JP2022514772A - マルチホップルーティングにおける迅速な閉塞発見及び回復 - Google Patents

マルチホップルーティングにおける迅速な閉塞発見及び回復 Download PDF

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Abstract

発信局と宛先局との間の通信のためのプライマリルート及び少なくとも1つのバックアップルートを維持する通信帯(例えば、指向性mmW)を介したデータ送信を実行するために利用する無線通信装置、システム又は方法。発信局から宛先局へのプライマリルート及び1又は2以上のバックアップルートを維持する上で、ルート発見及び応答メッセージ、並びにルート要求及び応答アップデートメッセージが利用される。閉塞状態を局所的に解消して、利用可能な場合には別のルートを選択し、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する近隣局にルートステータス情報を伝達する。【選択図】 図22

Description

〔関連出願との相互参照〕
該当なし
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし
〔コンピュータプログラム付属書の引用による組み入れ〕
該当なし
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文献中の資料の一部は、アメリカ合衆国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受けることができる。著作権の権利所有者は、合衆国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表される通りに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定ではないが米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておく権利のいずれも本明細書によって放棄するものではない。
本開示の技術は、一般に無線ネットワーク通信に関し、具体的には、プライマリルート及びバックアップルートを介したマルチホップルーティングに関する。
より高速かつロバストな無線ネットワーク通信の必要性がますます重要になってきている。これらの高容量に到達する必要性に応えて、ネットワークオペレータらは高密度化を達成する様々な概念を受け入れ始めた。現在のsub-6GHz無線技術は、高データ需要に対処するには十分でない。1つの選択肢は、ミリメートル波帯(mmW)と呼ばれることもある30~300GHz帯のさらなるスペクトルを利用することである。
一般に、mmW無線ネットワーキングシステムを効率的に利用するには、これらの高周波帯のチャネル障害及び伝搬特性に正しく対応する必要がある。高自由空間経路損失、高い侵入損失、反射損失及び回折損失は、利用可能なダイバーシチを低減し、見通し外(NLOS)通信を制限する。とはいえ、mmWの短波長は、経路損失を克服して受信機における高い信号対雑音比(SNR)を確実にするのに十分な配列利得(array gain)を提供することができる実用的な寸法の高利得電子操作型指向性アンテナ(high-gain electronically steerable directional antennas)の使用を可能にする。mmW帯を用いた高密度展開環境における指向性分散ネットワーク(DN)は、局(STA)間の信頼できる通信を実現して見通し内チャネル制約を克服するための効率的な方法となり得る。
新規局(STA又はノード)は、作動すると、参加すべきネットワーク内の発見すべき近隣STAを探す(探索する)。STAからネットワークへの初期アクセスプロセスは、近隣STAをスキャンして局所的近傍における全てのアクティブなSTAを発見することを含む。このプロセスは、参加すべき特定のネットワーク又はネットワークリストを新規STAが探索することを通じて、或いは新規STAを受け入れる予定のいずれかの既存のネットワークに参加するためのブロードキャスト要求を新規STAが送信することによって実行することができる。
分散ネットワーク(DN)に接続するSTAは、近隣STAを発見して、ゲートウェイ/ポータルDN STAに到達するための最良の方法、及びこれらの各近隣STAの能力を判断する必要がある。新規STAは、候補となる近隣STAの全てのチャネルを特定の期間にわたって調べる。この特定の時間後にアクティブなSTAが検出されなければ、新規STAは次のチャネルの検査に移行する。STAが検出されると、新規STAは、自機の物理(PHY)層(例えば、OSIモデル)を調節領域(IEEE、FCC、ETSI、MKK等)における動作のために構成するのに十分な情報を収集する。mmW通信では、指向性送信に起因してこのタスクがさらに困難である。このプロセスにおける課題は、(a)周辺STA IDの知識、(b)ビームフォーミングにとっての(単複の)最良送信パターンの知識、(c)衝突及びデフネスに起因するチャネルアクセス問題、並びに(d)閉塞及び反射に起因するチャネル障害、として要約することができる。mmW D2D及びDN技術の普及を可能にするには、上記の一部又は全部を克服する近隣発見方法を設計することが何よりも重要である。
ブロードキャストモードで動作するネットワークのDNアドレスを発見するための既存の技術の大部分は、指向性無線通信を伴うネットワークを目的としていない。また、指向性無線ネットワーク通信を利用するこれらの技術は、ビーコン信号の生成に関するオーバーヘッド要求が非常に高いことが多い。さらに、これらの技術は、発見の実行に伴うオーバーヘッド及びレイテンシを低減するのに十分な機構を欠いている。
現在のmmW通信システムは、送信機(Tx)と受信機(Rx)との間の十分なリンクバジェットを得るために指向性通信に依拠する。局は、チャネルにアクセスするために、最初にリスニングを行って、媒体が占められているか、それとも空いているかをチェックする。通常、このリスニング段階は準全方向アンテナを使用して行われ、多くの場合はこれによって送信又は受信方向が実際の指向性信号の影響を受けることはないが、チャネルアクセスが妨げられる。
mmW帯でマルチホップ通信ネットワークを確立するタスクは、低周波帯システムにおける全方向通信に比べると、指向性に起因していっそう困難である。このプロセスにおける課題は、(a)周辺ノードのIDの知識、(b)近隣へのビームフォーミングにとって最良送信パターンの知識、(c)衝突及びデフネスに起因するチャネルアクセス問題、並びに(d)閉塞及び反射に起因するチャネル障害、として要約することができる。
既存の技術は、指向性mmW通信の使用に関して、閉塞及びその他のチャネル障害を素早く検出して回復できないことが多い。
従って、指向性mmW通信を効率的に利用して、閉塞及び障害を素早く検出して回復させる強化された機構に対するニーズが存在する。本開示は、これらのニーズを満たすとともに、これまでの技術を凌駕するさらなる利点をもたらす。
ネットワーク局が代替ルートオプションに効率的に切り替えを行ってこの変更について他の近隣局(STA)に通知するための装置及び方法を開示する。発明者の以前の研究では、閉塞が発生すると、ルーティングプロトコルが代替ルートを発見するためにより多くのルーティングメッセージを交換する必要がある。本開示は、新たなタイプのメッセージ交換を用いた新規の局所的回復動作を提供する。また、プロトコルは、複数のネクストホップオプションを追跡し、必要性が生じた時に直ちにこれらのオプションの展開準備ができていることを確実にする。バックアップオプションがいずれも到達可能でない場合、本開示は、低いシステムオーバーヘッド(軽量)バージョンのルート発見を利用して近隣STA間の代替を発見する。
この目的を達成するために、本開示は、エンドツーエンドルートを回復するのに必要な時間を短縮するためにSTAが局所的動作を行う新規方法を教示する。また、このプロトコルでは、他のSTAがこのルート変更に関して通知を受ける。さらに、閉塞STAの代替近隣STA、又はもはや到達可能でないSTAの代用をプロトコルが決定するための新規方法も開示する。従って、本開示は、無線通信システムのリンク閉塞下における代替ルート発見問題を解決する。
従って、開示する無線局プロトコルは、発信元STAから宛先STAへのプライマリルートが閉塞した時に、一連の動作を利用してマルチホップルーティングオプション間のシームレスな遷移を達成することを記述する。本開示の1つの重要な特徴は、先行技術のシステムが最適ルートを取得する際に必要とするような遅延(オーバーヘッド)を大幅に低減するように、閉塞STAがあらゆるデータ転送の中断を回避するために大域的最適ルーティングオプションが決定されるまで局所的動作を実行する能力である。
リンクの送信機STAがその近隣STAの中から閉塞STAの代用を取得しようと努め、従って代替ネクストホップSTAオプションで満たされたルーティングテーブルを維持する、閉塞STAの置換機構についても説明する。さらに、このプロトコルに従う全てのSTAは、積極的リンク維持プロセスを利用して自機のルーティングテーブルエントリが有効かつ最新であることを確実にする。これは、近隣STA間でステータス要求(SREQ)メッセージ及びステータス応答(SREP)メッセージを使用して達成される。しかしながら、ルーティングテーブル内のエントリのうちの1つがSREQ pingメッセージに応答しない場合、この近隣は到達可能でなく置換する必要があるとみなされる。本開示は、ルーティングテーブルを維持するために、近隣STAの補集合にルート要求アップデート(RREQU)を送信して到達不可能な近隣STAの代用を発見することを利用する。
本開示の教示は、無線LAN(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、装置間(D2D)ネットワーク、ピアツーピア(P2P)ネットワーク、メッシュネットワーク、及び屋外無線通信に適用することができる。従って、開示する技術は幅広い目的用途で利用することができ、限定ではなく一例として、Wi-Fi、WiGig、Wi-Fiタイプネットワーク、モノのインターネット(IoT)用途、データのバックホール及びフロントホール、屋内及び屋外配信ネットワーク、メッシュネットワーク、及びD2D通信を伴う次世代セルラーネットワークなどが挙げられる。
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を制限することなく完全に開示するためのものである。
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
IEEE 802.11無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)において行われるアクティブスキャンのタイミング図である。 DN局と非DN局との組み合わせを示す分散ネットワーク(DN)の局(STA)図である。 IEEE 802.11 WLANのDN識別要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11 WLANのDN構成要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adプロトコルでのアンテナセクタスイーピング(SSW)の概略図である。 IEEE 802.11adプロトコルでのセクタレベルスイーピング(SLS)のシグナリングを示すシグナリング図である。 IEEE 802.11adのセクタスイープ(SSW)フレーム要素を示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adのSSWフレーム要素内のSSWフィールドを示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adに利用される、ISSの一部として送信される時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。 IEEE 802.11adに利用される、ISSの一部として送信されない時に示されるSSWフィードバックフィールドを示すデータフィールド図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルのネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って利用される無線mmW通信局ハードウェアのブロック図である。 本開示の実施形態に従って利用される図10の局ハードウェアのmmWビームパターン図である。 本開示の実施形態による、発見帯通信アンテナ(すなわち、sub-6GHz)のビームパターン図である。 本開示の実施形態に従って利用される4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って利用される3つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、ルート要求フレーム(RREQ)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ルート応答フレーム(RREP)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ステータス要求フレーム(SREQ)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、発信局(STA)によるステータス応答フレーム(SREP)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ルート要求アップデート(RREQU)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、ルート応答アップデート(RREPU)メッセージのデータフィールド図である。 本開示の実施形態による、閉塞状態に応答してルート要求アップデートメッセージを使用して回復を実行するアップデートロジックのフロー図である。 本開示の実施形態による、ルート要求アップデートメッセージを受け取ったことに応答してルート応答アップデートメッセージを伝達するアップデートロジックのフロー図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する4つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する5つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する5つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する5つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する5つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する5つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態による、ルート要求アップデートメッセージを生成して送信するロジックのフロー図である。 本開示の実施形態による、受け取ったルート要求アップデートメッセージを処理して対応するルート応答アップデートメッセージを送信するロジックのフロー図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。 本開示の実施形態に従って相互作用する6つの局例のネットワークトポロジ図である。
