図1Aを参照すると、本開示のキャビネット10が示されている。キャビネット10は、温食品保持キャビネットのネットワーク接続システム内にある温食品保持キャビネットである。温食品保持キャビネットのネットワーク接続システムは、キャビネット10と、キャビネット10と同じか又は類似した1つ以上の他の温食品保持キャビネットと、を含む。ユーザは、温食品保持キャビネットのネットワーク接続システム内にある、送達側温食品保持キャビネットから受け入れ側温食品保持キャビネットへ、作動中の保持タイマーを転送することができる。受け入れ側温食品保持キャビネットは、キャビネット10であってもよい。タイマーに関連付けられたトレイ14(図2)が送達側温食品保持キャビネットからキャビネット10へ移動されるときに、ユーザは、送達側温食品保持キャビネットからキャビネット10へ、タイマーを転送する。タイマーを転送するために、ユーザは、受け入れ側温食品保持キャビネット、即ちキャビネット10と対話するだけでよい。従来の温食品保持キャビネットは、ユーザが送達側温食品保持キャビネットのボタンにタッチし、次に、送られているものを選ぶために送達側温食品保持キャビネットのボタンにタッチし、次に、受け入れ側温食品保持キャビネットのボタンにタッチし、次に、トレイが受け入れられる場所を特定するために受け入れ側温食品保持キャビネットのボタンにタッチする、合計4回のタッチが必要であり、ユーザが送達側温食品保持キャビネット及び受け入れ側温食品保持キャビネットと対話することが常に必要になる。
本開示のキャビネット10は、送達側温食品保持キャビネットからの転送ボタンを必要としない。キャビネット10のユーザインターフェース102のタッチスクリーン技術と、多点を感知する能力とによって、本開示のプロセスは、転送ボタンの概念を排除し、その代わりに、より利便性の高い「2点タッチ法」を使用しており、2本の指で連続して2つのボタンに触れるのではなく、2本の指で1つのボタンに触れるだけでよい。本開示のキャビネット10のプロセスは、迅速で容易且つ直感的である。必要な手順は、トレイを取り、別のキャビネット(又は同じキャビネット10の別のビン12)まで運び、トレイを所定の位置に置き、2本の指でユーザインターフェース102にタッチし、所望のタイマーを選ぶだけである。したがって、本開示のキャビネット10のプロセスは、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンに2回タッチすることであり、これは、(1)移動ボタンとしてのボタン、(2)何を移動するかを示すボタン、(3)移動を受け入れるためのボタン、及び(4)移動した食品を置く場所を示すボタン、の4つのボタンを必要とする前述した方法よりも、ずっと迅速且つ直感的である。
図1A、図2、図3A、及び図3B、特に図2を参照すると、キャビネット10は、複数のトレイ貯蔵ビン12を備える。トレイビン12はそれぞれが1つ以上のトレイ14を受け入れることができ、トレイ14は1つ以上の食品を保持する(図示せず)。図3A及び図3Bに示すように、トレイ14は、側部が比較的長くて浅い形状(図3A)を有するか、或いは側部が短くて深い(図3B)かのいずれかにすることができる。適切なトレイ14の種類は、中に貯蔵される食品に依存する。
図示されている実施形態において、キャビネット10は、5列×2幅の構成の10個のビン12を有するキャビネットであり、2幅とは、特定の業界の標準的なパンのことを指す。各ビン12は、1つ又は2つのトレイ14用の空間を有することができる。例えば、図1Aに示す実施形態では、上部のビン12はそれぞれ大きめのトレイ14を受け入れるが、下方のビンはそれぞれ、より狭小なトレイ14を貯蔵する。本開示は、1つのビン12を有するキャビネットから、1つ以上のビンを有するキャビネットまでを想定している。一実施形態では、最大20のビン12がある。このような実施形態ではいずれも、ビン12は複数のトレイ14を収納することができる。キャビネットは、レストランの様々な場所の様々な必要性に合わせた大きさにされてもよい。例えば、施設の前方に近いサービス提供場所では、例えばビン12を4つ備える、より小さいキャビネットが適切な場合がある。施設の奥では、最大20のビンを備える、より大きいキャビネットを置くのが適している場合がある。図1Bは、キャビネット10よりサイズが小さいこと以外はキャビネット10と同じ代替的なキャビネット10aを示し、従って同じ特徴には同じ参照符号が使用されている。
図2を再度参照すると、各ビン12は、それらに関連付けられたヒータ20などの温度制御装置を備える。ヒータ20は、ビン12及びトレイ14に熱を加える複数の適切な装置であってもよい。ヒータ20は、誘導性、伝導性(例えば、加熱したプレート)、対流式(例えば、温風)、輻射式(例えば、加熱ランプ、熱量計ロッド)、及びこれらの任意の組み合わせであってもよい。ヒータ20は、前述したように、温度センサ又はソフトウェアアルゴリズムのいずれかによって調節され、所望の温度に達するように、両方ともプロセッサ108a(図4B)に接続される。本開示は主に、ビン12内で温度が上昇する保持トレイ14に関するが、本開示の装置及び方法は同様に、トレイ14を常温に保つ又は冷却するのにも使用され得る。また、「ビン」という用語は、1つ以上のトレイを貯蔵し保持できる、完全密閉又は半密閉の場所又は区域を簡潔に述べるために使用されている。
キャビネット10は、ユーザインターフェース102を備える。ユーザインターフェース102は、当業者に知られているようなタッチスクリーンである。ユーザインターフェース102に使用されるタッチスクリーンの一例として、例えば、ThreeFive社製の、前面がガラスの投影型静電容量タッチスクリーン表示装置が挙げられるが、ユーザインターフェース102は、他の様々な会社によって製造されたものであってもよい。キャビネット10は2つのユーザインターフェース102を備え、キャビネット10aは1つのユーザインターフェース102を備えているが、3つ以上のユーザインターフェース102が使用されてもよい。キャビネット10は、前面30に1つのユーザインターフェース102、背面32に1つのユーザインターフェース102を備えるように変更されてもよく、その結果、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンは前面から背面にかけて鏡のように機能でき、ユーザはサンドイッチを作るための食品を両側から取ることができる。キャビネット10は、20のトレイと、各トレイに対して20個のタイマーとを有する、前面にユーザインターフェース102を備えた特大のキャビネットに変更されてもよく、この場合は、1つの小さい画面で読み取ることは著しく困難になる。トレイ14のうちの1つの移動は、下部のビンから上部のビン12へ移動したい場合は1つのキャビネット内で生じ得るが、貯蔵用キャビネットとサンドイッチ調理用キャビネットとのように、キャビネット間で行われることのほうが一般的である。
図4Aを参照すると、第1の保持キャビネット400と第2の保持キャビネット402とが図示されている。第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402は、第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402が10のビンではなく7つのビンを有していること以外は保持キャビネット10と同じであり、従って同じ特徴には同じ参照符号が使用されている。
