JP2022181399A - デュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法 - Google Patents

デュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法の提供。【解決手段】デュアルフューエルエンジンの制御システム3は、液体燃料運転モード、及び、燃料ガス運転モードを有する電子ガバナ32と、バックアップ運転モードを有する機械的ガバナ37と、電子ガバナ32を介して入力された液体燃料噴射指令と機械的ガバナ37を介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令のうち一方を選択し、液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構38と、を備え、液体燃料調整機構38は、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、機械的ガバナ37によるバックアップ運転モードに切り替える。【選択図】図5

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 販売・納入日(公開日):令和2年7月3日 販売・納入した場所:檜垣造船株式会社 波方工場
本発明は、デュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法に関するものである。
船舶の動力システムに、最も必要とされる条件は冗長性である。なぜなら船舶は、車などと異なり、航海中にエンジンに異常が発生して運転を停止した場合は遭難のおそれが生じるためである。そのため、船舶の動力システムには、異常発生時にも運転継続する方法又は直ちに修理する方法が必要である。
その解決方法の一つとして、特許文献1に記載された船舶用動力システムは、二機二軸方式を採用している。二機二軸方式とは、一つの船舶の中に、プロペラ、クラッチ、デュアルフューエルエンジン等が含まれる動力システムを二系統持つ方式であり、一方に異常が発生してももう一方で運転を継続し、その間に帰港もしくは修理することができる。
国際公開第2019/175951号
近年、船舶のコストや小型化の問題から、デュアルフューエルエンジンを用いた一機一軸方式の船舶用動力システムの採用が求められている。一機一軸方式とは、一つの船舶の中に、一系統のみの動力システムを採用する方式であり、二機二軸方式のように系統を切り替えて運転を継続することはできない。特に、デュアルフューエルエンジンの制御システムには、液体燃料運転モードと燃料ガス運転モードを切り替るため、電子ガバナが組み込まれており、この電子ガバナに異常が発生した場合でも、運転継続する方法が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法の提供を目的とする。
本発明の一態様に係るデュアルフューエルエンジンの制御システムは、液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁を備えるデュアルフューエルエンジンと、前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、前記デュアルフューエルエンジンを前記燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナと、前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナと、前記電子ガバナを介して入力された液体燃料噴射指令と前記機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令のうち一方を選択し、前記液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構と、を備え、前記液体燃料調整機構は、前記電子ガバナによる前記液体燃料運転モード及び前記燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、前記機械的ガバナによる前記バックアップ運転モードに切り替える。
本態様に係るデュアルフューエルエンジンの制御システムは、電子ガバナと、バックアップ用の機械的ガバナの二系統を組み込み、制御システムを二重化している。このため、電子ガバナによる液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、バックアップ用の機械的ガバナの制御に切り替わり、液体燃料によってデュアルフューエルエンジンの運転を継続させることができる。よって、一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジンの制御システムを確立できる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記液体燃料調整機構は、前記液体燃料噴射指令と、前記バックアップ用液体燃料噴射指令のうち、指令値が低い方を選択してもよい。
通常時の液体燃料運転モードにおいては、液体燃料調整機構には、電子ガバナからの液体燃料噴射指令と機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令の二系統の指令が入力され、指令値が低い方を選択し動作する。このため、どちらかのガバナに異常が発生したときは制御主体が切り替わり、エンジンが停止することを防止することができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記電子ガバナは、前記液体燃料噴射指令の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を減少させ、前記液体燃料噴射指令の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を増加させてもよい。
この場合には、電子ガバナの信号線に断線等の異常が発生した場合、電子ガバナから入力される電気信号がゼロになる。そうすると、液体燃料噴射指令の指令値は最大になり、液体燃料調整機構が、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令を選択するため、制御主体を自動的に機械的ガバナに切り替えることができる。また、この場合には、制御主体の切り替えに、特別なセンサや信号は不要になる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に、所定の補正値を加算する信号変換器を備え、前記バックアップ用液体燃料噴射指令を、前記液体燃料噴射指令より高くしてもよい。
この場合は、バックアップ用液体燃料噴射指令に、所定の補正値が加算されているため、液体燃料調整機構は常に電子ガバナからの液体燃料噴射指令を選択し動作する。このため、通常の液体燃料運転モードにおいて、意図せずに、バックアップ用の機械式ガバナの制御に切り替わらないようにすることができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記信号変換器は、前記液体燃料調整機構によって前記バックアップ用液体燃料噴射指令が選択されたときに、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を停止してもよい。
仮に、バックアップ用液体燃料噴射指令に補正値を加算している状態で、電子ガバナから機械的ガバナの制御に切り替わると、液体燃料噴射弁に入力される指令値が跳ね上がり、デュアルフューエルエンジンの回転速度が急増してしまう。このため、電子ガバナから機械的ガバナの制御に切り替わるときに、補正値の加算を停止することで、デュアルフューエルエンジンの回転速度の変動を抑制することが可能となり、スムーズな制御主体の切り替えを実現できる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記信号変換器は、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値を、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度に対する負荷に応じて変更してもよい。
