JP2022504834A - 外陰膣障害の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、女性生殖管の過敏(疼痛および掻痒など)または/および炎症を含む外陰膣障害を治療する方法に関する。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月9日に出願された米国仮出願第62/743,237号および2018年10月22日に提出された米国仮出願第62/748,875号に対する優先権を主張する。それらの出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
政府の利益
本発明は、国立衛生研究所により授与されたHD069313の下で政府の支援を受けなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
本発明は、女性の生殖管の過敏(irritation)または/および炎症などの外陰膣障害の治療に関する。
外陰膣障害とは、外陰と膣に影響を与える様々な病気および状態を指す。外陰膣障害のいくつかには、女性生殖管からの疼痛および掻痒などの過敏が含まれる。このような疼痛または掻痒は、効果的な治療法がほとんどない重大な臨床的問題である。例えば、膣前庭(膣口のすぐ周囲の領域)の軽い接触に反応した急性で持続的な疼痛を特徴とする限局性誘発性外陰部痛(LPV)は、生涯で3人に1人の女性を苦しめ、著しい心理的苦痛および性機能障害を引き起こす(Harlow,BL;Kunitz,CG;Nguyen,RH;Rydell,SA;Turner,RM;MacLehose,RF.Am J Obstet Gynecol 2014,vol.210,pp.40 e1-8)。したがって、LPVは重大な女性の健康問題である。前庭痛は、生活の質の大幅な低下に関連する。LPVに苦しむ女性は深刻な疼痛を経験するが、病変または感染症などの明らかな病気の兆候は見られない(Sadownik,LA.Int J Womens Health 2014,vol.6,pp.437-49)。病気の起源はほとんど解明されていない。現在利用可能なすべての治療法は、疼痛と心理的苦痛を管理するだけであり、病気の根本的な生物学的原因を対象とはしていない。疼痛および掻痒などの生殖管の過敏の治療が必要である。
本発明は、女性生殖管の過敏(疼痛および掻痒など)または/および炎症を含む外陰膣障害の治療に関する。
したがって、一態様では、本発明は、対象における外陰膣障害を治療する方法を提供する。特に、本発明は、対象における下部生殖管の過敏(疼痛または掻痒など)を軽減、予防、または治療する方法を提供する。それぞれの方法は、有効量の炎症収束性(pro-resolving)メディエーターを対象の下部生殖管の治療部位に局所的に投与することを含む。疼痛または掻痒は、限局性誘発性外陰部痛(LPV)、扁平苔癬、硬化性苔癬、剥離性炎症性膣炎、乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎、および慢性掻痒などの生殖管炎症状態に関連する炎症性疼痛または掻痒でありうる。一実施形態では、生殖管の炎症状態はLPVである。治療部位は、膣前庭、外部外陰(external vulva)、前庭、または膣を含むことができる。
この方法を使用するために、炎症収束性メディエーターを0.0001mg/kg~100mg/kgで治療部位に投与することができる。炎症収束性メディエーターは、週に1回、週に2~3回、1日1回、1日2回、または1日3回投与できる。特定の例において、対象は、すでに疾患または状態(乳癌または本明細書に記載の他のものに関連する萎縮性外陰膣炎など)であり得るか、対象が二次過敏を引き起こす刺激(例えば、性交とタンポンの使用)を受ける前に、炎症収束性メディエーターが投与される。炎症収束性メディエーターの例には、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンE、マレシン-1、エピ-マレシン-1、リポキシンA、プロテクチンD1、プロテクチンDX、14(S)-ヒドロキシドコサヘキサエン酸(14(S)HDHA)、17(S)-ヒドロキシドコサヘキサエン酸、(17(S)HDHA)、18-ヒドロキシエイコサペンタエン酸(18-HEPE)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、魚油、魚油抽出物、およびこれらの物質の2つ以上の混合物が挙げられる。混合物の例には、追加の特異的炎症収束性メディエーター(specialized pro-resolving mediator)前駆体分子(14-HDHA、17-HDHA、および18-HEPE)を含む、約40体積%のDHAを含む高度に精製された魚油製品であるリピノバ(LIPINOVA)が挙げられるが、これらに限定されない。この方法は、第2の治療薬(例えば、第2の炎症収束性メディエーター、抗菌剤または抗ウイルス剤)を対象に投与することをさらに含むことができる。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
LPV患者の前庭の激しい疼痛部位が外部外陰の疼痛のない部位および関連する生検部位に近接していることを示す図である。 SPM生合成の概略図である。特異的炎症収束性脂質メディエーター(SPM)は、オメガ3およびオメガ6ファミリーの多価不飽和脂肪酸(PUFA)に由来する。PUFAならびに(オメガ3ファミリーの)DHAおよびEPAなどの他のSPM前駆体は、マレシン、プロテクチン、レゾルビンなどのSPMを形成する。 (A)インビトロLPVモデルにおいて初代ヒト細胞からの炎症誘発性および疼痛促進性メディエーター産生を減少させる能力を調査し、(B)LPVの前臨床マウスモデルを使用して疼痛緩和におけるSPMの有効性を評価するための手順を示す一連の図である。 外陰細胞または対照患者と比較して、LPV患者の前庭細胞で炎症性メディエーター産生が増加していることを示す一連の図である。パネルA:生きているC.albicansの用量の低下に応答して放出されたIL-6。*p<0.05ビヒクル対、C.albicansの用量(前庭細胞のみ)、**p<0.05前庭細胞対、外陰細胞の特定の用量。ANOVA、n=4。前庭細胞は強い応答を示すが、外陰細胞は最大1000倍の用量に対して有意な応答を示さない。パネルB:培養線維芽細胞をビヒクルまたはザイモサン(100μg/ml)で24時間刺激した後、培地をプロスタグランジンE(PGE)について分析した。ザイモサンは、対応するビヒクル処理よりもPGEの有意な増加を誘発した。LPV症状患者からの前庭線維芽細胞は、対照患者からの前庭線維芽細胞と比較してより多くPGEを産生した。平均+/-SEM。ANOVA*p<0.05。パネルC:同一の解剖学的部位からの組織検体採取の前に実行された、粘膜皮膚痛覚閾値の対数変換に対してプロットされた線維芽細胞PGE産生の散布図。中心線(赤の実線)は、95%信頼区間(青の点線)で区切られた線形回帰の近似値を表す。t=2.58、p=0.04。 PGEとIL-6の産生がSPMによって減少することを示す一連の図である。患者の前庭または外陰の線維芽細胞を、リポキシンA(LxA)、レゾルビンD(RvD)、(7R)-マレシン1またはエピ(7S)-マレシン1の、5nMの濃度で10時間前処理し、その後IL-1β(パネルA、10pg/ml)またはブラジキニン(パネルB、100nM)で48時間活性化した。培養基を収集し、PGE(パネルA)またはIL-6(パネルB)の含有量を分析した。患者の線維芽細胞をまた、最初にIL-1βで30分間活性化し、次に5nMの(7R)-マレシン1またはLXAで18時間処理し、続いてブースター(booster)で6時間処理した。培養基を収集し、PGE(パネルC)またはIL-6(パネルD)の含有量を分析した。n=3の平均+/-SEM、ANOVA*p<0.05活性化のみ(SPMなし)に対するもの。これらの結果は、いくつかの追加のLPV患者株で一貫していた。 SPMがマウス外陰組織からのPGE産生を阻害することを示す図である。マウス外陰組織(4mmパンチ生検)を収集して二分し、培養基中でマレシン1またはRvDのいずれかを指定濃度で18時間前処理した後、IL-1β(10pg/ml)でさらに18時間刺激した。培養基を収集し、PGE含有量を分析した。平均+/-SEM、n=3の同型培養。ANOVA*p<0.05対ビヒクル。 インビボマウス外陰痛モデルの疼痛試験を示す写真および図のセットである。パネルA:ザイモサン注射後、炎症と発赤が明らかになる。矢印は注射部位を示している。パネルB:電子フォンフライヘア(Mousemet)を使用してマウスの外陰に力を加える方法を示す画像。パネルC:外陰異痛症を確立して解消するためのインビボマウスモデルの概略図。 C57BL/6マウスの代表的な疼痛プロファイルを示す図である。この箱ひげ図シリーズは、誘発、持続、および治療の段階における代表的なマウスの閾値の中央値を示している。毎週収集された測定値は緊密に分散し、閾値は>33%で減少し、値がベースラインに戻るマレシン1での治療まで維持された。 膣洗浄液中のPGEが、疼痛閾値と関連していることを示す図である。最大6週間の異痛症の誘発後(疼痛の閾値の減少、赤線で示される)、疼痛を軽減し、疼痛の閾値を上げるために、マレシン1をC57BL/6マウス外陰に適用した。膣洗浄液試料のPGE含有量(青い線)は、誘発段階に急速に増加し、治療により疼痛に関連する炎症が減弱していることを示している。SEMが示され、n=8。 SPMが外陰線維芽細胞によって産生されることを示す図である。線維芽細胞をIL-1β(10pg/ml)とともに48時間培養した後、培養基を収集し、ターゲットリピドミック分析(targeted lipidomic analysis)のために、アルゴンガス下のドライアイス上で直ちに凍結した。検出された主要なSPMは、DHAに由来する。 おそらくSPMの産生のため、DHA補給がまた、炎症誘発性メディエーターの排出を減少させることを示す図である。前庭または外陰の線維芽細胞をDHA(200nM)で72時間前処理した後、IL-1β(10pg/ml)で72時間活性化した。培養基を収集し、PGE含有量について分析した。n=3の複製処理試料の平均+/-SEM。ANOVA*p<0.05対応するビヒクル処理に対して 疼痛閾値の手動フォンフライ評価が治療による閾値の改善を示すことを示している写真のセットである。4週間の注射後のザイモサン治療マウスの閾値の低下は、疼痛/感受性の増加を反映している、平均+/-SEM、n=8生理食塩水、n=12ザイモサン、ANOVA*p<0.05(パネルA)。誘発段階後の治療的処置は、疼痛の閾値を増加させた。平均+/-SEM、n=7、p>0.05(パネルB)。外陰膣洗浄液は、PGE含有量(パネルC)について分析した。ザイモサンを投与されたマウスは、生理食塩水注射されたマウスと比較してそれらの洗浄液中のPGEが上昇していた。さらに、治療された異痛症のマウスは、PGEが減少していた。平均+/-SEM、n=7、ANOVA*p<0.05。 DHAの治療によりマウスが時間とともに回復することを示す図である。マウスが2週間連続して疼痛閾値に少なくとも70%の改善を示した場合、マウスは回復したと見なされた。x軸の週は、マウスが70%の改善を示した2週間のうちの最初の週を示す。DHA群では、早くも1週目にマウスが回復し始めた。3週目までに、ほとんどのマウスはDHAおよびプラセボ群で回復したが、模擬治療群ではマウスは回復しなかった。 DHAによる治療の最初の3週間にわたる改善率(percent improvement)を示す図である。疼痛閾値の改善率(治療前の最低の疼痛の閾値を超える)は、最初の2週間ではDHA群で最大であった。3週目までに、改善率はDHA群とプラセボ群の間で同様であったが、模擬群よりも大きかった。平均+/-SEM。 外陰膣洗浄液中のPGEレベルを示す図である。PGEレベルは、ザイモサン注射で増加し、治療で減退した。治療の最初の3週間の間に、レベルは低下し、DHAおよびプラセボ群では低いままであった。 治療により時間とともに回復するマウスを示す図である。マウスは、2週間連続してベースライン閾値(疼痛誘発前)の66%(+/-0.5g重)の閾値に達すると回復したと見なされた。x軸で、週は治療週数を示し、2週目以降、1週目と2週目の閾値が66%の基準を満たした場合、マウスは回復したと見なされた。回復しているマウスの割合は、データポイント上に列挙されている。高リピノバ群と低リピノバ群では、早くも2週目にマウスが回復し始めた。4週目までに、高リピノバ群の8匹(67%)のマウスが回復し、低用量群では2匹が回復した。回復した他の唯一のマウスは、プラセボ群の1匹のマウスを含んでいた。これらのデータは、リピノバの高用量が回復を誘発するのに最も効果的であることを示している。 4週間の治療での改善率を示す図である。A)データは、各治療群の平均パーセント閾値+/-SEMとしてグラフ化される。疼痛の閾値の改善率(最後の治療前の疼痛の閾値を超える)は、4週間の治療すべてでリピノバ高群で最大であり、時間とともに徐々に増加し、4週目までに>50%の改善を示した。対照群とリピノバ低用量群で改善が見られたが、これらの値はリピノバ高用量群よりも低く、リピノバ低用量群と対照群の差はわずかであった。B)データは箱ひげ図としてグラフ化される。各ドットは1つのマウスの値を表し、Xは中央値を表す。ボックスは上位四分位数と下位四分位数を表し、ひげは最大値と最小値を表示す。この表示は、中央値が高リピノバ群で一貫して高く、4週目に、模擬群の中央値が、その週に特に高い閾値を持つ数匹のマウスによって歪められていることを示している。 4週間の治療におけるベースラインパーセントを示す図である。A)データは、各治療群の平均パーセント閾値+/-SEMとしてグラフ化されている。疼痛前(pre-pain)ベースラインスコアのパーセントは、4週間の治療すべてで高リピノバ群で最大であり、4週目までに(群全体で)回復値に達した。ベースラインスコアの回復は対照群とリピノバ低用量群で明らかであったが、これらの値はリピノバ高用量群よりも低く、リピノバ低用量群と対照群の差はわずかであった。