JP2022516745A - Dot1l分解剤およびその使用 - Google Patents

Dot1l分解剤およびその使用 Download PDF

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Abstract

DOT1Lの分解を誘導するための、ユビキチン受容体RPN13の結合剤である部分またはドメインと、標的タンパク質DOT1Lの結合剤である別の部分またはドメインとを有する二機能性化合物が本明細書で提供される。二機能性化合物を含む医薬組成物、ならびに疾患(例えば、がんなどの増殖性疾患)を処置および/または予防する方法も提供される。対象において、二機能性化合物の一方のドメインがユビキチン受容体RPN13の結合剤であり、化合物のもう一方のドメインが標的タンパク質DOT1Lの結合剤である、本明細書に記載される二機能性化合物または組成物を投与することによって、DOT1Lの分解を誘導する方法も提供される。【化1】TIFF2022516745000080.tif4098【選択図】図10A

Description

本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年1月9日に出願された米国仮特許出願第62/790,314号に基づく米国特許法第119条(e)の下での優先権を主張するものである。
政府支援
本発明は、米国国立衛生研究所によって与えられた助成金番号R01 CA176745の下で政府支援を受けてなされた。政府は、本発明における一定の権利を有する。
近年、一定の病的状態に関連するタンパク質を減少させる、および/または排除する新たな治療戦略である、PROTAC(タンパク質分解誘導キメラ分子;例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月3日に米国特許出願公開第2016-0058872号明細書として公開された、2015年7月6日に出願された米国特許出願第14/792,414号明細書;および2017年7月4日に米国特許第9,694,084号明細書として発行された、2015年5月8日に出願された米国特許出願第14/707,930号明細書参照)が、E3ユビキチンリガーゼを標的タンパク質に動員し、その後、標的タンパク質のユビキチン化およびプロテアソーム媒介分解を誘導する二機能性化合物を作製することによって開発された。E3ユビキチンリガーゼは、E2ユビキチン結合酵素と組み合わせて、イソペプチド結合(例えば、タンパク質の主鎖に存在しないアミド結合)を介した標的タンパク質のリジンへのユビキチンの結合を促進するタンパク質である。タンパク質のユビキチン化は、プロテアソームによる標的タンパク質の分解をもたらす。
RA190は、ユビキチン受容体RPN13(ADRM1)に共有結合し、RPN13の機能を変化させて、粒子19Sプロテアソームに入ることができないポリユビキチン化タンパク質と相互作用し、これによりプロテアソーム機能を阻害する。参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月21日に公開された米国特許出願公開第2016/0106725号明細書を参照されたい。その後のポリユビキチン化タンパク質の蓄積は、細胞(例えば、がん細胞)においてアポトーシスを誘導する。一定の実施形態では、RA190ベースの化合物が、標的タンパク質をプロテアソームに直接もたらし得る。したがって、ユビキチン受容体RPN13に結合すると同時にDOT1Lタンパク質を標的化し、選択されたDOT1Lタンパク質をプロテアソームにもたらし、それによって、標的タンパク質DOT1Lのプロテアソーム分解を誘導する化合物が必要とされている。
米国特許出願第14/792,414号明細書 米国特許出願公開第2016-0058872号明細書 米国特許出願第14/707,930号明細書 米国特許第9,694,084号明細書 米国特許出願公開第2016/0106725号明細書
本開示は、一定のタンパク質(例えば、DOT1L)が特定の疾患(例えば、増殖性疾患、がん、良性新生物、病理学的血管新生、炎症性疾患、自己免疫疾患、および筋骨格疾患)の病因に関連するという認識、およびユビキチン受容体RPN13の結合剤を使用して分解のために選択されたタンパク質(例えば、DOT1L)を標的化して標的タンパク質をプロテアソームにもたらすことによって、標的タンパク質(例えば、DOT1L)がプロテアソームによって分解されるという認識に端を発する。特に、一定のタンパク質(例えば、DOT1L)の分解を標的化するタンパク質ホメオスタシス(例えば、ユビキチン化およびプロテアソーム分解)に関与する細胞機構を利用することができる化合物は、治療薬としての用途を見出すことができる。したがって、本開示は、この発見に基づいて、DOT1Lに関連する種々の疾患(例えば、がん、良性新生物、病理学的血管新生、炎症性疾患および自己免疫疾患)を処置するための新規な化合物、組成物および方法を提供する。式(I)および(IA)の化合物が本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物は、ユビキチン受容体RPN13に結合するドメイン、および標的(例えば、DOT1Lタンパク質)に結合する別のドメインを含み、したがって、標的(例えば、DOT1Lタンパク質)の分解を促進するのに有用であり得る。化合物は、標的タンパク質DOT1Lに関連する疾患または状態の処置および/または予防、例えば、それを必要とする対象の増殖性疾患(例えば、がん、良性新生物、病理学的血管新生、炎症性疾患および自己免疫疾患)の処置および/または予防に有用であり得る。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物およびキットも提供される。
一態様では、本開示は、式(I)の化合物:
Figure 2022516745000002
ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグ(式中、R、R、R10、R11、R12、LおよびDは本明細書で定義される通りである)を提供する。
式(I)中、Dはユビキチン受容体RPN13の結合剤であり、Dは式:
Figure 2022516745000003
ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグである。Dは、ユビキチン受容体RPN13の結合剤であるRA 190に由来する。式(I)中、部分
Figure 2022516745000004
はDOT1Lの結合剤である。参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月3日に公開された米国特許出願公開第2016/0060269号明細書を参照されたい。
式(I)の例示的な化合物には、それだけに限らないが:
Figure 2022516745000005
Figure 2022516745000006
ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体およびプロドラッグが含まれる。
別の態様では、本明細書に記載される化合物と、場合により薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物が本明細書に記載される。一定の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、治療上または予防上有効量の本明細書に記載される化合物を含む。医薬組成物は、対象もしくは細胞における標的(例えば、DOT1Lタンパク質)の分解の誘導、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)の処置、またはそれを必要とする対象の疾患の予防に有用であり得る。一定の実施形態では、投与または使用される化合物が、DOT1Lタンパク質の分解を誘導し、それによって、DOT1Lに関連する疾患(例えば、増殖性疾患、がん、良性新生物、病理学的血管新生、炎症性疾患、自己免疫疾患および筋骨格疾患)を処置および/または予防する。
さらに別の態様では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を含む容器を含むキットが本明細書に記載される。本明細書に記載されるキットは、化合物または医薬組成物の単回用量または複数回用量を含み得る。記載されるキットは、対象、生物学的試料、組織もしくは細胞においてDOT1Lタンパク質の分解を誘導する、それを必要とする対象のDOT1Lの異常な活性に関連する疾患を処置する、それを必要とする対象のDOT1Lタンパク質の異常な活性に関連する疾患を予防する、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を処置する、および/またはそれを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を予防するのに有用であり得る。一定の実施形態では、本明細書に記載されるキットが、キットに含まれる化合物または医薬組成物を使用するための説明書をさらに含む。
別の態様では、本開示は、それを必要とする対象においてDOT1Lタンパク質の分解を誘導する方法であって、治療上有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、生物学的試料、組織または細胞においてDOT1Lタンパク質の分解を誘導する方法であって、生物学的試料、組織または細胞を有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物と接触させるステップを含む方法を提供する。
一定の実施形態では、投与または使用される化合物が、DOT1Lタンパク質の分解を選択的に誘導する。それによって、DOT1Lタンパク質の分解が、DOT1Lに関連する疾患(例えば、増殖性疾患、がん、良性新生物、病理学的血管新生、炎症性疾患、自己免疫疾患および筋骨格疾患)を処置および/または予防する。化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットが標的(例えば、タンパク質)の分解を「選択的に」、「特異的に」または「競合的に」誘導すると言及される場合、その化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットは、特定の標的(例えば、DOT1Lタンパク質)の分解を別のタンパク質(例えば、他のメチルトランスフェラーゼ)よりも大きな程度に(例えば、2倍以上、5倍以上、10倍以上、30倍以上、100倍以上、1,000倍以上、もしくは10,000倍以上;および/または、2倍以下、5倍以下、10倍以下、30倍以下、100倍以下、1,000倍以下もしくは10,000倍以下)誘導する。
別の態様では、本開示は、細胞を殺傷する(例えば、がん細胞または腫瘍細胞を殺傷する)方法であって、細胞を有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物と接触させるステップを含む方法を提供する。
本開示の別の態様は、それを必要とする対象の疾患を処置する方法であって、治療上有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法に関する。別の態様では、本開示は、それを必要とする対象の疾患を予防する方法を提供し、本方法は予防上有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物を対象に投与するステップを含む。
さらに別の態様では、本開示は、本開示の方法(例えば、標的(例えば、DOT1Lタンパク質)の分解を誘導する方法、細胞(例えば、がん細胞または腫瘍細胞)を殺傷する方法、疾患(例えば、増殖性疾患)を処置する方法、または疾患(例えば、増殖性疾患)を予防する方法)で使用するための本明細書に記載される化合物および医薬組成物を提供する。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、以下でより詳細に記載する。化学元素は、元素周期表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.,inside coverに従って特定され、特定の官能基はそこに記載されるように一般的に定義される。さらに、有機化学の一般原則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載される。本開示は、本明細書に記載される置換基の例示的なリストによっていかなる方法でも限定されることを意図するものではない。
本明細書に記載される化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがってさまざまな異性体形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であることができる、またはラセミ混合物および1つもしくは複数の立体異性体が濃縮された混合物を含む立体異性体の混合物の形態であることができる。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に知られている方法によって混合物から単離することができる;または好ましい異性体は不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981);Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);およびWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。本開示はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体としての本明細書に記載される化合物、あるいはさまざまな異性体の混合物としての化合物を包含する。
値の範囲が列挙されている場合、これは範囲内の各値および部分範囲を包含することを意図している。例えば、「C1~6」は、C、C、C、C、C、C、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5およびC5~6を包含することを意図している。
「脂肪族」という用語は、場合により1つまたは複数の官能基で置換されている、飽和と不飽和の両方の直鎖(すなわち、非分枝)、分岐、非環式、環式または多環式の脂肪族炭化水素を含む。当業者によって理解されるように、「脂肪族」は、本明細書では、それだけに限らないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を含むことが意図される。したがって、「アルキル」という用語は、直鎖、分岐および環状アルキル基を含む。類似の慣例が、「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般用語に適用される。さらに、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、置換された基と非置換基の両方を包含する。一定の実施形態では、「低級アルキル」が、1~6個の炭素原子を有するアルキル基(環状、非環状、置換、非置換、分岐または非分岐)を示すために使用される。
一定の実施形態では、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が、1~20個の脂肪族炭素原子を含有する。一定の他の実施形態では、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が、1~10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が、1~8個の脂肪族炭素原子を含有する。なお他の実施形態では、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の実施形態では、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基が、1~4個の炭素原子を含有する。したがって、例示的な脂肪族基には、それだけに限らないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、-CH-シクロプロピル、ビニル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、-CH-シクロブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、-CH-シクロペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、シクロヘキシル、-CH-シクロヘキシル部分などが含まれ、これらもまた1つまたは複数の置換基を有していてもよい。アルケニル基には、それだけに限らないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1-メチル-2-ブテン-1-イルなどが含まれる。代表的なアルキニル基には、それだけに限らないが、エチニル、2-プロピニル(プロパルギル)、1-プロピニルなどが含まれる。
「アルキル」という用語は、直鎖または分岐飽和炭化水素基の基を指す。いくつかの実施形態では、「アルキル」という用語が、指定される量の炭素原子を有する直鎖または分岐飽和炭化水素基の基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~10個の炭素原子を有する(「C1~10アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基が、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例としては、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えば、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えば、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル)、ペンチル(C)(例えば、n-ペンチル、3-ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3-メチル-2-ブタニル、tert-アミル)およびヘキシル(C)(例えば、n-ヘキシル)が挙げられる。アルキル基の追加の例としては、n-ヘプチル(C)、n-オクチル(C)などが挙げられる。特に明記しない限り、アルキル基の各例は独立に、非置換である(「非置換アルキル」)または1つもしくは複数の置換基(例えば、Fなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。一定の実施形態では、アルキル基が、非置換C1~10アルキル(例えば、非置換C1~6アルキル、例えば、-CH(Me)、非置換エチル(Et)、非置換プロピル(Pr、例えば、非置換n-プロピル(n-Pr)、非置換イソプロピル(i-Pr))、非置換ブチル(Bu、例えば、非置換n-ブチル(n-Bu)、非置換tert-ブチル(tert-Buまたはt-Bu)、非置換sec-ブチル(sec-Bu)、非置換イソブチル(i-Bu))である。一定の実施形態では、アルキル基が、置換C1~10アルキル(例えば置換C1~6アルキル、例えば-CHF、-CHF、-CF、Bn)である。いくつかの実施形態では、置換アルキル基がハロアルキル基である。
「ハロアルキル」という用語は、1個または複数の水素原子がハロゲン(すなわち、-F、-Cl、-Brまたは-I)で置き換えられている、上に定義されるアルキル基を指す。一定の実施形態では、ハロアルキル基が、-CHF、-CHFおよび-CFから選択される1つまたは複数の末端部分を含む(例えば、-CHCHCF)。一定の実施形態では、ハロアルキル基が、-CHFおよび-CFから選択される1つまたは複数の内部部分を含む(例えば、-CHFCHCH、-CHFCHFCH、-CHCFCH、-CFCHCH、-CFCHFCH、-CFCFCH、-CHCHFCHおよび-CHCFCH)。一定の実施形態では、ハロアルキル基が、ハロゲン原子を含む少なくとも1つの末端部分と、ハロゲン原子を含む少なくとも1つの内部部分とを含む(例えば、-CHFCHF、-CHFCFH、-CHFCF、-CFCHF、-CFCFH、-CFCF)。一定の実施形態では、ハロアルキル基が、ペルハロアルキル基である(例えば、-CF、-CFCF、-CF(CFおよび-CFCFCF)。
「アルケニル」は、2~20個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有し、三重結合を有さない直鎖または分岐炭化水素基の基を指す(「C2~20アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基が、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルなど)または末端(1-ブテニルなど)であることができる。C2~4アルケニル基の例としては、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが挙げられる。C2~6アルケニル基の例としては、前記C2~4アルケニル基、ならびにペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる。アルケニルの追加の例としては、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが挙げられる。特に明記しない限り、アルケニル基の各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換アルケニル」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。一定の実施形態では、アルケニル基が非置換C2~10アルケニルである。一定の実施形態では、アルケニル基が置換C2~10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が指定されないC=C二重結合(例えば、-CH=CHCHまたは
Figure 2022516745000007
)は、(E)-二重結合であっても、(Z)-二重結合であってもよい。
「アルキニル」は、2~20個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合、および場合により1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐炭化水素基の基を指す(「C2~20アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~10個の炭素原子を有する(「C2~10アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基が、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニルなど)または末端(1-ブチニルなど)であることができる。C2~4アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが挙げられる。C2~6アルケニル基の例としては、前記C2~4アルキニル基、ならびにペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルの追加の例としては、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。特に明記しない限り、アルキニル基の各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換アルキニル」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。一定の実施形態では、アルキニル基が非置換C2~10アルキニルである。一定の実施形態では、アルキニル基が置換C2~10アルキニルである。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、非芳香環系中に3~10個の環炭素原子(「C3~10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環状炭化水素基の基を指す。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基が、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC3~6カルボシクリル基には、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが含まれる。例示的なC3~8カルボシクリル基には、限定されないが、前記C3~6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが含まれる。例示的なC3~10カルボシクリル基には、限定されないが、前記C3~8カルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが含まれる。前記例が示すように、一定の実施形態では、カルボシクリル基が、単環式(「単環式カルボシクリル」)である、または二環式系(「二環式カルボシクリル」)などの縮合、架橋もしくはスピロ環系を含み、飽和であることができる、または部分的不飽和であることができる。「カルボシクリル」はまた、上に定義される炭素環式環が、結合点が炭素環式環上にある1つまたは複数のアリールまたはヘテロアリール基と融合している環系を含み、このような場合、炭素数が、炭素環式環系の炭素数を示し続ける。特に明記しない限り、カルボシクリル基の各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換カルボシクリル」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。一定の実施形態では、カルボシクリル基が非置換C3~10カルボシクリルである。一定の実施形態では、カルボシクリル基が置換C3~10カルボシクリルである。
いくつかの実施形態では、「カルボシクリル」が、3~10個の環炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基である(「C3~10シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基が、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。C3~6シクロアルキル基の例としては、前記C5~6シクロプロピル基、ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が挙げられる。C3~8シクロアルキル基の例としては、前記C3~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が挙げられる。特に明記しない限り、シクロアルキル基の各例は独立に、非置換である(「非置換シクロアルキル」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。一定の実施形態では、シクロアルキル基が非置換C3~10シクロアルキルである。一定の実施形態では、シクロアルキル基が置換C3~10シクロアルキルである。
「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員非芳香環系の基を指し、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から独立に選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1個または複数の窒素原子を含むヘテロシクリル基では、結合点が、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)などの縮合、架橋もしくはスピロ環系であることができ、飽和であることができる、または部分的不飽和であることができる。ヘテロシクリル二環式環系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロシクリル」はまた、上に定義される複素環式環が、結合点がカルボシクリルもしくは複素環式環のいずれか上にある1つもしくは複数のカルボシクリル基と縮合している環系、または上に定義される複素環式環が、結合点が複素環式環上にある1つもしくは複数のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合している環系を含み、このような場合、環員数が、複素環式環系の環員数を示し続ける。特に明記しない限り、ヘテロシクリルの各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換ヘテロシクリル」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。一定の実施形態では、ヘテロシクリル基が非置換3~10員ヘテロシクリルである。一定の実施形態では、ヘテロシクリル基が置換3~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員非芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から独立に選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員非芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基が、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルが、窒素、酸素および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルが、窒素、酸素および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルが、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アジリジニル、オキシラニルおよびチイラニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが含まれる。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニルおよびオキサゾリジン-2-オンが含まれる。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアジナニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な8員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが含まれる。Cアリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では5,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)には、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが含まれる。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では6,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)には、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが含まれる。
