JP2022501340A - メトホルミンの作用を増強する化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、概して、メトホルミン又はその塩と、一般式(I)を有する化合物又はその塩と、を含む薬物に関する。本発明は、更に、代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に使用するための、上記薬物を含む医薬組成物に関する。【選択図】 なし

Description

序論
国際ガイドラインによれば、ビグアニドの1つであるメトホルミンは、その効力、低血糖症のリスクが非常に低いこと、及び低コストであることを主な理由として、2型糖尿病の治療に推奨される第一選択の経口治療薬である(PMID:18941734)。加えて、心血管疾患及び癌発生率の低減を含む他の有益な効果が存在する可能性が高い(PMID:15849206)。
まれではあるが、メトホルミンは、命致命的な乳酸アシドーシス及び他の望ましくない効果などの、いくらかのリスクを有する。胃腸(GI)副作用が患者の主訴であり、最も一般的なGI副作用は、下痢、悪心、及び嘔吐で(最近の文献によると2%〜63%の有病率)、他のすべての経口抗糖尿病薬よりも多く発生しており、コンプライアンスを損なう。結果として、患者の約5%が治療を中止する。したがって、他の薬剤/介入を用いて、低用量のメトホルミンの効果を模倣又は増強する代替的な解決策が望ましい。
メトホルミンがその治療効果を誘発する分子機構は、まだ完全には解明されていない。メトホルミンの最も確立された細胞作用のうちの1つは、新規脂質生成を阻害して肝臓内の過剰な脂質を減少させることで、AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性化によるインスリン感受性の改善をもたらすというものである(PMID:11602624、24185692)。AMPKは、細胞エネルギーの恒常性維持の主要な制御因子であり、代謝異常(すなわち、肥満、2型糖尿病、心血管疾患)の重要な創薬標的と考えられる。医薬品業界で継続的に集中的取り組みがなされているにもかかわらず、現在、代謝異常を治療するために利用可能な直接AMPK活性化薬は存在しない。
本発明は、治療を直接天然AMPK活性化剤と組み合わせることによって、より低いメトホルミン用量を可能にする解決策を提供する。
薬物
本発明は、概して、(i)代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に好適な作用剤と、(ii)本明細書に記載の一般式(I)を有する化合物と、を含む薬物に関する。
一実施形態では、化合物(i)は抗糖尿病剤である。一実施形態では、化合物(i)は、ビグアニド化合物、例えば、メトホルミン又はその塩である。
特に、本発明は、
(i)メトホルミン、又はこれらの塩と、
(ii)一般式(I)
Figure 2022501340

を有する化合物、又はその塩と、
を含む薬物に関し、
化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R2、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R4は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R4は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R4は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸である。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R4は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R6は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸である。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMeであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、H;OHであり;R5は、H;OMeであり;R6は、H;OHであり;かつ、R7は、H;OHである。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、R6、及びR8は、それぞれ独立して、Hであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、OH;R5は、H;OMeであり;かつ、R7は、H;OHである。
一実施形態では、化合物(ii)は、ルシアントリジン(7−メトキシ−9,10−ジヒドロフェナントレン−2,5−ジオール、CAS番号87530−30−1)であり、次式を有する。
Figure 2022501340

一実施形態では、薬物の化合物(i)及び化合物(ii)は、単一製剤において組み合わされる。一実施形態では、薬物の化合物(i)及び化合物(ii)は、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と、単一製剤において組み合わされる。
一実施形態では、薬物の化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、組み合わせて使用される。一実施形態では、薬物の化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、スルホニル尿素化合物、又はその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、チアゾリジンジオン化合物、又はその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、α−グルコシダーゼ阻害化合物、又はその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、GLP−1類似体化合物、又はその塩である。
医薬組成物
本明細書に記載される本発明の薬物を薬学的に許容可能な形態で含む医薬組成物も提供される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(i)代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に好適な作用剤、又は薬学的に許容可能なその塩と、(ii)本明細書に記載の一般式(I)を有する化合物又は薬学的に許容可能なその塩と、を含む。
いくつかの実施形態では、化合物(i)は抗糖尿病剤である。いくつかの実施形態では、抗糖尿病剤は、ビグアニド又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、ビグアニドは、メトホルミン又は薬学的に許容可能なその塩である。
いくつかの実施形態では、化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R4は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸である。
