本願は、2018年9月30日に中国国家知識産権局に出願された「ワイヤレス充電受信機回路、制御方法、及び端末デバイス」と題する中国特許出願第201811161343.0号に対する優先権を主張しており、その全体が参照により本願に組み込まれる。
技術分野
本願は、ワイヤレス充電の分野、特にワイヤレス充電受信機回路、制御方法、端末デバイスに関連する。
背景
図1は、ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。ワイヤレス充電システムは、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102とを含む。実装において、エネルギはワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102との間で磁気誘導により無線で伝送されることが可能である。例えば、ワイヤレス充電送信機回路101は、交流電源Vs、一次直列共振キャパシタCp、及び一次コイルLpを含み、ワイヤレス充電受信機回路102は、二次コイルLs、二次直列共振キャパシタCs、及び整流回路1021を含む。交流電源Vsは、特定の周波数を有する交流電流を出力する。一次直列共振キャパシタCp及び一次コイルLpは、直列共振を生成し、特定の周波数を有する交流を生成する。この場合、エネルギは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気誘導を介してワイヤレス充電受信機回路102へ無線伝送される。二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsは直列共振を生成し、ある動作周波数を有する交流を発生する。整流回路1021は、動作周波数を有する入力の交流を直流に変換し、負荷RLを駆動する。
一次コイルLpと二次コイルLsとの結合効率は、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離に関係する。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が増加すると、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の結合効率は低下し、その結果、整流回路1021の出力電圧及び出力電力は減少する。
従来技術においてワイヤレス充電受信機回路102の側で整流回路の出力電圧及び出力電力を増加させる方法は、次のとおりである:ワイヤレス充電送信機回路101の側で出力される交流周波数が減少させられ、その結果、ワイヤレス充電受信機回路102の側で整流回路へ入力される交流の動作周波数が減少させられる。これは、伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償する。しかしながら、無線電力伝送プロトコル(wireless power consortium,WPC)を使用するワイヤレス充電システムでは、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数は、限られた調整レンジを有する。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が比較的大きい場合には、ワイヤレス充電受信機回路102の側の整流回路に入力される交流の動作周波数もまた、限られた調整レンジを有する。その結果、ワイヤレス充電受信機回路102の側の整流回路の出力電圧及び出力電力もまた、限られた調整レンジを有する。
本願は、ワイヤレス充電受信機回路における二次コイルと対応するワイヤレス充電送信機回路における一次コイルとの間の伝送距離が比較的大きい場合に、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流電流の動作周波数をある程度調整するためのワイヤレス充電受信機回路を提供する。
更に、本願は、ワイヤレス充電受信機回路を制御するための制御方法、及びワイヤレス充電受信機回路を使用する端末デバイスを更に提供する。
上記目的を達成するために、以下の技術的解決策が本願の実施態様において使用される。
第1態様によれば、本願の実施形態は、N個のキャパシタ・スイッチ網と、整流回路と、コントローラとを含むワイヤレス充電受信機回路を提供し、Nは1以上の整数である。各々のキャパシタ・スイッチ網の第1端部は整流回路の第1入力端部に接続され、各々のキャパシタ・スイッチ網の第2端部は整流回路の第2入力端部に接続される。各々のキャパシタ・スイッチ網は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第1可制御スイッチ・デバイスと、第2可制御スイッチ・デバイスと、グランド点とを含む。グランド点の一方側に位置する第1キャパシタは第1可制御スイッチ・デバイスに直列に接続され、グランド点の他方側に位置する第2キャパシタは第2可制御スイッチ・デバイスに直列に接続される。同じキャパシタ・スイッチ網の中で、第1キャパシタのキャパシタンス値は第2キャパシタのキャパシタンス値に等しいか、又は実質的に等しい。
コントローラはN個の出力端部を含む。N個の出力端部はN個のキャパシタ・スイッチ網に1対1に対応し、各々の出力端部は、対応するキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスの制御端部と、対応するキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスの制御端部とに接続されるように構成される。
コントローラは、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように更に構成されている。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を減少させるように更に構成されている。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
各々のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタ、第2キャパシタ、第1可制御スイッチ・デバイス、及び第2可制御スイッチ・デバイスは直列に接続されることに留意すべきである。
オプションとして、第1キャパシタの一方端が整流回路の第1入力端部に接続され、第1キャパシタの他方端が第1可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端が整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1キャパシタの一方端が整流回路の第1入力端部に接続され、第1キャパシタの他方端が第1可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端が第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端が整流回路の第2の入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1可制御スイッチ・デバイスの一方端は整流回路の第1入力端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端は第1キャパシタの一方端に接続され、第1キャパシタの他方端は第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端は第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端は整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランドは、第1キャパシタの他方端と第2キャパシタの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1可制御スイッチ・デバイスの一方端は整流回路の第1入力端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端は第1キャパシタの一方端に接続され、第1キャパシタの他方端は第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、
第2可制御スイッチ・デバイスの他方端は第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端は整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1キャパシタの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
本願のこの実施形態で提供されるワイヤレス充電受信機回路において、N個のキャパシタ・スイッチ網は並列に接続され、コントローラは、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を制御する。更に、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間に入力される交流電圧の動作周波数が第1周波数閾値より小さい場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、増加するように制御される。動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、減少するように制御される。換言すれば、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、クローズ又はオープンにされるように制御される。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタは、増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流器回路へ入力される交流の動作周波数を、調整することが可能である。従って、本願は、整流回路へ入力される交流の動作周波数を制御するためのシンプルな回路構造を提供する。
第1態様に関し、第1の可能な実装において、コントローラは、整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように更に構成されている。動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように更に構成されている。
この実装において、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、整流回路の出力電力と動作周波数とに基づいて、クローズ又はオープンにされるように調整されることが可能である。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタを、増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流器回路へ入力される交流の動作周波数を調整することができる。
第1態様又は第1態様の第1の可能な実装に関し、第2の可能な実装において、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、iは整数であり、1≦i≦N−1及び1≦K≦10である。この実装は、第1キャパシタのキャパシタンス値と第2キャパシタのキャパシタンス値とをN個のキャパシタ−スイッチ網において設定する方法を提供する。
第1態様、第1態様の第1の可能な実装、又は第2態様の第2の可能な実装に関し、第3の可能な実装において、回路は二次コイルと二次直列共振キャパシタとを更に含む。二次コイルの第1端部は二次直列共振キャパシタの第1端部に接続され、二次直列共振キャパシタの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網の第1端部と整流回路の第1入力端部とに接続され、二次コイルの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網の第2端部と整流回路の第2入力端部とに接続される。二次コイルは、ワイヤレス充電送信機回路の一次コイルに結合されるように構成される。二次直列共振キャパシタと二次コイルとは直列共振を生成する。N個のキャパシタ・スイッチ網、二次直列共振キャパシタ、及び二次コイルは、並列共振を生成する。
第1態様又は第1態様の第1ないし第3の可能な実装のうちの任意の1つに関し、第4の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第1フィルタ・キャパシタを更に含む。前記第1フィルタ・キャパシタの第1端部は整流回路の第1出力端部に接続され、第1フィルタ・キャパシタの第2端部は整流回路の第2出力端部に接続される。整流回路によって出力される直流はクラッタを含む。クラッタが第1フィルタ・キャパシタによってフィルタリングされた後に、直流電流を負荷に供給することが可能である。
第1態様の第4の可能な実装に関し、第5の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路を更に含む。直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1入力端部は、第1フィルタ・キャパシタの第1端部に接続され、
直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2入力端部は、第1フィルタ・キャパシタの第2端部に接続され、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1出力端部は負荷の第1端部に接続され、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2出力端部は負荷の第2端部に接続される。直流/直流電圧ステップ・ダウン回路は、第1フィルタ・キャパシタの2つの端部の間の電圧を減少させ、等価負荷インピーダンスを増加させるように構成される。ワイヤレス充電受信機回路の出力電力が調整される場合に、出力電圧は安定したままであるように要求される。上述したように、並列共振キャパシタのキャパシタンス値が増加する場合、整流回路によって出力される電圧は増加する。この場合、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400(即ち、ワイヤレス充電受信機回路)により出力される電圧が安定的であるように、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路はそれに応じて調整されることを必要とする。
第1態様又は第1態様の第1ないし第5の可能な実装のうちの任意の1つに関し、第6の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第1レジスタと第2レジスタとを更に含む。第1レジスタの第1端部は整流回路の第1出力端部に接続され、第1レジスタの第2端部は第2レジスタの第1端部に接続され、第2レジスタの第2端部は整流回路の第2出力端部に接続され、第2レジスタの第1端部はコントローラの第1入力端部に接続される。第1レジスタと第2レジスタとは整流回路により出力される電圧を測定するように構成される。整流回路によって出力される電圧は、通常、比較的高く、コントローラの入力端部における耐電圧を超える。引出点における電圧は、第1レジスタ及び第2レジスタに対する電圧分配により、コントローラの入力端部における耐電圧よりも低い値に低減される。
第1態様の第5の可能な実装に関し、第7の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、電流サンプリング装置を更に含む。電流サンプリング装置は、第1フィルタ・キャパシタと直流/直流電圧ステップ・ダウン回路との間の正の端部又はグランド端部に位置する。直流サンプリング装置は、コントローラの第2入力端部に接続され、且つ整流回路により出力される電流を測定するように構成される。電流サンプリング装置は、整流回路により出力される電流を測定するように構成されることが可能である。
第1態様の第5の可能な実装に関し、第8の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第2フィルタ・キャパシタを更に含む。
第2フィルタ・キャパシタの第1端部は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1出力端部と負荷の第1端部との間に接続され、第2フィルタ・キャパシタの第2端部は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2出力端部と負荷の第2端部との間に接続される。第2フィルタ・キャパシタは、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路によって出力される電流をフィルタリングするように構成される。
第2態様によれば、本願の実施形態は制御方法を提供する。方法は、第1態様又は第1態様の実装のうちの任意の1つによる回路に適用され、以下のステップ:
整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するステップ、及び
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるステップ、又は
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を減少させるステップを含む。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
第2態様に関し、第1の可能な実装において、方法は、更に以下のステップ:
整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するステップと、
動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであって前記ワイヤレス充電受信機回路に接続される前記キャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるステップとを更に含むことが可能である。
第3態様によれば、本願の実施形態は制御装置を提供する。制御装置は取得ユニットと調整ユニットとを含む。取得ユニットは、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、調整ユニットは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように構成されている。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、調整ユニットは、更に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を減少させるように構成されている。第1周波数閾値は第2の周波数閾値以下である。
第3態様に関し、第1の可能な実装において、取得ユニットは、整流回路によって出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように更に構成される。動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、調整ユニットは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように更に構成されている。
第4態様によれば、本願の実施形態は、端末デバイスを提供する。端末デバイスは、第1態様又は第1態様の可能な実装のうちの任意の1つによるワイヤレス充電受信機回路を含む。
第5態様によれば、本願の実施形態は、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムは、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる制御方法を実施するように、プロセッサによって実行される。
第6態様によれば、本願の実施形態は、制御装置を提供する。制御装置は、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行するように構成される。
第7態様によれば、本願の実施形態は、制御装置を提供する。制御装置は、プロセッサとメモリとを含む。メモリは、プログラムを記憶するように構成される。
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを呼び出して、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行する。
第8態様によれば、本願の実施形態は、コンピュータ・プログラム製品を提供する。コンピュータ・プログラム製品が制御装置上で動作する場合、制御装置は、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行することが可能である。
第9態様によれば、本願の実施形態は、チップ・システムを提供する。チップ・システムはプロセッサを含む。プロセッサは、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。
第10態様によれば、本願の実施形態は、ワイヤレス充電システムを提供する。ワイヤレス充電システムは、第1態様又は第1態様の可能な実装のうちの任意の1つによるワイヤレス充電受信機回路及びワイヤレス充電送信機回路及びを含む。エネルギは、磁気誘導により、ワイヤレス充電受信機回路とワイヤレス充電送信機回路との間で伝送される。
第2態様ないし第10態様で達成される技術的効果については、第1態様及び第1態様の可能な実装で説明されている内容を参照されたい。
ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
他のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態による別のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態による概略的なシミュレーション図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している概略図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している別の概略図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している別の概略図である。
