JP2022518212A - 操作されたトランスアミナーゼポリペプチド - Google Patents

操作されたトランスアミナーゼポリペプチド Download PDF

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スティーブン ミラー,
ビルギット コスジェク,
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Abstract

本発明は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよびその組成物、ならびに操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。トランスアミナーゼ酵素を生成するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、湿潤有機溶媒中、最小水性条件下で、改善された酵素特性を提供するように最適化される。特に、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム2に示されているように、湿潤有機溶媒中の最小水性条件で、基質メチル4-メチル-3-オキソ-ペンタノエート(本明細書では「化合物(2)」と称される)をその対応するキラルアミン生成物メチル(S)-3-アミノ-4-メチル-ペンタノエート(本明細書では「化合物(1)」と称される)に効率的に変換するために操作されている。

Description

本出願は、2019年1月15日に出願された米国特許出願第62/792,518号(これは、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
発明の分野
本開示は、薬学的およびファインケミカルアミン化合物の生産のための工業プロセス条件下で有用な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドに関する。
配列表、表またはコンピュータプログラムの参照
配列表の公式の写しは、「CX2-183WO1_ST25.txt」のファイル名、2020年1月10日の作成日および1.72メガバイトのサイズを有するASCIIフォーマットテキストファイルとしてEFS-Webを介して本明細書と併せて提出される。EFS-Webを介して提出される配列表は本明細書の一部であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
背景
トランスアミナーゼ(E.C.2.6.1)は、アミノ供与体化合物からアミノ受容体化合物のケト基へのアミノ基、電子対およびプロトンの転移を触媒する。トランスアミナーゼ反応は、キラルアミン生成物化合物の形成をもたらし得る。スキーム1に示されているように、アミノ受容体化合物(B)(これは、所望のキラルアミン生成物(D)のケト基質前駆体である)を、トランスアミナーゼの存在下でアミノ供与体化合物(A)と反応させる。トランスアミナーゼは、アミノ受容体化合物(B)のケト基へのアミノ供与体化合物(A)の第1級アミン基の転移を触媒する。トランスアミナーゼ反応は、キラルアミン生成物化合物(D)(RはRと同じものではないと想定する)およびケト基を有する新たなアミノ受容体副生成物(または「カルボニル副生成物」)化合物(C)をもたらす。
スキーム1
Figure 2022518212000001
キラルアミン化合物は、広範囲の商業的に望まれる化合物、例えばセファロスポリンまたはピロリジン誘導体の調製のための中間体またはシントンとして製薬産業、農薬産業および化学産業で頻繁に使用される。典型的には、キラルアミン化合物のこれらの工業的適用は、1つの特定の立体異性型の分子のみを使用することを伴い、例えば、(R)または(S)エナンチオマーのみが生理学的に活性である。トランスアミナーゼは高度に立体選択的であり、光学的に純粋なキラルアミン化合物の合成のための多くの潜在的な工業的用途を有する。
キラルアミン化合物を作製するためのトランスアミナーゼの使用の例としては、アミノ酸のエナンチオマー富化(例えば、Shinら、2001,Biosci.Biotechnol.Biochem.65:1782-1788;Iwasakiら、2003,Biotech.Lett.25:1843-1846;Iwasakiら、2004,Appl.Microb.Biotech.69:499-505,Yunら、2004,Appl.Environ.Microbiol.70:2529-2534;およびHwangら、2004,Enzyme Microbiol.Technol.34:429-426を参照のこと);プレガバリンの中間体および前駆体の調製(例えば、国際公開第2008/127646号);シクロパミン類似体の酵素的アミノ基転移(例えば、国際公開第2011/017551号);β-アミノ酸の立体特異的合成およびエナンチオマー富化(例えば、国際公開第2005/005633号);アミンのエナンチオマー富化(例えば、米国特許第4,950,606号;米国特許第5,300,437号;および米国特許第5,169,780号);アミノ酸および誘導体の生産(例えば、米国特許第5,316,943号;米国特許第4,518,692号;米国特許第4,826,766号;米国特許第6,197,558号;および米国特許第4,600,692号);ならびに医薬化合物、シタグリプチン、リバスチグミンおよびベルナカラントの生産(例えば、2012年10月23日に発行された米国特許第8,293,507号;Savile,ら、2010,“Biocatalytic asymmetric synthesis of chiral amines from ketones applied to sitagliptin manufacture,”Science 329(5989):305-9;2011年12月22日に公開された国際公開第2011/159910号;および2011年2月23日に公開された国際公開第2012/024104号を参照のこと)が挙げられる。
スキーム1の反応を触媒する能力を有する野生型トランスアミナーゼは、限定されないが、Alcaligenes denitrificans、Bordetella bronchiseptica、Bordetella parapertussis、Brucella melitensis、Burkholderia malle、Burkholderia pseudomallei、Chromobacterium violaceum、Oceanicola granulosus HTCC2516、Oceanobacter sp.RED65、Oceanospirillum sp.MED92、Pseudomonas putida、Ralstonia solanacearum、Rhizobium meliloti、Rhizobium sp.(株NGR234)、Bacillus thuringensis、Klebsiella pneumonia、Vibrio fluvialis(例えば、Shinら、2001,Biosci.Biotechnol,Biochem.65:1782-1788を参照のこと)およびArthrobacter sp.KNK168(例えば、Iwasakiら、Appl.Microbiol.Biotechnol.,2006,69:499-505、米国特許第7,169,592号を参照のこと)を含む様々な微生物から単離されている。例えば、Ralstonia solanacearum(Genbank受託番号YP_002257813.1、GI:207739420)、Burkholderia pseudomallei 1710b(Genbank受託番号ABA47738.1、GI:76578263)、Bordetella petrii(Genbank受託番号AM902716.1、GI:163258032)、Vibrio fluvialis JS17(Genbank受託番号AEA39183.1、GI:327207066)およびArthrobacter sp.KNK168(GenBank受託番号BAK39753.1、GI:336088341)を含むこれらの野生型トランスアミナーゼ遺伝子およびコードされるポリペプチドのいくつかは配列決定されている。クラスEC2.6.1.18およびEC2.6.1-19の少なくとも2つの野生型トランスアミナーゼは結晶化され、構造的に特性評価されている(例えば、Yonahaら、1983,Agric.Biol.Chem.47(10):2257-2265を参照のこと)。
立体選択的に(R)-選択的または(S)-選択的であるトランスアミナーゼが公知である。例えば、Arthrobacter sp.KNK168由来の野生型トランスアミナーゼは(R)-選択的であると考えられ、ある特定の基質から(R)-アミン化合物を主に産生するのに対して(例えば、Iwasakiら、Appl.Microbiol.Biotechnol.,2006,69:499-505、米国特許第7,169,592号を参照のこと)、Vibrio fluvialis JS17由来の野生型トランスアミナーゼは(S)-選択的であると考えられ、ある特定の基質から(S)-アミン化合物を主に産生する(例えば、Shinら、“Purification,characterization,and molecular cloning of a novel amine:pyruvate transaminase from Vibrio fluvialis JS17,”Appl.Microbiol.Biotechnol.61(5-6),463-471(2003)を参照のこと)。
(R)-選択性、増加した溶媒安定性および熱安定性、ならびに広範囲のアミノ受容体基質の変換のための他の改善された特性を有する天然に存在しないトランスアミナーゼは、野生型および他の操作されたトランスアミナーゼ骨格配列の変異誘発および/または定向進化により生成されている(例えば、2012年10月23日に発行された米国特許第8,293,507号;2011年1月13日に公開された国際公開第2011/005477A1号;2012年2月23日に公開された国際公開第2012/024104号;およびSavile,ら、2010,“Biocatalytic asymmetric synthesis of chiral amines from ketones applied to sitagliptin manufacture,”Science 329(5989):305-9を参照のこと)。
野生型トランスアミナーゼは、一般に、キラルアミン化合物の調製における商業的適用に望ましくない特性、例えば、工業的に有用なプロセス条件(例えば、溶媒、温度)に対する不安定性、商業的に有用なアミノ受容体および/またはアミノ供与体基質についての不十分な認識および立体選択性、ならびに望ましくない反応平衡による低い生成物収率を有する。
特に、トランスアミナーゼ反応は、一般に、高pHの水性条件下で行われる。典型的な水性反応条件は、多くの場合、低い基質溶解度をもたらし、有機共溶媒を必要とする。水性条件下における反応は、多くの場合、生成物および基質不安定性により複雑化される。多くの場合、反応混合物の塩基性化および有機溶媒によるアミン生成物の抽出などのさらなるプロセス工程が必要とされる。
国際公開第2008/127646号 国際公開第2011/017551号
Shinら、2001,Biosci.Biotechnol.Biochem.65:1782-1788 Iwasakiら、2003,Biotech.Lett.25:1843-1846 Iwasakiら、2004,Appl.Microb.Biotech.69:499-505 Yunら、2004,Appl.Environ.Microbiol.70:2529-2534 Hwangら、2004,Enzyme Microbiol.Technol.34:429-426
本発明は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよびその組成物、ならびに操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。トランスアミナーゼ酵素を生成するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、湿潤有機溶媒中の最小水性条件下で、改善された酵素特性を提供するように最適化される。本開示のトランスアミナーゼポリペプチドは、(アミノ酸配列番号2の)以前に操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと比較して1つまたはそれを超える残基差異を有するように操作されており、以前に操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと比べて改善された酵素特性に関連する(例えば、2012年10月23日に発行された米国特許第8,293,507号;2011年1月13日に公開されたPCT公開WO2011005477A1号および2012年2月23日に公開されたPCT公開WO2012024104号を参照のこと)。アミノ残基差異は、とりわけ、活性、立体選択性、安定性、発現、生成物耐性および湿潤有機溶媒中の熱活性を含む様々な酵素特性の改善をもたらす残基位置に位置する。
特に、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、スキーム2に示されているように、湿潤有機溶媒中の最小水性条件で、基質メチル4-メチル-3-オキソ-ペンタノエート(本明細書では「化合物(2)」と称される)をその対応するキラルアミン生成物メチル(S)-3-アミノ-4-メチル-ペンタノエート(本明細書では「化合物(1)」と称される)に効率的に変換するために操作されている。
スキーム2
Figure 2022518212000002
しかしながら、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの進化した構造特徴はまた、スキーム3に示されているように、一連の式(II)のケトエステル基質化合物(化合物(2)以外の化合物を含む)から式(I)のそれらの対応するキラルアミン生成物化合物(化合物(1)以外の化合物を含む)への生体触媒変換を可能にする。
スキーム3
Figure 2022518212000003
式中、
Zは、1つまたはそれを超えるヒドロキシ、シアノまたはニトロ基で必要に応じて置換された直鎖C1-6アルキルまたは分枝鎖C1-6アルキルであり;ならびに
は、C1-6アルキル、アリール-C1-2アルキル、ヘテロアリール-C1-2アルキル、またはO、S、およびNから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員複素環式環系であり、前記複素環式環は置換されていないか、またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルコキシおよびC1-4アルキルから独立して選択される1~3個の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、反対のエナンチオマーに対して少なくとも70%のエナンチオマー過剰率で、でマークされているステレオジェン中心において示されている立体化学的配置を有する式(I)の化合物への式(II)の化合物の生体触媒変換をすることができる。
本発明は、配列番号2、6、332、518および/または656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含むトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドまたはその機能的断片であって、前記操作されたポリペプチドが、前記ポリペプチド配列において少なくとも1つの置換または置換セットを含むポリペプチドを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号2、6、332、518および/または656を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドまたはその機能的断片を提供する。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号2である。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号6である。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号332である。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号518である。いくつかの実施形態では、参照配列は配列番号656である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド配列は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドは、284および284/155から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号2を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、284Aおよび284A/155Wから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号2を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、G284AおよびG284A/L155Wから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号2を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、5/35、9、9/20/23/24/134/244、9/20/23/101/244、9/20/24/101/244/249、9/23/24、9/23/24/29/244、9/23/24/101/262、9/23/24/244/262、9/23/29、9/24/244、9/24/244/262、9/24/249、9/45/89/93、9/79/101/244、9/82/89、9/89/246、9/89/271、9/93/142/246、9/101/244、9/110/302、9/244/249、9/244/262/264、9/246、9/262、15、15/16/18/20/89/93/160、15/24/26/89/93/160、15/35/273、15/218/273、15/249/273、16、17/25、17/25/41、17/25/160、17/160、18、18/26/246/273、18/146、18/146/168、18/146/262、18/168、18/168/244、18/168/262/324、18/244、18/244/246、18/244/246/284、18/244/248、18/244/262/273、18/244/273、18/262、18/273、20、20/23/24/55/134/244/262、20/23/134/244、20/24/89/197、20/33/160、20/324、22、22/102、22/160、23、23/25/55/321、23/25/102/142、23/102、23/321、24、25、25/33、25/104、25/160、25/321、26、26/273、29、29/89、32、33、35、35/215/218/249、35/218/249/273、35/221、40、40/168/208/244、40/244/248、41、41/102、42、45、46、50、55、56、71/102、74、79、82、82/244、89、89/93/156/324、89/93/321/324、90、93、93/324、95、98、101、101/160/244/249、102、104、106、111、114、117、119、134、134/244、134/262、139、140/266、142、142/321、145、146、146/244、146/273、156、160、160/215/216/218、160/273、168、168/244/273、179、186、186/200、197、203、207、208、208/246、215、215/216/249、216、216/273、218、218/249、218/313、234、236、244、244/248、244/248/284、244/273、246、246/248/273、248、249、249/273、256、262、264、265、266、271、273、284、301、316、320、321、324、および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号6を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、5T/35Y、9H、9H/45L/89Q/93H、9H/82S/89Q、9H/89Q/246L、9H/89Q/271C、9H/93H/142M/246L、9H/110V/302F、9H/246L、9T、9T/20T/23Q/24F/134S/244G、9T/20T/23Q/101S/244L、9T/20T/24F/101S/244G/249G、9T/23Q/24F、9T/23Q/24F/29M/244G、9T/23Q/24F/101S/262V、9T/23Q/24F/244L/262T、9T/23Q/29M、9T/24F/244G、9T/24F/244G/262T、9T/24F/249G、9T/79G/101S/244G、9T/101S/244G、9T/244G/249G、9T/244G/262T/264N、9T/262T、15I、15I/16I/18R/20H/89M/93M/160L、15I/24P/26P/89M/93M/160L、15T、15T/35G/273K、15T/218R/273K、15T/249M/273K、16I、17I/25R、17I/25R/41F、17I/25R/160V、17I/160V、18G、18G/26H/246V/273T、18G/146L、18G/146L/262V、18G/168P、18G/244G、18G/244G/248M、18G/244L/273V、18G/273T、18G/273V、18K、18K/146L、18K/146L/168P、18K/168P、18K/168P/244L、18K/168P/262V/324W、18K/244G/246V、18K/244G/246V/284G、18K/244L、18K/244L/246V、18K/244T/262V/273T、18K/262V、18K/273T、18R、20H、20H/24P/89M/197T、20H/33L/160L、20H/324C、20T、20T/23Q/24F/55F/134G/244G/262T、20T/23Q/134S/244G、22H、22L、22L/102L、22L/160V、22W、23H、23H/25R/55L/321Y、23H/25R/102L/142L、23H/102L、23H/321Y、23Q、24D、24F、24P、25R、25R/33M、25R/104V、25R/160V、25R/321Y、26H/273K、26P、29K、29K/89Q、29M、32L、32S、33L、33M、33S、35G、35G/215L/218R/249T、35G/218R/249T/273K、35G/221D、40M、40M/168P/208L/244G、40M/244G/248M、41F/102L、41K、41Y、42T、45L、46C、50T、55F、55G、55K、55S、56R、71Y/102P、74A、79G、79H、82P、82S/244D、82T、89L、89M、89M/93M/156L/324C、89M/93M/321V/324C、89Q、89W、90A、90C、90S、90T、93H、93M、93M/324C、93P、95P、95T、98M、101L、101L/160Y/244E/249M、101S、102L、104I、104S、106S、111L、111T、114T、117D、119A、134G、134G/244L、134G/262V、134S、139A、140N/266N、142L/321Y、142T、145N、146A、146A/244D、146H、146I、146L、146L/244L、146L/273V、156E、156L、156T、160A、160L、160V、160Y、160Y/215L/216G/218R、160Y/273K、168P、168P/244L/273T、179R、186R、186R/200R、197L、197T、203P、207Y、208K、208L、208L/246V、208P、208R、215L、215L/216G/249M、216G、216P、216P/273V、216S、218N/313H、218R、218R/249M、218S、234H、236T、244E、244G、244G/248M、244G/248M/284G、244L、244L/273C、244L/273V、244T、246A、246L、246V、246V/248M/273V、248M、248V、249G、249M、249M/273K、249T、256C、262L、262P、262T、262V、264A、264E、264G、264N、264P、264R、264W、265R、266G、266S、271C、273L、273M、273T、273V、284G、301E、301M、316R、320R、320W、321L、321V、321Y、324C、324V、324W、および329Rから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号6を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、A5T/A35Y、E9H、E9H/F45L/S89Q/S93H、E9H/D82S/S89Q、E9H/S89Q/I246L、E9H/S89Q/E271C、E9H/S93H/K142M/I246L、E9H/L110V/V302F、E9H/I246L、E9T、E9T/Y20T/Y23Q/S24F/T134S/P244G、E9T/Y20T/Y23Q/T101S/P244L、E9T/Y20T/S24F/T101S/P244G/K249G、E9T/Y23Q/S24F、E9T/Y23Q/S24F/D29M/P244G、E9T/Y23Q/S24F/T101S/A262V、E9T/Y23Q/S24F/P244L/A262T、E9T/Y23Q/D29M、E9T/S24F/P244G、E9T/S24F/P244G/A262T、E9T/S24F/K249G、E9T/R79G/T101S/P244G、E9T/T101S/P244G、E9T/P244G/K249G、E9T/P244G/A262T/L264N、E9T/A262T、D15I、D15I/T16I/L18R/Y20H/S89M/S93M/F160L、D15I/S24P/Y26P/S89M/S93M/F160L、D15T、D15T/A35G/Y273K、D15T/L218R/Y273K、D15T/K249M/Y273K、T16I、G17I/D25R、G17I/D25R/I41F、G17I/D25R/F160V、G17I/F160V、L18G、L18G/Y26H/I246V/Y273T、L18G/Q146L、L18G/Q146L/A262V、L18G/H168P、L18G/P244G、L18G/P244G/R248M、L18G/P244L/Y273V、L18G/Y273T、L18G/Y273V、L18K、L18K/Q146L、L18K/Q146L/H168P、L18K/H168P、L18K/H168P/P244L、L18K/H168P/A262V/L324W、L18K/P244G/I246V、L18K/P244G/I246V/A284G、L18K/P244L、L18K/P244L/I246V、L18K/P244T/A262V/Y273T、L18K/A262V、L18K/Y273T、L18R、Y20H、Y20H/S24P/S89M/R197T、Y20H/P33L/F160L、Y20H/L324C、Y20T、Y20T/Y23Q/S24F/I55F/T134G/P244G/A262T、Y20T/Y23Q/T134S/P244G、T22H、T22L、T22L/Q102L、T22L/F16


