JP2022186654A - 機械部品のcad 3dモデルの処理 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料分布を有する部分を含む機械部品のコンピュータ支援設計3Dモデルを処理するための、コンピュータにより実施される方法を提供する。【解決手段】方法は、機械部品の部分の外面を表す3Dモデルのスキン部分を含む3Dモデルを提供することと、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することと、を含む。スキン部分の変換が、アルゴリズムに入力される。変換は、前述の部分の材料分布の展開を表す。【効果】スキン部分を、製造プロセスの特徴を考慮に入れて編集することができる。【選択図】図1

Description

本開示はコンピュータプログラム及びシステムの分野に関し、更に具体的には、機械部品のコンピュータ支援設計(CAD:computer-aided design)3Dモデルを処理するための方法、システム、及びプログラムに関する。
物体の設計、エンジニアリング、及び製造のため、多くのシステム及びプログラムが市場に提供されている。CADはコンピュータ支援設計の頭字語であり、これは例えば、物体を設計するためのソフトウェアソリューションに関連する。CAEはコンピュータ支援エンジニアリング(Computer-Aided Engineering)の頭字語であり、これは例えば、将来の製品の物理的挙動をシミュレーションするためのソフトウェアソリューションに関連する。CAMはコンピュータ支援製造(Computer-Aided Manufacturing)の頭字語であり、これは例えば、製造プロセス及び動作を定義するためのソフトウェアソリューションに関連する。このようなコンピュータ支援設計システムでは、技術の効率に関してグラフィカルユーザインタフェースが重要な役割を果たす。これらの技術は、製品ライフサイクル管理(PLM:Product Lifecycle Management)システム内に埋め込むことができる。PLMは、拡張エンタープライズ(extended enterprise)の概念に基づいて製品の構想から寿命終了までの製品開発を行うため、複数の企業が製品データを共有し、共通のプロセスを使用し、会社の知識を活用することを促進する事業戦略のことである。Dassault Systemsによって(CATIA、ENOVIA、及びDELMIAの登録商標で)提供されているPLMソリューションは、製品エンジニアリングの知識を体系化するエンジニアリングハブ、製造エンジニアリングの知識を管理する製品ハブ、及び、エンタープライズ統合を行い、エンジニアリングハブと製造ハブの双方への接続を可能とするエンタープライズハブを提供する。これら全てを合わせて、システムは、製品、プロセス、リソースをリンクするオープンオブジェクトモデルを提供して、最適化された製品定義、製造準備、生産、及びサービスを推進する動的な知識ベースの製品生成及び決定サポートを可能とする。
これらのシステム及びプログラムのいくつかは、機械部品のCADモデルを処理するための機能性を提供する。
Wang等の「A Framework for 3D Model Reconstruction in Reverse Engineering」(Computers & Industrial Engineering, 63(4), 2012, pp.1189-1200)は、3Dモデル再構築のためのフレームワークを提案している。フレームワークは4つの主要コンポーネントで構成され、既存オブジェクトの表面メッシュからジオメトリモデルを再構築するための系統的ソリューションを与える。まず第1に、入力メッシュに前処理を行ってノイズを除去する。第2に、メッシュを複数のセグメントに分割して、個別のジオメトリフィーチャパッチを得る。次いで、2つの統合的ソリューション、すなわちソリッドフィーチャ(solid feature)ベースの戦略とサーフェスフィーチャ(surface feature)ベースの戦略を利用して、セグメント化したフィーチャパッチからプリミティブフィーチャを再構築する。最後に、ソリッドブール演算及び表面トリミング動作等のモデル化動作を実行して、プリミティブフィーチャを最終モデルに組み立てる。
Pottmann等の「Approximation by Profile Surfaces」(The Mathematics of Surfaces VIII, A. Ball等(編集), Information Geometers, 1998, pp.17-36)は、所与の表面又は回転表面による散乱点を近似するためのアルゴリズムを開示している。これは、プロファイル表面を用いた近似を研究するための基礎を形成する。プロファイル表面は、平面曲線の面が可展面上で回転した場合に描かれる掃引表面(sweeping surface)である。重要な特殊事例として、移動する曲線がそれぞれ直線又は円である場合の可展面及び管状表面がある。
Schnabel等の「Efficient RANSAC for Point-Cloud Shape Detection」(Computer Graphics Forum, 26(2), 2007, pp.214-226)は、体系化されていないポイントクラウド内で基本的形状を検出するための自動ランダムサンプルコンセンサス(RANSAC:Random Sample Consensus)アルゴリズムを提案している。このアルゴリズムは、ポイントクラウドを、固有の形状の簡潔かつハイブリッドな構造と残りのポイント群とに分解する。検出された各形状は、対応するポイント群の代理(proxy)として機能する。このアルゴリズムは無作為抽出に基づくものであり、面、球、円柱、円錐、及び円環面を検出する。
Geng等の「A thin-plate cad mesh model splitting approach based on fitting primitives」(EG UK Theory and Practice of Computer Graphics, 2010, pp.45-50)は、薄板CADメッシュモデルを3つの異なるタイプの部分にセグメント化するためのプリミティブフィッティングに基づくアルゴリズムを開示している。それら3つのうち2つは押し出し表面であり、残りの1つは外側表面である。この方法は、SDDプロセスにおけるソリッドモデル再構築のために使用することができ、2つのステップを含む。第1に、階層的プリミティブフィッティングフレームワークに基づいて、CADメッシュに対する正確なプリミティブフィッティングのための完全に自動的な方法が提示される。第2のステップでは、平行な押し出し表面と外側表面を検出することによって薄板3Dメッシュモデルを分割するための手順が提示される。
この文脈において、機械部品のCADモデルを処理するための改良されたソリューションは依然として必要とされている。
従って、材料分布を有する部分を含む機械部品のコンピュータ支援設計(CAD)3Dモデルを処理するための、コンピュータにより実施される方法が提供される。この方法は、機械部品の部分の外面を表す3Dモデルのスキン部分(skin portion)を含む3Dモデルを提供することを含む。方法は更に、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することを含み、スキン部分の変換(transform)がアルゴリズムに入力される。変換は、前述の部分の材料分布の展開(unfolding)を表す。
方法は、以下のうち1つ以上を含み得る。
-押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することは、
○スキン部分を展開することによって変換を取得することと、
○変換を押し出し処理アルゴリズムに入力することと、
○押し出し処理アルゴリズムを実行することと、
を含む。
-押し出し処理アルゴリズムは、
○スキン部分の変換が押し出しとして構成された材料分布の外面を表すか否かを判定すること、及び/又は、
○押し出しプロファイルを計算すること、
を含む。
-押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することは、機械部品の部分における材料回転検出を含み、材料回転検出は、回転軸までの距離に比例する(increasingly proportional)範囲で、回転軸候補に直交する回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性にペナルティを与える(penalize)目的関数を最適化することによって回転軸を決定することを含む。
-目的関数は以下のタイプのものであり、
Figure 2022186654000002
ここで、uは回転軸候補の方向であり、cは回転軸候補の原点であり、Aはスキン部分の面積であり、Sはスキン部分であり、pはスキン部分上の位置であり、πc,u(p)は回転軸候補上のpの正射影であり、nは位置pにおけるスキン部の法線である。
-展開は、
○回転軸を提供することと、
○スキン部分の円筒座標規定値(specification)を決定することであって、円筒座標規定値は第1の値を含み、第1の値の各々は、回転軸である長手方向軸を有する円筒座標系に対してスキン部分上の各位置を規定する、円筒座標規定値を決定することと、
○長手方向である1つの軸を有するデカルト座標系に対して変換のデカルト座標規定値を決定することであって、デカルト座標規定値は変換上の位置を規定する第2の値を含み、第2の値は前記第1の値に対応する、デカルト座標規定値を決定することと、
を含む。
-スキン部分は離散要素を有する3D離散幾何学的表現によって表され、スキン部分の円筒座標規定値を決定することは、3D離散幾何学的表現の各離散要素の第1の値を決定することを含む。
-円筒座標規定値の前記第1の値は、各離散要素について、
○長手方向軸に対する半径方向ベクトルのノルムである半径方向距離の値と、
○半径方向ベクトル及び長手方向軸に対するスキン部分上の角度位置の値と、
○長手方向軸上の位置を示す長手方向位置の値と、
から構成される。
-円筒座標規定値を決定することは、3D離散幾何学的表現の離散要素を探査する(explore)ことと、探査した各離散要素について探査した離散要素の近隣離散要素の角度位置を計算することと、によって、角度位置の値を計算することを含む。
-探査した離散要素の近隣離散要素の角度位置の前記値を計算することは、近隣離散要素のうち、探査した離散要素との角度位置の差が閾値よりも大きい1つ以上の近隣離散要素を複製することを含む。
-角度位置の値は以下のタイプのものであり、
Figure 2022186654000003
ここで、uは長手方向軸であり、pは探査した離散要素iのデカルト位置ベクトルであり、θは探査した離散要素の角度位置の値であり、θi+1は探査した離散要素iの近隣離散要素i+1の角度位置の値である。
-方法は更に、角度位置の値をスケーリングすることを含む。
更に、前述の方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラムが提供される。
更に、前述のコンピュータプログラムが記録されているコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
更に、メモリに結合されたプロセッサを備えるシステムが提供される。メモリには、前述のコンピュータプログラムが記録されている。
これより添付図面を参照して非限定的な例について記載する。
本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本方法を示す。 本システムのグラフィカルユーザインタフェースの一例を示す。 本システムの一例を示す。
本明細書によって、機械部品のコンピュータ支援設計(CAD)3Dモデルを処理するための、コンピュータにより実施される方法が提案される。機械部品は、材料分布を有する部分を含む。方法は、3Dモデルを提供することを含む。3Dモデルは、3Dモデルのスキン部分を含む。スキン部分は、機械部品の前述の部分の外面を表す。方法は更に、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することを含み、スキン部分の変換がアルゴリズムに入力される。変換は、前述の部分の材料分布の展開を表す。
これは、機械部品のCAD 3Dモデルを処理するための改良されたソリューションを構成する。特に、この方法は、スキン部分の変換を押し出し処理アルゴリズムに入力することによって、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理する。スキン部分の変換は、前述の部分の材料分布の展開を表す。すなわち、スキン部分の変換は、展開された材料分布を表す展開スキン部分を形成する。スキン部分の変換を用いることで、この方法は、スキン部分(すなわち変換後)に押し出し処理アルゴリズムを適用することによるスキン部分の処理を可能とする。これによって方法は、他のタイプの表面(すなわち押し出しでないスキン部分)を処理するために押し出し処理方法を使用することを可能とする。例えば、方法によって与えられた変換を用いて回転表面を押し出し表面内に展開させ、次いで方法に従って押し出し処理アルゴリズムにより処理することができる。これによって、方法は、既知の押し出し処理アルゴリズムをこれらの回転表面の変換に使用することで、回転表面を処理できる。
