JP2022191850A - 制御装置及び制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】快適な屋内環境を実現するための技術を向上させる。【解決手段】環境制御装置50は、屋外の温度及び風速を示す情報を取得する情報取得部と、屋内の空気と屋外の空気とを換気するための窓5の開度と屋外の温度及び風速との対応関係を参照し、情報取得部により取得された情報に基づいて窓5の開度を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、換気設備を制御する制御装置及び制御プログラムに関する。
建物の窓の開閉を自動的に制御することで、建物内の自然換気の効率を向上させる建物の空調システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、ユーザが建物に到着するまでに自然換気を適宜行うことにより、建物内の環境を快適なものにする空調システムが開示されている。
特開2016-23819号公報
多数の人が勤務するオフィスビルなどにおいては、屋内の快適さだけでなく、換気設備の開閉が屋内における人々の活動や換気設備の耐久性などに及ぼす影響などを適切に考慮しつつ自然換気を行う必要があることを本発明者らは課題として認識した。
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、快適な屋内環境を実現するための技術を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の制御装置は、屋外の温度及び風速を示す情報を取得する情報取得部と、屋内の空気と屋外の空気とを換気するための換気設備の開度と、屋外の温度及び風速との対応関係を参照し、情報取得部により取得された情報に基づいて換気設備の開度を制御する制御部と、を備える。
本開示の別の態様は、制御プログラムである。このプログラムは、コンピュータを、屋外の温度及び風速を示す情報を取得する情報取得部と、屋内の空気と屋外の空気とを換気するための換気設備の開度と、屋外の温度及び風速との対応関係を参照し、情報取得部により取得された情報に基づいて換気設備の開度を制御する制御部と、として機能させる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
実施の形態に係る環境制御システムの構成を示す図である。 実施の形態に係る環境制御システムにより制御される窓の例を示す図である。 実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に係る環境制御システムにおける制御基準の例を示す図である。 窓の開度を決定するために参照される開度テーブルの例を示す図である。 実施の形態に係る制御装置の構成を示す図である。
実施の形態に係る環境制御システムは、屋内の空気と屋外の空気とを換気するための換気設備を自動制御する。感染症の蔓延が大きな社会問題となっている中、屋内の空気を適切な頻度で屋外の空気と換気することにより、屋内にいる人から排出されたウイルスや菌などの病原体を屋外に排出し、屋外の新鮮な空気を屋内に取り入れる必要がある。存在する人の数が多い空間ほど、病原体が空気中に排出される可能性が高いので、換気設備を開いて屋内の空気と屋外の空気とを換気する必要性が高いが、屋外の状況によっては、換気設備を開くことにより屋内の空間にいる人に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、実施の形態に係る環境制御システムは、屋外の温度及び風速に応じて、換気設備の開度を制御する。例えば、屋外の温度が低過ぎる場合や高過ぎる場合には、換気設備の開度を小さくし、又は、換気設備を閉じて、屋内の空気の温度変化を抑え、屋外の温度が屋内の温度に近い場合には、換気設備の開度を大きくして、換気の効率を高める。また、屋外の風速が大き過ぎる場合には、換気設備の開度を小さくし、又は、換気設備を閉じて、屋内に強い風が吹き込まないようにし、屋外の風速が小さい場合には、換気設備の開度を大きくして、換気の効率を高める。これにより、屋内への悪影響を抑えつつ、屋内の空気と屋外の空気を適切に換気することができる。
環境制御システムは、上記のような強制的な換気を目的として換気設備を自動制御するだけでなく、エネルギー消費量を抑えながら快適な屋内環境を実現することを目的として、換気設備と、屋内の空気の温度又は湿度を調節するための空調設備とを統括的かつ協調的に自動制御する。環境制御システムは、屋内にいる人が感じる快適さを数値化した指標である快適指数を算出し、算出された快適指数が、屋内にいる人が快適であると感じる範囲内になるように、換気設備と空調設備を制御する。環境制御システムは、屋外の状況が良好であり、外気を屋内に取り入れることによって快適指数が改善されることが期待できるときには、換気設備を開いて外気を屋内に取り入れる。環境制御システムは、雨が降っているとき、風が強いとき、花粉や微小粒子状物質などが多く飛散しているときなど、屋外の状況が良好でないときには、換気設備を閉じて外気を遮断し、空調設備によって屋内の空気を調節する。これにより、換気設備を開放することによる屋内への悪影響を抑えつつ、積極的に外気を利用して屋内の空気を快適に維持することができるので、エネルギー消費量を低減させることができる。
窓などの換気設備は、一般に、モータなどの駆動手段によって機械的に開閉されるので、頻繁に開閉を繰り返すと、劣化を早めたり、故障を生じたりする原因となりうる。また、開閉動作に伴って音が発生するので、屋内にいる人が執務中、会議中、授業中、就寝中などの状況においては、開閉の頻度を低くすることが望まれる。したがって、本実施の形態の環境制御システムは、屋外の状況が良好であって換気設備を開くことができる状況であっても、屋外の状況が悪化することが予想されるときには換気設備を開かない。これにより、換気設備を過度に開閉することによる換気設備や屋内の人への悪影響を抑えつつ、効率良く屋外の空気を取り入れることができる。
屋内の空気の温度や湿度は、屋内の区画された領域ごとに異なりうる。とくに、多数の人が勤務するオフィスビルなどの比較的大規模な建物は、窓などの換気設備が設けられた周辺部の領域と、換気設備が設けられない中心部の領域を含む。換気設備が設けられない領域は、換気設備の開閉による影響を直接的には受けにくいので、換気設備を開放したときに両者の環境の間に大きな差が生じうる。したがって、本実施の形態の環境制御システムは、換気設備が設けられた周辺部の領域と、換気設備が設けられない中心部の領域とで異なる制御基準にしたがって換気設備と空調設備を制御する。
