JP2022190404A - 微生物の検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 液体中の微生物を検出する方法であって、
前記液体をメンブレンフィルターで濾過する濾過工程と、
前記濾過工程後、前記メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付し、所定時間培養する培養工程と、
前記培養工程後、前記平板培地から剥がした前記メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する蛍光染色工程と、
前記蛍光染色工程後、前記メンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する撮像工程と、
複数の前記蛍光画像の各々に対して、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報を入力させ、前記蛍光画像及び前記微生物位置情報を学習用データとして生成する学習用データ生成工程と、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習工程と、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記学習済みモデルを用いて、前記微生物の有無を判定する検査工程と、
を有する、微生物の検出方法。
[2] 前記蛍光画像から前記メンブレンフィルターの縁部分を取り除く前工程をさらに有し、
前記学習工程では、前記メンブレンフィルターの縁部分が取り除かれた前記蛍光画像及び前記微生物位置情報に基づいて機械学習を行う、前記[1]の微生物の検出方法。
[3] 前記撮像工程では、前記蛍光染色に用いた蛍光染色剤の励起光を照射して、前記蛍光画像を撮像する、前記[1]又は[2]の微生物の検出方法。
[4] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、及びポテトエキスを含有しており、ペプトン濃度が2~5g/Lである、前記[1]~[3]のいずれかの微生物の検出方法。
[5] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、ポテトエキス、及び寒天のみからなる、前記[1]~[4]のいずれかの微生物の検出方法。
[6] 前記液体が飲料である、前記[1]~[5]のいずれかの微生物の検出方法。
[7] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、を学習用データとして読み出し、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習部を備える学習装置。
[8] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報とに基づいて機械学習を行うことで生成された学習済みモデルを用いて、検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記微生物の有無を判定する検査部
を備える検査装置。
[9] 液体中の微生物を検出に用いられる学習済みモデルであって、
液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成され、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記微生物の有無を判定するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデル。
前記液体をメンブレンフィルターで濾過する濾過工程。
前記濾過工程後、前記メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付し、所定時間培養する培養工程。
前記培養工程後、前記平板培地から剥がした前記メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する蛍光染色工程。
前記蛍光染色工程後、前記メンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する撮像工程。
複数の前記蛍光画像の各々に対して、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報を入力させ、前記蛍光画像及び前記微生物位置情報を学習用データとして生成する学習用データ生成工程。
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習工程。
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記学習済みモデルを用いて、前記微生物の有無を判定する検査工程。
濾過工程においては、微生物を検出する供試試料である液体(被験液体試料)を、メンブレンフィルターで濾過する。具体的には、底部にメンブレンを敷いたファネルに、当該ファネルの上方開口部から被験液体試料を注いで濾過する。ファネル底部から飲料を吸引濾過することにより、短時間で充分量の被験液体試料中の危害微生物をメンブレンに捕集することができる。吸引濾過は、一般的なメンブレンフィルター法と同様にして行うことができる。
