JP2022181345A - リアルタイム動的衛星測位システム及び測位方法 - Google Patents

リアルタイム動的衛星測位システム及び測位方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期化処理時間が短く、高フィックス率の衛星測位システムを提供する。【解決手段】リアルタイム動的衛星測位システムは、ユーザの有する移動局10と地上に設けられた送信局20とを有し、上空を飛行するインターネット衛星30を利用して測位を行う。移動局10と送信局20と所定のインターネット衛星30は、IPsec -VPN60によって互いに接続されている。測位システムは、上空を飛行するGNSS衛星50から原子時計時刻を取得する。送信局20は、該送信局から10km以内の範囲にある基準局40から取得した基準点情報と、所定のインターネット衛星30の軌道情報から、自身の位置情報を取得する。【選択図】図1B

Description

本発明は、リアルタイム動的衛星測位技術を用いた測位システムに関し、特に、インターネット衛星を利用した衛星測位システムに関する。
人工衛星は、高度2,000km以下の地球周回軌道を有する低地球軌道衛星、高度2,000kmから35,786kmの地球周回軌道を有する中地球軌道衛星、高度35,786kmの地球同期軌道を有する地球同期軌道衛星、高度35,786km以上の地球周回軌道を有する高地球軌道衛星に分けられる。地球同期軌道衛星のうち、赤道上空の円軌道を有するものは静止衛星と呼ばれるが、地球同期軌道衛星を単に静止衛星と呼ぶ場合もある。
中地球軌道衛星の用途として、衛星測位が挙げられる。例として、全地球測位衛星システム(GNSS: Global Navigation Satellite System)が知られている。GNSSは、米国国防総省の全地球測位システム(GPS : Global Positioning Satellite)、ロシア航空宇宙軍(ソ連)が運用しているグロナス、欧州連合が構築したガレリオ全地球航法衛星測位システム、中国の北斗衛星測位システム、インドのナブアイシー航法衛星システム等を含む。
日本の準天頂衛星システム「みちびき」は高度33,000~39,000kmの中地球軌道衛星からなる衛星測位システムである。これは、日本の略真上(準天頂)にて南北対称の8の字形を描く傾斜静止軌道を有する。日本の技術実証用衛星「きずな」は、高度36,000km、東経43度の静止軌道を有するインターネット衛星であるが、その試験は完了した。
近年、低地球軌道衛星の用途として、衛星コンステレーションを利用した衛星インターネットアクセスが知られている。衛星コンステレーションは多数の小型極軌道衛星からなり、衛星間で協働しながらインターネット回線を提供する。特に、高度約500kmの非静止衛星を利用した衛星コンステレーションを利用する衛星インターネットアクセス技術の開発が盛んである。
WO2016/147569
近年、GNSSを利用した高精度衛星測位として、リアルタイム動的GNSSが知られている。これは、GNSS衛星からの搬送波と、地上に設置した基準点の位置情報データを組み合わせることによって、ユーザの測位をリアルタイムで且つ正確に得ることができる技術である。基準点として、国土地理院の電子基準点と通信事業者等が独自に設定した基準点がある。
リアルタイム動的GNSS測位の精度に影響を与える要因として、電離層又は対流圏に起因した遅延誤差、衛星軌道誤差、衛星又は受信側に設置した精密時計の誤差に起因した時計誤差、基準点の位置の精度等がある。
従来のリアルタイム動的GNSS測位では、各種の誤差を除去するために複雑な処理を用いるため、初期化処理の時間とフィックス率が満足できる値ではなかった。
本発明の目的は、リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、初期化処理時間が短く、高フィックス率の衛星測位システムを提供することにある。
本発明の実施形態によると、ユーザの有する移動局と地上に設けられた送信局とを有し、上空を飛行するインターネット衛星を利用して測位を行うリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記送信局は、所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と原子時計時刻とを含む送信データを含む送信データグラムを生成する送信系信号処理部と、該送信データグラムをデジタル変調して中間周波数の搬送波を生成する送信系ベースバンド部と、該中間周波数の搬送波を周波数変換して高周波の搬送波を生成する送信系フロントエンド部と、該高周波の搬送波を前記所定のインターネット衛星に向けてマルチキャストする送信系アンテナと、を有し、
前記移動局は、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた高周波の搬送波を受信する受信系アンテナと、該高周波の搬送波の周波数を中間周波数に変換する受信系フロントエンド部と、該中間周波数の搬送波をデジタル復調して受信データグラムを生成する受信系ベースバンド部と、該受信データグラムから前記移動局の位置を演算する受信系信号処理部と、を有する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記受信系信号処理部は、前記受信データグラムから前記中間周波数の搬送波の位相差を演算する位相カウンタと、前記受信データグラムを入力し受信IPパケットを出力する受信系ルータと、該受信IPパケットをデカプセル化して前記所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と前記原子時計時刻とを含む受信データを取り出すデカプセル化部と、前記受信データと前記受信搬送波の位相差に基づいて、前記移動局の位置を演算する測位計算部と、を有する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記送信系信号処理部は、前記送信データをカプセル化して送信IPパケットを生成するカプセル化部と、前記送信IPパケットを入力し前記送信データグラムを出力する送信系ルータと、を有する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記移動局と前記送信局と前記所定のインターネット衛星は、IPsec -VPNによって互いに接続されている、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
上空を飛行するGNSS衛星から前記原子時計時刻を取得する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記所定のインターネット衛星は、少なくとも4個のインターネット衛星を含み、複数の衛星からなる衛星コンステレーションを構成する非静止低地球軌道衛星である、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記デジタル変調は、2相位相偏移変調方式(BPSK)である、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記送信局は、該送信局から10km以内の範囲にある基準局から取得した基準点情報と、前記所定のインターネット衛星の軌道情報から、自身の位置情報を取得する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記所定のインターネット衛星の軌道情報は、地球上の軌道追跡局がリアルタイムで計算した軌道情報である、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記搬送波の周波数帯はKu帯である、としてよい。
本発明の実施形態によると、
ユーザの有する移動局と地上に設けられた送信局とを有し、上空を飛行するインターネット衛星を利用して測位を行うリアルタイム動的衛星測位方法において、
前記送信局によって、所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と原子時計時刻とを含む送信データを含む搬送波を生成し、該搬送波を前記所定のインターネット衛星に向けてマルチキャストするステップと、
前記所定のインターネット衛星によって、前記送信局からマルチキャストされた搬送波の周波数をアップリンク周波数からダウンリンク周波数に変換するステップと、
前記所定のインターネット衛星によって、前記ダウンリンク周波数に変換された搬送波を前記移動局にマルチキャストするステップと、
前記移動局によって、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた搬送波より、前記送信局の位置情報と前記所定のインターネット衛星の軌道情報と前記原子時計時刻とを含む受信データを取り出す、ステップと、
前記移動局によって、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた搬送波の位相差を演算するステップと、
前記移動局によって、前記受信データと前記搬送波の位相差から前記移動局の位置を演算するステップと、を有する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記測位方法において、
前記移動局と前記送信局と前記所定のインターネット衛星は、IPsec -VPNによって互いに接続されており、
前記所定のインターネット衛星は、少なくとも4個のインターネット衛星を含み、複数の衛星からなる衛星コンステレーションを構成する非静止低地球軌道衛星である、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記測位方法において、
前記送信局によって、上空を飛行するGNSS衛星から前記原子時計時刻を取得すステップと、を有する、としてよい。
本発明の実施形態によると、前記測位方法において、
前記搬送波の周波数帯はKu帯である、としてよい。
本発明によれば、リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、初期化処理時間が短く、高フィックス率の衛星測位システムを提供することができる。
図1Aは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの構成例の概略を説明する図である。 図1Bは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの構成例を説明する図である。 図2Aは、本実施形態においてマルチキャストに用いる通信プロトコルの例を説明する図である。 図2Bは、本実施形態においてマルチキャストに用いるプロトコルデータ単位の構成の例を説明する図である。 図3は、本実施形態におけるデータのカプセル化とデカプセル化の例を説明する図である。 図4Aは、本実施形態におけるIPv6(Internet Protocol Version 6)ヘッダのデータ構造を示す図である。 図4Bは、本実施形態におけるIPv6ペイロードのデータ構造を示す図である。 図5Aは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの動作の一部を説明する図である。 図5Bは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの動作の一部を説明する図である。 