JP2022519873A - カンナビノイド受容体アゴニスト及びセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤ベースの抗不安治療製品 - Google Patents

カンナビノイド受容体アゴニスト及びセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤ベースの抗不安治療製品 Download PDF

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Abstract

情動気分障害を治療するための製剤が本明細書で提供される。製剤は、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤とを含む。

Description

本開示は、気分障害を治療するための製剤に関する。具体的には、本開示は、気分障害を治療するために、1種又は2種以上のカンナビノイド受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤とを組み合わせた製剤に関する。
不安症(anxiety)は神経生物学的系の調節不全に起因し、その調節不全を長引かせるが、不安障害の正確な機序は依然として部分的にしか理解されていない。中枢神経系の活性を低下させる神経伝達物質である低レベルのγ-アミノ酪酸(GABA)は、不安症の一因となる。いくつかの抗不安薬は、GABA受容体を調節することによってその効果を達成する。
GABA受容体は、成熟脊椎動物の中枢神経系における主要な抑制性神経伝達物質であるGABAに応答する受容体のクラスである。GABA受容体には、GABA(又はGABA(A))及びGABA(又はGABA(B))の2つのクラスがある。GABA受容体はリガンド開口型イオンチャネル(イオンチャネル受容体としても知られる)であるのに対して、GABA受容体はGタンパク質共役型受容体(代謝型受容体としても知られる)である。
すべてのGABA受容体は、神経細胞膜を横切って塩化物イオンを伝導するイオンチャネル及びGABAの2つの結合部位を含むが、GABA受容体複合体のサブセットはまた、ベンゾジアゼピンの単一の結合部位を含む。この受容体複合体へのベンゾジアゼピンの結合は、GABAの結合を変化させない。リガンド結合を増加させる他の正のアロステリック調節剤とは異なり、ベンゾジアゼピン結合は、GABAが既にその受容体に結合している場合、神経細胞膜を横切る塩化物イオンの全伝導を増加させることによって正のアロステリック調節剤として作用する。したがって、ベンゾジアゼピンは、GABA受容体におけるGABAの効果を増強し、鎮静、催眠(睡眠誘導)、不安緩解(抗不安)、抗痙攣及び筋弛緩特性をもたらす。
ベンゾジアゼピン製品は、不安症及び関連する気分障害を治療するためにしばらく前から市場に出回っているが、多くの患者によるそれらの使用は忍容されにくく、副作用、例えば、眠気、めまい、覚醒度及び集中力の低下、性欲減退、勃起の問題、うつ病、脱抑制、吐き気、食欲の変化、かすみ眼、錯乱、陶酔、離人症、悪夢、肝毒性、攻撃性、暴力、衝動性、刺激性、自殺行動、てんかんを有する人々の発作、前向性健忘症、錯乱、運動失調、ハングオーバー効果、転倒、ベンゾジアゼピン依存症、及びベンゾジアゼピン離脱症候群を含む。
大麻は抗不安薬として使用されてきたが、使用は、喫煙される乾燥植物製品、又は短期記憶の減少、ドライマウス、運動技能の障害、眼の発赤、心拍数の増加、食欲及び食物の消費の増加、血圧の低下、短期記憶及び作業記憶の障害、精神運動協調及び集中の減少、ならびに青年期の使用による統合失調症を発症するリスクの増加などの負の副作用をもたらし得る濃度のテトラヒドロカンナビノール(THC)などの精神活性カンナビノイドを含む、未特性の植物化学的生物活性物質の混合物を含む粗抽出物又は標準化抽出物に限定されてきた。
カンナビノイドは、脳内の神経伝達物質放出を抑制する細胞上のカンナビノイド受容体に作用する多様な化学化合物のクラスである。これらの受容体タンパク質のリガンドには、内在性カンナビノイド(ヒト及び動物によって体内で天然に産生される)、フィトカンナビノイド(大麻及びいくつかの他の植物に見出される)、及び合成カンナビノイド(人工的に製造される)が含まれる。100を超える異なるカンナビノイドが大麻から単離されており、様々な効果を示している[1]。最も注目すべきカンナビノイドは、上記の大麻の主要な精神活性化合物であるフィトカンナビノイドテトラヒドロカンナビノール(THC)である。カンナビジオール(CBD)は、植物の主要な非精神異常惹起性化合物の1つであり、ヒト及び動物の両方において抗不安効果を有することによって、THCの心理的効果とは実質的に異なる心理的効果を示す。
健常志願者へのCBDの経口投与は、THCの抗不安効果を減弱させることが示されており、いかなる薬物動態学的相互作用も伴わないようである[2]。動物研究では、CBDは、馴化情動反応、Vogel型コンフリクトテスト、及び高架式十字迷路試験を含む異なるパラダイムにおいて抗不安薬と同様の効果を有する[3]。ヒトの研究では、CBDの抗不安効果は、模擬演説試験(SPST)を受けた対象において誘発されている[4]。健常志願者へのカンナビジオールの長期投与後[5]、700mg/日の大量急性用量であっても[6]、毒性又は重篤な副作用の徴候は観察されなかった。
現在、気分障害、特に不安症を治療するためのカンナビノイド処方製品は市場に存在しない。
内在性カンナビノイド系(ECS)は、哺乳動物の脳内ならびに中枢神経系及び末梢神経系全体に位置する内因性カンナビノイド受容体の群であり、神経調節脂質及びその受容体からなる。ECSは、食欲、痛覚、気分、及び記憶を含む様々な生理学的プロセスに関与し、大麻の精神活性作用を媒介することに関与する。2つの主要な内在性カンナビノイド受容体であるCB1及びCB2が同定されている。CB1受容体は、主に脳及び神経系、ならびに末梢器官及び組織に見られ、内在性カンナビノイドリガンドであるアナンダミド(AEA)、ならびにその模倣フィトカンナビノイドであるデルタ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)の主要な分子標的である。精神活性THCなどのカンナビノイドはCB1及びCB2受容体を活性化するが、主にCB1受容体と相互作用することによってその神経行動効果を示す。CB1アゴニズムは、鎮痛などの医学的に有用な活性をもたらすだけでなく、自発運動及び認知障害ならびに乱用傾向を含むいくつかの望ましくない副作用ももたらす。今日まで、これらの有益な特性と不都合な特性を切り離すことは困難であることが証明されており、したがって直接的なCB1アゴニストの治療的使用は限定されている。
もう1つの主要な内在性カンナビノイドは、それ自体の模倣フィトカンナビノイドであるCBDと共に両方のカンナビノイド受容体で活性である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)である。2-AG及びCBDは、食欲の調節、免疫系機能及び疼痛管理に関与している。
AEA及び2-AGなどの内因性カンナビノイド(すなわち、内在性カンナビノイド)は、辺縁系及び情動性に関連する他の脳領域全体にわたって産生され、ストレス関連状態に対する行動応答を調節すると考えられている。AEA及び2-AG分解の阻害は、AEA及び2-AGの内因性プールを増加させ、それによって内在性カンナビノイド系を刺激して多様な生理学的効果をもたらすことができる。AEA及び2-AGは、それぞれの酵素である脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)及びモノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)によって迅速に代謝される。したがって、各酵素の阻害は、適切な内因性カンナビノイドの脳中濃度を増加させる。したがって、内在性カンナビノイド系の調節は、炎症、認知、摂食、神経変性などを含む多様な生理学的過程をもたらし得る。
MAGLは、内在性カンナビノイド2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)の加水分解における重要な酵素である。MAGLは、モノアシルグリセロールを遊離脂肪酸及びグリセロールに変換する。MAGLの阻害は、内因性2-AGプールを増加させ、内在性カンナビノイド系の刺激を増加させ、その後、抗不安効果を発揮し得る。MAGLは、脳内のアラキドン酸(AA)及びグリセロールへの2-AG加水分解に関与する主要な酵素である。
MAGLは、303アミノ酸残基を有する33kDaの膜結合タンパク質であり、α/β-ヒドロラーゼファミリーのメンバーとして分類される。MAGL活性部位は、古典的な触媒三残基(Ser122-His269-Asp239)及びセリンヒドロラーゼに典型的なリパーゼモチーフGXSXGを含む。求核性のSer122は、Asp239残基及びHis269残基によって活性化される[7]。抗不安活性を示すことが示されているいくつかの天然及び合成のMAGL阻害剤が同定されている。
本発明のこの概要は、必ずしも本発明のすべての特徴を説明するものではない。
本開示は、有効量の1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと有効量の1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤とを組み合わせて含む、情動障害を治療するための製剤に関する。
1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤との組み合わせは、相乗的な組み合わせであり得る。
本明細書に記載の製剤では、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び/又は1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の治療結果及び投与量削減を改善するのに有効な量で存在し得る。
1種又は2種以上のCB受容体アゴニストは、1種又は2種以上のカンナビノイドであり得る。1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、1種又は2種以上のモノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤であり得る。1種又は2種以上のカンナビノイドは、抗不安性カンナビノイドであり得る。一態様では、1種又は2種以上のカンナビノイドはカンナビジオール(CBD)であり得る。別の態様において、1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、KML29、KML29誘導体、JZL184、JZL184誘導体又はそれらの組み合わせであり得る。製剤中のCBDの有効量は、1mg~1000mg又はその間の任意の量であり得る。1又はそれを超えるMAGL阻害剤の有効量は、1mg~1000mg、又はそれらの間の任意の量である。
