100を有するデバイス10の実施形態について、デバイスは、第1のpHで分解するように構成された第1の解放要素70(第1の薬物を送達するための作動機構に結合された)、および第2のpHで分解するように構成された第2の解放要素70(第2の薬物を送達するための作動機構に結合された)を含むことができる(様々な数の薬物に対して追加の数の解放要素が企図される)。
解放要素70はまた、小腸(または他のGI場所)の他の条件に応答して分解するように構成することができる。特定の実施形態では、解放要素70は、食事(例えば、脂肪、デンプン、またはタンパク質を含む食事)の摂取後に生じるものなど、小腸内の流体中の特定の化学的条件に応答して分解するように構成することができる。このようにして、薬剤100の放出は、食事の消化と実質的に同期させるか、さもなければタイミングを合わせることができる。
解放要素70の生分解のために様々なアプローチが企図される。特定の実施形態では、小腸(またはGI管の他の場所)の1つ以上の条件からの解放要素70の生分解は、以下のアプローチ、すなわち、i)解放要素の材料の選択、ii)それらの材料の架橋の量、ならびにiii)解放要素の厚さおよび他の寸法のうちの1つ以上によって達成することができる。架橋の量がより少ないか、または寸法がより薄いと、分解の速度が速くなる可能性があり、その逆も同様である。解放要素に好適な材料は、腸内のより高いpHに曝露されると分解するように構成されている様々な腸管材料などの生分解性材料を含むことができる。好適な腸溶性材料には、以下、すなわち、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリテートセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸フタル酸ポリビニル、カルボキシメチルエチルセルロース、共重合メタクリル酸/メタクリル酸メチルエステル、ならびに当技術分野で知られている他の腸溶材料が含まれるが、これらに限定されない。選択された腸管材料は、1つ以上の他のポリマーと共重合するか、またはそうでなければ組み合わせて、生分解に加えて、いくつかの他の特定の材料特性を得ることができる。このような特性には、剛性、強度、柔軟性、および硬度が含まれるが、これらに限定されない。
代替の実施形態では、解放要素70は、ガイドチューブ30に適合するか、またはそうでなければそれを閉塞し、ガイドチューブ内に組織貫通部材40を保持するフィルムまたはプラグ70pを含むことができる。これらの実施形態および関連する実施形態では、組織貫通部材40は、ばね式作動機構に結合されており、しがたって、解放要素が十分に分解されると、組織貫通部材を解放し、次いで組織貫通部材がガイドチューブから飛び出して腸壁に貫通する。さらに他の実施形態では、解放要素70は、組織貫通部材40を所定の位置に保持するラッチとして機能するように成形することができる。これらの実施形態および関連する実施形態では、解放要素は、カプセル20の外部または内部に配置されてもよい。後者の場合、カプセル20および/またはガイドチューブ30は、腸液のカプセル内部への貫通を可能にして、解放要素の分解を可能にするように構成することができる。
いくつかの実施形態では、作動機構60は、小腸内のカプセルの存在を検出するpHセンサ68または他の化学センサなどのセンサ67によって作動することができる。次いで、センサ67は、作動機構60、または機構を作動させるための、作動機構60に結合された電子制御装置29cに信号を送信することができる。pHセンサ68の実施形態は、電極ベースのセンサを含み得るか、またはそれは、小腸内の選択されたpHまたは他の化学的条件に曝露されると収縮または拡張するポリマーなどの機械ベースのセンサであってもよい。関連する実施形態では、拡張可能/収縮可能センサ67はまた、センサの拡張または収縮からの機械的運動を使用することによって、作動機構60自体を含むことができる。
デバイスが小腸(またはGI管の他の場所)内であることを検出するための別の実施形態によれば、センサ67は、カプセル20が腸管内の特定の場所内で受けている蠕動収縮の数を検出するためのひずみゲージなどの圧力/力センサを含むことができる(そのような実施形態では、カプセル20は、望ましくは、蠕動収縮中に小腸によって把持されるようにサイズ設定される)。GI管内の異なる場所は、蠕動収縮の異なる数を有する。小腸は、1分あたり12~9回の収縮を有し、頻度は、腸の長さとともに減少する。したがって、1つ以上の実施形態によれば、蠕動収縮の数の検出を使用して、カプセル20が小腸にあるかどうかだけでなく、腸内の相対的な場所も判定することができる。使用において、これらの実施形態および関連する実施形態は、小腸の特定の位置での薬剤100の放出を可能にする。
内部で作動された薬物送達の代替または補足として(例えば、解放要素および/またはセンサを使用して)、いくつかの実施形態では、ユーザは、作動機構60を外部から作動させて、RF、磁気、または当技術分野で知られている他の無線信号手段によって薬剤100を送達し得る。これらの実施形態および関連する実施形態では、ユーザは、図1bの実施形態に示されるようなハンドヘルド通信デバイス13(例えば、携帯電話などのハンドヘルドRFデバイス)を使用して、デバイス10からの受信信号17を送信することができる。そのような実施形態では、嚥下可能なデバイスは、RFトランシーバチップまたは他の同様の通信デバイス/回路などの伝送機28を含み得る。ハンドヘルドデバイス13は、信号手段を含むだけでなく、デバイス10が小腸またはGI管の他の場所にあるときにユーザに通知するための手段も含み得る。後者の実施形態は、デバイスが小腸または他の場所にあるときを検出することを信号で送り、それをユーザに信号を送るために(例えば、センサからの入力を信号を送ることによって)、伝送機28に結合された論理リソース29(例えば、プロセッサ29)を使用して実装することができる。論理リソース29は、プロセスの1つ以上の側面を制御するための制御装置29c(ハードウェアまたはソフトウェアのいずれか)を含み得る。同じハンドヘルドデバイスはまた、作動機構60が作動され、選択された薬剤100が送達されたときにユーザに警告するように構成することもできる(例えば、プロセッサ29および伝送機28を使用して)。このようにして、ユーザには、薬剤100が送達されたことの確認が提供される。これは、ユーザが、他の適切な薬物/治療薬を服用するだけでなく、他の関連する決定(例えば、糖尿病患者が食事をするかどうか、どの食品を食べるべきか)を下すことを可能にする。ハンドヘルドデバイスはまた、嚥下可能なデバイス10に信号を送信して、作動機構60を無効にし、したがって、薬剤100の送達を阻止遅延、または加速するように構成することができる。使用において、そのような実施形態は、他の症状および/または患者の行動(例えば、食事を食べること、睡眠や運動することを決定することなど)に基づいて、薬剤の送達を阻止、遅延、または加速するためにユーザが介入することを可能にする。ユーザはまた、カプセルを嚥下した後、選択された期間に作動機構60を外部から作動させ得る。期間は、ユーザのGI管を通って小腸などの管内の特定の場所に移動する食品の通常の通過時間または通過時間の範囲に相関させることができる。
特定の実施形態では、カプセル20は、図10aおよび10bの実施形態に示されるように、カプセルを制御可能に分解して、GI管の通過を容易にするためにカプセルを選択可能なサイズおよび形状のカプセル断片23に分割する生分解性材料のシーム22を含むことができる。シーム22はまた、図10の実施形態に示されるように、生分解を加速するために、シームへの流体の貫通のための細孔または他の開口部22pを含むことができる。シーム22の生分解を加速するための他の手段は、図10の実施形態にも示されているように、シームにプレストレスを与えること、および/またはシームに穿孔22fを含めることを含むことができる。さらに他の実施形態では、シーム22は、材料で構築する、および/または超音波エネルギー、例えば高周波超音波(HIFU)の吸収によって容易に分解される構造を有することができ、カプセルが、外部から、または内視鏡で(または他の低侵襲法)施された超音波を使用して、より小さな断片に分解することを可能にする。
シーム22に好適な材料は、PLGA、グリコール酸などの本明細書に記載の1つ以上の生分解性材料を含むことができる。シーム22は、成形、ホットメルト接合などのポリマー技術で知られている様々な接合方法を使用して、カプセル本体20に取り付けることができる。さらに、同じく生分解性材料から製造されるカプセル20の実施形態について、シーム22のより速い生分解は、以下、すなわち、i)より速い生分解性材料からシームを製造すること、ii)シームにプレストレスを与えること、またはiii)シームに穴を開けることのうちの1つ以上によって達成することができる。生分解性シーム22を使用して、GI管内の嚥下可能なデバイスの制御された分解を引き起こすという概念はまた、嚥下可能なカメラ(または他の嚥下可能な撮像デバイス)などの他の嚥下可能なデバイスにも適用することができ、GI管の通過を容易にし、そのようなデバイスがGI管に詰まる可能性を低減する。したがって、生分解性シーム22の実施形態は、嚥下可能な画像デバイスおよび他の嚥下可能なデバイスに適合させることができる。
本発明の別の態様は、嚥下可能な薬物送達デバイス10の1つ以上の実施形態を使用して、薬物および他の治療薬(薬剤100の形態で)のGI管の壁への送達のための方法を提供する。次に、そのような方法の例示的な実施形態について説明する。薬物送達の記載された実施形態は、小腸SIで起こる。しかしながら、これは例示的なものであり、本発明の実施形態は、胃および大腸を含むGI管内のいくつかの場所に薬物を送達するために使用することができることを理解されたい。考察を容易にするために、嚥下可能な薬物送達デバイス10は、本明細書ではカプセルと呼ばれることがある。上記のように、様々な実施形態では、デバイス10は、デバイス10および使用説明書のセット15を含む密封パッケージ12内にキット11としてパッケージされてもよい。患者がハンドヘルドデバイス13を使用している場合、患者は、手動で、または説明書15またはパッケージ12に位置するバーコード18(または他の識別表示18)を介して、デバイス13にデータを入力するように指示されてもよい。バーコードが使用される場合、患者は、デバイス13上のバーコードリーダー19を使用してバーコードをスキャンする。パッケージ12を開封し、説明書15を読み、任意の必要なデータを入力した後、患者は、嚥下可能な薬物送達デバイス10の実施形態を嚥下する。薬物に応じて、患者は、食事(前、最中、または後)または生理学的測定と併せてデバイス10を服用し得る。カプセル20は、GI管を通過するようにサイズ設定され、図11の実施形態に示されるように、デバイス10に具体化されるように、蠕動作用を介して患者の胃Sを通って小腸SIに移動する。小腸に入ると、解放要素70は、小腸の塩基性pH(または小腸に特有の他の化学的または物理的条件)によって分解されて、本発明の1つ以上の実施形態に従って、作動機構60を作動させ、薬剤100を小腸SIの壁に送達する。中空針または他の中空組織貫通部材40を含む実施形態について、薬物送達は、作動機構60を使用して、針40を腸壁ISの粘膜内に選択された距離だけ前進させることによって達成され、次いで薬物は、送達部材50の前進によって、針内腔40を通って注射される。送達部材50が引き抜かれ、次いで針40が、カプセルの本体内に引き戻され(例えば、ばねの反動によって)、腸壁から取り外される。複数の針を有するデバイス10の実施形態について、第2または第3の針42、43を使用して、同じ薬物または別個の薬物101の追加の用量を送達することもできる。針の前進は、実質的に同時にまたは順番に行うことができる。複数の針を使用する好ましい実施形態では、薬物送達中に小腸にデバイス10を固定するために、針の前進を実質的に同時に行うことができる。
薬物送達後、デバイス10は、次いで、大腸LIを含む腸管を通過し、最終的に排泄される。生分解性シーム22または他の生分解性部分を有するカプセル20の実施形態について、カプセルは、図9aおよび9bの実施形態に示されるように、腸管内でより小さな断片に分解されて、腸管の通過および腸管からの排泄を容易にする。生分解性組織貫通針/部材40を有する特定の実施形態では、針が腸壁に詰まった場合、針は、生分解して、カプセル20を壁から放出させる。
センサ67を含むデバイス10の実施形態について、機構60の作動は、作動機構60および/または作動機構に結合されたプロセッサ29/制御装置29cに信号を送信するセンサによって達成することができる。外部作動機能を含むデバイス10の実施形態について、ユーザは、カプセルを嚥下した後、選択された期間に作動機構60を外部から作動させ得る。期間は、ユーザのGI管を通って小腸などの管内の特定の場所に移動する食品の通常の通過時間または通過時間の範囲に相関させることができる。
上記の方法のうちの1つ以上の実施形態は、様々な疾患および状態を治療するための、治療有効量の様々な薬物および他の治療薬101を含む調製物100の送達のために使用することができる。これらには、いくつかの高分子ペプチドおよびタンパク質が含まれ、さもなければ、胃の化学的分解のために注射が必要となる。特定の薬物の投与量は、患者の体重、年齢、または他のパラメータに応じて漸増することができる。また、本発明の1つ以上の実施形態によって送達されたときに、所望の効果または治療効果(例えば、血中グルコース調節のためのインスリン)を達成するための薬物101の用量は、薬物が従来の経口送達によって送達された場合に必要な量よりも少なくなり得る(例えば、胃で消化され、小腸の壁、胃、またはGI管の他の場所から吸収される嚥下可能な錠剤)。これは、胃の中の酸および他の消化液による薬の分解がないという事実、ならびに薬の一部分だけではなく、すべてが小腸の壁(または腸管、例えば、大腸、胃などの他の内腔)に送達されるという事実のためである。薬物101に応じて、調製物100で送達される用量102は、所望の治療効果(例えば、血中グルコース調節、発作調節など)を達成するために、従来の経口送達によって送達される用量の100~5%の範囲であってもよく、さらに少ない量が企図される。特定の減量は、特定の薬物、治療される状態、および患者の体重、年齢、および状態に基づいて漸増することができる。いくつか薬剤(腸管での分解の既知のレベルを有する)の場合、標準的な減量を採用することができる(例えば、10~20%)。分解および吸収不良の傾向がより強い薬剤の場合、より大量の減量を使用することができる。このようにして、摂取用量が低下するため、デバイス10によって送達される特定の薬物または複数の薬物の潜在的な毒性および他の副作用(例えば、胃のけいれん、過敏性腸、出血など)を低減することができる。これにより次に、患者の副作用の重症度および発生率の両方が低下するため、患者コンプライアンスが向上する。薬物101の減量を採用する実施形態の追加の利点には、患者が薬物耐性(より高い用量を必要とする)を発達させる可能性の減少、および抗生物質の場合、患者が耐性菌株を発達させる可能性の減少が含まれる。また、胃バイパス手術、および小腸の断片が除去された、またはその作用(例えば、消化)の長さが効果的に短縮された他の処置を受けている患者に対して、他のレベルの減量を達成することができる。