図1は、実施の形態に係る環境制御システムの構成を示す。環境制御システム1は、制御対象のビル2の外壁に設置された換気設備の一例である窓5と、窓5を開閉する換気設備制御装置11と、ビル2の内部の各領域に設置された空調設備6と、空調設備6を制御する空調設備制御装置12と、ビル2に設置されたセンサ7と、換気設備制御装置11及び空調設備制御装置12を制御する環境制御装置50と、気象情報などを提供する情報提供サーバ13と、これらの装置を接続する通信網10とを備える。
ビル2の屋内は、ビル2の周辺部に位置する領域であるペリメータゾーン3と、ビル2の中心部に位置する領域であるインテリアゾーン4とに分類される。窓5は、ペリメータゾーン3に設置される。空調設備6は、ペリメータゾーン3とインテリアゾーン4の双方に設置される。
センサ7は、屋外に設置された温度センサ、湿度センサ、風向センサ、風速センサ、雨量センサ、気圧センサ、花粉センサ、照度センサ、日射センサなどと、屋内に設置された温度センサ、湿度センサ、照度センサなどを含む。
環境制御装置50は、センサ7によって検知された、屋外の気温、湿度、風向、風速、雨量、気圧、花粉の飛散量、照度、日射量、屋内の気温、湿度、照度などの情報を取得する。環境制御装置50は、更に、情報提供サーバ13から、微小粒子状物質(PM2.5)、黄砂、花粉などの飛散量や光化学スモッグなどの屋外の空気の質に関する情報、天気予報、気象情報などの公開情報を取得する。全ての情報を情報提供サーバ13から取得可能である場合は、センサ7は設けられなくてもよい。
環境制御装置50は、これらの情報に基づいて、ビル2の複数の領域ごとに、リアルタイムに快適指数を算出する。図1には、1つの階層の領域を示すが、ビル2が複数の階層を有する場合は、環境制御装置50は、複数の階層ごとに快適指数を算出する。環境制御装置50は、算出された快適指数が、屋内にいる人が快適であると感じる範囲内になるように、換気設備制御装置11及び空調設備制御装置12を制御することにより、ビル2に設置された窓5及び空調設備6を統括的かつ協調的に自動制御する。
図2は、実施の形態に係る環境制御システムにより制御される窓の例を示す。図2(a)は、窓5が閉じた状態を上方から見た模式図である。ビル2には、開閉可能な窓5だけでなく、開閉不可能な窓8も設けられる。開閉可能な窓5は、開閉不可能な窓8よりも外側に張り出した直角三角形の形状を有する。図2(b)は、窓5が開かれた状態を上方から見た模式図である。窓5は、外壁に直交する辺に設けられた開閉部9が回転することにより開かれる。このような構造を採用することにより、ビル2の外壁に沿って吹くビル風を効率的に屋内に取り入れることができる。また、通常の窓と異なり、開閉部9が回転することによって生じた開口から直接屋内に風が吹き込まないような構造になっているので、屋内に吹き込んだ風によって書類などが飛ばされたり埃が舞ったりするのを抑えることができる。図1及び図2には、斜辺が同じ方向に揃った複数の窓5が設けられる例を示すが、左右反転した窓5が混在していてもよい。この場合、屋内から屋外へ向かって左向きに開口する窓と右向きに開口する窓が混在するので、環境制御装置50は、屋外の風速又は風向に応じて開放する窓5を決定してもよい。例えば、所定値よりも風速が速いときには、風向と逆方向に開口する窓5を開き、所定値よりも風速が遅いときには、風向と同方向に開口する窓5を開いてもよい。これにより、風が弱いときに、効率的に外気を屋内に取り込むことができる。また、風が強いときに、風による屋内への影響を軽減させることができる。窓5は、一般的な横引き窓、引き違い窓、開き窓、ルーバー窓などであってもよいし、その他の任意の開閉方法の窓であってもよいし、任意の形状の窓であってもよい。
図3は、実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS10において、環境制御装置50は、曜日や時間帯などの所定の期間に応じて動作モードを設定する。本実施の形態の環境制御システム1は、オフィスビルを制御対象としているので、制御対象のビル2に入居している企業の勤務体系に応じて、ビル2内にいる人の数やビル2内の状況などが大きく時間変化する。したがって、環境制御装置50は、企業の勤務体系に合わせて複数の動作モードを設定可能とする。本実施の形態では、勤務時間である「平日昼間」と、勤務時間の後に一部の人が残業する時間帯である「残業時間」と、残業時間の終了後でほとんど人がいない時間帯である「夜間」と、勤務前の準備のための時間帯である「明方」と、終日ほとんど人がいない「休日」の5つの動作モードが設けられる。
「平日昼間」の動作モードにおいて、環境制御装置50は、快適指数をリアルタイムに算出し、快適指数が所定の管理範囲内に入るように、窓5などの換気設備と空調設備6とを自動制御する。
「残業時間」の動作モードにおいても、環境制御装置50は、快適指数が所定の管理範囲内に入るように、窓5と空調設備6とを自動制御する。「残業時間」の動作モードは、「平日昼間」の動作モードと同一であってもよい。残業時間には、勤務時間よりもビル2内にいる人の数が少なくなると考えられるので、快適指数の管理範囲を「平日昼間」の動作モードより広くしてもよい。また、残業時間には、窓5の開閉による騒音の影響が相対的に小さくなると考えられるので、窓5を開くための条件を「平日昼間」の動作モードより緩和してもよい。
「夜間」の動作モードにおいて、環境制御装置50は、窓5を閉じた状態に維持し、空調設備6をオフにする。真夏の期間中(例えば7月から9月)は、空調設備6の負荷を低減させるために、環境制御装置50は、外気温度が日中よりも低い早朝に、外気を屋内に取り入れてビル2内の温度を下げる「ナイトパージ機能」を実行する。ナイトパージ機能の詳細は後述する。
「明方」の動作モードにおいて、環境制御装置50は、勤務時間に向けて、快適指数が所定の管理範囲内に入るように、窓5などの換気設備と空調設備6とを自動制御する。「明方」の動作モードは、「平日昼間」の動作モードと同一であってもよい。明方には、窓5の開閉による騒音の影響が相対的に小さくなると考えられるので、窓5を開くための条件を「平日昼間」の動作モードより緩和してもよい。