この方法によってスキン部分を変換するため使用される押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の入力された変換(例えば、スキン部分が回転表面である場合は押し出し)のいくつかの特徴(すなわち特性)を出力することができる。そのような特徴の各々は、変換に従った(例えば変換の逆数に応じた)スキン部分の各特徴に対応する。言い換えると、押し出し処理アルゴリズムは変換の1つ以上の特徴を出力することができ、これら1つ以上の特徴は変換の逆数に応じたスキン部分の1つ以上の特徴に対応する。例えば、押し出し処理アルゴリズムは、押し出し表面である回転表面の変換を入力として取得し、この押し出し表面のパラメータ化又は押し出し表面の計算された押し出しプロファイルを出力することができる。
押し出し処理アルゴリズムは、押し出しの検出、押し出しのパラメータ化、及び/又は押し出しの編集を可能とする任意のアルゴリズムとすればよい。例えば押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換が押し出しとして構成された材料分布の外面を表すか否かを判定するため、2021年5月21日にDASSAULT SYSTEMSによって出願された欧州特許出願EP21305673.2号(これは援用により本願に含まれる)に従った押し出し検出方法を含み得る。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換における材料押し出し検出のステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる(すなわち、スキン部分の変換が、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出方法におけるスキン部分の役割を果たす)。これによって処理方法は、展開前のスキン部分が表す材料分布の形状を査定することができる。例えば、回転表面の変換は押し出し表面であり、方法による押し出し処理アルゴリズムを回転の変換に適用することによって変換が押し出し表面であるか否かを検出する。これは、スキン部分が、回転として構成された材料分布の外面を表すか否かを検出することに対応する。代替的に又は追加的に、押し出し処理アルゴリズムは、押し出し方向を決定するための目的関数を変換することから取得された反対関数(objection function)を最適化することによってスキン部分の回転軸を決定することを含み得る。追加的に又は代替的に、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換に対する1つ以上のパラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するため、2021年5月21日にDASSAULT SYSTEMSによって出願された欧州特許出願EP21305671.6号(これは援用により本願に含まれる)に従ったパラメータ化方法を含み得る。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。これにより、スキン部分に対する1つ以上のパラメータの1つ以上の第2の値分布を決定することが可能となる(例えば、1つ以上の第1の値分布に対する変換の逆数を考慮する(例えば利用する)ことによって)。第2の値分布の各々は、変換に従った第1の値分布の各々に対応する。これにより、処理方法は、押し出し処理アルゴリズムを用いてスキン部分の変換(例えば押し出し表面)をパラメータ化することによって、スキン部分(例えば回転表面)をパラメータ化することができる。本方法によって可能となる、例えば表面検出(例えば回転表面検出)又はパラメータ化(例えば回転表面パラメータ化)のためのこのようなCADモデルの処理は、後述するように、製造CADの分野に特に関連がある。
更に、3Dモデルのスキン部分の各変換を処理することによるスキン部分の処理は、ノイズに対していっそうロバストになることで処理を向上させる。言い換えると、CADモデルはノイズの多いCADモデルである可能性がある(例えば、特に3Dモデルが3Dポイントクラウドである場合は外れ値に起因したノイズを特徴とし、又は、3Dモデルが3Dメッシュである場合はCADモデルの外面の非平滑さに起因したノイズを特徴とする)。実際、本方法は、例えば先に引用した欧州特許出願21305671.6号に従ったパラメータ化方法又は先に引用した欧州特許出願21305673.2号に従った押し出し検出方法のような押し出し処理アルゴリズムを利用することによって、スキン部分の処理を可能とする。これら2つの方法は双方ともノイズに対して特にロバストである。具体的には、本方法は、スキン部分の変換の材料押し出し検出ステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含む押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することができる。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。追加的に又は代替的に、本方法は、スキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することができる。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。
上記で検討したように、例えば表面(例えば回転表面)検出又はパラメータ化のため機械部品のCAD 3Dモデルを処理することは、製造CADの分野、すなわち、ソフトウェアソリューションによって設計プロセス及び製造プロセスを支援し、設計されたCAD 3Dモデルに対応する物理的製品を生成することを目的とする分野に特に関連がある。この状況において、CAD 3Dモデルは、その設計の下流で製造され得る製造品を表す。従って本方法は、そのような設計及び/又は製造プロセスの一部であり得る。本方法は例えば、そのような設計及び/又は製造プロセス内のCADフィーチャ獲得ステップを形成するか又はこのステップの一部であり得る。CADフィーチャ獲得ステップは、各CADフィーチャによるジオメトリの検出及び検出されたジオメトリのパラメータ化を含む。例えば、CADフィーチャ獲得ステップはフィーチャツリー構築ステップとすることができる。このステップ内で、方法は、変換を処理することによってCADモデルの1つ以上のジオメトリ(例えば回転表面)を検出することができる。方法は次いで、検出したジオメトリをパラメータ化する(例えば回転表面をパラメータ化する)ことを更に含み得る。パラメータ化は、CADモデルの操作/編集を容易にする。本方法を含むCADフィーチャ獲得ステップの後に、別の設計及び/又は製造ステップを行うことができる。これらのステップは、任意選択的にCADフィーチャ獲得ステップの後、パラメータ化及び検出されたジオメトリを使用し、特に、本方法が検出したジオメトリを使用する。これらの別のステップは、別の設計及び/又は編集動作、試験、シミュレーション、及び/又は製造を含み得る。本方法は、言い換えれば、製造CADプロセス内の後のステップ(例えば、別の設計/編集動作、試験、シミュレーション、及び/又は製造)で使用するためにCADモデルを適合させる製造CADプロセス内のステップに含まれ得る。本方法は、本方法が検出したCADフィーチャを使用する多くの他の適用例に含まれ得る。
このように本方法は、特定のジオメトリ(例えば回転ジオメトリ)を含む未加工ジオメトリ表現(例えばメッシュ又はポイントクラウド)を処理することによって、意味3Dモデル(semantic 3D model)すなわちフィーチャツリーを獲得する状況にあり得る。未加工ジオメトリは、例えば視覚化及び/又は解析の目的のための、もはや利用可能でないオリジナルのフィーチャツリーから得ることができる。フィーチャツリーを反転(reverse)(すなわち獲得)できることによって、高度な編集が可能となり、押し出し表面のために製造CADプログラムによって与えられる全ての機能がサポートされる。このような特定のジオメトリ(例えば回転ジオメトリ)を検出してフィッティングしたことで、例えば旋盤加工のような特定の工業プロセスによる対応部分(例えばシャフト又は溝)の製造が可能となる。
従って本方法は、CAD 3Dモデルの1つ以上のスキン部分の処理(例えば検出、編集、獲得、CADフィーチャへの変換、及び/又はパラメータ化)を改善して、例えば、製造を考慮に入れたスキン部分の準備を可能とする。言い換えると、本方法が提供する処理済みスキン部分は、製造プロセスのために編集され得る。例えば、本方法によって処理されたスキン部分は、下流の製造プロセス(例えば成形、機械加工、付加製造(additive manufacturing))の特徴を考慮に入れて編集され得る。これにより、1又は複数の製造機械(例えば型、機械加工ツール、又は3Dプリンタ)の準備及び/又はセットアップが容易になる。従って本方法は、CADモデルによって表される製品の製造を改善し、製造プロセスの生産性を高める。
先に検討したように、スキン部分の処理は、例えば回転表面のようなジオメトリの検出を含むことができ、前述の検出されたジオメトリのパラメータ化を可能とする。これにより、本方法を用いてCADモデル又はその少なくとも一部をパラメータ化して、パラメータ化CADモデル又はその一部を獲得することができる。「パラメータ化」とは、CADモデル(又は、例えばスキン部分のようなCADモデルの少なくとも一部)を、パラメータ方程式又はパラメータ関数によって表された1つだけの3Dジオメトリオブジェクトとフィッティングして、1つ以上のパラメータに関連させる(involve)ことを意味する。1つ以上のパラメータの各々は、それぞれ連続的な範囲内の値をとり得る。3Dパラメータ化ジオメトリオブジェクトは、離散的表現(例えばポイントクラウド、メッシュ、又はボクセル表現)のような非パラメータ化3Dジオメトリオブジェクトとは対照的に、容易な操作、及び/又は編集可能性、及び/又は効率的なメモリ内記憶を可能とする。例えば、スキン部分(例えば回転表面)のジオメトリは、標準プリミティブ(canonical primitive)(例えば平行六面体、円柱、又は円環面)とフィッティングされるか、又は、例えばNURBS等の非標準パラメータ化表面のような他の適合ジオメトリツールによってパラメータ化されるか、又は、先に引用した欧州特許出願21305671.6号のような他のパラメータ化方法によってパラメータ化され得る。具体的には、本方法は、スキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る押し出し処理アルゴリズムに基づいて、スキン部分を処理することができる。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。以下で検討するものを含む本方法のあらゆる適用例において、CAD 3Dモデルは測定されたCAD 3Dモデルとすることができる(すなわち、以下で検討するように、機械部品の物理学的測定から得られたCADモデル)。そのような場合、CAD 3Dモデル(又はそのスキン部分)に処理を実行することで、(未加工の)測定されたCAD 3Dモデルを処理すること、及び、(例えば、一度ジオメトリが検出されたら)測定されたCAD 3Dモデルを最終的に編集することが可能となる。従って、一般的に本方法を用いて、機械部品の測定された部分を処理し、次いで、例えばこれを編集可能データ構造に編集することができる。
例えば回転表面のようなスキン部分は、製造の観点から一貫したジオメトリを有する。言い換えると、現実世界における機械部品の対応部分のジオメトリは、(例えば製造上の制約に関して)好適な機械加工経路、又は(例えば製造上の制約に関して)好適な型の特徴に対応した、それぞれの製造プロセス(例えば成形、付加製造、又は機械加工)を必要とするか又はそのような製造プロセスに適合されている。
複数の例において、機械部品は成形部品とすることができ、前述の部分は成形によって製造することができる。スキン部分は、例えば機械部品の成形部分を表す回転表面とすることができる。従って、これを処理することで、成形要件に基づくパラメータ化及び/又は編集が可能となる(例えば、型からのこの部分の引き抜き(withdrawal)(すなわち離型(demolding)及び/又は型からの取り出し(unmold))を容易にする)。従って本方法は、本方法が実行する処理(例えば表面検出及び/又はパラメータ化)の下流の編集ステップを含む設計の製造CADプロセス及び/又は成形部分の製造に含めることができる。編集ステップは、下流の成形プロセスの対応する型の制約を満たすようにスキン部分に対してCADオペレータを使用することを含み、これによって成形部分の型からの取り出し/離型/引き抜きを容易にすることができる。複数の例において、CADオペレータは1つ以上のドラフトオペレータを含み、編集ステップは、例えばスキン部分のフィーチャツリーの端部に1又は複数のドラフトオペレータを追加することと、次いで1つ以上のドラフトオペレータをスキン部分に使用してこれを成形可能とする及び/又は成形のため準備することと、を含み得る。
