JP2022182812A - インサート部材、掛止部材セット、板状部材、及び収納家具 - Google Patents
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Abstract
【課題】インサート部材に対する掛止部材の着脱を容易にできるとともにインサート部材に対する掛止部材の回転を抑制する。【解決手段】インサート部材1は、被挿入部材7に形成された穴8に挿入される部材である。インサート部材1は、円筒状に延びる円筒部2と、円筒部2の内周側に形成された内リブ4と、円筒部2の外周側に形成された外リブ5と、を備える。内リブ4は、円筒部2の延在方向に沿う方向に延びている。外リブ5は、内リブ4の延在方向と交差する方向に延びている。【選択図】図3
Description
本発明は、被挿入部材に形成された穴に挿入されるインサート部材、当該インサート部材を備える掛止部材セット、板状部材、及び収納家具に関する。
収納家具では、側板に複数のダボ穴を形成しておき、所望のダボ穴にダボ(掛止部材)を挿入することで、棚板の高さを可変とすることができるものがある。このような収納家具においては、側板の表面に化粧材が貼り付けられているが、ダボ穴から側板の木地が露出しているため、必ずしも意匠性に優れるものではなかった。そこで、ダボ穴からの木地の露出を抑制して意匠性を更に向上させるために、ダボ穴にインサート部材を挿入することが考えられる。
特許文献1には、壁に埋め込まれた筒状のインサート部材と、物体が引っ掛けられるフック部材(掛止部材)と、を有するフックが記載されている。インサート部材の内周面には雌ネジが形成されており、フック部材の外周面には雄ネジが形成されている。そして、インサート部材の内周面に形成された雌ネジ部とフック部材の外周面に形成された雄ネジ部とを螺合することで、フック部材を壁に固定している。
しかしながら、特許文献1に記載されたフックでは、インサート部材の内周面に形成された雌ネジが、インサート部材の延在方向と略直交する方向に延びている。つまり、インサート部材の内周面に形成された雌ネジは、インサート部材の延在方向に沿う方向におけるフック部の挿抜を阻害する方向に延びている。このため、インサート部材にフック部材を着脱するためには、フック部材を何度も回転させる必要があるため、インサート部材に対してフック部材を容易に着脱することができない。また、インサート部材の内周面に形成された雌ネジは、インサート部材の周方向におけるフック部の回転を許容する方向に延びている。このため、フック部材にインサート部材の周方向の荷重が入力されると、インサート部材に対してフック部材が回転しやすい。インサート部材に対してフック部材が回転すると、インサート部材に対するフック部材の固定が緩んでしまい、インサート部材からフック部材が脱落する可能性もある。
そこで、本発明は、インサート部材に対する掛止部材の着脱を容易にできるとともにインサート部材に対する掛止部材の回転を抑制することができるインサート部材、掛止部材セット、板状部材、及び収納家具を提供することを課題とする。
本発明に係るインサート部材は、被挿入部材に形成された穴に挿入されるインサート部材であって、円筒状に延びる円筒部と、円筒部の内周側に形成された内リブと、を備え、内リブは、円筒部の延在方向に沿う方向に延びている。
このインサート部材では、円筒部が円筒状に延びているため、ダボ、フック等の掛止部材を円筒部の内周側に挿入することが可能となっている。そして、円筒部の内周側に内リブが形成されており、内リブが、円筒部の延在方向に沿う方向に延びている。つまり、内リブは、インサート部材に対する掛止部材の挿抜方向に沿う方向延びているとともに、円筒部の周方向における掛止部材の回転を阻害する方向に延びている。このため、インサート部材に対して掛止部材を容易に着脱することができる。また、掛止部材に、円筒部の周方向の荷重が入力されても、インサート部材に対して掛止部材が回転するのを抑制することができる。
上記のインサート部材において、内リブは、円筒部の延在方向に延びていてもよい。このインサート部材では、内リブが円筒部の延在方向に延びているため、インサート部材に対する掛止部材の着脱を更に容易にできるとともに、インサート部材に対する掛止部材の回転を更に抑制することができる。
上記のインサート部材において、内リブは、円筒部の内周側に複数形成されていてもよい。このインサート部材では、内リブが円筒部の内周側に複数形成されているため、掛止部材の保持力を向上することができるとともに、インサート部材に対する掛止部材の回転を更に抑制することができる。