単一の薬物の送達に加えて、嚥下可能な薬物送達デバイス10の実施形態およびそれらの使用の方法を使用して、複数の状態の治療または特定の状態の治療のために複数の薬物(例えば、HIV AIDS治療のためのプロテアーゼ阻害剤)を送達することができる。使用において、そのような実施形態は、患者が、特定の状態または複数の状態のために複数の薬剤を服用しなければならない必要性を放棄することを可能にする。また、それらは、2つ以上の薬物のレジメンが、ほぼ同時に、小腸、したがって血流に送達および吸収されることを容易にするための手段を提供する。化学組成、分子量などの相違により、薬物は、異なる速度で腸壁から吸収され得、異なる薬物動態分布曲線が得られる。本発明の実施形態は、所望の薬物混合物を実質的に同時に注射することによってこの問題に取り組む。これにより次に、薬物動態、したがって、選択された薬物混合物の有効性が向上する。さらに、複数の薬を服用する必要性をなくすことは、認知能力または身体能力が低下した患者を含む、1つ以上の長期的な慢性状態を患っている患者にとって特に有益である。
様々な用途において、上記の方法の実施形態を使用して、薬物および治療薬101を含む調製物100を送達して、いくつかの病状および疾患の治療を提供することができる。本発明の実施形態で治療することができる病状および疾患には、がん、ホルモン状態(例えば、甲状腺機能低下症/甲状腺機能亢進症、成長ホルモン状態)、骨粗鬆症、高血圧、高コレステロールおよび高トリグリセリド、糖尿病および他のグルコース調節障害、感染症(局部的または敗血症)、てんかんおよび他の発作障害、骨粗鬆症、冠状動脈性不整脈(心房および心室の両方)、冠状動脈虚血性貧血または他の同様の状態が含まれ得るが、これらに限定されない。さらに他の状態および疾患もまた企図される。
多くの実施形態では、特定の疾患または状態の治療は、薬物または他の治療薬を注射する必要(または、坐剤などの他の非経口形態の送達)なしに実施することができ、代わりに、小腸の壁またはGI管の他の部分に送達される治療薬のみに依存する。同様に、患者は、薬物または他の治療薬の従来の経口形態をとる必要はないが、また、嚥下可能なカプセルの実施形態を使用して、小腸の壁への送達のみに依存する。他の実施形態では、小腸の壁(または他のGI管器官壁)に送達される治療薬は、注射された用量の薬と組み合わせて送達することができる。例えば、患者は、嚥下可能なカプセルの実施形態を使用して治療剤の1日用量を服用し得るが、数日ごとに、または患者の状態がそれを必要とする場合(例えば、高血糖)にのみ注射された用量を服用する必要がある。同じことが、伝統的に経口形態で送達される治療薬にも当てはまる(例えば、患者は、嚥下可能なカプセルを服用し、必要に応じて従来の経口形態の薬を服用することができる)。そのような実施形態で送達される投与量(例えば、嚥下されたおよび注射された用量)は、必要に応じて漸増することができる(例えば、標準的な用量反応曲線および他の薬物動態学的方法を使用して、適切な投与量を決定することができることを使用して)。また、従来の経口手段によって送達することができる治療薬を使用する実施形態について、嚥下可能なカプセルの実施形態を使用して送達される用量は、薬の分解が、胃または腸管の他の部分内でほとんどまたはまったくないため、薬の経口送達に通常与えられる投与量よりも漸減することができる(ここでもまた、標準的な用量反応曲線および他の薬物動態学的方法を適用することができる)。
次に、様々な疾患および状態の治療のための1つ以上の薬物または他の治療薬101を含む調製物100の実施形態の様々な群が、投与量を参照して説明される。特定の治療薬およびそれぞれの投与量を含むこれらの実施形態は、例示的なものであり、調製物100は、デバイス10の様々な実施形態を使用する、腸管内の内腔壁(例えば、小腸の壁)または周囲の組織(例えば、腹腔)への送達のために構成されている本明細書に記載のいくつかの他の治療薬(および当技術分野で知られているもの)を含むことができる。投与量は、記載されているものよりも大きくても小さくてもよく、本明細書に記載されているか、または当技術分野で知られている1つ以上の方法を使用して調整することができる。実施形態の一群では、治療薬調製物100は、糖尿病および他のグルコース調節障害の治療のための治療有効量のインスリンを含むことができる。インスリンは、当技術分野で知られているように、ヒトまたは合成由来であってもよい。一実施形態では、調製物100は、約1~10単位の範囲(1単位は、約45.5μgの純粋な結晶性インスリンの生物学的等価物である)の治療有効量のインスリンを含み得、特定の範囲は2~4、3~9、4~9、5~8、または6~7である。1~25ユニットまたは1~50ユニットなど、より広い範囲も企図される。調製物中のインスリンの量は、以下の因子(ここでは「グルコース制御漸増因子」)、すなわち、i)患者の状態(例えば、1型糖尿病対II型糖尿病、ii)血糖コントロールの患者以前の全体的なレベル、iii)患者の体重、iv)患者の年齢、v)投与の頻度(例えば、1日1回対複数回)、vi)時刻(例えな、朝対夕方)、vii)特定の食事(朝食対夕食)、vii)特定の食事の含有量/血糖インデックス(例えば、高脂肪/脂質および糖含有量(例えば、血糖の急激な上昇を引き起こす食品)対低脂肪および糖含有量、ならびにviii)患者の全体的な食べ物の含有量(例えば、毎日消費される糖質および他の炭水化物、脂質、タンパク質の量)のうちの1つ以上に基づいて、漸増することができる。使用において、糖尿病または他の血中グルコース障害の治療のためのインスリンまたは他の治療薬を含む治療用調製物100の様々な実施形態は、患者に注射することを必要とせずに、より正確に制御された投与量のインスリンを送達することによって血中レベルの改善された制御を可能にする。また、患者は、食品を摂取すると同時に、嚥下可能なデバイス10または110(インスリンおよび/または糖尿病の治療のための他の治療薬を含む)などのデバイスを嚥下することができ、したがって、インスリンまたは他の治療薬は、食品中のグルコースまたは他の糖が小腸から血流に放出されるのとほぼ同時に、またはほとんど同時に小腸から血中に放出される。この同時の、またはそうでなければ時間的に近い放出により、インスリンが、様々な受容体(例えば、インスリン受容体)に作用して、血中グルコースレベルが、小腸から血中への糖の吸収から上昇し始めているのと同じように、筋肉および他の組織へのグルコースの摂取を増加させることが可能である。
実施形態の別の群では、治療薬調製物100は、糖尿病および他のグルコース調節障害の治療のための治療有効量の1つ以上のインクレチンを含むことができる。このようなインクレチンには、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)およびその類似体、ならびに胃抑制ペプチド(GIP)が含まれる。好適なGLP-1類似体には、エキセナチド、リラグルチド、アルビグルチド、およびタスポグルチド、ならびにそれらの類似体、誘導体および他の機能的等価物が含まれる。一実施形態では、調製物100は、約1~10μgの範囲の治療有効量のエキセナチドを含み得、特定の範囲は、それぞれ、2~4、4~6、4~8、および8~10μgである。別の実施形態では、調製物100は、約1~2mg(ミリグラム)の範囲の治療有効量のリラグルチドを含み得、特定の範囲は、それぞれ、1.0~1.4、1.2~1.6、および1.2~1.8mgである。1つ以上のグルコース制御漸増因子を適用して、エキセナチド、リラグルチド、または他のGLP-1類似体もしくはインクレチンの用量範囲を漸増することができる。
実施形態のさらに別の群では、治療薬調製物100は、糖尿病および他のグルコース調節障害の治療のための治療薬の組み合わせを含むことができる。そのような組み合わせの実施形態は、例えば、治療有効用量のインクレチンおよびビグアニド化合物を含むことができる。インクレチンは、エキセナチドなどの本明細書に記載の1つ以上のGLP-1類似体を含むことができ、ビグアニドは、メトホルミン(例えば、Merck Sante S.A.S.製のGLUCOPHAGE(登録商標)の商標で利用可能である)およびその類似体、誘導体、ならびに他の機能的等価物を含むことができる。一実施形態では、調製物100は、約1~10μgの範囲の治療有効量のエキセナチドと、約1~3グラムの範囲の治療有効量のメトホルミンとの組み合わせを含むことができる。グルコース制御漸増因子のうちの1つ以上を、エキセナチド(または他のインクレチン)、およびメトホルミンまたは他のビグアニドのそれぞれの用量を漸増するために使用して、より小さな範囲およびより大きな範囲も企図される。さらに、エキセナチドまたは他のインクレチン、およびメトホルミンまたは他のビグアニドの投与量は、数時間(例えば、12)から1日から数日に及ぶ長期間に、患者のグルコース制御の改善されたレベル(例えば、正常な生理学的レベル内の血中グルコースの維持、ならびに/または高血糖症および/もしくは低血糖症のインスタンスの発生率および重症度の低下)に適合させることができ、さらに長い期間が企図される。投与量の適合はまた、グルコース制御調節因子の使用、ならびに糖化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c、HbA1c、A1C、またはHb1cとして知られている)および他の分析物を使用する患者の血中グルコースの長期間の監視、および長期平均血中グルコースレベルと相関する測定によって達成することができる。
既知の薬物送達システムの薬物送達組成物および構成要素は、本明細書に記載の本発明のいくつかの実施形態での使用のために、採用および/または改変されてもよい。例えば、薬物パッチを用いる皮膚表面を介する薬物の送達するために使用されるマイクロニードルおよび他の微細構造は、改変され、本明細書に記載のカプセル内に含まれ、代わりに、薬物調製物を、小腸の壁などの消化管の内腔壁に送達するために使用されてもよい。好適なポリマーマイクロニードル構造は、MicroCor(商標)マイクロ送達システム技術など、カリフォルニア州のCoriumから市販されていることがある。薬物製剤または成分を含む、MicroCor(商標)パッチ送達システムの他の成分もまた、本明細書に記載のカプセルに組み込むことができる。代替的に、ポリマーまたは他の薬物送達マトリックスと、選択された薬物および他の薬物調製成分との組み合わせを処方して、望ましい薬物放出特徴(機構、機能)を有する所望の形状(本明細書に記載の放出可能な組織貫通形状など)を生成するための様々なプロバイダが市販されている。そのようなプロバイダは、例えば、Corium、ミネソタ州のSurModics、シンガポールのBioSensors Internationalなどを含み得る。
本明細書に記載の治療用組成物の様々な実施形態の1つの利点および特性は、生物学的薬物ペイロード(例えば、治療用ペプチドまたはタンパク質、例えば、IgGおよび他の抗体、基礎インスリンおよび他のタイプのインスリンなど)が、消化(GI)管におけるペプチダーゼおよびプロテアーゼの作用による、分解および加水分解から保護されることである。これらの酵素は、生体システム全体に遍在している。GI管は、特にプロテアーゼが豊富で、その機能は、食事中の複合タンパク質およびペプチドをより小さなセグメントに分解し、アミノ酸を放出して、アミノ酸が腸から吸収されることである。本明細書に記載の組成物は、これらのGIプロテアーゼの作用から治療用ペプチドまたはタンパク質を保護し、ペプチドまたはタンパク質のペイロードを腸の壁に直接送達するように設計されている。GIプロテアーゼの作用からタンパク質またはペプチドのペイロードを保護するのに役立つ、本明細書に記載の組成物の様々な実施形態には2つの特性がある。第一に、特定の実施形態では、展開エンジンおよび機械を含むカプセルシェルは、胃の低pHでの溶解を防止するカプセルの外面上のpH感受性コーティングにより、十二指腸および十二指腸下の腸セグメントに到達するまで溶解しない。第二に、特定の実施形態では、中空マルトース(または他の適切なポリマー)マイクロスピアは、実際の治療用ペプチドまたはタンパク質を含み、マルトース(または他のポリマー)マイクロスピアは、外側のカプセルシェルが溶解するとすぐに、腸の筋肉に貫通するように設計されており、マイクロスピア自体は、腸の筋肉壁でゆっくりと溶解し、薬物ペイロードを放出する。したがって、ペプチドまたはタンパク質のペイロードは、GIプロテアーゼの作用にさらされないため、GI管でのタンパク質分解による分解を受けない。この機能は、次に、治療用ペプチドまたはタンパク質の高いパーセントバイオアベイラビリティに貢献する。
上で考察されたように、本明細書に記載の実施形態は、糖尿病または他のグルコース調節障害などの様々な障害の治療のための、インスリンを含む治療用組成物を含む。そのような組成物は、望ましい薬物動態特性を有するインスリンの送達をもたらす。この点に関して、注目すべき薬物動態測定基準には、投与後のインスリンのピーク血漿濃度であるCmax、Cmaxに到達するための時間であるTmax、およびインスリンの血漿濃度が、Cmaxに到達した後にCmax値の半分に到達するのに必要な時間である、T1/2が含まれる。これらの測定基準は、当技術分野で知られている標準的な薬物動態測定技術を使用して測定することができる。1つのアプローチでは、血漿サンプルは、嚥下可能なデバイスの使用による、または非血管注射(例えば、皮下注射)による治療組成物の投与の開始およびその後の設定された時間間隔(例えば、1分、5分、1/2時間、1時間など)で採取されてもよい。次いで、血漿中のインスリンの濃度を、GC-Mass Spec、LC-Mass Spec、HPLC、または特定の薬物に適合させることができる様々なELISA(酵素結合免疫吸着測定法)などの1つ以上の適切な分析方法を使用して測定することができる。次いで、血漿サンプルからの測定値を使用して、濃度対時間曲線(本明細書では濃度プロファイルとも呼ばれる)を作成することができる。濃度曲線のピークは、Cmaxに対応し、これが発生する時間は、Tmaxに対応する。濃度が、Cmaxに到達した後に最大値(つまり、Cmax)の半分に到達する曲線の時間は、t1/2に対応し、この値はまた、治療薬の排出半減期として知られている。Cmaxの判定のための開始時間は、非血管注射の場合に注射が行われる時間、および嚥下可能なデバイスの実施形態が1つ以上の組織貫通部材(薬物を含む)を小腸または消化管の他の場所(例えば、大腸)に前進させる時点に基づき得る。後者の場合、この時間は、外部制御信号(例えば、RF信号)に応答して、組織貫通部材を腸壁および/または周囲組織に展開する嚥下可能デバイスの遠隔制御された実施形態を含む1つ以上の手段を使用して、または組織貫通部材が展開されたときに体外で検出可能なRFまたは他の信号を送信する嚥下可能なデバイスの実施形態について、判定することができる。超音波または透視を含むもう1つの医用画像診断法など、小腸への組織貫通部材の展開の検出のための他の手段が企図される。これらの研究のいずれかにおいて、適切な動物モデル、例えば、イヌ、ブタ、ラットなどを使用して、ヒトの薬物動態学的応答をモデル化することができる。
本明細書に記載の実施形態は、糖尿病または他のグルコース調節障害の治療のためのインスリンを含む治療用組成物を含む。そのような組成物は、望ましい薬物動態特性を有するインスリンの送達をもたらす。この点に関して、注目すべき薬物動態測定基準には、投与後の薬物のピーク血漿濃度であるCmax、Cmaxに到達するための時間であるTmax、および薬物の血漿濃度が、元の値の半分に到達するのに必要な時間である、T1/2が含まれる。