「アリール」は、芳香環系で提供される6~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香環系(例えば、環状配列で共有される6、10または14個のπ電子を有する)の基を指す(「C6~14アリール」)。いくつかの実施形態では、アリール基が、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基が、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基が、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」はまた、上に定義されるアリール環が、結合基または点がアリール環上にある1つまたは複数のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系を含み、このような場合、炭素原子数が、アリール環系の炭素原子数を示し続ける。特に明記しない限り、アリール基の各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換アリール」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換アリール」)。一定の実施形態では、アリール基が非置換C6~14アリールである。一定の実施形態では、アリール基が置換C6~14アリールである。
「アラルキル」は、アルキルおよびアリールのサブセットであり、場合により置換されたアリール基によって場合により置換されたアルキル基を指す。一定の実施形態では、アラルキルが、場合により置換されたベンジルである。一定の実施形態では、アラルキルがベンジルである。一定の実施形態では、アラルキルが場合により置換されたフェネチルである。一定の実施形態では、アラルキルがフェネチルである。
「ヘテロアリール」は、芳香環系で提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員単環式または二環式4n+2芳香環系(例えば、環状配列で共有される6個または10個のπ電子を有する)の基を指し、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。1個または複数の窒素原子を含むヘテロアリール基では、結合点が、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロアリール」は、上に定義されるヘテロアリール環が、結合点がヘテロアリール環上にある1つまたは複数のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系を含み、このような場合、環員数が、ヘテロアリール環系の環員数を示し続ける。「ヘテロアリール」はまた、上に定義されるヘテロアリール環が、結合点がアリールまたはヘテロアリール環上にある1つまたは複数のアリール基と縮合している環系を含み、このような場合、環員数が、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系の環員数を示す。1つの環がヘテロ原子を含まない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)は、結合点がいずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5-インドリル)上にあることができる。
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、芳香環系で提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、芳香環系で提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基が、芳香環系で提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員芳香環系であり、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立に選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールが、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。特に明記しない限り、ヘテロアリール基の各例は独立に、場合により置換されている、すなわち、非置換である(「非置換ヘテロアリール」)または1つもしくは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。一定の実施形態では、ヘテロアリール基が非置換5~14員ヘテロアリールである。一定の実施形態では、ヘテロアリール基が置換5~14員ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが含まれる。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、テトラゾリルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピリジニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが含まれる。3個または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基には、限定されないが、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが含まれる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基には、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニルおよびプリニルが含まれる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基には、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが含まれる。
「ヘテロアラルキル」は、アルキルおよびヘテロアリールのサブセットであり、場合により置換されたヘテロアリール基によって場合により置換されたアルキル基を指す。
「不飽和」または「部分的不飽和」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む基を指す。「部分的不飽和」環系は、複数の不飽和部位を有する環を包含することをさらに意図しているが、芳香族基(例えば、アリールまたはヘテロアリール基)を含むことを意図していない。同様に、「飽和」は、二重結合も三重結合も含まない、すなわち、全て単結合を含む基を指す。
二価架橋基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、接尾語-エンを使用して、例えばアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレンおよびヘテロアリーレンとさらに呼ばれる。
本明細書に記載される原子、部分または基は、特に明記しない限り、結合価が許す限り、非置換であっても置換されていてもよい。「場合により置換された」という用語は、置換されている、または非置換であることを指す。
基は、特に明記しない限り、場合により置換されている。「場合により置換された」という用語は、置換されている、または非置換であることを指す。一定の実施形態では、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、場合により置換されている(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリールまたは「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、「置換された」という用語は、「場合により」という用語が前に付くかどうかにかかわらず、基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、置換すると、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離または他の反応などによって自発的に変換を受けない化合物をもたらす置換基で置き換えられていることを意味する。特に明記しない限り、「置換された」基は、基の1つまたは複数の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造の2つ以上の位置が置換される場合、置換基は各位置で同じであるまたは異なる。「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれかによる置換を含むことを企図している。本開示は、安定な化合物に到達するために、任意のおよび全てのこのような組み合わせを企図している。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たし、安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載される水素置換基および/または任意の適切な置換基を有し得る。一定の実施形態では、置換基が炭素原子置換基である。一定の実施形態では、置換基が窒素原子置換基である。一定の実施形態では、置換基が酸素原子置換基である。一定の実施形態では、置換基が硫黄原子置換基である。
例示的な炭素原子置換基には、それだけに限らないが、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa、-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)(N(Rbb、-OP(=O)(N(Rbb、-NRbbP(=O)(Raa、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(N(Rbb、-P(Rcc、-P(ORcc、-P(Rcc 、-P(ORcc 、-P(Rcc、-P(ORcc、-OP(Rcc、-OP(Rcc 、-OP(ORcc、-OP(ORcc 、-OP(Rcc、-OP(ORcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールが含まれ、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;Xは対イオンである;
あるいは炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORccで置き換えられており;
aaの各例は独立に、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび 5~14員ヘテロアリールから選択される、あるいは2つのRaa基は結合して、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し;各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;
bbの各例は独立に、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、-P(=O)(N(Rcc、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールから選択される、あるいは2つのRbb基は結合して、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;Xは対イオンであり;
ccの各例は独立に、水素、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールから選択される、あるいは2つのRcc基は結合して、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換されており;
ddの各例は独立に、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)(ORee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されている、あるいは2つのジェミナルRdd置換基は結合して、=Oまたは=Sを形成することができ;Xは対イオンであり;
eeの各例は独立に、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員ヘテロシクリおよび3~10員ヘテロアリールから選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されており;
ffの各例は独立に、水素、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択される、あるいは2つのRff基は結合して、3~10員ヘテロシクリルまたは5~10員ヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換されており;
ggの各例は独立に、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル)、-NH 、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-COH、-CO(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO(C1~6アルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1~6アルキル)、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1~6アルキル)、-SON(C1~6アルキル)、-SONH(C1~6アルキル)、-SONH、-SO1~6アルキル、-SOOC1~6アルキル、-OSO1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)、-OSi(C1~6アルキル)-C(=S)N(C1~6アルキル)、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1~6アルキル)、C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(OC1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(OC1~6アルキル)、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールである;あるいは2つのジェミナルRgg置換基は結合して、=Oまたは=Sを形成することができ;Xは対イオンである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を維持するために正に帯電した基と会合した負に帯電した基である。アニオン性対イオンは一価であり得る(すなわち、1の形式負電荷を含む)。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価であり得る(すなわち、2以上の形式負電荷を含む)。例示的な対イオンには、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH、HPO 、HCO 、HSO 、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、10-カンファースルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホネート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホネートなど)、カルボキシレートイオン(例えば、アセテート、プロパノエート、ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タルトレート、グリコレート、グルコネートなど)、BF 、PF 、PF 、AsF 、SbF 、B [3,5-(CF、B(C 、BPh 、Al(OC(CF 、およびカルボランアニオン(例えば、CB1112 または(HCB11MeBr)が含まれる。多価であり得る例示的な対イオンには、CO 2-、HPO 2-、PO 3-、B 2-、SO 2-、S 2-、カルボキシレートアニオン(例えば、タルトレート、シトレート、フマレート、マレエート、マレート、マロネート、グルコネート、スクシネート、グルタレート、アジペート、ピメレート、スベレート、アゼレート、セバケート、サリチレート、フタレート、アスパルテート、グルタメートなど)、およびカルボランが含まれる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)またはヨウ素(ヨード、-I)を指す。
「アシル」は、-C(=O)Raa、-CHO、-COaa、-C(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaaまたは-C(=S)SRaa(式中、RaaおよびRbbは本明細書で定義される通りである)からなる群から選択される部分を指す。
窒素原子は、原子価が許す限り置換されていても非置換であってもよく、一級、二級、三級および四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基には、それだけに限らないが、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(ORcc、-P(=O)(Raa、-P(=O)(N(Rcc、C1~10アルキル、C1~10ハロアルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールが含まれる、またはN原子に結合した2つのRcc基が結合して、3~14員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘテロアリール環を形成する(式中、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5つのRdd基で置換され、Raa、Rbb、RccおよびRddは上に定義される通りである)。
一定の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基が、窒素保護基(本明細書で「アミノ保護基」とも呼ばれる)である。窒素保護基には、それだけに限らないが、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリール基(式中、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールは独立に、0、1、2、3、4または5つのRdd基で置換され、Raa、Rbb、RccおよびRddは本明細書で定義される通りである)が含まれる。窒素保護基は当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳細に記載されるものを含む。
例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などの窒素保護基には、それだけに限らないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンナミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミドおよびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが含まれる。
カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などの窒素保護基には、それだけに限らないが、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート(9-(2,7-dibromo)fluoroenylmethyl carbamate)、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-および4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンズイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボリンルカルバメート(isoborynl carbamate)、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメートおよび2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートが含まれる。
スルホンアミド基(例えば、-S(=O)aa)などの窒素保護基には、それだけに限らないが、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが含まれる。
他の窒素保護基には、それだけに限らないが、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロオリン-3-イル)アミン(N-(1-isopropyl-4-nitro-2-oxo-3-pyroolin-3-yl)amine)、第4級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキシリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロム-またはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミドおよび3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が含まれる。
一定の実施形態では、酸素原子上に存在する置換基が、酸素保護基(本明細書では「ヒドロキシル保護基」とも呼ばれる)である。酸素保護基には、それだけに限らないが、-Raa、-N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-COaa、-C(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-S(=O)Raa、-SOaa、-Si(Raa、-P(Rcc、-P(Rcc 、-P(ORcc、-P(ORcc 、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORccおよび-P(=O)(N(Rbb(式中、X、Raa、RbbおよびRccは本明細書で定義される通りである)が含まれる。酸素保護基は当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳細に記載されるものを含む。
例示的な酸素保護基には、それだけに限らないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p’-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4’-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4’,4’’-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1’-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル、ベンズイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、3-フェニルプロピオネート、4-オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4-メトキシクロトネート、ベンゾエート、p-フェニルベンゾエート、2,4,6-トリメチルベンゾエート(メシトエート)、メチルカルボネート、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、エチルカルボネート、2,2,2-トリクロロエチルカルボネート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカルボネート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカルボネート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカルボネート(Peoc)、イソブチルカルボネート、ビニルカルボネート、アリルカルボネート、t-ブチルカルボネート(BOCまたはBoc)、p-ニトロフェニルカルボネート、ベンジルカルボネート、p-メトキシベンジルカルボネート、3,4-ジメトキシベンジルカルボネート、o-ニトロベンジルカルボネート、p-ニトロベンジルカルボネート、S-ベンジルチオカルボネート、4-エトキシ-1-ナフチルカルボネート、メチルジチオカルボネート、2-ヨードベンゾエート、4-アジドブチレート、4-ニトロ-4-メチルペンタノエート、o-(ジブロモメチル)ベンゾエート、2-ホルミルベンゼンスルホネート、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)ブチレート、2-(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシアセテート、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)-2-メチル-2-ブテノエート、o-(メトキシアシル)ベンゾエート、α-ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’-テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN-フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェネート、サルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が含まれる。
一定の実施形態では、硫黄原子上に存在する置換基が、硫黄保護基(「チオール保護基」とも呼ばれる)である。硫黄保護基には、それだけに限らないが、-Raa、-N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-COaa、-C(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-S(=O)Raa、-SOaa、-Si(Raa、-P(Rcc、-P(Rcc 、-P(ORcc、-P(ORcc 、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORccおよび-P(=O)(N(Rbb(式中、Raa、RbbおよびRccは本明細書で定義される通りである)が含まれる。硫黄保護基は当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley&Sons,1999に詳細に記載されるものを含む。
本明細書で使用される場合、「脱離基」(LG)は、ヘテロリシス結合開裂において電子対と共に離れる分子断片を指す当技術分野で理解される用語であり、分子断片はアニオン性または中性分子である。本明細書で使用される場合、脱離基は、求核試薬によって置換され得る原子または基であり得る。例えば、Smith,March Advanced Organic Chemistry 6th ed.(501-502)を参照されたい。例示的な脱離基には、それだけに限らないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)および活性化された置換ヒドロキシル基(例えば、-OC(=O)SRaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-OC(=O)N(Rbb、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)N(Rbb、-OS(=O)Raa、-OSOaa、-OP(Rcc、-OP(Rcc、-OP(=O)aa、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-OP(=O)N(Rbbおよび-OP(=O)(NRbb(式中、Raa、RbbおよびRccは本明細書で定義される通りである))が含まれる。
「炭化水素鎖」は、置換または非置換二価アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、(1)炭化水素鎖の2つの基の間に直接ある炭素原子の1つまたは複数の鎖;(2)場合により、炭素原子の1つまたは複数の鎖上の1個または複数の水素原子;および(3)場合により、炭素原子の1つまたは複数の鎖上の1つまたは複数の置換基(水素ではない「非鎖置換基」)を含む。炭素原子の鎖は、連続的に接続された炭素原子(「鎖原子」)からなり、水素原子もヘテロ原子も含まない。しかしながら、炭化水素鎖の非鎖置換基は、水素原子、炭素原子およびヘテロ原子を含む任意の原子を含み得る。例えば、炭化水素鎖-CH(C)-は、1個の鎖原子C、C上の1個の水素原子、および非鎖置換基-(C)を含む。「C炭化水素鎖」(式中、xは正の整数である)という用語は、炭化水素鎖の2つの基の間にx個の鎖原子を含む炭化水素鎖を指す。xの可能な値が2つ以上ある場合、炭化水素鎖の定義にxの可能な最小値が使用される。例えば、-CH(C)-はC炭化水素鎖であり、
Figure 2022516745000008
はC炭化水素鎖である。値の範囲が使用される場合、範囲の意味は、本明細書に記載される通りである。例えば、C3~10炭化水素鎖は、炭化水素鎖の2つの基の間に直接ある炭素原子の最短鎖の鎖原子の数が3、4、5、6、7、8、9または10個である炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は飽和していてもよい(例えば、-(CH-)。炭化水素鎖はまた不飽和であってもよく、炭化水素鎖のどこかに1つまたは複数のC=Cおよび/またはC≡C結合を含んでもよい。例えば、-CH=CH-(CH-、-CH-C≡C-CH-および-C≡C-CH=CH-は全て、非置換および不飽和炭化水素鎖の例である。一定の実施形態では、炭化水素鎖が非置換である(例えば、-C≡C-または-(CH-)。一定の実施形態では、炭化水素鎖が置換されている(例えば、-CH(C)-および-CF-)。炭化水素鎖上の任意の2つの置換基が結合して、場合により置換されたカルボシクリル、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたアリール、または場合により置換されたヘテロアリール環を形成してもよい。例えば、