培養工程においては、前記濾過工程で液体中の微生物を捕集したメンブレンフィルターを、平板培地表面に貼付して所定時間培養する。使用する平板培地は、カビ、酵母、細菌等の増殖に必要な炭素源と窒素源を含む平板培地であれば特に限定されるものではない。多種多様な微生物に資化可能であることから、炭素源としてはブドウ糖が好ましく、窒素源としては、ペプトンや酵母エキス、植物エキス等が好ましい。ペプトンとしては、特に限定されるものではないが、微生物培養に汎用されていることから、カゼインペプトン、肉ペプトンが好ましい。植物エキスとしては、ポテトエキス、麦芽エキス、果汁、野菜汁等が挙げられる。カビや酵母等などの真菌の生育に必要な銅、亜鉛等の微量金属やミネラルを含有しており、真菌の培養培地の成分として汎用されていることから、平板培地に含まれる植物エキスとしては、ポテトエキスが好ましい。
培養工程後、平板培地から剥がしたメンブレンフィルターを、微生物を蛍光染色するための染色剤と接触させて、当該メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する。微生物を蛍光染色するための染色剤としては、生きている微生物を蛍光染色可能なものであれば特に限定されるものではなく、生菌のみを染色するものであってもよく、生菌と死菌の両方を染色するものであってもよい。飲料等の原料として配合されて滅菌処理で死滅した乳酸菌や酵母等によるノイズを抑制できるため、当該染色剤としては、生菌のみを染色するものであることが好ましい。
蛍光染色工程後、蛍光染色されたメンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する。CCDカメラ等の撮像装置を備えた蛍光撮像装置を用いて、蛍光染色に使用した蛍光染色剤に適した励起光を照射し、発生した蛍光のシグナルを検出することによって蛍光画像を撮像できる。蛍光撮像装置としては、細胞や微生物のコロニー検出に使用されている市販の蛍光シグナルを検出可能な撮像装置を用いることができる。
蛍光画像において、生菌である危害微生物とノイズ成分とは、蛍光シグナルの強度(輝度値)、形状、大きさ、RGBのそれぞれの輝度値、染色時間による蛍光強度変化等が相違する。これらの相違に基づいて、蛍光画像中の危害微生物に由来する蛍光シグナルと、ノイズ成分に由来する蛍光シグナル(ノイズ)とを識別し、精度よく危害微生物を検出できる。
検査対象として入力された被験液体試料から調製された蛍光画像に対して、生成された微生物検出用学習済モデルを用いて、危害微生物の有無を判定する。微生物検出用学習済モデルにより、当該蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、危害微生物由来蛍光シグナルとノイズのいずれであるかが識別される。当該蛍光画像中に、危害微生物由来蛍光シグナルが含まれていると判定された場合には、当該被験液体試料中には危害微生物が含まれていると判断する。すなわち、被験液体試料中の危害微生物は、蛍光画像中の危害微生物由来蛍光シグナルとして検出される。
図1は、本開示の実施形態に係る検査結果の表示例を示す図である。検査結果は、後述する検査装置2の画面に表示される。画面には、撮像された蛍光画像に対して、カビの種類と位置が示され、また、良否判定の結果が示される。
表示例G11、G12、G13は、ノイズ成分を多く含む液体の蛍光画像について、それぞれ、危害微生物が検出されない場合の表示例G11、危害微生物Aが検出された場合の表示例G12、危害微生物Bが検出された場合の表示例G13である。
危害微生物とノイズ成分の蛍光反応により、蛍光反応がない場合と比較して、画像上の危害微生物及びその種類、或いは、ノイズ成分の違いが大きくなる。検査装置2は、危害微生物及びその種類とノイズ成分を区別して、カビの種類と位置を特定でき、良品判定も高い精度で判定できた。
この検査画面では、品種選択、設定、モード切替、手動トリガー等のメニュー、検査結果(図1参照)、OK、NG、総数、処理時間等の検査結果の評価、総合判定、保存設定、オーバーレイ表示設定が表示されている。
品種選択は、品種を選択するメニューである。品種とは、被験液体試料の種類である。被験液体試料の種類が飲料の場合、例えば、乳性飲料、乳性炭酸飲料、果汁飲料などであり、予め登録されている品種群から被験液体試料が該当する品種を選択する。
OKとは、良品(危害微生物の検出なし)の画像数であり、NGとは、不良品(危害微生物の検出あり)の画像数である。総数は、良品の画像数と不良品の画像数の累積数(検査実績の総数)である。
総合判定には、良品判定の結果が表示される。この図では「OK」(良品である)ことが表示されている。
検査システムSは、学習装置1及び検査装置2を具備する。
学習装置1は、複数の蛍光画像と、各蛍光画像における危害微生物の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習処理を行う。学習装置1は、機械学習処理の結果、学習済みモデルを生成する。
