JP7154390B2 - 航空機の自動回復を開始する前の使用可能時間 - Google Patents

航空機の自動回復を開始する前の使用可能時間 Download PDF

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Description

本出願は、2018年8月27日に出願された米国仮出願番号第62/723,234号(タイトル:航空機の回復中の有効な時間)に基づいて優先権を有し、その全体の開示、図面や付録は、参照として本明細書に組み込まれている。
本開示は、一般的な航空機の飛行包絡線保護システムに関して、特に様々な回復シナリオの範囲を効率的に処理することができる区分的な包絡線回復手順を構築する軌道レシピを使用して、航空機の予測軌道をモデル化する航空機の飛行包絡線保護システムに関する。
ここでは、必ずしも先行技術ではない本開示に関する背景技術を説明する。
航空機は、制御面において、一定の動作速度及び負荷の範囲内で動作するように設計されている。こうした動作範囲は飛行包絡線範囲として知られており、この範囲外においては、飛行機の損傷や制御不能を生じる可能性がある。さらに、航空機は、地上の地形や他の航空機などの物体との衝突を回避する軌道上で飛行する必要がある。従来の航空機は、飛行包絡線範囲外での動作や他の物体との衝突を防ぐため、航空機が飛行包絡線外で飛行しているか、又は現在の飛行経路上において、地面や他の物体と衝突する可能性があるかどうか判断するために、各側面を評価する多くの異なる保護システムや安全システムを利用している。
脅威が識別された後、こうした異種の保護又は安全システムは、一般的には、直ちに回復を開始するか、又はパイロットに別の方法で回復する時間を与えるために、回復を開始する前の特定の時間を待つかのいずれかである。これらの従来の方法は、従来のシステムに適しているが、改善されてもよい。
第1の非限定的な実施形態では、航空機用のアビオニクスシステムは、脅威データ構造とプロセッサとを含む。脅威データ構造は、警報閾値とマージン閾値を格納する。プロセッサは、将来の可能性のある軌道に沿った複数の位置における航空機の状態を予測すること、予測された将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として複数の位置のそれぞれにおけるマージン値を計算すること、将来の可能性のある軌道に沿ったマージン値の変化に基づいて複数の位置のそれぞれにおけるマージン値の変化率を計算すること、計算されたマージン値の最小値と複数の位置の中で計算されたマージン値の変化率の最大値に基づいて開始時間を推定すること、開始時間が警報閾値に到達したことに応答してパイロットに警告を発するように指示すること、を実行するようにプログラムされている。
第2の非限定的な実施形態では、航空機は、脅威データ構造とプロセッサとを含む。脅威データ構造は、警報閾値と、アビオニクスシステムが航空機の自動操縦回復を開始するマージン閾値と、を格納する。マージン閾値は、予測される将来の状態と脅威の値との間の差の限界を示す。警告閾値は、好ましくは、自動操縦を開始する前に航空機がパイロットに警告を発するであろう所定の時間を示す。プロセッサは、将来の可能性のある軌道に沿った複数の位置における航空機の状態を予測すること、予測された将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として複数の位置のそれぞれにおけるマージン値(MGN)を計算すること、将来の可能性のある軌道に沿ったマージン値の変化に基づいて複数の位置のそれぞれにおけるマージン値の変化率(MGNdot)を計算すること、計算されたマージン値の最小値(MGNMIN)と複数の位置の中で計算されたマージン値の変化率の最大値(MGNdotMAX)に基づいて開始時間(TTG)を推定すること、開始時間が警報閾値に到達したことに応答してパイロットに警告を発するように指示すること、を実行するようにプログラムされている。
第3の非限定的な実施形態において、航空機のアビオニクスシステムによる差し迫った自動回復をパイロットに警告する方法は、将来の可能性のある軌道に沿った複数の位置における航空機の状態を予測することを含む。また方法は、予測された将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として複数の位置のそれぞれにおけるマージン値(MGN)を計算することを含む。また方法は、将来の可能性のある軌道に沿ったマージン値の変化に基づいて複数の位置のそれぞれにおけるマージン値の変化率(MGN)を計算することを含む。また方法は、計算されたマージン値の最小値(MGNMIN)と複数の位置の中で計算されたマージン値の変化率の最大値(MGNdotMAX)に基づいて開始時間(TTG)を推定することを含む。また方法は、開始時間が警報閾値に到達したことに応答してパイロットに警告を発するように指示することを含む。
本明細書の図面は、選択した実施形態のみを例示するために記載されたものであり、全ての実施形態を例示するものではない。したがって、図面の特定の選択は、本開示の範囲を上限することを意図するものではない。
図1は、包絡線保護機能を実行するためのステップを実行するようにプログラムされたプロセッサと合わせて、脅威となる包絡線及び軌道座標のデータ構造を示すブロック図である。 図2は、開示された共通の図式及び運動エネルギーモデルによって使用される特定の力ベクトル及び角度を理解するための航空機の概略図である。 図3は、共通の図及び運動エネルギーモデルによって使用される特定のエネルギー値を理解するための、例示的なエネルギー及び物体の脅威を伴う予測軌道を示す航空機の概略図である。 図4は、n次元の脅威空間と軌道座標空間(時空間)との関係を示すデータモデルブロック図である。 図5は、最初に遭遇したトリガーが航空機の保護応答を開始するためにどのように使用されるかを説明するための、1つの実行可能な軌道及び2つの非推奨の軌道の詳細図である。 図6は、潜在的な航空機の時間利用可能な計算シナリオを模式的に表したものである。 図7は、潜在的な航空機の時間利用可能な計算シナリオを模式的に表したものである。 図8は、潜在的な航空機の時間利用可能な計算シナリオを模式的に表したものである。 図9は、航空機の自動回復の可能性をパイロットに警告する方法を示すフローチャートであり、説明するための図である。
以下の詳細な説明は本質的に単なる例示的なものに過ぎず、本発明又は本発明の適用及び用途を限定することを意図したものではない。さらに、本発明の先行する背景や以下の詳細な説明で提示された理論に縛られることを意図するものではない。
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を説明することにより、本発明を詳しく説明する。各図面に付された同じ参照符号は、同じ部分を示す。
<導入>
本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、飛行経路予測技術を使用して、航空機の飛行状態の全方位にわたって作動し、様々なタイプの危険に対処するために、統一した完全な包絡線保護を提供する。飛行経路予測は、運動エネルギーモデルを使用して航空機の現在の状況から継続的に計算される。複数の予測軌道が計算され、それぞれが危険の閾値又はトリガーポイントに達したときに、危険状態を回避するための異なる脱出ルートを表す。このシステムは、さまざまな種類の危険に注意し、速度や高度の上限などの航空機の固有の特性を扱うものもあれば、地形や物体の回避などの外部的な事柄を扱うものもある。本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、全てのそうした脅威となる包絡線範囲に渡って動作するように設計されている。