デュアルフューエルエンジンの回転速度に対する負荷が高い時に、電子ガバナから機械的ガバナへの切り替え時に発生する回転速度上昇を極力抑えるように補正値を設定すると、デュアルフューエルエンジンの回転速度に対する負荷が低い時に電子ガバナから機械的ガバナに切り替わると回転速度上昇が大きくなる場合がある。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値を、回転速度に対する負荷に応じて変更できるようにすることで、デュアルフューエルエンジンの回転速度の変動を抑制することができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記燃料ガス運転モードにおいて、前記信号変換器は、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を増加してもよい。
燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替わるときは、燃料ガスの噴射が減少し回転速度を維持するために必要な量の液体燃料の噴射が開始される間に、一時的にデュアルフューエルエンジンの回転速度が低下する。このため、液体燃料運転モードに切り替わった直後の液体燃料噴射指令の指令値は高くなるが、このとき、電子ガバナに比べて応答性が低い機械的ガバナからのバックアップ用液体燃料噴射指令の指令値を超えてしまうことがある。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値を、燃料ガス運転モードにおいて、通常よりも大きい補正値にすることで、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナの制御に切り替わらないようにすることができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記信号変換器は、前記燃料ガス運転モードから前記液体燃料運転モードに切り替わって所定の時間が経過した後、もとの前記補正値に戻してもよい。
この場合には、燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替わって所定の時間が経過した後、デュアルフューエルエンジンの回転速度が落ち着いたら、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値をもとに戻すことで、通常の状態に戻すことができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記液体燃料運転モードにおいて、前記信号変換器は、前記液体燃料噴射指令の単位時間当たりの増加量が多いときに、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を増加してもよい。
電子ガバナを介して入力される液体燃料噴射指令の指令値が急激に高くなったとき、電子ガバナに比べて応答性が低い機械的ガバナからのバックアップ用液体燃料噴射指令の指令値を超えてしまうことがある。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値を、通常よりも大きい補正値にすることで、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナの制御に切り替わらないようにすることができる。
本発明の一態様に係るデュアルフューエルエンジンの制御システムは、前記補正値の加算を増加して所定の時間が経過した後、もとの前記補正値に戻してもよい。
この場合には、補正値の加算を増加して所定の時間が経過した後、デュアルフューエルエンジンの回転速度が落ち着いたら、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値をもとに戻すことで、通常の状態に戻すことができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムは、前記燃料ガス運転モードにおいて、前記液体燃料調整機構は、前記液体燃料噴射指令と前記バックアップ用液体燃料噴射指令のうち、指令値の低い方を選択し、前記電子ガバナは、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度がゼロに相当する液体燃料噴射指令を送信して前記液体燃料噴射弁の噴射を停止し、前記燃料ガス噴射弁は、前記電子ガバナを介して入力された燃料ガス噴射指令により燃料ガスの供給量を増減してもよい。
通常の燃料ガス運転モードにおいても、液体燃料調整機構には電子ガバナからの液体燃料噴射指令と機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令の二系統の指令が入力される。電子ガバナは、回転速度がゼロに相当する液体燃料噴射指令を送信するため、液体燃料調整機構は低い方の指令値である電子ガバナの指令値を選択し、前記液体燃料噴射弁の噴射を停止する。このため、電子ガバナに異常が発生したときは制御主体が切り替わり、エンジンが停止することを防止することができる。
上記デュアルフューエルエンジンの制御システムにおいては、前記燃料ガス運転モードにおいて、前記電子ガバナは、前記燃料ガス噴射指令の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を増加させ、前記燃料ガス噴射指令の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を減少させてもよい。
電子ガバナの信号線に断線等の異常が発生した場合には、電子ガバナから入力される電気信号がゼロになる。そうすると、燃料ガス噴射指令の指令値もゼロとなり、燃料ガス噴射弁の動作は停止する。一方、液体燃料調整機構は、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令を選択するため、制御主体を自動的に機械的ガバナに切り替えることができる。
本発明の一態様に係るデュアルフューエルエンジンの制御方法は、液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁を備えるデュアルフューエルエンジンと、記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、前記デュアルフューエルエンジンを前記燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナと、前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナと、前記電子ガバナを介して入力された液体燃料噴射指令と前記機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令のうち一方を選択し、前記液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構と、を備えるデュアルフューエルエンジンの制御方法であって、前記電子ガバナによる前記液体燃料運転モード及び前記燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じた場合に、前記機械的ガバナによる前記バックアップ運転モードに切り替える。
本態様に係るデュアルフューエルエンジンの制御方法は、電子ガバナと、バックアップ用の機械的ガバナの二系統を組み込み、制御システムを二重化する。そして、電子ガバナによる液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、バックアップ用の機械的ガバナの制御に切り替えて、液体燃料によってデュアルフューエルエンジンの運転を継続させる。よって、一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジンの制御方法を確立できる。
上記本発明の一態様によれば、一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法を提供できる。