MAGL阻害剤は、KML29、KML29誘導体、JZL184、JZL184誘導体又はそれらの組み合わせであり得る。KML29又はその誘導体の有効量は、約1~約1000mgであり得る。JZL184又はその誘導体の有効量は、約1~約1000mgであり得る。一態様では、KML29又はKML29誘導体の有効量は、3mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg又は30mg/kgであり得る。一態様では、JZL184又はJZL184誘導体の有効量は、3mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg又は30mg/kgであり得る。別の態様では、CBDの有効量は、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、5mg/kg又は10mg/kgであり得る。
上記の製剤と、生理学的に許容される界面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、平滑剤、懸濁剤、皮膜形成物質、及びコーティング助剤、又はそれらの組み合わせとを含む、不安症を治療するための医薬製剤がさらに提供される。
製剤は、不安症などの情動障害を治療するために使用され得る。不安症には、全般性不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
したがって、本開示はまた、上記の製剤又は医薬製剤をそれを必要とする対象に投与することによって情動障害を治療する方法に関する。治療は、長期の治療期間にわたって治療することを含み得、長期の治療期間は、少なくとも21日間であり得る。治療は、延長された治療期間をさらに含み得る。延長された治療期間は、約1~約21日間、又はその間の任意の日数であり得る。
本方法では、製剤は、経粘膜、経口、経皮、腹腔内経路で投与され得る。経粘膜投与は、舌下、頬側、鼻、眼、膣及び/又は直腸粘膜であり得る。製剤は、薬物安定剤/添加剤を含む適切なエアロゾル、液体、ゲル、又は錠剤/固体薬物担体中で送達され得る。
本方法によって治療される情動障害は、不安症を含み得る。本方法によって治療される不安症は、全般性不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせを含み得る。
本発明のこの概要は、必ずしも本発明のすべての特徴を説明するものではない。
説明のこれら及び他の特徴は、添付の図面を参照する以下の説明からより明らかになるであろう。
マウスにおける用量応答研究の結果を示す図である。自発運動(累積)におけるカンナビジオール、KML29、及びJZL184の平均(±S.E.M)効果が示されている。(移動距離(cm)の平均±SEM、一元配置分散分析の後、ボンフェローニの多重比較検定、*p<0.05、N=8)
マウスにおける相乗効果研究を示す図である。自発運動(累積)におけるカンナビジオールとKML29の組み合わせ、及びカンナビジオールとJZL184の組み合わせの平均(±S.E.M)効果が示されている。(マウスの移動距離(cm)の平均±SEM、$p<0.05対ビヒクル、一元配置分散分析の後、ボンフェローニの多重比較検定、*p<0.05対ビヒクル、スチューデントの対応のないt検定、N=7~8)
薬物組合せの相乗効果を決定する組合せ指数(CI)のプロットを示す図である。
本明細書は、有効量の1種又は2種以上のカンナビノイド受容体アゴニスト(CB受容体アゴニスト)、例えばカンナビノイドと、有効量の1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤、例えば1種又は2種以上のモノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤とを組み合わせて含む、情動障害、例えば気分障害を治療するための製剤に関する。
理論に拘束されることを望むものではないが、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(例えば、精神活性副作用を誘発しないカンナビノイド、例えばカンナビジオール(CBD))と、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤、例えばMAGL阻害剤(例えば、JZL184又はKML2)との組み合わせは、情動障害を有する対象に改善された治療結果を提供し得ると考えられる。特に、ベンゾジアゼピン又は大麻の耐性問題を有する対象及び/又は大麻植物製品全体又はその粗/標準化抽出物を使用したくない対象において。
1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤との組み合わせにより、セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤(例えばMAGL阻害剤など)を含むが1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤を含まない製剤と比較した場合、非精神活性CB受容体アゴニスト(例えばカンナビジオールなどのカンナビノイド)の抗不安効果に必要な治療用量は低下し得ると考えられる。したがって、本明細書に記載の製剤は、カンナビノイドなどの1つのCB受容体アゴニストの使用中に見られる耐性及び依存性に関連する問題を軽減及び回避するのに役立ち得、ジアゼパムなどのベンゾジアゼピンの代替物として使用することもできる。
さらに、化合物の組み合わせは相乗的に作用し得る、すなわち、相加効果よりも大きい効果を示すと考えられる。特に、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤との組み合わせは、相乗的に作用し得る、すなわち、相加的効果よりも大きい効果を示す。
さらに、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、患者に処方され得るCB受容体アゴニスト及びセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の用量を低減する可能性があり、それによってコストを削減し、治療用抗不安薬製品の利益率を増加させると考えられる。
CB受容体アゴニスト及びセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の治療用量は、ベンゾジアゼピンの有害な副作用を軽減し得る。理論に拘束されることを望むものではないが、CB受容体アゴニストとセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤との間の相乗作用は、CB受容体アゴニストの有効量を低下させると考えられる。さらに、CB受容体アゴニスト、例えばCBDなどのカンナビジオールは、生物活性(例えば、記載される抗発作、抗うつ効果、THCによって引き起こされる記憶に対する効果の緩和、食欲調節)を有し、生物活性は、精神活性及び他の有害な副作用、例えばベンゾジアゼピンなどのGABA(A)調節薬の副作用を軽減し得る。さらに、本明細書に記載の製剤は、喫煙の負の副作用を回避する。
1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤と組み合わせて1種又は2種以上のCB受容体アゴニストを含む製剤を使用することにより、製剤中の各生物活性分子の用量を正確に制御することが可能である。対照的に、この制御は、大麻の抽出物を使用する場合には不可能であり得、精神活性分子を含有する大麻製品全体を使用する副作用が回避され得ない。
CB受容体アゴニスト
「カンナビノイド受容体アゴニスト」又は「CB受容体アゴニスト」という用語は、1種又は2種以上のCB受容体、例えばカンナビノイド受容体1型(CB)又はカンナビノイド受容体2型(CB)に作用するか、あるいは内在性カンナビノイド系又は他のカンナビノイド結合タンパク質、例えば一過性受容体電位カチオンチャネル(例えば、TRPV1、TRPV2、TRPA1、TRPM8)、GPR(例えば、GPR55、GPR18、GPR119)受容体、セロトニン受容体(例えば、5-HT1A)、内在性カンナビノイドトランスポータ及び再取り込みタンパク質、α3グリシン受容体、アデノシンA1受容体又はα2アドレナリン受容体などと相互作用するか又はそれらを調節し得る物質、組成物、化合物又は分子を意味する。
カンナビノイド受容体は、3つの主要なリガンド群、すなわち内在性カンナビノイド(哺乳動物の身体によって産生される)、フィトカンナビノイド又は植物性カンナビノイド(植物、例えば大麻植物によって産生される)及び合成カンナビノイド(人工的又は合成的に産生される)によって活性化され得る。CB受容体アゴニストは、CBに作用する物質、組成物、化合物又は分子であり得る。別の例では、CB受容体アゴニストは、CBに作用する物質、組成物、化合物又は分子であり得る。
本明細書に記載の製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量の、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストの有効量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストの有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のCB受容体アゴニストは、例えば、カンナビノイド、カンナビジオール(CBD)又はCBD誘導体、又はCBD前駆体、又はCBD類似体であり得る。
さらに、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストの有効量は、約0.05mg/kg~約150mg/kg又はそれらの間の任意の量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストの有効量は、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08km/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8km/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、110mg/kg、120mg/kg、130mg/kg、140mg/kg,150mg/kg又はそれらの間の任意の量であり得る。
カンナビノイド
一例では、CB受容体アゴニストは、1種又は2種以上のカンナビノイド又はカンナビノイド誘導体もしくは類似体であり得る。例えば、カンナビノイドはフィトカンナビノイドであり得る。例えば、カンナビノイドは、大麻植物から抽出及び/又は精製され得る。
「大麻植物」という用語は、野生型カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、異なる量の個々のカンナビノイドを天然に含有するカンナビス・ケモバルス(cannabis chemovars)(化学組成によって特徴付けられる変種)を含むその変種、変種であるバル・インディカ(var.indica)及びバル・カフィリスタニカ(var.kafiristanica)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)を含むカンナビス・サティバ(Cannabis sativa)亜種、ならびにそれらの遺伝的交配、自己交配又はハイブリッドの結果である植物を包含する。さらに、大麻植物は、例えば、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)又はカンナビス・ルデラリス(Cannabis ruderalis)の種類を含む。「大麻植物材料」という用語は、それに応じて、品種に関係なく1種又は2種以上の大麻植物に由来する植物材料を包含すると解釈されるべきである。誤解を避けるために、「大麻植物材料」はハーブ大麻及び乾燥大麻バイオマスを含むことをここで述べる。