包絡線保護システムは、複数の軌道を計算するが、継続して評価を行うことで、現在の航空機の状況で実行不可能な軌道は非推奨とする。非推奨な軌道が再び実行可能になるように航空機の状況が変化しない限り、非推奨な軌道はシステムによって実行不可能として扱われる。本開示の保護システムはバックグラウンドで動作し、実行可能な予測軌道が1つだけ残っている(他の全ての予測軌道は非推奨となる)場合、脅威が起こるまで、パイロットの権限を無効にしたり、奪ったりしない。この場合、保護システムは、危険状態を回避するための回避行動を取るために、自動的に自動操縦となる。保護システムは、パイロットへ警告を発することもあるが、残っている実行可能な軌道がトリガポイントに到達した後、回復行動を取るためにパイロットに依存しないことが好ましい。
好ましくは、予測包絡線保護システムは、一方では乗り心地がよいソフトな回復で、他方ではハードな回復で、乗客に安全な回復行動の非二元的な方法を提供するように構成される。差し迫る脅威を回避する必要がある場合、システムはハードな回復を行う。しかし、回復するまでの時間があり、それほど極端ではない状況では、システムはソフトな回復(乗客にとって快適で滑らか)を行う。このようなソフトな回復が行われると、システムは任意でパイロットからの入力を回復のアルゴリズムに混ぜ、パイロットの能力と経験に基づいて回復の強度を変更できる。
図1において、本開示における航空機の脅威包絡線保護システムの一実施形態は、航空機28に関連した複数の異なる脅威タイプ24が記憶されている所定の脅威包絡線データ構造22に従って構成されたメモリ回路20に関するプロセッサ10を使用して実施される。プロセッサ10及び関連するメモリ回路20は、航空機28に乗せられるのが好ましい。データ構造22は、図1の脅威タイプ24において列状で示されているように、異なる脅威タイプ24にそれぞれ対応する記録のテーブル、リスト、又はマトリクスで構成されていてもよい。それぞれの脅威タイプ24は、対応するトリガー条件26が記憶されている。これらのトリガー条件26は、n次元の脅威空間に基づく共通図式を使用してパラメータ化され、特定の脅威条件がどのような条件で到達したかをプロセッサ10に伝える。脅威空間の共通の図式の次元は、異なる脅威条件の全方位を、共通した最小の基本変数のセットを利用して示すことができるように選択することが重要である。現状好ましい基本変数のセットは、<運動エネルギーモデル>というタイトルの段落で説明する。
また、メモリ回路20は、時空座標変数32に関して、複数の軌道を記憶する軌道座標データ構造30をサポートするように構成される。説明のために、時空座標変数32は、直交座標系(x,y,z,t)を用いて特定している。他の座標系(例えば、球面)を使用してもよい。
<予測軌道の生成>
軌道座標データ構造30は、存在している時空座標の変数(モデル化された各予測軌道に対して別々に)の列から成り、それによって時空における回復軌道の形状を定める。説明のため、プロセッサ10は、40において、予測軌道の生成するステップを実行するようにプログラムされており、42の時空の図で説明されているように、複数の回復予測軌道が時空座標で定義されている。各予測軌道は、航空機の現在の状態を出発点として、各回復操作がその時点で開始されたと仮定して計算される。
ここで例示している例は、3つの予測軌道がプロセッサ10によって生成されている。本開示の残りについては、3つの予測軌道を説明する。所定の実施形態として、異なる軌道の数が、複数の軌道の実際のセットを定義するように使用されても良い。民間機又はビジネスジェット機では、通常、脅威から乗客のに安全で回復を滑らかに行うため、3つの予測軌道が適している。軍用機のような、反転飛行又は超低高度飛行することが要求されるような可能性のある航空機においては、より多くの予測軌道が望ましい。
プロセッサ10が複数の軌道におけるそれぞれの時空形状を決定する様々な方法がある。一実施形態では、軌道の時空形状は、保護システムが組み込まれている航空機の類では、適切な一連の既知の危険回復操作に対応して、事前に定義した標準化されたセットの解曲線に従っている。通常、これらの曲線は、訓練を受けたパイロットが特定の危険から回避する飛行を行う可能性が高いものに基づいているものである。これらには、例えば、上昇、急降下、左旋回、及び右旋回の標準的な一連の操作を含み、乗客の安全と快適さを最大化するために、特定のパラメータ(例えば、上昇角度と傾斜角)が選択されてもよい。他の実施形態では、異なる種類の操作が一緒となった複合回復操作が使用されてもよい。例えば、ビジネスジェット機は、最適な安定状態の上昇を行いながら、最終の上昇操作の前に急上昇操作を行って、過剰な対気速度を高度に交換する複合した操作を採用する場合がある。この実施形態では、ビジネスジェットを含む多くのタイプの航空機にとって、比較的少ないの事前に定義した解曲線の標準化されたセット(例えば、3つの予測軌道)で十分である。比較的少数の解曲線と少数の基本的な運動エネルギー変数を使用することで、プロセッサ10への負荷が最小限に抑えられる。軌道は継続的に再計算されるため、いくつかの基本的な変数に基づいて、解のセットが少数の予測軌道のみに縮小されたとしても、システムは良好な結果を生成する。もちろん、特定の航空機アプリケーションで、より多くの解が必要な場合は、プロセッサ10により、多くの軌道を計算するようにプログラムしたり、追加の変数をサポートすることができるように計算を拡張してもよい。より多くの情報量が必要な場合は、並列処理技術及びプログラム可能なゲートアレイ回路部品を利用して、プロセッサ10を強化又は交換することができる。
少数の標準化された事前定義済み解曲線のセットから予測軌道を生成する代わりに、プロセッサ10は、保存されてる事前設定済みの解曲線のセットを、特定のタイプや脅威の種類から最適な回復のために組み込まれている種々の群から選択するようにプログラムしてもよい。したがって、失速する危険から回復するために選択された解曲線の群は、上昇限界の危険から回復するために選択された解曲線群とは異なる場合がある。どの解の群を採用すべきか評価するために、プロセッサ10は、現在の航空機の状態をn次元の脅威空間で予測して、現在の航空機の状態に最も近い脅威の群がどの脅威の群にあるかを決定することができる。そうすることで、プロセッサ10は、どの脅威が最も差し迫っているのかをリアルタイムで判断し、現在の状況に最も適した事前定義済みの解曲線の群に基づいて、予測軌道モデルを作り上げる。
<各予測軌道の脅威トリガーポイントの関連付け>
軌道が生成されるのと平行して、又は連続して軌道が生成された後、プロセッサ10は、44のステップにおいて、脅威包絡線データ構造22内で識別された脅威に対応する適用可能なトリガーポイントを、予測したそれぞれの軌道に沿った時空間のポイントに関連付ける。どのような軌道についても、最初は脅威が検出されない場合がある。しかし、航空機が飛行し続け、軌道が継続的に再計算されると、ある時点で脅威が検出される可能性があり、この脅威(最初に検出された)は、該当する場合においては各軌道のトリガーポイントとして関連付けられる。46の時空間に図示されているように、これらのトリガーポイントは、航空機が回避又は回復行動を開始する必要がある脅威の応答限界に到達するときの時空間の軌道に沿ったポイントを表す。