一実施形態に係る船舶用動力システムの構成図である。 一実施形態に係る船舶用動力システムを備える船舶の構成図である。 一実施形態に係るデュアルフューエルエンジンの液体燃料運転モードの動作を説明する説明図である。 一実施形態に係るデュアルフューエルエンジンの燃料ガス運転モードの動作を説明する説明図である。 一実施形態に係る制御システムの構成図である。 一実施形態に係る液体燃料運転モードにおける各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおける各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る制御システムの電子ガバナに生じた異常の一例を示す図である。 一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて電子ガバナに異常が発生した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおいて電子ガバナに異常が発生した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替える際に問題になる場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおいて、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値を第2の補正値に変更した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて、液体燃料噴射指令の単位時間当たりの増加量が多く問題になる場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。 一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて、液体燃料噴射指令の単位時間当たりの増加量が多い場合に、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値を第3の補正値に変更した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、本発明のデュアルフューエルエンジンの制御システムを、一機一軸方式の船舶用動力システムに適用した場合を例示しているが、一機一軸方式の船舶用動力システム以外のシステムに適用しても構わない。
図1は、一実施形態に係る船舶用動力システム1の構成図である。図2は、一実施形態に係る船舶用動力システム1を備える船舶100の構成図である。
図1に示すように船舶用動力システム1は、デュアルフューエルエンジン2と、その制御システム3と、を備えている。
デュアルフューエルエンジン2は、制御システム3の制御の下、始動時と停止時以外は、液体燃料で運転する液体燃料運転モードと、燃料ガスで運転する燃料ガス運転モードとを切り替え可能である。
制御システム3は、液体燃料運転モードでデュアルフューエルエンジン2の始動を行い、基準値以上のガス圧力が供給されていることが確認された後、燃料ガスによる燃料ガス運転モードに切り替える。制御システム3は、船舶100の停止の際には再び液体燃料運転モードに切り替えてから停止を行う。
デュアルフューエルエンジン2は、クランク軸13と、クランク軸13に連結されたピストン14と、ピストン14をガイドする筒状のシリンダブロック15と、シリンダブロック15の上端開口を閉塞するシリンダヘッド16と、を備えている。クランク軸13は、図2に示す船舶100のプロペラ101の回転軸に連結されている。
ピストン14、シリンダブロック15、及び、シリンダヘッド16は、デュアルフューエルエンジン2の燃焼室17を形成している。シリンダヘッド16には、燃焼室17に液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁11が設置されている。また、シリンダヘッド16には、着火装置18が設置されている。着火装置18は、例えば、マイクロパイロット油噴射弁であり、燃料ガス運転モードで使用される。
また、シリンダヘッド16には、吸気弁19と、排気弁20とが設置されている。シリンダヘッド16の吸気弁19を設置した吸気口には、吸気管21が接続されている。また、シリンダヘッド16の排気弁20を設置した排気口には、排気管22が接続されている。吸気管21には、内部に燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁12が設置されている。
吸気管21には、燃料ガス噴射弁12よりも上流側にエアクーラ23が設置されている。また、吸気管21には、エアクーラ23よりも上流側に過給機24が設置されている。過給機24は、排気管22から排ガスの少なくとも一部が供給されて回転するタービンと、当該タービンと回転軸を介して連結されて吸気管21に圧縮空気を供給するコンプレッサと、を備えている。
図2に示すように、船舶100は、一機一軸方式の船舶用動力システム1(主機関)と、その補機関102と、を備えている。補機関102は、発電機103を駆動して発電を行うエンジンである。発電機103は、船内母線104を介して、船舶用動力システム1やその他の船内機器105に電力を供給している。
図3は、一実施形態に係るデュアルフューエルエンジン2の液体燃料運転モードの動作を説明する説明図である。
図3に示すように、液体燃料運転モードのときは、液体燃料噴射弁11から重油等の液体燃料を燃焼室17に噴射させ、ピストン14で圧縮された圧縮空気を着火・燃焼させる。このとき、燃料ガス噴射弁12は、停止している。
図4は、一実施形態に係るデュアルフューエルエンジン2の燃料ガス運転モードの動作を説明する説明図である。
図4に示すように、燃料ガス運転モードのときは、液体燃料噴射弁11から天然ガス等の燃料ガスを吸気管21内に噴射させ、燃焼室17の手前で空気と予混合させる。次に、着火装置18から着火用の液体燃料を燃焼室17に噴射させ、ピストン14で圧縮された予混合ガスを着火・燃焼させる。このとき、液体燃料噴射弁11は、停止している。
図5は、一実施形態に係る制御システム3の構成図である。
図5に示すように、制御システム3は、回転指令部31と、電子ガバナ32と、燃料ガス噴射弁ドライバー33と、PLC34(Programmable Logic Controller)と、信号変換器35と、電空変換器36と、機械的ガバナ37と、液体燃料調整機構38と、を備えている。
回転指令部31は、デュアルフューエルエンジン2の回転速度を制御する回転指令S1を出力する。本実施形態では、回転指令部31がハンドル操作によって回転指令S1を出力する。
電子ガバナ32は、制御システム3のメインコントローラーであり、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、デュアルフューエルエンジン2を燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する。
電子ガバナ32は、液体燃料運転モードのとき、回転指令S1に基づいて、アクチュエータ指令S4を出力する。アクチュエータ指令S4は、後述する液体燃料調整機構38のアクチュエータ38bに入力される電気信号である。
また、電子ガバナ32は、燃料ガス運転モードのとき、回転指令S1に基づいて、燃料ガス噴射指令S6を出力する。燃料ガス噴射指令S6は、燃料ガス噴射弁ドライバー33に入力される電気信号である。燃料ガス噴射弁ドライバー33は、燃料ガス噴射指令S6に基づいて、燃料ガス噴射弁12を開閉させる。
PLC34は、電子ガバナ32からの接点信号S8を受け、電子ガバナ32の異常の有無を監視している。また、PLC34は、接点信号S8に基づいて、接点信号S9を出力し、電子ガバナ32における異常(断線等)の発生を信号変換器35に知らせる。
信号変換器35は、回転指令S1に基づいて、バックアップ用の回転指令S2を出力する。回転指令S2は、電空変換器36に入力される電気信号である。
電空変換器36は、回転指令S2に基づいて、バックアップ用の回転指令S3を出力する。回転指令S3は、機械的ガバナ37に入力される機械的な信号である。なお、ここで「機械的」とは、機構的な動作によるものに加えて油圧や空気圧を含む概念である。