いくつかの実施形態では、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R4は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;R6は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸であり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;アルデヒド;カルボン酸である。
いくつかの実施形態では、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMeであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、H;OHであり;R5は、H;OMeであり;R6は、H;OHであり;かつ、R7は、H;OHである。
いくつかの実施形態では、R1、R3、R6、及びR8は、それぞれ独立して、Hであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、OHであり;R5は、Hであり;OMeであり;かつ、R7は、H;OHである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、(i)メトホルミン又は薬学的に許容可能なその塩と、(ii)ルシアントリジン又は薬学的に許容可能なその塩と、を含む。
一実施形態では、医薬組成物の化合物(i)及び化合物(ii)は、単一製剤において組み合わされる。一実施形態では、医薬組成物の化合物(i)及び化合物(ii)は、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と、単一製剤において組み合わされる。
一実施形態では、医薬組成物の化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、組み合わせて使用される。一実施形態では、医薬組成物の化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病化合物は、スルホニル尿素化合物、又は薬学的なその塩(pharmaceutically salt)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、チアゾリジンジオン化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、α−グルコシダーゼ阻害化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、GLP−1類似体化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。
代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に使用するための、本明細書に記載の医薬組成物も提供される。
一実施形態では、代謝疾患は糖尿病である。一実施形態では、代謝疾患は、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)である。一実施形態では、代謝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)である。
一実施形態では、医薬組成物は、脂質生成の阻害を増加させることによる糖尿病又はNAFLDの予防又は治療に使用するためのものである。
一実施形態では、医薬組成物は、肝細胞における脂質生成の阻害を増加させることによる糖尿病又はNAFLDの予防又は治療に使用するためのものである。
一実施形態では、医薬組成物は、(i)肝細胞における脂質生成の阻害を増加させることと、(ii)AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性化によってインスリン感受性を改善することとによる、糖尿病の予防又は治療に使用するためのものである。
一実施形態では、化合物(i)は、化合物(ii)と組み合わせて使用することで、化合物(i)は含むものの化合物(ii)は含まない医薬組成物と比較して実質的に同程度の脂肪生成阻害を目的として、薬理学的用量未満(sub-pharmacological dose)で使用できる。
一実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、対象は、更なる状態、障害、又は疾患を発症している、又は発症するリスクがあり、この更なる状態、障害又は疾患は、心血管代謝の健康、癌、肥満、非アルコール性脂肪肝疾患、及び/又は心血管疾患に関連する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、更なる状態、障害、又は疾患は、心血管代謝の健康及び/又は癌に関連する。
一実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、化合物(i)は、薬理学的用量未満で使用される。
一実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、メトホルミンは、薬理学的用量未満で使用され、上記の薬理学的用量未満は、対象の標準的薬理学的用量の約50%以上である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本発明による使用のためのものであり、薬理学的用量未満のメトホルミンは、メトホルミン使用に関連する副作用の発生率を低減し、かかる副作用は、乳酸アシドーシス、及び/又は胃腸管副作用、特に下痢、悪心、及び嘔吐である。
いくつかの実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、グルコファージ又はグルコファージXRである。グルコファージの典型的な標準的薬理学的用量は、1gを1日2回である。グルコファージXRの典型的な標準的薬理学的用量は、1日1回夕食時に最大2gである。
一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、単一製剤において組み合わされる。一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と、単一製剤において組み合わされる。
一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、組み合わせて使用される。一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、スルホニル尿素化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、チアゾリジンジオン化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、α−グルコシダーゼ阻害化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、GLP−1類似体化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。
疾患を予防又は治療する方法
投与を必要とする対象への本発明の薬物又は医薬組成物の投与を含む、代謝疾患又は心血管疾患を予防又は治療する方法であって、薬物又は医薬組成物は、(i)代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に好適な作用剤、及び/又は(ii)本明細書に記載の一般式(I)を有する化合物、を含む、方法も提供される。
