JP2022520307A - 電子ビーム源を用いた被覆のためのるつぼカバー - Google Patents

電子ビーム源を用いた被覆のためのるつぼカバー Download PDF

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Abstract

電子ビーム源アセンブリ内部のるつぼを覆うための、少なくとも2つの部品で構成されているカバー構成である。カバーは、カバー本体と、カバー本体を上昇させたり下降させたりする場合にカバー本体とは切り離してカバー本体によって担持されるカバー挿入部を有している。この構成により、カバー挿入部をるつぼの上で静止するまで下降させることも可能になる。カバー挿入部とるつぼとが接触すると、カバー挿入部は部分的にカバー本体から切り離し可能であるので、カバー本体が少しだけさらに下降することができ、るつぼを取り囲んでいる水冷されている本体に接触することが可能になり、一方、るつぼへの挿入片は確実にるつぼと良好に接触している。この間隙を閉じることは、蒸着プロセス中に、稼働るつぼ収容部から気化している材料が、カバーの下に位置している非稼働収容部へと流れるのを阻止することに役立つ。【選択図】図3

Description

発明の詳細な説明
[発明の背景]
1.技術分野
本発明は、広くは真空被覆システムに使用される複数の収容部を有する電子ビーム源のためのるつぼカバーに関する。詳細には、本発明は、被覆材料を収容する個々のるつぼの収容部を加熱して被覆蒸気を生成するるつぼカバーに関する。より詳細には、本発明は、加熱された収容部を他のすべての収容部から分離するように構成された、協動するカバーとるつぼとの組み合わせに関する。
2.従来技術の説明
材料の真空被覆または蒸着は、半導体や光学部品を含むがこれらに限定されない様々な製品の製造や、高温部品上への断熱層の形成に一般的に用いられているプロセスである。金属やセラミック等の蒸気圧が非常に低い材料を被覆する方法の1つは、被覆材料と被覆加工物とを真空チャンバ内に載置し、減圧(通常は10-7~10-4Torrの範囲内)して、材料を加熱することによるものである。その結果得られる被覆蒸気は材料から外向きに流れ出して加工物の表面を被覆する。真空チャンバ圧が低いために、気化した被覆材料はほぼ妨げられることなく進み、ほぼ視線軌道に従う。最も一般的な試料加熱方法は、指向性電子ビームエネルギーを用いている。
数多くの製造工程には、多数の材料からなる幾層もの被膜を蒸着することが含まれている。一般的には、被膜の純度と蒸着膜厚を制御して所望の結果を達成できることは重要である。さらに、加工物に複数の被膜層を形成する利点の多くは、被覆工程を真空下で連続して実行する場合に得られる。被覆技術の動向は、複数の材料において、より高純度でより均一性の高い、制御可能な被覆膜厚を得る方へと向かってきた。ある連続被覆を行う装置は、単独の真空チャンバ内にある単独の加熱源に沿って複数のるつぼ収容部を連続して移動させていく機構を説明している。本装置の機構は電気抵抗加熱とともに使用されていたが、同じ機構は他の熱源、例えば電子ビームを用いても同様に作用する。電子ビームを使用すると、制御可能な磁界を用いて位置決めが可能であり、試料を予め設定された位置に留めておいて、加熱源を偏向させるというオプションも可能になる。
主な問題はるつぼ間の相互汚染である。この複数の収容部を有する加熱源アセンブリの内部では、その時々で1つの収容部を稼働収容部とみなす。この稼働収容部は、放出部アセンブリから出た電子ビームがこの収容部に向かうことができるように、露出している。この目的は、この稼働収容部内部に収められている多量の材料を加熱して溶解させ、気化させることである。残りの非稼働収容部はカバーに覆われた状態で配置されている。このカバーは、これらの非稼働収容部を、気化されて稼働収容部から出てきた浮遊材料から部分的に分離する遮蔽物として機能する。
この現行技術の電子ビーム源アセンブリのカバーは、電子ビーム源アセンブリの上側本体に一体化されるか、電子ビーム源アセンブリの上側に締着されるか、別の構造から懸装されるか、または可動構造に装着されるかのいずれかである。可動構造の場合、カバーをるつぼの上方で上下移動したり上方や下方に傾けたりすることが可能になる。この動きによって、カバーとるつぼとの間の隙間が広がったり狭まったりする。この動きによって、るつぼの回転中にはカバーとるつぼの間の隙間を広げ、材料の蒸着中には隙間を狭めることが可能になる。カバーを最下部位置に移動させた場合には、この動きにより、カバーの段付き部分をるつぼの最上面を越えて下方に伸ばすことも可能である。このような構成にも関わらず、被覆材料の大部分はその供給源から離れる方へと向かい、材料の中には拡散して供給源へと戻ってくることが避けられず、他の原材料を汚染するものもある。これが被覆材料の純度を低下させ、複数の被覆用収容部の有用性を狭めてしまう。
汚染問題の解決法の1つは、加熱した試料からの蒸気が加工物を被覆することを可能にする開口を有し、一方で他の試料の汚染をすべて遮蔽する、非接触のるつぼカバーまたは可動蓋を実装することである。代表的なカバー構成はWegmannによる米国特許第4748935号明細書に示されており、このようなカバーを有する電子ビームで加熱された蒸気源が開示されている。固定された平面カバーと、各試料を回転させて加熱領域を通過させることで各収容部が加熱収容部になることが可能な複数の収容部があるるつぼとで構成されている。カバーとるつぼとは狭い間隙で分離されており、視線汚染は制限されるが排除はされない。この構成において、蓋に蓄積した被覆付着物がカバーの所望の動作を妨げるので、相当な程度の保守が必要になる。また、この種のカバーは新たな汚染経路をもたらす可能性がある。カバーの付着物が他の材料を収めたるつぼ内にこすれ落ちたり剥がれ落ちたりするおそれがある。従来技術における既知のほぼすべてのカバーは、視線汚染を排除できないが減らすために極めて小さい公差に頼っている。しかし残念ながら、この手法でも汚染経路をもたらしてしまうという難点がある。
非接触カバーの限界のいくつかは、Stoessl他による米国特許第4944245号明細書において対処されている。Stoessl他によれば、カバーは、加熱された試料の周辺でるつぼの表面に接触して、加熱された試料からいずれの加熱されていない試料へと材料が流れることを妨げる。カバーとるつぼとは、るつぼの回転によりカバーが持ち上がって試料の選択が可能になるように接続されている。この手法は汚染加熱された試料から加熱されていない試料へと流れた蒸気による汚染を低減するが、視線範囲内にあるカバーやるつぼの表面、特に加熱された試料の近くにある表面に、被覆材料が急激に蓄積することが当業者にはよく知られている。また、Stoessl他が説明した持ち上げ機構はるつぼ表面範囲の大部分を占めているので、収容できる試料数が限られる。Stoessl他による回転と持ち上げが連結している機構はまた、回転が隣接するるつぼの間で行われない場合、材料の選択ごとに複数回の接触を生じさせてしまい、相互汚染の機会が増えるおそれがある。
Wegmann及びStoessl他の両構成において、付着物は、被覆材料の厚い層を、急激に蓄積する傾向がある。るつぼの回転中に付着物が簡単にこすれ落ちたり剥がれ落ちたりするので、隣接する試料を汚染してしまう。さらに、これら参照文献の両方において、カバーとるつぼの間の小さい公差に付着物が侵入できるので、カバー機構の適切動作能力が制限する設備の保守が要求される。