したがって、一実施形態は、経口摂取後の消化壁(例えば、小腸)への挿入に適合された組成物であるインスリンを含む治療用組成物を提供し、挿入時に、組成物は、インスリンを腸壁から血流に放出して、血管外に注射された用量のインスリンよりも速く、Cmaxに到達する。様々な実施形態では、治療用インスリン組成物は、血管外に注射された用量のインスリンのTmaxの80%、または50%、または30%、または20%、または約10%であるTmaxを有する。そのような血管外に注射された用量のインスリンは、例えば、皮下注射または筋肉内注射であってもよい。特定の実施形態では、腸壁(例えば、小腸の壁)への挿入によって治療用インスリン組成物を送達することによって達成されるCmaxは、組成物が腸壁への挿入を伴わずに経口的に送達されるときに達成されるCmaxよりも、100、または50、または10、または5倍大きいなど、実質的に大きい。いくつかの実施形態では、治療用インスリン組成物は、選択可能なT1/2でのインスリンの長期放出などの、インスリンの長期放出を生成するように構成されている。例えば、選択可能なT1/2は、6、または9、または12、または15、または18、または24時間であってもよい。
本明細書に記載の様々な実施形態は、インスリンを含む治療薬組成物(本明細書では調製物または組成物とも呼ばれる)を提供する。組成物は、経口摂取後の腸壁への挿入に適合されており、挿入時に、組成物は、インスリンを腸壁から血流に放出して、血管外注射された治療薬の用量よりも速く、Cmaxに到達する、すなわち、血管外に注射された用量の治療薬についてよりも短い期間(例えば、より小さいTmax)で、治療薬の挿入された形態についてのCmaxに到達する。腸壁に送達される組成物中の治療薬の用量、および血管外注射によって送達される用量は、これらの結果を達成するために比較可能であり得るが、そうである必要はないことに留意されたい。様々な実施形態では、組成物は、血管外に注射された用量のインスリンのTmaxの約80%、または50%、または30%、または20%、または10%である、(例えば、腸壁、例えば、小腸の壁からの血流へのインスリンの放出によって)インスリンのTmaxを達成するように構成されている。そのような血管外に注射された用量のインスリンは、例えば、皮下注射または筋肉内注射であってもよい。特定の実施形態では、腸壁への挿入によって治療薬を送達することによって達成されるCmaxは、治療薬が、腸壁に挿入されることなく、例えば、治療薬または関連化合物のピル他の慣習的な経口形態によって、経口的に送達されるときに達成されるCmaxよりも、5、10、20、30、40、50、60、70、80、または100倍さえも大きいなど、実質的に大きい。いくつかの実施形態では、治療用インスリン組成物は、インスリンの長期放出を生成するように構成されている。また、組成物は、選択可能なt1/2でのインスリンの長期放出を生成するように構成することができる。例えば、選択可能なt1/2は、6、または9、または12、または15、または18、または24時間であってもよい。
いくつかの実施形態では、治療薬組成物はまた、糖尿病またはグルコース調節障害の治療のための治療有効量のインクレチンを含み得る。使用することができるインクレチンには、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)、GLP-1類似体または胃抑制ペプチド(GIP)が含まれる。例示的なGLP-1類似体には、エキセナチド、リラグルチド、アルビグルチド、およびタスポグルチドが含まれる。任意の適切な用量のインクレチンを使用することができ、例えば、エキセナチドは、約1~10マイクログラムの範囲の用量で使用することができ、またはリラグルチドは、約1~2mgの範囲で使用することができる。
様々な実施形態はまた、経口摂取後の消化壁(例えば、小腸または胃の壁)への挿入に適合したインスリン組成物を提供し、挿入時に、組成物は、腸壁から血流に治療薬を放出して、腸壁に挿入されない治療薬の経口摂取された用量のT1/2よりも大きいt1/2を達成する。例えば、腸壁に挿入された用量のt1/2は、腸壁に挿入されない用量よりも100、または50、または10、または5倍大きい場合がある。
インスリン組成物は、腸壁で分解するように構成された固体形態組成物などの固体形態であってもよく、固体形態組成物は、例えば、尖った先端などの組織貫通機構(特徴、機能)を有し得る。インスリン組成物は、少なくとも1つの生分解性材料を含み得、および/またはPLGAなどの生分解性ポリマーまたはマルトースなどの糖を含む少なくとも1つの医薬賦形剤を含み得る。
インスリン組成物は、嚥下可能なカプセルで経口送達されるように適合されてもよい。特定の実施形態では、そのような嚥下可能なカプセルは、第1の構成および第2の構成を有する機構に動作可能に結合されるように適合され得、治療用インスリン組成物は、第1の構成では、カプセル内に含まれ、第2の構成では、カプセルから出て腸壁に前進する。そのような動作可能に結合された機構は、拡張可能部材、拡張可能なバルーン、弁、組織貫通部材、拡張可能なバルーンに結合された弁、または拡張可能なバルーンに結合された組織貫通部材のうちの少なくとも1つを含み得る。
いくつかの実施形態では、インスリン組成物は、組織貫通部材の内腔または他の空洞内に送達されるように構成され得、および/または治療組成物は、腸壁に前進可能な組織貫通部材として成形されてもよい。組織貫通部材は、腸壁内に完全に含まれるようにサイズ設定され得、および/または腸壁を貫通するための組織貫通特徴を含み得、および/または腸壁内に組織貫通部材を保持するための保持特徴を含み得る。保持特徴は、例えば、棘を含み得る。いくつかの実施形態では、組織貫通部材は、組織貫通部材の表面への力の付与によって腸壁に前進するように構成されており、任意選択で、組織貫通部材は、腸壁に完全に前進するのに十分な剛性を有し、および/または貫通部材の表面は、拡張時に力を付与する拡張可能なバルーンに動作可能に結合されるように構成されており、および/または組織貫通部材は、力の方向が変化したときに、力を付与する構造から取り外されるように構成されている。
本発明の様々な態様はまた、上記のものに加えて、薬剤100の送達のための嚥下可能な送達デバイスの他の実施形態を提供する。1つ以上のそのような実施形態によれば、嚥下送達デバイスは、薬剤100を含む1つ以上の組織貫通部材を小腸などの腸の壁に送達するのに使用するための、1つ以上の拡張可能なバルーンまたは他の拡張可能デバイスを含むことができる。ここで図12~20を参照すると、消化(GI)管内の送達部位DSへの薬剤100の送達のためのデバイス110の別の実施形態は、嚥下されて、腸管を通過するカプセル120、展開部材130、薬剤100を含む1つ以上の組織貫通部材140、展開可能なアライナ160、および送達機構170を含むことができる。いくつかの実施形態では、薬剤100(本明細書では調製物100とも呼ばれる)は、それ自体、組織貫通部材140を含み得る。展開可能なアライナ160は、カプセル内に位置付けられ、カプセルを小腸などの腸と整列させるように構成されている。通常、これには、カプセルの長手方向軸を腸の長手方向軸に整列させる必要があるが、他の整列も企図される。送達機構170は、薬剤100を腸壁に送達するように構成されており、通常、拡張可能部材などの送達部材172を含む。展開部材130は、アライナ160または送達機構170のうちの少なくとも1つを展開するように構成されている。本明細書でさらに説明するように、カプセル壁の全部または一部分は、GI管内の液体との接触によって分解可能であり、それらの液体がデバイス110による薬剤100の送達をトリガすることを可能にする。本明細書で使用される場合、「GI管」は、食道、胃、小腸、大腸、および肛門を指し、「腸管」は、小腸および大腸を指す。本発明の様々な実施形態は、腸管およびGI管全体の両方への薬剤100の送達のために構成および配置することができる。
組織貫通部材140を含むデバイス110は、液体、半液体、もしくは固体形態の薬剤100、または3つすべての組み合わせの送達のために構成することができる。形態がどうであれ、薬剤100は、望ましくは、薬剤が、デバイス110から出て腸壁(例えば、小腸または大腸)またはGI管内の他の内腔壁に前進し、次いで腸壁内で分解して、薬物または他の治療薬101放出することが可能である材料の粘稠度を有する。薬剤100の材料の粘稠度は、(体液中の)調製物の硬度、多孔性、および溶解度のうちの1つ以上を含むことができる。材料の粘稠度は、以下、すなわち、i)調製物を作るために使用される圧縮力、ii)当技術分野で知られている1つ以上の医薬崩壊剤の使用、iii)他の医薬賦形剤の使用、iv)調製物(例えば、微粉粒子)の粒径および分布、v)当技術分野で知られている微粉化および他の粒子形成方法の使用のうちの1つ以上の選択および使用によって達成することができる。
カプセル120は、嚥下して、腸管を通過するようなサイズである。サイズは、送達される薬物の量、ならびに患者の体重および成人か小児かの用途に応じて調整されてもよい。通常、カプセルは、ビタミンまたはカプセルの形状に類似した湾曲した端部を備える管状の形状を有する。これらの実施形態および関連する実施形態では、カプセルの長さ120Lは、企図された他の寸法を伴う、0.5~2インチの範囲にあってもよく、直径120Dは、0.1~0.5インチの範囲にあってもよい。カプセル120は、内部空間または内部容積124vを規定する外面125および内面124を有するカプセル壁121wを含む。いくつかの実施形態では、カプセル壁121wは、組織貫通部材140の外側への前進のためにサイズ設定された1つ以上の開口126を含むことができる。デバイス110の他の構成要素(例えば、拡張可能な部材など)に加えて、内部容積は、1つ以上の区画またはリザーバ127を含むことができる。
カプセルは、製薬分野で知られている様々な生分解性ゼラチン材料から製造することができるが、また、胃での分解(酸などによる)からキャップを保護し、次いで、小腸または腸管の他の領域で見られるより高いpHで分解するように構成された様々な腸溶コーティング120cを含むこともできる。様々な実施形態では、カプセル120は、複数の部分から形成され得、その1つ以上が生分解性であってもよい。多くの実施形態では、カプセル120は、本体部分120p”(ここでは本体120p”)およびキャップ部分120p’(ここではキャップ120p)などの2つの部分120pから形成され得、キャップは、例えば、本体の上または下(他の配置も企図される)をスライドすることによって本体に適合する。キャップ120p’などの1つの部分は、第1のpH(例えば、pH5.5)を超えて分解するように構成された第1のコーティング120c’を含み得、本体120p”などの第2の部分は、第2のより高いpH(例えば、6.5)を超えて分解するように構成された第2のコーティング120c”を含み得る。カプセル120の内面124および外面125の両方は、コーティング120C’および120c”でコーティングされているので、カプセルのいずれかの部分は、選択されたpHを有する流体と接触するまで実質的に保存される。本体120p”の場合、これは、本体120p”の構造的完全性が、バルーン172を本体部分内に保持するために維持され、バルーン130が拡張するまで展開しないことを可能にする。コーティング120C’および120c”は、商標EUDRAGITでEvonik Industriesによって製造されたものなどの様々なメタクリレートおよびエチルアクリレートベースのコーティングを含むことができる。カプセル120のこれらの構成および他の二重コーティング構成は、カプセル120の一方の部分の機構が、カプセルの他方の部分の機構の前に作動されることを可能にする。これは、腸液が、最初に、より低いpHコーティングが分解した部分に入り、次いで、そのような液体に反応するトリガ(分解可能な弁など)を作動させるという事実によるものである。使用において、カプセル120のそのような二重コーティングの実施形態は、小腸の特定の場所(またはGI管の他の場所)への標的化薬物送達、ならびに送達プロセスにおける改善された確実性を提供する。これは、アライナ160などの特定の構成要素の展開が、小腸(例えば、十二指腸)の上部領域で開始するように構成することができ、カプセルが、薬物の(例えば、腸壁への)最適な送達のために、腸内で整列され、ならびにカプセルがまだ小腸または他の選択された場所にある間に腸壁への薬物送達を達成するために、他の構成要素の展開/作動のための十分な時間を提供することを可能にするという事実のためである。
上で考察されたように、カプセル120の1つ以上の部分は、好ましい実施形態ではセルロース、ゼラチン材料PLGA(ポリ乳酸-コ-グリコール酸)を含むことができる様々な生分解性ポリマーを含む、当技術分野で知られている様々な生体適合性ポリマーから製造することができる。他の好適な生分解性材料には、本明細書に記載の様々な腸溶性材料、ならびにラクチド、グリコリド、乳酸、グリコール酸、パラジオキサノン、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、カプロラクトン、それらの混合物および共重合体が含まれる。
様々な実施形態では、カプセルの壁120wは、GI管内の液体、例えば小腸内の液体との接触によって分解可能である。好ましい実施形態では、カプセル壁は、胃を通過する間無傷のままであるが、次いで、小腸で分解されるように構成されている。1つ以上の実施形態では、これは、カプセル壁120w上の外側コーティングまたは外側層120cの使用によって達成することができ、これは、小腸に見られるより高いpHでのみ分解し、下にあるカプセル壁を、カプセルが小腸に到達する(その時点で、薬物送達プロセスは、本明細書に記載されているようにコーティングの分解によって開始される)前に、胃内での分解から保護するのに役立つ。使用において、そのようなコーティングは、小腸などの腸管の選択された部分における治療薬の標的化送達を可能にする。
カプセル20と同様に、様々な実施形態では、カプセル120は、透視、超音波、MRIなどの1つ以上の医用画像診断法を使用してデバイスの位置特定のための様々な放射線不透過性、エコー源性、または他の材料を含むことができる。
本明細書でさらに考察されるように、多くの実施形態では、展開部材130、送達部材172、または展開可能なアライナ160のうちの1つ以上は、カプセル120内に適合するように成形およびサイズ設定される拡張可能なバルーンに対応し得る。したがって、考察を容易にするために、展開部材130、送達部材172、および展開可能なアライナ160は、バルーン130、160、および172と呼ばれるが、しかしながら、様々な拡張可能デバイスを含む他のデバイスはまた、これらの要素のために企図され、例えば、様々な形状記憶デバイス(例えば、形状記憶生分解性ポリマースパイアから作られた拡張可能なバスケット)、拡張可能な圧電デバイス、および/またはカプセル120の内部容積124vに対応する拡張された形状およびサイズを有する化学的に拡張可能なデバイスを含み得ることを理解されたい。