0V、T22W、Y23H、Y23H/D25R/I55L/P321Y、Y23H/D25R/Q102L/K142L、Y23H/Q102L、Y23H/P321Y、Y23Q、S24D、S24F、S24P、D25R、D25R/P33M、D25R/E104V、D25R/F160V、D25R/P321Y、Y26H/Y273K、Y26P、D29K、D29K/S89Q、D29M、N32L、N32S、P33L、P33M、P33S、A35G、A35G/G215L/L218R/K249T、A35G/L218R/K249T/Y273K、A35G/E221D、W40M、W40M/H168P/E208L/P244G、W40M/P244G/R248M、I41F/Q102L、I41K、I41Y、G42T、F45L、V46C、E50T、I55F、I55G、I55K、I55S、F56R、H71Y/Q102P、N74A、R79G、R79H、D82P、D82S/P244D、D82T、S89L、S89M、S89M/S93M/Q156L/L324C、S89M/S93M/P321V/L324C、S89Q、S89W、N90A、N90C、N90S、N90T、S93H、S93M、S93M/L324C、S93P、R95P、R95T、P98M、T101L、T101L/F160Y/P244E/K249M、T101S、Q102L、E104I、E104S、K106S、E111L、E111T、A114T、E117D、R119A、T134G、T134G/P244L、T134G/A262V、T134S、D139A、I140N/D266N、K142L/P321Y、K142T、P145N、Q146A、Q146A/P244D、Q146H、Q146I、Q146L、Q146L/P244L、Q146L/Y273V、Q156E、Q156L、Q156T、F160A、F160L、F160V、F160Y、F160Y/G215L/D216G/L218R、F160Y/Y273K、H168P、H168P/P244L/Y273T、P179R、Q186R、Q186R/Q200R、R197L、R197T、H203P、F207Y、E208K、E208L、E208L/I246V、E208P、E208R、G215L、G215L/D216G/K249M、D216G、D216P、D216P/Y273V、D216S、L218N/R313H、L218R、L218R/K249M、L218S、V234H、R236T、P244E、P244G、P244G/R248M、P244G/R248M/A284G、P244L、P244L/Y273C、P244L/Y273V、P244T、I246A、I246L、I246V、I246V/R248M/Y273V、R248M、R248V、K249G、K249M、K249M/Y273K、K249T、E256C、A262L、A262P、A262T、A262V、L264A、L264E、L264G、L264N、L264P、L264R、L264W、A265R、D266G、D266S、E271C、Y273L、Y273M、Y273T、Y273V、A284G、G301E、G301M、E316R、E320R、E320W、P321L、P321V、P321Y、L324C、L324V、L324W、およびQ329Rから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号6を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号6と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号6と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、9/89/93/101/160、9/89/160、33、35、44、49、74、89、89/93/160/249、107、108、117、140、141、142、144、156、168、203、207、234、270、273、274、292、296、297、300、302、305、317、319、321、323、327、および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号332を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、9H/89M/93M/101S/160Y、9H/89Q/160Y、33N、35H、35M、44T、49P、74K、74R、89L、89M/93M/160V/249M、89V、89W、107M、107R、107V、108L、117D、140L、140M、140S、141A、141H、142N、142S、144A、156C、156T、168P、168R、203L、207G、234I、234T、270R、270S、273L、274A、274G、292T、296M、296V、296W、297L、297T、300T、302I、302L、302Q、305Q、305T、317W、319T、321A、321S、321T、323R、323V、327H、327Q、327S、329R、および329Vから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号332を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、E9H/S89M/S93M/T101S/F160Y、E9H/S89Q/F160Y、P33N、A35H、A35M、A44T、S49P、N74K、N74R、S89L、S89M/S93M/F160V/K249M、S89V、S89W、E107M、E107R、E107V、I108L、E117D、I140L、I140M、I140S、T141A、T141H、K142N、K142S、R144A、Q156C、Q156T、H168P、H168R、H203L、F207G、V234I、V234T、A270R、A270S、Y273L、D274A、D274G、S292T、N296M、N296V、N296W、S297L、S297T、D300T、V302I、V302L、V302Q、P305Q、P305T、L317W、V319T、P321A、P321S、P321T、S323R、S323V、P327H、P327Q、P327S、Q329R、およびQ329Vから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号332を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、35/273、46/273、111/159/273、159、159/273、174、199、273および287から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号518を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、35H/273L、46L/273L、111Q/159D/273L、159D、159D/273L、174G、199L、273L、および287Pから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号518を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、A35H/Y273L、V46L/Y273L、E111Q/P159D/Y273L、P159D、P159D/Y273L、S174G、I199L、Y273L、およびV287Pから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号518を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、前記操作されたポリペプチドは、配列番号332の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドは、23/29/55、34、44、74、92、108、117、140、141、144、156、160、168、215、256、269、270、274、292、296、302、319、323、および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号332を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、23Y/29Y/55K、34Y、44N、74K、74R、92D、108L、117R、140L、141H、144V、156T、160V、160W、160Y、168Q、215A、215S、215T、256G、269T、270Q、270S、274A、292T、296M、296V、296Y、302L、302Q、302S、319R、323L、329R、および329Vから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号332を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、Q23Y/D29Y/I55K、L34Y、A44N、N74K、N74R、E92D、I108L、E117R、I140L、T141H、R144V、Q156T、F160V、F160W、F160Y、H168Q、G215A、G215S、G215T、E256G、P269T、A270Q、A270S、D274A、S292T、N296M、N296V、N296Y、V302L、V302Q、V302S、V319R、S323L、Q329R、およびQ329Vから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号332を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号332と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、前記操作されたポリペプチドは、配列番号518の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドは、34/74/92、35/273/323、39、46/273、48、55、74/92、126、133、138、150、160/215/329、178、199、207、273および292から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号518を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、34Y/74K/92D、35H/273L/323R、39G、46L/273L、48G、55V、74K/92D、126L、126V、133T、138A、150W、160V/215S/329R、178S、199L、207Y、273L、および292Tから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号518を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、L34Y/N74K/E92D、A35H/Y273L/S323R、A39G、V46L/Y273L、P48G、I55V、N74K/E92D、T126L、T126V、S133T、R138A、F150W、Y160V/G215S/Q329R、T178S、I199L、F207Y、Y273L、およびS292Tから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号518を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号518と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、前記操作されたポリペプチドは、配列番号656の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドは、18、35/39/55/138/150、35/39/55/150、35/39/126/150/273、35/39/133、35/39/133/150/273、35/39/150、35/39/150/273、35/133/178、35/138/150/273、35/150/273、35/178/273、35/273、39、39/55/150/178/273、39/55/150/273、39/126/150、39/133/150、39/133/178/273、39/133/273、39/150/178、39/150/178/207、39/150/178/207/273、39/150/273、39/178、39/178/273、39/207、39/207/273、39/273、44、55、55/150、88、126、126/133/178、126/138/178、126/178/207、132、138/150/178、141、150、150/178/273/323、150/178/323、150/207/273、150/273、168、178/273、239、261、263、269、273、297、および312から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号656を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、18R、35H/39G/55V/138A/150W、35H/39G/55V/150W、35H/39G/126V/150W/273L、35H/39G/133T、35H/39G/133T/150W/273L、35H/39G/150W、35H/39G/150W/273L、35H/133T/178S、35H/138A/150W/273L、35H/150W/273L、35H/178S/273L、35H/273L、39G、39G/55V/150W/178S/273L、39G/55V/150W/273L、39G/126V/150W、39G/133T/150W、39G/133T/178S/273L、39G/133T/273L、39G/150W/178S、39G/150W/178S/207Y、39G/150W/178S/207Y/273L、39G/150W/273L、39G/178S、39G/178S/273L、39G/207Y、39G/207Y/273L、39G/273L、44L、44Q、55F、55V、55V/150W、88W、126V、126V/133T/178S、126V/138A/178S、126V/178S/207Y、132D、132E、138A/150W/178S、141S、150W、150W/178S/273L/323R、150W/178S/323R、150W/207Y/273L、150W/273L、168D、178S/273L、239N、261R、263E、269V、273L、297E、297R、および312Aから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号656を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、L18R、A35H/A39G/I55V/R138A/F150W、A35H/A39G/I55V/F150W、A35H/A39G/T126V/F150W/Y273L、A35H/A39G/S133T、A35H/A39G/S133T/F150W/Y273L、A35H/A39G/F150W、A35H/A39G/F150W/Y273L、A35H/S133T/T178S、A35H/R138A/F150W/Y273L、A35H/F150W/Y273L、A35H/T178S/Y273L、A35H/Y273L、A39G、A39G/I55V/F150W/T178S/Y273L、A39G/I55V/F150W/Y273L、A39G/T126V/F150W、A39G/S133T/F150W、A39G/S133T/T178S/Y273L、A39G/S133T/Y273L、A39G/F150W/T178S、A39G/F150W/T178S/F207Y、A39G/F150W/T178S/F207Y/Y273L、A39G/F150W/Y273L、A39G/T178S、A39G/T178S/Y273L、A39G/F207Y、A39G/F207Y/Y273L、A39G/Y273L、A44L、A44Q、I55F、I55V、I55V/F150W、F88W、T126V、T126V/S133T/T178S、T126V/R138A/T178S、T126V/T178S/F207Y、S132D、S132E、R138A/F150W/T178S、T141S、F150W、F150W/T178S/Y273L/S323R、F150W/T178S/S323R、F150W/F207Y/Y273L、F150W/Y273L、H168D、T178S/Y273L、G239N、E261R、I263E、P269V、Y273L、S297E、S297R、およびR312Aから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号656を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号656と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号656と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有する操作されたポリペプチドであって、前記操作されたポリペプチドは、9/20/23/39/55/89/134/150/155/160/178/199/244/273/284、9/20/23/89/134/155/160/199/244/284、9/20/23/89/134/155/160/244/284、20/23/134/155/244/284、および155/284から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号2を基準にしてナンバリングされる操作されたポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、9H/20T/23Q/39G/55V/89Q/134S/150W/155W/160Y/178S/199L/244G/273L/284A、9H/20T/23Q/89Q/134S/155W/160Y/199L/244G/284A、9H/20T/23Q/89Q/134S/155W/160Y/244G/284A、20T/23Q/134S/155W/244G/284A、および155W/284Aから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号2を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、操作されたポリペプチドのポリペプチド配列は、E9H/Y20T/Y23Q/A39G/I55V/S89Q/T134S/F150W/L155W/F160Y/T178S/I199L/P244G/Y273L/G284A、E9H/Y20T/Y23Q/S89Q/T134S/L155W/F160Y/I199L/P244G/G284A、E9H/Y20T/Y23Q/S89Q/T134S/L155W/F160Y/P244G/G284A、Y20T/Y23Q/T134S/L155W/P244G/G284A、およびL155W/G284Aから選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置は、配列番号2を基準にしてナンバリングされる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、配列番号2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含む。
本開示のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドのいくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で、化合物(2)の基質を化合物(1)の生成物に変換することができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で、配列番号2の活性の少なくとも1倍、2倍、3倍、5倍、7倍、10倍、12倍、15倍、20倍またはそれを超える活性で、化合物(2)を化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で、配列番号2と比べて増加した活性で、化合物(2)を化合物(1)に変換することができ、適切な反応条件は、少なくとも20g/Lの負荷での化合物(1)、湿潤酢酸イソプロピル(IPAc)、0.55Mイソプロピルアミン(IPM)および50℃を含む。
本開示のいくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは固体支持体に固定され、必要に応じて、固体支持体は、エポキシド官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシド官能基を有するポリメタクリレート、オクタデシル官能基を有するスチレン/DVBコポリマーまたはポリメタクリレートを含むビーズまたは樹脂から選択される。
本発明はまた、少なくとも1つの本明細書で提供される操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号1、5、331、517および/または655と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号1、5、331、517および/または655と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含み、前記操作されたポリペプチドのポリヌクレオチド配列は、1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換を含む。いくつかのさらなる実施形態では、少なくとも1つの操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号1、5、331、517および/または655ならびに/またはそれらの機能的断片と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を含む。いくつかのさらなる実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、配列番号3~845の奇数番号配列に記載されているポリヌクレオチド配列を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、操作されたポリヌクレオチド配列は、制御配列に作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、制御配列はプロモーターを含む。いくつかのさらなる実施形態では、プロモーターは異種プロモーターである。いくつかのさらなる実施形態では、制御配列は、1つを超える制御配列を含む。いくつかの実施形態では、制御配列の1つはプロモーターを含み、他の制御配列は異なる制御配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたポリヌクレオチド配列はコドン最適化される。本発明はまた、少なくとも1つの本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターを提供する。本発明はまた、少なくとも1つの本明細書で提供される発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、少なくとも1つの本明細書で提供されるポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は原核細胞であり、他のいくつかの実施形態では、宿主細胞は真核細胞である。いくつかのさらなる実施形態では、宿主細胞は大腸菌である。
本発明はまた、宿主細胞において操作されたトランスアミナーゼを産生する方法であって、少なくとも1つの本明細書で提供される操作されたトランスアミナーゼが産生されるように、適切な条件下の培養培地中で、本明細書で提供される宿主細胞を培養することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、前記方法は、培養培地および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたトランスアミナーゼを回収する工程をさらに含む。いくつかのさらなる実施形態では、前記方法は、本発明の方法を使用して得られた少なくとも1つのトランスアミナーゼを精製する工程をさらに含む。
本開示はまた、広範囲のキラルアミン化合物の調製のために本明細書に開示される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用するためのプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、反対のエナンチオマーに対して少なくとも70%のエナンチオマー過剰率で、でマークされているステレオジェン中心において示されている立体化学的配置を有する構造式(I)の化合物:
Figure 2022518212000004
(式中、
Zは、1つまたはそれを超えるヒドロキシ、シアノまたはニトロ基で必要に応じて置換された直鎖C1-6アルキルまたは分枝鎖C1-6アルキルであり;ならびに
は、C1-6アルキル、アリール-C1-2アルキル、ヘテロアリール-C1-2アルキル、またはO、S、およびNから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員複素環式環系であり、前記複素環式環は置換されていないか、またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルコキシおよびC1-4アルキルから独立して選択される1~3個の置換基で置換されている)
を調製するためのプロセスであって、適切な反応条件下、アミノ基供与体の存在下で、構造式(II)のプロキラルケトエステル:
Figure 2022518212000005
を本明細書に開示される操作されたポリペプチドと接触させる工程を含むプロセスを提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(1):
Figure 2022518212000006
を調製するプロセスであって、適切な反応条件下、アミノ基供与体の存在下で、化合物(2)の基質:
Figure 2022518212000007
を本明細書に開示される操作されたポリペプチドと接触させる工程を含むプロセスを提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作されたポリペプチドを使用するプロセスであって、式(I)のキラルアミン化合物または化合物(1)が、少なくとも70%、80%、90%、97%、98%、99%またはそれを超えるエナンチオマー過剰率で生成されるプロセスが行われ得る。
式(I)の化合物または化合物(1)の調製のために操作されたポリペプチドを使用する本明細書に開示されるプロセスはいずれも、限定されないが、ある範囲のアミノ基供与体、温度、湿潤有機溶媒系、基質負荷、ポリペプチド負荷、補因子負荷および反応時間を含む一連の適切な反応条件下で行われ得る。一例において、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または化合物(1)の調製であって、適切な反応条件が、(a)約10~220g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2))の基質負荷;(b)約0.5g/L~25g/Lの操作されたポリペプチド;(c)約0.1~3MのIPM濃度;(d)湿潤有機溶媒;および(e)約30℃~60℃の温度を含む調製が行われ得る。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、(a)約20g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2));(b)約20g/Lの操作されたポリペプチド;(c)湿潤IPAc;(d)約0.55M IPM;および(e)約50℃を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作されたポリペプチドを使用するプロセスであって、アミノ基供与体が、IPM、アラニン、3-アミノ酪酸またはメチルベンジルアミンから選択されるプロセスが行われ得る。いくつかの実施形態では、アミノ基供与体はIPMである。
いくつかの実施形態では、湿潤有機溶媒は、湿潤IPAc、湿潤トルエン、湿潤メチル第3ブチルエーテル(MTBE)、湿潤アセトニトリル(MeCN)または湿潤イソプロピルアルコール(IPA)から選択される。いくつかの実施形態では、湿潤有機溶媒は湿潤IPAcである。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作されたポリペプチドを使用するプロセスであって、反応から式(I)の生成物化合物または化合物(1)を単離するさらなる工程を含むプロセスが行われ得る。
操作されたポリペプチドの選択、それらの調製、基質の選択および前記方法行うためのパラメータに関するさらなる指針は、以下のより詳細な説明および実施例にさらに記載されている。
発明の説明
本発明は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよびその組成物、ならびに操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。トランスアミナーゼ酵素を生成するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、湿潤有機溶媒中の最小水性条件下で、改善された酵素特性を提供するように最適化される。
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、一般に、本発明が関係する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書で使用される命名法、ならびに以下に記載される細胞培養、分子遺伝学、微生物学、有機化学、分析化学および核酸化学の実験手順は当技術分野で周知であり、一般的に用いられているものである。このような技術は周知であり、当業者に周知の多数のテキストおよび参考文献に記載されている。標準的な技術またはその改変は、化学合成および化学分析に使用される。したがって、以下の用語は、本明細書で提供される意味を有することを意図する。
本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の適切な方法および材料が本発明の実施において使用されるが、いくつかの方法および材料が本明細書に記載される。記載されている特定の方法論、プロトコールおよび試薬は、それらが当業者により使用される状況に応じて変動し得るので、本発明はこれらに限定されないことを理解すべきである。したがって、直後で定義される用語は、全体として本発明を参照することによってより十分に記載される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は両方とも例示的かつ説明的なものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。本書で使用されているセクションの見出しは構成目的にすぎず、記載されている主題を制限すると解釈されるべきではない。数値範囲は、範囲を規定する数字を含む。したがって、本明細書に開示されるあらゆる数値範囲は、このようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明記されているかのように、このようなより広い数値範囲内のあらゆるより狭い数値範囲を包含することを意図する。本明細書に開示されるあらゆる最大(または最小)数値限定は、このようなより低い(またはより高い)数値限定が本明細書に明記されているかのように、あらゆるより低い(またはより高い)数値限定を含むことも意図する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」および「the」という単数形は、文脈上特に明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド」への言及は、1つを超えるポリペプチドを含む。
同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(have)」および「有する(having)」は互換的であり、限定的であることを意図しない。したがって、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という用語およびその同族語は、それらの包括的意味で使用される(すなわち、「含む(including)」という用語およびその対応する同族語と同等である)。
様々な実施形態の説明が「含む」という用語を使用する場合、当業者は、いくつかの特定の場合では、「から本質的になる」または「からなる」という文言を使用して実施形態を代替的に記載し得ることを理解することをさらに理解すべきである。
上記および下記の両方で本明細書で言及される特許、特許出願、記事および刊行物はすべて、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
定義および略語
遺伝子にコードされたアミノ酸に使用される略語は従来のものであり、以下のとおりである:アラニン(AlaまたはA)、アルギニン(AreまたはR)、アスパラギン(AsnまたはN)、アスパラギン酸(AspまたはD)、システイン(CysまたはC)、グルタミン酸(GluまたはE)、グルタミン(GlnまたはQ)、グリシン(GlyまたはG)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、リジン(LysまたはK)、メチオニン(MetまたはM)、フェニルアラニン(PheまたはF)、プロリン(ProまたはP)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、トリプトファン(TrpまたはW)、チロシン(TyrまたはY)およびバリン(ValまたはV)。
3文字略語が使用される場合、具体的に「L」もしくは「D」が先行しないかまたはその略語が使用される文脈から明確ではない限り、アミノ酸は、α-炭素(Cα)に関してL-またはD-配置であり得る。例えば、「Ala」は、α-炭素に関する配置を明記せずにアラニンを示すのに対して、「D-Ala」および「L-Ala」は、それぞれD-アラニンおよびL-アラニンを示す。1文字略語が使用される場合、大文字は、α-炭素に関してL-配置のアミノ酸を示し、小文字は、α-炭素に関してD-配置のアミノ酸を示す。例えば、「A」はL-アラニンを示し、「a」はD-アラニンを示す。ポリペプチド配列が一連の1文字略語または3文字略語(またはそれらの混合)として示される場合、配列は、一般的な慣行にしたがってアミノ(N)からカルボキシ(C)方向で示される。
遺伝子コードヌクレオシドに使用される略語は従来のものであり、以下のとおりである:アデノシン(A);グアノシン(G);シチジン(C);チミジン(T);およびウリジン(U)。特に明確な描写がない限り、省略されたヌクレオチドは、リボヌクレオシドまたは2’-デオキシリボヌクレオシドであり得る。ヌクレオシドは、個々にまたは一括でリボヌクレオシドまたは2’-デオキシリボヌクレオシドであると明記され得る。核酸配列が一連の1文字略語として示される場合、配列は、一般的な慣行にしたがって5’から3’方向で示され、リン酸は示されない。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の値の許容され得る誤差を意味する。いくつかの場合では、「約」は、所定の値の範囲の0.05%、0.5%、1.0%または2.0%以内を意味する。いくつかの場合では、「約」は、所定の値の1、2、3または4標準偏差以内を意味する。