「休日」の動作モードにおいて、環境制御装置50は、窓5を閉じた状態に維持し、空調設備6をオフにする。休日にビル2に出勤した人がいる場合は、手動で窓5又は空調設備6を制御可能としてもよいし、出勤している人がいる領域の窓5及び空調設備6を、「平日昼間」の動作モードと同様に環境制御装置50に自動制御させてもよい。
制御対象のビル2に複数の企業などが入居している場合は、企業ごとに異なる動作モードが設定されてもよい。曜日や時間帯以外に、時間、日、週、月、季節などの期間ごとに異なる動作モードが設定されてもよい。休日明けの勤務日の「明方」又は「平日昼間」の動作モードの開始時刻を、それ以外の日の「明方」又は「平日昼間」の動作モードの開始時刻よりも早くしてもよい。担当者による動作モードの設定を受け付けてもよい。例えば、暦以外の休日の設定を受け付けてもよい。
所定の期間ごとに異なる動作モードを設定可能とすることにより、ビル2内の状況に応じてより適切な制御基準にしたがって換気設備及び空調設備を自動制御することができる。これにより、自然換気による悪影響及び消費エネルギーを抑えつつ、ビル2内の環境を向上させることができる。
ステップS12において、環境制御装置50は、センサ7から検知情報を、情報提供サーバ13から公開情報を、換気設備制御装置11及び空調設備制御装置12から機器情報を、それぞれ取得する。
ステップS14において、環境制御装置50は、ビル2の階層ごと、及び各階層の領域ごとに、快適指数を算出する。快適指数は、例えば、国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)の国際規格ISO7730によって定められた予測平均温冷感申告(Predicted Mean Vote:PMV)であってもよい。PMV値は、温冷感を決定する環境側の4要素(気温、湿度、風速、熱放射)と、人体側の2要素(代謝量、着衣量)とに基づいて算出される。PMV値は、0を熱的中立状態とし、-3から3の間で人間の温熱快適性を表現する。快適指数は、アメリカ暖房冷凍空調学会(American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers:ASHRAE)によって定められた標準新有効温度(SET)であってもよい。快適指数は、その他の規格によって定められた指標であってもよいし、環境制御システム1において独自に定められた数式によって算出される指標であってもよい。
快適指数としてPMV値を算出する場合、環境制御装置50は、PMV値を算出するために使用される気温及び湿度を、センサ7からリアルタイムに取得する。温度や湿度などを検知するためのセンサ7が同一領域に複数設置されている場合は、それらのセンサ7によって測定された値の平均値が使用されてもよい。また、センサ7が設置されていない領域の温度や湿度などの値として、隣接する領域や同一階層の別の領域に設置されているセンサ7によって測定された値が使用されてもよい。
PMV値を算出するために使用される、着衣量、代謝量、外部仕事量、平均放射温度、及び気流速度は、時間変化量が小さいと考えられるので、これらの値として予め設定された固定値が使用されてもよい。固定値は、所定期間ごと、例えば、時間ごと、日ごと、週ごと、月ごと、季節ごとに設定されてもよい。例えば、勤務開始時刻の代謝量がより大きく設定されてもよい。固定値は、ビル2の階層ごと又は領域ごとに設定されてもよい。例えば、ペリメータゾーン3とインテリアゾーン4とで異なる固定値が設定されてもよい。また、窓5が設けられている領域と、窓5が設けられていない領域とで異なる固定値が設定されてもよい。この場合、窓5が設けられているペリメータゾーン3と、窓が設けられていないインテリアゾーン4とで異なる算出基準にしたがって快適指数が算出される。これにより、ペリメータゾーン3とインテリアゾーン4の環境の差を精確に評価して、窓5と空調設備6を制御することができる。
各領域の広さ、高さ、形状、容積、内装材の種類などや、各領域に設置されている機器や設備などの種類、数、位置などや、各領域に存在する人の数、属性、行動などに応じて固定値が設定されてもよい。固定値は、各領域の状況の変化に合わせて手動又は自動で変更されてもよい。例えば、出勤時刻前の外気温に基づいて、その日の着衣量が算出されてもよい。また、担当者が各領域にいる人の着衣量を目視で確認して、その日の着衣量を環境制御装置50に入力してもよい。これらの変数の値がリアルタイムに変更されてもよい。例えば、各領域に設置されたカメラによって撮影された画像を環境制御装置50が解析することにより、着衣量、代謝量、外部仕事量などが取得されてもよい。平均放射温度や気流速度の値として、センサ7によって検知された測定値が使用されてもよい。
ステップS16において、環境制御装置50は、屋外の天候を確認する。環境制御装置50は、センサ7から取得した検知情報を参照して、屋外の天候が、窓5の開放が禁止される所定の条件に合致するか確認する。所定の条件は、例えば、風速、雨量、降雹に関する条件である。
環境制御装置50は、風速センサから取得した所定時間(例えば3秒)ごとの風速の測定値に基づいて、所定期間(例えば10分間)における風速の平均値を算出し、風速の平均値が所定値(例えば3m/s)以上になったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、瞬時風速が所定値(例えば8m/s)を超えた回数が、所定期間(例えば10分間)中に所定回数(例えば3回)になったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、風速が所定値(例えば1m/s)以下である状態が所定期間(例えば1時間)継続するまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、風速が所定値以下である状態が所定期間以上継続すると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
環境制御装置50は、雨量センサから取得した所定時間(例えば1秒)ごとの雨量の測定値が、所定回数(例えば3回)以上所定値(例えば1mm)以上になったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、雨量が所定値(例えば0mm)以下である状態が所定期間(例えば30分間)継続するまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、雨量が所定値以下である状態が所定期間以上継続すると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
