本開示のこれらおよび他の特徴ならびに特性だけではなく、構造の関連要素の動作および機能の方法ならびに部品および製造の経済性の組み合わせが、その全てが本明細書の一部を形成し、同様の参照番号は、種々の図における対応する部品を指定する、付随の図面を参照して、以下の説明および添付の付記の検討からより明白となるであろう。しかしながら、図面は、例証および説明の目的のためだけのものであって、本発明の限定の定義として意図されるものではないことを明示的に理解されたい。
さらなる特徴ならびに他の実施例および利点も、図面を参照して検討される以下の発明を実施するための形態から明白となるであろう。
図1Aは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管ステントおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Bは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Cは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Dは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Eは、本発明の実施例による、図1Dの線1E-1Eに沿って得られた図1Dの保定部分の断面図である。
図1Fは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Gは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Hは、本発明の実施例による、図1Gの保定部分の側面立面図である。
図1Iは、本発明の実施例による、図1Gの保定部分の上部平面図である。
図1Jは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Kは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Lは、本発明の実施例による、展開に先立った膀胱カテーテルの保定部分の側面立面図である。
図1Mは、本発明の実施例による、展開後の図1Lの保定部分の側面立面図である。
図1Nは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Oは、本発明の実施例による、図1Nの保定部分の一部の断面図である。
図1Pは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Qは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Rは、本発明の実施例による、図1Qの保定部分の一部の断面図である。
図1Sは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Tは、本発明の実施例による、図1Sの保定部分の一部の断面図である。
図1Uは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図1Vは、本発明の実施例による、膀胱カテーテルの保定部分の斜視図である。
図1Wは、本発明の実施例による、図1Vの線1W-1Wに沿って得られた図1Vの保定部分の断面図である。
図2Aは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図2Bは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図3は、PCT特許出願公開第WO2017/019974号の図1による、先行技術の変形可能尿管ステントの実施例の二軸測視図であって、左の画像は、ステントの非圧縮状態を表し、右の画像は、ステントの圧縮状態を表す。
図4は、米国特許出願公開第2002/0183853A1号の図4による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
図5は、米国特許出願公開第2002/0183853A1号の図5による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
図6は、米国特許出願公開第2002/0183853A1号の図7による、先行技術の尿管ステントの実施例の斜視図である。
図7Aは、本発明の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の別の実施例の概略図である。
図7Bは、本発明の実施例による、負圧を患者の尿路に誘発するためのシステムの概略図である。
図7Cは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる一般的変化を想像線で示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明による尿管カテーテルの一部の拡大概略図である。
図8Aは、本発明の実施例による、例示的カテーテルの斜視図である。
図8Bは、図8Aのカテーテルの正面図である。
図9Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の実施例の概略図である。
図9Bは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図9Cは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図9Dは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図9Eは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図10は、本発明の実施例による、カテーテルの別の実施例の正面図である。
図10Aは、本発明の実施例による、円形10Aによって封入された図10のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図10Bは、本発明の実施例による、図10Aの保定部分の正面図である。
図10Cは、本発明の実施例による、図10Aの保定部分の背面図である。
図10Dは、本発明の実施例による、図10Aの保定部分の上面図である。
図10Eは、本発明の実施例による、線10E-10Eに沿って得られた図10Aの保定部分の断面図である。
図10Fは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による線10E-10Eに沿って得られた図10Aの保定部分の断面図である。
図10Gは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による線10E-10Eに沿って得られた図10Aの保定部分の断面図である。
図11は、本発明の実施例による、拘束または線形位置におけるカテーテルの保定部分の概略図である。
図12は、本発明の実施例による、拘束または線形位置におけるカテーテルの保定部分の別の実施例の概略図である。
図13は、本発明の実施例による、拘束または線形位置における尿管カテーテルの保定部分の別の実施例の概略図である。
図14は、本発明の実施例による、拘束または線形位置におけるカテーテルの保定部分の別の実施例の概略図である。
図15Aは、本発明の実施例による、位置の関数としての例示的カテーテルの開口部を通した流体流のパーセンテージを示す、グラフである。
図15Bは、本発明の実施例による、位置の関数としての別の例示的カテーテルの開口部を通した流体流のパーセンテージを示す、グラフである。
図15Cは、本発明の実施例による、位置の関数としての別の例示的カテーテルの開口部を通した流体流のパーセンテージを示す、グラフである。
図16は、本発明の実施例による、物質移動バランス評価のための流体流係数を計算するためのステーションを示す、カテーテルの保定部分の概略図である。
図17は、本発明の別の実施例による、患者の尿路内で展開される尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルを備える、システムの留置部分の概略図である。
図18Aは、本発明の実施例による、カテーテルの保定部分の側面立面図である。
図18Bは、図18Aの線B-Bに沿って得られた図18Aのカテーテルの保定部分の断面図である。
図18Cは、図18Aの線C-Cに沿って得られた図18Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図18Dは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルの保定部分の断面図である。
図18Eは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による膀胱カテーテルの保定部分の断面図である。
図19は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の側面立面図である。
図20は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の側面立面図である。
図21は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の側面立面図である。
図22Aは、本発明の実施例による、別の尿管カテーテルの保定部分の斜視図である。
図22Bは、図22Aの線22B-22Bに沿って得られた図22Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図23Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図23Bは、図23Aの線B-Bに沿って得られた図23Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図24Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図24Bは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルの保定部分の断面図である。
図24Cは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による膀胱カテーテルの保定部分の断面図である。
図25は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の側面立面図である。
図26は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の側面立面図である。
図27は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の断面側面図である。
図28Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図28Bは、図28Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図29Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図29Bは、図29Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図29Cは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルの保定部分の断面図である。
図30は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図31は、図30のカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図32Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図32Bは、図32Aのカテーテルの保定部分の上部平面図である。
図33は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の断面側面立面図である。
図34は、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の断面側面立面図である。
図35Aは、本発明の実施例による、別のカテーテルの保定部分の斜視図である。
図35Bは、図35Aの線B-Bに沿って得られた図35Aのカテーテルの保定部分の断面側面立面図である。
図36は、患者の尿管の中への挿入のための収縮構成における、本発明の実施例による、カテーテルを囲繞するシースの裁断断面図を示す、側面立面図である。
図37Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図37Bは、図37Aの線B-Bに沿って得られた図37Aの保定部分の一部の断面図の概略図である。
図38Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図38Bは、図38Aの線B-Bに沿って得られた図5Aの保定部分の一部の断面図の概略図である。
図39Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図39Bは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図39Cは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による膀胱カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図40Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図40Bは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図40Cは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による膀胱カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図41Aは、本発明の実施例による、カテーテルのための保定部分の別の実施例の概略図である。
図41Bは、尿管カテーテルを通した負圧の印加に応答して、腎盂組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、腎臓の腎盂領域内に位置付けられた本発明の実施例による尿管カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図41Cは、膀胱カテーテルを通した負圧の印加に応答して、膀胱組織内で生じると考えられる変化を一般的に示す、膀胱内に位置付けられた本発明の実施例による膀胱カテーテルのための保定部分の別の実施例の断面図の概略図である。
図42Aは、本発明の実施例による、システムの挿入および展開のためのプロセスを図示する、フローチャートである。
図42Bは、本発明の実施例による、システムを使用して負圧を印加するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
図43は、毛細血管床および曲尿細管の位置を示す、腎単位および周囲血管系の概略図である。
図44は、本発明の実施例による、負圧を患者の尿路に誘発するためのシステムの概略図である。
図45Aは、本発明の実施例による、図44のシステムと併用するためのポンプの平面図である。
図45Bは、図45Aのポンプの側面立面図である。
図46は、本発明の実施例による、ブタモデルにおける負圧療法を評価するための実験設定の概略図である。
図47は、図21に示される実験設定を使用して実施された試験に関するクレアチニンクリアランス率のグラフである。
図48Aは、負圧療法で治療された鬱滞腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
図48Bは、図48Aに示される腎臓組織の高拡大率光顕微鏡写真である。
図48Cは、鬱滞および未治療(例えば、対照)腎臓からの腎臓組織の低拡大率光顕微鏡写真である。
図48Dは、図23Cに示される腎臓組織の高拡大率光顕微鏡写真である。
図49は、本発明の実施例による、患者のクレアチニンおよび/またはタンパク質レベルを低減させるためのプロセスを図示する、フローチャートである。
図50は、本発明の実施例による、蘇生輸液を受ける患者を治療するためのプロセスを図示する、フローチャートである。
図51は、本明細書に説明される実験方法を使用してブタで行われる試験に関するベースラインに対する血清アルブミンのグラフである。
図52Aは、経皮的アクセス部位を通して腎盂に挿入されるように構成されるカテーテルの斜視図である。
図52Bは、図52Aのカテーテルの側面図である。
図53は、図52Aのカテーテルの断面図である。
図54は、経皮的アクセス部位を通して挿入され、患者の腎盂内に展開される尿管カテーテルを示す、概略図である。
図55は、図54の尿管カテーテルを含む、流体を収集するためのシステムを示す、患者の尿路の概略図である。
図56は、経皮的アクセス部位を通して腎盂内で尿管カテーテルを展開するための方法のフローチャートである。
図57A-57Eは、尿管カテーテルを患者の腎盂に挿入するためのステップを示す、概略図である。
図58Aは、本開示の側面による、経皮的アクセス部位を通して腎盂に挿入されるように構成される、カテーテルの別の実施例の斜視図である。
図58Bは、図58Aのカテーテルの断面図である。
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照も含む。
本明細書で使用されるように、用語「右」、「左」、「上部」、およびその派生形は、図面において配向されるように本発明に関連するものとする。用語「近位」は、ユーザおよび/または尿路アクセス部位の最近傍留置カテーテルの一部によって操作または接触される、カテーテルデバイスの部分を指す。用語「遠位」は、患者の中に挿入されるように構成されるカテーテルデバイスの反対端および/または患者の尿路の最遠位に挿入されるデバイスの一部を指す。しかしながら、本発明は、種々の代替配向をとることができ、故に、そのような用語は、限定として見なされるものではないことを理解されたい。また、本発明は、反対のことが明示的に規定されない限り、種々の代替変形例および段階シーケンスをとることができることを理解されたい。また、添付の図面に図示され、以下の明細書に説明される、具体的デバイスおよびプロセスは、実施例であることを理解されたい。故に、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的寸法および他の物理的特性は、限定として見なされるものではない。
本明細書の目的のために、別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される成分、反応状態、寸法、物理的特性等の数量を表す全ての数字は、全事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されたい。反対のことが示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが模索される所望の特性に応じて変動し得る、近似である。
本発明の広義の範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似であるが、具体的実施例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に、その個別の試験測定に見出される標準偏差から必然的に生じる、ある誤差を含有する。
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に含められる全ての下位範囲を含むことが意図されることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、1の列挙された最小値と、10の列挙された最大値とを含む、その間のあらゆる範囲、すなわち、1に等しいまたはそれを上回る最小値から開始し、10に等しいまたはそれ未満の最大値で終了する全ての下位範囲と、その間の全ての下位範囲、例えば、1~6.3、または5.5~10、もしくは2.7~6.1を含むものと意図される。
本明細書で使用されるように、用語「通信」および「通信する」は、1つ以上の信号、メッセージ、コマンド、もしくは他のタイプのデータの受信または転送を指す。1つのユニットまたは構成要素が別のユニットもしくは構成要素と通信することは、1つのユニットまたは構成要素が、直接もしくは間接的に、データを他のユニットまたは構成要素から受信する、および/またはそこにデータを伝送することが可能であることを意味する。これは、性質上、有線および/または無線であり得る、直接もしくは間接接続を指し得る。加えて、2つのユニットまたは構成要素は、伝送されるデータが、第1および第2のユニットまたは構成要素間で修正される、処理される、ルーティングされる、および同等物である場合でも、相互に通信することができる。例えば、第1のユニットは、第1のユニットがデータを受動的に受信し、データを第2のユニットに能動的に伝送しない場合でも、第2のユニットと通信することができる。別の実施例として、第1のユニットは、中間ユニットが、1つのユニットからのデータを処理し、処理されたデータを第2のユニットに伝送する場合も、第2のユニットと通信することができる。多数の他の配列も可能性として考えられることを理解されたい。
本明細書で使用されるように、「患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する」は、腎臓から、尿管、尿管ステント、および/または尿管カテーテルを通して、膀胱ならびに身体の外側への尿等の流体の流動を確立、増加、または維持することを意味する。いくつかの実施例では、流体流は、上部尿路および/または膀胱内に保護表面積1001を提供し、尿路内皮が流体柱または流れの中に収縮もしくは圧潰することを防止することによって、促進または維持される。本明細書で使用されるように、「流体」は、尿路からの尿および任意の他の流体を意味する。
本明細書で使用されるように、「負圧」は、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される圧力が、負圧の印加に先立った、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端における既存の圧力を下回ること、例えば、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端と、負圧の印加に先立った、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端における既存の圧力との間に、圧力差が存在することを意味する。本圧力差は、腎臓からの流体を、それぞれ、尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルの中に、もしくは尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。例えば、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される負圧は、流体が腎臓および/または膀胱から引き出されるように、大気圧未満(約760mmHgまたは約1気圧未満)、または負圧の印加に先立った膀胱カテーテルの近位端もしくは尿管カテーテルの近位端において測定される圧力未満であり得る。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される負圧は、約0.1mmHg~約150mmHg、または約0.1mmHg~約50mmHg、もしくは約0.1mmHg~約10mmHg、または約5mmHg~約20mmHg、もしくは約45mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧または負圧源におけるゲージ圧)に及ぶことができる。いくつかの実施例では、負圧源は、膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加のために患者の身体の外部にポンプを備え、これは、ひいては、腎臓からの流体を尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。いくつかの実施例では、負圧源は、膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加および調整のために患者の身体の外部に真空源を備え、これは、ひいては、腎臓からの流体を尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる。いくつかの実施例では、真空源は、壁吸引源、真空ボトル、および手動真空源から成る群から選択される、または真空源は、圧力差によって提供される。いくつかの実施例では、負圧源から受容される負圧は、手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで制御されることができる。いくつかの実施例では、コントローラが、負圧源からの負圧を調整するために使用される。負および正圧源の非限定的実施例が、下記に詳細に議論される。
本明細書で使用されるように、「正圧」は、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される圧力が、負圧の印加に先立った、それぞれ、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端における既存の圧力を上回り、それぞれ、尿管カテーテルまたは膀胱カテーテル内に、もしくは尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して存在する流体を、膀胱または腎臓に向かって戻るように流動させることを意味する。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルの近位端または尿管カテーテルの近位端に印加される正圧は、約0.1mmHg~約150mmHg、または約0.1mmHg~約50mmHg、もしくは約0.1mmHg~約10mmHg、または約5mmHg~約20mmHg、もしくは約45mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧または正圧源におけるゲージ圧)に及ぶことができる。正圧源は、例えば、ポンプまたは壁圧力源、もしくは加圧されたボトルによって提供されることができ、手動で、自動的に、またはそれらの組み合わせで制御されることができる。いくつかの実施例では、コントローラが、正圧源からの正圧を調整するために使用される。
流体貯留および静脈鬱滞は、進行性腎疾患の進行における主要な問題である。排泄における相対的減少と結び付けられる過剰ナトリウム摂取は、等張体積膨張および二次コンパートメント症候群の併発につながる。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓からの尿もしくは廃棄物の排出を促進するためのデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施例では、本発明は、概して、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓、例えば、泌尿系の少なくとも一部内で負圧を誘発するためのシステムおよび方法を対象とする。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓、例えば、泌尿系の少なくとも一部に印加することは、いくつかの状況において、ナトリウムおよび水分の髄質腎単位尿細管再吸収を補償し得ると考えられる。ナトリウムおよび水分の再吸収の補償は、尿産生を増加させ、総体内ナトリウムを減少させ、赤血球産生を改良することができる。髄質内圧が、ナトリウム、したがって、体液量過剰によって促されるため、過剰ナトリウムの標的除去は、体液量損失の維持を可能にする。体液量の除去は、髄質鬱滞を回復させる。正常尿産生は、1.48~1.96L/日(または1~1.4ml/分)である。
流体貯留および静脈鬱滞はまた、腎前性急性腎傷害(AKI)の進行における主要な問題である。具体的には、AKIは、腎臓を通した潅流または血流の損失に関連し得る。故に、いくつかの実施例では、本発明は、静脈鬱滞を緩和または低減させる目的のために、改良された腎血行動態を促進し、排尿を増加させる。さらに、AKIの治療および/または阻止は、他の状態の発生にも良い影響を及ぼす、ならびに/もしくはそれを低減させることが予期され、例えば、NYHA分類III度および/または分類IV度心不全を伴う患者における腎機能の悪化の低減または阻止が挙げられる。異なるレベルの心不全の分類は、The Criteria Committee of the New York Heart Association, (1994), Nomenclature and Criteria for Diagnosis of Diseases of the Heart and Great Vessels, (9th ed.),Boston:Little, Brown and Co. pp.253-256(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。AKIおよび/または慢性的潅流減少のエピソードの低減または阻止はまた、第4期ならびに/もしくは第5期慢性腎臓疾患のための治療であり得る。慢性腎臓疾患の進行は、National Kidney Foundation, K/DOQI Clinical Practice Guidelines for Chronic Kidney Disease: Evaluation, Classification and Stratification. Am. J. Kidney Dis. 39:S1-S266,2002(Suppl. 1)(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。
また、本明細書に開示される尿管カテーテル、尿管ステント、および/または膀胱カテーテルは、末期腎疾患(「ESRD」)を予防する、その発症を遅延させる、および/または治療するために有用であり得る。平均的透析患者は、339億ドルの米国政府の総コストに関して医療利用において1年に約90,000ドルを消費する。現在、ESRD患者は、メディケアの全受益者の2.9%のみから成るが、総支出の13%超を占める。発生率および患者あたりのコストが、近年は安定しているが、活発な患者の量は、上昇し続けている。
進行性慢性腎疾患(「CKD」)の5つの段階は、糸球体濾過率(GFR)に基づく。段階1(GFR>90)の患者が、正常な濾過を有する一方、段階5(GFR<15)は、腎不全を有する。多くの慢性疾患のように、診断捕捉は、増加する症状および疾患重症度とともに改良する。
CKD3b/4部分群は、疾患進行、医療システム関与、およびESRDへの遷移における重要な変化を反映する、より小さい部分群である。救急科への診療は、CKDの重症度とともに上昇する。米国復員軍人援護局の集団の中で、付帯的透析患者のほぼ86%が、入院に先行する5年以内に入院していた。それらのうち、63%が、透析の開始時に入院させられた。これは、透析に先立って介入する非常に大きな機会を示唆する。
他の器官よりも動脈樹をさらに下に辿るにもかかわらず、腎臓は、安静時に不均衡な量の心拍出量を受容する。糸球体膜は、尿細管の中への濾過液の最小抵抗の経路を表す。健康な状態では、腎単位は、動脈圧の正常な範囲内の自己調整の複数の複雑で冗長な手段を有する。
静脈鬱滞は、低減した腎機能に関与しており、後期のCKDで見出される全身性循環血液量過多症と関連付けられる。腎臓が、半剛性の被膜で被覆されるため、静脈圧のわずかな変化が、尿細管内圧の直接変化に変換される。尿細管内圧の本偏移は、ナトリウムおよび水分の再吸収を上方調整し、悪循環を永続させることが示されている。
初期侵襲および早期進行にかかわらず、より進行性のCKDは、(定義による)濾過の減少およびさらなる高窒素血症と関連付けられる。残りの腎単位が水分を過剰吸収しているか、または単に十分に濾過することができないかどうかにかかわらず、本腎単位損失は、流体貯留および腎機能の進行性低下と関連付けられる。
腎臓は、体積の微妙な偏移に敏感である。尿細管または毛細血管床のいずれかの中の圧力が上昇するにつれて、他方の中の圧力が続く。毛細血管床圧が上昇するにつれて、濾過液の産生および尿の排除は、劇的に減少し得る。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、腎盂に送達される軽微かつ調整された負圧は、機能している腎単位のそれぞれの間で圧力を減少させると考えられる。健康な生体構造では、腎盂は、腎杯および集合管網を介して約100万の個々の腎単位に接続される。これらの腎単位はそれぞれ、本質的にボーマン隙を腎盂に接続する流体柱である。腎盂に伝送される圧力は、全体を通して平行移動する。負圧が腎盂に印加されるにつれて、糸球体毛細管圧は、糸球体膜を横断してより多くの濾過液を押進させ、排尿の増加につながると考えられる。
尿路の組織が、移行上皮の一種である、尿路上皮で覆われることに注目することが重要である。尿路の内側の組織内層はまた、尿管および/または腎臓ならびに膀胱組織1004の粘膜組織1003等の尿路内皮または尿路上皮組織とも称される。尿路上皮は、非常に高い弾性を有し、顕著な範囲の圧潰性および伸展性を可能にする。尿管管腔を覆う尿路上皮は、ともに尿路上皮粘膜から成る、疎性結合組織の薄い層である、固有層によって最初に囲繞される。本粘膜は、次いで、縦筋線維の層によって囲繞される。尿路上皮粘膜を囲繞するこれらの縦筋線維および尿路上皮粘膜自体の弾性は、尿管が圧潰星状断面に弛緩し、次いで、利尿の間に完全膨張まで拡張することを可能にする。任意の正常な尿管断面の組織構造は、概して、橋渡し医学研究で使用される、ヒトおよび他の哺乳類で本星形管腔を明らかにする。Wolf et al., “Comparative Ureteral Microanatomy”, JEU 10: 527-31 (1996)。
腎臓から膀胱に尿を輸送するプロセスは、腎盂を通した収縮および尿管の残りの部分を遠位に通した蠕動によって促される。腎盂は、尿管が腎臓に進入する、漏斗形状への近位尿管の拡大である。腎盂は、実際に、同一の組織から成るが、それが収縮することを可能にする1つの付加的筋肉層を伴う、尿管の継続であることが示されている。Dixon and Gosling, “The Musculature of the Human Renal Calyces, Pelvis and Upper Ureter”, J. Anat. 135: 129-37 (1982)。これらの収縮は、腎盂漏斗を通して尿を押動し、蠕動波が尿管を通して膀胱まで流体を伝搬することを可能にする。
画像研究は、イヌの尿管がその安静時断面積の最大17倍まで容易に増加し、利尿の間に大量の尿を収容し得ることを示している。Woodburne and Lapides, “The Ureteral Lumen During Peristalsis”, AJA 133: 255-8 (1972)。ヒト上部尿路のための最も近い動物モデルと考えられるブタの中でも、腎盂および最近位尿管は、実際に、全ての尿管区分のうちで最も柔軟であることが示されている。Gregersen, et al., “Regional Differences Exist in Elastic Wall Properties in the Ureter”, SJUN 30: 343-8 (1996)。ヒトの尿管微細生体構造との種々の研究動物のもののWolfの比較研究は、イヌにおける尿管直径全体に対する固有層の匹敵する厚さ(ヒトでは29.5%およびイヌでは34%)、ならびにブタにおける総筋肉断面積に対する平滑筋の匹敵する割合(ヒトでは54%およびブタでは45%)を明らかにした。確実に、種の間の比較に限界が存在するが、イヌおよびブタは、ヒト尿管生体構造および生理学を研究および理解する際の強力な焦点となっており、これらの参照値は、本高レベルの翻訳可能性を支持する。
ヒト尿管よりもブタおよびイヌ尿管ならびに腎盂の構造および力学で利用可能である、はるかに多くのデータが存在する。これは、部分的に、そのような詳細な分析のために要求される侵襲性、ならびにそのような小さい可撓性の動的構造のサイズおよび組成を臨床的に正確に識別しようとするための種々の画像診断法(MRI、CT、超音波等)の固有の限界に起因する。それにもかかわらず、腎盂がヒトにおいて膨張または完全に圧潰するための本能力は、尿流を改良しようとする腎臓専門医および泌尿器科医にとって障害である。
