本特許出願は、以下の独国出願:2019年1月29日付け独国特許出願公開第102019201114.4号明細書、2019年5月7日付け独国特許出願公開第102019111766.6号明細書、2019年5月9日付け102019112124.8号明細書、6月14日付け独国特許出願公開第102019116313.7号明細書、2019年11月21日付け独国特許出願公開第102019131506.9号明細書、2019年7月5日付け独国特許出願公開第102019118251.4号明細書、2019年7月4日付け独国特許出願公開第102019118082.1号明細書、2019年3月29日付け独国特許出願公開第102019108260.9号明細書、2019年9月20日付け102019125349.7号明細書、2019年5月13日付け独国特許出願公開第102019112490.5号明細書、2019年5月14日付け独国特許出願公開第102019112604.5号明細書、2019年5月14日付け独国特許出願公開第102019112609.6号明細書、2019年1月31日付け独国特許出願公開第102019102509.5号明細書、2019年6月7日付け独国特許出願公開第102019115479.0号明細書、2019年5月14日付け独国特許出願公開第102019112616.9号明細書、2019年5月23日付け独国特許出願公開第102019113791.8号明細書、2019年4月23日付け独国特許出願公開102019110499.8号明細書、2019年4月23日付け独国特許出願公開102019110523.4号明細書、2019年11月15日付け独国特許出願公開102019130934.4号明細書、2019年5月28日付け独国特許出願公開102019114321.7号明細書、2019年10月11日付け独国特許出願公開102019127425.7号明細書、2019年5月14日付け独国特許出願公開102019112639.8号明細書、2019年5月14日付け独国特許出願公開102019112605.3号明細書、2019年5月22日付け独国特許出願公開102019113636.9号明細書、2019年2月11日付け独国特許出願公開第102019103365.9号明細書、2019年6月14日付け独国特許出願公開第102019116312.9号明細書、2019年6月12日付け独国特許出願公開第102019115991.1号明細書、2019年9月25日付け独国特許出願公開第102019125875.8号明細書、2019年10月11日付け独国特許出願公開第102019127424.9号明細書、2019年7月4日付け独国特許出願公開第102019118085.6号明細書、2019年9月20日付け独国特許出願公開第102019125336.5号明細書、2019年5月23日付け独国特許出願公開第102019113793.4号明細書、2019年4月23日付け独国特許出願公開第102019110500.5号明細書、2019年5月7日付け独国特許出願公開第102019111767.4号明細書、2019年8月12日付け独国特許出願公開第102019121672.9号明細書、2019年7月4日付け独国特許出願公開第102019118084.8号明細書、2019年5月23日付け独国特許出願公開第102019113768.3号明細書、2019年5月23日付け独国特許出願公開第102019113792.6号明細書、2019年4月23日付け独国特許出願公開102019110497.1号明細書、2019年5月29日付け独国特許出願公開第102019114442.6号明細書、2019年10月29日付け独国特許出願公開第102019129209.3号明細書、2019年11月14日付け独国特許出願公開第102019130821.6号明細書および2019年11月15日付け独国特許出願公開第102019130866.6号明細書の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれ、ならびに以下のデンマーク国出願:2019年1月29日付けデンマーク国特許発明第201970059号明細書(DK PA201970059)および2019年1月29日付けデンマーク国特許発明第201970061号明細書(DK PA201970061)の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれ、ならびに以下の米国出願:2019年11月19日付け米国特許出願62/937,552号明細書の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
背景技術
モノのインターネットや通信の分野における現在進行中の開発により、さまざまな新しい用途とコンセプトの可能性が広がってきている。開発、サービスおよび製造の目的で、これらのコンセプトと用途とは有効性と効率性を高める。
新しいコンセプトの一態様は、拡張現実または仮想現実に基づいている。拡張現実(Augmented Reality)の一般的な定義は、「実環境のインタラクティブな体験であって、実世界にある実環境からの物体が、コンピュータで生成された知覚可能な情報によって拡張された体験」と与えられている。
情報は視覚化によって主に伝達されるが、視覚に限定されるものではない。現実を拡張するために、時には触覚や他の感覚が用いられることもある。視覚化の場合、オーバーレイされた感覚視覚情報は、建設的なもの、すなわち自然環境に付加するものの場合もあれば、破壊的なもの、例えば自然環境の一部を覆ってしまうものの場合もある。さらに、一部の用途では、オーバーレイされた感覚情報と何かしらの方法で相互作用することが可能である。このようにして、拡張現実は、ユーザーが実環境を継続的に認識することを強化する。
これに対して、「仮想現実」は、ユーザーの実環境を完全にシミュレートされた環境に置き換える。言い換えれば、拡張実環境のユーザーは、実世界を少なくとも部分的に知覚することができるが、仮想現実の環境は完全にシミュレートされており、現実とは大きく異なる場合がある。
拡張現実を使用することで、自然環境の状況を改善し、ユーザーの体験を豊かにしたり、特定のタスクを実行する際にユーザーをサポートしたりすることができる。例えば、ユーザーは、拡張現実機能を備えたディスプレイを使用して、特定のタスクを実行する際にユーザーをサポートすることができる。現実の物体に関する情報を重ね合わせてユーザーにヒントが提供されることから、ユーザーは追加の情報でサポートされる。これにより、製造、修理作業または他のサービス中に、より迅速に、より安全に、より効果的に行動できるようになる。医療分野では、拡張現実を利用して、患者の診断や治療において医師のガイドとサポートを行うことができる。開発では、エンジニアが実験結果を直接体験することができるため、結果の評価をしやすくなる。観光やイベント産業では、拡張現実は、名所や歴史などの追加情報をユーザーに提供することができる。拡張現実は、アクティビティやタスクの学習時にサポートすることができる。
概要
以下の概要では、オートモーティブや拡張現実用途の分野におけるμ-ディスプレイのさまざまな態様について説明する。これらには、拡張現実やオートモーティブ用途に適したデバイス、ディスプレイ、駆動制御部(Ansteuerungen)、プロセスエンジニアリング技術および他の態様が含まれる。これらには、表示部(Anzeigen)やディスプレイなどを使った光の生成に関する態様が含まれる。さらに、制御回路、電流供給回路、ならびに光の取り出し、光の案内および光の集束の態様の他、かかるデバイスの用途も記載され、これらをさまざまな例に基づいて説明する。
光生成構造素子のサイズが小さいことから生じるさまざまな制限や課題があるため、さまざまな態様を組み合わせることが有利であるだけでなく、実際に提供されることも多い。論じやすいように、本開示は、主題が類似したいくつかのセクションに分類されている。しかしながら、これは、ある主題の機能を他の主題の機能と組み合わせてはいけないと明示的に理解されるべきではない。むしろ、拡張現実または他の用途に限らず、オートモーティブ分野におけるディスプレイも作り出すためには、異なる主題の態様を組み合わせる必要がある。
次の解決策を検討するために、共通かつ同等の理解を定義するために、いくつかの用語と表現について説明する必要がある。本文書では、こうした理解のもと、記載された用語が一般に使用される。ただし、個々のケースでは解釈と相違することがあり、その場合には相違が認識できるようにされている。
「アクティブマトリクスディスプレイ」
「アクティブマトリクスディスプレイ」という用語は、LCDピクセルの制御に用いられる薄膜トランジスタをマトリクス状に配置した液晶モニタに対して元来使用されてきた。各ピクセルには、アクティブコンポーネント(主にトランジスタ)と電流供給端子とを備えた回路がある。しかしながら、現在では、この技術は液晶に限らず、特にμ-LEDやμ-ディスプレイの制御駆動部にも応用されている。
「アクティブマトリクスキャリア基板」
「アクティブマトリクスキャリア基板」または「アクティブマトリクスバックプレーン」とは、薄膜トランジスタ回路を備えたディスプレイの発光ダイオードの駆動制御部のことである。この場合、回路はバックプレーンに組み入れられていてもよいし、バックプレーンに適用されていてもよい。「アクティブマトリクスキャリア基板」には、μ-LEDディスプレイ構造への電気端子を形成する1つ以上のインターフェースコンタクトがある。そのため、「アクティブマトリクスキャリア基板」は、アクティブマトリクスディスプレイの構成要素であったり、アクティブマトリクスディスプレイを保持したりすることができる。
「活性層」
活性層とは、光電子構造素子および/または発光ダイオードの中で、電荷キャリアが再結合する層のことである。最も単純な形態では、活性層は、異なる導電型の隣り合う2つの半導体層の領域によって特徴付けられることができる。より複雑な活性層としては、量子井戸(当該項目を参照)、多重量子井戸、または追加の特性を有する他の構造体が挙げられる。同様に、構造体および材料系によって、活性層のバンドギャップ(当該項目を参照)を調整することができ、これは光の波長ひいては色を規定する。
「アルバレスレンズ配置構造」
1組のアルバレスレンズを使用して、ビデオアイウェアのビーム経路を適合させることができる。調整用光学系(Verstelloptik)は、アルバレスレンズ配置構造、特にモアレレンズ配置構造を備えた回転可能なバリアントを含んでいる。この場合、ビームのたわみは、放射方向zと横方向x,yについて、例えばz=ax2+by2+cx+dy+eによって近似されるそれぞれの位相板レリーフの一次導関数と、横方向x,yにおける2つの対で配置された位相板のオフセットとによって決定される。別の構成では、調整用光学系に回転可能なプリズムが企図されている。
「拡張現実(AR)」
拡張現実(AR)とは、実環境のインタラクティブな体験であって、実環境の視覚物体が実世界にあり、コンピュータで生成された知覚可能な情報によって拡張される体験である。拡張現実とは、まさにこのコンピュータで生成された知覚可能な情報を使った現実知覚のコンピュータ支援による拡張を意味する。この情報は、人間のあらゆる感覚モダリティに対応することができる。しかしながら、拡張現実とは、情報の視覚的表現、つまり、画像や動画にコンピュータで生成された追加情報や仮想物体をフェードイン/オーバーレイによって補足することのみと理解されることが多い。拡張現実の動作モードの用途や説明については、導入部と以下の実施例に見出される。
「オートモーティブ」
オートモーティブとは、一般的に自動車またはオートモビール産業のことである。したがって、この用語は、この分野だけでなく、μ-ディスプレイまたは一般的に非常に高い解像度を有するライトディスプレイおよびμ-LEDを含む他のすべての産業部門もカバーすべきである。
「バンドギャップ」
バンドギャップとは、固体の価電子帯と伝導帯との間のエネルギー的な距離のことであり、バンド距離もしくは禁制帯とも呼ばれている。その電気的・光学的特性は、バンドギャップの大きさによって大いに左右される。バンドギャップの大きさは、通常、電子ボルト(eV)で示される。そのため、バンドギャップは、金属、半導体および絶縁体の区別にも用いられる。バンドギャップは、例えば、空間的なドーピング、結晶格子構造の変形、さらには材料系の変更など、さまざまな措置によって適合、すなわち変化させることができる。価電子帯の最大値と伝導帯の最小値とが運動量空間で重なり合っている、いわゆるダイレクトバンドギャップを有する材料系では、発光時に電子-正孔対の再結合が可能となる。
「ブラッググレーティング」
ファイバブラッググレーティングは、光導波路に刻み込まれた特殊な光干渉フィルターである。λB付近のフィルターバンド幅内にある波長が反射される。光導波路のファイバコアには、さまざまな方法で屈折率の周期的な変調が生じる。これにより、特定の波長の光を反射する屈折率の高い領域と屈折率の低い領域とが形成される(バンドストップ)。シングルモードファイバのフィルターバンド幅の中心波長は、ブラッグ条件に起因する。
「指向性」
指向性(すなわち方向性を示す特性)とは、μ-LEDまたは他の発光構造素子の放射パターンのことである。指向性が高いということは、放射指向性が高く、すなわち放射円錐が小さいということになる。一般的には、隣り合う画素への光の漏話(Uebersprechen)を可能な限り回避するように、高い放射指向性を得ることが目標となる。したがって、発光構造素子は視野角に応じて明るさが異なり、したがってランベルトエミッタとは異なる。
機械的な措置または他の措置によって、例えば発光を企図した面で、指向性は変化させることができる。これらの措置には、レンズなどに加えて、フォトニック結晶またはピラー構造体(カラム状構造体)を画素化アレイの放出面上に配置したものや、特にμ-LEDのアレイ上に配置したものも含まれる。これらは、仮想的なバンドギャップを生じさせ、発光面に沿った光のベクトルの伝搬を低減または防止する。
「遠方界」
近傍界と遠方界という用語は、電磁放射を放射する素子の周囲の空間領域を表すもので、それらの特徴は異なる。通常、空間領域は、反応性のある近傍界、遷移領域、遠方界の3つの領域に分けられる。遠方界では、電磁放射は放射素子とは無関係に平面波として伝搬する。
「スクリーンドア効果」
スクリーンドア効果(SDE:Screen Door Effect)は、デジタルビデオプロジェクターにおいて、永久的に目に見える画像アーティファクトである。スクリーンドア効果という用語は、技術的な理由で発生する、個々のピクセルもしくはその投影情報の間の望ましくない黒い間隔を表しており、網目模様の形をしている。この間隔は、駆動制御用の導体トラックがLCDの各セグメントの間を通っているため、光が吸収されてスクリーンに当たらないことがあるという構造上の理由によるものである。小型の光電子照明デバイス、特にμ-LEDを使用したり、個々の発光ダイオード間の間隔が大きすぎたりする場合に、結果的に充填密度が低くなり、個々の画素領域を見たときに、スポット照明された領域と暗い領域との違いが目に見えるようになる場合がある。このいわゆるスクリーンドア効果(Screen-Door-Effekt)は、視距離が短い場合に、特にVRグラスなどの用途で、とりわけ顕著に現れる。サブ画素構造は、通常、画素内の照度差がマトリクス配置構造を挟んで周期的に続く場合に認識され、煩わしく感じられる。したがって、オートモーティブや拡張現実の用途におけるスクリーンドア効果は可能な限り回避されるべきである。
「フリップチップ」
フリップチップアセンブリは、パッケージされていない半導体チップを、コンタクト凸部、いわゆる凸部を使って接触させる組立て・接合技術プロセスである。フリップチップアセンブリでは、チップを、更なる接続ワイヤなしで、アクティブな接点面を下にして-基板/回路キャリアに向けて凸部を介して直接アセンブリされる。これにより、パッケージ寸法が特に小さくなり、導体の長さが短くなる。したがって、フリップチップは、特に背面に接触された電子半導体素子である。さらに、このアセンブリには、例えば補助キャリアを使った特殊な転写技術が必要となる場合がある。フリップチップでの放射方向は、通常、コンタクト面の反対側になる。
「フリップフロップ」
フリップフロップは、出力信号が2つの安定した状態を持つ電子回路であり、双安定フリップフロップまたは双安定マルチバイブレータとも呼ばれることもある。この場合、現在の状態は、その時点で存在する入力信号だけでなく、対象となる時点以前の状態にも依存する。時間への依存はなく、事象への依存のみである。この双安定性により、フリップフロップは1ビットのデータ量を無制限の時間で記憶することができる。ただし、他の記憶装置とは異なり、電源回路が継続的に保証されていなければならない。フリップフロップは、順序回路の基本構成要素として、デジタル技術には欠かせない素子であるため、水晶時計からマイクロプロセッサに至るまで、多くの電子回路の基本構成要素となっている。特に、初歩的な1ビットのメモリとして、コンピュータのスタティックメモリチップの基本要素となっている。いくつかの構成形態では、さまざまなタイプのフリップフロップや他のバッファ回路を使用して、状態情報を記憶することができる。それぞれの入出力信号はデジタルであり、すなわち、論理的に「偽」と論理的に「真」とが交互に繰り返される。これらの値は、「低」0、「高」1とも呼ばれている。
「ヘッドアップディスプレイ」
ヘッドアップディスプレイは、ユーザーの視界に情報を投影することで、ユーザーが、頭の位置や視線の方向を維持できるディスプレイシステムもしくは投影デバイスである。ヘッドアップディスプレイは、拡張現実システムである。ヘッドアップディスプレイには、視線の方向や空間での向きを判断するためのセンサーが備わっている場合もある。
「横型発光ダイオード」
横型LEDでは、電気端子はLEDの共通の面にある。これは、LEDの光出射面に面していない背面であることが多い。そのため、横型発光ダイオードは、表面の片側にのみ形態されたコンタクトを有する。
「干渉フィルター」
干渉フィルターは、干渉の効果を利用して、光を周波数別(可視光線の場合は色別)にフィルタリングする光学素子である。
「コリメーション」
光学では、発散した光ビームの方向が平行になっていることをコリメーションという。これに関連するレンズはコリメータまたは収束レンズと呼ばれている。コリメートされた光ビームは、平行な光線の割合が多く、そのため伝搬時の広がりが最小限に抑えられる。この意味における使用は、光源から放出された光の広がりを指す。表面から放射されるコリメートされたビームは、ビームの角度に強く依存する。言い換えれば、コリメートされた光源の放射輝度(投影された光源領域の単位あたりの一定角度あたりのパワー)は、角度が大きくなるにつれて変化する。光をコリメートするには、例えば、光源の前に配置された特殊なレンズを使うなど、いくつかの方法がある。したがって、コリメートされた光も同様に方向依存性が非常に高いと見なすことができる。
「変換材料(Konvertermaterial)」
変換材料は、第1の波長の光を第2の波長に変換するのに適した材料である。この場合、第1の波長は第2の波長よりも短い。これには、さまざまな安定した無機・有機の色素や量子ドットが特に含まれている。この変換材料は、さまざまなプロセスに適用され、パターニングすることができる。
「ランベルトラジエータ」
多くの用途では、いわゆるランベルト放射パターンが求められる。つまり、発光面が理想的にはその面にわたって均一な放射照度を有し、その結果、放射強度の分布が垂直方向に円形になることを意味している。人間の目は輝度しか評価しないため(輝度は放射輝度の光学的等価物である)、かかるランベルト材料は、見る方向に関係なく同じ明るさに見える。特に湾曲しかつフレキシブルなディスプレイ面には、角度に依存しないこの均一な明るさが重要な品質要因となり得るが、現在入手可能なディスプレイでは、構造やLED技術に起因して実現が難しい。
LEDおよびμ-LEDは、ランベルト放射体に類似しており、大きな立体角で光を放射する。用途に応じて、放射パターンを改善したり、より高い指向性(当該項目を参照)を達成したりするための更なる措置がとられる。
「導電型」
「導電型」とは、所与の半導体材料における(n型またはp型の)主要な電荷キャリアを指す。すなわち、n型にドープされた半導体材料は、n型の導電型を持つと考えられる。したがって、半導体材料がn型であれば、n型にドープされていることになる。半導体の「活性」領域とは、半導体のn型ドープ層とp型ドープ層との境界領域を指す。この領域では、p型とn型の電荷キャリアが放射状に再結合する。いくつかの構成では、活性領域はさらにパターニングされており、例えば、量子井戸構造や量子ドット構造を含んでいる。
「ライトフィールドディスプレイ」
仮想網膜ディスプレイ(VNA:virtual retinal display)またはライトフィールドディスプレイとは、目の網膜に直接ラスター画像を描画するディスプレイ技術のことである。この技術では、ユーザーは、目の前にスクリーンが浮かんでいるような印象を受ける。ライトフィールドディスプレイは、ユーザーの目の網膜に直接ラスター画像を投影するグラスとして提供されることができる。仮想網膜ディスプレイでは、網膜に直接投影することで、ユーザーの目の中に画像を作り出す。ライトフィールドディスプレイは、拡張現実システムである。
「リソグラフィ」または「フォトリソグラフィ」
フォトリソグラフィは、集積回路などの製品を製造する半導体・マイクロシステム技術の中心的な手法の1つである。この技術では、フォトマスクの画像が露光によって感光性フォトレジストに転写される。引き続き、フォトレジストの露光部分が溶解される(あるいはフォトレジストを光で硬化させると、露光されていない部分も溶解される)。これにより、露出した領域に材料を施与したり、露出した領域に凹部をエッチングしたりするなど、化学的・物理的プロセスによる更なる処理が可能なリソグラフィマスクが形成される。その後、残ったフォトレジストも材料除去することができる。
「μ-LED」
μ-LEDは、エッジ長さが70μm未満、特に20μmよりも下まで、特に1μm~10μmの範囲にある光電子構造素子である。更なる範囲は10~30μmである。これにより、面積は数百μm2~数十μm2となる。例えば、μ-LEDは、エッジ長さを約8μmとして約60μm2の面積を有する。μ-LEDのエッジ長さが5μm以下であり、その結果、30μm2未満のサイズになる場合もある。かかるμ-LEDの典型的な高さは、例えば1.5μm~10μmの範囲にある。
従来の照明用途に加えて、μ-LEDの主な用途として考慮されるのはディスプレイである。この場合、μ-LEDが画素またはサブ画素を形成し、定義された色の光を放出する。μ-LEDは、画素サイズが小さく、小さな間隔で高い密度が得られるため、AR用途のための小型モノリシックディスプレイに特に適している。
μ-LEDは前述のように非常に小さいため、これまでの大型LEDと比較して製造および加工もしくは処理が明らかに困難である。これは、コンタクト、パッケージ、レンズなどの追加要素についても同様である。大型の光電子構造素子では実現可能なことでも、μ-LEDでは成し得ないか、他の方法でしか成し得ない態様がある。この点で、μ-LEDは、従来のLED、すなわち200μm以上のエッジ長さを有する発光構造素子とは大きく異なる。
「μ-LEDアレイ」
μ-ディスプレイの項目を参照されたい。
「μ-ディスプレイ」
μ-ディスプレイあるいはμ-LEDアレイは、確定された行と列とに多数の画素が配置されたマトリクスである。その機能に関しては、どちらかと言えば同じ種類と同じ色のμ-LEDをマトリクス状に形成したものが多い。したがって、より多くの照射面が得られる。一方、μ-ディスプレイの目的は、特に情報を伝達することであり、個々の画素もしくはサブ画素ごとに異なる色やアドレス指定可能な駆動制御が必要になることが多い。μ-ディスプレイは、複数のμ-LEDアレイをバックプレーンまたは他のキャリア上に並べて形成することができる。しかしながら、同様に、μ-LEDアレイがμ-ディスプレイを形成することもできる。
各画素のサイズは、μ-LEDと同様に数μmのオーダーである。その結果、1920×1080画素を有し、1画素あたりのサイズが5μmのμ-LEDと、それに相接する画素を搭載したμ-ディスプレイの全体の寸法は、数10mm2のオーダーとなる。言い換えれば、μ-ディスプレイあるいはμ-LEDアレイは、μ-LEDを用いて実現される小型構成のアレイである。
μ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイは、同じものから、すなわち1つのワークピースから形成することができる。μ-LEDアレイのμ-LEDは、モノリシックに形成されていてもよい。かかるμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイは、モノリシックμ-LEDアレイまたはμ-ディスプレイと呼ばれる。
あるいは基板上にμ-LEDを個別に成長させた後、いわゆるピック&プレースプロセスを用いて、キャリア上に個別または一群ごとに相互に所望の間隔を置いて配置することで、2つのアセンブリを形成することもできる。このようなμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイは、非モノリシックと呼ばれる。非モノリシックμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイでは、個々のμ-LEDの間に他の間隔を設けることも可能である。これらの間隔は、用途や設計に応じて柔軟に選択することができる。そのため、このようなμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイは、ピッチ拡張型とも呼ぶことができる。ピッチ拡張型のμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイでは、キャリアに転写されたときに、μ-LEDが成長用基板上よりも間隔を空けて配置されることを意味している。非モノリシックμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイでは、個々の画素は、それぞれ青色発光のμ-LEDと緑色発光のμ-LEDと赤色発光のμ-LEDとを含み得る。
モノリシックμ-LEDアレイと非モノリシックμ-LEDアレイとの異なる利点を1つのモジュールで利用できるようにするために、モノリシックμ-LEDアレイと非モノリシックμ-LEDアレイとを組み合わせて、μ-ディスプレイを構成することができる。これにより、μ-ディスプレイは、異なる機能および/またはアプリケーションを実現することができる。かかるディスプレイはハイブリッドディスプレイと呼ばれる。
「μ-LEDナノカラム」
μ-LEDナノカラムは、一般的に活性層を有する半導体層のスタックであり、このようにしてμ-LEDを形成する。μ-LEDナノカラムは、ピラーの高さよりも小さいエッジ長さを有する。例えば、μ-LEDナノカラムのエッジ長さは約10nm~300nmであり、デバイスの高さは200nm~1μm以上の範囲になり得る。
「μ-ロッド」
μ-ロッドもしくはロッドとは、特に幾何学的な構造、特にポールもしくはバー、または一般的に長手方向に延びる、例えば円筒形の構造のことである。μ-ロッドは、μmからナノメートルを含む範囲に至るまでの空間的な寸法で作り出される。そのため、ナノロッドも同様に本明細書に包含されている。
「ナノロッド」
ナノテクノロジーにおいて、ナノロッドはナノスケールの物体の設計である。それらの各寸法は、約10nm~500nmの範囲にある。金属または半導体材料から合成されることもある。アスペクト比(長さを幅で割った値)は3~5である。ナノロッドは直接化学合成で製造される。リガンドの組み合わせが形状制御剤として機能し、さまざまな強度でナノロッドのさまざまなファセットに付着する。これにより、さまざまな成長速度でナノロッドのさまざまな設計が可能となり、細長い物体が製造される。μLEDナノカラムは、このようなナノロッドである。
「ミニチュア発光ダイオード」
ミニチュア発光ダイオードの寸法は、100μm~750μmの範囲にあり、特に150μm超の範囲にある。
「モアレ効果」および「モアレレンズ配置構造」
モアレ効果とは、規則正しい比較的細かいラスターのオーバーレイに起因して生じる、一見すると粗いラスターに見える効果のことである。その結果、干渉によるパターンに似た外観のパターンが得られるが、これはサブサンプリングによるエイリアシング効果の特殊なケースである。信号解析の分野では、サンプリングされる信号に、サンプリング周波数の半分よりも高い周波数成分が含まれている場合に発生する誤差を「エイリアシング効果」と呼ぶ。画像処理やコンピュータグラフィックスでは、画像をサンプリングした際に、元の画像にはないパターンが発生することをエイリアシング効果という。モアレレンズ配置構造は、アルバレスレンズ配置構造の特殊なケースである。
「モノリシック素子」
モノリシック素子は、1つのピースで作られた素子である。このような素子の代表的なものは、例えば、アレイが1つのピースから作られ、アレイのμ-LEDがキャリア上で一緒に作製されているモノリシック画素アレイである。
「光学モード」
モードとは、特定の時間的に静止した波の特性を表したものである。この場合、波は、異なるモードの和として表される。モードは、強度の空間分布が異なる。モードの形状は、波が伝搬する際の境界条件によって決まる。振動モードによる解析は、定在波と連続波との両方に適用することができる。光、レーザーおよび電波などの電磁放射には、TEMまたは横方向電磁モード、TEまたはHモード、TMまたはEモードなどのモードがある。TEMまたは横方向電磁モード:電界成分と磁界成分との両方が、常に伝搬方向に対して垂直である。このモードは、同軸ケーブルのように互いに絶縁された2つの導体(等電位面)がある場合や、ガスレーザーまたは光導波路のように電気導体が存在しない場合にのみ伝搬が可能となる。TEまたはHモード:電界成分のみが伝搬方向に対して垂直であり、磁界成分は伝搬方向を向いている。TMまたはEモード:電界成分のみが伝搬方向に対して垂直であり、電界成分は伝搬方向を向いている。
「光電子構造素子」
光電子構造素子は、動作中に電荷キャリアの再結合によって光を生成し、これを放射する半導体ボディである。生成された光は、赤外線から紫外線までの範囲に及ぶことができ、その波長は、さまざまなパラメーター、特に使用される材料系やドーピングに依存する。光電子構造素子は、発光ダイオードとも呼ばれている。
本開示の目的のために、光電子構造素子あるいは発光構造素子という用語は同義的に使用される。そのため、μ-LED(当該項目を参照)は、その幾何学的形状に関して特別な光電子構造素子である。ディスプレイでは、光電子構造素子は、通常、モノリシックに存在するか、またはマトリクス上に置かれた個々の素子として存在する。
「パッシブマトリクスバックプレーン」または「パッシブマトリクスキャリア基板」
パッシブマトリクスディスプレイとは、個々のピクセルがパッシブに駆動制御される(個々の画素に追加の電子部品を用いない)マトリクスディスプレイのことである。ディスプレイの発光ダイオードは、IC回路を用いて駆動制御することができる。これに対して、ピクセルがトランジスタでアクティブに駆動制御されるモニタは、「アクティブマトリクスディスプレイ」と呼ばれている。パッシブマトリクスキャリア基板は、パッシブマトリクスディスプレイの構成要素であり、これを保持するものである。
「フォトニック結晶」あるいは「フォトニック構造体」
フォトニック構造体は、フォトニック結晶、準周期的フォトニック構造体、または決定論的非周期的フォトニック構造体であってもよい。フォトニック構造体は、光の屈折率を周期的に変化させることで、フォトンのバンド構造を生成する。このバンド構造は、ある周波数領域でバンドギャップを有し得る。これにより、フォトンはフォトニック構造体を介してすべての空間方向に伝搬することができなくなる。特に、表面に平行な伝搬は妨げられることが多いが、垂直な伝搬は可能である。このようにして、フォトニック構造体もしくはフォトニック結晶は、特定の方向への伝搬を決定する。フォトニック構造体もしくはフォトニック結晶は、伝搬を一方向に遮断または低減することで、ビームまたは束状のビームを、必要に応じて、この目的のために準備された空間領域もしくは放射領域に向けて生成する。
フォトニック結晶は、透明な固体中に発生・生成するフォトニック構造体である。フォトニック結晶は必ずしも結晶ではないが、その名称は、結晶中のX線の回折・反射効果が結晶の格子定数に基づき類似していることに由来する。構造体の寸法は、フォトンの関連する波長の1/4以上であり、つまり数分の1μm~数μmの範囲にある。これらは、古典的なリソグラフィによって生成されるが、自己組織化プロセスによっても生成される。
あるいはフォトニック結晶の類似または同様の特性は、非周期的であるが、それにもかかわらず秩序のある構造体であれば作り出すことができる。このような構造体は、特に準周期構造または決定論的非周期な構造体である。これらは、例えば、スパイラル状のフォトニックアレイである。
特に、ここでは、いわゆる2次元フォトニック結晶が例として挙げられ、これは、互いに直交する2つの空間方向、特に、光出射面に平行に延びる、互いに直交する2つの空間方向において、光屈折率の周期的な変化を有するものである。
しかしながら、1次元フォトニック構造体、特に1次元フォトニック結晶も存在する。1次元フォトニック結晶は、一方向に沿った屈折率の周期的な変化を有する。特に、この方向は、光出射面に平行に延びることができる。1次元構造体により、第1の空間方向にビームを形成することができる。この場合、フォトニック構造体の数周期で既にフォトニック効果を得ることができる。例えば、フォトニック構造体は、電磁放射が第1の空間方向に対して少なくともほぼコリメートされるように構成されていてもよい。そのため、少なくとも第1の空間方向に関しては、コリメートされたビームを生成することができる。
「画素」
画素(Pixel)、ピクセル(Bildpunkt)、イメージセルまたは画像素子とは、デジタルラスターグラフィックの個々の色値の他、イメージセンサーもしくはラスター駆動制御によるスクリーン上で色値を取得または表示するのに必要な面積素子を指す。したがって、画素は、ディスプレイデバイスのアドレス指定可能な素子であり、少なくとも1つの発光デバイスを有している。画素は一定のサイズを有し、隣り合う画素は定義された間隔(画素空間)だけ離れている。ディスプレイ、特にμ-ディスプレイでは、多くの場合、異なる色の3つの(または追加の冗長性がある場合には4つ以上の)サブ画素を組み合わせて1つの画素が形成される。
「プラナアレイ」
プラナアレイは、本質的に平らな表面である。多くの場合、それは滑らかであり、突出した構造を持たない。通例、表面の粗さは望ましくなく、所望の機能を有しない。プラナアレイは、例えば、いくつかの光電子構造素子を備えたモノリシックプラナアレイである。
「パルス幅変調」
パルス幅変調あるいはPWMは、素子、ここでは特にμ-LEDを駆動制御するための変調の一種である。この場合、PWM信号は、それぞれのμ-LEDを流れる電流をオン/オフするように構成されたスイッチを制御し、μ-LEDが発光するか発光しないかのいずれかをとる。PWMでは、一定の周波数fの矩形波信号が出力される。各期間T(=1/f)におけるスイッチオフ時間に対するスイッチオン時間の相対量によって、μ-LEDが発する光の明るさが決まる。スイッチオン時間が長ければ長いほど、光は明るくなる。
「量子井戸」
量子井戸(Quantenwell/Quantentopf)とは、1つ以上の半導体材料のバンド構造における電位プロファイルであり、1つの空間次元(通常はz方向)における粒子の移動の自由を制限するものを意味する。これにより、平面領域(x,y平面)のみが電荷キャリアで占有されることになる。量子井戸の幅は、粒子が取り得る量子力学的状態を決定的に左右し、エネルギー準位(サブバンド)の形成につながる。すなわち、粒子は、離散的(潜在的)なエネルギー値のみをとることができる。
「再結合」
一般的には、放射再結合と非放射再結合とは区別される。後者の場合、フォトンが生成され、これは素子から離れ得る。非放射再結合によりフォノンが生成され、これは素子を加熱する。放射再結合と非放射再結合との比率は、関連するパラメーターであり、素子のサイズにも特に依存する。一般的には、素子が小さければ小さいほど、比率は小さくなるため、放射再結合よりも非放射再結合の方が増加する。
「リフレッシュタイム」
「リフレッシュタイム」は、ディスプレイなどのセルが情報を失わないように再度書き込まれなければならない時間、または外部環境によってリフレッシュが予め決められている時間である。
「ダイ(Rohchip)」または「発光体」
発光体あるいはダイは、ウェハ上での製造後にウェハから分離された半導体構造であり、動作中の電気的な接触後に光を生成するのに適したものである。そのため、ここでいうダイは、光を生成するための活性層を含む半導体構造である。通常、ダイは接触後に個片化されるが、アレイ状に後加工することもできる。
「スロットアンテナ」
スロットアンテナは、空間内の金属製構造体を(不導体としての)空気で囲む代わりに、金属製構造体(例えば、金属板、導波路など)の中断部が設けられた特殊なタイプのアンテナである。この中断部により、中断部の幾何学的形状に波長が依存した電磁放射の放出が起こる。多くの場合、中断部は双極子の原理に従っているが、理論的には他の幾何学的形状を有していることも可能である。したがって、スロットアンテナは、可視光線の波長のオーダーの長さを有する空洞共振器を備えた金属製構造体を含む。金属製構造体は、絶縁材料の中に配置されていてもよいし、絶縁材料に取り囲まれていてもよい。通常、金属製構造体は一定の電位を設定するために接地されている。
「視野」
視野(FOV:field of view)とは、光学機器、太陽センサー、カメラ(フィルムもしくは記録センサー)または透明ディスプレイの画面の画角の中で、事象または変化を認識・記録することができる範囲のことである。特に、人間が目を動かさずに見ることができる範囲が視野である。拡張現実や目の前に配置された見かけ上の物体に関しては、目が安定して固定されているとき視野角の度数で示される範囲が視野に含まれる。
「サブ画素」
サブ画素(例えばサブピクセル)は、画素の内部構造を表すものである。通例、サブ画素という用語は、個々の画素に基づき期待され得るものよりも高い解像度と関連している。また、1つの画素は、複数のより小さなサブ画素から構成されることができ、それぞれのサブ画素が1つの色を放射している。画素の全体的な色の印象は、個々のサブ画素の混合によって作り出される。したがって、サブ画素は、ディスプレイデバイスの中で最小のアドレス指定可能な単位である。同様に、サブ画素は、サブ画素が割り当てられている画素のサイズよりも小さい一定のサイズを含んでいる。
「縦型発光ダイオード」
横型LEDとは対照的に、縦型LEDは、LEDの表側に1つの電気端子、裏側に1つの電気端子がある。2つの側面のうちの1つが発光面も形成する。そのため、縦型発光ダイオードは、対向する2つの主表面側にコンタクトが形成されている。したがって、導電性でありながら透明な材料を堆積させることで、一方では電気的な接触が保証され、他方では光が通過できるようにする必要がある。
「バーチャル・リアリティ」
バーチャル・リアリティ(VR)とは、リアルタイムにコンピュータで生成されたインタラクティブな仮想環境において、現実とその物理的特性を表現し、同時に認識することである。バーチャル・リアリティは、操作者の実環境を完全にシミュレートした環境に置き換えることができる。
以下のセクションでは、μ-LEDの半導体構造のさまざまな態様について説明する。これらには、光を生成するための構造および材料系などが含まれる。しかしながら、これらの態様は、処理についての考察にも関連している。
拡張現実の分野だけでなく、オートモーティブ用ディスプレイまたはμ-LEDを用いた他のディスプレイ配置構造における本質的な態様は、配置構造の隣り合うμ-LEDがμ-ディスプレイまたはμ-アレイとして、人間の目ではこの配置構造の個々のμ-LEDを解像もしくは識別できないほどの間隔に置かれているという態様である。特に、μ-LEDを行単位または列単位で配置した個々の行または列は人間の目では解像もしくは識別することができない。それに加えて、μ-LED間の距離もしくはμ-LEDアレイの画素密度や画素ピッチも、μ-LEDアレイからの見る人の距離に適宜適合させ、見る人の目がそれぞれの用途のμ-LEDアレイの個々のμ-LEDを解像できないようにしている。
μ-LEDアレイは、有機LED(OLED)および液晶ディスプレイ(LCD)を用いたアレイに比べて、エネルギー消費量が比較的少なく、最大106Cd/m2の高輝度が得られるという利点を有する。さらに、μ-LEDアレイは、最大5000画素/インチ(PPI)の非常に高い画素密度と、ディスプレイに使用する場合はナノ秒範囲の非常に高いリフレッシュレートとを実現する。そのうえ、OLEDおよびLCDと比較して、μ-LEDアレイは非常に長い耐用年数と、環境の影響に対して非常に優れた安定性とを有する。さらに、μ-LEDアレイを使用することで、例えばアプリケーションに応じて、コントラストの範囲や解像度に関する値をこれらのパラメーターの所望の値に調整することが可能になる。
さらに、μ-LEDのアレイは、μ-LEDによって形成される照射面を所望の形状に適合させることができる。そのため、本用途では、通常のディスプレイに限らず、μ-LEDのアレイをオートモーティブ分野においても使用することで、例えば湾曲した面をディスプレイまたは発光アレイとして利用することもできる。この場合、情報を表示するだけでなく、照明または照光のためのより単純な照射面として使用することもできる。
一態様では、モノリシックディスプレイにおける異なる色の生成が関係している。モノリシックμ-LEDアレイでは、個々の画素は、例えば青色の光を発するそれぞれのμ-LEDアレイを含むことができ、さらに、各μ-LEDは、青色の光を一部または完全に二次光に変換する変換材料を有し、これは青色の一次光と合わせて、混合光、例えば白色の光を提供することができる。モノリシックμ-LEDアレイは、高輝度の照射面を実現することができるため、自動車のライト、例えば、自動車のヘッドライトの光源として有利には使用することができる。
一方、非モノリシックμ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイでは、隣り合う画素もしくはμ-LED間の空間を利用して、他の部品、例えばμ-LEDを動作させるための電子部品またはセンサーまたは検出器を配置することができる。非モノリシックμ-LEDアレイは、例えば、ディスプレイや、センサーを内蔵したディスプレイ、特にタッチスクリーン、さらには制御素子に有利には使用することができる。
いくつかの態様は、導電性構造体が専用周波数で電気放射を強制的に放出することができるという原理に関している。それに従って、ここでは、スロット型アンテナ構造体を使用して発光を誘起し、半導体素子の活性領域における放射再結合と非放射再結合との比率を高めるというコンセプトが提案されている。その理由として、一般的には、この比率は、μ-LEDの小型化および/または活性領域の縮小に伴って放射再結合に不利となるように変化していくからである。
このような構造は、上記の比率の改善すること以外にも更なる利点を生む。というのも、放出される波長は、環境の物理的特性に合わせられたスロット型アンテナの幾何学的パラメーターに主に依存するからである。その結果、さまざまな機械構造を用いてさまざまな色の光を生成することができる。さらに、スロット型アンテナ構造体は指向性の発光を可能にし、これにより強いコリメーションを必要とする用途への実装が有益となり得る。
一構成では、発光デバイスは導電性構造体を含む。この導電性構造体は、スロット型アンテナ構造体を形成し、上側主表面と、この上側主表面に対向して配置され、層の厚さで分離された下側主表面とを有する。導電性構造体の中には、キャビティが配置されている。このキャビティには、幅と、特定の長さとがあり、デバイスで発生される光の波長はさらにこの特定の長さに依存する。この幅は、対応するキャビティの長さよりも小さい。
一部の変形例では、スロット型アンテナ構造体は一定の厚さの金属板を含み、この金属板にはスロットまたはキャビティが設けられている。上記と同様に、スロットには幅と特定の長さとがある。発光デバイスは、第1の主方向に沿って、キャビティ内に配置されていてかつ少なくとも上側主表面を超えて延在する半導体層スタックも含む。半導体層スタックは、LEDナノカラムであってもよく、第1の電気的コンタクト、第2の電気的コンタクトおよび活性領域を含む。一部の変形例では、半導体層スタックの活性領域は、第1のコンタクトと第2のコンタクトとの間に置かれていてもよい。半導体層スタックの活性領域は、単一のpn接合だけでなく、量子井戸、多重量子井戸(Multiquantenwell/Multiquantentopf)またはそれらの各々の組み合わせによって実装されていてもよい。半導体層スタックは、その対応する幅よりも大きい長さを有していてもよい。例えば、半導体層スタックは、幅の少なくとも2倍以上の長さを有していてもよい。半導体層スタックはまた、幅の5倍から最大10倍の長さを有していてもよい。
光を規定し、動作中の半導体層スタックの非放射再結合よりも放射再結合を促進するために、キャビティの長さは動作中に放射される光の波長のn/2(nは自然数である)に実質的に基づいている。この点について、さまざまな物理的パラメーターにより発光挙動および発光中心波長が変化するため、実際のキャビティの長さを若干調整することが必要になる場合があることに留意すべきである。これらのパラメーターは、いわゆる短縮率にまとめることができ、これは物理的パラメーターから測定および/または計算することができる。本出願では、キャビティの長さが動作中に放出された光の波長のn/2に実質的に基づいていることに注目して短縮率が考慮される。
一部の変形例では、導電性構造体は、半導体層スタックの活性領域の厚さよりも大きい上側主表面と下側主表面との間の距離(厚さと呼ばれる)を有している。活性領域は、キャビティ内、特に上側主表面と下側主表面とによって定義されるレベルの間に置かれていてもよい。このような構成では、活性領域がキャビティ内に置かれていることになり、活性領域内での放射再結合の必要性が促進される。キャビティの長さに関して、半導体層スタックは、キャビティの実質的に中央に配置されていてもよい。それに応じて、半導体層スタックの中心は、実質的にキャビティの長さの半分で配置されている。本実装例では、半導体層スタックとスロット型アンテナとが双極子構造を形成し、主な発光波長は短縮率に合わせられたキャビティ長さの約2倍で与えられている。
他のいくつかの実装例では、半導体層スタックは、キャビティの端面に向かって、例えば、キャビティ長さのエッジ部に置かれている。さらに別の実装例では、発光デバイスは、本明細書に記載されているようにキャビティのそれぞれの端部に配置された2つの半導体層スタックを有していてもよい。
半導体層スタックは、導電性構造体を超えて延在してもよい。このため、半導体層スタックの第1および第2の電気的コンタクトはまた、上側主表面よりも上に、またはそれに応じて下側主表面よりも下に設けられることになる。したがって、半導体層スタックは、いわゆる縦型層スタックとなり得る。用途に応じて、第1のコンタクトがp型コンタクトで、第2のコンタクトがn型コンタクトの場合もあれば、その逆の場合もある。半導体層スタックをキャビティの外側で接触させることで、実装が簡単になるだけでなく、望ましくない効果を低減することができる。
可視光線の発光を促進するキャビティを形成するには、数百ナノメートルのキャビティ長さが必要である。半導体層スタックおよび活性領域とはキャビティ内に置かれていてもよいため、半導体層スタックおよび活性領域の基底面の直径は、特に動作時にデバイスから放出される波長よりも小さくなる。スロットは、一般的には、幅よりも長さが大きいことが望ましい。いくつかの態様では、長さと幅との比率は、30:1~5:1、特に15:1~5:1であり得る。比率が5:1未満の場合はもちろん、他の比率の場合であっても、半導体層スタックの側壁に沿って、反射性であるものの絶縁された層を設けることで、キャビティの長さに対して垂直な成分を有する光を反射させることができる。これにより、キャビティの長さに対して垂直に伝搬しようとする光が抑制される。
一部の変形例では、キャビティは導電性構造を通って延在し、さらにスロットを形成する。スロットの形状は長方形であるが、製造方法に起因して、その端面のエッジ部が丸くなっている場合もある。他の一部の変形例では、キャビティはどちらかと言えば切欠き部であり、半導体層スタックが配置されている位置に貫通孔が置かれている。言い換えれば、キャビティは、スタックが配置されていてかつ導電性構造体を通って広がる穴を除いて、下側主表面で部分的に閉じられている。
いくつかの態様では、スロットは、2つのサブスロットの共通の端点に半導体層スタックが配置された長方形の形状を有することもできる。
別の態様は、導電性構造体を絶縁し、構造体をスタックから分離することに関する。導電性構造体の少なくとも上側主表面には、透明な絶縁層が施与されている。しかしながら、半導体層スタックのコンタクトは、絶縁材料で覆われているのではなく、絶縁材料にわたって広がっているか、または導電性構造体に対向する絶縁材料の表面のレベルに達している。この実装例では、発光デバイスは、透明な絶縁層上に施与されていてかつ第1の電気的コンタクトと接触するコンタクト層も有している。コンタクト層は、コンタクト層上に施与された別の層で絶縁されていてもよい。この層(またはコンタクト層)は、デバイスの発光特性を改善するためにパターニングされていてもよい。光の取り出しを高めるために表面をコーティングしたり、粗面化したりすること以外に、フォトニック結晶などの周期構造体を上面に配置してもよい。マイクロレンズなどの更なる光学系を利用してもよい。
他のいくつかの態様では、透明な絶縁層が下側主表面も覆っており、下側主表面を覆うことで、半導体層スタックの他方のコンタクトと透明な絶縁層とが実質的に平坦な表面を形成する。しかしながら、この導電性構造体は、スロット型アンテナとして機能するためには基準電位に接続されている必要があるため、絶縁層で完全には覆われていない。したがって、導電性構造体は少なくとも1つのコンタクトを有する。ここでいう導電性構造体は、半導体層スタックの接続部と同じ電位であってもよい。その場合、層スタックは導電性構造体に接続されることになる。しかしながら、それとは逆に導電性構造体に異なる電位を印加することも可能である。
かかるデバイスが放出した光は、広範囲のスペクトルを有することができ、すなわち、発光スペクトルは(前述のように)中心波長を中心としながら、他の周波数成分も含んでいる。また、名目上同じキャビティを有する素子から放出された光のスペクトルは広くなる。スペクトルを小さくし、狭いスペクトルを有する特定の中心波の光を提供するために、発光面に対応する上側主表面にカラーフィルターが配置されていてもよい。フィルターは、狭いカラーバンドパスであってもよい。一部の変形例では、第1の波長の光を第2のより長い波長の色に変換するために、上側主表面の上に変換体(Konverter)が配置されていてもよい。変換体を利用することで、発光デバイスを、所与の波長に対して最適化し、次いで別の所望の波長に変換することができる。
別の態様は、多数のかかる発光デバイスを、特にμ-LEDディスプレイを製造するために、適切なドライバ回路および制御回路と合わせて実装することに関している。かかるアレイは、前述したように少なくとも2つの発光デバイスを有する。少なくとも2つのデバイスは、このとき共通の導電性構造体を共有し得る。共通の導電性構造体には、いくつかのキャビティが配置されていてもよく、各キャビティは対応する発光デバイスに含まれている。追加的または代替的に、μ-LEDアレイは、導電性構造体の少なくとも上側主表面の上に施与された共通の透明な絶縁層を有していてもよい。導電性構造体が発光デバイスごとに独立したものである場合、絶縁層は各デバイスの導電性構造体の間の空間を埋めてもよい。
一部の変形例では、少なくとも2つの発光デバイスの上に施与される共通のフィルターまたは他の構造体を提供することができる。これにより、1つの発光デバイスが破損した場合の冗長性が確保されるとともに、カラーフィルターをより広い範囲に適用することができることから(1つのスタックと1つのキャビティのみに適用する場合に比べて)、実装の煩雑さが軽減される。
発光デバイスを個別に制御するために、p型コンタクトまたはn型コンタクトの少なくとも一方のコンタクトが互いに接続されていないことで、発光デバイスを別々にアドレス指定および制御することができる。
上記タイプのμ-LEDアレイでは、いくつかの発光デバイスが、対応する発光デバイスの色を設定するためのカラーフィルターを有していてもよい。これらのカラーフィルターは、異なる特性を有し得る。例えば、少なくとも2つの発光デバイスのカラーフィルターは、2つの発光デバイスのうちの他方のカラーフィルターに対して、異なるバンドパスまたはフィルター特性を有していてもよい。したがって、異なる色を得ることができる。これは、発光デバイスが2つ以上の対象領域にまたがる非常に広範囲の発光スペクトルを持つ場合に有効であり得る。例えば、発光デバイスは、緑色および青色の成分をカバーする発光スペクトルを有していてもよい。スペクトルの不所望な成分をフィルターするために、対応するカラーフィルターを利用してもよい。発光デバイスがそれぞれ変換体を有している場合にも、同様の解決策が提示される。
少なくとも2つの発光デバイスのうち、一方の発光デバイスの変換体は、少なくとも2つの発光デバイスのうち、他方の発光デバイスの変換体と異なっていてもよい。そのため、同じ長さのキャビティでも異なる色を得ることができ、同じキャビティの3つまたは6つまたは9つのサブ画素から画素を簡単に構成することができ、そのキャビティの上に対応する変換体が配置される。このようにして製造された各画素は、同じ導電性構造体を共有することができる。
上記形態のμ-LED以外に、更なる設計も考えられる。主に、これらの設計は光の生成に適した面を有している。このような発光ダイオードを組み合わせて、RGBモジュールが作製される。これは、大きなLEDの設計だけでなく、小型部品を使ったモジュールにも当てはめられる。しかしながら、μ-LEDの分野における非常に小さな発光ダイオードを搭載したモジュールでは、このようなμ-LEDを個別に製造して転写するには非常に手間がかかり得る。
したがって、モノリシックμ-LED、すなわちキャリア上にμ-LEDを行と列とに並べて成長させたμ-LEDは、μ-LEDの部品転写なしでμ-ディスプレイモジュールを製造できる可能性がある。
しかしながら、一部の用途では、異なる色で発するμ-LEDが構成されている必要がある。この場合、青色、緑色および赤色のスペクトルで光を放射するμ-LEDがそれぞれμ-画素を形成する。3つの、または冗長性がある場合には4つ以上のかかるμ画素が1つの画素を形成する。ここで、RGBのμ-ディスプレイまたは対応するモジュールを作り出すために、動作中に有色光を放射するμ-LEDを異なる材料系で作製することができる。これにより、モノリシック設計は困難となる。
別のアプローチを、以下の態様および提示した方法で説明する。そこで、画素のμ-LEDアレイを製造する方法として、成長用基板上に多面体またはプリズム状のコーティングされた材料ボリューム(Materialvolumina)の各組み合わせを形成することが提案されている。材料ボリュームとは、キャリアの表面に作り出された半導体ボディと理解される。コーティングされた材料ボリュームは、光を発するのに適した活性層を有するように構成される。この点で、このようなコーティングされた材料ボリュームは、そのサイズからμ-LEDとも呼ぶことができる。第2のステップでは、定義された色に合わせられた変換材料が、1組の材料ボリューム間に導入される。これらの色は、例えば、赤色および緑色であってもよい。いくつかの態様では、材料ボリューム、もしくはこのようにして製造されたμ-LEDは、青色の光を発するように構成されているので、この場合、2つの材料ボリューム間の変換体を省くこともできる。
このように、計4本のかかるインゴットの材料ボリュームもしくはμ-LEDを使って、青色、緑色および赤色の光を個別に発生させることができる。変換材料は、同時に電気的に駆動制御させることができる2つの材料ボリューム間の少なくとも中間にそれぞれ位置している。いくつかの態様では、変換材料も部分的に材料ボリュームの表面に広がっている。さらに、材料ボリュームを増やすことで、冗長性を持たせ、1つのボリュームが故障しても、所望の波長の光を発することができる。材料ボリュームは、長手方向に延びる直方体またはインゴットの形状を有している。しかしながら、他の正多面体(regelmaessige Polyeder)、例えば平行六面体、直角プリズム、または類似の形状、例えば角錐台、オベリスク、ウェッジもしくは正多面体(regulaere Polyeder)も考えられる。
さらに、第2の態様によれば、キャリア基板上に多面体またはプリズムの形状で含むコーティングされた材料ボリュームの各組み合わせを有する、特に画素用のμ-LED配置構造が提案される。このような1組の材料ボリューム間には、材料ボリュームから放射された光を更なる波長の光に変換する変換材料が導入されている。この変換は完全なものであることが多い。
材料ボリュームを製造するためには、まずキャリア基板上にインゴット状のコアを形成し、この上に複数のエピタキシャル層をオーバーグロースさせる。このために、適切なフォトストラクチャ(Fotostrukturen)が使用される。コアおよび各層の材料系として、例えばGaNをベースとした第III-V族半導体系が挙げられる。エピタキシャル成長により幾何学的形状に関する材料ボリュームが定義されるため、非常に小さな面積にRGB画素を配置することができる。キャビティ内に変換体を配置することで、冗長性を持たせ、ジェッティング法またはディスペンシング法による製造が容易になる。このようにして、冗長な3Dインゴット配置構造に基づいて、μ-ディスプレイをRGBディスプレイとして作り出すことができる。
電気的な接続が、特に、キャリアを通過するスルーホールビアを用いて、更なる配線技術なしに可能である。このようにして、SMT(「surface mounted technology」;表面実装)部品を形成することができる。あるいはキャリア内に存在する導電性構造体とモノリシックに材料ボリュームを形成することもできる。
上述のように、第1のドープ層と第2のドープ層とがコアの上に施与される。第1の層と第2の層との間には、活性層が配置されている。後者は、1つ以上の量子井戸構造を含み得る。さらに、第1の層および/または第2の層は、電流拡散層、ドーピング勾配、または活性層への最小限の抵抗と高い電流密度とを可能にするための更なる手段を含んでいる。材料ボリュームのエッジ部から電流を遠ざけるための電流狭窄など、更なる手段については本開示で説明されており、材料ボリュームの製造に使用することができる。これらには、量子井戸インターミキシングなどが含まれるが、これらに限定されない。各組合せは、メタライゼーションを介してp型コンタクト領域とn型コンタクト領域とに電気的に接触している。いくつかの態様では、片方または両方の領域が共通して構成されていてもよく、すなわち、材料ボリュームは1つまたは2つの共通のコンタクト領域を共有している。
更なる構成によれば、マスキングされていない領域を有する成長用キャリア上に成長層を形成してもよく、そこに一定数の材料ボリュームを成長させてもよい。更なる構成によれば、成長層は、n型ドーピング、特にGaNを含んでいてもよい。マスキングは、SiO2またはSiNを含んでいてもよい。成長層は、材料ボリュームのコアと同じ材料(例えば、GaN)から形成されていてもよく、用途に応じてドープされていてもよい。
更なる構成によれば、材料ボリュームは、その長手方向軸線が互いに平行で、互いに同じ幾何学的形状で作り出すことができる。更なる構成によれば、成長用キャリアに面していない活性層と更なる層とで覆われた材料ボリュームの面に、特にはんだを提供する、ミラー状の第1のメタライゼーションを堆積させることで、p型コンタクト、特にストリップ状のp型コンタクトを形成することができる。更なる態様によれば、平面のキャリアの主表面に、はんだメタライゼーション層を堆積させることで、このはんだメタライゼーション層を、p型コンタクトを形成する材料ボリュームの第1のメタライゼーションに接続、特にボンディングすることができる。
いくつかの構成では、成長層は、特に、それぞれの場合において、エッチング(RIE(反応性イオンエッチング)またはICP(誘導結合プラズマエッチング))によって領域ごとに除去される。このようにして露出した成長領域にパッシベーションが堆積され、露出領域の表面を完全に覆うことができる。その際、一部領域は残したままにされたり、またはパッシベーションが再度開放されたりする。いくつかの態様では、後者の開放は、基板に面していない表面の材料ボリュームの長手方向軸線に沿って行われる。次いで、材料ボリュームの露出した領域に、ストリップ状のn型コンタクトを形成する第2のメタライゼーションが施与される。
構成に応じて、不動態化された側壁の少なくとも一部にもメタライゼーションが被覆されている。これは反射性であり、光がそこから反射して戻ってくる。相互に隣り合う2つのコーティングされた材料ボリュームの場合、これらの側壁ミラー・メタライゼーション(Seitenwandspiegel-Metallisierungen)は、互いに背を向けているものと向き合っているものとで交互に作り出すことができる。このような構成では、側壁ミラー・メタライゼーションが互いに背を向けて作り出される2つの相互に隣り合うコーティングされた材料ボリュームの場合、自由な空間が変換材料で充填されることが企図される。
パッシベーション層上とそれに沿って、n型コンタクト、側壁ミラー・メタライゼーションおよび第3のメタライゼーションとして堆積された金属性の中間接続部から、特にストリップ状の、第4のメタライゼーションとして堆積されたn型コンタクト領域との電気的な接続を形成することができる。これらは、キャリアの同じ側にあってもよい。あるいは金属ボリュームに面していないコンタクト領域に接触するスルーホールビアが設けられている。このスルーホールビアは、パッシベーション層により、はんだメタライゼーション層およびキャリアと電気的に絶縁されている。もちろん、p型領域とn型領域とを入れ替えることも可能である。
更なる構成によれば、p型コンタクト-スルーホールビアは、それぞれの変換材料の領域に形成されていてもよい。メタライゼーションには、AlまたはAgなどの適切な材料を使用することができる。
インゴットの長さを短くすると、いわゆるμ-ロッドが得られる。これはピラー状の構造をしており、同様に長手方向軸線に沿って表面上を覆う活性層を含み、動作中には原則的に全方向に光を放射するようになっている。このようなμ-ロッドは、自己組織化または配向依存性の結晶成長によって、キャリア上に何度も生成され得る。かなり小さな構造であるため、エピタキシャルプロセスのパラメーターを変更するだけで、特にμ-ディスプレイ用のμ-LEDを作製することができる。上述のタイプのμ-ロッドは、μm以下からナノメートルを含む範囲に至るまでの空間的な寸法を示す。
μ-ロッドで生成された光は、実質的にすべての空間方向に放射されるが、基底面が小さいため、真上に放射される光の部分はどちらかと言えば小さくなる。したがって、以下に開示される反射構造体のうちの1つでμ-ロッドを取り囲むことが企図されていてもよい。このようにμ-ロッドはある種のキャビティの中に配置され、このキャビティの壁は面取りされ、反射性に形成されている。同様に、いくつかの態様では、以下に開示されるカバー電極が設けられていてもよい。
もう1つの可能性を以下のように説明する。これは、μ-ロッドを個片化した後、基板に平行に並べて接触させるという原理に基づいている。このように水平方向に並んだμ-ロッドが構築され、それぞれがサブ画素を形成する。
第1の態様によれば、キャリアと実質的に平行に延びるμ-ロッドがキャリアに接続された電子素子、特にμ-LEDが提案される。このためにμ-ロッドは、第1のドーピングを有する細長いコアを有し、このコアは、層シーケンスによって、第1の長手方向端部から層シーケンスのない第2の長手方向端部まで外向きにコーティングされている。ここで、層シーケンスには活性層が含まれており、いくつかの態様では、量子井戸構造などが含まれていてもよい。さらに、活性層の低欠陥領域に電流を狭窄するために、本願に記載されているような特別なドーピングなどの措置を講じてもよい。μ-ロッドは、第1の長手方向端部が、層シーケンスと第1のコンタクトとによってキャリアの第1のコンタクト領域に電気的・機械的に接続され、第2の長手方向端部が、コアと第2のコンタクトとによってキャリアの第2のコンタクト領域に電気的・機械的に接続されている。最後に、層シーケンスは、マスキングによって第2のコンタクトから電気的に絶縁されている。そのため、μ-ロッドは細長くなり、キャリアと実質的に平行に配置される。こうして消費スペースは大きくなるが、この構造により同時に小さな電流で高い光量(Lichtausbeute)を得ることができる。
このような電子構造素子、およびキャリア上に電気的に接続されたμ-LEDを作製する方法の場合、第1のステップでμ-ロッドを作製し、その第1の端部および第2の端部で接触させることができ、これらの端部のそれぞれは、異なるドーピングが施された層に接触する。この作製は、材料のエピタキシャル堆積による基本的なステップで行ってもよい。そのため、μ-ロッドは、第1のドーピングを伴った細長いコアを有し、このコアは、1つ以上の層シーケンスによって、第1の長手方向端部から層シーケンスのない第2の長手方向端部まで外向きに、特にエピタキシャル的に成長したものである。
次いで、このようにして作製されたμ-ロッドは、これと実質的に平行なキャリアに沿って配置される。μ-ロッドの第1の長手方向端部において、第1のコンタクトを有する層シーケンスは、キャリアの第1のコンタクト領域に電気的・機械的に接続される。第2の長手方向端部において、コアは、第2のコンタクトによりキャリアの第2のコンタクト領域に電気的・機械的に接続される。この場合、層シーケンスは、絶縁層によって第2のコンタクトから電気的に絶縁されている。
μ-ロッド製造時の自由度が高まることにより、その発光を所望の波長域または所望の波長に調整することが可能になる。いくつかの態様では、μ-ロッドの幾何学的形状は、一定の波長の光の1つに合わせて形成されている。μ-ロッドの長さおよび/または直径が異なる以外に、個々の層の厚さが異なる幾何学的形状もあり得る。直径が異なると、動作中に異なる波長の光を放射するμ-ロッドを作製することができる。活性層には、量子井戸(Quantenwells/Quantentoepfe)が設けられていてもよい。μ-ロッドは、例えば、長手方向軸線に沿った多面体、プリズム、ピラミッドまたはウェッジとして形成されていてもよい。断面が4つの角部を含む場合もあれば、6つの角部を含む場合もある。いくつかの態様では、μ-ロッドは、放射された光が変換されるように追加の変換材料で覆われていてもよいし、更なる処理状態において当該材料で覆われていてもよい。
いくつかの態様では、μ-ロッドがキャリア上でその長手方向軸線に沿って平行に配置されている場合、キャリアとμ-ロッドとの間に反射層を取り付けることが好都合であり得る。これに関連して、キャリアがμ-LED周辺のリフレクタ構造体を有し、内部に配置されたμ-LEDからの光がリフレクタ構造体によって偏光されるような、他の箇所での構成を参照されたい。このようなリフレクタ構造体は、キャリア上に配置されたμ-ロッド群または各μ-ロッドの周りに配置されてもよい。
一態様では、一群を形成する3本のμ-ロッドがキャリア上に平行に配置され、キャリアのコンタクト領域に電気的・機械的に接続される。μ-ロッドは、それぞれ赤色、緑色または青色の光を発するように構成されていてもよい。そのため、これらが画素を形成する。かかるアレイを行と列とに複数設けることで、μ-ディスプレイを形成することができる。前述のように、赤色、緑色および青色の光に対して、μ-ロッドの直径が異なる場合がある。すなわちμ-ロッドは異なるサイズを有している。複数の画素がある場合には、μ-ロッドを並び替えることで、周期性による視覚的なアーティファクトを低減することができる。
いくつかの態様では、コンタクトの製造および作製が関係している。例えば、絶縁層に面していないそれぞれのμ-ロッドの第1の長手方向端部における第1のコンタクト、特にp型コンタクトの接触は、さまざまな方法で実行することができる。これには、エピタキシャル成長、特に酸素プラズマエッチングによってフォトパターニングされたシード層を用いたエピタキシャル成長が含まれる。同様に、スパッタリングによってコンタクトを形成してもよい。いくつかの態様では、少なくとも1つのコンタクト面が、キャリアの第1のコンタクト領域に対するコンタクト面として第1のコンタクトに形成される。同じように、第2のコンタクトが作製される。
既にμ-ロッドについて簡単に説明したように、これらはある種の自己組織化によって生成され得る。この場合、結晶方位を利用して、指向性を持つ結晶成長が引き起こされる。光電子半導体アレイ、例えばμ-LED用の3次元発光ヘテロ構造体を特に小型に構成する場合、制御された3D設計および表面の断面が互いに角度を形成している応力なしの活性層の製造は困難である。サファイア上に成長したGaNなどの窒化物と、InxGa1-xN量子井戸を含む活性層とを用いたμ-LEDでは、<11-00>または<112-0>方向に対して垂直な三角形プロファイルの形状を製造したり、六辺形の形状を採用したりすることが既に提案された。GaN系の半導体構造では、GaNの<11-00>または<112-0>方向に合わせた六角形開口部を有するマスクを使用して、ラテラルエピタキシャルオーバーグロースが行われる。GaAs上のAlInGaP系半導体構造では、(001)n-GaAsの<110>方向に対して、マスクの六角形開口部の対向する角部の向きを10°未満の角度誤差で適用することが提案されている。ZnSe系の半導体構造では、エピタキシャル基板としての(111)n-GaAsの<112>方向に対して角度誤差は15°未満である必要がある。しかしながら、これらの使用されるアプローチは、特にエッジ長さが70μm未満の範囲の非常に小さな構造に対しては限定的であるか、全く利用可能でない。
以下に開示される方法により、光束と吸収電力との比率に関して高い効率を有する小型のμ-LEDもしくは光電子半導体配置構造を提示することができる。それに応じて、このようなμ-LEDは、モノリシックな形態でμ-ディスプレイの一部を形成することができ、個々の画素としても形成することができる。
本明細書で提案されているコンセプトの出発点は、第1の導電性半導体層、活性層および第2の導電性半導体層を備えた3次元発光ヘテロ構造体を含む光電子半導体配置構造であって、第1の導電性半導体層と第2の導電性半導体層とは異なるドーパントを有している。提案された原理によれば、発光ヘテロ構造体は、アルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)および/またはアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)および/またはアルミニウムガリウムインジウムリンヒ素を含み、付形層(Formschicht)上に成長させることによって3次元的に形成される。付形層は、{110}の方位を持った側面を含む。任意に平坦な上面{111}が設けられていてもよい。高い変換率を実現し、特にμm寸法の発光ヘテロ構造体のエッジ部で非放射再結合を低減するためには、格子欠陥の少ない応力なしの3次元層構造を形成することが必要である。ここで、3次元発光ヘテロ構造体を製造するための基層を形成する付形層は、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に選択的にエピタキシャル成膜されるべきであることが認識されていた。
本明細書では、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板とは、エピタキシャル成長に使用される、ミラー指数に従って(111)配向の表面を有するガリウムヒ素からなる選択エピタキシ用のキャリア基板と理解され、表面平面の終端部はヒ素原子によって形成されている。ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板は、ドープまたは非ドープで使用することができる。ガリウム終端部を有するガリウムヒ素(111)Aと比較して、選択エピタキシの制御性が向上しているが、これはヒ素原子の揮発性がより高いことに起因していると考えられる。ガリウムヒ素(111)Bのヒ素終端部には、核生成を向上させるのに十分な数の均一に分布したヒ素欠陥が存在することが期待されており、そのため、エピタキシャル層形成の初期段階は、温度や原料供給などの外部から調整可能なエピタキシャルプロセスパラメーターによって有利には制御することができる。
ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に選択的にエピタキシャル成長させる付形層には、材料としてガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムインジウムリンを使用することが好ましい。ここで、付形層の材料は、非ドープ、n型ドープまたはp型ドープであってもよい。更なる設計として、付形層内または付形層上に、SiOxおよびSiNxの連続した層を有するブラッグミラースタックをエピタキシャル成膜することもさらに企図されている。
ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上には、SiOx、SiNxまたはSiOxNyからなるリソグラフィでパターニングされた誘電体層がマスクとして用いられる。マスクの開口部は、付形層の基底面が好ましくは50nm~100μmのエッジ長さを有するように選択される。一構成では、マスク構造の成形と、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板の結晶方向に対するその方位とが、付形層の少なくとも1つの{110}の方位を持った側面の形成を促進する。いくつかの態様では、付形層は、(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)の方位を持った側面を有する三角錐の形態をとる。更なる有利な構成では、付形層は、方位(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)を有する側面に加えて、方位(-1-1-1)を有する上面を有しており、そのため、更なる好ましい構成では、3辺の角錐台として置かれた付形層が存在することになる。
提案された方法では、輪郭が明確で、結晶内部の歪みが小さく、格子欠陥の数が少ない精密なエピタキシャル成長した成形体が得られ、当該成形体の上にアルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)およびアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)をベースにした発光ヘテロ構造体がエピタキシャル成長させられる。それを3次元化することで活性層の面積が増え、層に対して平行に放出されるフォトンの光取り出しが改善される。さらに、本発明は、発光ヘテロ構造体の周辺領域の囲い込みにもつながり、少なくとも活性層は、電気絶縁体として機能する選択エピタキシ用のマスクにまで達することができる。この場合、マスクは、SiOx、SiNxまたはSiOxNyを含み得る。これにより、周辺領域に追加のパッシベーションを組み入れずに、閉じた発光ヘテロ構造体が形成され、この発光ヘテロ構造体が非放射再結合を低減して、光の生成効率を高める。この境界効果(Umrandungseffekt)は、付形層の{110}の方位を持った側面がマスクに向かって先細りになることで生じるもので、少なくともマスクの縁部まで通じている。したがって、付形層は、基板に対して平行な(111)方位のトップ層と平坦に形成することができる。好ましくは、エピタキシャル基板に平行な横方向の広がりが20μm未満で、エピタキシャル基板に対して垂直な縦方向の広がりが5μm未満の付形層が形成される。所望の輪郭を調整するために、選択的エピタキシャル成長の後に、ウェットケミカル処理によって付形層を後処理することができる。好ましい構成では、付形層の輪郭制御は、選択的エピタキシャル成長のみによって行われる。
アルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)および/またはアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)をベースにした発光ヘテロ構造体により、560nm~1080nmの範囲の波長を発生させることができる。μ-LEDを完成させるために、導光層、コンタクト層およびパッシベーション層が光電子半導体構造に追加される。これにより、主放射方向が半導体アレイの層スタックの成長方向であるか、または成長方向とは逆向きの構成が可能となる。さらに、発光ヘテロ構造体のp側またはn側で光を取り出すことも可能である。本出願では、光の案内、コリメーションあるいは他の色への変換のための更なる措置が開示されている。
発光ヘテロ構造体の層スタックの成長方向を主放射方向とする変形例では、この上に、第2の導電性半導体層のための透明なコンタクト層、例えばITO(酸化インジウムスズ)の層を有する層シーケンスが位置する。可能な一構成では、ITO層は、発光ヘテロ構造体の上面全体に堆積される。さらに、発光ヘテロ構造体の下にブラッグミラースタック(DBR)が設けられていてもよい。
発光ヘテロ構造体の第1の導電性半導体層を下から電気的に接触させるには、適切なドーピングが適用された導電性のガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板と、当該基板上に選択的にエピタキシャル成長させ、同様にドープされた付形層とを用いるのが最も簡単である。
発光ヘテロ構造体のマトリクス配置構造を並行して処理すれば、使用される処理次第ではμ-LEDディスプレイのマトリクスとして利用することができる。この場合、構造体は、行と列とでモノリシックに配置して作製される。
あるいはマスキング層でエッジ部を保護された活性層を損傷することなく、レーザー分離法などによって、ヘテロ構造体を一群ごとにまたは個別に個片化することもできる。このように分離された光源は、拡張されたコンタクト面を有するμ-LEDを形成することができ、最も単純なケースでは、別々のワイヤボンディングなしにICチップの相補的なコンタクト面に載置することができる。
主放射方向を成長方向とする別の変形例では、量子井戸を有する活性層は、{110}の方位を持った側面または(111)配向の上面の領域に局所的に閉じ込められて適用される。ヘテロ構造体の非発光部分の上に不透明なメタライゼーションを設けることができ、例えば環状コンタクトが形成される。さらに、追加のパッシベーション層およびキャリア層が存在していてもよい。さらに、出口窓に導光体構造を設けることも考えられ、最も単純なケースでは、取り出し率を高めるために表面が粗面化される。さらに、一般的な処理により、例えば、コリメータやフォトニック結晶など、放射パターンをさらに向上させる要素を形成するための追加の処理を施した表面を構築することもできる。
主放射方向が成長方向とは逆向きの発光を実現するために、まず、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板と付形層の少なくとも一部とを除去し、更なるステップで発光ヘテロ構造体の下に透明なコンタクト層を適用する。このように構成された光源は、ボンディングによるICチップアセンブリに適している。
更なる代替的な構成では、3次元発光ヘテロ構造体の上の一時的なキャリアが、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板および付形層の除去のために使用される。これらの下側の層は、メタライゼーションとキャリア基板とに置き換えられる。次いで、一時的なキャリアは、上面のパッシベーションと導光体構造とに置き換えられることができる。かかる構成は、ICチップ上で2回ボンディングして接触させる構成に適している。
結晶の幾何学的形状または方位のさまざまな態様以外に、さらに、活性層の領域が小さければ小さいほど、放射再結合が非放射再結合に比べて低減することがわかった。その理由は、活性層の欠陥にあると考えられる。この欠陥は、主にμ-LEDの周辺領域に形成されるが、なぜなら、そこでの処理(個片化またはエッチング)によって結晶構造が変化し、この結果、そこでの欠陥密度が高くなるためである。一般的には、活性層の面積に比べて周縁領域の面積が大きくなればなるほど、欠陥の数が多くなり、ひいては非放射再結合が増加すると言える。さらに、欠陥密度は、電流密度が高いときも低いときも発光ダイオードの効率に影響を与え、電流密度とともに経年劣化(ひいては発光ダイオードの効率低下)の重要な要因となることが認識されていた。
オートモーティブ領域における用途の前提条件として、μ-ディスプレイとその個々の画素が十分な輝度を有し、すなわち比較的高い電流密度を流すことができる必要がある。他方、拡張現実用途では、高いコントラスト範囲が重要であり、すなわち、ディスプレイのμ-LEDは、電流密度が高いときも低いときも同じように十分対応できる必要がある。それに従って、低電流時でも効率が高いか、もしくは一層高くする必要がある。
したがって、一方ではこれらの要件と他方では欠陥の影響とを考慮すると、活性層、特に周辺領域の欠陥密度を低減するか、または周辺領域から電荷キャリアを遠ざけることが望ましいと言える。
低電流動作を改善する措置の1つとして、量子井戸インターミキシングがあり、これは能動的な半導体部品の製造においてさまざまな態様で使用されている。この場合、量子井戸として構成された活性層と、それを取り囲む障壁材料との間で格子原子を交換することによって、この領域のバンドギャップを変化させる。この交換プロセスは、目的に合致した適切な不純物原子、特にドーピング原子を半導体に導入した場合、特に効率的に行うことができる。これにより、交換プロセスが対象とする領域のバンドギャップが変化し、そうして、電荷キャリアは反発作用し得る力を感知するようになる。そのために、例えば、拡散プロセスによって活性層に移動し、そこで量子井戸インターミキシングを引き起こすドーパントを使用することができる。この方法は、Ga、In、Al、PおよびAsなどの第III-V族半導体に基づく光電子構造素子のテストにも成功している。
しかしながら、この材料系からなる発光ダイオード、特にμ-LEDは、寸法が小さくなるにつれて、比較的短時間で輝度がますます低下することが同様に観察された。この劣化は、量子井戸インターミキシングのない部品と比較して、負荷電流が明らかに低いときに早くも起こる。言い換えれば、量子井戸インターミキシングは、電流が低くてもμ-LEDの輝度を低下させるが、これは大型の発光ダイオードでは特に観察されない現象である。
今回、この影響を大幅に軽減するだけでなく、不純物に起因する発光効率の低下を、少なくとも長期間にわたって可能な限り防止できる方法が見出された。そのため、この方法は、特にμ-LEDの製造に適している。
このために、半導体部品、特にμ-LEDを製造する方法が提案されており、この方法では、第1のステップで半導体構造が提供される。この半導体構造は、特に、異なるドープ層および/または異なる材料組成の層を成長させることによって作製することができ、特に、第1のn型ドープ層と、第2のp型ドープ層と、それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層とを有する。p型ドープ層には、ドーピングのために第1のドーパントが供給された。
第2のステップでは、半導体構造上、特にp型ドープ層上にパターニングされたマスクが施与される。このマスクは、電磁放射の発生を企図した活性層の部分領域を、第2のドーパントの侵入から保護するためのものである。この場合、マスク材料は、誘電体(酸化ケイ素、窒化ケイ素など)、金属(Tiなど)または半導体材料のいずれかで形成されていてもよい。
次に、パターニングされたマスクで覆われていないp型ドープ層に、第1のプロセスパラメーターを用いた拡散プロセスによって、第2のドーパントがドープされる。プロセスパラメーターおよびマスク材料は、パターニングされたマスクの領域で覆われていない活性層の領域で量子井戸インターミキシングが発生するように選択されている。このマスキングにより、少なくとも1つの量子井戸インターミキシングに比較的シャープな横方向の遷移領域が発生し、量子井戸インターミキシングの度合いが、マスクにより規定された境界で急激に低減する。これにより、量子井戸のバンドギャップが比較的急激に変化する。
提案された原理によれば、拡散プロセスに続いて最終的な熱処理ステップが行われ、その際に、第1のプロセスパラメーターとは異なる第2のプロセスパラメーターが設定される。第2のドーパントをさらに供給することなく、半導体はこの第2のプロセスパラメーターでアニーリングステップにかけられる。
この下流のアニーリングステップは、第1のステップで達成された低電流効率の大幅な改善が、より長い動作期間にわたって維持されるように、異なるプロセスパラメーターで、第2のドーパントを使用しないように構成されている。
本発明者らは、第1のプロセスパラメーターで第2のドーパントを供給するプロセスが、量子井戸インターミキシングの発生にも、その後の劣化にも因果関係があるという点で重要であることを認識した。この場合、第2のドーパントの原子が、半導体層スタックおよび活性層(もしくは量子井戸)に拡散し、そこで元の結晶格子の原子と入れ替わることができる。これらは、第1のドーパントの原子であると同時に、実際の格子材料の原子でもある。格子間サイトに変位させられた原子は移動可能であり、これらが光電子構造素子の劣化に重要な役割を果たしているのではないかと推測される。同時にプロセスパラメーターを変更して、ドーパントをさらに供給しない追加のアニーリングステップを行うことで、その後の効率の低下が抑えられる。別の態様では、(例えば、適切な前駆体を提供することによって)結晶格子を形成する元素で支持圧を提供することにより、アニーリングステップに適切な環境条件が提供される。
この元素を適切に選択することで、第2のドーパントによって変位させられた格子原子には、半導体の表面で反応能力が提供され、これらの原子の自由な移動がそれにより阻止される。変位させられた格子原子が、例えば第III族の原子である場合、このプロセスは、好ましくは第V族の元素を用いた支持圧によって開始されることができる。これに伴い、拡散プロセスで生成された格子間原子は、本発明によるアニーリングステップ中に表面に拡散し、そこで結合される。劣化メカニズムに関与する格子間原子の数を減らすことで、部品の寿命が大幅に延びる。
アニーリングステップでは、前駆体は最初から加えてもよいし、第2のプロセスパラメーターに達した後にのみ加えてもよい。また、ドーパントによって変位させられた格子原子を飽和させるのに十分な前駆体材料が利用できるように、前駆体の濃度がアニーリングステップ中に変化してもよい。
別の態様では、この前駆体は、主にPH3、AsH3、TBAまたはTBPなどの化合物において、リンまたはヒ素の元素を特に含んでいてもよい。
別の観点では、第1および第2のプロセスパラメーターが関係している。一態様では、パラメーターは、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む:温度、定義された期間における温度変化、圧力、定義された期間における圧力変化、ガス、特に前駆体の組成および流量、ならびにアニーリングステップの持続時間。例えば、第2のプロセスパラメーターには、第2のドーパントを供給する際の温度よりも高い、定義された第2の温度が含まれる。言い換えれば、アニーリングステップ中の温度は、量子井戸インターミキシングを発生させるときの温度よりも高い。また、ドーピングおよびアニーリングの持続時間が異なっていてもよい。
他の態様では、第1のドーパントとは異なる第2のドーパントが使用される。例えば、第2のドーパントとしてZnを使用してもよい。半導体構造の材料系として、例えば、第III-V族の半導体材料が利用される。これは、以下の材料系のうちの少なくとも1つを有していてもよい:InP、AlP、GaP、GaAlP、InGaP、InAlP、GaAlPまたはInGaAlP。同様に、材料系として、他の第III-V族半導体、例えばAsとの組み合わせも考慮され得る。
別の態様では、光電子構造素子が提供される。これは、第III-V属半導体材料を有する半導体構造を含んでいる。この半導体構造は、n型ドープ層と、p型ドープ層と、それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層とを有する。p型ドープ層は、第1のドーパントを含んでいる。さらに、この部品は、光生成領域、特に活性層の中心領域を有し、この中心領域は、活性層の第2の領域によって横方向に取り囲まれている。これは、第2の領域に第2のドーパントが導入され、このドーパントが第2の領域にある活性層の少なくとも1つの量子井戸に量子井戸インターミキシングを引き起こしたためであり、第2の領域のバンドギャップは中心領域のバンドギャップよりも大きくなっている。
別の態様では、パターニングされたマスクが、p型ドープ層の第1の部分領域を覆うようにp型ドープ層上に配置されている。マスクで覆われていないp型ドープ層の部分領域には、第2のドーパントが導入されており、この部分領域の下に配置された活性層に量子井戸インターミキシングを発生させる。この場合、マスクのサイズは、第1の部分領域と実質的に同じサイズである。本発明によるアニーリングステップ時の支持圧を選択することによって、第2のドーパントにより変位させられた材料が、表面の一部を覆う層に変換される。アニーリング時の拡散プロセスにより、材料が格子間サイトから取り除かれることで、量子井戸内の非放射再結合中心が生じなくなり、ひいては長期間にわたっても光電子構造素子の効率は減少しなくなる。これに伴い、p型ドープ層の混合部分領域の表面には、第III-V族半導体材料のIII価の材料と、前駆体材料の元素、特にPまたはAsとからなる層が形成されている。
量子井戸インターミキシングを改善するための更なる態様を、以下の方法において提示する。このために、半導体部品、特に光電子構造素子またはμ-LEDを製造する方法が提案されており、この方法では、第1のステップで半導体構造が提供される。この半導体構造は、特に、異なるドープ層および/または異なる材料組成の層の成長によって製造することができ、特に、第1のn型ドープ層と、第2のp型ドープ層と、それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層とを有する。これに関連して、p型ドープ層には、ドーピングのために第1のドーパントが供給された。
第2のステップでは、半導体構造上、特にp型ドープ層上にパターニングされたマスクが施与される。このマスクは、電磁放射の発生を企図した活性層の部分領域を、第2のドーパントの侵入から保護するためのものである。この場合、マスク材料は、誘電体(酸化ケイ素、窒化ケイ素など)、金属(Tiなど)または半導体材料のいずれかで形成されていてもよい。
次に、パターニングされたマスクで覆われていないp型ドープ層に第2のドーパントをドープすることで、パターニングされたマスクの領域で覆われていない活性層の領域に量子井戸インターミキシングが発生する。これに関連して、第2のドーパントによるp型ドープ層のドーピングは、第2のドーパントを有する前駆体を使用した気相拡散によって行われてもよい。他の方法では、この場合、前駆体が気相反応で熱分解され、ドーパントが半導体表面で吸収されて半導体内に拡散し、量子井戸インターミキシングが発生する。これらのすべてのサブプロセスは、異なる温度依存性を有しているため、効率的な量子井戸インターミキシングが実現され得る温度範囲は非常に限られている(通常、InPまたはGaAs系の半導体の場合:520+/-20℃)。
したがって、提案された原理によれば、前駆体を使ってドーパントを施与し、内部に拡散させるというステップが規定される。こうして、気相拡散により量子井戸インターミキシングを効率的に行うためのプロセスシーケンスが構築され、プロセス窓の拡大ひいては経年劣化に強い光電子構造素子の実現に向けたプロセスシーケンスの最適化が可能となる。
この規定されたプロセスシーケンスは、以下のステップを有している:
- p型ドープ層の表面に第2のドーパントを堆積させるステップであって、第2のドーパントがp型ドープ層に実質的に拡散しないように選択された第1の温度で前駆体を分解するステップ;
および
- 堆積した第2のドーパントを、第1の温度よりも高い第2の温度でp型ドープ層に拡散させるステップ。
本発明者らは、第2のドーパントをドーピングするというプロセス制御により、不純物に起因する発光効率の低下が長期間にわたって起こる領域での電荷キャリア濃度の低減に大きな影響を与えることを認識した。これは、特に、マスクの縁部の下の活性層におけるドーパント障壁の増加がプロセス制御によって達成できることに起因している。
コンセプト案によるプロセス制御の場合、それに加えて、ドーパントを含む前駆体を気相で拡散させるステップは、明示的に以下のステップに分けられる:
- 第2のドーパントを含む分解生成物を半導体構造の表面に堆積させるステップ;および
- 第2のドーパントを半導体構造内に拡散させるステップ。
この分離によって、量子井戸インターミキシングの発生を伴う拡散ステップでは、温度を自由に選択することができ、特に、過度の脱離により第2のドーパントによる表面占有がもはや可能ではなくなる値(520℃超)まで温度を高めることができる。これは有利には、光電子構造素子の経年劣化の挙動を改善するために使用することができる。
ここで、第2のドーパントは、第1のドーパントと同じドーパントタイプで、例えば、Zn、Mgなどから形成されている。ここで、堆積された第2のドーパントの量は、第2の温度での拡散プロセス中にp型ドープ層内に実質的に完全に拡散するように選択されていてもよい。このように、拡散と量子井戸インターミキシングの発生に十分な量だけが提供され、それ以上は提供されない。
別の態様では、ここでの第2のドーパントの堆積量は、例えば、パターニングされたマスクの領域で覆われていない活性層の領域に、電荷キャリアの横方向の拡散に対する障壁が形成されるように選択されていて、この障壁は、第2のドーパントによって生成された障壁と、量子井戸インターミキシングによって引き起こされた障壁とで構成される。
この態様の発展形態では、第2のドーパントの量は、パターニングされたマスクの領域で覆われていない活性層の領域において、第2のドーパントによって生成された電荷キャリアの横方向の拡散に対する障壁が、量子井戸インターミキシングによって引き起こされた障壁よりも大きくなるように選択されている。さらに、第2のドーパントの量は、パターニングされたマスクの下にある領域の活性層のバンドギャップが、パターニングされたマスクの領域で覆われていない活性層のバンドギャップよりも小さくなるように選択されていてもよい。
別の態様では、ドーピングプロセスの後に、第2の温度よりも高い第3の温度で最終的な熱処理ステップが行われる。第2のドーパントをさらに供給することなく、半導体はこの第3の温度でアニーリングステップにかけられる。この下流のアニーリングステップは、ドーピングプロセスで達成された低電流効率の大幅な改善が、より長い動作期間にわたって維持されるように、より高い温度で、第2のドーパントを使用せずに構成されている。
本発明者らは、第1の温度で第2のドーパントを供給し、第2の温度で第2のドーパントを拡散させるというプロセスが、量子井戸インターミキシングの発生にも、その後の劣化にも因果関係があるという点で重要であることを認識した。この場合、第2のドーパントの原子が、半導体層スタックおよび活性層(もしくは量子井戸)に拡散し、そこで元の結晶格子の原子と入れ替わることができる。これらは、第1のドーパントの原子であると同時に、実際の格子材料の原子でもある。格子間サイトに変位させられた原子は移動可能であり、これらが光電子構造素子の劣化に大きな影響を与えていると推測される。同時により高い第3の温度で追加のアニーリングステップを行い、その間にドーパントをさらに供給しないことで、その後の効率の低下が抑えられる。
別の態様では、(例えば、適切な更なる前駆体を提供することによって)結晶格子を形成する元素で支持圧を提供することにより、アニーリングステップに適切な環境条件が提供される。この元素を適切に選択することで、第2のドーパントによって変位させられた格子原子には、半導体の表面で反応能力が提供され、これらの原子の自由な移動がそれにより阻止される。変位させられた格子原子が、例えば第III族の原子である場合、このプロセスは、好ましくは第V族の元素を用いた支持圧によって開始することができる。これに伴い、拡散プロセスで生成された格子間原子は、本発明によるアニーリングステップ中に表面に拡散し、そこで結合される。劣化メカニズムに関与する格子間原子の数を減らすことで、部品の寿命が大幅に延びる。
したがって、この態様によれば、アニーリングプロセスは以下のステップを含む。第5主族の元素、特にPまたはAsを含む更なる前駆体を提供するステップ;および/またはp型ドープ層の表面に第III-V族半導体材料の層を形成するステップ。
アニーリングステップでは、前駆体は最初から加えてもよいし、第2のプロセスパラメーターに達した後にのみ加えてもよい。また、ドーパントによって変位させられた格子原子を飽和させるのに十分な前駆体材料が利用できるように、前駆体の濃度がアニーリングステップ中に変化してもよい。
別の態様では、この更なる前駆体は、主にPH3、AsH3、TBAまたはTBPなどの化合物において、リンまたはヒ素の元素を特に含んでいてもよい。
別の観点では、堆積、拡散およびアニーリングの各ステップでさまざまに選択することができるプロセスパラメーターが関係している。一態様では、パラメーターは、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つ、またはそれらの組み合わせを含む:前述のステップのうちの1つのステップの間の温度、定義された期間における温度変化、前述のステップのうちの1つのステップの間の圧力、定義された期間における圧力変化、ガス、特に前駆体の組成および流量、ならびにアニーリングステップの持続時間。
例えば、プロセスパラメーターには、第2のドーパントをp型ドープ層に蒸着する際に、第2のドーパントがp型ドープ層に実質的に拡散しないように選択された、第2のドーパントの供給時の定義された第1の温度と、例えば第1の温度よりも高い、第2のドーパントの拡散プロセス中の第2の温度と、第2の温度よりも高い、アニーリングステップ中の第3の温度とが含まれる。言い換えれば、アニーリングステップ中の温度は、量子井戸インターミキシングを発生させるときの2つの温度よりも大きい。また、第2のドーパントの供給、拡散プロセスおよびアニーリングの持続時間が異なっていてもよい。
他の態様では、第1のドーパントとは異なる第2のドーパントが使用される。例えば、第2のドーパントとしてZnまたはMgを使用してもよい。半導体構造の材料系として、例えば、第III-V族の半導体材料が利用される。これは、以下の材料の組み合わせうちの少なくとも1つを有していてもよい:InP、AlP、GaP、GaAlP、InGaP、InAlP、GaAlPまたはInGaAlP。同様に、材料系として、他の第III-V族半導体、例えばAsとの組み合わせも考慮される。
別の態様では、光電子構造素子が提供される。これは、第III-V属半導体材料を有する半導体構造を含んでいる。この半導体構造は、n型ドープ層と、p型ドープ層と、それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層とを有する。p型ドープ層は、第1のドーパントを含んでいる。さらに、この部品は、光生成領域、特に活性層の中心領域を有し、この中心領域は、活性層の第2の領域によって横方向に取り囲まれている。これは、第2の領域に第2のドーパントが導入され、これが第2の領域にある活性層の少なくとも1つの量子井戸に量子井戸インターミキシングを引き起こしたためで、第2の領域のバンドギャップは中心領域のバンドギャップよりも大きくなっている。
不純物によるこうした局所的な量子井戸インターミキシングが第1の領域ではなく第2の領域で起こるため、活性層には障壁が形成され、光電子構造素子の活性層の量子井戸内の電荷キャリアの横方向の移動は、活性層のこの第1の領域に制限される。これにより、例えば、光電子構造素子を動作させるための電流が、光電子構造素子の周辺領域に流れること、つまり、第1の領域を囲む第2の領域を通って流れることが可能な限り防止される。これにより、第2の領域の非放射再結合中心または高い非放射表面再結合によって引き起こされた電荷キャリアの非放射再結合が低減され、したがって、このことが構造素子の性能向上につながる。
別の態様では、パターニングされたマスクが、p型ドープ層の第1の部分領域を覆うようにp型ドープ層上に配置されている。マスクで覆われていないp型ドープ層の部分領域には、第2のドーパントが導入されており、この部分領域の下に配置された活性層に量子井戸インターミキシングを発生させる。この場合、マスクのサイズは、第1の部分領域と実質的に同じサイズである。
本発明によるアニーリングステップ時の支持圧を選択することによって、第2のドーパントにより格子間サイトに変位させられた材料が、表面の一部を覆う層に変換される。アニーリング時の拡散プロセスにより、材料が格子間サイトから取り除かれ、これは量子井戸内の非放射再結合中心をもたらさなくなると考えられるため、長期間にわたっても光電子構造素子の効率は減少しなくなる。これに伴い、p型ドープ層の混合部分領域の表面には、第III-V族半導体材料のIII価の材料と、前駆体材料の元素、特にPまたはAsとからなる層が形成される。
上記のコンセプトで既に述べたように、量子井戸インターミキシングの効果と不純物の侵入とは、μ-LEDの経年変化の挙動に影響を与える。本明細書で開示される措置により、たしかに軽減することはできるが、特に負荷電流密度が比較的高い場合、特に、エッジ長さが数μmしかない、例えばμ-LEDのような非常に小型の素子の場合には、測定可能で、時には関連性のある影響がとどまることがわかった。これは明らかに、拡散物質の場所や位置に依存した濃度勾配によるものである。これはフォトマスクの配置や構造によって決まる。
したがって、一態様では、n型ドープされた第1の層と、第1のドーパントが加えられたp型ドープされた第2の層と、活性層とを含む光電子構造素子が提案される。後者は、n型ドープされた第1の層とp型ドープされた第2の層との間に配置され、少なくとも1つの量子井戸を有している。本発明によれば、活性層は少なくとも2つの領域に分けることができ、これらの領域は特に互いに隣接している。この場合、第2の領域は、第1の領域(特に光学活性領域)の周りに同心円状に配置され、量子井戸インターミキシングを有している。
この態様による、光学活性領域の周りの量子井戸インターミキシングの同心円状の配置とは、第1の領域、特に光学活性領域が第2の領域に完全に囲まれ、2つの領域がそれぞれのエリアの共通する中心点の周りに配置されていることを意味している。ただし、製造公差の範囲内では、中心点同士の僅かなずれや、意図的な変動も考えられる。
本発明者らは、不純物の侵入および量子井戸インターミキシングは、拡散させる物質を導入する開放エリアの提供に依存するのではないかと考えた。正方形または長方形の活性層の角部(またはフォトマスクにより規定された角張った構造に対応する部分)にある不純物は、複数の辺から拡散し得るため、面取り領域は、例えば辺の長さの中間にある領域よりも不純物濃度および/または量子井戸インターミキシングが高くなる。この効果は状況次第では望ましくなく、同心円状に配置を選択することで回避される。なぜなら、かかる配置においては、角部がないことで、かかる大きな拡散は生じないからである。
量子井戸インターミキシングは、第2の領域に、例えば、マグネシウム、亜鉛、カドミウム(Mg、Zn、Cd)などの第2のドーパントをドーピングすることで発生させることができる。ただし、これはドーパントを限定的に選択することを意図したものではなく、当業者が案出できる同種のあらゆる別のドーパントをドーピングに使用することができる。
半導体構造に局所的に拡散マスクを施与し、例えば拡散プロセスを用いて、第2のドーパントが領域ごとに活性層に入り込み、量子井戸が存在する対応する非マスク領域で量子井戸インターミキシングが起こる。量子井戸インターミキシングが起こる領域は、第2の領域を形成する。したがって、この態様によれば、光電子構造素子は、第2の領域に実質的に均一に配置された第2のドーパントを含んでいる。
別の態様では、第1の領域、特に光学活性領域では、量子井戸インターミキシングが可能な限り防止される。より正確に言えば、この態様によれば、第1の領域で量子井戸インターミキシングは起こらない。それに応じて、拡散プロセス後、第1の領域に第2のドーパントは可能な限り配置されていない。この態様は、前述の措置によっても実現可能である。
第1の領域ではなく、第2の領域で不純物によるこうした局所的な量子井戸インターミキシングがあるため、活性層に障壁が形成され、光電子構造素子の活性層の量子井戸内の電荷キャリアの横方向の移動が、活性層のこの第1の領域に制限される。これにより、例えば、光電子構造素子を動作させるための電流が、光電子構造素子の周辺領域に流れること、つまり、第1の領域を囲む第2の領域を通って流れることが可能な限り防止される。これにより、第2の領域の非放射再結合中心または高い非放射表面再結合によって引き起こされる電荷キャリアの非放射再結合が低減され、したがって、このことが構造素子の性能向上につながる。
更なる改善を図るために、別の態様では、2つの領域は少なくともほぼ円形の形状をしている。角部がないことで、第2の領域内への不純物の拡散が均一になり、角部によって引き起こされる局所極大(lokale Maxima)が形成されない結果となる。このように、2つの領域が円形、もしくはほぼ円形に形成されていることで、2つの領域の円周に沿って導入された不純物の濃度が可能な限り均質になるという効果がある。この結果また、第2の領域での表面再結合に基づく性能低下が抑えられる。
ここでいう円形とは、6角以上の角数を有する多角形も可能であり、つまり、例えば8角、10角以上の角数を持つ多角形も可能であることを意味している。この形状については、光電子構造素子の性能を向上させるプラスの効果が既に認められていたからである。同様に、円形という用語には、楕円形の他、長円形または他の丸みを帯びた凸状の形状も含まれ得る。
別の態様では、第2の領域に量子井戸インターミキシングを生成するための拡散プロセスとは、第2のドーパントが、第2の領域の活性層だけでなく、第2のp型ドープ層、さらには活性層に相接するn型ドープ層の領域にも少なくとも部分的に形成されることを意味し得る。ただし、これは、第2のドーパントが形成されている第2のp型ドープ層および第1のn型ドープ層の領域が、活性層の第2の領域と一致していると必ずしも理解されるべきではないが、一致していることも可能である。
別の態様では、第2の領域が、量子井戸インターミキシングによって変化させられた実質的に均一なバンドギャップを有する光電子構造素子、特にμ-LEDが提案される。第2の領域は、第1の領域の周りに同心円状に配置されている。つまり、この範囲ではバンドギャップのエネルギーは可能な限り一定の値を有し、領域の周辺に向かってのみバンドギャップが大きくなったり小さくなったりするか、もしくはバンドギャップのエネルギーが上昇したり低下したりすることを意味している。
一方、第1の領域、特に光学活性領域における少なくとも1つの量子井戸は、第2の領域よりも小さいバンドギャップを有している。それに応じて、上記の態様のうちの1つに従って生成された障壁が、第1の領域と第2の領域との間に生じる。この場合、2つのバンドギャップ間の移行部は、シャープなエッジ部を有する段差であっても、滑らかに流れる移行部としても可能であり得る。
さらに、第1の領域、特に光学活性領域の少なくとも1つの量子井戸は、量子井戸インターミキシングを実質的に有しておらず、そのため、この領域には第2のドーパントが実質的に存在しない。
個々のμ-LEDの範囲における性能を向上させるための幾何学的な考察以外に、量子井戸インターミキシングの改善をウェハレベルで引き起こすための措置が提供される。通常、μ-LEDは、多数のこのような構造体としてウェハレベルで製造される。この場合、製造をモノリシックに行ったり、μ-LEDを後の時点で個片化したりすることもできる。前者の場合、量子井戸インターミキシングは、電気漏話に対する障壁としても機能し、後者の場合、既に製造時に量子井戸インターミキシングを用いて、後に縁部を形成する範囲を変更することができる。
一態様では、n型ドープされた第1の層と、第1のドーパントが加えられたp型ドープされた第2の層と、活性層とを含む半導体構造が提示される。後者は、n型ドープされた第1の層とp型ドープされた第2の層との間に配置され、少なくとも1つの量子井戸を有している。本発明によれば、活性層は、複数の第1の領域、特に光学活性領域と、少なくとも1つの第2の領域とに分けることができる。この場合、特に、複数の第1の光学活性領域と少なくとも1つの第2の領域とは互いに隣接している。さらに、複数の第1の領域は、六角形のパターンで互いに離間して配置されており、QWIを有する少なくとも1つの第2の領域によって囲まれている。
ここで、半導体構造の複数の第1の、特に光学活性領域の各1つの領域は、例えば、光電子構造素子の各1つの部分を形成することができる。したがって、半導体構造は、多数の個別の光電子構造素子から形成されていてもよく、これらの素子は、例えば、エピタキシャル層を介したエッチングプロセスまたはレーザー切断とそれに続く基板の除去によって、続けて個片化されてもよい。
例えば、複数の第1の領域は、円形の形状をしている。正方形のμ-LED構造と比較して、角部がないことで、後続のμ-LEDの境界線に沿って不純物の侵入および量子井戸インターミキシングがより均一に起こる結果となる。つまり、第2の領域の周辺領域での非放射再結合を低減することができ、それに応じて、各個々の光電子構造素子の性能を向上させることができることも意味する。
ここでいう円形とは、6角以上の角数を有する多角形も可能であり、つまり、例えば8角、10角以上の角数を持つ多角形も可能であることを意味している。この形状については、光電子構造素子の性能を向上させるプラスの効果が既に認められ得るからである。同様に、円形という用語には、楕円形の他、長円形または他の丸みを帯びた凸状の形状も含まれ得る。
半導体構造に局所的にマスクを施与し、例えば拡散プロセスを用いて、第2のドーパントが領域ごとに活性層に入り込み、量子井戸が存在する対応する領域でQWIが起こる。量子井戸インターミキシングが起こる領域は、少なくとも1つの第2の領域を形成する。したがって、半導体構造は、第2のドーパント、特にp型ドープされた第2の層に配置された第1のドーパントとは異なるドーパントを含んでおり、このドーパントは、少なくとも1つの第2領域に実質的に均一に配置されている。
一方、複数の第1の領域では、マスクの適用によりQWIが可能な限り防止される。より正確に言えば、複数の第1の領域で量子井戸インターミキシングは起こらない。それに応じて、拡散プロセス後、複数の第1の領域に第2のドーパントは実質的に配置されておらず、ひいては活性層の量子井戸内の第1の各部分の領域に第2のドーパントは配置されてないことになる。
第1および第2の領域への分割と、それに伴うQWIとにより、第1の領域は、後続のエンドデバイス、特にμ-LEDの動作において、光学活性領域として使用することができる。したがって、以下では、第1の領域を第1の光学活性領域と呼ぶ。
不純物によるこうした局所的な量子井戸インターミキシングが複数の第1の光学活性領域ではなく第2の領域で起こるため、バンド構造の変化を通じて活性層内に電子障壁を形成し、半導体構造の活性層内の量子井戸の電荷キャリアが活性層の複数の第1の光学活性領域に横方向に移動することを制限する。これにより、例えば、光電子構造素子を動作させるための電流が、光電子構造素子の周辺領域に流れること、つまり、第1の領域を囲む第2の領域を通って流れることが可能な限り防止される。個片化されたμ-LED構造の周辺領域には、非放射再結合中心が存在することが多いため、電荷キャリアが周辺領域から遠ざけられ、したがって、このことが構造素子の性能向上につながる
しかしながら、実際には、不純物の侵入ひいては量子井戸インターミキシングは、拡散させる物質を導入する開放エリアの大きさに依存する。したがって、半導体構造上で、複数の第1の光学活性領域が六角形に配置されている場合、三角形に配置されたそれぞれ3つの第1の光学活性領域の間の空間には、隣り合う2つの第1の光学活性領域の間にあるエリアよりも大きなエリア、つまり不純物濃度がより高い局所極大が形成される。これらの極大は、例えばマスクで覆われた2つの第1の光学活性領域の間の小さな空間よりも、第2のドーパントが加えられた大きなエリアの領域の方が、拡散プロセスがより効率的に進行することに起因する。この効果は、状況次第では望ましくない。なぜなら、光電子構造素子の低電流効率を向上させるためには、半導体構造内で非常に均質な拡散パターンを実現することが重要だからである。
したがって、別の態様では、n型ドープされた第1の層と、第1のドーパントが加えられたp型ドープされた第2の層と、活性層とを含む半導体構造が提示される。後者は、n型ドープされた第1の層とp型ドープされた第2の層との間に配置され、少なくとも1つの量子井戸を有している。本発明によれば、活性層は、複数の第1の領域、特に光学活性領域と、少なくとも1つの第2の領域とに分けることができる。この場合、特に、複数の第1の光学活性領域と少なくとも1つの第2の領域とは互いに隣接している。さらに、複数の第1の光学活性領域は、六角形のパターンで互いに離間して配置されており、QWIを有する少なくとも1つの第2の領域によって囲まれている。さらに、少なくとも1つの第3の領域が、複数の第1の光学活性領域と第2の領域との間の空間に配置され、この場合、特に、少なくとも1つの第2の領域に隣接している。
前述の態様とは異なり、この場合、活性層は、複数の第1の光学活性領域と少なくとも1つの第2の領域との他、少なくとも1つの第3の領域とに分けられる。
ここで、少なくとも1つの第3の領域は、前述の態様に従って不純物濃度が高い局所極大が発生する領域が、例えばマスクの適用により量子井戸インターミキシングにアクセスすることができず、これらの領域においても、複数の第1の光学活性領域と同様に、量子井戸インターミキシングが、このように可能な限り発生しないように配置されている。したがって、拡散プロセスの後、複数の第1の光学活性領域と同様に、少なくとも1つの第3の領域に第2のドーパントは可能な限り配置されていない。
さらに、少なくとも1つの第2の領域は、複数の第1の光学活性領域の各々が、少なくとも1つの第2の領域の一部によって、または複数の第2の領域のうちの1つによってそれぞれ個別に同心円状に囲まれるように、多数の第1の光学活性領域を囲んでいる。したがって、少なくとも1つの第2の領域は、例えば、複数の第1の光学活性領域の1つの周りにそれぞれ配置されている連続的な環状セグメント、または複数の第1の光学活性領域の1つの周りにそれぞれ同心円状に配置されている複数の環状のパッチから生じる。同様に、環状という用語には、複数の第1の光学活性領域の周りに実質的に同心円状に配置され、これらを完全に囲む、円形、楕円形の他、長円形または他の丸みを帯びた凸状の形状も含まれ得る。
これに関連して、少なくとも1つの第3の領域は、少なくとも1つの第2の領域に隣接している。したがって、少なくとも1つの第3の領域は、複数の環状の第2の領域の周りに配置されている連続的なメッシュ状のエリアを有し得る。しかしながら、別の態様では、複数の第3の領域がそれぞれデルトイド曲線の形状を少なくともほぼ再現していてもよい。これは、例えば、三角形に配置されたそれぞれちょうど3つの第2の領域によって形成されることができ、これらの領域は少なくともほぼ円形もしくは環状の形状をしている。同様に、複数の第3の領域は、円形の形状をしていてもよく、三角形に配置された3つの第1の領域の中心にそれぞれ配置されていてもよく、これらの領域は少なくともほぼ円形の形状をしている。
少なくとも1つの第3の領域の配置において重要なのは、例えば、例として誘電体または例えばフォトレジストマスクなどのマスクを施与することで、拡散プロセス中に第2の領域でより高い不純物濃度を有する局所極大を減少させ、このように可能な限り均質な半導体構造の拡散パターンを実現することである。
量子井戸インターミキシングは、第2の領域に、例えば、マグネシウム、亜鉛、カドミウム(Mg、Zn、Cd)などの第2のドーパントをドーピングすることで発生させることができる。ただし、これはドーパントを限定的に選択することを意図したものではなく、当業者が案出できる同種のあらゆる別のドーパントをドーピングに使用することができる。
別の態様では、少なくとも1つの第2の領域に量子井戸インターミキシングを生成するための拡散プロセスの結果、第2のドーパントが、第2の領域の活性層だけでなく、第2のp型ドープ層、さらには活性層に相接するn型ドープ層の領域にも少なくとも部分的に形成されることになり得る。ただし、これは、第2のドーパントが形成されている第2のp型ドープ層および第1のn型ドープ層の領域が、活性層の少なくとも1つの第2の領域と一致していると必ずしも理解されるべきではないが、一致していることも可能である。
別の態様では、少なくとも1つの第2領域が、量子井戸インターミキシングによって生成された実質的に均一なバンドギャップを有する半導体構造が提案される。つまり、この領域ではバンドギャップのエネルギーは可能な限り一定の値を有し、領域の周辺に向かってのみバンドギャップが大きくなったり小さくなったりすることを意味している。
一方、複数の第1の光学活性領域および少なくとも1つの第3の領域における少なくとも1つの量子井戸は、少なくとも1つの第2の領域における量子井戸よりも小さいバンドギャップを有している。それに応じて、上記の態様のうちの1つに従って生成された障壁が、複数の第1の光学活性領域と第2の領域との間と、少なくとも1つの第3の領域と第2の領域との間に生じる。この場合、バンドギャップ間の移行部は、シャープなエッジ部を有する段差であっても、滑らかに流れる移行部としても可能であり得る。
別の態様では、複数の第1の光学活性領域と少なくとも1つの第3の領域とは、実質的に同一のバンドギャップを有している。これは、特に、複数の第1の光学活性領域の少なくとも1つの量子井戸と、少なくとも1つの第3の領域とが、量子井戸インターミキシングを実質的に有しておらず、ひいてはこれらの領域に第2のドーパントが実質的に発生しないことに起因する。
別の態様によれば、多数の個別の光電子構造素子から形成されている可能性のある半導体構造は、例えば、エピタキシャル層を介したエッチングプロセスまたはレーザー切断とそれに続く基板の除去によって、複数の光電子構造素子に個片化される。この場合、複数の光電子構造素子の各々のカットアウトは、例えば円形であり、複数の第1の光学活性領域のうちの少なくとも1つと、少なくとも1つの第2の領域の一部分とを含む。ここで、第1の光学活性領域と第2の領域とは、特に円形のカットアウトに同心円状に配置されている。したがって、半導体構造の少なくとも1つの第3の領域は、複数の個別の光電子構造素子の一部ではなく、ひいては特に個片化プロセスのリジェクトを表すことになる。
小型の発光ダイオード、特に赤色の発光ダイオードの場合、チップの外縁部で非放射再結合が起こるため、チップサイズの更なる小型化、特に50μm未満の小型化は困難である。これまで、AlGaInP材料系の赤色発光ダイオードの場合、チップサイズが約100μm2と小さくないため、この問題はあまり注目されてこなかった。上で述べてきたとおり、量子井戸インターミキシングを用いて非放射再結合の割合は減らされる。以下の態様では、電荷キャリアを磁気電流狭窄部によってチップの縁部から遠ざけるというコンセプトを提示する。
第1の態様によれば、光電子構造素子、特にモノリシックμ-ディスプレイ用の縦型μ-LEDが提案される。これは、活性層が平面状に延びる層スタックを有している。電荷キャリア、すなわち電子と正孔の主な運動方向は、この平面に対して垂直に延びて、活性層を通過する。後者では、望ましい放射再結合が起こる。しかしながら、活性層の周縁部では欠陥密度がより高くなることから、この欠陥が非放射再結合の原因となり得る。したがって、磁化素子が設けられている。これは、移動する電荷キャリアが層スタックのX-Y横断面の周辺領域から遠ざかるように、層スタックの少なくとも一部を貫く磁力線を提供するためのものである。
第2の態様によれば、特にμ-LEDの活性層の領域での非放射再結合を低減する方法が提案される。縦型μ-LEDは、X-Y平面に沿って延びる層が、X-Y平面に対して垂直なZ軸に沿って互いに積層されている層スタックを含み、電荷キャリアの主な移動方向はZ軸に沿っており、特に層スタックのX-Y横断面を中心に延びている。この方法は、電荷キャリアを層スタックのX-Y横断面の周辺領域から遠ざけるための磁力線を生成するステップを含んでいる。
提案された配置構造では、磁気効果を利用して、μ-LED内の電流誘導の横方向の分布に効果的に影響を与える。これは、電荷キャリア(すなわち、電子または場合により正孔も含む)を活性層の周辺領域から遠ざけるためのものである。そのため、一種の電子レンズが実現される。このようにして、より小型のチップサイズへのスケーラビリティを実現することができる。チップエッジ部での非放射再結合がこうして低減させられる。
更なる構成によれば、磁化素子は、活性層の領域および/または電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに活性層の手前の領域で磁力線を磁気双極子の磁極に向かった先細りになるように、もしくはZ軸に沿って延びるように供給することができる。磁化素子は、層スタックのX-Y横断面の周辺領域にのみ磁力線を供給するように配置されていることが好都合である。
一構成では、磁化素子は、層スタックの外側面に沿って延びる多数の電流線、特にストリップ状の電流線を含み、それぞれ1本の電流線の電流フローは、光電子構造素子を流れる電流フローとは逆平行に供給されている。あるいは磁化素子は、X-Y平面に沿って層スタックを循環する、特に活性層の領域および/または電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに活性層の手前の領域で配置された多数の永久磁気双極子を用いて構築されていてもよい。永久磁気双極子の代わりに電磁石を使用することもでき、この電磁石の電流フローは、特に光電子構造素子を通る電流フローによって供給されていてもよい。
更なる構成によれば、磁化素子は、X-Y平面に沿って層スタックを循環する磁性体、特にマンガンとして、活性層の領域および/または電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに活性層の手前の領域で層スタックの外側面に堆積され、外部磁場によって磁化されたものであってもよい。
更なる構成によれば、層スタックは、特に層スタックの外側面に、電気絶縁性の不動態化コーティングを有していてもよい。これに関連して、層スタックはピラー状のμ-LEDである。簡単に言えば、p型ドープ層と、n型ドープ層と、それらの間に配置された活性層とを含む。後者は、量子井戸または多重量子井戸として構成することができる。更なる措置を講じたμ-LEDの対応する構造形態は、本出願の一部である。もちろん、本明細書に記載されている層スタックや、ここで使用されているμ-LEDは、本願で開示されている構造形態に置き換えたり、補足したりすることができる。例えば、磁気電流狭窄部に同時に反射特性を持たせることで、光が側面で出射しないようにしてもよい。一態様では、対向する2つの側面を反射性に形成し、電流輸送に使用し、他の2つの側面には誘電体ミラーを配置することが可能である。他の態様では、表面上の取り出し層がフォトニック構造体を有していてもよい。
半導体の製造および光の生成を改善するための措置に加えて、別の観点では、光の照射方向が関係している。特にμ-ディスプレイや多面体ディスプレイの場合、定義された放射パターンを実現する必要がある。μ-LEDで生成された光は、一方では隣り合うμ-LEDと相互作用しないようする必要があり、他方では所定の電流強度での光効率を最適化するために、光を取り出すことも望ましい。以下の態様では、活性層またはμ-LEDの周りを取り囲む反射層もしくはミラーによって、光電子構造素子もしくはμ-LEDの放射パターンの改善を図るさまざまな措置が提示される。
μ-LEDの中には、横方向に光を放射するものもある。この効果は、隣り合う画素に漏話が発生して干渉したり、他の効果が起こったりして、視覚的印象を悪化させるため、好ましくない場合が多い。さらに、光量も低くなる。同様に、多くの用途では、ディスプレイのランベルト放射パターンが求められる。すなわち、特に、どの方向からディスプレイを見ても同じ明るさであることが望ましい。チップの強い端面発光により、非ランベルト放射パターンが得られる。
超小型μ-LEDチップは、縦型設計、すなわちチップの上面と下面に1つずつコンタクトを備えた設計で実現することができる。縦型μ-LEDを基板に電気的に接続するためには、(基板に面していないかまたは上側の)μ-LEDの第2のコンタクトに、いわゆる「トップコンタクト」を堆積してパターニングしなければならない。この場合、同様にチップの周りには平坦化層および/またはパッシベーション層が使用されている。
第1の態様によれば、少なくとも1つの発光体を有するアレイを製造する方法が提案される。発光体は、特に、μ-LED、本明細書で既に提示されているμ-ロッド、μ-LEDピラーまたは光が活性層と平行成分で横方向にも出てくる他の素子であってもよい。この方法では、基板の片面に第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域とがパターニングされる。発光体も同様に構造体に施与されるか、またはそこで複数の半導体層からのパターニングにより生成される。
次いで、第1の金属ミラー層と第2の金属ミラー層とが施与され、第1の金属ミラー層は、発光体の第2のコンタクトに設けられたコンタクト層を第2のコンタクト領域と電気的に接続し、第2の金属ミラー層は、基板上に配置されたリフレクタ構造体上に形成されている。リフレクタ構造体は、後のパターニングされた平坦化層から得ることができる。いくつかの態様では、リフレクタ構造体が発光体を離間して囲んでいる。別の態様では、平坦化層の一部が発光体を取り囲むようにパターニングされていてもよい。
光電子構造素子は、特に第1の金属ミラー層によって電気的に接触している発光体と、これを特に取り囲んでいる、第2の金属ミラー層でコーティングされたマイクロリフレクタ構造体とを有している。
第2の態様によれば、少なくとも1つの発光体を有するアレイであって、基板の片面に縦型発光体の第1のコンタクトが第1のコンタクト領域に接続されているアレイが提案される。基板の同じ面で、基板に面していない縦型発光体の第2のコンタクトが、コンタクト層、特に半透明のコンタクト層および第1の金属ミラー層によって、第2のコンタクト領域に接続されている。さらに、その側部フランク(Seitenflanken)に第2の金属ミラー層を有し、発光体を離間して取り囲むリフレクタ構造体が形成されている。いくつかの態様では、リフレクタ構造体は反射性の側壁を含んでいる。これらは光の方向を変えるために角度をつけることができる。他の態様では、側壁は、非線形の勾配、例えば、正方形または放物線状の勾配を有していてもよい。
第2のコンタクトもしくはトップコンタクトの処理を利用して、同じステップで基板上に光取り出し構造体を作り出すことができる。この場合、特に、トップコンタクトは、発光体の第2のコンタクト、コンタクト層、第1の金属ミラー層および第2のコンタクト領域によって形成される。ここでは、第1の金属ミラー層によって、発光体の第2のコンタクトに設けられたコンタクト層が、第2のコンタクト領域に電気的に接続されている。
ここでは、第2の金属ミラー層によってコーティングされたリフレクタ構造体、特にマイクロリフレクタ構造体によって、光取り出し構造体が形成される。
トップコンタクトを作り出すためには、まず発光体が平坦化層に埋め込まれる。これは、基板上の第2のコンタクトもしくはトップコンタクト(上側コンタクト)用の第2のコンタクト領域でフォトリソグラフィにより露出させることができる。このパターニングプロセスは、同じステップで平坦化層から基板上にリフレクタ、特にμ-リフレクタの構造を形成するために利用される。透明なコンタクト層を堆積させた後、第2のコンタクトと第2のコンタクト領域との間の金属ブリッジとして、金属ミラー層のパターニングされた施与を実施することができる。
これが必要なのは、コンタクト層が大きな高低差を埋めるのに適していないからである。このメタライゼーションプロセスを利用して、同時にリフレクタ構造体をミラーコーティングすることができる。
このようにして、従来のようにリフレクタを形成するための別個のリソグラフィプロセスが不要となるため、ディスプレイの製造が安価かつ迅速に行えるようになる。トップコンタクトの金属ミラー層を有する平坦化層からリフレクタを準備することで、効率およびコントラストが向上し、追加で処理する手間を省いてディスプレイの放射パターンを改善することができる。
いくつかの別の態様では、主に、透明で電気的なカバー層を備えた縦型μ-LEDの配置構造と接触とが関係している。ここでの目的は、特に、単位面積あたりのピクセル数が多い場合の表示特性の改善である。縦型μ-LEDの電気的コンタクトの空間的位置はキャリア基板から離れる方に向かう上側にあるため、本願で既に説明したように、透明または少なくとも部分的に透明な導電性材料を使用することが考えられる。このために知られている材料は、例えば、可視光線に対して透明または部分的に透明な半導体混合酸化物であるITO(酸化インジウムスズ)であるが、この材料は比較的高いシート抵抗を有している。
そこで、ディスプレイのピクセルを生成するための1つ以上のμ-LEDの形をした画素素子が提案されており、これは平坦なキャリア基板を有している。ここでのキャリア基板とは、機械的に安定した保持機能と、さらにμ-LEDの電気的接続の供給とを提供するバックプレーンまたは支持面と理解することができる。キャリア基板の材料としては、絶縁性化合物の他、例えばケイ素あるいは第III-V族半導体材料などの半導体も考えることができる。一実施例によれば、キャリア基板はフレキシブルまたは折り曲げ可能に構成されている。
少なくとも1つのμ-LEDは、キャリア基板上に配置され、光がキャリア基板平面を横切ってキャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている。ここでの少なくとも1つのμ-LEDは、例えば、ボンディング、ヒュージングによるか、またはエピタキシャル層プロセスの結果としてキャリア基板に装着されていてもよい。μ-LEDは、いわゆる縦型チップとして構成されており、少なくとも1つのコンタクトがキャリア基板とは離れたμ-LEDの空間領域に位置している。このように、少なくとも1つのμ-LEDは、キャリア基板から離れる方に向かうその上側に電気的コンタクトを有している。ここでの上面とは、μ-LEDの側面または外部表面の領域を意味し、上面の少なくとも一部がキャリア基板平面に対して平行になっている。
ここでは、縦型μ-LEDの構成について挙げている。当該構成には、特に、前述の変換材料を間に配置した1組のインゴット、直立または水平方向に並んだμ-ロッド、あるいはアンテナ構造も含まれるが、これらに限定されない。活性層のエッジ部または縁部から電荷キャリアを供給するために、量子井戸インターミキシングが提案されていてもよい。
電気的コンタクトは、例えば、金属性または概して導電性の表面であってもよい。ここでの考え方は、この表面が、キャリア基板平面に対して当該基板上にある層と接触することである。画素素子は、エミッタチップの上面に、少なくとも一部が導電性の平坦な接点層を有している。これは、エミッタチップの電気的コンタクトと電気的に接続されている。
言い換えれば、例えば、少なくとも1つのμ-LEDの電気的コンタクトと直接接触する追加の層を、少なくとも1つのμ-LEDの上に処理してもよい。例えば、この平坦な接点層は、複数のμ-LEDと画素素子の上に一体的に広がっていてもよい。一実施例によれば、この接点層は、コモンカソードまたはコモンアノードを形成する。一実施例によれば、この接点層の厚さは80~150nmである。
平面の接点層は、少なくとも1つのμ-LEDが発する光に対して少なくとも部分的に透明に構成されている。つまり、少なくとも1つのμ-LEDが発する光は、少なくとも部分的に接点層を通過できることを意味している。このために、例えば、公知のITO材料を使用することができる。接点層には、接点層と電気的および面状に接続された導体トラックが設けられている。この場合、導体トラックの電気伝導率は、接点層の電気伝導率よりも大きい。導体トラックは、例えば、平面的に、または平坦な面もしくはストリップとして構成されていてもよい。
導体トラックの材料は、例えばITO材料よりも優れた電気伝導特性を有するように選択される。言い換えれば、導体トラックは、接点層の導電性が低い空間領域を橋渡しして、接点層全面にわたり生じる電気抵抗の全体的な低減(横方向伝導率の向上とも呼ばれる)をもたらすべきである。このために、導体トラックは、互いに離れた少なくとも2つの点で接点層に接続されることで、導体トラックの伝導性が増加し、この増加により、これらの2つの点の間の導体トラックと接点層とからの配置構造の全体的な抵抗が低減されるべきである。
例えば、導体トラックとは、バスバー、ディストリビュータバーまたは同様の導電性構造と理解することができる。一実施例によれば、導体トラックは、接点層自体の一部として空間的に区切られた構造として実装されている。つまり、例えば、改善された導電性を有するさまざまにパターニングされた領域または変更された材料もしくは物質の組み合わせが設けられた領域を接点層内に設けることを意味している。導体トラックの材料は、例えば、銀、アルミニウム、金、クロムまたはニッケル-バナジウムを有し得る。
一実施例によれば、接点層は、隣接して配置された2つのμ-LEDの間の空間に配置されていてもよい。言い換えれば、μ-LEDの構成と配置構造とにより、それぞれのμ-LEDの間には空間が生じ、この空間は、有利には接点層を受け入れるために設けることができる。一実施例によれば、少なくとも1つのμ-LEDの電気的コンタクトは、少なくとも1つのμ-LEDの側面に配置されている。言い換えれば、接点層は、例えば、2つのμ-LEDの間の空間の領域で、少なくとも1つのμ-LEDのコンタクトに接触する。
一態様では、導体トラックは、キャリア基板上に隣接して配置された2つのμ-LEDの間で、μ-LEDの一次放射領域の外側に配置されている。ここで考慮すべきことは、μ-LEDはその構造上、キャリア基板平面に対して横方向とキャリア基板平面に対して反対方向に大部分の光を放射するということである。ここでは、光の高い割合が可能な限り垂直に放射されること、つまり、円錐形の放射パターンまたは理想的にはランベルト放射パターンにより放射されることが望ましいとされ得る。
このため、クロストーク、漏話および望ましくない反射を回避するために、この有利な一次放射領域の外側の望ましくない光成分を抑制する必要がある。こうした理由から、大部分が光透過性の導体トラックは、この一次放射領域を遮ったり制限したりしてはならず、したがって、有利にはこの一次放射領域または放射通路の外側に配置される。これは、特に、このために適した空間領域をμ-LEDの間の空間により構築することで可能になり得る。
一態様では、導体トラックは、少なくとも1つのμ-LEDのビーム整形のために、少なくとも1つのμ-LEDが発する光の光成分を一次発光領域の外側で吸収および/または反射するように構成されている。つまり、言い換えれば、導電性の向上という機能に加えて、μ-LEDが発する光に対する導体トラックの吸収機能または反射機能を利用できることを意味している。
つまり、導体トラックは、ビーム整形効果が得られるように、少なくとも1つのμ-LEDの一次放射領域の周りに意図的に配置されている。例えば、導体トラックは、少なくとも1つのμ-LEDの領域の周りを環状に延びる平坦な導体構造として実装されていてもよい。サブ画素として3つのμ-LEDを使用し、それぞれが画素を形成する場合、導体構造は各画素の周りに広がっていてもよい。別の例では、放出された光が通過できる開口部を導体トラックに設けることで、ビーム整形を行うことができる。
一態様では、μ-LEDの一次放射領域の外側の望ましくない光成分の吸収を改善するために、導体トラックは、キャリア基板に面している側に光吸収層を有する。一実施例によれば、これは別個に施与された吸収材料の層とすることができるが、導体トラック上の表面テクスチャで実行することもできる。
一態様では、導体トラックは、複数のμ-LEDにわたって面状に広がっている。さらに、導体トラック上には、μ-LEDのそれぞれの一次放射部の領域に、それぞれのμ-LEDが発する光を通すための切欠き部が設けられている。これらの切欠き部は、例えば、μ-LEDにより発せられた光が通過できる開口部、穴部、隙間などの構造体であってもよい。言い換えれば、導体トラックは、連続した層として提供されてもよいし、連続的な要素として提供されてもよい。これにより、特に、ビーム整形用の開口部または切欠き部の形状をより複雑にすることが可能になる。
一態様では、導体トラックは、キャリア基板から離れる方に向かうコンタクト層の側に施与されている。換言すると、導体トラックは、例えば、製造プロセスにおいて後の時点で順次施与される要素として、接点層の上側に配置される。別の態様では、導体トラックは、接点層のキャリア基板に面している側に施与されている。つまり、言い換えれば、キャリア基板から見て、導体トラックはITO接点層の下に位置していることを意味している。
更なる態様によれば、導体トラックはキャリア基板上に施与されている。複数のμ-LEDが隣接して配置されることで、それに応じた空間が生まれる。これらの空間は、キャリア基板自体の高さまたはレベルにまで及ぶことがある。この場合、平坦化層を連続的に実装するのではなく、この空間の領域にそのままとどめておくことが考えられる。ここでの製造技術上の利点として、導体トラックをキャリア基板上に直接製造し、この導体トラック上に接点層を縦向きに施与することが挙げられる。
一態様によれば、少なくとも1つのμ-LEDはキャリア基板のキャビティ内に配置され、導体トラックはキャビティの外側に配置されている。つまり、キャリア基板とは、例えば、連続して平坦または平面状に構成されておらず、陥凹部を有するパターニングされた表面と理解することができる。この陥凹部またはピットにμ-LEDを配置し、陥凹部の側壁をビーム整形用の反射面として利用することができる。遮光および吸光を回避するために、1つ以上の導体トラックが陥凹部の外側に配置される。
一態様によれば、接点層をキャリア基板の端子素子に電気的に接続するための接合素子が画素素子上に設けられている。ここでの考察は、キャリア基板の上に配置された接点層が、例えば、コモンアノードまたはコモンカソードを形成し、その結果、電気的に接続される必要があるという点に見ることができる。これは、一端が接点層に導電的に装着され、他端がキャリア基板の導体構造に装着された端子素子によって行うことができる。この端子素子は、例えば、1つ以上の画素素子の外縁領域に配置されていてもよい。
他の態様では、ディスプレイ用の1つ以上の画素素子の製造が関係している。このために、第1のステップでは、平坦なキャリア基板が準備され、当該キャリア基板上に複数の発光構造素子が製造される。この構造素子は、さまざまな半導体層を施与、ドーピングおよびパターニングすることによる従来の方法で製造することができる。代表的な材料系は、GaNをベースにしたもので、例えばGaN、GaNP、GaNInP、GaNAlPなどが含まれる。複数の発光構造素子は、主放射方向がキャリア基板とは反対側を向いている。さらに、キャリア基板に面していない複数の発光構造素子の表面上には電気的コンタクトが設けられている。さらに、少なくとも部分的に導電性の平坦な接点層が適用され、この層は、複数の発光構造素子の電気的コンタクトに電気的に接続されている。一態様では、接点層はキャリア基板にわたって広がり、構造素子を覆うことができる。接点層は、半導体部品が動作中に発した光に対して、少なくとも部分的に透明に構成されている。接点層上には、接点層と電気的に接続され、接点層と面状に接続された少なくとも1つの導体トラックが設けられる、この場合、導体トラックの電気伝導率は、接点層の電気伝導率よりも大きい。
反射層もしくはミラーに関する上記で提示されている態様は、他の設計のμ-LED実装にも適用することができる。例えば、以下に示される周回構造を備えた縦型μ-LEDの設計である。μ-LEDディスプレイの製造には、縦型もしくは横型のμ-LEDアーキテクチャに基づくさまざまな設計が適している。この場合、スイッチング時間が短く、同時に十分な電流搬送能力が特に重要である。同時に、放射された光は既に可能な限りコリメートされて出射するべきである。
横型μ-LEDが使用される場合、通常、アノードおよびカソードの両コンタクトは、別々の金属製リードフレーム(Zuleitungsbahnen)を用いて実現され、両コンタクトはチップの下側に位置する。カソードおよびアノードの両方とも、金属製リードフレームが各画素に配線されている。縦型μ-LEDチップが使用される場合、チップの下面に位置するアノードコンタクトは、別々の金属製リードフレームを用いて実現され、一方、各チップの上側に位置するカソードコンタクトはコモンカソードによって実現される。いずれの場合も、寄生容量を低く抑えるために、リード線を可能な限り短くする必要がある。
先に説明したように、μ-LEDは、モノリシックに、あるいは個別に製造され、次いで基板上で後加工される。バックプレーン(バックプレーンアセンブリの場合;モノリシック構造では、これが基板を兼ねることもあれば、成長用基板がバックプレーンに置き換えられることもある)は、駆動制御用素子を内蔵している。駆動制御に関して、IC回路を搭載したパッシブマトリクスバックプレーンと、TFT回路を搭載したアクティブマトリクスバックプレーンとは区別される。発光ダイオードを駆動制御するIC回路を搭載したパッシブマトリクスバックプレーンでは、通常、カソードとアノードのリード線は、画素に直接もしくはサブ画素に配線されている。画素もしくはサブ画素の制御は、マイクロ集積回路を介して行われる。
アクティブマトリクスバックプレーンが実装される場合、集積TFT回路(TFT=薄膜トランジスタ)を使って個々の画素が駆動制御される。
そこで、高いスイッチング時間を得るためにリード線を短くできる配置構造が提案されている。さらに、カソードとアノードの共通接続が実現される。この配置構造は、特に、μ-ディスプレイモジュール用の画素を生成するのに適しており、これらの画素はまた個々にアドレス指定と駆動制御が可能である。さらに、前述のミラー周回構造のような別の措置により補足することもできる。これにより、いくつかの態様では、隣り合う画素への光漏話も低減される。
第1の態様によれば、基板と、この基板の片面に固定されたμ-LEDダイとを備えたデバイスが提案される。これは、基板に面していない側に、ミラーコーティングによって電気制御用コンタクトに電気的に接続された電気的コンタクトを有し、ミラーコーティングは、ダイに面している基板表面を少なくとも部分的に覆っている。
このように、ミラーコーティングは2つの機能を担っている。一方では、光を放射方向に向ける役割を果たし、他方では電流輸送を担っている。共通のカバーコンタクトもしくは共通のカバー電極により、μ-ディスプレイの高速スイッチング時間を実現することができる。これにより、例えば発光の角度依存性およびコントラストなどの光学パラメーターの向上と一緒に、特にパネル効率を向上させるパルス幅変調調光器のコンセプトを提供することが可能となる。
かかるアレイを製造する方法では、まず、表面に多数のコンタクトを有する基板を準備し、これらのコンタクトのうちの1つにμ-LEDダイを装着する。この装着には、本開示でも部分的に提示している従来の転写・装着技術を使用することができる。μ-LEDダイは、縦型のダイとして実装されており、一方の基板表面にも同様にコンタクトを含む。基板表面には、基板表面の電気制御用コンタクトと電気的に接続され、その表面を少なくとも部分的に覆うミラーコーティング層が形成されている。最後のステップでは、ミラーコーティング層と電気的に接触する透明なカバー電極が、更なるコンタクト上に形成される。
さらに、ミラーコーティングの使用によって、電流拡散、電流搬送能力の向上およびスイッチング時間の短縮なども、キャビティ構造と組み合わせることで実現できる。この場合、このようなキャビティは、取り出し効率、発光の角度依存性およびコントラストを向上させる役割も果たす。このためにいくつかの態様では、基板は、μ-LEDダイを取り囲む凸部を含んでいる。あるいは凸部の代わりに、μ-LEDダイが配置されている基板表面にキャビティが設けられていてもよい。1つのμ-LEDダイに加えて、3つのμ-LEDダイも、サブ画素として集合的に画素を形成するように取り囲んだり、配置したりしてもよい。
いずれの場合も、キャビティまたは凸部の任意に面取りされた側面にはミラーコーティングが備わっている。この構造は上記と同様である。これらの側面の基板表面との角度は、所望の特性に応じて異なる値を取り得る。特に、この構造は、側部フランクが放物線状または他の非線形の勾配になるように変更することもできる。いくつかの態様では、本願で開示されているミラー周回構造を使用することができる。凸部の高さまたはキャビティの深さは、μ-LEDダイが凸部またはキャビティの上面と同じ高さになるように選択される。これにより、カバー電極を閉じることができる。これは、ミラーコーティングが上面に配置され、カバー電極がミラーコーティング層に載置される場合に特に好都合である。
いくつかの態様では、μ-LEDダイの間の空間、あるいは凸部またはキャビティ内の領域が透明な絶縁層で充填されており、そうして、この絶縁層がダイを取り囲んでいる。特に、透明な絶縁層は、ダイの逆向きのコンタクトの高さで閉じているため、カバー電極は絶縁材料の上に載置されている。
いくつかの態様では、基板表面および場合によっては周回構造体に配置されたミラー面は、1つだけでなく複数のダイも取り囲んでいる。これらのダイは、1つのチップが故障しても、そのつど他のチップが引き継ぐことができるように、冗長性のあるダイとして構成されていてもよい。周方向に配置されたミラー面により、より均一な放射が発生する。同様に、周方向に配置されたミラー面の内部には、異なる波長の光を生成するための複数のダイが配置されていてもよい。ミラー周回面は、異なる画素を互いに分離し、画素間の光漏話を低減することができる。
ミラーコーティングは、カバー電極および基板の制御コンタクトと直列に接続され、特にAl、Ag、AgPdCu、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Znおよびこれらの合金または組み合わせからなる高反射材料を含む。これらはまた電流を効果的に流す。カバー電極は、透明な導電性酸化物層、特にITO、IGZOからなる材料を有していてもよい。カバー電極材料の他の例としては、例えば、金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12などの透明な導電性酸化物、または異なる透明な導電性酸化物の混合物を挙げることができる。
透明な絶縁層は、SiOまたは本明細書で述べた他の絶縁性の透明な材料を含んでいてもよい。
更なる構成によれば、カバー電極とミラーコーティングとの直接の電気的コンタクトは、カバー電極の表面とミラーコーティング面とを、特に凸部の表面または凹部もしくはキャビティの端部で重ねて接触させることで構築されていてもよい。このようにして、信頼性の高い低インピーダンスのコンタクトを提供することができる。特に、かかるキャビティまたは凸部が複数で直列に配置されている場合、カバー電極は複数のミラーコーティング層に載置されていてもよい。これにより、カバー電極に広い範囲で、かつ複数の位置で電流を導入することができる。
いくつかの態様では、ミラーコーティング層は、基板の表面に沿って、特に1つ以上のμ-LEDダイの周りに部分的に広がっている。これにより、基板表面でも広い範囲で反射が高められる。
接触を確実にするために、カバー電極とミラーコーティングとの直接の電気的コンタクトは、平坦化層および/または絶縁層を介したミラーコーティング材料のスルーホールビアまたはビアによって設けられる。カバー電極の導電性酸化物とバックプレーン/基板上のコンタクト領域との間の金属性コンタクトを実現するための追加のプロセスステップは省略されている。例えば、ITOのカバーコンタクトからACFボンディング用のCrAlコンタクト領域までの簡単なブリッジを構築することができる。これにより、更なるコスト削減が可能になる。このスルーホールビアは開口部として実装されることもある。しかしながら、他の構成では、トレンチなどの構造を透明な絶縁層に設けてもよく、その内壁にコンタクト用の導電性反射層が施与される。これにより、一方では良好な電気的コンタクトが得られ、他方では反射構造体が形成され、一部の領域で良好な光の反射が得られることに加え、光漏話も低減される。
絶縁層が画素の縁部で面取りされ、そこにミラーコーティング層が露出する場合もある。カバー電極は、この傾斜面に沿って広がり、ミラーコーティング層に接触する。このようにして、コンパクトな構造様式をさらに提供することができる。開口部のフランク部または内壁は、所望の放射パターンに応じた角度を有している。これらは、本明細書で開示されているものに対応し得る。このようにして、遷移エッジでの更なる材料破損を回避することができる。
他の態様では、複数のこのμ-LEDダイを行と列とに配置して含む画素またはμ-LEDモジュールの製造が関係している。各画素は、キャビティの中に埋め込まれていてもよいし、凸部で取り囲まれていてもよい。そのため、カバー電極は、複数のこのようなμ-LEDダイの共通接続部として使用することができる。さらに、カバー電極に取り出し構造体を設けることもできる。特にここでは、光をさらにコリメートするのに適した、本明細書で開示されるフォトニック構造体について言及する必要がある。カバー電極には変換体を設けることもできる。このようにして、例えば青色の光を生成するμ-LEDダイのタイプを使用し、この光を変換層で変換することができる。この場合、別の画素への光漏話を回避するために、カバー電極上に更なる反射構造体を組み立てることができる。さらに、変換された光をコリメートするフォトニック構造体も考えられる。
マトリクス状に適用され、縦方向に積層されたナノカラムまたはナノロッドを含むナノ発光ダイオードアレイについては、本出願のスロット型アンテナ構造体における誘導放出の文脈で既に説明している。ナノカラムの特性として、そのアスペクト比が高いことが挙げられる。すなわち、その基底面に対するその高さが、典型的には1μm2以下の範囲であるということである。
平面状に拡張された半導体層スタックを有する発光ダイオードと比べて、ナノカラムの準1次元性とその結果としての格子整合の要件の緩和により、活性層を形成するためのより柔軟な材料組成の利点が提供される。この結果、発光のスペクトル調整機能が向上し、さらに、歪みの目標とされた導入や活性層の拡張の決定にも影響を及ぼすことができる。この結果、前述の誘導放出の可能性が出てくる。しかしながら、異なる色の光を放出するカラムは、異なる材料系および/または歪みもしくはドーピングを用いて作り出すこともできる。
製造バリエーションに応じて、ナノカラムは、異なる導電型タイプ(n型またはp型ドーピング)の層を有する平面状の半導体層システムから出発して製造される。半導体層システムの活性層は、典型的には量子井戸構造を有している。次いで、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行い、これは少なくとも活性層の深さにまで達し、平面状の半導体層システムから、横方向に制限されたディスク状の活性ゾーンを有するナノカラムを作り上げるのに役立つ。
ナノ発光ダイオードアレイの第2の製造バリエーションは、Al2O3、SiCまたはZnOなどのキャリア基板上にパターニングされたn型窒化ガリウム層から出発して、第III-V族半導体、特に(AlxInyGa1-x-y)Nの直立したナノカラムの形をしたナノ層構造をエピタキシャル成長させることで実現する。このナノカラムは、細長いコアと、コアを覆う活性層と、コアの材料とは異なる電荷キャリア極性を有するシェル層とを有するコア・シェル構造を有している。
隣り合うナノカラム間の領域には、透明な接点層のベースとして用いられる絶縁材料が充填されている。あるいは上側コンタクト層は、ナノカラム間の空気充填部をまたぐブリッジ構造を形成することができる。
ナノ発光ダイオードアレイを向上させるための以下の考察の出発点は、キャリア基板と、キャリア基板に少なくとも間接的に接続されてキャリア基板から長手方向に向かうナノカラムとを有するアレイである。好ましくは、キャリア基板上に複数のナノカラムを有するマトリクス配置が存在する。この場合、各ナノカラムは、電磁放射を発生させる少なくとも1つの活性層を有する半導体シーケンスを有し、放射放出の少なくとも一部が長手方向に対して横向きに行われるように構成されている。コンセプト案によれば、キャリア基板上にナノカラムに対して横方向にリフレクタデバイスが配置されており、これは長手方向に対して横向きの放射放出を、長手方向に対して平行に延びる主放射方向の向きに少なくとも部分的に変える。これにより、ナノ発光ダイオードアレイの放射角度が減少し、こうして達成されたプリコリメーションにより、ビーム経路に続く光学部品へのビーム結合が容易になる。
有利な一構成では、リフレクタデバイスは、関連するナノカラムの異なる側に配置された第1の反射光学素子と第2の反射光学素子とを含む。有利には、それぞれ隣り合う2つのナノカラムの間には、さらにリフレクタデバイスが設けられている。
電磁放射を放出するナノカラムは、照明ユニットまたはディスプレイデバイスの画素の一部となることがある。1つの可能な構成では、各画素は、単一のナノカラムと、ナノカラムに関連し、ナノカラムを取り囲むリフレクタデバイスとを含んでいる。更なる構成では、いくつかの態様によれば、画素は複数のナノカラムを含み、画素に割り当てられたリフレクタデバイスは、画素のナノカラムを取り囲んでいてもよい。代替的な構成では、1つの画素内に複数のリフレクタデバイスが存在し、画素の各ナノカラムには別個のリフレクタデバイスが提供される。
画素は、発光のスペクトル適応性を考慮して、例えばRGB画素として設計されていてもよい。画素ごとに複数のナノカラムを有する構成では、これらは異なる色で提案されていてもよい。それぞれのナノカラムの活性層を適合させたり、異なる光変換材料にナノカラムを局所的に埋め込むことで色を調整したりすることも考えられる。さらに、n型コンタクトおよび/またはp型コンタクトは、画素および/または画素の一部、特に個々のナノカラムもしくはナノカラム群に個別にエネルギーを与えることができるように、パターニングして形成されている。
一構成では、ナノ発光ダイオードアレイは、ナノカラムの半導体シーケンスの層とモノリシックに形成された付形層を有している。これらの層は一体的に設計されており、共通の製造方法から得られたものであったり、同じ基板を用いて連続的に実施される製造ステップから得られたものであったりしてもよい。
いくつかの態様では、反射率を向上させるために、リフレクタデバイスは、金属性反射層および/またはブラッグミラーを有している。別の態様では、本構成は、コリメーション効果をさらに向上させるために、リフレクタデバイスに取り込まれたフレネルレンズアレイを含んでいる。さらに、更なる設計として、ナノカラムとリフレクタデバイスとの間のビーム経路に波長変換素子が配置されており、第1のナノカラムに割り当てられた第1の波長変換素子は、第2のナノカラムに割り当てられた第2の波長変換素子の放射光束とはスペクトル的に異なる電磁放射を放射するように適用されている。ナノ発光ダイオードアレイの代替的な構成では、ナノカラムの少なくとも一部は、リフレクタデバイスが配置されていない横方向を有している。代わりに、隣接して配置されたナノカラムの間で、この方向に光学的アイソレータが設けられていてもよい。
これらの原理に従ったナノ発光ダイオードアレイを製造する方法には、リフレクタデバイスの少なくとも1つの付形層および/またはナノカラムの半導体シーケンスの層をフォトリソグラフィによりパターニングすることが含まれる。さらに、異方性エッチングプロセスを用いたリフレクタデバイスのパターニングの他、高アスペクト比を有するナノカラムを形成するためのエッチングストップ層の適用も提案される。更なる好ましい製造方法では、リフレクタデバイスの付形層および/またはナノカラム半導体シーケンスの層をエピタキシャル成長させる。更なる製造変形例として、ナノスタンピングプロセス(Nanostempelverfahren)が提供される。
既に繰り返し述べたように、光の損失を減らすために、側壁から出射する光の向きをリフレクタ層で変えている。他のアプローチでは、光電子構造素子の側面に直接配置される反射型インターフェースが提案されている。したがって、このアプローチは、モノリシック構造だけでなく、単一の光電子構造素子においても実現することができる。同様に、このアプローチは、例えばアンテナ構造で提案されているように、μ-LEDナノカラムまたは半導体層スタックの場合にも提供することができる。
一態様では、光電子デバイスは、半導体材料をベースとする、光を生成するための活性ゾーンを有する、特にμ-LEDの形の少なくとも1つの光電子光源を含み、生成された光のための光出射面が光源の上面に形成されており、光源は、この上面に加えて、光源を横方向および/または下方向に区切っている少なくとも1つの更なる界面を有しており、界面には誘電体リフレクタが配置されており、これは生成された光を反射するように形成されている。
反射性ミラーの他の措置とは対照的に、またはそれを補足する形で、ここでは誘電体リフレクタが界面に直接適用されている。誘電体リフレクタがないと、光源で生成される光が横方向および/または下方向に漏れてしまい、特に、光源を取り囲むデバイスのキャリアの材料に入り込んでしまう可能性がある。それに対して、誘電体リフレクタは、界面に入射した光を少なくとも部分的に反射して、光源の内部に再び戻す。したがって、電気リフレクタを使用することで、光源からの光の横方向および/または下方向への漏れを少なくとも部分的に防止することができる。理想的には、反射して戻された光は、例えば、さらに反射した後に光出射面を通って漏れていく。このようにして、誘電体リフレクタは光量を高めることができる。同時に、素子は非常に小さい。
界面は、光源の周りを円周方向に囲む側面と、光源の下面とを有することができ、下面は上面と対向している。誘電体リフレクタは、側面にのみ配置されていても、下面にのみ配置されていてもよい。あるいは誘電体リフレクタは、側面と下面の両方に配置されていてもよい。そのため、誘電体リフレクタは、上面を除いて、光源を区切る界面全体に配置されていてもよい。したがって、誘電体リフレクタは、上面を除いて光源全体を取り囲むことができるので、光量を比較的大きなものにすることができる。
誘電体リフレクタは、特に周期的または非周期的な、複数の材料層が重なり合ったシーケンスを有していてもよく、少なくとも2つの直接連続する材料層は異なる屈折率を有している。特に、誘電体リフレクタは、異なる屈折率を有する2つの誘電体材料層を交互に並べた周期的なシーケンスで構成されていてもよい。材料層の厚さは、可能な限り高い反射を達成するために、光源から放出された光の波長に合わせてもよい。
材料層の非周期的なシーケンスは、少なくともいくつかの構成では、周期的な層シーケンスと比較して、より薄い層で同等のミラー効果を生み出すことができる。特に、誘電体リフレクタは、ブラッグミラーとして形成されていてもよい。ブラッグミラーは自体公知である。それは分散型ブラッグリフレクタとも呼ばれ、DBRと略されている。
ブラッグミラーは、屈折率の異なる2つの薄膜を交互に並べた周期的な配置から形成されていてもよい。ほとんどの層は、半導体材料をベースとする誘電体で構成されている。2つの材料層の界面では、いわゆるフレネル式に従って、入射光の一部が反射される。反射されたビーム間で、波長がそれぞれの材料層の光波長の4倍近くである場合には建設的干渉(konstruktive Interferenz)を起こす。
ブラッグミラーの反射率が、特に垂直入射光の場合に非常に高く、少なくとも理論的には非常に多くの交互に並んだ層の場合に100%に達することもできる波長域をストップバンドと言う。波長がブラッグミラーのストップバンド内にある光は、少なくとも高度に反射され、理想的にはブラッグミラーを通って伝搬することはできない。
したがって、ブラッグミラーとして形成されたリフレクタは、光源から放出された光の波長がストップバンド内、特にその中心に位置するように形成されていることが好ましい。この場合、ブラッグリフレクタの材料層の厚さは、放出された光の波長に合わせられる。これに関連して、層の光学的厚さは、放出された光の波長の1/4であることが有利である。光学的厚さは、層の厚さと光学的屈折率との積に相当する。
このコンセプトのいくつかの態様はまた、例えばディスプレイ配置構造もしくはモノリシックアレイなどの光電子装置、または例えばマトリクスヘッドライトなどのヘッドライトに関しており、光電子装置は、提案された複数の光電子デバイスを有しており、光電子デバイスの光源は、アレイ状に配置されている。各光源は、ディスプレイ配置構造またはモノリシックアレイの画素を形成することができる。各光源は、例えば、赤色、緑色および青色の複数の所定の色のうちの1つの色の光を放出することが提案されていてもよい。各光源は、画素のサブ画素を形成することができ、画素は複数の光源によって形成され、それぞれの光源は各色のうちの1つの光を放出する。
光電子デバイスの光源は、特に、光源の光出射面のみが開放された外側の表面を呈する一方で、光源のそれぞれの界面はキャリア材料で取り囲まれているように、キャリアに埋め込まれていてもよい。これに関連して、光電子デバイスの誘電体リフレクタは、光源とキャリア材料の界面との間に配置されていてもよい。例えば、キャリアは、1つ以上の半導体材料の層で構成されていてもよい。各層は、例えば、1つ以上の平面の導体トラックの形で電子回路を含んでいてもよい。同様に、光源を供給したり、光源を駆動制御したりするための電子回路が存在していてもよい。例えば、光源の電流供給は、導体トラックによって行われてもよい。
提示されたコンセプトの更なる態様はまた、光電子デバイス、特にディスプレイデバイスまたはヘッドライトを製造する方法に関しており、この方法では、半導体材料をベースとする光電子光源が提供され、この光源は、光を生成するための活性ゾーンと、上面に、生成された光のための光出射面とを有し、誘電体リフレクタが光源の少なくとも1つの界面に配置されており、この誘電体リフレクタは、生成された光を反射するように形成されており、この界面は、光源を横方向および/または下方向に区切っている。
界面は、光源の上面を除く残りの外面を形成してもよい。リフレクタは、界面のすべてまたは少なくとも一部を覆っていてもよい。
同様に、例えばディスプレイ配置構造またはヘッドライトアレイなどの光電子装置を製造する方法も提示されることになる。いくつかの態様では、この方法の場合、本発明による多数の光電子デバイスの光源をアレイ状に配置し、光源の出射面のみが開放された外側の表面を呈する一方で、キャリアの材料は光源の界面を取り囲むようにキャリアに埋め込む。誘電体リフレクタは、キャリアの材料と光源のそれぞれの界面との間に配置することもできる。このステップは、キャリアに光源を埋め込む前に行ってもよい。
コンセプト案はまた、特に複数の提案された光電子デバイスもしくはμ-LEDを用いて、例えばモノリシックアレイまたはヘッドライトなどの光電子装置を製造する方法に関するものである。この方法では、半導体材料をベースとする多数の光電子光源が、各光源が光を生成するための活性ゾーンと、光のための光出射面としての開放された外側の上面とを有するようにアレイ状でキャリア上に構成されており、各光源のために、キャリアの材料に対して光源を横方向および/または下方向に区切る少なくとも1つの界面上に、生成された光を反射するように形成された誘電体リフレクタが配置されている。
誘電体リフレクタの配置には、原子層堆積法を用いて誘電体リフレクタの材料を成膜することが含まれ得る。原子層堆積法は、「原子層堆積」とも呼ばれている。ここで、誘電体リフレクタを形成するための材料は、極めて薄い層で堆積されていてもよい。原子の単層に相当する層の厚さを実現することができる。これにより、非平面(例えば曲面)の表面であっても、正確に定義された厚さの層を堆積することができる。原子層堆積法により、特にブラッグミラー形式のリフレクタを簡単に製造することができる。
屈折率の高いリフレクタの誘電体層の材料としては、例えば、Nb2O5、TiO2、ZrO2、HfO2、Al2O3、Ta2O5またはZnOを使用することができる。低屈折率の誘電体層には、例えば、SiO2、SiN、SiONまたはMgF2を用いることができる。
誘電体リフレクタの配置には、第1の方法で誘電体リフレクタの少なくとも1つの層の材料を適用し、第2の方法で他の層の材料を配置することが含まれ得る。特に、光源の界面に直接相接する層は、第1の方法で配置してもよい。第1の方法は、例えば、CVD(化学気相成長法)またはPE-CVD(プラズマ援用化学気相成長法)などの気相成長法とすることができる。これにより、界面の凹凸部、例えばエッチングプロセスで生じた粗い表面を、よりコンフォーマルな堆積によって覆うことができる。その後、誘電体ミラーの更なる層を滑らかな表面上に製造することができる。
第2の方法は、原子層堆積法とすることができる。これにより、誘電体リフレクタの層を定義された厚さで形成することができる。
更なる態様はまた、光電子装置、もしくは特に本明細書で提示されている多数の光電子デバイスを製造する方法に関するものであって、この方法では、半導体材料をベースとする光電子光源を、各光源が光を生成するための活性ゾーンと、上面に、光のための光出射面としての開放された外側の上面とを有するようにアレイ状でキャリア上に配置し、光源は、上面の隣り合う光源の間に少なくとも僅かな隙間があり、その背後に空間ができるように配置し、各光源のために、キャリアの材料に対して光源を横方向および/または下方向に区切る少なくとも1つの界面上に、生成された光を反射するように形成された誘電体リフレクタを配置し、光源の誘電体リフレクタは、隣り合う光源の間のそれぞれの隙間に、上面から誘電体リフレクタ用の材料が、例えば原子層堆積法により導入され、誘電体リフレクタは、隙間の背後に位置するそれぞれの空間に形成されるように形成する。
少なくとも光源の光出射面を、特にフォトマスクで覆い、同時に誘電体リフレクタを空間に形成してもよい。フォトマスクは、リフレクタが完成した後に除去することができる。例として挙げられるヘッドランプは、マトリクスヘッドランプであってもよい。したがって、ヘッドライトアセンブリは、マトリクスヘッドライトアセンブリであってもよい。
別の態様では、反射面を追加した誘電体フィルターを取り付けたμ-LEDの放射パターンの改善が関係している。本開示の第1の態様による光電子構造素子、特にμ-LEDは、少なくとも半導体素子と、誘電体フィルターと、反射材料とを含む。さらに、光電子構造素子は、例えば、本願に記載された部品を含んでいてもよい。
少なくとも1つの半導体素子は、光を生成するように形成された活性ゾーンを含む。特に、これは縦型または横型のμ-LEDとして構成されていてもよい。既に素子の効率を上げるために、量子井戸インターミキシングなどの措置が可能である。さらに、少なくとも1つの半導体素子は、第1の主表面と、第1の主表面に対向する第2の主表面と、2つの主表面の間に広がる側面とを有している。例えば、少なくとも1つの半導体素子は、3つまたは4つ以上の側面を有していてもよい。しかしながら、少なくとも1つの半導体素子が丸形の主表面を有し、そのために一態様しか有しないことも考えられる。
誘電体フィルターは、少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面の上に配置され、誘電体フィルターに所定の方向で入射する光のみを透過もしくは通過させるように構成されている。
例えば、誘電体フィルターは、所定の円錐角(Winkelkegel)でのみ光を透過するように構成されていてもよい。円錐角は、その軸線が少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面に対して垂直になるように配向されている。コーンの外側面もしくは母面とコーンの軸線との間の角度、すなわち、コーンの開口角の半分は、所定の値を有していてもよい。例えば、コーンの開口角の半分は、最大でも5°、最大でも15°、最大でも30°または最大でも60°とすることができる。半導体素子から誘電体フィルターに所定の円錐角の範囲内の角度で入射した光成分が透過し、残りの光成分は実質的に透過せず、例えば半導体素子に反射して戻される。これにより、光電子デバイスから放出される光の高い指向性が可能となる。
誘電体フィルターは、円錐角が非常に小さい開口角を有するように構成されていてもよく、その結果、第1の主表面に対して垂直に半導体素子を出る光のみが誘電体フィルターによって透過される。
誘電体フィルターは、誘電体層のスタックで構成されていてもよく、これはコーティングにより半導体素子上に適用され、特に高い透過率を有する。例えば、スタック内の誘電体層は、低屈折率と高屈折率とを交互に有していてもよい。高屈折率の誘電体層の材料としては、例えば、Nb2O5、TiO2、ZrO2、HfO2、Al2O3、Ta2O5またはZnOを使用することができる。低屈折率の誘電体層には、例えば、SiO2、SiN、SiONまたはMgF2を用いることができる。高屈折率と低屈折率とを交互に有する誘電体層のスタックは、ブラッグフィルターとして構成されていてもよい。さらに、誘電体フィルターはフォトニック結晶であってもよい。
少なくとも1つの半導体素子および誘電体フィルターの1つ以上の側面には、反射材料が堆積されている。反射材料は、少なくとも1つの半導体素子の少なくとも1つ以上またはすべての側面を覆うように設けられていてもよい。同様に、反射材料は、誘電体フィルターの少なくとも1つ以上またはすべての側面を覆ってもよい。一構成では、反射材料は、少なくとも1つの半導体素子と誘電体フィルターの両方を横方向に完全に取り囲んでいる。
反射材料は、少なくとも1つの半導体素子から放出される光、またはこの光の少なくとも一部の波長域に対して反射性を有していてもよい。その結果、少なくとも1つの半導体素子または誘電体フィルターの側面を通って出射する光が反射して戻され、光電子構造素子の効率が向上する。
複数の構造素子が提案されていてもよい。これらはまた、上述の特性を有する1つ以上の半導体素子を有している。半導体素子上には、それぞれ誘電体フィルターが配置されている。さらに、半導体素子は反射材料で取り囲まれている。追加的または代替的に、半導体素子を備えた複数の構造素子がこのようなミラーで取り囲まれていてもよい。例えば、このような構成では、冗長性を提供することができるため、1つの半導体素子が故障しても、冗長性のある半導体素子がその機能を引き継ぐことができる。例えば、半導体素子はアレイ状に、すなわち規則的に配置構造で配置されていてもよい。
光電子構造素子は、ディスプレイ、すなわち表示デバイスに内蔵されていてもよい。半導体素子の各々は、ディスプレイの1つの画素を表したり、構成したりすることができる。さらに、半導体素子の各々は、画素のサブ画素を表すことができ、各画素は、例えば、赤色、緑色および青色を有する光を放出する複数のサブ画素から形成されている。
個々の半導体素子とそれぞれの誘電体フィルターとを横方向に取り囲む反射材料によって、隣り合う画素間で高いコントラストが得られる。さらに、高画素密度も可能である。一構成によれば、半導体素子はμ-LEDとして構成されている。μ-LEDは、特にμmの範囲で発光面の横方向の広がりが小さい。モノリシックアレイのμ-LEDとは対照的に、分離したμ-LEDは、それぞれが自己完結型のユニットを形成しており、個別に、互いに大きな間隔を空けて設置して動かすことができる。半導体素子が発する光は、例えば、可視域、紫外(UV)光および/または赤外(IR)光とすることができる。
ディスプレイに加えて、本出願の第1の態様による光電子構造素子は、例えば、AR(拡張現実; erweiterte Realitaet)用途や、画素化アレイもしくは画素化光源の他の用途でも使用することができる。
一構成によれば、少なくとも1つの半導体素子の少なくとも1つ以上またはすべての側面が、活性ゾーンの高さで傾斜して延びている。つまり、それぞれの側面の少なくとも一部は、少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面と角度を形成し、この角度は90°ではなく、特に90°未満であることを意味している。少なくとも1つの半導体素子は、その高さ全体にわたって面取りされていてもよいし、部分的にのみ面取りされていてもよいが、いずれにしても活性ゾーンは面取りされた領域にあることが望ましい。完全または部分的に面取りされた側面は、低屈折率の絶縁層と界面を形成してもよい。水平方向に放出された光は、面取りされた側面によって、部品の表面に向かって反射される。
少なくとも1つの半導体素子は、第1の電気端子と第2の電気端子とを有していてもよい。例えば、一方の端子がカソードを表し、他方の端子がアノードを表すことができる。さらに、反射材料は、導電性を有し、少なくとも1つの半導体素子の第1の端子に電気的に結合されていてもよい。特に、第1の端子は、少なくとも1つの半導体素子のn型ドープ領域に接続されていてもよい。その結果、反射材料は、隣り合う画素間の光学的分離を生じさせると同時に、少なくとも1つの半導体素子に電気的コンタクトを提供する。
多数の半導体素子を備えた複数の光電子構造素子が提案されている場合には、それぞれの半導体素子を取り囲む反射材料および導電性材料が相互に接続されていてもよく、これにより半導体素子の第1の端子を外部から一緒に制御することが可能になる。この場合、半導体素子の第2のコンタクトは、例えば、半導体素子の下面を介して、個別に駆動制御可能であってもよい。1つのコンタクトだけを良好な解像度で定義する必要があるため、本構成は製造上有利であり、チップの下面に2つの互いに切り離されたコンタクトを設けると面積が不足するような非常に小さな画素の製造も容易になる。反射材料は、例えば、金属であってもよいし、金属を含んでいてもよいし、電着していてもよい。
反射層が、少なくとも1つの半導体素子の第2の主表面の下に配置されていてもよい。これにより、第2の主表面を通って出てきた光は、半導体素子に再び反射して戻り、上面を通って光電子構造素子から完全に出射する。さらに、反射層は、導電性を有し、少なくとも1つの半導体素子の第2の端子に電気的に結合されていてもよい。例えば、第2の端子は、少なくとも1つの半導体素子のp型ドープ領域に接続されていてもよい。その結果、反射層は、その反射特性に加えて、少なくとも1つの半導体素子との電気的コンタクトを構築する役割も果たす。各半導体素子の第2の端子を個別に駆動制御できるようにすることも提案されていてよい。
反射層は、反射材料と同じ材料を使用してよいが、そうでなくてもよい。例えば、反射層には金属を使用することができる。
上述の構成に代えて、反射層は電気的に絶縁されていてもよく、反射層の上および/または下に、特に少なくとも1つの半導体素子の第2のコンタクトに結合された1つ以上の導電層が配置されていてもよい。この場合、反射層は、例えば、誘電体ミラーであってもよく、特に金属層の上に配置されていてもよい。そうして、電気的接触は、誘電体層を貫通するフィードスルーまたは誘電体層の側面を介して行われる。さらに、反射層の上、すなわち、少なくとも1つの半導体素子と反射層との間に、導電性で透明な層が配置されていてもよい。導電性で透明な層の材料として、例えば酸化インジウムスズ(英語:indium tin oxide:略してITO)を使用することができる。
一構成によれば、例えば酸化インジウムスズの導電性で透明な層と、誘電体ミラーとの下に、銀ミラーが配置されている。あるいは少なくとも1つの半導体素子の下に、例えば酸化インジウムスズの導電性で透明な層と銀ミラーとのみが配置されていてもよい。
反射材料と反射層との間には、電気絶縁性の第1の材料が配置されていてもよい。さらに、電気絶縁性の第1の材料は、少なくとも1つの半導体素子の側面の1つ以上、特に側面の面取りされた部分と直接接触していてもよい。さらに、電気絶縁性の第1の材料は、少なくとも1つの半導体素子よりも、特に電気絶縁性の第1の材料との界面の領域で、低い屈折率を有していてもよい。その結果、電気絶縁性の第1の材料は、少なくとも1つの半導体素子の第1の端子と第2の端子の間に電気的な絶縁を引き起こす。さらに、屈折率のコントラストにより、少なくとも1つの半導体素子と電気絶縁性の第1の材料との間の界面で光が反射して戻され得る。
電気絶縁性の第1の材料は、例えばSiO2からなり、高いアスペクト比を満たすことができるように、例えばTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を使用した気相成長法、または例えばシランをベースにした別の方法で堆積させてもよい。
少なくとも1つの半導体素子と誘電体フィルターとの間、すなわち、少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面の上には、光の向きを他の空間方向に変えたり、光を散乱させたりするように構成された粗面化表面を有する層が配置されていてもよい。この層は、ランベルト放射パターンを有し得る。さらに、全反射の臨界角を超える角度の光成分が向きを変えるように層が形成されていてもよいため、原理的にすべての成分を取り出すことができ、部品の中に「閉じ込められた」ままになることはない。
上述の層は、例えば、ランダムまたは決定論的にパターニングされた半導体表面から構成されていてもよい。表面は、傾斜したフランク部を有する粗面化された構造を有していてもよく、粗面化された構造の高さは、μ-LEDの場合、最大で数100nmである。粗面化された構造は、例えば、エッチングによって作り出すことができる。
さらに、上述の層を使用せず、代わりに少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面を粗面化することも可能である。このために、例えば、特にランベルト放射パターンを実現するために、ランダムまたは決定論的なトポロジーを第1の主表面にエッチングすることができる。少なくとも1つの半導体素子の粗面化された第1の主表面は、上述した層の粗面化された表面と同じ特性を有することができる。
少なくとも1つの半導体素子または当該半導体素子上に配置された層の粗面化された表面上に、例えばSiO2からなる、下層の屈折率とは異なる屈折率を有し、さらに平坦な上面を有する更なる層を堆積させてもよい。この追加の層は、その平らな上面によって誘電体フィルターを適用することができ、同時に、屈折率差によって下層の粗面化された表面の機能を維持している。
画素の横方向の広がりが最大でも50μmと小さいため、少なくとも1つの半導体素子の高さをμm範囲で小さくすることが可能である。特に、少なくとも1つの半導体素子は、最大で50μmの横方向の広がりもしくはエッジ長さ、および/または最大で1μm~2μmの高さを有していてもよい。
上述したように、デバイスは、本願に記載された構成を有することができる複数の光電子構造素子を含むことができる。構造素子の半導体素子の各々は、関連する誘電体フィルターと、それぞれの半導体素子の下に配置された反射層とともに、反射材料によって横方向に完全に取り囲まれていてもよい。一構成によれば、半導体素子はアレイ状に配置され、隣り合う半導体素子は反射材料によって互いに分離されている。その結果、反射材料は格子を形成し、隣り合う半導体素子は格子によってのみ互いに分離される。
反射材料がさらに導電性である場合、すべての半導体素子の第1の端子は、反射材料を介して共通の外部端子に接続されていてもよい。半導体素子の第2の端子は、個別に駆動制御可能であり得る。
代替的な構成によれば、反射材料によってそれぞれ横方向に取り囲まれた複数の半導体素子は並置されており、隣り合う半導体素子の間には、電気絶縁性の第2の材料が配置されている。例えば、電気絶縁性の第2の材料はポッティング材料であってもよい。
本構成では、反射材料は導電性を有していてもよい。半導体素子の第1の端子を共通の外部端子に接続するために、電気絶縁性の第2の材料の上および/または下および/または内部には、半導体素子の第1の端子を共通の外部端子に接続する導体トラックが延在していてもよい。半導体素子の第2の端子は、個別に駆動制御可能であり得る。
本出願の第2の態様による方法は、光電子構造素子を製造するために用いられる。この方法は、光を発生させるように構成された活性ゾーンを有する少なくとも1つの半導体素子を提供することと、少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面の上に誘電体フィルターを配置することとを含む。誘電体フィルターは、所定の方向の光のみを透過させるように構成されている。さらに、少なくとも1つの半導体素子の少なくとも一側面と、誘電体フィルターの少なくとも一側面とには、反射材料が配置もしくは堆積させられる。
本出願の第2の態様による光電子デバイスを製造する方法は、本願の第1の態様による光電子構造素子の上述の構成を有していてもよい。
以下では、μ-LEDまたはμ-ディスプレイもしくはモジュールを製造するための処理および方法についての態様を詳しく見ていくが、既に説明したように、処理の態様には、半導体構造または材料の処理も含まれ、その逆もある。この点において、以下の観点は、これまでのものと容易に組み合わせることができる。
製造プロセスおよび個々の光学素子の非常に小さな寸法に起因して、ディスプレイの多数の画素の中から個々の画素素子が不良になる場合がある。この問題は、モノリシックμ-ディスプレイモジュールでは影響が大きくなる。というのも、製造における欠陥やばらつきは、サイズが小さいために、すぐに画素の故障につながるからである。特にモノリシックディスプレイでは、欠陥のある画素ごとに交換することができないため、欠陥密度が高くなるとモジュール全体を交換しなければならない。
例えば、周囲の画素や相接するピクセルをより高い輝度に設定することで、欠陥ピクセルからの光の欠落を少なくとも部分的に補うことができるように、既知の解決策は、欠陥のある画素の欠落した光を補おうとする。多くの場合、これらの欠陥画素の交換や修理は、経済的にもプロセス的にも有意義ではないと思われるため、個別の欠陥画素があっても、製造されたディスプレイを十分に良好な品質で使用できることが望ましい。
電気的に分離され光学的に結合されたサブ画素を有する画素素子に関する以下の態様は、そのような小さな欠陥を補うことができるので、μ-ディスプレイまたはμ-ディスプレイモジュールの品質を維持しつつ、歩留まりが向上する。
これらの態様は、光クロストークの防止に適した措置を使用することを考慮したものであり、以下に提案する手段は、上記の課題に適しているだけでなく、光漏話の低減は、特にモノリシック構造素子においてμ-LEDが互いに非常に近接しており、良好な光学的分離を達成する必要がある場合には、更なる利点を有している。非常に密集して配置されたモノリシックアレイもしくはμ-ディスプレイまたはμ-ディスプレイモジュールの場合、μ-LEDの放出された光が隣り合う画素の領域に放射しないように、画素間のクリーンな光学的分離が必要である。光クロストークを防ぐために、2つのμ-LEDの間にはトレンチ(より一般的には、光学的に分離する構造)が設けられることが多い。一方では、十分に良好な高コントラストの画質を実現するために、光クロストークを抑える必要があるが、これにより画素の故障が強く目立ってしまう場合もある。
そこで、少なくとも2つのサブ画素で形成される、ディスプレイのピクセルを生成するための光学的画素素子が提案される。一実施例によれば、1つの画素素子に2、4、6、9、12、16のサブ画素が設けられている。言い換えれば、ここでは2つのサブ画素が同じ駆動制御情報を受け取り、例えば同じ波長に合わせて実装されるという冗長性を持たせている。したがって、これらの少なくとも2つのサブ画素のうち1つが故障しても、画素素子はその波長の光を発することができる。一実施例によれば、サブ画素の輝度を調整することで、故障したサブ画素の光の量の不足分を補うことができる。一実施例によれば、サブ画素はいわゆるフィールドとして実装されている。例えば、画素素子が長方形の構造で実装されている場合、画素素子の構造内のサブ画素は、再度フィールドに分割されることで形成される。これらのサブ画素の各々は、他のフィールドのサブ画素とは独立して駆動制御することができる。
サブ画素は、それぞれ光学的エミッタ領域を有している。これは、各サブ画素が個別に駆動制御可能であり、自律的に機能し得ることを目的としている。エミッタ領域は、pn接合、1つ以上の量子井戸構造または光を生成するために設けられた他の活性層を含んでいる。エミッタ領域の下面には、制御ユニットまたは駆動制御電子回路(Ansteuerelektronik)に接続するように設けられたコンタクトが実装されている。
駆動制御電子回路は、個々の画素素子と個々のサブ画素とを電気的に制御するように構成されている。例えば、駆動制御電子回路または制御装置は、サブ画素の欠陥を検出し、続けて、欠陥のあるサブ画素を使用しないように構成されていてもよい。さらに、一実施例によれば、駆動制御電子回路は、隣り合う故障したサブ画素の輝度が補正されるように、輝度を高めるように隣り合うサブ画素を駆動するように構成されていてもよい。このために、例えば、サブ画素の動作状態を記憶する記憶ユニットが駆動制御電子回路に設けられていてもよい。言い換えれば、この場合、必要に応じて輝度調整や隣り合うサブ画素または画素素子のオン/オフの欠陥補償を行うために、欠陥として検知されたサブ画素を集中的に検知することができる。他の構成では、例えば、故障したサブ画素を補うために、サブ画素がアクティブになる時間を長くしてもよい。一方、すべてのサブ画素が機能している場合、駆動制御回路は、すべてのサブ画素を、それぞれ輝度を下げて駆動制御したり、持続時間を短くして駆動制御したり、多重化して駆動制御したりすることもできる。電流および/または持続時間が少ない機能的なサブ画素を利用することで、サブ画素の寿命を延ばすことが可能である。
画素素子内で隣り合う2つのサブ画素を互いに分離するために、サブ画素分離素子が設けられている。これにより、サブ画素分離素子は、それぞれのエミッタチップの駆動制御もしくはサブ画素の駆動制御に対して電気的に分離する効果がある。言い換えれば、このサブ画素分離素子は、隣り合うサブ画素のエミッタチップ間の電気的相互作用を防ぐタイプのもので構成されていてもよい。
特に、半導体を使用していることや、個々のサブ画素のエミッタ領域間の距離がμm範囲で短いことから、エミッタチップを駆動制御すると、空間的に相接する領域または周辺領域に二次的な電気的または電磁的影響を及ぼす可能性がある。これにより、状況次第では、一次エミッタチップ(primaeren Emitterchip)を駆動制御する際に、隣り合うエミッタチップも同様に活性化してしまう可能性がある。したがって、サブ画素分離素子は、隣り合うサブ画素への電気漏話または電気クロストークや、隣り合うサブ画素の起こり得る活性化を防ぐように構成されている。
他方、サブ画素分離素子は、隣り合うサブ画素のエミッタチップから放出された光に対して光学的に結合するように構成されており、個々のサブ画素がオフになっているという視覚的印象を打ち消すようになっている。光学的に結合するとは、一次エミッタチップもしくは一次サブ画素(primaeren Subpixel)で生成された光が、光クロストークによって隣り合うサブ画素に侵入できることを意味している。このようにして、サブ画素の欠陥によって黒い点または黒い斑点が形成されることを有利には防止することができる。代わりに、隣り合うサブ画素から光が侵入し、欠陥のあるサブ画素を起点として発光方向に放射することもできる。これにより、欠陥のあるサブ画素の目に見える影響を有利には補正することができる。そのため、サブ画素分離素子は光学的に分離効果がなく、達成されることもない。
これは、1つのサブ画素が故障した場合に有利である。光学的に分離されていないため、画素はそれでも全体として認識され、両方のサブ画素がアクティブな場合とは異なる視覚的な印象を与えない。一態様では、サブ画素分離素子は、電気的には分離するが、光学的には分離しない、あるいは光学的に漏話を促進するようなものであってもよい。一変形例では、サブ画素分離素子は、2つのサブ画素の活性層のすぐ手前まで、または活性層の中までしか引き込まれていない。言い換えれば、サブ画素分離素子は、共通の層を介して接続されている2つのサブ画素素子を電気的に分離する。
一態様では、サブ画素は共通のエピタキシャル層を有している。多くの場合、画素素子またはディスプレイ全体は、複数のサブ画素および/または画素素子を相互に接続する共通の層または複数の重ね合わせた層が成長するように構成されている。これは、例えば、共通の電気的なコンタクトまたは接続を提供するために利用することもできる。一実施例によれば、エピタキシャル層は、第III族元素のガリウム、インジウムもしくはアルミニウムと、第V族元素の窒素、ヒ素もしくはリンとを有するか、またはそれらの組み合わせ、あるいは前述の元素を有する材料系を有する。これにより、特に、発光ダイオードの放出された光の色や波長に影響を与えることができる。エピタキシャル層はまたは、活性半導体層、つまり、例えば、活性境界領域を含めたp型ドープ領域およびn型ドープ領域も有することができる。
例えば、エピタキシャル層平面の長手方向延在部に対して横方向のエピタキシャル層の第1の面にエミッタチップが配置される。この場合、エミッタチップの光は、エピタキシャル層に対して横方向に、エピタキシャル層の第2の対向面に向けて放出され、そこから放射される。サブ画素分離素子は、エピタキシャル層のうち、エミッタチップもしくはμ-LEDが配置されている第1の面を起点にして、エピタキシャル層平面に対して横方向にトレンチ状に延在している。
言い換えれば、サブ画素分離素子は、ここでは、凹部、隙間、スロットなどの構造として実装されており、さらに電気絶縁材料で充填されていてもよい。絶縁材料はさらに、光漏話を容易にするために、光学的に透明であることが望ましい。ここで一実施例によれば、トレンチの長さは、1つのサブ画素への駆動制御信号が、同じ画素の第2の隣り合うサブ画素と電気的にクロストークしないように選択される。特に、このようなトレンチ状の構造は、電流フローの経路が大幅に延長されるために電気抵抗が増加することで、電気的なデカップリングが発生する。
放出された光に関する光学的効果はまた、エピタキシャル層の領域のうち、エピタキシャル層のさらに中心に位置する領域もしくはエピタキシャル層の第2の遠ざかった面に向かっている領域に関連している。つまり、トレンチの深さは、電気的なデカップリングが確保されるように選択されるが、他方で、トレンチは、隣り合う2つのサブ画素間で光が移動することができるエピタキシャル層の領域の手前で終端する。エミッタチップの発光方向は、例えば、エピタキシャル層を横切る方向に延びており、対向する第2の面で光が出射できるようにする。
一実施例によれば、トレンチはエピタキシャル層平面に対して直角に延びている。このようにトレンチが延びることを前提として、別の例では、トレンチの長さd1はエピタキシャル層の総厚さよりも小さい。この場合、エピタキシャル層は、複数の画素素子およびサブ画素にわたって、少なくともほぼ同じ総厚を有しているものとする。別の例では、画素素子の間のトレンチの長さd1は、エピタキシャル層の厚さと同じである。つまり、言い換えれば、トレンチはエピタキシャル層の第1の面から第2の面まで連続的に延びていることを意味している。別の例では、トレンチは、エピタキシャル層平面に対して0~90°の角度で、エピタキシャル層に連続的に斜めに延びている。
一態様では、各画素素子もしくはそれらのサブ画素素子は、複数の半導体層を層シーケンスの形で含んでおり、光を生成するための活性層がさらに設けられている。活性層は、光を生成するために準備された量子井戸などの構造を含んでいてもよい。一態様では、1つ以上の層が、複数の画素またはサブ画素にわたって広がっている。例えば、活性層が色の複数のサブ画素にわたって広がっていることが提案されていてもよい。
一態様では、サブ画素もしくは画素素子は、互いに独立して電気的に接触可能および/または駆動制御可能である。このために、例えば、エピタキシャル層から遠ざかったサブ画素の面に接点が設けられていてもよい。これらは、例えば、機械的コンタクト、はんだ接続、クランプ接続などであってもよい。ここで重要なのは、個々のサブ画素のサブ画素が、相接するサブ画素の隣り合うサブ画素と実質的に相互作用を起こさずに接触可能であり、電気的に操作可能であるということである。これは、サブ画素の機能状態または動作状態の検出に特に有利である。というのも、診断情報が各個々のサブ画素に対して個別に作成され得るからである。同様に、隣り合うサブ画素を介さずに、個々のサブ画素をオン/オフすることも好都合である。これにより、複数のサブ画素を同時により低い光度で動作させることができるため、より高い光度でもサブ画素に対する熱的または他のストレスを軽減することができる。
更なる態様によれば、個々のサブ画素はキャリア基板を介して接触している。キャリア基板は、一方では機械的な安定性を可能にし、他方では同時に個々のサブ画素を個別に接触させるための微細な導体構造を組み込むことを目的としている。駆動制御電子回路またはドライバ回路などの更なる素子を、キャリア基板、特にシリコンウェハに組み込むことも可能である。これは、同じ材料系を有していてもよいが、整合層を介して異なる材料系を有していてもよい。このように、キャリア材料としてケイ素を使用することもできる。これにより、特に駆動制御用の回路をこのキャリアに容易に実装することができる。
一実施例によれば、個々のサブ画素をオフまたはオンにすることで、画素素子の輝度を調整することができる。ここでは、1回のオフまたはオンで、既に効果的な明るさの制御が可能であることを利点として挙げることができる。これにより、例えば、駆動制御電子回路または制御ユニットを大幅に簡素化することができる。別の例では、画素素子の1つ以上のサブ画素の輝度を追加で調整することができる。こうして、より細かい階調での明るさや、同じ画素素子のサブ画素の異なる波長との相互作用により色スペクトルをより正確に調整または較正することが可能となる。明るさの調整は、PWM駆動制御で行うことができる。サブ画素が故障した場合でも、PWM駆動制御を適宜延長することで、同等の明るさを確保することができる。逆に、サブ画素に問題がない場合は、PWM駆動制御を調整することで、サブ画素をその最大効率で動作させることができ、熱ストレスが少なくなり、ひいては寿命が長くなることもある。
例えば、1つの画素素子に8つのサブ画素をパターニングした場合、例えば電流またはオンタイムなどの制御パラメーターをさらに変化させずに、23(2^3)レベルの輝度ダイナミックレンジを実現することができる。言い換えれば、この構成変形例では、ダイナミックレンジを23(2^3)倍に高めることができる。これにより、同様に電子制御機器の煩雑性と、それに伴うコストを抑えることができる。
別の態様では、上述および後述のような複数の画素素子を有するμ-ディスプレイが提案される。一態様によれば、かかるμ-ディスプレイは、例えば、非常に高い解像度を有する小型ディスプレイが使用される拡張現実分野またはオートモーティブ分野での用途のための光半導体ディスプレイであってもよい。同様に、このようなディスプレイは、スマートウォッチまたはウェアラブルなどのウェアラブルデバイスで用いることができる。
隣り合う2つの画素素子の間には、画素素子分離層が設けられている。これは、それぞれの画素素子の駆動制御に対して、隣り合う画素素子が電気的に分離されるように構成されている。さらに、画素素子分離層は、画素素子から放出された光に対して光学的分離を行うように構成されている。画素素子分離層とは、まず抽象的には2つの画素素子を互いに分離する任意の構造または材料として理解することができる。通常、かかる画素素子は、多数が平面、例えば支持面上に並置され、接点を介して駆動制御電子回路に接続される。このようにして、ディスプレイを全体的に形成することができる。
電気的および電磁的な分離は、画素素子を隣り合う画素素子と独立して駆動制御でき、電気的または電磁的な相互作用が最小限もしくは全くないこと、特に光学的な相互作用が全くないことを保証するためのものである。これは、ディスプレイ上で特定の画像コンテンツを表示するために、各ピクセルを互いに独立して生成することができるという唯一の理由のために重要である。この光学的分離はまた、ディスプレイ上で個々のピクセルが互いに十分な鮮鋭度とコントラストもしくは描写力とを得るために必要である。
一態様では、複数の画素素子が共通のエピタキシャル層を有している。画素素子分離層は、トレンチ状に構成されており、エミッタチップの発光方向にエピタキシャル層面に対して横方向に広がっている。つまり、言い換えれば、画素素子分離層は、トレンチ、スリット、スロットなどの凹部として構成されており、固体材料を含まないか、または例えば反射性もしくは吸収性の材料を有している。一例では、画素分離素子には、ミラー層が組み込まれた絶縁材料が充填されている。絶縁材料は、隣り合う2つの画素を電気的に分離し、ミラー素子は光漏話を防ぐ。いくつかの構成では、ミラー素子はまた、光のコリメーションのために提供されるか、またはこれを促進する。
