JP2022523057A - 筋骨格細胞構造の超音波刺激 - Google Patents

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Abstract

筋骨格組織構造の超音波刺激の方法は、複合正弦波からなる複数の音響空間-時間モードを発生させるステップであって、複合正弦波が、多層生体組織構造の部位において空間-時間測定精度を向上させる変調包絡線と、多層生体組織構造の部位において骨形成性であるパルス繰返し周波数及びデューティサイクルとを有する、ステップと、組織治癒を促進するように、多層生体組織構造の部位に対して音響空間-時間モードをビームステアリングするステップと、多層生体組織構造において、骨折治癒を発生させるために十分である2モード応力レベルを生成するステップと、を含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許商標庁において2019年1月25日に出願された米国仮特許出願第62/797,009号明細書に対する優先権を主張し、その出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
本開示の実施形態は、組織治癒を加速するように細胞機能のカスケードを効率的に引き起こすことができる周波数で、深い生体組織構造の刺激及び特徴付けを動的に発生させる所定の特性を有する、多モード音響空間-時間信号に関する。
組織及び骨の損傷を治療処置するとともに評価するための超音波の使用が知られている。好適な期間、組織又は骨の損傷部に隣接する適切な外部位置において、適切なパラメータ、たとえば、周波数、パルス繰返し及び振幅を有する超音波パルスを当てることは、たとえば、組織裂傷、骨折(bone break)及び骨折(fracture)の自然治癒を加速することが明らかとなっている。
組織内の超音波伝播は、微細構造レベルであっても、その経路におけるすべての吸収障害物及び反射障害物に対して双方向放射力をかける。化学変化に影響を与える可能性がある音響エネルギーの成分は、事実上、熱的成分、機械的(撹拌)成分及びキャビテーション成分であり得る。最大の非熱的効果は、安定したキャビテーション及び物質移動に起因するものである。そのため、これらは、音響マイクロストリーミングを引き起こし、細胞壁及び境界層に、且つ細胞骨格にせん断応力をもたらすことができる。細胞内マイクロストリーミングに起因する後者の効果は、細胞の代謝機能の増大をもたらすことができる。
1960年代初期以来、低強度超音波の治療有効性の背後にある、特有の物理的且つ生物学的機序が、広範囲に研究されてきた。低強度超音波は、全身の生物学的調節反応をトリガするか又は引き起こすことができる生物学的閾値をわずかに超える、それらの出力レベルを指す[1]。0.1~0.5W/cm範囲の空間平均-時間平均(SATA)強度の場合、音響ストリーミング及びキャビテーションの非熱的高応力機構を生成することができる。分離された線維芽細胞に対するインビトロ試験により、細胞に対する超音波の効果が感圧性であることが示され、これは、微小気泡の急速な膨張及び崩壊によって引き起こされる(安定した)キャビテーション機構を示唆している[2、3]。音響マイクロストリーミングを引き起こす可能性がある結果としての気泡振動は、細胞膜に対して高いせん断応力を発生させることができ、それは、細胞のナトリウム及びカルシウムイオンに対する透過性に影響を与える可能性がある[4]。細胞透過性の増大は、カルシウム取込みの増加[5]、線維芽細胞におけるタンパク質及びDNA合成の増加をもたらす可能性があり、観察されるマクロファージの活性化の主な原因となる可能性がある。線維芽細胞及びマクロファージの産生は、正常な骨折修復過程を特徴付ける。Hill[6]は、キャビテーション閾値は、水性媒質では0.1W/cmであると決定し、ter Haar[7]は、インビボで0.2W/cmと推定した。
低強度超音波は、骨折部位の周囲で血管形成の過程を促進するか又は血流を増大させ、それにより、表面筋骨格組織の創傷及び骨折の治癒をさらに加速することが、臨床的に実証されてきた。調査研究により、治癒時間を短縮し且つ/又は再生組織の質を向上させることにより骨折治癒を最大限に促進する、一組の1つ又は複数の音響信号励起が存在し得ることが示された。
Duarteの米国特許第4,530,360号明細書は、骨損傷部に隣接する場所において皮膚表面の外部から超音波パルスを印加する、基本的な非侵襲的治療技法及び装置を記載している。処置中に超音波パルスを印加するために、オペレータは、処置が完了するまでアプリケータを手で適所に保持しなければならない。Duarteの特許は、Winderらの米国特許第5,520,612号明細書と同様に、縦超音波を生成するRF信号の範囲と、超音波出力密度レベルと、各超音波パルスに対する持続時間の範囲と、超音波パルス周波数の範囲とについて記載している。
Winderの米国特許第6,213,958B1号明細書は、筋骨格系に非侵襲的機械的刺激を印加することによって生成される音響放出を検出し、局所化し、特徴付ける診断システムについて記載している。機械的刺激は静的又は動的のいずれもあり得るが、引用特許の図1に示すInstron試験機は、励起荷重が静的であることを意味する。Winderの発明は、静的荷重を外部動的手段と置き換えることができるのであれば、より容易に臨床操作を促進するであろう。