B)データは箱ひげ図としてグラフ化される。各ドットは1つのマウスの値を表し、Xは中央値を表す。ボックスは上位四分位数と下位四分位数を表し、ひげは最大値と最小値を表示す。この表示は、中央値が高リピノバ群で一貫して高く、4週目に、模擬群の中央値が、その週に特に高い閾値を持つ数匹のマウスによって歪められていることを示している。 治療により時間とともに回復するマウスを示す図である。マウスが2週間連続してベースライン閾値の少なくとも70%に戻った場合、マウスは回復したと見なされた。x軸で、週は研究週を示し、1週目は治療の最初の週を表す。リピノバ群では、早くも2週目にマウスが回復し始めた。5週目までに、ほとんどのマウスはリピノバ高用量群で回復したが、低用量群では2匹、模擬群とプラセボ群ではそれぞれ1匹しか回復しなかった。段階3(中止)の間に、さらに数匹のマウスが低用量、プラセボ、および模擬群で回復し、中止期間中に疼痛閾値の低下を示したマウスはいなかった。中止中、プラセボ群および模擬群と比較して、低用量でより多くのマウスが回復した。段階4(併用療法)では、すべてのマウスが自然に回復し、この段階での治療の効果を評価できなくなった。n=12高用量群と低用量群、n=11プラセボと模擬。 ベースライン閾値パーセントを示す図である。値は、群のすべてのマウスの平均ベースライン閾値パーセント+/-SEMで表される。ベースラインスコアのパーセントは、リピノバ高用量群で一貫して高かった。n=12高用量および低用量群、n=11プラセボおよび模擬群。 治療の最初の3週間での急激な改善率を示す図である。値は、群のすべてのマウスの平均改善%+/-SEMとして表される。改善%スコアは、リピノバ高用量群で一貫して高かった。n=12高用量および低用量群、n=11プラセボおよび模擬群。 誘発および治療中のPGEレベルを示す図である。パネルAは、誘発期間中、すべてのマウスの平均PGEレベル+/-SEMを示している。平均化するデータポイントの数が多いパネルA(46匹のマウス)では、各群のマウスのみが平均化されるパネルB(11~12匹のマウス)と比較してSEMが減少している。パネルBは、ベースラインで、ピークレベル(3週)で、すべての注射が完了した後、次いで治療段階中2週間隔での、PGEの値を示している。SEM値は重複しており、群間に統計的に有意な差は存在しないが、高リピノバ群が治療中、PGEのレベルがより低いように見える。n=12高用量および低用量群、n=11プラセボおよび模擬群。 6つのSPMが前処理および後処理として使用された場合に、線維芽細胞からのIL-6およびPGEの産生を減少させるのに効果的であることを示す図である。患者の前庭または外陰の線維芽細胞を、レゾルビンD(RvD)、レゾルビンD(RvD)、レゾルビンD(RvD)、レゾルビンE(RvE)、プロテクチンD1またはプロテクチンDXで5nMの濃度で、18時間前処理し、活性化の前に再度30分間前処理し、次いで10pg/mlのIL-1βで48時間活性化し、24時間でブースターSPMを投与した。培養基を収集し、IL-6(パネルA)およびPGE(パネルB)について分析した。n=6の平均+/-SEM(2事例を3回実行)、ANOVA*p<0.05活性化のみに対して(IL-1b)。試験されたすべてのSPMは、前処理(炎症の発症前)を使用した場合に、IL-6およびPGE産生を減少させる効果を示した。 後処理として使用した場合、6つのSPMが線維芽細胞からのIL-6およびPGEの産生を減少させるのに効果的であることを示す図である。患者の前庭または外陰の線維芽細胞を最初にIL-1βで30分間活性化し、次にRvD、RvD、RvD、RvE、プロテクチンD1またはプロテクチンDXで5nMの濃度で18時間処理した後、ブースターSPM用量で24時間処理した。培養基を収集し、IL-6(パネルA)およびPGE(パネルB)の含有量を分析した。n=6の平均+/-SEM(2事例を3回実行)、ANOVA*p<0.05活性化のみに対して(IL-1b)。試験されたすべてのSPMは、炎症が開始された後でも、IL-6およびPGEの産生を減少させる効果を示し、これらのSPMが進行中の炎症の存在下でも効果的であることを示唆している。減少の大きさは、前処理ほど大きくはなかったが、前処理レジメンからの減少と同様に重要であった。
本発明は、少なくとも部分的に、LPV患者の疼痛部位から単離および培養された線維芽細胞が、「無痛」部位と比較して非常に高レベルの炎症誘発性および疼痛促進性(pro-pain)メディエーターを産生し、炎症収束性メディエーターと呼ばれる分子のクラスがLPVに対して効果的であるという予期せぬ発見に基づく。
LPVは、閉経前の女性における長年の性交疼痛症(疼痛を伴う性交)の最も一般的な原因であり、膣口を囲む膣前庭に限定された軽い接触による疼痛を特徴とする。LPVの女性では、慢性的な前庭痛が、生活のあらゆる側面を損ない、影響を及ぼし、線維筋痛症および膀胱痛などの併存疾患を悪化させる。LPVの壊滅的な影響には、性機能障害、不妊症、うつ病、さらには自殺が含まれる。しかし、LPVの病因は不明であり、効果的な医学的治療法は存在しない。本発明は、この満たされていないニーズに対処する。
本明細書に開示されるように、膣前庭は、前庭部位(図1、「前庭」)から単離された線維芽細胞株によるプロスタグランジンE(PGE)およびインターロイキン-6(IL-6)などの疼痛促進性および炎症誘発性メディエーターの産生の上昇を含む独特の炎症プロファイルを発現することが発見された。さらに、炎症誘発性メディエーター放出の上昇は、女性の疼痛プロファイルと相関している。したがって、LPVの効果的な治療法は、有害な炎症誘発性刺激に応答するこれらの細胞の自然な能力を維持しながら、炎症誘発性シグナル伝達を理想的に減少させる。本明細書に記載されている調査は、特定の炎症性刺激に対する過敏症が疼痛の増大につながるメカニズムを特定している。具体的には、LPV患者の疼痛は、疼痛部位の生検から培養された線維芽細胞からの炎症誘発性および疼痛促進性メディエーターの産生と直接相関することが実証された(図1、「前庭」)。
本明細書に記載されるように、高レベルの疼痛促進性および炎症誘発性メディエーターを産生する線維芽細胞は、激しい、定量化可能な疼痛を有する部位で患者から単離することができる。それらは疼痛促進性メディエーターを豊富に産生し、培養において関連する表現型を維持するので、初代前庭線維芽細胞は、LPVのモデリングに価値があり、本明細書では局所的な疼痛につながるLPV患者の非定型炎症性メディエーター産生を解消するために使用できる新しい治療薬を特定するためにうまく使用された。特定された治療薬には、炎症収束性メディエーターが含まれる。
炎症収束性メディエーター
本明細書で使用される場合、「炎症収束性メディエーター」は、炎症の消散を促進する脂質由来の化合物または物質を指し、例えば、細胞または生物における炎症の1つの徴候または症状を軽減することができる。炎症収束性メディエーターには、「特異的炎症収束性メディエーター」(SPM)と呼ばれる脂質のクラス、それらの前駆体、異なるSPMの混合物、異なるSPM前駆体の混合物、およびSPMとSPM前駆体の混合物が含まれる。
SPMは、天然のオメガ3およびオメガ6脂肪酸に由来する炎症収束性、抗疼痛性、および抗炎症性脂質のクラスを表し(例えば、図2を参照)、炎症性の損傷(例えば、感染または傷害)に対する身体の防御能力を損なうことなく治癒を助ける。5~7SPMは、前駆体の必須脂肪酸EPA、DHA、アラキドン酸(ARA)、およびドコサペンタエン酸(DPA)に由来する強力な内因性生物活性生成物のいくつかのファミリーを含む属であり、それらは、脂肪酸リポキシゲナーゼ、アスピリンによってアセチル化された場合のシクロオキシゲナーゼ2型、およびいくつかのチトクロームP450オキシダーゼが関与する触媒反応への基質としてEPA、DHA、ALA、およびDPAを使用して、1、2、または3分子の分子酸素を、多価不飽和脂肪酸(PUFA)に位置的および立体特異的に組み込むことによって生合成される。
本発明で使用される場合、「特異的炎症収束性メディエーター」またはSPMという用語は、強力な抗炎症性および消散活性を有し、炎症を起こした組織を炎症を起こしていない健康な状態に戻す炎症反応の内因性調節因子として作用する、PUFA由来の酵素的酸化誘導体に関する。SPMは、内因性受容体リガンドまたはアロステリック調節因子として機能し、抗炎症作用を巧妙に(conceitedly)活性化し、炎症の消散を促進、刺激、および誘発する細胞応答を強力に活性化する。「SPM前駆体」という用語は、PUFAをSPMに変換するために追加の酵素反応を必要とするPUFAの酵素的酸化誘導体を指す。SPM前駆体は、対応するPUFA基質自体よりも、SPMの内因性形成に近い基質である。
SPMには、メディエーターのいくつかのファミリー、リポキシン、レゾルビン(EおよびDシリーズなど)、プロテクチン、マレシンが含まれる。SPMの例には、レゾルビンE1(RvE1;5S,12,18-トリヒドロキシ-エイコサ-6Z,8E,10E,14Z,16E-ペンタエン酸)、18S-レゾルビンE1(18S-RvE1;5S,12R,18S-トリヒドロキシ-エイコサ-6Z,8E,10E,14Z,16E-ペンタエン酸)、20-ヒドロキシ-RvE1(5S,12R,18R,20-テトラヒドロキシ-エイコサ-6Z,8E,10E,14Z,16E-ペンタエン酸)、レゾルビンE2(RvE2;5S,18-ジヒドロキシ-エイコサ-6E,8Z,11Z,14Z,16E-ペンタエン酸)、レゾルビンE3(RvE3;17,18R-ジヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,15E-ペンタエン酸)、18S-レゾルビンE3(18S-RvE3;17,18S-ジヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,15E-ペンタエン酸)、17,18-エポキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,15E-ペンタエン酸、リポキシンA(LXA;5S,6R,15S-トリヒドロキシ-エイコサ-7E,9E,11Z,13E,17Z-ペンタエン酸)、15-エピ-リポキシンA5(LXA5;5S,6R,15R-トリヒドロキシ-エイコサ-7E,9E,11Z,13E,17Z-ペンタエン酸)、マレシン1(MaR1;7R,14S-ドコサ-4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、7S-マレシン1(7S-MaR1;7S,14S-ドコサ-4Z,8E,10E,12Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、7S,14S-ジHDHA(7S,14S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、プロテクチンD1(PD1;10R,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,11E,13E,15Z,19Z-ヘキサエン酸)、10S,17S-HDHA(10S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,11E,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、14S,21S-ジHDHA(14S,21S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、14S,21R-ジHDHA(14S,21R-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、14R,21S-ジHDHA(14R,21S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、14R,21R-ジHDHA(14R,21R-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、13S,14S-エポキシ-DHA(13S,14S-エポキシ-ドコサ-4Z,7Z,9E,11E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、16,17S-ジHDHA(16,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z-ヘキサエン酸)、16,17-エポキシ-DHA(16,17-エポキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,14E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD1(RvD1;7S,8R,17S-トリヒドロキシ-ドコサ-4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD2(RvD2;7S,16R,17S-トリヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,12E,14E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD3(RvD3;4S,11R,17S-トリヒドロキシ-ドコサ-5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD4(RvD4;4S,5,17S-トリヒドロキシ-ドコサ-6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD5(RvD5;7S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、レゾルビンD6(RvD6;4S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発(aspirin-triggered)レゾルビンD1(AT-RvD1;7S,8R,17R-トリヒドロキシ-ドコサ-4Z,9E,11E,