JP2022500733A - 予測航空機飛行包絡線保護システム - Google Patents

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Abstract

航空機の脅威包絡線保護システムは、航空機に関連する複数の異なるタイプの脅威のそれぞれに対して、少なくとも1つのトリガ条件を記憶しているコンピュータ読み取り可能な媒体において脅威包絡線データ構造を採用し、共通の図式を使用してモデル化する。プロセッサは、時空を通る異なる可能性のある航空機の経路を表す複数の異なる予測軌道を計算する。プロセッサは、複数の脅威のうちの少なくとも一つを、それぞれの予測軌道に沿った時空間の特定のトリガポイントに関連付ける。プロセッサは、脅威からの回復が不可能であると判断された場合には、予測軌道のうちの1つを非推奨とする。プロセッサは、1つを除く全ての予測軌道が非推奨とされ、航空機が非推奨の軌道に沿って、時空間における最も近いトリガポイントに所定の近接度である場合に、航空機の保護応答を開始する。

Description

本出願は、2018年8月27日に出願された米国仮出願番号第62/723,227号(タイトル:航空機の飛行包絡線保護の構造)に基づいて優先権を有し、その全体の開示、図面や付録は、参照として本明細書に組み込まれている。
本開示は、一般的な航空機の飛行包絡線保護システムに関して、航空機の予測軌道をモデル化し、航空機の制限違反及び地形回避の危険性に対するそうした軌道を検証する航空機の飛行包絡線保護システムに関する。
ここでは、必ずしも先行技術ではない本開示に関する背景技術を説明する。
航空機は、制御面において、一定の動作速度及び負荷の範囲内で動作するように設計されている。こうした動作範囲は飛行包絡線範囲として知られており、この範囲外においては、飛行機の損傷や制御不能を生じる可能性がある。さらに、航空機は、地上の地形や他の航空機などの物体との衝突を回避する軌道上で飛行する必要がある。従来の航空機は、飛行包絡線範囲外での動作や他の物体との衝突を防ぐため、航空機が飛行包絡線外で飛行しているか、又は現在の飛行経路上において、地面や他の物体と衝突する可能性があるかどうか判断するために、各側面を評価する多くの異なる保護システムや安全システムを利用している。
これらの従来のシステムは断片的に配置されており、それぞれが飛行包絡線のある一側面や、ある種類の物体との衝突に対する保護に特化している(例えば、地上での衝突は、空中での衝突とは異なるシステムによって処理される)。こうしたシステム間において、相互運用性はほとんどない。実際、従来の単機能の保護システムの多くは、他の保護システムや安全システムが存在していることを意識せず、機能的に動作している。これにより、責任が重複する可能性のある複数のシステムが、それぞれ他のシステムに設計された設計前提条件を意識せずに動作することになる。
例えば、低速保護は、即座の上昇を防止するのに十分遅い速度であるにもかかわらず、失速に近くない場合には起動されない場合がある。地上近接システムは、航空機が滑走路へ降下中であり、地上近接システムは上昇能力が存在すると仮定している可能性があるため、起動されない場合がある。従来のシステムのいずれも、他のシステムの脅威への接近と、他のシステムが速度と高度に関して行った仮定を認識していない。
従来のシステムにおける限界の別の例として、従来の超過速度保護システムは、航空機の翼が水平に近い間のみ機能する。従来の超過速度保護は、航空機の減速を助けるために従来の回復が機首を引き上げるため、非常に高い傾斜角(例えば、倒立)によって抑制されるが、非常に高い傾斜角では、問題は緩和するどころか悪化することになる。
基本的に、こうした従来のシステムでは、差し迫っている包絡線の逸脱を乗組員に警告するために、いつ警告を発生させなければならないかを決定するため、事前に計算された「経験則」を利用している。経験則によって設計した点と著しく異なる場合では、従来のシステムの性能は低下する。例えば、従来の地上近接警報システムは、通常、無線高度計の高度と変化率を使用して、上昇警報のタイミングを決定する。公称の条件では、警告は、妨害となるほど早くはないが、パイロットが反応して起伏のある地形をクリアするような上昇を開始するのに十分な早さのポイントで鳴る。この方法での精度は、いくつかの要因に左右される。まず、航空機の前にある地形が、現在測定中の地形とよく一致している必要がある。従来のシステムでは、現在の地形とのクリアランスとその地形の変化率を見ているが、地形の勾配が変化した場合(例えば、急上昇した場合など)、従来のシステムは正確ではない可能性がある。
さらに、これらの従来のシステムの精度は、現在の構成の航空機が予測される輪郭を飛行できるかどうかに依存する。従来のシステムは、航空機が回復軌道を飛行して、起伏のある地形に対して上昇する能力があることを前提としている。これらの従来システムは、上昇性能が海面よりも著しく劣る高い高度の地形を考慮しておらず、総重量の影響やエンジンの故障状況を考慮していない。
さらに、このような従来のシステムは、着陸時には、着陸装置がおりているか否か、あるいはパイロットの指令に基づいて、着陸時には無効化されることが多い。しかし、着陸時にこれらの装置を無効にすると、着陸時に飛行包絡線保護機能が失われてしまうという問題があった。
したがって、特に飛行中及び離着陸中に、より大きな飛行包絡線及び衝突回避保護を提供するために、多くの改善のマージンがある。本開示のこうした及び他の好ましい特徴及び特性は、添付の図面及び前述の技術分野及び背景と併せて、下記の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかにする。
多数の個々の危険に対して断片的な保護を提供する代わりに、本開示の予測航空機飛行包絡線保護システムは、飛行包絡線の中心部だけに限定されることなく、全ての脅威をまとめてカバーし、飛行包絡線の全範囲をカバーする完全な包絡線保護を提供する。本開示の予測システムは、脅威の完全な包絡線を共通の図式又は共通の分母に減らす運動エネルギーモデルを採用している。運動エネルギーモデルを使用して、プロセッサは複数の異なる予測軌道を計算して、異なる可能性のある脅威の回復飛行軌道を表す。このモデルは、航空機のG力とエネルギー状態をとらえる基本的な変数の最小セットを効率的に使用し、そこからプロセッサは、(a)各軌道に沿った未来の時刻において航空機がどこにいるか、(b)その未来の時刻において航空機のエネルギー状態がどのようなものであるかを決定することができる。プロセッサは、1つの予測軌道が残るまで、各予測軌道の実行可能性を継続的に評価し、実行可能な選択肢でなくなった軌道を非推奨とする。プロセッサは、航空機がこの軌道に沿って、航空機が最初に遭遇する脅威を表すトリガポイントに到達すると、関連する自動操縦システムによる回復行動を自動的に開始する。言い換えれば、保護システムは、最後の利用可能な軌道において最初の脅威に到達したときに、自動的にアクションを起こす。