本開示は、閉塞状態を素早く検出し、利用可能であれば別のルートを選択する局所的動作を実行した後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達することを可能にする。
以下の用語は、本開示において使用する際には一般に後述する意味を有する。
AODV:アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)は、無線及びモバイルアドホックネットワーク用に設計された、宛先へのオンデマンドルートを確立するためのルーティングプロトコルである。
ビームフォーミング(BF):全方向又は準全方向アンテナではない指向性アンテナシステム又はアレイからの、対象の受信機における受信信号電力又は信号対雑音比(SNR)を改善する情報を決定するための指向性送信であり、局は、この送信に基づいて、時間及び割り当て情報を相関させる情報を取得することができる。
BI:ビーコン間隔は、ビーコン送信時間の合間の時間を表す周期的スーパーフレーム期間(cyclic superframe period)である。
BSS:ベーシックサービスセットは、ネットワーク内のAPとの同期に成功した一連の局(STA)である。実際にはSTA同士の通信を可能にする無線媒体に接続するSTAの組であるBSSの周囲に構築される、IEEE802.11 WLANアーキテクチャのコンポーネントである。
BTI:ビーコン送信間隔は、連続するビーコン送信間の間隔である。
CBAP:競合ベースのアクセス期間は、競合ベースの拡張分散チャネルアクセス(enhanced distributed channel access:EDCA)を使用する指向性マルチギガビット(DMG)BSSのデータ転送間隔(DTI)内の期間である。
CSMA/CA:搬送波感知多重アクセス/衝突回避(Carrier-Sense Multiple Access with Collision Avoidance)は、搬送波感知を利用するネットワーク多重アクセス法である。
DMG:指向性マルチギガビットは、IEEE 802に記載されている高スループット無線通信の形態である。
DN STA:分散ネットワーク(DN)局(DN STA)は、DN施設を実装する局(STA)である。DN BSS内で動作するDN STAは、他のDN STAに配信サービスを提供することができる。
DTI:データ転送間隔は、完全なBFトレーニングに続いて実際のデータ転送を行うことができる期間である。DTIは、1又は2以上のサービス期間(SP)及び競合ベースのアクセス期間(CBAP)を含むことができる。
FCS:通信プロトコルにおいてフレームに追加される誤り検出コードを提供するフレームチェックシーケンスである。
LOS:見通し線:送信機及び受信機が表面上互いの視界内に存在する、反射信号の通信結果ではない通信である。逆の状態は、局が互いにLOS内に存在しない見通し外を表すNLOSである。
MACアドレス:媒体アクセス制御(MAC)アドレス。
MBSS:メッシュベーシックサービスセットは、分散ネットワーク(DN)局(DN STA)の自己完結型ネットワーク(self-contained network)を形成するベーシックサービスセット(BSS)であり、配信システム(DS)として使用することができる。
全方向性:無指向性アンテナを利用する送信モード。
準全方向性:最も広いビーム幅を達成できる指向性マルチギガビット(DMG)アンテナを利用する通信モード。
NAV情報:IEEE 802.11などの無線ネットワークプロトコルと共に使用される仮想搬送波感知機構のための情報である。
RA:データを通信すべき受信機アドレスである。
RREP:ルーティング応答:宛先STAによって生成される、発信元STAに関する情報を含むメッセージフレーム。
RREQ:ルーティング要求:発信元STAによって生成される、宛先STAに関する情報を含むメッセージフレーム。
RREQU:ルーティング要求アップデート:ルーティング情報を更新するための情報を近隣STAから取得するために生成されるメッセージフレーム。
RREPU:ルーティング応答アップデート:RREQUに応答するために生成されるメッセージフレーム。
受信セクタスイープ(RXSS):連続する受信間にスイープが行われる、異なるセクタを介した(にわたる)セクタスイープ(SSW)フレームの受信。
RSSI:(dBm単位の)受信信号強度インジケータ。
SLS:セクタレベルスイープ段階は、SSWフィードバック及びSSW ACKなどを使用してイニシエータをトレーニングするためのイニシエータセクタスイープ(ISS)、レスポンダリンクをトレーニングするためのレスポンダセクタスイープ(RSS)といった4つほどのコンポーネントを含むことができるBFトレーニング段階である。
SNR:dB単位の受信信号対雑音比。
SP:サービス期間は、アクセスポイント(AP)によってスケジュールされる期間であり、スケジュールされたSPは一定の時間間隔で開始する。
スペクトル効率:特定の通信システムにおいて所与の帯域幅を通じて送信できる情報率であり、通常はビット/秒又はヘルツで表される。
SREQ:ステータス要求:各STAによって生成され、ネクストホップSTAが動作中であってルーティングテーブルエントリが有効であるかどうかをチェックするために使用されるメッセージフレーム。SREQは、リンクメトリックの更新にも使用される。
SREP:ステータス応答:ステータス要求(SREQ)メッセージに応答して生成されるメッセージフレーム。
SSID:サービスセット識別子は、WLANネットワークに割り当てられる名称である。
STA:局(又はノード)は、無線媒体(WM)への媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)インターフェイスの単独でアドレス指定可能なインスタンスである論理エンティティである。
スイープ:送信機又は受信機のアンテナ構成が送信間で変更される、短期ビームフォーミングインターフレーム(SBIFS)間隔によって分離された一連の送信。
SSW:セクタスイープは、異なるセクタ(方向)で送信を行って、受信信号及び強度などに関する情報を収集する動作である。
TDD:時分割二重は、異なるアップリンク及びダウンリンクデータ送信フローに合わせて調整するために同じ周波数帯で異なるタイムスロットを割り当てることによってアップリンクがダウンリンクから分離される通信リンクの二重化を可能にする。
TDD SP:時分割二重サービス期間は、TDDチャネルアクセスを含むサービス期間であり、一連のTDDスロットをさらに含む一連のTDD間隔を含む。
送信セクタスイープ(TXSS):連続する送信間にスイープが行われる、異なるセクタを介した複数のセクタスイープ(SSW)又は指向性マルチギガビット(DMG)ビーコンフレームの送信である。
1.既存の指向性無線ネットワーク技術
1.1.WLANシステム
802.11などのWLANシステムでは、パッシブスキャン及びアクティブスキャンという2つのスキャンモードが規定される。以下は、パッシブスキャンの特性である。(a)ネットワークに参加しようと試みる新規局(STA)は、各チャネルを調べ、最大でMaxChannelTimeにわたってビーコンフレームを待つ。(b)ビーコンが受け取られなかった場合、新規STAは別のチャネルに移行し、従ってスキャンモードで信号を送信しないのでバッテリ電力を節約する。STAは、ビーコンを見逃さないように各チャネルにおいて十分な時間にわたって待つべきである。ビーコンが失われた場合、STAはさらなるビーコン送信間隔(BTI)にわたって待つべきである。
以下は、アクティブスキャンの特性である。(a)ローカルネットワークに参加したいと望む新規STAは、以下に従って各チャネル上でプローブ要求フレームを送信する。(a)(1)新規STAは、あるチャネルに移行して、着信フレーム、又はプローブ遅延タイマの満了を待つ。(a)(2)タイマの満了後にフレームが検出されなかった場合、このチャネルは未使用とみなされる。(a)(3)チャネルが未使用である場合、STAは新たなチャネルに移行する。(a)(4)チャネルが使用中である場合、STAは、通常のDCFを使用して媒体にアクセスしてプローブ要求フレームを送信する。(a)(5)チャネルがそれまでに使用中でなかった場合、STAは、プローブ要求に対する応答を受け取るために所望の期間(例えば、Minimum Channel Time(最小チャネル時間))にわたって待つ。チャネルが使用中であってプローブ応答が受け取られた場合、STAは、さらなる時間(例えば、Maximum Channel Time)にわたって待つ。
(b)プローブ要求は、一意のサービスセット識別子(SSID)、SSIDのリスト又はブロードキャストSSIDを使用することができる。(c)周波数帯によっては、アクティブスキャンが禁止されていることもある。(d)アクティブスキャンは、特に多くの新規STAが同時に到着してネットワークにアクセスしようと試みる場合に干渉及び衝突の原因となり得る。(e)アクティブスキャンは、パッシブスキャンの使用に比べてSTAがビーコンを待つ必要がないので、STAがネットワークにアクセスするための高速な(遅延が少ない)方法である。(f)インフラストラクチャベーシックサービスセット(BSS)及びIBSSでは、少なくとも1つのSTAがプローブを受け取って応答しようと目を光らせている。(g)分散ネットワーク(DN)ベーシックサービスセット(MBSS)内のSTAは、いずれかの時点で応答に目を光らせていないこともある。(h)無線測定キャンペーンがアクティブの時には、STAがプローブ要求に応答しないこともある。(i)プローブ応答の衝突が生じることもある。STAは、最後のビーコンを送信したSTAが最初のプローブ応答を送信できるようにすることによってプローブ応答の送信を協調させることもできる。他のSTAは、衝突を回避するためにバックオフ時間及び通常の分散制御機構(DCF)チャネルアクセスに従ってこれらを使用することができる。
図1に、プローブを送信するスキャン局と、プローブを受け取ってこれに応答する2つの応答局とを示す、IEEE 802.11 WLANにおけるアクティブスキャンの使用を示す。この図には、最小プローブ応答タイミング及び最大プローブ応答タイミングも示す。図示の値G1は、確認応答の送信前のフレーム間間隔であるSIFSに設定されるのに対し、値G3は、バックオフ期間の完了後であってRTSパッケージの送信前に送信側が待機する時間遅延を表すDCFフレーム間間隔であるDIFSである。
1.2.IEEE 802.11s 分散ネットワーク(DN)WLAN
IEEE 802.11s(以下、802.11s)は、802.11標準に無線メッシュネットワーキング能力を加えた標準である。802.11sでは、新たなタイプの無線局と、メッシュネットワーク発見、ピアツーピア接続の確立及びメッシュネットワークを通じたデータのルーティングを可能にする新たなシグナリングとが規定される。
図2には、非メッシュSTAの混合がメッシュSTA/APに接続し(実線)、メッシュSTAがメッシュポータルを含む他のメッシュSTAに接続する(点線)メッシュネットワークの一例を示す。メッシュネットワーク内のノードは、802.11標準で規定されている同じスキャン技術を近隣発見に使用する。メッシュネットワークの識別は、ビーコン及びプローブ応答フレームに含まれるメッシュID要素によって行われる。1つのメッシュネットワークでは、全てのメッシュSTAが同じメッシュプロファイルを使用する。メッシュプロファイルは、メッシュプロファイル内の全てのパラメータが一致する場合に同じものとみなされる。メッシュプロファイルは、その近隣のメッシュSTAがスキャンを通じてメッシュプロファイルを取得できるようにビーコン及びプローブ応答フレームに含まれる。
メッシュSTAがスキャンプロセスを通じて近隣メッシュSTAを発見すると、発見されたメッシュSTAはピアメッシュSTA候補とみなされる。このメッシュSTAは、発見されたメッシュSTAがメンバであるメッシュネットワークのメンバになって近隣メッシュSTAとのメッシュピアリングを確立することができる。発見された近隣メッシュSTAは、受信ビーコンと同じメッシュプロファイルを使用している場合、或いはプローブ応答フレームがその近隣メッシュSTAを示す場合、ピアメッシュSTA候補とみなすことができる。
メッシュSTAは、(a)近隣MACアドレス、(b)動作チャネル番号、及び(c)最近観察されたリンク状況及び品質情報を含む発見された近隣情報をメッシュ近隣テーブル内に維持しようと試みる。近隣が検出されなかった場合、メッシュSTAは、その最優先プロファイルのメッシュIDを使用してアクティブな状態を保つ。近隣メッシュSTAを発見するための上述したシグナリングは全てブロードキャストモードで実行される。802.11sは、指向性無線通信を伴うネットワークを対象としたものではないと理解されたい。
図3に、メッシュネットワークの識別を広告するために使用されるメッシュ識別要素(メッシュID要素)を示す。メッシュIDは、メッシュネットワークに参加する用意がある新規STAによってプローブ要求で送信され、また既存のメッシュネットワークSTAによってビーコン及び信号で送信される。長さ0のメッシュIDフィールドは、プローブ要求フレーム内で使用されるワイルドカードメッシュIDを示す。ワイルドカードメッシュIDは、非メッシュSTAがメッシュネットワークに参加するのを防ぐ特定のIDである。なお、メッシュ局は、非メッシュ局よりも多くの特徴を有するSTAであり、例えばメッシュネットワークは、他のいくつかのモジュールに加えてメッシュ機能を提供するモジュールとして動作するSTAを有するようなものであると認識されたい。STAがこのメッシュモジュールを有していない場合には、メッシュネットワークへの接続を許可すべきではない。
図4に、メッシュSTAによって送信されるビーコンフレーム及びプローブ応答フレームに含まれる、メッシュサービスの広告に使用されるメッシュ構成要素を示す。メッシュ構成要素の主要内容は、(a)経路選択プロトコル識別子、(b)経路選択メトリック識別子、(c)輻輳制御モード識別子、(d)同期方法識別子、及び(e)認証プロトコル識別子である。メッシュ構成要素の内容は、メッシュIDと共にメッシュプロファイルを形成する。
802.11a標準は、メッシュ発見、メッシュピアリング管理、メッシュセキュリティ、メッシュビーコン送信及び同期、メッシュ調節機能、メッシュ電力管理、メッシュチャネルスイッチング、3アドレス、4アドレス、及び拡張アドレスフレームフォーマット、メッシュ経路選択及び転送、外部ネットワークとの相互作用、メッシュ間輻輳制御、並びにメッシュBSSにおける緊急サービスサポートを含む多くの手順及びメッシュ機能を定める。
