JP2022523417A - 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法 - Google Patents

有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022523417A
JP2022523417A JP2021552687A JP2021552687A JP2022523417A JP 2022523417 A JP2022523417 A JP 2022523417A JP 2021552687 A JP2021552687 A JP 2021552687A JP 2021552687 A JP2021552687 A JP 2021552687A JP 2022523417 A JP2022523417 A JP 2022523417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
preparation
group
weight
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021552687A
Other languages
English (en)
Inventor
レヒナー,トルステン
ローア,クリストフ
ヴァルター,アンドレアス
ティーシース,クラウス-ペーター
シェープゲンス,ユルゲン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Henkel AG and Co KGaA
Original Assignee
Henkel AG and Co KGaA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Henkel AG and Co KGaA filed Critical Henkel AG and Co KGaA
Publication of JP2022523417A publication Critical patent/JP2022523417A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/33Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing oxygen
    • A61K8/34Alcohols
    • A61K8/342Alcohols having more than seven atoms in an unbroken chain
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/30Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds
    • A61K8/58Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic compounds containing atoms other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen, sulfur or phosphorus
    • A61K8/585Organosilicon compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/72Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds
    • A61K8/84Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing organic macromolecular compounds obtained by reactions otherwise than those involving only carbon-carbon unsaturated bonds
    • A61K8/89Polysiloxanes
    • A61K8/896Polysiloxanes containing atoms other than silicon, carbon, oxygen and hydrogen, e.g. dimethicone copolyol phosphate
    • A61K8/898Polysiloxanes containing atoms other than silicon, carbon, oxygen and hydrogen, e.g. dimethicone copolyol phosphate containing nitrogen, e.g. amodimethicone, trimethyl silyl amodimethicone or dimethicone propyl PG-betaine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q5/00Preparations for care of the hair
    • A61Q5/06Preparations for styling the hair, e.g. by temporary shaping or colouring
    • A61Q5/065Preparations for temporary colouring the hair, e.g. direct dyes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q5/00Preparations for care of the hair
    • A61Q5/08Preparations for bleaching the hair
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q5/00Preparations for care of the hair
    • A61Q5/10Preparations for permanently dyeing the hair
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/20Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of the composition as a whole
    • A61K2800/30Characterized by the absence of a particular group of ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/80Process related aspects concerning the preparation of the cosmetic composition or the storage or application thereof
    • A61K2800/805Corresponding aspects not provided for by any of codes A61K2800/81 - A61K2800/95
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/80Process related aspects concerning the preparation of the cosmetic composition or the storage or application thereof
    • A61K2800/88Two- or multipart kits

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

本発明の対象は、下記工程:(1)1以上の有機C1-C6アルコキシシランと水とを混合する工程、(2)工程(1)の反応により放出されたC1-C6アルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および(4)調製物を包装ユニットに充填する工程を含み、工程(4)において得られる調製物中のC1-C6アルコールの総含有量が、該調製物の総重量に基づき10.0重量%以下であることを特徴とする、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の調製方法である。

Description

本発明は、化粧品分野に属し、毛髪処理組成物の製造方法に関する。本発明の方法では、1以上の有機C-Cアルコキシシランを水と反応させ、この反応において放出されたC-Cアルコールをできる限り完全に反応混合物から除去する。さらなる工程として、本発明の方法は、1以上の化粧品成分をこの調製物に添加することを任意に含んでよく、調製物を包装ユニットに充填することを含む。
第二の対象は、上記方法により調製された包装ユニットにおける調製物を含んでなる、ケラチン物質を処理するための剤である。
本発明の第三の対象は、2つの包装ユニットに別個に包装された化粧品調製物(A)および(B)を含む、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(キット)であって、化粧品調製物(A)が本発明の第一の対象における組成物であり、化粧品調製物(B)は少なくとも1つの着色化合物を含む、多成分包装ユニットである。
ケラチン繊維、特に毛髪の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野である。毛髪の色を変えるため、当業者には、着色の要求に応じた様々なカラーリング系が知られている。良好な堅牢性および良好な白髪カバー性を伴った長期的な強い染色のためには、通常、酸化染料が使用される。このような染料は通常、酸化染料前駆物質(いわゆる顕色成分)および発色成分を含み、これらは、過酸化水素などの酸化剤の影響を受けて、互いに実際の染料を生成する。酸化染料は、非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
直接染料を使う場合、既に調製された染料が着色剤から毛髪繊維に拡散する。酸化染毛と比べて、直接染料を用いて得られた染色物は、色の保持時間が短く、より迅速な洗浄性を有する。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間、毛髪に残留する。
毛髪および/または皮膚の色を短期間変えるため、着色顔料の使用が知られている。着色顔料は、一般的には、不溶性の着色物質と理解されている。着色顔料は、小粒子として染料組成物中に溶解せずに存在し、外部から毛髪繊維および/または皮膚の表面にもっぱら付着する。従って、着色顔料は通常、界面活性剤を含む洗剤で数回洗えば、残留することなく再び除去され得る。このタイプの製品は、「ヘアマスカラ」の名称で様々なものが市販されている。
特に長持ちする染色物を使用者が望む場合は、これまで酸化染料を使うしかなかった。しかし、多くの最適化を試みても、酸化染毛ではアンモニアまたはアミンの不快な臭いを完全に回避することはできない。また、酸化染料の使用に伴う毛髪の損傷は、使用者の毛髪にも悪影響を及ぼす。
EP 2168633 B1では、顔料を用いた長持ちするヘアカラーの製造方法が扱われている。同文献では、顔料、有機ケイ素化合物、疎水性ポリマーおよび溶媒の組み合わせを毛髪で用いる場合、シャンプーに対する耐性が特に高い着色を可能にすることが教示されている。
EP 2168633 B1において使用されている有機ケイ素化合物は、アルコキシシラン類の反応性化合物である。これらのアルコキシシランは、水の存在下、迅速に加水分解され、それぞれの場合に使用されているアルコキシシランおよび水の量に応じて、加水分解生成物および/または縮合生成物を生成する。この反応に使用される水の量が、加水分解生成物または縮合生成物の特性に与える影響は、例えばWO 2013/068979 A2に記載されている。
これらの加水分解生成物または縮合生成物をケラチン物質に適用すると、ケラチン物質上にフィルムまたは被覆が形成され、これがケラチン物質を完全に包み込み、このようにしてケラチン物質の特性に強く影響が及ぼされる。考えられる応用分野には、ケラチン繊維の長期的スタイリングまたは長期的形状変更が包含される。この方法では、ケラチン繊維は、所望の形状に力学的に成形された後、上述の被覆の形成によりその形状に固定される。別の特に適当な応用は、ケラチン物質の着色であり、この応用では、被覆またはフィルムは着色化合物、例えば顔料の存在下で形成される。顔料により着色されたフィルムがケラチン物質またはケラチン繊維の上に残留し、驚くほど耐洗浄性のある発色が得られる。
アルコキシシランベースの染色原理の大きな利点は、この種の化合物の高い反応性により非常に迅速な被覆が可能なことである。これは、僅か数分という短い適用時間の後に、非常に良好な着色結果が得られることを意味する。しかし、これらの利点に加えて、アルコキシシランの高い反応性は、幾つかの欠点の原因にもなる。例えば、湿度および/または温度の変化などの製造および適用条件が僅かに変わるだけで、生成物の性能が急激に変化することがある。最も重要なことに、本発明に至る検討によって、アルコキシシランがケラチン処理剤の製造において遭遇する条件に極めて敏感であることが明らかになった。
分析の結果、様々なシラン混合物およびブレンドの調製中に複雑な加水分解および縮合反応が起こり、選択した反応条件に応じて異なる分子サイズのオリゴマー生成物が生じることが分かった。これに関連して、これらのシランオリゴマーの分子量が、その後の製品特性に大きな影響を与え得ることが見出された。製造時に誤った条件を選択すると、大きすぎたり小さすぎたりするシラン縮合生成物が生じ、これは、その後の製品性能、特に後のケラチン物質に対する染色能力に悪影響を及ぼし得る。
EP 2168633 B1 WO 2013/068979 A2
本発明の課題は、ケラチン処理剤を製造するための最適な方法を見つけることである。この方法で使用されるアルコキシシランは、後の適用において最適な適用特性が得られることが意図された方法で製造される。特に、この方法により製造された剤は、向上した染色性能を有するはずである。即ち、染色工程で使用した場合、より高い色強度および向上した堅牢性、特に向上した洗浄堅牢性および向上した摩擦堅牢性を有する染色物が得られるはずである。
意外なことに、有機C-Cアルコキシシランを選択的に加水分解する製造方法を選択し、この反応で放出されたC-Cアルコールを反応混合物から可能ン限り除去すると、この課題を見事に解決できることが見出された。必要に応じて、このように調製した組成物に化粧品成分を添加してよい。次いで、包装ユニットへの充填を実施する。
本発明の第一の対象は、下記工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含み、工程(4)において得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、該調製物の総重量に基づき10.0重量%以下であることを特徴とする、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の調製方法である。
本発明の方法により調製された毛髪処理組成物を染色工程で使用すると、特に優れた被覆性、摩擦堅牢度および洗浄堅牢度を有する非常に強く均一な発色が得られることが分かった。
<ケラチン物質の処理剤>
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば、手指の爪および/または足指の爪)を包含する。羊毛、毛皮および羽毛も、ケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚およびヒトの爪、特に、手指の爪および足指の爪であると理解される。ケラチン物質は、ヒトの毛髪であると理解される。
ケラチン物質の処理剤は、例えば、ケラチン物質を着色するための手段、ケラチン物質(特にケラチン繊維)の形状を再変更若しくは変更するための手段、またはケラチン物質をコンディショニングまたはケアするための手段を意味すると理解される。本発明の方法によって調製される剤は、ケラチン物質、特にケラチン繊維(好ましくはヒトの毛髪)を着色するのに特に適している。
本明細書において、用語「着色剤」は、サーモクロミックおよびフォトクロミック染料、顔料、雲母、直接染料および/または酸化染料などの着色剤を用いることでもたらされる、ケラチン物質(毛髪)の着色を意味するために使用される。この染色方法では、着色化合物は、ケラチン物質の表面上の特に均一で滑らかなフィルム内に堆積するか、またはケラチン繊維内に拡散する。フィルムは、有機ケイ素化合物のオリゴマー化または縮合によってイン・サイチュで形成され、着色化合物は、このフィルムまたは被覆と相互作用するか、またはそれに組み込まれる。