上記のインサート部材において、円筒部の外周側に形成された外リブを更に備え、外リブは、内リブの延在方向と交差する方向に延びていてもよい。このインサート部材では、円筒部の外周側に外リブが形成されているため、板部材等の被挿入部材にインサート部材を挿入した際に、被挿入部材からインサート部材が抜けるのを抑制することができる。しかも、外リブは、内リブの延在方向と交差する方向に延びているため、インサート部材から掛止部材を抜去する際に、インサート部材が被挿入部材から抜けるのを抑制することができる。
上記のインサート部材において、外リブは、円筒部の周方向に延びていてもよい。このインサート部材では、外リブは、円筒部の周方向、つまり、インサート部材に対する掛止部材の挿抜方向と直交する方向に延びている。このため、インサート部材から掛止部材を抜去する際に、インサート部材が被挿入部材から抜けるのを更に抑制することができる。
上記のインサート部材において、円筒部の延在方向における一方の方向を第一方向とし、円筒部の延在方向における他方の方向を第二方向とした場合、外リブの第一方向側の面は、円筒部から離れるに従い第二方向側に傾斜していてもよい。このインサート部材では、外リブの第一方向側の面が、円筒部から離れるに従い第二方向側に傾斜しているため、被挿入部材に対するインサート部材の第一方向に沿った挿入を容易に行うことができる。
上記のインサート部材において、円筒部の延在方向における一方側の端部を塞ぐ底部を更に備えてもよい。このインサート部材では、円筒部の延在方向における一方側の端部を塞ぐ底部を備えるため、底部の有無により被挿入部材に挿入するインサート部材の向きを確認しやすくなる。
上記のインサート部材は、樹脂製であってもよい。インサート部材が樹脂製であるため、掛止部材の外径が内リブの先端を通るインサート部材の内接円の径より大きくても、内リブの弾性変形により、掛止部材をインサート部材に挿入することができる。また、インサート部材に挿入された掛止部材は、内リブの弾性復元力により押圧されるため、インサート部材から掛止部材が抜けるのを抑制することができる。しかも、インサート部材が樹脂製であることで、例えば、表面に化粧板が貼り付けられた被挿入部材にインサート部材を挿入する場合に、インサート部材を化粧板と同じ又は類似の色又は模様とすることができる。これにより、インサート部材が挿入された被挿入部材の意匠性を向上することができる。
本発明に係る掛止部材セットは、上記のインサート部材と、インサート部材の円筒部に挿入される挿入部を有する掛止部材と、を備え、挿入部の最大外径は、インサート部材の円筒部の内径よりも小さく、内リブの先端を通るインサート部材の内接円の径よりも大きい。
この掛止部材セットでは、上記のインサート部材と、インサート部材の円筒部に挿入される挿入部を有する掛止部材と、を備えるため、インサート部材に対して掛止部材の挿入部を挿抜することで、インサート部材に対して掛止部材を着脱することができる。そして、挿入部の最大外径が、インサート部材の円筒部の内径よりも小さく、内リブの先端を通るインサート部材の内接円の径よりも大きいため、インサート部材に挿入された挿入部は、インサート部材の内リブに圧接された状態となる。これにより、インサート部材に挿入部を挿入した状態を保持することができるとともに、インサート部材に対する掛止部材の回転を抑制することができる。
上記の掛止部材セットにおいて、インサート部材及び挿入部の少なくとも一方は、弾性変形可能であってもよい。この掛止部材セットでは、インサート部材及び挿入部の少なくとも一方が弾性変形可能であるため、インサート部材及び挿入部の少なくとも一方の弾性変形により、挿入部をインサート部材に挿入することができる。また、インサート部材及び挿入部の少なくとも一方の弾性復元力により、インサート部材から挿入部が抜けるのを抑制することができる。
本発明に係る板状部材は、穴が形成されるとともに、上記のインサート部材が穴に挿入されている。この板状部材では、穴に上記のインサート部材が挿入されているため、ダボ、フック等の掛止部材をインサート部材に挿入することができる。そして、インサート部材では、円筒部の内周側に内リブが形成されており、内リブが、円筒部の延在方向に沿う方向に延びているため、インサート部材に対する掛止部材の着脱を容易にできるとともにインサート部材に対する掛止部材の回転を抑制することができる。