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD2(AT-RvD2;7S,16R,17R-トリヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,12E,14E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD3(AT-RvD3;4S,11,17R-トリヒドロキシ-ドコサ-5Z,7E,9E,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD4(AT-RvD4;4S,5,17R-トリヒドロキシ-ドコサ-6E,8E,10Z,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD5(AT-RvD5;7S,17R-ジヒドロキシ-ドコサ-5Z,8E,10Z,13Z,15E,19Z-ヘキサエン酸)、アスピリン誘発レゾルビンD6(AT-RvD6;4S,17R-ジヒドロキシ-ドコサ-5E,7Z,10Z,14Z,16E,19Z-ヘキサエン酸)、7S,17S-ジHDPAn-3(7S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-8E,10Z,13Z,15Z,19Z-ペンタエン酸(ω-3))、リポキシンA(LXA;5S,6R,15S-トリヒドロキシ-エイコサ-7E,9E,11Z,13E-テトラエン酸)、15-エピ-リポキシンA(15-エピ-LXA;5S,6R,15R-トリヒドロキシ-エイコサ-7E,9E,11Z,13E-テトラエン酸)、デルタ12-プロスタグランジンJ(デルタ12-PGJ;11-オキソ-15S-ヒドロキシ-プロスタ-5Z,9,12E-トリエン酸)、15-デオキシ-デルタ12,14-プロスタグランジンJ(15-デオキシ-デルタ12,14-PGJ;11-オキソ-プロスタ-5Z,9,12E,14E-テトラエン酸)、11(12)-エポキシ-エイコサテトラエン酸(11(12)-EpETE;11(12)-エポキシ-エイコサ-5Z,8Z,14Z,17Z-テトラエン酸)、17(18)-エポキシ-エイコサテトラエン酸(17(18)-EpETE;17(18-エポキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,14Z-テトラエン酸)、19(20)-エポキシ-ドコサペンタエン酸(19(20)-EpDPE;19(20)-エポキシ-ドコサ-4Z,7Z10Z,13Z,16Z-ペンタエン酸)、10S,17S-HDPAn-6(10S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,11E,13Z,15E-ペンタエン酸)、7,17-HDPAn-6(7,17-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,13Z,15E-ペンタエン酸)、7,14-HDPAn-6(7,14-ジヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,12Z,16Z-ペンタエン酸)、10S,17S-HDPAn-6(10S,17S-ジヒドロキシ-ドコサ-7Z,11E,13Z,15E,19Z-ペンタエン酸)、および/または7,17-HDPAn-6(7,17ジヒドロキシ-ドコサ-8E,10Z,13Z,15E,19Z-ペンタエン酸)が含まれる。
SPM前駆体の例には、5S-HEPE(5S-ヒドロキシ-エイコサ-6E,8Z,11Z,14Z,17Z-ペンタエン酸)、11S-HEPE(11S-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,12E,14Z,17Z-ペンタエン酸)、12S-HEPE(12S-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,10E,14Z,17Z-ペンタエン酸)、12R-HEPE(12R-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,10E,14Z,17Z-ペンタエン酸)、15S-HEPE(15S-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E,17Z-ペンタエン酸)、4S-HDHA(4S-ヒドロキシ-ドコサ-5E,7Z,10Z,13Z,16Z、19Z-ヘキサエン酸)、7S-HDHA(7S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,8E,10Z,13Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、10S-HDHA(10S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,11E,13Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、11S-HDHA(11S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,9E,13Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、14S-HDHA(14S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、14R-HDHA(14R-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、20S-HDHA(20S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z-ヘキサエン酸)、17S-HDPAn-6(17S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,13Z,15E-ペンタエン酸)、14S-HDPAn-6(14S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,10Z,12E,16Z-ペンタエン酸)、10S-HDPAn-6(10S-ヒドロキシ-ドコサ-4Z,7Z,11E,13Z,16Z-ペンタエン酸)、17S-HDPAn-3(17S-ヒドロキシ-ドコサ-7Z,10Z,13Z,15E,19Z-ペンタエン酸)、14S-HDPAn-3(17S-ヒドロキシ-ドコサ-7Z,10Z,12E,16Z,19Z-ペンタエン酸)、10S-HDPAn-6(10S-ヒドロキシ-ドコサ-7Z,11E,13Z,16Z,19Z-ペンタエン酸)、15S-HETE(15S-ヒドロキシエイコサ-5Z,8Z,11Z,13E-テトラエン酸)、および/または15R-HETE(15R-ヒドロキシ-エイコサ-5Z,8Z,11Z,13E-テトラエン酸)が含まれる。
いくつかの実施形態において、炎症収束性メディエーターの例には、レゾルビン、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、アスピリン誘発レゾルビン、アスピリン誘発レゾルビンD、アスピリン誘発レゾルビンD、アスピリン誘発レゾルビンD3、マレシン1、プロテクチンD1、プロテクチンDX、17-HDHA、14-HDHA、13-HDHA、7-HDHA、4-HDHA、リポキシン、リポキシン類似体、リポキシンA、リポキシンA類似体、リポキシンB、5,15-ジヒドロキシエイコサテトラエン酸、トロンボキサンB、15-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE)、12-HETE、11-HETE、5-HETE、レゾルビンE(例えば、レゾルビンE1、18S-レゾルビンE1、20-ヒドロキシ-レゾルビンE1、レゾルビンE2、18S-レゾルビンE3)、リポキシンA、リポキシンB、5,15-ジヒドロキシエイコサペンタエン酸、18-ヒドロキシエシオサペンタエン酸(HEPE)、15-HEPE、12-HEPE、5-HEPE、アネキシンA1、リポキシン領域を有する多領域剤(multi-region agent)(米国特許第5,441,951号を参照されたい)、アスピリン誘発脂質メディエーター、アスピリン誘発(ω-3)脂質メディエーター、16-ジメチル-LXA、15-エピ-LXA、ベンゾ-LXA類似体、9(o-[9,12]-ベンゾ-15-エピ-LXA(4)メチルエステル、およびこれらの類似体または模倣物が含まれるが、これらに限定されない。そのようなメディエーターおよびそれらを製造する方法は、例えば、米国特許第7,615,576号、同第5,441,951号、同第6,887,901号、同第7,737,178号、同第7,595,341号、同第7,378,444号、同第7,585,856号、同第6,703,423号、同第7,700,650号、同第7,812,054号、同第7,132,451号、米国特許出願公開第2010/0105772号、同第2010/0105773号、同第2009/0156673号、同第2006/0293288号、同第2003/0166716号、同第2008/0312323号、同第2014/0079631号、同第2015/0126602号、同第2018/0200375号、および同第2018/0256597号、ならびにSerhan et al.FASEB Journal 2012 26に記載されている。
特定のSPMおよびSPM前駆体は、魚、甲殻類(オキアミ)、藻類(長鎖ω-3PUFA産生藻類)、軟体動物などの天然資源に由来する、および長鎖ω-3PUFAを含む他の生物に由来する油に含まれている。これらの油および1つ以上のそのようなSPMまたはSPM前駆体を含むまたは濃縮されたそれらの画分もまた、本発明において使用され得る。例には、次のオメガ-3PUFAまたはオメガ-6PUFAのいずれかに由来するSPMおよびSPM前駆体が含まれる:ヘキサデカトリエン酸(HTA)、a-リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(SDA)、ノナデカテトラエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、テトラコサペンタエン酸、およびテトラコサヘキサエン酸。これらの脂肪酸は、酵素的酸素化によってSPM前駆体およびSPMを生じさせる可能性がある。
本発明の炎症収束性メディエーターはまた、上記のSPMおよびSPM前駆体に加えて、抗炎症性および炎症収束性活性を有する、上記の多価不飽和脂肪酸の他のモノ、ジ、およびトリヒドロキシル化およびエポキシ化誘導体を含む。これらの誘導体は、魚、甲殻類、藻類、軟体動物、および海洋生物、植物、微生物などの長鎖ω-3PUFAを含む生物、ならびに長鎖ω-3PUFAを形成する酵素能力を有するトランスジェニック生物から得られた油に存在し、富化されていることがわかる。同様に、既知のSPMおよび新規のSPMの追加の前駆体が同定され、そのような油に富化されている可能性がある。さらに、SPMおよびSPM前駆体は、エステルおよびアミドとして存在し得、これらは、本発明に記載される炎症収束性メディエーターの範囲内にある。エステルは、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、およびリン脂質などの天然エステル、ならびに粗および精製魚油、特にエチルエステル型からのEPAおよびDHAの濃縮を可能にする魚油産業で一般的に使用される工業プロセス中に調製されるエステルであり得る。
長鎖ω-3PUFA含有生物から得られた油に見られる任意のSPM、SPM前駆体、またはSPMとSPM前駆体の混合物は、当技術分野で知られている抽出および分離方法を使用して富化または濃縮することができる。例としては、蒸留技術、クロマトグラフィーによる分別および分離技術がある。
SPMなどの本発明の炎症収束性メディエーターは、正常な宿主防御を損なうことなく炎症および疼痛を解消する。炎症と疼痛の解消は、かつては炎症誘発性シグナル伝達が次第に減少する受動的なプロセスであると考えられていたが、現在ではSPMによって媒介される能動的なプロセスであることが知られている。SPMは、炎症誘発性シグナル伝達を積極的に減少させ、細菌クリアランスを促進し、疼痛を軽減し、創傷治癒を促進する。SPMは人体によって自然に生成される可能性があり、実質的に毒性はなく、いくつかは他の苦痛について臨床試験中である。SPMは従来の抗炎症剤ではなく、免疫抑制剤でもなく、それらは、感染または怪我を感知して反応する身体の能力に影響を与えない。
本明細書に開示されるように、炎症収束性メディエーターは、創傷治癒を促進し、細菌クリアランスを促進し、そして疼痛および炎症誘発性シグナル伝達を減少させるので、LPVの理想的な治療薬となり得る。SPMはLPV療法として臨床的に試験されていないが、本明細書に提示された証拠は、炎症収束性メディエーターが疼痛を誘発する炎症誘発性メディエーターの産生を減少させ、ひいてはインビボでのLPV関連の疼痛を減少させる効果があることを裏付けている。
一実施形態では、本発明は、細菌クリアランスを促進し、疼痛を軽減し、創傷治癒を加速するために人体によって自然に生成される、SPM、オメガ-3およびオメガ-6脂肪酸に由来する脂質などの分子を含む炎症収束性メディエーターの使用に関する。本明細書に記載のインビトロモデルを使用して、本発明者らは、炎症性刺激の前に投与された場合に、細胞におけるIL-6およびPGE産生を減少させるのに非常に効果的な多数のSPM(レゾルビンD、マレシン-1、エピ-マレシン-1、およびリポキシンAなど)を同定した。さらに、これらのSPMの少なくとも2つ(マレシン-1とリポキシンA4)は、すでに活性化された細胞のIL-6とPGEの減少に非常に効果的であり、疾患プロセス全体を通して効果的であることを示唆している。さらに、線維芽細胞にSPM前駆体であるドコサヘキサエン酸を補給すると、炎症誘発性シグナル伝達が減少し、ターゲティングリピドミック分析によって検出されるSPMの産生が支持されることがわかった。本明細書に記載の結果は、SPMまたはそれらの前駆体が効果的なLPV療法であることを示唆している。
