JP2022507097A - 子宮内エキスパンダ装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、子宮内に留置する拡張カテーテルを含み、前記拡張カテーテルは、子宮内腔内の子宮器官の形状変化に対応可能な解剖学的特性を有し、腔内壁の拡張および分離を効率化し、それ以降、種々の外科処置技術において、子宮内膜切除における外科処置工程を削減する。また、セパレータおよびアイソレータとして機能することで、子宮内癒着を予防し、前記装置を通して内外への排出を容易にする。折りたたまれた状態の拡張器を備える前記装置は、押出器具とともに挿入具によって子宮内に配置され、ユニットが留置されると、押出器具は挿入具とともに、体外へと取り出される。【選択図】図３

Description

本発明は、子宮内に留置する拡張カテーテルに関し、前記拡張カテーテルは、子宮内腔内の子宮器官の形状変化に対応可能な解剖学的特性を有し、子宮腔内壁の拡張および分離を効率化する。この発明により、子宮内癒着、すなわち、コアプテーションを回避するため、子宮壁同士を分離させること、そして、子宮壁を圧縮し、止血させることという、二つの目的が達成される。

医学において、子宮腔は、人為的に分離させない限り、子宮壁同士が直接接触しているため、仮想腔と定義づけられている。子宮壁のコアプテーションにより、子宮内手術等で変質や内部損傷が起こった際、対向面同士の間の癒着形成や瘢痕が引き起こされる可能性がある。

こうした癒着の形成確率を下げる目的で、過去数年の間、種々の方法が試験されてきた。こうした方法の中でも、物理的にバリアを形成する方法が最も有効であることが、Ｌｉｎら（Ｘ．Ｌｉｎ，Ｍ．Ｗｅｉ，Ｔ．Ｃ．Ｌｉ，Ｑ．Ｈｕａｎｇ，Ｄ．Ｈｕａｎｇ，Ｆ．Ｚｈｏｕ，Ｓ．Ｚｈａｎｇ（２０１３年）；非特許文献１）の比較研究によって裏付けられた。アッシャーマン症候群に対するヒステロスコピー術後において、癒着の再形成を防ぐ方法として、子宮内バルーン、子宮内避妊具、そしてヒアルロン酸ゲルが比較され、コホート研究が行われた。非特許文献１では、子宮内避妊具や防着ゲルが使用された場合と比較して、子宮内カテーテルが使用されたケースでは、癒着率が低かったことが認められた。

この種のカテーテルは、複数の体外チューブを有する膨張式の本体からなる。カテーテルを体内に入れると、このチューブを通して、装置自体が膨張し、それにより、単一の中央排出路が画定される。

この種の装置の問題点としては、デザイン（子宮解剖学的に適さないもの）、装置留置の難しさ、そして、腔内に溜まった出血を体外に排出しづらい点が挙げられる。

European Journal of Obstetrics & Gynecology and Reproductive Biology，２０１３年，１７０巻第２号、ｐ．５１２～５１６，ＤＯＩ：https://doi.org/10.1016/j.ejogrb.2013.07.018

ここに提案する子宮内エキスパンダ装置によって、経膣留置および内部位置決めに係る問題を解決し、さらに壁に対して膨張しすぎることによる、患者の不快感を取り除く。さらに、体外チューブを設けないことに加え、体液の蓄積による加圧および障害となる主排出路を取り除くため、排出路を多数形成することにより、大幅な改善が図られる。

