I 概要
次の説明では、様々な開示されている実施形態を完全に理解できるようにいくつかの具体的詳細が述べられている。しかしながら、当業者であれば、実施形態は、これらの具体的詳細の1つまたは複数がなくても、または他の方法、コンポーネント、材料などを使用しても、実施され得ることを理解するであろう。他の事例では、クライアントおよびサーバコンピューティングシステム、さらにはネットワークを含むコンピューティングシステムに関連するよく知られている構造については、実施形態の説明をいたずらにわかりにくくすることを避けるために、詳細な図示または説明がなされていない。
本発明は、発明のこの詳細な説明を参照することによってより容易に理解され得る。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、管轄権を有する裁判所または管轄権を有する認可された機関がそのような用語が限定的であると決定しない限り、請求項への制限にならない。本明細書において特に定義されていない限り、本明細書で使用される用語は、関連技術において知られているような従来の意味を付与されるものとする。
しかしながら、実施形態を説明する前に、以下で使用されるいくつかの用語の定義を最初に説明することは、その理解に役立ち得る。
「最小線量」、「最小放射線量」、「放射線の最小線量」、および同様の用語は、本明細書および請求項全体にわたって、それらのすべての文法形式で使用され、望ましくない生物学的病原体(生物、細胞、胞子、細菌、または同様のもの)の集団を決定された許容量だけ減少させるのに十分な、チャンバー内に照射される放射線の量(たとえば、放射線場強度、消毒曝露量、または同様のもの)を指す。最小線量は、任意の適切な機構または方法を使用して決定され、照射され得る。指定された表面または配置が曝される放射線の最小線量(すなわち、消毒曝露)は、少なくとも所望のレベルの消毒作用をもたらし、これは、指定された表面または配置に存在する標的病原体の滅菌、死滅、または他の無効化によるものであってもよい。本出願において、放射線の最小線量は、限定はしないが、対象となる病原体に対して消毒作用を働かせる放射光子の量に影響を及ぼし得る病原体それ自体の影響を受ける表面、吸収率、反射率、および特性に関して入射放射線の入射角などの要因を、そのような要因が明示的に説明されているか否かにかかわらず、包含する。したがって、最小線量は、チャンバー内に照射されるか、または他の何らかの形で対象表面に課される放射線の総線量として理解され得る。特に、上記を制限することなく、最小線量は、死滅単位の数または体積を指す。死滅単位の数または体積は、所与の要素面積または体積を全方向で通過する放射エネルギーの量(たとえば、フルエンス)を表す。エネルギーの量は、たとえば、ジュール(J)、1平方センチメートル当たりのジュール(J/cm2)、1秒当たりのジュール(ワット)、または他の好適な測定単位で測定され得る。
「低温」という用語は、約55℃未満を意味するために使用される。たとえば、本明細書において説明されているシステム、デバイス、および方法のいくつかの場合では、消毒チャンバー、および/またはその中の標的物体を、約35℃未満の好ましい低温、および約55℃未満の許容可能な低温など、1つまたは複数の閾値温度を超えないように維持することが望ましい。
消毒チャンバー内に提供される(たとえば、生成される、供給される、照射される、または同様の操作をされる)放射線の消毒曝露を効果的に制御するデバイスおよびシステムが説明されている。このようにして、選択されるか、または他の何らかの形で望ましい最小曝露量(すなわち、最小線量)の放射線が消毒が望まれている各表面部分のところで標的物品に照射される。
標的物体および消毒チャンバーの1つまたは複数のコンピュータシミュレーションモデルが生成される(すなわち、標的物体の3次元モデル、消毒チャンバーの3次元モデル)。これらのモデルは、任意選択で、ハンガーシステム、キャリブレーション治具、センサー、異物、および同様のものを考慮した情報を含み得る。消毒チャンバー内の放射線強度(単位時間当たりの決定された配置における所与の要素面積または体積で受ける放射線エネルギーの量)の1つまたは複数のモデルはまた、任意選択の構造(たとえば、ハンガーシステム、治具、センサーなど)を含み得る、消毒チャンバーの構造的構成、および消毒チャンバー内にエネルギーを放射するように配置構成された特定の放射線源の放射発光特性に基づき、生成される。このようにして、放射線モデルの生成の際に、消毒されるべき標的物品およびチャンバーそれ自体の光学的特性(たとえば、放射光の反射、拡散、吸収、およびのそのような特性)が考慮される。たとえば、いくつかの実施形態において、標的物品の表面構造的構成および標的物品の表面物質は、消毒チャンバーの内部容積内の放射線強度モデルの決定において決定され、モデル化される。
放射線強度モデル(たとえば、放射線強度マップ)は、消毒チャンバーの内部容積内の任意の数の配置における放射線強度を予測するか、または他の何らかの形でシミュレートし得る。これらのマップは、隣接する/連続する自然発生分布に対する離散的な、コンピュータによって導出されるシミュレーションであり得る。離散的な性質は、十分に細かく分解されるように選択されたときに、強度の実際の連続分布を正確に近似するのに十分である。いくつかの放射線強度マップは、空のチャンバー内の放射線強度をシミュレーションし/予測し、いくつかの放射線強度マップは、占有されたチャンバー内の放射線強度をシミュレーションし/予測する。占有されたチャンバーに関連する放射線強度マップは、消毒チャンバーが医療デバイス(たとえば、任意のタイプの1つまたは複数の医療プローブ)によって占有されているときの放射線強度を表し得る。占有されたチャンバーに関連する他の放射線強度マップは、チャンバー内にうっかり残された医療用手袋または筆記用具などの異物、標的物体を位置決めするか、または配向するための特定の装置、または同様のものによって消毒チャンバーが占有されたときの放射線強度を反映し得る。いくつかの場合において、所与の消毒チャンバー内の放射線強度は、消毒チャンバーの内部容積内の放射線強度のマップを提供する実際の放射線強度測定によって確認される。
いくつかの場合において、1つまたは複数の最初に決定された放射線強度マップは、消毒チャンバー内に位置決めされたキャリブレーション対象に基づき調整され得る。たとえば、キャリブレーション対象の様々な部分に存在する実際の放射線場強度は、キャリブレーション対象の1つまたは複数の表面に取り付けられた1つまたは複数のセンサー、およびそれに加えて、または代替的に、消毒チャンバーの内部容積に取り付けられた1つまたは複数のセンサーによって検出され、および測定されてよい。検出された放射線強度測定データは、1つまたは複数の選択された放射線強度モデルから結果として得られるシミュレーションデータと比較され、特定の放射線強度マップをキャリブレートするか、または他の何らかの形で調整する。調整は、一部の消毒領域マップ上の放射線強度値の局所的調整、または放射線マップ/モデル内の計算された放射線強度値を生成するアルゴリズムの大域的更新の少なくとも一方によって、初期の放射線マップ/モデルを更新することを含み得る。次いで、更新された放射線マップは、消毒チャンバー内の標的物品の表面を消毒するために施される1つまたは複数の放射線量を決定するために使用され得る。
いくつかの場合において、望ましいレベルの消毒が達成されることを十分に自信を持って保証するために少なくとも最小線量の消毒用放射線が、標的物品の、消毒を意図された、潜在的に汚染され露出されているあらゆる表面に照射されることが望ましい場合がある。決定された標的消毒曝露を達成するために、消毒作業が実施される。消毒作業は、消毒チャンバーに関連するプロセッサが消毒チャンバーのモデル、標的医療デバイスのモデル、および1つまたは複数の放射線強度マップから少なくとも一部は生成されたプログラムを実行することによって指令される。消毒作業は、消毒チャンバーに搭載されているセンサーによって監視され、監視データ(たとえば、温度データ、放射線強度データ、時間データ)は、消毒作業を制御するためにさらに使用される。これらの手順に沿った技術を使用することで、消毒作業は、消毒の対象となるすべての表面の所望のレベルの消毒を達成し、消毒作業は、いたずらに長引かない。このようにして、消毒プロセスを合理的に可能な限り短くすることによって、消毒システムの使用率が改善され、さらに、消毒された医療機器に対する過剰な放射線曝露によって誘発される損傷の無用のリスクが回避される。
本明細書において説明されている実施形態において、決定された最小線量により、消毒チャンバー内の温度は、適切に低いレベルに維持される。消毒チャンバー内の温度を低レベルに維持することの1つの利点は、消毒用放射線への長時間の曝露を回避することによって医療機器の損傷が低減されることである。強い放射線曝露が存在する場合、温度上昇が、標的物品を含む材料の経年劣化、クレージング、クラック、硬化、軟化、酸化、または変色を含む他の何らかの形の化学的もしくは物理的変化などの悪影響を加速する可能性があることが知られている。したがって、消毒チャンバーの内部容積を低温に維持することの別の利点は、そのような変色および経年劣化を回避するか、または低減することである。いくつかの場合において、たとえば、消毒チャンバーに対する生成されたプログラムは、最小線量の放射線を提供し、消毒チャンバー内の温度を、35℃から55℃を超えないように監視することを提供し得る。
クリティカルおよびセミクリティカル医療デバイスへの応用に限定されないけれども、開示された方法、デバイス、およびシステムは、たとえば、超音波、気管内、および他の腔内プローブを含む、再利用される医療デバイスおよび機器の高レベル消毒に特に適している。特に、本明細書において説明されているデバイスおよびシステムは、紫外線(「UV」)放射線を利用して、処理される物品の表面および内部に許容できないくらい高い温度を生じさせることなく高レベル消毒を迅速に遂行する。多くの医療機器はポリマー材料から構成され、ポリマーを加熱することで、消毒プロセスにおいて放射線への曝露から結果として生じる可能性のある潜在的損傷または劣化を加速することが知られている。本明細書において開示されているシステムおよび方法の応用利用は、そのような損傷または劣化の可能性を低減する。
少なくともいくつかの場合において、消毒チャンバーは、放射線消毒の前にチャンバーを前処理することによって消毒標的物体への損傷を低減するようにさらに配置構成される。たとえば、酸素がポリマー系材料に悪影響を及ぼし得ることが知られている。前処理は、たとえば、チャンバーを窒素でフラッシングすることによって消毒チャンバーから酸素をパージすること、チャンバーをアルゴンなどの中性(たとえば、不活性)ガスで満たすこと、または1つまたは複数の他の前処理動作を行うことを含み得る。
本開示の消毒チャンバーは、複数の側壁を有するハウジングと、頂部と、消毒チャンバーへのアクセスを提供するドアとを備え得る。消毒チャンバーそれ自体は、内部容積を画成する少なくとも1つの壁を備えてもよく、いくつかの実施形態において、消毒チャンバーは、複数の側壁、基部、および開いた中心部分を有する頂部を備える。この方法およびデバイスがUV放射線を利用する場合、消毒チャンバーは、1つまたは複数の反射内部表面、たとえば、UV-A、UV-B、またはUV-C放射線の1つまたは複数の放射線源などの1つまたは複数のUV放射線源(「放射線源」)、および1つまたは複数の放射線センサーを備え得る。本明細書において説明されているような消毒チャンバーで使用するのに適している反射材料は、たとえば、ALMECO GROUPによるアルミニウムGrand Brilliant、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、硫酸バリウム含有塗料、またはこれらの組合せを含む。他の材料、たとえば、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第3,956,201号の第2列、56~61行目、および第7列、50行目~第12列、2行目の例および他の場所、ならびに米国特許第3,764,364号の第2列、70行目~第3列、20行目、および他の場所に開示されている反射材料も採用され得る。消毒チャンバー内で処理されるべき物品の留置および消毒を円滑にするために、チャンバーは、消毒されるべき物品を消毒チャンバー内の所望の位置に吊り下げ、収容し、または他の何らかの形で維持するためのサスペンションアセンブリも備え得る。
消毒チャンバーは、物品の表面が、本明細書では「線量」と称される、所望のレベルの放射線に曝されるように望ましい、および場合によっては選択可能な期間内に、そこに留置された物品の消毒を達成するのに役立つようなサイズおよび構成を有する。理解されるように、放射線曝露のレベル(すなわち、「線量」)は、放射線強度および曝露持続時間の両方に関係する。たとえば、消毒されるべき標的物品、UV放射線源、および/またはUV放射線センサーは、源からの放射線の制御された伝達を介して物品の放射線への曝露を改善する静止または非静止配置で消毒チャンバー内に位置決めされ(たとえば、導入され、挟装され、吊り下げられる、または配置され)得る。すなわち、標的物品、ハンガーまたは他の標的物品位置決めデバイス、センサー、UV放射線の直接的線源、およびUV放射線の間接的線源(たとえば、放射線の専用反射体)のうちの1つまたは複数を含む放射線源のうちのいずれか1つまたは複数は、消毒サイクルにおいて非定常であってもよい。そのような実施形態において、消毒チャンバーは、物品、UV直接的光源、および/またはUV間接的光源のうちの1つまたは複数が、消毒サイクルにおいて消毒チャンバー内で移動され(たとえば、1つまたは複数の平面内での回転、上昇および下降、および同様の動作が行われ)、物品の表面部分の各々を選択された消毒レベルのUV放射線、すなわち最小線量により適切に曝すように構成され、動作させられる。
少なくともいくつかの場合において、最小線量の放射線が照射されたかどうかの決定は、消毒プロセスにおいてチャンバー内でサンプリングされた放射線によって円滑にされる。放射線は、様々な手段によって、検出器または検出器のアレイに運ばれた後に、直接的に収集され/サンプリングされるか、または間接的にサンプリングされてもよい。1つまたは複数の検出器は、消毒チャンバー内に置かれるか、または外に置かれてもよい。鏡または他の反射面、レンズ、ライトパイプ、光ファイバケーブル、または任意の他の光学系が、チャンバー内から1つまたは複数のセンサーへの代表的な放射線「信号」の送達を円滑にするために使用されてよい。放射線収集は、好ましくは収集される放射線の入る入射角に応じて、狭い視野、中程度の視野、または広い視野であってよい。検出器は標的物体の露出面をエミュレートしている場合があるので、入射放射線を収集する(たとえば、サンプリングする)ために、非常に広い受け入れ角度を有する検出器を使用することが有利な場合がある。他の場合には、積分球または類似の機能を有する他の集光器を使用して、すべての入射方向からの放射線をサンプリングすることを試みることが好ましいことがある。他の場合には、狭い入射角範囲内で検出器に向かって進行する入ってくる放射線に入射角を制限することが好ましいこともある。
特定の標的物体に対する最小線量を決定するときに、他の要因も、任意選択で考慮され得る。より詳細に説明され得る、これらの任意選択の要因のいくつかは、UV放射線源の数およびそれらの関連する放射線放射特性(たとえば、入力パワー、瞬間の、および時間が経過したときの、UV放射線の出力強度、放射線源の経年変化、および同様のもの)を含む。考慮され得るなおも他の任意選択の要因は、1つまたは複数の反射面を作成するために使用される材料の包含または選択、消毒チャンバーのサイズおよび形状、標的物品のサイズおよび形状、標的物品の配向および位置決め、標的物品または消毒チャンバー内の任意の構造物が消毒プロトコルにおいて移動できるかどうか、および任意の他のそのような要因である。
本明細書の説明では、「放射線源」という用語は、消毒チャンバーと関連して配置構成された直接放射線源および/または間接放射線源を含む、任意の放射線源を指すために一般的に使用される。消毒曝露の決定は、すべての放射線源に対する標的物品の曝露を考慮し得る。たとえば、放射線源の経年変化、放射線出力強度の変動、放射線発光の特徴的な周波数/波長範囲、および放射線出力の時間依存変化は、すべて、放射線源について特徴付けられ、消毒曝露の決定に織り込まれてよい。
消毒チャンバーの内部容積の構造的構成および放射線光学的特性も識別され、放射線量の決定に織り込まれる。一例では、内部容積の構造的構成は、内部容積内に位置決めされる標的物品および内部容積内で放射線を放射するように結合されている放射線源に関して識別される。たとえば、内部容積の構造的構成および標的物品の位置決めは、標的物品の一部に直接的におよび/または間接的に到達する放射線の角度に影響を及ぼし、延いては、標的物品の一部における放射線強度に影響を及ぼす。
消毒チャンバー内で処理されるべき標的物品の位置決めを円滑にするために、消毒チャンバーは、消毒されるべき標的物品を、消毒チャンバーの内部容積内で静止または非静止の選択された位置、整列、および/または配向で吊り下げるか、収容するか、または他の何らかの形で維持するための、サスペンションアセンブリなどの取り付け機構も備え得る。そのようなアセンブリのための任意の好適な構成が利用され得る。たとえば、アセンブリは、消毒チャンバーの頂部の中心部分から重力の影響を受けて物品を吊り下げるように構成され得る。他の変更形態において、取り外し可能な方式で、物品を消毒チャンバー内のアセンブリまたは壁に結合し、および/または消毒チャンバー内に物品を位置決めし、配向する取り付け機構が提供され得る。前記取り付けシステムは、消毒を意図されていない標的物品上の一領域に適用されるか、またはその領域と相互作用し得る。たとえば、イメージングシステムに取り付けられたプローブのケーブル上、またはノンクリティカルであると考えられ、したがって消毒処理を必要としない独立した(たとえば、取り付けられていない)デバイスの領域上である。なおもさらに、消毒チャンバーで使用するのに適している取り付け機構は、相補的な嵌合要素の1つもしくは複数の対、またはセットを含み得る。消毒チャンバー内で物品を拘束するか、維持するか、または位置決めするためのアセンブリは、任意選択で、物品を拘束するが消毒用UV放射線の通過を妨げないようにUV透過材料から作られたコンポーネントを備え得る。構成は、チューブ、保持フォーク、位置決め表面、または任意の他の好適な構造を含むことがあり得る。これらのアセンブリは、物品を受けるために固定するように配置構成され得るか、またはこれらのアセンブリは、消毒されるべき物品を捕捉し、固定し、もしくは捕らえるために、たとえば、クラムシェル方式で、または標的物品の移動と組み合わせて、平行移動して回転するか、または他の何らかの形で適所に移動するか、または移動されてもよい。
本開示によるシステムは、消毒チャンバーと、1つまたは複数の標的物品の消毒を達成するように動作する本明細書において説明されているような1つまたは複数の放射線源とを有する消毒デバイスを備える。特定の実施形態において、消毒デバイスは、本明細書において説明されているような決定された最小線量の放射線を照射する生成された消毒プログラム(たとえば、アルゴリズム、プロトコル、ソフトウェアプログラム、または同様のもの)に従って動作する。そのような実施形態では、1つまたは複数の標的物品は、消毒デバイスの消毒チャンバー内に位置決めされ、物品を消毒することができる環境条件への1つまたは複数の物品の曝露(たとえば、UV放射線への曝露)は、放射線強度および曝露持続時間を含む、決定された消毒曝露に基づき開始される。消毒条件が開始され/課された後、生成された消毒プログラムに従って、1つまたは複数の入力が収集され、処理され得る。
特定の実施形態において、本明細書によるシステムは、決定された最小線量の放射線を標的物品に照射するように協働するシステム条件の1つまたは複数を決定するか、キャリブレートするか、または調整する生成された消毒プログラムの1つまたは複数のアルゴリズムに従って動作する。1つまたは複数のアルゴリズムは、消毒を意図された標的物品のすべての部分において最小線量に達したかどうかを決定するための規定を含み得る。1つまたは複数のアルゴリズムは、どこで、いつ、どのようにして消毒条件が終了され得るか(すなわち、「終了点」または「終了のための点」)を決定するように配置構成され得る。1つまたは複数のアルゴリズムは、処理されている1つまたは複数の標的物品に対する望ましくない損傷を回避するために標的物品を照射するための、または消毒条件が終了する点を信号で知らせるためのプロセスを拡張するように配置構成されてもよい。1つまたは複数のアルゴリズムにより処理され、本明細書において説明されているシステムによって利用される情報は、たとえば、消毒条件への曝露の決定、消毒チャンバー内の様々な配置または消毒される標的物品の表面における温度、および物品が消毒条件に曝露される時間を含み得る。収集された情報は、データ測定の精度を改善する方法で処理されてよい。たとえば、測定されたUV曝露は、複数のセンサー間で積分されるか、平均化されるか、または他の何らかの形で合併され、消毒チャンバー内に存在する消毒パワーレベルを適切に報告し/表現するものとしてよい。モニター、センサー、または別の入力機構(たとえば、タイマー、ユーザ入力パラメータ、または同様のもの)を介して収集され、次いで、本明細書において説明されているようなシステムの動作において利用される1つまたは複数のアルゴリズムによって処理される情報の追加の例は、UV放射線源の動作ステータスおよび/または出力、清浄度のレベル、内部反射もしくは吸収面の有無、UV放射線センサーのステータスもしくは応答性、および時間の経過とともに変化する消毒条件の変動性を誘発する他の要因を含む。標的物品の表面の汚れ、または標的物品の状態の他の何らかの評価、したがって消毒への適合性も、物品が、たとえば、消毒前に適切に事前洗浄されていることを保証するために1つまたは複数の検出器によって評価されてよい。
消毒システムは、生成された消毒プログラムによって、1人または複数のオペレータが、1つまたは複数の試験物品を消毒デバイス内に装填し、消毒サイクルを開始し、このサイクルの終了点を決定するために利用されるアルゴリズムの実行に必要なシステムパラメータを監視し、アルゴリズムに従って消毒サイクルを終了することを指令されるように手動で動作させられ得る。消毒システムは、たとえば、システムパラメータの監視、所与の消毒サイクルの終了点を決定するためのアルゴリズムの適用、または消毒サイクルの終了など、動作に必要なタスクの1つまたは複数が、生成された消毒プログラムによって自動化されるか、または他の何らかの形で指令されるように、半自動で動作し得る。それに加えて、または代替的に、消毒システムは、完全自動で動作し得る。本開示の目的のために、完全自動化されたシステムは、生成された消毒プログラムがオペレータによって開始された後、消毒サイクルの終了までのその後のステップの各々が自動化されるシステムである。
特定の実施形態において、本明細書において開示されているシステムは、消毒を実行し、他の周辺タスクを実行する1つまたは複数のアルゴリズムに指令を出す生成された消毒プログラムを実行することができる1つまたは複数のプロセッサを備える。たとえば、いくつかの場合において、1つまたは複数のアルゴリズムは、システムコンポーネントをキャリブレートし、消毒条件を監視し、消毒サイクルを終了するように動作可能である。これらのまたは他の場合に、1つまたは複数のアルゴリズムは、任意選択で、センサーデータ(たとえば、カメラからのデジタル画像、赤外線センサーからのデジタルデータ、嵌合コンポーネントからの電子信号)を分析して、標的物品が消毒チャンバー内にどのように留置されるか、または他の何らかの形で配向されているかを決定するように配置構成され得る。このようにして、アルゴリズムは、標的物品上の任意の数のホットスポット、標的物品上のコールドスポット、または標的物品上の注目する他の領域を、放射線を照射する消毒チャンバーの現在の条件/状態とともに評価することができる。この評価に基づき、アルゴリズムは、放射線の適切な最小線量をリアルタイムで計算し、生成された消毒プログラムをそれに応じて調整することができる。この有益な分析は、標的物品が毎回正確に同じ方法または配置で消毒チャンバー内に位置決めされない可能性があるという事実を考慮に入れることができる。また、評価によって、アルゴリズムが、好適な最小線量の放射線を照射するために、標的物品が適所から外れすぎている(たとえば、高すぎる、低すぎる、好ましくない方向に回転している、または同様のこと)と決定した場合、システムは、ユーザに、誤った状態を警告し、それによってユーザが問題を是正する(たとえば、標的物品を再配置する、アルゴリズムを再起動する、他のパラメータを調整する、または同様の)ことを可能にし得る。いくつかの場合において、システムは、標的を自動、手動、または自動および手動で再配置する機能を備える。これらの場合または他の場合に、システムは、空間的に好ましい方式でチャンバーに多いまたは少ない放射線を供給するように放射線源を調整する、したがって誤った位置を是正する機能を備える。
いくつかの実施形態において、生成された消毒プログラムの1つまたは複数のアルゴリズムは、1つまたは複数のシステム条件に基づき、消毒サイクルの終了点を評価し、および/または決定する。たとえば、消毒サイクルを通して、1つまたは複数のセンサーから測定値として、少なくとも1)1つまたは複数のセンサーから測定された、消毒条件への平均または点曝露、2)1つまたは複数のセンサーから測定されるような消毒条件への総曝露、3)1つまたは複数のセンサーで測定された消毒条件への総曝露と併せて考慮された1つまたは複数のセンサーによって測定された消毒条件への平均曝露の組合せ、4)消毒条件への実際の曝露の継続時間または経過時間、5)消毒チャンバー内で測定された温度の1つもしくは複数および/または消毒サイクルに曝される標的物品の注目する位置における1つもしくは複数の表面温度などの温度、6)たとえば、1つもしくは複数の放射線源またはセンサーなどの、システムコンポーネントの動作条件が測定され得る。
いくつかの場合において、1つまたは複数のセンサーは、標的物品の表面を調べ、その清浄度レベルを決定し得る。本明細書において、標的物品の高速高レベル消毒を実行する方法も提供される。開示される方法は、消毒される1つまたは複数の物品を損傷するか、または劣化させる傾向の低い条件の下で実行され得る。たとえば、UV放射線を使用する、本開示による方法は、消毒される標的デバイスの表面温度が選択された上限閾値を超えないような条件、たとえば55℃以下を維持しながら、ものの数分で(たとえば10分未満で)医療デバイスの「高速」高レベル消毒を遂行することができる。さらに具体的な実施形態では、本明細書において説明されている方法は、UV-C放射線を使用して、消毒されたデバイスを臨床または治療現場で再使用できるようにするために、許容可能な範囲で短い(すなわち、「高速」)と考えられる時間期間内に選択された高レベルの消毒を遂行し得る。標的医療デバイスの高速高レベル消毒の時間は、5分以下、3分以下、1.5分以下、および1分以下を含む。本明細書において説明されている方法によって提供される高速消毒サイクル時間は、生産性の改善および消毒プロトコルの遵守につながり、また、消毒される標的物品の望ましくない熱的に加速される放射線(たとえば、UV)劣化を回避することができる。
本開示による放射線曝露の選択された最小線量は、許容可能な消毒を提供するのに役立ち、消毒される試験物品のコンポーネント材料および/またはコンポーネント間の継手もしくは接続部の劣化を軽減するか、または他の何らかの形で低減するのに役立つ。提供される方法、デバイス、およびシステムは、たとえば、マイコバクテリウム種、大腸菌、黄色ブドウ球菌、毛瘡白癬菌、緑膿菌、エンテロコッカスヒラエ、枯草菌、セレウス菌、クロストリジウムスポロゲネス、カンジダアルビカンス、オルトポックスウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス5型、ヒトパピローマウイルスを含む、非限定的な、非網羅的な範囲の微生物(「汚染物質」)を排除するのに適している。理解されるように、最小線量は、放射線強度マップ、汚染物質のタイプ、標的物品の消毒要件および特性、消毒チャンバーの特性、測定および/または計算済みリアルタイムデータ(たとえば、センサーデータ)、ならびに本開示で説明されているような他のそのような要因のうちのいずれか1つまたは複数に基づき計算され得る。
所与の標的物品、微生物、または汚染のタイプに対する許容可能な消毒条件を決定するための方法も提供される。消毒に必要な条件をより適切に識別し、消毒条件に対する物品の望ましくない過剰曝露または過小曝露の潜在的可能性を低減するために、本明細書において説明されている方法は、標的微生物について収集された試験データを使用して本明細書において説明されている消毒デバイスおよびシステムの動作パラメータを設定し、確認することを規定する。たとえば、指定された実施形態において、注目する1つまたは複数の病原体の試験が実施され、知られている量の選択された病原体(たとえば、生細菌、休眠胞子、真菌、カビ、ウイルス、および同様のもの)が制御された消毒条件(たとえば、単位面積当たりの照射されるエネルギーを単位とする、UV放射線の知られている線量)に曝される。知られている量の選択された病原体は、ガラス/ポリマー/セラミック/金属基板などの基板上に堆積され、知られている制御された線量のUV放射線をもたらすように位置決めされたUV線源から照射されるUV放射線に曝され得る。このような病原体検査を実行するシステムおよびデバイスの少なくとも一例は、2017年7月21日に出願され、本出願と同じ譲受人に譲渡された、PCT/US2017/043264、名称「Bioassay Carrier And Preparation Thereof」に開示されており、この出願は参照により本開示に組み込まれている。
放射線源は、所望の消毒波長の放射線エネルギーを、ジュール/秒(すなわち、ワット)、または他の測定単位で測定される一定のまたは他の何らかの形で制御された率で照射し、選択された放射線量を達成するために選択されたまたは選択可能な時間(たとえば、秒)の間、放射線エネルギーを照射するように動作させることができる。フォトニクスおよび放射線の研究では、放射線が衝突するか、または放射線が通過する平方メートル(m2)または平方センチメートル(cm2)単位の基準領域を定義することが知られている。これらの研究課程では、単位面積当たりのパワーレベル、またはときには「フルエンス」とも呼ばれる放射照度が、ワット/cm2で定義される。このような実施形態では、たとえば、標的物品は、標的物品基板の平面で測定される入射放射エネルギーにより、上記などの、一方向から直接的に照射され得る。評価されている生存能力のある病原体の集団における特定の対数減少を達成するために必要な条件は、本明細書において説明されている消毒システムに対するシステムパラメータおよび消毒サイクル時間を設定するための開始条件を規定する。次いで、このような情報を使用することで、消毒サイクル条件は、消毒効果を決定するために接種され、消毒され、次いで分析される試験物品による1つまたは複数のテストランを介して実際の消毒システムにおいて確認される。所望の消毒を行う開始条件で達成された結果に応じて、標的線量および他の条件は、標的物品を消毒条件に過剰曝露する危険を無駄に冒すことなく、所望のレベルの消毒(すなわち、消毒を意図されたすべての表面に対する最小必要線量)を達成するために調整され得る。