一実施形態では、代謝疾患は糖尿病である。一実施形態では、方法は、例えば肝細胞における脂質生成の阻害を増加させる。一実施形態では、方法は、AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性化によってインスリン感受性を改善する。
一実施形態では、化合物(i)は、化合物(ii)と組み合わせて使用することで、化合物(i)は含むものの化合物(ii)は含まない医薬組成物と比較して実質的に同程度の脂肪生成阻害を目的として、薬理学的用量未満で投与できる。
いくつかの実施形態では、対象は、更なる状態、障害、又は疾患を発症している、又は発症するリスクがあり、この更なる状態、障害又は疾患は、心血管代謝の健康、癌、肥満、非アルコール性脂肪肝疾患、及び/又は心血管疾患に関する。いくつかの実施形態では、更なる状態、障害、又は疾患は、心血管代謝の健康、及び/又は癌に関する。
一実施形態では、化合物(i)は、薬理学的用量未満で投与される。
一実施形態では、化合物(i)はメトホルミンであり、メトホルミンは、薬理学的用量未満で投与され、当該薬理学的用量未満は、対象の標準的薬理学的用量の約50%以下である。
いくつかの実施形態では、薬理学的用量未満のメトホルミンは、メトホルミン投与に関連する副作用の発生率を低減し、かかる副作用は、乳酸アシドーシス、及び/又は胃腸管副作用、特に下痢、悪心、及び嘔吐である。
本明細書に開示される抗糖尿病剤メトホルミンは、その塩酸塩(グルコファージ(登録商標))、Bristol−Myers Squibb Company)の形態で市販され得る。いくつかの実施形態では、本発明による使用のための医薬組成物は、グルコファージ又はグルコファージXRである。グルコファージの典型的な標準的薬理学的用量は、1gを1日2回である。グルコファージXRの典型的な標準的薬理学的用量は、1日1回夕食時に最大2gである。
一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、単一製剤において組み合わされる。一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と、単一製剤において組み合わされる。
一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、組み合わせて投与される。一実施形態では、化合物(i)及び化合物(ii)は、複数の組成物に別々に配合され、化合物(i)とは異なる少なくとも1つの他の抗糖尿病剤と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病化合物は、スルホニル尿素化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、チアゾリジンジオン化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、α−グルコシダーゼ阻害化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの他の抗糖尿病剤は、GLP−1類似体化合物、又は薬学的に許容可能なその塩である。
対象における代謝疾患の第一選択の治療のための方法も提供され、この方法は、治療を必要とする対象に、第一選択の療法として、薬理学的用量未満のメトホルミンと、本明細書に記載の一般式(I)の化合物(AMPK活性化剤である)と、を含む医薬処方物の治療的に有効な用量を投与することを含む。
一実施形態では、代謝疾患は糖尿病である。一実施形態では、ヒト対象は、薬剤未投与(drugnative)である。
細菌に発現させたAMPKα2β1γ1の、AMP及びルシアントリジンによる活性化。ルシアントリジン(7−メトキシ−9,10−ジヒドロフェナントレン−2,5−ジオール、CAS番号87530−30−1)をAMPと組み合わせると、AMPKの相加的活性化が得られる。AMPKγサブユニットを介したAMPの結合は、AMPK活性の用量依存的増加をもたらし、ルシアントリジンは、様々な濃度での添加により、AMP活性化のEC50には影響せずにAMPKの相加的活性化をもたらす。 ルシアントリジン単独、及びメトホルミン単独は、低濃度で脂質生成の阻害を生じる。これらの2つの活性化剤を組み合わせて使用した場合、脂質生成の更なる増加が認められる。
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、又は1〜15個の炭素原子、又は1〜10個の炭素原子、又は1〜8個の炭素原子、又は1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する分枝状又は非分枝状の飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、テトラデシル基などの基によって例示される。
用語「置換アルキル」は、以下を指す:
1)アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、シクロアルケニルオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アミノカルボニル基、アルコキシカルボニルアミノ基、アジド基、シアノ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、ケト基、チオカルボニル基、カルボキシ基、カルボキシアルキル基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロシクリルチオ基、チオール基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、アミノスルホニル基、アミノカルボニルアミノ基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクロオキシ基、ヒドロキシアミノ基、アルコキシアミノ基、ニトロ基、−S(O)−アルキル基、−S(O)−シクロアルキル基、−S(O)−ヘテロシクリル基、−S(O)−アリール基、−S(O)−ヘテロアリール基、−S(O)2−アルキル基、−S(O)2−シクロアルキル基、−S(O)2−ヘテロシクリル基、−S(O)2−アリール基及び−S(O)2−ヘテロアリール基からなる群から選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基(いくつかの実施形態では、1個、2個又は3個の置換基)を有する、上記定義によるアルキル鎖。定義によって特に制約されない限り、すべての置換基は、場合により、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボキシ基、カルボキシアルキル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、CF3基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、及び−S(O)nR<a>基[式中、R<a>はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、nは0、1、又は2である]から選択される1個、2個、又は3個の置換基によって更に置換され得る;又は