また、本明細書に開示されるように、外陰痛(その種の最初のもの)に対する治療的介入を評価するために、LPVの堅牢で再現性のあるマウスモデルが開発された。このモデルは、リアルタイムの炎症誘発性メディエーターの定量化と、電子フォンフライを介した機械的疼痛検査を組み合わせて、経時的な疼痛と炎症を監視する。発明者らは、マウスに数ヶ月以上続く、安定した異痛症を確立することができた。異痛症の誘発中に、疼痛の閾値が低下する一方で、炎症誘発性メディエーターレベル(例えば、PGE)が収集された外陰膣液内で増加することが見出され、我々のインビトロの発見と一致した。次に、発明者らは、PGEレベルを抑制しながら、疼痛の閾値を増加させる局所マレシン-1またはDHAでマウスを毎日処置した。本明細書に開示されるインビトロおよびインビボの発見は、SPMの局所適用が外陰痛および炎症を軽減することができ、LPVの理想的な治療法となるであろうことを示唆している。
製剤と使用
上記の炎症収束性メディエーター化合物および関連する組成物は、炎症に関連する過敏などの様々な炎症性障害または状態を治療する方法において有用である。そのために、外陰部痛の発症リスクの増加について見出された最も初期の指標は、性交後の長期にわたる疼痛/過敏の女性の認識である(Reed BD,et al.,Journal of Women’s Health 2012;21:1139-43)。したがって、上記の炎症収束性メディエーター化合物および本発明の関連組成物は、女性がこれを問題として認識したときに適用される場合、外陰部痛発症の一次予防モダリティとして使用することができる。
一般に、化合物または組成物は、受け入れられている投与様式のいずれかによって治療上有効な量で投与することができる。好適な投与量の範囲は、治療される疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路および形態、投与が向けられる適応症、関係する開業医の好みと経験などの多くの要因に依存する。そのような疾患を治療する当業者は、過度の実験なしに、個人的な知識および本出願の開示に依存して、所与の疾患に対する本開示の炎症収束性メディエーター化合物の治療有効量を確認することができるであろう。したがって、本開示の化合物または組成物は、局所、膣、経口(頬側および舌下を含む)、直腸、鼻、肺、または非経口(筋肉内、動脈内、髄腔内、皮下および静脈内を含む)投与に好適なものを含む薬学的製剤として、または吸入または吹送による投与に好適な形態で投与することができる。特定の態様では、投与様式は、苦痛の程度に応じて調整することができる便利な毎日の投与レジメンを使用する、局所、膣、または経皮である。
特に、化合物または組成物を使用する局所および/または経皮治療は、LPVなどの対象における下部生殖管の疼痛を軽減または予防するための病状および炎症カスケード状態の局所制御に好ましく、同時に望ましくない副作用が最小限に抑えられ、削減されることを保証する。
そのために、本開示の薬学的組成物は、局所投与に好適な可能性がある。その場合、薬学的組成物は、1つ以上の炎症収束性メディエーター、薬学的に許容される局所担体、および任意選択で浸透促進剤を含む。いくつかの態様では、透過促進剤は、塩基を含むことができる。塩基は、約7.5から13.0の範囲の製剤pHを提供するのに十分な濃度で存在することができる。薬学的組成物は水性であり得る。水性薬学的組成物は、クリーム、ゲル、ローション、ペースト、または溶液であり得る。
様々な皮膚透過促進剤が当技術分野で知られており、本発明で使用することができる。好適な促進剤(enhancer)の例には、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(TRANSCUTOLとして市販されている)およびジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー(231、182、184)、Tween(20、40、60、80)、レシチン(米国特許第4,783,450号)などの界面活性剤;エタノール、プロパノール、オクタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール;ポリエチレングリコールモノラウレート(PEGML、例えば、米国特許第4,568,343号を参照)などのポリエチレングリコールおよびそのエステル;尿素、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどのアミドおよび他の窒素化合物;テルペン;アルカノン;有機酸、特にクエン酸とコハク酸が含まれるが、これらに限定されない。AZONE(登録商標)並びにDMSOおよびC10MSOのようなスルホキシドもまた使用されてよい。
他の好適促進剤には、典型的には「可塑化」促進剤(”plasticizing”enhancer)と呼ばれるそれらの親油性共促進剤、すなわち、約150~1000の範囲の分子量、約1重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満、最も好ましくは約0.2重量%未満の水溶解度を有する促進剤が含まれる。可塑化促進剤のヒルデブランド溶解度パラメータは、約2.5~約10の範囲であり、好ましくは約5~約10の範囲である。そのような促進剤は、例えば、米国特許第6,586,000号およびWO01/43775に記載されている。好ましい親油性促進剤は、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、および脂肪エーテルである。特定の最も好ましい脂肪酸エステルの例には、ラウリン酸メチル、オレイン酸エチル、モノラウリン酸プロピレングリコール、ジラウリン酸プロピレングリセロール、モノラウリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、n-デカン酸イソプロピル、およびミリスチン酸オクチルドデシルが含まれる。脂肪アルコールには、例えば、ステアリルアルコールおよびオレイルアルコールが含まれ、脂肪エーテルには、ジオールまたはトリオール、好ましくはC~Cアルカンジオールまたはトリオールが1つまたは2つの脂肪エーテル置換基で置換されている化合物が含まれる。追加の浸透促進剤は、局所薬物送達の分野で知られている。例えば、Percutaneous Penetration Enhancers,Smith et al.,editors(CRC Press,1995)を参照されたい。
本明細書に記載の製剤は、例えば皮膚(例えば、外部外陰、前庭、または膣)および周囲組織への局所適用に好適な任意の形態であり得る。それは、例えば、クリーム、ローション、溶液、ゲル、軟膏、ペースト、プラスター、ペイント、生体接着剤などを含み得、および/またはリポソーム、ミセル、および/またはミクロスフェアを含むように調製され得る。そのような製剤は、水性、すなわち水を含み得るか、または非水性であり、任意選択で閉塞性被覆層(occlusive overlayer)と組み合わせて使用され得、その結果、体表面から蒸発する水分は、体表面への適用時およびその後に製剤内に維持される。
本発明の製剤は、任意選択で、薬学的に許容される増粘剤および/またはフィルム形成剤を含み得る。増粘剤は、製剤の粘度を増加させて、適用部位を超えるその広がりを抑制する。バルサムモミ(Oregon)は、薬学的に許容される増粘剤の例である。フィルム形成剤は、乾燥すると、塗布部位に保護フィルムを形成する。フィルムは有効成分の移動を抑制し、治療される部位との接触を維持する。本発明での使用に好適なフィルム形成剤の例は、フレキシブルコロジオン(Flexible Collodion)、USPである。Remington,The Science and Practice of Pharmacy,19th Ed.(Easton.Pa.:Mack Publishing Co.,1995)の1530ページに記載されているように、コロジオンは、蒸発してピロキシリンのフィルムを残すピロキシリン(ニトロセルロース)を含むエチルエーテル/エタノール溶液であるフィルム形成剤は、担体としてさらに機能することができる。乾燥してフィルムを形成する溶液は、ペイントと呼ばれることもある。
薬学的製剤の分野で周知であるように、軟膏は、典型的にはワセリンまたは他の石油誘導体に基づく半固体製剤である。当業者によって理解されるように、使用される特定の軟膏基剤は、最適な薬物送達を提供し、好ましくは、他の所望の特性、例えば、エモリエント性なども提供するものである。他の担体またはビヒクルと同様に、軟膏基剤は不活性で、安定で、刺激がなく、感作性がないものでなければならない。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Ed.(Easton,Pa.:Mack Publishing Co.,1995),の1399~1404ページで説明されているように、軟膏基剤は4つのクラス:油脂性基剤、乳化性基剤、乳剤性基剤、および水溶性基剤、に分類できる。油脂性軟膏基剤には、例えば、植物油、動物から得られる脂肪、および石油から得られる半固体炭化水素が含まれる。吸収性軟膏基剤としても知られる乳化性軟膏基剤は、水をほとんどまたは全く含まず、例えば、ヒドロキシステアリン硫酸塩、無水ラノリンおよび親水性ワセリンを含む。乳剤性軟膏基剤は、油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかであり、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、およびステアリン酸が含まれる。好ましい水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。繰り返しになるが、詳細については、Remington:The Science and Practice of Pharmacyを参照されたい。
当技術分野でも周知であるように、クリームは、水中油型または油中水型のいずれかの粘性液体または半固体エマルジョンである。クリーム基剤は水洗可能で、油相、乳化剤、水相が含まれている。「内部」相とも呼ばれる油相は、一般に、ワセリンと、セチルまたはステアリルアルコールなどの脂肪アルコールで構成されている。水相は通常、必ずしもそうではないが、体積が油相を超えており、一般に保湿剤を含んでいる。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、または両性の界面活性剤である。
医薬製剤の分野で働く人々によって理解されるように、ゲルは半固体の懸濁液タイプ系である。単相ゲルは、担体液体全体に実質的に均一に分布した有機高分子を含み、これは典型的には水性であるが、好ましくは、アルコールおよび、任意選択で、油を含む。好ましい「有機高分子」、すなわちゲル化剤は、「カルボマー」ファミリーのポリマー、例えば、CARBOPOLの下で商業的に入手することができるカルボキシポリアルキレンなどの架橋アクリル酸ポリマーである。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリビニルアルコール;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロースなどのセルロース系ポリマー;トラガカントおよびキサンタンガムなどのガム;アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンなどの親水性ポリマーもまた好ましい。均一なゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を添加することができ、またはゲル化剤を、粉砕、機械的混合または撹拌、あるいはそれらの組み合わせによって分散させることができる。
ローションは、摩擦なしに皮膚表面に塗布される製剤であり、通常、活性薬剤を含む粒子が水またはアルコール基剤に存在する液体または半液体の製剤である。ローションは通常、固体の懸濁液であり、好ましくは、本目的のために、水中油型の液体油性エマルジョンを含む。ローションは、より流動性のある組成物を適用するのが容易であるため、広い身体の部位を治療するための好ましい製剤である。ローション中の不溶性物質は、一般的に細かく分割する必要がある。ローションは、典型的には、より良い分散液を生成するための懸濁剤、ならびに活性薬剤を皮膚と接触させて局所化して保持するのに有用な化合物、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含む。
ペーストは、活性薬剤が好適な基剤に懸濁されている半固体剤形である。基剤の性質に応じて、ペーストは脂肪ペーストまたは単相水性ゲルから作られたものに分けられる。脂肪ペースト中の基剤は、一般に、ワセリンまたは親水性ワセリンなどである。単相水性ゲルから作製されたペーストは、一般に、カルボキシメチルセルロースなどを基剤として組み込んでいる。
プラスターは、直接または布などのベース材料に飽和させた後に、体に塗り広げられるペースト状の混合物で構成されている。本発明のベースを含む薬物は、プラスター内に溶解または分散させて、薬用プラスターを作製することができる。
生体接着剤は、体組織の表面に接着する製剤である。ポリマー生体接着性製剤は当技術分野で周知であり、例えば、Heller et al.,“Biodegradable polymers as drug delivery systems,”in Chasin,M.and Langer,R.,eds.:Dekker,New York,pp.121-161(1990);および米国特許第6,201,065号を参照されたい。特定の脂肪酸エステルを含む好適な非ポリマー生体接着剤もまた当技術分野で知られている(米国特許第6,228,383号)。
