JP2022189581A - 横型電界放出電子銃及び電磁波発生装置 - Google Patents

横型電界放出電子銃及び電磁波発生装置 Download PDF

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Bo Yang
恒銘 許
Hengming Hsu
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Abstract

【課題】簡単な構造で、小型化が可能で、かつ、基板に対して平行な方向に電子を走行させることができる横型電界放出電子銃を提供する。【解決手段】横型電界放出電子銃1は、エミッタ電極12と、エミッタ電極から電子を真空中に放出させるゲート電極13とを備え、エミッタ電極及びゲート電極は、表面が絶縁性の基板10に形成された金属膜からなり、エミッタ電極は、平面視で先端が先鋭な先端部12Tを有し、ゲート電極は、平面視でエミッタ電極の先端部を挟んで配置され、ゲート電極に電圧を印加することにより、エミッタ電極の先端部から放出される電子は、基板表面と平行方向に走行し、基板は、電子の走行方向に沿って表面に溝部16が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子を放出する電界放出電子銃、及び電界放出電子銃から放出される電子と相互作用して、電磁波を発生する電磁波発生装置に関する。
熱電子銃に代わる電子銃として、電界放出電子銃が知られている。電界放出電子銃は、先端が先鋭なエミッタ電極の先端部に、高電界を印加することによって、先端部から電子が放出される。
特許文献1には、エミッタ電極の構造として、基板に形成された空洞内に、先端が先鋭な円錐状のエミッタ電極を形成することが開示されている。エミッタ電極の先端部を囲むように、ゲート電極が形成され、ゲート電極とエミッタ電極との間に、電圧を印加することによって、エミッタ電極の先端部から電子が放出される。
電界放出電子銃は、エミッタ電極から放出される電子と相互作用して、電磁波を発生(増幅)させる進行波管やクライストロン等の共振回路を備えた電磁波発生装置に適用される。
特開平8-321255号公報
特許文献1に開示された電界放出電子銃は、エミッタ電極が円錐状の特殊な形状を有するため、加工が難しく、小型の電界放出電子銃を精度よく製造することが難しい。そのため、安定した性能を有する電界放出電子銃を実現することができない。
また、特許文献1に開示された円錐状のエミッタ電極は、基板に対して垂直な方向に、電子を放出する。そのため、電界放出電子銃を電磁波発生装置に適用する場合、電界放出電子銃から放出される電子と相互作用して、電磁波を発生させる電磁波発生装置を、電界放出電子銃を形成した基板と同一の基板上に、一体的に形成することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その主な目的は、簡単な構造で、小型化が可能で、かつ、基板に対して平行な方向に電子を走行させることができる横型電界放出電子銃を提供することにある。また、横型電界放出電子銃が形成された基板と同一の基板上に、一体的に形成された電磁波発生装置を提供することにある。
本発明に係る横型電界放出電子銃は、エミッタ電極と、該エミッタ電極から電子を真空中に放出させるゲート電極とを備えた横型電界放出電子銃であって、エミッタ電極及びゲート電極は、表面が絶縁性の基板表面に形成された金属膜からなり、エミッタ電極は、平面視で、先端が先鋭な先端部を有し、ゲート電極は、平面視で、エミッタ電極の先端部を挟んで一対に配置され、ゲート電極に電圧を印加することにより、エミッタ電極の先端部から放出される電子は、基板の表面と平行な方向に走行し、基板は、電子の走行方向に沿って、表面に溝部が形成されている。
本発明によれば、簡単な構造で、小型化が可能で、かつ、基板に対して平行な方向に電子を走行させることができる横型電界放出電子銃を提供することができる。また、横型電界放出電子銃が形成された基板と同一の基板上に、一体的に形成された電磁波発生装置を提供することができる。