複数の例において、機械部品及びその部分は付加製造で製造することができる。スキン部分の処理によって、例えばスキン部分の検出又はパラメータ化が可能となり、これはスキン部分の編集を可能とする。編集は、スキン部分の1つ以上の方向に沿って、例えばスキン部分が回転表面である場合は回転方向又は回転軸に沿って、印刷経路を定義することを含み得る。印刷経路の定義は、スキン部分のパラメータ化に基づくことができる、すなわち、一度スキン部分が処理された後である(例えば、印刷経路はフィーチャツリーのパラメータジオメトリ情報からCAD/CAMソフトウェアによって生成され得る(例えば回転表面では円形経路又は軸に沿った経路))。このため方法は、設計の製造CADプロセス及び/又は付加製造によって製造される機械部品の製造に含めることができる。プロセスは、スキン部分のある方向(例えば回転軸)に沿って印刷経路を定義するステップを含み得る。プロセスは更に、定義した印刷経路に従って付加製造を実行する3Dプリンタのセットアップを定義することを含み得る。
複数の例において、機械部品は機械加工部品とすることができ、前述の部分は機械加工(例えば切断)によって製造することができる。スキン部分の処理によって、例えばスキン部分の検出又はパラメータ化が可能となり、これはスキン部分の編集を可能とする。編集は、スキン部分の1つ以上の方向に沿って、例えばスキン部分が回転表面である場合は回転方向又は回転軸に沿って、機械加工ツール(例えば切断ツール)の経路を定義することを含み得る。このような方向は、機械加工の効率が高くなるように、例えばこれらの方向に沿った機械加工が高速となる及び/又は高精度となるように、構成され得る。例えば、スキン部分が回転表面である場合、機械加工ツールは回転表面の回転軸に沿って材料を切断するように構成され得る(例えば、ツール経路はフィーチャツリーのパラメータジオメトリ情報からCAD/CAMソフトウェアによって生成され得る(例えば回転表面では円形経路又は軸に沿った経路))。このため方法は、設計の製造CADプロセス及び/又は機械加工によって製造される機械部品の製造に含めることができる。プロセスは、方法によって得られたスキン部分の1つ以上の特徴(例えば回転軸)に基づいて機械加工ツールの経路を定義するステップを含み得る。プロセスは更に、定義した経路に従って機械加工を実行する機械加工ツールのセットアップを定義することを含み得る。
製造CADにおける処理方法の使用について検討した。これより、製造CAD又は他の状況であり得る他の適用例について検討する。
第1の適用例では、本方法によって処理されたスキン部分、例えば検出及び/又はパラメータ化された回転表面をB-rep(境界表現)構築のために使用できる。B-rep構築は、P. Benko等の「Algorithm for reverse engineering boundary representation models」(Computer-Aided Design, 33, 2001, pp.839-851)、A. Tumaninの「Polygonal Mesh to B-Rep Solid Conversion: Algorithm Details and C++ Code Samples」(2019年9月4日、Habr.comウェブサイトに掲載)、及び、Beniere等の「Recovering Primitives in 3D CAD meshes」(Proceedings of SPIE, 2011)で検討されている。これらは全て援用により本願に含まれる。それ自体知られているように、B-repは、(例えば、広く知られているSTEPファイルフォーマットの)連結された境界表面要素の集合である。B-rep構築は、本方法によって検出及び/又はパラメータ化されたジオメトリ(例えば回転表面)上に表面をフィッティングすることを含み(前述の通り、押し出し処理アルゴリズムによって検出及び/又はパラメータ化が可能となる)、また、スキン部分に関するデータ(例えば、スキン部分が回転表面である場合は回転軸及び/又は回転プロファイル)を用いてこれらの表面を画定する(すなわち、B-repのトポロジデータ、すなわち「…によって画定される」関係を決定する)ことができる。この第1の適用例によれば、CADモデル処理方法は、機械部品を表すCAD 3Dモデルを境界表現に変換するためのコンピュータにより実施されるプロセスに含めることができる。
第2の適用例では、本方法によって処理されたスキン部分をフィーチャツリー構築のために使用できる。この第2の適用例は、先に検討したような押し出し処理アルゴリズムで検出及び/又はパラメータ化されたスキン部分のジオメトリを用いて、CAD 3Dモデルのフィーチャツリー表現を構築することを含む。フィーチャツリー構築は実際には、1つ以上のスキン部分をそれぞれCAD回転フィーチャとしてパラメータ化することを含み、次いで各パラメータ化スキン部分をフィーチャツリーに加えることができる。従って処理方法は、機械部品を表すCAD 3Dモデルからフィーチャツリーを構築するためのコンピュータにより実施されるプロセスに含めることができる。フィーチャツリー構築プロセスは以下を含み得る。
-本方法の1以上の使用。各使用によって、処理済みスキン部分(例えば検出及び/又はパラメータ化された回転)が生成される。
-本方法によって処理された各スキン部分を本方法によってパラメータ化する。
-各パラメータ化スキン部分を機械部品のフィーチャツリーに含ませる。
第3の適用例では、本方法によって処理されたスキン部分を、リメッシュ(re-meshing)(例えば与えられたCAD 3Dが3Dメッシュである場合)、又はリサンプリング(re-sampling)(例えば与えられたCAD 3Dモデルが3Dポイントクラウドである場合)のために使用する。第3の適用例によれば、スキン部分は上述のようにパラメータ化することができ、これによってCAD 3Dモデルのリメッシュ又はリサンプリングが可能となる。CAD 3Dモデルが3Dメッシュ又は3Dポイントクラウドである例では、本方法に従ったスキン部分の処理は、より精密なスキン部分のリメッシュ及び/又はリサンプリングを可能とするので、より細かいメッシュ又はポイントクラウドが得られる。このリメッシュ/リサンプリングを用いて、CAD 3Dモデルをノイズ除去する(例えば、特に3Dポイントクラウドでは外れ値を除去し、又は特に3DメッシュではCADモデルの異常表面を平滑化する)ことができる。追加的に又は代替的に、これを用いて、3Dメッシュを効率的にテッセレーションする(tessellate)こと、すなわち、メッシュ面の大きさを対応する表面の曲率に適合させることができる。これは、面の数を最小限に抑えることで、メッシュの重みを最適化しながら(すなわち記憶の点で(storage-wise))、正確な表面に対する最適な離散化距離を保証するために行われる。例えば、リメッシュ/リサンプリングを用いて、メッシュの重みを最小限に抑えながら、正確な表面に対する充分に小さい距離を保証する(例えばこの場合、表面までの近さは制約と考えられ、最適化する対象ではない)。従ってこの処理方法は、機械部品を表す3Dメッシュ(それぞれ3Dポイントクラウド)であるCAD 3Dモデルをリメッシュする(それぞれリサンプリングする)ためのコンピュータにより実施されるプロセスに含めることができる。
本方法によって処理されたスキン部分(例えば検出及び/又はパラメータ化された回転表面)は、例えば3D変形、3Dレンダリング(ジオメトリ/材料属性の計算、オクルージョンカリング(occlusion culling)シャドー決定)、3Dアニメーション及び/又は形状圧縮のような他の用途に使用できる。これらの適用例は、参考文献Kaiser A等の「A survey of Simple Geometric Primitives Detection Methods for Captured 3D data」(Computer Graphics Forum, 2018)で検討されている。これは援用により本願に含まれる。一度スキン部分が本方法によって処理されたら(例えば、一度回転表面が検出及び/又はパラメータ化されたら)、より精密かつ容易にスキン部分の変形を取得できる。スキン部分が回転表面である例では、回転の軸を移動させる及び/又は回転プロファイル曲線を変形させることでこのような変形が取得され、従って回転表面の外観(aspect)は維持され得る。更に、本方法に従った処理済みスキン部分は、より容易かつ精密にレンダリング及び/又はアニメーション化することができ、ポイントクラウド又はメッシュに比べてディスク上で必要とするメモリ空間が小さくなる。
本方法は一般に、CAD 3Dモデル等のモデル化オブジェクトを操作する。モデル化オブジェクトは、例えばデータベース内に記憶されたデータによって定義される任意のオブジェクトである。更に言うと、「モデル化オブジェクト」という表現はデータ自体を示す。システムのこのタイプによれば、モデル化オブジェクトは異なる種類のデータによって定義することができる。システムは実際には、CADシステム、CAEシステム、CAMシステム、PDMシステム、及び/又はPLMシステムの任意の組み合わせとすることができる。これらの異なるシステムにおいて、モデル化オブジェクトは対応するデータによって定義される。従って、CADオブジェクト、PLMオブジェクト、PDMオブジェクト、CAEオブジェクト、CAMオブジェクト、CADデータ、PLMデータ、PDMデータ、CAMデータ、CAEデータを挙げることができる。しかしながら、モデル化オブジェクトはこれらのシステムの任意の組み合わせに対応するデータによって定義できるので、これらのシステムは相互に排他的ではない。
CADの状況では、モデル化オブジェクトは典型的に3Dモデル化オブジェクト又は3Dモデルであり、例えば、1つの部品、又は複数の部品のアセンブリ、又は複数の製品のアセンブリ等の製品を表し得る。「3Dモデル化オブジェクト」又は「3Dモデル」とは、3D表現を可能とするデータによってモデル化される任意のオブジェクトを意味する。3D表現は、部品を全ての角度から見ることを可能とする。例えば3Dモデル化オブジェクトは、3D表現された場合、その軸のうち任意のものを中心として、又はこの表現が表示される画面内の任意の軸を中心として、操作し方向回転させることができる。これにより、3Dモデル化されていない2Dアイコンが除外される。3D表現の表示によって、設計が容易になる(すなわち、設計者がタスクを統計的に達成する速度が上昇する)。製品の設計は製造プロセスの一部であるので、これによって業界の製造プロセスがスピードアップする。
3Dモデル化オブジェクト又は3Dモデルは、例えばCADソフトウェアソリューション又はCADシステムを用いて仮想設計を完了した後に現実世界で製造される製品のジオメトリを表すことができる。そういった製品は、(例えば機械)部品、又は複数の部品のアセンブリ(すなわち、複数の部品のアセンブリは本方法の観点から部品自体と見なされるか、又は本方法はアセンブリの各部品に対して別個に使用され得る)、又は、より一般的には任意の剛体アセンブリ(例えば移動機構)等である。CADソフトウェアソリューションによって、航空宇宙、建築、建設、消費財、ハイテクデバイス、産業機器、運送、海運、及び/又は海底油田/ガス生産もしくは輸送を含む、無制限の様々な産業分野における製品の設計が可能となる。従って3Dモデル化オブジェクトは、任意の機械部品とすることができる工業製品を表し得る。これは例えば、地上車(例えば自動車及び軽トラック機器、レーシングカー、オートバイ、トラック及びモータ機器、トラック及びバス、電車を含む)の部品、航空機(例えば機体機器、航空宇宙機器、推進機器、防衛製品、航空機器、宇宙機器を含む)の部品、艦船(例えば艦船機器、商船、海上機器、ヨット及び作業船、船用機器を含む)の部品、一般的な機械部品(例えば工業生産機械、移動重機、搭載機器、産業機器製品、組立金属製品、タイヤ製造製品を含む)、電気機械又は電子部品(例えば家電製品、セキュリティ及び/又は制御及び/又は計測製品、計算及び通信機器、半導体、医療デバイス及び機器を含む)、消費財(例えば家具、家庭用及び園芸製品、レジャー用品、ファッション製品、耐久消費財の小売店の製品、消耗品の小売店の製品を含む)、梱包品(例えば食品及び飲料及びタバコ、美容品及び日用品、家庭用品の梱包を含む)である。
3Dモデルは、3D現実世界オブジェクトの離散幾何学的表現を形成し、例えば、機械部品のような現実世界からのオブジェクトを表し得る。離散幾何学的表現は、離散的なデータセットを含むデータ構造である。各データを離散要素とも呼ぶことができる。各データは、3D空間内に位置決めされた各幾何学的エンティティを表す。各幾何学的エンティティは、3Dオブジェクトの各位置(言い換えると、3Dオブジェクトが表す固体を構成する材料の各部分)を表す。幾何学的エンティティの集合体(すなわち連合(union)又は並置(juxtaposition))は、3Dオブジェクト全体を表す。複数の例において、離散幾何学的表現は、100、1000、又は10000よりも多い数のデータを含み得る。
離散幾何学的表現は例えば、各幾何学的エンティティが1つのポイントである3Dポイントクラウドとすることができる。あるいは離散幾何学的表現は、各幾何学的エンティティが1つのメッシュタイル又は面である3Dメッシュとすることができる。3Dメッシュは規則的又は不規則的であり得る(すなわち、同じタイプの面から構成されるか又はそうでない場合がある)。3Dメッシュは、例えば三角形メッシュのような多角形メッシュとすることができる。3Dメッシュは、例えば3Dポイントクラウドを三角分割する(例えばドローネ三角分割法を用いて)ことによって、3Dポイントクラウドから取得できる。