任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、本発明者らは、負圧の印加が、腎臓からの流体流を促進することに役立ち得、周辺組織が負圧下で流体柱に収縮または圧潰することを阻止しながら、開放する、または腎盂の内部の開放を維持するために、保護表面積を展開するように設計される、非常に特定のツールが、腎盂内の負圧の印加を促進するために必要とされることを理論化した。本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、保護表面積を提供し、周辺尿路上皮組織が負圧下で流体柱に収縮または圧潰することを阻止する。本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、カテーテル排出管腔の中心軸および保護された孔から離れた尿管壁の星状縦方向折畳を正常に維持し得、蠕動波による、尿管管腔の星状断面積を辿るカテーテルの自然摺動および/または下向き移動を阻止し得ると考えられる。
また、本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、吸引の間に周辺組織を保護することができない、排出管腔の遠位端における保護されていない開放孔を回避することができる。尿管を直線管と考えることが便宜的であるが、真の尿管および腎盂は、種々の角度において腎臓に進入し得る。Lippincott Williams & Wilkins, Annals of Surgery, 58, Figs 3 & 9 (1913)。したがって、腎盂内にそのようなカテーテルを展開するときに、排出管腔の遠位端における保護されていない開放孔の配向を制御することは困難であろう。本単一孔は、組織壁からの確実である、または一貫した、いずれかの距離の確保の手段を有しておらず、それによって、組織が保護されていない開放孔を閉塞することを許容し、組織への損傷のリスクがある、局所的吸引点を提示し得る。また、本明細書に開示される本発明のカテーテル設計は、腎杯に対する吸引および/または腎杯の閉塞をもたらし得る、腎臓の近くの排出管腔の遠位端に保護されていない開放孔を有する、バルーンの設置を回避することができる。尿管・腎盂移行部の基底部における排出管腔の遠位端に保護されていない開放孔を有する、バルーンの設置は、腎盂組織に対する吸引および腎盂組織による閉塞をもたらし得る。また、丸みを帯びたバルーンは、バルーン上の付帯的牽引力からの尿管剥離または他の損傷のリスクを示し得る。
負圧を患者の腎臓面積の中に送達するステップは、少なくとも3つの理由から、いくつかの解剖学的課題を有する。第1に、泌尿系は、容易に変形される、高度に柔軟性組織から成る。医学書は、多くの場合、膀胱内に含有される尿の体積にかかわらず、固定形状のままであり得る、厚い筋肉構造として、膀胱を描写している。しかしながら、現実では、膀胱は、軟質変形可能構造である。膀胱は、収縮し、膀胱内に含有される尿の体積に共形化する。空膀胱は、ボールよりも、収縮されたラテックスバルーンに近似する。加えて、膀胱の内部の粘膜内層は、軟質であって、炎症および損傷を受けやすい。泌尿系組織をカテーテルのオリフィスの中に引き込むことを回避し、それを通して適正な流体流を維持し、周囲組織への傷害を回避することが望ましい。
第2に、尿管は、拡張および収縮し、尿を腎盂から膀胱に輸送し得る、小管状構造である。本輸送は、2つの方法、すなわち、蠕動活動と、開放システム内の圧力勾配とにおいて生じる。蠕動活動では、尿部分は、収縮性波より先に押動され、これは、管腔をほぼ完全に塞ぐ。波パターンは、腎盂面積内で開始し、尿管に沿って伝搬し、膀胱で終端する。そのような完全な閉塞は、流体流を中断し、膀胱内で送達される負圧が補助なしで腎盂に到達することを阻み得る。広開放尿管を通した圧力勾配による、第2のタイプの輸送は、大量の尿流の間に存在し得る。大量尿産生のそのような周期の間に、腎盂内の圧力頭は、上部尿路の平滑筋の収縮によって引き起こされる必要はないであろうが、むしろ、尿の前方流によって発生され、したがって、動脈血圧を反映する。Kiil F.,“Urinary Flow and Ureteral Peristalsis” in:Lutzeyer W., Melchior H.(eds)Urodynamics.Springer, Berlin, Heidelberg(pp.57-70)(1973)。
第3に、腎盂は、少なくとも、膀胱と同様に柔軟性である。腎盂の薄壁は、例えば、水腎症を有する患者において生じるように、拡張し、複数回、正常体積を収容することができる。
より近年では、吸引の使用によって腎盂から血栓を除去するための腎盂内の負圧の使用は、腎盂の必然的圧潰により、警告されており、したがって、腎盂領域内の負圧の使用を妨げる。Webb, Percutaneous Renal Surgery: A Practical Clinical Handbook. p 92. Springer (2016)。
任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、腎盂および膀胱の組織は、負圧の送達の間、内向きに引き出されるために十分に可撓性であって、負圧を送達するために使用されているツールの形状および体積に共形化する。殻付きのトウモロコシの穂の真空シールと同様に、尿路上皮組織は、負圧源の周囲で圧潰し、それに共形化するであろう。組織が管腔を閉塞し、尿の流動を妨げないように防止するために、本発明者らは、軽微な負圧が印加されるときに流体柱を維持するために十分な保護表面積が閉塞を防止または阻止するであろうことを理論化した。
本発明者らは、カテーテルツールが、前述に説明されていない泌尿器領域内で正常に展開され、それを通して負圧を送達することを可能にする、具体的特徴が存在することを判定した。これらは、治療ゾーンおよび隣接組織の生体構造および生理学の深い理解を要求する。カテーテルは、尿路上皮を支持し、カテーテル管腔を通した負圧の印加の間に尿路上皮組織がカテーテル内の開口部を閉塞することを阻止することによって、腎盂内に保護表面積を備えなければならない。例えば、尿路上皮組織がない、または本質的にない、3次元形状もしくは空隙体積を確立することは、100万の腎単位のそれぞれからカテーテルの排出管腔の中への流体柱または流の開存性を確実にする。
腎盂が、縦方向に配向された平滑筋細胞から成るため、保護表面積は、理想的には、保護された表面積を確立することへの多平面アプローチを組み込むであろう。生体構造は、多くの場合、3つの平面、すなわち、矢状(身体を右および左部分に分割する垂直の前から後)、冠状(身体を背部および腹部に分割する垂直の左右)、ならびに横断(身体を上および下部に分割し、矢状および冠状面と垂直である、水平または軸方向)面で説明される。腎盂内の平滑筋細胞は、垂直に配向される。カテーテルが、腎臓と尿管との間の多くの横断面を横断して半径方向表面積も維持することが望ましい。これは、カテーテルが保護表面積1001の確立において腎盂の縦方向および水平部分の両方を占めることを可能にする。加えて、組織の可撓性を前提として、カテーテルツールの管腔につながる開口部またはオリフィスからのこれらの組織の保護が、望ましい。本明細書に議論されるカテーテルは、負圧、正圧を送達するために有用であり得る、または周囲圧力で使用され得る、もしくはそれらの任意の組み合わせであり得る。
いくつかの実施例では、展開されると、腎臓とカテーテル排出管腔との間の開存している流体柱または流を生成および/または維持する、展開可能/後退可能拡張機構が、利用される。本展開可能/後退可能機構は、展開されると、尿路上皮を支持し、カテーテル管腔を通した負圧の印加の間に尿路上皮組織がカテーテル内の開口部を閉塞することを阻止することによって、腎盂内に保護表面積1001を生成する。いくつかの実施例では、保定部分は、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る、展開位置まで延在されるように構成される。
図1A-1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、7B、17、および44を参照すると、概して、1において示される尿路は、患者の右腎2および左腎4を備える。上記に議論されるように、腎臓2、4は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄化合物のクリアランスに関与する。右腎2および左腎4によって産生される尿は、尿細管、すなわち、右尿管6および左尿管8を通して、患者の膀胱10の中に排出される。例えば、尿は、尿管壁の蠕動によって、ならびに重力によって、尿管6、8を通して伝導され得る。尿管6、8は、尿管口または開口部16を通して膀胱10に進入する。膀胱10は、尿が身体から排泄されるまで尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)に遷移可能である。膀胱が、空位置Eにあるとき、膀胱上壁70は、例えば、図1Aおよび1Bではメッシュ57として、図1C、1U、および7Aではコイル1210として、図1Fでは膀胱上壁支持体210のバスケット形構造または支持キャップ212として、図1Pでは環状バルーン310として、図17では漏斗116として示される、膀胱カテーテル56、116の遠位端136の外側周縁72、1002または保護表面積1001に隣接して位置付けられる、および/またはそれに共形化することができる。通常、膀胱10が、実質的に満杯状態に到達すると、尿は、膀胱10から尿道12に、膀胱10の下側部分に位置する尿道括約筋または開口部18を通して排出することが可能にされる。膀胱10の収縮は、尿管開口部16と尿道開口部18との間に延在する三角形領域である、膀胱10の三角部領域14に付与される応力および圧力に応答し得る。三角部領域14は、膀胱10が充填し始めるにつれて、三角部領域14上の圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角部領域14上の閾値圧力を超えると、膀胱10は、収縮し始め、収集された尿を尿道12を通して排出する。
同様に、図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、および2Bに示されるように、例えば、本発明の尿管カテーテル112、114の外側周縁72、1002または保護表面積1001は、尿管および/または腎臓の組織1003を支持し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持することができる。
いくつかの実施例では、例えば、図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7、17、および44に示されるような方法およびシステム50、100は、患者から流体(尿等)を除去するために提供され、本方法は、尿管ステント52、54(図1Aに示される)または尿管カテーテル112、114(図1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7、17、および44に示される)を患者の尿管6、8の中に展開し、患者の腎臓2、4と膀胱10との間の流体流の開存性を維持するステップ、および/または膀胱カテーテル56、116を患者の膀胱10の中に展開するステップであって、膀胱カテーテル56、116は、患者の膀胱10内に位置付けられるように構成される遠位端136と、近位端117を有する排出管腔部分140と、それらの間に延在する側壁119とを備える、ステップと、負圧を膀胱カテーテル56、116ならびに/もしくは尿管カテーテル112、114の近位端117に印加し、患者の尿路の一部内に負圧を誘発し、患者から流体を除去するステップとを含む。いくつかの実施例では、本方法はさらに、第2の尿管ステントまたは第2の尿管カテーテルを患者の第2の尿管または腎臓の中に展開し、図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7、17、および44に示されるように、患者の第2の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップを含む。本発明の例示的尿管ステントまたは尿管カテーテルの具体的特性が、下記に詳細に説明される。
いくつかの非限定的実施例では、尿管または膀胱カテーテル56、112、114、116、312、412、512、812、1212、5000、5001は、(a)近位部分117、128、1228、5006、5007、5017と、(b)遠位部分118、318、1218、5004、5005とを備え、遠位部分は、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、533、1233を備え、カテーテルを通した負圧の印加に応じて、尿管および/または腎臓ならびに膀胱組織1004の粘膜組織1003等の尿路上皮組織が、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、533、1233を閉塞することを阻止する、外側周縁1002または保護表面積1001を確立するように構成される、保定部分130、330、410、500、1230、1330、2230、3230、4230、5012、5013を備える。
例示的尿管カテーテル:
図2A、7、17、および44に示されるように、患者の尿路内に位置付けられるように構成される、尿管カテーテル112、114を含む、システム100の実施例が、図示される。例えば、尿管カテーテル112、114の遠位端120、121、1220、5019、5021は、患者の尿管2、4、腎臓6、8の腎盂20、21面積、または腎臓6、8のうちの少なくとも1つ内で展開されるように構成されることができる。
いくつかの実施例では、好適な尿管カテーテルは、米国特許第9,744,331号、米国特許出願第公開第US2017/0021128A1号、米国特許出願第15/687,064号、および米国特許出願第15/687,083号(それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
いくつかの実施例では、システム100は、右腎2の腎盂20内またはそれに隣接して配置される第1のカテーテル112、および左腎4の腎盂21内またはそれに隣接して配置される第2のカテーテル114等の2つの別個の尿管カテーテルを備えることができる。カテーテル112、114は、その全長に対して別個であることができる、またはクリップ、リング、クランプ、もしくは他のタイプの接続機構(例えば、コネクタ)によって相互に近接して保持され、カテーテル112、114の配置もしくは除去を促進することができる。図2A、7、17、27、および44に示されるように、各カテーテル112、114の近位端113、115は、流体または尿を膀胱の中に排出するように、膀胱10内または膀胱10の近傍の尿管の近位端に位置付けられる。いくつかの実施例では、各カテーテル112、114の近位端113、115は、膀胱カテーテル56、116の遠位部分または端136と流体連通することができる。いくつかの実施例では、カテーテル112、114は、膀胱内でとともに融合または接続され、膀胱10の中に排出する、単一排出管腔を形成することができる。
図2Aに示されるように、いくつかの実施例では、カテーテル112、114の一方または両方の近位端113、115は、尿道12内に位置付けられ、随意に、流体を患者の身体の外側に排出するための付加的排出管類に接続されることができる。図2Bに示されるように、いくつかの実施例では、カテーテル112、114の一方または両方の近位端113、115は、尿道12から患者の身体の外側まで延在するように位置付けられることができる。
他の実施例では、カテーテル112、114は、その一部または区画に沿って別のカテーテル、管、もしくはシースを通して挿入され、またはその中に封入され、カテーテル112、114の患者の身体への挿入およびそこからの後退を促進することができる。例えば、膀胱カテーテル116は、尿管カテーテル112、114と同一のガイドワイヤにわたって、および/またはそれに沿って、もしくは尿管カテーテル112、114を挿入するために使用される同一の管類内に、挿入されることができる。
図1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7、8A、および8Bを参照すると、例示的尿管カテーテル112、1212、5000は、少なくとも1つの伸長本体または管122、1222、5009を備えることができ、その内部は、排出管腔124、1224、5002等の1つ以上の排出チャネルもしくは管腔を画定する、または備える。管122、1222、5009サイズは、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)に及ぶことができる。いくつかの実施例では、管122、1222、5009は、約0.33~約3mmに及ぶ外径と、約0.165~約2.39mmに及ぶ内径とを有することができる。一実施例では、管122は、6Frであって、2.0±0.1mmの外径を有する。管122、1222、5009の長さは、患者の年齢(例えば、小児または成人)および性別に応じて、約30cm~約120cmに及ぶことができる。
管122、1222、5009は、可撓性および/または変形可能材料から形成され、膀胱10および尿管6、8(図2および7に示される)内での管122、1222、5009の前進ならびに/もしくは位置付けを促進することができる。カテーテル材料は、腎盂および尿管の炎症を回避または低減させるために十分に可撓性かつ軟質であるべきであるが、腎盂または尿路の他の部分が圧力を管122、1222、5009の外部に付与するとき、もしくは腎盂および/または尿管が負圧の誘発の間に管122、1222、5009に対して牽引されるとき、管122、1222、5009が圧潰しないように十分に剛性であるべきである。例えば、管122、1222、5009または排出管腔は、少なくとも部分的に、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、チタン、および/または生体適合性ポリマー、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコン、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、ならびに/もしくはポリ(プロピレンフマラート)等のポリマーを含む、1つ以上の材料から形成されることができる。一実施例では、管122、1222、5009は、熱可塑性ポリウレタンから形成される。管122、1222、5009はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、およびチタンのうちの1つ以上のものを含む、またはそれを含浸されることができる。いくつかの実施例では、管122、1222、5009は、蛍光透視撮像によって視認可能な材料を含浸される、またはそれから形成される。例えば、管122、1222、5009を形成する、生体適合性ポリマーは、硫酸バリウムまたは類似放射線不透過性材料を含浸されることができる。したがって、管122、1222、5009の構造および位置は、蛍光透視法に対して可視である。
カテーテル112、1212、5000、例えば、管122、1222、5009の内部または外部の少なくとも一部もしくは全部は、挿入および/または除去を促進するように、ならびに/もしくは快適性を向上させるように、親水性コーティングでコーティングされることができる。いくつかの実施例では、コーティングは、疎水性および/または潤滑性コーティングである。例えば、好適なコーティングは、Koninklijke DSM N.V.から入手可能である、ComfortCoat(R)親水性コーティング、または米国特許第8,512,795号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示されるような高分子電解質から成る親水性コーティングを備えることができる。
いくつかの実施例では、例えば、図8Bに示されるように、管122は、遠位部分118(例えば、尿管6、8および腎盂20、21内に位置付けられるように構成される管122の一部)と、中央部分126(例えば、遠位部分118から尿管開口部16を通して患者の膀胱10および尿道12の中に延在するように構成される管122の一部)と、近位部分128(例えば、膀胱10または尿道12の中に延在する、もしくは尿道12から患者の身体の外側に延在する、管122の一部)とを備えることができる。一実施例では、管122の近位部分128および中央部分126の組み合わせられた長さは、約54±2cmである。いくつかの実施例では、管122は、膀胱11内で終端する。その場合、流体は、尿管カテーテル112、114の近位端から排出され、身体から付加的留置膀胱カテーテルを通して指向される。他の実施例では、管122は、尿道12内で終端し、例えば、膀胱カテーテルが、要求されない。他の実施例では、管は、尿道12から患者の身体の外側に延在し、例えば、膀胱カテーテルが、要求されない。
例示的尿管保定部分:
本明細書に開示される保定部分のいずれかは、上記に議論される排出管腔と同一材料から形成されることができ、排出管腔と一体型である、もしくはそれに接続されることができる、または保定部分は、排出管腔に関して上記に議論されるもの等と異なる材料から形成され、そこに接続されることができる。例えば、保定部分は、前述の材料、例えば、ポリウレタン、可撓性ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコーン、シリコン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等のポリマーのいずれかから形成されることができる。
概して、例えば、図2A-C、8A、および8Bに示されるように、尿管カテーテル112の遠位部分118は、カテーテル112の遠位端120を腎臓2、4の腎盂20、21に近接して、またはその中の所望の流体収集位置に維持するための保定部分130を備える。いくつかの実施例では、保定部分130は、保定部分130を尿管および/または腎盂内に位置付けることを可能にするために可撓性かつ屈曲可能であるように構成される。保定部分130は、望ましくは、カテーテル112上に付与される力を吸収するため、かつそのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能である。例えば、保定部分130が近位方向P(図9Aに示される)に患者の膀胱に向かって引動される場合、保定部分130は、尿管を通して牽引され得るように、解巻または直線化され始めるために十分に可撓性であり得る。同様に、保定部分130が腎盂または尿管内の他の好適な領域の中に再挿入され得るとき、その展開構成に戻るように付勢されることができる。
いくつかの実施例では、保定部分130は、管122と一体型である。その場合、保定部分130は、カテーテルを所望の流体収集場所に保定するように定寸および成形される、屈曲または変曲をカテーテル本体122に付与することによって形成されることができる。好適な屈曲またはコイルは、図1、2A、7A、および8A-10Gに示されるようなピグテールコイル、コルクスクリュコイル、および/または螺旋コイルを含むことができる。例えば、保定部分130は、例えば、図2A、7A、および8A-10Gに示されるように、尿管6、8内のカテーテル112を腎盂20、21に近接して、またはその中に接触させ、受動的に保定するように構成される、1つ以上の半径方向および縦方向に延在する螺旋コイルを備えることができる。他の実施例では、保定部分130は、カテーテル本体122の半径方向にフレア状またはテーパ状の部分から形成される。例えば、保定部分130はさらに、テーパ状または漏斗形状の内側表面186等の図17-41Cに示されるような流体収集部分を備えることができる。他の実施例では、保定部分130は、カテーテル本体または管122に接続され、そこから延在する、別個の要素を備えることができる。
いくつかの実施例では、保定部分130はさらに、排出孔、穿孔、またはポート132、1232(例えば、図9A-9E、10A、10E、11-14、27、32A、32B、33、34、および39-41A-Cに示される)等の1つ以上の穿孔区分を備えることができる。排出ポート132は、例えば、図10Dに示されるように、管122の開放遠位端120、121に位置することができる。他の実施例では、穿孔区分および/または排出ポート132、1232は、図9A-9E、10A、10E、11-14、27、32A、32B、33、34、および41A-Cに示されるように、カテーテル管122の遠位部分118の側壁109に沿って、または図39および40のスポンジ材料等の保定部分の材料内に配置される。排出ポートまたは孔132、1232は、流体収集を補助するために使用されることができ、それによって、流体が患者の身体からの除去のために排出管腔の中に流入することができる。他の実施例では、保定部分130は、貯留構造および流体収集専用であって、および/または負圧の付与は、カテーテル管122上の他の場所における構造によって提供される。
図9B-E、10D-G、18B、18C-E、20、22A-35、37B、38A、39B、40A-41Cに示されるようないくつかの実施例では、排出孔、ポート、または穿孔132、1232の少なくとも一部、大部分、もしくは全ては、膀胱または腎臓からの組織1004、1003が、保護された排出孔、ポート、または穿孔133に直接接触しない、もしくはそれを部分的または完全に閉塞しないように、保護された表面積または内側表面積1000内の尿管カテーテル112、114または膀胱カテーテル116内に位置付けられる。例えば、図2A-2C、7A、7B、10F、17、18D、24B、29C、39B、40B、および41Bに示されるように、負圧が、尿管および/または腎盂内で誘発されるとき、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織1003の一部が、保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001もしくは外側領域に対して牽引され得、保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001上に位置付けられる、いくつかの排出孔、ポート、または穿孔134を部分的または完全に閉塞し得る。同様に、図2A-2C、7A、7B、10G、17、18E、24C、39C、40C、および41Cに示されるように、負圧が、膀胱内で誘発されるとき、移行上皮組織内層、固有層結合組織、筋固有層、および/または脂肪性結合組織等の膀胱組織1004の一部が、保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001もしくは外側領域に対して牽引され得、保定部分130の外側周縁1002または保護表面積1001もしくは外側領域上に位置付けられる、いくつかの排出孔、ポート、または穿孔134を部分的または完全に閉塞し得る。
保定部分130の保護された表面積または内側表面積1000上に位置する保護された排出ポート133の少なくとも一部は、そのような組織1003、1004が保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001もしくは外側領域に接触するときに、部分的または完全に閉塞されないであろう。さらに、排出ポート133との噛込または接触からの組織1003、1004への傷害のリスクは、低減または改善されることができる。保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001もしくは外側領域の構成は、保定部分130の全体的構成に依存する。概して、保定部分130の外側周縁72、1002または保護表面積1001もしくは外側領域は、膀胱1004または腎臓組織1003に接触してそれを支持し、それによって、保護された排出孔、ポート、または穿孔133の閉塞または妨害を阻止する。
例えば、図10E-Gに示されるように、複数の螺旋コイル1280、1282、1284を備える、例示的保定部分1230が示されている。螺旋コイル1280、1282、1284の外側周縁1002または保護表面積1001もしくは外側領域は、膀胱組織1004または腎臓組織1003に接触してそれを支持し、螺旋コイル1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233の閉塞もしくは妨害を阻止する。螺旋コイル1280、1282、1284の外側周縁1002または保護表面積1001もしくは外側領域は、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233のための保護を提供する。図10Fでは、腎臓組織1003は、螺旋コイル1280、1282、1284の外側周縁1002または保護表面積1001もしくは外側領域の少なくとも一部を囲繞し、それに接触して示され、これは、螺旋コイル1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000との腎臓組織1003の接触を阻止し、それによって、腎臓組織1003による、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233の部分または完全妨害を阻止する。図10Gでは、膀胱組織1004は、螺旋コイル1280、1282、1284の外側周縁1002または保護表面積1001もしくは外側領域の少なくとも一部を囲繞し、それに接触して示され、これは、螺旋コイル1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000との膀胱組織1004の接触を阻止し、それによって、膀胱組織1004による、保護された排出孔、ポート、または穿孔1233の部分または完全妨害を阻止する。
同様に、図1、2A、7A、17、18A、18B、18C、19、20、21、22A、22B、23A、23B、24、25、26、27、28A、28B、29A、29B、30、31、32A、32B、33、34、35A、35B、36、37A、37B、38A、38B、39、40、および41に示される、膀胱および/または尿管保定部分の構成の他の実施例も、膀胱組織1004または腎臓組織1003に接触してそれを支持し、保定部分の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233の閉塞または妨害を阻止し得る、外側周縁1002または保護表面積1001または外側領域を提供する。これらの実施例はそれぞれ、下記にさらに議論されるであろう。
ここで図8A、8B、および9A-9Eを参照すると、1つ以上の完全コイル184および1つ以上の半もしくは部分コイル183等の複数の螺旋コイルを備える、尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルのための例示的保定部分130が、図示される。保定部分130は、複数の螺旋コイルとともに、収縮位置と展開位置との間で移動可能である。例えば、略直線ガイドワイヤが、保定部分130を通して挿入され、保定部分130を略直線収縮位置に維持することができる。ガイドワイヤが除去されると、保定部分130は、そのコイル状構成に遷移することができる。いくつかの実施例では、コイル183、184は、管122の遠位部分118から半径方向および縦方向に延在する。図8Aおよび8Bを具体的に参照すると、例示的実施形態では、保定部分130は、2つの完全コイル184と、1つの半コイル183とを備える。例えば、図8Aおよび8Bに示されるように、線D1によって示される完全コイル184の外径は、約18±2mmであることができ、半コイル183の直径D2は、約14mm±2mmであることができ、コイル状保定部分130は、約16±2mmの高さHを有することができる。
保定部分130はさらに、流体をカテーテル管122の内部の中に引き出すように構成される、1つ以上の排出孔132、1232(例えば、図9A-9E、10A、および10Eに示される)を備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれを上回る排出孔132、1232に加え、付加的孔110を保定部分の遠位先端または端120に備えることができる。いくつかの実施例では、排出孔132、1232(例えば、図9A-9E、10A、および10Eに示される)のそれぞれの直径は、約0.7mm~0.9mmに及ぶことができ、好ましくは、約0.83±0.01mmである。いくつかの実施例では、保定部分130の遠位先端または端における付加的孔110(例えば、図9A-9E、10A、および10Eに示される)の直径は、約0.165mm~約2.39mm、または約0.7~約0.97mmに及ぶことができる。隣接する排出孔132間の距離、具体的には、コイルが直線化されたときの排出孔132、1232の最も近い外縁間の線形距離は、約15mm±2.5mm、または約22.5±2.5mmもしくはそれを上回り得る。
図9A-9Eに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130の近位の排出管腔の遠位部分118は、直線または曲線中心軸Lを画定する。いくつかの実施例では、保定部分130の少なくとも半または第1のコイル183および完全もしくは第2のコイル184は、保定部分130の軸Aを中心として延在する。第1のコイル183は、管122が、角度αによって示されるように、中心軸Lから約15度~約75度に及ぶ、好ましくは、約45度の角度αで屈曲する点から開始または起始する。図9Aおよび9Bに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、縦方向中心軸Lと同延であることができる。他の実施例では、図9C-9Eに示されるように、身体内への挿入に先立って、軸Aは、中心縦軸Lから延在し、例えば、それに対して角度βで湾曲または角度付けられる。
いくつかの実施例では、複数のコイル184は、隣接するコイル184の間に同一もしくは異なる内および/または外径Dならびに高さH2を有することができる。その場合、コイル184のそれぞれの外径D1は、約10mm~約30mmに及んでもよい。隣接するコイル184のそれぞれの間の高さH2は、約3mm~約10mmに及んでもよい。
他の実施例では、保定部分130は、腎盂のテーパ状部分内に挿入されるように構成される。例えば、コイル184の外径D1は、管122の遠位端120に向かって増加し、テーパ状または部分的テーパ状構成を有する螺旋構造をもたらすことができる。例えば、テーパ状螺旋部分の遠位または最大外径Dは、腎盂の寸法に対応する、約10mm~約30mmに及び、各隣接するコイルの外径D1は、保定部分130の近位端128のより近くで減少し得る。保定部分130の全体的高さHは、約10mm~約30mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、コイル184の外径D1および/またはコイル184ののそれぞれの間の高さH2は、規則的または不規則的方式で変動することができる。例えば、コイルの外径D1または隣接するコイル間の高さH2は、規則的量(例えば、隣接するコイル184間で約10%~約25%)ずつ増加または減少することができる。例えば、3つのコイルを有する保定部分130(例えば、図9Aおよび9Bに示されるように)に関して、最近位コイルまたは第1のコイル183の外径D2は、約6mm~18mmであることができ、中央コイルまたは第2のコイル185の外径D3は、約8mm~約24mmであることができ、最遠位または第3のコイル187の外径D13は、約10mm~約30mmであることができる。
保定部分130はさらに、保定部分130上またはそれに隣接して、カテーテル管122の側壁109上に、またはそれを通して配置される、排出穿孔、孔、もしくはポート132を備え、尿廃棄物がカテーテル管122の外側からカテーテル管122の内側排出管腔124まで流動することを可能にすることができる。排出ポート132の位置およびサイズは、保定部分130の所望の流率ならびに構成に応じて変動することができる。排出ポート132のそれぞれの直径D11は、独立して約0.005mm~約1.0mmに及ぶことができる。排出ポート132のそれぞれの最も近い縁の間の間隔D12は、独立して約1.5mm~約5mmに及ぶことができる。排出ポート132は、任意の配列、例えば、無作為、線形、またはオフセット配列で離間されることができる。いくつかの実施例では、排出ポート132は、非円形であることができ、約0.00002~0.79mm2の表面積を有することができる。
