JP2022188801A - 直列接続電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】各電源ユニットの電流変動率を一定の範囲内に制御できる直列接続電源システムを提供する。【解決手段】コントロールモジュールCMは、パワーモジュールが定電流制御モードで出力起動したときから所定時間経過時に、パワーモジュールPM(x)(xは1~n)毎に次の(A)、(B)の演算制御を行い、(A)パワーモジュールPM(x)の前記電流検出値Idetを取得し、下記の式(1)で電流検出値補正比率αを求める。α=Idet(AV)/Idet―――(1)ただし、Io(AV)は、各パワーモジュールの電流検出値Idetの平均電流値(B)前記電流検出値補正比率αをパワーモジュールPM(x)に送る。パワーモジュールPM(x)は、コントロールモジュールCMから送られてきた前記電流検出値補正比率αにより、前記電流検出値Idetを補正する。【選択図】図7
Description
本発明は、複数の電源ユニットを直列に接続して構成される直列接続電源システムに関する。
直列接続電源システムは、複数の電源ユニットを直列接続することにより、負荷へ印加する電圧を単独の電源ユニットの出力電圧以上にするシステムである。
図1は、4台のパワーモジュール(電源ユニット)PM1~PM4を直列接続した直列接続電源システムを示す。4台のパワーモジュールPM1~PM4が直列接続されている直列接続電源システムでは、負荷Lに対して各パワーモジュールの出力電圧Voの最大4倍の出力端電圧VLを印加できる。各パワーモジュールはコントロールモジュール(制御ユニット)CMで制御される。このような直列接続電源システムでは、定電流制御を行っているときの出力端電圧VLは負荷の大きさに応じて変化するが、出力端電圧VLの大きさに応じた出力電流Ioの変化率(電流変動率)は一定の範囲内にあることが必要である。
そこで、従来の直列接続電源システムでは、各パワーモジュール間を接続する通信ラインを設け、各パワーモジュールが通信ラインによって全てのパワーモジュールの制御状況を把握可能とするようにしている(特許文献1)。この直列接続電源システムでは、各パワーモジュールが、他のパワーモジュールの制御状況に応じて自らの制御を調整する。これにより、システムの電流変動率を安定化させている。また、コントロールモジュール(制御ユニット)CMで各パワーモジュールの制御状況を常時監視し、各パワーモジュールの制御を常時微調整することでシステムの電流変動率を安定化する方法も可能である。
しかし、各パワーモジュールを通信ラインで接続する構成では、通信ラインを設けることで配線がその分煩雑となり、また、各パワーモジュールでは他のパワーモジュールの制御状況を監視しながら自らの制御の微調整を常時行うために制御が複雑化する問題がある。また、コントロールモジュールCMで各パワーモジュールの制御状況を監視して各パワーモジュールの微調整を常時行う方法も、同様に制御が複雑化する問題がある。
本発明の目的は、複雑な制御をしなくても、各パワーモジュール(電源ユニット)の電流変動率を一定の範囲内に制御できる直列接続電源システムを提供することにある。
本発明の直列接続電源システムは、
直列接続したn台の電源ユニットとこれらの各電源ユニットを制御する制御ユニットとを備える直列接続電源システムにおいて、
前記各電源ユニットは、
出力電流を検出する出力電流検出器と、
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記出力電流検出器で検出した電流検出値Idetと前記出力電圧検出器で検出した電圧検出値Vdetがフィードバックされ、前記電流検出値Idetが前記制御ユニットにより設定された電流設定値となるように前記出力電流を制御する定電流制御モードを備える制御部とを備え、
前記制御ユニットは、前記定電流制御モードで出力起動したときから所定時間経過時に、前記各電源ユニット(x)(xは1~n)毎に次の(A)、(B)の演算制御を行い、
(A)電源ユニット(x)の前記電流検出値Idetを取得し、下記の式(1)で電流検出値補正比率αを求める。
直列接続したn台の電源ユニットとこれらの各電源ユニットを制御する制御ユニットとを備える直列接続電源システムにおいて、
前記各電源ユニットは、
出力電流を検出する出力電流検出器と、