本開示の航空機の飛行包絡線保護システムは、航空機に関連する複数の異なるタイプの脅威のそれぞれに対して、コンピュータで読み取り可能で、少なくとも1つのトリガ条件を記憶している媒体に統合された脅威包絡線データ構造を採用している。複数の異なるタイプの脅威のそれぞれは、共通の図式を使用してパラメータ化される。共通図式は、航空機の軌道に影響を与える力及び航空機のエネルギー状態の基本的な条件で、全ての飛行包絡線通過の脅威及び衝突の脅威を表現するように選択される。
このデータ構造にアクセスして、時空を通過する異なる可能性のある航空機の経路を表す複数の異なる予測軌道を計算するように、プロセッサはプログラムされている。これらの軌道は、共通図式によって使用される条件で表される。プロセッサは、脅威包絡線データ構造から得られた複数のトリガ条件のうちの少なくとも一部を、予測軌道のそれぞれに沿った時空間の特定のトリガポイントに関連付けるようにさらにプログラムされている。これらの異なる予測軌道は、オペレータが脅威を回避する際に一般的に採用するであろう事前に定義された回復方法に基づいて計算される。例えば、山との衝突を避けるために、パイロットは、上昇、左旋回、右旋回の3つの軌道の中から選択してもよい。このように、そうした軌道は、プロセッサにプログラムされた予め定義された回復方法のうちの一つである。本開示のシステムは、通常航空機に搭乗しているオペレータはパイロットであるという航空機の文脈で特に例示されているが、本開示の技術は、オペレータが遠隔操作している無人航空機(UAV)のような他のタイプの乗り物に適用することができる。さらに、本開示の技術は、他のタイプの乗り物(例えば、潜水艦、陸上車両など)にも適用することができる。
プロセッサが複数の異なる軌道を計算する間、プロセッサは、脅威から回復するために実行不可能な軌道が計算されている間は、予測軌道のうちの1つを非推奨とするようにプログラムされている。したがって、上記の例では、その操作を効果的に使用するのに十分な時間がないために、上昇軌道が実行不可能になった場合、非推奨となり、再び実行可能な状態にするために条件が変わるまで使用されなくなる。
本開示のシステムは、独自に設計された非侵入型である。したがって、システムは、パイロットが1つ以上の実行可能な(非推奨ではない)回復軌道を利用可能にしている限り、予測された脅威に対する警戒警報又は自動回避操作を抑制することが可能である。しかしながら、プロセッサは、“1つ”を除く全ての予測された軌道が非推奨であり、航空機が非推奨軌道に沿って時空間で最も近いトリガポイントへの所定の近接度内にある場合には、航空機の保護応答(警戒警報の発出及び/又は自動回避操作の開始)を開始するようにプログラムされている。このようにして、迷惑な誤報の可能性を大幅に減少させながら、広範囲の脅威に対する完全な保護が達成される。
プロセッサは、予測軌道の解を継続的に計算し、それらの軌道に適用可能な全てのトリガポイントを設定するようにプログラムされており、最後の利用可能な(非推奨ではない)軌道において、最初に遭遇した脅威が航空機の保護反応を開始するようになっている。
ある側面において、本開示の航空機脅威包絡線保護システムは、航空機に関連する複数の異なるタイプの脅威のそれぞれについて、少なくとも1つのトリガ条件を記憶しているコンピュータ読み取り可能な媒体に統合された脅威包絡線データ構造を含む。複数の異なるタイプの脅威のそれぞれは、共通の図式を使用してパラメータ化される。プロセッサは、時空を通る異なる可能性のある航空機の経路を表す複数の異なる予測軌道を計算するようにプログラムされており、脅威包絡線データ構造から得られた複数のトリガ条件の少なくとも一部を、予測軌道のそれぞれに沿った時空における特定のトリガポイントに関連付けるようにプログラムされている。
プロセッサは、予測軌道が脅威から回復するために実行可能ではないと計算される時間帯に、予測軌道のうちの1つを非推奨とし、1つを除く全ての予測軌道が非推奨となり、航空機が非推奨の軌道に沿って時空間で最も近いトリガポイントの所定の近接度内にある場合に、航空機の保護応答を開始するようにさらにプログラムされている。
本明細書の図面は、選択した実施形態のみを例示するために記載されたものであり、全ての実施形態を例示するものではない。したがって、図面の特定の選択は、本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
図1は、包絡線保護機能を実行するためのステップを実行するようにプログラムされたプロセッサと合わせて、脅威となる包絡線及び軌道座標のデータ構造を示すブロック図である。 図2は、開示された共通の図及び運動エネルギーモデルによって使用される特定の力ベクトル及び角度を理解するための航空機の概略図である。 図3は、共通の図及び運動エネルギーモデルによって使用される特定のエネルギー値を理解するための、例示的なエネルギー及び物体の脅威を伴う予測軌道を示す航空機の概略図である。 図4は、n次元の脅威空間と軌道座標空間(時空間)との関係を示すデータモデルブロック図である。 図5は、最初に遭遇したトリガが航空機の保護応答を開始するためにどのように使用されるかを説明するための、1つの実行可能な軌道及び2つの非推奨の軌道の詳細図である。 図6Aは、航空機の高度対地形包囲率のグラフであり、先行技術のシステムにおいて、通常、異なるパイロットに警告メッセージが生成される領域を示す。 図6Bは、地形の上を飛行する航空機の図であり、先行技術のシステムにおいて、地形の勾配に関する仮定が信頼できるような望ましい場合、通常、異なるパイロットに警告メッセージを発信する場所を示す。 図6Cは、最初に地形の上を飛行する航空機の図であり、先行技術のシステムにおいて、地形の勾配に関する仮定が実際の地形と一致しないような望ましくない場合に、地形との衝突が先行技術のシステムによって回避されないような場合に、通常異なるパイロットに通常警告メッセージを発信する場所を示す。
以下の詳細な説明は本質的に単なる例示的なものに過ぎず、本発明又は本発明の適用及び用途を限定することを意図したものではない。さらに、本発明の先行する背景や以下の詳細な説明で提示された理論に縛られることを意図するものではない。
<導入>
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することにより、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部分を示す。
本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、飛行経路予測技術を使用して、航空機の飛行状態の全方位にわたって作動し、様々なタイプの危険に対処するために、統一した完全な包絡線保護を提供する。飛行経路予測は、運動エネルギーモデルを使用して航空機の現在の状況から継続的に計算される。複数の予測軌道が計算され、それぞれが危険の閾値又はトリガポイントに達したときに、危険状態から回復するための異なる脱出ルートを表す。このシステムは、さまざまな種類の危険に注意し、速度や高度の制限などの航空機の固有の特性を扱うものもあれば、地形や物体の回避などの外部的な事柄を扱うものもある。本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、全てのそうした脅威となる包絡線範囲に渡って動作するように設計されている。