<C-Cアルコキシシランと水との混合>
本発明の方法の工程(1)は、反応、即ち、1以上の有機C-Cアルコキシシランと水との反応を含む。この反応を開始するため、C-Cアルコキシシランを水と混合する。
換言すると、本発明の第一の対象は、下記工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる工程、
(2)工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程、
を含み、工程(4)において得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、該調製物の総重量に基づき10.0重量%以下であることを特徴とする、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法である。
有機C-Cアルコキシシランは、1個、2個または3個のケイ素原子を含むシランの群から好ましくは選択される、有機の非ポリマーケイ素化合物である。
オルガノシリコン化合物とも称される有機ケイ素化合物は、ケイ素-炭素直接結合(Si-C)を有する化合物、または炭素が酸素、窒素若しくは硫黄原子を介してケイ素原子に結合している化合物である。本発明における有機ケイ素化合物は、好ましくは、1~3個のケイ素原子を含む化合物である。有機ケイ素化合物は、好ましくは、1個または2個のケイ素原子を含む。
IUPAC法によると、用語「シラン」は、ケイ素骨格および水素に基づく化合物である。有機シランでは、水素原子の全てまたは一部が、(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基などの有機基により置換されている。
本発明におけるC-Cアルコキシシランの特徴は、少なくとも1つのC-Cアルコキシ基がケイ素原子に直接結合していることである。従って、本発明におけるC-Cアルコキシシランは、少なくとも1つの構造単位R'R''R'''Si-O-(C-Cアルキル)[ここで、基R'、R''およびR'''は、ケイ素原子の3つの残存する結合原子価を表す]を含む。
ケイ素原子に結合した1以上のC-Cアルコキシ基は非常に反応性が高く、水の存在下で迅速に加水分解され、その反応速度は、特に一分子当たりの加水分解性基の数に依存する。加水分解性C-Cアルコキシ基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は好ましくは構造単位R'R''R'''Si-O-CH-CHを含む。基R'、R''およびR'''は、ケイ素原子の3つの残存する自由原子価を表す。
非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される1以上の有機C-Cアルコキシシランを水と反応させ、この有機ケイ素化合物は1以上の塩基性化学基をさらに含むことを特徴とする。
この塩基性基は、例えば、アミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であり得、好ましくは、リンカーを介してケイ素原子に結合している。好ましくは、塩基性基は、アミノ基、C-Cアルキルアミノ基またはジ(C-C)アルキルアミノ基である。
本発明の非常に特に好ましい方法は、(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合し、有機C-Cアルコキシシランは1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランの群から選択され、C-Cアルコキシシランは1以上の塩基性化学基をさらに含むことを特徴とする。
特に良好な結果は、本発明の方法において式(I)および/または(II)で示されるC-Cアルコキシシランを用いる場合に得られる。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(1)式(I)および/または(II):
式(I):
Figure 2022523417000001
[式中、
・R、Rは、独立して水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
・Lは、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基であり、
・RおよびRは、互いに独立してC-Cアルキル基を表し、
・aは1~3の整数を表し、
・bは整数3-aを表す]
式(II):
Figure 2022523417000002
[式中、
・R、R5'、R5''、R、R6'およびR6''は独立して、C-Cアルキル基を表し、
・A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表し、
・RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
Figure 2022523417000003
で示される基を表し、
・cは、1~3の整数を表し、
・dは、整数3-cを表し、
・c'は、1~3の整数を表し、
・d'は、整数3-c'を表し、
・c''は、1~3の整数を表し、
・d''は、整数3-c''を表し、
・eは、0または1を表し、
・fは、0または1を表し、
・gは、0または1を表し、
・hは、0または1を表し、
・e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる]
で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上と水とを混合することを特徴とする。
式(I)および(II)で示される化合物における置換基R、R、R、R、R、R'、R''、R、R'、R''、R、R、L、A、A’、A''、A'''およびA''''の例を以下に示す。
-Cアルキル基の例は、基メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルである。プロピル、エチルおよびメチルが、好ましいアルキル基である。C-Cアルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC-Cアルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC-Cアルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC-Cアルキル基の例は、アミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖二価のC-C20アルキレン基の例には、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が包含される。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。3C原子の鎖長から、二価のアルキレン基が分岐していてもよい。分岐二価のC-C20アルキレン基の例は、(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
式(I):
Figure 2022523417000004
で示される有機ケイ素化合物において、基RおよびRは、相互に独立して水素原子またはC-Cアルキル基を表す。特に好ましくは、基RおよびRは、共に水素原子を表す。
有機ケイ素化合物の中央部には、構造単位またはリンカー-L-が存在し、これは、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。二価のC-C20アルキレン基は、代替的に二価または二価C-C20アルキレン基と称されることがあり、これにより、各-L原子団が2つの結合を形成し得ることが意味されている。
好ましくは、-L-は、直鎖二価のC-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、-L-は、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表す。特に好ましい-L-は、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。Lは、プロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
式(I):
Figure 2022523417000005
で示される有機ケイ素化合物は、一端にケイ素含有基-Si(OR(Rを有する。
末端構造単位-Si(OR(Rにおいて、RおよびRは独立してC-Cアルキル基を表し、特に好ましくは、RおよびRは独立してメチル基またはエチル基を表す。
ここで、aは、1~3の整数を表し、bは、整数3-aを表す。aが数3を表す場合、bは0に等しい。aが数2を表す場合、bは1に等しい。aが数1を表す場合、bは2に等しい。
工程(1)において式(I)[式中、基RおよびRは相互に独立してメチル基またはエチル基を表す]で示される少なくとも1つの有機C-Cアルコキシシランを水と混合する、即ち反応させると、特に優れた特性を有するケラチン処理剤を調製することができる。
また、工程(1)において式(I)[式中、aは数3を表す]で示される少なくとも1つの有機C-Cアルコキシシランを水と反応させると、最高の洗浄堅牢度を有する染色物が得られる。この場合、残りのbは数0を表す。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、式(I)[式中、RおよびRは相互に独立してメチル基またはエチル基を表し、aは数3を表し、bは数0を表す]で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上と水とを混合することを特徴とする。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、式(I)および/または(II):
Figure 2022523417000006
[式中、
・R、Rは、共に水素原子を表し、
・Lは、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rは、エチル基またはメチル基を表し、
・Rは、メチル基またはエチル基を表し、
・aは数3を表し、
・bは数0を表す]
で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上と水とを混合する、または反応させることを特徴とする。
本発明の課題を解決するのに特に適している式(I)で示される有機ケイ素化合物は、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022523417000007
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022523417000008
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022523417000009
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2022523417000010
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
Figure 2022523417000011
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
Figure 2022523417000012
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
Figure 2022523417000013
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン
Figure 2022523417000014
である。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、
・ (3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・ (3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・ 1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・ (2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・ (2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・ 1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・ (3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・ (3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・ 1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・ (2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・ (2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
・ 1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
からなる群から選択される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する、または反応させることを特徴とする。
式(I)で示される有機ケイ素化合物は市販されている。(3-アミノプロピル)トリメトキシシランは例えばSigma-Aldrichから購入できる。(3-アミノプロピル)トリエトキシシランもまた、Sigma-Aldrichから市販されている。
本発明の方法の別の実施態様では、式(II):
Figure 2022523417000015
で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上を、工程(1)において、水と混合してもよく、または反応させてもよい。
本発明に従った式(II)で示されるオルガノシリコン化合物は、両端それぞれに、ケイ素含有基(RO)(RSi-および-Si(R')d'(OR')c'を有する。
式(II)で示される分子の中央部には、基-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-が存在する。ここで、e、f、gおよびhのそれぞれは、相互に独立して、数0または1であり、e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる。換言すれば、本発明に従った式(II)で示される有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-からなる群から選択される原子団を少なくとも1つ含む。
2つの末端構造単位(RO)(RSi-および-Si(R')d'(OR')c'において、基R、R'、R''は、独立してC-Cアルキル基を表す。基R、R'およびR''は、独立してC-Cアルキル基を表す。
ここで、aは、1~3の整数を表し、dは、整数3-cを表す。cが数3を表す場合、dは0に等しい。cが数2を表す場合、dは1に等しい。cが数1を表す場合、dは2に等しい。
同様に、c’は、1~3の整数を表し、d’は、整数3-c’を表す。c’が数3を表す場合、d’は0である。c’が数2を表す場合、d’は1である。c’が数1を表す場合、d’は2である。
cおよびc’が共に数3を表す場合、最高の洗浄堅牢度を有する染色物が得られる。この場合、dおよびd’は、共に数0を表す。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、式(II):
Figure 2022523417000016
[式中、
・RおよびR'は独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・cおよびc'は、共に数3を表し、
・dおよびd'は、共に数0を表す]
で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上と水とを混合する、または反応させることを特徴とする。
cおよびc'が共に数3であり、dおよびd'が共に数0である場合、本発明における有機ケイ素化合物は、式(IIa):
Figure 2022523417000017
に相当する。