図6Aは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの原理である干渉測位法における単位視線ベクトルEと基線ベクトルAを説明する図である。 図6Bは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの原理である干渉測位法における整数値バイアスを説明する図である。 図7Aは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの移動局の受信系の構成例を説明する図である。 図7Bは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムの送信局(地球局)の構成例を説明する図である。 図7Cは、本実施形態に係るリアルタイム動的衛星測位システムのインターネット衛星の構成例を説明する図である。
以下、本発明に係る実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同一の要素に対しては同一の参照符号を付して、重複した説明を省略する。
図1Aを参照して本発明によるリアルタイム動的衛星測位システムの例の概略を説明する。本例の測位システムは、ユーザの有する移動局(ローバ)10と、上空を飛行するインターネット衛星30に向けて搬送波をマルチキャストする送信局(地球局)20と、を有する。リアルタイム動的衛星測位法は、干渉測位法と呼ばれ、少なくとも4個のインターネット衛星30を用いる。
インターネット衛星30は、インターネット回線を提供する機能を有する衛星であればよく、特に限定されない。しかしながら、本実施形態において、インターネット衛星30は、好ましくは、多数の非静止衛星からなる衛星コンステレーションを構成するものであり、低地球軌道衛星又は中地球軌道衛星であってよく、更に、好ましくは、非静止低地球軌道衛星である。
本実施形態において、インターネット衛星通信に用いられる搬送波は、マイクロ波帯の電波である。本実施形態では、L帯(1.6/1.5GHz)、S帯(2.6/2.5GHz)、C帯(6/4GHz)、Ku帯(14/12GHz)及びKa帯(30/20GHz)のいずれであってもよいが、好ましくは、Ku帯(14/12GHz)である。搬送波は、正弦波に航法メッセージとコード情報(C/Aコード、Pコード)を乗せた変調波である。一般に、周波数が低いと伝搬損失は小さいが、広い帯域を確保することができない。一方、周波数が高いと広い帯域を確保することができるが、伝搬損失が大きい。
図1Bを参照して本発明によるリアルタイム動的衛星測位システムの例の構成を説明する。本実施形態によると、送信局(地球局)20の位置を求めるために基準局40が有する基準点を用いてもよい。以下に、基準点の位置情報を、単に基準局40の位置情報と称する。本実施形態によると、移動局10と送信局20の間の距離は10km以下である。送信局20と基準局40の間の距離は10km以下である。即ち、送信局20の周囲10km以内に移動局10と基準局40が存在する。更に、本実施形態によると、GNSS衛星50が提供する原子時計時刻を用いる。基準局40は、GNSS衛星50から原子時計時刻を取得し、それを送信局20に送信する。
本実施形態において、移動局10、送信局20及びインターネット衛星30は、IPsec -VPN(Security Architecture for Internet Protocol-Virtual Private Network)によって互いに接続されている。移動局10、送信局20及びインターネット衛星30の間のデータ送信にマルチキャストを用いる。マルチキャストは、送信者(ソース)が特定の複数の受信者に対して、1つのパケット(データ)を同時に送信する技術である。マルチキャストでは、ネットワークの分岐点に設けられたルータは、1つのパケットを複製して、多数の受信者に転送する。そのため、ネットワークを効率的に利用できる。
本発明によるリアルタイム動的衛星測位に必要な情報は、インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及び原子時計時刻の3つのデータである。以下に、この3つの情報について詳細に説明する。
先ず、インターネット衛星30の軌道情報について説明する。軌道情報は、精度が数km程度の「概略暦(アルマナック)」、精度が2メートル程度の「放送暦(エフェメリス」、精度が10cm以下の「精密暦」を含む。
「概略暦」と「放送暦」は、インターネット衛星30から送信される航法メッセージに含まれる軌道情報である。移動局10及び送信局20は、IPsec-VPNを介して、インターネット衛星30の航法メッセージを取得する。
「精密暦」は、地球上の軌道追跡局において観測信号に基づいて計算された軌道情報である。例として、国際GPSサービスが提供するIPG暦がある。IPG暦は、超速報暦、速報暦、最終暦等の複数の暦を含む。これらの暦は、リアルタイムで得られるが精度がやや低いものと高精度であるが入手は数日後のものとがある。
軌道情報は、高精度であり且つリアルタイムで得られることが好ましい。このような条件を満たすなら、「放送暦」であってもよいが、「精密暦」であってもよい。本実施形態では、インターネット衛星30から直接得られた軌道情報を用いてもよいが、地上局から得られた軌道情報を用いてもよい。
衛星の軌道は、地球重心系の三次元座標で表された衛星の位置座標によって表される。地球重心系は、地球の重心を原点とする三次元直交座標系である。地球重心系として、国際地球回転観測事業が構築している国際地球基準座標系が知られている。