本明細書で使用される場合、「EC」番号は、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(NC-IUBMB)の酵素命名法を指す。IUBMB生化学分類は、酵素が触媒する化学反応に基づく酵素の数値分類体系である。
本明細書で使用される場合、「ATCC」は、そのバイオリポジトリーコレクションが遺伝子および株を含むAmerican Type Culture Collectionを指す。
本明細書で使用される場合、「NCBI」は、National Center for Biological Informationおよびそこで提供される配列データベースを指す。
「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は、長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、脂質化、ミリストイル化、ユビキチン化など)にかかわらず、アミド結合により共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを表すために本明細書で互換的に使用される。D-およびL-アミノ酸ならびにD-およびL-アミノ酸の混合物、ならびにD-およびL-アミノ酸ならびにD-およびL-アミノ酸の混合物を含むポリマーがこの定義に含まれる。
「トランスアミナーゼ」または「アミノトランスフェラーゼ」は、アミノ基(-NH)、電子対およびプロトンをアミノ基供与体化合物の第1級アミンからアミン受容体化合物のカルボニル基(C=O)に転移させ、それにより、アミノ基供与体化合物をその対応するカルボニル化合物に変換し、カルボニル受容体化合物をその対応する第1級アミン化合物に変換する(例えば、スキーム1を参照のこと)酵素能力を有するポリペプチドを指すために本明細書で互換的に使用される。本明細書で使用される場合、トランスアミナーゼは、天然に存在する(野生型)トランスアミナーゼ、および人為操作により生成された天然に存在しない操作されたポリペプチドを含む。
「アミノ基供与体」または「アミノ供与体」は、アミノ基を受容体カルボニル化合物(すなわち、アミノ基受容体)に供与することができ、それによりカルボニル副生成物となるアミノ基含有化合物を指すために本明細書で互換的に使用される。アミノ基供与体は、一般構造式
Figure 2022518212000008
(式中、RおよびRはそれぞれ、独立して採用される場合、非置換であるかまたは1つもしくはそれを超える酵素的に非阻害性の基で置換されたアルキル、アルキルアリール基またはアリール基である)を有する。Rは、構造またはキラリティの点でRと同じものまたは異なるものであり得る。基RおよびRは一緒になって、非置換であるか、置換されたかまたは他の環と縮合された環を形成し得る。典型的なアミノ基供与体としては、キラルおよびアキラルアミノ酸、ならびにキラルおよびアキラルアミンが挙げられる。
「キラルアミン」は、一般式R-CH(NH)-Rのアミンを指し、本明細書ではその最も広い意味で使用され、水素原子に加えて、(i)キラル環構造を形成する二価基または(ii)構造もしくはキラリティの点で互いに異なる2つの置換基(水素以外)を有する第2級炭素原子に結合した第1級アミノ基の存在を特徴とする異なるおよび混合の官能基タイプの多種多様な脂肪族化合物および脂環式化合物を含む。キラル環構造を形成する二価基としては、例えば、2-メチルブタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,4-ジイル、ヘキサン-1,4-ジイル、ヘキサン-1,5-ジイル、2-メチルペンタン-1,5-ジイルが挙げられる。第2級炭素原子上の2つの異なる置換基(上記RおよびR)もまた多種多様であり得、アルキル、アリールアルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルチオ、シクロアルキル、カルボキシ、カルバルキルオキシ、カルバモイル、モノ-およびジ-(低級アルキル)置換カルバモイル、トリフルオロメチル、フェニル、ニトロ、アミノ、モノ-およびジ-(低級アルキル)置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミドなど、ならびに前述のものにより置換されたアルキル、アリールアルキルまたはアリールが挙げられる。
「カルボニル副生成物」は、アミノ基供与体上のアミノ基がアミノ基転移反応でアミノ基受容体に転移されるとアミノ基供与体から形成されるカルボニル化合物を指す。カルボニル副生成物は、一般構造式
Figure 2022518212000009
(式中、RおよびRは、アミノ基供与体について上記で定義されるとおりである)を有する。
「アミノ受容体」および「アミン受容体」、「ケト基質」、「ケトエステル基質」は、トランスアミナーゼにより媒介される反応(例えば、スキーム1を参照のこと)でアミノ基供与体からアミノ基を受容するカルボニル基含有化合物を指すために本明細書で互換的に使用される。本開示の文脈では、トランスアミナーゼのためのアミノ受容体化合物としては、とりわけ、本明細書にさらに記載されているように、式(II)の化合物および化合物(2)が挙げられ得る。
本明細書で使用される場合、「補因子」は、反応の触媒において酵素と一緒に作用する非タンパク質化合物を指す。本明細書で使用される場合、「補因子」は、補酵素とも称されることがあるビタミンBファミリー化合物PLP、PN、PL、PM、PNPおよびPMPを包含することを意図する。
「ピリドキサール-リン酸」、「PLP」、「ピリドキサール-5’-リン酸」、「PYP」および「P5P」は、トランスアミナーゼ反応において補因子として作用する化合物を指すために本明細書で互換的に使用される。いくつかの実施形態では、ピリドキサールリン酸は、構造1-(4’-ホルミル-3’-ヒドロキシ-2’-メチル-5’-ピリジル)メトキシホスホン酸、CAS番号[54-47-7]により定義される。ピリドキサール-5’-リン酸は、ピリドキソール(ビタミンBとしても公知)のリン酸化および酸化によりインビボで産生され得る。トランスアミナーゼ酵素を使用するアミノ基転移反応では、アミノ供与体のアミン基は補因子に転移されてケト副生成物を産生し、ピリドキサール-5’-リン酸はピリドキサミンリン酸に変換される。ピリドキサール-5’-リン酸は、異なるケト化合物(アミノ受容体)との反応により再生される。ピリドキサミンリン酸からアミノ受容体へのアミン基の転移はアミンを生じさせ、補因子を再生する。いくつかの実施形態では、ピリドキサール-5’-リン酸は、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)およびそれらのリン酸化されたカウンターパート;ピリドキシンリン酸(PNP)およびピリドキサミンリン酸(PMP)を含むビタミンBファミリーの他のメンバーにより置き換えられ得る。
「アミノ酸」は、本明細書では、それらの一般的に公知の3文字記号により、またはIUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commissionにより推奨される1文字記号により言及される。同様に、ヌクレオチドは、一般的に認められている1文字コードにより言及され得る。
本明細書で使用される場合、「親水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら(Eisenbergら、I.,179:125-142[1984])の正規化コンセンサス疎水性スケールにしたがって、ゼロ未満の疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝子にコードされた親水性アミノ酸としては、L-Thr(T)、L-Ser(S)、L-His(H)、L-Glu(E)、L-Asn(N)、L-Gln(Q)、L-Asp(D)、L-Lys(K)およびL-Arg(R)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「酸性アミノ酸または残基」は、このアミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれる場合に約6未満のpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。酸性アミノ酸は、典型的には、水素イオンの喪失により、生理学的pHで負荷電側鎖を有する。遺伝しにコードされた酸性アミノ酸としては、L-Glu(E)およびL-Asp(D)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「塩基性アミノ酸または残基」は、このアミノ酸がペプチドまたはポリペプチドに含まれる場合に約6を超えるpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。塩基性アミノ酸は、典型的には、ヒドロニウムイオンとの会合により、生理学的pHで正荷電側鎖を有する。遺伝子にコードされた塩基性アミノ酸としては、L-Arg(R)およびL-Lys(K)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「極性アミノ酸または残基」は、生理学的pHでは帯電していないが、2つの原子が共通して共有する電子対が、原子の一方によってより密接に保持される少なくとも1つの結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子にコードされた極性アミノ酸としては、L-Asn(N)、L-Gln(Q)、L-Ser(S)およびL-Thr(T)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「疎水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら(Eisenbergら、J.Mol.Biol.,179:125-142[1984])の正規化コンセンサス疎水性スケールにしたがって、ゼロを超える疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝的子コードされた疎水性アミノ酸としては、L-Pro(P)、L-Ile(I)、L-Phe(F)、L-Val(V)、L-Leu(L)、L-Trp(W)、L-Met(M)、L-Ala(A)およびL-Tyr(Y)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「芳香族アミノ酸または残基」は、少なくとも1つの芳香族環またはヘテロ芳香族環を含む側鎖を有する親水性または疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子にコードされた芳香族アミノ酸としては、L-Phe(F)、L-Tyr(Y)およびL-Trp(W)が挙げられる。その側鎖はヘテロ芳香族環を含むので、そのヘテロ芳香族窒素原子L-His(H)のpKaにより、それは塩基性残基としてまたは芳香族残基として分類されることもあるが、本明細書では、ヒスチジンは、親水性残基としてまたは「拘束残基」(以下を参照のこと)として分類される。
本明細書で使用される場合、「拘束アミノ酸または残基」は、拘束幾何学形状を有するアミノ酸または残基を指す。本明細書では、拘束残基としては、L-Pro(P)およびL-His(H)が挙げられる。ヒスチジンは、比較的小さなイミダゾール環を有するので、それは、拘束幾何学形状を有する。プロリンもまた5員環を有するので、それは、拘束幾何学形状を有する。
本明細書で使用される場合、「非極性アミノ酸または残基」は、生理学的pHでは帯電していないが、2つの原子が共通して共有する電子対が、一般に、2つの各原子により均等に保持される結合を有する側鎖(すなわち、側鎖は極性ではない)を有する疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子にコードされた非極性アミノ酸としては、L-Gly(G)、L-Leu(L)、L-Val(V)、L-Ile(I)、L-Met(M)およびL-Ala(A)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「脂肪族アミノ酸または残基」は、脂肪族炭化水素側鎖を有する疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝子にコードされた脂肪族アミノ酸としては、L-Ala(A)、L-Val(V)、L-Leu(L)およびL-Ile(I)が挙げられる。システイン(または「L-Cys」または「[C]」)は、それが他のL-Cys(C)アミノ酸または他のスルファニルもしくはスルフヒドリル含有アミノ酸とジスルフィド架橋を形成し得るという点で独特であることに留意する。「システイン様残基」は、システインと、ジスルフィド架橋の形成のために利用可能なスルフヒドリル部分を含有する他のアミノ酸とを含む。還元遊離-SHまたは酸化ジスルフィド架橋形態のいずれかのペプチドに存在するL-Cys(C)(および-SH含有側鎖を有する他のアミノ酸)の能力は、L-Cys(C)がペプチドに対して正味の疎水性または親水性特徴をに与えるかどうかに影響を与える。Eisenberg(Eisenbergら、1984、前掲)の正規化コンセンサススケールにしたがって、L-Cys(C)は0.29の疎水性を示すが、本発明の目的のために、L-Cys(C)は、それ自体のユニークなグループに分類されることを理解すべきである。
本明細書で使用される場合、「小さなアミノ酸または残基」は、合計3個またはそれ未満の炭素および/またはヘテロ原子(α炭素および水素を除く)から構成される側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。小さなアミノ酸または残基は、上記定義にしたがって、脂肪族、非極性、極性または酸性の小さなアミノ酸または残基としてさらに分類され得る。遺伝子にコードされた小さなアミノ酸としては、L-Ala(A)、L-Val(V)、L-Cys(C)、L-Asn(N)、L-Ser(S)、L-Thr(T)およびL-Asp(D)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル含有アミノ酸または残基」は、ヒドロキシル(-OH)部分を含有するアミノ酸を指す。遺伝子にコードされたヒドロキシル含有アミノ酸としては、L-Ser(S)L-Thr(T)およびL-Tyr(Y)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、互いに共有結合的に連結された2つまたはそれを超えるヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、リボヌクレオチド(すなわち、RNA)から全体的に構成され得るか、または2’-デオキシリボヌクレオチド(すなわち、DNA)から全体的に構成され得るか、またはリボ-および2’-デオキシリボヌクレオチドの混合物から構成され得る。ヌクレオシドは、典型的には、標準的なホスホジエステル結合を介して互いに連結されるが、ポリヌクレオチドは、1つまたはそれを超える非標準的な結合を含み得る。ポリヌクレオチドは一本鎖もしくは二本鎖であり得るか、または一本鎖領域および二本鎖領域の両方を含み得る。また、ポリヌクレオチドは、典型的には、天然に存在するコード核酸塩基(すなわち、アデニン、グアニン、ウラシル、チミンおよびシトシン)から構成されるが、それは、例えば、1つまたはそれを超える改変および/または合成核酸塩基、例えばイノシン、キサンチン、ヒポキサンチンなどを含み得る。いくつかの実施形態では、このような改変または合成核酸塩基は、アミノ酸配列をコードする核酸塩基である。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」は、核酸塩基(すなわち、窒素塩基)および5-炭素糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)を含むグリコシルアミンを指す。ヌクレオシドの非限定的な例としては、シチジン、ウリジン、アデノシン、グアノシン、チミジンおよびイノシンが挙げられる。対照的に、「ヌクレオチド」という用語は、核酸塩基、5-炭素糖および1つまたはそれを超えるリン酸基を含むグリコシルアミンを指す。いくつかの実施形態では、ヌクレオシドは、キナーゼによりリン酸化されてヌクレオチドを産生し得る。
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド二リン酸」は、核酸塩基(すなわち、窒素塩基)、5-炭素糖(例えば、リボースまたはデオキシリボース)および二リン酸(すなわち、ピロリン酸)部分を含むグリコシルアミンを指す。本明細書のいくつかの実施形態では、「ヌクレオシド二リン酸」は「NDP」と略される。ヌクレオシド二リン酸の非限定的な例としては、シチジン二リン酸(CDP)、ウリジン二リン酸(UDP)、アデノシン二リン酸(ADP)、グアノシン二リン酸(GDP)、チミジン二リン酸(TDP)およびイノシン二リン酸が挙げられる。「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」という用語は、いくつかの文脈では互換的に使用され得る。
「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)の一部を指す。
本明細書で使用される場合、「生体触媒作用」、「生体触媒作用の」、「生体内変化」および「生合成」という用語は、有機化合物に対して化学反応を実施するための酵素の使用を指す。
「天然に存在する」または「野生型」は、天然に見られる形態を指す。例えば、天然に存在するまたは野生型ポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列は、生物中に存在する配列であって、天然の供給源から単離され得、人為操作により意図的に改変されていない配列である。
本明細書で使用される場合、「組換え」、「操作された」、「天然に存在しない」または「バリアント」は、例えば、細胞、核酸またはポリペプチドに関して使用される場合、他の方法では天然に存在しない方法で改変された材料または天然もしくはネイティブ形態の前記材料に対応する材料を指す。いくつかの実施形態では、細胞、核酸またはポリペプチドは、天然に存在する細胞、核酸またはポリペプチドと同一であるが、合成材料から、および/または組換え技術を使用する操作により産生または誘導される。非限定的な例としては、とりわけ、ネイティブ(非組換え)形態の細胞内に見られないか、または異なるレベルで別様に発現されるネイティブ遺伝子を発現する組換え細胞が挙げられる。
「配列同一性率(%)」という用語は、ポリヌクレオチド間またはポリペプチド間の比較を指すために本明細書で互換的に使用され、最適にアラインメントされた2つの配列を比較領域にわたって比較することにより決定され、比較領域におけるポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の一部は、2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列と比較して付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセンテージは、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列に存在する位置の数を決定して、マッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を比較領域中の位置の総数で割り、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを求めることにより計算され得る。あるいは、パーセンテージは、同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基が両配列に存在する位置の数、または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップとアラインメントした位置の数を決定して、マッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を比較領域中の位置の総数で割り、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを求めることにより計算され得る。当業者は、2つの配列をアラインメントするために利用可能な確立された多くのアルゴリズムがあることを認識する。比較のための最適な配列のアラインメントは、限定されないが、Smith and Waterman(Smith and Waterman、Adv.Appl.Math.,2:482[1981])のローカルホモロジーアルゴリズム、Needleman and Wunsch(Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.,48:443[1970])のホモロジーアラインメントアルゴリズム、Pearson and Lipman(Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444[1988])の類似性検索法、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実行(例えば、GCG Wisconsin Software PackageにおけるGAP,BESTFIT,FASTAおよびTFASTA)または当技術分野で公知のように目視検査を含む任意の適切な方法により実施され得る。配列同一性率および配列類似性率を決定するために適切なアルゴリズムの例としては、限定されないが、Altschulら(それぞれAltschulら、J.Mol.Biol.,215:403-410[1990];およびAltschulら、Nucl.Acids Res.,3389-3402[1977]を参照のこと)により記載されている、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムが挙げられる。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationのウェブサイトを通じて公的に利用可能である。このアルゴリズムは、最初に、データベース配列中の同じ長さのワードとアラインメントされた場合にマッチするか、またはいくつかの正値の閾値スコアTを満たすクエリー配列中の長さWのショートワードを特定することにより、ハイスコア配列ペア(HSP)を特定することを伴う。Tは、隣接ワードスコア閾値と称される(Altschulら、前掲を参照のこと)。これらの初期隣接ワードヒットは、それらを含有するより長いHSPを見出すための検索を開始するためのシードとして作用する。次いで、累積アラインメントスコアを増加させ得る限り、ワードヒットを各配列に沿って両方向に伸長する。累積スコアは、ヌクレオチド配列の場合、パラメータM(マッチする残基対に対する報酬スコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基に対するペナルティスコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを使用して、累積スコアを計算する。累積アラインメントスコアがその最大達成値から数量Xだけ低下した場合;1つもしくはそれを超える負のスコアの残基アラインメントの累積により、累積スコアが0もしくはそれ未満になる場合;またはいずれかの配列の末端に到達した場合、各方向におけるワードヒットの伸長を停止させる。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列の場合)は、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3のワード長(W)、10の期待値(E)およびBLOSUM62スコアリングマトリックスをデフォルトとして使用する(Henikoff and Henikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915[1989]を参照のこと)。配列アラインメントおよび配列同一性%の例示的な決定は、提供されるデフォルトのパラメータを使用して、GCG Wisconsin Softwareパッケージ(Accelrys,Madison WI)中のBESTFITまたはGAPプログラムを用い得る。
「参照配列」は、配列比較のための基準として使用される規定の配列を指す。参照配列は、より大きな配列のサブセット、例えば、全長遺伝子またはポリペプチド配列のセグメントであり得る。一般に、参照配列は、少なくとも20ヌクレオチド長またはアミノ酸残基長、少なくとも25残基長、少なくとも50残基長、またはその核酸もしくはポリペプチドの全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドはそれぞれ、(1)2つの配列間で類似する配列(すなわち、完全な配列の一部)を含み得、(2)2つの配列間で相違する配列をさらに含み得るので、2つの(またはそれを超える)ポリヌクレオチド間またはポリペプチド間の配列比較は、典型的には、2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を「比較領域」にわたって比較して、配列類似性の局所領域を特定および比較することにより実施される。いくつかの実施形態では、「参照配列」は、参照配列が、一次配列中に1つまたはそれを超える変化を有し得る配列である一次アミノ酸配列に基づき得る。例えば、「X9に対応する残基においてヒスチジンを有する配列番号2に基づく参照配列」は、配列番号2のX9における対応する残基(これはチロシンである)がヒスチジンに変化した参照配列を指す。
「比較領域」は、少なくとも約20個の連続ヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念的なセグメントを指し、配列は、少なくとも20個の連続ヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較され得、比較領域中の配列の一部は、2つの配列の最適なアラインメントのために、参照配列(これは付加も欠失も含まない)と比較して20パーセントまたはそれ未満の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較領域は、20個の連続残基よりも長いものであり得、必要に応じて30、40、50、100またはそれよりも長い領域を含む。
所定のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列のナンバリングの文脈で使用される場合の「に対応する」、「に関して」または「と比べて」は、所定のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較される場合の指定の参照配列の残基のナンバリングを指す。換言すれば、所定のポリマーの残基番号または残基位置は、所定のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の位置番号ではなく参照配列に関して示される。例えば、操作されたトランスアミナーゼのものなどの所定のアミノ酸配列は、ギャップを導入して2つの配列間の残基マッチを最適化することにより、参照配列とアラインメントされ得る。これらの場合では、ギャップが存在するが、所定のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列中の残基のナンバリングは、それとアラインメントされた参照配列に関して行われる。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸差異」および「残基差異」は、参照配列中の対応する位置におけるアミノ酸残基と比べた、ポリペプチド配列の位置におけるアミノ酸残基の差異を指す。いくつかの場合では、参照配列はヒスチジンタグを有するが、ナンバリングは、ヒスチジンタグを有しない同等の参照配列と比べて維持される。アミノ酸差異の位置は、一般に、本明細書では「Xn」(nは、残基差異が基準とする参照配列中の対応する位置を指す)と称される。例えば、「配列番号4と比較した位置X93における残基差異」は、配列番号4の位置93に対応するポリペプチド位置におけるアミノ酸残基の差異を指す。したがって、配列番号4の参照ポリペプチドが位置93においてセリンを有する場合、「配列番号4と比較した位置X93における残基差異」は、配列番号4の位置93に対応するポリペプチドの位置におけるセリン以外の任意の残基のアミノ酸置換を指す。本明細書におけるほとんどの場合では、ある位置における特定のアミノ酸残基差異は「XnY」(「Xn」は、上記のように対応する位置を指定し、「Y」は、操作されたポリペプチドに見出されるアミノ酸(すなわち、参照ポリペプチドと異なる残基)の1文字識別子である)として示される。いくつかの場合では(例えば、実施例に示されている表では)、本発明はまた、従来の表記「AnB」(Aは、参照配列中の残基の1文字識別子であり、「n」は、参照配列中の残基位置の番号であり、Bは、操作されたポリペプチドの配列中の残基置換の1文字識別子である)により表される特定のアミノ酸差異を提供する。いくつかの場合では、本発明のポリペプチドは、参照配列と比べて1つまたはそれを超えるアミノ酸残基差異を含み得、参照配列と比べて残基差異が存在する指定された位置のリストにより示される。いくつかの実施形態では、1つを超えるアミノ酸がポリペプチドの特定の残基位置で使用され得る場合、使用され得る様々なアミノ酸残基は「/」により分けられる(例えば、X307H/X307PまたはX307H/P)。スラッシュはまた、所定のバリアント内の複数の置換を示すために使用され得る(すなわち、所定の配列、例えばコンビナトリアルバリアント中に1個を超える置換がある)。いくつかの実施形態では、本発明は、保存的または非保存的アミノ酸置換を含む1つまたはそれを超えるアミノ酸差異を含む操作されたポリペプチド配列を含む。いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、保存的および非保存的アミノ酸置換の両方を含む操作されたポリペプチド配列を提供する。
本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」は、類似の側鎖を有する異なる残基による残基の置換を指し、したがって典型的には、同一または類似の規定のアミノ酸クラス内のアミノ酸によるポリペプチド中のアミノ酸の置換を伴う。例として、および限定されないが、いくつかの実施形態では、脂肪族側鎖を有するアミノ酸は、別の脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシン)で置換され;ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸は、ヒドロキシル側鎖を有する別のアミノ酸(例えばセリンおよびトレオニン)で置換され;芳香族側鎖を有するアミノ酸は、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えばフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンおよびヒスチジン)で置換され;塩基性側鎖を有するアミノ酸は、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸(例えばリジンおよびアルギニン)で置換され;酸性側鎖を有するアミノ酸は、酸性側鎖を有する別のアミノ酸(例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸)で置換され;ならびに/または疎水性アミノ酸または親水性アミノ酸は、それぞれ別の疎水性アミノ酸または親水性アミノ酸で置き換えられる。