本発明に記載の製剤はまた、リポソーム、ミセル、およびミクロスフェアを用いて調製することができる。リポソームは、脂質二重層を含む脂質壁を有する微視的小胞であり、本明細書の薬物送達システムとしても使用することができる。一般に、リポソーム製剤は、難溶性または不溶性の薬学的薬剤に好ましい。本発明で使用するためのリポソーム製剤には、カチオン性(正に帯電した)、アニオン性(負に帯電した)および中性の製剤が含まれる。カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1-2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは、商品名LIPOFECTIN(登録商標)で入手可能である。(GIBCO BRL、ニューヨーク州グランドアイランド)。同様に、陰イオン性および中性リポソームもまた、例えば、Avanti Polar Lipids(バーミンガム、アラバマ州)から容易に入手可能であるか、または容易に入手可能な材料を使用して容易に調製することができる。そのような材料には、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスハチジルエタノールアミン(DOPE)が含まれる。これらの材料は、適切な比率でDOTMAと混合することもできる。これらの材料を使用してリポソームを作製するための方法は、当技術分野で周知である。
ミセルは、それらの極性頭部基が外側の球殻を形成するように配置された界面活性剤分子から構成されることが当技術分野で知られており、疎水性の炭化水素鎖は球の中心に向かって配向し、コアを形成する。ミセルは、界面活性剤を十分に高い濃度で含む水溶液中で形成されるため、ミセルが自然に生じる。ミセルを形成するのに有用な界面活性剤には、ラウリル酸カリウム、オクタンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドクサートナトリウム、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムクロリド、ポリオキシル8ドデシルエーテル、ポリオキシル12ドデシルエーテル、ノノキシノール10およびノノキシノール30が含まれるが、これらに限定されない。ミセル製剤は、局所または経皮送達システムに組み込むことによって、または標的部位(例えば、前庭)および周囲の組織に適用される製剤に組み込むことによって、本発明と併せて使用することができる。
同様に、ミクロスフェアは、本製剤および薬物送達システムに組み込むことができる。リポソームおよびミセルのように、ミクロスフェアは本質的に薬物または薬物含有製剤をカプセル化する。ミクロスフェアは、必ずしもそうである必要はないが、一般に、合成または天然に存在する生体適合性ポリマーから形成されるが、リン脂質などの荷電脂質から構成されることもある。ミクロスフェアの調製は当技術分野で周知であり、関連するテキストおよび文献に記載されている。
当技術分野で知られている様々な添加剤を局所製剤に含めることができる。例えば、比較的少量のアルコールを含む溶剤を使用して、特定の製剤成分を可溶化することができる。本発明の製剤はまた、乳白剤、抗酸化剤、香料、着色剤、ゲル化剤、増粘剤、安定剤、界面活性剤などの従来の添加剤を含み得る。細菌、酵母、カビなどの微生物の増殖を阻害するために、抗菌剤などの他の薬剤を添加することもできる。例示的な抗菌剤は、典型的には、p-ヒドロキシ安息香酸のメチルおよびプロピルエステル(すなわち、メチルおよびプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
上記の炎症収束性メディエーター化合物および関連する組成物は、様々な炎症性障害または状態を治療する方法において有用である。この治療法の種類または組み合わせには、以下の例示的な用途が含まれるが、これらに限定されない:放射ポンプディスペンサー(radiating pump dispenser)を使用する局所/経皮スプレー、治療部位にこすりつけられる局所/経皮軟膏/香油、局所/経皮傷の洗浄用リンス液、疼痛緩和ための局所/経皮ロールオン、水で再構成することができる前記組成物で個別に密閉された含浸ミニスポンジ、微粉化された凍結乾燥材料から構成される創傷用粉末、および部位特異的適用のための前記組成物の段階的かつ連続的な送達のための徐放性表皮/局所用パッチ。
治療用組成物は、好ましくは、必要に応じて投与することができる。例えば、過酷な状態の場合、1日あたり約1~4回を毎日のように使用できる。さらに、治療用組成物は、代わりに、状態が必要に応じて治療または修復されるまで、週1回、隔週、三週間ごと、毎週、または毎月投与することができる。さらに、投与は、最初は毎日開始され、その後、臨床的改善に応じて、週1回、毎月などの投与に移行することができる。本発明の組成物は、治療補助剤としてのみ使用されるのではなく、使用者を疼痛のない状態に維持するために使用することもできる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の炎症収束性メディエーターを含む組成物の有効用量は、患者に一度に投与することができる。特定の実施形態では、炎症収束性メディエーターを含む組成物の有効用量は、患者に繰り返し投与することができる。患者には、0.0001mg/kg~100mg/kg、例えば、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、2.5mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgの炎症収束性メディエーターを含む組成物の治療量を投与することができる。炎症収束性メディエーターを含む組成物は、5分、10分、15分、20分、または25分などの期間にわたって投与することができる。投与は、例えば、3時間、6時間、12時間以上の1時間ごと、または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月以上の隔週(すなわち、2週間ごと)など定期的に繰り返される。最初の治療レジメンの後、治療はより少ない頻度で投与することができる。例えば、隔週で3ヶ月間投与した後、月に1回、6ヶ月または1年以上投与を繰り返すことができる。炎症収束性メディエーターを含む組成物の投与は、例えば、炎症のマーカーまたは症状のレベルを、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%以上減少させることができる。
LPVおよび他の女性の生殖管の状態を治療することは、膣または膣周囲の投与を伴う。そのために、膣または膣周囲の剤形は、膣坐剤、クリーム、軟膏、液体製剤、ペッサリー、タンポン、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーを含み得る。膣または膣周囲送達用の坐剤、クリーム、軟膏、液体製剤、ペッサリー、タンポン、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレーは、治療有効量の選択された活性薬剤および膣または膣周囲の薬物投与に好適な1つ以上の従来の非毒性担体を含む。本発明の膣または膣周囲用の形態は、上記のRemington:The Science and Practice of Pharmacyに開示されている従来のプロセスを使用して製造することができる(米国特許第6,515,198号、第6,500,822号、第6,417,186号、第6,416,779号、第6,376,500号、第6,355,641号、第6,258,819号、第6,172,062号、および第6,086,909号に適合した製剤も参照されたい)。膣または膣周囲の投与単位は、急速にまたは数時間にわたって崩壊するように製造することができる。完全な崩壊の期間は、約10分~約6時間の範囲、例えば、約3時間未満であり得る。
上記の炎症収束性メディエーターは、他の好適な組成物またはキットに含まれ得る。そのような組成物およびキットの例には、避妊デバイスまたは薬剤、潅水、生理用ナプキン、または好ましくはタンポンなどの女性用衛生製品、膣もしくは肛門坐剤または浣腸が含まれ、これらのすべては、1つ以上の他の治療薬(例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、および抗STD剤)を提供することができ、およびこれらのすべては、徐放性組成物として(例えば、徐放性デバイスで)提供することができる。
本明細書に開示される方法は、疼痛、掻痒、および他の女性の生殖管の状態を含む様々な外陰膣障害を治療するために使用することができる。
疼痛(外陰膣痛)は、特定の障害:感染症(再発性カンジダ症およびヘルペスなど)、炎症性疾患(硬化性苔癬、扁平苔癬、肛門直腸クローン病、剥離性炎症性膣炎など)、腫瘍性障害(パジェット病、扁平上皮癌、および乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎など)、神経障害(帯状疱疹後神経痛、神経の圧迫または損傷、神経腫など)、外傷(女性性器切除および産科的なものなど)、医原性障害(術後、化学療法、外陰膣移植片対宿主病、および放射線照射など)、およびホルモン欠乏症(閉経または外陰膣萎縮の泌尿生殖器症候群、および泌乳性無月経など)によって引き起こされる可能性がある。
移植片対宿主(GvH)疾患は、移植レシピエントの最大80%における造血幹細胞移植(HSCT)の後遺症であり、過去20年間でHSCT方法は3倍に増加した(Gratwahl et al.,Blood100(2002),pp.2374-2386)。GvHは、移植片の免疫担当T細胞が、宿主の抗原提示細胞によって示される同種抗原を認識し、免疫不全宿主に対して反応するときに発生する。生殖器GVHDは、HSCT後の女性の最大48%で発生すると推定されており(Zantomio et al.,Bone Marrow Transplant.2006 Oct;38(8):567-72)、腫瘍学者によって慢性GVHDの一般的な兆候と見なされている。膣の症状には、乾燥、痒み、灼熱感、ヒリヒリした痛み(soreness)、入口疼痛(introital pain)、狭窄症、線維症などがある。身体的所見は、軽症の紅斑と白帯下から、狭窄、線維症、場合によっては膣と外陰の解剖学的構造の完全な閉塞のより重度な所見にまで及ぶ。今日まで、この状態に対する特定の効果的な治療法はなかった。
さらに、疼痛は外陰痛によって引き起こされる可能性があり、これは、少なくとも3か月間の外陰の疼痛であり、潜在的な関連要因がある可能性のある明確な特定可能な原因がない。外陰痛は、外陰の灼熱感、刺痛、過敏、およびヒリヒリ感(rawness)からなる慢性的な不快感または疼痛である。この疼痛は次のような可能性がある:全身性(びまん性外陰灼熱感または過敏)、限局性(前庭、陰核などの特定の領域の疼痛、それぞれ膣前庭痛(vestibulodynia)、陰核痛(clitorodynia))、混合型(限局性および全身性)、誘発性(例えば、挿入、接触)、自然発症性、混合型(誘発性および自然発症性)、限局性誘発性外陰部痛(LPV)、発症(原発性または続発性)、ならびに時間パターンを示すもの(断続性、持続性、恒常性、即時性、遅延性)。
治療できる他の女性生殖管の状態の例には、扁平苔癬、硬化性苔癬、および乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎が含まれる。他の状態には慢性掻痒が含まれる。
扁平苔癬は、次の2つのタイプのいずれかとして現れる可能性がある:(1)「標準的」、口腔膜および生殖器膜上のはっきりと境界が定められた上部が扁平なプラークからなる、(2)「びらん性」、前庭に由来し、膣管まで様々に伸びるびらん性の紅斑性病変からなる。びらん性扁平苔癬は、一般的に、症候的に、慢性の自発性灼熱痛を特徴とする。
硬化性苔癬は、色素脱失、粘膜皮膚マーキングの喪失、および粘膜下出血によって視覚的に特徴づけられる。皮膚表面の弾力性が低下すると、会陰部に裂傷が生じる可能性がある。硬化性苔癬は、小陰唇、陰核、陰唇間溝(interlabial sulcus)、および大陰唇の内部と肛門周囲領域にも関与する可能性がある。膣入口および隣接する肛門周囲領域の硬化性苔癬による周囲の色素脱失は、「鍵穴分布(keyhole distribution)」という説明用語によって特徴付けられている。
剥離性炎症性膣炎は、灼熱痛、目に見える炎症、臨床検査での膣分泌物の増加、および顕微鏡での傍基底細胞の証拠を特徴とする。重要な診断上の特徴は、適切なエストロゲン化の存在下で炎症を伴う傍基底細胞の発見であり、顕微鏡研究または他の実験方法での感染性病因の欠如である。
乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎は、灼熱痛と性交時痛を特徴とする。臨床検査では、膣のひだ構造(rugal architecture)の喪失、乾燥、および粘膜の目に見える蒼白がある。治療のための局所エストロゲンの使用は、この群の癌生存者で議論の余地がある。
治療できる他の状態には、慢性掻痒が含まれる。掻痒の問題は、硬化性苔癬および扁平苔癬の多くの人の疼痛と同じくらい衰弱させる可能性がある。それは異痛症と同様の神経線維(c線維)によって媒介されるが、微小神経造影によって掻痒は別個の神経サブセットによって媒介される。掻痒のメディエーター(インフラマソーム)は、疼痛のメディエーターに類似しているようである
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療」、「治療する(treating)」、または「改善」という用語は、疾患、障害、または病状に関連して使用される場合、状態の治療的処置を指し、その目的は症状または状態(疼痛など)の進行または重症度を逆転、緩和、改善、抑制、減速、または停止することである。「治療する(treating)」という用語は、状態の少なくとも1つの副作用または症状を減少または軽減することを含む。1つ以上の症状または臨床マーカーが減少した場合、治療は一般に「効果的」である。あるいは、状態の進行が減少または停止した場合、治療は「効果的」である。すなわち、「治療」には、症状(疼痛など)またはマーカー(サイトカインなど)の改善だけでなく、治療がない場合に予想される症状の停止または少なくとも進行もしくは悪化の遅延も含まれる。有益なまたは望ましい臨床結果には、1つ以上の症状(複数可)の緩和、欠損の程度の減少、炎症の安定した(すなわち、悪化しない)状態、炎症の遅延または減速、および炎症の改善または緩和、が含まれるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される「局所」という用語は、本発明の組成物の皮膚および下層組織への投与、ならびに粘膜および下層組織への投与を指す。