次に、送信局20の位置情報を説明する。本実施形態では、送信局20は自己の正確な且つ最新の位置情報を保持している。送信局20は、自己の位置情報を独自に入手してもよいが、基準局40から入手した基準点の位置情報に基づいて送信局20の位置情報を取得してもよい。上述のように、移動局10及び基準局40は、送信局20から10km以内にある。
日本国内における基準点は、日本の国土地理院によって設置された全国で1300以上の電子基準点であってもよいが、通信会社等が独自に設置した基準点であってもよい。北米では、アメリカ国家地理空間情報局によるWGS84(World Geodetic System, 1984)により得られる。欧州では、欧州測地データ(European Datum 1950)により得られる。
最後に原子時計時刻を説明する。GNSS衛星50は、所定の時間間隔にて原子時計時刻をブロードキャストする。GNSS衛星50は、原子時計時刻を提供する中地球軌道衛星であればどのようなものであってもよいが、例えば、全地球測位システム(GPS)、グロナス、ガレリオ全地球航法衛星測位システム、北斗衛星測位システム、ナブアイシー航法衛星システム等による衛星であってもよい。原子時計時刻は、国際原子時を基準とするセシウム原子時計によって得られた時刻であってもよい。
本実施形態の測位システムは、GNSS衛星50が提供する原子時計時刻を用いる。本実施形態では、移動局10、送信局20及び基準局40は、同期した即ち同一の原子時計時刻を有する。従って、移動局10、送信局20及び基準局40が異なる原子時計時刻を有することに起因する原子時計誤差を排除することができる。
例えば、基準局40はGNSS衛星50から取得した原子時計時刻を送信局20に送信する。送信局20は、インターネット衛星30を介して移動局10に原子時計時刻を送信する。基準局40がGNSS衛星50から原子時計時刻を受信する代わりに、送信局20がGNSS衛星50から原子時計時刻を受信してもよい。この場合には、基準局40が送信局20に原子時計時刻を送信する処理は不要である。
図2Aを参照して、本実施形態においてマルチキャストに用いる通信プロトコルの例を説明する。アプリケーション層のプロトコルとしてDNS(Domain Name System)、NTP(Network Time Protocol)、SNMP(Simple Network Management Protocol)等が用いられてよい。アプリケーション層のプロトコルデータ単位は、メッセージと呼ばれることがある。トランスポート層のプロトコルとして、UDP(User Datagram Protocol)を用いる。トランスポート層のプロトコルデータ単位は、通常、セグメントと呼ばれるが、UDPでは、データグラム又はUDPパケットと呼ばれる。
インターネット層のプロトコルとして、IPv6及びIPsec(Security Architecture for Internet Protocol)を用いる。インターネット層のプロトコルデータ単位は、単にパケット又はIPパケットと呼ばれる。IPsecは、インターネット層の暗号化プロトコルであるため、それより上位のトランスポート層やアプリケーション層のプロトコルにて暗号化されていない場合でも、パケットの秘匿化が実現できる。ネットワークアクセス層のプロトコルとしてイーサーネットを用いてもよい。ネットワークアクセス層のプロトコルデータ単位はフレームと呼ばれる。尚、イーサネットを使ってIPパケットを伝送する方式は、IPoE(IP over Ethernet)と呼ばれる。
マルチキャストは、1つの宛先アドレスを指定するだけで、「マルチキャストグループ」に属する複数の相手に同時に1つのデータを送信する通信方法である。マルチキャストグループ管理プロトコルとして、IPv4(Internet Protocol Version 4)では、IGMP (Internet Group Management Protocol)が用いられるが、IPv6では、MLD(Multicast Listener Discovery)を用いる。MLDは、IPv6において、マルチキャストグループへの参加者を管理するプロトコルであり、マルチキャストの受信者(リスナ)を探索する機能を有する。
本実施形態によると、IPsec-VPNを形成する。IPsec-VPNは、IPsecを用いる仮想的プライベートネットワークである。従って、インターネットなどの公衆網を利用する場合でも、IPsecを実装することにより、安全なネットワーク通信網を実現できる。IPsecは、認証ヘッダー(AH:Authentication Header)、セキュリティペイロードのカプセル化(ESP: Encapsulation Security Payload)及び鍵交換プロトコル(IKE Internet Key Exchange)を含む。
図2Bを参照して、本実施形態におけるプロトコルデータ単位の構成の例を説明する。データグラムは、アプリケーション層のデータにUDPヘッダを付加することにより生成される。パケットは、データグラムにIPヘッダを付加することにより生成される。IPヘッダはIPアドレスを含む。フレームは、パケットにフレームヘッダ及びFCS(Frame Check Sequence)を付加することにより生成される。尚、イーサーネットでは、フレームヘッダはMAC(Media Access Control)アドレスを含む。
図3を参照して、本実施形態におけるデータのカプセル化とデカプセル化の例を説明する。送信データ301からデータグラム302が生成され、データグラム302からパケット303が生成され、パケット303からフレーム304が生成される。このような各処理をカプセル化と言う。逆に、フレーム304からパケット303が取り出され、パケット303からデータグラム302が取り出され、データグラム302からデータ301が取り出される。このような各処理をデカプセル化と言う。