画素素子分離層は、一方の画素素子から他方の画素素子に電気信号または電磁信号が伝わるのを防止するためのものである。同時に、画素素子分離層は、画素素子から隣り合う画素素子への光の放射が可能な限り少ないか、または一切起こらないようにするためのものである。一例では、画素素子分離層は、分離された2つの画素素子を配置の際に互いに隣接して配置し、それによって対応する絶縁性または反射性の界面層を生じさせることによってのみ形成することができる。一実施例によれば、トレンチはエピタキシャル層平面に対して垂直であり、画素素子分離層の長さはエピタキシャル層の厚さ以下である。
更なる態様によれば、画素素子分離層のトレンチ深さは、サブ画素分離層のトレンチ深さよりも大きい。これには、特に、画素素子分離層の長さが長くなることで、電気的分離と光学的分離との両方が可能になるという利点がある。一方、サブ画素間のトレンチ深さが浅いと、光クロストークはたしかに望ましいものの、電気的な分離しか得られない。いくつかの態様では、画素素子分離層の深さは、第2の隣り合う画素の活性層を抜けて、これを分離している。さらに、画素素子分離層は、放射面までか、またはそのすぐ下まで延びていてもよい。
別の態様では、画素素子を較正する方法が提案されている。この方法は、ディスプレイを起動させた時点で最適な駆動制御が可能になっているべきという考えに基づいている。つまり、例えば、欠陥のあるサブ画素をそのようなものとして検出し、その後、必要に応じてそれ以上の駆動制御を行わないことを意味している。これにより、例えば、エラーメッセージや誤動作を回避することができる。サブ画素を有する画素素子の構造により、各サブ画素を個別に駆動制御して試験することができる。
そのため、第1のステップでは、画素素子のサブ画素が、例えば、駆動制御電子回路または制御ユニットによって駆動制御される。次のステップでは、サブ画素の欠陥情報の検知が行われる。言い換えれば、誤動作や欠陥が検知されるように駆動制御電子回路が設計・構成されていてもよい。このために、例えば、電流強度を測定したり、他の電気的パラメーターを評価したりすることができる。
更なるステップでは、欠陥情報が制御ユニットの記憶ユニットに記憶される。この情報は、例えば、駆動制御電子回路による最適な駆動制御を行うために使用することができる。例えば、ある特定の輝度を実現したい場合に、ある特定のサブ画素に欠陥があることがわかっている場合、駆動制御電子回路は、例えば輝度を補正するために、隣り合うサブ画素を適宜区別して駆動制御することができる。その結果、サブ画素に欠陥があっても、画素素子から放出された光の強さは全く変化しないか、またはほとんど変化せず、見る人には気づかれないことになる。
この方法の別の態様では、駆動制御、検知および記憶は、画素素子のすべての個々のサブ画素について順次実行される。言い換えれば、駆動制御電子回路は、画素素子全体の機能状態を検出するために、個別にアドレス指定可能なエミッタチップにより利用可能なすべてのサブ画素を連続してチェックするように構成されていてもよい。一実施例によれば、ディスプレイの電源を入れたときに一度だけ行う場合と、一定の時間が推移した後に行う場合とがある。
光学的および電気的な漏話が低減される画素化エミッタまたはそれ以外のエミッタの拡張は、以下のコンセプトで提示されている。
従来のモノリシック画素アレイでは、いくつかの態様では、活性ゾーンをエッチングして個々の画素を分離し、個別にアドレス指定可能にすることが一般的に行われる。しかしながら、活性層のエッチングプロセスにより、一方では縁部でのリーク電流の増加につながる可能性があったり、他方では更なる非放射再結合をもたらしたりする欠陥が発生する。画素が小さければ小さいほど、相対的なダメージ領域は実質的に大きくなる。従来、エッチングされた活性ゾーンの縁部は、さまざまな方法でパッシベーションされていた。このような方法としては、再成長(regrowth)、in situパッシベーション層の成膜、pn接合をシフトさせ、活性ゾーンの周りバンドギャップを増大させるための種の拡散、および可能な限りダメージを取り除くためのウェットエッチング洗浄が挙げられる。
提案された原理によれば、少なくとも活性層を含む材料ブリッジを有する画素構造が提案される。これにより、活性層の領域での欠陥密度の増加を抑えることができる。
このように、光電子画素またはサブ画素のアレイ、特にマイクロ画素-エミッタアレイ、マイクロ画素-ディテクタ-アレイ、またはマイクロ画素-ディテクタ-エミッタ-アレイの組み合わせは、n型ドープ層とp型ドープ層との間に活性ゾーンを形成するそれぞれの画素もしくはサブ画素を含む。提案された原理によれば、隣接して形成された2つの画素間で、層シーケンスの材料は、n型ドープ側およびp型ドープ側からクラッド層までもしくはクラッド層内まで、または活性ゾーンまでもしくは少なくとも部分的に活性ゾーン内まで中断または除去されている。このようにして、最大厚さdcの材料遷移部が形成され、これにより材料遷移部における電気的および/または光学的な伝導性が低下することになる。
第2の態様によれば、光電子画素もしくはサブ画素のアレイを製造する方法が提案されており、第1のステップでは、n型ドープ層およびp型ドープ層を有する全体的に平面な層シーケンスがアレイに沿って設けられ、発光に適した活性ゾーンがそれらの層の間に形成される。引き続き、隣接して形成される画素間で、層シーケンスの材料が、n型ドープ側およびp型ドープ側から非ドープのクラッド層までもしくは非ドープのクラッド層内まで、または活性ゾーンの直前までもしくは活性ゾーンまで除去される。この除去は、エッチングプロセスによって実行されてもよい。しかしながら、除去した後も、隣り合う画素間には、活性ゾーンと、任意に上側、下側または両側の小さな領域とを含む材料遷移部が残る。これは、電気的および/または光学的な伝導性が材料遷移部によって効果的に低下する最大厚さdcを含む。
コンセプト案では、一方では、面状に画素のアレイを生成することができる。エッチングプロセスによって材料は除去されるが、隣り合う画素もしくはサブ画素の間には、活性層を含む材料遷移部が残る。したがって、エッチングプロセスによって、活性層の領域、特に画素領域の欠陥密度が高くなることはない。とはいえ、個々の画素もしくはサブ画素は、光学的および電気的に互いに分離されている。そこで、光学的および電気的な漏話ならびにエッチングされた活性ゾーンの性能および信頼性の低下を回避するように、活性ゾーンを介してエッチングすることなく、マイクロ画素で形成されたマイクロ画素-エミッタ-アレイおよびマイクロ画素-ディテクタ-アレイを製造することが提案される。このようにして、エッチングの欠陥を回避したり、欠陥の数を効果的に減らしたりする。
ここでいう画素またはサブ画素とは、それぞれ、動作時に発光するμ-LEDのことを指す。原則的には、色の異なる複数のサブ画素を組み合わせて1つの画素とし、これは画像素子とも呼ばれる。
一構成によれば、除去された材料は、充填材料で少なくとも部分的に置き換えられてもよい。言い換えれば、材料、特にn型ドープまたはp型ドープ層を部分的に除去した後、得られた空間を再充填することで、平面状の表面が得られる。これにより、機械的支持、ボンディングおよび/または電気絶縁の機能を提供することができる。
更なる構成によれば、相対的に小さなバンドギャップを有し、ひいては活性ゾーンの光を吸収する材料で、除去された材料が少なくとも部分的に置き換えられていてもよい。これにより、光漏話が効果的に低減される。あるいは除去された材料の少なくとも一部を、高い屈折率、特にクラッド層または活性ゾーンの屈折率よりも高い屈折率を有する材料で置き換えてもよい。これにより、基本的なモードの伝搬を妨げる高屈折率の界面を効果的に作り出すことができる。さらに、代替的に、一態様では、それぞれの材料遷移部に、光を吸収する材料および/または高い屈折率の材料を適用してもよい。このように、かかる材料が材料遷移部の導波路(Wellenleitung)に影響を与えることで、漏話を防ぐことができる。
更なる構成によれば、高い屈折率を有する材料は、屈折率を高める材料を、充填材料に、特にそれぞれのクラッド層まで拡散または注入することによって形成することができる。このように、エッチングを必要としない簡単な方法で、漏話に関してアレイを効果的に改善することができる。
他の1つの観点は、電気漏話の低減に関するものである。それに基づいて、光吸収を高める材料および/または電気抵抗を高める材料を、それぞれの材料遷移部の活性ゾーンに導入することができる。対応する方法は比較的簡単に行うことができる。このように、エッチングを必要としない簡単な方法で、漏話に関してアレイを効果的に改善することができる。
更なる構成によれば、少なくとも1つの光学構造体、特にフォトニック結晶および/またはブラッグミラーが、材料遷移部に沿って、その上で、またはその中で作製されていてもよい。これらは特に光漏話の低減に有効な素子である。このようなフォトニック結晶または構造体は、光のコリメーションを改善するために利用することもできる。
他の態様では、2つの互いに対向する電気的コンタクトによって材料遷移部の2つの主表面に電気バイアス(Bias)を印加し、それぞれの材料遷移部を介して電界を発生させてもよい。これは、光漏話の低減に有効な素子である。この場合の電界は、バイアスを印加することで発生する。このバイアスは、例えば、画素を動作させるための電圧に由来したものである、またはこれに由来するものであってもよい。しかしながら、いくつかの態様では、かかる界は、固有の材料特性によって決定されることもある。このように、一態様では、材料遷移部の2つの主表面のうちの少なくとも一方の面に施与または成長させたn型ドープ材料および/またはp型ドープ材料によって、それぞれの材料遷移部に電界を発生させることが提案される。このように、電界は対応するアレイに組み込まれているので、電圧を印加する必要がない。
更なる構成によれば、材料遷移部の露出した主表面および/または画素の露出した表面領域は、特に二酸化ケイ素を有するそれぞれのパッシベーション層によって、電気的に絶縁され、パッシベーションされていてもよい。このようにして、アレイの選択された領域を流れる電流フロー、特に導波路(Wellenleiter)として機能する材料遷移物を流れる電流フローを、効果的かつ特定的に防止することができる。画素の主表面をコンタクト層で電気的に接触させることで、縦型の光学構造素子を作製することができる。ここで、一方の主表面は、共有層を介して互いに電気的に接続されていてもよい。更なる構成によれば、1つの画素とその隣り合う画素との間の材料および/または材料遷移部は、特に方向に応じて互いに異なって形成されていてもよい。
μ-LEDディスプレイの製造には、処理中にμ-LEDのサブユニットを設け、これらを分離し、次いで後加工できることが好都合であると考えられる。これにより、一方では、サブユニットを個別にテストすることができる。サブユニットのμ-LEDが故障しても、μ-ディスプレイ全体を交換する必要はなく、サブユニットのみが交換される。他方では、プロセスステップを調整することで、製造の自由度を高め、異なるサイズのものを製造することも可能である。このアプローチは、特にμ-LED用のモジュラーアーキテクチャとして適している。
モジュラーアーキテクチャの一態様によれば、以下のステップを有する、μ-LEDモジュールの製造方法が提案されている:
- キャリア上にベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップ;
- キャリアに面していない層スタックの表面領域に第1のコンタクトを適用するステップ;
- キャリアに面していない第1の層の表面領域に第2のコンタクトを適用するステップ。
その代わりに、以下のステップを行うこともできる:
- キャリア上に形成された第1の層と、第1の層上に形成された活性遷移層と、活性遷移層上に形成された第2の層とを有する、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップ;
- キャリアに面していない第1の層の表面領域を露出させるステップ;
- キャリアに面していない第2の層の表面領域に第1のコンタクトを接続するステップ;
- キャリアに面していない第1の層の表面領域に第2のコンタクトを接続するステップ。
したがって、μ-LEDモジュールは、キャリア上に形成された第1の層と、第1の層上に形成された活性遷移層と、活性遷移層上に形成された第2の層とを有するベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを含み、キャリアに面していない第2の層の表面領域には第1のコンタクトが接続されており、キャリアに面していない第1の層の表面領域には第2のコンタクトが接続されている。
このようにして、μ-LEDモジュールの基本的要素として、特にコンタクトのコンタクト面を有するベースモジュールを作り出すことができる。ベースモジュールは、より大きなシステムの一部であるが、最も単純な形態ではμ-LEDを含むことができる。一態様では、ベースモジュールは、複数の、少なくとも2つのμ-LEDを含む。これらは個別に制御することもできるし、冗長性を持たせて構築されていてもよい。そのため、モジュラリティまたはモジュラーの原理によれば、全体をパーツに分けることができる、これをモジュールと呼ぶ。長方形またはそれ以外の任意の形状と発光という共通の機能とともに、モジュールは簡単に組み立てることができる。
その出発点となるのが、横型のアーキテクチャを有するμ-LEDである。この光電子構造素子のサイズは、画素ピッチが非常に狭いために超小型のチップサイズが必要とされるディスプレイ分野の要件を、発光面積(約300μm2以下)で満たすように構成されている。それから、ビデオウォールなどの他のアプリケーションの要件も同様に満たすために、μ-LEDアーキテクチャは、具体的には層スタックもしくはメサ構造体に異なるマスクを使用するという1つのプロセスステップを簡単に調整することで、この超小型μ-LEDの複数のサブユニットで構成される発光ダイオードを製造できるように構成されている。
例えば、ベースモジュールの基本サイズは15μm×10μmである。このマスクと、適切なコンタクトまたは個片化とにより、同様に15μm×20μmまたは30μm×30μmの部品も簡単に製造することができ、これはまたさまざまなμ-LEDディスプレイ用途に適している。前述のように、部品は1つ以上のベースモジュールを含み、このベースモジュールはまた1つ以上のμ-LEDを含んでいてもよい。
現在必要とされている超小型のチップをベースユニットまたはベースモジュールとし、処理をわずかに調整するだけでこれをベースユニット(ベースモジュール)の倍の寸法の大きさの部品に処理することができるモジュラー設計は、開発のためのリソースを節約し、このような部品の製造に一定の自由度をもたらす。例えば、輝度や画素ピッチが異なるμ-LED領域の用途が必要になった場合、それに必要なチップを比較的容易に製造することができる。
一態様では、メサ(層スタック)だけでなく、コンタクト面も別様にパターニングされる。このために2つのステップが変更されるが、すべてのコンタクトパッドが接続されているようにする必要はなくなる。横型のチップアーキテクチャを使用することで、ターゲット基板に組み立てた後の縦型のチップの場合のように、n型コンタクト接続のための更なるプロセスステップを回避することができる。これにより、他の製造技術に比べて製造が簡素化され、ひいてはコストを削減することができる。
更なる態様によれば、第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層と第2の層に対して電気的に絶縁されており、キャリアに面していない第2の層の表面領域上に延在するように形成することができる。
用途の要件に応じて、ベースモジュールは、X-Y平面上で少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とに沿ったマトリクスとして構成され、それぞれの行のベースモジュールは同じ向きにされる。隣り合う2つの列のベースモジュールは、必要に応じて同じ向きにされる。このようにして、ベースモジュールの電気直列回路を容易に実現することができる。
あるいは隣り合う2つの列のベースモジュールの向きを逆にすることで、同じコンタクトを互いに隣接して配置する。このようにして、ベースモジュールの電気並列回路が容易に実現される。n型およびp型のコンタクトはいずれも横型μ-LEDの下側にあるため、チップを交互に並べるのが有利である。これにより、2×X構成のチップの場合、両方のベース素子のp側コンタクトがチップの中央に配置され、n側コンタクトがそれぞれ外側に配置されることで、潜在的な短絡のリスクが最小限に抑えられるようになる。
いくつかの態様では、複数のベースモジュールから少なくとも1つの発光ダイオードモジュールの引き離しは、第1の層を介して、特に第2の層の側から、側面を深くパターニングすることによって行われる。これは、特にモジュールに面していないキャリアの側から、レーザーリフトオフによって行うことができる。同様にエッチングプロセスも考えられる。
他の態様では、このようなサブユニットにセンサーを搭載できるかどうか、搭載できるとしたらどの程度できるかという問題が関係している。特に拡張現実の分野ではあるが、オートモーティブ用途でも想定されるμ-ディスプレイでは、ユーザーの反応や他のパラメーターを検知するセンサーを設けることが有効であり得る。例えば、拡張現実の用途では、視線の方向や視線の方向の変化を検知するために、1つ以上のフォトセンサーが設けられていてもよい。同様に、光の量を検知して、例えば、画像を明るくしたり、暗くしたりすることもできる。同じセンサーをオートモーティブ用途のディスプレイに用いることもできる。同様に、運転者の注意を検知するセンサーも可能で、眠気が検出された場合には必要に応じて措置を講じることができる。
本発明者らは、将来的なディスプレイはディスプレイの外側に配置されるセンサーをもはや有することがないかもしれないと認識している。むしろ、これまでの別個の解決策に代わるものとして、全面的なμ-ディスプレイの背後または内部にセンサーの機能を実現する必要がある。
ここで、本明細書で開示されるμ-LEDモジュールの細分化はそのためのものである。この場合、サブ画素の冗長な位置に、μ-LEDの代わりにセンサーを実装してもよい。したがって、第1の態様によれば、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されたターゲットマトリクスを有するμ-ディスプレイが提案される。マトリクスもしくはμ-ディスプレイには、μ-LEDが占有できる場所がある。さらに、多数の構造素子、特にμ-LEDを第2のキャリアもしくは交換用キャリア上に形成することで、ターゲットマトリクスに対して構造素子が占有できる場所を等間隔に配置したスタートマトリクスが得られる。さらに、μ-LEDは交換用キャリア上で組分けされて多数のモジュールを形成し、これらのモジュールは第2のキャリアから分離されるが、この場合、モジュールは、ターゲットマトリクス内の第1のキャリア上で、構造素子で占有されていない多数の場所が後者に残るように配置されて電気的に接続され、その場所には少なくとも部分的にそれぞれ少なくとも1つのセンサー素子が配置されて電気的に接続されている。いくつかの態様では、ターゲットマトリクスが占有できる位置は、サブ画素の位置または画素の位置に対応している。
さらに、本願で開示されているμ-LEDのモジュールもしくはサブユニットが提供される。その大きさと間隔とは、ターゲットマトリクスの占有可能な場所の対応するパラメーターに対応している。サブユニットはモジュールにまとめられ、ターゲットマトリクス上に、構造素子で占有されていない多数の場所が残るように配置されて電気的に接触され、その場所には少なくとも部分的にそれぞれ少なくとも1つのセンサー素子が配置されて電気的に接続されている。このようにして、モジュールもしくはサブユニットをディスプレイモジュールまたはディスプレイ上に配置することで、いくつかの場所を空けることができ、そこにセンサーを実装することができる。これにより、センサーがディスプレイの一部になる。これにはいくつかの利点がある。例えば、ディスプレイに当たる光を直接測定し、次いで位置に応じてモジュールや個々のμ-LEDの照度も調整することができる。
第2の態様によれば、μ-ディスプレイを製造する方法が提案される。これは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されかつ行と列とに配置されたμ-LEDが占有できるターゲットマトリクスを有している。占有可能な場所はサブ画素に対応し得る。さらに、その場所は、本明細書で開示されているモジュールに実質的に対応する大きさと間隔とを示している。言い換えれば、ターゲットマトリクスは、行と列とに配置されかつμ-LEDのモジュールが占有できる場所を含んでいる。
こうして、モジュールの製造は、本明細書で開示されているように、例えば浅いメサエッチングおよび深いメサエッチングを行い、モジュールに組分けすることで行われる。このようにして製造されたモジュールは、交換用キャリアから取り外され、エンドキャリア上のターゲットマトリクスの空いている箇所に配置されて、エンドキャリアに電気的に接続される。しかしながら、このプロセスでは、前で定義した場所は空いた状態になる。これらの場所は、それぞれ少なくとも1つのセンサー素子によって占有され、これは配置されて電気的に接続される。
エンドキャリアは、モジュールと個々のμ-LEDとの配線接続を有している場合がある。さらに、いくつかの態様では、エンドキャリアは、適用されたモジュールもしくはμ-LEDのための少なくとも1つの電源および/または駆動制御電子回路を含む。別の態様では、エンドキャリアは、少なくとも1つのセンサー要素を読み取るための電子機器もさらに含む。少なくとも1つのセンサー素子は、フォトセンサーを含み得る。更なる例は以下のとおりである。
準備されたμ-LEDのモジュールもしくはサブユニットと、エンドキャリア上のターゲットマトリクスの関連する領域とは、同じようにラスタライズされているか、または同じサイズと、場合によっては同じ周期性とを有していなければならない。特に、複数の行または列を有する大きなモジュールを転写し、エンドキャリア上に適用する場合は、同じ間隔であることが望ましい。
一態様では、モジュールもしくはサブユニットの1つ以上のコンタクト領域が、エンドキャリア上の占有可能な場所の関連するコンタクト領域と一致している。このように、モジュールはエンドキャリア上のターゲットマトリクスに組み込むことができる。そうして、モジュールはエンドキャリア上のターゲットマトリクスに挿入もしくは統合することができる。
これにより、モジュール、特にμ-LEDモジュールが、すべての構造素子において互いに等間隔で配置されたディスプレイを構成することが可能である。そうして、一態様では、ディスプレイのターゲットマトリクスは、占有可能な場所の間に非常に小さな間隔で実装される。この態様では、占有可能な各場所に、製造すべき超小型のモジュールを実装することができる。これにより、画素のサイズが小さく、間隔も狭いため、非常に高い解像度が可能となり、ユーザーの目にディスプレイを非常に近づけることができる。
あるいはターゲットマトリクスの占有可能な場所をさらに互いに間隔を空けて配置することも可能である。同様に、いくつかの態様では、本明細書で開示されている複数のサブユニットが、かかる占有可能な場所に配置されていてもよい。いくつかの態様では、行および/または列に配置されたターゲットマトリクスの場所は、それぞれ互いに距離bだけ離れていてもよい。μ-LEDモジュールは、それぞれサイズが同じであり、互いに距離aを有している。距離aは距離bと同じであってもよく、これは上記の構成に実質的に対応している。ただし、距離bが距離aの数倍になることもある。占有可能な場所は、μ-LEDモジュールまたはサブユニットのコンタクト面でもあるため、占有可能な場所同士の距離bが大きければ大きいほど、利用可能なスペースも大きくなる。このようにして、より大きなモジュールを使用したり、複数のモジュールを組み合わせたりすることができる。例えば、距離bが距離aの2.5倍であれば、4つの個々のモジュールから構成された1つのモジュールを占有可能な場所に置くことができ、隣り合う場所に設けられたモジュールの間には距離が依然として残る。
本構成によって、目の感度や解像度の違いを考慮することができる。距離a,bが小さければ小さいほど解像度は高くなり、見る人の目の感度が低下する可能性がある。そのため、同じμ-LEDモジュールを用いて、画素サイズもしくはサブ画素サイズや画素ピッチの異なるディスプレイを実現することができる。これは、μ-LEDモジュールを、ターゲットマトリクス、そのキャリアおよびその配線とは独立して製造できるという点で有利であると考えられる。
既に開示されている浅いメサエッチングは、画素の電気的接触やμ-LEDモジュールおよびターゲットマトリクスの形成に用いられ、μ-LEDグリッドでエッチングが行われるが、これをいわゆる深いエッチングと組み合わせることで、チップグリッドおよびモジュールを規定することができる。このチップグリッドは、用途に応じて画素チップのグリッドとは異なる場合がある。例えば、4つのサブ画素を有する2×2の大きなチップ(4つのベースユニット)を製造することができる。各ベースユニットは、それぞれμ-LEDである。同様に、2回目のメサエッチングのマスクを巧みに構成することで、それぞれベースユニットが1つ少ない画素を作り出すこともできる。これらの画素を並べると、ベースユニット単位の大きさやその倍数の大きさの「穴」を有するディスプレイが形成される。そして、この「穴」または「欠落サブ画素」の下に、例えば各種センサーを格納することができる。これらを組み合わせることで、冗長性のあるサブ画素が可能となり、冗長性のあるサブ画素のいくつかセンサーに置き換えられる。
このために、均一なチップアーキテクチャと、サイズが同じであるか容易に変更可能なチップのサイズとを有するμ-LEDを、ディスプレイ製造のために提供することが適切である。このために、本明細書に記載されている技術を使用することができる。例えば、開示されているタイプのモジュールを製造する際に、光量を高めるために、本願で開示されているカバー電極や周回構造を利用することも可能である。いくつかの態様では、モジュールは、その後、例えば光電構造を適用することで、さらに処理することができる。しかしながら、μ-LEDモジュールに、その製造プロセスの時点で、かかる構造が備わっていてよいこともここで述べておく。
いくつかの態様では、μ-LEDは長方形または正方形のモジュールにまとめられ、これらはまた、任意の方法で、特に列に組み合わせることが可能である。浅いエッチングと深いエッチングとを用いた製造により、このようなモジュールからウェハを準備し、必要に応じてターゲットマトリクスに合わせて個片化することができる。このようにして、さまざまなサイズのモジュールを実現することができる。自由な位置決めにより、特定の場所を空けたままにしておくことができる。同様に、セル群あるいは行または列全体も空いたままのこともある。最後に、ターゲットマトリクスが、占有可能な場所の異なる配置を有し、つまり、例えば行と列とにはないディスプレイに、これらのモジュールを実装することができる。
一構成によれば、少なくとも1つのモジュールは、2行×2列の4つの画素素子を有していてもよい。各画素素子は、1個以上のサブ画素を含んでいてもよい。他の構成では、1つのモジュールが4つのサブ画素素子を有し、これらも同様に2×2のマトリクス状に配置されている。これは管理しやすい構成である。更なる構成によれば、少なくとも1つのモジュールは、2行×2列を有していてもよいが、3つの構造素子のみを有していてもよい。これは、占有されていない場所が既にモジュールで準備されている管理しやすい構成である。
更なる構成では、それぞれ4つの画素素子を有する少なくとも7つのモジュールと、それぞれ3つの画素素子を有する少なくとも2つのモジュールとが、エンドキャリア上のターゲットマトリクスに配置されて電気的に接続され、画素素子が占有していない少なくとも2つの場所が作り出され、そのそれぞれに少なくとも1つのセンサー素子が配置されて電気的に接続されるようにしてもよい。ここでも、モジュールを任意に構成し、特定の占有されていない場所を作り出すようにエンドキャリア上で互いに連結させたり互いに配置したりすることができる。ここでも、画素素子は、複数のサブ画素素子とそれに対応するμ-LEDとを含んでいるか、各画素素子自体がμ-LEDとなっているかのいずれかである。
更なる構成によれば、センサー素子が占有している場所を構造素子で囲ってもよい。このようにして、明確に定義された位置、つまり構造素子が占有していない場所を、センサー素子のために明示的に利用することができる。
いくつかの態様では、モジュールはサブ画素として生成されていてもよい。異なる色に発光するモジュールは、異なる第2のキャリアもしくは交換用キャリアで生成されたものであってもよい。
さまざまな構成によれば、複数のセンサー素子は、第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、第1のキャリアもしくはエンドキャリア上に形成されたセンサー装置の一部として形成されていてもよい。このようにして、用途に応じて異なる光線スペクトルを検知することができる。更なる構成によれば、センサー素子は、フォトダイオードとして、フォトトランジスタの形態で、フォトレジスタの形態で、環境光センサーの形態で、赤外線センサーの形態で、紫外線センサーの形態で、近接センサーの形態で、または赤外線構造素子の形態をとっていてもよい。同様に、センサーは、バイタルサインパラメーターを検知するバイタルサインセンサーであってもよい。このように、表示デバイスはさまざまな使い方ができる。例えば、バイタルサインは体温であってもよい。
更なる構成では、バイタルサイン監視センサーは、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイ画面の背面の背後に配置されていてもよく、センサーは、ユーザーの1つ以上のパラメーターを測定するようにセットされている。これらのパラメーターには、体温以外にも、例えば、視線の方向、瞳孔の大きさ、皮膚の抵抗などが含まれる。
更なる構成によれば、構造素子は、キャリア上に形成された第1の層と、第1の層上に形成された活性遷移層と、活性遷移層上に形成された第2の層とをそれぞれ有することができる。第1のコンタクトは、キャリアに面していない第2の層の表面領域に接続され、第2のコンタクトは、キャリアに面していない第1の層の表面領域に接続されている。この構成は、縦型μ-LEDに対応している。このようにして、片側からのみ構造素子を接触させることができる。これに関する別の態様では、第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層と第2の層に対して電気的に絶縁されており、キャリアに面していない第2の層の表面領域上に広がっている。
μ-LEDは、モノリシック画素アレイの製造に加えて、キャリアボードに適用してから接触させることもできる。μ-LEDは個々のサイズが大きいため、個別に転写・接触させることは困難である。そのため、オートモーティブ分野の一部の用途、ビデオウォール、さらには拡張現実用途の特殊なケースでは、まずμ-LEDをある程度大きなキャリアに適用し、次いでこれをボード上のリード線に接触させる。ボードはまた、ビデオウォール、画素マトリクスなどの画面レイアウトになっていてもよい。このようなレイアウトは、時に特別な接続技術を必要とするが、これもレイアウトごとに異なったり、技法または製造プロセスごとに異なったりする。そのため、さまざまなμ-LEDもしくはモジュールの提供は非常に複雑なものとなる。
したがって、各種要件を満たし、特に、世代の異なるビデオウォールNPPの製造プロセスに特に適しており、つまり、ARまたはVR用途でのLEDマトリクスや、オートモーティブ分野のフレキシブルディスプレイにも適している、さまざまなアセンブリ用の画素モジュールを開発する必要がある。
一構成では、μ-LEDモジュールは、第1の主表面および4つの側面を有する本体を含んでいる。第1の主表面には、少なくとも3つのコンタクトパッドが配置されている。これらは、それぞれ光電子構造素子に電気的に接続されるように構成されている。例えば、3つまたはその部分セットは、エッジ長さが10μm以下のμ-LEDに接続されている。本発明によれば、複数のコンタクトウェブがさらに設けられている。各コンタクトウェブは、少なくとも3つのコンタクトパッドの1つを電気的に接続する。さらに、第1の主表面のコンタクトウェブは、4つの側面のうちの少なくとも1つに配線されている。言い換えれば、コンタクトウェブは、第1の主表面および各側面のうちの少なくとも1つに配置されている。側面では、コンタクトウェブがコンタクトタブを形成しており、すなわち、それらは外部から接触するように構成されている。
このように、提案されているμ-LEDモジュールでは、配線変更が可能であることから、キャリアまたはマトリクス上の既に予め定義された接続ポイントに簡単な方法でモジュールを接続することができる。特に、顕著に小型化されたμ-LEDをモジュール上に前もって配置しておくことで、モジュールにより電気的接続のためのスペースを確保することができる。こうして、このようなモジュールの自由度が高まり、各種用途に使用することができる。
例えば、3つのμ-LEDを組み合わせて1つの画素を形成するモジュールの他に、複数のμ-LEDをこのように組み合わせて、より大きなモジュールを形成することも可能である。個々のμ-LEDは別々に製造することができるので、それぞれのμ-LEDに最適な技法を使用することができる。また、個々のμ-LEDは冗長性を持たせて構成することも可能である。大きなモジュールはセグメントとも呼ばれる。個々のμ-LEDの他に、本明細書で開示されている浅いメサエッチングと深いメサエッチングとを施した特殊なモジュールも利用することができる。同様に、インゴット状の設計または提案されたアンテナ構造の設計も考えられる。今回提案される配線変更により、モジュールおよびμ-LEDを個別に製造し、それぞれの用途に適合させることができる。
一構成では、コンタクトウェブは側壁に沿ってのみ広がっているが、別の構成では、第2の主表面であるμ-LEDモジュールの下面にあるコンタクトパッドにも接続されている。このように、μ-LEDモジュールの上面(μ-LED用)と下面の両方にコンタクトパッドが存在している。これにより、μ-LEDモジュールは、SMTベース(表面実装)による製造プロセスと、キャリア上のコンタクトウェブをモジュールの側面に寄せるコンタクトウェブプロセスの両方に使用することができる。この構成により、モジュールの自由度が増し、キャリアの製造公差(例えばコンタクトウェブの長さまたはサイズ)をより良好に補正することができる。
更なる構成では、4つの側面のうちの第2の側面が、第4のコンタクトウェブのみを有することが提案されている。このコンタクトウェブは、例えば、動作時に特定の電位を受けることで区別することができる。さらに、このコンタクトウェブは、視覚的に、例えばその側面の大きさによって、他のコンタクトウェブと区別することもできる。これにより、転写時にモジュールを正しい方向に配置できるようになる。他の構成では、3つのコンタクトウェブのうちの2つが異なる側面に配置されている。一実施例によれば、4つのコンタクトウェブが設けられており、それぞれが側面に配置され、有利にはモジュールの下面、すなわち第2の主表面にあるコンタクトパッドに接続されている。
別の例では、第1の主表面の上にも同様にコンタクトウェブが配置されている。これらは、角部に向かって延び、そのまま側面の角部に沿って第2の主表面(例えばモジュールの下面)に向かって延びる。
別の態様は、モジュール本体の設計に関するものである。この態様によれば、モジュール本体は、例えば、長方形などの四角形の面をベースとするプリズムを有している。一構成では、第1の主表面の反対側にあり、第1の主表面よりも大きな面積を有する第2の主表面が設けられている。あるいは第1の主表面が4つの側面の各々と90°以上の角度をなすように設けられていてもよい。これにより、プリズム状または4面の角錐台が形成される。他の構成では、側面は第1の主表面に対して垂直に配置されていない。
別の態様では、コンタクトウェブおよび/またはコンタクトパッドは、厚さが5μm未満、特に2μm未満、さらには1μm未満の金属タブ、特に蒸着された金属タブを含んでいる。例えば、コンタクトウェブおよびコンタクトパッドの厚さは、100nm~50nmの範囲にあり得る。これらは、適切なフォトリソグラフィプロセスによって製造することができる。構成に応じて、モジュール本体の絶縁層上に、金属タブおよびコンタクトパッドを、例えばMOCVDなどによって堆積させてもよい。下面のコンタクトパッドは別個のステップで製造してもよい。別の構成では、モジュール本体は、少なくとも部分的に導電性材料で充填された少なくとも1つのスルーホールビアを含み、第1の主表面の上の導電性材料は、第1の主表面の上に配置された少なくとも3つのコンタクトパッドのうちの1つに接続されているか、またはこれを形成している。
モジュール本体は、連続した主表面を有するように構成されていてもよい。他の構成では、本体は、第1の主表面または第2の主表面の上に、少なくとも1つのコンタクトウェブが延びる凹部を含んでいてもよい。第2の主表面のコンタクトウェブは、スルーホールビアに接続され、コンタクトパッドに配線されていてもよい。同様に、コンタクトウェブは、第1の主表面に配置された少なくとも1つのμ-LEDをスルーホールビアに接続することができる。
本体は、ケイ素を有していてもよいし、ケイ素で形成されていてもよい。本体は、短絡を防ぐために、絶縁層、例えば二酸化ケイ素で囲まれていてもよい。ケイ素材料は、基準電位が接続されている場所に露出していてもよい。同様に、本体のスルーホールビアにも絶縁材料がライニングされている。絶縁層上には、コンタクトウェブおよびコンタクトパッドが適用されている。モジュール本体は、30μm未満、特に5μm~15μmの範囲の厚さを含んでいてもよい。このようにして、僅か数10μmという非常に低い全高を実現することができる。光学構造素子が挿入される凹部を追加することで、モジュールの全高をさらに低くすることができる。
別の態様は、特に、複数の実質的にV字型のトレンチ状の凹部を有するようにメンブレンウェハをパターニングする、μ-LEDモジュールの製造方法に関するものである。凹部は、トレンチに仕切られたパターニングされたメンブレンウェハの第1の主表面が、トレンチのフランク部と90°以上の角度をなすように構成されている。それから、メンブレンウェアの第1の主表面に複数のコンタクトパッドが作製される。任意的および/または追加的に、第1の主表面および側面に、リード線、コンタクトタブおよびウェブを作製することも可能である。次いで、少なくとも1つの光電子構造素子、特にμ-LEDがモジュールに適用され、コンタクトパッドに導電的に接続される。次のステップでは、一時的なキャリアを準備し、メンブレンウェハを一時的なキャリアとボンディングし直した後、トレンチまで、またはトレンチの直前までエッチングバックする。最後に、背面のコンタクトを適用し、任意に個片化する。
先に説明したように、モノリシックアレイでは、冗長なサブ画素を準備することで、画素欠陥を減らすことができる。電気漏話は回避されるが、冗長なサブ画素間の光漏話は起こり得る。同様の問題は、画素が分離されている場合にも存在する。分離する前に機能性をテストすることは可能かもしれないが、μ-LEDのサイズが小さいため、作製時にバックプレーンに転写する際に、位置決めまたは接続に誤差が生じる可能性がある。プロセスステップの継続的な改善に加えて、画素アレイの各画素に冗長なμ-LEDを備えるか、より正確に言えばμ-LEDを配置できる位置に冗長性を持たせるアプローチがある。これは、例えば、画素のRGBサブ画素ごとに、1つの色に対して1つだけμ-LEDチップを搭載するのではなくて、2つ以上のμ-LEDチップを搭載することを意味し、ほとんどの画素で1画素あたりのサブ画素数が過多になる。別のアプローチでは、欠陥のある画素のサブ画素が修復される。機能テキストによると、欠陥のあるサブ画素はオフにされ、機能するサブ画素に置き換えられる。
本発明による画素フィールド(Pixelfelds)の製造方法は、特に、基板上に画素をフィールド状に配置し、画素を電気的に接触させるための基板を準備することを含み、基板は、画素の一次コンタクトのセットを提供し、画素の一次コンタクトのセットは、画素のサブ画素群を電気的に接触させるために設けられており、基板は、画素の交換用コンタクトのセットを提供する。
引き続き、画素の一次コンタクトにはμ-LED群が実装されるが、画素の交換用コンタクトのセットは実装されない。次いで、μ-LED群の中で欠陥のあるμ-LEDが特定され、画素の交換用コンタクトのセットの場合によっては複数の交換用コンタクトのうちの1つに、欠陥のあるμ-LEDのための交換用サブ画素が実装される。これに関連して、1つの画素は1つ以上のサブ画素を含んでいてもよい。また、縦型μ-LEDまたは横型μ-LEDを接続するように画素が構成されていてもよい。したがって、一次コンタクトは、少なくとも1つのコンタクト領域(縦型μ-LEDの場合)または2つのコンタクト領域(横型μ-LEDを実装する場合)を含んでいてもよい。2つのコンタクト領域のうちの1つは、冗長化されたものも含め、複数のμ-LEDで利用することができる。縦型μ-LEDを拡充する場合は、ここで提示したカバー電極のうちの1つが設けられていてもよい。画素フィールドの周りをミラー周回層で囲んでもよい。
別々のμ-LEDに加えて、本明細書で開示されているμ-LEDモジュールもしくはベースモジュールを実装することもできる。例えば、μ-LEDモジュールは、2つのベースモジュールを含んでいてもよく、1つのベースモジュールが冗長ユニットとして提供されている。
したがって、本発明による方法では、画素フィールドの各画素の一次コンタクトに、指定されたサブ画素群を実装することができる。それぞれの場合において、一次コンタクトにはサブ画素が実装されている。この場合、各画素において、一次コンタクト上で欠陥のあるサブ画素を決定することができる。画素内の特定された欠陥のあるサブ画素に対して、後続のステップでは、画素の交換用コンタクトに交換用サブ画素が実装される。このように、1つの画素の中で1つの交換用コンタクトにのみサブ画素が実装され、一次コンタクト上で機能面に関して欠陥があると特定されたサブ画素が交換される。
そのため、冗長性を持たせて同色の複数のサブ画素を画素に実装する必要はない。先行技術から知られている冗長性のコンセプトと比較すると、欠陥のあるサブ画素が特定された後にのみ装着が増やされるため、製造すべき画素フィールドで使用されるサブ画素の数は非常に少なくなる。これにより、製造コストを削減することができる。
さらに、本願では、一方ではμ-LEDの機能性をテストし、他方では故障した場合、特に「SHORT」の場合には、ヒューズを溶断するなどの措置により、欠陥のあるμ-LEDを安全に切り離すために、駆動制御技術を使用することができる。これにより、欠陥のあるものは画素上に残すことができ、追加のプロセスステップを省けるようになる。
さらに、欠陥のあるサブ画素が特定された場合には、画素の交換用コンタクトを個別に再装着することができる。継続的な処理における更なる機能テストの結果として、まだ数回分の空きがある画素の交換用コンタクトを実装することも可能である。これにより、装着プロセスが成功する確率が高まる。さらに、例えば、それぞれの画素で正確な色調整を行うために、選択された特性データを有する、例えばμ-LEDチップの形をしたサブ画素を再装着する可能性もある。
一構成によれば、サブ画素群の中で欠陥のあるサブ画素を特定するステップと、特定されたサブ画素のための交換用コンタクトを実装するステップとは、欠陥があると特定された各サブ画素に対して交換用サブ画素が画素内に存在するようになるまで繰り返されてもよい。このように、ある画素のすべての欠陥サブ画素に対して、後続のプロセスステップで基板に交換用サブ画素を実装することができる。
別の態様によれば、欠陥のある画素が「OPEN」と宣言されている場合、すなわち、損傷または破壊された画素にエラー電流が流れていない場合には、欠陥があると特定されたサブ画素を取り除く必要はない。同様に、特定された欠陥のあるサブ画素の電気的接触を切断するための回路関連の措置を提供することもできる。これにより、画素フィールドの動作中に欠陥のあるサブ画素への通電を回避することができる。対応するコンセプトが本願に開示されており、この目的のために使用することができる。
修理コンセプトに比べて、欠陥のあるサブ画素を除去するプロセスを省略することができる。これにより、製造プロセスが迅速化され、コスト効率が向上する。欠陥のあるサブ画素を除去する際に、画素フィールドを損傷するリスクがなくなる。たしかに、欠陥のあるサブ画素を除去する修理では、空いた一次コンタクト面をさらに使用することができる。しかしながら、残渣や損傷があると、2回目の装着やボンディングプロセスが成功する確率は低くなる。一方、提供される交換用コンタクトは、残渣や損傷がない。
欠陥があると特定されたサブ画素と交換用サブ画素が同一色に発光するように設けられていてもよい。このようにして、欠陥のあるサブ画素は、欠陥のあるサブ画素が機能していた場合と少なくともほぼ同じ色を発する交換用サブ画素と交換される。
それぞれの画素のサブ画素群は、1つ以上のRGBサブ画素のセットを含むことができる。ここで、RGBとは、赤色、緑色および青色のことである。そのため、サブ画素群は、例えば、3つのサブ画素を有することができる。あるサブ画素は、赤色の光を発するように形成され、別のサブ画素は、緑色の光を発するように形成され、さらに別のサブ画素は、青色の光を発するように形成されていてもよい。赤色、緑色および青色の三原色を加法混色することで、すべての、またはほぼすべての任意の色を生成することができるのは周知のとおりである。
サブ画素群は、各原色を生成するために2つ以上のそれぞれのサブ画素を含んでいてもよい。例えば、サブ画素群は6つのサブ画素を含んでいてもよく、赤色、緑色もしくは青色を生成するためにそれぞれ2つのサブ画素が備わっている。
一構成によれば、画素内に欠陥のあるサブ画素が見つからない場合、画素のどの交換用コンタクトにも交換用サブ画素が実装されないことが提案される。そのため、画素フィールドは、(複数の)交換用コンタクトが実装されていない画素を有していてもよい。
別の態様では、一次コンタクトの構成の設計が関係している。これらは、ある画素のサブ画素をアノード側および/またはカソード側に接触させるためのものである。例えば、コンタクトは、いわゆるフリップチップがこのコンタクト上に配置され、電気的に接続できるように構成されていてもよい。フリップチップとは、電気的なp型コンタクトとn型コンタクトとが同一表面上にある光電子チップのことである。同様に、交換用コンタクトは、アノード側および/またはカソード側の画素の交換用サブ画素に接触するように形成されていてもよい。交換用コンタクトによって得られたそれぞれの画素のサブ画素のコンタクト面の冗長性は、サブ画素のカソードとアノードの両方に関連している場合もあれば、2つの端子のうちの1つだけに関連している場合もある。
これに関連して、サブ画素または交換用サブ画素は、それぞれのコンタクト上に載置され、電気的・機械的に接続されるμ-LEDによって形成される。欠陥があると特定されたサブ画素に対して交換用サブ画素を交換用コンタクトに実装することは、交換用サブ画素が発する光の色とは無関係に行うことができる。原則的には、各一次コンタクトが実装され、欠陥があると宣言されたμ-LEDの交換用コンタクトのみが実装される。しかしながら、一次コンタクトと二次コンタクトとでは、回路に関してや表面上のその構造まで異なっている必要はない。したがって、その点では、実装を併用して行うことも可能である。これに関連して、ある色のμ-LEDが実装された第1のコンタクトが一次コンタクトであると言うこともできる。
コンセプト案はまた、基板上に画素をフィールド状に配置し、画素を電気的に接触させるための基板を有する画素アレイであって、基板が、画素のための一次コンタクトのセットを提供する画素アレイに関するものである。この一次コンタクトのセットは、サブ画素群を電気的に接触させるために設けられている。さらに、この基板には、画素の交換用のコンタクトが準備されている。提案された原理によれば、一次コンタクトにはサブ画素のセットが実装されており、このサブ画素のセットは欠陥のある非アクティブなサブ画素を有し、画素の交換用コンタクトのセットの交換用コンタクトには欠陥のある非アクティブなサブ画素の代わりとして交換用サブ画素が実装されることになる。
画素フィールドの少なくとも2つの画素では、占有される交換用コンタクトの数が異なる場合がある。これは、欠陥のあるサブ画素が一次コンタクト上で特定された場合にのみ、1つの画素内で交換用コンタクトに交換用サブ画素が実装されることに起因している。
上記のように、欠陥さらには漏話を低減するコンセプトは、製造時の機能的な素子の歩留まりを向上させる。いくつかの態様では、μ-LEDの転写を改善するための措置が関係している。このために、エッジ長さが通常100μm未満、多くの場合は70μm~20μmのμ-LEDの開発が進んでいる。拡張現実分野の特別な用途では、寸法も20μm未満、例えば1μm~10μm、さらには1μm~5μmの範囲に収まる。
μ-LEDに関連する技術的な課題の1つは、特に製造プロセスである。というのも、大量のμ-LEDを作製するだけでなく、マトリクスまたはモジュールに組み込む必要があるからである。このようなモジュールや、さらに大きなディスプレイを製造するためには、製造されたμ-LEDを、個々のチップとしてか、または本明細書で提示されているモジュールのように既に組み合わされた状態で、モジュールやディスプレイの支持面に転写し、そこに固定して電気的に接続される。数百万個のLEDを転写するため、このプロセスはスピードと正確さの点で非常に重要である。
これに関してさまざまなプロセスが知られており、例えば転写印刷プロセスがある。これは、複数のμ-LEDを平板なスタンプでウェハから同時にピックアップし、後続のディスプレイの支持面に移動させ、そこでこれらを精密に組み立てて大面積の全配置構造を形成するというものである。このために、例えば、エラストマースタンプを利用することができ、このスタンプには、適切な表面テクスチャおよび材料特性により、個々のμ-LEDが機械的または電気的に損傷を受けずに付着する。プロセス技術に応じて、μ-LEDを剥離する際に、傾いたり、ずれたり、ねじれたりすることがあるため、問題になることがある。そのため、保持力や損傷の少ないμ-LEDのピックアップを可能にすることが望ましい。
以下で説明する態様や思想は、以下の考察に基づいている:量産転写印刷、つまり多数の半導体チップを同時に局所的に移動させるプロセスを使用する場合、μ-LEDは適切なツールを使用してウェハからピックアップもしくはリフトアップされる。このためには、例えば、クッション構造を有するエラストマースタンプなどのツールを、それぞれのμ-LEDの上に可能な限り正確に配置するために、チップがウェハ上で正確かつ確定的な位置にあることが必要である。同時に、転写ツールが可能な限り標準的に高い成功確率でチップ表面に付着できるように、表面テクスチャは常に均質かつ均一な空間的位置にあることが望ましい。
第1の態様によれば、μ-LEDを提供するための方法が提案されており、この方法では、第1の導電性コンタクト層が、基板に面していない機能性層スタックの第1の主表面側に配置されている。層スタックは光学活性層スタックとして構成されており、それに応じて、特にμ-LEDを形成する。次いで、基板に取り付けられ、μ-LEDを支持する少なくとも1つの支持構造体が形成される。この支持構造体により、接触された機能性層スタックがリフトアップ時に分断可能である。引き続き、基板に面している機能性層スタックの第2の主表面側と基板との間に設けられた、特にAlGaAsまたはInGaAlPを有する犠牲層が少なくとも部分的に除去される。部分的な除去の後、除去された犠牲層の領域において、機能性層スタックの第2の主表面側に第2の導電性コンタクト層を設けてもよい。
特に、本明細書で提示されている方法では、機能性層スタックのリソグラフィ処理を基板の片面のみで行うため、必要に応じて追加でボンディングし直すことが回避される。この支持構造体はまた、層スタックのサイズや他のパラメータのニーズに合わせてリソグラフィ的に調整することができる。同時に、層スタックが両面で接触されることで、縦型μ-LEDが形成される。
第2の態様では、機能性層スタックを有するμ-LEDが提案される。基板に面していない機能性層スタックの第1の主表面側には、第1の導電性コンタクト層が設けられ、基板に面している機能性層スタックの第2の主表面側には、第2の導電性コンタクト層が設けられている。この場合、接触された機能性層スタックは、基板に取り付けられた少なくとも1つの支持構造体によって、特に拘束を受けずに支持される。この支持構造体により、接触された機能性層スタックは、リフトアップ時に更なるプロセスステップで分断可能である。したがって、層スタックもしくはμ-LEDは、リフトアップ後や、それに続くすべてのプロセスステップにおいて、破断エッジ部を有することになる。
本明細書で提案されている措置は、ボンディングし直す必要がなく、リソグラフィマスクの簡単な位置合わせが可能である。縦型μ-LEDだけでなく、横型μ-LEDの形成も可能である。吸収が抑えられ、水平面からの光取り出しが増え、エピタキシャル的に生成された層の薄膜化が可能となる。ボンディングなしであれば、層シーケンスのエピ構造は機械的ストレスを受けにくくなる。さらに、犠牲層を設けることで、より精密なエッチングプロセスが可能になる。というのも、犠牲層に対するエッチングプロセスは非常に選択的であり得るからである。そのため、コンタクト層をより薄く形成することができる。
いくつかの態様では、支持構造体は、特にInGaAlPまたはAlGaAsまたはBCB、または酸化物、例えばSiO2、または窒化物、またはこのような材料の組み合わせを有していてもよく、特に非導電性であってもよい。この場合、層スタックをパッシベーションするようにも構成される。支持構造体は、少なくとも部分的にエピタキシャル成長させたり、蒸着または電気めっきによって作製したりすることができる。それに対して、犠牲層は、AlGaAsまたはInGaAlPを有し、ウェットケミカルエッチングで除去されてもよい。第1および第2の導電性コンタクト層は、スパッタリング、蒸着、電気めっき、またはエピタキシャル的に実行することができる。コンタクト層は透明で、ITOまたはZnOまたは金属を有していてもよい。いくつかの態様では、酸化または劣化を防ぐために、接触された機能性層スタックのフランク部がパッシベーション層で覆われていてもよい。あるいは接触された機能性層スタックの一方のフランク部から、機能性層スタックの外縁領域に金属、特にZnを拡散させることも可能である。これにより、外縁領域のバンド構造が変化し、欠陥密度が増加した領域から電荷キャリアが遠ざけられる。
支持構造体を確実に取り付けるために、これは、機能性層スタックの第1の主表面側から基板内に延びていてもよい。
更なる構成によれば、機能性層スタックの第1の主表面側には、特にInGaAlPおよび/またはAlGaAsを有する第1の支持層が形成されてもよく、この支持層に第1の導電性コンタクト層が設けられていてもよく、第1の支持層および第1の導電性コンタクト層は、少なくとも1つの場所で基板に設けられ、ひいては一緒に支持構造体を提供することができる。
別の観点では、いかにして破断エッジ部を回避し、リフトアップを向上させるかということが関係している。
ここでは、結晶性の誘電体支持構造体を用いて、μ-LEDと周囲または下層の基板との間の機械的な接続を維持するという解決策が提案される。しかしながら、この機械的な接続は、一方ではμ-LEDのチップを所定の位置で機械的に確実に保持するが、他方では可能な限り小さな曲げ力または引張力が加わったときに破損し、これによりチップが解放されて取り出されるように構成されている。
特に、面状のマイクロチップもしくはμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体が提案される。ここでのキャリア構造体とは、例えばエッジ長さが5μm~20μm以下の範囲にある、多数のこのようなμ-LEDをピックアップできる配置構造を意味する。ここでの目的は、特に、利用可能なスペースを最大限に活用しながら、例えばグリッドまたはマトリクスに対して機械的に安定した固定を行うことである。さらに、このキャリア構造体は、複数のマイクロチップを転写ツールを用いて転写するために提供するのに適しているものとされる。
さらに、キャリア構造体は、キャリア基板に接続された少なくとも2つのピックアップ要素(Aufnahmeelemente)を有している。ここでのピックアップ要素とは、必要に応じて更なるピックアップ要素と相互作用することでμ-LEDを機械的に接触させて空間的に固定するか、もしくは定義された空間的な位置に保持するのに適した機構または機能要素と理解されるべきである。ピックアップ要素の直径は、例えば1μmの範囲であり得る。一実施例によれば、マイクロチップは2つのピックアップ要素に取り付けられている。
いくつかの態様では、キャリア構造体は、平坦なキャリア基板を含んでいる。かかるキャリア基板は、例えば、半導体製造の分野で使用されるウェハ、シート(Folie)、フレームなどであり得る。これに関連して、例えば、ウェハは、半導体の製造プロセス用のベースプレートまたはベース材料としてのその機能に加えて、後続の量産転写を準備するための支援機能または支持機能を提供することができる。その他に、キャリア基板としては、例えばシートなどの柔軟な材料も適している。
一実施例によれば、ピックアップ要素は、キャリア基板を起点としてカラム状、ピラー状、ポール状の形状をしている。一構成では、マイクロチップは、その角部またはエッジ部において、少なくとも2つのピックアップ要素の上に完全にではなく部分的に載置されている。ピックアップ要素はキャリア基板に接続されており、μ-LEDがキャリア構造体面に対して垂直な方向に定義された最小の力で移動できるように、少なくとも2つのピックアップ要素の間でマイクロチップを着脱可能に保持するように構成されている。
言い換えれば、一方ではピックアップ要素によってμ-LEDを十分確実に保持し、他方では最小限の力でμ-LEDを取り外して、例えば、転写ツールに供給する可能性を意図的に作り出す必要がある。このため、各ピックアップ要素の接触面積は、μ-LEDのチップ面積の1/20未満、特に1/40未満、特に1/80~1/50の範囲内に収まるようにすることが提案されていてもよい。代替的な構成では、μ-LEDのエッジ長さは、ピックアップ要素のエッジ長さの少なくとも10倍、特に20倍である。
「着脱可能」とは、マイクロチップとピックアップ要素との間に、例えば融着または接着などの永久的な素材結合がなく、非破壊的で着脱可能な接続であると理解されるべきである。この取り付けは、ファンデルワールス力または電子ブリッジ(Elektronenbruecken)による付着接続など、物理的な接続に基づいていてもよい。同様のことが、μ-LEDとピックアップ要素との間に異なる材料を使用し、μ-LEDとピックアップ要素との間の接続を適切に選択することで実現できる。これにより、特に、材料構造の破壊と、それに対応する破片、粒子または細片とを伴う破損などのプロセスを回避することを意図している。ここでは、機械的な摩擦または層間剥離などを利用した代替的な付着メカニズムが使われる。特に、材料または材料の組み合わせの既知の限定または制限された付着特性が利用される。一実施例によれば、μ-LEDは2つ以上のピックアップ要素の間に載置されている。
例えば、コンタクト面には、μ-LEDを空間に機械的に固定することができる付着力または他の粘着力が生じる。ここで、例えば付属の転写ツールによってμ-LEDに定義された最小力が加えられると、結果的にμ-LEDとピックアップ要素との間の接触面で剥離力が有効になる。この定義された最小力は、これらの接触面における材料または材料の組み合わせを適切に選択することによって影響を及ぼされ得る。
コンタクト面またはオーバーラップ面は、例えば、0.05μm2~1μm2の範囲の寸法を有していてもよい。ここでは、一方で、キャリア構造体上にμ-LEDを確実に保持することが望ましい。他方で、μ-LEDの効果的かつ迅速な量産転写のためには、可能な限り小さな力でμ-LEDをリフトアップして引き離せることが重要である。そのためには、各要素とチップの接触面積とチップの総面積との比が、チップ面積よりも1/20未満、特に1/40未満、特に1/80~1/50の範囲内に収まるようにすることが提案されていてもよい。代替的な構成では、μ-LEDのエッジ長さは、ピックアップ要素のエッジ長さの少なくとも10倍、特に20倍である。ピックアップ要素の面積がより大きくても、μ-LEDはその一部にしか載置されない。そのため、チップの接触面積は、チップ全体の面積の少なくとも20分の1倍、特に少なくとも40分の1である。
例えば、材料または材料の組み合わせ以外に、コンタクト面の寸法および配置を適切に選択することで、適切な妥協点を見出す必要がある。同様に、このコンタクト面の大きさおよび形状を構成することで、定義された最小力に影響を与えることができる。コンタクト面が大きいと、キャリア構造体からμ-LEDを離すのに必要な最小力が大きくなる。摩擦または積層による保持原理以外に、磁気または電気などによる保持力も考えられる。
別の例では、キャリア構造体が、μ-LEDを保持するピックアップ要素を1つだけ有することも可能である。半導体構造は軽量であるため、単一のピックアップ要素とμ-LEDとの間に適切な形状と十分な大きさを持つ接触面があれば、μ-LEDを剥離するための適切な高さの最小力と組み合わせて十分な保持力を得ることができると考えられ得る。
一構成では、μ-LEDを作製するための基板がキャリア構造体として用いられてもよい。かかる場合には、犠牲層(Scfrificial Layer)が設けられていてもよい。これに関連して、製造プロセス時にμ-LEDは成長用基板に接続されている。完成したμ-LEDを露出させるために、例えば、この介在する犠牲層をガスまたはプラズマベースのエッチングプロセスによって除去することで、μ-LEDとウェハとの間に空間を生じさせる。犠牲層の厚さは、例えば、100nm(ナノメートル)~500nmである。これは、犠牲層を除去することで、ピックアップ要素がキャリア構造体上のμ-LEDの保持機能を担うことを意図している。一構成では、ピックアップ要素はアンカーの形状を有していてもよい。
通常、μ-LEDは、キャリア基板から離れる方向に、キャリア基板平面(x-y方向に理解される)に対して少なくとも部分的に垂直な力ベクトルで引き離される。そのため、ピックアップ要素はキャリア基板上に残り、特に破損することはない。これにより、後続の処理で問題となり得るピックアップ要素の残渣がμ-LED上に残らない。
一態様によれば、少なくとも1つのピックアップ要素は、隣り合う別の配置されたμ-LEDを同時に保持および/または支持するように構成されている。この特徴についての考察は、以下のようにまとめることができる:μ-LEDの支持構造体はスペースをとることが多く、ウェハ上での高い歩留まりを達成するためには、これを最小限に抑えることが理想的である。製造プロセスに起因して、μ-LEDはまた、ウェハ上で並列に規則的な構造で配置されている。
プロセスに起因して、それらの間に空間が生じる。そこで、本発明者らは、隣り合う2つの配置されたμ-LEDの間にピックアップ要素を位置決めし、この1つのピックアップ要素が隣り合う複数のμ-LEDを支持またはピックアップするようにすることを提案している。ここでは、1つの部品あたり算術的に1つ未満の全体的な支持構造体を実現できるという利点を挙げることができる。これにより、ピックアップ要素の総数を減らすことができ、省スペース化、ひいてはコスト削減をもたらすことができる。さらに、ウェハ上に支持構造体のためのスペースを追加してμ-LEDの数を犠牲にする必要がないため、全体のチップの歩留まりは実質的に一定である。
例えば、ピックアップ要素は、互いに対向して配置されたコンタクト面を有していてもよく、それぞれがこの方向に隣り合うμ-LEDと機械的に接触している。この場合、ピックアップ要素は、μ-LEDを確実に保持するために最小限の数のピックアップ要素が使用されるように、キャリア基板の表面に分配して配置することができる。これは、例えば、転写ツールを効果的に使用して、μ-LEDの効果的かつ迅速なピックアップを可能にするために有利であり得る。一態様によれば、ピックアップ要素は、ちょうど3つのピックアップ要素によって1つのμ-LEDが保持されるように、キャリア基板上に配置されている。この場合、3つのピックアップ要素を選択することは、ここで良好な空間的安定性と保持力の有利な分配とを両立させることができるという点で、有利な妥協点となり得る。ここでは、特にキャリア基板上での横方向のずれや傾きを効果的に防止することができる。これに関連して、ピックアップ要素は、X方向とY方向の異なる横方向の領域、例えば、中心、中心から外れた位置、またはエッジ部もしくは角部でマイクロチップと係合することができる。μ-LEDの全く同一の面に複数のピックアップ要素が配置されていてもよい。
一態様によれば、キャリア構造体からμ-LEDを移動させるために、μ-LEDまたはピックアップ要素上には層間剥離層が設けられている。本明細書では、層間剥離という用語は、2つの表面が接触したとき、より一般的には2つの層が接続したときに起こる剥離プロセスを表すことを意図している。これは、同種の材料だけでなく、材料接続または異なる材料の表面にも該当し得る。
いわゆる層間剥離層を意図的に作ることは、破損プロセスまたは材料破壊プロセスまたは構造変化プロセスを防ぎ、代わりに層または表面を互いに非破壊的に剥離することを目的としている。ここでは、特定の材料の組み合わせを使用することができ、例えば、SiO2とAl2O3との組み合わせだけでなく、銀、金または類似の材料などの非酸化性金属をSiO2などの誘電体と組み合わせて使用することもできる。このように、一態様では、ピックアップ要素の表面が層間剥離層で取り囲まれていることから、μ-LEDとピックアップ要素との間には層間剥離層が形成されている。層間剥離層の厚さは僅か数nmで、例えば5nm~50nmの範囲である。一態様では、層間剥離層はエッチングストップ層として形成されていてもよいし、同様に任意にキャリア構造体の更なる部分を覆うように広がっていてもよい。
一態様によれば、ピックアップ要素は、半導体ウェハのメサトレンチに配置されている。前述のように、歩留まり向上のためには、ウェハ上のスペースを最適に利用することが原則的に望ましい。μ-LED用の支持構造体は、多くの場合、追加のスペースを必要とする。製造プロセスでは、さまざまなプロセスステップにより3次元構造が作られるが、この場合、例えば、μ-LEDは最後に凸部またはメサとして形成される。これらの個々のμ-LEDの間に、いわゆるメサトレンチが形成される。
メサトレンチという用語は、μ-LEDの側面にある比較的急斜面のような形状を表すもので、トレンチ、すなわち、エピタキシのない領域は、その間の深い構造を指している。例えば、メサトレンチは、30°~75°の範囲、特に45°のフランク急峻度を有していてもよい。それからこれは、ウェハ上に追加のスペースをとらずに、このいずれにしても利用可能な領域に正確にピックアップ要素を配置すること意図している。このようにして、ウェハ上の利用可能なスペースをより有効に活用することができる。
一態様によれば、キャリア構造体とピックアップ要素とは一体的に形成されている。つまり、例えば、ピックアップ要素がキャリア基板の一部であることを意味している。ここで、キャリア基板は、それ自体がウェハであってよいが、PCBボード、シート、フレームなどの構造であってもよい。後者の場合、ピックアップ要素自体がキャリア基板とは異なる材料および/または構造からなることを意味している。これは、製造プロセスにおいて、例えば、最初から存在していたウェハ構造をさまざまなプロセスステップを経て局所的に限定して特定的に維持し、例えばエッチングプロセスによってそれらを除去しないことによって実現することができる。そのとき、これらの構造体は、完成したμ-LEDのピックアップ要素および支持構造体として機能する。
一態様では、ピックアップ要素は、μ-LEDを横方向にかつμ-LEDの下側から保持するように構成されている。一態様では、一方では、下層のキャリア基板上にμ-LEDを保持するために、Z方向、つまりキャリア基板の方向に機械的停止を提供する部分的なコンタクト面または接触面を作ることが有用であり得る。同時に、側面の保持を追加して設けることで、横方向、すなわちX方向とY方向の空間固定を行うことができる。このようにして、一方では、キャリア基板の方向と横方向とで、安定した空間固定が可能となり、他方では、キャリア基板から離れるZ方向では、転写プロセスもしくは転写ツールにより、μ-LEDの容易なリフトアップが可能となる。
一態様では、ピックアップ要素は、キャリア基板平面に対して傾斜しながら離れるμ-LED保持面を有しており、μ-LEDがピックアップ要素から離れるとμ-LEDに対する保持力が低下するようになる。言い換えれば、μ-LEDがキャリア基板から離れる方向に移動すればするほど、保持面はμ-LEDから遠ざかる。これは、例えば、μ-LEDを転写ツールによってキャリア構造体からリフトアップされると、保持力が漸進的に低下すると理解することもできる。これは、μ-LEDを引き離すのに必要な力を有利には軽減し、特にプロセスステップの実行時間を短縮し、転写プロセスの品質を向上させることを主目的としている。
従来、チップをキャリアウェハから適切なターゲット基板に移すには、さまざまな可能性があった。
先行技術では、レーザー転写印刷や、溶液から個々のマイクロ発光ダイオードチップを「自己組織化」するような転写プロセスや、静電活性化によるまたは反磁性的な転写プロセスが知られている。
これらのコンセプトを拡大したものが、本明細書で開示されている静電転写を用いて詳細に説明される。ここでは、特に寸法の小さい光電子半導体チップ、すなわちμ-LEDをピックアップおよびプレースし、同時に、特定の欠陥を有するμ-LEDを選別することができる方法の規定を目的としている。さらに、光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための対応する装置を作ることを目的としている。
コンセプト案は、電子-正孔対がμ-LEDおよび一般的な光電子半導体チップ内で生成されるという態様に基づいている。μ-LEDは、それぞれの場合において、光学活性領域とも呼ばれる感光性領域を有する半導体層を有していてもよい。光学活性領域では、電荷キャリアもしくは電子-正孔対が、対応する励起、特に入射光によって生成されることができる。電子-正孔対は、欠陥電子と、エネルギーを吸収して結晶内の基底状態から励起状態に移行した電子とから構成されている。
半導体材料の適切な特性、例えばpn接合のようにドーパントの濃度が異なる2つの領域があると、電子-正孔対を互いに分離することができる。これにより、それぞれの半導体チップに電荷が発生し、半導体チップの外側に双極子場が発生する。このプロセスは、光起電力効果としても知られている。それぞれの半導体チップで発生する双極子場の強さは、半導体チップの特性に依存している。半導体チップは、短絡、シャントまたは低効率などの欠陥を有している場合があり、これにより、励起で発生した電荷の流出が加速され、双極子場が弱まる。
さらに、提案された方法によれば、μ-LEDまたは光電子半導体チップをピックアップし、それらを所定の位置もしくは場所、例えばμ-LEDが実装される回路基板上に配置するために用いられるピックアップツールが提供される。このプロセスは、英語の技術文献では「ピックアンドプレース」とも呼ばれている。さらに、ピックアップツールは、少なくとも特定の場所で電界を発生させ、例えば、これらの場所で帯電する。電子-正孔対の生成中または生成後に、ピックアップツールによってμ-LEDがピックアップされる。
ピックアップツールで発生した電界は、光電子半導体チップの双極子場と相互作用することで、ピックアップツールと光電子半導体チップとの間に吸引力さらには反発力も発生する。電子-正孔対による電気双極子場がない場合でも、静電的な相互作用もしくは力が、ピックアップツールと光電子半導体チップとの間に存在する相互作用もしくは力に重なり合うことがある。例えば、励起で発生した双極子電荷がない場合でも、ピックアップツールとそれぞれの光電子半導体チップとの間にファンデルワールス引力または静電引力が存在することがある。追加の静電引力により、μ-LEDが配置されたキャリアからμ-LEDが切り離され、ピックアップツールによってピックアップされる閾値を超えることができる。
キャリアから光電子半導体チップを取り外すのに必要な力は、取り外された光電子半導体チップをピックアップツールで保持するのに必要な力より大きくてもよい。したがって、状況次第では、静電力は光電子半導体チップを取り外すためにのみ必要であり、保持するためには必要ない場合もある。その結果、双極子電界の存在は、光電子半導体チップを取り外すためにのみ必要であり、その後の光電子半導体チップの保持には必ずしも必要ではない。
特定の欠陥、例えば短絡、シャント、低効率などの欠陥を有するμ-LEDは、このような欠陥を有しないμ-LEDよりも励起時の双極子電界が低くなる。それに従って、ピックアップツールと欠陥のあるμ-LEDとの間の静電相互作用は非常に小さいため、ピックアップツールによってピックアップされ得ず、キャリア上に残ることになる。言い換えれば、ピックアップツールとμ-LEDとの間の静電相互作用は、機能的なμ-LEDにおいてのみ作用力が十分に強くなるように選択される。言い換えれば、ピックアップツールで発生した電界は、機能的なμ-LEDとの相互作用においてのみ、μ-LEDをリフトアップするのに十分な静電力が得られるように選択されている。双極子場が弱い欠陥のあるμ-LEDの場合、相互作用は十分に大きくない。
本明細書で提示されているコンセプトにより、欠陥のあるμ-LEDをピックアップせず、したがって実装をしないことも可能になり、欠陥のある光電子半導体チップの組立てに起因した修理作業を大幅に減らすことができる。これに関して、この相互作用は、μ-LEDの質量またはサイズにも依存するため、機能的なμ-LEDが正確に付着するように、公称サイズを適宜選択する必要があることも述べておく。
適切な構成により、代替的に、双極子場を弱める特定の欠陥を有するμ-LEDまたは光電子半導体チップがピックアップツールによってピックアップされ、より強い双極子場を有する「良好な」μ-LEDがピックアップツールによって弾かれてキャリア上に残るようにすることもできる。また、本構成も、μ-LEDおよび光電子半導体チップの良品と欠陥品とを分離する。
ピックアップツールは、電界を発生させるのに適した材料で作られていてもよい。例えば、ピックアップツールは、金属コンタクトが埋め込まれているポリジメチルシロキサン(略してPDMS)を有していてもよい。金属コンタクトは、電界を発生させるためにPDMS材料を適切に帯電させるために電圧源に接続されていてもよい。さらに、ピックアップツールは、それ自体で電界を生成する適切な帯電材料で作られていてもよい。
電界を発生させるための別のオプションは、例えば、ピックアップツール内またはその表面上のコンタクトと電圧を介して電界を発生させることである。電界はピックアップツールと電気的コンタクトとの間にも広がり、ピックアップツールと電気的コンタクトの間にμ-LEDが配置されていてもよい。電気的コンタクトは、例えば、μ-LEDまたは光電子半導体チップがプレースされたキャリアであってもよいし、これらに組み込まれていてもよい。
μ-LEDは、半導体ウェハ上で製造した後、例えばソーイングによって個片化することができる。個片化後のμ-LEDは、本明細書に記載されている方法で回路基板または他のキャリアに実装することができる。同様に、個々のμ-LEDだけでなく、μ-LEDモジュールまたはμ-LEDが接続されているより小さなアレイもこの方法で転写することができる。これに関連して、提案された転写方法を用いて容易に転写することができる、本願に記載されているμ-LEDモジュールまたは構造体を参照されたい。
μ-LEDの場合、その寸法が小さく、場合によっては数も多いため、従来のようにLEDをまずテストしてから回路基板に実装するという方法では経済的に無理がある。本願に記載されている方法は、従来の方法とは異なり、組立て前に欠陥のあるμ-LEDを選別することが可能である。
電子-正孔対を生成するためのμ-LEDの励起は、μ-LEDに光、特にUV光を照射することで行うことができる。光スペクトルは、励起、特にフォトルミネッセンス励起を可能にする波長または波長レンジを有していなければならない。特に、電子-正孔対を直接生成できるように、励起光は光電子半導体チップから放出される光線よりも高いエネルギーを有していなければならない。その結果、励起光の波長は、光半導体チップが発する光線の波長よりも短くなくてはならない。例えば、青色のμ-LEDは約460nmの光を発する。この場合、励起光は440nm以下の波長を有することが望ましく、例えば約420nmの波長を有することが望ましい。
電子-正孔対を生成するために使用される光は、ピックアップツールを通ってμ-LEDに当たることができる。これを可能にするために、ピックアップツールは、少なくとも部分的に、光に対して透明もしくは透過性のある材料からなっていてもよい。さらに、ピックアップツールには、光がμ-LEDに到達するための開口部または導光体が組み込まれていてもよい。
μ-LEDまたは半導体チップは、ピックアップツールでピックアップされる前に、キャリアもしくは基板上に配置されていてもよい。電子-正孔対を生成するための光は、キャリアもしくは基板を透過してμ-LEDに当たることができる。このためにキャリアもしくは基板の少なくとも一部を、光に対して少なくとも部分的に透明もしくは透過性のある材料から作製されていてもよいし、キャリアもしくは基板に開口部または導光体が組み込まれたりしていてもよい。
あるいはμ-LEDもしくはすべての光電子半導体チップに対して、光を横方向または斜め方向から照射してもよい。
電子-正孔対は、μ-LEDまたは光電子半導体チップのすべてで生成されるのではなく、一部の構造素子でのみ選択的に生成されることが規定されていてもよい。例えば、ウェハ上に製造された多数のμ-LEDが提供され、電子-正孔対は、多数の光電子半導体チップのうち選択されたμ-LEDにおいてのみ生成されるようにしてもよい。次いで、この選択された欠陥のあるμ-LEDを除いて、これらのμ-LEDだけもピックアップツールでピックアップされる。μ-LEDの選択的な励起は、例えば、電子-正孔対を生成するための光をマスクに通すことで行うことができる。
μ-LEDの選択したものだけをピックアップするための別の可能性は、ピックアップツールが所定の領域のみに電界を発生させることにある。これは、例えば、ピックアップツールに埋め込まれた金属コンタクトが少なくとも部分的に個別に駆動制御可能であることによって可能になり得る。この選択によって、ピックアップするμ-LEDの適切な間隔(例えば、2つ置き、3つ置き、9つ置きなど)を形成することが可能になる。この間隔は、ピックアップしたμ-LEDをターゲットマトリクス上に直接設置することができるように選択することができる。
一構成によれば、ピックアップツールは、μ-LEDに面している表面に多数の凸部もしくはスタンプを有している。ピックアップツールを下ろすと、凸部のみが半導体光電子チップと接触するため、凸部のみがμ-LEDをピックアップすることができる。凸部の間にある領域と、凸部の外側にある領域とはいずれも、光電子半導体チップをピックアップしない。この場合も、凸部は、ターゲットマトリクスが占有するスペースに対応する予め定義された間隔に配置されていてもよい。本出願には、この態様をさらに発展させた更なるコンセプトが開示されている。
あるいはピックアップツールは、少なくとも1つの領域において、μ-LEDをピックアップするために指定された連続した平坦面を有していてもよい。これにより、異なるパターンおよび/または間隔で配置されたμ-LEDまたは光電子半導体チップをピックアップすることができるため、自由度がより高まる。
さらに、ピックアップツールは、μ-LEDの上を転がってμ-LEDをピックアップする円筒体の形状を有していてもよい。例えば、ピックアップツールは、レーザープリンターのドラムのような形状をしていてもよい。円筒状のピックアップツールをμ-LEDの上に移動させて、μ-LEDをピックアップしてもよい。あるいは円筒状のピックアップツールの回転軸を固定し、光電子半導体チップを有するキャリアをピックアップツールの下にスライドさせることも可能である。
μ-LEDをプレースするために、金属コンタクトを介してピックアップツールの電荷を変化させてもよい。例えば、金属コンタクトの極性を逆にすることも可能である。これにより、ピックアップツールと電子-正孔対によって分極されたμ-LEDとの間に反発的な電気的相互作用が生じる。これにより、μ-LEDが落ちたり、ターゲットマトリクスに当たったりする。
さらに、ピックアップツールの特定の場所だけ、または特定の領域だけ電荷を変化させて、選択的に特定のμ-LEDをプレースすることも可能である。
μ-LEDをプレースするための別の可能性は、ピックアップツールとμ-LEDとの間の吸引力よりも大きい付着力を、μ-LEDが適用されるキャリアもしくは基板が発生させることにある。例えば、キャリアもしくは基板の表面に、接着剤、ワニス、はんだ材料などの適切な材料がコーティングされていてもよい。さらに、μ-LEDは、例えば剪断力または加速力などの機械的な力によってピックアップツールから切り離すことができる。
一構成によれば、ピックアップツールは、μ-LEDもしくは光電子半導体チップに直接触れてそれらをピックアップする。光電子半導体チップを転写する際、ピックアップツールはファンデルワールス力でチップを保持する。
更なる態様は、光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのデバイスに関するものである。このデバイスは、例えば、自動組立機であってもよいし、自動組立機に組み込まれていてもよい。
このデバイスは、μ-LEDまたは光電子半導体チップに電子-正孔対を生成するための励起素子と、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのピックアップツールとを含んでいる。電子-正孔対は、μ-LEDもしくは光電子半導体チップの近傍で電気双極子場を発生させる。ピックアップツールは、μ-LEDまたは光電子半導体チップの電気双極子場と相互作用する電界を発生させて、これらをピックアップすることができるように構成されている。ピックアップされたμ-LEDもしくは光電子半導体チップは、所定の場所に転写され、その箇所でプレースされる。
一構成によれば、励起素子は、μ-LEDまたは光電子半導体チップに電子-正孔対を生成するための所定の波長または波長レンジを有する光を生成するように構成されている。例えば、励起素子は、光源および/または導光体を含んでいてもよい。
励起素子は、電子-正孔対を生成するための光が、ピックアップツールを通って、またはμ-LEDが配置されたキャリアを通って、μ-LEDに入射するように配置されていてもよい。ピックアップツールは、μ-LEDもしくは半導体光電子チップに面している表面に多数の凸部を有していてもよい。μ-LEDもしくは光電子半導体チップは、ピックアップツールの凸部でピックアップすることができる。
あるいはμ-LEDまたは光電子半導体チップに面しているピックアップツールの表面の少なくとも一部は、全体的に平面であり、μ-LEDまたは光電子半導体チップをピックアップするように構成されていてもよい。
さらに、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするデバイスは、上述したμ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースする方法の構成を有していてもよい。
μ-ディスプレイの実現のための更なる態様は、バックプレーン基板上のμ-LEDの転写および位置決めにデュアル転写プロセスを使用する解決策に関するものであり、この場合、中間キャリアが、アレイ、特にディスプレイのターゲットサイズに形成され、この中間キャリアは、μ-LEDが製造されるウェハと同一のμ-LED密度を有している。ターゲット基板への転写に際しては、マイクロチップの間引きが行われ、これにより、最良のケースでは、1つの色のマイクロチップが、赤色、緑色および青色の各色ごとに1回の転写ステップで、対応する大きな転写スタンプによって中間キャリアからターゲット基板に転写される。このような2段階の転写プロセスにより、アレイあたりの平均転写ステップ数を効果的に減らし、具体的には1桁を超えて減らすことができる。これにより、大面積のμ-ディスプレイを製造する際に、中間キャリアを使用することでスタンプ加工ステップの回数を減らし、コストを削減することができる。
いくつかの態様によれば、特にμ-ディスプレイである光電子画素のアレイAを多数(n以下)製造する方法が提案される。さらに、この方法は、赤色、緑色および青色の各色ごとに実施することができる。第1のステップでは、第1の密度で、複数のμ-LEDをウェハもしくはキャリア基板上に生成する。次いで、第1の転写スタンプを用いて、μ-LEDを第1の密度で中間キャリアに移す第1の転写を行う。その後、第2の転写スタンプによって第2の転写ステップを行う。このステップでは、μ-LEDは、第1の密度のn分の1(nは特に整数)である第2の密度で中間キャリアからターゲット基板に移す。この場合、ターゲット基板は、アレイのそれぞれの1つに、特に3色すべてに共通のアレイ領域を提供し、中間キャリアのサイズは第2の転写スタンプのサイズと同じかそれよりも大きく、第2の転写スタンプのサイズは、アレイ領域と同じかそれのk分の1(特にkは整数)である。
別の態様では、キャリア基板から取り外されたモジュール領域が第1の転写スタンプによって置かれる中間キャリアを提供することができる。中間キャリアは、複数のモジュール領域を有していてもよい。このように、モジュール領域を一時的に完全に転写することができる中間キャリアが提供されるが、最終的なターゲット基板に転写するために、第2の転写ステップで再び取り外すこともできる。
キャリア基板上のμ-LEDは、アンカー要素を用いて、キャリア基板から個別にもしくは並行して取り外すことができるような形で製造することができる。ここで、中間キャリアに対する付着力は、μ-LEDの第1の転写スタンプに対する付着力よりも強くなければならない。中間キャリアからμ-LEDを2回目に取り外す際に、μ-LEDの第2の転写スタンプに対する付着力は、中間キャリアに対する付着力よりも相応して大きくなければならない。同様に、ターゲット基板上の接着剤、インタービアまたははんだなどによる付着接続を適切に選択することで、第2の転写スタンプから最終的な基板表面への転写を可能にする必要がある。2つのスタンプ加工プロセスにおける適切な材料選択および適切なプロセス操作により、付着力と剥離力とを調整することで、出発構造体を提供する。
このために、アンカー要素を2段階で使用する出発構造体が提案される。一方では、アンカー要素は、数千ないし数百万個のμ-LEDが配置されたモジュール領域全体に使用される。他方では、中間キャリアからターゲット基板へのμ-LEDの転写にアンカー要素が使用される。
更なる態様によれば、μ-LEDを生成する際に、μ-LEDをそれぞれのモジュール領域とともに生成してもよく、それぞれのモジュール領域はキャリア基板に接続されて生成されていてもよい。更なる構成によれば、μ-LEDを生成する際に、第1の付着力で接合するためにモジュール領域とウェハとの間に第1のアンカー要素を形成してもよく、かつ/または第2の付着力で接合するためにμ-LEDとモジュール領域との間に第2のアンカー要素を形成してもよい。
別の観点は、リフトアップ力(Abhebekraft)に関するものである。リフトアップ力とは、リフトアップを実行するために少なくとも加えなければならない力のことである。例えば、第1の転写ステップを実行する際に、モジュール領域をウェハからリフトアップして中間キャリアに移すことができるように、リフトアップ用の第1の転写スタンプのリフトアップ力は、第1の付着力よりも大きく、第2の付着力よりも小さく設定することができる。したがって、別の態様では、第2の転写ステップを実行する際に、マイクロチップをモジュール領域からリフトアップしてターゲット基板に移すことができるように、リフトアップ用の第2の転写スタンプのリフトアップ力を第2の付着力よりも大きく設定することが考えられる。
他の態様では、ウェハとモジュール領域との間および/またはμ-LEDとモジュール領域との間にはリリース要素が形成されており、このリリース要素を除去した後、それぞれ第1および/または第2の定義された付着力が設定されるようになる。同様に、μ-LEDを生成する際に、追加の第1の付着力で接合するためにモジュール領域とウェハとの間に追加で第1のリリース要素を形成してもよく、かつ/または追加の第2の付着力で接合するためにマイクロチップとモジュール領域との間に追加で任意の第2のリリース要素を形成してもよい。第1のリリース要素を除去することで、追加の第1の保持力をゼロまで小さくすることができる。
更なる構成によれば、第1の転写ステップを実行する際に、モジュール領域をウェハからリフトアップして中間キャリアに移すことができるように、リフトアップ用の第1の転写スタンプのリフトアップ力は、第1の付着力の合計よりも大きく、第2の付着力の合計よりも小さく設定することができる。代替的または追加的に、第2の転写ステップを実行する際に、マイクロチップをモジュール領域からリフトアップしてターゲット基板に移すことができるように、リフトアップ用の第2の転写スタンプのリフトアップ力は、第2の付着力の合計よりも大きく設定することができる。
別の態様では、第2のリリース要素を事前に除去することで、追加の第2の付着力をゼロまで小さくすることができる。このように、リフトアップ用の第2の転写スタンプのリフトアップ力は、リフトアップ用の第1の転写スタンプのリフトアップ力よりも大きくなくてもよい。
更なる構成によれば、モジュール領域を中間キャリアに付着するための第2の移送ステップを実行するために、第2の定義された付着力よりも大きな付着力を有する材料を使用することができる。第2の付着力は、別個のアンカー要素と、必要に応じてリリース要素とを用いて、第2の移送ステップに応じて設定される。第1の移送ステップを実行するために、モジュール領域をリフトアップして中間キャリアに移送するために、モジュール領域上に直接リフティング要素を形成することが考えられる。
別の観点では、中間キャリアあるいはターゲット基板上のモジュール領域を正しく位置決めすることが関係している。これに関する一態様では、第1の移送ステップを実行するために、モジュール領域を中間キャリアに位置的に正確に移すための位置決め要素がモジュール領域上に直接形成されている。これらの位置決め要素は、第1の転写スタンプの向きを決めるために用いられる。位置決め要素は、リフティング要素を使って提供することができる。
更なる構成によれば、第2の移送ステップを実行するために、μ-LEDを第2の密度に薄めるためのタッピング要素(Abgreifelemente)が第2の転写スタンプ上に形成することができる。これらのタッピング要素は、ディスプレイの第2の密度に相当する密度を有している。
他の態様によれば、長方形の第1の転写スタンプのサイズは、円形のキャリア基板のサイズのs分の1になるように選択することができ、これは、ピックアップ面積に完全に実装するために第1の移送に対するキャリア基板の縁部におけるμ-LEDの損失面積のサイズが小さくなるように、特に1色につきキャリア基板の面積の20%以下または30%以下になるように行われる。この代わりに、長方形の第1の転写スタンプのサイズは、中間キャリアのサイズのr分の1になるように選択することができ、これは、中間キャリアを完全に実装するために第1の移送における第1の転写ステップの数rが小さくなるように、特に1色につき10以下または50以下になるように行われる。
更なる構成によれば、中間キャリアの形状は、第2の転写スタンプの形状、特にアレイ領域の形状に対応していてもよい。光電子の画素のアレイの形状は、長方形、台形、三角形または多角形であってもよく、角部が丸形であるか、または他の自由形状であってもよい。更なる構成によれば、中間キャリアには、1つのキャリア基板または異なるキャリア基板のテスト済みモジュール領域が実装される。更なる構成によれば、それぞれのウェハ上のμ-LED間の距離は、中間キャリア上のμ-LED間の距離に対応していてもよい。
更なる構成によれば、それぞれの中間キャリア上のμ-LEDとそれぞれのターゲット基板上のμ-LEDとの間のX方向の距離は、Y方向の距離と異なっていてもよい。更なる構成によれば、ターゲット基板に、複数の中間キャリアのモジュール領域を実装することができる。
更なる構成によれば、それぞれの中間キャリアのマイクロチップの色は、赤色、緑色、または青色の単色であってもよく、互いに異なる色のマイクロチップを有する3つの中間キャリアから、n個のカラーアレイ数をまとめて形成することができる。
別の構成によれば、まず、第1のリリース要素を、ウェハとモジュール領域との間で選択的に除去し、その後、第2のリリース要素を、マイクロチップとモジュール領域との間で選択的に除去してもよい。
ここで述べた可能性を実現するためには、μ-LEDの構造およびさまざまな製造方法に加えて、光取り出しに関する態様も重要である。
一態様では、背面取り出しが設けられていてもよい。このために、第1のドープ層と第2のドープ層とを有する半導体層スタックが提供され、これが基板上に配置される。層スタックに面していない基板の領域は、光取り出し用に構成されている。層スタックは、第1のドープ層と第2のドープ層との間に配置された活性領域を含んでいる。層スタックには、基板に面していない表面に反射性コンタクトが設けられている。反射性コンタクトは、ドープされた層から分離して側面を介して基板表面まで延びている。この反射性コンタクトの形状は、活性層で生成された光を基板の方向に向けるために、球状、放物線状または楕円状になっている。基板は非常に薄いかまたは透明である。さらに、層スタックに面していない基板の領域に、光整形および/または取り出しの更なる措置が施されていてもよい。
これまでの光取り出しの改善面では、特に放射された光の方向性が注目されていた。しかしながら、多くの用途は、ランベルト放射パターンが求められる。つまり、発光面はその面積の中で均一な放射照度を有することが理想的であり、その結果、放射強度の分布は垂直方向で円形になることを意味している。見る人にとって、この面積は見る角度が変わっても同じように明るく見える。加えて、このような均一な分布は、下流側の光整形素子によって簡単に再度整形することができる。
そこで、ディスプレイのピクセルを生成するための光学画素素子が提案されており、この光学画素素子は、平坦なキャリア基板と、背面に取り出し部を有する少なくとも1つのμ-LEDとを有している。この場合、μ-LEDは、光エミッタチップを形成している。平坦なキャリア基板とは、例えば、シリコンウェハ、LTPSまたはIGZOなどの半導体材料、絶縁材料、または表面上に並置された多数のμ-LEDを受け入れることができる適切な平坦なキャリア構造体と理解される。
かかるキャリア基板の機能は、特に、IC、電子機器、μ-LED用の電源、電気的コンタクト、リード線および端子などの機能要素を受け入れることであるが、特に発光するμ-LEDも収容する。ここで、キャリア基板は、リジッドでもフレキシブルであってもよい。キャリア基板の典型的な寸法は、例えば0.5~1.1mmの厚さであり得る。それ以外に、厚さ15μmの範囲のポリイミド基板も知られている。
キャリア基板の実装面には、少なくとも1つのμ-LEDが配置されている。言い換えれば、キャリア基板は、ここでは実装面およびディスプレイ面と呼ばれる2つの対向する主表面を有している。実装面とは、キャリア基板の表面を意味し、しばしば上面とも呼ばれ、少なくとも1つのμ-LEDを受け入れ、更なる光学的もしくは電気的・機械的な部品または層を有する場合がある。
ディスプレイ面とは、キャリア基板のうち、見る人に面している面で、表示のためにピクセルが知覚されるべき面を表すものとする。さらに、キャリア基板平面は、キャリア基板の2つの主表面に平行して同一平面上に広がっていると説明される。少なくとも1つのμ-LEDは、光がキャリア基板平面に対して横向きに、キャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている。ただし、この特性は、キャリア基板の実装面の方向にも光成分が直接または間接的に放出されることを排除するものではない。
画素素子上には平坦なリフレクタ素子が設けられている。これは、反射によって、画素素子の表面上で光のより均一な空間分布が可能になるという考えに基づいている。このため、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDに対して実装面に空間的に配置され、少なくとも1つのμ-LEDから発せられた光がキャリア基板の方向に反射されるように、その形状および特性が構成されている。
言い換えれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDの周囲で、μ-LEDから放出された光が通過する領域に配置されている。このリフレクタ素子は、一実施例によれば、別個に適用されるプレハブ式のマイクロ要素であってもよい。かかるリフレクタ素子の典型的な寸法は、構成変形例に応じて、直径が10μm~300μmの範囲、特に10μm~100μmの範囲にあり得る。一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDの反射コーティングまたは層として構成されている。これに関して、一実施例によれば、少なくとも1つのμ-LEDは、その表面に例えばIGZOなどの透明または部分的に透明なコーティングを有していてよく、当該コーティング上にさらに反射層が適用されている。
反射層は、例えば、金属性で構成されていてもよいし、金属を混ざった状態で有していてもよい。ここで、高い歩留まりを実現するためには、少なくとも1つのμ-LEDが発する光のうち、可能な限り多くの割合が反射されることが求められる。キャリア基板は、少なくとも部分的に透明に構成されており、リフレクタ素子で反射した光がキャリア基板の実装面の表面に当たり、キャリア基板を通って伝搬するようになっている。この光は、キャリア基板の反対側のディスプレイ面から少なくとも部分的に出射するため、見る人によりピクセルとして知覚されることができる。
言い換えれば、放出された光は、キャリア基板の反対側のディスプレイ面で背面または後方に取り出される。反射効果、屈折効果および場合によっては減衰効果により、より均一な照明および輝度のより均一な分布を達成することができる。一実施例によれば、リフレクタ素子は、ランベルト放射パターンが達成されるように配置および構成されている。
一態様では、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDに面している側にディフューザ層を有している。特に、少なくとも1つのμ-LEDから反射された光を散乱させることを目的としている。代替的または追加的に、リフレクタ素子はディフューザ粒子を有している。拡散とは、周囲の空間領域における光の更なる散乱または分布を達成することを意味している。これにより、さらに光の散乱または分布に有利な影響を与え、特にキャリア基板のディスプレイ面で、光の強さをより均一または均質に分布させることができる。
ディフューザ層は、リフレクタ素子上の追加の層と理解してもよく、全体的に均一であってもよいが、中断されていたり、部分的にのみ適用されていたりしていてもよい。一態様では、ディフューザ層および/またはディフューザ粒子は、Al2O3および/またはTiO2を有している。これらの材料は、その構造上の特性から、放出された光の拡散を補助することができる。ディフューザ層は、リフレクタの表面にのみ適用されていてもよいが、ディフューザ粒子は、例えば、リフレクタ全体の材料の一部として混合されてもよく、したがって、製造がより容易であり得る。
一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDを円形、多角形または放物線状に取り囲んでいる。これは、少なくとも1つのμ-LEDが空間的に広い放射パターンを有しているという点に鑑みてのことである。つまり、光が小さな領域から出発して広い角度で放出されることを意味している。そのため、この放出された光のうち、可能な限り多くの割合がリフレクタ素子で検知され、キャリア基板のディスプレイ面の方向に向きを変えられるか反射されることが好ましい。これに関連して、例えば、少なくとも1つのμ-LEDが、第1のμ-LEDと、冗長性のために設けられた第2のμ-LEDとを含むことが提案されていてもよい。後者は、製造上の問題が発生した場合に、第1のμ-LEDの機能を引き継ぐことができる。本出願では、駆動制御技術および製造技術が開示されている。このように、両方のμ-LEDを取り囲むリフレクタ素子により、動作中にどちらのμ-LEDが作動していても、均一な放射光束が提供される。他の態様では、リフレクタ素子は、動作中に異なる色を放出する少なくとも3つの個別のμ-LEDを取り囲んでいる。そのため、μ-ディスプレイの各画素にリフレクタ素子が設けられていてもよい。
少なくとも1つのμ-LEDの放射パターンに応じて、一実施例によれば、円弧状、円形、ドーム状、キャップ状などのリフレクタ素子の形状が考えられる。これにより、同様に一実施例によれば、リフレクタ素子は、一体的にまたは複数のピースで構成されていてもよく、または切欠き部または中断部を備えていてもよい。別の例では、リフレクタ素子は、光の波長に応じて異なる反射特性を有している。これは、例えば、リフレクタ素子の微細構造またはその構造的性質によって達成される。
一実施例によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDの上でキャリア基板平面に対して垂直に配置された平面として形成されている。一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDの電気的コンタクトを形成している。ここで考慮すべき点は、リフレクタ素子が、例えば金属性で構成されているため、μ-LED用の接続用コンタクトとしての同時使用が想定され得ることである。このために、一実施例によれば、端子の1つであるμ-LEDとの電気的接触が企図される。
一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つのμ-LEDが発する光の少なくとも90%が、キャリア基板平面に対して45°~90°の角度でキャリア基板の実装面に入射するように構成および形成されている。一実施例によれば、この割合は少なくとも95%であり、別の例では、少なくとも80%である。この考えの背景にあるのが、可能な限り高い歩留まりへの要求である。つまり、少なくとも1つのμ-LEDから発せられる光のうち、可能な限り多くの割合がキャリア基板のディスプレイ面に出てくる必要があることを意味している。
平坦な透明基板または部分的に透明な基板で発生し得る効果の1つに、全反射がある。つまり、実装面の表面に鋭角に入射した光は、より密度の高いキャリア基板の媒体に入る際に屈折することを意味している。その結果、実装面とディスプレイ面との間で光がキャリア基板内で複数回反射し、界面に対して鋭角すぎるためにキャリア基板からそれ以上出てこない。これらの割合は、通常は損失と見なされる。これらの損失を回避するためには、光が可能な限り広い角度、理想的には垂直方向でキャリア基板の実装面の表面に当たることが望ましいとされ得る。したがって、リフレクタ素子は、これらの角度関係をもたらし、特に画素素子間のクロストークを低減するように構成されている。一態様では、キャリア基板は、ポリイミドまたはガラスを有している。ポリイミドは、特にフレキシブルディスプレイに使用することができる材料である。ガラスは、機械的に非常に安定したリジッドディスプレイのベース材料となり得る。
一態様では、少なくとも1つのμ-LEDのメサエッジにおける反射を減衰または除去するために、パッシベーション層が追加で設けられている。メサエッジとは、少なくとも1つのμ-LEDの境界となる、一般的に急勾配の壁または輪郭を意味すると理解される。これは、その表面がキャリア基板平面を横切るように配置されている。クロストークを回避するために、それぞれの隣り合う画素素子に向かって光が入り込まないことが望ましい。したがって、この方向に出射する光成分は、対応する減衰層またはパッシベーション層によって排除されるか、または少なくとも減衰されることが有用とされる。ここでの利点は、コントラストの向上と光漏話の低減であり得る。
一態様では、キャリア基板の実装面および/またはディスプレイ面に、リフレクタ素子の外側で光吸収コーティングが設けられている。コントラストを向上させ、暗色の印象をよくするために、μ-LEDの、特に異なる画素の間の非活性領域が光を通さなかったり、光を減衰させたりすることは、原則的に望ましいと見なすことができる。そのため、光吸収コーティングはリフレクタ素子の外側に配置されている。一態様によれば、キャリア基板のディスプレイ面は、粗面部もしくは凹凸部および/または粗面化された構造を有している。この構造は、それぞれの関連する光のスペクトルの波長に対して散乱効果または拡散効果をもたらすようなものである。これにより、例えば、キャリア基板を透過した光のうち、ディスプレイ面で取り出される割合が高くなるという利点が生じ得る。この粗い構造は、より効果的な取り出しを可能にする、より好ましい微細構造の角度条件を作り出す。
一態様によれば、キャリア基板のディスプレイ面に、リフレクタ素子と対向するようにカラーフィルター素子が配置されている。このカラーフィルター素子は、少なくとも1つのμ-LEDの原色スペクトルを通過させ、一方で他の色スペクトルを減衰させることができる。隣り合う異なる色の画素素子の光成分を除去することで、色再現性およびコントラストを向上させることができるという利点がある。
さらに、光学画素素子の製造方法が提案される。ここでは、まず少なくとも1つのμ-LEDが、平坦なキャリア基板の実装面に取り付けられる。その後、例えば、少なくとも1つのμ-LEDの反射層として、リフレクタ素子が作り出される。一実施例によれば、少なくとも1つのμ-LEDがキャリア基板に取り付けられる前に、キャリア基板のディスプレイ面に微細パターニングおよび/または粗面化のための処理が行われる。この利点は、より感度の高い電子部品および光学部品を実装面に適用する前の段階で、それぞれの表面を仕上げることができるという点に見ることができる。
光取り出しに際しての重要な側面は、望ましくない光成分をいかに抑えられるかということである。一部の用途では、指向性の高い光が求められることもあり、そのため、μ-LEDまたは画素は、ランベルト特性ではなく、高い指向性を有することが望ましい。場合によってはまた、変換された光のうち変換されていない成分を遮るか、または視覚的な印象を損なわないように少なくとも逸らす必要がある。
これらの特性の一部は、光の出口側にフォトニック構造体またはフォトニック結晶を提供することで達成することができる。以下では、生成された光をコリメートして放出角を小さくしたり、あるいは形を整えたりするためのさまざまな措置を明らかにするいくつかの態様について説明する。マイクロレンズなどの措置に加えて、フォトニック構造体も含まれる。これらは、発光が可能でない「禁制」領域を作り出すことで、発光挙動を変化させる。これにより、1つ以上の方向への光の放射を抑制または促進することができる。
いくつかの態様では、光電子デバイスは、電磁放射を生成するための活性領域を有する層スタックを含むことができる。このデバイスは、フォトニック結晶構造体を有する少なくとも1つの更なる層を含む。層スタックのうち、少なくともいくつかの層は半導体層である。層のスタックは、p型ドープ層およびn型ドープ層、例えば、p型ドープおよびn型ドープされた窒化ガリウム(GaN)層などを取り囲んでいてもよく、この層は2つの層の間で活性領域を形成する。ここで、層スタックはμ-LEDを形成し、その幾何学的形状、材料系、構造または処理に関して本開示の1つ以上の特徴を有し得ることを述べておく。
層スタック上の少なくとも1つの層は、フォトニック結晶構造体、特に2次元構造を有していてもよい。フォトニック結晶構造体は、層の少なくとも一部に配置されていてもよく、例えば、層の成長方向と少なくとも実質的に平行に配置された長手方向を有するワイヤ状または円筒状の構造によって形成されていてもよい。例えばワイヤまたは円筒体などのフォトニック結晶を形成する構造体は、例えば層の材料などの第1の材料を含んでいてもよく、構造体の間の空間は、第1の材料とは異なる屈折率を有する第2の材料で作られていてもよいか、または充填されている。第2の材料は、空気または他の物質、例えば変換材料であってもよい。
フォトニック結晶構造体は、光がフォトニック結晶構造体を通過する際に、活性領域で生成された光を操作するために利用することができる。特に、フォトニック結晶構造体の配置は、成長方向に沿って進む光はフォトニック結晶構造体を通過することができ、成長方向に対して90度に近い角度または90度の角度で進む光はフォトニック結晶構造体を通過できないように行われていてもよい。これは特に、フォトニック結晶構造体によって形成されたフォトニックバンドギャップ内の波長を有する光の場合に適用される。
いくつかの態様では、周期性はある特定の波長の約半分である。これは、フォトニック結晶構造体によって回折されなければならない電磁放射の波長に対応する波長である。このように、可視スペクトル領域での動作には350nm~650nmの範囲の周期性が適切であり、平均屈折率によってはそれを下回る周期性も可能である。そのため、フォトニック結晶構造体における誘電率の異なる繰り返し領域は、このようなオーダーで作製することができる。いくつかの態様では、対応する波長の整数倍を使用することもできる。
いくつかの構成では、フォトニック結晶構造体を有する層は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)を含むか、またはそれからなる誘電体層である。これは、μ-LEDに通常用いられる層に追加される追加であってもよい。そのため、GaN系およびGaP系に同じ製造技術を適用することができる。こうしたさまざまな製造バリエーションと可能性とは、変換層にも適用することができる。そのため、かかる構造を持たない標準的なLEDと比較して、より高い集光性またはコリメーションを達成することができる。同様に、層内に設けられたフォトニック結晶構造体を使って、フォトニック結晶構造体を持たない従来のLEDと比較して抽出効率が向上する。
いくつかの態様では、光電子デバイスは、フォトニック結晶構造体層上に配置された1つ以上のミラー層を含んでいてもよい。(複数の)ミラー層は、例えばカバー層として、角度選択的なミラーを形成するように配置されていてもよい。放出された光の集光性がさらに向上し得る。フォトニック結晶構造体を有する層を用いたビーム整形構造では、表面を粗面化した標準的なチップと比較して、チップ面上で最大50%の光を30円錐角以下に放出することができる。かかるビーム整形により、投影用途における高効率化および低コスト化が可能になる。μ-LEDまたはモノリシックディスプレイの用途では、それが必要になることもある。
構成に応じて、さまざまなフォトニック型の取り出し構造体が、表面に一定の粗さや表面テクスチャをもたらす。加えて、従来の発光ダイオードでは、光取り出しを改善するために表面をパターニングすることが多かった。一方、現在では、電気的コンタクトにμ-LEDを配置するために使用されているスタンプ加工技術は、平面または平坦な表面を有するμ-LEDに対してのみ可能である。
そこで、本明細書では、μ-LED上にフォトニック構造体を製造する方法において、μ-LEDを提供する半導体ボディの表面領域に光取り出し構造体を作り出す方法が提案される。その後、取り出し構造体を有する表面領域をさらに処理し、平坦化する。このようにして、平坦な表面が得られても、取り出し構造体によって、光整形と取り出しとが改善される。
このように、μ-LEDは、平坦な表面領域に配置された取り出し構造体を含んでいる。さらに、取り出し構造体は、本明細書で開示されているフォトニック構造体などの光整形構成を有していてもよい。その結果、表面からこの表面に対して垂直な方向に光を放出することができる。
一態様では、半導体ボディの表面領域は、表面領域にランダムなトポロジーを生成することによってパターニングされる。ランダムなトポロジーは、表面領域の表面を直接粗面化することを含む。あるいは透明な第2の材料、特に大きな屈折率を有するNb2O5を施与し、その後、粗面化してもよい。
他の態様では、本明細書で開示されている構成によれば、表面領域は、秩序立ったトポロジーによってパターニングされ、その後、平坦化される。このために、フォトニック結晶または非周期的なフォトニック構造体、特に準周期的または決定論的非周期的なフォトニック構造体が、第2の透明な材料に導入される。空間が充填され、その後、平坦化される。この充填は、低屈折率、特に1.5未満の透明な第3の材料、特にSiO2を使って行われる。
平坦化は、機械的または化学的機械的研磨(CMP)によって行われる。これにより、粗さの平均値が20ナノメートル未満、特に1ナノメートル未満の範囲にある平坦化された表面が作り出される。
前述のように、フォトニック結晶などの構造体をμ-LEDまたはμ-LEDアレイに適用して、LEDまたはμ-LEDをビーム整形することができる。しかしながら、一部の用途では、1回の動作で異なる波長の光を発するμ-LEDを使用しないことが一般的である。むしろ、1種類のμ-LEDを使用し、次いでそれが放出した光を変換している。このために、主放射方向のμ-LEDの表面に変換材料が適用され、いくつかの例で既に開示されているように、光整形構造体としてのフォトニック結晶が変換材料の上にある。
以下では、光整形と変換の構造を一つにまとめることで、個々の要素の配置を特に省スペース化し、ひいては光電子構造素子の構造形態を特に小さくすることが可能な着想に基づいた、更なる態様について説明する。ここでは、構造素子が発する光線を特定の空間領域に選択的に放射し、それ以外の領域への放射を比較的簡単な方法で確実に防止することが達成される。さらに、本明細書で提示されているフォトニック構造体を用いた解決策はすべて、エネルギー効率が高く、ひいては既知の技術的解決策と比較して光量が比較的多いことを特徴とする。
これに関連して、いくつかの態様は、まずμ-LED用の変換素子に関している。変換素子は、入射した励起光によって励起されると、変換された光線を放射領域に放出する変換材料を有する少なくとも1つの層を含む。ここで、変換素子は、変換材料が少なくとも部分的に配置されたフォトニック構造体を少なくとも領域ごとに有することを特徴とする。フォトニック構造体は、光線が放射領域に向けて指向性を持つビーム束として放出されるように構成されている。このように、適切な方法でパターニングされた層が提供され、その構造の中または上に、励起光またはポンプ光によって励起されると、変換された光線を放出する変換材料が適用される。
一方では変換材料と他方では選択的なビーム案内および/または整形のためのパターニングされた層とを組み合わせることで、特に省スペースで、所望の空間領域に限定して光線源の放射領域に選択的に光線を放出することができる要素が作り出される。これに関連して、変換素子から放出される変換された光線だけでなく励起光も適切な方法で指向されることで、光線は特定の方向にのみ放出される一方で、このような光線が他の方向および/または領域に放出されることは排除されるか、もしくは少なくとも大幅に低減されることが考えられる。
一般的には、フォトニック構造体の少なくとも一部の領域が適切な変換材料でコーティングされ、かつ/または少なくとも個々の領域、例えば構造体の凹部が適切な変換材料で充填されることが考えられる。この場合、構造体は、放出された変換された光線が、放射領域の所望の方向にビーム束として放出されるように構成されている。こうして、光はフォトニック構造体によって変換されるだけでなく整形される。これに関連して、フォトニック構造体を、光線のビーム束が放出される異なる領域が存在するように構成することも考えられる。このようにして、光電子構造素子もしくはμ-LEDのために使用され、それらの放射パターンを必要に応じて調整する変換素子を提供することができる。特に、フォトニック構造体の適切なパターニングにより、変換素子を提供することが可能であり、変換素子が使用される光電子構造素子の放出プロファイルを、ランベルトの法則に従った放射がそれ以上行われなくなるように変更することが可能であるが、適切に一方向に指向されたビームまたはビーム束が生成されるようになる。
変換材料は、本願に開示されている材料を有していてもよいし、さまざまな希土類でドープされていてもよい。ホスト材料として、前述のYAGまたはLuAGを使用してもよい。同様に、変換材料として既に説明した量子ドットの使用も可能である。フォトニック構造体は、通常、量子ドットのスペクトル特性を変化させない。フォトニック構造体を量子ドットの発光スペクトルに適合させる以外に、量子ドットが、構造体そのものの領域に、例えば形成されたトレンチに自体の領域に配置されていてもよい。
規則的なフォトニック構造体もしくは規則的なフォトニック結晶は、対応するパターニング層を有する変換素子の光学的特性を、特に確実に、安全に、再現性よく調整できるという利点を提供する。この場合、構造体は、特定の波長または特定の波長域の光線が、層を特に所定の方向で透過することができる一方で、この光線が他の方向では層を透過することができないように構成されている。代替的または追加的に、パターニング層は、それが少なくとも広い範囲で特定の波長の光線に対して透明または非透過性であるように構成されていてもよい。
さらに、フォトニック構造体が、変換材料が配置された少なくとも1つの凹部を有していると好都合である。有利には、これに関連して、フォトニック構造体が複数の凸部および凹部を有し、凹部は少なくとも部分的に適切な変換材料で充填されていることが提案されている。このようにして、本発明により提供される構造を変換材料と組み合わせて、変換された光線が特に限定された放射領域にのみ放出され、ひいては特に目的に合わせて放射されるような、変換素子を比較的容易に実現することができる。原則的には、これに関連して、変換素子の構成は、励起光がフォトニック構造体によってこの目的のために提供された変換材料の領域に適切に指向され、かつ/または変換された光線が構造に入射し、したがって適切に放射されたビーム束として所望の放射領域に放射されるように行うことが考えられる。
いくつかの態様では、フォトニック構造体は、その層が少なくとも1つの光学的バンドギャップを有するように構成されている。これに関連して、バンドギャップとは、価電子帯と伝導帯との間にある層のエネルギー領域であると理解される。このバンドギャップにより、層に使用されている固体ひいては層を備えた変換素子は、特定の周波数範囲の光線に対して透明になる。バンドギャップの適切な調整および/または固体材料の選択により、変換素子の光学的特性を適切に調整することができる。特に、入射する光線の一部のみが層を通過して放射領域に放出されるように層を構成することが可能である。いくつかの態様では、層のフォトニック構造体が少なくとも500nmの平均厚さを有し、それによって光学的バンドギャップが生成されると好都合である。
構成では、フォトニック構造体を有する層は、指向性のビーム束が、その層が配置されている平面に対して垂直に放出されるように構成されていることが提供される。それに対して、他の空間領域に放出される光線成分が確実に抑制される。
更なる態様は、光学フィルター素子および更なる措置に関している。一態様では、層の少なくとも片側に光学フィルター素子が配置されていてもよい。いくつかの態様では、このようなフィルター素子は、変換材料を有するパターニング層の面上に適用されるフィルター層として構成されている。このようなフィルター素子もしくはフィルター層を用いることで、光線のある部分だけが変換材料を有する層に入射すること、または変換材料を有するパターニング層が発する変換された光線のある部分だけが所望の空間領域に放出されることが可能になる。このように、いくつかの態様では、フィルター素子、特にフィルター層は、励起光として必要とされるかまたは放射領域に適切に放出されるべき光線の一部のみがフィルター素子またはフィルター層を通過できるように構成されている。
さらに、いくつかの態様は、先に説明した変換素子の構成の少なくとも1つに従って形成された変換素子に励起光を照射するμ-LEDを有する光線源に関している。変換素子自体は、変換材料を有する少なくとも1つの層を有しており、この変換材料は、μ-LEDが発する励起光によって励起されると、変換された光線を放射領域に放出する。これに関連して、μ-LEDと変換素子とを組み合わせて、LEDが発する励起光のすべてを変換された光線に変換したり、LEDが発する励起光の一部だけを変換された光線に変換したりすることが考えられる。光線源から放出された光線が、所望の空間領域にのみ指向されることも重要である。このようにして、光線源は、適切に選択された方向または適切に選択された放射領域に放出される指向性の光ビームまたは指向性のビーム束を生成する。
別の態様によれば、変換材料を有するパターン層は、μ-LEDの半導体基板の一部である。したがって、フォトニック構造体は、μ-LEDの半導体基板に形成されていてもよい。これに関連して、構造体は、LED半導体基板を適切にエッチングして製造し、その後、構造体を変換材料で少なくとも部分的にコーティングし、かつ/または構造体のエッチングされた凹部に変換材料を充填することがさらに考えられる。
さらに、いくつかの態様では、変換材料を有する構造体は、変換された光線が、半導体基板が配置されている平面に対して垂直方向で放射領域に放出されるように構成されることが企図されている。この場合、構造体は、バンドギャップ効果により、変換された光線がμ-LEDチップの表面に対して垂直方向にのみ放射領域に放射されるように構成されている。この技術的な解決策により、変換素子から放出される変換後の光線に高い指向性が生じる。これに関連して、例えばフォトニック結晶の形をしたフォトニック構造体が、μ-LEDの半導体材料の最上層にのみ配置されているか、あるいは少なくとも部分的に活性ゾーンにも配置されていることも可能である。光学的バンドギャップを確実に発生させるためには、フォトニック構造体の層の厚さが少なくとも500nmであることも有利である。
一構成形態では、パターニング層の片側に配置された少なくとも1つのフィルター層が設けられている。フィルター層を設けることで、μ-LEDから発生させられた励起光が特定の波長域で抑制される。このように、変換素子のパターニング層で指向性を持つ光線を発生させることで、励起光の完全な変換に基づく、特にエテンデュ制限のあるシステムを、既知の技術的解決策よりも大幅に効率化することができる。
光線源は、RGB色空間に特徴的な色、すなわち赤色、緑色および青色を有する、可視白色光または可視変換光を放出するように構成されていてもよい。一構成形態によれば、光線源は、例えば、より大きな部品の個々の画素が個別にオン/オフされる画素化アレイであってもよい。
本明細書に記載されているようなフォトニック構造体を前述のμ-LEDと組み合わせて使用することで、レンズなどのコリメート素子が不要となり得る。さらに、フォトニック構造体を用いて、それは指向性を提供するため、隣り合う画素間のコントラストを向上させることができる。
さらに、いくつかの態様は、上述の特定の特性のうちの少なくとも1つを有する光線源の製造方法にも関している。この方法は、構造体が、LEDの半導体基板における少なくとも1つのエッチングステップによって形成されることを特徴とする。この場合、構造体、特に構造体の中の選択された凹部が、少なくとも部分的に変換材料で充填されていると有利である。
別の態様では、指向性を持つ光を放出するためのフォトニック構造体を有するμ-ディスプレイが関係している。特に、μ-LEDを有するディスプレイでは、個々のμ-LEDの寸法が非常に小さく、フォトニック構造体を形成する際に、個々のμ-LEDの表面には数周期分のスペースしかない。そこで、複数のμ-LEDをアレイ状に並べて、大面積のフォトニック構造体を形成することが提案されている。このようなアレイは、例えば、それぞれ1つの画素が光源を形成する、μ-LEDの画素化アレイとすることができる。モノリシック画素アレイや、本明細書で開示されているカバー電極を有するような滑らかな表面を有するLEDモジュールも同様にこれに含まれる。他の例としては、個々のμ-LEDまたはμ-LEDからなるより小さなモジュールの配置構造が挙げられるが、これはフィールドもしくはアレイの形で提供されていてもよい。このようなμ-LEDモジュールは、本願でも同様に開示されている。
通常、μ-LEDはランベルト放射体であり、そのため大きな立体角で放射する。しかしながら、画素化アレイ、特にμ-ディスプレイでは、既に説明したように、発光面に対して垂直な方向性のある放出が、各種用途に関して重要であるか、または望ましい。
このように、光電子デバイスは、光電子デバイスからの発光面から出射する光を生成するための複数の光源と、発光面と複数の光源との間に配置された少なくとも1つのフォトニック構造体とを有する配置構造を含んでいる。少なくとも1つのフォトニック構造体(特に、フォトニック結晶または本明細書ではカラム構造体とも呼ばれるピラー構造体)によって、光が光出射面を通ってデバイスから出る前に、放出された光のビーム整形が行われる。
特に、フォトニック構造体は、光源から生成された光をビーム整形するように構成されていてもよい。特に、光が光出射面から少なくとも実質的に垂直に出射するように、フォトニック構造体が形成されていてもよい。このようにして、放出された光の指向性が大幅に改善される。
一構成によれば、配置構造は、複数の光源、特にμ-LEDを行と列とに配置したアレイである。μ-LEDは、画素またはサブ画素で構成されており、個別に駆動制御可能である。いくつかの態様では、配置構造はモノリシックに構成されたアレイとして実現されており、他の態様では、アレイにはμ-LEDモジュールまたは個別のμ-LEDが実装されている。この配置構造は、少なくとも部分的にμ-LEDまたは光源を含むか接触させたものと、フォトニック結晶とを含む。これは層内に配置または形成されている。そのため、フォトニック結晶は、アレイの画素が配置された層内に直接配置されていてもよい。あるいはフォトニック結晶は光源の上の層内に配置されることもあるが、フォトニック結晶は光源と光出射面との間に位置する。
この層は半導体材料を有し、フォトニック結晶は半導体材料にパターニングされていてもよい。半導体材料の例としては、GaNまたはAlInGaP材料系が考慮される。他の可能な材料系の例としては、AlN、GaPおよびInGaAsが挙げられる。
フォトニック結晶は、半導体材料中に光屈折率の周期的な変化を形成することによって実現することができ、このために、例えばNb2O5(ニオブ(V)酸化物)などの高屈折率材料を使用し、それを適宜半導体材料に導入することで、周期的または決定論的非周期性な構造体が形成される。フォトニック構造体は、例えばSiO2のような低屈折率材料で充填されていてもよい。このように、高屈折率と低屈折率との間で屈折率の変化が生じる。この場合、このフォトニック結晶は、光出射方向に平行に延びる面内で、互いに直交する2つの空間方向に光屈折率の周期的な変化を有する2次元フォトニック結晶として形成されることが好ましい。
フォトニック結晶は、高屈折率材料、例えばNb2O5に形成された穴部もしくは凹部によって実現されていてもよい。このようにして、対応するパターニング部を高屈折率材料に形成することでフォトニック結晶を形成することができ、または形成されていてもよい。それに対して、穴部または凹部を取り囲む材料は、異なる屈折率を有している。
別の態様では、この配置構造は、光源として複数のμ-LEDを有しており、μ-LEDは第1の層に配置され、フォトニック結晶は更なる第2の層に配置または形成されている。第2の層は、第1の層と光出射面との間に位置する。特にアレイ状に配置されたμ-LEDとの組み合わせでは、μ-LEDを有する第1の層の上にある更なる第2の層においてフォトニック結晶が設けられていてもよい。これは、好ましくは2次元フォトニック結晶として形成されており、光出射面に平行で互いに直交して延びる2つの空間方向に光屈折率を周期的に変化させる形で実現されている。第2の層の高屈折率材料の例としては、ここでもNb2O5を挙げることができ、高屈折率材料に穴部もしくは凹部を設けてフォトニック結晶はパターニングされていてもよい。フォトニック構造体は、低屈折率材料、例えば二酸化ケイ素で充填されていてもよい。このように、第2の層は2つの異なる屈折率を有する材料の構造を有している。
μ-LEDは、横型μ-LEDと縦型μ-LEDとに区別することができる。横型LEDの場合、電気端子は光出射面に面していないLEDの背面にある。それに対して、縦型LEDは、LEDの正面と背面とにそれぞれ1つずつ電気端子がある。この場合、正面は光出射面の方を向いている。
両極性の電気的コンタクトが背面にある画素化アレイでは、アレイ表面全体を、例えばフォトニック結晶の形で、特にメサトレンチまたはコンタクト面を残すことなくパターニングすることができる。キャリア基板の下に横型μ-LEDを配置した場合も、同様の配置構造となる。一構成によれば、光源を電気的に接触させるための横型μ-LEDのアレイまたは配置構造において、生成された光を反射する接点層によって、両極がそれぞれ電気的に接続されていてもよく、接点層は、上面にある光出射面から見てフォトニック構造体および光源の下方に位置する。接点層は、各極間の短絡を回避するために、少なくとも2つの電気的に分離された領域を有していてもよい。
他の構成によれば、光源と電気的に接触させるための縦型発光ダイオードの配置構造において、光出射面に面していない、特に正側の、第1の接続用コンタクトが、生成された光を反射する接点層に電気的に接続されていてもよく、接点層は、上面にある発光面から見てフォトニック構造体および光源の下方に位置する。一方、光出射に面している、そのつど他方の、特に負側の、第2の接続用コンタクトが、導電性で光学的に透明な材料の層、特にITOによって電気的に接続されていてもよい。層とミラー接点層との間に充填材料が配置されていてもよい。いくつかの態様では、この導電層自体をパターニングして、フォトニック特性を持たせることもできる。他の態様では、フォトニック構造体は導電層の上に作り出される。
一構成によれば、光源もしくはμ-LEDの各々は、再結合ゾーンを有していてもよく、フォトニック結晶は、フォトニック構造体が再結合ゾーンの領域に存在する光学的な状態密度を変化させるように、特に、伝搬方向が光出射面に平行および/または小さな角度をなす少なくとも1つの光学モードに対してバンドギャップが生成されるように、再結合ゾーンの近くに配置されていてもよい。
再結合ゾーンの領域に光学的バンドギャップを発生させるために、フォトニック結晶が再結合ゾーンに非常に近いことが有用である。さらに、バンドギャップを形成するためには、光出射面に対して垂直な方向から見てフォトニック結晶の高さが大きく、特に300nm以上であることが好都合である。したがって、フォトニック構造体により、伝搬方向が発光面に対して平行および/または小さな角度をなす光の放出が抑制され得るため、光を生成する領域で既に放出された光に指向性を持たせることができる。これにより、光は光出射面に対して垂直な限定された発光円錐(Emissionskegel)でのみ発生する。ここで、発光円錐の開口角はフォトニック結晶に依存し、小さな値、例えば最大20°、最大15°、最大10°、最大5°とすることができる。
フォトニック結晶は、光スポットの位置とは無関係に、光出射面に平行に広がる面に対して配置されていてもよい。
フォトニック構造体は、光出射面と複数の光源との間に少なくとも部分的に延在する複数のピラー構造体を含んでいてもよく、それぞれのピラーは、光源に割り当てられており、光出射面に対して垂直な方向から見たときにこれと同一平面上にある。ピラーまたはカラムは、好ましくは光出射面に対して垂直に延在する長手方向軸線を有している。ピラーとそれに割り当てられた光源とが同一平面上に整列している場合、特にピラーの長手方向の延長軸線が光源の中心点と交差していることを意味する。
長手方向軸線に直角方向で見ると、ピラーは、円形、正方形または多角形の断面を有し得る。好ましくは、ピラーは高さ対直径のアスペクト比が少なくとも3:1である。ここで、高さはピラーの長手方向軸線の方向に測定される。特にピラーは、例えばNb2O5などの高屈折率材料で形成されている。周囲の材料に比べて屈折率が高いため、ピラーの長手方向軸線に平行な方向の発光量を他の空間方向に比べて増加させることができる。ピラーが導波路の役割を果たす。これにより、ピラーの長手方向軸線に沿った光が、他の伝搬方向に沿ったものと比べて効率的に取り出される。そのため、光の長手方向軸線の方向への指向性を向上させることができる。さらに、光の長手方向軸線は光出射面に対して垂直に延びることが好ましいため、光出射面に対して垂直な光取り出しの改善を図ることができる。
この配置構造は、第1の層に配置された画素に配列された複数のμ-LEDを光源として有するアレイであってもよく、ピラーは更なる第2の層に配置されていてもよく、第2の層は、第1の層と光出射面との間にある。そのため、ピラーは画素化アレイの表面に配置されていてもよい。この場合、ピラー構造体もしくはカラム構造体は、高屈折率材料から、独立して形成されていてもよい。さらに、ピラーの間の間隙には、低屈折率の二酸化ケイ素などの充填材料が充填されていてもよい。
別の態様では、配置構造は、第1の層に配置された複数の画素を光源として含むアレイであってもよく、ピラーも同様に第1の層に配置されていてもよい。特に、ピラーは、ピラーの少なくともそれぞれの部分が、ピラーに割り当てられた光源よりも光出射面に近づくように、第1の層に配置されていてもよい。これにより、ピラーは、光源と光出射面との間の光導波路として機能することができる。ピラーは、第1の層に設けられたアレイの半導体材料から形成されていてもよく、半導体材料は高屈折率を有している。特に、第1の層の半導体材料は、ピラーが残るようにエッチングで除去してもよい。ピラーの間の間隙には、ここでも低屈折率材料が充填されていてもよい。
別の態様では、配置構造は、画素単位で配置された複数のμ-LEDを光源として有するアレイであってもよく、画素はピラーに形成されている。このようにして、個々の画素がピラーの形をしたアレイを作成することができる。この点において、各ピラーは、有利にはμ-LEDであり、個々の画素として機能する。ピラーの長手方向軸線を基準にして見ると、ピラーの長さは、放出される光の半波長に対応することができ、ピラーによって形成されるμ-LEDの再結合ゾーンは、好ましくはピラーの中心に位置することになる。そのため再結合ゾーンは、フォトニック状態密度の局所極大に位置する。これにより、ピラーの長手方向に平行な発光量を大幅に増やすことができる。導波路効果により、長手方向軸線に平行な伝搬方向の光は、他の伝搬方向の光よりも効率的に取り出される。
ピラーの高さ対直径のアスペクト比は、有利には3:1である。一般的な発光波長では、ピラーの高さは約100nmで、直径は30nmである。高さおよび/または直径を大きくしてスケールアップすることも可能で、これはより簡単に製造することができる。その場合、比率は、例えば前述の3:1のように同じままであり、さらに、影響を受ける光の波長に対して一定の比率であると好都合である。光源を有するピラーの間には、ピラーの半導体材料よりも屈折率の低い材料、例えばSiO2が充填されていてもよい。
光源を有するピラーの場合、光出射面に面していないピラーの下面にp型コンタクトを設けることができる。n型コンタクトは、例えば、ピラーの上面にピラーの半分の高さで設けてもよい。n型コンタクトは、透明な導電性材料の上に設けることができ、特に充填材料の中間層として、またはピラーの上の最上層として設けることができる。n型コンタクト層の材料としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)が考えられる。また、n型コンタクトとp型コンタクトとを逆に配置することも可能である。
特に、ピラーまたはカラムとして形作られ、特に縦型である、電気的接触のための発光ダイオードの配置構造の場合、そのつど一方の、特に正側の、第1の極が、発光ダイオードの第1の長手方向端部上および/または当該端部に沿って形成されていてもよい反射性接点層に電気的に接続されていてもよい。そのつど他方の、特に負側の、第2の極は、導電性で光学的に透明な材料、特にITOの更なる層に電気的に接続されていてもよい。この層は、中間層としてピラーまたはカラムの中心に配置されていてもよいし、ピラーの第2の長手方向端部上および/または当該端部に沿って配置されていてもよく、第2の長手方向端部は第1の長手方向端部とは反対側にある。
更なる態様によれば、特に平面の、画素を有するアレイ、またはμ-LEDの配置構造から、発光面に対して垂直方向の光の放出を生成するための光電子デバイスが提案されており、光学的に作用する構造体、特にフォトニック結晶やピラー構造体などのナノ構造体が、光を垂直方向に放出するために、発光面全体に沿ってパターニングされている。更なる態様によれば、特に平面の、画素化アレイ、またはμ-LEDの配置構造から、発光面に対して垂直方向の光の放出を生成するための光電子デバイスの製造方法が提案されており、光学的に作用する構造体が、光を垂直方向に放出するために、発光面全体に沿ってパターニングされている。
特に、プラナアレイとは、特に平面状のアレイを意味している。さらに、アレイまたはフィールドの表面は、有利には平滑である。特に、画素化アレイは、モノリシック画素化アレイである。
言及したすべての材料、特にフォトニック結晶、ピラー、または充填材料における材料は、好ましくは、低い吸収係数を有している。特に、ここでいう吸収係数とは、電磁放射が所定の材料を通過する際の強度の低下を示す指標である。
フォトニック結晶は、自体公知のリソグラフィ技術を用いて製造することができる。自体公知の技術としては、例えば、ナノインプリントリソグラフィまたは液浸EUVステッパ(EUVは極紫外線のことである)が挙げられる。
フォトニック結晶の更なる可能性は、電磁放射、特に可視光線を振動方向に対して偏光させる特性に基づくものである。電磁放射を偏光させるフォトニック構造体を用いることで、特に、特殊な画像を記録したり、適切なディスプレイに表示したりすることが可能になる。ユーザーに3次元画像を感じさせる画像を生成するために、通常、相補的な複数の偏光方向を適切に組み合わせて生成される。
したがって、必要に応じて偏光を提供することができる照明ユニットは、光の生成に用いられるエミッタに加えて、更なる複数の光学部品を備えていることが定期的に問題となる。そのため、対応する照明ユニットの構造が比較的複雑になり、製造コストが高くなる。さらに、さまざまな部品は少なからず設置スペースを必要とするため、例えば拡張現実用途または家電製品の分野で必要とされる照明ユニットを小型化しようとすると、多くの場合において壁に突き当たる。比較的最近では、オートモーティブ分野でも、見る人に3次元効果を作り出す画像を生成することが求められるようになってきた。
こうした問題やその他の問題を解決するために、特に光出射面を介して光線を放出する少なくとも1つのエミッタユニット、特にμ-LEDを有する配置構造もしくは光電子構造素子が提案されている。この構造素子は、さらに偏光素子を有しており、これは、少なくとも部分的に光出射面に隣接しており、エミッタユニットから放射される光線が偏光素子を通過する際に、その偏光および/または光度を変化させる。ここでは、偏光素子が3次元フォトニック構造体を有する配置構造を特徴とする。
配置構造もしくは光電子構造素子は、μ-ディスプレイまたはμ-ディスプレイモジュールの画素素子であってもよい。エミッタユニットは、μ-LEDで形成されていてもよい。複数の画素が行と列とに配置された1つ以上のこのようなモジュールによって、見る人に3次元画像の印象を与える1つまたはより正確には複数の画像を生成することができる。
偏光素子が偏光を変えるという表現には、偏光されていない光線から偏光された光線を生成することも含まれる。偏光素子は、偏光を生成したり変化させたりせずに、場合によっては波長に依存する光線の光度の変化のみを引き起こすこともできる。したがって、「偏光素子」という用語は、すべての構成形態において偏光の変化もしくは生成が提供されていなければならないという意味で、狭義に解釈されるべきではない。
提案された構成では、エミッタ、例えばμ-LEDによって生成された光線が偏光素子に直接入る光電子構造素子が提供されることで、必要に応じて偏光された光線を提供するための特にコンパクトなユニットが実現され、このユニットはまた、このような更なる構造素子および/または偏光素子、好ましくは相補的な特性を有する少なくとも1つの偏光素子と組み合わせることができる。
3次元フォトニック構造体、特にフォトニック結晶を、電磁放射、有利には可視光線を偏光させるために使用することの本質的な利点は、フォトニック構造体をエミッタの光出射面の領域に配置することで、特にコンパクトで省スペースな解決策が提供されることである。特別に構成された偏光素子を光出射面に隣接させることで、電磁放射を適切に偏光させることができ、しかも偏光素子の偏光方向にその偏光が対応していない電磁放射の損失を最小限に抑えることができる。一般的には、光出射面上にフォトニック構造体が配置されていることや、光出射面が配置されている半導体層内もしくは光出射面がビーム方向に隣り合う半導体層上にフォトニック構造体が適切に形成されていることが考えられる。
ここでは、偏光素子として使用される3次元構造体によって、照明ユニットの放射パターンをその偏光特性に関して特に効果的に変化させることができ、その結果、異なる偏光特性または放射方向によって異なる波長を識別することができるという点が特に有利である。
一態様によれば、エミッタユニットは、少なくとも1つのμ-LEDを有している。これに関連して、μ-LEDが、好ましくは白色、赤色、緑色または青色の光を発し、それが偏光素子に入射し、偏光素子によって光線が振動方向に偏光されることが考えられる。これに関連して、μ-LEDは変換材料を含んでいてもよく、変換材料が放射した光が所望の波長ひいては色に変換されることになる。
その他の点では、更なる態様によれば、エミッタユニット、特にμ-LEDおよび偏光素子が、層スタック内で互いに重なるように配置された異なる層から形成されることが提案されている。また、エミッタの少なくとも1つの層において生成された光線が、層スタックから環境に放射される前に、同様に層の形をしている偏光素子に入ることが重要である。有利な方法では、偏光素子として使用される3次元構造体が、エミッタユニットと同じ半導体チップ上または内部に配置されることが考えられる。
エミッタユニットをμ-LEDとともに使用する場合、フォトニック構造体はμ-LEDチップに適用されるか、またはμ-LEDチップの少なくとも一部であることがさらに考えられる。かかるμ-LEDのさまざまな構成が本願に開示されている。その点では、μ-LEDはモノリシックに製造されていてもよく、行と列とに配置されたμ-LEDのより大きなアレイの一部であってもよい。これらは一緒に処理・製造してもよい。個々の色のμ-LEDを1つの画素にまとめ、周囲を構造体で取り囲むことで、特に主放射方向への光の案内を改善することができる。
このような構成により、特に省スペースでエネルギー効率の高い光電子構造素子が提供され、この素子により、偏光線が既にチップレベルで直接生成され、このために下流側のビーム経路に追加の光学素子を配置する必要がなくなる。
更なる態様では、偏光素子は、螺旋状および/または棒状の構造要素(Strukturelemente)を有している。この場合、3次元フォトニック構造体は、エミッタユニットもしくはμ-LEDから発せられた光が特定の偏光でのみフォトニック構造体から出射するように構成される。光出射面の領域に螺旋状および/または棒状の構造要素を有する対応する3次元フォトニック構造体には、特定の偏光方向の光線のみが透過する。有利には、構造体の構成および寸法は、それぞれの場合においてエミッタユニットから放出された光線に適合されている。螺旋状の構造では円偏光が得られ、棒状の構造では構造体を通り抜ける光線が直線偏光になる。
更なる態様によれば、変換材料が使用される場合、3次元フォトニック構造体は、μ-LEDと変換素子との間のビーム経路に、または変換素子の後方に配置され、それによって励起光および/または変換された光線が適切に偏光されることがさらに考えられる。変換素子と3次元フォトニック構造体を同一の層で組み合わせることも可能である。これにより、直接偏光され、変換された光を生成することができる。
例えば、3次元フォトニック構造体に変換材料を充填することもできる。変換材料には、Ce3+(Ceはセリウム)、Eu2+(Euはユーロピウム)、Mn4+(Mnはマンガン)またはネオジムのイオンがドープされていてもよい。ホスト材料としては、例えば、YAGまたはLuAGを使用することができる。ここで、YAGは、イットリウム・アルミニウム・ガーネットの略である。LuAGは、ルテチウム・アルミニウム・ガーネットの略である。
量子ドットを変換材料として3次元フォトニック構造体に充填することもできる。量子ドットは非常に小さく、例えば10nmの範囲の大きさである。そのため、3次元フォトニック構造体の充填に特に適している。一般的には、構造体が形成される層から材料をエッチング除去して構造体を形成することが考えられる。このようにして形成された凹部に、例えば量子ドットを含む変換材料を充填することができる。量子ドットは、例えば、凹部を充填する液体材料に組み込まれていてもよい。液体材料を少なくとも部分的に蒸発させて、量子ドットを凹部に残すようにしてもよい。この場合、液体材料の一部が固まることがある。そのため、量子ドットはマトリクスに埋め込まれていてもよい。
フォトニック構造体は、通常、量子ドットのスペクトル特性を変化させない。しかしながら、量子ドットの発光スペクトルは狭帯域である。フォトニック構造体は、この狭帯域の発光スペクトルに適合させることができ、これにより、フォトニック構造体が提供する方向選択性を向上させることができる。こうして、フォトニック構造体によって、変換体としての量子ドットの放射パターンに非常に効率的に影響を及ぼすことができる。
別の態様では、偏光素子は、少なくとも1つの3次元フォトニック結晶を有する。同様に、偏光素子が、偏光素子を通過する光線のビーム経路に沿って連続して配置された少なくとも2つの2次元フォトニック結晶を有することも考えられる。
3次元フォトニック結晶またはビーム経路中に連続して配置された少なくとも2つの2次元フォトニック結晶体を使用することで、光線が入射する構造体が特定の波長または複数の特定の波長の光線に対して透過性を持ち、かつ/または特定の方向にのみ透過するようにすることも好都合であり得る。このようにして、偏光素子に入射する光線の所望の偏光を調整することも可能である。これに関連して、構造体を変換材料で直接製造したり、他の材料からなる追加の層に組み込んだりすることが考えられる。これにより、3次元フォトニック構造体の特性は、さまざまな波長に対して透過条件が異なるように設計されることが好ましい。このようにして、例えば、変換された光線は妨げられずに偏光素子を通過することができ、励起光は向きを変えることが可能になる。同様に、一方では光線、すなわち励起光と、他方では変換された光線のうちの少なくとも1つが、特定の偏光でのみ偏光素子を通過することも考えられる。
いくつかの構成では、偏光素子が、偏光素子を通過する光線の波長に応じて、少なくとも2つの異なる透過率を有していることがさらに規定されていてもよい。これに関連して、特別な発展形態では、エミッタユニットが、μ-LEDと、μ-LEDが放射する励起光によって励起されたときに、変換された光線を発する変換材料を有する変換素子とを備え、偏光素子に入射する励起光は、偏光素子を通過したときに、変換された光線が通過する場合と比較して、異なって偏光し、かつ/または異なった強さで吸収することが規定される。
このように、3次元フォトニック構造体の特性は、さまざまな波長に対して透過条件が異なるように設計されている。この場合、例えば、変換された光は妨げられずに3次元フォトニック構造体を通過することができ、励起光は向きを変えられることが考えられる。同様に、変換された光線は、特定の偏光でのみ3次元フォトニック構造体から出射することも考えられる。
さらに、いくつかの態様では、異なる波長を有する2つの放射のうちの一方が、偏光素子の偏光および伝搬方向の異なる特性によって識別されることが考えられる。したがって、有利には、完全な変換を実現するμ-LEDと変換素子との組み合わせでは、特定の波長を有する放射の比較的小さな部分を除いて、励起光の一部がフィルタリングされ、その結果、変換材料のより薄い層を使用できることが提案されている。
本明細書に記載した構造体は、特に小型で製造することができる。例えば、いくつかの態様では、μ-LEDを有するエミッタユニットが提供され、偏光素子の3次元構造体が、μ-LEDチップ上に直接、好ましくは、生成された光線が光出射面に達するμ-LEDの半導体層上に施与される。かかる構成によれば、3次元フォトニック構造体は、μ-LEDチップ上またはμ-LEDチップ内に直接配置される。このような技術的解決策により、偏光線放出に基づき画像生成の解像度を向上させることができ、ビーム生成用の部品を比較的小型に構成することができる。これは例えば、相補的な特性を有する複数の部品もしくは複数の部品ユニットから放出された光線が共通の光学系を介して結像されることで実現できる。これに適した光学系が本願に開示されている。このようにして形成された照明ユニットは、特に拡張現実用途および/または家電製品の分野で使用することができる。
別の観点は、光出射面を介して光線を発する少なくとも1つのエミッタユニットと、偏光素子であって、光出射面に少なくとも部分的に隣接し、エミッタユニットから放出される光線が偏光素子を通過する際に、その偏光および/または光度を変化させる偏光素子と、を備えた光電子構造素子の製造方法に関するものである。
この方法は、エミッタユニットとしてμ-LEDまたはμ-LEDのアレイを使用し、その光出射面に偏光素子として3次元フォトニック構造体を、例えば二光子リソグラフィまたは斜め蒸着法によって施与し、かつ/または光出射面に隣り合うμ-LEDの半導体層にフォトニック構造体を導入することによって発展させることができる。3次元構造体は、μ-LEDが発する光線の波長に応じて寸法を変えることができる。
このようにして、本願に開示されている原理および構造体もしくは対象物に基づく光電子構造素子は、3次元画像を生成するためのデバイス、特にディスプレイ、モニタまたはスクリーンに表示するためのデバイスに使用することができる。いくつかの態様では、両目に異なる極性の光を照射することで、それぞれの光、もしくは生成された画像や表示物が、僅かに異なる位置に結像されることで、見る人に3次元的な印象が与えられる。
特に、本明細書で提示されている技術に基づいて、拡張現実用途さらにはオートモーティブ分野のための3次元画像をコンピュータ支援で生成することができ。ここで有利なのは、偏光素子として3次元フォトニック構造体を有する本願で開示された光電子構造素子が、偏光特性に関してμ-LEDの放射パターンを変化させ、その結果、波長固有の偏光特性または放射方向が異なることに基づき、さまざまな波長の識別を達成できることである。
偏光線は、特にμ-LEDチップのレベルでは、エミッタユニットを用いて基板上で直接生成することができるか、または完全変換により選択性を向上させることができる。これにより、位置決めの際に誤差またはずれを生じさせる可能性のある別個の素子は必要とされない。適切に偏光された光線を発することで、3次元画像の解像度を向上させると同時に、画像生成に必要な部品もしくは照明ユニットを削減することができる。これは、特に、共通の相補的な特性を有する複数の部品の光を、共通の光学系を介してディスプレイ、スクリーン、あるいは見る人の網膜上にも直接結像することで実現できる。特に拡張現実用途および家電製品の分野では、相補的な偏光素子を組み合わせることで、特に好ましくは3次元画像を生成することができる。
いくつかの別の態様では、フォトニック構造体またはフォトニック結晶を使用して、光電子構造素子の遠方界特性を適切に変更することができる。そのため、特に、光出射面を介して電磁放射を発する少なくとも1つの光電子エミッタユニットを備えた配置構造が提案されている。さらに、電磁放射が光出射面を介して出射する前に、電磁放射をビーム整形するためのフォトニック構造体が設けられており、このフォトニック構造体は、電磁放射が特定の定義された遠方界を有するように電磁放射を整形する。
光電子エミッタユニットは、μ-LEDとして形成されている。光電子エミッタユニットは、複数のμ-LEDを備えたアレイを有していてもよい。このように、複数のμ-LEDの上にフォトニック構造体が設けられている。
このように、フォトニック構造体は、この配置構造の光電子エミッタユニットの放射パターンを、ランベルト放射体から遠方界での定義された放射パターンへと変化させる。したがって、電磁放射が特定の遠方界を有するという表現は、特に遠方界において放射パターンが定義されており、ランベルト放射体の放射パターンとは異なることを意味している。この点において、「遠方界」とは、用途に応じて、照明ユニットから少なくとも数センチあるいは数メートル離れた領域を意味し、ここでは磁界と電界とが直交している。
フォトニック構造体は、特に層内に、光出射面の下および/または光電子エミッタユニットと光出射面との間に配置されていてもよい。そのため、光はそこを通過してから、最終的に構造素子から出射する必要がある。そのため、フォトニック構造体はこの配置構造に組み込まれていてもよく、コンパクトに形成することができる。フォトニック構造体は、光出射面に組み込まれていてもよいし、フォトニック構造体の端面が光出射面を形成していてもよい。
いくつかの態様では、フォトニック構造体は、1次元フォトニック構造体、特に1次元フォトニック結晶である。例えば、フォトニック構造体は、電磁放射が第1の空間方向に関して少なくともほぼコリメートされるように構成されていてもよい。したがって、少なくとも第1の空間方向に関しては、コリメートされたビームを生成することができる。
放射方向から見て、光出射面の下流側にコリメーション光学系が配置されていてもよく、光学系は、第1の空間方向と直交する更なる第2の空間方向に電磁放射をコリメートするように形成されている。第1の方向と第2の方向とは、平面状の光出射面に平行な互いに直交する方向であってもよい。このように、光出射面から離れる方に向かい、第1の方向と第2の方向の両方に直交する主放射方向に沿って、両方向にコリメートされたビームを生成することができる。
本発明の一構成によれば、フォトニック構造体、特に1次元フォトニック結晶として形成されたフォトニック構造体は、電磁放射の主放射方向が光出射の法線に対してある角度で延びるように構成されていてもよく、この角度は0度ではない。そのため、主放射方向は、光出射面の法線に対して傾斜して延びていてもよい。これにより、少なくとも一方向にコリメートされたビームが、例えば、光出射面から斜めに出射することができる。
1次元フォトニック結晶として形成されたフォトニック構造体は、光出射面の下、特に直下の層に配置されていてもよい。この場合、1次元フォトニック結晶は、光屈折率の異なる2つの材料が一方向に延びる、周期的に繰り返されるシーケンスを有していてもよい。材料はそれぞれ長方形または平行四辺形の横断面を有していてもよい。この場合、材料が互いに接触し合う界面は、光出射面に対して傾斜していてもよい。
このような構造体は、例えば、光出射面を有する基板に、光出射面に対して斜めに互いに平行に延びるトレンチをエッチングすることで形成することができる。このトレンチには、エッチング除去された基板材料とは異なる光屈折率を有する材料を充填することができる。ここでの角度は、光出射面に対するトレンチの傾きに依存していてもよく、トレンチの幅もしくはトレンチの間に残る基板材料の幅は、フォトニック構造体が有効な波長に影響を及ぼす。典型的には、トレンチの幅と、トレンチの間に位置する基材の幅とは、電磁放射の波長に合わせられる。
いくつかの態様では、フォトニック構造体は、2次元フォトニック構造体、特に2次元フォトニック結晶であってもよい。2次元フォトニック構造体の端面が照明ユニットの光出射面を形成していてもよいし、2次元フォトニック構造体が光出射面の下の層に配置されていてもよい。
2次元構造体、特に2次元フォトニック結晶は、電磁放射が遠方界で定義された、特に離散的なパターンを形成するように、電磁放射に影響を与えるように構成されていてもよい。そのため、照明ユニットは、例えば、顔認識のための表面トポグラフィーシステムなどに使用することができる。
前述のように、フォトニック構造体は、光出射面の下の層に配置されていてもよいし、フォトニック構造体の端面が光出射面を形成することで、フォトニック構造体が光出射面の直下にあり、光出射面を一緒に包含してもよい。
フォトニック構造体は、光電子エミッタユニットの半導体層に形成されていてもよい。
光電子エミッタユニットは、変換材料層を含んでいてもよく、フォトニック構造体は、変換材料を有する層に、または変換材料層と光出射面との間の層に形成されていてもよい。
光電子エミッタユニットは、例えばVCSEL(垂直共振器型面発光レーザー:vertical-cavity surface-emitting laser)など、少なくとも1つの光電子レーザーを有することができる。複数のレーザーをフィールド状に配置することも考えられる。
別の観点は、光がエミッタもしくはμ-LEDを離れた後の適切な投影ユニットによる光の案内、すなわち光源からユーザーの目に達するまでの道程に関している。いくつかの解決策では、ディスプレイはユーザーの目線の先にある。これらの解決策は、主にオートモーティブやその他の用途に関連している。仮想的な要素を直接の視線の外側に作り出し、続けてその光をユーザーの目に案内することも可能である。いずれの場合も、ユーザーに投影される画像が十分なシャープさとコントラストを持っていることを確認する必要がある。すなわち、隣り合う2つの画素間で異なるRabeがユーザーに同じ印象を与えるように、画素は互いに分離されている必要がある。
いくつかの態様では、μ-ディスプレイ配置構造またはディスプレイアレイは、例えば、μ-LEDアレイから放出された光を特定の空間方向に向けたり、その発散を低減したり、μ-LEDアレイから放出された光ビーム束の整形を可能にしたりするために、光学系を有している。このために光学系は、例えば、光学レンズまたは/およびリフレクタを含んでいてもよい。例えば、光学系は、放出された光の色を変えるための光学フィルターをさらに含んでいてもよい。さらに、光学系は、放出された光のより良好な均質化を可能にするために、例えば、光散乱手段を含んでいてもよい。
μ-ディスプレイを備えた配置構造は、個々のμ-LED用の光学系、またはμ-LEDアレイの一部もしくは全部のμ-LED用の共通の光学系を有していてもよく、例えば、これらのμ-LEDが発する光を特定の空間方向に向けたり、その発散を低減したり、μ-LEDが発する光ビーム束の整形を可能にしたりする。光学系は、例えば、このために光学レンズまたはリフレクタを含んでいてもよい。さらに、光学系は、例えば、μ-ディスプレイの一部または全部のμ-LEDの放出された光の光色または均質性を変えるために、光学フィルターおよび/または光散乱手段を含んでいてもよい。光学系は、例えば、μ-LEDアレイのμ-LEDに対して共通のキャリア上に配置されていてもよい。
別の観点では、発光ディスプレイが直接視線に入ってこない場合には、光の案内の態様が考えられる。このために、発光デバイスの下流側で、異なる色の光を発する少なくとも2つの発光デバイスを有する導光体配置構造が提案されている。
この配置構造は、発光デバイスから生成された光が導光体にカップリングされるように配置された第1および第2の細長い導光体を含んでいる。このために導光体配置構造は、さらに、第1の細長い導光体に隣接して配置され、第1の色の光を第1の細長い導光体に取り込まれるように構成された第1の取り込み素子をさらに備えている。第2の取り込み素子は、細長い第2の導光体に隣接して配置され、第2の色の光を細長い第2の導光体に取り込まれるように構成されている。第1および第2の細長い導光体の各々の対応する先端部分には、対応する取り出し素子が配置されている。これらは、光をユーザーの目に導くものである。導光体素子は、ユーザーの視界を損なうことなく、ユーザーの直接の目線に配置され得るように、透明な材料を有していてもよい。取り込み素子および取り出し素子は、別個の要素として実装されていてもよいし、例えば、対応する導光体上のコーティングとして実装されていてもよい。
発光デバイスは、μ-LEDディスプレイまたはμ-LEDディスプレイマトリクスなどを有していてもよい。これらのデバイスは、モノリシックに集積されていてもよい。異なる色のサブ画素が個々のデバイスに統合されていてもよい。別の方法として、複数のμ-LEDディスプレイを提供してもよく、μ-LEDディスプレイの各々は、特定の色の光を生成するように適合されている。この場合、生成された光は、μ-LEDディスプレイの前に置かれた異なる光学系によって組み合わされる。異なるMikoディスプレイを使用することで、異なる色のサブ画素を同じ基板に配置する解決策と比較して、個々の画素のサイズに関する技術的要件を軽減することができる。上記の解決策では、発光デバイスからの光を対応する導光体に選択的に取り込むために、異なる取り込み素子を使用している。一態様では、更なる第3の取り込み素子が提供され、第2の取り込み素子の反対側に配置されている。第3の取り込み素子は、第3の色の光を細長い第2の導光体に取り込まれるように適合されている。異なる取り込み素子は、異なる色の光を対応する導光体に別々に取り込むことを可能にする。分離することで、異なる色または波長の光を処理した場合の問題に対処することができる。この点について、第3の色の光は、第2の色よりも長い波長を有していてもよい。
設計に応じて、導光体に対してずれた位置やオフセットした位置で光が発生することがある。それに従って、発光デバイスで生成された光は、導光体の表面に対して30°~90°、特に45°~90°、特に60°~90°の入射角を有していてもよい。言い換えれば、光が取り込み素子によって導体に取り込まれるとき、光は細長い導光体に対して平行ではない。いくつかの態様では、第1および第2の取り込み素子の少なくとも1つは、対応する細長い導光体の側壁に配置されていてもよい。対応する取り込み素子の寸法は、発光配置構造の異なる画素からのすべての光を取り込むように選択される。
第1および第2の細長い導光体は、互いに実質的に平行に配置されていてもよい。これらは、取り込み素子および取り出し素子のためのスペースを提供するために、当該導光体の間にスペーサー要素を使用して互いに分離されていてもよい。取り込み素子とは別に、対応する導光体の先端部分は、取り出し素子を有していてもよい。細長い第1の導光体の出力部に配置された取り出し素子は、第1の色の光を取り出すように適合されている。細長い第2の導光体の出力部に配置された取り出し素子は、第2の色の光を取り出すように適合されている。さらに、一部の変形例では、第3の取り出し素子が提供されている。第3の取り出し素子は、細長い第2の導光体の出力に、第2の取り出し素子とは反対側に設けられ、第3色の光を取り出す。対応する取り出し素子は、対する取り出し素子によって取り出された光がユーザーの目に向かうように配置されている。取り出し素子のいくつかが異なる色の光に対して透過性であると適切である。例えば、第1の取り出し素子は、第2および/または第3の色の光に対して透過性である。第2の取り出し素子は、少なくとも第3色の光に対して透過性であってもよい。
μ-LEDはサイズが小さいため、光電子構造素子にとっては、効率的なビーム取り出しを実現することが1つの難題となっている。同様に、ビームを光学デバイスに適切に取り込むためには、ビームが出るときには既にコリメートされていることが望ましい。μ-ディスプレイ上の個々の構造素子のサイズが小さいため、個々の素子の前方に置かれる古典的なレンズは実現が困難である。そのため、以下では、湾曲した発光面に基づくフォービエイテッドディスプレイを使用したコンセプトが提示される。それに加えて、低い結像誤差を実現する必要がある。
このコンセプトの出発点となるのが、発光光電子素子と、発光光電子素子によって生成された電磁放射をビーム変換するための光学デバイスとを有する照明配置構造であり、光電子構造素子はマトリクス状に配置された複数の発光領域を含み、各発光領域には主ビーム方向が割り当てられている。
これに関連して、発光光電子構造素子の発光領域の少なくとも一部、好ましくは全部が、その中心が湾曲した面上にあるように配置されている場合、ビーム経路内で発光光電子構造素子の下流にある光学デバイスが簡素化され得ることが認識されていた。一態様では、これは凹状に湾曲した面で達成することができる。本明細書では、発光領域の中心点とは、主ビーム方向と発光領域の電磁放射放出面との交点であると理解される。
一態様では、この湾曲した面は、球体セグメントを形成し、その関連する球心は光学デバイスの光軸上にある。発光領域の中心点を配置するための好ましい凹状の湾曲した面の場合、球心は、ビーム経路の方向で発光光電子構造素子から離間している。あるいは湾曲した面は、回転した円錐曲線面で、例えば楕円面、放物面または双曲面である。
第1の構成では、隣り合う発光領域を互いに傾斜させることで、発光領域の主ビーム方向に互いに角度をつけさせる。第2の別の構成では、主ビーム方向が一致する発光領域が存在し、それらは光学デバイスに対して主ビーム方向に間隔を異にするさまざまなレベルで配置されている。
更なる構成では、光学デバイスが、システム光学系、特に結像投影光学系を形成することが提案されている。このように発光領域を配置することで、システム光学系の像面湾曲の補正効果が向上する。さらに、投影光学系での結像を簡素化することができる。これらのコンセプトの更なる設計として、いくつかの非平面的に配置されたコリメート光学素子が発光領域とシステム光学系との間に設けられている。
一態様では、個々の発光領域が別々のランベルト放射体を形成する。さらに、発光領域の面積は非常に小さく、最大エッジ長さは70μm未満、特に25μm未満である。照明配置構造の一構成では、発光領域の少なくとも1つは、μ-LEDに割り当てられた一次光学素子またはμ-LEDに割り当てられた変換素子の開口部によって形成される。この場合、中心点が曲面上にある発光領域は、モノリシック画素化オプトチップの一部であってもよいし、非平面的なIC基板上に配置された複数の別個のオプトチップの中に配置されていてもよい。
先行技術からは、必要に応じて特別に定められた画像面に画像を表示することができる多数の異なる投影ユニットが知られている。このような投影ユニットは、例えば、いわゆる拡張現実または仮想現実のグラスや、例えば自動車におけるヘッドアップディスプレイに使用される。前述の投影ユニットの特殊な用途では、拡張現実用途およびヘッドアップディスプレイにおいて、見る人から離れた場所で拡大画像が規則的に表示される。それに対して、仮想現実グラスでは、一般に投影光学系がディスプレイを拡大するルーペの機能を担う。
これに関連して、欧州特許出願公開第1544660号明細書および独国特許出願公開第19751649号明細書から自動車用のディスプレイデバイスが知られている。後者では、中間像が焦点ガラスに表示され、更なる光学系を用いて運転者のためにフロントガラスの正しい面に画像を表示する。このようにして、計器類、警告表示または運転者にとって重要な情報を視界に直接表示することが可能となり、運転者が前方から目を離すことなく情報を確認することができる。
ユーザーの目(の中)に画像を転送する別の構成は、仮想網膜ディスプレイ(VNA)とも呼ばれる、いわゆるライトフィールドディスプレイによって実現される。ユーザーの目の前の平面に結像を作り出す通常のディスプレイとは対照的に、ライトフィールドディスプレイは、網膜に直接投影することで目の中に映像を映し出す。
気軽に持ち運べるシステムを実現するために、小型・軽量のフィールドディスプレイを求める声と、高解像度で大視野が欲しいという声は相反する。これまでに、μ-ディスプレイを画像装置とし、マルチチャネル光学系でそれらを結像し、ビーム経路を分割して再整形し、これを網膜上で再結合する配置構造が提案されてきた。ハイブリッド回折-屈折光学系と自由曲面レンズとを用いたこの目的に適したシステムは、Marina Buljan, et al, “Ultra-compact multichannel freeform optics for 4xWUXGA OLED microdisplays”, Proc SPIE 10676, Digital Optics for Immersive Displays, 1067607 (21 May 2018)に記載されている。
それ以外に、異なる色の光が混ざった光を画素が発する投射ユニットも知られている。これらの解決策では、空間的に分離して生成された光が、例えばアクロマートレンズなどの適切な光学素子によって混合され、ビームに結合される。表面にマトリクス状に配置された画素によって色を生成するディスプレイでは、特に高いフィルファクターにおいて、隣り合う異なる色の画素を解像するために、光を十分にコリメートする必要がある。
一方、他の解決策では、充填密度の低いμ-LEDを使用することが提案されている。しかしながら、個々の画素領域を見たときに、スポット照射された部分と暗い部分との差が大きくなってしまう。このいわゆるスクリーンドア効果(Screen-Door-Effekt)は、視距離が短い場合に特に顕著に現れるため、ARグラスまたはVRグラスなどの用途では特に注意が必要である。
位相変調およびビーム整形のために適応光学系を用いた他の解決策は、Jonathan D. Waldern, “DigiLens switchable Bragg grating waveguide optics for augmented reality applications, ” Proc. SPIE 10676, Digital Optics for Immersive Displays, 106760G (May 21, 2018)が引用している。切り替え可能なブラッググレーティング(switchable bragg gratings - SBG)で形成された回折光学素子(DOE)を内蔵したHMD用導波路が提案されている。SBGを作製するために、液晶がポリマーに埋め込まれ、ホログラフィックプロセスによる重合前のモノマー出発材料に液晶相を受け入れるためのパターン形成キャビティが作り出される。マトリクスの固化後、電界によって液晶を整列させ、その結果、屈折率を変化させることでビーム偏向が切り替えられる。
VR HMD用の別の調整用光学系については、R. E. Stevens, et al., “Varifocal technologies providing Prescription and VAC mitigation in HMDs using Alvarez Lenses”, Proc. SPIE 10676, Digital Optics for Immersive Displays, 106760J (21 May 2018)に記載されている。ビデオガラスのビーム経路を調整するために、アルバレスレンズペアを使用することが開示されている。
判明している問題点をもとに、更なる解決が提案される。この場合、ビーム案内およびビーム整形に使用される光学系は、光学的損失が大幅に削減されるように、可能な限り高い効率を有していることが重要であると考えられている。
したがって、一態様は、光電子発光デバイスと投影光学系とを備えた投影ユニットに関するものであり、光電子発光デバイスは、可視光線を放出するための画素を有するマトリクスを含んでいる。各画素は、発光スペクトルの異なる複数のμ-LEDを含んでいるため、異なる色のサブ画素が形成される。これに関して、各μ-LEDは別個に駆動制御可能で、本願で開示されているドライバ回路に場合によっては接続されていてもよい。いくつかの態様では、画素を有するマトリクスは、本明細書で開示されている構造体を有する1つ以上のμ-LEDモジュールを含む。例えば、マトリクスは、本明細書で開示されているようなアンテナ構造またはインゴット形状を有していてもよい。取り出し性および指向性を向上させるために、透明なカバー電極、フォトニック構造体などのさまざまな措置が施されていてもよい。一構成では、マトリクスは、キャリア基板に取り付けられた画素モジュール(それぞれが3つのサブ画素を有する)によって形成されてもよい。キャリア基板は、リードおよび駆動制御回路を含み、マトリクスとは異なる材料系で作製されていてもよい。
さらに、各画素には別個のコリメーション光学系が割り当てられており、フィルファクターを高めるために投影光学系の上流側に接続されている。本発明によれば、コリメーション光学系は、投影光学系の上流のビーム経路において、それぞれの画素のμ-LEDの拡大および互いに重畳された中間像が生成されるように形成されている。これにより、各画素に割り当てられたコリメーション光学系は、画素の照度を高めるだけでなく、さらに、サブ画素を形成するμ-LEDの放射光束を空間的に補正し、サブ画素中間像を可能な限り正確に重ね合わせることが可能となり、ビーム経路に続く投影光学系への光取り込みを効率的に行うことができるようになる。このような光学系は、本明細書で提示されているコンセプトである冗長なサブ画素素子の提供にも適していることをここで述べておく。
コリメーション光学系は、同じ画素に属するμ-LEDの中間像の重なり具合を可能な限り高くなるように構成するのが好都合である。画素のμ-LEDの中間像の重なりは、その中間像面積の少なくとも85%、さらに少なくとも95%が適切であることがわかっている。
さらに、μ-LEDの中間像が仮想中間像である構成が好ましい。一観点では、コリメーション光学系は、サブ画素の仮想像の大きさが画素の大きさに対応するように、サブ画素の仮想像を生成する。さらに、コリメーション光学系は、1つの画素のμ-LEDと投影光学系との間に配置されていることが好ましい。
異なる色に発光するμ-LEDの光は、画素の表面積を等しく占めていてもよいし、サブ画素がそれぞれ占める表面積は、発光に合わせて、異なるサイズになっていてもよい。一構成では、緑色の光を発するサブ画素が、他の2つのサブ画素と比較して、画素の最大表面積を占めていること、または少なくとも緑色の光がより大きな表面積で放出されることが提案されている。これは、目が緑色に最も敏感であるという事実に基づいている。さらに、RGBの画素のうち、赤色の光のサブ画素で占められる表面積が、青色の光のサブ画素で占められる表面積よりも大きいと好都合である。本構成形態によれば、緑色の光は赤色の光よりも大きな画素の表面積で放出され、赤色の光は青色の光よりも大きな画素の表面積で放出される。提案された画素のコリメーション光学系により、投影光学系の前のビーム経路に、高い重なり具合を有する中間像が生成される。
別の態様によれば、小型構造のμ-LEDを使用することで、個々の画素の中に光を発しない大きな表面積ができる。好ましくは、1つの画素の半導体照明デバイスの占有率は、画素面積の30%以下、特に好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下である。このようにして、各画素間の光学的および電気漏話が防止される。有利には、サブ画素は、画素の縁部に直接位置せず、互いに隣接しないように配置されている。μ-LEDという用語には、μ-LEDだけでなく、色変換されたμ-LEDまたはこのようなエッジ長さを有するVCSEL、または光導波路エンドピースが照明されたμ-LEDも含まれる。このようなμ-LEDと見なされるスロット型アンテナ構造体についてもここで述べておく。
ここで、各画素に割り当てられたコリメーション光学系は、サブ画素により生成された光が事前にコリメートされたビーム束に変換されるという利点を提供し、このビーム束は、続けて少なくとも1つの更なる光学素子による画像の生成に有利に利用される。このように、少なくとも1つの適切なコリメート光学素子を使用することで、事前にコリメートされた光ビームを生成することができ、サブ画素が発する個々の光ビーム間の光漏話も防止または少なくとも低減される。
一構成では、コリメーション光学系が、画素の表面上の3つの半導体照明デバイスの位置の違いを補正する少なくとも1つのホログラフィック光学素子(HOE)を含むことが提案されている。代替的または補足的に、この機能をコリメーション光学系の一部である屈折型光学素子(ROE)で実現することも考えられる。同様に、画素の中間像において被照明面上の半導体照明デバイスの位置の違いを適切に補正するために、補足的または代替的に回折型光学素子(DOE)を使用することも考えられる。
別の態様では、投影ユニットがさらに発展させられる。一構成では、投影ユニットは、ビーム経路内のコリメーション光学系の下流側の投影光学系を含む。投影光学系を用いて、コリメーション光学系により生成された個々の中間像から、画像または更なる中間像が生成され、これは、見る人に所望の情報を表示するために、直接または後加工された形で使用される。この場合、投影光学系は、例えば偏向ミラー、ビームスプリッタおよび/またはレンズなどの適切な光学素子を有しており、これらの光学素子は、有利には駆動制御ユニットによって駆動制御され、必要に応じてビーム偏向および/またはビーム再整形を行うために、特定的に移動させることができるため、例えば自動車のフロントガラスの前のディスプレイ、マットスクリーンおよび/または仮想画像上に、情報が理解しやすく、知覚しやすい形で提示される。
先に説明した構成形態の少なくとも1つによる提案された投影ユニットは、拡張現実用途用、仮想現実用途用および/またはヘッドアップディスプレイにおける画像の生成に使用することができる。特に、この投影ユニットは、見る人が頭部に装着する拡張現実グラスおよび/または仮想現実グラスに搭載することができる。
ディスプレイに光を案内して仮想画像を生成する以外にも、ユーザーに情報を送信する別の可能性がある。これは、目がその知覚領域において均一な解像力を有していないという認識に基づいている。むしろ、目はその中心窩の部分では非常に高い空間認識能力と色覚とを有している。しかしながら、これは角度が大きくなるほど低下し、周辺視野領域(約20°~30°)では、空間分解能と色覚との両方が低下する。従来のディスプレイでは、この点はそれ以上考慮されていない。すなわち、個々の画素の数と大きさとは、行全体もしくはすべての列にわたって実質的に一定である。
中心窩は視覚窩とも呼ばれ、成人のヒトの網膜上の黄斑の中心部にある直径約1.5mmの陥没した部分で、直接神経回路も有する光受容体の表面密度が高いことが特徴である。この点について、中心窩には昼間の視覚に適した錐体のみがあり、緑色のスペクトルにはM錐体、赤色の光にはL錐体が主に使われている。
本出願は、眼の解像力の違いを考慮した新規のコンセプトを開示している。これには、適切な光学系による異なる解像度の生成に加えて、可変画素密度の解決策も含まれている。
以下のコンセプトでは、目の網膜上の解像力を考慮した光案内配置構造を提供することで、画素密度とサイズとの点でμ-ディスプレイの要件を軽減するアプローチが追求される。
これに関連して、提案されている光案内配置構造は、少なくとも第1の画像と第2の画像とを生成するための少なくとも1つの光電子画像装置、特にμ-ディスプレイを含んでいる。さらに、第1の解像度を有する第1の画像の第1のイメージをユーザーの目の網膜の第1の領域に投影し、第2の解像度を有する第2の画像の第2のイメージを網膜の別の第2の領域に投影するように形成された少なくとも1つの結像光学系が提供され、ここで、第1の解像度は第2の解像度とは異なる。
第1の画像と第2の画像とは、一続きの画像のそれぞれの画像または一連の画像であってもよい。画像は、特に、見る人がシーンもしくはフレームとして知覚する一続きの画像または一連の画像のうち、少なくとも2つの連続した画像であってもよく、通常、個々の画像は、目が個々の画像として知覚せず、シーンもしくはフレームとして全体的にのみ知覚するように、非常に速く表示される。第1の画像と第2の画像とは、それぞれが部分的な画像であったり、組み合わせて全体の画像を形成する画像部分であったりしてもよい。この場合、第1の画像は第1の解像度を有する第1のサブ画像を有し、第2の画像は第2の解像度を有する第2のサブ画像を有することができる。このように、見る人の目には、それぞれ第1と第2の画像とが異なる解像度で映っている。
提案された光案内配置構造では、第1の解像度を有する第1のイメージを第1の領域に投影し、第2の解像度を有する第2のイメージを網膜の第2の領域に投影することができる。これにより、網膜の異なる領域に、網膜の生理機能に適合した解像度の画像を照らすることができる。例えば、一方のイメージは網膜の外側の領域に比較的低い解像度で投影され、他方のイメージは網膜の中央の領域に高い解像度で投影されることができる。
そのため、提案されている光案内配置構造では、網膜の異なる領域に対して異なる解像度の投影画像を提供することができ、目にはそれ以上解像できない画素になる解像度を実現することができる。他方で、例えば、網膜の各部位における解像度を、網膜の実際の受容体密度に合わせることができるため、いわゆるオーバーサンプリングを回避することができる。このように、光電子画像装置は、高解像度の画像を全面で提供する必要がないため、よりシンプルなものにすることができる。
特に、画像のイメージは、網膜の総面積にわたって一定の解像度で生成することはできない。むしろ目の解像力は網膜の周辺部の方が中心部よりも低いことが考慮に入れられる。これは、網膜の総面積にわたって一定の解像度のイメージを生成するシステムよりも特に有利である。その箇所では一定の画素密度が提供されているため、視野の周辺部の解像度が目で認識できるよりも高いか、網膜の中心部の解像度が低すぎて良好な画像認識ができないかのどちらかになる。
それぞれのイメージが投影される領域、特にそれぞれのフレームについては、いわゆるスキャン方法を用いることができ、特にそれぞれの全体像またはフレームを生成するために、網膜全体が徐々に掃引される。そのため、特に第1および第2の領域などの領域は、網膜の総面積よりも小さい。
また、1つのフレームに対する少なくとも1つのイメージ、特に第1または第2のイメージが、網膜の総面積を埋めることが提供されていてもよい。したがって、例えば第1の領域または第2の領域などの少なくとも1つの領域は、網膜の総面積に一致していてもよい。
結像光学系またはその部品と画像装置とは、目が全体像として認識する第1の画像と第2の画像とを含む少なくとも1つのフレームが生じるように同期されていてもよい。網膜、目およびユーザーは光電子デバイスの一部ではないことが理解される。
少なくとも1つの画像装置もしくはμ-ディスプレイによって生成された第1および第2の画像は、網膜の第1および第2の領域に投影されかつ網膜内で第1および第2の画像として現れる画素の総数を有していてもよい。このように、第1のイメージおよび第2のイメージの解像度は、画素数とそれぞれの画像が網膜上に投影される領域の面積との比率によって得られる。この場合、各画像には、その画像を網膜の各領域に投影するための解像度が設定されている。
少なくとも1つの画像装置で生成された画像は、画像装置を出るときにそれぞれの画像装置の画素数に応じて同じ解像度を有し、結像光学系で画像を拡大または縮小することによってのみ、網膜上に投影されるそれぞれの画像の解像度が異なる。
例えばDLPまたはLCDなどの画像装置で生成されたイメージを網膜全体に投影する従来の場合と比較して、本コンセプトによる光案内配置構造は、画像装置としてよりコンパクトな部品を使用したり、より少ない画素またはより小さな画像装置の対角線を使用したりすることで、視覚体験を制限することなく、目の感度に対応して、目では解像できない異なる解像度の複数の画像のフレームを網膜上に投影することを可能にし得る。
各画像で構成されたかかるフレームはシーンとも呼ばれ、画像は目の網膜上に同時または逐次的に投影されることができる。順次表示される画像では、通常、目には1つの全体像として認識されるほどシーンが高速になる。典型的なリフレッシュレートは60Hzまたは120Hzで、画像1つあたりの表示時間は1フレームの何分の1かで、1フレームあたり2~100枚、好ましくは5~50枚の画像が表示される。
画像装置は、例えば、μ-ディスプレイの形で、数μmの範囲、100μm×100μm以下の範囲の寸法の画素サイズを有するように構成されていてもよい。このような画素サイズは、μ-LEDを含むディスプレイで実現できる。2つの画素間の距離は、約1μm~5μmの範囲であってもよく、画素サイズ自体は70μmよりも小さく、例えば20μmよりも小さく、または3μm~10μmの範囲であってもよい。
あるいはこのような画素サイズは、モノリシック画素化アレイに基づくディスプレイでも実現可能である。したがって、画像装置はモノリシック部品で構成されていてもよいが、個々の画素は個別に駆動制御される場合もある。アレイはRGBアレイであってもよい。各色(特にRGBカラー)ごとに別々のアレイが企図されていてもよい。例えば、画素のサイズは数ミクロン~最大50ミクロンの範囲で、ほぼシームレスに互いに隣接していてもよい。このような画像装置では、画素の数は1000~50000の範囲で、画素は好ましくは直接隣接している。モノリシック画像装置を使用することで、コンパクトな素子を実現することができる。
少なくとも1つの光電子画像装置は、m×n個の画素を有するμ-LEDの配置構造によって形成することができる。この場合、mおよびnは、50~5000の範囲、好ましくは100~1000の範囲の値を取り得る。画素のサイズや隣り合う画素間の距離(ピッチ)は一定であってもよい。ピッチの典型的な値は、1μm~70μmの間、好ましくは2μm~30μmの間、特に好ましくは2μm~10μmの範囲であり得る。
少なくとも1つの光電子画像装置は、少なくとも1つの原色を有するサブ画素を有していてもよいが、好ましくは3つの原色の赤色、緑色、青色(R、G、B)を有するサブ画素である。3つのすべての原色のサブ画素が1つの画素を形成している。サブ画素の数や面積あたりの密度は異なっていてもよい。例えば、目の感度は主に緑色の範囲にあるため、複数の緑色のサブ画素が企図されていてもよい。
同様に、本願で提案されているアンテナ構造も考えられる。同様に、本明細書で開示されているようなμ-ロッドや、その間に色素を介在させた光電子構造素子も可能であろう。μ-LEDでは、画素間の距離を大きくとることもできる。例えば、隣り合う画素間の距離が、画素サイズの1倍~5倍の範囲内に収まるような配置も考慮される。このような形状や構成が本願では開示されている。
かかるディスプレイを使って、網膜の画像領域全体に高解像度の画像を投影することができる。しかしながら、特にHD(1920×1080ピクセル)範囲の解像度を実現するためには、このようなディスプレイの作製と統合とに高い要求が課せられる。本発明による光案内配置構造は、そのような高解像度のディスプレイを画像装置として使用することを可能にする。しかしながら、既に説明したように、網膜上ではより高い解像度が得られるため、低解像度の画像装置を使用することもできる。
第1の、特に高い解像度が達成される第1の領域は、第2の、特に低い解像度が達成される第2の領域よりも網膜の中心部に位置するか、または中心部に近いところに位置していてもよい。第1の解像度が高いのは、網膜の中心部での受容体密度が高いことを考慮してのことである。
第1の領域と第2の領域とは、第2の領域が第1の領域を同心円状に取り囲むように網膜上に配置されていてもよい。したがって、網膜の中心部にある第1の領域は、例えば円の形をしている。これは、少なくとも1つの第2の領域によって同心円状に、例えば環状に囲まれていてもよい。そのため、個々の画像は、網膜上で同心円のように互いを取り囲んでいてもよく、部分的に重なっていることも可能である。
結像光学系は、第1のイメージを生成するための第1の画像の光ビームを網膜の第1の領域に指向し、第2のイメージを生成するための第2の画像の光ビームを網膜の第2の領域に指向するビームステアリング装置を有していてもよい。画像装置によって生成された画像は、ビームステアリング装置によって、それぞれの企図した網膜領域に投影されてもよい。ここで、画像装置で表示される画像に応じて、ビームステアリング手段を駆動制御するコントローラが設けられていてもよい。
ビームステアリング装置は、ビームステアリングのために少なくとも1つの可動式および/または固定式のミラーまたは同等のリフレクタ素子を有していてもよい。例えば、可動式ミラーは、1軸、2軸、3軸または4軸以上の軸、好ましくは1軸または2軸を中心に傾けられるように構成されていてもよい。コントローラは、画像装置が表示する画像に応じてミラーの位置を制御してもよい。
ビームステアリング装置は、ビームステアリングのために少なくとも1本、好ましくは少なくとも2本のグラスファイバーを有していてもよい。グラスファイバーは固定して配置されていてもよい。画像装置から放出された光ビームは、画像に応じて異なるグラスファイバーに取り込まれることができる。各グラスファイバーは、網膜の特定の関連領域を照らすことができる。したがって、画像のイメージは、光ビームを取り込んで画像を形成するグラスファイバーに割り当てられた網膜の領域に表示される。
結像光学系は、第1の画像および第2の画像の光ビームを網膜のそれぞれの領域に集束する少なくとも1つのビーム整形装置を有していてもよい。第1の画像の光ビームは、第2の画像の光ビームよりも多く集束されることができる。その結果、網膜上の第1の画像から形成された第1のイメージは、焦点があまり合っていない第2のイメージよりも小さな領域に表示される。そのため、第1のイメージは第2のイメージよりも解像度が高くなっている。
ビーム整形装置は、少なくとも1つの集束光学系または拡大光学系を含んでいてもよく、少なくとも2つの異なる倍率が企図されていてもよく、好ましくは3~10の異なる倍率が提供される。ビーム整形装置の最大倍率と最小倍率とは、例えば、1.1~10倍、好ましくは1.5~5倍、特に好ましくは1.8~3倍の差があってもよい。結像光学系は、少なくとも第1のビーム整形素子と第2のビーム整形素子とを含んでいてもよい。第1のビーム整形素子は、第1の画像の光ビームを集束し、第2のビーム整形素子は、第2の画像の光ビームを集束してもよい。
例えば、少なくとも1つの第1および第2のビーム整形素子は、レンズ、特に収束レンズおよび/または発散レンズから形成されてもよい。同様に、少なくとも1つの第1および第2のビーム整形素子が、複数の小さな収束レンズおよび/または発散レンズを有していてもよいセグメント化されたレンズから形成されていることも可能である。古典的な構造様式のレンズに加えて、他の適切な光学素子、例えば平坦な光学素子、例えば金属レンズなどもビーム整形素子として考えられる。
少なくとも1つの第1の画像と少なくとも1つの第2の画像とは、特に同じ画像装置上で時間的に連続して表示されることができる。網膜の異なる領域は異なる時間に照明されることができるため、こうして得られた目のための合成された全体像が、走査プロセスによって網膜上に生成されることができる。これにより、少なくとも第1および第2の画像もしくはイメージを含む1つのシーンの中で網膜を少なくとも実質的に完全に照明することができる。
第1の画像と第2の画像とは、少なくとも実質的に同時に、特に少なくとも2つの異なる画像装置で表示することがある。このようにして、第1のイメージと第2のイメージとを網膜の対応する領域に同時に投影することができる。このために、第1の画像と第2の画像とは、異なる画像装置で少なくとも実質的に同時に生成され、それぞれの関連するビームステアリング装置を介して、企図した網膜領域に投影することができる。有利には、ビームステアリング装置は、例えば可動部を省くことができるため、シンプルに構成することができる。さらに、複数の画像装置からの画像を関連する網膜領域に結合することで、網膜の各領域において簡単な方法で適合された解像度を実現することができる。
光電子デバイスは、画像装置によって提供されるそれぞれの画像に応じて結像光学系を駆動制御するように構成された少なくとも1つのコントローラを含んでいてもよい。
ユーザーの目(の中)に画像を転送する別の構成は、仮想網膜ディスプレイ(VNA)とも呼ばれる、いわゆるライトフィールドディスプレイによって実現される。ユーザーの目の前の平面に結像を作り出す通常のディスプレイとは対照的に、ライトフィールドディスプレイは、網膜に直接投影することで目の中に画像を生成する。
むしろ、本明細書で提示されているコンセプトでは、ラスター画像を生成するための光電子デバイスと、ラスター画像をユーザーの目に直接網膜投影するための光学モジュールとを含むライトフィールドディスプレイが提案されている。小型化しつつ画像解像度を向上させるために、ユーザーの網膜に2次元的に投影される第1のラスターサブ画像に加えて、第1のラスターサブ画像よりも高解像度で小さな空間的広がりを有する第2のラスターサブ画像がユーザーの目の中心窩に結像されるという認識に基づいた動作方法が提案される。
この場合、投影は、少なくとも中心窩をカバーし、構成変形例では、中心窩の周囲の傍中心窩に割り当てられた更なる領域に画像を描画してもよい。これにより、中心窩の位置に対する第2のラスター画像のある種のセンタリング誤差(Zentrierungsfehler)がユーザーの目に認識されないことになる。網膜に投影される第2のラスターサブ画像の最大直径は、5mm、好ましくは4mm、特に好ましくは3mmであることが好都合である。
提案されているコンセプトのいくつかの態様では、ライトフィールドディスプレイは、第1のラスターサブ画像を生成する第1の撮像ユニットと、第2のラスターサブ画像を生成する第2の撮像ユニットとを含む。網膜に投影されるラスター画像は、第1のラスターサブ画像と第2のラスターサブ画像とを含む。したがって、適合された解像度で異なる網膜領域に結像される更なるラスターサブ画像が存在し得る。これにより、ラスターサブ画像の網膜投影が重なり合って実行される構成が可能となる。
一構成では、網膜投影ラスター画像は、第1のラスターサブ画像と第2のラスターサブ画像とで構成され、第1のラスターサブ画像は、中心窩の領域に暗部を有し、そこに第2のラスターサブ画像が調整用光学系により高解像度で重ね合わされる。調整用光学系は、第1のサブラスター画像の網膜投影に対する第2のサブラスター画像の網膜投影の相対的な位置を調整できるように形成されている。このために調整用光学系の有利な構成は、切り替え可能なブラッググレーティングを有している。いくつかの態様に従った更なる構成では、調整用光学系は、アルバレスレンズ配置構造、特にモアレレンズ配置構造を備えた回転可能なバリアントを含んでいる。この場合、ビームのたわみは、放射方向zと横方向x,yについて、例えばz=ax2+by2+cx+dy+eによって近似されるそれぞれの位相板レリーフの一次導関数と、横方向x,yにおける2つの対で配置された位相板のオフセットとによって決定される。別の構成では、調整用光学系にピボット可能なプリズムまたは同じ機能を持つ他の素子が企図されている。
更なる構成では、ライトフィールドディスプレイの光学モジュールは、第1の撮像ユニットおよび/または第2の撮像ユニット用のコリメーション光学系を有している。好ましくは、調整用光学系は、少なくとも部分的に、特に好ましくは全体的にコリメーション光学系内に配置されている。いくつかの態様では、調整用光学系が、コリメーション光学系と導波路との間に少なくとも部分的に存在していてもよい。特に平坦な構成では、導波路の中に少なくとも部分的にまたは全体的に配置された調整用光学系が使用される。
提案されている原理によるライトフィールドディスプレイでは、第1の撮像ユニットおよび/または第2の撮像ユニットは、発光ダイオードのマイクロアレイによって形成される。そうして、特に高解像度のμ-LEDモジュールもしくはμ-ディスプレイとその駆動制御部品は、投影面積が限られていることから、小型構造の構成とすることができるため、省スペースの配置構造が可能になるという利点が得られる。一構成では、第2の撮像ユニット用のμ-LEDモジュールは、少なくとも中心領域が、中心窩の錐体で検出され得る緑色および赤色のスペクトル領域のみで光を生成する画素を有することで、構造上簡素化することができる。
一構成において、いくつかの更なる態様では、ライトフィールドディスプレイに、ユーザーの目における中心窩の位置を決定するための測定装置が割り当てられている。これは、網膜を測定するためのIR照射を含んでいてもよい。特に、撮像方法によって中心窩の位置を決定する装置が企図されていてもよい。瞳孔の位置から眼球の光軸を測定したり、より視認性の高い視神経乳頭の網膜上での位置を検出したりすることで、間接的に位置を把握することも可能である。平均的な成人の中心窩の中心点は、視神経乳頭の中心部から横方向(側頭側)に4.5mm(15°)横方向の間隔を空けて、近位方向に0.65mm(2°10‘)縦方向にずれた位置にある。
ライトフィールドディスプレイの更なる設計として、中心窩への第1のラスターサブ画像の投影のトラッキングが動的に実行され、その結果、ユーザーの視線の方向に追従することになる。このために眼球運動検出装置と調整用光学系のためのレギュレーション装置とが企図されている。可能な構成では、眼球運動検出装置は、中心窩、または瞳孔軸もしくは視神経乳頭などの眼球内の別の基準点の画像測定装置を有している。さらに、レギュレーション装置は、眼球運動のモデルが記憶されており、重ね合わされた画像データを追加処理する予測装置をさらに有していてもよい。これにより、ユーザーが視線を向ける可能性の高い画像の移動物体を検出し、この情報を動作モデルに反映させることができる。
更なるコンセプトは、人間の目は、色覚と空間分解能との両方の点で、視覚範囲のどこでも同じように見えるわけではないという事実に基づいている。特に、目の色覚は視覚範囲内で変化するため、良好な空間分解能と良好な色分解能とは、ディスプレイの中心部の領域でのみ必要となる。その結果、従来のディスプレイまたは画素配置に比べて、消費電力を下げることができる。さらに、視覚体験を制限することなく、よりコンパクトな部品が可能になる。