包絡線保護システムは、複数の軌道を計算するが、継続して評価を行うことで、現在の航空機の状況で実行不可能な軌道は非推奨とする。非推奨な軌道が再び実行可能になるように航空機の状況が変化しない限り、非推奨な軌道はシステムによって実行不可能として扱われる。本開示の保護システムはバックグラウンドで動作し、実行可能な予測軌道が1つだけ残っている(他の全ての予測軌道は非推奨となる)場合、脅威が起こるまで、パイロットの権限を無効にしたり、奪ったりしない。この場合、保護システムは、危険状態から回復するための回避行動を取るために、自動的に自動操縦となる。保護システムは、パイロットへ警告を発することもあるが、残っている実行可能な軌道がトリガポイントに到達した後、回復行動を取るためにパイロットに依存しないことが好ましい。
好ましくは、予測包絡線保護システムは、一方では乗り心地がよいソフトな回復で、他方ではハードな回復で、乗客に安全な回復行動の非二元的な方法を提供するように構成される。差し迫る脅威を回避する必要がある場合、システムはハードな回復を行う。しかし、回復するまでの時間があり、それほど極端ではない状況では、システムはソフトな回復(乗客にとって安全で滑らか)を行う。このようなソフトな回復が行われると、システムは任意でパイロットからの入力を回復のアルゴリズムに混ぜ、パイロットの能力と経験に基づいてリカバリの強度を変更できる。
図1において、本開示における航空機の脅威包絡線保護システムの一実施形態は、航空機28に関連した複数の異なる脅威タイプ24が記憶されている所定の脅威包絡線データ構造22に従って構成されたメモリ回路20に関するプロセッサ10を使用して実施される。プロセッサ10及び関連するメモリ回路20は、航空機28に乗せられるのが好ましい。データ構造22は、図1の脅威タイプ24において列状で示されているように、異なる脅威タイプ24にそれぞれ対応する記録のテーブル、リスト、又はマトリクスで構成されていてもよい。それぞれの脅威タイプ24は、対応するトリガ条件26が記憶されている。これらのトリガ条件26は、n次元の脅威空間に基づく共通図式を使用してパラメータ化され、特定の脅威条件がどのような条件で到達したかをプロセッサ10に伝える。脅威空間の共通の図式の次元は、異なる脅威条件の全方位を、共通した最小の基本変数のセットを利用して示すことができるように選択することが重要である。現状好ましい基本変数のセットは、<運動エネルギーモデル>というタイトルの段落で説明する。
また、メモリ回路20は、時空座標変数32に関して、複数の軌道を記憶する軌道座標データ構造30をサポートするように構成される。説明のために、時空座標変数32は、直交座標系(x,y,z,t)を用いて特定している。他の座標系(例えば、球面)を使用してもよい。
<予測軌道の生成>
軌道座標データ構造30は、存在している時空座標の変数(モデル化された各予測軌道に対して別々に)の列から成り、それによって時空における回復軌道の形状を定める。説明のため、プロセッサ10は、40において、予測軌道の生成するステップを実行するようにプログラムされており、42の時空の図で説明されているように、複数の回復予測軌道が時空座標で定義されている。各予測軌道は、航空機の現在の状態を出発点として、各回復操作がその時点で開始されたと仮定して計算される。
ここで例示している例は、3つの予測軌道がプロセッサ10によって生成されている。本開示の残りについては、3つの予測軌道を説明する。所定の実施形態として、異なる軌道の数が、複数の軌道の実際のセットを定義するように使用されても良い。民間機又はビジネスジェット機では、通常、脅威から乗客に安全で回復を滑らかに行うため、3つの予測軌道が適している。軍用機のような、反転飛行又は超低高度飛行することが要求されるような可能性のある航空機においては、より多くの予測軌道が望ましい。
プロセッサ10が複数の軌道におけるそれぞれの時空形状を決定する様々な方法がある。一実施形態では、軌道の時空形状は、保護システムが組み込まれている航空機の類では、適切な一連の既知の危険回復操作に対応して、事前に定義した標準化されたセットの解曲線に従っている。通常、これらの曲線は、訓練を受けたパイロットが特定の危険から回避する飛行を行う可能性が高いものに基づいているものである。これらには、例えば、上昇、急降下、左旋回、及び右旋回の標準的な一連の操作を含み、乗客の安全と快適さを最大化するために、特定のパラメータ(例えば、上昇角度と傾斜角)が選択されてもよい。他の実施形態では、異なる種類の操作が一緒となった複合回復操作が使用されてもよい。例えば、ビジネスジェット機は、最適な安定状態の上昇を行いながら、最終の上昇操作の前に急上昇操作を行って、過剰な対気速度を高度に交換する複合した操作を採用する場合がある。この実施形態では、ビジネスジェットを含む多くのタイプの航空機にとって、比較的少ないの事前に定義した解曲線の標準化されたセット(例えば、3つの予測軌道)で十分である。比較的少数の解曲線と少数の基本的な運動エネルギー変数を使用することで、プロセッサ10への負荷が最小限に抑えられる。軌道は継続的に再計算されるため、いくつかの基本的な変数に基づいて、解のセットが少数の予測軌道のみに縮小されたとしても、システムは良好な結果を生成する。もちろん、特定の航空機アプリケーションで、より多くの解が必要な場合は、プロセッサ10により、多くの軌道を計算するようにプログラムしたり、追加の変数をサポートすることができるように計算を拡張してもよい。より多くの情報量が必要な場合は、並列処理技術及びプログラム可能なゲートアレイ回路部品を利用して、プロセッサ10を強化又は交換することができる。
少数の標準化された事前定義済み解曲線のセットから予測軌道を生成する代わりに、プロセッサ10は、保存されてる事前設定済みの解曲線のセットを、特定のタイプや脅威の種類から最適な回復のために組み込まれている種々の群から選択するようにプログラムしてもよい。したがって、失速する危険から回復するために選択された解曲線の群は、上昇限界の危険から回復するために選択された解曲線群とは異なる場合がある。どの解の群を採用すべきか評価するために、プロセッサ10は、現在の航空機の状態をn次元の脅威空間で予測して、現在の航空機の状態に最も近い脅威の群がどの脅威の群にあるかを決定することができる。そうすることで、プロセッサ10は、どの脅威が最も差し迫っているのかをリアルタイムで判断し、現在の状況に最も適した事前定義済みの解曲線の群に基づいて、予測軌道モデルを作り上げる。
<各予測軌道の脅威トリガポイント関連>