e、f、gおよびhは独立して、数0または1を表してよく、e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる。従って、記号e、f、gおよびhは、原子団-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-のいずれが、式(II)で示される有機ケイ素化合物の中央部に存在しているか、を規定している。
本発明では、特定の原子団の存在が、洗浄堅牢な染色結果の実現に特に有利であることが見出された。特に良好な結果は、e、f、gおよびhの少なくとも2つが数1を表す場合に得られる。特に好ましくは、eおよびfは共に数1を意味する。さらに、gおよびhは共に数0を意味する。
eおよびfが共に数1を表し、gおよびhが共に数0である場合、本発明における有機ケイ素化合物は、式(IIb):
Figure 2022523417000018
に相当する。
基A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表す。好ましくは、基A、A'、A''、A'''およびA''''は相互に独立して、直鎖二価のC-C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、基A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表す。
二価C-C20アルキレン基は、代替的に二価または二価C-C20アルキレン基と称されることがあり、これは、各原子団A、A'、A''、A'''およびA''''が2つの結合を形成し得ることを意味する。
特に、基A、A'、A''、A'''およびA''''は相互に独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。特に、基A、A'、A''、A'''およびA''''は、プロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
fが数1を表す場合、本発明に従った式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造原子団-[NR-(A')]-を含む。
fが数1を表す場合、本発明に従った式(II)で示される有機ケイ素化合物は、構造原子団-[NR-(A''')]-を含む。
式中、RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
Figure 2022523417000019
で示される基を表す。
極めて好ましくは、基RおよびRは相互に独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される原子団を表す。
fが数1を表し、hが数0を表す場合、本発明における有機ケイ素化合物は、原子団-[NR-(A')]-を含むが、原子団-[NR-(A''')]-を含まない。基Rが式(III)で示される原子団を表す場合、予備処理剤(a)は、3個の反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、式(II):
Figure 2022523417000020
[式中、
・eおよびfは、共に数1を表し、
・gおよびhは、共に数0を表し、
・AおよびA'は独立して、直鎖二価のC-Cアルキレン基を表し、
・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される基を表す]
で示される有機C-Cアルコキシシランの1以上と水とを反応させることを特徴とする。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、式(II)[式中、
・eおよびfは、共に数1を表し、
・gおよびhは、共に数0を表し、
・AおよびA'は相互に独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)またはプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表し、
・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)で示される基を表す]
で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する、または反応させることを特徴とする。
本発明の課題を解決するのに適した式(II)で示される有機ケイ素化合物は、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000021
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000022
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000023
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000024
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2022523417000025
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
Figure 2022523417000026
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000027
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
Figure 2022523417000028
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022523417000029
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
Figure 2022523417000030
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022523417000031
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
Figure 2022523417000032
である。
式(II)で示される有機ケイ素化合物は、市販されている。
CAS番号82985-35-1を有するビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンは、Sigma-Aldrichから購入できる。
CAS番号13497-18-2を有するビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えば、Sigma-Aldrichから購入できる。
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、別名ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも称され、Sigma-AldrichまたはFluorochemから市販品として購入できる。
CAS番号18784-74-2を有する3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えば、FluorochemまたはSigma-Aldrichから購入できる。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および/または
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群から選択され、式(II)で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる、または混合することを特徴とする。
別の染色試験では、式(IV):
Figure 2022523417000033
で示される少なくとも1つの有機C-Cアルコキシシランを本発明の方法において用いた場合に、特に有利であることが見出された。
式(IV)で示される化合物は、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、該有機ケイ素化合物は、一分子当たり1個以上の加水分解性基を含む。
式(IV):
Figure 2022523417000034
[式中、
・Rは、C-C12アルキル基を表し、
・R10は、C-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、整数3-kを表す]
で示される有機ケイ素化合物はまた、アルキル-C-C-アルコキシシラン型のシランとも称される。
別の実施態様では、本発明の特に好ましい方法は、
(1)式(IV):
Figure 2022523417000035
[式中、
・Rは、C-C12アルキル基を表し、
・R10は、C-Cアルキル基を表し、
・R11は、C-Cアルキル基を表し、
・kは、1~3の整数であり、
・mは、整数3-kを表す]
で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合することを特徴とする。
式(IV)で示される有機C-Cアルコキシシランにおいて、基Rは、C-C12アルキル基を表す。このC-C12アルキル基は、飽和しており、直鎖または分岐であってよい。好ましくはRは、直鎖C-Cアルキル基を表す。好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基またはn-ドデシル基を表す。特に好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、ヘキシル基またはn-オクチル基を表す。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、基R10はC-Cアルキル基を表す。R10はメチル基またはエチル基を表す。
式(IV)で示される有機ケイ素化合物において、基R11はC-Cアルキル基を表す。R11はメチル基またはエチル基を表す。
さらに、kは、1~3の整数を表し、mは、整数3-kを表す。kが数3を表す場合、mは0に等しい。kが数2を表す場合、mは1に等しい。kが数1を表す場合、mは2に等しい。
本発明の調製物の製造において、kが数3を表す式(IV)で示される有機ケイ素化合物を少なくとも1つ用いる場合、最高の洗浄堅牢度を有する染色物が得られる。この場合、残りのmは数0である。
本発明の課題の解決に特に適した式(IV)で示される有機ケイ素化合物は、
・メチルトリメトキシシラン
Figure 2022523417000036
・メチルトリエトキシシラン
Figure 2022523417000037
・エチルトリメトキシシラン
Figure 2022523417000038
・エチルトリエトキシシラン
Figure 2022523417000039
・n-ヘキシルトリメトキシシラン(ヘキシルトリメトキシシランとしても知られている)
Figure 2022523417000040
・n-ヘキシルトリエトキシシラン(ヘキシルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2022523417000041
・n-オクチルトリメトキシシラン(オクチルトリメトキシシランとしても知られている)
Figure 2022523417000042
・n-オクチルトリエトキシシラン(オクチルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2022523417000043
・n-ドデシルトリメトキシシラン(ドデシルトリメトキシシランとしても知られている)、および/または
Figure 2022523417000044
・n-ドデシルトリエトキシシラン(ドデシルトリエトキシシランとしても知られている)
Figure 2022523417000045
である。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)において、
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・ドデシルトリメトキシシランおよび/または
・ドデシルトリエトキシシラン
からなる群から選択され、式(IV)で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する、または反応させることを特徴とする。
さらに、本発明の工程(1)において、式(I)の少なくとも1つの有機C-Cアルコキシシランおよび式(IV)の少なくとも1つの有機C-Cアルコキシシランを水と混合することが特に好ましいことが見出された。
本発明の方法は、この目的に適した反応容器または反応器で実施できる。所望のアプローチ寸法に応じて、この目的のために、様々な先行技術モデルが知られており、市販されている。
例えば、有機C-Cアルコキシシランと水との反応は、反応容器または反応器において、好ましくは二重壁反応器、外部熱交換器を備えた反応器、管状反応器、薄膜蒸発器を備えた反応器、流下膜式蒸発器を備えた反応器、および/または付属凝縮器を備えた反応器において実施できる。
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(1)反応容器または反応器において、好ましくは二重壁反応器、外部熱交換器を備えた反応器、管状反応器、薄膜蒸発器を備えた反応器、流下膜式蒸発器を備えた反応器、および/または付属凝縮器を備えた反応器において、1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合することを特徴とする。
少量の調製に非常に適した反応容器は、例えば、化学反応によく使われている1リットル容、3リットル容または5リットル容のガラス製フラスコ、例えば、すり合わせ共栓付きの3リットル容の一口フラスコまたは多口フラスコである。
反応器は、ある反応が起こって所定の条件下で制御されるよう特に設計および製造された狭い空間(コンテナ、容器)である。
より大きいアプローチでは、金属製反応器での反応の実施が有利であることが見出された。典型的な反応器は、例えば、10リットル、20リットルまたは50リットルの容量を含み得る。製造地域のためのより大きな反応器は、100リットル、500リットルまたは1000リットルの充填容量を含むこともできる。
二重壁反応器は、2つの反応器シェルまたは反応器壁を有し、2つの壁の間の領域に温度調節流体が循環する。これにより、温度を必要な値に特に良好に調節できる。
また、反応器、特に熱交換面を大きくした二重壁反応器の使用が特に適していることが見出された。これにより、熱交換を、内部設置により、または外部熱交換器を用いて、行うことができる。
対応する反応器は、例えば、IKA社のラボラトリー反応器である。ここでは、モデル「LR-2.ST」またはモデル「magic plant」が挙げられる。
使用できるその他の反応器は、薄膜蒸発器を備えた反応器である。その理由は、特に優れた熱放散を可能にし、従って、特に正確な温度制御ができるからである。薄膜蒸発器は、代替的に薄膜エバポレーターとも称される。薄膜蒸発器は、例えば、旭硝子株式会社から商業的に購入できる。
流下膜式蒸発器を備えた反応器では、蒸発は一般的に管内で行われる。即ち、蒸発させる液体(即ち、この場合は、工程(2)で除去するC-Cアルコール)は、連続した液膜として流れる。流下膜式蒸発器を備えた反応器も、様々な供給業者から商業的に入手できる。
工程(1)で行われる、有機C-Cアルコキシシランと水との反応は、様々な方法で起こり得る。反応は、C-Cアルコキシシランが混合により水と接触すると直ちに開始する。1つの可能性は、所望の量の水を反応容器または反応器に入れ、次に、それまたはC-Cアルコキシシランを加えることである。
別の実施態様では、まず、1以上の有機C-Cアルコキシシランを反応容器または反応器に導入し、その後、所望の量の水を加えることも可能である。
-Cアルコキシシランと水とが接触すると直ちに、下記スキーム(例として3-アミノプロピルトリエトキシシランを用いた反応スキーム)に従って発熱性の加水分解反応が起こる。
Figure 2022523417000046
また、シラン一分子当たりの加水分解性C-Cアルコキシ基の数に応じて、使用するC-Cアルコキシシラン1個当たり何回かの加水分解反応が起こり得る。
Figure 2022523417000047
または
Figure 2022523417000048
加水分解反応は発熱性であるため、水と有機C-Cアルコキシシランとの反応混合物を撹拌または混合して放熱性を向上させることが特に有利であることが見出された。
水は、連続して、分割して、または総量として直接、添加できる。適当な温度制御を確実に行うため、好ましくは、反応混合物を冷却する、および/または水の添加量および添加速度を調節する。用いるシランの量に依存するが、添加および反応は2分から72時間の間に実施してよい。