「低下する(decrease)」、「減少する(reduce)」、「減少した(reduced)」、「減少(reduction)」、「低下(decrease)」または「阻害する」という用語はすべて、本明細書では一般に、参照と比較して統計的に有意な量の減少を意味するために使用される。しかしながら、誤解を避けるために、「減少する(reduce)」、「減少(reduction)」または「低下する(decrease)」または「阻害する」は、通常、参照レベルと比較して少なくとも10%の低下を意味し、例えば、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%の低下を含むことができ、例えば、参照レベルと比較して所与のエンティティもしくはパラメータが完全に存在しないこと、または所与の治療が存在しないことと比較して10~99%の間の任意の低下を含むまでを含めることができる。
「予防する」、「予防する」、および「予防」という用語が、所与の状態に対する所与の治療に関連して本明細書で使用される場合、それらは、治療された患者が臨床的に観察可能なレベルの状態を全く発症しないか、または彼/彼女が治療を欠いた場合よりもゆっくりとおよび/またはより少ない程度でそれを発症することを意味する。これらの用語は、患者が状態のいかなる態様もまったく経験しない状況だけに限定されない。例えば、治療が、状態の所与の症状(疼痛など)を引き起こすと予想される刺激へ患者がさらされている間に行われた場合、その状態を「予防」したと言われ、その結果、患者は、他の方法で予想されるよりも少ないおよび/または軽度の状態の症状を経験する。例えば、治療は、患者が炎症の軽度の明白な症状のみを示す結果となることにより、炎症を「予防」することができ、それは、炎症がなかったか、炎症誘発性サイトカイン、炎症メディエーター、および/または関連する下流の細胞事象の産生がなかったに違いないことを意味するものではない。
本明細書で使用される場合、「富化された」という用語は、それが作製された供給源よりも高レベルのSPMおよび/またはSPM前駆体を含む場合の、SPMおよび/またはSPM前駆体を含む組成物(例えば、油)を指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」、「有効量」または「有効用量」という句は、例えば、疼痛、炎症または創傷の治療、予防、または管理において治療的または審美的利益を提供する量であって、例えば疼痛、炎症、および/または創傷治癒の少なくとも1つの症状、徴候、またはマーカーの統計的に有意な低下を提供する量を指す。治療有効量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。一般に、治療有効量は、対象の病歴、年齢、状態、性別、ならびに対象の病状の重症度およびタイプ、ならびに他の薬学的に活性薬剤の投与によって変化し得る。
「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、過敏、アレルギー反応、またはその他の問題または合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合ったものである、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書で使用される。本明細書で使用される場合、「薬学的組成物」という用語は、製薬業界で一般的に使用される薬学的に許容される担体と組み合わせた活性薬剤を指す。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは動物を意味する。好ましくは、対象は哺乳動物である。哺乳動物は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシであり得るが、これらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物は、例えば炎症の動物モデルを表す対象として、例えば、有利に使用することができる。さらに、本明細書に記載の方法は、家畜および/またはペットを治療するために使用することができる。
対象は、治療を必要とする状態(例えば、炎症または他の疼痛を引き起こす状態)またはそのような状態に関連する1つ以上合併症を患っている、または有すると以前に診断または特定されたものであってもよく、任意選択であるが、ある状態またはその状態に関連する1つ以上の合併症の治療をすでに受けている必要はない。あるいは、対象はまた、治療を必要とする状態またはそのような状態に関連する1つ以上の合併症を有すると以前に診断されていないものであり得る。例えば、対象は、状態に対して1つ以上の危険因子を示すか、または状態に関連する1つ以上の合併症を示すか、または危険因子を示さない対象であり得る。例えば、女性対象は、疾患(例えば、乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎)が確立された後、または二次曝露事象の前に(例えば、性交を再試行する前に数週間治療する)、疼痛を改善するために本明細書に記載されるように治療され得る。
本明細書で使用される場合、「炎症」は、病原体、損傷した細胞、または刺激物などの有害な刺激に対する複雑な生物学的応答を指す。炎症は、有害な刺激を取り除き、組織の治癒過程を開始するための生物による保護の試みである。したがって、「炎症」という用語は、炎症誘発性サイトカイン、炎症メディエーター、および/またはこのように産生されたサイトカインの作用に起因する関連する下流の細胞事象、例えば、発熱、体液蓄積、腫れ、膿瘍の形成、および細胞死の産生をもたらす任意の細胞プロセスを含む。炎症誘発性サイトカインおよび炎症メディエーターには、IL-1-アルファ、IL-1-ベータ、IL-6、IL-8、IL-11、IL-12、IL-17、IL-18、TNF-アルファ、白血球阻害因子(LIF)、IFN-ガンマ、オンコスタチンM(OSM)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、TGF-ベータ、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、および炎症細胞を化学誘引するケモカインが含まれるが、これらに限定されない。炎症には、急性応答(すなわち、炎症過程が活発である応答)と慢性反応(すなわち、遅い進行と新しい結合組織の形成によって特徴づけられる応答)の両方が含まれ得る。急性および慢性の炎症は、関与する細胞の種類によって区別される場合がある。急性炎症はしばしば多形核好中球を伴い、一方、慢性炎症は通常、リンパ組織球性および/または肉芽腫性応答を特徴とする。
本明細書に開示されるように、いくつかの範囲の値が提供される。文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各介在値もまた具体的に開示されていることが理解される。任意の記載された値または記載された範囲内の介在値と、任意の他の記載された値またはその記載された範囲内の介在値との間のそれぞれのより小さい範囲は、本発明に含まれる。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立して範囲に含めることもかまたは除外することもでき、かついずれかのもしくは両方の制限がより小さな範囲に含まれるまたはどちらの制限もより小さな範囲に含まれない各範囲もまた、記載された範囲で具体的に除外された制限を条件として本発明に含まれる。記載された範囲が一方または両方の制限を含む場合、それらの含まれる制限のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
「約」または「おおよそ」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容範囲内を意味し、これは、値がどのように、例えば、測定システムの限界を測定または決定されるかに部分的に依存する。例えば、「約」は、所与の値の最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、より好ましくはさらに最大1%の範囲を意味することができる。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の1桁以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味することができる。特に明記されていない限り、「約」という用語は、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味する。
実施例1
本実施例では、線維芽細胞ベースのインビトロLPVモデルが確立された。簡単に言えば、線維芽細胞株は、Falsetta et al.Am J Obstet Gynecol 2015,vol.213,pp.38 e1-12 and Foster et al.,Pain 2015,vol.156,pp.386-96に記載されている方法で、限局性誘発性外陰痛(LPV)患者の下部生殖管と無痛の対照の2つの領域(図1)から得られた。
LPVに罹患した患者(フリードリッヒの基準を満たす)25および年齢/人種が一致した(LPVに影響を与える重要な変数)26,27の無痛対照から得られた30対を超える線維芽細胞株が得られた。ライブラリに貢献したすべての対象は、閉経前であり、経口コルチコステロイド、非ステロイド性、免疫調節性、または抗炎症薬の使用が認められず、試料収集時に全身/皮膚の炎症状態がないことが報告された。ワグナーアルゴメーターを使用して、機械的疼痛閾値を(極限法を介して)決定した(0.5~5N)。線維芽細胞の同一性は、顕微鏡検査および線維芽細胞マーカー(ビメンチン、コラーゲン)によって確認され、低継代(約4)細胞のみが使用される。
次に、線維芽細胞株を、Candida ablicansなどの刺激でチャレンジした(図3A)。LPV患者の疼痛のある前庭から採取した線維芽細胞は、Candida ablicansに感染すると、外陰膣環境内で通常検出可能な用量よりも低い用量でも高レベルのIL-6を産生し、疼痛のない外部外陰からの線維芽細胞は応答が弱いことがわかった(図3A)。C.ablicansは外陰膣酵母感染症の主な原因であり、19-22慢性酵母感染症は>70%のLPV患者の先行因子として挙げられている。23マウスで繰り返される外陰膣感染症は、外陰異痛症と局所過剰神経支配が誘発し、外陰痛の所見がシミュレートされる。24LPVは古典的な炎症性疾患として存在しないという事実にもかかわらず、LPVは炎症性調節不全に関連している。炎症の基本的な兆候は、健康な女性とLPVに苦しむ女性の両方で顕著ではないか、漠然と存在するが、免疫細胞の浸潤と組織化は、LPVと健康な患者では明らかに異なる。17
さらに、生きている酵母感染症に対して部位特異的な応答があったこと、それにより、外陰前庭内の疼痛部位からの線維芽細胞は、酵母/酵母産物に本質的に感受性があり、外部外陰の疼痛のない部位からの線維芽細胞と比較して、高レベルの疼痛促進性/炎症誘発性メディエーターを産生することがわかった(図4B)。さらに、健康な女性の前庭からの線維芽細胞が減少したものの、ザイモサン(酵母細胞壁生成物、図4B)に対して同様の応答を示したので、この応答は、正常な炎症応答の悪化であるように見えた。さらに重要なことに、LPV疼痛と炎症の間には強い関連性があり、LPV患者の疼痛は、生きた酵母に曝露された場合、疼痛のある部位の生検から培養された線維芽細胞による炎症誘発性および疼痛促進性メディエーターの産生と直接相関していた(図4C)。
実施例2
この実施例では、アッセイを実施して、実施例1に記載のインビトロLPVモデルにおいて、初代ヒト細胞からの炎症誘発性および疼痛促進性メディエーター産生を減少させるSPMの能力を調査した。
低/ナノモル濃度(1~100nM)で、既知の各SPMクラス(Eシリーズレゾルビン、Dシリーズレゾルビン、マレシン、プロテクチン、およびリポキシン)から合成、精製、および市販されているSPMを試験した。これらの濃度は、毒性なしに、インビトロおよびインビボモデルシステムの両方で炎症を解消するのに効果的であることが示されている。本発明者らは、外陰線維芽細胞および他の細胞において有効であることが証明された2つの処理レジメンのうちの1つを使用した:1)一晩の前処理、続いて炎症誘発性刺激による48時間の刺激の30分前に別の処理と、チャレンジ後24時間でのSPMの第3の投与、または2)炎症性刺激による30分の前処理後にSPMによる後処理、その後18時間後のブースター投与。SPMは炎症過程全体を通して活性があるため、どちらの処理レジメンも興味深いものである。5-7LPVの発症後に投与されたSPMでさえ、LPVの疼痛の悪化または拡大を防ぐ可能性がある。
データは、試験された8つのSPM(3つのクラスからの)のうち、少なくとも4つが、前治療戦略を使用して関連する炎症誘発性刺激で処理されたヒト外陰線維芽細胞の疼痛に関連する炎症誘発性メディエーターを減少させるのに非常に効果的であることを示している。リポキシンA、レゾルビンD、マレシン1およびエピ-マレシン1は、前庭と外部外陰(external vulvar)の線維芽細胞の両方によるプロスタグランジンE(PGE、図5A)およびインターロイキン6(IL-6、図5B)の産生を有意に減少させた。しかしながら、レゾルビンD、17(S)-HDHA、リポキシンB、およびAT-レゾルビンDは、初期試験では顕著な効果を示さなかった。マレシン1およびリポキシンAもまた、治療後レジメンを使用して試験され、この戦略の下で、IL-6およびPGEレベルの両方が有意に減少することが見出された(図5Cおよび5D)。
