JP2022515575A - Dcバスコンデンサのパラメーターを監視する方法 - Google Patents

Dcバスコンデンサのパラメーターを監視する方法 Download PDF

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Abstract

フロントエンド1と、出力段3と、出力段のスイッチのゲートのPWM制御部7とを有する電力変換器において、少なくとも1つのコンデンサから構成されるDCバスコンデンサバンク2のパラメーターの監視を行う方法であって、電力変換器は、出力段の出力相における電流検知手段5、6と、DCバスにおける電圧検知手段8とを有し、電圧検知手段は、DCバス電圧のHFリップルを抽出及びスケーリングする調整回路81を備え、方法は、出力段のスイッチング状態間の選択された遷移内で電流センサーによって検知される電流測定値を通じて相電流のHF部分を計算するステップと、選択されたスイッチング状態内で電圧検知手段によって検知される電圧測定値を通じてDCバス電圧のHF部分を計算するステップとを含む、方法。

Description

本発明は、電力変換器のパラメーターの非侵入型監視に関し、特に、デジタル信号プロセッサがPWM変調を通じてスイッチのコミュテーションを制御するDCリアクトル及びDCリンクコンデンサバンクを有することがあるダイオードフロントエンド整流器を有する3相インバーターに適用可能である。
本発明は、DCリンクコンデンサバンクの損傷反応性(damage sensitive)電気パラメーターのオンライン非侵入型推定を提供しようとするものである。そのようなパラメーターは、変換器回路内の電圧及び電流のHF部分の監視に基づいて求められる。
加えて、本発明は、DCリンクコンデンサバンクのエージング検出を提供するために電力変換器の寿命の間に等価直列抵抗(ESR:equivalent series resistance)及び静電容量(C:capacitance)等のパラメーターの推定を提供することを目的とする。本発明において、「非侵入型」は、コンデンサ(複数の場合もある)内のDCリンク電流を求めるために追加の電流検知手段が付加されないことを意味し、このDCリンク電流は、DSPと関係する利用可能な電流検知手段によって提供される情報と、変換器のスイッチングデバイスのスイッチング状態制御とのみを使用して計算される。
変換器の寿命内で、コンデンサバンクはエージングしていき、エージングインジケーターのうちの少なくとも1つは、或る限界値を越えて進展し、メンテナンスが必要とされる時を判断するのに使用される。例えば、電解コンデンサでは、電解質の乾燥に起因した劣化に伴って、等価直列抵抗(ESR)が通常大きく増加し、静電容量(C)が減少する。どのエージングインジケーターが最初に表示(ESRの大きな増加及び/又は静電容量の大幅な減少)を示すのかは、コンデンサのタイプ及び動作条件に依存する。フィルムコンデンサの場合に、良好なエージングインジケーターは、Cの減少の検出を示すものである。したがって、本発明のプロセスを通じて電圧パラメーター及び電流パラメーターを監視し、加えて、ESRパラメーター及びCパラメーターの評価値を計算する能力は、コンデンサのタイプとは無関係に、コンデンサの健全状態を評価することを可能にする。
種々の技法が、オンライン監視(すなわち、コンデンサが電力変換器内で物理的に接続されている間)を行う公開された文献内に記載されているが、これは、通常、推定を行うために特定の動作モードを必要とする。例えば、変換器の電動機側にAC電流を注入することによって、幾つかの擾乱が生み出され、解析することができる電圧リップルがコンデンサ(複数の場合もある)の両端にわたって生み出される。これは、副作用として幾つかの振動及びトルクリップルを更に生み出す。他の監視プロセスでは、コンデンサの電流を計算することができることを確保するために、或る特定の動作モードが必要とされ、例えば、入力フロントエンドが遮断されている間、DCバスが出力ブリッジのみによって駆動されることを確保するために、電動機は再生モード(すなわち、減速し、発電機として動作する)でなければならない。そのような動作モードは、システムの通常動作中に必ずしも可能でないし望ましくもない。
最後に、他の幾つかの方法は、コンデンサ電流を測定するために追加のセンサーの使用を必要とするが、この追加のセンサーの使用も同様に、(センサーのコスト、追加されるインピーダンス等に起因して)常に可能であるとは限らないし、望ましくもない。
本発明は、フロントエンドによって生成される未知の低周波数(LF:low frequency)部分は無視することができる一方、インバーター部分が寄与するコンデンサ電流の高周波数(HF:high frequency)電流部分を推定することによって上記問題を軽減することを提案する。これは、擾乱を更に生み出すことなく、電力変換器の通常動作中にインバーターのスイッチングと同期した特定の位置においてサンプリングされる利用可能な出力相電流を使用してインバーター電流を計算することを通じて行われる。
そのような測定を達成するために、本発明は、フロントエンドと、出力段と、該出力段のスイッチのゲートのPWM制御部とを有する電力変換器において、少なくとも1つのコンデンサから構成されるDCバスコンデンサバンクのパラメーターの監視を行う方法であって、前記電力変換器は、前記出力段の出力相における電流検知手段と、前記DCバスにおける電圧検知手段とを有し、前記電圧検知手段は、前記DCバス電圧のHFリップルを抽出及びスケーリングする調整回路を備え、該方法は、前記出力段のスイッチング状態間の選択された遷移内で前記電流検知手段によって検知される電流測定値を通じて前記出力段の入力電流のHF部分を計算するステップと、選択されたスイッチング状態内で前記電圧検知手段によって検知される電圧測定値を通じて前記DCバス電圧のHF部分を計算するステップとを含む、方法を提案する。
本発明による方法は、コンデンサバンクのステータス及びパラメーターの計算の基礎を提供するHFパラメーターの計算を可能にする十分な測定値を提供する。
フロントエンドは、DCバス電圧を提供するDCフロントエンドであり、
プロセスは、
スイッチングサイクルについて、前記スイッチング状態がスイッチング持続期間ΔTの間のゲートアクティブ化の特定の組み合わせに対応するとともに、前記サンプリングロケーションが前記スイッチング状態持続期間内に第1の位置及び第2の位置に位置する該サイクルの異なるスイッチング状態内の相電流及び電圧リップルのサンプリングロケーションを決定することと、
前記電流検知手段を用いて前記出力段の相電流を測定し、前記ロケーションにおける相電流を提供するために前記サンプリングロケーションにおいて前記相電流をサンプリングし、前記ロケーションにおける前記相電流及び前記スイッチング状態に基づいて前記出力段の前記入力電流を計算することと、
前記ロケーションにおける前記出力段の前記入力電流を使用することによって、前記サンプリングロケーションにおける前記HFコンデンサ電流を計算することと、
スイッチング状態にわたる前記ロケーションにおける前記コンデンサ電流の前記HF部分の線形外挿によって、前記スイッチング状態の開始における前記HFコンデンサ電流Icap_HFを再現することと、
新たなスイッチング状態の開始におけるコンデンサHF電流と以前のスイッチング状態の終了における前記値との前記差としてΔIcap_HFを計算することと、
前記電圧検知手段を用いて前記DCバス電圧を測定し、そのような電圧を調整して前記DCバスの電圧リップルの前記HFリップルを抽出及びスケーリングし、前記スイッチング状態における電圧リップル値を提供するために前記サンプリングロケーションにおける前記電圧リップルをサンプリングすることと、