バルーン130、160、および172のうちの1つ以上は、医療機器分野で知られている様々なポリマーを含み得る。好ましい実施形態では、そのようなポリマーは、低密度PE(LDPE)、線状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、および高密度PE(HDPE)、ならびに当技術分野で知られているポリエチレンの形態に対応し得る1つ以上のタイプのポリエチレン(PE)を含み得る。ポリエチレンを使用するもう1つの実施形態では、材料は、当技術分野で知られているポリマー照射方法を使用して架橋されてもよい。特定の実施形態では、放射線ベースの架橋を使用して、バルーン材料のコンプライアンスを低下させることにより、バルーンの膨張した直径および形状を制御することができる。量または放射線は、特定の量の架橋を達成して、次に所与のバルーンに対して特定の量のコンプライアンスを生成するように選択することができ、例えば、照射の増加を使用して、より硬く、コンプライアンスの低いバルーン材料を生成することができる。他の好適なポリマーには、PET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコーン、およびポリウレタンが含まれ得る。様々な実施形態では、バルーン130、160、および172はまた、医師が、バルーンの位置および物理的状態(例えば、非膨張した、膨張した、または穿刺を確認することを可能にするために、硫酸バリウムなどの当技術分野で知られている様々な放射線不透過性材料を含み得る。バルーン130、160、および172は、バルーンカテーテル技術で知られている様々なバルーンブロー方法(例えば、モールドブロー成形、フリーブロー成形など)を使用して、カプセル120の内部容積124vにほぼ対応する形状およびサイズを有するように製造することができる。様々な実施形態では、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上および様々な接続特徴(例えば、接続チューブ)は、単一の型から形成される単一の構造を有することができる。そのような単一構造を採用する実施形態は、デバイス110の1つ以上の構成要素間でより少ない接合を行う必要があるので、製造可能性および確実性が改善されるという利点を提供する。
バルーン130、160、および172に好適な形状は、テーパー状または湾曲した端部を有する様々な円筒形状(ホットドッグを含むそのような形状の例)を含む。いくつかの実施形態では、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上の膨張したサイズ(例えば、直径)は、カプセルを膨張力から離すために(例えば、フープ応力により)カプセル120よりも大きい場合がある。他の関連する実施形態では、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上の膨張したサイズは、膨張したときに、i)カプセル120が、カプセルの周りの小腸の収縮を引き起こす蠕動収縮を誘発するために、小腸の壁と十分に接触し、および/またはii)小腸のひだは可能にするために目立たなくされるようなものであってもよい。これらの結果の両方は、カプセルおよび/または送達バルーン172の選択された領域にわたって組織貫通部材40を送達するために、カプセル/バルーン表面と腸壁との間の改善された接触を可能にする。望ましくは、バルーン130、160、および172の壁は薄く、0.005~0.0001インチの範囲、より好ましくは0.005~0.0001の範囲の壁厚を有することができ、特定の実施形態は、0.004、0.003、0.002、0.001、および0.0005である。)さらに、様々な実施形態では、バルーン130、160、または172のうちの1つ以上は、図13cの実施形態に示されるように、膨張チャンバ160ICおよび延長されたフィンガー160EFを有する入れ子になったバルーン構成を有することができる。膨張チャンバ160ICを接続する接続チューブ163は、ガス168の通過のみを可能にするように狭くすることができ、一方、バルーン130の2つの半分を結合する接続チューブ36は、水の通過を可能にするためにより大きくすることができる。
上に示したように、アライナ160は、通常、拡張可能なバルーンを含み、考察を容易にするために、ここでは、アライナバルーン160またはバルーン160と呼ばれる。バルーン160は、上記の材料および方法を使用して製造することができる。非拡張状態および拡張状態(展開状態とも呼ばれる)を有する。その拡張または展開状態では、バルーン160は、カプセル120上の小腸SIの蠕動収縮によって及ぼされる力が、カプセル120の長手方向軸120LAを小腸SIの長手方向軸LAIと平行に整列させるのに役立つように、カプセル120の長さを延長する。これは次に、組織貫通部材140のシャフトを腸壁IWの表面と垂直に整列させて、組織貫通部材140の腸壁IWへの貫通を増強および最適化するのに役立つ。小腸内でカプセル120を整列させることに役立つことに加えて、アライナ160はまた、送達バルーンおよび/または機構がカプセルによって妨げられないように、送達バルーン172の拡張の前に送達機構170をカプセル120から押し出すように構成されている。使用において、アライナ160のこの押し出し機能は、薬物送達が起こり得る前にカプセルの特定の部分(例えば、送達機構を覆っている部分)が分解されるのを待つ必要がないので、治療薬の送達の確実性を改善する。
バルーン160は、ポリマーチューブ、またはバルーン160および130を結合するためのチューブ163ならびにバルーン160およびバルーン172を結合するためのチューブ164を含み得る他の流体カップリング162によって、バルーン130および172を含むデバイス110の1つ以上の構成要素に流体的に結合されてもよい。チューブ163は、バルーン160が、バルーン130からの圧力(例えば、バルーン130内の化学反応物の混合物により生成された圧力)によって拡張/膨張することを可能にし、および/またはそうでなければバルーン130と160との間の液体の通過が、バルーン130および160のうちの一方または両方の拡張のための化学反応を生成するガスを開始することを可能にするように構成されている。チューブ164は、バルーン160によるバルーン172の膨張を可能にするように、バルーン160を172に接続する。多くの実施形態では、チューブ164は、バルーン160によるバルーン172の膨張を制御するように、選択された圧力で開放するように構成されている制御弁155を含むか、または制御弁155に結合されている。したがって、チューブ164は、弁に接続する近位部分164pと、弁からつながる遠位部分164dとを含み得る。通常、近位部分および遠位部分164pおよび164dは、以下に説明されるように、弁ハウジング158に接続されている。
弁155は、弁ハウジング158のチャンバ158c内に配置される(あるいは、チューブ164内に直接配置され得る)材料157の三角形または他の形状のセクション156を含み得る。セクション157は、ガスのチューブ164および/または弁室158cの通過を可能にするために、選択された圧力で機械的に分解する(例えば、引き裂かれる、剪断される、層間剥離するなど)ように構成されている。弁155に好適な材料157は、蜜蝋または他の形態の蝋、および選択可能なシール力/破裂圧力を有する医療分野で知られている様々な接着剤を含むことができる。弁取付具158は、通常、チャンバ158cの壁を一緒に密封するか、またはさもなければチャンバを通る流体の通過を妨害するために、材料157のセクション156が配置される(図13bの実施形態に示されるように)薄い円筒形状の区画(生分解性材料から作られる)を含む。弁155の解放圧力は、セクション156のサイズおよび形状のうちの1つ以上の選択、ならびに材料157の選択(例えば、接着強度、剪断強度などの特性についての)によって制御することができる。使用において、制御弁155は、バルーン172が膨張する前にバルーン160が完全に、またはそうでなければ実質的に膨張するように、バルーン160および172の連続的な膨張を可能にする。これは、次に、組織貫通部材140の展開がカプセル120によって妨げられないように、バルーン172が拡張する前に、バルーン160が、残りの送達機構170とともにバルーン172を、カプセル120から(通常、本体部分120p’から)押し出すことを可能にする。使用において、そのようなアプローチは、組織貫通部材140の腸壁IWへの貫通の確実性を、部材の腸壁IWへの前進が、カプセル壁120wによって妨害されていないため、所望の貫通深さを達成すること、およびカプセル120に含まれるより多くの貫通部材140を送達することの両方の観点から改善する。
上記のように、アライナバルーン160の膨張した長さ160lは、カプセル120を、腸の蠕動収縮から小腸の横軸と整列させるようになるのに十分である。アライナ160の好適な膨張した長さ160lは、アライナ160の膨張前のカプセル120の長さ120lの約1/2~2倍の間の範囲を含むことができる。アライナバルーン160に好適な形状は、ホットドッグのような形状などの様々な細長い形状を含むことができる。特定の実施形態では、バルーン160は、第1のセクション160’および第2のセクション160”を含むことができ、第1のセクション160’の拡張は、カプセル120から送達機構170を前進させるように構成されている(通常、第2のセクション160”は、送達バルーン172を膨張させるために使用される。これらの実施形態および関連する実施形態では、第1および第2のセクション160’および160”は、望遠鏡型膨張を有するように構成することができ、第1のセクション160’は、最初に膨張して、機構170をカプセルから(通常、本体部分120p’から)押し出し、第2のセクション160”は、送達部材172を膨張させるために膨張する。これは、第1のセクション160’が第2のセクション160”よりも小さい直径および体積を有するように構成し、第1のセクション160’が最初に膨張し(体積が小さいため)、第2のセクション160”が第1のセクション60’が実質的に膨張するまで膨張しないようにすることによって達成することができる。一実施形態では、これは、セクション160’で最小圧力に達するまでセクション160”へのガスの通過を許可しない、セクション160’および160”を接続する制御弁155(上記)の使用によって容易にすることができる。いくつかの実施形態では、アライナバルーンは、展開するバルーンからの水または他の液体との混合時に反応する化学反応物を含むことができる。
多くの実施形態では、展開部材130は、展開バルーン130として知られる拡張可能なバルーンを含む。様々な実施形態では、展開バルーン30は、ガスの使用、例えば、化学物質からのガス169の生成によって、アライナバルーン160の展開/拡張を容易にするように構成されている。ガスは、酸166(例えば、クエン酸)および塩基166(例えば、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムなど)などの固体化学反応物165の反応によって生成され得、これらは、次いで、水または他の水性液体168と混合される。反応物の量は、化学量論的方法を使用して選択され、バルーン130、160、および72のうちの1つ以上において選択された圧力を生成することができる。反応物165および液体は、バルーン130および160に別々に貯蔵され得、次いで、小腸のpH条件などのトリガイベントに応答して一緒にされてもよい。反応物165および液体168は、いずれかのバルーンに貯蔵することができるが、好ましい実施形態では、液体168は、バルーン130に貯蔵され、反応物165は、バルーン160に貯蔵される。液体168を通過させて反応および/または結果として生じるガス169を開始することを可能にするために、バルーン130は、通常、以下に記載の分解性弁150などの分離手段150も含むコネクタチューブ163によってアライナバルーン160に結合されてもよい。バルーン130が液体を含む実施形態について、チューブ163は、バルーン130からバルーン60への十分な水を通過させて、バルーン160を膨張させ、その上、バルーン172を膨張させるための所望の量のガスを生成することを可能にするのに十分な直径を有する。また、バルーン130が液体を含む場合、バルーン30およびチューブ63のうちの一方または両方は、以下、すなわちi)露出したバルーン130上の小腸の蠕動収縮によってバルーン130に付与された圧縮力、およびii)毛細管現象によるチューブ163を介した液体の吸い上げの1つ以上によってバルーン160への液体の通過を可能にするように構成されている。
チューブ163は、通常、弁が分解するまで、バルーン130の内容物(例えば、水158)をバルーン160の内容物(例えば、反応物165)から分離する、分解可能な分離弁または他の分離手段150を含む。弁150は、液体の水によって分解可能である、マルトースなどの材料から製造することができ、その結果、弁は、消化管内の様々な液体とともに水に曝露されると開放する。それはまた、メタクリレートベースのコーティングなどの腸液に見られるより高いpHに反応して分解可能な材料から作られ得る。弁は、望ましくは、バルーン130の上に突出する、および/または、そうでなければ、キャップ120p’が分解したときに、弁150がカプセルに入る腸液に曝露されるように十分に露出している、チューブ163上の場所に位置付けられる。様々な実施形態では、弁150は、バルーン130の表面上に位置するか、またはその上に突出するように位置付けることができ(図16aおよび16bの実施形態に示されるように)、それにより、キャップ120p’が分解すると、腸液に明らかに曝露される。本発明の様々な実施形態は、分離弁150のいくつかの構造、例えば、ビーム状構造(弁が、チューブ163および/または接続セクション136を押し下げる、ビームを含む)、またはカラータイプ構造(弁が、チューブ163および/または接続セクション136の上にあるカラーを含む)を提供する。さらに他の弁構造もまた企図される。
バルーン130は、展開状態および非展開状態を有する。展開状態では、展開バルーン130は、カプセルの端部の形状に対応する、ドーム形状130dを有することができる。球状、管状など、展開されたバルーン130の他の形状130sも企図される。反応物165は、通常、少なくとも2つの反応物166および167、例えば、クエン酸などの酸および重炭酸ナトリウムなどの塩基を含む。他の酸、例えば、酢酸、および塩基、例えば、水酸化ナトリウムを含む他の反応物165も企図される。弁または他の分離手段150が開放すると、反応物は、液体中で混合し、アライナバルーン160または他の拡張可能な部材を拡張させる二酸化炭素などのガスを生成する。
図13bに示される代替の実施形態では、展開バルーン130は、実際には、チューブ36または他の接続手段136(例えば、接続セクション)によって接続された第1および第2のバルーン130’および130”を含むことができる。接続チューブ136は、通常、上記のような液体、および/または小腸に見られる塩基性pHなどの特定のpH(例えば、5.5または6.5)を有する液体によって分解可能である、分離弁150を含む。2つのバルーン130’および130”は、各々、ハーフドーム形状130hsを有することができ、それらが、拡張状態にあるときに、カプセルの端部が適合することを可能にする。一方のバルーンは、化学反応物165(例えば、重炭酸ナトリウムやクエン酸など)を含むことができ、他方は、液体水168を含むことができ、それにより、弁が分解すると、2つの成分が混合してガスを形成し、一方または両方のバルーン130’および130”、そして次に、アライナバルーン160を膨張させる。