「非保存的置換」は、有意に異なる側鎖特性を有するアミノ酸によるポリペプチド中のアミノ酸の置換を指す。非保存的置換は、規定のグループ内ではなく規定のグループ間のアミノ酸を使用し得、(a)置換の領域におけるペプチド骨格の構造(例えば、グリシンに代えてプロリン)、(b)電荷もしくは疎水性または(c)側鎖の嵩に影響を与える。例として、および限定されないが、例示的な非保存的置換は、塩基性アミノ酸または脂肪族アミノ酸で置換される酸性アミノ酸;小さなアミノ酸で置換される芳香族アミノ酸;および疎水性アミノ酸で置換される親水性アミノ酸であり得る。
「欠失」は、参照ポリペプチドからの1つまたはそれを超えるアミノ酸の除去によるそのポリペプチドに対する改変を指す。欠失は、操作されたトランスアミナーゼ酵素の酵素活性を保持しおよび/または改善された特性を保持しながら、1個もしくはそれを超えるアミノ酸、2個もしくはそれを超えるアミノ酸、5個もしくはそれを超えるアミノ酸、10個もしくはそれを超えるアミノ酸、15個もしくはそれを超えるアミノ酸または20個もしくはそれを超えるアミノ酸、参照酵素を構成するアミノ酸の総数の最大10%またはアミノ酸の総数の最大20%の除去を含み得る。欠失は、ポリペプチドの内部部分および/または末端の部分に対するものであり得る。様々な実施形態では、欠失は連続セグメントを含み得るか、または不連続であり得る。欠失は、典型的には、アミノ酸配列中の「-」により示される。
「挿入」は、参照ポリペプチドからの1つまたはそれを超えるアミノ酸の付加によるポリペプチドに対する改変を指す。いくつかの実施形態では、改善された操作されたトランスアミナーゼ酵素は、天然に存在するトランスアミナーゼポリペプチドへの1つまたはそれを超えるアミノ酸の挿入、および他の改善されたトランスアミナーゼポリペプチドへの1つまたはそれを超えるアミノ酸の挿入を含む。挿入は、ポリペプチドの内部部分、またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端におけるものであり得る。本明細書で使用される場合、挿入は、当技術分野で公知のように融合タンパク質を含む。挿入は、天然に存在するポリペプチドにおいて、アミノ酸の連続セグメントであり得るか、または1つもしくはそれを超えるアミノ酸により分離され得る。
「アミノ酸置換セット」または「置換セット」という用語は、参照配列と比較したポリペプチド配列中の一群のアミノ酸置換を指す。置換セットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれを超えるアミノ酸置換を有し得る。いくつかの実施形態では、置換セットは、実施例で提供されている表に掲載されているバリアントトランスアミナーゼのいずれかに存在するアミノ酸置換のセットを指す。
「機能的断片」および「生物学的に活性な断片」は、アミノ末端および/またはカルボキシ末端欠失(複数可)および/または内部欠失を有するポリペプチドであって、しかし、残りのアミノ酸配列が、それが比較されている配列(例えば、本発明の操作された全長トランスアミナーゼ)中の対応する位置と同一であり、全長ポリペプチドの活性の実質的にすべてを保持するポリペプチドを指すために本明細書で互換的に使用される。
「単離されたポリペプチド」は、それを天然に伴う他の夾雑物、例えばタンパク質、脂質およびポリヌクレオチドから実質的に分離されたポリペプチドを指す。前記用語は、それらの天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはインビトロ合成)から取り出されたかまたは精製されたポリペプチドを包含する。改善されたトランスアミナーゼ酵素は、細胞内に存在し得るか、細胞培地中に存在し得るか、または溶解物もしくは単離された調製物などの様々な形態で調製され得る。このようなものとして、いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼ酵素は、単離されたポリペプチドであり得る。
「実質的に純粋なポリペプチド」は、ポリペプチド種が、存在する優勢な種である(すなわち、モルまたは重量に基づいて、それが、組成物中の任意の他の個々の高分子種よりも豊富である)組成物を指し、一般に、対象種が、モルまたは重量%で、存在する高分子種の少なくとも約50パーセントを構成する場合、実質的に精製された組成物である。しかしながら、いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼを含む組成物は、50%未満の純度(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%または約50%)のトランスアミナーゼを含む。一般に、実質的に純粋なトランスアミナーゼ組成物は、モルまたは重量%で、組成物中に存在するすべての高分子種の約60%またはそれよりも多く、約70%またはそれよりも多く、約80%またはそれよりも多く、約90%またはそれよりも多く、約95%またはそれよりも多くおよび約98%またはそれよりも多くを構成する。いくつかの実施形態では、対象種は、組成物が単一の高分子種から本質的になる本質的な均一性(すなわち、夾雑物種は、従来の検出方法により組成物中で検出され得ない)に精製される。溶媒種、小分子(<500ダルトン)および元素イオン種は、高分子種とみなされない。いくつかの実施形態では、単離された改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
「立体選択性」は、一方の立体異性体が別の立体異性体よりも化学反応または酵素反応において優先的に形成されることを指す。立体選択性は、一方の立体異性体の形成が他の立体異性体よりも好都合である部分的なものであり得るか、またはそれは、一方の立体異性体のみが形成される完全なものであり得る。立体異性体がエナンチオマーである場合、立体選択性は、両方の合計における一方のエナンチオマーの割合(典型的には、パーセンテージとして報告される)であるエナンチオ選択性と称される。あるいは、それは、一般的に、式[主要なエナンチオマー-副次的なエナンチオマー]/[主要なエナンチオマー+副次的なエナンチオマー]にしたがってそれらから計算されるエナンチオマー過剰率(e.e.)として(典型的には、パーセンテージとして)当技術分野で報告される。立体異性体がジアステレオ異性体である場合、立体選択性は、2つのジアステレオマーの混合物中の一方のジアステレオマーの割合(典型的には、パーセンテージとして報告される)であるジアステレオ選択性と称され、あるいは、ジアステレオマー過剰率(d.e.)として一般的に報告される。混合物が2つを超えるジアステレオマーを含有する場合、ジアステレオマー過剰率ではなくジアステレオマーの比または「ジアステレオマー比」を報告することが一般的である。エナンチオマー過剰率およびジアステレオマー過剰率は、立体異性体過剰率の一種である。「高度に立体選択的」は、少なくとも約85%の立体異性体過剰率で基質を対応するキラルアミン生成物に変換することができるトランスアミナーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「位置選択性」および「位置選択的反応」は、ある方向の結合形成または破壊がすべての他の可能な方向よりも優先的に起こる反応を指す。反応は、識別が完全である場合には完全に(100%)位置選択的であり得、ある位置の反応の生成物が他の位置の反応の生成物よりも優勢である場合には実質的に位置選択的(少なくとも75%)であるか、または部分的に位置選択的(x%、ここで、パーセンテージは目的の反応に応じて設定される)である。
本明細書で使用される場合、「化学選択性」は、別のものに対するある生成物の化学的または酵素的反応における優先的形成を指す。
本明細書で使用される場合、「改善された酵素特性」は、酵素の少なくとも1つの改善された特性を指す。いくつかの実施形態では、本発明は、参照トランスアミナーゼポリペプチドおよび/または野生型トランスアミナーゼポリペプチドおよび/または別の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと比較して任意の酵素特性の改善を示す操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供する。したがって、「改善」のレベルは、野生型および操作されたトランスアミナーゼを含む様々なトランスアミナーゼポリペプチド間で決定および比較され得る。改善された特性としては、限定されないが、増加したタンパク質発現、増加した熱活性、増加した熱安定性、増加したpH活性、増加した安定性、増加した酵素活性、増加した基質特異性または親和性、増加した特異的活性、基質または末端生成物阻害に対する増加した抵抗性、増加した化学的安定性、改善された化学選択性、改善された溶媒安定性、酸性pHに対する増加した耐性、タンパク質分解活性に対する増加した耐性(すなわち、タンパク質分解に対する減少した感受性)、減少した凝集、増加した溶解性および変化した温度プロファイルなどの特性が挙げられる。さらなる実施形態では、前記用語は、トランスアミナーゼ酵素の少なくとも1つの改善された特性に関して使用される。いくつかの実施形態では、本発明は、参照トランスアミナーゼポリペプチドおよび/または野生型トランスアミナーゼポリペプチドおよび/または別の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドと比較して任意の酵素特性の改善を示す操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供する。したがって、「改善」のレベルは、野生型および操作されたトランスアミナーゼを含む様々なトランスアミナーゼポリペプチド間で決定および比較され得る。
「増加した酵素活性」および「増強した触媒活性」は、比活性(例えば、生成した生成物/時間/重量タンパク質)の増加、または参照酵素と比較した生成物への基質の変換率(例えば、指定量の酵素を使用した、指定期間における生成物への出発量の基質の変換率)の増加により表され得る操作されたポリペプチドの改善された特性を指す。いくつかの実施形態では、前記用語は、比活性(例えば、生成した生成物/時間/重量タンパク質)の増加、または参照トランスアミナーゼ酵素と比較した生成物への基質の変換率(例えば、指定量のトランスアミナーゼを使用した、指定期間における生成物への出発量の基質の変換率)の増加により表され得る本明細書で提供される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの改善された特性を指す。いくつかの実施形態では、前記用語は、本明細書で提供される改善されたトランスアミナーゼ酵素に関して使用される。本発明の操作されたトランスアミナーゼの酵素活性を決定するための例示的な方法は、実施例で提供されている。K、Vmaxまたはkcatの古典的な酵素特性を含む酵素活性に関連する任意の特性が影響を受け得、これらの変化は、増加した酵素活性につながり得る。例えば、酵素活性の改善は、対応する野生型酵素の酵素活性の約1.1倍から、トランスアミナーゼポリペプチドが由来する天然に存在するトランスアミナーゼまたは別の操作されたトランスアミナーゼの2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、150倍、200倍またはそれを超える酵素活性までであり得る。
「増加した熱活性」または「改善された熱活性」は、高温条件下で参照または野生型タンパク質と比べて増加した触媒活性を有するポリペプチドを指すために本明細書で使用される。
「変換」は、対応する生成物(複数可)への基質(複数可)の酵素的変換を指す。「変換率」は、指定の条件下で一定期間内に生成物に変換される基質のパーセントを指す。したがって、トランスアミナーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、生成物への基質の「変換率」として表され得る。
「熱安定」は、一定期間(例えば、0.5~24時間)にわたる高温(例えば、40~80℃)への曝露後に、野生型酵素と比較して類似の活性(例えば、60%超~80%)を維持するトランスアミナーゼポリペプチドを指す。
「溶媒安定」は、一定期間(例えば、0.5~24時間)にわたる様々な濃度(例えば、5~99%)の溶媒(エタノール、IPA、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert-ブチルエーテルなど)への曝露後に、野生型酵素と比較して類似の活性(例えば、60%超~80%)を維持するトランスアミナーゼポリペプチドを指す。
本明細書で使用される場合、「pH安定」は、一定期間(例えば、0.5~24時間)にわたる高または低pH(例えば、4.5~6または8~12)への曝露後に、未処理酵素と比較して類似の活性(例えば、60%超~80%)を維持するトランスアミナーゼポリペプチドを指す。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、核酸ハイブリッドが安定である条件を指すために本明細書で使用される。当業者に公知のように、ハイブリッドの安定性は、ハイブリッドの融解温度(Tm)に反映される。一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン強度、温度、G/C含有量およびカオトロピック剤の存在の関数である。ポリヌクレオチドのTm値は、融解温度を予測するための公知の方法を使用して計算され得る(例えば、Baldinoら、Meth.Enzymol.,168:761-777[1989];Boltonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 48:1390[1962];Bresslauerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8893-8897[1986];Freierら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:9373-9377[1986];Kierzekら、Biochem.,25:7840-7846[1986];Rychlikら、Nucl.Acids Res.,18:6409-6412[1990](erratum,Nucl.Acids Res.,19:698[1991]);Sambrookら、前掲);Suggsら、1981,in Developmental Biology Using Purified Genes,Brownら[eds.],pp.683-693,Academic Press,Cambridge,MA[1981];およびWetmur,Crit.Rev.Biochem.Mol.Biol.26:227-259[1991]を参照のこと)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に開示されるポリペプチドをコードし、規定の条件、例えば中ストリンジェントまたは高ストリンジェントな条件下で、本発明の操作されたトランスアミナーゼ酵素をコードする配列の相補体にハイブリダイズする。
「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションにおけるハイブリダイゼーション条件、例えば洗浄条件に関する。一般に、ハイブリダイゼーション反応は、より低いストリンジェンシーの条件下で実施され、続いて様々であるがより高いストリンジェンシーの洗浄が実施される。「中ストリンジェントなハイブリダイゼーション」という用語は、標的DNAが、標的DNAと約60%の同一性、好ましくは約75%の同一性、約85%の同一性、標的ポリヌクレオチドと約90%を超える同一性を有する相補的核酸に結合することを可能にする条件を指す。例示的な中ストリンジェントな条件は、42℃の50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDSのハイブリダイゼーション、続いて、42℃の0.2×SSPE、0.2%SDSの洗浄と同等の条件である。「高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション」は、一般に、規定のポリヌクレオチド配列について溶液条件下で決定された熱融解温度Tからの約10℃またはそれ未満の条件を指す。いくつかの実施形態では、高ストリンジェンシー条件は、65℃の0.018M NaCl中で安定なハイブリッドを形成するそれらの核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件を指す(すなわち、ハイブリッドが、65℃の0.018M NaCl中で安定ではない場合、それは、本明細書で企図されるような高ストリンジェンシー条件下で安定ではない)。高ストリンジェンシー条件は、例えば、42℃の50%ホルムアミド、5×デンハルト溶液、5×SSPE、0.2%SDSと同等の条件におけるハイブリダイゼーション、続いて65℃の0.1×SSPEおよび0.1%SDSの洗浄により提供され得る。別の高ストリンジェンシー条件は、65℃の0.1%(w:v)SDSを含有する5×SSC中のハイブリダイズと同等の条件におけるハイブリダイズおよび65℃の0.1%SDSを含有する0.1×SSCの洗浄である。他の高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件および中ストリンジェントな条件は、上記で引用されている参考文献に記載されている。
「コドン最適化された」は、コードされるタンパク質が目的の生物においてより効率的に発現されるように、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンを、特定の生物において優先的に使用されるコドンに変化させることを指す。ほとんどのアミノ酸が、「同義語」または「同義」コドンと称されるいくつかのコドンにより表されるという点で遺伝暗号は縮重するが、特定の生物によるコドン使用頻度は非ランダムであり、特定のコドントリプレットに偏っていることが周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所定の遺伝子、共通の機能または祖先起源の遺伝子、低コピー数のタンパク質と対比して高発現されるタンパク質、および生物のゲノムの集合タンパク質コード領域に関してより高い場合がある。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現のために選択された宿主生物からの最適な産生のためにコドン最適化され得る。
本明細書で使用される場合、「好ましい」、「最適な」および「高コドン使用頻度バイアス」コドンは、単独でまたは組み合わせて使用される場合、タンパク質コード領域において、同じアミノ酸をコードする他のコドンよりも高い頻度で使用されるコドンを互換的に指す。好ましいコドンは、単一の遺伝子におけるコドン使用頻度、共通の機能または起源の遺伝子のセット、高発現される遺伝子、全生物の集合タンパク質コード領域におけるコドン頻度、関連生物の集合タンパク質コード領域におけるコドン頻度またはそれらの組み合わせに関して決定され得る。その頻度が遺伝子発現のレベルと共に増加するコドンは、典型的には、発現のための最適なコドンである。例えば、クラスタ分析または対応分析を使用した多変量分析、および遺伝子において使用されるコドンの有効数を含む、特定の生物におけるコドン頻度(例えば、コドン使用頻度、相対的同義コドン使用頻度)およびコドン選択を決定するための様々な方法が公知である(例えば、GCG CodonPreference,Genetics Computer Group Wisconsin Package;CodonW,Peden,University of Nottingham;McInerney,Bioinform.,14:372-73[1998];Stenicoら、Nucl.Acids Res.,222437-46[1994];およびWright,Gene 87:23-29[1990]を参照のこと)。多くの異なる生物について、コドン使用頻度表が利用可能である(例えば、Wadaら、Nucl.Acids Res.,20:2111-2118[1992];Nakamuraら、Nucl.Acids Res.,28:292[2000];Duret,ら、前掲;Henaut and Danchin,in Escherichia coli and Salmonella,Neidhardtら(eds.),ASM Press,Washington D.C.,p.2047-2066[1996]を参照のこと)。コドン使用頻度を得るためのデータソースは、タンパク質をコードすることができる任意の利用可能なヌクレオチド配列に依拠し得る。これらのデータセットは、発現タンパク質をコードすることが実際に公知の核酸配列(例えば、完全なタンパク質コード配列-CDS)、発現配列タグ(ESTS)、またはゲノム配列の予測コード領域を含む(例えば、Mount,Bioinformatics:Sequence and Genome Analysis,Chapter 8,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.[2001];Uberbacher,Meth.Enzymol.,266:259-281[1996];およびTiwariら、Comput.Appl.Biosci.,13:263-270[1997]を参照のこと)。
「制御配列」は、本明細書では、本開示のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要または有益なすべての成分を含むことを指す。各制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列に対してネイティブまたは外来性であり得る。このような制御配列としては、限定されないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、開始配列および転写ターミネーターが挙げられる。最低でも、制御配列は、プロモーターならびに転写および翻訳の停止シグナルを含む。制御配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と制御配列とのライゲーションを容易にする特異的制限部位を導入する目的でリンカーと共に提供され得る。
「作動可能に連結された」は、制御配列が目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指示または調節するように、制御配列が、目的のポリヌクレオチドに対する位置に適切に配置された(すなわち、機能的関係性にある)配置として本明細書で定義される。
「プロモーター配列」は、コード配列などの目的のポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞により認識される核酸配列を指す。プロモーター配列は、目的のポリヌクレオチドの発現を媒介する転写制御配列を含有する。プロモーターは、変異体プロモーター、切断型プロモーターおよびハイブリッドプロモーターを含む、選択した宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞と同種または異種である細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得られ得る。
「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の1~18個の炭素原子、特に1~8個の炭素原子、より具体的には1~6個の炭素原子の基を指す。指定数の炭素原子を有するアルキルは括弧で示され、例えば、(C1-C4)アルキルは、1~4個の炭素原子のアルキルを指す。
「アリール」は、単環(例えば、フェニル)または多重縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する5~14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を指す。多重縮合環については、環の少なくとも1つは芳香族である。代表的なアリールとしては、フェニル、ピリジル、ナフチルなどが挙げられる。
「アリールアルキル」は、アリール部分で置換されたアルキルを指す。代表的なアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
「ヘテロアリール」は、環内に酸素、窒素および硫黄から選択される1~4個の環ヘテロ原子を有する5~14個の環原子の芳香族複素環式基を指す。ヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または多重縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。多重縮合環については、環の少なくとも1つは芳香族である。
「ヘテロアリールアルキル」は、本明細書で定義されるヘテロアリール部分で置換されたアルキルを指す。
「複素環」および互換的に「ヘテロシクロアルキル」は、単環または多重縮合環と、環内に窒素、硫黄または酸素から選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~14個の環原子とを有する飽和または不飽和基を指す。複素環式基は、単環(例えば、ピペリジニルまたはテトラヒドロフリル)または多重縮合環(例えば、インドリニル、ジヒドロベンゾフランまたはキヌクリジニル)を有し得る。代表的な複素環およびヘテロアリールとしては、限定されないが、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジンが挙げられる。
「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、基アルキル-O-(アルキル基は上記で定義されるとおりであり、同じく上記で定義される必要に応じて置換されたアルキル基を含む)を指す。
「アミノ」は、基-NHを指す。置換アミノは、基-NHR’、NR’R’およびNR’R’R’(各R’は、他とは独立して、置換または非置換アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルオキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アシル、アルキルオキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル、スルホニルなどから選択される)を指す。典型的なアミノ基としては、限定されないが、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルファミノなどが挙げられる。
「カルボキシ」は、-COOHを指す。
「カルボニル」は、-C(O)-(これは、酸、酸ハロゲン化物、アルデヒド、アミド、エステルおよびケトンを含む様々なカルボニル基を形成するための様々な置換基を有し得る)を指す。
「ヒドロキシ」は-OHを指す。
「シアノ」は-CNを指す。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。
「ニトロ」は、-NOを指す
例えば縮合アリールまたは縮合ヘテロアリールにおける「縮合」または「縮合環」は、共通して少なくとも2個の環原子を有するように結合した2つまたはそれを超える環を指す。縮合アリールは、環の少なくとも1つがアリールである縮合環を指す。縮合ヘテロアリールは、環の少なくとも1つがヘテロアリールである縮合環を指す。
特に指定がない限り、「置換された」は、前述の基における水素により占有される位置が、限定されないが、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルキルオキシ、置換アルキルオキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルキルオキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ハロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキサミド、置換カルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ(amidoximo)、ヒドロキサモイル(hydroxamoyl)、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、複素環、(複素環)オキシおよび(複素環)アルキルにより例示される置換基で置き換えられることを指し;好ましいヘテロ原子は、酸素、窒素および硫黄である。開放原子価がこれらの置換基上に存在する場合、それらは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよび/または複素環式基でさらに置換され得ること、これらの開放原子価が炭素上に存在する場合、それらは、ハロゲンおよび酸素、窒素または硫黄結合置換基でさらに置換され得ること、ならびに複数のこのような開放原子価が存在する場合、これらの基は結合して、結合の直接形成により、または新たなヘテロ原子、好ましくは酸素、窒素もしくは硫黄への結合の形成により、環を形成し得ることが理解される。置換基による水素の置き換えが、許容され得ない不安定性を本発明の分子に導入せず、他の点で化学的に妥当である限り、上記置換が行われ得るとさらに理解される。
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、その後に記載される事象または状況が起こってもよいしまたは起こらなくてもよいこと、ならびに前記記載が、前記事象または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。当業者は、1つまたはそれを超える必要に応じた置換基を含有すると記載されている任意の分子に関して、立体的に実際的なおよび/または合成的に実現可能な化合物のみが含まれることを意味することを理解する。
「必要に応じて置換された」は、ある用語または一連の化学基におけるすべてのその後の修飾語句を指す。例えば、「必要に応じて置換されたアリールアルキル」という用語では、分子の「アルキル」部分および「アリール」部分は置換されてもよいしまたは置換されていなくてもよく、一連の「必要に応じて置換されたアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール」について、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール基は、他とは独立して、置換されてもよいしまたは置換されていなくてもよい。
「保護基」は、分子中の反応性官能基に結合させると、官能基の反応性を遮蔽し、減少させまたは妨げる原子の基を指す。典型的には、保護基は、合成過程中に所望により選択的に除去され得る。保護基の例は、Wuts and Greene,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,Wiley Interscience(2006)およびHarrisonら、Compendium of Synthetic Organic Methods,Vols.1-8,1971-1996,John Wiley&Sons,NYに見出され得る。保護基を有し得る官能基としては、限定されないが、ヒドロキシ、アミノおよびカルボキシ基が挙げられる。代表的なアミノ保護基としては、限定されないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル(「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(「SES」)、トリチル基および置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などが挙げられる。代表的なヒドロキシル保護基としては、限定されないが、ヒドロキシル基がアシル化(例えば、メチルおよびエチルエステル、酢酸基もしくはプロピオン酸基またはグリコールエステル)またはアルキル化されたもの、例えばベンジルおよびトリチルエーテル、ならびにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えば、TMSまたはTIPPS基)およびアリルエーテルが挙げられる。他の保護基は、本明細書に示されている参考文献に見出され得る。