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記出力電流検出器で検出した電流検出値Idetと前記出力電圧検出器で検出した電圧検出値Vdetがフィードバックされ、前記電流検出値Idetが前記制御ユニットにより設定された電流設定値となるように前記出力電流を制御する定電流制御モードを備える制御部とを備え、
前記制御ユニットは、前記定電流制御モードで出力起動したときから所定時間経過時に、前記各電源ユニット(x)(xは1~n)毎に次の(A)、(B)の演算制御を行い、
(A)電源ユニット(x)の前記電流検出値Idetを取得し、下記の式(1)で電流検出値補正比率αを求める。
α=Io(AV)/Idet―――(1)
ただし、
Io(AV)は、前記各電源ユニットの電流検出値Idetの平均電流値
(B)前記電流検出値補正比率αを電源ユニット(x)に送る。
ただし、
Io(AV)は、前記各電源ユニットの電流検出値Idetの平均電流値
(B)前記電流検出値補正比率αを電源ユニット(x)に送る。
前記各電源ユニット(x)は、前記制御ユニットから送られてきた前記電流検出値補正比率αにより、前記電流検出値Idetを補正する、
直列接続電源システム。
直列接続電源システム。
本発明は、n台の電源ユニットを直列接続した直列接続電源システムの定電流制御モード時において、
制御ユニットは、上記(A)において、出力電流検出器の検出誤差がどの程度かを知り、これを補正する電流検出値補正比率αを求める。そして、上記(B)において、電流検出値補正比率αを該当の電源ユニットに送る。電源ユニットでは、前記電流検出値補正比率αにより、電流検出値Idetを補正する。
制御ユニットは、上記(A)において、出力電流検出器の検出誤差がどの程度かを知り、これを補正する電流検出値補正比率αを求める。そして、上記(B)において、電流検出値補正比率αを該当の電源ユニットに送る。電源ユニットでは、前記電流検出値補正比率αにより、電流検出値Idetを補正する。
これにより、各電源ユニットの出力電流検出器の検出誤差により生じる、制御部のフィードバック系の電流制御精度が改善される。
また、本発明は、
前記制御ユニットは、出力起動毎の前記所定時間経過時に前記(A)、(B)の演算制御を行い、今回の出力起動後の前記所定時間経過時に式(1)で求めた電流検出値補正比率αを、下記の式(2)で補正して、電流検出値補正比率α´(今回)を求め、電流検出値補正比率α´(今回)を電源ユニット(x)に送る。
前記制御ユニットは、出力起動毎の前記所定時間経過時に前記(A)、(B)の演算制御を行い、今回の出力起動後の前記所定時間経過時に式(1)で求めた電流検出値補正比率αを、下記の式(2)で補正して、電流検出値補正比率α´(今回)を求め、電流検出値補正比率α´(今回)を電源ユニット(x)に送る。
電流検出値補正比率α´(今回)=電流検出値補正比率α(前回)×電流検出値補正比率α―――(2)
ただし、電流検出値補正比率α´(今回)は、今回起動後において補正した電流検出値補正比率αであり、電流検出値補正比率α(前回)は、前回起動後において補正した電流検出値補正比率α
制御ユニットでは、出力起動毎に前記(A)、(B)の演算制御が行われ、電流検出値補正比率αが求められるが、その後は、そのαで補正された電流検出値Idetにより定電流制御が行われる。ここで、次回の出力起動後にこの電流検出値補正比率αにより上記(A)の演算制御が行われると、その時の電流検出値Idetは、前回の電流検出値補正比率αによって補正されたものとなっている。そこで、今回の電流検出値補正比率(α)は以下の式(2)で求める。
ただし、電流検出値補正比率α´(今回)は、今回起動後において補正した電流検出値補正比率αであり、電流検出値補正比率α(前回)は、前回起動後において補正した電流検出値補正比率α
制御ユニットでは、出力起動毎に前記(A)、(B)の演算制御が行われ、電流検出値補正比率αが求められるが、その後は、そのαで補正された電流検出値Idetにより定電流制御が行われる。ここで、次回の出力起動後にこの電流検出値補正比率αにより上記(A)の演算制御が行われると、その時の電流検出値Idetは、前回の電流検出値補正比率αによって補正されたものとなっている。そこで、今回の電流検出値補正比率(α)は以下の式(2)で求める。
電流検出値補正比率α´(今回)=電流検出値補正比率α(前回)×電流検出値補正比率α―――(2)
例えば、電流検出値補正比率α(前回)=99%で、今回の電流検出値補正比率α=99%であったとすると、
電流検出値補正比率α´(今回)=99%×99%=98%である。