本願の実施形態による端末デバイスの概略的な構造図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態による別のワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態による更に別のワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率と、従来のワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率との比較の概略図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の出力電力と可制御スイッチ・デバイス(例えば、MOSFET)を駆動するための時間シーケンスとの間の関係の概略図である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート1である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート2である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート2である。
本願の実施形態による制御装置の概略的な構造図1である。
本願の実施形態による制御装置の概略的な構造図2である。
図1は、ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。図1に示すように、ワイヤレス充電送信機回路101では、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102では、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとが直列に接続される。図1に示すワイヤレス充電システムでは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離は非常に短い。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が増加するにつれて、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電力は急速に減少する。その結果、ワイヤレス充電受信機回路102のアンチ・オフセット能力は貧弱である。
図2は他のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。図2に示すように、ワイヤレス充電送信機回路101では、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102では、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとが並列に接続される。図2に示すワイヤレス充電システムでは、ワイヤレス充電受信機回路102のアンチ・オフセット能力は、図1に示すワイヤレス充電受信機回路102のものよりも優れているが、並列補償方式では、共振点付近の出力電圧は共振ピークを有し、共振ピークの電圧変化率は比較的高いので、出力電圧を安定的に制御することは困難である。
図3に示すように、本願の実施形態は、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102とを含むワイヤレス充電システムを提供する。エネルギは、磁気誘導により、ワイヤレス充電受信機回路とワイヤレス充電送信機回路との間で伝送される。本願のこの実施形態では、ワイヤレス充電送信機回路101において、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102において、二次コイルLsが二次直列共振キャパシタCsに直列に接続され、且つ並列共振キャパシタCdに並列に接続される。ワイヤレス充電送信機回路101の一次コイルLpとワイヤレス充電受信機回路102の二次コイルLsとの間の伝送距離が増加する場合には、先ず、先行技術の方法が使用される。伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償するために、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力は減少させられる。ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力が減少すると、結合中のワイヤレス充電受信機回路102の側の動作周波数が減少する。
結合中に、ワイヤレス充電受信機回路102の側の動作周波数がある程度低下したことが検出された場合、即ち、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が比較的大きな値になると、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力を更に低下させることができない。この場合、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が増加させられ、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧を増加させ、ワイヤレス充電送信機回路101の一次コイルLpとワイヤレス充電受信機回路102の二次コイルLsとの間の伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路の出力電圧の減少を防止する。
並列共振キャパシタCdの回路への実際の影響をより良くシミュレートするために、図3に基づいて、図4のワイヤレス充電システムは、更に、ワイヤレス充電送信機回路101の側にあるレジスタRpと、一次磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkpと、ワイヤレス充電受信機回路102の側にあるレジスタRsと、二次磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLksと、フィルタ・キャパシタCfとを含む。例えば、整流回路1021は、4つのダイオードを含む整流ブリッジである。この場合、ワイヤレス充電受信機回路102の負荷は、非線形負荷である。シミュレーションは、図4に示す原理図に基づいて実行され、概略的なシミュレーション図が図5に示されている。シミュレーション結果は、ワイヤレス充電送信機回路101の側にあるライン電流i1及び交流電源Vsの電圧を含む。図5は、更に、ワイヤレス充電受信機回路102内の並列共振キャパシタCdの端子電圧Vd(即ち、整流回路1021への電圧入力)、ワイヤレス充電受信機回路102の側におけるライン電流i2、及び整流回路1021へ入力される電流i3を示しており、端子電圧Vd、ライン電流i2、及び電流i3は、並列共振キャパシタCdが共振に関与した後に得られる。並列共振キャパシタCdの端子電圧V2は交流電圧であり、V2は特定の位相差だけ電源の電圧V1より遅れる。ワイヤレス充電受信機回路102の側のライン電流i2は、近似的に正弦波電流である。整流回路1021へ入力される電流i3は、i2の一部である。
ワイヤレス充電システムの出力電圧に影響を与える要因は、ワイヤレス充電受信機回路102の動作周波数Fs、負荷RL、及び一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離を含む。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLKは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離の増加と共に増加する。従って、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離は、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLKで置換されることが可能である。
図6は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している概略図である。この場合、負荷RLは10オームであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは7uHであり、動作周波数Fsは140KHz、145KHz、及び150KHzである。より高い動作周波数Fsは、ワイヤレス充電受信機回路102のより低い出力電圧を示すことが分かる。更に、出力電圧は並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って先ず増加し、次いで減少することを、図6から更に学ぶことができる。言い換えれば、各々の動作周波数Fsの曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間を含んでいる。単調に増加する区間[0,MAX 1]は、すべての動作周波数Fsの曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図7は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している別の概略図である。この場合、負荷RLは10オームであり、動作周波数Fsは145KHzであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは3 uH、5uH、及び7uHである。より高い磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLK(即ち、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102との間のより長い距離、又は一次コイルLpと二次コイルLsとの間のより長い距離)は、ワイヤレス充電受信機回路102のより低い出力電圧を示すことを、図7から学ぶことができる。図7に示すように、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って、出力電圧は先ず増加し、次いで減少することが容易に分かる。言い換えれば、各々の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLk曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間とを含む。単調に増加する区間[0,MAX 2]は、すべての磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLk曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図8は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している別の概略図である。この場合、動作周波数Fsは145KHzであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは7uHであり、負荷RLは10オーム、15オーム、20オームである。より高い負荷RLは、ワイヤレス充電受信機回路102のより高い出力電圧を示すことを、図8から学ぶことができる。図8に示されるように、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って、出力電圧は、先ず増加し、次いで減少することを、容易に学ぶことができる。言い換えれば、各々の負荷RL曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間とを含む。単調に増加する区間[0, MAX 3]は、すべての負荷RL曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図6から図8を参照すると、単調に増加する間隔[0,MAX 1]、[0,MAX 2]、及び[0,MAX 3]の交わり[0,MAX]が、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値を制御するために使用される単調に増加する区間として使用されることが可能であり、MAXは、プリセット・キャパシタンス閾値として使用されてもよいことを学ぶことができる。並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が単調に増加する区間[0, MAX]内に入ると、出力電圧は、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加とともに常に単調に増加する。ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧は、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って増加することが可能である。ただし、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が、増加するプロセスにおいて、プリセット・キャパシタンス閾値MAXを超えないことを条件とする。
既存の調節可能なキャパシタ・デバイスのキャパシタンス値の調整レンジは比較的小さい。従って、並列共振キャパシタCdは、並列に接続された複数のサブ・キャパシタC1ないしCnと等価であるとすることが可能である。このように、各々のサブ・キャパシタのキャパシタンス値は制限されないことが可能であり、等価並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は、大きなレンジで調整されることが可能である。従って、各サブ・キャパシタC1ないしCnは、各々の可制御スイッチ・デバイスS1ないしSnに直列に接続される。並列に接続されたサブ・キャパシタC1ないしCnの量は、クローズ又はオープンにされる可制御スイッチ・デバイスS1ないしSnを制御することによって制御され、等価な並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値を調整する。しかしながら、図5に示すように、並列共振キャパシタCdの端子電圧V2は交流電圧であるので、1つの可制御スイッチ・デバイスは半周期でのみクローズ又はオープンにされることが可能であり、回路バランス効果が考慮される。更に、図10に示すように、各キャパシタC1ないしCnは、更に、キャパシタが直列に接続され且つ同じキャパシタンス値を有するキャパシタ対、例えば(C1,C1’),...,(Cn,Cn’)と等価である。更に、各キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されてるか否かは、1つの可制御スイッチ・デバイスをクローズ又はオープンにするように制御することによって、依然として制御される。例えば、キャパシタC1がワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否かは、可制御スイッチ・デバイスS1をクローズ又はオープンにするように制御することによって制御され、キャパシタC1’がワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否かは、可制御スイッチ・デバイスS1’をクローズ又はオープンにするように制御することによって制御される。なお、可制御スイッチ・デバイスS1及びS1’の駆動信号は一緒につながっており、従って、キャパシタC1及びC1’がワイヤレス充電受信機回路に同時に接続されるかどうかを制御することができることに留意すべきである。同様の制御方法が、他のキャパシタ(C2,C2’),...,(Cn,Cn’)に使用されてもよい。
「キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否か」は、キャパシタに対応する可制御スイッチ・デバイスがクローズにされる場合に、キャパシタはワイヤレス充電受信機回路に接続されること、或いはキャパシタに対応する可制御スイッチ・デバイスがオープンにされる場合に、キャパシタはワイヤレス充電受信機回路に接続されていないことを意味する。キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続される場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作キャパシタの一部であり、従って、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び動作周波数に影響を及ぼすことが可能である。キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されない場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作キャパシタの一部ではなく、従って、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び動作周波数に影響を及ぼさない。この場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作に関与しないか、又は事実上関与しない。
説明を容易にするために、本願の実施態様においては、第1端部、第1入力端部、又は第1出力端部は、添付図面において第1端部、第1入力端部、又は第1出力端部が属するデバイス又は回路において数字「1」によって表現され、第2端部、第2入力端部、又は第2出力端部は、添付図面において第2端部、第2入力端部、又は第2出力端部が属するデバイス又は回路において数字「2」によって表現されている。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路は、端末デバイスに適用されてもよい。端末デバイスは、ワイヤレス通信機能を有するハンドヘルド・デバイス、車載デバイス、ウェアラブル・デバイス、又はコンピューティング・デバイス、又はワイヤレス・モデムに接続された別の処理デバイスを含む。端末デバイスは、代替的に、加入者ユニット(subscriber unit)、セルラー電話(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、ワイヤレス・データ・カード、パーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant,PDA)コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ワイヤレス・モデム(modem)、ハンドヘルド(handheld)デバイス、ラップトップ・コンピュータ(laptop computer)、コードレス電話(cordless phone)、無線ローカル・ループ(wireless local loop,WLL)ステーション、マシン・タイプ・コミュニケーション(machine type communication,MTC)端末、ユーザー装置(user equipment,UE)、移動局(mobile station,MS)、端末デバイス(terminal device)、中継装置(relay equipment)等を含むことが可能である。中継装置は、例えば、5G住宅用ゲートウェイ(residential gateway,RG)又は無線リレー(radio relay)であってもよい。
図9は、本願の実施形態による端末デバイスの概略的な構造図である。図9において、端末デバイスが携帯電話であることは、携帯電話の汎用ハードウェア・アーキテクチャを説明するための例として使用されている。
携帯電話900は、無線周波数(radio frequency,RF)回路910、メモリ920、別の入力デバイス930、ディスプレイ940、センサー950、オーディオ回路960、I/Oサブシステム970、プロセッサ980、及び電源990のような構成要素を含むことができる。当業者は、図に示す携帯電話の構造が、携帯電話に関する如何なる限定も構成せず、図示されているものよりも多い又は少ない構成要素を含んでもよいこと、幾つかの構成要素は組み合わせられてもよいこと、一部の構成要素は分割されてもよいこと、或いは異なる構成要素の配置が使用されてもよいことを理解することができる。当業者は、ディスプレイ940がユーザー・インターフェース(user interface,UI)であること、ディスプレイ940はディスプレイ・パネル941及びタッチ・パネル942を含んでもよいことを理解することができる。図示されていないが、携帯電話は、カメラ及びブルートゥース・モジュールのような機能モジュール又は構成要素を更に含んでもよい。詳細はここでは説明されない。
更に、プロセッサ980は、RF回路910、メモリ920、オーディオ回路960、I/Oサブシステム970、及び電源990に接続される。I/Oサブシステム970は、別の入力デバイス930、ディスプレイ940、及びセンサー950に接続される。RF回路910は、情報の受信及び送信プロセス又は呼プロセスにおいて信号を受信及び送信するように構成されてもよい。特に、RF回路910は、ネットワーク側からダウンリンク情報を受信し、次いで、処理のためにダウンリンク情報をプロセッサ980に送信する。メモリ920は、ソフトウェア・プログラム及びソフトウェア・モジュールを記憶するように構成されてもよい。プロセッサ980は、メモリ920に記憶されたソフトウェア・プログラム及びソフトウェア・モジュールを実行し、携帯電話の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、本願の実施形態では端末デバイスによって実行される方法及び機能を実行する。別の入力デバイス930は、入力されたデジタル又はキャラクタ報を受信し、携帯電話のユーザー設定及び機能制御に関連するキーボード信号入力を生成するように構成されてもよい。ディスプレイ940は、ユーザーによって入力された情報又はユーザーに提供された情報及び携帯電話の様々なメニューを表示するように構成されることが可能であり、更にユーザー入力を受けることが可能である。センサー950は、光学センサー、運動センサー、又は別のセンサーであってもよい。オーディオ回路960は、ユーザーと携帯電話との間のオーディオ・インターフェースを提供することができる。I/Oサブシステム970は、外部入力/出力デバイスを制御するように構成され、外部デバイスは、入力コントローラ、センサー・コントローラ、及び他のデバイスのディスプレイ・コントローラを含んでもよい。プロセッサ980は、携帯電話200の制御センターである。プロセッサ980は、様々なインターフェース及びケーブルを介して、携帯電話全体の各部分に接続される。更に、プロセッサ980は、携帯電話900の様々な機能を実行し、メモリ920に記憶されているソフトウェア・プログラム及び/又はモジュールを動作させ又は実行し、メモリ920に記憶されているデータを呼び出すことによってデータを処理し、携帯電話上で全体的なモニタリングを実行する。