2)酸素、硫黄、及びNR<a>[式中、R<a>は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、及びヘテロシクリル基から選択される]から独立して選択される1〜10個の原子(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個の原子)が介在する、上記定義によるアルキル鎖。すべての置換基は、場合により、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボキシ基、カルボキシアルキル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、CF3基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、アリール基、ヘテロアリール基、及び−S(O)nR<a>[式中、R<a>はアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基であり、nは0、1、又は2である]によって更に置換され得る;又は
3)1個、2個、3個、4個、又は5個の上記定義による置換基を有し、かつ上記定義による1〜10個の原子(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個の原子)が介在する、上記定義によるアルキル基。
用語「アルケニル」は、アルキル基の2個の原子が、芳香族基の一部ではない二重結合を形成するアルキル鎖の種類を指す。すなわち、アルケニル鎖は、R−C(R)=C(R)−Rのパターンを含有し、式中、Rは、アルケニル基の残りの部分を指し、同じであっても異なっていてもよい。アルケニル鎖の非限定的な例としては、−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−CH=CHCH3、−C(CH3)=CHCH3、−CH2−CH=C(CH3)2、及び−C(CH3)2−CH=CH2が挙げられる。アルケニル部分は、分枝状、直鎖状、又は環状(この場合、該部分は「シクロアルケニル」基としても知られる)であってもよい。アルケニル基は、場合により置換され得る。
用語「アルキニル」は、アルキル基の2個の原子が三重結合を形成するアルキル鎖の種類を指す。すなわち、アルキニル基は、R−C≡C−Rのパターンを含み、式中、Rは、アルキニル基の残りの部分を指し、同じであっても異なっていてもよい。アルキニル基の非限定的な例としては、−C≡CH、−C≡CCH3、及び−C≡CCH2CH3が挙げられる。アルキニル部分の「R」部分は、分枝状、直鎖状、又は環状であってもよい。アルキニル基は、場合により置換され得る。
用語「多価不飽和」は、以下を指す。
1)アルキル基の1対を超える原子が、芳香族基の一部ではない二重結合を形成する、ポリアルケニルとして知られる鎖。すなわち、ポリアルケニル鎖は、R−C(R)=C(R)−Rのパターンを数個含有し、式中、Rは、アルケニル基の残りの部分を指し、同じであっても異なっていてもよい。ポリアルケニル鎖の非限定的な例としては、−CH=CH−CH=CH−、−CH2−CH=CCH3−CH2−CH2−CH=C(CH3)2、及び−CH2−CH=CCH3−CH2−CH2−CH=CCH3−−CH2−CH2−CH=C(CH3)2が挙げられる。ポリアルケニル部分は、分枝鎖でも直鎖でもよい。2つの二重結合を含有するポリアルケニル部分は、環状(この場合、該部分は「シクロジアルケニル」基としても知られる)であってもよい。シクロジアルケニル基の非限定的な例としては、シクロペンタジエン基及びシクロヘキサジエン基が挙げられる。ポリアルケニル基は、場合により置換され得る。
2)アルキル基の1対を超える原子が三重結合を形成する、ポリアルキニルとして知られる鎖。すなわち、ポリアルキニル基は、R−C≡C−Rのパターンを数個含み、式中、Rは、アルキニル基の残りの部分を指し、同じであっても異なっていてもよい。ポリアルキニル基の非限定的な例としては、−CH2−CH2−C≡C−C≡CHが挙げられる。ポリアルキニル部分の「R」部分は、分枝状、直鎖状、又は環状であってもよい。アルキニル基は、場合により置換され得る。
3)アルキル基の少なくとも1対の原子が二重結合を形成し、アルキル基の1対の原子が三重結合を形成するアルキル鎖の種類。すなわち、多価不飽和鎖は、R−C(R)=C(R)−R及びR−C≡C−Rの両方のパターンを含有し、式中、Rは、多価不飽和鎖の残りの部分を指し、同じであっても異なっていてもよい。この種の多価不飽和鎖の非限定的な例としては、−CH2−CH=CH−C≡CHが挙げられる。多価不飽和部分の「R」部分は、分枝状、直鎖状、又は環状であってもよい。多価不飽和鎖は、場合により置換され得る。
4)酸素、硫黄、及びNR<a>[式中、R<a>は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、及びヘテロシクリル基から選択される]から独立して選択される1〜10個の原子(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個の原子)が介在する、上記段落1〜3の定義による多価不飽和鎖。
本明細書で使用するとき、用語「環」は、共有結合により閉鎖されている任意の構造を指す。環には、例えば、炭素環(例えば、アリール及びシクロアルキル)、複素環(例えば、ヘテロアリール及び非芳香族複素環)、芳香族(例えば、アリール及びヘテロアリール)、並びに非芳香族(例えば、シクロアルキル及び非芳香族複素環)が含まれる。環は、場合により置換されていてもよい。環は、環系の一部を形成し得る。本明細書で使用するとき、用語「環系」は、環のうちの2つ以上が縮合している、2つ以上の環を指す。用語「縮合」は、2つ以上の環が1つ以上の結合を共有する構造を指す。
用語「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を指し得る。
本明細書で使用するとき、用語「類似体」は、別のものと類似の構造を有するが、特定の構成成分に関して当該別のものとは異なる化合物を指すものと理解される。「誘導体」は、1つ以上の原子を別の原子又は原子の群と置換することによって、親化合物から生じる又は実際に合成される化合物である。
本明細書に記載される化学構造の構成要素は、以下のように更に定義できる:用語「不飽和」は、炭素原子間に少なくとも1つ、最大8つの二重結合を含有することを意味する。「脱水」は、1つはヒドロキシルを有し、他方は少なくとも1つの水素を有する2つの隣接する炭素間で水が失われて、二重結合が形成されることを意味する。「還元」は、二重結合に水素が付加されて単結合の形成が生じることを意味し、典型的には、カルボニルのアルコールへの還元、又は不飽和鎖の飽和鎖への還元を意味する。炭素酸化は、例えば、メチルからアルコールへ、アルデヒドへ、そして最終的にカルボン酸へといった段階的なものであってもよい。