したがって、撮像素子は、眼球内のそれぞれの領域に必要とされるだけの解像度を有していればよい。
そこで本出願では、画素密度が可変の撮像素子を提供し、適切な光学系を用いた走査により画像を生成することを提案している。例えば、撮像素子は、極角φを走査することで実際の画像が生成されるように、画素密度が可変のリニア撮像素子と適切な光学系とを含んでいる。リニアアレイで表示された画像ストリップを光学系で「回転」させることで、画素単位の解像度を有する円形の2次元画像を見る人に見せることができる。これは、目の感度に応じて、中心部からの距離が長くなるにつれて減少する。リニア撮像素子は、例えば、μ-LEDの配置構造またはモノリシック画素化RGBアレイであってもよい。後者はモノリシック部品であり、個々の領域を個別に駆動制御することができる。本出願に開示されているμ-LEDまたはモジュールの構成は、かかる配置構造に特に適している。高解像度を実現するためには、μ-LEDもしくは画素のサイズが、目の見える範囲の中心部で可能な限り小さくする必要がある。周辺部では、ここでも目の感度が低いため、より粗い解像度でも十分足りる。この場合、周辺部では目の色覚も大きく制限されるため、色の再現性が大幅に低下し、極端な場合には緑色の光だけに制限されることもある。
いくつかの態様では、特に極座標におけるディスプレイ用の画素アレイが提案されている。これは、軸線上の始点を起点として始点を通るように少なくとも1行に配置された複数の画素素子を含んでいる。複数の画素素子は、それぞれ高さと幅とを有している。ここで、少なくとも画素の幅は、隣り合う2つの画素の中心間の距離として定義されており、始点から離れる行に沿って画素素子の幅が大きくなるように可変である。言い換えれば、個々の画素素子は、定義された始点から遠ざかれば遠ざかるほど、幅が広くなるということである。この行、一構成では2つ以上の行を重ねて、ディスプレイを表現することができる。これに関連して、「画素」という用語は、少なくとも1つの光源を含む、所定のサイズのアドレス指定可能な画像素子を意味する。この場合、光源は、画素と同じサイズのものもあれば、より小さいものもある。このように、画素内の光源の活性面積を変えたり、希釈度を上げたりすることで、幅を広げることができる。言い換えれば、距離が長くなると、光面はそのままで所定の大きさが大きくなったり、所定の大きさはそのままで発光面積が小さくなったりする。
一態様では、幅だけでなく、高さも可変であってもよい。例えば、画素の高さは、始点からの距離が長くなるにつれて高くなるように設定することもできる。
ストリップアレイから出てくる(光ストリップを形成する)光を回転させることで、始点を中心に回転する光を作ることも企図されていてよい。この回転が十分に速い場合、結果として、実質的に円形のディスプレイが生じ、目の焦点の中心は実質的に始点に位置することになり、これは同時に回転点でもある。一構成では、可変高さは、光ストリップの回転により、ある位置から次の位置まで画素素子の位置が隣り合うように選択されている。
一態様では、始点は真ん中の中心点を形成し、複数の画素素子は、軸線に沿って中心点の周りに対称的に一行に配置されている。本構成は、上記構成と同様である。ただし、回転はもはや360°ではなく、180°でなければ完全な画像は得られない。そのため、同じ回転数でより高いリフレッシュレートを実現することができる。あるいは光学系を簡素化することもできる。というのも、これは縮小された角度範囲でのみ回転する必要があるからである。
別の態様では、アレイには複数の原色の画素が含まれているため、マルチカラーディスプレイを実現することができる。これは、同じ1つの行の中で色を交互に配置することで選択的に行われるか、またはアレイは、異なる原色の画素を収容する主要な行の下に更なる追加の行を含む。有色画素はサブ画素でも形成することができ、異なる色の3つのサブ画素を組み合わせて1つの画素にすることができる。これが従来のμ-ディスプレイの手法である。しかしながら、本願のケースでは、光の生成と案内のコンセプトが異なるため、簡単のために画素とサブ画素とは同義に用いている。
別の態様は、目の色覚が、空間分解能だけでなく、位置によっても変化することに関するものである。一般的に、この態様はさまざまな方法で実現することができる。例えば、一構成では、1つの行に隣り合う2つの画素が異なる色を有している。例えば、複数の画素素子は、少なくとも3つの異なる色を含んでおり、それぞれの色の画素(またはサブ画素)の数は異なっていてもよい。これは、例えば、緑色、赤色、青色および黄色といった色であってもよい。目の色の感度が低下することを考慮して、異なる色の画素数を距離が長くなるにつれて同様に変化させてもよい。例えば、緑色の画素は、始点からの距離が長くなるにつれて、他の色の対応する画素よりも多くなる場合がある。
これにより、一般的に、軸線に沿った多数の画素の色分布が変化させられる。例えば、中心部、すなわち始点に近い色は均等に分布しているが、外側に行けば行くほど、目が敏感なままである色が支配的になる。
代替的な構成では、複数の画素素子のうち第1の数の画素素子が第1の行に配置され、第2の数の画素素子が少なくとも第2の行に配置される。第1の行における画素と第2の行における画素とでは色が異なる。3つの行あるいは4つの行の画素素子を配置し、各行の画素を異なる色にしてもよい。
同様に、少なくとも2つの行の各々が、すべての色の画素素子を有することを企図していてもよい。しかしながら、これは行ごとに配置が異なり、各行のn番目の画素の色が異なるようになっている。これは、行を回転させて全体像を生成する場合に好都合であり得る。
一構成では、行は軸線に対して実質的に平行に配置されている。一態様では、少なくとも2つの行のうち、第1の行が軸線の中心に配置され、それから第2の行が中心に配置された行の下に続き、更なる行が上に続くこともある。しかしながら、すべての行を共通の始点で、互いに定義された角度で提供することも同様に可能である。これにより、各行は軸線に沿って配置されるが、互いに平行には配置されない。例えば、3本の行が共通の始点を持ち、60°の角度をなしていてもよい。
更なるいくつかの態様は、異なる色の画素の分布に関している。この点において、第1の行と少なくとも1つの第2の行とには、同じ数の画素が存在している必要はない。例えば、第1の行における複数の画素素子の第1の数は、少なくとも1つの第2の行における複数の画素素子の第2の数とは異なる。例えば、第1の行の画素と第2の行の画素とでは、光源の活性面積が異なっていてもよい。この態様は、特に各行の範囲で、すなわち始点から所定の距離で目の感度に応じて実現することができる。
特に、一態様では、第1の行および第2の行の少なくともいくつかの画素は同じ幅を有し、第1の行のn番目の画素から、その幅は第2の行のn番目の画素の幅とは異なる。一構成では、1つまたは複数の行は、アレイの各画素を個別に駆動制御できる画素化アレイとして構成されている。かかるアレイは、モノリシック構造部材として構成されていてもよい。あるいは個々の画素素子はμ-LEDで実装されていてもよい。
別の態様は、画素マトリクスに関している。上述したように、ディスプレイおよび画像の形成には、画素アレイを使用し、このアレイで生成された光ストリップを回転させれば十分である。同様に、特に極座標におけるディスプレイ用に、少なくとも2つの画素アレイを有する画素マトリクスも提案されている態様がいくつかある。少なくとも2つの画素アレイは、共通の中心点を有しており、すなわち、それぞれの始点は同じである。さらに、2つの画素アレイは、互いに定義された角度を形成している。例えば、画素アレイ間の角度は、2つの画素アレイの場合は90°、3つの画素アレイの場合は60°であってもよい。
別の態様は、極座標でのディスプレイ配置構造に関している。このような配置構造は、画素アレイまたはマトリクスと、動作中の画素アレイによって生成された光ストリップを方向転換および回転させるための光学系とを含んでいる。この光学系は、少なくとも2つの軸線を中心に移動可能なミラーを含んでおり、これは、画素アレイまたは画素マトリクスの主放射方向に配置されており、行状に配置された画素からの放射光を始点に対応する点を中心に回転させるように構成されている。
最後に、最後の態様は、画素アレイまたは画素マトリクスを動作させる方法に関している。このために、複数の画素素子を行状に配置した第1の光ストリップを生成し、この光ストリップを目標位置に案内する。それから、第2の光ストリップが生成される。第2の光ストリップは、一定の角度および回転点で回転させられ、この回転点は、行状に配置された画素素子の始点に対応している。このようにして回転させた2つの光ストリップを、目標位置に案内する。一構成では、光ストリップの回転は、1つ以上のミラーを介して行われる。各行は、単一の行であっても、複数の行であってもよい。同様に、モノリシックに集積された画素化部品も、このような行として使用することができる。
他の観点は、μ-LEDディスプレイにおける発光素子の駆動制御に関している。現在のマトリクス素子の画素間のスペースは限られているため、個々の画素をどのようにアドレス指定して駆動制御するかについては、さらに検討する必要がある。スペースが限られているため、従来のアプローチおよび技術を利用できない場合がある。これは、各画素を流れる電流を駆動制御するコンセプトにも当てはめられる。サブ画素としてのμ-LEDは、通常の画素に比べて必要スペースが非常に小さいため、新しいコンセプトが必要である。
それ以外に、現在のフレームレートである60Hz~240Hzに対応したドライバ回路も必要である。これに関連して、大きな輝度ダイナミックレンジ(1:100,000)または個々の画素あたり100dBを達成することも同様に必要であり、特に少なくとも好都合である。この範囲は、オートモーティブまたは拡張現実用途の分野で、さまざまな外光の影響を受けても画像の十分なコントラストと輝度を実現するために必要である。
画素化ディスプレイだけでなくモノリシックアレイの場合でも、前述のように個々のμ-LEDのサイズのため、デジタルで生成されるパルス幅変調(PWM)が適していると考えられる。それに従って、この技術は、画素アレイのサイズとCMOS技術のプロセスノードの両方に対してスケーラブルであることが望ましい。さらに、デジタルで生成されたPWMにより、画素配アレイと画素電流との両方の不均一性を補正することができる。
デジタル非線形PWMは、デジタルコードを処理することができるので、コードのパルス幅への非線形伝達関数によってパルス幅を生成することができる。以下では、さまざまなコンセプトが提示されているが、これらは、その特殊なサイズもしくはスケーラビリティから、モノリシックディスプレイあるいはμ-LEDを有する画素化アレイへの実装に適している。
典型的には、パルス幅変調(PWM)による実装の場合、標準的な画素セル回路が「オフ」と「定格電流」とに交互に非常に高速で切り替えられる。このために、従来の回路では、いわゆる2T1C回路が用いられていた。しかしながら、特に行と列の数が多いディスプレイでは、ディスプレイのいわゆる「リフレッシュレート」を十分に確保するために、プログラミングの頻度が非常に高くなる。従来は2つ目のトランジスタで解決されていたが、これではスペースが増えてしまう。特に本明細書で提示されているμ-ディスプレイもしくはμ-LEDの「下」のスペースでは、スペースが足りなくなることもある。それ以外に、配線(すなわち、電流経路内でのμ-LEDの位置)次第では、精度がより高くなり、強度が変動する可能性がある。そこで、これらの問題を軽減するバックゲート付きμ-LED用電流ドライバ素子を以下に提示する。
本明細書に記載されている態様によれば、データ信号線、閾値線およびセレクト信号線を有する、μ-LEDを電子的に駆動制御して電流供給するデバイスが提案される。さらに、デュアルゲートトランジスタに、第1の電位端子と第2の電位端子との間で一緒に直列に電気的に接続されたμ-LEDが企図されている。閾値線には、デュアルゲートトランジスタの第1の制御ゲートが接続されている。同様に、このデバイスは、電荷蓄積部を備えたセレクトホールド回路を有しており、これは、デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートと、デュアルゲートトランジスタの電流線コンタクトに接続されているとともに、セレクト信号線に接続された制御端子を有する制御トランジスタにも接続されている。
そこで、パルス幅変調(PWM)用のトランジスタを追加する代わりに、デュアルゲートトランジスタの追加の制御ゲートを既存の駆動トランジスタとしてPWM信号で変調することが可能になった。いくつかの態様では、デュアルゲートトランジスタは、電流ドライバトランジスタとしても作用する。
同様に、第2の態様によれば、μ-LEDとデュアルゲートトランジスタとを電流経路に直列に配置したデバイスが提案される。セレクトホールド回路を介して、デュアルゲートトランジスタの一方の側では、アナログのデータ駆動制御信号を、セレクト信号を利用して印加することでμ-LEDをカラーコントロールする。デュアルゲートトランジスタのもう一方の側では、パルス幅変調信号を取り込むことでμ-LEDの輝度制御が行われる。
有利には、バックゲートトランジスタがデュアルゲートトランジスタとして使用される。
同様に、駆動トランジスタのバックゲートの変調を、電流制御経路のアクチュエータとして利用し、フィードバック信号、例えば発光ダイオードの順方向電圧をフィードバックすることで、発光ダイオードの温度ドリフトに対する電流負帰還を実現することもできる。駆動トランジスタのバックゲートの電圧を変調させることで、発光ダイオードの電流を簡単に、しかも省スペースで、特にTFT(薄膜トランジスタ)画素セルにおいてパルス幅変調させることができる。RGBセルの場合、3つのパワートランジスタを節約することができる。
バックゲートの電圧に低変調をかけることで、μ-LEDを流れる電流をμ-LEDの温度とは無関係に依存しないようにすることができる。これは、NMOSセルを使用する際に、カソードが共有されているため、μ-LEDが駆動トランジスタのローサイドにある場合に特に有効である。このようなセルは、本質的に電流精度が悪いことから、本発明の思想によって、このようなセルを大幅に改善することができる。
一方では、メインのトランジスタに加えて、追加のトランジスタを経由する代わりに、メインのトランジスタのバックゲートを経由してパルス幅変調を行うことができる。他方では、ディスプレイにバックゲートトランジスタを使用すると、バックゲートをパルス幅変調で「デジタル的に」ではなく、アナログ電圧で動作させることで温度を安定させることができる。これは、発光ダイオードの順方向電圧Vfから導き出されるもので、レギュレーションのフィードバックループとして使用される。このような温度安定化により、μ-LEDの色精度と安定性とが向上する。
いくつかの態様では、デュアルゲートトランジスタはバックゲートトランジスタを含み、この場合、バックゲートが第1の制御ゲートを形成する。これは、コンパクトな構成である。デュアルゲートトランジスタは、対向する2つの制御ゲートを有する薄膜トランジスタとして形成されることができる。これにより、信頼性が高くてコンパクトな製造が可能になる。デュアルゲートトランジスタの第1の制御ゲートは、閾値電圧を調整するように構成されていてもよい。このようにして変調を行うことができる。あるいは動作中の第1の制御ゲートにスイッチング信号(PWM信号)を印加することも可能である。このようにして、簡単な輝度制御を行うことができる。
別の態様では、μ-LEDは、その第1の端子が第1の電位端子に接続されていてもよく、デュアルゲートトランジスタは、その電流線コンタクトがμ-LEDの第2の端子と第2の電位端子との間に配置されていてもよい。セレクトホールド回路は、デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートに加えて、μ-LEDの第2の端子にも接続された電荷蓄積部を含んでいてもよい。本構成は、NMOS技術を用いて容易に製造することができる。
別の態様では、μ-LEDは、その第1の端子がデュアルゲートトランジスタの第2の電流線コンタクトに接続されていてよく、その第2の端子が第2の電位端子に接続されていてもよい。デュアルゲートトランジスタは、その電流線コンタクトが、μ-LEDの第1の端子と第1の電位端子との間に接続されている。セレクトホールド回路の電荷蓄積部は、デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートに加えて、第1の電位端子にも接続されている。そのため、発光ダイオードの順方向電圧がデュアルゲートトランジスタのゲート・ソース間電圧に影響を与えることはない。
別の態様では、P-Mos技術の実現が関係している。そこでは、μ-LEDは、その第1の端子が第1の電位端子に接続され、デュアルゲートトランジスタは、その電流線コンタクトがμ-LEDの第2の端子と第2の電位端子との間に接続されている。セレクトホールド回路は、デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートとの電荷蓄積部に加えて、第2の電位端子にも接続されていてよい。
別の態様では、セレクトホールド回路は、μ-LEDと並列に接続された更なる制御トランジスタを含み、その制御端子はセレクト信号線に接続されていてもよい。
更なる構成によれば、電荷蓄積部は、デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートに加えて、第1の電位端子にも接続されていてよく、さらに、μ-LEDによる順方向電圧の検知に基づいて負帰還する温度補償回路を備え、この温度補償回路が出力側の閾値線を形成してもよい。このように、低い変調をバックゲートトランジスタにかけることができる。
いくつかの態様では、温度補償回路は、デュアルゲートトランジスタと並置されていてもよい制御パスを含んでいてもよく、直列に接続された2つのパスを有していてもよい。これは簡単な構成である。更なる構成によれば、第3の制御トランジスタと第4の制御トランジスタとによって提供される2つの制御されたパスの間のノードから、閾値線は、デュアルゲートトランジスタの第1の制御ゲートに接続されていてもよい。このノードを使って、バックゲートを効果的に駆動制御することができる。更なる構成によれば、第4の制御トランジスタの制御端子は、第2の電位端子に接続されていてもよい。このようにして、トランジスタのゲートは第2の電位端子の高電位に安定して設定される。
他の態様では、温度補償回路は、2つの経路を提供する制御トランジスタのうちの一方の制御端子と、第1の電位端子とに接続されていてもよい第2の電荷蓄積部を含んでいてもよい。これにより、第3のトランジスタのゲート電圧を緩衝することができる。
第2のデータ信号線は、第2の電荷蓄積部と第3の制御トランジスタとに結合されている。この線の信号は、負帰還係数をプログラミングするために構成されていてもよい。そのため、第2のデータ信号線を用いて、温度補償の微調整を実行することもできる。この微調整は、用途に応じて、更なる制御トランジスタを用いてオン/オフすることができる。
別の有利な構成によれば、温度補償回路において、第3の制御トランジスタの制御端子が第2の電位端子に接続されていてもよい。このように、第3の制御トランジスタのゲート電圧は、有利に明確かつ安定的に規定される。
更なる有利な構成によれば、第5の制御トランジスタがμ-LEDと並列に接続されていてもよく、その制御端子には動作中にスイッチング信号(PWM信号)が印加される。このようにして、発光ダイオードは、特にパルス幅変調によって電荷蓄積部なしで、直接オン/オフすることができる。このデュアルゲートトランジスタは、温度安定化された電流源として動作する。
画素の輝度調整または調光のための駆動制御も重要である。このような調光は、例えば昼間と夜間の視界を切り替えるためのオートモーティブ分野だけでなく、AR用途にも必要である。原則的には、かかる調光は、コントラストを調整しなければならない場合や、外部からの光によって、ユーザーの目を眩ませないように、または安全に情報を表示できるように、ディスプレイの輝度をレギュレーションする必要がある場合に好都合かつ有利であり得る。
上述の理由から、特にディスプレイを異なる輝度レベルで動作させるために、LEDを備えた照明ユニットを駆動制御するためのさまざまな技術的解決策が知られている。例えば、複数の行と列とに形成された一連の個々の画素を特定的に駆動制御するマトリクスディスプレイを制御するための制御回路が知られている。同様に、LEDの電流を特定的に低減もしくは減衰させる駆動制御手段も知られている。例えば液晶表示またはOLEDのディスプレイでは、このいわゆる電流調光が用いられている。
使用可能なスペースが限られているため、部品点数の多い解決策を実現することは困難である。これは、場合によっては回路を非常に複雑なものにする可能性がある。この点に基づき、以下の態様は、LEDが発する光の輝度を比較的簡単に、正確に、かつ確実に変化させることができるように、輝度を変化させるためのLEDを備えた照明ユニットの駆動制御をさらに発展させることを目的としている。特に、上述の調光、もしくは輝度およびコントラストの段階が異なる状態での操作を可能にすることを目的としている。
そこで、照明ユニットに電気エネルギーを供給するための電圧源と、少なくとも1つのエネルギー貯蔵媒体とを有する、照明ユニットの輝度を変化させるための制御回路が提案されている。後者は、照明ユニットの照明手段のための電流を設定する。さらに、電圧源で生成された電圧信号の電圧を一時的に変化させる制御素子が設けられており、これに基づいて、少なくとも1つのLEDに流れるLED電流を調整できる。提案された原理によれば、制御回路はさらに、制御素子が、一周期中に、つまり繰り返しの期間に、異なる電圧を有する第1および第2の電圧信号を照明ユニットに送信し、第1の電圧信号の電圧に応じて輝度レベルを調整することによって、照明ユニットを少なくとも2つの異なる輝度レベルで動作させるようにセットされている。
そのため、このコンセプトでは、パルス状の電圧信号が照明ユニットに印加され、電圧信号に応じて照明ユニットの少なくとも1つのμ-LEDに電流が流れ、その電流によってLEDが発光することが重要である。これに関して、一周期中に、第1の電圧信号、特にターンオン電圧信号、および第2の電圧信号、特にターンオフ電圧信号が有利な方法で設けられ、照明ユニットに設けられた少なくとも1つのLEDには、第1の電圧信号の印加中に、電圧に比例した電流が供給されるか、もしくは電圧に比例した電流が流れるようになっている。原則的には、照明ユニットが1つのLEDを有しているか、または複数のLEDを有しているかどうかは、ここでは関係がない。一態様では、スイッチング素子はトランジスタを有しており、このトランジスタを介して、照明ユニットの少なくとも1つのLEDに、それぞれの電圧信号に応じて電気エネルギーが供給され、LEDの電流が流れることで、これは有利には可視光線を放出する。
コンセプト案によれば、照明ユニットは、一周期中に、まず第1の電圧信号がその期間の第1の段階で照明ユニットに送信され、続いて第2の電圧信号がその期間の第2の段階で照明ユニットに送信されるように駆動制御され、照明ユニットの少なくとも1つのLEDを介した電流の流れは、それぞれの電圧信号の電圧に応じて作用する。ここで重要なのは、第2の電圧信号の電圧もしくは電圧値が、第1の電圧信号の電圧よりも大幅に低いことである。有利には、第2の電圧信号の電圧は、少なくともほぼゼロに近い。
第1の電圧信号が照明ユニットに送信される期間の第1の段階では、照明ユニットのエネルギー貯蔵媒体が充電される。この場合、同時に、電圧信号の電圧に比例した電流の大きさを有する電流がLEDに流れ、この結果、LEDは可視光線を放出する。その期間の第2の段階で第2の電圧信号が照明ユニットに送信されている間、エネルギー貯蔵媒体、好ましくはコンデンサの電位が維持されるので、次の期間の開始まで、これに基づく電流がLEDに流れ、その結果、LEDはさらに発光する。その期間の第1の段階中にLEDを流れる電流の大きさは、理論的には第2の期間中にLEDを流れる電流の大きさと等しいことが望ましいものの、実際にはそうではない。これは、制御回路が、エネルギー貯蔵媒体、特にコンデンサの容量に加えて、通常であれば第2の容量を有していることに起因しており、このようにして、その期間の第2の段階中のエネルギー貯蔵媒体にかかる電圧が、その期間の第1の段階中の電圧に比べて低くなるように容量分圧が作られる。このような第2の容量は、例えば、トランジスタの容量、特にゲート・ソース間容量によってもたらされる。
これに関連して、第1の電圧信号が照明ユニットに送信される期間の第1の段階中にLEDを流れる電流の大きさが、第2の電圧信号が照明ユニットに送信される期間の第2の段階中にLEDを流れる電流の大きさと異なること、すなわち小さいことが非常に重要である。しかしながら、見る人は、一周期中のLEDの最大輝度の差であるこの差を認識することはなく、期間中に平均化された光出力を知覚するだけである。
この効果を、例えばディスプレイに使用される照明ユニットの駆動制御に適切に利用するためには、第1の電圧信号と第2の電圧信号とを、ディスプレイの通常のリフレッシュレートに相当する60Hzの周波数で繰り返すことが有利である。つまり、1秒以内に第1の電圧信号と第2の電圧信号とがそれぞれ60回ずつ照明ユニットに送信され、それぞれの電圧信号の電圧に応じて照明ユニットの少なくとも1つのLEDにLED電流が流れることを意味している。
別の態様では、第2の電圧信号が照明ユニットに送信されている間に、コンデンサとして形成されたエネルギー貯蔵媒体から、発光を励起するために必要な電気エネルギーがμ-LEDに供給されることが提供されている。コンデンサの電圧が、その期間の第1の段階に比べて低下しているため、この動作状態のLEDには、その期間の第1の段階に比べて大きさの小さい電流が流れることになり、μ-LEDの輝きは弱くなる。
さらに、この方法では、制御素子が、0.0025~0.003のデューティサイクルで第1の電圧信号を生成するようにセットされていることが考えられ、このデューティサイクルは、第1の電圧信号の継続時間と、その期間の継続時間との比に対応する。したがって、デューティサイクルは、第1の電圧信号の継続時間と、その期間の継続時間との比を示している。第1および第2の電圧信号のリフレッシュレートが60Hzであることから、つまり、本構成形態による制御素子は、第1および第2の電圧信号が照明ユニットに送信される期間が0.0166秒または16.6ミリ秒となるようにセットされていることになる。好ましい発展形態では、第1の電圧信号は、最大0.050ミリ秒の期間で照明ユニットに送信され、これは約0.003または1:333のデューティサイクルに対応する。この場合、第2の電圧信号は、照明ユニットに16.6ミリ秒の期間で送信される。そのため、この信号に関するデューティサイクルは約1になる。
見る人が感じるLEDの明るさは、一周期中に放出された平均的な輝度または光出力に依存するため、一周期の第2の段階中にLEDを流れる電流、ひいてはその期間の第2の比較的長い段階で少なくとも1つのLEDが発する光の割合は、照明ユニットのLEDの平均的な光出力に、大きく、不相応に強い影響を与えることになる。
いくつかの態様によれば、制御回路は、第1の電圧信号の電圧を第1の電圧間隔内にある電圧値に調整することにより、照明ユニットを第1の暗い輝度レベルで動作させ、第1の電圧信号の電圧を、第1の電圧間隔の電圧よりも高い少なくとも第2の電圧間隔内にある電圧値に調整することにより、照明ユニットを少なくとも第2の明るい輝度レベルで動作させるようにセットすることが考えられる。したがって、本構成形態によれば、照明ユニットの駆動制御のために、2つの電圧間隔または電圧範囲が提供され、これらの電圧間隔または電圧範囲のそれぞれは、第1の電圧信号を生成しかつ異なる電圧レベルにある異なる電圧を有している。このように、第1の電圧信号の電圧レベルに応じて、照明ユニットは、第1の暗い輝度レベルまたは第2の明るい輝度レベルのいずれかで動作する。照明ユニットをより明るい輝度レベルで動作させたい場合、照明ユニットの駆動制御は、第1の電圧信号に基づいて行われ、その電圧は、第2の電圧間隔にあり、ひいてはより高い値を有する電圧間隔にある。
他の態様では、制御要素は、第1の電圧信号の電圧を少なくとも2つの所定の電圧間隔のうちの1つの範囲内で特定的に変化させたときに、照明ユニットを同じ輝度レベルで動作させるためにセットされている。つまり、有利な方法として、第1の電圧信号、特にその電圧は、連続する2つの期間の間で、対応する電圧が依然として同じ電圧間隔内にある程度しか大きさが変化せず、輝度が僅かに変化しても、照明ユニットが同じ輝度レベルで作動することが保証されることを意味している。したがって、照明ユニット、特に照明ユニット内に設けられた少なくとも1つのLEDを、少なくとも2つの異なる輝度レベルで調光することが可能であり、つまり、少なくとも2つの異なる輝度レベルで、それぞれの場合において、照明ユニットの少なくとも1つのLEDの輝度が特定的に変更される、少なくとも大部分が無段階の範囲を提供することが可能である。
更なる構成によれば、第1の電圧間隔または第1の電圧範囲は、少なくとも1.3V~3.0Vの範囲の電圧値を有することが企図されている。さらに、好ましくは、第2の電圧間隔または第2の電圧範囲は、少なくとも4.0V~10.0Vの範囲の電圧値を有することが企図されている。このようにして、輝度のレベルが異なる2つの範囲が実現され、その範囲内で照明ユニットの輝度を再び特定的に無段階に変更したり、調光したりすることができる。
前で説明した構成に関しては、比較的小さな第1の電圧信号が照明ユニットに印加されるとすぐに、一周期中にLEDを流れる総電流は、第1の電圧信号が照明ユニットに印加される期間の第1の段階中にLEDを流れる電流によって確定的に決定されるという考えを再び考慮に入れることができる。この場合、照明ユニットは比較的低い輝度で動作し、この動作状態では、その期間の第2の段階で照明ユニットに印加される第2の電圧信号によってLEDに電流が流れることによる発光を無視することができる。
一方、比較的高い電圧の第1の電圧信号が照明ユニットに送信された場合、一周期中にLEDを流れる総電流は、第2の段階、つまり第2の電圧信号が照明ユニットに印加されている間にLEDを流れる電流によって確定的に決定される。この場合、照明ユニットは高い輝度レベルで動作し、第1の電圧信号を特定的に変化させることにより、この範囲内で調光が可能である。
提示した制御回路は、画像を生成するためのディスプレイまたはモニタに使用することができる。これらは、例えば自動車における、より大きなスクリーンまたは表示デバイスの一部となり得る。ARもしくはVRグラスまたは他の装置での実現も考えられる。ここでも、少なくとも2つの異なる輝度レベルでディスプレイまたはモニタを動作させることが可能な駆動制御操作できるような駆動制御手段が重要である。
特別に形成された駆動制御回路に加えて、いくつかの態様は、電圧源が照明ユニットに電気エネルギーを供給し、照明ユニットの照明手段としての少なくとも1つのLEDに、照明ユニットのエネルギー貯蔵媒体から少なくとも一時的に電気エネルギーが供給される、照明ユニットの輝度を特定的に変更する方法に関している。さらに、この方法では、少なくとも一時的に電圧信号を照明ユニットに送信し、その電圧信号に基づいて、少なくとも1つのLEDに流れるLED電流を調整する。
この方法は、一周期中に、異なる電圧を有する第1および第2の電圧信号を照明ユニットに送信し、第1の電圧信号の電圧に応じて輝度レベルを調整することにより、照明ユニットを少なくとも2つの異なる輝度レベルで動作させることを特徴とする。また、本発明では、一周期中に、少なくとも1つのLEDに流れる総電流によって確定的に決定されるLEDの輝度を、その期間の第1の段階で照明ユニットに送信される第1の電圧信号を送信することによって特定的に変化させることが可能である。照明ユニットの駆動制御のために、第1の電圧信号が、その期間の第1の段階で照明ユニットに印加されることから、まず、第1の電圧信号が照明ユニットに印加されている間、照明ユニットのエネルギー貯蔵手段が充電され、照明ユニットの少なくとも1つのLEDに電圧信号の電圧に比例した電流が流れる。その期間の第2の段階では、第1の電圧信号の電圧に比べて大幅に低下した電圧、有利にはほぼゼロに近い電圧を有する第2の電圧信号が照明ユニットに送信される。これにより、まずエネルギー貯蔵手段、特にコンデンサの電位が下がり、その結果、LEDを流れる電流の大きさも小さくなる。
したがって、その期間の第1の段階に比べて、第2の段階ではLEDの輝きは弱くなるが、比較的長い期間にわたって光り続ける。ここで、第1の電圧信号の電圧値のレベルに応じて、照明ユニットを、平均光出力が比較的高い高輝度レベルで動作させることも、平均光出力が比較的低い低輝度レベルで動作させることもできる。これに関連して、電圧値が比較的低い第1の電圧信号の場合には、その期間の第1の段階がLEDの平均光出力に与える影響が比較的大きく、電圧値が高い第1の電圧信号の場合には、第2の電圧信号が照明ユニットに印加される期間の第2の段階がLEDの平均光出力にとって決定的に重要であることを考慮する必要がある。
このようにして、第2の電圧信号が照明ユニットに印加されている間、照明ユニットのLEDには、コンデンサとして構成されたエネルギー貯蔵手段から電気エネルギーが供給されることが提供されている。その他の点では、第1の電圧信号の電圧を第1の電圧間隔内にある電圧値に設定することで、照明ユニットを少なくとも一時的に第1の暗い輝度レベルで動作させ、第1の電圧信号の電圧を第1の電圧間隔の電圧よりも高い、少なくとも第2の電圧間隔内にある電圧値に設定することで、照明ユニットを少なくとも一時的に第2の明るい輝度レベルで動作させることが有利である。
一構成形態では、第1の電圧信号の電圧を、照明ユニットが動作する輝度レベルを変更することなく、連続する2つの期間の間で変化させることが提供されている。このように、LEDは一定の明るさで動作させても、平均光出力にばらつきが生じる。これにより、連続する2つの期間の間で、第1の電圧信号の電圧は、対応する輝度レベルに対して提供される電圧間隔または電圧範囲内で変化する。
温度の安定性やプロセスの変動によるダイオードへの入力電圧もしくは電流のドリフトに加えて、使用されるパルス変調も考慮しなければならない。現在のディスプレイでは、発光ダイオードは、通常、パルス幅変調方式で動作している。すなわち、コントラストおよび輝度調整のために、立て続けにオン/オフされる。その際の周波数は、数100kHz~MHzの範囲である。このスイッチングプロセスは、電流源に逆の効果を及ぼす。これは、これにより、電流源の精度および安定性を損なう可能性がある。電流源内で制御ループが用いられる場合、スイッチングプロセスによってスパイクなどの挙動が起こり、制御ループがその制御範囲から外れてしまうことがある。
これらの考察を経て、PWM変調時、特にスイッチングプロセス時、出力電流が制御状態を維持し、設定値に追従するように電流源を制御するμ-LED用の調整された電流源が提案される。この電流源、特にフィードバックループは、以下の用途に適している。
このために、出力電流またはそれから導き出された信号が制御ループに供給され、制御ループはそれを設定値と比較する。それと、電流源をオフにしたり、オン/オフモード(間欠運転)で動作させたりすると、出力電流がオフの間、バックアップ信号が制御ループに供給される。バックアップ信号は、制御ループを変調範囲(Aussteuerbereich)に維持する。バックアップ信号は、予想される出力電流もしくはそれから導き出された信号に対応するか、またはそれに類似していることが好都合である。総じて、このようにして、電流源のスイッチング状態とは無関係に、変調範囲を連続的にレギュレーションすることができる。供給回路の精度および安定性は保たれる。
一構成では、基準信号入力、誤差信号入力および修正信号出力を有する誤差修正検出器を備えた供給回路が提案される。さらに、電流出力とコントロール信号端子とを有する制御可能な電流源が提供されている。コントロール信号端子は、修正信号出力に接続されて、制御可能な電流源の制御ループを形成する。言い換えれば、誤差修正検出器は、電流源の出力電流を一定の範囲に制御する。したがって、電流源は、コントロール信号端子の信号に応じて電流出力に電流を供給するように構成されている。
提案された原理によれば、供給回路は、バックアップ信号を供給するように構成された出力を有するバックアップ源を含んでいる。最後に、制御可能な電流源および誤差修正検出器と動作可能に接続されたスイッチングデバイスが配置されており、スイッチングデバイスは、スイッチング信号に依存して、電流出力の電流から導き出された信号または電流源の電流出力を追加的に分離したバックアップ信号のいずれかを誤差信号入力に供給するようになっている。言い換えれば、スイッチングデバイスは、制御可能な電流源および誤差修正検出器に結合され、電流出力での電流から導き出された信号または誤差信号入力でのバックアップ信号のいずれかを供給するように適合されている。さらに、スイッチングデバイスは、後者の場合、電流出力を非通電にするように構成されている。
これにより、電流源の動作状態とは無関係に、制御ループを変調範囲に保つ配置構造が作り出される。これにより、電流源は、制御ループと誤差修正検出器とによるレギュレーションに加えて、PWMなどの間欠モードで動作させることができる。
バックアップ信号は、電流信号から導き出された信号に実質的に対応していると好都合である。このようにして、制御ループと特に誤差修正検出器とには、電流源の信号とほとんど変わらない信号が与えられるので、レギュレーションおよび変調はそのまま維持される。
一態様では、制御可能な電流源は、切り替え可能な出力ブランチを有するカレントミラーを有している。これは電流出力に接続されるか、または電流出力を形成する。出力ブランチは、入力側に配置されたカレントミラートランジスタの制御端子に接続された制御端子もしくはゲートを有する1つ以上の出力トランジスタを含んでいてもよい。
別の態様では、出力ブランチの出力トランジスタは、その制御端子がスイッチングデバイスに接続されている。スイッチングデバイスは、出力トランジスタのスイッチング信号に応じて、出力トランジスタを開放するための固定電位に接続するか、または制御端子を入力側に配置されたカレントミラートランジスタの制御端子に接続するように構成されている。制御端子が固定電位になると、出力トランジスタは開放または遮断、すなわち電流をそれ以上流さなくなり、負荷と供給回路の出力が非通電にされる。
他の態様では、スイッチングデバイスは、出力ブランチに配置され、電流出力もしくは出力トランジスタを負荷から分離するように構成されている。この態様では、誤差修正検出器の誤差信号入力用のタップが、スイッチングデバイスと負荷との間に配置されている。
別の態様では、制御可能な電流源は入力ブランチを有している。入力ブランチには基準電流信号が供給可能であるため、電流源はそれに依存した出力電流を提供する。制御可能な電流源の入力ブランチは、誤差修正検出器の基準信号入力に接続されたノードをさらに含んでいる。そのため、例えば、出力電流を引き出すために電流源に供給される基準電流は、誤差修正検出器の基準信号としても機能する。
さらに、制御可能な電流源はカレントミラーを含んでいてもよく、コントロール信号端子は、カレントミラーの出力トランジスタの制御端子に接続されている。これにより、出力トランジスタを流れる電流を制御信号で変化させ、レギュレーションを行うことができる。カレントミラーの出力トランジスタの制御端子とカレントミラーのカレントミラートランジスタとの結合は、コンデンサにより正帰還で行われる。このコンデンサは、周波数補償のために用いられ、レギュレーションの安定性を向上させる。
別の態様は、差動増幅器に関している。これには、差動増幅器の2つのブランチがカレントミラーを介して電源電位に接続されたものが含まれ得る。任意に、差動増幅器の2つのブランチは、それぞれ異なる幾何学的パラメーターを有する入力トランジスタを含んでいてもよい。カレントミラーと合わせて、基準信号と誤差信号との間の異なる固定係数を考慮に入れることができる。
別の態様では、バックアップ源は、バックアップ信号が電流信号から導き出された信号に実質的に対応するように、出力に結合された電圧生成素子を含んでいる。これにより、バックアップ信号が通常の動作時に負荷を流れる電流をシミュレートし、制御ループを変調領域に保つことができる。
バックアップ源は、電流供給素子と電圧供給素子とからなる直列回路を有していてもよく、出力は2つの素子の間に配置されている。同様に、別の態様では、バックアップ源は、電流源のカレントミラートランジスタの制御端子に接続された制御端子を有するトランジスタを含んでいてもよい。
別の態様は、1つ以上のトランスミッションゲートを有するスイッチングデバイスに関している。供給回路は、入力側で定義された電流を出力側で誤差修正検出器に供給し、電流源に供給するように構成された基準カレントミラーを含んでいてもよい。
別の態様は、μ-LEDの電流供給のための供給回路の使用に関している。これは、供給回路により動作し、具体的にはオン/オフで動作する。すなわち、電流供給回路のパルス幅を変調した信号でμ-LEDを動作させている。この動作は光電子構造素子では珍しいことではないが、供給回路は、このパルス幅変調動作の間、安定した正確な出力電流を発生させる。
別の態様は、μ-LEDに電力を供給する方法に関している。ここでは、負荷によって供給電流が検知される。これは、μ-LEDを流れる電流を検出することで行うことができる。あるいは負荷を流れる電流と既知の関係にある電流から信号を導み出すこともできる。供給電流またはそれから導き出された信号を基準信号と比較し、その比較結果から修正信号を生成する。必要に応じて、修正信号を用いて、負荷を流れる供給電流を基準値に調整する。
それから、一定の間隔で負荷をオフにする、すなわち、供給電流から切り離すことが提供されている。かかる場合には、供給電流から導き出された信号の代わりに、バックアップ信号を生成して比較ステップに使用する。言い換えれば、供給電流もしくはそれから案内された信号の代わりに、バックアップ信号を基準信号と比較し、この比較から修正信号を生成する。これにより、当面、負荷に電流が供給されているかとは無関係にレギュレーションすることができる。この場合、バックアップ信号は、負荷を流れる供給電流またはそれから導き出された信号に実質的に対応する。
別の態様は、低い自己消費電力で、多数の光電子構造素子、特にμ-LEDを駆動することができるドライバ回路を実現することにある。
本願の第1の態様では、複数の光電子構造素子を駆動または制御するためのドライバ回路が提供されている。光電子構造素子は、μ-LEDとして構成され、行と列とを有するアレイに配置されている。各μ-LEDは1つの画素を表す。あるいは各画素が複数のサブ画素、例えば3つのサブ画素を含む場合、各μ-LEDはサブ画素の1つを形成してもよい。
ドライバ回路は、複数の第1のメモリセルを含み、第1のメモリセルの各々は、μ-LEDのそれぞれの1つに割り当てられている。さらに、各メモリセルには、セット入力とリセット入力と呼ばれる2つの入力と、1つの出力とがある。第1のメモリセルは、ラッチであってもよく、1ビットのメモリとして構成されていてもよい。各第1のメモリセルは、出力で第1の状態と第2の状態との2つの異なる状態を有していてもよく、第1の状態はハイの状態であり、第2の状態はローの状態であってもよい。
セット入力で第1のメモリセルのうちの1つから受信したセット信号が、出力で第1のメモリセルを第1の状態にトリガする。第1のメモリセルは、リセット入力で受信したリセット信号によって第2の状態にリセットされるまで、第1の状態を保持する。各第1のメモリセルの出力、特に出力に提供された出力信号は、μ-LEDのそれぞれの1つを制御または駆動するように構成されている。特に、出力信号は、μ-LEDがオンにされて光を放つか、オフにされて光を発しないかを判断する。
ドライバ回路、第1のメモリセルとその関連する回路の製造には、とりわけCMOS技術が特に適している。第1の態様によるドライバ回路は、デジタル式ドライバ回路であり、従来のドライバ回路に比べて低消費電力・低面積である。さらに、第1の態様によるドライバ回路は、より優れた線形性を提供する。各第1のメモリセルは、その出力にパルス幅変調信号(PWM)信号を供給することができる。
一構成形態では、各第1のメモリセルは、2つのクロスカップルNORゲートまたは2つのクロスカップルNANDゲートを含んでいる。NORゲートまたはNANDゲートの各々は、2つの入力と1つの出力とを有している。各NORゲートまたはNANDゲートの出力は、他のNORゲートまたはNANDゲートの一方の入力に結合されている。NORゲートまたはNANDゲートの一方の入力はセット信号を受信し、NORゲートまたはNANDゲートの他方の入力はリセット信号を入力する。
代替的な構成形態では、各第1のメモリセルは、N型金属酸化物半導体トランジスタ(NMOSトランジスタ)とP型金属酸化物半導体トランジスタ(PMOSトランジスタ)とを直列に接続されたものとして含み、つまり、2つのトランジスタのチャネルが直列に接続されていることを意味する。さらに、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとの間にはインバータの入力が接続されており、インバータの出力はNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのゲートに接続されている。ドライバ回路は、複数の読み込み可能なカウンタを含み、それぞれのカウンタにパルス幅値などのデータが読み込まれると、それぞれのμ-LEDを流れる電流をオンにするためのセット信号をアクティブにするように構成されていてもよい。カウンタは、現在の値が負荷されたデータ値に達するまでカウントする。その後、カウンタがリセット信号をアクティブにし、それぞれのμ-LEDを流れる電流をオフにする。
μ-LEDのアレイがN列の画素に配列されている場合、ドライバ回路は、選択された行ごとにN列の画素に対するPWM信号を同時に生成するN個のカウンタを含んでいてもよい。さらに、ドライバ回路は、複数のμ-LEDに共通のまたはグローバルな調光信号を生成するように構成された単一の共通カウンタを含んでいてもよい。
暗い画素をゲート制御するために、ドライバ回路は複数の第2のメモリセルを含んでいてもよい。各第2のメモリセルは、それぞれの第1のメモリセルに結合され、必要に応じてそれぞれの第1のメモリセルの出力信号をオーバーライドして、それぞれのμ-LEDがオフのままになるように構成されていてもよい。言い換えれば、第2のメモリセルは、これらの光電子構造素子がフレーム中に暗い画素を表示するときに、それぞれの第1のメモリセルがそれぞれのμ-LEDをオンにするのを防止する。
本願の第2の態様による光電子デバイスあるいはμ-ディスプレイは、上述のように、複数のμ-LEDと、第1の態様による複数のμ-LEDを駆動するためのドライバ回路とを含んでいる。μ-LEDは、アレイ状に配置され、ディスプレイまたはディスプレイの一部分を形成してもよい。μ-LEDの各々は、アレイの画素を形成することができる。あるいは各μ-LEDがサブ画素を形成していてもよい。例えば、RGB画素アレイの場合、1つの画素には、赤色、緑色もしくは青色の光を発する3つの光電子構造素子またはμ-LEDが含まれている。あるいは3つのμ-LEDのうち、少なくとも2つのμ-LEDが同じ色の光を発し、その光が変換材料によって変換されるように、変換材料が企図されていてもよい。
μ-LEDは、特に、μ-LEDの下にある集積回路(IC)の上に配置されていてもよい。回路は異なる材料系で形成されていてもよい。
第3の態様では、第2の態様による光電子デバイスもしくはμ-ディスプレイを動作させる方法が提供される。フレーム開始時には、グローバルリセットが行われ、画素電流がオフになり、すべての光電子素子がオフになる。次に、暗い画素の読み込みが1行ずつ実行される。このように、フレーム中に暗転する光電子素子は、第2のメモリセルによって制御される。引き続き、ラインごとのコンテンツ依存のPWM、例えばグレースケールPWMが実行される。このように、第1のメモリセルによって、光電子構造素子を流れる電流が制御される。
さらに、フレーム開始時のグローバルリセット後、コモンまたはグローバルな調光(グローバルディミング)が始まるまで、画素電流はオフのままであってもよい。光電子構造素子の共通の調光は、光電子構造素子を流れる電流が第1のメモリセルによって制御される前に実行されてもよい。グローバルディミングデータは、映像/画像信号処理ICまたはμ-LED駆動ICでグレースケールデータと合成され、別途グローバルディミングパルスを必要とせず、グレースケールデータのみを行ごとに更新するようにしてもよい。第2の態様による光電子デバイスおよび第3の態様による方法は、第1の態様によるドライバ回路に関連して、上で開示された構成形態を含んでいてもよい。
画素として提供されるμ-LEDを駆動制御するための新規のコンセプトは、光を制御するためのアナログランプに基づいている。複数の光電子構造素子を行と列とに配置したディスプレイマトリクスの制御回路では、各画素のオン/オフ動作の設定にパルス幅変調を用いることができる。原理は従来のパルス幅変調方式と似ているように見えるが、実装は異なり、小さなスペースを考慮したものになっている。
マトリクスディスプレイ、特にμ-LEDマトリクスディスプレイの制御回路は、行セレクト信号用の行セレクト入力、データ信号用の列データ入力、ランプ信号用のランプ信号入力およびトリガ信号用のトリガ入力を含んでいる。説明のために、ランプ信号とは、第1の値から第2の値まで時間的に変化する信号のことである。通常、ランプ信号は周期的なものである。この回路は、行セレクト信号に応答してデータ信号をバッファリングするように構成された列データバッファを含んでいる。一部の変形例では、列データ信号のレベルは、発光デバイスの輝度に対応していてもよい。パルスジェネレータは、列データバッファおよびランプ信号入力に結合され、トリガ信号、データ信号およびランプ信号に応答して、複数の発光デバイスのうちの少なくとも1つのオン/オフ比を制御するためのバッファリングされた出力信号を供給するように構成されている。
提案された原理は、僅かなスペースしか必要としないアナログパルスジェネレータを実装している。ランプ信号は空間的にも時間的にも多重化できるため、異なる画素の活性化によるアーティファクトを抑制することができる。さらに、時間的な多重化により、ランプ信号を使用した場合には、画素のスイッチング動作が異なる。すなわち、画素に対応したμ-LEDが異なるタイミングで切り替わることで、より均一な電力分配となり、電流のピークを防ぐことができる。
一部の変形例では、パルスジェネレータは、バッファリングされたデータ信号をランプ信号と比較するコンパレータデバイスを含んでいる。その結果は、コンパレータの出力およびトリガ入力に結合された出力バッファに供給され、かかる構成では、列データバッファは入力バッファとして機能することができる。パルスジェネレータの出力バッファと合わせて、ダブルバッファリングを実現し、これにより、より長いデューティサイクルを使用するディスプレイに回路を実装し、リフレッシュレートなどを低減することができる。一般的に、このコンセプトは、拡張現実用途で好まれる消費電力をさらに削減する。
出力バッファは、例えばフリップフロップなどの単一のメモリステージを含んでいてもよい。一部の変形例では、バッファは、コンパレータデバイスの出力と、相応してトリガ入力とに結合された入力を備えたRSフリップフロップを含むことができる。この点については、現在の実装状況や、対応するデータ信号およびトリガ信号の符号(正または負)に応じて、対応するフリップフロップの反転入力を使用することも可能である。一部の変形例では、列データバッファは、データ信号を記憶するコンデンサと、コンデンサと列データ入力との間に配置されたスイッチとを含む。コンデンサは、入力バッファが数ボルトのオーダーの電圧信号しか印加しないような小さな容量を有し、コンパレータデバイスは非常に高い入力インピーダンスを有している。コンパレータは、差動増幅器を用いて実装されていてもよい。例えば、コンパレータの反転入力をデータカラムバッファに結合し、その非反転入力をランプ信号入力に結合してもよい。
実装状況に応じて、制御回路に結合されたμ-LEDは短時間しか動作しないことがある。一部の変形例では、μ-LEDは通常のサイクルの約50%しか作動しないことがある。このような場合、必要のない制御回路の一部を非アクティブにできると便利である。このためにコンパレータデバイスは、トリガ信号に基づいてその消費電力を調整するために、トリガ入力に結合された電力制御入力を有していてもよい。あるいはコンパレータデバイスを出力バッファに結合し、出力バッファの出力状態に基づいてその消費電力を制御してもよい。この点について、出力バッファは、トリガ信号によってリセットまたはトリガされるまで、コンパレータデバイスに結合された入力とは無関係にその出力状態を維持するように構成されていてもよい。
別の態様は、ランプ信号の生成に関している。一部の変形例では、制御回路は、ランプ信号入力にランプ信号を供給するランプジェネレータを含み、ランプジェネレータは、トリガ信号に応答して開始値と終了値との間で変動する信号を生成するように構成されている。ランプジェネレータは、他のさまざまな制御回路に共通のランプ信号を送るグローバルランプジェネレーターとして実装されていてもよい。あるいは複数のランプジェネレータを用意し、個々のランプジェネレータで複数の行とそれぞれの画素を駆動制御することも可能である。かかる実装により、ランプ信号の多重化が一時的に可能となり、アーティファクトを低減することができる。さらに、ランプジェネレータから供給されるランプ信号を多重化してから、ランプ信号入力に印加することもできる。
別の態様は、アドレス指定可能な行と列とに配置された複数の発光デバイスを有するマトリクスディスプレイにおいて、発光デバイスの照明を制御する方法に関するものである。提案された原理によれば、本方法は、選択された列と少なくとも1つの発光デバイスに対して、トリガ信号とデータ信号とを供給することを含む。この場合、データ信号のレベルは、トリガ信号を基準にしてパルスに変換される。より具体的には、一部の変形例では、データ信号のレベルはトリガ信号に対するパルス幅に変換される。このパルスは、発光デバイスのオン/オフをパルスで制御するために用いられる。
いくつかの態様では、データ信号のレベルを変換することには、第1の値と第2の値との間のランプ信号を生成することが含まれる。データ信号はランプ信号と比較され、状態信号が生成される。状態信号はデジタル信号であってもよい。この場合、パルス信号は、トリガ信号と状態信号の変化とに基づいている。実質的には、パルス信号は、LOWとHIGHとの間の状態信号の変化に応じて、HIGHからLOWに値を設定またはリセットされる。もちろん、この「値の設定」と「値のリセット」という原則は、入れ替え可能である。
ランプ信号は、トリガ信号に応じて生成または開始されることができる。一部の変形例では、両方の信号が共通の信号から導き出されてもよい。データ信号の供給は、一部の変形例では、データ信号のプリバッファリングを含む場合がある。例えば、データ信号は、コンデンサなどのメモリデバイスにプリバッファリングされていてもよい。
他の態様では、セレクトヒューズ付きの冗長なμ-LEDブランチによって、μ-ディスプレイまたはμ-ディスプレイモジュールの作製中に発生したμ-LEDの欠陥を修正することが関係している。本願では、製造時に冗長なμ-LEDを作るためのいくつかのコンセプトが提示されている。
μ-ディスプレイの場合、作製中にμ-LEDが故障することがある。その原因としては、例えば装着不良や、モノリシックディスプレイモジュールの場合は、いずれかの層の欠陥が挙げられる。このような欠陥の場合、実質的には2つのバリエーションがある。一方はコンタクトが露出している状態で、これを「Open」といい、もう一方はアノードとカソードが短絡している状態で、これを「Short」という。どちらもセルの発光ダイオードの故障につながる。
サブ画素または画素の故障する確率を下げるために、サブ画素ごとに冗長なμ-LEDが提供される。欠陥が発生した場合には、適切な回路関連の措置を講じることで、セルが故障しないようにする。すなわち、欠陥のある発光ダイオードを電流源から切り離すことができる。しかしながら、一部の変形例では、エラーがない場合、2つのμ-LED、具体的には、典型的なμ-LEDと冗長なμ-LEDとは同じ電流源から供給されていることがある。そのため、発光ダイオード1つあたりの電流がほぼ半分になる。これはまた、交差電流と占有波長との間の依存関係から生じるカラーシフトにつながる。加えて、μ-ディスプレイまたはこれのモジュールのプロセス技術上、すべての発光ダイオードにコモンカソードを1つしか実装できないことが多い。バックプレーン(例:TFTバックプレーン)の別の構造によっては、画素セルの構造にNMOSトランジスタ(N型金属酸化膜半導体トランジスタ)しか使用できない場合がある。従来の2T1C(2つのトランジスタと1つのコンデンサ)セルでは、発光ダイオードの交差電流とその順方向電圧とに明確な依存関係がある。
これらの問題を解決するためにいくつかのアプローチがあるが、そのほとんどは追加の労力やスペースも必要とする。本明細書で提案されている原理によれば、冗長性を確保しつつ、発光ダイオードを流れる電流を半減させないという解決策が得られる。さらに、PMOSトランジスタを使用することができるため、自由度が高まっている。消費スペースは実質的には変わらないため、この解決策は、画素またはサブ画素あたりのスペースが小さいμ-ディスプレイに適している。
画素セルまたはサブ画素、特に2T1Cセルとして複数のμ-LEDを電子的に駆動制御するデバイスが作り出される。第1のトランジスタと、μ-LEDに割り当てられているエンボス電子構造素子とにより、このμ-LEDに直列に接続されたヒューズをトリガさせる電流が生成される。
したがって、画素セルまたはサブ画素の複数のμ-LEDを電子的に駆動制御するデバイスは、それぞれ内部でμ-LEDが接続された第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチと、μ-LEDと直列に配置された電子ヒューズとを含んでいる。第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチは、一方の側が電位端子に接続されている。さらに、データ信号入力、セレクト信号入力および駆動出力を有するドライバ回路が提供されている。駆動出力は、第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチのもう一方の側に接続されている。最後に、このデバイスは、少なくとも1つの第2のブランチに割り当てられているエンボス部品を含んでおり、このエンボス構造素子は、直列に配置された電子ヒューズをトリガさせる電流の流れを生成するように構成されている。
このように、追加のエンボス信号線と追加の電子エンボス構造素子とを組み合わせて導入することが特徴的で、特にトランジスタまたはダイオードとして構成されていてもよい。これにより、エンド・オブ・ライン(EOL)テスト後には、色および画素ごとに1つの発光ダイオードのみがアクティブとなり、具体的には、エラーのない画素の場合にも同様にアクティブとなる。言い換えれば、欠陥が発生した場合は、まだ機能しているμ-LEDが選択される。一方、欠陥がない場合、すなわち、1つのブランチの両方のμ-LEDが機能している場合であっても、2つのうちの1つが永久的にオフにされる。
このように、複数のμ-LEDを電子的に構成する方法では、まず、第1のブランチと第2のブランチのそれぞれのμ-LEDの機能のテストが実行される。第1のブランチと第2のブランチの両方のμ-LEDが機能していれば、電子エンボス構造素子にエンボス信号が印加される。引き続き、第2のブランチのμ-LEDと直列に接続されたヒューズをトリガさせる電流の流れの第2のブランチに印加される。このために通常、ヒューズは溶断ヒューズとして構成されている。
ある構成によれば、エンボス構造素子は、エンボストランジスタを有していてもよく、その電流線コンタクトは、エンボス構造素子が割り当てられているμ-LEDに電気的に並列に接続され、その制御コンタクトはエンボス信号線に接続されている。あるいはエンボス構造素子にはエンボスダイオードも形成されていてもよく、この端子は、当該エンボス構造素子が割り当てられているμ-LEDの第2の端子に接続されている。エンボスダイオードの他方の端子はエンボス信号線に接続されている。
提案されている配置構造により、μ-LEDをいわゆるコモンアノードまたはコモンカソードとして形成することが可能になる。すなわち、構成に応じて、各ブランチのμ-LEDは、電源電位と電流源との間または電流源と基準電位端子との間のいずれかに接続される。このように、一方のケースでは、μ-LEDは電源電位端子と電子ヒューズとに接続されている。他方のケースでは、μ-LEDはヒューズと基準電位端子との間に接続されている。電流源は常に各ブランチの電子ヒューズに接続されている。2T1Cセルの電荷蓄積手段は、電流源トランジスタのゲートと固定電位、すなわち、電流源トランジスタも接続されている電位端子に接続されている。
別の態様では、上述した複数のデバイスを有するμ-ディスプレイまたはμ-ディスプレイモジュールが提示され、μ-ディスプレイの画素セルは、行および/または列に沿って、共通のエンボス信号線にそれぞれ電気的に接続されている。列の各画素セルは、共通の供給リード線によってμ-ディスプレイの外側の共通のキャリア上に配置されたスイッチングトランジスタに電源電位端子で電気的に接続されている。
特に、ヘッドアップディスプレイまたは網膜上に直接ラスター画像を投影するライトフィールドディスプレイなどを備えたグラスなどのARシステムには、高解像度の小型ディスプレイ配置構造が望まれている。
マイクロOLEDは、画素サイズのアクティブな光源を有するμ-ディスプレイとして提案されていた。輝度が低く、寿命が限られているのが欠点である。長寿命で高効率、さらに高速応答が可能な自発光型光源の代わりとして、例えばGaNまたはInGaNをベースとするマトリクス状に配置されたμ-LEDがある。これらは、高解像度のμ-ディスプレイを形成するための高い充填密度を有するディスプレイ配置構造に特に適している。
この考察の出発点は、IC基板部品と当該部品上に載置されたモノリシック画素化オプトチップとを含むディスプレイ配置構造である。本明細書では、モノリシック画素化オプトチップとは、共通の製造プロセスによってコヒーレントなチップ基板上に形成される、発光する光電子光源のマトリクス状の配置であると理解される。本明細書で提示されている構造体のいくつかは、マトリクスで製造することができる。これらには、例えば、アンテナ構造、縦型または横型のμ-ロッド、μ-LEDの間に変換材料を有するペアワイズに配置されたインゴット状の構成、あるいは特定の結晶方向に沿ったμ-LEDも含まれ、これらは非限定的ないくつかの例として挙げられる。これらの光源はμ-LEDとして形成されている。
IC基板部品はモノリシック集積回路を有し、これらも共通の製造プロセスから得られたものである。さらに、モノリシック画素化オプトチップに面しているIC基板部品の上面には、マトリクス状に配置されたIC基板コンタクトが存在している。
モノリシック画素化オプトチップは、第1のドーピングを有する第1の半導体層と、第2のドーピングを有する第2の半導体層とを有する半導体層シーケンスを含み、第1の半導体層の電荷キャリアの極性は、第2の半導体層の電荷キャリアの極性とは異なる。好ましくは、第1の半導体層と第2の半導体層とは、モノリシック画素化オプトチップ全体の横方向に延びている。一構成形態では、第1の半導体層がp型ドーピングを有し、第2の半導体層がn型ドーピングを有していてもよい。逆のドーピングも可能で、ドーピング強度および/または半導体材料に関して異なる半導体層の少なくとも1つに対して、同じドーピングの複数の部分層を使用することも同様に可能である。特に、半導体層シーケンスはダブルヘテロ構造体を形成していてもよい。第1の半導体層と第2の半導体層との間には、ディスプレイの動作時に発光活性ゾーンが形成される接合部を有する領域がある。可能な一構成では、活性ゾーンは、ドープまたは非ドープの活性層に位置し、この層は、第1の半導体層と第2の半導体層との間に置かれ、例えば、1つ以上の量子井戸構造を有する。
画素化オプトチップの個々の発光する光電子光源は、それぞれマトリクス状に配置されたμ-LEDを表し、各μ-LEDは、IC基板部品に面しているμ-LED背面と、第1の半導体層に接触する形で隣接し、IC基板コンタクトの1つとそれぞれの場合において電気的に接続されている第1の光源コンタクトとを有している。言い換えれば、画素化オプトチップの各μ-LEDは、上記のいずれかの活性層の領域を構成するように形成されている。隣り合うμ-LEDの間では、漏話を回避するために、活性層あるいは上記の他の層が中断されていてもよい。
本発明者らは、第1の光源コンタクトのμ-LED背面への投影面積が、最大でもμ-LED背面の面積の半分に相当し、第1の光源コンタクトが横方向に背面側アブソーバで取り囲まれていれば、高い実装密度で製造上簡素化されたディスプレイ配置構造が実現できることを認識した。本明細書では、横方向とは、半導体層シーケンスの表面法線を平均化して決定される積層方向に対して垂直な方向であると理解される。
関連するμ-LEDの画素面積よりもかなり小さい小面積で適用された第1の光源コンタクトにより、半導体層スタックの電流経路が横方向に狭くなる。その結果、活性ゾーンの横方向の拡大はμm寸法に制限され、半導体層スタック内の局所的な再結合ゾーンにより、個別に駆動制御可能なμ-LEDは互いに区切られることになる。ここでは、μ-LED背面の最大対角線領域として定義される各μ-LEDの画素サイズは、70μm未満、好ましくは20μm未満、特に好ましくは7μm未満となるように選択されることが好都合である。また、好ましい第1の光源コンタクトはかなり小さく、有利な構成では、第1の光源コンタクトのμ-LED背面への投影面積は、μ-LED背面の面積の最大25%、好ましくは最大10%を占めている。
活性ゾーンの横方向の拡大を制限するために、好ましくは、第1の半導体層および第2の半導体層は、104Sm-1よりも小さい、好ましくは3・103Sm-1よりも小さい、さらに好ましくは103Sm-1よりも小さいp型またはn型の伝導性で形成されている。さらに、積層方向における第1の半導体層の層厚は、横方向における第1の光源コンタクトの最大対角線の最大10倍、好ましくは最大5倍であると有利である。
更なる設計として、モノリシック画素化オプトチップ上の第1の光源のコンタクトは、関連するIC基板コンタクトに直接は隣接していない。その代わりに、積層方向を基準として、第1の光源コンタクトの下には、第1の光源コンタクトよりも横断面積が大きい実際のオプトチップコンタクト素子がある。この措置により、電流経路の横方向の制限を悪化させることなく、IC基板部品上でのモノリシック画素化オプトチップの位置決めおよび相互接触が簡素化される。
本発明によれば、小型構造の第1の光源コンタクトの領域を利用して、隣り合うμ-LEDの間の光漏話を低減する背面側アブソーバを配置している。特に、活性ゾーンからの角度位置で発せられる下向きの電磁放射は、積層方向に対する制限角度を超える限りにおいて吸収される。背面側アブソーバの材料としては、ケイ素、ゲルマニウムおよびガリウムヒ素を有するパターニング層が好ましい。グラフェンまたはカーボンブラックの粒子を背面側アブソーバに組み込むことも可能である。
背面側アブソーバは、第1の光源コンタクトを横方向に囲み、第1の光源コンタクトから横方向に延びており、隣り合うμ-LEDの背面側アブソーバは互いに隣接しており、好ましくは一体的に形成されている。一構成では、背面側アブソーバは、積層方向に少なくとも第1の半導体層まで延びている。更なる設計として、背面側アブソーバの一部の領域が、適宜パターニングされた第1の半導体層内に広がり、隣り合うμ-LED間の境界領域を遮蔽する。このためにアルミニウム、金または銀などのリフレクタ材料や、屈折率が第1の半導体層の屈折率よりも小さい誘電体材料などの反射作用のある光線遮断材を追加的または代替的に使用することができる。更なる設計として、背面側アブソーバは光学的な機能を果たすだけでなく、電流経路を横方向に制限する電気的な絶縁体としても機能する。
このディスプレイ配置構造は、各μ-LEDの第2の半導体層の上で積層方向に第2の光源コンタクトを有しており、これは、ITO(酸化インジウムスズ)などの透明な材料からなり、画素化オプトチップの正面側の透明で平坦に拡張されたコンタクト層に電気的に接続されている。有利な構成では、第2の光源コンタクトは、大面積のコンタクト層自体によって形成されているので、マトリクス状に配置されたμ-LEDの第2の光源コンタクトの全体を共通の面積コンタクトとして適用することができる。光漏話をさらに低減する代替的な構成では、第2の光源コンタクトは、それぞれの場合においてコンタクト層に接触する形で隣接しており、隣接して配置されたμ-LEDの第2の光源コンタクトは、積層方向に対して垂直方向を指し示す横方向において正面側アブソーバで互いに分離されている。正面側アブソーバは、活性ゾーンから放出される電磁放射を吸収する材料またはこの放射を反射する材料からなっていてもよい。追加的または代替的に、正面側アブソーバは、電気絶縁体として機能し、再結合ゾーンをμm寸法の範囲に局在化するために、電流経路の横方向への制限に寄与し得る。
更なる可能な設計として、正面側アブソーバは、第2の半導体層の少なくとも一部では積層方向とは逆向きに延在している。さらに、第2の光源コンタクトの下面および/または上面および/またはコンタクト層および/または第2の半導体層の上面は、光取り出しを改善するための光学的に有効なパターニング部を有していてもよい。
提案されているディスプレイ配置構造を製造する方法では、モノリシック集積回路とマトリクス状に配置されたIC基板コンタクトとを有するIC基板部品が、モノリシック画素化オプトチップに電気的に接続されている。先のモノリシック画素化オプトチップの製造では、第1のドーピングを有する第1の半導体層と第2のドーピングを有する第2の半導体層とを有する半導体層シーケンスをエピタキシャル成長させることが好ましく、第1の半導体層の電荷キャリアの極性は第2の半導体層の電荷キャリアの極性とは異なり、半導体層シーケンスは積層方向を規定している。さらに、画素化オプトチップには、μ-LEDがマトリクス状に配置されており、各μ-LEDは、IC基板部品に面している背面と、第1の半導体層に接触する形で隣接し、かつIC基板のコンタクトの1つにそれぞれの場合において電気的に接続される第1の光源コンタクトとを有している。本発明によれば、第1の光源コンタクトは、積層方向に対して垂直な面法線を有する投影面積が、μ-LED背面の面積の最大でも半分を占めるような大きさで形成されている。さらに、第1の光源コンタクトは、積層方向に対して垂直方向を指し示す横方向において背面側アブソーバで取り囲まれている。
駆動制御および冗長回路を準備するためのさまざまなコンセプトに加えて、μ-LEDもしくはモノリシックアレイを有するキャリアと、駆動制御部を含むキャリアとを接続することもさらに検討されている。μ-LEDとIC回路の両方を同じ材料系で実現しようとするコンセプトが存在する。これ自体は推奨されるべきものであり、少なくとも部分的には実現可能である。しかしながら、μ-LEDの材料系には欠点があり、IC回路には条件付きでしか適していない。
別の態様は、一方では駆動制御回路を、他方ではマトリクス状に配置されたμ-LEDを生成するために、異なる材料系を構築することにある。これには実質的に2つの可能性がある。まず、一方の材料系から出発して構造素子を作製し、次いでもう一方の材料系への移行部を作り出し、この中で更なる構造素子を提供することができる。材料系を通るリードと移行部とが構造素子をつなぐ。このアプローチでは、一方の「面」の作製が、他方の「面」にダメージを与えずに可能となるように、異なるプロセスパラメーターを選択・調整することが1つの課題となる。例えば、プロセス温度(例えば、拡散プロセスまたは注入プロセスなど)が非常に異なるため、温度によっては拡散が起こらなかったり、望ましくない拡散が起こったりする。このようにして、構造素子が破損する可能性がある。いくつかの態様では、例えばシリコンベースの1つの技術で駆動制御部を作製し、引き続き、μ-ロッドなどの異なる材料系を成長させることが提案される。
別のアプローチでは、駆動制御部と画素アレイとを別々に作製し、電気的・機械的に接続することが提案されている。このようにして、ニーズや要件をそれぞれの状況に合わせて、作製を最適化することができる。μ-LEDはサイズが小さいため、接触させるためには正確な配向が必要である。上記の例では、既にこの問題が示され、これに対する解決策を提案している。他方で、デジタル駆動制御技術を用いることで、機能を制限することなく、キャリア間の必要なコンタクトパッドの数を減らすことができる。このようにして、新規のデジタルとアナログのコンセプトが開発され、一緒に実装されることで、μ-ディスプレイさらには表示デバイスやマトリクスの製造が可能になる。
μ-LEDディスプレイを構築するための一態様は、μ-ディスプレイ内の発光素子またはμ-LEDの制御に関している。このように、μ-ディスプレイは、複数のμ-LEDが行と列とに配置されている。いくつかの態様では、μ-LEDはサブユニットにまとめることができる。これにより、作製、試験および加工が容易になる。
実際のマトリクス素子および画素の下で利用可能なスペースは限られているため、個々の画素をアドレス指定して制御するには、更なる検討が必要である。スペースが限られているため、従来のアプローチやテクニックが使えない可能性がある。これは、画素ごとに電流を制御するアプローチにも当てはめられる。
一構成では、行と列とに配置された複数の画素構造を有するμ-ディスプレイが提供される。第1の基板構造は、第1の材料系で作製され、70μm以下、特に20μm以下のエッジ長さを有する複数のμ-LEDを有している。μ-LEDは、第1の基板構造の中および/または上のリード線によって、個別にアドレス指定可能である。主放射方向に面していない第1の基板構造の表面には、複数の接点が配置されている。
さらに、μ-ディスプレイは、μ-LEDをアドレス指定するための複数のデジタル回路を含む第2の基板構造を有している。第2の基板構造は、第1の基板構造とは異なる材料系で作製されている。第2の基板構造は、第1の基板構造の接点に対応する複数の接点を表面に有している。ここで、提案された原理によれば、第1の基板構造と第2の基板構造とは、機械的にも電気的にも互いに接続されているため、コンタクト領域が互いに対応することになる。このコンセプトによれば、ディスプレイのデジタルとアナログの素子を別々に異なる材料系で作製し、次いでこれらを互いに接続することが提案される。そうすることで、それぞれの場合において最適な技術を使用することができる。
これに関連して、μ-LEDを有する第1の基板構造は、モノリシックモジュールとして構成されていてもよい。それ以外に、本明細書で開示されているモジュラー構造を使用することもできる。その結果、第1の基板構造自体は、さまざまなμ-LEDからなるモジュール用のキャリアとなる。いくつかの態様では、第1の基板構造は、各画素の電流源などのアナログ回路を含んでいる。同様に、本明細書で提供されている冗長回路およびドライバ回路も考えられる。このような回路を薄膜技術で実行することは可能であるが、電流搬送能力への要求が高くなりすぎないようにする必要がある。可能であれば、いくつかの態様では、第1の基板構造にマルチプレクサまたは他の回路を設けると好都合であり得る。これにより、第1の基板構造と第2の基板構造との間のコンタクト領域の数を減らすことができる。2つのμ-LEDのうちの1つをそれぞれの場合において選択する単純なスイッチであれば、必要なコンタクト面積は約半分になる。他の態様では、例えば、μ-LEDにコモンカソード層を使用することで、場合によってはコンタクトを組み合わせることが可能である。
μ-LEDは、エッジ長さが20μm以下で、特に小型のμ-ディスプレイでは、エッジ長さは2μm~5μmになることもある。設計に応じて、接点はμ-LEDと同じサイズになることもあれば、それより小さくなることもある。
材料系に関しては、それぞれの技術や材料系には、それぞれの利点や課題があるため、柔軟に選択される。第2の基板構造は、特に、単結晶、多結晶またはアモルファスのシリコンをベースにしている。これらの材料系でデジタル回路を実現することはよく理解されており、小さなサイズにも拡大することができる。同様に、インジウムガリウム亜鉛酸化物、GaNまたはGaAsも第2の基板構造に適した材料系である。第1の基板構造の材料系としては、以下の化合物のうちの少なくとも1つを用いることができる:GaN、GaP、GaInP、InAlP、GaAlP、GaAlInP、GaAsまたはAlGaAs。一態様では、使用される材料系によって熱膨張率や結晶学的パラメーターが異なることがある。そのため、両基板構造は直接ではなく、いくつかの中間層を介して接続されることが多い。
デジタル回路を備えた第2の基板構造には、供給リード線の他に、各画素のクロック信号およびデータワードからPWM様の信号を生成するための複数のデジタル回路が含まれていてもよい。さらに、画素のデータワードに対応する長さをそれぞれ有するシフトレジスタを直列に接続し、各シフトレジスタを一時的な記憶用のバッファに接続することが可能である。
前述のコンタクト領域の低減のために、第2の基板構造は、複数のμ-LEDを駆動制御するために、第1の基板構造のデマルチプレクサに電気的に結合された1つ以上のマルチプレクサを含むことができる。
オートモーティブおよび拡張現実の分野でのディスプレイ用途に加えて、他の応用分野の開拓も可能である。
μ-ディスプレイは、μ-LEDアレイのμ-LEDが機械的安定化および/または電気的接触のために配置されたキャリアを有していることが望ましい。キャリアは、例えば、μ-LEDもしくはμ-LEDアレイを搭載した透明部品の透明性を損なわないように、透明な材料を含んでいてもよい。キャリアは、ディスプレイの一部であってもよいし、例えば、自動車の部品に組み込まれていてもよい。支持面は、部品の表面を形成する場合もある。いくつかの態様では、自動車の部品自体が、μ-LEDもしくはμ-LEDアレイのキャリアとして形成されていてもよい。キャリアは任意の形状を有していてもよく、例えば、平坦なまたは湾曲した支持面で形成されていてもよい。例えば、キャリアの形状は、製造方法で予め決められている場合もある。例えば、キャリアは、ツールによって形状が予め定義される深絞り成形法によって製造されていてもよい。キャリア基板はフレキシブルまたは折り曲げ可能に形成されていてもよい。キャリアは、例えば音響効果を得るために、膜、特に振動膜をさらに含んでいてもよい。これにより、平坦ではない部品の表面にもμ-LEDアレイを組み込むことができる。
別の態様によれば、例えば、μ-ディスプレイの2つの非モノリシックμ-LEDアレイが、互いに重なり合うように、もしくは互いに連続するよう配置されていてもよい。この場合、上側もしくは前側のμ-LEDアレイは、透明なキャリアを有していてもよく、下側もしくは後側のμ-LEDアレイからの光が透明なキャリアを介して照射され得るようにしてもよい。このようにして、μ-ディスプレイは、3次元の視覚効果(3D効果)を生み出すことができる。
この点に関して、一態様は、更なる機能性を提供するために、センサーをμ-LEDアレイまたはμ-ディスプレイに実装することに関している。例えば、センサーは、μ-ディスプレイまたはμ-LEDアレイのキャリア上で、μ-LEDの間の空間に配置されている。これについて、本開示では、このような実装のいくつかの例を示す。μ-LEDと同様に、キャリア上に配置された導体トラックと電気的コンタクトを介して、センサーに電気エネルギーを供給することができる。センサーで検出された情報もしくはデータは、例えば無線でまたはキャリア上に配置されたデータ線を介してレシーバに送信することができる。例えば、輝度センサー、近接センサー、距離センサーおよび/またはタッチセンサーなどが、センサーとしてμ-LEDアレイに組み込まれていてもよい。例えば、μ-ディスプレイに配置された輝度センサーにより、周囲の光または周囲の明るさに応じて、μLEDアレイのμLEDの輝度またはオン/オフを自動的に制御・調整することができる。
例えば、μ-ディスプレイに配置された近接センサーによって、人間や人間の手がμ-LEDアレイまたはμ-LEDアレイを搭載したデバイスに近づいたことを検出し、人間や人間の手が再び遠ざかったときに、μ-LEDアレイまたはμ-LEDアレイを搭載した前記デバイスのスイッチを自動的にオンにしたり、再び自動的にオフにしたりすることができる。このようにして、例えば、μ-LEDアレイを搭載した表示デバイスを自動的に起動・停止させたり、近接センサーを有する少なくとも1つのμ-LEDアレイを備えた制御素子を自動的に照明・起動・停止させたりすることができる。
さらに、例えば、目の奥の反射や、目の一部で反射した光ビームを測定するなどのアイトラッキングも可能である。アイトラッキングはフォーカシングを可能にする。すなわち、光学システムは、一方では、μ-ディスプレイが表示する情報を目の中心の視覚領域に配置することができる。他方では、ディスプレイと目の間の距離を測定し、それに応じて画像のシャープネスを調整することもできる。
μ-LEDアレイ上に配置されたタッチセンサーにより、例えば、前述のμ-LEDアレイを有する表示デバイスまたは制御素子を、ユーザーがタッチパネルのようにタッチして操作・制御することができる。
例えば、μ-LEDアレイ上に配置された距離センサーによって、前述のμ-LEDアレイもしくは前述のμ-LEDアレイを有するデバイスとの物体または人間の距離を検出して監視し、例えば検出された距離に応じて情報または警告を表示することができる。
μ-LEDアレイには、1つ以上の近接センサー、輝度センサーおよびタッチセンサーならびに距離センサーを組み合わせて搭載することができ、顧客の要望に応じた機能またはやアプリケーションが可能となる。
一態様は、表面トポグラフィー検知システムに関するもので、光出射面を介して電磁放射を放出する少なくとも1つのμ-LEDを含む光電子構造素子を含んでいる。同様に、電磁放射が光出射面を経由して出射する前に、電磁放射をビーム整形するためのフォトニック構造体が設けられており、このフォトニック構造体は、電磁放射が特定の遠方界を有するように電磁放射を形成する。このフォトニック構造体は、2次元フォトニック構造体、特に2次元フォトニック結晶であり、電磁放射が、定義された、特に離散的なパターンを遠方界に生成するように構成されている。それから、表面トポグラフィー検知システムはさらに、遠方界のパターンを検知するために形成された検出ユニット、特にカメラを備えた検出ユニットを有している。
表面トポグラフィー検知システムは、所定の基準パターンに対するパターンの歪みを突き止めるために形成された分析装置を含んでいてもよい。
この分析装置は、突き止められた歪みに応じて、パターンにより照明された物体の形状および/または構造を決定するように形成されていてもよい。
別の応用はまた、物体をスキャンするためのスキャナーに関しており、スキャナーは、μ-LEDと遠方界を決定するフォトニック構造体を有する少なくとも1つの光電子構造素子とを有しており、この光電子構造素子は、好ましくは物体のラインごとの検出に使用することができる。
別の態様によれば、1つのμ-LEDアレイまたは複数のμ-LEDアレイは、自動車のテールライトの一部として形成されていてもよい。この点において、テールライトは、少なくとも50PPIの画素密度を形成しかつ最大でも0.5mmの画素ピッチを有する発光μ-LEDの少なくとも1つの配置構造を有していてもよい。テールライトは、リアライトとブレーキライトとの組み合わせとして形成されていてもよく、リアライト領域およびブレーキライト領域を有していてもよい。
更なる態様によれば、ブレーキライト領域およびリアライト領域は、それぞれ少なくとも1つのμ-LEDの配置構造を含んでいてもよく、ブレーキライト領域のμ-LEDの配置構造の画素密度は、リアライト領域の発光ダイオードの配置構造の画素密度よりも高いことを特徴とする。一態様によれば、本デバイスは、自動車のセンターハイマウントブレーキライトとして構成されていてもよい。センターハイマウントブレーキライトは、自動車のリアウインドウパネルに埋め込まれていてもよいし、自動車のボディのルーフ領域に配置されていてもよい。このライトは、透明に形成されていてもよい。
μ-LEDからなる配置構造を備えたかかるブレーキライトの画素密度は、少なくとも10PPIで、画素ピッチは最大でも2.5mmとすることができる。本明細書に記載しているライトでは、それぞれの場合においてμ-LEDアレイを単一の発光ダイオードと見なして、複数のこのようなμ-LEDアレイからの光を構成することができる。この場合、各μ-LEDアレイは個別に駆動制御可能であり得る。
一態様によれば、本デバイスは、自動車の外側に配置されたμ-ディスプレイを含んでいてもよい。これにより、車外の人間にも情報を伝えることができ、道路利用者の安全性を高めることができる。本発明の一態様によれば、ディスプレイの発光ダイオードの配置構造の画素密度は少なくとも100PPIで、画素ピッチは最大でも0.25mmとすることができ、さらに車両本体に組み込まれていてもよい。一態様によれば、ディスプレイの形状を車両本体の輪郭に合わせてもよい。
更なる態様によれば、ディスプレイの制御装置は、ユーザーまたはコンピュータプログラムによってディスプレイ動作が制御されるように提供されていてもよい。さらに、少なくとも1つのセンサーまたは検出器を設けて、少なくとも1つのセンサーまたは検出器からの測定信号に応じて、制御装置によってディスプレイの表示を制御するようにしてもよい。追加でまたは任意に、ディスプレイ用の制御装置は、情報または制御信号をディスプレイに送信できるように、通信インターフェースを含んでいてもよい。同様に、例えば、ステータスまたは動作パラメーターが、通信インターフェースを介してディスプレイから外部機器にさらに通信されてもよい。自動車の場合、制御装置は、自動車の外部の情報を受信するように構成されていてもよい。
別の観点では、制御装置は、記録装置を有するか、または記録装置からの情報およびデータを受信することができる。記録装置は、自動車環境を認識するためのユニットとして構成されていてもよい。記録装置は、動く障害物および/または動かない障害物を認識するように構成されていてもよい。特に、記録装置は、人間、道路、交通標識または他の道路利用者を認識するように構成されていてもよい。記録装置は、光線レシーバを備えた光線エミッタを含んでいてもよい。記録装置は、可視光線または非可視光線を記録するカメラを含んでいてもよい。一態様によれば、カメラシステムおよび/または記録装置は、車外および/または車内に配置されていてもよい。
一態様によれば、外部に配置されたカメラシステムは、外向きと内向きとの両方であってもよい。外向きとは、車外からカメラシステムに照射される光(可視または非可視領域の電磁放射)をカメラシステムが受け取ることを意味している。内向きとは、車内から放射された光をカメラシステムが受け取ることを意味している。あるいはカメラシステムは屋内に配置されていてもよい。このようにして配置されたカメラシステムは、外向きと内向きとの両方であってもよい。外向きとは、車外からカメラシステムに照射される光(可視または非可視領域の電磁放射)をカメラシステムが受け取ることを意味している。内向きとは、車内から放射された光をカメラシステムが受け取ることを意味している。
一態様によれば、記録装置、特にカメラシステムは、自動車のミラーの機能を画像化することができる。一態様によれば、ミラーは、自動車のエクステリアミラーおよび/またはバックミラーであってもよい。このために、一態様によれば、カメラシステムは、自動車の内部および/または外部に配置されていてもよい。記録装置は、自動車環境全体を検知するように配置されていてもよいし、自動車環境の所定の部分領域のみを検知するように配置されていてもよい。例えば、記録装置は、自動車の前方領域および/または後方領域を記録するように向けられていてもよい。特に、記録装置は、運転者から見えない自動車の領域をカバーするように向けられていてもよい。例えば、運転者の視界からは見えない領域が、自動車のA、B、CまたはDピラーの後ろにある場合がある。
本開示内容に従った前方領域は、典型的な主な進行方向の前方にある自動車の領域に位置する。自動車の前方領域は、自動車のフロントガラスを覗いたときに運転者に見える領域に実質的に含まれている。本開示内容に従った後方領域は、典型的な主な進行方向の後方にある自動車の領域に位置する。自動車の後方領域は、自動車のリアウインドウパネルを覗いたときに運転者に見える領域に実質的に含まれている。
一態様によれば、記録装置は、タッチセンサーパネルを含んでいてもよい。有利には、タッチセンサーパネルは自動車内に配置されていてもよい。タッチセンサーパネルは車外に配置されていてもよい。一態様によれば、記録装置は出力装置と一体化および/または組み合わせられていてもよい。同様に、記録装置と出力装置とがパネル上で一体化および/組み合わせられていてもよい。
別の観点は、制御装置に関している。制御装置は、信号もしくは情報を送信および処理するように配置されている。一態様によれば、制御装置は、記録装置から信号もしくは情報を受け取り、信号もしくは情報を処理し、処理された信号もしくは情報を出力装置に送信する。信号もしくは情報は、例えば、自動車の状態に関する一般的な情報を含んでいてもよい。信号もしくは情報には、例えば、自動車環境からの情報、車内からの情報、運転者や車内にいる人間の情報、車外の人間の情報もしくは障害物に関する情報、または自動車環境からの指示が含まれ得る。
一態様によれば、制御装置は、1つ以上の演算処理装置を含んでいる。演算処理装置は、記録装置からの受信信号を収集、評価および処理するように配置されていてもよい。制御装置は、自動車のオンボードコンピュータの一部であってもよい。オンボードコンピュータは、記録装置の外部から読み込まれ/入力された自動車の情報を処理するように配置されていてもよい。一態様によれば、制御装置またはその少なくとも一部は、車外に設置されている。例えば、制御装置の一部がクラウドに配置されていてもよい。このために、自動車に残っている制御装置の一部が無線でクラウドに接続されていてもよい。クラウドは、情報の収集、評価および処理を行い、引き続き、その情報を自動車に、特に関連する自動車内外の出力装置に送り返すように配置されていてもよい。一態様によれば、制御装置は、記録装置内もしくは記録装置上および/または出力装置内もしくは出力装置上および/または自動車内および/もしくは/自動車外に配置されていてもよい。
更なる態様は、出力装置に関している。出力装置は、所定の方法で情報を出力するように配置されている。このために、出力装置は1つ以上の表示ユニット(以下、スクリーン、ディスプレイおよび/または表示部もしくは表示ユニットおよび/または表示パネルと呼ぶ)を含んでいてもよい。表示ユニットは、予め定義された異なる特性を有していてもよい。特に、表示ユニットは、予め定義されたサイズ、形状、解像度(画素密度もしくは画素ピッチ)および/またはコントラスト比(「ダイナミック比」または「ダイナミックレンジ」とも呼ばれる)を有していてもよい。
一態様によれば、表示ユニットは、コンポーネント上に直接または間接的に配置されていてもよい。すなわち、表示ユニットは、コンポーネント、特に自動車コンポーネントを含んでいてもよい。一態様によれば、表示ユニットは、これらのコンポーネントの一部として形成されていてもよい。一態様によれば、表示ユニットは、コンポーネント、特に自動車のコンポーネントを形成することができる。例として、特性に関しては、表の各種用途に関連する本開示の説明を参照されたい。
一態様によれば、表示ユニットは、1つ以上のディスプレイ(スクリーン、表示部または表示パネルとも呼ばれる)を含んでいてもよい。ディスプレイは、予め定義された異なる特性を有していてもよい。ディスプレイの特性には、サイズ、形状、解像度および/またはコントラスト比が含まれ得る。ディスプレイは、コンポーネントに直接/間接的に配置されていてもよい。すなわち、ディスプレイは、コンポーネント、特に自動車コンポーネントを含んでいてもよく、それによってこれらの部品の一部を形成してもよい。一態様によれば、表示ユニットは、例えば、ヘッドライナー、センターコンソール、ピラー内のディスプレイ、ピラー自体および/または自動車のステータス表示として形成されていてもよい。
本明細書で説明する適用例、特に自動車における適用例では、一部に曲面または少なくとも非平面と直線の表面が必要である。そのため、本出願に開示されている製造技術および構造素子もしくは構造体を用いて曲面表示デバイスを作り出すことが適切であると考えられる。
少なくとも一構成形態によれば、表示デバイスは、表側および裏側を有するキャリアを含んでいてもよい。好ましくは、キャリアは、繋がっておよび/または一体的に形成されている。キャリアは、ガラスまたはプラスチックまたは金属を含んでいてもよいか、もしくはそれからなる。特に、キャリアは自立式である。キャリアは、好ましくは剛体であり、つまり、曲げられないか、または僅かにしか曲げられない。
表側と裏側とは、キャリアを挟んで互いに反対側になる。キャリアの表側から裏側まで測定したときの平均厚さは、例えば、少なくとも1mmまたは少なくとも5mmまたは少なくとも10mmである。表側の面積は、例えば、少なくとも1cm2または少なくとも10cm2または少なくとも100cm2または少なくとも500cm2である。代替的または追加的に、表側の面積は、最大でも5m2または最大でも1m2または最大でも3000cm2とすることができる。
いくつかの態様では、表示デバイスは、キャリアの表側に適用された自立式の表示セグメントを含んでいる。好ましくは、表示セグメントは、キャリアに取り付けられている。例えば、表示セグメントは、キャリアの表側に接着または載置されている。しかしながら、特に、表示セグメントは、キャリア上では製造されない。むしろ、表示セグメントは、キャリアとは別途製造されたコンポーネントであり、キャリアおよび表示セグメントの作製後の段階でキャリアに適用されたものである。
本明細書における「自立型」という用語は、ある要素が、キャリアまたはその要素の一部ではない他の更なるキャリアによって支持されていなくても、その要素が機械的に安定していることを意味する。つまり、この要素は自立しており、それ自体で安定している。このために、要素の材料および/または厚さ対膨張率の比が適宜選択されていてもよい。例えば、自立型の要素は、要素の角部またはエッジ部で把持ツールを使って把持し、更なる安定化部材を使用せずに、把持ツールを用いて単独で転写することができる。その際、要素が砕けたり割れたりすることはない。しかしながら、転写時に曲がったり、たわんだりすることもある。例えば、自己支持型の要素は、輸送中の非常に強い曲げを回避する、縦型で転写される。
少なくとも一構成形態によれば、表示セグメントは、導電性接続層と電気絶縁層とを有する基板と、少なくとも1つの光電子構造素子とを含んでいる。
基板は、表示セグメントの安定化部材であることが好ましい。基板は、上面と下面とを有している。上面に沿って測定した基板の横方向の最大の広がりは、例えば、少なくとも1cmまたは少なくとも5cmまたは少なくとも10cmである。代替的または追加的に、基板の横方向の最大の広がりは、最大でも50cmまたは最大でも30cmまたは最大でも15cmとすることができる。上面と下面との間で測定した基板の平均厚さは、例えば、少なくとも30μmまたは少なくとも100μmまたは少なくとも500μmまたは少なくとも1mmである。
導電性接続層は、例えば、SiO2などの誘電体層が、Al、Au、Cuまたは、Moなどの金属構造体に埋め込まれたものを含んでいる。接続層は、例えば、薄膜回路によるスイッチング構造を含んでいる。接続層は、1つ以上の薄膜トランジスタを含んでいてもよい。特に、接続層は、TFT製造プロセスを用いて製造可能または製造されている。例えば、接続層の厚さは50nm~1μmである。
電気絶縁層は、例えば、有機材料、例えばポリイミドまたはポリエステルまたはポリウレタンまたはガラスを含むか、またはそれからなる。電気絶縁層は、一体的に形成されていてもよい。電気絶縁層はシートであってもよい。接続層は、例えば、TFTプロセスにおいて、電気絶縁層上に製造されていてもよい。電気絶縁層の厚さは、例えば、少なくとも10μmまたは少なくとも50μmまたは少なくとも100μmである。特に、電気絶縁層は、表示セグメントを安定させる部材を形成する。好ましくは、電気絶縁層は、表示セグメントの横方向の範囲全体に広がっている。接続層に面している電気絶縁層の側は、接続層で完全に覆われていてもよい。
特に、光電子構造素子は、電磁放射、好ましくは可視光線を放出または吸収するように配置されている。特に、光電子構造素子はμ-LEDを含んでいる。半導体チップは、例えば、窒化物系化合物半導体材料をベースとしている。基板の上面には、光電子構造素子が配置および取り付けられている。光電子構造素子の横方向の最大の広がりは、基板の横方向の最大の広がりの、例えば、少なくとも10分の1または少なくとも100分の1である。
1つの可能な態様によれば、光電子構造素子は、接続層上に配置され、接続層に電気的に接続されている。光電子構造素子は、接続層を介して通電され、駆動制御されることができる。
少なくとも一構成によれば、電気絶縁層は、光電子構造素子に面していない接続層の側で、キャリアと接続層との間に配置されている。例えば、電気絶縁層は基板の下面を形成する。特に、接続層に面していない電気絶縁層の側は、未実装状態で表示セグメントの外側を形成する。電気絶縁層は、キャリアの表側に直接接触していてもよい。
別の態様では、電気絶縁層は、単一コヒーレントに形成されている。すなわち、電気絶縁層には、製造公差内で電気絶縁層を貫通する穴またはスルーホールビアが存在しない。電気絶縁層は、好ましくは、表示セグメントの横方向の全範囲にわたって、途切れることなく連続的に延びている。好ましくは、接続層に面していない電気絶縁層の側には、電気リード線がない。特に、キャリアと電気絶縁層の間には電気リード線が存在しない。
いくつかの態様によれば、キャリアは、表側から裏側に延びる少なくとも1つの開口部を含んでいる。開口部とは、キャリアを完全に貫通する穴のことである。表側から見ると、開口部はキャリアの連続したウェブで完全に取り囲まれている。例えば、表示セグメントは、開口部を覆わないように、または開口部を部分的にのみまたは完全に覆うように、表側に配置されている。
別の態様によれば、表示セグメントは、開口部を通って延びる電気リード線を介して、キャリアの裏側から電気的に接触可能である。すなわち、電気リード線が開口部を通って表側から裏側に延び、表示セグメントに電気的に接続されている。企図した表示デバイスの動作では、裏側から開口部を通って光電子構造素子に電流が流れる。特に、電気リード線は、表示セグメントの接続層に電気的に接続されている。
一態様では、表示デバイスは、表側と裏側とを有する基板と、基板の表側に適用された自立型の表示セグメントとを含む。表示セグメントは、導電性接続層と電気絶縁層とを有する基板と、少なくとも1つの光電子構造素子とを含んでいる。光電子構造素子は、接続層上に配置され、接続層と電気的に接続されている。電気絶縁層は、光電子構造素子に面していない接続層の側で、キャリアと接続層との間に配置されている。電気絶縁層は、単一コヒーレントに形成されている。キャリアには、表側から裏側に向かって延びる開口部がある。表示セグメントは、開口部を通って延びる電気リード線を介して、キャリアの裏側から電気的に接触可能である。
本コンセプトは、特に、表示セグメント自体が、表示セグメントの基板を通って延びるスルーホールビアを有しない表示デバイスを提供するという思想に基づいている。すなわち、表示セグメントの基板は、片面のみ、つまり接続層の領域のみに導体構造を有している。かかる表示セグメントは、安価に製造することができ、特に柔軟性または折り曲げやすさを考慮して構成することができる。これは、例えば、いくつかのディスプレイ用途で望まれているように、キャリアの表側が湾曲していたり、自由な形状を有していたりする場合に有利である。
スルーホールビアを持たないかかる表示セグメントは、キャリア上で、特にキャリアの裏側から電気的に接触されなければならない。この問題を解決するために、本発明では、キャリアは、表示セグメントを電気的に接触させることが可能な電気リード線が延びる開口部を有している。この場合、表示セグメントにおいてスルーホールビアは必要ない。
いくつかの態様および構成によれば、表示セグメント、特に表示セグメントの基板は、フレキシブルまたは折り曲げ可能に構成されている。好ましくは、これは可逆的な屈曲性を意味している。例えば、表示セグメントは、基板の上面が実質的に平坦な状態と、基板の上面が湾曲している状態との間で可逆的に折り曲げられることができ、この場合、上面の曲率半径は、例えば、1m未満または10cm未満または1cm未満である。
少なくとも一構成によれば、表示セグメントが適用されるキャリアの表側に、凹状および/または凸状の湾曲部がある。例えば、この領域の表側の曲率半径は、5m未満または1m未満または50cm未満である。
別の観点では、電気リード線は基板のタブによって形成されており、タブは開口部から挿入されている。タブは、好ましくは、基板の残りの部分に対して可逆的に曲げられる基板の部分である。例えば、タブと残りの基板との間の領域の曲率半径は、タブと残りの基板との間の基板を破損または亀裂させることなく、5cm未満または1cm未満または1mm未満または0.1mm未満の値に設定することができる。例えば、タブが接続層の一部を含むことで、電気リード線が形成される。
タブの領域における基板の平均厚さは、基板の残り部分の平均厚さから10%未満の差であることが好ましい。特に、タブは電気絶縁層の一部を含んでいる。好ましくは、タブは基板の開口部を完全に貫通している。タブの一部は、裏側の開口部から突出していてもよい。例えば、この部分は、開口部から少なくとも0.5cmまたは少なくとも1cm突出している。
更なる態様によれば、タブの裏側から突出した部分に能動的または受動的な電子構成部品が配置され、基板と電気的に接続されている。特に、能動的または受動的な電子構成部品は、接続層を介して光電子構造素子に電気的に接続されている。この部品は、例えば、表示セグメントの駆動装置として機能する。電子構成部品は、半導体チップ、例えばICチップであったり、光電子構造素子の制御素子であったりしてもよい。好ましくは、電子構成部品は、光電子構造素子と同様に、基板の上側に配置されている。代替的または追加的に、かかる電子構成部品は、光電子構造素子と同じ側で基板上に配置されていてもよい。
表示セグメントの基板は、キャリアの開口部を少なくとも部分的に覆っていてもよい。電気絶縁層は、開口部の領域で部分的または完全に除去されており、電気リード線は、開口部の領域で接続層に配線され、接続層に電気的に接続されている。特に、開口部の領域では、電気絶縁層が基板から除去され、基板の上面に面していない面で接続層にアクセスできるようになる。
導電性は、例えば、導電層、例えば、接続層と電気的に接触している金属層または焼結/導電性ペースト(例えばAgからなる)によって形成されていてもよい。接続層を起点として、導電層は、開口部の側壁を介してキャリアの裏側まで素材結合で配線されていてもよい。導電層とキャリアとの間には絶縁層が配置されていてもよい。この場合、好ましくは、基板の一部が開口部から挿入されることはない。
更なる態様によれば、表示セグメントは、複数のμ-LEDを含んでおり、各μ-LEDまたはμ-LEDのトリプレットは、表示セグメントのピクセルまたは画素に割り当てられており、特に一意に割り当てられている。例えば、光電子構造素子は、基板上に長方形などの規則的なパターンで配置されている。各光電子構造素子は、他の光電子構造素子とは独立して個別に駆動制御可能であってもよい。これにより、各構造素子は、ディスプレイのピクセルまたは画素を実現することができる。これまでに光電子構造素子に関連して開示されたすべての特徴は、表示セグメントの他のすべての光電子構造素子にも適用できる。
少なくとも一構成形態によれば、表示デバイスは、キャリアの表側に適用された複数の表示セグメントを含んでいる。表示セグメントは、ほぼシームレスに並置されていてもよい。各表示セグメントは、キャリアの開口部に割り当てられており、特に一意に割り当てられている。表示セグメントについてこれまでに説明してきたすべての特徴は、他のすべての表示セグメントにも適用できる。特に、表示セグメントは、キャリアの表側で互いに同じ高さで配置されている。共通の表示セグメントの隣り合う2つの光電子構造素子間の距離と、好ましくは、隣り合う2つの表示セグメントの2つの光電子構造素子間の距離とは、見分けがつかないほどの差であり、例えば最大でも10%の差である。
単一のキャリアを有し、当該キャリア上に1つ以上の表示セグメントが設けられた表示デバイスは、例えば、自動車のディスプレイとして使用することができる。しかしながら、表示デバイスが複数のキャリアを含み、それぞれに1つ以上の表示セグメントが設けられていることも考えられる。個々のキャリアは、互いに並置され、例えば、フレームを介して互いに機械的に接続されていてもよい。このようにして、例えば1m以上10m以下の寸法の大画面映像を実現することができる。
さらに、表示デバイスの製造方法についても示される。本方法は、先に述べたような表示デバイスの製造に特に適している。したがって、表示デバイスに関連して開示されているすべての特徴は、方法に対しても開示されており、その逆もまた同様である。
少なくとも一構成形態によれば、本方法は、表側と裏側と、表側から裏側に延びる少なくとも1つの開口部とを有するキャリアを提供するステップA)を含む。ステップB)では、自立型の表示セグメントを提供する。表示セグメントは、導電性接点層と単一コヒーレントな電気絶縁層とを有する基板と、少なくとも1つの光電子構造素子とを含んでいる。光電子構造素子は、接続層に配置され、接続層と電気的に接続されている。電気絶縁層は、構造素子に面していない接続層の側に配置されている。ステップC)では、表示セグメントをキャリアの表側に適用する。ステップD)では、開口部を貫通する電気リード線を形成することで、電気リード線を介してキャリアの裏側から表示セグメントを電気的に接触可能にする。
好ましくは、ステップA)~D)を指示された順序で連続して実行する。
少なくとも一構成形態によれば、基板は、ステップD)で開口部から挿入されかつ電気リード線を形成するタブを含んでいる。
少なくとも一構成によれば、ステップC)では、電気絶縁層が開口部を少なくとも部分的に覆うように表示セグメントが配置される。ステップD)では、開口部の領域の電気絶縁層を、例えば、レーザーアブレーションによって除去し、その後、開口部の領域の電気リード線を接続層に導き、接続層に電気的に接続する。例えば、電気リード線として、開口部の領域に導電層を、例えばジェッティング法によって形成する。従来、基板と電気リード線との間の電気的な絶縁として、開口部の領域の基板に絶縁層を適用することもあった。
以下の主題では、上記で言及し、要約したいくつかの態様について、さまざまな構成や例を用いて、より詳細に説明する。
さまざまなサイズのいわゆるμ-ディスプレイまたは高精細表示部に対するいくつかの要件を、視野および画素ピッチの観点から示す図である。
人間の目における桿体および錐体の空間的な分布に関連した図である。
人間の目の知覚能力を、関連する投影領域とともに示す図である。
桿体および錐体の感度と波長との関係を示す図である。
さまざまなサイズの高精細表示部に対するいくつかの要件を、μ-ディスプレイの画素の視野およびコリメーション角の観点から示す図である。
図1Aおよび2Aで使用したパラメーターを示すための画素配置の例示的な構成を示す図である。
特定の解像度の視野に応じて必要な画素数を示す図である。
μ-LEDアレイの好ましい使用分野の表を示す図である。
光の生成および光の案内のための必須要素を備えたμ-LEDディスプレイの概略図である。
同様のμ-LEDを備えたμ-LEDアレイの概略図である。
異なる光色のμ-LEDを備えたμ-LEDアレイの概略図である。
構造体またはビーム案内およびコリメーションの例を示す図である。
構造体またはビーム案内およびコリメーションの例を示す図である。
提案された原理によるスロット型アンテナの例を示す図である。
異なる色の光を生成するのに適した、提案された原理による発光デバイスの一例を示す図である。
異なる色の光を生成するのに適した、提案された原理による発光デバイスの一例を示す図である。
異なる色の光を生成するのに適した、提案された原理による発光デバイスの一例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
半導体材料で発光を実現したスロット型アンテナの例を示す図である。
図8Aに従ったスロット型アンテナの簡単な例の放射パターンを示す図である。
発光面に配置された光学系をさらに備えたスロット型アンテナの2つの例を示す図である。
定義された色の光を生成するためのスロット型アンテナの更なる例を示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
インゴット形状のμ-LEDの組み合わせと、当該組み合わせの間にある変換層とから画素を製造するステップを横断面で示す図である。
μ-LEDの組み合わせを有する提案された画素の第1の接触のステップの平面図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従う提案された画素の第1の接触のステップを縦断面図で示したものである。
コンセプト案のいくつかの態様に従う提案された画素の第2の接触のステップを横断面図で示したものである。
提案された電子構造素子の第2の接触のステップを縦断面図で示したものである。
前図に従った画素を製造するステップを横断面図で示したものである。
本開示のいくつかの態様に従った、配置された光整形構造体およびさまざまな駆動制御手段を備えた画素の一構成形態を示す図である。
フォトニック構造体の平面図である。
図25Aのいくつかの態様に従った、異なる画素のサブ画素の異なる位置決めの可能性の更なる平面図である。
は、光電子構造素子、特にμ-LEDを製造するための出発材料としてのμ-ロッドの一構成例を示す図である。
キャリアに対して水平方向に並んだμ-ロッド構造を有するμ-LEDの一構成例を示す図である。
μ-ロッドの下側で接触を行う更なる構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
提案された原理による、キャリアに対して水平方向に並んで接触した3つのμ-LED群を製造するための提案された方法の一構成例を示す図である。
いくつかの態様に従った、水平方向に並んだμ-ロッドの更なる構成例を縦断面で示す図である。
説明したいくつかの態様に従った、3つのμ-LEDを有する提案された群と、当該μ-LED上に配置された変換層とを有する更なる構成例を示す図である。
キャリア上に3つの水平方向に並んだμ-ロッドを有する群と反射層とを有する更なる構成例を示す図である。
異なる波長の光を発するのに適した3つの水平方向に並んだμ-ロッドを有する画素配置構造体の平面図を示す。
前図の構成形態の側面図を示す。
それぞれがμ-LEDを形成する3つの並んだμ-ロッドを有する群、すなわち複数のμ-LEDの提案されたいくつかの態様に従った更なる構成例を平面図で示したものである。
異なる幾何学的形状により異なる波長の光を発するように構成された、断面が3本のμ-ロッドを有する提案された群の更なる構成例を横断面で示す図である。
提案された3本のμ-ロッド群の構成例を透視図で電子顕微鏡写真として示したものである。
提案された3本のμ-ロッド群の一構成例の放出波長を表した図である。
一緒になって画素を形成する提案された3本のμ-ロッド群の一構成例の更なる図を横断面図で示したものである。
キャリア基板の予め定義された付形層上に成長したμ-LEDの製造プロセスの一構成を示す図である。
キャリア基板の予め定義された付形層上に成長したμ-LEDの製造プロセスの一構成を示す図である。
キャリア基板の予め定義された付形層上に成長したμ-LEDの製造プロセスの一構成を示す図である。
キャリア基板の予め定義された付形層上に成長させたμ-LEDの製造プロセスの一構成を示す図である。
提案された原理によるμ-LEDの完成した構成を示す図である。
キャリア基板の予め定義された付形層上に成長させられており、いくつかの更なる態様を有するμ-LEDの第2の構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従ったμ-LEDを製造するための付形層の第1の輪郭を示す図である。
μ-LEDを製造するための付形層の第2の輪郭の一構成を示す図である。
提案された態様のいくつかに従った、付形層上に成長させたμ-LEDの第3の構成例を示す図である。
キャリアの配向を規定した付形層上にエピタキシャル的に生成されたμ-LEDの第4の構成例を示す図である。
提案された態様のいくつかと、中間的な製造ステップとによるμ-LEDの第5の構成を示す図である。
提案された態様のいくつかと、中間的な製造ステップとによるμ-LEDの第5の構成を示す図である。
追加で設けられたフォトニック結晶構造体と、制御回路に電気的に接触するためのコンタクトとを備えたμ-LEDの第4の構成を示す図である。
フォトニック構造体が背面に配置されている代替的な構成を示す図である。
フォトニック構造体と変換材料とを備えた更なる構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの考察に従った、発光を意図した領域の外側にある半導体ボディの活性層に量子井戸インターミキシングを生成するためのさまざまなプロセスステップを備えた一構成形態を示す図である。
コンセプト案のいくつかの考察に従った、発光を意図した領域の外側にある半導体ボディの活性層に量子井戸インターミキシングを生成するためのさまざまなプロセスステップを備えた一構成形態を示す図である。
コンセプト案のいくつかの考察に従った、発光を意図した領域の外側にある半導体ボディの活性層に量子井戸インターミキシングを生成するためのさまざまなプロセスステップを備えた一構成形態を示す図である。
コンセプト案のいくつかの考察に従った、発光を意図した領域の外側にある半導体ボディの活性層に量子井戸インターミキシングを生成するためのさまざまなプロセスステップを備えた一構成形態を示す図である。
コンセプト案のいくつかの考察に従った、発光を意図した領域の外側にある半導体ボディの活性層に量子井戸インターミキシングを生成するためのさまざまなプロセスステップを備えた一構成形態を示す図である。
提案された原理による方法を実行している間のさまざまなプロセスパラメーターの経時変化を示す図である。
光電子構造素子の輝度低下を明示するための、相対的な輝度の経時変化に関連した図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、量子井戸インターミキシングによって半導体構造を製造するためのさまざまなプロセスステップを有する一構成形態を示す図である。
提案された原理による方法を実行している間のさまざまなプロセスパラメーターの例示的な経時変化を示す図である。
提示されたコンセプトのさまざまな考察を説明するための、半導体構造の一部分を示す図である。
提示されたコンセプトを説明するための、さまざまなドーパントの動作電流の関数としての障壁高さを明示す図である。
提示されたコンセプトを説明するための、異なる障壁高さにおける量子効率を明示した更なる図である。
コンセプト案を導き出すための、正方形のμ-LED構造と、それに関連するドーパント濃度の横断面プロファイルとを示す図である。
提案された原理のいくつかの態様に従ったドーパント濃度の対応する横断面プロファイルを有する光電子構造素子の半導体構造を平面図で示したものである。
コンセプト案を考慮に入れた、層構造ひいては光電子構造素子の製造プロセスのさまざまなステップを示す図である。
コンセプト案を考慮に入れた、層構造ひいては光電子構造素子の製造プロセスのさまざまなステップを示す図である。
コンセプト案を考慮に入れた、層構造ひいては光電子構造素子の製造プロセスのさまざまなステップを示す図である。
コンセプト案に従った光電子構造素子のバンドギャップを表した図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、発光に適した半導体構造の第1の構成形態の平面図を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、半導体構造のバンドギャップの関連する横断面プロファイルを示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、発光に適した半導体構造の更なる構成形態の平面図を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、バンドギャップの関連する横断面プロファイルを示す図である。
コンセプト案のいくつかの構成に従った第3の構成の平面図を示す図である。
コンセプト案のいくつかの構成に従ったバンドギャップの関連する横断面プロファイルを示す図である。
さまざまな態様において実装された半導体構造の第4の構成の平面図を示す図である。
さまざまな態様において実装された半導体構造のバンドギャップの関連する横断面プロファイルを示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、1つ以上の光電子構造素子、特にμ-LEDの層構造および製造方法を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、1つ以上の光電子構造素子、特にμ-LEDの層構造および製造方法を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、1つ以上の光電子構造素子、特にμ-LEDの層構造および製造方法を示す図である。
コンセプト案に従った半導体構造のバンドギャップを表した図である。
従来の光電子構造素子(例えばLED)の一構成例を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、電流狭窄部を有する光電子構造素子もしくはμ-LEDの第1の構成例の縦断面図である。
第1の構成例のμ-LEDを上から見た横断面図である。
第1の構成例の動作を表した図である。
電流狭窄用の磁気素子を備えたμ-LEDの第2の構成例の縦断面図を示したものである。
第2の構成例のμ-LEDを上から見た横断面図である。
電流狭窄のための更なる態様を備えたμ-LEDの第3の構成例の縦断面図である。
第3の構成例のμ-LEDを上から見た横断面図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った光電子構造素子もしくはμ-LEDの第4の構成例の縦断面図を示したものである。
電流狭窄部を有するμ-LEDの製造方法の一構成例を示す図である。
周回リフレクタ構造体を有するμ-LEDの提案された製造方法の一構成例のさまざまなステップを示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、リフレクタ構造体を介在させた2つのμ-LEDのアレイの第1の構成例を横断面で示す図である。
提案された原理によるμ-LEDの第1の構成例の一部を平面図として示したものである。
提案されたアレイと、その間に配置されたリフレクタ構造体との第2の構成例を横断面で示す図である。
提案された電気的に接触したμ-LEDの第1の構成例の横断面を表した図である。
提案されたアレイの第3の構成におけるコンセプト案の更なる態様を横断面図で示したものである。
提案されたアレイの第4の構成を横断面で示す図である。
更なる態様を説明するための、いくつかの提案されたアレイを備えた構成の平面図である。
提案されたアレイの更なる構成例の平面図である。
提案されたアレイに配置されたμ-LEDのさまざまな構成例を横断面で示す図である。
提案されたアレイに配置されたμ-LEDのさまざまな構成例を横断面で示す図である。
提案されたアレイに配置されたμ-LEDのさまざまな構成例を横断面で示す図である。
図93および図94の構成例を平面図として示したものである。
いくつかの態様を説明するための、いくつかのμ-LEDと、コモンカソードとして形成された透明な接点層とを備えたμ-ディスプレイの一部分を平面図で示したものである。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、μ-LEDおよび接触層ならびに2つの導体トラックを備えたいくつかの画素素子を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、μ-LEDおよび接点層ならびに2つの導体トラックを備えたいくつかの画素素子を示す図である。
μ-LED、アノードおよびカソード用の導体構造、ならびにビーム整形素子を備えたμ-LEDを有する複数の画素素子の一部分を平面図で示したものである。
前図の構成の更なる補足的な構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、接点層とμ-LEDの領域の切欠き部とを備えた画素素子を有するμ-ディスプレイの一部分を平面図で示した一構成形態である。
更なる考察を説明するための、図99に従ったμ-LED、導体トラックおよび放射領域を有する画素素子の垂直断面図である。
μ-LEDの放射領域を制限するための代替的な構成を示す図である。
いくつかの態様に従った3つのμ-LEDと透明なカバー電極とを備えた画素素子の垂直断面図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、導体トラックを有する画素素子の、前図に対して90度回転させた垂直断面図である。
段差のある接点層の下に導体トラックを有する画素の一構成例を垂直断面図で示したものである。
平面接点層の下に導体トラックを有する画素の垂直断面図である。
キャリア基板上に導体トラックを有する2つの画素素子を有する構成を縦断面図で示したものである。
いくつかの態様に従ったキャリア基板のキャビティ内に3つのμ-LEDが平面的に配置された画素素子を縦断面図で示したものである。
空間壁(Zwischenraumwaende)が盛り上がったキャリア基板のキャビティ内に3つのμ-LEDが配置された画素の縦断面図である。
キャビティ内の残りの空間が変換材料で充填されている、前図に対する画素の補足的な構成を示す図である。
キャリア基板上のμ-LEDの配置と、提示された原理のいくつかの態様に従ったキャビティの側壁での放出光の反射挙動を示す図である。
キャリア基板上のμ-LEDの配置と、提示された原理のいくつかの態様に従ったキャビティの側壁での放出光の反射挙動とを示す図である。
キャリア基板上のμ-LEDの配置と、提示された原理のいくつかの態様に従ったキャビティの側壁での放出光の反射挙動とを示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、周回構造とカバー電極とを備えた3つの縦型μ-LEDの画素を表した図である。
追加の変換体および光取り出し構造体を有する、図103Aに類似した更なる構成を示しており、したがって、本開示の更なる態様を実現した図である。
前図のデバイスの平面図である。
複数の画素とカバー電極とを備えたアレイの一部分の横断面図である。
提案された原理の更なる態様に従った、複数のμ-LEDと透明なカバー電極とを備えた画素の第2の構成例である。
前図の構成の平面図である。
画素の第3の構成例を横断面図で示したものである。
前図の構成例の平面図である。
コンセプト案に従った画素の更なる構成を示す図である。
前図の構成例の平面図である。
提案された原理に従って画素を製造するための異なるステップを有するプロセスフローを示す図である。
提案されたいくつかの態様に従った、ナノカラムを備えたμ-LED配置構造の第1の構成例の側面図を示す。
前図の配置の第1の構成例を平面図で示したものである。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第1の構成の製造に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第2の構成の製造方法に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第2の構成の製造方法に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第2の構成の製造方法に関するさまざまな態様を示す図である。
いくつかの提案された態様に従った配置構造の第2の構成の製造方法に関するさまざまな態様を示す図である。
配置構造の第3の構成を製造するための、いくつかの更なる態様に従った方法のためのさまざまなステップを示す図である。
配置構造の第3の構成を製造するための、いくつかの更なる態様に従った方法のためのさまざまなステップを示す図である。
配置構造の第3の構成を製造するための、いくつかの更なる態様に従った方法のためのさまざまなステップを示す図である。
配置構造の第3の構成を製造するための、いくつかの更なる態様に従った方法のためのさまざまなステップを示す図である。
提案された態様のいくつかに従ったナノ発光ダイオード配置構造の第4の構成例を示す図である。
追加の補足的な手段が配置された図116Dの構成の補足的な構成形態を示したものである。
追加の補足的な手段が配置された図116Dの構成の補足的な構成形態を示したものである。
いくつかの態様に従った本発明による複数の光電子デバイスを備えた、例えばディスプレイ配置構造などの光電子装置の横断面図である。
コンセプト案に従った、μ-LEDとして形成された複数の光電子デバイスを備えた、更なる光電子装置の横断面図である。
複数の光電子デバイスを備えたモノリシックアレイの更なる提案の横断面図である。
μ-LEDとして設計された複数の光電子デバイスを備えた更なるモノリシックアレイの横断面図である。
前述の構造の例に基づいて、光整形構造体(lichtformenden Struktur)を有するモノリシックアレイを示したものである。
誘電体リフレクタの横断面図である。
提案された原理のいくつかの態様に従った、LED半導体素子と誘電体フィルターとを備えた光電子デバイスの一構成例を表した図である。
複数の半導体素子のアレイを有する光電子デバイスの一構成例を表した図である。
複数の半導体素子のアレイを有する光電子デバイスの一構成例を表した図である。
いくつかの態様に従った、複数のμ-LEDを有する光電子デバイスの更なる構成例を表した図である。
いくつかの態様に従った、複数のμ-LEDを有する光電子デバイスの更なる構成例を表した図である。
いくつかの態様に従った、複数のμ-LEDを有する光電子デバイスの更なる構成例を表した図である。
磁気電流狭窄のための態様を横断面で表した構成を示す図である。
磁気電流狭窄のための態様を平面図で表した構成を示す図である。
電流狭窄のために量子井戸インターミキシングを追加で行った更なる構成を示す図である。
電流狭窄のために量子井戸インターミキシングを追加で行った更なる構成を示す図である。
画素素子が行と列とに配置されたディスプレイの簡略化された構造を示す図である。
前図に従ったディスプレイの画素素子とサブ画素の拡大部分図である。
画素素子分離層とサブ画素分離素子とを有する、コンセプト案に従ったディスプレイの一部分の模式的な垂直断面図である。
バックプレーン上の層に適用された画素素子の模式的な垂直断面図である。
さまざまな変換体が光整形構造体に組み込まれて提供される一構成例を示す図である。
量子井戸インターミキシングを使用して光学的分離を行う別の態様を示す図である。
画素素子分離層とサブ画素分離素子とを有する画素素子を較正する方法のステップを示す図である。
提案された原理のいくつかの態様に従った画素アレイの第1の構成例であって、隣り合う画素が材料の薄いブリッジによって接続されていることを示す図である。
2つのμ-LEDを材料ブリッジ(Materialbruecke)で接続した画素アレイの第2の構成例を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する画素アレイの第3の構成例を示す図である。
前図の構成例に関連した、材料ブリッジに関するエネルギー曲線を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する画素アレイの第4の構成例を示す図である。
画素アレイの第5の構成例を示す図である。
本明細書で開示されているいくつかの態様に従った取り出し構造体が追加的に設けられている、隣り合うμ-LED、材料ブリッジを有する画素アレイの一構成形態を示す図である。
画素アレイの第6の構成例を示す図である。
更なる態様を有する画素アレイの第7の構成例を示す図である。
画素アレイの第8の構成例を示す図である。
画素アレイの第9の構成例を示す図である。
コンセプト案に従った画素アレイの製造方法のさまざまなステップを有する一構成例を示す図である。
図148のA~Jは、コンセプト案のいくつかの態様に従った支持構造体を有するμ-LEDの製造方法の第1の構成例を示す図である。
図149のA~Jは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った支持構造体を有するμ-LEDの製造方法の第2の構成例を示す図である。
図150のA~Iは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った支持構造体を有するμ-LEDの製造方法の第3の構成例を示す図である。
図151のA~Jは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った支持構造体を有するμ-LEDの製造方法の第4の構成例を示す図である。
構成形態で使用することができる2つの追加のステップを示す図である。
構成形態で使用することができる2つの追加のステップを示す図である。
ウェハ上に複数のμ-LEDを転写するための量産転写印刷の概略フローを示す図である。
ウェハ上に複数のμ-LEDを転写するための量産転写印刷の概略フローを示す図である。
ウェハ上に複数のμ-LEDを転写するための量産転写印刷の概略フローを示す図である。
ウェハ上に複数のμ-LEDを転写するための量産転写印刷の概略フローを示す図である。
提案された原理による3つのピックアップ要素を備えたキャリア構造体を平面図で示したものである。
提案された転写に適した平坦なμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体の垂直断面図である。
提案された転写に適した平坦なμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体の垂直断面図である。
提案された転写に適した平坦なμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体の垂直断面図である。
提案された転写に適した平坦なμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体の垂直断面図である。
提案された転写に適した平坦なμ-LEDをピックアップするためのキャリア構造体の垂直断面図である。
平坦なμ-LEDと、異なる配置構造の複数のピックアップ要素とを備えた、コンセプト案のいくつかの態様に従ったキャリア構造体のレイアウトを示す図である。
提案された転写プロセスに準備し適したキャリア構造体の更なるレイアウトを示す図である。
キャリア構造体の更なる構成例を示す図である。
前の構成例の代替案を示す図である。
提示されたコンセプトのさまざまな態様を説明するために、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための方法を表した図である。
提示されたコンセプトのさまざまな態様を説明するために、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための方法を表した図である。
提示されたコンセプトのさまざまな態様を説明するために、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための装置を表した図である。
提示されたコンセプトのさまざまな態様を説明するために、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための装置を表した図である。
μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするための更なるデバイスを表した図である。
円筒形のピックアップツールを用いて、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのプロセスの例を示す図である。
円筒形のピックアップツールを用いて、μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのプロセスの例を示す図である。
μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップするための凸部を有するピックアップツールを表した図である。
μ-LEDもしくは光電子半導体チップの選択的照射に適したピックアップツールの一構成を示す図である。
μ-LEDもしくは光電子半導体チップをピックアップするための平坦な表面を有するピックアップツールの一構成を表した図である。
μ-LEDをプレースする方法を示す図である。
μ-LEDをプレースする方法を示す図である。
μ-LEDをプレースする方法を示す図である。
ピックアップツールによって電界を生成するための構成の図を示す。
ピックアップツールによって電界を生成するための構成の図を示す。
ピックアップツールによって電界を生成するための構成の図を示す。
図167Aは、従来の方法の転写ステップを示し、図167Bは、提案された方法の転写ステップを示す。
いくつかの提案された態様に従った方法のための出発構造(Startstruktur)の第1の構成例を平面図で示したものである。
方法のための出発構造の図168に記載の第1の構成例の拡大図を示す。
提案されたいくつかの態様に従った第1の出発構造の製造に関する図をさらに示したものである。
提案された原理のいくつかの態様を有する、本発明による方法の一構成例を示す図である。
方法のための出発構造の第1の構成例の横断面図である。
第1の出発構造を用いた本発明による方法の更なる構成例を示す図である。
第1の出発構造を用いた本発明による方法の更なる構成例を示す図である。
第1の出発構造を用いた本発明による方法の更なる構成例を示す図である。
第1の出発構造を用いた本発明による方法の更なる構成例を示す図である。
第1の出発構造を用いた本発明による方法の更なる構成例を示す図である。
提示されたいくつかの態様に従ったアンカー要素とリリース要素の動作モードを示す第1の図である。
アンカー要素とリリース要素の動作モードを示す第2の図である。
提案されたいくつかの態様に従った転写方法のための出発構造の第2の構成例を示す図である。
図177のA~Eは、第2の出発構造を用いた方法案の更なる構成例を示す図である。
図178のAは、提案された転写のコンセプトのいくつかの態様に従ったリリース要素の選択性に関連した第1の図を示し、図178のBは、リリース要素の選択性に関連した第2の図を示す。
図179のA~Fは、マイクロチップとモジュール領域との間にアンカー要素とリリース要素を用いた構成例を示す。
コンセプト案のいくつかの観点に従った、発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの構成例を表した図である。
更なる態様による交換用キャリア上の図180に記載の構成例を示す図である。
ベースモジュールをさらに加えた、図181に記載の構成例を示す図である。
コンタクトの接点を別々にした、図182に記載の構成例を示す図である。
第1のコンタクトを共通に接触させた、図183に記載の構成例を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、2行×2列のベースモジュールを有する発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの更なる構成例を示す図である。
図186のA~Dは、隣り合う2つの行の2つの対向するベースモジュールの4つの横断面図を示す。
2行×3列のベースモジュールを有する発光ダイオードモジュールを提供するための提案されたベースモジュールの更なる図を示す。
図188のA~Dは、隣り合う2つの行の2つの対向するベースモジュールの4つの横断面図を示す。
更なる態様を説明するための、組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
さらに組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
さらに可能な限り組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
さらに可能な限り組分けしたベースモジュールを有するマトリクスの平面図である。
追加のフォトニック構造体を有するμ-LEDモジュールの更なる構成を示す横断面図である。
提案されたμ-LEDモジュールが、本願に記載されている転写スタンプによってリフトアップされる仕方の一例を示す図である。
提案されたμ-LEDモジュールの製造方法の一構成例のいくつかのステップを示す図である。
提案された原理のいくつかの態様に従ったμ-LEDモジュールの更なる製造方法を示す概略図である。
図195に示した方法のいくつかのステップを示す図である。
さまざまな観点を説明するための、図195に提示された方法の更なるステップを表した図である。
複数の全体的に平面なターゲットマトリクスの配置構造を表した図である。
提案されたμ-LEDモジュールを接触させるのに適したさまざまなコンタクト面の概略図を例示したものである。
コンタクト領域といくつかのμ-LEDモジュールとを備えたディスプレイの断面図である。
提案されたμ-LEDモジュールを用いた二重転写プロセスの一構成形態を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する、垂直方向および水平方向に組み立てるためのμ-LEDモジュールの第1の例を示す図である。
第1の例の下側を示す図である。
図199のX-X軸に沿った第1の例の断面図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する、垂直方向および水平方向に組み立てるためのμ-LEDモジュールの更なる構成を示す図である。
図201の概略的な側面図である。
モジュールがキャリア上に配置され、電気的に接触されるさまざまな構成を示す図である。
モジュールがキャリア上に配置され、電気的に接触されるさまざまな構成を示す図である。
モジュールがキャリア上に配置され、電気的に接触されるさまざまな構成を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する第2の例を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する第2の例を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する第3の例を示す図である。
提案された原理によるいくつかの態様を有する第3の例を示す図である。
異なるプロセスステップを有する一例を示す図である。
接触の第一の例を透視図で示したものである。
提案された原理によるモジュールの概略的な配線図を示した平面図である。
提案された原理によるモジュールの概略的な配線図を示した平面図である。
上記構成例の下側を示す図である。
提案された原理によるモジュールの製造ステップ中にパターニングされたメンブレンウェハの一例を示したものである。
図211のAは、コンセプト案の一態様に従った、未実装状態の基板の画素に準備されたコンタクトの平面図を示し、図211のBは、μ-LEDの1回目の実装後の画素に準備された図206Aの基板のコンタクトを示す平面図を示し、図211のCは、μ-LEDの2回目の実装後の画素に準備された図206Aの基板のコンタクトを示す平面図を示す。
図212のAは、未実装状態における画素に準備された更なる基板のコンタクトを示す平面図を示し、図212のBは、1回目の実装後の画素に準備された図207Aの基板のコンタクトの平面図を示し、図212のCは、2回目の実装後の画素に準備された図207Aの基板のコンタクトの平面図を示す。
図213のAは、コンセプト案の更なる態様を説明するために、未実装状態の画素に準備された更なる基板のコンタクトの平面図を示し、図213のBは、1回目の実装後の画素に準備された図208Aの基板のコンタクトの平面図を示し、図213のCは、2回目の実装後の画素に準備された図208Aの基板のコンタクトの平面図を示す。
特殊な形状の反射材材料によって発光に既に指向性があるμ-LED画素を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、球状リフレクタ素子と駆動制御電子回路とを有する光学画素素子を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、層として構成されたリフレクタ素子とパッシベーション層とを有する画素素子の第2の構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板のディスプレイ面と実装面とに光吸収コーティングを施した画素素子の第3の構成を示す図である。
キャリア基板のディスプレイ面を粗面化した画素素子を示す図である。
クロストークを最小限に抑えるための光吸収層と、キャリア基板のディスプレイ面にカラーフィルター素子とを備えた、本明細書で開示されているいくつかの態様に従った構成を示す図である。
クロストークを最小限に抑えるための光吸収層と、キャリア基板のディスプレイ面にカラーフィルター素子とを備えた、本明細書で開示されているいくつかの態様に従った構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板の実装面にIGZOまたはLTPSベースの駆動制御電子回路と、任意のディフューザ層とを備えた画素素子の例示的な構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板の実装面にIGZOまたはLTPSベースの駆動制御電子回路と、任意のディフューザ層とを備えた画素素子の例示的な構成を示す図である。
異なる色の3つのμ-LEDとリフレクタ素子とを備えた画素セルの横断面図と平面図である。
前の構成に記載の光学画素素子の製造方法を示す図である。
左側に例示的なμ-LEDの横断面図を、右側にフォトニック構造体を有する光電子デバイスの透視図を示す。
いくつかの提案された態様に従ったフォトニック構造体を有する更なるμ-LEDの横断面図である。
左側に更なる光電子デバイスのより詳細な横断面図を、右側に光電子デバイスのより概略的な横断面図を示す。
平面状の表面とフォトニック構造体とを有するμ-LEDの横断面図である。
フォトニック構造体を有するμ-LEDの更なる構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のいくつかの態様に従ったフォトニック構造体を有するμ-LEDの更なる構成例を横断面図で示したものである。
図223D~223Eに示した構造体のうちの1つの製造方法を一例として示した図である。
光整形と光変換とを同時に行うためのいくつかの態様に従ったμ-LEDと変換素子とを備えた光電子構造素子の平面図と断面図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、更なる構成の光電子構造素子の横断面図である。
更なる構造素子の平面図と断面図である。
光整形と光変換とを行うためのいくつかの態様に従ったμ-LEDと変換素子とを備えた構造素子の横断面図である。
図229のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、複数の発光ユニットとフォトニック構造体とを備えたμ-ディスプレイを平面図で示し、図229のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、複数の発光ユニットとフォトニック構造体とを備えたμ-ディスプレイを平面図で示す。
図230のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第2の構成を平面図で示し、図230のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第2の構成を平面図で示す。
図231のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体の複数のμ-LEDを備えたμ-ディスプレイの第3の構成を平面図で示し、図231のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体の複数のμ-LEDを備えたμ-ディスプレイの第3の構成を平面図で示す。
図232のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第4の構成の一部を平面図で示し、図232のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第4の構成の一部を平面図で示す。
図233のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第5の構成を平面図で示し、図233のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第5の構成を平面図で示す。
図234のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第6の構成を平面図で示し、図234のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第6の構成を平面図で示す。
図235のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第7の構成を平面図で示し、図235のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体を有するμ-ディスプレイの第7の構成を平面図で示す。
図236のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体のμ-ディスプレイの第8の構成を平面図で示し、図236のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体のμ-ディスプレイの第8の構成を平面図で示す。
図237のAは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体のμ-ディスプレイの第9の構成を平面図で示し、図237のBは、提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、フォトニック構造体のμ-ディスプレイの第9の構成を平面図で示す。
本発明によるデバイスの更なる変形例の横断面図を示す。
3次元フォトニック構造体の偏光素子が施与された光出射面を有するエミッタユニットを備えた光電子構造素子の配置構造である。
複数の螺旋状の構造要素を有する3次元フォトニック構造体を表した図である。
エミッタユニットと、3次元フォトニック構造体を有する偏光素子とを備えた光電子構造素子の更なる構成例を示す図である。
エミッタユニットと、変換材料が充填された3次元フォトニック構造体とを有する光電子構造素子を示す図である。
特定の遠方界を発生させるためのフォトニック構造体を有するエミッタユニットを備えた配置構造の第1の変形例の透視図である。
提案された原理の更なる態様を説明するための、エミッタユニットを備えた配置構造の第2の変形例を切断図である。
前の2つの図に従った複数の配置構造を示す図である。
定義された遠方電界を発生させるためのフォトニック構造体を有するエミッタユニットを備えた配置構造の第3の変形例の透視図である。
前図の1つに従った配置構造を備えた表面トポグラフィー検知システムのブロック図を示す。
さまざまな態様および基本原理を説明するための、μ-ディスプレイを利用した拡張現実グラスの一例を示す。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、湾曲した光面の光案内コンセプトの第1の構成例を示す図である。
非平面状のIC基板上に個別のμ-LEDを設けた光案内コンセプトの構成例を示す拡大部分図である。
更なる観点に従ったモノリシック画素化チップを備えた光の案内の第3の構成を示す図である。
いくつかの態様を有する光の案内の第4の構成例を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、前述の構成のうちの1つの更なる設計を示す図である。
追加の光整形構造体を有する、図250の例の更なる構成を示す図である。
図253の構成の補足図であり、ビーム経路にフォトニック構造体を配置したものである。
図252に関する例に基づく更なる構成を示す図である。
図252に関する例に基づく更なる構成を示す図である。
段差状の基板の一構成を示す平面図である。
オプトチップの周囲に反射型の周回構造を設けた構成形態を示す図である。
基板の湾曲した面上に配置されたナノロッドと駆動制御部とを組み合わせた図である。
高いフィルファクターを有するRGB画素付きマトリクスを示す図である。
従来の投影ユニットにおけるビーム案内の概略図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、小さなフィルファクターを有する実装されたRGB画素付きマトリクスの構成を示す図である。
図261および103Aの構成例の特徴を有する構成を組み合わせた平面図を示す。
図261および103Aの構成例の特徴を有する構成を組み合わせた横断面図を示す。
本明細書で提示されているコンセプトのいくつかに従った、μ-LED配置構造により実現されたRGB画素付きマトリクスの更なる構成の平面図である。
本明細書で提示されているコンセプトのいくつかに従った、μ-LED配置構造により実現されたRGB画素付きマトリクスの更なる構成の平面図である。
小さなフィルファクターを有する実装されたRGB画素付きマトリクスの更なる構成例を示す図である。
光整形構造が上に配置されたマトリクスの一構成形態の平面図である。
提案された原理のいくつかの態様に従った投影ユニットの概略図である。
前図の投影ユニットによる中間像の生成を概略的に示した図である。
図266のコリメーション光学系の色相関数を示す図である。
コンセプト案のいくつかの構成に従ったコリメーション光学系のメタレンズを示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様を説明するための、複数のμ-LEDを集積させたモノリシックアレイの概略的な側面図である。
目の異なる空間分解能を考慮した、コンセプト案のいくつかの観点に従ったビーム案内のための配置構造の一構成例を示す図である。
前図の配置構造におけるビーム案内装置の概略図である。
提示されたコンセプトの更なる態様を説明するための、ビーム案内装置のための配置構造の更なる構成例を示す図である。
人間の目の異なる解像力を考慮に入れたビーム案内の配置構造の更なる構成例を示す図である。
図273に示した用途のためのμ-ディスプレイを表した図である。
コンセプト案に従ったビーム案内装置で光を生成するためのμ-ディスプレイのさまざまな可能性を示す図である。
ビーム案内装置をμ-ディスプレイの一構成と関連付けた更なる可能性を示す図である。
一部の用途で使用可能であり、本明細書で開示されているμ-ディスプレイの構成により発光面を形成することができるクロマティックキューブの図である。
図272、273または274のデバイスの結像光学系の上流、下流または上記結像光学系と統合され得るビームシステムの構成を示す図である。
図272、273または274のデバイスの上流、下流または結像光学系と統合され得るビームシステムの構成を示す図である。
提案された原理のいくつかの態様に従ったライトフィールドディスプレイの第1の構成例のための配線図である。
第1のラスターサブ画像と第2のラスターサブ画像とを組み立てて、網膜に投影されるラスター画像にする図を示す。
六角形の輪郭を有する第2の画素画像を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、切り替え可能なブラッググレーティングを有する調整光学系を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、切り替え可能なブラッググレーティングを有する調整光学系を示す図である。
提案された原理によるライトフィールドディスプレイに適したアルバレスレンズ配置構造の調整光学系を示す図である。
提案された原理によるライトフィールドディスプレイに適したモアレレンズ配置構造の調整光学系を示す図である。
コンセプト案に従った動的眼球運動検出装置およびライトフィールドディスプレイの調整光学系のレギュレーション装置の一構成を示す図である。
更なるコンセプトのいくつかの態様に従った1次元画素アレイのいくつかの例を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った画素行の回転の例を示す図である。
新しい光の生成と案内のコンセプトを示す画素アレイの更なる構成を示す図である。
提案された原理による2つの画素アレイを有する画素マトリクスの一構成を示す図である。
新しい光の生成と案内のコンセプトを説明するために、異なる色の複数の列を有する画素アレイの第3の構成を示す図である。
提案された原理による、異なる色のための列を有する画素アレイの更なる構成を示す図である。
基板上にフォトニック構造体を有する図290の画素行の横断面図を示す。
基板上にフォトニック構造体を有する図290の画素行の平面図を示す。
冗長なμ-LEDで構成された画素行の更なる構成例を示す図である。
冗長なμ-LEDで構成された画素行の更なる構成例を示す図である。
提案された原理による、異なるサイズおよび周波数の複数のサブ画素を有する画素アレイの構成の例を示す図である。
提案された原理による、異なるサイズおよび周波数の複数のサブ画素を有する画素アレイの構成の例を示す図である。
色の異なる3列の画素を互いにオフセットして配置した画素マトリクスの更なる構成を示す図である。
1次元画素アレイのコンセプト案のいくつかの態様に従って画像を生成するための光学系の構成例を示す図である。
デュアルゲートトランジスタの一構成例を横断面図で示したものである。
デュアルゲートトランジスタの2つの平面図である。
閾値電圧のトップゲート電圧への依存関係を表した図である。
提示されたコンセプトによるいくつかの態様を有するμ-LED用の駆動制御回路の第1の構成例を示す図である。
更なる態様を有するμ-LED用の駆動制御回路の第2の構成例を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従ったμ-LED用の駆動制御回路の第3の構成例を示す図である。
更なる態様を有するμ-LED用の駆動制御回路の更なる構成例を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従ったμ-LED用の駆動制御回路の更なる構成例を示す図である。
前図を補足する更なる構成例を示す図である。
いくつかの態様に従ったμ-LED用の駆動制御回路の第5の構成例を示す図である。
態様を説明するためのSRAM6Tセルの回路図である。
いくつかの態様を説明するためのドライバ回路の回路図である。
提案されたいくつかの態様に従ったデジタル素子と画素アレイとを備えたディスプレイの概略図である。
暗色画素のクロックフローを説明するための回路図である。
いくつかの態様に従った、画素ストリームのグローバルバイアスを表した図である。
図305の構成形態に従ったいくつかの信号を用いた信号タイミング図である。
省スペース化されたドライバ回路の更なる構成形態を示す図である。
同様に省スペース化された更なるドライバ回路の構成を示す図である。
いくつかの態様に従った調光駆動制御のいくつかの態様を説明するための、2つのμ-LED用のドライバ回路の概略図である。
図184の構成のμ-LEDモジュールを用いた調光駆動制御の構成を示す図である。
異なるコンデンサ電圧を関数とするLEDに流れるLED電流の図である。
比較的高い第1の電圧信号で駆動制御したときのLED付き照明ユニットの輝度を示す概略図である。
比較的低い第1の電圧信号で駆動制御したときのLED付き照明ユニットの輝度を示す更なる概略図である。
本明細書で提示されているコンセプトのいくつかの態様に従った、コンデンサ電圧用に選択された電圧の関数として、LED付き照明ユニットの平均光出力を示す図である。
μ-LED用のPWM供給回路の主要構成を示すブロック図である。
提案された原理によるμ-LED用のPWM供給回路の一構成例を示す図である。
動作状態にある図317の構成を、信号の流れに関する追加情報とともに示した図である。
2つの単純なスイッチングデバイスの概略図である。
図317に示した信号点を有する提案された構成の信号タイミング図である。
μ-LEDディスプレイの発光デバイスのオン/オフ比を制御するのに適したアナログランプベースの制御回路の例示的な構成を示す図である。
図321に従ったコンセプトのさまざまな信号による信号タイミング図である。
冗長なμ-LEDと、μ-LEDを分離するための溶断ヒューズとを備えた画素セルの回路関連の図である。
μ-LEDの欠陥を補償することができる、冗長なμ-LEDを備えた回路の更なる構成形態を示す図である。
提示されたコンセプトのいくつかの態様に従った、冗長なμ-LEDを備えた回路の第3の構成例を示す図である。
欠陥のあるμ-LEDを交換することができる、冗長なμ-LEDを備えた回路の第4の構成例を示す図である。
冗長なμ-LEDを備えた回路の第5の構成例である。
μ-LEDの欠陥を補償する、冗長なμ-LEDを備えた回路の第6の構成例を示す図である。
上で提示されている回路のうちの1つによって駆動制御される画素セルをテストして構成する方法の一構成を示す図である。
本願で開示されている原理に従ったスロットアンテナのコンセプト案の態様に従って、μ-LEDを駆動制御してテストするための回路を示す図である。
いくつかの態様に従った、別のμ-LEDコンセプトによる駆動制御の一構成を示す図である。
本明細書で提示されているμ-LEDコンセプトを用いた駆動制御の更なる構成を示す図である。
コンセプト案のいくつかの態様に従った、モノリシックICを備えたモノリシック画素アレイからなるディスプレイ装置の一構成例を示す図である。
提案されたディスプレイ装置の前述の構成を、可能な光路を描写して横断面図で示したものである。
モノリシック画素アレイとICとを備えた提案されたディスプレイ装置の第2の構成例を横断面図で示したものである。
提案された原理の更なる態様に従う提案されたディスプレイ装置の第3の構成例を横断面図で示したものである。
追加の光案内手段を設けた、提案されたディスプレイ装置の第4の構成例を横断面図で示したものである。
本開示の更なる態様を有する提案されたディスプレイ装置のうちの1つにおいて、電荷キャリアの位置を改善するための代替的な構成を示す図である。
本開示の更なる態様を有する提案されたディスプレイ装置のうちの1つにおいて、電荷キャリアの位置を改善するための代替的な構成を示す図である。
形状とサイズの要件を考慮した、1つ以上のLED用の制御回路の代替的な構成の概略図を示す。
形状とサイズの要件を考慮した、複数のμ-LED用のドライバ回路の代替的な構成の概略図を示す。
図339Aで使用されたORゲートの代わりに、例えばコンパレータで使用することができるコンパレータ回路の一構成を示す図である。
出力信号を生成するために使用される各種カウンタワード1D~3Dとメモリレジスタのタイミング図である。
μ-LED表示部の配置構造の側面図である。
図339Aおよび図340Aの構成に従ったさまざまなセクションの相互接続のさまざまな例を示す図である。
μ-LEDドライバのアナログ部に使用されるアモルファスシリコンを用いたオフセット型の反転トランジスタの一例を示す図である。
μ-LEDドライバ回路に適したポリシリコントランジスタのいくつかの例を示す図である。
μ-LEDまたはLED表示部の回路図である。
さまざまなサブマトリクスに分割されたμ-LED表示部の回路図である。
表示部の画素内のLED用のドライバ回路の従来のアプローチを示した図である。
ディスプレイでの使用に適した従来の列ドライバの一構成を示す図である。
ディスプレイでの使用に適した従来の行ドライバの一構成を示す図である。
量子井戸構造を有する半導体層スタックの一構成を示す図である。
2つのテールライトとセンターハイマウントブレーキライトとを備えた自動車の後部の概略図である。
図319に示した左側のテールライトの異なる領域の概略的な平面図である。
左側のテールライトと車両本体の概略的な横断面図である。
センターハイマウントブレーキライトのμ-LEDアレイの概略的な平面図である。
自動車のリアウインドウパネルとセンターハイマウントブレーキライトの概略的な横断面図を鉛直方向の断面平面で示した図である。
自動車のリアウインドウパネルとセンターハイマウントブレーキライトの概略的な横断面図を水平方向の横断面平面で示した図である。
車両本体の外側にディスプレイを備えた自動車の概略的な側面図である。
図325に示したディスプレイのμ-LEDアレイを平面図で概略的に示した図である。
図325および326に示した車両本体およびディスプレイの概略的な横断面図を鉛直方向に延びる横断面平面で示した図である。
ヘッドライナーを備えた自動車の室内図である。
センターコンソールを備えた自動車の室内図である。
運転者の視点から見た自動車のAピラーにディスプレイを備えた自動車の室内図である。
運転者の視点から見た出力装置を組み込んだAピラーを備えた自動車の室内図である。
自動車のドアの内側にステータスディスプレイを配置した自動車の室内図である。
提案されたいくつかの態様に従って、例えば、大面積の表示部で使用するための、または湾曲した面上でも使用するための、表示部の一構成例を横断面図で示したものである。
あるビューにおける表示セグメントの一構成例を示す図である。
あるビューにおける表示セグメントの一構成例を示す図である。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
コンセプト案のさまざまな態様による表示デバイスの一構成例を横断面図で示したものである。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
提案された表示デバイスの構成で実現可能な、あるビューにおける表示セグメントの構成例を示す図である。
キャリアの構成例を平面図で示したものである。
キャリアの構成例を平面図で示したものである。
表示デバイスを製造するための一構成例におけるポジションを示す図である。
表示デバイスを製造するための一構成例におけるポジション示す図である。
表示デバイスを製造するための一構成例におけるポジション示す図である。
表示デバイスを製造するための一構成例におけるポジション示す図である。
詳細な説明
拡張現実は、専用の表示部によって、当該装置の画像を現実に重ね合わせることで作り出されることが多い。かかる表示部は、ユーザーの視線の先、すなわち真正面に置くことができる。あるいはディスプレイからの光をユーザーの目に導くために、光ビーム案内要素を使用することもできる。
いずれの場合も、ディスプレイを実装して、ユーザーが装着可能なメガネやその他の視覚強化デバイスの一部とすることができる。Google(商標)メガネは、現実世界の物体に特定の情報を重ね合わせることをユーザーに可能にする、かかる視覚強化デバイスの一例である。Google(商標)メガネでは、片方のメガネグラスの前に置かれた小さなスクリーンに情報が表示されていた。この点について、かかる付加的なデバイスの外観は、技術的な機能性とメガネを装着することによる構成性とを兼ね備えた、メガネの主要な特徴と言える。一方で、ユーザーは、拡張現実機能を提供するために、このような嵩張ったり破損したりし易いデバイスを有しないメガネを求めている。そこで、メガネ自体がディスプレイまたは少なくともスクリーンとなって、その上またはその中に情報を投影することも一案としてある。
このような場合、ユーザーの視野はメガネの寸法に制限される。それに従って、拡張現実機能を投影することができる領域は、ほぼメガネグラスの大きさになる。これに関して、メガネの2つのグラスに接して、グラス中またはグラス上に、同じ情報だけでなく異なる情報も投影することができる。
それとは別に、拡張現実機能を備えたメガネを装着したときにユーザーが体験する画像は、ユーザーにシームレスな印象を与える解像度を有し、ユーザーが拡張現実を画素化された物体または低解像度の要素として認識することがないようにする必要がある。特に傾斜したエッジや矢印などの要素は、低解像度では階段状に滲み、ユーザーに違和感を与えてしまう。
望ましい印象を得るためには、人間の所定のまたは既知の視力に応じて視覚的印象に影響を与える2つの表示パラメーターが重要であると考えられる。1つ目のパラメーターは、画素サイズそのもの、すなわち、個々の画素の幾何学的な形状と寸法または画素を表す3つのサブ画素の面積である。2つ目のパラメーターは画素ピッチで、すなわち、隣り合う2つの画素または場合によってはサブ画素の間の距離でもある。画素ピッチは、画素間の距離とも呼ばれることがある。画素ピッチが大きいと、ユーザーは画素間のギャップとして認識し、場合によってはいわゆるスクリーンドア効果が発生する。そのため、ギャップは一定の限度を超えないことが望ましい。
人間の目の最大角度分解能は、通常0.02~0.03の角度で、これは1ラインペアあたり1.2~1.8アーク分にほぼ相当している。その結果、画素間の距離は0.6~0.9アーク分となる。今日の携帯電話のディスプレイには約400画素/インチのものがあり、ユーザーの目から25cm離れた距離での視野角は約2.9°、視野角(°)およびcmあたり約70画素となる。したがって、かかる表示部では、2つの画素間の距離は最大角度分解能の範囲にある。さらに、画素サイズ自体は約56μmである。
図1Aは、画素ピッチ、すなわち、隣り合う2つの画素間の距離を、視野[角度]の関数として表したものである。この点について、視野とは、所定の瞬間に見られる観察可能な世界の延長線上にあるものである。というのも、人間の視覚は、目を動かさないで固定した時の視野角の度数として定義されているからである。
特に、人間の場合、両眼の前方の水平方向の視野の円弧は210°強、垂直方向の視野の円弧は135°前後となる。しかしながら、視覚能力の範囲は視野全体で一様ではなく、人間同士で異なる場合がある。
人間の両眼視は、水平方向に約114°(周辺視野)および垂直方向に約90°をカバーしている。残りの左右の度数は、双眼の範囲を有しないが、視野の一部と考えることができる。
さらに、色覚および形や動きを認識する能力によって、水平・垂直方向の視野がさらに制限される。色覚をつかさどる桿体および錐体は、均一に配置されていない。
この観点は、図1B~1Dに詳細に示されている。拡張現実用途やオートモーティブ分野でも一部必要とされるように、中心視、つまり眼前にある領域では、目の感度は空間分解能と色覚の両方に関して非常に高くなっている。
図1Bは、1mm2あたりの桿体(「Rod」)および錐体(「Cone」)の空間密度を、中心窩の角度の関数として示したものである。図1Cは、錐体および桿体の色感度を波長の関数として表したものである。中心窩の中心領域では、錐体密度(L、SおよびM)の増加によって色覚が大いに向上する。中心窩周辺の約25°の距離では、感度が低下し始め、視細胞の密度が低下する。周辺部に行くほど色覚の感度は低下するが、同時に桿体によるコントラスト感度はより広い角度範囲で維持される。全体として、目には直交型的な見え方のパターンではなく、放射状に対称な見え方のパターンが形成される。そのため、すべての原色に対して高い分解能が必要であり、特に中心部が重要である。周辺部では、桿体の分光感度に適合したエミッタ(最大感度は498nm、図1Dおよび目の感度を参照)を作用させれば十分であり得る。
図1Cは、人間の目の知覚能力の違いを、目の光軸からの角度偏差αに対する角度分解能Aのグラフを使って示したものである。最大角度分解能Aは、直径1.5mmの中心窩7が網膜19上に位置する角度偏差αが±2.5°の間隔に存在することが読み取れる。加えて、網膜19上の盲点22の位置をスケッチしているが、これは視神経乳頭23の領域に生じるもので、角度偏差αが約15°の位置にある。
目は、この一定でない密度と、いわゆる盲点とを、目の細かな動きで補っている。このような視線または焦点の変化は、適切な光学系および目のトラッキングによって対応することができる。
さらに、メガネをかけていても、視野はさらに制限され、例えば、各レンズで約80°の範囲になることもある。
図1AのY軸上の画素ピッチはμmで示されており、隣り合う2つの画素間の距離を定義している。異なる曲線C1~C7は、5mm~約35mmの対応するディスプレイの対角線寸法を定義している。例えば、曲線C1は、対角線サイズが5mmのディスプレイ、すなわち辺の長さが約2.25mmのディスプレイに対応している。視野が約80°の場合、対角線サイズが5mmの表示部の画素ピッチは1μmの範囲にある。曲線C7および対角線サイズが35mmのような大型ディスプレイでは、約5μmの画素ピッチで同じ視野を実現することができる。
しかしながら、図1Aの曲線を見ると、拡張現実用途で好ましい大きな視野では、既知のスクリーンドア効果を回避しようとする場合には、小さな画素ピッチで非常に高い画素密度が必要であることがわかる。こうして、所与の画素数、所与の視野および所与の対角線サイズのμ-ディスプレイの画素サイズを計算することができる。
式1は、画素の寸法D、画素ピッチpp、画素数Nおよび表示部のエッジ長さdの関係を示している。隣り合う2つの画素の中心から算出される距離rは、次のように与えられる:
r=d/2+pp+d/2。
D=d/N-pp (1)
N=d/(D+pp)。
ディスプレイ(例えばメガネ)が目から2.54cm(1インチ)離れていると仮定すると、上記で大まかに見積もった1分角の角度分解能の場合、隣り合う2つの画素間の距離rは次のように与えられる:
r=tan(1/60°)×30mm
r=8.7μm。
そのため、1つの画素のサイズは、特に2つの異なる画素の間にある程度のスペースが必要な場合には、10μmよりも小さくなる。2つの画素間の距離rおよび15mm×10mmのサイズのディスプレイでは、1720×1150の画素を表面に配置することができる。
図2Bは、複数の画素20および20a~20cが配置されたキャリア21を有する配置構造を示している。並置された画素20は、画素ピッチppを有し、画素20a~20cはより大きな画素ピッチppでキャリア21上に配置されている。2つの画素間の距離は、隣り合う各画素の画素ピッチとサイズの半分との合計で与えられている。画素20のそれぞれは、当該画素の照明特性または発光ベクトル22が、対応するLEDの発光面に対して実質的に垂直になるように構成されている。
LEDの発光面に対する垂直軸とビームベクトルとがなす角をコリメーション角と定義する。発光ベクトル22の例では、LED20のコリメーション角はほぼゼロである。LED20は、共線的であり大きく広がることのない光を放出する。
これに対して、LED画素20a~20cの発光ベクトル23のコリメーション角はかなり大きく、約45°の範囲にある。その結果、LED20aが発する光の一部が、隣り合うLED20bの発光と重なる。
LED20a~20cの発光は部分的に重なっているため、その対応する発光の重ね合わせが発生する。LEDが異なる色に発光している場合は、混色または合成色になる。同様の影響は、コントラストの高い表面間で発生し、すなわち、LED20aが暗く、LED20bが特定の光を発している場合に発生する。この重なりのために、コントラストが低下し、画素位置に対応する個々の各位置の情報が減少する。
前述の用途のように、ユーザーの目に至るまでの距離が小さいディスプレイでは、コリメーション角を大きくすると、前述の影響やその他の欠点のために、むしろ妨げとなる。ユーザーは大きなコリメーション角を識別することができ、僅かに異なる色の結像された物体がぼやけたり、コントラストが低下したりしているように感じられることがある。
この点について、図2Aは、特定の表示サイズに関わらず、コリメーション角(度)および視野(度)の要件を示している。曲線C1のように表示部のサイズが小さい場合(約5mmの対角線)、視野に応じてコリメーション角が大幅に増加する。
表示部のサイズが増すにつれて、コリメーション角の要件も大きく変化するため、曲線C7に示すように表示部の形状が大きい場合ですら、視野100°に対してコリメーション角は約10°に達する。言い換えれば、表示部の大型化や視野の増大に伴い、コリメーション角の要件も大きくなっていく。かかる表示部では、前述の影響を回避または軽減するために、画素が発する光は高度にコリメートされていなければならない。したがって、大きな視野を備えた表示部をユーザーに提供する場合、具体的には表示部の形状が比較的大きくても、強いコリメーションが必要になる。
以上の図および式の結果として、表示部の形状の増大および視野の増大に伴い、画素ピッチおよびコリメーション角に関する要件はますます厳しくなることが推察できる。既に式1で示したように、ディスプレイの寸法は、画素数が多いほど著しく大きくなる。逆に、十分な解像度を確保し、フライスクリーンなどの妨害効果を回避しようとする場合、広い視野のためには多くの画素数が必要となる。
図3Aは、1.3アーク分の角度分解能を実現するために必要な画素数を示した図である。約80°の視野の場合、画素数は500万を超える。QHDの解像度の場合、ディスプレイのサイズが15mm×10mmであっても、画素のサイズは10μmを大きく下回ることがすぐに推測できる。要約すると、HDの範囲の解像度、すなわち1080pの拡張現実表示部には、207万3千6百画素が必要である。これにより、約50°の視野をカバーすることができる。かかる量の画素を10×10mmのディスプレイサイズに配置し画素間の距離を1μmとすると、画素サイズは約4μmとなる。
それに対して、図3Bに示した表は、μ-LEDアレイが使用できる一部の使用分野を示している。当該表には、車載ディスプレイなど、自動車(Auto)もしくはマルチメディア(MM)向けのμ-LEDアレイの用途(使用事例)と、最小・最大ディスプレイサイズ(最小・最大サイズX・Y[cm])、画素密度(PPI)および画素ピッチ(PP[μm])ならびに解像度(解像度の種類)および照明装置もしくはディスプレイまでの見る人の距離(視距離[cm])に関する例示的な値を記載している。この文脈では「超低解像度(very low res)」、「低解像度(low res)」、「中解像度(mid res)」、「高解像度(high res)」という略語は、以下の意味を有している:
超低解像度 約0.8~3mmの画素ピッチ
低解像度 約0.5~0.8mmの画素ピッチ
中解像度 約0.1~0.5mmの画素ピッチ
高解像度 0.1mm未満の画素ピッチ。
表の上部には、「ダイレクトエミッタディスプレイ(Direct Emitter Displays)」の項目で表示される、本発明による車載用およびマルチメディア領域用のディスプレイおよび照明装置におけるμ-LEDアレイの用途が示されている。表の下部の「透明なダイレクトエミッタディスプレイ(Transparent Direct Emitter Displays)」には、透明なディスプレイおよび透明な照明装置におけるμ-LEDアレイの各種用途を提示している。当該表に記載されているμ-ディスプレイの用途のいくつかを、以下に構成例の形で詳細に説明する。
上述の考察から、拡張現実用途に適した解像度、コリメーションおよび視野に関する課題はかなりのものであることが明白に見てとれる。そのため、かかるディスプレイの技術的な実装にも非常に高い要求が課せられる。
従来使用されてきた技術は、100μm以上の範囲のエッジ長さを有するLEDを搭載したディスプレイの製造を想定している。しかしながら、ここで要求される70μm以下のサイズに当該ディスプレイを自動的にスケーリングすることはできない。画素サイズが数μmで、間隔も数μm以下となると、発生される光の波長のオーダーに近づくため、処理には新たな技術が必要となる。
さらに、光のコリメーションや光の案内にも新たな課題が生まれる。光学レンズは、例えば、より大きなLEDに容易に構造化でき、古典的な光学系で計算することはできても、マクスウェル方程式なしでは、かかる小さなサイズを直接考慮して縮小することはできない。それとは別に、かかる小さなレンズを製造することには、大きな誤差または差異なしにはほとんど不可能である。一部の変形例では、量子効果が前述のサイズの画素の動作に影響を与えることがあり、これを考慮する必要がある。補助キャリアまたはマトリクス構造への画素の製造または転写技術の公差は、ますます要求が高くなってきている。同様に、画素は接触し、個別に駆動制御可能でなければならない。従来の回路では、必要スペースが画素領域を超える場合があり、それによって配置やスペースの問題が生じていた。
そのため、このサイズの画素を制御したりアクセスできるようにしたりするための新しいコンセプトは、従来の技術とは全く異なるものであり得る。最後に、このようなディスプレイおよび駆動制御部の消費電力が注目される。特にモバイル用途では、低消費電力が望まれている。
要約すると、大きな画素サイズで動作する多くのコンセプトでは、ダウンサイジングを成功させるために、大規模な修正を行わなければならない。200μmの範囲のLEDを製造するために2000μmのLEDに簡単にスケールアップするコンセプトはあるが、20μmへのスケールダウンははるかに困難である。かかるコンセプトを開示している多くの文書および文献は、非常に小さな寸法に対するさまざまな影響や要件の増加を考慮しておらず、そのため、直接適していないか、または70μmを大幅に超える画素サイズに限定されている。
以下では、μ-LED半導体の構造および設計に関するさまざまな態様、処理、光の取り出しおよび光の案内、ディスプレイおよび駆動制御に関する態様を提示する。これらは、70μm以下の範囲の画素サイズの表示部を実現するのに適しており、構成されている。エッジ長さが20μm未満、特に10μm未満のμ-LEDの製造、光の取り出しおよび駆動制御に特化したコンセプトもいくつかある。ここで提示されているコンセプトは、さまざまな観点で互いに組み合わせることが可能であり、またそうすべきあることは言うまでもなく、ましてや望ましいことである。この組み合わせに該当するのが、例えば、μ-LEDの製造コンセプトと光の取り出しのコンセプトとである。具体的には、例えば、縁部の欠陥を回避する方法または電流を導く方法もしくは電流を狭窄する方法で実装されたμ-LEDに、フォトニック結晶構造体をベースとする光取り出し構造体を設けることができる。同様に、画素サイズが可変のディスプレイに対しても、特別な駆動制御が実現され得る。ピエゾミラーによる光の案内は、スロットアンテナ態様あるいは従来のモノリシック画素マトリクスを採用したμ-LEDディスプレイにおいて実現され得る。
以下の構成および記載した態様のいくつかには、さまざまな構成またはそれらの個々の態様の組み合わせに関する追加の例が示される。これらは、当業者がさまざまな態様、構成あるいはそれらの一部を互いに組み合わせることができることを説明するためのものである。用途によっては、当該用途に合わせられた特別なコンセプトが必要となるが、その他の用途では、技術に対する要件は若干緩和される。例えば、オートモーティブ用途およびディスプレイでは、一般的にユーザーまでの距離が若干長いため、画素のエッジ長さが大きくなることがある。特にそこでは、拡張現実の用途に加えて、古典的な画素用途または仮想現実用途が存在する。これは、本開示の文脈において、画素のエッジ長さが70μm以下の範囲にあるμ-LEDディスプレイを実現するために明示的に望まれていることでもある。
図4Aは、μ-ディスプレイの画素の主要構成要素の一般的な図を概略的に示したものである。光生成・発光デバイスが素子60として示されている。そのさまざまな態様については、以下の光の生成と処理のセクションで詳しく説明している。素子60には、基本回路、接続部、ならびに画素の照度、強度および必要に応じて色を制御するためのものも含まれている。これらに関する態様は、光の制御に関するセクションで詳しく説明している。光の生成とは別に、放出された光をコリメートしなければならない。このために、高精細表示部の多くの画素は、素子60にコリメーション機能を有している。領域63の平行光は、その後、光の案内のためにいくつかの光学系64に供給され、さらに整形などが行われる。高精細表示部用の画素を実装するのに適した光のコリメーションと光学系については、光の取り出しと光の案内のセクションで説明している。
図4Aの画素デバイスは、さまざまな構成要素および態様を別々の要素として示している。当業者であれば、多くの構成要素を1つのデバイスに統合できることを認識するだろう。実際には、μ-ディスプレイの高さも制限されているため、望ましい平坦な配置になる。
このセクションでは、一般的にμ-LED半導体構造とその製造方法に関する態様について説明する。構造体の活性層は、動作時にある波長またはある波長範囲の光を放出する。いくつかの態様は、より高い量子効率を達成するために、欠陥密度を低減するための電流誘導などの措置に関するものである。
上記で説明したように、μ-ディスプレイの拡張現実機能のためには、マイクロ画素が共線的に発光するようにパターニングすることが重要な要件となる。画素が発する光をレンズなどの光学的補助手段を用いてビーム整形することで共線性を達成することができるが、活性ゾーンでの光の生成方法を制御したり、画素材料から離れる前に光の向きを変えたりすることによっても共線的な発光を達成することができる。後者は、画素をある方法で形成することで、共線性を高めることができる。
上述の課題である、共線的な光を生成したり、発光角の大きい光を放出させたりしないということとは別に、画素間の距離が2~1μm、あるいはそれ以下と小さいため、フォトマスクやドーパント注入などのプロセスステップに高い要件が課せられる。マスクの僅かなばらつきが、画素サイズおよび/または形状のばらつきにつながり、これにより特性が変化する。画素サイズが小さいことに加えて、面積に対する各画素の外周の比率が大きく変化することになる。正方形の画素を想定した場合、サイドエッジの長さが半分になれば、比率も半分に変化する。非放射再結合(NRR)の主な原因は、活性層内の欠陥に加えて、サイドエッジおよび画素のエッジに沿ったばらつきであり、放射再結合と非放射再結合との比率も、放射再結合が不利になるように変化する。
図4Bは、同様のμ-LED10を備えたμ-ディスプレイを概略的に示している。μ-ディスプレイ1のμ-LED10は、キャリア100上に、隣り合うμ-LED10との距離D1、D2で行と列とに配置されている。各μ-LED10が1つの画素を形成する。画素ピッチPP1もしくはPP2は、画素の中心から隣り合う画素の中心までを測定したものである。画素ピッチは、μ-LED10の距離D1もしくはD2と、対応するエッジ長さK1もしくはK2との合計に相当する。PP1とPP2との値が異なる場合は、大きい方の値を画素ピッチPPとして定義する。
図4Cは、3種類の異なるR、G、Bのμ-LED20R,20G,20Bを備えたμ-ディスプレイ2を概略的に示している。μ-LED20Rは動作時に赤色に発光し、μ-LED20Gは動作時に緑色に発光し、μ-LED20Bは動作時に青色に発光する。赤色に発光するμ-LED20Rと、緑色に発光するμ-LED20Gと、青色に発光するμ-LED20Bとは、それぞれキャリア200上でトリプレット20に組分けされている。μ-LED20R、20G、20Bのトリプレット20は、キャリア200上に行と列とに分けて配置されている。個々のμ-LEDは、それぞれ各トリプレット20のサブ画素を形成し、ひいては1つの画素を表している。画素ピッチPP1またはPP2は、画素の中心から隣り合う画素の中心までを測定したものである。PP1とPP2との値が異なる場合は、大きい方の値を画素ピッチPPとして定義する。3つのμ-LEDをサブ画素として一列に配置するこの表示に加えて、図25Cにも示されているように、例えば三角形またはオフセットの形の他の表示も可能である。
光を生成するための一態様として、スロット型アンテナ構造体を用いた誘起発光の原理に基づいて、LEDの発光パターンを適合させることが提案されている。この場合、具体的にはスロット型アンテナ構造体が使用される。このようなスロット型アンテナは、通常、指向性の高い電磁波ビームを生成するために使用される。
通常のアンテナでは、空間内の金属製構造体が(不導体としての)空気で囲まれており、その状態で電磁波を放射するが、スロット型アンテナではこれが逆になる。スロット型アンテナには、電磁放射が放出されるスロットという中断部がある。スロットの幾何学的形状によって、波長および放射パターンが決まる。最も単純なケースでは、中断部またはスロットの長さは波長の倍数であり、放射された波はアンテナの平面に強く指向される。この場合、放射出力は非常に高くなることがある。
光は、約300nm~700nmの範囲にある電磁放射の一種である。そのため、同じオーダーの構造体が必要であるが、指向性の高い発光により、更なる光学系の使用が容易になる。
以下の構成では、さまざまな半導体材料系で実装および実現されている、かかるスロット型アンテナに関するいくつかの提案が提供される。この思想は、電磁放射が発する波長は、使用される材料に依存せず、主に導波路のスロットの寸法に依存するという発見に基づいている。そのため、1つの材料系を用いて異なる色の光を作り出すことができる。これは、LEDが単色の光ではなく、通常はより広いスペクトルを発することを利用したものである。そのため、スロットアンテナの幾何学的形状によって領域全体での発光を容易に調整することができる。
さらに、スロット型アンテナは自発的な放射再結合を増加させるため、かかるアンテナ構造を持たない従来のLEDよりも光の生成が速くなる。同時に、放射再結合が非放射再結合よりも優先されるため、非常に小さな構造体でも比率が向上する。また、この特性により、GaNをベースとした材料系を使用して赤色の光を生成することも可能である。材料系への依存度が低いため、スロット型アンテナによる誘起発光は、温度や電荷キャリア密度などのパラメーター変化への依存度も低くなり得る。
しかしながら、発光は電流に依存するため、一種の電流変調で放出された光の光度を制御することが可能である。光のオン/オフの速度を犠牲にすることなく、ドライバ回路を簡略化することができる。例えば、PWM変調では、立ち上がりと立ち下がりのエッジがそれほど急勾配ではない。また、小型の構造であるため、1つの画素に複数のエミッタを使用することが可能であり、光のスペクトルが広がる原因となる故障またはプロセスのばらつきを補う冗長性を備えている。同じ色のエミッタが複数あることで、冗長性に加えて、光量の分解能が高くなり、ひいては輝度のグラデーションも向上する。
図6は、アンテナ誘起発光の原理を用いた発光デバイスの一構成の主要要素を示したものである。発光デバイス1001は、キャリア1007上に配置されている。キャリアには、発光デバイスに電流を供給するためのドライバ回路、電流・電圧源などが含まれていてもよい。発光デバイスは、キャリア1007の主表面に対して実質的に垂直方向に延びる半導体スタック1003またはLEDナノカラムを有している。LEDナノカラムは、活性層を入れた複数の半導体層を含んでいる。一部の変形例では、LEDナノカラム1003の活性層は、1つの量子井戸または多重量子井戸構造を含んでいる。同様に複数の量子井戸も考えられる。スタック1003の端部には、高度にドープされたp型コンタクトもしくはn型コンタクトが形成されている。キャリア1007は、LEDナノカラムの対応するコンタクトと接触して発光デバイスにエネルギーを供給する電気的な第2のコンタクト1005を有している。
発光デバイスは、導電性構造体1004のキャビティ1010内に配置されている。構造体1004は、上側主表面10042および下側主表面10041を有し、後者はキャリアに隣接して配置されている。導電性構造体1004とキャリアとの間の電気的短絡を防止するために、キャリア1007と構造体との間には絶縁層が設けられている。電気構造体のキャビティ1010は、幅wおよび長さl(図示せず)を有している。幅wは、LEDナノカラムの大きさとほぼ同じである。また、LEDナノカラム1003は、導電性構造体がカラムとの短絡を起こさないように絶縁されている。導電性構造体1004は、金属で構成されているか、または金属を含んでいる。一部の変形例では、銅、アルミニウム、金、銀またはその他の適切な金属が使用される。この導電性構造体は、キャビティと一緒に、光線源(発光デバイス)が配置されたスロット型アンテナ構造体を形成する。キャビティの長さlは、放出される放射の所望の長さに適合されている。
導電性構造体およびLEDナノカラムは、絶縁性であるが光学的に透明な材料1006で覆われている。材料1006は、任意に、導電性構造体1004の側壁にも及んでいる。絶縁材料にはコンタクト層1002が施与され、LEDナノカラムの対応するコンタクトと接触する。このとき、コンタクト層1002を省略して、導電性構造体自体がコンタクトを形成してもよい。特に、本構成では、導電層は、キャリアに面していない電気的コンタクトと同じ電位になるように導電接続される。この場合、絶縁層は、光をその色に変換したり、放射光束をさらに整形したりするために、後述する変換体または構造体を含んでいてもよい。
動作時に、発光デバイスの活性層、例えば量子井戸構造に電荷キャリアが注入される。このアンテナ構造により自発的な発光が増加する。発光につながる再結合は、非放射再結合に比べて強く増加する。キャビティの特定の長さのために、電気双極子が形成され、キャビティの長さに応じた波長の光の指向性放出が好ましい。そのため、キャビティの長さが異なれば、それに応じた波長で発光が得られることになる。
図7A~図7Cは、異なる色の光を生成するのに適している、提案された原理による発光デバイスの一例を示している。図7Cは、3つの発光デバイスの平面図を示している。図7Aは、図7Cと同じデバイスを、X-X軸に沿って断面図で示したものである。同様に、図7Bは、Y-Y軸に沿って3つのデバイスを示している。
図7Aに示すように、発光デバイスR、G、Bは、キャリア1007上に配置され、そのn型コンタクト面1005bがキャリア1007上の対応する第2のコンタクト1005に電気的に接触している。各発光デバイスは、半導体スタックとして形作られたLEDナノカラム1003を有している。半導体スタックは、n型コンタクト1005bと、共通のp型ドープ層1002に接触した対応するp型コンタクトとを有している。なお、p型コンタクトとn型コンタクトとは、提案されている原理から逸脱せずに入れ替えることもできる。各発光デバイスは、再結合が起こる活性領域(図示せず)も有している。層1006は、電気的に絶縁されている。そのため、LEDナノカラムもしくは半導体層スタックは、導電層の平面を超えて広がっている。
図7Cに示すように、LEDナノカラム1003は、導電性構造体1004のキャビティ1010内に配置されている。より具体的には、LEDナノカラムもしくは半導体層スタック1003は、キャビティ1010の中心に絶縁ワイヤとして配置されている。
導電性構造体は、長方形の形状をしているが、誘起発光に適した別の形状にすることもできる。しかしながら、半導体層スタックはキャビティ内に配置されていなければならない。開示された例では、発光デバイスR、GおよびBの導電性構造体は同じ寸法を有し、これは1μm2~2μm2の範囲にある。各キャビティ1010は、幅wおよび長さlを有し、長方形の形状をしている。キャビティの幅は、LEDナノカラムの幅とほぼ一致するか、またはLEDナノカラムが短絡を起こさないように僅かに大きくなっている。カラムとキャリアとの間には、空気もしくは他の気体または絶縁性の固体が配置されている。キャビティの長さlによって自発的な発光が誘起され、その波長は長さlに依存する。非常に単純化して言えば、双極子スロットアンテナのような構造で、キャビティの長さは、伝送される波長の半分に相当する。波長400nmの場合、約200nmのキャビティが使用される。実際のキャビティは、物理的なパラメーターを考慮した短縮率によってより短くされていてもよい。
図7Aを参照すると、導電性構造体は、X-X軸に沿った断面図において、「U」字型の横断面輪郭を成しており、その中で、キャビティは、外側のフランク部によって区切られた内側の部分を形成している。さまざまな要素の個々の導電性構造体1004は、相互に接続されている(ここでは図示せず)。半導体層スタックは、キャビティひいては導電性構造体を通って延在している。この導電性構造体は、光学的に透明な絶縁材料1006に囲まれており、ひいては完全に覆われている。また、材料1006は、キャビティを満たし、第1のコンタクト1011まで延在している。絶縁材料1006上には、共通のコンタクト層1002が設けられている。共通のコンタクト層1002は、LEDナノカラムのそれぞれに電気的に接触する。図7Bは、図7CのY-Y断面図に沿った発光デバイスを示したものである。
次に、図9を参照して、導電性構造体または金属板が発光デバイスの発光パターンに与える影響について説明する。同図は、スロット型アンテナの遠方界放射パターンと結合型電荷振動子の双極子放射パターンとを比較したものを示す。
両者はほぼ同じ放射パターンとなり、発光デバイスは結合型電荷振動子と同様に動作していることが示される。
それから、図8Aおよび図8Eおよび図8Fを参照されたい。図8Cは、これまでに詳細に説明したものと同様の発光デバイスを示している。
ここで、図8Eおよび図8Fを参照すると、実質的に同じキャビティを持つ2つ以上の発光デバイスを有するμ-LED配置構造の平面図が示されている。各発光デバイスの寸法が小さいため、高密度のμ-ディスプレイマトリクスを実現することができる。例えば、提案された原理による発光デバイスの面積は約1μm2であるため、かかるデバイスを複数個並べても、エッジの長さが4μmを超えないようにすることができる。そのため、破損したデバイスを交換するための冗長性が確保される。他方で、それによって解像度が高くなり、より細かな強度のグラデーションが可能になる。小さなサイズは、かかる発光デバイスを多数搭載したモノリシック集積に特に適している。
図8Eは、群1051として配置された4つの発光デバイスを含む画素のモノリシック集積の一例を示している。このμ-LED配置構造は、いくつかの共通の構造体を有しており、この場合、金属板として形作られた導電性構造体1050、金属板上の絶縁層および共通のコンタクト層が挙げられる。金属板は、2×2のμ-LEDマトリクス1051に配置された4つのキャビティ1010を有している。隣り合うキャビティ1010は、互いに平行に配置されている。キャビティは、その中に配置されたLED半導体層スタックまたはナノカラムと一緒に、透明な絶縁材料(この平面図では示されていない)で覆われている。
共通の電気的コンタクト層(図示せず)が絶縁材料上に適用される。コンタクト層は、LEDナノカラムと片面で接触する。LEDナノカラムのための同様のコンタクトが、金属板の下の下側(図示せず)に形成されている。
動作中のキャビティは、各ペアにして別々に制御したり、すべてを同時に制御したりすることも可能である。一部の変形例では、すべてのキャビティが同時に切り替えられる。そのため、強度に関して高い解像度を得ることができる。プロセスのばらつき、温度の影響およびその他の物理的特性により、各キャビティのスペクトルが広がり、結果的にスペクトルが僅かに拡大する。キャビティの僅かに異なる長さを選択することで、4つのキャビティから発せられる光に対して、いわゆる白色の光スペクトルを実現することができる。4つのキャビティを有する配置構造にカラーフィルターを置くことで、所望の色を選択することができる。
また、1つの発光デバイスに比べて4つのキャビティが占める面積が大きいため、光学素子またはカラーフィルターを配置構造上に配置することも容易である。代替的な解決策では、6つのかかる照明装置を共有構造体の使用により配置し、1つのペアの発光デバイス上に対応するカラーフィルターを置くことで3つのサブ画素を得ることができる。あるいは半導体層スタックを異なる材料系およびキャビティ長さで設計することで、異なる色を生成することも可能である。
かかる構成は、図8Eの金属板構造の右側の部分に示されている。6つの発光デバイスがペアごとに配置されており、それぞれ同じデバイスの1052b、1052g、1052rの各ペアが平行に配置されている。
第1のペアは、最も波長の短い光、例えば青色の光を発するよう適合されており、その結果、キャビティの長さl1は短くなっている。破線で示された青色フィルター1045は、光を整形するために、もしくは必要に応じて青色スペクトルの望ましくない部分をフィルタリングする場合には、2つのキャビティ1010上に配置される。フィルターは指向性があるため省略してもよい。
また、第2のペアの発光デバイス1052gは、互いに平行に配置された1つのペアのキャビティを含んでおり、キャビティの中心には対応するLEDナノカラム構造体が配置されている。長さl2は長さl1よりも大きく、例えば緑色に相当する。同様に、ここでも任意の整形素子またはフィルター素子1046が提供されている。最後に、第3の発光デバイスのペアは、最大の長さl3のキャビティを有している。同様に、ここでも任意の整形素子またはフィルター素子1047が提供されており、これは、放出されたスペクトルの望ましくない部分をブロックし、放射パターンを形成する。