スイッチング状態にわたる前記ロケーションにおける前記DCバス電圧リップルの線形外挿によって前記スイッチング状態の開始におけるコンデンサ電圧リップルの値を計算することを通じて前記HFコンデンサ電圧リップルを再現することと、
新たなスイッチング状態の開始におけるHFコンデンサ電圧リップルと、以前のスイッチング状態の終了における前記値との差としてΔVcap_HFを計算することと、
を含むことができ、
前記電流リップル及び前記電圧リップルは、前記電力変換器に擾乱を導入することなく前記変換器の前記標準動作によって生成されるリップルである。
この実施の形態によれば、本発明は、通常動作の状況において変換器のパラメーターを測定する簡単な方法を提供する。
相電流を測定する電流検知手段の数は、出力段内のレグ(leg)の数に依存することに留意すべきである。出力段がn個のレグを備え、レグが直列に接続された上側スイッチ及び下側スイッチである場合に、n-1個のレグの出力における相電流の測定値及び出力段のスイッチング状態によって、出力段の入力電流を計算することが可能になる。2つのレグを有する単相インバーターは、1つの相電流測定値を必要とし、3つのレグを有する3相インバーターは、2つの相電流測定値を必要とする。
この実施の形態によれば、コンデンサバンクのパラメーターは、電力変換器の動作中いつでも計算することができ、容易に実施されるシステムを提供する再生条件又は機械的リップル若しくは外部電気的リップルの導入等の特定の条件を必要としない。
特定の実施の形態において、前記サンプリングロケーションは、スイッチング状態位置の中央を前記第1のロケーションとして提供し、スイッチング状態位置の終了近傍を前記第2のロケーションとして提供するように定められる。
これによって、より簡便な計算プロセスが可能になる。
監視下にあるパラメーターが前記コンデンサバンクの前記等価直列抵抗ESRである場合、前記方法は、
Figure 2022515575000002
を通じて、近似されたESRを計算することを更に含む。
そのような場合には、近似されたESRは、スイッチングサイクル中に容易に計算され、スイッチングサイクル中の2つの連続したスイッチング状態間の遷移においてより精密に計算される。
前記方法は、次に、前記再現されたESR値を限界値と比較することによって前記コンデンサバンクのエージング状態を推定することを含むことができ、前記値は、例えば、温度又はコンデンサタイプの関数とすることができる。
前記限界値は、初期値又は任意の所与の限界のパーセンテージとすることができる。
パラメーターが前記コンデンサバンクの前記静電容量Cである場合、IdcがHF成分を有する第1の実施の形態において、前記方法は、第1のベクトル及びその後に続く第2のベクトル内の測定を通して前記静電容量を計算することを更に含み、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルのうちの一方はアクティブベクトルであり、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルのうちの他方はヌルベクトルであり、
前記計算することは、
前記ヌルベクトルにおいて前記アクティブベクトルに先行又は後続する持続期間ΔT1にわたる電圧リップルの前記変動ΔVcap(1)を計算することと、
前記アクティブベクトルにおける中央位置及び終了近傍位置において行われたDCバス電圧測定を使用し、前記アクティブベクトルの開始における前記電圧値を外挿して、前記アクティブベクトルにおける持続期間ΔT2にわたる電圧リップルの前記変動ΔVcap(2)を計算することと、
I1avg=前記アクティブベクトルの間の平均HFコンデンサ電流を計算することと、
ΔVc(2)=ΔVcap(2)-ESR(I1(t4)-I1(t2))を計算することと、
近似された静電容量Cを以下のように計算し、
Figure 2022515575000003
ただし、ΔVc(1)=ΔVcap(1)であることと、
を含む。
前記終了近傍位置は、安定した測定を提供するためにサンプリングマージン及びデッドタイム持続期間が引かれるベクトルの終了である。
計算されるパラメーターが前記コンデンサバンクの前記静電容量Cであり、インバーター電流Iinvがスイッチング状態内で一定とみなされる場合、前記方法は、以下の式を通じて、近似された静電容量を計算することを更に含む。
Figure 2022515575000004
ここで、ΔT’2は、前記サンプリングマージン及びデッドタイム持続期間によって削減されたアクティブベクトルの後半期の持続期間に対応し、ΔV’cap(1)は、ヌルベクトルにおいて前記アクティブベクトルに先行又は後続する持続期間ΔT’1にわたる電圧リップルの前記変動に対応し、ΔV’cap(2)は、前記アクティブベクトルにおける終了位置及び中央位置における前記2つの測定された値の間の差に対応し、I1avgは、前記アクティブベクトルの前記中央位置におけるIinvの電流値に対応する。
これによって、Cのより簡単化された計算が提供される。
前記方法は、前記計算された静電容量値及び/又は前記計算された等価直列抵抗値をコンデンサ温度の限界値関数と比較することによって前記コンデンサバンクのエージング状態を推定することを更に含むことができる。
これによって、電力変換器の寿命中にコンデンサバンクの満足な監視が提供される。この状況によれば、前記限界値は、パーセンテージ、係数又は絶対値とすることができ、前記限界値は、初期値に対する最大変動(%で表される増加又は減少)として表されるか、又は、パラメーター単位で表される静電容量の最小値Cmin及び/又は抵抗の最大値ESRmax等の限界値として直接表される。
前記電圧リップルを再現することは、前記LF+HF成分のみを含むリップルを送達するために前記電圧の前記DC成分を除去して、前記測定のより良好な精度を提供することを含むことができる。
前記フロントエンドがDC+LF+HF成分を送達する場合、前記方法は、そのような成分を前記推定されたコンデンサ電流から引くために前記フロントエンド電流の前記HF部分を測定又は計算することを含むことができる。
DSP又はコントローラーの動作の数を削減するために、前記相電流のサンプリングは、エネルギーが、前記アクティブスイッチング状態におけるHFコンデンサ電流リップルの計算を提供するために、前記DCバスコンデンサと前記インバーターの負荷との間で交換される少なくとも1つのアクティブスイッチング状態(すなわちアクティブベクトル)において行われる。
前記変換器が少なくとも2つの相に電流検知手段を有する3相インバーターシステムである場合、前記電流サンプリングは、前記インバーターの前記少なくとも2つの相において行われる。
これによって、既存の電流検知手段を使用することが可能になる。より一般的には、使用されるセンサーの数は、インバーター電流を計算するのに必要とされるセンサーの最小数に対応する。
前記フロントエンドがDC+LF+HF成分を送達する場合、前記方法は、そのような成分を前記推定されたコンデンサ電流から引くために前記フロントエンド電流の前記HF部分を測定又は計算することを含む。
前記コンデンサ電流が未知のLF成分を含まない場合、前記方法は、単一のアクティブベクトルスイッチング状態内の持続期間ΔT’2の前記コンデンサ電圧変動ΔV’cap(2)の測定と、前記スイッチング状態における前記平均出力段電流の測定と、以下の式
Figure 2022515575000005
に従ったCの計算とを含むことができる。
前記測定は、好ましくは、前記フロントエンドが電流を送達していない状態において行われる。
これによって、Cの計算が簡単化され、計算ユニットに対する負荷がより少なくなる。
そのような場合に、静電容量の推定値は、最も大きなC推定値のみを保持し平均することによって得ることができる。