1.3.WLANにおけるミリメートル波
一般に、ミリメートル波帯におけるWLANでは、高い経路損失を考慮して通信にとって十分なSNRを提供するために、送信、受信、又はこれらの両方に指向性アンテナを使用する必要がある。送信又は受信において指向性アンテナを使用すると、スキャンプロセスも指向性になる。IEEE 802.11ad及び新たな標準802.11ayでは、ミリメートル波帯を介した指向性送受信のためのスキャン及びビームフォーミング手順が規定されている。
1.4.IEEE 802.11adのスキャン及びBFトレーニング
mmW WLANの最先端システムの例は、802.11ad標準である。
1.4.1.スキャン
新規STAは、特定のSSID、SSIDリスト、又は全ての発見されたSSIDをスキャンするためにパッシブ又はアクティブスキャンモードで動作する。パッシブなスキャンを行うには、STAが、SSIDを含むDMGビーコンフレームをスキャンする。アクティブなスキャンを行うには、DMG STAが、所望のSSID又は1又は2以上のSSIDリスト要素を含むプローブ要求フレームを送信する。DMG STAは、プローブ要求フレームの送信前に、DMGビーコンフレームの送信又はビームフォーミングトレーニングの実行を行うことが必要な場合もある。
1.4.2.BFトレーニング
BFトレーニングは、セクタスイープを使用するBFトレーニングフレーム送信の双方向シーケンスであり、各STAが送信及び受信の両方に適したアンテナシステム設定を決定するために必要なシグナリングを行う。
802.11adのBFトレーニングプロセスは、3段階で実行することができる。(1)セクタレベルスイープ段階を実行することにより、リンク取得のために指向性送信及び低利得(準全方向性)受信を実行する。(2)複合送受信(combined transmit and receive)のために、受信利得及び最終調整を加える精緻化段階を実行する。(3)その後、データ送信中にトラッキングを実行して、チャネル変更に合わせた調整を行う。
1.4.3.802.11adのSLS BFトレーニング段階
このSLS BFトレーニング段階は、802.11ad標準のセクタレベルスイープ(SLS)必須段階に焦点を置く。SLS中には、一対のSTAが、異なるアンテナセクタを介して一連のセクタスイープ(SSW)フレーム(又は、PCP/APにおける送信セクタトレーニングの場合にはビーコン)を交換して、最も高い信号品質を提供するセクタを発見する。最初に送信を行う局はイニシエータと呼ばれ、2番目に行う局はレスポンダと呼ばれる。
送信セクタスイープ(TXSS)中には、異なるセクタ上でSSWフレームが送信され、対を成すSTA(レスポンダ)が準全方向性パターンを利用してこれを受け取る。レスポンダは、最良のリンク品質(例えば、SNR)を提供するイニシエータのアンテナアレイセクタを決定する。
図5に、802.11adでのセクタスイープ(SSW)の概念を示す。この図には、STA1がSLSのイニシエータであってSTA2がレスポンダである例を示す。STA1は、送信アンテナパターン微細セクタ(transmit antenna pattern fine sectors)を全てスイープし、STA2は、準全方向性パターンで受け取る。STA2は、STA1から受け取った最良のセクタをSTA2にフィードバックする。
図6に、802.11ad仕様で実装されるセクタレベルスイープ(SLS)プロトコルのシグナリングを示す。送信セクタスイープの各フレームは、セクタカウントダウン指示(CDOWN)、セクタID及びアンテナIDに関する情報を含む。最良のセクタID及びアンテナID情報は、セクタスイープフィードバック及びセクタスイープACKフレームと共にフィードバックされる。
図7に、以下で概説するフィールドを含む、802.11ad標準で利用されるセクタスイープフレーム(SSWフレーム)のフィールドを示す。Duration(継続時間)フィールドは、SSWフレーム送信の最後までの時間に設定される。RAフィールドは、セクタスイープの所定の受信機であるSTAのMACアドレスを含む。TAフィールドは、セクタスイープフレームの送信機STAのMACアドレスを含む。
図8に、SSWフィールド内のデータ要素を示す。SSWフィールドで搬送される主要情報は以下の通りである。Direction(方向)フィールドは、0に設定されると、ビームフォーミングイニシエータによってフレームが送信されることを示し、1に設定されると、ビームフォーミングレスポンダによってフレームが送信されることを示す。CDOWNフィールドは、TXSSの最後までの残りのDMGビーコンフレーム送信の数を示すダウンカウンタである。セクタIDフィールドは、このSSWフィールドを含むフレームを送信するセクタ番号を示すように設定される。DMG Antenna(アンテナ)IDフィールドは、送信機がこの送信のために現在どのDMGアンテナを使用しているかを示す。RXSS Length(長さ)フィールドは、CBAPで送信された時にのみ有効であり、そうでない場合には保留される。このRXSS Lengthフィールドは、送信側STAによって要求された受信セクタスイープの長さを指定し、SSWフレームの単位で定義される。SSW Feedback(SSWフィードバック)フィールドについては以下で定義する。
図9A及び図9Bに、SSWフィードバックフィールドを示す。図9Aに示すフォーマットは、内部下位層サービス(ISS)の一部として送信される時に利用され、図9Bのフォーマットは、ISSの一部として送信されない時に使用される。Total Sectors in the ISS(ISS内総セクタ)フィールドは、イニシエータがISSにおいて使用する総セクタ数を示す。Number of Rx DMG Antennas(Rx DMGアンテナ数)サブフィールドは、イニシエータが次の受信セクタスイープ(RSS)中に使用する受信DMGアンテナの数を示す。Sector Select(セクタ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのvalue of Sector ID(セクタID値)サブフィールドを含む。DMG Antenna Select(DMGアンテナ選択)フィールドは、直前のセクタスイープにおいて最良の品質で受け取られたフレーム内のSSWフィールドのDMG Antenna ID(DMGアンテナID)サブフィールドの値を示す。SNRレポートフィールドは、直前のセクタスイープ中に最良の品質で受け取られた、セクタ選択フィールドに示されるフレームのSNRの値に設定される。Poll Required(ポール要求)フィールドは、非PCP/非AP STAによって1に設定されると、PCP/APに非PCP/非APとの通信を開始するように要求することを示す。Poll Requiredフィールドは、0に設定されると、PCP/APが通信を開始するかどうかに関する設定を非PCP/非APが有していないことを示す。
1.5.AODVルーティングプロトコル
図10A~図10Cに、アドホックオンデマンド距離ベクトル(AODV)ルーティングプロトコルの使用例を示す。ルーティングプロトコルは、複数のホップ(中間STA)を介して発信局(STA)と宛先STAとの間に通信経路を確立するための一連のルールである。AODVは、無線媒体を通じた現在のマルチホップルーティングの一般的本質を表すルーティングプロトコルである。AODVでは、STAが、図10A~図10Cの例に見られるような以下のステップに従ってルートを生成する。
このAODVルーティングプロセスのステップ1~5を図10Aに示す。(1)STA1は、発信元STAであり、ルーティング要求(RREQ)フレーム(RREQ1)をブロードキャストする。(2)STA2は、RREQ1を受け取り、自機とRREQ1の送信機(STA1)との間のリンク品質を測定し、リンク品質情報を埋め込んでルーティング要求を送信するRREQ(RREQ2)を再ブロードキャストする。(3)STA3は、RREQ1を受け取り、自機とRREQ1の送信機(STA1)との間のリンク品質を測定し、リンク品質情報を埋め込んだRREQ(RREQ3)を再ブロードキャストする。(4)宛先STAであるSTA4は、STA2からRREQ2を受け取り、自機とRREQ2の送信機(STA2)との間のリンク品質を測定し、RREQ2に埋め込まれたリンク品質で値を蓄積する。このプロセスに応答して、STA4は、STA2を介したSTA1との間のエンドツーエンド品質に関する情報を取得する。(5)STA4は、STA3からRREQ3も受け取り、自機とRREQ3の送信機(STA3)との間のリンク品質を測定し、RREQ3に埋め込まれたリンク品質で値を蓄積する。従って、STA4は、STA3を介したSTA1とのエンドツーエンドの品質に関する情報も取得する。
このAODVルーティングプロセスのステップ6~8を図10Bに示す。(6)STA4は、STA2を介したSTA1へのリンク品質の方がSTA3を介したものよりも良好である(例えば、信号対雑音比(SNR)が高い)と判断し、従ってSTA4は、中間及び発信元STAへの最良ルートを確認するルーティング応答(RREP)フレーム(RREP1)をSTA2に送信し、STA2をSTA1に向かうネクストホップSTAとして設定する。(7)STA2は、STA4からこのRREP1を受け取り、自機をSTA4とSTA1との間の中間STAとして認識し、STA4をSTA4に向かうネクストホップSTAとして設定する。(8)次に、STA2は、発信元STA1に向けてRREP(RREP2)をさらに再送信し、STA1をSTA1に向かうネクストホップSTAとして設定する。
このAODVルーティングプロセスのステップ9~10を図10Cに示す。(9)STA1は、STA2からRREP2を受け取り、STA4に向かうマルチホップ経路が確認済みであってSTA4へのネクストホップSTAがSTA2であることを認識する。(10)上記のシーケンスに応答して、STA2を介したSTA1とSTA4との間の双方向ルートが確立される。
2.本開示の局(STA)ハードウェア構成
図11に、STAにセンサ及びアクチュエータなどへの外部I/OをもたらすI/O経路12に結合されたバス14にコンピュータプロセッサ(CPU)16及びメモリ(RAM)18結合されたハードウェアブロック13内へのI/O経路12を示す、STAハードウェア構成の実施形態例10を示す。プロセッサ16上では、STAが「新規STA」又は既にネットワーク内に存在するSTAのうちの1つの機能を実行できるように、通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリ18からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(ソース、中間、宛先)で動作するように構成されると理解されたい。この図示のホストマシンは、近隣STAとの間でフレームを送受信する複数のアンテナ24a~24n、26a~26n、28a~28nへの無線周波数(RF)回路22a、22b、22cに結合されたmmWモデム20を含むように構成される。また、このホストマシンは、(単複の)アンテナ34への無線周波数(RF)回路32に結合されたsub-6GHzモデム30を含むことも分かる。
従って、この図示のホストマシンは、2つの異なる帯域で通信を行えるように、2つのモデム(マルチバンド)及びその関連するRF回路を含むように構成される。限定ではなく一例として、対象の指向性通信帯には、mmW帯でデータを送受信できるようにmmW帯モデム及びその関連するRF回路が実装される。本明細書では一般に発見帯と呼ぶ他方の帯域は、sub-6GHz帯でデータを送受信できるようにsub-6GHzモデム及びその関連するRF回路を含む。
この例では、mmW帯のためのRF回路を3つ示しているが、本開示の実施形態は、あらゆる任意の数のRF回路に結合されたモデム20を含むように構成することができる。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジが広くなる。なお、利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。少なくとも1つの実施形態では、RF回路が、周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
図12に、STAが複数の(例えば、36個の)mmWアンテナセクタパターンを生成するために利用できるmmWアンテナ方向の実施形態例50を示す。この例では、STAが、3つのRF回路52a、52b、52cと接続アンテナとを実装し、各RF回路及び接続アンテナは、ビームフォーミングパターン54a、54b、54cを生成する。図示のアンテナパターン54aは、12個のビームフォーミングパターン56a、56b、56c、56d、56e、56f、56g、56h、56i、56j、56k及び56n(「n」は、あらゆる数のパターンをサポートできることを表す)を有する。この特定の構成を使用する局の例は36個のアンテナセクタを有するが、本開示はあらゆる所望の数のアンテナセクタをサポートすることができる。説明を容易かつ明確にするために、以下の節では一般にさらに少ない数のアンテナセクタを有するSTAについて説明するが、これを実装制限と解釈すべきではない。なお、アンテナセクタにはあらゆる任意のビームパターンをマッピングすることができると理解されたい。通常、ビームパターンは、鋭角ビーム(sharp beam)を生成するように形成されるが、複数の角度から信号を送受信するようにビームパターンを生成することも可能である。
アンテナセクタは、mmW RF回路の選択と、mmWアレイアンテナコントローラによって指示されるビームフォーミングとによって決まる。STAハードウェアコンポーネントは、上述したものとは異なる機能分割を有することもできるが、このような構成は、説明する構成の変形例とみなすことができる。mmW RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判断した時に無効にできるものもある。
少なくとも1つの実施形態では、RF回路が周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができ、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる。
図13に、RF回路72に取り付けられた準全方向アンテナ74を使用するように想定されたsub-6GHzモデムのアンテナパターンの実施形態例70を示すが、他の回路及び/又はアンテナを制限なく利用することもできる。
3.迅速な閉塞発見及び回復概論
数多くの無線用途では、データ配信の中断を避けるために閉塞リンクを素早く検出して置換することが重要である。本開示は様々なネットワークに適用可能であり、ミリメートル波指向性ネットワーキングに限定されるものではない。