環境制御装置50は、降雹センサから取得した所定時間(例えば1秒)ごとの降雹の検知回数が、所定期間(例えば10秒間)に所定回数(例えば1回)以上になったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、降雹の検知回数が所定値(例えば0回)以下である状態が所定期間(例えば30分間)継続するまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、降雹の検知回数が所定値以下である状態が所定期間継続すると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
窓5が、例えば横滑り窓など、風、雨、雹などが屋内に入りにくい形状を有している場合、環境制御装置50は、風速、降雨、降雹などに基づいて窓5の開放を禁止しなくてもよい。また、屋外の風速が所定値未満である場合、環境制御装置50は、降雨や降雹などに基づいて窓5の開放を禁止しなくてもよい。
ステップS18において、環境制御装置50は、屋外の空気の質を確認する。環境制御装置50は、センサ7から取得した検知情報や、情報提供サーバ13から取得した公開情報を参照して、空気の質が、窓5の開放が禁止される所定の条件に合致するか確認する。所定の条件は、例えば、花粉、PM2.5に関する条件である。
環境制御装置50は、花粉センサから取得した所定時間(例えば1秒)ごとの花粉の量の測定値が、所定回数(例えば3回)以上所定値(例えば50個/cm)以上になったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、花粉の量が所定値(例えば50個/cm)未満である状態が所定期間(例えば1時間)継続するまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、花粉の量が所定値未満である状態が所定期間継続すると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
環境制御装置50は、情報提供サーバ13から取得したPM2.5の量が、所定値(例えば35μg/m)であったときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、PM2.5の量が所定値(例えば35μg/m)未満である状態が所定期間(例えば1時間)継続するまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、PM2.5の量が所定値未満である状態が所定期間継続すると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
高層階に設置された窓5については、環境制御装置50は、屋外の空気の質に基づいて窓5の開放を禁止しなくてもよい。また、屋外の風速が所定値未満である場合、環境制御装置50は、屋外の空気の質に基づいて窓5の開放を禁止しなくてもよい。環境制御装置50は、高層階用の別のセンサにより窓の開放を禁止してもよい。
ステップS20において、環境制御装置50は、情報提供サーバ13から取得した公開情報を確認する。環境制御装置50は、情報提供サーバ13から取得した公開情報を参照して、屋外の天候が悪化することが予想されるために窓5の開放が禁止される所定の条件に合致するか確認する。所定の条件は、例えば、降水確率、雨量予測に関する条件である。
環境制御装置50は、所定時間(例えば1時間)後の降水確率が所定値(例えば50%)以上であるときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、降水確率が所定値(例えば50%)未満になるまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、降水確率が所定値未満になると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
環境制御装置50は、所定時間(例えば1時間)後の予測雨量が所定値(例えば10mm)以上であるときに、窓5の開放を禁止し、窓5が開いていれば窓5を閉じる。環境制御装置50は、予測雨量が所定値(例えば10mm)未満になるまで窓5の開放を禁止する。環境制御装置50は、降水確率が所定値未満になると、窓5の開放の禁止を解除し、通常動作に戻る。
窓5の開放を禁止する条件は、窓5の形状や位置などに応じて個別に設定されてもよい。また、窓5の開放を禁止する条件は、屋外の風速や風向などに応じて設定されてもよい。
ステップS22において、環境制御装置50は、屋内外の状況を参照し、窓5を開閉するための所定の条件に合致するか確認する。環境制御装置50は、ステップS10において設定された動作モードにおいて窓5の開放が禁止されている場合、及び、ステップS16、S18、S20において窓5の開放が禁止された場合は、窓5の自動制御を実施しない(S22のN)。屋外の状況が良好でないときには窓5を閉じることにより、外気による屋内への悪影響を抑えることができる。また、屋外の状況が悪化する可能性があるときには窓5を開放しないことにより、過度の開閉による窓5を駆動する機構や屋内の人への悪影響を抑えることができる。環境制御装置50は、窓5の開放が禁止されていない場合は、制御基準にしたがって窓5及び空調設備6の制御内容を判定する。
図4は、本実施の形態に係る環境制御システムにおける制御基準の例を示す。制御基準Aは、真冬を除く季節(例えば2月から11月まで)に適用される。制御基準Bは、真冬を除く季節(例えば2月から11月まで)において窓5の開放が禁止されているときに適用される。制御基準Cは、真冬(例えば12月から1月まで)、及び真冬を除く季節(例えば2月から11月まで)において外気温度が後述する所定の温度範囲内にないときに適用される。制御基準Dは、空調設備6を使用せずに窓5のみを制御する場合に適用される。
快適指数であるPMV値の目標値は、熱的中立状態を表す0である。環境制御装置50は、快適指数が管理範囲下限値から管理範囲上限値までの間の管理範囲に入るように、窓5及び空調設備6を制御する。窓制御下限値及び窓制御上限値は、環境制御装置50が窓5を自動制御するために使用される。空調制御下限値及び空調制御上限値は、環境制御装置50が空調設備6を自動制御するために使用される。通常は、「中間モード」の値が使用され、ビル2内の状況やビル2内にいる人からの要望などに応じて、快適さを優先して窓5の開放を控える「快適優先モード」や、窓5をできる限り開放して省エネルギー化を図る「パッシブ優先モード」に切り替えられる。