Winderらの米国特許第7,429,248B1号明細書は、組織治癒用途において音響モードを制御する方法及び装置について記載している。この特許は、米国特許第5,520,612号明細書において与えられているものと同じ、縦超音波を生成するRF信号の範囲と、超音波出力密度レベルと、各超音波パルスに対する持続時間の範囲と、超音波パルス周波数の範囲とを与える。
本開示の例示的な実施形態は、組織治癒を促進するために多層生体組織構造の部位まで伝播する音響空間-時間モードを発生させる、超音波トランスデューサ/送信器システムを使用するシステム及び方法に関する。これらの特有の音響モードは、ビームステアリングによって生成されるとともに、それらのパルス繰返し周波数、デューティサイクル及び2モード応力(空間平均時間平均強度;ISATA)レベルによって特徴付けられ、骨折治癒を著しく促進することができる。
本開示の一実施形態によれば、筋骨格組織構造の超音波刺激の方法であって、複合正弦波からなる複数の音響空間-時間モードを発生させるステップであって、複合正弦波が、多層生体組織構造の部位において空間-時間測定精度を向上させるような構造的詳細を有する変調包絡線と、多層生体組織構造の部位において骨形成性であるパルス繰返し周波数及びデューティサイクルとを有する、ステップと、組織治癒を促進するように、多層生体組織構造の部位に対して複数の音響空間-時間モードをビームステアリングするステップと、多層生体組織構造において、骨折治癒を発生させるために十分である2モード応力レベルを生成するステップと、を含む、方法が提供される。
本開示のさらなる実施形態によれば、音響空間-時間モードは、骨組織細胞外マトリックスのインテグリン反応を促進するせん断波を含む。
本開示のさらなる実施形態によれば、ビームステアリングは、多素子線形若しくは平面フェーズドアレイ、又はウェッジブロックを駆動する単一素子を利用する。
本開示のさらなる実施形態によれば、多層生体組織構造の組織層境界における複数の音響空間-時間モードの角度が、第1臨界角未満であるとき、せん断波は骨折経路に沿って伝播し、縦波は骨組織の骨膜表面の下を、組織層境界に対して30~60°で伝播する。
本開示のさらなる実施形態によれば、多層生体組織構造の組織層境界における複数の音響空間-時間モードの角度が、第1臨界角と実質的に等しいとき、せん断波の組合せは骨折経路に沿って伝播し、縦波は骨組織の骨膜表面の下を且つそれに対して平行に、組織層境界に対して60~90°で伝播する。
本開示のさらなる実施形態によれば、多層生体組織構造の組織層境界における複数の音響空間-時間モードの角度が第2臨界角と実質的に等しいとき、せん断波のみが、骨組織の骨膜表面に沿って且つその真下を伝播する。
本開示のさらなる実施形態によれば、ビームごとの音響強度応力レベルは、30~70ミリワット/cmSATAの範囲である。
本開示のさらなる実施形態によれば、ビームごとの音響強度応力レベルは、40~50ミリワット/cmSATAの範囲である。
本開示のさらなる実施形態によれば、音響空間-時間モードの低周波数は骨形成性である。
本開示のさらなる実施形態によれば、低周波数は、300kHz~3.0MHzの範囲である。
本開示のさらなる実施形態によれば、長骨治癒のための低周波数は、1.0MHzである。
本開示のさらなる実施形態によれば、頸椎及び腰椎固定術の治癒のための低周波数は、0.5MHzである。
本開示のさらなる実施形態によれば、変調包絡線は一定である。
本開示のさらなる実施形態によれば、変調包絡線はガウス関数である。
本開示のさらなる実施形態によれば、変調包絡線の低周波数は、振幅変調技法によって生成され、複合正弦波は、
s(t)AM=(1+msinωt)sinω
=sinωt-(m/2)cos(ω+ω)t+(m/2)cos(ω-ω
として表され、式中、ωは搬送波周波数であり、mは振幅変調の程度を制御する変調指数であり、ωは変調周波数である。
本開示のさらなる実施形態によれば、複合正弦波の下側波帯は、骨組織骨形成修復に対して500kHz~1.0MHzを利用し、複合正弦波の上側波帯は、骨組織イメージングに対して2.0~2.5MHzを利用する。
本開示のさらなる実施形態によれば、パルス繰返し周波数(PRF)は、10kHz以下である。
本開示のさらなる実施形態によれば、パルス繰返し周波数は約1kHzである。
本開示のさらなる実施形態によれば、デューティサイクルは10~50%の範囲である。
本開示の別の実施形態によれば、デューティサイクルは約20%である。
本開示のさらなる実施形態によれば、組織治癒を促進するように多層生体組織構造の部位まで伝播する複合正弦波からなる音響空間-時間モードの供給源であって、ウェッジブロックと組み合わされた単一トランスデューサを備える供給源と、音響空間-時間モードをビームステアリングする多素子線形又は平面フェーズドアレイとを備える、超音波トランスデューサ/送信器システムが提供される。
本開示のさらなる実施形態によれば、ウェッジブロックは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー又はそれらの混合物を含む、低粘性損失材料から構成されている。
本開示のさらなる実施形態によれば、ウェッジブロックは、1.6±6%MRaylの音響インピーダンスを有し、ヒトに非毒性であり、ヒト血液に対して不透過性である。