機械的ガバナ37は、制御システム3のバックアップコントローラーであり、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する。機械的ガバナ37は、回転指令S3に基づいて、バックアップ用液体燃料噴射指令S5を出力する。バックアップ用液体燃料噴射指令S5は、後述する液体燃料調整機構38の選択機構38aに入力される機械的な信号である。バックアップ用液体燃料噴射指令S5は、例えば、回転指令S3(エア圧力)に基づく機械的ガバナ37の動作信号である。
液体燃料調整機構38は、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、機械的ガバナ37によるバックアップ運転モードに切り替えるものである。
液体燃料調整機構38は、トルクモータシステムなどのアクチュエータ38bを備えている。アクチュエータ38bは、電子ガバナ32から入力されるアクチュエータ指令S4に基づいて、液体燃料噴射指令S10を出力する。
液体燃料噴射指令S10は、液体燃料調整機構38の選択機構38aに入力される機械的な信号である。液体燃料噴射指令S10は、例えば、アクチュエータ指令S4(電気信号)に基づくアクチュエータ38bの動作信号である。
液体燃料調整機構38は、電子ガバナ32を介して液体燃料噴射指令S10が入力され、機械的ガバナ37を介してバックアップ用液体燃料噴射指令S5が入力される選択機構38aを備えている。選択機構38aは、液体燃料噴射指令S10とバックアップ用液体燃料噴射指令S5のうち、指令値が低い方を選択し、液体燃料噴射弁11を動作させる。
つまり、選択機構38aは、液体燃料噴射指令S10による機械的な信号及びバックアップ用液体燃料噴射指令S5による機械的な信号を天秤にかけ、指令値が低い方を選択する構造を有している。
電子ガバナ32から入力されるアクチュエータ指令S4(電気信号)は、電気信号が減少すると液体燃料噴射指令S10の指令値を増加させ、電気信号が増加すると液体燃料噴射指令S10の指令値を減少させる。
つまり、電子ガバナ32に異常が発生し、アクチュエータ指令S4(電気信号)がゼロになると、液体燃料噴射指令S10の指令値が最大になり、バックアップ用液体燃料噴射指令S5が選択されるようになる。
信号変換器35は、通常の液体燃料運転モード(電子ガバナ32によるメインコントロール)において、液体燃料調整機構38の選択機構38aが電子ガバナ32からの液体燃料噴射指令S10を常に選択するように、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に、所定の補正値S51(後述する図6(a)参照)を加算している。
例えば、液体燃料噴射指令S10の指令値が800min-1相当のとき、補正値S51は50min-1相当であり、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値は850min-1相当になる。
図6は、一実施形態に係る液体燃料運転モードにおける各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。図6(a)は、ある時間帯におけるバックアップ用液体燃料噴射指令S5と、燃料ガス噴射指令S6と、液体燃料噴射指令S10の指令値の変化を示している。図6(b)は、同時間帯における回転指令S2,S3と、アクチュエータ指令S4の電気信号の変化を示している。図6(c)は、同時間帯における回転指令S1の指令値の変化と、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7の変化を示している。
図6(c)に示すように、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7を時間と共に増加させる場合、回転指令部31は、回転指令S1の指令値を時間と共に増加させる。信号変換器35及び電空変換器36は、入力された回転指令S1に基づいて、図6(b)に示すように、回転指令S2,S3の指令値を時間と共に増加させる。一方、電子ガバナ32は、入力された回転指令S1に基づいて、回転指令S2,S3とは逆に、アクチュエータ指令S4の電気信号を時間と共に減少させる。
上述したように液体燃料噴射指令S10は、アクチュエータ指令S4の減少に対し増加するため、図6(a)に示すように、液体燃料噴射指令S10の指令値を時間と共に増加させる。機械的ガバナ37は、入力された回転指令S3と同じく、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を時間と共に増加させる。なお、燃料ガス噴射指令S6は、液体燃料運転モードであるため、その指令値はゼロである。
ここで、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値には、信号変換器35において予め所定の補正値S51が加算されている。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値は、液体燃料噴射指令S10の指令値よりも常に高くなり、液体燃料調整機構38の選択機構38aは、指令値が低い液体燃料噴射指令S10の方を選択する。以上により、電子ガバナ32を制御主体とする液体燃料運転モードで、デュアルフューエルエンジン2を運転させることができる。
ここで、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値に加算する補正値S51は、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷に応じて変更可能とする。デュアルフューエルエンジン2の回転速度を維持するために必要な液体燃料の噴射量は、回転速度に対する負荷が高いほど多くなる。したがって、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷が高い時に、電子ガバナから機械的ガバナへの切り替え時に発生する回転速度上昇を極力抑えるように補正値S51の値を設定すると、デュアルフューエルエンジンの回転速度に対する負荷が低い時に電子ガバナから機械的ガバナに切り替わると回転速度上昇が大きくなる。そこで、バックアップ用液体燃料噴射指令に加算する補正値S51を、回転速度に対する負荷に応じて変更できるようにすることで、デュアルフューエルエンジン2の回転速度の変動を抑制することができる。つまり、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷が大きいとき補正値S51を大きくし、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷が小さいとき補正値S51を小さくする。
図7は、一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおける各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。図7(a)は、ある時間帯におけるバックアップ用液体燃料噴射指令S5と、燃料ガス噴射指令S6と、液体燃料噴射指令S10の指令値の変化を示している。図7(b)は、同時間帯における回転指令S2,S3と、アクチュエータ指令S4の電気信号の変化を示している。図7(c)は、同時間帯における回転指令S1の指令値の変化と、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7の変化を示している。
図7(c)に示すように、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7を時間と共に増加させる場合、回転指令部31は、回転指令S1の指令値を時間と共に増加させる。信号変換器35及び電空変換器36は、入力された回転指令S1に基づいて、図7(b)に示すように、回転指令S2,S3の指令値を時間と共に増加させる。このとき、電子ガバナ32は、液体燃料噴射弁11を停止させるため、アクチュエータ指令S4の電気信号を最大で保持する。