これによって、測定精度を向上させることが可能になり、フロントエンドが、不連続の導通が起こるダイオード整流器回路のように電流を導通するか又はしないかの状況の検討を回避することが可能になる。
Cの小さな変動は整流器の非導通の期間に対応するので、例えば、連続した測定にわたる短期統計を使用して、所与の期間にわたるCの連続する推定値のばらつきを考慮することによって、整流器電流の非導通の領域を求めることも可能とすることができ、この場合に、測定されたCは実静電容量になる傾向がある。
本発明の方法を使用する監視プロセスは、前記電力変換器の寿命を通して本発明の方法を使用して、初期値に基づいて限界値を監視及び計算するための該初期値を提供及び記憶する、前記変換器の動作の開始における自己較正プロセス及び記憶プロセスを含むことができる。
そのような監視プロセスによって、電力変換器の動作の開始及び監視に使用される初期値からのコンデンサバンクのエージングの推定が提供される。
本発明は、DCバスコンデンサバンクのパラメーターを監視するための本発明の方法を可能にするように構成される電力変換器システムであって、前記変換器は、
電力をDCバスに供給するフロントエンドと、
コンデンサバンクと、
1つ以上の出力相が設けられた出力段及び該出力段のスイッチのゲートのPWM制御部と、
前記コンデンサバンクの前記DCバスにおける電圧検知手段であって、前記DCバスのHF成分の高域通過フィルタリング及びスケーリングを提供する調整回路を備える、電圧検知手段と、
前記出力段の入力電流の計算を可能にする前記変換器の前記出力段の相における電流検知手段と、
アナログ/デジタル変換器を備え、前記変換器の前記出力段の標準的な制御に加えて、サンプリング位置の計算と、該サンプリング位置における電圧及び電流のサンプリングされる値の取得と、該取得に基づくパラメーター及び限界値の計算とを実行するように構成されるCPU又はDSP内の等の計算ユニットと、
前記方法を実行するためのリードオンリーメモリ及びリード/ライトメモリ、初期値及び限界値を記憶するためのリード/ライト永久メモリ、並びに計算を処理するためのリード/ライトメモリと、
を備える、電力変換器システムに更に関する。
本発明の方法は、追加のハードウェアの必要性を制限し、これによって、費用効率を高くする。
前記計算において、前記限界値は、ソフトウェアに応じて、所与の温度における最大許容変動、初期値の絶対値又はパーセンテージとすることができる。
本発明の例示的な実施形態の詳細な説明を、添付図面を参照して下記に論述する。
本発明による3相インバーターの概略図である。 SVPWM変調の一例示的なスイッチングサイクルにおけるゲートのスイッチングのタイミング図及びサンプリング位置の説明図の一例である。 過渡信号を有するコミュテーションの一例を示す図である。 ESR計算のための、3相変換器の一例示的なSVPWMスイッチングサイクル中のインバーター電流形状及びコンデンサ電圧リップル形状の説明図である。 ESR計算のための、3相変換器の一例示的なSVPWMスイッチングサイクル中のインバーター電流形状及びコンデンサ電圧リップル形状の説明図である。 静電容量計算のための信号及び測定方法の第1の実現態様の概略図である。 静電容量計算のための信号及び測定方法の第2の実現態様の概略図である。 本発明の一実施形態による単相インバーターの概略図である。 本発明の一実施形態による中間PFC段を有する3相インバーターの概略図である。
本発明は、コンデンサブランチに電流検知手段を付加することなく、電力変換器におけるDCリンクコンデンサ又はDCリンクコンデンサバンクのエージングを監視することに関する。
インバーター等の電力変換器では、整流器電圧をフィルタリングするコンデンサ又はコンデンサバンクが、エージング及びその特性の喪失を経時的に受ける。
通常、そのようなコンデンサバンクは、その等価直列抵抗ESRが、所与の安定温度において考慮されるその初期値の2倍であるとき、及び/又は、その静電容量Cが、所与の安定温度において考慮されるその初期値の20%を喪失したときに、エージングしたとみなされる。
コンデンサ又はコンデンサバンクのエージングを測定するために、コンデンサ電流の直接的な測定は、通常、利用可能でなく、標準的な電力変換器は、変換器相(複数の場合もある)における電流検知手段及びDCフロントエンドにおける電圧検知手段等のPWM制御の動作に必要とされるセンサーしか有していない。
本発明の方法は、電力変換器の通常動作を乱すことなく動作する。本発明の方法は、電圧リップル調整等の最小限の追加のハードウェアを必要とし、ほとんどが、メモリ、レジスタ及びソフトウェアを、コンデンサバンクのエージング判断を提供する必要な計算に適合させるように構成された、電力変換器の制御を担当するコントローラー又はDSPによって実施される。
本方法は、DCリアクトル及び/又はACリアクトルを用いて完成されることがある受動ダイオードフロントエンド整流器を有する3相インバーターシステムについて以下に例示される。
図1は、本発明の一実施形態による3相インバーターの概略図である。電力変換器は、整流器又は他のDC源等のDCフロントエンド1と、コンデンサバンク2と、出力段3と、電動機4と、電動機相のうちの2つの相における電流センサー5、6と、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)又はマイクロコントローラーを有するコマンドモジュール7と、DCバス電圧を測定する電圧検知手段8、81と、DCバス電圧のHFリップルを抽出及びスケーリングする調整回路81とを備える。DSPは、速度制御ループ、V/F制御等の電動機制御アルゴリズムを実行し、空間ベクトルPWM(SVPWM:space vector PWM)アルゴリズムが、ゲートコマンドのタイミングを最終的に決定する。
図1では、出力段は3相インバーターであるが、出力段は、図7において説明され、下記に論述される単相インバーター等の別のタイプの変換器であってもよい。本明細書では、PWMスイッチングストラテジーは、SVPWMであると考えられ、そのような場合に、「アクティブベクトル」が、DCバスと負荷(電動機)との間の電力交換:Ic<>0をもたらすスイッチの構成に対応する。ただし、Icはコンデンサ電流である。
或いは、「0電圧ベクトル」の間、インバーターは、DCバスコンデンサ(複数の場合もある)内の電流に影響を及ぼさない。
図1では、出力段は、3つの相出力を提供する3つのレグ、すなわち、レグSta、Sba、レグStb、Sbb、及びレグStc、Sbcを有する。少なくとも2つの電流検知手段5、6が、2つの相における電流を測定するために存在する。第3の相における電流及びその結果としての出力段(本場合にはインバーター)の入力電流Iinvは、2つの相電流のみが分かっていると計算することができる。
図7のような単相出力を提供する変換器の場合には、1つのレグの出力相における1つの電流検知手段のみが、出力段の入力電流を計算するのに必要とされる。
全ての測定値又は信号線は、アナログツーデジタル及びデジタルエントリーを扱うとともに本発明のプロセスに必要な計算を提供するDSP又はコントローラーの監視ユニット71において再編成される。
そのような監視ユニットは、主として、DSPに実装されるソフトウェアによって提供される。
電力変換器において、電流は、Idc:フロントエンド電流、Ic:コンデンサ電流、Iinv:出力段入力電流である。
コンデンサバンクにおいて、測定可能電圧は、理想的なコンデンサの電圧であるVcと、コンデンサの等価直列抵抗における電圧であるVesrとの和であるVcapであり、Vc及びVesrは、直接区別することができない内部コンデンサ電圧である。
