JP2022189193A - 液化炭酸ガス圧入システムおよび液化炭酸ガス圧入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで液化炭酸ガスを海底に圧入することのできる液化炭酸ガス圧入システムを提供する。【解決手段】液化炭酸ガス圧入システム10は、洋上に係留された浮体12と、浮体12に搭載された、液化炭酸ガスを昇温および昇圧するための昇温昇圧設備18と、液化炭酸ガス輸送船100内の液化炭酸ガス貯蔵タンク20から浮体12の昇温昇圧設備18へ液化炭酸ガスを送るためのローディングホース14と、浮体12に接続された、昇温昇圧設備18によって昇温および昇圧された液化炭酸ガスを海底に送って圧入するためのフレキシブルライザーパイプ16と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、CCS(Carbon Capture and Storage)における液化炭酸ガス(液化CO2)の圧入システムおよび圧入方法に関する。
CCS(二酸化炭素回収・貯留)は、CO2の発生源(例えば石炭火力発電所の燃焼排ガス)からCO2を化学吸収法などで回収し、圧縮・液化して超臨界状態で岩盤などで遮蔽された地下の滞水層(貯留層)に圧入し、貯留するものであり、地球温暖化対策の一つである。
CCSには様々な方式があるが、その一つに液化炭酸ガス輸送・圧入方式がある。この方式では、分雛・回収されたCO2は圧縮・液化され、一旦、液化炭酸ガスの形で陸上のタンクに貯蔵し、タンクから液化炭酸ガス輸送船に積載し、貯留地点まで船舶輸送される。貯留地点で液化炭酸ガスは、液化炭酸ガス輸送船から海底下の滞水層に圧入される(例えば特許文献1参照)。
液化炭酸ガスを貯留層(滞水層)に圧入する際には、周囲の水の凍結防止とCO2ハイドレート形成による閉塞を防止するために、液化炭酸ガス(例えば-10℃/2.289MPa~-50℃/0.684MPa)を所定圧力(10MPa以上)に昇圧後、0℃以上に昇温して圧入が行われる。
液化炭酸ガスを液化炭酸ガス輸送船上で昇温・昇圧して海底に圧入する場合、圧入開始前に高圧の液化炭酸ガスを海底に導くためのフレキシブルライザーパイプを輸送船に引き込んで接続し、圧入完了後に輸送船から外す作業を輸送船の到着毎に行う必要がある。しかしながら、この方法の場合、信頼性と耐久性に優れた特殊な海中システムの製作・海中設置・保守にかかるコストが増大するという課題がある。
本発明は、こうした状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで液化炭酸ガスを海底に圧入することのできる液化炭酸ガス圧入システムおよび液化炭酸ガス圧入方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の液化炭酸ガス圧入システムは、洋上に係留された浮体と、浮体に搭載された、液化炭酸ガスを昇温および昇圧するための昇温昇圧設備と、液化炭酸ガス輸送船内の液化炭酸ガス貯蔵タンクから浮体の昇温昇圧設備へ液化炭酸ガスを送るためのローディングホースと、浮体に接続された、昇温昇圧設備によって昇温および昇圧された液化炭酸ガスを海底に送って圧入するためのフレキシブルライザーパイプと、を備える。本浮体は液化炭酸ガスを貯蔵するタンクを持たず、また、圧入システムは輸送船から遠隔で操作して無人運転する。
本発明の別の態様は、液化炭酸ガス圧入方法である。この方法は、液化炭酸ガス輸送船で洋上に係留された浮体に接近するステップと、液化炭酸ガス輸送船に備えられたギャングウェイを浮体に接続して作業員が液化炭酸ガス輸送船から浮体に乗り移るステップと、ローディングホースによって液化炭酸ガス輸送船内の液化炭酸ガス貯蔵タンクと浮体に搭載された昇温昇圧設備とを接続するステップと、ローディングホースを介して液化炭酸ガス貯蔵タンクから昇温昇圧設備に液化炭酸ガスを送るステップと、昇温昇圧設備によって液化炭酸ガスを昇温および昇圧するステップと、昇温および昇圧された液化炭酸ガスをフレキシブルライザーパイプによって海底に送り、圧入するステップと、を備える。