軌道が生成されるのと平行して、又は連続して軌道が生成された後、プロセッサ10は、44のステップにおいて、脅威包絡線データ構造22内で識別された脅威に対応する適用可能なトリガポイントを、予測したそれぞれの軌道に沿った時空間のポイントに関連付ける。どのような軌道についても、最初は脅威が検出されない場合がある。しかし、航空機が飛行し続け、軌道が継続的に再計算されると、ある時点で脅威が検出される可能性があり、この脅威(最初に検出された)は、該当する場合においては各軌道のトリガポイントとして関連付けられる。46の時空間に図示されているように、これらのトリガポイントは、航空機が回避又は回復行動を開始する必要がある脅威の応答限界に到達するときの時空間の軌道に沿ったポイントを表す。
なお、生成された予測軌道は、パイロット(又は自動化されたシステム)が従うか選択する可能性のある様々な仮定の軌道を表していることを再度強調する。これらの軌道は、それぞれ連続的に生成されているため、全て未来の航空機の状態を表してる。航空機の現在の状態は、未来の予測軌道が分岐する開始点又は特異点にある。予測軌道が複数ある限り、パイロット自身は望む進路を自由に選ぶことができる。パイロットが飛行する進路を選択したとしても、プロセッサ10は、単に未来の所定の軌道に対する解を再計算する。
<非推奨とされる実行不可能な予測軌道>
航空機が飛行し続け、予測軌道を連続的に再計算している際、ある軌道が実行不可能になる場合がある。これは、例えば、航空機が予測軌道操作を実行するために十分なエネルギーが不足している場合や、予測軌道操作が速度制限を違反し、航空機に損傷を与える場合で発生する可能性がある。また、予測軌道が航空機を損傷させる大きな運動量を持つ物体が進路上に配置されている場合にも発生する可能性がある。プロセッサ10は、48のステップで、これに基づいて予測軌道のそれぞれを評価し、実行不可能な軌道を廃止又は非推奨とする。図1の50においては、2つの予測軌道が点線で示され、非推奨になったことを示している。
非推奨となった軌道は、その後の保護応答では使用されない。しかし、軌道の解はプロセッサ10によって継続的に更新されるため、非推奨となった軌道は、非推奨の原因となった条件が解除されると、実行可能な状態に戻る可能性がある。例えば、ある軌道が、他の航空機との衝突進路上にあるために非推奨とされ、他の航空機が衝突範囲外に移動した場合、プロセッサ10は非推奨状態を解除することで、その軌道を実行可能なものとして復活させる。
<保護応答の開始>
図1の52で図示されているように、プロセッサ10は、実行可能な軌道が1つだけ残っている(他の全ての軌道が非推奨となっている)状態になると、保護応答を開始する。この応答は、パイロットに警告又は注意メッセージを送信することを含み、パイロットはそれを聞いても聞かなくても良い。聞くか聞かないかにかかわらず、プロセッサ10によって開始される応答反応は、最初に遭遇する脅威を回避する又は逃れるように計算された軌道上に航空機を乗せるよう設計されている。これを行うために、プロセッサ10は、1つ以上のコマンドを自動操縦システムに送信するが、その詳細については後述する。
図5は、この重要な危険回復応答プロトコルをより詳細に示している。図示しているように、軌道62及び64が非推奨である一方で、1つの軌道60は実行可能なままである。実行可能な軌道60に沿って、最初に発生した脅威66は、保護応答が開始されるトリガとなる。保護応答が開始されると、航空機は予測軌道に従って飛行する。つまり、予測軌道が後に続く予測軌道の反復的な更新からの変更(もしあれば)を受けて、航空機が飛行する実際の軌道の例となっている。図示しているように、予測軌道は、68のような地形の脅威を越えるために事前に計算されている。このように、66における最初に発生した脅威(例えば、機首低状態による速度違反など)によってトリガされた場合、68での地形の脅威を回避するように設計し、予測軌道の形状を計算する方法が用いられている。
<運動エネルギーモデル>
プロセッサ10によって使用される現状好ましい最小の基本変数のセットは、航空機28の物理的位置、そのエネルギー状態、及び軌道に影響を与える航空機28に作用する力の観点から、予測軌道を定義する運動エネルギーモデルに依存している。この点で、航空機282の長手方向軸に垂直な力(法線力)は軌道の方向を変え、一方、航空機28の長手方向軸に接線方向の力(接線力)は、その軌道に沿って航空機28の速度を変える。
一実施形態では、n次元の脅威空間の共通図式は、最小の基本変数の集合であるNz、Φ、Ps及びγによって表される。図2に示すように、Nzは、法線力(航空機の長手方向軸に対して、法線方向又は垂直に作用する力)を表す。図2では、航空機28の長手方向軸が紙面へ向いている。この法線力Nzは、航空機28に作用するg力も表している。航空機28が水平で安定状態で飛行しているときには、航空機28に作用するg力は重力の力である。しかし、傾斜角がゼロではない状態で飛行しているときには、g力の向きが変化する。
図3で示しているように、航空機28のエネルギー状態は、航空機の速度に関係する運動エネルギー36(KE=1/2mv、ここで、mは航空機の質量、vは速度)と、加速度を生成するために利用可能なエネルギーである位置エネルギー38の2つの成分から構成されている。位置エネルギー38には、航空機28の高度に応じて増加する航空機高度成分(PE=mgh(mは航空機の質量、hは航空機の高度、gは重力定数))と、エンジンの出力を増加させることによって生み出される付加的な推力の量を表し移動可能である保存エネルギー成分が含まれている。航空機28の運動エネルギー36及び位置エネルギー38の計算のために使用する測定可能な変数は多くあるが、一実施形態では、運動エネルギー36は、真対気速度(TAS)から得られ、位置エネルギー38は、航空機28の高度、余剰出力Ps(利用可能な推力から抗力を差し引いたもの)、及び飛行経路角度γから得られる。余剰出力Psは、航空機28の重量に依存しないように正規化されており、Psは重量に依存しないエネルギーの項となっている。Ps=0の場合は、利用可能な余剰出力がないことを意味し、全ての力がただ抗力に打ち勝っていることを意味する。Ps=0の状態では、機首を下げて加速したり、機首を上げて減速したりすることができる。この効果は、飛行経路の角度(機首高、機首低の角度)を表す用語γで説明される。角度γが0でなくなると、運動エネルギー36と位置エネルギー38は交換される。すなわち、機首高角度では、運動エネルギー36をいくらか上げて位置エネルギー38を増加させ、逆に機首低角度では、位置エネルギー38をいくらか上げて運動エネルギー36を増加させる。
これらの変数は、図4に示されたn次元脅威空間80内の脅威を表すために使用されてもよく、また、n次元脅威空間80と軌道座標空間82との間のデータを変換するために運動エネルギーの関係を使用して、予測軌道に沿った時空間内の未来の位置における航空機28の位置及びエネルギー状態を計算するために使用されてもよい。運動エネルギーの関係による変換は、時空間における航空機の軌道座標(x,y,z,t)に対応する航空機28のPs、Nz、Φ、gの脅威空間の値に関する運動エネルギーの関係を用いて、プロセッサ84にプログラムすることによって実行されてもよい。