いくつかの実施例では、図9Aに示されるように、排出ポート132は、カテーテル管122の側壁109の外側周縁72、1002または保護表面積1001全体の周囲に位置し、排出管腔124の中に引き出され得る流体の量を増加させる(図2、9A、および9Bに示される)。他の実施例では、図9B-9Eおよび10-10Eに示されるように、排出孔、ポート、または穿孔132は、本質的にコイル184の保護された表面積または内側表面積1000もしくは半径方向内向きに面した側1286のみに、またはその側のみに配置され、排出ポート132、1232の閉塞または妨害を防止することができ、コイルの外向きに面した側1288は、本質的に排出ポート132、1232がない、または排出ポート132、1232がなくてもよい。螺旋コイル183、184、1280、1282、1284の外側周縁72、189、1002または保護表面積1001もしくは外側領域192は、膀胱組織1004または腎臓組織1003に接触してそれを支持し、螺旋コイル183、184、1280、1282、1284の保護された表面積または内側表面積1000内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔133、1233の閉塞または妨害を阻止することができる。例えば、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されると、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織は、保定部分130に対して牽引され得、保定部分130の外側周縁72、189、1002上のいくつかの排出ポート134を閉塞し得る。貯留構造の半径方向内向き側1286または保護された表面積もしくは内側表面積1000上に位置する排出ポート133、1233は、そのような組織1003、1004が保定部分130の外側周縁72、189、1002または保護表面積1001もしくは外側領域に接触するとき、著しく閉塞されないであろう。さらに、排出ポート132、133、1233、または保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233との噛込または接触からの組織への傷害のリスクは、低減または改善されることができる。
図9Cおよび9Dを参照すると、複数のコイル184を備える保定部分130を有する、尿管カテーテル112の他の実施例が、図示される。図9Cに示されるように、保定部分130は、軸Aを中心として延在する3つのコイル184を備える。軸Aは、湾曲弧であって、保定部分130の近位の排出管腔181の一部の中心縦軸Lから延在する。保定部分130に付与される曲率は、円錐形の容器形状の空洞を備える、腎盂の曲率に対応するように選択されることができる。
図9Dに示されるように、別の例示的実施形態では、保定部分130は、角度付けられた軸Aを中心として延在する2つのコイル184を備えることができる。角度付けられた軸Aは、中心縦軸Lからある角度で延在し、角度βによって示されるように、排出管腔の一部の中心軸Lと略垂直な軸に対して角度付けられる。角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112の排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
図9Eは、尿管カテーテル112の別の実施例を示す。保定部分は、軸Aを中心として延在する3つの螺旋コイル184を備える。軸Aは、角度βによって示されるように、水平に対して角度付けられる。前述の実施例におけるように、角度βは、約15~約75度(例えば、カテーテル112の排出管腔部分の中心縦軸Lに対して約105~約165度)に及ぶことができる。
図10-10Eに示されるいくつかの実施例では、保定部分1230は、管1222と一体型である。他の実施例では、保定部分1230は、管または排出管腔1224に接続され、そこから延在する、別個の管状部材を備えることができる。
いくつかの実施例では、保定部分は、複数の半径方向に延在するコイル184を備える。コイル184は、漏斗の形状で構成され、それによって、漏斗状支持体を形成する。コイル漏斗状支持体のいくつかの実施例は、図2A-C、7A、7B、8A、および8A-10Eに示される。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁119は、第1の直径を有する、少なくとも第1のコイル183と、第2の直径を有する、第2のコイル184とを備え、第1の直径は、第2の直径未満であって、第1のコイルの側壁の一部と第2のコイルの隣接する側壁の一部との間の最大距離は、約0mm~約10mmに及ぶ。いくつかの実施例では、第1のコイル183の第1の直径は、約1mm~約10mmに及び、第2のコイル184の第2の直径は、約5mm~約25mmに及ぶ。いくつかの実施例では、コイルの直径は、排出管腔の遠位端に向かって増加し、テーパ状または部分的にテーパ状の構成を有する、螺旋構造をもたらす。いくつかの実施形態では、第2のコイル184は、第1のコイル183より排出管腔124の遠位部分118の端部に近い。いくつかの実施形態では、第2のコイル184は、第1のコイル183より排出管腔124の近位部分128の端部に近い。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁119は、下記に議論されるように、内向きに面した側1286と、外向きに面した側1288とを備え、内向きに面した側1286は、排出管腔の中への流体流を可能にするための少なくとも1つの開口部133、1233を備え、外向きに面した側1288は、開口部が本質的にない、またはない。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部133、1233は、約0.002mm2~約100mm2に及ぶ面積を有する。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119を備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔の中への流体流を可能にするための少なくとも1つの開口部1233を備える。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119を備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔1224の中への流体流を可能にするための少なくとも2つの開口部1233を備える。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119を備え、第1のコイル1280の半径方向外向きに面した側1288は、1つ以上の開口部1232が本質的にない、またはない。
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、半径方向内向きに面した側1286と、半径方向外向きに面した側1288とを備える、側壁119を備え、第1のコイル1280の半径方向内向きに面した側1286は、排出管腔1224の中への流体流を可能にするための少なくとも1つの開口部1233を備え、半径方向外向きに面した側1288は、1つ以上の開口部1232が本質的にない、またはない。
ここで図10-10Eを参照すると、いくつかの実施例では、遠位部分1218は、流体を排出管腔1224の中に引き出すための開放遠位端1220を備える。尿管カテーテル1212の遠位部分1218はさらに、排出管腔または管1222の遠位部分1218を尿管および/または腎臓内に維持するための保定部分1230を備える。いくつかの実施例では、保定部分1230は、複数の半径方向に延在するコイル1280、1282、1284を備える。保定部分1230は、可撓性かつ屈曲可能であって、尿管、腎盂、および/または腎臓内への保定部分1230の位置付けを可能にすることができる。例えば、保定部分1230は、望ましくは、カテーテル1212上に付与される力を吸収し、そのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能である。さらに、保定部分1230が、近位方向P(図9A-9Eに示される)に患者の膀胱10に向かって引動される場合、保定部分1230は、尿管6、8を通して牽引され得るように、解巻または直線化され始めるために十分に可撓性であることができる。いくつかの実施例では、保定部分1230は、管1222と一体型である。他の実施例では、保定部分1230は、管または排出管腔1224に接続され、そこから延在する、別個の管状部材を備えることができる。いくつかの実施例では、カテーテル1212は、保定部分1230の近位端において管1222上に位置付けられる、放射線不透過性バンド1234(図29に示される)を備える。放射線不透過性バンド1234は、カテーテル1212の展開の間、蛍光透視撮像によって可視である。特に、ユーザは、蛍光透視法によって、尿路を通したバンド1234の前進を監視し、保定部分1230が腎盂内にあって、展開の準備ができた状態になるときを判定することができる。
いくつかの実施例では、保定部分1230は、穿孔、排出ポート、または開口部1232を管1222の側壁内に備える。本明細書に説明されるように、開口部1232の位置およびサイズは、開口部毎の所望の体積流率および保定部分1230のサイズ制約に応じて変動し得る。いくつかの実施例では、開口部1232のそれぞれの直径D11は、独立して約0.05mm~約2.5mmに及び、約0.002mm2~約5mm2の面積を有することができる。開口部1232は、縦方向および/または軸方向等の所望される任意の方向に管1222の側壁119に沿って延在するように位置付けられることができる。いくつかの実施例では、開口部1232のそれぞれの最も近い隣接する縁の間の間隔は、約1.5mm~約15mmに及ぶことができる。流体は、穿孔、排出ポート、または開口部1232のうちの1つ以上のものを通して、排出管腔1234の中に通過する。望ましくは、開口部1232は、負圧が排出管腔1224に印加されるとき、それらが尿管6、8または腎臓1003の組織によって閉塞されないように位置付けられる。例えば、本明細書に説明されるように、開口部1233は、保定部分1230のコイルまたは他の構造の内部部分もしくは保護された表面面積1000上に位置付けられ、開口部1232、1233の閉塞を回避することができる。いくつかの実施例では、管1222の中央部分1226および近位部分1228は、穿孔、ポート、開口、または開口部が本質的になく、もしくはなく、管1222のそれらの部分に沿って開口部の閉塞を回避することができる。いくつかの実施例では、穿孔または開口部が本質的にない、部分1226、1228は、管1222の遠位部分1218等の他の部分より実質的に少ない開口部1232を含む。例えば、遠位部分1218の開口部1232の総面積は、管1222の中央部分1226および/または近位部分1228の開口部の総面積を上回る、もしくは実質的に上回ってもよい。
いくつかの実施例では、開口部1232は、保定部分1230を通した流体流を改良するように定寸および離間される。特に、本発明者らは、負圧がカテーテル1212の排出管腔1224に印加されると、流体の大部分が排出管腔1224の中に最近位穿孔または開口部1232を通して引き出されることを発見した。流体がまた、より遠位の開口部を通して、および/または管1222の開放遠位端1220を通して受容されるように、流動動態を改良するために、より大きいサイズまたはより多くの数の開口部1232が、保定部分1230の遠位端1220に向かって提供されることができる。例えば、保定部分1230の近位端1228の近傍の管1222の長さ上の開口部1232の総面積は、管1222の開放遠位端1220の近傍に位置する管1222の類似サイズの長さの開口部1232の総面積未満であってもよい。特に、流体流の90%未満、好ましくは、70%未満、より好ましくは、55%未満が、排出管腔1224の中に保定部分1230の近位端1228の近傍に位置付けられる単一開口部1232または少数の開口部1232を通して引き出される、排出管腔1224を通した流動分布を生産することが望ましくあり得る。
多くの実施例では、開口部1232は、概して、円形形状であるが、三角形、楕円形、正方形、菱形、および任意の他の開口部形状もまた、使用されてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、開口部1232の形状は、管1222が非コイル状または伸長位置とコイル状または展開位置との間で遷移するにつれて変化してもよい。開口部1232の形状は、変化してもよい(例えば、オリフィスは、ある位置では、円形であって、他の位置では、若干伸長されてもよい)が、開口部1232の面積は、展開またはコイル状位置と比較して、伸長または非コイル状位置において実質的に類似することに留意されたい。
いくつかの実施例では、管1222によって画定された排出管腔1224は、遠位部分1218(例えば、尿管6、8および腎盂20、21内に位置付けられるように構成される、管1222の一部(例えば、図7Aおよび10に示される))と、中央部分1226(例えば、遠位部分から尿管開口部16を通して患者の膀胱10および尿道12の中に延在するように構成される、管1222の一部(図7Aおよび10に示される))と、近位部分1228(例えば、尿道12から外部流体収集容器および/またはポンプ2000まで延在する、管1222の一部)とを備える。一実施例では、管1222の近位部分1228および中央部分1226の組み合わせられた長さは、約54±2cmである。いくつかの実施例では、管1222の中央部分1226および近位部分1228は、距離マーキング1236(図10に示される)を管1222の側壁上に含み、これは、カテーテル1212の展開の間、管1222が患者の尿路の中に挿入された距離を判定するために使用されることができる。
図7Aおよび10-14に示されるように、例示的尿管カテーテル1212は、少なくとも1つの伸長本体または管1222を備え、その内部は、排出管腔1224等の1つ以上の排出チャネルもしくは管腔を画定する、または備える。管1222サイズは、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)に及ぶことができる。いくつかの実施例では、管1222は、約0.33~約3.0mmに及ぶ外径と、約0.165~約2.39mmに及ぶ内径とを有することができる。一実施例では、管1222は、6Frであって、2.0±0.1mmの外側または外径を有する。管1222の全長は、患者の年齢(例えば、小児または成人)および性別に応じて、約30cm~約120cmに及ぶことができる。
管1222は、上記に議論される材料のうちのいずれか等の膀胱10および尿管6、8(図7に示される)内における管1222の前進および/または位置付けを促進するための可撓性ならびに/もしくは変形可能材料から形成されることができる。例えば、管1222は、生体適合性ポリマー、ポリ塩化ビニル、Teflon(R)等のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコンコーティングされたラテックス、またはシリコン等の1つ以上の材料から形成されることができる。一実施例では、管1222は、熱可塑性ポリウレタンから形成される。
螺旋コイル保定部分
ここで図10A-10Eを参照すると、例示的保定部分1230は、螺旋コイル1280、1282、1284を備える。いくつかの実施例では、保定部分1230は、第1または半コイル1280と、第2のコイル1282および第3のコイル1284等の2つの完全コイルとを備える。図10A-10Dに示されるように、いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、保定部分1230の曲線中心軸Aの周囲の0度~180度に延在する、半コイルを備える。いくつかの実施例では、示されるように、曲線中心軸Aは、略直線であって、管1222の曲線中心軸と同延である。他の実施例では、保定部分1230の曲線中心軸Aは、湾曲され、保定部分1230に、例えば、円錐形の容器形状を当てることができる。第1のコイル1280は、約1mm~20mm、好ましくは、約8mm~10mmの直径D1を有することができる。第2のコイル1282は、約5mm~50mm、好ましくは、約10mm~20mm、より好ましくは、約14mm±2mmの直径D2を有する、保定部分1230に沿って180度~540度延在する、完全コイルであることができる。第3のコイル1284は、540度~900度延在し、5mmおよび60mm、好ましくは、約10mm~30mm、より好ましくは、約18mm±2mmの直径D3を有する、完全コイルであることができる。他の実施例では、複数のコイル1282、1284は、同一内径および/または外径を有することができる。例えば、完全コイル1282、1284の外径はそれぞれ、約18±2mmであることができる。
いくつかの実施例では、保定部分1230の全高Hは、約10mm~約30mm、好ましくは、約18±2mmに及ぶ。隣接するコイル1284間、すなわち、第1のコイル1280の管1222の側壁1219と第2のコイル1282の管122の隣接する側壁1221との間の間隙の高さH2は、3.0mm未満、好ましくは、約0.25mm~2.5mm、より好ましくは、約0.5mm~2.0mmである。
保定部分1230はさらに、最遠位湾曲部分1290を備えることができる。例えば、管1222の開放遠位端1220を含む、保定部分1230の最遠位部分1290は、第3のコイル1284の曲率に対して内向きに屈曲されることができる。例えば、最遠位部分1290の曲線中心軸X1(図10Dに示される)は、管1222の遠位端1220から保定部分1230の曲線中心軸Aに向かって延在することができる。
保定部分1230は、保定部分1230が患者の尿路の中への挿入のために直線である、収縮位置と、保定部分1230が螺旋コイル1280、1282、1284を備える、展開位置との間で移動することが可能である。概して、管1222は、コイル状構成に向かって必然的に付勢される。例えば、非コイル状または略直線ガイドワイヤは、保定部分1230を通して挿入され、保定部分1230を、例えば、図11-14に示されるように、その直線収縮位置に維持することができる。ガイドワイヤが除去されると、保定部分1230は、そのコイル状位置に必然的に遷移する。
いくつかの実施例では、開口部1232、1233は、本質的にコイル1280、1282、1284の半径方向内向きに面した側1286または保護された表面積もしくは内側表面積1000のみ、またはその側のみに配置され、開口部1232、1233の閉塞または妨害を防止する。コイル1280、1282、1284の半径方向外向きに面した側1288は、開口部1232が本質的になくてもよい。類似実施例では、保定部分1230の内向きに面した側1286上の開口部1232、1233の総面積は、保定部分1230の半径方向外向きに面した側1288上の開口部1232の総面積を実質的に上回ることができる。故に、負圧が尿管および/または腎盂内で誘発されると、尿管ならびに/もしくは腎臓の粘膜組織は、保定部分1230に対して牽引され得、保定部分1230の外側周縁1002または保護表面積1001上のいくつかの開口部1232を閉塞し得る。しかしながら、保定部分1230の半径方向内向きに面した側1286または保護された表面積もしくは内側表面積1000上に位置する開口部1232は、そのような組織が保定部分1230の外側周縁1002または保護表面積1001に接触するとき、著しく閉塞されない。したがって、排出開口部1232との噛込または接触からの組織の傷害のリスクは、低減または排除されることができる。
孔または開口部分布実施例
いくつかの実施例では、第1のコイル1280は、開口部1232がない、または本質的にないことができる。例えば、第1のコイル1280上の開口部1232の総面積は、完全コイル1282、1284の開口部1232の総面積未満または実質的に未満であることができる。コイル状保定部分(図10A-10Eに示されるコイル状保定部分1230等)のために使用され得る、開口または開口部1232の種々の配列の実施例は、図11-14に図示される。図11-14に示されるように、保定部分1330は、ガイドワイヤが排出管腔を通して挿入されると生じるような、その非コイル状または直線位置に描写される。
例示的保定部分1330は、図11に図示される。保定部分1330の開口部の位置付けをより明確に説明するために、保定部分1330は、本明細書では、最近位または第1の区分1310、第2の区分1312、第3の区分1314、第4の区分1316、第5の区分1318、および最遠位または第6の区分1320等の複数の区分または穿孔区分に分割されるように参照される。当業者は、所望に応じて、より少ないまたは付加的区分が含まれることができることを理解するであろう。本明細書で使用されるように、「区分」は、保定部分1330内の管1322の離散長を指す。いくつかの実施例では、区分は、長さが等しい。他の実施例では、いくつかの区分は、同一長さを有することができ、他の区分は、異なる長さを有することができる。他の実施例では、各区分は、異なる長さを有する。例えば、区分1310、1312、1314、1316、1318、および1320はそれぞれ、それぞれ、約5mm~約35mm、好ましくは、約5mm~15mmに及ぶ、長さL1-L6を有することができる。
いくつかの実施例では、各区分1310、1312、1314、1316、1318、および1320は、1つ以上の開口部1332を備える。いくつかの実施例では、各区分はそれぞれ、単一開口部1332を備える。他の実施例では、第1の区分1310は、単一開口部1332を含み、他の区分は、複数の開口部1332を備える。他の実施例では、異なる区分は、1つ以上の開口部1332を備え、開口部はそれぞれ、異なる形状または異なる総面積を有する。
図10A-10Eに示される保定部分1230等のいくつかの実施例では、保定部分1230の0~約180度に延在する、第1または半コイル1280は、開口部がない、または本質的にないことができる。第2のコイル1282は、約180~360度延在する、第1の区分1310を含むことができる。第2のコイル1282はまた、保定部分1230の約360度~540度に位置付けられる、第2および第3の区分1312、1314を含むことができる。第3のコイル1284は、保定部分1230の約540度~900度に位置付けられる、第4および第5の区分1316、1318を含むことができる。
いくつかの実施例では、開口部1332は、第1の区分1310の開口部の総面積が、隣接する第2の区分1312の開口部の総面積未満であるように、定寸されることができる。同様に、保定部分1330がさらに、第3の区分1314を備える場合、第3の区分1314の開口部は、第1の区分1310または第2の区分1312の開口部の総面積を上回る、総面積を有することができる。第4の区分1316、第5の区分1318、および第6の区分1320の開口部はまた、徐々に増加する総面積および/または数の開口部を有し、管1222を通した流体流を改良してもよい。
図11に示されるように、管の保定部分1230は、5つの区分1310、1312、1314、1316、1318を含み、それぞれ、単一開口部1332、1334、1336、1338、1340を含む。保定部分1330はまた、第6の区分1320を含み、これは、管1222の開放遠位端1220を含む。本実施例では、第1の区分1310の開口部1232は、最小総面積を有する。例えば、第1の区分の開口部1332の総面積は、約0.002mm2~約2.5mm2、または約0.01mm2~1.0mm2、もしくは約0.1mm2~0.5mm2に及ぶことができる。一実施例では、開口部1332は、カテーテルの遠位端1220から約55mmであって、0.48mmの直径と、0.18mm2の面積とを有する。本実施例では、第2の区分1312の開口部1334の総面積は、第1の区分1310の開口部1232の総面積を上回り、約0.01mm2~約1.0mm2のサイズに及ぶことができる。第3の開口部1336、第4の開口部1338、および第5の開口部1350もまた、約0.01mm2~約1.0mm2のサイズに及ぶことができる。一実施例では、第2の開口部1334は、カテーテル1220の遠位端から約45mmであって、約0.58mmの直径と、約0.27mm2の面積とを有する。第3の開口部1336は、カテーテル1220の遠位端から約35mmであって、約0.66mmの直径を有することができる。第4の開口部1338は、遠位端1220から約25mmであって、約0.76mmの直径を有することができる。第5の開口部1340は、カテーテルの遠位端1220から約15mmであって、約0.889mmの直径を有することができる。いくつかの実施例では、管1222の開放遠位端1220は、約0.5mm2~約5.0mm2に及ぶ、またはそれを上回る面積を有する、最大開口部を有する。一実施例では、開放遠位端1220は、約0.97mmの直径と、約0.74mm2の面積とを有する。
本明細書に説明されるように、開口部1332、1334、1336、1338、1340は、負圧が、例えば、排出管腔1224の近位部分1228から、カテーテル1212の排出管腔1224に印加されるとき、第1の開口部1332を通して通過する流体の体積流率が、より遠位区分の開口部の体積流率により近似対応するように、位置付けられ、定寸されることができる。上記に説明されるように、各開口部が同一面積である場合、負圧が排出管腔1224に印加されると、第1の開口部1332の最近位を通して通過する流体の体積流率は、保定部分1330の遠位端1220により近い開口部1334を通して通過する流体の体積流率を実質的に上回るであろう。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が印加されると、排出管腔1224の内部と排出管腔1224の外部との間の圧力差が、最近位開口部の領域内でより大きくなり、管の遠位端に向かって移動する各開口部において減少すると考えられる。例えば、開口部1332、1334、1336、1338、1340のサイズおよび位置は、第2の区分1312の開口部1334の中に流動する流体に関する体積流率が、第1の区分1310の開口部1332の中に流動する流体の体積流率の少なくとも約30%であるように選択されることができる。他の実施例では、最近位または第1の区分1310の中に流動する流体に関する体積流率は、排出管腔1224の近位部分を通して流動する流体に関する総体積流率の約60%未満である。他の実施例では、2つの最近位区分(例えば、第1の区分1310および第2の区分1312)の開口部1332、1334の中に流動する流体に関する体積流率は、負圧、例えば、約-45mmHgの負圧が、排出管腔の近位端に印加されるとき、排出管腔1224の近位部分を通して流動する流体の体積流率の約90%未満であることができる。
当業者によって理解されるであろうように、複数の開口部または穿孔を備える、カテーテルまたは管に関する体積流率および分布は、種々の異なる方法において直接測定または計算されることができる。本明細書で使用されるように、「体積流率」は、各開口部の下流およびそれに隣接する体積流率の実際の測定または下記に説明される「計算される体積流率」のための方法の使用を意味する。
例えば、経時的に分散される流体体積の実際の測定は、各開口部1332、1334、1336、1338、1340を通した体積流率を判定するために使用されることができる。1つの例示的実験配列では、保定部分1330の区分1310、1312、1314、1316、1318、1320を受容するように定寸される個々のチャンバを備える、マルチチャンバ容器が、保定部分1330の周囲でシールされ、それを封入し得る。各開口部1332、1334、1336、1338、1340は、チャンバのうちの1つ内にシールされ得る。個別のチャンバから管3222の中に各開口部1332、1334、1336、1338、1340を通して引き出される流体体積の量が、測定され、負圧が印加されるときに各開口部の中に経時的に引き出される流体体積の量を判定し得る。負圧ポンプシステムによって管3222内で収集される流体体積の累積量は、各開口部1332、1334、1336、1338、1340の中に引き出される流体の和に匹敵するであろう。
代替として、異なる開口部1332、1334、1336、1338、1340を通した体積流体流率は、管状本体を通した流体流をモデル化するための方程式を使用して、数学的に計算されることができる。例えば、開口部1332、1334、1336、1338、1340を通して排出管腔1224の中に通過する流体の体積流率は、数学的実施例および図15A-15Cに関連して下記に詳細に説明されるように、物質移動シェルバランス評価に基づいて計算されることができる。物質収支方程式を導出し、開口部1332、1334、1336、1338、1340間の流動分布またはそれに関する体積流率を計算するためのステップもまた、図15A-15Cに関連して下記に詳細に説明される。
開口部2332、2334、2336、2338、2340を伴う、別の例示的保定部分2230は、図12に図示される。図12に示されるように、保定部分2230は、多数のより小さい穿孔または開口部2332、2334、2336、2338、2340を備える。開口部2332、2334、2336、2338、2340はそれぞれ、実質的に同じ断面積を有することができる、もしくは1つ以上の開口部2332、2334、2336、2338、2340は、異なる断面積を有することができる。図12に示されるように、保定部分2330は、上記に説明されるような6つの区分2310、2312、2314、2316、2318、2320を備え、各区分は、複数の開口部2332、2334、2336、2338、2340を備える。図12に示される実施例では、区分あたりの開口部2332、2334、2336、2338、2340の数は、各区分内の開口部1332の総面積が、近位に隣接する区分と比較して増加するように、管2222の遠位端2220に向かって増加する。
図12に示されるように、第1の区分2310の開口部2332は、保定部分2230の曲線中心軸X1と略平行な第1の仮想線V1に沿って配列される。第2の区分2312、第3の区分2314、第4の区分2316、および第5の区分2318の開口部2334、2336、2338、2340は、それぞれ、これらの区分の開口部2334、2336、2338、2340もまた、管2222の円周の周囲に整列するように、徐々に増加する数の列において、管2222の側壁上に位置付けられる。例えば、第2の区分2312の開口部2334のいくつかは、管2222の側壁の円周の周囲に延在する第2の仮想線V2が複数の開口部2334の少なくとも一部に接触するように位置付けられる。例えば、第2の区分2312は、各開口部2334が等しいまたは異なる断面積を有する、2つまたはそれを上回る列の穿孔または開口部2334を備えることができる。さらに、いくつかの実施例では、第2の区分2312の列のうちの少なくとも1つは、管2222の曲線中心軸X1と平行であるが、第1の仮想線V1と同延ではない、第3の仮想線V3に沿って整合されることができる。同様に、第3の区分2314は、各開口部2336が等しいまたは異なる断面積を有する、5列の穿孔または開口部2336を備えることができ、第4の区分2316は、7列の穿孔または開口部2338を備えることができ、第5の区分2318は、9列の穿孔または開口部2340を備えることができる。前の実施例におけるように、第6の区分2320は、単一開口部、すなわち、管2222の開放遠位端2220を備える。図12の実施例では、開口部はそれぞれ、同一面積を有するが、1つ以上の開口部の面積は、所望に応じて、異なり得る。
開口部3332、3334、3336、3338、3340を伴う、別の例示的保定部分3230は、図13に図示される。図13の保定部分3230は、複数の同様に定寸された穿孔または開口部3332、3334、3336、3338、3340を含む。前の実施例におけるように、保定部分3230は、6つの区分3310、3312、3314、3316、3318、3320に分割されることができ、それぞれ、少なくとも1つの開口部を備える。最近位または第1の区分3310は、1つの開口部3332を含む。第2の区分3312は、管3222の側壁の円周の周囲に延在する仮想線V2に沿って整合される、2つの開口部3334を含む。第3の区分3314は、仮想三角形の頂点に位置付けられる、3つの開口部3336の群を備える。第4の区分3316は、仮想正方形の角に位置付けられる、4つの開口部3338の群を備える。第5の区分3318は、菱形を管3222の側壁上に形成するように位置付けられる、10の開口部3340を備える。前の実施例におけるように、第6の区分3320は、単一開口部、すなわち、管3222の開放遠位端3220を備える。各開口部の面積は、約0.001mm2~約2.5mm2に及ぶことができる。図13の実施例では、開口部はそれぞれ、同一面積を有するが、1つ以上の開口部の面積は、所望に応じて、異なり得る。
開口部4332、4334、4336、4338、4340を伴う、別の例示的保定部分4230は、図14に図示される。保定部分4330の開口部4332、4334、4336、4338、4340は、異なる形状およびサイズを有する。例えば、第1の区分4310は、単一円形開口部4332を含む。第2の区分4312は、第1の区分4310の開口部4332より大きい断面積を伴う、円形開口部4334を有する。第3の区分4314は、3つの三角形の開口部4336を備える。第4の区分4316は、大円形開口部4338を備える。第5の区分4318は、菱形の開口部4340を備える。前の実施例におけるように、第6の区分4320は、管4222の開放遠位端4220を備える。図14は、各区分内の異なる形状の開口部の配列の一実施例を図示する。各区分内の各開口部の形状は、独立して選択されることができ、例えば、第1の区分4310は、1つ以上の菱形の開口部もしくは他の形状を有することができることを理解されたい。各開口部の面積は、同一または異なり得、約0.001mm2~約2.5mm2に及ぶことができる。
(実施例)
体積流率の計算および流動分布のパーセンテージ
尿管カテーテル1212の保定部分のための開口部の種々の配列を説明したので、流動分布の計算されるパーセンテージおよびカテーテルを通した計算される体積流率を判定するための方法が、ここで、詳細に説明されるであろう。以下の計算において使用される管または排出管腔の部分の位置を示す側壁開口部を伴う、例示的カテーテルの概略図が、図16に示される。流動分布の計算されるパーセンテージは、保定部分の異なる開口部または区分を通して排出管腔に進入する、排出管腔の近位部分を通して流動する総流体のパーセンテージを指す。計算される体積流率は、保定部分の排出管腔または開口部の異なる部分を通した単位時間あたりの流体流量を指す。例えば、排出管腔の近位部分に関する体積流率は、カテーテルを通して通過する総流体量に関する流率を説明する。開口部に関する体積流率は、単位時間あたり開口部を通して排出管腔の中に通過する、流体の体積を指す。下記の表3-5では、流動は、排出管腔の近位部分に関する総流体流量または総体積流率のパーセンテージとして説明される。例えば、100%の流動分布を有する開口部は、排出管腔に進入する全ての流体が開口部を通して通過したことを意味する。0%の分布を有する開口部は、排出管腔内の流体がその開口部を通して排出管腔に進入しなかったことを示すであろう。
これらの体積流率計算は、図7Aおよび10-10Eに示される尿管カテーテル1212の保定部分1230を通した流体流量を判定およびモデル化するために使用された。さらに、これらの計算は、開口部の面積および保定部分に沿った開口部の線形分布を調節することが、異なる開口部を通した流体流の分布をもたらすことを示す。例えば、最近位開口部の面積を低減させることは、カテーテルの中に最近位開口部を通して引き出される流体の割合を減少させ、保定部分のより遠位開口部の中に引き出される流体の割合を増加させる。
以下の計算に関して、0.97mmの内径および0.97mmの端部孔内径を有する、86cmの管長が、使用された。尿の密度は、1.03g/mLであって、37℃で8.02×10-3Pa・S(8.02×10-3kg/s・m)の摩擦係数μを有していた。カテーテルを通して通過する尿体積流率は、実験測定によって判定されるように、2.7ml/分(QTotal)であった。
計算される体積流率は、保定部分の5つの区分の全ての穿孔または開口部1232を通り(本明細書では、体積流量Q2-Q6と称される)、開放遠位端1220を通る(本明細書では、体積流量Q1と称される)、体積流量の総和が、方程式2に示されるように、最後の近位開口部から10cm~60cm距離が離れた管1222の近位端から退出する総体積流量(QTotal)と等しくなる、体積物質収支方程式によって判定される。
QTotal=Q1+Q2+Q3+Q4+Q5+Q6(方程式2)
区分毎の修正損失係数(K’)は、カテーテルモデル内の3つのタイプの損失係数、すなわち、パイプ入口(例えば、管1222の開口部および開放遠位端)における結果として生じる圧力損失を考慮した入口損失係数と、流体とパイプ壁との間の摩擦から生じる圧力損失を考慮した摩擦損失係数と、2つの流動が一体となる相互作用から生じる圧力損失を考慮した流動合流損失係数とに基づく。
入口損失係数は、オリフィスまたは開口部の形状に依存する。例えば、テーパ状またはノズル形状のオリフィスは、排出管腔1224の中への流率を増加させるであろう。同様に、鋭縁オリフィスは、明確に画定されていない縁を伴うオリフィスと異なる流動性質を有するであろう。以下の計算の目的のために、開口部1232は、側面オリフィス開口部であって、管1222の開放遠位端1220は、鋭縁開口部であると仮定される。各開口部の断面積は、管側壁を通して一定であると見なされる。
摩擦損失係数は、流体と管1222の隣接する内壁との間の摩擦から生じる圧力損失に近似する。摩擦損失は、以下の方程式に従って定義される。
流動合流損失係数は、90度の分岐角度において流動を組み合わせるための損失係数から導出される。損失係数に関する値は、Miller DS, Internal Flow Systems, 1990(参照することによって本明細書に組み込まれる)のチャート13.10および13.11から求められた。チャートは、入口オリフィス面積(チャートではA1と称される)とパイプ断面積(チャートではA3と称される)の比率と、入口オリフィス体積流率(チャートではQ1)と結果として生じる組み合わせられたパイプ体積流率(チャートではQ3)の比率とを使用する。例えば、開口部の面積と排出管腔の面積との間の0.6の面積比率に関して、以下の流動合流損失係数(K