例えば、(CBDA及び/又はCBDとして)CBDの含有量が比較的高い大麻植物に由来する大麻植物材料を使用することができる。例えば、総カンナビノイド含有量の>90%のCBDA/CBD含有量を有する大麻品種(ケモバルス(chemovars))を使用することができる。特に、フィトカンナビノイドは、例えばシャーロッツウェブ(Charlotte’s Web)又はアビデカル(Avidekal)などの高CBD株から抽出又は精製することができる。
フィトカンナビノイドの非限定的な例としては、カンナビジオール(CBD)又はCBD誘導体、異常CBD、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロル(CBL)、カンナビバリン(カンナビバロール又はCBVとしても知られる)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV、THV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)が挙げられる。非限定的な一例では、カンナビノイドは、例えばシャーロッツウェブ(Charlotte’s Web)又はアビデカル(Avidekal)などの1種又は2種以上の高CBD株から抽出及び精製されたカンナビジオール(CBD)であり得る。
別の例では、カンナビノイドは、合成カンナビノイド(合成大麻(合成マリファナ)、又は合成カンナビノイド受容体アゴニストとしても知られている)、例えば、限定するものではないが、カンナビシクロヘキサノール(CP 47,497)、JWH-018、JWH-073、又はHU-210、エピガロカテキン、エピカテキン、カバイン、ヤンゴニン、N-アラキドノイルドーパミン、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、HU-210、11-ヒドロキシ-Δ9-テトラヒドロカンナビノール(11-OH-THC)、ドロナビノール又はレボナントラドール(CP 50,556-1)であり得る。
本明細書に記載される製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量の1種又は2種以上のカンナビノイドの有効量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のカンナビノイドの有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のカンナビノイドは、例えば、カンナビジオール(CBD)又はCBD誘導体、又はCBD前駆体、又はCBD類似体であり得る。したがって、一例において、本明細書中に記載される製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量のCBDもしくはCBD誘導体の有効量を含み得る。例えば、CBD又はCBD誘導体の有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。
さらに、1種又は2種以上のカンナビノイドの有効量は、約0.05mg/kg~約150mg/kg又はそれらの間の任意の量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のカンナビノイドの有効量は、0.05mg/kg、0.06mg/kg、0.07mg/kg、0.08 km/kg、0.09mg/kg、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.8km/kg、0.9mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、110mg/kg、120mg/kg、130mg/kg、140mg/kg、150mg/kg又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のカンナビノイドは、例えば、カンナビジオール(CBD)又はCBD誘導体、又はCBD前駆体、又はCBD類似体であり得る。
精製/抽出
植物材料から出発して実質的に純粋な形態で植物からカンナビノイドを調製する方法は、当技術分野で公知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第02/064109号パンフレット[8]は、大麻植物材料から全抽出物を得るための一般的な方法を記載している。国際公開第02/32420号パンフレットは、例えば、植物材料からΔ-THCを調製する方法を開示している[9]。これは、CO抽出及びエタノール沈殿を利用して、Δ-THC及びCBDを含有する「一次抽出物」を得て、例えば、モノテルペン、セスキテルペン、炭化水素、アルカロイド、フラボノイド及びクロロフィルの量を減少させる。次いで、触媒反応によってCBDをΔ-THCに変換する。ODCCP Bulletin on Narcotics[10]は、分取ガスクロマトグラフィーを使用してCBD、THC及びCBNを単離する方法を開示している。ODCCP Bulletin on Narcoticsの別の号[11]は、石油エーテル及びメタノールを使用する多溶媒抽出プロセスを記載している。Journal of Pharmacy and Pharmacology[12]でSmith及びVaughanは、カンナビノイドを可溶化するための抽出媒体としての様々な溶媒の使用を開示している。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7700368号明細書[13]は、溶媒抽出、クロマトグラフィー及び再結晶工程の組み合わせを使用することによる、カンナビノイド酸Δ9 THCA及びCBDA、対応する遊離カンナビノイドΔ9 THC及びCBD、ならびに微量カンナビノイドを含む、大麻ハーブのカンナビノイド及びカンナビノイド酸成分の精製形態を調製するための精製プロセスを記載している。さらに、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2004026802号パンフレット[14]は、植物材料からカンナビジオールを調製する方法を記載している。植物材料からの実質的に純粋なカンナビジオール(CBD)は、抽出物を溶媒に溶解して溶液を形成し、この溶液から不溶性材料を除去し、溶液から溶媒を蒸発させて実質的に純粋なカンナビジオールを得ることによって、植物材料のカンナビジオール含有抽出物から得られる。さらに、カンナビジオールの精製の例は、Waters Application Note[15]に記載されている。
(CBDA及び/又はCBDとして)CBDの含有量が比較的高い大麻植物に由来する大麻植物材料を使用することが好ましい。例えば、標準的な選択的育種技術を使用することにより、例えば総カンナビノイド含有量の>90%のCBDA/CBD含有量を有し得る、高いCBD含有量を有する大麻品種、例えば、シャーロッツウェブ(Charlotte’s Web)又はアビデカル(Avidekal)を開発することができる。
CBDが調製される植物材料がかなり多くのカンナビノイド酸CBDAを含む場合、植物材料を脱炭酸工程に供して、CBDAを遊離カンナビノイドCBDに変換することができる。これは、CBD含有植物抽出物の調製前に実施されてもよく、又はこの抽出プロセスの一部を形成してもよい。
カンナビノイド、例えばカンナビジオール(CBD)の「実質的に純粋な」調製物は、HPLC UVプロファイルの面積正規化によって決定される場合、95%以上、より好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上、最も好ましくは99.5%以上のクロマトグラフィー純度を有する調製物として定義される。
セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤
セリンヒドロラーゼ(SH)は、哺乳動物における最大かつ最も多様な酵素クラスの1つである。セリンヒドロラーゼは、事実上すべての生理学的過程において基本的な役割を果たし、例えばストレス、不安、気分障害及び神経変性障害などの疾患を治療するための薬物によって標的とされる。約240のヒトセリンヒドロラーゼが存在し、これらは2つのほぼ等しいサイズのサブグループ、すなわちセリンプロテアーゼ(約125員)及び「代謝」セリンヒドロラーゼ(約115員)に分けることができる[16]。多くのセリンヒドロラーゼが治療可能性を有する酵素として浮上しており、強力な阻害剤発見プログラムの焦点である。共有結合機構を介して作用する化合物は、セリンヒドロラーゼを選択的に阻害するのに特に有効であることが証明されている。
「セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤」、「セリンヒドロラーゼ阻害剤」、「ヒドロラーゼ阻害剤」又は「SH阻害剤」という用語は、セリンヒドロラーゼスーパーファミリーに属する酵素の活性を阻害、遮断、減少又は不活性化する物質、組成物、化合物又は分子を意味する。セリンヒドロラーゼ酵素は、ほとんどのセリンヒドロラーゼに共通の古典的なGXSXGコンセンサス配列を含み得る。セリンヒドロラーゼ酵素の触媒三残基は、Ser122、His269及びAsp239を含み得る。セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の非限定的な例はとりわけ、アセチルコリンエステラーゼ(ACHE)阻害剤:リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、タクリン;ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤:シタグリプチン、サクサグリプチン、リナグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン;膵臓/胃リパーゼ阻害剤:オルリスタット;トロンビン阻害剤:ダビガトラン、アルガトロバン;第Xa因子阻害剤:リバロキサバン;血栓症ヒト好中球エラスターゼ阻害剤:シベレスタット;脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)阻害剤:OL-135、URB597、PF-04457845;線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)/ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤:PT-100;内皮リパーゼ(LIPG)阻害剤:スルホニルフラン尿素1;ホスホリパーゼA2(PLA2G7)阻害剤:ダラプラディブ;プロリルカルボキシペプチダーゼ(PRCP)阻害剤:化合物80;プロリルエンドペプチダーゼ(PREP)阻害剤:S17092、JTP-4819;トリアシルグリセロール加水分解酵素(TGH)阻害剤:GR148672X;アリールアセトアミドデアセチラーゼ様1(AADACL1)阻害剤:AS115、JW480;アルファ/ベータ加水分解酵素(ABHD6)阻害剤:WWL123;アルファ/ベータ加水分解酵素(ABHD11)阻害剤:AA44-2、WWL222;アシルペプチド加水分解酵素(APEH)阻害剤:AA74-1;モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤:JZL184;血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ-2(PAFAH2)阻害剤:AA39-2;タンパク質メチルエステラーゼ-1(PME-1)ABL127である。
セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の非限定的な例は、モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)の阻害剤である。したがって、セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、例えば、1種又は2種以上のMAGL阻害剤であり得る。
本明細書に記載の製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量の1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の有効量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、例えば、MAGL阻害剤、例えばJZL184、JZL184誘導体、KML29又はKML29誘導体であり得る。
さらに、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の有効量は、約1mg/kg~約150mg/kg又はそれらの間の任意の量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の有効量は、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、110mg/kg、120mg/kg、130mg/kg、140mg/kg、150mg/kg又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は、例えば、MAGL阻害剤、例えばJZL184、JZL184誘導体、KML29又はKML29誘導体であり得る。
モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤
モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)は、MAGリパーゼ、MAGL、MAGL酵素、MGL又はMGLLとしても知られており、α/β-ヒドロラーゼファミリーに属する酵素である。これらは、内在性カンナビノイド2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)の加水分解において重要である。ヒトでは、MAGLはMGLL遺伝子によってコードされる。MAGLは、セリンヒドロラーゼスーパーファミリーの33kDaの膜結合メンバーであり、ほとんどのセリンヒドロラーゼに共通の古典的なGXSXGコンセンサス配列を含む。MAGLは、2-AGをグリセロール及びアラキドン酸(AA)に加水分解することによる、2-AGのための主要な分解酵素である。
「モノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤」、「モノアシルグリセロールリパーゼ阻害剤」、「MAGL阻害剤」、「MAGL酵素阻害剤」、「MAGL阻害剤化合物」、「MAGLの阻害剤」、「MAGLの活性の阻害剤」又は「MAGLアンタゴニスト」という用語は、MAGL酵素の活性を阻害、遮断、減少又は不活性化する物質、組成物、化合物又は分子を意味する。MAGL阻害物質、組成物、化合物又は分子は、以下の要素、すなわちMAGL酵素をコードする遺伝子、前記遺伝子の転写因子、前記遺伝子の発現産物のいずれか、例えば限定されないがMAGL酵素のメッセンジャーRNAのいずれかに結合し、それが結合する分子の発現及び活性、及び/又はその細胞内シグナル伝達を減少又は阻害し、それによってMAGL酵素の活性の完全又は部分的な阻害をもたらし得る。MAGL阻害剤には、MAGLの発現、改変、調節又は活性化を妨害する化合物、又はMAGLの通常の生物学的活性の1又は複数をダウンレギュレートする化合物(例えば、そのセリンヒドロラーゼ活性)が含まれる。特に、1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、MAGLの酵素活性を遮断又は阻害し得る。例えば、MAGL阻害剤は、MAGLの触媒部位の近くに位置する求核性システイン残基(Cys201、Cys208、及びCys242)を標的とし得るか、又はMAGL阻害剤は、MAGLの求核性Ser122残基を標的とし得る。
本明細書で使用される場合、「阻害する」、「阻害」又は「阻害している」という用語は、セリンヒドロラーゼ酵素、例えばMAGL酵素の活性の減少もしくは抑制、又はセリンヒドロラーゼ酵素触媒反応の生物学的活性もしくはプロセスのベースライン活性の有意な減少を指す。例えばMAGLなどのセリンヒドロラーゼ酵素の阻害は不可逆的であってもよく、又は例えばMAGLなどのセリンヒドロラーゼ酵素の阻害は可逆的であってもよく、したがって1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は不可逆的セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤であってもよく、又は1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤は可逆的セリンヒドロラーゼ酵素阻害剤であってもよい。
他の脳セリンヒドロラーゼ(例えば、FAAH)も阻害するMAGLアンタゴニスト化合物は、それらの他の酵素によって媒介される様々な生物学的機能を妨害し得る。このようなMAGLの非選択的阻害剤は、望ましくない副作用を有し得る。したがって、MAGL酵素を選択的に阻害する分子が、現在の用途において好ましい。1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、MAGL酵素活性を特異的に阻害し得るが、他の脳セリンヒドロラーゼ(例えば、FAAH)には有意な影響を及ぼさない。したがって、1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、選択的MAGL阻害剤であり得る。
1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、限定ではないが、MAGL酵素に対するアンタゴニスト(好ましくは化学物質)、サイレンシングRNA又はMAGL酵素に対する特異的抗体(好ましくは、抗体はモノクローナルである)からなるリストから選択され得る。
MAGL酵素の活性の化学的阻害剤の例は、限定ではないがマレイミド系MAGL阻害剤(N-エチルマレイミド(NEM)、N-アラキドニルマレイミド(NAM)、1-ビフェニル-4-イルメチルマレイミド);MAGL阻害剤としての天然化合物(プリスチメリン及びオイホール(euphol));ジスルフィド系MAGL阻害剤(ジスルフィラム及び関連類似体);イソチアゾリノン系MAGL阻害剤(オクチリノン);カルバメート系MAGL阻害剤(URB602(104)及びURB602類似体、4-ビスアリールカルビノール類似体JZL184、4-アリールオキシベンジル系類似体JZL195、JZL184、JZL195、KML29、JW642、[2,4-ジニトロフェニル-4-ベンズヒドリルピペラジン-1-カルボジチオアート](CK 16)、2,4-ジニトロフェニル-4-(4-tert-ブチルベンジル)ピペラジン-1-カルボジチオアート(CK 37)及びMJN 110);尿素系MAGL阻害剤(AM6701、SAR629、ML30、JJKK-048、JZL184の1,2,-4トリアゾール類似体);種々のMAGL阻害剤(OMDM169)、サイレンシングRNA及びMAGL酵素に対する特異的抗体である。
1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、例えばJZL184又はKML29であり得る。JZL184(4-ニトロフェニル-4-[ビス(1,3-ベンゾジオキソール-5イル)(ヒドロキシ)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート)は、MAGLの不可逆的阻害剤である。KML29([4-(8-クロロ-5,6-ジヒドロ-11H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン-11-イリデン)-1-ピペリジニル](1 H-1,2,4トリアゾール-1-イル)メタノン)は、MAGLの選択的可逆的阻害剤である。
本明細書中に記載されるような製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量の1又はそれを超えるMAGL阻害剤の有効量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のMAGL阻害剤の有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、例えば、JZL184又はJZL184誘導体及びKML29又はKML29誘導体であり得る。
したがって、一例において、本明細書中に記載される製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量のJZL184もしくはJZL184誘導体の有効量を含み得る。例えば、JZL184又はJZL184誘導体の有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。
したがって、一例では、本明細書に記載の製剤は、約1mg~約1000mg、又はそれらの間の任意の量のKML29もしくはKML29又はそれらの誘導体の有効量を含み得る。例えば、KML29もしくはKML29又はそれらの誘導体の有効量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mg、50、mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、又はそれらの間の任意の量であり得る。
さらに、1種又は2種以上のMAGL阻害剤の有効量は、約1mg/kg~約100mg/kg又はそれらの間の任意の量を含み得る。例えば、1種又は2種以上のMAGL阻害剤の有効量は、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、20mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、50mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、又はそれらの間の任意の量であり得る。1種又は2種以上のMAGL阻害剤は、例えば、JZL184又はJZL184誘導体及びKML29又はKML29誘導体であり得る。
本発明の化合物の「有効量」又は「治療有効量」という用語は、対象の生物学的又は医学的応答、例えば酵素もしくはタンパク質活性の減少もしくは阻害を誘発するか、症状を改善するか、状態を緩和するか、疾患進行を遅らせるか、又は疾患を予防するなどの本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態では、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、細胞もしくは組織、又は非細胞生体物質もしくは培地に投与した場合に、MAGL、ABHD6又はABHD12の活性を少なくとも部分的に減少又は阻害するか、又はMAGL、ABHD6もしくはABHD12の発現を少なくとも部分的に低減もしくは阻害するのに有効な本発明の製剤中の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、対象に投与された場合に、情動障害を少なくとも部分的に緩和、阻害、予防及び/又は改善するのに有効な本発明の製剤内の1種又は2種以上の化合物の量を指す。