より具体的に、上記目標を達成するため、上記装置の概念構造に基づき、本発明の装置は、膨張式の本体からなる点で特殊性を示す。膨張式の本体は、その中心部が丸先端を有する逆矢尻端形状の構成となっており、中央チューブ内の排出溝を有する中央排出路と合致する。本体は、折りたたまれた、複数の独立膨張空間からなり、前記空間によって、丸い端部を有する、二つの可撓性を有する横フラップが画定される。横フラップは、元来、挿入具内で最小の容積を占めるよう折りたたまれている。挿入具は、シースのような、チューブ状の解放構造を有する。これにより、前記装置の使用および子宮頚部への挿入のしやすさが大幅に改善され、挿入具の端部を充分な深さまで導入することができる。挿入具は、内部押出器具によってターゲット領域に配置した後、前記装置から同心軸上に、容易に取り出される。空間を任意に膨張させることで、挿入具は容易に挿入可能である。これは、前記装置が、主要排出チューブ内に挿通する、細い膨張チューブと連結されているからであり、膨張チューブは主要排出チューブよりも長さがあるため、下部において螺旋構造を有する。これにより、前記装置を患者の体内、つまり子宮腔内に入れた後にチューブを取り出すことができる。そして、チューブを体外にぶら下げることによる不快感を軽減し、その上、感染症源となりうるものを排除し、患者の行動を制限しなくて済むようにする。膨張チューブは、終端部が逆止弁になっている。

つまり、膨張式の主要本体は、人間工学的な構成を有しており、個々に形状の異なる子宮に対して、適応可能である。これは、膨張させた際、主面と副面とで湾曲した輪郭形状が画定されるからである。また、子宮壁を支持する面上には、中央排出路に加えて、複数の排出管が画定されている。

より具体的には、本体には、二主軸かつ横膨張の四重空間が含まれ、これにより、中央排出路以外にも、より多くの排出路が形成される。これにより、壁内から分泌された液体の排出をあらゆる方向においてカバーすることができ、さらに、過剰な圧力および上皮組織の癒着を防ぐ。

さらに、本体の下部には、子宮頚部に当たる三連バルーンが配置されている。バルーンは、非連続の横取付リングと、排出口とを有し、筋肉の収縮時にずれて外れてしまう可能性を回避するものである。

最後に、三連バルーンのさらに下側には、上述の中央排出チューブが表出しており、別の膨張排出路の補助として上端まで延伸している。

前記装置の特殊構成により、プラスチックからなる外端を有することなく、小型軽量化を実現した。

同様に、複数の膨張空間を有することにより、部分的、かつ不規則な膨張が実現し、腔内変形により適応することがきる。

シース内に本体を折りたたむ際、本体は、旋回軸として折りたたまれることで、子宮腔の側壁に対するカテーテル適合性において、効果的な配置性を発揮する。

前記装置は、内部排出路および前面膨張リミッタを備える、横方向の膨張袋の形状を有している。こうした形状により、子宮腔内への適応性をさらに高め、留置による特有の不快感を得ることなく充分な隔離を実現している。さらに、全面的あるいは部分的癒着、ひいてはその処置のために産婦人科医が再度介入しなければならない状況を回避し、回復段階において、子宮の筋肉収縮時の不快感を取り除くことができる。

下記説明を補完し、本発明の好ましい実施形態における特徴をさらに分かりやすくするため、前記説明の不可欠な部分として、図面を添付する。これらの図面は、例示的であり、限定する意図はなく、その詳細は下記の通りである。

図１は、本発明の目的に合致するよう構成された子宮内エキスパンダ装置の上面斜視図を示す。前記装置は、導入はされているが、完全に膨張した状態ではない。 図２は、図１全体を別角度から見た詳細図を示す。 図３は、図１の装置を別角度から示すものである。 図４は、図３の装置を完全に膨らませた状態を示す斜視図である。 最後に、図５は、子宮内にユニットを入れるためのアプリケータシース内に入れられた前記装置の断面図を示す。

上述の図面を参照すると、ここで提案する子宮内エキスパンダ装置は、端部が丸みを帯びた逆矢尻形を有する膨張式の本体（１）からなることが見てとれる。本体（１）内において、中央チューブ（３）に延びる中央排出路（２）が上部に画定される。膨張式の本体（１）が複数の独立した膨張空間を有するよう、中央排出路（２）は丸先端（４）を有し、この膨張空間によって、丸い端部を有する、二つの可撓性を有する横フラップ（５）が画定される。横フラップ（５）は、元来、図５に示す挿入具（６）内で最小の容積を占めるよう折りたたまれている。挿入具（６）は、丸く解放された先端（１１）を有する、シース状のチューブ構造を有する。これにより、前記装置の使用と子宮頚部への挿入が非常に容易となる。