制御基準Aが適用されているとき、環境制御装置50は、外気温度が、外気を屋内に取り入れることによって屋内の快適指数が向上することが期待できる所定の温度範囲内であるときに、快適指数に基づいて窓5を自動制御する。所定の温度範囲は、例えば、快適指数が管理範囲下限値となる温度よりも所定温度(例えば4度)低い温度以上で、快適指数が管理範囲上限値となる温度よりも所定温度(例えば0度)低い温度以下であってもよい。
制御基準Aにおいて、環境制御装置50は、快適指数が窓制御下限値から窓制御上限値までの値である間、窓5の自動制御を実施しない。窓が閉じられているときに、快適指数が上昇して窓制御上限値を超えると、環境制御装置50は窓5を開く。快適指数が更に上昇して管理範囲上限値を超えると、環境制御装置50は窓5を閉じる。快適指数が下降して窓制御下限値を下回ると、環境制御装置50は窓5を閉じる。
制御基準Aにおいて、環境制御装置50は、快適指数が空調制御上限値よりも高いとき、及び空調制御下限値よりも低いときに、空調設備6をオンにする。空調設備6がオンになっている間、空調設備6の動作は空調設備制御装置12によって自動制御される。空調設備6がオンになっているときに、快適指数が上昇又は下降して0になると、環境制御装置50は空調設備6をオフにする。
制御基準Bが適用されているとき、環境制御装置50は、窓5を閉じた状態に維持し、空調設備6のみを制御する。空調設備6の制御方法は、制御基準Aと同様である。
制御基準Cが適用されているとき、環境制御装置50は、窓5を閉じた状態に維持し、空調設備6のオンオフも制御しない。環境制御装置50は、快適指数が0となる温度を算出し、算出された温度を目標温度として設定するよう空調設備制御装置12に指示する。空調設備6の動作は空調設備制御装置12によって自動制御される。
制御基準Dが適用されているとき、環境制御装置50は、空調設備6を制御せず、窓5のみを制御する。窓5の制御方法は、制御基準Aと同様である。
前述したように、快適指数は領域ごとに算出され、ペリメータゾーン3とインテリアゾーン4とで異なる算出基準にしたがって算出される。このように算出された快適指数に基づいて窓5及び空調設備6を制御することにより、領域ごとの環境の差を小さくし、ビル2の内部全体の快適さを向上させることができる。
ステップS22において窓5を自動制御すると判定された場合(S22のY)、ステップS23において、環境制御装置50は、屋外の温度及び風速に基づいて窓5の開度を決定する。環境制御装置50は、屋外の温度及び風速と窓5の開度との対応関係を予め定めたテーブルを参照し、温度センサから取得した外気温の測定値、及び風速センサから取得した風速の測定値に基づいて、窓5の開度を決定する。
図5は、窓5の開度を決定するために参照される開度テーブルの例を示す。開度テーブルは、屋外の温度及び風速と窓5の開度との対応関係を定める。風速は、風速センサから取得した所定時間(例えば3秒)ごとの風速の測定値の、所定期間(例えば10分間)における平均値であってもよい。開度テーブルとして、換気を行うことがより優先される場合に参照される第1テーブルと、屋内の快適さを保つことがより優先される場合に参照される第2テーブルが設けられる。2つの開度テーブルは、屋外の温度と窓5の開度との対応関係が異なり、第1テーブルの方が第2テーブルよりも、大きい開度が対応づけられた屋外の温度の範囲が広い。
第1テーブルにおいては、屋外の温度が17℃未満又は28℃以上である場合、全ての風速の範囲において窓5の開度は0%とされる。第2テーブルにおいては、屋外の温度が19℃未満又は26℃以上である場合、全ての風速の範囲において窓5の開度は0%とされる。それ以外の温度範囲においては、風速に応じて窓5の開度が決定される。風速が小さいほど窓5の開度は大きくされ、風速が大きいほど窓5の開度は小さくされる。
例えば、風速が0~0.5m/sである場合、第1テーブルにおいては、屋外の温度が17℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が17~18.5℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が18.5~20℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が20~28℃である場合は窓5の開度は100%とされ、屋外の温度が28℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。風速が0~0.5m/sである場合、第2テーブルにおいては、屋外の温度が19℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が19~20.5℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が20.5~22℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が22~26℃である場合は窓5の開度は100%とされ、屋外の温度が26℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。
風速が1~2m/sである場合、第1テーブルにおいては、屋外の温度が17.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が17.5~19℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が19~20.5℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が20.5~28℃である場合は窓5の開度は100%とされ、屋外の温度が28℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。風速が1~2m/sである場合、第2テーブルにおいては、屋外の温度が19.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が19.5~21℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が21~22.5℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が22.5~26℃である場合は窓5の開度は100%とされ、屋外の温度が26℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。