図4Bを参照すると、互いに通信する第1の保持キャビネット400と第2の保持キャビネット402とが概略的に図示されている。それぞれのユーザインターフェース102は、1つ以上のユーザインターフェース制御ボード106を含むインターフェースコントローラ105と通信する。ユーザインターフェース制御ボード106は、プロセッサ106aとメモリ106bとを含む。例えばユーザの指によるタッチのx-y座標は、投影型静電容量技術を使用して、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンのインターフェース表面103(例えば、ガラス表面)で感知される。タッチをやめると、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンによって、そのタッチはタップ、即ち単なる押圧だったことが感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タッチのx-y座標の検出は、インターフェースプロセッサ106aにリアルタイムに送信される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンは、複数回のタッチ(例えば、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンに同時に接触する2回以上のタッチ)を感知することができる。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、各タッチのx-y座標の検出は、インターフェースプロセッサ106aにリアルタイムに送信される。
ヒータ20は、温度制御コントローラ107と電気的に通信する。温度制御コントローラ107は、温度制御ボード108を含む。温度制御ボード108は、温度制御プロセッサ108a及び温度制御メモリ108bを含む。温度制御コントローラ107は、トレイ14内の任意の食品を温かく保つために、状態(オン/オフ)を制御し、且つ任意で、ヒータ20に供給される電力量を必要に応じて制御する。温度制御プロセッサ108aは、ヒータ20を有する個々のビン12の温度を監視し制御する。温度設定点がインターフェースプロセッサ106aから送信されてもよく、必要に応じて、追加でヒータをオンにする時間、又は低減された電力、又は短縮された、ヒータをオンにする時間が、ヒータ20に提供されてもよい。任意で、ヒータ表面20の温度値が、逆に温度制御プロセッサ108aからインターフェースプロセッサ106aに報告されてもよい。また、温度は簡単なアルゴリズムで管理されてもよく、制御によって設定されている温度設定に対して、ヒータの電源がオン及びオフにされる時間の割合を調整する。したがって、この実施形態では、第1の保持キャビネット400において、第1の保持キャビネット400のインターフェースプロセッサ106aは、温度制御プロセッサ108aを含む他のプロセッサによって収集されたデータの集約装置であってもよい。第2の保持キャビネット402において、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aは、温度制御プロセッサ108aを含む他のプロセッサによって収集されたデータの集約装置であってもよい。第1の保持キャビネット400のインターフェースコントローラ105、温度制御コントローラ107、及びヒータ20は、全て互いに電気的に通信する。第2の保持キャビネット402のインターフェースコントローラ105、温度制御コントローラ107、及びヒータ20は、全て互いに電気的に通信する。
複数のキャビネット10が同じ場所にあるとき、キャビネット10は、例えば、第1の保持キャビネット400と第2の保持キャビネット402とがそうであるように、ネットワーク内にある個別のキャビネット10間で及びインターネットに対して情報の通信ができるように、互いに接続されてもよい。図4Bを参照すると、第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402は、それぞれ電子通信に接続されている必要がある。これは、イーサネット又はI2C通信などの有線通信を介して行われてもよく、或いは、802.11nWi-Fi又はTCP-IPなどの任意の形式の無線通信によって行われてもよい。第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402は、どの装置内で、どこで、何が保持され、どのタイミング情報が利用可能かについての情報を共有するために、この通信を使用する。無線通信(即ち802.11a/b/g/nを介したWi-Fi)を介するか、又は有線通信を介するかのいずれかによって、第1の保持キャビネット400は、矢印404で示すように第2の保持キャビネット402にデータを通信し、第2の保持キャビネット402は、矢印406で示すように第1の保持キャビネット400にデータを通信する。第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402は、無線通信で通信するために、例えば、USBWi-Fiドングル、又は制御ボードに埋め込まれたWi-Fiを使用する。特に、各キャビネット10は、1つ又は複数のユーザインターフェース102を備えることができる。ユーザインターフェース102は、オンボードプロセッサ106aとメモリ106bとを保持するユーザインターフェース制御ボード106と後に通信するタッチスクリーンを備える。各ユーザインターフェース102は、タッチスクリーンと、ユーザインターフェース制御ボード106とを備える。ユーザインターフェース制御ボード106は、有線又は無線通信を介して互いに通信することができる。ユーザインターフェース制御ボード106はそれぞれ、温度制御ボード108、スピーカ、及びこの事例では無線通信用のUSBWi-Fiドングルを含む、システム内の他の装置とも通信することができる。あるいは、ユーザインターフェース102は、オンボードWi-Fi、Bluetooth、その他通信手段を備えることができるが、図4Bに示すシステムでは、ユーザインターフェース102は相互に通信する。また、ユーザインターフェース102がマスタUIユニットであれば、USBWi-Fi通信装置(図示せず)と同様に、それぞれ温度制御ボード108と通信することができる。次に、各USBWi-Fi通信装置は、ネットワーク内で他のキャビネット10と通信し、これによりキャビネット10は互いに通信することが可能になる。