検査装置2は、学習装置1が生成した学習済みモデルを用いて、入力された蛍光画像(「検査蛍光画像」とも称する)の各画素(位置)について、危害微生物の有無を判定する。検査装置2は、検査蛍光画像に対して、危害微生物が存在する場合、その位置に色付けした表示データを生成して、ディスプレイに表示させる(図1、2参照)。
図3は、本実施形態に係る学習装置1の構成を示す概略ブロック図である。
学習装置1は、入出力部I1、記憶部M1、及び処理部P1を具備する。
データ取得部111は、通信又は外部記憶装置より、データを取得する。
入出力部112は、キーボード入力やポインティングデバイスを用いたマーキング等、ユーザ操作による情報を受け付ける。
データ記憶部121は、データ取得部111が取得したデータを記憶する。データには、複数の蛍光画像の各々について、蛍光画像と付加情報が含まれ、付加情報にはサンプル情報及び培養情報が含まれる。サンプル情報は、検査対象のサンプルに関する情報であり、例えば対象となる液体試料の種類(品種)や液体試料名、ノイズ成分情報(ノイズ成分やその種類)、微生物情報(危害微生物の分類(糸状菌、酵母、細菌)や生物種)、製造情報(工場、ライン、原料、製造日等)、保管情報等が含まれる。培養情報は、サンプルの培養に関する情報であり、培地情報、メンブレン情報(径又は孔径)、検出作業情報(試薬又はその種類、試薬浸漬時間、蛍光撮影時間等)が含まれる。
学習結果記憶部123は、学習用データに基づいて機械学習処理が行われた結果、生成された学習済みモデルを記憶する。
学習用データ生成部131は、学習用データをユーザに作成させるため、蛍光画像をディスプレイに表示させる。学習用データ生成部131は、表示された各蛍光画像に対するユーザ操作により、画素ごとに、微生物情報及び微生物位置情報を受け付ける。
学習用データ生成部131は、複数の蛍光画像の各々について、画素ごとに、蛍光画像の画素情報、微生物情報及び微生物位置情報を、学習用データとして生成する。ここで、画素情報とは、RGB値であるが、輝度値又はグレースケール、2値であってもよい。学習用データ生成部131は、生成した学習用データを学習用データ記憶部122に記憶させる。
表示制御部134は、画面を生成するための画面データを生成する。表示制御部134は、生成した画面データを、入出力部112を介して出力することで、ユーザのディスプレイに画面を表示させる。
図4は、本実施形態に係るユーザ操作の一例を示す概略図である。このユーザ操作には、学習用データをユーザに作成させるための操作であり、表示された各蛍光画像に対して、微生物位置情報を指定する操作が含まれる。この操作は、ユーザが、危害微生物をマーキングする操作である。
表示例G21及びG22は、それぞれRedツール及びBlueツールで、蛍光画像に対して、危害微生物がマーキングされた場合の表示例である。表示例G21中のマーキングは、ユーザが危害微生物(近傍も含まれる)を塗りつぶしたものである。表示例G22中のマーキングは、ユーザが危害微生物を四角形で囲んだものである。
学習用データ生成部131は、表示例G21又はG21のようなマーキングが行われた場合に、マーキングの内部にて、輝度が閾値より高い画素を、対象の危害微生物が存在する位置(画素)として特定する。学習用データ生成部131は、特定した位置を微生物位置情報とし、蛍光画像の画素情報、微生物情報及び微生物位置情報を組とした学習用データを生成する。ここで、学習用データ生成部131は、微生物情報ごとにマーキングを受け付け、対象の微生物情報ごとに、当該微生物情報及び微生物位置情報を説明変数として学習用データを生成する。
以下、学習装置1の処理について、図3の各部を処理主体として説明する。
図5は、本実施形態に係る学習装置1の処理の一例を示すフロー図である。
データ取得部111は、複数の蛍光画像及び付加情報を取得する。その後、ステップS102の処理が行われる。
(ステップS102)
学習用データ生成部131は、ステップS101で取得された各蛍光画像及び付加情報を表示し、微生物情報ごとに、ユーザに危害微生物をマーキングさせる(図4参照)。学習用データ生成部131は、マーキングに基づいて微生物位置情報を特定し、蛍光画像の画素情報、微生物情報及び微生物位置情報を組とした学習用データを生成する。学習用データ生成部131は、生成した学習用データを、学習用データ記憶部122に記憶させる。その後、ステップS103の処理が行われる。
(ステップS103)
前処理部132は、ステップS102で記憶された学習用データに対してノイズ除去処理等の前処理を行う。その後、ステップS104の処理が行われる。
(ステップS104)
学習部133は、ステップS103で前処理が行われた学習用データに基づいて、械学習処理を行う。機械学習処理が行われた結果、学習済みモデルが生成される。
図6は、本実施形態に係る検査装置2の構成を示す概略ブロック図である。
検査装置2は、入出力部I2、記憶部M2、及び処理部P2を具備する。
画像取得部211は、撮像装置、通信又は外部記憶装置より、検査対象としての検査蛍光画像を取得する。
入力部212は、キーボード入力やポインティングデバイスにより、ユーザ操作による情報を受け付ける。
表示部213は、ディスプレイであり、検査結果の表示等を行う(図1参照)。
端末データ記憶部221は、画像取得部211が取得した検査蛍光画像、入力部212が受け付けた情報、及び、検査部232の検査結果を記憶する。