Figure 2022516745000009
は全て炭化水素鎖の例である。対照的に、一定の実施形態では、
Figure 2022516745000010
が、本明細書に記載される炭化水素鎖の範囲内にない。C炭化水素鎖の鎖原子がヘテロ原子で置き換えられている場合、得られる基は、Cx-1炭化水素鎖とは対照的に、鎖原子がヘテロ原子で置き換えられているC炭化水素鎖と呼ばれる。例えば、
Figure 2022516745000011
は、1個の鎖原子が酸素原子で置き換えられているC炭化水素鎖である。
「薬学的に許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用に適しており、合理的な利益/リスク比に釣り合った塩を指す。薬学的に許容される塩は当技術分野で周知である。例えば、Bergeらが、参照により本明細書に組み込まれる、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19で薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機および有機の酸および塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸で形成される、またはイオン交換などの当技術分野で知られている他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1~4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合には、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成される非毒性アンモニウム、四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つの例」という語句の使用は、1、2、3、4またはそれ以上の例を指すが、例えば、1~4、1~3、1~2、2~4、2~3、または3~4の例(両端を含む)の範囲も包含する。
「非水素基」は、水素ではない特定の可変要素について定義される任意の基を指す。
これらのおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例、および特許請求の範囲にさらに詳細に記載される。本発明は、上記の置換基の例示的なリストによっていかなる方法でも限定されることを意図するものではない。
他の定義
以下の定義は、本出願を通して使用されるより一般的な用語である。
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、任意のおよび全ての塩を指し、薬学的に許容される塩を包含する。
「溶媒和物」という用語は、通常、加溶媒分解反応によって溶媒と会合している化合物またはその塩の形態を指す。この物理的会合には、水素結合が含まれ得る。慣用的な溶媒には、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本明細書に記載される化合物は、例えば、結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。適切な溶媒和物には、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、化学量論的溶媒和物と非化学量論的溶媒和物の両方がさらに含まれる。一定の例では、溶媒和物を、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合に、単離することができるだろう。「溶媒和物」は、液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノラートおよびメタノラートが含まれる。
「水和物」という用語は、水と会合している化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含まれる水分子の数が、水和物中の化合物分子の数に対して一定の比率である。したがって、化合物の水和物は、例えば、一般式R・x HO(式中、Rは化合物であり、xは0より大きい数である)によって表され得る。所与の化合物は、例えば、一水和物(xが1である)、より低い水和物(xが0より大きく1より小さい数である、例えば、半水和物(R・0.5HO))および多水和物(xが1より大きい数である、例えば二水和物(R・2HO)および六水和物(R・6HO)))を含む、2つ以上のタイプの水和物を形成し得る。
「互変異性体」または「互変異性」という用語は、少なくとも1つの水素原子の正式な移動および少なくとも1つの原子価の変化(例えば、単結合から二重結合、三重結合から単結合、またはその逆)から生じる2つ以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化(すなわち、互変異性対を与える反応)は、酸または塩基によって触媒され得る。例示的な互変異性化には、ケト-エノール、アミド-イミド、ラクタム-ラクチム、エナミン-イミンおよびエナミン-(異なるエナミン)互変異性化が含まれる。
分子式は同じであるが、原子の結合の性質もしくは順序、または空間内での原子の配置が異なる化合物は「異性体」と呼ばれることも理解されたい。それらの原子の空間における配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ねることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する、例えば、4つの異なる基に結合している場合、1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、カーンおよびプレローグのRおよびS配列則によって、または分子が偏光面を回転させ、右旋性もしくは左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(-)-異性体として)指定される方法によって記載される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとして、またはそれらの混合物として存在することができる。等比率のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
「多形」という用語は、化合物(またはその塩、水和物もしくは溶媒和物)の結晶形態を指す。全ての多形は同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、およびその他の因子により、1つの結晶形態が優勢になる場合がある。化合物のさまざまな多形を、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
「プロドラッグ」という用語は、切断可能な基を有し、加溶媒分解によって、または生理学的条件下で、インビボで薬学的に活性な本明細書に記載される化合物になる化合物を指す。このような例としては、それだけに限らないが、コリンエステル誘導体など、N-アルキルモルホリンエステルなどが挙げられる。本明細書に記載される化合物の他の誘導体は、それらの酸と酸誘導体形態の両方で活性を有するが、酸感受性形態では、通常、哺乳動物生物における溶解度、組織適合性、または遅延放出の利点を提供する(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7-9,21-24,Elsevier,Amsterdam 1985参照)。プロドラッグには、例えば、親酸と適切なアルコールの反応によって調製されるエステル、または親酸化合物と置換もしくは非置換アミンの反応によって調製されるアミド、または酸無水物、または混合無水物などの当業者に周知の酸誘導体が含まれる。本明細書に記載される化合物に吊り下がっている酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物が、特定のプロドラッグである。場合によっては、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載される化合物のC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、アリール、C~C12置換アリール、およびC~C12アリールアルキルエステルが好まれ得る。
本明細書で使用される場合、例えば、タンパク質または酵素の分解を促進する文脈における「阻害する」または「阻害」という用語は、タンパク質の分解を促進することによる標的タンパク質の量の減少を指す。したがって、標的タンパク質の量の減少は、タンパク質の活性のレベルを低下させる。本明細書で使用される場合、DOT1Lの文脈における「阻害する」または「阻害」という用語は、例えば、DOT1L酵素の活性のレベルの低下、例えば、メチルトランスフェラーゼ活性のレベルの低下を指す。いくつかの実施形態では、この用語が、DOT1L活性のレベルの、例えば、DOT1L活性のベースラインレベルであり得る初期レベルよりも統計学的に有意に低いレベルへの低下を指す。いくつかの実施形態では、この用語が、DOT1L活性のレベルの、例えば、DOT1L活性のベースラインレベルであり得る初期レベルの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、または0.0001%未満であるレベルへの低下を指す。
化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットが標的(例えば、酵素、メチルトランスフェラーゼ、DOT1L)を「選択的に」、「特異的に」または「競合的に」阻害すると言及される場合、化合物、医薬組成物、方法、使用またはキットは、異なる標的(例えば、酵素、DOT1L)を阻害するよりも大きな程度に(例えば、2倍以上、5倍以上、10倍以上、30倍以上、100倍以上、1,000倍以上、もしくは10,000倍以上;および/または2倍以下、5倍以下、10倍以下、30倍以下、100倍以下、1,000倍以下もしくは10,000倍以下)標的酵素を阻害する。
「異常な活性」という用語は、正常な活性から逸脱する活性を指す。一定の実施形態では、異常な活性が増加した活性である。一定の実施形態では、異常な活動が減少した活性である。「増加した増加」という用語は、正常な活性よりも高い活性を指す。「低下した低下」という用語は、正常な活性よりも低い活性を指す。
「組成物」および「製剤」という用語は互換的に使用される。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば小児対象(例えば、乳児、小児もしくは青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人もしくは高齢者))または非ヒト動物を指す。一定の実施形態では、非ヒト動物が、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルもしくはアカゲザル)、商業的に関連のある哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコもしくはイヌ)、または鳥類(例えば、商業的に関連する鳥、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウもしくはシチメンチョウ))である。一定の実施形態では、非ヒト動物が、魚類、爬虫類または両生類である。非ヒト動物は、任意の発達段階の、雄でも雌でもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子操作動物であり得る。「患者」は、疾患の処置を必要とするヒト対象を指す。対象は植物であってもよい。一定の実施形態では、植物が陸生植物である。一定の実施形態では、植物が非維管束陸生植物である。一定の実施形態では、植物が維管束陸生植物である。一定の実施形態では、植物が種子植物である。一定の実施形態では、植物が栽培植物である。一定の実施形態では、植物が双子葉類である。一定の実施形態では、植物が単子葉類である。一定の実施形態では、植物が顕花植物である。いくつかの実施形態では、植物が、穀物植物、例えばトウモロコシ、トウモロコシ、コムギ、イネ、エンバク、オオムギ、ライムギまたはキビである。いくつかの実施形態では、植物が、マメ科植物、例えばマメ植物、例えばダイズ植物である。いくつかの実施形態では、植物が樹木または低木である。
「生物学的試料」という用語は、組織試料(組織切片および組織の針生検など);細胞試料(例えば、細胞学的塗抹標本(Papもしくは血液塗抹標本など)または顕微解剖によって得られた細胞の試料);生物全体の試料(酵母または細菌の試料など);または細胞画分、断片もしくは細胞小器官(細胞を溶解し、遠心分離またはその他の方法でその成分を分離することによって得られるものなど)を含む任意の試料を指す。生物学的試料の他の例としては、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、外科的生検または針生検によって得られる)、乳頭吸引物、乳汁、膣液、唾液、スワブ(頬スワブなど)、または第1の生物学的試料に由来する生体分子を含む任意の材料が挙げられる。
「組織」という用語は、本発明の化合物、粒子および/または組成物が送達される対象である、血液および/またはリンパ管を含む対象(細胞の群、身体部分もしくは器官を含む)の任意の生物学的組織またはその一部を指す。組織は、処置する必要があり得る異常な組織または不健康な組織であり得る。組織はまた、異常または不健康になるリスクが通常よりも高く、予防する必要があり得る正常または健康な組織であり得る。一定の実施形態では、組織が中枢神経系である。一定の実施形態では、組織が脳である。
「投与する」、「投与すること」または「投与」という用語は、本明細書に記載される化合物またはその組成物を対象に移植、吸収、摂取、注射、吸入または他の方法で導入することを指す。
「処置」、「処置する」および「処置すること」という用語は、本明細書に記載される疾患の発症を逆転させる、軽減する、遅延させる、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの実施形態では、処置が、疾患の1つまたは複数の徴候または症状が発生した、または観察された後に投与され得る。他の実施形態では、処置が、疾患の徴候も症状も存在しない状態で投与され得る。例えば、処置は、症状の発症前に(例えば、症状の病歴に照らして)感受性対象に投与され得る。症状が解消した後、例えば再発を遅延させるまたは予防するために、処置を継続することもできる。
「状態」、「疾患」および「障害」という用語は互換的に使用される。
本明細書に記載される化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量を指す。本明細書に記載される化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置される状態、投与様式、ならびに対象の年齢および健康などの因子に応じて変化し得る。一定の実施形態では、有効量が治療上有効量である。一定の実施形態では、有効量が予防上有効量である。一定の実施形態では、有効量が、単回投与における本明細書に記載される化合物の量である。一定の実施形態では、有効量が、複数回投与における本明細書に記載される化合物の合計量である。
本明細書に記載される化合物の「治療上有効量」は、状態の処置において治療上の利益を提供する、または状態に関連する1つもしくは複数の症状を遅延させるもしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療上有効量は、単独で、または他の治療と組み合わせて、状態の処置で治療上の利益を提供する治療剤の量を意味する。「治療上有効量」という用語は、全体的な治療を改善する、症状、徴候もしくは状態の原因を減少させるもしくは回避する、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。一定の実施形態では、治療上有効量が、DOT1Lタンパク質に結合するのに十分な量である。一定の実施形態では、治療上有効量が、増殖性疾患(例えば、がん)を処置するのに十分な量である。一定の実施形態では、治療上有効量が、DOT1Lタンパク質に結合する、および/またはDOT1Lタンパク質の分解を誘導するのに十分な量である。
本明細書に記載される化合物の「予防上有効量」は、状態、または状態に関連する1つもしくは複数の徴候もしくは症状を予防する、あるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防上有効量は、単独で、または他の薬剤と組み合わせて、状態の予防で予防上の利益を提供する治療剤の量を意味する。「予防上有効量」という用語は、全体的な予防を改善する、または別の予防剤の予防有効性を増強する量を包含することができる。一定の実施形態では、予防上有効量が、DOT1Lタンパク質に結合する、および/またはDOT1Lタンパク質の分解を誘導するのに十分な量である。一定の実施形態では、予防上有効量が、増殖性疾患(例えば、がん)を処置するのに十分な量である。一定の実施形態では、予防上有効量が、DOT1Lタンパク質に結合する、および/またはプロテアソームもしくはプロテアソームの一部(例えば、RPN13)に結合する、および/またはDOT1Lタンパク質の分解を誘導し、増殖性疾患(例えば、がん)を処置するのに十分な量である。
「増殖性疾患」は、細胞の増殖による正常でない成長または拡大によって生じる疾患を指す(Walker,Cambridge Dictionary of Biology;Cambridge University Press:Cambridge,UK,1990)。増殖性疾患は以下に関連し得る:1)正常には静止している細胞の病理学的増殖;2)正常な位置からの細胞の病理学的移動(例えば、新生物細胞の転移);3)マトリックスメタロプロテイナーゼ(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼおよびエラスターゼ)などのタンパク質分解酵素の病理学的発現;または4)増殖性網膜症および腫瘍転移のような病理学的血管新生。例示的な増殖性疾患には、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生、炎症性疾患および自己免疫疾患が含まれる。
「血管新生」という用語は、既存の血管から新たな血管が形成する生理学的過程を指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のデノボ形成である脈管形成とは異なる。発達中の胚における第1の血管は、脈管形成を通して形成し、その後、血管新生が、正常または異常な発達中の大部分の血管成長を担う。血管新生は、成長および発達、ならびに創傷治癒および肉芽組織の形成において重要な過程である。しかしながら、血管新生は、腫瘍の良性状態から悪性状態への移行における基本的なステップでもあり、がんの処置における血管新生阻害剤の使用につながる。血管新生は、増殖因子(例えば、VEGF)などの血管新生タンパク質によって化学的に刺激され得る。「病理学的血管新生」は、疾患になるおよび/または疾患に関連する異常な(例えば、過剰なまたは不十分な)血管新生を指す。
「新生物」および「腫瘍」という用語は本明細書で互換的に使用され、塊の成長が正常組織の成長を上回り、これと調和していない、組織の正常でない塊を指す。新生物または腫瘍は、以下の特徴に応じて「良性」または「悪性」となり得る:細胞分化の程度(形態および機能を含む)、成長速度、局所浸潤、および転移。「良性新生物」は一般に十分に分化しており、悪性新生物よりも成長が遅いという特徴があり、起源部位に局在したままである。さらに、良性新生物は、遠位部位に浸潤、侵入または転移する能力を有さない。例示的な良性新生物には、それだけに限らないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子および脂腺増殖症が含まれる。場合によっては、一定の「良性」腫瘍が後に悪性新生物を生じることがあり、これは、腫瘍の新生物細胞の亜集団における追加の遺伝的変化に起因する可能性があり、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と呼ばれる。例示的な前悪性新生物は奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は一般的に低分化(退形成)であり、進行性の浸潤、侵入、および周囲組織の破壊を伴う急速な成長を特徴とする。さらに、悪性新生物は一般に、遠位部位に転移する能力を有する。「転移」、「転移性」または「転移する」という用語は、原発腫瘍または元の腫瘍から別の器官または組織への癌性細胞の拡散または移動を指し、典型的には、原発性腫瘍または元の腫瘍の組織型のものであって、続発性(転移性)腫瘍が位置する器官のものでも組織のものでもない「続発性腫瘍」または「続発性細胞塊」の存在によって特定できる。例えば、骨に移動した前立腺がんは、転移した前立腺がんであると言われ、骨組織で成長する癌性前立腺がん細胞を含む。
「がん」という用語は、制御不能に増殖し、正常な身体組織に浸潤して、これを破壊する能力を有する異常細胞の発生を特徴とする疾患のクラスを指す。例えば、Stedman’s Medical Dictionary,25th ed.;Hensyl ed.;Williams&Wilkins:Philadelphia,1990を参照されたい。例示的ながんには、それだけに限らないが、血液悪性腫瘍が含まれる。さらなる例示的ながんには、それだけに限らないが、肺がん(例えば、気管支原性癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺癌);腎臓がん(例えば、腎芽腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);聴神経腫;腺癌;副腎がん;肛門がん;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単クローン性免疫グロブリン血症;胆道がん(例えば、胆管癌);膀胱がん;乳がん(例えば、乳腺癌、乳房乳頭癌、乳がん、乳房の髄様癌);脳がん(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頸がん(例えば、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸がん(例えば、結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺癌);結合組織がん;上皮癌;上衣腫;内皮肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼がん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性好酸球増多症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽頭がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、中咽頭がん));重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫細胞性アミロイドーシス;肝臓がん(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性肝癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉がん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性障害(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、原発性骨髄線維症(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1型または2型、神経鞘腫症);神経内分泌がん(例えば、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨がん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例えば、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎および陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例えば、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺がん;皮膚がん(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例えば、セミノーマ、精巣胎児性癌);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣がん;および外陰がん(例えば、外陰部のパジェット病)が含まれる。
「低分子」という用語は、天然に存在するか人工的に作製された(例えば、化学合成を介して)かにかかわらず、比較的低い分子量を有する分子を指す。典型的には、低分子は有機化合物である(すなわち、これは炭素を含有する)。低分子は、複数の炭素-炭素結合、立体中心、および他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニルおよび複素環等)を含有し得る。一定の実施形態では、低分子の分子量が、約1,000 g/mol以下、約900 g/mol以下、約800 g/mol以下、約700 g/mol以下、約600 g/mol以下、約500 g/mol以下、約400 g/mol以下、約300 g/mol以下、約200 g/mol以下、または約100 g/mol以下である。一定の実施形態では、低分子の分子量が、少なくとも約100 g/mol、少なくとも約200 g/mol、少なくとも約300 g/mol、少なくとも約400 g/mol、少なくとも約500 g/mol、少なくとも約600 g/mol、少なくとも約700 g/mol、少なくとも約800 g/mol、または少なくとも約900 g/mol、または少なくとも約1,000 g/molである。上記範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも約200 g/molかつ約500 g/mol以下)も可能である。一定の実施形態では、低分子が、薬物(例えば、連邦規則集(C.F.R.)で提供される、米国食品医薬品局によって承認された分子)などの治療活性剤である。低分子はまた、1つまたは複数の金属原子および/または金属イオンと錯体形成していてもよい。この場合、低分子は「有機金属低分子」とも呼ばれる。好ましい低分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて生物学的効果をもたらすという点で生物学的に活性である。低分子には、それだけに限らないが、放射性核種および造影剤が含まれる。一定の実施形態では、低分子が薬物である。好ましくは、必ずしもそうとは限らないが、薬物は、適切な政府機関または規制機関によってヒトまたは動物における使用のために既に安全かつ有効であると考えられているものである。例えば、ヒト使用のために承認された薬物は、参照により本明細書に組み込まれる連邦規則集第21条330.5、331~361、および440~460章の下でFDAによって列挙されている;獣医学的使用のための薬物は、参照により本明細書に組み込まれる連邦規則集第21条500~589章の下でFDAによって列挙されている。
「タンパク質」、「ペプチド」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって互いに連結されたアミノ酸残基のポリマーを含む。この用語は、任意のサイズ、構造または機能のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドを指す。典型的には、タンパク質は少なくとも3アミノ酸長である。タンパク質は、個々のタンパク質またはタンパク質の集合体を指し得る。本発明のタンパク質は、好ましくは天然アミノ酸のみを含有するが、当技術分野で公知の非天然アミノ酸(すなわち、天然には存在しないが、ポリペプチド鎖に組み込むことができる化合物)および/またはアミノ酸類似体を代替的に使用してもよい。また、タンパク質中のアミノ酸の1つまたは複数は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーションもしくは官能化のためのリンカー、または他の修飾などの化学的実体の付加によって修飾され得る。タンパク質はまた、単一分子であってもよく、または多分子複合体であってもよい。タンパク質は、天然に存在するタンパク質またはペプチドの断片であり得る。タンパク質は、天然に存在する、組換え、合成、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
「治療剤」という用語は、所望の、通常は有益な効果をもたらす治療特性を有する任意の物質を指す。例えば、治療剤は、疾患を処置、改善、および/または予防することができる。治療剤は、本明細書に開示されるように、生物製剤または低分子治療薬であり得る。