電源990は、本願の実施形態では、バッテリ及びワイヤレス充電受信機回路を含む可能性がある。電源990は、前述の構成要素に電力を供給するように構成される。好ましくは、電源は、電力管理システムによりプロセッサ980に論理的に接続され、電力管理システムにより充電管理、放電管理、及び電力消費管理などの機能を実施することができる。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の場合、負荷RLは、電源990以外の端末デバイスの構成要素及びバッテリを含む。ワイヤレス充電受信機回路は、ワイヤレス充電送信機回路からエネルギを取得し、電力を負荷RLに供給することができる。
図10は、本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。ワイヤレス充電受信機回路は、N個のキャパシタ・スイッチ網200と、整流回路300と、コントローラCTRLとを含み、Nは1以上の整数である。説明を明確化のために、本願の実施形態における添付図面は、具体例として複数のキャパシタ・スイッチ網200を示しているが、複数のキャパシタ・スイッチ網200の使用を限定するようには意図されていないことに留意すべきである。
各キャパシタ・スイッチ網200の第1端部は、整流回路300の第1入力端部に接続される。各キャパシタ・スイッチ網200の第2端部は、整流回路300の第2入力端部に接続される。具体的に言えば、少なくとも2つのキャパシタ・スイッチ網200がある場合に、キャパシタ・スイッチ網200は並列に接続される。換言すれば、全てのキャパシタ・スイッチ網200の第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、全てのキャパシタ・スイッチ網200の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続される。
例えば、整流回路300は、図10に示す4つのダイオード(D1ないしD4)を含む整流ブリッジとして実現されるか、あるいは別の方法で実装されてもよく、例えば集積整流チップとして実装されてもよい。これは本願で限定されない。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、第1フィルタ・キャパシタCf1を更に含む。整流回路300の第1出力端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部に接続され、整流回路300の第2出力端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第2端部に接続される。整流回路300による直流出力は、クラッタを含む。クラッタが第1フィルタ・キャパシタCf1によってフィルタリングされた後、直流電流を負荷RLに供給することができる。
以下、n番目(1≦n≦N)のキャパシタ・スイッチ網200を例として使用することによって、キャパシタ・スイッチ網200の動作原理を説明する。
キャパシタ・スイッチ網200は、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、第2可制御スイッチ・デバイスSn’、及びグランド点Mを含む。グランド点Mは、整流回路300のグランド端部GNDに接続されてもよい。グランド点Mの一方側に位置する第1キャパシタCnは、第1可制御スイッチ・デバイスSnに直列に接続され、グランド点Mの他方側に位置する第2キャパシタCn’は、第2可制御スイッチ・デバイスSn’に直列に接続される。同じキャパシタ・スイッチ網200において、第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、第2キャパシタCn’のキャパシタンス値に等しい。第1キャパシタCn及び第2キャパシタCn’に対する制限は、キャパシタ・スイッチ網200内のグランド点Mにおける電位が0であることを保証し、そうでなければ、不均衡による電流がグランド点Mに生じる。
同一のキャパシタ・スイッチ網200において、第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、第2キャパシタCn’のキャパシタンス値に等しい。異なるキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、相違していてもよい。可能な実装において、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第2キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第2キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、ここで、iは整数であり、1≦i≦N−1であり、1≦K≦10である。例えば、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Ki+1であり、aは比例係数である。例えば、Kは2であってもよい。
例えば、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、図10に示すような方法で直列に接続される。第1キャパシタCn、第1可制御スイッチ・デバイスSn、第2可制御スイッチ・デバイスSn’、第2キャパシタCn’は、順に直列に接続され、キャパシタ・スイッチ網200内のグランド点Mは、第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’との間に位置する。第1キャパシタCnの第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部は第1可制御スイッチ・デバイスSnの第1端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第2キャパシタCn’の第1端部に接続され、第2キャパシタCn’の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続され、及び第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部と第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部との間の共通の接続点は接地される。
例えば、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、図11に示す別の方法で直列に接続される。第1可制御スイッチ・デバイスSn、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、順に直列に接続され、キャパシタ・スイッチ網200’内のグランド点Mは、第1キャパシタCnと第2キャパシタCn’との間に位置する。第1可制御スイッチ・デバイスSnの第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第1キャパシタCnの第1端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部は第2キャパシタCn’の第1端部に接続され、第2キャパシタCn’の第2端部は第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部と第2キャパシタCn’の第1端部との間の共通の接続点は接地される。
(第1可制御スイッチ・デバイスSn又は第2可制御スイッチ・デバイスSn’によらず)可制御スイッチ・デバイスは、制御端部を含む。可制御スイッチ・デバイスの制御端部が第1レベルにある場合に、可制御スイッチ・デバイスは閉じられる。可制御スイッチ・デバイスの制御端部が第2レベルにある場合に、可制御スイッチ・デバイスは開かれる。可制御スイッチ・デバイスは、異なるレベルの信号を制御端部に入力するように制御することによって、クローズ又はオープンにされるように制御されることが可能である。
例えば、第1可制御スイッチ・デバイスSn及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、それぞれ、図10又は図11に示すN型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor,MOSFET)として実現される。MOSFETのG端部は制御端部である。第1レベル信号がMOSFETのG端部に入力されると、MOSFETのS端部及びD端部はクローズにされる。第2レベル信号がMOSFETのG端部に入力されると、MOSFETのS端部及びD端部はオープンにされる。第1レベルは高レベルであり、第2レベルは低レベルである。代替的に、可制御スイッチ・デバイスは、別の方法で実現されてもよく、例えばP型MOSFETとして実現されてもよいことに留意すべきである。相応して調整された後に、回路は本願の実施形態に適用されることが可能である。従って、可制御スイッチ・デバイスの具体的な実装は本願において限定されない。
コントローラCTRLはN個の出力端部を含む。N個の出力端部はN個のキャパシタ・スイッチ網に1対1に対応し、各々の出力端部は、対応するキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnの制御端部と、対応するキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスSn’の制御端部とに接続されるように構成される。例えば、コントローラCTRLのn番目の出力端部は、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnの制御端部と、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスSn’の制御端部とに接続され、ここで、1≦n≦Nである。n番目の出力端部が第1レベルを出力すると、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがクローズにされ、その結果、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタCnと第2キャパシタCn’とがワイヤレス充電受信機回路に接続され、並列に接続されたキャパシタのキャパシタンス値は増加する。n番目の出力端部が第2レベルを出力すると、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがオープンにされ、その結果、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタCnと第2のキャパシタCn’とが回路から切り離され、並列に接続されたキャパシタのキャパシタンス値は減少する。
コントローラCTRLは、キャパシタ・スイッチ網200とグランド点を共有することができる。従って、駆動のための電源を追加する必要がなく、また、絶縁のために電源供給を補助する必要もなく、回路設計を単純化することができる。
コントローラCTRLは、整流回路300の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成されている。例えば、コントローラCTRLは、特定用途向け集積回路(integrated circuit,IC)を介して動作周波数を取得することができる。
動作周波数が第1周波数閾値未満であり、かつN個のキャパシタ・スイッチ網200におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されている第1キャパシタCn及び第2キャパシタCn’のキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値MAX未満である場合、コントローラCTRLは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各キャパシタ・スイッチ網200における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網200におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されているキャパシタのキャパシタンス値を増加させる。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合、コントローラCTRLは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各キャパシタ・スイッチ網200における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されているキャパシタのキャパシタンス値を減少させる。第1周波数閾値は第2の周波数閾値以下である。
コントローラCTRLは比例積分計算器を含む可能性がある。動作周波数とプリセット周波数閾値との間の比較結果を得るために、動作周波数とプリセット周波数閾値との間の差分は比例積分計算器に入力される。
上述したように、伝送距離が増加すると、伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償するために、ワイヤレス充電送信機回路101の側で出力される交流周波数が低減する可能性がある。この場合、ワイヤレス充電受信機回路102の側の共振動作周波数も減少する。ワイヤレス充電送信機回路101の側における交流周波数の調整レンジは制限され、ワイヤレス充電受信機回路102の側における共振動作周波数の調整レンジも制限される。従って、
動作周波数が第1周波数閾値を下回る値に低下した場合には、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は増やされるように制御され、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び出力電力の減少を補償するか、或いは動作周波数が第2周波数閾値を上回る値に上昇した場合には、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は減らされるように制御され、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び出力電力が過剰に高くなることを防止する。
可能な実装において、コントローラは、各キャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値の順に、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御することができる。例えば、上述したように、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Ki+1であると仮定される。キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されている第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値が増やされる前に、コントローラの1番目の出力端部からi番目の出力端部まではすべて第1レベルを出力し、コントローラの(i+1)番目の出力端部からN番目の出力端部まではすべて第2レベルを出力する。
キャパシタンス値が増やされる前述の条件が満たされると、コントローラの1番目の出力端部から(i+1)番目の出力端部までは第1レベルを出力し、コントローラの(i+2)番目の出力端部からN番目の出力端部までは第2レベルを出力する。
代替的に、別の可能な実装において、コントローラは、最小キャパシタンス・ステップ・モードにおいて、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御することができる。例えば、上述したように、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はa*Ki+1であると仮定される。キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続される第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値が増やされる前に、コントローラのi番目の出力端部は第1レベルを出力し、コントローラの他のすべての出力端部は第2レベルを出力する。キャパシタンス値が増やされる前述の条件が満たされると、コントローラの1番目の出力端部及びi番目の出力端部は第1レベルを出力し、コントローラの他のすべての出力端部は第2レベルを出力する。
並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値をその都度変化させるために使用される上述の制御方法は限定されないことに留意すべきである。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、更に、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとを含む。二次コイルLsの第1端部は、二次直列共振キャパシタCsの第1端部に接続され、二次直列共振キャパシタCsの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網200の第1端部と整流回路300の第1入力端部とに接続される。二次コイルLsの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網200の第2端部と整流回路300の第2入力端部とに接続される。
二次コイルLsは、ワイヤレス充電送信機回路の一次コイルに結合されるように構成される。二次直列共振キャパシタCsと二次コイルLsとは直列共振を生成する。N個のキャパシタ・スイッチ網200、二次直列共振キャパシタCs、及び二次コイルLsは、並列共振を生成する。
本願のこの実施形態で提供されるワイヤレス充電受信機回路では、N個のキャパシタ・スイッチ網は並列に接続され、コントローラは、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を制御する。更に、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間に入力される交流電圧の動作周波数が、第1周波数閾値未満である場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、増加するように制御される。動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、減少するように制御される。換言すれば、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイス及び第2可制御スイッチ・デバイスは、クローズ又はオープンにされるように制御される。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタは増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流の動作周波数を調整することができる。従って、本願は、整流回路に入力される交流の動作周波数を制御するためのシンプルな回路構造を提供する。
オプションとして、図12に示すように、ワイヤレス充電受信機回路は、直流/直流(direct current/direct current,DC/DC)電圧ステップ・ダウン回路400を更に含んでもよい。
DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1入力端部は第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2入力端部は第1フィルタ・キャパシタCf1の第2端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1出力端部は負荷RLの第1端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2出力端部が負荷RLの第2端部に接続される。DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400は、第1フィルタ・キャパシタCf1の2つの端部の間の電圧を減少させ、等価負荷インピーダンスを増加させるように構成される。
ワイヤレス充電受信機回路の出力電力が調整される場合に、出力電圧は安定したままであるように要求される。上述のように、並列共振キャパシタのキャパシタンス値が増やされる場合に、整流回路300による電圧出力は増やされる。この場合、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400(すなわち、ワイヤレス充電受信機回路)による電圧出力が安定するように、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400は、相応に調整されることを必要とする。
オプションとして、図12に示されるように、ワイヤレス充電受信機回路は、第1レジスタR1と第2レジスタR2とを更に含んでもよい。
第1レジスタR1の第1端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部とDC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1入力端部との間に接続され、且つ整流回路300の第1出力端部に接続され、第1レジスタR1の第2端部は、第2レジスタR2の第1端部に接続され、第2レジスタR2の第2端部は、整流回路300の第2出力端部に接続される。第2レジスタR1の第1端部は、コントローラCTRLの第1入力端部に接続される。第1レジスタR1及び第2レジスタR2は、整流回路300によって出力される電圧V3を測定するように構成される。
