JP2022514342A - 核酸の標的化組込み - Google Patents

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Abstract

本開示の主題は、外因性核酸コードのゲノムへのランダム組込み(RI)をもたらすスーパートランスフェクションに供された、組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞、ならびに前記スーパートランスフェクションされたTI宿主細胞を産生および使用する方法に関する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月21日に出願された米国特許出願第62/784,019号に対する優先権を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が組み込まれている。
本開示の主題は、組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞であって、該TI宿主細胞はスーパートランスフェクションされ、その結果外因性核酸がそれらのゲノムにコード化されてランダム組込み(RI)標的化組込み宿主細胞、ならびに前記スーパートランスフェクションされたTI宿主細胞の製造法、および使用法に関する。
[配列表]
本明細書は、配列表(2019年12月19日に「00B2060866SEQ.txt」という名前のtxtファイルとして電子的に提出)を参照する。00B2060866SEQ.txtファイルは2019年12月10日に作成されたものであり、サイズは1,251,200バイトである。配列表の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
細胞生物学および免疫学の急速な進歩により、がん、心血管疾患および代謝疾患を含む様々な疾患のための新規治療用組換えタンパク質を開発する需要が高まっている。これらのバイオ医薬品候補は、一般に、目的のタンパク質を発現することができる市販の細胞株によって製造される。例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、モノクローナル抗体を産生するように広く適合されている。
市販の細胞株を開発するための従来の戦略は、目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列のランダム組込み、続いて目的のポリペプチドを産生する細胞株の選択および単離を含む。しかしながら、この手法にはいくつかの欠点がある。第1に、そのような組込みはまれな事象であるだけでなく、ヌクレオチド配列がどこに組み込まれる部位に関するランダム性を考慮すると、これらのまれな事象は様々な遺伝子発現および細胞増殖表現型をもたらし得る。「位置効果変異」として知られるそのような変異は、少なくとも部分的に、真核細胞ゲノムに存在する複雑な遺伝子調節ネットワーク、ならびに組込みおよび遺伝子発現のための特定のゲノム遺伝子座の利用可能性に起因する。第2に、ランダム組込み戦略は一般に、宿主細胞ゲノムに組み込まれる遺伝子コピーの数を制御しない。実際に、高産生細胞を得るために遺伝子増幅法がしばしば使用される。しかしながら、そのような遺伝子増幅は、不安定な細胞増殖および/または産物発現などの望ましくない細胞表現型をもたらし得る。第3に、ランダム組込みプロセスに固有の組込み遺伝子座の不均一性のために、目的のポリペプチドの望ましいレベルの発現を示す細胞株を単離するためにトランスフェクション後に数千のクローンをスクリーニングすることは時間がかかるとともに、労力を要する。そのような細胞株を単離した後でさえ、目的のポリペプチドの安定発現は保証されず、安定した市販の細胞株を得るためにはさらなるスクリーニングが必要な場合がある。最後に、ランダム組込み細胞株から作製されたポリペプチドは、高度な配列変動を示し、これは、部分的には、目的のポリペプチドの高レベルの発現を選択するために使用される選択剤の変異原性に起因し得る。
本開示の主題は、一部は、組換えタンパク質の発現に適した標的化組込み(TI)宿主細胞であって、該TI宿主細胞はスーパートランスフェクションされ、その結果、外因性核酸がそれらのゲノムにコード化されてランダム組込み(RI)標的化組込み宿主細胞、ならびに前記スーパートランスフェクションされたTI宿主細胞の製造法、および使用法に関する。本開示の主題は、高い生産性を有する宿主細胞TI部位を提供するだけでなく、リコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)によって宿主細胞の単一のTI遺伝子座に目的の複数の配列を導入する新規方法も提供し、本明細書に概説されるように、細胞をスーパートランスフェクションに供して、目的の配列の発現の増加を達成し、TI宿主細胞ゲノムに外因性核酸コードをランダムに組み込む(RI)ことによって目的の配列の発現増加を達成する。
特定の実施形態では、スーパートランスフェクトされたTI宿主細胞は、最初から(RIに供される前に)宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の組込み部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含んでいるか、またはその後に(RIに供された後に)含むようになり、遺伝子座は配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190~45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590~207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831~491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303~79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481~315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443~2662054およびNW_003615411.1のヌクレオチド82214~97705と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列のすぐ3’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド45270~45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912~792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910~667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769~100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266~362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055~2701768またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706~105117と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に作動可能に連結される。
特定の実施形態では、スーパートランスフェクトされたTI宿主細胞は、最初から(RIに供される前に)、LOC107977062(配列番号1)、LOC100768845(配列番号2)、ITPR2(配列番号3)、ERE67000.1(配列番号4)、UBAP2(配列番号5)、MTMR2(配列番号6)、XP_003512331.2(配列番号7)、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の組込み部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含んでいるか、またはその後に(RIに供された後に)含むようになる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、LOC107977062(配列番号1)、LOC100768845(配列番号2)、ITPR2(配列番号3)、ERE67000.1(配列番号4)、UBAP2(配列番号5)、MTMR2(配列番号6)、XP_003512331.2(配列番号7)、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子に作動可能に連結された組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチドは、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に隣接する。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される配列の全部または一部に直接隣接する組込み部位に組み込まれる。
特定の実施形態では、TI宿主細胞は、哺乳動物の宿主細胞である。特定の実施形態では、TI宿主細胞は、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である。特定の実施形態では、TI宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である。
特定の実施形態では、宿主細胞は、外因性ヌクレオチド配列を含み、その配列の組込みが標的化され、外因性ヌクレオチド配列は1つ以上の組換え認識配列(RRS)を含む。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも2つのRRSを含む。RRSは、リコンビナーゼ、例えば、Creリコンビナーゼ、FLPリコンビナーゼ、Bxb1インテグラーゼ、またはφC31インテグラーゼによって認識され得る。RRSは、LoxP配列、LoxP L3配列、LoxP 2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、Lox66配列、FRT配列、Bxb1 attP配列、Bxb1 attB配列、φC31 attP配列、およびφC31 attB配列からなる群から選択され得る。
特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第3のRRSをさらに含み、第3のRRSは第1のRRSと第2のRRSとの間に位置し、第3のRRSは、第1のRRSまたは第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第1の選択マーカーを含む。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第2の選択マーカーをさらに含み、第1の選択マーカーは、第2の選択マーカーとは異なる。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第3の選択マーカーおよび内部リボソーム侵入部位(IRES)をさらに含み得、該IRESは第3の選択マーカーに作動可能に連結されている。第3の選択マーカーは、第1または第2の選択マーカーとは異なり得る。選択マーカーは、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)(例えば、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシンおよびG418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)、ならびにピューロマイシン、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、およびマイコフェノール酸に対する耐性をコードする遺伝子からなる群から選択され得る。選択マーカーはまた、緑色蛍光タンパク質(GFP)マーカー、改良型GFP(eGFP)マーカー、合成GFPマーカー、黄色蛍光タンパク質(YFP)マーカー、改良型YFP(eYFP)マーカー、シアン蛍光タンパク質(CFP)マーカー、mPlumマーカー、mCherryマーカー、tdTomatoマーカー、mStrawberryマーカー、J-redマーカー、DsRed-monomerマーカー、mOrangeマーカー、mKOマーカー、mCitrineマーカー、Venusマーカー、YPetマーカー、Emerald6マーカー、CyPetマーカー、mCFPmマーカー、Ceruleanマーカー、およびT-Sapphireマーカーからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、緑色蛍光タンパク質(GFP)マーカー、改良型GFP(eGFP)マーカー、合成GFPマーカーからなる群から選択される。
特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性の目的配列(SOI)を含む。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRSおよび第2のRRSと、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIとを含む。特定の実施形態では、標的化組込みによって組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRS、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOI、ならびに第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの外因性SOIとを含む。目的の配列は本明細書に列挙された例を含むがこれらに限定されない、いずれかの目的のポリペプチドをコードし得る。SOIは、同一でも異なってもよく、例えば、SOIには、抗体の両方の鎖のコード配列を含めることができる。2つ以上の異なるポリペプチドが発現される場合、目的の配列は、2つのポリペプチドを様々な比率で含み得、例えば、8つのコード配列が1:7、2:6などを含むがこれらに限定されない2つの異なるポリペプチドをコードする場合である。SOIは、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードし得る。
本開示の主題はまた、目的のポリペプチドの発現を促進するための宿主細胞への外因性核酸の標的化組込みのための方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に標的化組込みが導入される方法を提供する。特定の実施形態では、そのような方法は、リコンビナーゼ媒介組換えによる宿主細胞への外因性核酸の標的化組込みを含む。特定の実施形態では、そのような方法は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の部位に組み込まれる外因性ヌクレオチド配列を含む細胞に関する。特定の実施形態では、そのような方法は、宿主細胞のゲノムの遺伝子座内に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む細胞に関し、遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同なヌクレオチド配列を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程;b)a)で供給される細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程;c)リコンビナーゼを導入し、そのリコンビナーゼがRRSを認識する工程;ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSが異種特異的であり、すなわち、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSがマッチしないRRSであり、それゆえ、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSのいずれか2つがリコンビナーゼ媒介組換えの影響を受けない工程;b)a)で供給される細胞に、組込み外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む第1ベクターを導入する工程;c)a)で供給される細胞に、組込み外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程;d)1つ以上のリコンビナーゼを導入する工程であって、その1つ以上のリコンビナーゼがRRSを認識する工程;ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現させる方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内に組み込まれた2つのRRSに隣接する少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程;ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに好適な条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現させるための方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内に組み込まれた少なくとも2つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、少なくとも1つの外因性SOIおよび1つの選択マーカーが、第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、少なくとも1つの外因性SOIが、第2のRRSおよび第3のRRSに隣接する工程、ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに好適な条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。
本明細書で開示される主題はまた、TI宿主細胞の使用によって目的のポリペプチドを産生する組成物および方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される組成物および方法を提供する。そのような組成物および方法は、TI宿主細胞中への外因性ヌクレオチド配列の組込みを促進するポリヌクレオチドおよびベクターに加えて、外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞および組成物ならびにその使用方法を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ベクターは、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み得、そのDNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む。ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼベクター、インテグラーゼ基質、ならびにプラスミドからなる群から選択することができる。
特定の実施形態では、本開示の方法は、相同組換え、相同組換え修復(HDR)および/または非相同末端結合(NHEJ)を介した目的のポリペプチドをコードする外因性核酸の宿主細胞への標的化組込みを含む。特定の実施形態では、そのような方法は、LOC107977062(配列番号1)、LOC100768845(配列番号2)、ITPR2(配列番号3)、ERE67000.1(配列番号4)、UBAP2(配列番号5)、MTMR2(配列番号6)、XP_003512331.2(配列番号7)、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の部位での細胞への目的のポリペプチドをコードする外因性核酸の組込みを含む。特定の実施形態では、そのような方法は、宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位での目的のポリペプチドをコードする外因性核酸の細胞内への組込みを含み、遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同なヌクレオチド配列を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞のゲノムの遺伝子座を含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程;b)ベクターを前記宿主細胞に導入する工程であって、ベクターが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、DNAカセットが、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーと、少なくとも1つの外因性SOIとを含む、工程;ならびにc)選択マーカーを選択して、ゲノム遺伝子座中に組み込まれたSOIを含有するTI宿主細胞を単離して目的のポリペプチドを発現させる工程を含む。ある特定の実施形態では、そのような方法は、標的化組込みを促進するための外因性ヌクレアーゼの使用を含む。外因性ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択することができる。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞のゲノムの1つ以上の遺伝子座内の部位に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、1つ以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、外因性ヌクレオチド配列が、1つ以上のRRSを含む工程;b)a)で供給される細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の1つ以上のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結された少なくとも1つの外因性SOIに隣接する1つ以上のRRSを含むベクターを導入する工程;c)リコンビナーゼまたはリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程であって、リコンビナーゼがRRSを認識する工程;ならびにd)誘導物質の存在下で外因性SOIを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現させる方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)2つのRRSに隣接し、宿主細胞のゲノムの遺伝子座内に組み込まれた調節可能なプロモーターに作動可能に連結された少なくとも1つの外因性SOIを含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程;ならびにb)前記細胞を、SOIを発現させるのに適した条件下で培養し、そこから目的のポリペプチドを回収する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1および第2の目的ポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、同一または異なる目的のポリペプチドをコードするランダム組込み外因性核酸の前に、後に、または同時に、目的のポリペプチドをコードする配列の標的化組込みが導入される方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内での部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSが異種特異的であり、すなわち、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSがマッチしないRRSであり、それゆえ、第1のRRS、第2のRRS、および第3のRRSのいずれか2つが、リコンビナーゼ媒介組換えの影響を受けないことになる工程;b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結される少なくとも1つの第1の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第1ベクターを導入する工程;c)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結される少なくとも1つの第2の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程;d)1つ以上のリコンビナーゼ、または1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程であって、1つ以上のリコンビナーゼがRRSを認識する工程;ならびにe)誘導物質の存在下で外因性SOIを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現することができる宿主細胞であって、a)第1の目的のポリペプチドと、2つの組換え認識配列(RRS)に隣接する第1の選択マーカーとをコードする、標的化組込み外因性核酸目的配列(SOI)であって、前記標的化組込み外因性SOIが前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれている、標的化組込み外因性核酸SOI;およびb)第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードするランダム組込み外因性核酸SOIであって、前記ランダム組込みSOIが前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれている、外因性核酸SOIを含む、宿主細胞を提供する。特定の実施形態では、第1の目的のポリペプチドと第2の目的のポリペプチドとは同一であり得る。特定の実施形態では、第1の選択マーカーと第2の選択マーカーとは同一であり得る。特定の実施形態では、宿主細胞は、ランダムに組み込まれた1個~10個の外因性核酸SOIを含み得る。特定の実施形態では、標的化遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれた第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードする、第2の標的化組込み外因性核酸SOIをさらに含み、前記第1の標的化組込み外因性核酸SOIおよび第1の選択マーカーが第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、前記第2の標的化組込外因性SOIおよび第2の選択マーカーが第2のRRSおよび第3のRRSに隣接し得る。特定の実施形態では、目的のポリペプチドは、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択され得る。特定の実施形態では、宿主細胞は哺乳動物宿主細胞であり得る。特定の実施形態では、宿主細胞は、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞であり得る。特定の実施形態では、SOIおよび選択マーカーの標的化組込みは、外因性ヌクレアーゼによって促進され得る。特定の実施形態では、外因性ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNAガイドDNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択することができる。
本開示の主題はまた、目的のポリペプチドを発現させる方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現させる方法であって、a)宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む宿主細胞を供給する工程であって、前記外因性ヌクレオチド配列が第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程;b)(a)で供給された細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列の2つのRRSとマッチし、第1の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードする第1の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む核酸を導入する工程;c)リコンビナーゼまたはリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程であって、前記リコンビナーゼが前記RRSを認識する工程;d)第2の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程;e)ランダム組込みを介して、第2の目的のポリペプチドおよび第3の選択マーカーをコードする第2の外因性SOIを宿主細胞のゲノムに導入する工程;f)第3の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程;およびg)第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するのに十分な条件下で宿主細胞を培養する工程を含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、本方法は、宿主細胞培養液から、前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを回収することをさらに含んでもよい。特定の実施形態では、第1の目的のポリペプチドと第2の目的のポリペプチドとは同一であり得る。特定の実施形態では、標的化遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり得る。特定の実施形態では、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドは、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択することができる。特定の実施形態では、宿主細胞は哺乳動物宿主細胞であり得る。特定の実施形態では、宿主細胞は、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞であり得る。特定の実施形態では、宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である。特定の実施形態では、任意のSOIの標的化組込みは、外因性ヌクレアーゼによって促進され得る。特定の実施形態では、外因性ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択することができる。特定の実施形態では、SOIの発現は、調節可能なプロモーターによって制御することができる。特定の実施形態では、調節可能なプロモーターは、SV40およびCMVプロモーターからなる群から選択することができる。
図1は、抗体の安定した高発現を可能にする、CHO TI遺伝子座を同定するためのゲノムワイドスクリーニング工程の概要を示す略図である。 図2Aは、標的抗体発現集団を生成するために利用された2つの二重選択スキームを示す。トランスポザーゼ生成TI宿主を図2Aに示す。 図2Bは、標的抗体発現集団を生成するために利用された2つの二重選択スキームを示す。ランダム組込み生成TI宿主を図2Bに示す。 図3は、2つの特定のTI宿主によって生成された上位クローンの生産性を示す。 図4は、2つの独立したRMCEを同時に実行するために、3つのRRS部位の使用を伴う2プラスミドRMCE戦略のスキームを示す。1つのベクター(前方)は、RRS1、第1のSOIおよびプロモーター(P)と、それに続く開始コドン(ATG)およびRRS3を含む。他方のベクター(後方)は、開始コドン(ATG)を含まないマーカーのコード配列に融合したRRS3、SOI2およびRRS2を含む。2つのプラスミドが正しく標的化された場合にのみ、選択マーカーの完全な発現カセットが組み立てられ、細胞が選択に対して耐性を示す状態になる。 図5は、抗体D、E、F、GおよびJの発現に関連して単一ベクターまたは2ベクターRMCEのいずれかを使用した結果を示す。FACS、ゲノムPCRおよび遺伝子コピー解析を評価して、両方のプラスミドカセットが正確にTI部位を標的化したことを確認した。2プラスミドRMCEでは、単一プラスミドRMCEと比較して、より多くの総HCおよびLCコピーがTI部位を標的化した。 図6は、6つの分子の力価を示す 図7は、複合mAb形式を発現させるために2ベクトルRMCEを使用した結果を示す。それぞれが4本の異なる鎖(2本のHCおよび2本のLC)を必要とする2つの二重特異性分子を、産生および%二重特異性形成についてアッセイした。どちらも場合においても、80%超の二重特異性含量で1.5g/L超を示す細胞株が開発された。 図8は、四種の二重特異性分子の14日目の力価を示す。 図9Aは、RTIシステムにおいてmAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株の生成を示す。細胞株発生の組織学的結果を図9Aに示す。 図9Bは、RTIシステムにおいてmAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株の生成を示す。RTI細胞株発生(CLD)プロセスの概略図を図9Bに示す。 図10Aは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株の力価および比生産性の結果を示す。産生終了力価を図10Aに示す。 図10Bは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株の力価および比生産性の結果を示す。産生終了IVCCを図10Bに示す。 図10Cは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株の力価および比生産性の結果を示す。産生終了比生産性を図10Cに示す。 図11Aは、mAb-IおよびmAb-II発現細胞株のHCおよびLC mRNAの発現レベルを示す。HC mRNAの発現レベルを図11Aに示す。 図11Bは、mAb-IおよびmAb-II発現細胞株のHCおよびLC mRNAの発現レベルを示す。HL mRNAの発現レベルを図11Aに示す。 図12Aは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株におけるHC、HLおよびBiP分子の細胞内レベルを示す。RTIシステムに対するシクロヘキシミドおよびDoxの効果の概略図を図12Aに示す。 図12Bは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株におけるHC、HLおよびBiP分子の細胞内レベルを示す。mAb-AまたはmAb-Bを発現する細胞株の上清中におけるHC、LCおよびBiPの細胞内レベルに加えてHCおよびLCレベルを図12Bに示す。 図12Cは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株におけるHC、HLおよびBiP分子の細胞内レベルを示す。一晩CHXで処理した後のmAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株のHC、LCおよびBiPの細胞内レベルを図12Cに示す。 図12Dは、mAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株におけるHC、HLおよびBiP分子の細胞内レベルを示す。培養培地からのドキシサイクリン除去後のmAb-IまたはmAb-IIを発現する細胞株のHC、LCおよびBiPの細胞内レベルを図12Dに示す。 図13Aは、BiPの細胞内蓄積とmAb-I LC発現との間の相関関係を示す。産生終了力価を図13Aに示す。 図13Bは、BiPの細胞内蓄積とmAb-I LC発現との間の相関関係を示す。HC、LCおよびBiPの蓄積を図13Bに示す。 図13Cは、BiPの細胞内蓄積とmAb-I LC発現との間の相関関係を示す。鎖交換実験の概略図を図13Cに示す。 図13Dは、BiPの細胞内蓄積とmAb-I LC発現との間の相関関係を示す。mAb-I、mAb-II、またはこれらの分子の鎖交換型を発現するRTIプールのHC、LCおよびBiPの細胞内レベルを図13Dに示す。 図14Aは、この分子のプール発現に対するmAb-A HCおよびHLの寄与を示す。産生終了力価を図14Aに示す。 図14Bは、この分子のプール発現に対するmAb-A HCおよびHLの寄与を示す。産生終了IVCCを図13Bに示す。 図14Cは、この分子のプール発現に対するmAb-A HCおよびHLの寄与を示す。産生終了比生産性を図14Cに示す。 図15Aは、発現不良の一因となる可能性のあるLCおよびHCのCDR領域を示す。mAb-IおよびmAb-II LCサブユニットの略図を図15Aに示す。 図15Bは、発現不良の一因となる可能性のあるLCおよびHCのCDR領域を示す。mAb-IおよびmAb-II HC領域の略図を図15Bに示す。 図16Aは、HCの発現に関連してHC定常領域で2つの点変異を使用した結果を示す。mAb-IおよびmAb-II HCおよびLCサブユニット間の様々な鎖交換の産生終了力価を図16Aに示す。 図16Bは、HCAの発現に関連してHC定常領域で2つの点変異を使用した結果を示す。様々なRTIプールのHC、LCおよびBiPの細胞内レベルを図16Bに示す。 図16Cは、HCAの発現に関連してHC定常領域で2つの点変異を使用した結果を示す。低タンパク質発現の診断ツールとしてのRTIシステム利用の概略図を図16Cに示す。 図17は、2つの異なる細胞培養プロセスを使用した産生を示す。 図18Aは、3つのmAbのRMCEプールの力価および比生産性の結果を示す。HLおよびHLL構成を比較する3つのmAbのRMCEプールの14日目の力価を図18Aに示す。 図18Bは、3つのmAbのRMCEプールの力価および比生産性の結果を示す。HLおよびHLL構成を比較する3つのmAbのRMCEプールの14日目の比生産性(Qp)を図18Bに示す。 図18Cは、3つのmAbのRMCEプールの力価および比生産性の結果を示す。図18Aのプールから作製したクローンの14日目の力価を図18Cに示す。 図18Dは、3つのmAbのRMCEプールの力価および比生産性の結果を示す。図18Aのプールから作製したクローンの14日目のQpを図18Dに示す。図18Cおよび図18Dでは、構成あたり6個のクローンを試験した。 図19Aは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。14日目の力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分、IVCCで表される)を図19Aに示す。各バーは、単一のプールからのデータを表す。図19Aは、プールからのシードトレインmRNA発現および細胞内抗体タンパク質発現である。 図19Bは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。14日目の力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分、IVCCで表される)を図19Bに示す。各バーは、単一のプールからのデータを表す。 図19Cは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。14日目の力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分、IVCCで表される)を図19Cに示す。各バーは、単一のプールからのデータを表す。 図19Dは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。重鎖および軽鎖のmRNA発現を、HLL-HL構成を基準として正規化し、各バーは4つの技術的複製物の平均である(エラーバーは標準偏差である)。重鎖および軽鎖のmRNA発現を、HLL-HL構成を基準として正規化した。 図19Eは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。ウェスタンブロットから定量化し、HLA-HL構成を基準として正規化した全てのプールからの細胞内重鎖および軽鎖タンパク質発現を図19Eに示す。各バーは3回の技術的反復の平均である(エラーバーは標準偏差である)。 図19Fは、3つの異なるプラスミド構成を比較するmAb YのRMCEプールについての力価、Qpおよび増殖(生細胞濃度の積分IVCCで表わされる)、mRNA発現、ならびにタンパク質発現を示す。図19Eに示すデータの代表的なウェスタンブロット画像を図19Fに示す。 図20Aは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb Y発現単クローンの14日目の力価を図20Aに示す。 図20Bは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb Y発現モノクローンの14日目のQpを図20Bに示す。 図20Cは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb Y発現クローンの14日目のIVCCを図20Cに示す。 図20Dは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb III発現モノクローンの14日目の力価を図20Dに示す。 図20Eは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb III発現モノクローンの14日目のQpを図20Eに示す。 図20Fは、3つの異なる構成を有するRMCEプールから作製したmAb YまたはmAb III発現を発現する単クローンの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる)を示す。mAb III発現クローンの14日目のIVCCを図20Fに示す。 図21Aは、様々な構成のRMCEプールの発現レベル、力価およびQpを示す。鎖発現に対するプラスミド位置の影響を評価するためにトランスフェクトされた1本の重鎖、1本の軽鎖プラスミドの概略図を図21Aに示す。抗体重鎖(Hと略す)および軽鎖(Lと略す)を同じプラスミド上で発現させるか、または前方プラスミドと後方プラスミドとの間で分割した。L3、Loxfasおよび2L部位に注目し、後方プラスミド中のpacピューロマイシン耐性遺伝子も同様である。 図21Bは、様々な構成のRMCEプールの発現レベル、力価およびQpを示す。図21Aに示したDNA構成を有するプールからの重鎖および軽鎖のシードトレインmRNA発現を図23Bに示す。 図21Cは、様々な構成のRMCEプールの発現レベル、力価およびQpを示す。様々な構成のRMCEプールの14日目の力価を図21Cに示す。 図21Dは、様々な構成のRMCEプールの発現レベル、力価およびQpを示す。様々な構成の14日目のQpを図21Dに示す。 プールの重鎖および軽鎖DNAコピー数を図21Eに示す。 図22Aは、mAbの高分子量種(HMWS)割合に対するHC:LC比の効果がTI部位に依存しないことを示す。宿主7細胞上の抗体Sの14日目の力価を図22Aに示す。 図22Bは、mAbの高分子量種(HMWS)割合に対するHC:LC比の効果がTI部位に依存しないことを示す。宿主7細胞上の抗体Sの高分子量種(HMWS)の割合を図22Bに示す。 図22Cは、mAbの高分子量種(HMWS)割合に対するHC:LC比の効果がTI部位に依存しないことを示す。宿主4細胞上の抗体Sの14日目の力価を図22Cに示す。 図22Dは、mAbの高分子量種(HMWS)割合に対するHC:LC比の効果がTI部位に依存しないことを示す。宿主4細胞上の抗体Sの高分子量種(HMWS)の割合を図22Dに示す。 図23Aは、抗体IVの生産性および高分子量種(HMWS)に対するHC:LC比の効果を示す。宿主4細胞上の抗体IVの14日目の力価を図23Aに示す。 図23Bは、抗体IVの生産性および高分子量種(HMWS)に対するHC:LC比の効果を示す。宿主4細胞上の抗体IVの高分子量種(HMWS)割合を図23Dに示す。 図24Aは、2部位TI宿主細胞における抗体VIの生産性および高分子量種(HMWS)に対するHC:LC比の効果を示す。2部位TI宿主細胞上の抗体VIの14日目の力価を図24Aに示す。 図24Bは、2部位TI宿主細胞における抗体VIの生産性および高分子量種(HMWS)に対するHC:LC比の効果を示す。2部位TI宿主細胞上の抗体VIの高分子量種(HMWS)割合を図24Bに示す。 図25は、それぞれ8.4および8.7g/Lの力価を有し、7.4%および5.6%の凝集体を有する2つのクローンを示す。 図26は、異なる制御された標的化組込み細胞株における抗体Zの14日目の力価を示す。 図27は、異なる制御された標的化組込み細胞株における抗体Zの比生産性を示す。 図28Aは、スーパートランスフェクトおよび擬似トランスフェクトされたクローン上のmAb Zの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる。)を示す。HLA-HL TIを発現するmAb Zから作製されたスーパートランスフェクトおよび疑似トランスフェクトされたクローンの14日目の力価を図28Aに示す。 図28Bは、スーパートランスフェクトおよび擬似トランスフェクトされたクローン上のmAb Zの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる。)を示す。14日目のQpを図28Bに示す。 図28Cは、スーパートランスフェクトおよび擬似トランスフェクトされたクローン上のmAb Zの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる。)を示す。14日目のIVCCを図28Cに示す。 図28Dは、スーパートランスフェクトおよび擬似トランスフェクトされたクローン上のmAb Zの力価、Qpおよび増殖(生存細胞濃度の積分、IVCCで表わされる。)を示す。HLA-HLHL親クローンおよびHLA-HL親クローンから作製された4つのスーパートランスフェクトされたクローンおよび4つの疑似トランスフェクトされたクローンからの重鎖および軽鎖DNAコピー数を図28Dに示す。 図29Aは、抗体Zの様々なクローンに対する調節されたスーパートランスフェクションの力価を示す。抗体Zの制御された発現の10日目および13日目の力価を図29Aに示す。 図29Bは、抗体Zの様々なクローンに対する調節されたスーパートランスフェクションの力価を示す。選択されたクローンの2つの異なる産生方法の力価比較を図29Bに示す。 図29Cは、抗体Zの様々なクローンに対する調節されたスーパートランスフェクションの力価を示す。制御されたスーパートランスフェクト細胞上の抗体Zの力価を図29Cに示す。