図5を参照すると、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102は、タッチスクリーン上に、個別の区画502、504、506、508、510、512、514に分割された画面を表示している。第1の保持キャビネット400のタッチスクリーンは7つの区画を有し、各区画502、504、506、508、510、512、514は、7つのトレイビン12のうちの1つに関する情報を表示する。図4Aを再度参照すると、ビン12のうちの1つであるビン408は、区画502に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン410は、区画504に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン412は、区画506に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン414は、区画508に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン416は、区画510に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン418は、区画512に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン420は、区画514に関連付けられる。区画502、504、508、510、512、514は、対応する7つのビン12用の7つの区画を有するものとして示されているが、第1の保持キャビネット400は、大きさが異なるキャビネット用に、数がより多い又はより少ない区画及びビンを備えることができる。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンのタイル分割された画面は、1つの画面オプション(例えば、ホーム画面)であってもよい。
区画502、504、506、508、及び514はそれぞれ、表示食品タイマーボタン522を表示する。表示食品タイマーボタン522はそれぞれ、食品標識524及び状態標識526を含む。食品標識524は、例えば、食品名、略語、その他識別記号、又はこれらの組み合わせである。状態標識526は、例えば、タイマーを作動させるために、対応する表示食品タイマーボタン522が押されてもよいことを示している「準備完了」である。区画502、504、506、508、及び514はそれぞれ、タイマーが作動されていないか又はアイドル状態のときの準備完了状態を示す、例えば薄い灰色のインジケータを含む。準備完了状態の区画502、504、506、508、及び514は、タップする、例えばユーザの指が第1の保持キャビネット400の表面103の区画502、504、506、508、及び514のうちの1つに接触することによって選択され得る。タップすることによってユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タッチのx-y座標の検出が、第1の保持キャビネット400のインターフェースプロセッサ106aに送信され、これによってタップされた場所(例えば、区画502、504、506、508、及び514のうちの1つ)が判定される。区画502、504、506、508、及び514がタップされると、次に、本明細書で述べるように、区画510及び512と同様にタイマーが開始する。
区画510は食品標識524及び第1のタイマー528を表示しており、区画512は食品標識524及び第2のタイマー530を表示している。ユーザの指が表面103の区画510をタップすると、ユーザインターフェース102は、第1のインジケータ532(例えば、区画510の色が緑色などに変化したもの)をタッチスクリーン上に表示して、指のタップによって区画510が選択されていることを示し、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102は、タッチスクリーンの区画510に第1のタイマー528の数値を表示する。指は、タップを生成する1本指であり、その結果、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、タップのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タップのx-y座標の検出は、第1の保持キャビネット400のインターフェースプロセッサ106aに送信される。第1のインジケータ532は、例えば、第1のタイマー528の時刻と共に第1のインジケータ532の色が右から左へ色534に変化することによって、第1のタイマー528の時刻を示す。例えば、第1のインジケータ532の色は、タイマーが開始したときは区画510全体を覆っており、第1のタイマー528が満了して第1のインジケータ532が区画510に表示されなくなるまでサイズが減少していく。
ユーザの指が表面103の区画512をタップすると、ユーザインターフェース102は、第2のインジケータ536(例えば、区画512の色が緑色などに変化したもの)をタッチスクリーン上に表示して、指のタップによって区画512が選択されていることを示し、ユーザインターフェース102は、タッチスクリーンの区画512に第2のタイマー530の数値を表示する。指は、タップを生成する1本指であり、その結果、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、タップのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タップのx-y座標の検出は、第1の保持キャビネット400のインターフェースプロセッサ106aに送信される。第2のインジケータ536は、例えば、第2のタイマー530の時刻と共に第2のインジケータ536の色が右から左へ色538に変化することによって、第2のタイマー530の時刻を示す。例えば、第2のインジケータ536の色は、タイマーが開始したときは区画512全体を覆っており、第2のタイマー530が満了して、第2のインジケータ536が区画512に表示されなくなるまでサイズが減少していく。
同じ食品標識524に対してどちらのタイマーのほうが古いかを示すために、第1のインジケータ532は、第2のインジケータ536とは異なってもよい。例えば、区画510に対応するトレイ14内の食品が、第2の区画512に対応するトレイ14内の食品よりも前に使用されなければならないことをユーザに示すために、第1のインジケータ532が黄色、第2のインジケータ536が白色でもよい。タイマーボタンに第1のタイマー528が表示されると、ユーザは表面103の区画510をタップし、その結果、ユーザインターフェース102はタイマーリセットオプションを表示する。タイマーリセットオプションは、第1のタイマー528を非作動にするリセットを確認する第1のオプションを含み、第1のタイマー528が非作動にされた後で、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102は、区画510に表示食品タイマーボタン522を表示する。タイマーリセットオプションは、取り消して第1のタイマー528を動作したままにしておくための第2のオプションを含む。タイマーボタンに第2のタイマー530が表示されると、ユーザは表面103の区画512をタップし、その結果、ユーザインターフェース102はタイマーリセットオプションを表示する。タイマーリセットオプションは、第2のタイマー530を非作動にするリセットを確認する第1のオプションを含み、第2のタイマー530が非作動にされた後で、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102は、区画512に表示食品タイマーボタン522を表示する。タイマーリセットオプションは、取り消して第2のタイマー530を動作したままにしておくための第2のオプションを含む。したがって、第1のキャビネットは、2つの作動している保持タイマー、即ち第1のタイマー528と第2のタイマー530とを含む。