風速が3~4m/sである場合、第1テーブルにおいては、屋外の温度が18.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が18.5~20℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が20~28℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が28℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。窓5の開度が100%とされる温度範囲はない。風速が3~4m/sである場合、第2テーブルにおいては、屋外の温度が20.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が20.5~22℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が22~26℃である場合は窓5の開度は50%とされ、屋外の温度が26℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。窓5の開度が100%とされる温度範囲はない。
風速が5~6m/sである場合、第1テーブルにおいては、屋外の温度が19.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が19.5~28℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が28℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。窓5の開度が50%又は100%とされる温度範囲はない。風速が5~6m/sである場合、第2テーブルにおいては、屋外の温度が21.5℃未満である場合は窓5の開度は0%とされ、屋外の温度が21.5~26℃である場合は窓5の開度は25%とされ、屋外の温度が26℃以上である場合は窓5の開度は0%とされる。窓5の開度が50%又は100%とされる温度範囲はない。
風速が6m/sである場合、第1テーブルにおいても、第2テーブルにおいても、全ての温度範囲において窓5の開度は0%とされる。
風速が大きい場合、風速がより小さい場合と比べて、同じ開度に対応づけられた屋外の温度の範囲が、同じであるか、又はより狭くされる。同じ温度においては、風速が大きい場合、風速がより小さい場合と比べて、開度が同じであるか、又はより小さくされる。同じ風速においては、屋外の温度が高い場合、屋外の温度がより低い場合と比べて、開度が同じであるか、又はより大きくされる。これにより、屋内に与える悪影響を抑えつつ、適度な開度で窓5を開いて効率良く換気をすることができる。
このように、本実施の形態の環境制御装置50は、屋外の温度及び風速と窓5の開度との対応関係を定めた開度テーブルを用いて窓5の開度を制御するので、制御を単純化することができ、安価な装置で制御を実現することができる。また、第1のテーブル、第2のテーブルに加えて、さらに多くの動作モードを設ける場合であっても、制御が複雑になるのを抑えることができる。また、設定を容易に変更することができるので、状況に応じて適切に窓5の開度を制御することができる。
屋外の温度が開度テーブルにおいて窓5の開度0%に対応する温度であったとしても、屋内の温度が所定値以上である場合は、環境制御装置50は、窓5を開いてもよい。この場合、所定時間が経過したとき、又は、屋内の温度が所定値未満になったときに、窓5を閉じてもよい。
環境制御装置50は、屋内の空気の質に更に基づいて窓5の開度を制御してもよい。例えば、屋内の空気の二酸化炭素濃度をセンサにより検知し、二酸化炭素濃度が高い場合、二酸化炭素濃度が低い場合と比べて、窓5の開度をより大きくしてもよい。また、二酸化炭素以外の汚染物質をセンサにより検知し、汚染物質が検知された場合、汚染物質が検知されていない場合と比べて、窓5の開度をより大きくしてもよい。二酸化炭素や汚染物質を早期に屋外に排出させるための動作モードが設けられてもよい。この場合、窓5の開放が禁止されていたとしても、禁止をいったん解除して窓5を開放し、所定時間が経過したとき、二酸化炭素の濃度が所定値未満になったとき、又は汚染物質が検知されなくなったときに、窓5を閉じてもよい。
環境制御装置50は、屋外からの輻射熱に更に基づいて窓5の開度を制御してもよい。例えば、屋外からの輻射熱を示す情報として、屋内の壁面の温度をセンサにより検知し、屋内の壁面の温度が高い場合、すなわち、屋外からの輻射熱が多い場合、屋内の壁面の温度が低い場合と比べて、窓5の開度をより大きくしてもよい。
環境制御装置50は、屋外の風向に更に基づいて窓5の開度を制御してもよい。例えば、屋外の風向をセンサにより検知し、屋外から風が吹き込む窓5の開度を、それ以外の窓5の開度より小さくしてもよい。
ステップS24において、環境制御装置50は窓5を自動制御する。環境制御装置50は、ステップS23において決定された開度で窓5を開く。環境制御装置50は、窓5を開いているときに、屋外の温度又は風速が変化した場合、開度テーブルを参照して窓5の開度を変更する。環境制御装置50は、現在の窓5の開度と異なる開度に対応する屋外の温度又は風速の値が所定時間(例えば30分)以上継続した場合に、その状態に対応する窓5の開度に変更する。これにより、窓5の開度の過度な変更を抑えることができる。窓5の開度を大きくする場合と小さくする場合とで、屋外の温度又は風速の閾値を異ならせ、ヒステリシスを設けてもよい。
環境制御装置50は、窓5を開放する場合、屋外の風速又は風向に基づいて、開放する窓5の数や位置などを決定する。
環境制御装置50は、風速センサから取得した所定時間(例えば3秒)ごとの風速の測定値に基づいて、所定期間(例えば10分間)における風速の平均値を算出し、風速の平均値に基づいて開放する窓5の数及び位置を決定する。例えば、環境制御装置50は、風速の平均値が第1の閾値(例えば1.5m/s)未満であるときは、全ての窓5を開放し、風速の平均値が第1の閾値以上で第2の閾値(例えば3m/s)未満であるときは、各面の半数の窓5を開放する。前述したように、環境制御装置50は、風速の平均値が所定値(例えば3m/s)を超えると窓5を閉じ、風速が所定値(例えば1m/s)以下である状態が所定期間(例えば1時間)継続するまで窓5の開放を禁止する。半数の窓5が開放された状態から全ての窓5が開放された状態に戻る場合も、同様に、環境制御装置50は、風速が所定値(例えば1m/s)以下である状態が所定期間(例えば1時間)継続してから残りの半数の窓5を開放する。