例えば、電流検出値補正比率α(前回)=99%で、今回の電流検出値補正比率α=99%であったとすると、
電流検出値補正比率α´(今回)=99%×99%=98%である。
また、本発明は、
前記制御ユニットは、前記所定時に、次の(C)の演算制御を行う。
前記制御ユニットは、前記所定時に、次の(C)の演算制御を行う。
(C)各電源ユニットの前記電流検出値Idetの最大値と最小値の絶対値誤差が所定値以下であると前記(A)、(B)の演算制御を行わない。
したがって、各電源ユニット同士の電流制御誤差がそれほど大きくない場合は、上記(A)、(B)の演算制御を行わない。この場合は、上記演算制御を行わなくても、直列接続電源システム全体の電流制御精度に大きな影響はないからである。
本発明では、定電流制御モードにおいて、定電流制御モードで出力起動したときから所定時間経過時に、電流検出値Idetを補正するための電流検出値補正比率αを各電源ユニット毎に求める。各電源ユニットでは、電流検出値Idetをこの電流検出値補正比率αによって補正することで、出力電流検出器の検出誤差を補償する。これにより、複雑な制御をしなくても各電源ユニットの電流変動率を一定の範囲内に制御できる。
図2は、本発明の実施形態の直列接続電源システムの構成図を示す。
本実施形態の直列接続電源システムは、4台の電源ユニット(以下パワーモジュールと称する)PM1~PM4と、各パワーモジュールPM1~PM4に接続される制御ユニット(以下、コントロールモジュールと称する)CMとで構成される。4台のパワーモジュールPM1~PM4の出力端子は直列接続され、定電流制御モードで負荷Lに出力電流Ioを供給する。
上記構成において、パワーモジュールPM1~PM4は、コントロールモジュールCMと通信ラインで接続され、相互でデータのやり取りをする。コントロールモジュールCMは、パワーモジュールPM1~PM4に対して、定電流制御か定電圧制御の区別、出力電流の設定値、出力電圧の設定値を送る。パワーモジュールPM1~PM4は、定電流制御の場合は、出力電流の設定値を定電流指令値(目標値)とし、出力電圧の設定値を出力電圧のリミット値(これを超えると定電圧制御となる)とする。
また、後述のように、コントロールモジュールCMは、パワーモジュールPM1~PM4に対して、出力起動したときから所定時間経過時に電流検出値補正比率αを演算して送る。パワーモジュールPM1~PM4は、コントロールモジュールCMに対して電流検出値Idet、電圧検出値Vdetを常時送る。
図2において、パワーモジュールPM1~PM4は、電流検出値Idetが実際の出力電流Ioと誤差があることを示している。図の例では、パワーモジュールPM1は(-1.0%)、パワーモジュールPM2は(0.0%)、パワーモジュールPM3は(+0.5%)、パワーモジュールPM4は(+1.0%)の誤差がある。したがって、出力電流Ioが500Aで定電流制御されている時には、パワーモジュールPM1では、電流検出値Idetが495Aであり、パワーモジュールPM2では、電流検出値Idetが500Aであり、パワーモジュールPM3では、電流検出値Idetが502.5Aであり、パワーモジュールPM4では、電流検出値Idetが505Aである。
上記の誤差は、実際には、出力配線による損失や電圧ドロップによる誤差も含まれるが、電流検出器の検出誤差が最も大きく影響する。
図3は、パワーモジュールPM1~PM4の出力側の概略構成図である。
DC―DCコンバータ1の出力電流は、シャント抵抗やホールCT等からなる電流検出器2で電流検出値Idetとして検出され、制御部3にフィードバックされる。また、DC―DCコンバータ1の出力電圧は、電圧検出器4で電圧検出値Vdetとして検出され、制御部3にフィードバックされる。制御部3は、電流検出値Idetに基づいて定電流制御、電圧検出値Vdetに基づいて定電圧制御を行う。また、制御部3は、電流検出値Idetと電圧検出値VdetをコントロールモジュールCMに対して送る。
今、パワーモジュールPM1~PM4を備える直列接続電源システムにおいて、出力電流が500Aに設定され出力端電圧VLが6V~60Vとなる負荷Lが接続されているものする。パワーモジュールPM1~PM4が直列接続されているため、負荷Lに印加する全体の出力端電圧VLは6V~60Vの間で変化する。このとき、直列接続電源システムの電流変動率は、負荷Lの変動を起因として出力端電圧VLが100%~10%で変化したときの電流の変動率として求められる。しかし、この電流変動率が大きいと(例えば2.0%以上)、任意の出力端電圧VLで高精度な定電流制御が出来ない。