本発明に係る収納家具は、複数の穴が形成された一対の側板と、複数の穴に挿入された請求項1~8の何れか一項に記載のインサート部材と、を備える。この収納家具では、一対の側板に複数の穴が形成されており、複数の穴に上記のインサート部材が挿入されているため、棚板を掛止するダボ等の掛止部材をインサート部材に挿入することができる。そして、インサート部材では、円筒部の内周側に内リブが形成されており、内リブが、円筒部の延在方向に沿う方向に延びているため、インサート部材に対する掛止部材の着脱を容易にできるとともにインサート部材に対する掛止部材の回転を抑制することができる。
上記の収納家具において、インサート部材に挿入される掛止部材と、掛止部材に掛止される棚板と、を更に備えてもよい。この収納家具では、インサート部材に挿入される掛止部材と、掛止部材に掛止される棚板と、を備えるため、掛止部材を挿入するインサート部材の位置を変えることで棚板の位置を変えることができる。
本発明によれば、インサート部材に対する掛止部材の着脱を容易にできるとともにインサート部材に対する掛止部材の回転を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[インサート部材]
実施形態に係るインサート部材について説明する。図1は、実施形態に係るインサート部材の使用例を示した断面図である。図2は、実施形態に係るインサート部材の使用例を示した側面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係るインサート部材1は、被挿入部材7に形成された穴8に挿入されて、掛止部材11が挿入される部材である。
実施形態に係るインサート部材について説明する。図1は、実施形態に係るインサート部材の使用例を示した断面図である。図2は、実施形態に係るインサート部材の使用例を示した側面図である。図1及び図2に示すように、実施形態に係るインサート部材1は、被挿入部材7に形成された穴8に挿入されて、掛止部材11が挿入される部材である。
被挿入部材7は、特に限定されるものではなく、例えば、板状部材、収納家具の側板、壁部材等である。掛止部材11は、特に限定されるものではなく、例えば、木ダボ、棚板受けダボ、フック等である。このため、インサート部材1は、例えば、板状部材に形成された穴に挿入されて、木ダボが挿入される部材であってもよく、収納家具の側板に形成された穴に挿入されて、棚板受けダボが挿入される部材であってもよく、壁部材に形成された穴に挿入されて、フックが挿入される部材であってもよい。
図3は、実施形態に係るインサート部材の斜視図である。図4は、実施形態に係るインサート部材の側面図である。図5は、図4に示すV-V線における断面図である。図6は、図5に示すVI-VI線における断面図である。図5は、インサート部材の使用例を示した断面図である。図6は、インサート部材の使用例を示した側面図である。図3~図6に示すように、インサート部材1は、円筒部2と、底部3と、内リブ4と、外リブ5と、を備える。
円筒部2は、円筒状に延びており、円筒部2の内周側には、掛止部材11を挿入可能な挿入穴6が形成されている。円筒部2が円筒状に延びる方向を、延在方向Aといい、円筒部2の周方向を周方向Bという。また、延在方向Aにおける一方の方向を第一方向A1といい、延在方向Aにおける他方の方向(第一方向A1の反対方向)を第二方向A2という。なお、第一方向A1は、被挿入部材7に対するインサート部材1の挿入方向である。
円筒部2の第一方向A1における端部2aは、テーパ状に形成されている。つまり、円筒部2の端部2aでは、円筒部2の外径が、第一方向A1に向かうほど小さくなっている。
底部3は、円筒部2の端部2aを塞ぐ。つまり、底部3は、円筒部2の端部2aにおいて、挿入穴6を塞いでいる。このため、インサート部材1は、円筒部2及び底部3により、挿入穴6が第一方向A1に閉ざされて第二方向A2に開放された、有底円筒状に形成されている。
内リブ4は、円筒部2の内周側に形成されたリブである。内リブ4は、円筒部2の内周面を筋状に隆起させた形状となっている。内リブ4は、延在方向Aに沿う方向に延びている。延在方向Aに沿う方向には、延在方向Aのほか、延在方向Aに対して45°以下、好ましくは30°以下の範囲で傾斜した方向等が含まれる。内リブ4が延在方向Aに延びる場合、内リブ4は、直線状に延びる。内リブ4が延在方向Aに対して45°以下、好ましくは30°以下の範囲で傾斜した方向に延びる合、内リブ4は、螺旋状に延びる。なお、内リブ4が延在方向Aに対して45°以下、好ましくは30°以下の範囲で傾斜した方向に延びる場合であっても、内リブ4の第一方向A1における端部に対する内リブ4の第二方向A2における端部の周方向Bにおける回転角は、10°以下であることが好ましい。本実施形態では、一例として、内リブ4は延在方向Aに延びている。