本発明によれば、低コストで液化炭酸ガスを海底に圧入することのできる液化炭酸ガス圧入システムおよび液化炭酸ガス圧入方法を提供できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。以下の構成は本開示を理解するための例示を目的とするものであり、本開示の範囲は、添付の請求の範囲によってのみ定まる。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、本発明の実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システムが用いられるCCSの概略フローを示す図である。図1は、液化炭酸ガス輸送・圧入方式のCCSを示す。
CCSにおいては、例えば石炭火力発電所の燃焼排ガスなどのCO2発生源から、例えば化学吸収法などを用いてCO2を分離・回収する。その後、圧縮・液化装置101によって回収したCO2を圧縮して液化し、液化炭酸ガスの形で陸上のタンク102に貯蔵する。液化炭酸ガスは、タンク102からローディングアーム103を用いて液化炭酸ガス輸送船100に積載され、海洋110上に係留された浮体12まで船舶輸送される。
液化炭酸ガス輸送船100に積載された液化炭酸ガスは、ローディングホース14によって浮体12に搭載された昇温昇圧設備に送られる。昇温昇圧設備で昇温および昇圧された液化炭酸ガスは、フレキシブルライザーパイプ16を介して海底112に設置された坑口設備104に送られる。液化炭酸ガスは、坑口設備104によって海底下の貯留層114に圧入される。
図2は、本発明の実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10の概略図である。液化炭酸ガス圧入システム10は、海洋110上に係留された浮体12と、浮体12に搭載された昇温昇圧設備18と、液化炭酸ガス輸送船100と浮体12とを接続するローディングホース14と、浮体12に常時接続されたフレキシブルライザーパイプ16と、液化炭酸ガス輸送船100と浮体12との間に架けられたギャングウェイ24と、を備える。
液化炭酸ガス輸送船100は、液化炭酸ガス貯蔵タンク20と、ギャングウェイ24とを備える。液化炭酸ガス貯蔵タンク20は、液化炭酸ガス(液化CO2)を貯蔵する。液化炭酸ガスの温度は例えば-10℃~-50℃であってよく、液化炭酸ガスの圧力は例えば2.289MPa~0.684MPaであってよい
ギャングウェイ24は、液化炭酸ガス輸送船100と浮体12との間で作業員の往来を可能とするための可動式連絡橋(テレスコピックギャングウェイ)であり、移動、上昇、下降、伸縮機能を有する。ギャングウェイ24は、液化炭酸ガス輸送船100に設置されている。ギャングウェイ24は、液化炭酸ガス輸送船100が浮体12に接近した際に、液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に架け渡される。
浮体12は、アドバンストスパー(SPAR(円筒))型の簡易浮体型洋上基地である。アドバンストスパー型の浮体は、小型且つ低動揺という特徴がある。浮体12は、海上に位置するアッパーハル部30と、海中に位置するロワーハル部32と、アッパーハル部30とロワーハル部32とを接続するコラム部34とを備える。アドバンストスパー型浮体は、アッパーハル部30とロワーハル部32が波の圧力を打ち消しあうことで動揺を低減している。また、アドバンストスパー型浮体は、通常のスパー型浮体と比較して喫水が小さいため、直立状態での建造・輸送と、比較的浅い水深での設置が可能である。
図2に示すように、ロワーハル部32には、海底から延びる係留索36が接続されている。アッパーハル部30の上部にはターンテーブル38が設けられており、ターンテーブル38上にはローディングホースリール40および係留ホーサーウィンチ42が設置されている。
浮体12のアッパーハル部30には、昇温昇圧設備18および昇温昇圧設備18に動力を供給する発電設備19が設けられている。昇温昇圧設備18は、ローディングホース14を介して受け取った液化炭酸ガス(例えば-10℃/2.289MPa~-50℃/0.684MPa)を海底の貯留層114(図1参照)に圧入するための昇圧、および貯留層114に液化炭酸ガスが圧入されたとき、周囲の水の凍結とCO2ハイドレート形成による閉塞を防止するための昇温を行う設備である。
ここで、CCSにおける液化炭酸ガスの圧入条件について説明する。
(1)圧入圧力
圧入圧力は、貯留層114の深さ、浸透率などにより異なるが、一般的には圧入地点の「Static Head+3MPa~遮蔽層の破壊圧力」で示される。海底の貯留層114でのCCSの場合、圧入深度、液化炭酸ガスの密度、坑井での圧力損失を考慮すると、海底の坑口設備104(図1参照)で10MPa~20MPa程度が好適な圧入圧力となる。