図4Aを参照して、本実施形態におけるIPv6 パケットのヘッダのデータ構造を説明する。IPパケットのヘッダは、ルータによって読み取られ、経路選択又はパケットの選別に用いられる。IPv6パケットのヘッダは40 byteの固定長である。「バージョン」は、IPのバージョン6を表す。「トラフィッククラス」は、IPv6パケットのクラスの違いや、優先度を識別する。「フローラベル」は、リアルタイムで送信する音声データや動画データを識別する。「ペイロード長」は、データと拡張ヘッダの合計バイト数を示す。「ネクストヘッダ」は、IPv6ヘッダの後ろに続く情報の種類を表すプロトコル番号である。「ホップリミット」は、通過可能なルータの最大数を制限する。ルータを1つ通過するたびに1ずつ減算される。0になるとパケットは破棄され、送信元に対してホップリミット超過が返信される。「送信元アドレス」は送信元のIPアドレス、「宛先アドレス」は宛先のIPアドレスである。
図4Bを参照して、本実施形態におけるIPv6 パケットのペイロードのデータ構造を説明する。ペイロードは拡張ヘッダとデータからなる。AH(Authentication Header)はデータの認証機能及びパケットの送信元の認証を行う。ESP(Encapsulation Security Payload)は、データの認証機能、パケットの送信元の認証及び暗号化機能を有する。
データは、インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報、原子時計時刻及びIKE(Internet Key Exchange)を含む。IKEは、鍵情報の交換を安全に行う鍵交換プロトコルである。尚、AH、ESP及びIKEはIPsecのプロトコルである。
図5A及び図5Bを参照して本発明によるリアルタイム測位システムの動作の例を説明する。尚、移動局10、送信局20、インターネット(IN)衛星30、基準局40及びGNSS衛星50に付された縦軸は処理の順番を示すものであり、必ずしも時間を表すものではない。例えば、基準局40における処理と送信局20における処理とは、独立的に実行されてよい。また、インターネット衛星30における処理は、基準局40及び移動局10における処理とは独立に実行されてよい。
図5Aに示すように、移動局10、送信局20及び少なくとも4個のインターネット(IN)衛星30は、IPsec-VPNによって接続されている。送信局20と基準局40はインターネット等の通信網によって相互に接続されている。ステップS101にて、送信局20は自己の正確な且つ最新の位置情報を取得する。送信局20は、自己の位置情報を独自に入手してもよいが、基準局40から入手した基準点の位置情報に基づいて自己の位置情報を取得してもよい。ステップS102及びステップS103にて、移動局10及び送信局20は、IPsec-VPNを介してインターネット衛星30の軌道情報を取得する。移動局10は、軌道情報から、上空を飛行している多数のインターネット衛星30より、ユーザの測位に好適なインターネット衛星30を選定する。
ステップS104にて、移動局10は測位要求信号を生成し、それをカプセル化する。測位要求信号は、移動局10の識別番号及びパスワードを含んでよい。移動局10は、このカプセル化した測位要求信号を正弦波に組み込んで搬送波を生成する。ステップS105にて、移動局10は、少なくとも4個のインターネット衛星30に向けて搬送波をマルチキャストする。ステップS106にて、各インターネット衛星30は、搬送波の周波数をアップリンク周波数からダウンリンク周波数に変換する。例えば、搬送波として、Ku帯(14/12GHz)を用いる場合、各インターネット衛星30は、周波数を14GHzから12GHzに変換する。
ステップS107にて、各インターネット衛星30は搬送波をマルチキャストする。ステップS108にて、送信局20は、搬送波を受信し、デカプセル化し、測位要求信号を取り出す。ステップS109にて、送信局20は、測位要求信号を基準局40に送信する。送信局20から基準局40への送信は、既存のインターネットを用いてもよい。
基準局40は、GNSS衛星50の軌道情報を予め取得している。従って、基準局40は、上空を飛行している複数のGNSS衛星50より、原子時計時刻を受信するのに好適なGNSS衛星50を予め選定している。ステップS110にて、基準局40は、GNSS衛星50から原子時計時刻を取得する。ステップS111にて、基準局40は、送信局20に、原子時計時刻を送信する。
図5Bに示すように、ステップS112にて、送信局20は、各インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及びGNSS衛星50から得られた原子時計時刻を含む送信データを生成する。ステップS113にて、送信局20は送信データをカプセル化する。送信局20は、このカプセル化した送信データを正弦波に組み込んで搬送波を生成する。ステップS114にて、送信局20は、少なくとも4個のインターネット衛星30に向けて搬送波をマルチキャストする。
ステップS115にて、各インターネット衛星30は、搬送波の周波数をアップリンク周波数からダウンリンク周波数に変換する。例えば、搬送波として、Ku帯(14/12GHz)を用いる場合、各インターネット衛星30は、周波数を14GHzから12GHzに変換する。ステップS116にて、各インターネット衛星30は搬送波をマルチキャストする。ステップS117にて、移動局10は、搬送波を受信し、デカプセル化し、受信データを取り出す。この受信データは、各インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及び原子時計時刻を含む。