延在方向Aと直交する断面(図6参照)における内リブ4の形状は、特に限定されるものではない。延在方向Aと直交する断面における内リブ4の形状を、内リブ4の断面形状ともいう。内リブ4の断面形状は、例えば、図7の(a)に示すように、三角状であってもよく、図7の(b)に示すように、半円状であってもよく、図7の(c)に示すように、台形状であってもよい。本実施形態では、一例として、内リブ4の断面形状は三角状である。
円筒部2の内周側に形成される内リブ4の数は、1であってもよく、複数であってもよい。円筒部2の内周側に複数の内リブ4が形成される場合、複数の内リブ4は、周方向Bにおいて等間隔に配置されていてもよく、周方向Bにおいて等間隔に配置されていなくてもよい。また、円筒部2の内周側に複数の内リブ4が形成される場合、延在方向Aと直交する断面(図6参照)における、円筒部2の半径方向中心Oに対する隣り合う内リブ4の成す角度αは、例えば、5°以上180°以下の範囲であってもよい。本実施形態では、一例として、円筒部2の内周側に8本の内リブ4が等間隔に形成されている。この場合、円筒部2の半径方向中心Oに対する隣り合う内リブ4の成す角度αは、45°となる。
外リブ5は、円筒部2の外周側に形成されたリブである。外リブ5は、円筒部2の外周面を筋状に隆起させた形状となっている。外リブ5は、内リブ4の延在方向と交差する方向に延びている。つまり、円筒部2の半径方向(円筒部2の半径方向中心Oに対する放射方向)から見た場合に、外リブ5は、内リブ4と交差する方向に延びている。外リブ5は、例えば、周方向B、つまり、延在方向Aと直交する方向に延びていてもよい。また、外リブ5は、例えば、延在方向Aに対して傾斜した方向、つまり、螺旋状に延びていてもよい。本実施形態では、一例として、外リブ5は、周方向B、つまり、延在方向Aと直交する方向に延びている。
外リブ5の延在方向と直交する断面における外リブ5の形状は、特に限定されるものではない。外リブ5の延在方向と直交する断面における外リブ5の形状を、外リブ5の断面形状ともいう。外リブ5の断面形状は、例えば、外リブ5の第一方向A1側の面5aが、円筒部2から離れるに従い第二方向A2側に傾斜する形状であってもよい(図5参照)。また、外リブ5の断面形状は、例えば、外リブ5の第二方向A2側の面5bが、円筒部2の外周面に対して垂直に立ち上がる形状であってもよい(図5参照)。本実施形態では、一例として、外リブ5の断面形状が三角状に形成されており、外リブ5の第一方向A1側の面5aが円筒部2から離れるに従い第二方向A2側に傾斜しており、外リブ5の第二方向A2側の面5bが円筒部2の外周面に対して垂直に立ち上がっている。
円筒部2の外周側に形成される外リブ5の数は、1であってもよく、複数であってもよい。円筒部2の外周側に複数の外リブ5が形成される場合、複数の外リブ5は、延在方向Aにおいて等間隔に配置されていてもよく、延在方向Aにおいて等間隔に配置されていなくてもよい。本実施形態では、一例として、円筒部2の外周側に3本の外リブ5が等間隔に形成されている。
インサート部材1の素材は、特に限定されるものではない。インサート部材1は、例えば、樹脂製、金属製とすることができる。インサート部材1が樹脂製である場合、インサート部材1を形成する樹脂としては、例えば、ポリアミドを用いることができる。インサート部材1が樹脂製である場合、インサート部材1が金属製である場合に比べて、インサート部材1の色又は模様の選択の幅が広がる。このため、インサート部材1が樹脂製である場合は、インサート部材1の色又は模様を、被挿入部材7の表面と同じ又は類似の色又は模様とすることもできる。本実施形態では、一例として、インサート部材1は樹脂製である。
以上説明したように、本実施形態に係るインサート部材1では、円筒部2が円筒状に延びているため、掛止部材11を円筒部2の内周側に挿入することが可能となっている。そして、円筒部2の内周側に内リブ4が形成されており、内リブ4が、円筒部2の延在方向Aに沿う方向に延びている。つまり、内リブ4は、インサート部材1に対する掛止部材11の挿抜方向に沿う方向に延びているとともに、周方向Bにおける掛止部材11の回転を阻害する方向に延びている。このため、インサート部材1に対して掛止部材11を容易に着脱することができる。また、掛止部材11に周方向Bの荷重Fが入力されても(図2参照)、インサート部材1に対して掛止部材11が回転するのを抑制することができる。
しかも、インサート部材1に挿抜される掛止部材11は、円筒部2の内周面の全面に当接されるのではなく、内リブ4のみ、又は、内リブ4と円筒部2の内周面の一部とに当接される。このため、インサート部材1と掛止部材11との間の摩擦力が過大になるのを抑制しつつ、インサート部材1による掛止部材11の保持力を確保することができる。