本開示の実施形態による、皮膚表面に対するトランスデューサ面の10.5°のビームステアリング角の場合の、ウサギ組織内への傾斜NEWSIGの多モード伝送を示す。 本開示の実施形態による、皮膚表面に対するトランスデューサ面の13.5°のビームステアリング角(第1臨界角(CA1))の場合の、ウサギ組織内への傾斜NEWSIGの多モード伝送を示す。 本開示の実施形態による、皮膚表面に対するトランスデューサ面の31.5°のビームステアリング角(第2臨界角(CA2))の場合の、ウサギ組織内への傾斜NEWSIGの多モード伝送を示す。 本開示の一実施形態による、筋骨格組織構造の超音波刺激方法のフローチャートである。
本明細書に記載する本開示の例示的な実施形態は、概して、組織治癒を加速することができる周波数で深い生体組織構造を刺激するとともに特徴付ける多モード音響信号を、いくつかの応力レベル及び周波数で発生させる方法を提供する。実施形態は、さまざまな変更形態及び代替形態を許容するが、その具体的な実施形態を例として図面に示すとともに、本明細書において詳細に説明する。しかしながら、本開示は、本開示を開示する特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本開示の趣旨及び範囲内にあるすべての変更形態、均等物及び代替形態を包含することが理解されるべきである。
本開示の実施形態は、生体組織構造の低周波数刺激のためにインテグリン反応を最適化する、せん断波を多く含む、新たな多モード信号の設計及び発生に関する。これは、骨及び創傷両方の治癒とともに、(場合によっては)脊椎固定術治癒にも非常に有益である。四肢の骨折の治療処置に生体力学的原理を適用し、治癒過程を特徴付けるために基準尺度を提案する。本開示の実施形態は、限定するものではないが、音響放出監視、骨組織成長、骨折治癒、腰椎及び頸椎固定術、筋再教育及び組織創傷治癒のために、放射圧及び測定された目標反応特性を提供する。
生体系の診断、治療及び手術を効率的に促進するための、音響波の外因性の使用は、粒子変位、粒子速度、応力、歪み及び弾性等、系の物理特性の詳細な理解に依存する。特に、適切に刺激を受ける場合、骨組織は、最終治癒期においてリモデリング及び再石灰化を支持することができる。
LIPUS刺激が骨治癒の生理学的反応をもたらす
動物結合組織は、主にコラーゲン、すなわち、細胞がそれら自体の周囲に分泌する骨の中の主要タンパク質から構成された、細胞外マトリックスからなる。支持組織にそれらの引張強度を与えるのが、このマトリックス内のコラーゲンである。細胞の外側での、細胞外マトリックスの低出力超音波パルス(low-intensity pulsed ultrasound)(LIPUS)刺激は、インテグリンと称する分子タンパク質結合部を介して、脆弱な原形質膜を横切って動物細胞内の細胞骨格まで伝達される。調査により、超音波が、細胞内経路事象のカスケードを開始する細胞インテグリン反応を強化することが示された。これらの事象には、(1)細胞外マトリックスの細胞壁膜の透過性を増大させることと、(2)特異遺伝子の転写をもたらす、TGF-β、PDGF、EGF、(a,b)FGF、IGF-I、II及びNGF等、いくつかの細胞質成長因子に影響を及ぼすことと、(3)タンパク質合成を活性化するように細胞核に対する特異遺伝子転写を翻訳するためにmRNAを利用することとが含まれる。具体的に、調査により、LIPUSが、治癒の第2段階において軟性仮骨石灰化(軟骨内骨化)を促進し、治癒の第3(及び最終)段階において発生する再石灰化及びリモデリング期において骨折硬性仮骨強度をさらに増大させることも示された。
したがって、インテグリン分子タンパク質反応が、タンパク質合成の細胞機能を発生させ、その結果、臨床的な骨治癒の生理学的反応をもたらすために重要である。インビボ実験により、インテグリンがせん断波放射圧に最適に反応することが示された。したがって、骨組織修復を刺激する信号は、せん断波を多く含むとともに、骨組織の生物学的反応の緩和時間に一致するはずである。これにより、骨径に対する仮骨径の比として定義される仮骨指標と、骨折経路における骨密度とが最大化する。
せん断波発生
本開示の一実施形態によれば、せん断波は、骨表面の内部にせん断波及び縦波の両方を生成するように、圧電トランスデューサによって骨に対して垂直に伝送される音響縦波を空間的に制御することができる音響モード変換器(AMC)としての役割を果たす、特別に設計された結合ウェッジによって発生させることができる。これについては下記で詳細に説明する。
せん断波の粒子方向は、伝播方向に対して垂直であり、伝播方向に対する粒子振動の方向に応じて2つのタイプのせん断波、すなわち、水平せん断波(SH)及び垂直せん断波(SV)が存在するのを可能にする。概して、2つの異なる固体媒質の間の境界に入射するランダムせん断波は、SH成分及びSV成分の両方を含む。さらに、SV波は、以下のように、媒質1と媒質2との間の界面における縦波の相互作用も制御する、スネルの法則によって確立される境界条件に従ってモード変換も受けることができ、
(sinθ/C=(sinθ/C=(sinθ/C=(sinθ/C (1)
式中、θはせん断波の角度であり、θは縦波の角度であり、Cはせん断波の速度であり、Cは縦波の速度である。せん断波の角度及び縦波の角度は、それぞれ、骨組織に対する垂線に対するせん断波の速度及び縦波の速度に対して測定されることに留意されたい。対照的に、SH波はモード変換を受けることができない。代わりに、SH波は、境界に対して運動を維持する。骨折経路等の音響導波路は、純粋なSH波を支持することができる。