(2)圧入温度
液化炭酸ガスが貯留層114に圧入されたとき、周囲の水の凍結防止(0℃以上)とCO2ハイドレート形成(5℃以下)による閉塞を防止するために昇温して圧入をする必要がある。過去のCCSの実例において0℃で圧入時にCO2ハイドレート形成による閉塞が起きていないことを考慮すると、液化炭酸ガスの圧入温度は0℃以上が好適である。
(1)圧入圧力
圧入圧力は、貯留層114の深さ、浸透率などにより異なるが、一般的には圧入地点の「Static Head+3MPa~遮蔽層の破壊圧力」で示される。海底の貯留層114でのCCSの場合、圧入深度、液化炭酸ガスの密度、坑井での圧力損失を考慮すると、海底の坑口設備104(図1参照)で10MPa~20MPa程度が好適な圧入圧力となる。
(2)圧入温度
液化炭酸ガスが貯留層114に圧入されたとき、周囲の水の凍結防止(0℃以上)とCO2ハイドレート形成(5℃以下)による閉塞を防止するために昇温して圧入をする必要がある。過去のCCSの実例において0℃で圧入時にCO2ハイドレート形成による閉塞が起きていないことを考慮すると、液化炭酸ガスの圧入温度は0℃以上が好適である。
ローディングホース14は、液化炭酸ガス輸送船100内の液化炭酸ガス貯蔵タンク20に貯蔵された液化炭酸ガス22を、浮体12の昇温昇圧設備18へ送るためのホースである。ローディングホース14により、液化炭酸ガス貯蔵タンク20と昇温昇圧設備18とが接続される。液化炭酸ガス貯蔵タンク20と昇温昇圧設備18との間には、ローディングホース14以外のホースが介在してもよい。液化炭酸ガス22の移送は、カーゴポンプ21を用いて行われる。昇温昇圧設備18の手前に、液化炭酸ガス貯蔵タンク20からの液化炭酸ガス22を一時的に収容するためのドラム(図示せず)が配置されてもよい。
昇温昇圧設備18によって昇温および昇圧された液化炭酸ガスは、フレキシブルライザーパイプ16を介して海底の坑口設備104に送られ、貯留層114に圧入される。フレキシブルライザーパイプ16の一方の端部は、浮体12のアッパーハル部30に常時接続され、フレキシブルライザーパイプ16の他方の端部は、海底の坑口設備104に接続されている(図1参照)。なお、図2では1つのフレキシブルライザーパイプ16が図示されているが、図1に示すように複数のフレキシブルライザーパイプ16が配置されてもよい。
次に、液化炭酸ガス圧入システム10を用いた液化炭酸ガスの圧入方法について説明する。
まず、液化炭酸ガス輸送船100で洋上に係留された浮体12に接近する。そして、係留ホーサー44を用いて液化炭酸ガス輸送船100を浮体12から30m程度の位置まで接近させる。
次に、液化炭酸ガス輸送船100に備えられたギャングウェイ24を浮体12に接続する。作業員は、ギャングウェイ経由で液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に移動する。
次に、浮体12のローディングホースリール40に巻かれたローディングホース14を繰り出し、液化炭酸ガス輸送船100に備えられたバウローディングシステム48に接続する。これにより、液化炭酸ガス輸送船100内の液化炭酸ガス貯蔵タンク20と浮体12に搭載された昇温昇圧設備18とが接続される。
浮体12に移動した作業員は、浮体12の発電設備19と昇温昇圧設備18を起動する。ローディングホース14を介して液化炭酸ガス貯蔵タンク20から昇温昇圧設備18に液化炭酸ガスを送る。昇温昇圧設備18は、受け入れた液化炭酸ガスの昇温(約0℃)および昇圧(約10MPaG)を行う。昇温昇圧設備18によって昇温および昇圧された液化炭酸ガスを、フレキシブルライザーパイプ16によって海底に送り、貯留層114への圧入を開始する。
液化炭酸ガスの圧入が開始された後、作業員はギャングウェイ24を使って液化炭酸ガス輸送船100に戻る。浮体12は無人となる。作業員が液化炭酸ガス輸送船100に戻った後、ギャングウェイ24を浮体12から離す。そして、液化炭酸ガス輸送船100を浮体12から離れた位置に移動させる。液化炭酸ガス輸送船100は、係留ホーサー44によって浮体12から約100m~120m離れた位置に係船される。