本開示の予測的な航空機脅威包絡線保護システムは、最小の基本的な変数のセットを採用した共通の図表を使用して、全ての脅威を表現することができる独自のデータモデルのため、完全な包絡線保護を提供することができる。図4に示すように、本開示の脅威包絡線保護システムは、本質的には、最小限の変数セットに基づいた運動エネルギーデータモデルと、データモデルの主要な構成要素を結びつけるプロセッサの構成を採用している。データモデルの重要な構成要素は、力変数(Nz、Φ)とエネルギー状態変数(Ps、g)の組を用いて、全ての脅威を表すn次元の脅威空間80を定義している。予め分かっている保護すべき脅威は、脅威包絡線データ構造22(図1)に事前に登録されている。事前にわかっている脅威は、例えば、失速限界、速度超過限界、速度不足限界などの様々なエネルギー限界に関連する脅威が含まれる。これらの限界は、航空機の設計時に判明するが、そのほか飛行中に計算されるものもある。
データモデルのもう一つの重要な要素は、時空変数(x,y,z,t)の観点から軌道の座標空間を定義することである。地形の物体や他の航空機(空間を占有する物理的物質の両方の例)のような脅威は、物体の位置に基づいて、座標空間でより容易に表される。例えば、システムは、飛行中に遭遇する可能性がある山などの地形物体の物理的な位置を格納するために、地図データを利用してもよい。このシステムは、エネルギーの脅威と物質の脅威の両方をモデル化することができる。例示のために、図3では、2つの脅威が航空機の軌道上にある。エネルギーの脅威56(例えば、航空機の失速限界)と物質の脅威58(例えば、山のような地形物体)である。
これら2つのデータモデルの構成要素を結びつけるため、プロセッサ10(図1)が軌道座標空間82内の予測軌道を計算するために、GPSなどの適するセンサから得られる現在の航空機の位置86と、脅威空間80内の力変数及びエネルギー状態変数を用いて、変換プロセッサ84として機能するように、プロセッサ10には必要な運動方程式がプログラムされている。また、必要に応じて、変換用のプロセッサ10は、例えば航空機の現在又は予測した未来の位置が包絡線脅威限界と交わるかどうかを評価するために、軌道座標空間82内の点を脅威空間80内に予測することができる。
<完全包絡線保護>
本開示の航空機飛行包絡線保護システムによって提供される完全包絡線保護には、関連する側面が2つある。すなわち、(1)本開示のシステムによって与えられる保護は、最も一般的に危険なことだけでなく、全ての状況をカバーしており、(2)本開示のシステムは、複数の異なる脅威状態を同時に処理する。これは、単一の脅威に限定されない。第1の側面を説明すると、システムは、飛行包絡線の中心部や最も一般的に危険であるという条件だけでなく、全ての状況で保護を行うように設計されている。例えば、従来の超過速度保護システムは、翼面が水平に近いときにしか機能しない。非常に高い傾斜角では、超過速度保護は抑制されてしまう。この理由は論理的であり、超過速度保護は、航空機を減速させるために、機首を引き上げることによって機能する。航空機が非常に高い傾斜角にある場合、例えば機体が反転している場合、機首を上げたとしてもこの問題は軽減されるどころか悪化する。本開示のシステムにおける完全包絡線保護は、そのような制限がなく、航空機の飛行条件の全方位にわたって機能する。
第2の側面を説明すると、システムは、単一の脅威だけでなく、全ての脅威に対して完全な保護を行うように設計されている。例えば、従来の強化された地上接近警報システム(TAWS)では、地上への衝突に対する保護が提供されている。しかしながら、低速保護は提供されない。従来は、低速保護のために、別個で低速保護システムが提供されていた。一方で、本開示の航空機飛行包絡線保護システムでは、単一のシステムで、全ての脅威に対する保護を提供する。単一のシステムで全ての脅威を処理することで、連結されたシステムで生じ得る衝突を回避している。
具体的には、TAWSや低速保護機能を搭載した航空機が、低速で地面に衝突するという事故が発生している。連結されたシステムは、他のシステムとの前提を認識していないことが問題である。例のケースでは、航空機は低速で飛行しており、すぐに上昇できないほどの低速であったにもかかわらず、失速状態に近いものではなかったため、低速保護が発動されなかった。地上接近システムは、航空機が滑走路へ降下中であり、上昇能力があると想定していたため、作動しなかった。どちらのシステムも、他方のシステムが脅威に近接していること、及び他方のシステムが速度及び高度に関して行った仮定を認識していなかった。本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、全ての関連するパラメータを完全に認識した状態で、全ての脅威に対する保護を行うシームレスな包括的システムを提供している。
<予測可能包絡線保護>
従来の包絡線保護システムは、想定に基づいた経験則を用いて、差し迫る包絡線の逸脱を乗組員に警告するため、いつ警報を発生させなければならないかを判断する。設計したものは、想定されるケースに近い場合では、こういったシステムはある程度よく機能する。しかしながら、設計点と大きく異なるケースでは、システムの性能が低下したり、まったく機能しない。もう一度、経験則のみを用いた従来のTAWSについて検討する。
例として、従来のTAWSシステムが図6Aに示されている。この従来のTAWSは、上昇警報のタイミングを決定するために、無線高度計の高度と変化率を使用する。図6Bに示すような計画通りの条件の下においては、警報は、邪魔になるほど早くはなく、パイロットが反応し、起伏のある地形を通過するために上昇を開始する十分な早さのポイントで鳴る。この方法の精度は、2つの要因に依存する。
まず、航空機の前方にある地形が、現在測定中の地形とある程度一致している必要がある。システムは、現在の地形のクリアランスとその変化率を見るが、地形の勾配が変化すると、クリアランスが確保できない可能性がある。図6Cは、地形の勾配が現在の勾配から大きく変化した場合にどうなるかを示す図である。図6Cに示すように、航空機前方で地形勾配が大きくなると、クリアランスが確保できない可能性があることがわかる。
次に、この種の従来のシステムの精度は、予想した外形を飛行することが可能であるという構成の航空機の性能に依存してる。図6A〜6Cを再度見てみると、図示された航空機の軌道は、起伏のある地形の上を上昇できると仮定されている。これは、正確であるかもしれないし、正確でないかもしれない仮定である。従来のTAWSシステムでは、上昇性能が、海面の時よりも著しく落ちてしまう高い地形の時を考慮していない。また、総重量の影響やエンジンの故障状況も考慮していない。予想しているケースが包絡線の全体には及ばない可能性がある。一方、本開示の予測システムは、事前に計算された経験則に頼らず、代わりに現在の条件を見て、上昇性能を予測する。本開示の予測システムでは、航空機の前方にある実際の地形が使用され、実際の上昇能力が使用される。これを実行するために、航空機の上昇能力に影響を与える重要な要因がリアルタイムで考慮され、実際の地形形状と現在の上昇能力が比較され、正確な警告開始の決定をする。全ての上昇能力に影響を与える要因を考慮することができるが、実際の実施形態では、通常、適切なレベルで忠実性を確保するための十分な要因のみを考慮する必要があり、影響がなく重要でない要因は除外することができる。