DSP又はマイクロコントローラーは、信号及びパラメーター等の幾つかの情報を受信する健全性監視システムを備える。そのような信号は、DC電圧リップルを表す信号VcapHF、コンデンサバンクの温度CapTemp、DSP PWMキャリア、レグスイッチング時刻信号tga、tgb、tgc、相電流検知手段出力Is1、Is2、及び任意選択で3つのセンサーが存在する場合の相電流検知手段出力Is3である。上部ゲートのコマンド信号と対応している下部ゲート(Sba、Sbb、Sbc)の下部コマンド信号を健全性監視システムに提供する必要はない。
tga、tgb、tgcに関して、そのような値とキャリアとの交差は、特定の上部ゲートのアクティブ化及び非アクティブ化の時刻を与える。レグスイッチング時刻tga、tgb及びtgcは、上部スイッチSta、Stb、Stc及び下部スイッチSba、Sbb、Sbcのアクティブ化及び非アクティブ化を制御するのに使用される。
当該技術において知られているように、PWMキャリアは、スイッチング方式及びSVPWMタイミングの基準を提供するDSPの内部信号である。
本発明の計算の基本は、変換器のスイッチング周波数の高調波によって生成されるHFリップルの評価を使用する。特に、SVPWM変調の主要な高調波であるスイッチング周波数の第2高調波が使用され、そのようなスイッチング周波数は、一般にレンジ2.5kHz...30KHzにあり、通常の用途では約10KHzにある。
VcapHF信号は、Vcapに等しいDCバス電圧VDCから抽出される。VcapHFにおいて、DC成分は抑制され、VDCの低周波数リップルは、大きく減衰されることがある。低周波数リップルは、フロントエンド段によって生成され、50Hz3相整流器の場合には、通常、300Hzリップルである。DC成分の抑制は、DSPにおけるアナログ/デジタル変換器(ADC:analog to digital converter)のレンジに対応してHFリップルもスケーリングする調整回路81によって行われる。
ESR測定に関して、高域通過フィルターを追加して、低周波数リップルを抑制することができる。しかしながら、これは、HFリップル測定を妨げる可能性があり、C測定に有害である可能性がある。
コンデンサ電流を測定するのに電流検知手段は使用されないので、この電流は計算によって推定される。コンデンサ電流のHF部分は、利用可能な相電流検知手段と、インバータースイッチングがHF成分の唯一の源であることを考えると、インバータースイッチング情報とを使用して正確に計算される。
電流検知手段がDCバス上で既に利用可能である場合には、コンデンサ電流のより正確な推定を可能とすることができることに留意すべきである。
C及びESRの推定は、下記に説明されるように、特定の位置において信号をサンプリングすることによる時間領域における信号の解析に基づいている。非従来的なサンプリング方式及び外挿法が、各スイッチング状態の間の線形の電流変動に対応するHF電流のリップル情報を用いて非常に正確なHF電流を再構成するのに使用される。
再現されたHF電流及び測定された電圧リップルは、その後、併せて解析され、コンデンサバンクの等価直列抵抗及び静電容量の推定が可能になる。
提案された方法によると、LF成分は、Cを推定するのに必要とされない。これも、例えば、DC源の場合には、LFがフロントエンドによって生成されないときに利点を構成する。
パラメーターの推定は、場合によっては、かなり頻繁に行うことができ、非常に多くの推定が可能になり、したがって、推定の精度が改善される。
図2は、インバーター段の上側ゲートのコマンドを示すSVPWMスイッチングサイクル及びサンプリング位置の説明図の一例を概略的に記載している。
図2では、アクティブベクトルは、ラベル101及び102を有し、ΔT1及びΔT2のそれぞれの持続期間を有し、0電圧ベクトルは、ラベル100及び103を有する。
図2は、スイッチSta(例えば、第1のレグAの図1の上部スイッチSta)のゲート信号が、2*taの持続期間の間、曲線13に従ってオンであり(すなわち、アクティブ化される)、スイッチStb(例えば、第2のレグBの図1の上部スイッチStb)のゲート信号が、2*tbの持続期間の間、曲線14に従ってオンであり、スイッチStc(例えば、第3のレグCの図1の上部スイッチStc)のゲート信号が、2*tcの持続期間の間、曲線15に従ってオンである、一例示的なスイッチング区間における信号の図を表している。
ゲート信号タイミングは、通常、PWMキャリア10と、DSP内部のSVPWMの異なるセクターに従ってゲートについて決定されたトリガーレベルtga、tgb、tgcとに基づいて、スイッチングサイクル16ごとにSVPWMアルゴリズムによって決定される。この点に関して、図2の例は、ta>tb>tcであるセクター内のSVPWMスイッチング区間の一例であり、当該技術において知られているように出力相電圧を規定する他の構成がサイクルに存在することに留意すべきである。
サンプリング位置11a、11b、11c、11d、11e及び12a、12b、12c、12d、12eは、相電流及び電圧リップルを測定するために幾つかの信号をサンプリングすることができる箇所を示す。位置12a、12b、12c、12d、12eは、線12上に表されるコミュテーション状態(ベクトル101、102、103、102、101)の最後に対応する。
位置11a、11b、11c、11d、11eは、スイッチング状態の間のサンプリング位置に対応する。ゲートのON状態の持続期間は、所望の出力電圧又は出力電流に応じて任意の順序とすることができることに留意すべきである。
スイッチングサイクル内のゲートの異なるスイッチング位置は、異なる区間又はスイッチング状態におけるサンプリング位置の計算を可能にするように決定されなければならない。キャリア10と組み合わせたパラメーターtga、tgb、tgcは、異なるスイッチング状態(図2においてラベル100~103を有するベクトル)の持続期間及び相電流及び電圧リップルのサンプリング位置を決定することを可能にする。この計算は、簡単な算術演算に基づいており、スイッチングサイクルごとに1回しか行われない。例えば、提示された例では、第1のアクティブベクトル101の中央におけるサンプリング位置11aはΔT0+ΔT1/2である一方、この期間の終わりにおけるサンプリング位置12aはΔT0+ΔT1-sampling_marginとすることができる。ただし、sampling_marginは、ADCが信号をサンプリングして取得するのに要する最大時間(ADCに応じて例えば1μs)である。
異なる位置の計算は、用いられる変調方法に固有であり、例えば、(tga、tgb、tgcが正弦波変調信号である場合には)正弦波PWM変調に容易に適合させることができる。問題は、スイッチングサイクル内のゲートのスイッチングの時点(date)を最初に決定して異なる持続期間を決定することである。サンプリング点のロケーションは、上述したように第2のステップとして導出される。
ESRパラメーターは、ここでは、異なるスイッチング構成間の遷移時におけるコンデンサ電圧リップル及びコンデンサ電流リップルの瞬時値を使用することによって推定される。各スイッチング構成、すなわち、各スイッチング状態は、異なる出力スイッチの所与の状態に対応する(2つの状態の間の短いデッドタイムは考慮しない)。2つの構成の間で遷移が起こるごとに、異なるコンデンサ電流が引き出され、その区間のESRに起因したコンデンサ電圧の小さな不連続部をもたらす。これは、コンデンサ電圧の式
Figure 2022515575000006
に従って理解することができる。
実際は、コンデンサの端子間で直接測定可能でない内部コンデンサ電圧Vcは、コンデンサ電流の積分に起因して連続している(すなわち、2つの構成の間の遷移時に変動しない)。他方、ESRに起因した抵抗項は、電流変動とともに瞬間的に変動し、コンデンサ電圧Vcapに対して不連続部を引き起こす。
これらのロケーションにおいてESRを測定するアイデアは、遷移の際の電圧及び電流の変動を求め、以下の計算を行うことである。