第1レジスタR1の第2端部と第2レジスタR1の第1端部との間のリード・アウト・ポイントにおける電圧Vxは、Vx=V3*R2/(R1+R2)である。逆に、整流回路300によって出力される電圧V3は、V3=Vx*(R1+R2)/R2に従って導出されてもよい。整流回路300によって出力される電圧V3は、通常、比較的高く、コントローラCTRLの入力端部における耐電圧を超えるので、電圧V3は、電圧分割によって測定されることに留意すべきである。リード・アウト点の電圧は、第1レジスタ及び第2レジスタに対する電圧配分により、コントローラCTRLの入力端部における耐電圧よりも低い値に減らされる。
オプションとして、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400がフィルタ・キャパシタを含まない場合、ワイヤレス充電受信機回路は、第2フィルタ・キャパシタCf2を更に含んでもよい。第2フィルタ・キャパシタCf2の第1端部は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1出力端部と負荷RLの第1端部との間に接続され、第2フィルタ・キャパシタCf2の第2端部は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2出力端部と負荷RLの第2端部との間に接続される。第2フィルタ・キャパシタCf2は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400によって出力される電流をフィルタリングするように構成される。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、電流サンプリング装置CuSaを更に含むことができる。電流サンプリング装置CuSaは、第1フィルタ・キャパシタCf1とDC/DC電圧ステップ・ダウン回路400との間の正の端部又はグランド端部に位置する。電流サンプリング装置CuSaは、コントローラCTRLの第2入力端部に接続され、整流回路300によって出力される電流i4を測定するように構成される。電流サンプリング装置CuSaは、レジスタの2つの端部の間の電圧降下の、レジスタの抵抗値に対する比率に基づいて、電流を測定することができる。
整流回路により出力される電圧V3及び電流i4を測定する別の方法が存在し得ることに留意すべきである。これは本願で限定されない。
コントローラCTRLは、更に、
整流回路により出力される電圧V3と電流i4を取得し、電圧V3と電流i4に基づいて出力電力P=V3*i4を取得し、
動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように構成されていてもよい。
N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させる具体的な方法については、前述の説明を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
本実施形態では、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、整流回路の出力電力及び動作周波数に基づいて、クローズ又はオープンにされるように調整されることが可能である。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタを増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流の動作周波数を調整することができる。
図13は、本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率と、従来のワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率との比較の概略図である。逸脱とは、一次コイル又は二次コイルが位置する平面に対して平行又は垂直な平面における、一次コイルと二次コイルとの間の伝送距離の変化をいう。例えば、図13では、垂直面において伝送距離は5mmのままであり、平行面において伝送距離は0mmから徐々に増やされることが、説明例として使用されている。各々の偏差距離に関して、本解決策の伝送効率は、従来の解決策の伝送効率よりも高く、約10%増加していることを、学ぶことができる。更に、一次コイル又は二次コイルが位置する平面と平行な平面に対して偏差が8mmに達する場合でも依然として、特定の伝送効率を保証することが可能である。しかしながら、従来の解決策は、偏差が5mmである場合に、伝送を実行することはできない。
図14は、本願の実施形態による、可制御スイッチ・デバイス(例えば、MOSFET)を駆動するための時間シーケンスと、ワイヤレス充電受信機回路の出力電力との関係の概略図である。水平座標はミリ秒(ms)で時間を表す。S1/S1’は第1キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS1及び第2可制御スイッチ・デバイスS1’の制御時間シーケンスを表し、S2/S2’は第2キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS2及び第2可制御スイッチ・デバイスS2’の制御時間シーケンスを表し、S3/S3’は第3キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS3及び第2可制御スイッチ・デバイスS3’の制御時間シーケンスを表す。第1キャパシタ・スイッチ網ないし第3キャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタ又は第2キャパシタのキャパシタンス値は、順次増加している。GはS3/S3’、S2/S2’、S1/S1’のバイナリ・コードに対応する10進コードを表す。S1/S1’はバイナリ・コードの最下位ビットに対応し、S3/S3’はバイナリ・コードの最上位ビットに対応する。例えば、S3/S3’は1であり、S2/S2’は0であり、S1/S1’は1であると仮定すると、バイナリ・コードを101であり、対応する10進コードGは5である。V_outはワイヤレス充電受信機回路により出力された電圧を表し、i_outはワイヤレス充電受信機回路により出力された電流を表す。この制御方法は、実際には次のようになる:コントローラは、最小キャパシタンス・ステップ・モード(バイナリ形式)において、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御する。
図14から、ワイヤレス充電受信機回路が正常に動作すると、V_outは約5.5Vで安定したままになり得ることを、学ぶことができる。Gの値は経時的に徐々に増加し、ワイヤレス充電受信機回路に接続された並列共振キャパシタのキャパシタンス値は経時的に徐々に増加し、i_outは経時的に徐々に増加する。V_outが安定すると、ワイヤレス充電受信機回路の出力電力も徐々に増加する。
本願における上記の回路構造は、更に、偏差の中で正常に動作し、偏差の中で正常に始まり、様々な動作周波数においてデバイスに互換性を提供すること等を行うことができる。
本願の実施形態は制御方法を提供する。制御方法はワイヤレス充電受信機回路に適用される。図15に示されるように方法は以下のステップを含む。
S1501:整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得する。
S1502:動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させる。
S1503:動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を減少させる。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
オプションとして、図16A及び図16Bに示されるように、方法は以下のステップを更に含むことができる。
S1504:整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得する。
S1505:動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させる。
制御方法の詳細については、コントローラの上記内容を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
本願の実施形態は制御装置を更に提供する。制御装置は、前述の実装におけるコントローラの機能を実行するように構成されてもよい。本願の実施形態において、制御装置は、前述の方法例に基づいて機能モジュールに分割されてもよい。例えば、各々の機能モジュールは、各々の対応する機能に基づいて分割によって得られてもよいし、又は2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、又はソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本願では、モジュールへの分割は一例であって単なる論理的な関数分割であり、実際の実装では分割である可能性がある。
各々の機能モジュールが、対応する機能各々に基づいて分割によって得られる場合に、図17は、前述の実施形態における制御装置の可能な構造の概略図である。制御装置17は、取得ユニット1711及び調整ユニット1712を含んでもよい。前述のユニットは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。本願で提供される制御装置は、コントローラの機能を実行するように構成される。従って、制御装置の対応する特徴及び制御装置によって達成され得る有益な効果については、前述の対応する実装で説明されている有益な効果を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
例えば、取得ユニット1711は、図15のプロセスS1501や、図16(A)及び図16(B)のプロセスS1501及びS1504を実行するために制御装置17をサポートするように構成される。調整ユニット1712は、図15のプロセスS1502及びS1503、又は図16A及び図16BのプロセスS1502、S1503、及びS1505を実行するために制御装置17をサポートするように構成される。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関連する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されることが可能である。詳細はここで再び説明されない。
可能な実装において、取得ユニット1711は、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように構成される。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであって前記ワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を減少させるように構成される。第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
可能な実装において、
取得ユニット1711は、更に、整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように構成される。
動作周波数が前記第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を増加させるように更に構成される。
図18は、前述の実施形態における制御装置の別の可能な構造の概略図である。制御装置18は、処理モジュール1822及び通信モジュール1823を含む。オプションとして、制御装置18は、ストレージ・モジュール1821を更に含んでもよい。前述のモジュールは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。
可能な方法において、処理モジュール1822は、制御装置18の動作を制御及び管理するように、又は対応する処理機能を実行するように、例えば取得ユニット1711及び調整ユニット1712の機能を実行するように構成される。通信モジュール1823は、他のデバイスと通信するために制御装置18をサポートするように構成される。ストレージ・モジュール1821は、制御装置のプログラム・コード及び/又はデータを記憶するように構成される。
処理モジュール1822は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit,CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array,FPGA)、又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、トランジスタ・ロジック・デバイス、ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせのような、プロセッサ又はコントローラであってもよい。処理モジュール1822は、本願で開示されるコンテンツに関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装又は実行してもよい。プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。通信モジュール1823は、ネットワーク・インターフェース、通信インターフェース等であってもよい。ストレージ・モジュール1821はメモリであってもよい。
可能な方法において、処理モジュール1822は図9のプロセッサ980であってもよく、通信モジュール1823は図9のRF回路910であってもよく、ストレージ・モジュール1821は図9のメモリ920であってもよい。1つ以上のプログラムはメモリに記憶される。1つ以上のプログラムは命令を含む。この命令が制御装置によって実行されると、制御装置は、図15、図16A、及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、更に、プロセッサ及びメモリを含む制御装置を提供する。メモリはプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを呼び出して、制御装置が図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、更に、1つ以上のプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータ記憶媒体はコンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムがプロセッサによって実行されると、制御装置は、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、命令を含むコンピュータ・プログラム製品を更に提供する。コンピュータ・プログラム製品が制御装置上で実行される場合に、制御装置は、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態はチップ・システムを提供する。チップ・システムは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成されたプロセッサを含む。例えば、制御装置は、第1指示情報と第2指示情報とに基づいて、データ・ストリームを使用することによって互いに通信する送信エンドと受信エンドとを決定する。第1指示情報は第1デバイスが送信エンドであることを示すために使用され、且つ第2指示情報は第2デバイスが受信エンドであることを示すために使用されるか、又は第1指示情報は第1デバイスが受信エンドであることを示すために使用され、且つ第2指示情報は第2デバイスが送信エンドであることを示すために使用される。データ・ストリームは、データ・ストリームを識別する第1情報を含む。第1情報は、データ・ストリームを使用することによってデータを送信するための送信エンドを示すために使用され、更に、データ・ストリームを使用することによってデータを受信するための受信エンドを示すために使用される。制御デバイスはデータ・ストリームの帯域幅情報を取得する。制御デバイスは、データ・ストリームに関する情報を送信し、帯域幅情報を送信する。データ・ストリームに関する情報は、送信エンドのポート識別子、及び受信エンドのポート識別子の少なくとも1つを示すために使用される。送信エンドのポート識別子、受信エンドのポート識別子、及び帯域幅情報は、データ・ストリームを作成するために使用される。可能な設計において、チップ・システムはメモリを更に含む。メモリは、端末デバイスに必要なプログラム命令とデータを記憶するように構成される。チップ・システムは、チップと集積回路とを含んでもよいし、又はチップと別の個別デバイスとを含んでもよい。これは本願の実施態様において具体的に限定されない。
本願で提供される制御装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータ・プログラム製品、及びチップ・システムは全て、コントローラにより実行される前述の制御方法を実行するように構成される。従って、制御装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータ・プログラム製品、及びチップ・システムによって達成されることが可能な有益な効果については、前述の実装における有益な効果を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
前述のプロセスのシーケンス番号は、本願の実施態様における実行シーケンスを意味していないことが理解されるべきである。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能及び内部論理に従って決定されるべきであり、本願の実施態様の実装プロセスに対する何らかの限定として解釈されるべきではない。
当業者は、本明細書で開示される実施形態で説明される例との組み合わせにおいて、ユニット及びアルゴリズム・ステップは、電子ハードウェア又はコンピュータ・ソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実現される可能性があることを認識することができる。機能がハードウェア又はソフトウェアによって実行されるかどうかは、特定のアプリケーション及び技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者は、各々の特定の用途について、説明された機能を実現するために様々な方法を使用することが可能であるが、その実現は本願の範囲を超えている、と考えられるべきではない。
便宜上及び簡潔な説明の目的で、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照されたいということは、当業者によって明確に理解されることが可能であり、詳細はここで再び説明されない。
本願で提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、デバイス、及び方法は、他の方法で実施されてもよいことは理解されるはずである。例えば、説明されるデバイスの実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単なる論理な機能分割であり、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素は、別のシステムに結合又は統合されてもよいし、或いは幾つかの特徴は、無視されるか又は実行されなくてもよい。更に、図示又は説明された相互の結合、直接的な結合、又は通信接続は、幾つかのインターフェースを介して実現されてもよい。デバイス又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形式で実現されることが可能である。
別個のパーツとして説明されるユニットは物理的に別々であってもなくてもよいし、ユニットとして図示されるパーツは物理的なユニットであってもなくてもよいし、一カ所に位置していてもよいし、或いは複数のネットワーク・ユニットに分散されていてもよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されてもよい。
更に、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、或いは各ユニットは物理的に単独で存在してもよいし、或いは複数のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
前述の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実現されることが可能である。ソフトウェア・プログラムが実施形態を実現するために使用される場合、実施形態は、全体的又は部分的に、コンピュータ・プログラム製品の形式で実現されることが可能である。コンピュータ・プログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・プログラム命令がコンピュータ上でロードされて実行される場合、本願の実施形態による手順又は機能は全部又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータ・ネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよいし、又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体へ伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波)方式で伝送されることが可能である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体、又は1つ以上の利用可能な媒体を統合するサーバー又はデータ・センターのようなデータ・ストレージ・デバイスであってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Disk,SSD))等であってもよい。