図4Aに示すように、トレイ436はビン416内にある。トレイ438はビン418内にある。トレイ436と438とは、それぞれが食品例えばビスケットを入れたトレイ14のうちの1つである。ビン416にトレイ436が最初に置かれたときに、ユーザは、表面103の区画510を指でタップする必要がある。第1のタイマー528は、トレイ436内の食品が古くなって品質基準を満たさなくなり廃棄が必要になる前の時刻を示す。ビン418にトレイ438が最初に置かれたときに、ユーザは、表面103の区画512を指でタップする必要がある。第2のタイマー530は、トレイ438内の食品が古くなって品質基準を満たさなくなり廃棄が必要になる前の時刻を示す。
図6を参照すると、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102は、タッチスクリーン上に、個別の区画602、604、606、608、610、612、614に分割された画面を表示している。第2の保持キャビネット402のタッチスクリーンは7つの区画を有し、各区画602、604、606、608、610、612、614は、7つのトレイビン12のうちの1つに関する情報を表示する。ビン12のうちの1つであるビン422は、区画602に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン424は、区画604に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン426は、区画606に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン428は、区画608に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン430は、区画610に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン432は、区画612に関連付けられる。ビン12のうちの1つであるビン434は、区画614に関連付けられる。区画602、604、606、608、610、612、614は、対応する7つのビン12用の7つの区画を有するものとして示されているが、第2の保持キャビネット400は、大きさが異なるキャビネット用に、数がより多い又はより少ない区画及びビンを備えることができる。したがって、図5に示す第1の保持キャビネット400及び図6に示す第2の保持キャビネット402は共に、同時に作動する2つのタイマー、即ち第1のタイマー528及び第2のタイマー530を備える。
区画602、604、606、608、610、612、614はそれぞれ、表示食品タイマーボタン622を表示する。表示食品タイマーボタン622はそれぞれ、食品標識624及び状態標識626を含む。食品標識624は、例えば、食品名、略語、その他識別記号、又はこれらの組み合わせである。状態標識626は、例えば、タイマーを作動させるために、対応する表示食品タイマーボタン622が押されてもよいことを示している「準備完了」である。区画602、604、606、608、610、612、614はそれぞれ、タイマーが作動されていない準備完了状態又はアイドル状態を示す、例えば薄い灰色のインジケータを含む。準備完了状態の区画602、604、606、608、610、612、614は、タップする、例えばユーザの指が表面103の区画602、604、606、608、610、612、614のうちの1つに接触することによって選択され得る。タップすることによって第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タッチのx-y座標の検出は、タップされた場所(例えば、区画602、604、606、608、610、612、614のうちの1つ)を判定する、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aに送信される。区画602、604、606、608、610、612、614がタップされると、次に、本明細書で述べるように、区画510及び512と同様にタイマーが開始する。
図7Aを参照すると、ユーザは、トレイ440をビン430内に置くことができる。トレイ440は、トレイ14のうちの1つである。図8を参照すると、ビン430内にトレイ440を置いたら、次にユーザは、1本の指800で、第2の保持キャビネット402の表面103の区画610をタップする必要がある。1本の指800で、第2の保持キャビネット402の表面103の区画610をタップすると、ユーザインターフェース102は、第3のインジケータ632(例えば、区画610の色が緑色などに変化したもの)をタッチスクリーン上に表示して、1本の指800のタップによって区画610が選択されていることを示し、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102は、タッチスクリーンの区画610に、状態標識626の代わりに第3のタイマー628の数値を表示する。1本の指800は、タップを生成する1本指であり、その結果、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、タップのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タップのx-y座標の検知は、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aに送信される。第3のインジケータ632は、例えば、第3のタイマー628の時刻と共に第3のインジケータ632の色が右から左へ色634に変化することによって、第3のタイマー628の時刻を示す。例えば、第3のインジケータ632の色は、タイマーが開始したときは区画610全体を覆っており、第3のタイマー628が満了して、第3のインジケータ632が区画610に表示されなくなるまでサイズが減少していく。第3のタイマー628は、トレイ440内の食品が古くなって品質基準を満たさなくなり廃棄が必要になる前の時刻を示す。したがって、図7Bに示す第1の保持キャビネット400及び図8に示す第2の保持キャビネット402は共に、同時に作動する3つのタイマー、即ち第1のタイマー528、第2のタイマー530、及び第3のタイマー628を備える。