また、このインサート部材1では、内リブ4が円筒部2の延在方向Aに延びているため、インサート部材1に対する掛止部材11の着脱を更に容易にできるとともに、インサート部材1に対する掛止部材11の回転を更に抑制することができる。
また、このインサート部材1では、内リブ4が円筒部2の内周側に複数形成されているため、掛止部材11の保持力を向上することができるとともに、インサート部材1に対する掛止部材11の回転を更に抑制することができる。
また、このインサート部材1では、円筒部2の外周側に外リブ5が形成されているため、被挿入部材7にインサート部材1を挿入した際に、被挿入部材7からインサート部材1が抜けるのを抑制することができる。しかも、外リブ5は、内リブ4の延在方向と交差する方向に延びているため、インサート部材1から掛止部材11を抜去する際に、インサート部材1が被挿入部材7から抜けるのを抑制することができる。
また、このインサート部材1では、外リブ5は、円筒部2の周方向B、つまり、インサート部材1に対する掛止部材11の挿抜方向と直交する方向に延びている。このため、インサート部材1から掛止部材11を抜去する際に、インサート部材1が被挿入部材7から抜けるのを更に抑制することができる。
また、このインサート部材1では、外リブ5の第一方向A1側の面5aが、円筒部2から離れるに従い第二方向A2側に傾斜しているため、被挿入部材7に対するインサート部材1の第一方向A1に沿った挿入を容易に行うことができる。
また、このインサート部材1では、円筒部2の第一方向A1側の端部を塞ぐ底部3を備えるため、底部3の有無により被挿入部材7に挿入するインサート部材1の向きを確認しやすくなる。
また、インサート部材1が樹脂製であるため、掛止部材11の外径が内リブ4の先端を通るインサート部材1の内接円Cの径D3(図4参照)より大きくても、内リブ4の弾性変形により、掛止部材11をインサート部材1に挿入することができる。また、インサート部材1に挿入された掛止部材11は、内リブ4の弾性復元力により押圧されるため、インサート部材1から掛止部材11が抜けるのを抑制することができる。しかも、インサート部材1が樹脂製であることで、例えば、表面に化粧板が貼り付けられた被挿入部材7にインサート部材1を挿入する場合に、インサート部材1を化粧板と同じ又は類似の色又は模様とすることができる。これにより、インサート部材1が挿入された被挿入部材7の意匠性を向上することができる。
[掛止部材セット]
次に、実施形態に係る掛止部材セットについて説明する。実施形態に係る掛止部材セットは、上記のインサート部材1と、上記の掛止部材11と、を備える。
次に、実施形態に係る掛止部材セットについて説明する。実施形態に係る掛止部材セットは、上記のインサート部材1と、上記の掛止部材11と、を備える。
図8は、掛止部材の斜視図である。図9は、掛止部材の正面図である。図1,図2,図8及び図9に示すように、掛止部材11は、インサート部材1に挿入されることで、棚板、衣類等の掛止物を掛止するための部材である。上記のように、掛止部材11は、特に限定されるものではなく、例えば、木ダボ、棚板受けダボ、フック等である。つまり、掛止部材11は、棚板を掛止する木ダボ又は棚板受けダボであってもよく、衣類のハンガーを掛止するフックであってもよい。本実施形態では、一例として、掛止部材11は、棚板を掛止する棚板受けダボである。
棚板受けダボである掛止部材11は、挿入部12と、掛止部13と、を備える。
挿入部12は、インサート部材1の円筒部2に挿入される。挿入部12は、円筒部2に挿入可能となるように、棒状に延びている。挿入部12の長さは、円筒部2の挿入穴6の奥行以下である。円筒部2の挿入穴6の奥行は、延在方向Aにおける挿入穴6の長さである。
掛止部13は、棚板である掛止物を掛止する。掛止部13は、例えば、挿入部12が接続されて挿入部12の延在方向と直交する方向に延びる垂直部14と、垂直部14から挿入部12とは反対側に延びる水平部15と、水平部15に立設された突起部16と、を備える。垂直部14は、被挿入部材7に挿入されたインサート部材1に挿入部12を挿入した際に、被挿入部材7に当接される部位である。水平部15は、掛止物が載置される部位である。突起部16は、掛止物に形成された穴に挿入される部位である。