電子ガバナ32は、入力された回転指令S1に基づいて、図7(a)に示すように、燃料ガス噴射指令S6の指令値を時間と共に増加させる。機械的ガバナ37は、入力された回転指令S3と同じく、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を時間と共に増加させる。ここで、アクチュエータ指令S4(電気信号)の電流は最大となっているため、液体燃料噴射指令S10の指令値はゼロであり、液体燃料調整機構38の選択機構38aは指令値の低い方を選択するため、液体燃料噴射弁11は動作しない。以上により、電子ガバナ32を制御主体とする燃料ガス運転モードで、デュアルフューエルエンジン2を運転させることができる。
次に、電子ガバナ32に異常が発生した場合の動作について説明する。
図8は、一実施形態に係る制御システム3の電子ガバナ32に生じた異常の一例を示す図である。
図8においては、電子ガバナ32の信号線50に断線51が発生した場合を例示している。このような場合、アクチュエータ指令S4の電流を監視しているPLC34が、信号線50の断線51を検出し、電子ガバナ32の異常を伝える接点信号S9を信号変換器35に出力する。また、回転センサ断線などの場合、電子ガバナ32が、断線を検出し、電子ガバナ32の異常を伝える接点信号S8をPLC34に送信する。
図9は、一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて電子ガバナ32に異常が発生した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。なお、図9において縦に延びる一点鎖線は、電子ガバナ32に異常が発生したタイミングを示している。
図9(b)に示すように、電子ガバナ32に異常(ここでは断線51)が発生すると、電子ガバナ32のアクチュエータ指令S4の電気信号はゼロになる。
そのため、図9(a)に示すように、液体燃料噴射指令S10の指令値は、最大になる。これにより、液体燃料噴射指令S10の指令値が、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値よりも高くなり、液体燃料調整機構38の選択機構38aは、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令S5の方を選択する。以上により、機械的ガバナ37を制御主体とするバックアップ運転モードで、デュアルフューエルエンジン2を運転させることができる。
ここで、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値には、信号変換器35において予め所定の補正値S51が加算されている。仮に、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に補正値S51を加算している状態で、電子ガバナ32から機械的ガバナ37の制御に切り替わると、液体燃料噴射弁11に入力される液体燃料の供給量が跳ね上がり、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7が急増してしまう。
このため、信号変換器35は、PLC34から電子ガバナ32の異常の通知を受けたときに、補正値S51の加算を停止する。補正値S51の加算を停止すると、図9(b)に示すように、回転指令S2,S3の指令値が減少し、図9(a)に示すように、バックアップ用液体燃料噴射指令S5が、異常発生前の液体燃料噴射指令S10に連続するように遷移する。これにより、図9(c)に示すように、異常発生直後のデュアルフューエルエンジン2の回転速度S7の変動を抑制することが可能となり、スムーズな制御主体の切り替えを実現できる。
図10は、一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおいて電子ガバナ32に異常が発生した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。なお、図10において縦に延びる一点鎖線は、電子ガバナ32に異常が発生したタイミングを示している。
図10(a)に示すように、電子ガバナ32に異常が発生すると、電子ガバナ32の燃料ガス噴射指令S6の電気信号はゼロになる。これにより、燃料ガス噴射弁12は停止する。
また、電子ガバナ32に異常が発生すると、電子ガバナ32のアクチュエータ指令S4の指令値(電流)もゼロになる。そのため、図10(a)に示すように、液体燃料噴射指令S10の指令値は、最大になる。
これにより、液体燃料噴射指令S10の指令値が、バックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値よりも高くなり、液体燃料調整機構38の選択機構38aは、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令S5の方を選択する。以上により、機械的ガバナ37を制御主体とするバックアップ運転モードで、デュアルフューエルエンジン2を運転させることができる。
また、信号変換器35は、PLC34から電子ガバナ32の異常の通知を受けたときに、補正値S51の加算を停止する。補正値S51の加算を停止すると、図10(b)に示すように、回転指令S2,S3の指令値が減少し、図10(a)に示すように、バックアップ用液体燃料噴射指令S5が、異常発生前の燃料ガス噴射指令S6に連続するように遷移する。これにより、図10(c)に示すように、異常発生直後のデュアルフューエルエンジン2の回転速度S7の変動を抑制することが可能となり、スムーズな制御主体の切り替えを実現できる。
次に、上述した制御システム3において、燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替える際に問題になるケースについて図11を用いて説明し、図12においてその対策を説明する。
図11は、一実施形態に係る燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替える際に問題になる場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。
図11(a)に示すように、燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替える場合、電子ガバナ32の燃料ガス噴射指令S6の電気信号はゼロになる。これにより、燃料ガス噴射弁12は噴射量が徐々に減少し停止する。
ここで、図11(c)に示すように、燃料ガスの噴射量が減少し、液体燃料の噴射量がデュアルフューエルエンジン2の回転速度S7を維持できる量まで増加する間に、一時的に回転速度S7が低下する。このため、図11(a)に示すように、液体燃料運転モードに切り替わった直後の液体燃料噴射指令S10の指令値は高くなるが、このとき、電子ガバナ32に比べて応答性が低い機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を超えてしまうことがある。この応答差は、電気信号と機械的な信号の変化速度差に起因するものである。
このため、液体燃料運転モードに切り替わった直後の液体燃料噴射指令S10のピーク値P10が、機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5のいまだ上がりきっていないピーク値P5を超えてしまうと、液体燃料調整機構38の選択機構38aがバックアップ用液体燃料噴射指令S5を選択し、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わってしまう場合がある。つまり、回転速度の上昇が、機械的ガバナ37によって制限されてしまう。
図12は、一実施形態に係る燃料ガス運転モードにおいて、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値S51を第2の補正値S52に変更した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。
図11で説明した問題の対策のため、図12(a)に示すように、本実施形態の信号変換器35は、燃料ガス運転モードにおいて、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に、補正値S51より大きい第2の補正値S52を加算する。