Wegmann及びStoessl他の各構成での改善は、Ramsayによる米国特許第6902625号明細書に開示されている装置によって提供されており、その全体を参照により本願に援用する。Ramsayは、多種の被覆材料を収容可能であり、一方で材料間の汚染を低減する蒸着源を開示している。Ramsayによる蒸着源は、望まない付着物による影響をこれまでよりも非常に受けにくい非接触バッフル構造によるものである。図1及び図2はRamsayによる蒸着源10を図示している。蒸着源ハウジング12の内部には、6つのるつぼ収容部32を有するるつぼ30が装着されている。
るつぼ表面34上にある収容部32同士の交線は、各収容部の周囲にある収容部縁端33を規定している。るつぼは、るつぼの回転軸35を中心にして回転できるように、蒸着源に装着されている。蒸着源内部にある電子ビーム源(図示せず)は出口40を有し、そこから電子ビーム42が出射する。ビームは、蒸着源内部にある磁石(これも図示せず)によって、出口から材料加熱位置35と向けられる。蒸着加熱のための電子ビームの偏向、及び制御可能な加熱のためのビームの一掃は、従来技術で周知されている。るつぼの蓋もしくはカバー20は、各収容部の上方に位置し、突起または縁24によって形成されているカバー開口部22を有している。るつぼ30を回転させることで、1回につき収容部のうちの任意の1つを開いた状態にすることができる。カバーで覆われていない収容部は加熱位置35に合わせられている。位置35は電子ビーム42に対して固定されており、るつぼ収容部32は各々が、露出している材料の一掃可能な加熱のために、位置35の近辺に位置合わせ可能である。
詳細は図2の分解斜視図に示されているが、ここでカバーは蒸着源から取り外されている。るつぼ収容部32は各々が、るつぼ表面34に位置する窪み、凹部、または溝36を有しており、この溝は各収容部と他のすべての収容部との間にある。溝36の三次元形状は、加熱収容部の周囲にある縁24の形状に一致し、対になって一致した時には、噛み合い式の非接触バッフルを構成する。
[発明の概要]
複数の収容部を持つ蒸着源内で収容部間の相互汚染を低減するための従来技術における解決法は、間隔の狭い平面カバーか、るつぼで遮蔽したカバーのいずれかによるものであった。これらの解決法は、望まない付着物が急激に蓄積するために、公差を保守しにくい領域で極めて小さい公差を保守することに依存する。
本発明は、従来技術のシステムでの問題を、るつぼ表面に接触しているがカバー上の望まない付着物が蓄積した場合に簡単に保守できる2つの部分からなるるつぼカバーを提供することによって回避している。
本発明は、電子ビーム源アセンブリ内部のるつぼを覆うための、少なくとも2つの部品で構成されているカバー構成である。この構成により、カバー本体を上昇させたり下降させたりする場合に、封止部分(カバー挿入部)を、カバー本体とは切り離してカバー本体によって担持することが可能になる。この構成により、カバー挿入部をるつぼの上で静止するまで下降させることも可能になる。これにより、るつぼとカバーとの間隙が大幅に小さくなる、またはなくなる。カバー挿入部とるつぼとが接触すると、カバー挿入部は部分的にカバー本体から切り離し可能であるので、カバー本体が少しだけさらに下降することができ、るつぼを取り囲んでいる水冷されている本体に接触することが可能になり、一方、るつぼへの挿入片は確実にるつぼと良好に接触している。この間隙を閉じることは、蒸着プロセス中に、稼働るつぼ収容部から気化している材料が、カバーの下に位置している非稼働収容部へと流れるのを阻止することに役立つ。
本発明は、複数の収容部がある蒸気源であって、カバーで覆われていないるつぼ収容部に向けられた電子ビームによって蒸気を発生させる蒸気源の、カバー本体とカバー挿入部とを有するるつぼカバーを提供することによって、これらの目的及び他の目的を達成する。カバー本体は、カバー表面と、カバー開口部と、カバー開口部に沿ったカバー開縁部とを有している。カバー表面は、るつぼ表面を有し、蒸着される被覆材料を収容する複数の収容部が中に形成されているるつぼと対向している。るつぼカバーを自動的に持ち上げて、るつぼを回転させて、るつぼカバーを下降させることで、複数の収容部のうちの1つをカバー開口部に揃えることによって、収容部はカバーで覆われている、または覆われていない状態となる。カバー挿入部は、挿入部底面と、カバー開口部に一致する開口領域とを有していて、カバー挿入部はカバー本体に脱着可能に連結されており、挿入部底面はカバー表面の下方に延在していて、カバー挿入部はカバー開口部の縁端に沿って接続されている。カバー挿入部は、カバー開口部の縁端を内側から覆っているだけであり、カバー開口部を封鎖してはいない。カバー本体がるつぼに対して下降してカバー挿入部がるつぼに接触するときに、カバー挿入部はカバー本体から部分的に切り離された状態になる。
別の実施形態において、カバー挿入部は、カバー挿入部とるつぼとの間の接触により、カバーで覆われていない収容部をカバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部から分離している特徴を有しており、熱せられた蒸気からの汚染を最小限にして、カバー挿入部上やるつぼ上への付着が収容部間の相互汚染をもたらすことがないようにしている。
別の実施形態において、カバー挿入部は、内側縁端と外側縁端と上面とを有するV字形状の挿入片本体を有している。
別の実施形態において、協動する面の外形には、るつぼ収容部の周縁からカバー挿入部に向かって延在しているるつぼ障壁と、カバー挿入部表面上にあるつぼ障壁に向かって突出する突き合わせ凸部とが含まれている。
さらに別の実施形態において、協動する面の外形は、るつぼ表面上にある少なくとも1つの凹部と、カバー挿入部上にある突き合わせ凸部とが含まれている。
さらに別の実施形態において、カバーで覆われている収容部に最も近い協動する面は、るつぼ表面上の溝とカバー挿入部上の突き合わせ凸部で構成されている。
さらに別の実施形態において、カバー挿入部は、内側縁端と外側縁端と上面とを有するV字形状の挿入片本体を有している。
一実施形態において、上面はその厚みにおいて、外側縁端から内側縁端に向かってテーパーがついている。
一実施形態において、カバー挿入部の挿入部底面は、挿入片底部接触面を有する一段高い底部を有していて、挿入片底部接触面は内側縁端から予め設定された距離だけ凹んでいる。
一実施形態において、カバー挿入部の挿入部底面は、外側面から後ろに凹んで棚状部を形成している。
一実施形態において、カバー開口部は、カバー開縁部に沿って凹部を有しており、凹部はカバー挿入部の棚状部に一致するカバー本体棚状部を形成していて、その結果、カバー挿入部と嵌合するように連結して部分的に切り離されている。
一実施形態において、カバー本体のカバー表面は、るつぼの対応する構造的特徴と嵌合接触することが可能であり、カバー表面とるつぼとの間の接触により、カバーで覆われていない収容部をカバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部からさらに分離している、構造的特徴を有している。