<運動学的エネルギー方法のモデル>
上述したように、本開示の予測軌道保護システムは、何が起こり、なぜそれが起こるかにだけ関心があり、運動学的モデル化を行う。また、航空機の物理的位置とそのエネルギー状態に関連する予測軌道を計算する。そして、その運動を引き起こす力やモーメントには関心がなく、運動が何であるかにのみ関心がある。その結果、昇降舵の有効性、静的な縦方向の安定性、短い期間の周波数及び減衰比などのパラメータ、及び他の多くのパラメータは、意味をなさない。本開示の予測システムは、将来の軌道を予測するために、その軌道へ影響を与える力にのみ関心を持つ必要がある。
この点で、通常の力は軌道の方向を変化させ、接線方向の力はその軌道に沿った速度を変化させる。この点を考慮すると、本開示のシステムは、Ps、Nz、Φ及びγだけを見ることで、うまく3次元の軌道をモデル化する。垂直方向の軌道は、航空機の現在の構成及び飛行条件を使用して、容易にモデル化できるNzの垂直成分にのみ依存する。Nzの発生率と安定状態のNzを用いた単純なモデル化でも、正確な軌道をモデル化するのに十分である。水平方向の軌道は、Nzの水平成分にのみ依存する。傾斜角は、Nzの鉛直成分と水平成分の配分を決定し、ロールは現在の機体構成と飛行条件から導き出されたロール開始率と安定状態のロール率を用いて十分にモデル化することができる。
軌道に沿って発生する速度変化は、軌道の垂直方向の成分とその時の航空機のPsにのみ依存する。Psは比余力であり、航空機が上昇や加速に使用できる余力がどれだけあるかをシステムに伝える。航空機が水平飛行中で、Psがゼロに等しい場合、航空機は現在の速度を維持する。Psが+100ft/secであれば、水平飛行中に加速する。Psが+100ft/secであっても100ft/secで上昇中であれば、対気速度を一定に保ちながら上昇する。このように、現在の上昇と、フィート/秒で表される上昇能力を利用することで、航空機の未来の速度状態を正確に予測することができる。図3は、運動学的モデル化とエネルギー法を用いた、モデル化手順の1回の反復ステップを示している。
<高速計算モデル>
上述した予測方法は、リアルタイムで実行するため、計算量が多くなり得るので、本開示の実施形態のために開発された有用な技術である。まず、対気速度の包絡線保護を行うためには、未来の対気速度の正確な予測が必要である。モデル化された真対気速度(TAS)から、校正対気速度(CAS)とマッハ(MACH)を計算すると、計算量は多くなる。また、正確なPsにおいても、計算量は多くなる。こうした計算の問題を解決するための方法の一つとして、ルックアップテーブルを使用する方法がある。もう一つの方法は、公称値(250KCAS,Midweight,STD....)を、高度の関数としてのPsに線形又は二次曲線で当てはめ、公称値以外の条件の場合にはPsのデビットを使って調整する。このようなデビットには、対気速度(高度の関数として)のデビット、スピードブレーキのデビット、シングルエンジンのデビット、標準的な日の温度のデビットなどがある。これらは計算されたデビットから加算/減算することができる。多くのパラメータは、モデル化中に一度だけ計算することができる。例えば、各反復モデル化に対して、緯度及び長手方向の風の流れを事前に計算しておき、その後の各反復の際に使用することで、風の流れは同じになる。
<複数軌道>
好ましい実施形態の一つとして、本開示の予測システムは、警告/回復開始時間を予測するための3つの主な軌道を使用する複数軌道システムである。別の実施形態では、航空機の反転(逆さ)状態からの回復が可能であり、6つの主な軌道を使用する。複数軌道について説明する前に、まず、単一の予測軌道システムと、それがどのように警告システムに実装されるかについて考える。単一の予測軌道システムにおいて、システムは現在の状態を見て、その時点から回復が開始されると仮定する。予測される回復はその後、保護する脅威に近付いているかどうかを、モデル化してテストする。例えば、航空機が地上に向かって急降下している場合、システムは機首を低くして回復することを予測し、対気速度制限と地形の両方に近接しているかどうかをテストする。限界値を超えておらず、マージンがあれば警告は発せられない。限界値を超えていたり、マージンが許容できないほどない場合は、例えば「上昇」などの回復警告が発せられる。多くの場合において、単一の軌道で十分である。平坦な地形に対して機首低の場合、回復に良い方法は一つだけで、それは翼を水平にしてパワーを落とし、地形と対気速度の限界がなくなるまでNzを回復させるように上昇させることである。
複数の予測軌道(例えば、好ましい一実施形態では6つの軌道)を支持する理由は、航空機が砂漠の単一のビュートに向かって水平飛行している第2の例によって説明することができる。このような場合、使用される可能性のある二つの予測軌道がある。パイロットは、左又は右に旋回して山頂を回避するか、又は進路を維持して山頂の上を越えて飛ぶことで山頂を回避することができる。ここで、どの時点でシステムが「上昇」の警告を出すべきかということが疑問としてある。水平に旋回するのが最善ということはおそらく全くない。この問題の解決策は、複数の軌道を使用することである。パイロットは、複数の危険を逃れる選択肢を持っているため、システムはそうした選択肢それぞれをモデル化する。山頂の例では、左旋回、右旋回、上昇の3つの軌道をモデルにしている。1つの軌道が制限に違反していたり、マージンがなくても、他の軌道で通過できるならば、パイロットには他の選択肢のマージンがあるため、警告は出ない。警告が発せられるのは、実行可能な軌道が1つしかなく、その軌道がトリガポイントに到達した場合のみである。したがって、ビュートの例では、左旋回と右旋回が除外されている場合、上昇軌道のマージンが希望の閾値を下回った場合に、「上昇」が発せられる。別のアプローチや地形の種類によって、上昇の軌道が除外された場合、それぞれの軌道が最後に利用可能な軌道であり、そのトリガのマージンに達したときに、「左旋回」又は「右旋回」の警告が発せられる。