なお、生成された予測軌道は、パイロット(又は自動化されたシステム)が従うか選択する可能性のある様々な仮定の軌道を表していることを再度強調する。これらの軌道は、それぞれ連続的に生成されているため、全て未来の航空機の状態を表してる。航空機の現在の状態は、未来の予測軌道が分岐する開始点又は特異点にある。予測軌道が複数ある限り、パイロット自身は望む進路を自由に選ぶことができる。パイロットが飛行する進路を選択したとしても、プロセッサ10は、単に未来の所定の軌道に対する解を再計算する。
<非推奨とされる実行不可能な予測軌道>
航空機が飛行し続け、予測軌道を連続的に再計算している際、ある軌道が実行不可能になる場合がある。これは、例えば、航空機が予測軌道操作を実行するために十分なエネルギーが不足している場合や、予測軌道操作が速度上限を違反し、航空機に損傷を与える場合や、その地域の速度上限法に違反する場合で発生する可能性がある。また、予測軌道が航空機を損傷させる大きな運動量を持つ物体が進路上に配置されている場合にも発生する可能性がある。プロセッサ10は、48のステップで、これに基づいて予測軌道のそれぞれを評価し、実行不可能な軌道を廃止又は非推奨とする。図1の50においては、2つの予測軌道が点線で示され、非推奨になったことを示している。
非推奨となった軌道は、その後の保護応答では使用されない。しかし、軌道の解はプロセッサ10によって継続的に更新されるため、非推奨となった軌道は、非推奨の原因となった条件が解除されると、実行可能な状態に戻る可能性がある。例えば、ある軌道が、他の航空機との衝突進路上にあるために非推奨とされ、他の航空機が衝突範囲外に移動した場合、プロセッサ10は非推奨状態を解除することで、その軌道を実行可能なものとして復活させる。
<保護応答の開始>
図1の52で図示されているように、プロセッサ10は、実行可能な軌道が1つだけ残っている(他の全ての軌道が非推奨となっている)状態になると、保護応答を開始する。この応答は、パイロットに警告又は注意メッセージを送信することを含み、パイロットはそれを聞いても聞かなくても良い。聞くか聞かないかにかかわらず、プロセッサ10によって開始される応答反応は、最初に遭遇する脅威を回避する又は逃れるように、計算した軌道上に航空機を乗せるよう設計されている。これを行うために、プロセッサ10は、1つ以上のコマンドを自動操縦のシステムに送信するが、その詳細については後述する。
図5は、この重要な危険回復応答プロトコルをより詳細に示している。図示しているように、軌道62及び64が非推奨である一方で、1つの軌道60は実行可能なままである。実行可能な軌道60に沿って、最初に発生する脅威66は、保護応答が開始されるトリガーとなる。保護応答が開始されると、航空機は予測軌道に従って飛行する。つまり、予測軌道が後に続く予測軌道の反復的な更新からの変更(もしあれば)を受けて、航空機が飛行する実際の軌道の例となっている。66における最初に発生する脅威(例えば、機首低状態による速度違反など)によってトリガーされた場合、68での地形の脅威を回避するように設計し、予測軌道の形状を計算する方法が用いられている。
<運動エネルギーモデル>
プロセッサ10によって使用される現状好ましい最小の基本変数のセットは、航空機28の物理的位置、そのエネルギー状態、及び軌道に影響を与える航空機28に作用する力の観点から、予測軌道を定義する運動エネルギーモデルに依存している。この点で、航空機282の長手方向軸に垂直な力(法線力)は軌道の方向を変え、一方、航空機28の長手方向軸に接線方向の力(接線力)は、その軌道に沿って航空機28の速度を変える。
一実施形態では、n次元の脅威空間の共通図式は、最小の基本変数の集合であるNz、Φ、Ps及びγによって表される。図2に示すように、Nzは、法線力(航空機の長手方向軸に対して、法線方向又は垂直に作用する力)を表す。図2では、航空機28の長手方向軸が紙面へ向いている。この法線力Nzは、航空機28に作用するg力も表している。航空機28が水平で安定状態で飛行しているときには、航空機28に作用するg力は重力の力である。しかし、傾斜角がゼロではない状態で飛行しているときには、g力の向きが変化する。
図3で示しているように、航空機28のエネルギー状態は、航空機の速度に関係する運動エネルギー36(KE=1/2mv、ここで、mは航空機の質量、vは速度)と、加速度を生成するために利用可能なエネルギーである位置エネルギー38の2つの成分から構成されている。位置エネルギー38には、航空機28の高度に応じて増加する航空機高度成分(PE=mgh(mは航空機の質量、hは航空機の高度、gは重力定数))と、エンジンの出力を増加させることによって生み出される付加的な推力の量を表し移動可能である保存エネルギー成分が含まれている。航空機28の運動エネルギー36及び位置エネルギー38の計算のために使用する測定可能な変数は多くあるが、一実施形態では、運動エネルギー36は、真対気速度(TAS)から得られ、位置エネルギー38は、航空機28の高度、余剰出力Ps(利用可能な推力から抗力を差し引いたもの)、及び飛行経路角度γから得られる。余剰出力Psは、航空機28の重量に依存しないように正規化されており、Psは重量に依存しないエネルギーの項となっている。Ps=0の場合は、利用可能な余剰出力がないことを意味し、全ての力がただ抗力に打ち勝っていることを意味する。Ps=0の状態では、機首を下げて加速したり、機首を上げて減速したりすることができる。この効果は、飛行経路の角度(機首高、機首低の角度)を表す用語γで説明される。角度γが0でなくなると、運動エネルギー36と位置エネルギー38は交換される。すなわち、機首高角度では、運動エネルギー36をいくらか上げて位置エネルギー38を増加させ、逆に機首低角度では、位置エネルギー38をいくらか上げて運動エネルギー36を増加させる。
これらの変数は、図4に示されたn次元脅威空間80内の脅威を表すために使用されてもよく、また、n次元脅威空間80と軌道座標空間82との間のデータを変換するために運動エネルギーの関係を使用して、予測軌道に沿った時空間内の未来の位置における航空機28の位置及びエネルギー状態を計算するために使用されてもよい。運動エネルギーの関係による変換は、時空間における航空機の軌道座標(x,y,z,t)に対応する航空機28のPs、Nz、Φ、gの脅威空間の値に関する運動エネルギーの関係を用いて、プロセッサ84にプログラムすることによって実行されてもよい。
本開示の予測的な航空機脅威包絡線保護システムは、最小の基本的な変数のセットを採用した共通の図表を使用して、全ての脅威を表現することができる独自のデータモデルのため、完全な包絡線保護を提供することができる。図4に示すように、本開示の脅威包絡線保護システムは、本質的には、最小限の変数セットに基づいた運動エネルギーデータモデルと、データモデルの主要な構成要素を結びつけるプロセッサの構成を採用している。データモデルの重要な構成要素は、力変数(Nz、Φ)とエネルギー状態変数(Ps、g)の組を用いて、全ての脅威を表すn次元の脅威空間80を定義している。予め分かっている保護すべき脅威は、脅威包絡線データ構造22(図1)に事前に登録されている。事前にわかっている脅威は、例えば、失速限界、速度超過限界、速度不足限界などの様々なエネルギー限界に関連する脅威が含まれる。これらの限界は、航空機の設計時に判明するが、そのほか飛行中に計算されるものもある。