設定記憶部222は、検査の設定情報を記憶する。設定情報には、例えば危害微生物の有無を判定するための閾値T1や良否判定に用いる閾値T2が含まれる。
学習モデル記憶部223は、学習装置1が生成した学習済みモデルを記憶する。
設定部231は、閾値T1や閾値T2等の設定情報を、ユーザ操作により入力させ、その設定情報を設定記憶部222に記憶させる。
表示制御部233は、表示部213に、危害微生物の有無の判定結果を含む検査結果等を表示させる。
以下、検査装置2の処理について、図6の各部を処理主体として説明する。
図7は、本実施形態に係る検査装置2の処理の一例を示すフロー図である。
画像取得部211は、検査対象としての検査蛍光画像を取得する。その後、ステップS201の処理が行われる。
(ステップS202)
検査部232は、ステップS201で取得された検査蛍光画像に対して、機械学習処理(図5のステップS104)により生成された学習済みモデルを用いて、危害微生物の有無を判定する。その後、ステップS203の処理が行われる。
(ステップS203)
表示制御部233は、ステップS202の危害微生物の有無の判定結果(検査結果)を、表示部213に表示させる。
以下、機械学習処理について説明する。
学習部133は、蛍光画像の画素値と、微生物情報及び微生物位置情報の学習データセットを用いて、機械学習処理を行う。具体的には、学習部133は、学習用のCNN(畳み込みニューラルネットワーク)に対して、前処理が行われた蛍光画像の画素値を、入力層に入力する入力変数とする。学習部133は、微生物情報及び微生物位置情報を、出力層から出力される出力変数として設定する。ここで、学習部133は、微生物位置情報が示す画素に対して、各微生物情報を表す値(例えば危害微生物Aは1、危害微生物Bは2)を設定する。ただし、本発明はこれに限らず、学習部133は、微生物情報又は付加情報(例えば、品種)ごとに定められたCNNに対して、機械学習処理を行ってもよい。例えば、学習装置1は、乳性飲料、乳性炭酸飲料、又は果汁飲料ごとに、学習用データを生成し、各学習用データを用いてCNNに対して機械学習処理を行うことで、各学習済みモデルを生成する。検査装置2は、ユーザに選択された乳性飲料、乳性炭酸飲料、又は果汁飲料のいずれかに対応する学習済みモデルを用いて、危害微生物の有無を判定してもよい。品種によって被験液体試料の性質や夾雑物が異なり、また、品種によって存在する可能性がある危害微生物も異なるので、蛍光染色した結果の画像は、被験液体試料によって大きく異なる場合もある。この場合、検査システムSでは、品種ごとに学習用データ及び学習済みモデルを生成することで、被験液体試料の種類ごとの学習済みモデルを用いて危害微生物の有無を判定することができ、この判定の精度を向上できる。
この模式図は、画像セグメンテーションニューラルネットワークのうち、SegNetと呼ばれる手法を示す。
この模式図では、ニューラルネットワークN1とN2が対称になっている。
ニューラルネットワークN1では、畳み込み処理(演算)及びプーリング処理が繰り返される。畳み込み処理は、元の画像にフィルターをかけて特徴マップを出力する処理であり、プーリング処理は、画像の特徴を残しながら画像を縮小する処理である。畳み込み処理には、Batch Normalization等の正規化処理が含まれてもよい。
入力変数(画素値)に対して、最初に、畳み込み処理C11、畳み込み処理C12、プーリング処理P1が行われる。その後、畳み込み処理C21、畳み込み処理C22、プーリング処理P2、畳み込み処理C31、畳み込み処理C32、プーリング処理P3が行われる。これらの処理結果は、ニューラルネットワークN2に入力される。
機械学習処理では、ソフトマックス処理SMは行われずに、畳み込み処理C62の出力と出力変数の誤差が算出され、誤差に基づいた逆伝搬処理が行われる。検査処理では、最後にソフトマックス処理SMが行われる。
機械学習処理では、誤差関数として、二乗損失(平均二乗誤差)を設定されてもよいし、交差エントロピー、τ-分位損失、Huber損失、ε感度損失(ε許容誤差関数)が設定されてもよい。機械学習処理では、勾配を計算するアルゴリズム(勾配降下アルゴリズム)として、SGD(確率的勾配降下)を設定する。ただし、本発明はこれに限らず、勾配降下アルゴリズムには、Momentum(慣性項) SDG、AdaGrad、RMSprop、AdaDelta、Adam(Adaptive moment estimation)等が用いられてもよい。機械学習処理及び検査処理では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に限らず、パーセプトロンのニューラルネットワーク、再起型ニューラルネットワーク(RNN)、残差ネットワーク(ResNet)等の他のニューラルネットワークが設定されてもよい。