図9Aを参照すると、ユーザは、第1の保持キャビネット400のビン416からトレイ436を取り出し、第2の保持キャビネット402のビン428にトレイ436を置くことができる。図10を参照すると、第2の保持キャビネット402のビン428内にトレイ436を置いた際に、ユーザは、複数の指1000、1002を同時に使って、第2の保持キャビネット402の表面103の区画608をタップする必要がある。複数の指1000、1002で、第2の保持キャビネット402の表面103の区画608を同時にタップすると、ユーザインターフェース102は、ユーザインターフェース102のタッチスクリーンにリスト1004を表示する。図10に示すように、指は、タップを生成する2本以上の指であり、複数の指1000、1002は2本指であり、その結果、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、2点のタップのそれぞれのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、複数の指1000、1002によるタップのx-y座標の検出は、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aに送信される。第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102もまた、第4のインジケータ1007(例えば、区画608の色が白色などに変化したもの)をタッチスクリーン上に表示し、複数の指1000、1002の多点タップによって区画608が選択されていることを示す。
リスト1004を生成するのに必要なデータは、遅延を防ぐために、第1の保持キャビネット400と、第2の保持キャビネット402との間で連続的に通信されてもよく、或いは、複数の指1000、1002が、第2の保持キャビネット402の表面103の区画608をタップした際に、保持キャビネット、この場合は第1の保持キャビネット400のネットワークに、可能なタイマー転送に関する全情報の要求が送信されてもよい。第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402は、以下の情報を共有するために通信する。(1)保持される食品(例えば食品標識524、624のように表示される)、(2)保持する装置(即ち第1の保持キャビネット400又は第2の保持キャビネット402)、(3)保持される場所(即ち各区画502、504、506、508、510、512、514、602、604、606、608、610、612、614内の食品標識524、526に対応する、ビン408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428、430、432、434)、(4)使用可能なタイミング情報(例えば、ビン408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428、430、432、434に対応する、各区画502、504、506、508、510、512、514、602、604、606、608、610、612、614における任意の作動中のタイマー)。あるいは、リスト1004を生成するのに必要なデータは、サーバ又はクラウドストレージを介して、第1の保持キャビネット400と、第2の保持キャビネット402との間で連続的に通信されてもよく、或いは、複数の指1000、1002が第2の保持キャビネット402の表面103の区画608をタップした際に、第2の保持キャビネット402からサーバ又はクラウドストレージに、可能なタイマー転送に関する全情報の要求が送信されてもよく、リスト1004の生成に必要なデータは、第1の保持キャビネット400と、サーバ又はクラウドストレージとの間、並びに第2の保持キャビネット402と、サーバ又はクラウドストレージとの間で連続的に通信されてもよい。
リスト1004は、1つ以上のリストタイマーボタン1006を表示する。リストタイマーボタン1006は、区画608に転送されて表示されるために選択され得る、作動中のタイマーである。リストタイマーボタン1006は、図7Bに示す第1の保持キャビネット400及び図8に示す第2の保持キャビネット402の作動中のタイマー、即ち第1のタイマー528、第2のタイマー530、及び第3のタイマー628にそれぞれ対応する。作動中のタイマーである第1のタイマー528、第2のタイマー530、及び第3のタイマー628が転送可能かどうかを判定する具体的な設定は、例えば、ユーザ入力によってコントローラ105で定義され得る所定の設定の設定中に、設定されてもよい。食品(例えば、トレイ436内の食品)が、ビン408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428、430、432、434のうちの1つに移動するのに適しているかどうかを判定するのに使用されるパラメータは、例えば、棚温度と呼ばれるビンの温度を含み、且ついくつかの変形形態のいずれかにおいてトレイ436を覆うために蓋が使用されている場合は、トレイ436の物理的な大きさを含む。ビン408、410、412、414、416、418、420、422、424、426、428、430、432、434は、個別に制御され得る2つ以上のヒータをそれぞれ備えてもよい。したがって、トレイ436を加熱するために同じ温度になるように制御される必要があるヒータの数は、トレイ436のサイズによって決定する。例えば、トレイ436がビスケット用の大型のパンであれば、2つ以上のヒータの上にあってもよく、それらのヒータは全て同じ温度で作動する。別の例として、トレイ436が朝食用ソーセージ用の小型のパンであれば、所定の加熱温度で作動する1つのみのヒータの上にあってもよく、その一方で、1つ以上の他のヒータは、非作動にされるか又は所定のアイドル温度で作動される。
第1のリストタイマーボタン1008は、第1のタイマー528に対応する。第1のリストタイマーボタン1008は、食品標識524と、第1のタイマー528と、第1のインジケータ532と、色534とを表示する。第2のリストタイマーボタン1010は、食品標識524と、第2のタイマー530と、第2のインジケータ536と、色538とを表示する。第3のリストタイマーボタン1012は、食品標識624と、第3のタイマー628と、第2のインジケータ632と、第2のインジケータ632の色634とを表示する。リスト1004は、指示1014を更に表示する。指示1014は、リストタイマーボタン1006の上部の「転送するタイマーを選択」と書かれた指示を含む。
図10に示すように、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンがリスト1004を表示している間は、図9に示すように、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102のタッチスクリーンは、区画510の第1のタイマー528及び区画512の第2のタイマー530の表示を継続する。図10に示すように、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンがリスト1004を表示している間は、第3のタイマー628が区画610に同時に表示される。