本明細書で使用するとき、用語「アルデヒド」は、一般構造−C−[C(=O)]n−H又はH−[C(=O)]n−H(nは1以上であり、−[C(=O)]−n基に結合した炭素原子は、酸素、硫黄、セレン、若しくはテルルに二重結合してない、又は窒素に三重結合していない)を有する、有機化合物を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「アミン」は、炭素原子に単結合又は二重結合した窒素原子を有する有機化合物を意味し、上記窒素原子に結合した炭素原子は、酸素、硫黄、セレン、若しくはテルルへの二重結合又は窒素への三重結合を有していない。更に、同じ窒素原子が、−C(=X)−基(XはO、S、Se、又はTeである)に結合し、かつ酸素、硫黄、セレン、又はテルルに二重結合していない炭素原子に結合している化合物は、アミンとはみなされない(例えば、−C−NH−C(X=)−)。
本明細書で使用するとき、用語「シアノ」は、隣接する炭素原子と窒素原子との間の三重結合を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「カルボン酸」は、−C(=O)OH基の存在を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「メトホルミン」は、メトホルミン又はその塩、例えば、塩酸塩、メトホルミン(2:1)フマル酸塩、及びメトホルミン(2:1)コハク酸塩、臭化水素酸塩、p−クロロフェノキシ酢酸塩又はエンボン酸塩、並びに他の既知の一塩基性及び二塩基性カルボン酸のメトホルミン塩を指し、該塩のすべてを集合的にメトホルミンと呼ぶ。本明細書で言及されるメトホルミンは、メトホルミン塩酸塩、すなわち、グルコファージ(登録商標)(Bristol−Myers Squibb Companyの商標)として販売されているものであってもよい。
本発明の医薬組成物は、経口単位剤形として、例えば、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、散剤、トローチ、顆粒剤、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、エリキシル剤、経口液体製剤、食用食品製品、プレバイオティクス、プロバイオティクス、飲料、食品バー、スムージー、シェイク、又はヨーグルトとして配合することができる。医薬組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤、保存剤、時間遅延又は遅延崩壊材料、標準的な経口ビヒクル、好適な担体、賦形剤、又は希釈剤から選択される1種以上の任意の作用剤を更に含んでもよい。
医薬組成物は、場合により、1つ以上の充填剤又は賦形剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、改質トウモロコシデンプン、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウムなどの無機塩、並びに/又は木材セルロース及び微結晶セルロースなどのセルロース誘導体を含んでもよい。
充填剤に加えて、又は充填剤の代わりに、1つ以上の結合剤が存在してもよい。本明細書での使用に好適なこのような結合剤の例としては、ポリビニルピロリドン、ラクトース、トウモロコシデンプンなどのデンプン、改質トウモロコシデンプン、糖、アラビアガムなど、並びにカルナバワックス、パラフィン、鯨ろう、ポリエチレン又は微結晶ワックスなどの微粉形態のワックス結合剤が挙げられる。
医薬組成物を錠剤の形態とする場合、医薬組成物は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナバワックスなどの打錠用滑沢剤を1つ以上含むこととなる。場合により存在し得る他の従来の成分としては、保存料、安定剤、抗接着剤、又はシリカ流動調節剤又は流動促進剤、例えば、Syloidブランドの二酸化ケイ素、並びにFD&C着色料が挙げられる。
錠剤は、コーティング層も含み得る。コーティング層は、内部に埋め込まれた内部固相粒子を含有する外部固相の上に適用され、任意の従来のコーティング配合物を含んでもよく、1つ以上のフィルム形成剤又は結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマー、及び/又はメタクリル酸エステル中性ポリマーなどの疎水性ポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸コポリマー、β−ピネン重合体、木材樹脂のグリセリルエステルなど)と、1つ以上の可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、プロピレングリコール、グリセリン、フタル酸ブチル、ヒマシ油など)とを含む。コア錠剤及びコーティング製剤は両方とも、色を付与するためにアルミニウムレーキを含有してもよい。
フィルム形成剤は、水、メチルアルコール、エチルアルコール又はイソプロピルアルコールなどのアルコール、アセトン又はエチルメチルケトンなどのケトン、塩化メチレン、ジクロロエタン、及び1,1,1−トリクロロエタンなどの塩素化炭化水素などの1つ以上の溶媒を含有する溶媒系から適用される。
色が用いられる場合、色は、フィルム形成剤、可塑剤、及び溶媒組成物と共に適用されることとなる。
完成した剤形は、圧縮錠剤又は硬質ゼラチンカプセルのいずれかであってよく、好ましくは錠剤であり得る。錠剤は、場合によりフィルムコーティングされていてもよい。投与単位当たりの薬剤の総量は、患者にとって便利な大きさの剤形を提供する量である。
本発明の医薬組成物は、好ましくは経口投与により投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内投与、局所投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、病巣内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与、眼内投与、心臓内投与、硝子体内投与、骨内投与、脳内投与、動脈内投与、関節内投与、皮内投与、経皮投与、経粘膜投与、舌下投与、腸内投与、唇下投与、吹送投与、坐剤投与、吸入投与、又は皮下投与によって投与されてもよい。
本発明の組成物は、1ヶ月未満で認められる急性の効果(acute effect)を有し得る。追加的に又は代替的に、組成物は、長期間の効果を有することができ、したがって、様々な実施形態は、少なくとも1ヶ月;好ましくは少なくとも2カ月、より好ましくは少なくとも3カ月、4カ月、5カ月又は6カ月、最も好ましくは少なくとも1年の期間にわたる、個体への組成物の投与(例えば、経口的に)を含む。この期間中に、組成物は、少なくとも1週間に1日、好ましくは1週間に少なくとも2日、より好ましくは1週間に少なくとも3日、4日、5日又は6日、最も好ましくは、1週間に7日、個体に投与できる。組成物は、1日1回単回用量で投与することも、1日に複数の分割用量で投与することもできる。
本明細書で使用するとき、「AMPK活性化剤」は、(リン酸化又非リン酸化)AMPKの下流基質のリン酸化を増加させる化合物、及び/又はAMPKのリン酸化若しくは酵素活性を増加させる化合物を指す。
本明細書で使用するとき、「直接AMPK活性化剤」は、少なくともサブユニットのうちの1つに結合して、AMPK三量体複合体構造と直接相互作用することにより、AMPKを活性化する化合物を指す。