本明細書において説明されているデバイスおよびシステムは、消毒用放射線の1つまたは複数の線源および/または消毒用放射線の1つまたは複数の検出器のキャリブレーションを可能にするように構成され得る。たとえば、いくつかの場合において、消毒チャンバーは、1つまたは複数のキャリブレーションセンサー、およびそれに加えてまたは代替的に、実際の標的デバイスをエミュレートする1つまたは複数のキャリブレーション物品の留置を可能にするように構成され得る。これらの場合、チャンバー内の1つまたは複数の領域または標的キャリブレーション物品の1つまたは複数の表面部分に照射されるリアルタイム放射照度レベルおよび/または消毒用放射線エネルギーの全線量(すなわち、放射束の時間積分)の評価が行われ得る。
本開示において説明されているように、消毒チャンバーの内部容積は、モデル化されてよく、消毒されるべき標的物品(たとえば、医療用プローブまたは他の医療デバイス、キャリブレーションデバイス、または任意の他のそのような対象)の表面もモデル化され得る。それに加えて、消毒チャンバーの内部容積の第1の放射線マップは、定義されたテスト動作時にセンサーデータを収集しながら消毒デバイスを動作させる(すなわち、消毒チャンバーの内部容積を照射する)ことによって生成され得る。消毒チャンバーの内部容積の第2の放射線マップはまた、センサーデータが収集される際に試験物品が消毒チャンバーの内部容積内に留置されたときに生成され得る。第1および第2の放射線マップは、実際の電子センサーによって消毒チャンバーの内部容積から収集された放射線を表しているので、「測定済み放射線マップ」と考えられ得る。
その後、モデル化された消毒チャンバーおよびモデル化された標的物品からのデータが組み合わされ、それにより、モデル化された放射線マップを決定することができる。モデル化された放射線マップは、第1および第2の測定された放射線マップの一方または両方に基づき1回または複数回調整され得る。代替的に、またはそれに加えて、消毒サイクルのパラメータは、1つまたは複数のモデル化された放射線マップが、実際の試験物品が存在するときに実際の消毒チャンバーの内部容積内に照射される実際の放射線量を表すという許容可能な信頼性を達成するように調整され得る。
本明細書において説明されている組合せ、計算、および分析は、反復的であり、時間の経過とともに実行されるものとしてよく、精度を改善するために繰り返され得る。組合せ、計算、および分析は、任意の数の試験物品に対する任意の数の消毒プログラムを生成するために使用することができる。すなわち、任意のタイプの消毒チャンバーの内部容積は、モデル化され、任意のタイプの消毒標的物品の表面は、モデル化され得る。モデルからの情報は、所与の(すなわち、モデル化された)タイプの標的物品を消毒するために、所与の(すなわち、モデル化された)タイプの実際の消毒デバイスにロードされ、実行され得る消毒プログラムを生成するために使用されてよい。いくつかの場合において、モデルおよび消毒プログラムの生成は、リアルタイムに行われることもある。本開示のプロセスおよび技術を適用することによって、モデル化されたデータは、信頼することができ、手間のかかる測定の必要性が低減されるか、または回避され得る。
消毒用放射線エネルギーの所望の最小線量の照射を行うために、1つまたは複数のキャリブレーションセンサーまたは他のセンサーによって提供される読み取り値はシステムの標的線量を調整するために使用されてよく、これはサイクルタイムに影響を及ぼし得ることに留意されたい。これらの以前に収集された読み取り値は、実際の消毒サイクルにおいて所与のセンサーからリアルタイムで取得された読み取り値が違う形で加重されるように生成されたプログラムアルゴリズム内のパラメータを調整するためにも使用され得る。すなわち、以前に測定された、またはモデル化されたデータがリアルタイムで収集されたデータと一致しないときに、以前のデータは、放射線源の劣化(たとえば、予測される劣化)、放射線センサーの時間が経過して/使用されたことで生じる出力の変化、または時間とともにもしくは使用されたことで生じ得る消毒チャンバーの他の特性を考慮するアルゴリズムにおいて使用される1つまたは複数のパラメータを調整するために使用され得る。
いくつかの場合において、キャリブレーションまたは実際の消毒を支援するために、消毒チャンバーは、消毒チャンバーの内部容積内に試験物品を確実に、一貫して配置する1つまたは複数の手段を採用し得る。試験物品の確実な一貫した配置は、許容可能な公差の範囲内で試験物品を毎回同じように消毒チャンバー内に留置することを含み得る。試験物品を毎回同じように消毒チャンバー内に留置することは、同じ高さ、同じ深さ、同じ寸法配向、同じ事前洗浄、および任意の他の識別可能な特徴のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
消毒チャンバーの内部容積内で試験物品を確実に一貫して配置するための手段は、物理的な位置合わせのしるし(たとえば、隆起部、開口、嵌合面、視覚的整列マークもしくは手がかり、または同様のもの)を含み得る。そのような手段は、それに加えて、または代替的に、適切または不適切な留置の後に視覚的、聴覚的、触覚的、または他のフィードバックを提供する電子回路などの他の位置合わせしるし構造を含み得る。および、そのような手段は、また、適切な留置を引き寄せるように付勢され、および/または不適切な留置をはじくように付勢される磁気構造を備えていてもよい。これらの手段(すなわち、物理的、仮想的、電子的、磁気的、または他の位置合わせしるし)は、消毒チャンバーの内部容積内での試験物品の適切な配置を円滑にする。
消毒デバイス方法の一実施形態は、内部容積と、放射線源とを有する消毒チャンバーを提供する行為であって、放射線源は、動作時に内部容積に紫外線C(UV-C)放射線を放射する、行為と、放射線源のUV-C放射線放射特性を識別する行為と、内部容積の構造的構成を識別する行為と、UV-C放射線放射特性および内部容積の構造的構成に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定する行為と、UV-C放射線強度マップに基づき標的物品の消毒曝露を決定する行為と、1つまたは複数のキャリブレーション値によって調整され得る、実測値によって消毒曝露を確認する行為とを含むものとして要約され得る。
非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一実施形態は、プロセッサによって実行されたときに、消毒システムを動作させるようにプロセッサを構成する実行可能な命令を収容するものとして要約されてよく、この動作の行為は、内部容積と、内部容積に結合された放射線源とを有する消毒チャンバーを識別することであって、この放射線源は動作時に内部容積に紫外線C(UV-C)を放射する、消毒チャンバーを識別することと、放射線源のUV-C放射線放射特性を決定することと、内部容積の構造的構成を受け取ることと、標的物品の表面特性を受け取ることと、UV-C放射線放射特性、内部容積の構造的構成、および標的物品の少なくとも1つの表面特性に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定することと、UV-C放射線強度マップに基づき標的物品の消毒曝露を決定することとを行う。
消毒システムの一実施形態は、内部容積を有する消毒チャンバーと、内部容積に結合された放射線源であって、動作時に内部容積内に紫外線C(UV-C)放射線を放射するように配置構成されている放射線源と、複数の明示的に言及されている行為を実行するように構成されている制御システムとを備えるものとして要約され得る。明示的に言及されている行為は、内部容積の構造的構成を識別する行為と、標的物品の表面特性(たとえば、標的物品のタイプ、標的物品の配置、標的物品の位置、標的物品の1つまたは複数の表面の反射率、標的物品の事前洗浄もしくは汚れ、または他の何らかの特性)を受け取る行為と、UV-C放射線放射特性、内部容積の構造的構成、および標的物品の選択された表面特性に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定する行為と、UV-C放射線強度マップに基づき標的物品の消毒曝露を決定する行為とを含む。
標的物品への消毒曝露を制御するためのデバイス、システム、および方法は、本明細書において開示されている。提供されるデバイス、方法、およびシステムは、たとえば、CDCによってクリティカルまたはセミクリティカル品目として分類された医療デバイスなどの医療デバイスの消毒によく適している。本明細書において説明されている技術を使用して処理された物品は、別のデバイス、システム、またはコンポーネントとの間で接続もしくは繋留がなされていてもいなくてもよい。たとえば、医療デバイスの文脈では、本明細書において説明されている技術の実施形態は、超音波プローブの消毒に適している。現在、多くの超音波プローブは、たとえば電力またはデータ通信機能をプローブに提供する1つまたは複数のケーブルによって、中央演算処理装置、ディスプレイなどに繋留される。しかしながら、ワイヤレス超音波プローブは、デバイス、システム、またはコンポーネントに繋留される必要はない。本明細書において説明されているデバイス、システム、および方法は、繋留されている(たとえば、有線の)デバイスおよび繋留されていない(たとえば、ワイヤレス方式の)デバイスに適しており、それらに対応できるように適合され得る。スタンドアロンの消毒デバイスに加えて、またはその代わりに、本明細書において開示されている標的物品上の消毒曝露を制御するデバイス、システム、および方法は、超音波システムなどの別のシステムもしくはデバイスに組み込まれるか、または他の何らかの形で関連付けられ得る。
一実施形態により、本明細書において説明されている方法、デバイス、およびシステムによって提供されるような消毒サイクルを施される標的物品は、高レベル消毒を受ける。本明細書において使用されているように、「高レベル消毒」および「HLD」は、標的物品上の1つまたは複数の指定された微生物の少なくとも105の生存率の対数減少をもたらすのに十分なプロセスを指す。本開示で使用されているように、「HLD」は、一般的に、病原体が感染する(すなわち、複製し、増殖し、したがって、他の何らかの宿主実体に悪影響を潜在的に及ぼす)ことができないようにすることを意味する。本明細書において説明されているような消毒システムは、病原体を「死滅」させる、または病原体の残留物を除去する、ことを必ずしもしない。その代わりに、消毒システムは、病原体を分子レベルで破壊し、病原体を無力化するか、または「静止」させるように動作し得る。病原体は「生きた」ままであり、物理的に存在し得るが、繁殖することができない。
HLD消毒手順は、約104から約106の間の1つまたは複数の指定された微生物の生存率の対数減少をもたらすのに十分であり、いくつかの実施形態では、「高レベル消毒」の消毒手順は、物品上の106を超える生菌の1つまたは複数の指定された微生物の対数減少をもたらす。しかしながら、いくつかの事例では、本明細書において開示されている消毒サイクルは、標的物品上の微生物の少なくとも106対数減少を達成するのに十分である。消毒後に試験物品上に残る生菌の量の必要な減少は、必要とされるか、または他の何らかの形で望まれる、消毒のレベルに応じて変化し、提供される消毒のレベルは、消毒サイクルのパラメータを変化させるか、または調整することによって調整され得る。
II. デバイスおよびシステム
図1は、動作環境10における消毒システム100を示している。図1に示されているように、システム100は、内部容積112を有する消毒チャンバー110を備える。1つまたは複数の放射線源120は、内部容積112に結合され、動作時に内部容積112内に放射光線を放射する。1つまたは複数のセンサー130、132は、内部容積112内に物理的に、通信可能に、電子的に、または他の何らかの形で結合されており、内部容積112内の放射線および他のそのようなパラメータ(たとえば、強度、時間、体積、および同様のもの)を検出するように配置構成される。1つまたは複数のセンサー130、132は、消毒チャンバー110内で消毒されるべきあるタイプの標的物品240(図2B)専用の方式で配置構成されてよい。たとえば、センサー130は、標的物品の表面部分上の放射線強度情報を検出するのに適した方式で配置構成され得る。
本開示では、消毒用放射線を検出するように配置構成されているセンサーは、本明細書ではセンサー130と称されている。対照的に、温度、時間、振動、重量、湿度、液体、連続性、および同様のものなどの、他の非消毒用放射線現象を検出するために配置構成されているセンサーは、本明細書ではセンサー132と称される。したがって、内部容積112内および消毒されるべき標的物品240に照射される消毒強度を検出するか、または定量化することができる1つもしくは複数のセンサー130(たとえば、フォトダイオード)に加えて、消毒チャンバー110は、1つもしくは複数の温度センサー、1つもしくは複数の異物検出センサー(たとえば、赤外線放射体および検出器、カメラ、加速度計、ロードセル、もしくは同様のもの)、1つもしくは複数の「ドアオープン」センサー(たとえば、ノーマルオープンもしくはノーマルクローズスイッチ、光検出器、導通回路、もしくは同様のもの)、または任意の他のタイプの非消毒用放射線センサーも含み得る。これらの他の、非消毒用放射線センサーは、各々、個別に、またはまとめて、センサー132と称され得る。
消毒チャンバー110、放射線源120、およびセンサー130、132のうちの1つまたは複数は、コントローラ140に通信可能に結合される。コントローラ140は、生成された消毒プログラムを実行するように配置構成されている消毒曝露決定ユニット142と、消毒動作制御ユニット144とを備える。消毒チャンバー110、放射線源120、およびセンサー130、132とのデータ交換の他に、コントローラ140は、その機能および動作を達成する際に1つまたは複数のデータベース150および/または消毒要件入力160と通信してもよい。
図2Aおよび図2Bは、例示的な消毒チャンバーを示しており、その各々は、例示的な消毒システム100と称され得る。図2Aおよび図2Bは、図2と総称されてよい。図2において、消毒システム100は、消毒チャンバー110と1つまたは複数の放射線源120とを備える高レベル消毒デバイスである。消毒チャンバー110は、複数の側壁204を有するハウジング202と、頂部206と、内部容積112にアクセスするために側壁204のうちの1つに配設されたドア208とを備える。図2Aのドア208は、垂直軸を中心に回転可能に移動可能であるものとして図示されているけれども、内部容積112への適切なアクセスを提供する限り、他のドア構成が使用されてもよい。ドア208を開くと、消毒チャンバー側壁204にアクセス開口部212が形成され、アクセス開口部212は内部容積112と連通することは理解される。消毒チャンバーの他の配置構成も、もちろん企図されている。
消毒チャンバー110の内部容積112は、高速低温消毒が達成されるように放射線源120から放射される放射光線の反射を円滑にするように配置構成されている1つまたは複数の反射面230を備え得る。反射面は、典型的には、少なくとも30%の反射率を有する1つまたは複数の材料から形成される。「少なくとも30%の反射率」とは、入射UV放射線、特にUV-C範囲内のUV放射線の70%以下が吸収され、入射放射線の残りは拡散反射および正反射の一方または両方を介して反射されることを意味する。消毒チャンバーにおいて特に有用であり得る反射材料は、限定はしないが、アルミニウム、ガラス、マグネシウム、ステンレス鋼、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、硫酸バリウム含有塗料で処理された基材、ならびにそれらの合金、誘導体、および共重合体を含む。いくつかの変更形態において、反射面は、「Grand Brilliant」状態に研磨されたアルミニウムを含む。他の変更形態では、ポリテトラフルオロエチレンPTFEを使用して反射面が形成され得るか、またはPTFEおよび類似のポリマーが様々な手段によって別の基板にコーティングして、反射面を形成し得る。特定の実施形態において、消毒チャンバーの反射内面は、利用可能な製造技術が提供するのと同様の反射性を有するように形成される。このようなアプローチは、低温で実施される高強度消毒用放射線を利用する消毒プロセスを円滑にする。
内部容積112の内部表面230は、内部表面230によるUV放射線の吸収を低減し、その代わりに、消毒チャンバー110の内部容積112内でUV放射線を反射して向きを変え、内部容積112内に位置決めされた1つまたは複数の標的物品240に当てるように位置決めされ、整形され得る。消毒チャンバー110の内部容積112の材料選択および構成は、内部容積112内の温度上昇に寄与し得る電磁エネルギーの特定のUVまたは他の波長(すなわち、より長い波長の放射線)の優先的な消光を促進するように選択され得る。すなわち、内部容積112の形状は、標的物品240への放射線の高速で効率的な誘導に寄与し得る。たとえば、標的物品240が位置決めされるべき、消毒チャンバー110の内部容積112の中央部を通過する放射線、および内部容積112に採用される反射材が、低損失(すなわち、入射したときとほぼ同じ量のエネルギーが表面から戻ってくる)の放射線の反射(たとえば、再放射または再放出)に寄与するように構成され得る。特定の実施形態において、内部容積112の内壁は、1つまたは複数のUV放射線源120(簡略化のために図2Aには特に示されていない)から放射される低損失のUV-C放射線をもたらすように製作され、構成される。このような実施形態は、消毒に有用なUV-C放射線が、放射線が吸収されて消失するか、反射されるか、または再放射される可能性のある消毒されるべき物品に衝突するまでチャンバー内で1回または複数回反射される可能性を高める。このようにして、赤外線または熱エネルギーのある量を含み得るチャンバー内に放出される全エネルギーの所与の量について、標的物品240の熱加熱量を低減しながら、標的物品240、たとえば医療デバイスまたは機器を消毒する際に有用なUV-C帯エネルギーの利用が改善される。
本明細書で詳述されているように、利用される消毒用放射線は、UV-C放射線であってよく、UV-C放射線を利用する実施形態では、1つまたは複数の放射線源120は、高レベル消毒を実行するのに十分なUV-C放射線を放射するのに適している任意の市販のデバイスであってよい。UV-C放射線の1つの線源120が消毒チャンバー110に結合されている場合、その線源120は、本明細書において詳述されているように、高レベル消毒を遂行するのに十分なUV-C放射線を放射する。UV-C放射線の2つまたはそれ以上の線源が消毒チャンバー110に結合される場合、UV-C放射線源120は、各々、高レベル消毒を実施するのに十分なUV-C放射線を放射することができるものとしてよい。代替的に、消毒チャンバー110の内部容積112に結合されている2つまたはそれ以上のUV-C放射線源120を備えるシステム100の実施形態では、そのような放射線源120は、各々、単独で、高レベル消毒を達成するのに不十分なUV-C放射線を放射し得るが、2つまたはそれ以上の放射線源120から放射されるUV-C放射線の個別の出力が組み合わされたときに、UV-C放射線の全出力は高レベル消毒を達成するのに十分なものとなる。
放射線源120は、様々なアプローチを通して内部容積112に結合され得る。たとえば、放射線源120は、説明を目的として図2Bに示されているように、内部容積112内にUV-C放射線を放射するために内部容積112に局所的に取り付けられてよい。さらなる例において、放射線源120は、内部容積112に遠く離れて結合されてもよい。たとえば、放射線源120は、標準的レーザー、または固体レーザーフォトダイオードであってもよく、内部容積112内にUV-C放射線を放射するための適切な光導体およびカプラーとともに、スタンドアロンの消毒チャンバー110に対して消毒エネルギー源として採用され得る。さらに、いくつかの実施形態において、UV放射線の直接的または伝導される線源であれば、鏡または他のデバイスを介して、操縦されるか、または内部容積112内に位置決めされた標的物品240に沿って走査され得る。他の実施形態では、消毒チャンバー110は、標的物品240が移動可能な基部上に位置決めされ、静止放射線放射領域を越えて移動され得るように、内部容積112内に、図を不必要に乱雑にすることを避けるために特には図示されていない、移動可能な取り付けアセンブリを備え得る。コントローラ140は、UV放射への標的物品240の優先的曝露をもたらすために放射線源120および移動可能な基部を反対方向に回転するか、または移動するように制御し得る。
本明細書において提供されるデバイス、方法、およびシステムは、もっぱら、消毒チャンバー内の消毒用放射線としてUV-C放射線を参照しつつ説明されているけれども、これは例示のみを目的としている。消毒システム100で使用される放射線またはエネルギーは、また、単独で、または様々な組合せで、UV-A放射線、UV-B放射線、さらには非UV放射線であるか、または含み得る。内部容積112内で、UV放射への物品の曝露は、様々な方法で実施され得ることはさらに理解されたい。
UV-C放射線などの、UV放射線の代わりに、本明細書において説明されているデバイスのいくつかの変更形態では、フラッシュエネルギー源を使用し得る。フラッシュエネルギー源は、極めて高い強度の消毒用放射線を放射する。フラッシュエネルギー源は、1つまたは複数の汚染された物品の高レベル消毒を許容可能な短時間で行うことができる。いくつかの実施形態において、フラッシュエネルギー源は、10秒以下、5秒以下、3秒以下、および2秒以下のうちから選択される時間期間内に高レベル消毒が達成されるような高いレートで1つまたは複数の物品に消毒用放射線を照射し得る。本明細書において企図されるフラッシュエネルギー源は、任意の選択された消毒用放射線を照射するように選択され得る。たとえば、本明細書において説明されているような消毒システムは、電子ビーム、ガンマ線、X線、ガスプラズマ、またはUV-C放射線を放射するフラッシュエネルギー源を備え得る。フラッシュ線源の消毒の生物学的活性機構は、異なる線源に対して異なっていてもよい。たとえば、ガンマ線は病原体を完全に死滅させるが、UV-Cは病原体を生かしたままにするが、病原体は生物学的に滅菌され繁殖できない。
フラッシュエネルギー源が使用される場合、消毒用放射線の1つの放射線源120が、消毒チャンバー110の内部容積112内の必要とされるすべてであってよい。このような実施形態では、標的物品240上に概ね均質なまたは均一な放射線曝露を達成するために、フラッシュ線源から放射された放射線は、標的に当たる前にまず放射線を拡散し分散する表面に当たるものとしてよい。この場合、標的は、直接的ではなく、もっぱら間接的な照射を受けることになる。言い換えると、消毒デバイスは、任意の適切なタイプの1つまたは複数の線源が標的とは異なるデバイスの部分に配置されるように構成され得る。いくつかのタイプのフラッシュ線源によって放射されるエネルギースペクトルは広い場合があるので、線源と標的の間にフィルタを挟装し、注目するスペクトルのみが消毒チャンバーに入ることが許されるようにすると有益であり得る。このフィルタは、消毒を行わず他の何らかの形でチャンバーを熱し、それにより、チャンバーの温度および中に収容されている物体の温度を上昇させる、赤外線エネルギーの、チャンバー内での存在を最小限にする役割を果たし得る。前記フィルタは、本明細書において言及されている他の放射線源と一緒に実装されるときにも有用であり得る。本明細書において説明されているデバイスおよびシステムでは、消毒用エネルギー源の組合せが使用され得る。2つまたはそれ以上の異なる消毒用エネルギー源が使用される場合、これらは、順次、並行して、または様々な組合せおよび順序で適用され得る。2つまたはそれ以上の異なる消毒用エネルギー源を含めることおよび使用することは、いくつかの病原体が特定の消毒用エネルギー源に対してより感受性が高い状況において有利であることを証明するものとしてよく、標的物品240の全体的曝露を低減するために、注目する病原体に対する許容可能な消毒を達成するのに様々な放射線源、持続時間、および線量を使用することが有用であり得る。
本明細書において説明されているデバイスおよびシステムがUV-C放射線などのUV放射線を利用する場合、1つまたは複数のUV放射線源120および/または1つまたは複数のUV放射線センサー130は、高速低温消毒を円滑にするように、消毒チャンバー110の内部容積112内に位置決めされる。一般に、消毒チャンバーの構成、消毒用放射線源、および消毒用放射線を検出するセンサーは、放射線への1つまたは複数の物品の選択された曝露を提供し、確認し、および/または物品を効率的、再現可能に標的とするために1つまたは複数の線源からの放射線の透過を最適化するように選択される。
説明されているように、本明細書による消毒チャンバー110は、1つのUV-C放射線源などの、消毒用放射線の単一の放射線源120に結合され得る。そのような実施形態では、放射線源は、チャンバーの頂部または底部に位置決めされ得る。代替的に、消毒されるべき物品の位置決めに応じて、単一の放射線源120は、消毒チャンバーの側部に位置決めされるか、または消毒チャンバーが複数の側部を備える場合には、2つの側部の交差部に形成される交差部に位置決めされてもよい。しかしながら、本明細書において説明されているデバイスおよびシステムは、単一の消毒用放射線源を有する消毒チャンバーに限定されない。
本明細書によるデバイスおよびシステム100に備えられている消毒チャンバー110は、同じ種類または異なる種類の複数の放射線源120を利用してよく、消毒用放射線の複数の線源120を有する消毒チャンバー100の異なる実施形態は、本明細書において詳述され、添付図に例示されている。そのような実施形態は、消毒されるべき1つまたは複数の標的物品240の表面が単一の平坦な表面よりも複雑な場合に有利であり得る。たとえば、気管内プローブまたは超音波プローブなどの、消毒されるべき標的物品240は、消毒を必要とする前面、背面、側面、および背側および/または腹側の表面のうちの2つまたはそれ以上の表面を有し得る。そのようなシナリオにおいて、単一の線源またはタイプの消毒用放射線を用いて標的物品240の各表面に高強度放射線を照射することが困難な場合がある。したがって、本明細書において説明されている消毒デバイス100のいくつかの実施形態では、放射線源120、および他の構造は、1つの特定のタイプの標的を消毒するように配置構成される。すなわち、放射線源120および/または他の構造は、特定の標的の各表面への照射をもたらし得るが、デバイスは、異なるタイプの標的が消毒チャンバー内に留置された場合に効果的に機能しないであろう。
本明細書において説明されているようなデバイスおよびシステム内に採用され得る放射線源120は、当技術分野で利用可能であり、たとえば、UV-C放射ランプを含む。本明細書において「チューブ」とも称される、UV-C放射ランプは、Philips Lighting B.V.を含む、様々な販売元から市販されており、異なる形状、サイズ、入力エネルギー、およびUV-C出力定格のものが入手可能である。UV-Cエネルギー源として使用するのに適したUV-Cチューブは、低圧水銀蒸気放電ランプを含む。しかしながら、消毒チャンバーは、特定のUV-C源に限定されない。標的物品240の消毒に寄与する出力定格の選択されたUV-C波長内のUV-C光を放射することができる任意の線源は、本明細書において開示されているデバイスで使用されることもあり得る。たとえば、1つまたは複数のUV-Cチューブに加えて、またはそれの代わりに、UV-C光を放射するように設計されている1つまたは複数のレーザーまたはフォトダイオード、または線源のアレイ、またはいくつかのタイプの線源の組合せが、消毒チャンバー内に消毒用放射線を照射するために使用されてよい。
特定の実施形態では、本明細書において説明されている消毒チャンバー110に備えられている1つまたは複数のUV-C放射線源は、少なくとも5ワットの放射束になるように選択されている消毒チャンバー110の内部容積112内の全UV-C出力をもたらす。高出力線量の放射線を照射することができる、そのような放射線源の選択は、消毒サイクルを短縮するために好ましい場合がある。すなわち、高出力放射線源を選択することによって、エネルギーが高速供給され、これは放射線曝露の持続時間を短縮し、また放射線によって発生する熱の量を低減し得る。他の場合では、1つまたは複数の放射線源120は、少なくとも10W、少なくとも15W、少なくとも20W、少なくとも25W、少なくとも30W、少なくとも40W、少なくとも50W、少なくとも75W、少なくとも90W、および少なくとも100Wの放射束から選択されるチャンバーの内部容積112内の全UV-C出力を提供するように選択され得る。UV-C線源が消毒用放射線の1つまたは複数の線源120として使用される場合、1つまたは複数の線源から放射されるUV-C光の周波数帯域は、約240nmから約270nmの間、および約255nmから約265nmの間のうちから選択され得る。
図3は、例示的な殺菌曲線300の図である。図3の殺菌曲線300の説明および放射線の標的線量の理解を円滑に進めるために、いくつかの概念が次に説明される。そのような概念の1つは、エネルギーフルエンス比の比例の原理である。エネルギーフルエンス率は、当業者であれば、本開示においてUV波長範囲内のフォトニックエネルギーである、ワット/平方メートル(W/m2)単位のエネルギーの流れが、消毒チャンバー110の内部容積112内の単位面積(1)の無限に小さい球体を通ってまたは横切って全方向から来ることとして理解され得る。このエネルギーの流れをこの表面に関しておよび時間に関して積分することで、放射線源120から照射され、おそらく標的物品240の表面で照射された、ジュール(J)単位の「線量」を計算する。このエネルギーは、吸収されて消滅するか、再放射されるか、反射され/散乱されるか、または捕捉されて別の場所に運ばれる可能性がある。消毒チャンバー110内の所与の点もしくは要素表面において、その点もしくは表面に照射されるエネルギーの線量は、全曝露に関する放射照度の積分(すなわち、総和)である。別の関連用語である、W/m2単位の放射照度が使用され、すべての入ってくる放射線が単一方向から来て表面に衝突する状況では、放射照度とフルエンスは同一である。フルエンスでは、放射線が多方向から入り、表面に到達し得ることを考慮し、これは1つまたは複数の放射線源120および1つまたは複数の反射面を有する内部容積112に起因する本開示の消毒チャンバー110の場合である。放射線は、消毒チャンバー110内に収容されている標的物品のすべての表面を完全に曝露することを意図する光パワーの照射場として広く分布する。