13およびK
23)が、使用されるであろう。
総マニホールド損失係数(K)を計算するために、モデルをいわゆる「基準ステーション」に分離し、2つの経路(例えば、開口部を通した流動および管の排出管腔を通した流動)の圧力および流動分布を徐々に処理し、平衡化し、最近位「ステーション」の遠位先端から開始して各ステーションに到達することが必要である。本計算のために使用される異なるステーションのグラフィカル表現は、図16に示される。例えば、最遠位「ステーション」Aは、管122の遠位開放端部1220である。第2のステーションA’は、管122の側壁上の最遠位開口部(例えば、図11-14における第5の区分1318の開口部)である。次のステーションBは、A’開口部のすぐ近位の排出管腔1224を通した流動のためのものである。
管1222の開放遠位端(経路1)を通して進入する流体に関するステーションA(遠位開口部)とステーションBとの間の損失を計算するために、修正損失係数(K’)は、以下と等しくなる。
同様に、ステーションBへの第2の経路は、保定部分1330の第5の区分1318(図11-14に示される)の開口部1334を通したものである。経路2に関する修正損失計算は、以下のように計算される。
経路1および経路2の両方の修正損失係数は、体積流率(Q1およびQ2)がステーションBにおけるマニホールド内の平衡分布を反映することを確実にするように等化されなければならない。体積流率は、両方の経路に関する等しい修正損失係数が達成されるまで調節される。体積流率は、本段階的解法の目的のために1であると仮定される、総体積流率(Q’Total)のある分画部分を表すため、調節されることができる。2つの修正損失係数を等化することに応じて、次いで、2つの経路の等化に進み、ステーションC(図11-14における第4の区分1316)に到達することができる。
ステーションB(第5の区分1318における排出管腔を通した流動)とステーションC(第4の区分1316における管腔を通した流動)との間の損失係数は、方程式5.1および5.2によって示されるように、類似様式において計算される。例えば、経路1(ステーションBからステーションC)に関して、第4の区分1316の開口部に関する修正損失係数(K’)は、以下のように定義される。
経路2(ステーションBからC)に関して、第4の区分1316の開口部の流動面積に基づく修正損失係数(K’)は、以下のように定義される。
前のステーションと同様に、経路1および経路2の両方の修正損失係数は、体積流率(Q
1、Q
2、およびQ
3)がステーションCまでのマニホールド内の平衡分布を反映することを確実にするように等化されなければならない。2つの修正損失係数の等化に応じて、次いで、2つの経路の等化に進み、ステーションD、ステーションE、およびステーションFに到達することができる。段階的解法プロセスは、最終ステーション、この場合、ステーションFに関する修正損失係数を計算するまで、実証されるように、各ステーションを通して進められる。マニホールドに関する総損失係数(K)が、次いで、実験測定を通して判定された実際のQ
Total(排出管腔の近位部分を通した体積流率)を使用して計算されることができる。
段階的実行を通して計算される分画体積流率は、次いで、実際の総体積流率(QTotal)によって乗算され、各開口部1232(図10-10Eに示される)および開放遠位端1220を通した流量を判定することができる。
(実施例)
実施例が、計算される体積流率に関して、下記に提供され、表3-5および図15A-15Cに示される。
(実施例1)
実施例1は、図11に示される保定部材1330の実施形態に対応する、異なるサイズの開口部を伴う保定部材管の流体流の分布を図示する。表3に示されるように、最近位開口部(Q6)は、0.48mmの直径を有し、管の側壁上の最遠位開口部(Q5)は、0.88mmの直径を有し、管の開放遠位端(Q6)は、0.97mmの直径を有していた。開口部はそれぞれ、円形であった。
流動分布および計算される体積流率のパーセンテージは、以下のように判定された。
「ステーション」または開口部毎に流動分布を計算するために、計算されるK’値が、実際の総体積流率(Q
Total)によって乗算され、各穿孔および遠位端孔を通した流量を判定した。代替として、計算された結果は、表3に示されるように、総流量または流動分布のパーセンテージとして提示され得る。表3および図15Cに示されるように、最近位開口部(Q6)を通した流動分布のパーセンテージ(%流動分布)は、56.1%であった。2つの最近位開口部(Q6およびQ5)を通した流量は、84.6%であった。
実施例1に実証されたように、管の保定部分の近位領域から遠位領域に進む穿孔の直径を増加させることは、保定部分全体を横断してより均一に分散された流動をもたらす。
(実施例2)
実施例2では、各開口部は、同一直径および面積を有する。表4および図15Aに示されるように、その場合、最近位開口部を通した流動分布は、管を通した総流量の86.2%である。第2の開口部を通した流動分布は、11.9%である。したがって、本実施例では、排出管腔を通して通過する流体の98.1%が2つの最近位開口部を通して管腔に進入したと計算された。実施例1と比較して、実施例2は、管の近位端を通して流量を増加させた。したがって、実施例1は、流体のより大きいパーセンテージが最近位開口部以外の開口部を通して排出管腔に進入する、より広い流動分布を提供する。したがって、流体は、複数の開口部を通してより効率的に収集され、流体鬱滞を低減させ、腎盂および/または腎臓を通した負圧の分布を改良することができる。
(実施例3)
実施例2はまた、同一直径を有する開口部に関する流動分布を図示する。しかしながら、表5に示されるように、開口部は、ともにより近い(10mm対22mm)。表5および図15Bに示されるように、排出管腔を通して通過する流体の80.9%が、最近位開口部(Q6)を通して排出管腔に進入した。排出管腔内の流体の96.3%が、2つの最近位開口部(Q5およびQ6)を通して排出管腔に進入した。
ここで、概して、図17-41C、より具体的には、図17を参照すると、患者の尿路内に位置付けられる2つの例示的尿管カテーテル5000、5001、および膀胱カテーテル116が、示されている。尿管カテーテル5000、5001は、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、または腎盂20、21に隣接する尿管6、8のうちの少なくとも1つから尿等の流体を排出するための排出管腔5002、5003を備える。排出管腔5002、5003は、患者の腎臓2、4、腎盂20、21、および/または腎盂20、21に隣接する尿管6、8内に位置付けられるように構成される、遠位部分5004、5005と、図2Bおよび2Cに示されるように、それを通して流体5008が患者の膀胱10または体外に排出される、近位部分5006、5007とを備える。
いくつかの実施例では、遠位部分5004、5005は、流体を排出管腔5002、5003の中に引き出すための開放遠位端5010、5011を備える。尿管カテーテル5000、5001の遠位部分5004、5005はさらに、排出管腔または管5002、5003の遠位部分5004、5005を尿管および/または腎臓内に維持するための保定部分5012、5013を備える。保定部分5012、5013は、可撓性および/または屈曲可能であって、尿管、腎盂、ならびに/もしくは腎臓内への保定部分5012、5013の位置付けを可能にすることができる。例えば、保定部分5012、5013は、望ましくは、カテーテル5000、5001上に付与される力を吸収し、そのような力が尿管に伝達されないように防止するために十分に屈曲可能である。さらに、保定部分5012、5013が、近位方向P(図17に示される)に患者の膀胱10に向かって引動される場合、保定部分5012、5013は、尿管6、8を通して引き出され得るように、解巻、直線化、または圧潰され始めるように十分に可撓性であることができる。
いくつかの実施例では、保定部分は、漏斗状支持体を備える。漏斗状支持体の異なる形状の非限定的実施例が、下記に詳細に議論される、図7A、7B、17、および18A-41Cに示される。概して、漏斗状支持体は、少なくとも1つの側壁を備える。漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁は、第1の直径と、第2の直径とを備え、第1の直径は、第2の直径未満である。漏斗状支持体の第2の直径は、第1の直径より排出管腔の遠位部分の端部に近い。
排出管腔または排出管の近位部分は、開口部が本質的にない、もしくはない。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が排出管腔の近位部分の近位端に印加されると、排出管腔または排出管の近位部分内の開口部は、尿管カテーテルの遠位部分における負圧を減少させ、それによって、腎臓および腎臓の腎盂からの流体または尿の引き出しもしくは流動を減少させ得るため、そのような開口部は、望ましくあり得ないと考えられる。尿管および/または腎臓からの流体の流動は、カテーテルによる尿管および/または腎臓の閉塞によって妨げられないことが望ましい。また、任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が排出管腔の近位部分の近位端に印加されると、尿管組織は、排出管腔の近位部分に沿って開口部に対してまたはその中に引き込まれ得、これは、組織を炎症させ得ると考えられる。
本発明による、漏斗状支持体を備える保定部分を備える、尿管カテーテルのいくつかの実施例は、図7A、7B、17、および18A-41Cに示される。図7A-10Eでは、漏斗状支持体は、管類のコイルによって形成される。図17-41Cでは、漏斗状支持体の他の実施例が、示される。本発明によるこれらの漏斗状支持体はそれぞれ、下記に詳細に議論されるであろう。
ここで図18A-Dを参照すると、いくつかの実施例では、尿管カテーテルの遠位部分5004が、示され、概して、5000として示される。遠位部分5004は、漏斗状支持体5014を構成する、保定部分5012を備える。漏斗状支持体5014は、少なくとも1つの側壁5016を備える。図18Cおよび18Dに示されるように、外側周縁1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体5014の外側表面または外壁5022を備える。1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔、または内部開口部5030は、漏斗状支持体5014の保護された表面積もしくは内側表面積1000上に配置される。図18Cおよび18Dに示されるように、漏斗状支持体の基部部分5024に単一排出孔5030があるが、複数の孔が存在し得る。
漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、第1の(外側)直径D4と、第2の(外側)直径D5とを備え、第1の外径D4は、第2の外径D5未満である。漏斗状支持体5014の第2の外径D5は、第1の外径D4より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010に近い。いくつかの実施例では、第1の外径D4は、約0.33mm~4mm(約1Fr~約12Fr(フレンチカテーテルスケール))または約2.0±0.1mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、第2の外径D5は、第1の外径D4を上回り、約1mm~約60mm、または約10mm~30mm、もしくは約18mm±2mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016はさらに、第3の直径D7(図18Bに示される)を備えることができ、第3の直径D7は、第2の外径D5未満である。漏斗状支持体5014の第3の直径D7は、第2の直径D5より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010に近い。第3の直径D7は、辺縁に関して下記により詳細に議論される。いくつかの実施例では、第3の直径D7は、約0.99mm~約59mmまたは約5mm~約25mmに及ぶことができる。
漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、第1の(内側)直径D6を備える。第1の内径D6は、第3の直径D7より漏斗状支持体5014の近位端5017に近い。第1の内径D6は、第3の直径D7未満である。いくつかの実施例では、第1の内径D6は、約0.05mm~3.9mmまたは約1.25±0.75mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、保定部分5012の中心軸5018に沿った側壁5016の全高H5は、約1mm~約25mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、側壁の高さH5は、例えば、側壁が図24に示されるように波状縁または丸みを帯びた縁を有する場合、側壁の異なる部分で変動し得る。いくつかの実施例では、波状部は、所望に応じて、約0.01mm~約5mmに及ぶ、またはそれを上回り得る。
いくつかの実施例では、図7A-10Eおよび17-41Cに示されるように、漏斗状支持体5014は、略円錐形形状を有することができる。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の近位端5017の近傍の外壁5022と漏斗状支持体5014の基部部分5024に隣接する排出管腔5002との間の角度5020は、約100度~約180度、または約100度~約160度、もしくは約120度~約130度に及ぶことができる。角度5020は、角度5020が約140度~約180度に及ぶ、図22Aに示されるように、漏斗状支持体5014の円周を中心として異なる位置で変動してもよい。
いくつかの実施例では、少なくとも1つの側壁5016の遠位端5010の縁または辺縁5026は、丸みを帯びた、正方形、または所望の任意の形状であることができる。縁5026によって画定される形状は、例えば、円形(図18Cおよび23Bに示されるように)、楕円形(図22Bに示されるように)、葉状(図28B、29B、および31に示されるように)、正方形、長方形、または所望の任意の形状であることができる。
ここで図28A-31を参照すると、漏斗状支持体5300が、示され、少なくとも1つの側壁5302は、側壁5302の長さL7に沿って複数の葉状形状の縦方向折畳部5304を備える。外側周縁1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体5300の外側表面または外壁5032を備える。1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔、または内部開口部は、漏斗状支持体5300の保護された表面積もしくは内側表面積1000上に配置される。図28Bに示されるように、漏斗状支持体の基部部分に単一排出孔があるが、複数の孔が存在し得る。
折畳部5304の数は、示されるように、2~約20または約6に及ぶことができる。本実施例では、折畳部5304は、シリコーン、ポリマー、固体材料、布地、または浸透性メッシュ等の1つ以上の可撓性材料から形成され、所望の葉状形状を提供することができる。折畳部5304は、断面図51Bに示されるように、略丸みを帯びた形状を有することができる。漏斗状支持体5300の遠位端5306における各折畳部5304の深度D100は、同一または変動することができ、約0.5mm~約5mmに及ぶことができる。
ここで図29Aおよび29Bを参照すると、1つ以上の折畳部5304は、少なくとも1つの縦方向支持部材5308を備えることができる。縦方向支持部材5308は、漏斗状支持体5300の長さL7の全長L7または一部に跨架することができる。縦方向支持部材5308は、感温形状記憶材料、例えば、ニチノール等の可撓性であるが、部分的に剛性の材料から形成されることができる。縦方向支持部材5308の厚さは、所望に応じて、約0.01mm~約1mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、ニチノールフレームは、シリコン等の好適な防水材料で被覆され、テーパ状部分または漏斗を形成することができる。その場合、流体は、漏斗状支持体5300の内側表面5310を辿って、排出管腔5312の中に流動することが可能にされる。他の実施例では、折畳部5304は、漏斗形状の保定部分を形成するように屈曲または成型される、種々の剛性または部分的に剛性のシートもしくは材料から形成される。
ここで図30および31を参照すると、折畳部5402の遠位端または縁5400は、少なくとも1つの縁支持部材5404を備えることができる。縁支持部材5404は、漏斗状支持体5408の遠位縁5400の円周5406全体もしくは円周5406の1つ以上の部分に跨架することができる。縁支持部材5404は、感温形状記憶材料、例えば、ニチノール等の可撓性であるが、部分的に剛性の材料から形成されることができる。縁支持部材5404の厚さは、所望に応じて、約0.01mm~約1mmに及ぶことができる。
図18A-Cに示されるようないくつかの実施例では、排出管腔5002(または漏斗状支持体5014)の遠位端5010は、例えば、約0.01mm~約1mmの漏斗状支持体5014の中心に向かって配向される内向きに面した辺縁5026を有し、腎臓組織の炎症を阻止することができる。したがって、漏斗状支持体5014は、第2の直径D5未満である、第3の直径D7を備えることができ、第3の直径D7は、第2の直径D5より排出管腔5002の遠位部分5004の端部5010に近い。辺縁5026の外側表面5028は、丸みを帯びた、正方形縁、または所望の任意の形状であることができる。辺縁5026は、付加的支持を腎盂および内部腎臓組織に提供することを補助し得る。
ここで図24A-Cを参照すると、いくつかの実施例では、少なくとも1つの側壁5204の遠位端5202の縁5200が、成形されることができる。例えば、縁5200は、複数の略丸みを帯びた縁5206または扇形、例えば、約4~約20またはそれを上回る丸みを帯びた縁を備えることができる。丸みを帯びた縁5206は、直線縁より大きい表面積を提供し、腎盂または腎臓の組織を支持し、閉塞を阻止することに役立つことができる。縁5200は、所望の任意の形状を有することができるが、好ましくは、鋭縁が本質的にないまたはなく、傷害組織を回避する。
図18A-Cおよび22A-23Bに示されるようないくつかの実施例では、漏斗状支持体5014は、排出管腔5002の遠位部分5004に隣接する、基部部分5024を備える。基部部分5024は、排出管腔5002の近位部分5006の内部管腔5032の中への流体流を可能にするための排出管腔5002の近位部分5006の排出管腔5002の内部管腔5032と整合される、少なくとも1つの内部開口部5030を備える。いくつかの実施例では、開口部5030の断面は、円形であるが、形状は、楕円形、三角形、正方形等、変動してもよい。
図22A-23Bに示されるようないくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の中心軸5018は、排出管腔5002の近位部分5006の中心軸5034に対してオフセットされる。近位部分5006の中心軸5034に対する漏斗状支持体5014の中心軸5018からのオフセット距離Xは、約0.1mm~約5mmに及ぶことができる。
基部部分5024の少なくとも1つの内部開口部5030は、約0.05mm~約4mmに及ぶ、直径D8を有する(例えば、図18Cおよび23Bに示される)。いくつかの実施例では、基部部分5024の内部開口部5030の直径D8は、排出管腔の隣接する近位部分5006の第1の内径D6とほぼ等しい。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の高さH5と漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の第2の外径D5の比率は、約1:25~約5:1に及ぶ。
いくつかの実施例では、基部部分5024の少なくとも1つの内部開口部5030は、約0.05mm~約4mmに及ぶ直径D8を有し、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の高さH5は、約1mm~約25mmに及び、漏斗状支持体5014の第2の外径D5は、約5mm~約25mmに及ぶ。
いくつかの実施形態では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016の厚さT1(例えば、図18Bに示される)は、約0.01mm~約1.9mmまたは約0.5mm~約1mmに及ぶことができる。厚さT1は、概して、少なくとも1つの側壁5016の全体を通して均一であることができる、または所望に応じて変動してもよい。例えば、少なくとも1つの側壁5016の厚さT1は、漏斗状支持体5014の基部部分5024より排出管腔5002の遠位部分5004の遠位端5010の近傍においてより薄いまたは厚くあることができる。
ここで図18A-21を参照すると、少なくとも1つの側壁5016の長さに沿って、側壁5016は、直線(図18Aおよび20に示されるように)、凸面(図19に示されるように)、凹面(図21に示されるように)、または任意のそれらの組み合わせであることができる。図19および21に示されるように、側壁5016の曲率は、Qにおいて心合される円形が曲線に衝合し、曲線と同一傾きおよび曲率を有するように、点Qからの曲率半径Rから近似されることができる。いくつかの実施例では、曲率半径は、約2mm~約12mmに及ぶ。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014は、図19に示されるように、略半球形状を有する。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、例えば、図35A、35B、38A、および38Bに示されるように、バルーン5100から形成される。バルーン5100は、漏斗状支持体を提供し、尿管、腎盂、および/または腎臓の残りの閉塞を阻止する、任意の形状を有することができる。図35Aおよび35Bに示されるように、バルーン5100は、漏斗の形状を有する。バルーンは、ガスまたは空気をガスポート5102を通して追加もしくは除去することによって、挿入後に膨張される、または除去前に収縮されることができる。ガスポート5102は、単に、バルーン5100の内部5104と連続的であることができ、例えば、バルーン5100は、内部5106に隣接する、または排出管腔5002の近位部分5006の隣接する部分の外部5108を包囲することができる。バルーン5100の側壁5110の直径D9は、約1mm~約3mmに及ぶことができ、側壁が、均一直径を有する、漏斗状支持体5116の遠位端5112に向かってテーパ状になる、または近位端5114に向かってテーパ状になるように、その長さに沿って変動することができる。漏斗状支持体5116の遠位端5112の外径D10は、約5mm~約25mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、例えば、図18A、19、20、および21に示されるように、少なくとも1つの側壁5016の高さH5に沿って連続する。いくつかの実施例では、漏斗状支持体5014の少なくとも1つの側壁5016は、固体壁を備え、例えば、側壁5016は、片側上における尿等の流体との接触から24時間後も、側壁を通して非浸透性である。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体の少なくとも1つの側壁は、少なくとも1つの側壁の高さまたは本体に沿って断続である。本明細書で使用されるように、「断続」は、少なくとも1つの側壁が、例えば、重力または負圧によって、それを通して排出管腔の中への流体または尿の流動を可能にするための少なくとも1つの開口部を備えることを意味する。いくつかの実施例では、開口部は、側壁を通した従来の開口部、またはメッシュ材料内の開口部、もしくは浸透性布地内の開口部であることができる。開口部の断面形状は、所望に応じて、円形、または長方形、正方形、三角形、多角形、楕円形等の非円形であることができる。いくつかの実施例では、「開口部」は、コイル状管または導管を備える、カテーテルの保定部分内の隣接するコイル間の間隙である。
本明細書で使用されるように、「開口部」または「孔」は、側壁の外側から内側もしくはその逆に側壁を通した連続空隙空間またはチャネルを意味する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部はそれぞれ、同一または異なり得、約0.002mm2~約100mm2または約0.002mm2~約10mm2に及び得る、面積を有することができる。本明細書で使用されるように、開口部の「面積」または「表面積」もしくは「断面積」は、開口部の周界によって画定された最小または極小平面面積を意味する。例えば、開口部が、円形であって、約0.36mmの直径(0.1mm2の面積)を側壁の外側に有するが、わずか0.05mmの直径(0.002mm2の面積)を側壁内または側壁の反対側上のある点に有する場合、「面積」は、側壁内の開口部を通した流動のための最小または極小平面面積であるため、0.002mm2となるであろう。開口部が、正方形または長方形である場合、「面積」は、長さ×平面面積の幅となるであろう。任意の他の形状に関して、「面積」は、当業者に周知の従来の数学的計算によって判定されることができる。例えば、不規則形状の開口部の「面積」は、形状を開口部の平面面積を充填するように適合し、各形状の面積を計算し、各形状の面積をともに加算することによって見出される。
いくつかの実施例では、側壁の少なくとも一部は、少なくとも1つの(1つ以上の)開口部を備える。概して、開口部の中心軸は、側壁の平面外側表面と略垂直であることができる、または開口部は、側壁の平面外側表面に対して角度付けられることができる。開口部のボアの寸法は、その深度全体を通して均一であってもよい、または幅は、側壁の外部表面から側壁の内部表面への開口部を通して、幅を増加させる、減少させる、または交互させることのいずれかによって、深度に沿って変動してもよい。
ここで図9A-9E、10A、10E、11-14、27、32A、32B、33、および34を参照すると、いくつかの実施例では、側壁の少なくとも一部は、少なくとも1つの(1つ以上の)開口部を備える。開口部は、側壁に沿って任意の場所に位置付けられることができる。例えば、開口部は、側壁全体を通して均一に位置付けられる、または側壁の遠位端により近い、もしくは側壁の近位端により近い等の側壁の規定された領域内に、もしくは側壁の長さまたは円周に沿って垂直または水平もしくはランダム群内に位置付けられることができる。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、負圧が排出管腔の近位部分の近位端に印加されるとき、尿管、腎盂、および/または他の腎臓組織に直接隣接する、漏斗状支持体の近位部分内の開口部は、尿管カテーテルの遠位部分における負圧を減少させ、それによって、腎臓および腎臓の腎盂からの流体または尿の引き出しまたは流動を減少させ、おそらく、組織を炎症させ得るため、そのような開口部は、望ましくあり得ないと考えられる。
開口部の数は、所望に応じて、1~1000またはそれを上回って変動することができる。例えば、図27では、6つの開口部(各側上に3つ)が、示される。上記に議論されるように、いくつかの実施例では、少なくとも1つの開口部はそれぞれ、同一または異なり得、約0.002mm2~約50mm2または約0.002mm2~約10mm2に及び得る、面積を有することができる。
いくつかの実施例では、図27に示されるように、開口部5500は、側壁5504の遠位端5502のより近くに位置付けられることができる。いくつかの実施例では、開口部は、遠位端5502に向かって側壁の遠位半分5506内に位置付けられる。いくつかの実施例では、開口部5500は、遠位半分5506の円周の周囲に、またはさらに側壁5504の遠位端5502のより近くに均一に分散される。
対照的に、図32Bでは、開口部5600は、内側側壁5604の近位端5602の近傍に位置付けられ、外側側壁5606が開口部5600と組織との間に存在するため、組織に直接接触しない。代替として、または加えて、1つ以上の開口部5600は、所望に応じて、内側側壁の遠位端の近傍に位置付けられることができる。内側側壁5604および外側側壁5606は、内側側壁5604の外側5610を外側側壁5606の内側5612に接続する、1つ以上の支持体5608もしくは隆起によって、接続されることができる。
図9A-9E、10A、10D-10G、18B、18D、18E、20、22A、22B、23A、23B、24A-24C、25、26、27、28A、28B、29A-29C、30、31、32A、32B、33、34、35A、35B、37B、38A、39B、39C、40A-40C、および41A-41Cに示されるような、いくつかの非限定的実施例では、保護された表面積または内側表面積1000が、種々の異なる形状または材料によって確立されることができる。保護された表面積または内側表面積1000の非限定的実施例は、例えば、漏斗150、5014、5116、5300、5408、5508、5614、5702、5802、6000の内部部分152、5028、5118、5310、5410、5510、5616、5710、5814、6004、コイル183、184、185、187、334、1280、1282、1284の内部部分164、166、168、170、338、1281、1283、1285、多孔性材料5900、6002の内部部分5902、6003、メッシュ57、5704、5804の内部部分162、5710、5814、または保護された排出孔533を伴うケージ530の内部部分536を備えることができる。
いくつかの非限定的実施例では、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233が、保護された表面積1000上に配置される。カテーテルを通した負圧療法の印加に応じて、尿路上皮または粘膜組織1003、1004は、カテーテルの保定部分130、330、410、500、1230、1330、2230、3230、4230、5012、5013の外側周縁189、1002または保護表面積1001上に共形化もしくは圧潰し、それによって、保護された表面積または内側表面積1000上に配置される、保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233のうちの1つ以上のものを閉塞することを防止もしくは阻止され、それによって、開存している流体柱または流が、腎盂および腎杯と排出管腔124、324、424、524、1224、5002、5003、5312、5708、5808との間で確立、維持、または向上される。
いくつかの実施例では、保定部分130、330、410、500、1230、1330、2230、3230、4230、5012、5013は、外向きに面した側1288と、内向きに面した側1286とを有する、1つ以上の螺旋コイルを備え、外側周縁1002または保護表面積1001は、1つ以上の螺旋コイルの外向きに面した側1288を備え、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233は、1つ以上の螺旋コイルの内向きに面した側1286(保護された表面積または内側表面積1000)上に配置される。
例えば、図25に示されるような漏斗形状は、腎盂の自然な解剖学的形状に共形化し、尿路上皮が流体柱を収縮させないように防止する、側壁5700を生成することができる。漏斗状支持体5702の内部5710は、それを通して流体柱が腎杯から排出管腔5708の中に流動し得る、通路を提供する開口部5706を、それを通して有する、保護された表面積1000を提供する。同様に、図26からのメッシュ形態もまた、腎杯とカテーテルの排出管腔5808との間に、メッシュ5804の内部5814等の保護された表面積1000を生成することができる。メッシュ5704、5804は、それを通して排出管腔5708、5808の中への流体流を可能にするための複数の開口部5706、5806を備える。いくつかの実施例では、開口部の最大面積は、約100mm2未満、または約1mm2未満、もしくは約0.002mm2~約1mm2、または約0.002mm2~約0.05mm2であることができる。メッシュ5704、5804は、上記に議論されるような任意の好適な金属またはポリマー材料から形成されることができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体はさらに、漏斗状支持体の遠位端にわたってカバー部分を備える。本カバー部分は、漏斗状支持体の一体部分として形成される、または漏斗状支持体の遠位端に接続されることができる。例えば、図26に示されるように、漏斗状支持体5802は、漏斗状支持体5802の遠位端5812を横断して、漏斗状支持体5802の遠位端5812から突出する、カバー部分5810を備える。カバー部分5810は、平坦、凸面、凹面、波状、およびそれらの組み合わせ等の所望の任意の形状を有することができる。カバー部分5810は、上記に議論されるように、メッシュまたは任意のポリマー固体材料から形成されることができる。カバー部分5810は、外側周縁1002または保護表面積1001を提供し、腎臓領域内の柔軟組織を支持し、尿産生を促進することを補助することができる。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体は、例えば、図39A-40Cに示されるように、多孔性材料から成る。図39A-40Cおよび好適な多孔性材料は、下記に詳細に議論される。簡潔に、図39および40では、多孔性材料自体が、漏斗状支持体である。図39では、漏斗状支持体は、多孔性材料の楔である。図40では、多孔性材料は、漏斗の形状である。図33等のいくつかの実施例では、多孔性材料5900は、側壁5904の内部5902内に位置付けられる。図34等のいくつかの実施例では、漏斗状支持体6000は、側壁6006の内部6004に隣接して位置付けられる、多孔性ライナ6002を備える。多孔性ライナ6002の厚さT2は、例えば、約0.5mm~約12.5mmに及ぶことができる。多孔性材料内の開口部の面積は、約0.002mm2~約100mm2またはそれ未満であることができる。
ここで図37Aおよび37Bを参照すると、例えば、尿管カテーテル112の保定部分130は、いくつかの実施例では、患者の腎盂および/または腎臓内に位置付けられるように構成される、拡開ならびに/もしくはテーパ状遠位端部分を有する、カテーテル管122を備える。例えば、保定部分130は、尿管および/または腎臓壁に対して位置付けられるように構成される外側表面185を備え、流体をカテーテル112の排出管腔124に向かって指向するように構成される内側表面186を備える、漏斗形状の構造であることができる。保定部分は、外側表面185と、内側表面186とを有する、漏斗状支持体に構成されることができ、外側周縁189または保護表面積1001は、漏斗状支持体の外側表面185を備え、1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔133、1233は、漏斗状支持体の基部において内側表面186上に配置される。図32Aおよび32Bに示される別の実施例では、保定部分は、外側表面と、内側表面5616とを有する、漏斗状支持体5614に構成されることができ、外側周縁1002または保護表面積1001は、外側側壁5606の外側表面を備える。保護された表面積1000は、内側漏斗の内側側壁5604を備えることができ、1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔5600は、漏斗状支持体の内側側壁5604上に配置されることができる。
図37Aおよび37Bを参照すると、保定部分130は、排出管腔124の遠位端に隣接し、第1の直径D1を有する、近位端188と、保定部分130がその展開位置にあるとき、第1の直径D1を上回る第2の直径D2を有する、遠位端190とを備えることができる。いくつかの実施例では、保定部分130は、圧潰または圧縮位置から展開位置に遷移可能である。例えば、保定部分130は、保定部分130がその流体収集位置に前進されると、保定部分130(例えば、漏斗部分)が半径方向外向きに展開状態に拡張するように、半径方向外向きに付勢されることができる。
尿管カテーテル112の保定部分130は、圧潰状態から展開状態に遷移可能な種々の好適な材料から作製されることができる。一実施例では、保定部分130は、ニチノール等の感温形状記憶材料から形成される、尖叉または伸長部材のフレームワークを備える。いくつかの実施例では、ニチノールフレームは、シリコン等の好適な防水材料で被覆され、テーパ状部分または漏斗を形成することができる。その場合、流体は、保定部分130の内側表面186を辿って排出管腔124の中に流動することが可能にされる。他の実施例では、保定部分130は、図37Aおよび37Bに図示されるように、漏斗形状の保定部分を形成するように屈曲または成形される、種々の剛性または部分的剛性シートもしくは材料から形成される。