別の実施形態において、カバーで覆われた複数の収容部がある蒸気源アセンブリであって、カバーで覆われていないるつぼ収容部に向けることができる電子ビームによって蒸気を発生させるアセンブリが開示されている。本アセンブリは、ハウジングと、ハウジング内部に回転可能に装着されたるつぼと、るつぼ内にある複数の収容部と、カバー本体とカバー挿入部を有しているカバーであって、カバー本体はカバー表面とカバー開口部とを有していて、カバー表面はるつぼと対向しており、カバー挿入部は挿入部底面とカバー開口部に一致する開口領域とを有していて、カバー挿入部はカバー開口部に脱着可能に連結されており、挿入部底面はカバー表面の底面の下方に、カバー挿入部がカバー開口部を封鎖しないように延在している。カバー本体がるつぼに対して下降してカバー挿入部がるつぼに接触するときに、カバー挿入部はカバー本体から部分的に切り離された状態になり、各収容部の間で、カバー挿入部上とるつぼ表面上に、協動する面の一致対が存在する。収容部はそれぞれ被覆材料を収容するように構成されており、るつぼはいずれの収容部も電子ビームからエネルギーを受け取るための位置に至らせるように回転可能である。
別の実施形態において、複数の収容部がある蒸気源のるつぼ被覆システムが開示されている。本システムは、軸と蒸着される材料を収容する複数の収容部とを有しているるつぼであって、各収容部の間にるつぼ表面を有しているるつぼと、軸に垂直な平面に沿って延在して、複数の収容部のうちの選択された少なくとも1つ以外のすべての収容部を覆っているカバーと、各収容部の間で、カバー挿入部上とるつぼ表面上にある、協動する面の一致対とを有している。カバーは複数の収容部のうちの1つの収容部を露出するためのカバー開口部を有するカバー本体と、挿入部底面とカバー開口部に一致する開口領域とを有するカバー挿入部を有していて、カバー挿入部はカバー開縁部に沿ってカバー本体に脱着可能に連結されていて、挿入部底面はカバー表面の下方に延在している。カバー本体がるつぼに対して下降してカバー挿入部がるつぼに接触するときに、カバー挿入部はカバー本体から部分的に切り離された状態になる。
本発明の1つの効果は、カバー本体を十分に下降させたときに、カバー挿入部がカバー本体の外形の上、中、または周囲に留まっていて、カバー挿入部はカバー本体から部分的に切り離されてその高さと水平度を探ることができるようになっていることである。別の形態として、カバー挿入部は、1つまたは複数のばね様素子を用いて、一部をカバー本体に固定可能であり、ばね様素子はさらなる下向きの力をカバー挿入部にかけることができるので、るつぼに対する力が増す。
本発明の別の効果は、カバー本体を下降させるときに、カバー挿入部もるつぼに接触するまで下降することである。この地点で、カバー挿入部はその下降の動きを停止して、るつぼに接触した状態になるが、カバー本体は自身の静止地点まで下降の動きを続ける。なお、各図面は、るつぼ表面の上方にある高さで配置されているるつぼの凸壁(ウェブ構造を区画している)に接触しているカバー挿入部を図示している。このカバー挿入部の概念は、るつぼ表面にほぼ水平な表面上で静止するカバー挿入部や、または、ウェブ構造が十分に短いまたは存在していない場合にるつぼ表面よりも低い位置にある表面を有するような、他の構成にも同様に組み込まれる。
本発明のさらなる効果は、カバー本体とカバー挿入部との間で部分的に切り離すことにより、カバーとるつぼとの間の間隙を最小限にする、もしくはなくすために、両者の間の隙間や平行度を厳密に設定する必要性が減ることである。このことは、蒸気源アセンブリの設置中に寸法のばらつきが広範あっても、カバー挿入部が確実にるつぼと接触するために十分なオーバートラベルをカバー本体が有しているように設計することによって実現される。また、これにより、蒸気源アセンブリの保守後の再組立てがより簡単にできる
本発明の別の効果は、るつぼにおいて稼働収容部を非稼働収容部から分離する領域に、カバーが接触していることである。この接触は、非稼働収容部を、稼働収容部から発散する蒸発物から分離して防御する。これは、このようにしなければ稼働収容部と非稼働収容部との間に存在すると思われるカバー/るつぼの間隙を閉鎖することによって実現する。これにより、非稼働収容部内の材料が稼働収容部の材料により汚染されることが防がれる。
本発明のさらに別の効果は、洗浄や交換のためにカバー挿入部を簡単に取り外せることである。稼働収容部から気化される材料は、時間が経つにつれてカバーにおける稼働収容部に近接している部分に蓄積する傾向がある。ある程度の時点において、この蓄積を機械的に除去するか、または、カバーを交換するか、いずれかを行う必要がある。本発明では、カバー挿入部がこの蓄積を受け止め、一方カバー本体は被膜の蓄積がほぼないままである。これにより、洗浄プロセスをより短い時間で実施でき、かつ/または、より短いダウンタイムでカバー挿入部を交換できる。使用済みのカバー挿入部はその後に洗浄して、グループとして他のカバー挿入部とすることが可能であり、よって経済的なスケールメリットを活かすことができる。
本発明の別の効果は、必要に応じてカバー挿入部を、カバー本体とは異なる材料から製造できることである。これにより挿入片をより摩耗しにくく、より変形しにくくすることが可能である。反対に、カバー本体は、冷却をより良くするために、より熱伝導率の高い材料、例えば銅等から製造することができる。カバー本体は、より柔らかい材料でできているとしても、稼働収容部から直接被覆されることはないために頻繁に洗浄する必要がないので、より長い耐用期間が得られる。
信頼性や保守を行うまでの期間が改善されることにより、廃材料の量が減り、被覆設備の稼働コストも減らせるのは、本発明の別の効果である。
本発明のさらなる効果は、製造や保守が簡単で割安であることと、使用が簡単であることである。
図1は従来の電子ビーム蒸着システムの斜視図である。 図2は従来の電子ビーム蒸着システムの分解図である。 図3は、2つの部分からなるるつぼカバーを有する電子ビーム蒸着システムを示す、本発明の第1実施形態の分解図である。 図4は、カバー持ち上げ機構を示す、本発明の第1及び第2実施形態の底面の斜視図である。 図5は、カバーの動きを示す、本発明の第1実施形態の側面図である。 図6は、2つの部品からなるるつぼカバーを、カバー本体とカバー挿入部とが上側位置にある状態で示す、本発明の第1実施形態の右側斜視図である。 図7は図6の平面図である。 図8は図6の底面図である。 図9は図6の右側面図である。 図10は図6の正面図である。 図11は、下側位置にある状態のカバー挿入部を示す、本発明の第1実施形態の右側斜視図である。 図12は、るつぼの回転を可能にする、るつぼに対して上側位置にあるカバーを示す、図11の右側面図である。 図13は、カバー挿入部はるつぼと最初の接触を行っているがカバー本体はるつぼとは接触していない場合においてカバー本体とカバー挿入部がまだ連結している状態である、カバー本体と、るつぼに対して一部が下側位置にあるカバー挿入部とを示す、図6の右側断面図である。 図14は、カバー本体は下降し続けて銅コイルハウジングと接触し、カバー挿入部はるつぼに接触したままである場合においてカバー挿入部から切り離されたカバー本体を示す、図11の右側断面図である。 