本開示では、「フルエンス」および「放射照度」という用語は、互換的に使用されている場合があるが、この2つの用語の間には違いのあることが認識されている。本開示は、少なくともいくつかの実施形態において、一方の側から表面の要素単位に衝突する放射線が、半球状の角度から入ることに関係している。すなわち、放射線は、標的物体によって遮られるので後方から表面に到達しない。入ってくる放射線は、表面の要素に対して実質的に法線方向で(すなわち、直角に)、さらには±90°までの他のすべての入射角で、表面に衝突することができる。検出器の前面にある放射線収集光学系の視野に応じて、入ってくる放射線の角度の広いまたは狭い範囲が、適切にサンプリングされ得る。角度が狭い場合、フルエンスは基本的に放射照度と同じである。
消毒システム内の放射束を監視するときに、狭角入射放射線を収集することが有用であるか、または迅速で単純である場合がある。表面に衝突する全(たとえば、総)エネルギーの量を評価するためにチャンバー内の一配置で放射束を測定するときに、非常に広い受け入れ角を有する検出器が選択され得る。さらに、検出器上の入口光学系にフィルタが装着されてもよく、これにより、所望の消毒波長の放射線の通過および、それゆえに、測定のみを許す。次いで、この情報は、予測されたフルエンスレベルを、チャンバー内で、または試験デバイスの表面で、測定されたレベルにより補正する際にアルゴリズムおよびモデルに組み込まれる。
消毒システム100および所与の標的物品240を特徴付けることによって、「標的物品比」が、標的物品240上の特定の点(たとえば、決定された「コールドスポット」などの注目する領域)で受けた放射線量と、消毒チャンバー110の内部容積112内のセンサー130によって測定された平均線量との間で確立され得る。次いで、消毒チャンバー110内の放射照度比の比例が、標準的な表面(たとえば、消毒剤の力価試験時に、定義された表面上に分布する、知られている量の特定の病原体を接種したテストキャリア)を許容可能に消毒するであろう基本放射線量を、消毒を意図されている標的物品240(たとえば、超音波プローブ)の表面に十分な量の放射線が受けられる決定された信頼レベルに合わせて調整する(たとえば、増やすか、または減らす)ために使用される。
消毒チャンバー110の中心に留置されている標的物品240の消毒は、消毒を意図されている標的物品240の表面が、高レベル消毒(すなわち、生存能力のある病原体の所望の対数減少)を達成するのに十分なフルエンスを実際に受けるときに達成される。特定の時点において標的物品の表面上の各点で受けたフルエンスの値は、時間的に変化することがあり、指定された時間間隔において一定であるか、または許容範囲内に留まり得るが、光学計装および離散的な段階的マッピングプロセスによって測定され得る。消毒システム100の実施形態は、放射照度レベルが複数の配置で測定された場合にこのようなマッピングによって特徴付けられている。このマッピングは、特定の標的物品240(たとえば、超音波プローブ)の表面が位置決めされるであろう配置のところに到来する入射放射線の確認を提供する。さらに、消毒チャンバー110、放射線源120の、モデル化された標的物品の存在を含めた、コンピュータシミュレーションモデリングは、選択された配置での理論的な放射照度の計算を可能にする。本発明者らによる試験では、これらのシミュレートされた放射線レベルは、実際の測定値と比較され、よく一致することが分かった。
図3では、本開示において説明されている消毒システム100の有効性に関する少なくとも1つの研究の結果が例示されている。本発明者らは、枯草菌、クロストリジウムスポロゲネス、および他の多くの病原体を含む多数の病原体に対するそのような有効性の詳細で広範な試験を実行した。例示的な結果が図3に示されており、殺菌曲線300によって表される正確な胞子は、議論には関係ない。その代わりに、図3の教示は、本発明の消毒システムで使用される放射線が、病原体に直接衝突することで消毒サイクルの初期に非常に急速に死滅させることを例示している。時間が経過するにつれ、最後の2ログ分の生存能力のある病原体の生き残りを死滅させるのに、消毒サイクルの延長が必要になってくることがある。これに対する1つの理論は、消毒サイクルの初期に中和された病原体実体が、生き残った病原体胞子を、少なくとも一部の入ってくる放射線から物理的に遮蔽することである。最も早くに影響を受けた胞子の下に「埋もれて」いるこれらの残りの生存体を中和するには、より長い時間の放射線照射が必要となる。
図3において、縦軸302は、標的物品240(tgtArt)毎の、標的物品の決定された領域内に存在する多数の生存能力のある病原体胞子の対数表示(すなわち、コロニー形成単位(nb.CFU)の負の2項分布)である。第1の横軸304は、消毒サイクルが実行される時間の経過(たとえば、消毒サイクル持続時間)を表す。第1の水平軸304については、秒単位で測定されるが、他の時間単位も選択された可能性もある。
第1の水平軸304の下にある、図3の殺菌曲線300の第2の水平軸306は、消毒サイクル中に標的物品240の表面に照射された放射線量(たとえば、曝露期間で積分されたエネルギーフルエンス)の蓄積を表している。放射線の蓄積は、図3では一般的に時間に関して直線的であるが、他の消毒プログラムが放射線の照射をどんな方法であれ変更し、時間の経過とともにエネルギーフルエンスの分布を変化させる可能性があることが認識されている。図3における放射線量の尺度は、消毒単位または「殺菌単位」であり、これは意図的に、例示のために選択された非限定的、非標準的な単位である。ある種の放射線の消毒作用は、病原体を生きたまま、ただし生存不能にして殺菌し得るが、これは少なくとも本開示では、病原体が繁殖できないことを意味する。したがって、病原体は消毒されるが、必ずしも「死んだ」わけではない。本開示の範囲内では、殺菌単位(KU)という用語は、所与のサイクルで消毒チャンバー110の内部容積112に照射される全体的な放射線曝露を説明する「カウント」の累積として理解され得る。周期的スケジュール(たとえば、300ミリ秒)に基づき、センサー130(たとえば、フォトダイオード)からのデータ信号が読み取られる。これらの値は、1つまたは複数のキャリブレーション係数によって補正され、たとえば、コントローラ140を使用して放射線曝露の期間にわたって合計されてもよい。したがって、任意の所与の消毒チャンバー110、1つもしくは複数の放射線源120、1つもしくは複数のセンサー130、および同様のものについて、決定された放射線量(たとえば、ジュールを単位とする選択された表面への放射線の全量、またはいくつかの場合において、たとえばジュール/cm2の領域特有の線量)は、測定されるか、計算されるか、または他の何らかの形で決定され得ることが理解される。しかしながら、任意の特定の消毒チャンバー110、放射線源120、またはセンサー130に限定されない図3において、図3の関連する教示を伝えるために、殺菌単位という用語が選択されている。
また、図3では、様々な生存可能な病原体の測定値308a~308fが表されている。近似曲線310は、消毒サイクル中に残っている生存能力のある病原体の量を表している。したがって、殺菌曲線300は、当技術分野では、「残存曲線」とも称され得る。
図3で明らかなように、高出力の放射線量を照射する理由の1つは、消毒サイクル時間を短縮することである。これは、放射線が、消毒サイクルの初期に病原体の実質的な部分を非常に高速に死滅させ/消毒するからである。高出力レベルの放射線を照射することによって、エネルギーが素早く送出され、消毒サイクルの時間を短縮することができる。これは、標的物品240の熱加熱の機会を減らすという付加的利点も有する。図3では、約5000KUを照射して最初の150秒以内に病原体の平均5 log 10の減少が達成され、わずか650秒後に、約9300KUの照射により、生存能力のある病原体の平均6 log 10の減少が達成されている。
試験中にいくつかの注目すべき結果が得られたが、その一部が図3に表されている。最初に、UV放射線を介した消毒は、殺菌効果の大部分が曝露後の最初の数十秒で発生する、極端に「前倒しの」殺菌曲線を示している。第2に、標的物品240に最初に病原体を大量に接種した(すなわち、胞子7×106個)ときでも、照射された後に標的物品240上で病原体の追加増殖が観察されなかった。第3に、病原体集団を低レベルに急速減少させることに加えて、消毒システム110は、標的物品240上の生存能力のある病原体胞子の大部分を死滅させるのにも有効である。そして第4に、1600秒後に明らかになるように、非常に少数の生存能力のある病原体胞子が依然として消毒用放射線量(たとえば、測定値308f)に耐え抜く可能性がある。非常に長い曝露の限界において、消毒は、生存能力のある実体が残らない「滅菌」となる。
再び図2を参照すると、各放射線源120は、独自のパラメータおよび特性に従って放射光線を放射し得る。たとえば、放射線源120の経年変化は、その発光特性に直接的に関係し得る。さらに、放射線源がオンにされた後の時間経過も、放射線源120から放射されるUV-C放射線に影響を及ぼし得る。たとえば、放射線源120によって放射される放射光の強度は、その自然な動作の一部として、時間依存であってよく、たとえば、連続的に減少する、連続的に増加する、または変動する、特定のパターンの波形/変化を含み得る。さらに、各放射線源120は、放射光を放射する異なる動作状態を含んでもよい。たとえば、各放射線源120は、2つまたはそれ以上の放射線源120の出力パワーが他の何らかの形で同じであると予想されるときであってもそれぞれの線源に異なるパワーレベルで放射させる特性を有し得る。各放射線源120は、また、放射光線を、動作時に、異なる角度で、実質的に互いに平行に、または姿勢の組合せで放射し得る。そして、複数の放射線源が、共通の信号と共通のパラメータにより制御され得る。代替的に、2つまたはそれ以上の放射線源が独立した制御信号およびパラメータを介して独立して制御され得る。
本明細書において説明されている消毒チャンバー110は、内部容積112内に複数の消毒領域を形成するように構成され得る。そのような実施形態において、消毒チャンバー110および/または消毒されるべき1つもしくは複数の標的物品240は、消毒されるべき1つまたは複数の標的物品240が選択された位置、整列、配向、または同様のもので消毒領域内に位置決めされるようにさらに構成され得る。本明細書において使用されているように、「消毒領域」という用語は、消毒動作の過程で特定の強度の消毒用放射線が照射される消毒チャンバー内の領域を指す。特定の実施形態では、内部容積112は、UV-C放射線の1つまたは複数の線源120に結合され、UV-C放射線の1つまたは複数の線源120は、独立してまたは共通して、たとえば、少なくとも約1,500μW/cm2の変化する放射線強度、すなわち放射照度(特定の単位面積に対するまたはそれを通る「パワー」とも称される)で、UV-C放射線を消毒領域に照射するように選択され、配置構成される。このようにして、複数の消毒領域および放射線源の独立した、または共通の制御を介して、それぞれのチャンバーの内部容積112内で、放射線のより正確な照射が可能になり得る。
いくつかの実施形態において、UV-C放射線の1つまたは複数の放射線源120は、約240nmから約270nmの間、および約255nmから約265nmの間、のうちから選択される帯域内のUV-C光を放射するように選択され得る。たとえば、1つまたは複数のUV-C放射線源120は、1つまたは複数の消毒領域が消毒チャンバー内に形成され、1つまたは複数の消毒領域に照射されるUV-C放射線の放射線強度(「放射照度」)は約1,500μW/cm2から約5,000μW/cm2の間になるように選択され、配置構成され得る。さらなる実施形態において、1つまたは複数のUV-C線源120は、1つまたは複数の消毒領域を提供するように選択され、および配置構成されてよく、消毒領域内に照射されるUV-C放射線の放射照度は、約1,500μW/cm2から約2,000μW/cm2の間、約1,500μW/cm2から約2,500μW/cm2の間、約1,500μW/cm2から約3,000μW/cm2の間、約2,000μW/cm2から約2,500μW/cm2の間、約2,000μW/cm2から約3,000μW/cm2の間、約2,000μW/cm2から約3,500μW/cm2の間、約2,000μW/cm2から約2,500μW/cm2の間、約2,000μW/cm2から約2,750μW/cm2の間、約2,500μW/cm2から約2,600μW/cm2の間、約2,500μW/cm2から約2,750μW/cm2の間、および約2,500μW/cm2から約3,000μW/cm2の間、または他の同様の値の間、のうちから選択される。
いくつかの実施形態において、内部容積112内に作成された消毒領域は、その領域内で実質的に均一な放射照度で消毒用放射線を照射することによって特徴付けられる。本明細書において消毒領域に関して使用されているように、「実質的に均一」という用語は、消毒用放射線の放射照度が領域全体内で10%を超えて変化しない(すなわち、領域内で測定された放射照度が10%を超えて変化しない)領域を指す。特定の実施形態において、「実質的に均一な表面照射」は、消毒されるべき物品の表面に消毒用放射線が照射される強度が、それらの表面の任意の部分にわたって±30%、±25%、±20%、±15%、±10%、および±5%、または別の同様の値、のうちから選択される量を超えて変化しない消毒領域を指す。消毒領域は、異なるタイプの標的物品240、消毒を意図されている標的物品240の異なる領域、放射線源120の異なる動作状態について、または他の理由から、再定義されるか、またはカスタムチューニングされ得る。さらに、消毒領域は、動的に調整されるか、まとめて調整されるか、独立して調整されるか、または他の何らかの方法で調整されてよい。たとえば、消毒領域内の放射線強度のバラツキが閾値、たとえば10%を超えていると決定された場合、消毒領域は、たとえば、生成された消毒プログラムに従って、または他の何らかの論理によって、2つまたはそれ以上の消毒領域に分けて再定義され得る。
消毒は、放射線が均一に照射されることを必要としないけれども、標的物品240が位置決めされる局所的な容積/領域内で妥当な範囲で均一な放射照度を有することは有用であり得る。均一な分布は、標的物品240の1つまたは複数の表面が消毒されている場所で確立される実際のパワーレベルを確認するために使用され得る。たとえば、選択された容積または領域が均一に照射されるときに、選択された容積または領域内の1つまたは複数の表面に到達する放射線量は、選択された容積または領域内の放射線のセンサー測定値から推測され得る。このようにして、望む消毒のレベルを達成するために決定される放射線の最小線量が、意図された表面に照射され、過剰照射の可能性が低減され得る。
消毒チャンバー110の内部容積112を画成する1つまたは複数の内壁230は、消毒用放射線の1つまたは複数の放射線源120と協働して、内部容積112内の1つまたは複数の消毒領域に高強度消毒用放射線を照射するように構成されてもよい。たとえば、消毒チャンバーに備えられている1つまたは複数の壁、および含まれる場合に、1つまたは複数の反射面は、消毒用放射線の1つまたは複数の放射線源120と協働して機能し、1つまたは複数の消毒領域を提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、消毒チャンバーの内部容積は、頂部壁および/または底部壁を有する1つまたは複数の側壁によって画成される。そのような実施形態において、消毒用放射線の線源120は、任意の側壁、頂部壁、底部壁上もしくはその中に、または2つもしくはそれ以上の側壁、1つ側壁と1つの底部壁、および側壁と頂部壁のいずれかの間の任意の接合部に、位置決めされ得る。それに加えて、または代替的に、生成された消毒プログラムは、1つまたは複数の放射線源120を制御して、1つまたは複数の所望のレベルの放射線を、消毒チャンバー110の内部容積112内に画成された1つまたは複数の異なる消毒領域に照射してもよい。そして、一消毒領域に照射される放射線強度は、別の消毒領域に照射される放射線強度と同時に、異なっていてもよい。
消毒チャンバー110の内部容積112を画成する1つまたは複数の壁230は、チャンバーに対する多数の断面形状のうちの任意の1つを提供することができる。たとえば、特定の実施形態では、1つまたは複数の壁230は、長方形、三角形、六角形、または八角形の断面などの、円形もしくは多辺形の断面を有する内部容積112を提供するように構成される。いくつかの実施形態において、消毒チャンバー110は、内部容積112が複数の壁によって画成され、内部容積の断面形状が直方体または八角形の平行六面体であるように構成される。なおも他の実施形態において、内部容積112、またはその一部は、円、放物線、二重楕円、または他の形状の形であってよい。いくつかの場合において、内部容積112の内壁230は、第1の断面形状によって画成される内部容積を有する消毒チャンバーが、第2の異なる断面形状によって画成された内部容積を有する修正を加えられるように、追加されるか、取り除かれるか、または代替的にもしくはそれに加えて、再配置されてもよい。
消毒チャンバー110の実施形態は、1つまたは複数の消毒用放射線源120の完全なまたは部分的な背後にある反射体(簡単にするため特に図示せず)を備えてよく、そのような実施形態において、消毒用放射線の線源120がUV放射線を放射し、たとえばUV-C放射線を放射するチューブなどの線源である場合、反射体は、UV-C放射線源がその焦点にあるかまたはその近くにある放物面であってもよい。このような構成の結果、放物面反射鏡から最初に反射した後、送出光は、ほぼ平行な光線となって送出され得る。もちろん、他の反射体の幾何学的形状、UV放射線源の配置、および結果として生じる放射線場も可能である。UV-C放射線を放射するチューブが消毒用放射線の1つまたは複数の線源として使用される場合、いくつかの実施形態では、線源チューブによって送出される定格全パワー(すなわち、線源を包含する表面積に関して積分された、線源を出るUV-Cフルエンス)は、約20Wから約200Wの範囲内であってよい。消毒放射線源120(たとえば、UVチューブ)によって消費される入力電力は、これらの線源から送出される出力UVパワーに関連し、その情報を提供するが、関係は線形ではなく、関係は一般的に時間とともに変化することに留意されたい。しかしながら、特定の実施形態では、本明細書において説明されているような消毒チャンバーで使用されるUVチューブに対する入力電力は、たとえば、20W、25W、30W、35W、40W、45W、50W、55W、60W、65W、70W、75W、80W、85W、90W、95W、100W、135W、150W、または別の同様の値から選択され得る。
消毒用放射線の1つまたは複数の線源120は、結果として選択された強度の放射線(たとえば、消毒領域に関して説明されているような強度のエネルギーなど)が内部容積112内の1つまたは複数の消毒領域に照射される方式で内部容積112の1つまたは複数の側壁230の周りに位置決めされ得る。消毒用放射線の1つまたは複数の線源120は、消毒領域に特定の放射線強度をもたらすために内部容積112の周りに位置決めされ得る。たとえば、1つまたは複数の側壁230を有する内部容積112の実施形態では、UV-C放射線の2つまたはそれ以上の線源120などの、消毒用放射線の2つまたはそれ以上の線源120は、均一に相隔てて並ぶ側壁のうちの1つまたは複数に沿って位置決めされ得る。複数の側壁を有する実施形態では、消毒用放射線の1つまたは複数の線源120が側壁の1つまたは複数のコーナーに位置決めされ得る。消毒チャンバーが少なくとも1つの頂部もしくは底部の壁または表面を備える場合、1つまたは複数の消毒用放射線の線源120は、内部容積112内に形成された1つまたは複数の消毒領域に向けられた消毒用放射線の特定のレベルの照射を行うように頂部および/または底部の壁または表面に位置決めされ得る。特定の実施形態において、消毒チャンバー110の内部容積112が、2つまたはそれ以上の側壁230および底部壁230を備えるように構成され、UV放射線源120が側壁の間に形成された各コーナーのところにあり、少なくとも1つのUV放射線源120が底部壁に位置決めされている場合、各コーナーのチューブの入力電力は少なくとも50Wであってよく、含まれる場合には、底部の1つまたは複数のチューブの電力は少なくとも30Wであってよい。
内部容積112内の標的物品240の位置決めを円滑にするために、消毒チャンバー110は、1つまたは複数の標的物品240、たとえば、超音波プローブまたは他の医療機器をチャンバー内で位置決めする、移動可能な基部、たとえば、サスペンションアセンブリを設けられてよい。本明細書において説明されているサスペンションアセンブリは、消毒されるべき1つまたは複数の物品を消毒チャンバー内に一貫して位置決めするように働く。これらの場合において、消毒チャンバーが1つまたは複数の消毒領域を形成するように設計されていれば、サスペンションアセンブリを提供することにより、消毒領域内で消毒されるべき1つまたは複数の物品の一貫した繰り返し可能な位置決めを可能にし、それによって、1つまたは複数の物品が消毒サイクルにおいて高強度放射線に曝されることが保証される。
特定の実施形態では、高強度放射線の消毒領域が形成される、消毒チャンバーの中心部分に標的物品240を位置決めするサスペンションアセンブリ242が提供されてよい。いくつかの変更形態において、たとえば、物品がケーブルに接続され、次いで、このケーブルがチャンバーから外に出る可能性があるときに、サスペンションアセンブリは、消毒チャンバーの頂部の中心部分まで延在するアセンブリの頂部にスロットを備える。いくつかの場合において、サスペンションアセンブリ242は、コントローラ140などの処理デバイスから制御信号を受信するように配置構成されている1つまたは複数の制御機構を備え得る。これらの、または他の場合において、サスペンションアセンブリ242は、生成された消毒プログラムに従って動作して、消毒チャンバー110内の標的物品240の位置を、2次元(たとえば、上下左右)、3次元(たとえば、回転、横方向運動)、4次元(たとえば、時間依存、消毒サイクルにおける運動)、または他の何らかの数の次元で調整し得る。いくつかの場合において、サスペンションアセンブリ242は、標的物品240の整列を助けるための位置合わせ機能を備える。いくつかの場合において、サスペンションアセンブリ242は、標的物品240が、消毒チャンバー110の内部容積内に留置された後、消毒サイクルにおいて移動しないように永久的または半永久的に固定される。
理解されるように、内部容積112の形状およびサイズの位置、内部容積112を画成する反射内部側壁の位置、形状、および光反射特性、放射線源120の量および位置、移動可能な基部の移動、ならびに内部容積112の他の構造的構成は、すべて、内部容積112内の消毒領域に照射される放射線強度に影響を及ぼし得る。本明細書では、内部容積112の、および/または内部容積112内のすべてのそのような構造的構成は、内部容積112の「構造的構成」と称される。
消毒デバイス100に備えられている1つまたは複数のセンサー130の数および位置も、低温で高速高レベル消毒を行うように選択される。本明細書の目的のために、センサー132は、環境条件を収集して測定する任意のデバイスまたはコンポーネントのアセンブリを含む。消毒チャンバー内の消毒用放射線を検出するための1つまたは複数のセンサー130に言及するとき、1つまたは複数のセンサー130は、各々、消毒チャンバー内に存在する消毒用放射線に関する情報を収集し、消毒チャンバー内の消毒用放射線の量を感知するか、または測定し、消毒用放射線に関する収集された情報を増幅するか、または処理することができるコンポーネントのデバイスまたはアセンブリとなる。さらに、本明細書の文脈では、センサー130は、消毒チャンバーの内部に位置決めされているか、または消毒チャンバーの内部に直接的に曝露されているかいないかにかかわらず、センサー130の任意のコンポーネントが、消毒チャンバー内に存在する消毒用放射線に関する処理済みの情報を検出するか、測定するか、伝送するか、処理するか、または通信することができる消毒チャンバー内に位置決めされていると考えられる。
内部容積112に含まれる1つまたは複数のセンサー130、132の各々は、全放射線量、時間の経過に従って変わる曝露率、および同様のものなどの情報を検出し、コントローラ140(図1)に伝達することができるものとしてよい。たとえば、UV-C光が消毒用放射線として使用される場合、センサー130は、標的物品240が受けるUV-C線量、および/または消毒デバイスに含まれる1つまたは複数のUV-C線源120によって放射されるUV-C放射線の量を感知し得る。いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている消毒デバイスに備えられているUV-Cセンサー130は、消毒チャンバー110の内部容積112内に固定して、または移動可能に、位置決めされた1つまたは複数のフォトダイオードであってよい。他の実施形態では、1つまたは複数のセンサー130は、チャンバー-内の放射線を収集するために使用されるレンズ、鏡、フィルタ、および他の光学要素などの1つまたは複数の光伝導コンポーネントを備えるものとしてよく、収集された消毒エネルギーをフォトダイオードなどの検出器に伝導する光ファイバケーブルまたはライトパイプも備え得る。いくつかの変更形態において、消毒チャンバー110内のセンサー130は、注目するスペクトル内の放射線のみが感知されるように帯域通過光学フィルタまたは他の電磁フィルタを前面に有するように構成される。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサー130は、消毒されるべき1つまたは複数の物品上に位置決めされるか、またはその物品内に組み込まれ得る。消毒されるべき1つまたは複数の標的物品240上に1つまたは複数のセンサー130を位置決めすることで、物品240に到達する消毒用放射線のより正確な読み取りを可能にし得る。本明細書において説明されているデバイスは、たとえば、消毒用放射線の直接的および間接的な線源を監視するように位置決めされている複数の光伝導体を利用する1つまたは複数のセンサー130を備え得る。本明細書において説明されているデバイスの文脈において有用な光伝導体は、限定はしないが、光ファイバ「ケーブル」(低損失で長距離にわたって光を伝導するのに適している)、または、ガラス、ポリマー、または光をそれ自体の中に捕捉して閉じ込め、低損失で光を伝導する他の単純な、光学的に透明な材料から形成
された単純な「ライトパイプ」を含む。使用される場合、本明細書において参照されるような「ライトパイプ」は、典型的には、望ましくない損失を防ぐために短い距離で光を伝導するのにより適している。レンズは、放射線を集め、それを検出デバイスに導くか、または集められた放射線は、測定のため別の場所に運ばれ得る。
いくつかの実施形態において、内部容積112に照射される大域的(すなわち、総)放射線量を検出するための1つのセンサー130またはセンサー130のセットと、内部容積112内の各消毒領域をチェックするか、または監視するための別のセンサー130またはセンサー130のセットとを備えることが有益であり得る。
一実施形態において、消毒システム100は、コントローラ140(図1)によって、指定されたパワーレベルおよび特定の時間期間により放射線源120の動作を指令する、すなわち、決定された累積閾値放射線量に到達するように制御される。たとえば、UV-C放射線が消毒用放射線として使用される場合、特定の実施形態では、所定の閾値線量は、約50,000μJ/cm2と約10,000,000μJ/cm2の間から選択され得る。いくつかのそのような実施形態において、線量は、たとえば、約50,000μJ/cm2と約750,000μJ/cm2の間、約50,000μJ/cm2と約650,000μJ/cm2の間、約50,000μJ/cm2と約500,000μJ/cm2の間、約50,000μJ/cm2と約450,000μJ/cm2の間、約50,000μJ/cm2と約350,000μJ/cm2の間、約50,000μJ/cm2と約250,000μJ/cm2の間、および約50,000μJ/cm2と約100,000μJ/cm2の間、または他の同様の値の間から選択された線量など、約50,000μJ/cm2と約1,000,000μJ/cm2の間から選択されてよい。さらにそのような実施形態において、線量は、約150,000μJ/cm2と約750,000μJ/cm2の間、約150,000μJ/cm2と約650,000μJ/cm2の間、約150,000μJ/cm2と約500,000μJ/cm2の間、約150,000μJ/cm2と約450,000μJ/cm2の間、約150,000μJ/cm2と約350,000μJ/cm2の間、約150,000μJ/cm2と約250,000μJ/cm2の間、または他の同様の値の間から選択され得る。なおもさらにそのような実施形態において、線量は、約250,000μJ/cm2と約750,000μJ/cm2の間、約250,000μJ/cm2と約650,000μJ/cm2の間、約250,000μJ/cm2と約500,000μJ/cm2の間、約250,000μJ/cm2と約450,000μJ/cm2の間、および約250,000μJ/cm2と約350,000μJ/cm2の間、または他の同様の値の間から選択され得る。
図4は、例示的なコントローラ140の詳細を例示している。図4に示されているように、コントローラ140は、プロセッサ174と、少なくとも1つのアナログ/デジタルコンバータ(ADC)ユニット178を備えるインターフェーシングユニット176とを具備し得る。インターフェーシングユニット176は、消毒動作の制御に関連するデータ/情報に関して、消毒チャンバー110、放射線源120、センサー130、データベース150、および/または消毒要件入力160のうちの1つまたは複数と通信し得る。ADCユニット178は、センサー130によって検出されたデータなどのアナログデータを、プロセッサ174による処理に適したデジタルデータに変換し得る。
コントローラ140は、中に収容される消毒曝露決定ユニット142および消毒動作制御ユニット144を有する記憶ユニット180も備え得る。消毒曝露決定ユニット142は、内部容積パターン形成ユニット184と、放射線源パターン形成ユニット186と、標的物品パターン形成ユニット188と、放射線強度マップ生成ユニット190と、キャリブレーションユニット192とを備え得る。消毒動作制御ユニット144は、動作ユニット194と、温度制御ユニット196と、放射線強度制御ユニット198とを備え得る。消毒曝露決定ユニット142および消毒動作制御ユニット144は、ソフトウェア、組み込みファームウェア、プログラマブルロジック、それらの組合せ、または他の好適な記憶形態として1つまたは複数の記憶媒体に記憶され得る。