繰り返しになるが、パイロットは複数の回避する選択肢を持っているので、100%の保護を提供する100%妨害のないシステムは、可能性のある全ての回避選択肢を考慮しなければならない(そしてモデル化しなければならない)。現実的な実施形態では、システムは通常、全ての選択肢をモデル化することはないが、それぞれの異なる軌道タイプの解決方法の代表的な例で十分である。例えば、ビュートの場合では、10度の傾斜で右旋回の上昇、15度の傾斜で右旋回の上昇などが可能である。それぞれの軌道を少しずつ調整することで、無限の軌道を作ることができる。しかしながら、30度の傾斜と29度傾斜の軌道は、機能的に区別がつかない。そのため、警告を防ぐためには、回復の全範囲をモデル化する必要がある。ビジネスジェット機については、地形回避のために最低三つの軌道と、速度制限のために一つの軌道を使用すると、非常に良好な結果を得られることが判明している。一実施形態に係る例示的な軌道は、高度の上昇、及び30度の傾斜の左右の上昇の旋回を含む。七つの軌道及び無限の軌道システムも採用されてもよい。こうしたより多くの軌道は、例えば、地上の表面近くを飛行する操作を必要とする軍事システムで有用となる可能性がある。
3つの(3個の)主な軌道が最小セットを表すのに対し、より好ましい実施形態としては、6個の主な軌道に基づくものがある。理由として、上述した3つの軌道のそれぞれをすぐに開始できるとは考えられないからである。例えば、高度へ上昇する際、安定的な上昇を開始する前に、機首高の回復を行い、上昇速度を上げる必要のある可能性がある。ここでは、3つの最終的な上昇を最終上昇又は直上昇と呼ぶ。システムによっては、航空機は、常に最終安定上昇を直ちに行える位置にいる。ビジネスジェット機では、最適な安定状態での上昇を捉えながら、過多な対気速度を高度に変換するために、最終上昇に先立って、急角度で上昇が多々行われる。場合によっては、最終上昇のための出力を全開にすることができる姿勢になる前に、まず機首低の回復を開始し、対気速度をコントロールするための出力を残しておく必要がある。航空機は、2方向の機首高回復と2方向の機首低回復(最短方向でロールして水平になるか、垂直方向にロールして水平になる)を行うことができる、合計6つの軌道がある。
上記では、6つの軌道が主な軌道として選択した。必要に応じて、実施形態はまた、他の目的を達成するために、追加の軌道でサポートしてもよい。例えば、適する軌道が発見されると、より正確な警告開始の決定を助けるために、2秒間の遅延時間で、再度実行することができる。また、必要に応じて、より積極的な回復モデルを使用して、好ましい軌道を再度計算してもよい。このより積極的な回復モデルは、最初に計算された優先軌道と混ぜ、ソフトな乗り心地とハードな乗り心地の回復の選択肢を調和させるのに役立つ。
<自動>
予測航空機飛行包絡保護システムは完全自動システムであり、パイロットの介入に頼らないことを意味する。システムは、パイロットに警告を与えることができ、おそらく与えるべきであるが、システムは自動であり、保護を提供するのにパイロットへ警告を出すことには左右されない。このため、いくつかの追加的な考慮事項が必要となる。第一に、予知警告を有効にするシステムが必要である。包絡線保護操作を実行するために、何らかの形の自動操縦を実装する必要がある。その自動操縦は、ロールやピッチだけでなく、空力ブレーキとスロットルの全権限を持っていなければならない。さらに、システムは、エンジンの1つが非作動(OEI)した場合に動作しなければならないので、自動操縦は、不釣り合いな推力状態を処理することができなければならない。本開示のシステムによって提供される解決方法は、基本的な航空機制御法則に推力の補償を追加するということである。その結果、回避が行われていない場合でも、航空機は、両エンジンの推力線が、航空機の中心線に沿っているかのように振る舞う。一実施形態では、エンジン間の差N1は、補償の方向舵が組み込まれて使用される。N1に代わるものとして使用することができる推力の補償の他にも認められている方法がある。
自動システムに必要な第二の特徴は、手動システムよりも故障や破損したセンサに対して、はるかに耐性があることである。手動システムでは、誤警告は容易に無視することができる。自動システムでは、誤警告は無視することができず、したがって、誤警告に対する耐性は、著しく高くなければならない。したがって、本開示のシステムは、複数の冗長化センサの間で何らかのばらつきがある時に、センサが故障した時に又は疑わしい時に判断するモニタ回路と、どのセンサ値がシステムに報告されるかを判断する投票的な回路と、を組み合わせた複数の冗長化センサを提供する。
最後に、この自動システムでは、パイロットの入力を、システムによって提供される制御と混ぜることができる。この種の従来のシステム(例えば、軍事用途で使用されている昔からの自動地上衝突回避システム)では、通常回復は、常に航空機の最大能力に近いものである。この理由として、乗り心地を気にすることなく、妨害することも気にしない、極端な低高度における操作(超低空飛行の操作)が要求される軍事用途に求められる性能に由来する。ビジネスジェット機では、その逆となる。極端な低空飛行は必要とされず、乗客の乗り心地が最重要視される。結果として、ビジネスジェット機において好ましいとされる回復は、通常、航空機の最大性能には遠く及ばない。
しかし、スムーズで乗客に安全な回復には課題がある。第一に、ジェットの後流が機体をひっくり返すようなものであったり、ウィンドシアによる機体を地面に投げつけるような動揺の場合に対して、乗客の安全を確保した滑らかな回復には十分ではない。このような極めて稀な不可抗力的のケースでは、航空機がどのようにしてそこに到達したかは関係ない。第二に、自動的に回復が開始されたが、回復中にパイロット自身がどれだけ地面に近づいているか気付き、回復性能を上げることによって地形的なマージンを増やしたいと考える場合がある。このような場合、システムはパイロットの入力と、計算したスムーズで乗客の安全な回復を調和することで、パイロットが回復を積極的に行うことを可能とする。このように、システムは、滑らかで乗客が安全な回復が適切でない場合の両極端においても柔軟に対応することができる。これらのケースに対応するために、次に説明する非二元法制御システムを実装している。
<非二元法>
二元のシステムでは、自動回復又は警告は、オン又はオフのいずれかであり、中間状態は存在しない。前述したように、ビジネスジェット機用に設計された本開示の自動システムは、より多くの設計を必要とする。この解決手段は、非二元法システムである。本開示のシステムでは、滑らかで乗客に安全で乗り心地をよくさせているが、パイロットの操作と混ぜることが許可されており、マージンがなくなる、又は改善できない場合には、良い乗り心地は自動的に、段々とよりハードな乗り心地の回復となっていく。これを実現する一つの方法は、乗り心地の良い好ましい軌道と乗り心地のハードな軌道を同じ向きで比較し、その比較に基づいてナッジャー/フェーダーを混ぜることである。他の方法としては、限界値に近いとき、混ぜられた出力が使用され得る。例えば、プロセッサは、滑らかな乗り心地が求められているマージンがあるかどうかを評価することができる。このような場合、予測軌道のアルゴリズムは、積極性さを段階的に増加させ、それに対応してより積極的な指示を行う。ナッジャー/フェーダーの設計は、パイロットが回復するのを助けられるが、マージンがない場合においては回復が徐々に少なくならないように構築されるべきである。