いくつかの実施例では、尿管カテーテル112の保定部分は、刺激を尿管および腎盂の隣接する組織内の神経ならびに筋線維に提供するための1つ以上の機械的刺激デバイス191を含むことができる。例えば、機械的刺激デバイス191は、カテーテル管122の側壁の一部内に埋設され、またはそれに隣接して搭載され、低レベルの振動を発するように構成される、線形または環状アクチュエータを含むことができる。いくつかの実施例では、機械的刺激は、尿管および/または腎盂の一部に提供され、負圧の印加によって取得される治療上の効果を補完または修正することができる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、そのような刺激は、例えば、尿管および/または腎盂と関連付けられた神経を刺激すること、ならびに/もしくは蠕動筋肉を作動させることによって、隣接する組織に影響を及ぼすと考えられる。神経の刺激および筋肉の活性化は、周囲組織ならびに器官内の圧力勾配または圧力レベルの変化をもたらし得、これは、負圧療法の治療上の利点に寄与する、またはある場合には、それを向上させ得る。
図38Aおよび38Bを参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル312の保定部分330は、螺旋構造332および螺旋構造332の近位に位置付けられる膨張可能要素またはバルーン350内に形成され、腎盂および/または流体収集場所内に付加的保定度を提供するための遠位部分318を有する、カテーテル管322を備える。バルーン350は、バルーンを腎盂または尿管内に保定するために十分であるが、これらの構造の膨張または損傷を回避するために十分に低い圧力まで膨張されることができる。好適な膨張圧力は、当業者に公知であって、試行錯誤によって容易に判別可能である。前述の実施例におけるように、螺旋構造332は、カテーテル管322を屈曲させ、1つ以上のコイル334を形成することによって付与されることができる。コイル334は、上記に説明されるように、一定または可変直径および高さを有することができる。カテーテル管322はさらに、カテーテル管322の側壁上に配置され、尿がカテーテル管322の排出管腔324の中に引き出され、例えば、コイル334の内向きに面した側および/または外向きに面した側上の排出管腔324を通して身体から指向されることを可能にする、複数の排出ポート336を備える。
図38Bに示されるように、膨張可能要素またはバルーン350は、例えば、略ハート形状の断面を有し、空洞353を画定する表面またはカバー352を備える、環状バルーン状構造を備えることができる。空洞353は、カテーテル管322によって画定された排出管腔324と平行に延在する膨張管腔354と流体連通する。バルーン350は、腎盂のテーパ状部分内に挿入され、その外側表面356が尿管および/または腎盂の内側表面に対して接触および静置するように、膨張されるように構成されることができる。膨張可能要素またはバルーン350は、縦方向および半径方向内向きにカテーテル管322に向かって延在するテーパ状内側表面358を備えることができる。内側表面358は、尿をカテーテル管322に向かって排出管腔の324中に引き出されるように指向するように構成されることができる。内側表面358はまた、膨張可能要素またはバルーン350の周縁の周囲等、流体が尿管内に滞留することを防止するように位置付けられることができる。膨張可能保定部分またはバルーン350は、望ましくは、腎盂内に嵌合するように定寸され、約10mm~約30mmに及ぶ直径を有することができる。
図39A-40Cを参照すると、いくつかの実施例では、保定部分410を備える尿管カテーテル412を含む、アセンブリ400が、図示される。保定部分410は、カテーテル管422の遠位端421に取り付けられる、多孔性および/またはスポンジ状材料から形成される。多孔性材料は、尿を運び、および/または吸収し、尿をカテーテル管422の排出管腔424に向かって指向するように構成されることができる。保定部分410は、外側表面と、内側表面とを有する、漏斗状支持体に構成されることができ、外側周縁1002または保護表面積1001は、漏斗状支持体の外側表面を備え、多孔性材料内の1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔は、多孔性材料内に、または漏斗状支持体の内側表面426上に配置されることができる。
図40に示されるように、保定部分410は、患者の腎盂内への挿入および保定のために構成される、多孔性楔形状の構造であることができる。多孔性材料は、複数の孔および/またはチャネルから成る。流体は、例えば、重力によって、またはカテーテル412を通した負圧の誘発に応じて、チャネルおよび孔を通して引き出されることができる。例えば、流体は、孔および/またはチャネルを通して楔形状の保定部分410に進入することができ、例えば、毛細管作用、蠕動によって、もしくは孔および/またはチャネル内での負圧の誘発の結果として、排出管腔424の遠位開口部420に向かって引き出される。他の実施例では、図40に示されるように、保定部分410は、多孔性スポンジ状材料から形成される中空漏斗構造を備える。矢印Aによって示されるように、流体は、漏斗構造の内側表面426を辿ってカテーテル管422によって画定された排出管腔424の中に指向される。また、流体は、側壁428の多孔性スポンジ状材料内の孔およびチャネルを通して保定部分410の漏斗構造に進入することができる。例えば、好適な多孔性材料は、ポリウレタンエーテル等の連続気泡ポリウレタン発泡体を含むことができる。好適な多孔性材料はまた、銀等の抗菌性添加剤の有無を問わず、かつヒドロゲル、親水コロイド、アクリル、またはシリコーン等の材料特性を修正するための添加剤の有無を問わず、例えば、ポリウレタン、シリコーン、ポリビニルアルコール、綿、またはポリエステルから成る、織布または不織布の層の積層を含むことができる。
図41を参照すると、別の実施例によると、尿管カテーテル512の保定部分500は、拡張可能ケージ530を備える。拡張可能ケージ530は、1つ以上の縦方向および半径方向に延在する中空管522を備える。例えば、管522は、ニチノール等の弾性形状記憶材料から形成されることができる。ケージ530は、患者の尿路を通した挿入のための収縮状態から、患者の尿管および/または腎臓内に位置付けるための展開状態に遷移するように構成される。中空管522は、管、例えば、その半径方向内向きに面した側上に位置付けられ得る、複数の排出ポート534を備える。ポート534は、流体がポート534を通して個別の管522の中に流動する、または引き出されることを可能にするように構成される。流体は、中空管522を通して尿管カテーテル512のカテーテル本体526によって画定された排出管腔524の中に排出される。例えば、流体は、図41における矢印532によって示される経路に沿って流動することができる。いくつかの実施例では、負圧が腎盂、腎臓、および/または尿管内で誘発されると、尿管壁ならびに/もしくは腎盂の一部は、中空管522の外向きに面した表面に対して牽引され得る。排出ポート534は、尿管および/または腎臓への負圧の印加に応じて、尿管構造によって著しく閉塞されないように位置付けられ、構成される。
いくつかの実施例では、漏斗状支持体を備える、尿管カテーテルは、尿道を通して膀胱の中へと導管を使用して、患者の尿路の中に、より具体的には、腎盂領域/腎臓内に展開されることができる。漏斗状支持体6100は、圧潰状態(図36に示される)にあって、尿管シース6102内に納置される。尿管カテーテルを展開するために、医療従事者は、膀胱鏡を尿道の中に挿入し、ツールが膀胱に進入するためのチャネルを提供するであろう。尿管口は、可視化され、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端が腎盂に到達するまで、膀胱鏡および尿管を通して挿入されるであろう。膀胱鏡は、可能性として、除去され、「プッシャ管」が、ガイドワイヤにわたって腎盂まで送られるであろう。ガイドワイヤは、「プッシャ管」が定位置に留まり、展開シースとして作用する間、除去されるであろう。尿管カテーテルは、プッシャ管/シースを通して挿入され、カテーテル先端は、いったんプッシャ管/シースの端部を越えて延在すると、作動されるであろう。漏斗状支持体は、半径方向に拡張し、展開位置をとるであろう。
例示的尿管ステント:
ここで図1Aを参照すると、いくつかの実施例では、尿管ステント52、54は、近位端62と、遠位端58と、縦軸と、近位端から遠位端までの縦軸に沿って延在し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する、少なくとも1つの排出チャネルとを備える、伸長本体を備える。いくつかの実施例では、尿管ステントはさらに、ピグテールコイルまたはループを近位端または遠位端のうちの少なくとも1つの上に備える。いくつかの実施例では、尿管ステントの本体はさらに、少なくとも1つの穿孔をその側壁上に備える。他の実施例では、尿管ステントの本体は、穿孔がその側壁上に本質的にない、またはない。
本システムおよび方法において有用であり得る、尿管ステント52、54のいくつかの実施例は、CONTOURTM尿管ステント、CONTOUR VLTM尿管ステント、POLARISTMループ尿管ステント、POLARISTMウルトラ尿管ステント、PERCUFLEXTM尿管ステント、PERCUFLEXTMプラス尿管ステント、STRETCHTMVLフレキシマ尿管ステントを含み、それぞれ、Boston Scientific Corporation(Natick, Massachusetts)から市販されている。Boston Scientific Corp.の出版物(2010年7月)である、“Ureteral Stent Portfolio”(参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。CONTOURTMおよびCONTOUR VLTM尿管ステントは、体温で軟化し、365日の留置時間用に設計された、軟質PercuflexTM材料で構築される。遠位および近位端上の可変長コイルは、1つのステントが種々の尿管長に適合することを可能にする。固定長ステントは、20cm~30cmに及ぶ長さを伴う6F~8Fであることができ、可変長ステントは、22~30cmの長さを伴う4.8F~7Fであることができる。好適な尿管ステントの他の実施例は、INLAY(R)尿管ステント、INLAY(R)OPTIMA(R)尿管ステント、BARDEX(R)二重ピグテール尿管ステント、およびFLUORO-4TMシリコーン尿管ステントを含み、それぞれ、C.R. Bard, Inc.(Murray Hill, NJ)から市販されている。“Ureteral Stents”,http://www.bardmedical.com/products/kidney-stone-management/ureteral-stents/(2018年1月21日)(参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
ステント52、54は、所望に応じて、患者の一方または両方の腎臓もしくは腎臓面積(腎盂または腎盂に隣接する尿管)内に展開されることができる。典型的には、これらのステントは、それを通してニチノールワイヤを有するステントを、尿道および膀胱を通して腎臓まで挿入し、次いで、ニチノールワイヤをステントから抜去し、ステントが展開構成をとることを可能にすることによって展開される。上記のステントの多くは、平面ループ58、60を遠位端上に有し(腎臓内で展開されるために)、いくつかのものはまた、平面ループ62、64をステントの近位端上に有し、これは、膀胱内で展開される。ニチノールワイヤが、除去されると、ステントは、事前に応力がかけられた平面ループ形状を遠位および/または近位端においてとる。ステントを除去するために、ニチノールワイヤは、ステントを直線化するために挿入され、ステントは、尿管および尿道から抜去される。
好適な尿管ステント52、54の他の実施例は、PCT特許出願公開第WO2017/019974号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。いくつかの実施例では、例えば、第WO2017/019974号の図1-7および本明細書の図3(第WO2017/019974号の図1と同一である)に示されるように、尿管ステント100は、近位端102と、遠位端104と、縦軸106と、外側表面108と、内側表面110であって、近位端102から遠位端104までの縦軸106に沿って延在する、変形可能ボア111を画定する、内側表面110とを備える、伸長本体101と、本体101の外側表面108から離れるように半径方向に突出する、少なくとも2つのフィン112とを備えることができ、変形可能ボア111は、(a)縦方向に開放したチャネル116を画定する開放ボア114を備える、デフォルト配向113A(図59の左に示される)と、(b)縦方向に本質的に閉鎖された排出チャネル120を伸長本体101の縦軸106に沿って画定する、少なくとも本質的に閉鎖されたボア118または閉鎖されたボアを備える、第2の配向113B(図59の右に示される)とを備え、変形可能ボア111は、本体101の外側表面108の少なくとも一部に印加されている半径方向圧縮力122に応じて、デフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動可能である。
いくつかの実施例では、図3に示されるように、尿管ステント100の排出チャネル120は、直径Dを有し、これは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて低減され、直径は、変形可能ボア111を通した尿流が低減されるであろう点を上回る点まで低減可能である。いくつかの実施例では、直径Dは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて、最大約40%低減される。いくつかの実施例では、デフォルト配向113Aにおける直径Dは、約0.75~約5.5mm、または約1.3mm、もしくは約1.4mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、第2の配向113Bにおける直径Dは、約0.4~約4mmまたは約0.9mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112は、Shore硬度スケールに基づいて軟質~中軟質である、可撓性材料から成る。いくつかの実施例では、本体101は、Shore硬度スケールに基づいて中硬質~硬質である、可撓性材料から成る。いくつかの実施例では、1つ以上のフィンは、硬度約15A~約40Aを有する。いくつかの実施例では、本体101は、硬度約80A~約90Aを有する。いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112および本体101は、例えば、硬度約40A~約70Aを有する、Shore硬度スケールに基づいて中軟質~中硬質である、可撓性材料から成る。
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112および本体101は、例えば、硬度約85A~約90Aを有する、Shore硬度スケールに基づいて中硬質~硬質である、可撓性材料から成る。
いくつかの実施例では、デフォルト配向113Aおよび第2の配向113Bは、変形可能ボア111を通してに加え、ステント100の外側表面108の周囲でも流体または尿流を支持する。
いくつかの実施例では、1つ以上のフィン112は、近位端102から遠位端104まで縦方向に延在する。いくつかの実施例では、ステントは、2つ、3つ、または4つのフィンを有する。
いくつかの実施例では、本体の外側表面108は、デフォルト配向113Aでは、約0.8mm~約6mmまたは約3mmに及ぶ外径を有する。いくつかの実施例では、本体の外側表面108は、第2の配向113Bでは、約0.5mm~約4.5mmまたは約1mmに及ぶ外径を有する。いくつかの実施例では、1つ以上のフィンは、約0.25mm~約1.5mmまたは約1mmに及ぶ幅もしくは先端を有し、本体の外側表面108から縦軸と略垂直方向に突出する。
いくつかの実施例では、半径方向圧縮力が、正常尿管生理学、異常尿管生理学、または任意の外力の印加のうちの少なくとも1つによって提供される。いくつかの実施例では、尿管ステント100は、意図的に、動的尿管環境に適合し、尿管ステント100は、近位端102と、遠位端104と、縦軸106と、外側表面108と、内側表面110であって、近位端102から遠位端104までの縦軸106に沿って延在する変形可能ボア111を画定する、内側表面110とを備える、伸長本体101を備え、変形可能ボア111は、(a)縦方向に開放したチャネル116を画定する開放ボア114を備える、デフォルト配向113Aと、(b)縦方向に本質的に閉鎖されたチャネル120を画定する少なくとも本質的に閉鎖されたボア118を備える、第2の配向113Bとを備え、変形可能ボアは、半径方向圧縮力122が本体101の外側表面108の少なくとも一部に印加されていることに応じて、デフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動可能であって、本体101の内側表面110は、直径Dを有し、これは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて低減され、直径は、変形可能ボア111を通した流体流が低減されるであろう点を上回る点まで低減可能である。いくつかの実施例では、直径Dは、変形可能ボア111がデフォルト配向113Aから第2の配向113Bに移動することに応じて、最大約40%低減される。
好適な尿管ステントの他の実施例は、米国特許出願公開第US2002/0183853A1号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。いくつかの実施例では、例えば、第US2002/0183853A1号の図4、5、および7、ならびに本明細書の図4-6(第US2002/0183853A1号の図1、4、5、および7と同一である)に示されるように、尿管ステントは、近位端12と、遠位端14(図示せず)と、縦軸15と、近位端12から遠位端14までの縦軸15に沿って延在し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持する、少なくとも1つの排出チャネル(例えば、図4では26、28、30、図5では32、34、36、および38、図6では48)とを備える、伸長本体10を備える。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その少なくとも縦方向部分に沿って部分的に開放される。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その少なくとも縦方向部分に沿って閉鎖される。いくつかの実施例では、少なくとも1つの排出チャネルは、その縦方向長に沿って閉鎖される。いくつかの実施例では、尿管ステントは、半径方向に圧縮性である。いくつかの実施例では、尿管ステントは、半径方向に圧縮性であって、少なくとも1つの排出チャネルを狭小化させる。いくつかの実施例では、伸長本体10は、伸長本体10の縦軸15に沿って、少なくとも1つの外部フィン40を備える。いくつかの実施例では、伸長本体は、1~4つの排出チャネルを備える。排出チャネルの直径は、上記に説明されるものと同一であることができる。
負圧を誘発するためのシステム
いくつかの実施例では、患者の尿路の一部内に負圧を誘発するため、または流体を患者の尿路から除去するためのシステムが、提供され、患者の腎臓のうちの少なくとも1つと膀胱との間の流体流の開存性を維持するための尿管ステントまたは尿管カテーテルと、流体を患者の膀胱から排出するための排出管腔を備える、膀胱カテーテルと、排出管腔の遠位端と流体連通する、ポンプであって、ポンプを作動させ、負圧をカテーテルの近位端に印加し、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去するように構成される、コントローラを備える、ポンプとを備える。
いくつかの実施例では、患者の尿路の一部内に負圧を誘発するためのシステムが、提供され、本システムは、(a)患者の腎臓内の挿入のための遠位部分と、近位部分とを備える、尿管カテーテルと、(b)患者の膀胱内の挿入のための遠位部分と、負圧の印加のための近位部分であって、患者の身体の外側に延在する近位部分とを備える、膀胱カテーテルと、(c)膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加のために患者の身体の外部にあり、ひいては、腎臓からの流体を、尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる、ポンプとを備える。
いくつかの実施例では、患者の尿路の一部内に負圧を誘発するためのシステムが、提供され、本システムは、(a)少なくとも1つの尿管カテーテルであって、患者の腎臓内の挿入のための遠位部分と、近位部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、(b)患者の膀胱内の挿入のための遠位部分と、負圧源から負圧を受容するための近位部分とを備える、膀胱カテーテルであって、少なくとも1つの尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルのうちの少なくとも1つは、(a)近位部分と、(b)遠位部分であって、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を備え、カテーテルを通した負圧の印加に応じて、粘膜組織が1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を閉塞することを阻止する、外側周縁または保護表面積を確立するように構成される、保定部分を備える、遠位部分とを備える、膀胱カテーテルと、(c)膀胱カテーテルおよび尿管カテーテルの両方を通した負圧の印加のための負圧源であって、ひいては、腎臓からの流体を、尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させる、負圧源とを備える。
いくつかの実施例では、患者の尿路の一部内に負圧を誘発するためのシステムであって、本システムは、(a)少なくとも1つの尿管カテーテルであって、患者の腎臓内の挿入のための遠位部分と、近位部分とを備える、少なくとも1つの尿管カテーテルと、(b)患者の膀胱内の挿入のための遠位部分と、圧力差を受容するための近位部分とを備える、膀胱カテーテルとを備え、圧力差は、腎臓からの流体を、尿管カテーテルの中に、尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの両方を通して、次いで、患者の身体の外側に引き出させ、圧力差は、それを通した流体流を増加させる、減少させる、および/または維持するように印加され、少なくとも1つの尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルのうちの少なくとも1つは、(a)近位部分と、(b)遠位部分であって、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を備え、カテーテルを通した圧力差の印加に応じて、粘膜組織が1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を閉塞することを阻止する、外側周縁または保護表面積を確立するように構成される、保定部分を備える、遠位部分とを備える。
図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、および7Bを参照すると、腎臓潅流を増加させるために負圧を患者の尿路内に誘発するための例示的システム1100が、図示される。システム1100は、負圧を発生させるために流体ポンプ2000に接続される、1つまたは2つの尿管カテーテル1212(または代替として、図1Aに示される尿管ステント)を備える。より具体的には、患者の尿路は、患者の右腎2および左腎4を備える。腎臓2、4は、血液濾過および尿を通した身体からの廃棄化合物のクリアランスに関与する。右腎2および左腎4によって産生された尿または流体は、患者の膀胱10の中に、尿細管、すなわち、腎盂20、21において腎臓に接続される、右尿管6および左尿管8を通して排出される。尿は、尿管壁の蠕動ならびに重力によって、尿管6、8を通して伝導され得る。尿管6、8は、尿管口または開口部16を通して、膀胱10に進入する。膀胱10は、尿が身体から排泄されるまで尿を収集するように適合される、可撓性かつ実質的に中空の構造である。膀胱10は、空位置(参照線Eによって示される)から満杯位置(参照線Fによって示される)まで遷移可能である。通常、膀胱10が実質的に満杯状態に到達すると、流体または尿は、膀胱10から尿道12に膀胱10の下側部分に位置する尿道括約筋または開口部18を通して排出することが可能にされる。膀胱10の収縮は、尿管開口部16と尿道開口部18の間に延在する三角形領域である、膀胱10の三角部領域14上に付与される応力および圧力に応答し得る。三角部領域14は、膀胱10が充填し始めるにつれて、三角部領域14上にかかる圧力が増加するように、応力および圧力に敏感である。三角部領域14上の閾値圧力を超えると、膀胱10は、収縮し始め、収集された尿を尿道12を通して排出する。
図1、2A、7A、および7Bに示されるように、尿管カテーテルの遠位部分は、腎臓2、4の近傍の腎盂20、21内で展開される。カテーテル1212のうちの1つ以上のものの近位部分は、膀胱の中に、尿道の中に入り込む、または身体の外側に出る。いくつかの実施例では、尿管カテーテル1212の近位部分1216は、膀胱カテーテル56、116の遠位部分または端136と流体連通する。膀胱カテーテル56、116の近位部分1216は、流体ポンプ2000等の負圧源に接続される。コネクタの形状およびサイズは、使用されているポンプ2000のタイプに基づいて選択されることができる。いくつかの実施例では、コネクタは、特定のポンプタイプのみに接続され得るように、明確に異なる構成を伴って製造されることができ、これは、負圧を患者の膀胱、尿管、または腎臓内に誘発するために安全であると見なされる。他の実施例では、本明細書に説明されるように、コネクタは、種々の異なるタイプの流体ポンプへの取付のために適合される、より汎用構成であることができる。システム1100は、本明細書に開示される膀胱カテーテルと併用され得る、負圧を誘発するための負圧システムの一実施例にすぎない。
ここで図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、7B、17を参照すると、いくつかの実施例では、システム50、100は、膀胱カテーテル116を備える。尿管カテーテル112、114の遠位端120、121は、直接、膀胱の中に排出することができ、流体は、膀胱カテーテル116を通して、随意に、膀胱カテーテル管の側面に沿って、排出されることができる。
例示的膀胱カテーテル
本明細書に開示される尿管カテーテルのいずれかは、本方法およびシステムにおいて有用な膀胱カテーテルとして使用されることができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116は、尿収集アセンブリ100の留置部分を係留し、保定し、および/またはそのための受動固定を提供し、いくつかの実施例では、使用の間、アセンブリ構成要素の早期ならびに/もしくは意図されない除去を防止するための保定部分123もしくは展開可能シールおよび/またはアンカ136を備える。保定部分123またはアンカ136は、患者の膀胱10(図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、7B、17に示される)の下壁に隣接して位置し、患者運動および/または留置カテーテル112、114、116に印加される力が尿管に伝達されないように防止するように構成される。膀胱カテーテル116は、尿を膀胱10から外部尿収集容器712(図44に示される)に伝導させるように構成される排出管腔140を画定する、内部を備える。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116の管サイズは、約8Fr~約24Frに及ぶことができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116は、約2.7~約8mmに及ぶ管外径を有することができる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116は、約2.16~約10mmに及ぶ内径を有することができる。膀胱カテーテル116は、性別および/または患者サイズのための解剖学的差異に適応するために異なる長さで利用可能であり得る。例えば、平均女性尿道長は、わずか数インチであって、したがって、管138の長さは、かなり短くあり得る。男性の平均尿道長は、陰茎に起因してより長く、ばらつきがあり得る。女性が、過剰管類がカテーテル116の操作および/またはその滅菌部分の汚染の防止における困難を増加させないことを前提として、より長い長さの管138を伴う膀胱カテーテル116を使用し得ることも可能性として考えられる。いくつかの実施例では、膀胱カテーテル116の滅菌および留置部分は、約1インチ~3インチ(女性)~約20インチ(男性)に及ぶことができる。滅菌および非滅菌部分を含む、膀胱カテーテル116の全長は、1~数フィートであることができる。
図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、および7Bに示されるようないくつかの実施例では、膀胱カテーテル56、116の遠位部分136は、1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔142を含み、ポンプ710、2000による負圧の印加に応じて、粘膜組織が1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔142を閉塞することを阻止する、外側周縁1002または保護表面積1001を確立するように構成される、保定部分123を備える。
保定部分123が管138を備える、いくつかの実施例では、管138は、尿を排出管腔140の中に引き出すために膀胱10内に位置付けられるように構成される、1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔142を備えることができる。例えば、尿管カテーテル112、114から患者の膀胱10の中に流動する流体または尿は、膀胱10からポート142および排出管腔140を通して放出される。排出管腔140は、負圧に加圧され、流体収集を補助してもよい。
図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、および7Bに示されるようないくつかの実施例では、上記に議論される尿管カテーテルのような膀胱カテーテル56、116の1つ以上の排出孔、ポート、もしくは穿孔142、172は、保定部分123の保護された表面積または内側表面積1000上に配置され、負圧の印加に応じて、粘膜組織1003、1004は、膀胱カテーテル56、116の保定部分173の外側周縁1002または保護表面積1001上に共形化もしくは圧潰し、それによって、膀胱カテーテル56、116の保護された排出孔、ポート、または穿孔172のうちの1つ以上のものを閉塞することを防止もしくは阻止される。
図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2B、7A、および7Bを具体的に参照すると、保定部分123もしくは展開可能シールおよび/またはアンカ136が、膀胱カテーテル116の遠位端148に、またはそれに隣接して配置される。保定部分123または展開可能アンカ136は、膀胱10の中への尿道12および尿道開口部18を通した挿入のための収縮状態と、展開状態との間を遷移するように構成される。保定部分123または展開可能アンカ136は、膀胱10の下側部分内に展開され、かつそれに隣接して、および/または尿道開口部18に対して着座されるように構成される。例えば、保定部分123または展開可能アンカ136は、尿道開口部18に隣接して位置付けられ、膀胱10に印加される負圧の吸引を向上させ、または膀胱10を部分的に、実質的に、もしくは完全にシールし、膀胱10内の尿が排出管腔140を通して指向されることを確実にし、尿道12への漏出を防止することができる。8Fr~24Frの伸長管138を含む、膀胱カテーテル116に関して、保定部分123または展開可能アンカ136は、展開状態では、約10mm~約100mmの直径を有することができる。
例示的膀胱アンカ構造
本明細書に開示される尿管カテーテルのいずれかは、本方法およびシステムにおいて有用な膀胱カテーテルとして使用されることができる。例えば、膀胱カテーテルは、図1A、1B、および7Bに示されるような膀胱アンカとしてメッシュを備えることができる。別の実施例では、膀胱カテーテル116は、図1C-1Wおよび7Aに示されるような膀胱アンカとしてコイル36、38、40、183、184、185、334、1210を備えることができる。別の実施例では、膀胱カテーテル116は、図7Bに示されるような膀胱アンカとしてメッシュ漏斗57を備えることができる。別の実施例では、膀胱カテーテル116は、図17に示されるような膀胱アンカとして漏斗150を備えることができる。選択される実施形態にかかわらず、保定部分123は、外側周縁1002または保護表面積1001を生成し、組織1003、1004が負圧下で流体柱に収縮または圧潰することを防止する。
いくつかの実施例では、保定部分123は、図2Aおよび7A-14に関連して説明される尿管カテーテルの保定部分に類似するコイル状保定部分を備える。図1C-1E、1U-1Wに示されるようないくつかの実施例では、コイル状保定部分123は、螺旋コイル36、38、40、または438、436、432の外側周縁1002もしくは外側領域が、膀胱組織1004に接触してそれを支持し、螺旋コイル36、38、40、または438、436、432の保護された表面積もしくは内側表面積内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート、または穿孔172の閉塞または妨害を阻止するように配列される、複数の螺旋コイル36、38、40、または438、436、432を備えることができる。
コイル状保定部分123は、外径D1(図1E参照)を有する、少なくとも第1のコイル36、438と、外径D2を有する、少なくとも第2のコイル38、436と、外径D3を有する、少なくとも第3のコイル40、432とを備えることができる。最遠位または第3のコイル40、432の直径D3は、第1のコイル36、438または第2のコイル38、436のいずれかの直径より小さくあり得る。故に、コイル36、38、40、または438、436、432の直径、および/または隣接するコイル36、38、40、もしくは438、436、432の間の段階距離または高さは、規則的もしくは不規則的な様式で変動し得る。いくつかの実施例では、複数のコイル36、38、40、または438、436、432は、D1>D2>D3である、テーパ状または逆角錐形状を形成することができる。いくつかの実施例では、コイル状保定部分123は、複数の同様に定寸されたコイルを備えることができる、または、例えば、複数の近位の同様に定寸されたコイルと、複数のコイルのうちの他のコイルより小さい直径を有する最遠位コイルとを含むことができる。コイル36、38、40、または438、436、432の直径、および隣接するコイルの間の距離もしくは高さは、保定部分123が、数時間、数日、または最大約6ヶ月等の所望の時間周期にわたって膀胱内に留まるように選択される。コイル状保定部分123は、膀胱10内に留まり、カテーテルが膀胱10から除去される準備ができるまで尿道の中へ通過しないように、十分に大型であり得る。例えば、最近位または第1のコイル36、438の外径D1は、約2mm~80mmに及ぶことができる。第2のコイル38、436の外径D2は、約2mm~60mmに及ぶことができる。最遠位または第3のコイル40、432は、約1mm~45mmに及ぶ外径D3を有することができる。コイル管の直径は、約0.33mm~9.24mm(約1Fr~約28Fr(フレンチカテーテルスケール)に及ぶことができる。
孔、ポート、または穿孔142、172の構成、サイズ、および位置は、尿管または他のカテーテルに関して上記に議論される構成、サイズ、および位置のうちのいずれかであり得る。いくつかの実施例では、孔、ポート、または穿孔142は、外側周縁1002または保護表面積1001上に存在し、保護された孔、ポート、もしくは穿孔172は、保護された表面積または内側表面積1000上に存在する。いくつかの実施例では、外側周縁1002または保護表面積1001は、孔、ポート、または穿孔142が本質的になく、もしくはなく、保護された孔、ポート、または穿孔172は、保護された表面積もしくは内側表面積1000上に存在する。