ステップS118にて、移動局10は、搬送波の位相差を演算する。ステップS119にて、移動局10は、送信局20と移動局10の間の相対的位置を演算し、自身の現在位置をリアルタイムで取得する。
図6A及び図6Bを参照して本実施形態によるリアルタイム測位システムによる干渉測位法の原理を説明する。図6Aに示すように、送信局20の位置を基準点Oとし、移動局10の位置をPとし、インターネット衛星30の位置をSとする。上述のように、干渉位相法では少なくとも4個のインターネット衛星30を用いるが、ここではそのうちの1個のみを示す。
基準点Oから、移動局10の位置Pまでの直線距離をLとし、基準点Oを始点とし、移動局10の位置Pを終点とするベクトルを基線ベクトルAとする。基準点Oを始点とし、インターネット衛星30の位置Sに向けた単位ベクトルを単位視線ベクトルEとする。単位視線ベクトルEと基線ベクトルAのなす角をθとする。尚、インターネット衛星30の位置Sは、実際にはインターネット衛星30に設けられたアンテナの位置である。移動局10の位置Pは、実際には移動局10に設けられたアンテナの位置である。
インターネット衛星30の位置Sから基準点Oまでの距離をD1、インターネット衛星30の位置Sから移動局10の位置Pまでの距離をD2とする。行路差をδDとする。
δD=D2-D1 式1
基準点Oの3次元位置座標(x、y、z)は、送信局20が予め取得している。インターネット衛星30の3次元位置座標は、軌道情報から得られる。即ち、距離D1は基準点Oとインターネット衛星30の位置Sから計算により求められる。従って、行路差δDが得られれば、距離D2が得られる。移動局10の位置Pは、インターネット衛星30の位置Sを中心とする半径D2の球面上にある。4個のインターネット衛星30の位置Sを中心とする半径D2の球面の交点が移動局10の位置Pである。従って、連立方程式を解くことによって、移動局10の位置Pが得られる。
図6Bに示すように、行路差δDは正弦波の波長λと波数(N+Φ)の積で表される。
δD=(N+Φ)λ 式2
Nは波数の整数部、Φは波数の小数部である。波数の小数部Φは、0より大きく1より小さい。波数の整数部Nは、整数値バイアス、又は、整数値アンビギュイティと呼ばれる。整数値バイアスを確定させる工程を初期化処理という。波数の実数値(整数値と小数部の和)はフロート解、波数の整数値部分、即ち、整数値バイアスはフィックス解と呼ばれる。フィックス解が得られるまでの時間は初期化時間と呼ばれる。
干渉測位法では、「波数」の代わりに「位相」を用いる。一般に、正弦波の位相の単位として、角度(0~360度)、又は、ラジアン(0~2π)が用いられるが、干渉測位法では、サイクル(0~1)が使われる。例えば、搬送波の位相差が5.2のとき、整数値バイアスは5、小数部は0.2である。
移動局10及び送信局20によって受信される搬送波には、電離層遅延及び対流圏遅延に起因した誤差が含まれる。しかしながら、インターネット衛星30から移動局10までの経路と、インターネット衛星30から送信局20までの経路は略同一であるため、2つの搬送波に含まれる電離層遅延及び対流圏遅延は同一であると見做してもよい。従って、これらの遅延量は、行路差δDを求める式1における引き算によって消去される。
ここでは、送信局20の位置を基準点Oとして、移動局10の位置座標を求めた。そこで、基準局40の位置を基準点Oとした場合には、送信局20の位置を求めることができる。
図7Aを参照して本実施形態による移動局10の受信系の構成例を説明する。移動局10の受信系は、アンテナ101、フロントエンド部12、ベースバンド部14及び信号処理部16を含む。アンテナ101は、インターネット衛星30からマルチキャストされた搬送波を受信する。フロントエンド部12は、アンテナ101によって受信した高周波の搬送波より中間周波数の搬送波を生成する。ベースバンド部14は、中間周波数の搬送波をデジタル復調し、UDPパケットであるデータグラムを生成する。信号処理部16は、データグラムより測位データ、即ち、移動局10の位置を生成する。
フロントエンド部12は、低雑音増幅器102及び周波数変換器103を含む。低雑音増幅器102は、微弱な高周波の搬送波を低雑音で増幅する。周波数変換器103は、高周波の搬送波を中間周波数の搬送波に変換する。この中間周波数の搬送波は、ビート信号と呼ばれることがある。ベースバンド部14は、復調器(モデム)104及び相関器(図示なし)を含む。復調器104は、中間周波数の搬送波をデジタル復調し、デジタル受信信号、即ち、データグラムを生成する。
信号処理部16は、ルータ105、デカプセル化部106、位相カウンタ107及び測位計算部108を含む。ルータ105は、インターネット層における経路選択又はパケットの選別を行う機能を有する。図4Aを参照して説明したように、IPパケットのヘッダは、送信元アドレス、宛先アドレス等を含む。ルータ105は、宛先アドレスが不適当であると判定すると、パケットを破棄し、その旨を送信元アドレスに通知する。
ルータ105は、ベースバンド部14からのデータグラムを入力し、IPパケットを出力する。デカプセル化部106は、ルータ105を経由したIPパケットをデカプセル化し、受信データを取り出す。この受信データは、インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及び原子時計時刻を含む。位相カウンタ107は、ベースバンド部14からデータグラムを入力し、搬送波の位相差を計数する。測位計算部108は、搬送波の位相差と受信データより、移動局10の位置情報を計算する。