消毒曝露決定ユニット142は、一般的に、消毒チャンバー110および放射線源120を含む消毒システム100内に留置される標的物品240に対する消毒曝露を決定するように構成される。具体的には、内部容積パターン形成ユニット184は、消毒チャンバー110の内部容積112の構造的構成を識別するように構成される。放射線源パターン形成ユニット186は、放射線源120の少なくとも1つの放射線放射特性を識別するように構成される。標的物品パターン形成ユニット188は、標的物品240の少なくとも1つの構造的構成および材料特性を識別するように構成される。放射線強度マップ生成ユニット190は、放射線源120のUV-C放射線放射特性、内部容積112の構造的構成、ならびに標的物品240の構造的構成および材料特性に基づき、放射線強度マップを生成するように構成される。生成された放射線強度マップは、消毒チャンバー110の内部容積112内の1つまたは複数の消毒領域の放射線強度値を示す。キャリブレーションユニット192は、センサー130(図2B)によって検出される実際の放射線強度データに基づきキャリブレーション値を生成するように構成される。実際の放射線強度データは、内部容積112内に位置決めされているキャリブレーション対象、および放射線強度マップが生成される際の方式に匹敵する方式で動作している放射線源120により取得され得る。本明細書において説明されているように、生成されたキャリブレーション値は、いくつかの場合において、実際の動作においてセンサー130によって生成される値を調整するために使用される重み付け係数、減衰係数、または他のそのような係数である。消毒曝露決定ユニット142の動作の詳細は、例示的な動作に関して本明細書においてさらに説明される。
消毒動作制御ユニット144は、消毒曝露決定ユニット142によって決定された消毒曝露(たとえば、最小線量)に基づき、生成された消毒プログラムに従って、標的物品240の消毒動作を制御するように構成される。放射線量は、放射線強度マップに基づくものとしてよく、各消毒領域が放射線を受ける期間を規定し得る。具体的には、動作ユニット194は、決定された線量に基づき、消毒動作を実装し得る。この動作は、内部容積112内の標的物品240の移動、放射線源120のパワー状態、消毒サイクルの動作中に各放射線源120がオン/オフされる期間、および他の要因を含み得る。
温度制御ユニット196は、標的物品240および/または内部容積112内の消毒領域の検出された温度情報に基づき消毒動作を制御するように構成される。放射線強度制御ユニット198は、内部容積112内の消毒領域における検出された放射線強度に基づき消毒動作を制御するように構成される。
たとえば、センサー130によって検出された放射線強度データに基づく場合、また放射線強度制御ユニット198が、必要な最小線量がまだ達成されていないと決定した場合、放射線強度制御ユニット198は、消毒用放射線への全曝露量を選択された(たとえば、最小の)閾値線量にするように設定された時間間隔の間、操作ユニット194が動作を継続するように機能し得る。そのような実施形態において、消毒用放射線の選択された閾値は、消毒用曝露決定ユニット142によって決定された放射線量に基づき決定され得る。たとえば、消毒システム100は、次の条件のうち1つまたは複数が満たされたことが確認された後、消毒サイクルを停止するように構成され、制御され得る。1)センサー130の各々が所定の(最小)線量の消毒用放射線を受け取っている。2)センサー130によって受信された平均線量が閾値(たとえば、最小)線量に達している。3)少なくとも1つの個別のセンサーが第1の閾値(たとえば、最小)線量を受け、残りのすべてのセンサー130が第2の閾値(たとえば、最小)平均線量を受けている。4)消毒用放射線を直接的に受けるように位置決めされた1つまたは複数のセンサー130が第1の閾値(たとえば、最小)線量を受け、総または間接的放射線を監視するように位置決めされた1つまたは複数の追加のセンサーが第2の閾値(たとえば、最小)の線量を受けている。5)2つまたはそれ以上のセンサーの第1のグループが第1の閾値(たとえば、最小)線量の条件を満たす平均線量を受け、2つまたはそれ以上の追加のセンサーの第2のグループが第2の閾値(たとえば、最小)線量の条件を満たす平均線量を受けている。本明細書において使用されているように、「第1の閾値線量」および「第2の閾値線量」という用語は、必ずしも異なる値を指さない。消毒用放射線の第1および第2の閾値線量は同じであり得るか、または、他の実施形態では、第1および第2の閾値線量は異なり得る。
特定の実施形態では、本明細書による消毒プロセスは、許容可能な低い温度で行われる。一実施形態において、消毒されている物品の表面温度が特定の閾値以下に維持されるべきである場合、1つまたは複数の赤外線温度センサー132などの1つまたは複数の温度センサー132が、消毒されている物品240の表面温度を監視し、伝達するために使用され得る。代替的に、単に内部容積112内の気温または内壁230のうちの1つもしくは複数の内壁の温度を監視するだけで十分であり得る。消毒チャンバー110内の気温または壁温度が監視される場合、監視場所は、消毒されている1つまたは複数の標的物品240の表面温度を妥当な精度で無理なく検出するように選択され得る。そのような実施形態において、消毒されている1つまたは複数の標的物品240の表面温度に相関する消毒チャンバー110の内部容積112内の温度監視のための配置は、標的物品240の表面温度を監視し、標的物品240の表面温度に適切に相関する温度を示すチャンバー内の領域または配置を識別する試験を介して選択され得る。そのような事例では、消毒チャンバーは、消毒サイクルが実行されている間、消毒チャンバー110の内部容積112の周囲温度を監視し、伝達する1つまたは複数の周囲温度センサー132を備え得る。
センサー132によって検出された温度データに基づき、温度制御ユニット196は、動作ユニット194を制御して、動作状態を調整し得る。たとえば、温度が閾値よりも高い場合、温度制御ユニット196は、内部容積112の熱容量を低減し、それによって内部容積112を冷却する動作をするものとしてよく、この冷却を達成する際に、付加的効果として、放射線源120のパワー出力を低下させ得る。たとえば、UV-C放射線を生成するライトチューブは、約35℃から約45℃の間の温度において許容可能な効率で動作することが分かっている。いくつかの実施形態では、本明細書において説明されているような温度制御ユニット196は、1)消毒サイクルの開始前に、消毒用放射線の1つもしくは複数の放射線源120に対して選択された、または選択可能な温度範囲内の温度まで内部容積112を予熱し、2)結果として処理されている標的物品240の望ましくない劣化をもたらさず、また消毒用放射線の1つまたは複数の放射線源120に対して選択された閾値温度範囲の下に移動しない温度範囲を維持するように内部容積112を能動的に温めるか、または冷やすように構成され得る。消毒チャンバー110の内部容積112を許容可能な温度に維持するために、温度制御ユニット196は、1つまたは複数の熱源を備えるか、そうでなければ1つまたは複数の熱源に指令を出すものとしてよい。そのような実施形態では、熱源は、1つもしくは複数の放射線源120(たとえば、1つもしくは複数のUV-Cチューブ)、または知られている電気加熱デバイス、赤外線加熱デバイス、および放射加熱デバイスを含む、任意の他の好適な熱源または加熱要素を備え得る。
本明細書において説明されている消毒システム100およびそのコンポーネントは、携帯可能であってもなくてもよい。本開示によるシステム100およびそのコンポーネントは、デバイスおよびシステムが使用されることになる特定の文脈および用途の選択されたパラメータに合わせて構成され得る。ハウジングが携帯用である実施形態では、ハウジングは、高レベル消毒を必要とする物品、または物品の一部の近くに移動され得る。特定の文脈において、本明細書によるデバイスおよびシステムの携帯性は、そのような携帯性が消毒されるべき標的物品240をデバイスまたはシステム100自体に移動する必要性を減らすか、またはなくすので、有利である。実施形態が携帯できるときには、デバイスおよびシステムは、家庭、クリニック、または病院環境内に一般的に配置されている任意の電源を利用するように構成されてよい。代替的に、本明細書において説明されているような携帯型デバイスまたはシステム100の実施形態では、システム100の1つまたは複数のコンポーネントは、固定型電源へのアクセスの必要性を減らすか、またはなくすために1つもしくは複数のバッテリーまたは他の携帯電源によって給電され得る。様々なバッテリー、バッテリー技術、およびパワーマネジメント技術は、当技術分野でよく知られており、本明細書によるデバイスおよびシステムにおいて利用できる。
本開示の戦略は、任意のタイプの標的物品240を消毒するための適切な放射線量(すなわち、最小線量)を決定することである。この戦略は、物品の形状に関係なく、対象となる標的物品240のすべての表面の消毒を円滑にする。この戦略を円滑にするために、消毒チャンバー110の内部容積112がモデル化され、空のチャンバー内の放射線パターンがモデル化され、標的物品240がモデル化され、標的物品240が存在するときのチャンバー内の放射線パターンがモデル化される。モデルに基づき、高レベル消毒(HLD)を実施するのに十分な放射線を、標的物品240が存在するときに消毒チャンバー110の内部容積112内に照射する消毒プログラムが生成される。消毒プログラムが消毒システム100にロードされ、コントローラ140を使用して実行されたときに、たとえば、最小線量の放射線が照射され、標的物品240は消毒される。戦略の実装は、追加の手順や構造により補われるものとしてよい。たとえば、モデル、放射線マップ、および消毒プログラムのうちの1つまたは複数を検証するために使用されるデータを収集するために、キャリブレーションデバイスが、消毒チャンバー110内で動作し得る。1つまたは複数のオンボードセンサー130、132が、モデルおよび放射線マップのうちの1つまたは複数において情報を補完するために使用され、消毒プログラムのいくつかの動作を制御するためにセンサー情報がさらに使用され得る。
図5A~図5Eは、図2Bの線に沿った消毒チャンバー110の図である。消毒チャンバー110は、例示されているように、内部容積112、1つまたは複数の放射線源120、1つまたは複数のセンサー130、およびサスペンションアセンブリ242を備える。消毒チャンバー110の他の構造および特徴は、本明細書の説明に対して図を見やすくするために図示されていない。
いくつかの場合において、図5の消毒チャンバー110は、医療施設、製造施設、または他の何らかの配置で使用するために配備され得る。これらの配置では、消毒チャンバー110は、任意の数のタイプの標的物品を消毒するために使用される。この第1のタイプの消毒チャンバー110は、配備済み消毒チャンバー、商業用消毒チャンバー、生産用消毒チャンバーと称され得るか、または他のそのような用語を用いて参照され得る。他の場合には、消毒チャンバー110は、消毒チャンバーの3次元モデルまたは放射線強度マップを作成するために使用され得るか、またはこの第2の消毒チャンバーは、他の試験もしくはデータ収集の目的で使用され得る。この第2のタイプの消毒チャンバーは、試験消毒チャンバー、データ収集消毒チャンバーと称されるか、または他の類似の名称を用いて参照され得る。いくつかの場合において、第1および第2のタイプの消毒チャンバーは同一であり、他の場合には異なることは認識される。いくつかの場合において、単一の消毒チャンバーが、ある時は試験またはデータ収集用消毒チャンバーとして動作し、別の時には配備済みまたは商業用消毒チャンバーとして使用され得る。
図5Aの消毒チャンバー110は空である。図5Bから図5Eの消毒チャンバー110は、内部容積112内のサスペンションアセンブリ242に結合された標的物品240を含む。図5Aから図5Eは、本明細書では、まとめて図5と称されることがある。
図5の消毒チャンバー110は、内部容積112内の消毒領域の放射線強度の任意の数のマップを生成するように動作し得る。放射線強度マップは、消毒チャンバー110の構造的構成および消毒チャンバー110に結合された特定の放射線源120の放射発光特性に基づき開発され/取得される。様々な放射線マップが、放射線源120を様々なパワー設定で、様々なシーケンスにおいて、様々な持続時間について、または他の任意の方法で動作させることによって形成され得る。別個の放射線マップは、各別個の放射線源120の単独動作に基づき生成され得る。いくつかの場合において、放射線マップは、消毒システム100(図1)が現場で動作させられた後に生成される。このようにして、定期的に生成される放射線マップは、互いに比較され、それにより、特定のシステムのいくつかの機能特性(たとえば、放射線源への汚れまたは汚染物質の蓄積、放射線源の経年変化、検出器の感度の変化、および他の特性)を追跡できる。これらの場合の少なくともいくつかでは、そのような生成された放射線マップの比較時に1つまたは複数の閾値を越えると、システムを整備保守する指示(たとえば、ユーザインタフェース上のインジケータ、ブロードキャストメッセージ、システムのリセットまたはシャットダウン、または同様のもの)がトリガーされ得る。
図5Bのようないくつかの場合において、放射線マップは、消毒チャンバーの内部容積内に位置決めされた標的物品240を考慮して生成され得る。すなわち、放射線マップの生成では、消毒されるべき標的物品の放射光の反射、遮光、および/または吸収もしくは他の光学的特性が考慮される。たとえば、標的物品240の表面構造的構成および標的物品240の表面物質は、消毒チャンバー110の内部容積112内の放射線強度の決定に影響を及ぼす。標的物品240の存在は、予期されるように、センサー130のところで受ける放射線を変化させる。標的物品なしで消毒チャンバー110を動作させることによって、第1の消毒サイクルにおいてセンサー130から測定および収集された第1のデータセットは、第1の放射線マップを生成するために使用され得る。消毒チャンバー110の内部容積112に標的物品240を位置決めし、次いで、第2の同じ消毒サイクルを通して消毒チャンバー110を動作させることによって、センサー130から測定され、および収集されたデータの第2のセットは、第2の放射線マップを生成するために使用され得る。第1および第2の放射線マップを互いに比較することで、標的物品240によって引き起こされる内部容積112内に照射される放射線に対する影響を表すデータのセットを生成する。
放射線マップを補足するか、または他の何らかの形で修正するための情報は、同様に他の方法で収集され得る。たとえば、標的物品240は、いくつかの場合において、その表面の一部または全表面に塗布された放射線感受性材料241を有していてもよい。これらの場合、そのようにコーティングされた標的物品240が消毒チャンバー内にある間に照射されると、放射線感受性材料241は影響を受けることになる。いくつかの場合において、照射された後に放射線感受性材料241の変化に基づき、試験物品240の表面で受ける放射線の線量を表す値が計算され得る。放射線感受性材料241の変化の量は、それぞれの表面で受けた放射線の量に比例し得る。このようにして、標的物品の表面上の注目する1つまたは複数の領域が決定され得る。たとえば、表面に塗布された放射線感受性材料241を有する標的物品240に放射線を照射することによって、放射線源への視線経路を有することから遮蔽されている標的物品240の領域が、標的物品240の他の領域よりも少ない照射を受けると決定され得る(すなわち、コールドスポット)。別の例として、標的物品の一部が放射線源に非常に近い場合、すぐ近くの部分が標的物品240の他の領域(すなわち、ホットスポット)よりも多くの放射線を受けると決定され得る。
放射線感受性材料241は、標的物品240の表面上に見えていても見えていなくてもよい。いくつかの場合において、放射線感受性材料241は、塗料として塗布される。いくつかの場合において、放射線感受性材料241は、接着剤で裏打ちされた基板上にあり、これらの「パッチ」の1つまたは複数は、標的物品241の表面上の注目する領域に接着される。さらに他の場合において、放射線感受性材料241は、塵、粉末、フィルム、染料、インク、または他の物質として形成される。
いくつかの場合において、放射線感受性材料241は、臭化銀、ヨウ化銀、および硫化銀などの銀乳剤である。他の場合では、放射線感受性材料241は、トルエン、キシレン、メタノール、もしくはエタノール、または同様の物質などの、有機溶剤に溶解されたスピロオキサジン系色素であってよい。これらの、またはさらに他の場合には、放射線感受性材料241は、1,3,3-トリメチルインドリノナフトスピロオキサジン、ジアリールエテン、スピロピラン、スピロペリミジン、ビオロゲン、アゾベンゼン、または他の感光性物質などの、フォトクロミック色素であってよい。
放射線マップは、1つまたは複数のオンボードセンサー130によって測定された放射線の量に基づき生成され得る。それに加えて、または代替的に、放射線マップは、消毒チャンバー110内のキャリブレーションデバイスに基づき生成されてもよい。キャリブレーションデバイスは、1つまたは複数の一体化されたセンサー130を有する標的物品240の一種であってよい。このようにして、放射線マップデータを生成することに加えて、キャリブレーションデバイスによって測定された放射線値は、消毒チャンバー110内に配置されている他のセンサーによって測定された値を検証またはキャリブレートするために使用され得る。
図5Cは、内部容積112内に位置決めされた標的物品キャリブレーションデバイス240aを有する消毒チャンバー110の構成の図である。標的物品キャリブレーションデバイス240aは、図5Cではサスペンションアセンブリ242から懸架されているが、他の場合には、標的物品キャリブレーションデバイス240aは、他の何らかの方法で消毒チャンバー内に位置決めされるか、移動されるか、置かれるか、構成されるか、または配置され得る。
標的物品キャリブレーションデバイス240aは、任意の数の標的物品センサー130aを備える。図5Cでは、4つの標的物品センサー130aのみが明示的に参照されているが、標的物品キャリブレーションデバイス240で実際に利用される標的物品センサー130aの各々が考慮されることが理解される。これらの方針に従って、各標的物品センサー130aで収集された放射線測定値は、センサーが形成されるか、一体化されるか、または他の何らかの形で位置決めされた標的物品キャリブレーションデバイス240a上の配置に計算上結合され得る。各標的物品センサー130aで収集された放射線測定値は、さらに、消毒サイクル内の点と計算上結合され得る。
実際の標的物品240に実質的に類似する表面積を有する標的物品キャリブレーションデバイス240aを使用することで、高密度の正確な放射線情報を含む放射線マップが形成され得る。それに加えて、消毒サイクルにおいてセンサー130により捕捉された放射線測定値を追跡する一方で、標的物品キャリブレーションデバイスがチャンバー内に位置決めされたときに標的物品センサー130aの測定値を同時に捕捉することにより、効果的な消毒サイクルプログラムが生成され、特定のタイプの標的物品240に対する好適なレベルの消毒を実行することができる。その後、生成された消毒サイクルプログラムは、標準的な標的物品240を収容する消毒チャンバー110内で実行され得る。センサー130によって捕捉されたデータ測定値を監視することによって、所望の消毒が達成され、標的物品が追加の不要な放射線を受けていないことを実質的に確信しながら標的物品240に最小線量の放射線を照射するように、放射線源120、曝露時間、またはその両方が、適切な分解能で制御され得る。
図5Dは、内部容積112内で軸外れに位置決めされた標的物品キャリブレーションデバイス240aを有する消毒チャンバー110の構成の図である。標的物品キャリブレーションデバイス240aの軸を変更するように配置構成されているサスペンションアセンブリ242の機構は、簡単のために図示されていない。いくつかの場合において、標的物品キャリブレーションデバイス240aは、サスペンションアセンブリ上に固定して位置決めされる。他の場合には、標的物品キャリブレーションデバイス240aは、消毒チャンバー110内で、手動で移動されるか、自動的に(たとえば、制御可能に)移動されるか、または半自動で移動され得る。コントローラ140は、任意の好適な方法で標的物品キャリブレーションデバイス240aの移動を指令し得る。
標的物品キャリブレーションデバイス240aは、任意の数のセンサー130aから情報を収集するために使用され得るが、これらのセンサーは図5Dの標的物品キャリブレーションデバイス240aに組み込まれているが、図をわかりにくくしないために明示されていない。
図5Eは、内部容積112内に位置決めされた別の標的物品キャリブレーションデバイス240bを有する消毒チャンバー110の構成の図である。任意の所望の形状、構成、材料、寸法、および他の任意の特性を有する標的物品キャリブレーションデバイス240bが配置構成され得る。図5Dの標的物品キャリブレーションデバイス240bは、任意の数の標的物品センサー130bを備える。標的物品センサー130bは、標的物品センサー130aおよびセンサー130に関して説明されているタイプなどの、任意の好適なタイプのものであってよい。いくつかの場合において、標的物品キャリブレーションデバイスは、任意の数のセンサー130aを含むように修正された知られている医療用プローブのハウジングを含み得る。
図5Eの標的物品キャリブレーションデバイス240bは、任意の数の寸法において制御され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、標的物品キャリブレーションデバイス240bは、1つの次元(たとえば、上下)で制御されてよい。これらの、または他の実施形態において、標的物品キャリブレーションデバイス240bは、第2の次元(たとえば、左右)で制御され得る。これらの、または他の実施形態において、標的物品キャリブレーションデバイス240bは、第3の次元(たとえば、前後)で制御され得る。これらの、またはさらに他の実施形態において、標的物品キャリブレーションデバイス240bは、回転可能に、時間の経過とともに、または他の何らかの形で、制御され得る。図5Eで表されているタイプの標的物品キャリブレーションデバイス240bを使用するが、これはプログラムに従って、手動で、または他の何らかの方法で、たとえば、コントローラによる指令に従って、操作され得る。
標的物品センサー130aは、任意の好適なタイプのものであってよい。本開示の実施形態において、標的物品センサー130aは、センサー130と同じ方針のものであってよい。
図6Aから図6Cは、様々な形成レベルの消毒チャンバーに対するモデルの図である。図6Aから図6Cは、本明細書では、まとめて図6と称されてよい。
図6に関して説明されているいくつかのモデルは、コントローラ140の記憶ユニットに記憶されている消毒曝露(たとえば、線量)決定ユニット142(図4)を介して作成され得る。この場合のコントローラ140は、消毒チャンバー110と一体化されるか、またはこの場合のコントローラは、異なる消毒システム100と一体化され得る。これらの方針に従って、内部容積パターン形成ユニット184(図4)は、消毒チャンバーの3次元モデルを生成するか、修正するか、適用するか、または他の何らかの形で処理するように配置構成されてよい。標的物品パターン形成ユニット188は、消毒されるべき標的物品の3次元モデルを生成するか、修正するか、適用するか、または他の何らかの形で処理するように配置構成されてよい。放射線源パターン形成ユニット186は、放射線源の放射線放射特性を生成するか、修正するか、適用するか、または他の何らかの形で処理するように配置構成されてよい。
図6Aは、消毒チャンバー110Mの初期モデルの図である。消毒チャンバーモデル110Mは、内部容積モデル112Mと、多数(たとえば、1つ、2つ、4つ、または任意の数)の放射線源モデル120Mとを含む。角度、コーナー、サスペンションアセンブリ、ドアヒンジ、装着構造、および同様のものなどの、消毒チャンバー内の他の構造もモデル化され得るが、これらの構造は、図面を簡素化できるように図6Aには図示されていない。モデルを作成するために使用されるソフトウェアは、任意の商業利用可能なモデリングソフトウェアであってよいが、その詳細は、本開示で述べられている発明的概念を不明瞭にしないように、本明細書では詳しく説明していない。図6Aの破線は、そうしなければモデル化されたチャンバーの壁の後ろに隠されてしまうであろう、消毒チャンバーモデル110Mの構造を例示することを意図されている。モデル化される消毒システム、およびその関連する構造のいずれも、任意の好適な形状、サイズ、幾何学的形状、および他の特性を有し得ることが理解される。
図6Bは、消毒チャンバーモデル110Mを形成する一方法を例示している。消毒チャンバーモデル110Mは、消毒チャンバーモデル110Mのすべての表面を覆うか、または消毒チャンバーモデル110Mの仮想内容積112M全体を他の何らかの形で埋め尽くすように複数の仮想多角形を配置構成することによって形成される。図6Bのシーケンス(a)から(i)の仮想多角形は、均一なサイズの立方体として配置構成されているが、他の場合には、仮想多角形の各々は、任意の望ましいサイズ、形状、寸法、配向、または他の有用な特性を有し得る。いくつかの場合において、仮想多角形の1つまたは複数は、数学的に予測可能であるが、直線ではないエッジを含む。異なる仮想多角形は、異なるサイズ、異なる形状、異なる寸法、異なる配向、および他の異なる特性のうちのいずれか1つまたは複数を有し得る。少なくともいくつかの実施形態では、これらの異なる仮想多角形は、「比較的小さな体積」を有し、「ボクセル」と呼ばれてよく、これは2次元(2D)環境におけるピクセルに似ている。本開示においてこの文脈で使用されているように、「比較的小さい」は、注目している特性が差分要素の広がりにわたって一定であるとして適切に取り扱われ得るようにみなされる。
図6Bのシーケンス(a)から(i)は、仮想消毒チャンバー内を移動する単一の仮想多角形(すなわち、立方体)を例示している。図6B(a)の第1の仮想多角形は、仮想内部容積112Mの頂部、左前コーナーに形成され、図6B(b)~図6B(d)の第2、第3、および第4の仮想多角形は、仮想内部容積112Mの頂部、前列を横切って移動する。図6B(e)および図6B(f)では、仮想多角形は、仮想内部容積112Mの頂部から2番目の前列に形成されている。図6B(g)および図6B(h)では、仮想多角形は、頂部、前から2番目の列に図示されている。図6B(i)では、仮想多角形は、仮想内部容積112Mの空間全体を埋めている。
図6Bの仮想多角形の形成および留置のシーケンスは、仮想多角形が、望ましくは、仮想消毒チャンバーのすべての表面を覆うか、または仮想消毒チャンバーの空間全体を他の何らか形で埋め尽くすことを理解するのに役立つが、このシーケンスは限定的ではない。他の場合には、異なるパターンまたはアルゴリズムが、消毒チャンバーモデル110Mの仮想多角形を作成するために使用されてもよい。代替的に、仮想多角形は、すべて、同時に、また完全でない、またはさらには部分的なシーケンスで形成されてもよい。
図6Bの仮想多角形の形成により、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内容積112Mのすべての部分の数学的マッピングが作成される。そのようなマッピングは、3次元(3D)マップ、3Dモデル、多次元モデル、または同様のものと称され得る。各仮想多角形は、隣接する多角形、付近の多角形、および特定の数学的関係または位置を有する他の多角形と相関し得る。各仮想多角形は、対応する多角形によって表現される3次元空間に関する情報を記憶するコンピューティング構造に関連付けられ得る。コンピューティング構造は、たとえば、サイズ情報、形状情報、角度情報、位置情報、隣接情報、組成物情報、光透過情報、光吸収情報、他の光学的特性情報、多角形の他の多角形との接続または他の多角形との関連付け、隣接しているかどうか、または注目する他の何らかの配置にあるかどうかの記述、および他のそのような情報を記憶してよい。このようにして、妥当なコンピューティングレベルに合わせて、消毒チャンバーのあらゆる開口、隆起部、亀裂、裂け目、角度、および他の特性が、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112Mで表現される。
誤解を避けるために、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内容積112Mのすべての部分の数学的マッピングは、消毒チャンバーモデル110M内の消毒放射線の進行を表すソフトウェア規則またはプログラミングコードのセットとして実現され得ることがさらに理解される。ソフトウェア規則は、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112M内に消毒用放射線を放射することができる1つまたは複数の放射線源を表し得る。各線源について、任意の数の放射線の仮想「光線」が形成されてよく、形成された仮想光線の各々は、パラメータ、規則、データ値、式、または動作(すなわち、透過、進行、および終了)の他のそのような特性のセットを有し得る。少なくともいくつかの場合において、各仮想光線は、強度値、半径方向放射角度、および仮想光線の伝播、仮想光線の拡散、仮想光線の吸収、仮想光線の反射、および同様のものに対する関連する規則によって表される。伝播、拡散、吸収、反射、および同様のものに対するこれらの規則は、特定の仮想光線が消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112M内にマッピングされるときに適用される。いくつかの場合において、仮想光線は、消毒チャンバーモデル110Mまたは標的物品モデル240Mの表面で反射される(図6C)。これらの、または他の場合では、仮想光線は、決定された距離を進行した後に拡散されるか、吸収されるか、または消滅する。
図6Cは、標的物品モデル240Mを形成する一方法を例示している。図6Bの消毒チャンバーモデル110Mの方針に従って、標的物品モデル240Mは、標的物品モデル240Mのすべての面を覆うか、または標的物品モデル240Mの仮想体積全体を他の何らかの形で埋め尽くすように複数の仮想多角形を配置構成することによって形成される。図6Cのシーケンス(a)から(l)の仮想多角形は、均一なサイズの立方体であるが、その他の場合には、仮想多角形は任意の望ましいサイズおよび形状を有し得る。異なる仮想多角形は、異なるサイズ、異なる形状、または異なるサイズと形状を有してよい。いくつかの場合において、たとえば、仮想多角形は、標的物品、チャンバー内の放射線源、チャンバー壁、位置決め構造(たとえば、ハンダー、棚、クリップ、または同様のもの)、センサー、スタンドオフ、または任意の他の物体などの3次元物体の表面を仮想的に覆うように配置構成されている三角形、四角形、n角形、または他の何らかの形状として配置構成される。
また、図6Bの消毒チャンバーモデル110Mを形成する方針に従って、図6Cのシーケンス(a)から(l)は、単一の仮想多角形(すなわち、立方体)が仮想標的物品240Mの中を通って移動する様子を例示している。図6Cの仮想多角形の形成および留置のシーケンスは、仮想多角形が、望ましくは、仮想標的物品モデル240Mのすべての表面を覆うか、または仮想標的物品240Mの空間全体を他の何らか形で埋め尽くすことを理解するのに役立つが、このシーケンスは限定的ではない。標的物品モデル240Mの仮想多角形を作成するために、逐次的、同時的、または他の何らかの様式をとり得る、任意の数の異なるパターンまたはアルゴリズムが使用され得る。