図12を参照すると、ユーザは1本の指1200で、第2の保持キャビネット402の表面103の第1のリストタイマーボタン1008をタップしている。1本の指1200は、タップを生成する1本指であり、その結果、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、タップのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンで感知された、タップのx-y座標の検知は、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aに送信される。ユーザが1本の指1200で、第2の保持キャビネット402の表面103の第1のリストタイマーボタン1008をタップすると、ビン416に関連付けられている第1の保持キャビネット400から、ビン428に関連付けられている第2の保持キャビネット402へ、第1のタイマー528を転送するために、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102は、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102と通信する。あるいは、ビン416に関連付けられている第1の保持キャビネット400から、ビン428に関連付けられている第2の保持キャビネット402へ、第1のタイマー528を転送するために、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102は、サーバ又はクラウドストレージを介して第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102と通信する。図11に示すように、ユーザが第2の保持キャビネット402の表面103の第1のリストタイマーボタン1008をタップしている間は、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102のタッチスクリーンは、区画内の第1のタイマー528の表示を継続する。
図14を参照すると、ユーザが1本の指1200で、第2の保持キャビネット402の表面103の第1のリストタイマーボタン1008をタップした後は、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンにリスト1004は表示されなくなり、以前は第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画510に表示されていた第1のタイマー528及び食品標識524は、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画608に転送されて表示され、これによって、ビン416に関連付けられていた第1のタイマー528が転送され、第1のタイマー528はビン428に関連付けられる。棚温度の設定がトレイ436と異なっていた場合は、第1のタイマー528を転送する際に、ビン428内の温度もまた新しい設定に変更になる。こうして、トレイ436内の食品が古くなって品質基準を満たさなくなり廃棄が必要になる前の時刻を示す第1のタイマー528は、トレイ436と共に第2の保持キャビネット402に移動することができる。第1のタイマー528及び食品標識524が、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画608に転送されて表示されると、図13に示すように、第1の保持キャビネット400のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画510は、食品標識524と、状態標識526(例えば、1回のタッチで新しいタイマーを作動させるため又は複数回のタッチでタイマーを区画510に転送するために、対応する表示食品タイマーボタン622が押されてもよいことを示している「準備完了」)とを表示する。
第1のタイマー528、第2のタイマー530、及び第3のタイマー628が満了すると、区画510、区画512、及び区画608に、タイマーが満了したことを示す警告がそれぞれ表示される。警告は、警告が非作動になるまで所定の時間の間表示されてもよく、或いはユーザがタップして警告を非作動にしてもよい。警告が非作動になった後は、食品標識524及びアイドル状態を示す状態標識526が第1のタイマー528及び第2のタイマー530に表示され、食品標識624及びアイドル状態を示す状態標識626が第3のタイマー628に表示される。
あるいは、第2の保持キャビネット402は、第1の保持キャビネット400とも、他のどの保持キャビネットとも通信しない。図7Aを再度参照すると、この代替形態では、ユーザは、ビン430からトレイ440を取り出すことができ、ユーザは、トレイ436の代わりに、トレイ440をビン428に置くことができる。この代替形態では、第2の保持キャビネット402はどの保持キャビネットとも通信しないので、第2の保持キャビネット402の表面103の区画608を同時にタップするためにユーザが複数の指1000、1002を使用すると、リスト1004は、第3のタイマー628のための第3のリストタイマーボタン1012のみを表示する。次に、ユーザは、1本の指で、第2の保持キャビネット402の表面103で第3のリストタイマーボタン1012をタップすることができる。1本の指1200は、タップを生成する1本指であり、その結果、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102におけるタッチスクリーンのインターフェース表面103で、タップのx-y座標が感知される。ユーザインターフェース102のタッチスクリーンによって感知された、タップのx-y座標の検出は、第2の保持キャビネット402のインターフェースプロセッサ106aに送信され、その後、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンにリスト1004は表示されなくなり、以前は区画610に表示されていた第3のタイマー628及び食品標識624は、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画608に転送されて表示され、これによって、ビン430に関連付けられていた第3のタイマー628が転送され、第3のタイマー628はビン428に関連付けられる。こうして、トレイ440内の食品が古くなって品質基準を満たさなくなり廃棄が必要になる前の時刻を示す第3のタイマー628は、トレイ440と共に、ビン430からビン428に移動することができる。第3のタイマー628及び食品標識624が、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102のタッチスクリーンの区画608に転送されて表示されると、区画610は、食品標識624と、状態標識626(例えば、1回のタッチで新しいタイマーを作動させるため又は複数回のタッチでタイマーを区画610に転送するために、対応する表示食品タイマーボタン622が押されてもよいことを示している「準備完了」)とを表示する。
図16は、本開示で使用するための、キャビネット10のユーザインターフェース1600の実施形態のブロック図である。キャビネット10は、少なくとも1つのユーザインターフェース1600を備えてもよい。ユーザインターフェース1600は、ネットワーク1620例えばインターネットに接続されたUI制御ボード1605と、タッチスクリーン1610とを備える。
ユーザインターフェース1600は、タッチスクリーン1610と通信するUI制御ボード1605を備える。UI制御ボード1605は、オンボードプロセッサ1615とメモリ1625とを備える。UI制御ボード1605は、汎用マイクロコンピュータで実装されてもよい。UI制御ボード1605は、ネットワーク1620を介して他の装置に接続されてもよい。