特定の実施形態では、本明細書中に記載される宿主細胞、遺伝子構築物(例えば、ベクター)、組成物および方法は、標的化組込み(TI)宿主細胞の開発および/または使用において使用され得る。特定の実施形態では、そのようなTI宿主細胞は、宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子または特定の遺伝子座内に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む。
開示を明確にする目的で、かつ限定を目的とせずに、詳細な説明を以下のサブセクションに分ける。
1.定義
2.組込み部位
3.外因性ヌクレオチド配列
4.宿主細胞
5.標的化組込み
6.TI宿主細胞の調製および使用
7.産物
8.例示的な非限定的な実施形態
1. 定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本分野の当業者により一般的に理解されているものと同じ意味を有する。矛盾する場合は、本明細書におけるいかなる定義をも含む本出願が優先する。好ましい方法および材料は以下に記載されているが、本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料は、現在開示されている主題の実施または試験に使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれる。加えて、材料、方法、および実施例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本明細書で使用される場合、「含む(comprise(s))」「含む(include(s))」、「有する(having)」「有する(has)」、「することができる(can)」、「含有する(contain(s))」、およびこれらの変形は、更なる作用または構造物の可能性を排除しない、オープンエンドの移行句、用語、または単語であることが意図される。単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態または要素「を含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」、および「から本質的になる(consisting essentially of)」他の実施形態も企図する。
本明細書における数値範囲の列挙のために、同じ程度の精度でその間に介在する各数字が明示的に企図される。例えば、6~9の範囲では、6および9に加えて数値7および8が企図され、6.0~7.0の範囲では、番号6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、および7.0が明示的に企図される。
本明細書で使用される場合、「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容できる誤差範囲を意味し、これは、その値がどのように測定または決定されるか、すなわち、測定システムの限界に部分的に依存することになる。例えば、「約」とは、当該技術分野での慣習に従い、3または3を超える標準偏差以内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、更により好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
本明細書で使用される場合、「選択マーカー」という用語は、対応する選択剤の存在下で、ある遺伝子を保持する細胞が特異的に選択されるか、または特異的に排除されることを可能にする該遺伝子を表す。例えば、限定ではないが、選択マーカーは、選択マーカー遺伝子で形質転換された宿主細胞が、遺伝子の存在下で積極的に選択されることを可能にすることができ、形質転換されていない宿主細胞は、該選択的培養条件下で増殖または生存することができない。選択マーカーは、ポジティブ、ネガティブ、または二機能性であり得る。ポジティブ選択マーカーは、マーカーを保持する細胞の選択を可能にすることができるのに対し、ネガティブ選択マーカーは、マーカーを保持する細胞を選択的に排除することを可能にし得る。選択マーカーは、薬剤耐性を付与し、または宿主細胞の代謝的もしくは異化的欠陥を補い得る。原核細胞では、とりわけ、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン、またはクロラムフェニコールに対する耐性を付与する遺伝子が使用され得る。真核細胞の選択マーカーとして有用な耐性遺伝子としては、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)(例えば、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシンおよびG418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)の遺伝子、ならびにピューロマイシン、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、およびマイコフェノール酸に対する耐性をコードする遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。さらなるマーカー遺伝子は、国際公開第92/08796号および国際公開第94/28143号に記載されている。
選択マーカーは、対応する選択剤の存在下での選択を容易にするだけでなく、通常は細胞中に存在しない分子、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)、強化型GFP(eGFP)、合成GFP、黄色蛍光タンパク質(YFP)、強化型YFP(eYFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-red、DsRed-monomer、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、Emerald、CyPet、mCFPm、Cerulean、およびT-Sapphireをコードする遺伝子を代わりに提供し得る。そのような遺伝子を保有する細胞は、例えば、コードされたポリペプチドによって放射される蛍光の検出によって、この遺伝子を保有しない細胞と区別され得る。
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結される」という用語は、2つ以上の構成要素の並置を指し、該構成要素は、意図される様式で機能することを可能する関係にある。例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサーがコード配列の転写を調節するように作用する場合、該プロモーターおよび/またはエンハンサーは、コード配列に作動可能に連結されている。特定の実施形態では、「作動可能に連結された」DNA配列は、単一の染色体上で近接し、隣接している。特定の実施形態では、例えば、分泌リーダーおよびポリペプチドなどの2つのタンパク質をコードする領域を結合する必要がある場合、該配列は、連続して隣接し、同じリーディングフレーム内に存在する。特定の実施形態では、作動可能に連結されたプロモーターは、コード配列の上流に位置し、それに隣接し得る。特定の実施形態では、例えば、コード配列の発現を調節するエンハンサー配列に関して、2つの構成要素は隣接していなくても、作動可能に連結され得る。エンハンサーは、コード配列の転写を増加させる場合、該エンハンサーは、コード配列に作動可能に連結されている。作動可能に連結されエンハンサーは、コード配列の上流、配列内、または下流に位置し得、コード配列のプロモーターから相当な距離を置いて位置し得る。作動可能な連結は、当技術分野で公知の組換え法によって、例えば、PCR法を使用して、および/または都合の良い制限部位でのライゲーションによって達成され得る。都合の良い制限部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを、従来の方法に従って使用し得る。内部リボソーム侵入部位(IRES)が、5’末端に非依存的な方法により内部位置でORFの翻訳を開始できる場合、該IRESは、オープン・リーディング・フレーム(ORF)に作動可能に連結されている。
本明細書で使用される場合、「発現」という用語は、転写および/または翻訳を指す。特定の実施形態では、所望の産物の転写レベルは、存在する対応するmRNAの量に基づいて決定され得る。例えば、目的の配列から転写されたmRNAは、PCRまたはノーザンハイブリダイゼーションによって定量され得る。特定の実施形態では、目的の配列によってコードされるタンパク質は、様々な方法によって、例えば、ELISAによって、タンパク質の生物活性についてアッセイすることによって、またはそのような活性に依存しないアッセイ、例えば、タンパク質を認識してそれに結合する抗体を使用するウェスタンブロッティングもしくはラジオイムノアッセイなどを用いることによって定量され得る。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、本最も広義に使用され、抗体が所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、半抗体、および抗体断片を含むが、これらに限定されない様々な抗体構造を包含する。
本明細書で使用される場合、「抗体断片」という用語は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Holliger and Hudson、Nature Biotechnology 23:1126-1136(2005)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体と抗原との結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVおよびV)は、概して、類似の構造を有しており、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの超可変領域(HVR)とを含む。(例えば、Kindtら、「Kuby Immunology」第6版、W.H.Freeman and Co.、第91頁(2007年)を参照されたい。)単一のVまたはVドメインは、抗原結合特異性を付与するために充分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体のVまたはVドメインを使用して単離され、それぞれ、相補的VまたはVドメインのライブラリをスクリーニングしてもよい。例えば、Portolanoら.J.Immunol.150:880-887,1993;Clarkson et al.Nature 352:624-628,1991.を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「重鎖」という用語は、免疫グロブリン重鎖を指す。
本明細書中で使用される場合、「軽鎖」という用語とは、免疫グロブリン軽鎖を指す。
抗体の「クラス」とは、抗体の重鎖が有する定常ドメインまたは定常領域の種類を指す。抗体の5つの主要なクラス、すなわち:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2に更に分ける場合がある。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれαα、δδ、εε、γγ、またはμμと呼ばれる。
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体、すなわち、集団を構成する個々の抗体が同一であり、および/または同一のエピトープを結合している抗体を指すが、例えば、自然に生じる突然変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の製造中に生じる可能性のあるバリアント抗体を除いて、そのようなバリアントは、一般的に微量に存在する。通常、異なる決定基(エピトープ)に対して指向する様々な抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基に対して指向する。したがって、修飾語「モノクローナル」とは、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈されるべきではない。例えば、本発明に従うモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法を含むがこれらに限定されない様々な技術によって作製することができ、そのような方法および本明細書に記載されているモノクローナル抗体を作製するための他の例示的な方法を含むがこれらに限定されない。
多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位、すなわち、異なる抗原上の異なるエピトープまたは同じ抗原上の異なるエピトープに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。特定の態様において、多重特異性抗体は3つ以上の結合特異性を有する。多重特異性抗体は、完全長抗体または抗体断片として調製することができる。
「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、および「全抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように同義に使用される。
「抗体断片」は、インタクト抗体が結合する抗原を結合するインタクト抗体の一部を含むインタクト抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFvおよびscFab);単一ドメイン抗体(dAb);ならびに、抗体断片から形成した多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の抗体断片の総説としては、Holliger and Hudson、Nature Biotechnology 23:1126-1136(2005)を参照されたい。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の供給源または種に由来し、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
「ヒト抗体」とは、ヒトもしくはヒト細胞により産生された抗体、またはヒト抗体レパートリなどのヒト抗体をコードする配列を利用した非ヒト由来の抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。このヒト抗体の定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特定的に除外する。
「ヒト化」抗体とは、非ヒトCDR由来のアミノ酸残基、およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の態様では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの全てを実質的に含み、そのドメイン中ではCDRの全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のCDRに対応し、FRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のFRに対応することになる。ヒト化抗体は、必要に応じて、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を受けた抗体を指す。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体が同一であり、および/または同一のエピトープと結合しているが、例えば、自然に生じる突然変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる可能性のあるバリアント抗体を除いて、そのようなバリアントは、一般的に微量で存在する。通常、異なる決定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体集団から得られるという抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈すべきではない。
「治療用抗体」という用語は、疾患の治療に使用される抗体を指す。治療用抗体は、様々な作用機序を有する場合がある。治療用抗体は、抗原に関連する標的と結合し、その正常な機能を中和する場合がある。例えば、がん細胞の生存に必要なタンパク質の活性を遮断するモノクローナル抗体は、細胞死を引き起こす。別の治療用モノクローナル抗体は、抗原に関連する標的の結合し、その正常な機能を活性化する場合がある。例えば、モノクローナル抗体は、細胞上のタンパク質に結合し、アポトーシスシグナルを誘発し得る。さらに別のモノクローナル抗体は、疾患組織上にのみ発現される標的抗原に結合し得、毒性ペイロード(効果的な薬剤)、例えば、化学療法剤または放射性薬剤などとモノクローナル抗体との複合化によって、毒性ペイロードを患部組織に特異的に送達するための薬剤が作製され、健康な組織への害が減少し得る。治療用抗体の「生物学的に機能的な断片」は、インタクトな抗体に起因する生物学的機能の一部または全部ではないにしても少なくとも1つを示し、その機能は標的抗原への少なくとも特異的な結合を含む。
「診断用抗体」という用語は、疾患の診断試薬として使用される抗体を指す。診断用抗体は、特定の疾患に特異的に関連するか、または特定の疾患において発現の増加を示す標的抗原に結合し得る。診断用抗体は、例えば、患者からの生体試料中の標的を検出するために、または患者における腫瘍などの疾患部位の画像診断において使用され得る。診断用抗体の「生物学的に機能的な断片」は、インタクトな抗体に起因する生物学的機能の一部または全部ではないにしても少なくとも1つを示し、その機能は標的抗原への少なくとも特異的な結合を含む。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養」という用語は互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞としては、「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これらには、初代形質転換細胞および継代の数に関わらず宿主細胞に由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含有量の点で完全に同一でない場合があるが、突然変異を含んでもよい。元々形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体の子孫は、本明細書に含まれる。
「核酸分子」または「ポリヌクレオチド」という用語は、ヌクレオチドのポリマーを含む任意の化合物および/または物質を含む。各ヌクレオチドは、塩基で構成され、具体的には、プリン塩基またはピリミジン塩基(すなわち、シトシン(C)、グアニン(G)、アデニン(A)、チミン(T)またはウラシル(U))、糖(すなわち、デオキシリボースまたはリボース)、およびリン酸基で構成される。多くの場合、核酸分子は塩基配列によって記載され、それにより、塩基は、核酸分子の一次構造(線状構造)を表す。塩基の配列は、典型的には、5’~3’へと表される。本明細書中、核酸分子という用語は、デオキシリボ核酸(DNA)、例えば、相補性DNA(cDNA)およびゲノムDNA、リボ核酸(RNA)、特に、メッセンジャーRNA(mRNA)、DNAまたはRNAの合成形態、およびこれらの分子の2つ以上を含む混合ポリマーを包含する。核酸分子は、線状または環状であってもよい。これに加え、核酸分子という用語は、センス鎖およびアンチセンス鎖、ならびに一本鎖形態および二本鎖形態の両方を含む。さらに、本明細書で記載される核酸分子は、天然に存在するヌクレオチドまたは天然に存在しないヌクレオチドを含み得る。天然に存在しないヌクレオチドの例としては、誘導体化された糖もしくはリン酸骨格結合を有する修飾ヌクレオチド塩基または化学的に修飾された残基が挙げられる。核酸分子は、例えば、宿主または患者において、インビトロおよび/またはインビボで本発明の抗体の直接的な発現のためのベクターとして適したDNA分子およびRNA分子も包含する。そのようなDNA(例えば、cDNA)またはRNA(例えば、mRNA)ベクターは、修飾されていなくてもよく、または修飾されていてもよい。例えば、mRNAは、インビボで抗体を産生するために対象にmRNAを注入することができるように、RNAベクターの安定性および/またはコードされた分子の発現を高めるように化学修飾されてもよい。(例えば、Stadlerら、Nature Medicine 2017、2017年6月12日にオンラインで公開、doi:10.1038/nm.4356または欧州特許第2101823B1号を参照。)
「単離された」核酸とは、核酸分子が自然環境の構成要素から分離されたものを指す。単離核酸には、通常核酸分子を含む細胞内に含まれる核酸分子が、染色体外に存在するか、または本来の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する核酸分子が含まれる。
本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、核酸分子に連結されている別の核酸を増殖し得る核酸分子を意味する。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、およびベクターが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれるベクターを含む。特定の実施形態では、ベクターは、それらが作動可能に連結している核酸の発現を誘導する。そのようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。
本明細書で使用される場合、「相同配列」という用語は、配列のアラインメントによって判定されたとき、有意に配列類似性を共有する配列を指す。例えば、2つの配列は、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または99.9%相同であり得る。アラインメントは、BLAST、FASTA、HMMEなどを含むがこれらに限定されないアルゴリズムおよびコンピュータプログラムによって実行され、配列を比較し、要素、例えば配列の長さ、配列の同一性および類似性、ならびに配列のミスマッチおよびギャップの存在および長さなどに基づいて、マッチの統計的有意性を算出する。相同配列は、DNA配列およびタンパク質配列の両方を指し得る。
本明細書で使用される場合、「隣接する」という用語は、第1のヌクレオチド配列が、第2のヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端、または両端のいずれかに位置することを指す。隣接するヌクレオチド配列は、第2のヌクレオチド配列に隣接するか、または第2のヌクレオチド配列から規定の距離にあり得る。隣接するヌクレオチド配列の長さに、具体的な制限はない。例えば、隣接配列は、数塩基対または数千塩基対であり得る。特定の実施形態では、隣接するヌクレオチド配列の長さは、約少なくとも15塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも30塩基対、少なくとも40塩基対、少なくとも50塩基対、少なくとも75塩基対、少なくとも100塩基対、少なくとも150塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも300塩基対、少なくとも400塩基対、少なくとも500塩基対、少なくとも1,000塩基対、少なくとも1,500塩基対、少なくとも2,000塩基対、少なくとも3,000塩基対、少なくとも4,000塩基対、少なくとも5,000塩基対、少なくとも6,000塩基対、少なくとも7,000塩基対、少なくとも8,000塩基対、少なくとも9,000塩基対、少なくとも10,000塩基対であり得る。
本明細書で使用される場合、「外因性」という用語は、ヌクレオチド配列が宿主細胞に由来せず、従来のDNA送達方法、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、または形質転換法によって宿主細胞に導入されるものを示す。「内因性」という用語は、ヌクレオチド配列が宿主細胞に由来することを指す。「外因性」ヌクレオチド配列は、塩基組成の点で同一である「内因性」対応物を有し得るが、「外因性」配列は、例えば、組換えDNA技術によって宿主細胞中に導入され得る。
2. 組込み部位
本開示の主題は、外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みに適した宿主細胞を提供する。特定の実施形態では、宿主細胞は、宿主細胞、すなわち、TI宿主細胞のゲノム上の組込み部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む。
「組込み部位」は、外因性ヌクレオチド配列が挿入される、宿主細胞ゲノム内の核酸配列を含む。特定の実施形態では、組込み部位は、宿主細胞ゲノム上の2つの隣接するヌクレオチド間に存在する。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列が挿入され得るヌクレオチドのいずれかの間にヌクレオチドのストレッチを含む。特定の実施形態では、組込み部位は、TI宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内に位置する。特定の実施形態では、組込み部位は、TI宿主細胞の内因性遺伝子内に存在する。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、TI宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内の部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列が組み込まれる遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、TI宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内の部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列が組み込まれる遺伝子座は、Contigs NW_006874047.1、NW_006884592.1、NW_006881296.1、NW_003616412.1、NW_003615063.1、NW_006882936.1、およびNW_003615411.1から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1の番号が付された1~1,000bp、1,000~2,000bp、2,000~3,000bp、3,000~4,000bp、および4,000~4,301bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号2の番号が付された1~100,000bp、100,000~200,000bp、200,000~300,000bp、300,000~400,000bp、400,000~500,000bp、500,000~600,000bp、600,000~700,000bp、および700,000~728785bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号3の番号が付された1~100,000bp、100,000~200,000bp、200,000~300,000bp、300,000~400,000bp、および400,000~413,983となるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号4の番号が付された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、および30,000~30,757bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号5の番号が付された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、30,000~40,000bp、40,000~50,000bp、50,000~60,000bp、および60,000~68,962bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号6の番号が付された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、30,000~40,000bp、40,000~50,000bp、および50,000~51,326bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号7の番号が付された1~10,000bp、10,000~20,000bp、および20,000~22,904bpとなるヌクレオチドから選択される位置内に位置する組込み部位に組み込まれる。
特定の実施形態では、組込み外因性配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190-45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590-207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831-491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303-79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481-315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443-2662054、またはNW_003615411.1のヌクレオチド82214-97705およびそれらと少なくとも50%相同の配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組込み外因性配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190-45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590-207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831-491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303-79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481-315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443-2662054、またはNW_003615411.1のヌクレオチド82214-97705と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、組込み外因性配列のすぐ3’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド45270-45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912-792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910-667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769-100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266-362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055-2701768、またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706-105117およびそれらと少なくとも50%相同の配列からなる群から選択される。特定の実施形態では、組込み外因性配列のすぐ3’側のヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド45270-45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912-792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910-667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769-100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266-362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055-2701768、またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706-105117と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7およびそれと少なくとも50%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に作動可能に連結される。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列に作動可能に連結されたヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つのSOIを含む。特定の実施形態では、作動可能に連結されたヌクレオチド配列は、ランダム組込みSOIと比較して、SOIの発現レベルを増加させる。特定の実施形態では、組み込まれた外因性SOIは、ランダム組込みSOIよりも約20%、30%、40%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、または10倍高く発現される。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190-45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590-207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831-491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303-79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481-315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443-2662054、およびNW_003615411.1のヌクレオチド82214-97705ならびにそれらと少なくとも50%相同の配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列の5’側に隣接し、NW_006874047.1のヌクレオチド45270-45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912-792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910-667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769-100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266-362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055-2701768、およびNW_003615411.1のヌクレオチド97706-105117ならびにそれらと少なくとも50%相同の配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列の3’側に隣接する。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列の5’側に隣接するヌクレオチド配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190-45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590-207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831-491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303-79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481-315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443-2662054、およびNW_003615411.1のヌクレオチド82214-97705と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同であり、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列の3’側に隣接するヌクレオチド配列は、配列番号NW_006874047.1のヌクレオチド45270-45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912-792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910-667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769-100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266-362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055-2701768、およびNW_003615411.1のヌクレオチド97706-105117と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチドは、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される配列の全部または一部にすぐ隣接する遺伝子座に組み込まれる。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7およびそれと少なくとも50%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に隣接する。ある特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1~7およびそれと少なくとも50%相同な配列からなる群から選択される配列から約100bp、約200bp、約500bp、約1kb以内の距離にある。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列に隣接するヌクレオチド配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号1の番号が付与された1~1,000bp、1,000~2,000bp、2,000~3,000bp、3,000~4,000bp、および4,000~4,301bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号2の番号が付与された1~100,000bp、100,000~200,000bp、200,000~300,000bp、300,000~400,000bp、400,000~500,000bp、500,000~600,000bp、600,000~700,000bp、および700,000~728785bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号3の番号が付与された1~100,000bp、100,000~200,000bp、200,000~300,000bp、300,000~400,000bp、および400,000~413,983となるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号4の番号が付与された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、および30,000~30,757bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号5の番号が付与された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、30,000~40,000bp、40,000~50,000bp、50,000~60,000bp、および60,000~68,962bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号6の番号が付与された1~10,000bp、10,000~20,000bp、20,000~30,000bp、30,000~40,000bp、40,000~50,000bp、および50,000~51,326bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、配列番号7の番号が付与された1~10,000bp、10,000~20,000bp、および20,000~22,904bpとなるヌクレオチドから選択される位置に隣接する組込み部位に組み込まれる。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列の組込み部位を含む遺伝子座は、オープンリーディングフレーム(ORF)をコードしない。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列の組込み部位を含む遺伝子座は、シス作用性エレメント、例えば、プロモーターおよびエンハンサーを含む。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列の組込み部位を含む遺伝子座は、遺伝子発現を増強する任意のシス作用性エレメント、例えばプロモーターおよびエンハンサーを含まない。