図1(A)~(C)は、本発明の一実施形態における横型電界放出電子銃の構成を示した図で、図1(A)は、平面図、図1(B)は、図1(A)のI-I線に沿った断面図、図1(C)は、図1(A)のI-I線に沿った断面図である。 横型電界放出電子銃の特性評価方法を説明した図である。 図3(A)及び図3(B)は、横型電界放出電子銃の特性評価結果を示したグラフで、図3(A)は、ゲート電圧に対するコレクタ電圧の変化を示したグラフで、図3(B)は、ゲート電圧に対するゲート電流の変化を示したグラフである。 図4(A)~(C)は、本実施形態における横型電界放出電子銃の変形例を示した図で、図4(A)は、平面図、図4(B)は、図4(A)のIV-IV線に沿った断面図、図4(C)は、図4(A)のIV-IV線に沿った断面図である。 本実施形態における横型電界放出電子銃の他の変形例を示した平面図である。 本実施形態における横型電界放出電子銃が形成された基板と同一の基板上に、一体的に形成された電磁波発生装置の構成を模式的に示した平面図である。 第1共振回路及び第2共振回路の基本構造を示した平面図である。 共振回路の等価回路を示した図である。 図9(A)及び図9(B)は、図7に示した、第1共振回路及び第2共振回路の基本構造の斜視図で、図9(A)は、斜め上から見た斜視図、図9(B)は、斜め下から見た斜視図である。 図10(A)及び図10(B)は、共振回路の他の等価回路を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1(A)~(C)は、本発明の一実施形態における横型電界放出電子銃の構成を示した図で、図1(A)は、平面図、図1(B)は、図1(A)のI-I線に沿った断面図、図1(C)は、図1(A)のI-I線に沿った断面図である。
図1(A)~(C)に示すように、本実施形態における横型電界放出電子銃1は、エミッタ電極12と、エミッタ電極12から電子を真空中に放出させるゲート電極(引出電極)13とを備えている。ここで、「横型電界放出電子銃」とは、エミッタ電極12から放出された電子が、エミッタ電極12及びゲート電極13が形成された基板10の表面と平行な方向に走行する構造の電界放出電子銃をいう。
エミッタ電極12及びゲート電極13は、表面が絶縁性の基板10表面に形成された金属膜からなる。図1(B)、(C)では、表面が絶縁性の基板10として、表面に絶縁膜11が形成された基板10を例示しているが、絶縁性の材料からなる基板10であってもよい。以下、表面に絶縁膜11が形成された基板10を、単に、基板10という。
エミッタ電極12及びゲート電極13を構成する金属膜は、仕事関数の小さい金属、例えば、アルミニウム、銅、タングステン等を用いることが好ましい。また、エミッタ電極12及びゲート電極13を構成する金属膜は、同一の材料で構成されていることが好ましいが、異なる材料で構成されていてもよい。金属膜の膜厚は、例えば、10nm~300nmであることが好ましい。
エミッタ電極12は、平面視で、先端が先鋭な先端部12Tを有している。また、ゲート電極13は、平面視で、エミッタ電極12の先端部12Tを挟んで、一対に配置されている。先端部12Tは、先端で放電が開始できるものであれば、その形状は特に限定されないが、例えば、図1(A)に示すように、頂点が鋭角な三角形状にすることがきる。先端部12Tにおける先端の最小幅は、例えば、0.2nm~50nmであることが好ましい。
一対のゲート電極13に電圧を印加することにより、エミッタ電極12の先端部12Tから電子が放出され、放出された電子は、基板10の表面と平行な方向に走行する。エミッタ電極12の先端部12Tから放出された電子は、一対の加速電極14で加速されて、エミッタ電極12の先端部12Tに対向して配置されたコレクタ電極15で補足される。加速電極14及びコレクタ電極15も、エミッタ電極12及びゲート電極13と同様に、基板10上に形成された金属膜からなることが好ましい。
エミッタ電極12の先端部12Tから放出された電子が、基板10の表面と干渉しないよう、基板10の表面には、電子の走行方向に沿って溝部16が形成されている。溝部16は、例えば、30nm~1μmの深さであることが好ましい。また、溝部16の幅は、走行する電子が、溝部16の側壁と衝突しない程度の幅にすることが好ましく、例えば、500nm~50μmの範囲にすることが好ましい。
本実施形態によれば、横型電界放出電子銃1が、基板10の表面に形成された1層の金属膜からなるエミッタ電極12及びゲート電極13で構成されているため、構造が簡単で、容易に小型化することができる。また、エミッタ電極12及びゲート電極13は、シリコン基板を用いて、半導体デバイスの標準プロセスであるフォトリオグラフィ技術やエッチング技術等を用いることにより、微細なパターンを精度よく形成することができる。そのため、エミッタ電極12とゲート電極13との距離を、数μm程度に小さくできるため、低電圧(例えば、5V以下)で駆動することが可能となり、安定した性能を有する、小型化された横型電界放出電子銃1を、容易に実現することができる。また、半導体デバイスに比べて、PN接合が不要で、真空中を電子が走行する構造を有しているため、固体デバイスに比べてエネルギー効率を高くすることができる。