以上のように、学習装置1は、液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、危害微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、危害微生物の蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、を学習用データとして読み出し、学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する。検査装置2は、液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、危害微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、微生物の蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成された学習済みモデルを用いて、検査対象として入力された検査蛍光画像に対して、危害微生物の有無を判定する。
ここで、学習済みモデルは、液体中の危害微生物の検出に用いられる学習済みモデルであって、液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、危害微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、危害微生物の蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成され、検査対象として入力された検査蛍光画像に対して、危害微生物の有無を判定するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデルである。
例えば、人の目で危害微生物を判定する場合、2日以上の培養をしないと判定できない場合がある。これに対して、検査システムSでは、1日程度(例えば、36時間以内)の培養であっても、危害微生物の有無を判定できる場合がある。換言すれば、検査システムSでは、危害微生物のコロニーが人の目で危害微生物を精度良く判定できる大きさよりも小さい(例えば、1mm以下)であっても、危害微生物の有無を判定できる場合がある。
乳性非炭酸飲料中の危害微生物を検出するための微生物検出用学習済モデルを作成した。学習用データを生成するために、被験液体試料と同種の乳性非炭酸飲料に、耐熱性カビB. fulvaを、濾過に使用するメンブレンフィルター1枚当たり20cfuとなるように添加したものを、耐熱性カビ接種飲料として用いた。また、被験液体試料と同種の乳性非炭酸飲料であって、生菌が含まれていないことが確認された飲料を、ブランク飲料として用いた。
まず、耐熱性カビ接種飲料をメンブレンフィルター(「MF-Millipore(AABP02500)」、メルク社製)に濾過した後、当該メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付して、25℃又は30℃で、24時間培養した。平板培地は、メンブレンフィルターに捕集された耐熱性カビが24時間で充分に生育するように、窒素源の豊富なサブロー・ブドウ糖液体培地(「ダイゴ」、日局試験用、日本製薬社製)(以下、「サブロー培地」ということがある)に寒天を加えた平板培地を用いた。
培養後に平板培地から剥がしたメンブレンフィルターに、CFDA染色試薬(製品名「EzFluo Reagent Kit」、メルク社製)を、製造者による推奨量添加し、30℃、5分間インキュベートして染色した。蛍光染色したメンブレンフィルターの緑色蛍光画像を、蛍光撮像装置(製品名「TM-LABplus」、槌屋社製)を用いて撮像した。
この結果、取得された緑色蛍光画像は、メンブレン全体の異常発光や画像中心部のコロニー白飛びが発生しており、画像解析には適さなかった。
PS25平板培地で培養したメンブレンフィルターの蛍光画像を図9に、PDA寒天培地で培養したメンブレンフィルターの蛍光画像を図10に、それぞれ示す。図9及び10中、左が25℃で培養したメンブレンフィルターの蛍光画像であり、右が30℃で培養したメンブレンフィルターの蛍光画像である。図中、下段は上段の蛍光画像中の蛍光シグナルが観察された部分の拡大画像である。耐熱性カビB. fulvaの至適培養温度は25~35℃であるため、30℃で培養した場合の蛍光画像には耐熱性カビのコロニーが多数確認されたものの、25℃で培養した場合の蛍光画像には耐熱性カビのコロニーはほとんど確認されず、当該蛍光画像中の蛍光シグナルはノイズと推定された。
2種類の市販の乳性非炭酸飲料に、それぞれ、4種類の耐熱性カビ(B. fulva、A. fischeri、T. flavus、H. avellanea)を、濾過に使用するメンブレンフィルター1枚当たり20cfuとなるように添加したものを、耐熱性カビ接種飲料として用いた。また、被験飲料と同種の乳性非炭酸飲料であって、生菌が含まれていないことが確認された飲料を、ブランク飲料として用いた。
培養をPS25平板培地で30℃で行った以外は参考例1と同様にして、耐熱性カビ接種飲料とブランク飲料を濾過したメンブレンフィルターの蛍光画像を取得した。耐熱性カビ接種飲料からは32枚のメンブレンフィルターを調製し、ブランク飲料からは20枚のメンブレンフィルターを調製して、各メンブレンフィルターの蛍光画像をそれぞれ取得した。取得された耐熱性カビ接種飲料の蛍光画像32枚のうち、16枚を学習用データに用い、残り16枚を、深層学習によって生成したアルゴリズムを搭載した微生物検出用学習済モデルを用いた検証に使うための検出用データとして用いた。同様に、取得されたブランク飲料の蛍光画像20枚のうち、10枚を学習用データに用い、残り10枚を検出用データとして用いた。