現在のマルチホップルーティングプロトコルは、STAにおけるルーティングプロトコルを設定する際に複数のネクストホップオプションの発見及び追跡を考慮しない。この結果、これらの既存の無線プロトコルは、プライマリルートが閉塞した時に高い遅延及び再発見オーバーヘッドを招く。これとは対照的に、本開示は、閉塞シナリオ下でさらなる設定オーバーヘッドを伴わずにネクストホップオプションを発見してこれらをいつでも展開できるように維持する。
上記の目標を達成するために、ルート要求(RREQ)メッセージ及びルート応答(RREP)メッセージ、並びにルート要求アップデート(RREQU)メッセージ及びルート応答アップデート(RREPU)メッセージを利用して発信元STAと宛先STAとの間の複数のルートを発見し、プライマリルート及びバックアップルートを含むルーティングテーブルエントリを維持する新たなメッセージフラッディング機構について教示する。
典型的なマルチホップネットワーキングでは、発信元STAから宛先STAへのルートが、エンドツーエンド経路の中間STAを選択することによって決まる。AODVの例に示すように、多くの場合は最良のリンク品質をもたらす中間STAが選択される。しかしながら、mmWでは、リンクが閉塞及びその他のチャネル障害を受けやすい。また一方、時間制約のある用途では、閉塞リンクを素早く検出して代替リンクに置換することが不可欠である。
本開示は、宛先STAに到達するための複数のルーティングオプション(例えば、1つのプライマリ及び少なくとも1つのバックアップオプション)を維持するマルチホップルーティングプロトコルについて記載した譲受人による以前の出願の上に成り立つものである。
本開示によるプロトコルは、(a)中断したリンクが検出された場合、及び(b)ネクストホップオプションのうちの1つが到達可能でなく、これを別のSTAに置換する必要がある場合、といったエラー状況を検出したことに応答して、1又は2以上の一連の動作を自動的に実行するように構成される。
開示するプロトコルは、複数のネクストホップオプションと、エラー状態に応答して素早く通信を発見して回復する能力とをマルチホップ通信に提供するために以下の動作を含む。(a)閉塞シナリオでは、可能な場合には閉塞STAが局所的動作を行った後に、近隣STAのいくつかをルーティング情報で更新する。(b)各STAは、そのルーティングテーブルエントリが、到達可能であっていつでも展開準備ができている複数のネクストホップオプションを有する最新のものであることを積極的に保証する。この事例では、ネクストホップSTA(プライマリ又はバックアップのいずれか)が到達可能でない(例えば、閉塞している)場合、STAが、到達可能でないSTAの代用を発見するために(到達可能なSTAを除く)自機の近隣の補集合にルート要求アップデートを送信する。
従って、本開示は、閉塞が生じた時、或いは宛先STAに到達するためのネクストホップSTAのうちの1つが到達可能でなく、従って置換する必要がある時などのエラー状態において代替ルートを発見して回復する機構としての通信局のためのプロトコルを提供する。
4.近隣リスト及びルーティングテーブル
4.1.近隣リスト
アンテナセクタスイープを実行することによって取得された情報は、本明細書では近隣リストと呼ぶデータベースをSTAが構築する際に利用され、STAは、この近隣リスト内のSTAの各アンテナセクションの受信信号品質情報を自機のメモリに記憶する。少なくとも1つの実施形態では、近隣リストの各インスタンスが、近隣STAに関する雑多な情報を記憶するようにも構成される。近隣リストの目的は、各STAが近隣STAを認識して最良の送信/受信セクタを選択できるようにすることである。
限定ではなく一例として、その局の各方向の受信品質(RxQuality)を含むエントリを有する、各近隣に使用されるフィールドについて考察する。先の図10A~図10Cのトポロジ例では、STA1が、STA2及びSTA3を近隣STAとして認識し、近隣リストエントリの2つのインスタンスを作成することが分かる。その後、STA1は、RxQuality[N]に受信リンク品質情報を記憶し、ここでのNは、近隣STAのTxアンテナセクタに関連する。
4.2.ルーティングテーブル
以下の説明では、発信局(送信元)が、宛先局と呼ばれる別の局(STA)への通信を開始する局(STA)とみなされる。ルーティングテーブルは、後の項で説明するルート発見プロセスの結果として構築される。発信元STAは、宛先STAにデータフレームを送信する前に宛先STAへのルートを設定する。宛先STAへのルートは、ルーティングテーブルに基づいて管理される。ルーティングテーブルは、(ここでは列形式で示す)宛先STA毎のレコードを含み、従って発信元STAは、宛先STAへのフレーム送信に備えて宛先STAのレコードを検索することができる。
STAは、宛先STAに送信すべきデータフレームを有する場合、この宛先をルーティングテーブル内で検索し、フレームの受信アドレス(RA)フィールドをNextHopに記憶されたアドレスに設定する。各STAは、宛先STAへの到達に関する情報を提供するルーティングテーブルを維持する。各宛先STAのための情報は、ルーティングテーブルのレコード(例えば、列)に記憶される。例えば、説明する例では、ルーティングテーブルの各列が以下の情報を含む。(a)Destination(宛先):宛先STAアドレスを示す。(b)NextHop(ネクストホップ):宛先STAに到達するための直近のネクストホップSTAを示す。(c)Metric(メトリック):NextHop STAを使用した宛先STAまでの距離を決定する値である。(d)Lifetime(ライフタイム):NextHopを使用するためのルーティング情報の満了時間を示す。(e)Backup NextHop(バックアップネクストホップ):(例えば、閉塞によって)NextHopが到達可能でない場合に宛先STAに到達するために使用できるバックアップネクストホップSTAである。(f)Backup Metric(バックアップメトリック):バックアップネクストホップが展開される場合に宛先STAまでの距離を決定する値である。(g)Backup Lifetime(バックアップライフタイム):Backup NextHopを使用するためのルーティング情報の満了時間を示す。
図14に、複数の局を示すネットワーク例90を示す。本開示はいずれかの特定のネットワークトポロジの使用に限定されるものではないので、本明細書において例示するこの及びその他のトポロジは一例として提示するものにすぎないと理解されたい。この図では、各エッジが2つのノード間の双方向リンクを表し、特にこの事例では局間のエッジの距離であるリンクメトリックがラベル表示されている。送信元STAには「S」のマークを付しており、宛先STAには「D」のマークを付している。この結果、発信局Sが宛先局Dに到達するためのルーティングテーブルである表1が取得される。
4.3.転送テーブル
各STAは、自機が近隣STAに転送したフレームのタイプ(RREQ又はRREP)をメッセージのシーケンス番号及びメトリックと共に追跡するための1つの転送テーブルを有する。転送テーブルは、近隣STA毎に1つの列(レコード)を有し、少なくとも1つの実施形態例では以下の要素を含む。(a)Neighbor:近隣STAのアドレスである。(b)OrigSTA:近隣ノードに転送されたルーティング管理フレームの発信元STAである。(c)SeqNum:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのシーケンス番号である。(d)Type:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのタイプ(RREQ/RREP)である。(e)Metric:近隣ノードに送信されたルーティング管理フレームのメトリックである。
STAは、同じルーティング管理フレーム(同じOrigSTA及び同じSeqNum)の複数のコピーを受け取ると、(メトリックに基づいて)最良のフレームを選択してメッセージの送信元を除く近隣STAに転送する。その後、STAは、その近隣の転送テーブルエントリを更新する。表2に、図14に示すネットワークの発信元STA Sの転送テーブル例を示す。
4.4.複数のネクストホップノードを伴うマルチホップルーティング
(STA間の接続性及びリンク構成に応じて)発信元STAから宛先STAにデータトラフィックを中継できる複数の中間STAが存在する複数のSTAノードから成るmmWネットワークの例について考察する。発信元STAは、近隣STAが既にセクタスイープ(SSW)を実行し終えていると仮定して、マルチホップルートを確立するために近隣STAにルート要求(RREQ)を送信する。発信元STAの(直接範囲内の)各1ホップ近隣がRREQフレームを受け取り、そのルーティングテーブルを発信元STAへのエントリで更新する。次に、各近隣STAは、受け取られたRREQの発信元STAを除く1ホップ近隣に同様にRREQを転送する。
図15に、3つのSTAを有するネットワークを示す実施形態例100を示しており、ここではSTA Bが発信元STAから第1のルーティング要求(RREQ)フレームを受け取り、1ホップ近隣のSTA Aが(Bも含む)その近隣にRREQを転送した時にはSTA Aからも別のRREQを受け取る。従って、中間STAは、RREQの転送が継続するにつれて他のSTAから重複するRREQを受け取ることができることが分かる。
RREQメッセージを受け取ったことに応答して、プロトコルは、メトリックに関して最良のRREQフレーム及び次善のRREQフレームがどれであるかを判定して、リレーSTAのルーティングテーブル内で発信元STAへのネクストホップノード及びバックアップネクストホップノードを決定する。上記の例では、STA Bが、SからBへの直接リンクのメトリックの方がSからAそしてAからBへのリンクのメトリックの合計よりも有益(例えば、低遅延、高SNRなど)であると仮定して、AをノードSに到達するためのバックアップネクストホップとして設定する。
STAは、各近隣STAについて同じ近隣STAから受け取られたRREQを除く最良の受信RREQを決定し、この最良のRREQを近隣STAに転送して転送動作を転送テーブルに記録する。宛先STAは、可能性として複数のRREQメッセージを受け取り、宛先において受け取られたRREQの送信元である同じSTAにルーティング応答(RREP)フレームを送信する。RREPメッセージを受け取った各リレー(中間)STAは、そのルーティングテーブルを宛先STAに更新する。リレーSTAは、複数のRREPを受け取った場合、最良のRREPフレームを選択して1ホップ近隣のSTAに転送し、転送動作を自機の転送テーブルに記録する。RREQフレームと同様に、各RREPフレーム及びその重複バージョンもネクストホップ及びバックアップネクストホップを決定する。RREPフレーム転送プロセスは、発信元STAにおいてRREPメッセージが受け取られるまで継続する。このプロセスによれば、発信元STAは、可能性として複数のRREPメッセージを受け取り、RREPメッセージに基づいて、この例では最良及び次善のルートであるルートの階層を選択し、これらを宛先STAに到達するためのネクストホップ及びバックアップネクストホップとして記録する。
4.5.ルーティング管理フレームフォーマット
4.5.1.ルーティング要求(RREQ)及びルーティング応答(RREP)
図16に、RREQフレーム112及びそのサブフィールド114、116の実施形態例110を示す。フレーム112は以下を含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)チャネルアクセスに使用されるNAV情報(仮想搬送波感知機構)を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むRREQフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドはRREQフレームに含まれる。
RREQフィールド内に含まれるサブフィールド114は以下を含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さを示す。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREQ)である。(c)Orig STA:発信元STAのアドレスである。(d)Dest STA:宛先STAのアドレスである。(e)SeqNum:このルート設定を識別するシーケンス番号であり、発信元STAがルートを設定又は維持しようと試みる度に更新(例えば、増分)される値である。(f)Metric(メトリック):蓄積されたメトリック値を宛先STAに向けて搬送する測定値である。(g)Lifetime(ライフタイム):このルートの満了時間までの有効期限である。(h)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィック識別である。(i)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(j)Access Time(アクセス時間):受信アドレス(RA)STAに向けたデータフレーム送信のために送信アドレス(TA)STAが使用するチャネル時間。(k)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用する送信(Tx)アンテナセクタである。(l)Route List(ルートリスト):このフレームがこれまでに到達した(訪れた)STAのIDであり、サブフィールド116に示すように、STAがこのフレームを受け取った時にこのSTAのIDが各RREQメッセージに付加される。
図17に、RREPフレーム132及びそのサブフレーム階層134及び136の実施形態例130を示す。RREPフレーム132は以下のフィールドを含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)搬送波感知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)チャネルアクセスに使用されるNAV情報(仮想搬送波感知機構)を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むRREPフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドはRREQフレームに含まれる。
上記のRREPフィールド内に含まれるサブフィールド134は以下のサブフィールドを含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さを示す。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREP)である。(c)OrigSTA:発信元STAのアドレスである。(d)Dest STA:宛先STAのアドレスである。(e)SeqNum:このルート応答を識別するシーケンス番号であり、応答先のRREQと同じものである。(f)Lifetime(ライフタイム):このルートの満了時間までの有効期限である。(g)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィック識別である。(h)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(i)Access Time(アクセス時間):受信アドレス(RA)STAに向けたデータフレーム送信のために送信アドレス(TA)STAが使用するチャネル時間。(j)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用する送信(Tx)アンテナセクタである。(k)Route List(ルートリスト):このRREPフレームがこれまでに到達した(訪れた)STAのIDであり、サブフィールド136に示すように、STAがこのフレームを受け取った時にこのSTAのIDが各RREPメッセージに付加される。