本明細書で使用するとき、「AMPK活性化に応答する」状態、障害、又は疾患とは、AMPKの活性化によって、症状が緩和されるもの、又はその過程が有益に変更されるものを指し、癌、NAFLD、代謝異常、糖尿病、脂質異常症、高血圧、過体重、及び肥満が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「糖尿病」は、インスリン依存性真性糖尿病(すなわち、1型糖尿病としても知られるIDDM)、非インスリン依存性真性糖尿病(すなわち、2型糖尿病としても知られるNIDDM)、及び境界型糖尿病を含む。1型糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモンであるインスリンの絶対的な欠乏の結果である。2型糖尿病は、多くの場合は正常なインスリンレベルで、又は高インスリンレベルでも発生し、組織のインスリンに対する適切な応答が喪失している結果であると考えられる。この状態は「インスリン抵抗性」と呼ばれる。ほとんどの2型糖尿病患者は、体重過多又は肥満でもある。糖尿病を診断するための基準の1つは、空腹時血漿グルコース濃度である。糖尿病の対象は、126mg/dl以上の空腹時血漿グルコース濃度を有する。境界型糖尿病の対象は、境界型糖尿病に罹患している者である。境界型糖尿病の対象は、空腹時血糖障害(空腹時血漿グルコース濃度が100mg/dl以上かつ126mg/dl未満);又は耐糖能障害(2時間血漿グルコース濃度が140mg/dl以上かつ200mg/dl未満);又はインスリン抵抗性を有し、その結果糖尿病を発症するリスクが増加している対象である。2型糖尿病の予防は、境界型糖尿病の治療を含む。
本明細書で使用するとき、用語「脂質異常症」は、任意の脂質画分の異常値及び特定のリポタンパク質異常を包含する。例えば、脂質異常症は、血漿コレステロールの上昇及び/又はトリグリセリドの上昇及び/又は遊離脂肪酸の上昇及び/又は低い高密度リポタンパク質(HDL)値及び/又は高い低密度リポタンパク質(LDL)値及び/又は高い超低密度リポタンパク質(VLDL)値を指す。脂質異常症は、例えば、アテローム性動脈硬化症、及び最終的には冠動脈心疾患を含む症候性血管疾患の発症に寄与し得る。脂質異常症は、糖尿病と関連付けられている場合も関連付けられていない場合もある。
本明細書で使用するとき、用語「代謝異常」は、環境因子及び遺伝因子(環境因子には、身体活動度(physical activity)、栄養を含む)が原因で、正常な代謝を妨害し、特定物質の過剰値又は欠乏を招き、及びエネルギー恒常性の機能不全をもたらす、任意の異常な化学反応及び酵素反応を包含する。代謝異常の非限定的な例としては、糖尿病、NAFLD、脂質異常症、高血圧症、過体重、肥満、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「AMPK関連疾患」は、AMPKの活性化が健康に良い効果をもたらす病理学的状態又はゲノム病理学的状態を含む。かかる疾患又は状態の例としては、肥満、糖尿病、メタボリックシンドローム、急性炎症性肺損傷、心臓疾患、再潅流虚血、癌、老化、網膜変性、心肥大、非アルコール性脂肪性肝疾患、高血圧、アルブミン尿症、散発性アルツハイマー病、筋ジストロフィー、及び変形性関節症が挙げられる。
「予防」又は「予防すること」は、状態、障害、又は疾患のリスク及び/又は重症度の低減を含む。
用語「治療」、「治療すること」、「治療する」、「軽減する」及び「緩和する」は、抑止的又は予防的治療(標的とする病的状態又は障害を予防する及び/又は発症を遅らせる治療)と、治癒的、治療的、又は疾患改質的治療との両方が含まれ、例えば、診断された病的状態又は障害の治癒、遅延、症状の軽減、及び/又は進行の停止のための治療的手段、並びに、疾患に感染する危険性がある患者、又は疾患に感染した疑いのある患者、及び体調不良の患者、又は疾患若しくは医学的状態に罹患していると診断された患者の治療が含まれる。この用語は、必ずしも完治するまで対象が処置/治療されることを意味するものではない。これらの用語はまた、疾患を患ってはいないが、不健康な状態を起こしやすい対象の健康維持及び/又は促進も意味する。これらの用語はまた、1つ以上の主たる予防的又は治療的手段の相乗作用あるいは増強を含むことを意図するものである。用語「治療」、「治療する」、「軽減する」及び「緩和する」は更に、疾患若しくは症状に対する食事療法、又は疾患若しくは症状の予防(prophylaxis)若しくは予防(prevention)のための食事療法を含むことを意図するものである。治療/処置は患者に関連するものであってもよく、又は医師に関連するものであってもよい。
肥満は、除脂肪体重に対して体脂肪が過剰であり、現代社会において非常に一般的な慢性疾患である。これは、社会的不名誉だけでなく、寿命の短縮、並びに有害な精神発達、冠状動脈疾患、高血圧、脳卒中、糖尿病、高脂血症、及び一部の癌を含む多数の医学的問題も伴う(例えば、Nishina,et al.,Metab.43:554−558,1994;Grundy and Barnett,Dis.Mon.36:641−731,1990;Rissanen,et al.,British Medical Journal,301:835−837,1990を参照されたい)。
肥満関連疾患は、過剰体重又は高い「体格指数(BMI)」が、疾患又は状態の進行又は抑制と結びつけられている疾患又は状態である。肥満関連疾患の代表例としては、限定するものではないが、糖尿病、糖尿病合併症、インスリン感受性、多嚢胞性卵巣疾患、高血糖症、脂質異常症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、肥満、体重増加、炎症性疾患、消化器官の疾患、狭心症、心筋梗塞、狭心症又は心筋梗塞の後遺症、老年性認知症、及び脳血管性認知症が挙げられる。Harrison’s Principles of Internal Medicine,13th Ed.,McGraw Hill Companies Inc.,New York(1994)を参照されたい。限定するものではないが、炎症状態の例としては、消化器官の疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病、膵炎、胃炎、消化器の良性腫瘍、消化性ポリープ、遺伝性ポリポーシス症候群、大腸癌、直腸癌、胃癌、及び消化器の潰瘍性疾患)、狭心症、心筋梗塞、狭心症又は心筋梗塞の後遺症、老年性認知症、脳血管性認知症、免疫疾患、及び癌全般が挙げられる。
用語「対象」又は「個体」は、本明細書に開示される化合物、組成物、又は方法のうちの1つ以上から利益を得ることができる、ヒトを含む任意の動物を意味する。概して、対象は、ヒト、又は鳥類、ウシ、イヌ、ウマ、ネコ、ヤギ、オオカミ、ネズミ、ヒツジ、若しくはブタの動物である。対象は「コンパニオンアニマル」であってよく、すなわち任意の飼いならされた動物であり、限定するものではないが、ネコ、イヌ、ウサギ、モルモット、フェレット、ハムスター、マウス、アレチネズミ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ロバ、ブタなどが挙げられる。好ましくは、対象は、ヒトである、又はイヌ若しくはネコなどのコンパニオンアニマルである。対象は、老齢又は高齢者であり得る。用語「老齢」は、ヒトに関連して、少なくとも60歳、好ましくは63歳超、より好ましくは65歳超、最も好ましくは70歳超の年齢を意味する。用語「高齢者」は、ヒトに関連して、少なくとも45歳、好ましくは50歳超、より好ましくは55歳超の年齢を意味し、老齢の対象を含む。他の動物の場合、「高齢個体」とは、その個々の種及び/又は種内の系統において、平均寿命の50%を超えた動物をいう。動物は、平均期待寿命の66%を超えた場合、好ましくは平均期待寿命の75%を超えた場合、より好ましくは平均期待寿命の80%を超えた場合に、「老齢」であるとみなされる。老齢のネコ又はイヌは、少なくとも約7歳齢である。