挿入部12の最大外径D1は、インサート部材1の円筒部2の内径D2(図4参照)よりも小さく、内リブ4の先端を通るインサート部材1の内接円Cの径D3(図4参照)よりも大きい。挿入部12の最大外径D1は、挿入部12の延在方向と直交する断面の外径である。挿入部12の形状が挿入部12の延在方向において異なる場合は、挿入部12の延在方向における各断面のうち最も大きな外径が、挿入部12の最大外径となる。なお、挿入部12が円形断面ではない場合は、挿入部12の最も大きい外接円の外径が、挿入部12の最大外径となる。インサート部材1の円筒部2の内径D2は、円筒部2の延在方向Aと直交する断面における円筒部2の内径である。内リブ4の先端を通るインサート部材1の内接円Cは、延在方向Aと直交する断面の内接円である。
ここで、挿入部12の最大外径D1が、内リブ4の先端を通るインサート部材1の内接円Cの径D3よりも大きいと、インサート部材1に対して挿入部12を挿抜する際に、インサート部材1(内リブ4)と挿入部12とが干渉する。このため、インサート部材1に対して挿入部12を容易に挿抜することができるように、インサート部材1及び挿入部12(掛止部材11)の少なくとも一方が弾性変形可能であってもよい。例えば、インサート部材1が弾性変形可能であってもよく、挿入部12が弾性変形可能であってもよく、インサート部材1及び挿入部12の双方が弾性変形可能であってもよい。本実施形態では、一例として、インサート部材1が弾性変形可能な樹脂製、掛止部材11が金属製で、掛止部材11(挿入部12)が弾性変形不能な金属製である。なお、掛止部材11は、金属製であることで、樹脂製である場合に比べて耐荷重性が高くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る掛止部材セットでは、上記のインサート部材1と、インサート部材1の円筒部2に挿入される挿入部12を有する掛止部材11と、を備えるため、インサート部材1に対して掛止部材11の挿入部12を挿抜することで、インサート部材1に対して掛止部材11を着脱することができる。
そして、挿入部12の最大外径D1が、インサート部材1の円筒部2の内径D2よりも小さく、内リブ4の先端を通るインサート部材1の内接円Cの径D3よりも大きいため、インサート部材1に挿入された挿入部12は、インサート部材1の内リブ4に圧接された状態となる。これにより、インサート部材1に挿入部12を挿入した状態を保持することができるとともに、インサート部材1に対する掛止部材11の回転を抑制することができる。
また、この掛止部材セットでは、インサート部材1及び挿入部12の少なくとも一方が弾性変形可能であるため、インサート部材1及び挿入部12の少なくとも一方の弾性変形により、挿入部12をインサート部材1に挿入することができる。また、インサート部材1及び挿入部12の少なくとも一方の弾性復元力により、インサート部材1から挿入部12が抜けるのを抑制することができる。
[収納家具]
次に、実施形態に係る収納家具について説明する。図10及び図11は、実施形態に係る収納家具の斜視図である。図10は、棚板を設置した状態を示しており、図1,図2,図10及び図11に示すように、収納家具21は、物を収納するための家具である。収納家具21は、例えば、建物に備え付けられた備付家具であってもよく、建物に後付可能な可搬家具であってもよい。収納家具21は、一対の側板22,22と、地板23と、天板24と、棚板25と、上記のインサート部材1と、上記の掛止部材11と、を備える。
次に、実施形態に係る収納家具について説明する。図10及び図11は、実施形態に係る収納家具の斜視図である。図10は、棚板を設置した状態を示しており、図1,図2,図10及び図11に示すように、収納家具21は、物を収納するための家具である。収納家具21は、例えば、建物に備え付けられた備付家具であってもよく、建物に後付可能な可搬家具であってもよい。収納家具21は、一対の側板22,22と、地板23と、天板24と、棚板25と、上記のインサート部材1と、上記の掛止部材11と、を備える。
側板22,22は、収納家具21の高さ方向及び奥行方向に延びる平板状の板状部材である。側板22,22は、収納家具21の幅方向において対向するように配置されている。
地板23及び天板24は、収納家具21の幅方向及び奥行方向に延びる平板状の板状部材である。地板23と天板24とは、収納家具21の上下方向において対向するように配置されている。地板23は、側板22,22の下部に固定されており、天板24は、側板22,22の上部に固定されている。
棚板25は、平板状の板状部材である。棚板25は、地板23と天板24との間において、側板22,22に着脱可能に取り付けられる。棚板25の下面には、掛止部材11の突起部16が挿入される穴(不図示)が形成されている。