さらに別の代替の実施形態では、バルーン130は、複数の区画130cを有するように形成されるまたは他の構造化されるマルチ区画バルーン130mcを含むことができる。通常、区画130cは、図14aの実施形態に示されるように、分離弁150または他の分離手段150によって分離される、少なくとも第1および第2の区画134および135を含む。多くの実施形態では、区画134および135は、それらの間に少なくとも小さな接続セクション136を有し、これは、分離弁150が通常、配置される場所である。図14aの実施形態に示されるように、液体168、通常、水は、第1の区画134内に配置され得、1つ以上の反応物165(通常、固体であるが液体も使用され得る)は、第2の区画135に配置されてもよい。弁150が開放すると(例えば、小腸内の流体によって引き起こされる分解によって)、液体168は、区画135に入る(もしくはその逆、またはその両方)、反応物165は、液体と混合し、二酸化炭素などのガス169を生成し、バルーン130を拡張し、次に、これを使用して、バルーン160および172のうちの1つ以上を拡張することができる。
反応物165は、通常、少なくとも第1および第2の反応物、166および167、例えば、クエン酸などの酸、および重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムなどの塩基を含む。本明細書で考察されるように、様々な実施形態では、それらは、バルーン130(区画134および135、または半分の130’および130”を含む)およびバルーン160のうちの1つ以上に配置されてもよい。不活性ガス副生成物を生成する酸および塩基の他の組み合わせを含む追加の反応物もまた企図される。クエン酸および重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムを使用する実施形態について、2つの反応物間(例えば、クエン酸対重炭酸カリウム)の比は、約1:1~約1:4の範囲であってもよく、特定の比は、約1:3である。望ましくは、固体反応物165は、吸収された水をほとんどまたは全く有しない。したがって、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムなどの反応物の内の1つ以上は、バルーン130内に配置される前に(例えば、真空乾燥によって)予備乾燥されてもよい。他の酸、例えば、酢酸、および塩基を含む他の反応物165もまた企図される。反応物の組み合わせを含む特定の反応物165の量は、特定の化学反応の既知の化学量論式、ならびにバルーンの膨張した体積および理想気体の法則(例えば、PV=nRT)を使用して特定の圧力を生成するように選択することができる。特定の実施形態では、反応物の量を選択して、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上を選択した圧力を生成して、i)腸壁への特定の貫通深さを達成することと、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上の特定の直径を生成することと、iii)腸壁IWに対して選択された量の力を及ぼすことと、を行うことができる。特定の実施形態では、反応物(例えば、クエン酸および重炭酸カリウム)の量および比率を選択して、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上で10~15psiの範囲の圧力を達成することができ、より小さいおよびより大きい圧力が企図される。この場合も、これらの圧力を達成するための反応物の量および比率は、既知の化学量論式を使用して決定することができる。
化学反応物165を使用してガス169を生成する本発明の様々な実施形態では、化学反応物は、単独で、または展開バルーン130と組み合わせて、アライナバルーン160、および送達バルーン172を含む送達機構170のうちの一方または両方を展開するため180の展開エンジンを含むことができる。展開エンジン180はまた、2つの展開バルーン130および130”(図13bに示されるようなデュアルドーム構成)、または図14aに示されるようなマルチ区画バルーン130mcを使用する実施形態を含み得る。展開エンジン180の他の形態もまた、拡張可能な圧電材料(電圧の印加によって拡張する)、ばね、および他の形状記憶材料、ならびに様々な熱拡張性材料の使用など、本発明の様々な実施形態によって企図される。
拡張可能なバルーン130、160、および172のうちの1つ以上はまた、通常、膨張後にバルーンを収縮させるのに役立つ収縮弁159を含む。収縮弁159は、特定のバルーン内のガスを逃がすための開口部またはチャネルを作成するように、小腸内の流体および/またはバルーンの区画のうちの1つ内の液体への曝露時に分解するように構成されている、生分解性材料を含むことができる。望ましくは、収縮弁159は、弁150よりも遅い速度で分解するように構成されて、収縮弁が分解する前に、バルーン130、160、および172の膨張に十分な時間を与える。区画化されたバルーン130の様々な実施形態では、収縮弁159は、図14aの実施形態に示されるように、バルーンの端部131上に位置付けられた分解性セクション139に対応することができる。この実施形態および関連する実施形態では、分解性セクション139が液体への曝露により分解すると、バルーン壁132は、引き裂けるか、またはさもなければばらばらになり、急速な収縮の高い保証を提供する。複数の分解性セクション139は、バルーン壁132内の様々な場所に配置することができる。
バルーン172の様々な実施形態では、収縮弁159は、図13bの実施形態に示されるように、送達バルーン172の端部172e(アライナバルーンに結合される端部の反対側)に取り付けられたチューブ弁173に対応し得る。チューブ弁173は、小腸内の流体などの流体に曝露されると分解するマルトースなどの材料173mで、選択された場所173lで閉塞される内腔を有する中空チューブ173tを含む。チューブ173t内の閉塞材料173mの位置173lは、閉塞材料が、溶解して、弁173を開放する前に、送達バルーン172が、膨張し、組織貫通部材40を腸壁IWに送達するのに十分な時間を提供するように選択される。通常、これは、チューブ173tの端部173eに近いが、液体が、材料173mに到達する前に液体がチューブ内腔に吸い上げられなければならない時間を与えるほどではない。1つ以上の実施形態によれば、収縮弁173が開放すると、それは、送達バルーン172だけでなく、アライナバルーン160および展開バルーン130も収縮させるのに役立つが、なぜなら、多くの実施形態では、3つすべてが流体的に接続されているためである(アライナバルーンは、送達バルーン172に流体的に接続されており、展開バルーン130は、アライナバルーン160に接続されている)。収縮弁173の開放は、収縮弁が小腸内の液体に良好に曝露されるように、アライナバルーン160の膨張によってカプセル120から押し出される送達バルーン172の端部172eに収縮弁を配置することによって容易にすることができる。同様のチューブ収縮弁173はまた、アライナバルーン162および展開バルーン130のうちの一方または両方に位置付けることができる。これらの後者の2つの場合において、チューブ弁内の閉塞材料は、送達バルーン172の膨張および組織貫通部材140の腸壁への前進のために十分な時間を与えるために、ある期間にわたって分解するように構成されてもよい。
さらに、確実な収縮のさらなるバックアップとして、バルーン(例えば、バルーン130、160、172)が完全に膨張したときに、バルーンが接触し、穿刺要素182によって穿刺されるように、1つ以上の穿刺要素182をカプセルの内面124に取り付けることができる。穿刺要素182は、尖った先端を有する表面124からの短い突起を含むことができる。バルーン収縮のための手段の別の代替実施形態または追加の実施形態では、組織貫通部材140のうちの1つ以上は、バルーン172の172wの壁に直接結合され得、かつ、それらが取り外されるときにバルーンから引き離され、そのプロセスで、バルーン壁を引き裂くように構成されてもよい。
次に、組織貫通部材140について考察する。組織貫通部材140は、様々な薬物および他の治療薬101、1つ以上の医薬賦形剤(例えば、崩壊剤、安定剤など)、ならびに1つ以上の生分解性ポリマーから製造することができる。後者の材料は、貫通部材に所望の構造的特性および材料特性(例えば、腸壁への挿入のためのカラム強度、または薬物の放出の制御のための多孔性および親水性)を与えるために選択することができる。ここで図18a~18fを参照すると、多くの実施形態では、貫通部材140は、図18aの実施形態に示されるように、腸壁の組織を容易に貫通するように、シャフト144および針先端145または他の尖った先端145を有するように形成されてもよい。好ましい実施形態では、先端145は、図18cの実施形態に示されるようなトロカール形状を有する。先端145は、先端の硬度および組織貫通特性を増加させる、スクロースまたは他の糖などの様々な分解性材料(先端の本体内またはコーティングとして)を含み得る。貫通部材140は、腸壁に配置されると、壁組織内の間質液によって分解され、その結果、薬物または他の治療薬101は、それらの流体に溶解し、血流に吸収される。組織貫通部材140のサイズ、形状、および化学組成のうちの1つ以上を選択して、数秒、数分、またはさらに数時間で薬物101の溶解および吸収を可能にすることができる。特定の実施形態では、溶解の速度は、製薬分野で知られている様々な崩壊剤を使用することによって制御することができる。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウムなどの様々なデンプン、およびカルボキシメチルセルロースなどの様々な架橋ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。崩壊剤の選択は、小腸の壁内の環境に合わせて具体的に調整することができる。
組織貫通部材140はまた、通常、前進後に腸壁IWの組織または周囲組織(例えば、腹膜壁)内に貫通部材を保持するための棘またはフックなどの1つ以上の組織保持特徴143を含む。保持特徴143は、図18aおよび18bの実施形態に示されるように、対称的に、またはそうでなければ部材シャフト144の周りおよびそれに沿って分布される2つ以上の棘などの組織保持を強化するための様々なパターン143pに配置されてもよい。さらに、多くの実施形態では、貫通部材はまた、送達機構170上の結合構成要素への取り付けのための凹部または他の嵌合特徴146を含む。
組織貫通部材140は、望ましくは、プラットフォーム175(または送達機構170の他の構成要素)に取り外し可能に結合されるように構成され、その結果、組織貫通部材140の腸壁への前進後、貫通部材は、バルーンから取り外される。取り外し可能性は、i)プラットフォーム175の開口部174と部材シャフト144との間の快適性または適合、ii)貫通部材140上の組織保持特徴143の構成および配置、およびiii)シャフト144の腸壁への貫通の深さを含む様々な手段によって実装することができる。これらの因子の1つ以上を使用して、貫通部材140は、バルーン(バルーンが収縮するか、またはさもなければ腸壁から引き戻されるときに、保持特徴143が貫通部材140を組織内に保持する)、および/または小腸の蠕動収縮によってカプセル120に及ぼされる力の結果として、取り外されるように構成されている。
特定の実施形態では、腸壁IWまたは周囲組織(例えば、腹膜壁)における組織貫通部材140の取り外し可能性および保持は、組織貫通部材シャフト144を、図18cの実施形態に示すように、逆テーパー144tを有するように構成することによって強化することができる。シャフト144上のテーパー144tは、シャフトへの腸壁からの蠕動収縮力の付与が、シャフトを内側に押し込む(例えば、内側に圧迫する)結果となるように構成されている。これは、横方向に付与された蠕動力PFの、シャフトテーパー144tによる、シャフトを腸壁内に内側に押し込むように作用する直交力OFへの変換によるものである。使用において、そのような逆テーパーシャフト構成は、バルーン172の収縮時にプラットフォーム175(または送達機構170の他の構成要素)から取り外されるように、腸壁内に組織貫通部材140を保持するのに役立つ。追加の実施形態では、逆テーパーシャフトを有する組織貫通部材140はまた、一旦挿入された腸壁IW内の組織貫通部材の保持をさらに強化するために、1つ以上の保持特徴143を含み得る。
上記のように、様々な実施形態では、組織貫通部材140は、IgGなどの様々な抗体を含むいくつかの薬物および他の治療薬101から製造することができる。また、1つ以上の実施形態によれば、組織貫通部材は、完全に薬物/治療薬101から製造され得るか、または他の構成成分、例えば、様々な医薬賦形剤(例えば、結合剤、防腐剤、崩壊剤など)、所望の機械的性質を与えるポリマーなども有し得る。さらに、様々な実施形態では、1つ以上の組織貫通部材140は、他の組織貫通部材と同じまたは異なる薬物101(または他の治療薬)を運ぶことができる。前者の構成は、より多くの量の特定の薬物101の送達を可能にし、後者は、2つ以上の異なる薬物をほぼ同時に腸壁に送達することを可能にして、複数の薬物の実質的な同時送達を必要とする薬物治療レジメンを容易にする。複数の送達アセンブリ178(例えば、バルーン172の各面に2つ、1つ)を有するデバイス110の実施形態では、第1のアセンブリ178’は、第1の薬物101を有する組織貫通部材を運ぶことができ、第2のアセンブリ178”は、第2の薬物101を有する組織貫通部材を運ぶことができる。
通常、組織貫通部材140によって運ばれる薬物または他の治療薬101は、生分解性材料105と混合されて、組織貫通部材140を形成する。材料105は、PLGA、セルロースなどの1つ以上の生分解性ポリマー、およびマルトースなどの糖または本明細書に記載もしくは当技術分野で知られている他の生分解性材料を含み得る。そのような実施形態では、貫通部材140は、薬物101と生分解性材料105との実質的に不均一な混合物を含み得る。代替的に、組織貫通部材140は、図18dの実施形態に示されるように、生分解性材料105から実質的に形成された部分141と、薬物101から形成された、または薬物101を含む別個のセクション142とを含み得る。1つ以上の実施形態では、セクション142は、薬物101のペレット、スラグ、シリンダー、または他の成形されたセクション142に対応し得る。成形されたセクション142は、図18eおよび18fの実施形態に示されるように、別個のセクションとして事前に形成され得、次いで、組織貫通部材140内の空洞142cに挿入される。あるいは、セクション142sは、薬物調製物100を空洞142cに添加することによって形成することができる。実施形態では、薬物調製物100が空洞142cに添加される場合、調製物は、空洞142cに注入されるか、または注射される粉末、液体、またはゲルとして添加されてもよい。成形されたセクション142は、それ自体で薬物101、または薬物101ならびに1つ以上の結合剤、防腐剤、崩壊物、および他の賦形剤を含む薬物調製物から形成されてもよい。好適な結合剤には、ポリエチレングリコール(PEG)および当技術分野で知られている他の結合剤が含まれる。様々な実施形態では、PEGまたは他の結合剤は、セクション142sの約10~90重量パーセントの範囲を含み得、好ましい実施形態は、約25~90重量パーセントのインスリン調製物である。結合剤に使用され得る他の賦形剤には、PLA、PLGA、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、マルトース、デキストリン、スクロース、およびPGAが挙げられ得る。セクション142の賦形剤の重量パーセントに関するさらなる情報は、表1で見られ得る。考察を容易にするために、セクション142は、表ではペレットと呼ばれるが、表のデータはまた、本明細書に記載のセクション142の他の実施形態にも適用可能である。