情動障害
本明細書に記載される製剤は、「情動障害」を治療するために使用され得る。「情動障害」という用語は、限定するものではないが、うつ病、不安及び/又は精神病を含む症状を伴う任意の種類の気分障害を指す。これらの障害は、限定するものではないが、仕事、勉強、睡眠、食事、及び一時の楽しい活動を楽しむ能力の妨害を含む、様々な症状を特徴とする。うつ病のさらなる症状は、持続的な悲しみ、不安又は「空虚な」気分、絶望感、悲観、罪悪感、無価値感又は無力感、かつて享受していた趣味及び活動への関心又は喜びの喪失(性交を含む)、エネルギーの低下、疲労及び「減速した」感覚、不穏状態、過敏性、集中、記憶又は決断の困難、睡眠障害、例えば不眠症、早朝覚醒又は過睡眠、食欲不振及び/又は体重減少、又は過食及び体重増加、希死念慮又は自殺及び/又は自殺企図、ならびに治療に反応しない持続的な身体症状、例えば、頭痛、消化器障害、及び慢性疼痛を含み得る。
一例では、本明細書に記載される製剤は、不安症を治療するために使用され得る。不安症の非限定的な例には、不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
相乗効果
理論に拘束されることを望むものではないが、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤とを組み合わせると、相乗効果が達成されると考えられる。
したがって、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤(例えば、JZL184又はKML29などのMAGL阻害剤)を1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(例えば、カンナビノイド)と組み合わせて投与して、薬剤が単独又は別々に投与された場合よりも低用量の各薬剤を使用して不安症を治療することができ、したがって、各薬剤が単独で投与された場合に示す副作用と比較した場合に、CB受容体アゴニスト及び/又はセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の副作用を低減することができる。したがって、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤(例えば、MAGL阻害剤など)を1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(例えば、カンナビノイドなど)と共に投与することによって相乗的結果が得られ得る。
さらに、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(例えばカンナビノイド)又は1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤(例えばMAGL阻害剤)の治療用量を減少させ、それによって製品のコスト効率/利益を増加させることができる。さらに、1種又は2種以上のCB受容体アゴニストは、抗うつ効果、抗発作効果を有するため、ベンゾジアゼピンなどのGABA(A)調節剤の副作用を軽減し、THCなどの他の薬物の記憶に対する悪影響を軽減することができる。
「相乗的」とは、2つ以上の薬剤の組み合わせ、例えば、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(例えばカンナビノイド)と1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤(例えばMAGL阻害剤)との組み合わせが、組合せ指数(CI)<1.0をもたらすことを意味する。CompuSynソフトウェアを使用してChou-Talalay組合せ指数法で決定した場合の薬物組み合わせのCI[17,18]。薬物の組み合わせは、CI<1の場合は相乗効果、CI>1の場合は拮抗作用、CI=1の場合は相加効果とみなされ得る。
したがって、製剤は、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ阻害剤(SHI)と1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(CB)との相乗的組み合わせを含み得る。例えば、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ阻害剤(SHI)及び1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(CB)の有効量の以下の組み合わせが提供され得る。
Figure 2022519873000002

Figure 2022519873000003
例えば、1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ阻害剤(SHI)及び1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト(CB)の有効量の以下の組み合わせが提供され得る:CBD(0.1mg/kg)+KML29(3mg/kg)、CBD(1mg/kg)+KML29(30mg/kg)、CBD(0.1mg/kg)+JZL184(3mg/kg)、及びCBD(0.1mg/kg)+JZL184(3mg/kg)。
医薬組成物
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の製剤を含む医薬組成物に関する。生理学的に許容される界面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、平滑剤、懸濁剤、皮膜形成物質、及びコーティング助剤、又はそれらの組み合わせを含む医薬組成物、及び化合物又は組み合わせが本明細書に開示されている。治療的使用のための許容される担体又は希釈剤は、製薬分野で周知であり、例えば「レミントンの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」18th Ed.Mack Publishing Co.,Easton,Pa(1990)に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる[19]。保存剤、安定剤、染料、甘味料、香料、香味剤などが医薬組成物中に提供され得る。例えば、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸、p-ヒドロキシ安息香酸のエステルを防腐剤として添加してもよい。さらに、酸化防止剤及び懸濁化剤を使用してもよい。種々の実施形態では、アルコール、エステル、硫酸化脂肪族アルコールなどを界面活性剤として使用してもよく、賦形剤としては、スクロース、グルコース、ラクトース、デンプン、結晶セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどを使用してもよく、平滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などを使用してもよく、懸濁剤又は潤滑剤としては、ヤシ油、オリーブ油、ゴマ油、ピーナッツ油、ダイズを使用してもよく、懸濁剤として、セルロース又は糖などの炭水化物の誘導体である酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルの誘導体である酢酸メタクリル酸メチル共重合体を使用してもよく、懸濁剤として、フタル酸エステルなどの可塑剤を使用してもよい。
「医薬組成物」という用語は、本明細書に開示される化合物、製剤又は化合物の組み合わせと、希釈剤又は担体などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、生物への化合物又は製剤の投与を容易にする。経口、注射、エアロゾル、非経口、及び局所投与を含むがこれらに限定されない、化合物又は製剤を投与する複数の技術が当技術分野に存在する。医薬組成物はまた、化合物又は製剤を無機酸又は有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などと反応させることによって得ることができる。
「担体」という用語は、細胞又は組織への化合物又は製剤の組み込みを容易にする化学化合物を定義する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、生物の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを促進するので、一般的に利用される担体である。
「希釈剤」という用語は、目的の化合物を溶解し、化合物の生物学的に活性な形態を安定化させる、水で希釈された化合物を定義する。緩衝溶液に溶解した塩は、当技術分野で希釈剤として利用されている。一般的に使用される緩衝溶液の1つは、ヒト血液の塩条件を模倣するため、リン酸緩衝生理食塩水である。緩衝塩は溶液のpHを低濃度で制御することができるので、緩衝希釈剤は化合物又は製剤の生物学的活性をほとんど改変しない。
「生理学的に許容される」という用語は、化合物の生物学的活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を定義する。
本明細書に記載の医薬組成物は、それ自体で、又は適切な担体又は賦形剤と混合される医薬組成物で、ヒト患者に投与することができる。本出願の化合物の製剤化及び投与のための技術は、「レミントンの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,18th edition,1990[19]に見出すことができる。
適切な投与経路としては、例えば、経口、直腸、経粘膜、舌下、経皮、局所又は腸内投与;筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内又は眼内注射を含む非経口送達が挙げられ得る。化合物又は製剤はまた、所定の速度での長期及び/又は時限パルス投与のために、デポー注射、浸透圧ポンプ、丸剤、経皮(電気輸送を含む)パッチなどを含む持続放出又は制御放出剤形で投与され得る。
本発明の医薬組成物は、それ自体公知の方法で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、封入又は打錠プロセスによって製造することができる。
したがって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、薬学的に使用することができる調製物への活性化合物の加工を容易にする賦形剤及び助剤を含む1種又は2種以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方法で製剤化することができる。適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。周知の技術、担体、及び賦形剤のいずれも、適切に、例えば、上記「レミントンの薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)」[19]において当技術分野で理解されているように使用することができる。