3Dポイントクラウド又は3Dメッシュは、例えば再構築プロセス内で、実在のオブジェクトに対する物理学的測定から決定することができる。3D再構築プロセスは、実在のオブジェクトを提供することと、それぞれが各物理的信号を取得するために構成された1つ以上の物理センサを提供することと、実在のオブジェクトに対して1つ以上の物理センサを動作させる(すなわち実在のオブジェクトを各センサでスキャンする)ことによって1つ以上の各物理的信号を取得することと、を含み得る。次いで3D再構築は、任意の既知の技法に従って、この測定に基づいて3Dポイントクラウド及び/又は3Dメッシュを自動的に決定できる。1つ以上のセンサは、複数の(例えばRGB及び/又は画像又はビデオ)カメラを含むことができ、前述の決定は、運動からの構造復元(structure-from-motion)解析を含み得る。1つ以上のセンサは、代替的に又は追加的に、(例えばGRB深度カメラ上の)1つ以上の深度センサを含むことができ、前述の決定は、深度データからの3D再構築を含み得る。1つ以上の深度センサは、例えばレーザ(例えばライダー)又は超音波放出器-受信器を含み得る。
あるいは3Dポイントクラウド又は3Dメッシュは、例えば、固体又は機械部品のスキン(すなわち外面)を表す3Dモデル化オブジェクトに対するレイキャスティング(ray casting)又は3Dモデル化オブジェクトのテッセレーションによって、3Dモデル化オブジェクトから取得できる。テッセレーションは、任意の3Dモデル化オブジェクトのレンダリングプロセスに従って実行され得る。このようなレンダリングプロセスは、3Dモデル化オブジェクトのグラフィック表現を表示するため、任意のCADシステム上でコード化することができる。3Dモデル化オブジェクトは、CADシステムを用いてユーザによって設計することができるか、又はすでに設計されている。
CADシステムは履歴ベースとすることができる。この場合、モデル化オブジェクトは、幾何学的フィーチャの履歴を含むデータによって更に定義される。モデル化オブジェクトは実際には、物理的人物(すなわち設計者/ユーザ)が、標準的なモデル化フィーチャ(例えば押し出し、回転、切断、及び/又は丸め)、及び/又は標準的な表面フィーチャ(例えばスイープ、ブレンド、ロフト、フィル、変形、及び/又はスムージング)を用いることによって設計できる。このようなモデル化機能をサポートする多くのCAシステムは履歴ベースのシステムである。これはつまり、典型的に、入力及び出力リンクを介して前記の幾何学的フィーチャをリンクする非循環データフロー(acyclic data flow)によって設計フィーチャの生成履歴がセーブされることを意味する。部品の履歴は設計意図である。基本的に、履歴は、モデル化オブジェクトに実行された動作に関する情報を収集し、これによって設計意図に従った部品の設計変更が可能となる。履歴ベースのモデル化パラダイムは、当技術分野において既知の方法のいずれかに従って実現され得る。
PLMシステムとは、物理的な製造済み製品(又は製造される製品)を表すモデル化オブジェクトを管理するために適合された任意のシステムを更に意味する。従って、PLMシステムにおいてモデル化オブジェクトは、物理オブジェクトの製造に適したデータによって定義される。これらは典型的には寸法値及び/又は公差値とすることができる。物体の正確な製造のため、実際はそのような値を有する方が良い。例えばPLMシステムは、CADモデルで与えられたフィーチャに関する機械加工又は成形における製造公差を管理することができる。
CAMソリューションとは、製品の製造データを管理するため適合された任意のソリューション、ソフトウェア、又はハードウェアを更に意味する。製造データは一般に、製造される製品、製造プロセス、及び必要なリソースに関するデータを含む。CAMソリューションは、製品の製造プロセス全体を計画し最適化するために用いられる。例えばこれは、実現可能性、製造プロセスの期間、又はリソースの数に関する情報を、CAMユーザに提供することができる。リソースは例えば、製造プロセスの特定のステップで使用され得る特定のロボットである。これによって、管理又は必要な投資に関する決定を行うことができる。CAMは、CADプロセスの後の、場合によってはCAEプロセスの後のプロセスである。例えばCAMソリューションは、CADモデルの1つ以上のフィーチャと一貫性のある機械加工パラメータ又は成形パラメータに関する情報を提供できる。このようなCAMソリューションは、Dassault SystemsによってDELMIA(登録商標)の商標で提供されている。
CAEソリューションとは、モデル化オブジェクトの物理的挙動を解析するため適合された任意のソリューション、ソフトウェア、又はハードウェアを更に意味する。周知であり広く用いられているCAE技法は有限要素法(FEM:Finite Element Method)であり、これは典型的に1つのモデル化オブジェクトを複数の要素に分割し、数式によって物理的挙動を計算しシミュレーションすることを可能とする。このようなCAEソリューションは、Dassault SystemsによってSIMULIA(登録商標)の商標で提供されている。成長しつつある別のCAE技法は、CADジオメトリデータなしで様々な物理学分野からの複数のコンポーネントで構成された複雑なシステムのモデル化及び解析を行う。CAEソリューションによって、製造する製品のシミュレーションが可能となり、従ってその最適化、改善、及び検証が可能となる。このようなCAEソリューションは、Dassault SystemsによってDYMOLA(登録商標)の商標で提供されている。
PDMは製品データ管理を表す。PDMソリューションとは、特定の製品に関する全てのタイプのデータを管理するために適合された任意のソリューション、ソフトウェア、又はハードウェアを意味する。PDMソリューションは、製品の寿命中に関与する全ての参加者によって使用できる。この参加者は主にエンジニアであるが、プロジェクトマネージャ、財務担当者、販売員、及び購入者も含む。PDMソリューションは一般に、製品指向データベースに基づく。これによって、参加者は製品に関する一貫性のあるデータを共有することができ、従って参加者が異なるデータを用いることを防止する。このようなPDMソリューションは、Dassault SystemsによってENOVIA(登録商標)の商標で提供されている。
本方法は、機械部品のCAD 3Dモデルを提供することを含む。CAD 3Dモデルは、機械部品の部分の外面を表すスキン部分を含む。機械部品の部分は、他の部分を含む機械部品の厳密な一部分(strict portion)とすることができる。本方法は、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理する。また、本方法は反復され得る、すなわち、機械部品の1つ以上の他の部分に対して使用され得る。他の各部分に対する本方法の使用は、押し出し処理アルゴリズムに基づいて各スキン部分を処理する。あるいは、機械部品の部分は機械部品自体としてもよい。機械部品の部分は、機械加工プロセス、付加製造プロセス、及び/又は成形によって製造され得る。複数の例において、機械部品の部分は、回転として構成された材料分布を有するシャフト又は溝とすることができる。
「外面」とは、機械部品の外側の媒体、例えば別の機械部品又は空気と接触している表面を意味する。言い換えると、外面は、前述の部分における機械部品の外側と機械部品の内側との境界を形成する。「スキン部分」とは、機械部品の前述の部分の外面(又は「スキン」)の任意の表面表現(開いた表面又は閉じた表面)を意味する。スキン部分は、各3Dモデルの境界(すなわち表面)の少なくとも一部を表し、この境界の少なくとも一部は外面を表すことができる。言い換えると、スキン部分は、機械部品の外面に対応する機械部品の提供された3Dモデルの一部である。更に言い換えると、CAD 3Dモデルは機械部品を全体的に表すが、スキン部分は、機械部品の前述の部分の外面を表すCAD 3Dモデルの一部である。前述の部分が機械部品の厳密な一部分である場合、スキン部分は、提供されたCAD 3Dモデルの境界の厳密な一部分であり得る。3Dモデルはこの場合、それぞれが機械部品の別の部分を表す複数の他の部分を含む。あるいは、前述の部分が機械部品自体である場合、スキン部分はCAD 3Dモデルの外側境界とすることができる。
本方法は、CAD 3Dモデルを提供する前に、セグメンテーションの方法を実行することを含み得る。セグメンテーションの方法は、CAD 3Dモデルの1つ以上のセグメントを提供することができる。スキン部分は、セグメンテーションプロセスで得られたCAD 3Dモデルの1つ以上のセグメントを含むか、又はこのセグメントから構成され得る。
上記で検討したように、CAD 3Dモデルを提供することは、CAD 3Dモデルを測定すること又は取得することを含み得る。これを行うには例えば、物理センサを提供し、それらの物理センサを機械部品に対して動作させ(これは例えば機械部品をスキャンすることであり得る)、次いで3D再構築プロセスを実行して3Dモデルを取得すればよい。あるいは、3Dモデルを提供することは、例えば3Dモデルのスケッチによって3Dモデルを生成することを含み得る。更に別の代替案では、3Dモデルを提供することは、3Dモデルの生成又は取得に加えて、3Dモデルが記憶されている(例えば遠隔の)データベースから3Dモデルを検索することを含み得る。
本方法は更に、押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理することを含む。上記で検討したように、スキン部分の処理は、スキン部分のジオメトリ検出、編集、又はパラメータ化のうち1つ以上を含み得る。前述の部分の材料分布の展開を表すスキン部分の変換を、押し出し処理アルゴリズムに入力する。「前述の部分の材料分布の展開を表す変換」とは、前述の部分の変換の各材料分布がこの部分の材料分布の展開であることを意味する。「前述の部分の材料分布の展開」とは、前述の部分の材料分布が1方向で実質的に平坦化されていることを意味する。スキン部分が回転表面である、すなわち、回転軸を中心としてプロファイルを回転させることで形成されている例では、展開は、プロファイルの回転経路に沿ってスキン部分を平坦化することとして表され得る。言い換えると、平坦化の方向はスキン部分の変換の押し出し方向である(なお、回転の変換は押し出しである)。複数の例では、例えば回転表面のプロファイルが1本の線である場合(この場合に限り)、スキン部分の展開は平坦面であり、展開によって平坦面(すなわち面)が生成される。
図1、図2、及び図4は、そのような変換を示す。図1で示されているように、スキン部分1010及び1020を有する部分1000を展開すると、実質的に平坦化されたスキン部分1010及び1020の変換1030及び1040がそれぞれ得られる。同様に、図2で示されているように、スキン部分2010を有する部分2000を展開すると、変換2020が得られる。図4で示されているように、スキン部分4010は、回転経路(x-y面内)に沿って平坦化されて変換4020が得られる。
本方法は、前述の部分の材料分布の展開を計算する、すなわち、そのスキン部分を処理する前にスキン部分の変換を計算するステップを含み得る。あるいはアルゴリズムは、変換の実質的な計算を必要とせず、例えば、変換の使用に対応する座標系でスキン部分を処理することによってスキン部分の処理に展開を統合することで実行され得る。「押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理する」とは、押し出し処理アルゴリズムを用いてスキン部分を処理することを意味する。押し出し処理アルゴリズムは、アルゴリズムに対する入力の押し出し関連の特徴を処理する任意のアルゴリズムとすればよく、例えば、入力の押し出し表面を検出するアルゴリズム及び/又は入力の押し出し表面を(例えば検出された押し出し表面を)パラメータ化するアルゴリズムである。従って本方法は、各変換を処理することによってスキン部分を処理する。例えば本方法は、回転表面の変換である押し出し表面を処理することによって回転表面を処理する。
複数の例において、押し出し処理アルゴリズムは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に従った押し出し表面を検出するためのアルゴリズムを含み得る。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換の材料押し出し検出ステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。代替的に又は追加的に、押し出し処理アルゴリズムは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に従った押し出し表面をパラメータ化するためのアルゴリズムを含み得る。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。
押し出し処理アルゴリズムに基づくスキン部分の処理は、スキン部分を展開することを含み得る。スキン部分の展開は、スキン部分の変換を取得し(すなわち、展開は入力としてスキン部分を使用し、変換を出力する)、これによって、押し出し処理アルゴリズムに入力するための準備を行う。処理は更に、変換を押し出し処理アルゴリズムに入力することと、次いで押し出し処理アルゴリズムを実行することと、を含み得る。押し出し処理アルゴリズムの実行は、アルゴリズムに変換を入力することによって開始され得る。