図1U-1Wに示される保定部分416は、伸長管418の略線形または直線部分430に巻着される複数のコイルを備える、コイル状保定部分である。いくつかの実施例では、コイル状保定部分416は、直線部分430と、伸長管418内の約90度~180度の屈曲部434から形成される最遠位コイル432とを備える。保定部分416はさらに、直線部分430に巻着される、第2または中央コイル436および第3または最近位コイル438等の1つ以上の付加的コイルを備える。伸長管418はさらに、最近位コイル438の後に遠位端440を備えることができる。遠位端440は、閉鎖されることができる、または膀胱10から尿もしくは流体を受容するように開放することができる。
拡張可能保定部分16の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分123によって画定される3次元形状32の2次元スライス34(図1Eに示される)の面積は、拡張または展開された保定部分123の遠位端22に向かって減少し、保定部分123に角錐または逆円錐形状を与えることができる。いくつかの実施例では、展開または拡張された保定部分132の中心軸Aを横断する平面内の展開または拡張された保定部分123によって画定される3次元形状32の最大断面積は、約100mm2~1,500mm2、または約750mm2に及ぶことができる。
カテーテルデバイス10の他の実施例が、図1F-1Jに示される。カテーテルデバイス10の保定部分123は、後退位置では管12の遠位部分内に配置されるように、かつ展開位置では管12の遠位端から延在するように構成される、膀胱上壁支持体210または外側周縁1002のバスケット形構造または支持キャップ212を備える。膀胱上壁支持体210は、上壁または膀胱組織1004を支持するように構成される支持キャップ212と、支持キャップ212の近位表面に接続される脚部214等の複数の支持部材とを備える。脚部214は、キャップ212が排出管12の開放遠位端から離間するように位置付けられることができる。例えば、脚部214は、管12の開放遠位端30と支持キャップ212との間で距離D1の間隙、空洞、または空間を維持するように構成されることができる。距離D1は、約1mm~約40mmまたは約5mm~約40mmに及ぶことができる。膀胱上壁支持体210または保定部分の高さD2は、約25mm~約75mm、もしくは約40mmに及ぶことができる。支持キャップ212の最大直径は、展開状態では約25mm~約60mmに及び、好ましくは、約35mm~45mmに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、脚部214は、ニッケルチタン等の可撓性または形状記憶材料から形成され得る、可撓性尖叉を備える。脚部の数は、約3~約8に及ぶことができる。各脚部の長さは、約25mm~約100mmに及ぶ、または展開機構が患者の身体の外部にある場合、より長くあり得る。各脚部の幅および/または厚さ、例えば、直径は、約0.003インチ~約0.035インチに及ぶことができる。
いくつかの実施例では、支持キャップ212は、脚部214に搭載され、それによって支持される、可撓性カバー216であり得る。可撓性カバー216は、流体がカバー216を通して通過することを防止するためのシリコーンまたはTeflon(R)等の可撓性、軟質、および/または弾性材料、多孔性材料、もしくはそれらの組み合わせから形成されることができる。いくつかの実施例では、可撓性材料は、シリコーンまたはTeflon(R)材料もしくは多孔性材料等の、粘膜内層に隣接して位置付けられたときに、膀胱壁または尿道の粘膜内層を著しく摩耗、刺激、または損傷しない材料から形成される。カバー216の厚さは、約0.05mm~約0.5mmに及ぶことができる。いくつかの実施例では、可撓性カバー216および脚部214は、カバー216および脚部214が、上壁または膀胱組織1004によって接触されたときにそれらの形態を維持するように、十分に構造的に剛性である。故に、脚部214および可撓性カバー216は、膀胱が圧潰し、保定部分6上の穿孔および/または管12の開放遠位端30を閉塞することを防止する。また、脚部214および可撓性カバー216は、負圧が尿を膀胱ならびに排出管12の中に引き込み得るように、効果的に三角部領域および尿管口を開放した状態に保つ。本明細書に議論されるように、膀胱が過剰に圧潰することを可能にされた場合、組織弁が、尿管開口部にわたって延在し、それによって、負圧が尿管カテーテル、尿管ステント、および/または尿管に伝達されないように防止し、それによって、膀胱の中への尿の引き込みを阻止するであろう。
いくつかの実施例では、カテーテルデバイス10はさらに、排出管218を備える。図1G-1Jに示されるように、排出管218は、管12の開放遠位端30に隣接して位置付けられる、またはそこから延在する、開放遠位端220を備えることができる。いくつかの実施例では、排出管218の開放遠位端220は、膀胱から排出管218の内部の中に尿を引き込むための唯一の開口部である。他の実施例では、排出管218の遠位部分は、図1Jに示されるように、その上の側壁222上に穿孔(図1G-1Iに示されていない)または孔、ポート、もしくは穿孔174を備えてもよい。孔、ポート、または穿孔174は、尿を排出管218の内部の中に引き込むための付加的空間を提供し、それによって、排出管218の開放遠位端220が閉塞された場合でさえも、流体収集が継続し得ることを確実にすることができる。また、孔、ポート、または穿孔174は、流体を排出管218の中に引き込むために利用可能な表面積を増加させ、それによって、効率および/または流体収集収率を増加させることができる。
いくつかの実施例では、支持キャップ212の最遠位部分は、ゲルパッド等のスポンジまたはパッド224を備えることができる。パッド224は、負圧治療の間に、排出、吸引、または膀胱10への他の外傷を防止する目的のために、上部膀胱壁または膀胱組織1004に接触し、それに対して押圧するように位置付けられることができる。
図1Jを参照すると、膀胱上壁支持体210は、支持キャップ212と、複数の脚部214とを備える。前述で説明された実施例におけるように、膀胱上壁支持体210は、支持体210が導管または管12内で少なくとも部分的に後退される後退位置と、膀胱の上壁を支持するための展開位置との間で移動されることが可能である。いくつかの実施例では、カテーテルデバイス10はまた、導管または管12の開放遠位端30から延在する、排出管218も含む。前述で説明された実施例と異なり、図4に示される支持キャップ212は、膨張可能バルーン226を備える。膨張可能バルーン226は、略半球形であり得、展開されたときに上部膀胱壁または膀胱組織1004の少なくとも一部に接触し、それを支持するように構成される、湾曲遠位表面228を備えることができる。
いくつかの実施例では、排出管218は、管12の開放遠位端30と支持構造212との間に延在する、穿孔部分230を備える。穿孔部分230は、流体が膀胱100から除去され得るように、それを排出管218の内部の中に引き込むように位置付けられる。望ましくは、穿孔部分230は、負圧がそこに印加されるときに、展開された支持キャップ212または膀胱壁のいずれかによって閉塞されないように位置付けられる。排出管218は、バルーン226をその収縮位置から展開位置まで膨張させるために、流体またはガスをバルーン226の内部234に提供するための膨張管腔232を備える、またはそれに隣接して位置付けられることができる。例えば、図1Jに示されるように、膨張管腔232は、排出管218内に配置されることができる。
図1Kを参照すると、概して、管腔218として表される、複数のコイル状排出管腔を含む、尿収集カテーテルデバイス10の例示的保定部分6、123が、図示される。保定部分6は、遠位開放端30を有する、管12を備える。排出管腔218は、部分的に管12内に位置付けられる。展開位置では、排出管腔218は、管12の開放遠位端30から延在するように、かつコイル状配向に共形化するように構成される。排出管腔218は、カテーテルデバイス10の全長にわたって別個であり得る、または管12によって画定される単一排出管腔の中に入り込んでもよい。いくつかの実施例では、図6に示されるように、排出管腔218は、1つ以上のコイル244を有する、ピグテールコイルであり得る。前述で説明された実施例と異なり、ピグテールコイル244は、管の非コイル状部分の軸Cと同延ではない軸を中心としてコイル状である。代わりに、図6に示されるように、ピグテールコイルは、管12の軸Cと略垂直である軸Dを中心としてコイル状であり得る。いくつかの実施例では、排出管腔218は、流体を膀胱から排出管腔218の内部の中に引き込むために、図9Aまたは9Bの穿孔132、133に類似する、孔、ポート、もしくは穿孔(図1Kに示されない)を備えることができる。いくつかの実施例では、穿孔は、排出管腔のコイル状部分の半径方向内向きに面した側240および/または外向きに面した側に位置付けられることができる。前述で説明されたように、排出管腔218または管12の半径方向内向きに面した側に位置付けられる穿孔は、膀胱への負圧の印加の間に膀胱壁によって閉塞される可能性が低い。尿はまた、管12によって画定される1つ以上の排出管腔の中に直接引き込まれることもできる。例えば、穿孔230を通して排出管腔218の中に引き込まれるのではなく、尿は、直接、開放遠位端30を通して、管12によって画定される排出管腔の中に引き込まれることができる。
図1Lおよび1Mを参照すると、保定部分123の別の実施例が、示される。カテーテルデバイス10aの流体受容部分または遠位端部分30aが、図1Lでは収縮位置に、図1Mでは展開位置に示される。遠位端30aは、上部または下部膀胱壁1004を支持するための対向する膀胱壁支持体19a、19bを含む。例えば、遠位端部分30aは、近位シース20aと、遠位シース22aとを備えることができる。各シース20a、22aは、摺動可能リングまたはカラー24aと定常もしくは搭載リングまたはカラー28aとの間に延在する。シース20a、22aは、シリコンまたは本明細書に議論される材料のうちのいずれか等の可撓性の非多孔性材料から形成される。シース20a、22aは、1つ以上の可撓性ワイヤもしくはケーブル26aによってともに保持される。シース20a、22aはまた、支持体32a等の1つ以上の剛性部材によって接続されることもできる。いくつかの実施例では、支持体32aは、ニッケルチタン等の可撓性形状記憶材料から形成される尖叉であり得る。支持体32aは、近位シース20aのための支持を提供するように、かつ遠位端30aが展開位置にあるときに圧潰することを防止するように、位置付けられる。収縮位置では、カラー24a、28aは、シース20a、22aがケーブル26aおよび支持体32aに対して伸張または折畳されるように、相互から離れて位置付けられる。展開位置では、摺動可能カラー24aは、定常カラー28aに向かって移動され、シース20a、22aが、中心ケーブル26aから折畳解除されること、および略平坦な円盤形状構造を形成することを可能にする。
使用時、カテーテルデバイス10aの遠位端30aは、収縮位置で患者の膀胱の中に挿入される。いったん膀胱内に挿入されると、遠位シース22aは、定常カラー28aに向かって遠位方向に摺動可能カラー24aを摺動させることによって解放される。いったん遠位シース22aが展開されると、近位シース20aは、個別の定常カラー28aに向かって近位方向に摺動可能カラー24aを摺動させることによって、類似様式で解放または展開される。本時点で、近位シース20aは、膀胱内で浮動しており、膀胱の下壁に対して位置付けられない、またはシールされない。膀胱の圧潰によって引き起こされる、遠位シース22aに対する圧力は、支持体32aを通して近位シース20aに伝達され、近位シース20aを尿道の開口部に隣接する所望の位置に向かって移動させる。いったん近位シース20aが定位置に来ると、尿道開口部にわたるシールが、生成されてもよい。近位シース20aは、膀胱内で負圧を維持することを補助し、空気および/または尿が尿道を通して膀胱から退出することを防止する。
図1N-1Tを参照すると、保定部分123は、膀胱10の上壁に接触し、膀胱10がカテーテルデバイス10の流体ポート312または膀胱の尿管開口部のいずれかを収縮させ、閉塞することを防止するように位置付けられる、環状バルーン310等の膨張可能支持キャップを備える。いくつかの実施例では、管12の遠位端部分30は、バルーン310の中心開口部314を通して延在する。管12の遠位端部分30はまた、上部膀胱壁に接触することもできる。
ここで1Nおよび1Oを参照すると、いくつかの実施例では、管12は、バルーン310の近位に位置付けられ、管12の側壁を通して延在する、流体アクセス部分316を備える。流体アクセス部分316は、管12の中心管腔を中心として配置されるフィルタ318(図1Oに示される)を備えることができる。いくつかの実施例では、スポンジ材料320が、膀胱内の流体の増加した吸収度のために、フィルタ318にわたって位置付けられることができる。例えば、スポンジ材料320は、フィルタ318にわたって射出成型されることができる。使用時、尿は、スポンジ材料320によって吸収され、管12を通した負圧の印加に応じて、フィルタ318を通して管12の中心管腔の中に通過する。
ここで図1P-1Rを参照すると、別の実施例では、環状バルーン310等の支持キャップは、上部膀胱壁に接触し、それを支持するように構成される、略球状遠位部分322を備える。バルーン310はさらに、複数の近位に延在する葉状部324を備える。例えば、バルーン310は、バルーン310の近位の管12の一部の周囲に等距離で離間される、3つの葉状部324を備えることができる。図1Rに示されるように、流体ポート312は、隣接する葉状部324の間に位置付けられることができる。本構成では、葉状部324および球状遠位部分322は、膀胱壁に接触し、これは、膀胱壁が流体ポート312を妨害または閉塞することを防止する。
ここで図1Sおよび1Tを参照すると、別の実施例では、環状バルーン310は、扁平または伸長形状を具備する。例えば、環状バルーン310は、管12に隣接して位置付けられる、そのより狭い部分326と、その半径方向外向きに面した側に位置付けられる、拡大または球状部分328とを伴って、図1Tに示されるような略涙滴形の半径方向断面を有することができる。平坦な環状バルーン310は、膀胱内に展開されると、バルーン310の外周が尿管開口部を越えて半径方向に延在するように、膀胱の三角部領域の周縁に跨架し、随意に、それをシールするように構成される。例えば、患者の膀胱内に位置付けられると、バルーン310の中心開口部314は、三角部領域の上方に位置付けられるように構成されることができる。流体ポート312は、図1Tに示されるように、中心部分バルーン310の近位に位置付けられることができる。望ましくは、流体ポート312は、バルーンの中心開口部314と三角部領域との間に位置付けられる。膀胱が、負圧の印加から収縮するとき、膀胱壁は、尿管開口部を妨害することを回避するように、バルーン310の外周によって支持される。故に、本構成では、バルーン310は、膀胱壁に接触し、それが流体ポート312を妨害または閉塞することを防止する。同様に、本明細書に議論されるように、バルーン310は、尿が尿管から尿管開口部を通して膀胱の中に引き込まれ得るように、三角部領域を開放した状態で保つ。
図41を参照すると、膀胱カテーテルの別の実施例では、拡張可能ケージ530は、膀胱カテーテルを膀胱内に係留することができる。拡張可能ケージ530は、膀胱カテーテルのカテーテル本体から縦方向および半径方向外向きに延在する複数の可撓性部材または尖叉を備え、これは、いくつかの実施例では、図41の尿管カテーテルの保定部分に関して上記に議論されるものに類似することができる。部材は、ニチノール等の好適な弾性かつ形状記憶材料から形成されることができる。展開位置では、部材または尖叉は、球体または楕円体中心空洞を画定するように十分な曲率が付与される。ケージは、カテーテル管または本体の開放遠位開放端に取り付けられ、管または本体によって画定された排出管腔へのアクセスを可能にする。ケージは、膀胱の下側部分内に位置付けるために定寸され、1.0cm~2.3cm、好ましくは、約1.9cm(0.75インチ)に及ぶ直径および長さを画定することができる。
いくつかの実施例では、ケージはさらに、ケージの遠位部分にわたって遮蔽体またはカバーを備え、組織、すなわち、膀胱の遠位壁が、ケージまたは部材との接触の結果として捕捉もしくは噛込されるであろう可能性を防止または低減させる。より具体的には、膀胱が収縮するにつれて、膀胱の内側遠位壁は、ケージの遠位側と接触する。カバーは、組織が噛込または捕捉されないように防止し、使用の間、患者不快感を低減させ、デバイスを保護し得る。カバーは、少なくとも部分的に、織布ポリマーメッシュ等の多孔性および/または浸透性生体適合性材料から形成されることができる。いくつかの実施例では、カバーは、空洞の全てまたは実質的に全てを封入する。いくつかの実施例では、カバーは、ケージ210の遠位約2/3、遠位約半分、または遠位約1/3部分、もしくは任意の量のみを被覆する。
ケージおよびカバーは、部材が中心部分の周囲および/または膀胱カテーテル116の周囲でともに緊密に収縮され、カテーテルまたはシースを通した挿入を可能にする、収縮位置から、展開位置に遷移可能である。例えば、形状記憶材料から構築されるケージの場合、ケージは、体温(例えば、37℃)等の十分な温度まで加温されると、展開位置に遷移するように構成されることができる。展開位置では、ケージは、好ましくは、尿道開口部より広い、直径Dを有し、患者運動が尿管カテーテル112、114を通して尿管に伝達することを防止する。部材212または尖叉の開放配列は、膀胱カテーテル216の遠位開口部248および/または排出ポートを妨害もしくは閉塞せず、カテーテル112、114の操作を実施することをより容易にする。
上記に説明される膀胱カテーテルのうちのいずれかはまた、尿管カテーテルとしても有用であり得ることを理解されたい。
膀胱カテーテルは、例えば、流体流路を画定する可撓性管類166によって、ポンプアセンブリ710等の真空源に接続される。
例示的流体センサ:
再び図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2Bを参照すると、いくつかの実施例では、システムまたはアセンブリ100、700、1100はさらに、尿管6、8および/または膀胱10から収集されている流体もしくは尿の物理的パラメータまたは流体特性を監視するための1つ以上のセンサ174を備える。患者と関連付けられる1つ以上の生理学的センサ174は、少なくとも1つの物理的パラメータを表す情報をコントローラに提供するように構成されることができる。図44に関連して本明細書に議論されるように、センサ174から取得される情報は、中央データ収集モジュールまたはプロセッサに伝送され、例えば、ポンプ710(図44に示される)等の外部デバイスの動作を制御するために使用されることができる。センサ174は、例えば、カテーテル本体または管の壁内に埋設され、排出管腔124、140と流体連通する等、カテーテル112、114、116のうちの1つ以上のものと一体的に形成されることができる。他の実施例では、センサ174のうちの1つ以上のものは、流体収集容器712(図44に示される)またはポンプ710等の外部デバイスの内部回路内に位置付けられることができる。
尿収集アセンブリ100と併用され得る例示的センサ174は、以下のセンサタイプのうちの1つ以上のものを備えることができる。例えば、カテーテルアセンブリ100は、尿の伝導性をサンプリングする、伝導率センサまたは電極を備えることができる。人尿の正常伝導率は、約5~10mS/mである。予期される範囲外の伝導率を有する尿は、患者が生理学的問題を被っており、さらなる治療または分析を要求することを示し得る。カテーテルアセンブリ100はまた、カテーテル112、114、116を通る尿の流率を測定するための流量計を備えることができる。流率は、身体から排泄される流体の総体積を判定するために使用されることができる。カテーテル112、114、116はまた、尿温度を測定するための温度計を備えることができる。尿温度は、伝導率センサと協働するために使用されることができる。尿温度はまた、生理学的正常範囲外の尿温度がある生理学的状態を示し得るため、監視目的のために使用されることができる。いくつかの実施例では、センサ174は、尿中のクレアチニンおよび/またはタンパク質の濃度を測定するように構成される、尿検体センサであることができる。例えば、種々の伝導性センサおよび光学分光法センサが、尿中の検体濃度を判定するために使用されてもよい。色変化試薬試験細片に基づくセンサもまた、本目的のために使用されてもよい。
システムの挿入方法:
尿管カテーテルおよび/または尿管ステントと、膀胱カテーテルとを備える、システム100を説明したので、尿管ステントまたは尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの挿入および展開のための方法のいくつかの実施例が、ここで、詳細に議論されるであろう。
いくつかの実施例では、患者の尿路の一部内に負圧を誘発するための方法が、提供され、本方法は、尿管カテーテルを患者の尿管の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップであって、尿管カテーテルは、患者の腎臓内の挿入のための遠位部分と、近位部分とを備える、ステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内の挿入のための遠位部分と、負圧の印加のための近位部分であって、患者の身体の外側に延在する近位部分とを備える、ステップと、負圧を膀胱カテーテルの近位端に印加し、患者の尿路の一部内に負圧を誘発し、患者から流体を除去するステップとを含む。いくつかの実施例では、尿管カテーテルまたは膀胱カテーテルのうちの少なくとも1つは、(a)近位部分と、(b)遠位部分であって、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を備え、カテーテルを通した負圧の印加に応じて、粘膜組織が1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を閉塞することを阻止する、外側周縁または保護表面積を確立するように構成される、保定部分を備える、遠位部分とを備える。
図42Aを参照すると、システムを患者の身体内に位置付け、随意に、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓等の患者の尿路内に誘発するためのステップの実施例が、図示される。ボックス610に示されるように、医療従事者または介護者が、可撓性もしくは剛性膀胱鏡を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入し、尿管口または開口部の可視化を取得する。いったん好適な可視化が取得されると、ボックス612に示されるように、ガイドワイヤが、尿道、膀胱、尿管開口部、尿管を通して、腎臓の腎盂等の所望の流体収集位置に前進される。いったんガイドワイヤが所望の流体収集位置に前進されると、本発明の尿管ステントまたは尿管カテーテル(その実施例は、上記に詳細に議論される)は、ボックス614に示されるように、ガイドワイヤにわたって流体収集位置に挿入される。いくつかの実施例では、尿管ステントまたは尿管カテーテルの場所は、ボックス616に示されるように、蛍光透視法によって確認されることができる。いったん尿管ステントまたは尿管カテーテルの遠位端の位置が確認されると、ボックス618に示されるように、尿管カテーテルの保定部分が、展開されることができる。例えば、ガイドワイヤは、カテーテルから除去され、それによって、遠位端および/または保定部分が展開位置に遷移することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、カテーテルの展開された遠位端部分は、尿がカテーテルの外側から尿管を通して膀胱の中に通過することを可能にされるように、尿管および/または腎盂を完全に閉塞しない。カテーテルを移動させることは、尿路組織に対して力を付与し得るため、尿管の完全妨害を回避し、傷害を生じさせ得る、尿管側壁への力の印加を回避する。
尿管ステントまたは尿管カテーテルが、定位置に来て展開された後、同一ガイドワイヤが、本明細書に説明される同一挿入および位置付け方法を使用して、第2の尿管ステントまたは第2の尿管カテーテルを他の尿管および/または腎臓内に位置付けるために使用されることができる。例えば、膀胱鏡が、膀胱内の他の尿管開口部の可視化を取得するために使用されることができ、ガイドワイヤは、可視化された尿管開口部を通して他の尿管内の流体収集位置に前進されることができる。第2の尿管ステントまたは第2の尿管カテーテルは、ガイドワイヤとともに牽引され、本明細書に説明される様式で展開されることができる。代替として、膀胱鏡およびガイドワイヤは、身体から除去されることができる。膀胱鏡は、第1の尿管カテーテルにわたって膀胱の中に再挿入されることができる。膀胱鏡は、第2の尿管ステントまたは第2の尿管カテーテルを位置付けるために、尿管開口部の可視化を取得し、第2のガイドワイヤを第2の尿管および/または腎臓に前進させることを補助するように、上記に説明される様式で使用される。いったん尿管ステントまたはカテーテルが定位置に来ると、いくつかの実施例では、ガイドワイヤおよび膀胱鏡は、除去される。他の実施例では、膀胱鏡および/またはガイドワイヤは、膀胱内に留まり、膀胱カテーテルの設置を補助することができる。
いくつかの実施例では、いったん尿管カテーテルが定位置に来ると、ボックス620に示されるように、医療従事者、介護者、または患者は、圧潰もしくは収縮状態における膀胱カテーテルの遠位端を患者の尿道を通して膀胱の中に挿入することができる。膀胱カテーテルは、上記で詳細に議論されるような本発明の膀胱カテーテルであることができる。いったん膀胱内に挿入されると、ボックス622に示されるように、膀胱カテーテルに接続されたおよび/またはそれと関連付けられたアンカは、展開位置に拡張される。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、ガイドワイヤおよび/または膀胱鏡を使用せずに、尿道を通して膀胱の中に挿入される。他の実施例では、膀胱カテーテルは、尿管ステントまたはカテーテルを位置付けるために使用される同一ガイドワイヤにわたって挿入される。
いくつかの実施例では、尿管ステントまたは尿管カテーテルは、展開され、少なくとも24時間またはより長く、患者の身体内に留まる。いくつかの実施例では、尿管ステントまたは尿管カテーテルは、展開され、少なくとも30日またはそれより長く、患者の身体内に留まる。いくつかの実施例では、尿管ステントまたは尿管カテーテルは、周期的に、例えば、毎週または毎月交換され、療法の期間を延長させることができる。
いくつかの実施例では、膀胱カテーテルは、尿管ステントまたは尿管カテーテルより頻繁に交換される。いくつかの実施例では、複数の膀胱カテーテルが、単一尿管ステントまたは尿管カテーテルのために、留置時間の間、連続して、設置され、除去される。例えば、医師、看護士、介護者、または患者は、自宅もしくは任意の保健医療設定において、膀胱カテーテルを患者内に設置することができる。複数の膀胱カテーテルが、キット内に、随意に、必要に応じて、設置、交換、および膀胱カテーテルと負圧源の随意の接続または容器への排出のための命令とともに、医療従事者、患者、または介護者に提供されることができる。いくつかの実施例では、負圧は、所定の晩数(1~30晩またはそれを上回る晩数等)にわたって、毎晩印加される。随意に、膀胱カテーテルは、負圧の印加の前に、毎晩交換されることができる。
いくつかの実施例では、尿は、尿道からの重力または蠕動によって排出することが可能にされる。他の実施例では、負圧が、膀胱カテーテル内で誘発され、尿の排出を促進する。任意の理論によって拘束されることを意図するわけではないが、膀胱カテーテルの近位端に印加される負圧の一部は、尿管、腎盂、または腎臓の他の部分に伝送され、腎臓からの流体または尿の排出を促進すると考えられる。
図42Bを参照すると、尿管および/または腎臓内の負圧の誘発のためのシステムを使用するためのステップが、図示される。ボックス624に示されるように、尿管ステントまたは尿管カテーテルおよび膀胱カテーテルの留置部分が、正しく位置付けられ、任意の係留/保定構造が、存在する場合、展開された後、膀胱カテーテルの外部近位端が、流体収集またはポンプアセンブリに接続される。例えば、膀胱カテーテルは、負圧を患者の膀胱、腎盂、および/または腎臓において誘発するためのポンプに接続されることができる。
いったん膀胱カテーテルおよびポンプアセンブリが接続されると、負圧が、ボックス626に示されるように、膀胱カテーテルの排出管腔を通して、腎盂および/または腎臓ならびに/もしくは膀胱に印加される。負圧は、腹腔内圧上昇および結果として生じるまたは上昇した腎静脈圧もしくは腎リンパ圧に起因する、鬱滞媒介間質静水圧に対抗するように意図される。印加される負圧は、したがって、髄質尿細管を通した濾過液の流動を増加させ、水分およびナトリウム再吸収を減少させることが可能である。
印加される負圧の結果、ボックス628に示されるように、尿が、その遠位端の排出ポートにおける膀胱カテーテルの中に、膀胱カテーテルの排出管腔を通して、廃棄のための流体収集容器に引き出される。尿が収集容器に引き出されるにつれて、ボックス630において、流体収集システム内に配置される随意のセンサは、収集される尿の体積等の物理的パラメータを査定するために使用され得る尿についてのいくつかの測定ならびに患者の物理的状態および産生される尿の組成物についての情報を提供することができる。いくつかの実施例では、センサによって取得される情報は、ボックス632に示されるように、ポンプおよび/または別の患者監視デバイスと関連付けられたプロセッサによって処理され、ボックス634において、関連付けられたフィードバックデバイスの視覚的ディスプレイを介してユーザに表示される。
例示的流体収集システム:
そのようなシステムを患者の身体内に位置付ける例示的システムおよび方法が説明されたので、ここで、図44を参照して、負圧を患者の膀胱、尿管、腎盂、および/または腎臓に誘発するためのシステム700が、説明されるであろう。システム700は、本明細書に上記で説明される、尿管ステントおよび/または尿管カテーテル、膀胱カテーテル、もしくはシステム100を備えることができる。図44に示されるように、システム100の膀胱カテーテル116は、膀胱から引き出される尿を収集するために1つ以上の流体収集容器712に接続される。膀胱カテーテル116に接続される流体収集容器712は、負圧を膀胱カテーテル116および/または尿管カテーテル112、114を通して膀胱、尿管、ならびに/もしくは腎臓内に発生させるために外部流体ポンプ710と流体連通することができる。本明細書に議論されるように、そのような負圧は、間質圧を克服し、尿を腎臓または腎単位内で形成するために提供されることができる。いくつかの実施例では、流体収集容器712とポンプ710との間の接続は、流体ロックまたは流体障壁を備え、偶発的な療法的または非療法的圧力変化の場合、空気が膀胱、腎盂、または腎臓に進入することを防止することができる。例えば、流体容器の流入および流出ポートは、容器内に流体レベルを下回って位置付けられることができる。故に、空気は、流体容器712の流入または流出ポートのいずれかを通して医療管類またはカテーテルに進入することを防止される。前述で議論されたように、流体収集容器712とポンプ710との間に延在する管類の外部部分は、1つ以上のフィルタを含み、尿および/または粒子状物質がポンプ710に進入することを防止することができる。
図44に示されるように、システム700はさらに、ポンプ710に電子的に結合され、コンピュータ可読メモリ716を有する、またはそれと関連付けられたマイクロプロセッサ等のコントローラ714を備える。いくつかの実施例では、メモリ716は、実行されると、コントローラ714に、情報をアセンブリ100の一部上に位置する、またはそれと関連付けられたセンサ174から受信させる命令を備える。患者の状態についての情報は、センサ174からの情報に基づいて判定されることができる。センサ174からの情報はまた、ポンプ710のための動作パラメータを判定および実装するために使用されることができる。
いくつかの実施例では、コントローラ714は、専用電子デバイス、コンピュータ、タブレットPC、またはスマートフォン等のポンプ710と通信する別個かつ遠隔の電子デバイス内に組み込まれる。代替として、コントローラ714は、ポンプ710内に含まれることができ、例えば、ポンプ710を手動で動作させるためのユーザインターフェースと、情報をセンサ174から受信し、処理する等のシステム機能との両方を制御することができる。
コントローラ714は、情報を1つ以上のセンサ174から受信し、情報を関連付けられたコンピュータ可読メモリ716内に記憶するように構成される。例えば、コントローラ714は、1秒に1回等の所定の率でセンサ174から情報を受信し、受信された情報に基づいて、伝導率を判定するように構成されることができる。いくつかの実施例では、伝導率を計算するためのアルゴリズムはまた、尿温度等の他のセンサ測定を含み、伝導率のよりロバストな判定を取得することができる。
コントローラ714はまた、患者の状態の変化を経時的に例証する、患者物理統計または診断インジケータを計算するように構成されることができる。例えば、システム700は、排泄される総ナトリウム量を識別するように構成されることができる。排泄される総ナトリウム量は、例えば、ある時間周期にわたる流率および伝導率の組み合わせに基づき得る。
図44を継続して参照すると、システム700はさらに、情報をユーザに提供するために、視覚的ディスプレイまたはオーディオシステム等のフィードバックデバイス720を備えることができる。いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720は、ポンプ710と一体的に形成されることができる。代替として、フィードバックデバイス720は、コンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン、または他のハンドヘルド電子デバイス等の別個の専用もしくは多目的電子デバイスであることができる。フィードバックデバイス720は、計算または判定された測定をコントローラ714から受信し、受信された情報をフィードバックデバイス720を介してユーザに提示するように構成される。例えば、フィードバックデバイス720は、尿路に印加されている現在の負圧(mmHg単位)を表示するように構成されてもよい。他の実施例では、フィードバックデバイス720は、尿の現在の流率、温度、尿のmS/m単位における現在の伝導率、セッションの間に産生された総尿量、セッションの間に排泄される総ナトリウム量、他の物理的パラメータ、または任意のそれらの組み合わせを表示するように構成される。
いくつかの実施例では、フィードバックデバイス720はさらに、ユーザがポンプ710の動作を制御することを可能にする、ユーザインターフェースモジュールまたは構成要素を備える。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを介して、ポンプ710をオンまたはオフにすることができる。ユーザはまた、ポンプ710によって印加される圧力を調節し、より大きな大きさまたは率のナトリウム排泄および流体除去を達成することができる。
随意に、フィードバックデバイス720および/またはポンプ710はさらに、情報をデバイス720および/またはポンプ710から他の電子デバイスもしくはコンピュータネットワークに送信するためのデータ送信機722を備える。データ送信機722は、短距離または長距離データ通信プロトコルを利用することができる。短距離データ伝送プロトコルの実施例は、Bluetooth(登録商標)である。長距離データ伝送ネットワークは、例えば、Wi-Fiまたはセルラーネットワークを含む。データ送信機722は、情報を患者の医師または介護者に送信し、医師または介護者に患者の現在の状態について知らせることができる。代替として、または加えて、情報は、例えば、患者の電子医療記録(EHR)内に記録される情報を含むように、データ送信機722から既存のデータベースまたは情報記憶場所に送信されることができる。
図44を継続して参照すると、尿センサ174に加え、いくつかの実施例では、システム700はさらに、1つ以上の患者監視センサ724を備えることができる。患者監視センサ724は、上記に詳細に議論されるような尿組成、血液組成(例えば、ヘマトクリット率、検体濃度、タンパク質濃度、クレアチニン濃度)、および/または血流(例えば、血圧、血流速)等の患者の物理的パラメータについての情報を測定するために、侵襲性および非侵襲性センサを含むことができる。ヘマトクリットは、赤血球の体積と血液の総体積の比率である。正常ヘマトクリットは、約25%~40%、好ましくは、約35%および40%(例えば、体積比35%~40%赤血球および60%~65%血漿)である。