各ペアのキャビティ間の距離は、漏話を最小限に抑えるように、または例えば発光パターン、プロセス制御などの他のパラメーターにとって有益な距離に調整されている。同じ色の2つの異なるペア間の距離は、漏話を最小限に抑えるように調整されている。必要に応じて、スロット型アンテナを実装した金属板を分離し、金属構造による影響を減らすことができる。一部の変形例では、μ-LED配置構造は1つの共有コンタクト層構造のみを有している。
図8Fは、共通の構造を用いた発光デバイスの別の配置構造を示している。スロット型アンテナ構造体は、指向性の発光を有しているだけでなく、放出される光の偏光にも影響を与えることができる。スロット型アンテナなどの双極子アンテナ構造体の場合、電界ベクトルEは双極子と同じ方向になる。
図8Fでは、4つの発光デバイス群は、それぞれ2つの発光デバイスが互いに平行に配置されるように配置されているが、各ペアは互いに90°オフセットされている。言い換えれば、キャビティ1010aは互いに平行であるが、キャビティ1010bに対して90°回転している。このように、それぞれ2つの発光デバイスは、共有金属板の中で互いのキャビティがそれぞれ垂直になるように配置されている。デバイスの動作時には、2つのデバイスの双極子発光も回転し、これにより共通の回転電界ベクトルが発生する。キャビティ1010aは、共通の金属板の距離dだけ離れて一列に配置されている。このように、図8Eおよび図8Fの配置構造の構成では、キャビティの向き(平行と90°オフセット)により、放射パターンが異なる。
発光デバイスの各キャビティ1010bは、デバイスのキャビティ1010bのその延長線が、対応する他のデバイスの中心とLEDナノカラムを通過するように、デバイスの対応するキャビティ1010aに対して垂直に配置されている。発光デバイスの各キャビティ1010aおよび1010bの長さは、図示の例では同じである。しかしながら、上記と同様に、長さが僅かに異なることもあるため、スペクトルを広げることができる。これは、調整可能な偏光フィルターをデバイスの上に置いたときに好都合であり得る。なぜなら、かかるフィルターは色を選択的に変化させるのに使用できるからである。
図8Fの説明例の右側の部分は、変換体を使って赤色、緑色、青色の異なる色を得るための構造を示している。このために各サブ画素1062r、1062gおよび1062bは、上述したように、それらの対応するキャビティ1010が互いに垂直に配置された2つの発光デバイスを有している。一部の変形例では、各サブ画素は、平行に配置されたり、他の何らかの構成で配置されたりしていてもよい。各サブ画素のキャビティ1010の長さは、発光デバイスが色変換に適した波長を放出するような値で選択される。サブ画素1062gの発光デバイスの上には、キャビティから発せられた光(例えば青色の光)を緑色に変換するための共有変換体が配置されている。
同様に、変換体1066を用いて、サブ画素1062rの発光デバイスからの光が赤色に変換される。最後に、この例では、サブ画素1062bのスペクトルの望ましくない部分をフィルタリングするために、カラーフィルター1067が適用される。この例では、キャビティの長さは、発光デバイスが青色に発光するような値に設定されている。サブ画素1062bのキャビティが既に所望の色で放射している場合には、フィルター1067を省略してもよい。
一部の変形例では、利用可能な変換体またはプロセス要件に応じて、異なる長さのキャビティを選択することが適切であり得る。例えば、赤色の光を生成するためには、青色の光を赤色の光に、または緑色の光を赤色の光に変換する変換体を使用することができる。後者の場合、キャビティ長さの要件を緩和できるので、デバイスの加工が容易になる。
図8Aは、別の態様を示している。同図は、提案された原理による発光デバイス1001の平面図を示している。導電性構造体、例えば金属製板のキャビティ1010は、長さlおよび幅wを有している。幅wは、LEDナノカラム1003の幅よりも若干大きく設定されている。
さらに、LEDナノカラム1003は若干位置がずれており、完全に中心にはない。すなわち、LEDナノカラム1003は、片面がキャビティ1010の側壁に隣接して配置されており、キャビティの他方の側壁とLEDナノカラムの反対側の面との間には小さなギャップが生じている。LEDナノカラムと側壁との間の望ましくないリーク電流を回避するために、LEDナノカラムは、少なくともキャビティの長い方の側壁と対向する面が絶縁層で覆われている。この例では、LEDナノカラムのそれぞれの側が絶縁材料で覆われている。図8Aの代替的な構成では、半導体層スタックもしくはナノカラム1003は、キャビティ内で中心に配置されている。半導体層スタック1003と導電層との間のキャビティの領域には、透明な電気絶縁材料が充填されている。
図8Bは、さらに別の態様を示している。LEDナノカラムは、活性領域、すなわち、放射再結合が起こる1つ以上の量子井戸層を有している。図8Bでは、第1のコンタクト1011は、導電層1002に接続されたp型コンタクトを形成している。半導体層スタックもしくはLEDナノカラムは、主に絶縁材料1006によって囲まれている。スロット型アンテナを形成する金属層は、上側主表面10042と下側主表面10041とでU字型の構造を形成している。しかしながら、この形状は必須ではない。特に、金属製構造体は完全に平面で、キャビティだけを有していてもよい。LEDナノカラムは、切欠き部またはキャビティ内に置かれている。活性領域は、上側主表面の高さに形成されていることから、コンタクト1011に面している活性層の端部はキャビティの上側主表面のレベルとほぼ一致している。言い換えれば、LEDナノカラムの活性領域は、その一端がキャビティのほぼ上側主表面10042に位置するように、キャビティ1003内に配置されている。
図8Bは、Y-Y軸に沿った概略図であり、キャビティ内の活性領域の配置構造を示している。一端、例えば、第1のコンタクト1011に近い活性領域の端部は、キャビティの上側主表面10042のレベルに置かれている。そのため、活性領域自体はキャビティの上部開口部に近い位置に置かれている。かかる配置構造、特にキャビティ内の活性領域の位置は、発光パターンに影響を与える。この例の他に、活性層は金属性キャビティの中にさらに入り込むことができる。
図8Cおよび図8Dは、漏話をさらに低減したり、発光や光学的特性を改善したりするための、発光デバイスの更なる態様を示している。Y-Y軸に沿った図8Cの発光デバイスは、この方向への発光を可能にするために、パターニングされていてもよく透明であるカバー層1002を有している。
カバー層1002は、第1のコンタクト1011と電気的に接触しており、その幅は、残されているLEDナノカラム1003の幅よりも大きい。LEDナノカラムは、チップドライバ回路または他のデバイス上に配置可能な下側主表面10041を有するキャビティ1004内に配置されている。LEDナノカラム1003はまた、下側の第2のコンタクト1005と、活性領域1015とを含む。活性領域1015は、複数の量子井戸または量子ドットによって形成されているが、他の一部の変形例では、単一の量子井戸または1つの多重量子井戸も有していてよい。
活性領域1015は、第1のコンタクト1011と向かい合う当該キャビティのカバー層が、当該キャビティを形成する金属製のスロット型アンテナ構造体の上側主表面10042に対応するレベルに置かれるようにキャビティ内に配置されている。LEDナノカラムは、キャビティの領域内で、その側壁が透明な絶縁層1020またはパッシベーション層1020で覆われている。この層は、LEDナノカラムとキャビティの周囲の構造との間の望ましくない電気的接触を防ぐ。パッシベーション層1020は、第2のコンタクト1005から第1のコンタクト1011の領域に向かって延びている。
図8Dは、X-X図に沿った構成を示している。活性領域1015は、キャビティの切欠き部に配置されており、LEDナノカラムの側壁に形成されたパッシベーション層1020は、キャビティの底部から、第1のコンタクトに隣り合うLEDナノカラムの上部まで延びている。活性領域は、上側主表面に対応するレベルに片側が配置されているが、他の配置構造が形成されてもよいことに留意すべきである。例えば、活性領域は、上側主表面よりも少し下に形成されていてもよい。あるいは活性領域は、上側主表面のレベルを横切るように形成されていてもよい。
図10は、コーティング、メサ構造体、変換、カラーフィルターまたは発光デバイス上に配置された他の何らかの構造体の幾何学的形状の例をいくつか示したものである。デバイスの発光パターン上、構造体は左右対称の構造である必要はなく、図示されるように、それらの幾何学的形状はむしろ異なっていてもよい。図示の例では、構造体1065(例えば、カラーフィルター)は、サブ図Aでは半円筒の形状を有している。サブ図Bでは、構造体1065は、半球の形状を有していてもよい。これは、デバイスの発光パターンが狭いことに起因している。
図11は、カラーフィルターおよびセパレータを使用して漏話を低減した更なる例である。発光デバイスは、コンタクト層1002上にカラーフィルター1046を有している。カラーフィルター1046は、放出された光の別の材料への結合を改善するためのカバー層構造体1046bを有している。この構造体は、フォトニック結晶などの周期的な構造体であってもよい。例えば単純な粗面化のような非周期的な構造体も、光の取り出しを強化するために使用することができる。発光デバイスはまた、画素と発光デバイスのほぼそれぞれの側に透明なセパレータ1049を有している。セパレータ1049は、発光デバイスの高さにほぼ対応する高さを有している。
この図示されたデバイスは、一構成として、それぞれ同じ長さのキャビティを有するモノリシックディスプレイとして作製される。このディスプレイは、後述する図248の光の案内の例で発光素子として使用される。
図12は、成長用キャリア1、特にサファイア基板を示している。これは、特にGaN材料系に適している。第1のステップでは、可能な限り平面的な表面を得るために、適応層などの措置がとられる。引き続き、成長層3を堆積させる。この層の上に、例えばSiOからなる絶縁性マスキング層が施与される。引き続き、このマスキング層は、細長い長方形の領域が露出するようにパターニングされる。これらの領域は互いに平行しており、実質的に同じサイズである。これらの露出した領域に、多面体、特に直方体の形状をした多数の、例えば6つの材料ボリューム7がエピタキシャル成長させられる。このコアにドーピングを施すことで、電流をよく通すようにすることができる。引き続き、活性層9が表面および側壁に施与される。この層にはまた、追加の層11が続く。追加の層11は、コアとは異なるドーピングタイプを有し、例えば、電荷キャリアを全領域、すなわち表面および側面に可能な限り均一に分散させるために、電流拡散層を含むこともできる。このようにして、直方体またはインゴットの形状のμ-LEDが得られる。
図12では、成長層3は、n型ドーピング、特にGaNを有している。マスキング5は、二酸化ケイ素またはケイ素窒素を含んでいる。材料ボリューム7は、成長層3と同じ材料を有している。活性層9は、In-またはAl-GaN-MQW(多重量子井戸)を含んでいる。追加の層11は、p型ドープされており、同様にGaNをベースにしている。その他の材料系も同様に可能である。このようにして形成された構造体は、実質的に長手方向軸線が互いに平行で、同じ大きさもしくは形状を有している。ばらつきはプロセスの変動によるものである。
図13は、提案されている電子構造素子の製造のための更なるステップを同じ横断面図で示したものである。図13では、成長層3に面していない活性層9と更なる層11とで覆われた材料ボリューム7の表面に、ミラー・メタライゼーション13またははんだを提供するミラー状の第1のメタライゼーション13aが作り出される。そのため、これらがp型コンタクトを形成する。このように、ミラー・メタライゼーション13は直方体の上側に位置し、その全長にわたって下側のp型ドープ層と接触している。これにより、大面積のコンタクトが生まれ、p型ドープ層への均一な電流分布が促進される。
図14は、提案されている電子構造素子の製造のための更なるステップを横断面図で示したものである。このステップでは、まず、はんだメタライゼーション層13bが、平坦なキャリア15の主表面に接合され、次いでこれが準備される。はんだメタライゼーション層13bは、多数のコンタクトストリップを含んでおり、その長さは直方体またはインゴットとコンタクト13aの長さに対応する。さらに、コンタクトストリップ間の間隔は、基板1上のインゴットの間隔に対応するように選択されている。メタライゼーションを有するキャリアは、直方体の上に配置され、整列され、それに続けて、ボンディングまたはその他の方法で材料結合により取り付けられる。これにより接触が確保され、メタライゼーション13bはすべての直方体に対して共通の接続を形成する。第1のメタライゼーション13aは、はんだメタライゼーション層13bと同じ材料を有していてもよい。
続けて、図15に示すように、キャリアを反転させ、成長用キャリアもしくはサファイア基板1を成長層3から除去する。このプロセスは、特にレーザーリフトオフプロセス(LLO(Laser-Lift-Off))によって行われる。
図16は、成長層3およびマスクの一部を再び除去した更なるステップを示している。この除去は2つのステップで行われ、まず成長層の大部分を除去する。引き続き、素子を領域7の部分が突出したままになるように加工し、この領域は更なるエッチングプロセス、特にマスキング層5のエッチングプロセスを行わないようにする。その結果、同図のように、活性層9と更なる層11とが領域7の表面に対して僅かに凹んだ構造になっている。エッチングプロセスは、反応性イオンエッチングあるいはプラズマエッチングでも行うことができる。
このようにして表面に露出した領域は、図17の以下のステップでパッシベーション層によって完全に囲まれる。これはSiOを含み、直方体の長辺に沿って全面的に成長する。同様に、メタライゼーション13bの表面もパッシベーション層によって覆われ、このパッシベーション層はトレンチとメタライゼーション13a,13bとの間のアンダーカットにも及んでいる。同図では前面が露出して描かれているが、ここでも下側の層を酸化または損傷から保護するためにパッシベーションが施されていることは自明である。
図18によれば、それからフォトマスクを施与し(図示せず)、エッチングプロセスによって直方体の表面に沿ったパッシベーションを再びストリップ状に開き、下側のコアを露出させる。ストリップの幅は、コアの表面の幅よりも若干小さい。こうして、コアの長辺に沿って延びるエッジにもパッシベーションが残ることになる。引き続き、更なるステップでは、ストリップに更なるメタライゼーション13cが施される。このメタライゼーション13cにより、μ-LED素子のn型コンタクト21が形成される。ストリップで形成されたn型コンタクトに加えて、μ-LED素子には、メタライゼーション13dも片側で接触している。本構成では、メタライゼーション13dは、μ-LED素子の長辺全体に広がり、また、側壁に沿ってパッシベーション17まで続いている。メタライゼーション13dは、反射性に構成されている。メタライゼーション13dが続く方向は、μ-LED素子の側壁に2つのメタライゼーション13dがそれぞれ互いに対向するように選択されている。3つのμ-LED素子が隣り合う場合、当該素子の少なくとも2つのメタライゼーションが向かい合っている。
片側には、図18の左端に示すように、更なる第3のメタライゼーション13eも堆積されている。これにより、パッシベーション層17のこの表面に設けられたn型コンタクト領域23への金属性のn型中間接続部27が形成される。これらは、第4のメタライゼーション13fによって形成されていてもよい。n型コンタクト領域23は、コンタクトストリップとして作製することができ、図20および21に示されている。
これに対して、図18に示される画素素子の右端の側では、パッシベーションが除去され、メタライゼーション13bが露出している領域がある。引き続き、このメタライゼーション13bに導電性材料13gが充填され、平面的なp型コンタクト領域19が形成され、当該領域19は、はんだメタライゼーション層13bによってp型コンタクト20に電気的に接続されている。p型コンタクト領域19は表面積が大きいことから接合に適している。
それから、最後のステップでは、図19に示すように、空間の一部が変換材料で充填される。詳細には、反射メタライゼーションがない空間のみが充填され、対向するメタライゼーション13dがある領域は凹部のまま残されている。言い換えれば、側壁ミラー・メタライゼーション13dが互いに反対方向を向いて作られた(複数の)空間のみが変換材料で満たされる。こうしたのは、活性層で生成された光が、反射金属層によって変換材料に向けて戻されるからである。変換材料は、n型コンタクト21の高さ付近まで充填される。これにより、僅かに斜めに放出されたフォトンも変換体で変換することができる。
変換材料25は、例えば、紫外域で発光する同一構造のエピタキシャル生成されたマイクロ発光ダイオードの場合、赤色、緑色および青色の光に変換されるように、それぞれの色に応じて異なるように作製することができる。6つの電気式μ-LEDの場合、隣り合う2つのμ-LEDにそれぞれ1色の変換材料25を使用することができる。このように、各色に2つのμ-LEDを割り当てることで、各色に冗長性を持たせている。このようにして、冗長なRGB画素が作製される。
図20は、このように一列に配置された画素を、変換材料を間に挟んでそれぞれ2つのμ-LEDからなる3つのサブ画素を伴った状態で示す平面図である。図21は、同じ画素素子の縦断面図である。この構成では、画素の全長に沿って延在する共通のp型コンタクト19が存在する。n型コンタクト23は、それぞれ1つのペアのμ-LEDに接触し、これらの間には光を異なる波長に変換するための変換材料が配置されている。図20は、特に、n型コンタクト21が、側壁ミラー・メタライゼーション13dと、キャリア15に面していないパッシベーション層17の側に堆積され、n型中間接続部27を形成している第3のメタライゼーション13eとによってn型コンタクト領域23に電気的に接続されていることを示している。n型コンタクト21は、第2のメタライゼーション13cとして形成されている。n型コンタクト領域23は、第4のメタライゼーション13fとして形成されている。
n型コンタクト領域23およびp型コンタクト領域19は、接続ストリップまたはバスバーの形をしており、コンタクトワイヤをボンディングするために表側に配置するだけでなく、「フリップチップ」として接続するためにキャリアの裏側にも配置することができる。図21はさらに、第5のメタライゼーション13gによって作製されたp型コンタクト領域19が、はんだメタライゼーション層13bによって電気的に接続されていることを示している。これは、ここでは図示していない第1のメタライゼーション13aから作製されたp型コンタクト20に電気的に接続されている。
このような画素の更なる接触オプションを図22に示している。ここでは、画素は表面実装型のモジュールとして形成されている。先の構成とは異なり、ここでは、n型コンタクト21は、中間リード線27を介してn型コンタクトスルーホールビア29またはビアに電気的に接続されている。n型コンタクト13dは、側壁に沿って延びるメタライゼーションを介して中間リード線に接続されている。各n型コンタクトごとに1つのスルーホールビアが存在している。ビア29および中間層は、メタライゼーション13b(ここでは図示せず)およびキャリア15から電気的に絶縁されている。
図23は、画素素子の長手方向の断面図を示している。リード線27は、n型コンタクト13dに接触した後、キャリア15の下側にあるn型コンタクト23に接続されたビア29に配線されている。パッシベーション層17は、同様に下側にあるp型コンタクト31と、それに伴うメタライゼーションとをn型コンタクトから分離する。下側にあるこの2つのコンタクトによって、画素をマトリクスに直接設けることができる。
図24は、側壁ミラー・メタライゼーション13dが終端する場所にn型コンタクトスルーホールビア29が形成された、赤色-緑色-青色の光に対して冗長な画素を示している。このスルーホールビア29は、第2のメタライゼーション13cから、キャリア15に対して垂直なパッシベーション層17の表面に沿って、キャリア15に面しておらず、当該キャリア15と平行なパッシベーション層17の表面まで延びている。そこから、キャリアの反対側の領域23にn型コンタクトを接触させるビア29が設けられている。同様に、変換材料の中心とは反対側のキャリアの場所に位置し、p型層に接触するビア31も設けられている。このようにして、1つのμ-LEDが故障しても、2つ目のμ-LEDを駆動制御することができるため、冗長なRGB画素が作製される。
本構成では、3つの変換材料が設けられている。しかしながら、青色の光は変換される必要はない。そのため、青色の光に対応した変換材料の代わりに、拡散材料などを使用することができる。さらに、ここでは単一の画素素子のみを示している。これに対して、この方法で多数の画素を製造可能であることは自明である。つまり、多数の画素素子を行と列とに分けてモノリシックに作製することができる。これらは、μ-ディスプレイまたはモジュールを形成し、これ自体は対応する駆動制御電子回路を備えたキャリアまたはボード上に載置し、接触させることができる。
図25Aは、図24の構成形態に、本開示に記載されている措置をさらにいくつか加えた補足図である。冗長な画素は、誘電性で透明なカバー層37で覆われており、引き続き、このカバー層は平坦化される。これにより、カバー層は画素間の凹部にも広がり、そこに材料が充填される。カバー層37には、それぞれの色に合わせたフォトニック結晶34の形の光整形構造が導入されている。この結晶は、本開示に記載されている技術の1つに従って製造されている。本明細書で具体的に示した構造体に加えて、本開示で示した他の構造体で形成されていてもよい。フォトニック構造体は、異なる屈折率を有する材料からなるそれぞれの部分35および36を含み、材料35はカバー層に対応している。第1の構造体341は、変換体25rが発する光の波長に合わせた厚さD1の部分を有する。赤色の光の場合、厚さD1、ひいては同じ屈折率の部分同士の距離が最も大きくなる。
変換材料25gを用いた第2のサブ画素の上には、互いに距離D2が小さい部分を有するフォトニック構造体が配置されている。変換材料25bを用いたサブ画素の上では、同じ屈折率を有する材料間の距離D3が最も小さく、それに応じて距離の逆数として周期性が最も大きくなる。この形態表示では、フォトニック構造体は、その周期性が放出される光の周波数に適合するように構成されている。その結果、距離が異なることになる。別の構成では、この周期性の共通の除数または倍数を選択したり、超格子を指定したりすることで、必要に応じて、同じ屈折率を有する材料間の間隔が等しいフォトニック構造体を提供することも可能である。あるいはかかる超格子を用いて、周波数選択的な選択を行うこともでき、すなわち、本明細書のいくつかの構成に示されているように、変換されなかった光を偏向、散乱または低減するために使用することもできる。このようにして、フォトニック構造体は、変換体25rおよび25bから出射する変換されなかった光のフィルターとしても機能することができる。
図25Bは、この構造の平面図を示している。左側の部分ではサブ画素25r、真ん中の部分ではサブ画素25g、右側の部分ではサブ画素25bが、それぞれフォトニック構造体とともに示されている。第1の部分および第2の部分のフォトニック構造体は、いわゆる1次元フォトニック構造体として形成されている。フォトニック構造体のバー形状により、屈折率の異なる材料がμ-LEDおよび変換材料と実質的に平行に広がっているため、周期性に沿った仮想バンドギャップが得られることになる。方向xに沿って伝搬する光は、フォトニック構造体によって減少する。サブ画素25bの右側のセクションでは、空間方向xとyの両方で同じ周期性を持つ2次元フォトニック構造体が示されている。この結果、放出された光の両空間方向への伝搬が抑制され、狭い円錐状に光が放射される。
ここで、個々のサブ画素の上には、図示したフォトニック構造体の代わりに、マイクロレンズなどの光整形構造体を配置することも可能であることを述べておく。さらには、他のμ-LED配置構造にも同じことが言える。マイクロレンズはフォトリソグラフィにより製造されるが、固有の選択的エッチングにより、より小さな構造も可能だと考えられる。
図25Aを再び参照すると、同図にはさらに、さまざまなサブ画素の駆動制御手段の例も示されている。もちろん、当業者であれば、ある実装では、可能な駆動制御のうち1つだけが適宜使用されることを把握している。そのため、図は概略的なものとなっている。すべてのサブ画素25rについて、接続用コンタクト19はそれぞれ共通の接地電位40に接続されている。1つのペアのμ-LEDと変換25rとを有する第1のサブ画素用のコンタクト23は、それぞれ電流ドライバトランジスタ41を介して電圧源43に配線されている。これにより、サブ画素25r用の構成における両方のμ-LEDに、互いに独立して電流を供給することができる。したがって、各μ-LEDは、場合によっては、より低い電流強度でも同じ総強度で動作させることができる。真ん中の画素には、電流ドライバトランジスタとμ-LEDとの間に溶断ヒューズ44がそれぞれ接続されている。その点では、この構成は、図323~図327の構成のうちの1つと類似している。溶断ヒューズのうちの1つは、同図に参照符号45で表されているヒューズトリガ素子に接続されている。右側のサブ画素25bでは、両端子23が共通の電流ドライバ41に接続されている。電流ドライバトランジスタ41は、特に、本願に開示されているドライバトランジスタとして構成されていてもよい。これには、例えば、図296以降において本願に開示されているバックゲートトランジスタが含まれる。
さらに、個々のサブ画素が平行に配置されている必要もない。1組のμ-LEDを他の2組のμ-LEDからオフセットして配置するという選択肢も、90°オフセットして配置するという選択肢もある。図25Cは、このような画素構造を例示的に平面図で示したものである。左図では、画素P1、P2およびP3のサブ画素が2列で示されている。これらは交互に配置されており、すなわち、画素1では緑色と青色のサブ画素が1列目に、赤のサブ画素が2列目の下段に中央に配置されている。他方で、画素P2の方はちょうど逆に配置され、すなわち青色と緑色のサブ画素は2列目に、赤のサブ画素は1列目に配置されている。この結果、上記の構成と同様の構造になるが、列ごとに配置された3つのサブ画素は少なくとも2つの異なる画素に属しているため、駆動制御が僅かに異なる。図25Cの右側の部分では、赤色のサブ画素は、他の2つのサブ画素の各ペアに対して、その直方体の形状が垂直になるように配置されている。その結果、非常に少ないスペースでの使用が可能となる。
図26は、例えば別個に製造された「μ-ロッドM」の一構成例である。これは、水平方向に並んだ複数のμ-ロッドを備える提案された電子構造素子を製造するための基礎となるものである。
μ-ロッドは、部分的に層シーケンス3に包まれたコア1を含んでいる。層シーケンス3は、第1の層5、活性層7、第2の層9により内側から外側に向かって形成されている。コア1は、n型ドープされたGaNを含んでいる。第1の層5も同様にn型ドープされたGaNを含んでいてよいが、ドーピング濃度は異なる。活性層7は、InGaNによる1つ以上の量子井戸(Quantentoepfe/Quantenwells)を有している。活性層7では、電荷キャリアが再結合して発光する。第2の層9は、活性層7上に堆積され、p型ドープされたGaNを有している。
μ-ロッドは、サファイア基板S上に作製され、当該基板上に任意のn型ドープされたGaNの成長層2が成長している。この層の上にSiO2のパターニングされたマスク4bが施与されている。
μ-ロッドMは、横断面が正六角形である。その先端部では直径が小さくなり、ピラミッド先端部の形状で終端している。活性層7がコアの周りに広がり、実質的にマスク層4bから先端まで続いている。同様に、p型ドープされたGaS層は、コアと活性層7とを完全に包んでいる。
活性層および/またはドーパントに使用される材料系とともに、μ-ロッドの形状および幾何学的形状、特に直径によって、発光波長が設定される。μ-ロッドのサイズ、特に高さは、数μmの範囲で、例えば20μm未満または5μmの範囲である。直径も同様に数μm、例えば2μmである。いくつかの態様では、高さと直径との比は1:1~4:1の範囲である。製造後、μ-ロッドは成長用基板2から取り出され、さらに処理される。
図27Aは、キャリアに固定され、電気的に接続されることで、画素またはサブ画素を形成するμ-ロッドMの一構成例を示している。図27Aには、右上の切断面AAに沿って、μ-ロッドの横断面がさらに示されている。μ-ロッドの横断面は、角と辺が等しい六角形の形状をしている。内側から外側に向かう層シーケンス3が図示されており、これはさらに外側が電流拡散層28で囲まれている。電流拡散層は、便宜上透明であり、μ-ロッドの先端部から絶縁層4bまで延びている。
それから、μ-ロッドMは、キャリアBに対して長手方向かつ実質的に平行に配置されている。その第1の長手方向端部12において、電流拡散層28もしくはp型ドープ層9は、第1のコンタクト13に接続されている。第1のコンタクトは、ピラミッドの下側半分または先端部に沿って延びており、先端部12から長手方向に延びる領域まで延びている。コンタクトの一部は先端部の上側にも設けられることで、コンタクトがキャップのようになってμ-ロッドの先端部を部分的に包み込むことになる。コンタクト13はまた、キャリアBと場合によってはその中に存在する電気構造体とに接続されているコンタクト領域17上に施与されている。コンタクト領域17は、キャリアBの表面を超えて延びており、μ-ロッドをキャリアの表面から僅かに離間させている。
μ-ロッドMの他方の後端14では、コア1はコンタクト15に接続されている。絶縁マスキング層4aが残されているため、コンタクト15は短絡を起こさず、層19あるいは28から電気的に絶縁されている。コンタクト15の高さは、絶縁層4aの上部にほぼ達している。このコンタクトはまた、コンタクト領域19に電気的・機械的に接続されている。コンタクト領域17および19は実質的に同じ高さであることから、μ-ロッドはキャリアの表面に平行に向けられている。この例では、キャリアBとμ-ロッドとの間の空間は、空の状態であり、すなわち反射材料で充填されていない。しかしながら、以下に説明するように、このようにして配置されたμ-ロッドの下や周囲にリフレクタ構造体を配置することが好都合である。
図27Bは、図27Aの代替的な構成および補足である。本構成では、μ-ロッドがキャリアBの表面に直接接触している。接触のためにコンタクト領域17’が設けられており、当該領域は比較的大きな表面積を有しているため、位置決めが容易である。更なる構成では、このコンタクト領域17’は、キャリアBの表面の上に僅かに突出していてもよく、その結果、μ-ロッドが僅かにその上に配置されることになる。接点15は、コンタクト素子19’に接続されている。同図では、複数のドライバ回路やリード線などの構造素子が収容された基板IC-Sがさらに示されている。同様に大きな表面積を有している更なる接点38および39は、リード線および回路に接続されている。例えば、コンタクト領域38は接地電位41に配線されており、コンタクト領域39はここでは概略的に示されているドライバ回路40に配線されている。接着剤37で両キャリアを互いに結合する。コンタクトの表面積が大きいため、キャリアを重ねる際に位置決めすることが容易になる。
図27Bによる別の構成では、μ-ロッドは、ベースキャリアB上に直接載置することもできる。本構成では、p型ドープ層9もしくは電流拡散層は、長辺に沿ってキャリアBの表面に設けられた第1のコンタクト領域17’に直接接続されている。第2のコンタクト領域19’が、キャリアB内で第1のコンタクト領域17’と絶縁して設けられており、コンタクト15に電気的・機械的に接続されている。製造がより容易であることに加えて、図30および図31のステップを省略することができ、ここではより大きなコンタクト領域17’が可能である。そのため、配向および配置が容易になる。コンタクト領域17’は、反射型の導電層を含んでいる。さらに、ここでもμ-LEDの周囲に反射構造体が設けられていてもよい。これにより、μ-LEDの周りにボックスが形成され、その間の領域または空間に変換材料が充填されていてもよい。
図28~図38は、3本のμ-ロッドから光電子構造素子群を製造するための提案された方法の一構成例を示している。図28は、並置されかつ成長用基板Sから垂直方向に延びる3本のμ-ロッドMを示しており、これらは、第1のドーピングを有する任意の成長層2によって作製されたものである。成長用基板2の表面には、パターニングされたマスク4bが施与されている。露出した場所には、成長層2から垂直に細長いコア1が形成されており、コア1は成長層2と同じ材料を有している。この成長プロセスにより、図26~28に示すようなテーパー状の先端部が生じる。引き続き、いくつかのステップを経て、コア上に層シーケンス3が堆積される。まず、コア上に同じドーピングタイプの層5が堆積される。層5の上に活性層7が成長させられる。これは複数の量子井戸を含んでいる。活性層7の上には、p型ドープ層9が続く。さらに、注入された電荷キャリアをp型ドープ層9の全領域に分散させるために、p型ドープ層上に電流拡散層が施与される。もちろん、p型ドーピングとn型ドーピングとを入れ替えることも可能である。これらの例では、可能であれば層シーケンス3がエピタキシャル的に製造される。
図28は、提案されている光電子構造素子を製造するための更なるプロセスステップを示している。3本のμ-ロッド群に第1のコンタクト13が形成される。そのために、フォトレジスト11がμ-ロッドの表面と電流拡散層とに施与される。引き続き、O2プラズマエッチングによって先端部を有する長手方向端部12を露出させ、先端部の表面に透明な導電性コンタクトが施与される。このコンタクト13にはITOが適している。図28に示すように、コンタクトは先端部全体には及ばず、上部の領域にのみ及んでいる。
図29には代替的な構成が示されている。この構成は、図28に記載の第1のコンタクト13をシード層として使用し、引き続き、当該コンタクト13上にコンタクト材料を電気めっきまたはスパッタリングすることで作製することができる。そのため、コンタクト13は、キャリアBの第1のコンタクト領域17が機械的および電気的に容易に接続され得る少なくとも1つのコンタクト面を有している。第1のコンタクト17と第2のコンタクト19とが接触するためのコンタクト面は、μ-ロッドMの長手方向に沿って平行に延びている。
このようにして得られた部品は、その直径に大きな変化を示さず、実質的に六角形の基底面を有する本体または別の多面体を形成するので、第1のコンタクト13を立方体または直方体として形成することが好都合である。
図30~図32は、提案された光電子構造素子を製造するための提案された方法の更なるプロセスステップを示している。これらのプロセスステップにおいて、μ-ロッドは、特に3本のμ-ロッドM群として、特にフリップチップ技術を用いて、成長用基板Sからシート23に移される。図30は、プロセスの開始位置を示している。ここでは3本のロッドしか示していないが、このようなμ-ロッドを列や行に多数設けることもできる。
第1のステップでは、図31によれば、μ-ロッドは、結合層21、特に熱可塑性結合層21によって囲まれる。結合層21は、接点12からマスキング層4bまで延びている。場合によっては、ここでは図示されていないが、結合層21を、ここでは図示されていない第1のコンタクトを除いて除去し、平面的な表面が得られるようにする。第1の長手方向端部12およびコンタクト13は、交換用キャリアE上に一時的に載置されている。μ-ロッドM群は、このステップでは成長層2およびサファイア基板とともに交換用キャリアに移される。
図32では、交換用キャリアEが除去され、μ-ロッドMが結合層21によって保持されるようになり、さらに成長用基板Sおよび層2が除去される。マスキング層の一部だけが、絶縁層としてμ-ロッド上に残っている。この時点で露出しているコアの表面上にコンタクト15が施与される。これがコアと電気的に接触し、絶縁層の一部にまで及んでいる。第2のコンタクト15は、それぞれの場合において、電気めっきまたはスパッタリングによって作製されたものであってもよい。
コンタクト15は、μ-ロッドの長辺に実質的に平行な少なくとも2つのコンタクト面を有しており、この面に、一方ではキャリアBの第2のコンタクト領域19が機械的および電気的に容易に接続することができ、他方では図33に示されるシート23にμ-ロッドMを取り付けることができる。第2のコンタクト15も、コンタクト13と同様に、立方体型または直方体型に形成されていてもよい。
コンタクト15が機械的に取り付けられたシート23を施与した後、μ-ロッドを転写、保持またはさらに処理することができる。シート23への接触は、粘着力によるものの他、接着剤などによって行うことができる。第1の長手方向端部12は変化しない。図34に示される次のステップでは、結合層21が完全に除去される。その結果、μ-ロッドはシート23に個々に「ぶら下がった」状態となり、キャリアへの転写やその他の更なる後加工が容易になる。図35に示される代替的な構成では、結合層21は部分的にしか除去されていないことから、これらのμ-ロッドはまだ僅かに結合層21に包まれている。
図35によれば、シート23に取り付けられた3本の接触したμ-ロッドは、結合層21が部分的にしか除去されないように個片化されている。ロッド自体はまだ結合層21に包まれているが、ロッド同士はもはや接触していない。すなわち、ここでもμ-ロッドは個片化されている。さらに、それぞれの第1のコンタクト13の、マスキング4bとは反対側の端部は、引き続き覆われていない。
図36は、提案された光電子構造素子を製造するための提案された方法の後続のプロセスステップを横断面図で示したものである。個片化されたμ-ロッド(M)群は、シート23から分離された後、組立ビームによってリフトアップされる。このために、シート23を回転するローラーに当てて通過させ、それぞれの群をたわませることで剥離を容易にしている。組立ビームは、一度に数本、例えば数百本のμ-ロッドを取り出すことができる。この例では、複数のμ-ロッドが前後に並べられて、すなわち図平面内に配置されている。図35のシートは、図平面の中にも外にも広がっていることから、このシートの側面図を図85に示す。
図37は、並置された3本のμ-ロッドをキャリアMに転写して装着するプロセスステップを示している。シート23からリフトアップされたμ-ロッドは、コンタクト領域17および19に平行に配置される。特に、コンタクト13は領域17に、コンタクト15は領域19にボンディングされる。このようにして、電気的・機械的な接続が形成される。ボンディングプロセスの代わりに、はんだ付けなどの装着プロセスを使用することも可能である。コンタクト13および15の接触面は、それぞれのコンタクト面によって、接触面がコンタクト面17もしくは19上で平面的に載置されるように構成されている。これにより、傾きを抑えたり、防いだりすることができる。使用されるプロセス技術と手間に応じて、数本~数百本のμ-ロッド群を同時に転写することができる。
図38は、このようにして配置された構造素子の更なる構成例を側面から見た図を示している。第1のコンタクト13と第2のコンタクト15とに接続されたキャリアBに平行して横たわるμ-ロッドMが、そのコア1、第1の層5、活性層7および第2の層9ならびに絶縁層4aとともに示されている。μ-ロッドの下には、ここでは見えていないが、キャリアBの表面上または表面内には、さらに反射層が設けられている。さらに、μ-ロッドの周囲には、リフレクタ構造体25が形成されている。これは、図85、図90または図91に示した構造体と同様の面取りされた壁を有している。そのため、横方向に照射された光を上方向に偏向させることができる。本明細書の開示に記載されているように、側壁は金属性であってもよい。あるいはリフレクタ構造体は、活性層7で生成された光をキャリアBから遠ざけるように反射するケイ素マトリクス中のTiO2を用いて構成されていてもよい。
図39および図40は、3つの光電子構造素子を並置した更なる構成例を斜視図で示している。後述するように、μ-ロッドは、同じ波長の光を生成するように構成することも、異なる波長の光を生成するように構成することもできる。
図39は、このために、キャリアBに平行に配置された同じ構造様式の3本のμ-ロッドMを示しており、μ-ロッドMは、それぞれ第1のコンタクト13と第2のコンタクト15とによって、キャリアBに接続されている。すべてのμ-ロッドMは、同様に互いに平行に配向されている。そのうちの2本のロッドには、さらに変換層C1もしくはC2がそれぞれコートされている。これにより、青色の光が赤色もしくは緑色の光にそれぞれ変換される。キャリアBの表面は反射材料で覆われている。反射層25により、キャリアBから離れる方向にさらに光を放出し、ひいては光量を向上させることができる。
これに対して、図40に記載の構成では、キャリアBは暗色の吸収層27によって完全に覆われている。これによりコントラストが向上する。
図41Aは、異なる波長の光を放出するのに適した、水平方向に並んだ3本のμ-ロッドを有する画素配置構造の平面図を示している。3本のμ-ロッドR、GおよびBは、それぞれ異なる幾何学的形状を示しており、長さはそれぞれ同じで幅だけが変化している。ユーザーが均一の光量を得られるように、μ-ロッドの長さは異なっていてもよい。3本のμ-ロッドR、GおよびBは、第1のコンタクト15を介して、キャリア27上のそれぞれの端子に接続されている。第2のコンタクトは、それぞれのμ-ロッドの先端部に施与されている。これらは共通の金属製構造体28に接触している。金属製構造体は全周にわたって、図85の構成に似た反射型の傾斜面を有している。これにより、光が上方向に反射される。さらに、表面上にはフォトニック構造体30が施与されており、これは周回金属構造体によって形成されたキャビティ全体に広がっている。フォトニック構造体30は、周回構造体28の上側で終端するが、用途に応じてそれ以上に延ばすことも可能である。
これに関連して、図41Bは、前図の構成形態の側面図である。フォトニック構造体30は、μ-ロッドの個々の表面上には載置されず、透明な誘電体層によって僅かに離間されている。誘電体層は、少なくとも主発光方向に面しているμ-ロッドの表面上に広がっているが、キャビティを充填することもでき、その結果、フォトニック構造体30の平坦な表面を形成することができる。フォトニック構造体30は、表面上に置かれることもあれば、エピタキシャルなどの方法で表面に施与されることもある。フォトニック構造体の高さは適切に選択される。
図42は、図39と同様の構成を平面図で示したものである。それぞれのμ-ロッドMは、その第1のコンタクト13と第2のコンタクト15とによって、キャリアB上のコンタクト領域に電気的・機械的に接続されている。ここでは、例えば表示部またはディスプレイ用の赤色-緑色-青色の光源が示されている。3本のμ-ロッドMは構造が同じで、例えば青色の光を発する。変換材料29により、青色の光を赤色の光または緑色の光に変換することができる。図42では、変換材料のない左のμ-ロッドMが青色に発光し、第1の変換材料29で覆われた真ん中のμ-ロッドMが赤色に発光し、第2の変換材料で覆われた右のμ-ロッドMが緑色に発光する。キャリアBの第1および第2のコンタクト17および19は、ボンディングのために更なるコンタクト面にも接続されている。図42では、上下に2本のボンディングワイヤが表示されている。
図43は、3本のμ-ロッドを有する提案された群の更なる構成例を横断面図で示したものである。これらの場合、成長した構造体の直径を変化させている。この変形例により、μ-ロッドの色度座標が変化する。そのため、異なる色を発光する複数のμ-ロッドMを1回のエピタキシャルステップでウェハ上に製造することが可能になる。μ-ロッドMの直径は、選択エピタキシの1ステップで、すなわち汎用の成長パラメーターを変えずに変化させることができる。
成長用基板S上に3本のμ-ロッドMが作製され、それぞれが特定の波長の光を、当該波長に合わせた空間的な広がりをもって放出する。長さは実質的に同じであるが、エピタキシャル成長により直径が異なってくる。その結果、直径が変化し、構造上、他の色が生じることがある。
図44は、このようなさまざまなサイズのμ-ロッドの電子顕微鏡写真を示している。μ-ロッドは正六角形で、その上端は僅かに面取りされ、先細りになっている。これは上図の構成の先端部に相当する。構成に応じて、μ-ロッドの長さは直径に対応している。左の写真だけ、長さがμ-ロッドの直径の約2倍になっている。μ-ロッドは、核となる領域を残したまま、平面でありながら絶縁性の表面上に成長している。この幾何学的形状の変化により、それぞれの場合において色が異なり、直径が最も小さいμ-ロッドは、最も長い波長の光を有している。図44は、左に赤色のエミッタ、真ん中に緑色のエミッタ、右に青色のエミッタを示したものである。
したがって、図で示された幾何学的形状により、所定の長さにおける直径と波長との関係が明らかになる。直径が小さくなると、光の波長は長くなる。図45は、450nm~約650nmの発光波長を直径別に表したものである。この関係は、図46にも再度示されている。赤色の光を放出するμ-ロッドの直径は、約半分の直径である。小さな波長域では、μ-ロッドの直径と放出された光の波長との間には直線的な関係がある。表面形状としてここで示される六角形の他に、別の形状を成長させることもできる。直径が小さい場合、この六角形は、プロセス上、実際にはあまりはっきりした形状を示さない。
このアプローチでは、より大きな表面放射とより高い光量を得るためのμ-ロッドを作製することができる。このために、μ-ロッドがその長手方向軸線に沿ってキャリア上に配置される。そのため、μ-ロッドの長手方向軸線は、実質的に長手方向軸線と平行に延びている。ここに示した構成では、μ-ロッドは、僅かに突出したコンタクト領域によってキャリアの表面から僅かに離間されている。
図47A~図47Dは、特に赤色のμ-LED用の成長領域も有する光電子半導体配置構造の一構成例の製造を概略的に簡略化して示したものである。成長用ベースとしてテルルn型ドープガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1を使用し、当該基板1は、図47Aに示すように、例えばSiOxおよび/またはSiNxおよび/またはSiOxNyからなるリソグラフィ的にパターニングされた誘電体マスク2.1,2.2を備えている。誘電体マスク2.1,2.2の開口部30は、好ましくは50nm~100μmのエッジ長さを有している。
図47Bは、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1上の誘電体マスク2.1,2.2の元の開口部30の領域に選択的にエピタキシャル形成されたn型ドープガリウムヒ素を含む付形層3を示している。あるいは付形層3は、n型ドープされたアルミニウムガリウムヒ素またはn型ドープされたアルミニウムガリウムインジウムリンから形成される。
付形層3は、誘電体マスク2.1,2.2の開口部の縁まで達する少なくとも1つの{110}の方位を持った側面9と、図示の構成ではさらに(111)の方位を持った上面10とを有する。ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1のヒ素終端により、誘電体マスク2.1,2.2の小さな開口部30に対しても、歪みが少なく、格子欠陥の数が少ない輪郭精度の高い付形層3を選択的にエピタキシャル成長させることができる。
付形層に適した輪郭は、図50および図51に示されている付形層の輪郭である。図50は、側面9.1,9.2,9.3が(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)の方位を持った三角錐(dreiseitige Hexagonalpyramide)の輪郭を有する付形層3を示している。図51は、付形層3の更なる好ましい輪郭としての3辺の角錐台を平面図で示したものである。方位(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)を有する側面9.1,9.2,9.3と、方位(-1-1-1)を有する上面10とを読み取れる。図50および図51に記載の付形層の輪郭を形成するために、誘電体マスク2.1,2.2の開口部30は、それに応じて三角形状にされ、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1の方位に対して角度誤差<5°で配向されている。本構成では、付形層3の最終的な輪郭は、専ら選択的エピタキシャル成長によって達成される。更なる設計のために、エピタキシャルステップの後に、付形層3の輪郭を調整するためのウェットケミカル後処理を行うことができる。
図47Cは、3次元の付形層3上にエピタキシャル成長によって、アルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)および/またはアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)をベースにした発光ヘテロ構造体8を形成したものを示している。この構造体は、n型ドーピングを有する第1の導電性半導体層5と、特に量子井戸を有する活性層6と、p型ドーピングを有する第2の導電性半導体層7とを含んでおり、これらは、結晶内部の歪みが少なく、格子欠陥の数が少ない本発明による付形層3上に製造することができる。3次元性によるフィルファクターの増大と、活性層6に平行に放出されたフォトンの光取り出しの改善に加えて、発光ヘテロ構造体8が縁部を取り囲むことにより、効率の更なる向上がもたらされる。{110}で与えられる縁部領域13.1,13.2での角度位置を有する活性層6は、誘電体マスク2.1,2.2まで延びていることが読み取れる。縁部領域13.1,13.2で閉じられた発光ヘテロ構造体8により、非放射再結合が抑制される。これは特に、誘電体マスク2.1,2.2の好ましく選択された材料であるSiOx、SiNxまたはSiOxNyの場合に当てはまる。
提案された光電子半導体構造を含むμ-LEDを製造するための更なるプロセスステップは、選択された設計に適合される。以下では、一致している構成要素には同じ参照符号が使用される。
図47Dに示す構成例では、発光ヘテロ構造体8に平坦に、例えばITO(酸化インジウムスズ)の透明なコンタクト層15が堆積されている。層構造の成長方向に主放射方向23を有する光を生成し、別途ワイヤボンディングを行わずに詳細には図示していないオプトチップ上に載置することが企図されたμ-LED20の第1の設計のための更なる構造を図48に示している。
図48は、560nm~1080nmの範囲の波長に対して、アルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)および/またはアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)をベースにした上述の3次元発光ヘテロ構造体8を有するμ-LED20を示している。主放射方向23の光出射は、ITO(酸化インジウムスズ)の透明なコンタクト層15と、当該層の上にある、例えばAl2O3で形成されたキャリア21の領域とを介して行われる。p型コンタクトは、透明なコンタクト層15と、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1の背面に配線されているメタライゼーション19.1とを介して行われる。n型コンタクト16は、n型ドープされた付形層3、n型ドープされたガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1およびメタライゼーション19.1によって実現される。コンタクトを分離するために、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1から、本構成例ではSiOx、SiNxまたはSiOxNyからなる誘電体マスク2.1,2.2までを切断するトレンチ24.1,24.2が、メタライゼーション19.1およびメタライゼーション19.2の背面領域の間に設けられている。
図49は、付形層3に取り込まれたブラッグミラースタック14によって、前図の構成とは異なるμ-LED20の第2の変形例を示している。ブラッグミラースタック14は、一連のSiOxおよびSiNxの層が適用されており、付形層3の選択的エピタキシャル成長中に堆積させることができ、付形層3の一体部分を形成し得る。ブラッグミラースタック14によって、成長方向に選択された主放射方向23(本構成例ではp側)での光取り出しが改善される。
シングルボンディング用の3次元発光ヘテロ構造体8を備えたμ-LED20の第3の構成を図52に示している。前述の構成とは対照的に、主放射方向23は、層システムの成長方向(この場合はn側)とは反対側に選択されている。このために図47A~図47Cに示す発光ヘテロ構造体8の作製は、非ドープのガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1を用いて行うことができる。この場合、選択的に成長させた付形層3も同様に非ドープである。発光ヘテロ構造体8をエピタキシャル成長させた後、当該発光ヘテロ構造体8の上に例えばITOのコンタクト層15を堆積させてp型コンタクト17を作製し、これと接触するメタライゼーション19.1を施与する。さらに、発光ヘテロ構造体8の上面よりも上の領域、特にキャリア21よりも下の領域には、ミラー層35、特に金属ミラー層またはブラッグミラー層が配置されている。したがって、ミラー層35は、有利には層15,17の真上に配置されている。あるいはコンタクト層15は反射性に形成されていてもよい。キャリア21は、例えば、Al2O3で形成されていてもよく、キャリア21は、通常、透明ではない。発光ヘテロ構造体8の上に層システムを実現した後、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板1および付形層3が取り外される。図52に示す光源20を完成させるために、層構造の下側にITOの更なる透明なコンタクト層18がn型コンタクト16として施与される。
図53に示すμ-LED20の第4の構成は、層システムの成長方向と反対の主放射方向23に関して、図52の構成と同様に構成されている。図52の構成とは対照的に、キャリア21は、アルミニウムガリウムヒ素(AlxGa1-xAs)および/またはアルミニウムインジウムガリウムリン(AlInGaP)をベースにした発光ヘテロ構造体8の発光の波長域である560nm~1080nmに対して不透明な材料で適用されており、当該キャリア21は、例えば、シリコンまたはゲルマニウムからなっていてもよい。さらに、発光ヘテロ構造体8の側面には、例えばSiOxおよびSiNxのパッシベーション層31.1,31.2が存在している。
図54Bに示すμ-LED20の第5の構成は、層システムの成長方向と反対の主放射方向23を有しており、デュアルボンディング用に構成されている。当該構成の製造のための中間的なステップを図54Aに示しており、ここでは一時的なキャリア22が使用され、ガリウムヒ素(111)Bエキスピタキシャル基板1および選択的に成長させた付形層3の取り外しが既に行われている。これを起点にして、発光ヘテロ構造体8の下には、例えばITOの透明なコンタクト層18と、平坦化として、特にメタライゼーション26の形態のキャリアもしくはキャリア基板26と、n型コンタクト16とが施与され、これらは、例えば、シリコン、ゲルマニウムまたはAl2O3のキャリアもしくはキャリア基板27によって覆われる。これらのプロセスステップが実施された後、図54Bに示すように、一時的なキャリア22を除去し、導光体構造29を有する透明な保護層28で置き換えることができる。
さらに、図54Bに示す構成例は、発光ヘテロ構造体8の側面32の上の領域に任意のブラッグミラースタックを含んでおり、上面33の領域で中心的に発光が起こるようにしている。活性層6における量子井戸または量子井戸構造は、1つの可能な構成のために、側面32および上面33の下に配置されていてもよいし、専ら上面33の下に配置されていてもよい。詳細には図示していない代替的な構成では、量子井戸または量子井戸構造が専ら側面32の下に存在しており、それに応じて光がより大きな放射角で横方向に放出される。
ここに示した構成は、モノリシックに、すなわち行と列とに配置することも可能である。図53のμ-LEDはさらに、透明な材料で平坦化することもできる。この上にフォトニック結晶構造体、変換体またはそれらの組み合わせが施与される。
図54Cは、粗面化された表面29が更なる層で完全に平坦化された構成を示している。この層の上にはフォトニック結晶構造体40が配置されており、その形態や形成は、本明細書で開示されている構成に対応している。μ-LEDはさらに、キャリア基板から取り外され、ここで示されているコンタクト領域31および32を含む更なる基板30上に配置される。特に、コンタクト領域31は、メタライゼーション26の下方に配置され、n型ドープ層に電気的に接触している。第2のコンタクト領域32は、層16および2.1によって電気的に絶縁された生成されたビアによって作り出され、メタライゼーション19.1ひいてはp型ドープ層に接触する。両方のコンタクト領域は、詳しくは図示されていないキャリア30内の電気構造体に接続されており、当該電気構造体はμ-LEDに電流を供給し、これを駆動制御する。
図54Dの描写は、図53の代替的な構成であって、活性層6で生成された光が背面の透明な層18を介して取り出されるように背面発光がある。背面層18の表面には、フォトニック結晶30の形態の光整形構造体が施与されている。これは、屈折率の異なる領域33および34を含んでいる。特に、周期的に配置された領域33および34は、背面光取り出し層18の表面に沿って延び、ひいては異なる厚さをも有するように構成されている。そのため、中心部の凹部の内側の領域は外側の領域よりも深くなっている。この場合の厚さは、十分な光整形を行うことができるように選択されている。屈折率の異なる領域33および34は、それぞれ透明である。このようにして生成・形成された光は、表面32に沿って取り出される。少なくともいくつかの領域は層6の中にも及んでいてよいことをここで述べておく。その点では、層6はここで示したものよりもかなり厚くされていてもよい。いくつかの更なる構成では、第1および/または第2の領域が活性層にまで及んでいてもよい。フォトニック構造体をp型またはn型半導体材料に設けて形成することで、フォトニック構造体への光結合が改善される。なぜなら、そうしなければ、屈折率の差が大きくなりすぎて、光がフォトニック構造体に取り込まれないか、または僅かにしか取り込まれないからである。
図54Eは、光整形構造体を有する更なる構成を示している。この場合、変換層36が、凹部内に、すなわち、透明な光取り出し構造体16に沿って導入される。変換層は凹部を超えて延在しているため、凹部の上に配置されたフォトニック構造体の領域33と34とが周期的に交互に配置された領域33も形成している。フォトニック構造体の周期性は、変換された光をコリメートして下方に放射するように選択されている。一方、変換されなかった光は、適切な方法でフィルタリングされ得るように、異なる角度で放射される。フォトニック構造体上にはまた光取り出し構造体32が配置されている。いずれの構成においても、光整形構造体としてマイクロレンズなどの素子を用いることもできる。
低電流の挙動を改善するための措置として、量子井戸インターミキシングがある。図55A~図55Eは、量子井戸インターミキシング中または量子井戸インターミキシングのための措置によって高電流および低電流の両方の範囲での劣化が回避される、光電子構造素子、特にμ-LEDの製造方法の個々のステップを示している。この場合、図55A~55Cに示すように、半導体構造1が形成され、これに更なるプロセスステップが施される。図55Aでは、成長用基板10、例えばGaAs基板が提供され、当該基板は、更なる成長ステップのために準備されている。引き続き、この基板上に第III-V族材料系のn型ドープ層20が施与される。具体的には、例えば、In、Ga、Al、またはこれらの組み合わせにリンPを加えたものであり得る。例示的なInGaAlP層はn型ドープされており、そのうえ、n型ドープされた層20において良好な導電性コンタクトと低いシート抵抗とを確保するために、更なる層および/またはドーパント(ここでは詳しく示されていない)が設けられていてもよい。
図55Bでは、続いて活性層30が施与される。当該活性層30は、少なくとも1つの量子井戸を含んでおり、完成した構造素子の動作中に放射再結合が起こり、その結果、光が生成される。活性層30における少なくとも1つの量子井戸は、第III-V族半導体系の層の組み合わせも含んでおり、これは、例えばAl含有量の異なるInGaAlP層からなっていてもよい。引き続き、活性層上にp型ドープ層40が作製される。このために、第1のドーパント、例えばMgまたはZnが使用される。このドーピングは、n型ドープ層20と同様に、製造プロセス中に所望の濃度のドーパントを添加することによって行うことができる。これにより、成長中の段階で層内にドーピングプロファイルを生じさせることができ、その結果、所望の電気特性をより良好に調整することができる一方で、より均一な結晶成長を通じて不純物を減らすことができるという利点も得られる。
前述のステップで半導体構造1を提供した後、今度は図55Cでp型ドープ層にマスク50を施与し、それに応じてパターニングする。図示されているように、パターニングされたマスク50は、p型ドープ層の表面上の部分領域を覆うことから、活性層の第1の部分領域33の上にもある。活性層の隣り合う部分領域34は、マスク50で覆われていない。パターニング後、図55Dでは、第1のプロセスパラメーターと第2のドーパントとを用いて拡散ステップが行われる。これは、例えばZnまたは有機Zn化合物である。
プロセスパラメーターには、特に温度、圧力および第2のドーパントの濃度が含まれ、所定の期間中に変化することもある。これらのパラメーターは、第2のドーパントがマスク50で覆われていない表面に堆積され、p型ドープ層40に拡散するように選択される。こうして、第2のドーパントが層40を介して活性層および量子井戸に拡散するように、第1のプロセスパラメーターによって拡散プロセスが制御される。場合によっては、第2のドーパントは、n型ドープ層の境界領域にも僅かに拡散することがある。一方、マスクの下にある活性層の第1の部分領域33にはドーパントが介在していない。
第1のプロセスパラメーターは、拡散によって活性層の第2の部分領域の量子井戸内にインターミキシングが生じ、量子井戸のエネルギーギャップが増大するように選択されている。この例では、個々の層の製造だけでなくドーピングステップもMOCVDプロセスで行われる。しかしながら、部分領域では、PVDやイオン注入などの他の製造プロセスや、頻度はかなり低いがMBEプロセスも考えられる。
この手順の完了後、追加のアニーリングステップが続けられる。このステップでは、第2のプロセスパラメーターが設定されるが、これには特に、本構成例では、より高い温度と、前駆体70の添加とが含まれる。後者は、上述のプロセスによって提供することができる。その結果、図55Eに示す構造が得られる。前述の拡散プロセスによって、拡散したZnは、結晶格子の他の原子をその場所から追い出して、それらの場所を占有する。置換された原子(主にGa)は格子間サイトに留まり得る。これらの原子はその後も移動可能なままであり、おそらく非放射再結合のための再結合中心を形成していると思われる。当該原子が移動することで、これらの原子はこうして第1の部分領域33に移動し、そこでの構造素子の効率を著しく低下させる可能性がある。これは、電流密度が低くても早い段階で効率が低下するという観察結果からも裏付けられる。
高温での追加のアニーリングステップによって、これらの原子は移動可能になる。ここにAsなどの前駆体を加えると、置換された原子(主にGa)が表面上に結合し、そこでGaAsの薄い材料層80が形成される。格子間サイトに追い出された原子は表面に拡散し、そこで前駆体によって飽和される。この結果、表面では自由原子の濃度が低下するため、表面に向かって濃度勾配が生じることになる。それに応じて、自由原子の数が減り、低い電流密度でも効率が安定して保たれる。さらに、第1の部分領域と第2の部分領域との境界領域では、量子井戸インターミキシングが短い距離で急激に減少するため、比較的急勾配のエネルギー障壁が形成される。この結果、図55Eに示す構造が得られ、フォトマスク50の下に実質的に直行する形で境界が形成される。量子井戸インターミキシングは、活性層の第2の部分領域34でのみ行われる。
図57は、これに関する曲線を示し、当該曲線は、部品の耐用年数(動作時間)に対する相対的な光量を示している。曲線K1は、追加のアニーリングステップを行わずに従来の方法で処理した部品の特性を示している。早くも200時間後には、曲線K1の初期値は半分まで下がっている。
温度上昇と前駆体の適切な選択とによって、拡散ステップで置換された格子原子は表面に結合していると考えられる。その結果、表面は格子間原子のシンクとして機能することになる。簡単に言えば、プロセスパラメーターの変更により、置換された原子が好ましくは活性層からp型ドープ層を経由して表面に拡散し、活性層内の潜在的な非放射性の不純物の濃度が低減することが可能性としてある。
図57は、本発明によるプロセスに従って製造された構造素子の、数百時間の動作期間に対する光量を曲線K2で示している。この構造素子は、例えばリンPまたはヒ素Asなどの第V主族の材料を有する前駆体と、高温とを用いて「アニーリング」した。初期の光出力はしばらくすると約20%増加し、その後も数百時間にわたって一定の光出力を維持する。初期の増加は、電流および局所加熱による結晶格子の修復によって説明できる。このように、提案された方法は、特に小型ないし超小型の寸法の部品に対して、大幅な改善を図っている。
図56は、第1および第2のプロセスパラメーター、詳細には、アニーリング段階時の温度T、第2のドーパントのガスフローおよび前駆体のガスフローの選択の時間推移を定性的に示している。時間t1の間、プロセスチャンバーは温度T1に維持され、第2のドーパント(例えば有機Zn化合物)が供給される。温度T1は、この時間t1の間にZnがp型ドープ層を経由して活性層に拡散し、上述のように活性層内で量子井戸インターミキシングが起こるように十分な高さに選択されている。時間t1の後、ドーパントの添加を停止し、温度をT2の値まで上昇させる。プロファイルに応じて、この上昇は非常に短い時間枠で起こる。引き続き、温度T2を時間t2の間一定に維持し、例えば、第V主族の元素を含む前駆体を加える。本構成例では、期間t2は期間t1よりも短くなるように選択されている。
本発明者らのこれまでの知見によれば、期間t1と期間t2とは切り離されたものと見なすことができる。これに関して、期間t1は、量子井戸インターミキシングの強さを実質的に決定し、期間t2は、部品の劣化挙動の低減を実質的に決定する。したがって、期間t2は、所望の効果を得るのに十分な長さである必要がある。劣化抑制の強さには、温度T2も同様に関係している。この場合、有利には、T2>T1を選択することが望ましいが、限界温度を超えると構造素子の基本的な明るさが低下するので、温度T2はあまり高く選択してはならない。図56に示す例は、提案されている原理を説明するためのものである。構成では、まずドーパントを活性層の量子井戸に導入し、引き続きアニーリングを行うために、異なる濃度プロファイルあるいは温度プロファイルおよび圧力プロファイル(図示せず)を使用することができる。
図58A~図58Eは、プロセスパラメーターを適切に選択することで、量子井戸インターミキシングをさらに向上させることができる製造プロセスの個々のステップを示している。これに関して、ドーパントは、同時拡散を伴う施与によってマスク下の活性層に拡散するが、そこでは量子井戸インターミキシングは起こらないと認識されていた。そのため、発光を目的としたマスク下の活性層に不純物濃度が高い状態で残り、老化プロセスが促進され、特性が悪化してしまうことになる。
図58A~図58Cは、更なるプロセスステップを経た半導体構造1を示している。図58Aでは、成長用基板10、例えばGaAs基板が提供され、更なる成長ステップのために準備されている。これらの更なるステップには、犠牲層、パッシベーション層あるいは異なる結晶構造体へのコンフォーマル層の堆積が含まれ得る。同様に、基板には既にリード線・コンタクトあるいは回路が含まれていたり、当該基板用に準備されていたりしていてもよい。
引き続き、準備された基板10上に、第III-V族材料系をベースとするn型ドープ層20が堆積される。この堆積はMOCVDリアクタで行われるが、本出願に開示されている他の方法もこの目的のために使用することができる。例えば、In、Ga、Al、またはこれらの組み合わせにリンPを加えたものが材料として使用される。例示的なInGaAlP層20はn型ドープされており、そのうえ、n型ドープされた層20において良好な導電性コンタクトおよび低いシート抵抗を確保するために、更なる層および/またはドーパント(ここでは詳しく示されていない)が設けられていてもよい。
図58Bでは、続いて活性層30が施与される。当該活性層30は、少なくとも1つの量子井戸を含んでおり、完成した構造素子の動作中に放射再結合が起こり、その結果、光が生成される。活性層30における少なくとも1つの量子井戸も同様に、第III-V族半導体系の層の組み合わせも含んでおり、これは、例えばAl含有量の異なるInGaAlP層からなっていてもよい。引き続き、活性層30上にp型ドープ層40が作製される。このために、第1のドーパント、例えばMgまたはZnが使用される。このドーピングは、n型ドープ層20と同様に、製造プロセス中に所望の濃度のドーパントを添加することによって行うことができる。これにより、成長中の段階で層内にドーピングプロファイルを生じさせることができ、その結果、所望の電気特性をより良好に調整することができる一方で、より均一な結晶成長を通じて不純物を減らすことができるという利点も得られる。
前述のステップで半導体構造1を提供した後、今度は図58Cでp型ドープ層にマスク50を施与し、それに応じてパターニングする。図示されているように、パターニングされたマスク50は、p型ドープ層の表面上の部分領域を覆うことから、活性層の第1の部分領域33の上にもある。活性層の隣り合う部分領域34は、マスク50で覆われていない。マスク50のパターニング後、第1および第2のプロセスパラメーターを有する前駆体を用いた気相拡散によって、第2のドーパントによるp型ドープ層のドーピングが行われる。ここで、第2のドーパントは、例えば、Znから形成されており、例えば、有機Zn化合物から形成されている。
この第2のステップのプロセスパラメーターには、特に温度、圧力および第2のドーパントの濃度が含まれ、これらは所定の期間中に変化することもある。当該パラメーターは、第2のドーパントが、前駆体の分解後に半導体構造の表面に層45として最初に堆積し、そこに薄い層を形成するが、p型ドープ層には拡散しないか、またはほとんど拡散しないように選択される。そのためには、例えば、後の拡散プロセスよりも低い温度が選択される。第2のドーパントを提供するために、ドーパントは、気相における前駆体の分解から得られる。これは、MOCVDまたはMOPVDリアクタで行われる。かかるステップの利点は、個々のプロセスステップの間にウェハがリアクタ内に残り、輸送する必要がないことである。その結果、第2のドーパントとしてZnまたは他の材料の薄層を用いて得られる構造体を図58Dに示す。
図58Eによれば、ドーパントが表面に施与された後、別個の拡散プロセスが行われる。この拡散プロセスは、第2のドーパントが層40を介して活性層および量子井戸に拡散するように、プロセスパラメーターによって制御される。場合によっては、第2のドーパントは、n型ドープ層の境界領域にも僅かに拡散することがある。このプロセスの間、第2のドーパントは、層40内での拡散によってマスク下の領域に(確率的に分布して)達する。一方、マスク下の活性層の第1の部分領域33にはドーパントが介在していない。むしろ、そこにはシャープなエッジ部が形成され、驚くべきことに、マスク50の活性層への突起部と実質的に一致している。
拡散により、活性層の第2の部分領域の量子井戸内にインターミキシングが生じ、量子井戸のエネルギーギャップが増大するように、プロセスパラメーターは選択されている。第1の部分領域と第2の部分領域との境界領域では、量子井戸インターミキシングが短い距離で急激に減少するため、比較的急勾配のエネルギー障壁が形成される。
ドーパントの施与とそれに続く拡散ステップとを分離することで、個々のプロセスがより良好に制御される。通常、ドーパントの堆積は、その後の拡散よりも低い温度で行われる。こうして、一方では、提供されるドーパントの量をより良好に調整することができ、他方では、拡散が気相反応に依存しない。後の別個の拡散ステップでは、ドーパントにより生成された電荷キャリアの拡散障壁が、量子井戸インターミキシングにより生成されたエネルギー障壁付近にあるドーピングプロファイルが構築されるように、適切な温度プロファイルが設定される。
この手順の完了後、図58Fに示すように、任意のアニーリングステップが続けられる。このステップでは、第3のプロセスパラメーターが設定されるが、これには特に、本構成例では、より高い温度と、更なる前駆体70の添加とが含まれる。この態様は、本願に詳細に説明している。前述の拡散プロセスによって、拡散したZnは、結晶格子の他の原子をその場所から追い出して、それらの場所を占有する。置換された原子は格子間サイトに留まり得る。これらの原子はその後も移動可能なままであり、おそらく非放射再結合のための再結合中心を形成していると思われる。当該原子が移動することで、これらの原子はこうして第1の部分領域33に移動し、そこでの構造素子の効率を著しく低下させる可能性がある。これは、電流密度が低くても早い段階で効率が低下するという観察結果からも裏付けられる。
温度上昇と、場合によっては任意に行われる前駆体の適切な選択とによって、拡散ステップで置換された格子原子は表面に結合される。その結果、表面は格子間原子のシンクとして機能する。簡単に言えば、プロセスパラメーターの変更により、置換された原子が好ましくは活性層からp型ドープ層を経由して表面に拡散し、活性層内の潜在的な非放射性の濃度が低減することが可能性としてある。リンPまたはヒ素Asなどの第V主族の材料を有する前駆体を使用すると、寿命が大幅に延びることがわかった。
図59は、プロセスパラメーター、詳細には、アニーリング段階時の温度T、第2のドーパントのガスフローおよび更なる前駆体のガスフローの選択の時間推移を定性的に示している。期間t1とt2との間、一方では、温度が第1の温度T1に維持され、さらに、半導体構造の表面にドーパントが堆積し得るように添加する。温度T1は、半導体ボディへのドーパントの拡散が起こらないか、または非常に僅かな程度でしか起こらないように選択される。この時間の間、更なる前駆体の添加は行わない。時間t2では、ドーパントは遮断され、温度T1はやや後の時間t3まで維持される。
時間t3の後、温度はT2の値まで上昇される。この温度上昇により、拡散プロセスが開始され、すなわち、表面に堆積されたドーパントがp型ドープ層に拡散する。本構成例では、温度プロファイルは実質的に一定に保たれているが、一定ではない温度プロファイルも考えられる。このように、温度プロファイルに応じて、ドーパントプロファイルが設定される。それから次のステップでは、アニーリングされ、すなわち、ドーパントによって置換された原子が、第3の温度T3によって時間をかけてp型ドープ層もしくは活性層および量子井戸から除去される。このために、温度上昇に加えて、更なる前駆体が添加され、当該前駆体の分解生成物が表面で置換された原子と結合する。移動可能な置換された原子の濃度勾配が生じることによって、活性層の量子井戸から当該原子が除去され、表面に結合される。
図60は、提案されている原理を説明し得るのに必要な態様の概要を示している。ドーパントの拡散中、p型ドープ層にドーパント材料の追加の濃度が形成される。このドーパント材料が結晶格子に取り込まれると、元の半導体の原子(例えば3価の成分)が格子間サイトに移動する。これらの格子間原子は、活性層内で量子井戸インターミキシングを引き起こし、その結果、バンドギャップを増大させる。ここで、量子井戸インターミキシングの局所的な領域はマスクによって予め決定され、すなわち、図60に示すように、マスクの下の量子井戸の領域では量子井戸インターミキシングは起こらない。しかしながら、ドーパントの拡散により、「Region II」と記された領域でもドーピングが増加し、そのため、量子井戸内の電荷キャリアの横方向への拡散に対する障壁が形成される。この障壁は既に部分的にマスクの下にあるため、量子井戸インターミキシングの境界に対して局所的にオフセットされている。このように、電荷キャリアの横方向への拡散を低減する障壁は、ドーピングの増加によるものと、量子井戸インターミキシングによるものとの2つが存在する。
図60に示すように、量子井戸インターミキシングの境界36と追加のp型ドーピングの境界37とは、局所的にオフセットされており、すなわち、これらの境界は一致していない。電荷キャリア拡散の観点から見ると、障壁の増加も徐々に起こることになる。ドーパントの堆積と拡散とを分離することで、拡散プロセス中に適切な温度プロファイルを自由に選択することによって、拡散プロファイルの変更が可能になる。したがって、例えば、境界37を境界36に向かって押し込むことができる。これにより、マスク50の境界で電荷キャリア拡散の障壁がより急勾配になる。同様に、拡散した材料あるいは活性層内での原子の置換に起因した不純物濃度も、プロセスパラメーターの精度により低くなる。追加的または代替的に、拡散プロセスに際してプロセスパラメーターを最適化することで、第2のドーパントの電気的活性化と、ひいては追加のp型ドーピングにより引き起こされた障壁とを増加させることができ、横方向への電荷キャリア拡散をより強く減少させられる。
図61は、小型寸法(10μm未満)のLEDにおけるドーピング障壁の高さを、低電流時のドーピング濃度の関数としてシミュレーションしたものを示す。ドーピングを増やすと、ドーピング障壁が2倍近くになるという顕著な増加が示されている。このように、電荷キャリアは縁部領域から効果的に遠ざけられるだけでなく、導入された第2のドーパントによって不純物の数が増えた領域からも遠ざけられる。
これにより、内部量子効率が高くなる。図62はこれに関するグラフを示し、ドーパント濃度を変えたときの電流に対する内部量子効率を示している。約0.1mAの範囲の電流において、より高い濃度で最大値が改善されていることがはっきりと認められる。
提案された原理とさまざまな措置とにより、光電子構造素子の低電流効率と高電流効率の両方が改善される。活性層の光学活性領域における不純物が低減される。同時に、部品の縁部領域(もしくは活性層周辺)では拡散障壁が高くなるため、電荷キャリアを当該構造素子の縁部から遠ざけることができ、その結果、非放射表面再結合の割合が減らされる。これは、エッジ長さが70μm以下のμ-LEDでは特に重要である。
量子井戸インターミキシングの同心円配置のさまざまな態様を説明するために、図63では、これに対して、量子井戸インターミキシングが起こる複数の領域2bおよび2cを有するが、第2および第3の領域のいずれも第1の領域を同心円状に取り囲まない方形LEDを本発明と対比する形で示している。
第1の領域2aは、例えば、場合によっては同一または類似の形状と大きさの拡散マスクを施与することで形成することができる。このために、拡散マスク周辺の露出領域2bおよび2cに第2のドーパントbを加え、これらの領域で量子井戸インターミキシングが起こるようにする。上記の説明によれば、角部領域2cの方形LEDの縁部は、角部では不純物bが複数の側面から拡散する可能性があるため、例えば辺長2bの中心部よりも高い不純物濃度を含んでいるか、もしくは高い量子井戸インターミキシングを示している。これにより、拡散プロセスで領域2bおよび2cが発生し、それぞれ活性層2における量子井戸内の不純物濃度が異なる。この影響により、μ-LEDの縁部の領域2bおよび2cにおいて量子井戸インターミキシングが異なり、ひいては活性層2の量子井戸内のバンドギャップが異なり、μ-LEDの性能が低下することになる。
この影響は、図63に示すμ-LEDの横断面と、そこから導き出される断面軸線A-Aに沿った第2のドーパントbの濃度とによって示されている。この図から、第2のドーパントbの濃度が、角部、つまり第3の領域2cで、第1および第2の領域2a,2bよりも高くなっていることが見て取れる。第2の領域2bから第1の領域2aに向かって、さらに濃度が低下する。それとは逆に、この濃度低下に従って、第1の領域2aから第2の領域2bを経由して第3の領域2cに向かって濃度が上昇する。
ただし、この濃度推移はあくまで定性的な推移と見なされ、第1の領域2a、第2の領域2bおよび第3の領域2cのドーパント濃度の絶対値またはそれらの比率を表すものではない。領域2bと2cとで量子井戸インターミキシングが異なるためにバンドギャップが異なるというマイナスの影響は、図64に示すように光電子構造素子1の幾何学的形状を変更することで解決される。この場合、光電子構造素子1の2つの領域2aおよび2bは同心円状に配置され、第2の領域2bは第1の領域2aを完全に取り囲んでいる。
第1の領域2aは、少なくともほぼ円形の拡散マスク、場合によっては同一または類似の形状と大きさの拡散マスクを施与することで形成される。引き続き、拡散マスク周辺の露出領域2bに第2のドーパントbが加えられ、これらの領域で量子井戸インターミキシングが起こり得るようにする。この形状により、第2の領域2bに導入された第2のドーパントbは、2つの領域2a,2bの周長に一様に沿って第2の領域2bに可能な限り均一に拡散することができ、上述したμ-LEDの角型形状とは異なり、例えばμ-LEDの辺長の中心部よりも角部の方で不純物濃度が高くなったり、量子井戸インターミキシングが高くなったりすることはない。
この影響は、図63と図64とを比較すると明らかになる。なぜなら、図63では、第3の領域2cの四隅で不純物/第2のドーパントbが複数の側面から拡散し得るのに対して、図64では、第2の領域2bの外周の任意の位置でドーパントbが均一に分散して垂直方向に拡散し得るからである。
さらに、光電子構造素子1の対応する関連した横断面図と、そこから導き出される断面軸線B-Bに沿った第2のドーパントbの濃度を図64に示している。この場合、第2のドーパントbの濃度は、第2の領域2bの領域ではほぼ一定であり、第2の領域2bから第1の領域2aに向かう定義された遷移領域では減少する。第1の領域ではまた、第2のドーパントbの濃度はほぼ一定であり、第1の領域2aから第2の領域2bに向かう定義された遷移領域で増加する。ただし、図示されている第2のドーパントbの濃度の推移はさまざまに変化してもよく、第1および第2の領域2a,2bのドーパント濃度の絶対値またはそれらの比率を表すものではない。同様に、第2の領域と第1の領域との間の定義された遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、第1の領域2aから第2の領域2bに向かう遷移領域に実質的にシャープなエッジ部が形成されていることと、第1の領域2aのドーパント濃度が実質的にゼロであるか、もしくは第2の領域2bのドーパント濃度に対して2以下、例えば5以下、あるいは10未満の比率であることとである。言い換えれば、第2の領域2bのドーパント濃度は、第1の領域2aのドーパント濃度に対して、例えば2以上、例えば5以上、あるいは10以上である。
図65A、図65Bおよび図65Cは、図64に示したような光電子構造素子1の層構造および製造を示している。この場合、光電子構造素子1は、n型ドープされた第1の層5と、p型ドープされた第2の層6と、n型ドープされた第1の層5とp型ドープされた第2の層6との間に配置されかつ少なくとも1つの量子井戸を有する活性層2とを含んでいる。
例えば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウムなどの誘電体の拡散マスク7や、例えばフォトマスクを施与することで、p型ドープされた第2の層6の表面に、第1の領域2aと実質的に同一の円形形状を有する対応するマスクが作製される。
他の態様では、フォトマスクを施与する前に、フォトマスクとしても機能する薄い層で表面を覆うことで、加工に使用することができる。これを用いて、より複雑ないくつかの配置構造では、特にマスクを新たに施与したり、パターニングしたりするなどのプロセスステップを省くことができる。かかるより複雑な構造は、図158Aおよび図158Bの構成である。追加の薄い層は、例えばクロムである。これはアンダーエッチングされ、すなわち、エッチングプロセスによってクロム層の一部も除去されるため、マスクとその下の薄いクロム層とを2つ以上のエッチングプロセスに使用することができる。同様に、クロムは第2のドーパントの拡散障壁としても役割を果たし得る。
引き続き、第2のドーパントが施与して拡散される。p型ドープされた第2の層6の残留表面に第2のドーパントbが施与して拡散されることにより、第2のドーパントbが活性層2に拡散し、その中に少なくとも2つの領域2a,2bを形成する。したがって、活性層2における2つの領域2a,2bは、p型ドープされた第2の層6の表面に施与された拡散マスク7が活性層2に投影された形となる。
適切なプロセス条件では、第2のドーパントbの活性層2への拡散により、上述の量子井戸インターミキシングが起こる。第1の領域2a、特に光学活性領域は、拡散マスク7の下に直接投影されて位置し、拡散マスク7により第2のドーパントbが実質的に拡散しない領域として生じる。
したがって、第2の領域2bは、拡散マスク7の周囲に自由表面として第2のドーパントbが加えられる領域の下に直接投影されて位置する領域として生じる。その結果、第2のドーパントbは、第2のp型ドープ層6、第2の領域2bの活性層2に拡散し、ドーピングプロファイルおよびプロセスパラメーターに応じて、活性層2に相接するn型ドープ層5の領域にも部分的に拡散する。
このことから、第2の領域2bは、第2のドーパントbひいては量子井戸インターミキシングを有していることがわかる。
図66は、拡散マスク7の施与および第2のドーパントbの拡散後の光電子構造素子1の層構造に加えて、活性層2における少なくとも1つの量子井戸のバンドギャップを示している。図の垂直方向におけるバンドギャップEのエネルギーを、図の水平方向における光電子構造素子1の横断面にわたって示している。
ここで、左から右に見たバンドギャップEのエネルギーは、第2の領域2bでは一定であり、第2の領域2bから第1の領域2aに向かう定義された遷移領域では低下する。第1の領域2aでは、バンドギャップEのエネルギーは再び一定の値を有し、第1の領域2aから第2の領域2bに向かう定義された遷移領域では増加し、第2の領域2bのバンドギャップEのエネルギーは再び一定の値をとるようになる。
ただし、図示されているバンドギャップEのエネルギーの推移はさまざまに変化してもよく、第1および第2の領域2a,2bのバンドギャップEのエネルギーの絶対値またはそれらの比率を表すものではない。同様に、第2の領域と第1の領域との間の定義された遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、第1の領域2aのバンドギャップEのエネルギーが第2の領域2bのバンドギャップEのエネルギーよりも小さいことと、第1および第2の領域2a,2bのそれぞれの領域におけるバンドギャップEのエネルギーが本質的に一定であることとである。
単一のLEDの領域での性能向上のための幾何学的な検討に加えて、ウェハレベルでの量子井戸インターミキシングの向上の例を以下に示す。μ-LED構造体は、その後に単一の構造素子またはモノリシックに使用されるかどうかにかかわらず、ウェハレベルで製造される。上述のZn拡散などの措置によって、その後の活性層領域の不純物濃度を下げ、不純物原子を持続的に結合または飽和させることで、低電流効率および高電流効率の向上を図ることができる。
図67Aは、半導体構造0の第1の構成の断面の平面図と、断面軸線A-Aに沿った半導体構造のバンドギャップのエネルギーの関連する横断面プロファイルとを示している。半導体構造0には、複数の第1の光学活性領域2aおよび第2の領域2bが形成されている。ここで、複数の第1の光学活性領域2aは、六角形のパターンで互いに離間して配置されており、1つの第2の領域2bは、複数の第1の光学活性領域2aを取り囲み、それらの間の空間に配置されている。
さらに、半導体構造0の複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれの1つの光学活性領域2aは、複数の光電子構造素子1のそれぞれの一部を形成している。これに関して、光電子構造素子は、その全体的な寸法に基づいてμ-LEDと見なすことができる。複数の第1の光学活性領域2aは、例えば、マスクを施与して形成されてもよいし、例えば、場合によっては同一または類似の形状と大きさを有するマスクセグメントを施与して形成されてもよい。続いて、マスクもしくはマスクセグメント周辺の露出した第2の領域2bに第2のドーパントbを加えて、この領域でQWIが起こり得るようにする。第2の領域では、第2のドーパントの拡散とそれに伴うQWIとによって、量子井戸インターミキシングが起こらない領域と比較して、バンドギャップのエネルギーが変化する。
さらに図67Aに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される断面軸線A-Aに沿ったバンドギャップのエネルギーの推移とは、領域2a,2bにおけるバンドギャップのエネルギーの推移を示している。この図から、第2の領域2bのバンドギャップのエネルギーは、第1の光学活性領域2aよりも大きいことが見て取れる。第2の領域2bから第1の光学活性領域2aに向かってバンドギャップのエネルギーが減少し、それとは逆に、この減少に従って、第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かってバンドギャップのエネルギーが増加する。
ただし、これらの推移や以下の類似した推移は、定性的な推移としてのみ見なされ、複数の第1の光学活性領域2aと第2の領域2bとにおけるバンドギャップのエネルギーの絶対値または比率を表すものではない。同様に、第2の光学活性領域と第1の光学活性領域との間の遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。唯一の重要な点は、複数の第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かう遷移領域に実質的にシャープなエッジ部が形成されていることと、複数の第1の光学活性領域2aにおけるバンドギャップのエネルギーが、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーよりも小さいこととである。
結果として、言い換えれば、第2の領域2bにおける第2のドーパントbのドーパント濃度が、複数の第1の光学活性領域2aにおける第2のドーパントbのドーパント濃度よりも大きいことを意味する。
さらに、図67Aに示すように、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーは一定の値を有しておらず、複数の第1の領域2aの間の距離が最大となる領域でバンドギャップのエネルギーの局所的な極大値を有していることがわかる。これは、例えばマスクで覆われた2つの第1の光学活性領域2aの間の小さい方の空間よりも、第2のドーパントbが加えられた大きい方の表面の領域の方が、拡散プロセスひいては量子井戸インターミキシングが効率的に進行することによる。
さらに図67Bに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される断面軸線(B-B)に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移とは、光電子構造素子1の周長に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移を示している。この断面軸線は、第2の領域2bを通っている。上記の説明に従って、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーは一定の値を有しておらず、複数の第1の領域2aの間の距離が最大となる領域で極大値を有し、複数の第1の領域2aの間の距離が最小となる領域で極小値を有している。図67Bでは、半導体構造のバンドギャップエネルギーが局所的に極大となる領域を例示的にYで表し、半導体構造のバンドギャップエネルギーが局所的に極小となる領域を例示的にXとZとで表している。
しかしながら、実際には、半導体構造0の第2の領域2bにおいてと、相応して光電子構造素子1の周長に沿って、可能な限り均一かつ一定のバンドギャップエネルギーを達成することが望ましい。そこで、半導体構造0のバンドギャップエネルギーの局所的な極大値の影響を打ち消すために、特に以下の3つの構成(図68Aおよび図68B、図69Aおよび図69B、図70Aおよび図70B)を提示する。図68Aおよび図68B、図69Aおよび図69B、ならびに図70Aおよび図70Bのそれぞれは、本発明による半導体構造0の一構成の平面図と、断面軸線A-AおよびB-Bに沿った半導体構造のバンドギャップのエネルギーの関連する横断面プロファイルとを示している。
ここでは、図67Aおよび図67Bの構造例を補足する形で、複数の第1の光学活性領域2aおよび少なくとも1つの第2の領域2bに加えて、更なる少なくとも1つの第3の領域2cが形成されている。この少なくとも1つの第3の領域2cはまた、複数の第1の光学活性領域2aの間の空間に配置されている。
より正確に言えば、図68Aは、複数の第1の光学活性領域2a、第2の領域2bおよび複数の第3の領域2cを有する半導体構造0の断面を示している。複数の第1の光学活性領域2aは、上述したように六角形のパターンで互いに離間して配置されている。第2の領域2bは、複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれ1つが第2の領域2bによって環状および/または同心円状に囲まれるように、複数の第1の光学活性領域2aを囲んでいる。これにより、第2の領域2bは、例えば、環状セグメントに分割され、第2の領域2bの次の相接する環状セグメントと、例えば点状にのみ繋がっている。複数の第3の領域2cは、それぞれの場合において、第2の領域2bの環状セグメントの3つによって、デルトイド曲線状に形成されている。
ここで、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cは、例えば、マスクを施与して形成されてもよいし、例えば、場合によっては同一または類似の形状と大きさのマスクセグメントを施与して形成されてもよい。続いて、マスクもしくはマスクセグメント周辺の露出した第2の領域2bに第2のドーパントbを加えて、この領域でQWIが起こり得るようにする。
さらに図67Aに示す半導体構造0の断面と、断面軸線A-Aに沿ったバンドギャップのそのエネルギーとは、領域2a,2bおよび2cにおけるバンドギャップのエネルギーを示している。この図から、第2の領域2bのバンドギャップは、第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cのバンドギャップよりも大きいことが見て取れる。軸線A-Aが第2の領域2bとそれぞれ交差している領域では、バンドギャップの局所的な増大が認められる。軸線A-Aと交差する第2の領域2bの面積に応じて、バンドギャップのエネルギーがそれぞれ高い値または低い値になる。
ただし、この推移はあくまで定性的な推移と見なされ、複数の第1の光学活性領域2a、第2の領域2bおよび複数の第3の領域2cのバンドギャップのエネルギーの絶対値または比率を表すものではない。同様に、第1の光学活性領域、第2の領域2bおよび第3の領域2cの間の遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、複数の第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かう遷移領域と、第3の領域2cから第2の領域2bに向かう遷移領域とに、実質的にシャープなエッジ部が形成されていることと、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおけるバンドギャップのエネルギーが、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーよりも小さいこととである。結果として、言い換えれば、第2の領域2bにおける第2のドーパントbのドーパント濃度が、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおける第2のドーパントbのドーパント濃度よりも大きいことを意味する。
さらに図68Bに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される断面軸線B-Bに沿ったバンドギャップのエネルギーの推移とは、光電子構造素子1の周長に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移を示している。この断面軸線は、第2の領域2bを通っている。図67Bの描写とは異なり、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーは、あまり大きな変化を有しない。複数の第3の領域2cを導入することで、複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれ3つの領域の間の空間領域において、半導体構造0のバンドギャップエネルギーの局所的な極大値があまり際立ったものでなくなることが実現されている。したがって、第2の領域2bにおいて、より均一なバンドギャップエネルギーを実現することができる。このこと自体が光電子構造素子1の性能向上につながっている。
本発明による半導体構造0の更なる構成形態と、そこから導き出される断面軸線A-AおよびB-Bに沿った半導体構造0におけるバンドギャップのエネルギーの推移とを、図69Aおよび図69Bに示している。
そこでは、複数の第3の領域2cは、それぞれ円形状であり、複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれ3つの中心部に配置されている。同様に、円形という用語には、楕円形の他、長円形または他の丸みを帯びた凸状の形状も含まれ得る。複数の第3の領域2cのこの配置は、図68Aおよび図68Bに示したものと同じように、第2の領域2bにおける実質的に均一なドーパント濃度を達成するために、半導体構造0上の施与された第2のドーパントbの局所的な極大値を減少させるのに用いられる。図69Aに示す円形の第3の領域2cは、複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれ3つの中心部に配置されており、光電子構造素子1の性能向上を既に示している。したがって、第2の領域2bは、連続した環状セグメントとしては生じず、複数の第1の光学活性領域2aと第3の領域2cとの間の空間を埋めている。
複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cは、例えば、マスクを施与して形成されてもよいし、例えば、場合によっては同一または類似の形状と大きさのマスクセグメントを施与して形成されてもよい。さらに、マスクもしくはマスクセグメント周辺の露出した第2の領域2bに第2のドーパントbを加えて、この領域でQWIが起こり得るようにする。
さらに図69Aに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される断面軸線A-Aに沿ったバンドギャップのエネルギーの経過とは、領域2a,2bおよび2cにおけるバンドギャップのエネルギーを示している。この図から、第2の領域2bのバンドギャップのエネルギーは、第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cのバンドギャップのエネルギーよりも大きいことが見て取れる。軸線A-Aが第2の領域2bとそれぞれ交差している領域では、バンドギャップの局所的な増大が認められる。同様に、第1の領域、第2の領域2bおよび第3の領域2cの間の遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、複数の第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かう遷移領域と、第3の領域2cから第2の領域2bに向かう遷移領域とに、実質的にシャープなエッジ部が形成されていることと、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおけるバンドギャップのエネルギーが、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーよりも小さいこととである。結果として、言い換えれば、第2の領域2bにおける第2のドーパントbのドーパント濃度が、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおける第2のドーパントbのドーパント濃度よりも大きいことを意味する。
さらに図69Bに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される矢印で示した断面軸線に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移とは、光電子構造素子1の周長に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移を示している。この断面軸線は、第2の領域2bを通っている。図68Bに描写するように、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーもまた、一定の値を有していない。
複数の第3の領域2cのそれぞれは、図68Aにおける構成形態の複数の第3の領域2cよりも小さな面積を占めているので、複数の第1の領域2aおよび第3の領域2cからの距離が最大となる領域には、より顕著な局所的な極大値が存在することになる。それに応じて、複数の第1の領域2aと第3の領域との間の距離が最小となる領域には局所的な極小値も存在することになる。図69Bには、半導体構造のバンドギャップエネルギーの局所的な極大値の領域を例示的にXとZで表し、半導体構造のバンドギャップエネルギーの局所的な極小値を有する領域は例示的にYで表している。
重要な点は、図67Aの構成形態と比較して、複数の第3の領域3cの導入により、半導体構造0のバンドギャップエネルギーの局所的な極大値の大きさが小さくなり、光電子構造素子1の周長に沿うか、もしくは半導体構造0の第2の領域2b内で、バンドギャップの比較的均一かつ一定のエネルギーが優勢になることである。このこと自体が光電子構造素子1の性能向上に既につながっている。
さらに、図69Bに示すように、半導体構造0の複数の第1の光学活性領域2aのそれぞれ1つの光学活性領域2aが、それぞれ1つの光電子構造素子1の一部を形成している。
本発明による半導体構造0の更なる構成形態と、そこから導き出される半導体構造0におけるバンドギャップのエネルギーの推移とを、断面軸線A-AおよびB-Bに沿って図70Aおよび図70Bに示している。
ここで、複数の第1の光学活性領域2aは、それぞれ第2の領域2bによって同心円状に囲まれている。したがって、複数の第2の領域2bが存在しており、それぞれの第2の領域2bは、複数の第1の光学活性領域2aの1つの周りに環状もしくは円状に配置されている。同様に、環状もしくは円状という用語には、楕円形の他、長円形または他の丸みを帯びた凸状の形状も含まれ得る。
さらに、半導体構造0は、複数の第1の光学活性領域2aと第2の領域2bとの間の空間に配置された第3の領域2cを有している。複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cは、例えば、マスクを施与して形成されてもよいし、例えば、場合によっては同一または類似の形状と大きさのマスクセグメントを施与して形成されてもよい。さらに、マスクもしくはマスクセグメント周辺の露出した第2の領域2bに第2のドーパントbを加えて、この領域でQWIが起こり得るようにする。
このように複数の第2の領域2bが複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cのそれぞれ1つの周りに環状に配置されていることで、施与された第2のドーパントbの局所的な極大値が、それぞれ3つの第1の光学活性領域2aの間の空間領域に形成されることが回避される。したがって、複数の第2の領域2bにおいて、実質的に均一なドーパント濃度を実現することができる。複数の第2の領域2bにおいてはまた、実質的に均一なQWIが起こり得、このことが光電子構造素子1の性能向上につながっている。
さらに図70Aに示す断面軸線A-Aに沿ったバンドギャップエネルギーの推移は、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーが、第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおけるバンドギャップのエネルギーよりも大きいことを示している。軸線A-Aがそれぞれ第2の領域2bと交差する各領域では、バンドギャップの局所的な増大が認められる。
ただし、この推移はあくまで定性的な推移と見なされ、複数の第1の光学活性領域2a、第2の領域2bおよび第3の領域2cのバンドギャップのエネルギーの絶対値またはそれらの比率を表すものではない。同様に、第1の光学活性領域、第2の領域2bおよび第3の領域2cの間の遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、複数の第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かう遷移領域と、第3の領域2cから第2の領域2bに向かう遷移領域とに、実質的にシャープなエッジ部が形成されていることと、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおけるバンドギャップのエネルギーが、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーよりも小さいこととである。
結果として、言い換えれば、第2の領域2bにおける第2のドーパントbのドーパント濃度が、複数の第1の光学活性領域2aおよび第3の領域2cにおける第2のドーパントbのドーパント濃度よりも大きいことを意味する。
さらに図70Bに示す半導体構造0の断面と、そこから導き出される断面軸線B-Bに沿ったバンドギャップのエネルギーの推移とは、光電子構造素子1の周長に沿ったバンドギャップのエネルギーの推移を示している。この断面軸線は、第2の領域2bを通っている。図67B、図68Bおよび図69Bの描写とは異なり、第2の領域2bにおけるバンドギャップのエネルギーはほぼ一定の値を有している。第3の領域2cを導入することにより、施与された第2のドーパントbの局所的な極大値が、それぞれ3つの第1の光学活性領域2aの間の空間領域に形成されることが回避され、ひいては半導体構造0におけるバンドギャップエネルギーの局所的な極大値も生じなくなる。したがって、第2の領域2bにおいて、実質的に均一なバンドギャップのエネルギーを実現することができる。
図71A、図71Bおよび図71Cは、図68A、図69Aおよび図70Aに示すような半導体構造0の層構造とそれに対応する製造とを示している。ここで、半導体構造0は、n型ドープされた第1の層5と、第1のドーパントが加えられたp型ドープされた第2の層6と、n型ドープされた第1の層5とp型ドープされた第2の層6との間に配置されかつ少なくとも1つの量子井戸を有する活性層2とを含んでいる。これらの層は、例えば、ここには図示されていないキャリア基板上にエピタキシャル成膜される。ここに示した層の他にも、更なる層、コンタクト層、犠牲層などが設けられていてもよい。
図71Bは、パターニングされたマスク7が施与される次のステップを示している。マスクにはところどころ穴が開いており、それらの穴にドーパントbが導入されるようになっている。この場合、活性層2への第2のドーパントbの拡散により、上述のQWIが発生する。
p型ドープされた第2の層6の表面に、例えば誘電体マスクまたはフォトレジストマスクのマスクもしくはマスクセグメント7を施与し、引き続き拡散プロセスを行うことで、図71Cに示す構造が形成される。この図は、マスク7の下に、第2の領域2bと少なくとも1つの第3の領域2cとを周囲に有する多数の光学活性領域を示している。この構造および構成は、前述のように、施与されたマスク7のパターニングから生じる。第2のドーパントbは、p型ドープされた第2の層6を通って活性層2内に拡散し、その中で領域2a,2bおよび2cを形成する。したがって、活性層2内の領域2a,2bおよび2cは、p型ドープされた第2の層6の表面に施与されたマスクもしくはマスクセグメント7が活性層2に投影された形となる。
複数の第1の光学活性領域2aと少なくとも1つの第3の領域2cとは、マスクもしくはマスクセグメント7の下に直接投影されて位置し、マスクもしくはマスクセグメント7により第2のドーパントbが実質的に拡散しない領域として生じる。
したがって、少なくとも1つの第2の領域2bは、マスクもしくはマスクセグメント7の周囲に自由表面として第2のドーパントbが加えられる領域の下に直接投影されて位置する領域として生じる。その結果、少なくとも1つの第2の領域2bにおいて、第2のドーパントbは、第2のp型ドープ層6、活性層2に拡散し、ドーピングプロファイルおよびプロセスパラメーターに応じて、活性層2に相接するn型ドープ層5の領域にも部分的に拡散する。
このことから、少なくとも1つの第2の領域2bは、第2のドーパントbひいては量子井戸インターミキシングを有していることがわかる。
図72は、マスクもしくはマスクセグメント7の施与および第2のドーパントbの拡散後の半導体構造0の層構造に加えて、活性層2における少なくとも1つの量子井戸のバンドギャップを示している。図の垂直方向におけるバンドギャップEのエネルギーを、図の水平方向における半導体構造0の横断面にわたって示している。
ここで、左から右に見たバンドギャップEのエネルギーは、第3の領域2cでは一定であり、第3の領域2cから第2の領域2bに向かう定義された遷移領域では増加する。第2の領域2bでは、バンドギャップEのエネルギーは再び一定の値を有し、引き続き、第2の領域2bから第1の光学活性領域2aに向かう定義された遷移領域では低下し、第1の光学活性領域2aのバンドギャップEのエネルギーは一定の値をとるようになる。それとは逆に、この推移に従って、第1の光学活性領域2aから第2の領域2bに向かう定義された遷移領域のバンドギャップEのエネルギーが増加し、第2の領域2bから第3の領域2cに向かう定義された遷移領域のバンドギャップEのエネルギーが低下する。
ただし、図示されているバンドギャップEのエネルギーの推移はさまざまに変化してもよく、第1の光学活性領域2a、少なくとも1つの第2の領域2bおよび少なくとも1つの第3の領域2cにおけるバンドギャップEのエネルギーの絶対値またはそれらの比率を表すものではない。同様に、少なくとも1つの第2の領域2bと第1の光学活性領域2aとの間の遷移領域および少なくとも1つの第2の領域2bと少なくとも1つの第3の領域2cとの間の遷移領域もさまざまに変化してよく、やや平坦であったり、急勾配であったりしてもよい。
唯一の重要な点は、第1の光学活性領域2aおよび少なくとも1つの第3の領域2cのバンドギャップEのエネルギーが、少なくとも1つの第2の領域2bのバンドギャップEのエネルギーよりも小さいことと、第1の光学活性領域2aおよび少なくとも1つの第2の領域2bのそれぞれのバンドギャップEのエネルギーが、領域2aの周長に沿って実質的に一定であることとである。
磁気電流狭窄に関する態様を説明する前に、図73が参照される。この図は、従来の発光ダイオードの一構成例を示している。発光ダイオードに電流を流すと、太い矢印で示した電流が、発光ダイオードの上部から、pn接合と呼ばれる活性層に流れる。そこでは放射再結合に加えて、望ましくない非放射再結合NRが起こるので、これを回避するか、もしくはその強度を下げる必要がある。ここで、非放射再結合は、電荷キャリアが縁部に拡散することで生じ、縁部の欠陥密度が増加するなどの影響が出てくる。この縁部への電荷キャリアの拡散を、参照符号2で示す。NRは量子効率を低下させ、実質的に熱に変換される。特に小型のチップでは、放射再結合と非放射再結合との比率が悪化する。そのため、電荷キャリアを狭窄して中心部に限定できる方法の開発が望まれている。
図74は、本発明による光電子構造素子10の第1の構成例のX-Z面に沿った縦断面図を示している。これは、層スタックSとして形成されており、キャリア1上に第1の層3を有し、第1の層3上に活性層7が施与されており、活性層7上にはまた第2の層5が堆積された。キャリア1に面していない第2の層5の表面領域には第1のコンタクト9が形成されており、キャリア1を用いて第1の層3には第2のコンタクト11が形成されている。第1の層3はn型ドープされており、第2の層5はp型ドープされており、特に第1のコンタクト9がアノードを形成し、第2のコンタクト11がカソードを形成するようになっている。ここでの層スタックSは、その外側面に沿ってと、キャリア1に面している側とに、電気絶縁性コーティング13およびパッシベーションコーティング15を有している。第1のコンタクトは、活性層で生成された光が上に向かって出射するように、例えばITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよい。
さらに、構造素子は、層スタック(全体)SのZ軸に沿って電流が流れるとX-Y平面に沿って延びる磁力線を提供する磁化素子Mを含んでいる。磁化素子Mは、Z軸に沿って、層スタックSの外側面に沿って延びる多数のストリップ状の電流線17を有している。これらは第1のコンタクト9に接触する。電流の方向に応じて(すなわち、コンタクト9のアノードまたはカソードとしての機能に応じて)、電流フローは、電流線に沿って層スタックを逆平行に流れる。このようにして、電荷キャリア、特に電子は互いに反発し合う。2本の線が互いに収束することで、その結果生じる磁気電流狭窄MSが、一種の「電子レンズ」として具体的に示される。
図75は、本発明による光電子構造素子10の第1の構成例のX-Y平面に沿った横断面図を示している。X-Y横断面平面の中心部には、光電子構造素子10に沿って電流が流れるZ軸が延びている。導体ストリップまたは導体バンドの構成では、電流線17は、層スタックSの外側面に沿って生成される。ここでは、方形型の層スタックS上に、例えば発光ダイオードを通る電流と逆平行(antiparallel)に電流を流す合計4本の電流線17が形成されている。これらの電流線17は、磁化素子Mを形成しており、これにより、光電子構造素子10内を流れる電荷キャリア、例えば電子がキャリア1の方向に移動し、その際、電流線17によりX-Y平面に沿って生成される磁界の結果として、Z軸の方向に偏向させられる。このようにして、電荷キャリア、特に電子に力Fが作用して、これらは構造素子10の縁部から追い出される。その結果、電流分布の狭窄(磁気電流狭窄MS)が生じ、光電子構造素子10のチップエッジもしくはメサエッジでの非放射再結合が減少するような形で、一種の「電子レンズ」が構築される。さらに、光電子構造素子の外側面は、電気絶縁性コーティング13およびパッシベーションコーティング15を有している。
図76は、第1の構成例の動作モードを表したものである。2本のリード線に流れるI1と-I2の逆平行の電流により、2本のリード線を互いに遠ざける力Fが発生する。この電流によって2本のリード線の周りに発生する磁界が作用している。同じことが、図74および図75に記載の構成例にも当てはめられる。
図77は、本発明による光電子構造素子の第2の構成例の縦断面図を示している。磁化素子Mが、ここでは活性層7の領域に4つの永久磁気双極子の形で形成されている。この位置は、量子井戸を有する活性層7内で特定的に磁力を供給するために、高さhでさまざまに変化してもよい。このようにして、特にZ軸に沿って延びる磁力線MFを、電荷キャリアの主な移動方向に逆らって、つまり活性層7の手前の領域で特定的に印加することができる。この場合、S極は活性層7に面しており、N極は活性層7に面していない。磁極は逆にすることも可能である。生成された磁界MFの流れにより、電子の好ましい移動方向は、Y軸に沿って、特に図面平面もしくはX-Z平面から外れることになる。したがって、それぞれの磁界のない層スタックSの活性層7の縁部への拡散による電子のランダムな移動が、磁界の特定的な力によって横向きの移動方向に偏向させられる。この結果、層スタックSの活性層7の他方の縁部へのランダムな拡散の方向が優先され、そこでの力は再び別の横方向に作用するため、電子は再びそこの縁部から遠ざけられる。このようにして、特に、多数の永久磁気双極子がX-Y平面における活性層7の縁部領域に沿って活性層7を縁取っているかもしくは取り囲んでいる場合には、活性層7内の電子を、Z軸方向の螺旋状のラインに沿って偏向させることができる。この場合、層スタックSは、例えば直方体として、あるいは代わりに円筒体として構築されていてもよい。原則的には、層スタックSの幾何学的な形状は、例えば、円錐形、円錐台またはピラミッド形など他の形状でも可能である。本構成例によれば、第1のコンタクト9はアノードを提供する。
Z軸に沿った永久磁気双極子の位置は、非放射再結合の低減を高めるために選択されている。原則的には、使用される磁気双極子は、X-Y平面に沿って水平方向またはZ軸に沿って垂直方向に延びたり、配向したりすることができる。
図78は、図77に記載の本発明による光電子構造素子10の第2の構成例の横断面図を示している。図78は、活性層7の縁部領域に沿った複数の永久磁気双極子の配置をX-Y平面で示している。層スタックSは、ここでは活性層7の領域で、例えば12個の永久磁気双極子NSによって縁取られているかもしくは取り囲まれている。ZはX-Y横断面平面の中心部に配置された垂直なZ軸を表し、その周りを電子が拡散と永久磁気双極子NSの磁界による力の作用に基づきZ軸方向に螺旋状のラインに沿って移動することができる。永久磁気双極子NSの磁界は、それぞれのN極NからS極Sに向かって延びており、これにより、S極Sの領域の磁界は、層スタックSの活性層7のX-Y横断面平面の縁部領域に向かって作用する。したがって、ここでは上述の永久磁気双極子によって磁化素子Mが構築される。
図79は、本発明による光電子構造素子10の第3の構成例のX-Z平面に沿った縦断面図を示している。第2の構成例とは対照的に、ここでは永久磁気双極子の代わりに電磁気双極子が使用され、その電流フローは、特に光電子構造素子10を通る電流フローによって提供される。第1のコンタクト9は、ここではアノードとして形成されている。技術的な電流フローは、活性層7の高さで電磁石に入り、層スタックSの周りを流れて、その後、Z軸に沿って光電子構造素子10を通るか、または例示的なμ-LEDを通ってアノードに向かう電流とは逆平行に流れる。このようにして、第1の構成例による「電子レンズ」のコンセプトが、第2の構成例による活性層7での磁気効果と組み合わせられていてもよい。電流フローにより磁化される磁性体の例としては、マンガンを用いることができる。
図80は、本発明による光電子構造素子10の第3の構成例のX-Y平面に沿った横断面図を示している。μ-LEDチップLEDであってもよい光電子構造素子10の活性層7の高さでZ軸に沿って、電磁気双極子SNは、層スタックSの周りにX-Y平面に沿って配置されている。ここでは12個の電磁石も提案されている。電流は、図80の左下で供給され、具体的には、特に光電子構造素子10にも流れる電流が供給される。この電流ILEDは同様に、図80の左下で、層スタックSを少なくとも1回循環し、電磁気双極子NSを少なくとも1回流れた後か、あるいは代わりに磁性体、特に強磁性体を流れた後に、アノードまたは第1のコンタクト9に供給することもできる。
図79および図80は、活性層7の領域にある磁化素子Mを示しており、その縁部領域には、磁気双極子の磁極、具体的にここではS極に向かって先細りになる磁力線が提供されている。電荷キャリアに及ぼす磁界の効果は、図77および図78に記載の第2の構成例の場合と同様である。磁化素子Mは、移動する電荷キャリア、特に電子を層スタックのX-Y横断面領域の縁部領域から遠ざける磁力線を提供する。
図81は、本発明による光電子構造素子10の第4の構成例のX-Z平面に沿った縦断面図を示している。磁化素子Mは、移動する電荷キャリアを層スタックSのX-Y横断面領域の縁部領域から遠ざける磁力線を提供する。磁化素子Mは、活性層7の高さでZ方向に配置されており、これにより、磁力線MFは、Z軸に沿って延びる活性層7の縁部領域に提供されている。磁化素子Mの位置は、特定的に活性層7の量子井戸内で、電荷キャリア、特に電子にかかる力を定義して生成するために、Z軸に沿って高さをさまざまに変えることができる。例えば、磁化素子Mは、活性層7の手前の領域で、電荷キャリアの主な移動方向に逆らって位置がずらされていてもよい。
磁化素子Mは、X-Y平面に沿って層スタックSを循環する磁性体、特にマンガンとして、活性層7の領域に構築されている。磁性体は、層スタックSの外側面に堆積されており、外部磁界によって磁化されていてもよい。磁性体は、例えば、MOVPE(有機金属気相エピタキシ)、MBE(分子線エピタキシー)などの方法で堆積させることができる。
生成された磁界MFの流れにより、電子の好ましい移動方向は、Y軸に沿って、特に図面平面もしくはX-Z平面から外れることになる。したがって、それぞれの磁界MFのない層スタックSの活性層7の縁部への拡散による電子のランダムな移動が、磁界MFの特定的な力によって横向きの移動方向に偏向させられる。この結果、層スタックSの活性層7の他方の縁部へのランダムな拡散の方向が優先され、そこでの力は再び別の横方向に作用するため、電子は再びそこの縁部から遠ざけられる。このようにして、特に、磁性体がX-Y平面における活性層7の縁部領域に沿って活性層7を縁取っているかもしくは取り囲んでいる場合には、活性層7内の電子を、特にZ軸方向の螺旋状のラインに沿って偏向させることができる。この場合、層スタックSは、例えば直方体として、あるいは代わりに円筒体として構築されていてもよい。原則的には、層スタックSの幾何学的な形状は、例えば、円錐形、円錐台またはピラミッド形など他の形状でも可能である。本構成例によれば、第1のコンタクト9はアノードを提供する。磁性体は双極子として作用し、磁力線はZ軸に沿った上側のN極から層スタックSに沿った下側のS極に向かって延びている。磁力線MFは、層スタックSと、pn接合領域として構築されている活性層7との縁部領域を貫通している。
図82は、提案された方法の一構成例である。この方法では、電荷キャリアの主な移動方向は、μ-LEDの活性層を垂直方向に貫く軸線に沿って延びている。活性層の縁部への電荷キャリアの拡散が、磁界によって相殺され、活性層のX-Y横断面領域の縁部領域から電荷キャリアは遠ざけられる。
他の態様に加えて、隣り合う画素への光の漏話も重要である。μ-LEDから横方向に光が漏れることがあり、漏話の結果、μ-ディスプレイのコントラストが低下してしまう。同様に、横方向に放出または放射された光は、屈折率ジャンプにより構造体から出られないことが多い。さらに、多くの用途では、ディスプレイをどの方向から見ても同じ明るさに見えるように、ディスプレイの放射パターンがランベルト型であることが求められる。そのため、活性層またはμ-LEDの周囲に反射層もしくはミラーを設けることで、放射パターンを改善することが提案されている。言い換えれば、μ-LED構造に周回ミラーを設けることで、放射パターンを向上させることができる。
図84は、提案されたアレイの第1の構成例をY-Z横断面図で示したものである。これは、例えば、本願に記載されている方法によって製造することができる。これらの代わりに、本願の一部であるμ-LEDを使用することもできる。Y-Z横断面図において、基板1上には、電気的に接触した2つのμ-LED3a,3bが作製されており、基板1上の2つの加工済みμ-LED3aと3bとの間の中央領域には、μ-リフレクタ構造体4bが形成されている。μ-リフレクタ構造体4bのフランク角度は、求められる光取り出しに合わせられる。例えば、側面は、μ-LEDとμ-リフレクタ構造体4bとの間の距離に強く依存し得る。電気的に接触した2つのμ-LED3bは、中央のコーティングされたμ-リフレクタ構造体4bとともに、それぞれ光電子構造素子OBを形成している。μ-LED3aとは対照的に、μ-LED3bは他の波長の光を発することができる。参照符号4a’は囲い込み部を示す。本構成では、更なるμ-LED構造素子、例えば3つのμ-LED構造素子を配置して、これらがμ-ディスプレイの画素のサブ画素を形成できることは自明である。
製造プロセスの一環として、μ-LEDの第1の金属ミラー層6aとともに、μ-リフレクタ構造体4bのフランク部に第2の金属ミラー層6bがコーティングされ、図に示した構造体が得られている。
μ-リフレクタ構造体4bは平坦化層4から作製されている。同様に、この構造素子は、第2のコンタクト領域2bからμ-LEDの第2のコンタクトのコンタクト層5まで、それぞれの金属ブリッジとしてつながる第1の金属ミラー層6aを含んでいる。第2の金属ミラー層6bは、μ-リフレクタ構造体4bのフランク部のみを覆っており、さらに、基板1上の導体トラックとの短絡を回避するために、第2の金属ミラー層6bでは、基板1の近傍の領域を空けておいてもよい。基板1は、本願に記載されているように、μ-LEDを駆動制御するための電気構造体をさらに含んでいてもよい。基板がSiまたは他の一般的にμ-LEDと相容れない材料からなるか、またはそれらを含んでいる場合は、整合層も設けられている。つまり、μ-LEDは、キャリア1上に直接作製されたものか、キャリアに転写されたものを意味している。例えば、ここで示した転写プロセスやアンカー構造体がこれらに適している。
図85は、提案された光電子構造素子OBの第1の構成例を、X-Y平面の平面図として示している。この平面図は、図84に記載の左の光電子構造素子OBを表し得る。この光電子構造素子はサブ画素であり、別のものと一緒にそれぞれ1つの画素を形成している。後者は、複数の行と列とに配置された別の画素である。このようにして、これらの画素がアレイまたはμ-ディスプレイを形成する。
この場合、各画素は同じ構造のμ-LEDを含んでおり、それらを適宜電気的に接続することで個別に駆動制御することができる。図83および図84によれば、光電子構造素子OBは、第2の金属ミラー層6bでコーティングされたμ-リフレクタ構造体4bを有しており、これがμ-LEDを取り囲んでいる。このために、μ-LEDは中央に配置されている。例えば、矩形、円形または三角形もしくは多角形などの他の幾何学的形状も同様に可能である。
ここで、μ-LED3aに面しているμ-リフレクタ構造体4bのフランク部は、第2の金属ミラー層6bによって覆われている。平面図では、μ-LED3aの周囲にX-Y平面に沿って囲い込み部4a’が示されており、この囲い込み部4a’は、μ-リフレクタ構造体4bと同様に、平坦化層4の材料から形成されていた。コンタクト層5から出発して、第1の金属ミラー層6aは、特にストリップの形で、基板1上に形成された第2のコンタクト領域2bまで延びており、この領域2bは、封止またはカプセル化のためのコーティング7で覆われていてもよい。例示的に、電気導体トラック9が示されており、これに第2のコンタクト領域2bが電気的に接続されていてもよい。金属ミラー層6aおよび6bは、同じ材料または同じ層スタックを有していてもよい。
図86は、提案されたアレイの第2の構成例をY-Z平面の横断面図で示したものである。図84とは対照的に、ここでは、μ-リフレクタ構造体4bが、その元々の自由表面全体に沿って第2の金属ミラー層6bで覆われている。すなわち、側面だけでなく、基板1に面していない主表面も、連続した第2の金属ミラー層6bで覆われている。図86のμ-LEDは、図84と同じように構成されている。
図87は、μ-LEDの本質的な態様をY-Z平面に沿った横断面図で再度示したものである。X-Y平面に沿って延びる基板1の一方の面には、第1のコンタクト2aがμ-LEDの半導体層3aに接続されている。層3aには活性ゾーンも存在している。第2のコンタクトが、第1の金属ミラー層6aに導電的に接続された透明な層5によって形成されている。X-Y平面に沿って、本体3aの周囲には、これと機械的に接触する形で、電気絶縁性の囲い込み部4a’が形成されており、これに沿って、コンタクト層5および第1の金属ミラー層6aが、特にストリップ状に延びている。
基板1は、それ自体が半導体であってもよく、駆動制御のための電気構造体を含んでいてもよい。あるいはパッシブマトリクスバックプレーンまたはアクティブマトリクスバックプレーンとして作製されていてもよく、例えば、ガラス、ポリイミドまたはPCB(プリント回路基板;Leiterplatten)を有していてもよい。基板近傍のコンタクト用の第1のコンタクト領域2aは、例えば、Mo、Cr、Al、ITO、Au、Ag、Cuおよびこれらの合金を有していてもよい。基板1に面していないμ-LED3aの第2のコンタクト用の第2のコンタクト領域2bも同様に、例えば、Mo、Cr、Al、ITO、Au、Ag、Cuおよびこれらの合金を有していてもよい。
ここに示しているμ-LEDは、同じ材料系または異なる材料系で実現されており、動作時には異なる色に発光する。例えば、基板1上に赤色、緑色および青色(RGB)、赤色、緑色、青色および白色(RGBW)を配置することができる。変換材料を使用することで、同じ発光ダイオードでも異なる光を生成することができる。参照符号4a’は、トップコンタクト用のコンタクト層5を設けることができる囲い込み部4a’を提供するための平坦化層4の残りの部分を示している。囲い込み部4a’は、任意に、例えばスピンオン誘電体またはフォトレジスト(Fotolack)を用いて、本体3aの半導体層のメサエッジを不動態化する(passivieren)こともできる。
図88は、提案されたアレイの第3の構成例をY-Z平面に沿った横断面図で示したものである。図84に記載の第1の構成例および図86に記載の第2の構成例とは対照的に、ここではμ-リフレクタ構造体4bは形成されていない。一方、接触したμ-LED3a,3bの封止/カプセル化および/または光取り出しのためにコーティング7が形成されている。ここでは、放射パターンを向上させるために、素子がパターニングされており(図示せず)、上側からフォトニック結晶構造体を有している。層7は、他の構造体から電気的に絶縁されている。コーティング7は、散乱粒子または変換材料を有していてもよい。コーティング7は、通常、μ-LEDの製造後に施与され、次いで平坦化される。
図89は、提案されているアレイの第4の構成例をY-Z平面に沿った横断面図で示したものである。この描写は、図88と同様である。これを補足する形で、接触した発光体3a,3bの封止/カプセル化および/または光取り出しのために設けられたコーティング7の下で、μ-LED3a,3bの間に黒色のポッティング部8が形成されている。ここでは、コーティングされたμ-リフレクタ構造体4bは示されていない。これらのμ-リフレクタ構造体4bは、ここでは示されていないアレイの他の領域に形成されていてもよい。
図90は、それぞれがまとまって4つの画素を形成する、複数のこのようなμ-LEDを備えたアレイの構成例を平面図で示したものである。本構成例では、特にμ-リフレクタ構造体4bの形状と配置に注目している。図90によれば、μ-LEDを有する各サブ画素は、第2の金属ミラーコーティング6bを有するμ-リフレクタ構造体4bによって個々に縁取られている。この例では、μ-リフレクタ構造体4bとそれぞれのμ-LEDとの間の距離は、チップエッジ長さの5倍となっている。しかしながら、他の距離も可能であり、特にサブ画素は僅か1μmの距離でμ-リフレクタ構造体に囲まれていてもよい。
各画素は、赤色、青色、緑色の光を発する3つのサブ画素3a,3bおよび3cを含んでいる。画素は同じ形で構成されており、行と列とに配置されている。このようにして、μ-ディスプレイまたはかかるディスプレイのモジュールが形成される。周期的なサブ画素の配置構造により発生することがある、発光時の目に見えるアーティファクトを回避するために、サブ画素3a,3bおよび3cは、ここに示されている描写とは異なり、別様にまたは順列的に配置されていてもよい。さらに、μ-リフレクタ構造体4bの形状は、正方形のアウトラインに限定されない。
図91は、提案されたアレイの第6の構成例を平面図で示したものである。この場合、μ-リフレクタ構造体4bは、例えばμ-LED3a,3b,3cと一緒に、画素全体を囲むように構成されている。このように距離が異なるため、コーティングされたμ-リフレクタ構造体4bのフランク角度は、図90の構成とは異なっている。必要に応じて、場合によっては中央に配置されたμ-リフレクタ構造体のフランク角度も周囲のフレームと異なるものにすることができる。しかしながら、いずれの構成でも、このような構造体がかなり多く組み合わせられ、画素として形成されることに留意すべきである。
図92~図93は、サブ画素として構成・組み合わせが可能な光電子構造素子OBの更なる構成例を示している。
図92では、μ-LEDは、囲い込み部4aの側部フランクに金属ミラー層6cが追加で形成されている。側部フランクは角錐台を形成し、上部に向かって先細りなっている。さらに、金属ミラー層は、コンタクト5用の接点としての役割も果たし得る。図93は、既に説明した第2の構成例を示している。図94は第3の構成例を示している。この例では、リフレクタ構造体4aのフランク部も同様に面取りされているが、キャリア1からの距離が長くなるにつれて周長が大きくなるようになっている。側面の形状とその急峻度とによって、本体から出る光の取り出しが調整される。
図95は、図94に従った第3の構成に基づく更なる構成例を平面図で示したものである。この例では、リフレクタ構造体4aに施与された第2の金属ミラー層6cは、黒色の層8、特に黒色のポッティングによって囲まれ、縁取られている。これは、例えば、特に、リフレクタ構造体4aの基部における基板1の近傍にまで及んでいることもある。さらに、表面上には封止および光取り出しのためのコーティング7が堆積されている。μ-リフレクタ構造体4aのフランク部は、第2の金属ミラー層6cで覆われている。コンタクト層5から出発して、第1の金属ミラー層6aは、特にストリップの形で、基板1上に形成された第2のコンタクト領域2bまで延びており、この領域2bは、封止またはカプセル化のための光学的に透明なコーティング7で覆われていてもよい。例示的に、電気導体トラック9が示されており、これに第2のコンタクト領域2bが電気的に接続されていてもよい。金属ミラー層6aおよび6cは、同じ材料または同じ層スタックを有していてもよい。
図83は、光電子構造素子OBおよびμ-LEDを製造するための提案された方法の一構成例を示している。ここで示したステップは、多数の個々のμ-LEDにも適用可能であり、これらを大量にまとめて製造可能である。
第1のステップS1では、基板またはキャリアの片面に第1のコンタクト領域2aと第2のコンタクト領域2bとが設けられる。キャリア自体は回路などの内部構造体を有していてもよい。コンタクト領域は、特に、フォトレジスト層をパターニングし、その後露出していない領域を除去することで、基板の一部が露出するように製造することができる。その上にコンタクト領域2a,2bが堆積され、金属性層が堆積される。同様に、一方のコンタクト領域には本体3aが施与されている。本体3aは、光を生成するための活性層を介在させた2つの反対にドーピングされた半導体層を含んでいる。いくつかの態様では、この本体を別個に製造した後、転写プロセスを用いてこの領域に移すことができる。別の態様では、基板1の表面に層を施与し、パターニングすることで本体が形成される。
第2のステップS2では、平坦化層4を施与して、本体3を完全に取り囲むμ-リフレクタ構造体4bを形成する。必要に応じて、層4は、本体3aの表面と平坦になるように平坦化される。引き続き、層4は、本体3の周りに囲い込み部4’が生じるようにパターニングされる。この囲い込み部は、第2のコンタクト領域2bまで実質的に続いている。さらに、より遠ざかった位置に外縁部4bが構築される。外縁部の側部フランクは面取りされている。フランク急峻度を利用して、光の取り出しもしくは反射の方向を制御することができる。ステップS4では、本体3aの表面とそれに隣り合う領域にコンタクト面5が施与される。これは、透明でありながら導電性のある材料を含んでいる。
最後に、第5のステップS5では、電気的に接続する金属ミラー層6aをコンタクト層5に施与する。金属ミラー層は、囲い込み部4a’を超えて第2のコンタクト領域2bまで延在して、それと接触している。さらに、μ-リフレクタ構造体4bの側部フランクには、第2の金属ミラー層6bが同時に施与される。パターニングして加工することで、周回ウェブ4の表面には金属が残らない。他の構成では、両側部フランクの金属ミラー層の間の電気的な接続を得るために、これはパターニングされていてもよい。
図96は、複数のμ-LEDと、コモンカソードとして形成された透明な接点層とを備えるμ-ディスプレイの断面を平面図で示したものである。
図97Aでは、多数の個別の接点が共通の接点層16にまとめられている。この接点層16は、平坦に構成されており、少なくとも部分的に導電性であり、コモンカソードとして、μ-LED18の上面と電気的コンタクト20のそれぞれにその上面で接触する。接点層16の部分的に透明な構成によって、μ-LED18が発する光は、少なくとも部分的に接点層16を通過することができる。したがって、一態様では、透明で電気的なカバー層を備えた縦型μ-LEDの配置構造または接触が得られる。
μ-LED18はそれぞれの上面のコンタクト20を介して接触する可能性があるため、従来必要であったカソード用の導体構造14を省くことができ、ひいてはより多くのスペースを確保できることがわかる。接点層16を電気的に接触させるために、ここに示す例では、接点層16に接続導体20が設けられている。共通の接点層16によって、個々のμ-LED18ごとに個別の単独接点の処理を省くことができ、その代わりに製造がより簡単な共通の接点層16を実現することができる。
図97Bは、本発明に従ってさらに開発された光学画素素子10の変形例を示している。基本的な構造は、図97Aに記載の画素素子に対応しており、接続導体20とともに共通の接点層16が、下層のμ-LED18のためのコモンカソードを形成している。ここで示す例では、接点層16に2本の平行な導体トラック26が設けられている。
これらの導体トラック26は、接点層16の材料よりも高い電気伝導率を有していることから、接点層16と導体トラック26とからなる全配置構造の全抵抗は、接点層16に比べて低減される。つまり言い換えれば、導体トラック26は、電気的に伝導性の低い接点層16の領域を橋渡しする。原則的には、導体トラック26は、例えば、直線、曲線、蛇行形状などの形状で構成されていてもよく、それらの幅や厚さはさまざまに変化してもよい。
導体トラック26は、撚り線に類似した複数の個々の細い導体を組み合わせたものとして構成されていてもよい。導体トラック26は、一次放射領域28(図98Aおよび図98Bを参照)の外側に配置されており、画素素子10もしくはμ-LED18からの光の出射を遮ったり、妨害したりしないようになっていることがわかる。
図98Aは、キャリア基板22上にアノード用の導体構造12がカソード用の導体構造14と互いに平行に配置された画素素子10の構造を示している。横型μ-LEDを備えた図96に示される既知の画素素子10の構造(下側のコンタクトがリード線14および12と直接接触している)とは対照的に、ここでは、それぞれのμ-LED18の上側のコンタクト、すなわちキャリア基板に面していないコンタクトが、部分的に透明な接点を介してカソードの導体構造14に接続されている。さらに、ここでは各μ-LED18に対してビーム整形素子32が設けられている。このビーム整形素子32は、いわゆる取り出し構造体と理解することもできる。つまり、この描写は、その点では、図90あるいは95などの構成形態と同様である。接点も同様に実現することができる。
ビーム整形素子の幾何学的な構成により、例えばμ-LED18を取り囲む構造として、放射された光の望ましい形状のために、一定のサイズの開口部が必要とされる。このサイズはまた、カソードの導体構造14とビーム整形素子32との間のオーバーラップ領域30において、望ましくない空間的な重なりを生じさせる可能性がある。特に、アノード用の導体構造12とカソード用の導体構造14との両方をキャリア基板22上に同時に設ける必要があるため、こうしたことが起こり得る。
アノード用の導体構造12とカソード用の導体構造14とは、それぞれ逆に割り当てることも可能であることを述べておく。つまり、上面のμ-LED18の電気的コンタクト20は、カソードとしてもアノードとしても設計可能であることを意味している。したがって、導体構造12,14は、アノード導体構造として構成したり、カソード導体構造として構成したりすることができる。
図98Bは、2本の平行に延びる導体トラック26を有する図97Bからの画素素子10の基本構造を示している。縦型μ-LEDは、一方ではコンタクトトラック12に接触し、他方では導電性の透明な層(ここでは図示せず)に接触している。導体構造14が省かれているため、ビーム整形素子32のためにより多くのスペースが確保され、望ましくないオーバーラップまたは電気的接触が起こらなくなる。
図99は、光学画素素子10の更なる構成形態を示している。μ-LED18、アノード用の導体構造12およびキャリア基板22を備えた画素素子の基本構造は、図97Aに示す例に対応しているが、ここでは、導体トラック26は、複数のμ-LED18上の連続した面として構成されている。切欠き部34は、それぞれの一次放射領域28の領域に設けられており、ビーム整形の役割を果たすようになっている。言い換えれば、これらの切欠き部34は、それぞれのμ-LED18が発する光の通路としての役割を果たすようになっている。このようにして、切欠き部34がこの機能を担うことができるので、別個のビーム整形素子32(例えば図183を参照)は省くことができる。
図100Aは、μ-LED18が発する光のビーム整形の態様を詳細に説明している。垂直断面図では、キャリア基板22(図示せず)上にμ-LED18が配置されている様子が示されている。このμ-LED18が、キャリア基板平面36を横切ってキャリア基板22から離れる方向に光を放出する。ここに示した例では、μ-LEDはハート型の伝搬特性を有している。ただし、光はμ-LED18の一次放射領域28でのみ放射されることが望ましい。ここでは、望ましくない光の成分を遮光するために、1本以上の導体トラック26が使用される。これらは下側が反射性または吸収性で構成されていてもよい。他の態様では、導体トラックは、その下側に光吸収層38を含んでいる。この層によって、隣り合うμ-LED18間の望ましくない反射またはクロストークをさらに防止または低減することができる。
代替的な構成を、図100Bに示す。これに関連して、図100Bに示すような透明な導電層38aがμ-LEDと部分的に重なり合い、そうすることで上層のコンタクトと確実に接続することが企図されている。同時に、反射性の導体トラックによりビーム整形が実現される。
図101Aは、画素素子10を長手方向に見た垂直断面図を示している。3つのμ-LED18が見られ、これらはアノードコンタクト40を介してキャリア基板と対応するアノード用の導体構造12とに接続されている。平坦化層42は、例えば、2~4μmの高さを有している。全体的に平面な構造のため、アノードコンタクト40を含めたμ-LEDの高さもこのサイズ範囲となり得る。上側には、少なくとも部分的に導電性であり、少なくとも部分的に光に対して透明な平坦な接点層16が設けられている。
接点層16は、コモンカソード端子またはアノード端子を表しているので、これは適宜、外部端子素子に電気的に接続されている必要がある。このために、接合素子44は、接点層16とキャリア基板22の端子素子との電気的な接続を構築すべきである。接合素子44は、この例では、画素素子10の縁部に配置されている。キャリア基板22の端子素子は、例えば、適切な導電面であったり、例えば画素素子10の外部コンポーネントまたはリード線の接続を可能にする導体構造であったりしてもよい。
図101Bでは、図101Aの画素素子10を、視点を90°回転させて示している。ここではさらに、2つのエミッタチップ18の間の空間に、それぞれのμ-LED18の一次放射領域28(例えば図100Aを参照)の外側に位置するように配置された、導体トラック26も見られる。この図と、以降の図101C~図101Gでは、接合素子44は、それぞれの場合において画素素子10の縁部に設けられている。
図101Cおよび図101Dは、接点層16上に導体トラック26が配置されていてもよい例を示している。図101Cでは、導体トラック26は、一方では部分的に平坦化層42にはめ込まれており、他方では接点層16の下面に配置されている。ここでは、接点層16は、導体トラック26の上に段差のある高さで加工されている。
図101Dの画素素子10の構成例は、原則的には図101Cの画素素子10の構造に対応しているが、ここでは、接点層16が全体的に平坦に構成されており、導体トラック26が接点層16の下面に設けられている。ここでは、導体トラック26は、平坦化層42の領域にはめ込まれている。
図101Eでは、平坦化層42は、隣り合う2つのエミッタチップ18の間の領域で中断されている。これにより、キャリア基板22上に導体トラック26を直接配置する可能性が提供される。したがって、接点層16は、被着層として設けられている。この構成変形例では、例えば、キャリア基板22の製造時に既に導体トラック26をより簡単に提供することが可能である。
図101Fおよび図101Gのそれぞれは、画素素子10もしくはキャリア基板22のキャビティ46にμ-LED18を配置した例を示している。キャビティの代わりに、凸部が設けられていてもよい。後者は、図103A~図105に示した形態と同様である。
図101Hは、前図に対する画素の補足的な構成を表しており、キャビティ内の残りの空間がそれぞれの変換材料35rおよび35で満たされている。変換材料はカバー電極まで延在しているが、カバー電極の上にも設けて、上方向に放射される光も変換することができる。このようにして、変換材料を使って平坦な表面を作り出すこともできる。一構成では、変換材料は量子ドットで実現されており、量子ドットは粉末またはエマルジョンとしてキャビティ内に充填される。量子ドットは、部分的には従来の無機色素の一部を粉末状にしたものよりも大幅に小さく形成できるため、μ-LED用にも適している。
任意に、導体トラック26が、2つのキャビティ46の間の凸部48に設けられていてもよい。μ-LED18をキャビティ46内に配置すると、特に横方向に発した光がキャビティの凸部48の側面で反射することができるので、特に放射パターンに関して有利であり得る。
図102Aでは、凸部48の側面が平滑であるため、例えば、μ-LED18から横方向に出射する光が一旦反射され、有利にはキャリア基板22から離れる方向に偏向させられる。図102Bでは、凸部48の側面の材料は、入射光が異なる方向に複数回反射するように構成されている。図102Aおよび図102Bにおける凸部48のそれぞれは、画素素子10の縁部もしくは複数のμ-LED18の配置構造の縁部に置かれている。
図102Cは、隣り合う2つのμ-LED18の間にそれぞれ凸部48が設けられている例を示している。凸部48の遮光作用によって画素素子10内のそれぞれのμ-LED18を光学的に分離することで、例えば、漏話またはクロストーク、ひいては特にディスプレイのコントラストの向上を図ることができる。図101のこれらの構成も、図103A~図105の例に類似している。したがって、そこに示された構成のさまざまな態様を互いに組み合わせることができる。
上で提示されている反射性ミラーの態様は、μ-LED実装の他の設計にも適用可能であり、例えば、以下に示す周回構造を備えた縦型μ-LEDにも適用可能である。これに関して、図103Aは、共通のカバー電極と周回構造とを備えた画素セルの構成を示しており、一方では適切な電流誘導により高速なスイッチング時間を可能にし、他方ではミラーコーティングにより生成された光を主放射方向に放射する。図103Aに従った配置構造は、3つのいわゆるμ-LEDダイを示しており、第1のダイ1が赤色の光を、第2のダイが緑色の光を、第3のダイが青色の光を提供する。このようにして、各μ-LEDダイは、画素セルのサブ画素を形成する。個々のダイは、簡単のために一列に示しているが、例えば三角形の形など、他の配置構造も考えられる。さらに、ダイは同じ大きさである。ここで、特に立方体型のダイ1は、約3~70μm、5~30μmもしくは5~20μmのエッジ長さを有することができる。ダイ1の高さは、例えば、好ましくは、0.5μm~5μm、もしくは1~3μmもしくは約2~3μmとすることができる。これは、構成に応じて大きさが異なる可能性もあるので、便宜上のためのものである。しかしながら、更なるプロセスステップが追加の措置を必要としないように、ダイは同じ高さを有していることが望ましい。μ-LEDダイは縦型構造で構成されており、すなわち、図示しているように上下の異なる面に2つのコンタクトを有している。
μ-LEDダイは、共通の基板3上に配置されている。さらに、μ-LEDダイは、その第1のコンタクトが、基板上または基板の中の図示されていないコンタクトに電気的に接続されている。基板自体は、半導体基板あるいはバックプレーンなどであってもよい。基板の中には、μ-LEDダイのコンタクトに配線されているリード線が配置されている。リード線の他に、電源および/または駆動制御電子回路が基板に形成されていてもよい。各μ-LEDダイのこのような電源は、当該ダイの直下に形成されていることが好都合である。これにより、ある程度のスペースが確保される。したがって、小さいサイズの回路のみが許容される。これに関する例とコンセプトは、本願で開示されており、基板3の中で提供することができる。構造体およびリード線の一部には、TFT技術が使われている。
3つのμ-LEDダイを備えた画素セルは、キャビティ内に埋め込まれたり、外縁部で囲まれたりしている。このような外縁部は、例えば図90および図91においても見られる。
図103Aの左側と右側には、基板3上に凸部29が形成されている。このような空洞部または凹部を提供する凸部29は、例えば、ポリイミドなどの非導電性材料を有していてもよい。これらはダイを四方から取り囲み、ひいては画素の外縁部を形成する。側壁は僅かに面取りされており、表面の法線に対してある角度で延びている。側壁は、ここで示した側面の線形プロファイルの他に、放物線状のプロファイルを示すこともある。
さらに、作製された凸部29と基板3との間には、機械的強度をより高めるために、更なる電気絶縁層25が設けられている。絶縁層もしくは凸部29上には導電性ミラーコーティング層7が施与されている。これは、凸部29の側面だけでなく、基板表面の領域に沿って、μ-LEDダイの間にも及んでいる。ただし、ここではミラーコーティング層の間隔を空けているので、ダイとの短絡または不用意な接触が回避される。さらに、領域13の凸部の上面にもミラーコーティングが設けられている。ミラーコーティング7は、金属ミラーとして構成されており、特にAl、AgおよびAgPdCuなどを有していてもよい。更なる材料は、Al、Ag、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Znからの金属もしくは合金、またはそれらの合金もしくは組み合わせであってもよい。
それから、凸部の間もしくはキャビティ内の空間15とμ-LEDダイの間の空間とは、透明な非導電性材料21で満たされ、μ-LEDダイのコンタクト5の高さまで達する。材料21は絶縁層を形成している。絶縁層は、スピンオングラスなどの技術によって施与することができる。次いで、必要に応じて、絶縁材料をコンタクト5とミラーコーティング層の高さまで材料除去し、それらを露出させて平坦な表面を形成することができる。最後に、μ-LEDダイの第2のコンタクト5と絶縁層21との上に、透明な導電層を作製し、カバー電極11を提供する。この透明な層は、例えば、ITOおよび/またはIGZOなどを有していてもよい。カバー電極材料の更なる例は、金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12などの透明な導電性酸化物、または異なる透明な導電性酸化物の混合物であってもよい。
カバー電極11は、絶縁層21全体を覆うように延びており、領域13ではミラーコーティング層と重なり合っている。下層の金属ミラー7と広い範囲で直接接触することにより、良好な電流結合が発生するため、電流が透明な導電層11を通って進まなければならない距離は短くて済む。そのため、透明な導電層11のシート抵抗が一般的に大きくても、それほど影響はない。カバー電極11が施与される表面は平坦な表面であることから、材料を簡単にスパッタリングしたり、トップコンタクトプロセスであるスピンオングラス(SOG)で施与したりすることができる。これにより、ITOカバー電極11を平面的にコーティングすることが可能となり、例えば、いわゆる熱衝撃試験において、エッジの剥離が回避されるようになる。しかしながら、この製造においては、ミラーコーティング7とコンタクト5との両方が材料11に露出し、直接接触していることが好都合である。
図104は、図103Aに従った構成形態を平面図で示したものである。この配置構造の中央には、3つのμ-LEDが直列に組み立てられている。これらは、カバー電極11によって接触し、当該カバー電極11は、ミラーコーティング7または金属ミラー層とのオーバーラップ領域13において電気的に接触されている。凸部もしくはキャビティにより形成される外縁部は実質的に正方形である。この結果、外側の2つのμ-LEDダイの凸部からの距離が小さくなる。一構成では、外縁部をむしろ長方形に形成することが好都合であり得る。これは、図104において、凸部が配置され、カバー電極がミラーコーティングと接触している破線の領域13aによって示されている。これにより、μ-LEDダイと外縁部との間の距離がより均一になる。
図105は、複数の画素P1,P2,P3...Pnが一列に沿って配置されている配置構造を示している。画素Pは、光漏話が少なくとも低減されるように、凸部によって互いに切り離されている。横断面図で見ると、各画素に対して3つのμ-LEDダイ1が形成されており、これらのμ-LEDダイ1は、動作時に異なる波長の光を放出するように形成されている。これらは、基板3とカバー電極11との間に固定され、電気的に接触している。カバー電極11とミラーコーティング7との直接の電気的接触は、図103Aに記載の構成形態に従って形成されている。
ミラーコーティング7は、画素を切り離している凸部のそれぞれのカバー電極11と電気的に接続されている。画素セルと画素行の外側では、基板3の左端の制御コンタクト9にミラーコーティングが配線されている。制御コンタクト9は、更なる接触が可能なコンタクト領域を形成している。他の例では、コンタクト9は、更なる回路および駆動制御用素子が配置されている基板に配線されている。金属性ミラーコーティングによってシート抵抗が低くなるため、リード線全体の電圧降下が総じて減少する。適切にルーティングされた電流誘導により、寄生容量が減少し、μ-LEDダイの駆動制御のためのスイッチング時間が効果的に短縮され得る。図105に示した画素配置構造により、画素間の光散乱ひいてはいわゆる光漏話をさらに最小化することができる。
図106は、提案されたデバイスの更なる構成を示している。ここでは、図103A~図105と同じ参照符号が、同じ特徴を示している。本構成では、基板上に凸部もしくはキャビティが設けられておらず、すなわち、ミラーコーティングとリード線とが基板3の表面に沿って実質的に平面的に延びている。3つのμ-LEDダイ1が基板3上に配置されており、図示していないコンタクトと電気的に接続されている。ダイ1を取り囲むミラーコーティング7は、透明でありながら電気的に絶縁された層25によって、基板3から電気的に分離されている。μ-LEDダイは、絶縁層21で取り囲まれている。これは透明で、基板上の各方向にあるμ-LEDダイのコンタクト5の高さまで及んでいる。μ-LEDダイ1の上部コンタクトは、透明なITOカバーコンタクトとして構成されたカバー電極11によって電気的に接触されており、絶縁層上に載置されている。さらに、ミラーコーティング層7の上には複数の導電性スルーホールビアが構築されており、ミラーコーティング層7とカバー電極11とが電気的に接触している。さらにシート抵抗を低く抑えるために、スルーホールビアには金属が充填されている。
いくつかの態様では、スルーホールビアは単に絶縁層の開口部である。しかしながら、絶縁層には、ミラーコーティング層7まで達するトレンチなどが設けられていてもよい。これらを画素の周囲に少なくとも部分的に形成し、引き続き反射材料を充填すれば、良好な電流結合に加えて、光の案内も達成することができる。本構成では、μ-LEDダイの高さは、これらが同じ高さであれば、キャビティまたは凸部の高さに合わせる必要がないため、あまり重要ではない。
図107はまた、図106に示した構造を平面図で示したものである。画素は、ダイの中心から画素の縁部までの距離がほぼ同じになるように正方形に構成されている。参照符号5は、μ-LEDダイ1の透明なカバー電極11への電気的コンタクト5を示している。ここでも、μ-LEDダイの周りの領域をミラーコーティング7(図示せず)で取り囲むことができる。
図108は、提案されているデバイスの更なる構成例を横断面図で示したものである。この例によれば、カバー電極11は、ITOカバーコンタクトとして形成されており、このITOカバーコンタクト自体は、各μ-LEDダイのコンタクト5上に平面的に施与されている。各ダイの周囲を絶縁層21が取り囲んでいる。しかしながら、画素の縁部領域では、絶縁層が材料除去されており、サイドエッジが傾斜して延びている。これにより、ミラーコーティング層7まで達する開口部19が形成され、より大きな、すなわち点状だけではない領域で露出することになる。この露出領域が大きいほど、その後のカバー電極11とのコンタクト領域が大きくなる。
言い換えれば、2つの画素間の領域と、ミラーコーティング層7の上の領域とで、平坦な絶縁層が除去される。これは、例えばRIEを用いたエッチングプロセスによって行うことができる。作製された開口部19は、扁平な開口角を持つフランク部23を有している。開放後にカバー電極11は絶縁層に施与されるため、絶縁層の平坦な表面と側面との全体に広がることになる。あるいは絶縁層の上端でカバー電極11と接触する側面に金属層を施与してもよい。
より厚みのある絶縁層21の場合、開口部19とその側部フランクとは、上側の角度□が比較的扁平になるように、すなわち、比較可能に逆平面の円錐形となるように構成されていることが望ましい。扁平な折り曲げ角□により、開口部19のエッジ部でのITO層11の「剥離」が回避される。側部フランクとミラーコーティング層7との間の角度にも同じことが言える。
作製された画素素子は、このような接点とオーバーラップ部13とを数箇所に、特に周方向に有しており、サブ画素もしくは画素も同様に囲い込まれている。さらに、開口部には更なる後続の層、例えば散乱層、またはクリアコート層を異なる屈折率で提供することができ、本構成例では、例えば、チップのサイドエッジから放出される光の横方向の導波路を光の取り出しに利用することができ、隣り合う画素にまで伝搬しないことから、コントラストの向上につながる。
図109は、図108に記載の構成を平面図で示したものである。マイクロ発光ダイオードダイ1によってそれぞれ提供される3つのサブ画素は、基板3に面していない側に電気的コンタクト5を有している。これらは、透明なカバー電極11によって、画素の外側と電気的に結合されることができる。
図110は、デバイスの更なる構成例を示している。3つのμ-LEDダイ1は直列に配置されている。μ-LEDダイのそれぞれは、本構成では角錐台として構成されている。高さが増すにつれ、その基底面は僅かに減少する。このように、μ-LEDダイの側部フランクは僅かに面取りされている。
各μ-LEDダイ1の側部フランクの表面は、薄い透明な絶縁層26で覆われている。しかしながら、これは上側の第2のコンタクト5には及んでいないことから、露出している。無機絶縁層26は、例えば、化学気相成長法によって作製されていてもよい。あるいは層26は、SiNx、SiOx、Al2O3、TiO2、HfO2、TaO2およびZrO2などのALD系(原子層堆積、Atomic Layer Deposition)の層で作製されていてもよい。この無機層は、多層、具体的にはALD-CVD-ALDまたはCVD-ALDまたはALD-CVDからなっていてもよい。ALD層は、本質的に多層スタック(いわゆるナノ積層体)からなっていてもよい。この場合、このようなALDナノ積層体は、例えば2つの異なるALD層とALD材料との多層スタックからなっており、例えば、個別の層は、典型的には、僅か3nm~10nmの厚さであり、具体的にはA-B-A-B-Aなどに従って形成されている。
基板3の近傍では、電気絶縁層25上に、ダイ1の近傍にも形成されているミラーコーティング7が施与されている。ダイから十分な間隔を空けて、画素の左右の側で絶縁層26に開口部20が形成されている。したがって、ミラーコーティング層7はそこで露出している。最後に、導電性の透明な材料からなるカバー電極が上面と側部フランクとに施与されている。これは、絶縁層26の開口部の上にも広がっていることから、広い範囲で金属性層7と接続することになる。このようにして、カバー電極11とミラーコーティング7との直接的な電気的接触を作り出すことができる。
図111は、図110に記載の配置構造を平面図で示したものである。図111によれば、3つのサブ画素またはダイ1が配置されており、その電気的コンタクト5は基板3に面しておらず、透明なカバー電極11によって電気的に接触可能である。
図103Bは、追加の構造体を有する構成を提示している。この配置構造は図103Aの構成と類似しているため、再度説明することは省く。しかしながら、その構成とは異なり、ここでは同じ種類の3つのμ-LEDダイが基板に施与され、電気的に接触されている。μ-LEDダイは、動作時に青色の波長の光を発するように構成されている。カバー電極11上にはパターニングされた絶縁層30が施与されている。これにより、μ-LEDダイからの光の取り出しが改善される。本構成では、同じ種類のμ-LEDダイを使用しているため、RGBの画素を得るためには、光を他の色に変換する必要がある。
このために層30の上には、光を適切な波長に変換するための変換材料が施与されている。これは、詳細には、左の青色μ-LEDダイの上に位置する第1の変換層31である。真ん中に配置されたμ-LEDダイの上には、緑色の変換層32が設けられている。最後に、右のμ-LEDダイの上には、更なる透明な層33が配置されている。この層自体は必要ないが、透明な層があることで平坦な表面が構築される。変換材料には、無機色素または量子ドットが含まれている。光漏話を低減するために、個々の変換層、もしくは変換層32は、透明な層とは、薄い反射層34によって分離されている。他のダイからの光も、真下に配置された構造素子よりも変換層に入る可能性があるが、低背設計または構造素子間の導体トラック構造を増やすことで、これを減らすことができる。さらに、取り出し層30は、急峻な角度で層30に入射する光、すなわち実質的に下から入射する光をより多く取り出すようにパターニングされていてもよい。ここでは、画素がかなり接近して一緒に配置されている。距離を少し大きくしたり、直列以外の配置構造にしたりすることで、変換体と反射層31~34とを、それらが画素上に均一に分布するように配置することができる。こうして、最外周の反射層34も凸部の上に位置することになる。
変換構造体の上には、1つ以上のさらにパターニングされた層35があり、この層は(ここでは図示されていない)部分的に変換構造体内にも延びている。変換された光は、構造体35に良好に結合することができる。パターニングされた層35は、光のコリメートと整形の役割を果たし、変換された光または変換されなかった光が実質的に急峻に、すなわち好ましくは基板表面に直角に出射するようにする。パターニングされた層35は、例えば、光が表面に平行に伝搬するための仮想バンドギャップを提供するフォトニック構造体を有していてもよい。これにより、光がコリメートされる。
ここに示した画素のいくつかを行と列とに配置することで、個別に駆動制御可能なμ-LEDモジュールを形成することができる。
図112は、μ-画素を製造するための提案された方法の一構成例を示している。第1のステップS1では、表面に多数のコンタクトを有する基板が準備される。基板は、上述したように、更なるリード線、駆動制御素子またはスイッチング素子を含んでいてもよい。一態様では、その後に取り付けられるμ-LEDダイを囲むように基板上に凸部を作り、そうすることで画素を隣り合う要素から光学的に分離することができる。
ステップS2では、1つ以上のμ-LEDダイを基板上に取り付け、その第1のコンタクトによって、基板上または基板内のコンタクトに電気的に接続する。μ-LEDダイは、縦型構造で構成されており、すなわち、μ-LEDダイのコンタクトは互いに向かい合っている。μ-LEDダイは直列に配置することができるが、その他の配置も可能である。これに関する可能な例を、図103Aおよび図103Bならびに図110および図111に示している。
ステップS3では、基板表面の電気制御コンタクトに電気的に接続され、少なくとも部分的に表面を覆うミラーコーティング層を基板表面に堆積させる。ここで、ミラーコーティング層は、少なくとも部分的に、特に、特にμ-LEDダイに面している凸部またはキャビティの側壁に堆積させることができる。最後に、ステップS3では、ミラーコーティング層と電気的に接触する透明なカバー電極を更なるコンタクトに施与する。
カバー電極の剥離を回避するために、さらに、ステップS2またはS3では、ミラーコーティング層を施与した後、またはμ-LEDダイを取り付けた後、これらを絶縁層で取り囲むことをさらに規定している。この絶縁層の高さは、μ-LEDダイの高さに対応していることから、平坦な表面が構築される。絶縁層の作製は、スピンオングラスなど、透明な非導電層を作製するために本明細書で開示されている措置によって行われる。μ-LEDダイとミラーコーティング層との上部コンタクトまで絶縁層を材料除去することにより、平坦な表面が作り出される。このステップには、機械的または化学的な手法が含まれ得る。次いで、透明な絶縁層の上にカバー電極が施与される。
この接触は、凸部の領域または少なくとも1つのμ-LEDダイに面していないキャビティの端部において、カバー電極面とミラーコーティングとの重なり合うコンタクトにおいて行われることができる。あるいは絶縁層に一連のスルーホールビアを設け、そこに金属を充填することで、カバー電極とミラーコーティング層との間で接続を生じさせることもできる。スルーホールビアは、ミラーコーティング層を露出させるトレンチであってもよい。
更なるステップでは、フォトニック結晶または準結晶構造を有しかつ基板の表面に平行に照射される光を抑制または低減するように構成された1つ以上のパターニングされた層をカバー電極上に施与することができる。あるいはカバー電極自体に、光の取り出しを向上させたり、光をコリメートさせたり、放射の向きを基板表面から遠ざかる方向に向けたりたりするためのパターニングが施されていてもよい。最後に、μ-LEDダイの上に変換材料を施与することが可能である。
マトリクス配置構造で施与されており、かつ鉛直方向に層状化されたナノカラムまたはナノロッドを含むナノ発光ダイオード配置構造は、非常に小さなスペースで発光する可能性を提供する。これらの構成では、活性層から実質的にすべての空間方向に光が放出される。個々のナノカラムは小さく、それに伴って光度も少ないため、十分な光強度を得るためには、光の方向を適切に変えることが好都合である。
図113は、このような光の案内を実現することで、一方では光強度を高め、他方では漏話を低減する、μ-LED配置構造1の第1の構成を断面図として示している。2つのナノカラム7.1,7.2が示されており、これらはキャリア基板2上のマトリクス配置構造28の一部である。キャリア基板は、例えば、Al2O3、ガラス、シリコン、GaAs、SiC、ZnOで形成されている。ナノカラム7.1,7.2の半導体シーケンス10の材料としては、第III-V族半導体系が好ましく用いられる。特に、(AlxInyGa1-x-y)N、InyGa1-x-y)N、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、AlInNまたはAlInNを用いることができる。また、半導体シーケンス10とキャリア基板2との間にはn型コンタクト層3が設けられている。本構成では、コンタクト層3は連続している。しかしながら、コンタクト層は、各ナノカラムが個別に接触できるようにパターニングされていてもよい。これに関連して、キャリア基板には追加的な要素や構造体が形成されていてもよい。配置構造と構成は、本開示の一部であり、このために使用することができる。
ナノカラム7.1,7.2は、長手方向8に、キャリア基板2の表面法線と平行に走る長手方向延在長さを有しており、その横方向延在長さを明らかに上回っている。ナノカラム7.1,7.2の横方向の直径は、本構成例では1μmであるが、サブ[μm]寸法のさらに小さな構造体も可能である。半導体シーケンス10は、n型ドープ半導体層4と、典型的には量子井戸構造を有する活性層5と、p型ドープ半導体層6とを含んでいる。具体的には示していない変形例では、互いに積層された複数の活性層が存在していてもよい。
活性層5は、量子ディスクの形をしており、通電すると電磁放射を発生するが、図113の矢印で示すように、この電磁放射は横方向の成分を有している。本発明によれば、リフレクタデバイス11.1,11.2,11.3は、長手方向8を基準にしてナノカラム7.1、7.2の横方向に設けられており、長手方向8に対して横方向の放射放出を、長手方向8と平行に走る主放射方向9に少なくとも部分的に偏向させ、p型コンタクト層26を通って角度制限された放射が生じるようにすることが可能である。これにより、プリコリメーションが達成され、ビームパスに沿った図示していない投影光学系の結合効率が向上する。
リフレクタデバイス11.1,11.2,11.3は、主放射方向9に対して45°の位置にあるリフレクタ表面に、角錐台形状の付形層12と、例えば金、銀またはアルミニウムからなる金属性反射層15とで形成されている。さらに、各ナノカラム7.1,7.2に対して、対向する横方向側にリフレクタデバイス11.1,11.2,11.3が設けられている。図113に示す断面については、リフレクタデバイス11.1に第1の反射型光学素子18が示されており、リフレクタデバイス11.2に第2の反射型光学素子19が示されている。さらに、マトリクス配置構造28の平面図から、ナノカラム7.1が更なるリフレクタデバイス11.4,11.6によって横方向に取り囲まれていることが明らかになっている。これに対応して、ナノカラム7.2には、対向するリフレクタデバイス11.5,11.7が追加で存在している。図114は、このようなμ-LED配置構造1の平面図を示している。
図115A~図115Hの一連の図は、μ-LED配置構造1の第1の構成の製造を示し、いくつかの態様を明確にしている。図115Aに示す拡張された平面積層から出発して、ドライエッチングにより、図115Bに示すエッチングマスク29を用いて、n型ドープ半導体層4に延びるトレンチ構造24.1,24.2を設け、この中に、例えばSiNxからなるエッチングストップ層23を形成する(図115C)。更なるステップとして、異方性ウェットエッチングプロセスを用いて、角度をつけて延びる付形層12のリフレクタ面13をパターニングする。図115Dは、エッチングマスク29で保護された高アスペクト比のナノカラム7.1の半導体シーケンス10の露出を示している。次いで、図115Eに示すように、リフレクタ表面13に金属性反射層15を置き、例えばスピンオングラス(SOG)、SiO2またはエポキシ樹脂からなる透明な電気絶縁体25で平坦化を行う。その上で、図115Fに示すドライエッチングのために更なるエッチングマスク30を設けて、エッチングストップ層23を除去する。得られたトレンチ構造22.3,22.4は、再び透明な電気絶縁体25で充填される。エッチングマスク30の除去後、図115Gに示すように、半導体シーケンス10のp型ドープ半導体層6が露出し、p型コンタクト層26で覆うことができるようになるまで、2次元の等方性エッチングを行う。図115Gおよび図115Hに示すように、これらのステップは、ナノカラム7.1に対して横方向に配置されたリフレクタデバイス11.1,11.2の最終的な輪郭も形成する。
図116A~図116Dは、いくつかの他の態様に従ったμ-LED配置構造1の第2の構成のエピタキシャル製造を示している。図116Aに示すように、n型コンタクト層3はさらにエピタキシャル基板として機能し、エピタキシャル基板への開口部31.1,31.2を有する、例えばSiNxからなる電気絶縁性のパターニングされた基板層31が存在している。この開口部31から、ハイブリッド気相エピタキシ(HVPE)、分子線エピタキシ(MBE)または有機金属気相エピタキシ(MOCVD)によって、パターニングされた基板層31の開口部31.1,31.2の縁部の上まで横方向のエピタキシャル成長が行われ、ここでのプロセスパラメーターは、高アスペクト比の半導体シーケンス10.1,10.2が成長してナノカラム7.3,7.4を形成するように設定される。これらは、活性層5を持つカラムコアの形をしたn型ドープ半導体層4を有している。活性層5を、シェルを形成するp型ドープ半導体層6が外面で覆っている。
図116Bは、透明な導電層の形をしたパッシベーション33.1,33.2によって、ナノカラム7.3,7.4を囲った様子を示している。さらに、ドライエッチングにより、パターニングされた基板層31に更なる開口部31.3,31.4を設ける。このために使用されるエッチングマスクの詳細は図示していない。次に行われるエピタキシャル成長は、開口部31.3,31.4の領域のエピタキシャル基板から始まり、図116Cに示す付形層12.1,12.2がピラミッド状に形成されるように制御される。続くステップでは、これらを図116Cに示すようにブラッグミラー16で覆い、リフレクタデバイス11.1,11.2,11.3を製造する。それから、図116Dに示すように、透明な電気絶縁体25を平面的に表面上に置き、隣り合うナノカラム7.3,7.4の間に光学分離素子27.1,27.2を形成するように電気絶縁体25をパターニングする。μ-LED配置構造1は、p型コンタクト層26によって完成される。コンタクト層26も同様に、透明で導電性を有している。
図117A~図117Bは、ナノスタンプおよびフリップチップ技術を用いた、μ-LED配置構造1の第3の構成の製造を示している。図117Aは、転写用基板34上のナノカラム7.5,7.6,7.7の配置構造を示している。エピタキシャル成長またはリソグラフィでパターニングされたナノカラム7.5,7.6,7.7のそれぞれは、n型ドープ半導体層4と、活性層5と、p型ドープ半導体層6とを含んでいる。ナノカラム7.5,7.6,7.7の配置構造は、エンボス構造36を有するナノスタンプ基板35によって覆われている。図117Bに示すように、ナノスタンプ基板35は、エッチングプロセスによってp型ドープ半導体層6までの面全体にわたって材料除去され、この場合、エンボス構造36は、詳細には示されていないパターニングされたエッチングストップ層によって保護される。エッチングストップ層を除去した後、電気的接触とエンボス構造36のミラーコーティングのためにメタライゼーション37が施与される。それから、中間層38で平坦化を行い、中間層38上にキャリア基板2を取り付ける。次のステップとして、転写用基板34を除去すると、図117Cに示した状態になる。μ-LED配置構造1は、図117Dに示すように、p型コンタクト層26によって完成する。
図118は、ナノカラム7.7,7.8を備えた本発明によるμ-LED配置構造1の発展形態を示しており、この場合、それぞれの活性層5の横方向の放射の偏向およびプリコリメーションのために、リフレクタデバイス11.4,11.5が一方の横方向側にのみ配置されている。光学分離素子27がナノカラム間の漏話を防ぐ。ナノカラム7.7,7.8は、電気的に分離されたp型コンタクト層26.1,26.2を有し、別々に駆動制御することができる。さらに、ナノカラム7.7は、ナノカラム7.8を取り囲む第2の波長変換素子21とは異なる発光パターンを有する第1の波長変換素子20に埋め込まれている。
図119Aは、光整形のための追加の措置と改善された指向性とを有する補足形態を示している。このμ-LED配置構造は、表面もしくは光出射面に光整形構造体を含んでいる。この構造体は、屈折率の異なる領域33および34を含んでいる。これによって、カラム7または構造体16の反射層から出てくる光が形作られる。構造体の構成に応じて、光を定義された方向に放射することができる。この構造体はフォトニック構造体で形成される。領域の周期性は、放出された光の波長と定義された関係にあるように選択されている。屈折率ジャンプを考慮して、フォトニック構造体は配置構造の材料にまで及んでいる(図示せず)。最後に、図119Bは、図116Dの例に基づく別の代替的な構成を示している。ここでは、カラム7とリフレクタ構造体との間の空間に変換材料35が導入されている。この例では、変換材料は量子ドットで形成されている。このような量子ドットは、粉末状またはエマルジョンとして得られ、空間を十分に満たすために十分に小さなサイズを有している。この場合に重要なサイズは量子ドットの粒径である。なぜなら、従来の無機色素は、縁部構造による引っかかりなどのリスクが生じる粒径を有することが多いからである。
しかしながら、本発明者らによる無機色素の研削などの機械的な方法を用いた特殊加工により、無機色素を十分なサイズにまで縮小することが可能である。この量子ドットまたは色素は、従来の方法で施与することができる。例えば、一方法では、エマルジョンに量子ドットをスパッタリングし、表面に分散させる。このようにして、空間にも量子ドットが堆積し、この空間を充填する。次のステップでは、フォトレジストの施与とパターニングを行う。次いで、量子ドットを所望の空間の外に取り出す。前のプロセスステップから既にパターニングされたフォトマスクがある場合は、これを利用して、量子ドットを空間に直接導入してもよい。
フォトレジストのパターニングと量子ドットの導入とからなるステップは、更なる色のために繰り返すことができる。このようにして、三原色のRGB画素だけでなく、存在する色空間をより良好に活用するために4色の画素を製造することも可能である。
更なるステップでは、変換層にマイクロレンズがさらに施与される。マイクロレンズも同様にパターニングすることができる。この例では、マイクロレンズはそれぞれ1つのμ-LED配置構造を覆っているが、1つのレンズが、1つの画素のすべてのサブ画素、つまり、例えば、拡張された色空間では4つのサブ画素を、または2×2のマトリクスでは1つの冗長なサブ画素を含むサブ画素を覆うように設けられていてもよい。
モノリシックに配置されたμ-LED、例えばディスプレイでは、個々の画素またはμ-LEDの間に反射型インターフェースを設けることで、漏話を低減することができる。同時に、主発光方向に光が照射され、ひいては効率が向上する。後述する例ではμ-ディスプレイ配置構造11である図120に示す光電子装置は、これらの提案された複数の光電子デバイス13を含んでいる。光電子デバイス13は、さらに処理されたμ-LEDであり、それぞれがμ-ディスプレイの画素もしくはサブ画素を形成している。以下では、1つのμ-ディスプレイ配置構造11について言及しているが、これは単なる一例と見なされ、光電子装置がこの例に限定されることはない。
各光電子デバイス13は、複数の半導体層からなる半導体部品である光源15を有している。この半導体部品は、その寸法と機能から「μ-LED」とも呼ばれている。半導体層は、特に、既知の方法で光を生成するための活性ゾーンを形成している(図示せず)。光源15は、キャリア17上にアレイ状に配置されている。アレイ状に配置されているため、光源15はキャリア17上に、光源の複数の行もしくは列を形成している。
各光源15ひいては各デバイス13が、多数の可能な波長もしくは色の中から特定の波長、つまり特定の色で光を放出することが企図されていてもよい。特定の色で光を発するデバイス13を、画素のサブ画素と見なすことができる。ここで、画素は、隣り合う光源もしくはデバイスで形成されておりかつ他の可能な色の光を放出する更なるサブ画素を有していてもよい。
例えば、RGB画素(赤色、緑色、青色のRGB)を実現するには、3つの光源15が画素を形成し、ここで、光源15の1つが赤色に発光し、光源15の1つが緑色に発光し、光源15の1つが青色に発光するようにすることができる。このようにして、RGBディスプレイ配置構造を形成することができる。
キャリア17の材料25は、各光源15をその上面19を除いて取り囲んでおり、材料25に囲まれていない各光源15の上面19には、生成された光の光出射面が設けられている。機能的には、光源15は、界面21によってキャリア材料25に対して仕切られている。界面21は、図120に示すように、光源15を横方向および下方向に画定されているため、上面19を除いて、それぞれの光源15の外部表面全体を取り囲んでいる。図120に示す例では、界面は、部分楕円形の表面に相当する形状を有している。これはあくまで一例であり、他の表面形状も可能である。界面の形状は、例えば放物線状であることも考えられる。しかしながら、いずれの場合も、光は主発光面19の方向、すなわち図のように上方向に向かって放出される。
キャリア17の材料25は、充填材料を有していてもよい。また、材料25は、光源15に個別に電流を供給し、これを駆動制御するために、例えば導体トラックなどの電気装置を1つ以上の面で含んでいてもよい。つまり、材料25は、均質な材料である必要はなく、複数の材料を配置したものであってもよい。材料25には、電源回路または駆動制御回路などの追加の電子回路が形成されていてもよい。
各光源15の界面21には、それぞれの光源15の活性ゾーンで生成された光を少なくとも部分的に反射する誘電体リフレクタ23が配置されている。そのため、光源15で生成された光は、界面21を通ってキャリア材料25に抜け出すことができないか、または僅かしか抜け出すことができない。むしろ、光は、少なくとも大部分が、界面21で反射して光源15に戻り、光出射面を通って上方向に放射されるまで、光源15内を移動する。このように、リフレクタ23を使用することで、光量を増やすことができる。
図121によるディスプレイ配置構造11は、特に光源15が、異なる、ほぼポット状または台形状の横断面を有するという点で、図120の変形例とは区別される。そのため、界面21は、それぞれの光源15の周囲を周方向に取り囲む側面27と、上面19に対向する下面28とを有している。ここでの周方向は、上面19に対して垂直に延びる法線Nを中心に延びている。
図121によるディスプレイ配置構造11では、誘電体リフレクタ23は、側面27と下面28との両方に配置されている。これにより、誘電体リフレクタ23は、上面19を除いて各光源15を完全に取り囲む。変更された構成形態では、誘電体リフレクタ23が専ら側面27上に排他的に配置されるか、または専ら下面28上に排他的に配置されることを企図していてもよい。
アレイ状に配置された複数の光電子デバイス13を有するディスプレイ配置構造11の例示的な変形例を示す図120および図121とは対照的に、モノリシックアレイ29が図122および図123に示されている。図122に記載のモノリシックアレイ29は、図120の光電子デバイスと同様の方法で構成された光電子デバイス13を含んでいる。さらに、図123に記載のモノリシックアレイ29は、図121の光電子デバイスと同様の方法で構成された光電子デバイス13を含んでいる。そのため、互いに対応する要素には同一の参照符号が使用される。
図122および図123の変形例では、連続した、少なくとも部分的に透明なカバー層33が、光源15およびキャリア17の上に配置されていてもよい。さらに、カバー層は導電性であるため、すべての光源15の共通の端子を形成している。
図124は、図123の構成形態を補足したものである。この場合、光整形構造体が上面19、特に半導体材料に組み込まれている。光整形構造体は、屈折率の異なる複数の領域からなる周期的な配置構造を含んでいる。この周期的な配置構造は、本出願に開示されている構造の1つまたは複数であってもよい。図示された本構成形態では、周期構造は表面領域の半導体材料に組み込まれている。このために、半導体材料に構造をエッチングし、その中に屈折率の異なる第2の材料を充填することでフォトニック結晶を形成する。半導体材料自体にフォトニック結晶を形成することが好都合である。なぜなら、この方法では、半導体材料とフォトニック結晶との間に、場合によっては効率を下げるおそれのある追加の屈折率ジャンプがないからである。フォトニック構造体の高さは、波長にほぼ対応しており、すなわち、その高さは、材料中の放出された光の波長に応じて、数100nmの範囲にある。充填された領域の材料は、光の吸収を最小限に抑えるために透明であることが望ましい。これに関連して、エッチングされた領域に、変換材料、例えばエマルジョン中の量子ドットを導入することで、周期構造が光整形と光変換との両方の特性を有するようにすることもできる。
ここに示したさまざまな態様を有する光整形構造体の例は、μ-LED配置構造、画素あるいはかかる画素を有するアレイの更なる構成にも適用することができる。
図125は、誘電体リフレクタ23の横断面図を示している。この誘電体リフレクタ23は、光源15の界面21とキャリア17の材料25との間に配置された2つの交互に配置された層30,31の周期的なシーケンスからなる。層30,31のそれぞれは誘電体によって形成されており、層30の誘電体の光屈折率は、層31の誘電体の光屈折率とは異なっている。図示の例では、3つの層30と3つの層31とがそれぞれ設けられているが、異なる数の層、例えば、それぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の層が設けられていてもよい。例えば、2つの低屈折率層の間に1つだけ高屈折率層が設けられていてもよい。非常に小さい画素では、2つの低屈折率層の間に2つ以上の高屈折率層を配置するための十分なスペースがない場合がある。
層30,31は、ブラッグミラーを形成するように配置されていてもよい。関連する光源15が発する光の波長に対する最大反射率は、層30,31がその波長の1/4の光学的厚さを有する場合に達成される。光学的厚さは、屈折率と層の厚さとの積に相当する。
層30,31は、例えば、原子層堆積法によって製造することができる。層ごとの堆積により、個々の層30,31の目標厚さを正確に達成することができる。特に、上記の条件、すなわち層30,31は波長の1/4の光学的厚さを有していることが望ましい、という条件を満たすことができるように、層30,31を相応に薄く構成することができる。このように、非常に効率的なリフレクタを作製することができる。さらに、原子層堆積法では、界面21上を均一に整形することができるため、例えば狭い空間であっても高アスペクト比でライニングすることができる。さらに、キャリア材料25に残った空間を充填材料で充填することも可能である。
変更された構成では、界面21に直接接している第1の最下層30aは、例えばCVDまたはPE-CVDなどの他の技術を用いて施与することができる。このようにして、界面21の凹凸部、例えば、エッチングプロセスに起因する粗い表面を、よりコンフォーマルな堆積によって覆うことができる。その後、残りの層30,31は、原子層堆積法によって平滑な層30aの上に成膜することができる。
図120~図123の変形例では、図125に例示されているように、誘電体リフレクタ23によって、光が少なくとも部分的に反射されて光源15の内部に戻ってくる。これは特に、リフレクタ23に対して垂直に入射した光に当てはまる。そのため、光源15で生成された光は、界面21を通ってキャリア17の材料25に横方向および/または下方向に抜け出すことができないか、または僅かな程度しか抜け出すことができない。反射し戻された光は、光源15内に留まり、光出射面を通って上方向に大部分が抜け出す。そのため、光量を増やすことができる。
光という用語は、本明細書では広く理解すべきであり、特に、それぞれの光源15によって生成される電磁放射を意味している。特に、光という用語には、可視光の他に、赤外光および/または紫外光が含まれる場合がある。
更なる態様では、追加の反射面を有する誘電体フィルターを載置したμ-LEDの放射パターンの改善が関係している。
図126は、光電子構造素子10の概略的な横断面図を示している。以下では、光電子構造素子10の構造、動作モードおよび製造について説明する。
光電子構造素子10は、μ-LEDの形をしたLED半導体素子12を備えた画素11を含んでいる。LED半導体素子12は、光を発生させるように構成された活性ゾーン13を含み、1~2μmの範囲の高さを有している。LED半導体素子12は、第1の主表面14と、第1の主表面14に対向する第2の主表面15と、例えば4つの側面16とを有している。側面16のそれぞれは、下側の領域において面取りされており、当該側面16は、この面取りされた領域で第1の主表面14と90°未満の角度αを形成している。活性ゾーン13は、面取りされた領域の高さに位置している。
LED半導体素子12の第1の主表面14には、ランダムまたは決定論的なトポロジーを含む層17が存在している。あるいは対応するトポロジーをLED半導体素子12の第1の主表面14にエッチングしてもよい。
図126には示されていないが、層17の上には、層17とは異なる屈折率を有する更なる層が堆積されている。層17は、その上に堆積された層との組み合わせにより、LED半導体素子12から第1の主表面14に対して垂直に出射してこない光は、例えば層17とその上に配置された層との界面での反射により、他の方向に偏向させられる。さらに、層17の上に配置された層は、誘電体ミラー層を施与することができる平滑な表面を提供する機能を有している。
層17とその上の平滑な上面を有する層の上には、誘電体層のスタックからなる誘電体フィルター18が存在しており、所定の円錐角内の光成分のみを透過させ、より平坦なビームは反射させるように構成されている。この円錐角は、その軸線がLED半導体素子12の第1の主表面14に対して垂直になるように配向されている。
さらに、LED半導体素子12のすべての側面16には、導電性を有し、例えば金属からなる反射材料19が堆積されている。反射材料19は、LED半導体素子12のn型ドープ領域と接触している。LED半導体素子12の第2の主表面15の下方には、同じく導電性を有する反射層20が存在している。反射層20は、LED半導体素子12のp型ドープ領域と接触している。
LED半導体素子12の面取りされた側面16は、電気絶縁性の第1の材料21で覆われている。電気絶縁性の第1の材料21は、材料19と層20との間に配置されており、LED半導体素子12のn型コンタクトとp型コンタクトとの間に電気絶縁性を与える。さらに、材料21は、面取りされた側面16でLED半導体素子12から出射した光を反射させるように、低い屈折率を有している。
反射材料19から形成された層は、水平方向では画素11を完全に取り囲み、垂直方向では画素11全体に広がるように形成されている。すなわち、反射材料19からなる層は、LED半導体素子12を覆う電気絶縁性の第1の材料21の下側から誘電体フィルター18の上側まで延びている。画素11から横方向に出射する光は、反射材料19によって反射して戻されるので、指向性の高い光は光電子デバイス10の上側でしか出射することができない。
図127Aおよび127Bは、光電子構造素子30をそれぞれ上から見た平面図と横断面図とで概略的に示している。光電子構造素子30は、上述したように複数の画素11を含んでいる。画素11は、アレイ状に配置されており、光電子構造素子30を介して格子状に広がる反射材料19によって互いに分離されている。光電子構造素子30の片側には、外部端子31が設けられており、この外部端子31により、光電子構造素子30の外部からLED半導体素子12のn型領域を接触させることができる。本構成例では、LED半導体素子12のアノードが互いに接続されており、これをコモンアノード配置と呼ぶ。また、カソードが互いに接続されているコモンカソード配置も同様に可能である。
画素11のアレイは、キャリア32上に配置されている。キャリア32は、各p型コンタクト用のp型コンタクト端子33を有しており、各画素11のp型コンタクトを、例えばICによって個別に駆動制御できるようになっている。光電子デバイス30は、非常に高い画素密度を可能にする。図128A、128Bおよび128Cは、光電子構造素子40をそれぞれ上から見た平面図と横断面図とで示しており、図128Bおよび128Cには2つの異なる変形例が示されている。
光電子構造素子40は、複数の画素11を含み、画素11は、図127Aおよび273Bに示している光電子構造素子30のように、互いに直接隣接して配置されておらず、間隔を空けて配置されている。各画素11は、光電子構造素子40内でその4つの側面が反射材料19によって完全に覆われている。画素11の間の空間には、電気絶縁性の第2の材料41、例えばポッティング材料が充填されている。
光電子構造素子40には、LED半導体素子12がμ-LEDとして形成されている。
画素11内のμ-LEDのn型コンタクトは、光電子構造素子40の下側で接続されていたり、上側で接続されていたり、上側と下側との間で接続されていたりしてもよい。図128Bでは、画素11は、当該画素11のn型コンタクトを互い接合するn型コンタクト端子43が組み込まれたキャリア42上に配置されている。さらに、キャリア42は、各画素11のp型コンタクトを個別に駆動制御できるように、各p型コンタクト用のp型コンタクト端子44を有している。キャリア42は、ICをさらに内蔵していてもよい。光電子デバイス40内でLED半導体素子12の互いに間隔を空けた配置構造により、さらに、各画素11のn型コンタクトとp型コンタクトとの両方が個別に駆動制御可能な接触が可能となる。
図128Cは、キャリア45が、当該キャリア45上に配置された各画素11の個別のp型コンタクト端子46のみを含む代替的な変形例を示している。もちろん、P型ドープ層とn型ドープ層を入れ替えることも可能である。電気絶縁性の第2の材料41の上には、導体トラック47が格子状に配置されており、この導体トラック47は、図128Aが示すように、画素11のn型コンタクトを相互に接合し、光電子デバイス40の片側に配置された外部端子48に配線されている。
図129Aは、誘電体層19’が、実質的に長方形の半導体素子またはμ-LED12の2つの対向する側面に形成された構成を示している。図129Bの平面図からは、誘電体素子19,19’が、半導体素子12と誘電体フィルター18とを交互に包み込んでいることがわかる。誘電体素子19と19’とは異なる構成を有している。素子19’は、例えば、μ-LED12の側壁に沿った表面の形で、あるいは側壁に沿って延びる複数のストリップの形で、少なくとも1つの導電性の部分領域を含んでいる。素子19は、μ-LED12に電気的に接続されておらず、つまり、素子12への電流供給に寄与していない。
図129Aでは、電流の方向を矢印で示している。電流は、表面まで流れるか、当該表面から誘電体フィルター18を通って半導体層に入り、活性領域に流れる。あるいは誘電体素子の導電性の部分領域がμ-LEDのコンタクト層に接続している場合もある。コンタクト層は、例えば、誘電体フィルターとμ-LEDとの間に配置されており、図129Aで素子12と18との間の符号が付けられていない薄い層で示されているように、カバー電極として構成されていてもよい。いずれの場合も、コンタクト層は電流を全面に広げる役割を果たす。
電流が流れることで磁界が発生し、μ-LED12の各層を移動する電荷キャリアが構造体の中心に向かって力を感知するようになる。
図130Aおよび130Bは、誘電体層19が実質的に円筒形で構成されたμ-LEDの周りに配置された構成を示している。μ-LEDは一定の間隔でモノリシックに構成されており、このようにしてμ-LEDアレイまたはμ-ディスプレイを形成している。誘電体素子19は非導電性であり、すなわち、電流は表面上に配置されたリード線を介してμ-LEDに通される。このために、個々のμ-LEDの間にリード線32を引く。リード線33は、リード線32を導電性の誘電体フィルター18に接続する。この誘電体フィルター18はまた、μ-LEDの半導体層の1つと電気的に接触している。電流を縁部領域ひいてはμ-LEDの側面にある誘電体素子19から遠ざけるために、追加の量子井戸インターミキシングが提案される。かかる構成および方法は、本開示のいくつかの例で示されている。量子井戸インターミキシングは、活性領域を取り囲み(図130Bのやや太い線で示す)、そこの活性領域周辺のバンドギャップに変化をもたらす。この結果、電荷キャリアは、当該電荷キャリアをμ-LED12の中心に向かって押し出すエネルギー障壁を「見る」ことになる。
以下の構成は、半導体構造の特性を改善するため、あるいは新たな応用分野または実現可能性を生み出すために、半導体構造に用いることができる処理のさまざまな態様に関するものである。