少なくとも1つの例示的な実施形態が前記の詳細な説明に示されているが、膨大な数のバリエーションが存在する。また、例示的な実施形態は、例示に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、又は構成を何ら制限することを意図していない。むしろ、前記の詳細な説明は、本明細書で意図されるような例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供している。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載された要素の機能及び配置において様々な変更がなされ得る。

Claims (21)

  1. 航空機の脅威の包絡線保護システムであって、
    航空機に関連した複数の異なるタイプの脅威のそれぞれに対して、少なくとも1つのトリガ条件を格納するコンピュータ読み取り可能な媒体に統合された脅威包絡線データ構造を備え、複数の異なるタイプの脅威のそれぞれは、共通の図式を使用してパラメータ化され、
    時空を通る異なる可能性のある航空機の経路を表す複数の異なる予測軌道を計算するようにプログラムされたプロセッサを備え、
    前記プロセッサは、前記脅威包絡線データ構造から得られた複数のトリガ条件のうちの少なくとも一部を、予測軌道のそれぞれに沿った時空間の特定のトリガポイントに関連付けるようにプログラムされており、
    脅威から回復するために実行可能ではないと計算している間に、予測軌道のうちの1つを非推奨とするようにさらにプログラムされており、
    1つを除く全ての予測軌道が非推奨であり、航空機が非推奨の軌道に沿って、時空間における最も近いトリガポイントに所定の近接した位置にある場合に、航空機の保護応答を開始するようにさらにプログラムされている。
  2. 前記プロセッサは、複数の異なる予測軌道を、共通図式によって用いられる条件で表すようにプログラムされている、請求項1に記載の保護システム。
  3. 前記共通図式は、(a)航空機の軌道に影響を与える力、(b)航空機のエネルギー状態、の観点から、複数の異なるタイプの脅威のそれぞれを表現している、請求項1に記載の保護システム。
  4. 前記共通図式は、g力のベクトルとエネルギー状態のベクトルの観点から、複数の異なるタイプの回復のそれぞれを表現している、請求項1に記載の保護システム。
  5. 前記共通図式は、(a)航空機の長手方向に垂直な力、(b)航空機の傾斜角、(c)航空機の特定の余剰出力、(d)飛行経路角、の観点から、複数の異なるタイプの回復経路のそれぞれを表現している、請求項1に記載の保護システム。
  6. 前記プロセッサは、複数の異なる予測軌道と、更新される軌道のそれぞれに沿ったトリガポイントと、を繰り返し更新する、請求項1に記載の保護システム。
  7. 前記脅威包絡線データ構造は、エネルギーの限界に関連付けられた少なくとも1つのトリガ条件を記憶している、請求項1に記載の保護システム。
  8. 前記脅威包絡線データ構造は、物体の限界に関連付けられた少なくとも1つのトリガ条件を記憶している、請求項1に記載の保護システム。
  9. 航空機の保護応答は、航空機のパイロットへの警告メッセージの発出、自動操縦システムへの制御指令の発出、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される、請求項1に記載の保護システム。
  10. 航空機の予測される将来の状態が最も近いトリガポイントに対して所定の近接度内にあるとき、航空機の保護応答を自動的に実行するように操作可能であり、前記プロセッサに結合されている自動操縦システムをさらに含む、請求項1に記載の保護システム。
  11. 前記プロセッサは、現在の航空機の位置から始めて、複数の異なる軌道を反復的に計算するようにプログラムされている、請求項1に記載の保護システム。
  12. 航空機の脅威包絡線保護を提供する方法であって、
    航空機に関連する複数の異なるタイプの脅威のそれぞれについて、少なくとも1つのトリガ条件を格納するためのコンピュータ読み取り可能な媒体に統合された脅威包絡線データ構造を設定し、
    複数の異なるタイプの脅威のそれぞれは、共通の図式を使用してパラメータ化され、
    時空を通過する様々な航空機の経路を表す複数の異なる予測軌道を計算し、
    予測軌道のそれぞれに沿った時空間における特定のトリガポイントに対する脅威包絡線データ構造から得られた複数のトリガ条件のうちの少なくとも一部を関連付け、
    脅威からの回復が不可能であると計算されている間は、予測軌道のうちの1つを非推奨とし、
    予測軌道のうち、1つを除く全ての軌道が非推奨であり、かつ、航空機が非推奨の軌道に沿った時空間において最も近いトリガポイントに所定の近接距離にある場合に、航空機の保護応答を開始することを特徴とする方法。
  13. 複数の異なる予測軌道は、前記共通図式によって用いられる条件で表現されることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記共通図式は、(a)航空機の軌道に影響を与える力、(b)航空機のエネルギー状態、の観点から、複数の異なるタイプの脅威のそれぞれを表現している、請求項12に記載の方法。
  15. 前記共通図式は、g力のベクトルとエネルギー状態のベクトルの観点から、複数の異なるタイプの脅威のそれぞれを表現している、請求項12に記載の方法。
  16. 前記共通図式は、(a)航空機の長手方向に垂直な力、(b)航空機の傾斜角、(c)航空機の特定の余剰出力、(d)飛行経路角、の観点から、複数の異なるタイプの回復経路のそれぞれを表現している、請求項12に記載の方法。
  17. 複数の異なる予測軌道と、更新される軌道のそれぞれに沿ったトリガポイントと、を繰り返し更新することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  18. 前記脅威包絡線データ構造は、エネルギーの限界に関連付けられた少なくとも1つのトリガ条件を記憶している、請求項12に記載の方法。
  19. 前記脅威包絡線データ構造は、物体の限界に関連付けられた少なくとも1つのトリガ条件を記憶している、請求項12に記載の方法。
  20. 前記航空機保護応答は、航空機のパイロットへの警告メッセージの発出、自動操縦システムへの制御指令の発出、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される、請求項12に記載の方法。
  21. 現在の航空機の位置から始めて、複数の異なる軌道を反復的に計算することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
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