その後、液化炭酸ガスの定常圧入運転に入る。液化炭酸ガス輸送船100の液化炭酸ガス貯蔵タンク20に貯蔵された液化炭酸ガス22の海底圧入が完了するまで、浮体12の発電設備19および昇温昇圧設備18は無人運転とし、液化炭酸ガス輸送船100から遠隔で監視・操作する。
一定時間(8~12時間)毎に、作業員により浮体12の設備、機器、器具等の運転状況の点検を行う。点検の際には、液化炭酸ガス輸送船100を浮体に近づけ、ギャングウェイ24を浮体12に接続し、作業員が液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に移動して点検作業を行う。点検作業終了後に作業員は浮体12から液化炭酸ガス輸送船100に戻る。その後、ギャングウェイ24を浮体12から離し、液化炭酸ガス輸送船100を浮体12から離れた位置に移動させ、係船する。浮体12の設備等に故障が発生したときも同様である。
液化炭酸ガス貯蔵タンク20に貯蔵された液化炭酸ガス22の全量の海底圧入が完了した後、離脱作業を開始する。液化炭酸ガス輸送船100を浮体に近づけ、ギャングウェイ24を浮体12に接続し、作業員が液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に移動して発電設備19および昇温昇圧設備18を停止させ、液化炭酸ガスの圧入を停止する。その後、ローディングホース14を液化炭酸ガス輸送船100から切り離し、浮体12のターンテーブル38上のローディングホースリール40で巻き取る。作業員が液化炭酸ガス輸送船100に戻った後、ギャングウェイ24を浮体12から離す。係留ホーサー44を液化炭酸ガス輸送船100から切り離した後、液化炭酸ガス輸送船100は推進装置を使って浮体12から離脱する。係留ホーサー44は、次の液化炭酸ガス輸送船100が来るまで海上に浮遊させておく。
以上、本発明の実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10について説明した。本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、液化炭酸ガス輸送船100の液化炭酸ガス貯蔵タンク20から浮体12の昇温昇圧設備18に直接液化炭酸ガスを供給しているので、浮体12に液化炭酸ガスを貯蔵するためのタンクを設ける必要がない。言い換えると、液化炭酸ガス輸送船100に本来備わっている液化炭酸ガス貯蔵タンク20を、貯蔵タンクとして流用している。そのため、浮体12の小型化を図ることができるとともに、浮体12の建設コストを大幅に低減することができる。
本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、浮体12の小型化が可能なことから、アドバンストスパー型浮体を採用している。アドバンストスパー型浮体は、波浪中でも揺れにくいという特徴を有するため、洋上波浪のもとでも昇温昇圧設備18の運転を止めることなく、安定して運転を継続することができる。また、アドバンストスパー型浮体は波浪中でも低動揺であることから、フレキシブルライザーパイプ16と浮体12との接続部にかかる負荷荷重が低減される。その結果、フレキシブルライザーパイプ16の耐用年数を増やすことができる。
また、本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、作業員は昇温昇圧設備18の起動時などの必要なときにだけギャングウェイ24を使って液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に移動して作業を行うので、浮体12に常駐する必要がなく、浮体12の無人化が可能である。定常圧入運転に入った後は、液化炭酸ガス輸送船100から遠隔で浮体12の設備を監視・操作する。その結果、作業員が常駐するための設備(居住設備等)を浮体12に設ける必要がなく、浮体12の建設コストを低減できる。また、浮体12への常駐が不要となることにより人件費の削減が可能となるため、さらなる低コスト化が可能である。動揺吸収型のギャングウェイ設備は、洋上波浪のもとでも作業員の移動を支障なく行うことを可能とする。
また、本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、液化炭酸ガス輸送船100から浮体12への作業員の移動にギャングウェイ24を使用している。小型船による作業員の移動に比べ高波高下での乗り移りが可能となるため、ローディングホースの接続作業の効率化、圧入作業工程全体の稼働率向上が図れる。また、作業員が長期間浮体に取り残されるリスクも低減できるため、安全性を向上することができる。