図131は、電気的に分離されたサブ画素と光学的に結合されたサブ画素とを有する画素素子の態様を説明するために、例えば、モニタ、テレビ、表示パネルあるいはスマートウォッチやスマートフォンなどの小型デバイスで頻繁に使用されるような、電子ディスプレイ10の簡略化された概略図を示している。この場合、基本構造は、複数の画素または画素素子12を平面内で密接に隣り合って配置することで実現されることが知られている。画素素子12は、行と列とに構成されており、電子的に個別に駆動制御することができる。駆動制御は、画素素子12の光強度だけでなく、色調や発光波長もこのようにして変化するように行われる。後者の場合、各画素は3つのサブ画素を含んでいることが多く、それぞれのサブ画素は異なる波長を発するように構成されている。画素素子12は、多くの場合、基板またはキャリア構造体14の上に施与され、この態様では、主に配置構造の機械的安定性を確保する必要がある。
この図では、十分に高い解像度を作り出すためには、数百万個のかかる画素素子12を空間に密集させて機械的に配置するだけでなく電気的にも接続する必要があることがよくわかる。同時に、多くの場合、欠陥のある画素12は、アクティブな画素の間の暗いドットとして見えることがある。特に、例えばμ-LED用の寸法が非常に小さいものでは、かかるディスプレイの密度や解像度が向上する一方で、可能な限りエラーのない機能と低不良率の生産とが他方では求められる。
図132では、ここで説明した解決策の特徴をより正確に説明できるように、図131に示したセクションAAを拡大している。このように、駆動制御素子を含むと同時に、画素用のキャリア構造体としても機能する基板14が示されている。基板14の上には、個々の画素素子12が設けられており、ここでは長方形の形状をしており、同じサイズを有している。画素素子12のこれらの同一のサイズは、多くの場合、製造上の理由で有利であるが、一実施例によれば、それらは異なる形状またはサイズで構成されていてもよい。ここに示す例では、画素素子12は、長さl1と幅b1とを有している。画素素子12の間には、画素素子分離層16が設けられている。画素素子分離層16は、数μmの範囲、例えば0.5μm~3μmの範囲にある。
画素素子分離層16は、隣り合う画素素子12が、それぞれの画素素子の駆動制御に関して電気的に分離されるように構成されている。図133は、画素素子のセクションを横断面図で示している。画素素子12は、画素素子分離層16によって分離されており、それぞれサブ画素18を含んでいる。画素素子分離層16によって、画素素子12の間で電気的および光学的な分離が行われる。これは、光クロストークによって、1つの画素素子12から発せられた光が、隣接して配置された画素素子12に入り込んで、そこから発せられるのを防ぐためのものである。
画素素子12の中で、選択された画素素子12についてのサブ画素18への本発明による更なる細分化をここで例示的に示している。いわゆるフィールドとも呼ばれるサブ画素18は、ここでは同じサイズと形状を有している。サブ画素18の長さl2が定義され、一実施例によれば、画素素子12の長さl1は、場合によっては隙間を含む同じサイズのサブ画素12の長さl2の倍数から得ることができる。同様に、サブ画素の幅b2が示されており、ここでも、一実施例によれば、画素素子の幅b1は、場合によっては隙間を含む同じサイズのそれぞれのサブ画素18の幅b2のほぼ倍数から得ることができる。ここで選択された図では、画素素子12のサブ画素18もしくはいわゆるフィールドへの細分化は、1つの画素素子12についてのみ示されている。しかしながら、パターニングは、ディスプレイ10に配置されたすべての画素素子12に適用可能である。
さらに、同じ画素素子12の隣り合う2つのサブ画素18の間には、サブ画素分離素子20が設けられている。このサブ画素分離素子20は、関連するサブ画素(長さl2)(図133参照)の駆動制御に関して電気的な分離が行われるように構成されている。サブ画素分離素子20はさらに、サブ画素18が発する光に関して、光結合または光漏話を可能にするように構成されている。これは言い換えれば、1つの画素素子12内で1つのサブ画素18からのフォトンまたは光が、同じ画素素子12内に存在する1つ以上のサブ画素18にクロストークし得るが、2つの画素素子12の間ではクロストークし得ないということを意味している。
例えば、画素素子12の発光可能な異なる色の生成は、基本色である赤色、緑色および青色の組み合わせによって実現することができる。その結果、画素素子12は、異なる波長の光を発することができるサブ画素18を含むことができる。図132では、例示的に、合計9つのサブ画素18にA~Kの頭文字で印をつけている。一実施例によれば、サブ画素A、DおよびGは赤色LED、サブ画素B、EおよびHは緑色LED、サブ画素C、FおよびKは青色LEDとして構成されている。例えば、画素素子12で赤色の光を発光させたい場合は、駆動制御電子回路により、サブ画素A、DおよびGを同時に駆動制御する。場合によっては、駆動制御電子回路により、すべてのサブ画素A、DおよびGが正常な機能を有しているかどうかをテストすることができる。こうして、所望の輝度を設定することができる。
例えば、サブ画素A、DまたはGのいずれかに欠陥があっても、残りの画素は電気的に分離されていることから、正常に駆動制御することができる。しかしながら、サブ画素分離素子20によって可能となった光学的クロストークにより、欠陥のあるサブ画素18の欠落した光は、相接するサブ画素18によって補うことができる。つまり、ある群の同色のサブ画素18が1つ機能していて、その群の残りのサブ画素18に欠陥がある限り、この残った機能しているサブ画素18が欠陥のあるサブ画素の故障を補償することができ、ひいては冗長性によって画素素子12の機能を保証することができる。一例として、光漏話は、画素素子12内の複数のサブ画素間でも発生する可能性がある。他の配置として、例えば、それぞれ3つのサブ画素18を、赤色、緑色または青色のいずれかの基本色に割り当てることも可能である。これに関する例が、A/B/C、D/E/FおよびG/H/Kのような組分け(Gruppierung)である。しかしながら、対角線上に割り当てることも可能であり、その場合、有利に光漏話が可能となり得る。
図133は、ディスプレイ10の部分領域を示す断面図である。図の下部には基板14が示されているが、これは特に、他の構造要素を収容するための十分に機械的に安定したキャリア構造体を提供することを目的としている。一実施例によれば、これはシリコンICのウェハであり得る。基板14はさらに、ドライバ回路または駆動制御電子回路(図示せず)と各種電気端子とを有することができる。これらは、例えば、集積回路内の導体構造によって実現されていてもよい。さらに、サブ画素領域26を駆動制御するために用いることができるコンタクト構造体24が設けられている。ここに示す例では、サブ画素領域26は、コンタクト構造体24に直接相接して配置されている。コンタクト構造体24を介して、エミッタチップ26を個別的かつ選択的に駆動制御電子回路により駆動制御することが可能である。
エピタキシャル層26は、例えば、特に発光ダイオードの機能性を可能にするさまざまに異なる層を有している。例えば、pn接合は、相応して異なるドープ層によって実装されていてもよいし、1つ以上の量子井戸構造を有していてもよい。概略的に、かつ単純化のために、ここではpn接合28の領域を破線で示している。それに、画素素子12とサブ画素18の構造体がエピタキシャル層26に導入されている。
詳細には、個々の画素素子12は、画素素子分離層16を介して識別可能である。これらはそれぞれ、2つの画素素子分離層16の間の距離に相当する長さl1を有している。この場合、画素素子12の中では、長手方向に3つのサブ画素18を区切ることができる。これらのサブ画素18は、それぞれ長さl2を有している。個々のサブ画素18の間には、サブ画素分離素子20が配置されている。
ここに示す例では、画素素子分離層16とサブ画素分離素子20とは、それぞれトレンチなどの構造体として構成されている。つまり、画素素子分離層16とサブ画素分離素子20とは、それぞれトレンチ状、ギャップ状などの構造体として、例えばエッチング処理によってエピタキシャル層26に導入されていることを意味している。次いで、トレンチ内に電気絶縁材料、例えばSiO2が堆積される。そのときに、例えば、これらのトレンチの電気的および光学的特性を決定するために、画素素子分離層16のトレンチ深さd1は、サブ画素分離素子20のトレンチ深さd2よりも大きくなるように選択されている。これにより、サブ画素分離素子20のトレンチの深さd2が小さくなることにより、サブ画素18間の光漏話を可能にすることができる。
一方、2つの画素素子12の間では、画素素子分離層16のトレンチd1が深くなることで、光学的クロストーク30と電気的クロストークとの両方が防止される。一実施例によれば、サブ画素分離素子20のトレンチの深さd2は、pn接合28の領域を通過するように選択されている。これにより、隣り合う2つのサブ画素18もしくは関連するエミッタチップ22が電気的に相互作用すること、および/または電気的または電磁的な漏話が発生することを有利には防止することができる。
上記の例では、画素素子分離層16は、活性層を通って反対側の放射表面の縁部まで延びているが、当該表面を切断していない。このように、表面に近い領域は、すべての画素とサブ画素とを潜在的に接合する共通のコンタクトとして形成されていてもよい。さらに、画素素子分離層16は、画素により生成された光を光学的に偏向させるように、ミラー層を含んでいてもよい。図133の例では、サブ画素分離素子20は、活性層を通って延びているが、その後すぐに終端することも示されている。これにより、電気漏話は防止されるが、光漏話は防止されない。設計および製造パラメーターに応じて、サブ画素分離素子20は、活性層と同じくらいまでしか延びていないか、または僅かにその中に入っていてもよい。
本構成では、画素素子分離層16とサブ画素分離素子20とは、実質的に垂直な側壁を有するトレンチとして構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば光のコリメートまたは光の案内などの更なる機能を追加で有する他の形状を意図的に選択することもできる。これに関する例として、画素素子分離層16の傾斜した側壁を挙げることができる。
図134には、前図の構成形態の延長線上にあるものが示されている。画素素子は、薄膜キャリア基板内もしくは基板上にモノリシックに実装されている。コンタクト26が、裏側、すなわち主放射方向に面していない側に配置されている。これは個々のサブ画素の直下に位置し、導電性金属、例えば金または銀の合金で形成されている。コンタクトのサイズは、実質的に個々のサブ画素の面積に対応している。このようにして、画素の製造には、当該製造に適切な材料系を使用することができる。さらに、温度、前駆体などのプロセスパラメーターを、製造すべき画素に合わせて設定することができる。
バックプレーンなどの基板キャリアのコンタクト39が、サブ画素のコンタクト26に対向して配置されている。バックプレーンは、異なる材料系、例えばシリコン技術で構成されている。バックプレーンには、個々のサブ画素用の駆動制御回路と電流供給回路との両方が収容されている。本出願では、μ-LED用の電流ドライバと駆動制御のコンセプトの例が開示されている。本構成では、バックプレーンは、個々のサブ画素ごとに追加の溶断ヒューズ42を含む。この溶断ヒューズ自体は、電流ドライバ40に接続されている。製造時にサブ画素の1つに欠陥が発生した場合や、バックプレーン上での画素の位置決め時に欠陥が発生した場合、溶断ヒューズを使用して欠陥のあるサブ画素を分離することができる。
バックプレーンをコンタクトで位置決めしてから、画素のコンタクトに接続する。用途に応じて、補助キャリア(ここでは図示せず)を設けることで、画素素子の安定性を十分に確保することができる。接触のために、例えば、コンタクト間の導電性接続が保証されることを条件に、2つの表面を互いに接着することができる。
画素素子の反対側には、各サブ画素に電気的コンタクトをもたらすカバー電極がまず設けられている。カバー電極は、1つ以上の側面を下ってコンタクト領域に配線されている。カバー電極は透明で、例えばITOからなる。画素分離素子14に沿って、またその上でカバー電極に追加の金属製リード線が設けられていてもよい。これにより、カバー電極のシート抵抗が減少し、ひいては電流搬送能力が向上する。この時点でリード線を追加しても、光の取り出しに悪影響はなく、構造体に大きな陰影をつけることもない。
カバー電極の隣には光整形構造体が配置されている。これは、カバー電極上に配置されていてもよいし、カバー電極を介して画素の半導体材料の中に入り、一部は活性領域28まで下に延びていてもよい。光整形構造体は、屈折率の異なる領域を含んでいる。かかる構造体のさまざまな例が本出願で開示されている。
図135に、これに関する例を示す。この例では、光整形構造体にまず変換材料が導入されている。特に、左側または左の画素は、変換特性を有する光整形構造体32rを有している。これにより、構造体32rの下にある各駆動制御されるサブ画素からの青色の光が赤色の光に変換される。相応して、構造体32bは、サブ画素が発する光を緑色の光に変換する。
同時に、このように変換された光は、それぞれの構造体32rおよび32bによって、変換された光が真上に向かって放射されるように向けられている。一方、変換されなかった光は、変換されなかった光が変換された光の放射方向に対して真上または平行に出射されるのを抑制するように、方向が偏向される。本明細書に提示されているフォトニック構造体により、方向性の選択が可能になる。さらに、方向を偏向することで、変換材料を通過する経路が長くなるので、変換効率が高まる。青色サブ画素からの光をコリメートする構造体32bに向かって、変換されなかった光の偏向が行われる。
図136は、光学分離素子を作製するのに適した別の観点を示している。さらに、本構成では、放射再結合と非放射再結合との比率が改善されている。本構成では、画素内のサブ画素の作製に量子井戸インターミキシングを利用している。図136は、半導体層26を成長させた図示していない基板キャリア上の構造を示している。基板キャリア26は、バックプレーンまたは補助キャリアに転写した後、後の時点で再び引き離される。活性領域28を介在させた個々の半導体層を作製した後、フォトマスク50を堆積してパターニングし、光学的および電気的な分離素子16が作製される半導体材料上の表面を露出させる。次のステップでは、電気的および光学的な分離のためのトレンチ16をエッチングし、絶縁材料または誘電体材料で充填する。次いで、フォトマスク50は、一方では、電気分離素子20が作製される表面上の領域が露出するように、再び目的に合わせてパターニングされる。さらに、電気的および光学的な分離素子の周りの僅かな追加領域からフォトレジストが除去される。
次のステップでは、それからZnなどのドーパントが施与されて拡散される。これらのステップは、特に本願で開示されている方法を用いて行うことができる。その結果生じる量子井戸インターミキシングによって、これらの領域のバンドギャップが大きくなり、電荷キャリアが追加のエネルギー障壁を見ることになる。その結果、個々のサブ画素の間である程度の電気的分離が得られる。光学的および電気的な分離素子16の周りの量子井戸インターミキシングによって、電荷キャリアを再結合の可能性のある中心やエッチングプロセスで生じた欠陥から遠ざける障壁が作り出される。引き続き、フォトレジストが再び除去され、ウェハがさらに加工される。
図137は、画素素子12を較正するための本発明による方法100を示している。これに関して、第1のステップ110では、画素素子12のサブ画素18を、上述および後述のように駆動制御する。このサブ画素18の駆動制御は、当該サブ画素18の機能のテストを可能にするためのものである。これは、例えば、駆動制御電子回路の制御信号によって行うことができ、この結果、個々のサブ画素18を個別に接触させることが可能となり得る。続くステップ120では、サブ画素18の欠陥情報が検知される。言い換えれば、ここでは、当該サブ画素18が正常に機能しているかどうかの情報が生成される。
かかる欠陥情報は、例えば、サブ画素18の正常な機能に関する情報を含むフラグまたは特定の値であってもよい。この欠陥情報は、次のステップ130によれば、例えば、駆動制御電子回路の記憶ユニットに記憶することができる。これにより、欠陥のあるサブ画素を、関連する同一波長のサブ画素の駆動制御信号を適切に調整することで補正し、画素素子12全体の正常な機能を実現することができる。
一例では、サブ画素分離素子20は、同じ色または波長のサブ画素18間の光漏話が可能になるように構成されていてもよく、サブ画素分離素子20は、異なる色または波長のサブ画素18間を光学的に分離するように構成されている。
アレイの画素間の光学的および電気漏話が材料ブリッジを備えた画素構造によって防止される、画素化されたまたは他のエミッタの拡大図を、図138に示している。これは、隣り合う2つの光電子画素Pが材料ブリッジによって接続されているアレイAのセクションを横断面図で示している。
アレイAは、縦型μ-LEDの形をした全体的に平面に製造された2つの光電子画素Pを有している。各画素Pは、n型ドープ層1と、p型ドープ層3と、発光に適した活性ゾーン5とを含んでいる。形成された2つの画素Pの間では、n型ドープ側およびp型ドープ側から層シーケンスの材料が除去された。活性層5と薄いクラッド層7とを含む最大厚さdcの薄い材料遷移部9だけが残る。製造技術上の観点から、クラッド層は層3もしくは5と同じ材料から形成することができる。この材料遷移部は、厚さよりもかなり長い。厚さdcは、電磁波が材料遷移部で伝搬しないように選択されている。このようにして、光学モードが抑制される。言い換えれば、図138の材料遷移部9の電気的および/または光学的な導電性は、水平方向に効果的に減少している。
層シーケンスの材料を除去した結果として露出した材料遷移部9の2つの主表面と、画素Pの露出した表面領域11とは、特に二酸化ケイ素を有するそれぞれのパッシベーション層13によって電気的に絶縁され、パッシベーションされている。さらに、層シーケンスの材料が除去された領域は、充填材料15によって充填されている。最後に、画素Pの2つの主表面は、端部コンタクトを形成することができるコンタクト層33によって電気的に接触されている。コンタクト層33は、画素Pで発生または受光した光が透明な材料を通過するように、透明な材料、例えばITOを有していてもよい。
活性ゾーン5は、1つ以上の量子井戸などの構造体を含んでいる。そのバンドギャップは、放出される光の所望の波長に合わせられる。最大厚さdcは、すべての基本モードが材料遷移部9の活性ゾーン5に沿って次の画素Pに伝搬するのを防ぐように選択されている。この条件での材料遷移部9の活性ゾーン5の最大厚さdcは、導波路に対応する材料遷移部9の活性ゾーン5とクラッド層7との間の屈折率差に依存している。一般的に、これは材料遷移部が可能な限り薄くなっているのが望ましいことを意味している。これにより、一方では、水平方向に波が伝搬し得ないため、光学モードの漏話が難しくなる。他方では、最大厚さdcが小さいことで、更なる電気漏話の発生が難しくなる。活性ゾーンを取り囲む活性ゾーン5の薄いクラッド層7は、一般的に高いシート抵抗を示し、僅かな電流しか流すことができない。さらに薄くすると、この場合も抵抗が増加するため、電気漏話が減少する。
さらに、最大厚さdcは、屈折率と活性ゾーン5の厚さとに依存する。ここで、最大厚さdcは、活性ゾーン5の厚さ以上である。最大厚さdcは、隣り合う画素Pの間の距離にも依存する。距離が長くなればなるほど、最大厚さdcを大きくすることができる。最大厚さdcの推奨範囲は1μm以下30nm以上である。
図138に示した各層の厚さは、ドーピング材料を含めた使用される材料、濃度と深さとの関係を示すドーピングプロファイル、側壁の角度、画素サイズ、画素間の隙間およびアレイ全体のサイズによって異なる。総厚さの下限は約100nmである。
画素Pに適した材料系は、例えばIn(Ga,Al)As(Sb,P)、SiGe、Zn(Mg,Cd)S(Se,Te)、Ga(Al)N、HgCdTeである。コンタクト層33に適した材料としては、例えばAu、Ag、Ti、Pt、Pd、Cr、Rh、Al、Niなどの金属が、単独でまたはZn、Ge、Beとの合金として挙げられる。さらに、この材料を充填材料15として使用することで、充填機能に加えて結合材料としての役割も果たすことができる。さらに、導電性を有する材料は、反射性などの特性も期待できる。例えばZnOまたはITO(InSnO)などの透明な導電性酸化物も接触用のコンタクト層33として用いることができ、アレイのp側またはn側のいずれかに共通のコンタクトを提供する。
透明な絶縁体として、例えば、Ti、Ta、Hf、Zr、Nb、Al、Si、Mgのフッ化物、酸化物および窒化物などの誘電体を用いることができる。この材料はパッシベーション層13に使用することができる。さらに、この材料を充填材料15として使用することができ、この場合、この材料は、充填機能に加えて電気絶縁体としての役割も果たすことができる。活性ゾーン5とクラッド層7の屈折率の値は、使用される材料に完全に依存する。
最大厚さdcは、パッシベーション層13および/または充填材料15によって作り出される誘電体の屈折率にも依存する。活性ゾーン5と誘電体との屈折率差が小さいほど、漏話が等しくなるように最大厚さdcを大きくすることができる。
図139は、画素アレイAの第2の構成例を横断面図で示したものである。ここで図139に示すアレイAは、比較的小さなバンドギャップを有する光吸収材料17が、層シーケンスの除去された材料の領域を少なくとも部分的に埋めているという点で、図138に示すアレイAとは異なる。さらに、材料遷移部9にはパッシベーション層13が形成されていないため、光吸収材料17は材料遷移部9に直接隣接している。画素Pの露出した表面領域11のみが、それぞれのパッシベーション層13によって、電気的に絶縁され、パッシベーションされている。パッシベーション層の材料は、材料3と17との間で電気的な短絡が起こらないように、例えば二酸化ケイ素を有していてもよい。
あるいは図139では-そこには示されていないが-2つの画素Pの間の材料遷移部9の片側-図139では上側または下側だけ-が光吸収材料17によって満たされている。他方では、例えば、パッシベーション層13を間に挟んで、材料遷移部9に充填材料15を形成する。光吸収材料17を使用することで、光漏話がさらに抑制される。画素Pの間の光吸収材料17は、材料遷移部9の領域で活性ゾーン5から出射する光を吸収することで、導波路を縮小させる。材料遷移部9に沿って導波路の減衰が起こる。
光吸収材料17として適切なのは、最初に導波路として機能する材料遷移部9のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有する金属、合金、誘電体または半導体である。これにより、光のエネルギーも大きくなり、材料17によって吸収されることになる。例えば、赤色の波長を50%吸収するフローティングアイ(floatendes Auge)を使用することができる。光吸収材料17は、材料遷移部9において、例えばCVD(化学気相成長法;chemical vapour deposition)またはPVD(物理気相成長法;physical vapour deposition)によりエピタキシャル層を作製することで成長させられる。ここでは、クラッド層7の上に光吸収材17を施与または成長させた。
図140Aは、本発明による画素アレイAの第3の構成例を横断面図で示したものである。n型ドープ側および/またはp型ドープ側から除去された画素アレイの層シーケンスの材料の位置には、除去された材料、特にドープされた材料または充填材料15に比べて屈折率が高められた材料19が形成されるが、この屈折率は、クラッド層7または活性ゾーン5の屈折率よりも大きくならないようにすることが望ましい。これにより、材料遷移部9での導波路も減衰する。最後に、基板35上の層シーケンスは、保護トップ層37によって覆われている。
屈折率を高めた材料19は、例えば、化学的または物理的な気相成長により、材料遷移部9でエピタキシャル成長させられる。施与または成長は、それぞれ2つの画素Pの間の元のn型ドープおよび/またはp型ドープされた層材料を除去した後と、画素Pの露出した表面領域11、特に側面をパッシベーション層13の施与によってパッシベーションした後に行われる。
ここでは、屈折率を高めた材料19をクラッド層7上に施与または成長させた。材料遷移部9にはパッシベーション層13は形成されていない。これは、材料遷移部9より下の領域を表している。例えば、AlGaAsを有する材料遷移部9の活性ゾーン5上に、屈折率を高めた材料19としてGaAsを成長させてもよい。あるいは屈折率を高めた材料19は、屈折率を高める材料21を、クラッド層7までか、またはクラッド層7内の充填材料15に拡散または注入することによって形成される。これは、図140Aでは、材料遷移部9の上の領域で表されている。屈折率を高めた材料19は、図140Aにおいて、材料遷移部9の上方および/または材料遷移部9の下方に形成されていてもよい。屈折率が大きい材料19のない領域は、充填材料15で充填されていてもよい。
図140Bは、提案された原理に従った画素アレイの第3の構成例の材料遷移部の領域における光の伝搬のシミュレーションを示している。上側のみがエッチングされ、屈折率を高めた材料19が充填された材料遷移部9の横断面図が示されている。屈折率を高めた材料19は、量子井戸材料5と同等の屈折率を有している。すなわち、このグラフでは、活性ゾーン5と屈折率を高めた材料19とを濃い灰色で示している。クラッド層7もしくはn型ドープ層1の非エッチング半導体材料と充填材料15とは白色で示している。
厚さ0.1μmの層は、活性ゾーン5もしくは量子井戸材料の領域である。厚さ0.05μmの層は、依然として「残留クラッド」もしくは「残留クラッド層7」である。厚さ1μmの層は、屈折率を高めた材料19である。
2つの画素Pの間の材料遷移部9の領域では、屈折率が3.5で層厚が0.1μmの活性ゾーン5が、屈折率が3の下側の非エッチングn型ドープ層1の上に配置されている。この第1の内層の上には、材料遷移部9の第2の内層として、屈折率3のクラッド層7が層厚0.05μmで形成されている。当該クラッド層7上には、屈折率が3.5に高められており、層厚が1μmである材料19の比較的厚い第3の内層が形成されている。第3の内層は、屈折率が例えば約3の充填材料15を有する層で覆われている。
この層構造のシミュレーションでは、真空光の波長を0.63μmと仮定した。ここで発生した光は、TM偏光および/またはTE偏光されていてもよい。磁界の方向が、入射ベクトルと表面法線とで構成される面(「入射面」)に対して垂直な場合をTM偏光(TM=直交磁界)、電界が入射面に対して垂直な場合をTE偏光(TE=直交電界)と言う。このシミュレーションでは、図140Bは、空間的な広がりxの値をμm単位でx軸とともに示している。y軸は電界強度Eのy成分の値を示している。図140Bは、基本モードTE0が活性ゾーン5から発生し、導波路として機能する材料遷移部9の上方および/または下方の2つの画素Pの間に存在する更なる光学障壁によって停止される様子を示している。光学障壁は、ここでは、上述した図140Aの層構造に従って、屈折率の異なる層間の界面である。基本モードTE0は、屈折率を高めた材料19の厚い第3の内層に入り、隣り合う画素Pには入らない。
実際には、屈折率の大きい材料は、特にバンドギャップが小さいことから、吸収性の高い材料でもある場合が多い。
図141は、画素アレイAの第4の構成例を横断面図で示したものである。図141では、他の図141~図140Aと同じ参照符号は、同一の特徴を示している。図138に記載の構造とは対照的に、ここでは2つの充填層15と2つのパッシベーション層13との間で追加の材料23,24が材料遷移部9の活性ゾーン5内に導入されており、これにより導波路として機能する材料遷移部9の電気的および/または光学的な導電性が効果的に低減される。追加の材料は、一方では、材料遷移部9の活性ゾーン5における光吸収を高める材料23である。画素Pの間の活性ゾーン5における吸収の増加は、活性ゾーン5の材料のバンドギャップを減少させることによって行われる。このために、バンドギャップを減少させる要素が、材料遷移部9の活性ゾーン5内に注入または拡散される。特に、画素Pの間の活性ゾーン5の中心領域には、ドーパントが拡散または注入される。バンドギャップの減少は、いわゆるバンドギャップの繰り込みによって行われる。材料遷移部9に沿って導入される材料23の量が多いほど、活性ゾーン5内での光の吸収は大きくなる。
代替的または累加的に、追加の材料は、他方では、材料遷移部9の活性ゾーン5内で電気抵抗を高める材料24である。このために、電気抵抗を高める要素が、材料遷移部9の活性ゾーン5内に注入または拡散される。こうした電気抵抗の更なる増加は、1つの画素Pから隣り合う画素Pへの電気クロストークをさらに減少させる役割を果たす。例えば、電気抵抗を高めるために、InGaAsPを有する材料遷移部9の活性ゾーン5にFeを導入してもよい。材料遷移部9に沿って導入される材料24の量が多いほど、2つの画素Pの間の材料遷移部9の活性ゾーン5の電気抵抗の増加が大きくなる。
両方の材料23,24は、パッシベーション層13の施与に先立って、それぞれの材料遷移部9の活性ゾーン5内に拡散または注入される。
図142Aは、画素アレイAの更なる構成例を横断面図で示したもので、図138の構造とは対照的に、材料遷移部の領域に光学構造体25が導入されている。構造体25は、材料遷移部9の活性ゾーン5に沿って、2つの充填層15と2つのパッシベーション層13との間に導入されている。これにより、2つの画素Pの間の導波路として機能する材料遷移部9の光伝導性が低下する。導波路が縮小される。光学構造体25は、フォトニック結晶やブラッグミラーなどの誘電体構造体であってもよい。構造体25は、活性ゾーン5の上側、下側または両側の材料遷移部9に沿って屈折率の周期的な構造体を形成し、この結果、光学的バンドギャップが生じ、材料遷移部に沿ってフォトンの伝搬が防止される。
光学構造体の周期性は、光の波長、光学構造体の大きさ、パターニングされた材料遷移部9の長さや、使用される材料の屈折率に依存する。図142Aでは、導波路として機能する材料遷移部9の下側には、1つの光学構造体25のみが示されている。この光学構造体25はまた、導波路として機能する材料遷移部9の上側に形成されていてもよい。図142Aに示す光学構造体25はブラッグミラーである。光学構造体25を形成した後、パッシベーション層13の施与が行われる。
図142Aの例の延長線上にあるものが図142Bに示されている。表面上には変換材料41もしくは42が施与されている。変換材料41,42のそれぞれは、2つのμ-LEDの間のほぼ中央にまで達している。μ-LEDの壁自体が反射性であるため、μ-LEDの活性層で生成された光は、当該壁によって変換材料の方向に向けられる。μ-LEDから変換材料に入射した光は、そこで変換される。任意の反射層を変換材料の間に設けることで、漏話を防ぐことができる。
各画素の変換材料の表面には、光を導くためのフォトニック構造体34,37が堆積されている。別の構成では、フォトニック構造体は、変換材料あるいは半導体材料にまで及んでいる。
図143は、本発明による画素アレイAの第6の構成例を横断面図で示したものである。図139に記載の構造とは対照的に、ここでは、2つの充填層15において、材料遷移部9の活性ゾーン5に沿って、導波路として機能する材料遷移部9の両方の主表面に、2つの互いに対向する電気的コンタクト27がさらに導入されており、これにより、2つの画素Pの間の導波路として機能する材料遷移部9の電気的および/または光学的な伝導性が効果的に低減される。これらの互いに対向する電気的コンタクト27は、2つの画素Pの間のそれぞれの材料遷移部9の両主表面に電気バイアス(Bias)を印加する。
印加された電気バイアス(Bias)により静電界が発生し、それによって、最初に導波路として機能する材料遷移部9の光学的特性は、材料遷移部9に沿った導波路が効果的に減少するように変化する。
最初は導波路として機能する画素Pの間の材料遷移部9に電気バイアス(Bias)を印加すると、例えば電気吸収変調器などで用いられる、いわゆる「量子閉じ込めシュタルク」効果(QCSE)により、導波路での光の吸収が増加させられる。電気吸収変調器では、電界を印加することによって、半導体の基本的な吸収が効果的に増加させられる。それに応じて、画素Pの間の光漏話が低減される。電気的コンタクト27としては、従来のショットキーコンタクトまたは金属絶縁体のコンタクトが適している。さらに、電流を流さずにストリップ片を曲げるために従来から使われているものすべてが適している。
2つの互いに対向する電気的コンタクト27を形成した後、この2つの互いに対向する電気的コンタクト27、特に充填材料15が形成された表面であって画素Pに隣り合う表面にパッシベーション層13の施与が行われる。他の図138~図142Aと同一の参照符号は、図143における同一の特徴を示している。
図144は、本発明による画素アレイAの第7の構成例を横断面図で示したものである。図143の構成とは対照的に、ここでは電界は内在的に、すなわち適切な材料系を選択することによって生成される。このために、n型ドープ材料29および/またはp型ドープ材料31の少なくとも1つの層が、材料遷移部9の2つの主表面のうちの少なくとも1つの面に、これによって電界が発生するように配置され、その結果、電界は材料遷移部9に更なる手段なしに組み込まれることになる。ドープされた材料の層のみが、材料遷移部9の2つの主表面の一方の主表面に形成され、材料遷移部9の他方の主表面の層はドープされていない場合、材料遷移部9内での光吸収を増加させるための電界として十分な、いわゆるディプリーション電界(Verarmungsfeld)が供給される。あるいは材料遷移部9内での光吸収を増加させるための電界は、材料遷移部9の一方の主表面にn型ドープ材料の層29を形成し、材料遷移部9の反対側の主表面にp型ドープ材料の層31を形成することによって生成される。
電界を供給するために使用される材料、特にn型ドープ材料29、p型ドープ材料31、および場合によっては非ドープ材料は、CVD(化学気相成長法)またはPVD(物理気相成長法)によってエピタキシャル成長させられ、薄い導波路上の隣り合う画素Pの間にビルトインバイアス(Bias)が供給されるようになっている。n型およびp型ドーピングのために、例えば、InGaAlPにSiおよびZnをドープすることができる。
ドープされた材料29および/または31によって、図143に記載の構成形態と同じ効果を有するバイアス(Bias)が供給される。さらに、材料遷移部9にパッシベーション層13が必要ないため、電界を供給する材料は、材料遷移部9に直接隣接している。画素Pの露出した表面領域11のみが、それぞれのパッシベーション層13によって電気的に絶縁され、パッシベーションされている。この層の材料は、例えば二酸化ケイ素を有していてもよい。画素Pは、電気的コンタクト層33によって電気的に接続されている。
図145は、画素アレイAの第8の構成例を横断面図で示したものである。この場合、活性ゾーン5は制御された方法でエッチングされた。言い換えれば、活性ゾーン5のダメージまたは材料遷移部の領域における活性ゾーン5の欠陥の形成は、ここでは制御された方法で許可されている。図145によれば、材料遷移部9は、その中心で、材料遷移部9が形成されている2つの画素Pに完全に割り込んでいる。2つの画素Pへの遷移部には、最大厚さdcの材料遷移部9が形成されている。
図146は、画素アレイAの第9の構成例を示している。左側には、隣り合う2つの画素Pの間の漏話を抑制する2つの異なる構成例が横断面図で示されている。上側の変形例V1は、図138に記載の第1の構成例を示しており、下側の変形例V2は、図142Aに記載の第4の構成例を示している。右側には、4つの互いに隣り合う画素Pの平面図が示されている。
各画素Pには4つの隣り合う画素Pが割り当てられており、第2の変形例V2に従って、ここではx方向に沿って材料遷移部9が形成されている。第1の変形例V1によれば、y方向に沿って材料遷移部9が形成されている。原則的には、特に本願で説明した構成例に従って、各材料遷移部9は他の材料遷移部9とは異なるように構成されていてもよい。原則的には、材料遷移部9は、それぞれの空間方向に沿って同じ構成にされていてもよい。材料遷移部9は、所望のパターンに従って形成されていてもよい。それぞれの空間方向に沿った材料遷移部9の構成形態は交互に現れてもよい。
このようにして、本願に記載のアレイAは、材料遷移部9の構成例の組み合わせだけでなく、すべての可能な構成例もしくは変形例を含む。図146の平面図に基づき、例えば方向に応じてすべての変形例Vの組み合わせが可能であることがわかる。このことは、画素Pのすべての可能な形状にも当てはめられ、画素Pは、丸みを帯びていても角張っていてもよいが、この場合は特に長方形である。
図147は、画素アレイAを製造するための本発明による方法の一構成例を示している。光電子画素PのアレイAを製造するための方法は、以下のステップを有している。第1のステップS1では、アレイAに沿って、n型ドープ層1とp型ドープ層3との全体的に平面な層シーケンスが作製され、その間に活性ゾーン5が形成される。本出願では、さまざまな技術が説明および開示されている。
第2のステップS2では、形成される画素Pの間で、n型ドープ側およびp型ドープ側から、特にエッチングによって、層シーケンスの材料が除去される。これは、少なくとも活性ゾーンが材料遷移部として残るように行われる。同様に、薄いクラッド層7も、材料遷移部9の活性ゾーン5の上側、下側または両側に残すことができる。そのため、厚さdcが大幅に減少し、光学モードが画素間の横方向に伝搬し得なくなる。同様に、抵抗値が高いため、電気漏話も減少する。総じて、材料遷移部9の電気的および/または光学的な伝導性が低下する。
厚さdcは、アレイAの仕様や、輝度または応答感度など所望のデバイスの仕様に応じて要求される十分な薄さである。材料遷移部の領域の厚さは、特に材料系と放出された光の波長とに依存する。
一態様では、すべての基本モードが活性ゾーン5に沿って直近の画素Pに伝搬するのを防ぐように、活性ゾーン5のそれぞれの側の薄いクラッド層7までもしくは薄いクラッド層7内に、または活性ゾーン5まで両側からエッチングが行われる。この条件における材料遷移部9の活性ゾーン5の最大厚さdcは、活性ゾーン5と、導波路として機能する材料遷移部9のクラッド層7との間の屈折率差に依存する。
最大厚さdcを小さくすると、より多くの光が導波路から出射するため、光漏話が減少することになる。さらに、厚さdcを減らすことは、電気漏話を減らすことを意味している。個々の画素Pの間に残る活性ゾーン5の薄い非ドープのクラッド層7は、ほとんど電流を流すことができない。そのため、電気漏話が少なくなる。
更なるステップS3~S5では、エッチング後に、個々の画素Pと導波路とを他の必要な材料で覆い、導波路の外側での光学的および/または電気的な漏話をさらに抑制することができる。ステップS3では、材料遷移部9の露出した主表面と画素Pの露出した表面領域11とが、特に二酸化ケイ素を有するそれぞれのパッシベーション層13によって、電気的に絶縁され、パッシベーションされる。漏話を低減するために、第4のステップS4でどのような措置を施すかによって、材料遷移部9の露出した主表面の電気的な絶縁とパッシベーションとを省くことができる。
第4のステップS4では、n型ドープ側および/またはp型ドープ側から、除去された材料が、例えば充填材料15によって、少なくとも部分的に置き換えられる。ステップS5では、画素Pの主表面にコンタクト層33を成膜し、構造体を電気的に接触させる。一構成によれば、ステップS1~S5は、まずアレイの一方の主表面に対して行い、その後に、基板交換後にアレイの他方の主表面に対して行う。
光学的および/または電気的な漏話をさらに低減するために、最大厚さdcを有する材料遷移部9の形成に累加して、第4ステップS4において更なる措置を講じることができる。ここでは、いくつかの例を挙げているが、その他の例は、さまざまな構成について上述している。したがって、n型ドープ側および/またはp型ドープ側から、除去された材料の領域を、充填材料15の代わりに、光吸収材料17および/または光屈折率を高めた材料19で代替的に充填することができる。この場合、材料遷移部9にはパッシベーション層13は形成されない。
さらに、第4のステップS4では、代替的または累加的に、活性ゾーン5の光吸収および/または電気抵抗を増加させることができる。この場合、さらに、パッシベーション層13も材料遷移部9に施与することが望ましい。
これらのコンセプトを適用することで、光電子画素PのアレイA、特にマイクロ画素-エミッタ-アレイおよびディテクタ-アレイを、活性ゾーン5を介したエッチングを行わずに、光学的および電気的な漏話を起こさずに、また活性ゾーンをエッチングした解決策と比較して性能および信頼性の問題を起こさずに製造することが可能である。
図180は、μ-LEDのサブユニットのモジュラーアーキテクチャを示している。これらは、さまざまな横型μ-LEDを、μ-LEDモジュールを提供するためのベースモジュールと呼ばれるものに統合したものを示している。ベースモジュールは、キャリアもしくは交換用キャリア1上に形成された第1の層3を有し、第1の層3の上に活性層7が形成され、さらに活性層7の上に第2の層5が形成された層スタックを含んでいる。キャリア1に面していない第2の層5の表面領域には第1のコンタクト9が施与されており、キャリア1に面していない第1の層3の表面領域には第2のコンタクト11が接続されている。第2のコンタクト11は、誘電体10によって活性層7および第2の層5に対して電気的に絶縁されており、キャリア1に面していない第2の層5の表面領域に延在するように形成されている。
ベースモジュールの製造時には、キャリア1に面していない第1の層3の表面領域を、層スタックの作製後に露出する必要がある。すなわち、第2の層5、活性層7および第1の層3の一部が、層スタックの縁部領域で再び除去される。
これは、例えば、少なくとも1つの層スタックのフランクパターニング(Flankenstrukturierung)によって、特に第2の層5の側から行うことができ、少なくとも1つの層スタックの周囲に延在するトレンチが、特にフランクパターニング領域13に作製される。層スタックはメサ構造体と呼ばれることもある。このトレンチはメサトレンチとも呼ばれている。それに伴い、層スタックのフランク部はメサフランクと呼ばれている。このパターニングは、対応するマスクを用いて行われる。
フランクパターニングの場合、特に誘導結合プラズマICPまたは反応性イオンエッチングRIEによってエッチング除去された領域に、引き続き、化学気相成長法(気相からの化学蒸着)によって絶縁層または誘電体10をコーティングすることができる。誘電体として、SiOあるいはZnOが使用される。第2のコンタクト11は、ITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよく、スパッタリングまたは物理気相成長法(気相からの物理蒸着)によって作製される。
複数のベースモジュールは、キャリア1上の少なくとも1つの行と少なくとも1つの列に沿ったX-Y平面に沿ったマトリクスとして作製することができる。このために、右側の縁部領域では、浅いフランクパターニングに加えて、更なる深いフランクパターニングもキャリア1と第1の層3を貫通して行われている。領域15は、深いフランクパターニングに対応している。
このようにして、多数のベースモジュールのマトリクスから1つのモジュールをキャリア1から切り離すことができる。深いフランクパターニングは、エッチング、特にケミカルドライエッチングまたはプラズマエッチングによって行うことができる。
図181は、図180に記載のベースモジュールBを、更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上に反転させて配置した構成例を示している。更なるキャリアもしくはエンドキャリア2は、光電子構造素子から放出された光を透過させるものであってもよい。さらに、キャリア1の材料は除去されている。これは、例えば、研削除去またはいわゆるレーザーリフトオフ(LLO)によって行うことができる。ベースモジュールBは、このように更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上にフリップチップとして配置され、そこで接触している。
図182は、キャリア1がないフランク領域15’を有する更なるベースモジュールBを備えた図181に記載の構成例を示している。両ベースモジュールBは互いに反対方向に向いており、同一のコンタクト、特に第1のコンタクト9が互いに隣接して配置されている。両ベースモジュールBは、最初からキャリア1上にマトリクスの隣り合う2列で形成されていてもよい。キャリア1を除去した後、ベースモジュールBは、更なるキャリアまたはエンドキャリア2上に反転させて配置されている。ここでは、互いに反応方向に向いた隣り合う2つのベースモジュールBは、共通の層スタックとして作製されている。この場合、図182の破線17’は、2つのベースモジュールの中間にある第2の層5の表面領域となる。しかしながら、漏話を防ぐために、中間の層5はパターニングによって材料除去されている。このような、活性層も切断するパターニングを行った後、実線17は第1の層3の表面領域を示している。
図183は、図182に記載の構成例を、コンタクトを別々に接触させた状態で示したものである。第1のコンタクト9と第2のコンタクト11とは、エンドキャリア2の対応するコンタクトに電気的に別々に接続されている。各モジュールの第1のコンタクト9には第1の接点19が電気的に接続され、第2のコンタクト11には第2の接点21が電気的に接続されている。コンタクト21と19とは、前のステップでエンドキャリア2に作られている。次いで、ベースモジュールをエンドキャリア2上に置き、電気的な接続が行われる。
前述の構成と同様に、ここでも追加のパターニングによって中央領域が部分的に除去されている。あるいは当該領域は除去されないままの状態であってもよい。
図184は、図182に記載の構成例を、第1のコンタクトを共通接触させた状態で示したものである。第2のコンタクト11は、エンドキャリア2のコンタクトに電気的に別々に接続されている。エンドキャリア2の表面に施与された第1の接点19は、2つの第1のコンタクト9に電気的に接続されている。第2のコンタクト21は、第2のコンタクト11とは電気的に別々に接続されている。
前述の構成と同様に、ここでも追加のパターニングによって中央領域が部分的に除去されている。あるいは当該領域は除去されないままの状態であってもよい。
原則的には、図182~図184では、2つのベースモジュールBの間で深いフランクパターニングを行った結果、第1の層3、遷移層7および第2の層5を完全に除去することができる。2つのベースモジュールBは、フリップチップ技術を用いて、更なるキャリアまたはエンドキャリア2に接触させることができる。
図185の上図は、下図に示す2行×2列のベースモジュールBを有するμ-LEDモジュールを提供するための、単一のμ-LEDのベースモジュールB案の更なる構成例を描写したものである。上図に示したベースモジュールBは、ここではキャリア1上に提供されているが、キャリアなしで提供されていてもよい。この平面図では、第1のコンタクト9と第2のコンタクト11とが見えており、さらに第1の層3、遷移層7および第2の層5が示されている。
図185の下図によれば、4つのベースモジュールBがμ-LEDモジュールに組分けされている。既にキャリア1の上にあるこのマトリクスは、X-Y平面に2行×2列で選択されていてもよい。キャリア1上で隣り合う行を製造する場合、行のベースモジュールBは同じ方向を向いていてもよい。ここでは、下の行は、上のベースモジュールBとは逆向きに配置されているベースモジュールBを有している。図185の下図に示すμ-LEDモジュールは、浅いフランクパターニングの後、図示しないキャリア1上になおも配置されていてよい。分離領域を選択することで、長方形の発光ダイオードモジュールへの組分けが行われる。これは、μ-LEDモジュールを囲む長方形に沿って、深いフランクパターニングにより引き離される。このようにして得られた2×2(2行×2列)のμ-LEDモジュールは、幅が約20マイクロメートル、長さが約30マイクロメートルである。
図186のA~図186のDは、対向する2つのベースモジュールBの4つの横断面図を示しており、これらのベースモジュールBは、反転させて、すなわち、フリップチップとして、更なるキャリアもしくはエンドキャリア2上に配置されている。ベースモジュールBは、約10マイクロメートルの幅と約15マイクロメートルの長さとを有することができる。メサエッチング時のマスキング、特に浅いフランクパターニング部を提供するためのメサエッチング時のマスキングに応じて、μ-LEDモジュールの前駆体を作り出すことができ、その後、特に深いフランクパターニングによって、キャリア、特にキャリア1から発光ダイオードモジュールへと、または発光ダイオードモジュールとして引き離すことができる。参照符号10は誘電体を示している。
図186のAによれば、2つの対向する単一のベースモジュールBが互いに隣接して配置されている。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は、相並んでいるが、接触はしていない。図186のAに記載の横断面図は、第2の層5の側部から浅いフランクパターニング部が導き出されたことを示している。この結果、それぞれのベースモジュールBもしくは層スタックの周囲に延在する浅いトレンチが作り出される。個々のベースモジュールが分離するように、第1の層3の側部から深いフランクパターニングを行った。この結果、互いにまた接続されている複数のベースモジュールが、まずエンドキャリア2上に配置され、次いでフランクパターニングによって側部3から分離される。元々あったキャリア1は除去した。
図186のBによれば、2つの対向する単一のベースモジュールBが、同様に互いに隣接して配置されている。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は、相並んでいるが、接触はしていない。図186のBに記載の横断面図は、層スタックの浅いフランクパターニングを第2の層5の側部から行ったことを示している。ここでは、図186のAとは対照的に、層スタックの深いフランクパターニングも、第2の層5の側部から、つまり、深くないフランクパターニングと同じ側から行った。元々あったキャリア1は除去した。
図186のCは、中間的なステップを示している。その後、2つの対向するベースモジュールBが配置され、これらは互いに一体となって作製される。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は互いに隣接している。隣り合う2つの互いに対向するベースモジュールの共通の層スタックが作製され、ここでは、第1の層3、遷移層7および第2の層5のそれぞれがエンドキャリア2に沿った1つのユニットとして作製されている。図186のCに記載の横断面図は、層スタックの深くないフランクパターニングが第2の層5の側部から行われたことを示しており、それによって2つの第2のコンタクト11の縁部領域のみが浅いフランクパターニング部を有している。2つの第1のコンタクト9の間の領域は、フランクパターニングされておらず、すなわち、そこでの第2の層5は未処理のままである。接触後、ここでは図186のAのように第1の層3の側部から層スタックの深いフランクパターニングが実施され、モジュールが分離される(図示せず)。元々あったキャリア1は除去した。
図186のDによれば、2つの対向するベースモジュールBが同様に配置されており、これらは互いに一体となって作製された。このベースモジュールBの第1のコンタクト9は互いに隣接している。隣り合う2つの対向するベースモジュールの共通の層スタックが作製され、ここでは、第1の層3がエンドキャリア2に沿った1つのユニットとして作製された。図186のDに記載の横断面図は、層スタックの深くないフランクパターニングが第2の層5の側部から行われ、それによって浅いトレンチがそれぞれのベースモジュールBの周りに作製されたことを示している。特に、2つの第1のコンタクト9の間の領域は、フランクパターニングされており、すなわち、そこでの第2の層5および遷移層7ならびに第1の層3の一部も、第2のコンタクト11の縁部領域と同様に、そこでは除去されている。層スタックの深いフランクパターニングは、ここでは図186のBと同じように第2の層5の側部から行われた。図には小さなウェブのみが残っているが、これは必要に応じてさらに分離することができる。
図187は、下図に示す2行×3列(2×3)のベースモジュールBを有するμ-LEDモジュールを提供するためのベースモジュールB案の更なる構成例を描写したものである。上図のベースモジュールBは、ここではキャリア1上に提供されているが、キャリアなしで提供されていてもよい。この平面図では、第1のコンタクト9および第2のコンタクト11、ならびに第1の層3、遷移層7および第2の層5が確認できる。
図187の下図によれば、6つのベースモジュールBがμ-LEDモジュールに組分けされている。既にキャリア1の上にあるこのマトリクスは、X-Y平面に2行×3列で選択されている。キャリア1上で隣り合う行を製造する場合、行のベースモジュールBは同じ方向を向いている。ここでは、下の行は、上のベースモジュールBとは逆向きに配置されているベースモジュールBを有している。図187の下図に示すμ-LEDモジュールは、浅いフランクパターニングの後、キャリア1上になおも配置されていてよい。分離領域を選択することで、下図に示す長方形の発光ダイオードモジュールへの組分けが行われる。これは、μ-LEDモジュールを囲む長方形に沿って、深いフランクパターニングにより引き離すことができる。このようにして得られた2×3(X-Y平面で2行×3列)のμ-LEDモジュールは、幅が約30マイクロメートル、長さが約30マイクロメートルである。この方法により、ベースモジュールからマトリクスの任意の組み合わせを引き離し、μ-LEDモジュールとして製造することができる。
図188のA~図188のDは、図187の下図の描写によるμ-LEDモジュールの2つの対向するベースモジュールBの4つの横断面図を示している。
図188のCは、図186のCとは対照的に、第1のコンタクト9が、エンドキャリア2上に作り出された共通の第1の接点19によって電気的に接続され、接触していることを示している。第2のコンタクト11は、エンドキャリアの第2の接点21に個別に電気的に接続されている。
図188のDは、図186のDとは対照的に、第1のコンタクト9がエンドキャリア2の第1の接点19に個別に電気的に接続され、第2のコンタクト11が第2の接点21に個別に電気的に接続されていることを示している。
図189は、キャリア(ウェハまたはキャリア1)のベースモジュールBを有するマトリクスを、X-Y平面に組分けした状態で示す平面図である。ベースモジュールBは、最初からキャリア(特にキャリア1)上に同じ向きで作製されている。ベースモジュールBの回転または方向転換は行わなかった。作製されたそれぞれのμ-LEDモジュールは、ここではベースモジュールBをY方向に1つだけ有し、そのため1行になっている。X方向には、任意の数のベースモジュールを提供することができる。図189では、ベースモジュールBが4つのμ-LEDアレイまたはμ-LEDモジュールMに組分けされている。
図190は、キャリア(ウェハまたはキャリア1)のベースモジュールBを有するマトリクスを、別様に組分けした状態で示す平面図である。ここでは、隣り合う2つの行のベースモジュールBは、これらの行のうちの1つの行のベースモジュールBを方向転換させることによって、互いに反対方向に向いている。点線は、まだ個片化されていないμ-LEDモジュールMの長方形を表している。図190は、Y方向に沿って1行または2行のμ-LEDモジュールMを示しており、X方向の列数は任意であり得る。
図191は、キャリア、特にキャリア1またはウェハのベースモジュールBを有するマトリクスを、さらに別様に組分けした状態で示す平面図である。この組分けにより、X-Y平面に3行×5列を有する長方形のμ-LEDモジュールMが作り出される。したがって、μ-LEDモジュールMは、長方形に均一に分配された15個のベースモジュールBを有している。ベースモジュールBは、1行に互いに等間隔で置かれている。同様に、各列も互いに等間隔に置かれている。ここでは、すべてのベースモジュールBが同じ向きになっている。
図192は、キャリア、特にキャリア1またはウェハのベースモジュールBを有するマトリクスを、さらに別様に組分けした状態で示す平面図である。この組分けにより、X-Y平面に4行×3列の長方形のμ-LEDモジュールMが作り出される。したがって、ここでのμ-LEDモジュールMは、12個のベースモジュールBを有し、それらは長方形の中に均一に分配されている。ベースモジュールBは、1行に互いに等間隔で置かれている。ベースモジュールBは、2つのペアの行を含んでおり、1つのペアの行では、両行のベースモジュールBは互いに反対方向に向いており、互いに等間隔で置かれている。各ペアの行の互いの間隔は、1つのペアの行の各行の間隔と異なっていてもよい。このようにして、キャリア1またはウェハ上にμ-LEDのチップ集団を形成することができる。その結果、モジュラー型のμ-LEDアーキテクチャが得られる。
製造されたμ-LEDモジュールMは、例えば、フリップチップ技術を用いて電気的に接触させ、例えば、μ-LEDディスプレイに組み込むことができる。ベースモジュールBは、電気的に直列に接続したり、電気的に並列に接続したりすることも可能である。
図193Aは、中間転写ステップの後または既に前に、μ-LEDモジュールが発光側にパターニングされた構成を示している。この場合、発光側の半導体層には、周期的に配置された複数の穴がエッチングされており、これらはいわゆるネガ型のピラーまたはカラムと呼ぶことができる。これにより、空気で満たされた穴よりも周囲の半導体材料の方が屈折率が大きくなるため、屈折率が周期的に変化する。本構成形態では、周期構造体の深さはほぼ活性領域にまで及んでいるが、少なくとも放出された光の波長のオーダーではある。本構成の場合、半導体材料の穴は埋められていない。しかしながら、一方では所望の光学的特性を得るために、他方では平坦な表面を得るために、異なる屈折率を有する材料を充填することが好都合であり得る。
μ-LEDモジュールは、深いフランクパターニングの後と完全なエッチングの後とに、バックプレーン上に転写される。この場合、組み合わされたベースモジュールのμ-LEDのサイズが定義されていることは、これにより間隔が確定的に定義されるため、特に適している。さらに、異なるサイズのモジュールを転写するために、場合によってはある部類のスタンプを使用することも可能である。図193Bは、本願明細書で後ほど詳しく説明しているように、スタンプを用いた、かかる転写プロセスの例を示している。スタンプ20は、確定された間隔を空けて配置された複数のパッド21および22を有しており、これらのパッドの各々は、本願に記載されているように、表面張力もしくは表面電荷を受けることができる。パッドの間隔は、各ベースモジュールの個々のベースモジュールのサイズに対応している。
ベースモジュールまたはμ-LEDモジュールを複合品から取り出して転写する場合、スタンプはモジュールに面している側に電位を発生させ、この電位がパッドに付着する。ここでの付着力は、パッドの電荷または電圧で決まる。そのため、この点において、パッドにより発生する静電気力が十分であれば、より大きなモジュールの搬送も可能である。
図194は、発光ダイオードモジュールを製造するための提案された方法の一構成例を示している。第1のステップS1では、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックが作製される。これは、キャリア1上に形成された第1の層を有し、第1の層の上に活性層が施与され、さらに活性層の上に第2の層が施与される。活性層は、量子井戸などを含んでいてもよい。
第2のステップS2では、キャリア1に面していない第1の層の表面領域を露出させる。最後に、第3のステップでは、キャリア1に面していない第2の層の表面領域に第1のコンタクトを施与する。さらに、キャリア1に面しておらず露出した第1の層の表面領域に第2のコンタクトが作製される。第2のコンタクトは、誘電体によって遷移層および第2の層に対して電気的に絶縁されており、キャリア1に面していない第2の層の表面領域に広がっている。
このようにして、任意の数のベースモジュールをウェハまたはキャリア1上にマトリクスとして作製し、ベースモジュールをμ-LEDモジュールに組分けし、次いでこれらを個片化することができる。発光ダイオードモジュールは、マトリクスのX-Y平面において、好ましくは長方形または正方形の形状を有している。この形状において、ベースモジュールは互いに行と列とに等間隔で規則的に配置されていてもよい。ベースモジュールは、マトリクスに沿って、好ましくはウェハ、キャリアまたは交換用キャリア1上に均一に分配して作製および配置されている。
ここで示す製造方法は非常に単純化されている。むしろ、ここに記載されているさまざまな技術を使用することもできる。例えば、各ベースモジュールは、バンド構造の変化に対応したドーピングにより、電流狭窄を有していてもよい。ベースモジュールは場合によっては個片化されるため、さらに、量子井戸インターミキシングなどの措置によって、可能性としてあり得る所定の破断点で材料系および活性層のバンドギャップを変化させることが好都合である。これにより、バンド構造の電位が変化して電荷キャリアが反発するため、可能性としてあり得る縁部欠陥箇所での非放射再結合が減少する。さらに、製造されたμ-LEDモジュールは、放射パターンを改善するために表面にパターニングを施すことができる。そのため、より大きなモジュールまたは異なる色のモジュールにフォトニック結晶または変換層を施与することが可能である。加えて、各μ-LEDモジュールには独自の駆動制御機能を持たせることができるが、これは既にエンドキャリア2に実装されている。
他の態様では、このようなサブユニットにセンサーを搭載できるかどうか、搭載できるとしたらどの程度できるかという問題が関係している。前述のように、製造され組分けされたモジュールは、例えばバックプレーンなどのターゲットマトリクスに転写される。
図195は、ここで提示されているモジュールによって製造される、このようなセンサーを備えたディスプレイを製造するための提案された方法のステップS1~S5を示している。
この方法では、第1のキャリア3もしくはエンドキャリア上に行と列とに並置された構造素子、特にμ-LED5の全体的に平面のターゲットマトリクスを用いて、μ-ディスプレイが製造される。μ-LED自体はモジュールの一部となる。
第1のステップS1では、スタートマトリクス7のキャリアもしくは交換用キャリア17上に多数のμ-LED5が形成される。スタートマトリクス7におけるμ-LED5の間隔とサイズは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3上のその後のターゲットマトリクス1の空所の間隔とサイズに対して、一定の、特に整数の比率になっている。μ-LEDは、本願に記載されている方法で形成される。特に、モジュール構造を得るために、深いメサエッチング用のウェハが準備される。個々のμ-LEDは、その後にターゲットマトリクス上のサブ画素あるいは画素を形成する。この点において、スタートマトリクス7は、ターゲットマトリクス1の少なくとも一部と一致することができる。このようにして、構造素子5の群を、この部分に関して交換用キャリア17からエンドキャリア3に移すことができる。したがって、μ-LEDがその上に形成された交換用キャリアは、μ-LEDのサイズおよび間隔に関して、エンドキャリアと少なくとも部分的に一致することができる。
第2のステップS2では、交換用キャリア17上で、特に深いメサエッチングによって、μ-LED5を組分けして多数のモジュール9が形成される。
S2に続くステップS3では、このようにしてパターニングされたモジュール9が、特にレーザーリフトオフまたは機械的もしくは化学的プロセスによって交換用キャリア17からリフトアップされ、次いでモジュールとしてエンドキャリア3ひいてはターゲットマトリクス1上に転写される。μ-LED5に接触するモジュールのコンタクト領域は、転写後のターゲットマトリクスのコンタクト領域に対応するように構成されている。言い換えれば、エンドキャリア3ひいてはターゲットマトリクス1の少なくとも一部の領域について、モジュールと、交換用キャリア17上にコンタクト領域を有するμ-LEDとは、交換用キャリア17上のμ-LED5の間の距離がエンドキャリア3のターゲットマトリクス1上のμ-LED5の間の距離と同じになるように、行と列とに並置されている。
第4のステップS4では、モジュール9は、ターゲットマトリクス1の一次エンドキャリア3上に、多数の占有されていない場所11がこのターゲットマトリクス1に残るように位置決めされ、電気的に接続される。このために、モジュール自体を不均等に構成して、例えば1つのモジュールが欠けるように構成してもよい。あるいはモジュールを、一部の位置、例えば行または列が空いたままとなるように、ターゲットマトリクスに転写してもよい。
第5のステップS5では、占有されていない場所11に、少なくとも部分的にそれぞれ少なくとも1つのセンサー素子13が位置決めされ、電気的に接続される。
図196Aは、μ-LED、モジュールおよび交換用キャリアの間のさまざまな態様と違いを表したものである。交換用キャリア17は、本願に開示されている複数のステップで、少なくとも1つの活性層を含むさまざまな半導体層が堆積されたサファイア基板を含んでいる。交換用キャリア17上には、浅いエッチングによってμ-LEDのスタートマトリクス7が作り出される。μ-LED5は、まだ互いに接続されており、浅いエッチングによって生じた互いに電気的に絶縁された領域のみを有しているので、個別に応答可能である。このような方法は、本願に開示されている。一態様では、縦型μ-LEDが、基板に面している第1のコンタクトと、基板に面していない第2のコンタクトとで形成される。しかしながら、本構成以外にも、コンタクトが同一面で隣り合っているフリップチップ型のμ-LEDを作製することも可能である。この例では、μ-LED5をフリップチップとして構成しており、そのため、2つのコンタクトは基板に面しておらず、互いに電気的に絶縁されている。μ-LED5は、方形型の素子を形成している。μ-LED5はベースとなる素子で、例えば幅が約10μm、長さが約15μmである。図196Aの左側には、ベースユニットとしての構造素子5が示されている。
追加で行われる、今度は深いメサエッチング(これは図195の第2ステップS2に相当)によって、μ-LED5はモジュール9に組分けされる。図196Aの真ん中には、12個の構造素子5のスタートマトリクス7が、浅いエッチングによって交換用キャリア17上に作製されており、μ-LED5は共通の側部15に沿って4行×3列で並置されている。図196Aの中央にある太い縁は、このようにして組分けされたモジュール9の周囲を延在しており、複数の構造素子5をまとめることができる。このようにして、2つのモジュール9aが作製され、モジュール9aはそれぞれが3つのμ-LED5をまとめている。さらに、2つのμ-LEDを備えた2つのモジュール9bだけでなく、1つのμ-LEDを備えた2つのモジュール9cも作製されている。
図196Bは、エンドキャリア3に転写された後のモジュールとμ-LEDを表したものである。エンドキャリア3上には、合計6つの列と行を見ることができるが、その数はもちろん任意に選択されていてもよい。モジュールの配置は、モジュール間の距離がなくなるように、すなわち、構造素子が互いに近くなるように選択されている。しかしながら、このマトリクスに完全には当てはまらないモジュールも選択される。例えば、2×2のモジュールは、ここに示されているエンドキャリアを完全に覆うことができる。しかしながら、2つのモジュールは、2×2のマトリクスとしてではなく、2×1のマトリクスとして構成されるように、すなわち、μ-LEDを3つだけ有し、そのため1つの場所11が空いたままとなるように構成されている。このように、上述のタイプの位置決めの場合、2つの場所11が空いたままとなり、これらの位置はそれぞれのモジュールの配置に依存することになる。空いている2つの位置のうち、左の位置にはセンサー素子13が置かれている。図示されている構成では、1つの場所だけが既に占有されている。しかしながら、いくつかの構成では、センサー素子は、2つ以上の個々の素子からなっていてもよく、その場合は、占有されていない場所に分配される。
したがって、図196Bは、モジュール9の形でまとめられ、エンドキャリア3上に配置された多数のμ-LED5を示している。このようにして、一枚の全体的に平面なターゲットマトリクス1が実装されている。μ-ディスプレイの場合、モジュール9がサブ画素として形成され、まとめられる。赤色、緑色および青色の3つの異なる色のモジュール9を作り出し、サブ画素として一緒に画素(画像素子)を発生させるように並置する。次いで、画像素子をターゲットマトリクス1に沿って行と列とに配置する。冗長なμ-LEDを使用することで、冗長なサブ画素の代わりに、センサー素子をいくつかの場所に位置決めすることもできる。
図196Cは、多数の全体的に平面なターゲットマトリクス1の配置構造を表したものである。
図196Bとは対照的に、多数の全体的に平面な個々のターゲットマトリクス1が使用され、それぞれが、図196Bに記載のとおり、多数のモジュール9も有することができる。図196Cの明確な説明のために、それぞれの個々の全体的に平面なターゲットマトリクス1は、2つの行と2つの列のみを有している。ここでのターゲットマトリクス1は、領域内で一様に等しい大きさを有している。あるいはターゲットマトリクス1は、異なる大きさの領域を作り出してもよい。このようにして、表示デバイスをそれぞれの用途に柔軟に合わせることができる。
このように、左上のターゲットマトリクス1では、モジュール9がターゲットマトリクス1の占有可能な場所をすべてカバーしている。その右側では、1つの構造素子5を備えた1つのモジュール9のみがターゲットマトリクス1に形成されており、3つの場所11は空いたままとなっている。その下には、2つの構造素子5がモジュール9を形成しており、2つの場所11は空いたままとなっている。左下のターゲットマトリクス1には、3つの構造素子5からなるモジュール9が位置決めされており、1つの場所11のみが空いたままとなっている。占有されていない場所11には、例えば、少なくとも部分的にセンサー素子13が形成されていてもよい。前述の4つのターゲットマトリクス1のうち、3つのターゲットマトリクス1は、それぞれ赤色、緑色および青色の各色の構造素子5を有し、それらが一緒になって1つの画像素子を形成してもよい。この画像素子を、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3に沿って縦横に繰り返すことで、表示機能を持たせることができる。原則的にサブ画素の均一な放射が所望されていることから、各色のサブ画素に同じモジュール9を実装することが好ましい。あるいは第4のターゲットマトリクス1には、センサー素子13が完全に実装されていてもよい。
行のターゲットマトリクス1のそれぞれの距離を表す距離aとc、および列のターゲットマトリクス1の距離を表す一例としての距離bは、表示部の所望の解像度に応じて選択することができる。これは、第1のキャリアもしくはエンドキャリア3の縁部までの距離にも当てはまる。距離aとb、またはaとc、またはbとc、またはaとbとcは同じであってもよい。同様に、距離aとbとcは、構造素子5の空間的な広がりもしくは構造素子5の相互の間隔の整数倍とすることができる。
図196Dは、バックプレーンまたは他の基板上のμ-LEDモジュールを電気的に接触させるための異なるコンタクトオプションを例示している。M1は、特に2つの個別のベースモジュールに適した2つの領域KB1およびKB2を有するコンタクトパネルM1を示している。ベースモジュールは、単独でも組み合わせても表面に配置することができる。コンタクトパネルM1’は、より大きなコンタクト領域KB3を有している。これにより、浅いメサエッチングを施した2つの連続するベースモジュールからなるμ-LEDモジュールを配置し、一緒に駆動制御することができる。パネルM1’’は、パネルM1’と同様に、1つのベースモジュール用のコンタクト領域のみが設けられている。パネルM2には、コンタクト領域の上に配置されたμ-LEDモジュールが示されている。パネルM1’’’は、共通の端子が設けられている領域を示している。
図196Eは、部分的に実装された平坦面または平面のセクションを、これに関するいくつかの態様を説明するために示している。前述のように、μ-LEDは、行と列のアレイとして製造することができる。これにより、複数のμ-LEDモジュールや異なる色のモジュールを実装することができる。これを図196Eに示す。このセクションは、赤色のモジュールrMを真上から見たものである。提案された原理により6×1のモジュールで製造されており、平面上で施与して接触される。赤色のモジュールには、青色のモジュールbMが隣接しており、さまざまなコンタクトを説明するために一種の横断面図で示されている。共通接続されたコンタクトにはKのマークを付けている。この文脈での「共通」という用語は、これらのコンタクトが、少なくともいくつかの他の隣り合うコンタクトと同じ電位を有していると理解されるべきである。したがって、平面には共通のコンタクト領域AB4が施与されている。図に示すように、コンタクト領域AB4は、常に複数のベースモジュールのコンタクトKに接触している。更なるコンタクトKbは、各ベースモジュールを個別に駆動制御する役割を果たす。そのため、4つのベースモジュールを個別に駆動制御し得るためには、シート面に合計5つのコンタクト領域を形成する必要がある。したがって、図に示すように、異なる色のμ-LEDモジュールでも、共有コンタクト領域を使用することができる。
最後に、図197は転写プロセスのさらに別の態様を示している。ベースモジュール内のμ-LEDモジュールの周期的な配置および編成により、μ-LEDモジュールを所望の方法で個片化した後、本願に提示されているデュアル転写プロセスによってモジュールを移すことができる。図197は、その大きさがベースモジュールの間隔に対応する2つのパッド22を備えた転写配置構造20を示している。
μ-LEDは、モノリシック画素アレイを製造する以外に、キャリアボードに個別に施与して引き続き接触させることもできる。図198は、提案された原理によるいくつかの態様を有する、さまざまなアセンブリ10用の画素モジュールの一構成例を示している。モジュール10は、第1の主表面3、合計4つの側面11、および下面を形成するがここでは図示されていない第2の主表面を有する本体2を含んでいる。本体2は、例えば、シリコンまたは他の半導体材料で形成されている。しかしながら、いくつかの構成では、本体は、導電性または非導電性の他の材料で形成されてもよい。第2の主表面は、第1の主表面3と平行であり、そのためモジュールと本体2の下面を形成している。各側面は、第1の主表面もしくは本体の上面に対して傾斜しており、そのため、図に示すように、角錐台を形成している。したがって、図200に示すように、第1の主表面と各側面との間の角度αは90°超であり、第2の主表面5と各側面との間の角度βは90°未満である。
再び図198を参照すると、上面3は、中央に配置された絶縁層22を含んでいる。この例では、絶縁層は、第1の主表面を完全には覆っておらず、角部には自由な領域が残っている。それから、絶縁層上には複数のコンタクトパッド14a~14cが配置されている。各コンタクトパッド14a~14cは、図に示すように、その幅が実際のコンタクトパッドよりも短いコンタクトウェブ12a~12cに接続されている。コンタクトウェブ12a~12cはまた、モジュールの本体2から絶縁されている。それから、本体の各側面11には、コンタクトウェブの継続部13a~13cが設けられている。これらはコンタクトタブとして形成されており、コンタクトウェブ12a~12cに比べて、ここでは側面が著しく広くなっている。これにより、各側面のコンタクト可能領域が増え、その結果、位置決めの許容範囲を広げ、接触の自由度を高めることが可能になる。
各コンタクトパッド14a~14cには、縦型構造のμ-LEDが配置されている。これらは、例えば、赤色、緑色および青色の光といった異なる波長の光を発するように構成されている。μ-LEDは、数μm、例えば5μmのエッジ長さを有しており、したがって、コンタクトパッド14a~14cよりも若干小さい。さらに、後者は、表面3上で互いに間隔を空けて配置されているので、モジュール10の機能を制限することなく、μ-LEDの位置決めに際して僅かにオフセットすることが可能である。μ-LEDは、縦型μ-LEDとして構成されており、すなわち、その下面および上面にそれぞれ電気的コンタクトを有している。下面のコンタクトは、コンタクトパッドと電気的に接続されている。
上面には、透明な導電層21が、3つのμ-LEDに共通のコンタクトパッドを形成し、第4のコンタクトウェブ12dに導かれている。これは、3つのμ-LEDの共通の端子を形成するのに優れている。本構成例では、第4のコンタクトウェブ12dは、コンタクトウェブ12a~12cよりもかなり幅が広く、厚さを持たせて構成されている。これにより、視覚的な識別が可能となり、その結果、μ-LEDモジュールの転写と、接続のための正しい位置の確保とをより簡単に行えるようになる。このコンタクトウェブは、μ-LEDモジュールの側面のコンタクトタブ13dに電気的に接続されている。
各側面のコンタクトタブは、モジュールをマトリクスなどに挿入する際に、モジュールもしくはμ-LEDと電気的に接触させるためのものである。さらに、図199は、モジュールの応用可能性を有利に高める更なる態様を示している。ここで、モジュールの下面には、複数のコンタクトパッド15a~15dが配置されており、これらはコンタクトタブ13a~13dと電気的に接続されている。下面のコンタクトパッドの構成は変えることもでき、各種用途の要件に合わせることができる。この例では、コンタクトパッド14a~14dは実質的に長方形である。
図200は、図199のX-X軸に沿ったμ-LEDモジュールの断面図である。面取りされた側面がはっきりと見て取れる。この側面は、第1の主表面、すなわちモジュールの上面と90°超の角度αをなしている。例えば、100°~150°の間、特に110°~130°の範囲の角度であってもよい。この角度は、以下でさらに詳しく説明するように、製造方法と製造に使用されるパラメーターとによって異なる。それに伴い、角度βは90°未満である。コンタクトタブとコンタクトウェブとは連続したメタライゼーションを形成している。モジュール本体の厚さは10μm~100μmの範囲で、メタライゼーションは100nm~約10μmの範囲の厚さを有している。これにより、モジュール自体はかなり平坦に保つことができるが、ボディ自体は十分に安定している。
図201は、提案された原理によるμ-LEDモジュールの更なる構成の平面図であり、そこから更なる態様を見ることができる。本構成では、モジュール本体を備えたモジュールは、ただ2つのμ-LED20と、さらに集積回路を内蔵した更なる半導体チップ30とを備えている。本構成では、μ-LEDは横型のフリップチップとして形成されており、μ-LEDの見ることのできない下面は2つのコンタクトを有している。μ-LEDは、コンタクトウェブ12に機械的および電気的に接続されている。したがって、各μ-LEDは、2つのコンタクトウェブ12に接続されており、これらのうち一部が側面の対応するコンタクトタブに導かれている。さらに、いくつかのコンタクトタブがモジュールの上面に配置されており、その結果、更なるコンタクトパッドを形成している。ICチップ30は、固有のコンタクトウェブを介して、モジュール本体の側面のコンタクトタブに接続されている。
本構成では、個々のコンタクトウェブは各側面に直線的に延びていない。むしろ、本構成例では、表面および/または側面に沿って延びるコンタクトウェブを用いて、チップ30だけでなく構造素子20も電気的に接続する配線変更を示している。各側面に沿ったコンタクトタブ13’は、各側面のエッジに実質的に平行に設けられており、すなわち、コンタクトタブ13’は、サイドエッジに沿って延びている。これにより、外部コンタクトとの有効な接触領域が増加する。そのため、マトリクスやディスプレイなどの上に、僅かにオフセットしたり、配置の許容範囲を広げたりして載置することも可能である。
この態様は、図202による側面図で再び明らかにされる。これは、側面のコンタクトタブと、モジュールの下面のコンタクトパッド15との組み合わせを示している。各コンタクトタブ13’は側面に設けられているが、その高さは異なる。
図203Aは、提案された原理によるμ-LEDモジュールの更なる加工の一例を示している。ここで、モジュール10は、別個のプロセスで製造され、次いで別個のステップでキャリア上に載せられる。キャリア50は、複数の信号線、制御線および電力線を有しており、ここではそのうちの1本のリード線56を例示している。さらに、キャリア50には、集積回路55やバッファ回路なども含まれている。この例では、モジュールはキャリア上でリード線56の真横に置かれ、そこに取り付けられている。こうしてパッド56とコンタクトタブ13との間の電気的なコンタクトおよび接続を実現するために、これらの2つは更なるステップで互いに接続される。これを図203Bに示している。コンタクトパッド56は、リフローまたは他のはんだ付けプロセスによってコンタクトタブ13に取り付けられる。材料57は、導電性の金属である。これにより、電気的な接続をもたらすだけでなく、モジュールをキャリアに機械的に取り付けることができる。かかる場合には、モジュール本体をキャリアにさらに取り付ける作業も省くことができる。
図203Cは、これに関連してさまざまな接触オプションを示している。図203Cの上図では、モジュール本体をキャリア50上のコンタクトパッド56b上に載置し、コンタクトパッドがモジュール本体の下面で当該モジュール本体のコンタクトパッドと重なるようにしている。加熱後、ペースト、リフローまたは他の方法によって、2つのパッドの間で確定的に接続される。そのためには、モジュールをキャリア上に正確に位置決めする必要がある。
図203Cの下図では、図203Bと同様の形状を示している。モジュール本体2の側面のコンタクトタブは、リード線を用いたはんだ付けプロセスによってキャリア50上に取り付けられる。あるケースでは、キャリア上のこのリード線56は、モジュール本体の下面のコンタクトパッドとも部分的に重なるように構成されている。これにより、電気的な接続がさらに一層保証される。同時に、この構成は、位置の変動に対する影響が若干低いため、キャリア50上のリード線をより大きくすることができ、同時に、追加のはんだによって接続性も向上する。はんだが短絡を起こさないように、領域50はリード線56のコンタクト領域を除いて絶縁されていることが望ましい。しかしながら、リード線56のコンタクト周辺の領域は、はんだがリード線にも達し、そうして電気的な接続を向上させるように構成することが好都合である。
図204Aおよび204Bは、特殊なモジュール本体の更なる構成例を示している。この場合、モジュール本体2は、構造素子20および30が配置された中央の凹部を有している。これにより、モジュールの全高をさらに低くすることができる。さらに、モジュール本体の縁部領域は、レンズなどの光学素子の取り付け部としても機能することができる。半導体光学構造素子20および30へのコンタクトリード線は、凹部の底面および側面に沿って延びている。図204Bに示すように、凹部の側面は傾斜している。接触のために、リード線80は、内側の側面に沿って、外側の側面に沿って主表面を横切り、後部のコンタクトパッド15まで配線されている。この図では、外側の側面は実質的に垂直になっている。しかしながら、必ずしもこうである必要はなく、いくつかの構成では、この側面は、これまでの構成と同じ方法で面取りされていてもよい。
さらに、モジュール本体は、凹部のモジュール本体の材料を貫通して延びるビア60を有している。ビアの中には接触用の金属が入っており、これもさらに本体とは絶縁されている。こうしてスルーホールビアとコンタクトタブやコンタクトパッドとを組み合わせることで、非常に柔軟なコンセプトを実現し、さまざまな技術や接続仕様に対応したモジュールを標準化された方法で作製することができる。
図205Aおよび205Bはこの原理をさらに拡張したものである。図205Aおよび205Bの両方において、モジュール本体2は、凹部または切欠き部を同様に含んでいるが、これは、モジュール本体の下面で中に取り込まれている。モジュール本体2の上面には、μ-LEDが配置されている。これらの例では、本体2の材料を貫通して延び、構造素子20のコンタクトに接続された複数のビア60が設けられている。それから、構造素子に面していない側、すなわち凹部には、ビア60を導電的に接続し、凹部に沿って側面でウェブ80に配線されるコンタクトウェブ12が設けられている。この場合、凹部の内側側面のウェブ80は、下面のコンタクトパッド15に接合されている。
図205Aとは対照的に、図205Bの構成では、下側のコンタクトパッドは、モジュール本体の外部表面を介して接触している。両方の構成を互いに組み合わせることもでき、すなわち、スルーホールビアを設けるとともに、外側の側面のコンタクトタブおよび/またはコンタクトパッドと導電的に接続されるコンタクトリード線を設けることもできる。モジュール本体の表面が大きくなったことで、特別に適合された配線を行うことができ、配線の自由度が大幅に高められる。図205Aおよび205Bの構成では、モジュール10の位置決め時にキャリア上に更なる回路を設けることができ、その位置は凹部内にある。これにより、より高い集積密度が実現される。
図206は、これに関連して、提案された原理によるモジュールの製造方法の一例を示している。この文脈では、本願に開示されているさまざまな技術が製造に使用されていることに留意すべきである。しかしながら、ステップS1に示すように、パターニングされたメンブレンウェハの作製が1つの構成要素となっている。このために、メンブレンウェハを準備し、これをV字型の断面の凹部やトレンチが形成されるようにエッチングによりパターニングする。かかるパターニングされたメンブレンウェハの平面図を図210に示す。
ステップS2では、パターニングされたメンブレンウェハ上に、コンタクトパッドやコンタクトリード線もしくはコンタクトウェブやコンタクトタブを作製する。このために、フォトマスクを施与して、例えばMOCVDで金属製リード線を形成する。必要に応じて、このステップでは、先に形成された絶縁されたスルーホールビアにもメタライゼーションを施すことができる。ステップS3では、それからコンタクトパッド上にμ-LEDを載置し、これらに接続する。
ステップS4では、メンブレンウェハの背面が露出するように、メンブレンウェハを補助キャリアにボンディングし直す。引き続き、ステップS5では、ウェハの背面をトレンチまでエッチングバックする。これにより、モジュールを個片化して、各モジュールに目的の数のμ-LEDを搭載することができる。例示的なステップS5では、これは1つの構造素子となる。あるいはステップS6も行うことができ、この場合もエッチングされるが、今度は複数のμ-LEDがまとめられることで、これまでの例と同様のモジュールが提供される。この場合、μ-LEDの数や、その位置決めに制限は課されていないが、必要性やその後の使用方法に応じて異なる。最後の任意のステップでは、コンタクトパッドをモジュール本体の下面に設け、側面のコンタクトタブに導電的に接続する。
図207は、図198のモジュールがキャリア上に載置された後の、その透視図を示している。キャリアは、複数の供給リード線および制御リード線を含んでいる。共通のコンタクトパッド13dには、コンタクトウェブ90bを介して供給リード線92が接続されている。コンタクトパッド13bは、トップコンタクトとして構成されており、それぞれの縦型μ-LEDのトップコンタクトを共通の端子に接続する。更なる供給リード線91が、ウェブ90を介してモジュール本体の側面のコンタクトタブ13aに接触することで、赤色のμ-LEDの端子を接合している。側面が面取りされていることで、ウェブ90または90bとそれぞれのコンタクトタブとの間で電気的な接続を確実に実現することができる。さらに、モジュールは、ウェブ90をタブ13a~13dにはんだ付けするはんだ付けステップにより取り付けられる。コンタクトタブ13a~13dは、それぞれの側面の比較的大きな部分を横切るので、位置決めの精度に対する要件は若干低くなる。
図208Aは、3つのμ-LEDを接触させるために、モジュール本体の表面に金属ウェブ12a~12dを有する、異なる色の3つのμ-LEDを備えたモジュールの平面図を示している。これらはそれぞれ1つの画素のサブ画素を形成しており、SMT型μ-LEDとして形成されている。μ-LEDの下面にはコンタクトパッドがそれぞれの側にあり、横型LEDを形成している。μ-LED20は、概略的に破線で表されている。μ-LEDのコンタクトパッドは、それぞれ横方向に配置されている。そのため、完全な接触のために、コンタクトパッドのそれぞれ片側がコンタクトウェブ12a~12cのうちの1つに接続されている。さらに、ウェブ12dとそこでのメタライゼーションとの共通のコンタクトが実現されている。ウェブ12a~12cの各々は、角部の1つと、それぞれ角部に沿ったコンタクトタブ13a~13cと繋がっている。
図208Bは、μ-LED構造素子20が、下面に1つのコンタクトパッドと、上面に更なる1つのコンタクトパッドとを備えた縦型μ-LEDとして構成されている代替的な構成を示している。この例では、コンタクトパッド14a~14cが大きく構成されており、μ-LEDと実質的に同じ寸法を有している。μ-LEDはコンタクトパッドの上に置かれ、これと電気的に接続されている。コンタクトウェブ12a~12cは、ここでもそれぞれの角部タブ13a~13cをコンタクトパッドに接合している。第4の共通のコンタクトウェブ12dは幅広で構成されており、透明な導電材料を介してμ-LED20の上面に接触させる役割を果たしている。
図209は、図208Aによる構成の下面を示している。各側面のコンタクトタブ13a~13dによって、下面のコンタクトパッド15が接触している。これらは、比較的大面積で構成されている。抜粋部分では、これに関する側面図も確認できる。一構成では、コンタクトの一方が他方のものよりも大きく、上面にある共通のコンタクトリード線12dの端子を形成している。
モノリシックディスプレイの製造に加えて、一部の用途および構成では、キャリア基板とそこのコンタクト領域にμ-LEDを転写して取り付けることが企図されている。転写とそれに続くプロセスステップ時の誤り率を低減するために、以下の例および構成では、冗長なμ-LEDの位置を有する画素アレイが提案される。これらの位置に必要に応じて備え付けることができる。図211のA~図211のCは、基板15上の画素11用に設けられたコンタクト13の平面図を示している。基板15は、フィールド状もしくはアレイ状に配置された更なる画素用の複数のかかるコンタクト13を有している。以下に説明するように、サブ画素を実装した後、画素フィールドもしくは画素アレイが得られ、例えば、これはディスプレイに配置することができる。
コンタクト13は、一次コンタクト17a,17b,17cのセット17と、交換用コンタクト19a,19b,19cのセット19とに分けることができる。コンタクト13の各々には、サブ画素、例えばμ-LEDを実装することができる。ここで、図211のAは、未実装状態を示している。
第1の実装ステップでは、基板15の画素11は、各画素11に対して一次コンタクト17a~17cにそれぞれサブ画素21a,21b,21cが実装されるが、交換用コンタクト19a,19b,19cは空いたままとなるように実装される。サブ画素21aは、例えば、赤色のスペクトル領域の光を発することができるμ-LEDとすることができる。サブ画素21bは、例えば、緑色のスペクトル領域の光を発することができるμ-LEDとすることができる。サブ画素21cは、例えば、青色のスペクトル領域の光を発することができるμ-LEDとすることができる。したがって、画素11は、1回目の実装後、図211のBに示すように、RGBサブ画素21a~21cのセットを有する。
1回目の実装を行った後、サブ画素21a~21cの欠陥を検査することができる。例えば、サブ画素21cは欠陥があると特定することができる。
2回目の実装ステップでは、交換用サブ画素19cに、青色のスペクトル範囲で発光するμ-LEDとすることができる交換用サブ画素23を実装することができる。このようにして、交換用サブ画素23は、欠陥のあるサブ画素21cの代用になるが、このサブ画素は、一次コンタクト17c上に残したままにすることができる。
図211のA~図211のCに記載の基板15では、各画素11に、各一次コンタクト17a,17b,17cに対して、それぞれ割り当てられた交換用コンタクト19a~19cが設けられている。このように、基板15は、一次コンタクト17a~17c上の各サブ画素21a~21cを、交換用コンタクト19a~19c上の交換用サブ画素で代用することができる。
これに対して、図212のA~図212のCに記載の基板15は、画素11ごとに3つの一次コンタクト17a,17b,17cを有しており、一次コンタクト207a~207cのいずれかの欠陥のあるサブ画素を代用することができる交換用コンタクト19aは1つだけ有している。この場合、二次コンタクト上にサブ画素を有する画素が正しい色でアドレス指定されることを保証するために、追加の回路関連の措置を講じる必要がある。
図212Aはまた、未実装状態の画素11用のコンタクト13の平面図を示している。図212のBが示すように、1回目の実装ステップの後、一次コンタクト17a~cにはサブ画素21a~21cが実装されており、これらのサブ画素はまた、赤色、緑色および青色の原色用のμ-LEDとすることができる。
後続のステップでは、例えば、サブ画素21aを欠陥品として特定することができる。この欠陥のあるサブ画素の代わりとして、図212のCに示すとおり、サブ画素21aがエラーなしであった場合と同じ色の光を発する交換用サブ画素23を交換用コンタクト19aに配置することができる。
図213のA~図213のCは、6つの一次コンタクト17a,17b,17c,17d,17eおよび17fを含む一次コンタクトのセットが、それぞれの画素11に対して設けられている基板15のそれぞれの平面図を示している。加えて、基板15は、それぞれの画素11に対して3つの交換用コンタクト19a,19b,19cを有している。図213のAは、未実装状態の一次コンタクトと交換用コンタクトとを示している。
図213のBに記載の1回目の実装ステップでは、一次コンタクト17a~17fに、それぞれのサブ画素21a~21fを実装した。この場合、赤色、緑色および青色の原色のそれぞれ2つのサブ画素を提供することができる。このように、赤色、緑色および青色の原色ごとに二重の冗長性を持たせている。それ以外に、1色につき2つのサブ画素を提供することで、より正確な輝度階調表現ひいては輝度分解能の向上が可能となる。冗長性があるにもかかわらず、サブ画素21a~21fのエラーを調べることができる。例えば、同じ色の光を発するサブ画素21cとサブ画素21fとの両方に欠陥があるとわかった場合、欠陥がある2つのサブ画素21cおよび21fの代用となる交換用サブ画素23を交換用コンタクト19c上に設けることができる。
一次コンタクト17a~17fだけでなく、交換用コンタクト19a~19cも、当該コンタクト上に配置されたサブ画素21a~21f,23を電気的に接触させるために設けられていてもよい。サブ画素は、上で説明したように、特にμ-LEDとすることができる。
記載したこの製造方法は、サブ画素として横型のフリップチップ設計によるμ-LEDを使用したμ-ディスプレイ用の画素フィールドを製造するのに特に適している。この設計では、p型コンタクトとn型コンタクトとがそれぞれのμ-LEDの下側に配置されている。これにより、基板15の更なる後実装が更なるプロセスステップによって妨げられる前に、個々のμ-LEDの電気光学的特性を確認することができる。記載したこの製造方法は、縦型μ-LEDチップを備えた画素フィールドにも有利である。欠陥のあるサブ画素を見つけ出すためのテスト手順に応じて、冗長な交換用コンタクト19a~19cの後実装は、製造プロセスの異なるステップで行うことができる。この場合、後配置された交換用コンタクト19a~19cもしくは交換用サブ画素23を電気的に接触させるという、更なる処理オプションに留意することが望ましい。
一次コンタクト17a~17fおよび交換用コンタクト19a~19cの電気的接続については、さまざまなアプローチがある。例えば、図213を参照すると、冗長なコンタクト21aと21dもしくは21bと21eもしくはまたは21cと21fは、同じそれぞれのサブ画素回路に束ねることができる。そのため、冗長性はサブ画素の一次コンタクトのみに向けられており、サブ画素を駆動制御するための回路には必ずしも向けられていない。
交換用コンタクト19a~19cは、これらを実装後に、欠陥があると特定されたサブ画素の代わりに駆動制御できるように配線されていてもよい。
互いに対応付けられた一次コンタクトと交換用コンタクトとは並列に接続されていてもよく、一次コンタクト上に配置されたサブ画素に欠陥があることが明らかになり、交換用コンタクトに交換用サブ画素を実装した場合には、一次コンタクトへのリード線が切断される。
図212のA~212のCを参照するとわかるように、一次コンタクト17a~17c上のサブ画素用の冗長な配置オプションとして、少なくとも1つの交換用コンタクト19aも設けられていてよく、交換用コンタクト19aに、放出される光の色とは無関係に、交換用サブ画素を配置することができる。この冗長な交換用コンタクト19aは、第4のサブ画素のように配線されていてもよい。交換用コンタクトの駆動制御のプログラミングは、一次コンタクト17a~17cのいずれかで欠陥があると特定されたサブ画素の色に応じて、交換用コンタクト19aの実装に適合させることが望ましい。
以下では、改善された量産転写印刷プロセスの形で、転写を改善するための措置に関するいくつかのコンセプトを示している。このプロセスを使ったのは、ウェハのμ-LEDをディスプレイの支持面に転写するからである。支持面では、個々のμ-LEDが固定され、取り付けられるだけでなく、電気的に接続される。一方では、個々のμ-LEDの寸法は僅か数[μm]nの範囲であり、他方では、これらの多数のμ-LEDを同時に局所的に移す必要がある。この場合、このような数百万個の微細構造を多数のウェハから共通の支持面に頻繁に転写する必要がある。
これに関して図153Aに示す例では、まず、さまざまな半導体製造プロセスによってエピタキシャル層が作製されたウェハ12が提供され、ウェハ12から個々のμ-LED16が形成される。いくつかの態様では、μ-LEDは、動作時に異なる色や波長を発することができる。ここでそれを示すのが、色合いの違いである。μ-LEDは、例えば取り付けや転写を容易にできるように、少なくともその下面および/または上面が平坦に形成されている。製造プロセスの一環として、μ-LED16をウェハ12から機械的に分離することができる。これは、いわゆる犠牲層(例えば、図150A~図150Dならびに図148J、図149Jおよび図151Jを参照)を除去することによって行われ、場合によっては1つ以上のリリース層が加えられる。
図153Bは、エラストマースタンプ18が上方からウェハ12に向かって垂直に移動し、エラストマースタンプ18の適切な表面テクスチャによってμ-LED16の表面に付着する様子を示している。例えば、最大引張力は、μ-LED16の表面の大きさに比例してもよい。この付着力は、例えば、シリコン材料、特にいわゆるPDMSエラストマーによって生み出すことができる。μ-LED16がウェハ12から分離されるため、複数のμ-LEDは、これらがエラストマースタンプ18に付着したまま、一緒にウェハ12からリフトアップすることができる。このエラストマースタンプ18は、今度は転写動作においてウェハ12から離れ、例えば、その隣に位置するディスプレイの支持面14に向かって移動される。これは、例えば、転写ツールを用いて行うことができ、そのため、エラストマースタンプ18は、かかるツールの一部と見なすことができる。
図153Cでは、エラストマースタンプ18は、最初に支持面14の上方に位置しており、下降動作で支持面14の表面上に下降させられる。これにより、μ-LED16の下面が支持面14と機械的に接触する。図153Dに示す後続のステップでは、μ-LED16がエラストマースタンプ18から切り離される。その後、エラストマースタンプ18は、例えば、新たな転写サイクルを開始するために上向きに移動される。μ-LED16は、例えば、接着プロセスによって支持面14に持続的に取り付けることができる。
図153A~図153Dに示したステップからは、μ-LED16の数が多いため、可能な限り短時間で確実かつ正確な配置が望まれていることがわかる。特に、μ-LED16がスタンプ18によってピックアップされるとき、一方では発生する力を低く抑え、他方ではウェハ12上でのμ-LED16の確実な位置決めと保持を実現することが望ましい場合がある。特に、付着力の変動や、ウェハおよび/またはスタンプへの過剰な付着力を回避することで、この場合、大きな改善が得られる。
図148A~図148Jは、μ-LEDを支持する支持構造体を有するμ-LEDの製造方法の第1の構成例を示している。ここではμ-LEDの製造方法を簡略化して示している。これに関連して、本明細書で開示されている措置により方法を補足し、拡張することができる点に留意すべきである。
図148Aは、ここではGaAsを有する基板3上に、まずAlGaAsの犠牲体(Opferschaft)を施与するステップを示している。次いで、この犠牲体上に機能性層スタック1をエピタキシャル成長させ、この光学活性層スタック1は、少なくとも1つの量子井戸または他の光学活性構造13を有している。それに加えて、層スタックは、異なるドーピングが施された2つの層15および17を含んでいる。ここで、n型ドープ半導体層15は、犠牲層11に設けられている。次いで、基板3に面していない機能性層スタック1の側に、第1の導電性コンタクト層5が堆積される。これは、例えばITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよい。
図148Bは、基板3に面していない機能性層スタック1の主表面側の第1の導電性コンタクト層5に対して、第1のリソグラフィ処理を行うステップを示している。特に、第1のマスキング層19が第1の導電性コンタクト層5に施与されるが、支持構造体9を作製するために、第1の導電性コンタクト層5の領域が第1のマスキング層19によって覆われずに残る。次いで、層シーケンスのこの側から、覆われていない領域で、第1の導電性コンタクト層5、機能性層スタック1、犠牲層11および基板3の一部をエッチング除去することで、横断面図に示す凹部が形成される。側壁は非常に急勾配であるか、または実質的に垂直に傾斜している。
図148Cは、層シーケンスのエッチング除去された領域に支持構造体9を形成するステップを示している。このために、気相の材料が堆積されるが、この材料は、マスキング19を越えて延在し、マスキング層の高さでウェブ9の材料に小さな凹部が残るまでトレンチを埋める。この凹部は製造上のものであり得、例えば、凹部が完全に埋まるまで材料を施与することで、任意に省いてもよい。マスキング9上の過剰に厚い材料の層は、CMPまたは他のプロセスによって再び適切に薄くすることができる。
図148Dは、マスキング層19および層9自体の材料を除去した後の更なる態様を示している。この場合、第2のフォトマスク21が施与され、犠牲層にアクセスするために第2の領域にパターニングされる。支持構造体とパターニング部との間の領域がμ-LEDを形成する。パターニング後、新たに層5と層1とを介して犠牲層11までエッチングが行われる。その結果、図148Jに示した構造が得られる。ここでは、μ-LEDの寸法を規定するために、エッチングプロセスによってトレンチなどを形成することができる。
図148Eは、エッチングプロセス後の構造を示しており、ここでは、犠牲層11が層シーケンスから除去され、特にウェットケミカルエッチングにより除去されている。その後、機能性層スタック1は、基板3に取り付けられた支持構造体9によって支持される。最後のステップでは、除去された犠牲層11の領域で基板3に面している機能性層スタック1の側に、第2の導電性コンタクト層7が設けられる。第2の導電性コンタクト層7の材料は、ITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよい。犠牲材料がエッチング除去された領域では、第2の導電性コンタクト層7をスパッタリングによって施与することができる(図148Fを参照)。このようにして、基板3と機能性層スタック1との間の空間にアクセスすることができる。さらに、第2の導電性コンタクト層7を設ける際には、機能性層スタック1のフランク部だけでなく、基板3の露出部の領域も覆うことができる。同様に、場合によっては気相からの蒸着、電気めっきによる施与または他の技法も考えられる。
構造体の下側のコンタクト7が完成した後、フランク部の導電性材料、特にトレンチの領域の導電性材料が再び除去される。このようにして作製された構造を図148Gに示している。図148Hは、導電性材料を含まない機能性層スタック1のフランク部をパッシベーション層23で覆うステップを示している。これは任意である。さらに、第2のマスキング層21を除去した。さらに、第2の導電性コンタクト層7の導電性材料で覆われた基板3の上に、更なるパッシベーション層25を作製することもできる。
このようにして作製された構造体は、今度は前述のスタンプまたは他の転写ツールを使って支持構造体から分断することができる。層スタック1のフランク部は、ここでもさらにパッシベーション層23で覆われている。図148Jは、このようにして製造されたμ-LEDを分断するステップを平面図として再度示したものである。大きな矢印は支持構造体9の分断を表し、ギザギザの部分は破断点29を表している。
更なる構成例を図149A~図149Jに示している。図149A~図149Fは、図148A~図148Fと同じステップを示している。図148Gに示すステップとは対照的に、図149Gでは、機能性層スタック1のフランク部に堆積された導電性材料が除去される。次いで、パッシベーションの前に、またはパッシベーションの代わりに、フランク部に金属を堆積させて拡散させる。この材料は、特にZnであってもよい。これは層スタックの縁部領域に拡散して、そこでバンド構造を変化させ、欠陥密度の高いこの領域から電荷キャリアを遠ざけるようにする。結果このようにして、機能性層スタックにおける電荷キャリアの非放射再結合が低減される。これに続いて、図148H~148Jと同じ図149H~149Jによるステップが行われる。
図150A~図150Iは、支持構造体を有するμ-LEDを製造するための提案された方法の第3の構成例を示している。
図150Aは、GaAs基板3においてAlGaAsの犠牲層11上に機能性層スタック1をエピタキシャル的に施与したステップを示している。機能性層スタック1と犠牲層11との間には、例えばInGaAlPを有しかつ犠牲層11に比べて比較的薄い第2の支持層24が同様にエピタキシャル形成されている。これまでの構成と同様に、層24および犠牲層に隣り合う層スタック1のドープされた半導体層はn型にドープされている。第2の半導体層17はp型にドープされている。続いて、ここでは示されていない第1の導電性コンタクト層5が、基板3に面していない機能性層スタック1の側、特に主表面側に設けられる。この場合、当該コンタクト層5は、例えばITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよい。
図150Bは、基板3に面していない機能性層スタック1の主表面側に、第1のリソグラフィ処理を行うステップを示している。このために、第1のマスキング層19が機能性層スタック1の第2の半導体層17に設けられるが、支持構造体9を作製するために、機能性層スタック1の外縁領域が第1のマスキング層19によって覆われずに残る。層シーケンスのこの側から、これらの覆われていない縁部領域で、機能性層スタック1、第2の支持層24および犠牲層11を基板3まで、特にICP(誘導結合プラズマエッチング)によってエッチング除去することができる。最後に、第1のマスキング層19を再び除去する。このようにして形成されたトレンチは、本体の四方を囲むように広がることができ、こうしてトレンチで区切られた1つ以上のμ-LED構造が形成されるようになる。
図150Cは、支持構造体9を提供するために、第1の支持層20を、基板3、層シーケンスの露出した縁部領域および基板3に面していないμ-LED1の主表面に形成するプロセスの更なるステップを示している。例えば気相から堆積されてエピタキシャル成長させられた支持層20の材料はInGaAlPを有している。支持層20は、層シーケンスを少なくとも一方の側で基板3まで包んでおり、したがって、支持層20は、第2の主表面側から少なくとも一方の側部フランクを越えて基板まで延在している。最後に、基板3に面していない第1の支持層20の主表面に、第2マスキング層21を施与する。層シーケンスの外縁領域は、第2のマスキング層21によって覆われずに残る。
図150Dは、第2のマスキング層21によって覆われていない層スタック1の外縁領域、第2の支持層24および犠牲層11が、特にエッチングによって、基板3まで除去されているステップを示している。このようにして、層スタックのこの側から、犠牲層11へのアクセスが形成される。図150Dで第2のマスキング層21が再び除去された後も、第2のマスキング層21で覆われた領域はそのままである。
図150Eは、犠牲層11を層シーケンスから除去するステップ、特にウェットケミカルエッチングにより除去するステップを示している。この除去は、ステップ150Dで露出した層シーケンスの外縁領域から行われる。その後、機能性層スタック1は、第1の支持層20と第2の支持層24とによって支持され、ここで、第1の支持層20は基板3に取り付けられている。このようにして、犠牲層11がなくても機能性層スタック1を支持する支持構造体9が提供される。
図150Fは、第1の導電性コンタクト層5と第2の導電性コンタクト層7とが形成される構造体を示している。この場合、基板3に面していない第1の支持層20の側に設けられる導電層が形成され、この第1の支持層20は、機能性層スタック1に支持的かつ導電的に設けられている。導電層は、除去された犠牲層11の領域において、基板3に面している機能性層スタック1の側の第2の支持層24にも設けられている。導電層の材料は、ITO(酸化インジウムスズ)を有していてもよい。特に、犠牲層11がエッチング除去された領域では、スパッタリングにより導電層を設けてもよい。このようにして、基板3と機能性層スタック1との間の空間を容易に実現することができる。さらに、導電層を設ける際には、機能性層スタック1のフランク部だけでなく、基板3の露出領域の少なくとも一部を覆うこともできる。
図150Gは、機能性層スタック1のフランク部に堆積された導電性材料を少なくとも部分的に除去し、特にエッチング除去することで、基板3に面していない側の第1の導電性コンタクト層5を、基板3に面している機能性層スタック1の側の第2の導電性コンタクト層7から電気的に分離して作製するステップを示している。このようにして、接触された機能性層スタック1が形成される。
このために、まず第1の支持層20上に第3のマスキング層31が設けられる。この第3のマスキング層31は、機能性層スタックのフランク部の縁部領域を覆わないで残す。この第3のマスキング層31は、基板3に取り付けられている第1の支持層20の縁部領域を覆っている。除去、特にエッチングによって、この場合、一方では、第1のコンタクト層5と第2のコンタクト層7とは互いに電気的に分離され、支持層20は、支持構造体9がさらに機械的に補強されるように、第1のコンタクト層5によって機械的に補強される。
図150Hは、第3のマスキング層31を除去したステップを示している。機能性層スタック1は、支持構造体9を用いて基板3に取り付けられている。第1の導電性コンタクト層5を用いて補強された第1の支持層20は、第2の支持層24によって安定化および保護された機能性層スタック1と相互作用して取り付けられる。リフティングヘッド27を使って、接触された、すなわち、コンタクト層5および7で間接的にコーティングされた機能性層スタック1をリフトアップし、それによって支持構造体9から分断することができる。参照符号29は、電子構造素子もしくは接触された機能性層スタック1を基板3から引き離すことができる所定の破断点を表している。
図150Iは、特に図150A~図150Hの横断面図とは対照的に、電気的コンタクトを有しかつ少なくとも1つの機能を提供する層スタック1を分断するステップを、今度は平面図として新たに示している。大きな矢印は支持構造体9の分断を表し、ギザギザの部分は破断点29を表している。リフトアップ可能な電子構造素子、特にリフトアップ可能なマイクロ発光ダイオードが、いくつかの支持構造体9に、例えば、平面図において、構造素子の丸みを帯びた角部に取り付けられていてもよい。
図151A~図151Jは、提案された方法の第4の構成例を示している。図151A~図151Dは、図150の前述の例のステップと同様のステップを示している。
図150Eとは対照的に、図151Eは、犠牲層11の一部のみをウェットケミカル手段で除去するステップを示している。これにより、層24の部分的な領域が露出し、ここに後でコンタクト層7が施与される。除去は、ステップ4dで露出した層シーケンスの外縁領域から行われる。その後、機能性層スタック1は、第1の支持層20と第2の支持層24とによって支持され、ここで、第1の支持層20は基板3に取り付けられている。このようにして、犠牲層11が完全になくても機能性層スタック1を支持する支持構造体9が提供される。
図151Fは、図151Eで犠牲層11を部分的にのみ除去した状態で、第1の導電性コンタクト層5と第2の導電性コンタクト層7とを形成するステップを示している。このステップでは、基板3に面していない第1の支持層20の側に設けられる導電層5が形成され、この第1の支持層20は、機能性層スタック1に支持的かつ導電的に設けられている。導電層は、除去された犠牲層11の領域において、基板3に面している機能性層スタック1の側にも広がっている。特に、犠牲層11がエッチング除去された領域では、スパッタリングにより導電層を設けてもよい。このようにして、基板3と機能性層スタック1との間の空間を容易に実現することができる。さらに、導電層を設ける際には、機能性層スタック1のフランク部だけでなく、基板3の露出領域を導電性材料で覆うこともできる。
図151Gは、機能性層スタック1のフランク部に堆積した導電性材料を少なくとも部分的に除去するステップを示している。このように、基板3に面していない側の第1の導電性コンタクト層5は、基板3に面している機能性層スタック1の側の第2の導電性コンタクト層7から電気的に分離されている。
このために、第1の支持層20上に第3のマスキング層31が設けられる。この第3のマスキング層31は、機能性層スタックのフランク部の縁部領域を覆わないで残す。この第3のマスキング層31は、基板3に取り付けられている第1の支持層20の縁部領域を覆っている。エッチングプロセスによって、この場合、一方では、第1のコンタクト層5と第2のコンタクト層7とは互いに電気的に分離される。これとは別に、第1のコンタクト層5は支持層20を機械的に補強する。残りの犠牲層11は、このステップの間、引き続きそのままである。
図150Hは、第3のマスキング層31と残りの犠牲層11とを除去した後の構造体を示している。これらはいずれも異なるエッチングプロセスによって除去することができる。機能性層スタック1は、支持構造体9を用いて基板3に取り付けられている。第1の導電性コンタクト層5を用いて補強された第1の支持層20は、第2の支持層24によって安定化および保護された機能性層スタック1と相互作用して取り付けられる。図151Iには、所定の破断点29が示されている。図151Jは、電気的コンタクトを有するμ-LED1を分断するステップの平面図を示している。構成に応じて、支持構造体がこのようなμ-LEDを複数個保持することで、μ-LEDが一緒にまたは連続して転写装置でリフトアップされるようにすることができる。
ここで最後に示す構成では、破断エッジ部が形成されている。これは非常に狭い範囲ではあるが、それでも非放射再結合中心(Rekombinationszentren)が生じてしまうため、μ-LEDの効率が若干低下してしまう。さらに、転写スタンプまたは転写技術に対する要件も若干高くなってしまう。
非放射再結合中心の影響をさらに低減することにつながる一態様を図152Aおよび152Bに示している。前述のように、破断点から再結合中心が発生することが多く、この領域では非放射再結合が増加し、ひいては効率が低下してしまう。半導体層シーケンスを処理した後、今度はフォトマスク23を施与し、その後の縁部領域に隣り合う表面が露出するようにパターニングする。一方、フォトレジストは、その後の活性層の領域または活性領域の上に残り続ける。引き続き、ドーパント、例えばZnを表面に施与する。図152Bに示す次のステップでは、拡散ステップを実施する。その際、Znは、層17を介して拡散し、活性領域にまで達する。活性領域が1つ以上の量子井戸で形成されている場合には、適切なプロセスパラメーターによって量子井戸インターミキシングが起こる。本願で説明したマスクエッジの領域では、量子井戸インターミキシングが強く変化するため、バンドギャップの推移がかなり急峻で、バンドギャップジャンプに似ている。そのため、バンドギャップの増加は、主に縁部領域と、その後に破断エッジ部が形成される領域25aでも発生する。このように、破断エッジ部はバンドギャップが増大した領域に形成されているため、動作中にエッジ部によって生じた欠陥から電荷キャリアが遠ざけられる。量子井戸インターミキシングを生成した後は、既に説明したように、構造素子をさらに処理することができる。
図153および図154を再び参照すると、これらは、破断エッジ部を回避し、リフトアップを改善するために提案されたいくつかの原理に従ったキャリア構造体10の更なる構成を示している。原則的には、図153Aに表す基本構造に対応している。特に、図153Aおよび図153Bに示すウェハは、以下に示すウェハ構造を含んでおり、図154は、ウェハ12を上側から見た簡略化した平面図に関するものである。この例では、3つのμ-LED16がそれぞれ平坦な長方形の形をして、並置されているのがわかる。これに関しては、例えば六角形などの他の形態のマイクロチップも可能である。ウェハ12上には、かかる並置したμ-LED16が、例えば16インチや18インチの面積に多数設けられていてもよい。
転写プロセスの前に、これらのμ-LED16は、ウェハ12上に機械的に着脱可能に配置されている。つまり、μ-LED16はスタンピングツール18で除去できることを意味している。ここに示す例では、μ-LED16は、その下側でウェハ12から部分的に切り離され(図示せず)、それからピックアップ要素20によって保持されることになる。平面図を通してここでは丸く見えるピックアップ要素は、例えば、下層のキャリア基板22から、例えば、丸形、角形もしくは楕円形の横断面を持たせながら、カラム状またはポール状に製造されていてもよい。図に示すとおり、ここでは中央に示されているμ-LED16は、合計3つのピックアップ要素20によって所定の位置に保持されている。特に3つの支持点により、共平面性、つまり、力の分散の観点から、他のμ-LED16と同じ平面上に安定した平坦な配置を実現することができる。ピックアップ要素20のうち2つは、それぞれ2つのμ-LED16をその角部またはエッジ部でピックアップしている。
以下の図155A~図155Dでは、それぞれキャリア構造体10のさまざまな可能な構成についての垂直断面図(図154の線24を参照)が示されている。ウェハ12、一般的にはキャリア材料またはボンディング材料は、機械的安定化のためと、電気的接続や電子制御素子などの更なるコンポーネントをピックアップするためのベースとしての役割を果たす。この上には垂直方向に第1のリリース層26が配置されている。リリース層26は、制御された層間剥離、つまり、定義された引張力によって意図的かつ制御された層の相互の剥離を可能にする役割を果たす。さらに、かかる層は、エッチングプロセス中に相接する層を変化させないようにするためのエッチングストップ層としても機能することができる。例えば、これまで先行技術で用いられてきた破断プロセスを、μ-LEDに妨げとなる残留物が残らない剥離プロセスに置き換えることができる。
さらに、犠牲層(Opferschicht)とも呼ばれる犠牲層28が設けられている。こうしたのは、かかる層の材料として、例えばシリコンが使用されており、この材料は、その後、プロセスステップにおいて、例えば、μ-LED16を下層のウェハ12から分離するために、化学的プロセスによって除去できるからである。μ-LED16はさらに、コンタクトパッド30を有しており、このコンタクトパッドは、ここでは、例えばpn接合のような半導体活性領域を有していてもよい。例示的に、図155Aおよび図155Bは、エピタキシャル層32を有するμ-LED16の横断面図を示している。このエピタキシャル層32には、さらに、犠牲層28とエピタキシャル層32との間に形成される第2のリリース層34を加えることができる。この第2のリリース層34は、構成に応じて異なる場所に配置されていてもよい。
図155Aおよび155Bのそれぞれには、ピックアップ要素20が、ポール状、カラム状またはポスト状の凸部として、犠牲層28を介して2つのμ-LED16の間でウェハ12から一体的に垂直方向に突出し、エピタキシャル層32の手前で終端する構成が示されている。ここでは、エピタキシャル層32が上方に向かってテーパー状になっており、V字型のメサトレンチ38を形成している(図156および157を参照)。図155Aでは、第2のリリース層34は、コンタクトパッド30の側面または部分的に下面まで達しているが、第2のリリース層34は、コンタクトパッド30の手前で水平方向に終端し、残りの隙間は犠牲層28が埋める。この場合、例えば気体または液体のエッチング物質が、メサトレンチ38、つまり2つのμ-LED16の間の空間を介して犠牲層28に到達することができる。
図155Bでは、ピックアップ要素の露出した表面上の層間剥離層(Delaminierungsschicht)もエッチングプロセスによって除去されている。エッチングプロセスを制御することで、層間剥離層の除去量を選択的に調整することができる。例えば、使用されるエッチングプロセスに関して、層間剥離層は、犠牲層28の場合よりも大幅に低いエッチング速度を有することができる。これにより、エッチングプロセスで層間剥離層またはキャリア基板を過度に損傷を与えることなく、犠牲層を完全に除去することができる。ここでは示されていないが、代替的な構成では、エッチングプロセスは、層間剥離層を通過してピックアップ要素にエッチングするためにも使用される。言い換えれば、2つのμ-LEDの間にある漏斗状の切欠き部は、ピックアップ要素に連なっている。その結果、ピックアップ要素のためのV字型またはU字型の凹部ができ、μ-LEDが載る2本のカラムが残る。ピックアップ要素のかかるエッチングの深さも、同様にプロセスによって調整することができる。しかしながら、一般的には、ピックアップ要素全体がエッチングされることはない。むしろ、ピックアップ要素は、その高さの半分以下しかエッチングされないので、ピックアップ要素の安定性は十分に確保されている。特に、μ-LEDを取り外す際に、残ったカラムが折れてしまうのではなく、層間剥離層の付着力に打ち勝ってμ-LEDがリフトアップされるようになっている。
図155Cおよび図155Dは、特にピックアップ要素20の構成に関しての更なる構成変形例を示している。この場合、ピックアップ要素20は、ウェハ12の平面から出発して犠牲層28を介してキャリア構造体10の反対側まで一体的に延びている。ここで、ピックアップ要素20は、その上端部がテーパー状になっているか、もしくは傾斜したμ-LED保持面36で構成されており、こうして、μ-LED16をリフトアップし易くなると同時に、ウェハ12に確定的に固定することができるようになる。図155Dでは、一実施例によれば、ピックアップ要素20は、垂直方向にエピタキシャル層32の端部の手前で終端している。コンタクトパッド30は、μ-LED内部の各層、特に発光層を接合する。図155Bおよび図155Dに示すように、コンタクトパッド30は、それぞれの場合において、垂直方向に見て最も低い位置にある要素であり、そのため、必要に応じて、追加のブリッジングはんだまたは導電性接着剤を用いずに、ディスプレイまたはモジュールの支持面上の電気的コンタクト素子(図示せず)と直接機械的ひいては電気的にコンタクトすることができる。コンタクトパッド30は、例えば1~15μmの範囲のエッジ長さを有することができる。
最後に、図155Eは、ピックアップ要素が大幅に広げられ、層間剥離層がピックアップ要素の表面を完全に覆っている構成を示している。図155Cおよび155Dに示すように、犠牲層28は、エピタキシ32を有する個々のμ-LEDの間の漏斗状の領域を通って延びている。各μ-LEDは、その横方向の寸法が、コンタクトパッド32に面している側よりも光出射側で大きくなるエピタキシを含んでいる。言い換えれば、μ-LEDはコンタクトパッド32を有する側を起点として広がっている。その結果、図の断面構造ではV字を「反転」したような傾斜になっている。更なる層34が、エピタキシャル層32の各面のうちの表面、特に漏斗を形成する傾斜した側部およびコンタクトパッドを含む表面に施与されている。これはエッチングストップとして機能し、層間剥離層26と一緒に、定義された付着力を発生させる。今度はリフトアップのために、μ-LED以下のV字型領域の犠牲層28は、プラズマエッチング、ガスエッチングまたは他のプロセスによって除去され、チップはピックアップ要素の層間剥離層上にその層34だけを残している。
図156および図157のそれぞれには、例示的に24個のμ-LED16をウェハ(図示せず)上でマトリクス状に配置したキャリア構造体10の例を示している。図156では、合計17個のピックアップ要素20が示されている。これらは、それぞれ2つの隣り合うμ-LED16の間のメサトレンチ38に配置されているものもあれば、それぞれのμ-LED16の角部に配置されているものものある。この配置により、μ-LED16の総数よりも、必要とされるピックアップ要素20の総数が少なくて済むことになる。さらに、ここで示す例の1つのピックアップ要素20は、最大4つの相接するμ-LED16を支持またはピックアップすることができる。
図157では、ピックアップ要素20の基底面は、図156のような円形ではなく、長方形または正方形の基底面を有している。つまり、ピックアップ要素がμ-LED16に当接するコンタクト面積36は変化することを意味している。これにより、μ-LED16がx方向またはy方向に多少位置がずれても、安定したμ-LED16のピックアップを保証することができる。言い換えれば、横方向のずれが小さくなっても、μ-LED16上のすべてのコンタクト面積36を合わせた総コンタクト面積は変わらないか、少なくともほぼ同じである。さらに、ピックアップ要素20は、支持構造体12の外縁部に配置されていてもよく、μ-LED16の外側の側面に係合することもできる。例示的に、同じμ-LEDでも、ちょうど3つの支持点があると、特に安定した空間安定性が得られることがわかる。この場合も、1つのピックアップ要素20が、2つ以上の相接するμ-LED16を支持することができるため、複数回の使用による必要スペースひいてはコストの削減が可能となる。図示の例では、支持面積がチップ面積に比べて大幅に拡大されている。実際の実装では、支持面積を大幅に小さくして付着力を弱め、層間剥離層がキャリアにとどまって剥がれないようにする。
図158Aは、複数のμ-LED16がキャリア基板上にモノリシックに製造された構成を示している。各μ-LEDは六角形の形状、すなわち6つの側面を有しており、それぞれの側面が隣り合うμ-LEDの1つの側面と向かい合っている。個々のμ-LEDの角部は、それぞれピックアップ要素20の上に載置されている。さらに、ピックアップ要素のみでμ-LEDを保持するように、フランクパターニングが行われており、すなわちトレンチがエッチングされている。各μ-LEDは、中心に配置された円形の活性領域2aを含んでいる。この領域は、直径がμ-LEDの向かい合う2つの側面間の距離に実質的に対応する領域2bによって囲まれている。言い換えれば、その領域は、六角形構造の各μ-LEDの側部フランクにまで及んでおり、一方、各μ-LEDの角部は領域2bをちょうど含んでいない。
他の構成では、領域2bは若干大きくなっており、隣り合う2つのμ-LEDの2つの領域2bが側部フランクを超えて延びて事実上接することになる。しかしながら、深いフランク構造の処理中に、この第2の領域の部分は除去される。そのため、第2の領域では、量子井戸インターミキシングによって生じたバンドギャップが、活性領域2aのバンドギャップよりも大きくなっている。量子井戸インターミキシングは、例えば、本願で開示および提示されている方法の1つによって生成されている。量子井戸インターミキシングとその結果としてのバンドギャップの増加とによって、電荷キャリアはμ-LEDの縁部領域ひいてはフランク部から効果的に遠ざけられる。なぜなら、処理によってそこの領域では欠陥密度が増加し、非放射再結合が引き起こされるからである。
図158Bは、改良されたマスクパターニングによって作り出された別の構成形態を示している。このような構成にしたのは、フォトマスクの必要枚数や転写ステップを減らすためである。本構成では、角部の膨らみが小さくなるようなフォトマスクを選択した。その結果、このような少し変化した構造が得られる。
ここで示した例では、さまざまな半導体技術を用いてμ-LEDを製造している。このために、本出願で開示されている技術を使用することができる。しかしながら、このようにアンテナ構造体を転写することも可能である。転写されるウェハには、電気的コンタクトが可能となるようにコンタクト面があってもよい。同様に、駆動制御部、電流源および他の要素も、このウェハに既に存在していてもよい。このようにして転写されたμ-LEDは、引き続き、いくつかの構成ではさらに処理される。例えば、μ-LEDには、変換層または光整形素子が施与される。原則的には、これらの構成では、個々のμ-LEDが転写されていた。しかしながら、方法はかかるものに限定されない。同様に、上述のモジュールは、これらのキャリア構造体で形成されていてもよく、このようなモジュールの転写を容易にすることが可能である。この場合、カラムもしくはキャリア要素は、モジュールのサイズが決まってから形成される。
従来、キャリアウェハから対応するターゲット基板にチップを転写するには、さまざまな方法があった。
先行技術では、レーザー転写印刷や、溶液から個々のマイクロ発光ダイオードチップを「自己組織化(self-assembly)」するような転写プロセスや、静電活性化によるかまたは反磁性的な転写プロセスが知られている。
これらのコンセプトを拡大したものが、本明細書で開示されている静電転写を用いて詳細に説明される。ここでは、特に寸法の小さい光電子半導体チップ、すなわちμ-LEDをピックアップおよびプレースし、同時に、欠陥が存在するμ-LEDを選別することができる方法の規定を目的としている。
図159Aは、本発明による構成例として、光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのデバイス10を概略的に示している。本構成例では、光電子半導体チップは、μ-LED11として形成されており、キャリア12上に互いに間隔を空けて配置されている。デバイス10は、ピックアップツール13、励起素子14および電圧源15を有している。
励起素子14は、μ-LED11が照射される光16を発する。励起素子14が発する光16は、励起によってμ-LED11の光学活性領域に電子-正孔対を生成する波長を含んでいる。電子-正孔対は、μ-LED11内で静電分極を引き起こし、それにより、それぞれのμ-LED11の近傍で電気双極子場を発生させる。本構成例では、ピックアップツール13は、励起素子14とμ-LED11との間に配置されている。ピックアップツール13は、励起素子14が発する光16に対して少なくとも部分的に透過性であり、光16がμ-LED11に達することができるようになっている。
ピックアップツール13は、例えば、ポリジメチルシロキサン(略してPDMS)または他の適切な材料に埋め込まれた金属コンタクトを有している。金属コンタクトは電圧源15に接続されている。金属コンタクトに電圧をかけることで静電界を発生させることができる。さらに、ピックアップツール13は、ピックアップツール13の下側の表面からμ-LED11に向かって延びる凸部17を有している。
図159A~図159Dを参照することで、コンセプト案による一構成例として、デバイス10を用いてμ-LED11をピックアップおよびプレースする方法を以下に説明する。励起素子14が発する6は、励起とそれに伴う静電分極とをμ-LED11に引き起こす。同時に、ピックアップツール13は、ピックアップツール13とμ-LED11との間で吸引的な相互作用が生じるように、電圧源15によって充電される。
ピックアップツール13は、凸部17が、その下にあるμ-LED11に接触するまで、μ-LED11に向かって下降する。本構成例では、μ-LED11が1つ置きに、凸部17の1つに接触している。引き続き、図159Bが示すように、ピックアップツール13は、LED11が凸部17に付着した状態で一緒にリフトアップされる。図159Cは、図159Bの拡大図である。図159Cは、ピックアップツール13の容量とμ-LED11の分極とを示している。簡単にするために、励起素子14と電圧源15とは、図159Bおよび後続のいずれの図にも示されていない。
凸部17の間に位置するμ-LED11は、ピックアップツール13によってリフトアップされない。さらに、励起素子14が発する光16が、μ-LED11の欠陥に基づき僅かしか分極を起こさないか、または全く分極を起こさない場合、μ-LED11はリフトアップされない。これらのμ-LED11は、図159A~図159Cでは暗色で強調されている。欠陥のないμ-LED11と比較して分極が小さいため、μ-LED11を事前にテストする必要なしに、対応する欠陥を有するμ-LED11を選別することが可能である。引き続き、図159Dが示すように、ピックアップツール13によってμ-LED11を所望の位置に転写し、そこに設置する。
図160は、本発明による更なる構成例として、光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのデバイス20を概略的に示している。図160に示すデバイス20は、図159Aのデバイス10とほぼ同じである。異なる点は、図160の励起素子14が、μ-LED11が配置されたキャリア12の下方に配置されていることである。この場合、μ-LED11においてフォトルミネッセンス励起が起こり得るためには、励起素子14が発する光16に対してキャリア12が少なくとも部分的に透過性でなければならない。
図161Aは、レーザープリンターのドラムのように構成されていてもよい円筒状に形成されたピックアップツール13を概略的に示している。ピックアップツール13は、フォトルミネッセンス励起によって起こる分極に基づき、ピックアップツール13の表面と、その下にあるμ-LED11との間で吸引的な相互作用が生じるように静電的に帯電されている。図161Bに示すように、円筒状のピックアップツール13をキャリア12上で転がし、その際、入射光16によって十分な分極が発生したμ-LED11をピックアップする。
図162は、ピックアップツール13の下に配置されたμ-LED11の方向に向かって延びる凸部17をその下側に有するピックアップツール13を概略的に示している。図162には示されていない励起素子14が発する光16は、ピックアップツール13を通過してμ-LED11に入射する。光16の通過を可能にするために、ピックアップツール13は、光16に対して少なくとも部分的に透過性の材料で作られている。あるいは対応する光路開口部または導光体がピックアップツール13に組み込まれていてもよい。
図163は、図162のピックアップツール13を示しているが、図163では、特定のμ-LED11のみが選択的に光16で照射され、例えばμ-LED11は1つ置きに照射される。これを可能にするために、対応する光路開口部または導光体がピックアップツール13に組み込まれていてもよいし、または対応する遮光マスクを設けて、光16が特定のμ-LED11のみに当たるようにすることもできる。その結果、光16が照射されたμ-LED11のみがフォトルミネッセンス励起され、フォトルミネッセンス励起により十分な分極を形成していれば、これらのμ-LED11のみをピックアップツール13でピックアップすることができる。
図164は、下側に連続した平坦表面21を有するピックアップツール13を概略的に示している。平坦表面21は、異なるパターンおよび/または異なる間隔で配置されたμ-LED11をピックアップすることを可能にする。さらに、遮光要素、例えばマスクを設けることで、特定のμ-LED11のみを選択的にフォトルミネッセンス励起させることも可能である。
図165A~図165Cは、μ-LED11のプレース中のデバイス10を示している。図159A~図159Dに示すようにμ-LED11をピックアップした後、ピックアップツール13を、μ-LED11のいくつかが実装される図165Aに示すボードに転写する。
図165Bに示す電圧源15によって、ピックアップツール13とμ-LED11との間の吸引的な相互作用が減少するか、または反発的な相互作用に変換されるように、ピックアップツール13の容量が変更される。ピックアップツールの個別に駆動制御可能な金属コンタクトを用いて、ピックアップツールの特定の領域の電荷を所望の方法で変化させることで、所定の数のμ-LED11のみをボード22上に置けるようになる。引き続き、図165Cに示すように、ピックアップツール13をボード22から除去する。ピックアップツール13上に残ったμ-LED11は、例えば清浄用の接着ストリップを使って、他の場所で除去するか、または付着させることができる。
図166A~図166Cは、ピックアップツール13によって電界を発生させることができるさまざまなオプションを概略的に示している。図166A~図166Cに示す力線23は、それぞれの位置における電界の方向と強さを示している。
図166Aに示す構成では、ピックアップツール13の凸部17に電荷がある。ピックアップツール13の近傍には対向電荷が配置されている。これにより、各凸部17の近傍には、点電荷の電界に似た電界が発生する。図166Bでは、凸部17の先端の電界強度が特に高くなるように、ピックアップツール13に双極子電荷が配置されている。図166Cでは、ピックアップツール13の凸部17は帯電しており、キャリア12の下方に対向電荷が配置されているため、ピックアップされるμ-LED11は、ピックアップツール13と対向電荷との間に位置し、したがって電界内にある。
ピックアップツール13によって生成される電界は、μ-LED11がキャリア12によってピックアップされるように、μ-LED11の双極子に有効な力を及ぼすために、均一ではないことが望ましい。さらに、図166A~図166Cは、励起により発生したμ-LED11の電気力線24を示している。μ-LED11の電気力線24とピックアップツール13の電気力線23との相互作用については、簡単にするために図示していない。
図167Aおよび図167Bは、従来の方法の転写ステップと、本明細書で提示されているデュアル転写プロセスのコンセプトに従った方法とに関する図を示している。μ-ディスプレイの製造では、キャリア基板3からディスプレイ基板7への多数のμLEDの並行かつ誤差のない転写が重要な役割を果たしている。製造コストを踏まえると、必要な転写ステップの数は重要である。転写ステップが少なければ少ないほど、対応するプロセスコストは低くなる。コスト面の検討と並行して、転写ステップを減らすことの技術的な実現可能性も直接関連してくる。
一般的に、キャリア基板3上のμ-LEDの密度は、μ-ディスプレイ上よりも桁違いに高い。ここでの比率は、μ-LEDのサイズ、キャリア基板3上のチップ間距離(ウェハピッチ)、μ-ディスプレイの目標解像度(画素ピッチ)によって異なる。
キャリア基板3からターゲット基板7への転写は、ディスプレイの画素ピッチに合わせてキャリア基板3からμ-LEDを取り外し、対応する基板7に転写するように、従来の方法にしたがって行うことができる。この場合、転写スタンプのサイズならびにキャリア基板3上の取り外し可能な領域のサイズおよびμ-ディスプレイの総サイズによって、μ-ディスプレイのための転写ステップ数が決まる。スタンプサイズは、x方向およびy方向にスタンプサイズの整数倍の大きさでディスプレイサイズを完全に埋めることができるように選択すると有利である。このようにして、個別の転写プロセスを回避することができる。カラーディスプレイを製造するためには、μ-LEDの赤色、緑色、青色の3色すべてをターゲット基板に転写する必要がある。
図167Aおよび図167Bともに、μ-LED1が形成されたキャリア基板3を示している。したがって、キャリア基板3は、例えば、赤色、緑色および青色といった1色のμ-LEDを提供する。このとき、μ-LEDがキャリア基板3からμ-ディスプレイに直接転写される転写ステップの数が決められるが、これは従来の方法に対応するものである。
例えば、ディスプレイの空間的な広がりは、x方向に200mm、y方向に100mmである。キャリア基板3の直径は、例えば300mmである。μ-LEDの互いの間隔(ピッチ)は10μmである。ディスプレイの画素の互いの間隔(ピッチ)は100μmで、これは10倍の大きさである。赤色、緑色および青色のμ-LEDによるカラーディスプレイが形成される。そのため、この一連のプロセスは各色ごとに行う必要がある。
図167Aは、転写スタンプサイズが小型の場合のキャリア基板3あたりの最大スタンプ位置を示している。図167Bは、転写スタンプサイズが比較的大きい場合のキャリア基板3あたりの最大スタンプ位置を示している。図167Aでは、転写スタンプのサイズは、X方向に10mm、Y方向にも10mmとなっている。したがって、ディスプレイ面積は20,000mm2(200mm×100mm)で、転写スタンプの選択された面積が100mm2の場合、それぞれ1色ずつ合計s=200回の転写ステップを行う必要がある。そのため、赤色、緑色および青色の3色を使った場合、1つのディスプレイで600回の転写ステップが必要になる。図167Aによれば、この構成では最大610回の転写ステップを実行し、それによりウェハの86.3%を利用することができる。しかしながら、各転写ステップには転写エラーがないこと、すなわち、移されるべきμ-LEDがすべて取り外されていることを前提としていることに留意すべきである。
小型の転写スタンプでは、キャリア基板3上の利用面積が大きくなる。言い換えれば、転写スタンプが小さければ、非常に多くのμ-LEDをキャリア基板上に取り外すことができる。しかしながら、結果的に高い利用率を得るためには、多くの転写ステップが必要になる。図167Bは、転写スタンプのサイズが、x方向に40mm、y方向に50mmの空間的な広がりを有する構成を示している。
したがって、ディスプレイ面積が20,000mm2、転写スタンプの選択された面積が2,000mm2の場合、それぞれ1色ずつr=10回の転写ステップを行う必要がある。そのため、赤色、緑色および青色の3色を使用した場合、1つのディスプレイに僅か30回の転写ステップしか必要がない。しかしながら、図167Bによれば、この構成では最大24回の転写ステップを実行し、それによりウェハの67.9%しか利用することができない。その結果、転写スタンプが大きいと転写ステップの数は少なくなるものの、キャリア基板3上の利用面積も小さくなる。言い換えれば、キャリア基板上の一部の領域には、大きなスタンプが届きにくい点がある。
ここで、キャリア基板3から中間キャリア5を経由してμ-LEDをμ-ディスプレイ用のターゲット基板に転写する転写ステップ数を決めることになる。従来の方法とは異なり、ディスプレイの代わりに、まず中間キャリア5に従来の方法と同様に実装する。前述のサイズ規定がすべて適用される。したがって、図167Aに記載の転写スタンプでも1色あたりs=200回の転写ステップが必要であり、図167Bに記載の転写スタンプでも1色あたりr=10回の転写ステップが必要である。
キャリア基板3上のμ-LEDの互いの間隔(ピッチ)は10μmであり、ディスプレイの画素の互いの間隔(ピッチ)はその10倍の100μmなので、従来の方法では転写時に、可能なはずの数の100分の1のしか移せない。言い換えれば、いずれのスタンプも、従来のプロセスで1プロセスあたりに移せるμ-LEDの数、本来可能であるはずの数よりも少なくなる。
提案された原理による方法では、キャリア基板3上に存在し、スタンプが届くことのできるすべてのμ-LEDは、転写時に中間キャリア5上に移される。これらはいわゆる第1の転写ステップであり、第1の転写スタンプ4によって実行される。提案された方法では、中間キャリア5はディスプレイのサイズを有しているので、中間キャリア5と同じサイズの第2の転写スタンプ6を用いた第2の転写ステップによって、1つのカラー用のディスプレイに1回の転写で完全に実装される。中間キャリア5上のμ-LEDの第1の密度は、ディスプレイ上の画素の密度よりもn=100倍大きいので、1つの中間キャリア5からn=100倍の枚数の1色のディスプレイが製造される。それから、カラーディスプレイの場合、3×100回の第2の転写ステップが必要となり、第1の転写ステップと合わせて、100枚のカラーディスプレイあたりの転写ステップの総数は以下のようになる。
図167Aに記載の小型の転写スタンプ4の場合、転写ステップの総数は、100枚のカラーディスプレイの場合、3×200+3×100回、つまり、1枚のカラーディスプレイにつき9回の転写ステップとなる。図167Bに記載の大型の転写スタンプ4の場合、転写ステップの総数は、100枚のカラーディスプレイの場合、3×10+3×100、つまり、1枚のカラーディスプレイにつき3.3回の転写ステップとなる。
これは、図167Aに記載の小型の転写スタンプでは1枚のカラーディスプレイにつき600回の転写ステップを実行し、図167Bに記載の大型の転写スタンプでは1枚のカラーディスプレイにつき30回の転写ステップを実行する必要があった従来の方法と比較して、大幅に改善されている。カラーディスプレイごとの転写ステップの記載値は、実際の製造方法では公差の範囲内で、または欠陥により相違する可能性のある平均値である。
図168は、本発明による方法のための本発明による出発構造体(Startstruktur)の第1の構成例を平面図で示している。この出発構造体を利用することで、2つの転写ステップをそれぞれ安全かつ確実に行える。図168は、モジュール領域11に配置されたμ-LED1を示しており、これらのμ-LED1は、第1のアンカー要素9によってキャリア基板3に付着されている。モジュール領域11は、1つまたは異なるキャリア基板3で組み立てることができる。
第1のアンカー要素9は、キャリア基板3に接合されており、これらのアンカー要素9は、第1の転写ステップS2においてモジュール領域11を、第1の転写スタンプ4を用いて、基板平面に対して横方向の第1の定義された最小リフトアップ力でキャリア基板3から分離し、移動させた後、中間キャリア5上に移すことができるように、第1のアンカー要素9の間に複数のモジュール領域11を着脱可能に保持するように構成されている。最小リフトアップ力は、リフトアップを可能にするために少なくとも確保する必要があり、アンカー要素9によって定義して設定する必要がある。
ここで、μ-LED1が第1の転写スタンプ4に付着する付着力は、第1の定義された最小リフトアップ力よりも大きい。図169は、この方法のコンセプト案に従った出発構造体についての図168に記載の第1の構成例の拡大図を示している。
この拡大図では、μ-LED1が第2のアンカー要素13によってモジュール領域11に付着していることが見て取れる。このように、モジュール領域11は、複数の転写可能なμ-LEDを担持している。特に、モジュール領域11に接合される第2のアンカー要素13が形成され、これらのアンカー要素13は、それぞれの第2の転写ステップS3においてμ-LED1を、第2の転写スタンプ6を用いて、それぞれのモジュール領域11の平面に対して横方向の第2の定義された最小リフトアップ力で中間キャリア5から分離し、移動させた後、ターゲット基板7上に移せるように、第2のアンカー要素13の間にμ-LED1を着脱可能に保持するように構成されている。
ここで、μ-LED1が第2の転写スタンプ6に付着する付着力は、第2の定義された最小リフトアップ力よりも大きい。図168および図169は、提示された方法を実行するのに用いられる第1の出発構造体を表している。第1のアンカー要素9によって、それぞれの第1の転写ステップを行い、第2のアンカー要素13によって、それぞれの第2の転写ステップを安全かつ確実に行うことができる。アンカー構造体9,13は、いずれの転写ステップの間も、リフトアップのための定義された最小リフトアップ力を設定する。
図170は、本発明による第1の出発構造体の製造に関する更なる図を示している。左側に丸形のキャリア基板3が示されており、その中に長方形のモジュール領域11が描かれている。キャリア基板3は、モジュール領域11のための第1のアンカー要素9と、マイクロ発光ダイオードのための第2のアンカー要素13との構成で、デュアルアンカー要素を有している。矩形のモジュール領域11の拡大図を右側に示している。さらに、このモジュールは、対角線上にある2つの角部にリフティング要素15を含んでいる。これらは、モジュール領域11を安全に転写できるようにするためのものである。あるいはリフティング要素15は、モジュール領域11の4つの角部に形成したり、モジュール領域11の4つの角部と、さらにその中央に形成したりすることもできる。リフティング要素15は、モジュール領域11を持ち上げるための第1の転写スタンプの作用面を提供する。このように、μ-LED1を備えたモジュール領域を、さまざまに異なるキャリア基板3で組み立てることができる。
いくつかの態様では、リフティング要素15は、転写されることがなく、モジュール領域11に直接取り付けられているμ-LED1として形成されている。したがって、リフティング要素15は、第2のアンカー要素13なしでモジュール領域11に直接接合されているμ-LED1である。アンカー要素がなくても、それぞれのウェハ領域11に対するリフティング要素15の大きな付着力が生じる。リフティング要素15は、正方形または円形の表面または構造体をもたらし、例えば、十字形であってもよい。リフティング要素15の数は、モジュール領域11のサイズに比例して選択することができる。リフティング要素15がモジュール領域11に直接接合されただけの構造体である場合、リフティング要素15の構造体の配置は、チップ面積の損失を可能な限り少なくするために、ディスプレイの画素ピッチの整数倍に選択される。μ-LED1がリフティング要素15として提供されている場合は、これらはもはやディスプレイ素子として使用することはできない。
代替的または累加的に、リフティング要素15に対応する形で、位置決め要素17を、位置的に正確に転写するための位置決め補助体として形成することができる。この場合、リフティング要素15は、位置決め要素17である。転写されたモジュール領域11上の個々のμ-LEDのウェハピッチの精度は、移送プロセスの影響を受けない。大面積のモジュール領域11相互の位置決め精度は、例えば、転写時の転写スタンプの膨張効果による悪影響を受けないため、一時的な中間キャリア5を「寸断」する際にも、全体としてより高い精度を実現することができる。これにより、マイクロ発光ダイオードを備えたディスプレイの最終実装時の公差も小さくなる。
図171は、本発明による方法の一構成例を示している。第1のステップでは、中間キャリア5が、キャリア基板3と同一のμ-LED密度を有するディスプレイ製品のターゲットサイズで作製される。中間キャリア5の基本形状は長方形である。次いで、ディスプレイへの転写時に薄化が行われる。このために、ウェハ3のモジュール領域11を一時的に完全に転写することができる中間キャリア5が準備される。第2のスタンピングステップもしくは転写ステップS3では、最終的なターゲット基板7に転写するために、正しい画素ピッチを有する個々のμ-LEDが再び取り外される。中間キャリア5への転写時の位置精度だけでなく、ターゲット基板7への転写時にも可能な限り誤差のない移設が重要な基準となる。
カラーディスプレイを製造するために、特に図172の例では、以下のステップが実行され、しかも、赤色、緑色および青色の各色について実行される。
第1のステップS1では、キャリア基板3上にμ-LED1を第1の密度で作製する。ここで、キャリア基板3上には、モジュール領域11とμ-LED1とを位置決めするための第1のアンカー要素9と第2のアンカー要素13とが形成される。これらのアンカー要素9,13は、方法の出発構造体として、ダブルアンカー要素構造体またはデュアルアンカー要素構造体を提供する。キャリア基板3を処理した後、キャリア基板3上に配置されたモジュール領域11は、例えば、機能しているμ-LED1と欠陥のあるμ-LED1とを区別したり、歩留まりを確認したり、色位置を決定したりするような方法でテストされる。
第2のステップS2では、第1の転写スタンプ4によって、それぞれの第1の転写ステップが実行され、μ-LED1を第1の密度で中間キャリア5に転写する。テスト結果に応じて、特定のモジュール領域11のみが中間キャリア5上に配置される。このようにして、例えば、機能するモジュール領域11のみ、または適切な色を有するモジュール領域11のみを形成することができる。
構成に応じて、中間キャリア5にモジュール領域11が完全に実装されるまで、複数回の転写が行われる。これらは、付着する接着材または接着フィルムを用いて中間キャリア5に取り付けられる。この付着力は、紫外光による自己硬化もしくは架橋または高温を適用することによって発生させることができる。任意に、平面性および/または付着性を改善するために、中間キャリア5の熱または熱圧着による処理を行ってもよい。中間キャリア5、例えば12.3インチの中間キャリア5が各色に使用される。中間キャリア5には、さまざまに異なるキャリア基板3のモジュール領域11を実装することができる。
第3のステップS3では、第2の転写ステップが実行される。このステップでは、第2の転写スタンプ6によって、μ-LED1を、第1の密度のn分の1である第2の密度で中間キャリア5からターゲット基板7に転写する。ターゲット基板7上の画素ひいてはμ-LEDの間隔は、中間キャリア5上の同じタイプのμ-LEDの間隔の倍数に対応し、両方の空間方向で異なっていてもよい。言い換えれば、ターゲット基板7上のピッチに基づいて、中間キャリア上のμ-LEDが選択され、転写される。これにより、中間キャリア5上のμ-LEDが間引きされる。しかしながら、3つの実装された中間キャリアから対応する複数のカラーディスプレイを作製することができる。
ターゲット基板7は、n個のアレイのうちのそれぞれの1つに、特に3色すべてに共通のアレイ領域を提供する。中間キャリア5および第2の転写スタンプ6のサイズと形状は、互いに同じであり、好ましくはアレイ領域と同じである。このようにして、ディスプレイのバックプレーンに、第2の転写ステップで1色のμ-LEDを実装することができる。中間キャリア5および第2の転写スタンプ6のサイズがディスプレイのk分の1である場合、それに対応してk回の第2の転写ステップを実行する必要があり、これにより製造工数が増加する。ターゲット基板7には、例えばカラースクリーンを製造するために、複数の中間キャリア5を実装することができる。
更なる処理S4によって、ディスプレイを後加工することができる。例えば、縦型マイクロ発光ダイオードの場合は、それぞれの電気的なトップコンタクトの製造が行われ、横型マイクロ発光ダイオードの場合は、2つの電気的なコンタクトの製造が行われる。さらに、光取り出し構造体または光取り出し層または表面微細化層を形成することで、例えば黒色の印象をよくすることができる。さらに、変調をかけることも可能である。
図172は、提案された方法の出発構造体の第1の構成例を横断面図で示している。出発構造体は、第2のアンカー要素13によってモジュール領域11に接合された複数のμ-LED1を含んでいる。モジュール領域11はまた、第1のアンカー要素9によってキャリア基板3に接合されている。一方ではキャリア基板3とモジュール領域11との間に、他方ではμ-LED1とモジュール領域11との間には、アンカー素子9,13が形成されており、第1の転写ステップS2では、リフトアップする第1の転写スタンプ4の定義された第1の最小リフトアップ力で、モジュール領域11が分離され、持ち上げられてから移され、第2の転写ステップS3では、リフトアップする第2の転写スタンプ6の定義された第2の最小リフトアップ力で、μ-LED1がモジュール領域11から分離され、持ち上げられてから移されるようにされている。
図173A~図173Eは、図示される第1の出発構造体を用いる方法案の更なる構成例を示している。
図173Aは、μ-LED1を有する複数のモジュール領域11が、ステップS2.1で第1のアンカー要素9およびウェハ3から切り離される様子を示している。これは、第1の転写スタンプ4によって実行される。モジュール領域11を持ち上げるために、μ-LED1のモジュール領域11に対する付着力(第2の付着力)は、モジュール領域11のキャリア基板3に対する付着力(第1の付着力)よりも大きい。さらに同様に、第1の転写スタンプ4のμ-LED1に対する付着力は、モジュール領域11のキャリア基板3に対する第1の付着力よりも大きい。第1の転写スタンプ4によって加えられる第1の最小リフトアップ力もまた、モジュール領域11のキャリア基板3に対する第1の付着力よりも大きく、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力よりも小さく、μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力よりも小さい。
図173Bで説明するように、μ-LED1を担持するモジュール領域11を中間キャリア5上にうまくプレースするためには、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力は、μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力よりも大きくなければならない。モジュール領域11の中間キャリア5に対する付着力は、μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力よりも大きくなければならない。それぞれの第1および第2の付着力を設定するために、第1のアンカー要素9および第2のアンカー要素13が使用される。したがって、モジュール領域11とウェハ3との間の第1の付着力は、第1のアンカー要素9によって提供される。μ-LED1とモジュール領域11との間のそれぞれの第2の付着力は、第2のアンカー要素13によって提供される。第1の転写スタンプ4によって加えられる切り離し力は、μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力よりも大きく、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力よりも小さくなければならない。切り離し力とは、切り離しを実行するために必要な最小限の力のことである。
図173Bは、μ-LED1を担持するモジュール領域11を中間キャリア5上に施与する後続のステップS2.2を示している。このステップも第1の転写スタンプ4を用いて実行される。
適切な材料を選択することで、モジュール領域11と中間キャリア5との間の接続を、必要とされる付着力で提供することができる。例えば、接着剤を使用することができる。μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力は、リフトアップおよびセットダウン時に、第1の転写スタンプ4の適切な移動ガイドによって、例えば、せん断成分を有する移動ガイド、すなわち、中間キャリアの平面に平行な移動ガイドによっても変化させることができる。μ-LED1の第1の転写スタンプ4に対する付着力は、例えば、セットダウン時に低減することができる。
ステップS2.1およびS2.2は、例えば、赤色、緑色または青色のいずれかの色について、中間キャリア5が完全に実装されるまで、数回実行される。
図173Cは、ターゲット基板7に移すためにモジュール領域11からμ-LED1をリフトアップする後続のステップS3.1を示している。このステップは、第2の転写スタンプ6を用いて行われる。μ-LED1は、第2のアンカー要素13および中間キャリア5から切り離される。ここでは、μ-LED1が複数の中間キャリアから同時に切り離される。モジュール領域11上のμ-LED1の密度は、ターゲット基板7上のμ-LED1の密度とは一致しない。そのため、例えば、第1の密度は第2の密度の2倍であってもよい。したがって、第2のスタンプ6は、ターゲット基板7上のμ-LED1の間隔に対応するタッピング要素19を有している。図173Cは、モジュール領域11上のμ-LED1の第1の密度が、ターゲット基板7上のμ-LED1の第2の密度の2倍であることを示している。
さらに、第2の転写スタンプ6の付着力は、μ-LED1の中間キャリア5に対する付着力よりも強くなければならない。μ-LED1をリフトアップするためには、μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力が、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力よりも大きくなければならない。さらに、モジュール領域11の中間キャリア5に対する付着力も、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力よりも大きくなければならない。第2の転写スタンプ6によって加えられる定義された第2の最小リフトアップ力は、μ-LED1のモジュール領域11に対する第2の付着力よりも大きく、モジュール領域11の中間キャリア5に対する付着力よりも小さく、μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力よりも小さくなければならない。
図173Dで説明するように、μ-LED1を第2の転写スタンプ6からターゲット基板7にうまくプレースするためには、μ-LED1のターゲット基板7に対する付着力は、μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力よりも大きくなければならない。逆に、第2の転写スタンプ6によって加えられる切り離し力は、μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力よりも大きく、μ-LED1のターゲット基板7に対する付着力よりも小さい。それぞれの付着力を設定するために、第2のアンカー要素13だけでなく、第2の転写スタンプ6の接合手段や移動ガイドも使用される。μ-LED1とモジュール領域11との間のそれぞれの第2の付着力は、第2のアンカー要素13によって提供される。
図173Dは、μ-LED1をターゲット基板7上に施与する後続のステップS3.2を示している。このステップも第2の転写スタンプ6を用いて行われる。μ-LED1は、ディスプレイの一部であるターゲット基板7上にもたらされる。
μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力は、リフトアップおよびセットダウン時に、第2の転写スタンプ6の適切な移動ガイドによって、例えば、せん断成分を有する移動ガイド、すなわち、ターゲット基板の平面に平行な移動ガイドによっても変化させることができる。μ-LED1の第2の転写スタンプ6に対する付着力は、例えば、セットダウン時に低減することができる。適切な材料を選択することで、μ-LED1とターゲット基板7との間の接続を、必要とされる付着力で提供することができる。例えば、接着剤、インタービアまたははんだを使用することができる。
ステップS3.1およびS3.2は、例えば、赤色、緑色および青色のすべての色について、ディスプレイのターゲット基板7が完全に実装されるまで、数回実行される。
図173Eは、例えば、インタービア材料の堆積、硬化ならびにその後のパターニングおよび/またはバックエッチングなどであってよい従来のプロセスによる、ターゲット基板7上の更なる加工ステップS4、特にターゲット基板7の機械的および電気的なコンタクトの製造を示している。
例えば、縦型μ-LEDの場合は、それぞれの電気的なトップコンタクトの製造が行われ、横型μ-LEDの場合は、2つの電気的なコンタクトの製造が行われる。さらに、光取り出し構造体または光取り出し層または表面微細化層を形成することで、例えば黒色の印象をよくすることができる。さらに、変調をかけることも可能である。このようにして、アレイAがμ-ディスプレイの構成で簡単かつ安価に大量に製造される。
図174は、μ-LED1のモジュール領域11に対する接続の更なる構成例を示している。このために、第2のアンカー要素13に加えて、モジュール領域11の上には第2のリリース要素23が形成されている。第2の移送ステップS3の実行前に、μ-LED1は、モジュール領域11にそれぞれ接合されている第2のアンカー要素13および第2のリリース要素23と接触している。μ-LED1は、第2のアンカー要素13および第2のリリース要素23によって、大きな付着力でモジュール領域11に機械的に接合されている。
図175は、図174に記載の構成例を示しており、ここでは、第2のリリース要素23が除去されており、そのため、μ-LED1のモジュール領域11に対する付着力は効果的かつ特定的に低減されている。
図176は、第1のアンカー要素9および第1のリリース要素21によってウェハ3に接合されたモジュール領域11に接続されている第2のアンカー要素13および第2のリリース要素23によって接合されているμ-LED1を備えた第2の出発構造体を示している。μ-LED1は、第2のアンカー要素13および第2のリリース要素23と接触しており、これらの要素はモジュール領域11と接触している。モジュール領域11は、第1のアンカー要素9および第1のリリース要素21と接触している。図172に記載の第1の出発構造体とは対照的に、アンカー要素9,13に加えて、リリース要素21,23が使用される。このようにして、まず第1のリリース要素21を除去し、その後、第2のリリース要素23を除去することによって、まずモジュール領域11を取り外し、その後、μ-LEDを取り外すようにして、付着力を特定的に低減することができる。
モジュール領域11のための第1のアンカー要素9は、数、サイズおよび分布が異なっていてもよい。そのため、例えば、モジュール領域11の大きさに応じてリリースプロセスを最適化し、付着力をリフトアップ力に対して互いに正しい比率で選択できるようにする。最小リフトアップ力は、リフトアップを可能にするために少なくとも確保する必要がある。この最小リフトアップ力は、アンカー要素およびリリース要素によって、定義された方法で設定することができる。
図177のA~図177のEは、図176に記載の第2の出発構造体を用いた本発明による方法の更なる構成例を示している。この方法では、第1のアンカー要素9および第2のアンカー要素13に加えて、第1のリリース要素21および第2のリリース要素23が用いられている。図177のBは、第1のリリース要素21が最初に除去されることを示している。図177のCは、それによって、第1の移送ステップS2において、モジュール領域11がウェハ3から切り離され、中間キャリア5上にもたらされたことを示している。その後、図177のDに見られるように、第2のリリース要素23が除去される。第2の移送ステップS3では、μ-LED1がモジュール領域11から切り離され、ターゲット基板7上に施与される。このステップは、図177のEで見ることができる。
図178のAおよび図178のBは、リリース要素の選択性に関する態様を説明するために示している。図178のAでは、第1のリリース要素21が除去される。図178のBには、第1のリリース要素21を除去し、μ-LED1を有するモジュール領域11を中間キャリア5上に移し、保護層25を除去した後に、2つの第2のリリース要素23を除去する様子を示している。
順次除去するための第1のリリース要素21と第2のリリース要素23との間の選択性は、いくつかの方法で行うことができる。
a)特性の異なるさまざまな材料を使用し、これらを互いに適合させる。例えば、SiO2はHFでエッチングすることができる。同様に、SiはSF6でエッチングすることができる。更なる可能な材料としては、例えばSiO2、Si、Al2O3、SiN、SiON、AlN、HfOx、金属層の他、接着剤として使用可能な有機材料も考えられる。
b)異なる材料除去率を利用することができる。例えば、第1のリリース要素21の場合、比較的大きな領域が除去プロセスにさらされる。それに対して、第2のリリース要素23の場合、比較的小さな領域が除去プロセスにさらされる。例えば、液体および/または気体がゆっくりとしか浸透しないように、小さな開口部のみが形成されている。
c)第2のリリース要素23は、保護層25によって除去プロセスから保護することができる。第1のリリース要素21を除去した後、保護層25を除去することができ、すなわち、例えば、ドライケミカルエッチング、ウェットケミカルエッチングまたはガス状エッチングによって除去することができ、その後、第2のリリース要素23を除去することができる。
d)リリースエレメント21,23はさまざまな方法で除去することができる。例えば、湿式化学のような化学的プロセスや、気相によるプロセス、熱的プロセス、機械的プロセス、光学的プロセス、例えばUV光を用いたプロセスが挙げられる。
図179A~図179Fは、μ-LED1とモジュール領域11との間の第2のアンカー要素13および第2のリリース要素23の配置の構成例を示しており、モジュール領域11は、ここでは代替的に完全なキャリア基板3として構成されている。μ-LED1のための第2のアンカー要素13は、数、サイズおよび分布が異なっていてもよい。そのため、例えば、μ-LED1のサイズに応じてリリースプロセスを最適化し、付着力をリフトアップ力に対して互いに正しい比率で選択できようにする。それに応じて、第2のリリース要素23は、第2のアンカー要素13に当接している。さらに、アンカー要素13およびリリース要素23は、キャリア基板3であるモジュール領域11上に配置されている。モジュール領域11の主表面は、リリース要素23の主表面よりも大きいか、またはこれに等しい。
図179Aは、第2のアンカー要素13が、μ-LED1に対してより小さな主表面を形成し、μ-LED1の角部の縁部領域でμ-LED1に部分的に配置されている、構成例を示している。第2のリリース要素23は、μ-LED1と比較して大きな主表面を有し、第2のリリース要素23が第2のアンカー要素13を少なくとも部分的に縁取るようにμ-LED1上に配置されている。
図179Bは、2つの第2のアンカー要素13が、それぞれμ-LEDと比較して小さな主表面を形成し、μ-LED1の対向する角部の縁部領域に配置されている更なる構成を示している。第2のリリース要素23は、μ-LEDと比較して大きな主表面を有し、第2のリリース要素23が第2のアンカー要素13を少なくとも部分的に縁取るようにμ-LED1上に配置されている。図179Cは、第2のアンカー要素13が、μ-LED1と比較して小さい主表面を形成し、μ-LED1のコア領域においてμ-LED1上に完全に配置されている、更なる構成例を示している。第2のリリース要素23は、第2のアンカー要素13を完全に縁取っている。
最後に、図179Dは、複数のμ-LED1が互いに一列に配置されている、更なる構成例を示している。2つの第2のアンカー要素13は、それぞれμ-LED1と比較して小さな主表面を形成し、それぞれμ-LED1の対向する角部の縁部領域に部分的に配置されている。各アンカー要素13は、並置された2つのμ-LED1上に配置されており、μ-LED1によって覆われていない表面領域を有している。第2のリリース要素23は、すべてのμ-LED1に対してより大きな主表面を有し、第2のリリース要素23が第2のアンカー要素13を完全に縁取るようにμ-LED1上に配置されている。
図179Eは、12個の第2のアンカー要素13が一緒になってμ-LED1よりも小さい主表面を形成し、マトリクス状にμ-LED1の内側領域に配置されている、更なる構成例を示している。第2のリリース要素23は、μ-LED1よりも大きな主表面を有し、第2のアンカー要素13を完全に縁取っている。さらに、アンカー要素13およびリリース要素23は、代替的にウェハ3であってもよいモジュール領域11上に配置されている。モジュール領域11の主表面は、リリース要素23の主表面よりも大きいか、またはこれに等しい。
図179Fは、第2のアンカー要素13が、μ-LED1と比較して大きな主表面を有し、そのコア領域においてμ-LED1上に完全に配置されている凸部を形成している、最終的な構成例を示している。第2のリリース要素23は、μ-LED1よりも大きな主表面を有し、この第2のリリース要素23が、第2のアンカー要素13の凸部を完全に縁取り、第2のアンカー要素13上に配置されるようにμ-LED1上に配置されている。モジュール領域11の主表面は、第2のアンカー要素13の主表面よりも大きいか、またはこれに等しい。リリース要素23の主表面は、第2のアンカー要素13の主表面に対応している。
光を生成した後は、可能な限りコリメートして指向性のある方法で光を取り出す必要がある。そのため、以下の説明は、光取り出しのさまざまな態様に関連している。
図5Aおよび図5Bは、個々の画素が発する光のコリメーションと案内に関するいくつかの原理を開示している。図5Aは、キャリア上に配置されたLED51が発するすべての光を反射することで、ミラーとしても機能するキャリア50を示している。隣り合う2つのLEDは、互いの距離が約6μm、高さが約3μmである。LEDの直径は6μmの範囲にある。個々の画素それぞれがランベルト放射体のように光を放射する。その結果、各画素は、約n=1.5の屈折率を有する透明な材料で完全に覆われている。
各マイクロ画素の上には、半径約10μmの同じ材料の半球53が配置されている。各半球53は、その下にある画素51の領域をカバーし、隣の画素までの距離の約半分まで延びている。この屈折率と形状から、半球は、個々の画素が発する光をコリメートするように構成されている。
図5Bは、画素が発する光をコリメートするための代替的なコンセプトを示している。上記と同様に、マイクロ画素は互いに等間隔で配置されている。各画素の間には、キャリア50上に1つのピラミッド52が配置されている。各ピラミッド52は、高屈折材料で形成されており、その先端部の間で距離Dを有している。各ピラミッドの先端部の高さは、発光面に対して45°未満の角度で発せられる光が、図に示すように、各ピラミッドの側壁で反射するように選択されている。図5Bに示す要素を利用することで、マイクロ画素51が発する光をある程度平行にすることができ、光のコリメーションを向上させることができる。しかしながら、サイズが小さくなると、要素52,53を整形してマイクロ画素の上に直接配置することが一段と難しくなる。
図214は、一態様において、例えば、画素が半球の形をしており、放出された光を整形するための反射材料で囲まれているという点で、背面取り出しを提供している画素の一例を示している。画素は、n型ドープされた第1の半導体材料800の中で半ドーム状になっている。材料800の第1の面にある第1のコンタクト801は、対応する画素のn型コンタクトとして機能する。第2のコンタクト802は、複数の画素に対して利用可能である。
このように、複数の画素を並置することで、μ-ディスプレイを形成することが可能となる。画素の半ドーム状の領域内には、活性層803が配置されている。活性層は、画素を形成する半ドームの上部3分の1に位置し、半ドーム内のn型ドープ材料上に施与されたp型ドープ層804によって形成される。他の活性層、例えば量子井戸あるいは本開示で述べた構造体も可能である。再結合が起こる領域を可能な限り小さく形成するために、電流を狭窄する方法を使用できる。これにより、電荷キャリアが縁部から遠ざけられ、再結合領域が小さくなる。
反射層805が、側壁だけでなく、材料800の上面に延びた状態で施与されている。反射層805上には、p型コンタクト801が施与されている。反射層805は、p型コンタクトと材料800との間の短絡を防ぐための絶縁層(図示せず)も含んでいる。p型コンタクト材料801は、画素を形成する半ドーム上の反射層のギャップを介して、p型ドープ層804と直接接触する。その結果、反射層上の絶縁層と反射層のギャップとにより、半ドームの上部にのみキャリアが注入されることになる。p型ドープ層804の中には、電流拡散層を適用することもできる。
活性領域803では、電荷キャリアの再結合が起こる。活性領域から側部に向かって放出された光は、反射層で出光面TAに向かって反射される。半ドーム形状が放物線状になっている例もある。この形状は、活性領域内で生成される光の共線性を補うように選択されていることが望ましい。この場合、一部の用途では、光を案内するための更なる要素、例えばフォトニック結晶構造体などが出射面に配置されている。
以下の態様は、放射された光の指向性を直接改善することとは異なる別の観点に関わるものである。以下の例は、ランベルト放射体の作製を目的としている。しかしながら、他の形状のリフレクタ素子がビーム整形に影響を与えることは、当業者には明らかである。そのため、特別な構成では、背面取り出しを有し、同時に指向性を持っていてもよいμ-LEDが作製される。
図215は、本発明による画素素子10がリフレクタ素子18を備えている構成例を示している。まず、ここでもキャリア基板12が提供されており、このキャリア基板12の実装面20には、多数のμ-LED16が並置されていることが多い。通常、キャリア基板12上には、個々のμ-LED16を制御するのに用いられる駆動制御電子回路24が設けられている。このために、駆動制御電子回路24と個々のμ-LED16との間に導電性接続部(図示せず)が設けられていてもよい。他のケースでは、以下でさらに示すように、キャリア基板を透明にしたり、新たな光整形のための構造体をさらに持たせたりすることもできる。
ここでは、リフレクタ素子18はドーム状に構成されており、少なくともμ-LED16が光14を放出する側でμ-LED16を取り囲んでいる。例えば、μ-LED16がキャリア基板12から離れる方向に光14を発した場合、この光は、μ-LED16に向くリフレクタ素子18の表面に当たり、そこで反射され、キャリア基板12の実装面20に向けて送り返される。光は、場合によっては実装面20の界面で屈折しながら、キャリア基板12の横断面を介してキャリア基板12のディスプレイ面22の方向に伝搬し、場合によっては屈折または回折を繰り返しながら、そこで取り出される。
有利には、リフレクタ素子18は、光14がキャリア基板平面28に対して可能な限り垂直な入射角26でキャリア基板12の実装面20に入射するような形状および特性を有することが望ましい。これは特に、キャリア基板12内での全反射による損失や、キャリア基板12のディスプレイ面22から取り出されたときの不都合な角度を最小限に抑えるためのものである。この入射角26は、隣り合う画素素子10間の漏話もしくはクロストークを最小限に抑えるためにも、可能な限り小さいことが望ましい。
図216は、μ-LED16の上または周囲にリフレクタ素子18を層として備えた本発明による画素素子10の更なる例を示している。この構成変形例は、リフレクタ素子18を、例えば金属層としてμ-LED16の表面に直接加工することができるという点で好都合であり得る。リフレクタ素子18には、さまざまな材料を検討することができ、例えば、金属材料、金属合金または金属酸化物の他、利用可能な製造方法を用いて調達可能な他の適切な化合物も挙げられる。それに関連して、図214も同様の構成を示している。この構成の場合、キャリア基板と同じ材料でμ-LEDが直接形成されている。さらに、リフレクタ素子は特定の形状および構成を有している。しかしながら、図214のさまざまな態様は、特に、図215~図216に示した構成や、本願で開示されている構成とも組み合わせることもできる。
さらに、μ-LED16とリフレクタ素子18の層との間のメサエッジ30には、パッシベーション層32が設けられている。このパッシベーション層32は、光吸収性または少なくとも光遮断性を有しており、μ-LEDがキャリア基板平面28の方向もしくはメサエッジ30の方向に発した光14が減衰または吸収されるようになっている。これにより、隣り合う画素素子10に向かって光14が入り込み、クロストークを招くことが防がれる。さらに、パッシベーション層32は、放出された光14のビーム整形を行うように構成されていてもよい。
図217は、キャリア基板12のディスプレイ面20および実装面22に光吸収コーティング34を備えた本発明による画素素子を示している。この構成例は、キャリア基板12の実装面20に配置されたμ-LED16を取り囲むように、球状のリフレクタ素子18を有している。この態様によれば、キャリア基板12は、光14がキャリア基板12内を伝搬できるように、透明または少なくとも部分的に透明に構成されている。
本構成例によれば、ディスプレイの暗色の印象やコントラストを向上させるために、光吸収層34が設けられており、この光吸収層34は、ここではキャリア基板12上のリフレクタ素子18の外側で、実装面20および/またはディスプレイ面22に施与されている。これは、一方では、画素素子の所望の活性領域外への光14の取り出しを防ぐことができる。他方では、有利な効果として、キャリア基板12内を伝搬する光14が、ディスプレイ面22の所望の領域外に取り出されず、吸収または減衰されることが挙げられる。見る人にとって、これらの光吸収層34は、明らかに不活性または黒色もしくは暗色として識別されることができ、活性な発光領域と比較して改善された光学的な境目により、ディスプレイのコントラスト特性の改善を図ることができる。
図218は、本発明による画素素子10の更なる構成変形例を簡略化して示している。その基本的な構造において、画素素子10は、図215~図217に既に示されている例に対応している。ここでは、リフレクタ素子18に取り囲まれているμ-LED16がキャリア基板12上に設けられている。リフレクタ素子18での光14の反射により、光14はキャリア基板12を伝搬し、キャリア基板12のディスプレイ面22に達する。
この場合、キャリア基板12を通過した光14のうち、可能な限り大きな割合がディスプレイ面22を介してキャリア基板12から取り出されることが望ましい。この場合、粗面化された表面36により、光14の取り出しを向上させるができる。より一般的には、ディスプレイ面22の表面は、互いに角度のついた追加の微細構造を有するパターニング部を有しており、この微細構造は、キャリア基板平面28に平行な向きとはその角度を異にすることで、追加の取り出しをもたらすことができる。
図219Aは、キャリア基板12のディスプレイ面にカラーフィルター素子38を設け、光吸収コーティング34を施した本発明による画素素子10を示している。画素素子10の基本的な構造はこれまでの図とほぼ同じであり、ここでも同様にリフレクタ素子18の領域外でキャリア基板12の実装面20とディスプレイ面22の両方に光吸収コーティング34が設けられている。さらに、ここではカラーフィルター素子38が設けられており、キャリア基板12のディスプレイ面22にリフレクタ素子18と対向して配置されている。例えば、赤色のμ-LEDには、対応する赤色のカラーフィルター素子38が設けられていてもよい。このことは、緑色のカラーフィルター素子38には緑色のμ-LEDを、ならびに例えば、青色のカラーフィルター素子38には青色のμ-LEDを、それぞれの関連するエミッタチップ16と一緒に用いることにも適用される。より低い反射率と改善された黒色の印象とを、ここでの利点として見なすことができる。ここでも、光吸収層34は、キャリア基板12内を伝搬する望ましくない光成分14に対して吸収効果を有している。
代替的な構成では、再度図219Aを参照すると、素子38は、第1の波長の光を第2の波長に変換する色変換素子であってもよい。μ-LED16が放射し、リフレクタ素子18で反射された光は、変換素子に入射して、そこで変換される。このようにして、各原色は、異なる変換色素を使った構造によって作り出すことができる。
図219Bは、画素素子10の更なる構成例を示しており、この例では、隣接して配置された2つの画素素子10がキャリア基板上に配置されている。2つの画素素子10の間には、キャリア基板の異なる表面のそれぞれに光吸収層34が設けられている。これは、特にクロストークを最小限に抑えるために設けられていてもよい。μ-LED16の配置や構造によっては、μ-LED16と周りを取り囲むリフレクタ素子18との間に空間ができ、これはアパーチャもしくはアパーチャ縁部としての役割を果たすことができる。つまり、光14がキャリア基板平面28に対して小さな角度でこのアパーチャから出て、キャリア基板12を斜めに通過して隣り合う画素素子10に向かうことができることを意味し得る。
この漏話またはクロストークを防ぐために、2つの画素素子10の間もしくは2つの隣り合うリフレクタ素子18の間には光吸収層34が設けられている。これらは、キャリア基板12の実装面20だけでなく、キャリア基板12のディスプレイ面22にも配置されていてよい。これらの光吸収層34は、望ましくない光成分14を減衰または除去し、このようにしてディスプレイのコントラストを向上させることができる。
図220Aでは、本発明による画素素子10の駆動制御電子回路24の態様が参照される。これらは、キャリア基板12の一部として構成されていてもよく、例えば、トランジスタ構造体が基板12の一部として設けられている。キャリア基板12の材料としては、例えば、アモルファスシリコンの他、IGZOやLTPSなどのさまざまな材料が検討される。IGZOは、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium Gallium Zink Oxide)の略で、光に対して部分的に透明な性質を持ち、比較的安価に製造することができる。
駆動制御電子回路24がIGZOに基づき構成される場合、一実施例によれば、駆動制御電子回路24はリフレクタ素子18の内部領域内に配置できることも考えられる(ここでは図示せず)。この可能性は、特にIGZO材料の少なくとも部分的な光透過性に基づいている。更なる例によれば、駆動制御電子回路24のベースとして、またキャリア基板12の材料としてLTPSが使用される。LTPSは、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon)の略で、どちらかと言えば光吸収特性は高いが、IGZOよりも優れた電気的特性を有することができる。
LTPSは、p型トランジスタとn型トランジスタの両方に使用でき、それに対して、IGZOはp型トランジスタにしか適していない。LTPSに基づく駆動制御電子回路24の配置構造は、結果的に、ここではリフレクタ素子18の外側に提供されることになる。更なる選択肢としては、いわゆるμICの使用に目を向けることができる。これらは、シリコンベースの基板と一緒に使われることが多く、一般に光吸収特性を有している。
この場合、これらのICの小型化が課題となり得るが、μICの電気的性能は他の変形例に比べて高いことが多い。ここでも、一実施例によれば、キャリア基板12の実装面20のリフレクタ素子18の領域の外側でも配置が行われることになる。エミッタチップ16の接触は、例えば、キャリア基板12上の金属製のコンタクトパッドだけでなく、透明なITO(酸化インジウムスズ)を介しても実現することができる。
図220Bは、リフレクタ素子18上にディフューザ層40を部分的にコーティングした本発明による画素素子10を示している。本構成例に示す画素素子10の特徴は、リフレクタ素子18の特別な構成に見ることができる。これに関して、リフレクタ素子18の横方向の内面(ここでは、具体的には領域18B)にディフューザ層40が設けられている。このディフューザ層40は、放出された光14の偏向を増加させ、キャリア基板12の方向への光14の偏向をより強めることを目的としている。この場合、エミッタチップの垂直方向直上にあるリフレクタの領域18Aに、より薄いディフューザ層40を設けるか、またはディフューザ層40を全く設けないことが有利であり得る。
特に、このディフューザ層40は、この領域18Aでは、キャリア基板平面28に対して横方向に放出された光を可能な限り直接反射し戻して、ほぼ垂直方向にキャリア基板12の実装面20に向けて集束させるために平坦または平面に構成されていてもよい。この際、これまでのLED技術と比較して、μ-LEDはその特性や構造上、ランベルト放射パターンに近いため、比較的薄いディフューザ層40でも十分な場合がある。これに使用できる材料は、例えば、Al2O3またはTiO2である。
図221は、更なる画素セルを横断面図および平面図で示している。画素セルは、3つの個々のμ-LED16r,16gおよび16bを含んでいる。これらは、動作時に赤色、緑色および青色のそれぞれの原色を発するように構成されている。本構成例では、3つのμ-LEDを直角三角形の角部に配置している。しかしながら、例えば一列に並べるなど、他の配置も可能である。各μ-LEDは、縦型μ-LEDとして形成されており、すなわち、キャリア基板に面していないμ-LEDの側に共通のコンタクトが配置されている。μ-LEDは、個別に駆動制御可能であり、例えば、図49~図54に示すようないくつかの構成で製造することができる。例えば、冗長性を有するまたは有さないで個々のμ-LEDモジュールとして構成することも考えられる。右側の図では、このために、共通の透明なカバーコンタクト17が設けられており、このカバーコンタクトは、μ-LEDを完全に、または少なくとも部分的に覆い、そうすることで電気的に接触する。μ-LEDの側壁は絶縁されており、カバー電極17とは接続していない。さらに、3つのμ-LEDの各々を取り囲むようにして、画素全体を形成するリフレクタ素子18が設けられている。
このようにリフレクタ素子の方向に放射された光は、キャリア基板によって反射され、キャリア基板に部分的に導入されたフォトニック構造体19に当たる。フォトニック構造体19は、放射された光の向きを新たに変えて、コリメートされた光束として放射するように構成されている。このようなフォトニック構造体のさまざまな構成が、本願では、例えば、図225~図228、図239~図247あるいは図223A~図223Cに開示されている。
用途に応じてフォトニック構造体を省くことも可能である。オートモーティブ用途では、ランベルト放射パターンの方が望ましい場合があり、その場合、この構造体は省かれる。拡張現実の分野では、強い指向性の方が求められる場合もあり、これはフォトニック構造体を追加することで実現される。フォトニック構造体に加えて、変換材料も構造体と一緒に、または構造体の代わりに設けられていてもよい。オートモーティブ分野では、白色や他の色の光を使った指向性を持った光の用途が可能である。
最後に、図222は、画素素子10を製造する方法100を示している。この方法では、まず、1つ以上のμ-LEDが、平坦なキャリア基板の実装面に取り付けられる110。この取り付けに先行して、対応する転写が行われる。これに関する構成は、本願に開示されている。
その後、ステップ120では、例えばμ-LEDの反射層として、リフレクタ素子が作製される。一実施例によれば、ステップ110の前に、キャリア基板12のディスプレイ面22が加工されて、ディスプレイ面22の表面に粗面36もしくは粗い微細パターニング部が作り出される。
μ-LEDの発光角を小さくする方法の一つとして、発光面に、当該発光面に平行な光の伝搬を抑える構造体を設けることが挙げられる。これはフォトニック構造体によって実現することができる。フォトニック結晶構造体は、原則的に特定の材料系に限定されない。以下の例および構成では、具体的な構成だけに限定されることなく、すべての構成に適したさまざまなものが挙げられる。さらに、μ-LEDには、特にGaN、AlInGaP、AlNまたはInGaAsベースのさまざまな半導体材料系を使用することができる。図223A~図223Cは、フォトニック結晶を用いた光のコリメーションの原理に関連するさまざまな態様を示している。
図223Aの例示的な光電子デバイス700は、電磁放射を生成するための活性ゾーン704を含めた層702,703のスタックと、フォトニック結晶構造体706を有する主放射方向上の少なくとも1つの層705とを含んでいる。
例えば、層702はp型ドープされたGaN層であり、層703はn型ドープされたGaN層である。下側の層701は、金属性ミラー層および/またはキャリア層であってもよい。成長方向Gは、上側から下側へ、またはその逆で、層の接合面に直交している。
フォトニック結晶構造体706は、半径rおよび高さhのナノワイヤで形成されている。ワイヤは、格子定数aを持つ三角格子を形成している。しかしながら、例えば正方格子などの他の格子形状も可能である。フォトニック結晶構造体の周期性、つまり格子定数aは、回折される光の波長の半分程度になるようになっている。ワイヤの間の空間は、層705の材料とは異なる屈折率の材料を有していてもよい。例えば、層705は、n型ドープされたGaNで形成されていてもよい。SiO2だけでなく、他の材料も可能である。
層702は、延在部702aを備えていてもよく、これは、図223Aの下図に示すように、層703を貫通して層705の中に延びるが、フォトニック結晶構造体706の中には入らない。
フォトニック結晶構造体706は、これを通過する光の集光性を向上させる効果を有し得る。特に、フォトニック結晶構造体706は、成長方向に対して垂直に延びる波長の領域に対して仮想バンドギャップを提供し得る。フォトニック結晶構造体706は、この光を遮断することができる。これに対して、成長方向に沿って延びる光は、原則的にフォトニック結晶構造体706によって干渉されない。図223Aの上図に示すように、フォトニック結晶構造体706は、層705に2箇所またはそれ以上に作製されてもよい。構造体706は、距離Dだけ互いに離れている。
あるいは層705全体を覆う単一のフォトニック結晶構造体706を作製することもできる。この場合、より多くの格子の単位セルを層705に配置することができ、これにより、周期性に依存するフォトニック結晶構造体の特性に好ましい影響を与える。
図223Bに示す例示的なデバイスでは、層702は延在部を備えていない。しかしながら、結晶構造体706を有する層705に隣り合う層703には、粗面化された表面が備わっており、これは突起部703a,703b,703c,703dで示されている。粗面化された表面には、例えば、フォトニック結晶構造体706を有する層705を作製するために、SiO2を充填してもよい。
図223Cに示す例示的なデバイスでは、層703には、ウィグワム表面粗化部703eが形成されている。フォトニック結晶構造体706を有する層705は、SiO2を含んでいてもよい。フォトニック結晶構造体706は、SiO2層にエッチングされていてもよい。フォトニック結晶構造体の間の空間には、空気または他の物質が入っていてもよい。
フォトニック結晶構造体706は、層703全体を覆っており、下層703のウィグワム表面粗化部703eから距離Hの位置に置かれている。
層701はキャリア層であり、層711は結合層であってもよく、層712はミラー層、特に銀ミラー層であり、層713は誘電体層であってもよい。メサドライエッチングを、デバイスの製造中およびフォトニック結晶構造体706のパターニング後に行うことができる。
構成に応じて、さまざまなフォトニック型の光取り出し構造体が、表面に一定の粗さや表面テクスチャをもたらす。そのため、場合によってはその後に必要となる転写を容易にするために、表面を平坦化することが望ましい。図223D~図223Fは、μ-LED上にフォトニック構造体を生成するための本明細書で開示されている方法のうちの1つに従った表面平坦化μ-LEDのさまざまな態様を示している。
一般的には、まず複数のμ-LEDをウェハ内またはウェハ上に形成し、引き続きその表面をパターニングし、次いで必要に応じて個片化する。μ-LEDのモジュールや他の構成は、この出願の一部である。そこから、μ-LEDにはさまざまな構成があることがわかる。このように、後続の表面加工は、その後の処理とは独立しており、(その後に個片化された)μ-LEDモジュールのμ-LEDにも、多数のμ-LEDを備えた画素化オプトチップにも適している。
図223Dによれば、μ-LEDが、半導体ボディに活性層とともにエピタキシャルに形成されている。活性層はここでは示されていない。μ-LEDは、その表面領域に、同じく図示していないキャリアから、半導体(またはその一部)と同じ半導体材料で形成された、無秩序な、すなわちランダムな取り出し構造体Aを有している。そのため、パターニングされた表面領域は、ドープされた層に隣接している。その結果得られる粗さは、TEOS(テトラエチルオルソシリケート)を用いてSiO2からなる更なる透明な材料を施与し、引き続きそれを平坦化することで再び平滑化される。取り出し構造体により取り出しが改善される。この構造体は特に、活性層から放たれた光を取り出すのに適している。これにより、波長の異なる隣り合うμ-LEDの光漏話を低減することもできる。
他の透明材料は低い屈折率を示し、特に1.5以下である。これにより、パターニングされた領域(高屈折率)からの取り出しが可能になる。その後、CMPプロセスによって更なる材料を再び除去し、パターニングされた表面領域9の平滑な表面7を形成する。図に示すように、パターニングされた領域の最も高い領域まで除去が行われるか、または材料5の表面が全体的に残る。その点では、これによって高屈折率から材料5の低屈折率を経て空気に至るまで、段階的な移行が生じることになる。
SiO2からなる材料5の他に、屈折率が例えば1.46のクラウンガラス、屈折率が例えば1.49のPMMA、屈折率が例えば1.46の石英ガラスなどであってもよい。これらの屈折率は、ナトリウムD線の波長589nmで生じるものである。二酸化ケイ素の屈折率は、例えば1.458である。