第1の態様によれば、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換が、押し出しとして構成された材料分布の外面を表すか否かを判定することを含み得る。スキン部分の変換が押し出しとして構成されているか否かの判定は、押し出し検出とも呼ぶことができる。押し出し検出は、スキン部分の変換の押し出し方向を決定することを含み得る。あるいは押し出し検出は、例えばユーザによって潜在的な押し出し方向を与えることを含み得る。本方法では、この方向に沿って、材料分布が押し出しとして構成されているか否かが検証される。押し出し検出は、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に従ったものとすればよい。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換の材料押し出し検出ステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。
スキン部分の変換に対するこのような押し出し検出は、スキン部分の各特性を検出することができる。材料分布が回転として構成されている例では、スキン部分の変換の押し出し検出は、スキン部分の変換が、回転として構成された材料分布の外面すなわち回転表面を表すか否かを判定できる。このような例では、スキン部分の変換が押し出し表面であると判定された場合、スキン部分は本方法によって回転表面として判定される。任意選択的に、押し出し検出は、判定された回転表面の回転軸を決定することを含み得る。あるいは押し出し検出は、例えばユーザによって潜在的な回転軸を与えることを含み得る。本方法では、この軸に沿って、材料分布が回転として構成されているか否かが検証される。スキン部分が回転である場合、スキン部分の変換は押し出しであり、その押し出し方向は、回転軸を中心とする回転方向、すなわち回転軸を中心とする円に沿った方向、言い換えれば、回転軸に直交する(かつ、円の接線である)ベクトル群に対応する。押し出し方向は、スキン部分の回転軸に直交し得る。
押し出し処理アルゴリズムは更に、押し出しプロファイルを計算することを含み得る。押し出しプロファイルは、スキン部分の変換の押し出しプロファイルとすることができる。材料分布が回転である例では、押し出しプロファイルの計算は回転表面のプロファイルを計算する。押し出しプロファイルの計算は、決定された押し出し方向に基づくか、又は与えられた押し出し方向に基づくことができる。押し出し処理アルゴリズムは、所与の押し出し方向を用いて押し出しプロファイルを計算する任意の既知の方法に従って、例えばすでに引用した欧州特許出願21305673.2号又は21305671.6号に従って、押し出しプロファイルを計算することができる。具体的には、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。このパラメータ化方法の使用は、プロファイルを計算するステップを含み得る。このステップは、すでに引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているように、決定されたそれぞれの値分布に基づいて1つ以上の曲線をフィッティングすることを含み得る。追加的に又は代替的に、押し出し処理アルゴリズムは、スキン部分の変換の材料押し出し検出のステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含み得る。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。この材料押し出し検出方法の使用は、プロファイルを計算するステップを含み得る。このステップは、すでに引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されているように、与えられたか又は決定された押し出し方向に基づいて1つ以上の曲線をフィッティングすることを含み得る。
第1の態様と組み合わせることができる第2の態様によれば、押し出し処理アルゴリズムに基づくスキン部分の処理は、機械部品の前述の部分における材料回転検出を含み得る。材料回転検出は、回転軸を決定するために、回転軸までの距離に比例する範囲で、回転軸候補に直交する回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性にペナルティを与える目的関数を最適化することを含み得る。第2の態様によれば、目的関数の最適化は、スキン部分の変換を用いることなくスキン部分に直接使用され得る。
言い換えると、第2の態様によれば、本方法は、材料分布を有する部分を含む機械部品の部分における回転検出方法であり、押し出し処理アルゴリズムの使用は、材料分布が回転として構成されているか否かを判定するステップを形成する。更に言い換えると、第2の態様によれば、材料分布を有する機械部品の部分における回転検出のためのコンピュータにより実施される方法が提案される。この方法は、
-機械部品のCAD 3Dモデルを提供することであって、3Dモデルは、機械部品の部分の外面を表す3Dモデルのスキン部分を含む、CAD 3Dモデルを提供することと、
-回転軸までの距離に比例する範囲で、回転軸候補に直交する回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性にペナルティを与える目的関数を最適化することによって、回転軸を決定することを含む、材料分布が回転として構成されているか否かを判定することと、
を含む。
第1及び第2の態様の組み合わせに従った例において、スキン部の処理は、第2の態様に従った第1の押し出し処理アルゴリズムに基づき、更に、第1の態様に従った別の(すなわち第2の)押し出し処理アルゴリズムに基づく。そのような例では、本方法は最初に第1の押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理し、次いで第2の押し出し処理アルゴリズムに基づいてスキン部分を処理する。このような場合、本方法は最初に第1の押し出し処理アルゴリズムを(すなわち第2の態様に従って)使用し、スキン部分のための回転軸を出力する。次いで本方法は、この回転軸に基づいてスキン部分の変換を計算し、その結果、回転軸を中心とする回転方向に対応する押し出し方向を有する押し出しが得られる。すなわち押し出し方向は、回転軸を中心とする円に沿った方向、言い換えれば、回転軸に直交する(かつ、円の接線である)ベクトル群に対応する。押し出し方向は回転軸に直交し得る。次いで、本方法は、計算された変換に第2の押し出し処理アルゴリズムを(すなわち第1の態様に従って)使用する。言い換えると、このような例は、変換を定義するように回転軸を検出し、次いで第2のアルゴリズムを使用することができるが、これは要するに、第2のアルゴリズムを使用するためスキン部分を準備するということである。追加的に又は代替的に、第1のアルゴリズムは回転軸を決定するので、第1のアルゴリズムは、スキン部分が回転であるか否かの検出をすでに実行している。この場合、第2のアルゴリズムは、変換が押し出しであるか否かを判定する押し出し検出アルゴリズムとすることができ、これによって前述のようにスキン部分の間接的な回転検出を実行できる。言い換えると、第1及び第2の態様を組み合わせるこの事例は、二重の回転検出、すなわちスキン部分が回転であることの二重チェックを行う。
上述のように、目的関数は、回転軸候補(すなわち最適化の自由変数)に直交する回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性にペナルティを与える。このため、目的関数の最適化は目的関数を最小化する。回転方向は、回転軸候補を中心とする回転を表す方向である。回転方向は、回転軸に直交する面内で定義される。ペナルティ付与は、目的関数が回転軸までの距離に比例する範囲で行われる。この目的関数は、回転の変換が押し出しであるような変換の結果として得られる別の座標系で表現された押し出し検出のための目的関数に対応し得る。目的関数の最適化によってスキン部分の回転軸が決定される。特に、回転として構成されたスキン部分では、スキン部分の法線は回転方向に直交する、すなわち、回転軸を中心とする回転表面のプロファイルを回転させる方向に直交する。従って、回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性を最小化することで、回転軸が獲得される。ペナルティ付与は、軸までの距離にかかわらず各位置における一定の重みを含む。これにより、3Dモデルが3Dメッシュ又は3Dポイントクラウドであって、一般的なポイント密度を有する(すなわち、メッシュの頂点又はポイントクラウドのポイントが3D空間内で必ずしも均等に分布していない)例において、3Dモデル内の(すなわち、ポイントクラウドのポイント又はメッシュの頂点での)同一レベルのノイズに関して、本方法が改良される。ペナルティ付与は、軸から離れたポイントを優先せず、それら全てに等しくペナルティを与える。これは特に、一般的なCADソフトウェアから3Dモデルが得られる場合の処理を改良する。そのような場合、ポイント数は軸からのどの距離でもほぼ同じであるが、ポイント間の距離(従って、例えば三角形又は四角形(quad)のようなメッシュの面の大きさ及び面積)は軸からの距離に比例して大きくなる。
目的関数は以下のタイプとすればよい。
Figure 2022186654000004
ここで、uは回転軸候補の方向であり、cは回転軸候補の原点であり、Aはスキン部分の面積であり、Sはスキン部分であり、pはスキン部分上の位置であり、πc,u(p)は回転軸候補上のpの正射影であり、nは位置pにおけるスキン部の法線である。目的関数Jの最適化は、非線形最適化問題である。本方法は、この非線形最適化問題を解くに当たって、u及びcについて初期解を得るため、最初に重み1/|pτ-πc,u(pτ)|を定数(例えば1)に固定し、最小二乗法によって問題を解くことができる。本方法は次いで、例えばレーベンバーグマーカート(Levenbert-Marquardt)アルゴリズムを用いて、この初期解を(例えば最初の推測として)非線形最適化ソルバに注入し、非線形最適化問題を解くことができる。このように、最適化ソルバにおいて良好な初期解を用いることで、目的関数の最適化を改良して、もっと計算的に効率よく、目的関数の極小値を取得することなく(すなわち最適化の結果として)これを解く。
図3及び図4を参照すると、展開は回転軸を提供することを含み得る。上記で検討した第2の態様(又は第1及び第2の態様の組み合わせ)に従った例では、提供される回転軸は、上記で検討したように目的関数を最適化することで決定された回転軸とすることができる。回転軸は、ユーザによって別個に提供してもよい。展開は更に、スキン部分の円筒座標規定値を決定することを含み得る。円筒座標規定値は第1の値を含み得る。第1の値は3座標値(triplet coordinate value)セットを形成し得る。三座標値の各々は、円筒座標系に対するスキン部分上の各位置を規定する。円筒座標系は、提供される回転軸である長手方向軸を有し得る。例えば、円筒座標系はデカルト座標系3010の円筒表現とすることができ、長手方向軸zがスキン部分4010の回転軸である。展開は更に、長手方向軸である1つの軸を有するデカルト座標系に対する変換のデカルト座標規定値を決定することを含み得る。例えば図3及び図4の展開は、長手方向軸zである1つの軸を有するデカルト座標系3010に対する変換のデカルト座標規定値3020を決定する。デカルト座標規定値は、変換上の位置を規定する第2の値を含み得る。第2の値は、第1の値に対応し得る(例えば第1の値と等しい)。言い換えると、デカルト座標規定値3020は、デカルト座標系としてのデカルト座標系3010の円筒座標系表現の値を表す。複数の例では、スキン部分の円筒座標規定値の決定は、基準(グローバル)デカルト座標系に基づく。これは回転表面と押し出し表面との間の同値(equivalence)を構成し、これによって本処理方法は当技術分野において既知の押し出し処理技法を採用することが可能となる。図3を参照すると、第2の値はデカルト座標系3020に対する(r,θ,z)の3値(triplet)とすることができる。第2の値は、半径方向距離、角度位置、及び長手方向位置を表す。rの値は、例えば1(unity)のような基準値に設定することができる。θの値は、ある区間内(例えば[0,2π]又は[-π,π])とすることができる。zの値は、例えば[0,L]のような区間内とすることができる。図4は、展開変換Φ及びその逆数Φ -1に対する回転表面4010と押し出し表面4020との間の同値を示す。
複数の例において、スキン部分は、離散要素を有する3D離散幾何学的表現によって表すことができる。このような例では、スキン部分の円筒座標規定値の決定は、3D離散幾何学的表現の各離散要素の第1の値を決定することを含む。円筒座標規定値の第1の値は、各離散要素について、長手方向軸に対する半径方向ベクトルのノルムである半径方向距離の値と、半径方向ベクトル及び長手方向軸に対するスキン部分上の角度位置の値と、長手方向位置の値と、から構成され得る。半径方向ベクトルは、デカルト座標系の中心(すなわち原点)と離散要素の位置を結ぶベクトルとすることができる。長手方向位置は、長手方向軸上の位置を示すことができる。長手方向位置は、長手方向軸に対する射影とすることができる。長手方向軸に対する射影は軸に対する正射影とすればよい。半径方向距離は半径とも呼ぶことができる。角度位置はアジマスとも呼ぶことができる。半径、アジマス、及び長手方向位置は、標準的な円筒座標系で既知のように定義され得る。