式(1)は、波がより低速な物質からより高速な物質まで移動するとき、縦波に対する屈折角を90度にする、第1臨界角として既知の入射角があることを論証する。入射角が第1臨界角よりも大きくなる場合、せん断波のみが物質内に伝播する。大部分の物質において、せん断波に対する屈折角を90度にする入射角もある。これは、第2臨界角と称する。
本開示の実施形態は、骨治癒の生理学的反応を強化するとともに、骨組織細胞外マトリックスのインテグリン反応を促進するように、相互作用する音響波の縦成分及びせん断成分を最適化することができる。
音響モード変換器の設計及び構造
ビームステアリングは、骨組織内の伝播する縦エネルギー及びせん断エネルギーの相対的な量と、発生する熱エネルギーの量とを制御することができる。ビームステアリング角の制御は、水中ソナー、レーダ及び医療用途で既知であり、以下を利用するいくつかの異なる方法で達成される。すなわち、(1)トランスデューサ素子の多素子線形又は平面フェーズドアレイ、及び(2)トランスデューサ/ウェッジと介在する生体物質層との間の相対的な屈折率を制御する、さまざまな材料の中間ウェッジに埋め込まれた単一トランスデューサである。信号ステアリングは、有効に波伝播を1つ又は複数の方向において無効にするとともにそれを他の方向において強化する、各素子によって放出される波形の相対位相(タイミング)を調整することによって行われる。線形アレイは、矩形トランスデューサ素子のアレイであり、矩形トランスデューサ素子は、それらの形状により非半球状の伝播波を生成する。線形アレイの素子は、ビームをさらにステアリングするように位相を調整することもできる。
一実施形態によれば、音響モード変換器(AMC)として作用する特別に設計された結合ウェッジが、骨折部に伝播すべき垂直モードと傾斜縦モードとの両方を生成することに対する、医用超音波研究における単純な手法である。結合ウェッジは、概して、粘弾性材料であるとみなされる。一実施形態によるAMCは、限定するものではないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー又はそれらの混合物を含む、好適な低粘性損失材料を含む。AMC設計の考慮事項としては、音速、音響減衰、音響インピーダンス、ヒトにおける毒性、ヒト血液に対する透過性、及び埋め込まれた放射トランスデューサからの音響自由場を生成する能力が挙げられる。一実施形態によるAMCは、1.6±6%MRaylの音響インピーダンスを有し、ヒトに非毒性であり、ヒト血液に対して不透過性である。
生体系モデル
本開示の一実施形態によれば、せん断モードと縦モードとのバランスを確定するために、超音波照射下構造が平行な4層系としてモデル化され、そこでは、最外の3つの層(皮膚、脂肪及び筋肉)は粘性流体として挙動し、最内の第4層(骨)は粘弾性固体として挙動する。骨組織は、骨折修復に有意義に影響を与えるように粘性成分及び弾性成分の両方を特徴とするべきである。
一実施形態によれば、斜角で組織層境界に入射する伝播縦音響信号は、以下の3つの成分を有する。すなわち、(1)反射角が入射角に等しい、反射縦信号と、(2)せん断波及び(3)縦波の両方として伝播する、骨の内部に伝送される2モード信号とである。縦波及びせん断波両方の含量が多い、筋肉/骨組織界面に入射する2モード信号は、本明細書では、以下、新たな音響信号(「NEWSIG」)と称する。
一実施形態によれば、NEWSIGの有効性は、各モードの一意の特徴、すなわち、それが縦であるかせん断であるかに一致する、音響モードに対して十分なエネルギーを提供することに依存する。しかしながら、せん断波は、縦波よりも損失があり、せん断波を利用するためには、それらの強度レベルを縦波のレベルに対して増大させるべきである。
一実施形態によれば、骨組織におけるせん断強度の増大は、経験的調査研究に基づく。1~4MHzの低治療周波数帯域での骨への垂直入射での音響波に対する縦減衰係数αは、
α=4.2dB/MHz-cm (2)
である。モード変換方法を介して音響せん断波を発生させるせん断減衰係数αは、
α=7.0dB/MHz-cm (3)
である。
したがって、一実施形態によれば、多モード励起の場合、縦モード成分に対する強度空間平均温度平均(ISATA)は、付随するせん断モードに対するISATAの約0.6であるべきである。したがって、縦励起に対するISATAが約30mW/cmである場合、せん断励起に対するISATAは約50mW/cmであるべきである。
一実施形態によれば、強度の調整により、多モード組織治癒に対して有効なせん断モードをもたらすことができる。これらの調整により、せん断波が、縦波よりも低速に移動し、骨組織を通って伝播する際により多くの熱エネルギーを放散させる、という事実が補償される。
新たな信号の音響刺激
一実施形態によれば、新たな信号、NEWSIGは、長骨の骨折治癒の処置を加速するとともに、腰椎及び頸椎固定術の治癒を促進することができる。一実施形態によるNEWSIGは、以下のいくつかの生物学的骨形成効果があるように、所定の低周波数範囲において十分なスペクトルエネルギーを有する。すなわち、(1)カルシウム取込み及びタンパク質合成に対する拡散過程を強化する、細胞壁膜の透過性の増大、(2)放出されるヘモグロビンの増加、及び(3)超音波照射下組織内の遺伝子発現をもたらすことである。