ケラチン物質上に特に優れた被覆を製造する剤を調製するためには、工程(1)において不足当量の水を用いることが明らかに非常に好ましいことが見出された。この場合、用いる水の量は、Si原子上に存在する加水分解性C-Cアルコキシ基、即ちアルコキシシラン基の全てを加水分解するために理論的に必要とされる量より少ない。従って、有機C-Cアルコキシシランの部分加水分解が特に好ましい。
有機C-Cアルコキシシランに対する水の化学量論比は、物質当量の水の量(S-W)により定義でき、下記式:
S-W=(モル(水))/{(モル(シラン)×n(アルコキシ)}
[式中、S-W=水のモル当量、
モル(水)=使用される水のモル量、
モル(シラン)=反応に使用されるC-Cアルコキシシランの総モル量、
n(アルコキシ)=C-Cアルコキシシラン1個当たりのC-Cアルコキシ基の数]
に従って計算される。
換言すると、水のモル当量は、使用されるC-Cアルコキシシランに存在する加水分解性C-Cアルコキシ基の総モル数に対する、使用される水のモル量のモル比である。
別の特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(1)有機C-Cアルコキシシランと、0.10~0.80モル当量、好ましくは0.15~0.70モル当量、より好ましくは0.20~0.60モル当量、最も好ましくは0.25~0.50モル当量の水とを混合し、ここで、水のモル当量(S-W)は下記式:
S-W=(モル(水))/{(モル(シラン)×n(アルコキシ)}
[式中、S-W=水のモル当量、
モル(水)=使用される水のモル量、
モル(シラン)=反応に使用されるC-Cアルコキシシランの総モル量、
n(アルコキシ)=C-Cアルコキシシラン1個当たりのC-Cアルコキシ基の数]
に従って計算することを特徴とする。
<例>
反応容器において、20.0gの3-アミノプロピルトリエトキシシラン(C23NOSi=221.37g/mol)および50.0gのメチルトリメトキシシラン(C12Si=136.22g/mol)を混合した。
20.0gの3-アミノプロピルトリエトキシシラン=0.0903mol(一分子当たり3個の加水分解性アルコキシ基)
50.0gのメチルトリメトキシシラン=0.367mol(一分子当たり3個の加水分解性アルコキシ基)
次いで、10.0gの水(18.015g/mol)を、撹拌しながら添加した。
10.0gの水=0.555mol
質量当量の水=0.555mol/[(3×0.090mol)+(3×0.367mol)]=0.40
この反応では、用いたC-Cアルコキシシランは、0.40当量の水と反応した。
特に高性能なケラチン処理剤を製造するためには、工程(1)において、特定の温度範囲を維持することが非常に有利であることが見出された。
これに関連して、工程(1)において最低温度を20℃にすることが、加水分解を十分な速度で進行させ、効率的な反応制御を確実にするのに特に適していることが見出された。
しかし、一方では、反応混合物を70℃より高い温度に加熱することは絶対に回避しなければならない。高すぎる温度で製造を行うと、おそらく、望ましくないまたは過剰な重合または縮合反応がこの時点で起こり、その結果、後の剤適用の際にケラチン物質に付着するフィルムを形成できなくなる。従って、高すぎる温度で製造された剤を染色方法で用いると、十分高度な色強度を得ることはできない。
この理由から、方法の工程(1)において、1以上のC-C有機アルコキシシランと水との反応は、20~70℃の温度で実施すべきである。
ここで示す温度範囲は、C-Cアルコキシシランと水との混合物を調節すべき温度を意味する。この温度は、例えば、校正された温度計をこの混合物の中に突出させることにより測定できる。好ましくは、1以上の有機C-Cアルコキシシランと水との反応は、20℃~70℃、好ましくは20~65℃、より好ましくは20~60℃、さらにより好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、最も好ましくは20~45℃の温度で起こる。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを、20℃~70℃、好ましくは20~65℃、より好ましくは20~60℃、さらにより好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、最も好ましくは20~45℃の温度で混合することを特徴とする。
好ましいおよび特に好ましい温度範囲への調節は、反応容器または反応器の温度を調節することにより実施できる。例えば、反応容器または反応器は、例えば水浴またはシリコーンオイル浴であってよい温度制御浴によって外側から囲まれていてもよい。
二重壁反応器において反応を行う場合は、反応室を囲む2つの壁によって形成される空間に、温度制御された液体を通すこともできる。
反応混合物の積極的な加熱を行わないこと、および工程(1)において周囲環境を超えた温度上昇が加水分解の発熱によってのみもたらされることがさらに好ましい場合がある。工程(1)において発熱反応工程により反応混合物が加熱されすぎると、再び冷却しなければならない。
有機C-Cアルコキシシランと水との反応は、好ましくは常圧で、即ち1013mbar(1013hPa)の圧力で実施する。
<工程(1)において発生したC-Cアルコールの反応混合物からの除去>
本発明の方法の工程(2)は、工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする。
ここで、工程(4)の後に得られる最終調製物中のC-Cアルコールの総含有量が8.0重量%の値を下回るように、反応混合物からC-Cアルコールを可能な限り完全に除去することが不可欠であることがわかった。
比較染色試験においては、過剰な残留量のC-Cアルコールの存在が、その後に調製物をケラチン物質に適用した際に、染色性能および色強度に悪影響を与えることが見出された。
先に記載した通り、C-Cアルコキシシランの加水分解により対応するC-Cアルコールが放出され、これは、工程(2)において反応混合物から除去でき、従って、反応平衡から除外される。
-Cアルコールは、工程(1)において起こったその放出の後にしか反応混合物から除去できないので、方法の工程(2)は、好ましくは工程(1)の後に行う。ここで、C-Cアルコールの除去は、工程(1)における加水分解の後に直接実施できる。しかし、別の実施態様では、まず、化粧品成分を添加し(本発明の方法の工程(3)に相当)、次いで、C-Cアルコールの除去(工程(2))を実施できる。
或いは、様々な実施態様では、工程(2)を工程(1)における加水分解と同時に実施してよい。このような実施態様では、水の添加前から、水の添加開始時、または予定総量の5~20重量%の水の添加後に、C-Cアルコールの除去が既に開始されており、即ち、場合により減圧下で、蒸留が開始されている。
-Cアルコールの除去に起因して、縮合反応に有利なように反応平衡がシフトする。縮合反応では、(一部)加水分解されたC-Cアルコキシシランに存在するSi-OH基が、水の除去に伴って、別のSi-OH基または別のC-Cアルコキシシラン基と反応できる。
そのような反応は、例えば下記スキームに従って進行し得る。
Figure 2022523417000049

Figure 2022523417000050
一部加水分解されたC-Cアルコキシシランおよび完全に加水分解されたC-Cアルコキシシランの両方が、まだ反応していない一部または完全に加水分解されたC-Cアルコキシシランと縮合する縮合反応に関与できる。
上記の例示的反応スキームでは、二量体への縮合が示されているが、オリゴマーと複数のケイ素原子との縮合も可能であり、好ましい。
また、様々な構造のC-Cアルコキシシランの縮合も可能であり、例えば、式(I)で示されるC-Cアルコキシシランは式(IV)で示されるC-Cアルコキシシランと縮合できる。
方法の工程(2)において、放出されたC-Cアルコールを反応混合物から十分に除去しないと、上記反応平衡がモノマー化合物の側に戻ってしまう可能性がある。この逆反応は、十分に高い分子量を有するオリゴマーシラン縮合物の生成を阻害する。これは、後に調製物をケラチン物質に適用した際、形成されたフィルムまたは被覆の低すぎる色強度およびより低い耐久性を招く。
本発明の方法では、放出されたC-Cアルコールは可能な限り完全に除去する。特に反応混合物を加熱しすぎない場合、少量のC-Cアルコールが反応混合物に常に残留するので、全てのC-Cアルコールの完全な除去を実現するのは困難である。しかし、工程(4)において得られた最終調製物中のC-Cアルコールの総含量が、調製物の総重量に基づいて10.0重量%以下となることを維持できるよう、方法の工程(2)において、可能な限り完全にC-Cアルコールを除去することが不可欠である。
縮合反応の程度は、工程(1)において添加した水の量によりある程度決められる。縮合が部分縮合となるような水の量が好ましい。本明細書において「部分縮合」とは、存在するシランの縮合性基の全てが互いに反応しないので、得られる有機ケイ素化合物が、一分子当たり平均して少なくとも1つの加水分解性/縮合性基をなお有していることを意味する。
さらに、工程(2)においてC-Cアルコールを反応混合物から除去する温度が、後のヘアトリートメント製品の性能に大きな影響を与える要因となることも見出された。
これに関連して、70℃を超える過度に高い温度により、後のケラチン処理の際にケラチン物質上に閉塞した耐性のあるフィルムとして堆積するには大きすぎる高分子量の生成物の方へ、縮合がシフトすると考えられる。このため、C-Cアルコールを反応混合物から除去する際は、20~70℃の温度範囲を維持することが特に好ましい。
工程(1)における反応により放出されたC-Cアルコールを除去する際は、20℃~70℃、好ましくは20~65℃、より好ましくは20~60℃、さらにより好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、最も好ましくは20~45℃の温度範囲に維持することが特に好ましい。
工程(2)におけるこの特定の温度範囲もまた、C-Cアルコキシシランを反応混合物から除去する際に反応混合物を調節すべき温度を意味する。この温度は、例えば、校正された温度計をこの混合物の中に突出させることにより測定できる。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(2)20℃~70℃、好ましくは20~65℃、より好ましくは20~60℃、さらに好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、最も好ましくは20~45℃の温度で、工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする。
方法の工程(2)では、本発明に従う好ましい温度範囲の設定を、例えば、反応容器または反応器を加熱若しくは冷却することにより、例えば、反応容器を加熱マントル内に配置することにより、または温度制御された浴を用いて外側から反応容器を囲むことにより実施できる。温度調節浴は、例えば水浴またはシリコーンオイル浴であってよい。
二重壁反応器において反応を行う場合は、反応室を囲む2つの壁によって形成される空間に、温度制御された液体を通すこともできる。
方法の工程(2)では、好ましい温度範囲を超えず、放出されたC-Cアルコールを最も完全に除去することを確実にするために、C-Cアルコールを好ましくは(常圧と比べて)減圧下で除去する。これに関連して、蒸留装置を用いて反応混合物からC-Cアルコールを蒸留することが特に有利であることが見出された。この蒸留時、圧力を、好ましくは10~900mbar、より好ましくは10~800mbar、さらにより好ましくは10~600mbar、最も好ましくは10~300mbarに設定する。
真空蒸留は、通常市販されている真空ポンプおよび蒸留装置を使用できる、一般的な化学的方法である。蒸留装置は、反応容器または反応器に取り付けることができる。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(2)10~900mbar、より好ましくは10~800mbar、さらにより好ましくは10~600mbar、最も好ましくは10~300mbarの圧力で蒸留することにより、工程(1)における反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする。
工程(1)における反応により放出されたC-Cアルコールの最も完全な除去を確実にする別の方法は、ある最短時間、蒸留を実施することである。蒸留の時間は、本発明の方法において選択される調製の規模によってある程度決まる。しかし、50kgまで、好ましくは20kgまでの通常のバッチサイズでは、上記した温度および圧力の条件の調整を伴って、少なくとも90分間、好ましくは少なくとも120分間、更に好ましくは少なくとも150分間、非常に特に好ましくは少なくとも180分間、蒸留を実施することが有利であり得る。例えば、300分経過した時点で、蒸留を完了する。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(2)90~300分間、好ましくは120~300分間、より好ましくは150~300分間、最も好ましくは180~300分間蒸留することにより、工程(1)における反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする。
減圧蒸留の後、揮発性アルコールおよび必要に応じて蒸留水を凝縮でき、液体留出物として受器に回収できる。蒸留は、任意に、蒸発したアルコール/水を冷却器で冷却しながら実施できる。減圧は、従来技術において一般的に既知の方法、典型的には真空ポンプを用いて印加できる。
先に記載の通り、メトキシシランまたはエトキシシラン基、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、ジエトキシシランおよびトリエトキシシラン、特に好ましくはトリメトキシシランまたはトリエトキシシランを有するC-Cアルコキシシランが、本発明の方法において非常に好ましく用いられる。これらは、その沸点に起因して減圧蒸留により反応混合物から容易に除去できるメタノールおよびエタノールを加水分解および縮合の際に放出するという利点を有する。
<工程(3)における1以上の化粧品成分の添加>
任意の工程(3)として、本発明の方法は、1以上の化粧品成分の添加を含む。
工程(4)で得られた調製物中のC-Cアルコールの総含有量は、調製物の総重量に基づき10.0重量%以下でなければならないという条件に従い、工程(3)において、好ましくはC-Cアルコールは添加されない。
方法の工程(3)において、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、3-ヘキサノール、エチレングリコール(1,2-エタンジオール)、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオールおよびグリセロールからなる群から選択されるC-Cアルコールを調製のために添加しない。
工程(3)において任意に使用してよい化粧品成分は、生成物にさらなる有益な特性を付与するのに適したあらゆる成分であり得る。例えば、方法の工程(3)においては、C-Cアルコール以外の溶媒、増粘剤またはフィルム形成ポリマー;非イオン性、カチオン性、アニオン性または双性イオン性/両性イオン性の界面活性剤の群からの界面活性化合物;顔料、直接染料、酸化染料前駆体の群からの着色化合物;C-C30脂肪アルコール、炭化水素化合物、脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪成分;pH調整剤に属する酸および塩基;香料、防腐剤、植物抽出物、およびタンパク質加水分解物の群からの化粧品成分であってよい。
別の好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(3)C-Cアルコール以外の溶媒、ポリマー、界面活性化合物、着色化合物、脂質成分、pH調整剤、香料、防腐剤、植物抽出物およびタンパク質加水分解物からなる群から選択される1以上の化粧品成分を添加することを特徴とする。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(3)ポリマー、界面活性化合物、着色化合物、脂質成分、pH調整剤、香料、防腐剤、植物抽出物およびタンパク質加水分解物からなる群から選択される1以上の化粧品成分を添加することを特徴とする。
これらの他の物質の選択は、剤の所望の特性に応じて、当業者により行われる。その他の任意成分、およびこれらの成分の使用量については、当業者に知られている関連マニュアルを参照されたい。