側板22,22には、棚板25を設置するための複数の穴26が形成されている。穴26は、一対の側板22,22の対向方向における内側の側面に形成されている。複数の穴26は、収納家具21の奥行方向における手前側において上下方向に配列されているとともに、収納家具21の奥行方向における奥側において上下方向に配列されている。複数の穴26のそれぞれには、インサート部材1が挿入されている。このため、側板22,22は、インサート部材1が挿入された被挿入部材でもある。
穴26の内径は、外リブ5の先端を通るインサート部材1の外接円の径D4よりも小さく、インサート部材1の円筒部2の外径D5以上である(図4参照)。外リブ5の先端を通るインサート部材1の外接円は、延在方向Aと直交する断面におけるインサート部材1の内接円である。インサート部材1の円筒部2の外径D5は、延在方向Aと直交する断面における円筒部2の外径である。
ここで、外リブ5の先端を通るインサート部材1の外接円の径D4が穴26の内径より大きいと、穴26に対してインサート部材1を挿入する際に、穴26とインサート部材1とが干渉する。このため、穴26に対してインサート部材1を容易に挿入することができるように、側板22,22及びインサート部材1の少なくとも一方が弾性変形可能であってもよい。本実施形態では、一例として、側板22,22が、木質基材の表面に樹脂製の化粧板が貼り付けられた弾性変形可能な板状部材で、インサート部材1が弾性変形可能な樹脂製である。
インサート部材1は、第一方向A1の端部から穴26に挿入されている。このため、インサート部材1の底部3が穴26の奥側に配置されており、円筒部2の内周側に形成された挿入穴6が側板22,22から開放されている。インサート部材1は、例えば、側板22,22の表面と面一となるように穴26に挿入されていてもよく、側板22,22の表面から引っ込むように穴26に挿入されていてもよい。なお、インサート部材1は、予め穴26に挿入されているものであってもよく、側板22,22とは別部材となっており、収納家具21の使用者等が穴26に挿入するものであってもよい。
掛止部材11は、棚板25の設置予定位置に対応した穴26に挿入されたインサート部材1に挿入されて、棚板25を掛止する。例えば、突起部16が上方(天板24側)を向くとともに、垂直部14が側板22,22に当接するように、挿入部12がインサート部材1に挿入される。そして、例えば、棚板25の下面に形成された穴に突起部16が挿入されて、水平部15に棚板25が載置される。なお、掛止部材11は、棚板25の設置予定位置に対応した穴26以外の穴26に挿入されたインサート部材1に挿入されてもよい。
以上説明したように、この収納家具21では、一対の側板22,22に複数の穴26が形成されており、複数の穴26に上記のインサート部材1が挿入されているため、棚板25を掛止する掛止部材11をインサート部材1に挿入することができる。そして、インサート部材1では、円筒部2の内周側に内リブ4が形成されており、内リブ4が、円筒部2の延在方向Aに沿う方向に延びているため、インサート部材1に対する掛止部材11の着脱を容易にできるとともにインサート部材1に対する掛止部材11の回転を抑制することができる。特に、棚板25の下面に形成された穴に突起部16を挿入する際は、棚板25から突起部16に周方向Bの荷重Fが入力され易いが、内リブ4が、円筒部2の延在方向Aに沿う方向に延びていることで、このような荷重Fが突起部16に入力されたとしても、インサート部材1に対する掛止部材11の回転を抑制することができる。
また、この収納家具21では、複数のインサート部材1の少なくとも一つに挿入される掛止部材11と、掛止部材11に掛止される棚板25と、を備えるため、掛止部材11を挿入するインサート部材1の位置を変えることで棚板25の位置を変えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
例えば、上記実施形態では、一例としてインサート部材は外リブを備えるものとして説明したが、図12に示すインサート部材1Aのように、インサート部材は外リブを備えないものであってもてもよい。図12に示すインサート部材1Aを被挿入部材に形成された穴に挿入する場合は、例えば、接着剤による接着、圧入等により、被挿入部材に形成された穴にインサート部材が挿入された状態を保持することができる。
また、上記実施形態では、一例として掛止部材は棚板受けダボであるものとして説明したが、掛止部材は、インサート部材に挿入される挿入部を備えていれば如何なるものであってもよく、例えば、図13に示す掛止部材11Aのように、単なる棒状の木ダボであってもよい。