Redツールを用いた深層学習により生成した微生物検出用学習済モデルを用いて危害微生物を検出する場合において、深層学習に供するコロニー数の生成された微生物検出用学習済モデルの危害微生物の検出精度に対する影響を調べた。
深層学習の際に、良品学習を行って生成した微生物検出用学習済モデルと、良品学習を行わずに生成した微生物検出用学習済モデルの、危害微生物の検出精度を比較した。
学習ツールとしてRedツールを用いて、コロニー学習量を300個とし、良品学習を行って深層学習を行うことにより生成した微生物検出用学習済モデルの性能を、微生物迅速検出システムキット(製品名「MilliflexRapid」、メルク社製)の性能と比較した。
学習ツールとしてRedツールを用いて深層学習を行うことにより生成した微生物検出用学習済モデルの性能を、微生物迅速検出システムキット(製品名「MilliflexRapid」、メルク社製)の性能と比較した。
培養をPS25平板培地で30℃、24時間で行い、CFDA染色を30℃、10分間インキュベートして行い、コロニー学習量を900個とした以外は実施例1と同様にして、酵母接種飲料とブランク飲料を濾過したメンブレンフィルターの蛍光画像を取得した。酵母接種飲料とブランク飲料からそれぞれ45枚のメンブレンフィルターを調製して、各メンブレンフィルターの蛍光画像をそれぞれ取得した。取得された各飲料の蛍光画像45枚のうち、30枚を学習用データに用い、残り15枚を、深層学習によって生成したアルゴリズムを搭載した微生物検出用学習済モデルを用いた検証に使うための検出用データとして用いた。
このように、学習装置1は、培養時間が長く、人の目で危害微生物の有無を判定できる或いは判定し易い蛍光画像を用いて、ユーザに微生物位置情報を特定させる。これにより、学習装置1は、人の目で危害微生物の有無を判定できない或いは判定し難く、培養時間が短い蛍光画像上でも、精度良く微生物位置情報を特定させることができる。換言すれば、学習に用いる蛍光画像の微生物について、将来(より長い時間、培養した後)の蛍光画像の微生物の状態を観察することで、微生物位置情報を特定させることができる。
また、上述した実施形態における学習装置1及び検査装置2の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。学習装置1及び検査装置2の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
[1] 液体中の微生物を検出する方法であって、
前記液体をメンブレンフィルターで濾過する濾過工程と、
前記濾過工程後、前記メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付し、所定時間培養する培養工程と、
前記培養工程後、前記平板培地から剥がした前記メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する蛍光染色工程と、
前記蛍光染色工程後、前記メンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する撮像工程と、
複数の前記蛍光画像の各々に対して、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報を入力させ、前記蛍光画像及び前記微生物位置情報を学習用データとして生成する学習用データ生成工程と、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習工程と、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記学習済みモデルを用いて、前記蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定する検査工程と、
を有する、微生物の検出方法。
[2] 前記蛍光画像から前記メンブレンフィルターの縁部分を取り除く前工程をさらに有し、
前記学習工程では、前記メンブレンフィルターの縁部分が取り除かれた前記蛍光画像及び前記微生物位置情報に基づいて機械学習を行う、前記[1]の微生物の検出方法。
[3] 前記撮像工程では、前記蛍光染色に用いた蛍光染色剤の励起光を照射して、前記蛍光画像を撮像する、前記[1]又は[2]の微生物の検出方法。
[4] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、及びポテトエキスを含有しており、ペプトン濃度が2~5g/Lである、前記[1]~[3]のいずれかの微生物の検出方法。
[5] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、ポテトエキス、及び寒天のみからなる、前記[1]~[4]のいずれかの微生物の検出方法。
[6] 前記液体が飲料である、前記[1]~[5]のいずれかの微生物の検出方法。