図223Eは、取り出し構造体を有するμ-LEDの2つ目の構成例である。この場合、光の取り出しを改善するために、屈折率の大きい透明な第2の材料3をμ-LEDの平坦なまたはパターニングされた表面に施与し、適切な方法でパターニングする。
2超の高屈折率を有する適切な第2の材料3は、例えば、屈折率が2.3のNb2O5である。別の使用可能な屈折率の高い材料としては、例えば、屈折率が例えば2.37の硫化亜鉛、屈折率が例えば2.42のダイヤモンド、屈折率が例えば2.52の二酸化チタン、屈折率が例えば2.65の炭化ケイ素、屈折率が例えば3.10の二酸化チタンが挙げられる。これらの屈折率は、特にナトリウムD線の波長589nmで生じるものである。他の材料も使用可能である。
表面領域9のパターニングは、図223Dの場合と同様に、表面領域9にランダムなトポロジーを生成することによって行われる。図223Dによれば、ランダムなトポロジーの生成は、第1の材料1を有する半導体ボディの表面領域9の表面7を直接粗面化することによって行われるが、図223Eによれば、ランダムなトポロジーは、まず透明な第2の材料3を堆積させ、引き続き粗面化することによって形成される。
トポロジーを生成した後、粗面に前述の透明な材料5を施与し、その後に平坦化することで、粗面の平滑化を行う。
図223Fは、μ-LEDの3つ目の構成例を示しているが、この例は秩序立ったトポロジーを有している。これについては、本願の実施例と同様に、透明な第2の材料を表面に堆積させることで詳しく説明する。次いで、第2の透明材料に周期的なフォトニック結晶構造体を導入する。あるいは非周期的な構造体、特に準周期的または決定論的非周期的な構造体によってもフォトニックな特性を得ることができる。
あるいは周期的なフォトニック結晶または非周期的なフォトニック構造体、特に準周期的または決定論的非周期的フォトニック構造体は、原則的には直接、第2の材料3を用いずに半導体ボディの第1の材料1に導入することができる。
引き続き、フォトニック構造体を形成した後に、隙間が低屈折率の透明な材料で埋められる。透明な第3の材料5、特にSiO2は、平滑で平坦な表面をもたらすために平坦化される。図223Fに示すように、材料3の表面と隙間材料5との両方が平坦に閉じられる。しかしながら、代替的な構成では、透明な第3の材料5は、材料3からなる構造体を超えて広がり、表面が材料5で完全に形成されるようになっている。このようにして、未加工の表面と比較して取り出し効率を向上させることができる。平滑で平坦な表面のため、スタンプ技術を使った転写プロセスは依然として可能なままである。
図224は、提案された方法の一構成例を示している。第1のステップS1では、μ-LEDの表面に取り出し構造体Aを形成する。これは、表面をパターニングすることによって行われる。ここでは、半導体材料を直接パターニングしたり、更なる材料を堆積させた後にパターニングを行ったりすることも可能である。そのために、表面をフォトマスクで覆い、これに光を照射することで構造体が得られる。その表面は、さまざまなエッチングステップを含むさまざまな更なる方法によってパターニングされる。ステップS2では、エッチング後にできた隙間に更なる透明な材料を堆積させる。この透明な材料は、予め作製された構造体を覆っている。引き続き、ステップS3では、CMPまたは他の適切な方法によって表面を平坦化し、構造体の高さとほぼ同じになるまで材料除去する。このようにして作製されたパターニングされたμ-LEDは、さらに処理、個片化および転写することができる。
図225は、μ-LEDの形をし、μ-LED7の半導体基板8に適切な変換材料を用いたフォトニック構造体4を有している層2が配置されている光線源6を平面図および横断面図で示している。これは、光整形と変換の構造を一つにまとめることで、個々の要素の配置を特に省スペース化し、ひいては光電子構造素子の構造形態を特に小さくすることが可能になるという着想に基づいている。変換材料を有するパターニング層2は、変換素子1を形成しており、変換材料は、LED7が発する励起光によって励起されると、変換された光線を光線源6の放射領域3に放出する。
変換材料を用いて層2に設けられた構造体4は、変換された光線が特定の放射領域3において専ら指向性を持つビーム束として放出されるように構成されている。図225に示す構成例によれば、変換された光線は、μ-LEDチップがその半導体基板とともに配置されている面に対して垂直方向に放射される。
図225に示すパターニング層2は、μ-LEDの活性層の上にあるLED半導体基板にエッチングされた2次元のフォトニック結晶である。構造体4の個々の、ここでは棒状で周期的に配置された凹部には、変換材料が充填されている。構造体4の層厚は少なくとも500nmであるため、結晶性の固体材料にバンドギャップが生じ、変換素子1から放出される変換後の光線に指向性が生じる。この例では、凹部は円形で、六角形のパターンで配置されており、その中心にも凹部が配置されている。しかしながら、それ以外に、凹部自体は他の形状であってもよく、例えばそれ自体が六角形であっても正方形でさえもよい。しかしながら、円形の凹部は製造しやすいという利点がある。凹部は同じ距離を示し、同じ大きさを有している。この事情は用途にも起因している。
例えば、凹部の大きさが異なっていたり、距離が異なっていたりする場合もある。その結果、周期性が異なるため、異なる光学的バンドギャップが形成される。これに関する同様の構成において、凹部は、第1の方向に第1の周期性(すなわち、互いに第1の距離および大きさ)を有し、それとは異なる、例えば直交する方向に第2の周期性を有することができる。これにより、2つの空間方向のバンドギャップが異なり、波長に依存した選択を行うことができるようになる。適切な設定を行えば、入射した光を完全に変換することが可能であり、μ-LEDは変換された光を凹部に対して実質的に平行に放射するようになる。
このようなフォトニック構造体は、特にエテンデュ制限のあるシステムについても、指向性ひいては効率を大幅に向上させることができる。対応する構造体4と適切な変換材料とを有する層2をμ-LED7の表面上に直接設けることにより、そうでなければ追加的に設けられる光学素子が不要となり、ひいては本発明を利用して比較的小型に構成された光線源を実現することができる。その他の点では、特に効率的な光線源が提供される。なぜなら、一方では、LEDチップの表面に対して垂直に配置されていない、必要のない方向には光が放射されず、他方では、変換された光全体を利用できるからである。さらに、μ-LED7が発する励起光であって、活性ゾーン9に導かれ、μ-LED7からの抽出効率が低い励起光のモードも、このようにして効率的に変換することができる。
補足的に、図226は、図225に関連して説明したように構成されている光線源6の断面図を示しているが、この光線源6は、追加的に、選択された波長範囲の放射に対して不透過性であるフィルター層5の形で光線源6の最上層に施与されたフィルター素子5を有している。この場合、フィルター層5は、カラーフィルターの機能を有している。
このような技術構成は、μ-LED7が発する光が完全に変換されるように、μ-LED7と変換素子1とが組み合わされる光線源6に特に見られる。適切に構成されたフィルター層5を用いて、放射領域3に放出された光線を所望の波長の光線に制限することができる。同様に、このようなフィルター層5を用いれば、LED7が発する励起光であって、変換素子1によって変換された光線に変えられない光線が、放射領域3に出射することを、必要に応じてフィルター5により確実に防止することができる。
代替的な構成では、図226の層3は、フォトニック構造体によって作り出された光を適切に取り出すために、取り出し機能を担っている。しかしながら、この2つの機能を組み合わせることも可能である。これに関連して、層3は、光をより良好に取り出すために、例えば粗面化するなど、パターニングされていてもよい。
図227は、ここでも、μ-LED7と、μ-LED7の半導体基板8に施与された変換素子1とを有する光線源6を示している。変換素子1は、変換材料を用いた層2と、LED7の半導体基板8に施与された構造体4とを有している。パターニング層2は、好ましくは、フォトニック結晶、準周期的または決定論的非周期的なフォトニック構造体である。層2の構造体4には、適切な変換材料が充填されている。
しかしながら、図225で説明した構成例とは異なり、パターニング層2は光線源6の上部領域の半導体基板に配置されているだけでなく、μ-LED7の活性領域9にまで及んでいる。ここでも500nm超の層厚を有するパターニング層2が提供されており、ひいては光学的バンドギャップが生成されている。この場合も、LED7が発する励起光であって、活性ゾーン9に導かれ、LEDからの取り出し効率が低い励起光のモードを効率よく変換することができる。
補足的に、図228は、図227に示すように構成され、追加的に、光線源6のカバー層に適用されたフィルター素子5であって、カラーフィルターとして機能するフィルター層の形態で構成されているフィルター素子5を有する光線源6の構成を示している。このようなカラーフィルターは、μ-LED7が発する励起光が完全に変換された場合には、変換された光線の放射範囲内での放出を制限するか、または変換が不完全な場合には、変換されなかった励起光の放出を選択的に抑制する可能性を提供する。
図229のAおよび図229のBは、好ましくは光出射面21から垂直に出射する光を放出するためのフォトニック構造体を有するμ-ディスプレイを示している。このデバイスは、画素を有するアレイ11を含んでおり、光出射面21の発光面全体にわたってフォトニック結晶Kの形で光学的に作用するナノ構造体が形成されている。さらに、アレイ11は、それぞれが再結合面1に置かれている再結合ゾーン2を有する光源をアレイ状に配置したものを含んでいる。
再結合ゾーン2は、アレイ11の光学活性半導体材料3の第1の層に形成されている。ゾーン2は、量子ドット、1つ以上の量子井戸あるいは単純なpn接合を有することができる。より局所的な再結合領域を得るために、電流狭窄部または他の構造的な措置によって再結合をあらかじめ定義された領域に制限することが企図されていてもよい。
半導体材料3を有する層では、フォトニック結晶もしくはフォトニック結晶構造体Kがパターニングされており、すなわち2次元フォトニック結晶の形となっている。ここで、フォトニック結晶Kは、再結合ゾーン2と光出射面21との間に配置されている。これに関して、フォトニック結晶構造体Kは、個々の画素の位置とは無関係に配置されていてもよく、図示の例では、1つの画素が、再結合ゾーン2を有する1つまたは3つの光源に対応する。3つの光源がある理由は、これによって適切な色混合によって各色を生成することができるようにするためである。
光学的に作用するフォトニック結晶構造体Kは、自立して空気中に存在している、または図示するように、半導体材料3の屈折率よりも小さい屈折率を有する、特に電気絶縁性で光学的に透明な第1の充填材料7、特にSiO2で充填されている。充填材料7は、有利には小さい吸収係数も有している。
アレイ11では、光源を電気的に接触させるために、それぞれの光源の電気的な両極が、光学的反射性接点層5によって電気的に接続されている。接点層5は、光学活性半導体材料3の光学的に作用するフォトニック結晶構造体Kに面していない側に位置し、図229のBが示すように下部に配置されている。このような接触により、非常に強く局在化された再結合ゾーン2ができる。このために、接点層5は、互いに電気的に分離された各極を接続できるように、互いに電気的に絶縁された少なくとも2つの領域を有している。
フォトニック結晶Kは、少なくともほぼ表面21に対して垂直な伝搬方向を有する光のみが部品から出て行くことができるように、発光面21全体にわたってパターニングすることができる。フォトニック結晶Kが再結合面1に近く、フォトニック結晶Kの層厚が再結合ゾーン2までの距離と比較して大きい場合、光の生成領域における光学的な状態密度がさらに変化する。
このようにして、特に平坦的な、すなわち、特に平面的および/または平滑的な、画素を有するアレイ11の表面に対して、平行で小さな角度の伝搬方向を有する光学モードの完全なバンドギャップを生成することができる。この場合、発光面に平行な伝搬方向を有する光の放出が完全に抑えられる。
特に、光の生成は、フォトニック結晶Kにより指定される限定された発光円錐内でのみ行うことができる。この場合、光の生成段階で既に指向性が確保されているため、光の取り出しにしか影響を及ぼさない角度選択性の光学素子と比較して効率が効果的に高まる。
フォトニック結晶Kの配向は、個々の画素の位置とは無関係であり、特にフォトニック構造体Kに対する画素構造の配向は必要なく、ウェハ全面の処理が可能であるようになっている。デバイスが、アレイ11の全面にわたって均一な光学的特性を有しているか、またはフォトニック結晶Kの光学的環境を乱さない程度にごく僅かに変化するものであれば、有用な構成である。
図230のAおよび図230のBは、第2の提案された光電子デバイスを、それぞれ平面図および横断面図で示している。画素化アレイ11において、フォトニック結晶Kは、図229のAおよび図229のBに記載の構成例の代替案として、光学活性半導体材料3からなる第1の層の上に、材料9、特にNb2O5からなる第2の層において配置されている。ここで、材料9は、大きな光屈折率を有し、半導体材料3の平面的および/または平滑的な表面上に配置されている。有利には、材料9はまた、低い吸光収を有し、ひいては非常に透明である。この接触は、図229のAおよび図229のBに示したものと同様であり、非常に強く局在化された再結合ゾーン2ができる。
あるいはいくつかの構成では、材料が導電性であることが企図されていてもよい。これは、さまざまな画素が縦型μ-LED構造形態で形成され、共通のコンタクトに接続される場合に特に好都合である。
図229のAおよび図229のBのように、この構成でも材料9からなるカラムが形成され、フォトニック結晶Kはまた自立した2次元フォトニック結晶として形成される。図229のAおよび図229のBの構成とは対照的に、カラムの間の空間は、より小さな屈折率を有する別の材料で満たされていてもよい。充填材料としては、例えばSiO2が考えられる。
図231のAおよび図231のBは、第3の提案された光電子デバイスをそれぞれ平面図と横断面で示している。図示されたこのデバイスは、光源として、縦型μ-LED13の配置構造と、その上に位置する層に配置された、発光面21全体に広がっておりかつ高屈折率の材料9で形成された2次元フォトニック結晶構造体Kとを含んでいる。構造体Kの間隙には、ここでも光屈折率の低い充填材料7が充填されている。
縦型発光ダイオード13は、光出射面21に対して垂直に延びる縦方向に向いた長手方向軸線に沿って、上側と下側の電気的コンタクトを有している。このように、発光ダイオードは、正面に電気的コンタクトを有し、背面にも電気的コンタクトを有している。ここでは、μ-LED13について、光出射面21に面していない側を背面とし、一方で、正面は光出射面21に面している。
このデバイスは、LED13の背面のコンタクトを電気的に接触するための、導電性であり、生成された光を反射する接点層5を含んでいる。接点層5は、個々のμ-LEDを個別に駆動制御できるように構成されている。LED13の正面にあるコンタクトを電気的に接触させるために、導電性で光学的に透明な材料17、例えばITOを有する第3の層が設けられている。ボンディングワイヤ19を介して、電流源の対応する極との電気的な接続を構築することができる。
再結合面1内におよびそれに沿って、更なる、特に電気絶縁性の充填材料15が、第3の層と光学的反射性接点層5との間に配置されていてもよい。これにより、μ-LED同士が電気的に分離される。ここで示した構造体以外にも、本願で開示されている他の画素化部品にも構造体Kを設けることができる。これらの構造素子には、例えば、開示されているアンテナ構造体、インゴット状のμ-LEDあるいはμ-LEDモジュールも含まれている。同様に、ここで示されているすべての構成において、光を出射面に向けて偏向させる反射構造体が層5に設けられていてもよい。これらの構造体には、本出願で開示されている実際のμ-LEDの周囲に延在する構造体も含まれている。
図232のAおよび図232のBは、μ-ディスプレイの第4の構成を平面図および横断面図で示している。μ-ディスプレイもしくはモジュールデバイスは、それぞれの再結合ゾーン2を有する横型μ-LED13の配置構造と、発光面21全体の下にある光学的に作用する2次元フォトニック結晶構造体Kとを含んでいる。フォトニック結晶構造体Kは、高屈折率の材料9、例えばNb2O5からなる層にある。間隙にはまた、光屈折率の低い充填材料7、例えば二酸化ケイ素が充填されている。
横型発光ダイオード13の場合、2つの電気的コンタクトは発光ダイオード13の背面に位置している。LED13の両極は、それぞれの場合において、光学的反射性接点層5の互いに電気的に分離された領域によって電気的に接続されている。再結合面1の領域では、材料層9と接点層5との間に、充填材料15、特に電気絶縁性の充填材料15が配置されている。
光の生成に関する効率は、図229のA~図232のBに記載の構成では比較的高いものとなる。なぜなら、これらの構成例では、特に、フォトニック結晶Kのバンド構造によって、光出射面に対して垂直な方向の光の放出のために再結合ゾーン2の領域でより高いフォトニック状態密度を達成できる場合、光の指向性もしくは方向性が光の生成中に既に達成されているからである。さらに、フォトニック結晶Kのパターニングは、ウェハ全体で均一に行えるという利点もある。フォトニック結晶と個々の画素またはマイクロ発光ダイオードとの間に特定の位置関係または配向関係は必要ではない。これにより、各画素に個別に構造体を配置する代替的なアプローチと比較して、製造工数が大幅に削減される。
図233のAおよび図233のBは、第5の提案された光電子デバイスを平面図および横断面図で示している。このデバイスは、画素化アレイ11と、光学的に作用するカラムまたピラー構造体P、特に、発光面21全体にわたってパターニングされたピラーまたはカラムを有する構造体を含んでいる。アレイ11は、その表面が平滑かつ平坦である。
本構成では、画素化アレイ11は、それぞれの再結合ゾーン2を含む光源をそれぞれ備えた複数のサブ画素を有している。ここで、画素の再結合ゾーン2は再結合面1に位置し、当該ゾーンは光学活性半導体材料3を有する第1の層に配置されている。
この第1の層の上にはピラー構造体Pが形成されている。ここで、ピラーPは光源に割り当てられており、各ピラーPは割り当てられた光源の再結合ゾーン2の真上に配置されるようになっている。これに関して、それぞれのピラーPの長手方向軸線Lは、特に、割り当てられた光源2の再結合ゾーン2の中心Mを通っている。ピラーPは、高屈折率の材料9、例えばNb2O5からなっている。カラムPの間の空間には、例えば二酸化ケイ素などの屈折率の低い充填材料7が配置されていてもよい。
ピラーPは、光源を有する層の上に配置されていてもよく、特に、アレイ11の上にピラーPを追加的に施与することにより行うことができる。あるいはピラーを半導体材料3にエッチングすることも可能である。このために、半導体材料層がそれに応じて背高で構成されていてもよい。通常、半導体材料は高い屈折率を有しているため、ピラー9を残すように材料をエッチング除去することができる。エッチングで空いた領域には、低屈折率の材料を充填することができる。
ピラーPは、長手方向軸線Lの方向に光を上方に導く導波路のように機能することから、ピラーPは、光出射面21に対して垂直な方向での光の放射を向上させることができる。ここに示した構成以外に、ピラー構造体の他の周期性が存在していてもよく、例えば、ピラーは、μ-LEDの上と隣り合う2つのμ-LEDの間とで交互に位置していてもよい。これにより、ピラー構造だけでなく、カラムの密度が2倍になる。周期性によって、光学バンド構造ひいては光取り出しに関する特性が決定される。
アレイ11では、光源と再結合ゾーン2とを電気的に接触させるために、光源の電気的な両極が、それぞれの場合において反射性接点層5によって電気的に接続されている。接点層5は、半導体材料の、光学的に作用するピラー構造体Pに面していない側に形成されている。接点層5は、2つの極を互いに分離して電気的に接触させることができるように、2つの分離された領域を有することができる。このようなタイプの接触により、非常に強く局在化された再結合ゾーン2ができる。
図234のAおよび図234のBは、第6の光電子デバイスを平面図および横断面図で示している。このデバイスは、縦型μ-LED13の配置構造を含んでいる。このμ-LED13の配置構造の上には、特にピラーまたはカラムを有する光学的に作用するピラー構造体Pが配置されている。ここで、ピラーPの長手方向軸線Lは、μ-LED13の再結合ゾーン2の中心点を少なくとも実質的に通っている。
ピラー構造体Pは、自立して空気中に存在していてもよいし、特に電気絶縁性で光学的に透明な第1の充填材料7で充填されて発光ダイオードの上に配置されていてもよい。充填材料7は、ピラーPの材料9および/またはμ-LED3の半導体材料3の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。材料7の屈折率をピラーの材料の屈折率よりも大きくするという逆の形態も考えられるが、それによりピラーの光の案内が変化することになる。
既に述べたように、μ-LEDは、縦型マイクロ発光ダイオード13である。これらは、反射性接点層5に面しているその背面に1つの、特に正の電気的極を有し、ピラーPに面しているその前面側に別の電気的極を有している。
光源の前面側にある極は、導電性で光学的に透明な材料17、特にITOの層と、コンタクトワイヤ19とによって、対応する電流供給回路(図示せず)に電気的に接続されている。材料17を有する層は、図示するように、光源とピラー17との間に配置されている。
これにより、第2の充填材料15が、μ-LED13の層内の間隙ひいては材料17を有する層と接点層5との間に配置されていてもよい。
ピラー構造体Pは、その寸法、特にその横断面積が、マイクロ発光ダイオード13またはアレイ11の画素の寸法に少なくとも近似しているため、同様にマイクロピラー構造体またはマイクロピラーと呼ぶことができる。
図235のAおよび図235のBは、第7の光電子デバイスを平面図および横断面図で示している。図234のAおよび図234のBの変形例とは異なり、図235のAおよび図235のBに記載のデバイスは、横型マイクロ発光ダイオード13の配置構造を含んでおり、その電気的極はマイクロ発光ダイオード13の背面に配置されている。したがって、電気的に接触させるために、光源の電気的な両極を、反射性接点層5の電気的に分離された2つの領域を介して電気的に接続することができる。そのため、前述の縦型マイクロ発光ダイオードを用いた変形例のような材料17を有する中間層は必要とされない。
図229のA~図232のBに記載のフォトニック結晶構造体Kを有する配置構造と比較すると、ピラーPを用いた変形例の場合、構造体のサイズが直径最大1μm以上と大幅に大きいため、標準的な技術を使ってより簡単に製造することができる。そのため、プロセス要件が低く、高解像度のリソグラフィで十分にピラーを製造することができる。
光学活性半導体材料3または可能な限り高い屈折率を有する材料9からなるピラー構造体、特にピラーまたはカラムは、アレイ11の個々の画素の上方に、または縦型マイクロ発光ダイオード13(図234のAおよび図234のB)または横型マイクロ発光ダイオード13(図235のAおよび図235のB)の上方に正確にパターニングすることができる。個々の画素またはマイクロ発光ダイオード13は、直径が1μm未満であってもよく、ピラーは、高さ:直径のアスペクト比が少なくとも3:1であってもよい。ピラーは、図234のBのような第3の層17が形成されないため、図233のAおよび図233のBならびに図235のAおよび図235のBで可能なように、有利には半導体材料3に直接エッチングされるか、またはピラーは、大きな屈折率と有利には低い吸収率とを有する別の材料9からなり、この材料がアレイ11の表面に施与される。屈折率の大きい材料としては、例えばNb2O5が考えられる。ピラー構造体は自立していてもよいし、屈折率の小さい材料7で充填されていてもよい。低屈折率の充填材料としては、例えばSiO2が考えられる。ピラーの屈折率が周囲の材料と比較して大きいため、ピラーの長手方向軸線に平行な発光が他の空間方向に比べて高められる。導波路効果により、ピラーの長手方向軸線に沿った光は、他の伝搬方向を有する光よりもさらに効率的に取り出される。これにより、放出された光の指向性もしくは方向性を向上させることができる。
図236のAおよび図236のBは、第8の光電子デバイスを平面図および横断面図で示している。このデバイスは、それぞれがピラーPとして、ひいてはカラム形状で形成されているμ-LED13の配置構造を含んでいる。
ピラーPの長さは、半導体材料3内で放出された光の半波長に対応し、再結合ゾーン2は、有利には、それぞれのピラーの中心M、ひいてはフォトニック状態密度の局所極大に位置することができる。ピラーPの高さ:直径のアスペクト比は、少なくとも3:1とすることができる。
図示の配置では、ピラーPは、高さが約100nmで、直径が約30nmしかないものとすることができる。これには非常に微細な解像度のパターニング技術が必要であるが、現在の製造技術ではウェハレベルでの転用は困難である。
代替案として、製造を容易にするために寸法をスケールアップし、この場合、ピラーパターニング部のサイズが大きくなるにつれて、放出された光の指向性が弱められる。ピラーPの長さは、好ましくは半導体材料内で放出された光の半波長の倍数であり、それぞれの再結合ゾーン2は、フォトニック状態密度の最大値に位置することができる。
μ-LED13のピラーパターニングにより、ピラーPの長手方向軸線に平行な発光は、より大きなフォトニック状態密度によって効果的に高められる。導波路効果により、ピラーPの長手方向軸線に沿った伝搬方向を有する光は、他の伝搬方向を有する光よりもさらに効率的に取り出される。ピラーPの間の空間には、有利には非常に小さい吸収係数と、半導体材料3よりも小さい屈折率とを有する材料7が充填されている。小さい屈折率を有する充填材料としては、例えばSiO2が考えられる。
ピラーPまたはカラムとして形作られたマイクロ発光ダイオード13、特に縦型マイクロ発光ダイオード13のこの配置構成では、再結合面1に配置された再結合ゾーン2に接触させるために、第1の極、特に正の第1の極が反射性接点層5によって、それぞれの場合において電気的に接続されている。接点層5は、μ-LED13の下側の第1の長手方向端部に形成されている。
それぞれの場合において他方の、特に負の第2の極は、導電性の透明な材料17、特にITOの第3の層に電気的に接続され、ボンディングワイヤ19によって、例えば、電流供給回路の対応する極に接合されている。
この配置構造によれば、第3の層は、ピラーPまたはカラムとして形作られたμ-LED13の長手方向中心部において、再結合面1内におよびそれに沿って形成されている。
図237のAおよび図237のBは、第9の光電子デバイスを平面図および横断面図で示している。図236のAおよび図236のBの変形例とは対照的に、図237のAおよび図237のBに記載のデバイスは、ピラーPとして形成された縦型μ-LEDを有している。
下部の電気的コンタクト、特にp型コンタクトは、ピラーPの下面を介して、特に接点層5に接触することによって構築される。上部の電気的コンタクト、特にn型コンタクトは、ピラーPの上側にある。このコンタクトは、光学的に透明で導電性の材料17を有する上層を介して構築される。上層は、ピラーPと、ピラーPの間の間隙を埋める第1の充填材料7との上に広がっている。上層の材料17としては、例えばITO(酸化インジウムスズ)が考えられる。ボンディングワイヤ19を介して、電流供給回路への接合を構築することができる。
ピラーP内で発光ダイオードを電気的に接触させることで、非常に強く局在化された再結合ゾーン2ができ、上部コンタクト、特にn型コンタクトは、再結合ゾーン2の高さ、またはピラーPの上側に形成することができる。各ピラーPは、個々の画素を生成する。
図236のA~図237のBに記載のピラーの形をしたμ-LED13の長手方向軸線に平行な光の放出は高められる。これにより、従来のアスペクト比の小さいマイクロ発光ダイオードと比較して、放出された光の指向性が向上する。図233のA~図235のBに記載の配置構造と比較して、図236のA~図237のBに記載の配置構造では、光の生成プロセスに著しく大きな影響を及ぼすことができ、それによって高い指向性と効率とを達成することができる。
図238は、再結合ゾーン2を有する光源がアレイ状に配置された層の上に2次元フォトニック結晶Kが配置された、更なる光電子デバイスの横断面図を示している。この場合、フォトニック結晶Kは、フォトニック結晶Kが再結合ゾーン2の領域に存在する光学的な状態密度を変化させるように、特に、光出射面21に対して平行および/または小さな角度で伝搬方向を有する少なくとも1つの光学モードのバンドギャップが生じるように、かつ/または光出射面21に対して垂直な伝搬方向を有する少なくとも1つの光学モードの状態密度が増加するように、再結合ゾーン2の近くに配置されている。
これは特に、フォトニック結晶Kの高さHが少なくとも300~500nm、好ましくは最大1μmであることによって達成される。フォトニック結晶の高さHは、フォトニック結晶の高屈折率材料に依存し得る。
さらに、再結合ゾーン2の中心Mとフォトニック結晶Kの下面との間の距離Aは、最大でも1μm、好ましくは数10~数100nmである。
フォトニック結晶Kを用いて説明したすべての構成は、光出射面と平行に延びている互いに垂直に延びた2つの空間方向で光屈折率が周期的に変化している2次元フォトニック結晶である。さらに有利には、ピラーPの長手方向軸線Lが発光面21に対して垂直に延びるように、ピラーPもしくはカラムがアレイ状に配置されたピラー構造体である。
図239は、偏光された光を放つためのフォトニック構造体を有する光電子構造素子1を示している。構造素子1は、光出射面3を有するエミッタユニット2に、3次元フォトニック構造体を有する偏光層の形をした偏光素子4が施与されたものである。電磁放射を偏光させるフォトニック構造体を用いることで、特に、特殊な画像を記録したり、適切なディスプレイに表示したりすることができる。図239に示す構成例によれば、エミッタユニット2は、可視光または場合によっては紫外光の波長域の光を発するμ-LED5である。μ-LED5から放出された光は、3次元フォトニック構造体に導かれ、ここで構造体の構成や寸法に応じて、特定の振動方向に偏光される。3次元フォトニック構造体の構成に応じて、円偏光や直線偏光が起こり得る。そのため、このようにして放射された光は、フォトニック構造体によって予め決められた特定の偏光を有している。
図240に示すように、偏光素子4の3次元フォトニック構造体が、螺旋状の構造要素6を有する場合、円偏光が起こる。一方、3次元フォトニック構造体の構造要素が、棒状、特にナノロッドと呼ばれるものであれば、3次元フォトニック構造体を介して導かれる光線の直線偏光がもたらされる。
図239に示す光電子構造素子1は、二光子リソグラフィプロセス、斜め蒸着プロセス、レーザー干渉リソグラフィまたはホログラフィックパターニングによって製造される。これに関連して、図240に示されている螺旋状の構造要素6は、斜め蒸着プロセスを用いて製造されたことに留意すべきである。
図239のイラストは、単一の光電子構造素子のみを示している。ただし、例えば図187、図189~図192に示されているように、多数のこれらの構造素子を一緒に製造し、アレイまたはμ-LEDモジュールとして提供することもできる。これにより、異なる構造素子を互いに接続することができるが、これらは相補的な特性を有している。したがって、さまざまに異なる偏光特性および/または透過特性を有する構造素子1あるいはアレイまたはμ-LEDモジュールが、画像生成のために組み合わせられる。
それぞれが相補的な特性を有する複数の照明ユニットを用いて生成された、異なる振動方向に偏光された光線は、本願で開示されている全般的な光学系を用いてディスプレイまたはスクリーン上に結像される。
図239に記載のとおり、偏光素子4を形成し、LEDチップの表面もしくは光出射面3に配置された3次元フォトニック構造体を用いて、現在知られているLEDとは根本的に異なる特性、特に定義された偏り(Polarisation)を有する光を生成することが可能である。チップ表面に3次元のフォトニック構造体を設けることで、例えば従来の偏光フィルターなどの光学部品を追加する必要がないという利点がある。これは特にμ-LEDの分野で好都合であり、それは、このようなフォトニック構造体は、別個に偏光フィルターを配置して取り付けるよりも、リソグラフィプロセスを用いて容易に製造可能だからである。そのため、照明ユニットを比較的小さく構成することができる。LED5の半導体チップ上に直接パターニングされているため、このような光電子構造素子1はまた、後の時点で偏光の選択が行われる既知の構造素子よりもエネルギー効率が高い。その特性に基づき3次元フォトニック構造体を通過できなかった各フォトンは、μ-LEDチップ内に残り、再吸収プロセスにより新たに放出することができる。
図241は、波長選択特性を持つ3次元フォトニック構造体を有する偏光素子4が施与された光出射面3を有するエミッタユニット2を備えた照明ユニットもしくは光電子構造素子1を示している。
この場合、フォトニック構造体は3次元フォトニック結晶として構成されている。あるいは複数の2次元フォトニック結晶を上下に重ねて配置することも可能である。
この3次元フォトニック構造体は、波長ごとの透過率と偏光特性とを持つように構成されている。つまり、3次元フォトニック構造体の透過率と偏光特性とは、入射する光線の波長によって変化することを意味している。
図241に示す構造素子1はエミッタユニットを持ち、このエミッタユニットはまたμ-LED5を有している。さらに、変換材料の層を有する変換素子7が設けられている。LED5が発する励起光8による励起により、変換材料は、励起光8の波長とは異なる波長を有する変換された光線9を発する。
変換されていない励起光8と変換された光線9との両方が3次元フォトニック構造体に当たると、これらの光線は、透過と偏光に関して、その波長に応じて異なる形で影響を受ける。図241に見られるように、変換された光線9はLEDチップの表面に対して垂直に取り出され、一方、励起光8は横方向に偏向される。
このような照明ユニットは、異なる波長を有する光線が生成される部品に好ましくは使用することができ、そのため、μ-LEDと変換素子とを組み合わせることで異なる機能を実現することができる。3次元フォトニック構造体の構成や、LEDが発するそれぞれの励起光8の波長によっては、変換された光線9が3次元フォトニック構造体を介して放射する一方で、励起光8を完全に抑制することが可能である。また、変換された光線9が、図241に示すように、チップ表面に対して垂直に取り出される一方で、励起光8を偏向させることも考えられる。もちろん、このメカニズムは逆であってもよい。さらに、励起光8がチップ表面を介して変化せず出射する一方で、変換された光線9を特殊な方法で偏光させることも考えられる。ここでも、メカニズムは逆であってもよい。
図242に示す照明ユニットの変形例は、ここでもμ-LED15の形をしたエミッタユニットと、例えば螺旋状に構成された3次元フォトニック構造体11とを含んでいる。構造体11には変換材料13が充填されている。
図243に示す光電子構造素子11は、光出射面15を介して、電磁放射19、例えば可視光または赤外光などの波長を放出するように形成された少なくとも1つのμ-LED13を含んでいる。この場合、光出射面15を介して出射する前の電磁放射をビーム整形するために、フォトニック構造体17が設けられている。フォトニック構造体17は、電磁放射19が遠方界21において定義されたパターン23(遠方界パターン)を有するように電磁放射19を整形する。
特に、図243の照明ユニット11のフォトニック構造体17は、1次元フォトニック結晶25である。この構造体は、図示の変形例では、光出射面15まで広がっている。そのため、フォトニック結晶25の端面が光出射面15を形成している。1次元フォトニック結晶25は、第1の方向R1に沿って光屈折率の周期的な変化を有している。
結晶25もしくは周期変動は、μ-LEDの光源(図示せず)により放射された電磁放射をビーム整形するように設定されている。特に、第1の方向R1に沿った光の伝搬が遮断される。その結果、遠方界21の放射された光線19は、第1の方向R1に沿ってごく僅かにしか広がらない。このように、遠方界21の電磁放射19が狭いストリップ27を形成することが特徴的である。したがって、電磁放射19は、第1の方向19に関してコリメートされている。
光源はμ-LEDである。これは典型的にはランベルト放射体である。フォトニック構造体17とその結果としてのビーム整形とを用いることで、指向性を持つコリメートされた電磁放射19を生成することができる。
図243が概略的に示すように、放射された電磁放射19は、第2の方向R2に沿って実質的に扇状に広がる光円錐の形でμ-LED13を離れる。光円錐の中心軸は、光出射面15に対して垂直に延びる主放射方向Hに沿って延びている。図示されていないのは、主放射方向Hに見て、光出射面15の下流側の任意のコリメーション光学系である。この光学系によって、電磁放射19は、第1の空間方向R1に直交して延びる第2の空間方向R2にコリメートすることができる。このようにして、電磁放射19は、2つの方向R1,R2に関して、遠方界21内でコリメートされていてもよい。これによりスポット(Leuchtpunkt)が生じる。このスポットは、冒頭に述べたように、ビームが両空間方向に強くコリメートされているため、ディスプレイでは特に好ましい。
図243に記載の光電子構造素子11は、特に光学式スキャナーでの使用に適している。この場合、照明装置11は、遠方界21内のストリップ状の光像により、特にラインスキャン用途に使用することができる。
図244に示す光電子構造素子11では、エミッタユニット13aの上部に1次元フォトニック結晶25が形成されている。結晶25の端面は、図示されていない光電子光源、例えばLEDまたはμ-LEDによって生成されかつフォトニック結晶25を通過して光出射面25を介して放射される電磁放射のための光出射面15を形成している。
図243に記載の変形例とは対照的に、図244の照明ユニットでは、電磁放射19の主放射方向Hは、光出射面15の法線Nに対して角度αで延びている。ここで、角度αは0度ではない。例えば、角度αは30度~60度の範囲にあり得る。これは、1次元フォトニック結晶25が、第1の方向R1に延びる、光屈折率の異なる2つの材料31,33の周期的に繰り返されるシーケンスを有することによって達成される。材料31,33は、図244に概略的に示すように、平行四辺形状の横断面を有し、材料31,33が互いに接触し合う界面は、直交せずに光出射面15に対して傾斜している。
このような構造体は、例えば、光出射面15を有する基板31に、光出射面15に対して斜めに互いに平行に延びるトレンチ29をエッチングすることで形成することができる。このトレンチ29には、エッチング除去された基板材料33とは異なる光屈折率を有する材料33を充填することができる。ここでの角度αは、光出射面15に対するトレンチ29の傾きに依存していてもよい。トレンチ29の幅と、2つのトレンチ29の間に残るそれぞれの基板材料31の幅とは、フォトニック結晶25が効果を発揮できる波長に影響を及ぼす。典型的には、トレンチ29の幅と、2つのトレンチの間に位置する基板材料33の幅、ひいてはフォトニック結晶構造体25の周期性は、光源、または光源とフォトニック結晶との間に配置された変換材料によって提供される電磁放射の波長に合わせられる。
1次元フォトニック結晶25によって、図244に記載の構造素子11もまた、図243を参照して説明したように、遠方界21に光ストリップ27を生成することができる。図243の変形例とは対照的に、図244の変形例における主放射方向Hは、法線Nに対して角度αだけ傾いている。下流に配置されたコリメーション光学系により、ストリップ27を遠方界21内で点状もしくは円形の構造体にすることができる。
図245に示す変形例は、図244の複数の光電子構造素子11をライン状またはアレイ状に配置して含んでいる。個々の構造素子11が発する光ビーム19は、同じ主放射方向Hを有している。光ビーム19は、追加のコリメーション光学系35、特にレンズによって、図245のイラストにおいて画像平面に対して垂直に延びる第2の方向にコリメートすることもできる。これにより、光学系35の後方の遠方界に、放出された光線19の点状もしくは円形の結像が得られる。
図244および図245に記載の照明装置11でのフォトニック結晶の使用は、図245に記載の照明装置11をライン状またはアレイ状に配置したものに対して、効果的により高い解像度をもたらす。このような特徴を有するμ-ディスプレイまたはモジュールは、画素のシャープネスが非常に高くなるように、非常に指向性を持つ放射を可能にする。これにより、隣り合う画素でもコントラストが非常に高く保たれ、光漏話が低減される。それ以外に、特に光学系35の下流側の遠方界で、より小さなビーム断面積を実現することができる。照明装置11に組み込まれたフォトニック結晶25だけで、第1の方向R1(図244を参照)のコリメーションが起こるため、光学系35や、場合によっては更なる後続の光学系をよりコンパクトに形成することができる。
図246の変形例では、光電子構造素子もしくは照明ユニット11は、2次元フォトニック結晶37であるフォトニック構造体17を含んでおり、その端面が光出射面15を形成している。光出射面15から見ると、フォトニック結晶37の背後には、任意に変換材料を備えた少なくとも1つの光電子光源が配置されている。フォトニック結晶37は、光出射面を介して放射された電磁放射19を、遠方界21において定義された離散的なパターン39を生成するように形作るために形成されている。図示の例では、パターン39は複数の分散した光点41からなっているが、他のパターンも可能である。特に、フォトニック結晶は、中央のピクセルを1つだけ生成するように形成されていてもよい。この構造体は、特にディスプレイに適切である。
図246の照明ユニット11は、例えば、図247のブロック図に例示した表面トポグラフィー検知システム43に使用するのに適している。当該システム43は、照明ユニット11に加えて、パターン39が物体(図示せず)を照らしたときにパターン39を検知するように形成されたカメラ47を備えた検出ユニット45を含んでいる。
さらに、所定の基準パターンに対するパターン39の歪みを突き止めるために形成された分析装置49が設けられている。基準パターンは、例えば、パターン39を平坦な表面に投影したときの検知結果から求めることができる。分析装置49はさらに、パターン39の突き止められた歪みに応じて、遠方界39においてパターン39により照明された物体の形状および/または構造を決定するように形成されている。そのため、このシステム43によって、例えば、顔の検出を実現することができる。同様に、目の視覚方向を検出することもできる。拡張現実分野の用途では、図246に示すこのような結晶を用いて画素をいくつか形成し、視覚方向の目への反射またはその変化を検出できるようになっている。これにより、ユーザーを追いかけて情報を視野に入れることでシャープな視界を得ることができる。
図247の変形例では、フォトニック結晶37によってパターン39が既に生成されているため、パターン生成のための下流側の光学系を省略することができる。したがって、図246に記載の照明装置11ひいては図247に記載のシステム43は、特にコンパクトな形態で実現することができる。
原則的には、光の取り出しと光の案内とには2つの可能性が存在する。第1のケースでは、ユーザーの目はディスプレイの放射方向と直接向き合っている。このような場合、ディスプレイにより生成された光を直接照射したり、コリメートしたり、拡大したり、縮小したりすることができる。しかしながら、これより複雑な光の案内は必要ない。このタイプの生成と案内は、オートモーティブ分野のディスプレイ用途でもよく見られる。この原理は、メガネを使った拡張現実用途にも応用できる。この場合、ディスプレイはメガネに直接実装されているため、メガネ自体が半透明のスクリーンとして使用される。もちろん、そのためには制御回路および接続手段も、透明な材料とちょうど同じように実装する必要がある。
しかしながら、一部の用途では、光を生成するディスプレイがユーザーの視野の外にあるか、少なくともユーザーの真正面には配置されていないため、光を案内するために導光体の配置が必要になる。Google Glass(商標)は、かかる用途の一例である。
図248は、ディスプレイが目の視線の範囲内にない、すなわち、ディスプレイにより生成された光がメガネと目を通過しなければならないときの例である。図248では、光生成素子LEDと光路の前方に配置された光学系44とを有するμ-ディスプレイ45が、目の視野の範囲外の場所に配置されている。光生成素子LEDは、上述した構造体のうちの1つである。それは実質的に、μ-LED画素もしくはそのサブ画素を有する1つ以上の小型ディスプレイである。ここでも同様に提示されているコンセプトによって駆動制御が行われる。モノリシックディスプレイの場合は、キャリアに直接駆動制御部が実装されていてもよい。μ-LEDディスプレイはキャリア上に載置され、キャリアと電気的に接触している。
メガネの場合は、つるのヒンジ部分にμ-ディスプレイが配置されている。この例のμ-ディスプレイは、素子41,43g,43b,42,43rおよび43bを用いてサンドイッチ構造として組み立てられた給電素子に対して平行に赤、青および緑の原色の光を放出する。給電素子は、透明な材料からなる第1の導光体41を有している。反射型取り込み素子43gは、導光体の側壁に、入射光に対向する形で取り付けられており、μ-ディスプレイからの光のうち緑色成分を反射して導光体42に導く。一部の変形例では、入射光は、対応する導光体の表面に対して0°~45°の角度を有している。図示の例では、導光体の表面に対して約70°の角度で光が入射している。
更なる反射型取り込み素子43bは、青色成分を第2の導光体42に取り込むために、素子43gに接しているか、またはその上に位置している。最後に、最後の反射型素子43rを第2の導光体42上に位置決めして、μ-ディスプレイの赤色成分を第2の導光体に反射させるようにする。この範囲で、反射型素子43は、対応する光成分を導光体41および42に取り込むように適合されている。反射型取り込み素子は、入射光が導光体に大きな角度で当たる場合でも、例えば図248に示すように約70°~90°の角度となる場合でも、光を導光体にカップリングすることができる。第1および第2の導光体は、導光体の両端にあるスペーサー素子47を使って互いに間隔を空けて配置されている。
導光体41および42は、ともに細長い形状で、互いに平行に配置されている。それらは、例えば、メガネの一部であってもよい。2つの導光体での全反射により、光(緑色成分および赤色成分および/または青色成分)が導光体から取り出されることはない。その光は、導光体内の、反射型取り出し素子46r,46bおよび46gで覆われた領域に導かれる。これらの領域はすべて、対応する反射型素子43g,43bおよび43rの領域と同じ側に配置されている。取り出し素子46rは、第2の導光体42上に配置されており、光の赤色成分を第2の導光体から取り出しし、その成分を目に向けるように構成されている。素子46bおよび46gは、青色と緑色の成分について同じ機能を有し、3つの光成分すべてが実質的に平行して目に向かうようになっている。
取り込み素子43は、例えばミラーなどを用いて実装されており、これは、光の特定の成分に対しては反射性であるが、それ以外は透明である。反射を目的として、取り込み素子は光が反射するように屈折率を変化させることができる。同様に、例えば、空気と導光体との間の屈折率の変化により、光を導体内に導く。光の取り出しも同様の方法で行われる。異なる色の光が実質的に平行で重なり合っている場合は、対応する取り込み素子を積層する必要がある。しかしながら、取り込み素子が光の所望の成分を吸収したり反射したりしないように積層することが望ましい。一部の変形例では、MEMSミラーを利用して、ディスプレイから出てくる光をユーザーの目に向けることができる。この例では、取り出し素子46は導光体に直接施与されている。
図249は、適切なビーム案内が、フォービエイテッドドディスプレイによって実現される光の案内の一構成例である。図249は、発光光電子素子1と、発光光電子素子1によって生成された電磁放射をビーム変換もしくはビーム整形するための光学デバイス6とを含む、例えばμ-ディスプレイの照明配置構造を提案している。これに関連して、発光光電子素子1は、動作中に1つの色の光を放出する複数のμ-LEDを含んでいる。発光光電子素子は、各μ-LEDが異なる色を放出するように構成されている。3つのμ-LEDは、サブ画素として1つの画素全体の一部を形成している。したがって、一構成では、発光光電子素子は、このような複数の画素を含んでいる。
光学デバイス6は、結像投影光学系20の形態でシステム光学系19を表し、平面平行レンズ21と、発光光電子素子1の結像を実現する第1の非球面レンズ22および第2の非球面レンズ23とをビーム経路に連続して含んでいる。
さらに、図249は、発光光電子素子1がマトリクス状に配置された複数の発光領域3.1,3.2を含んでいることを示している。これらの領域は、それぞれ1つ以上のμ-LED(異なる色)を有している。任意に、μ-LEDは既に一次光学系12を含んでいてもよい。これらの一次光学系には、既に光出射時にある程度のビーム整形を実現するために、変換素子、取り出し構造体あるいはフォトニック結晶も含まれていてよい。発光領域3.1,3.2の各々には、主放射方向4.1および4.2が割り当てられている。光学デバイス内で生じる像面湾曲を少なくとも部分的に補正するために、発光領域3.1,3.2の中心7は、湾曲した面5上に配置されており、この湾曲した面は、本構成例では球体セグメント24を形成し、その関連する球心30は光学デバイス6の光軸10上にある。
可能な寸法については、直径Dが3.7mmの発光光電子素子1の場合、発光領域3.1,3.2を配置するための湾曲した面5に関しては半径Rが10mmに選択され、ビーム経路において続く光学デバイス1の平面平行レンズ21に関しては、屈折率が少なくとも1.6の材料、および光軸10の方向で直径Dの少なくとも2倍の厚さが必要とされる。
図250は、μ-LEDの形をした別個のオプトチップ17.1~17.5の一次光学系のアパーチャによって形成される複数の発光領域3.1~3.5を含む発光光電子素子1を備えた照明配置構造の構成例の拡大部分図を示している。図示しているのは、非平面的なIC基板16上の別個のオプトチップ17.1~17.5の配置構造であって、発光領域3.1~3.5の中心7が凹状に湾曲した面5の上に位置するようになっている。発光領域の各々3.1~3.5は、主放射方向4.1~4.5が割り当てられたランベルト放射体11を形成しており、これにより、光学デバイス6に面している球状セグメント24の形をした非平面的なIC基板により、主放射方向4.1~4.5は光学デバイス6の光軸10上で共通の交点を有することになる。一次光学素子12(図249を参照)により、発光領域3.1~3.5のランベルト発光を、非ランベルト発光、特に、より狭い開口角の発光に変換することができる。
図251は、構成変形例を拡大部分図で示しており、光学デバイス6は一部の断面のみ表示している。典型的にはドライバ回路部品ならびにインターフェース素子およびメモリ素子を含む、概略的に簡略化して描写した制御デバイス25を備えた平坦なIC基板28が見て取れる。平坦なIC基板28上には、共通のプロセスで製造され、チップ14の領域15の凹状に湾曲した面5上に位置する複数の発光領域3.1~3.5を持つ発光光電子素子1を有し、発光領域3.1~3.5のそれぞれが変換素子13によって形成されているモノリシック画素型オプトチップ14が配置されている。先の構成によれば、発光領域3.1~3.5の主放射方向4.1~4.5は、互いに角度がついており、光学デバイス6の光軸10上で交差している。
図252は、段差のあるIC基板29を含む、発光光学素子1を備えた照明装置の第4の構成例を示している。段差のあるIC基板29の同心円状に配置されたリング面8.1,8.2,8.3上には、μ-LED11によって形成された個別のオプトチップ17.1~17.5が、それぞれのμ-LED11の一次光学素子12によって形成された発光領域3.1~3.5の中心7が凹状に湾曲した面5上に位置し、発光領域3.1~3.5の主放射方向4.1~4.5が一致した向きになるように配置されている。その結果、異なるリング面8.1~8.3に配置されている場合、別個のオプトチップ17.1~17.5の光学デバイス6の平面平行レンズ21からの距離ひいては光学デバイス6の前の広がったビーム経路におけるビーム断面積が異なる。
図253は、図252に示した変形例に基づく本発明の更なる設計を示しており、この場合、凹状に湾曲した面5上に配置された発光領域3.1~3.5の中心7と、光学デバイス6の平面平行レンズ21との間に、同じく凹状に湾曲したコリメート光学素子18が追加的に配置されている。図示の構成では、コリメート光学素子18は、放射角フィルターを形成する湾曲した絞りプレート26と湾曲したマイクロレンズ配置構造27とを含んでいる。コリメート光学素子18の機能部品は、個々のまたは複数の発光領域3.1~3.5に割り当てられていてもよい。詳細は図示していない構成では、コリメート光学素子18の各機能部品は、1つの画素に属し、異なる色で放射する複数の発光領域3.1~3.5をプリコリメートする役割を果たす。
図254は、これに加えて、オプトチップ17.1~17.5が、発光面の上側に光整形構造体を追加したμ-LED配置構造として形成されている形態を示している。これにより、光の案内が改善され、個々のオプトチップの放射パターンが変化させられる。光整形構造体は、例えばオプトチップの半導体材料の中にフォトニック結晶として構成されているため、放出される光の指向性が高くなる。光整形構造体はさまざまな方法で形成することができる。これに加えて、図256は、図253の例に基づく更なる構成を示している。この場合、光整形構造体31はオプトチップのビーム経路に配置されている。この構造体は、屈折率が周期的に変化する複数の領域30,31および32を有している。具体的には、構造体31の材料に設けられた穴部によって領域が形成され、それにより屈折率の周期的な変化が生じている。ここでは、領域30および32の穴部は、構造体の表面に対して垂直に設けられておらず、表面に対して斜めにエッチングされている。そのため、このエッチングにより、穴部の方向依存性が変化し、ひいては屈折率も変化する。それに応じて、このような配置構造により、図256の上側のサブ画像のような光の整形が行われる。領域30および32は、入射する光をコリメートし、穴部の方向で定義される角度で再び指向性を持って放出するように構成されている。領域33でのみ光のコリメーションが行われる。こうしたフォトニック構造体の特別な構成によって、実質的に平行なビーム束が得られる。
図255の構成は、図252の例に基づいている。ここでも光整形構造体が形成されているが、その幅はさまざまに変化し、本体1の形状もしくは表面に沿ったものとなっている。
図257AおよびBは、更なる構成を横断面図および平面図で示している。ここでは、複数のベースモジュールから形成されたμ-LEDモジュール3a,3bおよび3cが、上述のように段差のあるIC基板の同心円状に配置された面8.1,8.2,8.3に配置されている。平面図では、段差のある基板が長方形の段差面を含んでいる更なる構成を参照して、これをより詳細に示している。中央部、すなわち「最深部」の面8.1には、4×5個のベースモジュールからなるμ-LEDモジュールが配置されている。次の領域8.2では、更なるいくつかのμ-LEDモジュールを示している。これは、例えば2×8個のモジュールであるが、異なる形状を有していてもよい。最後に、最後の領域には、既に1×13個のモジュールが一部実装されている。
フォトニック構造体以外にも、他の光整形手段を基板29上に直接設けることもできる。図258はそのような例を示している。この例では、各発光領域3.1~3.5の周囲もしくは各オプトチップ17.1~17.4の周囲に反射構造体20が配置されている。反射構造体20は発光面の高さを超えて延びているため、横方向に平坦な角度で照射された光は反射構造体によって偏向される。反射構造体は、本願からの特徴を活かして形成されている。例えば、各リング面のキャビティ内にオプトチップを配置し、反射構造体20がキャビティの壁の一部を形成するようにしてもよい。
図259は、図251の例に基づく構成の組み合わせを示している。これに関して、多数のナノロッド、例えば、図26~図29の例に従った構造体を有するナノロッドが表面に配置されている。これらは、駆動制御回路28によって個別に接触し、駆動制御される。
先行技術からは、多数の異なる投影ユニットが知られており、これらのユニットを用いて、必要に応じて適宜特定の画像平面に画像を表示すことができる。このような投影ユニットとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
図260Aは、赤色、緑色または青色の光を発するRGB画素40を備えたマトリクスとして形成されている光電子照明デバイス1を用いた、先行技術に従ったRGBエミッタアレイの平面図を示している。RGB画素40は、高いフィルファクターを有することを特徴としている。つまり、個々のRGB画素40の領域5の大部分が発光領域として利用されることを意味している。
図260Bは、投影光学系7を備えた投影ユニットに存在するビーム案内の一例を概略的に示している。投影光学系7は、図260Bに示された3つのレンズすべてを含んでおり、単にレンズもしくはプレート52とも呼ばれる。個々のRGB画素40が発する光線はコリメートされていないことがわかる。図260Bに示すように、プレート52の下流側の投影光学系7の素子に達するのは、RGB画素40が発するビームのうち、放射角が+45°~-45°の間のものだけである。RGB画素40は、ランベルトの放射の法則にしたがって光を放出するので、そのため、光線のコリメーションがなければ、RGB画素40が発する光線の一部は画像生成のために使用することができず、結局は効率が低下してしまうことになる。
図261は、6つの画素を有する、ここに開示されたいくつかの態様に従った構成されたRGBエミッタアレイ案による光電子照明デバイス1の概略的に簡略化された平面図を示しており、これにより、参照符号が付された例示的な画素2.1について、割り当てられた画素面積5が示されている。画素2.1は、サブ画素を形成するμ-LED3.1,3.2,3.3が別々に設置されており、μ-LEDとして形成され、図示の構成例では赤色、緑色および青色の光を発するものを含んでいる。個々の画素2.1は、低いフィルファクターを有することを特徴としており、画素面積5の比較的小さな部分のみがμ-LED3.1,3.2,3.3によって占有されている。その他の点では、μ-LED3.1,3.2,3.3は、サブ画素の個々の発光面の間に比較的大きな距離が形成されるように配置されている。一方では、μ-LED3.1,3.2,3.3もしくは各μ-LEDは、隣り合う画素2.1の間に光学的および/または電気的な漏話が起こらないように、画素2.1の縁部から間隔を空けて配置されている。他方では、μ-LED3.1,3.2,3.3は、画素2.1の個々の半導体照明デバイス3.1,3.2,3.3の間の光学的および電気的な漏話が防止されるか、少なくとも最小限に抑えられ得るように、個々の画素2.1内にも配置されている。個々のμ-LED3.1,3.2,3.3の配置は、所望の画像を生成するための放射パターンと必要な光出力とを考慮している。さらに、この一番左上の画素のように、反射型の凸部2.4を設計することも可能である。透明なカバー電極が取り付けられていてもよい。これに関する構成は、本願に開示されている。
図262Aは、図261の例に基づく補足的な構成を示している。画素はここでも行と列とに配置されており、各画素は、それぞれのμ-LED3.1,3.2および3.3によって形成される合計3つのサブ画素を有している。個々のμ-LEDは、その発光色に応じて異なるサイズを有している。人の目は緑色に特に敏感に反応するため、緑色に対応したμ-LED3.2は最も大きな面積を有している。赤色に対応したμ-LED3.1と青色に対応したμ-LED3.3とは、μ-LED3.2に隣接して配置されており、それよりサイズも大幅に小さくなっている。μ-LEDの周りには、反射構造体2.1が配置されている。これは、反射層21が堆積された傾斜した側面を有している。
図262Bは、単一の画素についてのXX軸に沿った横断面図を示している。個々のμ-LED3.1,3.2,3.3は、縦型LEDとして構成されており、それぞれ下面にコンタクト面を含んでいる。各コンタクト面は、プレーン基板3のコンタクト領域3.11,3.22および3.33に導電的に接続されている。それぞれのμ-LEDの発光側の更なるコンタクトが、導電性のカバー電極に接合されている。図103Aの構成形態と同様のカバー電極はまた、画素の四方が導電性の金属製・反射構造体29に接続されている。この反射構造体はμ-LED3.1~3.3を完全に取り囲んでおり、プレーン基板3上に誘電体キャリア29を含み、当該キャリア上に反射型金属21が堆積されている。これは、構造体29の上側に広がっており、そこではカバー電極と電気的に接触しており、バックプレーン基板3の側壁および部分的な領域に沿っている。ここで、金属21は、電気的構造体29によってバックプレーン基板3から電気的に絶縁されている。反射層21による反射領域が大きいため、横方向から出てきた光は反射されて上方向に向かって放射される。
図262Bに示すイラストでは、赤色の光に対応したμ-LED3.1が青色の光に対応したμ-LED3.3の後ろに部分的に位置している。それに応じて、コンタクト領域3.11~3.3は、バックプレーン基板3の表面上での個々のμ-LEDの位置決めが容易になるように構成されている。
図263Aは、複数のサブ画素を有する画素素子を、水平方向に配置されたμ-ロッドで実現した、更なる構成の平面図を示している。これに関して、水平方向に配置されたロッドは、本願で示しているさまざまな構成形態に対応している。ここで、各画素には、バックプレーン基板上に共通のコンタクト面21が設けられており、一方では反射型の金属製構造体に接触し、他方では各μ-LED3.1~3.3の共通端子に接続されている。各μ-LEDを個別に駆動制御するために、このμ-LEDのそれぞれ別のコンタクト領域は、バックプレーン基板の表面のコンタクト領域と結合されている。このコンタクト領域は、それぞれのμ-LEDの直径もしくは幅よりも大きいため、位置決めが容易になる。図263Aに示す上段の構成形態では、μ-ロッドの形で並置された2つのμ-LED3.2が、緑色用に設けられている。μ-ロッド3.1は赤色の光を、μ-ロッド3.3は青色の光を発生させるために用いられる。
既に説明したように、μ-ロッドの幅が異なることで、動作中の発光色が調整される。したがって、青色用のμ-ロッド3.3の幅が最も大きく、μ-ロッド3.1の幅が最も小さい。ある構成では、バックプレーン基板の表面上のコンタクト領域は、μ-ロッドの個々の駆動制御のために同じサイズになるように構成されている。これにより、個々の画素を実装する自由度がさらに高まる。
ここで示している上の段では、緑色に合わせて2本のロッドが設けられている。しかしながら、この代わりに、既存の色空間を拡張して、例えば、緑色に対応した各μ-ロッドを異なる構成にすることもできる。このような例は、下の段で左の画素について両方のロッド3.2aおよび3.2bで実現されている。この場合、μ-ロッド3.2Bは、2本のロッド3.2aと比較して、僅かに異なる緑色の発光を示している。これにより、緑色の領域の色空間が拡張される。更なる観点が下段に示されており、人間の目の異なる色に対する感度の違いに関係している。例えば、色の階調数を増やすために、もしくは故障や欠陥を防ぐために、1色の複数のμ-ロッドを画素内または画素用に提供することが一構成において可能である。下段の右の画素では、これは追加で設けられた緑色のμ-ロッドと追加で設けられた赤色のμ-ロッドとで示されている。欠陥がある場合など、必要に応じて、これらの冗長なμ-ロッドを画素に追加で配置することができる。このためにコンタクト領域3.11および3.22が適宜構成されている。
図263Aの中央の画素は更なる構成を示している。ここでは、ロッドを個別に駆動制御するためのコンタクト領域を組み合わせて、すべての緑色とすべての赤色のロッドとがそれぞれ同時に駆動制御されるようにしている。そのため、この点において、ここで示した3つの緑色もしくは2つの赤色の素子の並列接続は、緑色だけでなく赤色のμ-ロッドにも実現されている。バックプレーン基板3の表面のコンタクト領域が大きくなることから、簡略化された、より自由度の高い位置決めが可能になる。
ここで示したロッドの他にも、フィルファクターの異なるこのような画素の更なる構成が考えられる。図263Bは、本願で提示しているいわゆるインゴット状のμ-LED3.1~3.2を使った構成を示している。既に説明したように、ここで、変換材料3.15は、インゴット状の2つの発光素子3.14の間に配置され、これによりμ-LEDを形成している。図示するように、上段のそれぞれの画素には、緑色に対応したμ-LED3.2が3つ配置されている。用途に応じて、これらのμ-LEDのうちの1つを冗長なμ-LEDとして構成し、必要に応じて欠陥のあるμ-LEDを置き換えることができる。あるいは異なる緑色で構成することで、色空間を拡張することも可能である。図263Bの下段のそれぞれの画素には、青色に対応したμ-LED3.3が1つ、赤色に対応したμ-LED3.2が2つ配置されている。
図264は、提案されている投影ユニットの光電子照明デバイス1を形成するRGB画素で形成されたマトリクスの平面図を示している。例示的に、画素2.2の画素面積5を破線で示す。画素2.2は、赤色、緑色または青色の光を発する3つのサブ画素を形成する半導体照明デバイス3.1,3.2,3.3を含んでおり、画素2.2の面積5に三角形配置構造の形をして配置されている。この構成も反射型層で取り囲まれていてよい。なお、別の態様としては、例えば図221に概略的に示しているように、画素が背面から、すなわちキャリア基板を介して放射する、上で説明したような構成が挙げられる。
用途に応じて、ここで提示したフィルファクターの小さいμ-LEDを備えた画素のマトリクスに、光整形あるいは光変換のための構造体を加えることができる。図265は、かかる構成の平面図を示している。この場合、マトリクス上に領域33および34を有する光整形構造体が構成されている。領域34は、マトリクスを覆う透明な層33のピラーまたはカラムもしくは穴部として構成されている。この場合、層33は、カラム34または穴部34とは異なる屈折率を有している。そのため、この平面図に示すように、2つの空間方向に屈折率の周期的な変化が見られる。このようにして、個々のμ-LEDと画素とからなるマトリクスの上に、フォトニック構造体もしくは2次元フォトニック結晶が形成される。周期性を適宜選択することで、少なくとも1つの波長の光を適切に作り出すことができる。さらに、カラムもしくは穴部、あるいはサブ画素を形成するμ-LEDを互いに重ねて配置することも可能である。このようにして、穴部もしくはカラムが導光体を形成することで、放射パターンの改善、取り出し効率の向上または指向性の改善につながり得る。
さらに、図266は、提案されている投影ユニットの異なる構成要素を概略図で示している。このような投影ユニットは、マトリクスを形成する画素2.1,2.2を有する光電子照明デバイス1を備えており、これらの画素は低いフィルファクターを有し、それぞれが異なる色、すなわち赤色、緑色および青色の光を発するμ-LED3.1,3.2,3.3を含んでいる。提案されたいくつかの態様によれば、各画素2.1,2.2には、μ-LED3.1,3.2,3.3が発する光をコリメートして、好ましくは仮想中間像8.1,8.2に結像するコリメーション光学系6.1,6.2が設けられている。投影光学系7を用いて、μ-LED3.1,3.2,3.3の中間像8.1,8.2を、詳細には示していないディスプレイ、スクリーンまたはそれ以外の表示ユニット(自動車のフロントガラスであってもよい)に指向して、見る人が所望の大きさ、向きおよび間隔で知覚できる画像が生成される。
さらに、図267は、μ-LED3.1,3.2,3.3の拡大された仮想中間像8.1,8.2を重ね合わせる、提案された空間補正を示している。このように、コリメーション光学系6.1,6.2は、μ-LED3.1,3.2,3.3の中間像8.1,8.2の大きさが、それぞれの画素2.1,2.2の大きさに実質的に対応し、さらに、μ-LED3.1,3.2,3.3の位置や大きさの違いは、中間像8.1,8.2の重ね合わせで実質的に補正される。好ましくは、μ-LED3.1,3.2,3.3の中間像30.1,30.2,30.3は、それらの中間像面積の少なくとも85%、好ましくは少なくとも95%にわたって重なり合っている。また、μ-LED3.1,3.2,3.3の中間像30.1,30.2,30.3は、その中間像面積の少なくとも70%、80%または90%にわたって重なり合っていてもよい。さらに、それぞれの画素2.1,2.2のμ-LED3.1,3.2,3.3の互いに重なり合う中間像30.1,30.2,30.3の総面積は、画素面積5の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%に相当することが好ましい。それぞれの画素2.1、2.2のμ-LED3.1,3.2,3.3の互いに重なり合う中間像30.1、30.2、30.3の総面積は、画素面積5の少なくとも70%、80%、または90%に対応することができる。
個々の画素2.1,2.2に割り当てられたコリメーション光学系6.1,6.2は、ホログラフィック光学素子(HOE)、屈折光学素子(ROE)または回折光学素子(DOE)を用いて実現することができる。このために、図268には、それぞれの画素2.1,2.2の3つの異なるμ-LED3.1,3.2,3.3に対応したコリメーション光学系6.1,6.2,6.3のそれぞれの必要な色相関数12,13,14が示されている。ここで、上図は赤色に発光するμ-LED3の色相関数12、真ん中の図は緑色に発光するμ-LED3.2に対応したコリメーション光学系6.1,6.2の位相関数13、下図は青色に発光するμ-LED3.3のコリメーション光学系6.1,6.2の必要な色相関数14を示している。
図269は、コリメーション光学系6がメタレンズ15を使って実現されている構成形態を示している。このようなメタレンズ15は、それによって屈折光学素子または回折光学素子のいずれかが形成されるように構成することができる。有利には、このようなメタレンズ15は、異なる方法でパターニングされた少なくとも2つの互いに間隔を空けて配置された領域を有している。例えば、メタレンズの第1の領域には格子状のパターニング部が設けられており、一方、このようなメタレンズ15の第2の領域は円形の構造体を有していることが考えられる。メタレンズが、少なくとも一部の領域で二元構造を有しており、かつ/または誘電体材料で作られている場合に有利である。図269に関する更なる態様は、カラム構造体が周期的または準周期的に配置され得ることを考慮に入れるとわかる。これにより、屈折率が周期的に変化する領域が形成される。
図270は、本発明により構成された投影ディスプレイ用の光電子照明デバイス1を有するモノリシックオプトチップの側面図を示している。オプトチップは、サブ画素が中に設けられている個々の画素2が配置されたシリコン基板9を有している。必要な電気エネルギーをオプトチップに供給するために、オプトチップは、この目的に適した電源端子11と導体トラックとを有している。個々の発光画素2へのエネルギー供給と駆動制御とは、CMOSアレイ10を用いて行われる。サブ画素での光の発生は、LEDを用いて実現され、好ましくは、青色光または紫外光を発するμ-LEDが使用され、この光は、適切な変換素子もしくは適切な変換材料を用いて必要な色の光に変換される。
オプトチップの表面上には、赤色、緑色および青色の光をそれぞれ発するサブ画素50が配置された画素2が存在している。ここでは、個々のサブ画素50は、それぞれの場合において、フィルファクターの低い画素2を、当該画素2内の個々の発光面積が、光を発しない面積と比較して画素2の領域の一部のみを占めるように形成しており、また、個々のサブ画素50の間および隣り合う画素50の間の光学的および電気的な漏話が確実に防止されるか、または少なくとも大幅に最小限に抑えられるように、互いに十分な間隔を空けて配置されている。
3つのサブ画素50で形成された画素2には、それぞれ、図270に詳細を示していないコリメーション光学系が割り当てられており、サブ画素3が発する光線をコリメートして位置補正を行う。本発明によれば、コリメーション光学系6は、サブ画素50の中間像を生成し、その大きさは画素2の大きさに対応している。さらに、中間像の個々のサブ画素の位置や大きさの違いが補正されるように構成されている。図270に示すモノリシックオプトチップを用いた構成形態に加えて、それぞれ1つまたは複数の画素またはサブ画素を有する異なるチップを共通の基板上に配置し、それらを電気的に接触させることも考えられる。好ましくは、画素2のサブ画素50は、それぞれ必要な色の光、特に赤色、緑色または青色の光を発するLEDによって形成される。この場合、原則的には、所望の色の光を直接発するLEDを使用すること、および/またはLEDが発する光、特に青色の光を、適切な変換素子もしくは変換材料を用いて必要な色の光に変換することが考えられる。さらに、サブ画素50をスーパー発光ダイオード(Superlumineszenzdioden)、VCSELまたは端面発光レーザーとして構成することも考えられる。同様に、個々のサブ画素50を、対応する色の光を通す光導波路の端材として構成することも考えられる。
上記の構成に加えて、異なる解像度の画像を作り出してユーザーの網膜に向けることで、目の異なる解像力を考慮することもできる。
既に述べたように、錐体は中心窩の中心部に多く存在するのに対して、桿体(「Rod」)はより広い角度範囲に存在する。同様に、錐体(L錐体、S錐体およびM錐体)の密度が高まると、3種類の錐体(Lあるいは赤錐体、Sあるいは緑錐体、Mあるいは青錐体)がそれぞれ異なる色価を認識するため、色覚が大いに向上する。周辺部に行くほど錐体の密度が低くなるため、色覚の感度は低下するが、同時に、低い光量でも活動し、相応して暗がりでもものを見る機能を有する桿体によって、より広い角度範囲でコントラスト感度が維持される。図1Bおよび図1Dはこの関係を示している。総じて、目には放射状に対称な見え方のパターンが形成される。特に中心部では、すべての原色の画像に対して高い解像度が求められる。周辺部では、桿体の分光感度に適合したエミッタ(最大感度は498nm、図1Dを参照)を作り出せば十分であり得る。
目の細かな動きや、視線または焦点の方向の変化は、適切な光学系および目のトラッキングによって対応することができる。
図271の光電子デバイス1は、少なくとも第1の画像と第2の画像とを生成するためのμ-ディスプレイまたはより一般的には光電子画像装置2と、結像光学系3とを含んでいる。結像光学系3は、第1の解像度を有する第1の画像の第1のイメージをユーザーの目の網膜6の第1の領域4に投影し、第2の解像度を有する第2の画像の第2のイメージを網膜6の別の第2の領域5に投影するように形成されており、ここで、第1の解像度は第2の解像度とは異なる。
このために結像光学系3は、可動式ミラー7aを有するビームステアリング装置7を含んでいる。ミラー7aは、適切に位置決めすることで、第1の画像の光ビームL4aを、例えば、網膜6の第1の領域4aに向けて第1のイメージを生成し、その位置を調整した後に、第2の画像の光ビームL5aを、例えば、網膜の第2の領域5a向けて第2のイメージを生成する。この例では、可動式ミラー7aを二軸で傾斜可能にすることで、網膜に照明された領域を縦横方向に調整することができるようになっている。
さらに、結像光学系3は、第1の画像および第2の画像の光ビームを網膜のそれぞれの領域に集束するビーム整形装置8を含んでいる。第1の画像の光ビームL4aは、第2の画像の光ビームL5aよりも多く集束される。
第1の画像および第2の画像の両方は1つの画像装置2だけで生成され、これが一定の総画素数を有しているので、網膜6上の第1のイメージおよび第2のイメージの第1の解像度と、それとは異なる第2の解像度とは、ビーム整形装置8による第1の画像L4aの光ビームおよび第2の画像L5aの光ビームの異なる集束によって初めて生成される。第1および第2のイメージの解像度は、画像装置2の画素数と、網膜6の第1の領域4aおよび第2の領域5a上のそれぞれのイメージの面積との比から得られる。
網膜上に投影された画像の高い解像度は、中心部4の領域でのみ必要であるため、第1の高い方の解像度を有する第1の領域4aは、第2の低い方の解像度を有する第2の領域5aよりも網膜6の中心部に近い。
光電子デバイス1のユーザーの目の網膜6の大部分が円形であると想定される場合、中心に近いとは、半径方向に見て、第1の領域4aの中心部が第2の領域5aの中心部よりも網膜6の中心部に近いことを実質的に意味している。つまり、網膜6上の第1および第2のイメージの解像度が、網膜6の中心部のより高い受容体密度に適合していることを特に意味している。
図271の構成変形例による光電子デバイス1は、1つの画像装置2だけを有しているので、第1の画像と第2の画像と更なる画像とは、時間的に連続して画像装置に表示されることになる。その結果、少なくとも1つの第1のイメージと1つの第2のイメージとから構成される全体像、つまり網膜上のシーンまたはフレームが走査プロセスによって生成される。ここで、ユーザーは、個々の画像が高速で連続しているため、全体像しか認識しない。ここでいう走査とは、第1および第2のイメージ、場合によってはさらに後続のイメージが次々と網膜の領域に投影され、1つのシーンの中で網膜の総面積が実質的に完全にイメージによって照明されることを意味している。
網膜の周辺領域5は、同じ解像度のイメージが照らし出される複数の領域(例えば領域5a)で構成されていてよい。同様に、中心部の領域4も、同じ高解像度のイメージが照らし出される複数の領域(例えば領域4a)で構成されていてよい。さらに、周辺領域5と中心部領域4との間には、少なくとも1つの中間領域10が形成されていることが可能であり、これは複数の領域(例えば10a)から構成され、同じ解像度のイメージが照明される。この場合、周辺領域5と少なくとも1つの中間領域10とは、それぞれの場合において、複数のイメージが照らされるリングを大きく形成する。一方、中心部の領域4は大きく円を形成しており、そこにも複数のイメージが照らされる。ここでは網膜の照らし出される領域が重なり合うこともある。しかしながら、好ましくは、領域の重なりは可能な限り小さくする。例えば、領域の面積の50%未満が重なり合うか、または領域の面積の25%未満が重なり合うか、または領域の面積の10%未満が重なり合う。
このように、個々の画像が次々と速やかに網膜上に投影されるため、前述のように、網膜上の1つのシーン内で個々のイメージを組み合わせた「全体像」が1つの画像として目で知覚されることになる。典型的なリフレッシュレートは60Hzまたは120Hzで、サブ画像1枚あたりの表示時間は1フレームの何分の1かで、1フレームあたり2~100枚、好ましくは5~50枚のサブ画像が表示される。
任意に、画像装置2と可動式ミラー7aとの間には、画像装置から発せられる光ビームLを集光して可動式ミラー7aに向けるための追加のレンズ9を配置することも可能である。
図272は、ビーム整形装置8の2つの可能な構成形態を示している。これは湾曲した表面を有する古典的なレンズか、セグメント化されたレンズとして形成されていてもよい。光軸に対して小さな角度の光が入射すると、光軸に対して大きな角度の光線よりも強い集束が行われることから、古典的なレンズを用いて、第1および第2のイメージの異なる焦点が合わせられる。
一方、セグメント化されたレンズは、複数の小さなレンズ(ミニレンズアレイ)で構成されており、それぞれが異なる度合いで焦点を合わせる。ここで、レンズ8aは系の光軸付近に取り付けられているため、画像が大きく縮小されるが、より遠くに位置するレンズ8b,8cは、網膜6のより広い領域に画像を投影する。古典的なレンズの代わりに、ビーム整形装置8が、平坦な光学素子、例えばメタレンズとして構成されていてもよい。特にセグメント化されている場合は、個々の領域を直接隣接してパターニングしたり、異なるレンズ特性を有する領域間のスムーズな移行が可能になったりするという利点がある。系全体としては、ビーム整形に平坦な光学素子を使用することで、コンパクトな構造様式を可能とすることができる。
図273の光電子デバイス1は、特に、可動式ミラー7aが一軸でのみ傾斜可能に構成されているという点で、図271の光電子デバイス1とは異なっている。さらに、ビーム整形装置8は、複数の光学素子、例えば結像特性の異なるレンズ8a,8bで構成されていてもよい。可動式ミラー7aを傾けることで、画像装置2で生成された少なくとも1つの第1の画像および第2の画像が、網膜6のそれぞれの領域に順次連続して投影される。この場合、各領域は中心部で重なり合う同心円のようになる。これに関して、「全体像」の画像合成には、特に以下の2つの選択肢が考えられる。
網膜6の各点は、ちょうど1つの投影画像によって照らし出される。言い換えれば、画像装置は、N枚の画像につき、中心部が暗色のリング状の画像をN-1回生成し、これを網膜6に投影することになる。
あるいは画像装置で生成された少なくとも1枚の画像を網膜全体に投影することもでき、この場合、半径方向に見て、網膜の中心部にある少なくとも2枚目の画像が、1枚目のイメージよりも高い焦点ひいては高い解像度で網膜6の中心部の領域に投影され、それによって、少なくとも2枚のイメージの累積刺激量(kumulierte Stimulation)が所望の設定値に対応することになる。実際には、低倍率で網膜の広い領域に適用される基本的な刺激が生じ、高倍率設定で追加の刺激を与えることにより細部を惹起するということを意味している。このために、画像コンテンツは、電子機器の系によって空間的変化に関して分析され、異なる倍率スケールに対応するサブ画像に分割される。
図274の光電子デバイス1は、ビームステアリング装置7が可動式ミラーを有しておらず、少なくとも2つの固定されたビームステアリング素子7a/bを含んでいるという点で、図273の光電子デバイスとは異なっている。さらに、光電子デバイス1は、第1および第2の画像を少なくとも実質的に同時に生成する少なくとも2つの画像装置2a,2bを含んでいる。第1のビームステアリング素子7aは、第1の画像の光ビームLを指向し、第2のビームステアリング素子7bは、第2の画像の光ビームを網膜6の方向に指向する。ビームステアリング素子7a/bの適宜選択された構成によって、少なくとも1つの第1および第2の画像のイメージは、網膜6上で異なる方法で集束され、その結果、2つの領域の異なる解像度が生じることになる。この構成例では、追加のビーム整形装置は必ずしも必要ではない。
網膜6上の各領域は、図273の光電子デバイス1の構成形態の場合と同様に、その中心部で重なり合う同心円となる。「全体像」の画像合成には、特に以下の2つの選択肢が考えられる。
網膜6の各点は、ちょうど1つの投影画像によって照らし出される。N個の画像装置と、それに対応するN枚の同時生成画像では、N-1個の画像装置により、中心部が暗色のリング状の画像が生成され、これが網膜6に投影される。
あるいは少なくとも1つの画像装置で生成された画像が網膜全体を照らし出し、この場合、半径方向に見て、第2の画像装置で生成された少なくとも1枚の網膜の中心部にある第2の画像が、1枚目のイメージよりも高い焦点ひいては高い解像度で網膜6の中心部の領域に投影される。少なくとも2枚のイメージの累積刺激量は、所望の設定値に対応している。実際には、低倍率で網膜の広い領域に適用される基本的な刺激が生じ、高倍率設定で追加の刺激を与えることにより細部を惹起するということを意味している。このために、画像コンテンツは、電子機器の系によって空間的変化に関して分析され、異なる倍率スケールに対応するサブ画像に分割される。
少なくとも2つのビームステアリング素子7a/bは、例えば、固定式ミラーから形成されていてもよいし、グラスファイバーを有していてもよい。
この構成形態によって、図271および図273の構成形態と比較して、結像光学系3を大幅に簡素化して構成することができる。複数の画像装置を使用することで、網膜の各領域に合わせた解像度をなおも得ることができる。
図271~図274に示すようなビーム案内のさまざまな構成は、特に、本願で開示されているさまざまなμ-ディスプレイおよび表示デバイスと任意の方法で組み合わせることができる。図275~276Cは、これに関するさまざまな構成を示している。図275では、図90の構成で示したように、光案内配置構造3をμ-ディスプレイと組み合わせている。このμ-ディスプレイ2は、行と列とに配置された複数の画素を含んでおり、それぞれの画素はμ-LEDの形をしたサブ画素を含んでいる。サブ画素3a,3bおよび3cは異なる色の光を放出するように構成されている。これらのサブ画素は、それぞれ反射構造体で取り囲まれており、横方向から出てきた光が上方向に向かって照射されるようになっている。指向性、すなわち放射の向きを改善するために、光整形構造体がμ-ディスプレイに、特に個々の画素の上に施与されている。この構造体は、屈折率の異なる周期的な領域を含んでいる。このために画素の上面と各μ-LEDの上面に透明な材料33を堆積させ、この透明な材料には周期的な穴部34が形成されている。このようにして得られた構造体は、2次元フォトニック結晶を形成し、そのため、周期性を介してμ-LEDによって放射された光が案内され、複合光束Lの形で上方向に放射される。このようなコリメーションには、見る人の網膜上のミラー7aとレンズ系8とによって、より正確な位置決めができるという利点がある。
図276Aは、これに関しての更なる構成形態を示している。ここでは、異なる色を発光するμ-LEDが上に配置されたμ-ディスプレイの代わりに、3つの異なるμ-ディスプレイが企図されている。各μ-ディスプレイP1,P2またはP3は、行と列とに配置された複数の個々のμ-LEDを有しており、各μ-LEDは、特定の色を放つように個別に駆動制御することができる。このようにして、各μ-ディスプレイP1,P2およびP3は、それぞれミラー7r,7gおよび7bのいずれかに入射する複合光束を生成する。ミラーは光ビームを偏向させ、レンズ系Lr,LgおよびLbを経由して、見る人の網膜に導く。言い換えれば、実際のカラー画像はμ-ディスプレイ上にこの時点では生成されておらず、3つの異なるミラーによって見る人の網膜上で初めて生成される。このように、個々の色情報は各画素ごとに別個に得られ、見る人の網膜上で初めて合成される。この構成は、各色のサブ画素を備えたμ-ディスプレイと比較して、各μ-LEDのサイズに対する要件が僅かに軽減されるという利点がある。その一方で、もちろん必要なスペースも大きくなる。
本構成の例では、個々のμ-ディスプレイP1,P2およびP3は、3つの異なる構成形態によって実現されている。しかしながら、個々のμ-ディスプレイごとに1つの構成形態しか使用できないことは自明である。例えば、赤色の光に対応したμ-ディスプレイP1は、表面に接触して個別に駆動制御可能な複数の水平方向のマイクロロッドを含んでいる。本構成では、マイクロロッドはそれぞれ単色、すなわち赤色の光を発するように形成されている。したがって、別のマイクロディスプレイP2およびP3にも、それぞれ緑色および青色の光を発するように、このようなマイクロロッドが備わっていてもよい。異なる色の水平方向に並んだマイクロロッドを備えたこのようなμ-ディスプレイが、既に他のさまざまな構成形態で示されており、ここで示されている光案内の配置構造によっても実現可能である。
図276Aのイラストでは、さらに、緑色の光に対応したμ-ディスプレイP2が、本願で開示されているコンセプト案にしたがって、アンテナスロット構造体でさらに実現されている。アンテナスロット構造体は、各緑色の画素ごとに平行に配置された2つのアンテナスロットを含んでいる。平行に配置することで高輝度化が可能となり、それに1画素あたり2つのアンテナスロットをそれぞれ冗長に配置することで、起こり得る欠陥を補うことができる。さらに、この構成で示すように、アンテナスリットが平行に配置されているため、発せられた緑色の光は直線的に偏光される。その点では、各色のμ-ディスプレイとしてのこのようなアンテナスロット構造体は、ユーザーの網膜上に3次元画像を生成するのにも適している。かかる場合には、例えば、他方の目のμ-ディスプレイのアンテナスロット構造体を90°オフセットして配置することも可能である。レンズ系Lb,LgおよびLrは、場合によっては切り替え可能な偏光フィルターを有していてもよい。
可能なμ-ディスプレイの第3の構成形態は、μ-ディスプレイP3によって実現される。これは、モノリシックに集積されたそれぞれ1色の多数の画素を行と列とに配置したものを含んでいる。ここで示しているすべてのμ-ディスプレイには、光の調整および光の整形のための更なる手段が備わっていてもよい。例えば、表面のフォトニック構造体や、マイクロレンズなどの素子の他の光整形手段も考えられる。
図275の構成例と、図333に記載のμ-LED配置構造とに基づく更なるコンセプトが、図276Bの構成に示されている。ここでは、モノリシックに集積された多数のμ-LEDを含む2つのμ-ディスプレイ2a,2bがそれぞれ設けられている。この場合、各サブ画素は個別に制御することができる。図275の構成例で説明したように、μ-ディスプレイ2a,2bから発せられた光は、2つのミラー系7aおよび7bによって、目の中心部にある中心窩に向けてか、またはより中心から離れて位置する領域5に向けて偏向される。したがって、この例では、μ-ディスプレイ2a,2bの構成が同じであれば、μ-ディスプレイ2bとミラー系7bとによって、中心部の領域5よりも中心窩の領域4の方が高解像度になる。
最後に、図276Cは、これに関連して、ダイクロイックキューブを用いた別の構成形態を示している。ダイクロイックキューブは、互いに垂直に置かれている2つの半反射面を含んでいる。ダイクロイックキューブの3つの辺のそれぞれに、複数のμ-LEDを行と列とに配置したμ-ディスプレイが配置されている。ここで、各μ-ディスプレイは、1つの色を発するように構成されている。図276Cに示す例では、下側のμ-ディスプレイが青色の光を発し、右側のμ-ディスプレイが緑色の光束を発し、左側のμ-ディスプレイが赤色の光を発する。ここで、赤色と緑色のそれぞれの光束はダイクロイックキューブの表面に角度をつけて当たり、レンズ系で偏向される。一方、ダイクロイックキューブの2つの面は、青色の光に対して透明であり、レンズ系に直接当たるようになっている。
図277Aおよび277Bは、図271、273または274のデバイスのそれぞれの結像光学系3の下流に配置されていてもよいビーム系11の2つの可能な構成例を示している。そのため、それぞれのビーム系11は、結像光学系3と目との間に配置されていてもよい。
図277Aのビーム系11は、結像光学系3と網膜6との間のビーム経路に順に配置されて、結像光学系3の下流側の光ビームLを網膜6に指向する、対物レンズ系12aと接眼レンズ系12bとを含んでいる。ビーム系11では光ビームLのビーム経路が交差しているため、対物レンズ系12aでは、投影画像の上下左右が反転した実中間像13が得られる。接眼レンズ系12b(虫メガネの原理)により、この投影像の中間像13を拡大して見る。
一方、図277Bのビーム系11は、結像光学系3の下流側の光ビームLを網膜6に指向するために、結像光学系3と網膜6との間のビーム経路に配置されているレンズ系12のみを含んでいる。したがって、このレンズ系12では、投写画像の実中間像13は生成されず、投写画像が拡大または縮小されて見られるだけである。
図示しない変形例では、それぞれのビーム系11は、画像装置2,2a,2bと結像光学系3との間に配置されていてもよい。
結像光学系3がビーム系11に組み込まれることが企図されていてもよい。図277Aを参照すると、結像光学系3は、例えば、中間像13の平面内に存在し得る。少なくとも実質的に倍率を規定する図277Aに示すレンズ系12bの1組のレンズが空間的にセグメント化されて(または2つのレンズのうち少なくとも1つが)形成されており、結像光学系3が空間的に切り離されたレンズのセグメント間に配置されていることが企図されていてもよい。あるいは結像光学系3は、図示の1組のレンズの2つのレンズの間に位置していてもよい。
図277Bに記載の変形例では、レンズ系12の図示された1組のレンズは、それらの間の追加の素子として、または1組のレンズの一方または両方のレンズの変更として、結像光学系3を含んでいてもよい。
ユーザーの目にまたは目の中に画像を転送する代替的な構成は、網膜に直接投影することで目の中に画像を生成するライトフィールドディスプレイによって実現される。図278は、本明細書に提示されている原理の一部に従ったライトフィールドディスプレイ1の第1の構成を示しており、以下では、ユーザーの目に関連する当該ディスプレイ1の構成要素について説明する。したがって、別途図示していない両眼光学系では、概略的な構成要素が対称的に二重に配置されている。
図278は、ユーザーの目6にラスター画像3の網膜投影5を生じさせる光電子デバイス2と光モジュール4とを示している。ここで、光電子デバイス2は、第1のμ-ディスプレイ12を備えた第1の撮像ユニット10と、第2のμ-ディスプレイ13を備えた第2の撮像ユニット11とを含んでいる。両μ-ディスプレイは、複数のμ-LEDを行と列とに有するμ-LEDアレイとして形成されている。μ-LEDは画素として構成されており、各画素は異なる色の3つのサブ画素を有している。言い換えれば、各μ-LEDは、1つの色を発光するように構成されており、個別にアドレス指定して駆動制御することができる。
図示の構成例では、光学モジュール4は、コリメーション光学系14と、自由曲面レンズ18を備えた投影光学系17とを有しており、これらはユーザーの目6の網膜19上に第1の撮像ユニット10の第1のラスターサブ画像8を生成する。ここで、第1のラスターサブ画像8は、広い範囲で適用される。
第2の撮像ユニット11による撮像のために、光学モジュール4には調整用光学系15が存在し、本構成例ではコリメーション光学系14内に配置されている。詳細には示されていない更なる構成変形例では、調整用光学系15は、コリメーション光学系14と投影光学系17との間に存在するか、または投影光学系17の導波路16内に少なくとも部分的に存在することができる。
第2の撮像ユニット11の第2のラスターサブ画像9は、写真光学的な視覚(fotooptisches Sehen)のために専ら錐体として形成されている視細胞の表面密度が高いために最も精密な視覚が得られる中心窩7を有する網膜19の局所領域に投影される。ここで、第2のラスターサブ画像9には、第1ラスターサブ画像8よりも高い解像度が選択される。
図1Cは、人間の目の知覚能力の違いを、目の光軸からの角度偏差αに対する角度分解能Aのグラフで表したものである。最も高い角度分解能Aは、網膜19上の直径1.5mmの中心窩7の領域にあり、真ん中(0°)を中心に約±2.5°の角度をカバーしている。さらに、約-15°では、網膜19に盲点22が存在している。加えて、図1Cは、高解像度の第2のラスターサブ画像9に対する本発明によるライトフィールドディスプレイ1の第2の投影領域21の局所的な制限と、低解像度の第1のラスターサブ画像8に対するより大面積の第1の投影領域20.1,20.2とを示している。
図279は、第1のラスターサブ画像8と第2のラスターサブ画像9とを合成して、網膜19に投影されるラスター画像3を形成する様子を示している。第1のラスターサブ画像8については、比較的低解像度の実線で示されている活性化された第1の画素画像24.1が図示されている。さらに、第1のラスターサブ画像8の破線で示されている2つの活性化されていない第1の画素イメージ24.2,24.3が示されており、中心窩7に関連するこれらの領域は、より高解像度の第2のラスターサブ画像9の一部である第2の画素画像25.1,25.2の配置に置き換えて表されている。2つのラスターサブ画像8,9の重なり合う領域を可能な限り小さく保つために、図示の有利な構成では、個々の第2の画素画像25.3を、第2の撮像ユニット11の対応する駆動制御によってオフにすることもできる。
図280からは、画素画像の輪郭が長方形とは異なる場合もあることがわかる。第2の画素画像25.4~25.10を六角形にしたもので、高い表面密度を実現している。このようなμ-LEDを製造するための技術が本出願では開示されている。
図281Aおよび281Bは、第1のラスターサブ画像8の網膜投影5に対する第2のラスターサブ画像9の網膜投影5の相対的な位置を調整することができる調整用光学系15.1,15.2の可能な構成を示している。ポリマーマトリクス29内に液晶領域28.1~28.nを有するホログラフィックに製造されたパターン27を有する切り替え可能なブラッググレーティング26を備えた構成を示している。図281Aは、第1の方向に配向された電界と、偏向されていないビーム経路30.1とを有する状態を示し、図281Bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向に配向された電界と、その結果生じる偏向されたビーム経路30.2とを有する状態を示している。
調整可能なアルバレスレンズ配置構造31を有する調整用光学系15.2の代替的な構成を図282に示す。これは、それぞれが表面レリーフを有する位相板を二重に配置したもので、ビーム調整のためにx方向とy方向に相対的に移動させることができる。モアレレンズ配置構造32と呼ばれる、回転可能なアルバレスレンズを備えた調整用光学系15.3の特別な形態が図283に示されている。
図284は、中心窩の位置を決定するための測定装置34を備えたライトフィールドディスプレイ1案の更なる設計を示している。このために、ユーザーの目6がIR照明装置33によって照明され、網膜19の画像が記録される。図示の構成例では、第2のラスターサブ画像9(図278参照)の追跡は、測定装置34が、ユーザーの視線の方向を追従できる眼球運動検出装置35の一部となるように、動的に行われる。眼球運動検出装置35に接続されたレギュレーション装置36は、第2の撮像ユニット10の第2のラスターサブ画像9が中心窩の領域に保持されるように調整用光学系15を制御し、一方、第1の撮像ユニット11の第1のラスターサブ画像8は光電子デバイス2に対して静止したままである。さらに、レギュレーション装置36には、表示された画像データDによって与える眼球運動のモデルが算出される予測装置37が接続されている。
ここで提示したμ-LEDやμ-ディスプレイまたはモジュールの製造およびパターニングに関するコンセプトに加え、画素密度が可変の撮像素子の形をした、かかるモジュールの特別なコンセプトを以下に提示する。
本発明者らは、人間の目は、色覚と空間分解能との両方の点で、視覚範囲のどこでも同じように見えるわけではないという事実を利用している。このように、撮像素子は、眼球内のそれぞれの領域に必要とされるだけの解像度を有していればよい。
図285は、複数の並置されたμ-LEDを行ごとに含む線状の結像画素アレイまたはμm範囲の画素を個別に駆動制御できるモノリシックLEDアレイの例を示している。この行は始点Aを含み、この始点Aには、行の個々の画素Pが軸線Xに沿って接続されている。これらの画素は光電子構造素子であり、μ-LEDとして行に沿って配置されるか、またはモノリシック集積部品として、場合によってはセグメントとして存在していてもよい。各画素は、固定の高さhと、一方では可変の幅lとを有し、少なくとも1つの発光素子、例えばμ-LEDを含んでいる。画素は軸線Xを中心に真ん中に配置されており、幅が最も小さい画素が始点Aに最も近い。図示の構成例では、画素は固定された所定の関数的、例えば線形関数的に拡大していく。行の画素数は、被表示ディスプレイの解像度に対応している。他の構成では、幅lの広がりは、目の桿体および錐体の感度の経過に沿ったものであってもよい。その結果、隣り合う画素の中には同じ幅のものもあれば、異なる幅のものもある。別の可能性は、グループごとの拡大であり、すなわち、軸線に沿ったいくつかの画素は同じ幅もしくは寸法を有し、それらに隣り合う2つ目のグループはより大きな幅を有している。後者は、グループもしくはセグメントごとでも、一体化したコンポーネントとして実現することができる。
2つ目の例では、始点からの距離が長くなるにつれて、画素の幅lと高さhの両方が大きくなっている。この変化は、光学系による適切な回転により、画素がそれぞれ円形の点上に隙間なく並んでいるような視覚的印象を与える。行の画素数は、数百画素の範囲にあり得るが、1行あたり1980画素点のHD解像度よりも少なく済むことができる。
一実施例によれば、始点から最も幅の小さい行に約150の画素が配置されている。幅は、例えば5μmとすることができる。そこに画素数150および画素サイズ10μmのグループが続く。さらに、画素サイズが20μmと30μm、画素数がそれぞれ100画素と50画素の2つのグループが続く。これにより、行全体の長さは約5750μmとなる。しかしながら、目に見える有効解像度がほぼ同じであれば、画素数は500と大幅に減らされ、より単純でコスト効率の高い製造につながる。
ここで強調すべき点は、隣り合う画素間の幅は常に異なるわけではなく、同じになる場合もあるということである。同様に、ある画素が離散的に、始点に近い隣り合う画素よりも小さい寸法を有していることもある。しかしながら、「始点から実質的に増加する幅」という表現は、距離がより大きくなるにつれて、より多くの画素で画素の幅が増加することを意味している。そのため、隣り合う個々の画素が離散的に同じ寸法を有し得る場合であっても、始点からの距離が大きい画素では、原則的に幅が大きくなり、場合によっては高さも大きくなる。このように、セグメントごとの拡大の上述の構成にも上述の説明が当てはまる。
それから結像光学系を用いて、画素アレイを始点を中心に回転させることで画像を生成することができる。このために、画素アレイ自体は回転させず、画素アレイが生成した光ストリップを結像光学系により一定周期でオフセットすることで、始点を中心に回転しているような印象が与えられる。このオフセットの速さが十分であれば、視覚処理の慣性によって画像の印象が作られる。この場合、個々のステップの数は、個々のピクセルの高さに依存し得るが、必ずしもそうである必要はない。画像に応じて、特に目の解像度が高い領域では、ある種のオーバーラップ領域が生じるように周期を選択することもできる。
図286は、このような回転の様子を概略的に示している。図285の画素行とは対照的に、ここではさらに各画素の高さも変化しており、始点からの距離が長くなるにつれて画素の高さが高くなっている。これは2つの方法で生じさせることができる。1つは実際に画素の高さを変更することである。もう1つは、画素行の上に絞りを配置して、絞りの開口部を広げることでも実現される。そのため、各画素は正方形や長方形ではなく、どちらかと言えば台形のような形をしている。こうして、画素行が始点を中心に回転しても、各画素のステップ幅は実質的に一定であり、「回転した」画素は「横並び」になる。画素の高さは、H画素>=2πd/nで近似的に求めることができ、dは始点から画素までの距離、nは360°回転したときのステップ数である。画素の高さを大きいものに選択した場合、回転時に画素同士が重なり合うことになる。
図287は、画素アレイが、始点Aを表す中心点を中心に、軸線Xに沿って対称的に配置されている更なる構成を示している。この配置の利点は、結像光学系がアレイを180°回転させるだけで完全な画像が得られることである。
図288は、2つの画素アレイが互いに垂直に配置された画素マトリクスの一構成を示している。2つの画素アレイには共通の中心点があり、その点を中心に画素密度は最大になっており、すなわち画素は最小のサイズを有している。動作時には、2つの画素アレイが軸線XとX2とに沿って光のクロスを生成し、これを下流の光学系で回転させることで完全な画像を生成することができる。2つの、あるいは代替的な構成では3つ以上の画素アレイを配置することで、光学系はよりシンプルに構成することができる。ここで示した例では、生成された光のクロスを90°だけ回転させるように光学系が構成されているため、その点では、画素マトリクスは90°だけ回転対称になる。
図289は、目の色覚に関する更なる態様を示している。図示した構成例では、異なる色のサブ画素を上下に配置した複数の行が配置されている。このようにして、各色のサブ画素の列が1つの画素を形成している。例えば、各行の各画素のサブ画素は、異なる原色の赤色(R)、緑色(G)および青色(B)で形成されている。異なる色の行は、軸線に沿って「縦並び」に配置されている。例えば、緑の中間行Gは行の軸線Xの真ん中に位置しており、赤色の行Rと青色の行Bは、緑色のサブ画素Gを有する第1の行に隣接した形で軸線の両側に配置されている。この例では、各行の配置、特に画素密度は同じである。
これに関して、図290は、異なる色のサブ画素を有する画素Pを個々の行に配置した代替的な構成を示している。画素行は、始点Aを中心に対称的に配置されている。この例では、各画素Pのサブ画素について、色は異なるが幅は同じである。画素間の幅は広がり続けていく。行の中で、より遠くの方にある画素、すなわち点Aからの距離が大きい画素は、幅も大きくなるように構成されている。あるいは目の桿体と錐体も、視覚中枢からの角度が同じであれば、相対的に色感度が異なることもさらに考慮に入れることができる。これを補うために、代替的な構成では、異なる色のサブ画素は、異なる幅、すなわち異なる寸法で構成されている。画素に一定の電流を流すことで、色の輝度が異なるため、ユーザーはそれぞれの場所で同じ明るさの色を感じることができる。
図291Aは、提案された原理による画素行の横断面図における更なる構成を示している。画素行の上に配置されたミラーデバイスは二軸で回転可能なため、既に本願で提示したように、ユーザーにとって解像度の異なる円形の画像を作り出すことができる。画素行自体はキャリア基板20上に配置されており、このキャリア基板20は異なるコンタクト領域KB,Kを含んでいる。基板20は、コンタクト領域KB,Kに加えて、画素行および個々のμ-LEDに電気を供給するための駆動制御電子回路、ドライバ回路および電源回路を備えている。コンタクト領域KBは、その上に配置される画素行の画素のサイズに応じて、異なる構成をしている。これにより、画素行の画素Pのそれぞれのμ-LEDの位置決めと接触とが容易になる。本構成形態では、画素Pは3つのサブ画素R、GおよびBで構成され、それぞれに1つのμ-LEDが搭載されている。軸線Aを中心に回転対称に配置された中央のサブ画素は、色の1つである青色Bである。これは、隣り合う緑色と赤色のサブ画素GとRの2倍の大きさを有している。
図示のとおり、画素Pならびに関連するサブ画素R、GおよびBとμ-LEDとは、回転軸Aからの距離が大きくなるにつれてサイズが大きくなっている。例えば、外側にある画素Pのサブ画素B,G2およびRのμ-LEDは、中心軸Aに隣り合う画素のμ-LEDよりも明らかに大きく構成されている。さらに、緑色のサブ画素G1およびG2のμ-LEDは、回転軸Aからの距離が長くなるにつれて,同じ画素の他のμ-LEDに比べて寸法が大きくなっている。これは、目が緑色に敏感に反応し易いため、周辺視野の領域でも緑色が支配的になることから好都合である。
図示しているμ-LEDは、縦型μ-LEDとして構成されている。そのために、基板20に面していない側に共通の接続用コンタクトを有し、そのコンタクトは外側のコンタクトKと電気的に接続されている。この透明カバー電極の上面には、領域33および34を有するフォトニック結晶の形をした光整形構造体が施与されている。領域33および34は、屈折率の変化を生み出し、μ-LEDから放たれた光のコリメーションを引き起こす。
このコンセプトに従って提案された画素行は、構造形態および構成の異なるμ-LEDを使って実現することができる。図291Bは、各画素の個々のサブ画素が、いわゆるインゴット状のμ-LEDによって実現されている構成を示している。この場合、1組のμ-LEDの間には変換材料が配置されている。青色Bの中心となるサブ画素から距離が大きくなるにつれて、緑色に発光するμ-LEDも大きくなる。この態様は、既に述べたように、人間の目の感度が緑色の範囲で高くなることを考慮している。
図291Cは別の構成を示している。ここでは、各色のサブ画素ごとに2×2個のμ-LEDのマトリクスが提供されており、これらは互いに電気的には分離されているが、光学的には接合されている。これにより、2つの重要な態様を実現することができる。1つは、この構成により、欠陥のあるμ-LEDを分離して、機能するμ-LEDに置き換えることができる。これは、例えば、赤色のサブ画素の場合、下の行の右側の領域で示されており、図示するように欠陥があるものとしてマークされている。マークされた欠陥のある赤色のμ-LEDは、赤色のサブ画素にある別のμ-LEDに置き換えられる。さらにそれより外側では、それぞれのサブ画素の中で別のμ-LEDをオンにすることで、異なる光度や放射パターンを実現することができる。これは、緑色のサブ画素G1およびG2のμ-LEDで示されている。
図291Cに示す構造体は、各サブ画素に4つのμ-LEDを含んでおり、そのうちのいくつかは冗長なμ-LEDとして構成されていてもよい。他の構成では、マトリクスは2×1個のマトリクスとして、1画素あたり2つのμ-LEDを有する単一の行のみを有することもできる。目の解像力が中心窩の領域の外側で低下することを考慮して、μ-LEDのサイズを大きくしてもよい。
図291Dは、図291に平面図で示した画素構造体の横断面図を示している。これらの光学的および電気的な燃料素子(Brennelementen)16および電気的な燃料素子20を備えたマイクロLEDの構成は、本願では図133の構成例で既に説明している。
最後に、図292Aおよび292Bの2つの構成例では、色を認識する目の感度が、視野角もしくは中心窩の中心部からの距離にも依存することを考慮している。感度の依存性は、外側に向かうほど、すなわち、中心部からの距離が大きくなるほど、赤色や青色に反応する錐体の数が少なくなることで説明される。ここでは、緑色に対応した桿体が多く存在している。したがって、この2つの構成形態では、緑色のそれぞれの画素もしくはサブ画素に対して、可変の、すなわち異なる密度が提案されている。始点A付近では、異なる色のサブ画素が3つの行に実質的に均一に分布しているが、距離が長くなるにつれて、緑色の画素を有する行が多く存在することになる。
図292Aでは、緑色のサブ画素を有する第1の行を軸線Xに沿って真ん中に配置し、この配置において実質的にすべての画素位置を占有することで、緑色の画素の数を増やしている。赤色と青色の画素をそれぞれ有する他の2つの行R,Bは、第1の行の上下に配置されている。中心部の始点A付近では、3つの行すべてで画素位置が占有されている。しかしながら、距離が長くなると、第2の行Rと第3の行Bのすべての位置が占有されるわけではなく、すなわち、赤色と青色の画素の一部の位置は占有されないままとなり、第2の行と第3の行の占有密度は第1の行に比べて減少する。これにより、緑色の画素に比べて赤色と青色の画素の数が少なくなる。言い換えれば、第2の行と第3の行は、第1の行よりも「短い」ものになる。
図292Bの代替的な構成では、異なる色の画素は、図290の構成と同じように軸線Xに沿って配置されている。始点付近では、この場合も、行R、GおよびBの画素が均一に分布している。距離が長くなると、画素の行RおよびBの占有密度が減少し、行Gの緑色の画素が多く存在することになる。始点Aからの距離が大きくなるにつれて、原色が緑色の画素行Gが多く存在することになる。
ここで明確に述べておきたいのは、異なる態様や例を互いに組み合わせて、それぞれの用途にとって有意義な所望の配置を作り出せるということである。これは、行とそれぞれの行内の画素との組み合わせ、すなわち、空間分解能と色感度とに関する組み合わせにも当てはめられるが、これに限定されるものではない。
図293は、異なる色の画素を有するR、GおよびBの3つの行が互いにオフセットして配置された画素マトリクスの更なる構成を示している。3つの行は共通の中心点Aを有し、個々の隣り合う行の間の角度は60°である。R、GおよびBの各行は、同じ色の画素を有している。さらに、感度の違いを考慮して、各行の個々の画素の幅を変えている(ここでは示していない)。オフセット配置にすることで、各行のμ-LEDを他の行のμ-LEDと独立して製造することができるため、実現がより容易になる。得られた画像を光学系で180°回転させると、ほぼ円形のカラー画像が生成される。この配置に加えて、行の「長さ」が異なるものが注目される。さらに、色の異なる個々の行の画素密度も同様に異なる。目が最も敏感に反応するため、緑色の行が最も高い画素密度となる。外側の領域では、行RおよびBの画素幅が大きくなっており、そこでは空間分解能が低下している。さらに、最大距離付近では目の色の感度が強く低下し、赤色と青色のそれぞれの色がもはや感じられなくなるため、行RおよびBは若干短くなる。
図294は、画素密度が可変の撮像素子を仮想画像に変換する結像光学系の一構成を概略的に示している。撮像素子は、色を放つように形成された異なるサブ画素を有する単一の画素行である。この画素行以外にも、本願で開示している他の撮像素子を設けることも可能である。ユーザーの目の中で、複数の画素を有する画素アレイが放つ光を高速回転させることで、仮想画像を形成する。具体的には、画素アレイは、極座標の画像行に対応する光ストリップを生成する。この光は、第1のレンズL1で集光され、第1のミラーS1に指向される。第1のミラーS1は、相互に垂直な2つの軸線を中心に傾けることができ、したがって、これらの2つの軸線を中心に光ストリップを偏向させることができる。
第1のミラーで偏向された光は、さらにレンズL2を経由して第2のミラーS2に指向される。この第2のミラーも、互いに垂直に配置された2つの軸線を中心に傾けることができる。この機能は、図では例示的に2つの矢印で示されている。第3のレンズL3により、生成された光ストリップはユーザーの目に焦点を合わせられる。ミラーS1およびS2を僅かに周期的に傾けることで、光ストリップを回転させる。傾斜は、MEMS素子または圧電素子を使って実現できる。回転するごとに、新しい位置で所望の画像や色情報も画素アレイPAから放射される。目の慣性によって、十分に速い回転であれば、環状の画像のような印象が与えられる。画像Biの回転点は、例えば、目の焦点や視線の方向に置かれる。視線の方向の変化は、アイトラッキング測定によって検知することができる。次いで、ミラーS1およびS2が回転ポイントを追跡し、回転ポイントが再び目の焦点に合うように画像を偏向させることができる。
3つの各レンズはそれぞれオプションとすることができる。同様に、所望の効果を得るために、レンズまたはミラー以外の手段や、このような光学系の組み合わせも提供することができる。
ディスプレイの場合、各画素を第2の画素とは切り離して個別に駆動制御することで、あらゆる種類の情報を適宜柔軟に可視化することができる。簡単に言えば、約200万画素の従来のテレビやモニタのように1920×1080画素のマトリクスを別々に駆動制御する必要がある。かかる多数の画素をそれぞれ個別に対応できるかという課題の他に、拡張現実やオートモーティブの用途では、ディスプレイが非常に小さく、冒頭で述べたように画素サイズが数μm範囲の小さなサイズしかないという事実がある。
より大きな画素サイズに対応した従来のドライバおよび表示部では、デジタル回路だけでなく、アナログドライバも対応画素の下に容易に配置することができていた。
画素サイズが例えば200μm2のかかる従来のディスプレイでは、画素の「下」にある利用可能なスペースは同じオーダーのサイズになる。ドライバ回路はスペース的にも容易に実現でき、画素のサイズ自体が制約の要因になることもない。しかしながら、画素のサイズが小さくなると、従来の回路技術では利用可能なスペースはもはや足りなくなる。これまで使用してきた材料系にデジタル回路技術を用いたとしても、同様の問題が発生する。シリコン技術は、回路をさらに小型化する可能性を秘めているが、この材料系は青色または緑色の光を生成する既存の材料と容易に組み合わせることができない。
そのため、新しいコンセプトが必要となるが、それは大きく2つの領域に分けることができる。1つ目の領域は、トランジスタやコンデンサなどの素子の新しい設計に関するものである。この設計自体は、全く異なる用途や技術分野のために存在し得るものであるが、μ-LEDに使用されている材料系との組み合わせや、μ-LEDそのものとの組み合わせではない。2つ目の領域は、μ-LED画素を駆動制御するための回路技術とその原理に関するものである。簡単に言えば、画素を行と列とにアドレス指定するためのデジタル伝送路が、それに対応する行と列の復号化のようにスペースをとるということである。同じことが、個々のμ-LEDに必要な電流を流すための電流源やバッファの実装についても言える。μ-LEDをモノリシックに組み立てたり、個々に実装して組み立てたりした場合であっても、ディスプレイ内のμ-LEDに対処する新しいアプローチで良好な視覚的印象を得るというさまざまなコンセプトが可能になり得る。
図295Aは、NMOS技術で形成されたバックゲートもしくはデュアルゲートトランジスタを使ったμ-LED用の電流ドライバの構成例を示している。この構成形態は特にコンパクトで、僅かなスペースのみを使って実現することができる。
このようなバックゲートトランジスタは、電流ドライバトランジスタまたは電流源としても頻繁に用いられる。これは特に、TFT(薄膜技術)で組み立てられ、標準的な制御端子やゲートに加えて、バックゲートとも呼ばれる第2の制御端子を有している。このバックゲートを追加することで、以下で説明するようにトランジスタの導電チャネルを変化させることができる。パルス幅変調(PWM)用のトランジスタを追加する代わりに、既存のデュアルゲートトランジスタのバックゲートをPWM信号で変調することができる。
図295Aは、バックゲートで制御されたNMOS電界効果トランジスタの横断面図を示している。左側にはソース領域S、右側にはドレイン領域Dがあり、ここで、両領域の間には電流を導通するチャネルが提供されている。通常の電界効果トランジスタでは、ゲート1つでチャネルの抵抗値、すなわち、チャネルが電流を導通する能力が変化させられる。デュアルゲートトランジスタでは、第1のボトムゲートBと第2のトップゲートTとによってチャネルが変化させられる。この場合、チャネルの異なる側にゲートが配置される。ここに示す構成例では、トップゲート(アッパーゲート)が追加のバックサイドコンタクトもしくはバックゲートコンタクトを提供する。
図295Bは、図295Aに記載のデュアルゲートトランジスタの2つの平面図を示している。左側の図に示すように、左側のソース領域Sと右側のドレイン領域Dとは、トップゲートTおよび/またはボトムゲートBを用いた電流線によって制御することができる。図295Bの右側の図は、図295Aによる配置の一部分を示している。
図295Cは、閾値電圧のトップゲート電圧VTGへの依存性、ひいては背面コンタクトと閾値電圧VTHとの相互作用を表したものである。特に、閾値電圧VTHは、電界効果トランジスタが電流を導通する状態になるゲート・ソース間電圧VGSである。図295Cでは、x軸はトップゲートTに印加される電圧VTGを示す。この関数として、y軸は制御されたNMOS電界効果トランジスタのチャネルの導電性が変化したときの閾値電圧VTHを示している。例えば、トップゲートの電圧が0Vのときは、電流が流れるための閾値電圧は0.5Vである。絶縁ゲート-ZO-NMOSトランジスタ(Insulated-Gates-ZO-NMOS-Transistor)にトップゲートを追加することで、トランジスタの閾値電圧VTHを広い範囲でほぼ直線的にシフトさせることができる。
図296は、μ-LED、特にディスプレイ用の画素またはサブ画素を電子的に駆動制御するためのデバイスの第1の構成例を示している。この場合、μ-LEDは、さまざまな技術を用いて製造することができる。この技術には、モノリシックな製造だけでなく、電流狭窄あるいは本願に開示しているアンテナ構造体も使ったインゴット形状の配置も含まれている。光を導く取り出し構造体を設けることもできる。
μ-LEDは、第1の電位GNDと第2の電位Vddとの間でデュアルゲートトランジスタと直列に接続されている。この配置は、デュアルゲートトランジスタT2の第1の制御ゲートもしくはバックゲートBGに接続された閾値線PWMを有している。閾値線PWMは制御電極を追加で有している。背面コンタクトを有するこのバックゲートBGを図295Aおよび図295Bに示している。図295Cのグラフによれば、背面コンタクトを介して閾値電圧を大きくシフトさせることができ、すなわち、ゲートGとソースSとの間の電圧UGSは一定のままで、追加のゲートBGによって出力電流を変調することができる。原則的には、ゲートGとバックゲートBGとを逆に使用することも可能である。すなわち、第1の制御端子BGで電流設定を行い、第2のゲートGでパルス幅変調を行うことができる。この回路を提供する広いダイナミックレンジにより、閾値電圧を第2のトランジスタT2の安全なオフをもたらす範囲にシフトさせることができる。
これにより、PWM(パルス幅変調)動作が可能になる。
更なる利点は、デュアルゲートトランジスタT2を用いた回路案の高速化である。高速切り替えを行うことが可能である。「データ」線を使った変調とは異なり、メモリ容量を使用しないため、同じドライバ出力でより高速な変調が可能である。
さらに、この配置は、データ信号線dataとセレクト信号線selとを含んでいる。最後に、この配置には、電荷蓄積手段Csと制御トランジスタT1とを備えたセレクトホールド回路もさらに含まれている。電荷蓄積手段は、デュアルゲートトランジスタT2の第2の制御ゲートGとμ-LEDの端子との間に配置されている。制御トランジスタT1の制御端子は、セレクト信号線Selに接合されている。動作時には、デュアルゲートトランジスタT2のゲートGへのセレクト信号線を介してデータ信号線にデータが印加される。電圧UGSはコンデンサCsに蓄えられ、セレクトトランジスタT1がオフになった後も印加される。電圧はデータ信号で指定され、アドレス指定はセレクト信号Selで行われる。
こうしてゲートGは、固定されたチャネルを生成し、ひいては電流経路に一定の電流を流す。このようにして、トランジスタT2によって定電流源が提供され、さらにトランジスタT2のバックゲートでPWM信号によってパルス幅変調される。したがって、μ-LEDは、電荷蓄積手段のデータによって指定された電流と「オフ」状態との間を、PWM信号によって行き来する。μ-LEDは、印加された電流に依存して色が僅かに変化するため、データ信号で色を、PWM信号で光度を、それぞれ僅かに変化させることができる。色の依存性が低い場合は、固定PWMでデータを介して光度を設定することもできる。
図296の構成は、GNDベースのプログラミングを行わずに、NMOS-TFT(薄膜)トランジスタT2を用いて調整可能な定電流源のパルス幅変調を示している。しかしながら、この構成は温度安定性ではない。この温度不安定性は、発光ダイオードにかかる電圧降下の温度依存性により、電荷蓄積手段CSにかかる電圧が僅かに変動することに起因している。
図297は、NMOS技術で提供されるμ-LED画素セルを電子的に駆動制御するためのデバイスの第2の構成例を示している。前述の構成と同様に、電流経路は、第1の電位端子GNDと第2の端子Vddとの間で直列に接続されたμ-LEDとデュアルゲートトランジスタT2とを含んでいる。セレクト信号ホールド回路の電荷蓄積手段Csは、一方の端子がトランジスタT2のゲートGに接続され、他方の端子がソースSと第1の電位GNDとの間に接続されている。その結果、電荷蓄積手段Csにかかる電圧は一定となり、発光ダイオードの順方向電圧に依存しなくなるため、ひいては温度依存性でもなくなる。セレクト信号ホールド回路はGNDにプログラミングされている。
他方で、μ-LEDは、ドレイン端子Dと電源電位Vddとの間に接続されている。そのため、μ-LEDは、電気的に高い電位を供給する第2の電位端子Vddの側に配置されている。この配置は図296のものに対応しているが、マイクロLEDはローサイドに配置されておらず、つまりカソードがGND(グランド(Masse))に配置されておらず、トランジスタT2のハイサイドもしくは上側回路に配置されている。そのため、マイクロ発光ダイオードのカソードはトランジスタT2のドレインに接続され、そのアノードは第2の電位端子Vddに接続されている。それに応じて、μ-LEDは、例えば、従来の「コモンカソード(Common Cathode)」の代わりにコモンアノードトポロジー(gemeinsame Anodentopologie)を示している。
図298は、デバイスの第3の構成例、すなわち、図296に記載の構成を示しているが、ここではNMOS薄膜トランジスタ(TFT)の代わりにPMOS薄膜トランジスタを用いて実行している。そのため、PMOSトランジスタのみを使用している。本構成では、電荷蓄積手段は、デュアルゲートトランジスタT2のソースと第1の電位Vddとの間に接続されている。
図296~298に示す構成では、画素マトリクスでの古典的な駆動制御が可能である。ここでは、トランジスタT2の「フロントゲート」(通常の)ゲートGに電圧値データが書き込まれ、ホールドコンデンサCsがこの電圧値を記憶し、それに応じて第2のトランジスタT2を制御する。これは、例えばRGB画素の色混合を設定するために使用される。それから、バックゲートBGを介して第2のトランジスタT2にパルス幅変調(PWM)電圧が印加され、この電圧はパルス幅変調(PWM)によりマイクロ発光ダイオードの電流を時間的に変調し、例えば、予めプログラミングされた色に対する画素の一般的な輝度を変化させるために使用される。この色は、第1のトランジスタT1とコンデンサCsとによって予めプログラミングされている。例えば、1つの表示行のすべてのトランジスタにおいて、それぞれのバックゲートに同一のパルス幅変調信号を印加することも可能である。このようにして、行全体が「調光」される。
ディスプレイ全体のすべてのバックゲート、すなわち、すべての列とすべての行が、共通のパルス幅変調信号PWMで駆動制御され、画像内容を変えることなく、ディスプレイ全体を「調光」することも可能である。これは、例えば、自動車のディスプレイのデイナイトモードや拡張現実用途のメガネにも使用することができる。このようにして、輝度を外部の明るさに合わせて動的かつ無段階に調整することができる。オートモーティブ分野では、このようにディスプレイの一部を個別に駆動制御して、暗い部分を明るくしたり、明るい部分を暗くしたりすることが場合によっては可能となる。
図299は、デバイスの第3の構成例、すなわち、駆動制御デバイスの設計の更なる構成形態を示している。図296による表示およびデバイスに加えて、第3のトランジスタT3がμ-LEDに並列に接続され、第3のトランジスタT3の制御端子はセレクト信号線Selに接合されている。定電流源としてのトランジスタT2は、ここではゲートのみで構成されている。このような配置により、μ-LEDのアノード電位とは無関係にプログラミングを行うことができる。ここに示したデバイスは、NMOSベースのIGZOプロセスと、μ-LEDのアセンブリに関するプロセス工学からのコモンカソードの要件とを組み合わせることで得られる。これをもとに、2T1C(2つのトランジスタと1つのキャパシタ)電流源を実装することが可能となる。
セレクト信号線Selに高電位Vddが印加されている場合、第1のトランジスタT1がデータ信号線Vdataに接続され、さらに第3のトランジスタT3が電流を導通する状態となるため、発光ダイオードがバイパスされ、コンデンサCが基準電位(GND)に接続されることになる。このようにして、コンデンサは、μ-LEDのアノード電位ではなく、下側の低い方の第1の電位端子の基準電位GNDを基準とした電圧Vdataでプログラミングされる。セレクト信号線Selの電位が基準電位(GND)であれば、第1のトランジスタT1と第3のトランジスタT3とは遮断され、コンデンサCはその電圧を、第2のトランジスタT2のゲート・ソース間電圧Ugsに対応する予めプログラミングされたものとして保持するようになる。アノード電位がシフトすると、Vdataの切り離しにより第2のトランジスタT2へのゲート電位もシフトするため、トランジスタT2のゲート・ソース間電圧Ugsは一定に保たれることになる。このようにして、第2のトランジスタT2は、電流源として動作することができる。
図300は、デバイスの第4の構成例、すなわち、サブ画素セルの構成形態を示している。図300は、図299に記載の配置構造を示しているが、ここでは第2のトランジスタT2がデュアルゲートトランジスタとして形成されており、その追加のゲート端子BGがパルス幅変調の適用のために閾値線PWMに接続されているという点で異なっている。フロントゲートGは電荷蓄積手段Cに接続され、バックゲートBGにはパルス幅変調された信号が供給される。
トランジスタT1~T3は、ホールドコンデンサC1と一緒になってNMOS型の3T1Cセルを形成している。トランジスタT1とトランジスタT2とで構成される2T1Cセルは、PMOS型として構成されていてもよい。この場合、例えば、第3のトランジスタT3は必要ではない。トランジスタT2は、いわゆる「デュアルゲートトランジスタ」として構成されている。
図301は、追加の温度安定化が行われるデバイスの一構成例を表したものである。トランジスタT1およびT2は、ホールドコンデンサC1と一緒になって、NMOS型の2T1Cセルを提供している。発光ダイオードは、プロセス上の理由から「コモンカソード」、つまり共通のカソードが設けられているため、トランジスタT2のローサイドに配置されている。T2は「デュアルゲートトランジスタ」として構成されており、そのため2つの制御電極を有している。先のいくつかの例と同様に、本構成でも、デュアルゲートトランジスタT2のゲート(図295Aにおけるボトムゲートに相当)は、2T1Cセルのトポロジーの一部であり、電荷蓄積手段C1のグランド関連のプログラミングとData1線の信号とによってμ-LEDの色と一般的な輝度を設定する。バックゲートBG(図295のフロントゲート)を介して、電流源として動作するトランジスタT2にPWM信号を印加することができる。
そのため、トランジスタT2のゲート・ソース間電圧は、LEDの順方向電圧に依存する。発光ダイオードにかかる電圧降下は、交差電流だけでなく温度にも依存するため、プログラミングの実際の期待値とは大きく異なる出力電流が発生することになる。これは、次の等式2で表すことができる:
ILED=K(Udata-ULED(T,I)-Uth)2(2)
上記式中、Udataは、電荷蓄積手段C1にかかる電圧である。μ-LEDが自己発熱すると、その順方向電圧は低下し、トランジスタT2を流れる電流が増加することになる。負帰還がないことから、そのためμ-LEDの動作パラメータを変更すると、電流ひいてはμ-LEDの輝度や色に大きな影響が生じる。
そこで、トランジスタT2のデュアルゲートトランジスタとしての機能を利用して、このような影響を補正できる負帰還が提案される。負帰還は、基準電位AVSSとトランジスタT3の制御端子との間に接続されたホールドコンデンサC2を含んでいる。コンデンサC2の第1の端子は、デュアルゲートトランジスタT2のバックゲートBGの制御を形成し、コンデンサC2の他方の端子は、デュアルゲートトランジスタT2のソースSに接続されている。負帰還は、更なるトランジスタT4を含んでおり、その制御端子およびドレイン端子は電源電位AVDDに接続されている。トランジスタT4のソース端子は、バックゲートBGおよびトランジスタT3のドレインに接続されている。最後に、補正を任意にプログラミングするために、第5のトランジスタT5が設けられており、このトランジスタT5は、ホールドコンデンサC2にセレクト信号Set2を使用してData2線に補正値を記憶させる。
トランジスタT3のゲート・ソース間電圧は、ホールドコンデンサC2の電圧から発光ダイオードの順方向電圧を差し引いた値に相当する。この順方向電圧Vf_LEDが上昇すると、コンデンサC2の蓄えられた電荷は変わらないことから、第3のトランジスタT3のゲート・ソース間電圧UGSは低下する。したがって、第3のトランジスタT3を流れる電流は低下する。この電流はトランジスタT4にも流れるので、第4のトランジスタT4のゲートは電源電位に結合されていることから、第4のトランジスタT4の電圧降下UDSは小さくなる。したがって、トランジスタT2のバックゲートへのノードでは、より高い電圧が生じる。その結果、トランジスタT2の閾値電圧についてはより低くなる。次の等式3によるトランジスタT3とT4の対応設計によって、発光ダイオードの順方向電圧の記載した反応を可能な限り補正することができる:
として、Uth・IT2=Uth・Uth・INom+β・UBG-S-S (3)
である。β=-0.52の典型的な値からは、L3=L4=LminにてW3=3.69・W4となる。
第5のトランジスタT5とキャパシタC2とを用いて、負帰還を含む画素セルのData2を微調整することができる。図301に示す構成形態では、事前に複雑な計算を行うことなく、電流安定性が大幅に改善される。「データ」信号の複雑な事前計算をせずに、僅かな部品で電流の不安定性が補正される。これにより、動作中の温度変化を補正することができる。さらに、特にSel2を介して制御入力Data2を追加することで、第3のトランジスタT3による静止電流の低減を図ることができる。
図302は、μ-LED駆動制御デバイスの第5の構成形態を示している。前述の例のように、μ-LEDはディスプレイまたはモジュールの一部であってもよい。図296に記載の構成に加えて、温度補償とμ-LEDにかかる順方向電圧の影響とを考慮して、さらに改良を加えている。
本構成では、μ-LEDの第2の端子に接続された第1の電流線コンタクトを有する第3の電子スイッチT3を含んでおり、この第3の電子スイッチT3の第2の電流線コンタクトが、第2の電子スイッチT2の第1の制御端子BGに接続されている。さらに、このデバイスは、第4の電子スイッチT4を含んでいる。第3の電子スイッチT3の制御端子が、第4の電子スイッチT4の第2の電流線コンタクトに接続されており、これらは一緒になって電源電位AVDDに接続されている。第4の電子スイッチT4の制御端子も電源電位AVDDに接続されている。最後に、第4の電子スイッチT4は、その第1の電流線コンタクトが第3の電子スイッチT3の第2の電流線コンタクトに接続されている。
第1の制御端子BGを介して第2の電子スイッチT2を制御するために第5の電子スイッチT5が設けられている。これはμ-LEDと並列に接続されている。さらに、第5の電子スイッチT5は、その第2の電流線コンタクトが第3の電子スイッチT3の第1の電流線コンタクトに接続されている。第5の電子スイッチT5の制御端子は、パルス幅変調信号PWMを供給するための端子と電気的に接続されている。
図302に示すデバイスの挙動やその機能は、図301に記載のデバイスと同様である。しかしながら、図301とは異なり、第3のトランジスタT3のゲートは、固定電位Vddに電気的に接続されている。任意に、第3のトランジスタT3からの交差電流なしに発光ダイオードを安全にオフにするために、追加の第5のトランジスタT5を提供することができる。第5のトランジスタT5は、第3のトランジスタT3からμ-LEDへの交差電流が問題にならない場合には必要ではない。ここで提示するデバイスによれば、ホールドコンデンサなしでパルス幅変調PWMの制御が行われる。このようにして、同じサイクルタイムでパルス幅変調の可能な分解能を高めることができる。同様に、蓄積コンデンサの再充電が必ずしも必要ではなくなり、スイッチング速度を向上させることができる。
以下では、更なる態様として、画素もしくは関連するμ-LEDの輝度調整または調光のための制御が関係している。このような調光は、例えば昼間と夜間の視界を切り替えたりするオートモーティブ分野だけでなく、AR用途にも頻繁に使用される。原則的に、かかる調光は、コントラストを調整する必要がある場合や、外光によってディスプレイの輝度をレギュレーションし、ユーザーの目を眩ませないようにしたり、安全に情報を表示できたりするようにする必要がある場合に好都合かつ有利であり得る。
従来の方法では、PWM制御と電流調光とでこの問題に対処できるが、LEDの外部パラメーターが頻繁に変化するため、複雑な補償回路が必要になる。代替的に、いわゆる2T1C回路を用いて、当該回路にドライバ駆動制御のための制御信号を供給し、コンデンサに蓄えることも可能である。この場合、コンデンサに加えられる電圧で輝度が調整される。こうして、本発明では、寄生的な望ましくない効果として発生することが多い態様、すなわちドライバトランジスタのゲート・ソース間容量を利用している。これにより、コンデンサの容量で容量分圧が形成され、トランジスタのゲートの電圧が下がることになる。ゲート・ソース間容量を適切に選択することで、より広い範囲で輝度を調整することができる。
一態様では、少なくとも1つのμ-LEDの輝度を調整する制御回路は、制御端子を有する電流ドライバ素子を備えている。この素子は、μ-LEDと直列に接続され、その第1の端子を第1の電位に接続している。電荷蓄積手段が、制御端子と第1の電位との間に配置され、制御端子と第1の端子の間に定義された容量で容量分圧を形成している。
それから、本発明によれば、第1の期間中に制御信号を制御端子に供給し、それに基づいて、第1の期間中に少なくとも1つのμ-LEDを流れる電流を設定することができる制御素子が設けられている。第1の期間に続く第2の期間中に、第1の期間中の制御信号と容量分圧とから得られる低減された制御信号により、μ-LEDを流れる電流が定められている。
こうして、制御素子によって制御信号を選択すると、μ-LEDの輝度は、第1の期間中の電流またはその後の第2の期間中のLEDを流れる電流のいずれかに実質的に依存するように調整することができる。
言い換えれば、制御信号は、第1および第2の期間中にμ-LEDを流れる総電流を決定し、制御信号が適切に選択された場合、第1の期間中にμ-LEDを流れる電流または第2の期間中にμ-LEDを流れる電流に実質的に依存する。
このように、制御素子は、全期間中にμ-LEDを少なくとも2つの異なる輝度レベルで動作させるために、第1の期間中に第1または第2の制御信号を供給するように整えられている。このために、例えば、第2の制御信号は第1の制御信号よりも大きく、第2の制御信号から導き出される低減された制御信号が、電流ドライバを駆動制御して、μ-LEDを動作させるのに十分な電流を供給するのに十分なものとなる。
前述のように、電流ドライバ素子は、電界効果トランジスタを含んでいてもよく、そのゲートが制御端子を形成し、設計上決められたゲート・ソース間容量を有している。したがって、第2の期間中にトランジスタまたは電流ドライバの制御端子に印加している低減された制御信号である信号は、第1の期間中の制御信号、ならびに電荷蓄積手段の容量と、電荷蓄積手段の容量および定義された容量の和との比率に基づいて得られる。
このような回路は、第1の期間と第2の期間とが周期的に続いて起こるように、ある一定の周波数で動作させられる。この周波数は60Hz、多くの場合100Hzもしくは120Hz、または60Hz~150Hzの範囲であってもよい。一態様では、制御素子は、第2の期間と第1の期間との比率を調整可能にするように構成されており、その比率は、300:1~100:1の範囲、特に100:1の範囲であってもよい。このために、制御素子は制御トランジスタを含んでおり、その制御端子では、第1および第2の期間ひいてはデューティサイクルを信号によって調整することができる。
こうして、一周期の第1の期間中のさまざまな制御信号によって輝度レベルを選択することができる。このために一態様では、第1の制御信号の電圧が第1の電圧間隔内にあるときはμ-LEDを第1の暗い輝度レベルで動作させ、第2の電圧信号の電圧が第1の電圧間隔よりも少なくとも部分的に高い第2の電圧間隔内にあるときはμ-LEDを少なくとも第2の明るい輝度レベルで動作させることが企図されている。
これに関連して、輝度は、全期間中にμ-LEDを流れる電流によって決定される。第1の電圧間隔内にある制御信号では、総電流は実質的に第1の期間中の電流によって決定される。なぜなら、容量分圧とそれに伴う第2の期間中の低減された制御信号の電圧の低下とにより、この期間中のLEDを流れる電流は非常に低く限られたものであり、動作には十分ではないか、もしくは関連性もないからである。この期間中、電流ドライバは駆動制御されないか、またはごく僅かに駆動制御されるだけで、LEDはほとんど点灯しないか、全く点灯しない。
一方、第1の期間中に制御信号が第2の電圧間隔内にある場合、一周期の総電流は、実質的に第2の期間中の電流によって決定される。この場合、容量分圧とそれに伴う第2の期間中の低減された制御信号の電圧の低下にもかかわらず、電流ドライバは依然として十分に駆動制御され、μ-LEDを動作させるのに十分な量の電流がμ-LEDを流れることになる。第1の電圧間隔の値は1.3V~4.5Vの範囲である。第2の電圧間隔は4.0V~10.0Vの範囲を有している。
更なる態様は、制御端子を有する電流ドライバ素子に接続された少なくとも1つのμ-LEDの輝度を調整する方法であって、制御端子の第1の端子が第1の電位に接続され、制御端子と第1の電位との間に電荷蓄積手段が接続されており、そうすることで電荷蓄積手段が、制御端子と第1の端子との間に定義された容量で容量分圧を形成する方法に関するものである。この方法では、第1の期間中に制御信号を制御端子に印加することで、第1の期間中に少なくとも1つのμ-LEDを流れる電流が調整される。第1の期間に続く第2の期間中に、制御信号がオフにされ、これにより、μ-LEDを流れる電流が、第1の期間中の制御信号と容量分圧とから得られる低減された制御信号によって定められる。ここでいう制御信号をオフにするとは、第1の期間中の制御信号と容量分圧とから得られる低減された信号のみがその後に制御端子に作用するように、制御信号を制御端子から切り離すことと理解される。
そのため、この低減された制御信号は、分圧によって容量分圧の比率だけ制御信号より低くなる。特に、一観点では、第2の期間中に制御端子に印加している低減された信号は、第1の期間中の制御信号、ならびに電荷蓄積手段の容量と、電荷蓄積手段の容量および定義された容量の和との比率に基づいて得られる。
なお、別の態様としては、第2の期間と第1の期間との比率が300:1~100:1の範囲、特に100:1の範囲であることが挙げられる。他の態様では、第1の制御信号の電圧が第1の電圧間隔内にあるときはμ-LEDを第1の暗い輝度レベルで動作させ、第2の電圧信号の電圧が第1の電圧間隔よりも少なくとも部分的に高い第2の電圧間隔内にあるときはμ-LEDを少なくとも第2の明るい輝度レベルで動作させることが提案される。
これに関連して、この方法案では、全期間中にμ-LEDを流れる電流によって輝度が決定される。第1の電圧間隔内にある制御信号では、容量分圧とそれに伴う第2の期間中の電圧低下とにより、この期間中にLEDを流れる電流は非常に小さいため、総電流は実質的に第1の期間中の電流によって決定される。この期間中、電流ドライバは駆動制御されないか、またはごく僅かに駆動制御されるだけである。
一方、制御信号が第1の期間中に第2の電圧間隔内にあるとき、総電流は実質的に第2の期間の電流によって決定される。この場合、容量分圧とそれに伴う第2の期間中の制御信号の電圧低下にもかかわらず、電流ドライバは依然として十分にトリガされ、μ-LEDを動作させるのに十分な量の電流が流れることになる。第1の電圧間隔の値は1.3V~4.5Vの範囲である。第2の電圧間隔は4.0V~10.0Vの範囲を有している。
駆動制御に必要な第1または第2の制御信号は、デジタル制御ワードからデジタル/アナログ変換によって得られる。そのために、デジタル制御ワードはビット数nを有している。ここで、最下位のmビット(M<n、例えばm=n-2ビット)が第1の制御信号に対応し、すなわち、最上位のビット数は0である。言い換えれば、nビットが第2の制御信号に対応する。また、最上位のビット数は粗い輝度調整に、最下位のビット数はより精密な範囲調整に使用される。
図311Aは、2つのμ-LED4を照明手段として有する照明ユニット1の制御回路を示している。基本的な構造としては、ここで示しているように制御回路は2T1Cアーキテクチャで実現することができる。ただし、他のアーキテクチャも考えられる。
光の生成に関する冗長性を確保するために、図示の構成形態によれば2つのμ-LED4が設けられている場合であっても、照明ユニットとして1つのμ-LED4または複数のμ-LED4が使用されるかどうかは、本発明の実現には一般的に無関係である。照明ユニット1もしくはμ-LED4は、例えば、1つの画素の1色のLEDであってもよい。
図311Aに示す構成例では、並列接続された2つのμ-LED4に、電流ドライバトランジスタ6を介して、発光を励起するために必要な電気エネルギーがそれぞれ供給される。各μ-LED用のトランジスタ6に加えて、両方のμ-LED4に共通の電流源が設けられていてもよい。電流ドライバトランジスタ6は、電源電位端子2と基準電位端子2aとの間でμ-LED4と直列に接続されている。電源電位端子2は、照明ユニット1の動作に必要な電気エネルギーもしくは電圧を供給する。
電流ドライバトランジスタ6のゲートと基準電位端子2aとの間には、輝度値を記憶するコンデンサが接続されている。このコンデンサは制御トランジスタ7と一つになって2T1Cセルを形成している。そのゲートにパルス信号が印加されることで、トランジスタ7の他方の端子から電流ドライバトランジスタ6の制御端子に制御信号8が印加される。
それから、図311Aによる回路でコンセプト案に沿って動作させるために、トランジスタ7のゲートにパルス信号が印加されている。On/Offのデューティサイクルは、例えば200:1とすることができる。すなわち、繰り返し周波数が60Hzの場合、Onパルス継続時間は約50μs、Offパルス継続時間は約16.6msとなる。
この一周期の中で、第1の期間(ONパルス継続時間)中にパルス信号を介して制御トランジスタが閉じられ、第2の期間(OFFパルス継続時間)において再び制御トランジスタが開かれるようになる。したがって、第1の期間中は、制御信号8が電流ドライバトランジスタ6の制御端子にコンデンサ3を介して印加されている。この制御信号が電流ドライバトランジスタ6を制御し、制御信号8によって生じる電流がμ-LEDを流れる。同時に、制御信号の電圧がコンデンサを介して生じるまで、コンデンサに電荷が加えられる(端子2aの電位を参照)。
第1の期間の後、制御トランジスタ7は再び開かれる。これで、制御信号8の電圧がコンデンサに蓄えられ、さらに電流ドライバトランジスタを駆動制御することが望ましい。しかしながら、実際に使用してもそうはならない。なぜなら、第2の期間において、蓄積コンデンサ3の容量とトランジスタ7のゲートおよびソースから形成される容量とからなる容量分圧が形成されるからである。これにより、しばしばコンデンサ3の実効電圧9が離散的な値で減少することになる。低減された実効電圧9は、制御信号の電圧にC1/C1+Cpを乗じたもので、C1はコンデンサ容量、Cpはゲート・ソース間容量である。つまり、第1の期間と比較してやや小さい制御信号9(またはやや小さい電圧)がドライバトランジスタ6に印加されているので、μ-LED4にはより低い強度の電流が流れることになる。そのため、LED4の輝度は、一周期の第2の期間中にやや低下する。ただし、これは見る人には認識されない。なぜなら、輝度の認識には、周期に関連して存在する平均光出力のみが極めて重要だからである。
このように、制御端子には、全周期において、制御信号8が第1の期間中に印加されており、低減された制御信号9が第2の期間中に印加されている。周波数が60Hzの場合、第1の期間では0.05ms~0.06ms、第2の期間では約16.6msとなる。これは、μ-LEDの平均光出力との関係では、第2の期間中にμ-LEDが発する光が、一周期中のμ-LEDの平均光出力に占める割合が比較的高いことを意味している。
これは、μ-LEDを流れる平均電流に相当する。第2の期間中にμ-LEDを流れる電流は、全周期中の平均電流に占める割合が比較的高い。
この結果、制御信号8に低い電圧が選択された場合、一周期中にLED4を流れる総電流ひいては平均光出力が、第1の期間に制御信号8が印加されている間にLED4を流れる電流の強さによって確定的に決定されることを意味する。したがって、制御信号8に低い電圧値が選択された場合、照明ユニット1を低輝度レベルで動作させ、この低輝度範囲内で必要に応じて調光することができる。
それに対して、第1の電圧信号8に高い電圧、例えば8Vが選択された場合、一周期中にLEDを流れる総電流は、低減された制御信号9が電流ドライバトランジスタ6に印加されている周期のうち第2の期間中の電流によって確定的に決定されることになる。高い制御信号8、すなわちより高い電圧が選択された場合、照明ユニット1は高い輝度レベルで動作し、必要に応じてこの輝度レベルで調光することができる。低減された制御信号9が照明ユニットに印加されている周期のうち第2の期間中、この動作状態でも1μA超の電流が依然としてLEDを流れることから、LED4の特に効果的な動作が可能となる。
図311Bは、提案された回路をバックプレーン基板に実装した本構成の補足図である。バックプレーン基板上には、μ-LEDモジュールを取り付けるためのコンタクト領域が設けられている。これは、本願において、例えば図184で開示されているように、2つのμ-LEDベースモジュールを含んでいる。2つのコンタクト26は、それぞれ電流ドライバトランジスタ6に接合されている。μ-LEDモジュールの2つの外部コンタクト25は、グランドまたは基準電位端子に接続されている。電流ドライバトランジスタは十分な寸法を確保している。いくつかの態様では、これは、図295~302で説明したように、本願に開示されているデュアルゲートトランジスタであってもよい。
さらに、μ-LEDモジュールにはフォトニック結晶32が導入されている。この結晶は、活性層20のすぐ上にまで延びており、そこの部分で、例えば活性層の上の領域で発光パターンを変化させ、その結果、そこの部分で発光促進効果をもたらすことができる。
図312は、LED4を流れる電流の強さを、制御信号8および低減された制御信号9の電圧の関数として示したグラフである。第1の期間中に約1V~3Vの電圧値を有する制御信号8が印加された場合、μ-LED4を流れる電流は、この周期の第1の期間中に印加されている第1の電圧信号8によって確定的に決定されることが明確に見て取れる。その一方で、この周期の第2の期間では、印加されている制御信号9が容量分圧によって低減されるため、μ-LED4を流れる電流はほぼゼロとなる。
第1の期間中の制御信号の電圧が約3.0Vになってから初めて、低減された制御信号9の電圧も増加し、ひいては第2の段階中にμ-LED4を流れる電流の強さも増加する。
これに関して、一周期における2つの段階の長さが異なるため、すなわち、制御信号8が照明ユニット1に印加されている短い第1の段階と、低減された制御信号9が電流ドライバトランジスタ6に印加されている長い第2の段階とにより、μ-LED4の平均光出力に対する第2の期間の影響が著しく大きくなることを、それぞれの場合において考慮しなければならない。そのため、制御信号8の電圧が3.0Vを超えると、μ-LEDを流れる一周期中の総電流が大幅に増加することがわかる。この事実から、3.0Vまたは3.5V超の比較的高い電圧を用いた制御信号では、一周期中にμ-LED4を流れる総電流の割合が、第2の期間中の電流の割合によって確定的に決定されることになる。
さらに、図313には、比較的高い電圧を用いて制御信号8を印加した場合の、制御信号8,9の時間的な経過と、その結果生じる光点10とを概略的に示している。照明ユニットに送信される制御信号8は、図示の構成例では10Vの電圧を有している。その他の点では、第2の段階中に照明ユニットに印加される低減された制御信号9の電圧は、たしかに低下しているものの、依然として0Vを大きく上回る電圧を有している。このような制御信号8,9の電圧推移により、明るい光点10が形成され、このように照明ユニットは高い輝度レベルで動作させられる。
これと比較して、図314は、比較的低い電圧(ここでは2.0V)の制御信号8を照明ユニットに印加している動作状態を示している。この場合、低減された制御信号9は、少なくともほぼ0Vの電圧を有している。一周期中の照明ユニット10の平均光出力で決まる光点10の輝度は、図313に示す動作状態に比べて大幅に低下する。このように、照明ユニットとそのために使用されるLEDとは、比較的低い輝度レベルで動作し、このレベルで必要に応じて調光することができる。
最後に、図315は、電流量とも呼ばれることがある、一周期中にLEDに伝えられる電気エネルギーが、一周期の第1および第2の期間中に照明ユニットに印加されている電圧信号の関数としてどのように挙動するかをグラフで示している。x軸は第1の期間の電圧、y軸は一周期中の電流である。
比較的低い電圧、特に3V程度までの電圧で制御信号が印加された場合、LEDを流れる総電流はこの制御信号に起因することが見て取れる。3V超の電圧で制御信号を印加した場合にのみ、低減された制御信号の電圧も上昇する。特に、この動作状態では、照明ユニットのμ-LEDに電流が流れ、この電流は、その周期の第2の期間の長さに基づき、その周期中にLEDを流れる総電流の量ひいては少なくとも1つのμ-LEDを備えた照明ユニットの平均光出力もしくは輝度に著しい影響を与えることになる。
その他の点では、図315は、このようにして駆動制御される照明ユニットを、制御信号について選択した電圧に応じて、2つの異なる輝度レベルで動作できることを示している。この2つの輝度レベルにおいても、制御信号の下限電圧値と上限電圧値とで制限された調光範囲内で、照明ユニットの輝度を無段階に変化させることが可能である。図315に示した2つの特性曲線の推移は、適切な回路設計を使って、特に、スイッチング素子として使用されるトランジスタのコンデンサ容量とゲート・ソース間容量とを明確に規定することによって、必要に応じて調整することができる。さらに、使用される電子部品の適切な選択および寸法設定により、制御信号および低減された制御信号の電圧レベルを規定することが考えられる。
説明した構成例が示すように、本発明により構成された制御回路は、少なくとも1つのμLEDを有する照明ユニットを、比較的簡単な方法で、少なくとも2つの輝度レベルで動作させることができる。特に、ここでは、制御信号の電圧レベルに応じて、一周期の第1の期間または第2の期間にLEDを流れる電流が、LEDを流れる総電流ならびに平均光出力および見る人が知覚可能なμ-LEDの輝度に決定的な影響を及ぼすことが考慮される。
別の態様は、電流源のレギュレーションに対する反応を、PWMレギュレーションでどのように低減できるかという問題と関係している。パルス幅変調方式では、コントラストおよび輝度調整のために、電流源が立て続けにオン/オフされる。その際の周波数は、数100kHz~MHzの範囲である。電流源内で制御ループが用いられる場合、スイッチングプロセスによってスパイクなどの挙動が起こり、制御ループがその制御範囲から外れてしまうことがある。
図316は、スイッチングプロセス中にも安定した状態を保つ、μ-LED用の調整された電流源の概略的なブロック図を表している。この電流源は、μ-ディスプレイまたは他の表示デバイスに使用することができ、オートモーティブ用と拡張現実用の両方に適している。
供給回路は、基準信号、特に基準電流、または必要に応じて基準電圧も供給する基準ブランチ10を含んでいる。基準信号から、更なるすべての供給電流と、必要に応じて電圧も続けて導き出される。基準信号から更なる基準信号を生成することもできる。基準信号、すなわち基準電流は、高い温度安定性だけでなく、製造中のプロセス変動に対する安定性も有していることを特徴としている。基準ブランチは、必要に応じて、正確で安定した基準信号、例えば基準電流を提供する1つ以上の補正回路を含むことができる。
この例では、基準ブランチ10は、誤差修正検出器20の基準入力22と、制御可能な供給源30とに接続されている。誤差修正検出器20は、基準入力に加えて、誤差信号入力23と修正信号出力21とを含んでいる。検出器20の構成は、入力23の誤差信号を入力22の基準信号またはそこから導き出された信号と比較し、それに基づいて修正信号をその出力21に生成するようになっている。
制御可能な供給源30は、このブロック図では正確には示されていない制御可能な電流源を有している。さらに、供給源は、回路の動作状態において誤差検出器にフィードバック信号を供給する第2のバックアップ源40含んでいる。このために、動作状態、すなわち入力74の動作信号に応じて、電流源を負荷に切り替えるか、または負荷から切り離してバックアップ源40を接続するスイッチングデバイス70が設けられている。その結果、電流源から負荷への信号またはバックアップ源の信号のいずれかが検出器50で検出される。
検出には、電流-電圧変換器や電圧降下検出器を使用することができる。検出器50を用いて、電圧もしくは電圧降下や電流を検知することができる。検出された信号は、それから誤差修正検出器20にフィードバックされ、基準信号またはそれから導き出された信号と比較される。ここから生まれる誤差修正信号は、制御可能な電流源の調整に用いられる。ここで負荷60に電流源30が供給されると、誤差修正検出器20は、負荷を流れる電流を基準信号で定義された値に調整する。μ-LEDの場合は、ダイオードを流れる電流を正確に調整することができる。温度の影響で負荷の電圧降下や負荷を流れる電流が変化した場合は、誤差修正検出器が電流をそれに合わせて再調整する。この部分の回路とその動作は制御ループに相当する。
次に負荷が電流から切り離されると、例えばPWM変調の場合に発光ダイオードがオフにされると、制御ループはまず再調整しようとするが、その後に制御範囲からは外れてしまう。そこで、本発明によれば、誤差修正検出器20にバックアップ信号を供給することが企図されている。これは、負荷をオンにしたときの公称信号と実質的に同じであるか、少なくとも非常に似ている。その結果、誤差修正検出器20は、負荷の動作状態とは無関係に最適な範囲で動作し、制御ループがその変調範囲から外れることはない。これにより、非常に高速なレギュレーションが可能となり、検出器20がそのレギュレーション範囲外に出ることを防ぐことができる。
このように、提案された電源回路は、電流源や電圧源を高精度に駆動制御するための制御ループの一部として、補正回路の他にバックアップ源も含んでいる。補正回路には、電流源または電圧源から導き出された信号またはバックアップ源の信号が選択的に供給される。この信号の供給により、制御ループが制御範囲外になることなく、電流源をオフにすることが可能になる。
図317は、発光ダイオード60に供給する電流源を駆動制御するための具体的な構成を示している。発光ダイオード60は、ここでは図示していない画素マトリクスの一部であり、例えばディスプレイ、ビデオウォールまたは高精度の電流供給が必要とされる用途の一部である。発光ダイオードの場合、温度が変化すると、ダイオードを流れる電流も変化することから、輝度だけでなく色温度の変化にもつながる可能性がある。この影響は、電流源をレギュレーションすることで補われる。画像または映像を表示するために使用されるディスプレイや画素マトリクスは、発光ダイオードを高周波数でオン/オフするパルス幅変調方式で動作させられることが多い。この2つの状態の比率が、それぞれの発光ダイオードの輝度を与える。
以下に示す電源回路は、実質的にMOS回路技術を用いて組み立てられている。電界効果トランジスタには、図示するようにn型のものとp型のものとがある。この場合、電源回路は、電源電位VDDと負荷との間に接続されている。電界効果トランジスタのチャネルタイプを交換し、負荷と基準電位または接地電位VGとの間で配置を変えることで、代替的な構成ができる。個々のトランジスタをバイポーラトランジスタに置き換えたり、かかるトランジスタでカレントミラーなどのアセンブリを形成したりすることも可能である。バンドギャップ・リファレンスを使用して正確な電圧を生成し、次いでこの電圧から変換器により電流を供給することができる。
供給回路は、基準電流を供給する2つの部分10aおよび10bからなる複合基準ブランチ10を含んでいる。これらの部分はカレントミラーの一部を形成している。第1の基準電流用の基準ブランチ10aは、直列接続された2つのトランジスタ、n型電界効果トランジスタ12aおよびp型電界効果トランジスタ11aを含んでいる。前者のトランジスタは電源端子に、後者のトランジスタは基準電位に接続されている。トランジスタ12aのゲートはドレイン端子に接続されているため、一定の電流を印加することができる。トランジスタ11aは、差動増幅器の固定電流を伴う電流源を形成する4つの直列に接続されたトランジスタ24に、基準ブランチを流れる電流をコピーする。差動増幅器は、誤差修正検出器20のコンポーネントを形成しており、トランジスタ24からの電流源に加えて、反転型の入力トランジスタと非反転型の入力トランジスタとをそれぞれ1つのブランチに含み、このブランチは、2つのp型トランジスタからなる更なるカレントミラー26を介して電源電位VDDに接続されている。非反転型の入力トランジスタ27は基準信号入力22を形成し、反転型のトランジスタ28は誤差信号入力21につながっている。この2つのトランジスタは、本構成例のミラー26のトランジスタと同様に同じ寸法を有している。しかしながら、各構成では、チャネル幅や長さなどの幾何学的な寸法によって、異なる利得係数が既に提供されている場合もある。これは、後述するように、誤差信号と基準信号との間にも固有の係数がある場合に必要となり得る。かかる固有の係数は、後述するように、電流源30と検出器20のためにタップされる信号(誤差信号と基準信号)との構成から得られる。
制御可能な電流源30は、出力ブランチと基準ブランチとを備えたカレントミラーを有しており、このカレントミラーは同時にバックアップ源40を形成している。基準源10bは、基準ブランチ入力32に接続されている。同様に、この入力32は、非反転型のトランジスタ27と、誤差修正検出器20の基準信号入力とに接続されている。このようにして、カレントミラーの基準ブランチに正確な電流が印加され、定義された電圧降下が中央タップを通って誤差検出器の入力22に導かれている。基準ブランチ10bは、電流源30のカレントミラーの基準ブランチを通る電流の流れを調整し、入力22への基準電圧もしくは基準信号を定義するための、2つの直列に接続されたトランジスタを含んでいる。トランジスタ101のゲートは、トランジスタ11aのゲートに接続されており(ただし、ここでは図示せず)、ひいては基準源10のカレントミラーの一部となっている。制御可能な電流源30は、電源電位VDDが印加される供給入力と、p型のカレントミラートランジスタ34とを有している。このトランジスタは、供給入力と端子32との間に位置している。ゲートと端子32との間にはコンデンサ35が接続されており、基準ブランチの電圧がゲートに結合されるようになっている。この電圧はまた誤差検出器の基準信号も形成する。
カレントミラーの通常のリード線の代わりに正帰還のコンデンサを使用する理由は、特に、トランジスタ35のゲートを検出器20の誤差修正出力21に接続する追加のコントロール信号端子31のための追加の周波数補償に起因している。そのため、ゲートには誤差修正信号も供給される。
さらに、トランジスタのゲートは、スイッチングデバイス70を介して出力トランジスタ36のゲートにつながっている。このゲートは電源電位VDDと出力との間に配置されている。これにより、基準ブランチの電流が電流源の出力ブランチ37にコピーされる。2つのトランジスタ34と36の寸法設定を適切に行うことで、出力電流とトランジスタ34を備えたブランチを流れる電流との比率を適宜調整することができる。例えば、出力トランジスタ36のチャネル幅がトランジスタ34の10倍であれば、単純に近似して、電流も同じ倍数で高められる。図317のイラストでは、出力トランジスタ36は単一のトランジスタである。しかしながら、複数のトランジスタが並置された形で構成されていてもよい。
電流源30のスイッチングデバイス70は、信号に応じて、出力トランジスタ36のゲートを固定電位(この場合は電源電位)に接続するか、カレントミラートランジスタ34のゲートに接続するかのいずれかで構成されている。第1のケースでは、電位VDDがp型トランジスタのゲートを遮断するため、出力トランジスタ36は無電流で切り替えられる。この場合、トランジスタは電流を流さないので、トランジスタ36はオープンとも言える。第2のケースでは、出力トランジスタ36が閉じられ、電流がカレントミラートランジスタ34を介して上述の係数で出力にコピーされ、発光ダイオード60に導かれる。
電流源30の出力は、負荷60もしくは発光ダイオードと、第2のスイッチングデバイス70との両方に接続されている。このスイッチングデバイス70は、電流源の出力の電圧を誤差検出器20の誤差信号入力に印加するか、またはバックアップ信号を印加する。これは、p型の出力トランジスタ41とそれに直列に接続されたトランジスタ43とで形成されているバックアップ源40によって提供される。2つのトランジスタ41と43とで構成される直列接続は、電源電位VDDと接地電位VGとの間に配置されている。中央のノード42は、バックアップ信号のための出力を形成する。トランジスタ43のゲートは、そのドレイン端子に導かれており、それによりノード42に接続されている。p型出力トランジスタ41のゲートは、トランジスタ34のゲートに接続されている。そのため、トランジスタ34と41とからもカレントミラーが形成される。しかしながら、ここでは、出力トランジスタ41の寸法設定を適切に行うことで、このブランチを流れる電流が出力ブランチを流れる電流よりも大幅に低くなるように、異なる係数が選択されている。
2つのスイッチングデバイス70は、実質的に同期して動作し、トランジスタ36のゲートがトランジスタ34のゲートに切り替わったときに、電流源30の出力が検出器20の誤差信号入力23に接続されるように構成されている。一方、カレントミラーの出力トランジスタが無電流で切り替えられる場合は、誤差信号入力にバックアップ源のバックアップ信号が印加されており、すなわちタップ42が入力23に接続される。
ここで示す構成では、バックアップ源は常に起動しており、すなわち、出力トランジスタは常にトランジスタ34とともにカレントミラーを形成し、バックアップ源のブランチに電流を流す。代替的な構成では、ここでもスイッチングデバイス70とは逆に動作するスイッチが設けられていてもよく、すなわち、このスイッチは、例えば、電圧が負荷に印加されるか、もしくは電流が電流源30によって供給されるときに、バックアップ源を無電流で切り替える。
ここで、供給回路の動作において、ノード71がノード72に接続され、同時にトランジスタ34および36のゲートが互いに接続されるように、スイッチングデバイス70が接続されているものとする。この場合、電流源は、負荷のために出力電流を提供する。これにより、発光ダイオード60には数ボルト、例えば2~3ボルトの大きさの電圧降下が発生する。この電圧降下は、検出器20の差動増幅器によって誤差信号として検知され、基準信号と比較される。発光ダイオードを流れる電流が、例えば温度変化によって変化すると、誤差信号も変化し、検出器は修正信号出力21でカレントミラーの修正信号を生成し、これをコントロール信号端子31に供給する。
こうして、出力トランジスタ36のゲートにも修正信号が印加され、それに応じて電流が調整されるようになる。誤差検出器20は、反転型のトランジスタ27と非反転型のトランジスタ28の両方の飽和電圧が同じになるように、出力カレントミラーを調整する。誤差修正検出器20と、出力に接続されたカレントミラーとを用いて、負荷に依存しない電流源が形成される。
発光ダイオードはパルス幅変調方式で動作させられことが多いため、ダイオードを流れる電流は定義された間隔で変化し、すなわち、ダイオードは高周波数でオン/オフされる。このパルス幅によって、ダイオード60の輝度が決まる。このために、カレントミラーのスイッチングデバイス70が用いられる。しかしながら、電流がオフにされた場合に、誤差検出器20は初めてこれに抵抗する。そのため、しばしば最適な変調範囲から外れてしまうことがある。電流をオンにしても同じことが起こる。ここでは、差動増幅器は、それが正常な制御範囲に含まれるまで少しばかり時間が必要である。さらに、振動またはオーバーシュートが発生することもあり、ダイオードの寿命を縮めるだけでなく、ユーザーの目に触れることもある。第2のスイッチングデバイス70が、バックアップ源を介して誤差検出器をその変調範囲に維持することでこれを防止する。
これに関して、図318は、主な信号の流れを示した図である。ダイオードがオフの状態では、出力ブランチのp型電界効果トランジスタ36のゲートは、電源電位VDDに直接接続されている。下段のスイッチングデバイス70は、バックアップ源40のタップ42を検出器20の誤差信号入力23に接続する。バックアップ源は低い比率で電流をコピーし、直列に接続された第2のトランジスタは必要な電圧を発生させるのに用いられる。これは、通常の動作における負荷の予想電圧降下に近い値となるように選択されている。そのため、誤差検出器はその変調範囲に維持され、制御ループはその定常状態を保つ。
図319は、2つの単純なスイッチングデバイスの概略図である。この他にも、さまざまなスイッチを使用することができる。さらに、このデバイスは、発光ダイオードの輝度を調整するために設けられていてもよいPWM信号を用いて簡単に操作することができ、他の用途では、他の適切なスイッチが使用される。スイッチングデバイス70は、公知のインバータと同様の構造をしているが、ここで示されているトランジスタが再びトランスミッションゲートを表しているという点で異なっている。出力71は、誤差信号入力に接続されている。入力74は、スイッチング信号、例えばPWM信号が供給されるスイッチング入力を形成している。直列に接続されたタイプの異なる2つのトランスミッションゲートが配置されており、これら2つのトランスミッションゲートの間に出力71が置かれている。p型のゲート73は、その端子73がバックアップ源との接続を形成している。第2のトランスミッションゲートの端子72は、電圧信号の端子を形成している。
図320は、異なる動作状態における供給回路の各種信号の信号時間図を示している。VPWMは、発光ダイオード60を動作させるためのパルス幅変調信号を記述している。この信号は、回路デバイス70にも印加される。これは論理信号であり、「High」と「Low」の2つの状態を交互に繰り返す。約8μs~18μsと、その後の26μs~44μsのHighの状態では、発光ダイオードがオンになり、それ以外の時間はオフになる。発光ダイオードを流れる電流は、ILEDで表された最も下の曲線からわかるように、このスイッチング時間に従う。
それに対して、電圧VLEDは、オンの状態とオフの状態との間で、ごく僅かにしか変化しない。電圧は下がり続け、やがて約1.4Vの閾値電圧に達すると、電流が流れなくなり、すなわち、発光ダイオードがオフになる。発光ダイオードがオンになったとき、すなわち8μsの時間で、発光ダイオードにかかる電圧降下は、実質的にバックアップ電圧またはバックアップ信号VHに対応している。オン時には、バックアップ信号に小さな電圧降下が見られるが、これはプロセスに起因するものであり得、例えば、使用される電界効果トランジスタのパラメーターに依存する。異なるタイプ(p型もしくはn型mos)が使用されているため、そのスイッチング挙動は常に同じではなく、スイッチング時間中に残留電流が流れる可能性がある。
Vinは反転入力、すなわち誤差信号入力23の信号推移を示している。スイッチング時間8μsの前は、スイッチングデバイス70の位置の関係で、電圧VHは誤差信号入力の電圧と等しく、オンにした後は電圧VLEDに対応している。これは、図320の符号「=」で示されている。VHは、通常の動作で予想されるLED電圧VLEDに可能な限り近くなるように選択されている。
誤差修正検出器20は、誤差信号入力23の電圧Vinと基準入力22の電圧Vipとを互いに比較し、それにより修正信号Voを生成する。スイッチング時間8μsでは、非反転入力の電圧Vipに小さなディップが存在し、これにより修正信号の小さなピークが増加する。これはシミュレーションアーティファクトであり得るが、電流源のブランチで負荷が急激に変化したことが原因とも考えられる。いずれにしても、修正信号は非常に小さくて速いことから、何ら影響は及ぼさない。
第2のスイッチング時間である18μsでは、何ら挙動を示さないか、仮に示したとしても著しく低い挙動しか示さない。とはいえ、オン時のレギュレーションでは、誤差検出器の変調挙動が大きく損なわれることはなく、高速フィードバックにより正確な修正信号が供給されるため、出力電流や電圧が速やかに所望の値に制御され、その後は一定に保たれる。これに関連して、図320のシミュレーションでは、0.5μs未満のレギュレーションが示されている。
この提案された電源回路により、高精度の電流源が提供され、この電流源は、特に発光ダイオード用途の正確で色に忠実な駆動制御に適している。これに関して、既知のPWMは、画素マトリクスやディスプレイなどで、個々の発光ダイオードのコントラスト調整にもさらに利用できる。パルス幅変調時のスイッチングプロセスによる電流源への影響は、提案された措置によって低減される。その結果、入力電圧の公称値よりも数パーセント程度の小さな動作電流の変動も、スイッチングプロセスにより安定性に影響を与えることなく実現することができる。
ある実装では、電流源のトランジスタ同士を空間的に密接に構築し、これらを互いに強く熱的に結合するようにすることが適している。バックアップブランチには、Siのpnダイオードや、アンプなどの他の手段を備え付けることで、バックアップ信号を動作時の負荷にかかる電圧降下に近似させることが適している。
ディスプレイのμ-LEDや画素全般を駆動制御するには、μ-LEDに流す電流を設定するだけでなく、スイッチング比率をデジタル制御することができる。固有消費電力が低いデジタルドライバ回路では、消費電力が低いにもかかわらず、多くの光電子素子、特にμ-LEDを駆動することができる。
図303は、1ビットメモリとして2つのクロスカップルドインバータ2を実装するスタティックランダムアクセスメモリの6Tメモリセル、SRAM-6Tメモリセル1の一構成形態の概略的な回路図を示している。SRAM-6-Tメモリセル1は、65nmのCMOS技術で1ビットあたり1.08μm2~1.7μm2の範囲のコンパクトなメモリサイズと、1ビットあたり0.26μW~0.37μWの範囲の低消費電力とを有している。
図304は、μ-LED11である光電子素子を駆動するように構成されたドライバ回路10の一構成形態の概略的な回路図を示している。ドライバ回路10は、フルデジタルで、CMOS技術を用いて製造されている。これに関連して、図304は回路図のみを示している。μ-LED11は、所望の波長の光を生成するのに適した材料系で作られており、回路は異なる材料系で作られていてもよい。図示した機能では、両方の素子が電気的に接触している。このための方法を本願では開示している。
ドライバ回路10は、2つのクロスカップルドNORゲート12,13を実装し、これらはμ-LED11を流れる電流を制御するための第1のメモリセルまたはラッチを形成している。ドライバ回路10は、図304に示されていない追加の第1のメモリセルを含んでいる。この追加の第1のメモリセルは、図304に示されている第1のメモリセルと同じ構造を有しており、更なるμ-LEDを流れる電流を制御するために使用される。
各NORゲート12,13は、2つの入力と1つの出力とを有している。各NORゲート12,13の出力は、他方のNORゲート12,13の入力の一方に結合されている。NORゲート12の他方の入力はセット信号S_iを受信し、NORゲート13の他方の入力はリセット信号R_iを受信する。NORゲート13は、その出力に信号Qを生成し、この信号はトランジスタ14のゲートを制御する。2つのNORゲート12および13の入力R_i,S_iと出力Qとで構成されるこの回路は、RSフリップフロップに相当する。したがって、このように接続されたNORゲートは、図示した回路で置き換えることができる。
トランジスタ14は、そのゲート電圧に応じて、μ-LED11を流れる電流をオン/オフする。この電流はトランジスタ15によって発生される。μ-LED11とトランジスタ14,15のチャネルは、電源電圧VDDと接地GNDとの間に直列に接続されている。ドライバ回路10は、トランジスタ18,19にそれぞれ結合された2つのプルアップPMOSトランジスタ16,17をさらに実装している。トランジスタ16,17は、ゲート端子でそれぞれnot-S_i信号とnot-R_i信号とを受信する。
μ-LED11は、他のμ-LEDと一緒に画素アレイに配置されている。図304に示すように、各μ-LEDはドライバ回路に接続されている。行iの選択を可能にするために、トランジスタ18,19はそれぞれNORゲート12,13に結合されている。トランジスタ18,19は、ゲート端子の行セレクト信号の行_iによって制御される。さらに、クロスカップルドNORゲート12,13の状態を保持するために、プルダウン抵抗20,21が提供されている。セットnot-信号S_i(アクティブローセット)がNORゲート12によって受信されると、NORゲート13の出力がHigh状態になるようにトリガされる。クロスカップルドNORゲート12,13は、NORゲート13が受信したリセットnot-R_i(アクティブローセット)信号によってLow状態にリセットされるまで、High状態を保持する。
図305は、光電子デバイス30の一構成形態の概略的な回路図を示している。光電子デバイス30は、図304に示すように、μ-LEDドライバ回路10のアレイを含む画素回路アレイ31を実装している。アレイは、一例として、2Kの行と2Kの列とを実装している。各ドライバ回路10は、それぞれのμ-LEDに接続されている。さらに、μ-LEDアレイは、異なる第III/IV族材料のチップでできており、アレイ内の各μ-LEDは、図304のトランジスタ14のドレインで各画素ドライバ回路に接続されている。
行デコーダとドライバ32は、行_1~行_2Kの行を順に選択する。μ-LEDを流れる電流を制御するPWM信号は、N個の読み込み可能な8ビットカウンタ33によって生成され、この例では、Nは2Kである。N個のカウンタ33は、選択された行ごとに、N列の画素に対して同時にセット信号S_iとリセット信号R_i(またはnot-S_iとnot-R_iのバックアップ信号)を生成する。画素パルス幅の値、すなわち8ビットの画素グレーデータがカウンタ33に読み込まれると、セット信号S_iが作動して画素ストリームがオンになり、カウンタ33は例えば40MHz~100MHzの間の画素クロック周波数でスタートする。カウンタ33が画素データ値に到達すると、リセット信号R_iが作動し、画素ストリームをオフにする。
さらに、画素アレイのグローバルまたはコモンディミングを生成する9ビット(MSB)のカウンタ34がある。このようにして、カウンタ34に読み込まれた9ビットの画素ディミング調光データは、画素アレイの背景の輝度を決定する。ディミングパルス幅が0の場合は、行の画素が点灯するように行スキャンが実行される。それ以外の場合は、まずグローバル画素照明が行われ、次いで行ごとのスキャンが実行される。カウンタ33で生成されたセット信号S_iとリセット信号R_iと、カウンタ34で生成されたグローバルまたはコモンディミング信号とは、N個のバッファとマルチプレクサ35に供給され、これらの信号を画素回路アレイ31の列に送信する。
グローバルディミングデータをビデオ/画像信号プロセッサICまたはμ-LEDドライバICでグレースケールデータと合成することで、別途グローバルディミングパルスが必要とされず、グレースケールデータのみを行ごとに更新することも可能である。カウンタ33,34は、読み込み_カウンタ信号によって制御される。さらに、カウンタ33はクロック信号clkを受信する。カウンタ34は、クロック信号clk-MSBを受信する。
暗い画素をゲート制御するために、ドライバ回路は、各μ-LEDに対して第2のメモリセルまたはラッチを実装することができる。図306は、図304に示されたドライバ回路10に基づくドライバ回路40の一構成形態の概略的な回路図を示している。ドライバ回路40は、第1のメモリセル41と第2のメモリセル42とを実装している。第1のメモリセル41と第2のメモリセル42との両方は、セット入力S、リセット入力Rおよび出力Qを有している。さらに、第1のメモリセル41のリセット入力Rは、第2のメモリセル42のセット入力Sに接続されている。第1および第2のメモリセル41,42の出力Qは、ANDゲート43の入力に接続されている。ANDゲート43の出力は、トランジスタ14のゲートに接続されている。
図306に示した機能的なタイミング図からわかるように、各フレームの最初にグローバルリセットが実行され、すべての画素が暗くなる。次いで、第2のメモリセル42のセット入力Sにグローバルセット信号S_dを印加して、すべての画素を「通常の画素」にする。引き続き、画素回路アレイの第2のメモリセル42を行ごとに読み込みまたはリセットして、選択的な暗い画素を実装している。光電子デバイスの一構成形態は、空間平均化画素バイアス電流を実装している。この光電子デバイスは、例えば22nA~1μAの画素電流範囲をカバーするグローバルNビットデジタル-アナログ変換器(DAC)を実装している。図307に示すように、周辺の同一バイアス電流を加算して、空間平均化バイアスを生成する。
画素電流のオン/オフは、暗い画素の場合は第2のメモリセルまたはラッチの状態によって制御され、正常なアクティブな画素の場合はPWM信号によって制御される。図308は、光電子デバイスのタイミング図を示している。タイミング図のライン1は、1フレームの長さを示している。フレームの間にコンテンツ、例えばビデオシーケンスがディスプレイに表示される。
フレームの開始時にグローバルリセットが実行され、ディスプレイのすべての画素が暗くなる(ライン2を参照)。次いで、暗い画素が行ごとに読み込まれ、このフレームの間でこれらの画素が恒常的に暗くなるようにする(ライン3~4を参照)。引き続き、背景が同じ明るさになるように、グローバルディミングが適用される(ライン5を参照)。次いで、グレースケールのデータが読み込まれ、行_1で始まり、行_2Kで終わるPWM信号が生成される(ライン6~7を参照)。最後にライン8では、画素がオンになったときの様子を示している。フレームが終了すると、次のフレームが始まる。図309は、μ-LED11を駆動するように構成されたドライバ回路50の更なる構成形態の概略的な回路図を示している。ドライバ回路50はフルデジタルで、図304に示したドライバ回路10よりもさらに少ない面積で済む。
ドライバ回路50において、第1のメモリセルは、電源電圧VDDと接地GNDとの間に直列に接続されたNMOSトランジスタ51とPMOSトランジスタ52とを実装しており、このことは、2つのトランジスタ51,52のチャネルが直列に接続されていることを意味している。さらに、トランジスタ51と52との間には、インバータ53の入力が接続されている。インバータ53の出力は、トランジスタ51,52のゲートに接続されている。
さらに、電源電圧VDDと接地GNDとの間には、NMOSトランジスタ54とPMOSトランジスタ55とが直列に接続されている。トランジスタ54,55は、それらのゲート端子に、それぞれセット信号S1とリセット信号not-R1とを受信する。暗い画素をゲート制御するために、ドライバ回路50は、第1のメモリセルと同じ構造を有しておりかつ図309にも示されている第2のメモリセルまたはラッチを実装している。第2のメモリセルは、直列に接続されたNMOSトランジスタ56およびPMOSトランジスタ57と、インバータ58と、直列に接続されたNMOSトランジスタ59およびPMOSトランジスタ60とを実装している。
トランジスタ59,60は、それらのゲート端子に、それぞれセット信号S2とリセット信号not-R2とを受信する。第1のメモリセルのインバータ53の出力は信号Q1を生成し、第2のメモリセルのインバータ58の出力は信号Q2を生成している。信号Q1とQ2とは、NANDゲート61の入力に供給される。NANDゲート61の下流にはインバータ62が配置されており、インバータ62の出力はトランジスタ14のゲートに結合され、そのゲート電圧に応じてμ-LED11を流れる電流をオン/オフする。
上で示した図309のタイミング図からは、まず、第1のメモリセルにリセット信号not-R1を印加することで、グローバルリセットが実行されることがわかる。次いで、セット信号S1を印加して、第1のメモリセルを出力Q1でHigh状態にトリガする。第1のメモリセルは、リセット信号not-R1によってLow状態にリセットされるまで、High状態を維持する。図309の下段のタイミング図は、暗い画素読み込み時の第2のメモリセルの機能を示している。まず、信号S2によってグローバルセット信号が印加される。次いで、リセット信号not-R2によって暗部の画素が行ごとに読み込まれる。
図310は、図309に示したドライバ回路50の変形例であるドライバ回路70の更なる構成形態の概略的な回路図を示している。ドライバ回路70は、ドライバ回路50と同じ第1および第2のメモリセルを含んでいるが、ドライバ回路70は、第1および第2のメモリセルの出力信号を結合するためのNANDゲートを含んでいない。代わりに、ドライバ回路70は、トランジスタ54と直列に接続された追加のNMOSトランジスタ71を含んでいる。特に、トランジスタ71は、トランジスタ54と接地GNDとの間に配置されている。トランジスタ71のゲートは、第2のメモリセルの出力信号Q2によって制御される。
図321は、基底面の小さい画素ドライバを含む制御回路2500の形をした電流制御のためのアナログランプの一構成を示している。これは、半導体材料で作られており、ここに記載されているさまざまな技術を使用している。このようなコンセプトは、光制御のためのアナログランプに基づいており、特に省スペースで実現されており、動作時のヒステリシスによりノイズを低減し、ダブルバッファリングを可能にしている。ダブルバッファリングにより、より長いデューティサイクルが可能となり、全体の消費電力を削減することができる。この態様は、特に他の省電力機能と組み合わせると有利になり得る。
この制御回路は、パルスジェネレータ2530と、入力段としての列データバッファとを組み合わせたものとしての画素ドライバを有している。本構成では、例えば行または列の複数の画素2506にも使用可能な共通のランプジェネレータ2502が制御回路の一部となっている。この制御回路は、その出力2521をμ-LED画素の調整可能な電流源の制御入力に結合している。調整可能な電流源の制御入力に印加されるパルス信号DWに基づいて、電流源を選択的にアクティブおよび非アクティブにすることができる。パルス信号DWに応答して、μ-LEDはオン/オフされる。代替的な構成では、電流源をスイッチまたは同様の素子で置き換えて、μ-LEDが選択的にオンまたはオフになるようにしてもよい。信号DWのパルス長は、画素のμ-LED素子の輝度に対応している。
制御回路2500は、行セレクト信号RSの行セレクト入力2503と、データ信号AVの列データ入力2504とを有している。これらの入力は、従来のアプローチと同様であり、実際に同様の方法で使用することができる。制御回路は、トリガまたは「ランプスタート」信号RaSのためのトリガ入力2501と、ランプ信号のためのランプ信号入力2505とを有している。
図345に示した従来のセルと同様に、列データ入力は、スイッチ2510を介してコンデンサ2509に接続され、コンデンサ2509内にμ-LEDの輝度に対応したデータ情報が蓄えられる。
スイッチ2510は、ここで説明したように、Si技術の電界効果トランジスタとして実装されているが、GaまたはIn技術の電界効果トランジスタとしても実装されている。スイッチ2510のゲートまたは制御入力は、行セレクト入力に接続され、行セレクト信号RSを取得する。しかしながら、従来のアプローチでは、コンデンサに蓄えられた電荷を利用して発光デバイスを直接流れる電流を制御していたのに対し、コンデンサ2509はスイッチ2510と一緒に入力バッファとして利用されている。入力バッファの出力2511、特にコンデンサとスイッチは、パルスジェネレータ2530に接続され、パルスを発生させる。
パルスジェネレータ2530は、例えば差動増幅器と、RSフリップフロップとして実装された出力バッファステージ2507とを含むコンパレータ2508を有しており、その動作はNORゲートとNANDゲートとで表現することができる。差動増幅器は、スイッチ2510と同じ技術で実装されている。このために、差動増幅器は、例えば、本願に記載されているようなトランジスタを含んでいてもよい。コンパレータの反転入力2511はコンデンサ2509に接続され、非反転入力2512はランプ入力信号2505に接続されている。コンパレータ2508は、後で詳しく説明するように、消費電力を減らすために選択的にオフにすることができる。
コンパレータ2508は、その出力にステータス信号または比較結果CSを提供する。コンパレータの出力は、RSフリップフロップ2507のリセット入力Rに直接接続される。セット入力Sは、トリガ入力2501に接続される。
制御回路の動作については、図322に経時的に示されている各種信号を参照して、より詳細に説明する。このために、行セレクト信号RSが印加され、コンデンサ2509には一定の電荷が蓄積されると仮定する。コンパレータの非反転入力には、一定の信号ISが印加されている(参照番号2512に対応)。信号ISは、制御回路に付随するμ-LEDの輝度に対応している。
時間T1で、トリガ信号RaSが低レベルのLOWから高レベルのHIGHに変化し、続いてRSフリップフロップ2507のセット入力SもHIGHになる。時間T3で、トリガ信号RaSは再びLOWレベルに変化する。T1と同時にランプ信号Rsigが印加される。ランプ信号Rsigは、トリガがHIGHになっている時間にわたって直線的に増加する。すなわち、ランプ信号Rsigは、LOWに対応する第1の値から始まり、第2のレベル、すなわちHIGHレベルまで上昇する。ランプ信号Rsigは、コンパレータの非反転入力にも印加される。T1からT2にかけての期間に、コンパレータはコンデンサ2509にバッファリングされた信号ISとランプ信号Rsigとを比較する。非反転入力の信号が反転入力よりも小さい間は、RSフリップフロップのリセット入力Rに印加される出力信号はLOWのままである。時間T2で、リセット入力Rは、コンパレータの出力がLOWからHIGHに変化したときの結果信号CSの立ち上がりエッジを受信する。その時、ランプ信号はバッファリングされた信号ISよりも高くなる。
この遷移の結果として、RSフリップフロップの出力Qは、電流源の制御信号DWを時間T2からLOW値にリセットする。このように、出力信号DWが電流源を再びオフにする時間T2は、一様に上昇するランプRsigを前提とした場合、コンデンサ2509に蓄積される電荷に依存することがわかる。このように、パルスはランプ信号RSigと信号ISとによって定義され、その長さは実質的にT0からT2までの期間に対応している。
時間T3で、トリガ信号はHIGHから「LOW」になる。
同時に、ランプ信号がオフになり、コンパレータは「LOW」信号を出力することになる。そのため、R入力およびS入力の信号はいずれもLOWになる。コンパレータのヒステリシスが小さいため,入力Sのトリガ信号の遷移が少し速くなり、入力Rの信号CSの遷移とは無関係に、フリップフロップは出力信号DWをLOWのままにしてしまう。時間T5で、入力Sでトリガ信号RaSが繰り返され、同様にランプ信号Rsigも初期値で再び開始される。
時間T3~時間T5の期間は、各行の対応する列を再プログラミングするためのブランキング時間である。このために、時間T7で行セレクト信号がトリガされ、スイッチ2510を介して列データ線がコンデンサに接続されることになる。コンデンサ2509は、新しい値に充電または放電される。この例では、コンデンサ2509は、異なる(より低い)輝度に対応した、はるかに小さな値に放電される。充電は、時間T7で開始され、時間T4で終了し、このとき、行セレクト信号RSが再びLOWになり、スイッチが開かれる。目下の行のサイクルが時間T5で再スタートする間に、別の行をアドレス指定して再プログラミングすることができる。
信号ISのレベルが比較的低いため、コンパレータ2508は、新しいサイクルの時間T6でいち早くその出力を変更する。その結果、出力Qは時間T6で「LOW」になり、この時間はトリガ信号RaSの前の時間周期よりもはるかに短い時間である。制御信号DWを有する出力Qは、当該出力に結合されたμ-LEDの電流を制御する。出力信号DWがHIGHであり続ける時間が長ければ長いほど、μ-LEDに電流が流れ、対応する色の輝度が高くなる。コンパレータ2508と、おそらくRSフリップフロップも、消費電力を減らすために再プログラミングとブランキング時間との間はオフにしていてもよい。このために、少なくともコンパレータは、トリガ入力に接続された電力制御ユニット2520を有している。トリガ信号RsigがHIGHである限り、コンパレータ2508には電流が供給され、その動作が実行される。コンパレータは、ブランキング時間中はトリガ信号に応答してオフになる。
いくつかの例では、ブランキング時間がトリガ信号の実際の時間よりも大幅に長い場合があるため、パルスジェネレータ全体をオフにしていてもよい。
代替的な構成では、再び図322の時間T2を参照すると、コンパレータは、バッファリングされた信号ISの閾値にランプ信号が到達するとすぐに、その出力信号CSをLOWからHIGHに切り替える。トリガ信号SがまだHIGHであるため、RSフリップフロップは出力信号をLOWに切り替える。このとおり、リセット入力Rのレベルにかかわらず、出力QはLOWのままである。そのため、リセット後に入力Rの信号が遷移してコンパレータがオフになることもある。一部の変形例では、電力制御ユニット2520は、出力Qに結合されて、出力Qの状態に基づいてコンパレータへの電流供給を制御することもできる。
異なる行をアドレス指定する際には、セグメンテーションや追加のランプを利用することができる。これにより、時空間的な多重化の実装が可能となり、電流スパイクの発生が低減され、消費電力の変動が少なくなる。この例では、コンパレータの特定の入力に信号を印加しているが、当業者であれば、この原理の構成を変更することが可能であることを認識することができる。例えば、反転入力と非反転入力とを入れ替えて、逆の動作をさせることができる。RSフリップフロップには、2つのトランジスタと抵抗とが必要であり、設計時にRSフリップフロップに小さな非対称性を実装し(例えば1つの抵抗の値を調整することで)、スイッチング動作を調整し、未定義の状態が防がれる。
いくつかのμ-ディスプレイでは、μ-LEDにダメージを与える個々の画素欠陥が生じる場合がある。このような欠陥は避けることができない。しかしながら、μ-ディスプレイのサイズでは、修理しようにも非常に困難である。そこで、サブ画素を冗長に設計する、すなわち同一色のサブ画素を複数設けるだけでなく、フェイルオーバーによる冗長なμ-LEDブランチを提供することが提案されている。さらに、これらの冗長な画素は、同じ電流源に接続することも可能である。テストでは、各μ-LEDの機能性が試験される。試験の結果、2つの機能しているμ-LEDが得られた場合、一方のμ-LEDを特定的に非アクティブにして、異なる電流の流れによる他方のμ-LEDの色の変化や輝度の低下を補うことができる。一方、欠陥が検出された場合は、冗長なμ-LEDが継続して使用される。
図323は、このような冗長性と同時にフェイルオーバーを提供するデバイス案の一構成例を示している。この図では、第1のブランチと第2のブランチとをそれぞれ有する2つの画素セルが示されており、各々のブランチに、μ-LED D1aまたはD1bがそれぞれ備わっている。μ-LED D1aとD1bとは、共通の基準電位端子GNDに接続されている。それらの他の端子は、それぞれ電子ヒューズFaとFbとに接続されている。例えば、これらはヒューズを流れる電流が十分に大きくなると溶断してしまう溶断ヒューズである。さらに、第2のブランチ、すなわちヒューズFbとμ-LED D1bとを有するブランチは、エンボス構造素子EPTを示している。これは、本構成ではMSOFETトランジスタとして構成されており、そのドレイン端子はヒューズとμ-LEDとの間に接続されている。そのソースコンタクトは共通の基準電位となり、ゲートにはエンボス信号線EP dieを介してセレクト信号Vburnが供給可能である。原則的には、回路に応じて、エンボス信号線EPによって、行または代替的に列をアドレス指定、駆動制御または選択することができる。
さらに、画素セルは、電流ドライバトランジスタT1を備えた2T1C回路を含んでいる。これは、一方では電源電位に接続され、他方では第1および第2のブランチとそのヒューズFaおよびFbとに接続されている。電荷蓄積手段Cは、第1のトランジスタT1のゲートと第1のトランジスタT1のソース端子に電気的に接続されている。さらに、「t1Cセル」には、データ端子VdataとトランジスタT1のゲートとの間に接続されたトランジスタT2も含まれている。そのゲートにはセレクト信号を供給することができる。
画素の各色ごとに、電気ヒューズFaおよびFbに2つのそれぞれ電気的に直列に接続されたμ-LED D1aおよびD1bが設けられていてもよい。このようにして、各画素のすべてのサブ画素に対して冗長性を持たせる。
μ-LEDがそれぞれ行と列とに沿って共通のエンボス信号線EPに電気的に接続されている場合、例えば列の各画素セルは、アクティブディスプレイの外側の共通のキャリア上に配置されたスイッチングトランジスタへの共通の供給リード線によって、電源電位端子VDDに電気的に接続され、アドレス指定されていてもよい。そのため、列の各ヒューズを作動させたり、溶断したりすることができる。
以下では、この回路の動作モードについて詳しく説明する。