図4は、本開示の一実施形態による、筋骨格組織構造の超音波刺激方法のフローチャートである。図を参照すると、方法は、ステップ41において、複数の音響空間-時間モードを発生させることによって開始する。音響空間-時間モードは、構造的細部が、多層生体組織構造の部位において空間-時間測定精度を強化する変調包絡線と、多層生体組織構造の部位において骨形成性であるパルス繰返し周波数及びデューティサイクルとを有する、複合正弦波を含む。音響空間-時間モードは、ステップ43において、組織治癒を促進するように多層生体組織構造の部位に対してビームステアリングされ、ステップ45において、前記多層生体組織構造において骨折治癒を発生させるのに十分な2モード応力レベルを生成する。音響空間-時間モードは、骨組織細胞外マトリックスのインテグリン反応を促進するせん断波を含む。
今日まで、Duarte信号は、長骨の骨折の治癒を加速する唯一のFDA承認音響シグネチャである。Duarte信号は、1.5MHzの超音波の公称周波数を有し、各パルスの幅は、10~2,000ミリ秒で変化し、パルス繰返し率は100~1,000Hzで変化し、超音波の出力レベルは、100ミリワット/平方センチメートル未満で維持される。Duarte信号と一実施形態によるNEWSIGとの主な相違は、Duarte信号がより高い周波数の縦波である一方で、NEWSIGがより低い周波数の縦+せん断波であり、その結果、生体骨組織のより深い深度でより大きい治癒骨形成作用をもたらす、ということである。
新たな信号のスペクトルエネルギー
一実施形態によるNEWSIGの主スペクトルエネルギー含量は、3Hz~3MHzの周波数帯域に位置し、10kHz未満のパルス繰返し周波数(PRF)と、10~50%のデューティサイクルと、3~400mW/cmのISATAと、一定からガウスの変調包絡線と、60分未満の投与時間とを有する。
一実施形態によれば、短骨及び長骨の骨折の筋骨格骨治癒のため、及び脊椎固定術を促進するためのNEWSIGは、以下の特徴を有する。すなわち、300kHz~3.0MHzのスペクトルエネルギーと、定包絡線又はガウス包絡線と、1kHzの最大PRFと、20%以下のデューティサイクルと、皮膚界面における30~150mW/cmのISATAと、20分以下の日常の投与時間とである。骨折経路において発生する信号復調に起因して、低い1ミリ秒領域では、骨組織の緩和時間に対して、1kHzのPRFがより適切に一致する。
一実施形態では、音響空間-時間モードの低周波数は、骨形成性であり、300kHz~3.0MHzの範囲である。一実施形態によれば、長骨治癒のための低周波数は1.0MHzであり、頸椎及び腰椎固定術の治癒のための低周波数は0.5MHzである。いくつかの実施形態では、ビームごとの音響強度応力レベルは、30~70ミリワット/cmSATAの範囲であり、他の実施形態では、ビームごとの音響強度応力レベルは、40~50ミリワット/cmSATAの範囲である。
振幅変調刺激
一実施形態によれば、骨形成スペクトル包絡線は、周知の振幅及び周波数変調技術を利用することによって得ることができる。最も単純な振幅変調法は、以下の三角関数公式によって表される、焦点領域における伝送された正弦波の位相調整された線形和を利用し、
s(t)AM=sinA+sinB=2cos((A-B)/2)sin((A+B)/2)=2cos(Δt)sin(ω+Δ)t (4)
式中、s(t)は伝送信号であり、A=B+2Δ・t、B=ωtであり、ωは搬送波周波数であり、Δは所望の低骨形成周波数である。
一実施形態によれば、変調源の振幅及び周波数に従って搬送波の大きさを変更することにより、別の低スペクトル周波数包絡線が生成される。正弦波源の場合、これは以下のように表すことができ、
s(t)AM=(1+msinωt)sinω
=sinωt-(m/2)cos(ω+ω)t+(m/2)cos(ω-ω)t (5)
式中、信号スペクトルは、搬送波の上側波帯及び下側波帯との和として特徴付けることができ、(m)は、概して変調指数と称され、振幅変調の程度を制御し、ωは変調周波数である。
一実施形態によれば、搬送波周波数ω及び変調周波数ωの適切な選択を通して搬送波を抑制することにより、骨形成刺激を最適化することができる。空間アレイ指向性及び距離分解能は、周波数によって増大し、その結果、組織画像においてより細かい病理詳細を識別することができる。一実施形態によれば、2.0~2.5MHzの上側波帯が、より高い空間及び距離分解能と、検出能の向上のためのより高いSNRとを提供し、したがって、骨組織診断イメージングに使用されるが、周波数の増大によって増大する関連するエネルギー吸収により制限され、組織深度が限られることになる。一方、500kHz~1.0MHzの下側波帯は、主に、より深い深度における骨組織骨形成修復に有用であるが、周波数の低減によって増大するキャビテーション効果によって制限される。
概念実証(POC)研究
ランダム化ダブルブラインドPOC研究により、一実施形態による多モード伝送の臨床的可能性が、こうした処置が、最初に初期炎症期において臨床的血行再建を促進し、再度軟性仮骨期の最後に、骨組織リモデリングの直前に、最終硬性仮骨期における力学的要件に適合することである、ということが示された。