次に、他のクラス(Eシリーズレゾルビンおよびプロスタグランジン)のSPM、およびIL-6およびPGEの産生を減少させるのに効果的なメンバーを含むクラス(マレシンなど)からの追加のSPMを同様の選別で調査した。生きているC.albicans酵母、ザイモサン、ブラジキニン、およびIL-1βはすべて、外陰線維芽細胞で炎症誘発性メディエーターの産生を誘発することが示されている、様々なクラスの炎症性活性化因子として使用できる。3,4,13,15炎症誘発性メディエーターのレベルは、ELISAおよびEIAアッセイを用いて測定した。少なくとも2つの試験で2つ以上の炎症誘発性メディエーターを減少させるのに効果的であったSPMは、前臨床マウスモデルを使用してさらに試験するために調べることができる。いくつかのSPMが炎症誘発性メディエーター産生の減少に有効であることを示す上記の裏付けとなる結果と一致して、発明者らは、前処理(図23Aおよび23B)および後処理(図24Aおよび24B)として非常に効果的ないくつかの追加のSPMを特定した。これらの追加の効果的なSPMには、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンE、プロテクチンD1、およびプロテクチンDXが含まれる。以下の実施例に示すように、さらなる試験の基準を満たすSPMは、LPVのマウスモデルで疼痛と炎症のエンドポイントを減少させる能力について試験できる。
この研究の前には、LPVに関連する炎症誘発性/疼痛促進性メディエーターを減少させるのに有効な治療薬は特定されていなかった。したがって、この研究は、LPVに関連するだけでなく、他の慢性炎症状態においても、過剰な炎症誘発性シグナル伝達を減少させる可能性のある潜在的な治療薬を特定する上で重要な前進を表している。
実施例3
この実施例では、LPVのマウスモデルで疼痛と炎症のエンドポイントを減少させる能力について、いくつかのSPMを試験する。ごく最近、LPVの最初の動物モデルが開発された。24この元のモデルは、治療薬の前臨床試験には使用されていない。前臨床試験は、LPVに切実に必要とされている新しい効果的なFDA承認の治療法の開発に不可欠なステップである。28、29したがって、ヒトの臨床試験の前に使用できるヒトのLPVを正確に反映する前臨床動物モデルに対する緊急の満たされていないニーズがある。この必要性と一致して、LPVのこの最適化されたマウスモデルは、強力な裏付けデータによって証明されるように、治療薬の前臨床試験のタスクに理想的である。
SPMの構造と治療効果は種間で保存されているが、5-7発明者らは、マウスの外陰外植片(4mmパンチ生検)を培養することにより、マウスの外陰組織がインビトロでSPM処理に応答することを最初に確認した。外植片を、IL-1βで刺激した後、確立した前処理レジメンの下でPGE産生を減少させるマレシン1またはRVDの能力を評価するためにアッセイを実施した。
IL-1β処理後の増強されたPGE応答は、1nMという低い用量の範囲にわたってマレシン1またはRvDで有意に抑制されることが見出された(図6)。これらの結果は、マウスの外陰がヒト線維芽細胞と同様にSPM処理に反応することを確認した。これらのマウスがいくつかのSPM受容体(例えば、ALX、GPR18)を発現することも決定された。したがって、発明者らは、マウスモデルにおけるSPMへの応答の試験を進めた。
マウスモデルでは、ザイモサン(炎症誘発性酵母細胞壁調製物)を使用して、持続性外陰異痛症を誘発し、疼痛閾値試験によって測定した。発明者は当初、手動フォンフライ(von Frey)システム(MvF)24を使用していたが、その後、本明細書に詳述するように電子システムに切り替えた。MvFは、正中線後部外陰(膣口と肛門の間)にある注射部位に適用したときに異なる力を発揮する、様々な太さ/剛性の一連の「ヘア(hair)」を採用した(図7A)。ヘアは、外陰表面に対して垂直に、0.100g~4.0gの範囲内で徐々に増加する力で適用された(図7B)。陽性反応は、外陰刺激に応答した、明確な反射、4つすべての四肢伸展、ジャンプ、または外陰の即時グルーミングのいずれかとして定義された。MvF閾値を決定するために、「アップダウン法」に従った。30異痛症の誘発中、マウスは、2週間の連続した試験で疼痛閾値の>33%の減少が観察されるまで、最大6回の注射で週1回、ザイモサン(10μlの生理食塩水中10μg/ml)の注射を受ける(図7C)。疼痛の閾値試験は、ザイモサン注射の直前に、毎週同じ時間に実施され、注射の最初の2週間後、どのマウスが追加のザイモサン注射を受けるかを決定するために、疼痛試験後に閾値変化の決定が行われた。炎症誘発剤を含まない生理食塩水注射は、陰性対照として機能した。
このアプローチを使用して、発明者らは、外陰異痛症を誘発し、機械的閾値決定を介して疼痛応答を測定し、治療応答を評価できることを確認した。ただし、発明者は、モデルの堅牢性を向上させるために、下記を含むいくつかの変更を実装した:1)遺伝的に扱いやすい近交系の使用、2)電子フォンフライ(EvF)システムの使用の検証、3)疼痛応答における行動条件付けの影響の評価、4)炎症誘発性メディエーターの定量化のための外陰膣洗浄液の週1回の収集、および5)新しいモデルでの疼痛と炎症を調節する選択されたSPM(例えば、マレシン1)の能力を試験すること。これらの改善により、元のモデルの2つの重大な欠点が克服される:1)閾値のMvF決定には時間がかかり、試験ごとに1つの定量値しか生成されない。2)非近交系株を使用すると、遺伝子操作が防止され、研究のばらつきが大きくなる(元のモデル株は非近交系CD-1)。したがって、発明者らは、一般的に使用される2つの遺伝的に扱いやすいマウス系統、C57BL/6およびBALB/cを試験することを選択した。発明者は、C57BL/6バックグラウンドならびにC57BL/6マウス(例えば、マレシン)において実施例2で潜在的な疼痛/炎症解消剤として特定された試験の主要なSPMにおいて、最大の成功を収めた。パイロット研究(図7C)と同じ実験設定を使用するが、MvF測定をMousemet EvFシステム(Topcat Metrology)に置き換え、他の前述の変更を実装すると、毎週の疼痛試験が各C57BL/6マウスに対し一貫した再現可能な値(5回の試行/マウスの平均)が生成されることがわかった(図8)。まとめると、本発明者らは、ザイモサンを投与されたマウスにおいて、膣のPGEの増加を伴う、疼痛閾値の漸進的な低下を見た(図8)。1μg/マウス/日のマレシン1で4週間の毎日の処置を開始する前に、異痛症は、異痛症誘発後少なくとも5週間持続することが確認された(図8)。治療により、発明者らは、PGEレベルが抑制され、ベースラインより低いレベルに維持されている間、誘発前の閾値への完全な回復を見た(図9)。これらの印象的な結果は、1つ以上のSPMが効果的であることを示唆している。
実施例4
この実施例では、実施例3に記載されているように、LPVのマウスモデルを使用して、SPM前駆体であるDHAが疼痛および炎症性エンドポイントを減少させる能力を調査するためにアッセイを実施した。
合計36匹のC57BL/6Jマウスが、上記のプロトコルを使用して6週間の異痛症誘発を受けた。簡単に言えば、ザイモサンを使用して、持続性外陰異痛症を誘発し、疼痛閾値試験によって測定した。電子フォンフライシステム(MOUSEMET(商標)、Topcat Metrology)を使用して、正中線後部外陰(膣口と肛門の間)にある注射部位の外陰に徐々に増加する力を加えた(図7A)。ヘアは、外陰表面に対して垂直に、0.100gから7.0gの範囲内で徐々に増加する力で適用された(図7B)。陽性反応は、(1)反射的で協調的な四肢伸展、(2)ジャンプ、または(3)外陰刺激に応答した外陰の即時グルーミングのいずれかとして定義され、その時点でピーク力が記録された。
異痛症の誘発中、マウスは、2週間の連続した試験で疼痛閾値の>33%の減少が観察されるまで、最大6回の注射で週1回ザイモサン(10μl生理食塩水中10mg/ml)の注射を受ける(図7C)。疼痛閾値試験は、ザイモサン注射の直前に、毎週同じ時間に実施され、注射の最初の2週間後、どのマウスが追加のザイモサン注射を受けるかを決定するために、疼痛試験後に閾値変化の決定が行われた。
6週間の誘発後、合計35匹のマウスが異痛症を発症し、以下の治療群に分けられた:DHAクリーム(12匹のマウス)、プラセボクリーム(12匹のマウス)、および模擬(mock)治療(11匹のマウス)。DHAおよびプラセボクリームマウスは、月曜日から金曜日まで、綿棒を介して指定されたクリームの1日2回の局所塗布と、土曜日と日曜日に1日1回の塗布を合計6週間受けた。ホームケージに放出する前に、剃った領域全体をクリームの薄層でコーティングした。模擬治療を受けるマウスは、滅菌PBSで湿らせた綿棒で同じ外陰に同じ時間処置された。
マウスは、2回の連続した疼痛試験で(6週間の異痛誘発段階の終わりに)それらの最低疼痛閾値から70%超えて改善したとき、異痛症から「回復」したと判断された。6週間の治療後、各DHAおよびプラセボ群で9匹のマウスが回復し、模擬治療群で6匹のマウスが回復した(図13)。「回復」が、ザイモサン注射前の疼痛前の閾値の少なくとも70%である閾値として定義された場合にも、同じ結果が得られた。したがって、治療の終了時に、DHA群とプラセボ群で回復したマウスの数に差はなかった。しかしながら、経時的な回復を見ると、発明者らは、DHAとプラセボクリームとの間の一時的な治療の違いを見た(図13)。DHAクリーム群のマウスは治療の最初の2週間で回復し始めたが、プラセボクリーム群では1匹のマウスしか回復せず、プラセボクリーム群がDHAクリーム群に追いつくまでに3~4週間かかった。全体として、模擬群で回復したマウスは少なかったが、約4週間で回復の証拠が見られ始め、これは、モデルの自然な疼痛の解消を反映している可能性がある。
これらの結果と相関して、最初の2週間はDHA群の方が改善率スコアが高かったのに対し、3週目では改善率スコアに差がないことがわかった(図14)。模擬マウスの改善率スコアは、DHAまたはプラセボ群いずれかのスコアよりも低い傾向があった。
本発明者らは、C57BL/6Jマウスにおける疼痛閾値および外陰膣PGEのレベルとの間の関連を確立した。膣PGEレベルが高いほど、より高い疼痛感受性が予測される。そのような発見は、ヒトの研究からの結果と一致している。培養された初代ヒト外陰線維芽細胞株によって産生されるPGEのレベルは、線維芽細胞は、生検によって収集し、そこから部位で疼痛閾値を予測することができる。本発明者らは、誘発段階および治療段階を通して、生きているマウスに対して週1回外陰膣洗浄を実施し、PGEのレベルが、ザイモサン誘発前では最初は低かったが、ザイモサン注射で急激に上昇し、一連の注射の4週目でピークに達することを見出した(図15)。これらのレベルは治療前は維持されていたが、その後急速に低下し、プラセボ群とDHA群では低いままであった。しかしながら、DHA群とプラセボ群との間にPGEのレベルに有意差はなかった。以前の実験と一致して、ほとんどの外陰膣洗浄液でIL-6レベルが低いか検出できないこともわかった。
全体として、DHAとプラセボ(クリームのみ)は両方とも、6週間の治療コース全体の後に外陰疼痛の結果を同程度に改善した。ただし、DHAはプラセボよりも迅速に疼痛の結果を改善し、両方とも模擬治療を上回った。プラセボクリームには、鎮静(soothing)作用または保湿作用のある長鎖アルコールと脂肪酸が含まれている。したがって、プラセボ群の改善はまったく驚くべきことではない。将来の試験でこれらの化合物の濃度を下げることは、DHA特有の効果の検出を強化するのに役立つ可能性がある。これらの結果は、DHAクリームがヒトの外陰疼痛を軽減するのに効果的であることを示唆している。
実施例5
この実施例では、上記のLPVのマウスモデルを使用して、ドコサヘキサエン酸(DHA)と追加の特異的炎症収束性メディエーター(SPM)前駆体分子(14-HDHA、17-HDHA、および18-HEPE)を含む混合物が、疼痛および炎症性エンドポイントを減少させる能力を調査するためにアッセイを実施した。
合計52匹のC57BL/6Jマウスを、上記のプロトコルを使用して4週間の異痛症誘発に供した。簡単に言えば、ザイモサン(炎症誘発性酵母細胞壁調製物)を使用して、持続性外陰異痛症を誘発し、疼痛閾値試験によって測定した。電子フォンフライシステム(Mousemet、Topcat Metrology)を使用して、正中線後部外陰(膣開口部と肛門の間)にある注射部位の外陰部に徐々に増加する力を加えた(図7A)。ヘアは、外陰表面に対して垂直に、0.100gから7.0gの範囲内で徐々に増加する力で適用された(図7B)。陽性反応は、(1)明確な反射、4つすべての四肢伸展、(2)ジャンプ、または(2)外陰刺激に応答した外陰の即時グルーミングのいずれかとして定義され、その時点でピーク力が記録される。異痛症の誘発中、マウスは週1回ザイモサン(10μl生理食塩水中10mg/ml)の注射を受け、合計4回注射される。毎週の閾値が決定されたが、4回目の注射後にのみ、どのマウスが段階2(薬物試験)を継続するかが決定された。2週間の連続した試験で疼痛閾値の>33%の減少(+/-0.5g重)を示したマウスは、段階2に移行した。疼痛閾値試験は、ザイモサン注射の直前に、毎週同じ時間に実施された。4回目の注射後、マウスは、段階2に入る基準を満たしているかどうかを判断するために、最終ラウンドの閾値テスト(5週目)を受けた。