4.5.2.ステータス要求(SREQ)及びステータス応答(SREP)
図18に、ステータス要求フレーム152及びそのサブフィールド154の実施形態例150を示す。SREQフレーム152は以下のフィールドを含む。(a)フレームのタイプを示すFrame Control(フレーム制御)フィールド。(b)CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含むDuration(継続時間)フィールド。(c)Recipient Address(受信機アドレス)(RA)フィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)Tranmitting Address(送信アドレス)(TA)フィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)後述するルーティング要求の詳細を含むSREQフィールド。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドは、RREQフレームに含まれる。
SREQフィールドは以下のサブフィールド154を含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さ。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(SREQ)。(c)SeqNum:このSREQフレームを識別するシーケンス番号であり、TAが新たなステータス要求メッセージを送信する度に更新(例えば、増分)される。(d)Metric(メトリック):送信機STAから受信機STAへのリンクメトリックである。(e)Lifetime(ライフタイム):この要求の満了時間までの有効期限である。(f)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様(すなわち、帯域幅又は同様のトラフィック指示子)である。(g)Access Time(アクセス時間):RA STA(RAフィールドによって識別されるSTA)に向けたデータフレーム送信のためにTA STA(TAフィールドによって識別されるSTA)が使用するチャネル時間である。(h)TxAntSector:RA STAに向けたデータフレーム送信のためにTA STAが使用するTxアンテナセクタである。
図19に、ステータス応答フレーム172及びそのサブフィールド174の実施形態例170を示す。SREPフレーム172は、SREQフィールドの代わりにSREPフィールドを有することを除いてSREQフレームのフィールドと同一のフィールドを含む。
4.5.3.ルート要求アップデート
図20に、フィールド192を示すルート要求アップデート(RREQU)フレーム(メッセージ)の実施形態例190を示す。RREQUフレームは、以下のフィールドを含む。(a)Frame Control(フレーム制御)フィールドは、フレームのタイプを示す。(b)Duration(継続時間)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。(c)RAフィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)TAフィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)RREQUフィールドは、後述するサブフィールド194を含む。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールドは、RREQフレームに含まれる。
RREQU要素194は、以下のフィールドを含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さ。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREQU)。(c)Orig STA:RREQUを生成した発信元STAのアドレス。(d)Dest STA:RREQUを受信すべき宛先STAのアドレス。(e)SeqNum:このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号。(f)Lifetime(ライフタイム):このルート応答の満了時間までの有効期限。(g)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィックID。(h)QoS Spec:このトラフィックストリームのトラフィック仕様、すなわち帯域幅など。(i)Access Time(アクセス時間):TA STA(TAフィールドによって識別されるSTA)がRA STA(RAフィールドによって識別されるSTA)に向けたデータフレームの送信に使用するチャネル時間。(j)TxAntSector:TA STAがRA STAに向けたデータフレームの送信に使用するTxアンテナセクタ。
4.5.4.ルート応答アップデート(RREQU)
図21に、以下のフィールドを有するルート応答アップデート(RREPU)フレーム(メッセージ)の実施形態例212を示す。(a)Frame Control(フレーム制御)フィールドは、フレームのタイプを示す。(b)Duration(継続時間)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。(c)RAフィールドは、フレームの受信機のアドレスを含む。(d)TAフィールドは、フレームを送信するSTAのアドレスを含む。(e)RREPUフィールドのサブフィールドについては後述する。(f)Frame Check Sequence(フレームチェックシーケンス)(FCS)フィールド。
RREPU要素214は、以下のフィールドを含む。(a)Length(長さ):このフレームの長さ。(b)Type(タイプ):このフレームのタイプ(RREPU)。(c)OrigSTA:RREPUを生成した発信元STAのアドレス。(d)Dest STA:RREPUを受信すべき宛先STAのアドレス。(e)SeqNum:このルート応答アップデートフレームを識別するシーケンス番号。(f)Metric(メトリック):蓄積されたメトリック値を宛先STAに向けて搬送する。(g)Lifetime(ライフタイム):このルート応答アップデートの満了時間までの有効期限。(h)Traffic ID(トラフィックID):関連するトラフィックストリームのトラフィックID。(i)QoS Spec:このトラフィックストリームの帯域幅などのトラフィック仕様。(j)Access Time(アクセス時間):TA STA(TAフィールドによって識別されるSTA)がRA STA(RAフィールドによって識別されるSTA)に向けたデータフレームの送信に使用するチャネル時間。(k)TxAntSector:TA STAがRA STAに向けたデータフレームの送信に使用するTxアンテナセクタ。(l)LocRecov Flag(LocRecovフラグ):STAが局所的動作を行ってバックアップネクストホップSTAに切り替えた場合にtrue(真)に設定される局所的回復フラグ。そうでなければ、LocRecov Flagはfalse(偽)に設定される。
4.6.ルート要求アップデート及びルート応答アップデートロジック
通信動作中は、送信機STAが、受信機STAであるネクストホップオプションにデータトラフィックを送信すると想定される。このデータトラフィックに応答して、ネクストホップノードから送信機に確認応答メッセージが返送される。本開示のプロトコルは、少なくとも以下を含む複数の指標を考慮して、送信機STAから受信機STAへのリンクが閉塞しているかどうかを検出する。(a)受信機STAから確認応答が受け取られない場合。この場合、送信機STAは閉塞が存在することを検出する。(b)(送信機STAと受信機STAとの間の)リンク上に閉塞が存在しており、閉塞から回復するために何らかの動作を行うべきであることを知らせるルート応答アップデートメッセージを(送信機/受信機STA以外の)STAが送信機STAから受け取った場合。これらのシナリオでは、いずれも後述する閉塞下回復(Recovery under Blockage)動作がトリガされる。
4.6.1.閉塞回復
図22に、閉塞下回復を実行するためのアップデートロジックの実施形態例230を示す。このプロセスは閉塞に応答して開始され(232)、最初にルーティングテーブルをチェックして(234)、宛先STAに到達するためのバックアップオプションが存在するかどうかを確認する。
ブロック234においてバックアップオプションが検出された場合、STAはバックアップオプションに切り替え(236)、RREPUメッセージを生成(作成)し(240)、局所的回復フラグをtrue(真)に設定する。ブロック234においてバックアップオプションが検出されない場合、実行はブロック238に到達し、STAは、局所的回復フラグがfalse(偽)に設定されたRREPUのみを生成し、このRREPUをアクティブ近隣リスト内のSTAに伝搬する。
ブロック240及び238の後に、このSTAがデータトラフィックの発信元STAと同じものである(すなわち、STAがリレーノードである)かどうかをチェックする(242)。この局がデータトラフィックの発信元STAと同じものである場合、実行はブロック246において終了する。一方で、このSTAが異なる局である場合、STAは、ルーティング目的でこのSTAに依拠するSTAにRREPUを送信する(244)。これらのSTAはアクティブ近隣リストと呼ばれ、受け取られたステータス要求メッセージの送信元である近隣STA、又はこのSTAにデータトラフィックを送信した近隣STAを含む。
4.6.2.ルート応答アップデートの受信
上記では、閉塞が発生すると、このプロトコルに従うSTAがRREPUフレームを生成してそのアクティブ近隣リストに伝搬することが分かるが、以下ではRREPUメッセージを受け取って処理するロジックについて説明する。
図23に、RREPUメッセージを受け取って処理する実施形態例250を示す。近隣STAは、閉塞状況を反映したメトリックを含むRREPUを受け取る(252)と、最初にルーティングテーブルを更新する(254)。次に、RREPUの送信機によっていずれかの局所的回復動作が行われたかどうかをチェックする(256)。局所的動作が行われていなかった場合、STAは、可能であれば単独で局所的動作を行う閉塞下回復プロセス258を実行して処理は終了する(264)。一方で、局所的回復動作が行われていた場合、このSTAが局所的動作を行う必要はない(すなわち、バックアップオプションに切り替える必要はない)。この場合、STAが発信元STAに等しいかどうかをチェックする(260)。アドレスが自機のアドレスである場合、実行は終了し(264)、そうでなければ、自機のアクティブ近隣リストにリストされたSTAにRREPUメッセージを伝搬した(262)後で終了する(264)。
4.7.実施例1:バックアップネクストホップを有する発信元STAにおける閉塞
図14に、送信元STA、宛先STA、リレーSTA A及びリレーSTA Bという4つの局を有するネットワークトポロジ例を示す。このトポロジでは、各双方向リンクをそのリンクのメトリックと共に示している。この特定の例では、簡潔にするためにリンク相互依存を想定しており、すなわちSTA AからSTA Bへのリンクのコストは、STA BからSTA Aへのリンクのコストと同じである。しかしながら、開示するプロトコルは一般的なものであり、非相互依存リンクを有するネットワークでも動作するように構成されると理解されたい。STA Sが前節で説明したようなルート発見プロセスを実行した結果、STA Sのルーティングテーブルは表1に示すように現れると想定される。このルーティングプロトコルの結果、STA Sは、宛先STA Dに到達するためのバックアップネクストホップオプションを有する。
図24に、STA S272、STA D274、リレーSTA A276及びリレーSTA B278を有する実施形態例270を示しており、図示の「X」は、送信元STA272からリレーSTA B278を通じて宛先STA274に至る経路に沿った通信を試行した際のSTA S272とSTA B278との間の(人体又はその他の障害物によって生じ得る)リンク閉塞を示す。
このシナリオでは、表1に示すSTA Sのルーティングテーブルが、STA Dに到達するためのバックアップネクストホップとしてSTA Aを含む。従って、STA Sは、このルーティングテーブルに基づいて、展開準備ができているバックアップネクストホップ(STA A)に切り替える。この動作は、自機のリンクが閉塞しているSTAによって行われる局所的動作である。この結果、STA Sは、そのバックアップネクストホップオプションをプライマリネクストホップオプションに切り替える。さらに、この時点でSTA Bに到達するためのネクストホップオプションはもはや存在しない。この更新されたSTA Sのルーティングテーブルを表3に示す。
STA Aのルーティングテーブルから、STA AはSTA Dに到達する知識を有する。さらに、STA Aは、本開示に従って実行される積極的リンク維持を通じて、そのルーティングテーブル内に表4に示すような最新情報を有する。
この結果、STA Aは、STA Dに到達するためのプライマリネクストホップとしてSTA Dを有しており、従ってSTA Dにデータトラフィックを送信する。
図25に、更新されたネットワークトポロジの実施形態例290を示しており、送信元STA272からリレーSTA A276を通じて宛先STA274に接続する通信経路を矢印で示す。この場合、STA Sは、閉塞に直面すると同時に発信元STAでもあるので、図22に示すようなRREPUフレームの伝搬は行わない。
4.8.実施例2:バックアップネクストホップを有するリレーSTAにおける閉塞
図26に、リレーSTA B278から宛先STA D274へのリンクが閉塞したシナリオの実施形態例310を示す。表5に、ノードBのルーティングテーブルを示す。このテーブルから、STA Bが、STA Dに到達するためのバックアップネクストホップとしてSTA Aを有することが分かる。
従って、STA Bは、切断されたリンクを検出すると、STA Aにトラフィックをルーティングする局所的動作を実行する。STA Aのルーティングテーブルから、STA AはSTA Dに到達する知識を有する。さらに、STA Aは、本開示による積極的リンク維持の使用を通じて、そのルーティングテーブル内に表6に示すような最新情報を有する。この結果、STA Aは、STA Dに到達するためのプライマリネクストホップとしてSTA Dを有しており、従ってSTA Dにデータトラフィックを送信する。