図15は図6のカバー挿入部の上側斜視図である。 図16は図15の平面図である。 図17は、図6のカバー挿入部の下側斜視図である。 図18は図17の底面図である。 図19は図6のカバー本体の上側斜視図である。 図20は図19の平面図である。 図21は図19の底面図である。 図22は図19の右側面図である。 図23は、2つの部品からなるるつぼカバーを、カバー本体とカバー挿入部とが上側位置にある状態で示す、本発明の第2実施形態の右側斜視図である。 図24は図23の平面図である。 図25は図23の底面図である。 図26は図23の右側面図である。 図27は図23の正面図である。 図28は、下側位置にある状態のカバー挿入部を示す、本発明の第2実施形態の右側斜視図である。 図29は、るつぼの回転を可能にする、るつぼに対して上側位置にあるカバーを示す、図28の右側面図である。 図30は、カバー挿入部はるつぼと最初の接触を行っているがカバー本体はるつぼとは接触していない場合においてカバー本体とカバー挿入部がまだ連結している状態である、カバー本体と、るつぼに対して一部が下側位置にあるカバー挿入部とを示す、図28の右側断面図である。 図31は、カバー本体は下降し続けて銅コイルハウジングと接触し、カバー挿入部はるつぼに接触したままである場合においてカバー挿入部から切り離されたカバー本体を示す、図28の右側断面図である。 図32は図23のカバー挿入部の上側斜視図である。 図33は図32の平面図である。 図34は図23のカバー挿入部の下側斜視図である。 図35は図34の底面図である。 図36は図23のカバー本体の上側斜視図である。 図37は図36の平面図である。 図38は図36の底面図である。 図39は図36の右側面図である。 図40は、カバーがるつぼ上方の上側位置にある状態である、本発明の加熱収容部の斜視図である。 図41は、カバーが下側位置にあってカバー挿入部がるつぼに接触している状態にある、本発明の加熱収容部の斜視図である。 図42は、カバーとるつぼとを示す、本発明の第1実施形態の斜視図である。
[発明の詳細な説明]
本発明は図3~42に図示されている。図3~5は、本発明の蒸着源100の一実施形態を図示したものである。蒸着源ハウジング112の内部には、6つのるつぼ収容部132を有するるつぼ130が装着されている。様々なるつぼ材料及び構成技術が当業者には既知であり、その中には、水冷を実装している、銅やアルミニウムといった熱伝導率が高くて融点が低い材質のるつぼや、グラファイト、タングステン、またはモリブデンといった高融点材料で構成されているるつぼや、グラファイトライナーまたは表面酸化を用いて蒸発物からるつぼ表面へと伝わる熱伝導率を制限するライナーを有するるつぼも含まれるが、これらに限定されない。
るつぼ表面134上にある収容部132同士の交線は、各収容部の周囲にある収容部縁端133を規定している。るつぼ130が有する収容部はより多くても少なくてもよく、6つの収容部という選択は単に具体例を示すためである。るつぼは、るつぼの回転軸235を中心にして回転できるように、蒸着源に装着されている。蒸着源100内部にある電子ビーム源(図示せず)は出口140を有し、そこから電子ビーム142が出射する。ビームは、蒸着源内部にある磁石(これも図示せず)によって、出口から材料加熱位置135に向けられる。蒸着加熱のための電子ビームの偏向、及び制御可能な加熱のためのビームの一掃は、従来技術で周知されている。このような偏向システムを用いて、加熱位置135は、通例では加熱収容部縁端の範囲内にある有限領域を備えている。るつぼの蓋もしくはカバー120は、カバー本体122とカバー挿入部150とを有している。カバー120は、軸に垂直な平面に沿って延在して、複数の収容部132のうちの選択された少なくとも1つ以外のすべての収容部を覆っており、各収容部132の上方に位置していて、カバー挿入部150によって形成されているカバー開口部124を有している。るつぼ30を回転させることで、1回につき収容部のうちの任意の1つを開いた状態にすることができる。カバーで覆われていない収容部は加熱位置135に合わせられていて、このため「加熱収容部」と称される。一方、他の収容部はすべて「非加熱収容部」と称される。位置135は電子ビーム142に対して固定されており、るつぼ収容部32は各々が、露出している材料の一掃可能な加熱のために、位置135の近辺に位置合わせ可能である。加熱位置135が占める領域は、収容部内の材料の加熱の制御を行うために収容部縁端133のうちのいずれの1つよりも広くする必要はない。
るつぼ収容部132は各々が、るつぼ表面134に位置するるつぼ表面部分134aを有しており、この部分は各収容部と他のすべての収容部との間にある。るつぼ表面部分134aは、るつぼ表面134と同一平面上にあってもよく、るつぼ表面134と平行ではあるが上方に位置する一段高い表面であってもよく、また、るつぼ表面134と平行ではあるが下方に位置する一段低い表面であってもよい。各収容部を取り囲むるつぼ表面部分134aは、他のるつぼ表面部分134aとは分離されている(接続されていない)かまたは相互に接続されている、及び、るつぼ表面134に含まれているかまたはるつぼ表面134の縁端を越えて延在している、のいずれかであってもよい。るつぼ表面部分134aは、加熱収容部の周辺でカバー挿入部150の底面160の形状と一致する形状を有していて、対になって一致した時には、互いに揃った接触表面を形成する。このように位置しているカバー挿入部150の底面160とるつぼ表面部分134aとは、協動して接触障壁を構成することによって、加熱収容部とすべての非加熱収容部との間にある視線を遮る。言い換えると、それぞれの収容部の間には、カバー挿入部上とるつぼ表面上に、協動する面の一致対が存在している。
るつぼ130を回転させる回転機構(図示せず)によって複数の収容部132の中から選択することが可能になり、持ち上げ機構250によってカバー120とるつぼ130とが接触することなく回転することが可能になる。回転機構はるつぼ130を、蒸着源ハウジング112の両磁極板114の間にある銅コイルハウジング113を介して、蒸着源ハウジング112に(図4に示すように)連結しており、図示されていない外部デバイスによって制御されることで、回転軸235を中心にしてるつぼ130を回転させることができる。るつぼ130の回転位置を制御することにより、いずれの収容部132も加熱位置135に至らせることができる。回転機構は、ACモーターもしくはDCモーター、または、回転式もしくはリニア式の空気圧式アクチュエータで構成可能であり、回転位置を検出するために、るつぼ130及びハウジング112に装着されたセンサを有していてもよい。持ち上げ機構250は、アクチュエータ252と棒254とを有していて、カバー120に対する持ち上げ動作を行う。るつぼ130及び電子ビーム源出口140も示されている。一実施形態では、アクチュエータ252は、スプリングリターンをベローズ内に格納している単動式の空気圧式アクチュエータであり、ばねがカバーに力をかけて通常は上側位置にあるようしている。別の実施形態では、アクチュエータ252は複動式であり、上昇および下降動作の両方を行っている。他の使用可能な持ち上げ機構としては、親ねじ、圧電式アクチュエータ、バイメタル素子、磁気ソレノイド、及びリニアモーター等が挙げられるが、これらに限定されない。