「脱離基」は、一般に、化学反応において別の原子または部分で置き換えられることができる任意の原子または部分を指す。より具体的には、脱離基は、求核剤(例えば、アミン、チオール、アルコールまたはシアニド)で容易に置き換えられおよび置換される原子または部分を指す。このような脱離基は周知であり、カルボキシレート、N-ヒドロキシスクシンイミド(「NHS」)、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)およびアルキルオキシ基が挙げられる。脱離基の非限定的な特徴および例は、例えば、Organic Chemistry,2d ed.,Francis Carey(1992),pages 328-331;Introduction to Organic Chemistry,2d ed.,Andrew Streitwieser and Clayton Heathcock(1981),pages 169-171;and Organic Chemistry,5th Ed.,John McMurry,Brooks/Cole Publishing(2000),pages 398 and 408(これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
「適切な反応条件」は、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドが基質を所望のアミノ生成物化合物に変換することができる(例えば、化合物(2)を化合物(1)に変換することができる)生体触媒反応溶液中の条件(例えば、ある範囲の酵素負荷、基質負荷、補因子負荷、温度、pH、バッファー、共溶媒など)を指す。例示的な「適切な反応条件」は本開示で提供されており、実施例により例証されている。
「化合物負荷」または「酵素負荷」などの「負荷」は、反応開始時における反応混合物中の成分の濃度または量を指す。
生体触媒媒介プロセスの文脈における「基質」は、生体触媒が作用する化合物または分子を指す。
生体触媒媒介プロセスの文脈における「生成物」は、生体触媒の作用から生じる化合物または分子を指す。例えば、本明細書に開示されるプロセスにおけるトランスアミナーゼ生体触媒の例示的な生成物は、化合物(1)である。
「湿潤有機溶媒」は、その有機溶媒に溶解され得る最大量の水を含む有機溶媒として定義される。例えば、IPAc中の水の溶解度は、約1.9wt%であると当業者により認められており、以下の実施例に記載されているように、または他の適切な方法により、最大約1.9wt%を含有する湿潤IPAcが生成され得る。この用途で使用される場合、湿潤有機溶媒は、実施例に記載されているスクリーニングアッセイ反応などの化学反応へのいかなる水の添加も伴わずに最小水性条件を作り出す。
「最小水性条件」は、余分な水の添加を伴わずに湿潤有機溶媒の使用により作り出された条件である。最小水性条件は、反応条件または溶媒系として、その有機溶媒に溶解され得る最大量の水を含有する有機溶媒を使用する。水性条件と比較して、最小水性条件は、水が反応物または溶媒系に添加される反応条件や溶媒系を含まない。むしろ、最小水性条件は、最初に、有機溶媒に溶解され得る最大量の水に溶解させ、次に、未溶解の水を除去し、次いで、湿潤有機溶剤に溶解されないいかなるさらなる水も含まない溶媒系で湿潤有機溶媒を使用することにより作り出される。
発明の詳細な説明
本発明は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよびその組成物、ならびに操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。トランスアミナーゼ酵素を生成するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、湿潤有機溶媒中の最小水性条件下で、改善された酵素特性を提供するように最適化される。
対応するS-ホモバリンエステル生成物(メチル(S)-3-アミノ-4-メチル-ペンタノエート)へのメチルケトエステル基質(メチル4-メチル-3-オキソ-ペンタノエート)へのアミノ基転移は、スキーム2に示されている。
スキーム2
Figure 2022518212000010
典型的な水性条件下における生成物収率は、アミノエステル生成物の自然発生的加水分解およびケトエステルの自然発生的加水分解とそれに続く分解により制限される。以下のスキーム4を参照のこと。
スキーム4
Figure 2022518212000011
工業プロセスのための不斉酵素合成の限界を克服するための1つのアプローチは、湿潤有機溶媒の使用である。しかしながら、このアプローチは、有機溶媒中で活性を示す酵素の欠如により制限されている。最近、予備研究は、固定を必要としない、湿潤有機溶媒中でArthrobacter種由来のω-トランスアミナーゼの活性を実証した(Mutti&Kroutil,Adv.Synth.Catal.,2012,354,3409-4313)。
本発明のポリペプチドは、高いエナンチオ選択性のために、および湿潤有機溶媒中の最小水性条件下で触媒的に活性であるように操作されている。これは、湿潤有機溶媒中でS-ホモバリンエステルへのメチルケトエステルの直接変換を可能にし、メチルケトエステルおよびS-ホモバリンエステルの両方の自然発生的加水分解を大きく最小化する。加えて、本発明の操作されたポリペプチドは、増加した熱活性を有するように操作されており、湿潤有機溶媒の存在下、高温における反応を可能にする。
湿潤有機溶媒中の改善された活性および高温における湿潤有機溶媒中の改善された活性を有する操作されたトランスアミナーゼは、光学的に活性な形態のキラルアミン化合物を調製するための工業プロセスにおいて使用され得る。
トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチド
本発明は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよびその組成物、ならびに操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。トランスアミナーゼ酵素を生成するための方法も提供される。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、湿潤有機溶媒中の最小水性条件下で、改善された酵素特性を提供するように最適化される。
本開示の操作されたポリペプチドは、Arthrobacter sp.KNK168(Genbank受託番号BAK39753.1,GI:336088341)の野生型トランスアミナーゼポリペプチドと比較して、および本開示の操作されたポリペプチドの定向進化のための出発骨格配列として使用した配列番号2の操作された参照トランスアミナーゼポリペプチドと比較して改善された酵素特性(例えば、増加した立体選択性)を有するように操作された天然に存在しないトランスアミナーゼである。配列番号2の操作された参照トランスアミナーゼポリペプチドは、野生型Arthrobacter sp.KNK168ポリペプチド配列と比べて以下の30個のアミノ酸差異を有する:S8P、E42G、S54P、Y60F、L61Y、H62T、V65A、V69T、D81G、M94I、I96L、F122M、S124T、S126T、G136F、Y150F、V152S、Q155L、W156Q、A169L、V199I、A209L、G217N、S223P、L269P、L273Y、T282S、A284G、P297SおよびS321P。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、特定の工業的に関連する条件下で化合物(2)から化合物(1)への効率的な変換のために配列番号2の定向進化により生成されたものであり、配列番号2の操作された参照トランスアミナーゼポリペプチドと比較して1つまたはそれを超える残基差異を有する。これらの残基差異は、湿潤有機溶媒中の最小水性条件下における様々な酵素特性の改善、特に増加した活性、増加した立体選択性、増加した安定性、ならびに増加した基質および/または生成物濃度の耐性(例えば、減少した生成物阻害)に関連する。したがって、いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で配列番号2、6、332、518および/または656の参照ポリペプチドの活性と比べて少なくとも約1~2倍、1.5~2.5倍、2~3倍、2.5~3.5倍、3~4倍、3.5~4.5倍、4~5倍、4.5~5倍、5~10倍、10~15倍またはそれを超えて増加した活性で、基質化合物(2)を化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で、約72時間、約48時間、約36時間、約24時間、約20時間またはさらにはそれよりも短い時間の反応時間で、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約10%、少なくとも約15%または少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%の変換率で、化合物(2)の基質を化合物(1)に変換することができる。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、適切な反応条件下で、少なくとも90%、95%、97%、98%、99%またはそれを超えるエナンチオマー過剰率で、化合物(2)を化合物(1)に変換することができる。
適切な反応条件では、操作されたポリペプチドの上記改善された特性は、ポリペプチド、基質、アミノ基供与体、補因子の濃度もしくは量ならびに/または温度および反応時間を含む条件に関して決定され得る。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、湿潤有機溶媒中の最小水性条件を含む。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、以下および実施例に記載されているHTPまたはSFPアッセイ条件を含む。
いくつかの実施形態では、さらなる反応成分またはさらなる技術は、反応条件を補足するために利用される。いくつかの実施形態では、これらは、酵素の不活性化を安定化もしくは防止し、生成物阻害を減少させ、または反応平衡を所望の生成物形成にシフトさせるための措置を取ることを含む。
いくつかのさらなる実施形態では、生成物化合物への基質化合物の変換のための上記プロセスはいずれも、生成物化合物の抽出、単離、精製、結晶化、濾過および/または凍結乾燥から選択される1つまたはそれを超える工程をさらに含み得る。本明細書で提供されるプロセスにより生成される生体触媒反応混合物から生成物を抽出、単離、精製および/または結晶化するための方法、技術およびプロトコールは当業者に公知であり、および/またはルーチンな実験を通じてアクセスされる。加えて、例示的な方法は、以下の実施例で提供されている。
本開示の例示的な天然に存在しない操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの構造および機能に関する情報は、上記表1、2、3、4、5、6、7および8に示されている。奇数番号配列識別子(すなわち、配列番号)は、偶数番号配列番号により提供されるアミノ酸(aa)配列をコードするヌクレオチド(nt)配列を指し、配列は、本開示に添付の電子配列表ファイル(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)で提供される。アミノ酸残基差異は、配列番号2、6、332、518および/または656の参照ポリペプチド配列との比較に基づく。ハイスループット(HTP)アッセイ(一次スクリーニングとして)、ならびにいくつかの場合では、二次的振盪フラスコ粉末(SFP)アッセイを使用して、各操作されたポリペプチドの活性を決定した。HTPおよびSFP調製ならびにアッセイのさらなる詳細は、実施例に記載されている。
当業者には明らかなように、前述の残基位置および各残基位置の特定のアミノ酸残基は、とりわけ、酵素活性、基質/生成物優先性、立体選択性、基質/生成物の耐性および様々な条件、例えば湿潤有機溶媒中の最小水性条件下における安定性を含む所望の改善された特性を有するトランスアミナーゼポリペプチドを合成するために個々にまたは様々な組み合わせで使用され得る。
本明細書で提供される指針を考慮すると、配列番号4~846の偶数番号配列識別子を有する例示的な操作されたポリペプチドはいずれも、例えば、表1、2、3、4、5、6、7および8における他のポリペプチドおよびそこに記載されている他の残基位置からの様々なアミノ酸差異の新たな組み合わせを付加することによるその後の進化ラウンドにより、他の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを合成するための出発アミノ酸配列として使用され得ることがさらに企図される。さらなる改善は、前の進化ラウンドを通して不変に維持された位置においてアミノ酸差異を含ませることにより生成され得る。
いくつかの実施形態では、本開示はまた、機能的トランスアミナーゼ活性および/または操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの改善された特性を保持する本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのいずれかの断片を含む操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供する。したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、(例えば、適切な反応条件下で化合物(2)を化合物(1)に変換することができる)トランスアミナーゼ活性を有するポリペプチド断片であって、本開示の操作されたポリペプチド、例えば配列番号4~846の偶数番号配列識別子を有する例示的な操作されたポリペプチドの全長アミノ酸配列の少なくとも約80%、90%、95%、98%または99%を含むポリペプチド断片を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチド配列、例えば配列番号4~846の偶数番号配列識別子を有する例示的な操作されたポリペプチド配列のいずれか1つと比較して欠失を含むアミノ酸配列を有し得る。したがって、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのあらゆる各実施形態について、アミノ酸配列は、トランスアミナーゼポリペプチドのアミノ酸の総数の最大10%、アミノ酸の総数の最大10%、アミノ酸の総数の最大20%、またはアミノ酸の総数の最大30%である、1個またはそれを超えるアミノ酸、2個またはそれを超えるアミノ酸、3個またはそれを超えるアミノ酸、4個またはそれを超えるアミノ酸、5個またはそれを超えるアミノ酸、6個またはそれを超えるアミノ酸、8個またはそれを超えるアミノ酸、10個またはそれを超えるアミノ酸、15個またはそれを超えるアミノ酸、または20個またはそれを超えるアミノ酸の欠失を含み得、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼの関連機能活性および/または改善された特性は維持される。いくつかの実施形態では、欠失は、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~15、1~20、1~21、1~22、1~23、1~24、1~25、1~30、1~35、1~40、1~45、1~50、1~55または1~60個のアミノ酸残基を含み得る。いくつかの実施形態では、欠失の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、30、35、40、45、50、55または60個アミノ酸残基であり得る。いくつかの実施形態では、欠失は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24、25または30個のアミノ酸残基の欠失を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチド配列、例えば配列番号4~846の偶数番号配列識別子を有する例示的な操作されたポリペプチド配列のいずれか1つと比較して挿入を含むアミノ酸配列を有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供する。したがって、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドのあらゆる各実施形態について、挿入は、1個またはそれを超えるアミノ酸、2個またはそれを超えるアミノ酸、3個またはそれを超えるアミノ酸、4個またはそれを超えるアミノ酸、5個またはそれを超えるアミノ酸、6個またはそれを超えるアミノ酸、8個またはそれを超えるアミノ酸、10個またはそれを超えるアミノ酸、15個またはそれを超えるアミノ酸、または20個またはそれを超えるアミノ酸を含み得、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼの関連機能活性および/または改善された特性は維持される。挿入は、トランスアミナーゼポリペプチドのアミノもしくはカルボキシ末端または内部部分に対するものであり得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドであって、配列番号4~846の偶数番号配列識別子を有する配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ただし、前記アミノ酸配列が、2012年10月23日に発行された米国特許第8,293,507号、2011年1月13日に公開されたPCT公開WO2011005477A1号、2012年2月23日に公開されたPCT公開WO2012024104号および2012年9月7日付に出願されたPCT出願第PCT/US12/54300号(これらはそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドのいずれとも同一ではない(すなわち、これらを除外する)操作されたポリペプチドを提供する。
上記実施形態では、操作されたポリペプチドのための適切な反応条件は、表1、2、3、4、5、6、7および8に記載されているものである。したがって、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または化合物(1)の調製であって、適切な反応条件が、(a)約10~220g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2))の基質負荷;(b)約0.5g/L~25g/Lの操作されたポリペプチド;(c)約0.1~3MのIPM濃度;(d)湿潤有機溶媒;および(e)約30℃~60℃の温度を含む調製が行われ得る。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、(a)約20g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2));(b)約20g/Lの操作されたポリペプチド;(c)湿潤IPAc;(d)約0.55M IPM;および(e)約50℃を含む。これらの反応条件およびトランスアミナーゼポリペプチドの使用に関する指針は、とりわけ、表1、2、3、4、5、6、7および8ならびに実施例で提供されている。
いくつかの実施形態では、本開示のポリペプチドは、操作されたポリペプチドが、例えば限定されないが、抗体タグ(例えば、mycエピトープ)、精製配列(例えば、金属への結合のためのHisタグ)および細胞局在化シグナル(例えば、分泌シグナル)などにより他のポリペプチドに融合された融合ポリペプチドの形態であり得る。したがって、本明細書に記載される操作されたポリペプチドは、他のポリペプチドとの融合と共にまたはそれを伴わずに使用され得る。
本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、遺伝子にコードされたアミノ酸に限定されない。したがって、遺伝子にコードされたアミノ酸に加えて、本明細書に記載されるポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸および/または非コード合成のアミノ酸から全体的にまたは部分的に構成され得る。本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得る一般的に遭遇するある特定の非コードアミノ酸としては、限定されないが、遺伝子にコードされたアミノ酸のD-立体異性体;2,3-ジアミノプロピオン酸(Dpr);α-アミノイソ酪酸(Aib);ε-アミノヘキサン酸(Aha);δ-アミノ吉草酸(Ava);N-メチルグリシンまたはサルコシン(MeGlyまたはSar);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t-ブチルアラニン(Bua);t-ブチルグリシン(Bug);N-メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);ナフチルアラニン(Nal);2-クロロフェニルアラニン(Ocf);3-クロロフェニルアラニン(Mcf);4-クロロフェニルアラニン(Pcf);2-フルオロフェニルアラニン(Off);3-フルオロフェニルアラニン(Mff);4-フルオロフェニルアラニン(Pff);2-ブロモフェニルアラニン(Obf);3-ブロモフェニルアラニン(Mbf);4-ブロモフェニルアラニン(Pbf);2-メチルフェニルアラニン(Omf);3-メチルフェニルアラニン(Mmf);4-メチルフェニルアラニン(Pmf);2-ニトロフェニルアラニン(Onf);3-ニトロフェニルアラニン(Mnf);4-ニトロフェニルアラニン(Pnf);2-シアノフェニルアラニン(Ocf);3-シアノフェニルアラニン(Mcf);4-シアノフェニルアラニン(Pcf);2-トリフルオロメチルフェニルアラニン(Otf);3-トリフルオロメチルフェニルアラニン(Mtf);4-トリフルオロメチルフェニルアラニン(Ptf);4-アミノフェニルアラニン(Paf);4-ヨードフェニルアラニン(Pif);4-アミノメチルフェニルアラニン(Pamf);2,4-ジクロロフェニルアラニン(Opef);3,4-ジクロロフェニルアラニン(Mpcf);2,4-ジフルオロフェニルアラニン(Opff);3,4-ジフルオロフェニルアラニン(Mpff);ピリド-2-イルアラニン(2pAla);ピリド-3-イルアラニン(3pAla);ピリド-4-イルアラニン(4pAla);ナフト-1-イルアラニン(1nAla);ナフト-2-イルアラニン(2nAla);チアゾリルアラニン(taAla);ベンゾチエニルアラニン(bAla);チエニルアラニン(tAla);フリルアラニン(fAla);ホモフェニルアラニン(hPhe);ホモチロシン(hTyr);ホモトリプトファン(hTrp);ペンタフルオロフェニルアラニン(5ff);スチリルアラニン(sAla);アウトリルアラニン(authrylalanine)(aAla);3,3-ジフェニルアラニン(Dfa);3-アミノ-5-フェニルペンタン酸(Afp);ペニシラミン(Pen);1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic);β-2-チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(Mso);N(w)-ニトロアルギニン(nArg);ホモリジン(hLys);ホスホノメチルフェニルアラニン(pmPhe);ホスホセリン(pSer);ホスホトレオニン(pThr);ホモアスパラギン酸(hAsp);ホモグルタミン酸(hGlu);1-アミノシクロペンタ-(2または3)-エン-4カルボン酸;ピペコリン酸(PA)、アゼチジン-3-カルボン酸(ACA);1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸;アリルグリシン(aOly);プロパルギルグリシン(pgGly);ホモアラニン(hAla);ノルバリン(nVal);ホモロイシン(hLeu)、ホモバリン(hVal);ホモイソロイシン(hIle);ホモアルギニン(hArg);N-アセチルリジン(AcLys);2,4-ジアミノ酪酸(Dbu);2,3-ジアミノ酪酸(Dab);N-メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys);ホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp)およびホモプロリン(hPro)が挙げられる。本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得るさらなる非コードアミノ酸は、当業者には明らかである(例えば、Fasman,1989,CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,CRC Press,Boca Raton,FL,at pp.3-70およびそれらの中で引用されている参考文献(これらはすべて、参照により組み込まれる)に提供されている様々なアミノ酸を参照のこと)。これらのアミノ酸は、L-またはD-配置のいずれかであり得る。
当業者は、側鎖保護基を有するアミノ酸または残基もまた、本明細書に記載されるポリペプチドを含み得ることを認識する。このような保護アミノ酸(この場合、これは芳香族のカテゴリーに属する)の非限定的な例としては、限定されないが、Arg(tos)、Cys(メチルベンジル)、Cys(ニトロピリジンスルフェニル)、Glu(δ-ベンジルエステル)、Gln(キサンチル)、Asn(N-δ-キサンチル)、His(bom)、His(ベンジル)、His(tos)、Lys(fmoc)、Lys(tos)、Ser(O-ベンジル)、Thr(O-ベンジル)およびTyr(O-ベンジル)が挙げられる(保護基は括弧内に掲載されている)。
本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得る立体構造的に拘束された非コードアミノ酸としては、限定されないが、N-メチルアミノ酸(L-配置);1-アミノシクロペンタ-(2または3)-エン-4-カルボン酸;ピペコリン酸;アゼチジン-3-カルボン酸;ホモプロリン(hPro);および1-アミノシクロペンタン-3-カルボン酸が挙げられる。
いくつかの実施形態では、操作されたポリペプチドは、固体支持体、例えば膜、樹脂、固体担体または他の固相材料上に提供され得る。固体支持体は、有機ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシおよびポリアクリルアミド)ならびにそのコポリマーおよびグラフトから構成され得る。固体支持体はまた、無機物、例えばガラス、シリカ、制御細孔ガラス(CPG)、逆相シリカまたは金属、例えば金または白金であり得る。固体支持体の形状は、ビーズ、球、粒子、顆粒、ゲル、膜または表面の形態であり得る。表面は、平面、実質的に平面または非平面であり得る。固体支持体は多孔性または非多孔性であり得、膨潤または非膨潤特徴を有し得る。固体支持体は、ウェル、くぼみまたは他の容器、器、特徴もしくは場所の形態で形成され得る。
いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、それらが配列番号2の参照ポリペプチドと比べてそれらの改善された活性、エナンチオ選択性、立体選択性および/または他の改善された特性を保持するように、固体支持体に結合または固定される。このような実施形態では、固定されたポリペプチドは、式(I)の対応するアミン生成物化合物または化合物(1)への式(II)の基質化合物または化合物(2)の生体触媒変換を促進し得、反応完了後に(例えば、ポリペプチドが固定されたビーズを保持することにより)容易に保持され、次いでその後の反応で再使用または再循環される。このような固定化酵素プロセスは、さらなる効率およびコスト削減を可能にする。したがって、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用する方法はいずれも、固体支持体に結合または固定された同じトランスアミナーゼポリペプチドを使用して行われ得ることがさらに企図される。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、非共有結合的または共有結合的に結合され得る。固体支持体(例えば、樹脂、膜、ビーズ、ガラスなど)への酵素のコンジュゲーションおよび固定のための様々な方法は当技術分野で周知である。特に、PCT公開WO2012/177527A1号は、化合物(2)を化合物(1)に変換することができる操作されたトランスアミナーゼポリペプチド(配列番号2の参照ポリペプチドを含む)を固定し、かつ固定されたポリペプチドを調製する方法であって、前記ポリペプチドが疎水性相互作用または共有結合のいずれかにより樹脂に物理的に結合され、少なくとも最大100%の有機溶媒を含む溶媒系で安定である、方法。固体支持体(例えば、樹脂、膜、ビーズ、ガラスなど)への酵素のコンジュゲーションおよび固定のための他の方法は当技術分野で周知であり、例えば、Yiら、“Covalent immobilization of ω-transaminase from Vibrio fluvialis JS17 on chitosan beads,”Process Biochemistry 42(5):895-898(May 2007);Martinら、“Characterization of free and immobilized(S)-aminotransferase for acetophenone production,”Applied Microbiology and Biotechnology 76(4):843-851(Sept.2007);Koszelewskiら、“Immobilization of ω-transaminases by encapsulation in a sol-gel/celite matrix,” Journal of Molecular Catalysis B:Enzymatic,63:39-44(Apr.2010);Truppoら、“Development of an Improved Immobilized CAL-B for the Enzymatic Resolution of a Key Intermediate to Odanacatib,”Organic Process Research&Development,published online:dx.doi.org/10.1021/op200157c;Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques,Second Edition,Academic Press(2008);Mateoら、“Epoxy sepabeads:a novel epoxy support for stabilization of industrial enzymes via very intense multipoint covalent attachment,”Biotechnology Progress 18(3):629-34(2002);およびBioconjugation Protocols:Strategies and Methods,In Methods in Molecular Biology,C.M.Niemeyer ed.,Humana Press(2004)(これらの開示はそれぞれ、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを固定するために有用な固体支持体としては、限定されないが、エポキシド官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシド官能基を有するポリメタクリレート、オクタデシル官能基を有するスチレン/DVBコポリマーまたはポリメタクリレートを含むビーズまたは樹脂が挙げられる。本開示の操作されたトランスアミナーゼを固定するために有用な例示的な固体支持体としては、限定されないが、キトサンビーズ、Eupergit CおよびSEPABEAD(Mitsubishi)(以下の異なるタイプのSEPABEAD:EC-EP、EC-HFA/S、EXA252、EXE119およびEXE120を含む)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ポリペプチドが位置的に異なる場所に配置されたアレイの形態で提供され得る。いくつかの実施形態では、位置的に異なる場所は、96ウェルプレートなどの固体支持体におけるウェルである。複数の支持体は、試薬のロボット送達のために、または検出方法および/もしくは機器により処理可能な様々な場所でアレイ上に構成され得る。このようなアレイは、ポリペプチドによる変換について様々な基質化合物を試験するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される操作されたポリペプチドは、キットの形態で提供され得る。キット中のポリペプチドは個々に存在し得るか、または複数のポリペプチドとして存在し得る。キットは、酵素反応を行うための試薬と、ポリペプチドの活性を評価するための基質と、生成物を検出するための試薬とをさらに含み得る。キットはまた、試薬ディスペンサーと、キットの使用のための指示とを含み得る。いくつかの実施形態では、本開示のキットは、異なる処理可能な位置において複数の異なる操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを含むアレイを含み、異なるポリペプチドは、それぞれが少なくとも1つの異なる改善された酵素特性を有する参照配列の異なるバリアントである。複数の操作されたポリペプチドを含む上記アレイおよびそれらの使用方法は公知である(例えば、国際公開第2009/008908A2号を参照のこと)。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを調製するために有用なポリヌクレオチド、制御配列、発現ベクターおよび宿主細胞