非侵襲性患者監視センサ724は、パルスオキシメトリセンサ、血圧センサ、心拍数センサ、および呼吸センサ(例えば、カプノグラフィセンサ)を含むことができる。侵襲性患者監視センサ724は、侵襲性血圧センサ、グルコースセンサ、血液速度センサ、ヘモグロビンセンサ、ヘマトクリットセンサ、タンパク質センサ、クレアチニンセンサ、およびその他を含むことができる。さらに他の実施例では、センサは、体外血液システムまたは回路と関連付けられ、体外システムの管類を通して通過する血液のパラメータを測定するように構成されてもよい。例えば、静電容量センサまたは光学分光法センサ等の検体センサは、体外血液システムの管類と関連付けられ、管類を通して通過するにつれて、患者の血液のパラメータ値を測定してもよい。患者監視センサ724は、ポンプ710および/またはコントローラ714と有線もしくは無線通信することができる。
いくつかの実施例では、コントローラ714は、ポンプ710に、血液監視センサ等の尿検体センサ174および/または患者監視センサ724から取得される患者ベースの情報のための治療を提供させるように構成される。例えば、ポンプ710の動作パラメータは、患者の血液ヘマトクリット率、血液タンパク質濃度、クレアチニン濃度、排尿体積、尿タンパク質濃度(例えば、アルブミン)、および他のパラメータの変化に基づいて調節されることができる。例えば、コントローラ714は、患者の血液ヘマトクリット率またはクレアチニン濃度についての情報を患者監視センサ724および/または検体センサ174から受信するように構成されることができる。コントローラ714は、血液および/または尿測定に基づいて、ポンプ710の動作パラメータを調節するように構成されることができる。他の実施例では、ヘマトクリット率は、患者から周期的に取得される血液サンプルから測定されてもよい。試験の結果は、処理および分析のために、手動でまたは自動的に、コントローラ714に提供されることができる。
本明細書に議論されるように、患者に関する測定されたヘマトクリット値は、一般的母集団に関する所定の閾値または臨床上容認可能値と比較されることができる。概して、女性に関するヘマトクリットレベルは、男性に関するものより低い。他の実施例では、測定されたヘマトクリット値は、外科手術手技に先立って取得される、患者ベースライン値と比較されることができる。測定されたヘマトクリット値が、容認可能範囲内で増加されると、ポンプ710は、オフにされ、尿管または腎臓への負圧の印加を停止してもよい。同様に、負圧の強度も、測定されたパラメータ値に基づいて調節されることができる。例えば、患者の測定されたパラメータが、容認可能範囲に近づき始めるにつれて、尿管および腎臓に印加されている負圧の強度は、低減されることができる。対照的に、望ましくない傾向(例えば、ヘマトクリット値、排尿率、および/またはクレアチニンクリアランスの減少)が、識別される場合、負圧の強度は、正の生理学的結果を産生するために、増加されることができる。例えば、ポンプ710は、低レベルの負圧(例えば、約0.1mmHg~10mmHg)を提供することによって、開始するように構成されてもよい。負圧は、患者クレアチニンレベルの正の傾向が観察されるまで、徐々に増加されてもよい。しかしながら、概して、ポンプ710によって提供される負圧は、約50mmHgを超えないであろう。
図45Aおよび45Bを参照すると、システムと併用するための例示的ポンプ710が、図示される。いくつかの実施例では、ポンプ710は、流体をカテーテル112、114(例えば、図1A、1B、1C、1F、1P、1U、2A、2Bに示される)から引き出すように構成され、約10mmHgまたはそれ未満の感度または正確度を有する、マイクロポンプである。望ましくは、ポンプ710は、長期間、例えば、約8時間~約24時間/日、1~約30日、またはより長い期間にわたって0.05ml/分~3ml/分の尿の流動範囲を提供可能である。0.2ml/分では、約300mLの尿/日がシステム700によって収集されることが予期される。ポンプ710は、負圧を患者の膀胱に提供するように構成されることができ、負圧は、約0.1mmHg~約150mmHg、または約0.1mmHg~約50mmHg、もしくは約5mmHg~20mmHg(ポンプ710におけるゲージ圧)に及ぶ。例えば、Langer Inc.(モデルBT100-2J)によって製造されたマイクロポンプが、本開示のシステム700と併用されることができる。ダイヤフラム吸引器ポンプならびに他のタイプの市販のポンプもまた、本目的のために使用されることができる。蠕動ポンプもまた、システム700と併用されることができる。他の実施例では、ピストンポンプ、真空ボトル、または手動真空源が、負圧を提供するために使用されることができる。他の実施例では、システムは、負圧を療法的に適切なレベルまで低減させるための真空調整器を通して、病院において利用可能であるような壁吸引源に接続されることができる。
いくつかの実施例では、ポンプアセンブリの少なくとも一部は、患者の尿路内、例えば、膀胱内に位置付けられることができる。例えば、ポンプアセンブリは、ポンプモジュールと、ポンプモジュールに結合される、制御モジュールとを備えることができ、制御モジュールは、ポンプモジュールの運動を指図するように構成される。ポンプモジュール、制御モジュール、または電力供給源のうちの少なくとも1つ(1つ以上のもの)が、患者の尿路内に位置付けられてもよい。ポンプモジュールは、流体流チャネル内に位置付けられ、流体をチャネルを通して引き込む、少なくとも1つのポンプ要素を備えることができる。好適なポンプアセンブリ、システム、および使用方法のいくつかの実施例は、「Indwelling Pump for Facilitating Removal of Urine from the Urinary Tract」と題され、2017年8月25日に出願された米国特許出願第62/550,259号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に開示される。
いくつかの実施例では、ポンプ710は、長期使用のために構成され、したがって、膀胱カテーテルの交換時間を除き、例えば、約8時間~約24時間/日、または1~約30日、もしくはより長い周期にわたって、精密な吸引を維持することが可能である。さらに、いくつかの実施例では、ポンプ710は、手動で動作され、その場合、ユーザが所望の吸引値を設定することを可能にする、制御パネル718を含むように構成される。ポンプ710はまた、システム700を動作させる同一コントローラであり得る、またはポンプ710の動作のための専用の別個のプロセッサであり得る、コントローラまたはプロセッサを含むことができる。いずれの場合も、プロセッサは、ポンプの手動動作のためと、所定の動作パラメータに従ってポンプ710を自動的に動作させるためとの命令の両方を受信するために構成される。代替として、または加えて、ポンプ710の動作は、カテーテルと関連付けられた複数のセンサから受信されたフィードバックに基づいて、プロセッサによって制御されることができる。
いくつかの実施例では、プロセッサは、ポンプ710を断続的に動作させるように構成される。例えば、ポンプ710は、負圧のパルスを発し、負圧が提供されない周期が続くように構成されてもよい。他の実施例では、ポンプ710は、負圧および正圧の提供間を交互し、交互フラッシュおよびポンプ効果をもたらすように構成されることができる。例えば、約0.1mmHg~20mmHg、好ましくは、約5mmHg~20mmHgの正圧が、提供された後、約0.1mmHg~50mmHgに及ぶ負圧が続くことができる。
経皮的尿カテーテルおよびシステム
尿はまた、患者の腎盂および/または腎臓内の経皮的挿入を介して展開される、経皮的腎瘻管または尿道バイパスカテーテルを通して尿路から除去されることもできる。本発明のいくつかの実施例では、そのような尿道バイパスカテーテルは、負および/または正圧療法を患者の腎盂ならびに/もしくは腎臓に提供し、尿生産を促進するように、かつ腎盂および/または腎臓から外部流体収集容器に尿を排出ならびに/もしくは伝導するように適合されることができる。尿道バイパスカテーテルは、例えば、尿路の一部(例えば、尿管または尿道)が妨害されるときに、身体から流体(例えば、尿)を除去するために使用されてもよい。概して、そのような尿道バイパスカテーテルは、経皮的アクセス部位において患者の腹部の中に挿入される。そのようなカテーテルは、腎臓を通して、随意に、腎盂の中に延在する。腹腔および腎臓にアクセスするための一般的な経皮的アクセス部位は、第12肋骨の先端の約0.5cm~約1.5cmまたは約1cm下方に、かつそこから約0.5cm~約1.5cmまたは約1cm内側に位置する。そのようなアクセス部位は、腎臓の下極への容易なアクセスを提供し、他の腹部器官(例えば、結腸、肝臓、および/または脾臓)を傷害することを回避すると考えられる。尿道バイパスカテーテルを挿入する医師はまた、患者のサイズおよび/または他の療法的配慮に基づいて、患者の胴体上の他のアクセス部位を選択し得る。
例示的尿カテーテル
バイパスカテーテルの展開可能保定構造または部分は、腎臓、腎盂、および/または膀胱内のカテーテルの遠位部分ならびに/もしくは遠位端を維持するように構成される。例えば、本明細書に説明されるコイル、漏斗、拡張可能ケージ、バルーン、および/またはスポンジのうちのいずれかが、尿路内(例えば、腎盂、尿管、ならびに/もしくは腎臓内)の所望の位置でカテーテルの端部を維持するための保定部分として使用されることができる。
ここで図52A-54を参照すると、例示的経皮的腎瘻管または尿道バイパスカテーテル7010が、議論されるであろう。しかしながら、本明細書に議論されるカテーテルのうちのいずれかが、下記に説明されるような類似様式で使用され得ることを理解されたい。例示的尿道バイパスカテーテル7010は、患者の尿路7100(図54、55、および57A-57Eに示される)内に展開されるように構成される。カテーテル7010は、近位端7020から遠位端7022まで延在する、伸長管7018を備える。伸長管7018は、経皮的開口部またはアクセス部位7110(図54に示される)を通して患者の腹部の中に通過するように構成される、近位部分7012と、患者の腎盂7112、腎臓7102(図54に示される)、および/または膀胱内に展開されるように構成される保定部分7016を備える、遠位部分7014とを備える。経皮的アクセス部位7110は、皮膚を通して腹部の中に針の先端を挿入すること等によって、従来の様式で形成されることができる。
管7018は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ラテックス、シリコンコーティングされたラテックス、シリコーン、ポリグリコリドまたはポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、および/またはポリ(プロピレンフマラート)等の1つ以上の生体適合性ポリマーから形成される、ならびに/もしくはそれから成ることができる。伸長管18の一部はまた、銅、銀、金、ニッケル-チタン合金、ステンレス鋼、および/またはチタン等の金属材料から成る、ならびに/もしくはそれを含浸されることができる。伸長管7018は、腎盂7112から腎臓および経皮的アクセス部位を通して外部流体収集容器まで延在するために十分な長さとなるべきである。管7018サイズは、約1Fr~約9Fr(フレンチカテーテルスケール)または約2Fr~8Frに及ぶことができる、もしくは約4Frであり得る。いくつかの実施例では、管18は、約0.33mm~約3.0mm、または約0.66mm~2.33mm、もしくは約1.0mm~2.0mmに及ぶ外径と、約0.165mm~約2.40mm、または約0.33mm~2.0mm、もしくは約0.66mm~約1.66mmに及ぶ内径とを有することができる。一実施例では、管7018は、6Frであって、2.0±0.1mmの外径を有する。管7018の長さは、患者の年齢(例えば、小児または成人)およびサイズに応じて、約30cm~約120cmに及ぶことができる。
バイパスカテーテル7010の保定部分7016は、カテーテル7010の遠位部分7014と一体的に形成されることができる、または従来の締結具もしくは接着剤によって伸長管7018の遠位端7022に搭載される別個の構造であり得る。腎盂7112内に伸長管7018の遠位端7022を保定するために好適な多くの例示的保定部分7016が、尿管カテーテル7010の前の例示的実施形態で提供される。例えば、コイル、漏斗、ケージ、バルーン、および/またはスポンジのうちの1つ以上のものを備える、保定部分7016は、バイパスカテーテル7010と併用するために適合されることができる。ある場合には、そのような保定部分7016は、例えば、保定部分7016を反転させ、尿道バイパスカテーテル7010が、尿管を通してではなく、腎臓7102を通して腎盂7112に進入するという事実を考慮することによって、尿道バイパスカテーテル7010と併用するために適合されることができる。
選択される実施形態にかかわらず、保定部分7016は、外側周縁または保護された表面積を生成し、尿路組織が、腎臓7102の腎単位と伸長管7018の管腔との間に延在する流体柱を収縮または閉塞することを防止する。いくつかの実施例では、そのような保定部分7016は、腎臓7102によって産生される尿等の流体を受容するための1つ以上の排出開口部、穿孔、および/またはポート7026を備える、内向きに面した側または保護された表面積7024と、排出ポート7026がなく、もしくは実質的になくあり得る、外向きに面した側または保護表面積7028とを備え得る。望ましくは、内向きに面した側または保護された表面積7024および外向きに面した側または保護表面積7028は、負圧が伸長管7018を通して印加されると、尿が1つ以上の排出ポート7026を通して管7018の管腔の中に引き込まれる一方、尿管および/または腎盂7112の組織等の粘膜組織が、1つ以上の排出ポート7026を著しく閉塞することを防止されるように、構成される。前述で説明された尿管カテーテルにおけるように、排出ポート7026の間のサイズおよび間隔は、本明細書に開示されるように、腎盂7112および/または腎臓7102内で負圧の異なる分布を達成するように変動し得る。いくつかの実施例では、1つ以上の排出ポート7026はそれぞれ、約0.0005mm~約2.0mm、または約0.05mm~1.5mm、もしくは約0.5mm~約1.0mmの直径を有する。いくつかの実施例では、排出ポート7026は、非円形であり得、約0.0002mm2~約100mm2、または約0.002mm2~約10mm2、もしくは約0.2mm2~約1.0mm2の表面積を有することができる。排出ポート7026は、保定部分7016の軸長に沿って等距離で離間されることができる。他の実施例では、保定部分7016の遠位端7022のより近傍の排出ポート7026は、ポート7026が均一に離間される実施例と比較して、より遠位の排出ポート7026を通した流体流を増加させるように、ともにより密接に離間されてもよい。
カテーテル7010の近位部分7012は、概して、経皮的アクセス部位7110を通して患者の腎臓7102から延在する。カテーテル7010の近位部分7012は、穿孔、開口部、または排出ポート7026がなく、もしくは実質的になく、流体を腹腔から伸長管7018の中に引き込むことを回避する。また、近位部分7012の近位端7020は、図55に示されるように、流体収集容器および/またはポンプに接続されるように構成されることができる。
例示的保定部分
上記に議論されるように、保定部分7016は、尿路7100内の所望の場所で伸長管7018の遠位端7022を維持するために好適な任意の構造であり得る。例えば、十分に定寸された保定部分7016は、約5mm~約100mm、または20mm~80mm、もしくは約50mmに及ぶ軸長L1を有することができる。
いくつかの実施例では、保定部分7016は、カテーテル7010を挿入する、または患者から除去するときの後退状態から、腎盂7112および/または腎臓7102内に保定部分7016を係留ならびに保定するように構成される拡張もしくは展開状態に遷移する、拡張可能構造を備える。尿路7100内の所望の場所でカテーテル7010を十分に保定するために、いくつかの実施例では、保定部分7016は、展開されると、腎臓7102とカテーテル7010の近位端7020との間に流動する流体柱の開存性を維持するように定寸され、位置付けられる、3次元形状7032(図53に示される)を画定する。さらに、望ましくは、腎臓7102によって産生される流体の少なくとも一部は、尿管を通してではなく、保定部分7016および管7018を通して流動する。拡張可能保定部分7016の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分7016によって画定される3次元形状7032の2次元スライス7034(図53に示される)の面積は、拡張可能保定部分7016の遠位端7022に向かって減少し、保定部分7016に角錐または逆円錐形状を与えることができる。いくつかの実施例では、拡張可能保定部分7016の中心軸Aを横断する平面内の展開された拡張可能保定部分7016によって画定される3次元形状7032の最大断面積は、約500mm2未満またはそれと等しい、もしくは約350mm2未満またはそれと等しい、もしくは100mm2~500mm2または200mm2~350mm2である。
いくつかの実施例では、保定部分7016は、逆螺旋コイルを備える、コイル状保定部分を備える。コイル状保定部分7016は、保定部分7016が腎臓を通して腎盂の中に挿入されるため、コイルの配向が反転されることを除いて、図8A-9Eに関連して説明される尿管カテーテルの保定部分に類似する。コイル状保定部分7016は、螺旋コイル7036、7038、7040の外側周縁または外側領域が、腎臓7102および/または腎盂7112の組織に接触してそれを支持し、螺旋コイル7036、7038、7040の内向きに面した側または保護された表面積内に位置付けられる、保護された排出孔、ポート7026、または穿孔の閉塞もしくは妨害を阻止するように配列される、複数の螺旋コイル7036、7038、7040を備えることができる。
コイル状保定部分7016は、第1の直径D1(図52B参照)を有する、少なくとも第1のコイル7036と、第2の直径D2を有する、少なくとも第2のコイル7038と、第3の直径D3を有する、少なくとも第3のコイル7040とを備えることができる。保定部分7016が腎盂7112内に嵌合するために、最遠位または第3のコイル7040の直径D3は、第1のコイル7036または第2のコイル7038のいずれかの直径より小さくあり得る。故に、コイル7036、7038、7040の直径、および/または隣接するコイル7036、7038、7040の間の段階距離もしくは高さは、規則的または不規則的な様式で変動し得る。いくつかの実施例では、複数のコイル7036、7038、7040は、D1>D2>D3である、テーパ状または逆角錐形状を形成することができる。いくつかの実施例では、コイル状保定部分7016は、複数の同様に定寸されたコイルを備えることができる、または、例えば、複数の近位の同様に定寸されたコイルと、複数のコイルのうちの他のコイルより小さい直径を有する最遠位コイルとを含むことができる。
コイル7036、7038、7040の直径および隣接するコイルの間の段階距離もしくは高さは、保定部分7016が所望の時間周期にわたって腎盂および/または腎臓内に留まるように選択される。特に、コイル状保定部分7016は、望ましくは、腎盂7112内に留まり、カテーテル7010が除去される準備ができるまで尿道の中へ、または腎臓7102の中に戻るようにのいずれかで通過しないように、十分に大型である。例えば、最近位または第1のコイル7036の外径D1は、約10mm~30mm、または約15mm~25mmに及ぶ、もしくは約20mmであり得る。第2のコイル38は、約5mm~25mmまたは約10mm~20mmの直径を有することができる、もしくは約15mmであり得る。最遠位または第3のコイル40は、約1mm~20mmまたは約5mm~15mmに及ぶ直径D3を有することができる、もしくは約10mmであり得る。
付加的例示的保定部分
患者の腎盂の中への経皮的挿入のために構成される尿管カテーテル7410の別の実施例が、図58Aおよび58Bに示される。前の実施例におけるように、尿管カテーテル7410は、伸長管7418から形成され、近位部分7412と、保定部分7416を備える遠位部分7414とを備える。保定部分7416は、伸長管7418の略線形または直線区画もしくは部分7430に巻着される複数のコイルを備える、コイル状保定部分である。
コイル状保定部分416はさらに、保定部分7416の直線区画または部分7430の遠位端における約90度~180度の屈曲部7434から形成される、最遠位コイル7432を備える。保定部分7416はさらに、管7418の直線部分7430に巻着される、第2または中央コイル7436および第3または最近位コイル7438等の1つ以上の付加的コイルを備える。伸長管7418はさらに、最近位コイル7438に続いて遠位端7440を備える。遠位端7440は、閉鎖されることができる、または患者の尿路から尿を受容するように開放することができる。
前の実施例におけるように、コイル7432、7436、7438のサイズおよび配向は、保定部分7416が腎盂内に留まり、尿管の中に通過しない、または腎臓の中に戻るように後退しないように選択される。例えば、最大または最近位コイル7438は、直径が約10mm~30mm、または直径が約15mm~25mm、もしくは直径が約20mmであり得る。コイル7436および7438は、例えば、5mm~25mm、または約10mm~20mm、もしくは約15mmのより小さい直径を有することができる。前の実施例におけるように、コイル状保定部分7416は、コイル7432、7436、7438が次第により狭くなり、保定部分7416に逆角錐または逆円錐形の外観を与える、テーパ状外観を有することができる。
また、前の実施例におけるように、保定部分7416はさらに、コイル状保定部分7416の半径方向内向き側または保護された表面積上に位置付けられる、開口部または排出ポート7442を備える。コイル7432、7436、7438が、直線部分7430の周囲に延在し、腎盂および/または腎臓の組織が直線部分7430に接触することを防止するため、開口部または排出ポート7442(図54Bに示される)もまた、保定部分7416の直線部分7430上に位置付けられることができる。前の実施例におけるように、保定部分7416は、ガイドワイヤにわたって線形配向で腎臓および腎盂を通して挿入される。ガイドワイヤが、除去されるとき、保定部分7416は、コイル状または展開構成を採用する。
経皮的カテーテルを伴う尿収集システム
尿道バイパスカテーテル7010、7410は、患者の尿路7100の一部内に負圧を誘発するためのシステムと併用されることができる。図55に示されるように、例示的システム7200は、患者の各個別の腎臓7102の個別の腎盂7112内に展開される尿道バイパスカテーテル7010を備える。カテーテル7010の近位端7020は、ポンプ7210に直接または間接的に接続される。例えば、カテーテル7010の近位端7020は、剛性流体収集容器7212の流体流入ポートに接続されることができる。ポンプ7210は、そこに接続された流体収集容器7212およびカテーテル7010内に負圧を誘発するように、流体収集容器7212の別のポートに接続されることができる。ポンプ7210は、前述で説明された実施例におけるポンプに類似し得、特に、緩やかな負圧を患者の尿路7100に送達するように構成されることができる。ポンプ7210は、外部ポンプであり得る。他の実施例では、ポンプ7210は、例えば、「Indwelling Pump for Facilitating Removal of Urine from the Urinary Tract」と題された、Orr et al.のPCT出願第PCT/IB2018/056444号に説明されるような留置ポンプであり得る。概して、印加された負圧は、50mmHg未満の負圧等の緩やかな負圧である。他の実施例では、負圧は、特定の患者の療法的要件に応じて、2mmHg~100mmHgまたはそれを上回り得る。ポンプ7210は、望ましくは、10mmHgまたはそれ未満の感度を有する。
いくつかの実施例では、システム7200はさらに、患者の膀胱7104内に展開される膀胱カテーテル7216を備える。膀胱カテーテル7216は、前の実施例に説明されるような任意の好適な膀胱カテーテルであり得る。膀胱カテーテル7216は、尿道7106を通して患者から延在する近位部分7220を備える、伸長管7218を備える。膀胱カテーテル7216の近位部分7220の近位端7222は、流体収集容器7212に接続されることができる。他の実施例では、膀胱カテーテル7216は、負圧を誘発するためのポンプ7210に接続されない、別個の流体収集容器7224に接続されることができる。その場合、流体は、重力によって患者の膀胱7104から膀胱カテーテル7216を通して通過し得る。
いくつかの実施例では、システム7200はさらに、ポンプ7210を作動させるように、かつポンプ動作パラメータを制御するように構成される、ポンプ7210に電気的に接続されるコントローラ7214を備える。前の実施例におけるように、コントローラ7214は、ポンプ7210に関する動作命令および/または動作パラメータを提供するように構成される、ポンプ7210のマイクロプロセッサまたは別個の電子デバイスであり得る。例えば、コントローラ7214は、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、または類似電子デバイスと関連付けられることができる。
システムはさらに、患者、流体収集容器7212、またはカテーテル710、7216と関連付けられる、1つ以上の生理学的センサ7226を備えることができる。生理学的センサ7226は、患者の少なくとも1つの物理的パラメータを表す情報をコントローラ7214に提供するように構成されることができる。その場合、コントローラ7214は、少なくとも1つの物理的パラメータに基づいて、ポンプの動作を作動または停止するように構成されることができる。
展開方法
負圧を患者に印加するための尿道バイパスカテーテル7010およびシステム7200の側面を説明したので、尿道バイパスカテーテルの挿入および/または展開のための方法が、ここで、図56のフローチャートに関連して説明されるであろう。カテーテル展開方法の異なる側面を示す概略図が、図57A-57Eに示される。最初に、ボックス7510において、円錐形先端カテーテル7310(図57A-57Eに示される)の針7312(図57A-57Cに示される)が、患者の腹部領域の中に挿入され、それによって、経皮的アクセス部位を生成する。カテーテル7310および針7312は、尿道バイパスカテーテルがカテーテル7310を通して通過することを可能にするために十分なサイズとなるべきである。例えば、カテーテル7310は、約3Fr~約10Fr(フレンチカテーテルスケール)、または約5Fr~約8Fr、もしくは約6Frであり得る。いくつかの実施例では、カテーテル7310は、約0.5mm~約4mmに及ぶ外径と、約0.2mm~約3.5mmに及ぶ内径とを有することができる。針7312は、約10ゲージ~30ゲージまたは約20ゲージ~25ゲージであり得、0.3mm~3.5mmまたは約0.5mm~1.0mmの外径を有することができる。針7312は、10mm~50mmまたは約30mm等の任意の好適な長さであり得る。
いったん針7312が、7512において患者の皮膚を通して挿入されると、針7312は、腹腔を通して前進され、腎臓7102の中に挿入される。7514では、針7312は、図57Bに示されるように、腎臓7102を通して腎盂7112の中に前進される。いったん針7312が、ボックス7516において腎盂7112まで前進されると、ガイドワイヤ7314は、図57Cに示されるように、針7312を通して腎盂7112まで前進されることができる。いったんガイドワイヤ7314が定位置に来ると、針7312は、カテーテル7310を通して後方に後退されることができる。次に、7518において、カテーテル7310の伸長管7318が、図57Dに示されるように、経皮的アクセス部位を通して患者の腹腔の中に挿入され、ガイドワイヤ7314および/または針7312にわたって腎盂まで前進されることができる。7520では、いったん伸長管7318の遠位端7320および保定部分7322が腎盂に到達すると、保定部分7322は、図57Eに示されるように、その後退状態から拡張または展開状態に遷移することができる。本明細書に説明されるように、望ましくは、腎盂7112内に展開されたとき、保定部分7322は、腎臓7102から伸長管7318の少なくとも一部を通して延在する管腔の中への流体流の開存性を維持する。
いくつかの実施例では、保定部分7322を展開するステップは、保定部分7322から離れるように近位方向に外側管またはシースを後退させるステップを含むことができる。いったん外側管またはシースが除去されると、保定部分7322は、自動的に拡張し、その非拘束形状に戻る。保定部分7322がコイル状保定部分を備えるとき等の他の実施例では、ガイドワイヤ7314を後退させるステップは、保定部分7322にコイル状または展開構成を採用させる。保定部分を展開するステップはまた、例えば、バルーンを膨らませ、またはケージ様構造を解放し、伸長管7318の遠位端を保護するステップを含むこともできる。
いくつかの実施例では、ボックス7522に示されるように、負圧が、伸長管7318の近位端を流体ポンプに直接または間接的に取り付け、ポンプを作動させて負圧を発生させることによって、腎盂に印加されることができる。例えば、負圧は、所定の時間周期にわたって持続的に印加されることができる。他の実施例では、負圧は、所定の間隔において短い持続時間にわたって提供される圧力パルスとして印加されることができる。いくつかの実施例では、ポンプは、負圧および正圧を提供することを交互にすることができる。そのような交互圧力療法はさらに、腎臓を刺激し、尿産生の増加をもたらし得ると考えられる。他の実施例では、上記にさらに詳細に説明されるように、負圧は、管7318内に誘発される圧力分布または圧力勾配に起因するが、ポンプまたは負圧源を使用することなく、伸長管7318を通して腎盂に送達されてもよい。例えば、尿等の流体を管7318の中に引き込むために十分な負圧が、重力による管7318を通した流体流に応答して、管7318の遠位部分内に生成されてもよい。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、発生された吸引力は、カテーテルの保定部分とカテーテルの近位端との間の垂直距離に依存すると考えられる。故に、生成された負圧は、展開されたカテーテルの保定部分とカテーテルの流体収集容器および/または近位端との間の垂直距離を増加させることによって増加され得る。
過剰流体を除去するための例示的治療方法
本明細書に説明されるデバイスおよびシステムを使用して過剰流体を患者から除去するためのステップは、図49に図示される。図49に示されるように、治療方法は、ボックス910に示されるように、尿が尿管および/または腎臓から流動するように、尿管ステントもしくは尿管カテーテル等の尿路カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップを含む。カテーテルは、尿管および/または腎臓を閉塞することを回避するように設置されてもよい。いくつかの実施例では、ステントまたはカテーテルの流体収集部分は、患者の腎臓の腎盂内に位置付けられてもよい。いくつかの実施例では、尿管ステントまたは尿管カテーテルは、患者の腎臓のそれぞれ内に位置付けられてもよい。他の実施例では、尿収集カテーテルは、ボックス911に示されるように、膀胱または尿管内で展開されてもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテルは、本明細書に説明される保定部分のいずれかのうちの1つ以上のものを備える。例えば、尿管カテーテルは、螺旋保定部分および複数の排出ポートを備える排出管腔を画定する、管を備えることができる。他の実施例では、カテーテルは、漏斗形状の流体収集および保定部分またはピグテールコイルを含むことができる。代替として、例えば、ピグテールコイルを有する、尿管ステントが、展開されることができる。
ボックス912に示されるように、本方法はさらに、膀胱カテーテルを通して、負圧を膀胱、尿管、および/または腎臓のうちの少なくとも1つに印加し、流体または尿の産生を腎臓内で誘発もしくは促進し、流体または尿を患者から抽出するステップを含む。望ましくは、負圧は、患者の血液クレアチニンレベルを臨床上有意な量だけ低減させるために十分なある時間周期にわたって印加される。
負圧は、所定の時間周期にわたって、印加され続けてもよい。例えば、ユーザは、外科手術手技の持続時間または患者の生理学的特性に基づいて選択されたある時間周期にわたって、ポンプを動作させるように命令されてもよい。他の実施例では、患者状態が、監視され、十分な治療が提供されたときを判定してもよい。例えば、ボックス914に示されるように、本方法はさらに、患者を監視し、患者の膀胱、尿管、および/または腎臓への負圧の印加を停止すべきときを判定するステップを含んでもよい。いくつかの実施例では、患者のヘマトクリットレベルが、測定される。例えば、患者監視デバイスが、ヘマトクリット値を周期的に取得するために使用されてもよい。他の実施例では、血液サンプルは、周期的に採取され、直接、ヘマトクリットを測定してもよい。いくつかの実施例では、膀胱カテーテルを通して身体から排出される尿の濃度および/または体積もまた、監視され、尿が腎臓によって産生されている率を判定してもよい。同様に、排出された排尿も、監視され、患者に関するタンパク質濃度および/またはクレアチニンクリアランス率を判定してもよい。尿中の低減されたクレアチニンおよびタンパク質濃度は、過希釈および/または腎機能低下を示し得る。測定された値は、所定の閾値と比較され、負圧療法が患者状態を改良するかどうかと、修正または中断されるべきかどうかとを査定することができる。例えば、本明細書に議論されるように、患者ヘマトクリットに関する望ましい範囲は、25%~40%であってもよい。他の実施例では、本明細書に説明されるように、患者体重が、測定され、ドライ体重と比較されてもよい。測定された患者体重の変化は、流体が身体から除去されていることを実証する。したがって、ドライ体重への戻りは、血液希釈が、適切に管理されており、患者が、過希釈されていないことを表す。
ボックス916に示されるように、ユーザは、正の結果が識別されると、ポンプに、負圧療法の提供を停止させてもよい。同様に、患者血液パラメータが、監視され、患者の腎臓に印加されている負圧の有効性を査定してもよい。例えば、静電容量または検体センサが、体外血液管理システムの管類と流体連通するように設置されてもよい。センサは、血液タンパク質、酸素、クレアチニン、および/またはヘマトクリットレベルを表す情報を測定するために使用されてもよい。測定された血液パラメータ値は、持続的または周期的に、測定され、種々の閾値または臨床上容認可能値と比較されてもよい。負圧は、測定されたパラメータ値が臨床上容認可能範囲内になるまで、患者の膀胱、腎臓、または尿管に印加され続けてもよい。いったん測定された値が、閾値または臨床上容認可能範囲内になると、ボックス916に示されるように、負圧の印加は、停止してもよい。
いくつかの実施例では、慢性浮腫症、高血圧症、慢性腎臓疾患、および/または急性心不全と関連付けられた全身流体体積管理のために、過剰流体を患者から除去する方法が、提供される。本開示の別の側面によると、過剰流体を患者から除去することによって冠動脈移植バイパス外科手術等の蘇生輸液手技を受ける患者のための過剰流体を除去するための方法が、提供される。蘇生輸液の間、生理食塩水溶液および/または澱粉溶液等の溶液が、静脈内点滴等の好適な流体送達プロセスによって、患者の血流に導入される。例えば、いくつかの外科手術手技では、患者は、5~10回、正常な流体の1日摂取量を供給され得る。補液または蘇生輸液は、発汗、出血、脱水、および類似プロセスを通して喪失された体液を補給するために提供され得る。冠動脈移植バイパス等の外科手術手技の場合、蘇生輸液は、患者の体液平衡および血圧を適切な率内に維持することを支援するために提供される。急性腎障害(AKI)は、冠動脈移植バイパス外科手術の公知の合併症である。AKIは、腎不全に進行しない患者でさえ、長期入院ならびに罹患率および死亡率の上昇と関連付けられる。Kim, et al., Relationship between a perioperative intravenous fluid administration strategy and acute kidney injury following off-pump coronary artery bypass surgery: an observational study, Critical Care 19:350 (1995)を参照されたい。流体を血液に導入することはまた、死亡率および罹患率をさらに増加させることが示されている、ヘマトクリットレベルを低減させる。研究はまた、生理食塩水溶液を患者に導入することが、腎機能を低下させ、および/または自然流体管理プロセスを阻止し得ることを実証している。したがって、腎機能の適切な監視および制御は、改良された転帰を産生し得、特に、AKIの術後症例を低減させ得る。