内部押出要素（１１）横の、ターゲット領域に配置した後、挿入具（６）を引っ張り出すことにより、挿入具（６）は、装置本体から同心軸上に、容易に取り出される。

こうして、前記装置は、空間を膨張させることで、導入が容易になる。前記空間は、中央排出チューブ（３）内に挿通する、細い膨張チューブ（７）と連結されている。図面には示されていないが、下部において螺旋構造を有するよう、膨張チューブ（７）は、中央排出チューブ（３）よりも長さが大きくなっている。この螺旋構造により、前記装置を患者の体内に入れた後、膨張チューブ（７）が取り出しやすくなる。図示しないが、終端部が逆止弁になっている。

本体（１）は、膨張式かつ人間工学的な構成を有しており、個々に形状の異なる子宮に対して、適応可能である。これは、膨張させた際、主面と副面とが湾曲した輪郭形状を画定する、という本体の特徴によるものである。子宮壁を支持する面上には、中央排出路に加えて、複数の排出管または排出路（８）が画定されている。

この点において、上述のように、本体には、二主軸かつ横膨張の四重空間が含まれ、これにより、排出路（８）の数が多くなっている。

本体（１）の下部には、子宮頚部に当たる三連バルーン（９）が配置されている。三連バルーン（９）は、非連続の横取付リングと、排出口とを有し、筋肉の収縮時にずれて外れてしまう可能性を回避するものである。

こうした構造により、以下のような構造的利点が得られる。
・それ自体に挿入具を備えることで、装置の留置を容易にし、処置に伴う不快感を軽減する装置。
・横方向端に沿って拡張をさらに促す複数空間構造。
・子宮腔に解剖学的に適する形状。
・圧縮による止血作用を発揮する壁分離を促進する、広い伸張域
・境界における、蓄積分泌物の排出量増加。

Claims (4)

1. 端部が丸みを帯びた逆矢尻形を有する膨張式の本体（１）を備える子宮内エキスパンダ装置であって、
   膨張式の前記本体（１）内において、中央チューブ（３）に延びる中央排出路（２）が上部に画定され
   膨張式の前記本体（１）が複数の独立した膨張空間を有するよう、前記中央排出路（２）は丸先端（４）を有し、前記膨張空間によって、丸い端部を有する、二つの可撓性を有する横フラップ（５）が画定され
   前記本体（１）は、膨張させた際、主面と副面の両方で湾曲した輪郭形状を有し、子宮の壁の支持を確定し、
   子宮壁を支持する面上には、前記中央チューブ（３）によって画定された中央排出路に加えて、複数の排出管または排出路（８）が画定され、
   前記中央排出チューブ（３）内に挿通する、細い膨張チューブ（７）によって、膨張式の前記本体（１）の空間が支持され、
   前記本体（１）の下部には、子宮頚部に当たる、一連、好ましくは、三連のバルーン（９）が、非連続リング（１０）と共に配置され、境界排出を容易にする、ことを特徴とする、子宮内エキスパンダ装置。
2. 挿入具（６）をさらに備える子宮内エキスパンダ装置であって、
   挿入具（６）は、初期段階では、前記装置の子宮頚部への挿入要素として、シースのように、チューブ状の解放構成を有する前記本体（１）内に挿入され、折りたたまれており、
   前記挿入具（６）は、内部押出要素（１１）によって体内に挿入後、前記装置に対して軸方向に取り出し可能である、ことを特徴とする、請求項１に記載の子宮内エキスパンダ装置。
3. 前記膨張チューブ（７）は、下部において螺旋構造を有し、これにより着脱性を有する、ことを特徴とする、請求項１に記載の子宮内エキスパンダ装置。
4. 前記本体には、二主軸かつ横膨張の四重空間が含まれる、ことを特徴とする、請求項１に記載の子宮内エキスパンダ装置。

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