たとえば、本システムの電流定格値が500Aである場合、出力端電圧VLが60Vのときの出力電流Ioが505.0Aで、出力端電圧VLが6Vのときの出力電流Ioが495.0Aであったとすると、電流変動率は、
電流変動率=(505-495)/500×100=2.0%
となり、電流変動率が大きいことから負荷の変動に応じて高精度な定電流制御が困難である。
電流変動率=(505-495)/500×100=2.0%
となり、電流変動率が大きいことから負荷の変動に応じて高精度な定電流制御が困難である。
上記電流変動率は、パワーモジュールPM1~PM4のそれぞれの電流制御精度に依存し、その電流制御精度はパワーモジュールPM1~PM4の電流検出器2(シャント抵抗やホールIC等で構成される)の誤差に大きく依存する。
そこで、本実施形態では、コントロールモジュールCMは、パワーモジュールPM1~PM4毎に電流検出器2の電流検出値Idetに基づいて、後述の演算により、パワーモジュールPM1~PM4毎に電流検出値補正比率αを求める。そして、これをそれぞれのパワーモジュールPM1~PM4に送る。この制御は、パワーモジュールPM1~PM4を出力起動したときから所定時間経過時に一度だけ行う。その後、パワーモジュールPM1~PM4では、電流検出値補正比率αにより、電流検出値Idetを補正する。
このような制御を行うことで、パワーモジュールPM1~PM4のそれぞれにおいて、電流検出器2の誤差が補償され、電流検出値Idetが出力電流Ioに等しくなる。この誤差の補償は出力電圧Voの大きさに無関係であるため、出力電圧Voが変化しても常に正しく行われる。
以下、理解を容易にするため、まず、電流検出値補正比率αによる補正をしない場合のパワーモジュールPM1~PM4の挙動について説明する。なお、コントロールモジュールCMでは、パワーモジュールPM1~PM4が定電流制御を行うように設定しているものとする。
今、仮に、パワーモジュールPM1~PM4の電流検出器2の誤差をPM1(-1.0%)<PM2(0.0%)<PM3(+0.5%)<PM4(+1.0%)とする。電流設定値(指令値)は500Aで、電圧設定値(電圧リミット値)は出力端電圧VL(60V)の102%相当(61.2V)を4等分した15.3Vとする。
(出力端電圧VLが15.3V以下の低い時)
PM1の電流検出値Idetが500Aのときは、誤差が(-1.0%)のため、実際の電流値は495Aである。このとき、電流検出器2の誤差がPM1<PM2<PM3<PM4であるから、PM2~4の電流検出値Idetは500A以上となる。このため、PM1が定電流制御モードとなり、PM2~4は出力電流を減らすように制御する。これにより、PM1の定電流制御が支配的となる。PM2~PM4は、実際の電流値495Aを各電流検出器で検出した値で動作するが、出力することはない。
PM1の電流検出値Idetが500Aのときは、誤差が(-1.0%)のため、実際の電流値は495Aである。このとき、電流検出器2の誤差がPM1<PM2<PM3<PM4であるから、PM2~4の電流検出値Idetは500A以上となる。このため、PM1が定電流制御モードとなり、PM2~4は出力電流を減らすように制御する。これにより、PM1の定電流制御が支配的となる。PM2~PM4は、実際の電流値495Aを各電流検出器で検出した値で動作するが、出力することはない。
システムの出力端電圧VLはPM1の出力電圧Vo1にほぼ等しい。各PMは次の状態である。なお、厳密には出力停止状態のPMでは出力電流Ioが二次側整流ダイオード(図5のDC―DCコンバータ1参照)に流れるためにこの部分でドロップ電圧が生じる。このドロップ電圧があるため、出力端電圧VLはPM1の出力電圧Vo1に完全には一致しない。
PM1:定電流制御モード。
PM2:実際の電流値の495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM3:実際の電流値の495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM4:実際の電流値は495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM2:実際の電流値の495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM3:実際の電流値の495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM4:実際の電流値は495Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