[7] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、を学習用データとして読み出し、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、前記蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することができる学習済みモデルを生成する学習部
を備える学習装置。
[8] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報とに基づいて機械学習を行うことで生成された学習済みモデルを用いて、検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定する検査部
を備える検査装置。
[9] 液体中の微生物を検出に用いられる学習済みモデルであって、
液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成され、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデル。
[1] 液体中の微生物を検出する方法であって、
前記液体をメンブレンフィルターで濾過する濾過工程と、
前記濾過工程後、前記メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付し、所定時間培養する培養工程と、
前記培養工程後、前記平板培地から剥がした前記メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する蛍光染色工程と、
前記蛍光染色工程後、前記メンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する撮像工程と、
複数の前記蛍光画像の各々に対して、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報を入力させ、前記蛍光画像及び前記微生物位置情報を学習用データとして生成する学習用データ生成工程と、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習工程と、
検査対象として入力された検査蛍光画像に対して、前記学習済みモデルを用いて、前記検査蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定する検査工程と、
を有し、
前記微生物位置情報は、
(1)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上から視認されたコロニーの位置を、前記蛍光画像にマーキングして取得される、又は、
(2)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上の同一視野の蛍光画像を取得し、当該蛍光画像に対して危害微生物由来蛍光シグナルをマーキングして取得される、
微生物の検出方法。
[2] 前記蛍光画像から前記メンブレンフィルターの縁部分を取り除く前工程をさらに有し、
前記学習工程では、前記メンブレンフィルターの縁部分が取り除かれた前記蛍光画像及び前記微生物位置情報に基づいて機械学習を行う、前記[1]の微生物の検出方法。
[3] 前記撮像工程では、前記蛍光染色に用いた蛍光染色剤の励起光を照射して、前記蛍光画像を撮像する、前記[1]又は[2]の微生物の検出方法。
[4] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、及びポテトエキスを含有しており、ペプトン濃度が2~5g/Lである、前記[1]~[3]のいずれかの微生物の検出方法。
[5] 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、ポテトエキス、及び寒天のみからなる、前記[1]~[4]のいずれかの微生物の検出方法。
[6] 前記液体が飲料である、前記[1]~[5]のいずれかの微生物の検出方法。
[7] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、を学習用データとして読み出し、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、検査蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することができる学習済みモデルを生成する学習部
を備え、
前記微生物位置情報は、
(1)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上から視認されたコロニーの位置を、前記蛍光画像にマーキングして取得される、又は、
(2)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上の同一視野の蛍光画像を取得し、当該蛍光画像に対して危害微生物由来蛍光シグナルをマーキングして取得される、
学習装置。
[8] 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報とに基づいて機械学習を行うことで生成された学習済みモデルを用いて、検査対象として入力された検査蛍光画像に対して、前記検査蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定する検査部