Figure 2022515575000007
-ここで、ΔVcap_HFは、新たなスイッチング構成の開始における(HF)コンデンサ電圧リップルと、以前のスイッチング構成の終了における値との差であり、2つのスイッチング状態の間の電流ステップに起因したESRにおける電圧降下に対応する;
-ΔIcap_HFは、新たなスイッチング構成の開始におけるHFコンデンサ電流と、スイッチング状態間の遷移の際の電流ステップの振幅である以前のスイッチング構成の終了における値との差である。IinvがHFの唯一の源である場合には、Icap_HFは-Iinvとみなすことができることに留意すべきである。そのような場合には、ΔIinvは、通常、-ΔIcap_HFに等しい。
HFコンデンサ電流は、変換器及び利用可能な電流検知手段のスイッチング状態(検討されている例の相電流)を考慮して計算される。
より良好な取得精度及び電圧を測定するのに使用されるADC(アナログ/デジタル変換器)への明らかな適合を得るために、コンデンサ電圧は、HF電圧リップルである対象のリップルを抽出及びスケーリングするように調整される。
HF電圧リップルは、DCバス電圧をフィルタリングしてそのDC成分を除去することによって抽出される。
或るスイッチング状態の終了における電圧リップルの値と次のスイッチング状態の開始における電圧リップルの値との差であるΔVcap_HFを計算するには、スイッチングに起因した電流変動が発生する位置においてコンデンサ電圧降下が求められるべきである。適切なトリガーを用いると、スイッチング状態の終了における値をADCによって取得することができる。しかしながら、スイッチの寄生インダクタンス及び他の非理想性の存在に起因して、過渡現象(高周波リンギング)が、各コミュテーション後の電流及びコンデンサ電圧に存在する。そのような過渡現象26が図3に表されている。これは、その領域における良好な精度の信号取得を妨げる。加えて、レグの2つのスイッチの間の短絡を回避するために、連続するスイッチング状態間に小さなデッドタイムも存在し、それらの間の時間が増加する。
この問題に取り組むために、コンデンサ電流又はコンデンサ電圧の進展が、特定のスイッチング構成の持続期間にわたってかなり線形であることを考えると、アイデアは、スイッチング状態内で後に行われる(通常、対応するスイッチング構成の終了及び中間における)2つの他の測定値の外挿によって電流又は電圧の開始値を求めることである。
図3は、2つの連続したスイッチング状態又は区間17a、17bにおいてそのような開始値を再計算する原理を示している。
上記スイッチング状態17a、17bの開始におけるHFコンデンサ電流又は電圧の値22、25の計算は、上記スイッチング状態持続期間上の中央位置21、24及び終了位置20、23におけるHFコンデンサ電流又は電圧の線形外挿によって行われる。
これは、過渡現象26に起因して、スイッチング状態の開始における測定値の精度を保証することができないので、必要とされる。
信号を正確にサンプリングすることが可能でない点は、一般式y(t0)=y0=y1+(t0-t1)(y2-y1)/(t2-t1)に従って、現在のスイッチング状態において知られている2つの他の点の外挿によって推定される。
ただし、t0=スイッチング区間の開始の時刻;t1=第1の点の時刻;t2:第2の点の時刻;y1:t1における点の値;y2:t2における点の値である。
各区間の開始における電流リップル及びコンデンサHF電流の値が求められると、図4A及び図4Bに示すように、電圧変動及び電流変動(それぞれΔVcap_HF及びΔIcap_HF)を場合によっては各遷移の際に計算し、その後、ESRを計算することが可能になる。
そのような図では、スイッチングサイクルは、第1のヌルベクトル110aと、その後に続く2つのアクティブベクトル111、112、第2のヌルベクトル110b、2つのアクティブベクトル114、115とを含み、ヌルベクトル110cで終了する。
そのようなサイクルにおいて、幾つかの遷移は、良好な推定精度にとって、他の遷移よりも好都合である。例えば、大きなΔIinvは、より大きなΔVcap_HFを生成し、IcapのHF寄与はIinvからもたらされるので、その結果として、大きなΔIcap_HFは、より大きなΔVcap_HFを生成する。ESRの推定のための様々な可能な位置である図4Aにおける位置120において、幾つかのスイッチング状態は、サンプリング点20i及び20vを含む位置のように、計算を可能にするために必要とされる計算及びサンプルがより少ない位置を含む。
したがって、幾つかの無駄な計算を回避するために(及びサンプリング位置の数を削減することによってADC及びCPUの負担を軽減するために)幾つかの選択された遷移に関してのみ推定を行うことが可能である。
例えば、図4Bにおける第2のアクティブベクトル112の終了20iにおけるIinvを求めることによって、ΔIcap_HFの直接的な計算がもたらされる。そのような場合に、Iinvは、ヌルベクトル110bにおいてヌルであるので、ΔIcap_HFは位置20iにおけるIinvに等しい。電圧リップルVcap_HFについては、第2のアクティブベクトル112の終了20vと、中心ヌルベクトル110bの中央24Vと、そのようなアクティブベクトルの終了23Vとにおける3つのサンプルが必要とされる。過渡信号に起因して測定することができない中心ヌルベクトル110bの開始25vにおける電圧値は、取得されたサンプル23v、24vの外挿によって求められる。そのような場合に、ΔVcap_HFは、位置25vにおける電圧から位置20vにおける電圧を引いたものに等しく、したがって、これらの位置について、以下の式を用いてESRの推定が提供される。
Figure 2022515575000008
遷移後の信号の値を推定するのに使用される外挿法は、遷移後のサンプリングが可能でないごとに一般に有用である。提案されたESR推定方法は、コンデンサ電流が急な変化を示し、計算することができる限りにおいて、他のタイプの電力変換器におけるコンデンサにも使用することができる。
Cの推定の原理は、コンデンサ電流積分に起因した或る時間区間にわたってリップル電圧の変動を監視することである。問題は、Idcの未知の寄与度からもたらされる場合がある。ただし、電流Idcが低周波数の電流である場合には、この電流は、場合によっては、少なくとも2つの連続したスイッチング構成にわたって一定とみなすことができ、これによって、この未知の変数にかかわらず、推定が可能になる。
計算は、異なるコンデンサ電流を有する2つの連続するスイッチング状態における電圧リップルの勾配に基づいている。Idcの未知の影響は、2つの連続したスイッチング状態における電圧変動の式を組み合わせることによってほぼ完全に除去される。これらのスイッチング状態の間に通常存在する短いデッドタイムは提案された静電容量計算方法に影響しないことに留意すべきである。
図5におけるグラフは、第1の推定方法を示している。
この例において考慮される2つの連続したスイッチング状態は、それぞれスイッチングサイクル161の相互に続くヌルベクトル130及びアクティブベクトル131である。ヌルベクトルは、全ての上部スイッチがOFF又はONにされ、下部スイッチがそれぞれの反対の状態にある構成である。この例では、アクティブベクトルがヌルベクトルの後に続いているが、計算の絶対値(Cの推定値は正であると予想される)が考慮される場合には、計算は、アクティブベクトルの後に続くヌルベクトル等のベクトルを用いて行うことができる。
ヌルベクトル130における電圧リップル変動ΔVcap(1)141は、ヌルベクトルの開始(スイッチングサイクルの開始)t0及びヌルベクトルの終了t1において行われる測定を使用して求められる。インバーター電流及びコンデンサ電流のHF部分は、このベクトルにおいてヌルであり、ΔT1=t1-t0は、ヌルベクトル130の持続期間からサンプリングマージンを引いたものである。このベクトルの間、コンデンサ電流は、フロントエンドからの電流である。