「E3ユビキチンリガーゼ」または「E3リガーゼ」という用語は、ユビキチンが搭載されたE2ユビキチン結合酵素を動員し、タンパク質基質を認識し、E2タンパク質からタンパク質基質へのユビキチンの移動を支援または直接触媒する任意のタンパク質を指す。E3ユビキチンリガーゼについて、GenBank:ACH72645.1(ヒト(Homo sapiens))の例示的な配列には以下が含まれる:MESGGRPSLC QFILLGTTSV VTAALYSVYR QKARVSQELK GAKKVHLGED LKSILSEAPG KCVPYAVIEG AVRSVKETLN SQFVENCKGV IQRLTLQEHK MVWNRTTHLW NDCSKIIHQR TNTVPFDLVP HEDGVDVAVR VLKPLDSVDL GLETVYEKFH PSIQSFTDVI GHYISGERPK GIQETEEMLK VGATLTGVGE LVLDNNSVRL QPPKQGMQYY LSSQDFDSLL QRQESSVRLW KVLALVFGFA TCATLFFILR KQYLQRQERL RLKQMQEEFQ EHEAQLLSRA KPEDRESLKS ACVVCLSSFK SCVFLECGHV CSCTECYRAL PEPKKCPICR QAITRVIPPY NS(配列番号1)。E3ユビキチンリガーゼについて、GENBANK:AAP47175.1(ヒト(HOMO SAPIENS))の例示的な配列には以下が含まれる:MEEGNNNEEV IHLNNFHCHR GQEWINLRDG PITISDSSDE ERIPMLVTPA PQQHEEEDLD DDVILTETNK PQRSRPNLIK PAAQWQDLKR LGEERPKKSR AAFESDKSSY FSVCNNPLFD SGAQDDSEDD YGEFLDLGPP GISEFTKPSG QTEREPKPGP SHNQAANDIV NPRSEQKVII LEEGSLLYTE SDPLETQNQS SEDSETELLS NLGESAALAD DQAIEEDCWL DHPYFQSLNQ QPREITNQVV PQERQPEAEL GRLLFQHEFP GPAFPRPEPQ QGGISGPSSP QPAHPLGEFE DQQLASDDEE PGPAFPMQES QEPNLENIWG QEAAEVDQEL VELLVKETEA RFPDVANGFI EEIIHFKNYY DLNVLCNFLL ENPDYPKRED RIIINPSSSL LASQDETKLP KIDFFDYSKL TPLDQRCFIQ AADLLMADFK VLSSQDIKWA LHELKGHYAI TRKALSDAIK KWQELSPETS GKRKKRKQMN QYSYIDFKFE QGDIKIEKRM FFLENKRRHC RSYDRRALLP AVQQEQEFYE QKIKEMAEHE DFLLALQMNE EQYQKDGQLI ECRCCYGEFP FEELTQCADA HLFCKECLIR YAQEAVFGSG KLELSCMEGS CTCSFPTSEL EKVLPQTILY KYYERKAEEE VAAAYADELV RCPSCSFPAL LDSDVKRFSC PNPHCRKETC RKCQGLWKEH NGLTCEELAE KDDIKYRTSI EEKMTAARIR KCHKCGTGLI KSEGCNRMSC RCGAQMCYLC RVSINGYDHF CQHPRSPGAP CQECSRCSLW TDPTEDDEKL IEEIQKEAEE EQKRKNGENT FKRIGPPLEK PVEKVQRVEA LPRPVPQNLP QPQMPPYAFA HPPFPLPPVR PVFNNFPLNM GPIPAPYVPP LPNVRVNYDF GPIHMPLEHN LPMHFGPQPR HRF(配列番号2)。E3ユビキチンリガーゼについて、GenBank:AAP47174.1(ヒト(Homo sapiens))の例示的な配列には以下が含まれる:MEEGNNNEEV IHLNNFHCHR GQEWINLRDG PITISDSSDE ERIPMLVTPA PQQHEEEDLD DDVILTEDDS EDDYGEFLDL GPPGISEFTK PSGQTEREPK PGPSHNQAAN DIVNPRSEQK VIILEEGSLL YTESDPLETQ NQSSEDSETE LLSNLGESAA LADDQAIEED CWLDHPYFQS LNQQPREITN QVVPQERQPE AELGRLLFQH EFPGPAFPRP EPQQGGISGP SSPQPAHPLG EFEDQQLASD DEEPGPAFPM QESQEPNLEN IWGQEAAEVD QELVELLVKE TEARFPDVAN GFIEEIIHFK NYYDLNVLCN FLLENPDYPK REDRIIINPS SSLLASQDET KLPKIDFFDY SKLTPLDQRC FIQAADLLMA DFKVLSSQDI KWALHELKGH YAITRKALSD AIKKWQELSP ETSGKRKKRK QMNQYSYIDF KFEQGDIKIE KRMFFLENKR RHCRSYDRRA LLPAVQQEQE FYEQKIKEMA EHEDFLLALQ MNEEQYQKDG QLIECRCCYG EFPFEELTQC ADAHLFCKEC LIRYAQEAVF GSGKLELSCM EGSCTCSFPT SELEKVLPQT ILYKYYERKA EEEVAAAYAD ELVRCPSCSF PALLDSDVKR FSCPNPHCRK ETCRKCQGLW KEHNGLTCEE LAEKDDIKYR TSIEEKMTAA RIRKCHKCGT GLIKSEGCNR MSCRCGAQMC YLCRVSINGY DHFCQHPRSP GAPCQECSRC SLWTDPTEDD EKLIEEIQKE AEEEQKRKNG ENTFKRIGPP LEKPVEKVQR VEALPRPVPQ NLPQPQMPPY AFAHPPFPLP PVRPVFNNFP LNMGPIPAPY VPPLPNVRVN YDFGPIHMPL EHNLPMHFGP QPRHRF(配列番号3)。
「ユビキチンRPN13受容体」、「26Sプロテアソーム調節サブユニットRpn13」、「RPN13」または「プロテアソームユビキチン受容体ADRM1」という用語は、ADRM1遺伝子によってコードされるタンパク質を指す。ユビキチンRPN13受容体は、19Sプロテアソーム複合体のサブユニットである。
「ヒストンメチルトランスフェラーゼ」または「HMT」は、ヒストンタンパク質のリジンおよび/またはアルギニン残基への1、2または3個のメチル基の移動を触媒するヒストン修飾酵素である。HMTは、メチル化を介して一定の部位でヒストンを修飾する。ヒストンのメチル化は、遺伝子発現、ゲノム安定性、幹細胞成熟、細胞系統発生、遺伝子インプリンティング、DNAメチル化、および/または細胞有糸分裂を決定するクロマチンの主要なエピジェネティック修飾であるので、生物学的に重要である。一定の実施形態では、本明細書に記載されるHMTが、DOT1L(テロメアサイレンシング1様、ヒストンH3K79メチルトランスフェラーゼの破壊因子)である。
「結合剤」という用語は、タンパク質に結合する化合物を指す。結合剤は、50,000nM未満、20,000nM未満、10,000nM未満、5,000nM未満、2,500nM未満、1,000nM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満、または1nM未満のKでタンパク質に結合する。
「プロテアソーム」という用語は、細胞周期進行およびアポトーシスを制御するタンパク質を調節する重要な役割を果たす多サブユニット酵素複合体を指す。プロテアソームは、選択されたタンパク質のタンパク質分解を行う。
「DOT1L」または「テロメアサイレンシング1様ヒストンH3K79メチルトランスフェラーゼの破壊因子」という用語は、DOT1L遺伝子によってコードされる酵素を指す。DOT1Lは、ヒストンH3のリジン-79をメチル化するヒストンメチルトランスフェラーゼである。DOT1Lは、遊離コアヒストンに対して不活性であるが、ヌクレオソームに対して有意なヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を示す。DOT1Lについて、例示的なGenBank(ヒト(Homo sapiens))寄託IDはNP_115871である。
標的タンパク質がユビキチン受容体タンパク質であるRPN13によってプロテアソームに動員される、RPN13結合タンパク質分解の概略図である。タンパク質はプロテアソームに入り、次いで、加水分解される。 ポリユビキチン化タンパク質をプロテアソームに動員するための結合および認識におけるRPN13の機能の概略図である。 RPN13に結合する化合物RA190のNMR構造を示す図である。図3はまた、プロテアソームによるタンパク質の分解が健康な腫瘍細胞をもたらし、逆に、RA190を含む例示的な化合物を使用したプロテアソームの阻害が、ポリユビキチン化タンパク質の毒性蓄積および死んだ腫瘍細胞をもたらす、ポリユビキチン化タンパク質の2つの異なる経路を示す概略図を示す。本開示は、第2の経路-プロテアソームの阻害を含まない。化合物結合は、RPN13をプロテアソームから転位置させない。化合物は、選択的分解のために標的化タンパク質をプロテアソームに直接動員するために使用される。 プロテアソーム分解による標的タンパク質の分解を促進する、RA190(ユビキチン受容体RPN13の結合剤)を含む例示的な化合物を示す概略図である。 リンカーを介してRA190に接続されたDOT1L阻害剤を含む例示的な化合物を示す図である。 図6Aから図6Cは例示的なDOT1L分解剤化合物を使用したDOT1Lの分解を示す図である。図6Aは、DOT1Lタンパク質と例示的なDOT1L分解剤化合物との間の相互作用の結晶構造を示す。図6Bは、DOT1Lタンパク質と例示的なDOT1L分解剤化合物との間の相互作用の結晶構造の拡大図を示す。図6Cは、異なる位置におけるRA190とDOT1L結合剤との間の結合を含む例示的なDOT1L分解剤のさまざまな部分の詳細な説明を示す。 例示的なRPN13ベースのDOT1L分解剤の部分の背後にある設計原理を示す図である。 リンカーを介してRA190に連結されたDOT1L阻害剤を含む例示的なDOT1L分解剤を合成するための例示的な合成スキームを示す図である。 図9Aから図9Dはポリユビキチン化によりRPN13の結合を破壊し得る標的阻害剤を検出するための生化学的アッセイを示す図である。図9Aは、ポリユビキチン化によりRPN13の結合を破壊し得る標的阻害剤を検出するための生化学的アッセイを描く。図9Bは、アッセイの最適化を示す。図9Cは、化合物RA190が結合を破壊し、アルファシグナルを生成し得ることを示す。 図10Aから図10Cは例示的なDOT1L分解剤を示す図である。図10Aは、例示的なDOT1L分解剤(dDOT1L-6)を示す。図10Bは、例示的なDOT1L分解剤(dDOT1L-7)を示す。図10Cは、例示的なDOT1L分解剤(dDOT1L-8)を示す。 図11Aから図11Bは抗体D402Tを使用して、示される濃度(0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μM)のDOT1L-6(図11A)およびDOT1L-7(図11B)で示される時間(24時間、48時間および72時間)処理した急性骨髄性白血病細胞(Molm13 PA)におけるDOT1Lタンパク質レベルを確認したアッセイのウエスタンブロットを示す図である。細胞をDOT1L(D402T)、アクチンおよびH3K79me2で免疫ブロットした。これらの細胞はDOT1L分解を示す。 図12Aから図12DはMOLM 13細胞を例示的なDOT1L分解剤で処理し、次いで、細胞数を経時的にカウントして細胞の細胞活性を確認したアッセイのウエスタンブロットを示す図である。図12A~図12Dは、Molm13 PA細胞、Molm13 RE細胞およびヒト白血病(HL60;陰性対照として)細胞を種々の濃度の例示的なDOT1L分解剤で10日間処理した場合の急性骨髄性白血病細胞の細胞数に基づく、相対的細胞増殖(%)を示す。図12Aは、例示的なDOT1L分解剤DOT1L-6で処理した細胞の結果を示す。図12Bは、例示的なDOT1L分解剤DOT1L-7で処理した細胞の結果を示す。図12Cは、例示的なDOT1L分解剤DOT1L-8で処理した細胞の結果を示す。図12Dは、例示的なDOT1L阻害剤RA190(対照として使用)で処理した細胞の3日目の結果を示す。
本明細書に記載される二機能性化合物は、標的タンパク質DOT1Lおよびユビキチン受容体RPN13(ADRM1)と相互作用する。本明細書に記載されるように、いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、治療効果は、本明細書に記載される化合物による標的(すなわち、DOT1L)の分解、調節、または結合の結果であり得る。治療効果は、ユビキチン受容体RPN13の結合剤を含む二機能性化合物が標的タンパク質DOT1Lをプロテアソームにもたらし、それによって、DOT1Lの分解を誘導する結果であり得る。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物が、他のタンパク質(例えば、他のメチルトランスフェラーゼ)よりもDOT1Lに選択的に結合し、これを分解する。
一定の実施形態では、式(I)の二機能性化合物が、参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月13日に米国特許第9,913,834号明細書として発行された、2014年5月6日に出願された米国特許出願第14/889,768号明細書に記載される、RPN13に結合し、プロテアソーム機能を阻害するRA190ベースの化合物に由来する二機能性化合物である。
一定の実施形態では、RPN13に結合する化合物が、参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月13日に米国特許第9,913,834号明細書として発行された、2014年5月6日に出願された米国特許出願第14/889,768号明細書に記載される、RPN13結合化合物に由来する化合物である。
一態様では、式(I)の化合物:
Figure 2022516745000012
またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグ(式中、
は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
10は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
11は、ハロゲン、場合により置換されたアシル、または場合により置換されたアルキルであり、
12の各例は独立に、水素、場合により置換されたアシル、または酸素保護基であり;
Lはリンカーであり、
Dはユビキチン受容体RPN13の結合剤である)
が開示される。
式(I)の化合物は、一端で標的タンパク質DOT1Lに結合し、他端でユビキチン受容体RPN13に結合する二機能性化合物である。
置換基R、R、R10、R11およびR12
式(I)の化合物について、DOT1L結合部分は、置換基R、R、R10、R11およびR12を含む。
一定の実施形態では、Rが水素である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたアルキル(例えば、場合により置換されたC1~6アルキル)である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたメチルまたは場合により置換されたエチルである。一定の実施形態では、Rが、窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t-ブチルカルボネート(BOCもしくはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp-トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一定の実施形態では、Rが水素である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたアルキル(例えば、場合により置換されたC1~6アルキル)である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたメチルまたは場合により置換されたエチルである。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたn-プロピルである。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたイソプロピルである。一定の実施形態では、Rが非置換イソプロピルである。一定の実施形態では、Rが、窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t-ブチルカルボネート(BOCもしくはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp-トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一定の実施形態では、R10が水素である。一定の実施形態では、R10が場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、R10が場合により置換されたアルキル(例えば、場合により置換されたC1~6アルキル)である。一定の実施形態では、R10が場合により置換されたメチルまたは場合により置換されたエチルである。一定の実施形態では、Rが、窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t-ブチルカルボネート(BOCもしくはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp-トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一定の実施形態では、R11がハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)である。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたアルキル(例えば、場合により置換されたC1~6アルキル)である。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたC1~6アルキルである。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたメチルまたは場合により置換されたエチルである。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたn-プロピルである。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたイソプロピルである。一定の実施形態では、R11が非置換イソプロピルである。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたブチルである。一定の実施形態では、R11が場合により置換されたt-ブチルである。一定の実施形態では、R11が非置換t-ブチルである。
一定の実施形態では、R12の少なくとも1つの例が水素である。一定の実施形態では、R12の少なくとも1つの例が場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、R12の少なくとも1つの例が、酸素保護基(例えば、メチル、メトキシメチル(MOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts))である。一定の実施形態では、R12の両例が水素である。一定の実施形態では、R12の1つの例が水素であり、R12の例が場合により置換されたアシル(例えば、-C(=O)Me)である。一定の実施形態では、R12の1つの例が水素であり、R12の例が酸素保護基(例えば、メチル、メトキシメチル(MOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts))である。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000013
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000014
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000015
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000016
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000017
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000018
またはその薬学的に許容される塩である。
D基
置換基A、Y、ZおよびR
一定の実施形態では、Dが、ユビキチン受容体RPN13の結合剤である。一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000019
(式中、
Aの各ペアで、一方のAは水素であり、他方のAは以下のうちの1つであり:
(i)場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR,NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチル;
(iii)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基;および
(iv)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリル基であって;第2の環が、3~4個の炭素原子を使用して第1の環に縮合しており、二環式ヘテロアリール基が、場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている、8~10員二環式ヘテロアリル基;
Yは=O、=S、=NRまたは=CRであり、
およびRは、水素、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシ、アミノ、ハロゲン、シアノ、ならびに場合によりC~C14直鎖または分岐アルキル、最大でペルハロ置換C~C14直鎖または分岐アルキル、C~C14アルコキシ、水素、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシ、アミノ、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンおよびシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されているC~C14直鎖または分岐アルキル基からなる群から選択され;
は水素、C1~6アルキルまたは窒素保護基であり;
Zは、水素;C~C14直鎖、分岐もしくは環状アルキル;フェニル;ベンジル、1~5置換ベンジル、C~Cアルキル-フェニル(式中、アルキル部分は、場合によりハロゲン、最大でペルハロで置換されている);最大でペルハロ置換C~C14直鎖もしくは分岐アルキル;-(CH-K(式中、Kは、飽和、部分飽和、もしくは芳香族である、酸素、窒素および硫黄から選択される1~4個の原子を含有する、5員もしくは6員単環式複素環、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員二環式ヘテロアリールであり、前記アルキル部分は、場合によりハロゲン、最大でペルハロで置換されており、変数qは0~4の範囲の整数である)からなる群から選択される)
のものである。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000020
(式中、
同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAは水素であり、他方のAは以下のうちの1つであり:
(i)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチル;
(iii)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基;および
(iv)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環と縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている二環式ヘテロアリール基;
Yは=O、=S、=NRまたは=CRであり、
およびRは互いに独立に、水素、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、ハロゲン、シアノ、ならびに場合によりC~C14アルキル、C~C14ハロアルキル、C~C14アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンおよびシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されたC~C14アルキルからなる群から選択され;
は水素、場合により置換されたC1~6アルキルまたは窒素保護基であり;
Zは、水素、場合により置換されたC~C14アルキル、場合により置換されたC~C10シクロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルキル-アリールおよび-(CH-Kからなる群から選択され;
Kは、O、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環もしくはヘテロアリール基、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリール基であり;
pは0、1、2、3および4からなる群から選択される整数であり;
qは0、1、2、3および4からなる群から選択される整数である)
のものである。
部分
Figure 2022516745000021
は、ユビキチン受容体RPN13の結合剤であるRA190に由来する。RA190の構造は
Figure 2022516745000022
である。式(IA)の化合物は、置換基A、Y、ZおよびRを含む。式(IB)の化合物は、置換基A、YおよびZを含む。
同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAは水素であり、他方のAは以下のうちの1つである:
(i)場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチル;
(iii)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基;および
(iv)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリル基であって;第2の環が、3~4個の炭素原子を使用して第1の環に縮合しており、二環式ヘテロアリール基が、場合によりR、OR、NR、S(O)、SO、NRSO、C(O)R、C(O)OR、C(O)NR、NRC(O)R、NRC(O)OR、CFおよびOCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている、8~10員二環式ヘテロアリル基。
同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAは水素であり、他方のAは以下のうちの1つである:
(i)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチル;
(iii)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基;および
(iv)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環と縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている二環式ヘテロアリール基。
いくつかの実施形態では、Aの各ペアで、一方のAが、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CFおよび-OCFを含む1~5個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、一方のAがフェニルである。いくつかの実施形態では、一方のAが、ハロゲンで置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFまたは-OCFを含む1~5個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、一方のAがフェニルである。いくつかの実施形態では、一方のAが、ハロゲンで置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、Aの各ペアで、一方のAが、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CFおよび-OCFを含む1~5個の置換基で置換されたナフチルである。
いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが、場合によりRで置換されたナフチルである。
いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員または6員単環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合によりRで置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、ハロゲンで置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基である。
いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環に縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている二環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環に縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環に縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合によりRで置換されている二環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、一方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環に縮合した第1の環を有し、ハロゲンで置換された8~10員二環式ヘテロアリール基である。
いくつかの実施形態では、Yが、=O、=S、=NRおよび=CRからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Yの少なくとも1つの例が=Oである。一定の実施形態では、両方のYが=Oである。いくつかの実施形態では、Yの一方の例が=Oであり、Yの他方の例が=CHである。いくつかの実施形態では、Yの両例が=CHである。
いくつかの実施形態では、RまたはRの少なくとも1つの例が、水素、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、ハロゲン、シアノ、および場合によりC~C14アルキル、C~C14ハロアルキル、C~C14アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンまたはシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されたC~C14アルキルである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が水素である。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がニトロである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が-COOHである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が-NHである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がシアノである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が、場合によりC~C14アルキル、C~C14ハロアルキル、C~C14アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンまたはシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されたC~C14アルキルである。
いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が水素である。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がニトロである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がヒドロキシルである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が-COOHである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が-NHである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例がシアノである。いくつかの実施形態では、Rの少なくとも1つの例が、場合によりC~C14アルキル、C~C14ハロアルキル、C~C14アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンまたはシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されたC~C14アルキルである。
いくつかの実施形態では、Zが、水素;C~C14直鎖、分岐または環状アルキル;フェニル;ベンジル、1~5置換ベンジル、C~Cアルキル-フェニル(式中、アルキル部分は、場合によりハロゲン、最大でペルハロで置換されている);最大でペルハロ置換C~C14直鎖または分岐アルキル;および-(CH-Kからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Kが、飽和、部分飽和もしくは芳香族である、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1~4個の原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員二環式ヘテロアリールであり、前記アルキル部分が、場合によりハロゲン、最大でペルハロで置換されており、変数qが0~4の範囲の整数である。一定の実施形態では、qが0である。一定の実施形態では、qが1である。一定の実施形態では、qが2である。一定の実施形態では、qが3である。一定の実施形態では、qが4である。
いくつかの実施形態では、Zが、水素、場合により置換されたC~C14アルキル、場合により置換されたC~C10シクロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルキル-アリールまたは-(CH-Kであり;Kが、O、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環もしくはヘテロアリール基、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリール基であり;pが0、1、2、3および4からなる群から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Zが水素である。いくつかの実施形態では、Zが、場合により置換されたC~C14アルキル(例えば、場合により置換されたメチル、場合により置換されたエチル、場合により置換されたプロピル)である。いくつかの実施形態では、Zが(C1~6アルキル)フェニルまたは(C1~6ハロアルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Zが(C1~3アルキル)フェニルまたは(C1~3ハロアルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Zが(C1~3アルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Zが(C1~3ハロアルキル)フェニルである。いくつかの実施形態では、Zが場合により置換されたC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Zが場合により置換されたC~C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zが、場合により置換されたアリール(例えば、場合により置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態では、Zがフェニルである。いくつかの実施形態では、Zがベンジルである。いくつかの実施形態では、Zが非置換ベンジルである。いくつかの実施形態では、Zが場合により置換されたアラルキルである。いくつかの実施形態では、Zが場合により置換されたアルキル-アリールである。いくつかの実施形態では、Zが-(CH-Kである。いくつかの実施形態では、Kが、O、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環もしくはヘテロアリール基、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリール基である。いくつかの実施形態では、Kが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環もしくはヘテロアリール基、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリール基である。一定の実施形態では、pおよびqが同じである。一定の実施形態では、pが0である。一定の実施形態では、pが1である。一定の実施形態では、pが2である。一定の実施形態では、pが3である。一定の実施形態では、pが4である。一定の実施形態では、qが0である。一定の実施形態では、qが1である。一定の実施形態では、qが2である。一定の実施形態では、qが3である。一定の実施形態では、qが4である。
一定の実施形態では、Rが水素である。一定の実施形態では、Rが、場合により置換されたC1~6アルキル(例えば、場合により置換されたメチル、場合により置換されたエチル)である。一定の実施形態では、Rが場合により置換されたメチルである。一定の実施形態では、Rが置換メチルである。一定の実施形態では、Rが非置換メチルである。一定の実施形態では、Rが、窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t-ブチルカルボネート(BOCもしくはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp-トルエンスルホンアミド(Ts))である。
いくつかの実施形態では、Zがフェニルである。いくつかの実施形態では、Zがベンジルである。いくつかの実施形態では、Zが非置換ベンジルである。いくつかの実施形態では、Aの各ペアで、一方のAが水素であり、他方のAが場合によりRで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Aの各ペアで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ)で置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、Zがフェニルである。いくつかの実施形態では、Zがベンジルである。いくつかの実施形態では、Zが非置換ベンジルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが場合によりRで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ)で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ)の少なくとも1つの例で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが-Clの少なくとも1つの例で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2個の部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲンの2つの例で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、同じ炭素原子に結合した2個の部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが-Clの2つの例で置換されたフェニルである。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000023
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000024
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000025
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000026
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000027
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000028
またはその薬学的に許容される塩である。
一定の実施形態では、Dが、式:
Figure 2022516745000029
またはその薬学的に許容される塩である。
リンカーL
式(I)中、Lは、D基(すなわち、RPN13結合部分)を
Figure 2022516745000030
の部分(すなわち、DOT1L結合部分)に連結する二価部分である。式(I)中、LはD基を
Figure 2022516745000031
の部分に共有結合させる。
式(I)中、Lは二価部分である。一定の実施形態では、Lが置換または非置換C1~50炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが置換または非置換C1~30炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C1~30炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが置換または非置換C1~26炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが、参照により本明細書に組み込まれる、2017年7月4日に米国特許第9,694,084号明細書として発行された、2015年5月8日に出願された米国特許出願第14/707,930号明細書に列挙される任意の「L0」基または「リンカー」基である。一定の実施形態では、Lが、参照により本明細書に組み込まれる、2016年3月3日に米国特許出願公開第2016-0058872号明細書として公開された、2015年7月6日に出願された米国特許出願第14/792,414号明細書に列挙される任意の「L」基である。
一定の実施形態では、リンカーLの鎖が、水素原子を除いて、Dと
Figure 2022516745000032
の部分との間の最短経路として最大50個の原子を含む。一定の実施形態では、リンカーLの鎖が、水素原子を除いて最大50個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大46個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大45個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大40個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大35個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大32個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大30個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大28個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大27個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大26個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大25個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大25個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大23個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大20個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大14個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大15個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大12個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大10個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大9個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大6個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大5個の原子を含む。一定の実施形態では、Lが、水素原子を除いて、最大3個の原子を含む。
一定の実施形態では、L中の原子のいずれも置換され得る。一定の実施形態では、リンカーL中の原子のいずれも置換されていない。一定の実施形態では、リンカー中の炭素原子のいずれも置換されていない。
一定の実施形態では、Lが、置換もしくは非置換カルボシクリレン、置換もしくは非置換ヘテロシクリレン、置換もしくは非置換アリーレン、置換もしくは非置換ヘテロアリーレン、または置換もしくは非置換ヘテロアルキレンを含む。一定の実施形態では、Rの各例が独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である、あるいは場合により、Rの2つの例がそれらの介在原子と一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環または置換もしくは非置換ヘテロアリール環を形成する。一定の実施形態では、Rの少なくとも1つの例が水素である。一定の実施形態では、Rの少なくとも1つの例が、置換または非置換C1~6アルキル(例えば、置換もしくは非置換メチルまたはエチル)である。一定の実施形態では、Rの少なくとも1つの例が、窒素保護基(例えば、ベンジル(Bn)、t-ブチルカルボネート(BOCもしくはBoc)、ベンジルカルバメート(Cbz)、9-フルオレニルメチルカルボネート(Fmoc)、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはp-トルエンスルホンアミド(Ts))である。
一定の実施形態では、Lが非置換C1~45炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C1~30炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C1~30炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C1~30炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖原子が独立に、-O-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖原子が独立に、-C(=O)-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C5~26炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C5~20炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C5~15炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C15~20炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが非置換C20~25炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lが置換または非置換C1~45炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lが置換または非置換C5~40炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-S-、-NR-、-N=または=N-で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-または-NR-で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。
一定の実施形態では、Lが、全炭素、置換または非置換C1~50炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lが、全炭素、置換または非置換C1~45炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lが、全炭素、置換または非置換C1~30炭化水素鎖である。一定の実施形態では、Lが、全炭素、置換または非置換C1~26炭化水素鎖である。
一定の実施形態では、Lが非置換C1~30炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C5~26炭化水素鎖であり、場合により炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖原子が独立に、-C(=O)-で置き換えられている。一定の実施形態では、Lの炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖原子が独立に、-NR-で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である。一定の実施形態では、Lが非置換C5~26炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の鎖原子のいずれも-C(=O)-、-O-、-NR-または環状部分で置き換えられておらず、Rが上記の通りである。一定の実施形態では、Lが非置換C5~26炭化水素アルキレン鎖である。
一定の実施形態では、Lが部分
Figure 2022516745000033
を含み、gが1、2、3、4、5または6である。一定の実施形態では、gが1である。一定の実施形態では、gが2である。一定の実施形態では、gが3である。一定の実施形態では、gが4である。一定の実施形態では、gが5である。一定の実施形態では、gが6である。一定の実施形態では、Lが部分-NHC(=O)-を含む。一定の実施形態では、Lが部分-NH-を含む。
一定の実施形態では、Lが場合により置換されたヘテロシクリル基を含む。一定の実施形態では、Lが非置換ヘテロシクリル基を含む。一定の実施形態では、Lが部分
Figure 2022516745000034
を含む。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000035
Figure 2022516745000036
のものであり;lがDとの結合点を示し、lが式:
Figure 2022516745000037
の部分との結合点を示し;Xが-CH-または-O-であり;n1が1、2、3、4、5または6であり;n2が1、2、3、4、5または6であり;n3が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gが1、2、3、4、5または6であり;g1が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一定の実施形態では、xが-CH-である。一定の実施形態では、xが-O-である。一定の実施形態では、n1が1である。一定の実施形態では、n1が2である。一定の実施形態では、n1が3である。一定の実施形態では、n1が4である。一定の実施形態では、n1が5である。一定の実施形態では、n1が6である。一定の実施形態では、n2が1である。一定の実施形態では、n2が2である。一定の実施形態では、n2が3である。一定の実施形態では、n2が4である。一定の実施形態では、n2が5である。一定の実施形態では、n2が6である。一定の実施形態では、n3が1である。一定の実施形態では、n3が2である。一定の実施形態では、n3が3である。一定の実施形態では、n3が4である。一定の実施形態では、n3が5である。一定の実施形態では、n3が6である。一定の実施形態では、n3が7である。一定の実施形態では、n3が8である。一定の実施形態では、n3が9である。一定の実施形態では、n3が10である。一定の実施形態では、n3が11である。一定の実施形態では、n3が12である。一定の実施形態では、gが1である。一定の実施形態では、gが2である。一定の実施形態では、gが3である。一定の実施形態では、gが4である。一定の実施形態では、gが5である。一定の実施形態では、gが6である。一定の実施形態では、g1が1である。一定の実施形態では、g1が2である。一定の実施形態では、g1が3である。一定の実施形態では、g1が4である。一定の実施形態では、g1が5である。一定の実施形態では、g1が6である。一定の実施形態では、g1が5である。一定の実施形態では、g1が6である。一定の実施形態では、g1が7である。一定の実施形態では、g1が8である。一定の実施形態では、g1が9である。一定の実施形態では、g1が10である。
ある特定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000038
のものである。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000039
のものであり;Xが-CH-または-O-であり;n1が1、2、3、4、5または6であり;n2が1、2、3、4、5または6であり;n3が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gが1、2、3、4、5または6であり;g1が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一定の実施形態では、n1が3である。一定の実施形態では、n1が4である。一定の実施形態では、n1が5である。一定の実施形態では、n1が6である。一定の実施形態では、n2が2である。一定の実施形態では、n2が3である。一定の実施形態では、n2が4である。一定の実施形態では、n2が5である。一定の実施形態では、n3が1である。一定の実施形態では、n3が2である。一定の実施形態では、gが1である。一定の実施形態では、gが2である。一定の実施形態では、gが3である。一定の実施形態では、gが5である。一定の実施形態では、gが6である。一定の実施形態では、g1が1である。一定の実施形態では、g1が2である。一定の実施形態では、xが-CH-である。一定の実施形態では、xが-O-である。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000040
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000041
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000042
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000043
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000044
のものであり、環Bが、場合により置換された5~10員ヘテロシクリルまたは場合により置換された5~14員ヘテロアリール基である。一定の実施形態では、環Bが場合により置換された5~10員ヘテロシクリルである。一定の実施形態では、環Bが場合により置換された6員ヘテロシクリルである。一定の実施形態では、環Bが非置換6員ヘテロシクリルである。一定の実施形態では、環Bが非置換6員ヘテロシクリルである。一定の実施形態では、環Bが、非置換ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルまたはジオキサニルである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000045
のものである。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000046
Figure 2022516745000047
のものであり;lがDとの結合点を示し、lが式
Figure 2022516745000048
の部分との結合点を示し;Xが-CH-または-O-であり;環Bが、場合により置換された5~10員ヘテロシクリルまたは場合により置換された5~14員ヘテロアリール基であり;n1が1、2、3、4、5または6であり;n2が1、2、3、4、5または6であり;n3が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;gが1、2、3、4、5または6であり;g1が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000049
Figure 2022516745000050
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000051
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000052
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000053
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000054
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000055
のものである。
一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000056
のものである。一定の実施形態では、Lが式:
Figure 2022516745000057
のものである。
式(I)の化合物
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000058
Figure 2022516745000059
またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000060
Figure 2022516745000061
またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、式:
Figure 2022516745000062
またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグである。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体または立体異性体を含む。一定の実施形態では、式(I)の化合物が、その薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物が、別のタンパク質よりもDOT1Lに結合する(例えば、非共有結合的に結合する)。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物が、別のタンパク質(例えば、別のメチルトランスフェラーゼ)よりもDOT1Lに選択的に結合する。一定の実施形態では、選択性が、約2倍~約5倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約5倍~約10倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約10倍~約20倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約20倍~約50倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約50倍~約100倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約100倍~約200倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約200倍~約500倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約500倍~約1000倍の間である。一定の実施形態では、選択性が少なくとも約1000倍である。