1…インサート部材、1A…インサート部材、2…円筒部、2a…端部、3…底部、4…内リブ、5…外リブ、5a…面、5b…面、6…挿入穴、7…被挿入部材、8…穴、11…掛止部材、11A…掛止部材、12…挿入部、13…掛止部、14…垂直部、15…水平部、16…突起部、21…収納家具、22…側板、23…地板、24…天板、25…棚板、26…穴。
Claims (13)
- 被挿入部材に形成された穴に挿入されるインサート部材であって、
円筒状に延びる円筒部と、
前記円筒部の内周側に形成された内リブと、を備え、
前記内リブは、前記円筒部の延在方向に沿う方向に延びている、
インサート部材。 - 前記内リブは、前記円筒部の前記延在方向に延びている、
請求項1に記載のインサート部材。 - 前記内リブは、前記円筒部の内周側に複数形成されている、
請求項1又は2に記載のインサート部材。 - 前記円筒部の外周側に形成された外リブを更に備え、
前記外リブは、前記内リブの延在方向と交差する方向に延びている、
請求項1~3の何れか一項に記載のインサート部材。 - 前記外リブは、前記円筒部の周方向に延びている、
請求項4に記載のインサート部材。 - 前記円筒部の前記延在方向における一方の方向を第一方向とし、前記円筒部の前記延在方向における他方の方向を第二方向とした場合、前記外リブの前記第一方向側の面は、前記円筒部から離れるに従い前記第二方向側に傾斜している、
請求項4又は5に記載のインサート部材。 - 前記円筒部の前記延在方向における一方側の端部を塞ぐ底部を更に備える、
請求項1~6の何れか一項に記載のインサート部材。 - 樹脂製である、
請求項1~7の何れか一項に記載のインサート部材。 - 請求項1~8の何れか一項に記載のインサート部材と、
前記インサート部材の前記円筒部に挿入される挿入部を有する掛止部材と、を備え、
前記挿入部の最大外径は、前記インサート部材の前記円筒部の内径よりも小さく、前記内リブの先端を通る前記インサート部材の内接円の径よりも大きい、
掛止部材セット。 - 前記インサート部材及び前記挿入部の少なくとも一方は、弾性変形可能である、
請求項9に記載の掛止部材セット。 - 穴が形成されるとともに、請求項1~8の何れか一項に記載のインサート部材が前記穴に挿入された、
板状部材。 - 複数の穴が形成された一対の側板と、
前記複数の穴に挿入された請求項1~8の何れか一項に記載のインサート部材と、を備える、
収納家具。 - 前記インサート部材に挿入される掛止部材と、
前記掛止部材に掛止される棚板と、を更に備える、
請求項12に記載の収納家具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021090550A JP2022182812A (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | インサート部材、掛止部材セット、板状部材、及び収納家具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021090550A JP2022182812A (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | インサート部材、掛止部材セット、板状部材、及び収納家具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022182812A true JP2022182812A (ja) | 2022-12-08 |
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ID=84328448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021090550A Pending JP2022182812A (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | インサート部材、掛止部材セット、板状部材、及び収納家具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022182812A (ja) |
-
2021
- 2021-05-28 JP JP2021090550A patent/JP2022182812A/ja active Pending
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