円筒座標規定値の決定は、3D離散幾何学的表現の離散要素を探査することによって角度位置の値を計算することを含み得る。探査した各離散要素について、本方法は、探査した離散要素の近隣離散要素の角度位置を計算することができる。言い換えると、本方法は、1つ以上の離散要素から開始し、各近隣要素を探査することによって、離散要素を探査することができる。「離散要素の近隣離散要素」とは、(3D空間内で)離散要素に近接して、例えば既定半径の球内に、幾何学的に位置決めされた離散要素セットを意味する。離散幾何学的表現がメッシュである例では、ある1つの離散要素、すなわちメッシュのある1つの頂点の近隣離散要素は、隣接する複数の頂点、すなわちメッシュのエッジによってその1つの頂点に接続された複数の頂点である。複数の例において、角度位置の計算は、幾何学的に回転軸上に位置決めされていない1つの離散要素をランダムに選択することによって開始し得る。続いて、この離散要素の近隣の各離散要素の角度位置を計算することができる。続いて、すでに計算した角度位置を有する離散要素の近隣の各離散要素の角度位置を計算し、これを、全ての離散要素の角度位置を計算するまで続ける。このような探査は伝搬とも呼ぶことができる。伝搬を用いると円筒座標規定値の決定が改善する。これは、各離散要素で独立して角度位置を計算すると角度位置の値に2つの分離した区画が得られるので2つの分離表面が生じ得るが、伝搬ではこれが回避されるからである。
図5から図7に、離散要素を探査することによって円筒座標規定値を決定する例が示されている。角度位置を独立して計算すると、図5の分離表面が生じる。本方法は、図6に示されている伝搬を使用することができる。伝搬は図6の左側から右側への増大パターンで角度位置を計算し、結果として図7の結合表面が得られる。離散幾何学的表現がメッシュである場合、本方法は、メッシュの頂点に沿ってではなくメッシュの面/要素(例えば三角形)に沿って離散要素を探査し、面/要素の重心の角度値を計算することができる。離散幾何学的表現がポイントクラウドである場合、本方法は、距離近接条件を用いて(例えば、上記で検討したように既定半径の球内で)ポイントごとにポイントクラウドのポイントを探査することができる。これにより、結果として得られる展開後のメッシュが連結されていることを保証する。
探査済み離散要素の近隣離散要素の角度位置値の計算は、近隣離散要素のうち、探査済み離散要素との角度位置の差が閾値よりも大きい1つ以上の離散要素を複製することを含み得る。複数の例において、閾値はπ以上とすることができる。3Dモデルが3Dメッシュである例では、この複製は、メッシュの1つ以上のエッジの2つの頂点のうち1つを複製することを含む。これによって、スキン部分が全回転表面である場合の角度位置の計算を改善する。「全回転表面(full revolution surface)」とは、回転方向に閉じている表面を意味する。全回転表面は、完全回転表面又は総回転表面とも呼ぶことができる。言い換えると、全回転表面は、(回転の)軸を中心としてプロファイル曲線を一周させる、すなわち360度回転させることによって得られる表面である。図8は、回転方向に閉じているが両端で(軸方向で)開いている全回転表面の一例を示す。すなわち、これは2つの円形境界を有する(それぞれ、回転軸を中心としてプロファイルの先端を回転させることで生成される)。このような場合、すでに計算した角度位置値を有する離散要素を探査中に探査した場合、伝搬は中断され得る。近隣離散要素のうち、探査済み離散要素との角度位置の差が閾値よりも大きい1つ以上の離散要素の複製を行うことで、角度位置値の一貫性が保証される、すなわち、全回転に起因した角度位置値の急激な変化が回避される。また、分離表面の取得も回避される。これは、急激な変化の位置で面/多角形を複製せずに切断(cut)を用いることでしか分離表面が発生し得ないからである。
角度位置の値は以下のタイプとすればよい。
Figure 2022186654000005
ここで、uは長手方向軸であり、pは探査した離散要素iのデカルト位置ベクトルであり、θは探査した離散要素の角度位置の値であり、θi+1は探査した離散要素iの近隣離散要素i+1の角度位置の値である。
本方法は更に、角度位置の値をスケーリングすることを含み得る。スケーリングは、r軸及びz軸に沿った表面の延出に応じて、極めて短い押し出し又は極めて長い押し出しを回避するため、スキン部分の変換の角度位置の値をスケーリングすることができる。
本方法はコンピュータにより実施される。これは、本方法のステップ(又は実質的に全てのステップ)が、少なくとも1つのコンピュータによって又は同様の任意のシステムによって実行されることを意味する。従って、本方法のステップはコンピュータによって、場合によっては完全に自動的に、又は半自動的に実行される。複数の例では、本方法のステップの少なくともいくつかのトリガは、ユーザとコンピュータの相互作用によって実行され得る。必要なユーザとコンピュータの相互作用のレベルは、想定される機械的動作のレベルに依存し、ユーザの要望を実現する必要性とバランスを取ることができる。複数の例では、このレベルはユーザが定義する及び/又はあらかじめ定義することができる。
例えば、機械部品のCAD 3Dモデルを提供するステップは、ユーザの動作によってトリガすることができる。例えばこの動作は、ユーザによるCAD 3Dモデルのインポート、ロード、又は生成を含み得る。
方法のコンピュータ実施の典型的な例は、この目的のために適合されたシステムによって方法を実行することである。このシステムは、メモリ及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)に結合されたプロセッサを含み得る。メモリは、本方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラムを記録している。また、メモリはデータベースも記憶することができる。メモリは、このような記憶のために適合された任意のハードウェアであり、場合によっては、いくつかの物理的に別個の部分を含む(例えば、ある部分はプログラムのため、別の部分はデータベースのためであり得る)。
図11は、CADシステムであるシステムのGUIの一例を示す。モデル2000は、本方法に提供されたCAD 3Dモデルの一例である。GUI2100は、典型的なCADのようなインタフェースであり、標準的なメニューバー2110、2120、下部ツールバー2140、及び側部ツールバー2150を有する。当技術分野で既知のように、このようなメニューバー及びツールバーはユーザ選択可能アイコンのセットを含み、各アイコンは1つ以上の動作又は機能に関連付けられている。これらのアイコンのいくつかは、GUI2100に表示された3Dモデル化オブジェクト2000に対する編集及び/又は作業のため適合されたソフトウェアツールに関連付けられている。これらのソフトウェアツールは、ワークベンチにグループ化することができる。各ワークベンチは、ソフトウェアツールのサブセットを含む。具体的には、ワークベンチの1つは、モデル化製品2000の幾何学的フィーチャの編集に適した編集ワークベンチである。動作中、設計者は例えばオブジェクト2000の一部をあらかじめ選択し、次いで、適切なアイコンを選択することによって、動作(例えば寸法や色の変更)を開始するか又は幾何学的制約を編集することができる。例えば、典型的なCAD動作は、画面上に表示された3Dモデル化オブジェクトのパンチング又は展開のモデル化である。GUIは例えば、表示された製品2000に関連するデータ2500を表示することができる。この図の例では、「フィーチャツリー」と表示されたデータ2500及びその3D表現2000は、ブレーキキャリパ及びディスクを含むブレーキアセンブリに関連する。GUIは更に、様々なタイプのグラフィックツール2130、2070、2080も示すことができる。これらは例えば、オブジェクトの3D方位付けを容易にするため、編集済み製品の動作のシミュレーションをトリガするため、又は表示された製品2000の様々な属性をレンダリングするためのものである。カーソル2060を触覚デバイスによって制御することで、ユーザがグラフィックツールと相互作用することを可能とする。
図12は、例えばユーザのワークステーションのようなクライアントコンピュータシステムであるシステムの一例を示す。
この例のクライアントコンピュータは、内部通信バス1000に接続された中央処理ユニット(CPU)1010と、バスに接続されたランダムアクセスメモリ(RAM)1070と、を含む。クライアントコンピュータは更に、バスに接続されたビデオランダムアクセスメモリ1100に関連付けられたグラフィカル処理ユニット(GPU)1110が備えられている。ビデオRAM1100は、当技術分野ではフレームバッファとしても知られている。大容量記憶装置コントローラ1020は、ハードドライブ1030等の大容量メモリデバイスに対するアクセスを管理する。コンピュータプログラム命令及びデータをタンジブルに(tangibly)具現化するのに適した大容量メモリデバイスは、あらゆる形態の不揮発性メモリを含み、一例として、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリデバイス等の半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び着脱可能ディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMディスク1040が含まれる。前述したものはいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補足するか又はASIC内に組み込むことができる。ネットワークアダプタ1050は、ネットワーク1060に対するアクセスを管理する。また、クライアントコンピュータは、カーソル制御デバイスやキーボード等の触覚デバイス1090も含み得る。クライアントコンピュータにおいてカーソル制御デバイスを用いると、ユーザはディスプレイ1080上の所望の位置にカーソルを選択的に決めすることができる。更に、カーソル制御デバイスによって、ユーザは様々なコマンドを選択すること及び制御信号を入力することができる。カーソル制御デバイスは、システムに対する入力制御信号のための多数の信号発生デバイスを含む。典型的には、カーソル制御デバイスはマウスであり、このマウスのボタンを用いて信号を発生することができる。代替的に又は追加的に、クライアントコンピュータシステムは検知パッド及び/又は検知画面を含み得る。
コンピュータプログラムはコンピュータによって実行可能な命令を含み、この命令は上述のシステムに本方法を実行させるための手段を含むことができる。プログラムは、システムのメモリを含む任意のデータ記憶媒体上に記憶可能とすることができる。プログラムは例えば、デジタル電子回路、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせにおいて実施され得る。プログラムは、装置として、例えばプログラム可能プロセッサにより実行される機械可読記憶デバイスにおいてタンジブルに具現化された製品として、実施され得る。方法ステップを実行するため、プログラム可能プロセッサは命令のプログラムを実行し、入力データに対する動作を行うこと及び出力を発生することによって方法の機能を遂行できる。従ってプロセッサは、少なくとも1つの入力デバイス及び少なくとも1つの出力デバイスにおいてデータ記憶システムからデータ及び命令を受信すると共にデータ記憶システムへデータ及び命令を送信するようにプログラム可能であり、そのように結合することができる。アプリケーションプログラムは、所望の場合、高レベルの手続き型プログラミング言語もしくはオブジェクト指向プログラミング言語で、又はアセンブリ言語もしくはマシン語で実施され得る。いずれの場合も、言語はコンパイラ型言語又はインタープリタ型言語とすることができる。プログラムは、完全インストールプログラム又はアップデートプログラムとすることができる。システムでのプログラムの使用によって、いずれの場合も、本方法を実行するための命令が得られる。
これより方法の実施例について検討する。
実施例は、回転ジオメトリを含む未加工ジオメトリ表現(例えばメッシュ又はポイントクラウド)を処理することによって、意味3Dモデル(すなわちフィーチャツリー)を取得する状況にある。未加工ジオメトリは、例えば視覚化及び/又は解析の目的のための、もはや利用可能でないオリジナルのフィーチャツリーから得ることができる。フィーチャツリーを反転(すなわち獲得)できることによって、高度な編集が可能となり、従来のCADプログラムによって与えられる全ての機能がサポートされ、この場合、シャフト又は溝のような回転ジオメトリに利用可能な全ての機能性がサポートされる。このような回転フィーチャをジオメトリ上で検出してフィッティングしたことで、例えば旋盤加工のような特定の工業プロセスによる対応部分の製造が可能となる。これを達成するため、実施例は、メッシュ又はポイントクラウドに最も良くフィットする回転表面の数学的記述を決定する。ポイントクラウドの場合、実施例はポイントクラウドの各ポイントについて、法線ベクトルと、近隣で最も近いポイントの双方を必要とする(これによって最小トポロジ情報を与える)。
実施例は、デカルト座標における回転を円筒座標系における押し出し表面と見なすことによって回転表面を検出する。図3で示されているように、3D空間内の以下の変換(transformation)Φはデカルト座標を円筒座標に変換する。
Figure 2022186654000006