図6Cの標的物品モデル240Mの仮想多角形の形成で、標的物品モデル240Mの仮想表面のすべての部分の数学的マッピングを作成する。本明細書において説明されている消毒チャンバーの3次元(3D)モデルを形成する方針に従って、標的物品の数学的マッピングは、3Dマップ、3Dモデル、多次元モデル、または同様の名称で呼ばれ得る。いくつかの場合において、ボクセルは、容積を解決するために、定義されるかまたは他の何らかの形で採用され得る。他の場合には、2次元(2D)の「ピクセル」または他のそのような単位が、表面を記述/解決するために採用され得る。各仮想多角形は、隣接する多角形、付近の多角形、および特定の数学的関係または位置を有する他の多角形と相関し得る。各仮想多角形は、対応する多角形によって表現される3次元空間に関する情報を記憶するコンピューティング構造に関連付けられ得る。コンピューティング構造は、たとえば、サイズ情報、形状情報、角度情報、位置決め情報、隣接情報、組成物情報、および任意の他のそのような情報を記憶し得る。このようにして、妥当なコンピューティングレベルで、標的物品モデル240Mのあらゆる開口、隆起部、窪み、空洞、溝、スタンドオフ、結合部、湾曲部、および他のトポロジー特性が表現される。本開示では、表面トポロジーについて説明されている。他の文脈では、モデル表現に関連する局所的材料特性、光学特性、または他の特性が、走査中に感知手段により決定され得る。
図7Aから図7Gは、多数の構成における消毒チャンバーおよび様々な標的物品のモデル化表現である。図7Aから図7Gは、本明細書では、まとめて図7と称され得る。
図7Aは、仮想放射線源120Mから消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112M内に放射される放射線122a~122dの表現を示す図である。放射線122aは、第1の放射線源120Mから放射され、放射線122bは、第2の放射線源120Mから放射され、放射線122cは、第3の放射線源120Mから放射され、放射線122dは、第4の放射線源120Mから放射される。消毒チャンバーモデル110M内の類似のまたは異なる配置および配向にあるより多くの、もしくはより少ない放射線源120Mもモデル化され得た。図7Aは、放射線源120Mが通電されると、各放射線源120Mが指令された通りに、またそれ自体のパラメータおよび特性に従って、動作することを示している。チャンバー内に放射された放射線は、壁、ハンガー、基部、コーナー、他の放射線源、および同様のものなどの消毒チャンバー内の構造によって光学的作用を受ける。
いくつかの場合において、消毒チャンバーモデル110M内に放射される放射線は、ZEMAX社のOPTICSTUDIO、SYNOPSIS社のCODE V、LAMBDA RESEARCH社のOSLOなどの「レイトレーシング」コンピュータプログラムを用いてトレースされ得る。レイトレーシングプログラムは、シミュレートされる放射線をマッピングするために使用され、プログラムからの情報は、任意の数の放射線強度マップを生成するために使用され得る。レイトレーシングプログラムからの情報を利用して形成される、これらの放射線強度マップの実施形態は、実際の消毒チャンバーおよびオンボード放射線測定センサーを使用して作成される放射線強度マップと同じもしくは異なるパラメータ、データフィールド、構造、フォーマット、または同様のものを有し得る。これらの方針に従って、レイトレーシングプログラムの情報に基づき形成された放射線強度マップの実施形態は、キャリブレーション値、スケーリング値、または同様の値で調整されてもよい。これらの調整は、消毒チャンバーで測定された放射線に基づくか、または代替的に、モデル化されたデータ(たとえば、標的物品のモデル、放射線源のモデル、または同様のもの)に基づくものとしてよい。
図7Bは、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112M内に形成される放射線ベクトル124a~124h、すなわち「光線」のモデル化された表現を示す図である。図7Bの表現は、消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112Mのモデルと、モデル化された放射線源120Mの知られている特性とを使用して作成され、これは、測定された放射線データ(たとえば、図5)から形成された放射線マップ、レイトレーシングプログラム、または他の同様のソースを含む任意の数のソースから推論されるか、基づくか、または他の何らかの形で計算され得る。モデル化された放射線ベクトルの精度の裏付けは、実際の放射線源120を動作させ、センサー130(たとえば、図5)を用いて実際の測定値を収集する実際の消毒チャンバー100における経験的な試験測定値から得られる。図7Bは、図面を過度に複雑にしないように、ごく少数の放射線ベクトルを示している。数百、数千、さらには数百万の放射線ベクトル(たとえば、光線)がモデル化されてよく、ベクトルが消毒チャンバー100およびその中の内容物と相互作用する際にその発展履歴を計算することができることを理解されたい。
図7Bでは、第1のモデル化された放射線ベクトル124aが生成され、第1のモデル化された放射線源120Mから内部容積112M内に放射される。第1のモデル化された放射線ベクトル124aは、元々、消毒チャンバー110Mの内側頂部に向けられている。次いで、消毒チャンバー110Mの内側頂部に接触した後、放射線ベクトルは、消毒チャンバー110Mの底部に向かって、下方に反射される。
第2のモデル化された放射線ベクトル124bが生成され、第1のモデル化された放射線源120Mから、モデル化された内部容積112Mの中心に向かって放射される。
第3のモデル化された放射線ベクトル124cが生成され、第1のモデル化された放射線源120Mから放射される。第3のモデル化された放射線ベクトル124cは、モデル化された内部容積112Mの下側中心に向かっても照射される。
第4のモデル化された放射線ベクトル124dが生成され、第2のモデル化された放射線源120Mから、モデル化された内部容積112Mの中心に向かって放射される。第2のモデル化された放射線ベクトル124bおよび第4のモデル化された放射線ベクトル124dは、モデル化された内部容積112M内で互いに近くで交差する。
第5のモデル化された放射線ベクトル124eが生成され、第2のモデル化された放射線源120Mから、内部容積112M内に向かって放射される。第5のモデル化された放射線ベクトル124eは、元々、消毒チャンバー110Mの内側底部に向けられている。次いで、消毒チャンバー110Mの内側底部に接触した後、第5のモデル化された放射線ベクトルは、上方に反射され、消毒チャンバー110Mの頂部の方へ、ただし、最初に、モデル化された消毒チャンバー110Mの中心を通過する。
第6のモデル化された放射線ベクトル124fが生成され、第3のモデル化された放射線源120Mから、モデル化された内部容積112Mの中心に向かって放射される。
第7のモデル化された放射線ベクトル124gが生成され、第3のモデル化された放射線源120Mから放射される。第7のモデル化された放射線ベクトル124gは、モデル化された消毒チャンバー110Mの後壁に向けられ、そこから反射する。後壁から反射した後、第7のモデル化された放射線ベクトル124gは、モデル化された消毒チャンバー110Mの左側壁に向けられ、そこから反射する。
第8のモデル化された放射線ベクトル124hが生成され、第4のモデル化された放射線源120Mから、モデル化された内部容積112Mの中心に向かって放射される。
モデル化された放射線ベクトル124a~124hは、放射線、チャンバー、標的物品、または他の構造の任意の望ましい特性に従ってモデル化され得る。反射、吸収、再放射、および他の任意のそのような要因は、特に、実際の放射線源によって実際の消毒チャンバー内に照射される実際の放射線を表すように、適切にモデル化され得る。
図7Cは、消毒チャンバーモデル110Mのモデル化された仮想内部容積112M内に形成された放射線ベクトルの別のモデル化された表現を示す図である。図7Cのモデルでは、標的物品モデル240M(図6C)は、内部容積112Mに仮想的に留置されている。それに加えて、図7Cで表されているモデルの性質を開示するために、図7Bの同じモデル化された放射線ベクトル124a~124hは、図7Cの修正された方法で表される。
図7Cで明らかなように、第1のモデル化された放射線ベクトル124aは、もはや、内部容積112Mの中心に到達しない。標的物品モデル240Mの留置により、第1のモデル化された放射線ベクトル124aは、第1のモデル化された放射線源120Mから放射され、消毒チャンバーモデル110Mの内側頂部から反射し、標的物品モデル240Mの頂部に当たる。モデルでは、標的物品モデル240Mへのエネルギーのこの伝達が記録される。これらの方針に従って、第2のモデル化された放射線ベクトル124bは、第1のモデル化された放射線源120Mから放射され、また、標的物品モデル240Mに当たる。第3および第6のモデル化された放射線ベクトル124c、124fは、標的物品モデル240Mの存在の影響を受けない。第4、第5、第7、および第8のモデル化された放射線ベクトル124d、124e、124g、および124hは、標的物品モデル240Mの影響を受け、標的物品モデル240Mに当たる。数十、数百、数千、さらには数百万のベクトルのモデリングを介して、本開示において説明されている実施形態は、標的物品モデル240Mに当たる放射線を実質的な精度でモデル化することができる。いくつかの場合において、いくつかの数(たとえば、数千、数十万、数百万など)の光線が一定期間にわたって「放出」され、光線が反射し、および/または吸収される際に、相互作用の履歴が順次、または他の何らかの形で追跡される。最終的に、シミュレーションは、たとえば、パワーレベルを表し得る、値の安定したセットが注目する1つ、いくつか、またはさらにはすべての配置なるような仕方で収束する。この安定性に到達したとみなされたときに、モデルは注目するモデルを十分に特徴付けるように訓練されたと決定される。
特に図5から図7の説明から明らかなように、任意のサイズ、形状、寸法、内部構造、および任意の他の特性を有する実際の消毒チャンバーがモデル化され、放射線源がモデル化され得ることが示されている。放射線源のモデリングは、任意の寸法、配置、配向、パワー、経年変化、清浄度(たとえば、汚れの程度、放射線源の表面上の汚染物質または他の異物によって引き起こされる放射線遮断の表現、および同様のもの)、温度、動作持続時間、消毒サイクル内の時間(たとえば、消毒サイクルを開始してから最初の1秒以内、最初の10秒以内、最初の30秒以内、60秒後、および同様の時間)、および任意の他のそのような要因を有する放射線源をシミュレートする任意の好適な方法で放射線ベクトルを調整するように動的に動作することができる。消毒チャンバーおよび放射線源のそのようなモデリングは、放射線強度マップを作成するために使用できる。
それに加えて、特に図5から図7の説明でも明らかなように、任意のタイプの実際の標的物品240がモデル化され(すなわち、標的物品モデル240M)、実際の消毒チャンバー110内で標的物品の表面に衝突する放射線の発生がモデル化され得ることが図示されている。吸収される放射線量も、標的表面の物理的および光学的特性に基づき計算され得る。1つまたは複数のセンサー130および1つまたは複数の標的物品センサー130a、130bから収集された実際のデータに基づき、または他の何らかの形で導出された放射線マップの作成は、モデルを確認し、検証するために、または他の何らかの形でモデルによって生成される放射線マップを調整するために使用され得る。このようにして、実際の消毒チャンバーおよび実際の標的物品の時間のかかる、退屈で、高くつく物理的モデリングが回避されるか、迅速に行われるか、または他の何らかの形でより効率的にレンダリングされ得る。
標的物体は、特に小さな特徴または変わった形の幾何学的形状を有することがあり、入射パワーおよび/または線量の直接的測定のための光学検出器を備えた器具が実用的でない場合がある。他方では、本開示において説明されている発明的アプローチを適用することによって、モデル化された結果と物理的測定値との許容可能な相関関係は、新しい候補物体の露出表面に到達する放射線が許容可能な精度で計算され、したがって標的物体の各部分で受ける放射線の局所的線量も、直接的測定を必要とすることなく計算され得るという確信を高めることができる。
また、図7Cは、消毒チャンバーモデル110M内のモデル化された異物244Mを示している。モデル化された異物244Mは、手術用手袋、滅菌済みワイプ、ラベル、医療従事者がチャンバー内に留置する二次的物体、または他のタイプの異物を表し得るが、これらは医療現場で時折留置される。モデル化された異物244Mは、標的物品モデル240Mに直接当たる放射線ベクトルのいずれにも直接的に影響を及ぼさないが、モデル化された異物244Mは、放射線ベクトル124a~124hに影響を及ぼし得る反射性、吸収性、拡散性、または他の光学的特性を有し得ることは明らかである。したがって、任意のサイズ、形状、寸法、配置、配向、および他の特性を有するモデル化された異物244Mが任意選択でモデル化され得る。
いくつかの場合において、実際の消毒チャンバーは、1つまたは複数の異物検出センサー132を備え得る。これらの実施形態では、異物検出センサー132は、任意の数の赤外線送信機および赤外線検出器、任意の数のロードセル(たとえば、異物による予期せぬ重量を検出するためのもの、吊り下げられずチャンバーの床に置かれたプローブ、もしくは同様のもの)、任意の数のカメラデバイス、または同様のものなどを含み得る。そのような異物センサーは、適切なアルゴリズムを実行する組み込みコントローラまたはリモートコントローラ140(図2)に協働的に結合され得る。
図7Dから図7Eは、標的物品キャリブレーションデバイスの標的物品モデル240Maが存在しているときの消毒チャンバーモデル110Mの仮想内部容積112M内に形成される放射線ベクトル124a~124hのモデル化された表現を示す図である。放射線ベクトル124a~124hに対するモデル化された効果は、標的物品モデル240Maの位置および配向が変化するので図を見ると明らかである。
図7Dおよび図7Eのモデルは、図5Cおよび図5Dの実施形態を代表するものである。実際の消毒チャンバー内の放射線をリアルタイムで測定することができる、図5C、図5Dのキャリブレーション物品をモデル化することによって、放射線ベクトルのモデリングは、なおいっそう正確に行うことができる。すなわち、モデリングを実行するプログラミングは、オンボードセンサー130および標的物品センサー130a、130bで捕捉された放射線測定値のモデルを調整するためのフィードバックを受け取ることができる。
図7Fは、図5Eの線に沿った消毒チャンバーモデルのモデル化された表現を示す図である。すなわち、図5Eでは、実際の標的物品キャリブレーションデバイス240bが、消毒チャンバー110内の放射線測定値を捕捉するために使用される。標的物品キャリブレーションデバイス240bは、消毒チャンバーのほぼすべての部分および放射線源操作のほぼすべての順列において実質的な数の放射線データ測定値を捕捉するようにロバストに制御され得る。図7Fでは、図5Eの標的物品キャリブレーションデバイス240bは、標的物品キャリブレーションデバイスモデル240Mbとしてモデル化されている。
図7Gは、特定の標的物品モデルが存在するときに消毒チャンバーモデル110Mで形成される放射線ベクトルの様々な例示的モデルを示している。図7G(a)では、標的物品モデル240Mcが、消毒チャンバーモデル110Mの第1の位置に表されており、図7G(b)では、同じ標的物品モデル240Mcが、消毒チャンバーモデル110Mの第2の位置に表されている。図7G(c)では、細長い標的物品モデル240Mdが消毒チャンバーモデル110Mに表されており、図7G(d)では、非対称の標的物品モデル240Meが消毒チャンバーモデル110Mに表されている。図7Gは、任意のモデル化された放射線源を有する任意のモデル化された消毒チャンバーにおいて、任意のサイズ、寸法、1つまたは複数の種類の材料、位置、配向、1つまたは複数の形状、輪郭、亀裂、裂け目、隆起、開口、および任意の他の特性を有する標的物品がモデル化され得ることを示している。
図8は、標的物品モデル240Mをより詳細に示す図である。図8の標的物品モデル240Mは、図5~図7の方針に従って生成され得る。
図8の標的物品モデル240Mは、従来の空洞内超音波プローブを表しているが、任意の他の標的物品(たとえば、医療デバイス)は、本開示の原理および教示に従ってモデル化されてもよい。標的物品の表面は、くぼみ、輪郭、亀裂、裂け目、開口、隆起、位置合わせ特徴、コネクタ、または同様のものを有し得る。表面は、反射率の範囲(たとえば、0~255)、吸収の範囲(たとえば、0~255)、および拡散の類似の範囲、ならびに任意の他の光学的特性を有するようにモデル化され得る。範囲は、最低の有用な範囲から最大の有用な範囲までの、特定の特性の線形または非線形の範囲として表され得る。そのような範囲に対する単位は、特定の特性に関連付けられている任意の有用な単位を含み得る。たとえば、いくつかの場合において、反射率の範囲および吸収の範囲は、入って来るエネルギーと出て行く(すなわち、場合によっては反射されるか、または吸収される)エネルギーとの割合として表され得る。
図8の標的物品モデル240Mは、初期の標的物品モデル240Mの仮想表面全体を覆うように複数の仮想2次元(2D)多角形(たとえば、「メッシュ」)を配置構成することによって形成される。仮想多角形は均一な大きさまたは形状を有しないが、各多角形は三角形と称され得る。仮想多角形は、モデルの仮想表面を実質的な精度で形成するために、任意の望ましいサイズおよび形状を有する。
図8の仮想多角形の形成は、標的物品モデル240Mの表面のあらゆる部分の数学的マッピングを作成する。各仮想多角形は、隣接する多角形、付近の多角形、および特定の数学的関係、位置、および配向を有する他の多角形と相関し得る。各仮想多角形は、1つまたは複数の専用コンピューティング構造、共有コンピューティング構造、または専用部分と共有部分の両方を有するコンピューティング構造に関連付けられ得る。コンピューティング構造は、対応する多角形によって表される標的物品モデル240Mの表面の部分に関する情報を記憶する。
任意の1つまたは複数の多角形に関連付けられているコンピューティング構造は、たとえば、サイズ情報、形状情報、角度情報、位置決め情報、隣接情報、組成物情報、および任意の他のそのような情報を記憶し得る。コンピューティング構造は、放射線が表現されている表面にどのような影響を及ぼすかに関する情報を記憶し得る。この「表面表現」情報は、反射率、吸収、拡散、温度、および同様のものを含み得る。表面表現情報は、表面の対応する部分(すなわち、注目している領域)が、ホットスポット、コールドスポット、または均一な照射のスポット内にあるかどうかを示す情報も含み得る。表面のタイプ(たとえば、ホットスポット、コールドスポット、または均一な照射のスポット)のインジケータに関連付けられている記憶リポジトリは、放射線源、放射線の方向、消毒チャンバー内の標的物品モデル240Mの配向、ホットスポットが「熱い」程度(たとえば、0~255)、コールドスポットが「冷たい」程度などに関連付けられている対応する情報も記憶し得る。このようにして、「表面のタイプのインジケータ」情報は、放射線強度マップおよび生成された消毒プログラムで、より正確に表現され得る。
図8の標的物品モデル240Mは、1つのホットスポット246と1つのコールドスポット248とを含む注目する様々な領域を識別する。ホットスポット246は、単一の点、複数の点、または領域を表し得る。これらの方針に従って、コールドスポット248は、「最も冷たい」スポット、「最も冷たい」スポットのところ、またはその周りの領域、複数のコールドスポット、または他の同様の点もしくは領域を表し得る。標的物品モデル240Mにおいて、任意の他の個数のホットスポットおよびコールドスポットも識別され得るか、またはホットスポットもコールドスポットも識別されないこともある。これらの方針に従って、任意の数のホットスポット246またはコールドスポット248も、実際の標的物品240上で識別され得る。
図8のホットスポット246が決定される理由はいくつもあり得る。ある場合には、たとえば、標的物品モデル240Mの輪郭、および標的物品モデル240Mのこの部分で表されている材料は、焦点反射をホットスポット246に集中させ得る。このホットスポットは、放射線源を特定する情報、放射線が来る方向、および他のそのような要因に関連付けられ得る。したがって、この情報は、倍率、減衰値、または同様の値として形成されてよく、これは識別されたホットスポットにおいてどのような条件の下で放射線の強度がどれだけ増大するかを表す。この情報は、標的物品モデル240Mデバイスが存在するときに特定の消毒チャンバーモデル110Mに従って消毒システムがモデル化されるときに使用される。次いで、この情報は、消毒プログラムが生成されるときにも使用される。このようにして、生成された消毒プログラムが消毒チャンバー110によって実行されたときに、標的物品モデル240Mによって表されるタイプの標的物品240は、注目する領域(すなわち、ホットスポット)がその最小線量を超えて過剰照射されなかったことを実質的に確信して消毒される。
図8のコールドスポット246が決定される理由はいくつもあり得る。たとえば、標的物品モデル240Mの異なる輪郭、および標的物品モデル240Mのこの部分で表される材料は、放射線が届かないか、または到達するレベルがデバイスの均一な放射線を下回る標的物品表面上の点を生じさせる可能性がある。このホットスポットの方針に従って、コールドスポットは、放射線源を特定する情報、放射線が来る方向、および他のそのような要因に関連付けられ得る。コールドスポットの情報は、倍率、減衰値として形成されるか、または他の何らかの方法で表されるものとしてよく、これはいくつかのまたはすべての条件の下で識別されているホットスポットにおいて放射線の強度がどれだけ減少するかを示す。この情報は、特定の消毒チャンバーモデル110Mおよび標的物品モデル240Mが分析されるときに使用される。次いで、この情報は、消毒プログラムが生成されるときにも使用される。このようにして、生成された消毒プログラムが消毒チャンバー110によって実行されたときに、標的物品モデル240Mによって表されるタイプの標的物品240は、注目する領域(すなわち、コールドスポット)が十分な最小線量の放射線を受けたことを実質的に確信して消毒される。
III.例示的なプロセス
図9Aから図9Dは、最小線量決定手順を表すデータフロー図900である。図9Aから図9Dは、図9と総称されてよい。図9のデータフロー図900は、図9Aで始まり、図9Dで終わる。データフロー図900は、外部ページ参照「A」、「B」、および「C」(図9A、図9B、および図9C)と、それぞれ対応するページ上参照「A」、「B」、および「C」(図9B、図9C、および図9D)とを介して、図9を通過する。それにもかかわらず、データフロー図900に開示されている行為は任意選択であり、任意の順序で実行され得ることは理解される。さらに言えば、これらの行為は、消毒システム100において、リモートコンピューティングデバイスにおいて、またはローカルもしくはリモートコンピューティングデバイスの任意の組合せにおいて実行され得る。
図9では、特定の消毒チャンバー110の実施形態が、様々な動作状態で示されている。チャンバーは、センサー130(たとえば、フォトダイオード)と、標的物品240(たとえば、プローブまたは標的物品キャリブレーションデバイス240a、240b)を保持するサスペンションアセンブリ242として配置構成されている標的物品位置デバイスと、標的物品240の例示的なコールドスポット248とを備え得る。消毒チャンバー110および関連する「ソフトウェア」の様々な状態が、最小線量の生成において実行されるいくつかの計算の近くに例示されている。
図9では、「ソフトウェア」は、破線の容器で示されている。図9のソフトウェアは、コントローラ140(図1)と統合されるか、または他の何らかの形で連携し得る。それに加えて、または代替的に、図9のソフトウェアは、本開示の他のソフトウェアおよびアルゴリズムの動作と同様に、コントローラ140離れたところで記憶されるか、実行されるか、または記憶され実行され得る。最小線量を決定するための図9のソフトウェアの動作について、ここでさらに説明する。
実行は902から始まる。
本開示において説明されているように、標的物品は、コールドスポット、ホットスポット、および均一に照射可能な表面などの、任意の数の注目する領域を含み得る。標的物品の表面上の望ましくない生物学的病原体の集団を決定された許容可能量だけ減少させるのに十分な放射線をチャンバー110内に照射するように最小線量計算式がたてられるので、標的物品のコールドスポットに照射される放射線が特に関連していることを認識して総最小線量が生成される。これらの方針に従って、標的物品の「最も冷たい」コールドスポットに最小線量を照射することによって、標的物品240の他の各コールドスポットに、さらには標的の他の各表面にも最小線量が照射されることも認識され得る。したがって、図9のコールドスポット248は、標的物品240の「最も冷たい」コールドスポットを表し得る。
消毒チャンバー110内では、センサー130において測定される放射線量の量は、標的物品240の表面上の注目する特定の領域(たとえば、コールドスポット248)にどれだけの放射線量が照射されるかを推論するか、または他の何らかの形で決定するために使用され得る。次いで、標的物品240の表面で受けた放射線の線量は、センサー130のうちのいずれか1つで測定された放射線量の計算された平均値によって推論されるか、または他の何らかの形で決定され得ると推定され得る。そのような計算された平均放射線量は、センサー130のすべてで測定された線量を総和し、その総和をセンサー130の総数で除算することによって生成され得る。
しかしながら、標的物品のすべての表面が完全な放射線の全線量を受けるわけではないとさらに決定されているので、最小線量の計算は、センサー130で測定された放射線量平均を単純に決定する以上のことを必要とする。その代わりに、コールドスポットが標的物品240の表面上の他の領域に比べて少ない放射線(すなわち、低線量)を受ける可能性があるので、コールドスポット248で受けた放射線量と、標的物品の表面の他の部分、たとえばセンサー130の表面で受けた放射線量との間の単位なしの比を理解することは、最小線量の生成において有益である。
902で決定された比は、物品240のコールドスポットに最小線量の放射線が照射されたと決定するためにセンサー130によって測定された放射線の線量を表す情報に適用される係数(たとえば、倍率、重み係数、または同様のもの)を表し得る。各標的物品240に対して異なる比率が、典型的には生成される。
例として、902で決定された比(R)は、十分に納得してコールドスポット248を含む標的物品240のすべての表面に最小線量が照射されていることを確実にするためにさらにどれだけ放射線が標的物品240に照射されなければならないかを表しているものとして理解され得る。たとえば、2という比(R)は、センサー130で受けた平均放射線の半分しかコールドスポット248で受けられていないことを示すものとしてよく、たとえば、3という比(R)は、センサー130で受けた平均放射線の1/3しかコールドスポット248で受けられていないことを示すものとしてよく、たとえば、1.5という比(R)は、センサー130で受けた平均放射線の2/3しかコールドスポット248で受けられていないことを示すものとしてよい。他の比の値も、もちろん決定され得る。
標的物品の各ホットスポットについて、対応する比率が決定されてもよいことも認識される。このようにして、「最も熱い」ホットスポットも特に関連性を有する。ホットスポットでどれだけの放射線が受けられるかを理解することによって、最小量の放射線の時限的照射は、標的物品240を過剰照射することを回避するか、または過剰照射の悪影響を他の何らかの形で低減するように調整され得る。
904において、消毒チャンバー110内では、任意の数のセンサー130で受けた放射線の線量(D)は、標的物品240上の注目する表面で受けた放射線(UV)の量を代表するものであってよい。コールドスポット248で受けた放射線量と、チャンバー110内のセンサー130で受けた放射線量の平均との間の比は、式1のように決定される。注目する特定の消毒チャンバー110によって決定されるように、任意の数のセンサー(n)が考慮され得る。
904では、消毒チャンバー110内で、Dpd_1は第1のセンサー130で受けた放射線の線量を表し、Dpd_2は第1のセンサー130で受けた放射線の線量を表す。これらの線量は、例示されている式では、Dphotodiode_1およびDphotodiode_2として表されている。消毒チャンバー内のコールドスポット248における放射線の線量は、D_csとして表され、例示されている式ではD_csとして表されている。この単純な平均化は、これらの検出された測定を組み合わせるための1つの単純な方法であることが認識されている。他の場合において、1つまたは複数のセンサーから読み取られた値は、キャリブレーション係数を介した調整を受け得る。たとえば、キャリブレーションの他の方法である、「フィルタリング」(たとえば、他の要因を考慮することができ、以前の時間ステップからのデータを含み得る数学的アルゴリズムを適用すること、「将来を見る」予測モデルから値を推定すること、測定されるか、または計算された入力情報の結果得られる他の補正を提供することなど)も採用され得る。
906では、本開示において導入され、説明されているような高レベル消毒(HLD)の概念が認識される。標的物品240のHLDを達成することは、標的物品240のコールドスポット248上の1つまたは複数の指定された微生物の少なくとも決定された量(たとえば、104、105、106、または何らかの他の量)の生存率の対数減少を提供することである。コールドスポット248における放射線量(Dcoldspot)が放射線の決定された閾値の最小放射線量(D0)を超える場合にこの標的減少を達成することは式2で表されている。
HLD←→Dcoldspot≧D0 (式2)
実際には、測定された放射線量(Dmeasured)を、標的放射線量(Dtarget)を超えるまで累積することで、HLDが達成されたという決定に至る。少なくとも1つの場合において、標的放射線量(Dtarget)は、mJ/cm2の単位で表される。この値は、所定の面積または広がりの領域に対する線量の計算を可能にする領域特有の線量として表され得る。それに加えて、この値は、標的物体の広がり全体に対する小サイズ(すなわち、いわゆる「面積の差分要素」)、中サイズ、または大サイズの領域を表し得る。これらの場合において、標的物品240を構成するすべての領域にわたって放射照度が均一ではない可能性が高いことが予測されるか、または他の何らかの形で予期され得る。
図9Bの908での処理において、放射線の標的線量が決定される。標的放射線量(Dtarget)は、標的コールドスポット248で達成されるHLDに対応する。標的放射線量(Dtarget)は、放射線の最小線量(D0)を比率(R)でスケーリングし、さらに式3に示すように安全係数でスケーリングしたものである。