図7Aは移動局10の受信系の構成例を示したが、基準局40の受信系も同様な構成であってもよい。
図7Bを参照して本実施形態による送信局(地球局)の構成例について説明する。送信局20は、アンテナ201、フロントエンド部22、ベースバンド部24及び信号処理部26を含む。アンテナ201は、インターネット衛星30に向けて搬送波をマルチキャストする。フロントエンド部22は、中間周波数の搬送波から高周波の搬送波を生成する。ベースバンド部24は、送信データグラムをデジタル変調して中間周波数の搬送波を生成する。信号処理部26は、送信データを含むデータグラムを生成する。この送信データは、インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及び原子時計時刻を含む。
フロントエンド部22は、電力増幅器202及び周波数変換器203を含む。電力増幅器202は、高周波の搬送波を数百ワットレベルの高電力に増幅する。周波数変換器203は、中間周波数の搬送波を高周波の搬送波に変換する。ベースバンド部24は変調器(モデム)204を含む。変調器204は、データグラムを中間周波数の搬送波にデジタル変調する。本実施形態では、デジタル変調方式は、位相偏移変調方式であればどのような方式であってもよいが、好ましくは、2相位相偏移変調方式(BPSK:Binary Phase Shift Keying)であってもよい。
信号処理部26は、ルータ205及びカプセル化部206を含む。ルータ205は、IPパケットを入力し、データグラムを出力する。ルータ205は、IPパケットのヘッダを参照し、経路選択と転送の可否を判定する。カプセル化部206は送信データをカプセル化し、IPパケットを生成する。送信データは、インターネット衛星30の軌道情報、送信局20の位置情報及び原子時計時刻を含む。
図7Cを参照して本実施形態によるインターネット衛星30の構成例について説明する。インターネット衛星30は、アンテナ301A、301B、分波器302、複数の中継器31、姿勢センサ(スタートラッカ)等を有する。各中継器31は、低雑音増幅器303、周波数変換器304、電力増幅器305、ルータ306を有する。ここでは受信アンテナ301Aと送信アンテナ301Bを設けるが、受信用と送信用を兼用した1つのアンテナを用いてもよい。
分波器302は、受信アンテナ301Aによって受信した搬送波を、周波数毎に分波し、周波数毎の中継器に分配する。低雑音増幅器303は、微弱な搬送波を低雑音で増幅する。周波数変換器304は、搬送波の周波数をアップリンク周波数からダウンリンク周波数に変換する。例えば、搬送波として、Ku帯(14/12GHz)を用いる場合、周波数変換器304は、周波数を14GHzから12GHzに変換する。電力増幅器305は、搬送波の電力を増幅する。通常、衛星の出力電力は数十ワットから数百ワットである。尚、周波数変換器304と電力増幅器305の間に帯域フィルターを設けてもよい。電力増幅器305からの搬送波は、ルータ306を介して、分波器302に送信される。搬送波は、送信アンテナ301Bを介してブロードキャストされる。
以上、本実施形態に係る測位システムについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
10…移動局(ローバ)、12…フロントエンド部、14…ベースバンド部、16…信号処理部、20…送信局(地球局)、22…フロントエンド部、24…ベースバンド部、26…信号処理部、30…インターネット(IN)衛星、31…中継器、40…基準局、50…GNSS衛星、60…IPsec-VPN
101…アンテナ、102…低雑音増幅器、103…周波数変換器、104…復調器(モデム)、105…ルータ、106…デカプセル化部、107…位相カウンタ、108…測位計算部、
201…アンテナ、202…電力増幅器、203…周波数変換器、204…変調器(モデム)、205…ルータ、206…カプセル化部、
301A、301B…アンテナ、302…分波器、303…低雑音増幅器、304…周波数変換器、305…電力増幅器、306…ルータ、

本発明の実施形態によると、前記リアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
前記デジタル変調は、2位相偏移変調方式(BPSK)である、としてよい。
フロントエンド部22は、電力増幅器202及び周波数変換器203を含む。電力増幅器202は、高周波の搬送波を数百ワットレベルの高電力に増幅する。周波数変換器203は、中間周波数の搬送波を高周波の搬送波に変換する。ベースバンド部24は変調器(モデム)204を含む。変調器204は、データグラムを中間周波数の搬送波にデジタル変調する。本実施形態では、デジタル変調方式は、位相偏移変調方式であればどのような方式であってもよいが、好ましくは、2位相偏移変調方式(BPSK:Binary Phase Shift Keying)であってもよい。

Claims (14)

  1. ユーザの有する移動局と地上に設けられた送信局とを有し、上空を飛行するインターネット衛星を利用して測位を行うリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記送信局は、所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と原子時計時刻とを含む送信データを含む送信データグラムを生成する送信系信号処理部と、該送信データグラムをデジタル変調して中間周波数の搬送波を生成する送信系ベースバンド部と、該中間周波数の搬送波を周波数変換して高周波の搬送波を生成する送信系フロントエンド部と、該高周波の搬送波を前記所定のインターネット衛星に向けてマルチキャストする送信系アンテナと、を有し、