環境制御装置50は、風向センサから取得した風向の測定値に基づいて、所定期間(例えば10分間)における風向の平均値を算出し、風向の平均値が連続して2回閾値を超えた場合、その風向に基づいて開放する窓5の位置を決定する。環境制御装置50は、窓5の開口の方向と風向との関係に基づいて開放する窓5の位置を決定してもよい。例えば、所定値よりも風速が速いときには、風向と逆方向に開口する窓5を開き、所定値よりも風速が遅いときには、風向と同方向又は直行する方向に開口する窓5を開いてもよい。環境制御装置50は、風向の平均値が連続して2回閾値を超えない場合は、風向が一定していないと判断し、全ての窓5を開いてもよい。
環境制御装置50は、ペリメータゾーン3ごとに開放する窓5の数や位置などを決定してもよい。環境制御装置50は、階層ごとに開放する窓5の数や位置などを決定してもよい。環境制御装置50は、複数の窓5をグループに分類し、開放する窓5のグループを決定してもよい。
ステップS26において、環境制御装置50は空調設備6を自動制御する。環境制御装置50は、快適指数を算出する式を用いて、快適指数が0となる屋内の温度を算出する。環境制御装置50は、算出された温度を設定温度とするよう空調設備制御装置12に指示する。空調設備制御装置12は、指示された設定温度に基づいて、各空調設備6を自動制御する。
ステップS28において、環境制御装置50は、快適指数の管理範囲を確認する。算出された快適指数が管理範囲に入っていなければ、快適指数が管理範囲に入るように、上記の制御を継続する。
前述した「夜間」の動作モードにおいてナイトパージ機能が実行されるとき、環境制御装置50は、勤務時間になる所定時間(例えば3時間)前以降に、外気温度が所定温度(例えば27度)以下であり、かつ、屋内温度が所定温度以上である場合に、窓5を開いて外気を屋内に取り入れる。窓5の制御は、ビル2の階層ごと又は領域ごとに実行されてもよい。窓5を開いているときに、外気温度の方が屋内温度よりも高くなると、環境制御装置50は窓5を閉じる。その後、外気温度が屋内温度よりも低くなると、環境制御装置50は再び窓5を開いてもよい。上述した窓5の開放が禁止される条件が成立しているときは、環境制御装置50は窓5を開けない。窓5の開放の禁止が解除された場合は、環境制御装置50は窓5を開放してもよい。環境制御装置50は、窓5を開放する際に、上述したように風速又は風向に基づいて開放する窓5の数又は位置を決定してもよい。風速が比較的速く、半数の窓5が開かれる場合であっても、会議室など、風が吹き込むことによる影響が小さい領域の窓5は全て開放してもよい。これにより、ビル2の外壁や壁などに蓄積された熱を、早朝の冷気によって冷却することができるので、空調設備6の負荷を軽減し、消費エネルギーを低減させることができる。
図6は、実施の形態に係る環境制御装置50の構成を示す。環境制御装置50は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、記憶装置70、及び処理装置60を備える。環境制御装置50は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
通信装置51は、通信網10を介した他の装置との間の通信を制御する。通信装置51は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置52は、処理装置60により生成される画面を表示する。表示装置52は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置53は、担当者による指示入力を処理装置60に伝達する。入力装置53は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置52及び入力装置53は、タッチパネルとして実装されてもよい。
記憶装置70は、処理装置60により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置70は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置70には、制御基準保持部71、制御対象情報保持部72、及び履歴情報保持部73が格納される。
制御基準保持部71は、環境制御装置50が窓5及び空調設備6を協調制御するための制御基準を保持する。制御基準保持部71は、制御プログラムのデータや、制御プログラムが使用する各種のパラメータ、閾値、固定値、図5に示した開度テーブルなどを保持する。
制御対象情報保持部72は、制御対象であるビル2に関する情報を保持する。制御対象情報保持部72は、ビル2の階層及び領域に関する情報、ビル2に設置された窓5及び空調設備6の種類、数、位置などの情報、ビル2に設置されたセンサ7の種類、数、位置などの情報、ビル2に入居している企業などに関する情報などを保持する。
履歴情報保持部73は、環境制御装置50による制御の履歴情報を保持する。履歴情報保持部73は、センサ7から取得した検知情報、情報提供サーバ13から取得した公開情報、窓5の開閉時刻、開閉頻度、空調設備6のオンオフ時刻、設定温度などの履歴情報を保持する。履歴情報保持部73に保持された履歴情報は、環境制御装置50による制御のために利用されてもよい。例えば、過去の窓5の開閉頻度に応じて、窓5を開閉するための条件を変更してもよい。
処理装置60は、動作モード制御部61、検知情報取得部62、公開情報取得部63、快適指数算出部64、制御内容判定部65、換気設備制御部66、空調設備制御部67、及び設定変更部68を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
動作モード制御部61は、ステップS10において、動作モードを設定する。検知情報取得部62は、ステップS12において、センサ7から検知情報を取得する。公開情報取得部63は、ステップS12において、情報提供サーバ13から公開情報を取得する。快適指数算出部64は、ステップS14において、各階層及び各領域ごとに快適指数を算出する。