また、本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、浮体12に昇温昇圧設備18を搭載しているため、液化炭酸ガス輸送船100から浮体12に移送する際の液化炭酸ガスの圧力を低圧(例えば0.684MPa~2.289MPa)にすることができる。これにより、高圧管の着脱作業が不要となるため、作業性を向上することができる。また、浮体12に昇温昇圧設備18を搭載したことにより、液化炭酸ガス輸送船100に昇温昇圧設備を搭載する必要がなくなるため、液化炭酸ガス輸送船100の建造コストを大幅に低減できる。
また、本実施形態に係る液化炭酸ガス圧入システム10では、高圧管であるフレキシブルライザーパイプ16が浮体12に常時接続されている。そのため、液化炭酸ガスの海底圧入作業開始時や作業終了時にフレキシブルライザーパイプ16を着脱する必要がなく、また輸送船と海底を結ぶ特殊で高価な海中システムが不要となり、作業効率を向上できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、上述の実施形態では、浮体としてアドパンストスパー型の浮体を採用したが、浮体はアドバンストスパー型に限定されず、通常のスパー型浮体であってもよい。
10 液化炭酸ガス圧入システム、 12 浮体、 14 ローディングホース、 16 フレキシブルライザーパイプ、 18 昇温昇圧設備、 19 発電設備、 20 液化炭酸ガス貯蔵タンク、 21 カーゴポンプ、 22 液化炭酸ガス、 24 ギャングウェイ、 30 アッパーハル部、 32 ロワーハル部、 34 コラム部、 36 係留索、 38 ターンテーブル、 40 ローディングホースリール、 42 係留ホーサーウィンチ、 44 係留ホーサー、 48 バウローディングシステム、 100 液化炭酸ガス輸送船、 101 圧縮・液化装置、 102 タンク、 103 ローディングアーム、 104 坑口設備。
Claims (6)
- 洋上に係留された浮体と、
前記浮体に搭載された、液化炭酸ガスを昇温および昇圧するための昇温昇圧設備と、
液化炭酸ガス輸送船内の液化炭酸ガス貯蔵タンクから前記浮体の前記昇温昇圧設備へ液化炭酸ガスを送るためのローディングホースと、
前記浮体に接続された、前記昇温昇圧設備によって昇温および昇圧された液化炭酸ガスを海底に送って圧入するためのフレキシブルライザーパイプと、
を備えることを特徴とする液化炭酸ガス圧入システム。 - 前記浮体はアドバンストスパー型浮体であり、液化炭酸ガスの貯蔵タンクを持たないことを特徴とする請求項1に記載の液化炭酸ガス圧入システム。
- 前記浮体に装備された前記昇温昇圧設備は、前記液化炭酸ガス輸送船からの遠隔操作により無人運転され、前記浮体には作業員用の居住設備が装備されないことを特徴とする請求項1または2に記載の液化炭酸ガス圧入システム。
- 前記液化炭酸ガス輸送船と前記浮体との間で作業員の往来を可能とするギャングウェイをさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液化炭酸ガス圧入システム。
- 前記フレキシブルライザーパイプは、前記浮体に常時接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液化炭酸ガス圧入システム。
- 液化炭酸ガス輸送船で洋上に係留された浮体に接近するステップと、
前記液化炭酸ガス輸送船に備えられたギャングウェイを前記浮体に接続して作業員が液化炭酸ガス輸送船から浮体に乗り移るステップと、
ローディングホースによって前記液化炭酸ガス輸送船内の液化炭酸ガス貯蔵タンクと前記浮体に搭載された昇温昇圧設備とを接続するステップと、
前記ローディングホースを介して前記液化炭酸ガス貯蔵タンクから前記昇温昇圧設備に液化炭酸ガスを送るステップと、
前記昇温昇圧設備によって液化炭酸ガスを昇温および昇圧するステップと、
昇温および昇圧された液化炭酸ガスをフレキシブルライザーパイプによって海底に送り、圧入するステップと、
を備えることを特徴とする液化炭酸ガス圧入方法。
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