    前記移動局は、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた高周波の搬送波を受信する受信系アンテナと、該高周波の搬送波の周波数を中間周波数に変換する受信系フロントエンド部と、該中間周波数の搬送波をデジタル復調して受信データグラムを生成する受信系ベースバンド部と、該受信データグラムから前記移動局の位置を演算する受信系信号処理部と、
    を有するリアルタイム動的衛星測位システム。
  2. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記受信系信号処理部は、前記受信データグラムから前記中間周波数の搬送波の位相差を演算する位相カウンタと、前記受信データグラムを入力し受信IPパケットを出力する受信系ルータと、該受信IPパケットをデカプセル化して前記所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と前記原子時計時刻とを含む受信データを取り出すデカプセル化部と、前記受信データと前記受信搬送波の位相差に基づいて、前記移動局の位置を演算する測位計算部と、を有するリアルタイム動的衛星測位システム。
  3. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記送信系信号処理部は、前記送信データをカプセル化して送信IPパケットを生成するカプセル化部と、前記送信IPパケットを入力し前記送信データグラムを出力する送信系ルータと、を有するリアルタイム動的衛星測位システム。
  4. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記移動局と前記送信局と前記所定のインターネット衛星は、IPsec -VPNによって互いに接続されている、リアルタイム動的衛星測位システム。
  5. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    上空を飛行するGNSS衛星から前記原子時計時刻を取得する、リアルタイム動的衛星測位システム。
  6. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記所定のインターネット衛星は、少なくとも4個のインターネット衛星を含み、複数の衛星からなる衛星コンステレーションを構成する非静止低地球軌道衛星である、リアルタイム動的衛星測位システム。
  7. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記デジタル変調は、2相位相偏移変調方式(BPSK)である、リアルタイム動的衛星測位システム。
  8. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記送信局は、該送信局から10km以内の範囲にある基準局から取得した基準点情報と、前記所定のインターネット衛星の軌道情報から、自身の位置情報を取得する、リアルタイム動的衛星測位システム。
  9. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記所定のインターネット衛星の軌道情報は、地球上の軌道追跡局がリアルタイムで計算した軌道情報である、リアルタイム動的衛星測位システム。
  10. 請求項1記載のリアルタイム動的衛星測位システムにおいて、
    前記搬送波の周波数帯はKu帯である、リアルタイム動的衛星測位システム。
  11. ユーザの有する移動局と地上に設けられた送信局とを有し、上空を飛行するインターネット衛星を利用して測位を行うリアルタイム動的衛星測位方法において、
    前記送信局によって、所定のインターネット衛星の軌道情報と前記送信局の位置情報と原子時計時刻とを含む送信データを含む搬送波を生成し、該搬送波を前記所定のインターネット衛星に向けてマルチキャストするステップと、
    前記所定のインターネット衛星によって、前記送信局からマルチキャストされた搬送波の周波数をアップリンク周波数からダウンリンク周波数に変換するステップと、
    前記所定のインターネット衛星によって、前記ダウンリンク周波数に変換された搬送波を前記移動局にマルチキャストするステップと、
    前記移動局によって、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた搬送波より、前記送信局の位置情報と前記所定のインターネット衛星の軌道情報と前記原子時計時刻とを含む受信データを取り出す、ステップと、
    前記移動局によって、前記所定のインターネット衛星からマルチキャストされた搬送波の位相差を演算するステップと、
    前記移動局によって、前記受信データと前記搬送波の位相差から前記移動局の位置を演算するステップと、
    を有する、測位方法。
  12. 請求項11記載の測位方法において、
    前記移動局と前記送信局と前記所定のインターネット衛星は、IPsec -VPNによって互いに接続されており、
    前記所定のインターネット衛星は、少なくとも4個のインターネット衛星を含み、複数の衛星からなる衛星コンステレーションを構成する非静止低地球軌道衛星である、測位方法。
  13. 請求項11記載の測位方法において、
    前記送信局によって、上空を飛行するGNSS衛星から前記原子時計時刻を取得するステップと、
    を有する、測位方法。
  14. 請求項11記載の測位方法において、
    前記搬送波の周波数帯はKu帯である、測位方法。
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