第1のケースでは、2つのμ-LEDのうちの1つに欠陥があり、具体的には「OPEN」と示され、つまり、欠陥のあるμ-LEDには電流が流れないような状態になっている。この場合、テストは対応する結果を出し、それぞれの場合において他方のμ-LEDが自動的に使用される。一方で、「SHORT」、すなわち短絡が起こっている場合もある。この短絡が起こると、短絡したダイオードを通る抵抗が非常に小さくなるため、それぞれのヒューズを流れる電流が著しく大きくなってしまう。この結果、SHORT時にはヒューズも切断されてしまう。
3つ目のケースは、両方のμ-LEDが期待通りに機能する状態に関するものである。このケースでは、電流源の電流が両ブランチに分かれてしまうため、色の誤差が生じてしまう可能性がある。ここで、占有波長は、選択された電流によって異なる。したがって、かかるケースでは、エンボス構造素子EPTが導電性になるように、信号Vburn(高電位、例えばVDD)が印加される。トランジスタT1は、データ線およびセレクト線上の対応する信号によって同時に完全にスイッチングされ、ヒューズには高電位が印加される。その結果、大電流が流れてヒューズFbが破壊され、ダイオードD1bが安全に切断される。
PMOS技術の構成では、電位および信号は、それに応じて極性が反転する。
ヒューズは、異なる幅を有する金属ストリップとして形成されていてもよい。例えば、長さを33μm、幅を一方の長手方向端部で20μm、他方の長手方向端部で9μm、長さ12μmの中央領域で2μmとすることができる。長手方向の両端部は、正方形や長方形に作られ、通路を有していてもよい。正方形の長手方向端部は、トランジスタT1に向かって形成され、長方形の長手方向端部は、発光ダイオードに向かって形成されていてもよい。材料は、例えばIGZOであってもよい。
特にゲートとソースとが持続的に電気的に接続されているダイオード回路では、上記の金属ストリップの代わりに、薄膜トランジスタを使用することもできる。各μ-LEDに、固有の薄膜トランジスタを設けることができる。これは、制御可能な電流源としても、電気的なヒューズとしても機能することができる。信号によって、例えば薄膜トランジスタをゼロ電位にすることで、増加した電流の流れによって薄膜トランジスタを焼損させ、μ-LEDをオフにすることができる。原則的には、一般に知られているすべての電気ヒューズを使用可能である。起動またはトリガしてもヒューズが破壊されることはないが、いずれにしても、関連するμ-LEDを確実に非通電にする必要がある。
このようにして、例えばレーザー切断などの追加のステップステップを経ることなく、エンド・オブ・ラインテストを実行することができる。さらに、エンボス構造素子としてエンボスダイオードとの組み合わせも可能である。
図323は、右側に第1の画素セルの隣接セルを示している。各行には、セレクト信号線Vsel、エンボス信号線EPおよびデータ信号線Vdataを接続することができる。セレクト信号線は、VselとVdataとを用いて、関連するヒューズを起動させるための関連する行を選択するための信号を生成する。エンボス信号線EPは、ヒューズブローイング電流(Durchschmelzstrom)I_burnを生成するためのヒューズブローイング電圧V_burnを供給する。
図324は、電流源とμ-LEDとの配置構造を逆にしたデバイス案の第2の構成例を示している。図323は、コモンカソードを有する構成を示しているが、図324は、μ-LEDとコモンアノードとを有する配置構造を示している。
μ-LED D1aおよびD1bのアノード端子は、電源電位端子VDDに接続されている。第1のトランジスタT1の第1の電流線コンタクトは、基準電位端子GNDに接続されている。第1のトランジスタT1のドレイン端子は、電気ヒューズFaおよびFbの共通端子につながっている。セレクトホールド回路は、第1のトランジスタT1の制御コンタクトと、第1のトランジスタT1のソース端子とに接続されている電荷蓄積手段Cを有している。
この配置構造の動作は同様であるが、トランジスタEPTは、ヒューズFbおよびμ-LED D1bと電源電位との間に接続されている。エンボス信号線EPを介してエンボストランジスタEPTのゲートに電圧V_burnを印加することで、溶断ヒューズである電気ヒューズFbを溶断することができる。
図325は、セレクトヒューズによって選択可能なμ-LEDの冗長なブランチを備えたデバイスの第3の構成例を示している。図325の構成とは対照的に、ヒューズとμ-LEDとから構成される直列接続は、各ブランチで逆になっている。このように、ヒューズは電源電位端子に直接接続され、各ブランチのμ-LEDはカソード側で共通のベースポイントと電流ドライバトランジスタT1に接続されている。さらに、エンボストランジスタEPTは、そのドレイン端子がヒューズFbとμ-LED D1bとの間に接続されている。そのソース端子は、μ-LEDの共通のベースポイントである電流ドライバトランジスタT1にもつながっている。2T1Cセルの構造は、前の図と同じである。ヒューズを溶断するために、ダイオードD1bにエンボストランジスタEPTと信号Vburnとをブリッジさせ、高いヒューズ溶断電流がヒューズFbに流れるようにしている。
発光ダイオードは、ここではVDDまたはGNDの電位端子に共通して接続されていないので、μ-LEDの共通電極、すなわち、1つの電極を複数の画素に割り当てることは実現できない。この配置構造は、例えば、プロセス技術上の理由で共通電極を必要としない場合に適している。
図326は、図323の構成を若干変更したものである。ここでは、トランジスタがPMOS、特にトランジスタT1として構成され、電荷蓄積手段がゲートと固定電源との間に接続されている。この構成の利点は、電荷蓄積手段Cにかかる電圧が、順方向電圧や温度変動によるその変化によって僅かに異なる可能性がある図323の構成とは対照的に、電荷蓄積手段にかかる電圧が独立していることである。温度変動に左右されないという同様の利点は、図324の構成にも示されている。
図327は、図326の構成の更なる代替的な構成を示している。エンボス構造素子は、ここでは、エンボスダイオードEPDであり、このエンボスダイオードEPDは、一方の端子が、エンボスダイオードEPDが割り当てられているμ-LED D1bの第2の端子に接続され、その他方の端子が、アドレス指定を可能にするエンボス信号線EPに接続されている。図327によれば、エンボスダイオードEPDの第1の端子は、ヒューズFbとμ-LED D1bとの間に接続され、エンボスダイオードEPDの第2端子は、エンボス信号線EPに接続されている。後者には、電気ヒューズを溶断する溶断電圧V_burnも印加される。
動作時には、第1のトランジスタT1のスイッチングによって、トリガとなる電気溶断ヒューズFbの選択が行われる。このために、データ線DataとセレクトラインSelとによって、電荷蓄積手段Cへの電圧の対応するプログラミングが行われる。通常の動作とは異なり、VDD端子は0ボルトまたは負の電圧に設定されている。この場合、エンボス信号線EPには、VDDの電圧よりも正の電圧V_burnが印加される。このようにして、大電流IFもしくはI_burnが、電気ヒューズFbおよび導電接続された第1のトランジスタT1を介してエンボスダイオードEPDに流れ、選択された画素セルのヒューズFbがトリガされる。ヒューズFbが溶断して、関連する発光ダイオードD1bがオフになる。さらに、大電流が発光ダイオードD1bまたはD1aを流れてこれにダメージを与えることがないように、第1の電位端子GNDの電位も0ボルトより大きく、例えば溶融電圧V_burnに等しいのが理想的である。
本構成例によれば、電気ヒューズFbをトリガするのに必要な電流(IF,I_burn)は、「通常運転」時に流れる電流とは逆方向に流れる。この方法によれば、EOLテストの一環として、例えばレーザー切断などの追加のプロセスステップは必要ない。
図328は、図327による構成に一部変更を加えたものを示しており、エンボスダイオードの向きだけが逆になっている。ここでは、エンボスダイオードは、アノード側で第2のブランチのヒューズFbとμ-LED D1bとの間に接続されている。図328に記載の配置構造は、電流ドライバトランジスタT1としてのPMOS薄膜トランジスタと、μ-LEDのためのコモンカソード配置構造とによって構築されている。ディスプレイの行のエンボス信号線EPは、すべてここで接続されている。トリガとなる電気ヒューズFbの選択は、第1のトランジスタT1のスイッチングによって行われる。そのために、電荷蓄積手段CをoVなどの電圧にして、T1が導通するようにする。VDD端子には10ボルトなどの正電圧が印加されている。エンボス信号線EPに印加される電圧V_burnは、ここでは電源電位端子VDDの電圧よりも負の値であり、例えば0ボルトである。このようにして、大電流I_burnが、エンボスダイオードEPD、電気溶断ヒューズFbおよび導電接続された第1のトランジスタT1を介して流れ、選択された画素セルのヒューズFbがトリガされ、ひいては溶断される。
その一方で、第1の電位端子GNDの電位は、発光ダイオードD1aおよびD1bが逆方向に接続され、ひいては第1のトランジスタT1が導通しているにもかかわらず、大電流が発光ダイオードD1bまたはD1aを流れてこれにダメージを与えるおそれがないように、第2の電位端子VDDの電位と同じくらいの高さにするのが理想的である。本構成例によれば、ヒューズFdをトリガするのに必要な電流(IF)I_burnは、配置構造の「通常運転」で流れるのと同じ方向に流れる。
図329は、複数のμ-LEDを電子的に構成するための方法の一例を示している。最初のステップS1では、第1のブランチと第2のブランチのそれぞれのμ-LEDの機能性がテストされる。この結果、いくつかの可能性が考えられるが、その中でも最も一般的なのは次のものとなる。この場合、どちらのμ-LEDも期待通りに機能する。これが当てはまる場合、第2のステップS2では、エンボス信号がエンボス電子構造素子に印加される。その後、電流ドライバまたは電流源によって電流が供給され、この電流が導電性の電流エンボス素子を介して流れる。この場合、電流は、μ-LEDにダメージは与えないが、対応するブランチのヒューズは破壊されるように選択される。これにより、対応するブランチが非アクティブになる。一方、欠陥が見つかった場合は、2つのブランチのうち1つだけが機能する。もう1つは「OPEN」、すなわち、欠陥のあるブランチに電流が全く流れていない状態であるか、または「SHORT」、すなわち、短絡が起こっている状態のいずれかである。後者の場合は、このブランチの電流増加と低い抵抗とにより、欠陥のあるブランチのヒューズが破壊され得、そのため、SHORTとOPENとの状態間で変化し、配置構造全体の機能にもはや影響を与えない。
上記の方法により、エンボス信号線を全画素に接続されたグローバル線として構成することができる。アドレス指定は、アクティブなディスプレイの外側にあるパネル上のトランジスタ回路を介した供給リード線と、2T1Cセルの電荷蓄積手段のセレクトリード線および対応するプログラミングとによって行われる。
このようにして、配線の手間が減ることになる。同様に、必要な層もしくは膜の数を減らすことができ、これはコスト削減にもつながり得る。しかしながら、スイッチングトランジスタは、これが列の電流を流すことができるように構成されなければならない。さらに、このプロセスの間、パネルもしくは共通のキャリアの電力損失が増加する。
2つの溶断ヒューズを使った上述の回路の構成は、さまざまなμ-LEDの構成に使用できる。
図330は、コンセプト案による回路を、本願で開示されているスロットアンテナ配置構造と組み合わせた構成形態を示している。ここで、スロットアンテナは、下部コンタクト領域1005と上部コンタクト領域1011とを有する半導体層スタックを有している。各スロットアンテナの上部コンタクト領域1011は、透明なカバー電極1002を介して、基板1007内の共通の接地電位端子GNDに接続されている。そのうえ、基板1007には、スロットアンテナを駆動制御してテストするための更なる回路素子も搭載されている。こうして、2つのスロットアンテナのコンタクト領域1005は、それぞれ溶断ヒューズFaもしくはFbに接続されたことになる。さらに、溶断ヒューズFbと、右スロットアンテナのコンタクト領域1005との間には、エンボスダイオードEPDとエンボス信号線EPとにつながるタップが設けられている。
溶断ヒューズFaおよびFbのそれぞれ他方の端子は、電流ドライバトランジスタT1の出力に接続されている。電流ドライバトランジスタT1は、セレクトトランジスタT2および電源電位VDDと電流ドライバトランジスタT1の制御端子との間に配置されたコンデンサとともに、2つのスロットアンテナに給電するための2T1Cセルを形成している。一態様では、電流ドライバトランジスタT1は、本願で開示されているデュアルゲートトランジスタである。
これまでの例で説明してきたように、テストステップでは、2つのスロットアンテナが機能しているかどうかが評価される。このような場合は、溶断ヒューズFbが絶縁素子EPDによって破壊されるため、右スロットアンテナは電流供給から遮断される。2つのスロットアンテナのうち1つに欠陥がある場合、残りの機能するスロットアンテナに2T1Cセルを介して電流供給が行われる。
図331は、同様の構成で、水平方向に並んだマイクロロッドの形でμ-LEDを提供したものを示している。図42の構成形態で既に説明したように、これらのマイクロロッドは、それぞれのコンタクト2とともに、ここでは図示していない基板上のコンタクト領域3に接続されている。コンタクト領域3は、共通の基準電位GNDに接続されている。各マイクロロッドの背面コンタクト端子は、それぞれのヒューズFaまたはFbに接続されている。この場合、μ-LED D1bは冗長なダイオードで、その背面コンタクト端子はエンボストランジスタEPTにつながっている。ヒューズFbを溶断するために、制御端子にエンボス信号Vburnが印加され、これにより、電流ドライバトランジスタT1からエンボス信号線EPに至るまで、溶断ヒューズに大電流が流れる。このようにして、水平方向に並んだマイクロロッドD1bは、電流供給から切り離される。マイクロロッドD1aが製造上の理由で短絡または断線により破損した場合、2T1CセルがマイクロロッドD1bに電流ドライバトランジスタT1を供給する。
図332は、一列のベースモジュール5が設けられている更なる構成を示している。隣り合う2つの第1のコンタクトは、それぞれの溶断ヒューズFaおよびFbを介して電源電位端子VDDに接続されている。溶断ヒューズFbとそれぞれのコンタクトとの間には、それぞれの電流源の電流ドライバトランジスタT1の出力に接続されたエンボストランジスタが接続されている。本構成では、それぞれの場合において、1組のベースモジュールが、電流ドライバトランジスタT1、セレクトトランジスタT2およびコンデンサの2T1Cセルを含む共通の電流源に接続されている。2つのベースモジュールをテストして正常であれば、エンボストランジスタEPTの制御端子を介してスイッチング信号が印加され、ひいてはトランジスタT1を介して溶断電流がそれぞれの溶断ヒューズFbにスイッチングされる。
特にARシステムでは、ヘッドアップディスプレイや、網膜に直接ラスター画像を投影するライトフィールドディスプレイを搭載したメガネなど、高解像度の小型設計のディスプレイ配置構造が望まれている。画素サイズの光源を有するμ-ディスプレイには、GaNまたはInGaNをベースとした、いわゆるマトリクス型のμ-ディスプレイが提案されている。
図333は、第1の構成例として、IC基板部品とその上に載置されたモノリシック画素化オプトチップを含むディスプレイ配置構造を横断面図で示している。モノリシック集積回路2.1,2.1,2.3と、これらによって駆動制御されるIC基板コンタクト3.1,3.2,3.3とを備えたIC基板部品1が示されている。IC基板コンポーネント1は、制御回路、電力供給回路、および周辺機器との信号交換のための更なるコンポーネントを有することができ、ここでは、インターフェース23を例として示している。これに関連して、デジタルおよびアナログの回路部品をより詳細に説明している本願の更なる各種構成を参照されたい。ここでは、図339A~339C、340Aおよび340Bとそれに関連する説明を例として挙げている。
IC基板コンタクト3.1,3.2,3.3は金属性で構成されており、それぞれ絶縁層で分離されている。モノリシック画素化オプトチップ4がIC基板部品1上に配置されており、IC基板のコンタクト3.1,3.2,3.3に電気的・機械的に接続されている。より正確に述べると、コンタクト22.1,22.2および22.3は、IC上に正確に配置されたときにIC基板コンタクト3.1,3.2,3.3と向き合うように、画素化オプトチップ4の表面に導入される。図示するように、コンタクトはそれぞれ同じ大きさなので、図示するような小さなオフセットがあっても悪影響はなく、短絡が回避されている。このような接続のためのさまざまな技術が本願では開示されている。
モノリシック画素化オプトチップ4は、p型ドーピングされた第1の半導体層6とn型ドーピングされた第2の半導体層7とを有する半導体層シーケンス5を含み、ここで、第1の半導体層6と第2の半導体層7とは大面積に適用され、積層方向8に対して垂直に延びる横方向において実質的にモノリシック画素化オプトチップ4全体に延在している。詳細には示されていないが、異なるドーピング厚さまたは異なる半導体材料の複数の個別の層を有する半導体層6,7の構成変形例がある。第1の半導体層6と第2の半導体層7との間には、詳細には示していない量子井戸を有する活性層があり、その領域には、電流が半導体層シーケンス5を積層方向8に流れたときに電磁放射を発する活性ゾーン24が形成されている。
半導体層シーケンス5の上の正面17には、例えばITO(酸化インジウムスズ)からなる透明なコンタクト層16が2次元的に平坦に適用されている。本構成例では対角線サイズが2μm~5μmと小型の画素サイズPのμ-LED9を得るために、IC基板部品1に対向する第1の半導体層6の下側の第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3は、画素サイズPよりもかなり小さくなっている。本構成例では、μ-LED背面12の第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3の投影面積13が最大でμ-LED背面12の面積の半分であるという特徴が満たされるように、300nmの第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3の最大対角線MDが選択される。本構成例では、投影面積13は、対角線が4μmのときはμ-LED背面12の面積の約5%である。この結果、透明なコンタクト層16の一部分によって形成された第1の光源コンタクト10.2と第2の光源コンタクト11との間でμ-LED9内に横方向に制限された電流経路25が形成され、これにより横方向に制限された活性ゾーン24が生じる。さらに、活性ゾーン24の縁部では非放射再結合が抑制される。電流経路25の横方向の制限を改善するために、好ましくは、第1の半導体層6および第2の半導体層7のドーパントは、これらが104Sm-1よりも小さい、好ましくは3・103Sm-1よりも小さい、さらに好ましくは103Sm-1よりも小さいp型またはn型の伝導性を有するように選択される。さらに、第1の半導体層6の層厚SDは小さいものを選択するのが有利である。この場合、積層方向8における第1の半導体層6の層厚SDは、横方向における第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3の最大対角線MDの最大10倍、好ましくは最大5倍であることが好ましい。
本発明によれば、第1の光源コンタクト10.2は、積層方向8に対して垂直に対向する横方向に、光学的遮断効果を有する背面側アブソーバ15.1,15.2によって囲まれており、ここで、背面側アブソーバ15.1,15.2は、好ましくは、シリコン、ゲルマニウムもしくはガリウムヒ素からなり、かつ/またはグラフェンもしくはカーボンブラック粒子のインターカレーションを有する。第1の構成例の図334に示す光路26から、この措置により、駆動制御されたμ-LED9から隣り合う画素への漏話が低減されることがわかる。
図335に示す第2の構成例では、第1の構成例に一致している構成要素に同じ参照符号を使用している。図示されているのは、第2の半導体層7の上側にある3次元構造体で、これにより正面17への光の取り出しが改善される。全反射の度合いが低くなり、取り出しコーンが大きくなっていることがわかる。詳細には示されていない代替的な構成では、フレネルレンズ構造体が正面17に設けられている。別の選択肢では、フォトニック結晶構造体が表面に配置されている。このような措置については、本願で後ほど詳しく説明する。これに関連して、さまざまな構成や技術を示す図223A~223Fおよび225~247を参照している。μ-LEDの上に構造体が配置されており、一部が活性層にまで及んでいるものもある。このような組み合わせは、再結合ゾーンの狭窄や局在化を引き起こす可能性もある。
図336は、半導体層シーケンス5内に突出する一部の領域27.1,27.2を有する背面側アブソーバ15.2,15.2を備えた第3の構成例を示しており、隣り合うμ-LED9の間の境界領域を追加的に遮蔽している。一部の領域27.1,27.2については、アルミニウム、金もしくは銀などの反射性材料、または屈折率が第1の半導体層6,7の屈折率よりも小さい誘電体材料からなる構造体を用いることができる。更なる設計として、この一部の領域27.1,27.2は、さらに電流経路の横方向の制限をさらに改善する。
図337に示す第4の構成例では、第2の光源コンタクト11.1,11.2,11.3を横方向に囲む前面側アブソーバ21.1,21.2,21.3,21.4によって、隣り合うμ-LED9の間の光漏話がさらに低減される。前面側アブソーバ21.1,21.2,21.3,21.4を電気的に絶縁性に形成すると、活性ゾーン24を局在化するための電流経路の横方向の制限をさらに改善することができる。
図に示す構成例では、オプトチップコンタクト素子22.1,22.2,22.3が、第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3と、それぞれの関連するIC基板コンタクト3.1,3.2,3.3との間に配置されている。オプトチップコンタクト素子22.1,22.2,22.3の横断面積は、第1の光源コンタクト10.1,10.2,10.3の横断面積よりも大きいので、モノリシック画素化オプトチップ4をIC基板部品1上に簡略化して接触させることが可能となる。
図338Aは、図333の前の例を基にした代替的な構成を示している。しかしながら、ここでは、電流を狭窄し、光学的および電気的な漏話を防ぐために、追加の措置が取られていた。その点において、この構成は、図133の構成と類似している。特に、層6と活性層とを施与した後、真ん中と右側のμ-LEDの間にトレンチ20が作られており、このトレンチは、光学的に反射するが、(少なくともトレンチの壁に)絶縁性の材料も有している。後者は、画素間の短絡を避けるためのものであり、前者は、光漏話を避けるためのものである。左側と真ん中の画素の間には、より大きなトレンチが作られ、実質的に層6と7とを貫通している。このトレンチは、画素もしくはμ-LEDの間に、光学的な障壁だけでなく、電気的な障壁も形成している。本構成の更なる態様は、図131~137を参照し、本願の他の場所で見つけることができる。
図338Bは、前述の例に基づく更なる構成を示している。ここでも、同じ要素には同じ参照符号を付けている。まず、本構成では、個々のμ-LEDの間の層6にドーピング32が導入されている。ドーピングはこの領域のバンド構造を変化させ、バンドギャップの増加をもたらす。このため、注入された電荷キャリアは電界を受け、この領域から遠ざけられる。光源コンタクト10.2と合わせて、図338Bに示す再結合ゾーンの領域でも効果的な局在化が実現される。
更なる態様は、層16の表面に設けられたフォトニック構造体32である。ここでは、高屈折率の透明材料31a(例えばNb2O5)が、再結合ゾーンの上にカラムまたはピラーとして直接施与される。ゾーン24で生成される光は、カラムが導波路として束ねられているため、指向性を持つ。本構成では、隣り合う2つの画素の間に同じ材料からなる更なるピラー31bが配置されている。それらの間には、屈折率のより低い透明な材料が充填されている。このように、横方向の向きでは、前で記載していた構造体と同様の屈折率変化が見られる。屈折率が周期的に変化することで、光学的なバンドギャップが生じる。その大きさや形は、特に周期性に依存するが、その点では、この図はあくまでも一例であり、他の周期性も考えられる。このようにさまざまな技術を組み合わせることで、一方では強い局在化が、他方では優れた指向性を持つ放射が実現される。漏話が防止される。IC構造体と比較的大きなコンタクトとにより、2つの層構造体の位置合わせと取り付けが向上している。
図339Aは、本機能を有するμ-LED表示部-配置構造の3つの主要部分の、デジタルおよびアナログのコンセプトの一般的な概要を示している。セクションIとIIは、複数の画素が行と列とに配置されたμ-ディスプレイのアナログ領域に関するものである。各画素141は、異なる色のサブ画素からなっていてもよい。あるいは同じサイズの画素を備えた表示部を使って異なる色を得ることもできる。本構成例では、μ-LED表示部は、第1の基板キャリア上または第1の基板キャリア内にμ-LED画素が集積されたものを含むモノリシック表示部として実装されているが、アンテナスロット構造体やμ-LEDをインゴット状またはモジュールで実現したものを含めた他の構成、特に本願で開示されている構成も考えられる。
場合によっては、第1の基板キャリアは、アナログセクションIIの回路も含んでいる。代替案として、μ-LEDの基板はより薄く、その下側に複数のコンタクトを有している。この場合、下側のコンタクトは、アナログセクションIIを含むキャリアに接合されるか、または他の方法で取り付けられる。あるいはアナログセクションIIは、反対側にμ-LED画素も搭載した薄型の基板上に成長させることもできる。かかるアプローチにより、アナログセクションとμ-LED画素との間の位置合わせ不良(ミスアライメント)を減らすことができる。他方で、アナログ回路の集積に適した材料系が求められている。
この配置構造のアナログセクションIIには、それぞれの画素を流れる電流の制御回路が含まれている。このために、各画素141は、そのアノードコンタクトを共通のソース電位1411に接触される。μ-LED画素のそれぞれのカソードは、調整可能なドライバに接続されており、本ケースでは電流源142として実現されており、この電流源はまたセクションIIで統合された端子1412に接続されている。そのため、この構成では、共通のアノードコンタクトが実現されている。本出願で開示されているカバー電極は、このような機能を提供することができる。しかしながら、もう1つのケースとして、コモンカソードが存在している。この場合、μ-LEDは、カソード電位端子1412と電流源との間に配置される。かかる配置構造の利点は、供給電圧をある程度低くできることと、μ-LEDが大きな入力電圧を処理する必要がないこととである。
セクションIIはまた、基準電流源1410、例えば温度安定化カレントミラーを含み、同じ基準電流をそれぞれの電流源142に提供する。この例では、1つの電流源のみを示しているが、複数の基準電流源を使用して、異なる画素にそれぞれの基準電流を提供することもできる。例えば、各画素行は、基準電流源に割り当てられていてもよい。かかる基準電流源が切り替え可能であれば、各行の電流源を周期的にオン/オフすることができ、これは消費電力の削減につながる。構成では、セクションIIはポリシリコンで製造されており、したがって、セクションIのμ-LEDの実現とは異なる材料系を含んでいる。
各電流源142に供給される基準電流とは別に、電流源は、各電流源で選択的に動作させた後に各画素で別々に動作させるためのスイッチング入力も含まれている。説明したように、PWM技術を用いて電流源を切り替え、個々の画素の輝度を調整することで、全体の消費電力がさらに削減される。PWM信号は、この配置構造のデジタルセクションIIIで生成される。
デジタルセクションIIIは、クロック入力CLKとデータ入力DATとを含んでいる。データ入力DATは、直列に接続された12ビットのシフトレジスタ148に結合されている。シフトレジスタは、入力されたデータストリームを受信し、対応するワードを12ビットのメモリ147に提供して記憶する。12ビットメモリは、12ビットのワードをメモリに記憶するためのフリップフロップなどの回路を有していてもよい。このメモリは、それぞれコンパレータ144の他方の入力に結合されている。このようにして、1つのデータストリームで行全体の輝度値をメモリ147のフリップフロップに一時的に記憶することができる。
入力CLKのクロック信号は、カウンタ149のクロックを規定し、12ビットのカウンタワードD0..11を供給する。カウンタワードD0..11は、各μ-LED画素の電流源142に接続されたそれぞれのコンパレータ144に印加される。代替的な構成では、必要に応じて、他の構造素子、例えば、異なるゲートの組み合わせを使用することもでき、これにより、接続されているメモリのワードよりもカウンタワードD0..11が小さいかどうかをチェックする。
このような配置構造の動作において、コンパレータ144は、カウンタワードD0..11をメモリワード、すなわち12ビットメモリの内容と比較する。その結果に応じて、例えば、コンパレータを用いた比較により、カウンタワードD0..11がメモリワードよりも大きいか小さいかを示すかどうかで、電流源をオンまたはオフにする。言い換えれば、コンパレータを用いた比較により、各画素を駆動するためのカウンタ149のクロック信号に基づいたパルス幅が得られることになる。例えば、連鎖図の最初の画素は暗い値を有し、つまりオフになっており、2番目の画素は明るい値、つまり完全にオンになっていることを意図している。それから、データストリームには、次のような関連性のある0と1の2つのワードの文字列として、「000000000000111111111111」の形で連なっている。ワードはそれぞれ2つのメモリ147のうちの1つに格納された後、反転した形で上述のコンパレータ144≧に渡される。この比較はコンパレータで行われる。カウンタワードDがメモリワードMよりも小さい限り、ドライバはオンのままである(そのため、反転コンパレータを使用した例では、「111111111111」と「000000000000」とがカウンタワードと比較される)。
μ-LEDディスプレイ配置構造には、要件や制約が異なるさまざまな部品が含まれているため、単一の半導体材料で実装することは困難である。とはいえ、主たる課題は、μ-LEDの画素サイズで予め決められるサイズである。アナログ部やデジタル部におけるトランジスタなどの能動素子は、この制約を受けるため、これにより特定の実装は除外される。
図339Bは、本機能を有するμ-LEDディスプレイ配置構造の3つの部分に関する別の構成形態を示している。第1の部分は、図339Aの対応する部分Iと実質的に同じであるが、部分IIは僅かに異なる構成をしている。部分IIには、より高いクロックの同期信号Syncを用いて異なる画素間を切り替えるデマルチプレクサDEMUXが含まれている。この信号Syncの周波数は、リフレッシュレートよりも高く、デマルチプレクサDEMUXで生成される信号O1~O3の数に依存する。一構成では、デマルチプレクサは、行または列のすべての画素を制御する。代替的な構成では、画素の各サブ画素にデマルチプレクサを使用してもよい。これらを組み合わせることも可能である。こうして、部分IIと部分IIIとの間の必要なコンタクト領域の数を減らすことができる。
他方で、部分IIIは、それぞれのコンパレータComp.D>Mの出力と第2の部分IIのデマルチプレクサとの間のマルチプレクサを含んでいる。同期信号Syncは、部分IIのデマルチプレクサの場合と同じで、共通して生成される。図339Aの構成と比較したときの別の変更点は、個々のコンパレータのPWM変調を決定するカウンタワード(D0..11)が、共通してではなく、個々のコンパレータに直接供給されていることである。図339Aの構成とは対照的に、マルチプレクサおよびデマルチプレクサの実装には、相互接続の数、すなわち、純粋なデジタル部IIIと部分IIとの間の接続を減らすことができるという利点がある。それに対して、部分IIIとIIの間には、これらのインターフェースのいずれかを介して、追加の高周波同期信号をルーティングする必要がある。
図339Cは、原則的に図339Aおよび339Bの構成において部分的に使用することができるような、既知のコンパレータの構成の機能回路図を示している。この回路は、2ビットのコンパレータを表しているが、数ビットまで拡張することができる。実際には、反転入力を省略して実装することも可能である。さらに、カウンタワードとの比較が行われるため、回路部分A>BまたはA<Bの実装をすれば足りる。
図339Dは、異なるカウンタワード1D~3Dと、例えば出力信号の生成に使用されるメモリレジスタとのタイムダイアグラムである。カウンタワードD0..11はタイムシフトしており、各タイムワードは前のタイムワードが通過した時点で開始される。コンパレータまたはOR関数を用いて出力信号O1~O3が生成され、これはマルチプレクサに供給される。
μ-LEDディスプレイ配置構造には、要件や制約が異なるさまざまな部品が含まれているため、単一の半導体材料で実装することは困難である。μ-LEDの画素サイズによって予め決められる利用可能なスペースについても課題がある。アナログ部やデジタル部におけるトランジスタなどの能動素子は、この制約を受けるため、これにより特定の実装は除外される。
図340Aは、個々の部分の接触と配線プロファイルのさまざまな態様を説明するための、μ-ディスプレイの例示的な横断面図を示している。図339Aまたは339Bと同様に、μ-ディスプレイは、μ-LED部I、アナログ部IIおよびデジタル部IIIを含んでいる。μ-LED部分は、GaN、InGaP、または青色、赤色または緑色の発光に適した他の半導体材料をベースにしている。μ-LED部Iは、共通のカソードまたはアノード(+)コンタクト層1411を含み、これは上面に延在し、μ-LED画素141の各活性領域を接続している。図示されていないのは、層1411の表面上の追加の取り出し構造体または光整形構造体である。これにはフォトニック構造体または変換体などが含まれ得る。
画素は基板上に配置され、光学的および電気的に互いに分離されているため、その発光が隣り合うμ-LEDの画素と干渉することはなく、画素を別個に制御することができる。例えば、μ-LED画素141は、上述した電流制限ドーピングを用いて実装することができる。この場合、ドーピングによって電流の流れがより小さな領域に制限される。ドーピングによりバンドギャップが変化することで、電荷キャリアが効果的に閉じ込められる。量子効率および/または放射パターンを改善するための、このような閉じ込めなどの構造上の措置の例は、本願明細書の他の箇所で開示されている。画素は、上でも同様に述べているように、スロット型アンテナ構造体に配置されたLEDナノロッドを含んでいてもよい。インゴットまたは本願明細書に開示されている別のμ-LED構造体も考えられる。
下側は、リーク電流を回避するために、部分的に絶縁材料を有している。表面は、領域IIが、それぞれの画素素子の主に下に位置するように整列しているような形状になっている。各μ-LED画素は、μ-LEDディスプレイの領域IIとの接続を形成する、領域IIに面している接触面を有している。
図340Aのμ-ディスプレイのアナログ部IIは、同じ半導体材料系から、もしくは当該材料系をベースにして実装することができる。例えば、電流源に使用される能動素子および受動素子は、スペースの要件を満たすことができれば、GaN、InGaPまたはInAlP系に実装することができる。かかる場合には、従来のいくつかの堆積技術を用いて素子を成形することができる。これには、部分Iの界面にあるμ-LED画素のコンタクトを部分II内の導体トラックに容易に合わせることができるという利点がある。温度係数の違いによる歪みも最小限に抑えることができる。あるいは部分IIは異なる半導体材料で形成されている。例えば、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンの構造体が適しており、小型部品を形成するものと理解されている。両部分は別々に形成され、整列され、相互に接続されてよい。μ-LEDのコンタクトのサイズは数nm2の範囲にしかなり得ないため、サイズの要件により、位置合わせは非常に正確でなければならない。更なる選択肢として、ポリシリコン材料をさまざまな成長プロセスによって下側の表面層に堆積させ、引き続き、必要な回路部品を形成することもできる。電圧を下げるために1つ以上の犠牲層を実装することもできる。さらに、まずポリシリコン層を形成し、次に所望の材料系を用いてμ-LED画素を形成してもよい。この例では、領域IIと領域Iとで異なる材料系を使用しているが、膨張率などのパラメーターを調整しているため、一緒に製造することが可能である。
そのために、部分IIは多結晶シリコンで作製されている。多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンの構造体は、特に小型寸法の部品を形成するためによく知られている。このためにポリシリコン材料を適切なキャリア上に施与し、そこに必要な部品を形成する。熱膨張を抑えるために、いくつかの中間層または犠牲層が設けられており、これらの層は、更なる機能を引き継ぐことはないが、熱的にまたは異なる結晶構造によって調整される。このような層は、領域IIと領域Iとの間にも存在しており、そこではμ-LED画素製造用に意図された材料系への変更が行われる。引き続き、μ-LEDの画素が形成される。
あるいはすべての部分を別々に形成し、整列させ、それからボンディングすることも可能である。μ-LEDのコンタクトの大きさは数μm2程度の小さなものになり得るため、サイズの要件により、位置合わせは非常に正確なものでなければならない。
煩雑さに応じて、部分IIは、図340Aに要素151と結合層152とで示されているように、電流源またはスイッチの一部である1つ以上のトランジスタを含んでいる。部分IIのいくつかの層に配置された結合層152は、部分IIの表面上のコンタクトを部分II内のさまざまな部品に接続する。例えば、トランジスタ152のコンタクト165sは、この結合層を介して、上側コンタクトおよび対応するμ-LEDに接続される。同様に、トランジスタスイッチングまたは抵抗挙動を制御するゲートコンタクト169が、デジタル部IIIに隣り合う部分の底面でコンタクトインターフェース153に結合されている。
デジタル部IIIはシリコンをベースにしており、いくつかのデジタル回路170を有している。デジタル部IIIは、通常は別個に形成され、ボンディングステップでアナログ領域IIと電気的に接続される。デジタル領域とアナログ領域とを別個に形成することで、一方では最適化された製造技術を用いることができ、他方ではデジタル部にボンディングする前にアナログ部とμ-LED部とをテストすることができる。アナログ部と同様に、デジタル部IIIには、デジタル信号およびアナログ信号用の中間接続部をいくつか有している。デジタル部IIIに電流を供給することもできる。
利用可能スペースが小さいと、さまざまな組立てや実装が必要になる場合がある。一態様は、アナログ部分内のトランジスタを統合して、電流源および制御回路を形成することである。図341および図342は、半導体材料内に小さなスペースを必要とする電界効果トランジスタを実装するさまざまな例を示している。
図341は、アモルファスシリコンで形成された反転積層型のトランジスタを示している。このトランジスタは、ゲートコンタクト156の上に、SiNから形成された絶縁性のゲート層155を有している。ゲートコンタクト156は、小さな凸部によって形成されていることから、ゲート層155がこの凸部に追従し、中央領域157と2つの傾斜した側壁158とを有している。このゲート層の上には、アモルファスシリコン154の層が形成されており、ここでも中央領域と2つの傾斜面とを形成している。アモルファス層154の表面を高濃度n型ドーピングして、高い伝導性を有するアモルファスシリコン151の高濃度n型ドープ層を形成してもよい。あるいは高濃度n型ドープ層151は、層154上に施与される。
最後に、n型ドープ層151上に、シリコン層154およびSiN層155のサイドエッジにも延在する金属層が施与される。金属層と層151におけるギャップが構造体を分割し、そうすることでソースコンタクトおよびドレインコンタクトを形成している。特に、金属層152は電界効果トランジスタのドレインコンタクトを形成し、金属層153はソースコンタクトを形成している。この場合、ソース・ドレイン間の中央領域のポリシリコン層に伝導性チャネルが形成されている。高濃度n型ドープポリシリコン層151は、層154のチャネルと良好な電気的接続を提供している。この構造により、ごく僅かなスペースを使って、ソース・ドレイン以外の側からゲートを接触させることが可能になる。
図342は、省スペースのポリシリコントランジスタの2つの例を示している。このトランジスタは、ベース基板として成長したSiO2層を有するガラスキャリア上に形成されている。各トランジスタは、非ドープのポリシリコン層170によって分離された2つの高濃度n型ドープポリシリコン領域165sおよび165dを有し、この非ドープのポリシリコン層170は、領域165sと165dとの間に配置されている。ドレイン領域に相接する形で、ポリシリコン170とドレイン領域165dとの間に配置された、低濃度ドープされたドレイン領域166が設けられている。
あるいはポリシリコン170とドレイン領域165dとの間に、金をドープした領域167が形成される。この場合、ソース165s、ドレイン165dおよび非ドープ領域170は、領域165sおよび165dのそれぞれの側壁上に延在するSiO2層によって完全に覆われる。165sおよび165dには、ソース・ドレイン領域にアクセスするための穴が開けられている。この穴には、電気的コンタクトを作り出すために、金属、例えばAlが充填されている。このコンタクトはSiO2層の側壁も越えて延びているため、接触のための領域が大きくなっている。ポリシリコン層170の上の中央部には、絶縁性のSiO2層の上にアルミニウム層169を成膜してゲートが形成されている。ゲート169は、ソースおよびドレインのそれぞれの金属コンタクトから電気的に絶縁されている。
必要とされるスペースが限られている中では、制御回路の実装に新しいコンセプトが必要になることもある。LED表示部を制御する従来の回路では、画素はアドレス指定可能な行と列とに配置されている。各画素は、特定の色のLED、あるいは3つの異なるLEDのトリプレットからなっている。後者の場合、3つのサブ画素を含み、それぞれ1つのサブ画素に特定の色のLEDが備わっている画素を指すこともある。
図339Aまたは339Bの例を再び参照すると、図340Bは、μ-LED構造体をデジタル回路部に接続するためのさまざまな構成形態を示している。ここでの2つの部分は、異なる材料系または技術に基づいている。それぞれの場合において上部の第1の部分は、行と列とに配置されたμ-LED素子または画素もしくはサブ画素を含んでいる。所望の色に応じて、異なる材料系または技術が使用され、ここでは例示的に、材料InGaNおよびInGaAlPが挙げられる。第1の例では、ウェハまたはμ-LED構造体を、W2W(ウェハツーウェア)プロセスを用いて結晶シリコンベースのウェハに接続し、これは、デジタル回路部と場合によっては必要となるアナログ部とを含んでいる。図339Bの例では、上側のウェハで部分Iが実現され、下側のウェハは、部分IIとIIIとを含んでいる。図340Bの第2の例では、第1の部分を有する第1のウェハの下面に、多結晶シリコンの薄膜層を低温で堆積させる。この部分では、デジタル部IIIに接続するための純粋なインターコネクトを提供するか、または追加でμ-LEDを駆動制御するためのドライバ回路などの部品を配置する。これらの2つの例では、ウェハ同士が互いに接合され、所望のディスプレイまたはマトリクスが作製される。一方、代替的な構成が示す第3の例では、デジタル回路を備えた個々のチップが提供されており、部分IIと作用結合の関係にある。チップは、例えば、ディスプレイの一部を駆動制御するための行および列ドライバを含んでいる。
これに加えて、図344は、以下で詳細に説明する構成形態を示している。このようにして、ディスプレイの各部分を別個に駆動制御することができる。さらに、このように製造を分けることで、部分IIIのデジタル回路の要素に欠陥が生じても、ウェハ全体を交換することなく、欠陥のある回路を個別に分離することができる。
アナログ部の下のスペースは限られているため、デジタル駆動制御のコンセプトを実現するための新しいコンセプトが必要になる。LED表示部を制御するための従来の回路では、画素はアドレス可能な行と列とに配置されている。これと同じ原理がここでも当てはまることができる。各画素は、特定の色のLED、あるいは3つの異なるLEDのトリプレットを有している。後者の場合、3つのサブ画素を含み、それぞれ1つのサブ画素に特定の色のμ-LEDが備わっていれば、画素と呼ぶこともできる。
図343は、従来のLED表示部をアドレス指定するために必要な要素の概略図を示している。各画素には色の異なる3つのLEDが含まれているが、簡単のために1つのカラータイプのみを示している。画素はアドレス可能な列と行に配置されている。ディスプレイは、1行1920画素×1020列の画素マトリクス1800を有している。画素マトリクスはモノリシックに組み立てられていた。このディスプレイは、複数の行ドライバ1802と複数の列ドライバ1803とを有しており、画素マトリクスの各画素を個別にアドレス指定する。いずれのタイプのドライバも、マトリクスに組み込んだり、インターフェースを介してマトリクスに結合された外部コンポーネントとして提供したりすることができる。組み合わせも可能である。
行ドライバ1812の各々は、個々のドライバデバイスを有しており、このドライバデバイスは、対応するリード線1805a,1805bに結合され、このリード線を介して電流を駆動する。同様に、各列ドライバはドライバ素子1813を有し、各ドライバ素子は、データ線1804a,1804bに接続されている。画素ドライバ1801は、行と列の交点に配置されている。画素ドライバ1801は、行と列とに接続され、関連する画素を駆動する。
このディスプレイは、外部コンポーネントからの制御信号およびアドレス信号を含んでおり、ここでは、そのうちの2つ、すなわちDATAとSYNCとについて説明する。後者の信号SYNCは、行ドライバと列ドライバとを相互に同期させるために使用され、アーティファクトを回避し、クリーンなプログラミングを実現するためのものである。対応する行をアドレス指定することで、その対応する行に関連する画素が選択される。次いで、DATA信号を対応する列に印加して、選択された行の各画素ドライバ1801をプログラミングする。
画素数の多いディスプレイの場合、従来の表示部プログラミング用のクロックでは、プログラミング信号の周波数が高くなってしまうことがある。例えば、図343のディスプレイでは、各サブ画素の色深度に応じて、1ビット・1行あたりのプログラミング周波数が数MHzの範囲になることがある。例えば、1024種類の照明値に対応する10ビットの輝度深度では、1080本のディスプレイ行および60Hzのフレームレートのプログラミング周波数は約66MHzとなる。
下の表は、プログラミング信号の周波数と、1ビット・1行あたりのプログラミング時間(単位:μs)を示している。色深度または照明深度が増加すると、プログラミングのためのPWM時間単位が増加し、したがってプログラミング周波数も増加する。
特にカラービット数または照明ビット数が多い場合(すなわち12ビットまたは14ビット)、プログラミング時間が非常に短くなるため、対応する行ドライバおよび列ドライバの負荷が高くなる。1つの画素が白から黒に変わったり、逆に黒から白に変わったりする極端なケースでは、列ドライバは数nsで画素を再プログラミング(リロード)しなければならない。比較のために、最先端のDDR4ラムは、約800MHz~1.5GHzの内部周波数で動作し、つまり、14ビットの照明深度のプログラミング周波数の範囲内で動作する。
プログラミング周波数を下げるために、メモリのときと同様にクロックの立ち上がりと立ち下がりのエッジを使用してプログラミングを行うことができる。ディスプレイをセグメント化して、表示マトリクスを分割することも可能である。製造技術に応じて、セグメント化することで、個々のセグメントを別個にテストし、そうして欠陥が発生した場合には交換することができる。
図344は、1920×1080画素のディスプレイを2×2マトリクスにセグメント化し、サブディスプレイとした一例を示している。各サブディスプレイ1800a~1800dは、960×540画素のマトリクスが含まれる。図343のディスプレイと同様に、各サブディスプレイは、固有の列ドライバおよび行ドライバ1802a~1802dおよび1803a~1803dを有している。DATA信号およびSYNC信号が、それぞれのセグメントに供給される。行数が少なくなると、それに応じてプログラミング周波数も減少する。図344のように列をさらにセグメント化することで、列ドライバの要求値が引き下げられ、プログラミングサイクルごとの負荷が軽減される。次の表は、1つのセグメントに108本のディスプレイ行がある場合(このようなセグメントは合計10個あり、同じくリフレッシュレートは60Hzである)のプログラミング時間およびプログラミング周波数の一例を示している。
表に示したように、セグメント化によって行数が減少することで、プログラミング時間およびプログラミング周波数の各要求値が、セグメント化の数のほぼ数分の1となる。各セグメントも同様の方法で実装されている。各画素マトリクス1800,1800a~1800dは、画素ドライバと発光デバイスとが配置された行と列とを含んでいる。
図345は、2T1C構造のように、ディスプレイのブランキング時間中にプログラムされた電荷によってLEDを流れる電流が制御される従来の画素ドライバの一例を示している。ドライバは、行線1805とデータ線1804との交点に配置されている。さらに、電源電圧VDDと電流IDACとを供給する供給線2002が、ドライバトランジスタ2003を介して発光デバイス2004に結合されている。このように、ドライバトランジスタ2003は、制御可能な電流源として動作する。ドライバトランジスタ2003を流れる電流は、1T1C構造2002によって制御される。特に、電界効果トランジスタM2は、そのゲートがプログラミングのための行セレクト線に接続され、スイッチとして機能する。
行セレクト線の「HIGH」信号によってアクティブにされると、トランジスタM1が閉じ、データ線1804はコンデンサC1を所望のレベルまで充電する。このプログラミング中は、供給線がオフになっていることから、発光デバイスは実質的にオフになっている場合がある。これにより、プログラミング中のさまざまなアーティファクトが防がれる。再プログラミング後は、トランジスタM2が再び開き、コンデンサに蓄えられた電荷が電流トランジスタM1を駆動することで、発光デバイスに電流が流れる。この電流は、蓄えられた電荷に対応しており、したがって所望の照明レベルにも対応している。
図346は、従来の列ドライバまたはデータドライバの回路図を示している。ドライバには、デジタル部とアナログ部とを有しており、対応するデータ線を駆動する。あるいはこの出力でデータ線用の専用ドライバを駆動することも可能である。GND、VDDおよびVSSの電流供給接続とは別に、更なる制御信号CLKおよびDIRが供給される。異なる色のデジタル値R、GおよびBが一時的な記憶用のバッファに記憶される。デジタル値は、レベルシフタで転送・処理され、デジタルアナログ変換器に供給される。DACは、別途生成された修正信号Vg-corを用いて一部の値を補正することができる。アナログ信号に変換された後、出力バッファに記憶され、次いで出力バッファに印加される。アナログrgb信号は、そのときデータ線に印加される。ここでは3本のデータ出力ラインしか示していないが、列データドライバは表示マトリクスのすべてのデータ線に信号を供給する。
図347は、従来の行ドライバの一例を示している。このドライバは、CLK信号とDIR信号とを受信するシフトレジスタを有し、レベルシフタを介して複数の論理ANDゲートに結合されている。ゲートはENABLE信号も受信し、これに応答して出力バッファの対応する出力がHIGHになる。動作中、シフトレジスタはCLK信号ごとにビットをシフトし、対応するゲートの1つにHIGH信号を選択的に印加する。ENABLE信号は、再プログラミング時に行選択をグローバルにアクティブにするために必要である。
図348は、半導体層スタックの可能な構成を一般的に示している。これは、図示していない基板上にエピタキシャル的に堆積されたn型ドープ層3を含んでいる。この型ドープ層に活性領域が隣接している。この領域は、量子井戸層3.1および3.2を有する多重量子井戸構造を含んでいる。多重量子井戸構造は、かかる上下に連続した複数の層を有することができ、これらの層はさらに、異なる材料系で形成されている。これに隣接してp型ドープ層2があり、これに電流拡散層1が続く。
拡張現実AR分野での応用に焦点を当てた、光の取り出し、コリメーションおよび案内を含む個々のμ-LED、モノリシックアレイ、画素アレイ、さらにはμ-ディスプレイの製造および作製のために既に提示している態様に加えて、これらの態様により使用分野がさらに広がる。かかる例は、オートモーティブ分野に見出すことができる。
図349~図351は、車両、特に自動車の例示的なコンポーネントとして、ブレーキライトとリアライトとを組み合わせた、μ-LEDアレイまたはμ-ディスプレイから形成される用途を示している。これに関して、アレイもしくはディスプレイとは、情報を提示すための従来の意味でのディスプレイではなく、発光面として理解されるべきである。図349は、このコンセプト案に従って、μ-LEDアレイを光源として有する複数の照明器具を備えた自動車の後方を概略的に示している。特に、図349には、左側のテールライト410および右側のテールライト420ならびにセンターハイマウントブレーキライト430が概略的に示されている。左側のテールライト410は、左側のテールライト410の異なる機能のために、空間的に分離された4つの領域411,412,413および414を有している。第1の領域411はリアライトとして、第2の領域412はブレーキライトとして、第3の領域413はバックライトとして、第4の領域414は方向指示ライトとして機能する。
右側のテールライト420は、左側のテールライト410と鏡面対称に形成されているため、同様に右側のテールライト420の異なる機能のために、空間的に分離された4つの領域421,422,423および424も有している。ここでも、第1の領域421はリアライトとして、第2の領域422はブレーキライトとして、第3の領域423はバックライトとして、第4の領域424は方向指示ライトとして機能する。
以下、左側のテールライト410を例にして、テールライト410,420の構造をより詳しく説明する。
図350は、左側のテールライト410の4つの領域411~414の概略的な平面図を示している。リアライト領域411は、第1のμ-LEDアレイ501を有している。第1のμ-LEDアレイ501は、第1のキャリア510上に行と列とに配置された複数のμ-LED511を有し、その動作時に赤色の光を発する。μ-LED511の画素密度と間隔とは、リアコンビネーションライト(RCL)の例について図3Bに示した表のリストに従って、少なくとも50PPIと最大でも0.5mmとの好ましい値を有している。例えば、第1のμ-LEDアレイ501は、75PPIの画素密度と0.33mmの画素ピッチとを有することができる。ブレーキライト領域412は、第2のμ-LEDアレイ502を有している。第2のμ-LEDアレイ502も同様に、第2のキャリア520上に行と列とに配置された複数のμ-LED521を有しており、動作時に赤色の光を発する。
第2のμ-LEDアレイ502のμ-LED521は、第1のμ-LEDアレイ501のμ-LED511と同一であってもよい。ただし、第2のμ-LEDアレイ502は、第1のμ-LEDアレイ501よりも画素密度が高く、画素ピッチが小さい。すなわち、第2のμ-LEDアレイ502のμ-LED521は、第1のキャリア510上の第1のμ-LEDアレイ501のμ-LED511よりも、第2のキャリア520上に高密度に配置されている。例えば、第2のμ-LEDアレイ502の画素密度は、100PPIの値を有し、画素ピッチは、例えば0.25mmである。μ-LED521の高密度な配置により、第2のμ-LEDアレイ502は、ブレーキライトとしての動作時に、リアライトとしての動作時の第1のμ-LEDアレイ501よりも大きな輝度を生成する。これにより、後続の道路利用者は、テールライト410のブレーキライト領域411とリアライト領域412とを区別することができる。さらに、リアライト動作時の第1のμ-LEDアレイ501のμ-LED511よりも、ブレーキライト動作時の第2のμ-LEDアレイ502のμ-LED521に高い電流を供給することで、リアライトと比較してブレーキライトの輝度をさらに高めることができる。
バックライト領域413は、第3のμ-LEDアレイ503を有している。第3のμ-LEDアレイ503は、第3のキャリア530上に行と列とに配置された複数のμ-LEDのトリプレット531を有しており、動作時に白色の光を発する。各トリプレット531は、3つのμ-LED531R,531G,531Bからなり、μ-LED531Rは赤色の光を、μ-LED531Gは緑色の光を、μ-LED531Bは青色の光を発し、μ-LED531R,531G,531Bの各トリプレット531がバックライト領域413の画素を形成し、バックライトの動作時に白色の光を発するようになっている。例えば、第3のμ-LEDアレイ503のキャリア530上のμ-LEDのトリプレット531の画素密度と間隔とは、画素密度が100PPIのときの値と、画素ピッチが0.25mmのときの値とを有している。
あるいはμ-LED531R,531G,531Bのトリプレット531の代わりに、青色の一次光を発するμ-LEDのみを使用してもよく、それぞれのμ-LEDは、一次光と二次光とからなる混合光が白色の光になるように、μ-LEDの青色の光を異なる波長の二次光に割合に応じて変換する波長変換材料でコーティングされている。構成によれば、トリプレットはモノリシックに製造されており、共有コンタクト接続を有することができる。かかる接続のための構成は、本願明細書に開示されている。同様に、各アレイの周囲に反射構造体を設けたり、さらにはトリプレットを設けたりすることで、より高い指向性を持たせることも考えられる。構成に応じて、コリメーション用のフォトニック構造体やレンズなどの構造体も企図され得る。
方向指示領域414は、第4のμ-LEDアレイ504を有している。第4のμ-LEDアレイ504は、第4のキャリア540上に行と列とに配置された複数のμ-LED541を有し、動作時にオレンジ色の光を発する。例えば、第4のμ-LEDアレイ504のキャリア540上のμ-LED541の画素密度と間隔とは、画素密度が100PPIのときの値と、画素ピッチが0.25mmのときの値とを有している。
テールライト410のすべての領域411~414の画素密度と画素ピッチとは、見る人もしくは後続の道路利用者が、μ-LEDアレイ501,502,503,504の個々のμ-LED511,521,531,541を解像できないように形成されている。そのため、光の均質化を確保するために、光散乱光学系、例えば光散乱カバーレンズの形をした光学系は必要でない。ただし、個々のμ-LED511,521,531,541は、例えば、μ-LEDが発する光の発散を抑えるために、それぞれ光学レンズ、特にマイクロレンズを有していてもよい。代替的または追加的に、μ-LEDアレイ501,502,403,504は、例えば、μ-LEDアレイ501,502,403,504が発する光束の発散を低減するため、または前述の光束の放出方向に影響を与えるために、それぞれ光学系を有していてもよい。
4つのμ-LEDアレイ501,502,503,504の4つのキャリア510,520,530,540は、例えば、プラグ接続によって、互いに機械的に接続されていてもよい。各キャリア510,520,530,540は、電気絶縁材料を有し、その上に配置されたμ-LED511,521,531および541にエネルギー供給するための導体トラック(図示せず)をそれぞれ有している。さらに、キャリア510,520,530,540を電気的に互いに接続して、4つのμ-LEDアレイ501,502,503,504すべてに共通のドライバ回路または駆動制御装置を提供してもよい。
第1のμ-LEDアレイ501のμ-LED511は、駆動制御装置およびドライバ回路によって一緒に駆動制御および動作され、つまり、一緒にオン/オフしたり、必要に応じて調光したりするだけである。第2のμ-LEDアレイ502のμ-LED521と第3のμ-LEDアレイ503のμ-LED531だけでなく、第4のμ-LEDアレイ504のμ-LED541にも同様の説明が当てはまる。
テールライト410は、自動車4の後方で車両本体40に組み込まれている。図351には、この状況を示す概略的な横断面図が示されている。図351は、車両本体40およびテールライト410の領域411,412の概略的な横断面図を示している。この横断面平面は、車両本体40の表面に対して鉛直方向に延びている。μ-LEDアレイ501,502,503,504は、車両本体40のその外側402にある凹部401に配置されており、μ-LEDアレイ501,502,503,504のキャリア510,520,530,540は、それぞれ凹部401内で車両本体40に当接して固定されている。凹部401には、透明なポッティング材料400が充填されており、μ-LEDアレイ501,502,503,504と車両本体40との間の任意の空間がポッティング材料400で満たされるようになっている。車両本体40の外側402とポッティング材料400の表面とがコヒーレントな共通の表面を形成するように、車両本体40の外側402はポッティング材料400でシームレスに閉じられており、テールライト410が車両本体40から目立たないようになっている。μ-LEDアレイ501,502,503,504のキャリア510,520,530,540は、着色されていてもよく、例えば、車両本体40と同じ色を有していてもよい。その結果、対応するμ-LED511,521,531,541がオフ状態になると、テールライト410の4つの領域は、車両本体40と同じ色に見えるようになる。さらに、キャリア510,520,530,540の表面は、テールライト410からうまく光を取り出すことができるように、光の反射率が高くてもよい。μ-LEDアレイ501,502,503,504は、前述の照明機能において、それぞれ少なくとも0.14Cd/m2の輝度を保証する。
代替的な構成形態では、リアライトおよびブレーキライトの領域411および412は、単一のユニットとして形成されていてもよい。例えば、画素密度が100PPIで、画素ピッチが0.25mmの共通のμ-LEDアレイが両用途で企図されていてもよい。例えば、ブレーキライト機能では、共通のμ-LEDアレイのすべてのμ-LEDをオンにすることができる。リアライト機能では、例えば、共通のμ-LEDアレイの半分のμ-LEDのみをオンにすることができ、例えば、μ-LEDを1つ置きにのみオンにすることができる。あるいはリアライト機能では、共通のμ-LEDアレイのすべてのμ-LEDを、輝度を下げた調光状態で動作させることも可能である。
図349および図352~図354は、センターハイマウントブレーキライト430の詳細を概略的に示している。センターハイマウントブレーキライト430は、例えば、自動車のリアウインドウパネル4000に組み込まれている。図352は、センターハイマウントブレーキライト430のμ-LEDアレイ701の概略的な平面図を示している。図353は、リアウインドウパネル4000とセンターハイマウントブレーキライトの横断面図を鉛直方向の横断面平面で示したものである。図354は、リアウインドウパネルパネル4000とセンターハイマウントブレーキライトの横断面図を水平方向の横断面平面で示したものである。センターハイマウントブレーキライト430は、キャリア710を有するμ-LEDアレイ701を持っており、キャリア710上にはμ-LED711が行と列とに配置されている。図3Bの表によれば、センターハイマウントブレーキライト「CHMSL」にμ-LEDアレイを使用したときの画素密度と画素ピッチは、少なくとも10PPIと、最大でも2.5mmの有利な値を有している。例えば、μ-LEDアレイ701の画素密度は100PPIの値を有し、画素ピッチは、例えば0.25mmである。その結果、センターハイマウントブレーキライト430は、例えば警告表示などの情報の表示にも追加で利用することができる。μ-LED711は、センターハイマウントブレーキライト430の動作中に赤色の光を発する。
μ-LEDアレイ701は、リアウインドウパネル4000の材料に完全に埋め込まれている。例えば、μ-LEDアレイ701は、リアウインドウパネル4000の2つのガラス層の間に配置されている。μ-LEDアレイ701のキャリア710は透明に形成されており、リアウインドウパネル4000の湾曲部に適合されているため、オフの状態では、センターハイマウントブレーキランプ430が透明になる。キャリア710上には、μ-LED711を電気的に接触させるための導体トラック(図示せず)が配置されている。さらに、μ-LEDアレイ701を電気的に接触させるための導体トラックがリアウインドウパネル4000に組み込まれている。導体トラックは、透明な材料、例えばITOからなり、金属性であり、人間の目には見えないほどの薄さをしている。μ-LEDアレイ701の輝度は、少なくとも0.14Cd/m2である。
あるいはセンターハイマウントブレーキライトは、自動車のルーフ領域のリアウインドウパネル4000の代わりに、車両本体に組み込まれていてもよく、この場合、μ-LEDアレイ701は、μ-LEDアレイ502と同様に形成されていてもよい。
画素密度が高いため、このセンターハイマウントブレーキライトを利用して、後続の道路利用者に警告などの情報を伝えることもできる。例えば、センターハイマウントブレーキライトは、加速度センサーを搭載した機器と連携し、車両の急激な急ブレーキの際に「緊急ブレーキ」という警告を表示すことができる。さらに、センターハイマウントブレーキライトは、後続の道路利用者との距離を検出し、車速に応じて、その距離が安全距離を下回った場合に対応する警告を表示する距離センサーを備えた機器と連携することもできる。
図355~図357に概略的に示す更なる構成例によれば、複数の、有利には複数のμ-LEDアレイが組み合わされて、自動車の外側に配置され、例えば、自動車のボディに組み込まれるディスプレイ1000を形成する。
図355は、車両本体にディスプレイ1000を埋め込んだ自動車の右側を概略的に示している。ディスプレイ1000は、行と列とに配置され、機械的および電気的に互いに接続された複数の同様のμ-LEDアレイ1100によって形成される。ディスプレイ1000は、例えば、図355に概略的に示すように、矩形の輪郭を有している。しかしながら、それ以外のどのような輪郭でも可能である。
各μ-LEDアレイ1100は、それぞれのμ-LEDアレイ1100の共通キャリア1110上に、μ-LED1101R,1101G,1101Bの複数のトリプレット1101が行と列とに配置されたものを有している。図356には、ディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100の概略的な平面図が示されている。μ-LEDアレイ1100の各画素は、μ-LED1101R,1101G,1101Bのトリプレット1101によって形成されている。このように、μ-LEDアレイ1100の各画素は、赤色の光を発するμ-LED1101R、緑色の光を発するμ-LED1101Gおよび青色の光を発するμ-LED1101Bを含んでいる。μ-LEDアレイ1100のキャリア1110上には、μ-LED1101R,1101G,1101Bのトリプレット1101が行と列とに配置されている。
キャリア1110は、電気絶縁材料を有し、μ-LED1101R,1101G,1101Bのための電気的コンタクト(図示せず)と、μ-LED1101R,1101G,1101Bに電力を供給して駆動制御するための導体トラック(図示せず)を有している。さらに、μ-LED1101R,1101G,1101Bを動作させるための電子部品が、キャリア1110上またはキャリア1110内に配置されていてもよい。例えば、キャリア1110は、4つのサイドエッジ1111,1112,1113および1114を有する矩形の輪郭を持っている。各サイドエッジ1111,1112,1113,1114には、突出部1121,1122,1123,1124と、凹部1131,1132,1133,1134が、キャリア1110の中心線に対して鏡面対称に配置されており、μ-LEDアレイ1100のキャリア1110の突出部1121が、隣り合うμ-LEDアレイ1100のキャリア1110の凹部1134に収まるようになっている。図356に概略的に示すように、キャリア1110のサイドエッジ1111,1112,1113,1114に沿った突出部1121,1122,1123,1124および凹部1131,1132,1133,1134の配置により、μ-LEDアレイ1100のキャリア1110をシームレスに組み立てて、ディスプレイ1000を形成することができる。突出部1121,1122,1123,1124および凹部1131,1132,1133,1134は、機械的接続に加えて、ディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100間の電気的な接続を可能にし得る。
図357には、車両本体10000およびディスプレイ1000の概略的な横断面図が鉛直方向に延びる横断面平面で示されている。ディスプレイ1000は、車両本体10000の外側の凹部1501に配置されている。ディスプレイ1000は、車両本体10000の輪郭に合わせている。ディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100,1100’のキャリア1110,1110’は、車両本体の凹部10001に収まっている。ディスプレイ1000の隣り合うμ-LEDアレイ1100,1100’のキャリア1110、1110’は、図357に例示的かつ概略的に示すように、ディスプレイ1000を車両本体10000の輪郭に合わせる目的で、0度もしくは180度とは異なる角度を互いに形成することができる。
μ-LEDアレイ1100,1100’およびそれらのキャリア1110,1110’のそれぞれの寸法は、例えば、ディスプレイ1000を車両本体10000の輪郭にうまく合わせるために、異なっていてもよい。特に、ディスプレイ1000で覆われた車両本体10000の湾曲した領域には、ディスプレイ1000で覆われた車両本体10000の湾曲していない領域よりも、寸法の小さいμ-LEDアレイ1100,1100’もしくはμ-LEDアレイ1100,1100’のキャリア1110,1110’が設けられていてもよい。ディスプレイ1000と車両本体10000との間の凹部10001に隙間がある場合は、透明なポッティング材料10002で埋められていてもよい。
車両本体10000の外側とポッティング材料10002の表面とがコヒーレントな共通の表面を形成するように、車両本体10000の外側はポッティング材料10002でシームレスに閉じられており、ディスプレイ1000が車両本体10000から目立たないようになっている。μ-LEDアレイ1100,1100’のμ-LEDトリプレット1101,1101’は、例えば、うまく光を取り出することができるように、マイクロ光学系(図示せず)を含んでいてもよい。ディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100,1100’のキャリア1110,1110’は、着色されていてもよく、例えば、車両本体10000と同じ色を有していてもよい。その結果、ディスプレイ1000は、オフ状態になると、車両本体10000と同じ色に見えるようになる。ディスプレイ1000は、ディスプレイ1000を駆動制御するための駆動制御装置(図示せず)と、ディスプレイ1000にエネルギーを供給するための操作装置(図示せず)とに接続されており、駆動制御装置は、自動車のオンボードコンピュータの一部とすることができ、操作装置を使って、自動車のオンボード電源からディスプレイ1000にエネルギーが供給される。
駆動制御装置は、ディスプレイ1000の個々のμ-LEDアレイ1100,1100’またはμ-LEDアレイ1100もしくは1100’の個々のμ-LEDも別個に制御することができるように構成されており、そのためディスプレイ1000のスクリーン領域全体またはディスプレイ1000のスクリーン領域の選択可能な部分領域のみが利用可能となる。ディスプレイ1000の操作は、ユーザーが操作モジュール(図示せず)を使って行われ、このモジュールは、例えば自動車の車内に配置され、例えば自動車のセンターコンソールに組み込まれている。代替的または追加的に、ディスプレイ1000の操作は、例えば、スマートフォンと対応するスマートフォンアプリとを用いることが企図されていてもよい。
図3Bに示した表のリストによれば、「解像度が良い屋外広告」という用途には、少なくとも100PPIの画素密度と最大でも0.25mmの画素ピッチが適している。「装飾用ディスプレイ」という用途では、50PPI以上の画素密度と最大でも0.5mmの画素ピッチが適している。「歩行者用通信」という用途では、25PPI以上の画素密度と最大でも1.0mmの画素ピッチが適している。同様に、「屋外広告」という用途では、少なくとも25PPI以上の画素密度と最大でも1.0mmの画素ピッチが適している。μ-LEDアレイ1100,1100’ひいてはディスプレイ1000全体の画素密度は、上記4つの用途のすべてにディスプレイ1000を使用できるように、例えば150PPIであり、画素ピッチは、例えば0.17mmである。こうして、約0.5m~20mの範囲の距離でディスプレイ1000を見る人のために、高解像度のディスプレイ1000が保証される。この距離で見る人は、ディスプレイ1000の個々の画素1101,1101’を肉眼で見分けることができない。
例えば、自動車のオンボードコンピュータの一部であってもよい駆動制御装置(図示せず)と、μ-LEDアレイ1100,1100’もしくはμ-LED1101R,1101G,1101Bを操作するための操作装置とを用いて、ディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100,1100’の全部またはμ-LEDアレイの一部のみを駆動制御することにより、ディスプレイ1000の画面全体またはディスプレイ1000の画面の一部のみを、例えば、装飾目的で使用することができる。例えば、選択されたいくつかのμ-LEDアレイ1100,1100’の個々のμ-LED1101R,1101G,1101Bは、例えば自動車のオンボードコンピュータの一部であってもよい駆動制御装置(図示せず)によって駆動制御・操作され、車両本体10000に所望の照明デザインを与えることができる。
例えば、操作モジュールによって、ユーザーは、例えばデータメモリに記憶された利用可能なデザインのストックから所望のデザインを選択することができ、このデザインは、当該デザインを生成するために必要なディスプレイ1000のμ-LEDアレイ1100,1100’の一部または全部のμ-LED1101R,1101G,1101Bを駆動制御する駆動装置によって生成される。例えば、ディスプレイ1000の1つの列1200に配置されたμ-LEDアレイ1100のμ-LED1101Bを、駆動装置を用いてオンにし、車両本体10000に青色の発光トリムを生成することができる。特に、データメモリは、例えば、駆動制御装置またはオンボードコンピュータの一部であるか、またはインターネット接続を介して利用可能であり、自動車のユーザーが操作モジュールを用いて選択することができる多数のデザインを記憶することができ、これらのデザインは、駆動制御装置によってプログラミング制御して選択されるディスプレイ1000のいくつかのμ-LEDアレイ1100,1100’によって車両本体1500の外側に生成することができる。あるいはディスプレイ1000のすべてのμ-LEDアレイ1100,1100’を駆動制御して、例えば、車両本体10000にパノラマ画像などを表示してもよい。さらに、データメモリはインターネット接続を介して更新可能であり、例えば、利用可能なデザインのストックに追加したり、更新したりすることができる。
例えば、自動車のオンボードコンピュータの一部であってもよい駆動制御装置(図示せず)を用いて、μ-LEDアレイ1100,1100’の全部またはディスプレイ1000のμ-LEDアレイの一部のみの制御することにより、ディスプレイ1000の画面全体またはディスプレイ1000の画面の一部のみを広告目的に使用することができる。例えば、ディスプレイ1000を用いて広告フィルムを表示したり、静止した広告ポスターまたはアニメーションの広告ポスターのみを表示したりすることもできる。広告フィルムまたは広告ポスターは、例えば、操作モジュールを使ってユーザーが選択し、駆動制御デバイスまたはオンボードコンピュータを用いて再生することもできるし、ソフトウェア制御の下でデータメモリから読み出して再生することもできる。データメモリは、駆動制御装置またはオンボードコンピュータの一部であってもよく、または例えばインターネット接続を介して駆動制御装置またはオンボードコンピュータに接続し、例えば、広告コンテンツのダウンロードや更新を行うことができる。他の道路利用者とのコミュニケーションのために、上でより詳細に説明したディスプレイ1000に準拠したディスプレイが、自動車の前方領域および/または後方領域に配置される。例えば、上で詳しく説明したディスプレイ1000による表示は、例えば歩行者とのコミュニケーションを可能にするために、自動車のヘッドライトの間の前方領域やボンネットに配置される。代替的または追加的に、上で詳細に説明したディスプレイ1000に従ったディスプレイが、例えば後続の道路利用者とのコミュニケーションを可能にするために、自動車の後方領域に配置されていてもよい。
特に、自動車の前方領域に配置された、上でより詳細に説明したディスプレイ1000に準拠したディスプレイは、追加でセンサーまたは検出器を有していてもよく、これらは、例えば、μ-LEDトリプレット1101の間の隙間にあるμ-LEDアレイ1100のキャリア1110上に配置されており、例えば、自動車のオンボードコンピュータと連携して交通状況を監視する役割を果たし、そうすることで、例えば、横断歩道や、それを利用したい歩行者の存在を検出することができるようになる。この場合、例えば、自動車の前方領域にあるディスプレイ1000と、ディスプレイ用の駆動制御装置やオンボードコンピュータとを用いて、歩行者に対して、自律走行する自動車または自動車の運転者によって歩行者の存在が認識されたか否かや、自動車が横断歩道で停止するか否かを示す表示を行うことができる。
自動車の前方領域に配置されたディスプレイが、他の道路利用者とのコミュニケーションや装飾目的のためだけに使用される場合、そのディスプレイは、自動車の側方に配置されたディスプレイ1000よりも低い画素密度と大きな画素ピッチとを有することができる。例えば、自動車の前方領域に配置されたディスプレイの画素密度は50PPIで、画素ピッチは0.5mmでなり得る。
上述のディスプレイ1000に準拠して形成されている、自動車の後方領域に配置されたディスプレイも同様に、追加でセンサーまたは検出器を有していてもよく、これらは、例えば、μ-LEDトリプレット1101の間の隙間にあるμ-LEDアレイ1100のキャリア1110上に配置されており、例えば、自動車のオンボードコンピュータと連携して交通状況を監視する役割を果たし、例えば、後続の道路利用者に危険を警告する。例えば、安全距離の不足や道路上の障害物などに注意を促すことが可能である。自動車の後方領域に配置されたディスプレイが、他の道路利用者とのコミュニケーションや装飾目的のためだけに使用される場合、ディスプレイは、自動車の側方に配置されたディスプレイ1000よりも低い画素密度と大きな画素ピッチとを有することができる。例えば、自動車の後方領域に配置されたディスプレイの画素密度は50PPIであり、画素ピッチは0.5mmであり得る。
さらに、上述のディスプレイ1000に準拠したディスプレイは、自動車の前方領域および後方領域の両方に配置することができ、これらのディスプレイは、追加でセンサーおよび検出器を有していてもよく、自動車のオンボードコンピュータと連携して交通状況を監視する役割を果たす。これらのディスプレイを使って、例えば、シグナルやコード化された光信号などの情報を車両から車両へと伝達することができる。有利には、このために自動車の前方領域および後方領域に配置されたディスプレイは、赤外線を発するμ-LEDを備えたμ-LEDアレイをさらに含むことができ、これにより、例えば、人間である見る人には見えないコード化された赤外線信号を用いて車両間の通信が可能になる。
図358は、本発明の使用例を概略的に示している。図358は、人を輸送するのに適した車両1300の内部を示している。車両1300の上部領域には、車両ルーフ1301が形成されている。ヘッドライナー1302を含む出力装置が、車両ルーフ内に配置されている。
一構成例の態様によれば、ヘッドライナーは、少なくとも部分的に車両ルーフ上に広がっている。図358の一構成例によれば、ヘッドライナー1302は、車内のフロント領域だけでなくリア領域にも張り出しており、後方座席のベンチ(図示せず)を越えて前方座席まで、すなわち、運転席1303だけでなく、助手席1304も越えて広がっている。ヘッドライナー1302から発せられる光は、少なくとも部分的に、車両の内部、特に車両内の座席を照らし出す。ヘッドライナー1302のサイズは、通常、約70×40cmの最小サイズおよび約200×180cmの最大サイズを有することができる。
これらのサイズは、車両のサイズ、特に車両ルーフのサイズによって異なり得る。ヘッドライナーの典型的な解像度は、通常、50PPI以上もしくは508PP以下([μm])であり得、ほぼ中程度の解像度に相当する(これに関して図3Bも参照)。
ヘッドライナー1302は、図358には示されている駆動制御装置を介して記録装置に接続されている。ヘッドライナー1302は、記録装置により調節可能である。ヘッドライナー1302は、車内の視覚的雰囲気を調節するのに適している。この場合、所望の効果および視覚的な雰囲気を記録装置で指定することができる。
ヘッドライナー1302は、車内に光を照射することで、車内を明るくすることに適している。この照明は、可視光や非可視光によって影響を受けたり調節されたりすることで、車両内の雰囲気に影響を与える。一般的に、波長の異なる可視光は人間の知覚に与える影響も異なることが知られている。例えば、青色成分の多い光は、その光を浴びた人の集中力を高め、注意力を高める効果がある。反対に、落ち着いた光や赤みを帯びた光は、その光を浴びた人がリラックスしやすくなる。
図358に示すヘッドライナー1302の構成例では、ヘッドライナーはディスプレイとして形成されている。ディスプレイは、平面的、すなわち平坦に形成されていてもよい。あるいはディスプレイは、例えば、車両ルーフの形を再現した自由な形状で、ルーフにぴったりとフィットするようになっていてもよい。図示しない構成例では、ヘッドライナー1302自体が車両ルーフを形成している。更なる態様によれば、ヘッドライナー1302は透明に形成されている。そのため、車内にいる人は車外に目を向けて空を見上げることができる。言い換えれば、外から車内に光が差し込むことができる。
図示されていない構成例によれば、車両ルーフは内側から材料で覆われていてもよい。一構成例の態様によれば、μ-LEDは材料に組み込まれていてもよい。材料は、革やその他の孔を有する材料を含んでいてもよい。この場合、μ-LEDは、材料の細孔内に配置されていてもよい。材料は、布地(経編物および/または緯編物とも呼ばれる)を含んでいてもよい。一構成例の態様によれば、μ-LEDは、布地を形成するループ内に配置されていてもよい。一構成例の態様によれば、μ-LEDは車両ルーフ全体に分布していてもよい。一構成例の態様によれば、μ-LEDは、車内領域全体に分布していてもよい。一構成例の態様によれば、μ-LEDは車内領域全体にメッシュ状に分布していてもよい。
センターコンソールは、各種パラメーターを設定するための中心的な操作素子として機能し得る。通常、車両のダッシュボード上に配置され、運転席と助手席の間を視覚的に行き来することができる。上記の調整可能なパラメーターの例としては、車両のサスペンションの設定および/または空調システムもしくは自動気候制御の設定を挙げることができる。
図359は、車両1403内のセンターコンソール1401の一構成例を示している。センターコンソール1401は、ダッシュボード1402上に配置されていてもよい。図359は、特に車両のフロント領域を表している。ハンドル1404と、運転席フットウェル1407を含めたシート1405(運転席側)とを概略的に示している。センターコンソールは、本構成例によれば、複数のμ-LEDもしくはμ-LEDアレイを有するディスプレイ1406を含んでいてもよい。ディスプレイ1406は、グラフィカルインターフェースを表示するように構成されていてもよい。図359に示す構成例によれば、センターコンソール1401は、ハンドル1404の高さに位置している。一構成例の態様によれば、センターコンソールは、ダッシュボード全体に広がっていてもよい。特に、センターコンソールのグラフィカルインターフェースを表示する領域は、少なくとも部分的にあるいは完全にダッシュボードを横切っていてもよい。
ディスプレイの典型的なサイズは、少なくとも12×9cm、最大で40×25cmであり得る。解像度は、少なくとも200PPI以上もしくは127PP[μm]以下であり得る。通常、運転者はディスプレイから約40~70cm離れているため、上記の解像度では個々のμ-LEDを見分けられない場合がある。
一構成例の態様によれば、情報を記録するのに適した1つ以上のセンサーを記録装置に配置してもよい。一構成例の態様によれば、記録装置、特にセンサーは、μ-LEDの間に配置されていてもよい。情報には、例えば、非接触ジェスチャー、センターコンソールへの機械的な圧力、センターコンソールへのタッチおよびジェスチャー、周囲の光量、温度、湿度および/または車内のその他のパラメーターが含まれ得る。一構成例の態様によれば、μ-LEDは、ダッシュボード上に直接施与/配置されていてもよい。
車両/自動車のAピラー、Bピラー、CピラーおよびDピラーは、車両ルーフと車両フロアとを接続するように配置されることができる。図360は、運転者の視点から見た車両内部の概略図および部分図を示している。図360は、ハンドル1501、Aピラー1502、フロントガラス1503およびサイドガラス1505を備えたサイドドア1504を示している。Aピラー1502は、少なくとも視覚的にフロントガラス1503とサイドガラス1505とを分離している。
Aピラー1502には、ディスプレイ1506の形をした出力装置が配置されている。ディスプレイ1506は、図示していない駆動制御システムを介して、カメラ1507の形をした記録装置に接続されている。カメラは車外に配置され、車両の後方領域からの信号および画像を記録するような向きになっている。信号および画像が駆動制御システムで処理された後、これらはディスプレイ1506に表示される。このようにして、車両の後方領域をディスプレイ1506に表示すことができる。有利には、車両の外部ミラーをカメラ表示システムで置き換えることができる。
外部ミラー代用システムは、典型的には、少なくとも12×8cmか最大20×15lのサイズを有し得る。解像度は200PPI以上もしくは127PP以下[μm]であり得る。ディスプレイ1506は、μ-LEDまたはμ-LEDアレイを含んでおり、画像表示に適したものであり得る。一構成例の態様によれば、ディスプレイ1506は、Aピラー1502の形状に合わせた形状を有していてもよい。
一構成例の態様によれば、画像ディスプレイは、バックミラーの代わりを再現するために表示する役割も果たすことができる。このため、記録装置は制御装置を介して出力装置に接続されており、この出力装置は、通常、車両のバックミラーが配置されている領域に配置されていてもよい。
バックミラーの代わりとなる出力装置は、少なくとも15×10cmないし最大で30×15cmのサイズであり得る。解像度は250PPI以上もしくは102PP[μm]以下であり得る。
図361は、本コンセプトの別の態様を概略的に示している。この図は、運転者から見た車内の様子を示している。図361は、1601のフロントガラスと、サイドガラス1602と、少なくとも視覚的にフロントガラス1601をサイドガラス1602から分離するAピラー1603とを示しいてる。さらに背景には人物1604が見える。
従来の自動車のピラーは、運転者の視界のかなりの部分を遮っていた。このピラーの後ろには、運転者が普段見ることのできない、いわゆる死角がある。そのため、死角に入った人物や対象は運転者の目には映らず、潜在的な危険を孕んでいる。
本コンセプトの一態様によれば、出力デバイスは、少なくとも部分的にAピラー上に延在している。本発明の一構成例の態様によれば、出力装置は、Bピラー、Cピラーおよび/またはDピラーの上に少なくとも部分的に延在している。図361からの構成例によれば、出力装置はAピラー1603に組み込まれている。出力装置は、Aピラー、Bピラー、Cピラーおよび/またはDピラーを含んでいてもよい。一構成例の態様によれば、出力装置は、車両ピラーに対応する形状を有するキャリア上に配置されたμ-LEDもしくはμ-LEDアレイを含んでいる。一構成例の態様によれば、μ-LEDもしくはμ-LEDアレイは、ピラー自体に配置されていてもよい。
一構成例の態様によれば、ピラーAに設けられた出力装置は、運転者の視点から見て、該当するピラーによって隠されている領域に対応する画像を表示する。
図362は、車両ドア1702の内側に配置されたステータスディスプレイ1701を示している。このステータスディスプレイ1701は、車両情報を所定の方法で表示すように設定されている。このためにディスプレイは、この例では、車両ドア1702の輪郭に適合したキャリア上に配置されたμ-LEDもしくはμ-LEDアレイを含んでいる。一構成例の態様によれば、ステータスディスプレイは、車両内の任意の場所に配置することができる。このようなディスプレイの典型的なサイズは、約1×0.5cmないし最大6×6cmであり得る。解像度は200PPI以上もしくは127PP[μm]以下でありうる。
動作中に紫外線を発するμ-LEDを備えたμ-LEDアレイは、例えば、液体、特に水を殺菌するために使用することができる。特に、「スマートダスト」の項目に記載されている、μ-LEDアレイを含む構造ユニットは、カプセル化されているため、環境の影響から保護され、有利には液体の殺菌に使用することができる。
動作時に有色または白色の光を発するμ-LEDを備えたμ-LEDアレイは、例えば、照明効果もしくはデザイン効果を得るために、または光によって情報を提示もしくは表示すために、テキスタイルに埋め込んだり、織り込んだりすることができる。特に、「スマートダスト」の項目に記載されている、μ-LEDアレイを含む構造ユニットは、カプセル化されているため、環境の影響から保護され、有利にはテキスタイル製品に使用することができる。
μ-LEDアレイは、μ-LEDを動作させるための動作回路と一体となって形成されていてもよい。動作回路は、集積回路(IC)を含んでいてもよい。集積回路は、プログラミング可能な集積回路またはプログラム制御された集積回路であってもよい。さらに、μ-LEDアレイは、同様の機能または異なる機能を有する1つ以上の微細なセンサーを有していてもよく、当該センサーは無線で通信する。例えば、前述のセンサーからのデータは、分析のために外部デバイス、すなわちμ-LEDアレイの外部に配置されたデバイスに無線で送信されてもよい。代替的または追加的に、前述のセンサーからのデータをμ-LEDアレイの集積回路が内部で評価し、μ-LEDの制御に利用することも可能である。さらに、μ-LEDアレイは、μ-LEDアレイのμ-LEDにエネルギーを供給し、場合によっては、前述の微細なセンサーにもエネルギーを供給するためのエネルギー貯蔵媒体を含んでいてもよい。エネルギー貯蔵媒体は、誘導的に充電可能なように形成されていてもよい。エネルギー貯蔵媒体と前述のセンサーとは、μ-LEDアレイのμ-LEDと共通のキャリア上に配置されていてもよい。
前述のμ-LEDまたはμ-LEDアレイを含む構造ユニットは、それぞれ微視的に小さく形成されている。これらの構造ユニットの各空間方向における寸法は、有利には1ミリメートル以下である。これらの構造ユニットは、固有のエネルギー貯蔵媒体を有しているので、実質的に自律型であり、気密または水密のケーシングまたはカプセルが備わっていてもよい。エネルギー貯蔵媒体は、必要に応じて、外部エネルギー源との誘導結合によって再充電されることができる。本項に記載される構造ユニットは、スマートダスト発光体とも呼ばれる。
ここで示している使用例、特に自動車では、曲面、または少なくとも非平面と直線の表面が部分的に必要である。そのため、本出願で開示されている製造技術や構造素子もしくは構造体を用いて、曲面の表示デバイスを作り出すことが好都合であると思われる。
図363には、表示デバイスの第1の構成例が断面図で示されている。表示デバイスは、例えばプラスチック製またはガラス製または金属製のキャリア1を含み、正面10と背面11とを備えている。開口部12はキャリア1を貫通しており、前面10には2つの表示セグメント2が施与されている。表示セグメント2は、それぞれの場合において、複数の光電子構造素子25が配置された基板20を含んでいる。光電子構造素子25は、それぞれの場合において、μ-LEDもしくはμ-LEDアレイまたはμ-LEDを備えたモジュールであり、動作時に互いに個別に独立して駆動制御することができ、可視スペクトル範囲の光線を発する。μ-LEDもしくはμ-LEDアレイまたはμ-LEDを備えたモジュールは、画素単位で配置されている。この例では、各画素は、動作時に異なる色を発する3つのサブ画素を含んでいる。
表示セグメント2の基板20は、それぞれの場合において、結合層21と電気絶縁層22とを含む。光電子構造素子25は、結合層21に電気的に接続されている。電気絶縁層22は、結合層21とキャリア1との間に配置されている。電気絶縁層22は、例えば、ポリイミドなどの有機材料からなる。特に、電気絶縁層22は、単一コヒーレントに形成されており、中断部またはスルーホールビアがない。そのため、基板20は、それぞれの場合において、片面のみ、すなわち結合層21の領域に電気リード線が設けられている。結合層21に面していない電気絶縁層22の側と、キャリア1と電気絶縁層22との間には、電気リード線は設けられていない。
図363からは、キャリア1の正面10が湾曲していることがわかる。表示セグメント2は、フレキシブルまたは折り曲げ可能に構成されており、正面では素材結合の関係にある。左側の表示セグメント2は、キャリア1の開口部12を貫通しているタブ23を含んでいる。タブ23は、キャリア1の背面11から表示セグメント2が電気的に接触可能な電気リード線3を形成している。この例では、タブ23の背面11から突出した部分が、フレキシブルプリント回路コネクタまたはゼロインジェクションフォースコネクタ(Zero-Injection-Force-Stecker)などのコネクタ4に挿入され、このようにして電気的に接続される。
図364Aおよび図364Bは、表示セグメント2の一構成例を断面図および平面図で示している。ここでも、表示セグメント2は、フレキシブルまたは折り曲げ可能に構成されていてもよい。この例では、2つの光電子構造素子25と、1つの電子部品26、例えばICチップとが表示セグメント2上に配置されている。かかる表示セグメント2は、本発明の表示デバイスに用いることができる。
図365は、キャリア1の開口部12がキャリア1を浅い角度で貫通して延びている表示デバイスの第2の構成例を示している。したがって、キャリア1を通過する際に、基板20のタブ23をそれほど曲げる必要がない。
図366は、開口部12の領域のキャリア1の正面に、充填材料13、例えばシリコンが配置されている表示デバイスの第3の構成例を示している。これにより、開口部に起因する表示デバイスの外観の乱れを修正することができる。さらに、連続的な光線吸収層14、例えば黒色の層が表示セグメント2に施与され、光電子構造素子の領域のみが露出している。これにより、表示デバイスのコントラスト比を高めることができる。
図367は、第3の構成例とは対照的に、表示セグメント2に連続した反射防止層15が施与されている第4の構成例を示している。この層15は、周囲の光の散乱を引き起こし、吸収層14または光電子構造素子25が周囲の光を反射する場合に特に好都合である。
図368は、表示セグメント2に反射層16が施与されている表示デバイスの第5の構成例を示している。反射層16上には、例えば、λ/4板状シートと一緒に偏光シートを含んでいる機能性層が施与されている。周囲の光が、偏光シートで直線偏光され、λ/4板状シートで円偏光され、反射層16で反射され、ここで、循環方向が回転される。再び偏光シートに到達すると、偏光方向が90°回転し、光が吸収される。このようにして反射防止膜も得られる。
図369は、背面11の基板20のタブ23がキャリア1の開口部12から突出しており、特に、このタブ23の突出部分にさらに能動的または受動的な電子部品26が施与されている表示デバイスの第6の構成例を示している。
図370は、表示デバイスの第7の構成例を示している。ここでは、これまでの構成例とは異なり、基板20の一部が開口部2に導かれることはない。むしろ、表示セグメント2の一部が開口部12を覆うように、表示セグメント2が基板1に施与されている。この領域では、電気絶縁層22の一部が除去され、基板20の結合層21にアクセスできるようになっている。表示セグメント2は、金属層の形をした電気リード線3を介して背面11から、特に、ここでもプラグ4を介して電気的に接触している。好ましくは、金属層の形をした電気リード線3とキャリア1との間にも絶縁層が配置されている。
図371A~図371Kは、各種表示セグメント2の構成例を平面図で示している。わかりやすくするために、光電子構造素子は示していない。しかしながら、長方形の破線のボックスは、例えば、異なる画素またはピクセルを実現するために、光電子構造素子がどのような規則的なパターンで配置されていればよいかを示している。破線は、タブ23をキャリアの開口部に通すために、表示セグメント2を折り曲げたり、折り目をつけたりすることができる折り線を示している。タブ23は、プラグにプラグイン接続するための接続ピン230を部分的に含んでいる。
図371A~図371Kの各種構成では、タブなどの特徴に関してさまざまな態様が図示されている。図371Aでは、タブ23は、表示セグメント2の片側のみに配置されている。図371Bに示す構成では、タブ23は、キャリアのより狭い開口部を可能にするために収縮されている。
図371Cでは、タブ23は、キャリアの狭い開口部を可能にするため、または隣り合う表示セグメントの複数の開口部を可能にするために必要な幅だけ有している。図371Dの説明では、タブ23が表示セグメント2の片側中央に配置されていることがわかる。図371Eでは、能動的または受動的な電子部品26が表示セグメント2上に配置されている。
図371Fに示す構成では、タブ23は、表示セグメント2のすべての側面にある。図371Gでは、タブ23は、表示セグメント2の対向する2つの態様にのみある。図371Hでは、表示セグメント2は、台形の形状を有しているが、図371Iでは、表示セグメント2は、六角形の形状を有している。図371Jでは、表示セグメント2は、自由な形状を有しており、図371Kでは、表示セグメント2は三角形である。
図372Aおよび図372Bは、キャリア1の構成例を示しており、それぞれキャリア1の正面を平面図で示したものである。それぞれの場合において、キャリア1の正面が湾曲していることがわかる。黒色で縁取られたボックスは、それぞれの場合において、表示セグメント2を配置することができる領域を示している。ここで、各表示セグメント2に、キャリア1の開口部12を一義的に割り当てることができる。図372Aでは、上の行の開口部12が不連続になっている。図372Bでは、施与される表示セグメントの最上段の行の開口部12が、1行下の表示セグメントの開口部12と同じ高さに配置されていることにより、これを回避している。
図373A~図373Dは、表示デバイスを製造するための一構成におけるさまざまな位置を示している。図373Aの位置では、まず表示セグメント2が製造される。このために、結合層21と、コヒーレントな電気絶縁層22とを有する基板20が提供される。基板は、例えば、TFTプロセスで製造される。基板の処理のためにまず、補助キャリア5、例えばガラスキャリア5に施与される。次に、基板の上面に、光電子構造素子25と電子部品26とが、例えば並行した実装プロセスで施与され、結合層21によって互いに電気的に接続される(図373Bを参照)。構造素子25と構成部品26とを施与し、電気的に接続するために、例えば、AC(異方性誘電フィルム)ペーストが使用される。図373Cの位置で、補助キャリア5は最終的に引き離される。自立型の表示セグメント2は残り続ける。この表示2セグメントは、引き続き、キャリア上でその意図した領域に配置、例えば接着される(図373Dを参照)。この場合、例えば、表示セグメント2のタブがキャリア1の開口部12に挿入される。
以下では、例示的な主題として、さまざまなデバイスおよび配置構造、ならびに製造、処理および操作する方法が再度記載される。以下の主題は、提案された原理とコンセプトのさまざまな態様と構成を提示しており、これらはさまざまな方法で組み合わせることができる。このような組み合わせは、以下で示すものに限定されない。
1.発光デバイスは、
- 上側主表面と、上記上側主表面から間隔を空けて分離されている下側主表面とを有する導電性構造体と、
- 上記導電性構造体の中に設けられた、幅と長さとを有するキャビティと、
- 第1の主方向に沿った、上記キャビティ内に配置されかつ少なくとも上記上側主表面を超えて延在する半導体層スタックと
を含み、上記半導体層スタックは、
・ 活性層と、
・ 第1の電気的コンタクトと、
・ 第2の電気的コンタクトと
を有し、
- 上記キャビティの長さは、実質的に動作中に放出された光の波長のn/2に基づいており、nは自然数である、発光デバイス。
2.上記半導体層スタックの上記活性領域が、上記キャビティ内の上記上側主表面と上記下側主表面との間に配置されている、主題1記載の発光デバイス。
3.上記半導体層スタックが、実質的に上記キャビティの中央に配置されており、特にその中心はキャビティ長さの約半分となっている、主題1または2記載の発光デバイス。
4.上記第2の電気的コンタクトが、上記導電性構造体の下側主表面を超えて延在している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
5.上記第2のコンタクトがn型コンタクトであり、上記第1のコンタクトがp型コンタクトである、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
6.上記半導体層スタックが、上記活性領域内にその基底面の直径を有し、上記直径は動作時に放出される波長よりも小さい、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
7.上記半導体層スタックがナノワイヤ発光デバイスを形成している、主題6記載の発光デバイス。
8.上記半導体層スタックが、対向する少なくとも2つの側面に反射層を含むか、または上記対向する少なくとも2つの側面が、上記キャビティの長辺の反射領域に対向している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
9.上記キャビティが、上記下側主表面に隣り合う側で部分的に閉じられ、上記導電性構造体内に切欠き部を形成している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
10.上記キャビティが穴を有し、上記穴を通って上記半導体層スタックが延在している、主題9記載の発光デバイス。
11.上記半導体層スタックが上記キャビティ内で絶縁されており、上記半導体層スタックの一部と上記導電性構造体との間の空間には、以下の少なくとも1つが充填されている、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス:
- 空気または他の絶縁ガス;および
- 絶縁材料。
12.上記半導体層スタックが、その側壁に施与されたパッシベーションを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス:
13.上記半導体層スタックが上記下側主表面の下に延在している、主題1から12までのいずれか1つ記載の発光デバイス。
14.上記半導体層スタックが実質的に長方形の基底面を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
15.上記半導体層スタックの上記活性領域が量子井戸構造を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
16.さらに、
- 少なくとも上記導電性構造体の上記上側主表面に施与された透明な絶縁層と、
- 上記透明な絶縁層上に施与されかつ上記第1の電気的コンタクトと電気的に接触しているコンタクト層と
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
17.上記透明な絶縁層が上記下側主表面を覆い、この絶縁層が上記下側主表面を覆うことによって、上記半導体層スタックの上記第2のコンタクトと上記透明な絶縁層とが実質的に平坦な表面を形成している、主題16記載の発光デバイス。
18.前記コンタクト層上に配置されたメタ構造をさらに含む、主題16または17記載の発光デバイス。
19.さらに、
- 上記上側主表面の上に設けられたカラーフィルター、特に狭い色範囲をカバーするバンドパスフィルターと、
- 第1の波長の光を、より長い第2の波長の光に変換するための、上記上側主表面の上に設けられた変換体と、
- 上記上側主表面の上に配置された光整形構造体、特に、誘電体構造体、キャビティにまたがるマイクロレンズまたはフォトニック構造体と
を少なくとも含む、前述の主題のいずれか1つ記載の発光デバイス。
20.前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも2つの発光デバイスを含むμ-LED配置構造であって、少なくとも2つの素子が以下の構造および/または層の少なくとも1つを共有している、μ-LED配置構造:
- 上記導電性構造体;
- 上記導電性構造体の少なくとも上側主表面に施与された透明な絶縁層;
- 上記透明な絶縁層に施与されたコンタクト層;
- 上記上側主表面に取り付けられたカラーフィルター;
- 上記上側主表面の上に配置された変換体。
21.上記少なくとも2つの発光配置構造の上記キャビティが実質的に同じ長さを有している、主題20記載のμ-LED配置構造。
22.上記少なくとも2つの発光配置構造の一方の上記キャビティが、上記少なくとも2つの発光配置構造の他方の上記キャビティに対して実質的に平行に配置されている、主題20または21記載のμ-LED配置構造。
23.上記少なくとも2つの発光配置構造の一方の上記キャビティが、上記少なくとも2つの発光配置構造の他方の上記キャビティに対して実質的に直角に配置されている、主題20から22までのいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
24.上記少なくとも2つの発光配置構造のそれぞれの上記第2のコンタクトが別々に接触している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
25.上記少なくとも2つの発光配置構造の一方の上記カラーフィルターが、上記少なくとも2つの発光配置構造の他方のカラーフィルターとは異なっている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
26.上記少なくとも2つの発光配置構造の一方の変換体が、上記少なくとも2つの発光配置構造の他方の変換体とは異なっている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
27.上記キャリアに設けられた上記少なくとも2つの発光配置構造のそれぞれの上記第2のコンタクトを電気的に接触させるための少なくとも2つのコンタクトを有するキャリアをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
28.後述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス用の発光デバイスを形成している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
29.上記コンタクト素子が、上記キャビティの開口部とは反対側の側面に、またはそれに隣接して配置されており、さらに、
- 上面に上記コンタクト素子を電気的に接触させるためのコンタクト領域を有するキャリアであって、上記半導体層スタックに電流供給するための複数の電流ドライバ等の回路を有するキャリア
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
30.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を備えたμ-ディスプレイであって、後述の主題のいずれか1つ記載の制御回路または駆動制御回路の特徴部と、後述の主題のいずれか1つ記載の光案内デバイスの特徴部を有する、μ-ディスプレイ。
31.μ-LED配置構造の製造方法であって、以下のステップ:
成長用キャリア上に多面体またはプリズム形状のコーティングされた材料ボリュームの組み合わせを形成するステップと、
特定の色を発光させるために、1つの組み合わせの材料ボリュームの間に、その色に合わせられた変換材料を形成するステップと
を有する、方法。
32.上記材料ボリューム上に活性層を堆積させ、当該活性層の上に追加の層を堆積させて、コーティングされた材料ボリュームを得ることを特徴とする、主題31記載の方法。
33.p型コンタクト領域を有するp型コンタクトとn型コンタクト領域を有するn型コンタクトとを電気的に接触させるためのメタライゼーションを各組み合わせごとに作製することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
34.上記成長用キャリア上に、1組の材料ボリュームを成長させるためのマスキングされていない領域を有する成長層を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
35.上記成長層は、n型ドーピング、特にGaNを有し、
上記マスキングは、二酸化ケイ素またはケイ素窒素を有し、
上記材料ボリュームは、上記成長層と同じ材料を有し、
上記活性層は、In-またはAl-GaN-MQW(多重量子井戸)を有し、
上記追加の層は、p型ドーピング、特にGaNを有している
ことを特徴とする、主題34記載の方法。
36.上記材料ボリュームを、その長手方向軸線が互いに平行で、成長用キャリアに平行で、互いに同じ形状で作製することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
37.上記成長用キャリアに面していない上記コーティングされた材料ボリュームの側に、特にはんだを提供する、ミラー状の第1のメタライゼーションを堆積させることで、特にストリップ状のp型コンタクトを形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
38.平面のキャリアの主表面に、はんだメタライゼーション層を堆積させることで、上記はんだメタライゼーション層を、上記p型コンタクトを形成する上記材料ボリュームの上記第1のメタライゼーションに接続、特にボンディングすることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
39.特にレーザーを用いて成長用キャリアを除去する(LLO(レーザーリフトオフ))ことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
40.上記成長層と上記マスキングの除去を、特に、それぞれの場合において、エッチング(RIE(反応性イオンエッチング)またはICP(誘導結合プラズマエッチング))によって行うことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
41.上記除去された成長キャリアの側面に、特に二酸化ケイ素を有するパッシベーション層を堆積させ、特に上記側面の表面を完全に覆うことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
42.上記材料ボリュームの長手方向軸線に沿って、上記キャリアに面していない上記材料ボリュームの表面のパッシベーション層の領域を、特にストリップ状に除去するステップと、
上記材料ボリュームの露出した領域に、特にストリップ状のn型コンタクトを形成する第2のメタライゼーションを堆積させるステップと
を有することを特徴とする、主題41記載の方法。
43.上記n型コンタクトの長手方向軸線から垂直に、上記パッシベーション層上とそれに沿って、上記キャリアに対して垂直な上記パッシベーション層の側壁に沿って、側壁ミラー・メタライゼーションを堆積させることを特徴とする、主題41または42記載の方法。
44.横方向軸線に沿って、それぞれ2つの相互に隣り合うコーティングされた材料ボリュームの場合、上記側壁ミラー・メタライゼーションは、互いに背を向けているものと向き合っているものとで交互に作り出されていることを特徴とする、主題43記載の方法。
45.横方向軸線に沿って、側壁ミラー・メタライゼーションが互いに背を向けて作り出される2つの相互に隣り合うコーティングされた材料ボリュームの場合、自由な空間がそれぞれの変換材料で充填されることを特徴とする、主題43または44記載の方法。
46.上記パッシベーション層上とそれに沿って、上記n型コンタクト、上記側壁ミラー・メタライゼーションおよび第3のメタライゼーションとして堆積された金属性の中間接続部から、特にストリップ状の、第4のメタライゼーションとして堆積されたn型コンタクト領域との電気的な接続を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
47.上記パッシベーション層上とそれに沿って、上記n型コンタクト、上記側壁ミラー・メタライゼーションおよび第3のメタライゼーションとして堆積された金属性の中間接続部から上記キャリアの反対側のn型コンタクト-スルーホールビアまで、特にストリップ状の、第4のメタライゼーションとして堆積されたn型コンタクト領域との電気的な接続を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
48.上記パッシベーション層上とそれに沿って、上記n型コンタクトおよび上記側壁ミラー・メタライゼーションから上記キャリアの反対側のn型コンタクト-スルーホールビアまで、特にストリップ状の、第4のメタライゼーションとして堆積されたn型コンタクト領域との電気的な接続を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
49.上記n型コンタクト-スルーホールビアが、上記パッシベーション層により、はんだメタライゼーション層およびキャリアと電気的に絶縁されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
50.上記はんだメタライゼーション層を覆うパッシベーション層の、特にストリップ状の領域を除去するステップと、
上記はんだメタライゼーション層の上記露出した領域に、特にストリップ状の第5のメタライゼーションを堆積させて、上記はんだメタライゼーション層によって上記p型コンタクトに電気的に接続されているp型コンタクト領域を形成するステップと
を有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
51.上記はんだメタライゼーション層を覆う上記キャリアの、特にストリップ状の領域を除去するステップと、
上記はんだメタライゼーション層の上記露出した領域に、特にストリップ状の第5のメタライゼーションを堆積させて、上記材料ボリュームに面していない上記キャリアの側にp型コンタクト-スルーホールビアとして作製されたp型コンタクト領域を形成し、上記p型コンタクト領域は、上記はんだメタライゼーション層によって上記p型コンタクトに電気的に接続されている、ステップと
を有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
52.上記p型コンタクト-スルーホールビアが、それぞれの変換材料の領域に形成されていることを特徴とする、主題51記載の方法。
53.少なくとも一部ないし全部のメタライゼーションが同じ材料を有しており、特に上記第2のメタライゼーションと側壁ミラー・メタライゼーションとがAlまたはAgを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
54.画素配置構造であって、
- 空間によって間隔を空けて配置された隣り合う2つのμ-LEDの組み合わせを含む少なくとも1つのサブ画素であって、上記μ-LEDは、上記空間に光を放出するように形成されている、少なくとも1つのサブ画素と、
- 上記空間内の変換材料と
を含む、画素配置構造。
55.上記μ-LEDが、多面体またはプリズム形状のコーティングされた材料ボリュームを有し、少なくとも上記空間に面している側に沿って活性層を有している、主題54記載の画素配置構造。
56.上記μ-LEDが、上記空間に面していない側に反射層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
57.上記μ-LED配置構造が、上記活性層に電流を供給するように形成された共通の接続層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
58.上記共通の接続層が、上記共通の接続層から絶縁された空間の底部よりも下に延びており、かつ/または共通の接続層の一部が、それぞれの場合において、各μ-LEDの活性層と変換材料との間に延びている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
59.コンタクト層が上記空間に面していない側で発光側の方向に延びており、その箇所で上記活性層に電流を供給するための上記材料ボリュームと接触している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
60.上記変換材料が、少なくとも上記材料ボリュームの上側まで上記空間を満たしている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
61.上記1組のサブ画素と上記空間とを透明なカバー層が覆っている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
62.さらに、
- 空間によって間隔を空けて配置された隣り合う2つのμ-LEDの組み合わせをそれぞれ含む更なる2つのサブ画素であって、上記μ-LEDは、上記空間に光を放出するように形成されている、更なる2つのサブ画素と、
- 上記空間の少なくとも1つの中に第1の変換材料とは異なる変換材料と
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
63.上記空間に面していない側に延びる1つのサブ画素のμ-LEDのコンタクト層のうちの少なくとも1つが、他のサブ画素のμ-LEDのコンタクト層と対向している、主題62記載の画素配置構造。
64.3つのサブ画素が互いに実質的に平行に配置されているか、または1つのサブ画素が残りの2つのサブ画素に対して実質的に垂直に配置されている、主題62または63記載の画素配置構造。
65.さらに、
- 後述の主題のいずれかの特徴に従ったフォトニック構造体であって、特に異なる屈折率の周期領域を有するフォトニック構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
66.上記フォトニック構造体が、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有している、主題65記載の画素配置構造:
- 上記フォトニック構造体が2次元の結晶である特徴、
- 上記フォトニック構造体が少なくとも1つの方向に沿った超格子を含んでいる特徴。
67.発光側に面していない側に複数のコンタクト素子をさらに含み、上記コンタクト素子はキャリアのコンタクト領域に接続されており、上記キャリアは、特に後述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つの電流ドライバ回路をμ-LEDの各組み合わせに対して含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
68.後述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LEDを電子的に駆動制御するデバイスをさらに含み、上記デバイスのμ-LEDが、μ-LEDの組み合わせによって形成されている、主題67記載の画素配置構造。
69.上記画素配置構造が、前述のいずれかの方法で作製されたものであることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の画素配置構造。
70.μ-LED配置構造であって、
- キャリアに沿って配置された少なくとも1本のμ-ロッドであって、上記μ-ロッドは、長手方向軸線に沿って第1のドーピングを有する細長いコアを形成し、上記コアは、層シーケンスにより第1の長手方向端部から上記層シーケンスのない第2の長手方向端部まで外向きにコーティングされている、少なくとも1本のμ-ロッドを有し、
- 上記少なくともμ-ロッドは、上記第1の長手方向端部において、上記層シーケンスおよび第1のコンタクトによって上記キャリアの第1のコンタクト領域に電気的・機械的に接続されており、上記第2の長手方向端部において、上記コアおよび第2のコンタクトによって上記キャリアの第2のコンタクト領域に電気的・機械的に接続されており、上記層シーケンスは、絶縁層によって上記第2のコンタクトから電気的に絶縁されている、μ-LED配置構造。
71.上記μ-ロッドが、特定の波長の光を放出するために、上記波長の光に合わせられた幾何学的形状を有し、特に、少なくとも1つの多面体、特にプリズムまたは平行六面体として形成されており、上記第1の長手方向端部は、特にピラミッド、角錐台、オベリスクまたはウェッジとして終端している、主題70記載のμ-LED配置構造。
72.上記μ-ロッドが、特定の波長の光を放出するために、上記波長の光に合わせられた空間的な広がり、特に長手方向軸線に対して垂直な特定の直径を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ―LED配置構造。
73.上記μ-ロッドが、特定の波長の光を放出するために、上記波長の光に合わせられた変換材料で覆われていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ―LED配置構造。
74.上記μ-ロッドおよび/または上記キャリア上に、反射層、特にシリコーンマトリクス中にTiO2を有する層が形成されているか、または
上記μ-ロッドおよび/または上記キャリア上に、暗色の、特に黒色の層が形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子。
75.上記μ-ロッドおよび/または上記キャリア上に、透明な層、特にITOクラッドが作製されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ―LED配置構造。
76.上記μ-ロッドおよび/または上記キャリア上に、パッケージが、特に注型コンパウンドとして作製されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ―LED配置構造。
77.前述の主題のいずれか1つ記載の3つのμ―LED配置構造を備えた画素素子であって、上記3つの構造素子が、上記キャリアのコンタクト領域において、互いにかつ/または上記キャリアと平行に電気的・機械的に接続されており、上記3つの電子構造素子は、少なくとも1つの波長の光を放出するように構成されている、画素素子。
78.上記3つのμ-LED配置構造のそれぞれが光を放出するように形成されており、放出される光の周波数が異なっている、主題77記載の画素素子。
79.上記3つのμ-LED配置構造の上記μ-ロッドの上記第1の長手方向端部が共通の端子に接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素素子。
80.上記3つのμ-LED配置構造の周りに、反射性の周回構造、特に後述の主題のいずれか1つ記載の特徴に従った周回構造が形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素素子。
81.上記反射性の周回構造が、上記3つのμ-LED配置構造の上記μ-ロッドの上記第1または第2の長手方向端部にコンタクト領域のための接続部を形成している、主題80記載の画素素子。
82.上記μ-LED配置構造の上に配置された、特に後述の主題のいずれか1つ記載の特徴に従ったフォトニック構造体をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の画素素子。
83.以下のステップ:
- キャリアに沿って配置されるμ-ロッドを作製するステップであって、上記μ-ロッドは、長手方向軸線に沿って第1のドーパントを有する細長いコアを形成し、上記コアは、層シーケンスにより第1の長手方向端部から上記層シーケンスのない第2の長手方向端部まで外向きにコーティングするステップと、
- 上記μ-ロッドを、上記層シーケンスと上記キャリアの第1のコンタクト領域への第1のコンタクトとによって第1の長手方向端部に接続するステップと、
- 上記μ-ロッドを、上記コアおよび上記キャリアの第2のコンタクト領域への第2のコンタクトによって第2の長手方向端部に接続するステップであって、上記層シーケンスは、絶縁層によって上記第2のコンタクトから電気的に絶縁されているステップと、
を含む、μ-LED配置構造を製造する方法。
84.μ-ロッドを作製する上記ステップが、
- コアから外向きに、第1のドーピングを有する第1の層、活性層および第2のドーピングを有する第2の層として上記層シーケンスを作製するステップ
を含む、主題83記載の方法。
85.さらに、
- μ-ロッド群、特に3つの同じ構造のμ-ロッド群を、特に長手方向軸線に対して垂直な横断面が第1の長手方向端部に向かって縮小し、かつ/または上記第1の長手方向端部が尖った先端またはエッジまたは平面で終端するように作製するステップ
を含む、主題83または84記載の方法。
86.さらに、
- 成長用基板上に、特に選択的なエピタキシャル法によって、それぞれ異なる直径および/または異なる幾何学的形状を有する3本のμ-ロッド群を作製し、異なる波長の光を放出するように形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
87.以下のステップ:
- 絶縁層に面していないそれぞれのμ-ロッドの第1の長手方向端部に、第1の透明なコンタクト、特にp型コンタクトを、特にエピタキシャル的に、特に酸素プラズマエッチングによってフォトストラクチャ化されたシード層および/または特に電気めっきもしくはスパッタリングによって作製し、特に少なくとも1つのコンタクト面を上記第1のコンタクトに形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
88.
- μ-ロッド群を、結合層、特に熱可塑性結合層で、上記第1の長手方向端部から上記絶縁層まで取り囲むステップであって、上記第1の長手方向端部が交換用キャリア上に一時的に当接しているステップと、
- 成長用基板を除去するステップと
を含む、主題87記載の方法。
89.さらに、
- 上記絶縁層に面しているそれぞれのμ-ロッドの第2の長手方向端部に、第2の透明なコンタクト、特にn型コンタクトを、特にエピタキシャル的に、特に電気めっきもしくはスパッタリングによって作製し、特に少なくとも2つのコンタクト面を上記第2のコンタクトに形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
90.μ-ロッド群をシートに移送し、
それぞれのμ-ロッドの上記第2のコンタクトを、特にコンタクト面で上記シートに取り付ける
ことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
91.さらに、
上記群の上記μ-ロッドを個片化するステップであって、上記結合層を少なくとも部分的に除去するステップ
を含む、主題90記載の方法。
93.さらに、
個片化されたμ-ロッド群、特に3本のμ-ロッド群を上記シートからリフトアップし、上記μ-ロッドの第1のコンタクトおよび第2のコンタクト、特にコンタクト面によって、上記キャリアの第1のコンタクト領域および第2のコンタクト領域に、互いに平行にかつ/または上記キャリアに平行に電気的・機械的に接続するステップ
を含む、主題90または91記載の方法。
94.約500~1500本のμ-ロッド群を同時にリフトアップし、電気的・機械的に同時接続するステップ
を含む、主題93に記載の方法。
95.第1の導電性半導体層、活性層および第2の導電性半導体層を備えた3次元発光ヘテロ構造体を含むμ-LEDにおいて、
上記発光ヘテロ構造体は、アルミニウムガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムインジウムリンおよび/またはアルミニウムガリウムインジウムリンヒ素を含み、
上記発光ヘテロ構造体は、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に選択的にエピタキシャルに堆積させられた、{110}の方位を持った側面を含む付形層上での成長により、3次元的に形成されており、任意に平坦な上面{111}が設けられていてもよい
ことを特徴とする、μ-LED。
96.上記付形層が、ガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムインジウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムインジウムリンおよび/またはブラッグミラースタックを含むことを特徴とする、主題95記載のμ-LED。
97.上記付形層が、上記ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上での選択的なエピタキシャル成膜後、ウェット後処理されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
98.上記付形層が三角錐を形成し、上記三角錐の側面が方位(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)を有する、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
99.上記付形層が(111)または(-1-1-1)の方位を持った面を含むことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
100.上記付形層が3辺の角錐台を形成し、上記角錐台の側面が方位(-1-10)、(-10-1)および(0-1-1)を有し、上記角錐台の上面(10)が方位(-1-1-1)を有する、主題99記載のμ-LED。
101.上記ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上への上記発光ヘテロ構造体の投影が、100μm未満、好ましくは20μm未満のエッジ長さを有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
102.上記発光ヘテロ構造体が、上記付形層の選択的エピタキシャル成膜のために上記ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に適用された誘電体マスクまで延びている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
103.上記発光ヘテロ構造体の上の上記層シーケンスの成長方向における主放射方向に、透明なコンタクト層が適用されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
104.上記発光ヘテロ構造体の下の上記層シーケンスの成長方向と反対の主放射方向に、上記ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板の除去および上記付形層の少なくとも一部の除去後に施与された透明なコンタクト層を有する層シーケンスが存在していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
105.主放射方向において上記活性層の下または上の領域で、透明なコンタクト層上に変換材料が施与されている、主題104記載のμ-LED。
106.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDを有し、特に後述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体をさらに含むμ-LED配置構造であって、上記フォトニック構造体は透明なコンタクト層の表面に施与されている、μ-LED配置構造。
107.上記フォトニック構造体が上記変換層を越えて延在している、主題106記載のμ-LED配置構造。
108.560nm~1080nmの範囲の波長のためのμ-ディスプレイ配置構造であって、特に行と列とに配置された、前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つのμ-LEDを備えたμ-ディスプレイ配置構造。
109.第1の導電性半導体層、活性層および第2の導電性半導体層を備えた3次元発光ヘテロ構造体を含む光電子半導体シーケンス、特にμ-LEDを製造する方法において、
ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に、{110}の方位を持った側面を有する付形層を選択エピタキシによって成長させ、
上記付形層の上にアルミニウムガリウムヒ素層および/またはアルミニウムガリウムインジウムリン層を成長させて、上記発光ヘテロ構造体を3次元的に形成する
ことを特徴とする、方法。
110.上記付形層を、ガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムヒ素および/またはアルミニウムガリウムインジウムリンおよび/またはブラッグミラースタックによって形成させることを特徴とする、主題109記載の光電子半導体シーケンスを製造する方法。
111.上記付形層を、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上での選択的なエピタキシャル成膜後、ウェット後処理することを特徴とする、主題109または110記載の光電子半導体シーケンスを製造する方法。
112.光電子構造素子、特にμ-LEDを製造する方法であって、以下のステップ:
- 第1のn型ドープ層と、第2のp型ドープ層と、それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層とを含む半導体構造を提供するステップであって、上記p型ドープ層は第1のドーパントを有するステップと、
- 上記半導体構造上にパターニングされたマスクを施与するステップと、
- パターニングされたマスクの領域で覆われていない上記活性層の領域に量子井戸インターミキシングが発生するように、第1のプロセスパラメーターを用いて第2のドーパントでp型ドープ層をドーピングするステップと、
- 上記第1のプロセスパラメーターとは異なる第2のプロセスパラメーターを用いて、特に第2のドーパントを追加せずにアニーリングするステップと
を含む、方法。
113.上記第2のドーパントが、Znを含み、上記第1のドーパントと同じドーパントタイプを有している、主題112記載の方法。
114.上記第2のプロセスパラメーターが、上記第1のプロセスパラメーターの温度よりも高い温度を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
115.上記第1およびまたは第2のプロセスパラメーターが、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つ;
- 温度;
- 定義された期間における温度変化;
- 圧力;
- 定義された期間における圧力変化;
- ガスの組成;
- 持続時間;
- これらの組み合わせ;
を含み、上記第1のプロセスパラメーターは、上記第2のプロセスパラメーターとは、持続時間に限られない少なくとも1つのパラメーターの点で異なっている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
116.上記マスクが、パターニングステップによって、半導体構造の適切な層により局所的に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
117.上記アニーリングステップがさらに、
- 第5主族の元素、特にPまたはAsを含む前駆体を加えるステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
118.上記第2のドーパントがZnまたはMgを含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
119.上記半導体構造が、以下の材料系のうちの少なくとも1つ:
- InP
- GaP
- InGaP
- InAlP
- GaAlP
- InGaAlP
を含む第III-V族半導体材料を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
120a.前述の主題、特に主題1から107までのいずれか1つ、または後述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED、μ-LED配置構造、または半導体層スタックであって、前述の主題のいずれか1つ記載の方法で製造された半導体構造を有している、μ-LED、μ-LED配置構造、または半導体層スタック。
120b.μ-LEDであって、
- 第III-V族半導体材料を有する半導体構造であって、
n型ドープ層と、
p型ドープ層と、
それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層と
を有し、
上記p型ドープ層は第1のドーパントを有している、
第III-V族半導体材料を有する半導体構造と、
- 上記活性層の中心領域であって、上記中心領域よりもバンドギャップが大きい上記活性層の第2の領域で横方向に取り囲まれている中心領域と
を含み、
上記第2の領域には、上記第2の領域に位置する上記活性層の上記少なくとも1つの量子井戸に量子井戸インターミキシングを発生させる第2のドーパントが導入されている、μ-LED。
121.前述の主題、特に主題1から107までのいずれか1つ、または後述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED、μ-LED配置構造、または半導体層スタックであって、上記活性層の中心領域を有し、上記中心領域は、上記中心領域よりもバンドギャップが大きい上記活性層の第2の領域で横方向に取り囲まれており、
上記第2の領域には、上記第2の領域に位置する上記活性層の上記少なくとも1つの量子井戸に量子井戸インターミキシングを発生させる第2のドーパントが導入されている、μ-LED、μ-LED配置構造、または半導体層スタック。
122.上記活性層の中心領域を覆う上記p型ドープ層の部分領域にパターニングされたマスクが配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
123.上記マスクのサイズが上記中心領域の大きさに実質的に対応している、主題122記載のμ-LED。
124.マスクで覆われていないp型ドープ層の領域の表面に、第III-V族半導体材料のIII価の材料と、前駆体材料の元素、特にPまたはAsとからなる層が形成されている、主題122記載のμ-LED。
125.光電子構造素子、特にμ-LEDを製造する方法であって、以下のステップ:
- 半導体構造であって、
第1のn型ドープ層と、
第2のp型ドープ層と、
それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層と
を有する半導体構造を提供するステップであって、
上記p型ドープ層が第1のドーパントを有している、ステップと、
- 上記半導体構造上にパターニングされたマスクを施与するステップと、
- 上記パターニングされたマスクの領域で覆われていない上記活性層の領域に量子井戸インターミキシングを発生させるように、上記p型ドープ層を第2のドーパントでドーピングするステップと
を含み、
上記第2のドーパントによる上記p型ドープ層のドーピングは、上記第2のドーパントを有する前駆体を用いた気相拡散によって行い、以下のステップ:
- 上記p型ドープ層への上記第2のドーパントの拡散が実質的に起こらないように選択された第1の温度で上記前駆体を分解することにより、上記p型ドープ層の表面に上記第2のドーパントを堆積させるステップと、
- 上記第1の温度よりも高い第2の温度で、堆積された上記第2のドーパントを上記p型ドープ層に拡散させるステップと
を有する、方法。
126.上記第2のドーパントが、ZnまたはMgを含み、上記第1のドーパントと同じドーパントタイプを有している、主題125記載の方法。
127.堆積された上記第2のドーパントの量が、上記拡散中に実質的に完全に上記p型ドープ層に拡散するように選択されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
128.上記第2のドーパントの量が、パターニングされたマスクの領域で覆われていない上記活性層の領域において、上記第2のドーパントによって生成された電荷キャリアの横方向の拡散に対する障壁が、量子井戸インターミキシングによって引き起こされた障壁よりも大きくなるように選択されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
129.上記p型ドープ層を第2のドーパントでドーピングするステップが、以下のステップ:
- 上記第2のドーパントを上記p型ドープ層に拡散させた後、上記半導体構造を上記第2の温度よりも高い第3の温度でアニーリングするステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
130.上記マスクが、パターニングステップによって、上記半導体構造の適切な層により局所的に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
131.上記アニーリングステップが、
- 第5主族の元素、特にPまたはAsを含む更なる前駆体を提供するステップおよび/または
- 上記p型ドープ層の表面に第III-V族半導体材料の層を形成するステップ
を含む、主題129または130記載の方法。
132.堆積、拡散およびアニーリングの上記ステップの間に、以下のパラメーターのうちの少なくとも1つ:
- 前述のステップのうちの1つの間における定義された期間の温度変化;
- 圧力;
- 前述のステップのうちの1つの間における定義された期間の圧力変化;
- ガスの組成;
- これらの組み合わせ
が異なるように選択されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
133.上記半導体構造が、以下の材料系のうちの少なくとも1つ:
- InP
- GaP
- InGaP
- InAlP
- GaAlP
- InGaAlP
を含む第III-V族半導体材料を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
134.μ-LEDであって、
- 第III-V族半導体材料を有する半導体構造であって、
n型ドープ層と、
p型ドープ層と、
それらの間に配置された少なくとも1つの量子井戸を有する活性層と
を有し、
上記p型ドープ層は第1のドーパントを有している、
第III-V族半導体材料を有する半導体構造と、
- 上記活性層の中心の半導体領域であって、上記半導体領域よりもバンドギャップが大きい上記活性層の第2の半導体部分領域で横方向に取り囲まれている中心領域と
を含み、
上記第2の部分領域には、上記第2の部分領域に位置する上記活性層の上記少なくとも1つの量子井戸に量子井戸インターミキシングを発生させる第2のドーパントが導入されており、
上記活性層の定義された領域には、電荷キャリアの横方向の拡散に対する障壁が形成されており、上記障壁は、上記第2のドーパントによって生成された障壁と、量子井戸インターミキシングによって引き起こされた障壁とで構成されている、μ-LED。
135.上記定義された領域が、製造中に施与されるパターニングされたマスクによって形成されている、主題134記載のμ-LED。
136.上記第2のドーパントによって生成されたドーピング障壁が、上記量子井戸インターミキシングによって引き起こされた障壁よりも大きいことを特徴とする、主題134記載のμ-LED。
137.パターニングされたマスクが、上記活性層における中心領域の上に位置する上記p型ドープ層の第1の部分領域上に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
138.上記マスクのサイズが、上記中心領域のサイズと実質的に対応している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
139.定義された領域の上に位置するp型ドープ層の部分領域の表面に、上記第III-V族半導体材料のIII価の材料と、前駆体材料の元素、特にPまたはAsとからなる層が形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
140.上記活性層が、アルミニウムガリウムヒ素および/またはアルミニウムインジウムガリウムリンおよび/またはアルミニウムガリウムインジウムリンヒ素からなる発光ヘテロ構造体によって形成されており、上記発光ヘテロ構造体は、ガリウムヒ素(111)Bエピタキシャル基板上に選択的にエピタキシャルに堆積させられた、{110}の方位を持った側面を含む付形層上での成長により、3次元的に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
141.上記p型およびn型ドープ層のうちの少なくとも1つが直方体またはインゴットの形状を有しており、上記活性層が少なくとも1つの側壁に沿って、特に2つの側壁および主表面を超えて延在している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
142.μ-LEDと、主放射方向に位置する側にフォトニック構造体、特に後述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体と、上記主放射方向に対向する側にコンタクト領域とを有する、μ-LED配置構造。
143.上記μ-LEDが、周回反射構造により、特に前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する周回反射構造により取り囲まれている、主題141記載のμ-LED配置構造。
144.前述の主題のいずれか1つ記載の配置構造の1つにおけるμ-LEDの使用。
145.μ-LEDであって、
- n型ドープされた第1の層と、
- 第1のドーパントでドーピングされたp型ドープされた第2の層と、
- 上記n型ドープされた第1の層と上記p型ドープされた第2の層との間に配置されており、少なくとも1つの量子井戸を有する活性層と
を含み、
上記活性層は、少なくとも2つの領域に分割されており、
第2の領域は、第1の領域を同心円状に取り囲んでおり、
上記活性領域の上記少なくとも1つの量子井戸は、上記第1の領域よりも上記第2の領域で大きなバンドギャップを有しており、
上記バンドギャップは、特に量子井戸インターミキシングによって変更される、μ-LED。
146.さらに、上記第2の領域に実質的に均一に配置された第2のドーパントを含む、主題145記載のμ-LED。
147.上記第2の領域における上記第2のドーパントが、
- 上記第2のp型ドープ層と、
- 上記活性層と、
- 少なくとも部分的に上記活性層に隣り合うn型ドープされた第1の層の領域とに形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
148.上記少なくとも2つの領域が、少なくともほぼ円形に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
149.上記第2の領域が、上記量子井戸インターミキシングによって変更された実質的に均一なバンドギャップ変化を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
150.上記第1の領域が、量子井戸インターミキシングを実質的に有していない、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
151.上記第2の領域から上記第1の領域への定義された遷移領域では、量子井戸インターミキシングが減少する、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
152.上記第2のドーパントが上記第1のドーパントとは異なっていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
153.上記第2のドーパントが、以下の元素のうちの少なくとも1つ:Mg、Zn、Cdを含む群から形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
154.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LEDと、主放射方向に位置する側にフォトニック構造体、特に後述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体と、上記主放射方向に対向する側にコンタクト領域とを有する、μ-LED配置構造。
155.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のLEDを有するμ-LDE配置構造であって、フォトニック構造体が主放射側で、第1の屈折率を有するカラム状素子の周期的な配置によって形成されており、上記カラム状素子は、第2の屈折率を有する材料で取り囲まれており、上記カラム状素子の少なくとも一部が、上記活性層の上方、特に上記第1の領域の上方に位置している、μ-LED配置構造。
156.複数のμ-LEDのうちの少なくとも1つが、周回反射構造により、特に前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する周回反射構造により取り囲まれている、主題153記載のμ-LED配置構造。
157.μ-LEDの使用であって、特に前述の主題のいずれか1つ記載の半導体層スタックとしての配置における、使用。
158.光電子構造素子、特にμ-LEDを製造する方法であって、
- 特にn型ドープされた第1の層と、第1のドーパントでドープされた特にp型ドープされた第2の層と、それらの間に配置された活性層とを有する半導体構造を提供するステップと、
- 実質的に円形の拡散マスクを、特にp型ドープされた第2の層に施与して、上記活性層の第2の領域に取り囲まれた上記活性層の第1の光学活性領域を画定するステップと、
- 上記活性層の上記第2の領域に量子井戸インターミキシングを発生させるステップと
を含む、方法。
159.上記量子井戸インターミキシングを発生させるステップが、
- 第2のドーパントを、第2の特にp型ドープ層と、上記第2の領域における上記活性層と、少なくとも部分的に上記活性層に隣り合う特にn型ドープ層の領域とに拡散させるステップ
を含む、主題158記載の方法。
160.上記拡散マスクを、上記特にp型ドープされた第2の層に施与し、上記第2のドーパントを、上記特にp型ドープされた第2の層と、上記第2の領域における上記活性層と、少なくとも部分的に上記活性層に隣り合う特にn型ドープ層の領域とに拡散させることによって、量子井戸インターミキシングが上記第2の領域でのみ起こる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
161.上記拡散マスクが誘電体によって形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
162.上記第2のドーパントが上記第1のドーパントとは異なっていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
163.上記第1の層がp型ドーピングされており、上記第2の層がn型ドーピングされている、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
164.上記第2のドーパントが、以下の元素のうちの少なくとも1つ:Mg、Zn、Cdを含む群から形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
165.半導体構造であって、
- n型ドープされた第1の層と、
- 第1のドーパントでドーピングされたp型ドープされた第2の層と、
- 上記n型ドープされた第1の層と上記p型ドープされた第2の層との間に配置されており、少なくとも1つの量子井戸を有する活性層と
を含み、
上記半導体構造の上記活性層は、複数の第1の光学活性領域と、少なくとも1つの第2の領域と、少なくとも1つの第3の領域とに分割されており、
上記複数の第1の光学活性領域は、六角形のパターンで互いに離間して配置されており、
上記活性領域の少なくとも1つの量子井戸は、上記少なくとも1つの第2の領域において、上記複数の第1の光学活性領域および上記少なくとも1つの第3の領域よりも大きなバンドギャップを有しており、特に量子井戸インターミキシングによってバンドギャップが変更されており、
上記少なくとも1つの第2の領域は、上記複数の第1の光学活性領域を取り囲んでおり、
上記少なくとも1つの第3の領域は、上記複数の第1の光学活性領域の間の空間に配置されている、半導体構造。
166.上記複数の第1の光学活性領域が、少なくともほぼ円形に形成されている、主題165記載の半導体構造。
167.上記複数の第2の領域が、上記複数の第1の光学活性領域をそれぞれ同心円状に取り囲んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
168.複数の第2の領域が、少なくともほぼ円形に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
169.複数の第3の領域が、上記複数の第3の領域のそれぞれがちょうど3つの第1の光学活性領域の中心に位置するように配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
170.上記複数の第3の領域のそれぞれが、少なくともほぼ円形に形成されている、主題169記載の半導体構造。
171.上記複数の第3の領域のそれぞれが、少なくともほぼ円形に形成されている上記複数の第2の領域のうちちょうど3つの領域によりそれぞれ形成されている、デルトイド曲線の形状を少なくともほぼ再現している、主題170記載の半導体構造。
172.複数の第1の光学活性領域のそれぞれの光学活性領域が、光電子構造素子のそれぞれの一部を形成している、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
173.上記少なくとも1つの第2の領域に実質的に均一に配置された第2のドーパントをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
174.上記少なくとも1つの第2の領域における上記第2のドーパントが、
- 上記第2のp型ドープ層と、
- 上記活性層と、
- 少なくとも部分的に上記活性層に隣り合うn型ドープされた層の領域とに形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
175.上記少なくとも1つの第2の領域が、量子井戸インターミキシングによって変更された実質的に均一なバンドギャップを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
176.上記複数の第1の光学活性領域と上記少なくとも1つの第3領域とが、実質的に同一のバンドギャップを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
177.上記複数の第1の光学活性領域が、実質的に量子井戸インターミキシングを有していない、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
178.上記少なくとも1つの第3の領域が、実質的に量子井戸インターミキシングを有していない、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
179.上記少なくとも1つの第2の領域から上記複数の第1の光学活性領域への定義された遷移領域において、量子井戸インターミキシングが減少する、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
180.上記第2のドーパントが上記第1のドーパントとは異なっていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
181.上記第2のドーパントが、以下の材料のうちの少なくとも1つ:Mg、Zn、Cdを含む群から形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
182.主放射方向に位置する側に取り出し構造体、特にフォトニック構造体をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造。
183.前述または後述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造を有するμ-LED配置構造。
184.半導体構造を製造する方法であって、
- n型ドープされた第1の層と、第1のドーパントでドープされたp型ドープされた第2の層と、それらの間に配置された活性層とを有する半導体構造を提供するステップと、
- 上記p型ドープされた第2の層にマスクを施与して、上記活性層の少なくとも1つの第2の領域に取り囲まれた活性層に複数の第1の光学活性領域を画定し、上記複数の第1の光学活性領域の間の空間に配置された少なくとも1つの第3の領域を画定するステップと、
- 上記活性層の少なくとも1つの第2領域において、量子井戸インターミキシングを発生させるステップと
を含む、方法。
185.上記量子井戸インターミキシングを発生させるステップが、
- 第2のドーパントを、上記p型ドープされた第2の層と、上記少なくとも1つの第2の領域における上記活性層と、少なくとも部分的に上記活性層に隣り合うn型ドープ層の領域とに拡散させるステップ
を含む、主題184記載の半導体構造を製造する方法。
186.上記マスクを、上記p型ドープされた第2の層に施与し、上記第1のドーパントを、上記p型ドープされた第2の層と、上記少なくとも1つの第2の領域における上記活性層と、少なくとも部分的に上記活性層に隣り合うn型ドープ層の領域とに拡散させることによって、量子井戸インターミキシングが上記少なくとも1つの第2の領域でのみ起こる、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造を製造する方法。
187.上記マスクが、誘電体(例えば、SiO2、Si3N4、...)のマスクによって形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造を製造する方法。
188.上記第2のドーパントが、上記第1のドーパントとは異なっていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造を製造する方法。
189.上記第2のドーパントが、以下の元素のうちの少なくとも1つ:Mg、Zn、Cdを含む群から形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造を製造する方法。
190.前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造、または前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子、特にμ-LEDを製造する方法であって、さらに、
フォトニック構造体、特に前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体を、主放射方向に位置する半導体構造または光電子構造素子の側に施与するステップ
を含む、方法。
191.前述の主題のいずれか1つ記載の半導体構造から光電子構造素子を製造する方法であって、
- 個々の光電子構造素子を、特にエッチングプロセスによって個片化するステップ
を含む、方法。
192.層スタックを有するμ-LEDもしくは光電子構造素子であって、
X-Y平面に沿って延びる層が、X-Y平面に対して垂直なZ軸に沿って互いに積層し、
電荷キャリア、特に電子の主な移動方向が、上記層スタックのZ軸に沿って通過し、
磁化素子が磁力線を提供することで、移動する上記電荷キャリアを上記層スタックのX-Y横断面の縁部領域から遠ざける、μ-LEDもしくは光電子構造素子。
193.電荷キャリア、特に電子の主な移動方向が、Z軸に沿って上記μ-LEDを通過し、
磁化素子が磁力線を提供することで、移動する上記電荷キャリアを上記層スタックのX-Y横断面の周辺領域から遠ざける、前述の主題のいずれか1つ記載、特に主題120aから191までのいずれか1つ記載のμ-LED。
194.上記層スタックの上記Z軸に沿った少なくとも一部の上記磁化素子が、上記X-Y平面に沿って延びるように上記磁力線を提供することを特徴とする、主題193記載のμ-LED。
195.上記磁化素子が、上記活性層の領域および/または上記電荷キャリアの上記主な移動方向とは逆向きに上記活性層の手前の領域で上記磁力線を磁気双極子の磁極、特に南極に向かって先細りになるように、もしくは上記Z軸に沿って延びるように供給することを特徴とする、主題193または194記載のμ-LED。
196.上記磁化素子が、上記層スタックの上記X-Y横断面の周辺領域に上記磁力線を供給するか、または上記磁化素子が、上記層スタックの少なくとも2つの対向する側面に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
197.上記磁化素子が、上記層スタックの外側面に多数の電流線を有し、それぞれ1本の電流線の電流フローは、上記μ-LEDを流れる電流フローとは逆平行に供給されていることを特徴とする、主題194から196までのいずれか1つ記載のμ-LED。
198.上記電流線の本数が、上記Z軸に沿って延び、X-Y平面に沿って上記層スタックを循環する、特に4本、6本または8本の電流線が形成されていることを特徴とする、主題197記載のμ-LED。
199.上記電流線がストリップ状に作製されていることを特徴とする、主題197または198記載のμ-LED。
200.上記磁化要素が、X-Y平面に沿って上記層スタックを循環する、特に上記活性層の領域および/または上記電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに上記活性層の手前の領域で配置された多数の永久磁気双極子を用いて構築されていてもよく、かつ/または
上記磁化素子が、X-Y平面に沿って上記層スタックを循環する、特に上記活性層の領域および/または上記電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに上記活性層の手前の領域で配置された多数の電磁石によって構築され、上記電磁石の電流フローは、特に光電子構造素子を流れる電流フローによって供給されており、かつ/または
上記磁化素子が、X-Y平面に沿って上記層スタックを循環する磁性体、特にマンガンとして、上記活性層の領域および/または上記電荷キャリアの主な移動方向とは逆向きに上記活性層の手前の領域で上記層スタックの外側面に堆積され、外部磁場によって磁化されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
201.上記層スタックが、電気絶縁性および/または不動態化コーティングを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
202.上記層スタックが、キャリア上に第1の層を有し、上記第1の層上には活性層が作製されており、上記活性層上には第2の層が設けられており、特に、第1のコンタクトが、上記キャリアに面していない上記第2の層の表面領域に形成されており、特に、第2のコンタクトが、上記キャリアによって上記第1の層上に形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
203.上記第1の層がn型ドープされており、上記第2の層がp型ドープされており、特に、上記第1のコンタクトがアノードとして、上記第2のコンタクトがカソードとして提供されていることを特徴とする、主題202記載のμ-LED。
204.上記磁化素子が、上記層スタック内で発生した光が上記磁化素子により反射されるような誘電特性を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
205.特にμ-LEDの活性層の領域での非放射再結合を低減する方法であって、X-Y平面に沿って延びる層が、X-Y平面に対して垂直なZ軸に沿って互いに積層し、電荷キャリアの主な移動方向がZ軸に沿って延び、磁化素子を用いて磁力線を供給することで、上記電荷キャリアを上記層スタックのX-Y横断面の周辺領域から遠ざける、方法。
206.上記層スタックの外側面に多数の電流線を形成し、それぞれ1本の電流線の電流フローが上記光電子構造素子を流れる電流フローとは逆平行に流れるようにすることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
207.上記層スタック外側面に多数の永久磁気双極子を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
208.上記層スタックの外側面に多数の電磁石を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
209.上記層スタックの外側面に多数の磁性体を形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
210.少なくとも1つの光電子構造素子、特にμ-LED配置構造を製造する方法であって、以下のステップ:
- 基板1の表面上に第1のコンタクト領域および第2のコンタクト領域を作り出し、ここで、発光体を垂直方向に作製し、上記発光体の第1のコンタクトを第1のコンタクト領域に接続するステップと、
- 上記発光体を離間して取り囲むリフレクタ構造体を作製するステップと、
- 第1の金属ミラー層および第2の金属ミラー層を準備することで、上記第1の金属ミラー層は、上記発光体の第2のコンタクトに取り付けられたコンタクト層と第2のコンタクト領域とを電気的に接続し、上記第2の金属ミラー層は、周回リフレクタ構造体上に形成されるようにするステップと
を有する、方法。
211.さらに、
上記リフレクタ構造体を形成するために平坦化層を施与するステップと、
任意に、上記第2のコンタクト領域の上の上記平坦化層を除去して、上記第1の金属ミラー層にアクセス可能な状態にするステップと
を含む、主題210記載の方法。
212.上記平坦化層をパターニングして、機械的に接触する形で上記発光体を囲む上記リフレクタ構造体を形成するステップと、
上記電気的に接続する第1の金属ミラー層を、特に上記第2の金属ミラー層と電気的に導通した状態で、上記リフレクタ構造体に追加で施与するステップと
を含む、主題211記載の方法。
213.囲い込み部が、上記発光体を、特に上記発光体のエッジ長さの5倍超の間隔で囲んでいる、主題212記載の方法。
214.上記第2の金属ミラー層を、上記基板に面していないリフレクタ構造体の主表面に施与するステップ
を含む、主題212記載の方法。
215.上記第2の金属ミラー層を、上記リフレクタ構造体のフランク部に設けることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
216.光取り出しを、上記リフレクタ構造体の上記フランク部の傾斜角度によって調整する、主題215記載の方法。
217.上記基板からの距離が長くなるにつれて上記リフレクタ構造体の周長が長くなるように、上記リフレクタ構造体の上記フランク部を生成するステップ、または
上記基板からの距離が長くなるにつれて上記リフレクタ構造体の周長が短くなるように、上記リフレクタ構造体の上記側面を生成するステップ
を含む、主題216記載の方法。
218.黒色層、特にポッティング層を、上記リフレクタ構造体の上記フランク部の間に、特に上記側面の高さまで、上記基板に設けるステップをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
219.さらに、
上記基板または上記黒色層、特に上記第1の金属ミラー層より上の高さまで、密封、カプセル化および/または光学的に取り出すためのコーティングを施与し、任意にパターニングするステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
220.フォトリソグラフィによって上記層を中間にパターニングする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
221.発光体を有する少なくとも1つのμ-LEDを備えたμ-LED配置構造であって、
上記発光体が縦型に作製されており、基板の一方の側に設けられた上記発光体の第1のコンタクトが第1のコンタクト領域に接続されており、
上記基板の同じ側で、上記基板に面していない上記発光体の第2のコンタクトが、透明なコンタクト層および第1の金属ミラー層によって第2のコンタクト領域に接続されており、
リフレクタ構造体が上記発光体を取り囲んでおり、上記リフレクタ構造体には第2の金属ミラー層が設けられている、μ-LED配置構造。
222.上記リフレクタ構造体が、X-Y平面に沿って機械的に接触する形で上記発光体を囲っており、特に上記第1の金属ミラー層が上記第2の金属ミラー層と電気的に導通している、主題221記載のμ-LED配置構造。
223.機械的に接触する形で上記発光体を囲む囲い込み部を有し、上記リフレクタ構造体が、上記囲い込み部を、特に上記発光体のエッジ長さの1~10倍、特に5倍超の間隔で取り囲んでおり、第1の金属ミラー層および上記コンタクト層は、さらに上記囲い込み部に設けられていることを特徴とする、主題221または222記載のμ-LED配置構造。
224.それぞれ3つの発光体が1つの画素の各サブ画素を形成している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
225.上記透明なコンタクト層が、上記発光体を越えて上記リフレクタ構造体の上側まで延在している透明なカバー電極である、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
226.上記発光体の上に少なくとも部分的に配置された変換材料をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
227.異なる屈折率の第1および第2の領域を有する光整形構造体、特にマイクロレンズまたはフォトニック構造体をさらに含み、上記第1および第2の領域のうちの1つが、少なくとも部分的に上記発光体の半導体材料の中に延在しているか、または上記発光体によって形成されているか、または上記変換材料によって形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
228.上記周回リフレクタ構造体によってキャビティが形成されており、上記キャビティ内には上記発光体が配置されており、上記キャビティ内の残りの空間に変換材料、特に量子ドットが充填されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
229.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LED配置構造を備えたか、または上述の方法のうちの1つに従って製造され、行と列が組み合わされて画素を形成するように配置された複数のμ-LED配置構造を備えたμ-LEDディスプレイであって、複数の画素がそれぞれ上記リフレクタ構造体によって取り囲まれており、上記リフレクタ構造体の側壁は面取りされており、金属ミラー層を備えている、μ-LEDディスプレイ。
230.キャリア基板上に配置され、リフレクタ構造体で取り囲まれた3つの縦型に構成された発光体を備えた、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を備えた画素。
231.ディスプレイのピクセルを生成するための画素であって、
- 前述の主題のいずれか1つ、特に主題221から229までのいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を有し、
接点層を形成する第2のコンタクト層上には、上記接点層と電気的および平面的に接続された導体トラックが設けられており、
上記導体トラックの電気伝導率は、上記接点層の電気伝導率よりも大きい、画素。
232.ディスプレイのピクセルを生成するための画素であって、
- 平坦なキャリア基板と、
- 上記キャリア基板上に配置された、少なくとも1つのμ-LEDと
を有し、
上記少なくとも1つのμ-LEDは、光がキャリア基板平面を横切って上記キャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されており、
上記少なくとも1つのμ-LEDは、上記キャリア基板から離れる方に向かう上側に電気的コンタクトを有しており、
上記画素は、上記少なくとも1つのμ-LEDの上面に、上記少なくとも1つのμ-LEDの上記電気的コンタクトに電気的に接続された少なくとも部分的に導電性の平坦な接点層を有しており、
上記接点層は、上記少なくとも1つのμ-LEDが発する光に対して少なくとも部分的に透明に構成されており、
上記接点層上には、上記接点層に電気的および平面的に接続されている導体トラックが設けられており、
-上記導体トラックの電気伝導率が、上記接点層の電気伝導率よりも大きい、画素。
233.上記導体トラックが、上記キャリア基板上に隣接して配置された2つのμ-LEDの間で、一次放射領域の外側に配置されている、主題231または232記載の画素。
234.上記導体トラックが、上記少なくとも1つのμ-LEDのビーム整形のために、上記一次放射領域の外側で光成分を吸収および/または反射するように構成されている、主題231または232記載の画素。
235.上記導体トラックが、上記キャリア基板に面している側に光吸収層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素
236.導体トラックが複数のμ-LEDを覆うように面状に広がっており、上記導体トラック上には、上記μ-LEDのそれぞれの上記一次発光部の領域に、それぞれの上記μ-LEDが発する光を通すための切欠き部が設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
237.上記導体トラックが、上記キャリア基板から離れる方に向かう上記接点層の側に施与されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
238.上記導体トラックが、上記接点層の上記キャリア基板に面している側に施与されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
239.上記導体トラックが上記キャリア基板上に施与されている、主題238記載の画素。
240.上記少なくとも1つのμ-LEDが上記キャリア基板のキャビティ内に配置されており、上記導体トラックが上記キャビティの外側に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
241.上記キャビティ内に変換材料が配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
242.上記接点層と上記キャリア基板の端子素子とを電気的に接続するための接合素子が上記画素素子上に設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
243.ディスプレイの作製のために画素素子を製造する方法であって、
- 平坦なキャリア基板を準備し、上記キャリア基板上に複数の発光構造素子、特にμ-LEDを作製するステップであって、上記μ-LEDのそれぞれが上記キャリア基板から離れる方に向かう上側に電気的コンタクトを有している、ステップと、
- 上記複数の発光構造素子の上記電気的コンタクトに電気的に接続された、少なくとも部分的に導電性の平坦な接点層を施与するステップであって、
上記接点層は、上記複数の発光構造素子が発する光に対して少なくとも部分的に透明に構成されている、ステップと、
- 上記接点層上に、上記接点層と電気的および平面的に接続された導体トラックを設けるステップであって、
上記導体トラックの電気伝導率は、上記接点層の電気伝導率よりも大きい、ステップと
を含む、方法。
244.基板と、上記基板の片面に固定された少なくとも1つのμ-LEDダイとを備えたμ-LED配置構造であって、
- 上記基板に面していない側に、ミラーコーティングによって上記基板の表面の電気制御用コンタクトに電気的に接続された第1の電気的コンタクトを有しており、
-上記ミラーコーティングは、上記少なくとも1つのダイに面している上記基板表面を少なくとも部分的に覆っている、μ-LED配置構造。
245.さらに、
上記電気的コンタクトを覆うように広がっており、上記ミラーコーティングによって上記電気的コンタクトに接合する透明なカバー電極を含み、上記ミラーコーティングは、少なくとも部分的に上記カバー電極の下に配置され、上記カバー電極とは離間している、主題244記載のμ-LED配置構造。
246.上記制御用コンタクトが上記カバー電極の下に配置されておらず、上記ミラーコーティングが少なくとも1つの領域でカバー電極の下に延びていない、主題244または245記載のμ-LED配置構造。
247.上記ミラーコーティングが、特に以下の金属のうちの少なくとも1つ:Al、Ag、AgPdCu、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Zn、および前述の組み合わせを含む金属ミラーを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の配置構造。
248.上記カバー電極が、導電性酸化物層、特にIGZO、金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12または異なる透明導電性酸化物の混合物からなる材料を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
249.上記基板が、上記少なくとも1つのμ-LEDダイを少なくとも部分的に取り囲む外縁部を有し、上記外縁部の上側に上記ミラーコーティングが配置されており、上記ミラーコーティングはその箇所で上記カバー電極面に電気的に接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
250.上記基板が、上記少なくとも1つのμ-LEDダイが配置されたキャビティを有しており、上記キャビティは、上記少なくとも1つのダイの高さに実質的に対応する深さを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
251.μ-LEDダイの周囲には、上記μ-LEDダイの高さ以下の高さである絶縁性の平面絶縁層が設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
252.上記絶縁性の平面絶縁層が、上記カバー電極層と上記ミラーコーティング層との間、特にμ-LEDダイと周りを取り囲む外縁部との間の基板の上に少なくとも部分的に延びている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
253.上記ミラーコーティングが、上記μ-LEDダイに面している上記外縁部の側面に少なくとも部分的に広がっており、上記側面は、特に上記基板の表面に対して面取りされた角度で広がっている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
254.上記カバー電極と上記ミラーコーティングとの直接的な上記電気的コンタクトが、上記絶縁層を介した上記ミラーコーティング材料のスルーホールビアまたはビアによって提供されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
255.上記絶縁層が、少なくとも1つの領域においてμ-LEDダイから離間して面取りされており、上記カバー電極はその箇所で上記ミラーコーティングの方向に向かって延在している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
256.面取りされた領域のフランク部が平坦なリード角(Steigungswinkel)を有している、主題255記載のμ-LED配置構造。
257.上記μ-LEDダイが、上記基板の表面のコンタクトに直接接続された第2の電気的コンタクトを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
258.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を備えた画素であって、それぞれ赤色の光、緑色の光および青色の光を提供するμ-LEDダイが基板上に固定されており、上記μ-LEDダイの第1の電気的コンタクトが透明な導電性カバー電極を介して導電性ミラーコーティング層に接続されている、画素。
259.上記μ-LEDダイが共通の外縁部で取り囲まれているか、または共通のキャビティ内に配置されている、主題258記載の画素。
260.上記μ-LEDダイの間の基板上の領域が、反射層、特に上記ミラーコーティング層で少なくとも部分的に覆われている。前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
261.上記μ-LEDダイが、透明かつ非導電性の材料に埋め込まれている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
262.上記基板が、上記μ-LEDダイのそれぞれを個別にかつ単独で駆動制御するように構成されたリード線を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
263.上記基板が、TFT構造と、各μ-LEDダイに個別に電流供給するための電気リード線とを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
264.上記透明カバー電極の上または中に光整形パターニング層をさらに含み、上記光整形パターニング層は、レンチキュラー素子、フォトニック結晶または準結晶構造を有しており、上記基板の表面に平行に放射される光を抑制または低減するように構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
265.上記透明カバー電極が、特に光をコリメートして上記基板表面から離れる向きに放射させるように、または光を取り出すようにパターニングされている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
266.光を変換するための変換材料が、少なくとも上記μ-LEDダイのうちの1つの上および/または上記μ-LEDダイの周囲に配置されており、上記変換材料は、特に絶縁層によって上記透明カバー電極から電気的に絶縁されていてもよい、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
267.行と列とに個別に駆動制御可能に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の複数の画素を有するμ-ディスプレイモジュール。
268.一列に配置された画素が、共通のカバー層と共通の電気制御用コンタクトとを有している、主題267記載のμ-ディスプレイモジュール。
269.上記μ-画素が、上記基板上に配置された凸部によって互いに分離されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイモジュール。
270.上記基板が、互いに分離された複数のキャビティを有しており、上記複数のμ-画素のそれぞれが上記キャビティのうちの1つに配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイモジュール。
271.少なくともいくつかのキャビティに、光を変換するための変換材料、特に量子ドットが導入されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイモジュール。
272a.上記凸部の側壁または上記キャビティ間の側壁が、反射層、特にミラーコーティング層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイモジュール。
272b.上記基板が、μ-画素を個別にアドレス指定して駆動制御するように構成された、特に前述または後述の主題のいずれか1つ記載の導電性構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイモジュール。
273a.μ-画素を製造する方法であって、以下のステップ:
- 表面に多数のコンタクトを有する基板を準備するステップと、
- 少なくとも1つのμ-LEDダイを上記コンタクトのうちの1つに取り付けるステップであって、上記μ-LEDダイは、上記基板表面に面していない側に更なるコンタクトを有している、ステップと、
- 上記基板表面の電気制御用コンタクトに電気的に接続されかつ上記表面を少なくとも部分的に覆うミラーコーティング層を基板表面に準備するステップと、
- 上記ミラーコーティング層と電気的に接触する上記更なるコンタクト上に、透明なカバー電極を形成するステップと
を含む方法。
273b.上記基板が、少なくとも1つのμ-LEDダイを少なくとも部分的に取り囲む凸部を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273c.上記ミラーコーティング層を、少なくとも部分的に、特に上記μ-LEDダイに面している上記凸部または上記キャビティの側壁に施与する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273d.さらに、
- 上記基板表面に、少なくとも1つのμ-LEDダイを取り囲むように透明な絶縁層を施与するステップであって、上記カバー電極を上記透明な絶縁層上に施与する、ステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273e.さらに、以下のステップのうちの少なくとも1つ:
- 上記凸部の領域または上記少なくとも1つのμ-LEDダイに面していない上記キャビティの端部に、上記カバー電極面とミラーコーティング面とが重なり合うコンタクトを形成するステップ;または
- 透明な絶縁層を貫通するスルーホールビアを形成し、上記スルーホールビアを充填することで、上にある上記カバー電極が上記ミラーコーティング層に接触するようにするステップ;または
- 上記透明な絶縁層の面取りされた側に、上記透明カバー電極と上記ミラーコーティング層とを接触させる導電性接続部を施与するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273f.さらに、
- 上記μ-LEDダイの間で上記基板表面の一部をミラーコーティングするステップ、特に上記μ-LEDダイの間で上記基板表面に上記ミラーコーティング層を施与するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273g.さらに、
上記透明なカバー電極上にパターニング層を形成するステップであって、上記パターニング層は、フォトニック結晶または準結晶構造を有しており、上記基板の表面に平行に放射される光を抑制または低減するように構成されている、ステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273h.さらに、
上記透明なカバー電極をパターニングすることで、特に、光をコリメートして上記基板表面から離れる向きに放射させるか、または光を取り出すステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
273i.さらに、
上記μ-LEDダイのうちの少なくとも1つの上に、光を変換するための変換材料を施与するステップであって、上記変換材料は、特に絶縁層によって上記透明カバー電極から電気的に絶縁される、ステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
274.μ-LED配置構造であって、
キャリア基板と、
上記キャリア基板に少なくとも間接的に接続されて上記キャリア基板から長手方向に向かうカラム、特に、少なくとも1つの活性層を有している半導体シーケンスを備えたナノカラムと
を含み、
上記活性層は、電磁放射を放出するように形成されており、上記放射の少なくとも一部が長手方向に対して横方向に起こるように適用されている、μ-LED配置構造において、
上記キャリア基板上に上記カラムに対して横方向にリフレクタデバイスが配置されており、上記リフレクタデバイスは、長手方向に対して横向きの放射放出を、長手方向に対して平行に延びる主放射方向の向きに少なくとも部分的に変えることを特徴とする、μ-LED配置構造。
275.上記リフレクタデバイスが、上記カラムの異なる側に配置された第1の反射光学素子と第2の反射光学素子とを含んでいることを特徴とする、主題274記載のμ-LED配置構造。
276.上記リフレクタデバイスが2つのカラムの間に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
277.上記リフレクタデバイスが、モノリシックに上記カラムの上記半導体シーケンスの層と形成されている付形層を含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
278.上記リフレクタデバイスが、金属反射層および/またはブラッグミラーを含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
279.上記リフレクタデバイスがフレネルレンズ配置構造を含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
280.上記カラムと上記リフレクタデバイスとの間のビーム経路に、波長変換素子が配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
281.第1のカラムに割り当てられた第1の波長変換素子が、第2のカラムに割り当てられた第2の波長変換素子の放射光束とはスペクトル的に異なる電磁放射を放射するように適用されていることを特徴とする、主題280記載のμ-LED配置構造。
282.上記波長変換素子が、変換材料、特に無機色素または量子ドットを有している、主題280または281記載のμ-LED配置構造。
283.上記リフレクタデバイスが、隣接して配置されたカラムの間に配置された光学分離素子を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
284.リフレクタ配置構造が、上から見たときに、四角錐として形成されており、上記四角錐の各側面がそれぞれカラムの方を向いている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
285.上記μ-LED配置構造が、複数のカラムと、上記カラムに隣り合う上記キャリア基板上に配置された複数のリフレクタデバイスとを含んでおり、上記カラムと上記リフレクタデバイスとはマトリクス配置構造を形成していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
286.上記カラムを超えてリフレクタ構造体に向かって、特にリフレクタ構造体に向かって、それぞれの側に延在している光整形構造体、特にマイクロレンズまたはフォトニック構造体をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
287.上記光整形構造体が、上記カラムおよび/または上記リフレクタ構造体の中に少なくとも部分的に突出している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
288.μ-LED配置構造を製造する方法であって、以下のステップ:
少なくとも1つのカラム、特にキャリア基板に少なくとも間接的に接続されたナノカラムを設置するステップであって、上記ナノカラムは、電磁放射を放出するように形成された少なくとも1つの活性層を有する半導体シーケンスを含んでおり、
上記活性層は、放射放出の少なくとも一部が長手方向に対して横向きになるように設置される、ステップを有する方法において、
上記キャリア基板上に上記ナノカラムに対して横方向にリフレクタデバイスを配置し、上記リフレクタデバイスは、長手方向に対して横向きの上記放射放出を、長手方向に対して平行に延びる主放射方向の向きに少なくとも部分的に変えることを特徴とする、方法。
289.上記リフレクタデバイスの少なくとも1つの付形層および/または上記カラムの半導体シーケンスの層をフォトリソグラフィによりパターニングすることを特徴とする、主題288記載の方法。
290.上記リフレクタデバイスの少なくとも1つの付形層を、異方性エッチングプロセスによりパターニングし、上記付形層と上記カラムとの間にエッチングストップ層を使用することを特徴とする、主題289記載の方法。
291.上記リフレクタデバイスの付形層および/または上記カラムの半導体シーケンスの層をエピタキシャル成長させることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
292.上記リフレクタデバイスの少なくとも1つのリフレクタ表面を、ナノスタンピングプロセスによって形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
293.上記リフレクタ構造体と上記カラムとの間の空間に変換材料を導入するステップをさらに含み、上記変換材料は、特に無機色素および/または量子ドットを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
294.光整形構造体を作製するために、上記カラムおよび上記リフレクタ構造体の上に層を堆積させ、続けてパターニングするステップをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
295.マイクロレンズを上記カラムおよび上記リフレクタ構造体の上に形成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
296.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LED配置構造を備えたμ-ディスプレイであって、上記複数のμ-LED配置構造のカラムが行と列とに配置されている、μ-ディスプレイ。
297.光電子デバイス、特にディスプレイデバイスまたはヘッドライトであって、
- 光を生成するための活性ゾーンを有する半導体層シーケンスを備えた少なくとも1つの光源
を有し、
上記光源の上面には、生成された光の光出射面が形成されており、
上記光源は、上記上面に加えて、上記光源を横方向および/または下方向に区切る少なくとも1つの更なる界面を有している、光電子デバイスにおいて、
上記界面には、生成された光を反射するように形成された誘電体リフレクタが配置されていることを特徴とする、光電子デバイス。
298.上記界面が、上記光源の周りを円周方向に囲む側面と、下面とを有しており、上記下面は上記上面と対向していることを特徴とする、主題297記載の光電子デバイス。
299.