プロセッサ1615は、応答し命令を実行する論理回路で構成される。
メモリ1625は、プロセッサ1615の動作を制御するデータ及び命令を記憶する。メモリ1625は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードドライブ、読み出し専用メモリ(ROM)、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。メモリ1625の構成要素の1つは、プログラムモジュール1630である。
プログラムモジュール1630は、本明細書で述べる方法を実行するようにプロセッサ1615を制御する命令を含む。例えば、プログラムモジュール1630を実行した結果として、プロセッサ1615は、本明細書で説明する方法(例えば、方法1500)を実行する。本明細書で使用される「モジュール」という用語は、独立した構成要素として、又は複数の下位構成要素が統合された構成として具体化され得る機能的な動作を意味するために使用される。したがって、プログラムモジュール1630は、単一のモジュールとして、又は互いに協働して動作する複数のモジュールとして実装されてもよい。さらに、プログラムモジュール1630は、本明細書ではメモリ1625に組み込まれ、従ってソフトウェアで実装されるものとして説明されているが、任意のハードウェア(例えば、電子回路)、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装されてもよい。
ユーザインターフェース1600は、ユーザが情報及びコマンドの選択をプロセッサ1615に通信できるように、タッチスクリーン1610、キーボード、又は音声認識サブシステムなどの入力装置を備える。ユーザインターフェース1600はそれぞれ、タッチスクリーン1610、表示装置、又はプリンタなどの出力装置を備える。さらにマウス、トラックボール、又はジョイスティックなどのカーソル制御により、ユーザは、追加の情報及びコマンドの選択をプロセッサ1615に通信するために、表示装置上でカーソルを操作することが可能になる。
本明細書で述べる方法を実行した結果として、プロセッサ1615はタッチスクリーン1610に出力を行う。あるいは、プロセッサ1615は、ネットワーク1620を介して、サーバ/クラウドストレージ1640、並びに/或いは他のキャビネット1636、1637、及び/又は1638などの遠隔装置に出力を送ることができる。ユーザインターフェース1600のタッチスクリーン1610、或いはキャビネット1636、1637、及び/又は1638に備えられた別のユーザインターフェースに対するこのような出力は、各キャビネットに配置された特定のトレイに関連付けられた、タイマー1~タイマーnであってもよく、各タイマー1~タイマーnは、同じキャビネット又は他のキャビネットで、1つのインターフェースから別のインターフェースへ移動されてもよい。ユーザインターフェース1600、或いはキャビネット1636、1637、及び/又は1638に含まれる別のユーザインターフェースは、有線又は無線通信を介して互いに通信することができる。これらはそれぞれ、ヒータ制御ボード、スピーカ、及びこの事例では無線通信用のUSBWi-Fiドングルを含む、システムに接続された他の接続済みの装置とも通信することができる。あるいは、ユーザインターフェース1600は、オンボードWi-Fi、Bluetoothその他の通信手段を備えることができるが、図示されている事例では、ユーザインターフェース1600、或いはキャビネット1636、1637、及び/又は1638に含まれている別のユーザインターフェースは互いに通信し、且つそれぞれが、USBWi-Fi通信装置と同様に、少なくとも1つのヒータ制御ボードと通信できるマスタUIである。また、USBWi-Fi装置は、ネットワークに接続された他のキャビネットと通信し、これがネットワーク内のキャビネット10が互いに通信する方法である。
プログラムモジュール1630は、メモリ1625に既にロードされているとものとして示される一方で、後でメモリ1625にロードするために、記憶媒体1635上に構成されてもよい。記憶媒体1635は、プログラムモジュール1630を具体的な形で記憶する任意の従来の記憶媒体であってもよい。記憶媒体1635の例は、フロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープ、読み出し専用メモリ、光学記憶媒体、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、デジタル多用途ディスク、又はジップドライブを含む。あるいは、記憶媒体1635は、遠隔記憶システム(例えばサーバ又はクラウドストレージ1640)に配置され且つネットワーク1620を介してUI制御ボード1605に接続されたランダムアクセスメモリ又は他の種類の電子記憶装置であってもよい。
図15を参照すると、少なくとも1つの保持キャビネット、例えば、第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402で使用され得る方法1500が示されている。方法1500はステップ1502から始まってステップ1504へ進む。ステップ1504において、トレイを受け入れる第1の貯蔵ビン(例えば、ビン428)を備える第1のキャビネットで、第1のユーザインターフェース(例えば、第2の保持キャビネット402のユーザインターフェース102)の第1の区画に(例えば、表示食品タイマーボタン622が区画608に)表示食品タイマーボタンが表示される。方法1500はステップ1504からステップ1506へ進む。ステップ1506において、第1の区画、例えば、区画608でタッチが検出されたかどうかが判定される。第1の区画でタッチが検出されなかった場合、方法1500はステップ1504を繰り返す。第1の区画でタッチが検出された場合、方法1500はステップ1506からステップ1508へ進む。ステップ1508において、第1の区画(例えば、区画608)で1回のタッチが検出されたかどうかが判定される。第1の区画で1回のタッチが検出されたと判定された場合、方法1500はステップ1508からステップ1509へ進む。ステップ1509において、第1の区画に関連付けられているタイマーが、既に動作しているかどうかが判定される。タイマーがまだ動作していない場合は、方法1500はステップ1510へ進む。ステップ1510において、第1のタイマーが作動されて第1の区画に表示される。方法1500はステップ1510からステップ1512へ進む。ステップ1512において、方法1500は終了する。タイマーが既に動作している場合は、方法1500はステップ1511へ進む。ステップ1511において、タイマーリセットオプションが、リセットを確認するか、又はタイマーを動作したままにしておくために取り消すオプションを含めて、ユーザインターフェース102に表示される。方法1500はステップ1511からステップ1512へ進む。ステップ1512において、方法1500は終了する。