図4は、1対の棒254が上方に延伸し、蒸着源ハウジング112を貫通してカバー120に接触していて、3番目の棒254は蒸着源ハウジング112の外部にあって、アクチュエータ252から直接カバー120に延伸している状態である、持ち上げ機構250の底面図を示している。カバーの持ち上げに関与する動きは、図5の側面図により分かりやすく示されている。実線と点線で描かれたカバー持ち上げ部品(アクチュエータ252、棒254、及びカバー120)は動きの両端位置を示している。カバー120は、電子ビーム源に最も近い角部で棒254を介してアクチュエータ252に、そしてカバー120上の電子ビーム源から最も遠い地点で3番目の棒254を介してアクチュエータ252に接続されている。通常時の上側にある状態、つまり点線の位置では、カバー挿入部150の底面152が、閉塞するるつぼを開放していて、力をかけて下げた状態、つまり実線の位置では、カバー挿入部150がるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aに完全に係合している。回転機構と持ち上げ機構を組み合わせることは、複数の収容部に対してカバーで覆われている収容部とカバーで覆われていない収容部が両存する手法を提供する回転式るつぼにとって、一般的に有用である。
図6は、上側位置にあるカバー120の斜視図であり、この図は、カバー挿入部150がカバー本体122に対して下側位置つまり連結している位置にあることを意味する。この位置に到達するのは、持ち上げ機構250がカバー120を持ち上げて、るつぼ130から離している時である。図7はカバー120の平面図である。図6及び図7の両方において、カバー120を持ち上げるために棒254がそれぞれに接続されている接続位置127が図示されている。
図8は図7のカバー120の底面図である。カバー120は、るつぼ130のるつぼ表面部分134a及び銅コイルハウジング113と相互に作用する、底面126と複数の底面126aを有している。カバー挿入部150はまた、るつぼ表面部分134aと相互に作用する挿入部底面154を有している。図9は、カバー挿入部150を有するカバー120を示す、図6の側面図である。図10は図6に示されているカバー120の正面図である。
図11は、カバー挿入部150がカバー本体122に対して下側位置にある状態のカバー120の斜視図である。この位置に到達するのは、持ち上げ機構250がカバー120を持ち上げて、るつぼ130から離していることによりるつぼ130の回転が可能になっている時である。図12は、るつぼ130に対して上側位置にあるカバー120の側面断面図である。示されているように、カバー本体122もカバー挿入部150もるつぼ130のどの部分にも接触していない。この位置において、るつぼ130を回転させて、複数のるつぼ収容部132のうちの1つをカバー開口部124に揃うように配置することも可能である。図13はるつぼ130に向かって下降しているカバー120の側面断面図であり、カバーが持ち上げ機構250によって下降している時に、カバー挿入部150がちょうどるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aと接触し始めている状況である。図14では、持ち上げ機構は、カバーの底面126または底面部分126aがるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aに接触するまで、かつ/または、カバー底面126が銅コイルハウジング113に接触するまで、カバー120を下降し続けている。図13と図14との間で見られるように、るつぼ表面134の接触するように下降しているカバー本体122によって生じるカバー本体122の動きによって、カバー挿入部150はるつぼ表面134に接触してその下降の動きが停止させられるが、カバー本体122は下降の動きを続けている。図13及び図14は、カバー本体122を十分に下降させたとき、カバー挿入部122が部分的にカバー本体122から切り離されてその高さと水平度を探るようにして、カバー挿入部150がカバー本体122に対してどのように動くかを示している。
次に図15~18を参照すると、様々なカバー挿入部150の図が描かれており、カバー挿入部とるつぼとの間の接触により、カバーで覆われていない収容部をカバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部から分離している構造的特徴を示している。図15は、内側縁端163と外側縁端164と上面162とを有するV字形状の挿入片本体160の上側斜視図である。一実施形態において、上面162はその厚みが、外側縁端164の方が内側縁端163よりも厚くなるように、外側縁端164から内側縁端163へテーパーがついている。図16はカバー挿入部150の平面図である。図17は挿入片本体160の下側斜視図である。挿入片本体160は、外側縁端164から後ろに凹んで棚状部166を形成している挿入部底面168を有している。底面168は、挿入片本体160の全長にわたってV字形に沿って延在している。挿入部底面168はさらに、V字形のアームの一部分に沿って延在している一段高い底部154を有しており、底部154は、テーパー状縁端163から予め設定された距離だけ凹んでいて底面168の非接触面の一部を露出している挿入片底部接触面154aを設けている。カバー120を十分に下降させてるつぼ130と接触している時には、挿入片底部接触面154aはるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aと接触している。図18はカバー挿入部150の底面図である。
図19はカバー本体122の斜視図である。カバー本体122は、上面121と、カバー開口部123と、カバー開縁部123aとを有している。上面121からカバー開縁部123aに沿って凹んでいるのは、カバー挿入部150の棚状部166に一致するカバー本体棚状部122aである。カバー挿入部150をカバー本体122に組み合わせた時に、カバー開口部122bもカバー挿入開口部160aに一致することに注目すべきである。カバー挿入部150が部分的にカバー本体122から切り離されることによってカバー本体122に対するカバー挿入部150の上下運動、また挿入片150に対するカバー本体122の上下運動が可能になるように、カバー開口部122bとカバー挿入開口部160aのうちの一方に、ピン161(図示せず)を固定して取り付けてもよい。上述したように、また別の実施形態において、カバー挿入部は、1つまたは複数のばね様素子を用いて、一部をカバー本体122に固定可能である。ばね様素子はさらなる下向きの力をカバー挿入部にかけることができるので、るつぼに対する力が増す。図20はカバー本体122の平面図である。
図21はカバー本体122の底面図であり、るつぼの対応する構造的特徴と嵌合接触することが可能であり、その結果、カバー表面とるつぼとの間の接触により各収容部を隣接する収容部からさらに分離している、構造的特徴を示している。これは図8に類似しているが、カバー挿入部150がない。図8の場合と同様に、図21は、カバー底面126と底面部分126aとを有しているカバー本体122を示している。底面部分126aは、カバー底面126から予め設定された距離だけ離れて一段高くなっていて、上記で開示したようにるつぼ130と相互に作用する機能を供する。図22は図21の側面断面図である。