この状態でのPM2、PM3、PM4の電流検出値Idetは、例えば、PM2:505A(+1%)、PM3:507.5A(+1.5%)、PM4:510A(+2%)となる。
(出力端電圧VLが15.3V以上に上昇した時)
PM1の出力電圧Vo1は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM1は定電圧制御モードとなる。
PM1の出力電圧Vo1は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM1は定電圧制御モードとなる。
PM1が定電圧制御モードとなるため不足する電圧を他のPMでカバーすることになるが、このとき、電流検出器2の誤差がPM2<PM3<PM4であるため、PM2が定電流制御モードとなって不足電圧を出力する。PM2の電流検出値Idetが500A(実際の電流値は500A)であるとすると、PM3~4は出力電流を減らすように制御する。これにより、PM2の定電流制御が支配的となる。PM3~PM4は、実際の電流値500Aを各電流検出器で検出した値で動作するが、出力することはない。
システムの出力端電圧VLはPM1の出力電圧Vo1とPM2の出力電圧Vo2の和にほぼ等しい。このときの各PMは次の状態である。
PM1:定電圧制御モード。
PM2:定電流制御モード。
PM3:実際の電流値の500Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM4:実際の電流値は500Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM2:定電流制御モード。
PM3:実際の電流値の500Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM4:実際の電流値は500Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
この状態でのPM1、PM3、PM4の電流検出値Idetは、PM1:495A(-1%)、PM3:502.5A(+0.5%)、PM4:505A(+1%)となる。
(出力端電圧VLがさらに上昇した時)
PM2の出力電圧Vo2は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM2は定電圧制御モードとなる。
PM2の出力電圧Vo2は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM2は定電圧制御モードとなる。
PM1が既に定電圧制御モードであって、続いてPM2が定電圧制御モードとなるため、不足する電圧を他のPMでカバーすることになるが、このとき、電流検出器2の誤差がPM3<PM4であるため、PM3が定電流制御モードとなって不足電圧を出力する。PM3の電流検出値Idetが500A(実際の電流値は502.5A)であるとすると、PM4は出力電流を減らすように制御する。これにより、PM3の定電流制御が支配的となる。PM4は、実際の電流値502.5Aを電流検出器2で検出した値で動作するが、出力することはない。
システムの出力端電圧VLはPM1~PM3の各出力電圧Vo1~Vo3の和にほぼ等しい。このときの各PMは次の状態である。
PM1:定電圧制御モード。
PM2:定電圧制御モード。
PM3:定電流制御モード。
PM4:実際の電流値は502.5Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
PM2:定電圧制御モード。
PM3:定電流制御モード。
PM4:実際の電流値は502.5Aを電流検出器2で検出した値で動作する。出力停止状態。
この状態でのPM1、PM2、PM4の電流検出値Idetは、PM1:492.5A(-1.5%)、PM2:497.5A(-1%)、PM4:502.5A(+0.5%)となる。
(出力端電圧VLがさらに上昇した時)
PM3の出力電圧Vo3は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM3は定電圧制御モードとなる。
PM3の出力電圧Vo3は、電圧リミット値(15.3V:15Vの102%)になるまで上昇する。このときから、PM3は定電圧制御モードとなる。