前述の説明は、本願の単なる具体的な実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願で開示された技術的範囲内で、当業者により容易に把握される如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲に該当するものとする。従って、本願の保護範囲はクレームの保護範囲に従うものとする。
本願は、2018年9月30日に中国国家知識産権局に出願された「ワイヤレス充電受信機回路、制御方法、及び端末デバイス」と題する中国特許出願第201811161343.0号に対する優先権を主張しており、その全体が参照により本願に組み込まれる。
技術分野
本願は、ワイヤレス充電の分野、特にワイヤレス充電受信機回路、制御方法、端末デバイスに関連する。
背景
図1は、ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。ワイヤレス充電システムは、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102とを含む。実装において、エネルギはワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102との間で磁気誘導により無線で伝送されることが可能である。例えば、ワイヤレス充電送信機回路101は、交流電源Vs、一次直列共振キャパシタCp、及び一次コイルLpを含み、ワイヤレス充電受信機回路102は、二次コイルLs、二次直列共振キャパシタCs、及び整流回路1021を含む。交流電源Vsは、特定の周波数を有する交流電流を出力する。一次直列共振キャパシタCp及び一次コイルLpは、直列共振を生成し、特定の周波数を有する交流を生成する。この場合、エネルギは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気誘導を介してワイヤレス充電受信機回路102へ無線伝送される。二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsは直列共振を生成し、ある動作周波数を有する交流を発生する。整流回路1021は、動作周波数を有する入力の交流を直流に変換し、負荷RLを駆動する。
一次コイルLpと二次コイルLsとの結合効率は、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離に関係する。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が増加すると、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の結合効率は低下し、その結果、整流回路1021の出力電圧及び出力電力は減少する。
従来技術においてワイヤレス充電受信機回路102の側で整流回路の出力電圧及び出力電力を増加させる方法は、次のとおりである:ワイヤレス充電送信機回路101の側で出力される交流周波数が減少させられ、その結果、ワイヤレス充電受信機回路102の側で整流回路へ入力される交流の動作周波数が減少させられる。これは、伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償する。しかしながら、無線電力コンソーシアム(wireless power consortium,WPC)プロトコルを使用するワイヤレス充電システムでは、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数は、限られた調整レンジを有する。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が比較的大きい場合には、ワイヤレス充電受信機回路102の側の整流回路に入力される交流の動作周波数もまた、限られた調整レンジを有する。その結果、ワイヤレス充電受信機回路102の側の整流回路の出力電圧及び出力電力もまた、限られた調整レンジを有する。
本願は、ワイヤレス充電受信機回路における二次コイルと対応するワイヤレス充電送信機回路における一次コイルとの間の伝送距離が比較的大きい場合に、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流電流の動作周波数をある程度調整するためのワイヤレス充電受信機回路を提供する。
更に、本願は、ワイヤレス充電受信機回路を制御するための制御方法、及びワイヤレス充電受信機回路を使用する端末デバイスを更に提供する。
上記目的を達成するために、以下の技術的解決策が本願の実施態様において使用される。
第1態様によれば、本願の実施形態は、N個のキャパシタ・スイッチ網と、整流回路と、コントローラとを含むワイヤレス充電受信機回路を提供し、Nは1以上の整数である。各々のキャパシタ・スイッチ網の第1端部は整流回路の第1入力端部に接続され、各々のキャパシタ・スイッチ網の第2端部は整流回路の第2入力端部に接続される。各々のキャパシタ・スイッチ網は、第1キャパシタと、第2キャパシタと、第1可制御スイッチ・デバイスと、第2可制御スイッチ・デバイスと、グランド点とを含む。グランド点の一方側に位置する第1キャパシタは第1可制御スイッチ・デバイスに直列に接続され、グランド点の他方側に位置する第2キャパシタは第2可制御スイッチ・デバイスに直列に接続される。同じキャパシタ・スイッチ網の中で、第1キャパシタのキャパシタンス値は第2キャパシタのキャパシタンス値に等しいか、又は実質的に等しい。
コントローラはN個の出力端部を含む。N個の出力端部はN個のキャパシタ・スイッチ網に1対1に対応し、各々の出力端部は、対応するキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスの制御端部と、対応するキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスの制御端部とに接続されるように構成される。
コントローラは、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように更に構成されている。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させるように更に構成されている。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
各々のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタ、第2キャパシタ、第1可制御スイッチ・デバイス、及び第2可制御スイッチ・デバイスは直列に接続されることに留意すべきである。
オプションとして、第1キャパシタの一方端が整流回路の第1入力端部に接続され、第1キャパシタの他方端が第1可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端が整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1キャパシタの一方端が整流回路の第1入力端部に接続され、第1キャパシタの他方端が第1可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端が第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端が第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端が整流回路の第2の入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1可制御スイッチ・デバイスの一方端は整流回路の第1入力端に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端は第1キャパシタの一方端に接続され、第1キャパシタの他方端は第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端は第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスの他方端は整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランドは、第1キャパシタの他方端と第2キャパシタの一方端との間に位置する。
オプションとして、第1可制御スイッチ・デバイスの一方端は整流回路の第1入力端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスの他方端は第1キャパシタの一方端に接続され、第1キャパシタの他方端は第2可制御スイッチ・デバイスの一方端に接続され、
第2可制御スイッチ・デバイスの他方端は第2キャパシタの一方端に接続され、第2キャパシタの他方端は整流回路の第2入力端部に接続される。この場合、グランド点は、第1キャパシタの他方端と第2可制御スイッチ・デバイスの一方端との間に位置する。
本願のこの実施形態で提供されるワイヤレス充電受信機回路において、N個のキャパシタ・スイッチ網は並列に接続され、コントローラは、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を制御する。更に、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間に入力される交流電圧の動作周波数が第1周波数閾値より小さい場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は、増加するように制御される。動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は、減少するように制御される。換言すれば、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、クローズ又はオープンにされるように制御される。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は、増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流器回路へ入力される交流の動作周波数を、調整することが可能である。従って、本願は、整流回路へ入力される交流の動作周波数を制御するためのシンプルな回路構造を提供する。
第1態様に関し、第1の可能な実装において、コントローラは、整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように更に構成されている。動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、コントローラは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように更に構成されている。
この実装において、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、整流回路の出力電力と動作周波数とに基づいて、クローズ又はオープンにされるように制御されることが可能である。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を、増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流器回路へ入力される交流の動作周波数を調整することができる。
第1態様又は第1態様の第1の可能な実装に関し、第2の可能な実装において、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、iは整数であり、1≦i≦N−1及び1≦K≦10である。この実装は、第1キャパシタのキャパシタンス値と第2キャパシタのキャパシタンス値とをN個のキャパシタ−スイッチ網において設定する方法を提供する。
第1態様、第1態様の第1の可能な実装、又は第2態様の第2の可能な実装に関し、第3の可能な実装において、回路は二次コイルと二次直列共振キャパシタとを更に含む。二次コイルの第1端部は二次直列共振キャパシタの第1端部に接続され、二次直列共振キャパシタの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網の第1端部と整流回路の第1入力端部とに接続され、二次コイルの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網の第2端部と整流回路の第2入力端部とに接続される。二次コイルは、ワイヤレス充電送信機回路の一次コイルに結合されるように構成される。二次直列共振キャパシタと二次コイルとは直列共振を生成する。N個のキャパシタ・スイッチ網、二次直列共振キャパシタ、及び二次コイルは、並列共振を生成する。
第1態様又は第1態様の第1ないし第3の可能な実装のうちの任意の1つに関し、第4の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第1フィルタ・キャパシタを更に含む。前記第1フィルタ・キャパシタの第1端部は整流回路の第1出力端部に接続され、第1フィルタ・キャパシタの第2端部は整流回路の第2出力端部に接続される。整流回路によって出力される直流はクラッタを含む。クラッタが第1フィルタ・キャパシタによってフィルタリングされた後に、直流電流を負荷に供給することが可能である。
第1態様の第4の可能な実装に関し、第5の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路を更に含む。直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1入力端部は、第1フィルタ・キャパシタの第1端部に接続され、
直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2入力端部は、第1フィルタ・キャパシタの第2端部に接続され、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1出力端部は負荷の第1端部に接続され、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2出力端部は負荷の第2端部に接続される。直流/直流電圧ステップ・ダウン回路は、第1フィルタ・キャパシタの2つの端部の間の電圧を減少させ、等価負荷インピーダンスを増加させるように構成される。ワイヤレス充電受信機回路の出力電力が調整される場合に、出力電圧は安定したままであるように要求される。上述したように、並列共振キャパシタのキャパシタンス値が増加する場合、整流回路によって出力される電圧は増加する。この場合、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400(即ち、ワイヤレス充電受信機回路)により出力される電圧が安定的であるように、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路はそれに応じて調整されることを必要とする。
第1態様又は第1態様の第1ないし第5の可能な実装のうちの任意の1つに関し、第6の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第1レジスタと第2レジスタとを更に含む。第1レジスタの第1端部は整流回路の第1出力端部に接続され、第1レジスタの第2端部は第2レジスタの第1端部に接続され、第2レジスタの第2端部は整流回路の第2出力端部に接続され、第2レジスタの第1端部はコントローラの第1入力端部に接続される。第1レジスタと第2レジスタとは整流回路により出力される電圧を測定するように構成される。整流回路によって出力される電圧は、通常、比較的高く、コントローラの入力端部における耐電圧を超える。引出点における電圧は、第1レジスタ及び第2レジスタに対する電圧分配により、コントローラの入力端部における耐電圧よりも低い値に低減される。
第1態様の第5の可能な実装に関し、第7の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、電流サンプリング装置を更に含む。電流サンプリング装置は、第1フィルタ・キャパシタと直流/直流電圧ステップ・ダウン回路との間の正の端部又はグランド端部に位置する。直流サンプリング装置は、コントローラの第2入力端部に接続され、且つ整流回路により出力される電流を測定するように構成される。電流サンプリング装置は、整流回路により出力される電流を測定するように構成されることが可能である。
第1態様の第5の可能な実装に関し、第8の可能な実装において、ワイヤレス充電受信機回路は、第2フィルタ・キャパシタを更に含む。
第2フィルタ・キャパシタの第1端部は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第1出力端部と負荷の第1端部との間に接続され、第2フィルタ・キャパシタの第2端部は、直流/直流電圧ステップ・ダウン回路の第2出力端部と負荷の第2端部との間に接続される。第2フィルタ・キャパシタは、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路によって出力される電流をフィルタリングするように構成される。
第2態様によれば、本願の実施形態は制御方法を提供する。方法は、第1態様又は第1態様の実装のうちの任意の1つによるワイヤレス充電受信機回路に適用され、以下のステップ:
整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するステップ、及び
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるステップ、又は
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させるステップを含む。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
第2態様に関し、第1の可能な実装において、方法は、更に以下のステップ:
整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するステップと、
動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであって前記ワイヤレス充電受信機回路に接続される前記キャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるステップとを更に含むことが可能である。
第3態様によれば、本願の実施形態は制御装置を提供する。制御装置は取得ユニットと調整ユニットとを含む。取得ユニットは、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、調整ユニットは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように構成されている。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、調整ユニットは、更に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させるように構成されている。第1周波数閾値は第2の周波数閾値以下である。
第3態様に関し、第1の可能な実装において、取得ユニットは、整流回路によって出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように更に構成される。動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、調整ユニットは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように更に構成されている。
第4態様によれば、本願の実施形態は、端末デバイスを提供する。端末デバイスは、第1態様又は第1態様の可能な実装のうちの任意の1つによるワイヤレス充電受信機回路を含む。
第5態様によれば、本願の実施形態は、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムは、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる制御方法を実施するように、プロセッサによって実行される。
第6態様によれば、本願の実施形態は、制御装置を提供する。制御装置は、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行するように構成される。
第7態様によれば、本願の実施形態は、制御装置を提供する。制御装置は、プロセッサとメモリとを含む。メモリは、プログラムを記憶するように構成される。
プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを呼び出して、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行する。
第8態様によれば、本願の実施形態は、コンピュータ・プログラム製品を提供する。コンピュータ・プログラム製品が制御装置上で動作する場合、制御装置は、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行することが可能である。
第9態様によれば、本願の実施形態は、チップ・システムを提供する。チップ・システムはプロセッサを含む。プロセッサは、第2態様又は第2態様の可能な実装のうちの任意の1つによる方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。
第10態様によれば、本願の実施形態は、ワイヤレス充電システムを提供する。ワイヤレス充電システムは、第1態様又は第1態様の可能な実装のうちの任意の1つによるワイヤレス充電受信機回路及びワイヤレス充電送信機回路及びを含む。エネルギは、磁気誘導により、ワイヤレス充電受信機回路とワイヤレス充電送信機回路との間で伝送される。
第2態様ないし第10態様で達成される技術的効果については、第1態様及び第1態様の可能な実装で説明されている内容を参照されたい。
ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
他のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態による別のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。
本願の実施形態による概略的なシミュレーション図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している概略図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している別の概略図である。
本願の実施形態に従ってワイヤレス充電受信機回路の出力電圧が並列共振キャパシタによって変化している別の概略図である。
本願の実施形態による端末デバイスの概略的な構造図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態による別のワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態による更に別のワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率と、従来のワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率との比較の概略図である。
本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の出力電力と可制御スイッチ・デバイス(例えば、MOSFET)を駆動するための時間シーケンスとの間の関係の概略図である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート1である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート2である。
本願の実施形態による制御方法の概略フローチャート2である。
本願の実施形態による制御装置の概略的な構造図1である。
本願の実施形態による制御装置の概略的な構造図2である。
図1は、ワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。図1に示すように、ワイヤレス充電送信機回路101では、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102では、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとが直列に接続される。図1に示すワイヤレス充電システムでは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離は非常に短い。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が増加するにつれて、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電力は急速に減少する。その結果、ワイヤレス充電受信機回路102のアンチ・オフセット能力は貧弱である。
図2は他のワイヤレス充電システムの概略的な原理図である。図2に示すように、ワイヤレス充電送信機回路101では、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102では、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとが並列に接続される。図2に示すワイヤレス充電システムでは、ワイヤレス充電受信機回路102のアンチ・オフセット能力は、図1に示すワイヤレス充電受信機回路102のものよりも優れているが、並列補償方式では、共振点付近の出力電圧は共振ピークを有し、共振ピークの電圧変化率は比較的高いので、出力電圧を安定的に制御することは困難である。
図3に示すように、本願の実施形態は、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102とを含むワイヤレス充電システムを提供する。エネルギは、磁気誘導により、ワイヤレス充電受信機回路とワイヤレス充電送信機回路との間で伝送される。本願のこの実施形態では、ワイヤレス充電送信機回路101において、一次直列共振キャパシタCpと一次コイルLpとが直列に接続され、ワイヤレス充電受信機回路102において、二次コイルLsが二次直列共振キャパシタCsに直列に接続され、且つ並列共振キャパシタCdに並列に接続される。ワイヤレス充電送信機回路101の一次コイルLpとワイヤレス充電受信機回路102の二次コイルLsとの間の伝送距離が増加する場合には、先ず、先行技術の方法が使用される。伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償するために、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力は減少させられる。ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力が減少すると、結合中のワイヤレス充電受信機回路102の側の動作周波数が減少する。
結合中に、ワイヤレス充電受信機回路102の側の動作周波数がある程度低下したことが検出された場合、即ち、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離が比較的大きな値になると、ワイヤレス充電送信機回路101の側の交流周波数出力を更に低下させることができない。この場合、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が増加させられ、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧を増加させ、ワイヤレス充電送信機回路101の一次コイルLpとワイヤレス充電受信機回路102の二次コイルLsとの間の伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路の出力電圧の減少を防止する。
並列共振キャパシタCdの回路への実際の影響をより良くシミュレートするために、図3に基づいて、図4のワイヤレス充電システムは、更に、ワイヤレス充電送信機回路101の側にあるレジスタRpと、一次磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkpと、ワイヤレス充電受信機回路102の側にあるレジスタRsと、二次磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLksと、フィルタ・キャパシタCfとを含む。例えば、整流回路1021は、4つのダイオードを含む整流ブリッジである。この場合、ワイヤレス充電受信機回路102の負荷は、非線形負荷である。シミュレーションは、図4に示す原理図に基づいて実行され、概略的なシミュレーション図が図5に示されている。シミュレーション結果は、ワイヤレス充電送信機回路101の側にあるライン電流i1及び交流電源Vsの電圧を含む。図5は、更に、ワイヤレス充電受信機回路102内の並列共振キャパシタCdの端子電圧Vd(即ち、整流回路1021への電圧入力)、ワイヤレス充電受信機回路102の側におけるライン電流i2、及び整流回路1021へ入力される電流i3を示しており、端子電圧Vd、ライン電流i2、及び電流i3は、並列共振キャパシタCdが共振に関与した後に得られる。並列共振キャパシタCdの端子電圧Vdは交流電圧であり、Vdは特定の位相差だけ電源の電圧V1より遅れる。ワイヤレス充電受信機回路102の側のライン電流i2は、近似的に正弦波電流である。整流回路1021へ入力される電流i3は、i2の一部である。
ワイヤレス充電システムの出力電圧に影響を与える要因は、ワイヤレス充電受信機回路102の動作周波数Fs、負荷RL、及び一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離を含む。一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLKは、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離の増加と共に増加する。従って、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の伝送距離は、一次コイルLpと二次コイルLsとの間の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLKで置換されることが可能である。
図6は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している概略図である。この場合、負荷RLは10オームであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは7uHであり、動作周波数Fsは140KHz、145KHz、及び150KHzである。より高い動作周波数Fsは、ワイヤレス充電受信機回路102のより低い出力電圧を示すことが分かる。更に、出力電圧は並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って先ず増加し、次いで減少することを、図6から更に学ぶことができる。言い換えれば、各々の動作周波数Fsの曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間を含んでいる。単調に増加する区間[0,MAX 1]は、すべての動作周波数Fsの曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図7は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している別の概略図である。この場合、負荷RLは10オームであり、動作周波数Fsは145KHzであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは3 uH、5uH、及び7uHである。より高い磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLK(即ち、ワイヤレス充電送信機回路101とワイヤレス充電受信機回路102との間のより長い距離、又は一次コイルLpと二次コイルLsとの間のより長い距離)は、ワイヤレス充電受信機回路102のより低い出力電圧を示すことを、図7から学ぶことができる。図7に示すように、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って、出力電圧は先ず増加し、次いで減少することが容易に分かる。言い換えれば、各々の磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLk曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間とを含む。単調に増加する区間[0,MAX 2]は、すべての磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLk曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図8は、ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧が並列共振キャパシタCdによって変化している別の概略図である。この場合、動作周波数Fsは145KHzであり、磁気結合システム等価漏洩インダクタンスLkは7uHであり、負荷RLは10オーム、15オーム、20オームである。より高い負荷RLは、ワイヤレス充電受信機回路102のより高い出力電圧を示すことを、図8から学ぶことができる。図8に示されるように、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って、出力電圧は、先ず増加し、次いで減少することを、容易に学ぶことができる。言い換えれば、各々の負荷RL曲線は、単一のピーク点と単調に増加する区間とを含む。単調に増加する区間[0, MAX 3]は、すべての負荷RL曲線の単調に増加する区間の交わりを求めることによって取得される。
図6から図8を参照すると、単調に増加する間隔[0,MAX 1]、[0,MAX 2]、及び[0,MAX 3]の交わり[0,MAX]が、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値を制御するために使用される単調に増加する区間として使用されることが可能であり、MAXは、プリセット・キャパシタンス閾値として使用されてもよいことを学ぶことができる。並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が単調に増加する区間[0, MAX]内に入ると、出力電圧は、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加とともに常に単調に増加する。ワイヤレス充電受信機回路102の出力電圧は、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値の増加に伴って増加することが可能である。ただし、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値が、増加するプロセスにおいて、プリセット・キャパシタンス閾値MAXを超えないことを条件とする。
既存の調節可能なキャパシタ・デバイスのキャパシタンス値の調整レンジは比較的小さい。従って、並列共振キャパシタCdは、並列に接続された複数のサブ・キャパシタC1ないしCnと等価であるとすることが可能である。このように、各々のサブ・キャパシタのキャパシタンス値は制限されないことが可能であり、等価並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は、大きなレンジで調整されることが可能である。従って、各サブ・キャパシタC1ないしCnは、各々の可制御スイッチ・デバイスS1ないしSnに直列に接続される。並列に接続されたサブ・キャパシタC1ないしCnの量は、クローズ又はオープンにされる可制御スイッチ・デバイスS1ないしSnを制御することによって制御され、等価な並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値を調整する。しかしながら、図5に示すように、並列共振キャパシタCdの端子電圧Vdは交流電圧であるので、1つの可制御スイッチ・デバイスは半周期でのみクローズ又はオープンにされることが可能であり、回路バランス効果が考慮される。更に、図10に示すように、各キャパシタC1ないしCnは、更に、キャパシタが直列に接続され且つ同じキャパシタンス値を有するキャパシタ対、例えば(C1,C1’),...,(Cn,Cn’)と等価である。更に、各キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されてるか否かは、1つの可制御スイッチ・デバイスをクローズ又はオープンにするように制御することによって、依然として制御される。例えば、キャパシタC1がワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否かは、可制御スイッチ・デバイスS1をクローズ又はオープンにするように制御することによって制御され、キャパシタC1’がワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否かは、可制御スイッチ・デバイスS1’をクローズ又はオープンにするように制御することによって制御される。なお、可制御スイッチ・デバイスS1及びS1’の駆動信号は一緒につながっており、従って、キャパシタC1及びC1’がワイヤレス充電受信機回路に同時に接続されるかどうかを制御することができることに留意すべきである。同様の制御方法が、他のキャパシタ(C2,C2’),...,(Cn,Cn’)に使用されてもよい。
「キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されるか否か」は、キャパシタに対応する可制御スイッチ・デバイスがクローズにされる場合に、キャパシタはワイヤレス充電受信機回路に接続されること、或いはキャパシタに対応する可制御スイッチ・デバイスがオープンにされる場合に、キャパシタはワイヤレス充電受信機回路に接続されていないことを意味する。キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続される場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作キャパシタの一部であり、従って、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び動作周波数に影響を及ぼすことが可能である。キャパシタがワイヤレス充電受信機回路に接続されない場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作キャパシタの一部ではなく、従って、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び動作周波数に影響を及ぼさない。この場合、キャパシタは、ワイヤレス充電受信機回路の動作に関与しないか、又は事実上関与しない。
説明を容易にするために、本願の実施態様においては、第1端部、第1入力端部、又は第1出力端部は、添付図面において第1端部、第1入力端部、又は第1出力端部が属するデバイス又は回路において数字「1」によって表現され、第2端部、第2入力端部、又は第2出力端部は、添付図面において第2端部、第2入力端部、又は第2出力端部が属するデバイス又は回路において数字「2」によって表現されている。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路は、端末デバイスに適用されてもよい。端末デバイスは、ワイヤレス通信機能を有するハンドヘルド・デバイス、車載デバイス、ウェアラブル・デバイス、又はコンピューティング・デバイス、又はワイヤレス・モデムに接続された別の処理デバイスを含む。端末デバイスは、代替的に、加入者ユニット(subscriber unit)、セルラー電話(cellular phone)、スマートフォン(smart phone)、ワイヤレス・データ・カード、パーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant,PDA)コンピュータ、タブレット・コンピュータ、ワイヤレス・モデム(modem)、ハンドヘルド(handheld)デバイス、ラップトップ・コンピュータ(laptop computer)、コードレス電話(cordless phone)、無線ローカル・ループ(wireless local loop,WLL)ステーション、マシン・タイプ・コミュニケーション(machine type communication,MTC)端末、ユーザー装置(user equipment,UE)、移動局(mobile station,MS)、端末デバイス(terminal device)、中継装置(relay equipment)等を含むことが可能である。中継装置は、例えば、5G住宅用ゲートウェイ(residential gateway,RG)又は無線リレー(radio relay)であってもよい。
図9は、本願の実施形態による端末デバイスの概略的な構造図である。図9において、端末デバイスが携帯電話であることは、携帯電話の汎用ハードウェア・アーキテクチャを説明するための例として使用されている。
携帯電話900は、無線周波数(radio frequency,RF)回路910、メモリ920、別の入力デバイス930、ディスプレイ940、センサー950、オーディオ回路960、I/Oサブシステム970、プロセッサ980、及び電源990のような構成要素を含むことができる。当業者は、図に示す携帯電話の構造が、携帯電話に関する如何なる限定も構成せず、図示されているものよりも多い又は少ない構成要素を含んでもよいこと、幾つかの構成要素は組み合わせられてもよいこと、一部の構成要素は分割されてもよいこと、或いは異なる構成要素の配置が使用されてもよいことを理解することができる。当業者は、ディスプレイ940がユーザー・インターフェース(user interface,UI)であること、ディスプレイ940はディスプレイ・パネル941及びタッチ・パネル942を含んでもよいことを理解することができる。図示されていないが、携帯電話は、カメラ及びブルートゥース・モジュールのような機能モジュール又は構成要素を更に含んでもよい。詳細はここでは説明されない。
更に、プロセッサ980は、RF回路910、メモリ920、オーディオ回路960、I/Oサブシステム970、及び電源990に接続される。I/Oサブシステム970は、別の入力デバイス930、ディスプレイ940、及びセンサー950に接続される。RF回路910は、情報の受信及び送信プロセス又は呼プロセスにおいて信号を受信及び送信するように構成されてもよい。特に、RF回路910は、ネットワーク側からダウンリンク情報を受信し、次いで、処理のためにダウンリンク情報をプロセッサ980に送信する。メモリ920は、ソフトウェア・プログラム及びソフトウェア・モジュールを記憶するように構成されてもよい。プロセッサ980は、メモリ920に記憶されたソフトウェア・プログラム及びソフトウェア・モジュールを実行し、携帯電話の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、本願の実施形態では端末デバイスによって実行される方法及び機能を実行する。別の入力デバイス930は、入力されたデジタル又はキャラクタ報を受信し、携帯電話のユーザー設定及び機能制御に関連するキーボード信号入力を生成するように構成されてもよい。ディスプレイ940は、ユーザーによって入力された情報又はユーザーに提供された情報及び携帯電話の様々なメニューを表示するように構成されることが可能であり、更にユーザー入力を受けることが可能である。センサー950は、光学センサー、運動センサー、又は別のセンサーであってもよい。オーディオ回路960は、ユーザーと携帯電話との間のオーディオ・インターフェースを提供することができる。I/Oサブシステム970は、外部入力/出力デバイスを制御するように構成され、外部デバイスは、入力コントローラ、センサー・コントローラ、及び他のデバイスのディスプレイ・コントローラを含んでもよい。プロセッサ980は、携帯電話900の制御センターである。プロセッサ980は、様々なインターフェース及びケーブルを介して、携帯電話全体の各部分に接続される。更に、プロセッサ980は、携帯電話900の様々な機能を実行し、メモリ920に記憶されているソフトウェア・プログラム及び/又はモジュールを動作させ又は実行し、メモリ920に記憶されているデータを呼び出すことによってデータを処理し、携帯電話上で全体的なモニタリングを実行する。