アクティブベクトル131における電圧リップル変動ΔVcap(2)142は、このベクトルの中央t3及び終了t4において行われる測定と、アクティブベクトルの開始t2における初期値の外挿とを使用して求められる。その場合には、3つのうちの少なくとも2つの相電流も、位置t3及びt4においてサンプリングされ、これらのロケーションにおけるインバーター電流の計算を可能にする。遷移t2後の電圧リップル及びインバーター電流の値は、その後、位置t3及びt4における値の外挿によって得られる。ΔT2は、サンプリングマージン及びデッドタイム持続期間が引かれるアクティブベクトル131の持続期間である。I1avgが、アクティブベクトルの中央においてサンプリングされた相電流から計算される。入力/フロントエンド電流のゆっくりとした変動を仮定すると、静電容量は、以下のように計算することができる。
Figure 2022515575000009
ただし、ヌルベクトルにおいてHF電流がなく、その結果、ESR両端におけるHF電流に起因した電圧降下がない場合に、ΔVc(1)=ΔVcap(1)である。この式において、ΔVc(2)=ΔVcap(2)-ESR・(I1(t4)-I1(t2))であり、I1avg=アクティブベクトルの間、すなわち、通常、図5に示すようにベクトルの中央において計算される平均HFコンデンサ電流である。
絶対値Absは、ヌルベクトルの後に続いてアクティブベクトルがある場合には、結果が負であるので、そのような可能性を反映したものである。
上記に示した方法を用いて推定されるコンデンサのESR内の電圧降下を考慮することによって、インバーター電流が、例えば、低出力負荷インダクタンス(PMSM、...)の場合においてアクティブベクトルの間に大きく変動する場合であっても、推定の精度を高めることが可能になる。
図6は、出力段の入力電流が各アクティブベクトルの間にほぼ一定である場合に対応する。そのような場合に、式
Figure 2022515575000010
を使用してCを推定するより簡単な方法が適用可能である。
ΔT’2は、ここでは、サンプリングマージン及びデッドタイム持続期間によって削減されたアクティブベクトル133の後半に対応する。そのような場合には、遷移後の電圧及び電流を外挿する必要はない。ΔV’cap(1)151は、t’1及びt’0におけるVcapリップル値の差に対応し、ΔV’cap(2)152は、t’4及びt’3における2つの測定値の間の差に対応し、I1avg153は、t’3におけるIinvの電流値に対応する。これによっても、外挿がなく、スイッチングサイクルごとに相電流を数回サンプリングする必要がないので、ADC及びCPUの負担が軽減される。
推定の精度は、2つの連続したスイッチング状態において電圧リップルの勾配を精密に測定する能力に関係していることに留意すべきである。これは、もちろん、スイッチング状態の持続期間が過度に短くないときに、より容易である。インバーター電流がアクティブベクトルの間大きい場合には、例えば、アクティブベクトルとヌルベクトルとの間の勾配の変動がより大きいことも予想される。
これらの基準は、Cの推定を行うためにより適切なスイッチング状態を選択するのに使用することができる。
追加の処理段として、或るフィルタリングをC又はESRの連続する評価に適用して、その精度を改善し、雑音の影響を軽減することができる。これは、例えば、連続する評価を平均することによって行うことができる。他のより複雑なフィルタリング方法も同様に使用して、推定の精度を更に改善することができる。
静電容量を推定する提案された方法は、推定を可能にする或るスイッチング状態の間にコンデンサ電流を計算することができる限りにおいて、他のタイプの電力変換器にも適用可能である。特に、この方法は単相インバーターに適用可能である。
コンデンサ電流に未知のLF成分がないより簡単な場合には、単一のスイッチング状態内での(コンデンサリップルの)電圧変動の測定は、もちろん、Cを求めるのに十分である。
Figure 2022515575000011
このより簡単な方法は、特にフロントエンドの不連続状態の場合、すなわち、このフロントエンドが電流を送達しないときに(ダイオード整流器、場合によっては小さなDCインダクターに周期的に発生するか又は軽負荷において動作中に発生する)、適用可能である。静電容量は、単に単一のアクティブベクトル内でコンデンサ電圧の変動を測定するだけで推定することができる(ヌルベクトル及びアクティブベクトルにおける連続した測定が回避される)。静電容量の正確な推定値は、フロントエンドの非導通の間に得られる推定値である最も大きなCの推定値のみを保持することによって得ることができる。
Idcを直接測定するために利用可能なDCバス上の電流検知手段がないことを考えると、不連続動作は、例えば簡単な電流検出器(精度は必要でなく、電流が整流器段から流れていないことを検出するだけでよい)を使用して検出することができる。
連続した測定にわたる短期統計を使用して、所与の期間にわたるCの連続する推定値のばらつきを考慮することによって(Cの小さな変動は整流器の非導通の期間に対応し、この場合に、測定されたCは実静電容量になる傾向がある)、整流器電流の非導通の領域を求めることも可能とすることができる。
最後に、この推定方法は、他のタイプのフロントエンドを有する電力変換器(例えば、DC及び低周波数成分だけを送達するものではない昇圧型PFC)に対しても、その出力電流を推定されるコンデンサ電流の計算において考慮するために測定又は計算のいずれかによって求めることができる限りにおいて、適用可能とすることができる。
通常、スイッチングサイクル内でESR及びCを求めることは、以下のステップシーケンスを用いて行うことができる。
i.スイッチングサイクルにおけるサンプリング位置、通常は各スイッチング状態の中央及び終了近傍を決定する。これは、好ましくは、コンデンサ電流の再現を可能にするのに必要とされるサンプリングロケーション及び情報を含む記述子を更新する際に次のスイッチングサイクルのスイッチングパターンの決定とともに、以前のスイッチングサイクルの間に行われる;
ii.これらのロケーションにおけるVcap_rippleサンプルと、Icap_HF電流計算に必要とされる相(複数の場合もある)電流(複数の場合もある)とを取得し、これらの値を更なる処理のためにバッファーに記憶する;
iii.スイッチングサイクル内の各スイッチング状態について:
a.取得された相(複数の場合もある)電流(複数の場合もある)と、再現を可能にするスイッチング情報とを使用して、サンプリング位置におけるコンデンサ電流を計算し、計算された値を更なる処理のためにバッファーに記憶する;
b.スイッチング状態がアクティブベクトルであり、コンデンサ電流がスイッチング状態の持続期間にわたって一定でないとみなされる場合には、
-2つの計算された値を使用してコンデンサ電流の勾配を求める;
-2つの計算された値を使用して、遷移後のコンデンサ電流の開始値を外挿する;
そうでない場合:勾配を計算しヌルベクトルにおいて外挿する必要はないか、又は、電流が一定である場合には;
c.2つのサンプルを使用して電圧リップルの勾配を求める;
d.2つのサンプルを使用して遷移の直後の状態の開始のリップル電圧の値を外挿する;
e.各区間内の平均インバーター電流:通常はスイッチング構成の中央における電流の値を計算する;
iv.バッファーに記憶された2つの連続するスイッチング状態の間の各遷移について、又は、選択された対象の遷移のみについて:
a.以前の状態の終了値及び次の状態における開始値を考慮して、これらの状態の間の遷移におけるΔVcap_HF及びΔIcap_HFを求める;
b.