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドを、遺伝子発現を制御する1つまたはそれを超える異種調節配列に作動可能に連結して、ポリペプチドを発現することができる組換えポリヌクレオチドを作り得る。操作されたトランスアミナーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物を適切な宿主細胞に導入して、対応する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを発現させ得る。
当業者には明らかなように、タンパク質配列のアベイラビリティおよび様々なアミノ酸に対応するコドンの知識は、対象のタンパク質配列をコードすることができるすべてのポリヌクレオチドの説明を提供する。同じアミノ酸が代替コドンまたは同義コドンによりコードされる遺伝暗号の縮重は、極めて多数の核酸の作製を可能にし、これらはすべて、本明細書に開示される改善されたトランスアミナーゼ酵素をコードする。したがって、特定のアミノ酸配列が同定されていれば、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を変化させない方法で1つまたはそれを超えるコドンの配列を単に改変することにより、任意の数の異なる核酸を作製し得る。これに関して、本開示は、可能なコドン選択に基づいて組み合わせを選択することにより作製され得るポリヌクレオチドのあらゆる可能な各バリエーションを具体的に企図し、このようなバリエーションはすべて、表1、2、3、4、5、6、7および8に提供されており、配列番号4~846の偶数番号配列識別子の配列として参照により本明細書に組み込まれる配列表に開示されている例示的な操作されたポリペプチドのアミノ酸配列を含む本明細書に開示される任意のポリペプチドについて具体的に開示されていると考えられるべきものである。
様々な実施形態では、コドンは、好ましくは、タンパク質が産生されている宿主細胞に適合するように選択される。例えば、細菌において使用される好ましいコドンは、細菌において遺伝子を発現させるために使用され;酵母において使用される好ましいコドンは、酵母における発現のために使用され;哺乳動物において使用される好ましいコドンは、哺乳動物細胞における発現のために使用される。いくつかの実施形態では、天然配列は好ましいコドンを含み得るので、および好ましいコドンの使用は、すべてのアミノ酸残基に必要ではない場合があるので、トランスアミナーゼのコドン使用頻度を最適化するためにすべてのコドンを置き換える必要はない。その結果として、トランスアミナーゼ酵素をコードするコドン最適化されたポリヌクレオチドは、全長コード領域のコドン位置の約40%、50%、60%、70%、80%または90%超において好ましいコドンを含み得る。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4~846の偶数番号配列識別子から選択される参照配列と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えて同一のアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードし、ポリペプチドは、トランスアミナーゼ活性および1つまたはそれを超える本明細書に記載される改善された特性、例えば配列番号2のポリペプチドと比較して増加した活性で化合物(2)を生成物化合物(1)に変換する能力を有する。いくつかの実施形態では、参照配列は、配列番号6、332、518および656から選択される。
いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3~845の奇数番号配列識別子から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、配列番号5、331、517および655から選択される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、高ストリンジェントな条件下で、本明細書で提供される任意のポリヌクレオチド配列もしくはその相補体、または本明細書で提供されるバリアント酵素ポリペプチドのいずれかをコードするポリヌクレオチド配列から選択される参照ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、参照配列と比較して1つまたはそれを超える残基差異を有するアミノ酸配列を含む酵素ポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるポリペプチドをコードするが、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチドとヌクレオチドレベルで約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%またはそれを超える配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチド配列は、配列番号3~845の奇数番号配列識別子を有する配列から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書の操作された酵素ポリペプチドのいずれかをコードする単離されたポリヌクレオチドは、酵素ポリペプチドの発現を容易にするための様々な方法で操作される。いくつかの実施形態では、酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、酵素ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を調節するために1つまたはそれを超える制御配列が存在する発現ベクターを含む。利用される発現ベクターに応じて、ベクターへのその挿入前の単離されたポリヌクレオチドの操作が望ましいかまたは必要な場合がある。組換えDNA法を利用してポリヌクレオチドおよび核酸配列を改変するための技術は、当技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、制御配列としては、とりわけ、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列および転写ターミネーターが挙げられる。いくつかの実施形態では、適切なプロモーターは、宿主細胞選択に基づいて選択される。細菌宿主細胞の場合、本開示の核酸構築物の転写を誘導するために適切なプロモーターとしては、限定されないが、大腸菌(E.coli)のlacオペロン、Streptomyces coelicolorのアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus subtilisのレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus licheniformisのアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus stearothermophilusのマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bacillus amyloliquefaciensのアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus licheniformisのペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus subtilisのxylAおよびxylB遺伝子、ならびに原核生物のベータ-ラクタマーゼ遺伝子(例えば、Villa-Kamaroffら、Proc.Natl Acad.Sci.USA 75:3727-3731[1978])から得られるプロモーター、ならびにtacプロモーター(例えば、DeBoerら、Proc.Natl Acad.Sci.USA 80:21-25[1983])が挙げられる。糸状菌宿主細胞のための例示的なプロモーターとしては、限定されないが、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus nigerの中性アルファ-アミラーゼ、Aspergillus nigerの酸安定性アルファ-アミラーゼ、Aspergillus nigerまたはAspergillus awamoriのグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor mieheiのリパーゼ、Aspergillus oryzaeのアルカリプロテアーゼ、Aspergillus oryzaeのトリオースホスフェートイソメラーゼ、Aspergillus nidulansのアセトアミダーゼおよびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼ(例えば、国際公開第96/00787号を参照のこと)の遺伝子から得られるプロモーター、ならびにNA2-tpiプロモーター(Aspergillus nigerの中性アルファ-アミラーゼおよびAspergillus oryzaeのトリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子由来のプロモーターのハイブリッド)、ならびにそれらの変異体プロモーター、切断型プロモーターおよびハイブリッドプロモーターが挙げられる。例示的な酵母細胞プロモーターは、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ(ENO-1)、出芽酵母のガラクトキナーゼ(GAL1)、出芽酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)および出芽酵母の3-ホスホグリセリン酸キナーゼの遺伝子に由来し得る。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモーターは当技術分野で公知である(例えば、Romanosら、Yeast 8:423-488[1992]を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、制御配列はまた、適切な転写ターミネーター配列(すなわち、転写を終結するための、宿主細胞により認識される配列)である。いくつかの実施形態では、ターミネーター配列は、酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。選択した宿主細胞において機能的な任意の適切なターミネーターが本発明において使用される。糸状菌宿主細胞のための例示的な転写ターミネーターは、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸シンターゼ、Aspergillus nigerのアルファ-グルコシダーゼおよびFusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼの遺伝子から得られ得る。酵母宿主細胞のための例示的なターミネーターは、出芽酵母のエノラーゼ、出芽酵母のシトクロムC(CYC1)および出芽酵母のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素の遺伝子から得られ得る。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネーターは当技術分野で公知である(例えば、Romanosら、前掲を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、制御配列はまた、適切なリーダー配列(すなわち、宿主細胞による翻訳に重要なmRNAの非翻訳領域)である。いくつかの実施形態では、リーダー配列は、酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。選択した宿主細胞において機能的な任意の適切なリーダー配列が本発明において使用される。糸状菌宿主細胞のための例示的なリーダー配列は、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼおよびAspergillus nidulansのトリオースホスフェートイソメラーゼの遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための適切なリーダーは、出芽酵母のエノラーゼ(ENO-1)、出芽酵母の3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、出芽酵母のアルファ-因子および出芽酵母のアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)の遺伝子から得られる。
いくつかの実施形態では、制御配列はまた、ポリアデニル化配列(すなわち、核酸配列の3’末端に作動可能に連結された配列であり、転写されると、ポリアデノシン残基を転写mRNAに付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列)である。選択した宿主細胞において機能的な任意の適切なポリアデニル化配列が本発明において使用される。糸状菌宿主細胞のための例示的なポリアデニル化配列としては、限定されないが、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Aspergillus nidulansのアントラニル酸シンターゼ、Fusarium oxysporumのトリプシン様プロテアーゼおよびAspergillus nigerのアルファ-グルコシダーゼの遺伝子が挙げられる。酵母宿主細胞のための有用なポリアデニル化配列は当技術分野で公知である(例えば、Guo and Sherman,Mol.Cell.Bio.,15:5983-5990[1995]を参照のこと)。例示的な哺乳動物ポリアデニル化配列は、Zhangら、2005,Nucleic Acids Res.33:D116-D120に見出され得る。
いくつかの実施形態では、制御配列はまた、シグナルペプチド(すなわち、ポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に誘導するコード領域)である。いくつかの実施形態では、核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳リーディングフレームで天然に連結されたシグナルペプチドコード領域を本質的に含有し得る。あるいは、いくつかの実施形態では、コード配列の5’末端は、コード配列に対して外来のシグナルペプチドコード領域を含有する。発現されたポリペプチドを選択した宿主細胞の分泌経路に誘導する任意の適切なシグナルペプチドコード領域が、操作されたポリペプチドの発現に使用される。細菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域としては、限定されないが、Bacillus NClB11837のマルトース生成アミラーゼ、Bacillus stearothermophilusのアルファ-アミラーゼ、Bacillus licheniformisのサブチリシン、Bacillus licheniformisのベータ-ラクタマーゼ、Bacillus stearothermophilusの中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)およびBacillus subtilisのprsAの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域が挙げられる。さらなるシグナルペプチドは当技術分野で公知である(例えば、Simonen and Palva,Microbiol.Rev.,57:109-137[1993]を参照のこと)。いくつかの実施形態では、糸状菌宿主細胞のための有効なシグナルペプチドコード領域としては、限定されないが、Aspergillus oryzaeのTAKAアミラーゼ、Aspergillus nigerの中性アミラーゼ、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola insolensのセルラーゼおよびHumicola lanuginosaのリパーゼの遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域が挙げられる。酵母宿主細胞のための有用なシグナルペプチドとしては、限定されないが、出芽酵母のアルファ-因子および出芽酵母のインベルターゼの遺伝子に由来するものが挙げられる。
いくつかの実施形態では、制御配列はまた、ポリペプチドのアミノ末端に配置されたアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域である。得られるポリペプチドは、「プロ酵素」、「プロポリペプチド」または「チモーゲン」と称される。プロポリペプチドは、プロポリペプチド由来のプロペプチドの触媒的切断または自己触媒的切断により、成熟活性ポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード領域は、限定されないが、Bacillus subtilisのアルカリプロテアーゼ(aprE)、Bacillus subtilisの中性プロテアーゼ(nprT)、出芽酵母のアルファ-因子、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼおよびMyceliophthora thermophilaのラクターゼ(例えば、国際公開第95/33836号を参照のこと)の遺伝子を含む任意の適切な供給源から得られ得る。シグナルペプチド領域およびプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域はポリペプチドのアミノ末端の隣に配置され、シグナルペプチド領域はプロペプチド領域のアミノ末端の隣に配置される。いくつかの実施形態では、調節配列も利用される。これらの配列は、宿主細胞の成長に関連してポリペプチドの発現の調節を容易にする。調節系の例は、調節化合物の存在を含む化学的刺激または物理的刺激に応答して遺伝子の発現のオンまたはオフを引き起こすものである。原核生物宿主細胞では、適切な調節配列としては、限定されないが、lac、tacおよびtrpオペレーター系が挙げられる。酵母宿主細胞では、適切な調節系としては、限定されないが、ADH2系またはGAL1系が挙げられる。糸状菌では、適切な調節配列としては、限定されないが、TAKAアルファ-アミラーゼプロモーター、Aspergillus nigerのグルコアミラーゼプロモーターおよびAspergillus oryzaeのグルコアミラーゼプロモーターが挙げられる。
別の態様では、本発明は、操作された酵素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、それらが導入される宿主タイプに応じた1つまたはそれを超える発現調節領域、例えばプロモーターおよびターミネーター、複製起点などとを含む組換え発現ベクターを対象とする。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される様々な核酸配列および制御配列を一緒に結合して、好都合な制限部位における酵素ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にする1つまたはそれを超えるこのような部位を含む組換え発現ベクターを生成する。あるいは、いくつかの実施形態では、本発明の核酸配列は、核酸配列または配列を含む核酸構築物を発現のための適切なベクターに挿入することにより発現される。発現ベクターの作製を伴ういくつかの実施形態では、コード配列が、発現のための適切な制御配列と作動可能に連結されるように、コード配列はベクター中に配置される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に好都合に供され得る任意の好適なベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得、酵素ポリヌクレオチド配列の発現をもたらし得る。ベクターの選択は、典型的には、ベクターが導入される宿主細胞とベクターの適合性に依存する。ベクターは、線状または閉環状プラスミドであり得る。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、自己複製ベクター(すなわち、染色体外実体として存在するベクターであって、その複製が染色体複製と独立したベクター、例えばプラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体または人工染色体)である。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含有し得る。いくつかの代替的な実施形態では、ベクターは、宿主細胞に導入されるとゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。さらに、いくつかの実施形態では、単一のベクターもしくはプラスミドまたは2つもしくはそれを超えるベクターもしくはプラスミド(これらは、宿主細胞のゲノムに導入すべき全DNAおよび/またはトランスポゾンを一緒に含有する)が利用される。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、形質転換細胞の容易な選択を可能にする1つまたはそれを超える選択マーカーを含有する。「選択マーカー」は、その産物が、殺生物剤抵抗性またはウイルス抵抗性、重金属に対する抵抗性、栄養素要求株に対する原栄養性などを提供する遺伝子である。細菌選択マーカーの例としては、限定されないが、Bacillus subtilisもしくはBacillus licheniformis由来のdal遺伝子または抗生物質抵抗性(例えば、アンピシリン抵抗性、カナマイシン抵抗性、クロラムフェニコール抵抗性またはテトラサイクリン抵抗性)を付与するマーカーが挙げられる。酵母宿主細胞のための適切なマーカーとしては、限定されないが、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1およびURA3が挙げられる。糸状菌宿主細胞において使用するための選択マーカーとしては、限定されないが、amdS(アセトアミダーゼ;例えば、A.nidulansまたはA.orzyae由来)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ;例えば、S.hygroscopicus由来)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン-5’-リン酸デカルボキシラーゼ;例えば、A.nidulansまたはA.orzyae由来)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ(sulfate adenyltransferase))およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにそれらの等価物が挙げられる。
本開示の発現ベクターはまた、宿主細胞ゲノムへのベクターの組み込みまたはゲノムと独立した細胞におけるベクターの自律複製を可能にするエレメント(複数可)を含み得る。宿主細胞ゲノムへの組み込みのために、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列、または相同もしくは非相同組換えによるゲノムへのベクター組み込みのためのベクターの任意の他のエレメントに依拠し得る。
あるいは、発現ベクターは、宿主細胞のゲノムへの相同組換えによる組み込みを誘導するためのさらなる核酸配列を含有し得る。さらなる核酸配列は、染色体中の正確な場所における宿主細胞ゲノムへのベクターの組み込みを可能にする。正確な場所への組み込みの尤度を増加させるために、組み込みエレメントは、好ましくは、相同組換えの確率を高めるための対応する標的配列と高度に相同な十分な数、例えば100~10000塩基対、好ましくは400~10000塩基対、最も好ましくは800~10000塩基対の核酸を含むべきである。組み込みエレメントは、宿主細胞のゲノムにおける標的配列と相同な任意の配列であり得る。さらに、組み込みエレメントは、非コード核酸配列またはコード核酸配列であり得る。他方、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノムに組み込まれ得る。
自律複製のために、ベクターは、問題の宿主細胞においてベクターを自律複製させ得る複製起点をさらに含み得る。細菌複製起点の例は、P15A oriまたはプラスミドpBR322、pUC19、pACYCl77(このプラスミドはP15A oriを有する)または大腸菌における複製を可能にするpACYC184、およびBacillusにおける複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060またはpAMβ1の複製起点である。酵母宿主細胞において使用するための複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3の組み合わせ、およびARS4とCEN6の組み合わせである。複製起点は、宿主細胞において温度感受性の様式でそれを機能させる変異を有するものであり得る(例えば、Ehrlich,1978,Proc Natl Acad Sci.USA 75:1433を参照のこと)。
遺伝子産物の産生を増加させるために、1コピーを超える本開示の核酸配列が宿主細胞に挿入され得る。核酸配列のコピー数の増加は、少なくとも1つのさらなるコピーの配列を宿主細胞ゲノムへ組み込むことにより、または核酸配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含ませることにより達成され得、選択マーカー遺伝子の増幅されたコピーおよびそれによる核酸配列のさらなるコピーを含有する細胞は、適切な選択剤の存在下で細胞を培養することにより選択され得る。
本開示の実施形態で有用な多くの発現ベクターは市販されている。適切な商業的発現ベクターとしては、哺乳類宿主細胞における発現のためのCMVプロモーターおよびhGHポリアデニル化部位と、大腸菌における増幅のためのpBR322複製起点およびアンピシリン抵抗性マーカーとを含むSigma-Aldrich Chemicalsからのp3xFLAGTM(商標)発現ベクターが挙げられる。他の適切な発現ベクターは、Stratagene,LaJolla CAから市販されているpBluescriptII SK(-)およびpBK-CMVおよびpBR322(Gibco BRL)、pUC(Gibco BRL)、pREP4、pCEP4(Invitrogen)またはpPolyから誘導されるプラスミドである(Latheら、1987,Gene 57:193-201)。
例示的な発現ベクターは、改善されたトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを、lacIレプレッサーの制御下のlacプロモーターを含有するプラスミドpCK110900Iに作動可能に連結することにより調製され得る。発現ベクターはまた、P15a複製起点およびクロラムフェニコール抵抗性遺伝子を含有する。
別の実施形態では、本開示は、本開示の改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞であって、前記ポリヌクレオチドが、前記宿主細胞におけるトランスアミナーゼ酵素発現のための1つまたはそれを超える制御配列に作動可能に連結された宿主細胞を提供する。本開示の発現ベクターによりコードされるポリペプチドの発現において使用するための宿主細胞は当技術分野で周知であり、限定されないが、細菌細胞(例えば、大腸菌、Arthrobacter sp.KNK168、StreptomycesおよびSalmonella typhimuriumの細胞);真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae(出芽酵母)またはPichia pastoris(ATCC受託番号201178));昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO、COS、BHK、293およびBowesメラノーマ細胞);および植物細胞が挙げられる。例示的な宿主細胞は、大腸菌W3110(ΔfhuA)である。上記宿主細胞に適切な培養培地および成長条件は当技術分野で周知である。
トランスアミナーゼの発現のためのポリヌクレオチドは、当技術分野で公知の様々な方法により細胞に導入され得る。技術としては、とりわけ、エレクトロポレーション、パーティクルガン法、リポソーム媒介性トランスフェクション、リン酸カルシウムトランスフェクションおよびプロトプラスト融合が挙げられる。ポリヌクレオチドを細胞に導入するための様々な方法は当業者には明らかである。
操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを生成する方法
いくつかの実施形態では、本開示の改善された操作されたポリヌクレオチドおよび操作されたポリペプチドを作製するために、アミノ基転移反応を触媒する天然に存在するトランスアミナーゼ酵素はArthrobacter sp.KNK168から得られるものである(由来する)。いくつかの実施形態では、親ポリヌクレオチド配列は、指定の宿主細胞におけるトランスアミナーゼの発現を増強するようにコドン最適化される。Arthrobacter sp.KNK168の野生型ポリペプチドをコードする親ポリヌクレオチド配列が記載されている(例えば、Iwasakiら、Appl.Microbiol.Biotechnol.,2006,69:499-505を参照のこと)。この親配列に基づく操作されたトランスアミナーゼの調製もまた、米国特許出願公開第2010/0285541A1号および公開された国際出願WO2010/099501号に記載されている。