電源990は、本願の実施形態では、バッテリ及びワイヤレス充電受信機回路を含む可能性がある。電源990は、前述の構成要素に電力を供給するように構成される。好ましくは、電源は、電力管理システムによりプロセッサ980に論理的に接続され、電力管理システムにより充電管理、放電管理、及び電力消費管理などの機能を実施することができる。
本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の場合、負荷RLは、電源990以外の端末デバイスの構成要素及びバッテリを含む。ワイヤレス充電受信機回路は、ワイヤレス充電送信機回路からエネルギを取得し、電力を負荷RLに供給することができる。
図10は、本願の実施形態によるワイヤレス充電受信機回路の概略的な構造図である。ワイヤレス充電受信機回路は、N個のキャパシタ・スイッチ網200と、整流回路300と、コントローラCTRLとを含み、Nは1以上の整数である。説明を明確化のために、本願の実施形態における添付図面は、具体例として複数のキャパシタ・スイッチ網200を示しているが、複数のキャパシタ・スイッチ網200の使用を限定するようには意図されていないことに留意すべきである。
各キャパシタ・スイッチ網200の第1端部は、整流回路300の第1入力端部に接続される。各キャパシタ・スイッチ網200の第2端部は、整流回路300の第2入力端部に接続される。具体的に言えば、少なくとも2つのキャパシタ・スイッチ網200がある場合に、キャパシタ・スイッチ網200は並列に接続される。換言すれば、全てのキャパシタ・スイッチ網200の第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、全てのキャパシタ・スイッチ網200の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続される。
例えば、整流回路300は、図10に示す4つのダイオード(D1ないしD4)を含む整流ブリッジとして実現されるか、あるいは別の方法で実装されてもよく、例えば集積整流チップとして実装されてもよい。これは本願で限定されない。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、第1フィルタ・キャパシタCf1を更に含む。整流回路300の第1出力端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部に接続され、整流回路300の第2出力端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第2端部に接続される。整流回路300による直流出力は、クラッタを含む。クラッタが第1フィルタ・キャパシタCf1によってフィルタリングされた後、直流電流を負荷RLに供給することができる。
以下、n番目(1≦n≦N)のキャパシタ・スイッチ網200を例として使用することによって、キャパシタ・スイッチ網200の動作原理を説明する。
キャパシタ・スイッチ網200は、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、第2可制御スイッチ・デバイスSn’、及びグランド点Mを含む。グランド点Mは、整流回路300のグランド端部GNDに接続されてもよい。グランド点Mの一方側に位置する第1キャパシタCnは、第1可制御スイッチ・デバイスSnに直列に接続され、グランド点Mの他方側に位置する第2キャパシタCn’は、第2可制御スイッチ・デバイスSn’に直列に接続される。同じキャパシタ・スイッチ網200において、第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、第2キャパシタCn’のキャパシタンス値に等しい。第1キャパシタCn及び第2キャパシタCn’に対する制限は、キャパシタ・スイッチ網200内のグランド点Mにおける電位が0であることを保証し、そうでなければ、不均衡による電流がグランド点Mに生じる。
同一のキャパシタ・スイッチ網200において、第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、第2キャパシタCn’のキャパシタンス値に等しい。異なるキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタCnのキャパシタンス値は、相違していてもよい。可能な実装において、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網における第2キャパシタのキャパシタンス値は、i番目のキャパシタ・スイッチ網における第2キャパシタのキャパシタンス値のK倍であり、ここで、iは整数であり、1≦i≦N−1であり、1≦K≦10である。例えば、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Ki+1であり、aは比例係数である。例えば、Kは2であってもよい。
例えば、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、図10に示すような方法で直列に接続される。第1キャパシタCn、第1可制御スイッチ・デバイスSn、第2可制御スイッチ・デバイスSn’、第2キャパシタCn’は、順に直列に接続され、キャパシタ・スイッチ網200内のグランド点Mは、第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’との間に位置する。第1キャパシタCnの第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部は第1可制御スイッチ・デバイスSnの第1端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第2キャパシタCn’の第1端部に接続され、第2キャパシタCn’の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続され、及び第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部と第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部との間の共通の接続点は接地される。
例えば、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、第1可制御スイッチ・デバイスSn、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、図11に示す別の方法で直列に接続される。第1可制御スイッチ・デバイスSn、第1キャパシタCn、第2キャパシタCn’、及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、順に直列に接続され、キャパシタ・スイッチ網200’内のグランド点Mは、第1キャパシタCnと第2キャパシタCn’との間に位置する。第1可制御スイッチ・デバイスSnの第1端部は整流回路300の第1入力端部に接続され、第1可制御スイッチ・デバイスSnの第2端部は第1キャパシタCnの第1端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部は第2キャパシタCn’の第1端部に接続され、第2キャパシタCn’の第2端部は第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第1端部に接続され、第2可制御スイッチ・デバイスSn’の第2端部は整流回路300の第2入力端部に接続され、第1キャパシタCnの第2端部と第2キャパシタCn’の第1端部との間の共通の接続点は接地される。
(第1可制御スイッチ・デバイスSn又は第2可制御スイッチ・デバイスSn’によらず)可制御スイッチ・デバイスは、制御端部を含む。可制御スイッチ・デバイスの制御端部が第1レベルにある場合に、可制御スイッチ・デバイスは閉じられる。可制御スイッチ・デバイスの制御端部が第2レベルにある場合に、可制御スイッチ・デバイスは開かれる。可制御スイッチ・デバイスは、異なるレベルの信号を制御端部に入力するように制御することによって、クローズ又はオープンにされるように制御されることが可能である。
例えば、第1可制御スイッチ・デバイスSn及び第2可制御スイッチ・デバイスSn’は、それぞれ、図10又は図11に示すN型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor,MOSFET)として実現される。MOSFETのG端部は制御端部である。第1レベル信号がMOSFETのG端部に入力されると、MOSFETのS端部及びD端部はクローズにされる。第2レベル信号がMOSFETのG端部に入力されると、MOSFETのS端部及びD端部はオープンにされる。第1レベルは高レベルであり、第2レベルは低レベルである。代替的に、可制御スイッチ・デバイスは、別の方法で実現されてもよく、例えばP型MOSFETとして実現されてもよいことに留意すべきである。相応して調整された後に、回路は本願の実施形態に適用されることが可能である。従って、可制御スイッチ・デバイスの具体的な実装は本願において限定されない。
コントローラCTRLはN個の出力端部を含む。N個の出力端部はN個のキャパシタ・スイッチ網に1対1に対応し、各々の出力端部は、対応するキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnの制御端部と、対応するキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスSn’の制御端部とに接続されるように構成される。例えば、コントローラCTRLのn番目の出力端部は、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnの制御端部と、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第2可制御スイッチ・デバイスSn’の制御端部とに接続され、ここで、1≦n≦Nである。n番目の出力端部が第1レベルを出力すると、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがクローズにされ、その結果、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタCnと第2キャパシタCn’とがワイヤレス充電受信機回路に接続され、並列に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は増加する。n番目の出力端部が第2レベルを出力すると、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがオープンにされ、その結果、n番目のキャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタCnと第2のキャパシタCn’とが回路から切り離され、並列に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は減少する。
コントローラCTRLは、キャパシタ・スイッチ網200とグランド点を共有することができる。従って、駆動のための電源を追加する必要がなく、また、絶縁のために電源供給を補助する必要もなく、回路設計を単純化することができる。
コントローラCTRLは、整流回路300の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成されている。例えば、コントローラCTRLは、特定用途向け集積回路(integrated circuit,IC)を介して動作周波数を取得することができる。
動作周波数が第1周波数閾値未満であり、かつN個のキャパシタ・スイッチ網200におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されている第1キャパシタCn及び第2キャパシタCn’のキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値MAX未満である場合、コントローラCTRLは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各キャパシタ・スイッチ網200における第1可制御スイッチ・デバイスSnと第2可制御スイッチ・デバイスSn’とがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網200におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されているキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させる。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合、コントローラCTRLは、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各キャパシタ・スイッチ網200における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されているキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させる。第1周波数閾値は第2の周波数閾値以下である。
コントローラCTRLは比例積分計算器を含む可能性がある。動作周波数とプリセット周波数閾値との間の比較結果を得るために、動作周波数とプリセット周波数閾値との間の差分は比例積分計算器に入力される。
上述したように、伝送距離が増加すると、伝送距離の増加に起因するワイヤレス充電受信機回路102の側の出力電圧及び出力電力の減少を補償するために、ワイヤレス充電送信機回路101の側で出力される交流周波数が低減する可能性がある。この場合、ワイヤレス充電受信機回路102の側の共振動作周波数も減少する。ワイヤレス充電送信機回路101の側における交流周波数の調整レンジは制限され、ワイヤレス充電受信機回路102の側における共振動作周波数の調整レンジも制限される。従って、
動作周波数が第1周波数閾値を下回る値に低下した場合には、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は増やされるように制御され、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び出力電力の減少を補償するか、或いは動作周波数が第2周波数閾値を上回る値に上昇した場合には、並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値は減らされるように制御され、ワイヤレス充電受信機回路の出力電圧及び出力電力が過剰に高くなることを防止する。
可能な実装において、コントローラは、各キャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値の順に、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御することができる。例えば、上述したように、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Ki+1であると仮定される。キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されている第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値のトータル値が増やされる前に、コントローラの1番目の出力端部からi番目の出力端部まではすべて第1レベルを出力し、コントローラの(i+1)番目の出力端部からN番目の出力端部まではすべて第2レベルを出力する。
キャパシタンス値が増やされる前述の条件が満たされると、コントローラの1番目の出力端部から(i+1)番目の出力端部までは第1レベルを出力し、コントローラの(i+2)番目の出力端部からN番目の出力端部までは第2レベルを出力する。
代替的に、別の可能な実装において、コントローラは、最小キャパシタンス・ステップ・モードにおいて、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御することができる。例えば、上述したように、i番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はそれぞれa*Kiであり、(i+1)番目のキャパシタ・スイッチ網200における第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値はa*Ki+1であると仮定される。キャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続される第1キャパシタ及び第2キャパシタのキャパシタンス値のトータル値が増やされる前に、コントローラのi番目の出力端部は第1レベルを出力し、コントローラの他のすべての出力端部は第2レベルを出力する。キャパシタンス値が増やされる前述の条件が満たされると、コントローラの1番目の出力端部及びi番目の出力端部は第1レベルを出力し、コントローラの他のすべての出力端部は第2レベルを出力する。
並列共振キャパシタCdのキャパシタンス値をその都度変化させるために使用される上述の制御方法は限定されないことに留意すべきである。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、更に、二次コイルLsと二次直列共振キャパシタCsとを含む。二次コイルLsの第1端部は、二次直列共振キャパシタCsの第1端部に接続され、二次直列共振キャパシタCsの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網200の第1端部と整流回路300の第1入力端部とに接続される。二次コイルLsの第2端部は、N個のキャパシタ・スイッチ網200の第2端部と整流回路300の第2入力端部とに接続される。
二次コイルLsは、ワイヤレス充電送信機回路の一次コイルに結合されるように構成される。二次直列共振キャパシタCsと二次コイルLsとは直列共振を生成する。N個のキャパシタ・スイッチ網200、二次直列共振キャパシタCs、及び二次コイルLsは、並列共振を生成する。
本願のこの実施形態で提供されるワイヤレス充電受信機回路では、N個のキャパシタ・スイッチ網は並列に接続され、コントローラは、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値を制御する。更に、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間に入力される交流電圧の動作周波数が、第1周波数閾値未満である場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、増加するように制御される。動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合には、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値は、減少するように制御される。換言すれば、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイス及び第2可制御スイッチ・デバイスは、クローズ又はオープンにされるように制御される。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値は増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流の動作周波数を調整することができる。従って、本願は、整流回路に入力される交流の動作周波数を制御するためのシンプルな回路構造を提供する。
オプションとして、図12に示すように、ワイヤレス充電受信機回路は、直流/直流(direct current/direct current,DC/DC)電圧ステップ・ダウン回路400を更に含んでもよい。
DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1入力端部は第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2入力端部は第1フィルタ・キャパシタCf1の第2端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1出力端部は負荷RLの第1端部に接続され、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2出力端部が負荷RLの第2端部に接続される。DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400は、第1フィルタ・キャパシタCf1の2つの端部の間の電圧を減少させ、等価負荷インピーダンスを増加させるように構成される。
ワイヤレス充電受信機回路の出力電力が調整される場合に、出力電圧は安定したままであるように要求される。上述のように、並列共振キャパシタのキャパシタンス値が増やされる場合に、整流回路300による電圧出力は増やされる。この場合、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400(すなわち、ワイヤレス充電受信機回路)による電圧出力が安定するように、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400は、相応に調整されることを必要とする。
オプションとして、図12に示されるように、ワイヤレス充電受信機回路は、第1レジスタR1と第2レジスタR2とを更に含んでもよい。