Figure 2022515575000012
を計算する;
v.バッファーに記憶された連続するスイッチング状態の各対について、又は、選択された対象の対のみについて:
a.連続するスイッチング状態内のESR、Δt1、Δt2、ΔVc1、ΔVc2及びインバーター電流の平均値を使用して、上述したようなCを計算する。
推定されたESR及びCの連続する値は、場合によっては、更にフィルタリングされ、それらの精度を高める(雑音の影響、定量化誤差、サンプリング時刻の影響、未知のIdcの不完全な排除等を軽減する)ことができる。LPF、移動平均フィルター、カルマンフィルター等の種々の方法が使用可能である。
加えて、例えば、ESR又はCの単一の推定のみがスイッチングサイクルにおいて必要とされるときは、処理負担を低減する幾つかの最適化が可能である。
ESR及びCの計算が行われると、計算された値は限界値と比較される。そのような限界値は、既知の温度における初期測定値及び係数又は許容最大変動に基づいている。例えば、ESRの限界値は、熱平衡に達した後の所与の温度における初期ESRの100%増とすることができ、Cの限界値は、熱平衡に達した後の所与の温度における初期Cの20%減とすることができる。
提案された方法は、通常はソフトウェアによってハンドリングすることができる複数のステップを、インバーターの標準的な制御に付加される追加の制御タスクとして含む。幾つかのタスク、すなわち、サンプリング位置の決定、それに応じた信号のサンプリングは、リアルタイムで実行される必要がある。信号再現並びにESR及びCの推定(及びもちろん周期的なDCバスエージング検出)を行う他のタスクは、プロセッサが利用可能なときに低い優先レベルでバックグラウンドループにおいて実行することができる。
提案された方法が動作するのに必要とする情報の数は限られているが、C又はESRの推定がスイッチングサイクルごとに数回実行される場合には、スイッチングサイクルごとに必要とされるサンプルの数は比較的多い。実際には、これは、必要なものでもなければ、望ましいものでもない。なぜならば、ESR及びCはゆっくりと進展するパラメーターであり、全てのサンプルが正確な推定に有用であるとは限らず、プロセッサ負荷を軽減することが好ましいからである。利用可能なADCの利用可能な処理電力/能力にシステムを適合させるために、スイッチングサイクルにおいて1つ又は2つのロケーションを選択して計算を実行し、したがって、ADCサンプリングに関係したオーバーヘッドを大幅に削減することが好ましい。
用いられる不均一なADCサンプリング方式の(規則的なサンプリングと比較した)明らかな複雑さにかかわらず、以下を考慮すると、この方式をかなり効率的なものにすることができる。
サンプリングが、ベクトルの中央及びベクトルの終了近傍において相電流を取得することをトリガーするとともに、異なるベクトルの持続期間は、SVPWM変調の追加の処理として、スイッチング区間ごとに1回のみ計算される。
電力変換器を制御するCPU又はDSPにおいて、必要とされる位置における相の電流及び電圧リップルの取得をトリガーするのに、例えばPWMユニットを使用することができる。
幾つかのADCが幾つかの変換結果を異なる結果レジスタに記憶することができることを利用することによって、割り込みオーバーヘッドを大幅に削減することが可能である。すなわち、変換の終了ごとに、ISR割り込みサービスルーチンを実行するのではなく、結果は、後の時点で、すなわち処理が行われる位置において読み出され、したがって、割り込みは、定期的に発生させることができ、ソフトウェア編成が簡単化され、処理時間が最適化される。
C又はESRの推定は、スイッチングサイクル内のあらゆる可能なロケーションにおいて必ずしも実行されるとは限らず、したがって、必要とされるサンプル数が削減される。
加えて、アクティブベクトル内の特定の時刻ロケーションにおけるインバーター電流(インバーター電流のHF部分はHFコンデンサ電流である)の瞬時値の計算は、インバーターの状態構成及び相電流の値Ic=Sa*Is1+Sb*Is2+Sc*Is3を使用して行うことができる。ここで、Sa、Sb、Scは、検討される時刻におけるインバーターの上側スイッチの状態(0又は1)であり、Is1、Is2及びIs3は、検討される時刻におけるそれぞれ相A~相Cの相電流の値を示す。
電流を再現するために提案された方法を用いると、各スイッチング状態内のIinv変動の勾配さえも正確に再現することが可能になる。
負荷の出力インダクタンスが比較的高い(相電流の低HFリップル)場合には、相電流は、スイッチング状態全体にわたってかなり一定であるとみなすことができ、その場合に、各スイッチング状態内の電流の勾配を求める必要がないことに留意すべきである。その場合には、スイッチング状態ごとに(相(複数の場合もある)電流(複数の場合もある)の)1つのサンプルを使用するか、又は、(相電流がスイッチングサイクル全体にわたって大きく進展しない場合には)スイッチングサイクルごとに1つ若しくは2つのサンプルを使用するかのいずれかのより簡単なサンプリング方式を使用することができる。これらの場合には、上述したサンプリング方式を用いてリップル電圧のみをサンプリングする必要がある。また、ESR又はCの推定は、どこでも実行することができるとは限らず、通常、スイッチング状態が過度に短く、その中央において及び/又はその終了直前において正確なサンプリングを可能にすることができないときは実行することができない。これは、例えば、空間ベクトル(SVPWM変調の場合)が或るセクターから別のセクターに進むときに生じる。これらの問題のある状況は、正確な推定に適切な位置を選択することによって回避することができる。
提案された方法は、擾乱を更に生み出す必要なく、この種の電力変換器に当然存在するリップルをパラメーターの推定に使用する。電力変換器の特定の動作モードは、本発明の動作に必要とされない。特に、フロントエンドが、DCバス電圧の未知であるがゆっくりと進展する(スイッチング周波数と比較して低周波数の)擾乱しか生み出さないとの想定の下に、入力フロントエンドが電流をDCバスに送達しないときにのみ動作する必要がない。
図7は、Iinvが、センサー5aを用いて測定されるレグの出力電流を使用して計算される単相インバーターにおける本発明の一適用例を提供している。この実施形態では、フロントエンド1aは、ソーラーパネル又は他の任意のDC源とすることができる。
出力段が単相を備えるこの場合には、そのような単相における異なるロケーションにおいて測定される相電流は、スイッチの状態の知識とともに、出力段の入力電流Iinvを計算することを可能にする。
3相システムが記載されている図1において、出力段がn個のレグを備える場合には、相の全てにセンサーを設ける必要なく、n-1個のレグの出力における相電流の測定値によって、出力段の入力電流Iinvを計算することが可能になる。
図8は、DCバスと整流器101に基づくフロントエンドとの間に中間PFC段を有する電力変換器を用いた一適用例を提供している。
ここでは、入力側で高調波電流のレベルを低減するためにグリッドからの正弦波電流を吸収しながらDCバス電圧を制御するために、昇圧型PFC102(力率補正)が使用される。
その段の出力電流Idcは、インダクター103の電流Iと、昇圧型PFCコントローラー105を用いて昇圧型スイッチ104に印加されるデューティーサイクルとを考慮して測定又は計算することができるHF成分(Idc_calc)106を含む。
この電流は、その後、コンデンサ電流のHF成分を求めるために、計算されたIinvと共同で使用することができる。
Figure 2022515575000013
(Idc=Ic+Iinvであるので)
本発明は、上述した例に限定されるものではなく、特に、本発明の原理は、高電流リップル、例えば、スイッチング状態全体にわたって一定とみなすことができないリップルを生成する低インダクタンス電動機に電力供給するインバーターを含む幾つかのタイプの電力変換器に、提案された方法を適用可能にする。

Claims (16)

  1. フロントエンドと、出力段と、該出力段のスイッチのゲートのPWM制御部とを有する電力変換器において、少なくとも1つのコンデンサから構成されるDCバスコンデンサバンクのパラメーターの監視を行う方法であって、前記電力変換器は、前記出力段の出力相における電流検知手段と、前記DCバスにおける電圧検知手段とを有し、前記電圧検知手段は、前記DCバス電圧のHFリップルを抽出及びスケーリングする調整回路を備え、
    該方法は、前記出力段のスイッチング状態間の選択された遷移内で前記電流検知手段によって検知される電流測定値を通じて前記出力段の入力電流(Iinv)のHF部分を計算するステップと、選択されたスイッチング状態内で前記電圧検知手段によって検知される電圧測定値を通じて前記DCバス電圧(Vdc)のHF部分を計算するステップとを含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記フロントエンドは、DCバス電圧を提供するDCフロントエンドであり、
    前記方法は、
    スイッチングサイクルについて、前記スイッチング状態がスイッチング持続期間ΔTの間のゲートアクティブ化の特定の組み合わせに対応するとともに、サンプリングロケーションが前記スイッチング状態持続期間内に第1の位置及び第2の位置に位置する該サイクルの異なるスイッチング状態内の相電流及び電圧リップルの前記サンプリングロケーションを決定することと、