これにより、液体燃料運転モードに切り替わった直後の液体燃料噴射指令S10のピーク値P10が、機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5のいまだ上がりきっていないピーク値P5を超えてしまわないようにすることができる。したがって、液体燃料調整機構38の選択機構38aは、液体燃料噴射指令S10を選択するため、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わってしまうことを防止できる。
なお、信号変換器35は、燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替わって所定の時間が経過した後、第2の補正値S52からもとの補正値S51に戻しバックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する。これにより、図6や図9に示すような、通常の状態に戻すことができる。
次に、上述した制御システム3において、液体燃料噴射指令S10の単位時間当たりの増加量が多い際に問題になるケースについて、図13を用いて説明し、図14においてその対策を説明する。
図13は、一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて、液体燃料噴射指令S10の単位時間当たりの増加量が多く問題になる場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。
図13(a)に示すように、急激にデュアルフューエルエンジン2の負荷や回転速度が増加した場合、液体燃料噴射指令S10は高くなるが、このとき、電子ガバナ32に比べて応答性が低い機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を超えてしまうことがある。
このため、液体燃料調整機構38の選択機構38aがバックアップ用液体燃料噴射指令S5を選択し、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わってしまう場合がある。つまり、回転速度に対する負荷の増加が、機械的ガバナ37によって制限されてしまう。
図14は、一実施形態に係る液体燃料運転モードにおいて液体燃料噴射指令の単位時間当たりの増加量が多い場合に、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値を第3の補正値S53に変更した場合の各指令値及び回転速度の変化を示すグラフである。
図13で説明した問題の対策のため、図14(a)に示すように、本実施形態の信号変換器35は、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に、補正値S51より大きい第3の補正値S53を加算する。
これにより、液体燃料噴射指令S10のピーク値P10が、機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5のいまだ上がりきっていないピーク値P5を超えてしまわないようにすることができる。したがって、液体燃料調整機構38の選択機構38aは、液体燃料噴射指令S10を選択するため、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わってしまうことを防止できる。
なお、信号変換器35は、回転速度に対する負荷が急激に増加してから所定の時間が経過した後、第3の補正値S53からもとの補正値S51に戻しバックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する。これにより、通常の状態に戻すことができる。
このように、上述した本実施形態に係るデュアルフューエルエンジン2の制御システム3は、液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁11、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁12を備えるデュアルフューエルエンジン2と、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、デュアルフューエルエンジン2を燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナ32と、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナ37と、電子ガバナ32を介して入力された液体燃料噴射指令S10と機械的ガバナ37を介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令S5のうち一方を選択し、液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構38と、を備え、液体燃料調整機構38は、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、機械的ガバナ37によるバックアップ運転モードに切り替える。
本実施形態に係るデュアルフューエルエンジン2の制御システム3は、電子ガバナ32と、バックアップ用の機械的ガバナ37の二系統を組み込み、制御システム3を二重化している。このため、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わり、液体燃料によってデュアルフューエルエンジン2の運転を継続させることができる。よって、一機一軸方式の船舶用動力システム1に適したデュアルフューエルエンジン2の制御システム3を確立できる。
また、本実施形態においては、液体燃料調整機構38は、液体燃料噴射指令S10と、バックアップ用液体燃料噴射指令S5のうち、指令値が低い方を選択して動作する。
この構成によれば、通常時の液体燃料運転モードにおいては、液体燃料調整機構38には、電子ガバナ32からの液体燃料噴射指令S10と機械的ガバナ37を介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令S5の二系統の指令が入力され、指令値が低い方を選択し動作する。このため、どちらかのガバナに異常が発生したときは制御主体が切り替わり、エンジンが停止することを防止することができる。
また、本実施形態においては、電子ガバナ32は、液体燃料噴射指令S10の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を減少させ、液体燃料噴射指令S10の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を増加させる。
この構成によれば、電子ガバナ32の信号線50に断線51等の異常が発生した場合、電子ガバナ32から入力される電気信号がゼロになる。そうすると、液体燃料噴射指令S10の指令値は最大になり、液体燃料調整機構38が、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令S5を選択するため、制御主体を自動的に機械的ガバナ37に切り替えることができる。また、この場合には、制御主体の切り替えに、特別なセンサや信号は不要になる。
また、本実施形態においては、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に、所定の補正値S51を加算する信号変換器35を備え、バックアップ用液体燃料噴射指令S5を、液体燃料噴射指令S10より高くする。
この構成によれば、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に、所定の補正値S51が加算されているため、液体燃料調整機構38は常に電子ガバナ32からの液体燃料噴射指令S10を選択し動作する。このため、通常の液体燃料運転モードにおいて、意図せずに、バックアップ用の機械式ガバナの制御に切り替わらないようにすることができる。
また、本実施形態においては、信号変換器35は、液体燃料調整機構38によってバックアップ用液体燃料噴射指令S5が選択されたときに、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に対する補正値S51の加算を停止する。