注射剤は、液体溶液又は懸濁液、注射前の液体中の溶液又は懸濁液に適した固体形態、又はエマルジョンのいずれかとして、従来の形態で調製することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システインなどである。さらに、必要に応じて、注射用医薬組成物は、湿潤剤、pH緩衝剤などの少量の非毒性補助物質を含有してもよい。生理学的に適合性の緩衝液としては、ハンクス液、リンゲル液又は生理食塩水緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。所望であれば、吸収促進調製物(例えば、リポソーム)を利用してもよい。
経粘膜投与の場合、浸透されるバリアに適切な浸透剤を製剤に使用することができる。
例えばボーラス注射又は連続注入による非経口投与のための医薬製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はダイズ、グレープフルーツもしくはアーモンド油などの他の有機油、又はオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストランを含有し得る。場合により、懸濁液は、高濃度溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解度を増加させる適切な安定剤又は薬剤も含有し得る。注射用製剤は、防腐剤を添加した単位剤形、例えばアンプル又は複数回投与容器で提供され得る。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又はエマルジョンなどの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの配合剤を含有することができる。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するための粉末形態であってもよい。
経口投与の場合、化合物は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。このような担体は、治療される患者による経口摂取のために、本発明の化合物を錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬製剤は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、場合により得られた混合物を粉砕し、所望であれば適切な補助剤を添加した後に顆粒の混合物を加工して錠剤又は糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)である。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加してもよい。糖衣錠コアには適切なコーティングが施される。この目的のために、場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有し得る濃縮糖溶液を使用してもよい。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加してもよい。この目的のために、場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有し得る濃縮糖溶液を使用してもよい。識別のために、又は活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加してもよい。
経口的に使用することができる医薬製剤には、ゼラチン製の押し込み式カプセル、ならびにゼラチン及び可塑剤、例えばグリセロール又はソルビトール製の軟密封カプセルが含まれる。押し込み式カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、及び場合により安定剤と混合して活性成分を含有することができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解又は懸濁されてもよい。さらに、安定剤を添加してもよい。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した投与量でなければならない。
頬側投与の場合、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤又はトローチ剤の形態をとることができる。
吸入による投与の場合、本発明に従って使用するための化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガスを使用して、加圧パック又はネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で都合よく送達される。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するための弁を設けることによって決定され得る。吸入器又は吹送器で使用するための、例えばゼラチンのカプセル及びカートリッジは、化合物とラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有して製剤化され得る。
本明細書中に記載されるような製剤又は医薬調製物は、対象における不安症を治療するために使用され得る。したがって、本開示はまた、不安症の治療を必要とする対象に本明細書に記載の製剤又は医薬調製物を投与することによって不安症を治療する方法を提供する。
不安症は、全般性不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせを含み得る。
治療は、長期の治療期間を含み得る。例えば、治療期間は少なくとも21日間であり得る。さらに、治療期間は、少なくとも28日間、35日間、42日間又はそれらの間の任意の時間であり得る。さらに、長期の治療期間は、少なくとも1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月であり得る。
治療は、延長された治療期間を含み得る。例えば、治療期間は21日未満であり得る。例えば、治療期間は、約1~約21日間又はその間の任意の日数であり得る。例えば、治療期間は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、12日間、15日間、18日間、21日間又はそれらの間の任意の期間であり得る。
製剤は、対象に経口、皮内、鼻腔内、筋肉内、腹腔内、静脈内又は皮下投与され得る。より具体的には、本明細書に記載の製剤は、経粘膜的又は経口的に投与され得る。経粘膜表面は、舌下粘膜、頬側粘膜、鼻粘膜、眼粘膜、膣粘膜、及び/又は直腸粘膜であり得る。
製剤はさらに、薬物安定剤/添加剤を含む適切なエアロゾル、液体、ゲル、又は錠剤/固体薬物担体中で送達され得る。

本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、以下の例から明らかになるであろう。以下の例は、記載されるように、本発明の範囲を限定するものとして解釈されることを意図しない。
本明細書に示される例及び説明に対して多数の変更を行うことができることは、当業者によって容易に理解されるであろう。例えば、CBDの精製及び製剤に変更を加えることができる。
カンナビジオール(CBD)の抽出及び精製
カンナビノイド(CBD)は、科学技術分野で知られている超臨界流体抽出及びクロマトグラフィー技術の組み合わせを使用して、95%を超える純度まで大麻の高CBD株から抽出及び精製される。CBDは、科学分野で公知の化学合成技術を使用して合成することもできる。
CBDに富む(乾燥重量を基準として12.5% w/w)カンナビノイド株から、乾燥させた大麻の芽を収穫した。乾燥した芽を溶媒で抽出し、乾燥した芽当たり抽出物1キログラム当たり100~300グラムの抽出物を得た。得られた抽出物をクロマトグラフィーカラムに通して、抽出物からCBDを分画した。集めたCBD豊富な画分(>75%CBD w/w)を高圧カラムクロマトグラフィーでさらに分離し、純粋なCBD(純度>99.5%)を集めた。
抽出方法の例としては、1)有機溶媒(トルエン及びトリメチルペンタン)、低分子量塩素化炭化水素(クロロホルム及びジクロロメタン)、及び/又は低分子量アルコール(エタノール)、又は2)有機溶媒修飾剤を含む又は含まない超臨界流体(CO2)を使用することが挙げられる[20]。
カンナビジオールの精製の例は、Waters Application Note[15]に記載されている。簡単に説明すると、抽出物の500mg部分をメタノール10mL中で30分間超音波処理し、マグネチックスターラーを用いて300rpmで混合した。注入の前に、試料をガラス繊維で濾過して細片を除去した。分取クロマトグラフィー分離は、Waters Prep 150 LC Systemを用いて行った。CBDは、semi-prep TaperSlit Flow Cellを備えた2489UV/可視検出器を使用して検出した。注入量は320μLであった。Waters Fraction Collector IIIを用いて画分を回収した。回収した画分をプールし、溶媒を蒸発させて純粋なCBDを得た。この方法には、適切なクロマトグラフィーシステム(Prep 150LC)、カラム温度(アンビエント)、流速(30.0mL/分)、移動相(移動相A:水及び移動相Bメタノール)、勾配(2.5分間かけて85%~100%B、100%Bで2分間保持)、カラム(Sunfire C18 OBD(登録商標)Prep、100Å、5μm、19×100mm)及び検出システム(UV 228nm)が含まれていた。
分析クロマトグラフィー分離は、PDA検出器を備えたUPLCシステムを使用して行った。この方法には、適切なクロマトグラフィーシステム(Waters ACQUITY UPLC H-Class)、カラム(ACQUITY UPLC BEH C18,130Å、175μm,2.1×50mm)、カラム温度(50℃)、流速(1.0mL/分)、移動相(移動相A-水中0.1%ギ酸及び移動相B-アセトニトリル中0.1%ギ酸)、勾配(2.5分かけて60%~73%B)及び検出システム(UV228nm)が含まれていた。
精製されたCBDのUPLC測定純度は99.5%であった。
前臨床研究
マウスにおける用量応答研究
オープンフィールド実験における自発運動活性に対するCBD、KML29及びJZL184の効果を、Swissアルビノマウスを用いて評価した。
合計88匹の雄のスイスアルビノマウス(約30~45g、7~9週齢)を選択し、体重を記録した。動物に、群割り付けに従ってそれぞれの処置(n=8)を7日間繰り返し投与した。試験日(8日目)に、実験室条件に順応させるために、1時間前に動物を実験室に運んだ。マウスを30分間アリーナに馴化させた。馴化の直後に、それぞれの処置を腹腔内投与した(ビヒクル(10mL/kg)又はジアゼパム(1mg/kg)又はCBD(1、10及び100mg/kg)又はKML29(3、10及び30mg/kg)又はJZL184(3、10及び30mg/kg))。処置後、動物をオープンフィールドに置き、マウスが移動した距離を60分間追跡した。得られたデータを、スチューデントの「t」検定又は二元配置反復測定分散分析、続いて、Graph pad prismソフトウェアパッケージ(バージョン7.0)を使用することによるボンフェローニの事後検定によって分析し、0.05未満のp値を有意とみなした。