制御内容判定部65は、ステップS16、S18、S20において、窓5の開放が禁止される条件が成立しているか否かを判定する。窓5の開放が禁止されていない場合、制御内容判定部65は、ステップS22において、制御基準保持部71に保持された制御基準にしたがって、窓5及び空調設備6の制御内容を判定する。制御内容判定部65は、ステップS23において、制御基準保持部71に保持された開度テーブルを参照して、窓5の開度を決定する。換気設備制御部66は、ステップS24において、制御内容判定部65により判定された内容で窓5を制御する。空調設備制御部67は、ステップS26において、制御内容判定部65により判定された内容で空調設備6を制御する。
設定変更部68は、制御基準保持部71に保持された制御パラメータなどを変更する。設定変更部68は、担当者から制御パラメータなどの変更指示を受け付けて、制御基準保持部71に保持されたデータを変更してもよい。例えば、図4に示した制御基準において、「快適優先」モードや「パッシブ優先」モードへ変更してもよい。また、管理範囲上限値、管理範囲下限値、空調制御上限値、空調制御下限値、窓制御上限値、窓制御下限値などを変更してもよい。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
実施の形態では、多数の人が勤務するオフィスビルを制御対象とする場合について説明したが、実施の形態の環境制御システムは、居住空間、宿泊施設、商業施設、娯楽施設、複合施設、公共施設など、換気設備と空調設備とを備える任意の施設や建築物などにおいて利用可能である。
1 環境制御システム、2 ビル、3 ペリメータゾーン、4 インテリアゾーン、5 窓、6 空調設備、7 センサ、8 窓、9 開閉部、10 通信網、11 換気設備制御装置、12 空調設備制御装置、13 情報提供サーバ、50 環境制御装置、61 動作モード制御部、62 検知情報取得部、63 公開情報取得部、64 快適指数算出部、65 制御内容判定部、66 換気設備制御部、67 空調設備制御部、68 設定変更部、71 制御基準保持部、72 制御対象情報保持部、73 履歴情報保持部。

Claims (16)

  1. 屋外の温度及び風速を示す情報を取得する情報取得部と、
    屋内の空気と屋外の空気とを換気するための換気設備の開度と、屋外の温度及び風速との対応関係を参照し、前記情報取得部により取得された情報に基づいて前記換気設備の開度を制御する制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記対応関係において、風速がより大きい場合、風速がより小さい場合と比べて、同じ開度に対応づけられた屋外の温度の範囲が、同じであるか、又はより狭くされる
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記対応関係において、同じ屋外の温度においては、風速がより大きい場合、風速がより小さい場合と比べて、開度が同じであるか、又はより小さくされる
    請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記対応関係において、同じ風速においては、屋外の温度がより高い場合、屋外の温度がより低い場合と比べて、開度が同じであるか、又はより大きくされる
    請求項1から3のいずれかに記載の制御装置。
  5. 前記対応関係として、換気を行うことがより優先される場合に参照される第1の対応関係と、屋内の快適さを保つことがより優先される場合に参照される第2の対応関係とが設けられる
    請求項1から4のいずれかに記載の制御装置。
  6. 前記第1の対応関係の方が、前記第2の対応関係よりも、大きい開度が対応づけられた屋外の温度の範囲が広い
    請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記情報取得部は、屋内の空気の二酸化炭素濃度を示す情報を更に取得し、
    前記制御部は、前記情報取得部により取得された屋内の空気の二酸化炭素濃度に更に基づいて前記換気設備の開度を制御する
    請求項1から6のいずれかに記載の制御装置。
  8. 前記制御部は、屋内の空気の二酸化炭素濃度が高いほど、前記換気設備の開度を大きくする
    請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記情報取得部は、屋外からの輻射熱を示す情報を更に取得し、
    前記制御部は、前記情報取得部により取得された屋外からの輻射熱に更に基づいて前記換気設備の開度を制御する
    請求項1から8のいずれかに記載の制御装置。
  10. 前記制御部は、屋外からの輻射熱が多いほど、前記換気設備の開度を大きくする
    請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記情報取得部は、屋外の風向を示す情報を更に取得し、
    前記制御部は、前記情報取得部により取得された屋外の風向に更に基づいて前記換気設備の開度を制御する
    請求項1から10のいずれかに記載の制御装置。
  12. 前記制御部は、屋外から風が吹き込む換気設備の開度を、それ以外の換気設備の開度より小さくする
    請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記制御部は、現在の前記換気設備の開度と異なる開度に対応する状態が所定時間以上継続した場合に、その状態に対応する前記換気設備の開度に変更する
    請求項1から12のいずれかに記載の制御装置。
  14. 前記制御部は、屋内の空気の温度又は湿度を調節するための空調設備を更に制御する
    請求項1から13のいずれかに記載の制御装置。
  15. 前記情報取得部により取得された情報に基づいて、屋内の快適さを表す指標を領域ごとに算出する指標算出部を更に備え、
    前記制御部は、前記指標算出部により算出された指標に基づいて前記換気設備と前記空調設備とを制御する
    請求項14に記載の制御装置。
  16. コンピュータを、
    屋外の温度及び風速を示す情報を取得する情報取得部と、
    屋内の空気と屋外の空気とを換気するための換気設備の開度と、屋外の温度及び風速との対応関係を参照し、前記情報取得部により取得された情報に基づいて前記換気設備の開度を制御する制御部と、
    として機能させるための制御プログラム。
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