図27に、STA BがSTA Dに到達するためにバックアップネクストホップであるSTA Aに切り替えたため、データが送信元STA S272からリレーSTA B278を通じてリレーSTA A276に、そして最終的に宛先STA D274にルーティングされる上記の動作の実施形態例330を示す。表7にSTA Bの更新されたルーティングテーブルを示しており、ここでは宛先Dに到達するためにバックアップネクストホップがプライマリネクストホップを引き継いでいる。
図28に、STA BがSTA Dに到達するためにバックアップネクストホップをSTA A経由に切り替えてアップデートを送信する場合の実施形態例350を示す。STA Bは、そのバックアップネクストホップSTAに切り替えると、LocRecovフラグをtrue(真)に設定したルート応答アップデート(RREPU)を生成する。STA Bは、ルーティング目的でSTA Bに依拠する近隣STAにRREPUを送信する。この場合、STA Sは、STA Dに到達するためのプライマリネクストホップSTAとしてSTA Bに依拠する。さらに、STA Aは、STA Dに到達するためのバックアップネクストホップオプションとしてSTA Bに依拠する。従って、STA Bは、RREPUのマークを付した点線によって図に示すようにSTA S及びSTA Aの両方にRREPUを送信する。
STA Aは、STA BからRREPUメッセージを受け取ると、STA BがもはやSTA Dに到達するためのバックアップオプションではなくなるように自機のルーティングテーブルも更新する。従って、STA Aの更新されたルーティングテーブルを表8に示す。
表5で注目すべき点は、STA Aを通じてSTA Dに到達するSTA Bの推定コストメトリックが5に等しく、従ってSTA Sに向けて送信されるRREPUメッセージに含まれるメトリックが5の値を有する点である。STA Aへの直接リンクを通じてSTA Dに到達するコストを有するRREPUのメトリックが既にSTA Sのルーティングテーブルに記憶されている場合には、STA SにおいてRREPUが受け取られた時点で比較が行われる。この場合、STA SからSTA Aを通じてSTA Dに至る2ホップルートは(STA Sのルーティングテーブルから)8のコストを有するのに対し、STA Bによって固定されたルートを維持すると(RREPU内のメトリックに基づいて)コストは9になる。従って、本開示によれば、STA Sは、最初にSTA Bに送信する代わりにSTA Aに直接送信するように切り替えを行い、このSTA Sの更新されたルーティングテーブルを表9に示す。
図29に、RREPUを受け取った後の、従ってSTA Bを通じてSTA Aに至り、その後に宛先STA Dに至る間接的なルートではなく、STA Aを通じて直接宛先STA Dに至るルートにSTA Sが変更することを可能にする更新されたトポロジの実施形態例370を示す。
上記のステップから、図28に示すネットワークトポロジは過渡的トポロジであり、STA SがRREPUメッセージを受け取った後にSTA SからSTA Aを通じてSTA Dに至る大域的最適ルートに切り替えを行った結果、図29に示すトポロジが得られると理解されたい。なお、バックアップルートへの遷移は、データトラフィック送信が全く中断されないようにシームレスなものとすべきである。従って、開示する方法は、有効な過渡的トポロジを発見し、エンドツーエンドルートを生かしたまま保持し、その後に大域的最適ルートを発見する。
4.9.実施例3:バックアップネクストホップを有していないリレーSTAにおける閉塞
先の実施例では、閉塞STAが宛先STAに到達するためのバックアップネクストホップオプションを有するシナリオについて考察した。一方、この実施例では、閉塞STAが切り替え先のバックアップオプションを有していないシナリオについて考察する。
図30に、STA Bがバックアップネクストホップオプションを有していない実施形態例390を示す。ここでは、STA B278からSTA D274へのリンクが閉塞した状況について考察する。この事例では、STA BがSTA Dに到達するためのバックアップネクストホップを有しておらず、他の全てのNLOS(見通し外)ビームを試した上で依然としてSTA D に到達できないものと想定する。従って、STA Bは、バックアップネクストホップに切り替える必要があるにもかかわらずバックアップリンクが存在せず、従って局所的回復動作を行うことができない。この場合、STA Bは、局所的回復(LocRecov)フラグを、局所的動作を行わなかったことを意味するfalse(偽)に設定する。
図31に、STA Bが宛先STA Dに到達できない旨の通知としてのルート応答アップデート(RREPU)メッセージをSTA Sに送信し、従ってRREPU内のメトリックの値を無限(infinity)に設定する実施形態例410を示す。実際には、メトリック自体を無限に設定する必要はなく、本開示のいくつかの表に例示する「999」などの非常に大きな経路長メトリック値、又は経路の不適切性を示すいずれかの同様の値に設定すればよいと理解されたい。STA Sは、このパケットを受け取ると、(ここではRREPUメトリックに起因して無限である)STA Bへの送信コストと、8のコストでSTA Dに到達するバックアップオプションであるSTA Aへの送信コストとを比較する。従って、STA Sは、そのバックアップネクストホップノードであるSTA Aに切り替えを行う。
図32に、STA Bから受け取られたRREPUからのメトリック情報に基づいてSTA S自体がトラフィックのルートをSTA A経由に変更する更新されたトポロジの実施形態例430を示す。
この遷移後の更新されたSTA Sのルーティングテーブルを表10に示しており、ここではSTA Sが、STA Dに到達するためのプライマリネクストホップとしてSTA Bを通じたルートをSTA Aを通じたルートに置き換えている。さらに、STA BからSTA Dへのリンクが中断/閉塞しているので、STA SがSTA Dに到達するためのバックアップオプションは存在しない。
STA Aの観点からすれば、STA Dに到達するにはルーティングテーブルを更新する必要があり、これを表11に示す。データトラフィックは、STA SからSTA Aにルーティングされ、その後にSTA Aがルートを発見するための中断を伴うことなくSTA Dにトラフィックを転送する。
4.10.実施例4:バックアップネクストホップを有していない遠隔リレーにおける閉塞
先の実施例では、閉塞リンクの送信機がデータトラフィックを転送するためのバックアップオプションを有していない事例について考察した。この事例では、閉塞STAが、false(偽)に設定された局所的回復(LocRecov)フラグを含むRREPUを発信元STAに送信した(すなわち、バックアップオプションが存在しないため局所的動作が不可能であった)。しかしながら、発信元STAは閉塞STAから1ホップ離れたところに存在し、従って閉塞STAから直接RREPUを受け取った。
図33に、STA S452が発信元であり、STA D454が宛先であり、STA A456、STA B458及びSTA C460がリレー局(ノード)であるネットワークトポロジを示す実施形態例450を示す。この図には、局間を接続するリンクに隣接してメトリックを示す。閉塞の発生前には、上述したような異なるSTAについて以下のルーティングテーブルが取得される。STA Sのルーティングテーブルを表12に示し、STA Cのルーティングテーブルを表13に示し、STA Aのルーティングテーブルを表14に示し、STA Bのルーティングテーブルを表15に示し、STA Dのルーティングテーブルを表16に示す。
図34に、STA A456からSTA D454へのリンクが閉塞したものとする実施形態例470を示す。閉塞リンクは、発信元STA S452から2ホップ離れていることが分かる。先の実施例と同様に、閉塞STAは、切り替えるべきバックアップオプションを有していない。STA Aは、閉塞を検出すると、そのルーティングテーブルを表17に示すように更新する。
図35に、近隣STA Cにルート応答アップデートを送信する閉塞STAの実施形態例490を示す。STA Aは、閉塞を検出すると、STA Cを含むアクティブ近隣セットにRREPUメッセージを送信する。STA Cは、RREPUメッセージを受け取ってそのルーティングテーブルを表18に示すように更新し、ここではもはやSTA AがSTA Dに到達するためのネクストホップとして機能することはできない。
図36に、バックアップオプションを有していないため局所的動作を行うことができず、近隣STA S452にRREPUメッセージを転送する中間(リレー)局STA C460の実施形態例510を示す。従って、STA Cは、いずれかの局所的動作を行うことができる場合にはこれを行ってバックアップオプションに切り替える。しかしながら、このネットワーク状況から、STA Cはバックアップオプションを有しておらず、このためSTA Sのみを含むアクティブ近隣セットにしかRREPUを転送できないことが分かる。
従って、この局所的回復フラグがfalse(偽)に設定されたRREPUメッセージの誤差逆伝播プロセスは、局ノードのうちの1つが局所的動作を行うためのバックアップネクストホップオプションを有するまで継続する。その後、局所的動作を行う局は、LocRecovフラグをtrue(真)に設定する。このRREPUの誤差逆伝播は、自機のバックアップネクストホップオプションへの切り替えを行うことによってより大域的な動作を行うことができる発信元STAによってRREPUが受け取られるまで継続する。
図37に、閉塞リンクが発信元STAから複数ホップ離れており、LocRecovフラグfalse(偽)を含む伝搬されたRREPUメッセージを発信元STAが受け取ってバックアップネクストホップオプションであるSTA Bに切り替えを行うネットワークトポロジの実施形態例530を示す。STA Sの更新されたルーティングテーブルを表19に示しており、ここではもはやSTA CはSTA Dに到達するための有効なネクストホップではなく、バックアップオプションに置換されている。その後は、STA Bが、STA Dに到達するためのルーティングテーブルを表20のルーティングテーブルに従って既に確立しており、従ってSTA Sから受け取られたデータパケットをSTA Dに転送する。
4.11.エラー状態下における閉塞STAの置換
以下では、2つの主なエラー状態について考察する。
事例1:リンクが閉塞しており、従ってもはやプライマリネクストホップオプションが到達可能でない場合。先の実施例では、閉塞リンクの送信機が通常のデータルーティング動作を中断なく回復するために本開示に従って実行する動作について説明した。この場合、これらの動作は以下を含んでいた。(a)局所的動作を行い、利用可能な場合にはバックアップネクストホップに切り替える。(b)近隣STAの一部にルート応答アップデートを伝搬する。(c)最終動作として、いずれかの可能なルートが存在する場合にルーティングテーブル内の閉塞STAの位置を置き換える。
事例2:バックアップネクストホップオプションがステータス要求(SREQ)メッセージに応答しない場合。ステータス要求メッセージ及びステータス応答メッセージの使用についてはこれまでに説明しており、バックアップSTAがステータス要求メッセージに応答しない場合には、バックアップリング上でも積極的リンク維持を保証するようにこれを別の近隣STAに置き換える必要がある。
図38に、RREQUを送信するロジックの実施形態例550を示す。上記の両事例では、可能な場合、送信機STAが、閉塞リンクの受信機(事例1)、又はステータス要求(SREQ)メッセージに応答しないバックアップオプション(事例2)を置換する。上記の両事例についてこの目的を達成するために、また送信機STAに記憶されている近隣リストから、STAは、送信機STAのルーティングテーブル内で利用可能な最新のメトリックを有する近隣を除く1ホップ近隣のノードにRREQUを送信する。
実行はブロック552から開始し、ターゲット局が、近隣リストには存在するがルーティングテーブルにプライマリネクストホップとしてリストされておらず置換される予定の局でもない近隣STAを選別(選択)する(554)。その後、RREQU.RAがTarget STAに設定されRREQU.TAが自機のアドレスに設定されたRREQUメッセージが生成され(556)、このRREQUがターゲットSTAに送信され(558)、その後にプロセスは終了する(560)。
1ホップ近隣は、RREQUフレームを受け取り、RREQUによって要求される宛先STAに対応するリンクメトリックを抽出する。次に、STAは、RREQUメッセージに応答するRREPUメッセージを生成する。RREPUの設定では、(a)メトリックがルーティングテーブルに従って設定され、(b)RREPUの発信元STAがRREQUアドレスの送信機に等しく設定され、(c)このSTAから宛先STAまでに閉塞が存在しないため、局所的回復フラグがtrue(真)に設定される。
図39に、受け取られたRREQUメッセージを処理し、応答としてRREPUメッセージを生成する実施形態例570を示す。処理はブロック572から開始し、ブロック574において、受け取られたRREQUフレームを処理し、RREQU.DestSTAに対応するメトリックをルーティングテーブルから抽出することに基づいてTargetMetricを設定する。次に、RREPU.RAがRREQU.TAに設定され、RREPU.TAが自機のSTAに設定され、RREPU.MetricがTargetMetricに設定され、RREPU.OrigSTAがRREQU.TAに設定され、RREPU.LocRecovフラグがTrue(真)に設定されたRREPUメッセージを生成する(576)。その後、このRREPUメッセージがRREPU.RAに送信されて(578)プロセスは終了する(580)。
RREPUメッセージは、RREQU.TA STAに送信される。RREPUが送信されると、他のSTAは、図23に示すRREPU RXロジックに従う。
4.12.実施例5:閉塞リンクにおける代用STAの発見
図40に、STA SがSTA Dに到達するためのバックアップオプションが複数存在するトポロジ例590を示す。この図には、送信元STA S592、宛先STA D594、並びに中間局STA A596、STA B598、STA C600及びSTA E602を示す。ここでも、経路を表す直線の隣に各経路のリンクメトリック(例えば、時間コスト)を示す。この事例では、限定ではなく一例として、STA Sがそのルーティングテーブル内の1つのバックアップオプションを追跡するものと想定してSTA S592のルーティングテーブルを表21に示すが、本開示は一般的なものであり、あらゆる数のバックアップオプションを維持するために利用することができる。表21から、STA BがSTA Dに到達するためのプライマリネクストホップであり、STA Aがバックアップオプションであることが分かる。