一実施形態によるPOC研究は、ニューヨーク市、マウントサイナイ医科大学(Mt.Sinai、N.Y.C.)におけるPillaの研究の後にモデル化され、生体組織内でせん断波の特性を測定する、過去40年にわたる、発表された研究に依拠する。
一実施形態によるPOC研究は、10.5°での傾斜NEWSIG、13.5°でのNEWSIG及び31.5°でのNEWSIGを生成するAMCを使用した。これらの角度は、それぞれ図1~図3に示すAMC/皮膚界面における測定された信号の斜角である。AMCは、全身血流(遠位から近位まで)を支持するように位置決めされた。信号伝送出力レベルは、AMCを通る吸収を補償するように調整された。ウェッジ/皮膚界面における空間平均-時間平均強度(ISATA)は、伝送される垂直縦波には30mW/cm、傾斜縦波には40mW/cmであるように調整された。
図1~図3は、本開示の実施形態による、皮膚界面に対するトランスデューサ面のさまざまな角度に対するウサギ皮膚内への傾斜NEWSIGの多モード伝送を示す。図において、
θは、皮膚表面に対するトランスデューサ面の斜角であり、0°は、垂直伝送の場合に皮膚に対して平行なトランスデューサ面を表し、
φは、垂線(法線)に対して測定された、AMCから組織内に伝播する超音波の屈折角であり、
αは、垂線(法線)に対して測定された、上にある組織から骨内に伝播する超音波のせん断部分の屈折角であり、
βは、垂線(法線)に対して測定された、上にある組織から骨内に伝播する超音波の縦部分の屈折角であり、
三角形は音響ウェッジAMCであり、XDRはトランスデューサである。
皮膚表面と腓骨との間の筋組織の推定厚さは1.5cmであり、AMC材料に対する音響波の測定された縦速度は921m/sであり、筋組織を通る位相速度は1560~1580m/sである。骨がx軸に広がり、骨折がy軸に沿って広がると想定すると、縦成分の位相速度は、骨組織の表面に沿って3500~3900m/s、骨折経路に沿って3100m/sであり、せん断成分の位相速度は、骨組織の表面に沿って1700~1750m/s、骨折経路に沿って1600~1650m/sである。
図1は、θ=10.5°であり、φ=18.1°、α=18.8±0.4°及びβ=47°の場合を示す。図2は、θ=13.5°であり、φ=23.7±0.1°、α=24.4±0.1°であり、βが62.4~90°の範囲である場合を示す。図3は、θ=31.5°であり、φ=63°であり、αが73.5~88.2°の範囲である場合を示す。
図1~図3に示すPOC研究結果は、多層生体組織構造の組織層境界における音響空間-時間モードの角度が10.5°、すなわち、13.5°の第1臨界角未満であるとき、約19°で骨折経路に沿って伝播するせん断波と、骨組織の骨膜表面の下を組織層境界に対して30~60°で伝播する縦波とからなることを示す。さらに、多層生体組織構造の組織層境界における音響空間-時間モードの角度が第1臨界角に実質的に等しいとき、せん断波の組合せは、約24°で骨折経路に沿って伝播し、縦波は、骨組織の骨膜表面の下を且つそれに対して平行に、組織層境界に対して60~90°で伝播する。さらに、多層生体組織構造の組織層境界における音響空間-時間モードの角度が、第2臨界角である31.5°に実質的に等しいとき、せん断波のみが、骨組織の骨膜表面に沿って且つその真下を伝播する。
外科的に引き起こされた両側腓骨骨切りがなされた17匹のウサギによるPOCねじり試験により、POD21における安楽死を含む18日間(POD1~POD18、POD=術後日数)の処置を受けた後、NEWSIG励起を行う試験装置が、Duarte信号励起を行う現FDA承認装置よりも優れていることが示された。統計分析により、Duarte信号に対して、最大トルクは25.3%増大し(p=0.0215)、剛性は25.7%増大した(p=0.0501)ことが示された。試験した2つのAMCのうち、31.5°に対するせん断波モードが、骨成長刺激(BGS)用途に対して優れていることが明らかとなった。
生体媒質の考慮事項
一実施形態によれば、BGS信号の設計は、伝播媒質の線形及び非線形特徴を考慮するべきである。生体組織の動態は、概して非線形であるが、物理現象の理解及び視覚化を容易にするために、実際に自然に発生するものも人為的なものもともに、さまざまな刺激に対する反応は、線形化される。この線形化プロセスは周知であり、小振幅事例と称されることが多い。小振幅又は低強度事例は、非熱的とみなされ、したがって、機械的刺激を通して、静的又は動的のいずれかであり得る生物学的効果のみをもたらす。
2つの最も周知である非熱的非線形効果は、キャビテーション及び音響ストリーミングである。生体組織における非熱的非線形超音波挙動の共通の尺度は、メカニカルインデックス(MI)及びビーム不均等率(BNR)である。組織温度を1℃だけ上昇させる音響出力に起因する非線形熱的効果の尺度は、サーマルインデックス(TI)と称される。
MIは、キャビテーション効果により生体組織内に引き起こされる超音波の破壊挙動の尺度であり、高ピーク圧が得られることが多い低デューティサイクル(2%未満)診断イメージング、Bモード短パルスに対して意図されている。