操作されたトランスアミナーゼは、当技術分野で公知の任意の適切な方法を使用して産生され得る。目的の野生型ポリペプチドをコードする遺伝子は、プラスミドなどのベクターにクローニングされ、大腸菌などの所望の宿主において発現され得る。組換えポリペプチドのバリアントは、当技術分野で公知の様々な方法により生成され得る。実際、当業者に周知の多種多様な異なる変異誘発技術がある。加えて、変異誘発キットもまた、多くの商業的分子生物学供給業者からも入手可能である。規定のアミノ酸における特異的置換(部位特異的)、遺伝子の局所領域における特異的もしくはランダム変異(位置特異的)、または遺伝子全体にわたるランダム変異誘発(例えば、飽和変異誘発)を行うための方法が利用可能である。限定されないが、PCR、カセット変異誘発、遺伝子合成、エラープローンPCR、シャッフリングおよび化学飽和変異誘発または当技術分野で公知の任意の他の適切な方法を使用した一本鎖DNAもしくは二本鎖DNAの部位特異的変異誘発を含む、酵素バリアントを生成するための多数の適切な方法が当業者に公知である。変異誘発および定向進化法を酵素コードポリヌクレオチドに容易に適用して、バリアントライブラリーを生成し得、これを発現させ、スクリーニングし、アッセイし得る。任意の適切な変異誘発および定向進化法が本発明において使用され、当技術分野で周知である(例えば、米国特許5,605,793、5,811,238、5,830,721、5,834,252、5,837,458、5,928,905、6,096,548、6,117,679、6,132,970、6,165,793、6,180,406、6,251,674、6,265,201、6,277,638、6,287,861、6,287,862、6,291,242、6,297,053、6,303,344、6,309,883、6,319,713、6,319,714、6,323,030、6,326,204、6,335,160、6,335,198、6,344,356、6,352,859、6,355,484、6,358,740、6,358,742、6,365,377、6,365,408、6,368,861、6,372,497、6,337,186、6,376,246、6,379,964、6,387,702、6,391,552、6,391,640、6,395,547、6,406,855、6,406,910、6,413,745、6,413,774、6,420,175、6,423,542、6,426,224、6,436,675、6,444,468、6,455,253、6,479,652、6,482,647、6,483,011、6,484,105、6,489,146、6,500,617、6,500,639、6,506,602、6,506,603、6,518,065、6,519,065、6,521,453、6,528,311、6,537,746、6,573,098、6,576,467、6,579,678、6,586,182、6,602,986、6,605,430、6,613,514、6,653,072、6,686,515、6,703,240、6,716,631、6,825,001、6,902,922、6,917,882、6,946,296、6,961,664、6,995,017、7,024,312、7,058,515、7,105,297、7,148,054、7,220,566、7,288,375、7,384,387、7,421,347、7,430,477、7,462,469、7,534,564、7,620,500、7,620,502、7,629,170、7,702,464、7,747,391、7,747,393、7,751,986、7,776,598、7,783,428、7,795,030、7,853,410、7,868,138、7,783,428、7,873,477、7,873,499、7,904,249、7,957,912、7,981,614、8,014,961、8,029,988、8,048,674、8,058,001、8,076,138、8,108,150、8,170,806、8,224,580、8,377,681、8,383,346、8,457,903、8,504,498、8,589,085、8,762,066、8,768,871、9,593,326および関連USならびにPCTおよび非US対応出願; Ling et al.、Anal. Biochem.、254(2):157-78 [1997]; Dale et al.、Meth. Mol. Biol.、57:369-74 [1996]; Smith、Ann. Rev. Genet.、19:423-462 [1985]; Botstein et al.、Science、229:1193-1201 [1985]; Carter、Biochem. J.、237:1-7 [1986]; Kramer et al.、Cell、38:879-887 [1984]; Wells et al.、Gene、34:315-323 [1985]; Minshull et al.、Curr. Op. Chem. Biol.、3:284-290 [1999]; Christians et al.、Nat. Biotechnol.、17:259-264 [1999]; Crameri et al.、Nature、391:288-291 [1998]; Crameri、et al.、Nat. Biotechnol.、15:436-438 [1997]; Zhang et al.、Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A.、94:4504-4509 [1997]; Crameri et al.、Nat. Biotechnol.、14:315-319 [1996]; Stemmer、Nature、370:389-391 [1994]; Stemmer、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、91:10747-10751 [1994]; WO 95/22625; WO 97/0078; WO 97/35966; WO 98/27230; WO 00/42651; WO 01/75767;およびWO 2009/152336(これらはずべて、参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。
変異誘発処理後に得られたクローンは、所望の改善された酵素特性を有する操作されたトランスアミナーゼについてスクリーニングされ得る。発現ライブラリーからの酵素活性の測定は、標準的生化学技術、例えば生成物アミンのOPA誘導体化後のHPLC分析などを使用して実施され得る。
例えば、所望の改善された酵素特性が熱安定性である場合、酵素調製物を規定の温度に供した後に、熱処理の後に残った酵素活性の量を測定して、酵素活性が測定され得る。次いで、トランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを含有するクローンが単離され、配列決定されて、ヌクレオチド配列変化(もしあれば)が同定され、宿主細胞において酵素を発現させるために使用される。
操作されたポリペプチドの配列が公知である場合、酵素をコードするポリヌクレオチドは、公知の合成方法にしたがって、標準的な固相法により調製され得る。いくつかの実施形態では、最大約100塩基の断片が個々に合成され、次いで、(例えば、酵素的もしくは化学的なライゲーション法(enzymatic or chemical litigation methods)またはポリメラーゼ媒介方法により)結合されて、任意の所望の連続配列が形成され得る。例えば、本開示のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、典型的に、自動合成方法で実施されるように、例えば、Beaucageら、1981,Tet Lett 22:1859-69により記載されている従来のホスホルアミダイト法、またはMatthesら、1984,EMBO J.3:801-05により記載されている方法を使用して化学合成により調製され得る。ホスホルアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNA合成装置において合成され、精製され、アニーリングされ、ライゲーションされ、適切なベクターにクローニングされる。加えて、本質的に任意の核酸が、様々な商業的供給源のいずれかから得られ得る。
いくつかの実施形態では、本開示はまた、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを調製または製造するための方法であって、ポリペプチドの発現に適切な培養条件下で、前記操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現することができる宿主細胞を培養することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの調製のための方法は、ポリペプチドを単離することをさらに含む。操作されたポリペプチドは、(上記のように)適切な細胞において発現され、とりわけ、リゾチーム処理、音波処理、濾過、塩析、超遠心分離およびクロマトグラフィーを含むタンパク質精製に使用される周知の技術のいずれか1つまたはそれよりも多くを使用して、宿主細胞および/または培養培地から単離(または回収)され得る。ポリペプチドの単離のためのクロマトグラフィー技術としては、とりわけ、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動およびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。特定の操作されたポリペプチドを精製するための条件は、正味電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形状などの因子に部分的に依存し、当業者には明らかである。単離されたポリペプチドは、精製後に凍結乾燥されなければならない。
操作されたトランスアミナーゼ酵素の使用方法およびそれにより調製された化合物
別の態様では、本明細書に開示される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、化合物(1)の生成物または対応する構造類似体への基質化合物(2)またはその構造類似体の変換のためのプロセスにおいて使用され得る。一般に、化合物(1)の構造類似体は、構造式(I)内に包含される。
いくつかの実施形態では、本開示は、反対のエナンチオマーに対して少なくとも70%のエナンチオマー過剰率で、でマークされているステレオジェン中心において示されている立体化学的配置を有する構造式(I)の化合物:
Figure 2022518212000012
(式中、
Zは、1つまたはそれを超えるヒドロキシ、シアノまたはニトロ基で必要に応じて置換された直鎖C1-6アルキルまたは分枝鎖C1-6アルキルであり;ならびに
は、C1-6アルキル、アリール-C1-2アルキル、ヘテロアリール-C1-2アルキル、またはO、S、およびNから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員複素環式環系であり、前記複素環式環は置換されていないか、またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルコキシおよびC1-4アルキルから独立して選択される1~3個の置換基で置換されている)
を調製するためのプロセスであって、適切な反応条件下、適切な有機溶媒中、アミノ基供与体の存在下で、構造式(II)のプロキラルケトエステル:
Figure 2022518212000013
を本明細書に開示される操作されたポリペプチドと接触させる工程を含むプロセスを提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、化合物(1):
Figure 2022518212000014
を調製するプロセスであって、適切な反応条件下、アミノ基供与体の存在下で、化合物(2)の基質:
Figure 2022518212000015
を本明細書に開示される操作されたポリペプチドと接触させる工程を含むプロセスを提供する。
構造式(I)の化合物を調製するためのプロセスのいくつかの実施形態では、式(II)の化合物は化合物(2)を具体的に除外し、前記方法により調製された式(I)の化合物は化合物(1)を具体的に除外する。
本明細書に記載され実施例で例証されているように、本開示は、限定されないが、温度、湿潤有機溶媒系、基質負荷、基質化合物立体異性体の混合物、ポリペプチド負荷、補因子負荷、圧力および反応時間の範囲を含む本明細書のプロセスにおいて使用され得るある範囲の適切な反応条件を企図する。本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用して生成物化合物への基質化合物の生体触媒変換のためのプロセスを行うためのさらなる適切な反応条件は、限定されないが、濃度、温度、湿潤有機溶媒条件の実験反応条件下で操作されたトランスアミナーゼポリペプチドおよび基質化合物を接触させること、ならびに例えば本明細書で提供される実施例に記載されている方法を使用して生成物化合物を検出することを含むルーチンな実験により容易に最適化され得る。
上記のように、本開示のプロセスにおいて使用されるトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、一般に、配列番号4~846の偶数番号配列のいずれか1つから選択される参照アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、(a)を有するアミノ酸配列を含む操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較して1つまたはそれを超えるアミノ酸残基差異を有する。いくつかの実施形態では、高ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、上記同一性率および配列番号2と比較して1つまたはそれを超える残基差異を有するトランスアミナーゼポリペプチドをコードする。
反応混合物中の基質化合物は、例えば、生成物化合物の所望の量、酵素活性に対する基質濃度の効果、反応条件下における酵素の安定性、および生成物への基質の変換率を考慮して変動し得る。前記方法のいくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約0.5~約200g/L、1~約200g/L、5~約150g/L、約10~約100g/Lまたは約50~約100g/Lの基質化合物負荷を含む。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約75g/L、少なくとも約100g/L、少なくとも約150g/Lもしくは少なくとも約200g/Lまたはさらにそれを超える基質化合物負荷を含む。本明細書で提供される基質負荷の値は化合物(2)の分子量に基づくが、しかしながら、等モル量の化合物(2)の様々な水和物および塩も前記プロセスにおいて使用され得ることも企図される。加えて、式(II)によりカバーされる基質化合物もまた、化合物(2)について使用される量を考慮して、適切な量で使用され得る。
本明細書に記載されるプロセスでは、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、生成物化合物を形成するためにアミノ供与体を使用する。いくつかの実施形態では、反応条件におけるアミノ供与体は、IPM、プトレシン、L-リジン、α-フェネチルアミン、D-アラニン、L-アラニン、D,L-アラニン、D,L-オルニチン、3-アミノ酪酸またはメチルベンジルアミンから選択される化合物を含む。いくつかの実施形態では、アミノ供与体は、イソプロピルアミン、アラニン、3-アミノ酪酸、またはメチルベンジルアミンからなる群より選択される。いくつかの実施形態では、アミノ供与体はIPMである。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、少なくとも約0.1~約3.0M、0.2~約2.5M、約0.5~約2Mまたは約1~約2Mの濃度で存在するアミノ供与体、特にIPMを含む。いくつかの実施形態では、アミノ供与体は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1、1.5、2、2.5または3Mの濃度で存在する。
前記プロセスのための適切な反応条件はまた、典型的には補因子の存在を含む。操作されたトランスアミナーゼは、典型的には、ビタミンBファミリーのメンバーを使用するので、反応条件は、ピリドキサール-5’-リン酸(ピリドキサール-リン酸、PLP、P5Pとしても公知)、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、ならびにそれらのリン酸化されたカウンターパート;ピリドキシンリン酸(PNP)およびピリドキサミンリン酸(PMP)から選択される補因子を含み得る。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度のPLP、PN、PL、PM、PNPおよびPMPから選択される補因子の存在を含み得る。いくつかの実施形態では、補因子はPLPである。したがって、いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度の補因子PLPの存在を含み得る。いくつかの実施形態では、反応条件は、約10g/Lもしくはそれ未満、約5g/Lもしくはそれ未満、約2.5g/Lもしくはそれ未満、約1.0g/Lもしくはそれ未満、約0.5g/Lもしくはそれ未満または約0.2g/Lもしくはそれ未満のPLP濃度を含む。いくつかの実施形態では、補因子は、反応混合物ではなく細胞溶解物に添加される。いくつかの実施形態では、補因子は、凍結乾燥前に細胞溶解物に添加される。いくつかの実施形態では、補因子PLPは、凍結乾燥前に約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度で細胞溶解物に添加される。
(例えば、全細胞または溶解物が使用される)前記プロセスのいくつかの実施形態では、補因子は細胞抽出物中に天然に存在し、補充される必要はない。(例えば、部分精製トランスアミナーゼ酵素または精製トランスアミナーゼ酵素を使用する)前記プロセスのいくつかの実施形態では、前記プロセスは、酵素反応混合物に補因子を添加する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、補因子は反応の開始時に添加され、および/またはさらなる補因子は反応中に添加される。
いくつかの実施形態では、反応混合物は湿潤有機溶媒を含む。したがって、いくつかの実施形態では、反応混合物のpHはモニタリングまたは維持されない。いくつかの実施形態では、湿潤有機溶媒は、湿潤IPAc、湿潤トルエン、湿潤MTBE、湿潤MeCNまたは湿潤IPAである。
本明細書のプロセスの実施形態では、例えば、より高い温度における反応速度の増加、十分な反応持続時間のための酵素の活性、および本明細書にさらに記載されるように、湿潤有機溶媒中の最小水性条件の使用を考慮して、適切な温度が反応条件に使用され得る。例えば、本開示の操作されたポリペプチドは、天然に存在するトランスアミナーゼポリペプチドおよび配列番号2の操作されたポリペプチドと比べて湿潤有機溶媒中の熱活性の増加(これは、変換率の増加のために、本開示の操作されたポリペプチドをより高い温度で使用することを可能にする)を有する。したがって、いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約10℃~約70℃、約10℃~約65℃、約15℃~約60℃、約20℃~約60℃、約20℃~約55℃、約30℃~約55℃または約40℃~約50℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、適切な反応条件は、約10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃または70℃の温度を含む。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応過程にわたってある温度で維持され得る。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応過程中に温度プロファイルに対して調整され得る。
前記プロセスのいくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを使用するプロセスは、水性成分を含まない湿潤有機溶媒中で行われる。前記プロセスのいくつかの実施形態では、湿潤有機溶媒は、上部で200mLの水を800mLの乾燥湿潤有機溶媒と混合し、次いで、マグネチックスターラーで一晩混合し、有機層から取り出す前に分離させることにより調製される。
適切な反応条件は、その対応する生成物化合物への基質化合物の生体触媒変換を提供する反応パラメータの組み合わせを含み得る。したがって、前記プロセスのいくつかの実施形態では、反応パラメータの組み合わせは、(a)約10~220g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2))の基質負荷;(b)約0.5g/L~25g/Lの操作されたポリペプチド;(c)約0.1~3MのIPM濃度;(d)湿潤有機溶媒;および(e)約30℃~60℃の温度を含む。
いくつかの実施形態では、反応パラメータの組み合わせは、(a)約20g/Lの基質化合物(例えば、化合物(2));(b)約20g/Lの操作されたポリペプチド;(c)湿潤IPAc;(d)約0.55M IPM;および(e)約50℃を含む。
さらなる例示的な反応条件としては、表1、2、3、4、5、6、7および8ならびに実施例で提供されているアッセイ条件が挙げられる。
本明細書に記載されるアミノ基転移反応の実施では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、部分精製酵素もしくは精製酵素、酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換された全細胞、ならびに/またはこのような細胞の細胞抽出物および/もしくは溶解物の反応混合物に添加され得る。操作されたトランスアミナーゼ酵素をコードする遺伝子(複数可)で形質転換された全細胞またはその細胞抽出物、その溶解物および単離された酵素は、固体(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥されたものなど)または半固体(例えば、粗ペースト)を含む様々な異なる形態で用いられ得る。細胞抽出物または細胞溶解物は、凍結乾燥の前に沈殿(例えば、硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、熱処理)、続いて脱塩手順(例えば、限外濾過、透析など)により部分的に精製され得る。細胞調製物はいずれも、公知の架橋剤、例えばグルタルアルデヒドを使用して架橋により安定化され得るか、または固相材料(例えば、樹脂、ビーズ、例えばキトサン、Eupergit C、SEPABEADなど)に固定され得る。
本明細書に記載されるアミノ基転移反応のいくつかの実施形態では、反応は、本明細書に記載される適切な反応条件下で行われ、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは固体支持体に固定される。アミノ基転移反応を行うために操作されたトランスアミナーゼを固定するために有用な固体支持体としては、限定されないが、エポキシド官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシド官能基を有するポリメタクリレート、オクタデシル官能基を有するスチレン/DVBコポリマーまたはポリメタクリレートを含むビーズまたは樹脂が挙げられる。例示的な固体支持体としては、限定されないが、以下の異なるタイプのSEPABEAD:EC-EP、EC-HFA/S、EXA252、EXE119およびEXE120を含むキトサンビーズ、Eupergit CおよびSEPABEAD(Mitsubishi)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、固体反応物質(例えば、酵素、塩など)は、粉末(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥されたものなど)を含む様々な異なる形態で反応に提供され得る。反応物質は、当業者に公知の方法および装置を使用して、容易に凍結乾燥または噴霧乾燥され得る。例えば、タンパク質溶液は少量のアリコートで-80℃で凍結され、次いで、予冷凍結乾燥チャンバーに添加され、続いて真空が適用され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドを使用したキラルアミン生成物化合物へのアミノ受容体基質化合物の生体触媒変換を含む前記プロセスは、薬学的に許容され得る塩もしくは酸、薬学的に許容され得る製剤の形成、生成物の後処理、抽出、単離、精製および/または結晶化の工程(これらはそれぞれ、ある範囲の条件下で行われ得る)をさらに含み得ることも企図される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作されたポリペプチドを使用するプロセスであって、反応物から式(I)の化合物または化合物(1)を単離する工程をさらに含むプロセスが行われ得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される操作されたポリペプチドを使用するプロセスであって、アミノ基供与体が、IPM、アラニン、3-アミノ酪酸またはメチルベンジルアミンから選択されるプロセスが行われ得る。いくつかの実施形態では、アミノ基供与体はIPMである。
上記で開示されるプロセスにより生成された生体触媒反応混合物からアミノ化生成物化合物または閉環化合物を抽出し、単離し、それらの塩を形成し、精製しおよび/または結晶化するための方法、技術およびプロトコールは当業者に公知であり、および/またはルーチンな実験により達成される。加えて、例示的な方法は以下の実施例で提供される。
本開示の様々な特徴および実施形態は以下の代表的な実施例に例示されており、これらは、限定的ではなく例示的であることを意図する。
実施例1:組換えトランスアミナーゼ遺伝子を含有する大腸菌発現宿主
配列番号2の操作された参照ポリペプチドをコードするコドン最適化および操作されたトランスアミナーゼ遺伝子(配列番号1)を定向進化のための開始骨格として使用して、配列番号4~846の偶数番号配列識別子のトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチド(これらはそれぞれ、それおよび/または配列番号2の参照ポリペプチドと比べて改善された酵素特性で、基質化合物(2)を生成物化合物(1)に変換することができる)をコードする遺伝子を生成した。本開示の配列番号1の遺伝子および配列番号2のポリペプチドは、米国特許第9,617,573号の配列番号129および130に対応する。配列番号2の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、野生型Arthrobacter sp.KNK168ポリペプチド配列(GenBank受託:BAK39753.1;GI:336088341)と比べて以下の30個のアミノ酸差異を有する:S8P、E42G、S54P、Y60F、L61Y、H62T、V65A、V69T、D81G、M94I、I96L、F122M、S124T、S126T、G136F、Y150F、V152S、Q155L、W156Q、A169L、V199I、A209L、G217N、S223P、L269P、L273Y、T282S、A284G、P297SおよびS321P。pCK110900ベクター系への配列番号1のクローニング(例えば、米国特許出願公開2006/0195947A1号を参照のこと)および大腸菌W3110fhuAにおけるその後の発現は、米国特許第8,293,507B2号に記載されているとおりであった。簡潔に言えば、大腸菌W3110は、lacプロモーターの制御下で細胞内タンパク質としてトランスアミナーゼポリペプチドを発現する。ポリペプチドは、可溶性細胞質ゾルの活性酵素として蓄積する。遺伝子合成による反復バリアントライブラリー生成とそれに続くヒットのスクリーニングおよび配列決定を介した標準的な定向進化法により、本明細書に開示される配列番号1の遺伝子配列の操作された誘導体を生成する。
実施例2:湿潤細胞ペレットを含有するHTPトランスアミナーゼの調製
モノクローナルコロニー由来の組換えトランスアミナーゼコード遺伝子を含有する大腸菌細胞を、96ウェルシャローウェルマイクロタイタープレートのウェル中、1%グルコースおよび30μg/mLクロラムフェニコール(CAM)を含有する180μlのルリアブロス(LB)に接種した。プレートをO透過性シールでシールし、培養物を30℃、200rpmおよび湿度85%で一晩成長させた。次いで、10μlの各細胞培養物を、390μlのテリフィックブロス(TB)および30μg/mL CAMを含有する96ウェルディープウェルプレートのウェルに移した。ディープウェルプレートをO透過性シールでシールし、OD6000.6~0.8に達するまで30℃、250rpmおよび湿度85%でインキュベートした。次いで、1mMの最終濃度までのイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)によって細胞培養物を誘導し、最初に使用したのと同じ条件下で一晩インキュベートした。プレートを4,000rpmで10分間遠心分離し、上清を廃棄し、ペレットを-80℃で凍結してから、実施例3に記載されているように溶解させた。あるいは、ワイドボアチップを使用して、2つの同一プレートからの細胞をプールし、4000rpmの遠心分離を10分間使用してペレット化した。上清を廃棄し、二重ペレットを-80℃で凍結してから、実施例5に記載されているように溶解させた。
実施例3:HTPトランスアミナーゼ含有細胞溶解物の調製
最初に、100mMトリエタノールアミンバッファー、pH7.5、0.25mg/mLリゾチーム、0.2mg/mL硫酸ポリミキシンb(PMBS)および100uMピロドキサール-5-リン酸(pyrodoxal-5-phosphate)(PLP)を含有する200μlの溶解バッファーを、実施例2に記載されているように産生した各ウェル中の細胞ペーストに添加した。細胞を、ベンチトップシェーカー上で振盪しながら室温で2時間溶解させた。次いで、プレートを4,000rpmおよび4℃で10分間遠心分離した。次いで、透明な上清を生体触媒反応で使用して、実施例4に記載されているようにそれらの立体選択性を決定した。
実施例4:配列番号2に対する立体選択性の改善
親酵素として配列番号2を選択した。十分に確立された技術(例えば、飽和変異誘発および以前に同定された有益な変異の組換え)を使用して、操作された遺伝子のライブラリーを生成した。実施例2に記載されているように、各遺伝子によりコードされるポリペプチドをHTPで生成し、実施例3に記載されているように可溶性溶解物を生成した。各反応ウェルは、1ウェル当たり200μL容量で、実施例3で説明されているように調製した80μLのHTP溶解物および以下の最終条件を含有していた:20g/L基質化合物(2)、DMSO40vol%、1.5M IPM 50 vol%を含む0.2Mホウ酸塩および1g/L PLP;pHをpH=8.5に調整した。プレートをヒートシールし、60℃で一晩(18~22時間)振盪した。200μL/ウェルのアセトニトリルを添加することにより、反応をクエンチした。プレートをヒートシールし、1,000rpmで15分間振盪し、次いで、4,000rpmで10分間遠心分離した。200μL/ウェルの清澄化上清をフィルタプレートに移した。フィルタプレートを96ウェル丸底Costarプレート上に置き、4,000rpmで5分間遠心分離した。96ウェル丸底Costarプレートをヒートシールし、キラルLC-MSを使用して分析した(方法3、実施例10)。
%エナンチオマー過剰率(%ee)として立体選択性を計算する:所望の(S)生成物のピーク面積-望ましくない(R)生成物のピーク面積/所望の(S)生成物のピーク面積+望ましくない(R)生成物のピーク面積×100。