第1レジスタR1の第1端部は、第1フィルタ・キャパシタCf1の第1端部とDC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1入力端部との間に接続され、且つ整流回路300の第1出力端部に接続され、第1レジスタR1の第2端部は、第2レジスタR2の第1端部に接続され、第2レジスタR2の第2端部は、整流回路300の第2出力端部に接続される。第2レジスタR1の第1端部は、コントローラCTRLの第1入力端部に接続される。第1レジスタR1及び第2レジスタR2は、整流回路300によって出力される電圧V3を測定するように構成される。
第1レジスタR1の第2端部と第2レジスタR1の第1端部との間のリード・アウト・ポイントにおける電圧Vxは、Vx=V3*R2/(R1+R2)である。逆に、整流回路300によって出力される電圧V3は、V3=Vx*(R1+R2)/R2に従って導出されてもよい。整流回路300によって出力される電圧V3は、通常、比較的高く、コントローラCTRLの入力端部における耐電圧を超えるので、電圧V3は、電圧分割によって測定されることに留意すべきである。リード・アウト点の電圧は、第1レジスタ及び第2レジスタに対する電圧配分により、コントローラCTRLの入力端部における耐電圧よりも低い値に減らされる。
オプションとして、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400がフィルタ・キャパシタを含まない場合、ワイヤレス充電受信機回路は、第2フィルタ・キャパシタCf2を更に含んでもよい。第2フィルタ・キャパシタCf2の第1端部は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第1出力端部と負荷RLの第1端部との間に接続され、第2フィルタ・キャパシタCf2の第2端部は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400の第2出力端部と負荷RLの第2端部との間に接続される。第2フィルタ・キャパシタCf2は、DC/DC電圧ステップ・ダウン回路400によって出力される電流をフィルタリングするように構成される。
オプションとして、ワイヤレス充電受信機回路は、電流サンプリング装置CuSaを更に含むことができる。電流サンプリング装置CuSaは、第1フィルタ・キャパシタCf1とDC/DC電圧ステップ・ダウン回路400との間の正の端部又はグランド端部に位置する。電流サンプリング装置CuSaは、コントローラCTRLの第2入力端部に接続され、整流回路300によって出力される電流i4を測定するように構成される。電流サンプリング装置CuSaは、レジスタの2つの端部の間の電圧降下の、レジスタの抵抗値に対する比率に基づいて、電流を測定することができる。
整流回路により出力される電圧V3及び電流i4を測定する別の方法が存在し得ることに留意すべきである。これは本願で限定されない。
コントローラCTRLは、更に、
整流回路により出力される電圧V3と電流i4を取得し、電圧V3と電流i4に基づいて出力電力P=V3*i4を取得し、
動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように構成されていてもよい。
N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させる具体的な方法については、前述の説明を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
本実施形態では、N個のキャパシタ・スイッチ網の各々における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとは、整流回路の出力電力及び動作周波数に基づいて、クローズ又はオープンにされるように制御されることが可能である。このように、ワイヤレス充電受信機回路に接続されたキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加又は減少させることが可能であり、ワイヤレス充電受信機回路の側の整流回路に入力される交流の動作周波数を調整することができる。
図13は、本願の実施形態におけるワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率と、従来のワイヤレス充電受信機回路の偏差性能及び効率との比較の概略図である。逸脱とは、一次コイル又は二次コイルが位置する平面に対して平行又は垂直な平面における、一次コイルと二次コイルとの間の伝送距離の変化をいう。例えば、図13では、垂直面において伝送距離は5mmのままであり、平行面において伝送距離は0mmから徐々に増やされることが、説明例として使用されている。各々の偏差距離に関して、本解決策の伝送効率は、従来の解決策の伝送効率よりも高く、約10%増加していることを、学ぶことができる。更に、一次コイル又は二次コイルが位置する平面と平行な平面に対して偏差が8mmに達する場合でも依然として、特定の伝送効率を保証することが可能である。しかしながら、従来の解決策は、偏差が5mmである場合に、伝送を実行することはできない。
図14は、本願の実施形態による、可制御スイッチ・デバイス(例えば、MOSFET)を駆動するための時間シーケンスと、ワイヤレス充電受信機回路の出力電力との関係の概略図である。水平座標はミリ秒(ms)で時間を表す。S1/S1’は第1キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS1及び第2可制御スイッチ・デバイスS1’の制御時間シーケンスを表し、S2/S2’は第2キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS2及び第2可制御スイッチ・デバイスS2’の制御時間シーケンスを表し、S3/S3’は第3キャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスS3及び第2可制御スイッチ・デバイスS3’の制御時間シーケンスを表す。第1キャパシタ・スイッチ網ないし第3キャパシタ・スイッチ網における第1キャパシタ又は第2キャパシタのキャパシタンス値は、順次増加している。GはS3/S3’、S2/S2’、S1/S1’のバイナリ・コードに対応する10進コードを表す。S1/S1’はバイナリ・コードの最下位ビットに対応し、S3/S3’はバイナリ・コードの最上位ビットに対応する。例えば、S3/S3’は1であり、S2/S2’は0であり、S1/S1’は1であると仮定すると、バイナリ・コードを101であり、対応する10進コードGは5である。V_outはワイヤレス充電受信機回路により出力された電圧を表し、i_outはワイヤレス充電受信機回路により出力された電流を表す。この制御方法は、実際には次のようになる:コントローラは、最小キャパシタンス・ステップ・モード(バイナリ形式)において、第1レベル又は第2レベルを出力するように出力端部を制御する。
図14から、ワイヤレス充電受信機回路が正常に動作すると、V_outは約5.5Vで安定したままになり得ることを、学ぶことができる。Gの値は経時的に徐々に増加し、ワイヤレス充電受信機回路に接続された並列共振キャパシタのキャパシタンス値は経時的に徐々に増加し、i_outは経時的に徐々に増加する。V_outが安定すると、ワイヤレス充電受信機回路の出力電力も徐々に増加する。
本願における上記の回路構造は、更に、偏差の中で正常に動作し、偏差の中で正常に始まり、様々な動作周波数においてデバイスに互換性を提供すること等を行うことができる。
本願の実施形態は制御方法を提供する。制御方法はワイヤレス充電受信機回路に適用される。図15に示されるように方法は以下のステップを含む。
S1501:整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得する。
S1502:動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させる。
S1503:動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させる。
第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
オプションとして、図16A及び図16Bに示されるように、方法は以下のステップを更に含むことができる。
S1504:整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得する。
S1505:動作周波数が第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させる。
制御方法の詳細については、コントローラの上記内容を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
本願の実施形態は制御装置を更に提供する。制御装置は、前述の実装におけるコントローラの機能を実行するように構成されてもよい。本願の実施形態において、制御装置は、前述の方法例に基づいて機能モジュールに分割されてもよい。例えば、各々の機能モジュールは、各々の対応する機能に基づいて分割によって得られてもよいし、又は2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、又はソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。本願では、モジュールへの分割は一例であって単なる論理的な関数分割であり、実際の実装では分割である可能性がある。
各々の機能モジュールが、対応する機能各々に基づいて分割によって得られる場合に、図17は、前述の実施形態における制御装置の可能な構造の概略図である。制御装置17は、取得ユニット1711及び調整ユニット1712を含んでもよい。前述のユニットは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。本願で提供される制御装置は、コントローラの機能を実行するように構成される。従って、制御装置の対応する特徴及び制御装置によって達成され得る有益な効果については、前述の対応する実装で説明されている有益な効果を参照されたい。詳細はここでは再び説明されない。
例えば、取得ユニット1711は、図15のプロセスS1501や、図16(A)及び図16(B)のプロセスS1501及びS1504を実行するために制御装置17をサポートするように構成される。調整ユニット1712は、図15のプロセスS1502及びS1503、又は図16A及び図16BのプロセスS1502、S1503、及びS1505を実行するために制御装置17をサポートするように構成される。前述の方法の実施形態におけるステップの全ての関連する内容は、対応する機能モジュールの機能説明において引用されることが可能である。詳細はここで再び説明されない。
可能な実装において、取得ユニット1711は、整流回路の第1入力端部と第2入力端部との間の交流電圧の動作周波数を取得するように構成される。
動作周波数が第1周波数閾値より小さく、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように構成される。
動作周波数が第2周波数閾値より大きい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであって前記ワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を減少させるように構成される。第1周波数閾値は第2周波数閾値以下である。
可能な実装において、
取得ユニット1711は、更に、整流回路により出力される電圧と電流を取得し、電圧と電流に基づいて出力電力を取得するように構成される。
動作周波数が前記第1周波数閾値以上であり且つ第2周波数閾値以下であり、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値が、プリセット・キャパシタンス閾値より小さく、出力電力がプリセット電力閾値より小さい場合に、調整ユニット1712は、各々の出力端部で出力レベルを調整して、各々のキャパシタ・スイッチ網における第1可制御スイッチ・デバイスと第2可制御スイッチ・デバイスとがクローズ又はオープンにされるように制御し、N個のキャパシタ・スイッチ網におけるものであってワイヤレス充電受信機回路に接続されるキャパシタのキャパシタンス値のトータル値を増加させるように更に構成される。
図18は、前述の実施形態における制御装置の別の可能な構造の概略図である。制御装置18は、処理モジュール1822及び通信モジュール1823を含む。オプションとして、制御装置18は、ストレージ・モジュール1821を更に含んでもよい。前述のモジュールは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成される。
可能な方法において、処理モジュール1822は、制御装置18の動作を制御及び管理するように、又は対応する処理機能を実行するように、例えば取得ユニット1711及び調整ユニット1712の機能を実行するように構成される。通信モジュール1823は、他のデバイスと通信するために制御装置18をサポートするように構成される。ストレージ・モジュール1821は、制御装置のプログラム・コード及び/又はデータを記憶するように構成される。
処理モジュール1822は、例えば、中央処理ユニット(central processing unit,CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor,DSP)、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(field programmable gate array,FPGA)、又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、トランジスタ・ロジック・デバイス、ハードウェア構成要素、又はそれらの任意の組み合わせのような、プロセッサ又はコントローラであってもよい。処理モジュール1822は、本願で開示されるコンテンツに関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装又は実行してもよい。プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はDSPとマイクロプロセッサの組み合わせであってもよい。通信モジュール1823は、ネットワーク・インターフェース、通信インターフェース等であってもよい。ストレージ・モジュール1821はメモリであってもよい。
可能な方法において、処理モジュール1822は図9のプロセッサ980であってもよく、通信モジュール1823は図9のRF回路910であってもよく、ストレージ・モジュール1821は図9のメモリ920であってもよい。1つ以上のプログラムはメモリに記憶される。1つ以上のプログラムは命令を含む。この命令が制御装置によって実行されると、制御装置は、図15、図16A、及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、更に、プロセッサ及びメモリを含む制御装置を提供する。メモリはプログラムを記憶するように構成される。プロセッサは、メモリに記憶されたプログラムを呼び出して、制御装置が図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、更に、1つ以上のプログラムを記憶するコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータ記憶媒体はコンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムがプロセッサによって実行されると、制御装置は、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態は、命令を含むコンピュータ・プログラム製品を更に提供する。コンピュータ・プログラム製品が制御装置上で実行される場合に、制御装置は、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行することを可能にする。
本願の実施形態はチップ・システムを提供する。チップ・システムは、図15、図16A及び図16Bの何れかの関連する方法を実行するために制御装置をサポートするように構成されたプロセッサを含む。可能な設計において、チップ・システムはメモリを更に含む。メモリは、端末デバイスに必要なプログラム命令とデータを記憶するように構成される。チップ・システムは、チップと集積回路とを含んでもよいし、又はチップと別の個別デバイスとを含んでもよい。これは本願の実施態様において具体的に限定されない。
本願で提供される制御装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータ・プログラム製品、及びチップ・システムは全て、コントローラにより実行される前述の制御方法を実行するように構成される。従って、制御装置、コンピュータ記憶媒体、コンピュータ・プログラム製品、及びチップ・システムによって達成されることが可能な有益な効果については、前述の実装における有益な効果を参照されたい。詳細はここで再び説明されない。
前述のプロセスのシーケンス番号は、本願の実施態様における実行シーケンスを意味していないことが理解されるべきである。プロセスの実行シーケンスは、プロセスの機能及び内部論理に従って決定されるべきであり、本願の実施態様の実装プロセスに対する何らかの限定として解釈されるべきではない。
当業者は、本明細書で開示される実施形態で説明される例との組み合わせにおいて、ユニット及びアルゴリズム・ステップは、電子ハードウェア又はコンピュータ・ソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実現される可能性があることを認識することができる。機能がハードウェア又はソフトウェアによって実行されるかどうかは、特定のアプリケーション及び技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者は、各々の特定の用途について、説明された機能を実現するために様々な方法を使用することが可能であるが、その実現は本願の範囲を超えている、と考えられるべきではない。
便宜上及び簡潔な説明の目的で、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスを参照されたいということは、当業者によって明確に理解されることが可能であり、詳細はここで再び説明されない。
本願で提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、デバイス、及び方法は、他の方法で実施されてもよいことは理解されるはずである。例えば、説明されるデバイスの実施形態は単なる例である。例えば、ユニットへの分割は、単なる論理な機能分割であり、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素は、別のシステムに結合又は統合されてもよいし、或いは幾つかの特徴は、無視されるか又は実行されなくてもよい。更に、図示又は説明された相互の結合、直接的な結合、又は通信接続は、幾つかのインターフェースを介して実現されてもよい。デバイス又はユニット間の間接的な結合又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形式で実現されることが可能である。
別個のパーツとして説明されるユニットは物理的に別々であってもなくてもよいし、ユニットとして図示されるパーツは物理的なユニットであってもなくてもよいし、一カ所に位置していてもよいし、或いは複数のネットワーク・ユニットに分散されていてもよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されてもよい。
更に、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、或いは各ユニットは物理的に単独で存在してもよいし、或いは複数のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
前述の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実現されることが可能である。ソフトウェア・プログラムが実施形態を実現するために使用される場合、実施形態は、全体的又は部分的に、コンピュータ・プログラム製品の形式で実現されることが可能である。コンピュータ・プログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・プログラム命令がコンピュータ上でロードされて実行される場合、本願の実施形態による手順又は機能は全部又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータ・ネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよいし、又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体へ伝送されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターから、別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、又はデータ・センターへ、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、又はマイクロ波)方式で伝送されることが可能である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体、又は1つ以上の利用可能な媒体を統合するサーバー又はデータ・センターのようなデータ・ストレージ・デバイスであってもよい。利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Disk,SSD))等であってもよい。
前述の説明は、本願の単なる具体的な実装に過ぎず、本願の保護範囲を限定するようには意図されていない。本願で開示された技術的範囲内で、当業者により容易に把握される如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲に該当するものとする。従って、本願の保護範囲はクレームの保護範囲に従うものとする。