様々な実施形態では、組織貫通部材140の重量は、より大きなおよびより小さな重量が企図される、約10~15mgの範囲に及び得る。マルトースから製造された組織貫通部材140の実施形態について、重量は、約11~14mgの範囲に及び得る。様々な実施形態では、薬物101および所望の送達用量に応じて、部材140中の薬物の重量パーセントは、約0.1~約15%の範囲に及び得る。例示的な実施形態では、これらの重量パーセントは、マルトースまたはPLGAから製造された部材140の実施形態に対応するが、部材140の製造に使用される生分解性材料105のいずれにも適用可能である。部材140中の薬物または他の治療薬101の重量パーセントは、所望の用量に応じて調整することができ、薬物の構造的および化学量論的安定性を提供し、また、血液または身体の他の組織内の薬物の所望の濃度プロファイルを達成することもできる。当技術分野で知られている様々な安定性試験およびモデル(例えば、アレニウスの式を使用して)および/または薬物の化学的分解の既知の速度を使用して、重量パーセント範囲の特定の調整を行うことができる。表1は、組織貫通部材140によって送達され得るインスリンおよびいくつかの他の薬物の用量および重量パーセント範囲を列挙している。いくつかの場合には、表には範囲および用量の単一値が列挙されている。これらの値は、例示的なものであり、特許請求の範囲を含む本明細書に挙げられた他の値も考慮されることを理解されたい。さらに、本発明の実施形態はまた、例えば、±1、±5、±10、±25、およびさらにより大きな変化量を含む、これらの値の前後の変化量も考慮する。そのような変化量は、特定の値または値の範囲を主張する実施形態の範囲内にあるとみなされる。表はまた、様々な薬物および他の治療薬についてのセクション142の薬物の重量パーセントを列挙しており、ここでも考察を容易にするために、セクション142はペレットと呼ばれている。この場合も、本発明の実施形態は、上記の変化量を考慮する。
Figure 2022524446000002
組織貫通部材140は、当技術分野で知られている1つ以上のポリマーおよび医薬品製造技術を使用して製造することができる。例えば、薬物101(生分解性材料105の有無にかかわらず)は、固体形態であってもよく、次いで、成形、圧縮、または他の同様の方法を使用して、組織貫通部材140の形状に形成され得、1つ以上の結合剤が添加される。代替的に、薬物101および/または薬物調製物100は、固体または液体形態であってもよく、次いで、液体形態の生分解性材料105に添加され、混合物は、次いで、成形、またはポリマー技術で知られている他の形成方法を使用して貫通部材140に形成される。
望ましくは、薬物または他の治療薬101、および分解性材料105を含む組織貫通部材140の実施形態は、様々なペプチドおよびタンパク質などの薬物を含む薬物のいかなる実質的な熱分解も生じない温度で形成される。これは、室温硬化ポリマーと、当技術分野で知られている室温成形および溶媒蒸発技術を使用することによって達成することができる。特定の実施形態では、組織貫通部材内の熱分解される薬物または他の治療薬の量は、望ましくは約10重量%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは1%未満である。特定の薬物の熱分解温度は、既知であるか、または当技術分野で知られている方法を使用して決定することができ、次にこの温度を使用して、特定のポリマー処理方法(例えば、成形、硬化、溶媒蒸発法など)を選択および調整して、薬物の熱分解の温度および関連するレベルを最小限に抑えることができる。
送達機構170について説明する。通常、機構は、図16aおよび16bの実施形態に示されるように、送達バルーン172に取り付けられている送達アセンブリ178(組織貫通部材140を含む)を含む。送達バルーンの膨張は、組織貫通部材140を壁に挿入するように、送達アセンブリ172をカプセルから外向きに腸壁IWに係合させるための機械的力を提供する。様々な実施形態では、送達バルーン172は、関節式アコーディオン状の本体172bによって接続された2つの比較的平坦な面172fを備える細長い形状を有することができる。平坦面172fは、バルーン172の拡張時に腸壁(IW)を押して、組織貫通部材(TPM)140を腸壁に挿入するように構成することができる。TPM140(それ自体で、または以下に記載の送達アセンブリ178の一部として)は、バルーン172の一方の面または両方の面172fに位置付けられて、TPM40を含む薬物の腸壁の両側への挿入を可能にすることができる。バルーン172の面172fは、各面にTPM140を含むいくつかの薬物の配置を可能にするのに十分な表面積を有し得る。
ここで図19を参照して、ここで、送達アセンブリ178のアセンブリについて説明する。第1のステップ300において、1つ以上の組織貫通部材140は、支持プラットフォーム175(プラットフォーム175としても知られている)に対応し得る生分解性前進構造175に取り外し可能に結合されてもよい。好ましい実施形態では、プラットフォーム175は、ステップ300に示されるように、部材140の挿入のための1つ以上の開口部174を含む。開口部174は、バルーン172の拡張の前にプラットフォーム175内の部材140の挿入および保持を可能にする一方で、部材の腸壁への貫通時にプラットフォームからの部材の取り外しを可能にするようにサイズ設定される。次いで、支持プラットフォーム175は、ステップ301に示されるように、運搬構造176内に位置付けることができる。運搬構造176は、空洞または開口部176cを画定する側壁176sおよび底壁176bを有する、ウェル構造176に対応し得る。プラットフォーム175は、望ましくは、接着剤または当技術分野で知られている他の接合方法を使用して、底壁176bの内面に取り付けられている。ウェル構造176は、様々なポリマー材料を含むことができ、ポリマー加工技術で知られている真空成形技術を使用して形成することができる。多くの実施形態では、開口部176oは、ステップ302に示されるように、保護フィルム177で覆われ得る。保護フィルム177は、以下に説明するように、組織貫通部材140がフィルムを貫通することを可能にしながら、組織貫通部材140を湿度および酸化から保護するための障壁として機能するように選択された特性を有する。フィルム177は、小腸で生分解性である、および/または消化管を不活性に通過するように望ましくは構成されている、様々な水および/または酸素不透過性ポリマーを含むことができる。それはまた、所与の物質、例えば、酸素、水蒸気などに対する不透過性のために選択された特定の層を有する多層構造を有し得る。使用において、保護フィルム177を採用する実施形態は、組織貫通部材140における治療薬101の保存期間、そしてひいては、デバイス110の保持期間を増加させるのに役立つ。集合的に、組織貫通部材140が取り付けられた支持プラットフォーム175、ウェル構造176、およびフィルム177は、送達アセンブリ178を含むことができる。組織貫通部材40または他の薬物送達手段内に含まれる1つ以上の薬物または治療薬101を有する送達アセンブリ178は、事前に製造され、貯蔵され、その後、後日、デバイス110の製造に使用されてもよい。アセンブリ178の保持期間は、密封されたアセンブリ178の空洞176cを窒素などの不活性ガスで満たすことによってさらに延長することができる。
図16aおよび16bに戻って参照すると、アセンブリ178は、バルーン172の一方の面または両方の面172f上に位置付けることができる。好ましい実施形態では、アセンブリ178は、バルーン172の拡張時に腸壁IWの両側に、実質的に等しい力の分布を提供するように、両方の面172fに位置付けられている(図16aに示されるように)。アセンブリ178は、接着剤またはポリマー技術で知られている他の接合方法を使用して、面172fに取り付けられ得る。バルーン172の拡張時に、TPM140は、フィルム177を貫通し、腸壁IWに入り、保持要素143および/またはTPM140の他の保持特徴(例えば、逆テーパーシャフト144t)によって腸壁に保持され、バルーン172の収縮時にプラットフォーム175から取り外される。
様々な実施形態では、バルーン130、160、および172のうちの1つ以上は、カプセルの内部容積124v内の空間を節約するために、折り畳まれた、巻き付けられた、または他の所望の構成でカプセル120内に詰めることができる。折り畳みは、予め形成された折り目、または医療用バルーン技術で知られている他の折り畳み特徴もしくは方法を使用して行うことができる。特定の実施形態では、バルーン130、160、および172は、選択された配向に折り畳まれて、以下、すなわち、i)空間を節約すること、ii)特定の展開されたバルーンの所望の配向を生成すること、およびiii)バルーン拡張の所望のシーケンスを容易にすることのうちの1つ以上を達成することができる。図15a~15fに示される実施形態は、折り畳みの方法および様々な折り畳み配置の実施形態を例解する。しかしながら、この折り畳み配置および結果として生じるバルーン配向は、例示的なものであり、他のものも使用し得ることを理解されたい。この実施形態および関連する実施形態では、折り畳みは、手動で、自動化された機械によって、または両方の組み合わせによって行うことができる。また、多くの実施形態では、折り畳みは、図13aおよび13bの実施形態に示されるような、バルーン130、160、170、弁室158、および各種接続チューブ162を含む単一のマルチバルーンアセンブリ7(ここではアセンブリ7)を使用することによって容易にすることができる。図13aは、バルーン130の単一のドーム構造を有するアセンブリ7の実施形態を示し、図13bは、バルーン130のデュアルバルーン/ドーム構成を有するアセンブリ7の実施形態を示す。アセンブリ7は、様々な真空成形、およびポリマー加工技術で知られている他の関連する方法を使用して、所望の形状に真空成形されているポリマー薄膜を使用して製造することができる。好適なポリマー膜には、約0.003~約0.010インチの範囲の厚さを有するポリエチレン膜が含まれ、特定の実施形態は、0.005インチである。好ましい実施形態では、アセンブリは、アセンブリの1つ以上の構成要素(例えば、バルーン130、160など)を結合する必要性を排除するように、単一構造を有するように製造される。しかしながら、アセンブリ7が、複数の部分(例えば、半分)または構成要素(例えば、バルーン)から製造されることも企図され、それらは次いで、ポリマー/医療機器技術で知られている様々な接合方法を使用して接合される。
ここで図15a~15f、16a~16b、および17a~17bを参照すると、第1の折り畳みステップ210において、バルーン160は、弁取付具158上に折り重なり、バルーン172は、そのプロセスにおいて弁取付具158の反対側にひっくり返される(図15aを参照)。次いで、ステップ211において、バルーン172は、バルーン160と弁158との折り畳まれた組み合わせに対して直角に折り畳まれる(図15bを参照)。次いで、バルーン130のデュアルドーム実施形態のステップ212において、バルーン130の2つの半分130’および130”が互いに折り畳まれ、弁150が露出したままである(図15cを参照、バルーン130のシングルドーム実施形態については、それ自体の上に折り重なる、図15eを参照)。最終折り畳みステップ213は、折り畳まれたバルーン130が弁取付具158およびバルーン160の反対側に180°にわたって折り畳まれることによって行われ、図15eに示されるデュアルドーム構成のための最終折り畳みアセンブリ8、および図15eおよび15fに示すシングルドーム構成の最終折り畳みアセンブリ8’を生成することができる。次いで、1つ以上の送達アセンブリ178が、ステップ214でアセンブリ8(通常、バルーン72の2つの面72f)に取り付けられて、最終アセンブリ9(図16aおよび16bの実施形態に示される)を生成し、次にカプセル120に挿入される。挿入ステップ215の後、アセンブリ9が挿入されたデバイス110の最終的に組み立てられたバージョンが図17aおよび17bに示されている。
ここで図20a~20iを参照して、デバイス110を使用して、小腸または大腸の壁などのGI管内の部位に薬剤101を送達する方法について説明する。ステップおよびそれらの順序は、例示的なものであり、他のステップおよび順序もまた企図されることを理解されたい。デバイス110が小腸SIに入った後、図20bのステップ400に示されるように、キャップコーティング120C’は、上部小腸の塩基性pHによって分解され、キャップ120p’の分解を引き起こす。次いで、弁150は、図20cのステップ401に示されるように、小腸内の流体に曝露され、弁が分解し始める。次いで、ステップ402において、バルーン130は、図20dに示されるように(ガス169の生成のために)拡張する。次いで、ステップ403において、バルーン160のセクション160’は、図20eに示されるように、拡張し始めて、アセンブリ178をカプセル本体から押し出し始める。次いで、ステップ404において、図20fに示すように、バルーン160のセクション160’および160”は完全に拡張し、アセンブリ178をカプセル本体から完全に押し出し、カプセルの長さ120lを延ばして、カプセルの横軸120ALを小腸の横軸LAIと整列させるのに役立つ。この間、弁155は、バルーン60内の圧力の上昇により機能不全し始めている(バルーンが完全に拡張し、ガス169が行く他の場所がないという事実のために)。次いで、ステップ405において、弁155は、完全に開き、バルーン172を拡張させ、次いで、バルーン172は、図20gに示すように、完全に露出したアセンブリ178(本体120p’’から完全に押し出された)を径方向外向きに腸壁IWに押し込む。次いで、ステップ406において、バルーン172は、図20hに示されるように、腸壁IW内に組織貫通部材を前進させるために拡張し続ける。次いで、ステップ407において、バルーン172は、(バルーン160および130とともに)収縮して引き戻され、組織貫通部材を腸壁IWに保持したままにする。また、カプセルの本体部分120p”は、デバイス110の他の生分解性部分とともに(コーティング120c”の分解のために)完全に分解される。分解されなかった任意の部分は、消化による蠕動収縮によって小腸を通って遠位に運ばれ、最終的に排泄される。
[本発明の薬物動態学的特徴およびパラメータ]