4週間の誘発後、合計48匹のマウスが異痛症を発症し、以下の治療群に分けられた:リピノバ(LIPINOVA)クリーム高用量(1.9体積%リピノバ、12匹のマウス)、リピノバ低用量(0.7体積%リピノバ、12匹のマウス)、プラセボ(リピノバを含まないベースクリーム、11匹のマウス)、および模擬治療(生理食塩水で湿らせた綿棒、11匹のマウス)。リピノバ(LIPINOVA)は、高度精製の魚油製品で、約40体積%のドコサヘキサエン酸(DHA)と、追加の特異的炎症収束性メディエーター(SPM)前駆体分子(14-HDHA、17-HDHA、および18-HEPE)を含む。マウスは、月曜日から金曜日まで指定されたクリームの1日2回の局所塗布と、土曜日と日曜日の1日1回の塗布を合計4週間受けた。マウスは綿棒を介して約15秒間クリームの塗布を受けた。ホームケージに放出する前に、剃った領域全体をクリームの薄層でコーティングした。模擬治療を受けるマウスは、滅菌PBSで湿らせた綿棒で同じ時間処置された。マウスは、2回の連続した疼痛試験でそれらの閾値が疼痛誘発前のベースラインの66%(+/-0.5g重)に戻ったときに、異痛症から「回復」したと判断された。4週間の治療後、リピノバ高用量群では8匹のマウスが回復した(67%)が、低用量群では2匹のマウスだけが回復した(17%)(図16)。模擬治療群のマウスは4週間以内に回復しなかったが、プラセボ群では1匹のマウスが回復した(9%)。リピノバ高用量群のマウスは着実な回復を示し、毎週数匹の追加のマウスが回復したが、低用量では、2匹のマウスが早期に回復したが(2週目)、4週目までに追加のマウスは回復しなかった。これらのデータは、回復がリピノバの用量によって影響を受け、より高い用量がより効果的であることを示唆しており、一方、プラセボおよび模擬治療はほとんど効果がなかった。プラセボで回復したマウスが1匹いたが、これはベースクリームの保湿剤に起因する可能性がある。
時間の経過に伴う改善率など、追加の測定値を使用して治療の効果を評価した(図17Aおよび17B)。改善率は、最後の治療前の疼痛の閾値(段階1の最終週)に対する毎週の閾値の増加率として計算された。図17Aでは、データを、群内のすべてのマウスの平均回復率(+/-SEM)としてグラフ化した。各マウスの回復率を決定し、群全体の値を平均した。リピノバ高用量治療群のマウスは、他の群と比較して、毎週一貫して高い回復率スコアを示した。リピノバ低用量のスコアは対照(模擬およびプラセボ)と比較してほとんど差がなかったが、3週目では、低リピノバ群の回復率スコアが対照よりも高リピノバ群に近かった。図17Bでは、同じデータが箱ひげ図としてグラフ化されており、各ドットは個々のマウスの値を表している。繰り返しになるが、このデータは、回復率スコアが高リピノバ群で平均して高いことを示している。このグラフは、4週目に、高リピノバ中央値に類似した模擬群中央値が、その週のみで特に高い改善率スコアを有する2匹のマウスによって歪められていることを示している。全体として、このデータは、高用量のリピノバによる治療が疼痛閾値スコアの改善に最も効果的であることを示している。
疼痛閾値はまた、段階1における疼痛誘発前の元のベースラインのパーセントとしてグラフ化された(図18Aおよび18B)。個々のベースライン値のパーセントを使用して、各マウスの回復を決定した(図16)。図18Aでは、これらの値は、各群の平均(+/-SEM)としてグラフ化された。この場合も、このデータは、リピノバの高用量が、リピノバの低用量を含む他の治療を一貫して上回っていることを示している。4週目までに、高リピノバ群のみが群の66%パーセントの回復閾値を超え、これはマウスの大部分が4週目までに回復した(67%)という観察による可能性がある。図18Bの箱ひげ図では、パーセントベースラインスコアが、高リピノバ群のマウスについて一貫して高いことが明らかである。4週目に、模擬群の中央値は高リピノバ群の中央値に近づいたが、これも、その週に特に高い閾値スコアを有する2匹のマウスに起因する可能性がある。
実施例6
この実施例では、上記の実施例5で試験したマウスを、上記の方法で17週間、疼痛と炎症のエンドポイントを減少させるリピノバの効果についてさらに調べた。
異痛症を発症した合計46匹のマウスを以下の治療群に分けた:リピノバ高用量(1.9%)クリーム(12匹のマウス)、リピノバ低用量(0.7%)クリーム(12匹のマウス)、プラセボクリーム(11匹のマウス)、および模擬治療(11匹のマウス)。リピノバおよびプラセボで治療したマウスは、月曜日から金曜日まで綿棒を介して指定されたクリームを1日2回局所塗布と、土曜日と日曜日に1日1回塗布を合計6週間受けた。ホームケージに放出する前に、剃った領域全体をクリームの薄層でコーティングした。模擬治療を受けるマウスは、滅菌PBSで湿らせた綿棒で同じ外陰に同じ時間処置された。
6週間の治療後、治療を中止し、マウスをさらに7週間モニターして、回復が持続したかどうかを決定した。これらの7週間の終わりに、プラセボ群のマウスはプラセボ治療を再開し、模擬群のマウスは1.9%リピノバと1%プラモキシンの併用療法を受けた。マウスはさらに3週間続けられ、その時点で、マウスの大部分が自然に回復したため、試験は中止された。
マウスは、2回の連続した疼痛試験でそれらの疼痛前のベースライン閾値の少なくとも70%に戻ったときに、異痛症から「回復」したと判断された。6週間の治療後、11匹のマウスがリピノバ高用量群で回復したが、他の群で2匹のマウスだけが回復した(図19)。「回復」を最低の疼痛の閾値(治療前の最後の疼痛の閾値)を少なくとも70%改善すると定義した場合にも、同じ結果が得られた。
段階3での治療効果の寿命を評価したところ(図19)、発明者らは、高リピノバ群で治療効果が7週間以上持続することを発見したが、低用量群、模擬群、およびプラセボ群でさらなる回復を見続けた。注目すべきことに、低リピノバ群は、模擬群およびプラセボ群と比較して回復の強化を示し、低用量のリピノバは自然回復を促進するのに役立つ可能性があるが、マウスは高用量を投与されたマウスほど迅速かつ完全には回復しない。
本発明者らはまた、追加の治療法(高用量のリピノバと1%のプラモキシンの組み合わせ)を試験するために第4段階を追加することを試みた。残念ながら、この時点でマウスは自然に回復し始めた。最終的に、本発明者らは、異痛症がマウスにおいて約20週間持続する可能性があり、治療への適用および治療中止の効果の両方を試験するための適切な手段(window)を与えることを見出した。
これらの結果と相関して、本発明者らは、ベースラインスコアのパーセントが、治療期間中およびそれ以降、他のどの群よりもリピノバ高用量群で高かったことを見出した(図20)。治療中、模擬群とプラセボ群のスコアは類似しており、プラセボによる強い影響がないことを示している。
本発明者らは、同じ閾値データを調べる別の方法である改善率スコア(図21)を使用してデータを評価したときに、非常に類似した結果を発見した。この測定値は、開始点(疼痛誘発前)との関連性ではなく、最低スコアに対する改善に注目する。患者の現在の疼痛を評価することはできるが、患者のベースラインが何であるかを必ずしも判断できるとは限らないため、この測定基準は臨床的に意味がある可能性がある。
本発明者らは、C57BL/6Jマウスにおける疼痛閾値と外陰膣PGEレベルとの間の関連を確立した膣PGEレベルが高いほど、より高い疼痛感受性が予測される。そのような発見は、ヒトの研究からの結果と一致していた。培養された初代ヒト外陰線維芽細胞株によって産生されるPGEのレベルは、線維芽細胞は、生検によって収集し、そこから部位で疼痛閾値を予測することができる。本発明者らは、誘発および治療期間を通して生きているマウスに対して週1回外陰膣洗浄を実施し、PGEレベルが、ザイモサン誘発前では最初は低かったが、ザイモサン注射で急激に上昇し、一連の注射の3週目でピークに達することを見出した(図22)。その後、これらのレベルは治療とともに時間とともに減退した。しかしながら、これらのレベルでリピノバ高用量群で低くなる傾向があることを観察したにもかかわらず、治療群間のPGEレベルに有意差はなかった、
全体として、リピノバは1.9%の高用量で、外陰疼痛の転帰を改善し、6週間以内にマウスを疼痛前の閾値に戻すことができる。しかしながら、治療とPGEの外陰膣レベルの減少との間には強い相関関係が存在しない。高用量治療ではレベルが低くなる可能性があることを示唆する傾向があるが、統計的に有意ではない。治療段階では、対照群または低用量のリピノバに有意な改善はなく、これらの各群で回復したのは2匹のマウス(<20%)だけであった。ただし、リピノバ低用量群は、中止段階でプラセボ群および模擬群よりも早く回復した。要するに、これらの結果は、リピノバが外陰部痛のマウスモデルにおける炎症の消散を促進し、疼痛を軽減するのに効果的であることを示唆している。
要約すると、高用量のリピノバ(1.9%)は、月曜日から金曜日に1日2回、土曜日と日曜日に1日1回、局所塗布を受けたマウスのザイモサン誘発性外陰疼痛を劇的に軽減した。この治療は、低用量のリピノバ(0.7%)または対照(プラセボおよび模擬)よりも効果的であった。同じ時点での他の群の<17%の回復と比較して、1.9%のリピノバ(11/12、92%)を投与されたほぼすべてのマウスは、5週間の治療で回復した。時間の経過とともに、低用量リピノバ群(0.7%)のマウスは、特に中止期間中に、プラセボまたは模擬治療マウスと比較して回復の強化を示した。リピノバ治療の効果は、治療中止後8週間以上持続した。PGEレベルは、外陰疼痛の閾値と逆相関しており、より高いPGEレベルは、より低い疼痛閾値に対応し、より大きな疼痛感受性が予測された。治療により、閾値が回復し、疼痛の感受性が低下するにつれて、PGEレベルは、時間の経過とともに低下した。ただし、1.9%リピノバ群ではわずかに低い値であったにもかかわらず、治療群間で有意差は見られなかった。これらの結果は、リピノバクリームがヒトの外陰疼痛を軽減するのに非常に効果的であることを示唆している。
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前述の実施例および好ましい実施形態の記載は、特許請求の範囲によって定義される本発明を限定するものではなく、例示するものとして解釈されるべきである。容易に理解されるように、上記の特徴の多数の変形および組み合わせは、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱することなく利用することができる。そのような変形は、本発明の範囲からの逸脱とは見なされず、そのようなすべての変形は、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本明細書において言及されるすべての参考文献は、その全体が参考により組み込まれる。

Claims (16)

  1. 対象において、外陰膣障害を治療するか、または下部生殖管の過敏(irritation)を減少もしくは予防する方法であって、有効量の炎症収束性(pro-resolving)メディエーターを前記対象の下部生殖管の治療部位に局所的に投与することを含む、方法。
  2. 前記過敏が、生殖管の炎症状態に関連する疼痛または掻痒である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生殖管の炎症状態が、限局性誘発性外陰部痛(LPV)、扁平苔癬、硬化性苔癬、剥離性炎症性膣炎、乳癌に関連する萎縮性外陰膣炎、および慢性掻痒からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記生殖管の炎症状態が、LPVである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記炎症収束性メディエーターが、0.0001mg/kg~100mg/kgで投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記炎症収束性メディエーターが、週に1回、週に2~3回、1日1回、1日2回、または1日3回投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象が二次過敏を引き起こす刺激を受ける前に、前記炎症収束性メディエーターが投与される、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記治療部位が、膣前庭を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記治療部位が、外部外陰(external vulva)、前庭、または膣を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記治療部位が、外部外陰を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記炎症収束性メディエーターが、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンE、マレシン-1、エピ-マレシン-1、リポキシンA、プロテクチンD1、プロテクチンDX、14(S)-ヒドロキシドコサヘキサエン酸(14(S)HDHA)、17(S)-ヒドロキシドコサヘキサエン酸、(17(S)HDHA)、18-ヒドロキシエイコサペンタエン酸酸(18-HEPE)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)、オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、魚油、魚油抽出物、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記炎症収束性メディエーターが、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンD、レゾルビンE、マレシン-1、エピ-マレシン-1、リポキシンA、プロテクチンD1、およびプロテクチンDXからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記混合物が、DHA、14-HDHA、17-HDHA、および18-HEPEを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記対象に第2の治療薬を投与することをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第2の治療薬が、第2の炎症収束性メディエーターである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2の治療薬が、抗菌剤または抗ウイルス剤である、請求項14に記載の方法。
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