結果は、ビヒクル処置マウス群と比較した場合、1mg/kg腹腔内のジアゼパムが自発運動を有意に減少させることを示した。100mg/kg腹腔内のCBDは、ビヒクル処置マウス群と比較した場合、自発運動を有意に減少させた。KML29は、ビヒクル処置マウス群と比較した場合、30mg/kg腹腔内で自発運動を減少させ、有意性を達成した。JZL184は用量依存的に自発運動を減少させたが、その効果は統計学的有意性に達しなかった(図1)。
製剤の抗不安効果
Swissアルビノマウスを用いて、オープンフィールドにおける自発運動活性に対するCBD、KML29及びJZL184の効果を評価し、ジアゼパムと比較した。
合計48匹の雄のスイスアルビノマウス(約30~45g、7~9週齢)を選択し、体重を記録した。実験室条件に順応させるために、1時間前に動物を実験室に運んだ。オープンフィールドは、同じ寸法の黒色プラスチック壁によって囲まれた51×51×51cmの黒色のアリーナである。動物に、群割り付け(n=8)に従ってそれぞれの腹腔内処置を7日間繰り返し行った。試験日(8日目)に、マウスを30分間アリーナに馴化させた。馴化直後に、動物にそれぞれの処置を行った(ビヒクル(10 mL/kg)又はジアゼパム(1mg/kg);CBD、0.1mg/kg腹腔内+KML29、3mg/kg腹腔内;CBD、1mg/kg腹腔内+KML29、30mg/kg腹腔内;CBD、0.1mg/kg腹腔内+JZL184、3mg/kg腹腔内;CBD、1mg/kg腹腔内+JZL184、30mg/kg腹腔内)。投与後、動物をオープンフィールドに置き、マウスが移動した距離をVideomotソフトウェアを使用して60分間追跡した。実験は、1日1回投与した3日間にわたって実施した(1日に各群から2又は3匹の動物を実験した)。すべての製剤を投与/試験の日に新たに調製した。得られたデータを、スチューデントの「t」検定又は二元配置反復測定分散分析、続いてGraphPad prismソフトウェアパッケージ(バージョン7.02)を使用することによるボンフェローニの事後検定によって分析し、0.05未満のp値を有意とみなした。
製剤の調製:ジアゼパムを十分な体積の5%ファーマソルブ及び95%の30% w/vカプチゾールと共に溶解して0.10mg/mLの濃度にし、10mL/kg用量体積で1mg/kg用量の腹腔内投与を意図した。CBDを計算体積のDMSOに溶解して、20mg/mLの濃度を得た(ストック溶液)。ストック溶液を比1:1:18のエタノール:Alkamuls EL-620:生理食塩水で希釈することによって、0.01mg/mL及び0.10mg/mLの濃度を調製した。KML29を計算体積のDMSOに溶解して、50mg/mLの濃度を得た(ストック溶液)。ストック溶液を比1:1:18のエタノール:Alkamuls EL-620:生理食塩水で希釈することによって、0.30mg/mL及び3.00mg/mLの濃度を調製した。JZL184を計算体積のDMSOに溶解して、50mg/mLの濃度を得た(ストック溶液)。ストック溶液を比1:1:18のエタノール:Alkamuls EL-620:生理食塩水で希釈することによって、0.30mg/mL及び3.00mg/mLの濃度を調製した。
結果は、ビヒクル処置と比較した場合、1mg/kg腹腔内のジアゼパムがマウスの自発運動を有意に減少させることを示した。CBDと同時投与した場合、3及び30mg/kg腹腔内のKML29は、ビヒクル処置群と比較した場合にマウスの自発運動を有意に減少させた。CBD、1mg/kg腹腔内と組み合わせて投与した場合、30mg/kg腹腔内のJZL184は、用量依存的にマウスの自発運動を有意に減少させた。CBD、0.1mg/kg腹腔内と組み合わせた3mg/kg腹腔内のJZL184は、自発運動を比較的減少させたが、ビヒクル群と比較した場合、有意性をスコア化しなかった(図2)。
毒性研究-KML29及びJZL184製剤
実験1:この研究の目的は、スイスマウスにおける7日間の反復腹腔内投与後のCBDとJZL184との組み合わせの毒性を決定することであった。実験データを表1~表9に示す。若齢健常スイスマウス48匹(6~8週齢;30.92~34.65g(雄)、23.82~26.45g(雌))を4群に分け、各群は雄6匹及び雌6匹で構成された。マウスに、CBDとJZL184との組み合わせをそれぞれ0.1+3(II群、LD)、0.5+15(III群、MD)及び1.0+30mg/kg(IV群、HD)で腹腔内投与により7日間投薬した。用量製剤は、CBD及びJZL184のストック溶液を比1:1:18のエタノール、Alkamuls-620及び生理食塩水(0.9% NaCl)で希釈することによって毎日調製した。CBD及びJZL184のストック溶液を、それぞれDMSO中20mg/mL及び50mg/mLで調製した。同時ビヒクル対照群(I群)には、10mL/kgの同等のレジメンでビヒクルを投与した。毒性の評価は、死亡率、臨床所見、体重、ならびに臨床及び解剖学的病理に基づいた。死亡及び臨床徴候について実験期間を通してマウスを観察し、体重は毎日測定した。屠殺日に、血液学、臨床化学用の血液試料及び尿を、様々なパラメータの分析のためにすべての生存マウスから採取した。最終的に生存したすべてのマウスについて肉眼検査を行った。組織を収集し、顕微鏡検査のために処理した。
結果は、CBDとJZL184との組み合わせが最高試験用量まで良好に忍容され、処置群のいずれにおいても薬物関連の死亡は認められなかったことを示した(表1)。最高試験用量までの実験期間を通して薬物関連の臨床徴候は観察されなかった。処置期間を通して任意の用量レベルでマウスの体重又は体重増加に対する薬物関連の有害作用はなかった(表2)。雌に認められた時折の統計学的に有意な変化は、偶発的所見とみなした。血液学、臨床化学及び尿分析エンドポイントに対する薬物関連の影響は、いずれの用量レベルでもいずれの性別においてもなかった。血液学及び臨床化学パラメータのエンドポイント間のすべての統計学的に有意な差又は明らかな差は、無視できる程度の大きさ、散発性の性質、用量応答パターンの欠如、及び/又は期待値との関係により、薬物に関連するとは考えられなかった。試験した臨床パラメータ(血液学、臨床化学及び尿分析)には、WBC、RBC、HB、HCT、MCV、MCH、MCHC、網赤血球、白血球数及びPLT、グルコース、総タンパク質、アルブミン、グロブリンA/G比、コレステロール、トリグリセリド、HDL、LDL、BUN;ナトリウム、カリウム及び塩化物が含まれる。いずれの用量レベルでもいずれの性別においても尿検査パラメータに対する薬物関連の影響はなかった(表3、表4、表5)。尿量及び比重に時折差が見られたが、それらの散発性の性質及びこれらのエンドポイントの固有の変動性により、毒物学的に意味があるとは考えられなかった。試験した尿分析パラメータには、タンパク質(mg/dL)、色、透明度、グルコース(mg/dL)、ビリルビン、ケトン(mg/dL)、比重、血液、pH、ウロビリノーゲン(EU/dL)及び亜硝酸塩;白血球が含まれる(表6)。
最終剖検時に薬物関連の臓器重量変化は存在しなかった。肉眼的な病理学的所見は、両方の性別のMD及びHD動物の腹膜腔における白っぽい沈着物の出現を含んでいた。いずれの用量でもいずれの性別においても、観察した臓器のいずれにも薬物関連の顕微鏡所見は存在しなかった。HD群の動物の一部では、腹膜に対する薬物の局所的影響であり得る最小の腹膜炎が認められた。他のすべての顕微鏡所見は、用量依存性がなく、試験種におけるバックグラウンド所見と同様の所見が認識されたため、自発的/偶発的とみなされた(表7)。
結果は、0.1+3、0.5+15及び1.0+30mg/kg/日のレベルでのマウスにおけるCBDとJZL184との組み合わせの7日間連続腹腔内投与において、CBDとJZL184との組み合わせは1.0mg/kg CBD+30mg/kg JZL184まで良好に耐容され、無作用量(NOEL)は0.1mg/kg CBD+3.0mg/kg JZL184とみなすことができ、無毒性量(NOAEL)は0.5mg/kg CBD+15mg/kg JZL184とみなすことができることを示した(表8、表9)。
実験2:この研究の目的は、スイスマウスにおける7日間の反復腹腔内投与後のCBDとKML29との組み合わせの毒性を決定することであった。実験データを表10~表21に示す。若齢健常スイスマウス48匹(6~8週齢;31.07~34.92g(雄)、23.31~28.07g(雌))を4群に分け、各群は雄6匹及び雌6匹で構成された。マウスに、CBDとKML29の組み合わせを、それぞれ0.1+3(II群、LD)、0.5+15(III群、MD)及び1.0+30mg/kg(IV群、HD)で、腹腔内投与により7日間投与した。用量製剤は、CBD及びKML29のストック溶液を比1:1:18のエタノール、Alkamuls-620及び生理食塩水(0.9% NaCl)で希釈することによって毎日調製した。CBD及びKML29のストック溶液を、それぞれDMSO中20mg/mL及び50mg/mLで調製した。同時ビヒクル対照群(I群)には、10mL/kgの同等のレジメンでビヒクルを投与した。毒性の評価は、死亡率、臨床所見、体重、ならびに臨床及び解剖学的病理に基づいた。死亡及び臨床徴候について実験期間を通してマウスを観察し、体重は毎日測定した。屠殺日に、血液学、臨床化学用の血液試料及び尿を、様々なパラメータの分析のためにすべての生存マウスから採取した。最終的に生存したすべてのマウスについて肉眼検査を行った。組織を収集し、顕微鏡検査のために処理した。
結果は、CBDとKML29の組み合わせが最高試験用量まで良好に忍容されることを示した。薬物関連の死亡又は臨床徴候は、いずれの用量レベルでも認められなかった(表10)。処置期間を通して、平均体重及び平均体重増加に薬物関連の変化は認められなかった。中用量群及び高用量群におけるWBCのわずかな増加(主に好中球による)が観察された。臨床化学及び尿において薬物関連の変化は認められなかった。試験した臨床パラメータには、WBC、RBC、HB、HCT、MCV、MCH、MCHC、網状赤血球、白血球数及びPLT、グルコース、総タンパク質、アルブミン、グロブリンA/G比、コレステロール、トリグリセリド、HDL、LDL、BUN;ナトリウム、カリウム及び塩化物が含まれる(表13、表14、表15、表16、表17)。雄におけるグロブリンの統計学的に有意な変化(20~28%減少)(表15)及び雌におけるALPの統計学的に有意な変化(20~42%増加)(表16)が、すべての薬物処置群において認められ、用量依存性の欠如又は片性的のみに存在するために薬物とは無関係であると考えられた。尿を以下のパラメータについて分析した場合、処置に関連した変化は観察されなかった:タンパク質(mg/dL)、色、透明度、グルコース(mg/dL)、ビリルビン、ケトン(mg/dL)、比重、血液、pH、ウロビリノーゲン(EU/dL)及び亜硝酸塩;白血球。中用量(MD)雌(50%)及び高用量(HD)雄(42%)の脾臓の相対臓器重量の有意な増加が認められた(表18)。HD動物の脾臓上の白っぽい沈着物を除いて、薬物関連の肉眼的病理所見はいずれの用量でも観察されなかった。顕微鏡的に、漿膜炎症(腹膜炎)が、中用量動物及び高用量動物の両性の肝臓、腎臓及び脾臓の内臓腹膜に認められた。これは、試験アイテムが直接接触する腹膜に対する局所反応に起因し得る。
結果は、0.1+3、0.5+15及び1.0+30mg/kg/日レベルでのマウスにおけるCBDとKML29の組み合わせの7日間連続腹腔内投与において、CBDとKML29の組み合わせが1.0mg/kg CBD+30mg/kg KML29まで十分に忍容性であり、無作用量NOELは0.1mg/kg CBD+3.0mg/kg KML29とみなすことができることを示した。