ここで図21~29を参照して、本発明の方法および他の実施形態に関連付けられた様々な薬物動態パラメータおよび特徴の考察がここに提示される。具体的には、本発明の様々な実施形態は、胃壁、腸壁(例えば、小腸)または周囲組織(例えば、腹膜)を含むGI管の様々な内腔壁への治療薬の送達のための治療用調製物および関連付けられた方法を提供し、送達の1つ以上の薬物動態パラメータを達成することができる。このようなパラメータには、絶対的バイオアベイラビリティ、相対的バイオアベイラビリティ、Tmax、T1/2max、および薬物動態/製薬分野で知られている曲線か面積、つまりAUCのうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない。「絶対的バイオアベイラビリティ」は、静脈内(IV)用量に対する、体循環に到達する製剤からの薬物の量であり、IV用量は、100%生物学的に利用可能であると想定されている。「相対的バイオアベイラビリティ」は、静脈内(IV)用量に対する、体循環に到達する製剤からの薬物の量であり、Tmaxは、治療薬が血流中の最大濃度Cmaxに到達する期間であり、T1/2は、血流中(または体内の他の場所)の治療薬の濃度が、Cmaxに到達した後、元のCmax値の半分に到達するのに必要な時間である。
図21~25を含む実施例1は、本明細書に記載の嚥下可能カプセルの実施形態を使用してイヌに送達されたIgGを含む治療用調製物の実施形態を用いた、上記パラメータのうちの1つ以上の達成を例解する、薬物動態データおよび他の結果を提供する。実施例1に示されるように、治療用調製物がIgGなどの抗体を含む様々な実施形態では、本発明の実施形態によって送達される治療薬の絶対的バイオアベイラビリティは、約50~68.3%の範囲であってもよく、特定値は、60.7%である。さらに他の値も企図される。また、抗体、例えば、IgGの送達のためのTmaxは、約24時間であってもよく、一方、T1/2は、約40.7~128時間の範囲であってもよく、特定値は、約87.7時間である。
ここで図21を参照すると、様々な実施形態では、治療用調製物、および小腸の壁または周囲組織へのそれらの送達のため関連付けられた方法は、Cmax205またはTmax206または他の薬物動態値を基準点207として有する選択された形状203を有する、治療薬の血漿/血液濃度対時間プロファイル200を生成するように構成することができる。例えば、図21に例解されるように、血漿濃度対時間プロファイル200は、上昇部分210および下降部分220を有し得、上昇部分210と下降部分220との時間長の選択された比率を有する。特定の実施形態では、これは、上昇部分(上昇時間208とも呼ばれる)の間に、治療薬の送達前濃度204からCmaxレベル205に移行するのにかかる時間208(この時間は、Tmax時間206に対応する)と、下降部分210の間に、Cmaxレベル205から送達前濃度204に戻るのにかかる時間209(下降時間209とも呼ばれる)との比率である。様々な実施形態では、上昇時間208と下降時間209との比率は、約1対20、1対10、および1対5の範囲であってもよい。IgGなどの抗体を含む治療用調製物の特定の実施形態では、プロファイル200における上昇時間と下降時間の比率は、図21および22に例解されるように、約1対9であってもよい。さらに他の比率が企図される。一方、組換えヒトインスリンを含む様々なタイプのインスリンの場合、上昇時間と下降時間との比率は、約1対2~1対6の範囲であってもよく、特定の実施形態は、1:4、1:4.5、および1:6である。
表8および9、ならびに図26~29を含む実施例3は、本明細書に記載の嚥下可能なカプセルの実施形態を使用して豚(ブタ)に空腸間送達された、組換えヒトインスリン(RHI)を含む治療用製剤を使用する、上記パラメータのうちの1つ以上の達成を例解する、薬物動態データおよび薬力学的データ、ならびにその他の結果を提供する。実施例3に記載され、図に示されるように、治療用調製物が組換えヒトインスリン(RHI)を含む実施形態では、嚥下可能なカプセル(Rani群)の実施形態によるRHIの空腸内送達のTmaxは、皮下注射(SC群)の227±24分と比較して、約139±42分であり、RHIの平均ピーク血清濃度(Cmax)は、Rani群およびSC群で、それぞれ、516±109pM.8および342±50pMであった。動物の平均体重および送達されたインスリンの平均単位を考慮すると、これは、458pM/kg重量/IUの送達されたインスリン用量になる。さらに、この値のそれぞれの単位のすべての標準誤差を考慮すると、この測定基準の値の範囲は、381~527pM/kg重量/IUの送達されたインスリン用量になる。本明細書に記載の正常血糖クランプ法を使用して達成されたインスリン濃度曲線下の面積は、Rani群およびSC群について、それぞれ、81±10および83±18nM/分であった。これは、皮下注射によって送達される用量に対する、嚥下可能なカプセルの実施形態によって空腸間送達されるインスリンの72~129%(平均値104%)の範囲の相対的バイオアベイラビリティをもたらした。同様に、正常血糖クランプ法を使用して血中グルコース注入曲線下面積は、Rani群およびSC群について、それぞれ、85±4および106±10g/分であった。これらのAUC値の比較可能性は、本発明の実施形態によって空腸内送達されたインスリン(Rani群)の血中グルコース低下効果が、皮下注射によって送達されたインスリンによって達成されたものに匹敵したことを例解している。さらに、正常血糖クランプ実験は、嚥下可能なカプセルの実施形態が、血中グルコースレベルを60~90mg/mlの範囲内に維持する様式でインスリンを空腸間送達する能力を実証した。
表10~11を含む実施例4は、マイクロニードルまたは薬物ペイロードの有無にかかわらず投与されたが、本明細書に記載のバルーンベースの展開機構を有した嚥下可能カプセル(RaniPillカプセル)の実施形態の忍容性および安全性を調べるために、10人の絶食および10人の食後の健常ヒトボランティアで実施されたパイロットIRB(治験審査委員会)試験からの結果を提供する。カプセルは、本明細書に記載されているように、小腸で整列および展開するように設計されており、例えば、機構の1つ以上のバルーンが小腸で拡張および展開される。それはまた、i)患者のGI管におけるカプセル位置の位置特定、およびii)カプセル内の拡張可能なバルーンが拡張されて、小腸内に展開されたときを含む、カプセルが小腸内に展開されたときを可能にする放射線不透過性材料を含んでいた。この後の時間は、本明細書ではカプセル展開時間、または展開時間(カプセル活性化時間または活性化時間とも記載される)として定義され、カプセルが胃を出た時から、その後、小腸に展開されるまでの時間である。連続放射線画像を使用して、胃内のカプセルの滞留時間および小腸内の展開時間を判定した。胃滞留時間および展開時間の日付が、表10~11に示されている。カプセルの平均胃滞留時間は、食後状態で217±36分、空腹状態で100±79分であった。カプセルの腸内展開時間は、両方の群で極めて類似していた(100±40対97±30分)。結果は、驚くべきことに、カプセル展開時間を含むカプセル展開が、患者の胃および小腸のうちの一方または両方を含むGI管内の食物の存在によって、感知できるほど影響を受けなかったことを示した。本明細書で使用される場合、カプセルの展開または活性化時間に関して、感知できるほど影響を受けるとは、展開/活性化時間の相違が約20%未満、より好ましくは約10%未満、さらにより好ましくは約5%未満であることを意味する。
結果はまた、被験者が、カプセルの通過、展開、または排泄を知覚せず、すべての被験者が、カプセルの残骸を問題なく排泄したことを示し、これは、カプセル摂取後72~96時間以内にX線写真で確認された。特に、被験者は、カプセルのバルーンベースの展開機構が、拡張されて小腸に展開されたときを、知覚しなかった。
[結論]
本発明の様々な実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提示されてきた。本発明を、開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。多くの修正、変形、および改良は、当技術分野の熟練した開業医には明らかであろう。例えば、デバイスの実施形態は、様々な小児および新生児の用途、ならびに様々な獣医の用途に合わせてサイズ設定およびその他の方法で適合させることができる。また、当業者は、本明細書に記載の特定のデバイスおよび方法の多数の同等物を、日常的な実験のみを使用して、認識し、または確認することができる。そのような同等物は、本発明の範囲内であるとみなされ、以下の添付の特許請求の範囲の対象である。
一実施形態からの要素、特徴、または行為は、本発明の範囲内で多数の追加の実施形態を形成するために、他の実施形態からの1つ以上の要素、特性、または行為と容易に再結合または置換することができる。さらに、他の要素と組み合わせられるものとして示されているか、または説明されている要素は、様々な実施形態では、独立した要素として存在することができる。さらに、本発明の実施形態はまた、要素、特性、化学物質、治療薬、特徴、値、ステップなどがどこで肯定的に列挙されていても、要素、特性、化学物質、治療薬、特徴、値、またはステップの除外または否定的な列挙を企図する。したがって、本発明の範囲は、記載された実施形態の詳細に限定されず、代わりに、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の様々な実施形態は、以下の実施例を参照してさらに例解される。これらの例は、例解のみを目的として提示されており、本発明は、本明細書の情報または詳細に限定されるべきではないことを理解されたい。
実施例1:嚥下可能なカプセルの実施形態を使用した、IgGの送達のインビボイヌ研究
目的:研究の目的は、覚醒している犬における本明細書に記載の嚥下可能なカプセル(RaniPill(商標)またはRANIPILLとしても記載)の実施形態および/変形を介した生物療法分子の経口送達を実証すること、およびそれらの絶対的バイオアベイラビリティを評価することであった。このクラスの分子の代表として、ヒト免疫グロブリンG(IgG)を使用した。
材料
精製ヒトIgGは、Alpha Diagnostic International Inc.(ADI Inc.)、TX,USA(カタログ番号20007-1-100)から入手し、この研究の被験物質の調製に使用した。IgGマイクロタブレットは、90%(w/w)の精製ヒトIgGおよび10%(w/w)の賦形剤を含む乾燥粉末製剤バッチから調製した。IgGバッチは、ELISAによって評価された物理的特徴およびタンパク質回収の許容基準に基づいて分析され、認定された。
RaniPill(商標)カプセルは、針が展開される圧力および速度を評価するために、ペイロードチャンバの複数の性能試験によって製造および認定された。加えて、針の送達を確実にするための適切なガス圧を確立するために、ピーク化学反応圧力を判定するための試験が行われた。これらの試験は、デバイスの展開の確実性を検証する。現在の研究で使用されたカプセルロットは、すべての認定試験に合格した。この研究で使用されたすべての被験物質およびそれに対応するID番号を表2に挙げる。
Figure 2022524446000003
研究プロトコル
研究は、まず、試験群(すなわち、Rani群)で実施され、動物は、RaniPIllの実施形態によって送達されたIgGを投与され、血液サンプルは、10日間にわたって収集された。この最初の経験に基づいて、2つの追加の群IV(IgGの静脈内投与)とSC(IgGの皮下投与)が、続いて、プロトコル期間の延長とともに追加された。各群の特定のプロトコルについては、以下で詳しく説明する。
Rani群:1つのRaniPill(商標)カプセル(2.4mg IgG/マイクロタブレット)を経口投与し、N=3であった。これは、投与された最初の群であり、血液サンプルは、10日間にわたって収集された。その後の薬物濃度分析は、血清IgG濃度がすべての動物でベースライン値に完全に回復しなかったため、研究期間が短すぎた可能性があることを示した。したがって、次の2つの群では、血液サンプルを収集するためのプロトコルが14日間に延長された。
SC群:1つのIgGマイクロタブレット(2.4mg IgG/マイクロタブレット)を1mLの注射用滅菌水に溶解し、皮下投与し(SC)、N=2であった。
IV群:純粋ヒトIgG凍結乾燥粉末(2.4mg IgG)を1mLの注射用滅菌水に溶解し、静脈内投与し(IV)、N=3であった。
各群で使用された被験者および試験材料の詳細は、表3~5にまとめられている。SC群およびRani群の各動物に投与された総IgG用量は、マイクロタブレット重量およびマイクロタブレット内のIgGのパーセンテージに基づいて計算された。純粋ヒトIgGおよびマイクロタブレットは、投与前に約30分間溶解した。Rani群は、1つのカプセルを経口投与し、透視下で監視して、小腸への通過の成功およびデバイス展開の時間を確認した。
Figure 2022524446000004
Figure 2022524446000005
Figure 2022524446000006
結果
対照群(IVおよびSC)および実験群(Rani)の動物における血清IgG濃度レベルを、時間に対してプロットし、図22~25に示し、図23は、IV送達の結果を示し、図24は、SC送達の結果を示し、図25は、RaniPillの実施形態を使用した送達の結果を示し、図22は、3つの群すべての平均濃度対時間のプロットを示す。これらのPK(薬物動態)プロファイルから、薬物動態パラメータを計算して、IgGの最大濃度(Cmax)、Cmaxに達するまでの時間(Tmaxとして知られる)、終末消失半減期(T1/2)、および最後に取得した時点までの経時的な総薬物曝露を表す、曲線下の重量正規化面積(AUClast)、無限大に外挿された曲線下の重量正規化面積(AUCinf)、および各用量群のバイオアベイラビリティ(%F)を判定することができた。
実験群(すなわち、Rani群)が最初に投与され、サンプルが10日目まで収集された。しかし、データを分析したところ、測定可能なIgG血清濃度が、3匹すべての動物で依然として検出可能であることがわかった。これらの結果に基づいて、後続のIV群およびSC群について、14日目までサンプルが収集された。投与コホートを比較するために、PKパラメータを、血清サンプルから非区画法で推定した。投与からの名目経過時間を使用して、個々のPKパラメータを推定した。
IV投与後のIgGの血清濃度レベルは、3.3±1時間でCmaxに達し、平均濃度は、5339±179ng/mLであった。測定可能なレベルは、14日目に至るまで検出され、平均AUClastは、500800±108000ng*時/mLであった。無限大に外挿すると、AUCinfは、同様の値、513400±111700ng*時/mLを示し、サンプル収集が曝露の大部分を捕捉したことを示した。平均クリアランス(CL)は、0.009±0.002mL/分/kgと比較的低く、分布容積(Vz)も、0.04±0.01L/kgと低かった。平均終末消失半減期は、51.5±3.3時間であった。
2匹の動物のSC群におけるIgGの血清濃度は、120時間で1246ng/mLのCmaxを有し、72時間で1510ng/mLのCmax、および49.9時間の平均T1/2を有する。平均AUClastおよびAUCinfは、それぞれ、274200±21570および298300±46130ng*時/mLであることが判明した。皮下送達されたIgGの平均バイオアベイラビリティは、50.9%であると計算された。