特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子内における組込み部位に組み込まれる。内因性LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2遺伝子には、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2遺伝子の野生型および全ての相同配列が含まれる。特定の実施形態では、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子の相同配列は、野生型LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同であり得る。ある特定の実施形態では、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子は、野生型哺乳動物LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子である。特定の実施形態では、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子は、野生型ヒトLOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子である。特定の実施形態では、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子は、野生型ハムスターLOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2遺伝子である。
特定の実施形態では、組込み部位は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子に作動可能に連結される。特定の実施形態では、組込み部位は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子に隣接する。
表1は、例示的なTI宿主細胞組込み部位を提供する。
Figure 2022514342000002
特定の実施形態では、組込み部位および/またはその組込み部位に隣接するヌクレオチド配列は、実験的に同定され得る。特定の実施形態では、組込み部位および/または組込み部位に隣接するヌクレオチド配列は、1つ以上の外因性ヌクレオチド配列に組み込まれた1つまたは複数のSOIによってコードされる目的のポリペプチドを望ましいレベルで発現する宿主細胞を単離するためのゲノムワイドスクリーニング手法によって同定することができ、外因性配列はそれ自体、宿主細胞のゲノム内の1つ以上の遺伝子座に組み込まれる。特定の実施形態では、組込み部位および/または組込み部位に隣接するヌクレオチド配列は、トランスポザーゼに基づくカセット組込み事象後のゲノムワイドスクリーニング手法によって同定され得る。特定の実施形態では、組込み部位および/または組込み部位に隣接するヌクレオチド配列は、ブルートフォースランダム組込みスクリーニングによって同定され得る。特定の実施形態では、組込み部位および/または組込み部位に隣接するヌクレオチド配列は、標的化遺伝子座増幅(TLA)、それに続く次世代シーケンシング(NGS)および全ゲノムNGSなどの従来のシーケンシングアプローチによって決定され得る。特定の実施形態では、染色体上の組込み部位の位置は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)分析などの従来の細胞生物学的アプローチによって決定され得る。
特定の実施形態では、TI宿主細胞は、TI宿主細胞のゲノム内の特定の第1の遺伝子座内の第1組込み部位に組み込まれた第1の外因性ヌクレオチド配列と、ゲノム内の特定の第2の遺伝子座内の第2の組込み部位に組み込まれた第2の外因性ヌクレオチド配列とを含む。特定の実施形態では、TI宿主細胞は、TI宿主細胞のゲノム中の複数の組込み部位で組み込まれた複数の外因性ヌクレオチド配列を含む。
ある特定の実施形態では、本開示のTI宿主細胞は、少なくとも2つの異なる外因性ヌクレオチド配列、例えば、少なくとも1つのRRSを含む外因性ヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、2つ以上の外因性ヌクレオチド配列は、1つ以上のSOIの導入の標的とされ得る。特定の実施形態では、SOIは同一である。特定の実施形態では、SOIは異なる。特定の実施形態では、第1の外因性ヌクレオチド配列を含む親TI宿主細胞は、第1の外因性ヌクレオチド配列の組込み部位とは異なる組込み部位に第2の外因性ヌクレオチド配列を含み得る。
特定の実施形態では、組込み部位は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%または少なくとも約99.9%相同である。特定の実施形態では、組込み部位は、同じ染色体上に存在し得る。特定の実施形態では、組込み部位は、同じ染色体中で互いに1~1,000ヌクレオチド、1,000~100,000ヌクレオチド、100,000~1,000,000ヌクレオチドまたはそれを超える範囲内に位置する。特定の実施形態では、組込み部位は異なる染色体上存在する。特定の実施形態では、1つの組込み部位に外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞は、同じまたは異なる組込み部位に少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、またはそれ以上の外因性ヌクレオチド配列を挿入するために使用され得る。
特定の実施形態では、少なくとも2つの組込み部位のリコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)の実現可能性が、各部位について個別に評価され得る。特定の実施形態では、少なくとも2つの組込み部位のRMCEの実現可能性が同時に評価され得る。複数の部位のRMCEの実現可能性は、当技術分野で公知の方法、例えば、ポリペプチド力価またはポリペプチド比生産を測定することによって評価され得る。特定の実施形態では、評価は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、SOIを発現するTI宿主細胞の培養物の力価および/または比生産を評価することによって実施され得る。例示的な培養方針としては、流加振盪フラスコ培養およびバイオリアクター流加培養物が挙げられるが、これらに限定されない。目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞の力価および比生産は、当技術分野で公知の方法、例えば、ELISA、FACS、蛍光マイクロボリュームアッセイ技術(FMAT)、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、ウェスタンブロット分析によって評価することができるが、これらに限定されない。
3. 外因性ヌクレオチド配列
外因性ヌクレオチド配列は、宿主細胞に由来しないが、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、または形質転換法などの従来のDNA送達方法によって、宿主細胞に導入され得るヌクレオチド配列である。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、目的配列(SOI)、例えば目的のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列である。しかしながら、特定の実施形態では、本開示との関連で用いられる外因性ヌクレオチド配列は、さらなる核酸配列、例えばSOIの導入を促進する要素、例えば1つ以上の組換え認識配列(RRS)および1つ以上の選択マーカーを含む。特定の実施形態では、追加の核酸配列の導入を促進する外因性ヌクレオチド配列は、本明細書では「ランディングパッド」と呼ばれる。したがって、ある特定の実施形態では、TI宿主細胞は、(1)1つ以上のSOI、例えば、外因性部位特異的ヌクレアーゼ媒介性(例えば、CRISPR/Cas9媒介性)標的化組込みによって宿主細胞ゲノム中の特定の遺伝子座に組み込まれたSOIを含む外因性ヌクレオチド配列;(2)1つ以上のランディングパッドを含む外因性ヌクレオチド配列;または(3)1つ以上のSOIが組み込まれている1つ以上のランディングパッドを含む外因性ヌクレオチド配列を含み得る。
特定の実施形態では、TI宿主細胞は、TI宿主細胞のゲノム中の1つ以上の組込み部位に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、外因性ヌクレオチド配列は、TI宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内の1つ以上の組込み部位に組み込まれる。例えば、限定するものではないが、少なくとも1つの外因性核酸配列は、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同な1つ以上の遺伝子座に組み込まれ得る。
3.1 ランディングパッド
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、1つ以上の組換え認識配列(RRS)を含み、該RRSは、リコンビナーゼによって認識され得る。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも2つのRRSを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は2つのRRSを含み、2つのRRSは同一である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は2つのRRSを含み、2つのRRSは異種特異的である、すなわち同じリコンビナーゼによって認識されない。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRSを含み、第3のRRSは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1のRRSと第2のRRSとは同一であり、第3のRRSは、第1のRRSまたは第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、3つの全てのRRSが異種特異的である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、4つ、5つ、6つ、7つ、または8つのRRSを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、複数のRRSを含む。特定の実施形態では、複数の2つ以上のRRSは同一である。特定の実施形態では、2つ以上のRRSが異種特異性である。特定の実施形態では、各RRSは、異なるリコンビナーゼによって認識され得る。ある特定の実施形態では、RRSの総数のサブセットは、同種特異性であり、すなわち、同じリコンビナーゼによって認識され、RRSの総数のサブセットは、異種特異性であり、すなわち、同じリコンビナーゼによって認識されない。特定の実施形態では、RRSまたは複数のRRSは、LoxP配列、LoxP L3配列、LoxP 2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、Lox66配列、FRT配列、Bxb1 attP配列、Bxb1 attB配列、φC31 attP配列、およびφC31 attB配列からなる群から選択され得る。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、1つのRRSおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに少なくとも1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、選択マーカーは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、2つのRRSは、少なくとも1つの選択マーカーに隣接し、すなわち、第1のRRSは、選択マーカーの5’上流に位置し、第2のRRSは、選択マーカーの3’下流に位置する。特定の実施形態では、第1のRRSは選択マーカーの5’末端に隣接し、第2のRRSは、選択マーカーの3’末端に隣接する。
特定の実施形態では、選択マーカーは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置し、2つの隣接するRRSは同一である。特定の実施形態では、選択マーカーに隣接する2つのRRS、いずれもLoxP配列である。特定の実施形態では、選択マーカーに隣接する2つのRRSはいずれもFRT配列である。特定の実施形態では、選択マーカーは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置し、2つの隣接するRRSは異種特異的である。特定の実施形態では、第1の隣接するRRSは、LoxP L3配列であり、第2の隣接するRRSは、LoxP 2L配列である。特定の実施形態では、LoxP L3配列は、選択マーカーの5’に位置し、LoxP 2L配列は、選択マーカーの3’に位置する。特定の実施形態では、第1の隣接するRRSは、野生型FRT配列であり、第2の隣接するRRSは、変異体FRT配列である。特定の実施形態では、第1の隣接するRRSは、Bxb1 attP配列であり、第2の隣接するRRSは、Bxb1 attB配列である。特定の実施形態では、第1の隣接するRRSは、φC31 attP配列であり、第2の隣接するRRSは、φC31 attB配列である。特定の実施形態では、2つのRRSは同じ方向に配置される。特定の実施形態では、2つのRRSはいずれもフォワードまたはリバース方向に存在する。特定の実施形態では、2つのRRSは反対方向に配置される。
特定の実施形態では、選択マーカーは、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)(例えば、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシンおよびG418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)、ならびにピューロマイシン、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、またはマイコフェノール酸に対する耐性をコードする遺伝子であり得る。特定の実施形態では、選択マーカーは、GFP、eGFP、合成GFP、YFP、eYFP、CFP、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-red、DsRed-モノマー、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、Emerald、CyPet、mCFPm、Cerulean、またはT-Sapphireマーカーであり得る。特定の実施形態では、選択マーカーは、少なくとも2つの選択マーカーを含む融合構築物であり得る。特定の実施形態では、選択マーカーまたは選択マーカーの断片をコードする遺伝子は、異なる選択マーカーまたはその断片をコードする遺伝子に融合され得る。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、2つのRRSに隣接する2つの選択マーカーを含み、第1の選択マーカーは、第2の選択マーカーとは異なる。特定の実施形態では、2つの選択マーカーは両方とも、グルタミンシンテターゼ選択マーカー、チミジンキナーゼ選択マーカー、HYG選択マーカー、およびピューロマイシン耐性選択マーカーからなる群から選択される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、チミジンキナーゼ選択マーカーおよびHYG選択マーカーを含む。特定の実施形態では、第1の選択マーカーは、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)(例えば、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシンおよびG418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)、ならびにピューロマイシン、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、およびマイコフェノール酸に対する耐性をコードする遺伝子からなる群から選択され、第2の選択マーカーは、GFP、eGFP、合成GFP、YFP、eYFP、CFP、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-red、DsRed-monomer、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、Emerald、CyPet、mCFPm、Cerulean、およびT-Sapphireからなる群から選択される。特定の実施形態では、第1の選択マーカーは、グルタミンシンテターゼ選択マーカーであり、第2の選択マーカーは、GFPマーカーである。特定の実施形態では、両方の選択マーカーに隣接する2つのRRSは同一である。特定の実施形態では、両方の選択マーカーに隣接する2つのRRSは異なる。
特定の実施形態では、選択マーカーは、プロモーター配列に作動可能に連結されている。特定の実施形態では、選択マーカーは、SV40プロモーターに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、選択マーカーは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターに作動可能に連結されている。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカーおよびIRESを含み、IRESは選択マーカーに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、IRESに作動可能に連結された選択マーカーは、GFP、eGFP、合成GFP、YFP、eYFP、CFP、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-red、DsRed-モノマー、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、Emerald、CyPet、mCFPm、Cerulean、およびT-Sapphireマーカーからなる群から選択される。特定の実施形態では、IRESに作動可能に連結される選択マーカーは、GFPマーカーである。目的特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、2つのRRSに隣接するIRESおよび2つの選択マーカーを含み、そのIRESは第2の選択マーカーに機能的に連結される。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、IRESと、2つのRRSに隣接する3つの選択マーカーとを含み、IRESは第3の選択マーカーに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、2つのRRSに隣接するIRESおよび3つの選択マーカーを含み、IRESは第3の選択マーカーに作動可能に連結されている。特定の実施形態では、第3の選択マーカーは、第1または第2の選択マーカーとは異なる。ある特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、プロモーターに作動可能に連結された第1の選択マーカーおよびIRESに作動可能に連結された第2の選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、SV40プロモーターに作動可能に連結されたグルタミンシンテターゼ選択マーカーおよびIRESに作動可能に連結されたGFP選択マーカーを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、CMVプロモーターに作動可能に連結されたチミジンキナーゼ選択マーカーおよびHYG選択マーカーならびにIRESに作動可能に連結されたGFP選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRSを含む。特定の実施形態では、第3のRRSは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、3つのRRS全てが同一である。特定の実施形態では、第1のRRSと第2のRRSとは同一であり、第3のRRSは、第1のRRSまたは第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、3つの全てのRRS異種特異的である。
3.2 目的の配列(SOI)
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの外因性SOIを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカー、少なくとも1つの外因性SOI、および少なくとも1つのRRSを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つまたはそれを超えるSOIを含む。特定の実施形態では、SOIは同一である。特定の実施形態では、SOIは異なる。
特定の実施形態では、SOIは、一本鎖抗体またはその断片をコードする。特定の実施形態では、SOIは、抗体重鎖配列またはその断片をコードする。特定の実施形態では、SOIは、抗体軽鎖配列またはその断片をコードする。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、抗体重鎖配列またはその断片をコードするSOI、および抗体軽鎖配列またはその断片をコードするSOIを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1の抗体重鎖配列またはその断片をコードするSOI、第2の抗体重鎖配列またはその断片をコードするSOI、および抗体軽鎖配列またはその断片をコードするSOIを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1の抗体重鎖配列またはその断片をコードするSOI、第2の抗体重鎖配列またはその断片をコードするSOI、第1の抗体軽鎖配列またはその断片をコードするSOI、および抗体軽鎖配列またはその断片をコードする第2のSOIを含む。特定の実施形態では、重鎖および軽鎖配列をコードするSOIの数は、重鎖および軽鎖ポリペプチドの所望の発現レベルを達成するように、例えば所望の量の二重特異性抗体産生を達成するように選択することができる。特定の実施形態では、重鎖および軽鎖配列をコードする個々のSOIは、例えば、単一の組込み部位に存在する単一の外因性核酸配列に、単一の組込み部位に存在する複数の外因性核酸配列に、またはTI宿主細胞内の異なる組込み部位に組み込まれた複数の外因性核酸配列に組み込まれ得る。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカー、少なくとも1つの外因性SOIおよび1つのRRSを含む。特定の実施形態では、RRSは、少なくとも1つの選択マーカーまたは少なくとも1つの外因性SOIに隣接して位置する。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、少なくとも1つの選択マーカー、少なくとも1つの外因性SOI、および2つのRRSを含む。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む。特定の実施形態では、選択マーカーおよび外因性SOIに隣接する2つのRRSは同一である。特定の実施形態では、選択マーカーおよび外因性SOIに隣接する2つのRRSは異なる。特定の実施形態では、第1の隣接するRRSは、LoxP L3配列であり、第2の隣接するRRSは、LoxP 2L配列である。特定の実施形態では、LoxP L3配列は、選択マーカーの5’に位置し、LoxP 2L配列は、選択マーカーおよび外因性SOIの3’に位置する。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRSおよび2つの外因性SOIを含み、第3のRRSは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1のSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第2のSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1のSOIと第2のSOIは異なる。特定の実施形態では、第1のRRSと第2のRRSとは同一であり、第3のRRSは、第1のRRSまたは第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、3つ全てのRRSが異種特異的である。特定の実施形態では、第1のRRSはLoxP L3部位であり、第2のRRSはLoxP 2L部位であり、第3のRRSはLoxFas部位である。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRS、1つの外因性SOI、および1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、SOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、選択マーカーは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRS、2つの外因性SOI、および1つの選択マーカーを含む。特定の実施形態では、第1のSOIおよび選択マーカーは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第2のSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。
特定の実施形態では、外因性SOIは目的のポリペプチドをコードする。そのような目的のポリペプチドは、抗体、酵素、サイトカイン、成長因子、ホルモン、ウイルスタンパク質、細菌タンパク質、ワクチンタンパク質、または治療機能を有するタンパク質を含む群から選択され得るがこれらに限定されない。特定の実施形態では、外因性SOIは、抗体またはその抗原結合断片をコードする。特定の実施形態では、外因性SOIは、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)またはFc融合タンパク質をコードする。特定の実施形態では、外因性SOI(または複数のSOI)は、標準抗体をコードする。特定の実施形態では、外因性SOI(または複数のSOI)は、半抗体、例えば、限定されないが、本開示の抗体B、Q、TおよびmAbIをコードする。特定の実施形態では、外因性SOI(または複数のSOI)は、複合抗体をコードする。特定の実施形態では、複合抗体は、二重特異性抗体、例えば、本開示の二重特異性分子A、二重特異性分子B、二重特異性分子C、または二重特異性分子Dであり得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、外因性SOIは、少なくとも1つのシス作用性エレメント、例えば、プロモーターまたはエンハンサーに作動可能に連結される。特定の実施形態では、外因性SOIは、CMVプロモーターに作動可能に連結される。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、2つのRRSと、2つのRRSの間に位置する少なくとも2つの外因性SOIとを含む。特定の実施形態では、抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、2つのRRSの間に位置する。特定の実施形態では、抗体の1本の重鎖および2本の軽鎖をコードするSOIは、2つのRRSの間に位置する。特定の実施形態では、抗体の重鎖および軽鎖のコピーの異なる組み合わせをコードするSOIは、2つのRRSの間に位置する。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は、3つのRRSおよび少なくとも2つの外因性SOIを含み、第3のRRSは、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、少なくとも1つのSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、少なくとも1つのSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1のRRSと第2のRRSとは同一であり、第3のRRSは、第1のRRSまたは第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、3つ全てのRRSが異種特異的である。特定の実施形態では、第1の抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第2の抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1の抗体の1本の重鎖および2本の軽鎖をコードするSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第2の抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1の抗体の1本の重鎖および3本の軽鎖をコードするSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第1の抗体の1本の軽鎖、ならびに第2の抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、第1の抗体の1本の重鎖および3本の軽鎖をコードするSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置し、第1の抗体の2本の軽鎖、ならびに第2の抗体の1本の重鎖および1本の軽鎖をコードするSOIは、第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。特定の実施形態では、複数の抗体の重鎖および軽鎖のコピーの異なる組み合わせをコードするSOIは、第1のRRSと第3のRRSとの間、ならびに第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する。
特定の実施形態では、SOIの数は、SOIを発現する宿主細胞の力価および/または比生産性を増加させるように選択される。例えば、限定するものではないが、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上のSOIの組込みは、力価および/または比生産性の増加をもたらし得る。
抗体発現に関連して、SOIをコードするさらなる重鎖または軽鎖を含めると、力価および/または比生産性の増加をもたらし得る。例えば、限定するものではないが、コピー数を1本の重鎖および1本の軽鎖をコードする配列(HL)から1本の重鎖および2本の軽鎖をコードする配列(HLL)に増加させる場合、力価および/または比生産性の増加が達成され得る。同様に、以下の実施例で概説するように、HLL(3つのSOI)からHLL-HL(5つのSOI)またはHLL-HLL(6つのSOI)に増加させると、力価および/または比生産性の増加を提供し得る。さらに、コピー数をHLL-HL(5つのSOI)またはHLL-HLHL(7つのSOI)に増加させることにより、力価および/または特異的生産性の増加をもたらし得る。重鎖および軽鎖のSOIコピー数のさらなる選択肢としては、HHL;HHL-H;HLL-H;HHL-HH;HHL-HL;HHL-LL;HLL-HH;HLL-HL;HLL-LL;HHL-HHL;HHL-HHH;HHL-HLL;HHK-LLL;HLL-HHL;HLL-HHH;HLL-LLL;HHL-HHHL;HHL-HHHH;HHL-HHLL;HHL-HLLL;HHL-LLLL;HLL-HHHL;HLL-HHHH;HLL-HLLL;およびHLL-LLLLが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、追加のコピーの包含は単一のゲノム遺伝子座で起こるが、特定の実施形態では、SOIコピーは2つ以上の遺伝子座で組み込むことができ、例えば、複数のコピーは単一の遺伝子座に組み込むことができ、1つ以上のコピーは1つ以上の追加の遺伝子座に組み込み得る。
特定の実施形態では、SOIの位置、例えば、1つのSOIが別のSOIに対して3’または5’に位置するかどうかは、SOIを発現する宿主細胞の力価および/または比生産性を高めるように選択される。例えば、限定するものではないが、抗体産生に関連して、重鎖および軽鎖SOIの組込み位置は、力価および/または比生産性の増加をもたらし得る。図23A~Dおよび以下に提示される実施例に概説されるように、重鎖および軽鎖SOIの相対的な位置は、SOIコピー数に変化がないにもかかわらず、力価および比生産性に影響を及ぼし得る。
4. 宿主細胞
本開示の主題は、ヌクレオチド配列の標的化組込みおよび目的のポリペプチドの発現に適した宿主細胞を提供する。特定の実施形態では、宿主細胞は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2およびそれらに少なくとも50%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子、または宿主細胞のゲノムの遺伝子座を含み、遺伝子座は、配列番号1~7およびそれらに少なくとも50%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。
特定の実施形態では、宿主細胞は、真核生物宿主細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である。特定の実施形態では、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である。
特定の実施形態では、宿主細胞は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7)、ヒト胎児腎臓株(例えば、Graham ら,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されるような293または293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されるようなTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝臓細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT060562)、例えば、Matherら,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982)に記載されるような、TRI細胞、MRC5細胞、FS4細胞、Y0細胞、NS0細胞、Sp2/0細胞、およびPER.C6(登録商標)細胞からなる群から選択される。
特定の実施形態では、宿主細胞は細胞株である。特定の実施形態では、宿主細胞は、ある特定の世代数にわたって培養された細胞株である。特定の実施形態では、宿主細胞は、初代細胞である。
特定の実施形態では、目的のポリペプチドの発現は、発現レベルが特定のレベルに維持され、10、20、30、50、100、200または300世代にわたって20%未満で増加し、または減少する場合に安定である。特定の実施形態では、培養物を選択せずに維持することができる場合、目的のポリペプチドの発現は安定である。特定の実施形態では、目的の遺伝子のポリペプチド産物が約1g/L、約2g/L、約3g/L、約4g/L、約5g/L、約10g/L、約12g/L、約14g/Lまたは約16g/Lに達する場合、目的のポリペプチドの発現が高い。
本開示の主題はまた、目的のポリペプチドを産生する方法に関する。特定の実施形態では、そのような方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内に組み込まれた2つのRRSに隣接する少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程;ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。特定の実施形態では、そのような方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内に組み込まれた少なくとも2つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、少なくとも1つの外因性SOIおよび1つの選択マーカーが、第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、少なくとも1つの外因性SOIが、第2のRRSおよび第3のRRSに隣接する工程、ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。特定の実施形態では、そのような方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内に組み込まれた2つのRRSに隣接する少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程;ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。特定の実施形態では、そのような方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内に組み込まれた少なくとも2つの外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含む宿主細胞を供給する工程であって、少なくとも1つの外因性SOIおよび1つの選択マーカーが、第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、少なくとも1つの外因性SOIが、第2のRRSおよび第3のRRSに隣接する工程;ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む。
特定の実施形態では、目的のポリペプチドが産生され、細胞培養培地中に分泌される。特定の実施形態では、目的のポリペプチドは宿主細胞内で発現し、保持される。特定の実施形態では、目的のポリペプチドは、宿主細胞膜で発現され、挿入され、保持される。
目的の外因性ヌクレオチドまたはベクターは、トランスフェクション、形質導入、エレクトロポレーションまたは注入を含むが、これらに限定されない従来の細胞生物学的方法によって宿主細胞に導入され得る。特定の実施形態では、目的の外因性ヌクレオチドまたはベクターは、脂質ベースのトランスフェクション法、リン酸カルシウムベースのトランスフェクション法、カチオン性ポリマーベースのトランスフェクション法、またはナノ粒子ベースのトランスフェクションを含む化学ベースのトランスフェクション法によって宿主細胞に導入される。特定の実施形態では、目的の外因性ヌクレオチドは、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルス媒介形質導入を含むがこれらに限定されないウイルス媒介形質導入によって、宿主細胞に導入される。特定の実施形態では、目的の外因性ヌクレオチドまたはベクターは、遺伝子銃媒介注入によって宿主細胞に導入される。特定の実施形態では、DNA分子およびRNA分子が、いずれも本明細書中に記載される方法を使用して宿主細胞に導入される。
5. 標的化組込み
標的化組込みは、外因性ヌクレオチド配列が宿主細胞ゲノムの1つ以上の所定の部位に組み込まれることを可能にする。特定の実施形態では、標的化組込みは、1つ以上の組換え認識配列(RRS)を認識するリコンビナーゼによって媒介される。特定の実施形態では、標的化組込みは、相同組換えによって媒介される。特定の実施形態では、標的化組込みは、外因性部位特異的ヌクレアーゼ、続いてHDRおよび/またはNHEJによって媒介される。
特定の実施形態では、標的化組込みは、ランダム組込みと組み合わせ得る。特定の実施形態では、標的化組込みは、ランダム組込みの後に続けることができる。特定の実施形態では、ランダム組込みは、当該技術分野において公知の任意の方法またはシステムにより媒介されることができる。特定の実施形態では、ランダム組込みは、MaxCyte STX(登録商標)電気穿孔システムにより媒介される。
5.1. リコンビナーゼ媒介性組換えによる標的化組込み
「組換え認識配列」(RRS)は、リコンビナーゼによって認識されるヌクレオチド配列であり、リコンビナーゼ媒介性組換え事象に必要かつ十分である。RRSは、組換え事象がヌクレオチド配列内で発生する位置を定義するために使用され得る。
特定の実施形態では、RRSは、LoxP配列、LoxP L3配列、LoxP 2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、Lox66配列、FRT配列、Bxb1 attP配列、Bxb1 attB配列、φC31 attP配列、およびφC31 attB配列からなる群から選択される。
特定の実施形態では、RRSは、Creリコンビナーゼによって認識され得る。特定の実施形態では、RRSは、FLPリコンビナーゼによって認識され得る。特定の実施形態では、RRSは、Bxb1インテグラーゼによって認識され得る。特定の実施形態では、RRSは、φC31インテグラーゼによって認識され得る。
RRSがLoxP部位である場合の特定の実施形態では、宿主細胞は、組換えを実施するためにCreリコンビナーゼを必要とする。RRSがFRT部位である場合の特定の実施形態では、宿主細胞は、組換えを実施するためにFLPリコンビナーゼを必要とする。RRSがBxb1 attPまたはBxb1 attB部位である場合の特定の実施形態では、宿主細胞は、組換えを実施するためにBxb1インテグラーゼを必要とする。RRSがφC31 attPまたはφC31 attB部位である場合の特定の実施形態では、宿主細胞は、組換えを実施するためにφC31インテグラーゼを必要とする。リコンビナーゼを、該酵素のコード配列を含む発現ベクターを使用して、宿主細胞に導入することができる。
Cre-LoxP部位特異的組換え系は、多くの生物学的実験系で広く使用されている。Creは、34bpのLoxP配列を認識する38kDaの部位特異的DNAリコンビナーゼである。CreはバクテリオファージP1に由来し、チロシンファミリーの部位特異的リコンビナーゼに属する。Creリコンビナーゼは、LoxP配列間の分子内および分子間組換えの両方を媒介できる。LoxP配列は、2つの13bpの逆方向反復に挟まれた8bpの非パリンドロームコア領域で構成されている。Creリコンビナーゼは13bpの反復に結合し、それによって8bpのコア領域内の組換えを媒介する。Cre-LoxP媒介性組換えは高効率で起こり、他の宿主因子を必要としない。2つのLoxP配列が同じヌクレオチド配列上で同じ方向に配置されている場合、Cre媒介性組換えにより、2つのLoxP配列の間に位置するDNA配列が共有結合で閉じた円として切り出される。2つのLoxP配列が同じヌクレオチド配列上で逆方向の位置に配置されている場合、Cre媒介性組換えにより、2つの配列の間に位置するDNA配列の方向が反転する。LoxP配列を異なる染色体上に配置して、異なる染色体間の組換えを促進することもできる。2つのLoxP配列が2つの異なるDNA分子上にあり、1つのDNA分子が環状である場合、Cre媒介性組換えにより、環状DNA配列の組込みをもたらす。