また、エミッタ電極12及びゲート電極13を、基板10の表面に形成することによって、エミッタ電極12の先端部12Tから放出された電子を、基板10の表面と平行な方向に走行させることができる。これにより、横型電界放出電子銃1を形成した基板10と同一の基板上に、基板10の表面と平行な方向に走行する電子と相互作用して、電磁波を発生させる共振回路を備えた電磁波発生装置を、一体的に形成することができる。
(横型電界放出電子銃の特性評価)
本実施形態における横型電界放出電子銃1を試作して、その特性を評価した。
試作した横型電界放出電子銃1は、基板10として、表面に酸化膜が形成されたシリコン基板を用い、エミッタ電極12及びゲート電極13として、アルミニウムからなる金属膜(厚み:50nm)を用いた。また、エミッタ電極12の先端部12Tにおける最小幅を、20nmに加工した。また、エミッタ電極12の先端部12Tと、ゲート電極13との距離を、10μmとした。
試作した横型電界放出電子銃1の特性は、以下のような方法で評価した。
図2に示すように、試作した横型電界放出電子銃1を真空容器50に入れて、真空容器50内を10-6Paまで減圧した後、ゲート電極13にゲート電圧Vgate、加速電極14に、数Vの加速電圧を印加した。ゲート電圧Vgateを変えながら、エミッタ電極12とコレクタ電極15との間のコレクタ電圧Vcc、及び、エミッタ電極12とゲート電極13との間に流れるゲート電流Igateを測定した。
図3(A)、(B)は、評価結果を示したグラフで、図3(A)は、ゲート電圧Vgateに対するコレクタ電圧Vccの変化を示したグラフで、図3(B)は、ゲート電圧Vgateに対するゲート電流Igateの変化を示したグラフである。なお、図3(A)、(B)のグラフにおいて、横軸及び縦軸は、任意単位(a.u.)で示している。
図3(A)に示すように、一定以上のゲート電圧Vgateを印加すると、コレクタ電圧Vccが発生していることから、エミッタ電極12の先端部12Tから放出された電子が、溝部16に沿って走行して、コレクタ電極15に到達していることが分かる。
また、図3(B)に示すように、ゲート電圧Vgateを上げるに従って、ゲート電流Igateが上昇していることから、電子銃の機能としての電子が放出されていることが分かる。
本実施形態において、エミッタ電極12における先端部12Tの形状や、エミッタ電極12とゲート電極13との距離等を最適化することによって、数V以下のゲート電圧で動作可能な横型電界放出電子銃1を実現することができる。
(横型電界放出電子銃の変形例)
図4(A)~(C)は、本実施形態における横型電界放出電子銃1の変形例を示した図で、図4(A)は、平面図、図4(B)は、図4(A)のIV-IV線に沿った断面図、図4(C)は、図4(A)のIV-IV線に沿った断面図である。
図4(A)~(C)に示すように、本変形例におけるエミッタ電極12及びゲート電極13は、絶縁膜11b、11cを挟んで、複数(図では3層)の金属膜12a~12c、13a~13cが積層された積層構造を有する。なお、加速電極14及びコレクタ電極15も、絶縁膜11b、11cを挟んで、複数(図では3層)の金属膜15a~15c(加速電極14の金属膜は不図示)が積層された積層構造を有する。
なお、上記以外の構成は、図1に示した構成と同一であるため、同一の符号を付し、説明は省略する。
本変形例によれば、エミッタ電極12を構成する複数の金属膜12a~12cから、それぞれ、電子が放出されるため、単位平面当たりの密度の高い電子を放出させることができる。
図5は、本実施形態における横型電界放出電子銃1の他の変形例を示した平面図である。
図5に示すように、本変形例におけるエミッタ電極は、基板10上に複数(図では3つ)のエミッタ電極12A~12Cが並列に配置されている。エミッタ電極12A~12Cは、配線12Dで接続されており、共通のエミッタ電圧を印加することができる。
ゲート電極は、基板10上に、各エミッタ電極12A~12Cの先端部を、それぞれ挟んだ複数のゲート電極13A~13Dが配置されている。複数のゲート電極13A~13Dは、下層配線13Eで接続されており、共通のゲート電圧を印加することができる。
なお、上記以外の構成は、図1に示した構成と同一であるため、同一の符号を付し、説明は省略する。また、図5において、加速電極14は省略している。
本変形例によれば、エミッタ電極12を構成する複数の金属膜12a~12cから、それぞれ、電子が放出されるため、より多くの電子を放出させることができる。