図25に示すように、実験群(つまり、Rani群)のすべての動物は、10日間の研究の過程を通じて、測定可能なレベルのIgGを示した。カプセル10の実施形態の経口投与後のIgGの平均最大濃度(例えば、Cmax)は、24±0時間で2491±425ng/mLに達し、それは、したがって、Rani群のTmaxに対応した。平均AUClastおよびAUCinfは、327400±38820および409700±101800ng*時/mLであると計算された。Rani群のT1/2は、40.7~128時間の範囲に及び、平均値は、87.7時間であった。T1/2のこの広い範囲は、この群では、実際の終末消失半減期に到達していないことを示し得る。外挿されたAUCinf値(AUCext)から、外挿されたパーセンテージは、4.55%~29.1%の範囲に及び、3匹中2匹の動物で20%を超えた。このばらつきのため、バイオアベイラビリティ(%F)は、Rani群のAUClastおよびIV投与のAUCinf値を使用して推定された。%F値(すなわち、絶対的バイオアベイラビリティ)は、50.0%~68.3%の範囲に及び、平均は、60.7%であった。
実施例2:嚥下可能なカプセルの実施形態を使用する、インビボイヌ安全性研究
インビボ安全性研究は、上記と同様のプロトコルを使用して、各々、2~18個のカプセル(Raniカプセル)を投与した23匹の覚醒している成体ビーグル犬で実施された。すべてのカプセルは、消化管を問題なく無痛で通過し、96時間以内に排泄された。カプセルの平均胃滞留時間は、93分であり、その後の平均腸展開時間は、28分であった。
実施例3:嚥下可能なカプセル対皮下注射の実施形態を使用する、ヒト組換えインスリンの送達のインビボブタ研究
観察パイロット研究は、嚥下可能なカプセル(RaniPill)の実施形態、および60~80mg/dlの正常血糖グルコースクランプ法を使用した皮下注射によって送達されたヒト組換えインスリン(HRI)の血漿濃度および薬物動態を比較するために使用する、17匹の麻酔された幼若ブタで実施された。本明細書でRaniPillカプセルとして定義される嚥下可能なカプセルは、内視鏡的空腸内内視鏡的アプローチで送達された。方法論および結果を以下に説明する。
試験材料/群
RaniPill(商標)カプセルは、PEO針の内部に密封された20IUの用量の組換えヒトインスリンマイクロタブレットを含んで製造された。組換えヒトインスリンは、製造業者Imgenex(カタログ番号MIR-232-250)から取得した。1IUのインスリンは、0.0347mg(28 IU/mg)に相当する。表6および7は、Rani群およびSC群の動物体重、被験物質識別、および用量データに関する情報をまとめている。
インスリンは、次のように2つの群の動物に送達された。
Rani群(すなわち、RaniPill群):組換えインスリンマイクロタブレットを含むRaniPill(商標)カプセルの空腸内配置(N=8)。
SC群:インスリンマイクロタブレットを含むマイクロニードルのSC投与(N=9)。
Figure 2022524446000007
Figure 2022524446000008
[動物の調製物および研究サンプル]
記載されているすべての研究手順は、Biosurg Inc.のInstitutional Animal Care and Use Committeeによって承認されており、試験施設の標準的な動作手順に準拠した。体重12~22kgの雌の家畜ブタに、チレタミンおよびゾラゼパム(Telazol(登録商標))の筋肉内注射で麻酔をかけ、挿管し、麻酔下に維持し、イソフルランおよび酸素の混合物が、機械式の動物人工呼吸器によって間欠的陽圧下で送達された。0.68±0.1mgのRHIが空腸壁に送達されたRani群には、体重17.4±1.2kgの8頭のブタが含まれてた。0.69±0.1mgのRHIを皮下投与した対照群の9頭のブタの体重が17.0±0.4kgであった。すべての動物は、正中線腹部開腹術を受けた。8頭のブタ(平均体重=17.4±1.2kg)の試験群において、1cmの腸切開を介して近位空腸に嚥下可能なカプセルの実施形態を挿入し、次いで、カプセルが、小さな空腸のpH条件によって作動されることを可能にして、RHIを含む薬物針(例えば、組織貫通部材)を空腸壁に注入することによって、20IUの組換えヒトインスリン(RHI)は、空腸壁に注射される。9頭のブタ(17.0±0.4kg)の対照群は、20IUのRHIを投与され、皮下注射された(SC群)。両方の研究群で、ハンドヘルド血糖測定器(以下に説明)を使用したグルコースの血中濃度、およびELISA法(以下に説明)を使用した血清インスリンの測定のために、RHI投与後-20~+420分の間に10分間隔で血液サンプルを収集した。
正常血糖クランプ法
正常血糖クランプ法は、ハンドヘルドOneTouch Ultra(登録商標)2血糖測定器(LifeScan,Inc.、Milpitas,CA-Johnson&Johnson Company)を使用して動脈濃度を10分間隔で監視しながら、末梢静脈カニューレから注入された50%デキストロース溶液を漸増することにより、動物の血中グルコース濃度を60~80mg/dlに維持するために使用された。正常血糖クランプは、インビボでインスリン感受性を測定するために広く使用されている方法である(DeFronzo et al.,Am J Physiol.1979 Sep;237(3):E214-23、Bergman et al.,Diabetes Metab.1989 Rev.,5:411-429))。
ヒトインスリンおよび血中グルコースの定量化
RHIのRani群注射または皮下注射(SC)の-20、-10、0分前、およびその後420分間は10分ごとに採血した。サンプルを室温で30分間凝固させた後、3,000rpmで10~15分間4℃で遠心分離した。次いで、血清アリコートを、Human Insulin ELISA Kitおよび製造業者(Alphaが推奨する標準的な動作手順を使用して、RHI濃度の測定のために処理した。
血清サンプル中のヒトインスリンの定量化は、Alpha Diagnostics InternationalのHuman Insulin ELISA(酵素結合免疫吸着測定法)キット(カタログ番号0030N、ロット番号A4262cb)を使用するELISA法を使用して行われた。キット製造業者が提案したSOPを使用した。測定検出範囲は、6.25~100μIU/mlであった。血中グルコース測定は、ハンドヘルド血糖測定器(OneTouch Ultra II)を使用して行われた。
血液サンプリングおよび処理ならびにデータ管理
Diagnostic International Inc.、San Antonio,TX)。測定の検出は、6.25~100μIU/mlの範囲に及んだ。両方の研究群で、以下のデータおよびパラメータ、すなわち、a)血清濃度、ならびにRHI送達と420分後との間のインスリンおよびグルコース(デキストロース濃度の曲線下面積(AUC)、b)RHIのピーク血清濃度(Cmax )、およびc)RHIのピーク血清濃度までの平均時間(Tmax)が測定および比較された。
統計分析
Student’s t-test およびMicrosoft Excelソフトウェアを使用して、Rani群対皮下注射(SC)群で行われた研究測定値を平均±SEMとして比較した。
結果
HRI動物研究からの薬物動態(PK)および薬力学(PD)データならびにパラメータを、表8および9にまとめ、図26~29に例解した。表の値は、平均±SEMとして表されている。Cmax血清濃度は、SC群およびRani群で、それぞれ、342±50pMおよび516±109pMであった。AUCは、SC群およびRani群で、それぞれ、81±10および83±18nmol/L/minで同等であった。Rani群のT-maxは、SC群の227±24分と比較して、139±42分であった。SC群およびRani群の動物の血清HRI濃度レベルを時間に対してプロットし、図26に示す。グルコース(デキストロース)注入速度(PD)を図27に示す。RaniPill群およおびSC群の両方のグルコース注入曲線のAUCは、同等であり、RaniPillを介して送達されたインスリンの生物活性がSCルートと同様に維持されていることを示す。Rani群およびSC群の正常血糖クランプ実験中のPK-PDデータ間の関係を、それぞれ図28および図29に表す。
Figure 2022524446000009
Figure 2022524446000010
結論:1)RHIの生物活性は、空腸壁への送達後、維持された。2)空腸壁経路は、皮下経路と比較して、インスリンのより迅速な生理学的摂取を提供した。3)空腸壁送達後のRHIの薬物動態学的および薬力学的プロファイルは、現在非経口的に投与される基礎インスリンなどの薬物が、本明細書に記載の嚥下可能なカプセルの実施形態を介して、近位腸壁に首尾よく送達され得ることを示している。
実施例4、人体研究
パイロットIRB(Investigational Review Board)研究は、10人の絶食した、および10人の食後の健常ヒトボランティアで実施されて、マイクロニードルまたは薬物ペイロードなしで投与されたが、本明細書に記載のバルーンベースの展開機構を有した嚥下可能なカプセル(RaniPillカプセル)の実施形態の忍容性および安全性を調べた。デバイスは、本明細書に記載されているように、小腸に整列し、展開するように設計された。それはまた、放射線不透過性材料を含み、i)患者のGI管におけるカプセル位置の位置、およびii)バルーン/デバイスが展開されたときの特定を可能にする。連続放射線画像を使用して、胃内のカプセルの滞留時間および小腸内の展開時間を判定した。胃滞留時間および展開時間のデータを、それぞれ、表10および表11に、以下に示す。カプセルの平均胃滞留時間は、食後状態で217±36分、絶食状態で100±79分であったが、腸の展開時間は、両方の群で、ほぼ同じであった(100±40対97±30分)。被験者は、カプセルの通過、展開、または排泄を知覚せず、すべての被験者が、カプセルの残骸を問題なく排泄し、これは、カプセル摂取後72~96時間以内にX線写真で確認された。結果は、カプセル展開または活性化時間(例えば、カプセルが胃を出た後と、小腸に展開された時間との間の時間)を含むカプセル展開は、胃および小腸のうちの一方または両方を含むGI管内の食物の存在によって感知できるほど影響を受けなかったことを示した。本明細書で使用される場合、展開または活性化時間に関して、感知できるほど影響を受けるとは、展開/活性化時間の相違が約20%未満、より好ましくは約10%未満、さらにより好ましくは約5%未満であることを意味する。結果はまた、患者が、カプセルが作動し、小腸に展開するとき(作動および展開には、もう1つのバルーンまたは他の拡張可能なデバイスの拡張が含まれる)を含めて、カプセルがGI管に入る、通過する、または存在することの知覚できるほどの感覚を有しないことを示した。
Figure 2022524446000011
Figure 2022524446000012

Claims (20)

  1. 治療効果量のインスリンを含む治療用調製物であって、前記調製物は、経口摂取後の患者の小腸の壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、前記調製物は、分解して、インスリンを前記腸壁または周囲組織から血流に放出して、皮下注射された用量のインスリンと比較して、約72~129%の範囲の相対的バイオアベイラビリティをもたらす、治療用調製物。
  2. 前記相対的バイオアベイラビリティが、前記皮下注射された用量のインスリンと比較して、約104~129%の範囲にある、請求項1に記載の調製物。
  3. 前記インスリンが、ヒト組換えインスリンである、請求項1に記載の調製物。
  4. 前記放出されたインスリンが、約97~181分の範囲のTmaxを示す、請求項1に記載の調製物。
  5. 前記調製物が、約19.3~19.9RUのインスリンを含む、請求項1に記載の調製物。
  6. 前記調製物の少なくとも一部分が、固体形態である、請求項1に記載の調製物。
  7. 前記調製物が、前記腸壁内で分解して、インスリンを前記血流に放出する、生分解性材料を含む、請求項1に記載の調製物。
  8. 前記調製物が、GI管の内腔壁に貫通し、かつ挿入されるように構成されている、組織貫通部材を含む、請求項1に記載の調製物。
  9. 挿入時に、前記調製物が、分解して、インスリンを前記腸壁または周囲組織から前記血流に放出し、約381~527pM/kg体重/IUのインスリン用量の範囲のインスリンの血漿濃度をもたらす、請求項1に記載の調製物。
  10. インスリンを含む治療用調製物であって、前記調製物は、経口摂取後に患者の腸壁または周囲組織への挿入に適合されており、挿入時に、前記調製物は、分解して、インスリンを前記腸壁または周囲組織から前記患者の血流に放出し、前記放出は、上昇部分および下降部分を有する血漿濃度プロファイルを示し、前記上昇部分は、前記下降部分でインスリンのCmaxレベルからインスリンのリース前レベルまで移行するのにかかる時間よりも、少なくとも約2倍速く、インスリンの前記放出前レベルからインスリンの前記Cmaxレベルに到達する、治療用調製物。
  11. 前記上昇部分が、前記下降部分でインスリンのCmaxからインスリンの前記リース前レベルに移行するのにかかる時間よりも、約3~5倍速い範囲で、インスリンの前記放出前レベルからインスリンの前記Cmaxレベルに到達する、請求項10に記載の調製物。
  12. 前記上昇部分が、前記下降部分でインスリンの前記Cmaxからインスリンの前記リース前レベルに移行するのにかかる時間よりも、約4.5倍速く、インスリンの前記放出前レベルからインスリンの前記Cmaxレベルに到達する、請求項10に記載の調製物。
  13. 前記周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、請求項10に記載の調製物。
  14. 前記インスリンが、ヒト組換えインスリンである、請求項10に記載の調製物。
  15. インスリンを患者に送達するための方法であって、
    固体インスリン投与量を提供することと、
    経口摂取後、前記固体投与量インスリンを前記患者の腸壁または周囲組織に送達することであって、前記インスリンは、前記腸壁または周囲組織の前記固体投与量インスリンから前記患者の血流に放出されて、上昇部分および下降部分を有する血漿濃度プロファイルを生成し、前記上昇部分は、前記下降部分でインスリンのCmaxからインスリンのリース前レベルに移行するまでの時間よりも、少なくとも約2倍速く、インスリンの前記放出前レベルからインスリンの前記Cmaxレベルに到達する、送達することと、を含む、方法。
  16. 前記上昇部分が、前記下降部分でインスリンの前記Cmaxからインスリンの前記リース前レベルに移行するのにかかる前記時間よりも、約3~5倍速い範囲で、インスリンの前記Cmaxレベルに到達する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記放出されたインスリンが、約97~181分の範囲のTmaxを示す、請求項15に記載の方法。
  18. 前記周囲組織が、腹膜または腹膜腔である、請求項15に記載の方法。
  19. 前記インスリンが、ヒト組換えインスリンである、請求項15に記載の方法。
  20. 前記固体投与量インスリンから前記患者の血流に放出された前記インスリンが、皮下注射された用量のインスリンと比較して、少なくとも約60%のインスリンの絶対的バイオアベイラビリティおよび/または約72~129%の範囲の相対的バイオアベイラビリティをもたらす、請求項15に記載の方法。
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