表1:HTP立体選択性
Figure 2022518212000016
実施例5:湿潤細胞溶解物を含有するトランスアミナーゼからの凍結乾燥HTP溶解物の調製
HTP溶解およびHTP溶解物の凍結乾燥:(実施例2に記載されているように二重ペレットとして生成した)湿潤細胞ペレットを含有するトランスアミナーゼのHTP溶解および生成したHTP溶解物の凍結乾燥のための3つの条件を使用した:A、BおよびC。
条件A:最初に、0.25mg/mL(1mg/mL条件BおよびC)リゾチーム;0.2mg/mL(0.5mg/mL条件BおよびC)PMBS;100mM(25mM条件BおよびC)トリエタノールアミンバッファーpH7.5;10μlの2,000U/mLエンドヌクレアーゼ/プレートを含有する300μlの溶解バッファーを、実施例2に記載されているように生成した各ウェル中の二重ペレット細胞ペーストに添加した。細胞を、ベンチトップシェーカー上で振盪しながら室温で2時間溶解させた。次いで、プレートを4,000rpmおよび4℃で20分間遠心分離した。220μl(150μl条件C)の清澄化溶解物を96ウェルガラスコーティングディープウェルプレートに移した。予備実験では、ガラスコーティングディープウェルおよびポリプロピレンプレートは、ある特定の反応条件下でワープした(warped)。したがって、ガラスプレートまたはバイアルが条件BおよびC(Freeslate/Chemglassガラスバイアルプレート)に必要であった。プレートをエアポアシールで覆い、96ウェルサンプルを冷凍庫棚に2時間直接接触させて-80℃に置いた。プレートを凍結乾燥機に入れた。凍結乾燥機の真空を200barに下げ、以下のプログラムを実行した:-40℃で予冷、-40℃で120分間の熱処理、100mTorr;乾燥工程:10℃、100mTorr 1,000~1,200分間。プレートを凍結乾燥機から取り出し、ほぼ直ぐにアッセイした。条件BおよびCの場合:フロストシールを約600~700mTorrに設定して、プレートを凍結乾燥機中、-40℃で約2時間凍結させた。凍結乾燥機の真空を200mTorrにし、以下のプログラムを実行した:予冷:-40℃;熱処理:-40℃、100分間、100mTorr;乾燥工程:1.-40~-15℃(1℃/分)、100mTorr;2.-15℃、600分間、100mTorr;3.-15~0℃(1℃/分)、100mTorr、0℃、900分間、100mTorr(方法は一晩で完了し、工程4の1,000~1,200分後に停止した)。
実施例6:振盪フラスコ(SF)培養物からの凍結乾燥溶解物の調製
上記のように成長させた選択HTP培養物を、1%グルコースおよび30μg/ml CAMを含むLB寒天プレートにプレーティングし、37℃で一晩成長させた。各培養物由来の単一コロニーを、1%グルコースおよび30μg/ml CAMを含む6mlのLBに移した。培養物を30℃、250rpmで18時間成長させ、30μg/ml CAMを含有する250mlのTBに約1:50で継代培養して、0.05の最終OD600にした。培養物を30℃、250rpmで約195分間成長させて0.6~0.8のOD600にし、1mM IPTGにより誘導した。次いで、培養物を30℃、250rpmで20時間成長させた。培養物を4000rpmで20分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを30mlの25mMトリエタノールアミンpH7.5に再懸濁し、18,000psiでMicrofluidizerシステム(Microfluidics)を使用して溶解させた。溶解物をペレット化し(10,000rpmで60分間)、上清を凍結および凍結乾燥させて、シェイクフレーク(SF)酵素を生成した。
実施例7:活性改善のHTPスクリーニング
HTPスクリーニング、変換アッセイ:上部で200mLの水を800mLの乾燥IPAcと混合し、これをマグネチックスターラーで一晩混合し、有機層から取り出す前に分離させることにより、湿潤IPAcを調製した。エステル基質を、湿潤IPAc中で、基質濃度に対して4当量のIPMと予混合した。変換HTPアッセイにおける最終反応パラメータは、20g/Lエステル基質(2)、4当量のIPM、および実施例5の条件A~Cで説明されているように調製したHTP凍結乾燥ケーキであった。最初に、湿潤IPAc中200μl/ウェルの20g/Lエステル基質および4当量のIPMを96ウェルガラスコーティングウェルプレートに添加した。ガラスコーティングプレートをヒートシールし、30℃、400rpmで24時間インキュベートした。1000μl/ウェルの乾燥IPAcを添加することにより、96ウェルガラスコーティングプレートにおける反応をクエンチした。プレートをヒートシールし、1分間振盪し、次いで、4℃、4,000rpmで5分間遠心分離した。GC-FID分析のために、6倍IPAc希釈サンプルを96ウェルCostar丸底プレートに移した。あるいは、50μlの6倍IPAc希釈サンプルをディープウェルプレート中の950μlの水に移した。次いで、RapidFire MS分析のために、5μlの20倍水希釈IPAcクエンチ反応物を96ウェルCostar丸底プレート中の195μlの水に添加した。
Figure 2022518212000017
表2:条件A、実施例5で産生したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP活性
Figure 2022518212000018
Figure 2022518212000019
Figure 2022518212000020
Figure 2022518212000021
Figure 2022518212000022
Figure 2022518212000023
(実施例7に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号6の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FIDまたはRapidFier-MS分析により、産生された生成物の量を決定した。
表3:条件A、実施例5で産生したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP活性
Figure 2022518212000024
Figure 2022518212000025
(実施例7に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号332の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FIDまたはRapidFier-MS分析により、産生された生成物の量を決定した。
表4:条件B、実施例5で産生したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP活性
Figure 2022518212000026
(実施例7に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号518の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FIDまたはRapidFier-MS分析により、産生された生成物の量を決定した。
実施例8:熱活性改善のHTPスクリーニング
HTPスクリーニング、熱活性アッセイ:上部で200mLの水を800mLの乾燥IPAcと混合し、これをマグネチックスターラーで一晩混合し、有機層から取り出す前に分離させることにより、湿潤IPAcを調製した。エステル基質を、湿潤IPAc中で、基質濃度に対して4当量のIPMと予混合した。変換HTPアッセイにおける最終反応パラメータは、20g/Lエステル基質(2)、4当量のIPM、および実施例5の条件A~Cで説明されているように調製したHTP凍結乾燥ケーキであった。最初に、湿潤IPAc中200μl/ウェルの20g/Lエステル基質および4当量のIPMをFreeslateガラスバイアルプレートに添加した。Freeslateガラスバイアルプレートをネジで均等にトルクダウンし、50℃、400rpmで24時間インキュベートした。400μl/ウェルの乾燥IPAcを添加することにより、Freeslate96ガラスバイアルプレートにおける反応をクエンチした。次に、Freeslate96ガラスバイアルプレートから、100μl/ウェルの乾燥IPAcを含有する96ウェルCostarプレートに1ウェル当たり100μlを移し、GC-FID分析のために提出した。
表5:条件A、実施例5で生成したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP熱活性
Figure 2022518212000027
Figure 2022518212000028
(実施例8に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号332の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
表6:条件B、実施例5で産生したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP熱活性
Figure 2022518212000029
Figure 2022518212000030
(実施例8に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号518の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
表7:条件C、実施例5で産生したHTP凍結乾燥粉末の有機溶媒中のHTP熱活性
Figure 2022518212000031
Figure 2022518212000032
(実施例8に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号656の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
実施例9:振盪フラスコ粉末試験
上部で200mLの水を800mLの乾燥IPAcと混合し、これをマグネチックスターラーで一晩混合し、有機層から取り出す前に分離させることにより、湿潤IPAc(またはMTBEもしくはトルエン)を調製した。エステル基質を、湿潤IPAc(またはMTBEもしくはトルエン)中で、基質濃度に対して4当量のIPMと予混合した。最終反応パラメータは、20g/Lエステル基質、4当量のIPM、実施例6で説明されているように調製した20mgの凍結乾燥振盪フラスコ粉末であった。次に、20mgの凍結乾燥振盪フラスコ粉末を4mLガラスバイアルに計量した。次いで、1mLの反応混合物をバイアルに添加し、バイアルをテフロン(登録商標)シールでシールした。バイアルを50℃で24時間インキュベートした。2mLの乾燥IPAcを添加することにより、反応をクエンチした。次いで、500μLのクエンチ反応物を、GCガラスバイアル中で500μLの乾燥IPAcに希釈した。バイアルをGC-FID分析のために提出した。
表8:実施例6に記載されているように産生した振盪フラスコ粉末の有機溶媒中の熱活性
Figure 2022518212000033
(実施例9に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号6の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、湿潤IPAc中の活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
(実施例9に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号6の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、湿潤MTBE中の活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
(実施例9に示されている)活性アッセイ反応条件下で指定の操作されたポリペプチドにより産生された生成物化合物(1)/同じ反応条件下で配列番号6の操作されたポリペプチドにより産生された生成物の比として、湿潤トルエン中の活性改善倍率を計算した。実施例10に示されているように調製したクエンチアッセイサンプルのGC-FID分析により、産生された生成物の量を決定した。
実施例10:分析方法
方法1-アキラルGC-FID法
実施例7、8および9で説明されているように調製したクエンチ反応物を、以下の条件下でGC-FID分析に供した:
Figure 2022518212000034
方法2-アキラルRapidFire-MS法
実施例7で説明されているように調製したクエンチ反応物を、以下の条件下でRapidFire-MS分析に供した
Figure 2022518212000035
Figure 2022518212000036
方法3-キラルLC-MS法
実施例4で説明されているように調製したクエンチ反応物を、以下の条件下でキラルLC-MS分析に供した:
Figure 2022518212000037

Claims (42)

  1. 配列番号2、6、332、518および/または656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有するポリペプチド配列を含むトランスアミナーゼ活性を有する操作されたポリペプチドまたはその機能的断片であって、前記操作されたポリペプチドの前記ポリペプチド配列が少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号808、2、6、332、518および/または656を基準にしてナンバリングされる、操作されたポリペプチドまたはその機能的断片。
  2. 前記ポリペプチド配列が、配列番号2と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドの前記ポリペプチド配列が、20、23、244、284および284/155から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号2を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  3. 前記ポリペプチド配列が、配列番号6と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドの前記ポリペプチド配列が、5/35、9、9/20/23/24/134/244、9/20/23/101/244、9/20/24/101/244/249、9/23/24、9/23/24/29/244、9/23/24/101/262、9/23/24/244/262、9/23/29、9/24/244、9/24/244/262、9/24/249、9/45/89/93、9/79/101/244、9/82/89、9/89/246、9/89/271、9/93/142/246、9/101/244、9/110/302、9/244/249、9/244/262/264、9/246、9/262、15、15/16/18/20/89/93/160、15/24/26/89/93/160、15/35/273、15/218/273、15/249/273、16、17/25、17/25/41、17/25/160、17/160、18、18/26/246/273、18/146、18/146/168、18/146/262、18/168、18/168/244、18/168/262/324、18/244、18/244/246、18/244/246/284、18/244/248、18/244/262/273、18/244/273、18/262、18/273、20、20/23/24/55/134/244/262、20/23/134/244、20/24/89/197、20/33/160、20/324、22、22/102、22/160、23、23/25/55/321、23/25/102/142、23/102、23/321、24、25、25/33、25/104、25/160、25/321、26、26/273、29、29/89、32、33、35、35/215/218/249、35/218/249/273、35/221、40、40/168/208/244、40/244/248、41、41/102、42、45、46、50、55、56、71/102、74、79、82、82/244、89、89/93/156/324、89/93/321/324、90、93、93/324、95、98、101、101/160/244/249、102、104、106、111、114、117、119、134、134/244、134/262、139、140/266、142、142/321、145、146、146/244、146/273、156、160、160/215/216/218、160/273、168、168/244/273、179、186、186/200、197、203、207、208、208/246、215、215/216/249、216、216/273、218、218/249、218/313、234、236、244、244/248、244/248/284、244/273、246、246/248/273、248、249、249/273、256、262、264、265、266、271、273、284、301、316、320、321、324、および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号6を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  4. 前記ポリペプチド配列が、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドが、9/89/93/101/160、9/89/160、33、35、44、49、74、89、89/93/160/249、107、108、117、140、141、142、144、156、168、203、207、234、270、273、274、292、296、297、300、302、305、317、319、321、323、327、および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号332を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチド配列が、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドが、35/273、46/273、111/159/273、159、159/273、174、199、273および287から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号518を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  6. 前記ポリペプチド配列が、配列番号332と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドが、配列番号332の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドが、23/29/55、34、44、74、92、108、117、140、141、144、156、160、168、215、256、269、270、274、292、296、302、319、323および329から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号332を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  7. 前記ポリペプチド配列が、配列番号518と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドが、配列番号518の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドが、34/74/92、35/273/323、39、46/273、48、55、74/92、126、133、138、150、160/215/329、178、199、207、273および292から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号518を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチド配列が、配列番号656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を有し、前記操作されたポリペプチドが、配列番号656の操作されたポリペプチドと比較して湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有し、前記操作されたポリペプチドが、18、35/39/55/138/150、35/39/55/150、35/39/126/150/273、35/39/133、35/39/133/150/273、35/39/150、35/39/150/273、35/133/178、35/138/150/273、35/150/273、35/178/273、35/273、39、39/55/150/178/273、39/55/150/273、39/126/150、39/133/150、39/133/178/273、39/133/273、39/150/178、39/150/178/207、39/150/178/207/273、39/150/273、39/178、39/178/273、39/207、39/207/273、39/273、44、55、55/150、88、126、126/133/178、126/138/178、126/178/207、132、138/150/178、141、150、150/178/273/323、150/178/323、150/207/273、150/273、168、178/273、239、261、263、269、273、297、および312から選択される前記ポリペプチド配列中の1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換または置換セットを含み、前記ポリペプチド配列のアミノ酸位置が、配列番号656を基準にしてナンバリングされる、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  9. 配列番号6の操作されたポリペプチドと比べて湿潤有機溶媒中の熱活性の増加を有する、請求項6~8のいずれかに記載の操作されたポリペプチド。
  10. 表1、2、3、4、5、6、7および/または8に記載されている少なくとも1つの操作されたポリペプチドバリアントの配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えて同一のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  11. 配列番号2、6、332、518および/または656と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えて同一のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  12. 配列番号6、332、518および/または656に記載されている操作されたポリペプチドバリアントを含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  13. 配列番号4~846の偶数番号配列に記載されている少なくとも1つの操作されたポリペプチドバリアントの配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超えて同一のポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  14. 配列番号4~846の偶数番号配列の少なくとも1つに記載されているポリペプチド配列を含む、請求項1に記載の操作されたポリペプチド。
  15. 少なくとも1つの請求項1~14のいずれかに記載の操作されたポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド配列。
  16. 少なくとも1つの操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列であって、配列番号1、5、331、517および/または655と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を含み、前記操作されたポリペプチドの前記ポリヌクレオチド配列が、1つまたはそれを超える位置において少なくとも1つの置換を含む、ポリヌクレオチド配列。
  17. 少なくとも1つの操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列であって、配列番号1、5、331、517および/または655と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれを超える配列同一性を含むポリヌクレオチド配列またはその機能的断片。
  18. 制御配列に作動可能に連結されている、請求項15~17のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  19. コドン最適化されている、請求項15~17のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  20. 配列番号3~845の奇数番号配列に記載されているポリヌクレオチド配列を含む、請求項15~17のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列。
  21. 少なくとも1つの請求項15~20のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列を含む、発現ベクター。
  22. 少なくとも1つの請求項21に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  23. 少なくとも1つの請求項15~20のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列を含む、宿主細胞。
  24. 宿主細胞において操作されたポリペプチドを産生する方法であって、少なくとも1つの操作されたポリペプチドが産生されるように、適切な条件下で、請求項22および/または23に記載の宿主細胞を培養することを含む、方法。
  25. 前記培養物および/または宿主細胞から少なくとも1つの操作されたポリペプチドを回収することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記少なくとも1つの操作されたポリペプチドを精製する工程をさらに含む、請求項24および/または25に記載の方法。
  27. 反対のエナンチオマーに対して少なくとも70%のエナンチオマー過剰率で、でマークされているステレオジェン中心において示されている立体化学的配置を有する構造式(I)の化合物:
    Figure 2022518212000038
    (式中、
    Zは、1つまたはそれを超えるヒドロキシ、シアノまたはニトロ基で必要に応じて置換された直鎖C1-6アルキルまたは分枝鎖C1-6アルキルであり;ならびに
    は、C1-6アルキル、アリール-C1-2アルキル、ヘテロアリール-C1-2アルキル、またはO、S、およびNから選択されるさらなるヘテロ原子を必要に応じて含有する5~6員複素環式環系であり、前記複素環式環は置換されていないか、またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルコキシおよびC1-4アルキルから独立して選択される1~3個の置換基で置換されている)
    を調製するためのプロセスであって、適切な反応条件下、アミノ基供与体の存在下で、構造式(II)の化合物:
    Figure 2022518212000039
    を請求項1~14のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチドと接触させる工程を含む、プロセス。
  28. 構造式(II)の前記化合物が化合物(2)を除外し、構造式(I)の前記化合物が化合物(1)を除外する、請求項27に記載のプロセス。
  29. 化合物(1):
    Figure 2022518212000040
    を調製するプロセスであって、適切な反応条件下、アミノ基供与体の存在下で、化合物(2)の基質:
    Figure 2022518212000041
    を請求項1~14のいずれか一項に記載の操作されたポリペプチドと接触させる工程を含む、プロセス。
  30. 式(I)の前記化合物または前記化合物(1)が、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率で生成される、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  31. 式(I)の前記化合物または前記化合物(1)が、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率で生成される、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  32. 前記アミノ基供与体が、イソプロピルアミン、アラニン、3-アミノ酪酸またはメチルベンジルアミンから選択される、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  33. 前記アミノ基供与体が、必要に応じて約0.1~約3.0M、0.2~約2.5M、約0.5~約2Mまたは約1~約2Mの濃度のイソプロピルアミンである、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  34. 前記適切な反応条件が約45℃~約60℃の温度を含む、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  35. 適切な反応条件が湿潤有機溶媒を含む、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  36. 前記湿潤有機溶媒が、湿潤酢酸イソプロピル、湿潤トルエン、湿潤メチル第3ブチルエーテル、湿潤アセトニトリルまたは湿潤イソプロピルアルコールから選択される、請求項35に記載のプロセス。
  37. 前記湿潤有機溶媒が酢酸イソプロピルである、請求項36に記載のプロセス。
  38. 前記適切な反応条件が、約5g/L~約200g/L、約10g/L~約150g/Lまたは約50g/L~約100g/Lの負荷での前記基質化合物を含む、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  39. 前記適切な反応条件が、約0.5g/L~約5g/L、約0.5g/L~約3g/L、約0.5g/L~約2g/Lまたは約0.5g/L~約1g/Lの濃度の前記操作されたポリペプチドを含む、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
  40. 前記適切な反応条件が、(a)約10~220g/Lの基質化合物の基質負荷(2);(b)約0.5g/L~25g/Lの操作されたポリペプチド濃度;(c)約0.1~3Mのイソプロピルアミン濃度;(d)湿潤有機溶媒;および(e)約30℃~60℃の温度を含む、請求項29に記載のプロセス。
  41. 前記適切な反応条件が、(a)約20g/Lの基質化合物(2);(b)約20g/Lの操作されたポリペプチド;(c)湿潤酢酸イソプロピル;(d)約0.55Mイソプロピルアミン;および(e)約50℃を含む、請求項29に記載のプロセス。
  42. 前記反応から式(I)の前記化合物または前記化合物(1)を単離する工程をさらに含む、請求項27~29のいずれか一項に記載のプロセス。
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