式3の安全係数は、本発明の動作を理解しやすくするために、単純な乗算として認識される。他の場合には、安全係数は、定数(たとえば、DCオフセットまたは「切片」)の適用、2次の非線形スケーリング、または他の何らかのより高度な計算を含み得る。これらの、またはなおも他の場合において、安全係数は、測定値に基づきリアルタイムで更新される補正に適用され得る。
安全係数は、標的物品240への放射線の照射に対する影響因子の影響を補償するように配置構成される。本明細書において説明されているように、影響因子は、センサー130で測定された放射線と、標的物品240の表面に衝突する放射線との関係に影響を及ぼす可能性のある特性、パラメータ、または他のそのような要素である。そのような因子の非網羅的かつ非限定的なリストは、光学的シミュレーションおよびモデリングの反復性および精度の影響、個別の放射線源120の経年変化の違いの影響、放射線源120の温度の違いの影響、消毒チャンバー110内の標的物品240の留置の不確実性の影響、複数のキャリブレーション間のドリフトを含む参照標準のキャリブレーションの不確実性の影響、キャリブレーション手順の不確実性の影響、および同様のものを含む。少なくとも1つの場合において、安全係数(Fsafety)は、95%の決定された信頼度を出力する各決定された影響の二乗と2の拡大係数との和の平方根として推定される。これは、たとえば、正規分布確率過程に対して適用され得る。他の場合には、他の確率分布によってよりよく説明される挙動を示す変数は、他の計算が適切であることを示唆し得る。
910において、測定された放射線量(Dmeasured)は、式4、5、および6において示されているように、キャリブレーション係数(Ccalib)の適用によって定量化される。測定された線量(Dmeasured)は、(n)個のセンサー130によって測定された平均線量である。
例示的なキャリブレーション手順は、本開示において説明されており、また912および914に関してさらに説明されている。この手順は、HLD手順において捕捉されるセンサー130からの実際の放射線測定値をスケーリングするように配置構成されたキャリブレーション係数(Ccalib)を生成する。キャリブレーション係数(Ccalib)は、放射線源120、時間、温度、経年変化、および他のそのような要因の間の変化および差異を考慮する。式4では、測定された放射線の線量(Dmeasured)は、平均センサー放射線量(たとえば、センサーの数(n)で除算した(n)個のセンサー130からの放射線測定値の累積)にキャリブレーション係数(Ccalib)を乗算することによって決定される。式5および6に示され、式1によって裏付けられているように、そのような測定された放射線量(Dmeasured)は、比Rによってスケーリングされた標的物品240のコールドスポット248に衝突する放射線量(Dcoldspot)に等しく、これらの値は両方ともキャリブレーション係数によってスケーリングされる。
912および914では、キャリブレーション係数を決定するためのキャリブレーションプロセスの少なくとも1つのさらなる実施形態が説明される。式7から式10が提示されている。
Dphotodiode_1=Signalphotodiode×Coeff_calibration_i (式7)
Dmeasured=Dsolo (式8)
Ccalib=Rsolo (式10)
912では、キャリブレーション処理は、1から(n)まで、反復し個別に、各センサー130において放射線量(Dphotodiode_n)を測定することを含む。消毒チャンバー110で印加され、各センサー130で受けるキャリブレーション放射線量(Signalpd_1、Signalpd_2)によって生成される信号は、個別に処理される。そして、式7に示されているように、各センサーで決定された放射線量(Dphotodiode_n)は、各センサー信号(Signalpd_1、Signalpd_2)を、決定された、または決定可能なキャリブレーション係数(Coeff_calibration_i)(Coeff_calibration_n)によって調整する(たとえば、乗算する)ことによって実現され得る。
914において、特定のキャリブレーションデバイス標的物品240a、240bが、消毒チャンバー110に位置決めされ得る。キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bは、たとえば、任意の数のセンサー130aを備え得る。このようにして、放射線の特異的線量(Dsolo)が測定され、通信により消毒チャンバー110からソフトウェアに電子的に伝達され得る。
また914では、例示的なキャリブレーションプロセスにおいて、各センサー130で測定された放射線の線量(Dphotodiode_1、Dphotodiode_2、Dphotodiode_n)は、式8に示されているように、キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bの表面に照射される放射線の特異的線量(Dsolo)と等しくなるように調整される。いくつかの場合において、放射線の特異的線量(Dsolo)は、コールドスポット248に照射される放射線の線量を表し得る。他の場合には、放射線の特異的線量(Dsolo)は、ホットスポット、均一放射表面、またはキャリブレーションデバイス標的物品240a、240bの他の何らかの表面に照射される放射線の線量を表し得る。放射線の特異的線量(Dsolo)の測定値は、キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bの表面に影響を与える放射線の量と、対象となる消毒チャンバー110内に配備されている各センサー130で測定される放射線の量とをリンクするために使用される。
式4に示されているような測定された放射線量(Dmeasured)の決定をキャリブレーション係数に結合することで、式9に示されているように、キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bに関連付けられている比(Rsolo)が決定され、使用され得ることが認識される。その結果、測定された放射線量(Dmeasured)は、キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bの表面に照射される放射線の特異的線量(Dsolo)に等しいので、キャリブレーション係数は、キャリブレーションデバイス標的物品240a、240bに関連付けられている比(Rsolo)と同じであると決定される(式10)。
図9Dの916および918における処理では、キャリブレーションプロセスおよびデータフロー900の他の態様を使用して、最小線量(D0)を決定する。
放射線の標的線量(Dtarget)は、式3で表される。標的線量では、安全係数(Fsafety)が適用された最小線量(D0)の比(R)を考慮している。本開示において説明されているように、最小線量(D0)は、標的物品240のコールドスポット248上の1つまたは複数の指定された微生物の少なくとも決定された量の生存率の対数減少を提供するために必要な放射線の量を表す。その後試験条件で消毒チャンバー内で照射される接種されたテストキャリアの経験的試験は、HLDを達成するために必要な放射線の量を決定するために使用することができる。この試験データは、知られているサイズ、形状を有し、および消毒チャンバー110内に留置される特定のテストキャリア上の特定の病原体に関連付けられており、式4から10の原理とともに使用されて、特定のキャリアの比(Rcarrier)を決定することができ、次いでこれは、式11および12に示されているように標的線量(Dtarget)の決定における基準比(Rref)として使用される。前述のように、エネルギーフルエンス比には比例関係がある。経験的試験中に決定されたテストキャリアと、消毒チャンバー110内の放射線を測定するセンサー130との間の比は、基準比(Rref)を決定するために使用される。
Rref=Rcarrier (式11)
センサー130における測定された線量(Dmeasured)が、式13において示されているようにすべてのセンサーの平均線量であることを再び認識すると、決定されたキャリア比(Rcarrier)は、測定された線量(Dmeasured)に適用され、これにより、式14および15に示されているような最小線量を決定し得る。
D0=Rcarrier×Dmeasured (式14)
D0=Rcarrier×Dref (式15)
データフロー900の処理は920で終わる。
図10Aから図10Cは、モデル化されたデバイスおよび実際のデバイスのいくつかの実施形態における計算された最小線量の使用を表すデータフロー図である。図10Aは、第1の消毒チャンバーをモデル化し、第1の試験物品をモデル化し、検証済み消毒プログラムを生成し、それを実際の第1の消毒チャンバーにロードするデータフロー1000Aの実施形態である。次いで、第1のチャンバーは、消毒プログラムに従って、最小線量の生成される放射線を照射することによって実際の第1の試験物品を消毒するように動作させられる。図10Bは、任意の数の消毒チャンバーおよび任意の数の試験物品をモデル化するデータフロー1000Bの実施形態である。データフロー1000Bは、これらのモデルに基づき、生成された消毒プログラムを任意の数の消毒システム100に伝達する。図10Cは、消毒チャンバー内にあるデバイスをリアルタイムで走査し、モデル化するデータフロー100Cの実施形態である。モデル化されたデバイスの消毒のための消毒プログラムが、リアルタイムで作成され、消毒プログラムが実行される。図10Aから図10Cは、本明細書では、まとめて図10と称されることがある。
より詳細には、図10は、本開示において説明されている構造および行為の例示的な適用を表すデータフロー図の実施形態のセットである。データフロー図のうちの1つまたは複数は、単独で、または組み合わせて、特定の消毒システムの特性および属性と畳み込まれた消毒放射線量決定の総体的な構造および方法のセットを提示する。この畳み込みの結果、超音波プローブまたは他の医療デバイスなどの、再処理された標的物品を高レベル消毒(HLD)の許容可能なレベルまで消毒することを意図されている、消毒剤として放射線(たとえば、UV-C)を使用する消毒システムが適切に特徴付けられ、理解される。
図10Aにおいて、処理は1002から始まり、1004に進む。
1004で、データが特定の消毒チャンバーから収集される。消毒チャンバーは、任意のタイプのそのようなチャンバーであってよい。少なくともいくつかの場合において、消毒チャンバーは、チャンバー内にUV-C放射線を照射するように配置構成される。1004における処理は、消毒チャンバーの内部容積を「走査」して、チャンバー内の任意の数の構造の寸法、角度、および他の特性を表すデジタルデータを取り込むことを含み得る。寸法は、消毒チャンバー内の放射線源の互いに関する放射線源の位置決めなどの放射線源に関連付けられているデータ、標的物品のサスペンション構造、センサー、消毒チャンバー内の任意の数の材料の反射率および吸収率、および同様のものを含み得る。処理は1006へと下がる。
1006において、1004で収集したデータは、特定の消毒チャンバーをモデル化するために使用される。1006における処理は、図4から図7に関して本開示において説明されている構造および方法に従って実行されてよい。1006での処理は反復的である。モデリングは、以前のモデリングの結果を使用するためのフィードバックシステムを含み得る。モデリングは、データフロー1000Aを実装する他のシステムからのデータを含んでもよい。すなわち、いくつかの場合において、消毒チャンバーをモデル化した結果は、複数のシステム間で、インターネットなどの通信ネットワークを介して、共有され得る。
1006での処理が完了すると、注目している特定の消毒チャンバーは、モデル化されており、チャンバー内の消毒用放射線の放射もモデル化されている。処理は1008に進む。
1008では、実際の放射線データが、1つまたは複数のセンサーを搭載した標的物品から収集され得る。これらの動作において、実際の試験標的物品は、実際の消毒チャンバーに留置され得る。消毒チャンバーが動作するときに、実際の放射線データは、試験標的物品と一体化されるか、埋め込まれるか、または他の何らかの形で関連付けられているセンサーを介して収集され得る。このプロセスは反復的であり、図5から図7に関して本開示において説明されている構造および方法を含み得る。処理は1010へと下がる。
1010では、特定の標的物品がモデル化される。1010における処理は、図5から図8に関して本開示において説明されている構造および方法に従って実行されてよい。1010での処理は反復的であり、デバイスのモデリングは、1006でのチャンバーモデリングの方針に従うものとしてよい。フィードバックシステムは、以前のモデリングの結果を使用してよく、デバイスモデリングの結果は、任意の数の消毒システムの間で共有され得る。
少なくともいくつかの場合において、標的物品のモデリングは、不均一な照射の任意の数の注目する領域(すなわち、ホットスポット、コールドスポット)を識別することを含む。不均一な照射のこれらの注目する領域は、標的物品のすべての表面に最小線量の放射線が照射されるように消毒プログラムの作成において処理される。
1010での処理が完了すると、注目している特定の標的物品は、モデル化されており、特定の消毒チャンバー内の放射された消毒用放射線に対する標的物品の効果もモデル化されている。処理は1012に進む。
1012では、標的物品に最小線量の放射線を照射するための消毒プログラムが作成される。最小線量は、本開示全体を通して説明されているように、特に図9に関して説明されているように、計算され得る。消毒プログラムは、特定の消毒システムのプロセッサによって実行可能な命令(たとえば、ソフトウェア)を含む。消毒プログラムは、初期化行為、データ収集行為、センサーからデータを収集する行為、放射線源およびタイマーなどの消毒チャンバー内の構造を制御する行為、ならびに他のそのような行為を含み得る。少なくともいくつかの場合において、消毒プログラムは、プロセッサ140などのコンピュータデバイスで実行可能なソフトウェアプログラムとして具現化される。
1012で生成された消毒プログラムは、標的物品の望ましいレベルの消毒を達成するために必要な最小線量の放射線を照射するように形成される。試験物品では、ホットスポット、コールドスポット、および不均一な放射照度を有する任意の他の類似の領域(すなわち、注目している領域)を考慮する。動作時に、消毒プログラムは、消毒チャンバーに関連付けられているセンサーによって蓄積された放射線の任意の数の測定値を受け取り、それに基づき行動を起こす。少なくともいくつかの場合において、消毒プログラムは、1つまたは複数の放射線源を指定されたパワーレベルで動作させる以上のことをする。試験物品に照射される放射線の線量は、曝露時間の間照射される、変動している可能性のある、パワーの積分である。最小線量がすでに計算されており、消毒プログラムに知らされているので、消毒プログラムは、全曝露(すなわち、線量)がどの程度である必要があるかを知っている。したがって、消毒プログラムは、1つまたは複数のセンサーから放射線測定データを取り込むようにさらに動作してよく、次いで、消毒プログラムは、最小線量の照射が達成されるまで、放射線源を稼動させる(たとえば、一定の出力、間欠的な出力、様々なパワーレベル、または同様のもの)。
1012で消毒プログラムは任意の知られている方法で検証され得る。いくつかの場合において、消毒プログラムが作成され、経験的に試験される。他の場合には、消毒プログラムの動作は、部分的に、または完全にシミュレートされ得る。
1012における処理の後、処理は1014に進む。ここで、消毒プログラムは、消毒プログラムとして配置構成され、特定の消毒チャンバーに提供される(たとえば、ロードされる)。消毒プログラムは、特定の消毒チャンバー内の任意の数の放射線源を制御して、消毒チャンバーの3次元モデルおよび消毒標的物品の3次元モデルに基づき決定されたパラメータに従って消毒用放射線を放射するように配置構成される。モデル化されたタイプの、および消毒プログラムが作成されたタイプの標的物品が消毒チャンバー内に装填される。標的物品は、消毒される。
1016において、データフロー1000Aの動作は、任意の数の異なる標的物品および任意の数の異なる消毒チャンバーについて繰り返され得る。少なくともいくつかの場合において、たとえば、特定の消毒チャンバーが、医療現場で2つまたはそれ以上のタイプの標的物品を消毒するために配置構成され得る。データフロー1000Aの特定の行為を繰り返すことによって、複数の消毒プログラムが生成され得、各消毒プログラム、または単一の消毒プログラムの一部は、2つまたはそれ以上のタイプの標的物品の各々を消毒するように特に形成され得る。この同じ方法で、消毒チャンバーは、消毒チャンバーの異なるアセンブリ構造または他の異なる構成を考慮して作成された複数のモデルを有し得る。このようにして、複数の消毒プログラムが生成されるものとしてよく、各消毒プログラム、または単一の消毒プログラムの一部は、消毒チャンバーの様々な任意選択の配置構成を考慮して特に形成され得る。
データフロー1000Aの処理は、1018で終了する。
図10Bにおいて、データフロー1000Bの処理は1020から始まり、1022に進む。データフロー1000Bの処理は、いくつかの場合において、データフロー1000Aの処理と統合されてもよい。
1022で、任意の数の消毒チャンバー、および任意の数の標的物品がモデル化され得る。データフロー1000Bの動作は、消毒システム、リモートコンピューティングサーバ、または他のコンピューティングデバイスで実行され得る。このようにして、任意の数のデータベースが作成されるか、または他の何らかの形で維持され得る。たとえば、いくつかのデータベースは、消毒チャンバーモデル、標的物品モデル、消毒プログラム、およびそのようなチャンバー、標的物品、およびアルゴリズムに関連付けられている任意のパラメータを記憶し得る。そのようなデータベースへのアクセスは、任意の数のローカルまたはリモートの消毒システムに対して許され得る。すべての標的物品およびすべての消毒チャンバーがモデル化された後、処理は1024へと下がる。
1024において、モデルデータは、任意の数の消毒システム、リモートコンピューティングデバイス、または他のデバイスに通信により伝達される。
1024からの処理は、1026に進み、終了する。
図10において、データフロー1000Cの処理は1030から始まり、1032に進む。
1032において、特定のタイプの消毒システムは、走査システム(たとえば、1つまたは複数の赤外線送受信機、1つまたは複数のカメラ、または同様のもの)を含む。このようなシステムは、消毒チャンバーおよび標的物品の一方または両方が「オンザフライで」走査されモデル化されることを可能にする。1032での動作は、図10Aに関して説明されているものなどの、本開示の動作を含み得る。処理は、1032から1034へと進む。
1034で、特定の消毒システムは、モデル化されたデバイスに最小線量の放射線を照射するための消毒プログラムを作成する。次いで、実際の標的物品が消毒チャンバー内に留置された状態で、消毒プログラムが実行される。
1034からの処理は、1036に進み、終了する。
図11は、消毒曝露を決定する第1の例示的なプロセス1100を例示している。図11を参照すると、例示的な動作1110において、標的物品240の消毒動作に使用されるような消毒システム100が提供される。消毒システム100は、内部容積112を有する消毒チャンバー110と、内部容積112に結合されている放射線源120とを備える。放射線源120は、動作しているときに放射光線、たとえば、UV-C光線を放射する。消毒システム100の詳細は、図1から図10に関して本明細書において説明されている。
さらに、例示的な動作1110において、標的物品240が提供される。標的物品240は、消毒されるべき表面の構造的構成を含み、限定はしないが、加熱特性および放射線反射特性を含む、材料特性を有する表面材料を含む。標的物品240は、消毒基準の分類、たとえば、クリティカル品目、セミクリティカル品目、またはノンクリティカル品目も含み得る。標的物品240は、その表面上に1つまたは複数の汚染物質、たとえば、ある範囲のマイコバクテリウム種、大腸菌、黄色ブドウ球菌、毛瘡白癬菌、緑膿菌、エンテロコッカスヒラエ、枯草菌、セレウス菌、クロストリジウムスポロゲネス、カンジダアルビカンス、オルトポックスウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス5型、ヒトパピローマウイルスを含み得る。
例示的な動作1120において、内部容積パターン形成ユニット184は、内部容積112の構造的構成を識別する。構造的構成は、内部容積112内の消毒領域上の放射線強度に影響を及ぼす内部容積112の任意の構造関連特徴を含み得る。構造的構成は、内部容積112のサイズおよび形状、内部容積112内に標的物品240を保持する取付機構242の位置、内部容積112に取り付けられた放射線源120の数、放射線源120の位置、内部容積112内の反射体の数および位置、などを含み得る。内部容積パターン形成ユニット184は、ユーザ入力を通じて、たとえば消毒要件入力160を介して内部容積112の構造的構成を識別するか、またはデータベース150からそのような情報を取り出し得る。
例示的な動作1130において、放射線源パターン形成ユニット186は、消毒システム100の放射線源120の放射線放射特性を識別する。放射線源120の放射線放射特性は、放射線源120の経年変化を含むか、または関連するものとしてよく、また時間依存性であってよく、すなわち、放射線源120が動作のためにオンにされた後の時間経過とともに放射される放射線光線が変化し得る。また、放射線放出特性は、放射線源120によって放射されるUV-C光線の放射線強度を含んでいてもよく、また放射線光線が進行する軌跡の範囲/角度を含んでいてもよい。
放射線源120の放射線放射特性は、少なくともデータベース150から受信されるか、またはセンサー130によって検出された、特性であってよい。たとえば、放射線源120の実際の動作は、センサー130によって監視され、監視されたデータは、コントローラ140にフィードバックされて、放射線源120の放射線放出特性に関してデータベース150を動的に更新し得る。
例示的な動作1140において、標的物品パターン形成ユニット188は、識別された標的物品240の表面構造的構成を識別する。理解されるように、表面構造的構成は、標的物品240の表面に照射される放射線強度に影響を及ぼし得る。表面構造的構成は、標的物品240の穴、凹み、隆起、または任意の他の物理的特徴のうちの1つまたは複数を含む標的物品240の表面形状を含み得る。表面構造的構成は、消毒動作の下での内部容積112内の標的物品240の位置、整列、配向、または同様のものも含み得る。表面構造的構成は、標的物品240の表面材料を表すパラメータも含み得る。
例示的な動作1150において、放射線強度マップ生成ユニット190は、放射線源120のUV-C放射線放射特性、内部容積112の構造的構成、および標的物品240の表面構造的構成のうちの1つまたは複数に基づき内部容積112の放射線強度マップを生成する。放射線強度マップは、内部容積112内の各消毒領域に対する放射線強度値を含み、これは標的物品240の消毒動作に関連する。すなわち、放射線強度マップは、実際にまたは計算によって、内部容積112内のすべてのスポットおよびすべての配向を許容可能なレベルの精度で表す値を含んでも含まなくてもよい。
いくつかの実施形態において、放射線強度マップは、内部容積112内に配置された標的物品240が、消毒領域上の放射線強度を変化させないという仮定の下で生成され得る。そのようなものとして、放射線強度は空の内部容積112に対して生成され得る。
いくつかの他の実施形態では、標的物品240の表面構造的形状および/または表面光学特性が、内部容積112内の消毒領域上の放射線強度を実質的に変化させると仮定してもよい。たとえば、標的物品240の表面形状は、放射線強度に影響を及ぼす放射光線を反射し得る。標的物品240の表面材料は、放射光線の反射および吸収に影響を与えてもよい。さらに、標的物品240のいくつかの固有の、非線形の、または非単純な形状は、標的物品240の表面部分に到達する放射光線の量に影響を及ぼし得る。たとえば、標的物品240の長いチューブ状表面部分の底部領域に放射光線が到達するのは難しい場合がある。
放射線源120の放射線放射特性は、時間依存であり得るので、複数の放射線強度マップが、放射線源120の動作サイクルにおける複数の時点に対して生成され得る。放射線強度マップは、放射線源120の異なる動作状態、たとえば、出力パワーレベルに対して生成されてもよい。
例示的な動作1150は、キャリブレーションユニット192が、生成された放射線強度マップで表されている値を「キャリブレート」する部分動作1152を含み得る。一実施形態において、キャリブレーションは、内部容積112内に位置決めされているキャリブレーション対象上の実際の放射線強度を測定し、測定された放射線強度値を放射線強度マップ内に表されている生成された強度値と比較することによって行われる。図12は、放射線強度マップをキャリブレートするための部分動作1152の例示的な詳細を例示している。
図12を参照すると、例示的な動作1153において、キャリブレーション対象が内部容積112内に位置決めされる。キャリブレーション対象は、少なくともいくつかの部分において標的物品240と比較可能であってよい。たとえば、キャリブレーション対象は、表面形状および表面材料を含む、標的物品240と同じであるか、または類似する表面構造的構成を含み得る。キャリブレーション対象は、標的物品240と同様に内部容積112内に位置決めされ得る。一例において、標的物品240の実際の消毒動作は、キャリブレーションの目的を果たし得る。たとえば、標的物品の実際の消毒動作に対する監視されている放射線強度データは、他の類似の標的物品の消毒動作に使用される放射線強度マップをキャリブレートするために使用される。
センサーは、選択された部分でキャリブレーション対象に直接的に取り付けられ得る。たとえば、標的物品240およびキャリブレーション対象が、表面形状上に照射される放射線強度の推定に潜在的に影響を及ぼす特別な表面形状を含む場合、センサーがそのような表面形状に取り付けられ、その上に照射される実際の放射線強度を測定し得る。
例示的な動作1154において、キャリブレーション対象に取り付けられ、内部容積112に取り付けられているセンサーを含む、キャリブレーション対象に関連付けられているセンサーの測定領域と重なる任意の数の消毒領域の放射線強度は、放射線強度マップ内に表されている放射線値に基づき推定されるか、または他の何らかの形で計算され得る。キャリブレーション対象が標的物品240と同一であるか、または実質的に類似している場合に、推定される放射線強度値は、放射線強度マップから直接的に取り出され得る。キャリブレーション対象が標的物品240と比較可能であるが同一ではない場合に、キャリブレーション対象の表面構造が標的物品240とは異なる仕方で照射される放射線強度に影響を及ぼし得るので、推定放射線強度値は放射線強度マップに基づき再計算され得る。これらの場合のうちの少なくともいくつかにおいて、再計算は、本開示において説明されているように、消毒チャンバーのモデル、標的物品のモデル、レイトレーシングプログラムからのデータのモデルのいずれか1つまたは複数に関連付けられている情報に基づき得る。
例示的な動作1155において、放射線源120が動作している状態で、実際の放射線強度値は、キャリブレーション対象に取り付けられているセンサーと、内部容積112に取り付けられているセンサー130とによって測定される。一例において、時間の経過とともに、同じ消毒領域および/またはキャリブレーション対象の同じ部分について、複数の放射線強度値が測定される。このようにして、放射線強度値の時間依存の変化も決定され、レイトレーシングプログラムモデル、消毒プログラムの開発、および同様のものに使用され、放射線源120の出力放射線を予測するか、または他の何らかの形で特徴付け得る。
例示的な動作1156において、測定された放射線強度値および推定された放射線強度値は、比較などによってアルゴリズム的に組み合わされる。
例示的な動作1157において、動作1156の結果に基づき放射線強度マップに表される放射線強度値が更新され得る。更新は、特定の消毒領域に対して局所的に行われる、たとえば「タッチアップ」更新であるか、または放射線強度マップを生成するアルゴリズムで大域的に行われるか、の少なくとも一方であってよい。より具体的には、1152で説明されているキャリブレーション手順の結果が、放射線強度マップに表される個別の(すなわち、局所的な)放射線強度値を調整するために使用され得る。そのような調整は、たとえば、予想以上に熱いか、もしくは冷たいと測定されたホットスポット、予想以上に熱いか、もしくは冷たいと測定されたコールドスポット、または全く予想されなかったホットスポットもしくはコールドスポットを考慮するものとしてよい。それに加えて、または代替的に、キャリブレーション手順の結果から、放射線強度マップに表されているすべての(すなわち、大域的な)放射線強度値が、キャリブレーション試験において低すぎるか、または高すぎるかのいずれかと経験的に決定されるとの決定がなされ得る。
図11に戻って、例示的な動作1160において、消毒曝露決定ユニット142は、更新された放射線強度マップに基づき標的物品240上の消毒曝露を決定する。更新された放射線強度マップの他に、放射線への標的物品の温度反応も、消毒曝露量において考慮されてもよい。一例において、異なる部分に照射される放射線強度が異なり、異なる部分の加熱特性が異なるので、異なる消毒曝露が標的物品の異なる部分に対して決定され得る。消毒曝露は、標的物品240の異なる部分の間で、および/または消毒サイクルにおける異なる時点に沿って、放射線源120の変化する動作状態を含み得る。
前述の開示において、デバイス、システム、および方法の実施形態は、チャンバー内への放射線の時限照射、チャンバー内に照射される放射線の決定された線量、およびチャンバー内に照射される放射線の持続時間および決定された線量の組合せのうちの1つまたは複数に基づき実行される高レベル消毒(HLD)サイクルを例示し、説明している。これらの場合、最小線量の放射線がチャンバー内のデバイスに照射されることが決定され、特に、最小線量の放射線は、デバイスの注目している少なくとも1つの領域(たとえば、決定されたコールドスポット)に照射されることが決定される。この決定は、少なくとも一部は、サイクルにおいて正しい最小線量が照射されたことを、受け入れ可能な確実さで、確認する方法で放射線照射手段を制御するように配置構成されている1つまたは複数のセンサーを使用して行われ得る。