データモデルのもう一つの重要な要素は、時空変数(x,y,z,t)の観点から軌道の座標空間を定義することである。地形の物体や他の航空機(空間を占有する物理的物質の両方の例)のような脅威は、物体の位置に基づいて、座標空間でより容易に表される。例えば、システムは、飛行中に遭遇する可能性がある山などの地形物体の物理的な位置を格納するために、地図データを利用してもよい。このシステムは、エネルギーの脅威と物質の脅威の両方をモデル化することができる。例示のために、図3では、2つの脅威が航空機の軌道上にある。エネルギーの脅威56(例えば、航空機の失速限界)と物質の脅威58(例えば、山のような地形物体)である。
これら2つのデータモデルの構成要素を結びつけるため、プロセッサ10(図1)が軌道座標空間82内の予測軌道を計算するために、GPSなどの適するセンサから得られる現在の航空機の位置86と、脅威空間80内の力変数及びエネルギー状態変数を用いて、変換プロセッサ84として機能するように、プロセッサ10には必要な運動方程式がプログラムされている。また、必要に応じて、変換用のプロセッサ10は、例えば航空機の現在又は予測した未来の位置が包絡線脅威限界と交わるかどうかを評価するために、軌道座標空間82内の点を脅威空間80内に予測することができる。
<運動学的エネルギー方法のモデル>
上述したように、本開示の予測軌道保護システムは、何が起こり、なぜそれが起こるかだけに関心があり、運動学的モデル化を行う。また、航空機の物理的位置とそのエネルギー状態に関連する予測軌道を計算する。そして、その運動を引き起こす力やモーメントには関心がなく、運動が何であるかにのみ関心がある。その結果、昇降舵の有効性、静的な縦方向の安定性、短い期間の周波数及び減衰比などのパラメータ、及び他の多くのパラメータは、意味をなさない。本開示の予測システムは、将来の軌道を予測するために、その軌道へ影響を与える力にのみ関心を持つ必要がある。
この点で、通常の力は軌道の方向を変化させ、接線方向の力はその軌道に沿った速度を変化させる。この点を考慮すると、本開示のシステムは、Ps、Nz、Φ及びγだけを見ることで、うまく3次元の軌道をモデル化する。垂直方向の軌道は、航空機の現在の構成及び飛行条件を使用して、容易にモデル化できるNzの垂直成分にのみ依存する。Nzの発生率と安定状態のNzを用いた単純なモデル化でも、正確な軌道をモデル化するのに十分である。水平方向の軌道は、Nzの水平成分にのみ依存する。傾斜角は、Nzの鉛直成分と水平成分の配分を決定し、ロールは現在の機体構成と飛行条件から導き出されたロール開始率と安定状態のロール率を用いて十分にモデル化することができる。
軌道に沿って発生する速度変化は、軌道の垂直方向の成分とその時の航空機のPsにのみ依存する。Psは比余力であり、航空機が上昇や加速に使用できる余力がどれだけあるかをシステムに伝える。航空機が水平飛行中で、Psがゼロに等しい場合、航空機は現在の速度を維持する。Psが+100ft/secであれば、水平飛行中に加速する。Psが+100ft/secであっても100ft/secで上昇中であれば、対気速度を一定に保ちながら上昇する。このように、現在の上昇と、フィート/秒で表される上昇能力を利用することで、航空機の未来の速度状態を正確に予測することができる。図3は、運動学的モデル化とエネルギー法を用いた、モデル化手順の1回の反復ステップを示している。
<完全包絡線保護>
本開示の航空機飛行包絡線保護システムによって提供される完全包絡線保護には、関連する側面が2つある。すなわち、(1)本開示のシステムによって与えられる保護は、最も一般的に危険なことだけでなく、全ての状況をカバーしており、(2)本開示のシステムは、複数の異なる脅威状態を同時に処理する。これは、単一の脅威に限定されない。第1の側面を説明すると、システムは、飛行包絡線の中心部や最も一般的に危険であるという条件だけでなく、全ての状況で保護を行うように設計されている。例えば、従来の超過速度保護システムは、翼面が水平に近いときにしか機能しない。非常に高い傾斜角では、超過速度保護は抑制されてしまう。この理由は論理的であり、超過速度保護は、航空機を減速させるために、機首を引き上げることによって機能する。航空機が非常に高い傾斜角にある場合、例えば機体が反転している場合、機首を上げたとしてもこの問題は軽減されるどころか悪化する。本開示のシステムにおける完全包絡線保護は、そのような上限がなく、航空機の飛行条件の全方位にわたって機能する。
第2の側面を説明すると、システムは、単一の脅威だけでなく、全ての脅威に対して完全な保護を行うように設計されている。例えば、従来の地形認識警報システム(TAWS)では、地上への衝突に対する保護が提供されている。しかしながら、低速保護は提供されない。代わりに、低速保護のために、別個で低速保護システムが提供されていた。一方で、本開示の航空機飛行包絡線保護システムでは、単一のシステムで、全ての脅威に対する保護を提供する。単一のシステムで全ての脅威を処理することで、連結されたシステムで生じ得る衝突を回避している。
具体的には、TAWSや低速保護機能を搭載した航空機が、低速で地面に衝突するという事故が発生している。連結されたシステムは、他のシステムとの前提を認識していないことが問題である。例のケースでは、航空機は低速で飛行しており、すぐに上昇できないほどの低速であったにもかかわらず、失速状態に近いものではなかったため、低速保護が発動されなかった。地上接近システムは、航空機が滑走路へ降下中であり、上昇能力があると想定していたため、作動しなかった。どちらのシステムも、他方のシステムが脅威に近接していること、及び他方のシステムが速度及び高度に関して行った仮定を認識していなかった。本開示の航空機飛行包絡線保護システムは、全ての関連するパラメータを完全に認識した状態で、全ての脅威に対する保護を行うシームレスな包括的システムを提供している。
<複数軌道>
好ましい実施形態の一つとして、本開示の予測システムは、警告/回復開始時間を予測するための3つの主な軌道を使用する複数軌道システムである。別の実施形態では、航空機の反転(逆さ)状態からの回復が可能であり、6つの主な軌道を使用する。複数軌道について説明する前に、まず、単一の予測軌道システムと、それがどのように警告システムに実装されるかについて考える。単一の予測軌道システムにおいて、システムは現在の状態を見て、その時点から回復が開始されると仮定する。予測される回復はその後、保護する脅威に近付いているかどうかを、モデル化してテストする。例えば、航空機が地上に向かって急降下している場合、システムは機首を低くして回復することを予測し、対気速度上限と地形の両方に近接しているかどうかをテストする。限界値を超えておらず、マージンがあれば警告は発せられない。限界値を超えていたり、マージンが許容できないほどない場合は、例えば「上昇」などの回復警告が発せられる。多くの場合において、単一の軌道で十分である。平坦な地形に対して機首低の場合、回復に良い方法は一つだけで、それは翼を水平にしてパワーを落とし、地形と対気速度の限界がなくなるまでNzを回復させるように上昇させることである。