これに関連して、工程(3)において、ケラチン処理剤の安定性、特に保存安定性をさらに向上させる化粧品成分を使用することが特に好ましいことが見出された。これに関連して、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはデカメチルシクロペンタシロキサンからなる群から選択される1以上の化粧品成分の添加(3)が、組成物の安定性を高めるという点で特に有益であることが分かった。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(3)ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはデカメチルシクロペンタシロキサンからなる群から選択される1以上の化粧品成分を添加することを特徴とする。
ヘキサメチルジシロキサンは、CAS番号107-46-0を有し、例えばSigma-Aldrichから商業的に購入できる。
Figure 2022523417000051
オクタメチルトリシロキサンは、CAS番号107-51-7を有し、Sigma-Aldrichから市販されている。
Figure 2022523417000052
デカメチルテトラシロキサンは、CAS番号141-62-8を有し、Sigma-Aldrichから市販されている。
Figure 2022523417000053
ヘキサメチルシクロトリシロキサンは、CAS番号541-05-9を有する。
オクタメチルシクロテトラシロキサンは、CAS番号556-67-2を有する。
デカメチルシクロペンタシロキサンは、CAS番号541-02-6を有する。
<包装ユニットへの調製物の充填(4)>
本発明の方法の工程(4)では、工程(1)および(2)の後、並びに場合により任意工程(3)の後に得た調製物を包装ユニットに充填する。
包装ユニットは、使用者がケラチン物質処理剤を取り出す最終的な包装であるか否かを問わない。適当な最終的な包装は、ボトル、チューブ、ジャー、缶、サシェ、エアゾール圧力容器、非エアゾール圧力容器を包含する。これに関連して、これらの最終的な包装は、1回、または必要に応じて数回の適用に十分な量で、ケラチン処理剤を含有してよい。1回の適用に十分な量を充填することが好ましい。
また、しかし、工程(4)における調製物は、中間の包装に充填してもよく、このような包装は、例えばキャニスターまたはホブボック(Hobbock)であってよい。中間の包装への充填は、本発明の方法を実施する反応容器または反応器と、最終的な包装への充填を実施する充填プラントとが、物理的に離れている場合に特に適している。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、
(4)ボトル、チューブ、ジャー、缶、サシェ、エアゾール圧力容器、非エアゾール圧力容器、キャニスターまたはホブボックに調製物を充填することを特徴とする。
包装ユニットは、化粧品に使用されている一般的かつ標準的な市販の容器であってよい。
<工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量>
本発明の方法により製造された調製物をケラチン物質に適用する場合に、安定で、密着性があり、均一なコーティングの生成は、所望の適用特性を達成するための基本的な要件である。特に着色化合物を適当な耐性のあるコーティングに組み込むことができる場合、強く持続性のある着色を得ることができる。先に記載した通り、この目的のためには、工程(4)の後に得られる最終調製物中のC-Cアルコールの含有量を可能な限り低く保つことが不可欠である。このため、工程(4)で得られた調製物中のC-Cアルコールの総含有量は、調製物の総重量に基づき、10.0重量%以下である必要がある。
工程(4)の後に得られる、そのC-Cアルコールの最大含有量によって定義される調製物は、その調製後に包装ユニットに充填される調製物である。ここで、本発明によるC-Cアルコール含有量の決定および/または測定はボトリング後24時間以内である。調製物に含まれるC-Cアルコールの重量%による最大量の表示は、工程(4)により包装ユニットに充填した後の調製物の総重量を意味する。
本発明の目的のために、C-Cアルコールは、1~6個の炭素原子を含む1つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールである。これらのアルコールは、直鎖または分岐、飽和またはモノ-若しくはポリ-不飽和であってよい。C-Cモノアルコールは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノールおよび3-ヘキサノールからなる群からのアルコールを意味する。2つのヒドロキシル基を有するC-Cアルコールには、エチレングリコール、1,2-プロパンジオールおよび1,3-プロパンジオールが含まれる。3つのヒドロキシル基を有するC-Cアルコールは、例えばグリセロールである。
これらの重量仕様に準拠するために、一方で、工程(2)の反応混合物からC-Cアルコールを可能な限り完全に除去する必要があり、他方で、工程(3)において対応するC-Cアルコールを調製物に添加されない。
-Cアルコールの総含有量が10.0重量%の調製物をケラチン物質に適用する場合、十分に高い色強度の染色が得られた。
しかしながら、工程(4)の後に得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量を、調製物の総重量に基づき9.0重量%以下、好ましくは8.0重量%以下、より好ましくは7.0重量%以下、さらにより好ましくは6.0重量%以下、最も好ましくは5.0重量%以下の値に減らすことができると、さらに良い結果が得られた。
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、工程(4)の後に得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、9.0重量%以下、好ましくは8.0重量%以下、より好ましくは7.0重量%以下、さらにより好ましくは6.0重量%以下、非常に特に好ましくは5.0重量%以下であることを特徴とする。
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、工程(4)の後に得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、10.0重量%以下、好ましくは9.0重量%以下、より好ましくは8.0重量%以下、さらにより好ましくは7.0重量%以下、さらにより好ましくは6.0重量%以下、非常に特に好ましくは5.0重量%以下であることを特徴とする。ここで、C-Cアルコールの含有量の決定は、包装ユニット(4)に調製物を充填後24時間以内に行われる。
言い換えると、好ましい本発明の方法は、包装ユニット(4)に充填後24時間以内の調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、10.0重量%以下、好ましくは9.0重量%以下、より好ましくは8.0重量%以下、さらにより好ましくは7.0重量%以下、さらにより好ましくは6.0重量%以下、非常に特に好ましくは5.0重量%以下であることを特徴とする。
工程(4)により得られる調製物中のC-Cアルコールの含有量の決定は、種々の分析方法によって実施することができる。1つの可能な測定法はGC-MSによる測定である。質量分析カップリングを備えるガスクロマトグラフィーは、ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析計(MS)とのカップリングである。全体的な手順または機器のカップリングは、略してGC-MS、GC/MSまたはGCMSともいう。
-Cアルコールの含有量を測定するために、調製物のサンプルを、例えば非極性カラムでの二重測定においてガスクロマトグラフィーにより分析できる。指定成分の識別は、ライブラリ比較スペクトル(NISTやWileyなど)を使用した質量分析により実施できる。平均値は、二重測定のそれぞれから形成される。定量化は、例えば、内部標準キャリブレーション(例えば、メチルイソブチルケトンによる)によって実施し得る。
<工程(4)の後に得られる調製物の含水量>
保存中に可能な限り安定な調製物を提供できるよう、工程(4)で得られる調製物は、好ましくは、可能な限り低い水分含有量を有する。したがって、真空蒸留後の生成物の含水量は、好ましくは5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、より好ましくは3.0重量%以下、さらにより好ましくは2.0重量%以下、最も好ましくは1.0重量%以下である。ここで、重量%で表される調製物の含水量は、工程(4)後に得られる調製物の総重量に基づく。
別の非常に特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、5.0重量%以下、好ましくは4.0%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下、とりわけ好ましくは2.0重量%以下、非常に特に好ましくは1.0重量%以下であることを特徴とする。
言い換えると、好適な本発明の方法は、工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下、とりわけ好ましくは2.0重量%以下、非常に特に好ましくは1.0重量%以下であることを特徴とする。ここで、水分含有量の測定は、調製物を包装ユニット(4)に充填後24時間以内に行われる。
好ましくは、以下の工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法は、
・工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、10.0重量%以下であり、
・工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、5.0重量%以下であることを特徴とする。
好ましくは、以下の工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法は、
・工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、9.0重量%以下であり、
・工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、4.0重量%以下であることを特徴とする。
好ましくは、以下の工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法は、
・工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、8.0重量%以下であり、
・工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、3.0重量%以下であることを特徴とする。
好ましくは、以下の工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法は、
・工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、7.0重量%以下であり、
・工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、2.0重量%以下であることを特徴とする。
好ましくは、以下の工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
(2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
を含む、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法は、
・工程(4)で得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、調製物の総重量に基づき、6.0重量%以下であり、
・工程(4)後に得られる調製物中の水分含有量が、調製物の総重量に基づき、1.0重量%以下であることを特徴とする。
<方法の工程の順序>
本発明の方法の特徴として、本発明の方法は、工程(1)、(2)、(3)および(4)を含み、工程(3)は任意工程である。方法の工程の順序については、様々な実施態様が適している。
一実施態様では、下記工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる工程、
(2)工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
(3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
をこの順で含む方法が好ましい。
この手順は、工程(1)から開始し、次いで工程(2)、次いで工程(3)、次いで工程(4)が続く。まず、1以上の有機C-Cアルコキシシランを水と混合し、この反応において形成されたC-Cアルコールを工程(2)において可能な限り完全に除去する。次いで、例えば、非プロトン性溶媒、顔料、増粘性ポリマーなどであり得る1以上の化粧品成分を反応混合物に添加する(工程3)。次いで、調製物を包装ユニットに充填する(工程4)。
別の実施態様では、1以上の化粧品成分の添加(3)を、工程(2)におけるC-Cアルコールの除去前に行うことも同様に好ましい場合がある。
別の実施態様では、下記工程:
(1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる工程、
(3)必要に応じて、1以上の化粧品成分を添加する工程、
(2)工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、および、
(4)調製物を包装ユニットに充填する工程
をこの順で含む方法が好ましい。
<方法における調製物のpH値>
別の実験では、本発明の方法の工程(1)~(4)の間の反応混合物のpH値が縮合反応に影響し得ることが見出された。特にアルカリ性のpH値では、オリゴマーの段階で縮合が停止することが見出された。反応混合物が酸性であるほど、縮合が起こりやすく、縮合時に生成されるシロキサンの分子量が高くなるようである。このため、工程(1)、(2)、(3)および/または(4)における反応混合物が、7.0~12.0、好ましくは7.5~11.5、より好ましくは8.5~11.0、最も好ましくは9.0~11.0のpHを有することが好ましい。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)、(2)、(3)および/または(4)における反応混合物が、1:1の重量比で水と混合した後に、7.0~12.0、好ましくは7.5~11.5、より好ましくは8.5~11.0、非常に特に好ましくは9.0~11.0のpHを有することを特徴とする。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、工程(1)~(4)における反応混合物が、1:1の重量比で水と混合した後に、7.0~12.0、好ましくは7.5~11.5、より好ましくは8.5~11.0、非常に特に好ましくは9.0~11.0のpHを有することを特徴とする。
このアルカリ性のpHを調整するために、反応混合物にアルカリ化剤および/または酸性化剤を添加する必要があり得る。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
例えば、アルカリ化剤として、アンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸を使用できる。
アルカノールアミンは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するC-Cアルキル親を有する第一級アミンから選択してよい。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から選択される。
したがって、特に好ましい実施態様は、本発明の剤が、アルカリ化剤として2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含むことを特徴とする。好ましいアミノ酸は、アミノカルボン酸、特にα-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
本発明では、塩基性アミノ酸は、等電点pIが7.0より大きいアミノ酸である。
塩基性α-アミノカルボン酸は、少なくとも1つの不斉炭素原子を含む。本発明では、両方の存在し得るエナンチオマーを、特定の化合物またはその混合物として、特にラセミ体として同等に使用できる。しかし、本来好ましい異性体(通常はL-立体配置)を使用することが特に有利である。