特定の実施形態では、LoxP配列は、野生型LoxP配列である。特定の実施形態では、LoxP配列は、変異体LoxP配列である。変異体LoxP配列は、Cre媒介性組込みまたは置換の効率を高めるために開発された。特定の実施形態では、変異体LoxP配列は、LoxP L3配列、LoxP 2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、およびLox66配列からなる群から選択される。例えば、Lox71配列では、左側の13bpの反復で5bpが変異している。Lox66配列では、右側の13bpの反復で5bpが変異している。野生型と変異体の両方のLoxP配列は、Cre依存性組換えを媒介し得る。
FLP-FRT部位特異的組換えシステムは、Cre-Loxシステムに類似している。それは、酵母Saccharomyces cerevisiaeの2μmプラスミドに由来するフリッパーゼ(FLP)リコンビナーゼを含む。FLPはまた、チロシンファミリー部位特異的リコンビナーゼに属する。FRT配列は、各々が8bpのスペーサーに隣接する13bpの2つの回文配列からなる34bpの配列である。FLPは、13bpの回文配列に結合し、8bpスペーサー内のDNA切断、交換およびライゲーションを媒介する。Creリコンビナーゼと同様に、2つのFRT配列の位置および配向によって、FLP媒介性組換えの結果が決定される。特定の実施形態では、FRT配列は、野生型FRT配列である。特定の実施形態では、FRT配列は、変異体FRT配列である。野生型および変異体のFRT配列は、いずれもFLP依存性組換えを媒介し得る。特定の実施形態では、FRT配列は、限定されないが、タモキシフェン応答性受容体ドメイン配列などの応答性受容体ドメイン配列に融合される。
Bxb1およびφC31はセリンリコンビナーゼファミリーに属する。それらはいずれもバクテリオファージに由来し、溶原性を確立して細菌ゲノムへのファージゲノムの部位特異的組込みを促進するためにこれらのバクテリオファージによって使用される。これらのインテグラーゼは、attPおよびattB配列と呼ばれる短い(40~60bp)DNA基質間の部位特異的組換え事象を触媒し、その配列は、それぞれファージDNAおよび細菌DNA上に位置する元々の付着部位である。組換え後、2つの新しい配列が形成され、これらはattL配列およびattR配列と呼ばれ、各々がattPおよびattBに由来する半分の配列を含む。組換えはまた、attL配列とattR配列との間で起こり、組み込まれたファージを細菌DNAから切り出し得る。両方のインテグラーゼは、さらなる宿主因子の助けを借りずに組換えを触媒し得る。補助因子が全く存在しない場合、これらのインテグラーゼは、attPとattBとの間の一方向性の組換えを80%の効率で媒介する。これらのインテグラーゼによって認識され得る短いDNA配列および一方向性組換えのために、これらの組換えシステムは、遺伝目的のために広く使用されているCre-LoxP系およびFRT-FLP系の補完物として開発された。
「マッチRRS」及び「同種特異的RRS」という用語は、2つのRRS間で組換えが起こることを示す。特定の実施形態では、2つのマッチRRSは同一である。特定の実施形態では、両方のRRSは野生型LoxP配列である。特定の実施形態では、両方のRRSは変異体LoxP配列である。特定の実施形態では、両方のRRSは野生型FRT配列である。特定の実施形態では、両方のRRSは変異体FRT配列である。特定の実施形態では、2つのマッチするRRSは異なる配列であるが、同じリコンビナーゼによって認識され得る。特定の実施形態では、第1のマッチRRSは、Bxb1 attP配列であり、第2のマッチRRSは、Bxb1 attB配列である。特定の実施形態では、第1のマッチするRRSは、φC31attB配列であり、第2のマッチするRRSは、φC31 attB配列である。
特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は2つのRRSを含み、ベクターは、組込み外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチする2つのRRSを含む、すなわち、組込み外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSが、ベクター上の第1のRRSとマッチし、組込み外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSが、ベクター上の第2のRRSとマッチする。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよびベクター上の第1のRRSは、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよびベクター上の第2のRRSと同一である。そのような「単一ベクターRMCE」戦略の非限定的な例を図2Aに示す。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよびベクター上の第1のRRSは、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよびベクター上の第2のRRSとは異なる。特定の実施形態では、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよびベクター上の第1のRRSは、いずれもLoxP L3配列であり、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよびベクター上の第2のRRSは、いずれもLoxP 2L配列である。
特定の実施形態では、「2ベクターRMCE」戦略が使用される。例えば、限定ではないが、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列は3つのRRSを含み、例えば、第3のRRS(「RRS3」)が第1のRRS(「RRS1」)と第2のRRS(「RRS2」)の間に存在し、一方で、第1のベクターは、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSにマッチする2つのRRSを含み、第2のベクターは、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第3のRRSおよび第2のRRSにマッチする2つのRRSを含む場合の配置であり得る。2ベクターRMCE戦略の例を図4に示す。そのような例において、RRS1、RRS2およびRRS3は、異種特異的であり、例えば、それらは互いに交差反応しない。いくつかの実施形態では、1つのベクター(前方)は、RRS1、第1のSOIおよびプロモーターに続いて、開始コドンおよびRRS3を(この順序で)含む他方のベクター(後方)は、開始コドン(ATG)を含まないマーカーのコード配列に融合したRRS3、SOI2およびRRS2(この順で)を含む。融合タンパク質のインフレーム翻訳を確実にするために、RRS3部位と選択マーカー配列との間に追加のヌクレオチドが挿入される場合がある。いくつかの実施形態では、第1のSOIは抗体をコードする。いくつかの実施形態では、抗体は、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、第2のSOIは抗体をコードする。いくつかの実施形態では、抗体は、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質である。特定の実施形態では、第1のSOIおよび第2のSOIによってコードされる抗体が対合して、多重特異性、例えば二重特異性抗体を形成する。
このような2ベクターRMCE戦略では、RRSの各対間に適切な数のSOIを組み込むことにより、8つのSOIの導入が可能になる。
単一ベクターおよび2ベクターRMCEはいずれも、1つ以上のドナーDNA分子を宿主細胞ゲノムの所定の部位に一方向に組み込み、ドナーDNA上に存在するDNAカセットを、組込み部位が存在する宿主ゲノム上のDNAカセットとの正確な交換を可能にする。DNAカセットは、少なくとも1つの選択マーカー(ただし、特定の2ベクターRMCEの例では、本明細書で概説するように「分割選択マーカー」を使用できる)、および/または少なくとも1つの外因性SOIに隣接する2つの異種特異的RRSを特徴とする。RMCEは、リコンビナーゼによって触媒される、標的ゲノム遺伝子座内の2つの異種特異的RRSとドナーDNA分子の間の二重組換えクロスオーバーイベントを伴う。RMCEは、SOIまたは選択マーカーのコピーを宿主細胞ゲノムの所定の遺伝子座に導入するように設計されている。たった1回のクロスオーバーイベントを伴う組換えとは異なり、RMCEは、原核生物のベクター配列が宿主細胞のゲノムに導入されないように実行できるため、宿主の免疫または防御機構の望ましくないトリガーを低減および/または防止する。RMCEの手順を、複数のDNAカセットで繰り返し得る。
特定の実施形態では、標的化組込みは、少なくとも1つの外因性SOIまたは少なくとも1つの選択マーカーに隣接する1つのRRSを含む1つの外因性ヌクレオチド配列が宿主細胞ゲノムの所定の部位に組み込まれる1つの交差組換え事象によって達成される。特定の実施形態では、標的化組込みは、1回のRMCEによって達成され、2つの異種特異的RRSに隣接する少なくとも外因性SOIまたは少なくとも1つの選択マーカーを含むDNAカセットが、宿主細胞ゲノムの所定の部位に組み込まれる。特定の実施形態では、標的化組込みは、2回のRMCEによって達成され、2つの異種特異的RRSに隣接する少なくとも外因性SOIまたは少なくとも1つの選択マーカーをそれぞれ含む、2つの異なるDNAカセットがいずれも、宿主細胞ゲノムの所定の部位に組み込まれる。特定の実施形態では、標的化組込みは、複数回のRMCEによって達成され、2つの異種特異的RRSに隣接する少なくとも1つの外因性SOIまたは少なくとも1つの選択マーカーをそれぞれ含む、複数のベクター由来のDNAカセットが、宿主細胞ゲノムの所定の部位に組み込まれる。特定の実施形態では、選択マーカーは、両方のRMCEの組込みが選択マーカーの発現を可能にするように、第1のベクター上で部分的にコードされ、第2のベクター上で部分的にコードされ得る。このようなシステムの例を図4に示す。
特定の実施形態では、リコンビナーゼ媒介性組換えを介した標的化組込みは、原核生物ベクターに由来し、宿主細胞ゲノムの1つ以上の所定の組込み部位に組み込まれる、選択マーカーまたは1つ以上の外因性SOIをもたらす。特定の実施形態では、リコンビナーゼ媒介性組換えを介した標的化組込みは、原核生物ベクターからの配列を含まない宿主細胞ゲノムの1つ以上の所定の組込み部位に組み込まれる、選択マーカーまたは1つ以上の外因性SOIをもたらす。
5.2 相同組換え、HDRまたはNHEJを介した標的化組込み
本開示の主題はまた、相同組換えによって、または外因性部位特異的ヌクレアーゼとそれに続くHDRもしくはNHEJによって媒介される標的化組込みに関する。
相同組換えは、広範な配列相同性を共有するDNA分子間の組換えである。それは、二本鎖DNA切断のエラーのない修復を誘導するために使用することができ、減数分裂中に配偶子の配列多様性を生成する。相同組換えは、2つの相同DNA分子間の遺伝情報の交換を伴うので、染色体上の遺伝子の全体的な配置を変化させるわけではない。相同組換えの間、ニックまたは切断が二本鎖DNA(dsDNA)に形成され、続いて一本鎖DNA末端による相同dsDNA分子の侵入、相同配列の対形成、ホリディジャンクションを形成するための分岐移動、および最終的なホリディ接合部の分離が起こる。
二本鎖切断(DSB)は、DNA損傷の最も深刻な形態であり、そのようなDNA損傷の修復は、全ての生物におけるゲノム完全性の維持に不可欠である。DSBを修復するためには2つの主な修復経路がある。第1の修復経路は相同組換え修復(HDR)経路であり、相同組換えはHDRの最も一般的な形態である。HDRは細胞内に存在する相同DNAの存在を必要とするので、この修復経路は通常、細胞周期のS期およびG2期において活性であり、新しく複製された姉妹染色分体が相同鋳型として利用可能である。HDRはまた、DNA複製中に崩壊した複製フォークを修復するための主要な修復経路である。HDRは、比較的エラーのない修復経路と考えられている。DSBの第2の修復経路は、非相同末端結合(NHEJ)である。NHEJは、相同DNA鋳型を必要とせずに、切断されたDNAの末端が一緒に連結される修復経路である。
標的化組込みは、外因性部位特異的ヌクレアーゼに続いてHDRによって促進され得る。これは、特定の標的ゲノム部位にDSBを導入することにより、相同組換えの頻度を高めることができるためである。特定の実施形態では、外因性ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択され得る。
CRISPR/CasおよびTALENシステムは、最も容易な構築および高効率を提供する2つのゲノム編集ツールである。CRISPR/Casは、侵入バクテリオファージに対する細菌の免疫防御機構として同定された。Casは、合成ガイドRNA(gRNA)によって誘導されると、細胞内の特定のヌクレオチド配列と会合し、例えば一本鎖切断、DSB、および/または点突然変異の1つまたは複数を行なうことによって、そのヌクレオチド配列内またはその周囲のDNAを編集し得るヌクレアーゼである。TALENは、操作された部位特異的ヌクレアーゼであり、TALE(転写活性化因子様エフェクター)のDNA結合ドメインおよび制限エンドヌクレアーゼFokIの触媒ドメインから構成される。DNA結合ドメインのモノマーの高度可変残基領域に存在するアミノ酸を変化させることによって、様々なヌクレオチド配列を標的とする異なる人工TALENを作製することができる。DNA結合ドメインはその後、ヌクレアーゼを標的配列に指向させ、DSBを作成する。
相同組換えまたはHDRによる標的化組込みは、組込み部位に対する相同配列の存在を含む。特定の実施形態では、相同配列は、ベクター上に存在する。特定の実施形態では、相同配列は、ポリヌクレオチド上に存在する。
特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのベクターは、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子と相同なヌクレオチド配列、または少なくとも1つの選択マーカーに隣接する配列番号1~7から選択される配列と相同のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのベクターは、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子、または少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIに隣接する配列番号1~7から選択される配列に相同のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのベクターは、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、DNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIとを含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのベクターは、DNAカセットに隣接するLOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、DNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIとを含む。特定の実施形態では、ベクターヌクレオチド配列は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子に対して、または配列番号1~7から選択される配列に対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。特定の実施形態では、ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼベクター、インテグラーゼ基質、およびプラスミドからなる群から選択される。
特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのポリヌクレオチドは、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子、または少なくとも1つの選択マーカーに隣接する配列番号1~7から選択される配列に相同なヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのポリヌクレオチドは、LOC107977062、LOC100768845、ITPR 2、ERE67000.1、UBAP 2、MTMR 2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子、または少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIに隣接する配列番号1~7から選択される配列に相同なヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのポリヌクレオチドは、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同なヌクレオチド配列を含み、DNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカー、および少なくとも1つの外因性SOIを含む。特定の実施形態では、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのためのポリヌクレオチドは、DNAカセットに隣接するLOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子に少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、DNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む。特定の実施形態では、隣接ヌクレオチド配列は、LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびXP_003512331.2からなる群から選択される内因性遺伝子、または配列番号1~7から選択される配列に少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%相同である。
特定の実施形態では、相同組換えは、補助因子を何ら用いることとなく実施される。特定の実施形態では、相同組換えは、組込み可能なベクターの存在によって促進される。特定の実施形態では、組込みベクターは、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクターおよび組込みファージベクターからなる群から選択される。
5.3 調節された標的化組込み
主にコードされるタンパク質が発現しにくいために、タンパク質発現レベルが最適ではない場合が多い。発現困難なタンパク質の発現レベルが低いのは、原因が多様であり、原因を特定するのが困難であり得る。1つの可能性は、宿主細胞中で発現するタンパク質の毒性である。そのような場合、調節された発現系を使用して、タンパク質をコードする目的の配列が誘導性プロモーターの制御下にある毒性タンパク質を発現させることができる。これらの系では、発現困難なタンパク質の発現は、制御因子、例えば、限定されないが、テトラサイクリンまたはその類似体、ドキシサイクリン(DOX)などの小分子が培養物に添加された場合にのみ促進される。毒性タンパク質の発現を調節することにより、毒性作用を軽減することができ、培養物が産生前に所望の細胞増殖を達成することを可能にする。特定の実施形態では、調節された標的化組込み(RTI)システムは、特定の遺伝子座、例えば1つ以上のRRSを含む外因性核酸配列に組み込まれ、それに作動可能に連結された調節プロモーター下で転写されるSOIを含む。特定の実施形態では、RTIシステムを使用して、限定されないが、抗体などの発現困難分子の低タンパク質発現の根本原因を決定することができる。特定の実施形態では、RTIシステムにおけるSOIの発現を選択的に停止する能力を使用して、SOIの発現を観察された有害作用に結び付けることができる。
特定の実施形態では、発現困難な分子の根本原因分析における転写および細胞株多様性の影響を最小限に抑えるために、調節された標的化組込み(RTI)システムが使用され得る。例えば、限定するものではないが、TI宿主におけるSOIの発現は、調節因子、例えばドキシサイクリンの培養物への添加によって誘導され得る。特定の実施形態では、RTIベクターは、テトラサイクリン調節プロモーターを利用してSOIを発現し、これは、例えば、RRSを含む外因性核酸配列に組み込むことができ、RRS自体は宿主細胞のゲノム内の組込み部位に組み込まれ、SOIの調節された発現を可能にする。
特定の実施形態では、本開示に記載されるRTIシステムを使用して、対照細胞株と比較して、SOI、例えば治療用抗体の低タンパク質発現の根本原因が首尾よく決定され得る。特定の実施形態では、RTI細胞株におけるSOI、例えば治療用抗体の発現が相対的に低いことが確認されると、タンパク質翻訳阻害剤処理、例えばDoxおよびシクロヘキシミドを活用することによって、SOIの細胞内蓄積および分泌レベルが評価され得る。
5.4調節されたシステム
本開示の主題はまた、TIで使用するための調節されたシステムに関する。例えば、限定するものではないが、そのような調節は、転写抑制因子または活性化因子と構成的または最小プロモーターとの調節されたカップリングによってmRNA合成を遮断または活性化するための遺伝子スイッチに基づき得る。特定の非限定的な実施形態では、抑制は、例えば、タンパク質が転写開始を立体的にブロックするリプレッサータンパク質に結合することによって、または転写サイレンサーを介して転写を能動的に抑制することによって達成され得る。特定の非限定的な実施形態では、哺乳動物またはウイルスのエンハンサーレス最小プロモーターの活性化は、活性化ドメインへの調節されたカップリングによって達成され得る。
特定の実施形態では、転写抑制因子または転写活性化因子の条件的カップリングは、外部刺激に応答してプロモーターに結合するアロステリックタンパク質を使用することによって達成され得る特定の実施形態では、転写抑制因子または転写活性化因子の条件付きカップリングは、隔離タンパク質から放出されることで、標的プロモーターに結合し得る細胞内受容体を使用することによって達成され得る。特定の実施形態では、転写抑制因子または転写活性化因子の条件付きカップリングは、化学的に誘導された二量体化剤を使用することによって達成され得る。
特定の実施形態では、本開示のTI系で使用されるアロステリックタンパク質は、抗生物質、細菌クオラムセンシングメッセンジャー、異化産物、または温度、例えば低温もしくは熱などの培養パラメータに応答して転写活性を調節するタンパク質であり得る。特定の実施形態では、そのようなRTIシステムは、例えば、代替炭素源の異化遺伝子を抑制する細菌抑制因子が哺乳動物細胞に移入されている異化産物に基づくものであり得る。特定の実施形態では、標的プロモーターの抑制は、リプレッサーCymRのクマート(cumate)応答性結合によって達成され得る。ある特定の実施形態では、異化産物に基づくシステムは、単純ヘルペスVP16転写活性化ドメインに融合した、原核生物リプレッサーHdnoRの6-ヒドロキシニコチン応答性結合によるキメラプロモーターの活性化に依存し得る。
特定の実施形態では、TIシステムは、クオラムセンシング分子による集団内および集団間のコミュニケーションを管理する原核生物に由来するクオラムセンシングベースの発現系であり得る。これらのクオラムセンシング分子は、標的細胞中の受容体に結合し、同族プロモーターに対する受容体の親和性を調節し、特異的レギュロンスイッチの開始をもたらす。特定の実施形態では、クオラムセンシング分子は、N-(3-オキソ-オクタノイル)-ホモセリンラクトンであり得、その存在下で、TraR-p65融合タンパク質が、TraR特異的オペレータ配列に融合した最小プロモーターからの発現を活性化する。特定の実施形態では、クオラムセンシング分子は、ストレプトマイセス・セリカラーA3(2)SCB1の非存在下でその同族オペレータOScbRに結合するScbRリプレッサーに基づく系におけるブチロラクトンSCB1(ラセミ体2-(1’-ヒドロキシ-6-メチルヘプチル)-3-(ヒドロキシメチル)ブタノリド)であり得る。特定の実施形態では、クオラムセンシング分子は、RTIシステムで使用されるホモセリン由来誘導因子であり得、緑膿菌クオラムセンシング抑制因子RhlRおよびLasRがSV40 T抗原核局在化配列および単純ヘルペスVP16ドメインに融合され、特定のオペレータ配列(lasボックス)を含むプロモーターを活性化し得る。
特定の実施形態では、本開示のRTIシステムで使用されるアロステリックタンパク質を調節する誘導分子は、クマート、イソプロピル-β-D-ガラクトピラノシド(IPTG)、マクロライド、6-ヒドロキシニコチン、ドキシサイクリン、ストレプトグラミン、NADH、テトラサイクリンであり得るが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本開示のRTIシステムで使用される細胞内受容体は、細胞質または核受容体であり得る。特定の実施形態では、本開示のRTIシステムは、小分子を使用することにより、タンパク質の捕捉および阻害からの転写因子の放出を利用し得る。特定の実施形態では、本開示のRTIシステムは、ステロイド調節に依存し得、ホルモン受容体は、サイトゾルにおいてHSP90から放出され得る天然または人工の転写因子に融合され、核内に移動し、選択されたプロモーターを活性化する。特定の実施形態では、内因性ステロイドホルモンによるクロストークを回避するために、合成ステロイド類似体によって調節される変異体受容体を使用し得る。特定の実施形態では、受容体は、4-ヒドロキシタモキシフェンに応答性のエストロゲン受容体バリアントまたはRU486によって誘導可能なプロゲステロン受容体変異体であり得る。特定の実施形態では、ヒト核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)に基づく核受容体由来ロシグリタゾン応答性転写スイッチが、本開示のRTIシステムで使用され得る。特定の実施形態では、ステロイド応答性受容体のバリアントは、RheoSwitchであり得、改変されたChoristoneura fumiferanaエクジソン受容体およびGal4 DNA結合ドメインおよびVP16トランス活性化因子に融合されたマウスレチノイドX受容体(RXR)に基づく。合成エクジソンの存在下では、RheoSwitchバリアントは、Gal4応答エレメントのいくつかの反復配列に融合した最小プロモーターに結合し、これを活性化し得る。
特定の実施形態では、本明細書に開示されるRTIシステムは、同族オペレータと融合した最小コアプロモータの活性化のために、DNA結合タンパク質の化学的に誘導された二量体化および転写活性化因子を利用し得る。特定の実施形態では、本明細書に開示されるRTIシステムは、FRBとFKBPのラパマイシン調節二量体化を利用し得る。この系では、FRBはp65トランス活性化因子に融合され、FKBPは、操作された最小インターロイキン-12プロモーターの上流に配置される同族オペレータ部位に特異的なジンクフィンガードメインに融合される。特定の実施形態では、該FKBPは変異され得る。特定の実施形態では、本明細書に開示されるRTIシステムは、細菌ジャイレースBサブユニット(GyrB)を利用し得、GyrBは抗生物質クーママイシンの存在下で二量体化し、ノボビオシンで解離する。
特定の実施形態では、本開示のRTIシステムは、調節されたsiRNA発現のために使用され得る。特定の実施形態では、調節されたsiRNA発現システムは、テトラサイクリン、マクロライド、またはOFF型およびON型QuoRex系であり得る。特定の実施形態では、RTIシステムは、5’非翻訳領域にヘアピン構造を形成することによって翻訳開始をブロックするXenopus末端オリゴピリミジン要素(TOP)を利用し得る。
特定の実施形態では、本開示に記載されるRTIシステムは、気相制御発現、例えばアセトアルデヒド誘導調節(AIR)システムを利用し得る。AIRシステムは、Aspergillus nidulansのAlcR転写因子を使用し得、非毒性濃度の気体または液体のアセトアルデヒドの存在下で、最小ヒトサイトメガロウイルスのプロモーターに融合したAlcR特異的なオペレータから組み立てられたPAIRプロモーターを特異的に活性化する。
特定の実施形態では、本開示のRTIシステムは、Tet-OnまたはTet-Offシステムを利用し得る。そのようなシステムでは、1つ以上のSOIの発現は、テトラサイクリンまたはその類似体であるドキシサイクリンによって調節され得る。
特定の実施形態では、本開示のRTIシステムは、PIPオンまたはPIPオフシステムを利用し得る。そのようなシステムでは、SOIの発現は、例えば、プリスチナマイシン、テトラサイクリンおよび/またはエリスロマイシンによって調節され得る。
6. TI宿主細胞の調製および使用
本開示の主題は、宿主細胞への外因性ヌクレオチド配列の標的化組込みのための方法に関する。特定の実施形態では、本方法は、外因性ヌクレオチド配列を宿主細胞に組み込み、その後のSOIの標的化組込みに適した宿主細胞を産生することに関する。特定の実施形態では、前記方法は、リコンビナーゼ媒介組換えを含む。特定の実施形態では、前記方法は、相同組換え、HDRおよび/またはNHEJを含む。
ある特定の実施形態では、本開示の主題は、外因性ヌクレオチド配列の同じ宿主細胞へのランダム組込みと組み合わせた、外因性ヌクレオチド配列の宿主細胞への標的化組込み法に関する。特定の実施形態では、方法は、同一または異なるSOIのランダム組込みと組み合わせて、SOIのその後の標的化組込みに適した宿主細胞を産生するための、外因性ヌクレオチド配列の宿主細胞への組込みに関する。特定の実施形態では、方法は、リコンビナーゼ媒介組換えを含む。特定の実施形態では、前記方法は、相同組換え、HDRおよび/またはNHEJを含む。
6.1 リコンビナーゼ媒介組換えを用いたTI宿主細胞の調製
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程;b)a)で供給される細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程;c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程;ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程、b)a)で供給された細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、遺伝子座が、配列番号1~7と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む第1のDNAカセットを含む工程、b)a)で供給された細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む第2のDNAカセットを含むベクターを導入する工程、c)リコンビナーゼを導入する工程であって、そのリコンビナーゼが、RRSを認識してRMCEを1回実施する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む第1のDNAカセットを含む工程、b)a)で提供される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む第2のDNAカセットを含むベクターを導入する工程、c)リコンビナーゼを導入する工程であって、そのリコンビナーゼが、RRSを認識してRMCEを1回実施する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む第1ベクターを導入する工程、c)a)で供給される細胞中に、組込み外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2のベクターを導入する工程、d)RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼを導入する工程、ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらの少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む第1ベクターを導入する工程、c)a)で提供される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程、d)RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼを導入する工程、ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含む第1のDNAカセットを含み、3つ全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、第2のDNAカセットを含む第1のベクターを導入する工程であって、その第2のDNAカセットが、第1のDNAカセットの第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む工程、c)a)で供給される細胞中に、第3のDNAカセットを含む第2のベクターを導入する工程であって、その第3のDNAカセットが、第1のDNAカセットの第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の外因性SOIに隣接する2つの異種特異的RRSを含む工程、d)1つ以上のリコンビナーゼを導入する工程であって、その1つ以上のリコンビナーゼが、RRSを認識してRMCEを2回実施する工程、ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1および第2の目的ポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含む第1のDNAカセットを含み、3つ全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、第2のDNAカセットを含む第1のベクターを導入する工程であって、その第2のDNAカセットが、第1のDNAカセットの第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つの異種特異的RRSを含む工程、c)a)で供給される細胞中に、第3のDNAカセットを含む第2のベクターを導入する工程であって、その第3のDNAカセットが、第1のDNAカセットの第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の外因性SOIに隣接する2つの異種特異的RRSを含む工程、d)1つ以上のリコンビナーゼを導入する工程であって、その1つ以上のリコンビナーゼが、RRSを認識してRMCEを2回実施する工程、ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する1つのRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上のRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する1つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するようにTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する1つのRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上のRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する1つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
本開示の主題はまた、目的のポリペプチドを産生する方法に関し、該方法は、a)本明細書に記載のTI宿主細胞を供給する工程、b)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)のTI宿主細胞を培養する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼを導入する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、3つのRRSを含むベクターを導入する工程であって、そのベクターの第1のRRSが組込み外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSとマッチし、そのベクターの第2のRRSが組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の選択マーカーが第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する工程、c)リコンビナーゼを導入する工程であって、そのリコンビナーゼが、ベクターおよび組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の両方の第1のRRSおよび第2のRRSを認識する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI宿主細胞を選択することによって、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、園との標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製するための方法を提供し、該方法は、a)LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される内因性遺伝子内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、3つのRRSを含むベクターを導入する工程であって、そのベクターの第1のRRSが組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSとマッチし、そのベクターの第2のRRSが組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の選択マーカーが第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する工程、c)リコンビナーゼを導入する工程であって、そのリコンビナーゼが、ベクターおよび組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の両方の第1のRRSおよび第2のRRSを認識する工程、ならびにd)第2の選択マーカーを発現するTI宿主細胞を選択することによって、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
6.2 相同組換え、HDRまたはNHEJを使用した宿主細胞の標的化修飾方法
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7と少なくとも約90%相同である工程、b)ベクターをTI宿主細胞中に導入する工程であって、そのベクターが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが、少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む工程、c)選択マーカーを選択し、ゲノム遺伝子座中に組み込まれたSOIを有するTI宿主細胞を単離して目的のポリペプチドを発現させる工程を含む。特定の実施形態では、ベクターのDNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIをさらに含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、b)ポリヌクレオチドを宿主細胞中に導入する工程であって、そのポリヌクレオチドが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが、少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIを含む工程、c)選択マーカーを選択し、ゲノム遺伝子座中に組み込まれたSOIを有するTI宿主細胞を単離して目的のポリペプチドを発現させる工程を含む。特定の実施形態では、ベクターのDNAカセットは、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性SOIをさらに含む。
特定の実施形態では、相同組換えは、組込みベクターによって促進される。特定の実施形態では、ベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、組込みファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼベクター、インテグラーゼ基質、およびプラスミドからなる群から選択される。特定の実施形態では、トランスポゾンは、PiggyBac(PB)トランスポゾンシステムであり得る。