PM1、PM2が既に定電圧制御モードであって、続いてPM3が定電圧制御モードとなるため、不足する電圧をPM4でカバーすることになり、PM4が定電流制御モードとなって不足電圧を出力する。PM4の電流検出値Idetが500A(実際の電流値は505A)であるとすると、PM4の定電流制御が支配的となる。
システムの出力端電圧VLはPM1~PM4の各出力電圧Vo1~Vo4の和に等しい。このときの各PMは次の状態である。
PM1:定電圧制御モード。
PM2:定電圧制御モード。
PM3:定電圧制御モード。
PM4:定電流制御モード。
この状態でのPM1、PM2、PM3の電流検出値Idetは、PM1:490A(-2%)、PM2:495A(-1%)、PM3:497.5A(-0.5%)となる。
PM2:定電圧制御モード。
PM3:定電圧制御モード。
PM4:定電流制御モード。
この状態でのPM1、PM2、PM3の電流検出値Idetは、PM1:490A(-2%)、PM2:495A(-1%)、PM3:497.5A(-0.5%)となる。
図4は、電流検出器2の誤差がPM1(-1.0%)、PM2(0.0%)、PM3(+0.5%)、PM4(+1.0%)であるときの、出力端電圧VLの変動に対する電流変動率を示している。出力端電圧VLが15.3VまではPM1で定電流制御が行われ、出力端電圧VLが15.3V~30.6VまではPM2で定電流制御が行われ、出力端電圧VLが30.6V~45.9VまではPM3で定電流制御が行われ、出力端電圧VLが45.9V~61.2VまではPM4で定電流制御が行われる。定電流制御で動作するPMは、PM1→PM2→PM3→PM4と変化していき、電流変動率は徐々に大きくなり、最終的に2%である。
このように、上記の例では、出力端電圧VLが低い時からVL=60Vに上昇するまでの期間において、電流変動率が1%~2%の大きさであり十分に低い値ではない。
本実施形態では、以下の説明のように、電流検出値補正比率αによりPM1~PM4の電流検出器2の誤差を補償し電流検出値Idetを補正する。これにより、出力端電圧VLが低い時からVL=60Vの間で電流変動率を十分に低い値となるように制御する。
図5は、本発明の実施形態のパワーモジュールPM1の構成図である。他のパワーモジュールPM2~PM4も同じ構成である。
パワーモジュールPM1は、電源5からの入力電流を整流する整流部6と、整流部
6の整流出力を入力とするDC―DCコンバータ1と、DC―DCコンバータ1の出力をフィードバックしてDC―DCコンバータ1のスイッチングを制御する制御部3と、出力電流検出器2と、出力電圧検出器4とを備える。パワーモジュールPM1とコントロールモジュールCM間には双方向で制御信号TC1を送受信するための通信ラインが接続されている。
6の整流出力を入力とするDC―DCコンバータ1と、DC―DCコンバータ1の出力をフィードバックしてDC―DCコンバータ1のスイッチングを制御する制御部3と、出力電流検出器2と、出力電圧検出器4とを備える。パワーモジュールPM1とコントロールモジュールCM間には双方向で制御信号TC1を送受信するための通信ラインが接続されている。
制御信号TC1は、コントロールモジュールCMからパワーモジュールPM1に対して送信する、電流設定値と電圧設定値と後述の電流検出値補正比率αを含む。定電流制御が設定されているときは、電流設定値は電流指令値、電圧設定値は電圧リミット値となる。また、制御信号TC1は、パワーモジュールPM1からコントロールモジュールCMに対して送信する、出力電流検出器2の電流検出値Idetと出力電圧検出器4の電圧検出値Vdetを含む。
制御部3は、定電流制御モードの場合、出力電流検出器2の電流検出値Idetが電流指令値に一致するように、また、出力電圧検出器4の電圧検出値Vdetが電圧リミット値を超えないように、DC―DCコンバータ1のスイッチングを制御する。制御部3は、定電圧制御モードの場合、出力電圧検出器4の電圧検出値Vdetが電圧指令値に一致するように、また、出力電流検出器2の電流検出値Idetが電流リミット値を超えないように、DC―DCコンバータ1のスイッチングを制御する。いずれのモードでも、具体的には、DC―DCコンバータ1のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM信号のパルス幅を制御する。
以上の構成で、各パワーモジュールPM1~PM4は、出力端電圧VLの大きさ(負荷Lの大きさ)に応じて、上述のように作動する。