仮に、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に補正値S51を加算している状態で、電子ガバナ32から機械的ガバナ37の制御に切り替わると、液体燃料噴射弁11に入力される指令値が跳ね上がり、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7が急増してしまう。このため、電子ガバナ32から機械的ガバナ37の制御に切り替わるときに、補正値S51の加算を停止することで、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7の変動を抑制することが可能となり、スムーズな制御主体の切り替えを実現できる。
また、本実施形態においては、信号変換器35は、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に対する補正値S51を、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷に応じて変更する。
デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷が高い時に、電子ガバナ32から機械的ガバナ37への切り替え時に発生する回転速度上昇を極力抑えるように補正値S51を設定すると、デュアルフューエルエンジン2の回転速度に対する負荷が低い時に電子ガバナ32から機械的ガバナ37に切り替わると回転速度上昇が大きくなる場合がある。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値S51を、回転速度に対する負荷に応じて変更できるようにすることで、デュアルフューエルエンジン2の回転速度の変動を抑制することができる。
また、本実施形態においては、燃料ガス運転モードにおいて、信号変換器35は、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に対する補正値S51の加算を増加する。
燃料ガス運転モードから液体燃料運転モードに切り替わるときは、燃料ガスの噴射が減少し回転速度を維持するために必要な量の液体燃料の噴射が開始される間に、一時的にデュアルフューエルエンジン2の回転速度S7が低下する。このため、液体燃料運転モードに切り替わった直後の液体燃料噴射指令S10の指令値は高くなるが、このとき、電子ガバナ32に比べて応答性が低い機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を超えてしまうことがある。このため、燃料ガス運転モードにおいて、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値S51を、通常よりも大きい第2の補正値S52にすることで、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わらないようにすることができる。
また、本実施形態においては、液体燃料運転モードにおいて、信号変換器35は、液体燃料噴射指令S10の単位時間当たりの増加量が多いときに、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に対する補正値の加算を増加する。
電子ガバナ32を介して入力される液体燃料噴射指令S10の指令値が急激に高くなったとき、電子ガバナ32に比べて応答性が低い機械的ガバナ37からのバックアップ用液体燃料噴射指令S5の指令値を超えてしまうことがある。このため、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値S51を、通常よりも大きい第3の補正値S53にすることで、意図せずに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替わらないようにすることができる。
また、本実施形態においては、信号変換器35は、補正値S51の加算を増加して所定の時間が経過した後、もとの補正値S51に戻す。
この構成によれば、補正値S51の加算を増加して所定の時間が経過した後、デュアルフューエルエンジン2の回転速度S7が落ち着いたら、バックアップ用液体燃料噴射指令S5に加算する補正値S51をもとに戻すことで、通常の状態に戻すことができる。
また、本実施形態においては、燃料ガス運転モードにおいて、液体燃料調整機構38は、液体燃料噴射指令S10とバックアップ用液体燃料噴射指令S5のうち、指令値の低い方を選択し、電子ガバナ32は、デュアルフューエルエンジン2の回転速度がゼロに相当する液体燃料噴射指令S10を送信して液体燃料噴射弁の噴射を停止し、燃料ガス噴射弁は、電子ガバナ32を介して入力された燃料ガス噴射指令により燃料ガスの供給量を増減する。
通常の燃料ガス運転モードにおいても、液体燃料調整機構38には電子ガバナ32からの液体燃料噴射指令S10と機械的ガバナ37を介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令S5の二系統の指令が入力される。電子ガバナ32は、回転速度がゼロに相当する液体燃料噴射指令S10を送信するため、液体燃料調整機構38は低い方の指令値である電子ガバナ32の指令値を選択し、液体燃料噴射弁の噴射を停止する。このため、どちらかのガバナに異常が発生したときは制御主体が切り替わり、エンジンが停止することを防止することができる。
また、本実施形態においては、燃料ガス運転モードにおいて、電子ガバナ32は、燃料ガス噴射指令の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を増加させ、燃料ガス噴射指令の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を減少させる。
この構成によれば、電子ガバナ32の信号線50に断線51等の異常が発生した場合、電子ガバナ32から入力される電気信号がゼロになる。そうすると、燃料ガス噴射指令の指令値もゼロとなり、燃料ガス噴射弁の動作は停止する。一方、液体燃料調整機構38は、指令値が低いバックアップ用液体燃料噴射指令S5を選択するため、制御主体を自動的に機械的ガバナ37に切り替えることができる。
また、本実施径形態に係るデュアルフューエルエンジン2の制御方法は、液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁11、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁12を備えるデュアルフューエルエンジン2と、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、デュアルフューエルエンジン2を燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナ32と、デュアルフューエルエンジン2を液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナ37と、電子ガバナ32を介して入力された液体燃料噴射指令S10と機械的ガバナ37を介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令S5のうち一方を選択し、液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構38と、を備えるデュアルフューエルエンジン2の制御方法であって、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じた場合に、機械的ガバナ37によるバックアップ運転モードに切り替える。
本実施形態に係るデュアルフューエルエンジン2の制御方法は、電子ガバナ32と、バックアップ用の機械的ガバナ37の二系統を組み込み、制御システム3を二重化する。そして、電子ガバナ32による液体燃料運転モード及び燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、バックアップ用の機械的ガバナ37の制御に切り替えて、液体燃料によってデュアルフューエルエンジン2の運転を継続させる。このため、一機一軸方式の船舶用動力システムに適したデュアルフューエルエンジン2の制御方法を確立できる。