複数の予測軌道(例えば、好ましい一実施形態では6つの軌道)を支持する理由は、航空機が砂漠の単一のビュートに向かって水平飛行している第2の例によって説明することができる。このような場合、使用される可能性のある二つの予測軌道がある。パイロットは、左又は右に旋回して山頂を回避するか、又は進路を維持して山頂の上を越えて飛ぶことで山頂を回避することができる。ここで、どの時点でシステムが「上昇」の警告を出すべきかということが疑問としてある。水平に旋回するのが最善ということはおそらく全くない。この問題の解決策は、複数の軌道を使用することである。パイロットは、複数の危険を逃れる選択肢を持っているため、システムはそうした選択肢それぞれをモデル化する。山頂の例では、左旋回、右旋回、上昇の3つの軌道をモデルにしている。1つの軌道が上限に違反していたり、マージンがなくても、他の軌道で通過できるならば、パイロットには他の選択肢のマージンがあるため、警告は出ない。警告が発せられるのは、実行可能な軌道が1つしかなく、その軌道がトリガーポイントに到達した場合のみである。したがって、ビュートの例では、左旋回と右旋回が除外されている場合、上昇軌道のマージンが希望の閾値を下回った場合に、「上昇」が発せられる。別のアプローチや地形の種類によって、上昇の軌道が除外された場合、それぞれの軌道が最後に利用可能な軌道であり、そのトリガーのマージンに達したときに、「左旋回」又は「右旋回」の警告が発せられる。
繰り返しになるが、パイロットは複数の回避する選択肢を持っているので、100%の保護を提供する100%妨害のないシステムは、可能性のある全ての回避選択肢を考慮しなければならない(そしてモデル化しなければならない)。現実的な実施形態では、システムは通常、全ての選択肢をモデル化することはないが、それぞれの異なる軌道タイプの解決方法の代表的な例で十分である。例えば、ビュートの場合では、10度の傾斜で右旋回の上昇、15度の傾斜で右旋回の上昇などが可能である。それぞれの軌道を少しずつ調整することで、無限の軌道を作ることができる。しかしながら、30度の傾斜と29度傾斜の軌道は、機能的に区別がつかない。そのため、警告を防ぐためには、回復の全範囲をモデル化する必要がある。ビジネスジェット機については、地形回避のために最低三つの軌道と、速度上限のために一つの軌道を使用すると、非常に良好な結果を得られることが判明している。一実施形態に係る例示的な軌道は、高度の上昇、及び30度の傾斜の左右の上昇の旋回を含む。七つの軌道及び無限の軌道システムも採用されてもよい。こうしたより多くの軌道は、例えば、地上の表面近くを飛行する操作を必要とする軍事システムで有用となる可能性がある。
3つの(3個の)主な軌道が最小セットを表すのに対し、より好ましい実施形態としては、6個の主な軌道に基づくものがある。理由として、上述した3つの軌道のそれぞれをすぐに開始できるとは考えられないからである。例えば、高度へ上昇する際、安定的な上昇を開始する前に、機首高の回復を行い、上昇速度を上げる必要のある可能性がある。ここでは、3つの最終的な上昇を最終上昇又は直上昇と呼ぶ。システムによっては、航空機は、常に最終安定上昇を直ちに行える位置にいる。ビジネスジェット機では、最適な安定状態での上昇を捉えながら、過多な対気速度を高度に変換するために、最終上昇に先立って、急角度で上昇が多々行われる。場合によっては、最終上昇のための出力を全開にすることができる姿勢になる前に、まず機首低の回復を開始し、対気速度をコントロールするための出力を残しておく必要がある。航空機は、2方向の機首高回復と2方向の機首低回復(最短方向でロールして水平になるか、垂直方向にロールして水平になる)を行うことができる、合計6つの軌道がある。
上記では、6つの軌道が主な軌道として選択した。必要に応じて、実施形態はまた、他の目的を達成するために、追加の軌道でサポートしてもよい。例えば、適する軌道が発見されると、より正確な警告開始の決定を助けるために、2秒間の遅延時間で、再度実行することができる。また、必要に応じて、より積極的な回復モデルを使用して、好ましい軌道を再度計算してもよい。このより積極的な回復モデルは、最初に計算された優先軌道と混ぜ、ソフトな乗り心地とハードな乗り心地の回復の選択肢を調和させるのに役立つ。
<自動>
予測航空機飛行包絡保護システムは完全自動システムであり、パイロットの介入に頼らないことを意味する。システムは、パイロットに警告を与えることができ、おそらく与えるべきであるが、システムは自動であり、保護を提供するのにパイロットへ警告を出すことには左右されない。このため、いくつかの追加的な考慮事項が必要となる。第一に、予知警告を有効にするシステムが必要である。包絡線保護操作を実行するために、何らかの形の自動操縦を実装する必要がある。その自動操縦は、ロールやピッチだけでなく、空力ブレーキとスロットルの全権限を持っていなければならない。さらに、システムは、エンジンの1つが非作動(OEI)した場合に動作しなければならないので、自動操縦は、不釣り合いな推力状態を処理することができなければならない。本開示のシステムによって提供される解決方法は、基本的な航空機制御法則に推力の補償を追加するということである。その結果、回避が行われていない場合でも、航空機は、両エンジンの推力線が、航空機の中心線に沿っているかのように振る舞う。一実施形態では、エンジン間の差N1は、補償の方向舵が組み込まれて使用される。N1に代わるものとして使用することができる推力の補償の他にも認められている方法がある。
自動システムに必要な第二の特徴は、手動システムよりも故障や破損したセンサに対して、はるかに耐性があることである。手動システムでは、誤警告は容易に無視することができる。自動システムでは、誤警告は無視することができず、したがって、誤警告に対する耐性は、著しく高くなければならない。したがって、本開示のシステムは、複数の冗長化センサの間で何らかのばらつきがある時に、センサが故障した時に又は疑わしい時に判断するモニタ回路と、どのセンサ値がシステムに報告されるかを判断する投票的な回路と、を組み合わせた複数の冗長化センサを提供する。
最後に、この自動システムでは、パイロットの入力を、システムによって提供される制御と混ぜることができる。この種の従来のシステム(例えば、軍事用途で使用されている昔からの自動地上衝突回避システム)では、通常回復は、常に航空機の最大能力に近いものである。この理由として、乗り心地を気にすることなく、妨害することも気にしない、極端な低高度における操作(超低空飛行の操作)が要求される軍事用途に求められる性能に由来する。ビジネスジェット機では、その逆となる。極端な低空飛行は必要とされず、乗客の乗り心地が最重要視される。結果として、ビジネスジェット機において好ましいとされる回復は、通常、航空機の最大性能には遠く及ばない。
しかし、スムーズで乗客に快適な回復には課題がある。第一に、ジェットの後流が機体をひっくり返すようなものであったり、ウィンドシアによる機体を地面に投げつけるような動揺の場合に対して、乗客の安全を確保した快適な回復には十分ではない。このような極めて稀な不可抗力的のケースでは、航空機がどのようにしてそこに到達したかは関係ない。第二に、自動的に回復が開始されたが、回復中にパイロット自身がどれだけ地面に近づいているか気付き、回復性能を上げることによって地形的なマージンを増やしたいと考える場合がある。このような場合、システムはパイロットの入力と、計算した快適で乗客の安全な回復を調和することで、パイロットが回復を積極的に行うことを可能とする。このように、システムは、滑らかで乗客が安全な回復が適切でない場合の両極端においても柔軟に対応することができる。これらのケースに対応するために、次に説明する非二元法制御システムを実装している。