図41に、送信元STA S592と中間STA B598との間に示すようにSTA SからSTA Bへのリンクが閉塞したものと想定する事例1の実施形態例610を示す。
図42には、STA S592がそのバックアップネクストホップであるSTA A596に切り替えを行う事例の実施形態例630を示す。この結果、STA Sは、そのルーティングテーブルを表22に示すように更新し、ここではSTA Aがプライマリネクストホップオプションになっている。
STA S592がバックアップオプションを欠いたことに応答して、プログラミングはこれらの空き領域を埋めるように構成される。この事例では、STA S592が、アクティブな近隣を除く自機の1ホップ近隣にルート要求アップデート(RREQU)を送信する。この事例では、ルーティングテーブルによればSTA Aがアクティブである。
図43に、STA SがSTA C600及びSTA E602によって表されるような他の近隣にRREQUを送信することによってバックアップオプションに関する情報を取得するように構成される実施形態例650を示す。STA C及びSTA Eは、RREQUメッセージを受け取った後に、宛先STA Dに到達するためのメトリックを含むRREPUで応答するように構成される。STA Sは、STA C及びSTA EからRREPUを受け取って経路メトリックを比較する。この事例(図40に示す経路メトリック)では、STA Cは4のコストでSTA Dに到達することができ、STA Eは5のコストでSTA Dに到達することができる。従って、STA Sは、その新たなバックアップネクストホップオプションとしてSTA Cを選択し、自機のルーティングテーブルを表23に示すように更新する。
4.13.実施例6:非応答ステータスの場合のバックアップの置換
先の図40には、バックアップSTAがステータス要求メッセージに応答しない事例2の例において考えられるトポロジを示した。先の実施例からは、送信元STA Sが宛先STA Dに到達するためのプライマリネクストホップがSTA Bであり、STA Dに到達するための第1のバックアップネクストホップオプションがSTA Aであることが分かった。上述したように、バックアップオプションについても、これらの展開準備がいつでも整っているように積極的リンク維持が実行される。
STA S592がSTA B598を通じたプライマリルートを有する事例では、STA A596が良好なバックアップルートである。STA SからSTA Aにステータス要求メッセージが送信されたにもかかわらずSTA Aが応答しない事例について考察する。従って、プロトコルは、もはやSTA Aが到達可能ではないと想定しなければならない。例えば、この非応答性は、STA Aの電源が入っていない結果、又はノードがSTA Sのカバレッジレンジから離れて移動した結果、或いは複数の理由のうちのいずれか1つの結果の可能性がある。
図44に、STA S及びSTA Bの両方からの点線矢印によって図示する、STA SからSTA Aに向かうステータス要求(SREQ)メッセージの伝達が上手くいかなかった事例の実施形態例670を示す。この場合、STA S及びSTA Bは、STA Aを含まない置換ルートを発見するように構成される。STA Bについては他の近隣STAが存在せず、従ってSTA Bが局所的に行えることは多くない。STA Sについては他の近隣STAが存在する。
図45に、STA S592が残りの近隣STA、すなわちSTA C600及びSTA E602に向けて図示のようにルート要求アップデート(RREQU)メッセージを送信する実施形態例690を示す。STA C及びSTA Eは、RREQUに応答してRREPUで応答し、従ってSTA Sのルーティングテーブル内ではこれらの一方がSTA Aに取って代わるようになる。STA Sは、近隣STA C及びSTA EからRREPUメッセージを受け取り、メトリックを比較して、最良のメトリック値(例えば、最も短い長さ/遅延、最も低いノイズ、又はその他の要因、或いはこれらの要因の組み合わせ)を有する経路を選択する。次に、STA Sは、このノードを新たなバックアップネクストホップとして割り当ててSTA Aを置換する。この結果、STA Sは、表24に示すようにルーティングテーブルを更新し、STA Cを新たなバックアップオプションとして置換する。
5.開示要素の概要
以下の概要は、本開示のいくつかの重要な要素を開示するものであるが、この概要は、本開示の重要な要素のみを説明するものとして解釈すべきではない。
典型的なマルチホップネットワークでは、発信元STAから宛先STAへのルートが、エンドツーエンド経路の中間STAを選択することによって決まる。AODVの例に示すように、中間STAは、使用されるリンクが最良のリンク品質をもたらすように選択される。mmWなどの無線システムでは、リンクが閉塞及びその他のチャネル障害を受けやすい。また一方、時間制約のある用途では、これらの閉塞リンクを素早く検出して代替リンクに置換することが不可欠である。
本開示は、宛先STAに到達するためのルーティングオプションが1つのプライマリ及び少なくとも1つのバックアップオプションのように複数存在するマルチホップルーティングプロトコルに関する譲受人の以前の研究を踏まえたものである。
本開示は、以下に限定するわけではないが、(a)中断したリンクが検出された場合、及び(b)ネクストホップオプションのうちの1つが到達可能でなく、好適なSTAが利用可能であって、これを別のSTAに置換する場合、を含む様々なエラー状況においてこのプロトコル下で実行される動作について説明するものである。
開示するプロトコルは、エラー状況下における素早い発見及び回復のためのオプションをマルチホップ通信に提供するために以下のように構成される。(a)閉塞シナリオでは、閉塞STAが、可能な場合には局所的動作を行った後に、近隣STAのうちの1つ又は2つ以上を更新するように構成される。(b)各STAは、そのルーティングテーブルエントリが最新のものであり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを積極的に保証する。この事例では、ネクストホップSTA(プライマリ又はバックアップのいずれか)が到達可能でない(例えば、閉塞している)場合、STAが、到達可能でないSTAの代用を発見するために(到達可能なSTAを除く)自機の近隣の補集合にルート要求アップデートメッセージを送信する。
従って、本開示は、閉塞が生じた時、或いは宛先STAに到達するためのネクストホップSTAのうちの1つが到達可能でなく、従って置換する必要がある時などの異なるエラー状態において代替ルートを発見して回復するための新規機構を提供する。
6.実施形態の一般的範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線通信局のプロトコル内に容易に実装することができる。また、無線通信局が、1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
当業者は、無線通信局の制御に関連するステップを実行するコンピュータ装置の使用を認識しているため、簡略化のために全ての図にコンピュータ装置及びメモリ装置を示しているわけではない。提示した技術は、メモリ及びコンピュータ可読媒体が非一時的であり、従って一時的電子信号を構成しない限り、これらに関して限定するものではない。
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにあらゆる手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようなあらゆるコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のあらゆるプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサ上によって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の実施形態を含むと理解されるであろう。
1.ネットワークにおける無線通信装置であって、(a)少なくとも1つの他の無線通信回路と直接或いは1又は2以上のホップを通じて無線で通信するように構成された無線通信回路と、(b)無線ネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリとを備え、(d)前記命令が、前記プロセッサによって実行された時に、(d)(i)複数のホップを介した通信を可能にするルートを確立する際に、近隣局にルート発見メッセージを送信することと、(d)(ii)ルート発見メッセージの受信時に、前記ルート発見メッセージを送信した近隣局とのルーティング経路におけるリンクの前記利点を示すリンクメトリックを計算することと、(d)(iii)前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である発信局によって1又は2以上の経路を通じて1又は2以上のルート応答メッセージが受け取られるまで近隣局にルート応答メッセージを伝搬することによって、ルート発見メッセージを受け取ったことに応答するステップと、(d)(iv)発信局と宛先局との間のルートに沿った閉塞状態を検出し、利用可能な場合には別のルートを選択する局所的動作を行った後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達することとを含むステップを実行する、装置。
2.ネットワークにおいて無線通信を実行する方法であって、(a)複数のホップを介した通信を可能にするルートを確立する際に、無線で通信するように構成された無線通信回路から近隣局にルート発見メッセージを送信するステップと、(b)ルート発見メッセージの受信時に、前記ルート発見メッセージを送信した近隣局とのルーティング経路におけるリンクの前記利点を示すリンクメトリックを計算するステップと、(c)前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である発信局によって1又は2以上の経路を通じて1又は2以上のルート応答メッセージが受け取られるまで近隣局にルート応答メッセージを伝搬することによって、ルート発見メッセージを受け取ったことに応答するステップと、(d)発信局と宛先局との間のルートに沿った閉塞状態を検出し、利用可能な場合には別のルートを選択する局所的動作を行った後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達するステップと、を含む方法。
3.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、プライマリ局又はバックアップネクストホップ局のいずれかが到達可能でない場合、到達可能でない前記局の代用を探すために、到達可能な局を除く近隣局に1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージを送信することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
4.前記1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、並びにアンテナセクタ及びアクセスタイミング情報に関する情報を含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
5.前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、前記ルーティング要求アップデートメッセージのうちの1つを受け取ったことに、ルーティング応答アップデートメッセージを送信することによって応答することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
6.前記1又は2以上のルーティング応答アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、接続の長さ及び/又は品質に関する蓄積されたメトリック、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、アンテナセクタ及びアクセスタイミング情報、並びに局が局所的動作を行ってそのバックアップネクストホップSTAに切り替えたことを示す局所的回復フラグtrueに関する情報を含む、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
7.前記閉塞状態を検出することは、前記ルートに沿った受信機からの確認応答の欠如を検出すること、又はリンク閉塞が存在することを知らせるルート応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに基づいてルート閉塞を判定する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
8.ルート閉塞を検出したが前記宛先局に到達するためのネクストホップオプションを有していない局によって局所的回復が実行されなかった旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
9.別の局は、前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ると、誤差逆伝搬されたルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取った他の局のうちの1つが前記閉塞を解消するバックアップネクストホップオプションを有するまで、局所的回復が実行されなかったことを示す前記RREPUメッセージを前記他の局に誤差逆伝搬する、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
10.ルート閉塞を検出してバックアップルーティングに切り替える局所的動作を実行した局によって局所的回復が実行された旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
11.前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに応答して、前記局所的回復によって決定されたルートよりも効率的なルートが存在すると判定された場合、前記より効率的なルートへの遷移が行われる、いずれかの先行する実施形態の装置又は方法。
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
本明細書で使用する「実質的に(substantially)」及び「約(about)」という用語は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に簡略化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
230 閉塞下回復を実行するためのアップデートロジック
232 閉塞下での回復
234 宛先STAに到達するためのバックアップネクストホップオプションが存在するか?