(電磁波発生装置)
図6は、本実施形態における横型電界放出電子銃1が形成された基板と同一の基板上に、一体的に形成された電磁波発生装置の構成を模式的に示した平面図である。
図6に示すように、本実施形態における電磁波発生装置は、横型電界放出電子銃1と、横型電界放出電子銃1から放出される電子と相互作用して、電磁波を発生させる共振回路2とを備えている。 横型電界放出電子銃1は、例えば、図1(A)~(C)で示した構造を有し、基板10上に形成されたエミッタ電極12、ゲート電極(引出電極)13、及び加速電極14を備えている。共振回路2は、例えば、遅波回路で構成することができる。この場合、電磁波発生装置は進行波管として機能する。
共振回路2は、横型電界放出電子銃1が形成された基板10と同一の基板上に形成されている。横型電界放出電子銃1において、基板10の表面に形成された溝部16は、電子の走行方向に沿って、共振回路2が形成された基板10の表面まで延在している。共振回路2は、溝部16に沿って、溝部16に近接して配置されている。基板10上には、共振回路2における溝部16を走行する電子を補足するコレクタ電極15が形成されている。電磁波は、入力ポート40から入力され、共振回路2で増幅された電磁波が、出力ポート41から出力される。
本実施形態において、共振回路2は、溝部16に沿って形成された第1共振回路20と、第1共振回路20と並列に接続された第2共振回路30とで構成されている。第1共振回路20と溝部16との距離は、第1共振回路20が、溝部16に沿って走行する電子と相互作用する距離であればよく、例えば、50μm以下であることが好ましい。
図7は、第1共振回路20及び第2共振回路30の基本構造を示した平面図で、この基本構造を並列に配列することにより、第1共振回路20及び第2共振回路30が構成されている。
第1共振回路20は、上層に形成された金属膜からなるインダクタ素子23と、下層に形成された配線21とで構成されている。インダクタ素子23と配線21とは、層間絶縁膜で絶縁されており、層間絶縁膜に形成されたビア(不図示)を介して接続されている。インダクタ素子23は、横型電界放出電子銃1のエミッタ電極12及びゲート電極13を構成する金属膜と同一の金属膜で構成されていることが好ましい。インダクタ素子23は、例えば、矩形パターンからなる。
第2共振回路は、上層に形成された金属膜からなるインダクタ素子31と、下層に形成されたコンデンサ素子32とで構成されている。インダクタ素子31とコンデンサ素子32とは、層間絶縁膜で絶縁されている。インダクタ素子31は、例えば、渦巻き状パターンからなり、コンデンサ素子32は、例えば、矩形パターンからなる。コンデンサ素子32は、接点Aで、配線21に接続され、接点Bで、接地配線22に接続されている。また、インダクタ素子31は、層間絶縁膜に形成されたビア(不図示)を介して、接地配線22に接続されている。
図8は、共振回路2の等価回路を示した図である。第1共振回路20は、インダクタ素子23とコンデンサが直列接続されたLC共振回路を構成し、第2共振回路30は、インダクタ素子31とコンデンサ素子32が並列接続されたLC共振回路を構成している。なお、第1共振回路20におけるコンデンサは、インダクタ素子23と配線21との間の層間絶縁膜による寄生容量からなる。
図9(A)、(B)は、図7に示した、第1共振回路20及び第2共振回路30の基本構造の斜視図で、図9(A)は、斜め上から見た斜視図、図9(B)は、斜め下から見た斜視図である。なお、ここでは、基板10及び層間絶縁膜を省略している。第1共振回路20のインダクタ素子23は、下層の配線21と、ビア24で接続されている。また、第2共振回路30のインダクタ素子31は、下層の接地配線22と、ビア25で接続されている。
ところで、第1共振回路20は、溝部16に沿って走行する電子と相互作用して、入力ポート40から入力された電磁波を増幅するが、横型電界放出電子銃1の小型化に合わせて、第1共振回路20も微細化すると、LC共振回路におけるインダクタンスや容量が小さくなるため、共振周波数が大きくなり、例えば、マイクロ波やミリ波帯の電磁波発生装置に対して対応できない場合もある。
このような場合でも、第1共振回路20に、共振周波数の低い第2共振回路30を並列に接続することによって、第1共振回路20の実質的な共振周波数を下げることができるため、マイクロ波やミリ波帯の電磁波発生装置に対しても対応が可能になる。また、第2共振回路30は、インダクタ素子31とコンデンサ素子32とで構成しているため、サイズ等を適宜変更することにより、共振周波数を広帯域に調整することができる。その結果、電磁波発生装置を、広帯域幅で設計することができる。