塩基性アミノ酸は、好ましくは、アルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジンから、特に好ましくはアルギニンおよびリジンからなる群から選択される。従って、別の特に好ましい実施態様では、本発明の剤は、アルカリ化剤が、アルギニン、リジン、オルニチンおよび/またはヒスチジンからなる群から選択される塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
また、無機アルカリ化剤を使用することもできる。本発明において使用できる無機アルカリ化剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される。
特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
上記のアルカリ化剤以外にも、当業者には、pH値を微調整するための一般的な酸性化剤がよく知られている。本発明では、好ましい酸性化剤は、クエン酸、酢酸、リンゴ酸または酒石酸などの食品用酸、および希釈された鉱酸である。
<ケラチン物質処理剤>
上述の方法により、ケラチン物質へ適用した際に非常に優れた性能を発揮する、加水分解または縮合されたシランブレンドの調製が可能になる。
原則として、この方法により製造されたケラチン処理剤は、例えば、ケラチン物質の着色剤として、ケラチン物質のケア剤として、またはケラチン物質の形状を変えるための剤として、様々な目的のために使用できる。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、ケラチン物質を着色するため、ケラチン物質を保持するため、またはケラチン物質の形状を変えるための剤を調製し、保存し、後に適用することを特徴とする。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、ケラチン物質を着色するため、ケラチン物質を保持するため、またはケラチン物質の形状を変えるための剤を調製することを特徴とする。
明確に、調製した剤は、染色工程で使用した場合に特に良好な適性を示す。
別の非常に特に好ましい実施態様では、本発明の方法は、ケラチン物質を染色するための剤を調製することを特徴とする。
染色方法で使用する場合、例えば工程(3)において、少なくとも1つの着色化合物を組成物に添加してよく、着色化合物は、顔料、直接染料および/または酸化染料前駆体からなる群から選択され得る。これにより、予め加水分解/縮合されたC-Cアルコキシシランに加えて1以上の着色化合物も含む、ケラチン物質着色剤を得ることができる。
<包装ユニットにおける剤>
一実施態様では、使用者は、適用の際、本発明の方法によって調製された調製物を、包装ユニットから直接取り出すことができ、ケラチン物質に適用することができる。
本発明の第二の対象は、本発明の第一の対象の説明で詳細に開示されている方法に従って調製された包装ユニット内の調製物を含むケラチン物質処理剤である。
<多成分包装ユニット(キット)>
しかし、別の実施態様では、即用性着色剤が得られるよう、方法の工程(4)に従って調製した調製物を、まず、別の調製物と混合することも特に好ましい。次いで、この即用性着色剤をケラチン物質に適用する。この実施態様は、調製物を染色方法で使用する場合に特に好ましい。
ユーザーの利便性を高めるため、染色方法に必要な全ての調製物は、多成分包装ユニット(キット)の形態で使用者に提供される。
本発明の第三の対象は、別個に製造された、
・化粧品調製物(A)を含む第一包装ユニット、および
・化粧品調製物(B)を含む第二包装ユニット
を含み、
・第一包装ユニットに含まれる化粧品調製物(A)は、本発明の第一の対象の説明において詳細に記載した方法によって調製されたものであり、
・化粧品調製物(B)は、顔料、直接染料および/または酸化染料前駆体からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含む、
ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための多成分包装ユニット(キット)である。
適用の直前に2つの調製物(A)と(B)を混合し、この即用性染色剤をケラチン物質に適用する。
また、本発明の多成分包装ユニットは、化粧品調製物(C)を含有する第三の包装ユニットを含んでもよい。調製物(C)は、例えば、コンディショナー、シャンプー、または前処理剤若しくは後処理剤であってよい。
<着色化合物>
本発明の方法によって調製した剤を染色方法で使用する場合、1以上の着色化合物を使用してよい。1以上の着色化合物は、方法の工程(3)において化粧品成分として反応混合物に添加されるか、または別個に調製された調製物(B)の成分として使用者に供給され得る。
着色化合物は、好ましくは、顔料、直接染料、酸化染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料から、特に好ましくは顔料および/または直接染料から選択され得る。
本発明の意味における顔料は、25℃での水への溶解度が0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、さらに好ましくは0.05g/L未満の着色化合物である。水への溶解度は、例えば、下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取する。磁気撹拌棒を加える。次いで、1Lの蒸留水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この時間が経過しても顔料の未溶解成分が混合物中に見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。おそらく微細に分散した顔料の強度が高いために、顔料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解顔料がろ紙上に残留する場合は、その顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
適当な着色顔料は、無機起源および/または有機起源であってよい。
好ましい実施態様では、本発明の組成物は、無機顔料および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含むことを特徴とする。
好ましい着色顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、焼成テーラ・ディ・シエナまたはグラファイトから調製できる。また、黒色酸化鉄などの黒色顔料、ウルトラマリンまたは赤色酸化鉄などの有色顔料、および蛍光顔料または燐光顔料を、無機着色顔料として使用できる。
有色の金属酸化物、金属水酸化物および金属酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩が特に適している。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI77499)、黄色酸化鉄(CI77492)、赤色および褐色酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)および/またはカルミン(コチニール)である。
着色真珠光沢顔料もまた、本発明の顔料の群からの特に好ましい着色剤である。これらは通常、雲母および/または雲母ベースであり、1以上の金属酸化物で被覆されている場合がある。雲母は層状ケイ酸塩に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、鱗雲母およびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を製造するためには、主に白雲母または金雲母などの雲母を金属酸化物で被覆する。
天然の雲母の代替品として、1以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成の雲母(マイカ)をベースとし、上記した金属酸化物の1以上で被覆されたものである。金属酸化物の層の厚さを変えることで、それぞれの顔料の色を変えることができる。
別の好ましい実施態様では、本発明の剤は、有色の金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料からなる群から、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物で被覆された雲母または雲母ベース着色化合物から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(b)を含んでなることを特徴とする。
更なる好ましい実施態様では、本発明の組成物は、二酸化チタン(CI 77891)、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、Pigment blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または紺青(フェロシアン化鉄、CI77510)からなる群から選択される1以上の金属酸化物と反応した雲母または雲母ベース顔料から選択される少なくとも1つの着色化合物(b)を含んでなることを特徴とする。
特に適当な着色顔料の例は、Merck社からRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、Sensient社からAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic Colors社からPrestige(登録商標)の商品名で、Sunstar社からSunshine(登録商標)の商品名で市販されている。
商品名がColorona(登録商標)の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Colorona Copper,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,Mica,CI 77491(酸化鉄),アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄),CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン),雲母,CI 75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母,二酸化チタン,フェロシアン化鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI 77491(酸化鉄),雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄),CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI 77499(酸化鉄),雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄),CI 77891(二酸化チタン),CI 77510(フェロシアン化鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄),CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI 77491(二酸化チタン),雲母,CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母,二酸化チタン (CI 77891),D&C RED NO.30(CI 73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI 77891(二酸化チタン),雲母,CI 77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母,二酸化チタン(CI 77891),フェロシアン化鉄(CI 77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母,二酸化チタン(CI 77891),酸化鉄(CI 77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母,二酸化チタン,カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI 77491(酸化鉄), 雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),シリカ,CI 77491(酸化鉄),酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母,二酸化チタン,酸化鉄,雲母,CI 77891,CI 77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI 77499(酸化鉄),雲母,CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
商品名がXirona(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ,CI 77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン),シリカ,酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ,CI 77891(二酸化チタン),酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ,CI 77891(二酸化チタン),酸化スズ
また、商品名がUnipure(登録商標)の他の特に好ましい着色顔料は、例えば以下である。
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI 77491(酸化鉄),シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI 77499(酸化鉄),シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI 77492(酸化鉄),シリカ
別の実施態様では、本発明の組成物または調製物は、有機顔料からなる群から選択される1以上の着色化合物を含有してもよい。
本発明の有機顔料は、例えば、ニトロソ、ニトロアゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インディゴ、チオインディド、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択され得る、相応に不溶性の有機染料またはカラーラッカーである。
特に適当な有機顔料の例は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160の青色顔料、カラーインデックスがCI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI 61565、CI 61570、CI 74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470の赤色顔料である。
別の特に好ましい実施態様では、本発明の組成物は、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックスがCl 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160の青色顔料、カラーインデックスがCI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005の黄色顔料、カラーインデックスがCI 61565、CI 61570、CI 74260の緑色顔料、カラーインデックスがCI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105の橙色顔料、カラーインデックスがCI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470の赤色顔料からなる群から選択される有機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物を含んでなることを特徴とする。
有機顔料はカラーペイントであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーラッカー」は、吸収された染料の層を含んでなる粒子を意味しており、粒子および染料のユニットは、上記条件下で不溶性である。粒子は例えば無機物質であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムまたはアルミニウムであり得る。