    前記電流検知手段を用いて前記出力段の相電流を測定し、前記ロケーションにおける相電流を提供するために前記サンプリングロケーションにおいて前記相電流をサンプリングし、前記ロケーションにおける前記相電流及び前記スイッチング状態に基づいて前記出力段の前記入力電流Iinvを計算することと、
    前記ロケーションにおける前記出力段の前記入力電流Iinvを使用することによって、前記サンプリングロケーションにおける前記HFコンデンサ電流を計算することと、
    スイッチング状態にわたる前記ロケーションにおける前記コンデンサ電流の前記HF部分の線形外挿によって、前記スイッチング状態の開始における前記HFコンデンサ電流Icap_HFを再現することと、
    新たなスイッチング状態の開始におけるコンデンサHF電流と以前のスイッチング状態の終了における前記値との前記差としてΔIcap_HFを計算することと、
    前記電圧検知手段を用いて前記DCバス電圧を測定し、そのような電圧を調整して前記DCバスの電圧リップルの前記HFリップルを抽出及びスケーリングし、前記スイッチング状態における電圧リップル値を提供するために前記サンプリングロケーションにおける前記電圧リップルをサンプリングすることと、
    スイッチング状態にわたる前記ロケーションにおける前記DCバス電圧リップルの線形外挿によって前記スイッチング状態の開始におけるコンデンサ電圧リップルの値を計算することを通じて前記HFコンデンサ電圧を再現することと、
    新たなスイッチング状態の開始におけるHFコンデンサ電圧リップルと、以前のスイッチング状態の終了における前記値との差としてΔVcap_HFを計算することと、
    を含み、
    前記電流リップル及び前記電圧リップルは、前記電力変換器に擾乱を導入することなく前記変換器の前記標準動作によって生成されるリップルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプリングロケーションは、スイッチング状態位置の中央を前記第1のロケーションとして提供し、スイッチング状態位置の終了近傍を前記第2のロケーションとして提供するように定められる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 監視下にあるパラメーターは、前記コンデンサバンクの前記等価直列抵抗ESRであり、
    前記方法は、
    Figure 2022515575000014
    を通じて、近似されたESRを計算することを更に含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記計算されたESR値を限界値と比較することによって前記コンデンサバンクのエージング状態を推定することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. パラメーターは、前記コンデンサバンクの前記静電容量(C)であり、
    前記方法は、第1のベクトル及びその後に続く第2のベクトル内の測定を通して前記静電容量を計算することを更に含み、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルのうちの一方はアクティブベクトルであり、前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルのうちの他方はヌルベクトルであり、
    前記計算することは、
    前記ヌルベクトルにおいて前記アクティブベクトルに先行又は後続する持続期間ΔT1にわたる電圧リップルの前記変動ΔVcap(1)を計算することと、
    前記アクティブベクトルにおける中央位置(t3)及び終了近傍位置(t4)において行われたDCバス電圧測定を使用し、前記アクティブベクトルの開始(t2)における前記電圧値を外挿して、前記アクティブベクトルにおける持続期間ΔT2にわたる電圧リップルの前記変動ΔVcap(2)を計算することと、
    I1avg=前記アクティブベクトルの間の平均HFコンデンサ電流を計算することと、
    ΔVc(2)=ΔVcap(2)-ESR(I1(t4)-I1(t2))を計算することと、
    近似された静電容量Cを以下のように計算し、
    Figure 2022515575000015
    ただし、ΔVc(1)=ΔVcap(1)であることと、
    を含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. パラメーターは、前記コンデンサバンクの前記静電容量(C)であり、Iinvは、スイッチング状態内で一定とみなされ、前記方法は、以下の式を通じて、近似された静電容量を計算することを更に含み、
    Figure 2022515575000016
    ここで、ΔT’2は、前記サンプリングマージン及びデッドタイム持続期間によって削減されたアクティブベクトルの後半期の持続期間に対応し、ΔV’cap(1)は、ヌルベクトルにおいて前記アクティブベクトルに先行又は後続する持続期間ΔT’1にわたる電圧リップルの前記変動に対応し、ΔV’cap(2)は、前記アクティブベクトルにおける終了位置(t’4)及び中央位置(t’3)における前記2つの測定された値の間の差に対応し、I1avgは、前記アクティブベクトルの前記中央位置(t’3)におけるIinvの電流値に対応する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記電力変換器の通常動作中に、前記計算された静電容量値及び/又は前記計算された等価直列抵抗値を前記測定又は推定されたコンデンサ温度の限界値関数と比較することによって前記コンデンサバンクのエージング状態を推定することを含む、請求項4~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記電圧リップルを再現することは、前記LF+HF成分のみを含むリップルを送達するために前記電圧の前記DC成分を除去することを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記相電流のサンプリングは、エネルギーが、前記アクティブスイッチング状態におけるHFコンデンサ電流リップルの計算を提供するために、前記DCバスコンデンサと前記インバーターの負荷との間で交換される少なくとも1つのアクティブスイッチング状態、すなわちアクティブベクトルにおいて行われる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記変換器は、少なくとも2つの相に電流検知手段を有する3相インバーターシステムであり、前記電流サンプリングは、前記インバーターの前記少なくとも2つの相において行われる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記フロントエンドは、DC+LF+HF成分を送達し、前記方法は、そのような成分を前記推定されたコンデンサ電流から引くために前記フロントエンド電流の前記HF部分を測定又は計算することを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記コンデンサ電流は、未知のLF成分を含まず、前記方法は、単一のアクティブベクトルスイッチング状態内の持続期間ΔT’2の前記コンデンサ電圧変動ΔV’cap(2)の測定と、前記スイッチング状態における前記平均出力段電流の測定と、以下の式
    Figure 2022515575000017
    に従ったCの計算とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  14. 静電容量の推定値は、最も大きなC推定値のみを保持し平均することによって得られる、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を用いた電力変換器のコンデンサバンクの監視プロセスであって、初期値に基づいて限界値を監視及び計算するための該初期値を提供及び記憶する、前記変換器の動作の開始における較正プロセス及び記憶プロセスを含む、監視プロセス。
  16. DCバスコンデンサバンクのパラメーターを監視するための請求項1~14のいずれか1項に記載の方法を可能にするように構成される電力変換器システムであって、前記変換器は、
    電力をDCバスに供給するフロントエンドと、
    コンデンサバンクと、
    1つ以上の出力相が設けられた出力段及び該出力段のスイッチのゲートのPWM制御部と、
    前記コンデンサバンクの前記DCバスにおける電圧検知手段であって、前記DCバスのHF成分の高域通過フィルタリング及びスケーリングを提供する調整回路を備える、電圧検知手段と、
    前記出力段の入力電流の計算を可能にする前記変換器の前記出力段の相における電流検知手段と、
    アナログ/デジタル変換器を備え、前記変換器の前記出力段の標準的な制御に加えて、サンプリング位置の計算と、該サンプリング位置における電圧及び電流のサンプリングされる値の取得と、該取得に基づくパラメーター及び限界値の計算とを実行するように構成されるCPU又はDSP内の計算ユニットと、
    前記方法を実行するためのリードオンリーメモリ及びリード/ライトメモリ、初期値及び限界値を記憶するためのリード/ライト永久メモリ、並びに計算を処理するためのリード/ライトメモリと、
    を備える、電力変換器システム。
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