図6、図7は、本発明の実施形態のコントロールモジュールCMの動作を示すフローチャートである。図6は一定時間毎に実行されるIdet、Vdet取得動作である。図7は、出力起動時にPM毎に実行される動作である。
コントロールモジュールCMは、一定時間毎にパワーモジュールPM1~PM4から電流検出値Idetをそれぞれ取得し(ST1)、これらを図示しない操作部にある表示器に表示する(ST2)。
コントロールモジュールCMは、パワーモジュールPM1~PM4に対して出力起動を指令すると、所定時間経過時(ST10)に、ST11以下に進む。ST11以下はパワーモジュールPM1~PM4のそれぞれに対して実行される。所定時間は、パワーモジュールPM1~PM4の動作が安定するまでの時間で予め設定されている。
まず、パワーモジュールPM1~PM4の電流検出値Idetの平均値Idet(AV)を求め、Idet(AV)>=一定電流値(例えば定格電流の10%)であれば、ST12以下に進む。それ以外では、出力電流Ioが小さいため、ST12以下の制御を行わずにリターンする。
パワーモジュールPM1~PM4の電流検出値Idetの最大値と最小値の誤差(絶対値)を求め、誤差>=0.4%であれば、ST13以下に進む。それ以外では、パワーモジュールPM1~PM4の誤差があまり大きくないので、ST13以下の制御を行わずにリターンする。
平均値Idet(AV)>=一定電流値で、且つ、電流検出値Idetの最大値と最小値の誤差(絶対値)>=0.4%であれば、電流検出値補正比率α(n)を以下の式で求める(ST13)。
今回の補正比率α(n)=Idet(AV)/Idet―――(1)
α´(n)=α(n―1)×α(n)―――(2)
ただし、nは、今回の出力起動演算時、n―1は前回の出力起動演算時を表す。
α´(n)=α(n―1)×α(n)―――(2)
ただし、nは、今回の出力起動演算時、n―1は前回の出力起動演算時を表す。
式(1)では、平均値Idet(AV)を正しい出力電流と推定し、推定した出力電流と電流検出値Idetの比率を今回の補正比率α(n)として求める。この補正比率α(n)は、該当するパワーモジュールPMの出力電流検出器2の誤差に相関する。
続いて、式(2)において、電流検出値補正比率α´(n)=電流検出値補正比率α(n―1)×電流検出値補正比率αで、今回の制御で使う電流検出値補正比率α´(n)を求める。例えば、α(n―1)が99%で、α(n)が98%であるなら、α´(n)=97%となる。
つまり、前回(n―1)求めた電流検出値補正比率α(n―1)に、今回(n)求めた補正比率α(n)を乗じることで、今回(n)の電流検出値補正比率α´(n)を求める。
上記で求めた、電流検出値補正比率α´(n)は、一定の範囲を超えていれば、その範囲内に制限する(ST14)。電流検出値補正比率α´(n)の絶対値が上限または下限を超える場合には、検出器の異常も想定されるため、その値を制限する方が望ましいと思われるからである。
続いて、電流検出値補正比率α´(n)を該当のパワーモジュールに送信する(ST15)。
次の出力起動時での制御に備えて、α(n―1)=α´(n)に設定し、内部のメモリに記憶する(ST16)。したがって、今回、求めた電流検出値補正比率α´(n)は、次の出力起動時のST10以下の制御において、α(n―1)として使用される。
以上の制御でパワーモジュールPM1~PM4の電流検出値補正比率α´(n)が求められる。
図8は、パワーモジュールPM1~PM4の一部の動作を示している。
コントロールモジュールCMから電流検出値補正比率α´(n)を受信すると(ST20)、その値を更新し(ST21)、電流検出値Idetを下記式(3)で補正する(ST22)。
Idet=Idet×α´(n)―――(3)
上記(3)式により、パワーモジュールPM1~PM4は、電流検出値Idetを出力電流検出器2の誤差に基づいて正しく補正してから定電流制御を行う。パワーモジュールPM1~PM4は、出力起動後に電流検出値補正比率α´(n)を一度だけ受信すると、その後は、出力が停止されるまで(3)式により電流検出値Idetを補正する。電流検出器2の誤差は、出力端電圧VLの大きさにかかわらず一定であるから、出力端電圧VLの大きさにかかわらず、電流検出値Idetは出力電流Ioに一致するように補正される。
上記(3)式により、パワーモジュールPM1~PM4は、電流検出値Idetを出力電流検出器2の誤差に基づいて正しく補正してから定電流制御を行う。パワーモジュールPM1~PM4は、出力起動後に電流検出値補正比率α´(n)を一度だけ受信すると、その後は、出力が停止されるまで(3)式により電流検出値Idetを補正する。電流検出器2の誤差は、出力端電圧VLの大きさにかかわらず一定であるから、出力端電圧VLの大きさにかかわらず、電流検出値Idetは出力電流Ioに一致するように補正される。