を備え、
前記微生物位置情報は、
(1)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上から視認されたコロニーの位置を、前記蛍光画像にマーキングして取得される、又は、
(2)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上の同一視野の蛍光画像を取得し、当該蛍光画像に対して危害微生物由来蛍光シグナルをマーキングして取得される、
検査装置。
[9] 液体中の微生物を検出に用いられる学習済みモデルであって、
液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報であって、蛍光シグナルのマーキングに基づいて得られた微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成され、
検査対象として入力された検査蛍光画像に対して、前記検査蛍光画像中の各画素の蛍光シグナルについて、前記微生物に由来する蛍光シグナルとノイズのいずれであるかを識別することによって、前記微生物の有無を判定するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデルであり、
前記微生物位置情報は、
(1)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上から視認されたコロニーの位置を、前記蛍光画像にマーキングして取得される、又は、
(2)蛍光染色工程後の撮像工程で前記メンブレンフィルターの蛍光画像を取得した後に、前記メンブレンフィルターを再度平板培地に貼付し、コロニーが視認できるまで継続培養し、継続培養後の前記メンブレンフィルター上の同一視野の蛍光画像を取得し、当該蛍光画像に対して危害微生物由来蛍光シグナルをマーキングして取得される。
Claims (9)
- 液体中の微生物を検出する方法であって、
前記液体をメンブレンフィルターで濾過する濾過工程と、
前記濾過工程後、前記メンブレンフィルターを平板培地表面に貼付し、所定時間培養する培養工程と、
前記培養工程後、前記平板培地から剥がした前記メンブレンフィルター上の微生物を蛍光染色する蛍光染色工程と、
前記蛍光染色工程後、前記メンブレンフィルターの蛍光画像を撮像する撮像工程と、
複数の前記蛍光画像の各々に対して、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報を入力させ、前記蛍光画像及び前記微生物位置情報を学習用データとして生成する学習用データ生成工程と、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習工程と、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記学習済みモデルを用いて、前記微生物の有無を判定する検査工程と、
を有する、微生物の検出方法。 - 前記蛍光画像から前記メンブレンフィルターの縁部分を取り除く前工程をさらに有し、
前記学習工程では、前記メンブレンフィルターの縁部分が取り除かれた前記蛍光画像及び前記微生物位置情報に基づいて機械学習を行う、請求項1に記載の微生物の検出方法。 - 前記撮像工程では、前記蛍光染色に用いた蛍光染色剤の励起光を照射して、前記蛍光画像を撮像する、請求項1又は2に記載の微生物の検出方法。
- 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、及びポテトエキスを含有しており、ペプトン濃度が2~5g/Lである、請求項1~3のいずれか一項に記載の微生物の検出方法。
- 前記平板培地が、ブドウ糖、ペプトン、ポテトエキス、及び寒天のみからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の微生物の検出方法。
- 前記液体が飲料である、請求項1~5のいずれか一項に記載の微生物の検出方法。
- 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、を学習用データとして読み出し、
前記学習用データに基づいて機械学習を行うことで、学習済みモデルを生成する学習部を備える学習装置。 - 液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報とに基づいて機械学習を行うことで生成された学習済みモデルを用いて、検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記微生物の有無を判定する検査部
を備える検査装置。 - 液体中の微生物を検出に用いられる学習済みモデルであって、
液体中の微生物を捕集して培養したメンブレンフィルターを、微生物の蛍光染色剤で蛍光染色した後に撮像して取得された蛍光画像と、前記微生物の前記蛍光画像上の位置を示す微生物位置情報と、に基づいて機械学習を行うことで生成され、
検査対象として入力された前記蛍光画像に対して、前記微生物の有無を判定するよう、コンピュータを機能させるための学習済みモデル。
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