本実施形態において、電磁波発生装置の共振回路2を構成するインダクタ素子23、31、コンデンサ素子32、配線21、22、及び層間絶縁膜(不図示)は、半導体デバイスの標準プロセスであるフォトリオグラフィ技術やエッチング技術等を用いることにより、微細に形成することができる。そのため、横型電界放出電子銃1及び電磁波発生装置を、同一の基板上に、半導体デバイスの標準プロセスを用いて、同時に製造することができる。その結果、横型電界放出電子銃1と一体になった、半導体チップレベルの小型化された電磁波発生装置を実現することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、電磁波発生装置の共振回路2の構成として、図8に示した等価回路からなる共振回路を示したが、図10(A)、(B)に示すような等価回路からなら共振回路であってもよい。ここで、図10(A)は、第1共振回路20の等価回路を示し、図10(B)は、第1共振回路20に、第2共振回路30を並列接続した等価回路を示す。第2共振回路30は、図7に示したのと同様に、インダクタ素子31及びコンデンサ素子32で構成することが好ましい。
また、上記実施形態では、共振回路2として、第1共振回路20に第2共振回路30を並列接続したマルチ共振構造を例示したが、電磁波発生装置に求められる共振周波数の仕様に応じて、第1共振回路20のみで構成してもよい。
また、上記実施形態において、電磁波発生装置として、進行波管を例示したが、これに限定されず、例えば、クライストロン、ジャイロトロン等にも適用することができる。これらの横型電界放出電子銃1と共振回路2とが一体化された電磁波発生装置は、通信分野(5G、6G)への適用が期待される。
1 横型電界放出電子銃
2 共振回路
10 基板
11 絶縁膜
12 エミッタ電極
12T 先端部
13 ゲート電極
14 加速電極
15 コレクタ電極
16 溝部
20 第1共振回路
21 配線
22 接地配線
23 インダクタ素子
24、25 ビア
30 第2共振回路
31 インダクタ素子
32 コンデンサ素子
40 入力ポート
41 出力ポート
50 真空容器

Claims (6)

  1. エミッタ電極と、該エミッタ電極から電子を真空中に放出させるゲート電極とを備えた横型電界放出電子銃であって、
    前記エミッタ電極及び前記ゲート電極は、表面が絶縁性の基板表面に形成された金属膜からなり、
    前記エミッタ電極は、平面視で、先端が先鋭な先端部を有し、
    前記ゲート電極は、平面視で、前記エミッタ電極の先端部を挟んで、一対に配置され、
    前記ゲート電極に電圧を印加することにより、前記エミッタ電極の前記先端部から放出される電子は、前記基板の表面と平行な方向に走行し、
    前記基板は、電子の走行方向に沿って、表面に溝部が形成されている、横型電界放出電子銃。
  2. 前記エミッタ電極及び前記ゲート電極は、絶縁膜を挟んで、複数の金属膜が積層された積層構造を有する、請求項1に記載の横型電界放出電子銃。
  3. 請求項1または2に記載の横型電界放出電子銃と、
    前記横型電界放出電子銃から放出される電子と相互作用して、電磁波を発生させる共振回路と、
    を備えた電磁波発生装置であって、
    前記共振回路は、前記横型電界放出電子銃が形成された基板と同一の基板上に形成されており、
    前記横型電界放出電子銃において、前記基板の表面に形成された溝部は、電子の走行方向に沿って、前記共振回路が形成された基板の表面まで延在しており、
    前記共振回路は、前記溝部に沿って、該溝部に近接して配置されている、電磁波発生装置。
  4. 前記共振回路は、
    前記溝部に沿って形成され、前記横型電界放出電子銃のエミッタ電極及びゲート電極を構成する金属膜と同一の金属膜で構成されたインダクタ素子を含む第1共振回路と、
    前記第1共振回路と並列に接続され、前記基板上に形成されたインダクタ素子及びコンデンサ素子で構成された第2共振回路と
    で構成されている、請求項3に記載の電磁波発生装置。
  5. 前記共振回路は、遅波回路を構成している、請求項3に記載の電磁波発生装置。
  6. 前記基板上に、前記共振回路における前記溝部を走行する電子を補足するコレクタ電極が形成されている、請求項3~5の何れか1項に記載の電磁波発生装置。
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