第1の区画(例えば、区画608)で1回のタッチが検出されなかったと判定された場合、方法1500はステップ1508からステップ1514へ進む。ステップ1514において、第1の区画で、同時に複数回のタッチが検出されたかどうかが判定される。第1の区画で、同時に複数回のタッチが検出されなかった場合、方法1500はステップ1504を繰り返す。第1の区画で、同時に複数回のタッチが検出された場合、方法1500はステップ1514からステップ1516へ進む。ステップ1516において、所定の設定を有する少なくとも第2のタイマー(例えば、第1のタイマー528)が既に作動されて、第2のキャビネットの又は第1のキャビネットとの電子通信の範囲内にある他の任意のキャビネットの第1のユーザインターフェース又は第2のユーザインターフェースの第2の区画(例えば、区画510)に表示されているかどうかが判定される。所定の設定を有する少なくとも第2のタイマーが、まだ作動されておらず、第2のキャビネットの第1のユーザインターフェース又は第2のユーザインターフェースの第2の区画に表示されていない場合は、前述したように、方法1500はステップ1509へ進む。所定の設定を有する少なくとも第2のタイマー(例えば、第1のタイマー528)が既に作動されていて、第2のキャビネットの第1のユーザインターフェース又は第2のユーザインターフェースの第2の区画(例えば、区画510)に表示されている場合は、方法1500はステップ1516からステップ1518へ進む。ステップ1518において、リスト、例えば既に作動されている少なくとも第2のタイマー(例えば、第1のタイマー528)を含むリスト1004が表示され、第2のタイマーは、第2のタイマーボタン(例えば、第1のリストタイマーボタン1008)としてリストに表示される。方法はステップ1518からステップ1520へ進む。ステップ1520において、少なくとも第2のタイマーボタン(例えば、第1のリストタイマーボタン1008)でタッチが検出されたかどうかが判定される。少なくとも第2のタイマーボタンでタッチが検出されなかった場合、方法1500はステップ1518を繰り返す。少なくとも第2のタイマーボタン(例えば、第1のリストタイマーボタン1008)でタッチが検出された場合、方法1500はステップ1520からステップ1522へ進む。ステップ1522において、第2のタイマー(例えば、第1のタイマー528)は、第1のユーザインターフェースに転送されて、第1のユーザインターフェースの第1の区画(例えば、区画608)に表示され、第2のユーザインターフェースは第2のタイマーを表示しなくなる。方法1500はステップ1522からステップ1512へ進む。ステップ1512において、方法1500は終了する。
2つの保持キャビネット(例えば、第1の保持キャビネット400及び第2の保持キャビネット402)の少なくとも1つが動作されている間は、表示食品タイマーボタン522、622のそれぞれに対して、方法1500は繰り返す。
本開示は、多点タッチスクリーンの使用によるトレイの移動を実現するための最も簡単な知られている方法である。この簡単且つ独自の方法は、複数の保持キャビネットを含む構成を有し、それぞれが通信ネットワークに電子的に接続される。各保持キャビネットは、食品のトレイ、パン、又は容器に関連付けられた、作動中のカウントダウンタイマーを備える。タッチスクリーンは保持キャビネットで制御を形成し、タッチスクリーンは、ユニット内で保持される食品を載せたパン又は容器用のタイマーを表すセルを有するテーブルグリッドに分かれる。
よくあることとして、食品のトレイを1つの場所から別の場所へ移動させる必要が生じる。これは、同じ保持キャビネット内の移動であってもよく、或いは1つの保持キャビネットから別の保持キャビネットへの移動であってもよい。他の移動方法は全て、制御装置が非常に基本的なものであるために、送達側保持キャビネット及び受け入れ側保持キャビネットの両方をオンにする必要がある。一般に、これにはスクロール又は食品の選択も必要になる場合がある。この新しく且つ独自の移動の概念の一例は、1つのキャビネット内に既に保持されている食品を載せたパンを取り出して、本明細書で述べるように、それを別のキャビネットに移動させることである。ユーザは、このパンを置きたいと思っている受け入れ側の保持タッチスクリーンで、複数の指、例えば2本の指又は3本の指でタイマーの場所をタッチでき、そうすると転送可能なタイマーのリストが表示される。ユーザは、表示されているリストから移動したいタイマーを選択し、タイマーはこの新しい場所に移動される。操作者は、送達側保持キャビネットをタッチする必要はない。これは、他の移動方法よりも簡素化の点で格段に進歩している。画面をタッチして所望のタイマーを選択するだけで、移動を行うことができる。
この方法を実行するためには、保持キャビネットが電子通信に接続されている必要がある。これは、イーサネット又はI2C通信などの有線通信を介して行われてもよく、或いは、802.11nWi-Fi又はTCP-IPなどの任意の形式の無線通信によって行われてもよい。ユニットは、どの装置内で、どこで、何が保持され、どのタイミング情報が利用可能かについての情報を共有するために、この通信を使用する。
複数タッチ点感知を有するタッチスクリーンを使用することにより、基本的には指1本の簡単なタッチで1種類の動作を表し、多点でタッチすることで別の意味を持たせることができる。よくある例として、一般的な電話の画面にタッチして、ボタンを押したり項目を選択したりするが、2本の指でタッチしてつまむ動作(pinching)をすると、画像が拡大又は縮小される。しかしながら本開示では、所与の場所でタイマーを開始又は停止するのに、通常は簡単な1本指での押圧が使用される。2本の指で同じ領域にタッチしていることを感知すると、ユニットのソフトウェアは、これから始まるタイマー転送を表していることを理解する。この方法では、送達側のキャビネットが人的な対話を必要としないことに留意されたい。複数の指のタッチを感知すると、可能なタイマーのリストが表示される。
可能なタイマーは、操作者によって、様々な方法で定義されてもよい。これは設定中に行われてもよい。例えば、操作者は、可能な移動を、例えば、食品標識524、624によって識別される、全く同じ種類の食品のみの移動に制限することができる。例えば、チキンフライを保持している領域で2本の指でタッチすると、作動中のチキンフライのタイマーのみが表示される。しかし、棚温度が同じの任意の食品や、或いは他の基準も許容されるように設定されてもよい。最終的にはフィルタリングは存在せず、全てのタイマーをこの場所に転送することが可能である。受け入れた食品容器の棚温度の設定が異なっていた場合は、タイマーを転送すると、棚温度も新しい設定に変更になる。2本の指で、可能な作動中のタイマーを含んでいないタイマーをタッチすると、単にリストが表示されない。可能なタイマーのリストが生成されるとき、それはキャビネット間の通信ネットワークで共有された情報から来る。この情報は、遅延を防ぐために連続的に共有され、多点タッチを作動させると、可能な転送に関する全情報を求める要求がネットワークに送信され得る。
本開示は、その好ましい形態を特に参照して説明されているが、添付の特許請求の範囲で規定されるように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行ってもよいことは明らかであろう。