<非二元法>
二元法のシステムでは、自動回復又は警告は、オン又はオフのいずれかであり、中間状態は存在しない。前述したように、ビジネスジェット機用に設計された本開示の自動システムは、より多くの設計を必要とする。この解決手段は、非二元法システムである。本開示のシステムでは、滑らかで乗客に安全で乗り心地をよくさせているが、パイロットの操作と混ぜることが許可されており、マージンがなくなる、又は改善できない場合には、良い乗り心地は自動的に、段々とよりハードな乗り心地の回復となっていく。これを実現する一つの方法は、乗り心地の良い好ましい軌道と乗り心地のハードな軌道を同じ向きで比較し、その比較に基づいてナッジャー/フェーダーを混ぜることである。他の方法としては、限界値に近いとき、混ぜられた出力が使用され得る。例えば、プロセッサは、滑らかな乗り心地が求められているマージンがあるかどうかを評価することができる。このような場合、予測軌道のアルゴリズムは、積極性さを段階的に増加させ、それに対応してより積極的な指示を行う。ナッジャー/フェーダーの設計は、パイロットが回復するのを助けられるが、マージンがない場合においては回復が徐々に少なくならないように構築されるべきである。
<パイロットの警告>
開始時間又は使用可能時間とは、脅威の上限に違反しないように回復を開始する前における、パイロットが回復を遅らせることのできる時間量のことである。例として、定義している危険に関して“開始時間”値が計算されている。定義している危険は、複数存在する可能性があり、予測軌道に対して複数の“開始時刻”値が計算される。
定義している危険ごとに対して、それぞれの軌道計算では、軌道上における、危険に対するマージンの最小値と、危険に対するマージンの最大変化率を観察している。“開始時間”は、危険に対するマージンの最小値を、危険に対するマージンの最大値の変化率で割ることによって計算される。本明細書で使用されるように、正のマージンは限界違反がない場合であり、負のマージンは限界違反がある場合である。同様に、限界への接近は、その限界への正の変化率としての限界への接近である。使用されている符号の規定は、本開示の範囲から逸脱することなく、変更されてもよいことが理解されるべきである。
マージンの最小値がゼロ以下である場合、上限違反が予測され、TTG(負の値であることが望ましい)を表す別の形態が必要である。実施形態によっては、TTGは、上限違反の大きさに比例した負の値に設定される。予測軌道を完了するたびに、危険に対する最小マージン及び危険に対するマージンの最大変化率が更新され、それによって“開始時間”が更新される。
実施形態によって、上限となる前の使用可能時間は、その上限へ最も近い接近を上限に接近している速度で割ることで、単純に計算することができる。図6の図解で説明されるような地形の場合に関して、平坦な地形では、図6の方法が有効である。最小の高度を取り、それを開始時の垂直速度(VVI)で割って使用可能時間を計算するだけである。しかしながら、荒れた地形においては、この方法を図7に示すように変更することができる。実施形態によって、図6及び図7で参照し、記載された方法に、図9に記載された方法を加えて使用される。例えば、図6、7の方法は、地形に対する開始時間を計算するときに使用されてもよく、図9の方法は、他の脅威(VMAX、VMINなど)のために使用されてもよい。ある実施形態によっては、全ての脅威に対する開始時間は、図6、図7、又は図9から選択された同様の方法を使用してよい。
地形への最接近は、降下中や正の上昇率を達成した後でも起こりうるため、単に降下の初期速度を見るだけでは十分ではない。解決策は、最小の高度の飛行機に対する最初の接近率を見ることである。これは、図7に示されている。荒れた地形で使用可能時間を計算するには、初期飛行経路角(γ)と末期飛行経路角(γMAT)の関係に基づいて有効な垂直速度を計算する。
このアプローチでは、軌道の最初の時点において、自分がどの程度上限に近づいているか、また、上限に対する割合を見ることで、開始時間を決定する。単純な軌道の場合は、このアプローチで十分である。しかしながら、いくつかの複雑な軌道のシナリオでは、追加のステップを考慮する必要がある。例えば、機首が高く、非常に高い傾斜(例えば120度)にある場合は、主翼を水平にして回復する。そうすることで、航空機の上昇姿勢は大幅に低くなり、傾斜角が修正された後は機首を低くして回復する必要がある。ここで懸念されることとして、機首低回復を完了する前に機体が速度超過になる、及び/又は、地面に衝突したりすることである。そのため、軌道開始時に機首が高くなっているにもかかわらず、主な脅威として地上への衝突と速度超過がある。この軌道を予測して、地面や速度超過に非常に近いことが判明した場合、どのように使用可能時間を計算するのかを考える。上で述べた方法を使用すると、著しく結果のない結果となる。例えば、地面との衝突を例にすると、軌道の最初においては、ベクトルが実際には地形から離れているように登っていることになる。負のベクトルは、前の方法では無限の使用可能時間が得られる。例えば、機体を少しロールして、180度の傾斜にしたとする。この新たなロール姿勢では、地面への衝突を避けるために時間内に回復することができなくなる。しかし、この場合も最初のベクトルは地面から離れているので、追加のステップを踏む必要がある。
解決方法の一つとして、軌道が実行不可能になるまで回復遅延時間を増やして、軌道の予測を再実行することである。軌道が実行できなくなるまでの回復遅延時間が「使用可能時間」となる。残念ながら、このような再計算は、計算量の大きな負担となる。もう一つの解決方法としては、固定の遅延時間(例えば2秒)を使用して軌道をもう一度実行し、2秒の遅延時間でマージンを見ることである。その遅延で状況が良くなる(マージンが大きくなる)場合は、使用可能時間が大きくなる。2秒の間に状況が悪化した場合は、以前と同様に上限までの垂直距離を見ることで使用可能時間を推定することができるが、軌道の最初に航空機自体の垂直距離を使用する代わりに、この方法では遅延のない軌道から2秒の遅延の軌道までの垂直距離を使用する。
実施形態によっては、TPAによって選択された回復が航空機から利用可能な最大性能を使用しておらず、パイロットが回復よりも積極的に航空機を操縦している場合、システムは代替の方法を使用する。例えば、F-16のシステムが5gの回復を使用したが、パイロットが8gで飛び込みの回復を行っていた場合、上記の方法は、使用可能時間が無限であったと結論付ける。時間がゼロの時点では、地上に向かうベクトルがあり、5gの回復では地面にかろうじて当たらない。その5gの回復を実行するための使用可能時間は少ない。しかしながら、パイロットが8gで操縦していて、パイロットが2秒遅れた場合、5gですぐに回復した場合よりも、大差で地面から逃れることになる。これは、遅れている間、パイロットが自動回復を上回っているからである。上記の方法では、2秒の遅延で状況が良くなっていることを示しており、使用可能時間は無限大となる。パイロットが8gで操縦を続けていれば機体は危険ではないという事は事実だが、パイロットに必ずしも大きなマージンがあるわけではない。