本明細書で使用する場合、「有効な用量」又は「有効な量」とは、対象において、欠乏を防ぐ量、障害、状態、若しくは疾患を処置する量、又は、更に一般的には、対象に対して、症状を軽減する、疾患の進行を管理する、若しくは栄養学的、生理学的、若しくは医学的利益を提供する量である。本願明細書に開示される組成物の効果に関連する「改善された」、「増加した」、「増強された」などの相対的用語は、1つ以上の成分を含まず、及び/又は1つ以上の成分の量が異なるが、その他の成分については同一である組成物と比較した場合に用いられる。
本明細書で使用するとき、単数形「1つの」(「a」、「an」及び「the」)には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「1つの構成成分(a component)」又は「その構成成分(the component)」についての言及は、2つ以上の構成成分を含む。
別段の定義がされていない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって通常理解されているものと同じ意味を持つ。本明細書では、当業者に既知の様々な方法論及び材料を参照する。組み換えDNA技術の一般原理を示す標準的な参照文献としては、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1989);Kaufman et al.,Eds.,Handbook of Molecular and Cellular Methods in Biology in Medicine,CRC Press,Boca Raton(1995);McPherson,Ed.,Directed Mutagenesis:A Practical Approach,IRL Press,Oxford(1991)が挙げられる。薬理学の一般原理を示す標準的な参照文献としては、GoodmanとGilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics,10th Ed.,McGraw Hill Companies Inc.,New York(2001)が挙げられる。本明細書で使用される標準的な医療用語は、Stedman’s Medical Dictionary,27th Edition,with veterinary medicine insertに定義された意味を有する。
本明細書に記載するすべての百分率は、別途記載のない限り、組成物の総重量によるものである。本明細書で使用するとき、「約」、「およそ」、及び「実質的に」は、数値範囲内、例えば、参照数字の−10%から+10%の範囲内、好ましくは−5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照数字の−1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照数字の−0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。本明細書におけるすべての数値範囲は、その範囲内のすべての整数又は分数を含むと理解されるべきである。更に、これらの数値範囲は、この範囲内の任意の数又は数の部分集合を対象とする請求項を支持すると解釈されたい。例えば、1〜10という開示は、1〜8、3〜7、1〜9、3.6〜4.6、3.5〜9.9などの範囲を支持するものと解釈されたい。
本明細書で使用するとき、移行句又は請求項の本文において、用語「含む」(comprise(s)及びcomprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、上記の用語は、「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」という語句と同義であると解釈されるべきである。方法の文脈において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、当該方法が少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含み得ることを意味する。化合物又は組成物の文脈で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、当該化合物又は組成物が、少なくとも列挙された特徴又は化合物を含むが、追加の特徴又は化合物も含み得ることを意味する。「X及び/又はY」の文脈にて使用される用語「及び/又は」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。
以下に、本発明の特定の実施形態を詳細に参照する。本発明をこれらの特定の実施形態と併せて説明するが、本発明をそのような特定の実施形態に限定することを意図するものではないことは理解されるであろう。対照的に、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれ得る代替物、修正物、及び等価物を網羅することが意図される。本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が以下の説明において記載される。本発明は、これらの具体的な詳細の一部又はすべてを伴わずに実施されてもよい。その他の場合には、本発明を不必要に不明瞭にしないために、周知の方法及びプロトコルを詳細には記載していない。
実施例1
ルシアントリジンは、細菌に発現させたAMPKα2β1γ1複合体のAMPによる活性化に対して相加効果をもたらす。
細菌にAMPKヘテロ三量体を発現させ、His−αサブユニットを用いてニッケル精製により精製し、ゲル濾過により更に精製し、最後にCaMKKβとインキュベートしてリン酸化した。HTRF−KinEASE Cisbioアッセイキット(STK S1キット)の基質及び試薬を使用して、このリン酸化AMPKを様々な濃度のAMPと共に30分間インキュベートした。基質のリン酸化は、製造業者のプロトコル(及びCoulerie et al.(2016)、下記を参照されたい)に従って、ドナー抗体及びアクセプタ抗体と共に室温で2時間インキュベートし、HTRFの実施によってリン酸化ペプチドを検出することによって測定した。665nm/620nm比を測定し、グラフに表示した。一定濃度のルシアントリジンの存在下で、AMPKはAMPにより相加的に活性化された。
参照文献1:Standardized LC×LC−ELSD Fractionation Procedure for the Identification of Minor Bioactives via the Enzymatic Screening of Natural Extracts.Coulerie P,Ratinaud Y,Moco S,Merminod L,Naranjo Pinta M,Boccard J,Bultot L,Deak M,Sakamoto K,Queiroz EF,Wolfender JL,Barron D.J Nat Prod.2016 Nov 23;79(11):2856−2864.Epub 2016 Oct 28.