上記誘電体リフレクタが、上記側面にのみ配置されているか、もしくは上記下面にのみ配置されており、または
上記誘電体リフレクタが、上記側面と上記下面の両方に配置されている
ことを特徴とする、主題298記載の光電子デバイス。
300.上記誘電体リフレクタが、上面を除いて、上記光源を囲む界面全体に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
301.上記誘電体リフレクタが、上記光源の対向する2つの側面に形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
302.上記誘電体リフレクタが、特に周期的または非周期的に、異なる屈折率を有する2つの材料層を交互に並べられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
303.上記誘電体リフレクタが、上記半導体層シーケンス内の電流方向が上記導電層を流れる電流方向に対向するように、上記光源のコンタクトを電気的に接続する少なくとも1つの接触型の導電層で構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
304.上記導電層が上記半導体層シーケンスの側面に沿って実質的に平行に延びている、主題301記載の光電子デバイス。
305.上記誘電体リフレクタの上記接触型の導電層が、対向する2つの側面に形成されており、このような接触型の導電層を持たない誘電体リフレクタが他の2つの側面に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
306.材料層の厚さが、放出された光の波長に合わせられていることで、上記誘電体リフレクタが上記波長の光を反射することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
307.上記誘電体リフレクタがブラッグミラーとして形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
308.さらに、
- 上記光出射面上に変換材料を含み、上記変換材料は、無機色素または量子ドットを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
309.さらに、
- 上記光出射面上に光整形構造体、特にフォトニック構造体またはマイクロレンズ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
310.上記光整形構造体が、以下の特性のうちの少なくとも1つ;
- 上記光整形構造体は、異なる屈折率を有する周期領域を含んでいること;
- 上記光整形構造体は、異なる屈折率を有する第1および第2の領域を含んでおり、変換材料が上記第1の領域を形成していること;
- 上記光整形構造体の少なくとも一部が、半導体層シーケンス内に形成されていること
を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
311.前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子デバイスを有し、上記光電子デバイスの上記光源がアレイ状に配置されていることを特徴とする、μ-ディスプレイ配置構造またはモノリシックアレイまたはヘッドライト配置構造。
312.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイ配置構造において、
上記光電子デバイスの上記光源がキャリアに埋め込まれており、特に、上記光源の上記光出射面のみが開放された外側の表面を呈する一方で、上記光源の残りの界面は上記キャリアの材料で取り囲まれているように埋め込まれていることを特徴とする、μ-ディスプレイ配置構造。
313.光電子デバイス、特にディスプレイデバイスまたはヘッドライトを製造する方法であって
半導体材料をベースとする光電子光源を提供し、上記光源は、光を生成するための活性ゾーンと、上面に、生成された光のための光出射面とを有しており、
誘電体リフレクタを、有利には上面を含まない上記光源の界面に配置し、上記誘電体リフレクタは、生成された光を反射するように形成されており、上記界面は、上記光源を横方向および/または下方向に区切っている、方法。
314.光電子デバイス、特にディスプレイデバイスまたはヘッドライトを製造する方法であって、上記方法において、前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子デバイスの上記光源をアレイ状に配置し、上記光源の光出射面を有する上面のみが開放された外側の表面を呈する一方で、それ以外は上記キャリアの材料が上記光源の上記界面を取り囲むように上記光源をキャリアに埋め込む、方法。
315.特に前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子デバイスを備えた、μ-ディスプレイ、モノリシックアレイまたはヘッドライト配置構造を製造する方法であって、上記方法において、
半導体材料をベースとする光電子光源を、各光源が光を生成するための活性ゾーンと、上面に、光のための光出射面としての開放された外側の上面とを有するようにアレイ状でキャリア上に配置し、
各光源のために、上記キャリアの材料に対して上記光源を横方向および/または下方向に区切る少なくとも1つの界面上に、生成された光を反射するように形成された誘電体リフレクタを配置する、方法。
316.上記誘電体リフレクタの配置には、原子層堆積法を用いて上記誘電体リフレクタの材料を成膜することが含まれていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
317.上記誘電体リフレクタの配置には、第1の方法で上記誘電体リフレクタの少なくとも1つの層の材料を配置し、第2の方法で他の層の材料を配置することが含まれ、好ましくは、第1の方法は気相成長法であり、好ましくは、第2の方法は原子層堆積法であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
318.特に前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子デバイスを備えた、μ-ディスプレイを製造する方法であって、上記方法において、
半導体材料をベースとする光電子光源を、各光源が光を生成するための活性ゾーンと、上面に、光のための光出射面としての開放された外側の上面とを有するようにアレイ状でキャリア上に配置し、
上記光源は、上記上面の隣り合う光源の間に少なくとも僅かな隙間があり、その背後に空間ができるように配置し、
各光源のために、上記キャリアの材料に対して光源を横方向および/または下方向に区切る少なくとも1つの界面上に、生成された光を反射するように形成された誘電体リフレクタを配置し、
上記光源の上記誘電体リフレクタは、隣り合う光源の間のそれぞれの隙間に、上記上面から上記誘電体リフレクタ用の材料が、特に原子層堆積法により導入され、上記誘電体リフレクタは、隙間の背後に位置するそれぞれの空間に形成されるように形成する、方法。
319.少なくとも上記光源の上記光出射面を、特にフォトマスクで覆い、同時に上記誘電体リフレクタを上記空間に形成することを特徴とする、主題318記載の方法。
320.μ-LED配置構造または光電子構造素子であって、
- 特に光を発生させるように形成された活性ゾーンを有する、少なくとも1つの半導体素子、特にμ-LEDと、
- 上記少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面の上に配置されており、所定の方向にのみ光を透過するように形成された誘電体フィルターと、
- 上記少なくとも1つの半導体素子の少なくとも一方の側面および上記誘電体フィルターの少なくとも一方の側面に配置された反射材料と
を有する、μ-LED配置構造。
321.上記少なくとも1つの半導体素子の少なくとも1つの側面が、活性ゾーンの高さで傾斜して延びている、主題320記載のμ-LED配置構造。
322.上記少なくとも1つの半導体素子が、第1の端子と第2の端子とを有しており、
上記反射材料が、導電性を有し、上記少なくとも1つの半導体素子の第1の端子に結合されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
323.上記反射材料が、電流供給用の第1の端子に接触するように、上記光源の対向する2つの側面でのみ導電性に形成されていることを特徴とする、主題322記載のμ-LED配置構造。
324.上記反射材料が、電流供給用の上記端子から絶縁されるように、他の2つの側では非導電性に形成されていることを特徴とする、主題323記載のμ-LED配置構造。
325.上記誘電体フィルターが、上記放射方向に隣り合う上記半導体素子の層に少なくとも部分的に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
326.上記誘電体フィルターが、異なる屈折率を有する第1および第2の領域を有しており、変換材料が上記第1の領域を形成している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
327.
- 上記少なくとも1つの半導体素子が、上記第1の主表面に対向する第2の主表面を有しており、
- 上記少なくとも1つの半導体素子の第2の主表面の下には、反射層が配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
328.上記反射層が、少なくとも部分的に導電性であり、上記少なくとも1つの半導体素子の第2の端子に結合されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
329.上記反射層が電気的に絶縁されており、1つ以上の導電層が上記反射層の上および/または下に配置されている、主題323記載のμ-LED配置構造。
330.電気絶縁性の第1の材料が、上記反射材料と上記反射層との間に配置されており、特に上記電気絶縁性の第1の材料は、上記少なくとも1つの半導体素子よりも低い屈折率を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
331.上記少なくとも1つの半導体素子と上記誘電体フィルターとの間に、表面が粗面化された層が配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
332.さらに、
- 光出射面にある変換材料であって、無機色素または量子ドットを有している変換材料;または
- 上記誘電体フィルターと上記μ-LEDとの間にある変換材料であって、無機色素または量子ドットを有している変換材料
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
333.上記少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面が、粗面化された表面を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
334.上記少なくとも1つの半導体素子が、最大でも50μmの横方向の広がりおよび/または最大でも2μmの高さを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
335.上記少なくとも1つの半導体素子が、アレイ状に配置された複数の半導体素子を含んでおり、隣り合う半導体素子は、反射材料によって互いに分離されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
336.上記反射材料が導電性であり、上記半導体素子の第1の端子が上記反射材料を介して共通の外部端子に接続されている、主題330記載のμ-LED配置構造。
337.上記少なくとも1つの半導体素子が、並置された複数の半導体素子を含んでおり、隣り合う半導体素子の間には、電気絶縁性の第2の材料が配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
338.上記反射材が導電性であり、上記電気絶縁性の第2の材料の上および/または下および/または内部には、上記半導体素子の第1の端子を共通の外部端子に接合する導体トラックが延在している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
339.上記半導体素子の第2の端子が、個別に駆動制御可能である、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
340.上記誘電体フィルターの上に配置されたマイクロレンズをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
341.μ-LED配置構造または光電子構造素子を製造する方法であって、
- 少なくとも1つの半導体素子、特に、光を発生させるように形成された活性ゾーンを有する、前述または後述の主題のいずれか1つに記載のμ-LEDを提供するステップと、
- 上記少なくとも1つの半導体素子の第1の主表面の上に誘電体フィルターを配置するステップであって、上記誘電体フィルターは、所定の方向にのみ光を透過するように形成されている、ステップと、
- 上記少なくとも1つの半導体素子の少なくとも1つの側面および上記誘電体フィルターの少なくとも1つの側面に、反射材料を配置するステップと
を含む、方法。
342.ディスプレイのピクセルを生成するための複数のμ-LEDを備えた画素であって、
上記画素は、少なくとも2つのサブ画素、特に同色発光の2つのサブ画素から形成されており、特に各サブ画素はμ-LEDによって形成されており、
同一の画素素子の隣り合う2つのサブ画素の間にはサブ画素分離素子が設けられており、
上記サブ画素分離素子は、それぞれのサブ画素の電気駆動制御に関して分離するように構成されており、それぞれの場合において上記サブ画素が発する光に関して光学的に結合するように構成されている、画素。
343.上記サブ画素が共通のエピタキシャル層を有しており、上記サブ画素分離素子が、主発光方向の上記エピタキシャル層平面に対して横方向に上記エピタキシャル層内にトレンチ状に延在している、主題342記載の画素。
344.上記画素のサブ画素が、互いに独立して電気的に接触可能および/または駆動制御可能である、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
345.少なくとも2つの上記サブ画素が、上記サブ画素分離素子によって分離された共通の活性層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
346.上記サブ画素分離素子が、上記画素の活性層まで延在しているか、または少なくとも部分的に貫通するように延在している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
347.上記サブ画素分離素子が、特に活性層の領域において、拡散したドーパントによって生じた量子井戸インターミキシングによって形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
348.光整形構造体が第1および第2の領域で形成されており、上記領域が少なくとも部分的に上記画素の半導体材料に延在している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
349.上記光整形構造体が上記活性層の部分領域にまで延在している、主題348記載の画素。
350.上記光整形構造体が第2の領域に変換材料を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
351.後述または前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する光整形構造体またはフォトニック構造体を有する、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
352.上記画素の表面を超えて延在しているマイクロレンズをさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
353.透明な導電層が表面に形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
354.少なくとも1つのサブ画素を接触させるための少なくとも1つのコンタクト面が、上記光出射面と反対側の面に設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載の画素。
355.前述の主題のいずれか1つ記載の複数の画素を有するディスプレイであって、
隣り合う2つの画素の間に画素素子分離層が設けられており、上記画素素子分離層は、それぞれの画素の駆動制御に関して上記隣り合う画素を電気的に分離し、上記画素が発する光に関して上記隣り合う画素を光学的に分離するように構成されている、ディスプレイ。
356.上記画素と関連する上記サブ画素とが共通のエピタキシャル層を有しており、上記画素素子分離層が、主発光方向の上記エピタキシャル層平面に対して横方向に上記エピタキシャル層内にトレンチ状に延在している、主題355記載のディスプレイ。
357.上記画素素子分離層のトレンチ深さd1が、上記サブ画素分離素子のトレンチ深さよりも大きい、前述の主題のいずれか1つ記載のディスプレイ。
358.上記隣り合う画素またはサブ画素が、画素素子分離層および/またはサブ画素分離素子によって分離された活性層を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のディスプレイ。
359.上記画素のコンタクト領域に対応するコンタクト領域を有するキャリア層をさらに含み、上記キャリア層には以下の素子のうちの少なくとも1つ:
- 上記画素の電流供給のための導電線;
- 特に主題836から930までのいずれか1つ記載の電流ドライバ回路または供給回路;
- 輝度を調整するための制御回路;
- 画素の少なくとも1つのサブ画素に導電的に接続された1つ以上の溶断ヒューズ
が設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載のディスプレイ。
360.画素を較正する方法であって、以下のステップ:
- 主題836から930までのいずれか1つ記載の画素のサブ画素を制御ユニットによって駆動制御するステップと、
- サブ画素の欠陥情報を検知するステップと、
- 上記欠陥情報を上記制御ユニットの記憶ユニットに記憶するステップと
を有する、方法。
361.画素のすべての個々のサブ画素について、駆動制御、検知および記憶を順次実行する、主題360記載の方法。
362.少なくとも2つのμ-LEDを有し、n型ドープ層とp型ドープ層との間にあるそれぞれのμ-LEDが発光に適した活性ゾーンを形成しているアレイにおいて、
隣接して形成された2つのμ-LEDの間で、n型ドープ側およびp型ドープ側からクラッド層までもしくはクラッド層内まで、または活性ゾーンまでもしくは少なくとも部分的に活性ゾーン内まで、最大厚さdcの材料遷移部が形成されるように、層シーケンスの材料が中断または除去されており、これにより上記材料遷移部における電気的および/または光学的な伝導性が低下することを特徴とする、アレイ。
363.上記材料遷移部が、上記活性ゾーンと、上記活性ゾーンの少なくとも片側にある厚さの小さい残留層を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
364.除去された上記材料が、充填材料で少なくとも部分的に置き換えられていることを特徴とする、主題362または363記載のアレイ。
365.除去された上記材料が、相対的に小さなバンドギャップを有し、ひいては上記活性ゾーンの光を吸収する材料で少なくとも部分的に置き換えられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
366.除去された上記材料が、高い屈折率、特にドープされた材料または充填材料の屈折率よりも高い屈折率を有する材料で少なくとも部分的に置き換えられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
367.上記光を吸収する材料および/または高い屈折率を有する材料が、それぞれの材料遷移部に施与されたことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
368.上記高い屈折率を有する材料が、屈折率を高める材料を、上記充填材料に、特にそれぞれのクラッド層まで拡散または注入することによって形成されたことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
369.光吸収を高める材料および/または電気抵抗を高める材料が、それぞれの材料遷移部の上記活性ゾーンに拡散または注入されたことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
370.少なくとも1つの光学構造体、特にフォトニック結晶および/またはブラッグミラーが、上記材料遷移部に沿って、上記材料遷移部の上で、または上記材料遷移部の中で作製されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
371.2つの互いに対向する電気的コンタクトによって上記材料遷移部の2つの主表面に電気バイアス電圧が印加され、それぞれの材料遷移部によって電界が発生させられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
372.上記材料遷移部の2つの主表面の少なくとも一方に面に施与または成長させたn型ドープ材料および/またはp型ドープ材料によって、それぞれの材料遷移部によって電界が発生させられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
373.上記材料遷移部の露出した主表面および/または上記μ-LEDの露出した表面領域が、特に二酸化ケイ素を有するそれぞれのパッシベーション層によって、電気的に絶縁され、パッシベーションされていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
374.上記μ-LEDの主表面が、コンタクト層によって電気的に接触していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
375.μ-LEDとそれに隣り合うμ-LEDとの間の上記材料および/または上記材料遷移部が、特に方向に応じて互いに異なるように形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
376.主放射方向に面しているアレイの表面に施与された光整形構造体をさらに含み、上記光整形構造体は、特に、後述または前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
377.上記光整形構造体が異なる屈折率を有する領域を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
378.上記光整形構造体が上記μ-LEDの半導体材料の中に延在している、主題376記載のアレイ。
379.上記光整形構造体の部分領域が変換材料で充填されている、主題376から378までのいずれか1つ記載のアレイ。
380.主放射方向に面している表面に施与された変換材料をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載のアレイ。
381.光電子画素のアレイ、特にマイクロ画素-エミッタアレイまたはマイクロ画素-ディテクタ-アレイを製造する方法であって、以下のステップ:
- n型ドープ層およびp型ドープ層の全体的に平面な層シーケンスをアレイに沿って提供するステップであって、それらの間に発光に適した活性ゾーンを形成する、ステップと、
- 上記活性ゾーンを含む最大厚さdcの材料遷移部を残し、隣り合う画素間の電気的および/または光学的な伝導性を低下させるように、形成される隣り合う画素間の材料をn型ドープ側およびp型ドープ側から少なくとも部分的に除去するステップと
を有する、方法。
382.材料を除去するステップが、上記n型ドープ側およびp型ドープ側から非ドープのクラッド層までもしくは非ドープのクラッド層内まで、または活性ゾーンまでもしくは少なくとも部分的に活性ゾーン内まで層シーケンスを除去することを含んでいる、主題381記載の方法。
383.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から除去された材料を、充填材料で少なくとも部分的に置き換えることを特徴とする、主題381記載の方法。
384.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から除去された材料を、相対的に小さなバンドギャップを有し、ひいては上記活性ゾーンの光を吸収する材料で少なくとも部分的に置き換えることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
385.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から除去された材料を、高い屈折率、特にドープされた材料または充填材料の屈折率よりも高い屈折率を有する材料で置き換えることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
386.上記光を吸収する材料および/または上記高い屈折率を有する材料を、それぞれの材料遷移部に施与することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
387.上記高い屈折率を有する材料を、上記充填材料に、特にそれぞれのクラッド層まで拡散または注入することによって形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
388.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から光吸収を高める材料および/または電気抵抗を高める材料を上記活性ゾーンに拡散または注入することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
389.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から上記材料遷移部に沿って、上記材料遷移上または上記材料遷移の中に、少なくとも1つの光学構造体、特にフォトニック結晶および/またはブラッグミラーを作製することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
390.上記n型ドープ側および/またはp型ドープ側から2つの互いに対向する電気的コンタクトを形成して、上記材料遷移部の2つの主表面に電気バイアスを印加し、それぞれの材料遷移部を介して電界を発生させることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
391.上記材料遷移部の2つの主表面のうちの少なくとも一方の面に施与または成長させたn型ドープ材料および/またはp型ドープ材料によって、それぞれの材料遷移部を介して電界を組み込む(eingebaut wird)ことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
392.上記材料遷移部の露出した主表面および/または上記画素の露出した表面領域を、特に二酸化ケイ素を有するそれぞれのパッシベーション層によって、電気的に絶縁し、パッシベーションすることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
393.上記画素の主表面をコンタクト層で電気的に接触させることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
394.上記画素とその隣り合う画素との間の材料および/または材料遷移部を、特に方向に応じて互いに異なるように形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
395.上記ステップを、最初は上記アレイの一方の主表面に対して実行し、その後、基板交換後に上記アレイの他方の主表面に対して実行することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
396.平坦な光電子構造素子、特にμ-LEDを備えたキャリア構造体であって、
- 平坦なキャリア基板と、
- 少なくとも2つのピックアップ要素と
を有し、
上記ピックアップ要素は、少なくとも2つのピックアップ要素の間で第1のμ-LEDを着脱可能に保持するように構成されていることから、上記μ-LEDはキャリア構造面に対して垂直な方向に定義された最小の力で移動することができ、上記少なくとも2つのピックアップ要素のうちの少なくとも1つのピックアップ要素は、隣接して配置された第2のμ-LEDを同時に保持および/または支持するように構成されている、キャリア構造。
397.上記ピックアップ要素が、上記μ-LEDを3つのピックアップ要素によって保持するように上記キャリア基板上に配置されている、主題396記載のキャリア構造体。
398.上記3つのピックアップ要素のうちの少なくとも2つのピックアップ要素が、それぞれ更なる隣接して配置されたμ-LEDを保持および/または支持するように構成されている、主題396記載のキャリア構造体。
399.ピックアップ要素とμ-LEDとの間に配置され、特に上記μ-LEDが移動した後にピックアップ要素上に残る層間剥離層が設けられている、主題396から398までのいずれか1つ記載のキャリア構造体。
400.上記ピックアップ要素が、半導体ウェハのメサトレンチに配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
401.上記キャリア基板とピックアップ要素とが一体的に構成されている、前述の主題までのいずれか1つ記載のキャリア構造体。
402.上記ピックアップ要素が、上記μ-LEDを横方向にかつ上記μ-LEDの下側から保持するように構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
403.上記ピックアップ要素が、キャリア基板平面に対して傾斜しながら離れるμ-LED保持面を有しており、上記μ-LEDが上記ピックアップ要素から離れると上記μ-LEDに対する付着力が低下するようになる、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
404.上記ピックアップ要素のうちの少なくとも1つが、μ-LEDの横方向の面取り領域または側面をピックアップするように構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
405.ピックアップ要素とμ-LEDとの間の接触面積が、上記μ-LEDの総面積の1/20未満、特に1/50未満である、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
406.少なくとも1つのピックアップ要素の上に部分的に上記第1のμ-LEDと第2のμ-LEDとを載置しており、上記ピックアップ要素の表面の一部が、上記第1のμ-LEDと第2のμ-LEDとの間で露出しているか、または上記第1のμ-LEDと第2のμ-LEDとの間で隆起している、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
407.活性層を含む半導体層スタックを備え、上記活性層が前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体の上に配置されている、μ-LED。
408.上記LEDが、メサトレンチによって形成された外縁領域を有しており、上記
外縁領域の上記活性層は、量子井戸インターミキシングによって増大したバンドギャップを有している、主題407記載のμ-LED。
409.上記キャリア構造体の上に配置された突起部を外縁領域が有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
410.μ-LED、特に前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDを備えた、前述の主題のいずれか1つ記載のキャリア構造体。
411.少なくとも2つのμ-LED、特に光電子構造素子を転写する方法であって、上記少なくとも2つのμ-LEDがキャリアの共通のピックアップ要素の上に配置されており、上記キャリアが、上記μ-LEDが配置された犠牲層を含む方法であって、以下のステップ:
- 上記μ-LEDが配置された犠牲層を除去することで、上記μ-LEDを共通のピックアップ要素で保持するステップと、
- 上記少なくとも2つのμ-LEDのうちの少なくとも1つを上記共通のピックアップ要素から取り外すステップと
を含む、方法。
412.μ-LEDを製造する方法であって、以下のステップ:
- 基板を提供するステップと、
- 上記基板上に、特にAlGaAsまたはInGaAlPを有する犠牲層を施与するステップと、
- 反対にドープされた各半導体層の間に活性層を有する機能性層スタックを作製するステップと、
- 上記機能性層スタックの第1の主表面側に第1の導電性コンタクト層を設けるステップと、
- 上記基板に取り付けられ、上記機能性層スタックを支持する少なくとも1つの支持構造体を形成するステップであって、接触した上記機能性層スタックは、リフトアップ時に分断可能である、ステップと、
- 上記機能性層スタックの第2の主表面側と上記基板との間に配置された犠牲層を少なくとも部分的に除去するステップと、
- 除去された上記犠牲層の領域において、上記機能性層スタックの第2の主表面側に第2の導電性コンタクト層を設けるステップと
を有する方法。
413.上記機能性層スタックを作製するステップが、
上記活性層に1つ以上の量子井戸を形成するステップ
を含む、主題412記載の方法。
414.上記機能性層スタックを作製するステップが、
上記活性層の外縁領域および/または少なくとも上記支持構造体に隣接している領域もしくは分断可能なエッジ部に隣接している領域に、量子井戸インターミキシングを形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
415.上記量子井戸インターミキシングを形成するステップが、
- 上記機能性層スタック上にパターニングされたフォトマスクを提供するステップと、
- 第1のプロセスパラメーターを用いてドーパントを施与するステップと、
- 第2のプロセスパラメーターを用いて上記量子井戸インターミキシングを拡散および/または形成するステップ
を含む、主題414記載の方法。
416.上記機能性層スタックを作製するステップが、
前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する量子井戸インターミキシングを形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
417.さらに、
上記接触された機能性層スタックを上記支持構造体から分断させることでリフトアップし、二次基板上に位置決めするステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
418.上記支持構造体を形成するステップが、
上記機能性層スタックの第1の主表面側から上記基板に向けて、特に円錐形状の支持構造体を形成するステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
419.上記第1の導電性コンタクト層を設けるステップが、
上記機能性層スタックの上記第1の主表面側に第1の支持層を施与するステップと、
上記第1の導電性コンタクト層を上記第1の支持層に施与するステップであって、上記第1の支持層および上記第1の導電性コンタクト層が、少なくとも1つの場所で上記基板に設けられており、ひいては支持構造体を少なくとも部分的に形成する、ステップと
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
420.上記第2の導電性コンタクト層を取り付けるステップが、
上記基板に面している上記機能性層スタックの第2の主表面側で、第2の支持層を上記機能性層スタックに直接設けるステップと、
上記第2の導電性コンタクト層を上記第2の支持層に設けるステップと
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
421.上記支持構造体の少なくとも一部を、エピタキシャル的にまたは蒸着もしくは電気めっきによって形成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
422.上記機能性層スタックを上記支持構造体によって不動態化し、上記支持構造体は特に透明であってもよい、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
423.上記犠牲層をウェットケミカルエッチングで除去することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
424.上記第2の導電性コンタクト層を設ける前と後の2つのステップで、上記犠牲層を除去することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
425.さらに、
上記機能性層スタックのフランク部をパッシベーション層で覆うステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
426.上記機能性層スタックのフランク部から上記機能性層スタックの外縁領域に、金属、特にZnを拡散させることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
427.上記第1および/または第2の導電性コンタクト層を、スパッタリング、蒸着、または電気めっきによって設けることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
428.μ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイであって、
- 機能性層スタックを有し、
- 基板に面していない上記機能性層スタックの第1の主表面側に第1の導電性コンタクト層が設けられており、上記基板に面している上記機能性層スタックの第2の主表面側に第2の導電性コンタクト層が設けられており、
- 接触した上記機能性層スタックは、上記基板に取り付けられた支持構造体のうちの少なくとも1つによって支持されており、上記支持構造体から上記接触された機能性層スタックは、リフトアップ時に分断し得る、μ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
429.上記機能性層スタックが、反対にドープされた各層の間にある光学活性層、特に1つ以上の量子井戸で形成された活性層を有していることを特徴とする、主題428記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
430.上記活性層が、上記μ-LEDの外縁領域および/または少なくとも上記支持構造体に隣接している領域もしくは分断可能なエッジ部に隣接している領域に、増大したバンドギャップを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
431.上記活性層の外縁領域、または上記支持構造体に隣接している領域もしくは分断可能なエッジ部に隣接している活性層の領域に、量子井戸インターミキシングを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
432.上記接触された機能性層スタックが、リフトアップと位置決めによって二次基板に転写されたことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
433.上記基板がGaAsを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
434.上記支持構造体が、特にInGaAlPまたはAlGaAsまたはBCBまたは酸化物、例えばSiO2、または窒化物、またはこれらの材料の組み合わせを有しており、かつ/または特に電気的に非導電性であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
435.上記機能性層スタックの上記第1の主表面側に設けられた第1の支持層が、特にInGaAlPおよび/またはAlGaAsを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
436.上記機能性層スタックの上記第2の主表面側に設けられた第2の支持層が、特にInGaAlPおよび/またはAlGaAsを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
437.上記第1および/または第2の導電性コンタクト層が、ITOまたはZnOまたは金属を有しており、かつ/または特に第1および第2の支持層に設けられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
438.上記μ-LEDが、70μm未満、特に50μm未満または20μm未満または10μm未満であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはμ-LEDのアレイ。
439.光電子半導体チップをピックアップおよびプレースする方法であって、
電子-正孔対を光電子半導体チップ内で生成し、これにより、それぞれの上記光電子半導体チップの周囲に電気双極子場が生成され、
ピックアップツールが電界を発生させ、
上記光電子半導体チップを、上記電子-正孔対の生成中または生成後に、上記ピックアップツールによってピックアップし、所定の場所にプレースする、方法。
440.上記光電子半導体チップがμ-LEDまたはLEDである、主題439記載の方法。
441.上記電子-正孔対を生成するために、所定の波長または波長範囲を有する光を上記光電子半導体チップに照射する、主題439または440記載の方法。
442.上記電子-正孔対を生成するための上記光が、上記ピックアップツールを介して上記光電子半導体チップに入射する、主題441記載の方法。
443.上記光電子半導体チップがキャリア上に配置されており、上記電子-正孔対を生成するための上記光が上記キャリアを介して上記光電子半導体チップに入射する、主題442記載の方法。
444.複数の光電子半導体チップを提供し、上記電気双極子場を、複数の光電子半導体チップのうち選択された光電子半導体チップ内でのみ生成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
445.上記ピックアップツールが所定の領域内でのみ電界を発生させる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
446.上記ピックアップツールが、上記光電子半導体チップに面している表面上に複数の凸部を有しており、上記光電子半導体チップは、上記ピックアップツールの上記凸部によってピックアップされる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
447.上記光電子半導体チップに面している上記ピックアップツールの表面の少なくとも一部の領域が平坦であり、上記光電子半導体チップが上記ピックアップツールの平坦な領域でピックアップされる、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
448.上記ピックアップツールが、上記光電子半導体チップの上を転がって上記光電子半導体チップをピックアップする円筒体の形状を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
449.上記ピックアップツールによって発生させた電界を変化させて、上記光電子半導体チップをプレースする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
450.上記光電子半導体チップをピックアップするための上記ピックアップツールが、上記光電子半導体チップに直接接触し、ファンデルワールス力によって保持する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
451.前述または後述の主題のいずれか1つ記載の光電子半導体チップ、μ-LED配置構造またはμ-LEDをピックアップおよびプレースするためのデバイスであって、
光電子半導体チップ内に電子-正孔対を生成して、それぞれの上記光電子半導体チップの周囲に双極電界を発生させるための励起素子と、
上記光電子半導体チップをピックアップおよびプレースするためのピックアップツールであって、電界を発生させ、続けて上記励起素子によって生成された電子-正孔対を有する光電子半導体チップをピックアップし、所定の場所にプレースするように構成されているピックアップツールと
を含む、デバイス。
452.上記励起素子が、上記光電子半導体チップ内に電子-正孔対を生成するための所定の波長または波長範囲を有する光を生成するように形成されている、主題451記載のデバイス。
453.上記励起素子が、上記電子-正孔対を生成するための光が、上記ピックアップツールを介して、または光電子半導体チップが配置されたキャリアを介して、上記光電子半導体チップに入射するように配置されている、主題452記載のデバイス。
454.上記ピックアップツールが、上記光電子半導体チップに面している表面上に複数の凸部を有しており、上記光電子半導体チップが、上記ピックアップツールの上記凸部によってピックアップされる、主題451から453までのいずれか1つ記載のデバイス。
455.上記光電子半導体チップに面している上記ピックアップツールの表面の少なくとも一部の領域が平坦であり、上記光電子半導体チップが上記ピックアップツールの平坦な領域でピックアップされる、主題451から453までのいずれか1つ記載のデバイス。
456.上記ピックアップツールが、上記光電子半導体チップの上を転がって上記光電子半導体チップをピックアップする円筒体の形状を有している、主題451から453までのいずれか1つ記載のデバイス。
457.多数の光電子構造素子のアレイ、特にμ-LEDまたはμ-LED配置構造を処理する方法であって、以下のステップ:
- 第1の密度でキャリア基板上にμ-LEDを作製するステップと、
- 光電子マイクロチップを、上記第1の密度で中間キャリア上に移す第1の転写スタンプによって、第1の転写ステップを実行するステップと、
- 光電子マイクロチップを、第1の密度のn分の1である第2の密度で、上記中間キャリアから、多数のアレイのそれぞれの1つに、特に3色すべてに、共通のアレイ領域を提供するターゲット基板に移す第2の転写スタンプによって、第2の転写ステップを実行するステップであって、上記中間キャリアのサイズは上記第2の転写スタンプのサイズと同じかそれよりも大きく、上記第2の転写スタンプのサイズは、上記アレイ領域と同じかそれのk分の1である、ステップと
を有する、方法。
458.上記μ-LEDを生成する際に、上記μ-LEDをそれぞれのモジュール領域に接続して生成し、上記それぞれのモジュール領域は上記キャリア基板に接続して生成することを特徴とする、主題457記載の方法。
459.上記μ-LEDを生成する際に、第1の付着力で接合するためにモジュール領域と上記キャリア基板との間に第1のアンカー要素を形成し、かつ/または第2の付着力で接合するために上記μ-LEDと上記モジュール領域との間に第2のアンカー要素を形成することを特徴とする、主題458記載の方法。
460.上記第1の転写ステップを実行する際に、上記モジュール領域を上記キャリア基板からリフトアップして上記中間キャリアに移せるように、リフトアップ用の第1の転写スタンプのリフトアップ力を、上記第1の付着力よりも大きく、上記第2の付着力よりも小さく設定することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
461.上記第2の転写ステップを実行する際に、上記μ-LEDを上記モジュール領域からリフトアップして上記ターゲット基板に移せるように、リフトアップ用の上記第2の転写スタンプのリフトアップ力を上記第2の付着力よりも大きく設定することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
462.上記μ-LEDを生成する際に、追加の第1の付着力で接合するために上記モジュール領域と上記キャリア基板との間に追加で第1のリリース要素を形成し、かつ/または追加の第1の付着力で接合するために上記μ-LEDと上記モジュール領域との間に第2のリリース要素を追加で形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
463.上記第1の転写ステップを実行する際に、上記モジュール領域を上記ウェハからリフトアップして上記中間キャリアに移せるように、リフトアップ用の上記第1の転写スタンプのリフトアップ力を、上記第1の付着力の合計よりも大きく、上記第2の付着力の合計よりも小さく設定することを特徴とする、主題462記載の方法。
464.上記第1のリリース要素を事前に除去することで、追加の第1の付着力を特にゼロまで小さくすることを特徴とする、主題463記載の方法。
465.上記第2の転写ステップを実行する際に、上記μ-LEDを上記モジュール領域からリフトアップして上記ターゲット基板に移せるように、リフトアップ用の上記第2の転写スタンプのリフトアップ力を上記第2の付着力よりも大きく設定することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
466.上記第2のリリース要素を事前に除去することで、追加の第2の付着力を特にゼロまで小さくすることを特徴とする、主題465記載の方法。
467.上記モジュール領域を上記中間キャリアに付着するために、上記第2の付着力の合計よりも大きなそれぞれの付着力を有する材料を使用することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
468.上記μ-LEDを生成する際に、上記第1の移送ステップを実行するために、上記モジュール領域をリフトアップして上記中間キャリアに移すためのリフティング要素を上記モジュール領域上に直接形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
469.上記マイクロチップを生成する際に、上記第1の移送ステップを実行するために、上記モジュール領域を上記中間キャリアに位置的に正確に移すための位置決め要素を上記モジュール領域上に直接形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
470.上記第2の移送ステップを実行するために、上記マイクロチップを上記第2の密度を薄めるためのタッピング要素を上記第2の転写スタンプ上に形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
471.特に長方形の上記第1の転写スタンプのサイズを、上記中間キャリアに完全に実装するために上記第1の移送に対する上記キャリア基板の縁部におけるμ-LEDの損失面積のサイズが小さくなるように、特に1色につき上記キャリア基板の面積の20%以下または30%以下になるように、特に円形のウェハのサイズのs分の1に選択することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
472.特に長方形の上記第1の転写スタンプのサイズを、上記中間キャリアを完全に実装するために上記第1の移送に対する上記第1の転写ステップの数rが小さくなるように、特に1色につき10以下または50以下になるように、上記中間キャリアのサイズのr分の1に選択することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
473.上記中間キャリアの形状が、上記第2の転写スタンプの形状、特に上記アレイ領域の形状に対応していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
474.上記中間キャリアに、上記キャリア基板または複数の、特に異なるキャリア基板のテスト済みモジュール領域を装着することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
475.それぞれの上記キャリア基板上のμ-LED間の距離が、上記中間キャリア上のμ-LED間の距離に対応していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
476.それぞれの中間キャリア上のマイクロチップとそれぞれのターゲット基板上のマイクロチップとの間のX方向の距離が、Y方向の距離とは異なっていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
477.複数の中間キャリアを用いて、上記ターゲット基板を実装することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
478.それぞれの中間キャリアの上記μ-LEDの色が、赤色、緑色、青色の単色であり、互いに異なる色のμ-LEDを有する3つの中間キャリアから、多数のアレイをまとめて形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
479.まず、第1のリリース要素を、キャリア基板とモジュール領域との間で選択的に除去し、その後、第2のリリース要素を、μ-LEDとモジュール領域との間で選択的に除去することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
480.特に赤色、緑色および青色の各色ごとに製造された、複数のμ-LED、μ-LEDモジュールまたはμ-LED配置構造を備えたアレイであって、
- 第1の密度でキャリア基板上にμ-LEDを作製するステップと、
- 上記μ-LEDを、上記第1の密度で中間キャリア上に移す第1の転写スタンプによって、第1の転写ステップを実行するステップと、
- 上記μ-LEDを、第1の密度のn分の1である第2の密度で、上記中間キャリアから、多数のアレイのそれぞれの1つに、特に3色すべてに、共通のアレイ領域を提供するターゲット基板に移す第2の転写スタンプによって、第2の転写ステップを実行するステップであって、上記中間キャリアのサイズは上記第2の転写スタンプのサイズと同じかそれよりも大きく、上記第2の転写スタンプのサイズは、上記アレイ領域と同じかそれのk分の1である、ステップと
を有する、方法。
481.前述の主題のいずれか1つ記載の方法に従って製造された、複数のμ-LED、μ-LEDモジュールまたはμ-LED配置構造を備えたアレイ。
482.前述の主題のいずれか1つ記載の方法で使用するための出発構造体において、
第1のアンカー要素によって、モジュール領域がキャリア基板に取り付けられており、
第2のアンカー要素によって、μ-LEDが上記モジュール領域に取り付けられている
ことを特徴とする、出発構造体。
483.前述の主題のいずれか1つ記載の方法で使用するための出発構造体において、
第1のアンカー要素および取り外し可能な第1のリリース要素によって、モジュール領域がキャリア基板に取り付けられており、
第2のアンカー要素および取り外し可能な第2のリリース要素によって、μ-LEDがモジュール領域に取り付けられている
ことを特徴とする、出発構造体。
484.μ-LEDのモジュールを製造する方法であって、以下のステップ:
- キャリア上に形成された第1の層と、上記第1の層上に形成された活性層と、上記活性層上に施与された第2の層とを有する、ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを作製するステップと、
- 上記キャリアに面していない上記第1の層の表面領域を露出させるステップと、
- 上記キャリアに面していない上記第2の層の表面領域に第1のコンタクトを形成するステップと、
- 上記キャリアに面していない上記第1の層の表面領域に第2のコンタクトを形成するステップと
を有する、方法。
485.上記第2のコンタクトを形成するステップが、
- 上記活性層と上記第2の層の部分領域を覆うように電気絶縁性の誘電体を形成するステップと、
- 上記第2のコンタクトを、反対側の上記第1の層の表面領域に電気的に接触しつつ上記キャリアに面していない上記第2の層の表面領域に誘電体を介して広がっている導電性材料で形成するステップと
を含むことを特徴とする、主題484記載の方法。
486.上記少なくとも1つの層スタックの浅いフランクパターニングによって、特に上記第2の層の側から、上記キャリアに面していない上記第1の層の表面領域を露出させ、特に、それぞれの層スタックの周囲を延在する浅いトレンチを作製することを特徴とする、主題484または485記載の方法。
487.複数のベースモジュールを、X-Y平面上で少なくとも1つの行と少なくとも1つの列に沿ったマトリクスとして作製し、それぞれの行のベースモジュールは同じ向きにすることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
488.隣り合う2つの列のベースモジュールを同じ向きにするか、または
隣り合う2つの列のベースモジュールを反対向きにすることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトを互いに隣接して配置することを特徴とする、主題487記載の方法。
489.2つの隣接している反対向きのベースモジュールの共通の層スタックを作製することを特徴とする、主題488記載の方法。
490.以下のステップのうちの少なくとも1つ:
- 複数のベースモジュールを、少なくとも1つのμ-LEDモジュール、特にX-Y平面に沿った長方形または正方形のμ-LEDモジュールに組分けするステップであって、特に複数の行の場合には、各行がベースモジュールによって占められる同じ列を有している、ステップおよび
- 複数のベースモジュールから、上記第1の層を介して、特に上記第2の層の側から、側面を深くパターニングすることによって、少なくとも1つのμ-LEDモジュールを形成するステップ
を有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
491.上記ベースモジュールが、フランク部を深くパターニングする際に、上記第1および第2のコンタクトを露出させるのとは異なり、別のキャリア上に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
492.以下のステップのうちの少なくとも1つ:
- レーザーリフトオフにより上記ベースモジュールまたはμ-LEDモジュールを上記キャリアから引き離すステップと
- 機械的な方法で上記ベースモジュールまたはμ-LEDモジュールを上記キャリアから引き離すステップ
を有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
493.上記μ-LEDモジュールの上記コンタクトを、特にフリップチップ技術を用いて、交換用キャリアまたはエンドキャリアに接触させるステップ
を有することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
494.上記μ-LEDモジュールの、隣り合う反対向きのベースモジュールのコンタクト用に共通のコンタクト領域を作製することを特徴とする、主題493記載の方法。
495.上記第1の層がn型ドープされ、上記第2の層がp型ドープされており、上記活性層は、特に青色または緑色の光を放出するように構成されており、かつ/または
上記第1の層がp型ドープされ、上記第2の層がn型ドープされており、上記活性層は、特に赤色の光を放出するように構成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
496.上記少なくとも1つの層スタックをエピタキシによって作り、かつ/または
露出および/または組分けをエッチングによって実行する
ことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
497.さらに、
深いフランクパターニング部に隣接して延びる上記活性層の領域に量子井戸インターミキシングを発生させるステップ
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
498.ベースモジュールを提供する少なくとも1つの層スタックを有するμ-LEDモジュールであって、上記層スタックは、キャリア上に形成された第1の層と、活性層と、第2の層とを有し、ここで、第1のコンタクトが、上記キャリアに面していない上記第2の層の表面領域内または表面領域上に形成されており、第2のコンタクトが、上記キャリアに面していない第1の層の表面領域内または表面領域上に接続されており、上記第1のコンタクトと上記第2のコンタクトとが互いに離間している、μ-LEDモジュール。
499.上記第1のコンタクトおよび上記第2のコンタクトに面していない上記層スタックの側に光出射面が形成されている、主題498記載のμ-LEDモジュール。
500.上記第2のコンタクトが、誘電体によって遷移層と上記第2の層に対して絶縁されており、上記キャリアに面していない上記第2の層の表面領域上に延在するように形成されていることを特徴とする、主題498記載のμ-LEDモジュール。
501.上記μ-LEDモジュールが、少なくとも1つの行と少なくとも1つの列とからなるマトリクス状に配置された複数のベースモジュールを含んでいることを特徴とする、主題499記載のμ-LEDモジュール。
502.上記μ-LEDモジュールに隣り合うμ-LEDが、深いフランクパターニング部によって分離されている、主題501記載のμ-LEDモジュール。
503.深いフランクパターニング部に隣り合う上記活性層の領域が、特に量子井戸インターミキシングによって生成された増大したバンド構造を有している、主題502記載のμ-LEDモジュール。
504.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュールであって、
隣り合う2つの行の上記ベースモジュールが反対向きにされていることで、同じ極性のコンタクト、特に第1のコンタクトが互いに隣接して配置されていることを特徴とする、μ-LEDモジュール。
505.上記モジュール、特に発光ダイオードモジュールを、前述の主題のいずれか1つ記載の方法によって作製したことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のモジュール。
506.μ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュールであって、
- 第1のキャリア上に形成された全体的に平面なターゲットマトリクスであって、占有可能な場所にμ-LEDの行と列とを有している、ターゲットマトリクスと、
- 主題498から505までのいずれか1つ記載の1つ以上のμ-LEDモジュールであって、1つ以上のベースモジュールを含み、上記1つ以上のベースモジュールのサイズが上記占有可能な場所に対応している、μ-LEDモジュールと
を有する、μ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュールにおいて、
上記μ-LEDモジュールは、上記ターゲットマトリクスにおいて、ベースモジュールで占有されていない多数の場所が残るように、上記第1のキャリアに位置決めされ、電気的に接続されており、上記場所には、少なくとも部分的にそのつど少なくとも1つのセンサー素子が位置決めされ、電気的に接続されていることを特徴とする、μ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
507.上記第1のキャリア上に形成された、同じサイズまたは異なるサイズの全体的に平面な複数のターゲットマトリクスを、それぞれ互いに間隔を空けてターゲットマトリクスが占有できる場所を有する行と列とに沿って形成することを特徴とする、主題506記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
508.上記ベースモジュールがマトリクス平面上に長方形を形成しており、共通の辺に沿って互いに隣り合う任意の数のベースモジュールが組分けされてμ-LEDモジュールを形成していることを特徴とする、主題506または507記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
509.少なくとも1つのμ-LEDモジュールが、2行×2列の4つのベースモジュールを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
510.少なくとも1つのμ-LEDモジュールが、2行×2列の3つのベースモジュールを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
511.それぞれ4つのベースモジュールを有する少なくとも7つのμ-LEDモジュールと、それぞれ3つのベースモジュールを有する少なくとも2つのμ-LEDモジュールとが、このようにターゲットマトリクス上に位置決めされ、電気的に接続されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
512.ベースモジュールが占有していない少なくとも2つの場所が作り出されており、上記場所にそれぞれ少なくとも1つのセンサー素子が位置決めされ、電気的に接続されていることを特徴とする、主題511記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
513.センサー素子が占有している上記場所をベースモジュールが囲っていることを特徴とする、主題512記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
514.上記ベースモジュールが、上記第1のキャリアの第1の側部から電磁放射を放出するように形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
515.上記μ-LEDモジュールが、サブ画素として形成されたベースモジュールを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
516.上記ターゲットマトリクスの上記場所が、1つの画素のサブ画素として形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
517.複数のセンサー素子が、上記第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、上記第1のキャリア上に形成されたセンサー装置の一部として形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
518.少なくとも1つのセンサー要素が、バイタルサイン監視センサーとして形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
519.上記バイタルサイン監視センサーが、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイス画面の背面の背後に配置されており、上記バイタルサイン監視センサーは、上記バイタルサイン監視センサー上の上記ディスプレイ画面の前方主表面に身体の一部を当てたユーザーの1つ以上のバイタルサインパラメーターを測定するようにセットされている、主題519記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
520.ベースモジュールが、それぞれ、第2のキャリア上に形成された第1の層と、上記第1の層上に形成された活性遷移層と、上記活性遷移層上に形成された第2の層とから形成されており、ここで、第1のコンタクトが、上記第2のキャリアに面していない上記第2の層の表面領域に接続されており、第2のコンタクトが、上記第2のキャリアに面していない上記第1の層の表面領域に接続されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
521.上記第2のコンタクトが、誘電体によって遷移層と上記第2の層に対して電気的に絶縁されており、上記第2のキャリアに面していない上記第2の層の表面領域上に延在するように形成されている、主題520記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
522.それぞれの上記センサー素子が、μ-フォトダイオードの形態、またはフォトトランジスタの形態、またはフォトレジスタの形態、または環境光センサーの形態、または赤外線センサーの形態、または紫外線センサーの形態、または近接センサーの形態、または赤外線構造素子の形態で形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュール。
523.第1のキャリア上に形成された、上記ターゲットマトリクスに対してベースモジュールが占有可能な場所の行と列とを有する全面的に平面なターゲットマトリクスを備えた、μ-ディスプレイまたはμ-LEDディスプレイモジュールを製造する方法であって、
第2のキャリア上の複数のベースモジュールが、ターゲットマトリクスに対してベースモジュールが占有可能な場所を等間隔に有するスタートマトリクスを、特に浅いメサエッチングにより形成され、その箇所で、複数のベースモジュールが、特に深いメサエッチングにより組分けされて複数のμ-LEDとなり、これらのμ-LEDモジュールを、特にレーザーリフトオフまたは機械的もしくは化学的プロセスによって上記第2のキャリアから分離する方法において、
上記μ-LEDモジュールを、上記ターゲットマトリクスの第1のキャリア上に、ベースモジュールで占有されていない多数の場所が残るように位置決めし、電気的に接続し、上記場所に、少なくとも部分的に少なくとも1つのセンサー素子をそれぞれ位置決めし、電気的に接続することを特徴とする、方法。
524.上記第1のキャリア上に形成された、同じサイズまたは異なるサイズの全体的に平面な複数のターゲットマトリクスを、それぞれ互いに間隔を空けてターゲットマトリクスが占有できる場所を有する行と列とに沿って形成することを特徴とする、主題523記載の方法。
525.上記ベースモジュールがマトリクス平面上に長方形を形成しており、共通の辺に沿って互いに隣り合う任意の数のベースモジュールを組分けしてμ-LEDモジュールを形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
526.4つのベースモジュールを2行×2列で組分けして少なくとも1つのμ-LEDモジュールを形成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
527.3つのベースモジュールを2行×2列で組分けして少なくとも1つのμ-LEDモジュールを形成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
528.それぞれ4つのベースモジュールを有する少なくとも7つのμ-LEDモジュールと、それぞれ3つのベースモジュールを有する少なくとも2つのμ-LEDモジュールとを、ベースモジュールが占有していない少なくとも2つの場所が作り出されるように、上記ターゲットマトリクス上に位置決めし、電気的に接続し、上記場所にそれぞれ少なくとも1つのセンサー素子を位置決めし、電気的に接続することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
529.センサー素子が占有している上記場所をベースモジュールで囲う、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
530.上記ベースモジュールを、上記第1のキャリアの第1の側部から電磁放射を放出するように形成する、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
531.複数のセンサー素子を、上記第1のキャリアの第1の面に入射する電磁放射を受け取るために、上記第1のキャリア上に形成されたセンサー装置の一部として形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
532.1つのセンサー要素を、バイタルサイン監視センサーとして形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
533.上記バイタルサイン監視センサーを、ディスプレイ画面の内部またはディスプレイス画面の背面の背後に配置し、上記バイタルサイン監視センサーは、上記バイタルサイン監視センサー上の上記ディスプレイ画面の前方主表面に身体の一部を当てたユーザーの1つ以上のバイタルサインパラメーターを測定するようにセットすることを特徴とする、主題532記載の方法。
534.ベースモジュールを、それぞれ、第2のキャリア上に形成された第1の層と、上記第1の層上に形成された活性遷移層と、上記活性遷移層上に形成された第2の層とから形成し、ここで、第1のコンタクトを、上記第2のキャリアに面していない上記第2の層の表面領域に接続し、第2のコンタクトを、上記第2のキャリアに面していない上記第1の層の表面領域に接続することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
535.上記第2のコンタクトを、誘電体によって遷移層と上記第2の層に対して電気的に絶縁し、上記第2のキャリアに面していない上記第2の層の表面領域上に延在するように形成することを特徴とする、主題534記載の方法。
536.それぞれのセンサー素子を、μ-フォトダイオードの形態、またはフォトトランジスタの形態、またはフォトレジスタの形態、または環境光センサーの形態、または赤外線センサーの形態、または紫外線センサーの形態、または近接センサーの形態、または赤外線構造素子の形態で形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
537.μ-LEDモジュールであって、
- 第1の主表面および4つの側面を有する本体と、
- 上記第1の主表面の上に配置された少なくとも3つのコンタクトパッドであって、上記少なくとも3つのコンタクトパッドのうちの少なくとも1つの上に、エッジ長さが15μm以下のμ-LEDが配置されている、少なくとも3つのコンタクトパッドと、
- 複数のであって、それぞれの場合において1つのコンタクトウェブが、上記少なくとも3つのコンタクトパッドのうちの1つに電気的に接続されており、上記3つのコンタクトウェブは、第1の主表面と4つの側面のうちの少なくとも1つとに配置されている、複数のコンタクトウェブと
を含む、μ-LEDモジュール。
538.さらに、
第4のコンタクトウェブを含み、上記第4のコンタクトウェブは、上記4つの側面のうちの第2の側面に配置されており、
- 上記第1の主表面の上では、少なくとも1つのμ-LEDに電気的に接続された第4のコンタクトパッドに接続されているか、または
- 上記第1の主表面の上では、上記3つのコンタクトパッドのうちの少なくとも1つのコンタクトパッドとは反対側の面で上記少なくとも1つのμ-LEDを電気的に接続する光学的に透明なコンタクトパッドと電気的に接続されている、
主題537記載のμ-LEDモジュール。
539.上記4つの側面のうちの上記第2の側面が、上記第4のコンタクトウェブのみを有している、主題537記載のμ-LEDモジュール。
540.上記3つのコンタクトウェブのうちの少なくとも2つが異なる側面に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
541.上記本体がプリズム状の本体を形成しており、上記第1の主表面が上記4つの側面のそれぞれと90°以上の角度をなしている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
542.さらに、
- 上記第1の主表面に実質的に対向する第2の主表面
を含み、
上記第2の主表面は、第1の主表面の面積よりも大きな面積を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
543.上記側面が、上記第1の主表面に対して垂直に配置されていない、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
544.さらに、
- 上記第1の主表面に対向する第2の主表面と
- 上記第2の主表面の上に配置されており、上記4つの側面のうちの少なくとも1つの側面上で上記少なくとも上記3つのコンタクトウェブのそれぞれの1つに接続された少なくとも3つのコンタクトパッドと
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
545.上記コンタクトウェブおよび/または上記コンタクトパッドが、厚さが5μm未満、特に2μm未満、金属タブ、特に蒸着された金属タブを含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
546.上記本体が、
- 少なくとも部分的に導電性材料で充填された少なくとも1つのスルーホールビア
を含み、上記第1の主表面の上の導電性材料は、上記第1の主表面の上に配置された上記少なくとも3つのコンタクトパッドのうちの1つに接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
547.上記本体が、上記第2の主表面の上に、上記第2の主表面の上のコンタクトパッドをスルーホールビアに接続する少なくとも1つのコンタクトウェブが延びる凹部を有しており、上記第1の主表面の上に配置された少なくとも1つの光電子構造素子が上記スルーホールビアに接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
548.上記本体がケイ素を有しており、かつ/または30μm未満、特に5~15μmの範囲の厚さを含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
549.上記コンタクトウェブが、それぞれ上記第1の主表面から上記第2の主表面までの2つの側面の角部に沿って延びている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDモジュール。
550.μ-LEDモジュールを製造する方法であって、以下のステップ:
- 複数の実質的にV字型のトレンチ状の凹部を有するパターニングされたメンブレンウェハであって、トレンチによって仕切られたパターニングされた上記メンブレンウェハの第1の主表面が、上記トレンチのフランク部と90°以上の角度をなすようにパターニングされたメンブレンウェハを提供するステップと、
- 上記メンブレンウェハの上記第1の主表面の上にコンタクトパッドを製造し、任意の配線敷設を含む、ステップと、
- 少なくとも1つのμ-LEDを施与するステップと、
- 上記第1の主表面に面して、一時的なキャリアを施与するステップと、
- 上記メンブレンウェハをトレンチまで、またはトレンチの直前までエッチングバックするステップと、
- 背面のバックコンタクトを施与し、任意に個片化してμ-LEDモジュールを形成するステップとを
含む、方法。
551.画素フィールドを製造する方法であって、以下のステップ:
- 基板上に画素をフィールド状に配置し、上記画素を電気的に接触させるための基板を準備するステップであって、
上記基板は、画素のための一次コンタクトのセットを提供し、上記一次コンタクトのセットは、上記画素のμ-LED群を電気的に接触させるために企図されており、上記基板はさらに、上記画素の交換用コンタクトのセットを提供する、ステップと、
- 上記画素の一次コンタクトに上記μ-LED群を実装するが、上記画素の交換用コンタクトのセットは実装しないステップと、
- 欠陥のあるμ-LEDまたは欠陥のあるコンタクトを上記μ-LEDのセットの中で特定するステップと、
- 上記画素の交換用コンタクトのセットの交換用コンタクトに、上記欠陥のあるμ-LEDまたは欠陥のあるコンタクトの交換用μ-LEDを実装するステップと
を有する、方法。
552.上記μ-LED群の中で欠陥のあるμ-LEDを特定するステップと、特定された上記μ-LEDに対して交換用コンタクトに交換用μ-LEDを実装するステップとを、欠陥があると特定された各μ-LEDに対して交換用μ-LEDが画素内に存在するようになるまで繰り返すことを特徴とする、主題551記載の方法。
553.欠陥があると特定されたμ-LEDを取り除かないことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
554.欠陥があると特定されたμ-LEDと上記交換用μ-LEDとは、同じ色の光を発するように企図されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
555.上記μ-LED群が、1つ以上のRGB-μ-LEDのセットを含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
556.欠陥のあるμ-LEDが画素内に見つからない場合、上記画素の交換用コンタクトに交換用μ-LEDを実装しないことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
557.上記一次コンタクトおよび/または上記交換用コンタクトが、上記μ-LEDもしくは上記交換用μ-LEDのアノード側もしくはカソード側、またはアノード側とカソード側の両方に接触するように形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
558.μ-LEDまたは交換用μ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有するμ-LEDまたはμ-LEDモジュールまたはベースモジュールであることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
559.特定された欠陥のあるμ-LEDの電気的接触を切断することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
560.欠陥があると特定されたμ-LEDに対して交換用コンタクトに交換用μ-LEDを実装するステップを、上記交換用μ-LEDが発する光の色とは無関係に行うことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
561.上記画素のすべての一次コンタクトにμ-LEDを実装することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
562.画素フィールドであって、
基板上に画素をフィールド状に配置し、上記画素を電気的に接触させるための基板
を有し、
上記基板は、少なくとも1つの画素のための一次コンタクトのセットを提供し、上記画素の上記一次コンタクトのセットは、μ-LED群と電気的に接触するために企図されており、上記基板はさらに、上記少なくとも1つの画素のための交換用コンタクトのセットを有しており、
- 上記画素の一次コンタクトには、上記μ-LED群が実装されており、
- 上記μ-LED群は、欠陥のある非アクティブなμ-LEDを有しており、
- 上記画素の交換用コンタクトのセットの1つの交換用コンタクトに、欠陥のある非アクティブなμ-LEDの代わりとして交換用μ-LEDが実装されている、
画素フィールド。
563.少なくとも2つの画素では、占有される上記交換用コンタクトの数が異なっていることを特徴とする、主題562記載の画素フィールド。
564.前述の主題のいずれか1つ記載の画素フィールドまたは前述の主題のいずれか1つ記載の方法に従って製造された画素フィールドを有している、μ―ディスプレイ。
565.μ-LEDであって、
- p型ドープ層と、
- n型ドープ層と、
- p型ドープとn型ドープ層との間に配置された活性領域と
からなる層スタックであって、
上記層スタックは、主表面を超えて隆起し、上記活性領域は、上記主表面から見て、上記層スタックの中心の上に配置されており、上記層スタックは、上記主表面から縮小する直径を有している、層スタックと、
上記層スタックの表面を覆う反射層と
を含む、μ-LED。
566.上記層スタックが半球または放物線状または楕円状の形状を有している、主題565記載のμ-LED。
567.上記反射層に隣り合う上記活性層の領域が、増加したバンドギャップを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
568.上記反射層に隣り合う上記活性層の領域が、量子井戸インターミキシングを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
569.上記反射層が、上記活性領域と、上記表面領域に隣り合う上記層スタックの層との間に誘電体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
570.ディスプレイのピクセルを作製するためのμ-LED配置構造であって、
- 平坦なキャリア基板と、
- 上記キャリア基板の実装面に配置された少なくとも1つのμ-LEDであって、
上記μ-LEDは、光がキャリア基板平面を横切って上記キャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている、μ-LEDと、
- 平坦なリフレクタ素子であって、
上記リフレクタ素子は、上記少なくとも1つのμ-LEDが発する光を上記キャリア基板の方向に反射するように、上記少なくとも1つのμ-LEDに対して上記実装面に空間的に配置および構成されている、リフレクタ素子と
を有しており、
上記キャリア基板は、上記リフレクタ素子から反射された光が上記キャリア基板を伝搬して、実装面とは反対側の上記キャリア基板のディスプレイ面に出射するように、少なくとも部分的に透明に構成されている、μ-LED配置構造。
571.上記少なくとも1つのμ-LEDから反射された光を散乱させるために、上記少なくとも1つのμ-LEDに向いた上記リフレクタ素子の側にディフューザ層が設けられており、かつ/またはリフレクタ材料がディフューザ粒子を有している、主題570記載のμ-LED配置構造。
572.上記ディフューザ層および/または上記ディフューザ粒子が、Al2O3および/またはTiO2を有している、主題571記載のμ-LED配置構造。
573.上記リフレクタ素子が、円形、多角形または放物線状に上記少なくとも1つのμ-LEDを取り囲んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
574.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つのμ-LEDの電気的コンタクトを形成している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
575.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つのμ-LEDが発する光の少なくとも90%が、キャリア基板平面に対して45°~90°の角度で上記キャリア基板の実装面に入射するように構成および形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
576.上記少なくとも1つのμ-LEDが、リフレクタ素子に取り囲まれた3つのμ-LEDを含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
577.上記少なくとも3つのμ-LEDが、上記リフレクタ素子に面している側に、共通の電気的コンタクトのために透明なカバー層で覆われたコンタクト領域を有している、主題576記載のμ-LED配置構造。
578.上記キャリア基板が、ポリアミド、透明なプラスチック、樹脂またはガラスを有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
579.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つのμ-LEDの反射層として形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
580.上記少なくとも1つのμ-LEDのメサエッジにおける光の反射を減衰または除去するために、パッシベーション層が追加で設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
581.上記キャリア基板の実装面および/またはディスプレイ面に、上記リフレクタ素子の外側で光吸収コーティングが設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
582.上記キャリア基板のディスプレイ面が、凹凸部および/または粗面化された構造を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
583.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に、上記リフレクタ素子と対向するようにカラーフィルター素子が配置されており、
上記カラーフィルター素子は、上記少なくとも1つのμ-LEDの原色スペクトルを通過させ、相違する色スペクトルを減衰させる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
584.上記キャリア基板に、後述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する光整形構造体、特にフォトニック構造体が導入されており、上記構造体は、第1および第2の領域を異なる屈折率で導入している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
584.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に、光整形構造体および/または光変換構造体が配置されており、上記構造体は第1および第2の領域を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
585.上記第1の領域が変換材料を含んでいる、主題583または584記載のμ-LED配置構造。
586.上記少なくとも1つのμ-LEDを取り囲み、μ-LEDと反射材料との間の空間を埋める変換材料を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
587.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に変換材料を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
588.前述の主題のいずれか1つ記載の複数の画素素子を有している、光学ディスプレイ。
589.光学画素素子を製造する方法であって、以下のステップ:
- 少なくとも1つのμ-LEDを、平坦なキャリア基板の実装面に取り付けるステップと、
- リフレクタ素子を作製するステップであって、
上記リフレクタ素子は、上記少なくとも1つのμ-LED上に、上記少なくとも1つのμ-LEDが発する光が上記キャリア基板の方向に向けて反射されるように光反射層として形成されている、ステップと
を有する、方法。
590.光電子デバイス、特にμ-LED上のフォトニック構造体であって、
上記光電子デバイスを形成する、電磁放射を生成するための活性ゾーンを入れた一連の層と、
フォトニック結晶構造体を有する主放射面上の少なくとも1つの層と
を含んでいる、フォトニック構造体。
591.上記一連の層の層と、
上記フォトニック結晶構造体を有する少なくとも1つの層とが、上記層の成長方向に沿って互いに重なり合って配置されており、上記フォトニック結晶構造体は、上記成長方向に対して垂直な面内で周期性を有している、主題590記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
592.上記フォトニック結晶構造体が、異なる屈折率を有する第1および第2の領域を有している、主題590記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
593.上記フォトニック構造体が、第1の方向に第1の周期性を有しており、第2の方向に第2の周期性を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
594.上記第1の周期性と上記第2の周期性とが同じである、主題593記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
595.上記フォトニック結晶構造体が、上記一連の層のうちの1つの層の中に少なくとも部分的に延在している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
596.上記周期性が、上記フォトニック結晶構造体によって回折されなければならない電磁放射の波長に対応する特定の波長の約半分に対応している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
597.上記フォトニック結晶構造体を有する層が、例えば、二酸化ケイ素SiO2を含むか、もしくはそれからなる誘電体層であり、かつ/または上記フォトニック結晶構造体内の空間が、上記フォトニック結晶構造体を形成する第1の材料の屈折率と異なる屈折率を有する第2の材料で満たされているか、もしくはそれからなる、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
598.上記フォトニック結晶構造体を有する層の下面が、上記一連の層の上面に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
599.上記一連の層のうちの少なくとも1つの層の一部が、上記フォトニック結晶構造体を有する層の中に突出している、主題598記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
600.上記一連の層の上面には、表面粗化部、例えばウィグワム表面粗化部が施されている、主題597または599記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
601.上記フォトニック結晶構造体が、上記一連の層の上面から間隔を空けて配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
602.上記フォトニック結晶構造体を有する層上に配置されたミラー層をさらに含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
603.金属ミラー層をさらに含み、上記一連の半導体層が、上記金属ミラー層と、上記フォトニック結晶構造体を含む層との間に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
604.光電子配置構造がμ-LEDである、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス上のフォトニック構造体。
605.光電子デバイスであって、
少なくとも1つの光電子発光デバイス、例えばμ-LEDであって、
上記光電子発光デバイスは、上記光電子発光デバイスの少なくとも1つの発光面を介して光を放出するように構成されている、光電子発光デバイスと、
少なくとも1つのフォトニック結晶構造体であって、上記フォトニック結晶構造体は、上記光電子発光デバイスの発光面と上記光電子デバイスの発光面との間に配置されている、少なくとも1つのフォトニック結晶構造体と
を含んでいる、光電子デバイス。
606.特に前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイスを製造する方法であって、上記方法が、
- 電磁放射を発生させるための活性ゾーンを入れた一連の層を成長させるステップと、
- 上記一連の層の上側に、フォトニック結晶構造体を有する少なくとも1つの層を成長させるステップと、
上記フォトニック結晶構造体を有する層の上に、任意にミラー層を設けるステップと、
任意に、上記活性ゾーンを有する上記一連の層の下にミラー層を設けるステップと、
任意に、例えばメサドライエッチングプロセスなどのエッチングプロセスを実行するステップと
を含む、方法。
607.μ-LEDを製造する方法であって、
μ-LEDの活性層を提供する半導体ボディの表面領域に、以下の方法によって取り出し構造体を作製するステップであって、
上記表面領域パターニングするステップ;および
上記パターニングされた表面領域を平坦化して、上記表面領域の平坦化された表面を得るステップ
を有する、方法。
608.上記表面領域をパターニングするステップが、以下のステップのうちの少なくとも1つ:
- 上記表面領域にランダムなトポロジーを生成するステップと、
- 第1の材料を有する上記半導体ボディの表面領域の表面を粗面化するステップと、
- 大きな屈折率、特に2超の屈折率を有する透明な第2の材料を、特に層ごとに上記表面領域に施与し、上記第2の材料を粗面化するステップと、
- 上記表面領域の秩序立ったトポロジーを生成するステップと、
- 大きな屈折率、特に2超の屈折率を有する透明な第2の材料を特に層ごとに上記表面領域に施与し、周期的フォトニック構造体または非周期的フォトニック構造体、特に準周期的または決定論的非周期的なフォトニック構造体を上記第2の材料に内部構造化するステップと
を含む、主題607記載の方法。
609.大きな屈折率を有する上記透明な第2の材料が、Nb2O5を有している、主題608記載の方法。
610.上記平坦化するステップが、
上記構造化された表面領域に、屈折率の小さい、特に1.5よりも小さい透明な第3の材料を、特に層ごとに施与し、上記構造化された表面領域の表面が、上記半導体ボディの第1の材料または屈折率の大きい第2の材料の中で最も高い位置にあるものと平坦および/または平滑になるまで、設けられた上記屈折率の小さい透明な第3の材料を任意に薄くするステップを含む、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
611.上記屈折率の小さい透明な第3の材料がSiO2を有しており、特にTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)を用いて施与される、主題610記載の方法。
612.μ-LEDを提供する半導体ボディの表面領域に取り出し構造体を含んでいるμ-LEDであって、
平滑な表面領域を構築するために、表面領域が平坦化されている、μ-LED.
613.上記平滑な表面領域が、平均粗さ値として20ナノメートル未満、特に1ナノメートル未満の範囲の粗さを有している、主題612記載のμ-LED。
614.上記取り出し構造体が、構造素子の半導体の粗面化された第1の材料の上に、屈折率の小さい透明な第3の材料、特にSiO2を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
615.上記取り出し構造体が、屈折率の大きい粗面化された透明な第2の材料、特にNb2O5の上に、屈折率の小さい透明な第3の材料、特にSiO2を有しており、上記第2の材料は、上記構造素子の半導体の第1の材料上に設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
616.上記取り出し構造体が、屈折率の大きい透明な第2の材料上に、屈折率の小さい透明な第3の材料、特にSiO2を有しており、上記第2の材料は、上記構造素子の半導体の第1の材料上に設けられており、周期的フォトニック結晶または非周期的フォトニック構造体、特に準周期的または決定論的非周期的なフォトニック構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED。
617.光電子構造素子用の変換素子であって、入射した励起光によって励起されると、変換された光線を放射領域に放出する変換材料を備えた少なくとも1つの層を有している変換素子において、上記層は、上記変換材料が少なくとも部分的に配置されており、上記光線が上記放射領域に向けて指向性ビーム束として放出されるように構成されている構造体を少なくとも領域ごとに有していることを特徴とする、変換素子。
618.上記構造体が、準周期的または決定論的非周期的に構成されていることを特徴とする、主題617記載の変換素子。
619.上記層が、少なくとも1つのフォトニック結晶、準周期的フォトニック構造体、または決定論的非周期的フォトニック構造体を有していることを特徴とする、主題617または618記載の変換素子。
620.上記構造体が、上記変換材料が配置されている少なくとも1つの凹部を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子。
621.上記層が、光学的バンドギャップを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子。
622.上記構造体が、少なくとも500nmの平均厚さを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子。
623.上記構造体を有する層が、上記層が配置されている平面に対して垂直に上記指向性ビーム束が放出されるように構成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子。
624.上記層の少なくとも片側には、光学フィルター素子が配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子。
625.光電子構造素子用の光整形構造体であって、入射した励起光によって励起されると、変換された光線を放射領域に放出する変換材料を備えた少なくとも1つの層を有している光整形構造体において、上記層は、上記変換材料が少なくとも部分的に配置されており、上記光線が上記放射領域に向けて指向性ビーム束として放出されるように構成されている構造体を少なくとも領域ごとに有している、光整形構造体。
626.上記構造体が、準周期的または決定論的非周期的に構成されていることを特徴とする、主題625記載の光整形構造体。
627.上記層が、少なくとも1つのフォトニック結晶、準周期的フォトニック構造体、または決定論的非周期的フォトニック構造体を有していることを特徴とする、主題625または626記載の光整形構造体。
628.上記構造体が、上記変換材料が配置されている少なくとも1つの凹部を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体。
629.上記層が、光学的バンドギャップを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体。
630.上記構造体が、少なくとも500nmの平均厚さを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体。
631.上記構造体を有する層が、上記層が配置されている平面に対して垂直に上記指向性ビーム束が放出されるように構成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体。
632.上記層の少なくとも片側には、光学フィルター素子が配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体。
633.μ-LEDと前述の主題のいずれか1つ記載の変換素子とを備えたμ-LED配置構造であって、上記μ-LEDは、励起光を上記変換素子に放射するために形成されており、上記変換素子は、変換材料を備えた少なくとも1つの層を有している、μ-LED配置構造。
634.μ-LEDと前述の主題のいずれか1つ記載の光整形構造体とを備えたμ-LED配置構造であって、上記μ-LEDは、励起光を上記光整形構造体に放射するために形成されており、上記光整形構造体は、変換材料を備えた少なくとも1つの層を有している、μ-LED配置構造。
635.上記層が、上記μ-LEDの半導体基板の一部であることを特徴とする、主題633または634記載の光線源。
636.上記変換素子または上記光整形構造体の上記構造体が、上記μ-LEDの半導体基板内に形成されていることを特徴とする、主題633から635までのいずれか1つ記載の光線源。
637.上記変換材料を備えた上記構造体が、上記半導体基板が配置されている平面に対して垂直に変換された光線が上記放射領域内に放出されるように構成されていることを特徴とする、主題633から636までのいずれか1つ記載の光線源。
638.上記変換素子または上記光整形構造体の上記構造体が、少なくとも部分的に上記μ-LEDの活性層に配置されていることを特徴とする、主題633から637までのいずれか1つ記載の光線源。
639.主題633から638までのいずれか1つ記載の光線源6を製造する方法において、上記変換素子または上記光整形構造体の上記構造体を、上記μ-LEDの半導体基板に少なくとも1回のエッチングステップを施すことにより形成することを特徴とする、方法。
640.上記変換素子または上記光整形構造体の上記構造体の少なくとも一部に、上記変換材料を充填することを特徴とする、主題639記載の方法。
641.光電子デバイスまたはμ-LEDアレイであって、
上記光電子デバイスの光出射面から光を発生させるための複数のμ-LEDを有する配置構造と、
上記光出射面と上記複数のμ-LEDとの間に配置された少なくとも1つのフォトニック構造体と
を有している、光電子デバイス。
642.上記フォトニック構造体が、上記μ-LEDによって生成された光をビーム整形するように形成されており、特に、上記光が上記光出射面から少なくとも実質的に垂直に出射するように形成されている、主題641記載の光電子デバイス。
643.上記フォトニック構造体がフォトニック結晶を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
644.上記配置構造が、上記μ-LEDが複数の画素を表しかつ層状に配置されたアレイであり、上記層の中にはフォトニック結晶が配置または形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
645.上記配置構造が、上記μ-LEDが複数の画素を表しかつ第1の層に配置されたアレイであり、フォトニック構造体が更なる第2の層に配置されており、上記第2の層は、上記第1の層と上記光出射面との間に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
646.上記配置構造が、第1の層に配置されている複数のμ-LEDを有しており、更なる第2の層にフォトニック結晶が配置されており、上記第2の層は、上記第1の層と上記光出射面との間に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
647.各μ-LEDが再結合ゾーンを有しており、上記フォトニック結晶は、上記フォトニック結晶が上記再結合ゾーンの領域に存在する光学的な状態密度を変化させるように、特に、伝搬方向が光出射面に平行および/または小さな角度をなす少なくとも1つの光学モードに対してバンドギャップが生成されるように、上記再結合ゾーンの近くに配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
648.上記フォトニック結晶は、光スポットの位置とは無関係に、上記光出射面に平行に広がる面に対して配置されており、かつ/または
上記フォトニック結晶は、平面を挟んで互いに直交する2つの空間方向に光屈折率の周期的な変化を有する2次元フォトニック結晶であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
649.上記フォトニック構造体が、上記光出射面と上記複数のμ-LEDとの間に少なくとも部分的に延在する複数のピラー構造体を含んでおり、それぞれのピラーは、μ-LEDに割り当てられており、上記光出射面に対して垂直な方向から見たときに上記μ-LEDと同一平面上にあることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子デバイス。
650.上記デバイスが、上記μ-LEDが複数の画素を表しかつ第1の層に配置されたアレイであり、上記ピラーが更なる第2の層に配置されており、上記第2の層は、上記第1の層と上記光出射面との間に配置されていることを特徴とする、主題649記載の光電子デバイス。
651.上記デバイスが、第1の層に配置されている複数のμ-LEDを有しており、更なる第2の層に上記ピラー結晶が配置または形成されており、上記第2の層は、上記第1の層と上記光出射面との間に配置されていることを特徴とする、主題649記載の光電子デバイス。
652.上記配置構造が、上記μ-LEDが複数の画素を表すアレイであり、それぞれの画素はそれぞれのピラーによって形成されていることを特徴とする、主題649記載の光電子デバイス。
653.光電子デバイス、特に前述の主題のいずれか1つ記載のデバイスを製造する方法であって、
上記光電子デバイスからの光出射面から出射する光を生成するための複数のμ-LEDを備えた配置構造を提供または製造し、
上記光出射面と上記複数のμ-LEDとの間に、少なくとも1つのフォトニック構造体を配置する、方法。
654.光出射面を介して光線を発するする少なくとも1つのμ-LEDと、偏光素子であって、上記光出射面に少なくとも部分的に隣接し、上記μ-LEDから発せられる光線が上記偏光素子を通過する際に、その偏光および/または光度を変化させる偏光素子とを備えたμ-LED配置構造において、上記偏光素子がフォトニック構造体を有していることを特徴とする、μ-LED配置構造。
655.3次元フォトニック構造体であり、かつ/または上記偏光素子が上記光出射面の少なくとも一部の領域に配置された層の形態で構成されていることを特徴とする、主題654記載のμ-LED配置構造。
656.上記μ-LEDが縦型μ-LEDであり、対向する面にそれぞれ接続用コンタクトが設けられていることを特徴とする、主題654または655記載のμ-LED配置構造。
657.上記μ-LEDが、光、特に赤色、緑色、青色の光、紫外光または赤外光を発し、上記光が偏光素子に入射するように形成されており、上記偏光素子は、光線が上記偏光素子を通過したときに振動方向に偏光させることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
658.上記偏光素子が、螺旋状および/または棒状の構造要素を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
659.上記μ-LEDが、上記μ-LEDから発せられる励起光によって励起されたときに、変換された光線を放出する変換材料を備えた少なくとも1つの変換素子を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
660.上記偏光素子が、少なくとも1つの3次元フォトニック結晶を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
661.上記偏光素子が、上記偏光素子を通過する光線のビーム経路に沿って連続して配置された少なくとも2つの2次元フォトニック結晶を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
662.上記偏光素子が、その偏光素子を通過する光線の波長に応じて、少なくとも2つの異なる偏光特性および/または透過率を有している、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
663.上記μ-LEDは、上記μ-LEDから発せられる励起光によって励起されたときに、変換された光線を発する変換材料を備えた変換素子を有しており、上記偏光素子に入射する励起光は、上記偏光素子を通過したときに、変換された光線が通過する場合と比較して、異なって偏光し、かつ/または異なった強さで吸収することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
664.上記偏光素子の3次元構造体が、上記光出射面に隣り合う上記μ-LEDの半導体層に少なくとも部分的に導入されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
665.3次元フォトニック構造体であり、変換材料が上記3次元フォトニック構造体内に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造。
666.光出射面を介して光線を発する少なくとも1つのμ-LEDと、偏光素子であって、上記光出射面に少なくとも部分的に隣接し、上記μ-LEDから発せられる光線が上記偏光素子を通過する際に、その偏光および/または光度を変化させる偏光素子とを備えたμ-LED配置構造を製造する方法において、
上記μ-LEDの上記光出射面に、偏光素子として、特に3次元のフォトニック構造体が、特に二光子リソグラフィまたは斜め蒸着法によって施与し、かつ/または上記光出射面に隣り合う上記μ-LEDの半導体層に上記フォトニック構造体を配置することを特徴とする、方法。
667.上記フォトニック構造体を、上記μ-LEDが発する光線の波長に応じて寸法づけることを特徴とする、主題666記載の方法。
668.3次元画像を生成するためのデバイスにおける、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造の使用。
669.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を、拡張現実用途のための3次元画像のコンピュータ支援での生成に用いることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造の使用。
670.光電子構造素子、特にμ-LED配置構造であって、
光出射面を介して電磁放射を放出する少なくとも1つのμ-LEDと、
上記電磁放射が上記光出射面を経由して出射する前に、上記電磁放射をビーム整形するためのフォトニック構造体と
を含み、
上記フォトニック構造体は、上記電磁放射が特定の遠方界を有するように上記電磁放射を形成する、光電子構造素子。
671.上記フォトニック構造体が、1次元フォトニック構造体、特に1次元フォトニック結晶であることを特徴とする、主題670記載の光電子構造素子。
672.上記フォトニック構造体が、特に1次元フォトニック結晶として、放出された電磁放射が第1の空間方向に少なくとも近似的にコリメートされるように形成されていることを特徴とする、主題670または671記載の光電子構造素子。
673.主放射方向から見て、光出射面の下流側にコリメーション光学系が配置されており、上記光学系は、上記第1の空間方向と直交する更なる第2の空間方向(R2)に上記電磁放射をコリメートするように形成されていることを特徴とする、主題672記載の光電子構造素子。
674.上記フォトニック構造体、特に1次元フォトニック結晶として形成されたフォトニック構造体が、上記電磁放射の主放射方向が上記光出射面の法線に対してある角度で延びるように構成されており、上記角度はゼロではないことを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子。
675.1次元フォトニック結晶として形成された上記フォトニック構造体が、上記光出射面の下の層に配置されており、上記1次元フォトニック結晶は、光屈折率の異なる2つの材料が第1の方向に延びる、周期的に繰り返されるシーケンスを有しており、上記材料は、直交せずに、光出射面に対して傾斜して延びる、互いに接触し合う界面を有していることを特徴とする、主題674記載の光電子構造素子。
676.上記フォトニック構造体が、2次元フォトニック構造体、特に2次元フォトニック結晶であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子。
677.上記2次元フォトニック構造体が、上記電磁放射が、定義された、特に離散的なパターンを遠方界に生成するように構成されていることを特徴とする、主題676記載の光電子構造素子。
678.上記フォトニック構造体が、上記光出射面の下の層、特に半導体層に配置されており、かつ/または
上記フォトニック構造体が、上記光電子エミッタユニットの半導体層に形成されており、かつ/または
上記光電子エミッタユニットが、変換材料を有する層を含み、上記フォトニック構造体は、上記変換材料を有する層、または上記変換材料を有する層と上記光出射面との間の層に形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子。
679.上記フォトニック構造体が、特にフォトニック結晶の代わりに、準周期的または決定論的非周期的なフォトニック構造体であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子。
680.表面トポグラフィー検知システムであって、
光電子構造素子であって、
光出射面を介して電磁放射を放射する少なくとも1つの光電子エミッタユニットと、
上記電磁放射が上記光出射面を経由して出射する前に、上記電磁放射をビーム整形するためのフォトニック構造体と
を含む光電子構造素子を備え、
上記フォトニック構造体は、上記電磁放射が特定の遠方界を有するように上記電磁放射を形成し、
上記フォトニック構造体は、2次元フォトニック構造体、特に2次元フォトニック結晶であり、
上記2次元フォトニック構造体は、上記電磁放射が、定義された、特に離散的なパターンを遠方界で生成するように構成されており、
上記表面トポグラフィー検知システムは、さらに
遠方界のパターンを検知するために形成された、特にカメラを備えた検出ユニット
を有している、表面トポグラフィー検知システム。
681.所定の基準パターンに対するパターンのずれを突き止めるために形成された分析装置を含んでいることを特徴とする、主題680記載の表面トポグラフィー検知システム。
682.上記分析装置が、突き止められた上記ずれに応じて、上記パターンにより照らされた物体の形状および/または構造を決定するように形成されていることを特徴とする、主題681記載の表面トポグラフィー検知システム。
683.物体をスキャンするためのスキャナーであって、前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つの光電子構造素子を含んでいる、スキャナー。
684.導光体デバイスであって、
- 少なくとも2つの発光素子、特にμ-LEDを有し、2つの異なる色の光を発する発光デバイスと、
- 第1の色の光を導き、出力部を有する細長い第1の導光体と、
- 第2の色の光を導き、出力部を有する細長い第2の導光体と、
- 上記第1の導光体に隣接して配置され、上記第1の色の光を上記細長い第1の導光体に反射するように構成された第1の取り込み素子と、
- 上記第2の導光体に隣接して配置され、上記第2の色の光を上記細長い第2の導光体に反射するように構成された第2の取り込み素子と
を含む、導光体デバイス。
685.さらに、
- 上記第2の取り込み素子の反対側に設けられ、上記細長い第2の導光体に隣り合う第3の取り込み素子であって、上記第3の取り込み素子は、第3の色の光を上記細長い第2の導光体に反射するように構成されている、第3の取り込み素子
を含む、主題684記載の導光体デバイス。
686.上記第1の取り込み素子が、上記第1の色とは異なる色の光に対して透過性である、主題684または685記載の導光体デバイス。
687.上記第2の取り込み素子が上記第3の色の光に対して透過性である、主題685記載の導光体デバイス。
688.上記異なる色の光が、それぞれの上記導光体の表面に対して45°~90°の入射角を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
689.上記第3の色の光が、上記第2の色の光よりも波長が大きい、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
690.上記第1および第2の取り込み素子の少なくとも1つが、それぞれの上記細長い導光体の側壁に配置されている、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
691.上記第1および第2の細長い導光体が、互いに実質的に平行である、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
692.上記第1および第2の細長い導光体を互いに間隔を空けるためのスペーサー要素をさらに含む、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
693.さらに、
- 上記細長い第1の導光体の出力部に配置され、上記第1の色の光を取り出すための第1の取り出し素子と、
- 上記細長い第2の導光体の出力部に配置され、上記第2の色の光を取り出すための第2の取り出し素子と
を含む、前述の主題のいずれか1つ記載の導光体デバイス。
694.さらに、
- 上記細長い第2の導光体上で、上記第2の取り出し素子と反対側に配置され、上記第3の色の光を取り出すための第3の取り出し素子
を含む、主題693記載の導光体デバイス。
695.上記第1の取り出し素子が、上記第2および/または上記第3の色の光に対して透過性である、主題693または694記載の導光体デバイス。
696.上記第2の取り出し素子が上記第3の色の光に対して透過性であるか、または上記第3の取り出し素子が上記第2の色の光に対して透過性である、主題693から695までのいずれか1つ記載の導光体デバイス。
697.発光光電子素子と、上記発光光電子素子によって生成された電磁放射をビーム変換するための光学デバイスとを備えた、照明配置構造であって、
上記発光光電子素子が、マトリクス状に配置された複数の発光領域を含んでおり、
各発光領域には主ビーム方向が割り当てられており、
上記発光領域の少なくとも一部は、上記発光領域の中心点が湾曲した面上にあるように配置されている、照明配置構造。
698.上記湾曲した面が凹状の曲面を有していることを特徴とする、主題697記載の照明配置構造。
699.上記発光領域の主ビーム方向が互いに角度をつけていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
700.上記光学デバイスに対して主ビーム方向に間隔を異にするさまざまなレベルで配置された、主ビーム方向が一致する発光領域が存在していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
701.上記湾曲した面が、球体セグメントを形成し、その関連する球心が光学デバイスの光軸上にあるか、または
上記湾曲した面が、回転した円錐曲線面、特に楕円面、放物面または双曲面の少なくとも一部の形状を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
702.上記湾曲した面上に中心点が配置されている上記発光領域が、それぞれランベルト放射体を形成していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
703.上記発光領域の少なくとも1つが、μ-LEDに割り当てられた一次光学素子またはμ-LEDに割り当てられた変換素子の開口部であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
704.湾曲した面上に中心点がある上記発光領域が、モノリシック画素化オプトチップの一部であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
705.上記モノリシック画素化オプトチップが、行と列とに配置された複数のμ-LEDを有していることを特徴とする、主題704記載の照明配置構造。
706.上記発光領域が、取り出し構造体の表面を表し、上記取り出し構造体は、ビーム整形のためにフォトニック結晶またはフォトニック構造体を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
707.非平面的なIC基板上に配置された別々のμ-LEDに、湾曲した面上に中心点がある発光領域が割り当てられていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
708.上記光学デバイスがシステム光学系を含み、上記システム光学系と上記発光領域との間に、湾曲したコリメート光学素子または複数の非平面的なコリメート光学素子が存在していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
709.上記光学デバイスが、結像投影光学系を形成するシステム光学系を含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
710.上記発光光電子素子が、複数の駆動制御素子、特に各発光領域を個別に駆動制御するための電流源を含む層を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の照明配置構造。
711.発光光電子素子と、上記発光光電子素子によって生成された電磁放射をビーム変換するための光学デバイスとを備え、上記光電子素子が、マトリクス状に配置された複数の発光領域を含んでいる、照明配置構造を製造する方法において、
上記発光領域の少なくとも一部を、上記発光領域の中心点が湾曲した面上にあるように配置することを特徴とする、方法。
712.別個のμ-LEDを非平面的なIC基板上に配置することで上記発光領域を設置することを特徴とする、主題711記載の方法。
713.上記発光領域の少なくとも1つを、μ-LEDに割り当てられた一次光学素子またはμ-LEDに割り当てられた変換素子の開口部によって形成することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の方法。
714.μ-ディスプレイと投影光学系とを備えた光案内配置構造であって、上記μ-ディスプレイが、可視光線を放出するための画素を持つマトリクスを有しており、各画素は、発光スペクトルの異なる複数のμ-LEDを含んでおり、各画素には、投影光学系の上流側に接続された個別のコリメーション光学系が割り当てられている、光案内配置構造において、
上記コリメーション光学系は、投影光学系の上流のビーム経路において、それぞれの画素のμ-LEDの拡大および互いに重畳された中間像が生成されるように形成されていることを特徴とする、光案内配置構造。
715.上記コリメーション光学系によって生成されたそれぞれの画素の上記μ-LEDの中間像は、上記μ-LEDの中間像面積の少なくとも70%、80%または90%にわたって互いに重なり合うことを特徴とする、主題714記載の光案内配置構造。
716.上記μ-LEDの中間像が仮想中間像であることを特徴とする、主題714または715記載の光案内配置構造。
717.上記コリメーション光学系が、1つの画素のμ-LEDと上記投影光学系との間に配置されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
718.上記1つの画素のμ-LEDの占有率が、画素面積の30%以下、特に好ましくは15%以下、非常に好ましくは10%以下であることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
719.上記μ-LEDが、色変換されたμ-LEDとして、またはVCSELとして、または端面発光レーザーダイオードとして形成されていて、任意に照らされた光導波路エンドピースを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
720.上記コリメーション光学系が、それぞれの画素のμ-LEDの互いに重なり合う上記中間像の総面積が、上記画素面積の少なくとも70%、80%または90%に相当するように形成されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
721.上記コリメーション光学系が、ホログラフィック光学素子(HOE)および/または屈折型光学素子(ROE)および/または回折型光学素子(DOE)を含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
722.上記投影光学系により発せられた光線が、間接的または直接的にディスプレイに指向されていることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
723.各画素が前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
724.各画素が前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDを含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
725.上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の水平方向に配置されたマイクロロッドによってそれぞれ形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
726.上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つのアンテナスロット構造体によってそれぞれ形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
727.上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の変換材料を介在させた1組の発光素子によってそれぞれ形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
728.上記1つの画素のμ-LEDが、上記μ-LEDの活性層の縁部領域に、量子井戸インターミキシングを、特に主題112から192のいずれか1つに従って生成された量子井戸インターミキシングをそれぞれ有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
729.上記マトリクスが、特に上記画素のμ-LEDの半導体材料の中に少なくとも部分的に配置された光整形構造体、特にフォトニック結晶を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
730.さらに、基板に配置された駆動制御ユニット、特に後述の主題のいずれか1つ記載の電流ドライバまたは電流源を備えた基板に配置された駆動制御ユニットを含んでおり、上記基板上にμ-ディスプレイが配置され、上記画素が上記電流ドライバまたは電流源に電気的に接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
731.上記マトリクスの複数の画素が、上記μ-LEDの上方に配置されたマイクロレンズをそれぞれ有している、前述の主題のいずれか1つ記載の投影ユニット。
732.上記マトリクスの複数の画素が、上記画素のμLEDを取り囲んで上記画素を区切る反射構造体、特に前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する反射構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
733.上記マトリクスの少なくともいくつかの画素が、冗長性のあるμ-LEDを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
734.上記マトリクスが、複数のμ-LEDベースモジュールまたは主題484から536までいずれか1つ記載のμ-ディスプレイを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
735.上記マトリクスの画素が、主題297から340までのいずれか1つ記載の光電子デバイスまたはμ-LED配置構造または主題94から111までのいずれか1つ記載のμ-LEDを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
736.拡張現実表示ユニット、仮想現実表示ユニットおよび/またはヘッドアップディスプレイにおいて画像を生成するための、前述の主題のいずれか1つ記載の投影ユニットの使用。
737.光案内配置構造であって、
- 少なくとも第1の画像と第2の画像とを生成するための、少なくとも1つの光電子画像装置、特にμ-ディスプレイと、
第1の解像度を有する第1のイメージをユーザーの網膜の第1の領域に投影し、第2の解像度を有する第2のイメージを網膜の別の第2の領域に投影するように形成された少なくとも1つの結像光学系であって、第1の解像度は第2の解像度とは異なっている、結像光学系と
を含む、光案内配置構造。
738.上記第1の領域が上記第2の領域よりも網膜の中心部に近く、上記第1の解像度が上記第2の解像度よりも高いことを特徴とする、主題737記載の光案内配置構造。
739.上記結像光学系が、上記第1の画像の光ビームを上記第1の領域に指向し、上記第2の画像の光ビームを上記第2の領域に指向するビームステアリング装置を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
740.上記結像光学系は、上記第1の画像の光ビームを上記第2の画像の光ビームよりも強く集束させる少なくとも1つのビーム整形装置を有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
741.上記ビーム整形装置が、少なくとも第1のビーム整形素子と第2のビーム整形素子とを有していて、上記第1のビーム整形素子は、上記第1の画像の光ビームを集束し、上記第2のビーム整形素子は、上記第2の画像の光ビームを集束することを特徴とする、主題740記載の光案内配置構造。
742.上記ビームステアリング装置が、ビームステアリングのための少なくとも1つの可動式および/または固定式のミラーを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
743.上記ビームステアリング装置が、ビームステアリングのために少なくとも1本、好ましくは少なくとも2本のグラスファイバーを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
744.上記第1の画像と上記第2の画像とは、特に同じ画像装置上で、時間的に連続して表示されることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
745.上記第1の画像と上記第2の画像とは、少なくとも実質的に同時に、特に少なくとも2つの異なる画像装置で表示されることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
746.上記少なくとも1つの光電子画像装置が、複数のμ-LED配置構造を有するμ-ディスプレイ、特に前述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LED配置構造を有するμ-ディスプレイまたはモノリシック画素化アレイによって形成されることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
747.上記第2の領域が、上記第1の領域を同心円状に取り囲んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
748.上記少なくとも1つの光電子画像装置が、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造によって形成された画素の少なくとも1つのマトリクスを有していることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
749.上記少なくとも1つの光電子画像装置が、前述の主題のいずれか1つ記載の1つ以上のμ-LEDによって形成された画素のマトリクスを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
750.上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の水平方向に配置されたマイクロロッドによってそれぞれ形成されているか、または上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つのアンテナスロット構造体によってそれぞれ形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
751.上記1つの画素のμ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の変換材料を介在させた1組の発光素子によってそれぞれ形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
752.上記1つの画素のμ-LEDが、上記μ-LEDの活性層の縁部領域に、量子井戸インターミキシングを、特に主題112から192のいずれか1つに従って生成された量子井戸インターミキシングをそれぞれ有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
753.前述の主題の1つに記載の駆動制御回路をさらに含み、上記駆動制御回路は上記μ-ディスプレイが配置された基板に実装されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
754.少なくとも1つの光学イメージャーのμ-ディスプレイが、光整形構造体、特にフォトニック結晶を有するマトリクスを含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
755.上記光整形構造体が、上記少なくとも1つの光学イメージャーの画素のμ-LEDの半導体材料に少なくとも部分的に配置されている、主題754記載の光案内配置構造。
756.上記少なくとも1つの光学画像装置の複数の画素が、各画素のμ-LEDの上方に配置されたマイクロレンズをそれぞれ有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
757.上記少なくとも1つの光学画像装置の複数の画素が、各画素のμ-LEDを取り囲んで上記画素を区切る反射構造体、特に前述の主題の1つ記載の特徴を有する反射構造体を有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
758.第1の光学イメージャーと第2の光学イメージャーとが、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED配置構造、光電子構造素子またはμ-LEDで形成されたμ-ディスプレイをそれぞれ含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
759.上記マトリクスの少なくともいくつかの画素が、冗長性のあるμ-LEDを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
760.上記マトリクスが、複数のμ-LEDベースモジュールまたは主題484から536までいずれか1つ記載のμ-ディスプレイを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
761.上記マトリクスの画素が、主題297から340までのいずれか1つ記載の光電子デバイスまたはμ-LED配置構造または主題94から111までのいずれか1つ記載のμ-LEDを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
762.拡張現実表示ユニット、仮想現実表示ユニットおよび/またはヘッドアップディスプレイにおいて画像を生成するための、前述の主題のいずれか1つ記載の投影ユニットの使用。
763.光案内配置構造であって、
- 少なくとも3つのμ-ディスプレイであって、それぞれが行と列とに配置された画素のマトリクスを含み、それぞれが主な波長の光を放出するように形成された少なくとも1つのμ-LEDを有する、少なくとも3つのμ-ディスプレイと、
- 各μ-ディスプレイのビーム経路に配置され、上記μ-ディスプレイによって生成された画像を画像面に重ね合わせて投影するように構成された投影ユニットであって、上記画像面は、特に見る人の網膜である、投影ユニットと
を含む、光案内配置構造。
764.上記投影ユニットが、各μ-ディスプレイ用のレンズ、または少なくとも1つの軸線を中心に回転可能に支承されたミラーをそれぞれ含んでいることを特徴とする、主題763記載の光案内配置構造。
765.上記ディスプレイの光を上記投影ユニットにビームステアリングするために、少なくとも1本のグラスファイバーを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
766.上記投影光学系の上流のビーム経路において、それぞれの画素のμ-LEDの拡大および互いに重畳された中間像が生成されるように形成されているコリメーション光学系をさらに含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
767.上記マトリクスが、複数のμ-LEDベースモジュールまたは主題484から536までいずれか1つ記載のμ-ディスプレイを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
768.上記マトリクスの画素が、主題297から340までのいずれか1つ記載の光電子デバイスまたはμ-LED配置構造または主題94から111までのいずれか1つ記載のμ-LEDを有している、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
769.上記1つの画素のμ-LEDが、水平方向に配置されたマイクロロッドによるか、または少なくとも1つのアンテナスロット構造体によるか、または前述の主題のいずれか1つ記載の変換材料を介在させた1組の発光素子によって形成されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
770.各μ-ディスプレイの画素上に光整形構造体をさらに含み、上記光整形構造体が、マイクロレンズ、または主題607から679までのいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体である、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
771.上記1つの画素のμ-LEDが、反射側面、特に主題297から314までのいずれか1つ記載の反射側面を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
772.少なくとも1つの画素に給電するために、特に前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つの電流ドライバ回路または供給回路を含む基板に駆動制御回路が設けられている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
773.光案内配置構造であって、
- ダイクロイックキューブと、
- 行と列とに配置された画素のマトリクスを有する3つのμ-ディスプレイであって、各μ-ディスプレイは上記ダイクロイックキューブの一辺と実質的に平行に配置されている、3つのμ-ディスプレイと、
- 上記ダイクロイックキューブの光出射面と
を備えた、光案内配置構造。
774.上記行と列とに配置された画素のマトリクスを有するμ-ディスプレイが、主題297から340までのいずれか1つ記載の光電子デバイスまたはμ-LED配置構造または主題94から111までのいずれか1つ記載のμ-LEDを有している、主題773記載の光案内配置構造。
775.上記画素が、水平方向に配置されたマイクロロッドによるか、または少なくとも1つのアンテナスロット構造体によるか、または前述の主題のいずれか1つ記載の変換材料を介在させた1組の発光素子によって形成されているμ-LEDをそれぞれ含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
776.各μ-ディスプレイの画素上に光整形構造体をさらに含み、上記光整形構造体が、マイクロレンズ、または主題607から679までのいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体である、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
777.上記1つの画素のμ-LEDが、反射側面、特に主題297から314までのいずれか1つ記載の反射側面を含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
778.上記ダイクロイックキューブの下流のビーム経路において、それぞれのμ-ディスプレイの拡大および互いに重畳された中間像が生成されるように形成されているコリメーション光学系をさらに含んでいる、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
779.上記光整形構造体が、少なくとも1つの光学画像装置の画素のμ-LEDの半導体材料の中に少なくとも部分的に配置されている、光案内配置構造。
780.さらに、基板に配置された駆動制御ユニット、特に後述の主題のいずれか1つ記載の電流ドライバまたは電流源を備えた基板に配置された駆動制御ユニットを含んでおり、上記基板上にμ-ディスプレイが配置され、上記画素が上記電流ドライバまたは電流源に電気的に接続されている、前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造。
781.システムであって、
前述の主題のいずれか1つ記載の光案内配置構造と、
画像装置または光電子デバイスの結像光学系を、特に第1および第2の画像を含む画像フレームの投影画像が網膜上にコヒーレントな全体像を形成するように駆動制御するための制御ユニットと
を含む、システム。
782.ヒューズ素子が、μ-ディスプレイのμ-LEDまたは画素の少なくともいくつかに電気的に結合されており、上記μ-LEDまたは画素の少なくともいくつかは冗長素子を形成し、上記ヒューズ素子は上記冗長素子を作動させるか、または必要でない場合は無効にする、主題781記載のシステム。
783.電流ドライバ、または前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する制御ユニットが設けられている、主題781または782記載のシステム。
784.上記制御ユニットが、上記μ-ディスプレイが配置された基板に実装されており、上記制御ユニットに電気的に接続されている、主題781から783までのいずれか1つ記載のシステム。
785.ライトフィールドディスプレイであって、
ラスター画像を生成するための光電子デバイス、特にμ-ディスプレイと、
上記ラスター画像をユーザーの目に直接網膜投影するための光学モジュールと、
を含む、ライトフィールドディスプレイにおいて、
上記光電子デバイスは、第1のラスターサブ画像を生成する第1の撮像ユニットと、第2のラスターサブ画像を生成する第2の撮像ユニットとを有しており、
上記ラスター画像は、上記第1のラスターサブ画像と上記第2のラスターサブ画像とを含み、
上記光学モジュールは、上記第2のラスターサブ画像を見る人の目の中心窩に網膜投影するための調整光学系を含み、
上記第2のラスターサブ画像の網膜投影は、上記第1のラスターサブ画像の網膜投影よりも高解像度であることを特徴とする、ライトフィールドディスプレイ。
786.上記調整光学系は、上記第1のラスターサブ画像の網膜投影に対する上記第2のラスターサブ画像の網膜投影の相対的な位置を調整するように形成されていることを特徴とする、主題785記載のライトフィールドディスプレイ。
787.上記第2のラスターサブ画像の網膜投影が、ユーザーの目において、上記第1のラスターサブ画像の網膜投影よりも小さい空間的広がりを有していることを特徴とする、主題785または786記載のライトフィールドディスプレイ。
788.上記調整光学系が、切り替え可能なブラッググレーティングを含んでいることを特徴とする、主題785から787までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
789.上記調整光学系が、調整可能なアルバレスレンズ配置構造を含んでいることを特徴とする、主題785から788までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
790.上記調整光学系が、モアレレンズ配置構造を含んでいることを特徴とする、主題789記載のライトフィールドディスプレイ。
791.上記第1の撮像ユニットおよび/または上記第2の撮像ユニットのビーム経路にコリメーション光学系が配置されていることを特徴とする、主題785から790までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
792.上記調整光学系の少なくとも一部がコリメーション光学系に配置されていることを特徴とする、主題791記載のライトフィールドディスプレイ。
793.上記調整光学系の少なくとも一部が上記コリメーション光学系と導波路との間に配置されていることを特徴とする、主題785から792までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
794.上記調整光学系の少なくとも一部が導波路内に配置されていることを特徴とする、主題785から793までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
795.上記第1の撮像ユニットおよび/または上記第2の撮像ユニットが、複数のμ-LEDを備えたμ-LEDアレイを含んでいることを特徴とする、主題785から794までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
796.上記第1の撮像ユニットおよび/または上記第2の撮像ユニットが、複数のμ-LEDベースモジュールのマトリクス、または上記484から536までのいずれか1つ記載のμ-ディスプレイを有していることを特徴とする、主題785から795までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
797.上記第1の撮像ユニットおよび/または上記第2の撮像ユニットが、行と列とに配置された光電子デバイスのマトリクス、または主題297から340までのいずれか1つに記載のμ-LED配置構造、または主題94から111までいずれか1つ記載のμ-LEDを有していることを特徴とする、主題785から796までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
798.上記第1の撮像ユニットおよび/または第2の撮像ユニットが、光整形構造体を有するマトリクスを含み、上記光整形構造体が、マイクロレンズまたは特に607から679までのいずれか1つ記載の特徴を有するフォトニック構造体であることを特徴とする、光案内配置構造。
799.上記光整形構造体が、少なくとも1つの光学画像装置の画素のμ-LEDの半導体材料の中に少なくとも部分的に配置されている、主題798記載の光案内配置構造。
800.後述の主題の1つに記載の駆動制御回路をさらに含み、上記駆動制御回路は上記μ-ディスプレイが配置された基板に実装されている、主題798または799記載の光案内配置構造。
801.上記1つの画素のμ-LEDが、反射側面、特に主題297から314までのいずれか1つ記載の反射側面を含んでいるμ-LED配置構造を有することを特徴とする、主題795から800までのいずれか1つ記載の特徴のライトフィールドディスプレイ。
802.上記μ-LED配置構造またはμ-LEDの少なくともいくつかが、電気的には絶縁性であるが、光学的クロストークを起こす素子によって、隣り合うμ-LED配置構造またはμ-LEDから分離された冗長素子を形成していることを特徴とする、主題795から801までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
803.上記μ-LED配置構造が色に応じて異なるサイズを持つように構成されているか、または画素のμ-LED配置構造またはμ-LEDの合計面積が画素の面積よりも小さく、特に画素の面積の50%~70%に過ぎないことを特徴とする、主題795から802までのいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
804.中心窩の位置を決定するための測定装置を含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
805.眼球運動検出装置と、上記第2のラスターサブ画像を中心窩に網膜投影するための調整光学系を動的に追跡するレギュレーション装置とを含んでいることを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイ。
806.第1のラスターサブ画像をユーザーの網膜に結像し、上記第1のラスターサブ画像よりも高解像度の第2のラスターサブ画像を少なくともユーザーの目の中心窩に結像することを特徴とする、前述の主題のいずれか1つ記載のライトフィールドディスプレイを動作させる方法。
807.画素アレイ、特に極座標におけるディスプレイ用の画素アレイであって、
- 軸線上の始点を起点として当該始点を通るように少なくとも1行に配置された複数の画素素子
を含み、
- 上記第1の画素素子は、上から見たときに、長さと可変の幅を有しており、上記始点から遠ざかれば遠ざかるほど、幅は実質的に広くなる、画素アレイ。
808.上記始点が真ん中の中心点を形成し、上記複数の画素素子が、上記軸線に沿って中心点の周りに対称的に一列に配置されている、主題807記載の画素アレイ。
809.上記複数の画素素子の各隣り合う2つの画素素子が、以下の特性のうちの少なくとも1つ:
- 上記始点からの距離が長くなるにつれて、互いの距離が大きくなる同じサイズの照射面;
- 画素の幅の増加に対応して大きくなる照射面;または
- これらの2つの可能性を組み合わせたもの
を有している、主題807または808記載の画素アレイ。
810.上記複数の画素素子が、上記始点からの距離が増加するにつれて上記画素素子の長さが増加するような可変長を有している、主題807から809までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
811.上記複数の画素のうち、隣り合う2つのサブ画素が異なる色を有している、主題807から810までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
812.上記複数の画素素子が少なくとも3つの異なる色を有しており、各色の画素数は異なっている、主題807から811までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
813.上記複数の画素素子の第1の数が第1の行に配置され、上記複数の画素素子の第2の数が少なくとも第2の行に配置されており、上記第1および第2の数の画素素子は、動作時に異なる色を有している、主題807から812までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
814.少なくとも2つの列の各々の画素が、動作時に異なる色を有し、上記画素は、第1の行のn番目の画素が、少なくとも1つの第2の行のn番目の画素に対して異なる色を有するように配置されている、主題813記載の画素アレイ。
815.動作時の色が異なる少なくとも3つの列の画素素子が配置されている、主題813記載の画素アレイ。
816.上記第1の行が第1の軸線に沿って延び、上記少なくとも1つの第2の行が共通の中心点を通って第1の軸線とは異なる第2の軸線に沿って延びている、主題813から815までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
817.上記第1の行における上記複数の画素素子の第1の数が、少なくとも1つの第2の行における上記複数の画素素子の第2の数とは異なっている、主題813から816までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
818.上記第1の行および上記第2の行の少なくともいくつかの画素が同じ幅を有し、上記第1の行のn番目の画素から始まる上記幅は、上記少なくとも1つの第2の行のn番目の画素の幅とは異なっている、主題813から817までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
819.上記第1の行と上記少なくとも1つの第2の行とが異なる色の画素を含んでおり、上記軸線に沿って、始点を起点としながら配置されている、主題813から818までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
820.最大数の画素を有する行列が、好ましくは緑色の画素を含んでいる、主題813から819までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
821.上記第1の行のn番目の画素から始まる上記第1の行の隣り合う画素の幅は、少なくとも1つの第2の行のn番目の画素から始まる幅よりも小さい、主題813から820までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
822.上記複数の画素のうち緑色の画素数が他の色の画素数よりも多い、主題813から821までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
823.上記少なくとも1つの列における上記複数の画素素子が、モノリシックな形状をしたμ-LEDの画素化アレイによって形成されている、主題813から822までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
824.上記少なくとも1つの列における上記複数の画素素子のうちの少なくともいくつかが、転写されたμ-LEDによって形成されている、主題813から823までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
825.上記μ-LEDが、基板上に接触した水平方向に並べられているマイクロロッド、特に主題70から94までのいずれか1つ記載のマイクロロッドをそれぞれ含んでいる、主題813から824までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
826.上記μ-LEDが、変換材料、特に主題31から69までのいずれか1つ記載の変換材料を介在させた、間隔を空けて配置された1組の発光素子をそれぞれ含んでいる、主題813から825までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
827.上記μ-LEDが、前述の主題のいずれか1つ記載の方法、特に主題1から347までのいずれか1つ記載の方法に従って製造されているか、またはこれらの主題のいずれか1つ記載のμ-LEDを含んでいる、主題813から826までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
828.少なくともいくつかのμ-LEDには同色の冗長なるμ-LEDが割り当てられており、上記μ-LEDおよび上記冗長なμ-LEDの少なくとも一方にはヒューズ素子が割り当てられている、主題813から827までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
829.上記μ-LEDはμ-LEDモジュールから構成されており、各モジュールは、前述の主題のいずれか1つ記載の、特に主題484から505までのいずれか1つの記載の少なくとも1つのベースモジュールを有しており、μ-LEDモジュールあたりのベースモジュールの数は外側に向かって増加している、主題813から828までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
830.上記画素素子が、光整形構造体、特に反射構造、マイクロレンズまたはフォトニック結晶を有している、主題813から829までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
831.画素行が配置された基板を含み、上記基板が、後述の主題のいずれか1つ記載の供給回路またはドライバ回路を有している、主題813から830までのいずれか1つ記載の画素アレイ。
832.主題813から831までのいずれか1つ記載の少なくとも2つの画素アレイを備えた画素マトリクス、特に極座標におけるディスプレイ用の画素マトリクスであって、上記少なくとも2つの画素アレイが共通の中心点を有し、実質的に360°を上記少なくとも2つの画素アレイの数の2倍で割ったものに相当する角度をなしている、画素マトリクス。
833.それぞれが異なる色を有する3つの画素アレイが設けられている、主題832に記載の画素マトリクス。
834.前述の主題のいずれか1つ記載の画素アレイまたは画素マトリクスを備えた、極座標におけるディスプレイ配置構造であって、さらに、
- 上記画素アレイまたは上記画素マトリクスの主放射方向に配置されており、列状に配置された画素からの放射光を始点に対応する点を中心に回転させるように構成された、2つの軸線を中心に移動可能な少なくとも1つのミラーを備えた光学系
を含んでいる、ディスプレイ配置構造。
835.主題832から834までのいずれか1つ記載の画素アレイまたは画素マトリクスを動作させる方法であって、以下のステップ:
- 上記複数の画素素子を列状に配置した第1の光ストリップを生成するステップと、
- 第1の光ストリップを目標位置に案内するステップと、
- 第2の光ストリップを生成するステップと、
- 上記第2の光ストリップを一定の角度および回転点で回転させるステップであって、上記回転点は、列状に配置された上記画素素子の始点に対応している、ステップと、
- 上記第2の光ストリップを目標位置に案内するステップ
を有する、方法。
836.特にNMOS技術により作成されたμ-LED画素セルを電子的に駆動制御するデバイスであって、
- データ信号線、閾値線およびセレクト信号線と、
- デュアルゲートトランジスタに、第1の電位端子と第2の電位端子との間で一緒に直列に電気的に接続されたμ-LEDであって、
- 上記デュアルゲートトランジスタは、その電流線コンタクトが、μ-LEDの端子と電位端子との間に配置されており、上記デュアルゲートトランジスタの第1の制御ゲートが上記閾値線に接続されている、μ-LEDと、
- 上記デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートと、上記デュアルゲートトランジスタの電流線コンタクトに接続されているとともに、上記セレクト信号線に接続された制御端子を有する制御トランジスタにも接続されている電荷蓄積部を備えたセレクトホールド回路と
を有している、デバイス。
837.上記デュアルゲートトランジスタがバックゲートトランジスタを含んでおり、バックゲートが上記第1の制御ゲートを形成している、主題836記載のデバイス。
838.上記デュアルゲートトランジスタの上記第1の制御ゲートが、閾値電圧を調整するように構成されている、主題836または837記載のデバイス。
839.上記デュアルゲートトランジスタが、対向する2つの制御ゲートを有する薄膜トランジスタを有している、主題836から838までのいずれか1つ記載のデバイス。
840.動作中に上記閾値線にスイッチング信号(PWM信号)が印加されるように構成されている、主題836から839までのいずれか1つ記載のデバイス。
841.上記μ-LEDの第1の端子が上記第1の電位端子に接続されており、上記デュアルゲートトランジスタは、上記μ-LEDの第2の端子と上記第2の電位端子との間にその電流線コンタクトを有して配置されており、電荷蓄積部が、上記デュアルゲートトランジスタの上記第2の制御ゲートに接続されているとともに、光電子構造素子の第2の端子にも接続されている、主題836から840までのいずれか1つ記載のデバイス。
842.上記μ-LEDの第1の端子が上記デュアルゲートトランジスタの第2の電流線コンタクトに接続され、上記μ-LEDの第2の端子が上記第2の電位端子に接続されており、
上記デュアルゲートトランジスタは、上記μ-LEDの第1の端子と上記第1の電位端子との間に電流線コンタクトを有して配置されており、
上記電荷蓄積部が、上記デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートと上記第1の電位端子とに接続されている、主題836から841までのいずれか1つ記載のデバイス。
843. - 上記μ-LEDの第1の端子が第1の電位端子に接続されており、
- 上記デュアルゲートトランジスタは、上記μ-LEDの第2の端子と上記第2の電位端子との間に電流線コンタクトを有して配置されており
- 上記電荷蓄積部は、上記デュアルゲートトランジスタの第2の制御ゲートと上記第2の電位端子とに接続されている、主題836から842までのいずれか1つ記載のデバイス。
844.上記セレクトホールド回路が、更なる制御トランジスタを含んでいる、主題836から843までのいずれか1つ記載のデバイス。
845.上記更なる制御トランジスタが、μ-LEDと並列に接続されており、上記制御トランジスタの制御端子が上記セレクト信号線に接続されている、844記載のデバイス。
846.上記デュアルゲートトランジスタが、上記第2の制御ゲートを提供するゲートを有するトランジスタとしてのみ形成されている、主題845記載のデバイス。
847.上記電荷蓄積部が、上記デュアルゲートトランジスタの上記第2の制御ゲートと上記第1の電位端子とに接続されており、さらに、
上記μ-LEDによる順方向電圧の検知に基づいて負帰還する温度補償回路
を含んでおり、上記温度補償回路は、出力側において閾値線で信号を送り出すように構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイス。
848.上記温度補償回路が、上記デュアルゲートトランジスタと並置されており、直列に接続された2つのパスを有する制御パスを含んでいる、主題847記載のデバイス。
849.第3の制御トランジスタと第4の制御トランジスタによって提供される2つの制御されたパスの間のノードから、上記閾値線が、上記デュアルゲートトランジスタの上記第1の制御ゲートに接続されている、主題847記載のデバイス。
850.上記第4の制御トランジスタの上記制御端子が、上記第2の電位端子に接続されている、主題849記載のデバイス。
851.上記温度補償回路が、上記2つのパスのうちの1つを提供する制御トランジスタの制御端子と上記第1の電位端子とに接続された第2の電荷蓄積部を含んでいる、主題847から850までのいずれか1つ記載のデバイス。
852.上記第2のデータ信号線が、負帰還係数をプログラミングするために、上記第2の電荷蓄積部と上記第3の制御トランジスタとに結合されている、主題851記載のデバイス。
853.上記結合が、第2のセレクト信号線によって駆動制御される第5の制御トランジスタを介して構築される、主題852記載のデバイス。
854.上記温度補償回路が、その第3の制御トランジスタを介して第2の電位端子に接続されている、主題847から850までのいずれか1つ記載のデバイス。
855.第5の制御トランジスタが上記μ-LEDと並列に接続されており、上記制御トランジスタの制御端子には動作中にスイッチング信号(PWM信号)が印加される、主題847から850までのいずれか1つ記載のデバイス。
856.上記トランジスタがNMOS技術の電界効果トランジスタとして構成されている、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイス。
857.上記セレクトホールド回路を介して、アナログのデータ駆動制御信号をセレクト信号によって上記μ-LEDに印加することで上記μ-LEDをカラーコントロールし、パルス幅変調信号を取り込むことでμ-LEDの輝度制御を行う、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイスを動作させる方法。
858.μ-LEDもしくはμ-LED配置構造または前述の主題のいずれか1つ記載の光電子構造素子を動作させるための、主題836から856までのいずれか1つ記載のデバイスの使用。
859.複数の光電子素子を駆動するためのドライバ回路であって、
セット入力、リセット入力および出力のそれぞれを有する複数の第1のメモリセル
を含み、
各第1のメモリセルは、上記セット入力のセット信号によって上記出力で第1の状態にトリガされ、上記リセット入力で第2の状態にリセットされるまで上記第1の状態を保持し、
各第1のメモリセルの上記出力が、光電子素子のそれぞれの1つを制御するように構成されている、ドライバ回路。
860.上記各第1のメモリセルが、上記出力でパルス幅変調(PWM)信号を供給し、上記PWM信号は、それぞれの光電子素子を流れる電流をオン/オフするように構成されたスイッチを制御する、主題859記載のドライバ回路。
861.上記各第1のメモリセルが、2つのクロスカップルNORゲートまたは2つのクロスカップルNANDゲートを含んでいる、主題859または860記載のドライバ回路。
862.上記各第1のメモリセルは、直列に接続されたNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタと、上記NMOSトランジスタと上記PMOSトランジスタの間に接続された入力ならびに上記NMOSトランジスタおよび上記PMOSトランジスタのゲートに接続された出力を有するインバータとを含んでいる、主題859から861までのいずれか1つ記載のドライバ回路。
863.さらに、データ値がそれぞれのカウンタに負荷されたらセット信号をアクティブにし、それぞれのカウンタが負荷されたデータ値に達したらリセット信号をアクティブにするようにそれぞれが構成された複数のカウンタを含んでいる、主題859から862までのいずれか1つ記載のドライバ回路。
864.上記複数の光電子素子に共通の調光信号を生成するように構成された共通カウンタをさらに含んでいる、主題859から863までのいずれか1つ記載のドライバ回路。
865.複数の第2のメモリセルをさらに含み、各第2のメモリセルは、上記第1のメモリセルのそれぞれの1つに結合され、必要に応じてそれぞれの上記第1のメモリセルの出力信号をオーバーライドして、それぞれの上記光電子素子がオフのままになるように構成されている、主題859から864までのいずれか1つ記載のドライバ回路。
866.光電子デバイスであって、
複数の光電子素子、特に前述のいずれか1つの主題に記載のμ-LEDまたはμ-LED配置構造と、
前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子素子を駆動するためのドライバ回路と
を含む、光電子デバイス。
867.上記光電子素子がμ-LEDである、主題866記載の光電子デバイス。
868.フレーム中に指定された順序で実行される以下のステップ:
- すべての光電子素子をオフにするステップ;
- 上記第2のメモリセルによって、フレーム中に暗転する光電子素子を制御するステップ;
- 上記第1のメモリセルによって、上記光電子素子を流れる電流を制御するステップ
を含む、主題866記載の光電子デバイスを操作する方法。
869.上記第1のメモリセルによって、上記光電子素子を流れる電流を制御する前に、上記光電子素子の共通の調光を実行する、主題868記載の方法。
870.少なくとも1つのμ-LEDの輝度を調整するための制御回路であって、
- 第1の端子が第1の電位に接続されている制御端子と
- 制御端子と第1の電位との間に接続され、制御端子と第1の電位との間に定義された容量で容量分圧を形成する電荷蓄積手段と、
- 第1の期間中に制御信号を制御端子に印加するように構成された制御素子であって、この制御信号に基づいて少なくとも1つのμ-LEDを流れる電流が第1の期間中に調整可能である制御素子と、
を備えた電流ドライバ素子を含み、
上記第1の期間に続く第2の期間中に、上記第1の期間中の上記制御信号と上記容量分圧とで形成される低減された制御信号によって、上記μ-LEDを流れる電流を定め、
上記制御素子は、上記第1の期間中に第1の制御信号または第2の制御信号を供給して、上記μ-LEDを少なくとも2つの異なる輝度レベルで動作させるように配置されている、制御回路。
871.上記電流ドライバ素子が電界効果トランジスタを含んでおり、そのゲートが制御端子を形成し、定義された容量が設計上予め定められたゲート・ソース間容量である、主題870記載の制御回路。
872.上記第2の期間中に上記制御端子に印加される低減された制御信号は、上記第1の期間中の制御信号と、上記電荷蓄積手段の容量と、上記電荷蓄積手段の上記容量と上記定義された容量との和の比率に基づいて得られる、主題870または871記載の制御回路。
873.上記制御素子が、上記第1および第2の期間を60Hz以上の繰り返し周波数で駆動するように配置されていていることを特徴とする、主題870から872までのいずれか1つ記載の制御回路。
874.上記制御素子が制御トランジスタを含んでおり、その制御端子において上記第1および第2の期間を信号によって調整可能である、主題870から873までのいずれか1つ記載の制御回路。
875.第1の期間に対する第2の期間の比が、300:1~100:1の範囲、特に100:1の範囲である、主題870から874までのいずれか1つ記載の制御回路。
876.上記第1の制御信号の電圧が第1の電圧間隔内にあるときは上記μ-LEDを第1の暗い輝度レベルで動作させ、上記第2の制御信号の電圧が第1の電圧間隔よりも少なくとも部分的に高い第2の電圧間隔内にあるときは上記μ-LEDを少なくとも第2の明るい輝度レベルで動作させるように構成された、主題870から875までのいずれか1つ記載の制御回路。
877.上記第1の電圧間隔が1.3V~4.5Vの範囲であることを特徴とする、主題876記載の制御回路。
878.上記第2の電圧間隔が4.0V~10.0Vの範囲であることを特徴とする、主題876または877記載の制御回路。
879.第1の端子が第1の電位に接続されている制御端子であって、制御端子と上記第1の端子との間に接続され、制御端子と第1の電位との間に定義された容量で容量分圧を形成する電荷蓄積手段を有する制御端子を備えた電流ドライバ素子に接続された少なくとも1つのμ-LEDの輝度を調整する方法であって、以下のステップ:
- 第1の期間中に制御信号を制御端子に印加することで、上記第1の期間中に少なくとも1つのμ-LEDを流れる電流を調整するステップと、
- 上記第1の期間に続く第2の期間中に上記制御信号をオフにすることで、上記第1の期間中の上記制御信号と上記容量分圧とで形成される低減された制御信号によって上記μ-LEDを流れる電流を調整するステップと
を含む、方法。
880.上記第2の期間中に上記制御端子に印加される低減された上記制御信号が、上記第1の期間中の制御信号から、電荷蓄積手段の容量と、上記電荷蓄積手段の容量と上記定義された容量との和の比率に基づいて得られる、主題879記載の方法。
881.上記第2の期間と上記第1の期間との比が、300:1~100:1の範囲、特に100:1の範囲である、主題879または880記載の方法。
882.上記第1の制御信号の電圧が第1の電圧間隔内にあるときは上記μ-LEDを第1の暗い輝度レベルで動作させ、上記第2の制御信号の電圧が第1の電圧間隔よりも少なくとも部分的に高い第2の電圧間隔内にあるときは上記μ-LEDを少なくとも第2の明るい輝度レベルで動作させる、主題879から881までのいずれか1つ記載の方法。
883.上記制御信号が、ビット数nを有するデジタル制御ワードから導き出され、上記nビットは第2の制御信号に対応し、最下位のmビットは上記第1の制御信号に対応する、主題879から882までのいずれか1つ記載の方法。
884.前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LED、μ-LED配置構造またはμ-LEDモジュールを駆動制御するための、前述の主題のいずれか1つ記載の制御回路の使用。
885.供給回路であって、
- 基準信号入力、誤差信号入力および修正信号出力を有する誤差修正検出器と、
- 電流出力およびコントロール信号端子を有する制御可能な電流源であって、上記コントロール信号端子は、修正信号出力に接続されて、制御可能な電流源の制御ループを形成し、上記電流源は、上記コントロール信号端子の信号に応じて上記電流出力に電流を供給するように構成されている、電流源と、
- バックアップ信号を供給するように構成された出力を有するバックアップ源と、
- スイッチングデバイスであって、スイッチング信号に応じて、上記電流源の電流出力を追加的に分離した状態で、上記電流出力の前記電流から導き出された信号またはバックアップ信号のいずれかを誤差信号入力に供給するように構成された、スイッチングデバイスと
を含む、供給回路。
886.上記バックアップ信号が、電流信号から導き出された信号に実質的に対応している、主題885記載の供給回路。
887.上記制御可能な電流源が、電流出力に接続された切り替え可能な出力ブランチを有するカレントミラーを含んでいる、主題885または886記載の供給回路。
888.上記出力ブランチが出力トランジスタを含み、その制御端子は、スイッチング信号に応じて、上記スイッチングデバイスを介して上記トランジスタを開放するための固定電位に接続されている、主題887記載の供給回路。
889.上記制御可能な電流源が、基準電流を供給することができる入力ブランチを有しており、上記入力ブランチは、誤差修正検出器の基準信号入力に接続されたノードを有している、主題885から888までのいずれか1つ記載の供給回路。
890.上記制御可能な電流源がカレントミラーを含んでおり、上記コントロール信号端子が上記カレントミラーの出力トランジスタの上記制御端子に接続されている、主題885から889までのいずれか1つ記載の供給回路。
891.上記誤差修正検出器が差動増幅器を含んでおり、その2つのブランチがカレントミラーを介して電源電位に互いに接続されている、主題885から890までのいずれか1つ記載の供給回路。
892.上記差動増幅器の2つのブランチが、それぞれ異なる幾何学的パラメーターを有する入力トランジスタを含んでいる、主題891記載の供給回路。
893.上記バックアップ源が、上記バックアップ信号が上記電流信号から導き出された信号に実質的に対応するように、出力に結合された電圧生成素子を含んでいる、主題885から892までのいずれか1つ記載の供給回路。
894.上記バックアップ源が、電流供給素子と電圧供給素子とからなる直列回路を含んでおり、上記出力は上記2つの素子の間に配置されている、主題885から893までのいずれか1つ記載の供給回路。
895.上記バックアップ源が、上記電流源の上記カレントミラートランジスタの制御端子に接続された制御端子を有するトランジスタを含んでいる、主題885から894までのいずれか1つ記載の供給回路。
896.上記スイッチングデバイスが1つ以上のトランスミッションゲートを有している、主題885から895までのいずれか1つ記載の供給回路。
897.入力側で定義された電流を出力側で上記誤差修正検出器に供給し、電流源に供給するように構成された基準カレントミラーを含んでいる、主題885から896までのいずれか1つ記載の供給回路。
898.μ-LEDに電力を供給する方法であって、
- 上記μ-LEDを流れる供給電流を検知するステップと、
- 上記供給電流を基準信号と比較し、その比較結果から修正信号を生成するステップと、
- 上記修正信号に応答して上記供給電流を変化させ、上記供給電流を基準値に調整するステップと、
- 上記μ-LEDを流れる供給電流をオフにすると同時に、比較ステップのためのバックアップ信号を供給するステップと
を含む、方法。
899.上記バックアップ信号が、上記μ-LEDを流れる供給電流またはそれから導き出された信号に実質的に対応している、主題898記載の方法。
900.電流供給回路のパルス幅を変調した信号で動作させるμ-LEDまたはμ-LED配置構造、特に前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDまたはμ-LED配置構造に給電するための、前述の主題のいずれか1つ記載の供給回路の使用。
901.配置構造であって、
- 前述の主題のいずれか1つ記載の基板に実装された供給回路と、
- 前述の主題のいずれか1つに記載のμ-ディスプレイ、または行と列とに配置された画素のマトリクスを備えたμ-ディスプレイであって、前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つのμ-LEDまたはμ-LED配置構造を有しているμ-ディスプレイと
を備えた、配置構造。
902.行と列とに配置された複数の発光デバイスを含む表示マトリクスの制御回路であって、
- 行セレクト信号用の行セレクト入力およびデータ信号用の列データ入力と、
- 第1の値と第2の値との間のレベルを有するランプ信号用のランプ信号入力およびトリガ信号用のトリガ入力と、
- 上記行セレクト信号に応答してデータ信号をバッファリングするように構成された列データバッファと、
- 上記列データバッファおよび上記ランプ信号入力に結合され、上記トリガ信号、上記データ信号および上記ランプ信号に応答して、上記複数の発光デバイスの少なくとも1つのオン/オフ比を制御するためにバッファリングされた出力信号を供給するように構成されたパルスジェネレータと
を含む、制御回路。
903.上記パルスジェネレータが、
- 上記バッファリングされたデータ信号を上記ランプ信号と比較するコンパレータデバイスと
- 上記コンパレータデバイスの出力および上記トリガ入力に結合された出力バッファと
を含んでいる、主題902記載の制御回路。
904.上記出力バッファが、フリップフロップ、特に、上記コンパレータデバイスの出力と上記トリガ入力とにそれぞれ結合された入力を備えたRSフリップフロップを含んでいる、主題903記載の制御回路。
905.上記列データバッファが、上記データ信号を記憶するコンデンサと、上記コンデンサと列データ入力の間に配置されたスイッチとを含んでいる、主題902から904までのいずれか1つ記載の制御回路。
906.上記コンパレータデバイスが、上記トリガ信号に基づいてその消費電力を調整するために、トリガ入力に結合された電力制御入力を含んでいる、主題902から905までのいずれか1つ記載の制御回路。
907.上記コンパレータデバイスが、上記出力バッファの出力状態に基づいてその消費電力を制御するために、上記出力バッファに結合されている、主題902から906までのいずれか1つ記載の制御回路。
908.上記コンパレータが、その反転入力を上記データカラムバッファに結合し、その非反転入力を上記ランプ信号入力に結合している、主題902から907までのいずれか1つ記載の制御回路。
909.さらに、
- 上記ランプ信号入力に上記ランプ信号を供給するランプジェネレータ
を含み、上記ランプジェネレータは、上記トリガ信号に応答して開始値と終了値との間で変動する信号を生成するように構成されている、主題902から907までのいずれか1つ記載の制御回路。
910.アドレス指定可能な行と列とに配置された複数の発光デバイスを有するマトリクス表示部において、発光デバイスの照明レベルを制御する方法であって、
- 選択された列と少なくとも1つの発光デバイスに対してデータ信号を供給するステップと、
- トリガ信号を供給するステップと、
- 上記データ信号のレベルを、トリガ信号を基準にしてパルスに変換するステップと、
- 上記発光デバイスのオン/オフ比をパルスで制御するステップと
を含む、方法。
911.上記データ信号のレベルを変換するステップが、
- 第1の値と第2の値の間のランプ信号を生成するステップと、
- 上記データ信号を上記ランプ信号と比較して比較信号を生成するステップと、
- 上記トリガ信号と上記比較信号の変化とに基づいてパルスを生成するステップと
を含む、主題910記載の方法。
912.上記パルスを生成するステップが、トリガ信号に応答して出力信号のレベルを第1の値に設定するステップと、上記比較信号の変化に応答して上記出力信号のレベルを第2の値に設定し直すステップとを含む、主題910記載の方法。
913.上記トリガ信号に応答して上記ランプ信号を生成する、主題911または912記載の方法。
914.上記データ信号を供給するステップが、上記データ信号のプリバッファリング、特にメモリデバイスへの上記データ信号のプリバッファリングを含む、主題910から913までのいずれか1つ記載の方法。
915.特に主題94から111または主題297から340までのいずれか1つ記載および主題484から536までのいずれか1つ記載の、μ-ディスプレイにおける、またはμ-LED、μ-LED配置構造もしくはμ-LEDのアレイを駆動制御するための、前述の主題のいずれか1つ記載の制御回路の使用。
916.複数のμ-LEDを電子的に駆動制御するデバイスであって、
- μ-LEDが内部に接続されている第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチと、上記μ-LEDと直列に配置された電子ヒューズとを有し、上記第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチは、一方の側が電位端子に接続されており、
- 上記第1のブランチおよび少なくとも1つの第2のブランチのもう一方の側に接続された、データ信号入力、セレクト信号入力および駆動出力を有するドライバ回路を有し、
- 上記少なくとも1つの第2のブランチに割り当てられ、上記直列に配置された電子ヒューズをトリガさせる電流の流れを生成するように構成されたエンボス構造素子を有する、デバイス。
917. - 上記μ-LEDが、後述もしくは前述の主題のいずれか1つに従って構成されており、かつ/または
- 上記μ-LEDが、その表面に、後述もしくは前述の主題のいずれか1つ記載の光整形素子または光案内素子を含んでおり、かつ/または
- 各ブランチのμ-LEDは、共通の導電性、特に透明なコンタクト層を含んでいる、主題916記載のデバイス。
918.上記エンボス構造素子が、エンボストランジスタを有しており、その電流線コンタクトは、上記エンボストランジスタが割り当てられている上記μ-LEDに電気的に並列に接続され、その制御コンタクトはエンボス信号線に接続されていることを特徴とする、主題916または917記載のデバイス。
919.上記エンボス構造素子が、エンボスダイオードを有しており、一方の端子は、上記エンボスダイオードが割り当てられている上記μ-LEDの第2の端子に接続されており、他方の端子は上記エンボス信号線に接続されていることを特徴とする、主題916から918までのいずれか1つ記載のデバイス。
920.上記μ-LEDの第1の端子が基準電位端子に接続されており、
上記μ-LEDのヒューズの共通端子と電源電位端子との間に電流線コンタクトを有する第1のトランジスタが配置されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第1の電流線コンタクトに電気的に接続されていることを特徴とする、主題916から919までのいずれか1つ記載のデバイス。
921.上記μ-LEDの第2の端子が供給電位端子に接続されており、
上記第1のトランジスタの第1の電流線コンタクトが基準電位端子に接続されており、上記第1のトランジスタの第2の電流線コンタクトが電気ヒューズの共通端子と電源電位端子に接続されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第1の電流線コンタクトに接続されていることを特徴とする、主題916から920までのいずれか1つ記載のデバイス。
922.上記μ-LEDの第2の端子が、上記μ-LEDに割り当てられたヒューズにそれぞれ接続されており、
上記第1のトランジスタの第1の電流線コンタクトが基準電位端子に接続されており、上記第1のトランジスタの第2の電流線コンタクトが上記μ-LEDの第1の端子に接続されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第1の電流線コンタクトに接続されていることを特徴とする、主題916から921までのいずれか1つ記載のデバイス。
923.上記μ-LEDの第1の端子が基準電位端子に接続されており、
上記μ-LEDのヒューズの共通端子と電源電位端子との間に電流線コンタクトを有する第1のトランジスタが配置されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第2の電流線コンタクトに電気的に接続されていることを特徴とする、主題916から922までのいずれか1つ記載のデバイス。
924.上記μ-LEDの第1の端子が基準電位端子に接続されており、
上記μ-LEDのヒューズの共通端子と電源電位端子との間に電流線コンタクトを有する第1のトランジスタが配置されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第2の電流線コンタクトに電気的に接続されており、上記エンボスダイオードの第1の端子が上記μ-LEDの第2の端子に接続されており、上記エンボスダイオードの第2の端子が上記エンボス信号線に接続されていることを特徴とする、主題916から923までのいずれか1つ記載のデバイス。
925.上記μ-LEDの第1の端子が基準電位端子に接続されており、
上記μ-LEDのヒューズの共通端子と電源電位端子との間に電流線コンタクトを有する第1のトランジスタが配置されており、
電荷蓄積手段が、上記第1のトランジスタの制御コンタクトおよび上記第1のトランジスタの第2の電流線コンタクトに電気的に接続されており、上記エンボスダイオードの第2の端子が上記μ-LEDの第2の端子に接続されており、上記エンボスダイオードの第1の端子が上記エンボス信号線に接続されていることを特徴とする、主題916から924までのいずれか1つ記載のデバイス。
926.上記ドライバ回路が、第1のトランジスタ、第2のトランジスタおよび電荷蓄積手段を有しており、上記セレクト信号線は、上記第2のトランジスタの制御コンタクトに当接し、上記データ信号入力は、上記第2のトランジスタの電流線コンタクトに当接し、上記第1のトランジスタの第1または第2の電流線コンタクトが、上記第1のブランチおよび第2のブランチのμ-LEDに電流供給のために接続された駆動出力を提供することを特徴とする、主題916から925までのいずれか1つ記載のデバイス。
927.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のデバイスを備えたμ-ディスプレイもしくはμ-ディスプレイモジュールであって、
上記μ-ディスプレイの画素セルが、行および/または列に沿って、共通のエンボス信号線にそれぞれ電気的に接続されており、
列の各画素セルは、共通の供給リード線によって上記μ-ディスプレイの外側の共通のキャリア上に配置されたスイッチングトランジスタに電源電位端子で電気的に接続されている、μ-ディスプレイもしくはμ-ディスプレイモジュール。
928.上記第1のブランチと少なくとも1つの第2のブランチに接続された上記μ-LEDが、少なくとも、
- 前述の主題のいずれか1つ、特に主題94から111または297から340までのいずれか1つ記載の特徴;
- 主題484から536までのいずれか1つ記載の特徴;
- 主題607から679までのいずれか1つ記載のフォトニック構造体
を有している、主題927記載のμ-ディスプレイもしくはμ-ディスプレイモジュール。
929.前述の主題のいずれか1つ記載の複数のμ-LEDを電子的に構成する方法であって、以下のステップ:
- 上記第1のブランチと上記第2のブランチのそれぞれの上記μ-LEDの機能をテストするステップと、
- 上記第1のブランチと上記第2のブランチの上記μ-LEDに欠陥がない場合、
- 上記電子エンボス構造素子にエンボス信号を印加するステップと、
- 上記第2のブランチの上記μ-LEDと直列に接続されたヒューズをトリガさせる電流の流れを上記第2のブランチに印加するステップと
を含む、方法。
930.前述または後述の主題のいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造における、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイスの使用。
931.ディスプレイ配置構造であって、
モノリシック集積回路とマトリクス状に配置されたIC基板コンタクトとを備えたIC基板部品と、
第1のドーピングを有する第1の半導体層と第2のドーピングを有する第2の半導体層とを有する半導体層シーケンスを含むモノリシック画素化オプトチップであって、上記第1の半導体層の電荷キャリアの極性は、上記第2の半導体層の電荷キャリアの極性とは異なり、上記半導体層シーケンスは積層方向を規定する、モノリシック画素化オプトチップと
を含み、
上記モノリシック画素化オプトチップ内には、マトリクス状に配置されたμ-LEDが存在し、
各μ-LEDは、上記IC基板部品に面しているμ-LED背面と、上記第1の半導体層に接触する形で隣接し、上記IC基板コンタクトの1つとそれぞれの場合において電気的に接続されている第1の光源コンタクトとを有し、
上記第1の光源コンタクトの上記μ-LED背面への投影面積が、最大でも上記μ-LED背面の面積の半分に相当し、上記第1の光源コンタクトが、積層方向と直交する横方向に背面側アブソーバで取り囲まれていることを特徴とする、ディスプレイ配置構造。
932.上記第1の半導体層および上記第2の半導体層が、104Sm-1未満、好ましくは3・103Sm-1未満、さらに好ましくは103Sm-1未満のp型またはn型の伝導性を有していることを特徴とする、主題931記載のディスプレイ配置構造。
933.積層方向における上記第1の半導体層の層厚が、横方向における上記第1の光源コンタクトの最大対角線の最大10倍、好ましくは最大5倍であることを特徴とする、主題931または932記載のディスプレイ配置構造。
934.上記μ-LEDの画素サイズが10μm未満、好ましくは5μm未満、特に好ましくは2μm未満であることを特徴とする、主題931から933までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
935.上記第1の光源コンタクトの上記μ-LED背面への投影面積が、上記μ-LED背面の面積の最大25%、好ましくは最大10%に相当していることを特徴とする、主題931から934までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
936.背面側アブソーバが、上記半導体シーケンスに積層方向に延在していることを特徴とする、主題931から935までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
937.各μ-LEDの上記第2の半導体層の上で積層方向に、透明な材料からなる第2の光源コンタクトが配置されており、上記光源コンタクトは、モノリシック画素化オプトチップの正面側の透明なコンタクト層に電気的に接続されていることを特徴とする、主題931から936までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
938.上記第2の光源コンタクトが、透明なコンタクト層自体によって形成されていることを特徴とする、主題937記載のディスプレイ配置構造。
939.上記第2の光源コンタクトが透明なコンタクト層に隣接しており、隣接して配置された上記μ-LEDの上記第2の光源コンタクトは、積層方向に対して垂直方向を指し示す横方向において正面側のアブゾーバで互いに分離されていることを特徴とする、主題931から938までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
940.上記正面側アブゾーバは、積層方向とは逆向きに第2の半導体層まで、好ましくは第2の半導体層の中まで延在していることを特徴とする、主題931から939までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
941.積層方向を基準として、上記第1の光源コンタクトの下には、上記第1の光源コンタクトよりも横断面積が大きいオプトチップコンタクト素子が隣接していることを特徴とする、主題931から940までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
942.さらに、
上記モノリシック画素化オプトチップ上に配置され、上記モノリシック画素化されたオプトチップから放出された光の向きを調整する光整形構造体、特にマイクロレンズまたはフォトニック結晶を含んでいる、主題931から941までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
943.上記モノリシック画素化オプトチップの表面に光変換素子をさらに含んでいる、主題931から942までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
944.2つのμ-LEDが隣接している場合、一方のμ-LEDは他方のμ-LEDに対して冗長素子として形成されており、上記冗長素子にはIC基板部品内で安全素子が割り当てられており、他方のμ-LEDが故障した場合には、これを上記冗長素子と交換するか、または他方のμ-LEDが機能する場合には上記冗長素子を電流供給回路から切り離すように構成されている、主題931から943までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
945.ディスプレイ配置構造を製造する方法であって、
モノリシック集積回路とマトリクス状に配置されたIC基板コンタクトとを備えたIC基板部品と、モノリシック画素化オプトチップとが電気的に接続されており、
上記モノリシック画素化オプトチップ内では、第1のドーピングを有する第1の半導体層と第2のドーピングを有する第2の半導体層とを有する半導体層シーケンスが成長させられ、上記第1の半導体層の電荷キャリアの極性は、上記第2の半導体層の電荷キャリアの極性とは異なり、上記半導体層シーケンスは積層方向を規定し、
上記モノリシック画素化オプトチップ内には、マトリクス状に配置されたμ-LEDが設置され、各μ-LEDは、上記IC基板部品に面しているμ-LED背面と、上記第1の半導体層に接触する形で隣接し、上記IC基板コンタクトの1つとそれぞれの場合において電気的に接続されている第1の光源コンタクトとを有している、方法において、
上記第1の光源コンタクトを、積層方向に対して垂直な投影面積が、上記μ-LEDの背面の面積の最大でも半分を占めるような大きさで設置し、
上記第1の光源コンタクトは、積層方向に対して垂直方向を指し示す横方向において背面側アブソーバで取り囲むことを特徴とする、方法。
946.行と列とに配置された複数の画素を有するμ-ディスプレイを備えたディスプレイ配置構造であって、
- 第1の基板構造であって、上記基板構造の中または上にμ-LEDが配置されている第1の基板構造を含み、そのエッジ長さは50μm未満、特に20μm未満であり、上記行と列とに配置された画素構造を形成しており、
- μ-LEDは個別に駆動制御可能であり、
光の照射方向と対向する上記第1の基板構造の表面には、複数の接点が配置されており、
- 第2の基板構造であって、上記第1の基板構造のコンタクトに対応する複数の接点を表面に含み、光電子構造素子をアドレス指定するための複数のデジタル回路を有する第2の基板構造を有し、
上記第1の基板構造と上記第2の基板構造とは互いに接続されており、複数のコンタクトが上記対応する接点に電気的に接続されており、
上記第1の基板構造は、第1の材料系で形成されており、上記第2の基板構造は、これとは異なる第2の材料系で形成されている、ディスプレイ配置構造。
947.複数の接点のうち、少なくともいくつかの接点が、10μm未満のエッジ長さまたは20μm2未満の面積を有している、主題946記載のディスプレイ配置構造。
948.上記μ-LEDが、10μm未満のエッジ長さで形成されており、かつ/または7μm未満の隣り合うμ-LEDとの距離を有している、主題946または947記載のディスプレイ配置構造。
949.上記第1および第2の基板構造の間に部分的に介在し、これらを一緒に保持する接着剤または他の素材結合要素を含んでいる、主題946から948までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
950.行と列とに配置された複数の画素を有するμ-ディスプレイが、前述の主題のいずれか1つ記載のμ-LEDもしくはμ-LED配置構造の少なくとも一部または光電子デバイスを含むか、または前述の方法のいずれか1つに従った素子を有している、主題946から949までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
951.上記第2の基板構造が、前述の主題のいずれか1つ記載の回路の少なくとも一部を含んでいる、主題946から950までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
952.前述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する少なくとも1つの光案内配置構造をさらに含んでいる、主題946から951までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
953.上記第1の基板構造と上記第2の基板構造との間には、上記第1の基板構造の接点と上記第2の基板構造の接点とを接合するコンタクトリード線が少なくとも通っている中間構造が介在している、主題946から952までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
954.上記第1の材料系が、以下の化合物:GaN、GaP、GaInP、InAlP、GaAlPまたはGaAlInP、GaAs、AlGaAsのうちの少なくとも1つを含み、上記第2の材料系は、以下の材料系:単結晶、多結晶、アモルファスシリコン、インジウムガリウム亜鉛酸化物、GaNまたはGaAsのうちの少なくとも1つを含んでいる、主題946から953までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
955.上記第1のキャリア構造には、複数の切り替え可能な電流源が含まれており、各電流源は、画素に供給するために上記画素に接続されており、その切り替え入力は、デジタル回路から切り替え信号を供給するための接点に結合されている、主題946から954までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
956.上記切り替え可能な電流源が、上記μ-LEDに使用される材料系または上記第1の材料系とは異なる材料系に配置されている、主題955記載のディスプレイ配置構造。
957.上記第2の基板構造の複数のデジタル回路が、各画素のクロック信号とデータワードからPWM様の信号を生成するように構成されている、主題946から956までのいずれか1つ記載のディスプレイ配置構造。
958.上記複数のデジタル回路が、直列に接続された多数のシフトレジスタを含み、各シフトレジスタは、画素の上記データワードに対応する長さを有し、各シフトレジスタは、一時的な記憶用のバッファに接続されている、主題957記載のディスプレイ配置構造。
959.上記複数のデジタル回路が、複数の光電子構造素子を駆動制御するために、上記第1の基板構造のデマルチプレクサに電気的に結合されたマルチプレクサを含んでいる、主題957または958記載のディスプレイ配置構造。
960.複数の発光ダイオードの配置構造であって、少なくとも1つの空間方向に沿った各発光ダイオードの広がりが、それぞれ70マイクロメートル以下である、配置構造。
961.上記発光ダイオードのために共通のキャリアが設けられている、主題960記載の配置構造。
962.上記キャリアが透明な材料を含むか、または透明な材料からなる、主題961記載の配置構造。
963.上記キャリアがフレキシブルに形成されている、主題961または962記載の配置構造。
964.上記発光ダイオードの動作回路または駆動制御部の電子部品が上記キャリア上に配置されている、主題960から962までのいずれか1つ記載の配置構造。
965.少なくとも1つのセンサーがキャリア上に配置されている、主題960から962までのいずれか1つ記載の配置構造。
966.上記キャリアは、部品、特に自動車部品の一体型部品である、主題960から965までのいずれか1つ記載の配置構造。
967.上記配置構造の少なくとも1つの発光ダイオードに光学系が設けられている、主題960から966までのいずれか1つ記載の配置構造。
968.上記光学系が上記キャリア上に配置されている、主題967記載の配置構造。
969.前述の主題のいずれか1つ記載の少なくとも1つ記載の配置構造を備えたデバイス。
970.自動車のテールライトとして形成された、主題969記載のデバイス。
971.上記テールライトの発光ダイオードの少なくとも1つの配置構造が、少なくとも50PPIの画素密度と、最大で0.5mmの画素ピッチとを有している、主題970記載のデバイス。
972.上記テールライトが、リアライトとブレーキライトとの組み合わせとして形成されており、リアライト領域およびブレーキライト領域を有している、主題970または971記載のデバイス。
973.上記ブレーキライト領域および上記リアライト領域が、それぞれ少なくとも1つの発光ダイオードの配置構造を有しており、上記ブレーキライト領域の発光ダイオードの配置構造の画素密度が、上記リアライト領域の発光ダイオードの配置構造の画素密度よりも高い、主題972記載のデバイス。
974.自動車のセンターハイマウントブレーキライトとして形成された、主題969記載のデバイス。
975.上記センターハイマウントブレーキライトの発光ダイオードの少なくとも1つの配置構造が、少なくとも10PPIの画素密度と、最大で2.5mmの画素ピッチとを有している、主題974記載のデバイス。
976.上記センターハイマウントブレーキライトが自動車のリアウインドウパネルに埋め込まれている、主題974または975記載のデバイス。
977.上記センターハイマウントブレーキライトが透明に形成されている、主題976記載のデバイス。
978.上記センターハイマウントブレーキライトが自動車のボディのルーフ領域に配置されている、主題974または975記載のデバイス。
979.上記デバイスが、自動車の外側に配置されたディスプレイを含み、上記ディスプレイは、主題960から968までのいずれか1つ記載の発光ダイオードの少なくとも1つの配置構造を含んでいる、主題969記載のデバイス。
980.上記ディスプレイの発光ダイオードの配置構造の上記画素密度が少なくとも100PPIであり、上記画素ピッチが最大で0.25mmである、主題979記載のデバイス。
981.上記ディスプレイが車両本体に組み込まれている、主題979または980記載のデバイス。
982.上記ディスプレイの形状が車両本体の輪郭に合わせられている、主題981記載のデバイス。
983.ユーザーまたはコンピュータプログラムによってディスプレイ動作の制御を可能にするディスプレイの制御装置を含んでいる、主題979から982までのいずれか1つ記載のデバイス。
984.上記デバイスが上記少なくとも1つのセンサーまたは検出器を含み、上記少なくとも1つのセンサーまたは検出器からの測定信号に応じて、上記ディスプレイの表示を制御するように形成されている、主題983記載のデバイス。
985.上記デバイスが通信信号を交換するように形成されている、主題979から984までのいずれか1つ記載のデバイス。
986.上記デバイスが自動車のヘッドライナーを含んでいる、主題969記載のデバイス。
987.上記デバイスが、自動車のセンターコンソールを含んでいる、主題969のデバイス。
988.上記デバイスが、自動車のAピラー、またはBピラー、またはCピラー、またはDピラー上のディスプレイを含んでいる、主題969記載のデバイス。
989.上記デバイスが、自動車のステータス表示を含んでいる、主題969記載のデバイス。
990.殺菌デバイスとして、または殺菌デバイスの部品として形成された、主題969記載のデバイス。
991.自動車用コンポーネントとして形成された、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイス。
992.テキスタイルのコンポーネントとして形成された、前述の主題のいずれか1つ記載のデバイス。
993.表示デバイスであって、
- 表側と裏側を有するキャリアと、
- 上記キャリアの表側に施与された自立型の表示セグメントと
を含み、
- 上記表示セグメントは、導電性接続層と電気絶縁層とを有する基板と、少なくとも1つのμ-LEDとを含んでおり、
- 上記少なくとも1つのμ-LEDは、上記接続層に配置され、上記接続層と電気的に接続されており、
- 上記電気絶縁層は、上記少なくとも1つのμ-LEDに面していない上記接続層の側で、上記キャリアと上記接続層との間に配置されており、
- 上記電気絶縁層は単一コヒーレントに形成されており、
- 上記キャリアは、表側から裏側に向かって延びる少なくとも1つの開口部を含んでおり、
- 上記表示セグメントは、上記開口部を通って延びる電気リード線を介して、上記キャリアの裏側から電気的に接触可能である、
表示デバイス。
994.上記表示セグメントがフレキシブルに形成されている、主題993記載の表示デバイス。
995.上記表示セグメントが施与される上記キャリアの表側に、凹状および/または凸状の湾曲部がある、主題993または994記載の表示デバイス。
996.上記電気リード線が上記基板のタブによって形成されており、上記タブは上記開口部から挿入されている、主題993から995までのいずれか1つ記載の表示デバイス。
997. - 上記タブの一部が、上記裏側の開口部から突出しており
- 上記タブの裏側から突出した部分に能動的または受動的な電子部品が配置され、上記基板と電気的に接続されている、
主題996記載の表示デバイス。
998. - 表示セグメントの基板が、上記開口部を少なくとも部分的に覆っており、
- 上記開口部の領域の電気絶縁層が除去されており、
- 上記開口部の領域の上記電気リード線が、上記接続層に配線され、上記接続層に電気的に接続されている、
主題996または997記載の表示デバイス。
999. - 上記表示セグメントは、複数の光電子構造素子を含んでおり、各μ-LEDは、上記表示セグメントの画素に割り当てられており、
- 上記表示デバイスは、上記キャリアの表側に施与された複数の表示セグメントを含んでいる、主題993から998までのいずれか1つ記載の表示デバイス。
1000.表示デバイスを製造する方法であって、以下のステップ:
A)表側と裏側と、表側から裏側に延びる少なくとも1つの開口部とを有するキャリアを提供するステップと、
B)自立型の表示セグメントを提供するステップであって、上記表示セグメントは、
- 導電性接続層と単一コヒーレントな電気絶縁層とを有する基板と、
- 少なくとも1つの光電子構造素子であって、
- 上記光電子構造素子は、上記接続層に配置され、上記接続層に電気的に接続されており、
- 上記電気絶縁層は、上記部品に面していない上記接続層の側に配置されている、少なくとも1つの光電子構造素子と
を含むステップと、
C)上記表示セグメントを上記キャリアの表側に施与するステップと、
D)上記開口部を貫通する電気リード線を形成することで、上記電気リード線を介して上記キャリアの裏側から上記表示セグメントを電気的に接触可能にするステップと
含む、方法。
1001.上記基板が、ステップD)で上記開口部から挿入されかつ上記電気リード線を形成するタブを含んでいる、主題1000記載の方法。
1002. - 上記ステップC)では、上記電気絶縁層が開口部を少なくとも部分的に覆うように上記表示セグメントを配置し、
- 上記ステップD)では、上記開口部の領域の電気絶縁層を除去し、その後、上記開口部の領域の上記電気リード線を上記接続層に導き、上記接続層に電気的に接続する、主題1001記載の方法。
1003.発光のために構成された1つ以上の量子井戸を有することを特徴とする、前述の主題の1つ記載の配置構造、μ-LED、半導体層スタック、光電子構造素子またはアレイにおける活性層。
例示的な構成形態を用いた説明は、示されたさまざまな構成をそれらの構成に限定するものではない。むしろ、本開示では、互いに組み合わせ可能ないくつかの態様を示している。例えば、プロセスに関連する態様は、光の取り出しに主眼を置いた態様と組み合わせることもできる。このことは、上に示したさまざまな主題からも明らかになる。
したがって、本発明は、任意の特徴および任意の特徴の組み合わせを含み、特に、この特徴または組み合わせが例示的な構成形態で明示的に指定されていない場合でも、主題および特許請求の範囲における特徴の任意の組み合わせを含む。
これに関して図153Aに示す例では、まず、さまざまな半導体製造プロセスによってエピタキシャル層が作製されたウェハ12が提供され、ウェハ12から個々のμ-LED16が形成される。いくつかの態様では、μ-LEDは、動作時に異なる色や波長を発することができる。ここでそれを示すのが、色合いの違いである。μ-LEDは、例えば取り付けや転写を容易にできるように、少なくともその下面および/または上面が平坦に形成されている。製造プロセスの一環として、μ-LED16をウェハ12から機械的に分離することができる。これは、いわゆる犠牲層(例えば、図150AのA)~D)ならびに図148BのJ)、図149BのJ)および図151BのJ)を参照)を除去することによって行われ、場合によっては1つ以上のリリース層が加えられる。
このようにして作製された構造体は、今度は前述のスタンプまたは他の転写ツールを使って支持構造体から分断することができる。層スタック1のフランク部は、ここでもさらにパッシベーション層23で覆われている。図148BのJ)は、このようにして製造されたμ-LEDを分断するステップを平面図として再度示したものである。大きな矢印は支持構造体9の分断を表し、ギザギザの部分は破断点29を表している。