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相乗効果の検出
(a)KML29及びCBD、ならびに(b)JZL184及びCBDの組み合わせの相互作用効果を、マウスのKML29単独又はJZL184単独、カンナビジオール単独、及び2つの組み合わせに対する応答レベルを比較することによって検出した。CBD+MAGL阻害剤で処置した群が、特定の濃度について個別のCBD及びMAGL阻害剤の相加効果を超えることを示す場合、相乗作用が観察される。
データを図3に示す。薬物の組合せは、CI<1の場合は相乗効果、CI>1の場合は拮抗作用、CI=1の場合は相加効果とみなされる。2剤併用のCBD+KML29及びCBD+JZl184は、すべての試験濃度で相乗的であるように見え、複数の作用機序が個々の薬物処置単独よりも併用の効力を増強したことを示している。CBD(0.1mg/kg)+KML29(3mg/kg)の合計用量のCI値は0.108であり、CBD(1mg/kg)+KML29(30mg/kg)は0.729であり、CBD(0.1mg/kg)+JZL184(3mg/kg)は0.76であり、CBD(0.1mg/kg)+JZL184(3mg/kg)は0.60であった。
製剤の調製
ベンゾジアゼピンジアゼパム(99%超)は、既知の活性医薬成分供給業者(例えば、R&D System,Inc.)によって提供された。MAGL阻害剤KML29及びJZL184(純度、>98%)は、既知の活性医薬成分供給業者(例えば、Cayman chemicals)によって提供された。
賦形剤及び安定剤は、BASF Canada、Rouquette Pharma又はCayman Chemical Co.などの既知の商業的供給業者から購入した。賦形剤及び安定剤は、製品の貯蔵寿命を最適化し、医薬品の優良製造基準の最高基準までの製品の高品質保証及び品質管理を確実にするために、有効活性成分が混合及び安定化されることを確実にする。これらの要素の各々によって暗示されるすべての利点が本発明の使用に必要であるわけではない。
成分は、科学技術分野で公知の方法を使用して、例えば以下に記載されるように、医薬品の良好な製造慣行のすべての品質保証及び品質管理基準を満たすように均一に混合された。
製剤は、ヒト等価用量(HED)の1mg~1000mgのCBDと、有効活性成分としてのHEDの0.1mg~500mgのMAGL阻害剤とを含有する錠剤形態であり得る。これらの有効活性成分は、最適化された製品貯蔵寿命及び用量の一貫性を確保するために、必要な賦形剤及び安定剤とブレンドされてもよい。CBDの投与量範囲は、0.1~150mg/kg体重であり得る。MAGL阻害剤の投与量範囲は、0.1~150mg/kg体重であり得る。MAGL阻害剤及びCBDを含む製剤の投与量範囲は、0.1~150mg/kgのJZL184及びKML29、ならびに0.1~150mg/kgのCBDであり得る。
他の実施形態は、同様の用量の有効活性成分を患者に送達し得るエアロゾル、液体、又はパッチである。
製品製剤の例としては、国際公開第2014127458号パンフレット[21]に記載されているように調製された薬剤の経粘膜送達用のナノエマルジョン形成組成物(%w/w)が挙げられる。簡単に説明すると、
ビヒクルは、レシチン及びアルコール(それぞれ6.5%)、D-アルファ-トコフェロール(2%)、ポリソルベート-20(18%)及びポリエトキシル化水素化ヒマシ油(22%)を含有するアセチル化モノグリセリド(45%)を溶解することによって調製され得る。
CBD及びMAGL阻害剤(用量は前臨床研究及びパイロット研究から決定される)を40℃でビヒクルに溶解し、密封し、冷蔵庫内の暗条件下で保存した。
製品製剤の別の例は、国際公開第2013098402号パンフレット[22][23]に記載されているように調製された経口送達用のカプセル形成組成物(カプセルの%w/w)を含む。簡単に説明すると、
工程1:無水ラクトース(28.0%)、MAGL阻害剤(用量は前臨床研究及びパイロット研究から決定すべきである0.01mg及び1000mg)及び一部(3.925%)のポリビニルN-ピロリドン(PVP)を混合し、適切なふるいに通してふるい分けした。この混合物に、微細フマル酸ステアリルナトリウム(1.25%)を添加してもよい。錠剤は、適切なパンチで圧縮することができる。
工程2:CBD(用量-前臨床から決定、1mg及び1000mg)、アルファ化デンプン(6.25%)、MAGL阻害剤(0.1mg~500mgの前臨床から決定されたヒト等価用量)及びPVPの残りの部分(5.0%)を均一に混合した。この粉末状混合物を微結晶性セルロース(Avicel PH102)(23.75%)に添加して、CBD顆粒を得ることができる。
工程3:MAGL阻害剤錠剤(工程1)及びCBD顆粒(工程2)の両方を、Zanasi 40Eカプセル充填機を使用して硬ゼラチンカプセルに充填することができる。
製品製剤の別の例としては、国際公開第2013098402号パンフレット[22]に記載されているように調製された経口送達用の二重層錠剤形成組成物(錠剤の%w/w)が挙げられる。簡単に説明すると、
工程1:MAGL阻害剤(前臨床研究及びパイロット研究から決定された用量)、0.01mg及び1000mg)及びマンニトールの一部(10.0%)をPVP(2.0%)と乾燥混合した。この混合物に、マンニトール(12.25%)、微結晶セルロース(19.0%)及びクロスカメロースナトリウム(6.0%)を添加し、混合した。最後に、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)を加えて混合し、錠剤プレス機を用いて錠剤層をプレスした。
工程2:CBD層の調製のために、CBD(用量は前臨床研究及びパイロット研究から決定することができ、1mg及び1000mg)及びポロキサマー188(6.0%)を混合し、適切なふるいに通した。この混合物に、マンニトール(6.0%)、微結晶セルロース(2.8%)及びPVP(3.0%)を添加し、適切なふるいに通した。最後に、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)を添加し、混合した。この得られた混合物は圧縮の準備ができていた。
工程3:二重層錠剤を、Fette102i錠剤プレス機を使用して、調製したMAGL阻害剤層(工程1)及びCBD層(工程2)から圧縮した。
参考文献
Figure 2022519873000029
すべての引用は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、1種又は2種以上の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、いくつかの変形及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。

Claims (23)

  1. 以下を組み合わせて含む、情動障害を治療するための製剤:
    i)有効量の、1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト、及び
    ii)有効量の1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤。
  2. 1種又は2種以上のCB受容体アゴニストと1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤との組み合わせが相乗的な組み合わせである、請求項1に記載の製剤。
  3. 1種又は2種以上のCB受容体アゴニストが1種又は2種以上のカンナビノイドである、請求項1又は2に記載の製剤。
  4. 1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤が、1種又は2種以上のモノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)阻害剤である、請求項1~3のいずれかに記載の製剤。
  5. 1種又は2種以上のカンナビノイドが、抗不安性カンナビノイドである、請求項3又は4に記載の製剤。
  6. 1種又は2種以上のカンナビノイドが、カンナビジオール(CBD)である、請求項3~5のいずれかに記載の製剤。
  7. 1種又は2種以上のMAGL阻害剤が、KML29、JZL184又はそれらの組み合わせである、請求項4~6のいずれかに記載の製剤。
  8. 情動障害が不安症を含む、請求項1~7のいずれかに記載の製剤。
  9. 不安症が、全般性不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載の製剤。
  10. 1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤が、前記1種又は2種以上のCB受容体アゴニスト及び/又は1種又は2種以上のセリンヒドロラーゼ酵素阻害剤の治療結果及び投与量削減を改善するのに有効な量で存在する、請求項1~9のいずれかに記載の製剤。
  11. CBDの有効量が0.01mg~1000mgの範囲である、請求項6~10のいずれかに記載の製剤。
  12. 1種又は2種以上のMAGL阻害剤の有効量が、0.01mg~1000mgの範囲である、請求項4~11のいずれかに記載の製剤。
  13. 請求項1~12のいずれかに記載の製剤と、生理学的に許容される界面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、平滑剤、懸濁剤、皮膜形成物質、及びコーティング助剤、又はそれらの組み合わせとを含む、不安症を治療するための医薬製剤。
  14. 請求項1~12のいずれかに記載の製剤又は請求項13に記載の医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することによって、情動障害を治療する方法。
  15. 治療が長期の治療期間を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 長期の治療期間が少なくとも21日間である、請求項15に記載の方法。
  17. 治療が、延長された治療期間を含む、請求項14に記載の方法。
  18. 延長された治療期間が、約1~約21日間の範囲の日数又は前記範囲における任意の日数を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 製剤が経粘膜的又は経口的に投与される、請求項14~18のいずれかに記載の方法。
  20. 経粘膜投与が舌下投与、口腔内投与、鼻への投与、眼への投与、膣への投与及び/又は直腸粘膜への投与である、請求項19に記載の方法。
  21. 製剤が、薬物安定剤/添加剤を含む適切なエアロゾル、液体、ゲル、フィルム、又は錠剤/固体薬物担体中で送達される、請求項14~20のいずれかに記載の方法。
  22. 情動障害が不安症を含む、請求項14~21のいずれかに記載の方法。
  23. 不安症が、全般性不安障害、恐怖症、パニック障害、パニック発作、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、分離不安障害、場面不安障害、ストレス又はそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の方法。
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