実施形態によっては、上記の方法が利用され、遅延している回復が危険に近づいていることを示す場合には、その値を使用する。しかし、遅延している回復が改善されたことを示す場合は、以前の方法を使用する。別の解決策としては、軌道を遅延させて実行することであるが、現在の状態を自動回復によって使用される最大値に上限して、遅延中に回復を上回ることができないようにすることである。これにはいくつかの複雑な問題がある。例えば、高いロール率は、時に助けになることもあるが、痛手になることもある。実施形態によっては、システムは予測軌道を実行する前に二秒間、現在の位置及びロール姿勢を単に推定する。
図1-7を引き続き参照すると共に、今度は図8を参照すると、航空機28は、最後に実行可能な(非推奨ではない)軌道102と共に図示されている。プロセッサ10は、第一の軌道点108A及び第二の軌道点108Bを含む、複数の将来の軌道点を計算する。序数「第一」及び「第二」は、説明を明確にするために使用されており、決して軌道102に沿って計算された他の点に対する計算の順序を意味するものではない。軌道点108A-Bの各々は、高度(ALT)に存在し、上述したように、予測した航空機の状態変数に関連付けられている。
軌道102に沿った、それぞれの地形の高さ109A、109Bと、予測した軌道点108A-Bとの間の差は、航空機の予測位置と脅威との間に存在するマージン106A、106Bである。示した例では、説明を容易にするために、危険/脅威として地形の衝突を例示しているが、開始時間を計算するために使用されるアルゴリズムは、他の脅威にも適用される。例えば、地形の脅威は高度の上限として図示されているが、超過速度保護のための脅威は、以下で明らかするように、所定の高度における航空機の設計上の上限によって示される最大速度値である。
図1-8を引き続き参照して、図9を参照すると、差し迫った自動回復の開始をパイロットに警告する方法200が図示されている。示した例では、プロセッサ10は、方法200のタスクを実行する。
タスク210は、航空機が利用可能な将来の可能性のある軌道に沿って、複数の位置のそれぞれにおける航空機の状態を予測する。例えば、プロセッサ10は、可能性のある軌道60、62、64、又は102のいずれかを計算してもよい。方法200を参照して論じている例では、プロセッサ10は、航空機28が軌道102に沿って現在計算された時間位置tにおいては、軌道点108Bに位置し、軌道102に沿って以前計算された時間位置t-1においては軌道点108Aに位置すると予測する。
タスク212は、予測された将来の状態と、複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との間の差として、複数の位置のそれぞれにおけるマージンの値(MGN)を計算する。示している例において、脅威データ構造22は、プロセッサ10が自動回復の可能性をパイロットに知らせるべき警告の閾値を記憶している。また、脅威データ構造22は、アビオニクスシステムが航空機の自動回復を請け負うもの以下のマージンの閾値を記憶している。マージンの閾値は、地点108における予測された将来の状態と、地形の高さ109における危険/脅威の値との間の許容可能なマージンの上限を示す。
タスク216は、MGNMINがゼロより大きいか等しいとタスク214が判断したことに応答して、開始時間(TTG)をMGNMINとして設定する。
将来の可能性のある軌道に沿ったマージンの値の変化に基づいて、タスク218は、複数の位置のそれぞれにおけるマージンの変化率(MGN)を計算する。MGNMINとMGNMAXは、複数の可能性のある未来の軌道のそれぞれについて、互いに独立して計算される。例えば、軌道102は、可能性のある軌道60、62、64について計算された値とは別のMGNMINとMGNdotMAXの値を持つ。示している例において、複数の位置のそれぞれにおけるMGNは、以下に応じて計算される。
Figure 0007154390000001
ここで、iは複数の位置のうちの現在の位置であり、tは将来の可能性のある軌道に沿った航空機より先に予測される時間変数である。可能性のある将来の軌道に沿って予測された時間枠内において、時間変数tは、前の割り当て時間を参照し、航空機の実際の飛行に関連する実時間枠とは関連付けられていない。例えば、tが100秒である場合、プロセッサ10は、現在の実時間から100秒後に航空機28がどこにいるかを予測する計算をするように反復計算する。
タスク222は、MGNMAXがゼロ以下であることを決定するタスク220に応答して、TTGを範囲外として見積もる。
タスク224は、複数の軌道の中で、最小値計算のマージンの値(MGNMIN)と最大値計算のマージンの変化率(MGNMAX)に基づいて、開始時間(TTG)の値を推定する。実施形態によっては、MGNdotMAXは、複数の位置のそれぞれにおける将来の可能性のある軌道に沿ったマージンの値の変化、予測開始時の状態の現在値の変化率、又は予測開始時の状態の変化率から複数の位置のそれぞれにおける上限値の変化率を差し引いた値、のうちの少なくとも1つに基づいて計算され、示している例では、プロセッサ10は、以下にしたがってTTGを計算する。
Figure 0007154390000002
タスク226は、TTGが警告閾値以下であるか否かを判定する。TTGが警告閾値よりも小さい場合、プロセッサ10は、タスク228におけるTTGによって示される時間内に、プロセッサ10が自動回復を開始する可能性があることをパイロットに警告する。
本明細書に記載のシステムでは、プロセッサ10は、パイロットが開始前に与えられた時間の量に関係なく、自動回復をいつ開始するかについての決定を行う。例えば、プロセッサ10は、インジケータがパイロットに警告を発している時間がどれだけ長くても、マージン106A又は106Bがマージンの閾値を下回っているときに、自動回復を開始してもよい。
少なくとも1つの例示的な実施形態が前記の詳細な説明に示されているが、膨大な数のバリエーションが存在する。また、例示的な実施形態は、例示に過ぎず、本発明の範囲、適用可能性、又は構成を何ら制限することを意図していない。むしろ、前記の詳細な説明は、本明細書で意図されるような例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供している。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に記載された要素の機能及び配置において様々な変更がなされ得る。

Claims (20)

  1. 脅威データ構造を含むメモリ回路当該メモリ回路に結合されたプロセッサを含む航空機用のアビオニクスシステムであって、
    前記脅威データ構造は、
    警告閾値と、アビオニクスシステムが航空機の自動操縦による回復に関与する閾値以下のマージン閾値と、を格納し、
    前記マージン閾値は、予測される将来の状態と脅威の値との間の差の限界を示し、
    前記警告閾値は、アビオニクスシステムが自動操縦を作動する前に、パイロットに警告を発するのが好ましい所定の時間を示し、
    前記プロセッサは、
    航空機が利用可能な将来の潜在的な軌道に沿った複数の位置のそれぞれにおいて、航空機の状態を予測し、