次に図23を参照すると、カバー120’を示す本発明の第2の実施形態が図示されている。カバー120’は、カバー本体122’に対して下側位置にカバー挿入部150’を有している。この位置に到達するのは、持ち上げ機構250がカバー120’を持ち上げて、るつぼ130から離している時である。図24はカバー120’の平面図である。図23及び図24の両方において、カバー120’を持ち上げるために棒254がそれぞれに接続されている接続位置127’が図示されている。本実施形態では、カバー挿入部150’は、カバー挿入部150’の両端がカバー120’の前端に揃わないようにして、カバー120’のV字形開口部の内側で凹んでいる。
図25は図23のカバー120’の底面図である。カバー120’は、るつぼ130のるつぼ表面部分134aと相互に作用する、底面126’と複数の底面126a’とを有している。カバー挿入部150’はまた、るつぼ表面部分134aと相互に作用する挿入部底面154’を有している。図26は、カバー挿入部150’を有するカバー120’を示す、図23の側面図である。図27は図23に示されているカバー120’の正面図である。
図28は、カバー挿入部150’がカバー本体122’に対して下側位置にある状態のカバー120’の斜視図である。この位置に到達するのは、持ち上げ機構250がカバー120’を持ち上げて、るつぼ130から離していることによりるつぼ130の回転が可能になっている時である。図29は、るつぼ130に対して上側位置にあるカバー120’の側面図である。図示されているように、カバー本体122もカバー挿入部150もるつぼ130のどの部分にも接触していない。この位置において、るつぼ130を回転させて、複数のるつぼ収容部132のうちの1つをカバー開口部124’に揃うように配置することも可能である。図30はるつぼ130に向かって下降しているカバー120’の側面図であり、カバーが持ち上げ機構250によって下降している時に、カバー挿入部150’がちょうどるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aと接触し始めている状況である。持ち上げ機構は、カバーの底面126’または底面部分126a’がるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aに接触するまで、カバー120’を下降し続けている。図30と図31との間で見られるように、るつぼ表面134の接触するように下降しているカバー本体122’によって生じるカバー本体122’の動きによって、カバー挿入部150’はるつぼ表面134に接触してその下降の動きが停止させられるが、カバー本体122’は下降の動きを続けている。図30及び図31は、カバー本体122’を十分に下降させたとき、カバー挿入部122’が部分的にカバー本体122’から切り離されてその高さと水平度を探るようにして、カバー挿入部150’がカバー本体122’に対してどのように動くかを示している。
次に図32~35を参照すると、様々なカバー挿入部150’の図が描かれている。図32は、外側面164’を有するテーパー状上面162’を有するV字形状のカバー挿入部150’を示す上側斜視図である。図33はカバー挿入部150’の平面図である。図34は挿入片本体150’下側斜視図である。カバー挿入部150’は、外側面164’から後ろに凹んで棚状部166’を形成する底面168’を有している。底面168’は、カバー挿入部150’の全長にわたってV字形に沿って延在している。底面168’はさらに、V字形のアームの一部分に沿って延在している一段高い底部154’を有しており、カバー120’を十分に下降させて銅コイルハウジング113と接触している時にるつぼ表面134またはるつぼ表面部分134aと接触している底部るつぼ接触面154a’を設けている。図35はカバー挿入部150’の底面図である。
図36はカバー本体122’の斜視図である。カバー本体122’は上面121’とカバー開口部123’とを有している。上面121’からカバー開口部123’に沿って凹んでいるのは、カバー挿入部150’の棚状部166’に一致するカバー本体棚状部122a’である。カバー挿入部150’をカバー本体122’に組み合わせた時に、カバー開口部122b’もカバー挿入開口部160a’に一致することに注目すべきである。カバー挿入部150’が部分的にカバー本体122’から切り離されることによってカバー本体122’に対するカバー挿入部150’の上下運動、また挿入片150’に対するカバー本体122’の上下運動が可能になるように、カバー開口部122b’とカバー挿入開口部160a’のうちの一方に、ピン161(図示せず)を固定して取り付けてもよい。上述したように、また別の実施形態において、カバー挿入部は、1つまたは複数のばね様素子を用いて、一部をカバー本体122’に固定可能である。ばね様素子はさらなる下向きの力をカバー挿入部にかけることができるので、るつぼに対する力が増す。図37はカバー本体122’の平面図である。
図38はカバー本体122’の底面図である。これは図25に類似しているが、カバー挿入部150’がない。図25の場合と同様に、図38は、カバー底面126’と底面部分126a’を有しているカバー本体122’を示している。底面部分126a’は、カバー底面126’から予め設定された距離だけ離れて一段高くなっていて、上記で開示したようにるつぼ130と相互に作用する機能を供する。図39は図38の線A-Aに沿った側面断面図である。
一実施形態の加熱収容部付近の具体的な詳細を図40に示している。図40に示されている収容部縁端133は加熱位置135を収めており、よって図40に示されている収容部132は加熱収容部である。図40は、被覆用に構成されている蒸着源を示していて、ここではカバー120が「上側」位置にある状態で、カバー本体122とカバー挿入部150がるつぼ表面部分134aとの接点からは後退しているので、るつぼ130の回転が可能である。図41はカバーが「下側」位置にある状態を示している。下側位置では、カバー挿入部150は、底部るつぼ接触面154aがるつぼ表面部分134aに接触している状態である。このようにして形成された接触障壁は、加熱収容部と非加熱収容部との間で接触障壁が備わるのに十分な距離で収容部132に沿って延在している。付着した材料を除去することによるカバーの保守の必要性を低減するために、カバー挿入部150は、カバー本体122から部分的に切り離されることが可能である新しいカバー挿入部150に交換可能である。