特定の実施形態では、組込みは、外因性ヌクレアーゼによって促進される。特定の実施形態では、外因性ヌクレアーゼは、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、b)ベクターをTI宿主細胞中に導入する工程であって、そのベクターが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーを含む工程、c)選択マーカーを選択し、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、b)ポリヌクレオチドをTI宿主細胞中に導入する工程であって、そのポリヌクレオチドが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの選択マーカーを含む工程、c)選択マーカーを選択し、その後の標的化組込みに好適なTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、b)ベクターを宿主細胞中に導入する工程であって、そのベクターが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが3つのRRSを含み、第3のRRSおよび少なくとも1つの選択マーカーが第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する工程、ならびにc)選択マーカーを選択し、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、b)ポリヌクレオチドを宿主細胞中に導入する工程であって、そのポリヌクレオチドが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列と少なくとも50%相同のヌクレオチド配列を含み、そのDNAカセットが3つのRRSを含み、第3のRRSおよび少なくとも1つの選択マーカーが第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する工程、ならびにc)選択マーカーを選択し、その後の標的化組込みに適したTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞ゲノムの1つ以上の遺伝子座内における部位に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その1つ以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼまたはRRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入し、ならびに第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、少なくとも1つの目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの1つ以上の遺伝子座内における部位に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その1つ以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、少なくとも1つの組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む第1のベクターを導入する工程、c)a)で供給される細胞中に、少なくとも1つの組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2のベクターを導入する工程、d)RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼ、またはRRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程、ならびにe)第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、少なくとも1つの第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)TI宿主細胞ゲノムの1つ以上の遺伝子座内における部位に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その1箇所以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が1つ以上のRRSを含む工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の1つ以上のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結される少なくとも1つの外因性SOIに隣接する1つ以上のRRSを含むベクターを導入する工程、c)RRSを認識するリコンビナーゼまたはRRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程、ならびにd)誘導物質の存在下で外因性SOIを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドを発現させる方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内に組み込まれた2つのRRSおよび調節可能なプロモーターに隣接する少なくとも1つの外因性SOIを含む宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である工程、ならびにb)SOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下で細胞を培養する工程を含む。
特定の実施形態では、本開示は、第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチド(第1のポリペプチドと第2のポリペプチドとは同一であっても異なっていてもよい)を発現するTI宿主細胞を調製する方法を提供し、該方法は、a)宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、その遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同であり、その外因性ヌクレオチド配列が、第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全てのRRSが異種特異的である工程、b)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結される少なくとも1つの第1の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第1のベクターを導入する工程、c)a)で供給される細胞中に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列上の第2のRRSおよび第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに機能的に連結される少なくとも1つの第2のSOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程、d)RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼ、またはRRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程、ならびにe)誘導物質の存在下で少なくとも第1の外因性SOIおよび第2の外因性SOIを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む。特定の実施形態では、第1のベクター上に選択マーカー全体を有するのではなく、第1のベクターは、第1のSOIによって上流に隣接し、RRSによって下流に配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列を含み、第2のベクターは、上流でRRSに隣接し、下流で第2のSOIに隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーを含む。
7. 産物
本開示の宿主細胞は、任意の目的の分子、例えば目的のポリペプチドの発現のために使用され得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、ポリペプチド、例えば哺乳動物のポリペプチドの発現のために使用され得る。このようなポリペプチドの非限定的な例としては、ホルモン、受容体、融合タンパク質、調節因子、成長因子、補体系因子、酵素、凝固因子、抗凝固因子、キナーゼ、サイトカイン、CDタンパク質、インターロイキン、治療用タンパク質、診断用タンパク質、および抗体が挙げられる。特定の実施形態では、該抗体は、モノクローナル抗体である。特定の実施形態では、該抗体は、治療用抗体である。ある特定の実施形態では、該抗体は、診断用抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はヒト化抗体である。
特定の実施形態では、本明細書における定義に包含されるポリペプチドの例としては、例えば、レニン等の哺乳類ポリペプチド;成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;アルファ-1-抗トリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;レプチン;凝固因子、例えば、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、およびフォン・ヴィレブランド因子;抗凝固因子、例えば、プロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性剤;プラスミノーゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼまたはヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA);ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子-アルファおよび-ベータ;腫瘍壊死因子受容体、例えば、細胞死受容体5およびCD120;TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL);B細胞成熟抗原(BCMA);B-リンパ球刺激因子(BLyS);増殖誘導リガンド(APRIL);エンケファリナーゼ;RANTES(活性化時に調節され、T細胞が正常に発現および分泌している);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-アルファ);血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン;ミュラー管抑制物質;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質、例えば、ベータ-ラクタマーゼ;DNase;IgE;細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA)、例えば、CTLA-4;インヒビン;アクチビン;血小板由来内皮細胞成長因子(PD-ECGF);血管内皮成長因子ファミリータンパク質(例えば、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、およびP1GF);血小板由来成長因子(PDGF)ファミリータンパク質(例えば、PDGF-A、PDGF-B、PDGF-C、PDGF-D、およびそれらの二量体);線維芽細胞成長因子(FGF)ファミリー、例えば、aFGF、bFGF、FGF4、およびFGF9;上皮成長因子(EGF);ホルモンまたは成長因子受容体、例えば、VEGF受容体(複数可)(例えば、VEGFR1、VEGFR2、およびVEGFR3)、上皮成長因子(EGF)受容体(複数可)(例えば、ErbB1、ErbB2、ErbB3、およびErbB4 受容体)、血小板由来成長因子(PDGF)受容体(複数可)(例えば、PDGFR-αおよびPDGFR-β)、ならびに線維芽細胞増殖因子受容体(複数可);TIEリガンド(アンジオポイエチン、ANGPT1、ANGPT2)、アンジオポイエチン受容体、例えば、TIE1およびTIE2;プロテインAまたはD;リウマチ因子;神経栄養因子、例えば、骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3、ニューロトロフィン-4、ニューロトロフィン-5、もしくはニューロトロフィン-6(NT-3、NT-4、NT-5、もしくはNT-6)、または神経成長因子、例えば、NGF-b;トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えば、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、またはTGF-β5を含むTGF-アルファおよびTGF-ベータ;インスリン様成長因子IおよびII(IGF-IおよびIGF-II);des(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP);CDタンパク質、例えば、CD3、CD4、CD8、CD19、およびCD20;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);ケモカイン、例えば、CXCL12およびCXCR4;インターフェロン、例えば、インターフェロン-アルファ、インターフェロン-ベータ、およびインターフェロン-ガンマ;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M-CSF、GM-CSF、およびG-CSF;サイトカイン、例えば、インターロイキン(IL)、例えば、IL-1~IL-10;ミッドカイン;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス抗原、例えば、AIDSエンベロープの一部分;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節タンパク質;インテグリン、例えば、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA-4、およびVCAM;エフリン;Bv8;デルタ様リガンド4(DLL4);Del-1;BMP9;BMP10;フォリスタチン;肝細胞成長因子(HGF)/散乱因子(SF);Alk1;Robo4;ESM1;パールカン;EGF様ドメインマルチプル7(EGFL7);CTGFおよびそのファミリーのメンバー;トロンボスポンジン、例えば、トロンボスポンジン1およびトロンボスポンジン2;コラーゲン、例えば、コラーゲンIVおよびコラーゲンXVIII;ニューロピリン、例えば、NRP1およびNRP2;プレイオトロフィン(PTN);プログラニュリン;プロリフェリン;Notchタンパク質、例えば、Notch1およびNotch4;セマフォリン、例えば、Sema3A、Sema3C、およびSema3F;腫瘍関連抗原、例えば、CA125(卵巣癌抗原);イムノアドヘシン;ならびに上述のポリペプチドのいずれかの断片および/またはバリアント、ならびに例えば、上述のタンパク質のいずれかを含む1つ以上のタンパク質に結合する抗体断片を含む抗体が挙げられる。
特定の実施形態では、目的のポリペプチドは、二重特異性、三重特異性または多重特異性ポリペプチド、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体の様々な分子形式が当該技術分野で知られており、本明細書に含まれる(例えば、Spiess ら,Mol Immunol 67(2015)95-106を参照のこと)。本明細書に同様に含まれる特定のタイプの多重特異性抗体は、標的細胞、例えば腫瘍細胞上の表面抗原、およびT細胞受容体(TCR)複合体の活性化インバリアント構成成分、たとえば、T細胞を再標的化して標的細胞を死滅させるためのCD3に同時に結合するように設計された二重特異性抗体である。二重特異性抗体形式の更なる例としては、2つのscFv分子が柔軟なリンカーにより融合された、いわゆる「BiTE」(二重特異性T細胞エンゲージャー)(例えば、国際公開第2004/106381号、国際公開第2005/061547号、国際公開第2007/042261号および国際公開第2008/119567号、NagorsenおよびBauerle,Exp Cell Res 317,1255-1260(2011)を参照のこと);ダイアボディ(Holliger et al.,Prot.Eng.9,299-305(1996))およびその誘導体、例えばタンデムダイアボディ(「TandAb」;Kipriyanov et al.,J Mol Biol 293,41-56(1999));ダイアボディフォーマットに基づくが、更なる安定化のための、C末端ジスルフィド架橋を特徴とする「DART」(二重親和性再標的化)分子(Johnson et al.,J Mol Biol 399,436-449(2010))、および、全ハイブリッドマウス/ラットIgG分子である、いわゆるトリオマブ(Seimetz et al.,Cancer Treat.Rev.36,458-467(2010)で確認される)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に含まれる、具体的なT細胞二重特異性抗体形式は、国際公開第2013/026833号、国際公開第2013/026839号、国際公開第2016/020309号;Bacac et al.,Oncoimmunology 5(8)(2016)e1203498に記載されている。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を、構成的にまたは調節して、目的の治療用タンパク質または分子を発現させながら、シャペロン、タンパク質修飾酵素、shRNA、gRNAまたは他のタンパク質もしくはペプチド発現のために使用し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の宿主細胞によって発現するポリペプチドは、いずれかのタンパク質、例えば、8MPI、8MP2、8MP38(GDFIO)、8MP4、8MP6、8MP8、CSFI(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(G-CSF)、EPO、FGF1(αFGF)、FGF2(βFGF)、FGF3(int-2)、FGF4(HST)、FGF5、FGF6(HST-2)、FGF7(KGF)、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF12B、FGF14、FGF16、FGF17、FGF19、FGF20、FGF21、FGF23、IGF1、IGF2、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFN81、IFNG、IFNWI、FEL1、FEL1(EPSELON)、FEL1(ZETA)、IL1A、IL1B、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12A、IL12B、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL17B、IL18、IL19、IL20、IL22、IL23、IL24、IL25、IL26、IL27、IL28A、IL28B、IL29、IL30、PDGFA、PDGFB、TGFA、TGFB1、TGFB2、TGFBb3、LTA(TNF-β)、LTB、TNF(TNF-α)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF6(FasL)、TNFSF7(CD27リガンド)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(4-1BBリガンド)、TNFSF10(TRAIL)、TNFSF11(TRANCE)、TNFSF12(APO3L)、TNFSF13(April)、TNFSF13B、TNFSF14(HVEM-L)、TNFSF15(VEGI)、TNFSF18、HGF(VEGFD)、VEGF、VEGFB、VEGFC、IL1R1、IL1R2、IL1RL1、IL1RL2、IL2RA、IL2RB、IL2RG、IL3RA、IL4R、IL5RA、IL6R、IL7R、IL8RA、IL8RB、IL9R、IL10RA、IL10RB、IL 11RA、IL12RB1、IL12RB2、IL13RA1、IL13RA2、IL15RA、IL17R、IL18R1、IL20RA、IL21R、IL22R、IL1HY1、IL1RAP、IL1RAPL1、IL1RAPL2、IL1RN、IL6ST、IL18BP、IL18RAP、IL22RA2、AIF1、HGF、LEP(レプチン)、PTN、およびTHPO.kからなる群から選択されるサイトカイン、サイトカイン関連タンパク質、およびサイトカイン受容体を含むが、これらに限定されないタンパク質に結合し、またはそれと相互作用する場合がある。
いくつかの実施形態では、本開示の宿主細胞による発現されるポリペプチドは、CCLI(1-309)、CCL2(MCP-1/MCAF)、CCL3(MIP-Iα)、CCL4(MIP-Iβ)、CCL5(RANTES)、CCL7(MCP-3)、CCL8(mcp-2)、CCL11(エオタキシン)、CCL13(MCP-4)、CCL15(MIP-Iδ)、CCL16(HCC-4)、CCL17(TARC)、CCL18(PARC)、CCL19(MDP-3b)、CCL20(MIP-3α)、CCL21(SLC/エクソダス-2)、CCL22(MDC/STC-1)、CCL23(MPIF-1)、CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2)、CCL25(TECK)、CCL26(エオタキシン-3)、CCL27(CTACK/ILC)、CCL28、CXCLI(GROI)、CXCL2(GR02)、CXCL3(GR03)、CXCL5(ENA-78)、CXCL6(GCP-2)、CXCL9(MIG)、CXCL10(IP10)、CXCL11(1-TAC)、CXCL12(SDFI)、CXCL13、CXCL14、CXCL16、PF4(CXCL4)、PPBP(CXCL7)、CX3CL1(SCYDI)、SCYEI、XCLI(リンホタクチン)、XCL2(SCM-Iβ)、BLRI(MDR15)、CCBP2(D6/JAB61)、CCRI(CKRI/HM145)、CCR2(mcp-IRB IRA)、CCR3(CKR3/CMKBR3)、CCR4、CCR5(CMKBR5/ChemR13)、CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6)、CCR7(CKR7/EBII)、CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1)、CCR9(GPR-9-6)、CCRL1(VSHK1)、CCRL2(L-CCR)、XCR1(GPR5/CCXCR1)、CMKLR1、CMKOR1(RDC1)、CX3CR1(V28)、CXCR4、GPR2(CCR10)、GPR31、GPR81(FKSG80)、CXCR3(GPR9/CKR-L2)、CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo)、HM74、IL8RA(IL8Rα)、IL8RB(IL8Rβ)、LTB4R(GPR16)、TCP10、CKLFSF2、CKLFSF3、CKLFSF4、CKLFSF5、CKLFSF6、CKLFSF7、CKLFSF8、BDNF、C5、C5R1、CSF3、GRCC10(C10)、EPO、FY(DARC)、GDF5、HDF1、HDF1α、DL8、PRL、RGS3、RGS13、SDF2、SLIT2、TLR2、TLR4、TREM1、TREM2、およびVHLからなる群から選択されるケモカイン、ケモカイン受容体、またはケモカイン関連タンパク質に結合し、または相互作用する場合がある。いくつかの実施形態では、本開示の宿主細胞によって発現されるポリペプチドは、0772P(CA125、MUC16)(すなわち、卵巣癌抗原)、ABCF1;ACVR1;ACVR1B;ACVR2;ACVR2B;ACVRL1;ADORA2A;アグリカン;AGR2;AICDA;AIF1;AIG1;AKAP1;AKAP2;AMH;AMHR2;アミロイドベータ;ANGPTL;ANGPT2;ANGPTL3;ANGPTL4;ANPEP;APC;APOC1;AR;ASLG659;ASPHD1(アスパラギン酸ベータヒドロキシラーゼドメイン含有1;LOC253982);AZGP1(亜鉛-a-糖タンパク質);B7.1;B7.2;BAD;BAFF-R(B細胞活性化因子受容体;BLyS受容体3;BR3;BAG1;BAI1;BCL2;BCL6;BDNF;BLNK;BLRI(MDR15);BMP1;BMP2;BMP3B(GDF10);BMP4;BMP6;BMP8;BMPR1A;BMPR1B(骨形成タンパク質受容体IB型);BMPR2;BPAG1(プレクチン);BRCA1;ブレビカン;C19orf10(IL27w);C3;C4A;C5;C5R1;CANT1;CASP1;CASP4;CAV1;CCBP2(D6/JAB61);CCL1(1-309);CCL11(エオタキシン);CCL13(MCP-4);CCL15(MIP1δ);CCL16(HCC-4);CCL17(TARC);CCL18(PARC);CCL19(MIP-3β);CCL2(MCP-1);MCAF;CCL20(MIP-3α);CCL21(MTP-2);SLC;エクソダス-2;CCL22(MDC/STC-1);CCL23(MPIF-1);CCL24(MPIF-2/エオタキシン-2);CCL25(TECK);CCL26(エオタキシン-3);CCL27(CTACK/ILC);CCL28;CCL3(MTP-Iα);CCL4(MDP-Iβ);CCL5(RANTES);CCL7(MCP-3);CCL8(mcp-2);CCNA1;CCNA2;CCND1;CCNE1;CCNE2;CCR1(CKRI/HM145);CCR2(mcp-IRβ/RA);CCR3(CKR/CMKBR3);CCR4;CCR5(CMKBR5/ChemR13);CCR6(CMKBR6/CKR-L3/STRL22/DRY6);CCR7(CKBR7/EBI1);CCR8(CMKBR8/TER1/CKR-L1);CCR9(GPR-9-6);CCRL1(VSHK1);CCRL2(L-CCR);CD164;CD19;CD1C;CD20;CD200;CD22(B細胞受容体CD22-Bアイソフォーム);CD24;CD28;CD3;CD37;CD38;CD3E;CD3G;CD3Z;CD4;CD40;CD40L;CD44;CD45RB;CD52;CD69;CD72;CD74;CD79A(CD79α;免疫グロブリン関連アルファ;B細胞特異的タンパク質);CD79B;CDS;CD80;CD81;CD83;CD86;CDH1(E-カドヘリン);CDH10;CDH12;CDH13;CDH18;CDH19;CDH20;CDH5;CDH7;CDH8;CDH9;CDK2;CDK3;CDK4;CDK5;CDK6;CDK7;CDK9;CDKN1A(p21/WAF1/Cip1);CDKN1B(p27/Kip1);CDKN1C;CDKN2A(P16INK4a);CDKN2B;CDKN2C;CDKN3;CEBPB;CER1;CHGA;CHGB;キチナーゼ;CHST10;CKLFSF2;CKLFSF3;CKLFSF4;CKLFSF5;CKLFSF6;CKLFSF7;CKLFSF8;CLDN3;CLDN7(クローディン-7);CLL-1(CLEC12A;MICL;およびDCAL2);CLN3;CLU(クラスタリン);CMKLR1;CMKOR1(RDC1);CNR1;COL18A1;COL1A1;COL4A3;COL6A1;補体因子D;CR2;CRP;CRIPTO(CR;CR1;CRGF;CRIPTO;TDGF1;奇形腫由来増殖因子);CSFI(M-CSF);CSF2(GM-CSF);CSF3(GCSF);CTLA4;CTNNB1(b-カテニン);CTSB(カテプシンB);CX3CL1(SCYDI);CX3CR1(V28);CXCL1(GRO1);CXCL10(IP-10);CXCL11(I-TAC/IP-9);CXCL12(SDF1);CXCL13;CXCL14;CXCL16;CXCL2(GRO2);CXCL3(GRO3);CXCL5(ENA-78/LIX);CXCL6(GCP-2);CXCL9(MIG);CXCR3(GPR9/CKR-L2);CXCR4;CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1;Gタンパク質共役受容体);CXCR6(TYMSTR/STRL33/Bonzo);CYB5;CYC1;CYSLTR1;DAB2IP;DES;DKFZp451J0118;DNCLI;DPP4;E16(LAT1;SLC7A5);E2F1;ECGF1;EDG1;EFNA1;EFNA3;EFNB2;EGF;EGFR;ELAC2;ENG;ENO1;ENO2;ENO3;EPHB4;EphB2R;EPO;ERBB2(Her-2);EREG;ERK8;ESR1;ESR2;ETBR(エンドセリンB型受容体);F3(TF);FADD;FasL;FASN;FCER1A;FCER2;FCGR3A;FcRH1(Fc受容体様タンパク質1);FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカータンパク質1a);SPAP1B;SPAP1C);FGF;FGF1(αFGF);FGF10;FGF11;FGF12;FGF12B;FGF13;FGF14;FGF16;FGF17;FGF18;FGF19;FGF2(bFGF);FGF20;FGF21;FGF22;FGF23;FGF3(int-2);FGF4(HST);FGF5;FGF6(HST-2);FGF7(KGF);FGF8;FGF9;FGFR;FGFR3;FIGF(VEGFD);FELl(イプシロン);FILl(ゼータ);FLJ12584;FLJ25530;FLRTI(フィブロネクチン);FLT1;FOS;FOSL1(FRA-1);FY(DARC);GABRP(GABAa);GAGEB1;GAGEC1;GALNAC4S-6ST;GATA3;GDF5;GDNF-Ra1(GDNFファミリー受容体アルファ1;GFRA1;GDNFR;GDNFRA;RETL1;TRNR1;RET1L;GDNFR-アルファ1;GFR-アルファ-1);GEDA;GFI1;GGT1;GM-CSF;GNASI;GNRHI;GPR2(CCR10);GPR19(Gタンパク質共役受容体19;Mm.4787);GPR31;GPR44;GPR54(KISS1受容体;KISS1R;GPR54;HOT7T175;AXOR12);GPR81(FKSG80);GPR172A(Gタンパク質共役受容体172A;GPCR41;FLJ11856;D15Ertd747e);GRCCIO(C10);GRP;GSN(ゲルゾリン);GSTP1;HAVCR2;HDAC4;HDAC5;HDAC7A;HDAC9;HGF;HIF1A;HOP1;ヒスタミンおよびヒスタミン受容体;HLA-A;HLA-DOB(MHCクラスII分子(Ia抗原)のベータサブユニット;HLA-DRA;HM74;HMOXI;HUMCYT2A;ICEBERG;ICOSL;1D2;IFN-a;IFNA1;IFNA2;IFNA4;IFNA5;IFNA6;IFNA7;IFNB1;IFNガンマ;DFNW1;IGBP1;IGF1;IGF1R;IGF2;IGFBP2;IGFBP3;IGFBP6;IL-l;IL10;IL10RA;IL10RB;IL11;IL11RA;IL-12;IL12A;IL12B;IL12RB1;IL12RB2;IL13;IL13RA1;IL13RA2;IL14;IL15;IL15RA;IL16;IL17;IL17B;IL17C;IL17R;IL18;IL18BP;IL18R1;IL18RAP;IL19;IL1A;IL1B;ILIF10;IL1F5;IL1F6;IL1F7;IL1F8;IL1F9;IL1HY1;IL1R1;IL1R2;IL1RAP;IL1RAPL1;IL1RAPL2;IL1RL1;IL1RL2;ILIRN;IL2;IL20;IL20Rα;IL21R;IL22;IL-22c;IL22R;IL22RA2;IL23;IL24;IL25;IL26;IL27;IL28A;IL28B;IL29;IL2RA;IL2RB;IL2RG;IL3;IL30;IL3RA;IL4;IL4R;IL5;IL5RA;IL6;IL6R;IL6ST(糖タンパク質130);インフルエンザA型;インフルエンザB型;EL7;EL7R;EL8;IL8RA;DL8RB;IL8RB;DL9;DL9R;DLK;INHA;INHBA;INSL3;INSL4;IRAK1;IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2);ERAK2;ITGA1;
ITGA2;ITGA3;ITGA6(a6インテグリン);ITGAV;ITGB3;ITGB4(b4インテグリン);α4β7およびαEβ7インテグリンヘテロ二量体;JAG1;JAK1;JAK3;JUN;K6HF;KAI1;KDR;KITLG;KLF5(GCボックスBP);KLF6;KLKIO;KLK12;KLK13;KLK14;KLK15;KLK3;KLK4;KLK5;KLK6;KLK9;KRT1;KRT19(ケラチン19);KRT2A;KHTHB6(毛髪特異的H型ケラチン);LAMAS;LEP(レプチン);LGR5(ロイシンリッチリピート含有Gタンパク質共役受容体5;GPR49;GPR67);Lingo-p75;Lingo-Troy;LPS;LTA(TNF-b);LTB;LTB4R(GPR16);LTB4R2;LTBR;LY64(リンパ球抗原64(RP105);ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質);Ly6E(リンパ球抗原6複合体;遺伝子座E;Ly67;RIG-E;SCA-2;TSA-1);Ly6G6D(リンパ球抗原6複合体;遺伝子座G6D;Ly6-D;MEGT1);LY6K(リンパ球抗原6複合体;遺伝子座K;LY6K;HSJ001348;FLJ35226);MACMARCKS;MAGまたはOMgp;MAP2K7(c-Jun);MDK;MDP;MIB1;ミッドカイン;MEF;MIP-2;MKI67;(Ki-67);MMP2;MMP9;MPF(MPF;MSLN;SMR;巨核球増強因子;メソテリン);MS4A1;MSG783(RNF124;仮想タンパク質FLJ20315);MSMB;MT3(メタロチオネクチン-111);MTSS1;MUC1(ムチン);MYC;MY088;Napi3b(NaPi2bとしても知られる)(NAPI-3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸輸送体3b);、NCA;NCK2;ニューロカン;NFKB1;NFKB2;NGFB(NGF);NGFR、NgR-Lingo;NgR-Nogo66(Nogo);NgR-p75;NgR-Troy;NME1(NM23A);NOX5;NPPB;NR0B1;NR0B2;NR1D1;NR1D2;NR1H2;NR1H3;NR1H4;NR112;NR113;NR2C1;NR2C2;NR2E1;NR2E3;NR2F1;NR2F2;NR2F6;NR3C1;NR3C2;NR4A1;NR4A2;NR4A3;NR5A1;NR5A2;NR6A1;NRP1;NRP2;NT5E;NTN4;ODZI;OPRD1;OX40;P2RX7;P2X5(プリン受容体P2Xリガンド依存性イオンチャネル5);PAP;PART1;PATE;PAWR;PCA3;PCNA;PD-L1;PD-L2;PD-1;POGFA;POGFB;PECAM1;PF4(CXCL4);PGF;PGR;ホスファカン;PIAS2;PIK3CG;PLAU(uPA);PLG;PLXDC1;PMEL17(シルバーホモログ;SILV;D12S53E;PMEL17;SI;SIL);PPBP(CXCL7);PPID;PRI;PRKCQ;PRKDI;PRL;PROC;PROK2;PSAP;PSCAhlg(2700050C12Rik;C530008O16Rik;RIKEN cDNA2700050C12;RIKEN cDNA2700050C12遺伝子);PTAFR;PTEN;PTGS2(COX-2);PTN;RAC2(p21 Rac2);RARB;RET(retがん原遺伝子;MEN2A;HSCR1;MEN2B;MTC1;PTC;CDHF12;Hs.168114;RET51;RET-ELE1);RGSI;RGS13;RGS3;RNF110(ZNF144);ROBO2;S100A2;SCGB1D2(リポフィリンB);SCGB2A1(マンマグロビン2);SCGB2A2(マンマグロビン1);SCYEI(内皮単球活性化サイトカイン);SDF2;Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、セマドメイン、7回トロンボスポンジン反復配列(1型および1型様)、膜貫通ドメイン(TM)および短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);SERPINA1;SERPINA3;SERP1NB5(マスピン);SERPINE1(PAI-1);SERPDMF1;SHBG;SLA2;SLC2A2;SLC33A1;SLC43A1;SLIT2;SPPI;SPRR1B(Sprl);ST6GAL1;STABI;STAT6;STEAP(前立腺の6回膜貫通上皮抗原);STEAP2(HGNC_8639、IPCA-1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通上皮抗原2、6回膜貫通前立腺タンパク質);TB4R2;TBX21;TCPIO;TOGFI;TEK;TENB2(推定膜貫通プロテオグリカン);TGFA;TGFBI;TGFB1II;TGFB2;TGFB3;TGFBI;TGFBRI;TGFBR2;TGFBR3;THIL;THBSI(トロンボスポンジン-1);THBS2;THBS4;THPO;TIE(Tie-1);TMP3;組織因子;TLR1;TLR2;TLR3;TLR4;TLR5;TLR6;TLR7;TLR8;TLR9;TLR10;TMEFF1(EGF様および2つのフォリスタチン様ドメインを有する膜貫通タンパク質1;トモレグリン-1);TMEM46(shisaホモログ2);TNF;TNF-a;TNFAEP2(B94);TNFAIP3;TNFRSFIIA;TNFRSF1A;TNFRSF1B;TNFRSF21;TNFRSF5;TNFRSF6(Fas);TNFRSF7;TNFRSF8;TNFRSF9;TNFSF10(TRAIL);TNFSF11(TRANCE);TNFSF12(AP03L);TNFSF13(April);TNFSF13B;TNFSF14(HVEM-L);TNFSF15(VEGI);TNFSF18;TNFSF4(OX40リガンド);TNFSF5(CD40リガンド);TNFSF6(FasL);TNFSF7(CD27リガンド);TNFSFS(CD30リガンド);TNFSF9(4-1BBリガンド);TOLLIP;Toll様受容体;TOP2A(トポイソメラーゼEa);TP53;TPM1;TPM2;TRADD;TMEM118(ringフィンガータンパク質;膜貫通2;RNFT2;FLJ14627);TRAF1;TRAF2;TRAF3;TRAF4;TRAF5;TRAF6;TREM1;TREM2;TrpM4(BR22450;FLJ20041;TRPM4;TRPM4B;一過性受容体電位カチオンチャネル;サブファミリーM;メンバー4);TRPC6;TSLP;TWEAK;チロシナーゼ(TYR;OCAIA;OCA1A;チロシナーゼ;SHEP3);VEGF;VEGFB;VEGFC;バーシカン;VHLC5;VLA-4;XCL1(リンホタクチン);XCL2(SCM-1b);XCRI(GPR5/CCXCRI);YY1;および/またはZFPM2に結合し、またはそれと相互作用する場合がある。
特定の実施形態では、本明細書に開示した細胞および方法により産生される抗体(または二重特異性抗体)の標的分子としては、CDタンパク質、例えば、CD3、CD4、CD5、CD16、CD19、CD20、CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタインバーウイルス受容体)、またはHs.73792);CD33;CD34;CD64;CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb-2);CD79b(CD79B、CD79β、IGb(免疫グロブリン関連β)、B29)など;ErbB受容体ファミリーのCD200メンバー、例えば、EGF受容体、HER2、HER3、またはHER4受容体など;細胞接着分子、例えば、LFA-1、Mac1、p150.95、VLA-4、ICAM-1、VCAM、アルファ4/ベータ7インテグリン、およびアルファv/ベータ3インテグリン、そのアルファまたはベータサブユニットのいずれかを含むもの(例えば、抗CD11a、抗CD18、または抗CD11b抗体)など;成長因子、例えば、VEGF-A、VEGF-Cなど;組織因子(TF);アルファインターフェロン(アルファIFN);TNFアルファ、インターロイキン、例えば、IL-1ベータ、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-9、IL-13、IL17AF、IL-1S、IL-13Rアルファ1、IL13Rアルファ2、IL-4R、IL-5R、IL-9R、IgEなど;血液型抗原、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、mpl受容体、CTLA-4、RANKL、RANK、RSV Fタンパク質、プロテインCなどが挙げられる。特定の実施形態では、本明細書で提供される方法を使用して、補体タンパク質C5(例えば、ヒトC5に特異的に結合する抗C5アゴニスト抗体)に特異的に結合する抗体(または多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体)を産生し得る。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、インフルエンザウイルスB赤血球凝集素、すなわち、「fluB」に特異的に結合する抗体(または二重特異性抗体などの多重特異性抗体)(例えば、インフルエンザBウイルスのYamagata系統に由来する赤血球凝集素と結合する抗体、インフルエンザBウイルスのビクトリア系統に由来する赤血球凝集素と結合する抗体、インフルエンザBウイルスの祖先系統に由来する赤血球凝集素と結合する抗体、またはインフルエンザBウイルスのYamagata系統、ビクトリア系統、および祖先系統に由来する赤血球凝集素とインビトロおよび/またはインビボで結合する抗体)を産生するために使用され得る。抗FluB抗体に関する更なる詳細は国際公開第2015/148806号で開示されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される抗体(または二重特異性抗体)は、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質(LRP)-1またはLRP-8またはトランスフェリン受容体、ならびに、ベータ-セクレターゼ(BACE1またはBACE2)、アルファ-セクレターゼ、ガンマ-セクレターゼ、タウセクレターゼ、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、細胞死受容体6(DR6)、アミロイドベータペプチド、アルファ-シヌクレイン、パーキン、ハンチンチン、p75 NTR、CD40、およびカスパーゼ-6からなる群から選択される少なくとも1つの標的に結合する。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される抗体は、CD40に対するヒトIgG2抗体である。特定の実施形態では、抗CD40抗体はRG7876である。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生されるポリペプチドは、標的化免疫サイトカインである。特定の実施形態では、標的化免疫サイトカインはCEA-IL2v免疫サイトカインである。特定の実施形態では、CEA-IL2v免疫サイトカインはRG7813である。特定の実施形態では、標的化免疫サイトカインはFAP-IL2v免疫サイトカインである。特定の実施形態では、FAP-IL2v免疫サイトカインはRG7461である。
特定の実施形態では、明細書で提供する方法により産生される本明細書において提供する細胞または方法により作製した多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、CEA、および少なくとも1つの追加の標的分子に結合する。特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、腫瘍標的化サイトカインおよび少なくとも1つの追加の標的分子と結合する。特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、IL2v(すなわち、インターロイキン2バリアント)に融合され、IL1系免疫サイトカイン、および少なくとも1つの追加の標的分子に結合する。特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、T細胞二重特異性抗体(すなわち、二重特異性T細胞エンゲージャーまたはBiTE)である。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法により産生される産生される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、IL-1アルファおよびIL-1ベータ、IL-12およびIL-1S;IL-13およびIL-9;IL-13およびIL-4;IL-13およびIL-5;IL-5およびIL-4;IL-13およびIL-1ベータ;IL-13およびIL-25;IL-13およびTARC;IL-13およびMDC;IL-13およびMEF;IL-13およびTGF-~;IL-13およびLHRアゴニスト;IL-12およびTWEAK;IL-13およびCL25;IL-13およびSPRR2a;IL-13およびSPRR2b;IL-13およびADAMS;IL-13およびPED2;IL17AおよびIL17F;CEAおよびCD3;CD3およびCD19;CD138およびCD20;CD138およびCD40;CD19およびCD20;CD20およびCD3;CD3SおよびCD13S;CD3SおよびCD20;CD3SおよびCD40;CD40およびCD20;CD-SおよびIL-6;CD20およびBR3;TNFアルファおよびTGF-ベータ、TNFアルファおよびIL-1ベータ;TNFアルファおよびIL-2、TNFアルファおよびIL-3、TNFアルファおよびIL-4、TNFアルファおよびIL-5、TNFアルファおよびIL6、TNFアルファおよびIL8、TNFアルファおよびIL-9、TNFアルファおよびIL-10、TNFアルファおよびIL-11、TNFアルファおよびIL-12、TNFアルファおよびIL-13、TNFアルファおよびIL-14、TNFアルファおよびIL-15、TNFアルファおよびIL-16、TNFアルファおよびIL-17、TNFアルファおよびIL-18、TNFアルファおよびIL-19、TNFアルファおよびIL-20、TNFアルファおよびIL-23、TNFアルファおよびIFNアルファ、TNFアルファおよびCD4、TNFアルファおよびVEGF、TNFアルファおよびMIF、TNFアルファおよびICAM-1、TNFアルファおよびPGE4、TNFアルファおよびPEG2、TNFアルファおよびRANKリガンド、TNFアルファおよびTe38、TNFアルファおよびBAFF、TNFアルファおよびCD22、TNFアルファおよびCTLA-4、TNFアルファおよびGP130、TNFaおよびIL-12p40、VEGFおよびアンジオポエチン、VEGFおよびHER2、VEGF-AおよびHER2、VEGF-AおよびPDGF、HER1およびHER2、VEGFAおよびANG2、VEGF-AおよびVEGF-C、VEGF-CおよびVEGF-D、HER2およびDR5、VEGFおよびIL-8、VEGFおよびMET、VEGFRおよびMET受容体、EGFRおよびMET、VEGFRおよびEGFR、HER2およびCD64、HER2およびCD3、HER2およびCD16、HER2およびHER3、EGFR(HER1)およびHER2、EGFRおよびHER3、EGFRおよびHER4、IL-14およびIL-13、IL-13およびCD40L、IL4およびCD40L、TNFR1およびIL-1R、TNFR1およびIL-6RならびにTNFR1およびIL-18R、EpCAMおよびCD3、MAPGおよびCD28、EGFRおよびCD64、CSPGsおよびRGM A;CTLA-4およびBTN02;IGF1およびIGF2;IGF1/2およびErb2B;MAGおよびRGM A;NgRおよびRGM A;NogoAおよびRGM A;OMGpおよびRGM A;POL-lおよびCTLA-4;ならびにRGM AおよびRGM Bから選択される少なくとも2つの標的分子に結合する。