過剰な流体を除去するために患者を治療する方法は、図50に図示される。ボックス1010に示されるように、本方法は、尿管および/または腎臓からの尿の流動が尿管ならびに/もしくは腎臓の閉塞によって阻まれないように、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管および/または腎臓内で展開するステップを含む。例えば、カテーテルの尿管ステントまたは流体収集部分の遠位端は、腎盂内に位置付けられてもよい。他の実施例では、カテーテルは、腎臓または尿管内で展開されてもよい。カテーテルは、本明細書に説明される尿管カテーテルのうちの1つ以上のものを備えることができる。例えば、カテーテルは、排出管腔を画定し、螺旋保定部分および複数の排出ポートを備える、管を備えることができる。他の実施例では、カテーテルは、ピグテールコイルを含むことができる。
ボックス1012に示されるように、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内で展開されることができる。例えば、膀胱カテーテルは、尿道開口部を少なくとも部分的にシールし、身体から尿道を通した尿の通過を防止するように位置付けられてもよい。膀胱カテーテルは、例えば、カテーテルの遠位端を膀胱内に維持するために、アンカを含むことができる。本明細書に説明されるように、コイルおよび螺旋、漏斗等の他の配列が、膀胱カテーテルの適切な位置付けを取得するために使用されてもよい。膀胱カテーテルは、尿管カテーテルの設置に先立って、患者の膀胱に進入した流体だけではなく、治療の間、尿管、尿管ステント、および/または尿管カテーテルから収集される流体を収集するように構成されることができる。膀胱カテーテルはまた、尿管カテーテルの流体収集部分を越えて流動し、膀胱に進入する、尿を収集してもよい。いくつかの実施例では、尿管カテーテルの近位部分は、膀胱カテーテルの排出管腔内に位置付けられてもよい。同様に、膀胱カテーテルは、尿管カテーテルを位置付けるために使用される同一ガイドワイヤを使用して、膀胱の中に前進されてもよい。いくつかの実施例では、負圧が、膀胱カテーテルの排出管腔を通して、膀胱に提供されてもよい。他の実施例では、負圧は、膀胱カテーテルのみに印加されてもよい。その場合、尿管カテーテルは、重力によって膀胱の中に排出する。
ボックス1014に示されるように、尿管ステントおよび/または尿管カテーテルならびに膀胱カテーテルの展開に続いて、負圧が、膀胱カテーテルを通して、膀胱、尿管、ならびに/もしくは腎臓に印加される。例えば、負圧は、蘇生輸液手技の間に患者に提供される流体の一部を含む尿を抽出するために十分な時間周期にわたって、印加されることができる。本明細書に説明されるように、負圧は、膀胱カテーテルの近位端またはポートに接続される、外部ポンプによって提供されることができる。ポンプは、患者の療法要件に応じて、継続的または周期的に、動作されることができる。ある場合には、ポンプは、負圧の印加と正圧の印加との間で交互してもよい。
負圧は、所定の時間周期にわたって印加され続けてもよい。例えば、ユーザは、外科手術手技の持続時間または患者の生理学的特性に基づいて選択された時間周期にわたって、ポンプを動作させるように命令されてもよい。他の実施例では、患者状態が、監視され、十分な量の流体が患者から引き出されたときを判定してもよい。例えば、ボックス1016に示されるように、身体から排出される流体は、収集されてもよく、取得された流体の総体積が、監視されてもよい。その場合、ポンプは、所定の流体体積が尿管および/または膀胱カテーテルから収集されるまで動作し続けることができる。所定の流体体積は、例えば、外科手術手技に先立っておよびその間、患者に提供される流体の体積に基づいてもよい。ボックス1018に示されるように、膀胱、尿管、および/または腎臓への負圧の印加は、収集された流体の総体積が所定の流体体積を超えると停止される。
他の実施例では、ポンプの動作は、測定されたクレアチニンクリアランス、血液クレアチニンレベル、またはヘマトクリット率等の患者の測定された生理学的パラメータに基づいて判定されることができる。例えば、ボックス1020に示されるように、患者から収集される尿は、カテーテルおよび/またはポンプと関連付けられた1つ以上のセンサによって分析されてもよい。センサは、静電容量センサ、検体センサ、光学センサ、または尿検体濃度を測定するように構成される類似デバイスであることができる。同様に、ボックス1022に示されるように、患者の血液クレアチニンまたはヘマトクリットレベルは、本明細書に上記で議論される患者監視センサから取得された情報に基づいて分析され得る。例えば、静電容量センサは、既存の体外血液システム内に設置されてもよい。静電容量センサによって取得される情報は、分析され、患者のヘマトクリット率を判定してもよい。測定されたヘマトクリット率は、ある予期されるまたは療法上容認可能な値と比較されてもよい。ポンプは、療法上容認可能範囲内の測定された値が取得されるまで、負圧を患者の尿管および/または腎臓に印加し続けてもよい。いったん療法上容認可能な値が、取得されると、負圧の印加は、ボックス1018に示されるように、停止されてもよい。
他の実施例では、ボックス2024に示されるように、患者体重が、測定され、流体が印加される負圧療法によって患者から除去されているかどうかを査定してもよい。例えば、患者の測定された身体重量(蘇生輸液手技の間に導入される流体を含む)は、患者のドライ体重と比較されることができる。本明細書で使用されるように、ドライ体重は、患者が過希釈されていないときに測定される正常体重として定義される。例えば、血圧上昇、意識朦朧または筋痙攣、脚、足、腕、手、もしくは眼の周囲の腫脹のうちの1つ以上のものを被っておらず、快適に呼吸を行なっている患者は、過剰流体を有していない可能性が高い。患者がそのような症状を被っていないときに測定された体重は、ドライ体重であり得る。患者体重は、測定された体重がドライ体重に接近するまで、周期的に測定されることができる。ボックス1018に示されるように、測定された体重に接近する(例えば、ドライ体重の5%~10%以内)、負圧の印加は、停止されることができる。
本発明のシステムを使用した治療の前述の詳細は、増加された尿または流体出力もしくは除去から利益を享受し得る、種々の病状を治療するために使用されることができる。例えば、負圧の印加によって腎機能を保存し、髄質領域の尿細管内の間質圧を減少させ、排尿を促進し、腎臓の髄質内の静脈鬱滞誘発腎単位低酸素症を防止するための方法が、提供される。本方法は、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管もしくは腎臓の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、近位端を有する、排出管腔部分と、その間に延在する、側壁とを備える、ステップと、負圧をカテーテルの近位端に印加し、所定の時間周期にわたって、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去するステップとを含む。
別の実施例では、静脈鬱滞に起因する急性腎傷害の治療のための方法が、提供される。本方法は、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管または腎臓の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、近位端を有する、排出管腔部分と、その間に延在する、側壁とを備える、ステップと、負圧をカテーテルの近位端に印加し、所定の時間周期にわたって、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去し、それによって、腎臓内の静脈鬱滞を低減させ、急性腎傷害を治療するステップとを含む。
別の実施例では、腎臓内の静脈鬱滞の低減を通したNew York心臓協会(NYHA)分類IIIおよび/または分類IV心不全の治療のための方法が、提供される。本方法は、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管もしくは腎臓の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、近位端を有する、排出管腔部分と、その間に延在する、側壁とを備える、ステップと、負圧をカテーテルの近位端に印加し、所定の時間周期にわたって、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去し、NYHA分類IIIおよび/または分類IV心不全における体液量過剰を治療するステップとを含む。
別の実施例では、腎臓内の静脈鬱滞の低減を通した段階4および/または段階5の慢性腎臓疾患の治療のための方法が、提供される。本方法は、尿管ステントまたは尿管カテーテルを患者の尿管もしくは腎臓の中に展開し、患者の腎臓と膀胱との間の流体流の開存性を維持するステップと、膀胱カテーテルを患者の膀胱の中に展開するステップであって、膀胱カテーテルは、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、近位端を有する、排出管腔部分と、その間に延在する、側壁とを備える、ステップと、負圧をカテーテルの近位端に印加し、負圧を患者の尿路の一部内に誘発し、流体を患者の尿路から除去し、腎臓内の静脈鬱滞を低減させるステップとを含む。
いくつかの実施例では、キットが、流体を患者の尿路から除去する、および/または患者の尿路の一部内に負圧を誘発するために提供される。キットは、尿管および/または腎臓からの流体流を尿管ステントもしくは尿管カテーテルの排出チャネルを通して患者の膀胱に向かって促進するための排出チャネルを備える、尿管ステントまたは尿管カテーテルと、負圧を患者の尿管、腎臓、もしくは膀胱のうちの少なくとも1つ内で誘発し、尿を患者の膀胱内で展開されるカテーテルの排出管腔を通して引き出すように構成される、コントローラを備える、ポンプとを備える。いくつかの実施例では、キットはさらに、少なくとも1つの膀胱カテーテルを備える。いくつかの実施例では、キットはさらに、以下のうちの1つ以上のもの、すなわち、尿管ステントおよび/または尿管カテーテルを挿入/展開する、膀胱カテーテルを挿入/展開する、ならびにポンプを動作させ、尿を患者の膀胱内で展開された膀胱カテーテルの排出管腔を通して引き出すための命令を備える。
いくつかの実施例では、別のキットは、複数の使い捨て膀胱カテーテルであって、各膀胱カテーテルは、近位端と、患者の膀胱内に位置付けられるように構成される、遠位端と、その間に延在する、側壁とを有する、排出管腔部分と、排出管腔部分の遠位端の一部から半径方向外向きに延在し、保定部分の直径が排出管腔部分の直径を上回る、展開位置の中に延在されるように構成される、保定部分とを備える、複数の使い捨て膀胱カテーテルと、膀胱カテーテルを挿入/展開するための命令と、膀胱カテーテルの近位端をポンプに接続するため、および、例えば、負圧を膀胱カテーテルの近位端に印加することによって、ポンプを動作させ、尿を膀胱カテーテルの排出管腔を通して引き出すための命令とを備える。
いくつかの実施例では、キットが、提供され、キットは、複数の使い捨て膀胱カテーテルであって、各膀胱カテーテルは、(a)近位部分と、(b)遠位部分であって、1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を備え、カテーテルを通した負圧の印加に応じて、粘膜組織が1つ以上の保護された排出孔、ポート、もしくは穿孔を閉塞することを阻止する、外側周縁または保護表面積を確立するように構成される、保定部分を備える、遠位部分とを備える、複数の使い捨て膀胱カテーテルと、膀胱カテーテルを展開するための命令と、膀胱カテーテルの近位端をポンプに接続するため、およびポンプを動作させ、尿を膀胱カテーテルの排出管腔を通して引き出すための命令とを備える。
尿管カテーテルを使用して負圧を誘発する実験実施例:
家畜用ブタの腎盂内における負圧の誘発が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために実施された。これらの研究の目的は、腎盂の中に送達される負圧が腎鬱滞のブタモデルにおいて排尿を有意に増加させるかどうかを実証するものであった。実施例1では、通常、塞栓除去術または気管支鏡検査法用途において使用される、小児用Fogartyカテーテルが、腎盂における負圧の誘発の原理の証拠のためだけにブタモデルにおいて使用された。Fogartyカテーテルが、尿路組織の傷害を回避するために、臨床設定においてヒトに使用されることは示唆されない。実施例2では、図2Aおよび2Bに示され、カテーテルの遠位部分を腎盂または腎臓内に搭載もしくは維持するための螺旋保定部分を含む、尿管カテーテル112が、使用された。
(実施例1)
方法
4匹の家畜用ブタ800が、腎臓内の腎鬱滞に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために使用された。図21に示されるように、小児用Fogartyカテーテル812、814が、4匹のブタ800の各腎臓802、804の腎盂領域820、821に挿入された。カテーテル812、814が、拡張可能バルーンを、腎盂をシールし、バルーンの位置を腎盂内に維持するために十分なサイズに膨張させることによって、腎盂領域内に展開された。カテーテル812、814は、腎盂802、804から、膀胱810および尿道816を通して、ブタの外部の流体収集容器に延在する。
2匹の動物の排尿が、排尿体積および率に関するベースラインを確立するために15分周期にわたって収集された。右腎802および左腎804の排尿が、個々に測定され、著しく変動することが見出された。クレアチニンクリアランス値もまた、判定された。
腎鬱滞(例えば、腎臓の静脈内の鬱滞または血流低減)が、下大静脈(IVC)を腎静脈流出口の直上の膨張可能バルーンカテーテル850で部分的に閉塞することによって、動物800の右腎802および左腎804内で誘発された。圧力センサが、IVC圧力を測定するために使用された。正常IVC圧力は、1~4mmHgであった。カテーテル850のバルーンをIVC直径の約3/4まで膨張させることによって、IVC圧力は、15~25mmHgまで上昇された。IVC直径の約3/4までのバルーンの膨張は、排尿における50~85%低減をもたらした。完全閉塞は、28mmHgを上回るIVC圧力を発生させ、排尿における少なくとも95%低減と関連付けられた。
各動物800の一方の腎臓が、治療されず、対照(「対照腎臓802」)として供与された。対照腎臓から延在する尿管カテーテル812は、流体レベルを判定するために流体収集容器819に接続された。各動物の一方の腎臓(「治療腎臓804」)が、尿管カテーテル814に接続される負圧源(例えば、小さい大きさの負圧をより正確に制御するように設計される調整器と組み合わせた療法ポンプ818)からの負圧で治療された。ポンプ818は、Cole-Parmer Instrument Company(モデル番号EW-07530-85)製Air Cadet Vacuum Pumpであった。ポンプ818は、調整器に直列に接続された。調整器は、Airtrol Components Inc.製V-800 Series Miniature Precision Vacuum Regulator-1/8 NPT Ports(モデル番号V-800-10-W/K)であった。
ポンプ818は、以下のプロトコルに従って、負圧を治療腎臓の腎盂820、821内で誘発するように作動された。最初に、負圧の効果が、正常状態で(例えば、IVCバルーンを膨張させずに)調査された。4つの異なる圧力レベル(-2、-10、-15、および-20mmHg)が、15分ずつ印加され、産生された尿およびクレアチニンクリアランスの率が、判定された。圧力レベルは、調整器において制御および判定された。-20mmHg療法に続いて、IVCバルーンが、膨張され、圧力を15~20mmHg増加させた。同一の4つの負圧レベルが、印加された。鬱滞対照腎臓802および治療腎臓804に関する排尿量およびクレアチニンクリアランス率が、取得された。動物800は、90分にわたるIVCの部分的閉塞によって鬱滞させられた。治療が、90分鬱滞周期のうち60分にわたって提供された。
排尿およびクレアチニンクリアランスデータの収集に続いて、1匹の動物からの腎臓が、肉眼的検査を受け、次いで、10%中性緩衝ホルマリン内に固定された。肉眼的検査に続いて、組織切片が、取得され、検査され、切片の拡大画像が、捕捉された。切片は、直立型Olympus BX41光顕微鏡を使用して検査され、画像が、Olympus DP25デジタルカメラを使用して捕捉された。具体的には、サンプリングされた組織の光顕微鏡写真画像は、低拡大率(20倍オリジナル拡大率)および高拡大率(100倍オリジナル拡大率)で取得された。取得された画像は、組織学的評価を受けた。評価の目的は、組織を組織学的に検査し、取得されたサンプルに関する鬱滞および尿細管変性を定質的に特性評価することであった。
表面マッピング分析もまた、腎臓組織の取得されたスライド上で実施された。具体的には、サンプルは、染色および分析され、治療ならびに未治療腎臓に関する尿細管のサイズの差異を評価した。画像処理技法によって、染色された画像内の異なる着色を伴うピクセルの数および/または相対的パーセンテージを計算した。計算された測定データは、異なる解剖学的構造の体積を判定するために使用された。
結果
排尿およびクレアチニンクリアランス
排尿量は、著しくばらつきがあった。排尿量における3つの変動の原因が、研究の間に観察された。個体間および血行動態の変動が、当技術分野において公知の変動の予期される原因であった。排尿における変動の第3の原因は、以前は未知であったと考えられる情報および考えに基づいて、本明細書に議論される実験において識別された、すなわち、排尿における対側性個体内変動である。
ベースライン排尿量は、一方の腎臓に関しては0.79ml/分であって、他方の腎臓に関しては1.07ml/分であった(例えば、26%差異)。排尿量は、動物毎の排尿量から計算された平均率である。
鬱滞がIVCバルーンを膨張させることによって提供されたとき、治療腎臓排尿は、0.79ml/分から0.12ml/分(ベースラインの15.2%)まで降下した。比較では、鬱滞の間の対照腎臓排尿量は、1.07ml/分から0.09ml/分(ベースラインの8.4%)まで降下した。排尿量に基づいて、対照腎臓排尿と比較した治療腎臓排尿における相対的増加が、以下の方程式に従って計算された。
(療法治療/ベースライン治療)/(療法対照/ベースライン対照)=相対的増加
(0.12ml/分/0.79ml/分)/(0.09ml/分/1.07ml/分)
=180.6%
したがって、治療腎臓排尿量における相対的増加は、対照と比較して180.6%であった。本結果は、治療側と比較して、対照側における鬱滞によって生じた尿産生のより大きい減少を示す。排尿における相対的パーセンテージ差として結果を提示することは、腎臓間の排尿における差異を調節する。
動物のうちの1匹に対するベースライン、鬱滞、および治療部分に関するクレアチニンクリアランス測定が、図22に示される。
肉眼的検査および組織学的評価
対照腎臓(右腎)および治療腎臓(左腎)の肉眼的検査に基づいて、対照腎臓が均一に暗褐色を有することが判定され、これは、治療腎臓と比較した対照腎臓におけるより多くの鬱滞に対応する。拡大切片画像の定質的評価もまた、治療腎臓と比較した対照腎臓における鬱滞増加に着目した。具体的には、表1に示されるように、治療腎臓は、対照腎臓と比較してより低いレベルの鬱滞および尿細管変性を呈した。以下の定質的スケールが、取得されたスライドの評価のために使用された。
表1に示されるように、治療腎臓(左腎)は、低度の鬱滞および尿細管変性のみを呈した。対照的に、対照腎臓(右腎)は、中程度の鬱滞および尿細管変性を呈した。これらの結果は、以下に議論されるスライドの分析によって取得された。
図48Aおよび48Bは、動物の左腎(負圧で治療された)の低および高拡大率光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の低度の鬱滞が、矢印によって示されるように識別された。図48Bに示されるように、硝子様円柱を伴う単一尿細管(アスタリスクによって識別されるように)が、識別された。
図48Cおよび48Dは、対照腎臓(右腎)の低および高分解能光顕微鏡写真である。組織学的精査に基づいて、皮髄境界部における血管内の中程度の鬱滞が、図48Cにおける矢印によって示されるように識別された。図48Dに示されるように、硝子様円柱を伴ういくつかの尿細管が、組織サンプル中に存在した(画像内のアスタリスクによって識別されるように)。硝子様円柱の実質的数の存在は、低酸素の証拠である。
表面マッピング分析は、以下の結果を提供した。治療腎臓は、ボーマン隙内において1.5倍上回る流体体積を有し、尿細管管腔内において2倍上回る流体体積を有することが判定された。ボーマン隙および尿細管管腔内の増加された流体体積は、増加された排尿に対応する。加えて、治療腎臓は、対照腎臓と比較して、毛細管内に5倍少ない血液体積を有することが判定された。治療腎臓内の増加された体積は、(1)対照と比較した個々の毛細管サイズの減少と、(2)対照腎臓と比較した治療腎臓内に可視赤血球を伴わない毛細管の数の増加、すなわち、治療器官におけるより少ない鬱滞のインジケータの結果となって現れる。
まとめ
これらの結果は、対照腎臓が、治療腎臓と比較してタンパク質が豊富な管腔内物質を表す、より多くの鬱滞および管腔内硝子様円柱を伴うより多くの尿細管を有していたことを示す。故に、治療腎臓は、より低い腎機能の損失の程度を呈する。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、重度の鬱滞が腎臓内に発症するにつれて、器官の低酸素血症が続くと考えられる。低酸素血症は、器官内の酸化的リン酸化(例えば、ATP産生)に干渉する。ATPの損失および/またはATP産生の減少は、タンパク質の能動的輸送を阻止し、管腔内タンパク質含有量を増加させ、これは、硝子様円柱として発現する。管腔内硝子様円柱を伴う腎尿細管の数は、腎機能の損失の程度と相関する。故に、治療された左腎内の尿細管の低減された数は、生理学的に有意であると考えられる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、これらの結果は、腎臓への損傷が、負圧を腎盂の中に挿入される尿管カテーテルに印加し、排尿を促進することによって防止または阻止され得ることを示すと考えられる。
(実施例2)
方法
4匹の家畜用ブタ(A、B、C、D)が、鎮静および麻酔された。ブタ毎のバイタルが、実験全体を通して監視され、心拍出量が、研究の各30分相の終了時に測定された。図2Aおよび2Bに示される尿管カテーテル112等の尿管カテーテルが、ブタのそれぞれの腎臓の腎盂領域内で展開された。展開されるカテーテルは、2.0±0.1mmの外径を有する6フレンチカテーテルであった。カテーテルは、54±2cmの長さであって、遠位保定部分を含まない。保定部分は、16±2mmの長さであった。図2Aおよび2Bにおけるカテーテル112に示されるように、保定部分は、2つの完全コイルと、1つの近位半コイルとを含んだ。図2Aおよび2Bにおける線D1によって示される完全コイルの外径は、18±2mmであった。半コイル直径D2は、約14mmであった。展開された尿管カテーテルの保定部分は、6つの排出開口部に加え、カテーテル管の遠位端における付加的開口部を含んだ。排出開口部のそれぞれの直径は、0.83±0.01mmであった。隣接する排出開口部132間の距離、具体的には、コイルが直線化されたときの排出開口部間の線形距離は、22.5±2.5mmであった。
尿管カテーテルは、ブタの腎盂から、膀胱および尿道を通して、各ブタの外部の流体収集容器に延在するように位置付けられた。尿管カテーテルの設置に続いて、IVC圧力を測定するための圧力センサが、腎静脈の遠位の位置においてIVC内に設置された。膨張可能バルーンカテーテル、具体的には、NuMED Inc.(Hopkinton, NY)製PTS(R)経皮的バルーンカテーテル(30mm直径×5cm長さ)が、腎静脈の近位の位置においてIVC内で拡張された。熱希釈カテーテル、具体的には、Edwards Lifesciences Corp.(Irvine, CA)製Swan-Ganz熱希釈肺動脈カテーテルが、次いで、心拍出量を測定する目的のために肺動脈内に設置された。
最初に、ベースライン排尿が、30分にわたって測定され、血液および尿サンプルが、生化学分析のために収集された。30分のベースライン周期に続いて、バルーンカテーテルが、IVC圧力を1~4mmHgのベースライン圧力から約20mmHg(+/-5mmHg)の上昇鬱滞圧力に増加させるために膨張された。鬱滞ベースラインが、次いで、30分にわたって対応する血液および尿分析とともに収集された。
鬱滞周期の終了時、上昇鬱滞IVC圧力が、維持され、負圧利尿治療が、ブタAおよびブタCに対して提供された。具体的には、ブタ(A、C)は、ポンプを用いて尿管カテーテルを通して-25mmHgの負圧を印加することによって治療された。前述で議論された実施例におけるように、ポンプは、Cole-Parmer Instrument Company(モデル番号EW-07530-85)製Air Cadet Vacuum Pumpであった。ポンプは、調整器に直列に接続された。調整器は、Airtrol Components Inc.製V-800 Series Miniature Precision Vacuum Regulator-1/8NPT Ports(モデル番号V-800-10-W/K)であった。ブタは、120分にわたって、治療が提供されるにつれて観察された。血液および尿収集が、治療周期の間、30分毎に実施された。ブタのうちの2匹(B、D)が、鬱滞対照として治療され(例えば、負圧が尿管カテーテルを通して腎盂に印加されなかった)、2匹のブタ(B、D)が負圧利尿療法を受けなかったことを意味する。
120分の治療周期にわたる排尿およびクレアチニンクリアランスデータの収集に続いて、動物は、屠殺され、各動物からの腎臓は、肉眼的検査を受けた。肉眼的検査に続いて、組織切片が、取得および検査され、切片の拡大画像が、捕捉された。
結果
ベースライン、鬱滞、および治療周期の間に収集された測定は、表2に提供される。具体的には、排尿、血清中クレアチニン、および尿中クレアチニン測定が、時間周期毎に取得された。これらの値は、以下のように、測定されたクレアチニンクリアランスの計算を可能にする。
加えて、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)値が、時間周期毎に取得された血清サンプルから測定され、腎臓傷害分子1(KIM-1)値が、時間周期毎に取得された尿サンプルから測定された。取得された組織切片の精査から判定された定質的組織学的見解もまた、表2に含まれる。
動物A:動物は、重さ50.6kgであって、3.01ml/分のベースライン排尿量、0.8mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、261ml/分のCrClが測定された。これらの測定は、血清中クレアチニンに加えて、研究された他の動物と比較して非特徴的に高かったことに留意されたい。鬱滞は、排尿量における98%低減(0.06ml/分)およびCrClにおける>99%低減(1.0ml/分)と関連付けられた。尿管カテーテルを通して印加される負圧を用いた治療は、それぞれ、ベースライン値の17%および12%の排尿ならびにCrClと、それぞれ、鬱滞値の9倍および>10倍と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞の間のベースラインの68%から90分の療法後のベースラインの258%まで及んだ。最終値は、ベースラインの130%であった。KIM-1のレベルは、それぞれ、最後の3回の収集周期にわたって、ベースライン値の68倍、52倍、および63倍まで増加する前に、ベースライン査定後、最初の2回の30分の時間枠にわたってベースラインの6倍および4倍であった。2時間の血清中クレアチニンは、1.3mg/dlであった。組織学的検査は、毛細管空間内の血液体積によって測定された2.4%の全体的鬱滞レベルを明らかにした。組織学的検査はまた、管腔内硝子様円柱およびある程度の尿細管上皮性変性を伴ういくつかの尿細管に着目し、細胞損傷と一貫することを見出した。
動物B:動物は、重さ50.2kgであって、2.62ml/分のベースライン排尿量を有し、172ml/分(これはまた、予想よりも高い)のCrClが測定された。鬱滞は、排尿量における80%低減(0.5ml/分)およびCrClにおける83%低減(30ml/分)と関連付けられた。鬱滞状態になってから50分時点において(鬱滞ベースライン周期から20分後)、動物は、平均動脈圧および呼吸数に急降下を被り、頻脈が続いた。麻酔科医が、ある用量のフェニレフリン(75mg)を投与し、心原性ショックを防いだ。フェニレフリンは、血圧が麻酔の間に安全レベルを下回って降下するときの静脈内投与のために適応される。しかしながら、実験は、腎生理学に及ぼす鬱滞の影響を試験しているため、フェニレフリンの投与は、実験の残りを判別不能なものにした。
動物C:動物は、重さ39.8kgであって、0.47ml/分のベースライン排尿量、3.2mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、5.4ml/分のCrClが測定された。鬱滞は、排尿における75%低減(0.12ml/分)およびCrClにおける79%低減(1.6ml/分)と関連付けられた。ベースラインNGALレベルは、正常値上限(ULN)の>5倍であったことが判定された。尿管カテーテルを通して腎盂に印加された負圧を用いた治療は、排尿の正常化(ベースラインの101%)およびCrClにおける341%改良(18.2ml/分)と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞の間のベースラインの84%から30と90分との間のベースラインの47%~84%まで及んだ。最終値は、ベースラインの115%であった。KIM-1のレベルは、それぞれ、残りの30分時間枠にわたって、ベースライン値の8.7倍、6.7倍、6.6倍、および8倍まで増加する前に、鬱滞の最初の30分以内にベースラインから40%減少した。2時間の時点における血清中クレアチニンレベルは、3.1mg/dlであった。組織学的検査は、毛細管空間内の血液体積によって測定された0.9%の全体的鬱滞レベルを明らかにした。尿細管は、組織学的に正常であることが着目された。
動物D:動物は、重さ38.2kgであって、0.98ml/分のベースライン排尿、1.0mg/dlのベースライン血清中クレアチニンを有し、46.8ml/分のCrClが測定された。鬱滞は、排尿量における75%低減(0.24ml/分)およびCrClにおける65%低減(16.2ml/分)と関連付けられた。持続的鬱滞は、排尿の66%~91%低減およびCrClにおける89%~71%低減と関連付けられた。NGALのレベルは、実験全体を通して変化し、鬱滞の間のベースラインの127%からベースラインの209%の最終値まで及んだ。KIM-1のレベルは、最後の3回の30分周期にわたってベースライン値の190倍、219倍、および201倍まで増加する前に、ベースライン査定後の最初の2回の30分の時間枠にわたってベースラインの1倍~2倍のままであった。2時間血清中クレアチニンレベルは、1.7mg/dlであった。組織学的検査は、全体的鬱滞レベルが治療された動物(A、C)に関して組織サンプル内で観察されたものを2.44倍上回り、平均毛細管サイズが治療された動物のいずれかにおいて観察されたものを2.33倍上回ることを明らかにした。組織学的評価はまた、実質的細胞損傷を示す、管腔内硝子様円柱ならびに尿細管上皮性変性を伴ういくつかの尿細管に着目した。
まとめ
理論によって拘束されることを意図するわけではないが、収集されたデータは、静脈鬱滞が生理学的に有意な影響を腎機能に及ぼすという仮説を支持すると考えられる。特に、腎静脈圧の上昇は、排尿を数秒以内に75%~98%低減させることが観察された。尿細管傷害および組織学的損傷のバイオマーカ内の上昇間の関連付けは、傷害の大きさおよび持続時間の両方の観点から、静脈鬱滞が発生する程度と一貫する。
データはまた、間質圧を改変することによって、静脈鬱滞が髄質腎単位内の濾過勾配を減少させるという仮説を支持することが分かる。変化は、髄質腎単位内の低酸素および細胞傷害に直接寄与することが分かる。本モデルは、AKIの臨床状態を模倣していないが、機械的持続傷害に対する洞察を確実に提供する。
データはまた、負圧を尿管カテーテルを通して腎盂に印加することが、静脈鬱滞モデルにおける排尿を増加させ得るという仮説を支持することが分かる。特に、負圧治療は、臨床上有意となるであろう、排尿およびクレアチニンクリアランスの増加と関連付けられた。髄質毛細管体積における生理学的に有意義な減少および尿細管傷害のバイオマーカにおけるよりわずかな上昇もまた、観察された。したがって、排尿量を増加させ、髄質腎単位内の間質圧を減少させることによって、負圧療法は、鬱滞を直接減少させ得ることが分かる。理論によって拘束されることを意図するわけではないが、鬱滞を減少させることによって、負圧療法は、静脈鬱滞媒介AKIにおいて腎臓内の低酸素およびその下流影響を低減させると結論付けられ得る。
実験結果は、鬱滞の程度が、圧力の大きさおよび持続時間の両方の観点から、観察される細胞傷害の程度と関連付けられるという仮説を支持することが分かる。具体的には、排尿低減および組織学的損傷の程度間の関連付けが、観察された。例えば、排尿における98%低減を有した治療されたブタAは、排尿における75%低減を有した治療されたブタCより多く損傷を被った。予期されるであろうように、2時間半にわたる療法の利点を伴わない、排尿における75%低減を被った対照ブタDは、最も組織学的損傷を呈した。これらの見解は、より多くの静脈鬱滞に伴うAKI発症のリスク増加を実証するヒトデータと広く一貫する。例えば、Legrand, M. et al., Association between systemic hemodynamics and septic acute kidney injury in critically ill patients: a retrospective observational study. Critical Care 17:R278-86, 2013を参照されたい。
(実施例3)
方法
尿管カテーテルを使用した家畜用ブタの腎盂内での負圧の誘発が、血液の血液希釈に及ぼす負圧療法の効果を評価する目的のために実施された。これらの研究の目的は、腎盂の中に送達される負圧が蘇生輸液のブタモデルにおいて排尿を有意に増加させるかどうかを実証することであった。
2匹のブタが、ケタミン、ミダゾラム、イソフルラン、およびプロポフォールを使用して、鎮静および麻酔された。1匹の動物(#6543)が、本明細書に説明されるように、尿管カテーテルおよび負圧療法を用いて治療された。他方は、Foleyタイプ膀胱カテーテルを受容し、対照(#6566)としての役割を果たした。尿管カテーテルの設置に続いて、動物は、寝台に移され、24時間にわたって監視された。
体液量過剰が、24時間経過観察の間、生理食塩水(125mL/時間)の一定注入を用いて、両動物において誘発された。排尿体積が、24時間にわたって15分毎に測定された。血液および尿サンプルが、4時間毎に収集された。図21に示されるように、療法ポンプ818は、-45mmHg(+/-2mmHg)の圧力を使用して、負圧を両腎臓の腎盂820、821(図21に示される)内で誘発するように設定された。
結果
両動物は、24時間周期にわたって、7Lの生理食塩水を受けた。治療動物は、4.22Lの尿を産生した一方、対照は、2.11Lを産生した。24時間の終了時、対照は、投与された7Lのうち4.94Lを貯留していた一方、治療動物は、投与された7Lのうち2.81Lを貯留していた。図26は、血清アルブミンの変化を図示する。治療動物は、24時間にわたって、血清アルブミン濃度の6%降下を認めた一方、対照動物は、29%降下を認めた。
まとめ
理論によって拘束されることを意図するわけではないが、収集されたデータは、体液量過剰が臨床上有意な影響を腎機能に誘発し、その結果、血液希釈を誘発するという仮説を支持すると考えられる。特に、大量の静脈内生理食塩水の投与は、健康な腎臓によってさえ、効果的に除去されることができないことが観察された。結果として生じる流体蓄積は、血液希釈につながる。データはまた、尿管カテーテルを使用して負圧利尿療法を体液量過剰動物に適用することが、排尿を増加させ、正味体液平衡を改良し、血液希釈の発現に及ぼす蘇生輸液の影響を減少させることができるという仮説を支持すると考えらえる。
本発明の前述の実施例および実施形態が、種々の実施例を参照して説明された。修正および改変が、前述の実施例の熟読ならびに理解に応じて当業者に想起されるであろう。故に、前述の実施例は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。