1つまたは複数のセンサーは、クロック(たとえば、タイミング)回路、放射線測定(たとえば、フォトダイオード)回路、温度回路、異物検出回路、デバイス識別回路、および他のそのような回路を含み得る。いくつかの場合において、1つまたは複数のセンサーは、瞬間放射線測定値、時間の経過とともに蓄積された放射線測定値、または瞬間もしくは蓄積放射線を表す他の何らかのデータを取り込むように配置構成されている放射線測定回路(たとえば、放射線センサー回路)である。したがって、センサーおよび協働する制御回路(たとえば、プロセッサ)を使用することで、決定された最小線量が照射され得る。1つの場合において、たとえば、1つまたは複数のセンサーは、決定された放射線照射サイクルを規定する時間の長さに基づき放射線源をオンおよびオフにするように構成される。別の場合において、1つまたは複数のセンサーは、最小線量の照射が決定されるまでの放射線の蓄積に基づき放射線源をオンおよびオフにするように構成される。さらに別の場合において、1つまたは複数のセンサーが、チャンバー内に留置されているデバイスを識別するように構成され、識別情報は、少なくとも一部は、放射線照射サイクルにわたって放射線源を制御するために使用される。さらにもう1つの場合において、1つまたは複数のセンサーが、デバイスが特定の配向、位置、および同様の配置でチャンバー内に正しく留置されているかどうかを決定するように構成されており、そのようなセンサーからの情報は、少なくとも一部は、放射線照射サイクルを制御するために使用される。
次に、様々な方法、デバイス、およびシステムが述べられ、特定の例示的、非限定的な実施形態の詳細を提供する。実施形態の様々な特徴は任意選択であり、一実施形態の態様は他の実施形態と適切に組み合わされ得る。
例A-1は、内部容積と、内部容積に結合された少なくとも1つの放射線源とを有する消毒チャンバーを提供することであって、少なくとも1つの放射線源は動作時に内部容積に消毒用放射線を放射するように配置構成される、消毒チャンバーを提供することと、消毒されるべき標的物品のコールドスポットを決定することと、決定されたコールドスポットに従って消毒用放射線を放射するように少なくとも1つの放射線源を制御するように配置構成される消毒プログラムを消毒チャンバーに提供することとを含む方法である。例A-2は、例A-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒されるべき標的物品の複数の領域を識別することと、複数の領域内で、選択された時間期間にわたって複数の領域の各々で受けることになる消毒用放射線の量を決定することと、消毒用放射線の量を比較して、どの領域が最小量の消毒用放射線を受けるかを決定することと、最小量の消毒用放射線を受ける領域を、消毒されるべき標的物品の決定されたコールドスポットとして識別することとをさらに含み得る。例A-3は、例A-1および例A-2のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、標的物品の第2の領域よりも少ない消毒用放射線を受ける標的物品の第1の領域を識別することをさらに含み得る。例A-4は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、第1の領域の幾何学的形状と消毒チャンバーの幾何学的形状との間の相互作用によって引き起こされる。例A-5は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、第1の領域の幾何学的形状と第2の領域の幾何学的形状との間の相互作用によって引き起こされる。例A-6は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、消毒チャンバー内の標的物品の位置によって引き起こされる。例A-7は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本
明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、標的物品および消毒チャンバーのうちの少なくとも一方に関連付けられている吸収の量を表す決定された値によって引き起こされる。例A-8は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、標的物品および消毒チャンバーのうちの少なくとも一方に関連付けられている反射の量を表す決定された値によって引き起こされる。例A-9は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、標的物品および消毒チャンバーのうちの少なくとも一方に関連付けられている拡散の量を表す決定された値によって引き起こされる。例A-10は、例A-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域でより少ない消毒用放射線を受けることは、少なくとも一部は、消毒チャンバー内の少なくとも1つの放射線源のうちの各々の位置によって引き起こされる。例A-11は、例A-4の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域の幾何学的形状をモデル化することと、消毒チャンバーの幾何学的形状をモデル化することと、第1および第2の領域を決定するために消毒チャンバー内の消毒用放射線をモデル化することとをさらに含み得る。例A-12は、例A-5の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第1の領域の幾何学的形状をモデル化することと、第2の領域の幾何学的形状をモデル化することと、第1の領域への消毒用放射線の遮蔽をモデル化することとをさらに含み得る。例A-13は、例A-1から例A-12のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、標的物品が消毒チャンバー内に不適切に留置されているという指示を提供することをさらに含み得る。例A-14は、例A-1から例A-12のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定さ
れたコールドスポットに応じて消毒用放射線を放射するための少なくとも1つの放射線源の制御は、決定された時間期間にわたって消毒用放射線を放射することを含む。例A-15は、例A-1から例A-12のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定されたコールドスポットに応じて消毒用放射線を放射するための少なくとも1つの放射線源の制御は、センサーで瞬間的または時間の経過とともに受ける消毒用放射線の量を決定することであって、センサーで瞬間的にまたは時間の経過とともに受ける消毒用放射線の量は、決定されたコールドスポットでどれだけの消毒用放射線を受けるかを示す、消毒用放射線の量を決定することと、センサーで、瞬間的にまたは時間の経過とともに、受けた消毒用放射線の決定された量に基づき消毒用放射線の放射を終了することとを含む。例A-16は、例A-15の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、センサーで受けた消毒用放射線の量を決定することは、時間の経過とともにセンサーからデータを収集することを含む。
例B-1は、内部容積を有する消毒チャンバーと、動作時に、消毒チャンバーの内部容積内に消毒用放射線を放射するように配置構成されている少なくとも1つの放射線源と、標的物品位置決めデバイスと、決定されたタイプの医療デバイスのコンピュータ生成モデルを記憶しているメモリであって、前記コンピュータ生成モデルは決定されたタイプの医療デバイスの少なくとも1つの物理的特性を表すデータを含み、前記コンピュータ生成モデルは決定されたタイプの医療デバイスの少なくとも1つの光学的特性を表すデータを含み、前記コンピュータ生成モデルは決定されたタイプの医療デバイスの表面上の注目する領域を表すデータを含み、注目する前記領域は、第2の領域とは異なる消毒用放射線量を受けることが予想される第1の領域である、メモリと、少なくとも1つの放射線源の動作を指令するように配置構成されている制御システムであって、動作を指令することは、決定されたタイプの前記医療デバイスが標的物品位置決めデバイスに結合されているときに決定されたタイプの医療デバイスの注目する領域に決定された最小線量の消毒用放射線を照射することを引き起こすことを含む、制御システムとを備える。例B-2は、例B-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、メモリは、複数の決定されたタイプの医療デバイスの複数のコンピュータ生成モデルを記憶している。例B-3は、例B-1および例B-2のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの放射線センサー回路であって、注目している領域への決定された最小線量の消毒用放射線の照射は、少なくとも1つの放射線センサー回路によって提供されるデータに基づく、放射線センサー回路をさらに含み得る。例B-4は、例B-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの放射線センサー回路は、フォトダイオードを備える。例B-5は、例B-1から例B-4のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、制御システムは、不適切に位置決めされた医療デバイスの指示を提供するようにさらに配置構成される。例B-6は、例B-1から例B-5のうちのいずれかの主題
と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、注目している領域は、コールドスポットであり、少なくとも1つの物理的特性は、消毒用放射線が注目している領域に達するのを妨げる決定されたタイプの医療デバイスのトポロジー的特性を表す。例B-7は、例B-1から例B-5のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、制御システムは、少なくとも1つの放射線源に、決定された時間期間にわたって消毒用放射線を放射する指令を出すようにさらに配置構成され、決定された時間期間は決定されたタイプの医療デバイスの注目している領域に照射される放射線と決定されたタイプの医療デバイスの表面上の別の領域、放射線センサー、および消毒チャンバーの内部容積内の別の領域のうちの少なくとも1つに照射される放射線との比から導出される。
例C-1は、プロセッサによって実行されたときに、方法に従って消毒システムを動作させるようにプロセッサを構成する実行可能な命令を収容する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、この方法は、内部容積と、内部容積に結合された放射線源とを有する消毒チャンバーを提供する行為であって、放射線源は動作時に内部容積に消毒用放射線を放射するように配置構成される、行為と、消毒チャンバーに消毒プログラムを提供する行為であって、消毒プログラムは消毒チャンバーの3次元モデルおよび消毒されるべき標的物品の3次元モデルのうちの少なくとも一方に基づき決定されたパラメータに従って消毒用放射線を放射するように放射線源を制御するように配置構成される、行為とを含む。例C-2は、例C-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、この方法は、消毒チャンバーの3次元モデルを、データ収集消毒チャンバー内で少なくとも1つの放射線源を動作させることと、少なくとも1つの放射線センサーを用いて放射線データを収集することと、収集された放射線データから、データ収集消毒チャンバーの複数の領域内の複数の放射線強度値を表す放射線強度マップを生成することとによって形成する行為をさらに含み得る。例C-3は、例C-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、この方法は、消毒チャンバーの3次元モデルを、仮想内部容積を有する初期消毒チャンバーモデルを提供することと、仮想内部容積の数学的マッピングを、複数の仮想多角形を、たとえば数学的マッピングを形成するように配置構成することによって提供することと、レイトレーシングプログラムを用いて、仮想内部容積の数学的マッピングに基づきシミュレートされた放射線情報を生成することと、シミュレートされた放射線情報から、消毒チャンバーの複数の領域内の複数の放射線強度値を表す放射線強度マップを生成することとによって形成する行為をさらに含み得る。例C-4は、例C-1から例C-3のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、この方法は、消毒されるべき標的物品の3次元モデルを、仮想表面を有する初期標的物品モデルを提供することと、仮想表面の数学的マッピングを、複数の仮想多角形を、たとえば数学的マッピングを形成するように配置構成することによって提供することと、不均一照射の仮想表面上の少なくとも1つのスポットを識別することとによって形成する行為をさらに含み得る。例C-5は、例C-1から例C-3のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、この方法は、消毒プログラムを、消毒されるべき標的物品に施す放射線の最小線量を計算することであって、最小線量を計算することは、少なくとも1つの識別されたコールドスポットに関連する情報を含む、最小線量を計算することと、最小線量に基づき、放射線強度マップからのデータを、消毒されるべき標的物品の3次元モデルに適用することと、最小線量の放射線を照射するように放射線源を制御するパラメータを作成することとによって形成する行為をさらに含み得る。
例D-1は、内部容積と、内部容積に結合されている放射線源とを有する消毒チャンバーを提供することであって、放射線源は動作時に内部容積内に消毒用放射線を放射するように配置構成される、消毒チャンバーを提供することと、消毒チャンバーに消毒プログラムを提供することであって、消毒プログラムは消毒チャンバーの3次元モデルおよび消毒されるべき標的物品の3次元モデルのうちの少なくとも一方に基づき決定されたパラメータに従って消毒用放射線を放射するように放射線源を制御するように配置構成される、消毒プログラムを提供することとを含む方法である。例D-2は、例D-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーの3次元モデルを、データ収集消毒チャンバー内で少なくとも1つの放射線源を動作させることと、少なくとも1つの放射線センサーを用いて放射線データを収集することと、収集された放射線データから、データ収集消毒チャンバーの複数の領域内の複数の放射線強度値を表す放射線強度マップを生成することとによって形成することをさらに含み得る。例D-3は、例D-1および例D-2のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーの3次元モデルを、仮想内部容積を有する初期消毒チャンバーモデルを提供することと、仮想内部容積の数学的マッピングを、複数の仮想多角形を、たとえば数学的マッピングを形成するように配置構成することによって提供することと、レイトレーシングプログラムを用いて、仮想内部容積の数学的マッピングに基づきシミュレートされた放射線情報を生成することと、シミュレートされた放射線情報から、消毒チャンバーの複数の領域内の複数の放射線強度値を表す放射線強度マップを生成することとによって形成することをさらに含み得る。例D-4は、例D-1から例D-3のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒されるべき標的物品の3次元モデルを、仮想表面を有する初期標的物品モデルを提供することと、仮想表面の数学的マッピングを、複数の仮想多角形を、たとえば数学的マッピングを形成するように配置構成することによって提供することと、不均一照射の仮想表面上の少なくとも1つのスポットを識別することとによって形成することをさらに含み得る。例D-5は、例D-1から例D-4のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プログラムを、消毒されるべき標的物品に施す消毒用放射線の最小線量を計算することであって、最小線量を計算することは、少なくとも1つの識別されたコールドスポットに関連する情報を含む、最小線量を計算することと、最小線量に基づき、放射線強度マップからのデータを、消毒されるべき標的物品の3次元モデルに適用することと、最小線量の消毒用放射線を照射するように放射線源を制御するパラメータを作成することとによって形成することをさらに含み得る。例D-6は、例D-1から例D-5のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プログラムは、放射線強度マップにさらに基づいており、放射線強度マップは放射線源の少なくとも1つの放射線放射特性に基づく。例D-7は、例D-1から例D-6のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、内部容積内でキャリブレーション対象を位置決めすることと、内部容積内のキャリブレーション対象とともに放射線源を動作させることと、放射線源を動作させた状態でキャリブレーション対象の一部上で放射線強度値を測定することと、測定された放射線強度値に基づき放射線強度マップを更新することとをさらに含み得る。例D-8は、例D-1から例D-7のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プログラムは、放射線強度マップに基づいており、放射線強度マップは内部容積内の同じスポットに対する複数の放射線強度値を有し、複数の放射線強度値の各々は放射線源を動作させる時間係数に関連付けられている。例D-9は、例D-8の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、時間係数は、放射線源の経年変化を含む。例D-10は、例D-9から例D-10のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、時間係数は、放射線源を動作させる時間経過を含む。
例E-1は、方法である。この方法は、決定されたタイプの医療デバイスを、決定されたタイプの医療デバイスを消毒する前にモデル化することを対象とし得る。例E-1の方法は、決定されたタイプの医療デバイスを選択することであって、前記決定されたタイプの医療デバイスは表面を有する、決定されたタイプの医療デバイスを選択することと、決定されたタイプの医療デバイスのコンピュータ生成モデルを作成することであって、前記コンピュータ生成モデルは前記決定されたタイプの医療デバイスの表面の数学的マッピングとして形成され、前記コンピュータ生成モデルは前記決定されたタイプの医療デバイスの少なくとも1つの物理的特性および前記決定されたタイプの医療デバイスの少なくとも1つの光学的特性を表すデータを含む、コンピュータ生成モデルを作成することと、全体的平均消毒用放射線量とは異なる注目している消毒用放射線量を受けることが予想される決定されたタイプの医療デバイスの表面上の注目している領域を識別することとを含む。例E-2は、例E-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの物理的特性は、標的物品のトポロジー的特性を表す。例E-3は、例E-1および例E-2の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの物理的特性は、くぼみ、輪郭、亀裂、裂け目、開口、隆起、位置合わせ特徴、標的物品位置決め構造、またはコネクタを表す値を含む。例E-4は、例E-1から例E-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの光学的特性は、反射、吸収、または拡散を表す値を含む。例E-5は、例E-1から例E-4の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの光学的特性は、表面の第1の部分が表面の第2の部分によって消毒用放射線量を直接的に受けることを妨げられることに基づく。例E-6は、例E-1から例E-5の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定されたタイプの医療デバイスの表面上の注目している領域を識別することは、決定されたタイプの医療デバイスである、試験物品を提供することと、試験物品の表面に放射
線感受性材料を塗布することと、試験物品に照射することと、照射後の放射線感受性材料の変化に基づき、試験物品の表面で受ける消毒用放射線の線量を表す値を計算することとを含む。例E-7は、例E-1から例E-6の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定されたタイプの医療デバイスの表面上の注目している領域を識別することは、決定されたタイプの医療デバイスである、試験物品を提供することと、少なくとも1つのセンサーを試験物品と一体化することであって、少なくとも1つのセンサーは試験物品の表面に照射される消毒用放射線を表すデータを受信するように配置構成される、一体化することと、試験物品に照射することと、少なくとも1つのセンサーによって受信されたデータから、試験物品の第1の領域で受けた消毒用放射線の第1の線量が、試験物品の第2の領域で受けた消毒用放射線の第2の線量と異なると決定することとを含む。例E-8は、例E-1から例E-7の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定されたタイプの医療デバイスの表面上の注目している領域を識別することは、決定されたタイプの医療デバイスである、試験物品を提供することと、少なくとも1つのセンサーを試験物品と一体化することであって、少なくとも1つのセンサーは試験物品の表面に照射される消毒用放射線を表すデータを受信するように配置構成される、一体化することと、試験物品に照射することと、少なくとも1つのセンサーによって受信されたデータから、試験物品の表面で受ける消毒用放射線の線量を表す値を計算することとを含む。例E-9は、例E-1から例E-8の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つの放射線センサーは、フォトダイオードを備える。例E-10は、例E-1から例E-9の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、少なくとも1つのセンサーを一体化することは、光伝導体を介して試験物品の表面を少なくとも1つのセンサーに結合することを含む。例E-11は、例E-1から例E-10の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、注目している識別された領域に基づきコンピュータ生成モデ
ルを修正することをさらに含み得る。例E-12は、例E-1から例E-11の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバー内の選択された標的物品の決定された位置に基づきコンピュータ生成モデルを修正することをさらに含み得る。例E-13は、例E-1から例E-12の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、コンピュータ生成モデルは、以前に形成されたコンピュータ生成モデルから導出され、以前に形成されたコンピュータ生成モデルは第2の決定されたタイプの医療デバイスに基づく。例E-14は、例E-1から例E-13の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定されたタイプの選択された医療デバイスに対する消毒プロトコルを生成することであって、選択された医療デバイスはその表面上に注目している識別された領域を有し、消毒プロトコルは、選択された医療デバイスが選択された消毒チャンバー内に留置されたときに選択された消毒チャンバーに関連付けられている少なくとも1つの放射線源が選択された医療デバイスを照射するように指令する、消毒プロトコルを生成することをさらに含み得る。例E-15は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルを生成することは、決定された線量の消毒用放射線が選択された医療デバイスの注目している識別された領域に照射されるまで、選択された医療デバイスを照射することを少なくとも1つの放射線源に指令することを含む。例E-16は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルを生成することは、決定された線量の消毒用放射線が消毒チャンバー内に配置構成されている少なくとも1つのセンサーに照射されるまで、選択された医療デバイスを照射することを少なくとも1つの放射線源に指令することを含む。例E-17は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルを生成することは、決定された時間期間にわたって選択された医療デバイスを照射することを少なくとも1つの放射線源に指令することであって、決定された時間期間は選択さ
れた医療デバイスの注目している識別された領域および選択された医療デバイスの表面上の別の領域に照射される放射線の比から導出される、少なくとも1つの放射線源に指令することを含む。例E-18は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルを生成することは、消毒チャンバー内の選択された医療デバイスの少なくとも決定された位置に基づき消毒プロトコルを修正することを含む。例E-19は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルを生成することは、消毒チャンバー内の異物の検出に基づき消毒プロトコルを修正することを含む。例E-20は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒プロトコルは、消毒チャンバー内での選択された医療デバイスの不適切な留置の指示に基づき消毒チャンバーの操作者に消毒チャンバー内の選択された医療デバイスを再配置することをさらに指令する。例E-21は、例E-14の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、注目している領域は、選択された医療デバイスの少なくとも1つのトポロジー的特性に基づき識別される。例E-22は、例E-1から例E-21のいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、注目している識別された領域は、選択された医療デバイスの表面上のコールドスポットである。例E-23は、例E-1から例E-22のいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、注目している識別された領域は、選択された医療デバイスの表面上のホットスポットである。例E-24は、例E-1から例E-23のいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、コンピュータ生成されたモデルは、3次元モデルである。例E-25は、例E-1から例E-24のいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒用放射線量は、紫外線(UV)放射線の線量である。
例F-1は、内部容積と、内部容積に結合された放射線源とを有する消毒チャンバーを識別することであって、この放射線源は動作時に内部容積に紫外線C(UV-C)を放射する、消毒チャンバーを提供することと、放射線源のUV-C放射線放射特性を識別することと、内部容積の構造的構成を識別することと、UV-C放射線放射特性および内部容積の構造的構成に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定することと、UV-C放射線強度マップに基づき感染した物品の消毒線量を決定することとを含む方法である。例F-2は、例F-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒線量を決定することは、内部容積内でキャリブレーション対象を位置決めすることと、UV-C放射線強度マップに基づきキャリブレーション対象の一部分上の第1のUV-C放射線強度値を推定することと、内部容積内のキャリブレーション対象とともに放射線源を動作させることと、放射線源を動作させた状態でキャリブレーション対象の一部分上で第2のUV-C放射線強度値を測定することと、第1のUV-C放射線強度値と第2のUV-C放射線強度値とを比較することと、比較した結果に基づきUV-C放射線強度マップを更新することと、比較した結果に基づきUV-C放射線強度マップを更新することと、更新されたUV-C放射線マップに基づき消毒線量を決定することとを含む。例F-3は、例F-2の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、キャリブレーション対象の一部分は、UV-C放射線を受けることに関して感染した物品の部分と比較可能である。例F-4は、例F-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、キャリブレーション対象の一部分は、感染した物品の一部分としての比較可能な表面構造的構成を含む。例F-5は、例F-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、キャリブレーション対象の一部分は、感染した物品の一部分としての比較可能な表面材料を含む。例F-6は、例F-2の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、第2のUV-C放射線強度値を測定することは、キャリブレーション対象を内部容積内に入れて
放射線源を動作させる際に時間の経過とともにキャリブレーション対象の部分の同じスポットで複数の第2のUV-C放射線強度値を測定することを含む。例F-7は、例F-1から例F-6のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、UV-C放射線強度マップは、内部容積内の同じスポットに対する複数のUV-C放射線強度値を含み、複数のUV-C放射線強度値の各々は放射線源の動作の時間係数に関連付けられる。例F-8は、例F-7の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、時間係数は、放射線源の経年変化を含む。例F-9は、例F-7の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、時間係数は、放射線源を動作させる時間経過を含む。例F-10は、例F-1から例F-9のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定することは、空の状態で内部容積に対する第1のUV-C放射線強度マップを推定すること、中に物体が位置決めされた状態で内部容積に対する第2のUV-C放射線強度マップを推定すること、のうちの少なくとも一方を含む。例F-11は、例F-10の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、物体は、感染した物品、またはキャリブレーション対象のうちの少なくとも一方である。例F-12は、例F-1から例F-11のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、UV-C放射線強度マップに基づいて消毒線量を決定することは、感染した物品の第1の部分に対する第1の線量と、感染した物品の第2の部分に対する第2の異なる線量とを含む線量マップを決定することを含む。例F-13は、例F-1から例F-12のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、放射線源のUV-C放射線放射特性を識別することは、内部容積内に位置決めされたセンサーによって検出される放射線源の受信されたUV-C放射線強度データに基づく。例F-14は、例F-1から例F-13のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加
えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定することは、放射線源の複数の動作状態に基づき複数のUV-C放射線強度マップを推定することを含む。例F-15は、例F-1から例F-14のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、感染した物品の消毒線量を決定することは、UV-C放射線への感染した物品の温度反応を決定することを含む。例F-16は、例F-1から例F-15のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒線量を決定することは、感染した物品の表面構造的構成を識別することを含む。例F-17は、例F-16の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、表面構造的構成は、内部容積内の穴、凹み、隆起、および位置のうちの少なくとも1つを含む。
例G-1は、プロセッサによって実行されたときに、消毒システムを動作させるようにプロセッサを構成する実行可能な命令を収容する非一時的記憶媒体であり、この命令は、内部容積と、内部容積に結合された放射線源とを有する消毒チャンバーを識別することであって、この放射線源は動作時に内部容積に紫外線C(UV-C)放射線を放射する、消毒チャンバーを識別することと、放射線源のUV-C放射線放射特性を決定することと、内部容積の構造的構成を受け取ることと、感染した物品の表面特性を受け取ることと、UV-C放射線放射特性、内部容積の構造的構成、および感染した物品の表面特性に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定することと、UV-C放射線強度マップに基づき感染した物品の消毒線量を決定することとを含む。例G-2は、例G-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、感染した物品の消毒線量を決定することは、最小消毒線量を決定することを含む。
例H-1は、内部容積を有する消毒チャンバーと、内部容積に結合されている放射線源であって、放射線源は動作しているときに消毒用放射線を外部容積内に放射する、放射線源と、制御システムであって、消毒チャンバーの3次元モデルおよび消毒されるべき標的物品の3次元モデルのうちの少なくとも一方に基づき決定されたパラメータに従って消毒用放射線を放射するように放射線源を制御するように構成されている、制御システムとを備えるシステムである。例H-2は、例H-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーの3次元モデルは、少なくとも1つの放射線センサーで収集された放射線データまたは内部容積の数学的マッピングに基づきシミュレートされた放射線情報を使用して作成された放射線強度マップに関連付けられる。例H-3は、例H-1および例H-2のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、内部容積内に放射される放射線を測定するように配置構成されている、少なくとも1つの放射線センサーをさらに備え、制御システムは、測定された放射線に基づき、および消毒されるべき標的物品に施す放射線の決定された(たとえば、計算された)最小線量の放射線に基づき放射線源を制御するようにさらに構成される。例H-4は、例H-3の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定された(たとえば、計算された)最小線量は、少なくとも1つの放射線センサーに照射される放射線と、消毒されるべき標的物品のコールドスポットに照射される放射線との比に基づく。例H-5は、例H-3および例H-4のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、決定された(たとえば、計算された)最小線量は、安全係数にさらに基づく。例H-6は、例H-1から例H-5のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーの3次元モデルを生成するように配置構成されている内部容積パターン形成ユニットを記憶する記憶装置ユニットをさらに備える。例H-7は、例H-1から例H-5のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の
他の例とを含んでもよく、消毒されるべき標的物品の三次元モデルを生成するように配置構成されている標的物品パターン形成ユニットを記憶する記憶装置ユニットをさらに備える。
例I-1は、内部容積を有する消毒チャンバーと、内部容積に結合されている放射線源であって、放射線源は動作しているときに紫外線C(UV-C)放射線を外部容積内に放射する、放射線源と、制御システムであって、内部容積の構造的構成を識別し、感染した物品の表面特性を受け取り、UV-C放射線放射特性、内部容積の構造的構成、および感染した物品の表面特性に基づき内部容積内のUV-C放射線強度マップを推定し、UV-C放射線強度マップに基づき感染した物品の消毒線量を決定するように構成されている制御システムとを備える消毒システムである。例I-2は、例I-1の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、標的消毒チャンバー内で実行可能な消毒プログラムを制御システムに自動的にさらに作成させ、消毒プログラムは標的医療デバイスに対して決定された最小放射線量を提供するように配置構成され、消毒プログラムは例示的な消毒チャンバーのデジタルマップと例示的な医療デバイスのデジタルマップとの組合せに基づき自動的に作成される。例I-3は、例I-1または例I-2の主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバーの第1のデジタルマップを作成させる。例I-4は、例I-1から例I-3のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバーを提供することを行わせる。例I-5は、例I-1から例I-4のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、複数のデータ収集センサーを有する例示的なデータ収集デバイスを提供することを行わせる。例I-6は、例I-1から例I-5のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、決定された時間期間にわたって例示的な消毒チャンバーを動作せることを行わせる。例I-7は、例I-1から例I-6のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、データ収集センサーによりUV-Cデータを収集する
ことを行わせる。例I-8は、例I-1から例I-7のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバーのデジタルマップを作成させる。例I-9は、例I-1から例I-8のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、時間の経過とともにセンサーを次から次へとキャリブレートすることを行わせる。例I-10は、例I-1から例I-9のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバーの内部を表す仮想点のセットを作成させる。例I-11は、例I-1から例I-10のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、仮想点の各々に対するUV-Cのマップを作成させる。例I-12は、例I-1から例I-11のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバー内のUV-Cベクトルのマップを作成させる。例I-13は、例I-1から例I-12のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、UV-C光源の劣化のマップを作成させる。例I-14は、例I-1から例I-13のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、UV-C光センサーの劣化のマップを作成させる。例I-15は、例I-1から例I-14のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバー内の陰影のマップを作成させる。例I-16は、例I-1から例I-15のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な消毒チャンバー内の反射ベクトルのマップを作成させる。例I-17は、例I-1から例I-16のうちのいずれかの主題と、代替的に、
またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒領域のマップを作成させる。例I-18は、例I-1から例I-17のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、オンボード検出器の位置を調整させる。例I-19は、例I-1から例I-18のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な医療デバイスの第2のデジタルマップを作成させる。例I-20は、例I-1から例I-19のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な医療デバイスを提供することを行わせる。例I-21は、例I-1から例I-20のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な医療デバイスのデジタルモデルを生成させる。例I-22は、例I-1から例I-21のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、例示的な医療デバイスの表面を表す仮想点のセットを作成させる。例I-23は、例I-1から例I-22のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、仮想点の各々に照射される放射線量のモデルを作成させる。例I-24は、例I-1から例I-23のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、仮想点のセットのうちでの注目する配置を識別することを行わせる。例I-25は、例I-1から例I-24のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、ホットスポットを識別させるが、任意選択で、ホットスポットは、収集された放射線データ値の平均値に基づく。例I-26は、例I-1から例I-25のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システム
に、コールドスポットを識別させるが、任意選択で、ホットスポットは、収集された放射線データ値の平均値に基づく。例I-27は、例I-1から例I-26のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、標的物品に照射されるべき消毒線量を調整し消毒が意図されているすべての配置に所与のレベルで消毒するために必要な少なくとも最小線量を受けさせるように消毒プログラムを修正する。例I-28は、例I-1から例I-27のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、遮断された領域のマップを生成させる。例I-29は、例I-1から例I-28のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、吸収領域のマップを生成させる。例I-30は、例I-1から例I-29のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、オンボードセンサーからのフィードバックを収集し、フィードバックに基づきキャリブレーション機能を実行することを行わせ、任意選択で、前記キャリブレーション機能は、オンボードセンサーで受け取ったデータの実際の値をセンサーで受け取ったデータの予想値と比較してよい。例I-31は、例I-1から例I-30のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、第1のデジタルマップと第2のデジタルマップとをアルゴリズム的に組み合わせて消毒プログラムを作成することを行わせる。例I-32は、例I-1から例I-31のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、位置合わせが間違っている医療デバイスまたは位置決めが間違っている医療デバイスに対する1つまたは複数のマージンを生成することを行わせる。例I-33は、例I-1から例I-32のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒プログラムを標的消毒チャンバーにロードする
ことを行わせる。例I-34は、例I-1から例I-33のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、標的医療デバイスを標的消毒チャンバーに装填することを行わせる。例I-35は、例I-1から例I-34のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒プログラムを実行させる。例I-36は、例I-1から例I-35のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒チャンバー内の異物を検出させる。例I-37は、例I-1から例I-36のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒チャンバー内の温度が35℃未満および/または55℃超となるように温度を監視することを行わせる。例I-38は、例I-1から例I-37のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒用放射線は、UV-A放射線、UV-B放射線、およびUV-C放射線のうちの少なくとも1つである。例I-39は、例I-1から例I-38のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、複数の反射表面を備える。例I-40は、例I-1から例I-39のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、標的医療デバイスと協働的に嵌合する少なくとも1つのハンガーシステムを備える。例I-41は、例I-1から例I-40のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、標的医療デバイスを協働的に位置決めする少なくとも1つのハンガーシステムを備える。例I-42は、例I-1から例I-41のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、標的医療デバイスを協働的に配向する少なくとも1つのハンガーシステムを備える。例I-43は、例I-1から例I-42のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、チャンバー内の物体は、消毒中に静止しないものであってもよい。例I-44は、例I-1から例I-43のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、コンピュータ生成モデルに基づきUV照射の数、比率、およびパターンのうちの1つを制御することを行わせる。例I-45は、例I-1から例I-44のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、放射線源の経年変化、放射線センサーの経年変化、汚れ、およびコンピュータ生成モデルに対する実際の測定変動のうちの少なくとも1つに基づきコンピュータ生成モデルを調整することを行わせる。例I-46は、例I-1から例I-45のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、複数の消毒時間のうちの1つを選択させる。例I-47は、例I-1から例I-46のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、最小線量に到達していないことに基づき消毒アルゴリズムにおける時間を延長することを行わせる。例I-48は、例I-1から例I-47のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、標的医療物体への損傷を低減するか、または回避するために消毒サイクルを終了させる。例I-49は、例I-1から例I-48のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、標的医療デバイスが消毒前に事前クリーニングされているかどうかを決定することを行わせる。例I-50は、例I-1から例I-49のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、完全自動消毒プロトコルを実行させる。例I-51は、例I-1から例I-50のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例と
を含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒サイクルを、平均または点曝露、全曝露、平均もしくは点曝露と全曝露との組合せ、経過時間、または温度のうちの少なくとも1つに基づき終了することを行わせる。例I-52は、例I-1から例I-51のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒サイクルを、10分未満、5分、3分、90秒、または60秒のうちの少なくとも1つより短い時間内に実行することを行わせる。例I-53は、例I-1から例I-52のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、試験物品を消毒チャンバー内に確実に、矛盾無く配置するための位置合わせ印を備える。例I-54は、例I-1から例I-53のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、消毒チャンバーは、制御システムによって制御される移動可能な取り付けアセンブリを備える。例I-55は、例I-1から例I-54のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、放射線源は、少なくとも5ワットの出力放射線電力を提供する。例I-56は、例I-1から例I-55のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、放射線源は、消毒領域の実質的に均一な表面照射をもたらすように配置構成される。例I-57は、例I-1から例I-56のうちのいずれかの主題と、代替的に、またはそれに加えて、本明細書中の任意の他の例とを含んでもよく、さらに、制御システムに、消毒ユニット内の温度を約35℃から約45℃の間に維持することを行わせる。
今やいくつかの実施形態について述べたわけだが、本明細書で使用されているいくつかの用語をさらに明確にすることは、本開示において発明的であると考えられることをより完全に理解するのに役立ち得る。
本明細書において説明されているコンピューティングデバイスは、デバイス内の少なくとも1つの処理ユニットによってアクセス可能な電子メモリを有している。メモリは、1つまたは複数の処理ユニットに指令を与えるソフトウェアをプログラムされる。メモリ内のソフトウェアモジュールのいくつかは、データの生成、収集、および配布または他の使用に関してコンピューティングデバイスの動作を制御する。いくつかの場合において、ソフトウェアは、個別のデータの収集を指令するが、他の場合には、ソフトウェアは、データのセットの収集を指令する。
ソフトウェアは、完全に実行可能なソフトウェアプログラム、単純な構成データファイル、追加指令へのリンク、または知られているソフトウェアタイプの組合せを含み得る。コンピューティングサーバがソフトウェアを更新するときに、更新は小規模であるか、または大規模であり得る。たとえば、いくつかの場合において、コンピューティングサーバは、ソフトウェアの一部として小さな構成データファイルをダウンロードし、他の場合には、コンピューティングサーバは、コンピューティングデバイス上の現在のソフトウェアのすべてを新しいバージョンで完全に置き換える。いくつかの場合において、ソフトウェア、データ、またはソフトウェアとデータは、セキュリティ、プライバシー、データ転送速度、データコスト、または同様のものを含む理由から、暗号化され、符号化され、および/または他の何らかの形で圧縮される。
本明細書において説明されているような処理デバイス、または「プロセッサ」は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ(MCU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、状態機械、および同様のものを含む。したがって、本明細書において説明されているようなプロセッサは、少なくとも1つの動作を制御する任意のデバイス、システム、またはその一部を含み、そのようなデバイスは、ハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェア、またはそのうちの少なくとも2つの組合せで実装され得る。任意の特定のプロセッサに関連付けられている機能は、ローカルにあってもリモートにあっても、集中型または分散型であり得る。プロセッサは、プログラムされたソフトウェア命令を実行するように構成されている任意のタイプの電子制御回路を交換可能に指すものとしてよい。プログラムされた命令は、高水準ソフトウェア命令、コンパイル済みソフトウェア命令、アセンブリ言語ソフトウェア命令、オブジェクトコード、バイナリコード、マイクロコード、または同様のものであり得る。プログラムされた命令は、内部メモリまたは外部メモリに置かれてよく、状態機械または制御信号のセットとしてハードコードされ得る。本明細書において参照されている方法およびデバイスにより、1つまたは複数の実施形態は、プロセッサによって実行可能なソフトウェアを記述し、このソフトウェアは、実行されると、方法の1つまたは複数の行為を実行する。
当業者に知られているように、モバイルコンピューティングデバイスを含むコンピューティングデバイスは、1つまたは複数のメモリを有し、各メモリは、読み取りおよび書き込みのための揮発性および不揮発性のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを含み得る。揮発性コンピュータ可読媒体は、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。不揮発性コンピュータ可読媒体は、たとえば、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクなどの磁気媒体、光ディスク、フラッシュメモリデバイス、CD-ROM、および同様のもののうち、いずれか1つまたは複数を含む。いくつかの場合において、特定のメモリは、第1のメモリ、第2のメモリ、第3のメモリなど、仮想的または物理的に別々の領域に分離される。これらの場合において、メモリの異なる分割は、異なるデバイス内にあるか、単一のメモリ内に具現化され得ることは理解される。メモリの記憶内容の一部または全部は、1つまたは複数の特定の行為を実行するために処理デバイスによって実行可能なソフトウェア命令を含み得る。
本開示では、メモリは、1つの構成または別の構成で使用されてもよい。メモリは、データを記憶するように構成され得る。代替に、またはそれに加えて、メモリは、非一時的コンピュータ可読媒体(CRM)であってよく、CRMは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成される。命令は、個別に記憶されるか、またはファイル内の命令のグループとして記憶され得る。ファイルは、機能、サービス、ライブラリ、および同様のものを含み得る。ファイルは、1つまたは複数のコンピュータプログラムを含むか、またはより大きなコンピュータプログラムの一部であってもよい。代替的に、またはそれに加えて、各ファイルは、本開示において説明されているシステム、方法、および装置のコンピューティング機能を実行するのに有用なデータまたは他の計算サポート資料を含んでいてもよい。
図9から図12は、消毒システム100などのコンピューティングデバイスの実施形態によって使用され得るプロセスを例示するデータフロー図である。この点に関して、各説明されているプロセスは、モジュール、セグメント、またはコードの一部分を表するものとしてよく、これは指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む。また、いくつかの実装形態において、プロセスにおいて注意される機能は、異なる順序で実行され、追加の機能を含み、同時に実行され、および/または省略されてもよいことに留意されたい。
本明細書において使用されているように、「モジュール」という用語は、電子回路、1つもしくは複数のソフトウェアもしくはファームウェアプログラムを実行するように動作可能であるプロセッサユニット(たとえば、共有、専用、グループ、シングルコア、マルチコア、または同様のもの)およびメモリ、特定用途向け集積回路(ASIC)、組合論理回路、またはモジュールに関して説明されている機能を提供する好適なコンポーネント(ハードウェアもしくはソフトウェアのいずれか)の他の何らかの個別のもしくは協働的な結合を指す。
本明細書において、また後述の請求項において使用されているような、「リアルタイム」という用語は、瞬間的な処理、伝送、受信、または場合によっては他の何らかの操作を暗示することを意図していない。その代わりに、「リアルタイム」という用語は、活動が許容可能な短い時間期間(たとえば、マイクロ秒またはミリ秒の期間)にわたって発生し、活動が進行中に実行され得ることを暗示する(たとえば、センサー130で放射線を測定すること、最小線量の放射線が照射されたかどうかを決定すること、および同様の操作)。リアルタイムではない活動の一例は、長い時間期間(たとえば、数時間または数日)にわたって発生する活動、または人もしくは他の活動による介入もしくは指令に基づき発生する活動である。
本開示および任意の付属の請求項において任意の文法形式の「実質的な」または「約」という用語が修飾語として使用される場合(たとえば、構造、寸法、測定、または他の何らかの特性を修正するため)、特性が最大30%まで変化してもよいことは理解される。たとえば、消毒チャンバーは、「実質的に平行に」装着された複数の放射線源を備え得る。このような場合、正確に平行に装着された2つの放射線源は、共通の「X」軸と、「Z」軸によって形成される平面または直線に対して法線方向(すなわち、90度または直角)である「Y」軸に沿って装着される。「平行」という用語の正確な精度とは異なり、「実質的に」または「約」を使用して特性を修正することで、最大30%までの特定の特性の変動を許容する。
前述の説明では、様々な開示されている実施形態を完全に理解できるようにいくつかの具体的詳細が述べられている。しかしながら、当業者であれば、実施形態は、これらの具体的詳細の1つまたは複数がなくても、または他の方法、コンポーネント、材料などを使用しても、実施され得ることを理解するであろう。他の事例では、クライアントおよびサーバコンピューティングシステム、さらにはネットワークを含む電子およびコンピューティングシステムに関連するよく知られている構造については、実施形態の説明をいたずらにわかりにくくすることを避けるために、詳細な図示または説明がなされていない。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、本明細書および以下の請求項全体を通して、「含む」または「備える」(英語原文中「comprise」)という単語およびその変形(英語原文中「comprises」および「comprising」など)は、たとえば「限定はしないが、~を含む」というように、開放的で包括的な意味で解釈されるべきである。
本明細書全体を通しての「一実施形態」または「実施形態」およびその変更形態への参照は、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」または「実施形態では」という語句が本明細書全体の様々な箇所に記載されていても、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、好適な任意の方式で1つまたは複数の実施形態に組み合わせられ得る。
本明細書および付属の請求項で使用されているように、「1つの(または使わない場合もある)」および「その(使わない場合もある)」(英語原文の冠詞「a」、「an」、および「the」に対応する)で示される単数形は、文脈上明らかにそうでないことを示していない限り、複数形を含む。また、「または」という言い回しは、文脈から明らかに他の意味を示す場合を除き、「および/または」を含むものとして一般的に採用されていることにも留意されたい。
本明細書において使用されているように、「約」または「おおよそ」という語は、数字と併せて使用されたときに、参照される数字の1%、5%、または10%以内の任意の数字を指す。
本明細書で用意されている見出しおよび要約書は、便宜上のものにすぎず、実施形態の範囲または意味を解釈するものではない。
上で説明されている様々な実施形態は、組み合わせることで、さらなる実施形態を提供することができる。上で詳述されている説明に照らしてこれらおよび他の変更が実施形態に加えられ得る。一般に、次の請求項において、使用される用語は、請求項を本明細書および請求項において開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、そのような請求項に帰されるべき等価物の全範囲と併せてすべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって制限されない。