図4で示されているように、実施例は、ポイントc及びベクトルuで定義された軸を有する回転表面を、この回転表面と同じプロファイルを用いた押し出し表面に変換することができる。この変換は、平行移動(cから原点まで)、回転R(uをz軸に対して回転させる)、及び変換Φを組み合わせて、変換Φ(x)=Φ(R(x-c))にする。これは、回転表面を押し出し表面に展開するということである。この変換は、xz面(rz面に変換される)内に位置するポイントのどれにも影響を与えないので、プロファイル曲線には変更も変形も行われない。
実施例は、回転表面と押し出し表面との間の同値を利用することで、押し出し表面に対して既存のソリューションを再使用し、従ってこの問題を簡略化することを可能とする。実施例は、3D CADモデルの利用可能な幾何学的データを全て活用するので、必要な計算は少量である。これにより、一般的なソリューション(全ての可能なタイプの回転表面)を与え、ノイズの多い入力をサポートする。これによって得られるソリューションは、例えば不均等なメッシュ等、様々なタイプの入力に対してより良く適合する。更に、実施例は、先に引用した欧州特許出願21305673.2号及び21305671.6号に従った押し出し表面の検出及びフィッティングの使用法、すなわち、偽陽性の押し出しを回避するモンテカルロシャドー推定(Monte-Carlo shadow estimation)、自然表面パラメータ化(natural surface parametrization)、及びプロファイル計算を可能とする。具体的には、実施例は、偽陽性の押し出しを回避するモンテカルロシャドー推定を用いて、スキン部分の変換の材料押し出し検出ステップ、すなわち、スキン部分の変換が押し出し表面であるか否かを判定するステップを含む押し出し処理アルゴリズムに基づいて、スキン部分を処理することができる。これは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されている材料押し出し検出のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。この材料押し出し検出方法の使用は、プロファイルを計算するステップを含み得る。このステップは、先に引用した欧州特許出願21305673.2号に開示されているように提供されたか又は決定された押し出し方向に基づいて、1つ以上の曲線をフィッティングすることを含み得る。追加的に又は代替的に、本方法は、自然表面パラメータ化のためスキン部分の変換をパラメータ化するステップ、すなわち、スキン部分の変換の各パラメータの1つ以上の第1の値分布を決定するステップを含み得る押し出し処理アルゴリズムに基づいて、スキン部分を処理することができる。これは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているパラメータ化のためのコンピュータにより実施される方法をスキン部分の変換に適用することによって行われる。このパラメータ化方法の使用は、プロファイルを計算するステップを含み得る。このステップは、先に引用した欧州特許出願21305671.6号に開示されているように決定された各値分布に基づいて、1つ以上の曲線をフィッティングすることを含み得る。実施例は更に、少量の計算を必要としながら全ての利用可能な幾何学的入力データを活用し、全ての可能なタイプの回転表面について一般的なソリューションを与える。また、実施例はノイズの多い入力に対してロバストである。
実施例に提供される3Dモデルは、具体的には、データポイント(例えばメッシュの頂点又はポイントクラウドのポイント)、法線、及び各ポイントの近隣情報(すなわち近隣ポイント)を含み得る。従って実施例は、例えば与えられた法線ベクトル及び近隣データが前もって計算されているメッシュ及びポイントクラウドと共に機能する。実施例は、回転表面を定義する回転軸及び平面プロファイル曲線を出力し得る。また、回転表面の限界角度も計算することができる。
回転検出のためのエネルギ
実施例は、目的関数を最適化することによって回転軸を計算する。目的関数は、回転軸までの距離に比例する範囲で、回転軸候補に直交する回転方向に対するスキン部分の法線の非直交性にペナルティを与える。このようなペナルティ付与はエネルギを形成する。これより、そのようなエネルギを取得する例について検討する。
実施例は、以下の押し出し検出エネルギから開始して回転軸を計算することができる。
Figure 2022186654000007
ここで、uは押し出し方向であり、nは表面Sに対する局所法線であり、Aは表面Sの総面積である。押し出し検出エネルギが押し出し閾値よりも小さいという制約で、押し出し検出エネルギJの値を最小化することによって、押し出し方向を取得できる。次いで、以下のように回転検出エネルギを導出すればよい。
Figure 2022186654000008
ここで、変数u及びcはそれぞれ回転方向及び回転軸の原点であり、pは表面S上の局所ポイントであり、πc,u(p)は軸上のpの射影である。
先に検討したように、実施例は、先に引用した欧州特許出願21305673.2号の方法に従った押し出し表面の検出を含み得る。このような押し出し検出は、Jのような押し出し検出関数を使用し得る。押し出し検出エネルギJ及び回転検出エネルギJは双方とも、それぞれ表面の法線と押し出し方向又は回転軸との間の余弦関数(角度を表す)の平均値を測定する。正確な押し出し/回転表面では、表面の法線は押し出し方向又は回転軸にそれぞれ直交する。従って、理論上、uが(押し出し/回転)表面Sの押し出し方向又は回転軸である場合、エネルギ関数の値(J/J)はゼロである傾向がある。実際には、エネルギ関数の値が閾値未満である場合、押し出し検出方法及び回転検出方法は押し出し方向又は回転軸を決定することができる。閾値は、入力された3D CADモデルにおけるノイズレベルに従って、3Dモデルのノイズが大きくなると閾値の値が大きくなるようにすることができる。実際には閾値は、[0.0,0.05]の区画内、特に、3Dモデルにノイズが存在しない場合は約0.005とすることができる。3Dモデルのノイズは回転エネルギに及ぼす影響の方が大きいので、回転検出方法の閾値は一般に押し出し検出方法よりも大きい値に設定され得る。
を得るため、
Figure 2022186654000009
と示すと、実施例は以下のように円筒座標のマップを定義する。
Figure 2022186654000010
ここで、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000011
ξは、C-微分同相写像である。実施例は更に、
Figure 2022186654000012
上の2つの計量テンソル
Figure 2022186654000013
を、チャート内の成分(M,ξ)によって定義する。
Figure 2022186654000014
いくつかの定数r>0、及び、M上の関連する体積形式について、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000015
S⊂Mがリーマン面であり、iが包含写像であると仮定すると、実施例は引き戻し(pull-back)i*Tを定義する。ここで、TはM上のタイプ(0,s)のテンソル場である。
Figure 2022186654000016
ここで、di(X)がXによって容易に識別できるので、diは表記では削除され得る。
次いで実施例は、S上で計量テンソル
Figure 2022186654000017
を誘導し、また、誘導された体積形態は
Figure 2022186654000018
である。ここで、
Figure 2022186654000019
は、Sのチャート(U,x)内にある。Int(α)∈Ω(k-1)(M)はα∈Ω(M)とベクトル場Xとの内部積である。
Int(α)(Y,・・・,Yk-1)=α(X,Y,・・・,Yk-1
また、
Figure 2022186654000020
は、以下を満足するS上の2つの平滑なベクトル場のうち1つである。
Figure 2022186654000021
これは、
Figure 2022186654000022
に対するSの法線ベクトル場と呼ばれる。実施例は更に、一貫した向きで
Figure 2022186654000023
を備えるため、以下であることを求める。
Figure 2022186654000024
エネルギ移項のため、実施例は、
Figure 2022186654000025
を検討する。Sが
Figure 2022186654000026
の押し出し表面であり得るか否かを調べるため、実施例は以下のエネルギを検討する。
Figure 2022186654000027
ここで、
Figure 2022186654000028
である。ペア(pare)
Figure 2022186654000029
を比較することで、
Figure 2022186654000030
であるので、
Figure 2022186654000031
であるように見える。
更に、
Figure 2022186654000032
であることが分かっているので、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000033
ここで、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000034
pを計算するため、実施例はp∈Sと考え、以下のように(X,Y)∈TSを定義する。
Figure 2022186654000035
ここで、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000036
Figure 2022186654000037
であることを考慮すると、
Figure 2022186654000038
であり、以下のようになる。
Figure 2022186654000039
Figure 2022186654000040
であることを認識すると、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000041
これにより、以下が与えられる。
Figure 2022186654000042
ここで、fが充分に小さく、(r/r)が充分に1に近い(又は直接的に、(1-(r/r)fが小さい)という仮説を立てると、pをその近似
Figure 2022186654000043
で置き換えることは理にかなっている。従って以下が成り立つ。
Figure 2022186654000044
以下が認識される。
Figure 2022186654000045
ここで、以下となる。
Figure 2022186654000046
従って、
Figure 2022186654000047
を選択すると、
Figure 2022186654000048
となり、以下が成り立つ。
Figure 2022186654000049
ξ=(r,θ,z)を、
Figure 2022186654000050
に対する
Figure 2022186654000051
の円筒座標と考えると、gは
Figure 2022186654000052
上の通常のスカラー積によって識別することができ、エネルギは以下のように書き換えることができる。
Figure 2022186654000053
また、vol、すなわち
Figure 2022186654000054
上のルベーグ測度によって誘導されたS上の測度は、体積形式ηに関連付けられた測度である。
従って、回転検出エネルギJは押し出し検出エネルギJに対して導出される。
三角形メッシュの表面上で、エネルギは以下の(正確な)個別表現を有する。
Figure 2022186654000055
ここで、pτ、nτ、及びAτはそれぞれ、三角形τの中心、法線ベクトル、及び面積である。
先に検討した方法の第2の態様によれば、実施例は、Jを最小化するこの非線形最適化問題を解くに当たって、u及びcについて初期解を得るため、最初に重み1/|pτ-πc,u(pτ)|を定数(例えば1)に固定し、最小二乗法によって問題を解くことができる。実施例は次いで、例えばレーベンバーグマーカートアルゴリズムを用いて、この初期解を非線形最適化ソルバに注入することができる。
|u×(p-c)|=|p-πc,u(p)|であり、ここで、πc,u(p)はu及びcで定義された軸上の表面ポイントpの射影である、すなわち、|p-πc,u(p)|はこの軸までのpの距離であることを認識すると、Jが正規化項の使用とは異なることは明らかである。そのような正規化項を使用すると、以下のエネルギ関数としてJの変形が得られる。
Figure 2022186654000056
これは、Jとは重み1/|p-πc,u(p)|が異なる。この問題を押し出しとして見ると共に、表面を展開すると、Jは重み項1/|pτ-πc,u(pτ)|を使用し、従って、軸から遠いポイントに比べて、軸に近いポイントの影響を効果的に低減する。
一般に、2つのタイプの入力メッシュが存在し得る。
1.均一な密度を有するメッシュ。均一な密度の結果、ポイントは軸の近くよりも軸から遠くの方が多い。
2.3Dソフトウェアによって発生したメッシュ。ポイントの数は軸からのどの距離でもほぼ同じであるが、ポイント間の距離(従って、三角形(又は四角形)の大きさと面積)は距離に比例して大きくなる。