1992AIUM-NEMA規格は、超音波モードにおいて0.7未満のMIに対する許容可能な値を提案しており(第144頁、7.1節)、その値未満ではキャビテーションは(理論的には)発生しない。インビボでガス又は自由気泡の安定化ポケットが存在すると想定された(それは、臨床的には、造影剤に対する以外、依然として確かではない)。試験されたFDA承認装置は、20Vp-p及び1.5MHzに対してMI<0.1をもたらし、試験装置は、25Vp-p及び1.0MHzに対してMI<0.2をもたらした。
BNRは、[最大ISPTA/ISATA]として定義され、ここで、[最大ISPTA]は、最大圧力の音響軸方向距離であり、それは、非焦点式トランスデューサの場合、およそ(トランスデューサ径)/(4×波長λ)の点にあり、ISATAは、総音響出力を有効放射面積(ERA)で割った値である。ERAは、トランスデューサ軸に沿った5mmの距離における、-13dB点でのビーム強度プロファイル関数の幅であり、上述したインビボPOC研究において、約130mmであると測定された。その研究におけるERAは、およそ3.88cmに等しく、0.875インチすなわち22.22mmの電極径に対応する。POC研究における試験装置に対するBNRの最大測定値は、5.0未満であった。FDAは、治療装置に対するBNRは8.0未満であることと、装置のラベルに測定最大値を示すこととを要求している。
筋骨格系の治療用途に対して、長骨、舟状骨、中足骨及び頭部に対する重要なサーマルインデックスは、表面近くの骨によって決まり、頭蓋骨のサーマルインデックス(TICB)
TICB=W/40Deq (6)
と称され、式中、(mWでの)Wは、トランスデューサの放射表面における時間平均音響出力であり、Deqは、活性(又は電極付き)トランスデューサ領域の(cmでの)等価径である。
低周波数トランスデューサプロジェクタの設計考慮事項
一実施形態によれば、NEWSIGによって特徴付けられる低骨形成周波数は、電磁、圧電、電歪又は磁歪能動素子を有するトランスデューサによって発生させることができる。能動素子は、上述した材料のうちの1つ又は組合せから作製された単層又は多層部品の形態であり得る。さらに、能動素子は、ポリマー、中空及び/又は金属部品とのこうした材料の複合材から作製することができる。さらに、こうした材料から作製された能動素子は、当業者には既である、ユニモルフ、モノモルフ、バイモルフ、シンバル(cymbal)、ムーニー(moonie)、サンダー(thunder)、レインボー(rainbow)、セランボー(cerambow)等によって得られるフレックステンショナル効果を介して、低周波数波を発生させることができる。さらに、実施形態において言及した周波数は、スピーカ、ブザー、音叉、及び/又は上述した能動素子によって駆動される任意の非能動機械的振動素子を使用して空気分子又は人体と接触する媒質の分子の機械的振動によって発生させることができる。さらに、本明細書に開示した低骨形成周波数は、微小電気機械超音波トランスデューサ(MUT)から作製されたトランスデューサによっても発生させることができる。こうしたMUTの例としては、静電型微小電気機械超音波トランスデューサ(CMUT)と圧電型微小電気機械超音波トランスデューサ(PMUT)とが挙げられる。CMUT及びPMUTは、独立型トランスデューサであり、又は、こうしたMUTを駆動する電子回路基板に集積され得る。
本開示における一意の特徴
本開示の実施形態は、以下の少なくとも5つの一意の特徴を提供する。
1.骨組織電子細胞マトリックスのインテグリン反応を強化するように音響空間-時間伝送信号を最適化すること。
2.伝送時にISATA強度を調整すること、骨折部位において骨内膜及び骨膜両方の治癒を促進するために、搬送波及びパルス繰返し周波数と伝送信号励起の傾斜縦角とが必要である。
3.骨折経路において縦波及びせん断波の適切な混合波を生成するために、伝送ビームステアリング角により骨治癒の生物学的反応を制御すること。
4.多素子線形又は平面フェーズドアレイの使用により、又は、熱可塑性及び弾性シリコンゴム材料を使用する音響モデル変換器等、他の手段により、必要な傾斜縦信号を生成すること。
5.血管新生全身(酸素化)血流を支持するために、処置中に皮膚の上にビームステアリングされるトランスデューサを位置決めすること。
上述したことから、当業者であれば、本開示の実施形態により、生体物質の機械的刺激に関連する多くの限界を克服する有効な方法及び装置が提供されることが理解されよう。当業者であれば、たとえば、骨折及び創傷治癒に関連するような、治療用超音波における等、他の用途における本開示の実施形態の方法及び装置の使用もまた容易に明らかとなろう。
本明細書において、本開示のいくつかの例示的な実施形態について具体的に説明したが、本開示が関連する技術分野における当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に図示し記載した例示的な実施形態の変形形態及び変更形態を作成することができることが明らかとなろう。
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Claims (23)

  1. 筋骨格組織構造の超音波刺激の方法であって、
    複合正弦波からなる複数の音響空間-時間モードを発生させるステップであって、前記複合正弦波が、多層生体組織構造の部位において空間-時間測定精度を向上させる変調包絡線と、前記多層生体組織構造の前記部位において骨形成性であるパルス繰返し周波数及びデューティサイクルとを有する、ステップと、