本発明において、カバーとるつぼとが接触する構成は、汚染物質が加熱収容部から非加熱収容部へと広がることを、被覆蒸気の視線移動をなくすことによって阻止する。圧力が低いために、蒸気はほぼ妨げられずに、システム100内の表面のうちの1つに当たるまで移動する。衝突すると、かなりの量の入射蒸気分子がその表面に付着し、結果として付着物が蓄積する。カバー本体122とるつぼ表面134との間の接触面とともに、部分的に切り離されるカバー挿入部150をカバー120に実装することによって、付着物はある程度の期間、相互汚染源を生じさせることなくカバー挿入部150上に蓄積することができる。さらに、一段高い底部154がカバー挿入部150のテーパー状縁端163から後退して構成されている場合、テーパー状縁端163の底面168とるつぼ130との間の隙間があることで、付着物がこの表面に蓄積することが可能になり、汚染物質、すなわち付着物が簡単にはがれ落ちたりこすれ落ちたりして他の収容部を汚染することを一段高い底部154が阻止する力が弱まることがない。また、いくつかの対象となる材料、例えば金は、これらの材料の付着物を有する表面と接触する際に溶着する。これにより、溶着に接触する材料の付着物を有する表面は、高真空チャンバ内に存在する状況下では、接触すると溶着する可能性がある。溶着した結果、システム内に結合する構造が生じるか、動きが発生した際には比較的大きな付着物剥片もはがされる可能性がある。本発明では、テーパー状縁端163と底面168の各表面の接触を防ぐことと、付着物の領域を、接触点となり得る箇所から離して設けることによって、溶着を防止する。
次に、第1実施形態においてカバー本体122がるつぼに接触する様子を説明する。るつぼ130は複数の収容部132を有し、各収容部はるつぼ130から離れて位置するるつぼ表面部分134aを有している。図42に最もよく示されているように、挿入片底部接触面154aは、るつぼ表面部分134aとほぼ同じ外形であるようになっている。図42の場合のようにカバー120がるつぼ130と揃っているときには、収容部132のうちの1つはカバーで覆われておらず、テーパー状縁端163がカバーで覆われていない収容部に対して最も近い位置にある状態である。第1実施形態と同様に、カバーで覆われていない収容部の縁端は加熱位置135に一致しており、よってカバーで覆われていない収容部が加熱収容部である。カバー120から離れる方向でるつぼ130に向かって延在しているのは、他のるつぼ表面部分134aに接触する底面部分126aである。
[本発明の動作]
複数の収容部の中から選択する際には、るつぼとカバーとが接触できないようにして、るつぼとカバーの間で相対運動が生じなければならない。本発明で説明した、カバーとるつぼとが協動して接触障壁を形成することから、記載された効果を得るためにはるつぼを選択する動きとカバーの動きを制御する必要があることは当業者には明らかであろう。したがって、収容部の選択中には、カバー挿入部150,150’との間の接触、または付着物の蓄積があるすべての部分との間の接触は最小限にしなければならない。数多くの機構や制御システムがこの効果を実現するように構成可能であり、本明細書で提供した説明や実施形態は、説明のためのものであって、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
本発明の回転可能な収容部構成の場合、カバーとるつぼとが、るつぼ130の回転を妨げ得る接触障壁の両半分を構成している。したがって、説明してきた本発明の実施形態は両方とも、るつぼ130を回転させて複数の収容部132の中から選択する回転機構(図示せず)と、カバー120とるつぼ130とが接触することがない回転を可能にするための持ち上げ機構250とを含んでいる。回転機構は、るつぼ130を蒸着源ハウジング112に連結しており、図示されていない外部デバイスによって制御されることで、回転軸235を中心にして、るつぼ130を回転させることができる。るつぼ130の回転位置を制御することにより、いずれの収容部132も加熱位置135に至らせることができる。回転機構は、ACモーターもしくはDCモーター、または、回転式もしくはリニア式の空気圧式アクチュエータで構成可能であり、回転位置を検出するために、るつぼとハウジングに装着されたセンサを有していてもよい。図4は持ち上げ機構250の下側斜視図を示しており、カバー120(図示せず)に対する持ち上げ動作を行うアクチュエータ252と棒254を有している。るつぼ130と電子ビーム源出口140も示されている。一実施形態では、アクチュエータ252は、スプリングリターンをベローズ内に格納している単動式の空気圧式アクチュエータであり、ばねがカバーに力をかけて通常は上側位置にあるようしている。別の実施形態では、アクチュエータ252は複動式であり、上昇および下降動作の両方を行っている。本発明で使用可能な他の持ち上げ機構としては、親ねじ、圧電式アクチュエータ、バイメタル素子、磁気ソレノイド、及びリニアモーター等が挙げられるが、これらに限定されない。
カバーの持ち上げに関与する動きは、図5の側面図により分かりやすく示されている。実線と点線で描かれたカバー持ち上げ部品(アクチュエータ252、棒254、及びカバー120)は動きの両端位置を示している。カバー120は、その角部で棒254を介してアクチュエータ252に接続されている。通常時の上側にある状態、つまり点線の位置では、カバー挿入部150の底面152が閉塞するるつぼを開放していて、力をかけて下げた状態、つまり実線の位置では、カバー120は完全に係合している。回転機構と持ち上げ機構を組み合わせることは、複数の収容部に対してカバーで覆われている収容部とカバーで覆われていない収容部が両存する手法を提供する回転式るつぼにとって、通常は有用である。
本明細書において本発明の好適な実施形態を説明してきたが、上述の記載は単に例示されたものにすぎない。それぞれの技術に精通した者であれば、本明細書で開示された本発明のさらなる変形例が思いつくであろうし、このような変形例はすべて、添付の請求項によって規定された本発明の範囲内と見なされる。

Claims (23)

  1. 複数の収容部がある蒸気源のための、るつぼカバーであって、
    前記蒸気源は、カバーで覆われていないるつぼ収容部に向けられた電子ビームによって蒸気を発生させるように構成され、
    カバー表面と、カバー開口部と、前記カバー開口部に沿ったカバー開縁部とを有するカバー本体であって、前記カバー表面は、蒸発させられる被覆材料を収容する複数の収容部が形成されているるつぼ表面を有するるつぼと対向しており、前記るつぼカバーを自動的に持ち上げて、前記るつぼを回転させて、前記るつぼカバーを下降させて、前記複数の収容部のうちの1つを前記カバー開口部に揃えることによって、前記収容部はカバーで覆われている、または覆われていない状態となる、カバー本体と、
    挿入部底面と、前記カバー開口部に一致する開口領域とを有するカバー挿入部であって、前記カバー挿入部は前記カバー本体に脱着可能に連結されており、前記挿入部底面は前記カバー表面の下方に延在していて、前記カバー挿入部は前記カバー開口部の縁端に沿って接続されており、前記カバー本体が前記るつぼに対して下降して前記カバー挿入部が前記るつぼに接触するときに、前記カバー挿入部は前記カバー本体から部分的に切り離された状態になる、カバー挿入部と、
    を備えている、るつぼカバー。
  2. 前記カバー挿入部は、前記カバー挿入部と前記るつぼとの間の接触により、前記カバーで覆われていない収容部を前記カバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部から分離している構造的特徴を有している、請求項1記載のるつぼカバー。
  3. 前記カバー挿入部は、内側縁端と外側縁端と上面とを有するV字形状の挿入片本体を有している、請求項1記載のるつぼカバー。