特定の実施形態では、本明細書で提供する方法より産生される多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体である。特定の実施形態では、抗CEA/抗CD3二重特異性抗体はRG7802である。抗CEA/抗CD3二重特異性抗体に関する更なる詳細は、国際公開第2014/121712号に提供されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。
特定の実施形態では、本明細書にて開示した方法により作製した多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体である。特定の実施形態では、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体二重特異性抗体はCrossmabである。特定の実施形態では、抗VEGF/抗アンジオポエチン二重特異性抗体はRG7716である。
特定の実施形態では、多重特異性抗体(二重特異性抗体など)は、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体である。特定の実施形態では、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体はRG7221である。特定の実施形態では、抗Ang2/抗VEGF二重特異性抗体はCAS番号1448221-05-3である。
他の多くの抗体および/または他のタンパク質が、本開示においては宿主細胞によって発現されてよく、上記の一覧は限定的であることを意味しない。
本開示の宿主細胞は、製造規模での目的の分子の製造に使用され得る。治療用タンパク質または他のタンパク質の「製造規模」での生産は、生産されるタンパク質および必要性に応じて、約400L~約80,000Lの範囲の細胞培養物を利用する。通常、そのような製造規模での生産は、約400L~約25,000Lの細胞培養サイズを利用する。この範囲内で、4,000L、約6,000L、約8,000、約10,000、約12,000L、約14,000L、または約16,000Lなどの特定の細胞培養サイズが利用されてもよい。
特定の実施形態では、目的のポリペプチドは、二重特異性、三重特異性または多重特異性ポリペプチド、例えば二重特異性抗体である。
本開示の宿主細胞は、現在の細胞培養法で使用されている非TI細胞と比較して、より短い時間枠で、目的の分子を、大量に産生するのに用いることができる。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、現在の細胞培養法で使用される非TI細胞と比較して、目的の分子の品質を改善するために用いられ得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、細胞ストレスおよびクローン不安定性を経時的に引き起こし得る産物によって引き起こされ得る慢性毒性を防止することによってシードトレイン安定性を高めるために使用され得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、急性毒性産物の最適発現に使用され得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞、TIシステムは、細胞培養プロセスの最適化および/またはプロセス開発に使用され得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を使用して、従来の細胞培養方法で使用される非TI細胞と比較して、目的の分子の産生を約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、または約10週間早め得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を使用して、従来の細胞培養方法で使用される非TI細胞と比較して、目的の分子の採取を約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、または約10週間早め得る。
特定の実施形態では、本実施形態の宿主細胞は、従来の細胞培養方法に使用される非TI細胞と比較して、目的分子の凝集レベルを減少させるために用いられ得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を使用して、ランダム組込み宿主細胞と比較して、目的のポリペプチド(またはポリペプチド)の発現の増加を達成し得る。例えば、限定するものではないが、本開示の宿主細胞は、少なくとも3g/L、3.5g/L、4g/L、4.5g/L、5g/L、5.5g/L、6g/L、6.5g/L、7g/L、7.5g/L、8g/L、8.5g/L、9g/L、9.5g/L、10g/L、10.5g/L、11g/Lまたはそれを超える力価での標準抗体および半抗体の発現、ならびに少なくとも1.5g/L、2g/L、2.5g/L、3g/L、3.5g/L、4g/L、4.5g/L、5g/L、5.5g/L、6g/Lまたはそれを超える力価で多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体の発現を達成し得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、ランダム組込み宿主細胞と比較して、二重特異性含有量の増加を達成し得る。例えば、限定するものではないが、本開示の宿主細胞は、少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%、99%またはそれを超える二重特異性含有量を達成し得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を、治療分子の選択されたサブユニットの構成的発現および同じ治療分子の他の異なるサブユニットの調節された発現のために使用し得る。特定の実施形態では、治療分子は、融合タンパク質であり得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を使用して、完全に組み立てられた抗体分子の発現および分泌における各抗体サブユニットの役割および効果を理解し得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、調査ツールとして使用され得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、様々な細胞における問題のある分子の低タンパク質発現の根本原因を突き止めるための診断ツールとして使用され得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を使用して、観察された現象または細胞挙動を細胞における導入遺伝子発現に直接結び付け得る。本開示の宿主細胞はまた、観察された挙動が細胞において可逆的であるか否かを実証するために使用され得る。特定の実施形態では、本開示の宿主細胞を利用して、細胞における導入遺伝子の転写および発現に関する問題を同定および緩和し得る。
特定の実施形態では、本開示の宿主細胞は、発現困難な分子の導入遺伝子サブユニット、例えば、これらに限定されないが、抗体のHCおよびLCサブユニットなどを、TIシステム中の平均分子のものと交換して、問題となるサブユニットを同定するために使用され得る。特定の実施形態では、次いで、アミノ酸配列分析を使用して、低タンパク質発現に関与し得るアミノ酸残基または領域を絞り、それに焦点を合わせ得る。
8. 例示的な非限定的実施形態
A.標的化組込み(TI)宿主細胞であって、前記宿主細胞のゲノムの特定の遺伝子座内の組込み部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含み、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる標的化組込み(TI)宿主細胞。
A1. 組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列が、NW_006874047.1のヌクレオチド41190~45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590~207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831~491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303~79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481~315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443~2662054またはNW_003615411.1のヌクレオチド82214~97705と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される、Aに記載のTI宿主細胞。
A2. 組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列のすぐ5’側のヌクレオチド配列が、NW_006874047.1のヌクレオチド45269、NW_006884592.1のヌクレオチド207911、NW_006881296.1のヌクレオチド491909、NW_003616412.1のヌクレオチド79768、NW_003615063.1のヌクレオチド315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2662054、またはNW_003615411.1のヌクレオチド97705からの少なくとも15塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも30塩基対、少なくとも40塩基対、少なくとも50塩基対、少なくとも75塩基対、少なくとも100塩基対、少なくとも150塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも300塩基対、少なくとも400塩基対、少なくとも500塩基対、少なくとも1,000塩基対、少なくとも1,500塩基対、少なくとも2,000塩基対、少なくとも3,000塩基対の配列からなる群から選択される、Aに記載のTI宿主細胞。
A3. 組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列のすぐ3’側のヌクレオチド配列が、NW_006874047.1のヌクレオチド45270-45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912-792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910-667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769-100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266-362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055-2701768、またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706-105117と少なくとも約90%相同の配列からなる群から選択される、Aに記載のTI宿主細胞。
A4. 組み込まれた外因性ヌクレオチド配列のすぐ3’側の前記ヌクレオチド配列が、NW_006874047.1のヌクレオチド45270、NW_006884592.1のヌクレオチド207912、NW_006881296.1のヌクレオチド491910、NW_003616412.1のヌクレオチド79769、NW_003615063.1のヌクレオチド315266、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055、またはNW_003615411.1のヌクレオチド97706からの少なくとも15塩基対、少なくとも20塩基対、少なくとも30塩基対、少なくとも40塩基対、少なくとも50塩基対、少なくとも75塩基対、少なくとも100塩基対、少なくとも150塩基対、少なくとも200塩基対、少なくとも300塩基対、少なくとも400塩基対、少なくとも500塩基対、少なくとも1,000塩基対、少なくとも1,500塩基対、少なくとも2,000塩基対、少なくとも3,000塩基対の配列からなる群から選択される、Aに記載のTI宿主細胞。
A5. 組み込まれた標的化外因性ヌクレオチド配列が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列に作動可能に連結されている、A~A4のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A6. LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の組込み部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列、ならびにランダム組込み外因性核酸配列を含む、TI宿主細胞であって、前記ランダム組込み配列が、宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、TI宿主細胞。
A7. LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子に作動可能に連結された組込み部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列、ならびにランダム組込み外因性核酸配列を含み、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、TI宿主細胞。
A8. 配列番号1~7から選択される配列に少なくとも約90%相同な配列およびランダム組込み外因性核酸配列からなる群から選択される配列の全部または一部に直接隣接する組込み部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞であって、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、TI宿主細胞。
A9. TI宿主細胞が、哺乳動物宿主細胞である、A~A8のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A10. TI宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、A9に記載のTI宿主細胞。
A11. TI宿主細胞が、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、A9またはA10に記載のTI宿主細胞。
A12. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、1つ以上の組換え認識配列(RRS)を含み、該RRSがリコンビナーゼによって認識され得る、A~A11のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A13. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が少なくとも2つのRRSを含む、A12に記載のTI宿主細胞。
A14. リコンビナーゼがCreリコンビナーゼまたはFLPリコンビナーゼである、A12またはA13に記載のTI宿主細胞。
A15. リコンビナーゼがBxb1インテグラーゼまたはφC31インテグラーゼである、A12またはA13に記載のTI宿主細胞。
A16. RRSが、LoxP配列、LoxPL3配列、LoxP2L配列、LoxFas配列、Lox511配列、Lox2272配列、Lox2372配列、Lox5171配列、Loxm2配列、Lox71配列、Lox66配列、FRT配列、Bxb1 attP配列、Bxb1 attB配列、φC31 attP配列、およびφC31 attB配列からなる群から選択される、A12~A15のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A17. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、第1のRRSおよび第2のRRSと、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの選択マーカーとを含む、A13~A16のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A18. 第1の選択マーカーを含み、該第1の選択マーカーが、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシン、G418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、およびマイコフェノール酸からなる群から選択される、A17に記載のTI細胞。
A19. 第2の選択マーカーをさらに含み、前記第1の選択マーカーと第2の選択マーカーとが異なる、A17またはA18に記載のTI宿主細胞。
A20. 第2の選択マーカーが、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(APH)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(HYG)、ネオマイシン、G418 APH)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)、チミジンキナーゼ(TK)、グルタミンシンテターゼ(GS)、アスパラギンシンテターゼ、トリプトファンシンテターゼ(インドール)、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(ヒスチジノールD)、ブラストサイジン、ブレオマイシン、フレオマイシン、クロラムフェニコール、ゼオシン、およびマイコフェノール酸からなる群から選択される、A19に記載のTI宿主細胞。
A21. 第3の選択マーカーおよび内部リボソーム進入部位(IRES)をさらに含み、前記IRESが、前記第3の選択マーカーに作動可能に連結される、A19またはA20に記載のTI宿主細胞。
A22. 第3の選択マーカーが第1または第2の選択マーカーと異なる、A21のTI宿主細胞。
A23. 第3の選択マーカーが、緑色蛍光タンパク質(GFP)マーカー、改良型GFP(eGFP)マーカー、合成GFPマーカー、黄色蛍光タンパク質(YFP)マーカー、改良型YFP(eYFP)マーカー、シアン蛍光タンパク質(CFP)マーカー、mPlumマーカー、mCherryマーカー、tdTomatoマーカー、mStrawberryマーカー、J-redマーカー、DsRed-モノマーマーカー、mOrangeマーカー、mKOマーカー、mCitrineマーカー、Venusマーカー、YPetマーカー、Emerald6マーカー、CyPetマーカー、mCFPmマーカー、Ceruleanマーカー、およびT-Sapphireマーカーからなる群から選択される、A21またはA22に記載のTI宿主細胞。
A24. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、第3のRRSをさらに含み、第3のRRSが第1のRRSと第2のRRSとの間に位置し、第3のRRSが、第1のRRSまたは第2のRRSと比較して異種特異的である、A17~A23のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A25. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの選択マーカーおよび少なくとも1つの外因性目的配列(SOI)を含む、A12~A24のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A26. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの外因性SOIをさらに含む、A12~A25のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A27. 標的化組込み外因性SOIが、第1のRRSと第2のRRSとの間に位置する、A26に記載のTI宿主細胞。
A28. 標的化組込みSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)またはFc融合タンパク質をコードする、A26またはA27に記載のTI宿主細胞。
A29. 標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、第1のRRSと第3のRRSとの間に位置する少なくとも1つの標的化組込み外因性SOI、および第3のRRSと第2のRRSとの間に位置する少なくとも1つの標的化組込み統合外因性SOIをさらに含む、A24~A28のいずれか1つに記載のTI宿主細胞。
A30. 標的化組込みSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、A29に記載のTI宿主細胞。
A31. 標的化組込みSOIが、ランダム組込み宿主細胞と比較してより高いレベルで発現される抗体をコードする、A26に記載のTI宿主細胞。
A32. 抗体が、少なくとも3g/L、3.5g/L、4g/L、4.5g/L、5g/L、5.5g/L、6g/L、6.5g/L、7g/L、7.5g/L、8g/L、8.5g/L、9g/L、9.5g/L、10g/L、10.5g/L、11g/L、またはそれを超える力価で発現される標準抗体または半抗体である、A31に記載のTI宿主細胞。
A33. 抗体が、少なくとも1.5g/L、2g/L、2.5g/L、3g/L、3.5g/L、4g/L、4.5g/L、5g/L、5.5g/L、6g/Lの力価で発現される多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である、A31に記載のTI宿主細胞。
A34. 抗体が二重特異性抗体であり、二重特異性含有量がランダム組込み宿主細胞と比較して増加しているA31のTI宿主細胞。
A35. 抗体が二重特異性抗体であり、二重特異性含有量が少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、98%、99%またはそれを超える、A1に記載のTI宿主細胞。
B. 目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、TI宿主細胞ゲノムの遺伝子座内における部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列、およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程;a)で供給される細胞に、標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程;RRSを認識するリコンビナーゼ、またはRRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程;ならびに第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
B1. 前記リコンビナーゼがCreリコンビナーゼまたはFLPリコンビナーゼである、Bに記載の方法。
B2. リコンビナーゼが、Bxb1インテグラーゼまたはφC31インテグラーゼである、Bに記載の方法。
B3. 前記SOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、B~B2のいずれか1つに記載の方法。
B4. 前記TI宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、B~B3のいずれか1つに記載の方法。
B5. 前記TI宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、B4に記載の方法。
B6. 前記TI宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、B4またはB5に記載の方法。
C. 目的のポリペプチドを発現させるための方法であって、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーを含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーが、前記TI宿主細胞のゲノムの遺伝子座内に組み込まれた2つのRRSに隣接し、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる工程;ならびに、a)において目的のポリペプチドを発現させ、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下で前記細胞を培養する工程を含む、方法。
C1. 少なくとも1つの標的化かれた組み込まれた外因性SOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)またはFc融合タンパク質をコードする、Cに記載の方法
D. 少なくとも第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法であって、前記宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、前記標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRSと、前記第1のRRSおよび第2のRRSの間に位置する第3のRRSとを含み、全ての前記RRSが異種特異的である工程;a)で供給される前記細胞中に、前記標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の前記第1および前記第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む第1ベクターを導入する工程;a)で供給される前記細胞中に、前記組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の前記第2および前記第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の標的化組込み外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程;1つ以上のリコンビナーゼ、または1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程であって、前記1つ以上のリコンビナーゼが前記RRSを認識する工程;ならびに前記第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
D1. 前記リコンビナーゼがCreリコンビナーゼまたはFLPリコンビナーゼである、Dに記載の方法。
D2. リコンビナーゼがBxb1インテグラーゼまたはφC31インテグラーゼである、Dに記載の方法。
D3. 前記第1のベクターが、前記第1のSOIの上流に、かつRRSの下流に隣接して位置するコドンATGに作動可能に連結されるプロモーター配列をさらに含み、前記第2のベクターが、RRSの上流に、かつ前記第2のSOIの下流に隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーをさらに含む、Dに記載の方法。
D4. 前記第1のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、D~D3のいずれか1つに記載の方法。
D5. 前記第2のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、D~D3のいずれか1つに記載の方法。
D6. 前記TI宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、CまたはD~D5のいずれか1つに記載の方法。
D7. 前記TI宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、D6に記載の方法。
D8. 前記TI宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、D7に記載の方法。
E. 目的のポリペプチドを発現させるための方法であって、少なくとも2つの標的化組込み外因性SOIと、前記宿主細胞のゲノムの遺伝子座内に組み込まれた少なくとも1つの選択マーカーとを含む宿主細胞を供給する工程であって、前記遺伝子座は、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列は、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIおよび1つの選択マーカーは、第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIは、第2のRRSおよび第3のRRSに隣接する工程;ならびに目的のポリペプチドを発現させ、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む、方法。
E1. 前記第1のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、Eに記載の方法。
E2. 前記第2のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、EまたはE1に記載の方法。
E3. 前記TI宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、E~E2のいずれか1つに記載の方法。
E4. 前記TI宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、E3に記載の方法。
E5. 前記TI宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、E4に記載の方法。
F. 目的のポリペプチドを発現させるための方法であって、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIおよび少なくとも1つの選択マーカーと、少なくとも1つのランダム組込み外因性SOIを含むランダム組込み外因性核酸配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、ランダム組込み配列が宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、少なくとも1つのランダム組込み外因性SOIの発現が調節可能である工程;ならびに前記ランダム組込みSOIから前記目的のポリペプチドを発現させ、そこから前記目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下でa)の細胞を培養する工程を含む、方法。
F1. 少なくとも1つのランダム組込み外因性SOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、Fに記載の方法。
G. 目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法であって、前記宿主細胞のゲノムの遺伝子座を含む宿主細胞を提供する工程であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、工程;ベクターを前記宿主細胞に導入する工程であって、前記ベクターが、DNAカセットに隣接する配列番号1~7から選択される配列に少なくとも50%相同なヌクレオチド配列を含み、前記DNAカセットが、少なくとも1つの選択マーカーと、2つのRRSに隣接する少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIとを含む、工程;ならびに前記選択マーカーを選択して、前記ゲノムの遺伝子座に組み込まれ、前記目的のポリペプチドを発現する前記標的化組込みSOIを有するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
G1. 前記ベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、インテグレーティングファージベクター、非ウイルスベクター、トランスポゾンおよび/またはトランスポザーゼベクター、インテグラーゼ基質、およびプラスミドからなる群から選択される、Gに記載の方法。
G2. 前記少なくとも1つの標的化され組み込まれたSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、GまたはG1に記載の方法。
G3. 前記TI宿主細胞が、哺乳動物宿主細胞である、G~G2のいずれか記載の方法。
G4. 前記TI宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、G3に記載の方法。
G5. 前記TI宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、G3またはG4に記載の方法。
G6. 前記少なくとも1つのSOIおよび選択マーカーを含む、標的化組込み核酸の組込みが外因性ヌクレアーゼによって促進される、G1~G5のいずれか1つに記載の方法。
G7. 前記外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、G6に記載の方法。
G8. 目的のポリペプチドが多重特異性抗体である、Gに記載の方法。
G9. 前記多重特異性抗体が二重特異性抗体である、G8に記載の方法。
H. 宿主細胞のゲノムの1箇所以上の特定の遺伝子座内の組込み部位に組み込まれた少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、TI宿主細胞。
H1. LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列からなる群から選択される内因性遺伝子内の1箇所以上の組込み部位に組み込まれた少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列、ならびにランダム組込み外因性核酸配列を含むTI宿主細胞であって、前記ランダム組込み配列が前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、TI宿主細胞。
H2. 前記少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、1つ以上の組換え認識配列(RRS)を含み、RRSがリコンビナーゼによって認識され得る、H~H1のいずれかに記載のTI宿主細胞。
H3. 前記少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が少なくとも1つの外因性SOIをさらに含む、H2記載のTI宿主細胞。
H4. 前記宿主細胞が、前記宿主細胞のゲノムの第1の遺伝子座に少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列、および前記宿主細胞のゲノムの1箇所以上の第2の遺伝子座に少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含む、H~H3のいずれかに記載のTI宿主細胞。
H5. 第1の遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.1. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.2. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.3. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.4. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.5. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H5.6. 第1の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.1. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.2. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.3. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.4. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.5. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H6.6. 第1の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.1. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.2. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.3. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.4. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.5. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H7.6. 第1の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.1. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.2. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.3. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.4. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.5. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H8.6. 第1の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.1. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.2. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.3. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.4. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.5. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H9.6. 第1の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.1. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.2. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.3. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.4. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.5. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H10.6. 第1の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.1. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.2. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.3. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.4. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.5. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H11.6. 第1の遺伝子座が配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の遺伝子座が配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、H4に記載のTI宿主細胞。
H12. 第1の遺伝子座がLOC107977062遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が以下の群:LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるH4に記載のTI宿主細胞。
H13. 第1の遺伝子座がLOC100768845遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が以下の群:LOC107977062、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるH4に記載のTI宿主細胞。
H14. 第1の遺伝子座がITPR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が以下の 群:LOC107977062、LOC100768845、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、H4に記載のTI宿主細胞。
H15. 第1の遺伝子座が、ERE67000.1遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が、以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、H4に記載のTI宿主細胞。