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
光および温度に対する優れた耐性のゆえに、本発明の手段において顔料を使用することが特に好ましい。また、使用する顔料が特定の粒度を有することが好ましい。この粒度は、一方では、形成されるポリマーフィルム中の顔料の均一な分布をもたらし、他方では、化粧品の適用後の荒れた毛髪または皮膚感触を回避する。従って、本発明では、少なくとも1種の顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒度D50を有することが有利である。平均粒度D50は、例えば、動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
1種以上の顔料は、本発明の組成物または調製物の総重量に基づいて、各々の場合に、0.001~20重量%、0.05~5重量%の量で使用され得る。
着色化合物として、本発明の組成物は、1以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接作用し、色を形成するために酸化工程を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料、またはインドフェノールである。
本発明の意味における直接染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。特に、本発明の意味における直接染料は、1.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分類できる。
別の好ましい実施態様では、本発明の剤は、着色化合物として少なくとも1つのアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料を含有することを特徴とする。
別の好ましい実施態様では、本発明の剤は、少なくとも1つのアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料を含んでなることを特徴とする。
適当なカチオン性直接染料は、Basic Blue 7、Basic Blue 26、Basic Violet 2、Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347 / Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51 Basic Red 76を包含する。
非イオン性直接染料として、非イオン性ニトロおよびキノン染料並びに天然アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、以下の国際名称または商品名で記載されているものである:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9の既知の化合物、および1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
アニオン性直接染料は、酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1個のカルボン酸基(-COOH)および/または少なくとも1個のスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、それらの脱プロトン化形態(-OO、-SO 存在)と平衡関係を示す。プロトン化形態の割合は、pHの低下とともに増える。直接染料をその塩として使用する場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的に同等のカチオンで中和される。本発明の酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはそのカリウム塩の形態でも使用できる。
本発明の意味における酸性染料は、0.5g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料として扱われない。好ましくは、本発明の意味における酸性染料は、1.0g/Lより大きい25℃での水への溶解度(760mmHg)を有する。
酸性染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、対応するアルカリ塩よりも低い溶解度をしばしば有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L未満(25℃、760mmHg)の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
酸性染料の本質的な特徴は、アニオン性電荷を形成する能力であり、その原因となるカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、様々な発色団系に結合している。適当な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンタン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
例えば、下記群からの1以上の化合物が特に適した酸性染料として選択され得る:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext. D&C Yellow No. 7、Japan Yellow 403、CI 10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°54、D&C Yellow N°10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI 13015)、Acid Yellow 17(CI 18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E 102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No. 5)、Acid Yellow 36(CI 13065)、Acid Yellow 121(CI 18690)、Acid Orange 6(CI 14270)、Acid Orange 7(2-Naphthol orange、Orange II、CI 15510、D&C Orange 4、COLIPA n°015)、Acid Orange 10(C.I. 16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI 45370)、Acid Orange 15(CI 50120)、Acid Orange 20(CI 14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI 20170;KATSU201;ナトリウム塩不含有;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D & C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red 18; CI 16255)、Acid Red 27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、Real Red D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphthol red S)、Acid Red 33(Red 33、Fuchsia Red、D&C Red 33、CI 17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI 45430、Pyrosin B、Tetraiodfluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI 45100、Food Red 106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI 27290)、Acid Red 87(Eosin、CI 45380)、Acid Red 92(COLIPA n℃53、CI 45410)、Acid Red 95(CI 45425、Erythtosine,Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI 15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext. D&C Violet n°2、C.I. 60730、COLIPA n°063)、Acid Violet 49(CI 42640)、Acid Violet 50(CI 50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI 42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI 42051)、Acid Blue 7(CI 42080)、Acid Blue 104(CI 42735)、Acid Blue 9(E 133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI 42090、C.I. Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI 62045)、Acid Blue 74(E 132、CI 73015)、Acid Blue 80(CI 61585)、Acid Green 3(CI 42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI 42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、 Acid Green 25(CI 61570、Japan Green 201、D&C Green No. 5)、Acid Green 50(Brilliant Acid Green BS、C.I. 44090、Acid Brilliant Green BS、E 142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI 20 470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI 15711)、Food Yellow 8(CI 14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
例えば、アニオン性直接染料の水溶性は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに導入する。磁気撹拌棒を加える。次いで、100mLの水を添加する。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃に加熱する。60分間撹拌する。次いで、水性混合物を視覚的に評価する。未溶解残留物がまだ存在する場合、例えば10mL刻みで、水の量を増やす。使用した染料の量が完全に溶解するまで水を加える。染料の強度が高いために、染料-水混合物を視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解染料がろ紙上に残留する場合は、より多くの水を用いて溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解した場合、その染料の溶解度は1.0g/Lである。
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、少なくとも40g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/Lの水への溶解度(25℃)を有する。
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より大きい。
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃の水に高度に溶解できる。
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は、7g/L(25℃)より大きい。
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホネートの三ナトリウム塩であり、20重量%より大きい非常に高い水溶性を有する。
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートの二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2.5g/L(25℃)である。
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より大きい。
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートの二ナトリウム塩であり、20重量%(25℃)より大きい水への溶解度を有する。
サーモクロミック染料を使用してもよい。サーモクロミズムは、温度の関数として、その色を可逆的または不可逆的に変化させる材料の特性に関係する。これは、強度および/または波長最大値の両方を変えることで実施できる。
最後に、フォトクロミック染料を使用してもよい。フォトクロミズムは、光、特にUV光の照射に応じて可逆的または不可逆的に色が変化する材料の特性に関係する。これは、強度および/または波長最大値の両方を変えることで実施できる。
また、調製物(B)は、溶媒、増粘剤またはフィルム形成ポリマー;非イオン性、カチオン性、アニオン性または双性イオン性/両性イオン性の界面活性化合物から選択される界面活性化合物;C-C30脂肪アルコール、炭化水素化合物、脂肪酸エステルからなる群から選択される脂肪成分;pH調整剤に属する酸および塩基;香料、防腐剤、植物抽出物、タンパク質加水分解物からなる群から選択される1以上の更なる成分を付加的に含有してよい。
本発明の手段および多成分包装ユニットのさらに好ましい実施態様については、本発明の方法について述べたことが適用される。
1.シランブレンドの調製
1.1.シランブレンドの調製(シランブレンド1、比較)
加熱可能/冷却可能な外殻を備えた10L容の反応器に、4.67kgのメチルトリメトキシシランを導入した。次いで、撹拌しながら、1.33kgの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを添加した。この混合物を30℃で撹拌した。続いて、激しく撹拌しつつ、外部冷却下、反応混合物の温度を30℃に維持しながら、670mLの水(蒸留水)を滴加した。水添加完了後、撹拌を更に10分間続けた。その後、700mbarの減圧を印加し、反応混合物を44℃の温度に加熱した。反応混合物が44℃の温度に達した時点で、反応中に放出されたエタノールおよびメタノールを、40分間に渡って留去した。
留去したアルコールを、冷却した受器に回収した。次いで、反応混合物を室温に放冷した。続いて、このようにして得た混合物に、撹拌しながら、3.33kgのヘキサメチルジシロキサンを滴加した。10分間撹拌した。各々の場合に、100mLのシランブレンドを、シール付きスクリューキャップクロージャーを備えた100mL容のボトルに充填した。充填後、ボトルをきつく密閉した。
1.2.シランブレンドの調製(シランブレンド2、本発明)
加熱可能/冷却可能な外殻を備えた10L容の反応器に、4.67kgのメチルトリメトキシシランを導入した。次いで、撹拌しながら、1.33kgの(3-アミノプロピル)トリエトキシシランを添加した。この混合物を30℃で撹拌した。続いて、激しく撹拌しつつ、外部冷却下、反応混合物の温度を30℃に維持しながら、670mLの水(蒸留水)を滴加した。水添加完了後、撹拌を更に10分間続けた。その後、280mbarの減圧を印加し、反応混合物を44℃の温度に加熱した。反応混合物が44℃の温度に達した時点で、反応中に放出されたエタノールおよびメタノールを、190分間に渡って留去した。
蒸留中、真空を200mbarまで下げた。留去したアルコールを、冷却した受器に回収した。次いで、反応混合物を室温に放冷した。続いて、このようにして得た混合物に、撹拌しながら、3.33kgのヘキサメチルジシロキサンを滴加した。10分間撹拌した。各々の場合に、100mLのシランブレンドを、シール付きスクリューキャップクロージャーを備えた100mL容のボトルに充填した。充填後、ボトルをきつく密閉した。