236 プライマリとバックアップネクストホップとを入れ替え
238 RREPUメッセージを生成、RREPU.LockRecovフラグをFalse(偽)に設定、RREPU.Metricを無限(infinity)に設定
240 RREPUメッセージを生成、RREPU.LocRecovフラグをTrue(真)に設定、RREPU.MetricをバックアップSTAを使用するメトリックになるように設定
242 閉塞リンクの送信機がOrigSTAと同じものであるか?
244 アクティブ近隣リスト内の近隣STAにRREPUを送信
246 終了

表1
STA Sにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000002
表2
STA Sにおける転送テーブル
Figure 2022514772000003
表3
閉塞後のノードSにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000004
表4
ノードAにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000005
表5
Dへのバックアップ ネクストホップを有するBにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000006
表6
局Aにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000007
表7
局Bにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000008
表8
局Aにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000009
表9
RREPUを受け取った後の局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000010
表10
RREPUを受け取った後の局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000011
表11
局Aにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000012
表12
局Sにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000013
表13
局Cにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000014
表14
局Aにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000015
表15
Bにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000016
表16
局Dにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000017
表17
閉塞を検出した後の局Aにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000018
表18
RREPUを受け取った後の局Cにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000019
表19
局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000020
表20
局Bにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000021
表21
局Sにおけるルーティングテーブル
Figure 2022514772000022
表22
閉塞後の局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000023
表23
局C及びEからのRREPU後の局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000024
表24
局C及びEからのRREPU後の局Sにおける更新されたルーティングテーブル
Figure 2022514772000025

Claims (20)

  1. ネットワークにおける無線通信装置であって、
    (a)少なくとも1つの他の無線通信回路と直接或いは1又は2以上のホップを通じて無線で通信するように構成された無線通信回路と、
    (b)無線ネットワーク上で動作するように構成された局内の、前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
    (c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
    を備え、
    (d)前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
    (i)複数のホップを介した通信を可能にするルートを確立する際に、近隣局にルート発見メッセージを送信することと、
    (ii)ルート発見メッセージの受信に応じて、前記ルート発見メッセージを送信した近隣局とのルーティング経路におけるリンクの利点を示すリンクメトリックを計算することと、
    (iii)前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である発信局によって1又は2以上の経路を通じて1又は2以上のルート応答メッセージが受け取られるまで近隣局にルート応答メッセージを伝搬することによって、ルート発見メッセージを受け取ったことに応答することと、
    (iv)発信局と宛先局との間のルートに沿った閉塞状態を検出し、利用可能な場合には別のルートを選択する局所的動作を行った後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達することと、
    を含むステップを実行する、
    ことを特徴とする装置。
  2. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、プライマリ局又はバックアップネクストホップ局のいずれかが到達可能でない場合、到達可能でない前記局の代用を探すために、到達可能な局を除く近隣局に1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージを送信することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、並びにアンテナセクタ及びアクセスタイミング情報に関する情報を含む、
    請求項2に記載の装置。
  4. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、前記ルーティング要求アップデートメッセージのうちの1つを受け取ったことに、ルーティング応答アップデートメッセージを送信することによって応答することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、
    請求項2に記載の装置。
  5. 前記1又は2以上のルーティング応答アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、接続の長さ及び/又は品質に関する蓄積されたメトリック、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、アンテナセクタ及びアクセスタイミング情報、並びに局が局所的動作を行ってそのバックアップネクストホップSTAに切り替えたことを示す局所的回復フラグtrueに関する情報を含む、
    請求項4に記載の装置。
  6. 前記閉塞状態を検出することは、前記ルートに沿った受信機からの確認応答の欠如を検出すること、又はリンク閉塞が存在することを知らせるルート応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに基づいてルート閉塞を判定する、
    請求項1に記載の装置。
  7. ルート閉塞を検出したが前記宛先局に到達するためのネクストホップオプションを有していない局によって局所的回復が実行されなかった旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、
    請求項1に記載の装置。
  8. 別の局は、前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ると、誤差逆伝搬されたルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取った他の局のうちの1つが前記閉塞を解消するバックアップネクストホップオプションを有するまで、局所的回復が実行されなかったことを示す前記RREPUメッセージを前記他の局に誤差逆伝搬する、
    請求項7に記載の装置。
  9. ルート閉塞を検出してバックアップルーティングに切り替える局所的動作を実行した局によって局所的回復が実行された旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、
    請求項1に記載の装置。
  10. 前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに応答して、前記局所的回復によって決定されたルートよりも効率的なルートが存在すると判定された場合、前記より効率的なルートへの遷移が行われる、
    請求項9に記載の装置。
  11. ネットワークにおける無線通信装置であって、
    (a)少なくとも1つの他の無線通信回路と直接或いは1又は2以上のホップを通じて無線で通信するように構成された無線通信回路と、
    (b)無線ネットワーク上で動作するように構成された局内の前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、
    (c)前記プロセッサが実行できる命令を記憶した非一時的メモリと、
    を備え、
    (d)前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、
    (i)複数のホップを介した通信を可能にするルートを確立する際に、近隣局にルート発見メッセージを送信することと、
    (ii)ルート発見メッセージの受信に応じて、前記ルート発見メッセージを送信した近隣局とのルーティング経路におけるリンクの利点を示すリンクメトリックを計算することと、
    (iii)前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である発信局によって1又は2以上の経路を通じて1又は2以上のルート応答メッセージが受け取られるまで近隣局にルート応答メッセージを伝搬することによって、ルート発見メッセージを受け取ったことに応答することと、
    (iv)発信局と宛先局との間のルートに沿った閉塞状態を検出し、利用可能な場合には別のルートを選択する局所的動作を行った後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達することと、
    (v)プライマリ局又はバックアップネクストホップ局のいずれかが到達可能でない場合、到達可能でない前記局の代用を探すために、到達可能な局を除く近隣局に1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージを送信することと、
    を含むステップを実行する、
    ことを特徴とする装置。
  12. 前記1又は2以上のルーティング要求アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、並びにアンテナセクタ及びアクセスタイミング情報に関する情報を含む、
    請求項11に記載の装置。
  13. 前記命令は、前記プロセッサによって実行されたときに、前記ルーティング要求アップデートメッセージのうちの1つを受け取ったことに、ルーティング応答アップデートメッセージを送信することによって応答することを含む1又は2以上のステップをさらに実行する、
    請求項11に記載の装置。
  14. 前記1又は2以上のルーティング応答アップデートメッセージの各々は、前記フレームのタイプ、受信機アドレス(RA)、送信機アドレス(TA)、フレーム長、発信局アドレス、宛先局アドレス、このルート要求アップデートを識別するシーケンス番号、接続の長さ及び/又は品質に関する蓄積されたメトリック、このルート応答の満了時間までの有効期限、関連するトラフィックストリームのトラフィック識別及びそのトラフィック仕様、アンテナセクタ及びアクセスタイミング情報、並びに局が局所的動作を行ってそのバックアップネクストホップSTAに切り替えたことを示す局所的回復フラグtrueに関する情報を含む、
    請求項13に記載の装置。
  15. 前記閉塞状態を検出することは、前記ルートに沿った受信機からの確認応答の欠如を検出すること、又はリンク閉塞が存在することを知らせるルート応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに基づいてルート閉塞を判定する、
    請求項11に記載の装置。
  16. ルート閉塞を検出したが前記宛先局に到達するためのネクストホップオプションを有していない局によって局所的回復が実行されなかった旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、
    請求項11に記載の装置。
  17. 別の局は、前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ると、誤差逆伝搬されたルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取った他の局のうちの1つが前記閉塞を解消するバックアップネクストホップオプションを有するまで、局所的回復が実行されなかったことを示す前記RREPUメッセージを前記他の局に誤差逆伝搬する、
    請求項16に記載の装置。
  18. ルート閉塞を検出してバックアップルーティングに切り替える局所的動作を実行した局によって局所的回復が実行された旨の指示を含むルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージが送信される、
    請求項11に記載の装置。
  19. 前記ルーティング応答アップデート(RREPU)メッセージを受け取ったことに応答して、前記局所的回復によって決定されたルートよりも効率的なルートが存在すると判定された場合、前記より効率的なルートへの遷移が行われる、
    請求項18に記載の装置。
  20. ネットワークにおいて無線通信を実行する方法であって、
    (a)複数のホップを介した通信を可能にするルートを確立する際に、無線で通信するように構成された無線通信回路から近隣局にルート発見メッセージを送信するステップと、
    (b)ルート発見メッセージの受信により、前記ルート発見メッセージを送信した近隣局とのルーティング経路におけるリンクの利点を示すリンクメトリックを計算するステップと、
    (c)前記ルート発見メッセージを最初に送信した前記局である発信局によって1又は2以上の経路を通じて1又は2以上のルート応答メッセージが受け取られるまで近隣局にルート応答メッセージを伝搬することによって、ルート発見メッセージを受け取ったことに応答するステップと、
    (d)発信局と宛先局との間のルートに沿った閉塞状態を検出し、利用可能な場合には別のルートを選択する局所的動作を行った後に、自機のルーティングテーブルエントリが最新であり、複数のネクストホップオプションが到達可能であっていつでも展開準備ができていることを各局が積極的に保証する1又は2以上の近隣局にルートステータス情報を伝達するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
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