H16. 第1の遺伝子座がUBAP2遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるH4に記載のTI宿主細胞。
H17. 第1の遺伝子座がMTMR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が、以下の群LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、XP_003512331.2およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、H4に記載のTI宿主細胞。
H18. 第1の遺伝子座がXP_003512331.2遺伝子内の組込み部位であり、第2の遺伝子座が、以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるH4記載のTI宿主細胞。
H19. 第1の遺伝子座に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列が、調節可能なプロモーターを含む、H4~H18に記載のTI宿主細胞。
H20. 第2の遺伝子座に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列が調節可能なプロモーターを含む、H4~H18に記載のTI宿主細胞。
H21. 第1の遺伝子座に組み込まれた少なくとも1つの外因性ヌクレオチド配列および第2の遺伝子座に組み込まれた少なくとも1つのヌクレオチド配列が調節可能なプロモーターを含む、H4~H18に記載のTI宿主細胞。
J. 少なくとも1つの目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、前記TI宿主細胞のゲノムの1つ以上の遺伝子座内の部位に組み込まれた少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記1つ以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、前記少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む、工程;a)で供給される細胞に、組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の2つのRRSとマッチし、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIおよび少なくとも1つの第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含むベクターを導入する工程;RRSを認識するリコンビナーゼ、またはRRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程;ならびに前記第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、少なくとも1つの目的のポリペプチドを発現するTI細胞を単離する工程を含む、方法。
J1. 少なくとも1つの第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法であって、前記宿主細胞のゲノムの1つ以上の遺伝子座内の部位に組み込まれた少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、1つ以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、前記標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、少なくとも1つの第1の選択マーカーに隣接する第1のRRSおよび第2のRRS、ならびに前記第1のRRSと前記第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全てのRRSが異種特異的である工程;a)で供給される前記細胞に、前記少なくとも1つの組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の前記第1および前記第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第1の標的化組込み外因性SOIおよび第2の選択マーカーと隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程;a)で供給される前記細胞に、前記少なくとも1つの組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の前記第2および前記第3のRRSとマッチし、少なくとも1つの第2の標的化組込み外因性SOIと隣接する2つのRRSを含む第2のベクターを導入する工程;前記RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼ、または前記RRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程;ならびに前記第2の選択マーカーを発現するTI細胞を選択することによって、前記少なくとも1つの第1および第2の目的ポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
J2. 目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製する方法であって、a)前記TI宿主細胞のゲノムの1つ以上の遺伝子座内の部位に組み込まれた少なくとも1つの標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記1以上の遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、前記標的化組込み外因性ヌクレオチド配列が、1以上のRRSを含む工程;b)a)で供給される細胞に、組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の1つ以上のRRSとマッチし、少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIに隣接し、少なくとも1つの調節可能なプロモーターに作動可能に連結された1つ以上のRRSを含むベクターを導入する工程;c)RRSを認識するリコンビナーゼ、またはRRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程;ならびにd)誘導物質の存在下で前記目的の外因性ポリペプチドを発現するTI細胞を選択することによって、前記目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
J3. 目的のポリペプチドを発現させるための方法であって、a)2つのRRSに隣接する少なくとも1つの標的化組込み外因性SOIと、前記宿主細胞のゲノムの遺伝子座内に組み込まれた調節可能なプロモーターとを含む宿主細胞を供給する工程であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる工程;ならびにb)標的化組込みSOIを発現し、そこから目的のポリペプチドを回収するのに適した条件下で前記細胞を培養する工程を含む、方法。
J4. 第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を調製するための方法であって、a)前記宿主細胞のゲノムの遺伝子座内の部位に組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列を含むTI宿主細胞を供給する工程であって、前記遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列およびランダム組込み外因性核酸配列と少なくとも約90%相同であり、前記ランダム組込み配列が、前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれ、前記外因性ヌクレオチド配列が、第1のRRS、第2のRRS、および前記第1のRRSと前記第2のRRSとの間に位置する第3のRRSを含み、全ての前記RRSが異種特異的である工程;b)a)で供給される細胞に、組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の第1のRRSおよび第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結された少なくとも1つの第1の標的化組込み外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第1のベクターを導入する工程;c)a)で供給される前記細胞に、前記組み込まれた標的化組込み外因性ヌクレオチド配列上の前記第2および前記第3のRRSとマッチし、調節可能なプロモーターに作動可能に連結される少なくとも1つの第2の標的化組込み外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む第2ベクターを導入する工程;d)RRSを認識する、1つ以上のリコンビナーゼ、またはRRSを認識する1つ以上のリコンビナーゼをコードする1つ以上の核酸を導入する工程;ならびにe)誘導物質の存在下で前記目的の第1および第2の標的化組込み外因性ポリペプチドを発現するTI細胞を選択することによって、前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するTI宿主細胞を単離する工程を含む、方法。
J5. 少なくとも1つの標的化組込みSOIを含む標的化組込み外因性核酸の組込みが、外因性ヌクレアーゼによって促進される、請求項J、J2およびJ3のいずれかに記載の方法。
J6. 前記第1のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードし、前記第2のSOIが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)、またはFc融合タンパク質をコードする、請求項J1またはJ4に記載の方法。
J7. 前記外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、J5に記載の方法。
J8. 調節可能なプロモーターがSV40およびCMVプロモーターからなる群から選択される、請求項J~J4のいずれかに記載の方法。
J9. 前記第1のベクターが、前記第1の標的化組込みSOIの上流およびRRSの下流に隣接して配置されたコドンATGに作動可能に連結されたプロモーター配列をさらに含み、前記第2のベクターが、RRSの上流に、かつ前記第2の標的化組込みSOIの下流に隣接するATG転写開始コドンを欠く選択マーカーをさらに含む、請求項J2およびJ4のいずれかに記載の方法。
特定の実施形態では、本発明の宿主細胞は、外因性SOIのランダム組込みによりさらなるゲノム部位を標的化するために使用し得る。特定の実施形態では、外因性SOIのランダム組込みと組み合わせて本開示のTI細胞を使用して、抗体、酵素、サイトカイン、成長因子、ホルモン、ウイルスタンパク質、細菌タンパク質、ワクチンタンパク質、または治療機能を有するタンパク質を含むがこれらに限定されない目的のポリペプチドを産生し得る。
K. 目的のポリペプチドを発現し得る宿主細胞であって、a)第1の目的のポリペプチドと、2つの組換え認識配列(RRS)に隣接する第1の選択マーカーとをコードする、標的化組込み外因性核酸目的配列(SOI)であって、前記標的化組込み外因性SOIが前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれている、標的化組込み外因性核酸SOI;およびb)第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードするランダム組込み外因性核酸SOIであって、前記ランダム組込みSOIが前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれている、外因性核酸SOIを含む、宿主細胞。
K1. 第1の目的のポリペプチドと第2の目的のポリペプチドとが同一である、Kに記載の宿主細胞。
K2. 第1の選択マーカーと第2の選択マーカーとが同一である、Kの宿主細胞。
K3. ランダム組込み外因性核酸SOIを1~10個含む、Kに記載の宿主細胞。
K4. 前記標的化遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である、請求項Kに記載の宿主細胞。
K4.1. 標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.2. 標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.3. 標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.4. 標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.5. 標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.6. 標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K4.7. 標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、K4に記載の宿主細胞。
K.5. 前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれた少なくとも1つの第1の標的化組込み外因性核酸SOIと、前記宿主細胞のゲノムの1つ以上の第二の遺伝子座内に組み込まれた第2の目的のポリペプチドSOIをコードする少なくとも1つの第2の標的化組込み外因性核酸SOIとを含む、K~K4のいずれかに記載の宿主細胞。
K6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K6.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K7.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K8.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K9.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K10.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K11.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K12.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、K5に記載の宿主細胞。
K13. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がLOC107977062遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K14. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がLOC100768845遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K15. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がITPR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K16. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がERE67000.1遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K17. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がUBAP2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K18. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がMTMR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K19. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座がXP_003512331.2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位である、K5に記載の宿主細胞。
K20. 目的のポリペプチドが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、K~K19のいずれかに記載の宿主細胞。
K21. 前記宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、K~K19のいずれか1つに記載の宿主細胞。
K22. 前記宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、K21に記載の宿主細胞。
K23. 前記宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、K228に記載の宿主細胞。
K24. SOIおよび選択マーカーの標的化組込みが外因性ヌクレアーゼによって促進される、K~K20のいずれか1つに記載の宿主細胞。
K25. 外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、K24に記載の宿主細胞。
L. 目的のポリペプチドを発現させる方法であって、a)宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む宿主細胞を供給する工程であって、外因性ヌクレオチド配列が第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程;b)(a)で供給される細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列の2つのRRSとマッチし、第1の目的のポリペプチドをコードする第1の外因性SOIおよび第2の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む核酸を導入する工程;c)前記RRSを認識するリコンビナーゼ、または前記RRSを認識するリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程;d)第2の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程;e)ランダム組込みを介して、第2の目的のポリペプチドおよび第3の選択マーカーをコードする第2の外因性SOIを宿主細胞のゲノムに導入する工程;f)第3の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程;ならびにg)第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するのに十分な条件下で前記宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
L1. 第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを宿主細胞培養物から回収することをさらに含む、Lに記載の方法。
L2. 第1の目的のポリペプチドと第2の目的のポリペプチドとが同一である、Lに記載の方法。
L3. 標的化遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である、Lに記載の方法。
L3.1. 標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.2. 標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.3. 標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.4. 標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.5. 標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.6. 標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L3.7. 標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含む、L3に記載の方法。
L4. 宿主細胞が、宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれた少なくとも1つの第1の標的化組込み外因性核酸SOIと、宿主細胞のゲノムの1つ以上の第2の遺伝子座内に組み込まれた第2の目的のポリペプチドSOIをコードする少なくとも1つの第2の標的化組込み外因性核酸SOIとを含む、L~L3のいずれかに記載の方法。
L5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L5.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
K7.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L6.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L7.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一 L8.3.部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L8.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号6または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L9.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L10.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5または配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.1. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号1の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.2. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号2の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.3. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号3の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.4. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号4の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.5. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号5の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L11.6. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号7の全てまたは一部と少なくとも90%相同な配列を含み、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、配列番号6の全てまたは一部と少なくとも90%相同な少なくとも1つの配列を含む、L4に記載の方法。
L12. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、LOC107977062遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC100768845、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L13. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、LOC100768845遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062、ITPR2、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L14. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、ITPR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ERE67000.1、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L15. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、ERE67000.1遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062、LOC100768845、ITPR2、UBAP2、MTMR2、XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L16. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、UBAP2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062,LOC100768845,ITPR2,ERE67000.1,MTMR2,XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L17. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、MTMR2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062,LOC100768845,ITPR2,ERE67000.1,UBAP2,XP_003512331.2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L18. 第1の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、XP_003512331.2遺伝子内の組込み部位であり、第2の標的化組込み外因性核酸SOIの標的化遺伝子座が、以下の群:LOC107977062,LOC100768845,ITPR2,ERE67000.1,UBAP2,MTMR2、およびそれらと少なくとも約90%相同な配列から選択される遺伝子内の組込み部位であるL4に記載の方法。
L19. 第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項L~L18のいずれかに記載の方法。
L20. 前記宿主細胞が、哺乳動物宿主細胞である、L~L19のいずれか1つに記載の方法。
L21. 宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、L20に記載の方法。
L22. 前記宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、L21に記載の方法。
L23. SOIのいずれかの標的化組込みが外因性ヌクレアーゼによって促進される、L~L22のいずれかに記載の方法。
L24. 前記外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、L23に記載の方法。
L25. SOIの発現が調節可能なプロモーターによって制御される、L~L24のいずれかに記載の方法。
L26. 調節可能なプロモーターがSV40およびCMVプロモーターからなる群から選択される、L25に記載の方法。
実施例
以下の実施例は、本明細書で開示されている主題の単なる例示であり、いかなる意味においても制限とみなすべきではない。
実施例1:
臨床用および商業用細胞株開発のためのCHO宿主細胞の生産性の高い標的化組込み部位の発見
この実施例は、高い生産性を有するCHOゲノムにおける標的化組込み遺伝子座を同定するための方法を記載する。従来の細胞株開発(CLD)は、目的配列(SOI)を保持するプラスミドのランダム組込み(RI)に基づいている。このプロセスは予測不可能であり、多大な労力を要する。そのため、高生産性のRIクローンを特定するには多大な労力が必要となる。従来のRI CLDとは異なり、標的化組込み(TI)CLDは、CHOゲノム中の所定の「ホットスポット」に規定のコピー数(通常は1~2コピー)を有する導入遺伝子を導入する。コピー数が低く、かつ事前に試験した組込み部位を考えると、TI細胞株はRI株と比較して安定性が優れているはずである。さらに、選択マーカーは適切なTIを有する細胞の選択にのみ使用され、高レベルの導入遺伝子発現を有する細胞の選択には使用されないため、変異原性の低いマーカーを適用して、配列バリアント(SV)の可能性を最小限に抑える場合があり、該SVは、メトトレキサート(MTX)やメチオニンスルホキシミン(MSX)などの選択剤の変異原性に部分的に起因する。
図1は、抗体の安定した高発現を可能にするCHO TI遺伝子座を同定するためのゲノムワイドスクリーニング工程の概要を示す図である。CHOゲノム中の転写活性配列をスクリーニングするために、2つのアプローチを利用して、抗体Aまたは抗体Bのいずれかを発現し、抗体配列がRRS1およびRRS2に隣接する抗体カセットをCHOゲノムに導入した。1つのアプローチは、従来のランダム組込み法であり、他方は、トランスポザーゼ発現プラスミドおよび抗体プラスミドの共トランスフェクションを必要とするトランスポザーゼベースによる組込みであった。15k~20kトランスフェクタントを各方法についてスクリーニングした。インタクトなIgG ELISAアッセイおよび遺伝子コピー分析に基づいて、抗体力価が高く、HC遺伝子コピー数が少ない合計約300個のクローンを、振盪フラスコにおける流加評価のために増殖させた。次いで、許容され得る力価および製品品質属性を有する、2つの方法によって同定された40個の異なる可能性のある高度に転写活性な組込み部位を表す40個のクローンを、GFPランディングパッドスワップのために選択し、TI宿主を作製した。
転写活性遺伝子座の抗体カセットを置換するために、同じRRS1およびRRS2に隣接するGFP遺伝子および適切な選択マーカーをコードするランディングパッドをRMCE用に構築した。RMCEを開始するために、リコンビナーゼおよびGFPランディングパッドを上位40のクローンのそれぞれに共トランスフェクトした。2つの選択マーカーを使用して、標的化組込み事象を増強した。RMCEが成功すると、GFPランディングパッドが転写活性遺伝子座を標的とし、抗体カセットが置換され、GFP発現の増加および抗体発現の喪失がもたらされるはずである。GFP-/mAB+からGFP+/mAb-への表現型の変化は、FACS分析を使用して容易に検出可能であるはずである。GFP+/mAb-濃縮は、FACS分析を使用して40個のRMCEプールのうち14個で検出された。次いで、個々のTI宿主候補を単離するために、これらの14個のRMCEプールのそれぞれを単一細胞クローン化した。14個のプールからの合計90個の有望なTI宿主候補を、FACSおよびゲノムPCRの確認に基づいて選択し、元の抗体カセットが除去され、目的の組込み部位においてGFPランディングパッドで置換された。続いて、これらの候補宿主のいくつかを、同じRRS1およびRRS2に隣接する試験抗体Cを使用してRMCE能力および効率について評価した。転写活性遺伝子座がどの方法で同定されたかに応じて、2つの二重選択スキームを利用して、標的化抗体発現集団を作製した(図2Aおよび2B)。ランディングパッドの構成は、2つのスクリーニング方法でわずかに異なっていた。TIトランスフェクションプールのRMCE効率ならびに抗体産生性に基づいて、7つの最終宿主を選択し、高抗体発現のためのCHOK1M宿主における7つの特有な組込み部位を表した。
これらの7つの宿主を、標的化遺伝子座増幅/次世代シーケンシング(TLA/NGS)によって分析して、組込み部位に隣接するCHOゲノム配列を同定することにより、目的の組込み部位が存在する可能性のある遺伝子配列を提供した。
Figure 2022514342000003
組込み部位に基づいて、5’隣接配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド41190~45269、NW_006884592.1のヌクレオチド63590~207911、NW_006881296.1のヌクレオチド253831~491909、NW_003616412.1のヌクレオチド69303~79768、NW_003615063.1のヌクレオチド293481~315265、NW_006882936.1のヌクレオチド2650443~2662054、およびNW_003615411.1のヌクレオチド82214~97705を含み得る。
組込み部位に基づいて、3’隣接配列は、NW_006874047.1のヌクレオチド45270~45490、NW_006884592.1のヌクレオチド207912~792374、NW_006881296.1のヌクレオチド491910~667813、NW_003616412.1のヌクレオチド79769~100059、NW_003615063.1のヌクレオチド315266~362442、NW_006882936.1のヌクレオチド2662055~2701768、およびNW_003615411.1のヌクレオチド97706~105117を含み得る。
2つの宿主、宿主4および7について、さらに分析したところ、単一のGFPランディングパッドがCHO宿主ゲノムに挿入されたことが示された。これらの2つの宿主には抗体配列は見られず、転写的に活性な遺伝子座を同定するために使用される初期抗体カセットが完全に除去されたことが示された。さらに、これらの2つのTI宿主から単離されたゲノムDNAについて、社内で全ゲノムシーケンシングを実施した。これらの2つのTI宿主では抗体特異的配列は検出されなかったが、(ランディングパッドからの)GFP配列は容易に検出された。TI宿主については、63倍を超えるゲノム範囲が達成された。TI宿主に抗体AおよびBが存在しないことをさらに保証するために、抗体AおよびB以外の抗体を発現するTI細胞株からの複数のHCCF試料をLC-MS試験を用いて評価した。LC-MSデータを、0.5%超のレベルでバリアントペプチドを検出する能力を有するLC-MS/MSによる配列バリアント分析と同様のアプローチを使用して分析した。抗体AまたはBペプチドは、TI細胞株から採取した全ての試料で検出されなかった。最後に、これらの2つのTI宿主のゲノム内のGFPランディングパッドの染色体位置を決定するために、Chrombiosによって蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)分析も行った。
これらの2つの十分に特徴付けられたTI宿主を、合計16の異なる標準抗体を用いた臨床細胞株開発におけるRMCEロバスト性についてさらに評価した。図3は、これらのTI宿主によって生成された上位クローンの生産性を示す。歴史的に、ランダム組込みによって作製された細胞株の平均生産性は約3g/Lであった。試験を行ったほとんどの場合で、TI細胞株は、平均してRIクローンと同等またはそれよりも良好な生産性を示した。
TI細胞株は、抗体遺伝子コピー数が少ないため、RI細胞株よりも安定性が高く、SVが低いと予想された。クローン安定性のために、毎月の流加生産を4ヶ月間設定し、生産性をモニターした。表3は、TI宿主のうちの1つによって作製されたTI細胞株の10%のみが、PSBから120日後に20%を超えて力価が低下したことを示した。歴史的に、RI細胞株の60%が同様の力価低下を有することとなるであろう。これは、同定された組込み部位が安定な抗体発現に非常に適していることを強く示唆している。TI細胞株を、NATに基づく配列バリアント分析にも供した。RI細胞株と比較した場合、TI細胞株においてはSV>5%の頻度が有意に低かった(4%対15%、表3)。
Figure 2022514342000004
実施例2:2プラスミドRMCE戦略
標準抗体の高力価発現を達成し、多重鎖複合体形式を発現するという課題に対処するために、革新的な2プラスミドRMCE戦略を開発した。2プラスミドRMCE法では、8本以上の鎖を同時にTI部位に標的化することを可能にする。このアプローチは、抗体のHCおよびLC鎖比を調節して生産性を改善する柔軟性を高めるだけでなく、複数の鎖を有する複雑な分子、ならびに導入遺伝子、内因性遺伝子またはRNAiを抗体で標的化して細胞経路を改変することも可能にする。
2プラスミドRMCE戦略では、3つのRRS部位を使用して、2つの独立したRMCEを同時に実行することを含む(図4)。したがって、上述のTI宿主のランディングパッドは、RRS1部位またはRRS2部位のいずれとも交差活性のない第3のRRS部位(RRS3)を含むように置き換えた。標的化する2つの発現プラスミドは、効率的標的化のために同じ隣接RRS部位を必要とし、一方の発現プラスミド(前方)はRRS1およびRRS3に隣接し、他方(後方)はRRS3およびRRS2に隣接する。2プラスミドRMCEの効率は低いと予想されるため、まれなRMCE固有の事象を強化するには、厳密な選択スキームが有用である。2プラスミドRMCEには、少なくとも2つの選択マーカーが必要である。特定の実施形態では、3つの選択マーカーが使用され、1つの選択マーカー発現カセットが2つの部分に分割された(例えば、図4を参照のこと)。分割選択マーカー発現カセットを含む特定の実施形態では、前方プラスミドは、プロモーターと、それに続く開始コドンおよびRRS3配列とを含むであろう。後方プラスミドは、ATG開始を差し引いた、選択マーカーのコード領域のN末端に融合したRRS3配列を有する。融合タンパク質のインフレーム翻訳を確実にするために、RRS3部位と選択マーカー配列の間に追加のヌクレオチドを挿入する必要があり得る。2つのプラスミドが正しく標的化された場合にのみ、選択マーカーの完全な発現カセットが組み立てられ、細胞が選択に対して耐性を示す状態になる。図4は、2プラスミドRMCE戦略を示す模式図である。当然のことであるが、必要に応じて、RRS1およびRRS2を使用して単一プラスミドRMCEを実施し得る。
2プラスミドRMCEアプローチのロバスト性を試験するために、以前に同定されたTI宿主、すなわち宿主4を使用して、元のGFPランディングパッドを3つのRRS部位を有する新しいGFPランディングパッドに置き換えた。単一プラスミドRMCEと比較して、2プラスミドRMCEではより重度の生存率低下およびより長い回復時間が観察され、これは2プラスミドRMCEの初期RMCE効率の低下と一致していた。プールが回収すると、FACS、ゲノムPCRおよび遺伝子コピー分析を評価して、両方のプラスミドカセットがTI部位に正しく標的化されたかを確認した。合計で5つの標準抗体(Q、R、S、T、およびU)を、単一プラスミドRMCEおよび2プラスミドRMCEの両方を用いて生産性について試験した(図5)。2プラスミドRMCEでは、単一プラスミドRMCEと比較して、より多くの総HCおよびLCコピーがTI部位に標的化された。5つ全ての場合において、2プラスミドTIトランスフェクションプールの生産性は一貫して高く、単一プラスミドプールの生産性と比較して最大200%増加した。2プラスミドRMCEの力価の増加は、主に比生産性に起因し、単一プラスミドRMCEのレベルと比較してそのレベルは300%も改善された。
十分に特徴付けられたTI宿主、例えば宿主4を、5つの異なる抗体の高力価を達成する能力について、異なる細胞培養プラットフォームでさらに評価した。図6は、これらのTI宿主による上記抗体の産生性を示す。ほとんどの抗体について、14日目に10g/Lを超える生産性が達成され、16日目に12g/Lを超える生産性が達成された。
2プラスミドRMCEを使用して、複合mAb形式の発現を評価するために、二重特異性アセンブリのために同じ細胞内で発現される4つの異なる鎖(2つのHCおよび2つのLC)を必要とする2つの二重特異性分子を試験した。2つの別個の発現プラスミドを同時に標的化することを可能にすることによって、異なる鎖のプラスミド構成を操作して、バランスのとれた発現のための最適な鎖比を達成し得る。いずれの場合も、2プラスミドRMCEを使用して、80%を超える二重特異性含有量で、1.5g/Lを超える宿主4に由来する細胞株を開発した(図7)。
二重特異性アセンブリのために4本の異なる鎖(2本のHCおよび2本のLC)が同じ細胞内で発現されることが必要な4つの二重特異性分子の14日目の力価も評価した。宿主4に由来する全ての細胞株は、2プラスミドRMCEを使用して、80%を超える二重特異性含有量で、1.5g/Lを超える力価を有するように開発された(図8)。
実施例3:mAb-I(発現困難)対mAb-II(平均発現)抗体分子を発現するRTI細胞株の発現および増殖分析
発現困難な分子は、数回のCLDの試みの後、生成された全ての細胞株が、標準的なCLDプラットフォームプロセスから通常予想されるものより低い力価を達成する場合として定義される。すでに同定されている発現困難な抗体(mAb-I)について、例えば、4回の別個のCLD試行からの120を超える細胞株を流加産生培養物において評価した。それにもかかわらず、24個の細胞株のみがスクリーニングされた平均抗体分子(mAb-II)と比較した場合、最も高いmAb-I発現細胞株は、通常の力価の50%しか達成することができなかった(図9Aの表)。残念なことに、ランダム組込みシステムにおいて分子を発現困難にする可能性がある根本的な原因を追跡することは、主に異なる細胞株間の導入遺伝子コピー数および遺伝子組込み部位の違いのため、非常に困難である。
mAb-Iを発現困難にした根本的な要因を同定するために、RTIシステムを使用してmAb-IおよびmAb-II分子の両方についてCLDを開始した。HC構築物およびLC構築物の両方を、誘導可能なCMV-TOプロモーター制御下で発現ベクターにクローニングし、これらのベクターを、同様のレベルの導入遺伝子転写を有する細胞株を単離する可能性を高めるためにTI宿主にトランスフェクトした。mAb-IおよびmAb-IIのRTI CLDアプローチの全体概略図を図9Bに示す。トランスフェクトした細胞株を、2つの別々の条件を使用して選択に供した。この条件では、細胞株は、CLDプロセス全体を通して、1)Dox(誘導)の存在下で誘導されるか、または2)Dox(非誘導)の非存在下で誘導されたかのいずれかであった。Doxの非存在下で誘導された細胞株は一時的に誘導されたのみであり、シードトレイン力価に基づいて、または示された場合の産生アッセイ中に順位付けされた。これにより、選択プロセス中の抗体発現の役割(発現圧)の評価が可能になった(図9B)。
ドキシサイクリンの存在下または非存在下で、「誘導」および「非誘導」シード-トレインアームの両方からの、宿主7に由来する2つの代表的なmAb-IおよびmAb-II細胞株を使用して、産生アッセイを実施した。後者を使用して、誘導の非存在下でのプロモーター漏出および基礎抗体産生レベルを評価した。ドキシサイクリンの非存在下での抗体発現がかなり厳しく制御されることが観察され、制御された発現系がこれらの細胞株で効果的に機能したことを示唆していた(図10Aおよび10C)。ドキシサイクリンの存在下または非存在下での全ての細胞株の増殖(図10B)プロファイルは同等であったが、ドキシサイクリンの非存在下では増殖プロファイルがわずかに良好であると思われた。「誘導」または「非誘導」シードトレイン条件下で誘導された細胞株は、産生中に比較的同等の力価および比産生性を示し(図10Aおよび10C、mAb-IまたはmAb-IIについて細胞株1および2と、3および4を比較)、これは、選択中の構成的抗体発現が高力価細胞株の単離において有意な役割を果たさなかったことを示した(図10)。さらに、RI CLDの試みと同様に、mAb-I RTI細胞株の力価および比産生性は、mAb-II RTI細胞株よりも依然として50%低かった(図10Aおよび10C)。mAb-Iの「誘導」および「非誘導」RTI培養物のいずれもが、mAb-II対照細胞株と比較して同様に低い力価を示したので、この観察は、mAb-Iの低発現の原因としての慢性毒性が除外された。