2.GC-MSによるC-Cアルコールの含有量の測定
ボトル詰めから24時間以内に、2つのシランブレンドのエタノールとメタノールの含有量をGC-MS分光法で測定した。重複測定では、各シランブレンドのサンプルの1つを、無極性カラムでのガスクロマトグラフィーにより分析した。指定成分の識別は、ライブラリ比較スペクトル(NIST/Wiley)を用いて質量分析により行った。定量化は、メチルイソブチルケトンによる内部標準キャリブレーションを用いて行った。平均値を、各重複測定から算出した。
Figure 2022523417000054
3.着色
下記着色剤を準備した(調製物(B))。
Figure 2022523417000055
予め調製したシランブレンドを含むボトルの各々から、20gを秤取した(調製物A)。各々について、20gの調製物(A)および100gの調製物(B)を振とうすることにより(3分間の振とう)、即用性染料を調製した。次いで、この混合物を5分間静置した。
適用のために、一房の毛髪(Kerling Euronaturhaar white)を即用性染料に浸し、その中に1分間静置した。その後、余分な剤を、各毛髪ストランドから除去した。次に、各毛髪ストランドを水で洗い、乾燥させた。続いて、昼光ランプ下で、ストランドを視覚的に評価した。下記結果を得た。
Figure 2022523417000056

Claims (19)

  1. 下記工程:
    (1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合する工程、
    (2)工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
    (3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および
    (4)調製物を包装ユニットに充填する工程
    を含み、工程(4)において得られる調製物中のC-Cアルコールの総含有量が、該調製物の総重量に基づき10.0重量%以下であることを特徴とする、ケラチン物質、特にヒトの毛髪を処理するための剤の製造方法。
  2. (1)式(I)および/または(II):
    式(I):
    Figure 2022523417000057
    [式中、
    ・R、Rは、独立して水素原子またはC-Cアルキル基を表し、
    ・Lは、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基であり、
    ・RおよびRは、互いに独立してC-Cアルキル基を表し、
    ・aは1~3の整数を表し、
    ・bは整数3-aを表す]
    式(II):
    Figure 2022523417000058
    [式中、
    ・R、R5'、R5''、R、R6'およびR6''は独立して、C-Cアルキル基を表し、
    ・A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分岐鎖の二価C-C20アルキレン基を表し、
    ・RおよびRは独立して、水素原子、C-Cアルキル基、ヒドロキシC-Cアルキル基、C-Cアルケニル基、アミノC-Cアルキル基または式(III):
    Figure 2022523417000059
    で示される基を表し、
    ・cは、1~3の整数を表し、
    ・dは、整数3-cを表し、
    ・c'は、1~3の整数を表し、
    ・d'は、整数3-c'を表し、
    ・c''は、1~3の整数を表し、
    ・d''は、整数3-c''を表し、
    ・eは、0または1を表し、
    ・fは、0または1を表し、
    ・gは、0または1を表し、
    ・hは、0または1を表し、
    ・e、f、gおよびhの少なくとも1つは0とは異なる]
    で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. (1)式(IV):
    Figure 2022523417000060
    [式中、
    ・Rは、C-C12アルキル基を表し、
    ・R10は、C-Cアルキル基を表し、
    ・R11は、C-Cアルキル基を表し、
    ・kは、1~3の整数であり、
    ・mは、整数3-kを表す]
    で示される1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. (1)反応容器または反応器において、好ましくは、二重壁反応器、外部熱交換器付き反応器、管状反応器、薄膜蒸発器付き反応器、流下膜式蒸発器付き反応器および/または付属凝縮器付き反応器において、1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを混合することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. (1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと、0.10~0.80モル当量、好ましくは0.15~0.70モル当量、より好ましくは0.20~0.60モル当量、最も好ましくは0.25~0.50モル当量の水とを混合し、ここで、水のモル当量(S-W)は下記式:
    S-W=(モル(水))/{(モル(シラン)×n(アルコキシ)}
    [式中、S-W=水のモル当量、
    モル(水)=使用される水のモル量、
    モル(シラン)=反応に使用されるC-Cアルコキシシランの総モル量、
    n(アルコキシ)=C-Cアルコキシシラン1個当たりのC-Cアルコキシ基の数]
    に従って計算することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. (1)20~65℃、好ましくは20~60℃、より好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、最も好ましくは20~45℃の温度で、1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. (2)20~65℃、好ましくは20~60℃、より好ましくは20~55℃、さらにより好ましくは20~50℃、とりわけ好ましくは20~45℃の温度で、工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. (2)0~900mbar、より好ましくは0~800mbar、さらにより好ましくは200~600mbar、とりわけ好ましくは10~300mbarの圧力での蒸留により、工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
  9. (2)90~300分、好ましくは120~300分、より好ましくは150~300分間にわたる蒸留により、工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去することを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. (3)ポリマー、界面活性化合物、着色化合物、脂質成分、pH調整剤、香料、防腐剤、植物抽出物およびタンパク質加水分解物からなる群から選択される1以上の化粧品成分を添加することを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. (3)ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはデカメチルシクロペンタシロキサンからなる群から選択される1以上の化粧品成分を添加することを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. (4)ボトル、チューブ、ジャー、缶、サシェ、エアゾール圧力容器、非エアゾール圧力容器、キャニスター、またはホブボック(Hobbock)に調製物を充填することを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 工程(4)の後に得られる調製物中の、該調製物の総重量に基づくC-Cアルコールの総含有量が9.0重量%以下、好ましくは8.0重量%以下、より好ましくは7.0重量%以下、さらにより好ましくは6.0重量%以下、最も好ましくは5.0重量%以下である、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. 工程(4)の後に得られる調製物中の、該調製物の総重量に基づく水分含有量が5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、より好ましくは3.0重量%以下、さらにより好ましくは2.0重量%以下、最も好ましくは1.0重量%以下であることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 以下の工程:
    (1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる工程、
    (2)工程(1)の反応により放出されたC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、
    (3)場合により、1以上の化粧品成分を添加する工程、および
    (4)調製物を包装ユニットに充填する工程
    をこの順序で含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  16. 以下の工程:
    (1)1以上の有機C-Cアルコキシシランと水とを反応させる工程、
    (3)必要に応じて、1以上の化粧品成分を添加する工程、
    (2)工程(1)の反応により発生したC-Cアルコールを反応混合物から一部または完全に除去する工程、および
    (4)調製物を包装ユニットに充填する工程、
    をこの順序で含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  17. ケラチン物質を着色するための、ケラチン物質を保持するための、ケラチン物質の形状を変えるための剤を調製することを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
  18. 請求項1~17のいずれかに記載の方法により調製された包装ユニットにおける調製物を含んでなるケラチン物質処理剤。
  19. 別個に製造された、
    ・化粧品調製物(A)を含む第一包装ユニット、および
    ・化粧品調製物(B)を含む第二包装ユニット
    を含み、
    ・第一包装ユニットに含まれる化粧品調製物(A)は請求項1~17のいずれかに記載の方法により調製されたものであり、
    ・化粧品調製物(B)は、顔料、直接染料および/または酸化染料前駆体からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物を含む、
    ケラチン物質、特にヒトの毛髪を染色するための多成分包装ユニット(キット)。
JP2021552687A 2019-03-06 2020-01-24 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法 Pending JP2022523417A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102019203081.5A DE102019203081A1 (de) 2019-03-06 2019-03-06 Verfahren zur Herstellung und Anwendung von Haarbehandlungsmitteln mit organischen C1-C6-Alkoxy-Silanen
DE102019203081.5 2019-03-06
PCT/EP2020/051823 WO2020177946A1 (de) 2019-03-06 2020-01-24 Verfahren zur herstellung und anwendung von haarbehandlungsmitteln mit organischen c1-c6-alkoxy-silanen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022523417A true JP2022523417A (ja) 2022-04-22

Family

ID=69400535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021552687A Pending JP2022523417A (ja) 2019-03-06 2020-01-24 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20220000751A1 (ja)
EP (1) EP3934608B1 (ja)
JP (1) JP2022523417A (ja)
CN (1) CN113597299A (ja)
DE (1) DE102019203081A1 (ja)
WO (1) WO2020177946A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2573052T3 (es) 2008-09-30 2016-06-03 L'oreal Composición cosmética integrada por un compuesto orgánico de silicio, -con al menos una función básica-, un polímero filmógeno hidrófobo, un pigmento y un solvente volátil
FR2982155B1 (fr) 2011-11-09 2014-07-18 Oreal Composition cosmetique comprenant au moins un alcoxysilane
DE102018213813A1 (de) * 2018-08-16 2020-02-20 Henkel Ag & Co. Kgaa Verfahren zum Färben von keratinischem Material, umfassend die Anwendung von einer silicium-organischen Verbindung, einem Oligoalkylsiloxan und einer farbgebenden Verbindung

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020177946A1 (de) 2020-09-10
EP3934608B1 (de) 2023-03-29
US20220000751A1 (en) 2022-01-06
CN113597299A (zh) 2021-11-02
DE102019203081A1 (de) 2020-09-10
EP3934608A1 (de) 2022-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112584904A (zh) 包括使用有机硅化合物、着色剂化合物和硅油使角蛋白材料着色的方法
CN113825486A (zh) 含有特定式的硅烷的用于处理角蛋白纤维的试剂
JP2021534167A (ja) 有機ケイ素化合物、オリゴアルキルシロキサンおよび着色剤化合物の使用を含むケラチン物質を着色する方法
JP2022523417A (ja) 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法
US11471393B2 (en) Agent for the treatment of keratinous fibers containing the reaction product of two organic C1-C6 alkoxy silanes and water
JP2022525004A (ja) 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造および使用方法
JP2022522893A (ja) 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造方法
JP2022524995A (ja) 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造方法および使用
JP2022522892A (ja) 有機c1-c6アルコキシシラン含有毛髪処理組成物の製造方法
CN113811280A (zh) 含有特定式的硅烷的用于处理角蛋白纤维的试剂