  4. 前記上面はその厚みにおいて、前記外側縁端から前記内側縁端に向かってテーパーがついている、請求項3記載のるつぼカバー。
  5. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、挿入片底部接触面を有する一段高い底部を有していて、前記挿入片底部接触面は前記内側縁端から予め設定された距離だけ凹んでいる、請求項1記載のるつぼカバー。
  6. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、外側面から後ろに凹んで棚状部を形成している、請求項1記載のるつぼカバー。
  7. 前記カバー開口部は、前記カバー開縁部に沿って凹部を有しており、前記凹部は前記カバー挿入部の棚状部に一致するカバー本体棚状部を形成していて、その結果、前記カバー挿入部と嵌合するように連結して部分的に切り離されている、請求項1記載のるつぼカバー。
  8. 前記カバー本体の前記カバー表面は、前記るつぼの対応する構造的特徴と嵌合接触することが可能であり、前記カバー表面と前記るつぼとの間の接触により、前記カバーで覆われていない収容部を前記カバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部からさらに分離している、構造的特徴を有している、請求項1記載のるつぼカバー。
  9. カバーで覆われた複数の収容部がある蒸気源アセンブリであって、カバーで覆われていないるつぼ収容部に向けることができる電子ビームによって蒸気を発生させるアセンブリであり、
    ハウジングと、
    前記ハウジング内部に回転可能に装着されたるつぼであって、表面を有するるつぼと、
    前記るつぼ内にある複数の収容部であって、前記収容部はそれぞれ被覆材料を収容するように構成されており、前記るつぼはいずれの前記収容部も前記電子ビームからエネルギーを受け取るための位置に至らせるように回転可能である、複数の収容部と、
    カバー本体とカバー挿入部を有しているカバーであって、前記カバー本体はカバー表面とカバー開口部とを有していて、前記カバー表面は前記るつぼと対向しており、前記カバー挿入部は挿入部底面と前記カバー開口部に一致する開口領域とを有していて、前記カバー挿入部は前記カバー開口部内部で前記カバー本体に脱着可能に連結されており、前記挿入部底面は前記カバー表面の底面の下方に延在していて、前記カバー本体が前記るつぼに対して下降して前記カバー挿入部が前記るつぼに接触するときに、前記カバー挿入部は前記カバー本体から部分的に切り離された状態になる、カバーと、
    各収容部の間で、前記カバー挿入部上と前記るつぼ表面上にある、協動する面の一致対と、を備えているアセンブリ。
  10. 前記カバー挿入部は、前記カバー挿入部と前記るつぼとの間の接触により、前記カバーで覆われていない収容部を前記カバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部から分離している構造的特徴を有している、請求項9記載のアセンブリ。
  11. 前記カバー挿入部は、内側縁端と外側縁端と上面とを有するV字形状の挿入片本体を有している、請求項9記載のアセンブリ。
  12. 前記上面はその厚みにおいて、前記外側縁端から前記内側縁端に向かってテーパーがついている、請求項11記載のアセンブリ。
  13. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、挿入片底部接触面を有する一段高い底部を有していて、前記挿入片底部接触面は前記内側縁端から予め設定された距離だけ凹んでいる、請求項9記載のアセンブリ。
  14. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、外側面から後ろに凹んで棚状部を形成している、請求項9記載のアセンブリ。
  15. 前記カバー開口部は、カバー開縁部に沿って凹部を有しており、前記凹部は前記カバー挿入部の棚状部に一致するカバー本体棚状部を形成していて、その結果、前記カバー挿入部と嵌合するように連結して部分的に切り離されている、請求項9記載のアセンブリ。
  16. 前記カバー本体の前記カバー表面は、前記るつぼの対応する構造的特徴と嵌合接触することが可能であり、前記カバー表面と前記るつぼとの間の接触により、前記カバーで覆われていない収容部を前記カバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部からさらに分離している、構造的特徴を有している、請求項9記載のアセンブリ。
  17. 複数の収容部がある源のためのるつぼ被覆システムであって、
    軸と蒸着される材料を収容する複数の収容部とを有しているるつぼであって、各収容部の間にるつぼ表面を有しているるつぼと、
    前記軸に垂直な平面に沿って延在して、前記複数の収容部のうちの選択された少なくとも1つ以外のすべての収容部を覆っているカバーであって、前記カバーは前記複数の収容部のうちの1つの収容部を露出するためのカバー開口部を有するカバー本体を有していて、前記カバー本体は挿入部底面と前記カバー開口部に一致する開口領域とを有するカバー挿入部を有しており、前記カバー挿入部はカバー開縁部に沿って前記カバー本体に脱着可能に連結されていて、前記挿入部底面は前記カバー表面の下方に延在しており、前記カバー本体が前記るつぼに対して下降して前記カバー挿入部が前記るつぼに接触するときに、前記カバー挿入部は前記カバー本体から部分的に切り離された状態になる、カバーと、
    各収容部の間で、前記カバー挿入部上と前記るつぼ表面上にある、協動する面の一致対と、を備えている、システム。
  18. 前記カバー挿入部は、内側縁端と外側縁端と上面とを有するV字形状の挿入片本体を有している、請求項17記載のアセンブリ。
  19. 前記上面はその厚みにおいて、前記外側縁端から前記内側縁端に向かってテーパーがついている、請求項18記載のアセンブリ。
  20. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、挿入片底部接触面を有する一段高い底部を有していて、前記挿入片底部接触面は前記内側縁端から予め設定された距離だけ凹んでいる、請求項17記載のアセンブリ。
  21. 前記カバー挿入部の前記挿入部底面は、外側面から後ろに凹んで棚状部を形成している、請求項17記載のアセンブリ。
  22. 前記カバー開口部は、カバー開縁部に沿って凹部を有しており、前記凹部は前記カバー挿入部の棚状部に一致するカバー本体棚状部を形成していて、その結果、前記カバー挿入部と嵌合するように連結して部分的に切り離されている、請求項17記載のアセンブリ。
  23. 前記カバー本体の前記カバー表面は、前記るつぼの対応する構造的特徴と嵌合接触することが可能であり、前記カバー表面と前記るつぼとの間の接触により、前記カバーで覆われていない収容部を前記カバーで覆われている収容部から分離することを含めた、各収容部を隣接する収容部からさらに分離している、構造的特徴を有している、請求項17記載のアセンブリ。
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