特に2番目の例では、Jで用いられる特定の重みが有利であることは容易に理解できる。これより図10を参照して、三角形の面でなく線分を有する2Dの例について考えることでこれを検討する。図10は、線分τの事例を示す。線分τの頂点p(r(p),θ(p))及びp’(r(p’),θ(p’))は、δ=r(p)-r(p’)<<1を満足する。δは典型的に、半径座標上のノイズの効果を表すが、この半径の値に比例しない(ポイントのクリーンな位置とは独立している)。θ(p)-θ(p’)が充分に小さい(そうでなければ、近似は粗すぎる)と仮定すると、δ≒r(p)sin(θ(p)-θ(p’))sin(β)である(βは以下の図に示される角度である)。τの大きさはAτ≒r(p)sin(θ(p)-θ(p’))であるが、仮説により、rに比例するはずであり、これは、sin(θ(p)-θ(p’))を定数aと見なせることを意味する。sin(θ(p)-θ(p’))を認識することによって、この「面」上のJ*のみに従った統合エネルギは以下のようになる。
τ(nτ・θ≒ar(p)sin(β)=δ/ar(p)
言い換えると、この場合の同じノイズレベルでは、J*に従ったエネルギは中心から遠くに位置する面を優先するが、Jに従ったエネルギ(この場合、τのエネルギはδ/ar(p)である)はそうでない。一般的な場合、法線ベクトル上の誤差は曲率が大きくなると増大すると推定され、これにより、J*の局所エネルギをrで乗算することによってこの効果を補償するJを用いることが正当化される。
展開
一度軸が検出されたら、実施例は、変換φを定義し、ジオメトリ(すなわちスキン部分)を押し出し表面上に展開する。上記で検討したように、また、上記で検討した方法の第1の態様に従って、実施例は、先に引用した欧州特許出願21305673.2号及び21305671.6号において押し出し表面のために提案されたソリューションを使用することができる。展開を実行するため、表面を平行移動させて(z軸が回転軸となるように)座標系と位置合わせした後、実施例は、各デカルトポイントp=(x,y,z)について円筒座標(r,θ,z)を計算することができる。円筒座標は以下によって規定される。
Figure 2022186654000057
ここで、eはx軸の方向ベクトルである。しかしながら実際は、各ポイントで独立して角度θを計算すると、実際に表面によってカバーされた角度間隔を計算することが難しくなる。このような独立した計算を用いると、例えば図5で示されているように、単一の表面によってカバーされた2つの分離した区画を計算する可能性がある。これを回避するため、図6を参照すると、実施例は、軸上に位置してはならないランダムに選択された初期ポイントpからその近隣(これらも軸上に位置していないことを条件とする)へ計算を伝搬する(すなわち探査する)ため、トポロジを利用する。
Figure 2022186654000058
このようなアィディアを用いることで、実施例は、図7で示されているように連結された表面を得ることができる。
メッシュ上では、1つの頂点の近隣にあるのは複数の隣接する頂点(すなわちエッジで連結されている)であり、ポイントクラウドでは、1つのポイントの近隣にあるのはクラウド内のk個の最近ポイントであり得る。後者の場合、近接性は、全ての利用可能な情報を用いて、例えばポイント座標を用いて定義されるが、利用可能な場合、法線ベクトル及び/又は曲率値も用いられる。軸上に位置する全てのポイントは表面境界上にあると想定され、ゼロの角度値に関連付けられる。e及びei+1は近隣にあるので、間隔[θ,θi+1]は完全に表面でカバーされ、メッシュ又はポイントクラウド上の角度値フィールドの連続性は維持される。
表面の比率を近似的に反映するオブジェクトを発生させるため、このように展開された場合(従って、以降の計算が数値的に有効であることを保証するため)、実施例は、r軸及びz軸に沿った表面の延出に応じて、極めて短い押し出し又は極めて長い押し出しを回避するため、展開した表面をθ方向に沿ってスケーリングすることも可能である。
全回転表面では、図8及び図9で示されているように、実施例は、すでに処理された(すなわち探査された)頂点に遭遇した(すなわち探査した)場合、伝搬を中断することができる。実施例は、2つの近隣ポイント間の角度距離が大きすぎる場合、例えばπよりも大きい場合はいつでも、連結しているエッジ及び隣接する三角形(メッシュの場合)を除去し得る。実施例は、表面を展開する場合、メッシュからエッジ8010及びその三角形を除去し得る。そのようなエッジの除去によってデータが失われ、一般的な場合は高密度メッシュが問題になることはまれであるが、図9で示されているように粗く不均一なメッシュでは問題が生じ得る。いくつかの変形において、実施例は、展開した結果でエッジ及びその三角形を維持するように、エッジの2つの頂点のうち1つを(その角度から2πを追加又は除去することで)複製することができる。
分離した展開メッシュの発生を回避するため、メッシュの場合、実施例は、頂点に沿ってではなく三角形に沿って伝搬を実行し、三角形の重心の角度値を計算する。これにより、結果として得られる展開メッシュが連結されていることを保証する。
応用
回転表面は、押し出し表面(rz面内で全く同じプロファイル曲線を用いる)に展開されているので、実施例は、既存の技術的ソリューションを押し出し表面に適用し、本発明の第1の態様に従ってそれらの結果を回転表面に活用することができる。これらには、限定ではないが、すでに引用した欧州特許出願DS2020-29号に従ったモンテカルロシャドー推定、及び/又はすでに引用した欧州特許DS2020-23号に従った自然表面パラメータ化による帰納的な(posteriori)偽陽性の押し出し検出が含まれ得る。次いで、それらの結果を用いて、プロファイル曲線をロバストに計算することができる(曲線を平面ポイントクラウドにフィッティングする場合に起こり得るオーバーフィッティング(overfitting)の問題を回避する)。実施例はトポロジ情報を押し出し表面に置き換える、すなわち、回転表面上の近隣の頂点は押し出し表面上でも近隣であり続けるので、これらの方法を用いることが可能である。
上記で検討したモンテカルロシャドー推定を用いると、押し出し検出(及び、一般にCAD処理)をいっそうロバストにすることができる。具体的には、押し出し表面候補と潜在的な押し出し方向が分かったら、この方法を用いて、この表面が更に強い意味で押し出しを近似すること、及び、単なる偶然で良好な法線ベクトルを有する表面ではないことを保証する追加条件を提供できる。この種のアルゴリズムによって、検出は、ノイズが存在する場合にはるかに優れた挙動を示す。このモンテカルロシャドー推定法は、展開後の潜在的な回転表面上で、潜在的な押し出し方向eθと共に使用され得る。
実施例は、押し出し表面を検出して各軸及び中心を計算した後、基本的な三角法によって表面全体の角度パラメータ化を計算することができる。具体的には、実施例は、先に引用した欧州特許出願21305671.6号の技法に従って、回転表面メッシュ上で直接、プロファイルを追従する(すなわち、角度方向eθに直交する接線方向に向いている)パラメータ化を計算することができる。あるいは実施例は、平坦面(固有の曲率を持たない)の近似である、展開後に得られる押し出しメッシュ上で同じ技法を用いることができ、解決のためのPDEがいっそう簡単な形態を有することが暗示される。
更に、変換はr,z座標で長さが等しいので、回転表面のプロファイルを見出すためには、展開後に押し出し表面のプロファイルを計算すれば充分である。これは例えば、先に紹介したパラメータ化、押し出し方向に沿った頂点の射影、及び、平面上でのパラメータ化ポイントクラウドに対する曲線フィッティングを用いて実行できる。

Claims (15)

  1. 材料分布を有する部分を含む機械部品のコンピュータ支援設計(CAD)3Dモデルを処理するための、コンピュータにより実施される方法であって、
    前記機械部品の前記部分の外面を表す3Dモデルのスキン部分を含む前記3Dモデルを提供することと、
    押し出し処理アルゴリズムに基づいて前記スキン部分を処理することと
    を含み、
    前記スキン部分の変換が前記押し出し処理アルゴリズムに入力され、前記変換は前記部分の前記材料分布の展開を表す、
    方法。
  2. 前記押し出し処理アルゴリズムに基づいて前記スキン部分を処理することは、
    前記スキン部分を展開することによって前記変換を取得することと、
    前記変換を前記押し出し処理アルゴリズムに入力することと、
    前記押し出し処理アルゴリズムを実行することと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記押し出し処理アルゴリズムは、
    前記スキン部分の前記変換が、押し出しとして構成された材料分布の外面を表すか否かを判定すること、及び/又は、
    押し出しプロファイルを計算すること
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記押し出し処理アルゴリズムに基づいて前記スキン部分を処理することは、前記機械部品の前記部分における材料回転検出を含み、前記材料回転検出は、回転軸までの距離に比例する範囲で、回転軸候補(u)に直交する回転方向(u×(p-c))に対する前記スキン部分の法線(n)の非直交性にペナルティを与える目的関数を最適化することによって当該回転軸を決定することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記目的関数は以下のタイプのものであり、
    Figure 2022186654000059
    ここで、uは前記回転軸候補の方向であり、cは前記回転軸候補の原点であり、Aは前記スキン部分の面積であり、Sは前記スキン部分であり、pは前記スキン部分上の位置であり、πc,u(p)は前記回転軸候補上のpの正射影であり、nは位置pにおける前記スキン部分の法線である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記展開は、
    回転軸を提供することと、
    前記スキン部分の円筒座標規定値であって、当該円筒座標規定値は第1の値を含み、前記第1の値の各々は、前記回転軸である長手方向の軸を有する円筒座標系に対して前記スキン部分上の各位置を規定する、円筒座標規定値を決定することと、
    前記長手方向である1つの軸を有するデカルト座標系に対して前記変換のデカルト座標規定値であって、当該デカルト座標規定値は前記変換上の位置を規定する第2の値を含み、前記第2の値は前記第1の値に対応する、デカルト座標規定値を決定することと
    を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記スキン部分は離散要素を有する3D離散幾何学的表現によって表され、前記スキン部分の前記円筒座標規定値を決定することは、前記3D離散幾何学的表現の各離散要素の前記第1の値を決定することを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記円筒座標規定値の前記第1の値は、各離散要素について、
    前記長手方向の軸(u)に対する半径方向ベクトル(u×p)のノルムである半径方向距離の値と、
    前記半径方向ベクトル及び前記長手方向の軸に対する前記スキン部分上の角度位置の値と、
    前記長手方向の軸上の位置を示す長手方向位置の値と、
    から構成される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記円筒座標規定値を決定することは、前記3D離散幾何学的表現の離散要素を探査することと、探査した各離散要素について前記探査した離散要素の近隣離散要素の前記角度位置を計算することと、によって、前記角度位置の前記値を計算することを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記探査した離散要素の近隣離散要素の前記角度位置の前記値を計算することは、前記近隣離散要素のうち、前記探査した離散要素との前記角度位置の差が閾値よりも大きい1つ以上の近隣離散要素を複製することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記角度位置の前記値は、以下のタイプのものであり、
    Figure 2022186654000060
    ここで、uは前記長手方向の軸であり、pは探査した離散要素iのデカルト位置ベクトルであり、θは前記探査した離散要素の前記角度位置の値であり、θi+1は前記探査した離散要素iの近隣離散要素i+1の前記角度位置の値である、請求項9から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記方法は、更に、前記角度位置の前記値をスケーリングすることを含む、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1から12のうちいずれか1項に記載の方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラム。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムが記録されているコンピュータ可読記憶媒体。
  15. メモリ及びグラフィカルユーザインタフェースに結合されたプロセッサを備えるシステムであって、前記メモリには請求項13に記載のコンピュータプログラムが記録されている、システム。
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