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載される化合物は、分解されるDOT1Lタンパク質に結合する(例えば、非共有結合的に結合する)ことができる。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物が、タンパク質DOT1Lに結合する(例えば、非共有結合的に結合する)ことができる。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物が、タンパク質DOT1Lに結合することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物が、プロテオーム中の他のタンパク質よりもDOT1Lを選択的に分解する。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物が、他のメチルトランスフェラーゼよりもDOT1Lを選択的に分解する。一定の実施形態では、選択性が、約2倍~約5倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約5倍~約10倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約10倍~約20倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約20倍~約50倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約50倍~約100倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約100倍~約200倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約200倍~約500倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約500倍~約1000倍の間である。一定の実施形態では、選択性が少なくとも約1000倍である。
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本明細書に記載される化合物は、RPN13に結合する(例えば、共有結合的に結合する)ことができる。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物が、RPN13に共有結合的に結合することができる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物が、別のタンパク質よりもRPN13に選択的に結合する。一定の実施形態では、選択性が、約2倍~約5倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約5倍~約10倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約10倍~約20倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約20倍~約50倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約50倍~約100倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約100倍~約200倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約200倍~約500倍の間である。一定の実施形態では、選択性が、約500倍~約1000倍の間である。一定の実施形態では、選択性が少なくとも約1000倍である。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、100,000nM以下、50,000nM以下、20,000nM以下、10,000nM以下、5,000nM以下、3,500nM以下、2,500nM以下、1,000nM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、または1nM以下の濃度で、標的タンパク質DOT1Lの最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%、最大99%、または最大100%の分解を誘導する。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、100,000nM以下、50,000nM以下、20,000nM以下、10,000nM以下、5,000nM以下、3,500nM以下、2,500nM以下、1,000nM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下、10nM以下、5nM以下、4nM以下、3nM以下、2nM以下、または1nM以下の濃度で、標的タンパク質DOT1Lの分解速度を最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%、最大95%、最大99%、または最大100%増加させる。
医薬組成物、キットおよび投与
本開示は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグと、場合により薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。一定の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物が、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤とを含む。
一定の実施形態では、式(I)の化合物が、医薬組成物中に有効量で提供される。一定の実施形態では、有効量が治療上有効量である。一定の実施形態では、有効量が予防上有効量である。一定の実施形態では、有効量が、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を処置するのに有効な量である。一定の実施形態では、有効量が、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を予防するのに有効な量である。一定の実施形態では、有効量が、それを必要とする対象のがんを処置するのに有効な量である。一定の実施形態では、有効量が、それを必要とする対象のがんを予防するのに有効な量である。一定の実施形態では、有効量が、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患またはがん)を発症するリスクを低下させるのに有効な量である。
一定の実施形態では、対象が動物である。動物はいずれの性別でもよく、どの発達段階でもよい。一定の実施形態では、本明細書に記載される対象がヒトである。一定の実施形態では、対象が非ヒト動物である。一定の実施形態では、対象が哺乳動物である。一定の実施形態では、対象が非ヒト哺乳動物である。一定の実施形態では、対象が、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの飼育動物である。一定の実施形態では、対象が、イヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルである。一定の実施形態では、対象が、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。一定の実施形態では、対象が動物園の動物である。別の実施形態では、対象が、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類などの研究動物である。一定の実施形態では、動物が遺伝子改変動物である。一定の実施形態では、動物がトランスジェニック動物(例えば、トランスジェニックマウスおよびトランスジェニックブタ)である。一定の実施形態では、対象が魚類または爬虫類である。
一定の実施形態では、有効量が、細胞における標的タンパク質DOT1Lの少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約42%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の分解を誘導するのに有効な量である。一定の実施形態では、有効量が、この段落に記載されているパーセンテージとこの段落に記載されている別のパーセンテージとの間の範囲(両端を含む)だけ細胞における標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導するのに有効な量である。
本開示は、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)の処置に使用するための、ユビキチン受容体RPN13および標的タンパク質DOT1Lと相互作用する化合物を含む医薬組成物を提供する。一定の実施形態では、組成物が、がんの処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病(例えば、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病;DNMT3A遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病)、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄性白血病)、またはプロテアソーム阻害剤に耐性のがんの処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、多発性骨髄腫の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、リンパ腫の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、白血病の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、急性骨髄性白血病の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、DNMT3A遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄性白血病の処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、プロテアソーム阻害剤に耐性のがんの処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、ボルテゾミブに耐性のがんの処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、カルフィルゾミブに耐性のがんの処置に使用するためのものである。一定の実施形態では、組成物が、多発性骨髄腫の処置に使用するためのものである。
医薬組成物は、単回単位用量として、および/または複数の単回単位用量として、大量に調製、包装、および/または販売することができる。「単位用量」は、所定量の有効成分を含む医薬組成物の離散的な量である。有効成分の量は、一般に、対象に投与される有効成分の投与量、および/またはこのような投与量の2分の1もしくは3分の1などのこのような投与量の好都合な部分に等しい。
本明細書に記載される医薬組成物中の有効成分、薬学的に許容される賦形剤、および/または任意の追加の成分の相対量は、処置される対象の素性、サイズおよび/または状態に応じて、さらには組成物が投与される経路に応じて変化する。組成物は、0.1%~100%(w/w)の有効成分を含み得る。
提供される医薬組成物の製造に使用される薬学的に許容される賦形剤には、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油が含まれる。カカオ脂および坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤などの賦形剤も、組成物中に存在し得る。
例示的な希釈剤には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉糖、およびこれらの混合物が含まれる。
例示的な造粒剤および/または分散剤には、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘パルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物、およびこれらの混合物が含まれる。
例示的な表面活性剤および/または乳化剤には、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックスおよびレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸マグネシウムアルミニウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリルおよびモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマーおよびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンオルビタン(TWEEN(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(SPAN(登録商標)40)、ソルビタンモノステアレート(SPAN(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(SPAN(登録商標)65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(SPAN(登録商標)80)、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(MYRJ(登録商標)45)、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSOLUTOL(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、CREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル、(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(BRIJ(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLURIONIC(登録商標)F-68、ポロキサマーP-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、および/またはこれらの混合物が含まれる。
例示的な結合剤には、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプンペースト)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール等)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガティガム、イサポール皮(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル-ピロリドン)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(VEEGUM(登録商標))、およびカラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan))、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、ならびに/またはこれらの混合物が含まれる。
例示的な保存剤には、抗酸化剤、キレート剤、抗微生物保存剤、抗真菌保存剤、抗原生動物保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が含まれる。一定の実施形態では、保存剤が抗酸化剤である。他の実施形態では、保存剤がキレート剤である。
例示的な抗酸化剤には、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル(acorbyl palmitate)、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが含まれる。
例示的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)とその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウムなど)、クエン酸とその塩および水和物(例えば、クエン酸一水和物)、フマル酸とその塩および水和物、リンゴ酸とその塩および水和物、リン酸とその塩および水和物、ならびに酒石酸とその塩および水和物が含まれる。例示的な抗微生物保存剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコールおよびチメロサールが含まれる。
例示的な抗真菌保存剤には、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が含まれる。
例示的なアルコール保存剤には、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシ安息香酸、およびフェニルエチルアルコールが含まれる。
例示的な酸性保存剤には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が含まれる。
他の保存剤には、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、GLYDANT(登録商標)Plus、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(登録商標)、KATHON(登録商標)およびEUXYL(登録商標)が含まれる。
例示的な緩衝剤には、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D-グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、カルシウムヒドロキシドホスフェート、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カルシウム、カリウム混合物、第二リン酸カリウム、第一リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンガー液、エチルアルコール、およびこれらの混合物が含まれる。
例示的な潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、グリセリルベハネート(glyceryl behanate)、硬化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物が含まれる。
例示的な天然油には、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、ブラックカレント(black current)種子油、ルリヂサ油、カデ油、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェイ油、カルナウバ油、ヒマシ油、ケイヒ油、カカオ脂油、ヤシ油、タラ肝油、コーヒー油、コーン油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、亜麻仁油、ゲラニオール油、ヒョウタン油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル油、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンジン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ油、マカデミアナッツ油、マロ-油、マンゴー種子油、メドウフォーム種子油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラフィー油、パーム油、パーム核油、ピーチカーネル油、ピーナッツ油、ポピーシード油、パンプキンシード油、菜種油、米ぬか油、ローズマリー油、ベニバナ油、サンダルウッド油、サザンカ油、セイバリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター油、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、椿油、ベチバー油、クルミ油、および小麦胚芽油が含まれる。例示的な合成油には、それだけに限らないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびこれらの混合物が含まれる。
経口および非経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップおよびエリキシルが含まれる。有効成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの補助剤を含むことができる。非経口投与の一定の実施形態では、本明細書に記載されるコンジュゲートが、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびこれらの混合物などの可溶化剤と混合される。
注射用製剤、例えば、無菌注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁液または乳剤、例えば1,3-ブタンジオール中溶液であることができる。使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー液、米国薬局方および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌不揮発性油が、溶媒または懸濁化媒体として従来から使用されている。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、あらゆるブランドの不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射剤の調製に使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
薬物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延させることがしばしば望ましい。これは、水溶性が低い結晶性または非晶質の材料の液体懸濁液を使用することによって達成することができる。その場合、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、これは結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬物形態の吸収遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成され得る。
直腸または膣内投与のための組成物は、典型的には本明細書に記載されるコンジュゲートを、周囲温度で固体であるが体温で液体であるので、直腸または膣腔内で融解して、有効成分を放出する適切な非刺激性賦形剤または担体、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコールまたは坐剤ワックスと混合することによって調製することのできる坐剤である。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、有効成分が、少なくとも1種の不活性の薬学的に許容される賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムならびに/あるいは(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアラビアゴム、(c)保水剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩および炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびに(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形が緩衝剤を含み得る。
ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、同様の種類の固体組成物を軟質および硬質ゼラチンカプセルに充填剤として使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは場合により不透明化剤を含んでもよく、有効成分のみを、または優先的には腸管の一定の部分で、場合により遅延様式で放出する組成物であることができる。使用することができるカプセル化組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、同様の種類の固体組成物を軟質および硬質ゼラチンカプセルに充填剤として使用することができる。
有効成分は、上記の1つまたは複数の賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび製薬業界で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体剤形では、有効成分を、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混和することができる。このような剤形は、常道のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば錠剤化潤滑剤および他の錠剤化助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロースを含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形が緩衝剤を含み得る。これらは場合により不透明化剤を含んでもよく、有効成分のみを、または優先的には腸管の一定の部分で、場合により遅延様式で放出する組成物であることができる。使用することができるカプセル化剤の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
本明細書に記載される化合物の局所および/または経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、散剤、液剤、噴霧剤、吸入剤および/またはパッチが含まれ得る。一般に、有効成分が、滅菌条件下で薬学的に許容される担体または賦形剤ならびに/あるいは必要に応じて任意の必要な保存剤および/または緩衝剤と混和される。さらに、本開示は、身体への有効成分の制御送達を提供するというさらなる利点を通常有する経皮パッチの使用を企図する。このような剤形は、例えば、有効成分を適切な培体に溶解および/または分配することによって調製することができる。代わりにまたは加えて、速度制御膜を設けることによって、ならびに/あるいは有効成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲルに分散させることによって、速度を制御することができる。
本明細書に記載される皮内医薬組成物を送達する際に使用するのに適した装置には、短針装置が含まれる。皮内組成物は、皮膚への針の有効貫通長を制限する装置によって投与することができる。代わりにまたは加えて、従来の注射器を、皮内投与の古典的なマントー法で使用することができる。液体ジェット注射器および/または角質層を貫通して真皮に到達するジェットを生成する針を介して液体製剤を真皮に送達するジェット注射装置が適切である。圧縮ガスを使用して粉末形態の化合物を皮膚の外層を通って真皮まで加速する弾道粉末/粒子送達装置が適切である。
局所投与に適した製剤には、それだけに限らないが、リニメント剤、ローション、水中油型および/または油中水型乳剤、例えばクリーム、軟膏および/またはペースト、ならびに/あるいは液剤および/または懸濁剤が含まれる。局所投与可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(w/w)の有効成分を含み得るが、有効成分の濃度は、溶媒中の有効成分の溶解限度と同じくらい高いことができる。局所投与用の製剤は、本明細書に記載される追加の成分の1つまたは複数をさらに含み得る。
本明細書に記載される医薬組成物は、頬側口腔を介した肺投与に適した製剤で調製、包装および/または販売することができる。このような製剤は、有効成分を含み、約0.5~約7ナノメートル、または約1~約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。このような組成物は、好都合には、噴霧剤の流れを粉末を分散させるように向けることができる乾燥粉末リザーバーを含む装置を使用した、ならびに/あるいは密封容器中、低沸点噴霧剤に溶解および/または懸濁した有効成分を含む装置などの自己噴霧溶媒/粉末分配容器を使用した投与のための乾燥粉末の形態である。このような粉末は、重量で粒子の少なくとも98%が0.5ナノメートル超の直径を有し、数で粒子の少なくとも95%が7ナノメートル未満の直径を有する粒子を含む。あるいは、重量で粒子の少なくとも95%が1ナノメートル超の直径を有し、数で粒子の少なくとも90%が6ナノメートル未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で好都合に提供される。
低沸点噴霧剤には、一般に、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴霧剤が含まれる。一般に、噴霧剤は組成物の50~99.9%(w/w)を構成し得、有効成分は組成物の0.1~20%(w/w)を構成し得る。噴霧剤は、液体非イオン性および/または固体アニオン性界面活性剤ならびに/あるいは固体希釈剤(有効成分を含む粒子と同程度の粒径を有し得る)などの追加の成分をさらに含み得る。
肺送達用に製剤化された本明細書に記載される医薬組成物は、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で有効成分を提供し得る。このような製剤は、有効成分を含む、場合により無菌の、水性および/または希アルコール性の溶液および/または懸濁液として、調製、包装および/または販売することができ、好都合には任意の噴霧および/または霧化装置を使用して投与され得る。このような製剤は、それだけに限らないが、サッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾエートなどの保存剤を含む1つまたは複数の追加の成分をさらに含み得る。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均直径を有し得る。
肺送達に有用であるとして本明細書に記載される製剤は、本明細書に記載される医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、有効成分を含み、約0.2~500マイクロメートルの平均粒子を有する粗粉末である。このような製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器から鼻通路を通して急速に吸入することによって投与される。