実施例2
ルシアントリジン及びメトホルミンは、初代培養肝細胞における脂質生成の阻害に対して相加効果を有する。
肝細胞の単離:最初に50mLの灌流用緩衝液(0.5μM EDTAを含むKrebs−Hepes緩衝液)、続いて50mLのコラゲナーゼA緩衝液(5mMのCaCl及び0.5mg/mLコラゲナーゼを含むKrebs−Hepes緩衝液)を肝臓に灌流させた。細胞溶液を、100μmメッシュに通した後、冷培地で数回洗浄し、最後に、細胞培養ペレットを培養培地(培地199(M199)+GlutaMAX、100U/mLペニシリンG、及び100μg/mLストレプトマイシン、0.1%(重量/体積)BSA、10%FCS、10nMインスリン、200nMトリヨードサイロニン及び500nMデキサメタゾン)に再懸濁した。肝細胞を付着させたまま(3〜4時間)、抗生物質及び100nMのデキサメタゾンを添加したM199で終夜培養した。翌朝、細胞を実験に使用した。
初代肝細胞における脂質生成測定のために、細胞を、6ウェルプレートにウェル当たり600×10個で終夜播種した。培地を新鮮なM199培地のみに置き換え、2時間後、[1−14C]−アセテートの存在下で、様々な濃度のルシアントリジン又は化合物1と共に37℃で1時間インキュベートした。水相からの分離後の下層の有機層において、脂肪酸への[14C]の取り込みを求めた。この結果は、タンパク質μg当たりの毎分壊変数(DPM)として表示される。
脂質生成は、AMPK基質ACCによって制御され、AMPKによるACCのリン酸化及び阻害は、脂質生成の減少をもたらす。14C標識した酢酸の脂肪酸への取り込みを求めることによって、初代培養肝細胞における脂質生成を測定した。脂質生成を、低/非飽和濃度のルシアントリジン又はメトホルミンの存在下又は非存在下、37℃で1時間モニタリングした。更に、これらの化合物の両方の存在下で細胞をインキュベートした。図2に、ルシアントリジン及びメトホルミンが脂質生成を阻害できるという結果を、脂質生成の割合%(対照の未処理細胞との比較)として示す。ルシアントリジンとメトホルミンとを組み合わせると、脂質生成の更なる阻害がもたらされる。これらのデータは、低濃度のAMPK活性化剤を組み合わせると、これらの活性化剤単独の効果と比較して、脂質生成の阻害がより大きくなることを示唆している。

Claims (19)

  1. (i)メトホルミンと、
    (ii)一般式(I)
    Figure 2022501340

    を有する化合物と、
    を含む、薬物であって、
    化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルである、薬物。
  2. 化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェート;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC1〜C20アルキル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルケニル;場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC2〜C20アルキニル;又は、場合により置換された及び/若しくは場合により分枝状のC4〜C20ポリアルキニルである、請求項1に記載の薬物。
  3. 化合物(ii)において、R1、R2、R3、R4、R7、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートであり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸;第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン;第一級アミド又は第二級アミド;シアノ;ニトロ;スルホネート;スルフェートである、請求項1又は2に記載の薬物。
  4. 化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R2は、OH;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R4は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R5は、H;OMe;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;R6は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸であり;かつ、R7は、H;OH;O−グリコシド;ハロゲン;アルデヒド;カルボン酸である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬物。
  5. 化合物(ii)において、R1、R3、及びR8は、それぞれ独立して、H;OH;OMeであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、H;OHであり;R5は、H;OMeであり;R6は、H;OHであり;かつ、R7は、H;OHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬物。
  6. 化合物(ii)において、R1、R3、R6、及びR8は、それぞれ独立して、Hであり;R2は、OH;OMeであり;R4は、OHであり;R5は、H;OMeであり;かつ、R7は、H;OHである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬物。
  7. 化合物(ii)が、ルシアントリジン(7−メトキシ−9,10−ジヒドロフェナントレン−2,5−ジオール、CAS番号87530−30−1)であり、次式を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬物。
    Figure 2022501340
  8. メトホルミン又はその塩と、一般式(I)の化合物又はその塩とが、単一製剤において組み合わされている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬物。
  9. メトホルミン又はその塩と、一般式(I)の化合物又はその塩とが、複数の組成物に別々に配合され、組み合わせて使用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬物。
  10. 薬学的に許容可能な形態の、請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬物を含む医薬組成物。
  11. 代謝疾患又は心血管疾患の予防又は治療に使用するための、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記代謝疾患が糖尿病である、請求項11に記載の使用のための医薬組成物。
  13. 前記糖尿病の予防又は治療が、脂質生成の阻害を増加させることによるものである、請求項12に記載の使用のための医薬組成物。
  14. 前記糖尿病の予防又は治療が、肝細胞における脂質生成の阻害を増加させることと、AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)の活性化によってインスリン感受性を改善することと、によるものである、請求項13に記載の使用のための医薬組成物。
  15. メトホルミンが、対象の薬理学的用量未満で使用される、請求項9〜14のいずれか一項に記載の使用のための医薬組成物。
  16. 前記薬理学的用量未満が、前記対象の標準的な薬理学的用量の約50%以下である、請求項15に記載の使用のための医薬組成物。
  17. メトホルミンの前記薬理学的用量未満が、メトホルミン使用に関連する副作用の発生率を低減し、前記副作用が、乳酸アシドーシス、及び/又は胃腸管副作用、特に下痢、悪心、及び嘔吐である、請求項14及び15に記載の使用のための医薬組成物。
  18. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬物又は請求項10〜17のいずれか一項に記載の医薬組成物を、投与を必要としている対象に投与することを含む、代謝疾患又は心血管疾患を予防又は治療する方法。
  19. 前記疾患が、糖尿病である、請求項18に記載の方法。
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