    複数の位置のそれぞれにおいて、予測した将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として、複数の位置のそれぞれにおけるマージン値(MGN)を計算し、
    将来の潜在的な軌道に沿ったマージン変化率(MGNdot)を計算し、
    複数の位置のうち、最小の計算したマージン値(MGNMIN)と最大の計算したマージン変化率(MGNdotMAX)に基づいて、開始時間(TTG)値を推定し、
    前記警告閾値に近付く開始時間の値に応じて、パイロットへ警告を出すためのインジケータに指令するようにプログラムされている、アビオニクスシステム。
  2. 前記プロセッサは、複数の位置のそれぞれにおいて将来の潜在的な軌道に沿ったマージン値の変化、予測開始時の状態の現在値の変化率、又は予測開始時の状態の変化率から複数の位置のそれぞれにおける上限値の変化率を差し引いた値のうち、少なくとも1つに基づいてMGNdotを計算するようにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  3. 前記プロセッサは、予測された上限違反が発生したとの判定に応答して、TTGをMGNMINの割合に等しい負の値に設定するようにさらにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  4. 前記プロセッサは、MGNdotMAXがゼロ以下であることに応答して、TTGを範囲外として設定するようにさらにプログラムされている、請求項3に記載のアビオニクスシステム。
  5. 前記プロセッサは、
    (MGNMIN)/(MGNdotMAX)=TTG
    に従ってTTGを計算するようにさらにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  6. 前記プロセッサは、互いに独立している複数の潜在的な未来の軌道のそれぞれに対するMGNとMGNMAXをさらに計算するようにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  7. 前記プロセッサは、
    MGNdot=(MGN-MGNi-1)/(t-ti-1
    (iは複数の位置のうちの現在位置、tは将来の潜在的な軌道沿って航空機より先に予測される時間変数)
    に従って複数の位置のそれぞれにおけるMGNdotを計算するようにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  8. 威データ構造を含むメモリ回路当該メモリ回路に結合されたプロセッサを含む航空機であって、
    前記脅威データ構造は、
    警告閾値と、アビオニクスシステムが航空機の自動操縦による回復に関与する閾値以下のマージン閾値と、を格納し、
    前記マージン閾値は、予測される将来の状態と脅威の値との間の差の上限を示し、
    前記警告閾値は、航空機が自動操縦を作動する前に、パイロットに警告を発するのが好ましい所定の時間を示し、
    前記プロセッサは、
    航空機が利用可能な将来の潜在的な軌道に沿った複数の位置のそれぞれにおいて、航空機の状態を予測し、
    複数の位置のそれぞれにおいて、予測した将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として、複数の位置のそれぞれにおけるマージン値(MGN)を計算し、
    将来の潜在的な軌道に沿ったマージン変化率(MGNdot)を計算し、
    複数の位置のうち、最小の計算したマージン値(MGNMIN)と最大の計算したマージン変化率(MGNdotMAX)に基づいて、開始時間(TTG)値を推定し、
    前記警告閾値に近付く開始時間の値に応じて、パイロットへ警告を出すためのインジケータに指令するようにプログラムされている、航空機。
  9. 前記プロセッサは、開始時間の値及び警告閾値に関係なく、自動操縦を作動させるようにさらにプログラムされている、請求項8に記載の航空機。
  10. 前記プロセッサは、予測された上限違反が発生したとの判定に応答して、TTGをMGNMINの割合に等しい負の値に設定するようにさらにプログラムされている、請求項8に記載の航空機。
  11. 前記プロセッサは、MGNdotMAXがゼロ以下であることに応答して、TTGを範囲外として設定するようにさらにプログラムされている、請求項8に記載の航空機。
  12. 前記プロセッサは、
    (MGNMIN)/(MGNdotMAX)=TTG
    に従ってTTGを計算するようにさらにプログラムされている、請求項8に記載の航空機。
  13. 前記プロセッサは、互いに独立している複数の潜在的な未来の軌道のそれぞれに対するMGNとMGNMAXをさらに計算するようにプログラムされている、請求項8に記載の航空機。
  14. 前記プロセッサは、
    MGNdot=(MGN-MGNi-1)/(t-ti-1
    (iは複数の位置のうちの現在位置、tは将来の潜在的な軌道沿って航空機より先に予測される時間変数)
    に従って複数の位置のそれぞれにおけるMGNdotを計算するようにプログラムされている、請求項1に記載のアビオニクスシステム。
  15. 航空機のアビオニクスシステムによる差し迫った自動回復をパイロットに警告する方法であって、
    航空機が利用可能な将来の潜在的な軌道に沿った複数の位置のそれぞれにおいて、航空機の状態を予測し、
    複数の位置のそれぞれにおいて、予測した将来の状態と複数の位置のそれぞれにおける脅威の値との差として、複数の位置のそれぞれにおけるマージン値(MGN)を計算し、
    将来の潜在的な軌道に沿ったマージン変化率(MGNdot)を計算し、
    複数の位置のうち、最小の計算したマージン値(MGNMIN)と最大の計算したマージン変化率(MGNdotMAX)に基づいて、開始時間(TTG)値を推定し、
    前記警告閾値に近付く開始時間の値に応じて、パイロットへ警告を出すためのインジケータに指令する、方法。
  16. 開始時間の値及び警告閾値に関係なく、自動操縦を作動させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 予測された上限違反が発生したとの判定に応答して、TTGをMGNMINの割合に等しい負の値に設定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  18. MGNMAXがゼロ以下であることに応答して、TTGを範囲外として設定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  19. (MGNMIN)/(MGNdotMAX)=TTG
    に従ってTTGを計算することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  20. MGNdot=(MGN-MGNi-1)/(t-ti-1
    (iは複数の位置のうちの現在位置、tは将来の潜在的な軌道沿って航空機より先に予測される時間変数)
    に従って複数の位置のそれぞれにおけるMGNdotを計算することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
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