    組織治癒を促進するように、前記多層生体組織構造の前記部位に対して前記複数の音響空間-時間モードをビームステアリングするステップと、
    前記多層生体組織構造において、骨折治癒を発生させるために十分である2モード応力レベルを生成するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記複数の音響空間-時間モードが、骨組織細胞外マトリックスのインテグリン反応を促進するせん断波を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ビームステアリングが、多素子線形又は平面フェーズドアレイを利用する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記多層生体組織構造の組織層境界における前記複数の音響空間-時間モードの角度が第1臨界角未満であるとき、せん断波が骨折経路に沿って伝播し、縦波が骨組織の骨膜表面の下を、前記組織層境界に対して30~60°で伝播する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記多層生体組織構造の組織層境界における前記複数の音響空間-時間モードの角度が前記第1臨界角と実質的に等しいとき、せん断波の組合せが前記骨折経路に沿って伝播し、縦波が骨組織の前記骨膜表面の下を且つそれに対して平行に、前記組織層境界に対して60~90°で伝播する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記多層生体組織構造の組織層境界における前記複数の音響空間-時間モードの角度が第2臨界角と実質的に等しいとき、せん断波のみが、骨組織の前記骨膜表面に沿って且つその真下を伝播する、請求項1に記載の方法。
  7. ビームごとの音響強度応力レベルが、30~70ミリワット/cmSATAの範囲である、請求項1に記載の方法。
  8. ビームごとの前記音響強度応力レベルが、40~50ミリワット/cmSATAの範囲である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記複数の音響空間-時間モードの低周波数が骨形成性である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記低周波数が、300kHz~3.0MHzの範囲である、請求項9に記載の方法。
  11. 長骨治癒のための前記低周波数が、1.0MHzである、請求項10に記載の方法。
  12. 頸椎及び腰椎固定術の治癒のための前記低周波数が、0.5MHzである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記変調包絡線が一定である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記変調包絡線がガウス関数である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記変調包絡線の低周波数が、振幅変調技法によって生成され、前記複合正弦波が、
    s(t)AM=(1+msinωt)sinω
    =sinωt-(m/2)cos(ω+ω)t+(m/2)cos(ω-ω
    として表され、式中、ωが搬送波周波数であり、mが振幅変調の程度を制御する変調指数であり、ωが変調周波数である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記複合正弦波の下側波帯が、骨組織骨形成修復に対して500kHz~1.0MHzを利用し、前記複合正弦波の上側波帯が、骨組織イメージングに対して2.0~2.5MHzを利用する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記パルス繰返し周波数(PRF)が、10kHz以下である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記パルス繰返し周波数が約1kHzである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記デューティサイクルが10~50%の範囲である、請求項1に記載の方法。
  20. 前記デューティサイクルが約20%である、請求項19に記載の方法。
  21. 組織治癒を促進するように多層生体組織構造の部位まで伝播する複合正弦波からなる音響空間-時間モードの供給源であって、ウェッジブロックと組み合わされた単一トランスデューサを備える供給源と、
    前記音響空間-時間モードをビームステアリングする多素子線形又は平面フェーズドアレイと、
    を備える、超音波トランスデューサ/送信器システム。
  22. 前記ウェッジブロックが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー又はそれらの混合物を含む、低粘性損失材料から構成されている、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記ウェッジブロックが、1.6±6%MRaylの音響インピーダンスを有し、ヒトに非毒性であり、ヒト血液に対して不透過性である、請求項21に記載のシステム。
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