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
1 船舶用動力システム
2 デュアルフューエルエンジン
3 制御システム
11 液体燃料噴射弁
12 燃料ガス噴射弁
13 クランク軸
14 ピストン
15 シリンダブロック
16 シリンダヘッド
17 燃焼室
18 着火装置
19 吸気弁
20 排気弁
21 吸気管
22 排気管
23 エアクーラ
24 過給機
31 回転指令部
32 電子ガバナ
33 燃料ガス噴射弁ドライバー
35 信号変換器
36 電空変換器
37 機械的ガバナ
38 液体燃料調整機構
38a 選択機構
38b アクチュエータ
50 信号線
51 断線
100 船舶
101 プロペラ
102 補機関
103 発電機
104 船内母線
105 船内機器
P5 ピーク値
P10 ピーク値
S1 回転指令
S2 回転指令
S3 回転指令
S4 アクチュエータ指令
S5 バックアップ用液体燃料噴射指令
S6 燃料ガス噴射指令
S7 回転速度
S8 接点信号
S9 接点信号
S10 液体燃料噴射指令
S51 補正値
S52 第2の補正値
S53 第3の補正値

Claims (13)

  1. 液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁を備えるデュアルフューエルエンジンと、
    前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、前記デュアルフューエルエンジンを前記燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナと、
    前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナと、
    前記電子ガバナを介して入力された液体燃料噴射指令と前記機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令のうち一方を選択し、前記液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構と、を備え、
    前記液体燃料調整機構は、前記電子ガバナによる前記液体燃料運転モード及び前記燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じたときに、前記機械的ガバナによる前記バックアップ運転モードに切り替える、デュアルフューエルエンジンの制御システム。
  2. 前記液体燃料調整機構は、前記液体燃料噴射指令と、前記バックアップ用液体燃料噴射指令のうち、指令値が低い方を選択する、請求項1に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  3. 前記電子ガバナは、前記液体燃料噴射指令の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を減少させ、前記液体燃料噴射指令の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を増加させる、請求項2に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  4. 前記バックアップ用液体燃料噴射指令に、所定の補正値を加算する信号変換器を備え、
    前記バックアップ用液体燃料噴射指令を、前記液体燃料噴射指令より高くする、請求項2または3に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  5. 前記信号変換器は、前記液体燃料調整機構によって前記バックアップ用液体燃料噴射指令が選択されたときに、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を停止する、請求項4に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  6. 前記信号変換器は、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値を、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度に対する負荷に応じて変更する、請求項4または5に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  7. 前記燃料ガス運転モードにおいて、
    前記信号変換器は、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を増加する、請求項4~6のいずれか1項に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  8. 前記信号変換器は、前記燃料ガス運転モードから前記液体燃料運転モードに切り替わって所定の時間が経過した後、もとの前記補正値に戻す、請求項7に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  9. 前記液体燃料運転モードにおいて、
    前記信号変換器は、前記液体燃料噴射指令の単位時間当たりの増加量が多いときに、前記バックアップ用液体燃料噴射指令に対する前記補正値の加算を増加する、請求項4~8のいずれか1項に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  10. 前記信号変換器は、前記補正値の加算を増加して所定の時間が経過した後、もとの前記補正値に戻す、請求項9記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  11. 前記燃料ガス運転モードにおいて、
    前記液体燃料調整機構は、前記液体燃料噴射指令と前記バックアップ用液体燃料噴射指令のうち、指令値の低い方を選択し、
    前記電子ガバナは、前記デュアルフューエルエンジンの回転速度がゼロに相当する液体燃料噴射指令を送信して前記液体燃料噴射弁の噴射を停止し、
    前記燃料ガス噴射弁は、前記電子ガバナを介して入力された燃料ガス噴射指令により燃料ガスの供給量を増減する、請求項1~10のいずれか1項に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  12. 前記燃料ガス運転モードにおいて、
    前記電子ガバナは、前記燃料ガス噴射指令の指令値を増加させる場合は出力する電気信号を増加させ、前記燃料ガス噴射指令の指令値を減少させる場合は出力する電気信号を減少させる、請求項11に記載のデュアルフューエルエンジンの制御システム。
  13. 液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁、及び、燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射弁を備えるデュアルフューエルエンジンと、
    前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させる液体燃料運転モード、及び、前記デュアルフューエルエンジンを前記燃料ガスで運転させる燃料ガス運転モードを有する電子ガバナと、
    前記デュアルフューエルエンジンを前記液体燃料で運転させるバックアップ運転モードを有する機械的ガバナと、
    前記電子ガバナを介して入力された液体燃料噴射指令と前記機械的ガバナを介して入力されたバックアップ用液体燃料噴射指令のうち一方を選択し、前記液体燃料の供給量を増減する液体燃料調整機構と、を備えるデュアルフューエルエンジンの制御方法であって、
    前記電子ガバナによる前記液体燃料運転モード及び前記燃料ガス運転モードの少なくとも一方で異常が生じた場合に、前記機械的ガバナによる前記バックアップ運転モードに切り替える、デュアルフューエルエンジンの制御方法。
JP2021088317A 2021-05-26 2021-05-26 デュアルフューエルエンジンの制御システム、デュアルフューエルエンジンの制御方法 Pending JP2022181399A (ja)

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