実施例4:mAb-I細胞株におけるより低い抗体発現は、より低い転写に起因しなかった
mAb-I発現細胞株で観察されたより低い抗体発現を分析するために、ドキシサイクリン誘導および非誘導条件下で、mAb-IまたはmAb-IIを発現するRTI細胞株における抗体HCおよびLCのmRNAレベルを測定するためにqRT-PCR実験を行った。Doxの非存在下では、mAb-IまたはmAb-II細胞株はHCまたはLC mRNAをほとんどまたは全く発現せず、誘導可能なプロモーターによる比較的厳しい転写調節を示した(図11)。Doxの存在下では、mAb-I発現細胞株の抗体HCおよびLC転写レベルは、mAb-II発現細胞株の転写レベルと同等であるか、またはそれより高かった(図11Aおよび11B)。これらの結果により、導入遺伝子転写のレベルの低下が、mAb-I発現細胞株における抗体発現が低いことの理由ではないことが確認された。さらに、「誘導」または「非誘導」条件下で単離された細胞株は同等のHCまたはLC mRNAレベルを有していたので(図11Aおよび11B)、CLDプロセス中のシードトレイン培養物におけるドキシサイクリンの有無は、導入遺伝子転写速度に影響を及ぼさなかった。
実施例5:mAb-I発現の誘導は、細胞内BiPの可逆的蓄積および抗体HC分解の遅延をもたらした
mAb-I発現に影響を及ぼす根本的な要因を同定するために、シクロヘキシミド(CHX)処理および除去と共にDox誘導を使用して、抗体の分泌、折り畳みおよび分解を調べた。これらの実験のために、「誘導」培養物をCHXで処理してタンパク質合成を停止させ、5時間後、細胞を洗浄し、Doxのみを含有する培地(CHXなし)に再懸濁してタンパク質合成を再開した(図12A)。HCまたはLCは、CHX除去後約60分間、これらの培養物の上清中に検出されず、抗体分泌の漸進的な増加のみが、120分後および同様の割合で検出された(図12B上部パネル)このことにより、適切に折り畳まれ、組み立てられた抗体分子の分泌が、CHX除去後のmAb-I細胞株とmAb-II細胞株との間で同等であったことが示唆された。抗体LCの細胞内レベルもまた、mAb-I発現細胞株とmAb-II発現細胞株との間でかなり同等であった(図12B、LCパネル)。しかしながら、CHX処置の5時間後でさえ、mAb-II発現株と比較して、mAb-I発現細胞株において有意に高いレベルの細胞内抗体HCが検出された(図12B、HCパネル)。これは、mAb-I発現細胞株において折り畳まれていない、または誤って折りたたまれた抗体HCの分解およびクリアランスの遅延または問題を暗示していた。興味深いことに、CHX処置前後において、mAb-II細胞株と比較して、mAb-I中に非常に高いレベルの細胞内BiPが検出された(図12B、下部パネル、BiP)。シャペロンとしてのBiPは、小胞体ストレス応答(UPR)ならびに抗体HCまたはLC折り畳みに関与しており、シードトレイン培養物中のその存在はER関連細胞ストレスの指標となり得る。
mAb-I発現と細胞内BiP蓄積との間の相関をさらに調査するために、「誘導」シードトレイン培養物を、ドキシサイクリンを含有する培地中でCHXの有無にかかわらず一晩処理し、これらの試料の細胞内HC、LCおよびBiPレベルを評価した。CHX処理をしないと、細胞内抗体HC分子の基礎レベルは、mAb-II細胞株と比較してmAb-Iでより高かったが、細胞内LCのレベルは全ての試料セット間で同等であった。一方、BiPレベルは、mAb-II発現細胞株と比較してmAb-Iの方がかなり高かった(図12C、-CHX試料)。これらの培養物をCHXで一晩処理すると、全ての細胞株においてHCおよびLCのレベルが低下し、同時に、特にmAb-I発現細胞株においてBiPレベルが低下した(図12C、+CHX試料)。これは以前の知見と一致していた(図12B)。シクロヘキシミドは全ての真核生物タンパク質の合成を無差別に阻害するので、mAb-I細胞株におけるより高いBiPレベルは、抗体HCまたはLCサブユニットの蓄積に直接関連付けることができなかった。しかしながら、調節された発現システムにより、細胞内BiPと抗体HCまたはLCレベルとの間の関連を直接試験する能力が提供された。その目的のために、ドキシサイクリンを培地から6日間除去して、他の内因性タンパク質の発現に影響を与えることなく抗体発現を特異的に止めて、細胞内HC、LCおよびBiPレベルをモニターした。抗体(HCおよびLC)発現とmAb-I細胞株に対する細胞内BiPの蓄積との間の直接的かつ特異的な関連を観察したが、mAb-IIの発現は細胞内BiPレベルに影響を示さなかった(図12D)。
実施例6:mAb-I LC発現は細胞内BiPの蓄積を誘発したが、mAb-I HCも、この抗体の低発現に明確に寄与した
mAb-I LCが細胞内BiPの蓄積に役割を果たすかどうかを判定するために、LCを構成的に発現させながら、調節されたプロモーター下でmAb-I HCを発現する構築物を作製した。この構築物を、mAb-IまたはmAb-II(対照)の調節されたHC/LCを発現する構築物と共にCHO細胞にトランスフェクトし、各トランスフェクションから2つの別個のプールを誘導した。プール力価を産生培養物で評価し(図13A)、シードトレイン培養物をドキシサイクリンの存在下および非存在下でウェスタンブロット分析によって評価した(図13B)。産生アッセイの間、各プールをDoxで誘導するか、誘導しないままにした。非誘導プールは産生中に抗体をほとんど発現せず、厳しい発現調節を示していた(図13A、-Dox)。産生中のDox誘導培養物の分析により、「非誘導」シードトレイン培養物に由来する調節されたHC/構成的LC mAb-I発現プールが、シードトレイン中に「誘導」された調節HC/LC mAb-Iプールおよび調節HC/構成的LC mAb-Iプールと比較して力価がかなり低かったことが明らかになった(図13A)。「非誘導」培養物のウェスタンブロット分析により、全ての条件下で、Doxを培地に添加した場合にのみ抗体HCが発現されることが示された。さらに、mAb-I HCを含まないmAb-I LC単独の構成的発現は、細胞内BiPの蓄積を誘導した(図13B)。これらの結果は、mAb-I LCサブユニットの発現と細胞内BiPの蓄積との間の直接的な関連を暗示していた。HCの非存在下で構成的に発現されると、mAb-IのLC分子は、BiPシャペロンと相互作用するER内で折り畳まれていない凝集体を形成し、これらの細胞におけるBiPの細胞内レベルの増加を引き起こす可能性がある。産生段階におけるmAb-I HCの発現は、これらの細胞にさらに負担をかけ、HCおよびLC分子の両方のフォールディングに対応するための細胞内BiPの需要を増加させ、非効率的な抗体アセンブリ、折り畳みおよび分泌効率をもたらし得た(図13A)。
これらの知見は、細胞内BiPの蓄積によって示されるように、mAb-I LC発現と細胞ERストレスとの関連を示したが、mAb-I LCの発現とmAb-I細胞株の低力価との間の直接的な関連を確立する必要があった。そのために、抗体分子を作製し、mAb-IおよびmAb-IIの重鎖および軽鎖を交換して、HCLC、HCIILCII、HCLCIIおよびHCIILC抗体の組み合わせを作製した。HCLCII構築物は、mAb-I HCおよびmAb-II LCを有する抗体を発現したが、HCIILC構築物は、mAb-II HCおよびmAb-I LCを有する抗体を発現した。これら全ての構築物に対する抗体HCおよびLC発現は、RTIベクターシステムにおけるCMV-TOプロモーターの制御下にあった(図13C)。次いで、これらの構築物を本発明者らのCHO TI宿主細胞にトランスフェクトし、各構築物について2つの別個のRTIプールを作製し、mAb-IもしくはmAb-II、またはこれらの抗体のハイブリッド型の発現を試験した。すでに言及したように(図13B)、mAb-I LC発現と細胞内BiPの蓄積との間の明確かつ直接的な相関が観察された(図13D、LCおよびBiPブロット)。興味深いことに、細胞内BiPはまた、HCIILCIIと比較して、HCLCIIハイブリッド抗体を発現するプールにおいて、それほど強くはないが、なお顕著な様式で蓄積され、おそらくHCの発現に起因するこれらのプールにおけるある程度のレベルのERストレスを示唆していた(図13D、HCIILCIIおよびHCLC試料における長期曝露BiPレベルを比較)。Dox除去を介して抗体発現を停止すると、mAb-II(HCLC)プールを除く全てのRTIプールにおいて細胞内BiPレベルが低下し、細胞内HCとBiPの両方の初期レベルはDox除去前でさえかなり低かった(図13D、HCIILCIIプールと他のプールにおける0日目のHCおよびBiPレベルを比較)。
抗体発現全体に対するmAb-I HCおよびLCの役割を評価するために、HCLC、HCIILCII、HCLCIIおよびHCIILC RTIプールを産生アッセイで評価した。ドキシサイクリンの非存在下では、全てのRTIプールがほとんど抗体を発現せず、抗体発現の厳密な制御を示した(図14A、-Dox)。全てのRTIプールの増殖率は類似しており、誘導培養物は非誘導培養物と比較してわずかに低い増殖率を有していた(図14B)。以前に観察されたように、mAb-IおよびmAb-II RTIプールは、それぞれ最低および最高の力価および比産生性を有した(図14Aおよび14C)。興味深いことに、HCIILCおよびHCLCIIRTIプールはいずれも、HCLCよりも高かったが、HCIILCIIRTIプールよりも低い力価および比産生性を示した(図14Aおよび14C)。これらの結果は、mAb-I HCサブユニットおよびLCサブユニットが、いずれもmAb-IIと比較してこの抗体のより低い発現に個々に寄与したことを示した。本発明者らの予想に反して、LCサブユニットを発現したハイブリッドRTIプールは、HCサブユニットを発現したプールと比較して、わずかに高い力価および比産生性を有していた(図14Aおよび14C)。これは、mAb-I HCがLCサブユニットと比較して、この抗体のより低い発現においてわずかにより重要な役割を果たすことを示していた。RTIシステムと組み合わせた抗体鎖交換アプローチの使用により、生物学的ストレス(細胞内BiP蓄積など)の明確な指標を同定できなかった場合でさえ、mAb-I HCサブユニットの発現に関連する負の効果が明らかになった。
実施例7:mAb-IおよびmAb-IIのHCサブユニットおよびLCサブユニットとの間のアミノ酸配列の相違
特定のアミノ酸残基がmAb-I HCおよびLCの問題のある発現に寄与し得るかどうかを評価するために、mAb-IおよびmAb-IIのLC(図15A)およびHC(図15B)サブユニットのアミノ酸配列をアラインメントさせた。mAb-IおよびmAb-IIのHCおよびLC分子の全てのCDR領域のアミノ酸組成は、異なる抗原を標的とするように開発されたため、互いに異なっていた。LCサブユニットでは、残りの可変領域および全ての定常領域について、mAb-I分子とmAb-II分子との間にアミノ酸配列の相違はない。LCのCDR1セグメントはLCIIよりも6アミノ酸長いが、LCIIのCDR3セグメントはLCよりも1アミノ酸長い(図15A)。CDRセグメントを除く抗体HCサブユニットに関しては、HCおよびHCIIの可変領域および定常領域の残部は、4アミノ酸残基を除いて同一である(図15B)。これらのアミノ酸変化のうちの2つはかなり保存的であり(T→SおよびL→A)、したがってHCの低発現に寄与する可能性はなさそうである。HCのN→G変化により、抗体HCグリコシル化が防止される。したがって、HCの発現に対するHCIIとHCとの間のN→GおよびY→Vアミノ酸の違いの影響を調べた。HCのGおよびVアミノ酸残基をそれぞれNおよびYに変更する2つの点突然変異を生成した(HC二重変異体またはHCdm)。HCdmをLCおよびLCIIと共に使用してRTIプールを生成し、これらのプールにおける抗体発現を産生培養物において評価した(図16A)。所見によると、LCと共にHCdmを同時発現すると、HCIILCIIで観察されたレベルまで抗体発現が増加することが示され、これらの突然変異がHC抗体の低い発現レベルを回復できることが示唆された(図16A)。興味深いことに、LCIIと同時発現した場合、HCdmはHCIILCIIの力価よりもさらに高い力価を達成し、HCdmがHCIIと比較して発現および折り畳みに優れていることが示唆された(図16A)。以前に観察されたように、HCLCは最も低い力価を有し、一方、HCLCIIは中間抗体発現プロファイルを示した(図16A)。ウェスタンブロット分析により、LCの発現は、HCdmと同時発現した場合でさえ、細胞内BiP蓄積の増加と依然として関連していることが明らかになった(図16B)。図16Cは、RTIシステムを使用することで、発現困難な分子を発現する細胞株における問題の原因を分析し、特定し得る方法の診断ロードマップを示す。
実施例8:2の別個の独立したランディングパッドを含むTI宿主細胞の生成。
宿主8は、抗体遺伝子の発現を個別にまたは同時に標的化することができる2つの別個の独立したランディングパッドを含む標的化組込み(TI)宿主である。宿主8の親細胞株は、単一のランディングパッドを含む宿主7(表2参照)である。第2のランディングパッドを、宿主4TI宿主内にランディングパッドが位置するゲノム位置で宿主8に挿入した(表2参照)。この挿入は、宿主7TI宿主内の宿主4TI部位位置への新しいランディングパッドのCRISPR/Cas9をベースとするノックインによって行った。
これを達成するために、宿主4TI部位のゲノム領域を、TI宿主4およびTI宿主7内で特徴づけた。この情報に基づいて、CRISPR/Cas9をベースとするノックインを促進するために、この特定のゲノム領域を標的とするガイドRNAを構築した。別個に、新たに作製されたランディングパッドを含むドナープラスミドをこの部位にノックインするために作製し、ノックインを促進するために標的化されたノックイン部位の上流および下流のゲノム領域に対応する相同アーム、ならびにノックインクローンのスクリーニングを可能にするためのさらなる遺伝子と共に構築した。gRNAおよびCas9の遺伝子を含有するプラスミド、ならびにドナープラスミドの同時トランスフェクションを行って、新しいランディングパッドのCRISPR/Cas9をベースとするノックインを促進した。
CRISPR/Cas9をベースとするノックインを受けたクローンの選択およびスクリーニングの後、宿主8を最終的に同定し、さらなる評価を行った。既存の宿主7ランディングパッドはインタクトであると決定し、宿主4部位位置に新たにノックインされたランディングパッドも存在し、インタクトであり、正しい位置にあることが確認された。
次いで、両方の部位でのリコンビナーゼ媒介カセット交換(RMCE)の実現可能性を、各部位について個別に評価し、次いで同時に評価した。宿主7のランディングパッドのみ、宿主4のランディングパッドのみ、および両方の部位で同時にRMCEによってクローンを生成し、次いで14日間の流加振盪フラスコ評価で評価した。両方の部位で同時に抗体を発現するクローンの力価および特異的生産性は、各部位での個々の発現と比較して高かった。細胞培養プラットフォームAと比較して全てのクローンについて力価をさらに上昇させるために、異なる細胞培養プロセス、細胞培養プラットフォームBでさらなる評価を行った(図17)。プラットフォームA細胞培養物では、宿主4部位についての14日目の平均力価は3.0g/Lであり、宿主7部位については1.9g/Lであり、両方の部位について同時に3.9g/Lであった。
最終的に、TI宿主8を、TI宿主4のランディングパッドのゲノム位置に配置された第2のランディングパッドを追加することによってTI宿主7から作製した。さらなる調査により、ランディングパッドのノックイン、および既存かつ新規の両方のランディングパッドにおけるRMCEの実現可能性が確認される。さらに、それぞれの部位および両方の部位で宿主8から作製されたクローンの評価は、抗体発現の生産性が同時に示される。個々の部位に対して同時に両方の部位での抗体遺伝子を発現することは、細胞培養プラットフォームAおよび細胞培養プラットフォームBの両方で見られる相加的な生産性効果を有する(図17)。
方法
抗体プラスミドDNA構築物の構成:1プラスミド抗体構築物を構築するために、抗体HCおよびLC断片を、L3および2L配列ならびにピューロマイシンN-アセチル-トランスフェラーゼ(pac)選択マーカーを含有するベクター骨格にクローニングした。2プラスミド抗体構築物を構築するために、抗体HCおよびLC断片を、L3およびLoxFAS配列を含む前方ベクター骨格、ならびにLoxFASおよび2L配列ならびにpac選択マーカーを含む後方ベクターにクローニングした。CreリコンビナーゼプラスミドpOG231(Wong ETら、Nucleic Acids Res、2005、33、(17)、e147;O’Gorman S ら,Proc Natl Acad Sci U S A 1997,94,(26)、14602-7、各内容が参照により本明細書に組み込まれる)を全てのRMCEプロセスに使用した。
細胞培養:150rpm、37、および5%COで振盪し、125ml振盪フラスコ容器中の独自のDMEM/F12をベースとする培地中でCHO細胞を培養した。細胞を3~4日ごとに3×10細胞/mLの播種密度で継代した。
RMCE安定細胞株の開発:発現プラスミドをMaxCyte STX(登録商標)エレクトロポレーション(MaxCyte、Gaithersburg、MD)によってTI宿主にトランスフェクトした。
次いで、ピューロマイシンおよび1-(2’-デオキシ-2’-フルオロ-1-ベータ-D-アラビノフラノシル-5-ヨード)ウラシル(FIAU)(Moravek)を用いて、RMCEトランスフェクションプールを選択した。プール選択後、単一細胞クローニング(SCC)を行って、さらなる評価のためにTI細胞株を作製した。
流加産生アッセイ:フィードバッチ生産培養は、独自の化学的に定義された生産培地を含む振盪フラスコまたはambr15容器(Sartorius Stedim)で実施した。細胞を0日目に1×10細胞/mLで播種し、3日目に37℃から35℃に温度を変化させた。3、7、および10日目に、培養物に独自のフィード培地を加えた。Vi-Cell(商標)XR装置(Beckman Coulter)を使用して、0、3、7、10、および14日目に、培養物中の細胞の生存細胞数(VCC)および生存率割合を測定した。Bioprofile 400 Analyzer(Nova Biomedical)を使用して、7、10および14日目にグルコース濃度および乳酸濃度を測定した。UV検出を伴うタンパク質A親和性クロマトグラフィーを使用して、14日目の力価を測定した。
液滴PCRによる遺伝子コピー数の測定:ddPCR(商標)Supermixキット(Bio-Rad)を使用して、液滴PCRアッセイを実施した。ddPCR Master mix、900nMフォワードプライマー、900nMリバースプライマー、250uMプローブ、3単位のHaeIII制限酵素およびサンプルDNAを含む各ddPCR反応。室温で10分間インキュベートした後、Automatic Droplet Generator(Bio-Rad)を用いて液滴を生成した。PCR熱サイクル条件は、95℃で10分間、続いて94℃で30秒間および60℃で1分間の40サイクル、次いで98℃で10分間で酵素を失活させた。PCR反応後、液滴をQX200(商標)Dropletリーダー(Bio-Rad)で読み取った。データを収集し、Quantasoftwareを使用して分析した。HCおよびLC遺伝子コピー数を、参照遺伝子Bax、アルブミン、Hprtおよびb-ミクログロブリンの規定コピー数に基づいて正規化した。この試験で使用したプライマーは、Primer Express v3.0(Life Technologies)を使用して設計した。プライマーの配列を表4に列挙する。
Figure 2022514342000005
定量的リアルタイムPCR(qRT-PCRまたはTaqman)分析:製造者の説明書に従って、シードトレイン培養物からのRNA試料を、Qiagen RNeasy plus miniキットを使用して精製した。TaqMan RT-PCRアッセイを、TaqMan One(登録商標)Step RT-PCR Master mixキット(Life Technologies)を使用して実施した。各RT-TaqMan PCR反応物は、RT-PCR Masterミックス、逆転写酵素、300nMのフォワードプライマー、300nMのリバースプライマー、100nMのプローブおよび10ngの精製RNA試料を含有していた。熱サイクル条件は、48℃で30分間および95℃で10分間、続いて95℃で15秒間および60℃で1分間の40サイクルであった。全ての反応は、7900 HT高速リアルタイムPCRシステム(Life Technologies)で処理した。TaqMan RT-PCR増幅後にSDS v2.4ソフトウェア(Life Technologies)を用いてデータを分析した。HCおよびLCの相対発現レベルをデルタCt分析法に基づいて決定した。ハウスキーピング遺伝子であるシクロフィリンの発現レベルを参照遺伝子として使用して、各反応において異なるRNA試料を正規化した。この実験で使用したプライマーは、primer express v3.0(Life Technologies)を使用して設計した。プライマーの配列を表5に列挙する。
Figure 2022514342000006
ウェスタンブロット分析シードトレイン培養物からの細胞ペレットをPBSで洗浄し、プロテアーゼ阻害剤のミニcOmplete(商標)カクテル(Roche)を含むNP-40溶解緩衝液に再懸濁した。細胞溶解物を13000RPMで10分間遠心分離し、上清を回収した。Pierce BCA Protein Assay Kit(Thermo Scientific)を用いて、各溶解物のタンパク質濃度を測定した。等しいタンパク質濃度の各溶解物をSDS-PAGE緩衝液およびNuPage Sample Reducing Agent(Invitrogen)と混合した後、95℃で5分間熱変性させた。次いで、溶解物をNuPageプレキャスト4-12%Bis-Trisゲル(Invitrogen)に負荷し、電気泳動した。iBlotシステム(Invitrogen)を使用して、タンパク質をニトロセルロース膜に転写した。膜を、0.1% Tween 20を含有するトリス緩衝生理食塩水(TBS-T)中5%脱脂乳溶液を使用して室温で1時間ブロッキングした。ブロッキング後、膜を、特異的一次抗体を使用して室温で1時間インキュベートし、次いでTBS-Tで10分間3回洗浄した。二次ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合抗体を室温で1時間加えた後、TBS-Tで3回15分間洗浄した。Amersham ECL検出試薬またはAmersham ECL Prime検出試薬(GE Life Sciences)のいずれかを使用して膜を現像した。Image Lab 5.1(Biorad社)をバンドシグナルの定量に使用した。以下の一次抗体を使用した:1:3000のヤギ抗ヒトIgG-HRP(MP Biomedicals)および1:2500のマウス抗βアクチン(Sigma Alrdich)。以下の二次抗体を使用した:1:10000のヒツジ抗マウス(GE Healthcare UK)。
実施例9:1本の重鎖、1本の軽鎖プラスミドDNA構成への追加の軽鎖の付加は、抗体力価および比生産性を改善する。
TI宿主の生産性に対する抗体コピー数の影響を調べるために、RMCEプールを、1本の重鎖および1本の軽鎖(HL構成)または1本の重鎖および2本の軽鎖(HLL構成)のいずれかを含む単一プラスミドをトランスフェクトすることによって作製した。フローサイトメトリーによるRMCEの選択、回収および検証の後、プールの生産性を14日間の流加産生アッセイで評価した。3つの別個の抗体(mAb-Q、mAb-SおよびmAb-T)について、HLプールと比較してHLLプールについて力価がおよそ2倍増加したことが観察され、これは主に比生産性の1.5~2.5倍の増加によって引き起こされた(図18Aおよび18B)。限界希釈を使用することによってトランスフェクトされたプールから追加の単一細胞クローンを生成し、力価および比産生性も、HL構成由来のクローンよりもHLL構成由来のクローンの方が高いことが確認された(図18C、18D)。
実施例10:RMCEプールにおける最大7本の抗体鎖によるトランスフェクションは、抗体の比生産性および力価を増加させる。
抗体の発現に対する抗体鎖数の増加の効果を評価した。HLL単一プラスミド構成を、5つの抗体についてのHLL-HLまたはHLL-HLL二重プラスミド構成と比較した。
mAb YのHLL-HL(5鎖)、HLL-HLL(6鎖)およびHLL-HLHL(7鎖)構成を比較した。産生中のRMCEプールの力価およびQpは、一般に、HLL-HL構成からHLL-HLL構成およびHLL-HLHL構成に増加した(図19A、19B)が、異なるプールの中の増殖(生細胞数IVCCの積分値として表される)は相対的に同等であった(図19C)。これらのプールにおけるシードトレイン抗体mRNA発現を見ると、HLL-HLおよびHLL-HLLプールと比較して、HLL-HLからHLL-HLLおよびHLL-HLHLへの軽鎖mRNAの増加、ならびにHLL-HLHLプールにおける重鎖mRNAの増加が観察された(図19D)。これらのRMCEプールからの重鎖および軽鎖の細胞内タンパク質レベルも、ウェスタンブロットを用いて測定した。細胞内軽鎖タンパク質レベルは、軽鎖mRNAについて観察されたものと密接にマッチし、5鎖構成から6鎖構成および7鎖構成へと増加した(図19E、19F)。
実施例11:7本鎖HLL-HLHL構成を有する単一細胞クローンは、2つの試験抗体において高い力価および特異的生産性を有する。
7本鎖構成のHLL-HLHLの高力価および生産性が単一細胞クローニング後に維持されるかどうかを評価するために、mAb YのHLL-HL、HLL-HLLおよびHLL-HLHL RMCEプール由来の単一細胞単クローンを作製した。次いで、これらの単クローンを14日間の流加産生アッセイで評価した。各構成からの上位6つのクローンを見ると、力価およびQpが、HLL-HL構成からHLL-HLLおよびHLL-HLHLにわずかに増加することがわかった(図20A、図20B)が、増殖が同様のままである(図20C)ことがわかった。
HLL-HLHLの構成が高い単クローン力価をもたらすことを確認するために、異なるmAb、mAb IIIを使用して、HLL-HL(5本鎖)およびHLL-HLHL(7本鎖)RMCEプールから、宿主4由来の単一細胞クローンを作製した。14日間のフィードバッチ産生アッセイで評価した後、HLL-HLクローンよりもHLL-HLHLクローンの明らかな力価の利点が観察され(図20D)、mAb Uで見られたものよりも大きかった。力価の増大は、主にHLL-HLHLクローンのQpがより高いことよって駆動されるようであり(図20E)、2つの構成間のIVCCの平均差はほとんどなかった(図20F)。
実施例12:トランスフェクトされたプラスミドにおける抗体鎖位置は、その生産性に影響を及ぼす。
トランスフェクトされたプラスミドにおける重鎖および軽鎖の位置または配置が、抗体発現に及ぼす影響も評価した。これを行うために、RMCEプールを、mAb Zの1本の重鎖および1本の軽鎖を有するいくつかの異なる構成を含むプラスミドを用いて作製した。本開示のTI宿主は、同じ組込み部位での2つの異なるプラスミドの組込みを支持するので、重鎖および軽鎖の両方が同じプラスミドから発現される場合、ならびにそれらが前後の異なるプラスミド上で分離される場合の位置効果を調べた(図21A)。
RMCEプールを作成した後、シードトレイン培養物中の抗体Z重鎖および軽鎖のmRNA発現レベルを測定した。重鎖のmRNA発現は、軽鎖が先行すると減少し、前方および後方のプラスミドの両方におけるLH構成は、HL立体配置よりも重鎖mRNA発現が低かった。しかしながら、軽鎖に対する位置の影響は、それがどのプラスミドから発現されたかに依存していた:前方プラスミドでは、軽鎖mRNA発現はHLに対してLH構成で増加したが、後部プラスミドでは反対であった。また、前方プラスミド中の軽鎖カセット自体は高レベルの軽鎖mRNAを発現したが、後方プラスミド中の単一軽鎖カセットは、任意の立体配置の最も低い軽鎖mRNAレベルを有することが観察された(図21B)。概して、前部プラスミドと比較して、後部プラスミドにおける重鎖および軽鎖の両方についてよりmRNA発現レベルが低かったことが観察された。
これらの異なるRMCEプールの流加産生アッセイにより、抗体mRNA発現の傾向と同様の一連の力価および比生産性が得られた(図21C、21D)。LH-mAbなしの構成はHL-mAbなしよりも高いQpおよび力価を有したが、最低レベルのLC mRNA発現を有するプール-H-LおよびmAb-LHなし-もまた最低のQpおよび力価を有した。
観察されたmRNAおよび抗体産生性の違いが抗体鎖位置に起因し、絶対コピー数の変動に起因しないことを確認するために、デジタル液滴PCRを使用してプールの重鎖および軽鎖のコピー数を測定した。予想通り、全てのプールは、およそ1本の重鎖および1本の軽鎖DNAコピーを有していた(図21E)。
実施例13:mAbの高分子量種の割合に対するHCとLCの比率の影響。
抗体のHC:LC比が生産性および凝集体などの高分子量種(HMWS)及ぼす影響を評価した。さらに、TI部位に対する効果を、異なるTI部位を有する細胞を使用することによって評価した。これを行うために、RMCEプールを、TI宿主4または宿主7の位置において、1本の重鎖および1本の軽鎖(HL構成)または1本の重鎖および2本の軽鎖(HLL構成)のいずれかを含む単一プラスミドをトランスフェクトすることによって作製した。プールの生産性を、14日間の流加産生アッセイで評価した(図22Aおよび22B)。HMWSの割合を評価し(図22Bおよび22D)、HC:LC比の影響が組込み部位とは無関係であることが示された。
生産性および高分子量種(HMWS)に対するLCコピーおよび抗体の増加の影響を、mAb IVに関連して評価した。これを行うために、RMCEプールを、1本の重鎖および1本の軽鎖(HL構成)、1本の重鎖および2本の軽鎖(HLL構成)、2本の重鎖および3本の軽鎖(HLL-HL構成)、2本の重鎖および4本の軽鎖(HLL-HLL構成)、2本の重鎖および5本の軽鎖(HLL-HLLL構成)、3本の重鎖および6本の軽鎖(HLLL-HLLHL構成)、または3本の重鎖および7本の軽鎖(HLLL-HLLHLL構成)のいずれかを含む単一プラスミドを、宿主4部位の位置に、または宿主4部位および7部位位置にトランスフェクトすることによって作製した(図23および図24)。
多数の力価および産生評価アッセイを通して、多数のクローンを同定し、特定の産生プロセスを用いたambr15産生評価で評価した。この評価から、細胞培養性能、力価および製品品質属性(凝集割合を含む)によって同定された上位10個のクローンを、さらなる評価のためにバンク化するように選択した。最終的に、高い力価、凝集割合がより低く、以前に作製されたmAb-VI細胞株と同等の産生品質を有するmAb-VIを発現する2部位組込み細胞株を作製した。図25は、8.4および8.7g/Lの力価を有する上位2つのクローンが、それぞれ7.4%および5.6%の凝集体を有することを示す。
実施例14:調節された標的化組込み:クローン評価。
この実験では、抗体をコードする配列の調節された標的化組込みを実施した後に、宿主4の調節された誘導体における抗体Zの発現を評価した。抗体Zの発現を調節するために使用されるシステムは、以下の3つの主要な構成要素:1)シグナル配列の前にタンデムtetオペロン配列を含む調節プロモーター、2)プロモーターおよびTet-リプレッサータンパク質コード配列、ならびに3)抗体Zの発現を可能にするためのドキシサイクリンなどの誘導物質から構成される。
抗体Zをコードする配列の標的化組込みが確認されたら、振盪フラスコ法Aで、(総体積の)10%フィードを3、7および10日目に実施してクローン評価を行った。1つの産生培養アッセイを行ってクローンを評価した。全てのクローンを、0日目に3×10細胞/mLの播種密度で接種した。3、7、および10日目に、1μg/mLのドキシサイクリンを36個全ての培養物に添加して、抗体Zの発現を誘導した。
最終力価および比生産性(Qp)をそれぞれ図26および図27に示す。14日目に、採取細胞培養液(HCCF)を力価分析に供した。力価は1~3.68g/Lの範囲であった(クローン7は除外)。バンク化のためのクローン選択を力価によって最初にランク付けし、最終選択は、Qpおよび他のパラメータを含む細胞培養性能に基づいて行った。バンク化のために選択したクローンは、2.69~3.68g/Lの範囲の力価を示した。
実施例15:抗体プラスミドを標的化組込み細胞株にランダムに組み込むと、比生産性が50%増加した。
TI部位の外側に加えられた追加のDNAコピーが生産性を高めることができるかどうかを試験するために、GS選択システムを使用して、HLL-HLプラスミド構成を有する既存のTI細胞株にHLプラスミド(mAb Z)をスーパートランスフェクトした。対照として、抗体を含まないGSプラスミドの疑似トランスフェクションも実施し、これらの細胞からのクローンを、スーパートランスフェクションしたクローンと同様に開発した。スーパートランスフェクトおよび擬似トランスフェクトされたクローンの両方のセットを用いた産生アッセイでは、擬似クローンと比較して、スーパートランスフェクトされたクローンのQpは50%近く増加したことが観察された(図28B)。しかしながら、スーパートランスフェクトされたクローンにおける同様の大きさのIVCCの減少は、力価に対する全体的な影響をほとんどもたらさなかった(図28A、図28C)。スーパートランスフェクトされたクローンのサブセットについては、重鎖および軽鎖のDNAコピー数が実際に増加したが、擬似トランスフェクトされたクローンはそれらの親TI細胞株のコピー数を保持していることが確認された(図28D)。
実施例16:抗体Zの制御されたスーパートランスフェクション産生。
目的のタンパク質の発現レベルを増加させるために、1つ以上の遺伝子が宿主ゲノムにランダムに組み込まれるように、目的のタンパク質をコードする遺伝子のコピーをさらに加えることによって、スーパートランスフェクションを実施した。目的のタンパク質の既存の構成的発現を有する細胞株を、異なる選択マーカー(すなわち、ピューロマイシン対MSX選択)を有する同じ目的のタンパク質の調節可能な発現または構成的発現のいずれかを有する第2の発現ベクターでトランスフェクトした。グルタミンシンテターゼ(GS)選択マーカーを有する調節発現カセットを使用して、ドキシサイクリンが添加されるまで抑制されたままである目的のタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節し、その後、目的のタンパク質の発現を可能にした。そのような調節された発現は、選択プロセス中の発現圧力/ストレスをより少なくすることができ、培養中の成長の改善および誘導されるとより高い力価をもたらし得る。構成的発現のために、GS選択マーカーを有する構成的発現カセットを使用して、目的のタンパク質をコードするコピー遺伝子を導入した。
13日目の力価は、13日間の抗体Zの発現を伴う構成クローンと比較して、誘導性クローンの大部分がわずか10日間のタンパク質発現で、それ以上または同等の力価を生じることを示している(図29A)。選択した細胞株に対して2つの異なる産生手順を使用した。調節された細胞株および構成的スーパートランスフェクトされた細胞株は、いずれも抗体Zについて親細胞株と比較して力価が増加していた(図29B)。第2の発現ベクターにより制御され、ドキシサイクリンにより制御されたスーパートランスフェクションは、抗体Zの力価を0.2~1.2g/Lに増加させた(図29C)。
記載され、かつ特許請求される様々な実施形態に加えて、本開示の主題は、本明細書に開示され、特許請求される特徴の他の組合せを有する他の実施形態も対象とする。したがって、本明細書に提示される特定の特徴は、本開示の主題が本明細書に開示される特徴の任意の好適な組合せを含むように、本開示の主題の範囲内において他の様式で互いに組み合わせられ得る。本開示の主題の特定の実施形態の前述の説明は、例示および説明目的のために提示されている。網羅的であるように、または本開示の主題を開示される実施形態に限定することを意図するものではない。
本開示の主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、本開示の主題の組成物および方法に様々な修正および変形を加えることができることは、当業者には明らかである。したがって、本開示の主題が添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内の修正および変形を含むことを意図する。
様々な刊行物、特許、および特許出願が本明細書に引用されており、それらの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (24)

  1. 目的のポリペプチドを発現することができる宿主細胞であって、
    a)第1の目的のポリペプチドと、2つの組換え認識配列(RRS)に隣接する第1の選択マーカーとをコードする、標的化組込み外因性核酸目的配列(SOI)であって、前記標的化組込み外因性SOIが前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれる、標的化組込み外因性核酸SOI、および
    b)第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードするランダム組込み外因性核酸SOIであって、前記ランダム組込みSOIが前記宿主細胞のゲノムに少なくとも1回組み込まれる、外因性核酸SOI、を含む、宿主細胞。
  2. 前記第1の目的のポリペプチドと前記第2の目的のポリペプチドとが同一である、請求項1に記載の宿主細胞。
  3. 前記第1の選択マーカーと前記第2の選択マーカーとが同一である、請求項1に記載の宿主細胞。
  4. 1個~10個のランダム組込み外因性核酸SOIを含む、請求項1に記載の宿主細胞。
  5. 前記標的化遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である、請求項1に記載の宿主細胞。
  6. 前記宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座内に組み込まれた第2の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードする、第2の標的化組込み外因性核酸SOIをさらに含み、前記第1の標的化組込み外因性核酸SOIおよび前記第1の選択マーカーが第1のRRSおよび第3のRRSに隣接し、前記第2の標的化外因性SOIおよび第2の選択マーカーが第2のRRSおよび第3のRRSに隣接している、請求項1に記載の宿主細胞。
  7. 前記目的のポリペプチドが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  8. 前記宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、請求項1~5のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  9. 前記宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、請求項8に記載の宿主細胞。
  10. 前記宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
  11. 前記SOIおよび選択マーカーの前記標的化組込みが外因性ヌクレアーゼによって促進される、請求項1~7のいずれか一項に記載の宿主細胞。
  12. 前記外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、11に記載の宿主細胞。
  13. 目的のポリペプチドを発現させる方法であって、
    a)宿主細胞のゲノムの標的化遺伝子座に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含む宿主細胞を供給する工程であって、前記外因性ヌクレオチド配列が第1の選択マーカーに隣接する2つのRRSを含む工程、
    b)(a)で供給された細胞に、組み込まれた外因性ヌクレオチド配列の2つのRRSとマッチし、第1の目的のポリペプチドおよび第2の選択マーカーをコードする第1の外因性SOIに隣接する2つのRRSを含む核酸を導入する工程、
    c)リコンビナーゼまたはリコンビナーゼをコードする核酸を導入する工程であって、前記リコンビナーゼが前記RRSを認識する工程、
    d)前記第2の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程、
    e)ランダム組込みを介して、第2の目的のポリペプチドおよび第3の選択マーカーをコードする第2の外因性SOIを前記宿主細胞のゲノムに導入する工程、
    f)前記第3の選択マーカーを発現する細胞を選択する工程、および
    g)前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを発現するのに十分な条件下で前記宿主細胞を培養する工程、を含む、方法。
  14. 宿主細胞培養液から、前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドを回収することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の目的のポリペプチドと前記第2の目的のポリペプチドとが同一である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記標的化遺伝子座が、配列番号1~7から選択される配列と少なくとも約90%相同である、請求項13に記載の方法。
  17. 前記第1の目的のポリペプチドおよび第2の目的のポリペプチドが、一本鎖抗体、抗体軽鎖、抗体重鎖、一本鎖Fv断片(scFv)およびFc融合タンパク質からなる群から選択される、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記宿主細胞が哺乳動物宿主細胞である、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記宿主細胞が、ハムスター宿主細胞、ヒト宿主細胞、ラット宿主細胞、またはマウス宿主細胞である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記宿主細胞が、CHO宿主細胞、CHO K1宿主細胞、CHO K1SV宿主細胞、DG44宿主細胞、DUKXB-11宿主細胞、CHOK1S宿主細胞、またはCHO K1M宿主細胞である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記SOIのいずれかの標的化組込みが外因性ヌクレアーゼによって促進される、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記外因性ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、ZFN二量体、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、TALエフェクタードメイン融合タンパク質、RNA誘導型DNAエンドヌクレアーゼ、操作されたメガヌクレアーゼ、およびクラスター化されて規則的に間隔があいた短い回文配列の繰り返し(CRISPR)関連(Cas)エンドヌクレアーゼからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記SOIの発現が調節可能なプロモーターによって制御される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記調節可能なプロモーターが、SV40およびCMVプロモーターからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
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