経鼻投与用の製剤は、例えば、約0.1%(w/w)~100%(w/w)の有効成分を含み得、本明細書に記載される1つまたは複数の追加の成分を含み得る。本明細書に記載される医薬組成物は、頬側投与用の製剤で調製、包装および/または販売することができる。このような製剤は、例えば、従来の方法を使用して製造された錠剤および/またはロゼンジの形態であり得、例えば、0.1~20%(w/w)の有効成分を含有し得、残りは、口中溶解性および/または分解性組成物、ならびに場合により、本明細書に記載される追加の成分の1つまたは複数を含む。あるいは、頬側投与用の製剤は、有効成分を含む粉末ならびに/あるいはエアロゾル化および/または霧化された溶液および/または懸濁液を含み得る。このような粉末化、エアロゾル化および/またはエアロゾル化製剤は、分散されると、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均粒径および/または液滴径を有し得、本明細書に記載される追加の有効成分の1つまたは複数をさらに含み得る。
本明細書で提供される医薬組成物の説明は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物に向けられているが、このような組成物が一般にあらゆる種類の動物への投与にも適していることが当業者によって理解されるだろう。さまざまな動物への投与に適した組成物を与えるためのヒトへの投与に適した医薬組成物の修正は十分に理解されており、当業者の獣医薬理学者は、通常の実験でこのような修正を設計および/または実施することができる。
本明細書で提供される化合物は、典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与単位形態で製剤化される。しかしながら、本明細書に記載される組成物の総1日使用量は、健全な医学的判断の範囲内で医師によって決定されることが理解されるだろう。任意の特定の対象または生物のための具体的な治療上有効用量は、医学分野で周知の、処置される疾患および障害の重症度;使用される具体的な有効成分の活性;使用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、健康全般、性別および食餌;投与の時間、投与経路、および使用される具体的な有効成分の排出速度;処置の持続期間;使用される具体的な有効成分と組み合わせて、または同時に使用される薬物などの因子を含む、さまざまな因子に依存する。
本明細書で提供される化合物および組成物は、経腸(例えば、経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏、クリームおよび/または液滴によるものなど)、粘膜、経鼻、頬側、舌下を含む任意の経路により;気管内注入、気管支注入および/または吸入により;ならびに/あるいは経口スプレー、鼻スプレーおよび/またはエアロゾルとして投与することができる。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局部投与、ならびに/あるいは患部への直接投与である。一般に、最も適切な投与経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境におけるその安定性)、および/または対象の状態(対象が経口投与に耐えられるかどうか)を含む様々な因子に依存する。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が、対象の眼への局所投与に適している。
有効量を達成するために必要な化合物の正確な量は、例えば、対象の種、年齢および全身状態、副作用または障害の重症度、特定の化合物の素性、投与様式などに応じて、対象ごとに異なるだろう。有効量は、単回用量(例えば、単回経口用量)または複数回用量(例えば、複数回経口用量)に含まれ得る。一定の実施形態では、複数回用量が対象に投与される、または生物学的試料、組織もしくは細胞に施用される場合、複数回用量の任意の2つの用量が、異なるまたは実質的に同じ量の本明細書に記載される化合物を含む。一定の実施形態では、複数回用量が対象に投与される、または生物学的試料、組織もしくは細胞に施用される場合、複数回用量を対象に投与する、または複数回用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に施用する頻度が、1日3回投与、1日2回投与、1日1回投与、2日に1回投与、3日に1回投与、毎週1回投与、2週間に1回投与、3週間に1回投与、または4週間に1回投与である。一定の実施形態では、複数回用量を対象に投与する、または複数回用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に施用する頻度が1日1回投与である。一定の実施形態では、複数回用量を対象に投与する、または複数回用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に施用する頻度が1日2回投与である。一定の実施形態では、複数回用量を対象に投与する、または複数回用量を生物学的試料、組織もしくは細胞に施用する頻度が1日3回投与である。一定の実施形態では、複数回用量が対象に投与される、または生物学的試料、組織もしくは細胞に施用される場合、複数回用量の最初の投与と最後の投与との間の期間が、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、生物学的試料、組織もしくは細胞の寿命である。一定の実施形態では、複数回用量の最初の投与と最後の投与との間の期間が、3ヶ月、6ヶ月または1年である。一定の実施形態では、複数回用量の最初の投与と最後の投与との間の期間が、対象、生物学的試料、組織または細胞の寿命である。一定の実施形態では、本明細書に記載される用量(例えば、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)が独立に、0.1μg~1μg、0.001mg~0.01mg、0.01mg~0.1mg、0.1mg~1mg、1mg~3mg、3mg~10mg、10mg~30mg、30mg~100mg、100mg~300mg、300mg~1,000mg、または1g~10gの本明細書に記載される化合物を含む。一定の実施形態では、本明細書に記載される用量が独立に、1mg~3mgの本明細書に記載される化合物を含む。一定の実施形態では、本明細書に記載される用量が独立に、3mg~10mgの本明細書に記載される化合物を含む。一定の実施形態では、本明細書に記載される用量が独立に、10mg~30mgの本明細書に記載される化合物を含む。一定の実施形態では、本明細書に記載される用量が独立に、30mg~100mgの本明細書に記載される化合物を含む。
本明細書に記載される用量範囲は、提供される医薬組成物を成人に投与するためのガイダンスを提供する。例えば、子供または青年に投与される量は、医師または当業者によって決定され得、成人に投与される量よりも少ないまたは同じであることができる。
本明細書に記載される化合物または組成物は、1つまたは複数の追加の医薬品(例えば、治療的および/または予防的に活性な薬剤)と組み合わせて投与することができる。化合物または組成物は、その活性(例えば、それを必要とする対象の疾患の処置、それを必要とする対象の疾患の予防、標的タンパク質の分解の誘導、および/またはそれを必要とする対象の疾患を発症するリスクの低下における活性(例えば、効力および/または有効性))を改善する、生物学的利用能を改善する、血液脳関門を通過する能力を改善する、安全性を改善する、薬剤耐性を減少させる、代謝を減少させるおよび/または修正する、排出を阻害する、ならびに/あるいは対象、生物学的試料、組織または細胞における分布を修正する追加の医薬品と組み合わせて投与することができる。使用される治療が同じ障害に対して所望の効果を達成し得る、および/またはこれが異なる効果を達成し得ることもまた理解されるだろう。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物および追加の医薬品を含む本明細書に記載される医薬組成物が、化合物および追加の医薬品の一方を含むが、両方を含まない医薬組成物には存在しない相乗効果を示す。
化合物または組成物は、例えば併用療法として有用であり得る、1つまたは複数の追加の医薬品と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。医薬品は、治療的に活性な薬剤を含む。医薬品はまた、予防的に活性な薬剤を含む。医薬品には、薬物化合物(例えば、連邦規則集(CFR)に提供される、米国食品医薬品局によってヒトまたは獣医学的使用について承認された化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞などの有機低分子が含まれる。一定の実施形態では、追加の医薬品が、疾患(例えば、増殖性疾患)を処置および/または予防するのに有用な医薬品である。各追加の医薬品は、その医薬品について決定された用量および/またはタイムスケジュールで投与され得る。追加の医薬品はまた、互いにおよび/または本明細書に記載される化合物もしくは組成物と共に単回用量で投与され得る、あるいは異なる用量で別々に投与され得る。レジメンで使用するための特定の組み合わせは、本明細書に記載される化合物と追加の医薬品との適合性、ならびに/あるいは達成されるべき所望の治療効果および/または予防効果を考慮するだろう。一般に、組み合わせの追加の医薬品が、これらが個別に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせて利用されるレベルが、個別に利用されるレベルよりも低いだろう。
追加の医薬品には、それだけに限らないが、細胞傷害性化学療法剤、エピジェネティック修飾剤、グルココルチコイド、免疫療法剤、抗増殖剤、抗がん剤、細胞傷害剤、抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、心血管剤、コレステロール低下剤、抗糖尿病薬、抗アレルギー薬、避妊薬、疼痛緩和剤、およびこれらの組み合わせが含まれる。一定の実施形態では、追加の医薬品が抗増殖剤(例えば、抗がん剤)である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、アビラテロン酢酸エステル(例えば、ZYTIGA)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、AC-T、ADE、ado-トラスツズマブエムタンシン(例えば、KADCYLA)、アファチニブ二マレイン酸塩(例えば、GILOTRIF)、アルデスロイキン(例えば、PROLEUKIN)、アレムツズマブ(例えば、CAMPATH)、アナストロゾール(例えば、ARIMIDEX)、三酸化ヒ素(例えば、TRISENOX)、アスパラギナーゼ黒脚病菌(erwinia chrysanthemi)(例えば、ERWINAZE)、アキシチニブ(例えば、INLYTA)、アザシチジン(例えば、MYLOSAR、VIDAZA)、BEACOPP、ベリノスタット(例えば、BELEODAQ)、ベンダムスチン塩酸塩(例えば、TREANDA)、BEP、ベバジズマブ(例えば、AVASTINなど)、ビカルタミド(例えば、CASODEX)、ブレオマイシン(例えば、BLENOXANE)、ブリナツモマブ(例えば、BLINCYTO)、ボルテゾミブ(例えば、VELCADE)、イキサゾミブ(例えば、NINLARO)、ボスチニブ(例えば、BOSULIF)、ブレンツキシマブベドチン(例えば、ADCETRIS)、ブスルファン(例えば、BUSULFEX、MYLERAN)、カバジタキセル(例えば、JEVTANA)、カボザンチニブ-s-リンゴ酸塩(例えば、COMETRIQ)、CAF、カペシタビン(例えば、XELODA)、CAPOX、カルボプラチン(例えば、PARAPLAT、PARAPLATIN)、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ(例えば、KYPROLIS)、カルムスチン(例えば、BECENUM、BICNU、CARMUBRIS)、カルムスチンインプラント(例えば、GLIADEL WAFER、GLIADEL)、セリチニブ(例えば、ZYKADIA)、セツキシマブ(例えば、ERBITUX)、クロラムブシル(例えば、AMBOCHLORIN、AMBOCLORIN、LEUKERAN、LINFOLIZIN)、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン(例えば、PLATINOL、PLATINOL-AQ)、クロファラビン(例えば、CLOFAREX、CLOLAR)、CMF、COPP、COPP-ABV、クリゾチニブ(例えば、XALKORI)、CVP、シクロホスファミド(例えば、CLAFEN、CYTOXAN、NEOSAR)、シタラビン(例えば、CYTOSAR-U、TARABINE PFS)、ダブラフェニブ(例えば、TAFINLAR)、ダカルバジン(例えば、DTIC-DOME)、ダクチノマイシン(例えば、COSMEGEN)、ダサチニブ(例えば、SPRYCEL)、ダウノルビシン塩酸塩(例えば、CERUBIDINE)、デシタビン(例えば、DACOGEN)、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス(例えば、ONTAK)、デノスマブ(例えば、PROLIA、XGEVA)、ジヌツキシマブ(例えば、UNITUXIN)、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、ドキソルビシン塩酸塩(例えば、ADRIAMYCIN PFS、ADRIAMYCIN RDF)、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム(例えば、DOXIL、DOX-SL、EVACET、LIPODOX)、エンザルタミド(例えば、XTANDI)、エピルビシン塩酸塩(例えば、ELLENCE)、EPOCH、エルロチニブ塩酸塩(例えば、TARCEVA)、エトポシド(例えば、TOPOSAR、VEPESID)、リン酸エトポシド(例えば、ETOPOPHOS)、エベロリムス(例えば、AFINITOR DISPERZ、AFINITOR)、エキセメスタン(例えば、AROMASIN))、FEC、リン酸フルダラビン(例えば、FLUDARA)、フルオロウラシル(例えば、ADRUCIL、EFUDEX、FLUOROPLEX)、FOLFIRI、FOLFIRI-ベバシズマブ、FOLFIRI-セツキシマブ、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、フルベストラント(例えば、FASLODEX)、ゲフィチニブ(例えば、IRESSA)、ゲムシタビン塩酸塩(例えば、GEMZAR)、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゴセレリン酢酸塩(例えば、ZOLADEX)、ハイパーCVAD、イブリツモマブチウキセタン(例えば、ZEVALIN)、イブルチニブ(例えば、IMBRUVICA)、ICE、イデラリシブ(例えば、ZYDELIG)、イホスファミド(例えば、CYFOS、IFEX、IFOSFAMIDUM)、イマチニブメシル酸塩(例えば、GLEEVEC)、イミキモド(例えば、ALDARA)、イピリムマブ(例えば、YERVOY)、イリノテカン塩酸塩(例えば、CAMPTOSAR)、イクサベピロン(例えば、IXEMPRA)、ランレオチド酢酸塩(例えば、SOMATULINE DEPOT)、ラパチニブ二トシル酸塩(例えば、TYKERB)、レナリドマイド(例えば、REVLIMID)、レンバチニブ(例えば、LENVIMA)、レトロゾール(例えば、FEMARA)、ロイコボリンカルシウム(例えば、WELLCOVORIN)、ロイプロリド酢酸塩(例えば、LUPRON DEPOT、LUPRON DEPOT-3か月、LUPRON DEPOT-4か月、LUPRON DEPOT-PED、LUPRON、VIADUR)、リポソームシタラビン(例えば、DEPOCYT)、ロムスチン(例えば、CEENU)、メクロレタミン塩酸塩(例えば、MUSTARGEN)、酢酸メゲストロール(例えば、MEGACE)、メルカプトプリン(例えば、PURINETHOL、PURIXAN)、メトトレキサート(例えば、ABITREXATE、FOLEX PFS、FOLEX、METHOTREXATE LPF、MEXATE、MEXATE-AQ)、マイトマイシンc(例えば、MITOZYTREX、MUTAMYCIN)、ミトキサントロン塩酸塩、MOPP、ネララビン(例えば、ARRANON)、ニロチニブ(例えば、TASIGNA)、ニボルマブ(例えば、OPDIVO)、オビヌツズマブ(例えば、GAZYVA)、OEPA、オファツムマブ(例えば、ARZERRA)、OFF、オラパリブ(例えば、LYNPARZA)、オマセタキシンメペスクシナート(例えば、SYNRIBO)、OPPA、オキサリプラチン(例えば、ELOXATIN)、パクリタキセル(例えば、TAXOL)、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(例えば、ABRAXANE)、PAD、パルボシクリブ(例えば、IBRANCE)、パミドロン酸二ナトリウム(例えば、AREDIA)、パニツムマブ(例えば、VECTIBIX)、パノビノスタット(例えば、FARYDAK)、パゾパニブ塩酸塩(例えば、VOTRIENT)、ペグアスパラガーゼ(例えば、ONCASPAR)、ペグインターフェロンアルファ-2b(例えば、PEG-INTRON)、ペグインターフェロンアルファ-2b(例えば、SYLATRON)、ペンブロリズマブ(例えば、KEYTRUDA)、ペメトレキセド二ナトリウム(例えば、ALIMTA)、ペルツズマブ(例えば、PERJETA)、プレリキサホル(例えば、MOZOBIL)、ポマリドマイド(例えば、POMALYST)、ポナチニブ塩酸塩(例えば、ICLUSIG)、プララトレキサート(例えば、FOLOTYN)、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩(例えば、MATULANE)、二塩化ラジウム223(例えば、XOFIGO)、ラロキシフェン塩酸塩(例えば、EVISTA、KEOXIFENE)、ラムシルマブ(例えば、CYRAMZA)、R-CHOP、組換えHPV二価ワクチン(例えば、CERVARIX)、組換えヒトパピローマウイルス(例えば、HPV)非価ワクチン(例えば、GARDASIL 9)、組換えヒトパピローマウイルス(例えば、HPV)四価ワクチン(例えば、GARDASIL)、組換えインターフェロンアルファ-2b(例えば、INTRON A)、レゴラフェニブ(例えば、STIVARGA)、リツキシマブ(例えば、RITUXAN)、ロミデプシン(例えば、ISTODAX)、ルキソリチニブリン酸塩(例えば、JAKAFI)、シルツキシマブ(例えば、SYLVANT)、シプロイセル-t(例えば、PROVENGE)、ソラフェニブトシル酸塩(例えば、NEXAVAR)、STANFORD V、スニチニブリンゴ酸塩(例えば、SUTENT)、TAC、タモキシフェンクエン酸塩(例えば、NOLVADEX、NOVALDEX)、テモゾロミド(例えば、METHAZOLASTONE、TEMODAR)、テムシロリムス(例えば、TORISEL)、サリドマイド(例えば、SYNOVIR、THALOMID)、チオテパ、トポテカン塩酸塩(例えば、HYCAMTIN)、トレミフェン(例えば、FARESTON)、トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ(例えば、BEXXAR)、TPF、トラメチニブ(例えば、MEKINIST)、トラスツズマブ(例えば、HERCEPTIN)、VAMP、バンデタニブ(例えば、CAPRELSA)、VEIP、ベムラフェニブ(例えば、ZELBORAF)、ビンブラスチン硫酸塩(例えば、VELBAN、VELSAR)、ビンクリスチン硫酸塩(例えば、VINCASAR PFS)、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム(例えば、MARQIBO)、ビノレルビン酒石酸塩(例えば、NAVELBINE)、ビスモデギブ(例えば、ERIVEDGE)、ボリノスタット(例えば、ZOLINZA)、XELIRI、XELOX、ziv-アフリベルセプト(例えば、ZALTRAP)、またはゾレドロン酸(例えば、ZOMETA)である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、ENMD-2076、PCI-32765、AC220、ドビチニブ乳酸塩(例えば、TKI258、CHIR-258)、BIBW 2992(例えば、TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-02341066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、BIBF 1120(例えば、VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-11981、チボザニブ(例えば、AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184、XL-647および/またはXL228)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(例えば、Velcade))、mTOR阻害剤(例えば、ラパマイシン、テムシロリムス(例えば、CCI-779)、エベロリムス(例えば、RAD-001)、リダフォロリムス、AP23573(例えば、Ariad)、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF-4691502、GDC0980、SF1126およびOSI-027)、オブリメルセン、ゲムシタビン、カルミノマイシン、ロイコボリン、ペメトレキセド、シクロホスファミド、ダカルバジン、プロカルバジン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、カンパテシン(campathecin)、プリカマイシン、アスパラギナーゼ、アミノプテリン、メトプテリン、ポルフィロマイシン、メルファラン、ロイロシジン、ロイロシン、クロラムブシル、トラベクテジン、プロカルバジン、ディスコデルモライド、カルミノマイシン、アミノプテリンおよびヘキサメチルメラミン、またはこれらの組み合わせである。一定の実施形態では、追加の医薬品が、細胞傷害性化学療法(例えば、細
胞傷害性化学療法剤(例えば、ゲムシタビン、シタラビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、l-アスパラギナーゼ、シクロホスファミドまたはエトポシド))である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、アザシチジンまたはロミデプシンなどのエピジェネティック修飾剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、ルキソリチニブ、BBT594、CHZ868、CYT387またはBMS911543である。一定の実施形態では、追加の医薬品がチロシンキナーゼの阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の医薬品が、トポイソメラーゼ阻害剤、MCL1阻害剤、BCL-2阻害剤、BCL-xL阻害剤、BRD4阻害剤、BRCA1阻害剤、BRCA2阻害剤、HER1阻害剤、HER2阻害剤、CDK9阻害剤、Jumonjiヒストンデメチラーゼ阻害剤、またはDNA損傷誘発剤である。いくつかの実施形態では、追加の医薬品が、エトポシド、オバトクラックス、ナビトクラックス、JQ1、4-(((5’-クロロ-2’-(((1R,4R)-4-(((R)-1-メトキシプロパン-2-イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)-[2,4’-ビピリジン]-6-イル)アミノ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボニトリル、JIB04、またはシスプラチンである。一定の実施形態では、追加の医薬品がキナーゼ(例えば、CDK)の結合剤または阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が抗体またはその断片(例えば、モノクローナル抗体)である。一定の実施形態では、追加の医薬品がチロシンキナーゼ阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、エピジェネティックまたは転写モジュレーター(例えば、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、リジンメチルトランスフェラーゼ阻害剤)、抗有糸分裂薬(例えば、タキサンおよびビンカアルカロイド)、ホルモン受容体モジュレーター(例えば、エストロゲン受容体モジュレーターおよびアンドロゲン受容体モジュレーター)、細胞シグナル伝達経路阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)、タンパク質安定性のモジュレーター(例えば、プロテアソーム阻害剤)、Hsp90阻害剤、グルココルチコイド、全トランスレチノイン酸、および分化を促進する他の薬剤からなる群から選択される。一定の実施形態では、追加の医薬品が、グルココルチコイド(例えば、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、酢酸フルドロコルチゾンまたは酢酸デオキシコルチコステロン)である。一定の実施形態では、追加の療法が免疫療法(例えば、免疫療法モノクローナル抗体)である。一定の実施形態では、追加の医薬品が免疫調節剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が免疫チェックポイント阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、プログラム細胞死1タンパク質(PD-1)阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、プログラム細胞死1タンパク質リガンド1(PD-L1)阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)阻害剤である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、T細胞免疫グロブリンドメインおよびムチンドメイン3(TIM3)阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)阻害剤、Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1もしくはB7-H4)阻害剤、分化抗原群276(CD276もしくはB7-H3)阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)阻害剤、ガレクチン-9(GAL9)阻害剤、チェックポイントキナーゼ1(Chk1)阻害剤、アデノシンA2A受容体(A2AR)阻害剤、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)阻害剤、またはT細胞活性化のVドメインIg抑制剤(VISTA)阻害剤である。一定の実施形態では、PD-1阻害剤が、ニボルマブ、ピジリズマブ、ペンブロリズマブ、MEDI-0680、REGN2810またはAMP-224である。一定の実施形態では、PD-L1阻害剤が、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、BMS-936559、アベルマブまたはCA-170である。一定の実施形態では、CTLA-4阻害剤がイピリムマブまたはトレメリムマブである。一定の実施形態では、追加の医薬品がアロマターゼ阻害剤である。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が、それだけに限らないが、外科手術、放射線療法、移植(例えば、幹細胞移植、骨髄移植)、免疫療法および化学療法を含む抗がん治療と組み合わせて投与され得る。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が、免疫療法および/または化学療法と組み合わせて投与され得る。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が、免疫療法と組み合わせて投与され得る。一定の実施形態では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物が、化学療法と組み合わせて投与され得る。
キット(例えば、医薬パック)も本開示に包含される。提供されるキットは、本明細書に記載される医薬組成物または化合物と、容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の適切な容器)とを含み得る。いくつかの実施形態では、提供されるキットが、場合により、本明細書に記載される医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための医薬賦形剤を含む第2の容器をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、第1の容器および第2の容器で提供される本明細書に記載される医薬組成物または化合物が組み合わされて、1つの単位剤形を形成する。
したがって、一態様では、本明細書に記載される化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含むキットが提供される。一定の実施形態では、キットが、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を処置するのに有用である。一定の実施形態では、キットが、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)を予防するのに有用である。
一定の実施形態では、本明細書に記載されるキットが、キットに含まれる化合物または医薬組成物を使用するための説明書をさらに含む。本明細書に記載されるキットは、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局が要求する情報も含み得る。一定の実施形態では、キットに含まれる情報が処方情報である。一定の実施形態では、キットおよび説明書が、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)の処置を提供する。一定の実施形態では、キットおよび説明書が、それを必要とする対象の疾患(例えば、増殖性疾患)の予防を提供する。一定の実施形態では、キットおよび説明書が、対象、生物学的試料、組織または細胞において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導することを提供する。本明細書に記載されるキットは、本明細書に記載される1つまたは複数の追加の医薬品を別個の組成物として含み得る。
処置および使用の方法
本明細書に記載される化合物は、ユビキチン受容体RPN13および標的タンパク質DOT1Lに結合し(例えば、不可逆的に結合し)、標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導することができる。したがって、本開示はまた、対象、生物学的試料、組織または細胞において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供する。本開示はさらに、それを必要とする対象の増殖性疾患などの疾患を処置する方法を提供する。