このため、PM1(-1.0%)、PM2(0.0%)、PM3(+0.5%)、PM4(+1.0%)の電流検出器2の誤差は、すべて(0.0%)となるように補正される。その結果、出力端電圧VLの6V―60Vへの変化に対する電流変動率は、図4と異なり、ほぼフラットとなり、直列接続電源システム全体の電流制御精度を高く出来る。
なお、実施形態では、式(2)により、α´(n)=α(n―1)×α(n)の演算を行っているが、出力起動毎に式(1)によりα=Idet(AV)/Idetで検出値補正比率αを求め、このαをパワーモジュールPM1~PM4に送るようにしても良い。
また、実施形態では、図7のST11でIdet(AV)>=一定電流値のとき、及び、ST12でIdetの最大値と最小値の誤差(絶対値)が誤差>=0.4%のときにだけ、ST13以下の演算を行っているが、これらのST11、ST12の条件は必ずしもなくても良い。また、ST12においては、誤差の判定に使用する「0.4%」の値にヒステリシスを持たせることも可能である。
本実施形態では、パワーモジュールPM1~PM4を直列接続したシステムを示したが、複数の直列接続グループを並列接続して全体として直並列接続電源システムを構成することも可能である。図9はこの直並列接続電源システムの構成例を示す。PM直列接続グループG1とPM直列接続グループG2とが並列接続され、各グループでは複数のPMが直列接続されている。PM直列接続グループG1、G2はそれぞれ、コントロールモジュールCMで上記と同様に制御される。直並列接続電源システムでは、図1、図2に示すような単独のPM直列接続電源システムに比して出力電流Ioを稼ぐことが出来る。
CM-コントロールモジュール
PM1~PM4-パワーモジュール
PM1~PM4-パワーモジュール
Claims (3)
- 直列接続したn台の電源ユニットとこれらの各電源ユニットを制御する制御ユニットとを備える直列接続電源システムにおいて、
前記各電源ユニットは、
出力電流を検出する出力電流検出器と、
出力電圧を検出する出力電圧検出器と、
前記出力電流検出器で検出した電流検出値Idetと前記出力電圧検出器で検出した電圧検出値Vdetがフィードバックされ、前記電流検出値Idetが前記制御ユニットにより設定された電流設定値となるように前記出力電流を制御する定電流制御モードを備える制御部とを備え、
前記制御ユニットは、前記定電流制御モードで出力起動したときから所定時間経過時に、前記各電源ユニット(x)(xは1~n)毎に次の(A)、(B)の演算制御を行い、
(A)電源ユニット(x)の前記電流検出値Idetを取得し、下記の式(1)で電流検出値補正比率αを求める。
α=Idet(AV)/Idet―――(1)
ただし、
Io(AV)は、前記各電源ユニットの電流検出値Idetの平均電流値
(B)前記電流検出値補正比率αを電源ユニット(x)に送る。
前記各電源ユニット(x)は、前記制御ユニットから送られてきた前記電流検出値補正比率αにより、前記電流検出値Idetを補正する、
直列接続電源システム。 - 前記制御ユニットは、出力起動毎の前記所定時間経過時に前記(A)、(B)の演算制御を行い、今回の出力起動後の前記所定時間経過時に式(1)で求めた電流検出値補正比率αを、下記の式(2)で補正して、電流検出値補正比率α´(今回)を求め、電流検出値補正比率α´(今回)を電源ユニット(x)に送る請求項1記載の直列接続電源システム。
電流検出値補正比率α´(今回)=電流検出値補正比率α(前回)×電流検出値補正比率α―――(2)
ただし、電流検出値補正比率α´(今回)は、今回起動後において補正した電流検出値補正比率αであり、電流検出値補正比率α(前回)は、前回起動後において補正した電流検出値補正比率α
- 前記制御ユニットは、前記所定時に、次の(C)の演算制御を行う、請求項1または2記載の直列接続電源システム。
(C)各電源ユニットの前記電流検出値Idetの最大値と最小値の絶対値誤差が所定値以下であると前記(A)、(B)の演算制御を行わない。
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2021
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