一定の実施形態では、本出願が、ユビキチン受容体RPN13に結合し、標的タンパク質DOT1Lの分解を促進する方法を提供する。別の態様では、本開示は、それを必要とする対象において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供し、本方法は、有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物を対象に投与するステップを含む。別の態様では、本開示は、生物学的試料、組織または細胞において標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供し、本方法は、生物学的試料、組織または細胞を有効量の本明細書に記載される化合物または医薬組成物と接触させるステップを含む。
一定の実施形態では、本出願が、ユビキチン受容体RPN13および標的タンパク質DOT1Lに結合し、標的タンパク質DOT1Lの分解を誘導する方法を提供する。一定の実施形態では、標的タンパク質DOT1Lの結合剤が、式:
Figure 2022516745000063
のものである。
ユビキチン受容体RPN13および標的タンパク質DOT1Lに結合する二機能性化合物の使用は、DOT1Lに関連する疾患(例えば、増殖性疾患)を処置するための戦略を、細胞におけるDOT1Lの役割を研究するための研究ツールとして、またはDOT1Lに関連する疾患(例えば、増殖性疾患)を研究するための研究ツールとして提供する。
本開示はまた、それを必要とする対象の増殖性疾患などの疾患の処置に使用するための、式(I)の化合物、または薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグ、またはその組成物を提供する。
本開示はまた、それを必要とする対象の増殖性疾患などの疾患を処置するための医薬の製造における、式(I)の化合物、または薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体、もしくはプロドラッグ、またはその組成物の使用を提供する。
一定の実施形態では、本開示の方法が、有効量の式(I)の化合物、または薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグ、またはその組成物を対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、有効量が治療上有効量である。いくつかの実施形態では、有効量が予防上有効量である。
一定の実施形態では、処置される対象が動物である。動物はいずれの性別でもよく、どの発達段階でもよい。一定の実施形態では、対象が哺乳動物である。一定の実施形態では、処置される対象がヒトである。一定の実施形態では、対象が、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの飼育動物である。一定の実施形態では、対象が、イヌまたはネコなどのコンパニオンアニマルである。一定の実施形態では、対象が、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。一定の実施形態では、対象が動物園の動物である。別の実施形態では、対象が、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)、イヌ、ブタ、または非ヒト霊長類などの研究動物である。一定の実施形態では、動物が遺伝子改変動物である。一定の実施形態では、動物がトランスジェニック動物である。
本明細書に記載される一定の方法は、本明細書に記載される化合物と組み合わせて1つまたは複数の追加の医薬品を投与するステップを含み得る。1つまたは複数の追加の医薬品は、式(I)の化合物と同時に、または式(I)の化合物とは異なる時間に投与され得る。例えば、式(I)の化合物および任意の追加の医薬品は、同じ投与スケジュールまたは異なる投与スケジュールであり得る。式(I)の化合物の全部または一部の用量が、追加の医薬品の全部もしくは一部の用量の前に、追加の医薬品の全部もしくは一部の用量の後に、追加の医薬品の投与スケジュール内に、またはこれらの組み合わせで投与され得る。式(I)の化合物および追加の医薬品の投与のタイミングは、異なる追加の医薬品について異なり得る。
一定の実施形態では、追加の医薬品が、それを必要とする対象の増殖性疾患などの疾患の処置に有用な薬剤を含む。一定の実施形態では、追加の医薬品が、増殖性疾患の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、炎症性疾患の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、増殖性疾患の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、多発性骨髄腫の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、白血病の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、急性骨髄性白血病の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄性白血病の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、ヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、DNMT3A遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、リンパ腫の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、非ホジキンリンパ腫の処置に有用である。一定の実施形態では、追加の医薬品が、プロテアソーム阻害剤に耐性(例えば、ボルテゾミブに耐性)のがんの処置に有用である。
別の態様では、本開示は、DOT1Lの分解を誘導する方法であって、式(I)の化合物、または薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグ、またはその組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。
別の態様では、本開示は、ユビキチン受容体RPN13に結合し、DOT1Lの分解および/またはユビキチン化を促進する方法であって、式(I)の化合物、または薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体濃縮誘導体もしくはプロドラッグ、またはその組成物を対象に投与するステップを含む方法を提供する。一定の実施形態では、標準的ながん処置に耐性のがんを処置する方法が提供される。一定の実施形態では、プロテアソーム阻害剤に耐性のがんを処置する方法が提供される。
さらに別の態様では、本開示は、ユビキチン受容体RPN13およびDOT1Lの結合ならびにDOT1Lの分解の促進;対象、生物学的試料、組織または細胞におけるDOT1Lのユビキチン化の誘導;ならびに増殖性疾患の処置および/または予防に使用するための本明細書に記載される医薬組成物を提供する。
実施例
本開示がより完全に理解され得るために、以下の実施例を示す。本出願に記載される合成実施例および生物学的実施例は、本明細書で提供される化合物、医薬組成物、および方法を説明するために提供され、それらの範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
本明細書で提供される化合物(例えば、式(I)の化合物)は、以下の一般的な方法および手順または当技術分野で知られている方法を使用して、容易に入手可能な出発物質から調製することができる。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力等)が与えられている場合、特に明記しない限り、他のプロセス条件も使用することができることが理解されるだろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒によって異なり得るが、このような条件は、当業者が日常的な最適化手順によって決定することができる。
実施例1.DOT1Lを用いた例示的化合物の生物学的アッセイ.
生化学的アッセイを実行して、ポリユビキチン化によりRPN13の結合を破壊し得る標的阻害剤を特定した。標的阻害剤の濃度、化合物RA190の濃度に基づいて、およびアルファシグナルを考慮してアッセイを最適化した。生化学的アッセイのための条件は、当業者によって認識される。図9A~図9Cを参照されたい。
Molm13 PA細胞株におけるdDOT1L-6による分解
Molm13PA(急性骨髄性白血病)細胞を、0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのdDOT1L-6で24時間、48時間および72時間処理した。細胞溶解物をSDS-PAGEにロードし、次いで、DOT1L(D4O2T)、アクチンおよびH3K79me2で免疫ブロットした。抗体D402Tを使用してDOT1Lタンパク質レベルを確認した。ウエスタンブロットは、dDOT1L-6が急性骨髄性白血病細胞(Molm13 PA)を阻害することを示す(図11A参照)。これらの細胞はDOT1L分解を示す(図11A参照)。
Molm13 PA細胞株におけるdDOT1L-7による分解
Molm13PA(急性骨髄性白血病)細胞を、0μM、0.3μM、1μM、3.3μMおよび10μMのdDOT1L-7で24時間、48時間および72時間処理した。細胞溶解物をSDS-PAGEにロードし、次いで、DOT1L(D4O2T)、アクチンおよびH3K79me2で免疫ブロットした。ブロットは、dDOT1L-7が急性骨髄性白血病細胞(Molm13 PA)を阻害することを示す(図11B参照)。これらの細胞はDOT1L分解を示す(図11B参照)。
例示的なサリドマイドベースのDOT1L分解剤化合物の存在下での相対的細胞増殖
Molm13 PA(急性骨髄性白血病)、Molm13 RE(急性骨髄性白血病)およびHL60(ヒト白血病)細胞を、0~10μMの間の様々な濃度の例示的なサリドマイドベベースのDOT1L分解剤化合物DOT1L-6、DOT1L-7、DOT1L-8およびRA190で処理した。Molm13 PA、Molm13 REおよびHL60細胞の相対的細胞増殖を10日後に測定して細胞活性を分析した。結果は、例示的なDOT1L分解剤化合物の濃度の増加により、例示的なDOT1L分解剤化合物で処理したMolm13白血病細胞およびHL60(ヒト白血病)細胞についての細胞増殖(細胞数に基づく)が減少したことを示している(図12A~図12D参照)。
等価物および範囲
請求項において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは複数を意味し得る。群の1つまたは複数のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、群メンバーの1つ、複数、または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在する、使用される、または関連している場合に満たされると見なされる。本開示は、群の正確に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在する、使用される、または関連している実施形態を含む。本開示は、群メンバーの複数または全てが、所与の生成物またはプロセスに存在する、使用される、または関連する実施形態を含む。
さらに、本開示は、列挙される請求項の1つまたは複数からの1つまたは複数の制限、要素、条項、および説明用語が別の請求項に導入される全ての変形、組み合わせ、および順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する請求項を、同じ基本請求項に従属する他の請求項に見られる1つまたは複数の制限を含むように修正することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群形式で提示される場合、要素の各サブグループも開示されており、いずれの要素も群から排除できる。一般に、本明細書に記載される開示または態様が特定の要素および/または特徴を含むと言及されている場合、本明細書に記載される一定の実施形態または本明細書に記載される態様は、このような要素および/または特徴からなる、あるいはから本質的になることが理解されるべきである。簡単にするために、これらの実施形態は、本明細書にこれらの言葉で(in haec verba)具体的に示されていない。「含む」および「含有する」という用語は、オープンであることを意図しており、追加の要素またはステップを含めることを許すことにも留意されたい。範囲が示される場合、終点が含まれる。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、文脈が明確に指示しない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本明細書に記載される異なる実施形態の言及される範囲内の具体的な値または部分範囲を想定することができる。
本出願は、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、さまざまな発行された特許、公開された特許出願、雑誌論文および他の刊行物を参照する。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。さらに、先行技術に入る本開示の任意の特定の実施形態は、請求項のいずれか1つまたは複数から明示的に除外され得る。このような実施形態は当業者に知られていると見なされるので、除外が本明細書に明示的に記載されていなくても、これらは除外され得る。本明細書に記載される特定の実施形態は、先行技術の存在に関連するかどうかにかかわらず、任意の理由で、請求項から除外することができる。
当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載される具体的な実施形態に対する多くの等価物を認識する、または確認することができるだろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記の明細書に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に示される通りである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲で定義されるように、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書に対するさまざまな変更および修正を行うことができることを理解するだろう。

Claims (57)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2022516745000064
    またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体(式中、
    は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
    は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
    10は、水素、場合により置換されたアシル、場合により置換されたアルキル、または窒素保護基であり;
    11は、ハロゲン、場合により置換されたアシル、または場合により置換されたアルキルであり、
    12の各例は独立に、水素、場合により置換されたアシル、または酸素保護基であり;
    Lはリンカーであり、
    Dはユビキチン受容体RPN13の結合剤である)。
  2. Dが、式:
    Figure 2022516745000065
    (式中、
    同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAは水素であり、他方のAは以下のうちの1つであり:
    (i)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたフェニル;
    (ii)場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~5個の置換基で置換されたナフチル;
    (iii)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基;および
    (iv)O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環と縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合により-R、-OR、-NR、-S(O)、-SO、-NRSO、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-NRC(O)R、-NRC(O)OR、-CHF、-CHF、-CFおよび-OCFからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されている二環式ヘテロアリール基;
    Yは=O、=S、=NRまたは=CRであり、
    およびRは互いに独立に、水素、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、ハロゲン、シアノ、ならびに場合によりC~C14アルキル、C~C14ハロアルキル、C~C14アルコキシ、ニトロ、ヒドロキシル、-COOH、-NH、C~C14アルキルアミノ、C~C14ジアルキルアミノ、ハロゲンおよびシアノからなる群から選択される1~3個の置換基で置換されたC~C14アルキルからなる群から選択され;
    は水素、場合により置換されたC1~6アルキルまたは窒素保護基であり;
    Zは、水素;場合により置換されたC~C14アルキル、場合により置換されたC~C10シクロアルキル、場合により置換されたアリール、場合により置換されたアラルキル、場合により置換されたアルキル-アリールおよび-(CH-Kからなる群から選択され;
    Kは、O、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員単環式複素環もしくはヘテロアリール基、またはO、NおよびSからなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を含有する8~10員二環式ヘテロアリール基であり;
    pは0、1、2、3および4からなる群から選択される整数であり;
    qは0、1、2、3および4からなる群から選択される整数である)
    のものである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  3. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが場合によりRで置換されたフェニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲンで置換されたフェニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAがハロゲンの2つの例で置換されたフェニルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが少なくとも1つのClで置換されたフェニルである、請求項5に記載の化合物。
  7. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが場合によりRで置換されたナフチルである、請求項5に記載の化合物。
  8. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、場合によりRで置換された5員または6員単環式ヘテロアリール基である、請求項5に記載の化合物。
  9. 同じ炭素原子に結合した2つの部分Aの各セットで、一方のAが水素であり、他方のAが、O、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有し、3~4個の炭素原子を介して第2の環に縮合した第1の環を有する8~10員二環式ヘテロアリール基であって、場合によりRで置換されている二環式ヘテロアリール基である、請求項5に記載の化合物。
  10. Yが=Oである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. Zが(C1~3アルキル)フェニルまたは(C1~3ハロアルキル)フェニルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. Zがフェニルまたはベンジルである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
  13. Zがベンジルである、請求項12に記載の化合物。
  14. が水素である、請求項2から13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. Dが式:
    Figure 2022516745000066
    のものである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  16. 式:
    Figure 2022516745000067
    のものである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  17. 式:
    Figure 2022516745000068
    のものである、請求項13に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  18. が水素である、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
  19. がイソプロピルである、請求項1から15または18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 10が水素である、請求項1から15、18または19のいずれか一項に記載の化合物。
  21. 11が場合により置換されたC1~6アルキルである、請求項1から15または18から20のいずれか一項に記載の化合物。
  22. 11が非置換t-ブチルである、請求項21に記載の化合物。
  23. 12の両例が水素である、請求項1から15または118から22のいずれか一項に記載の化合物。
  24. Lが場合により置換されたC1~50炭化水素鎖であり、場合により前記炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
  25. Lが場合により置換されたC1~26炭化水素鎖であり、場合により前記炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
  26. Lが非置換C1~26炭化水素鎖であり、場合により前記炭化水素鎖の1個または複数の鎖原子が独立に、-C(=O)-、-O-、-NR-、-N=、=N-、-S-または環状部分で置き換えられており、Rが独立に、水素、置換もしくは非置換C1~6アルキル、または窒素保護基である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
  27. 前記炭化水素鎖の少なくとも1個の鎖原子が独立に、-C(=O)-で置き換えられている、請求項24から26のいずれか一項に記載の化合物。
  28. Lが
    Figure 2022516745000069
    Figure 2022516745000070
    であり;
    がDとの結合点を示し、lが式
    Figure 2022516745000071
    の部分との結合点を示し;
    Xが-CH-または-O-であり;
    環Bが、場合により置換された5~10員ヘテロシクリルまたは場合により置換された5~14員ヘテロアリール基であり;
    n1が1、2、3、4、5または6であり;
    n2が1、2、3、4、5または6であり;
    n3が1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり;
    gが1、2、3、4、5または6であり;
    g1が1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である、
    請求項1から27のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  29. Lが
    Figure 2022516745000072
    である、
    請求項28に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  30. Lが式:
    Figure 2022516745000073
    のものである、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物。
  31. 式:
    Figure 2022516745000074
    Figure 2022516745000075
    のものである、請求項1から30のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグ。
  32. 式:
    Figure 2022516745000076
    Figure 2022516745000077
    のものである、請求項1から31のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、共結晶、互変異性体、立体異性体、溶媒和物、水和物、多形、同位体標識誘導体もしくはプロドラッグ。
  33. 式:
    Figure 2022516745000078
    のものである、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体。
  34. 式(I):
    Figure 2022516745000079
    のものである、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  35. 請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体と、場合により薬学的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物。
  36. それを必要とする対象の増殖性疾患を処置するための、治療上有効量の前記化合物を含む、請求項35に記載の医薬組成物。
  37. それを必要とする対象の増殖性疾患を処置する方法であって、治療上有効量の請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
  38. 前記増殖性疾患が、がんである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記がんが多発性骨髄腫である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記がんがリンパ腫である、請求項38に記載の方法。
  41. 前記がんが白血病である、請求項38に記載の方法。
  42. 前記白血病が急性骨髄性白血病である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記白血病が混合系統白血病(MLL)再構成急性骨髄性白血病である、請求項41に記載の方法。
  44. 前記白血病がヌクレオフォスミン(NPM1)遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病である、請求項41または42に記載の方法。
  45. 前記白血病がDNMT3A遺伝子に変異を有する急性骨髄性白血病である、請求項41または42に記載の方法。
  46. 前記がんがプロテアソーム阻害剤に耐性である、請求項38に記載の方法。
  47. 前記がんがボルテゾミブに耐性である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記がんがカルフィルゾミブに耐性である、請求項46に記載の方法。
  49. 対象においてDOT1Lの分解を誘導する方法であって、
    治療上有効量の請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップ
    を含む方法。
  50. 細胞、組織または生物学的試料においてDOT1Lの分解を誘導する方法であって、
    前記細胞、組織または生物学的試料を治療上有効量の請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物と接触させるステップ
    を含む方法。
  51. 前記化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物と組み合わせた治療上有効量の追加の医薬品を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項37から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記細胞、組織または生物学的試料を前記化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物と組み合わせた治療上有効量の追加の医薬品と接触させるステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記追加の医薬品が抗増殖剤である、請求項51または52に記載の方法。
  54. 前記追加の医薬品が化学療法を含む、請求項51または52に記載の方法。
  55. 前記追加の医薬品が免疫療法を含む、請求項51または52に記載の方法。
  56. それを必要とする対象の疾患を処置するための化合物の使用あって、治療上有効量の請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む使用。
  57. 請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物と;
    前記化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体もしくは立体異性体、あるいは請求項35または36に記載の医薬組成物を対象に投与する、あるいは生物学的試料をこれと接触させるための説明書と
    を含むキット。
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