<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機本体12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機本体12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵したランプ部(環状電飾部)26が設けられている。ランプ部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、ランプ部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
また、上側膨出部31の上面部には、遊技者により手動操作される演出用操作部36(詳しくは押し操作ボタン)が設けられている。例えば、後述する図柄表示装置75の表示画面Gに表示された示唆等に従って演出用操作部36が手動操作されることにより、表示画面G等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる複数の内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機本体12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65、可変表示ユニット67等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口61、可変入賞装置65、第1作動口62及び第2作動口63への入球が発生すると、それが入賞センサ(検知センサ)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この場合に、一般入賞口61への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置65への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行される。また、第1作動口62への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、第2作動口63への入球が発生した場合には1個の遊技球の払出が実行される。ちなみにスルーゲート64への入球が発生しても遊技球の払出は実行されない。
なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口62に係る賞球個数と第2作動口63に係る賞球個数とが同数となる構成としてもよいし、第2作動口63に係る賞球個数の方が第1作動口62に係る賞球個数よりも多い構成としてもよい。また、可変入賞装置65に係る賞球個数が他の作動口等に係る賞球個数と同数又は少ない構成としてもよい。また、スルーゲート64への入球が発生した場合に所定数の遊技球が払い出される構成してもよい。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入球部に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動口62,63、可変入賞装置65又はスルーゲート64への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって遊技球の流れが多様化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技盤60の中央部には、上記可変表示ユニット67が配置されている。可変表示ユニット67は、遊技盤60の裏面側に設置されており(図3)、遊技盤60の中央部に設けられた開口部を通じてその表示画面Gを視認することが可能となっている。遊技盤60の前面には、上記開口部の周縁部に対応させて枠状のセンターフレーム76が取り付けられている。
センターフレーム76は遊技盤60の前面から前方に突出しており、センターフレーム76の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径寸法よりも小さくなっている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球がセンターフレーム76の内側領域に流入して表示画面Gに接触することが回避されている。また、センターフレーム76により、遊技球が遊技領域PEを流下する際の流下経路が左右に分散され、センターフレーム76の左側を通る左ルートと右側を通る右ルートとが形成されている。
左ルートと右ルートのいずれを遊技球が流下(通過)するかは、遊技球発射ハンドル41の回動操作量、すなわち、遊技球の発射勢によって定まる。発射された遊技球は、遊技盤60の左側上部から遊技領域PEに進入するため、遊技球の発射勢が強いほど遊技球が右ルートを流下しやすくなる。
詳しくは、遊技者が第1発射操作として所定回動量以上であって基準回動量未満である第1範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が左ルートを流下し、遊技者が第2発射操作として基準回動量以上である第2範囲の回動操作量で遊技球発射ハンドル41の回動操作を行うと、発射された遊技球が右ルートを流下する。なお、所定回動量とは、発射された遊技球が後述する誘導レール100を通過して遊技領域PEに進入可能となる回動操作量であり、基準回動量とは、センターフレーム76の頂部に到達可能な発射勢で遊技球を発射する回動操作量である。
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の下方には、上向きに開放された第1作動口62が配置されている。第1作動口62は、遊技盤60の左右中央部に位置するが、右ルートを流下する遊技球は第1作動口62に入賞しないように釘69等の遊技部品が配設されている。すなわち、左ルートを流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となっている。よって、遊技者が第1作動口62への入賞を狙う場合には、遊技球が左ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。第1作動口62には第1作動口用入賞センサ62a(図7)が設けられており、当該入賞センサ62aにより第1作動口62に入賞した遊技球が検知される。
センターフレーム76(可変表示ユニット67)の右方には、第2作動口63が配置されている。第2作動口63の構成について図5を参照しながら説明する。
第2作動口63には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物63a(可変受入手段)が設けられている。具体的には、左右方向に回動可能に支持された上記一対の可動片が第2作動口63としての開口部を左右両側から挟むようにして配置されている。
そして、上記各可動片が回動することで、図5(a)に示す閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、図5(b)に示す開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替わり可能となっている。詳しくは、第2作動口63の上部には、前方に突出するようにして突出部63dが設けられており、図5(a)に示すように上記可動片が起立姿勢である場合には、それら各可動片と突出部63dとの隙間が遊技球の直径未満となり、第2作動口63への遊技球の流入が阻止される。一方、図5(b)に示すように上記可動片が外側へ傾斜するように回動した場合には、上記突出部63dとの間に遊技球が通過可能な大きさの開口部が形成され、第2作動口63への遊技球の流入が許容される。第2作動口63には第2作動口用入賞センサ63cが設けられており、当該入賞センサ63cにより第2作動口63に入賞した遊技球が検知される。
また、普電役物63aには、各可動片を駆動する駆動部63bが設けられている。各可動片は、駆動部63bにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、開放状態(傾斜姿勢)と閉鎖状態(起立姿勢)とに切り替えられる。因みに第1作動口62には普電役物(開閉構造)が設けられていない。
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に第2作動口63への入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで第2作動口63への入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。また、普電役物63aの構成は上記に限定されるものではなく、例えば、可動片が前後に回動したり、前後又は左右にスライド移動したりすることで、第2作動口63を開閉するものであってもよい。
図4に示すように、右ルートにおいて第2作動口63の上方(上流側)にはスルーゲート64が配置されている。スルーゲート64は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート64に入賞した遊技球は、スルーゲート64を通過して再び遊技領域PEを流下する。よって、スルーゲート64に入賞した遊技球は、第2作動口63にも入賞することが可能となっている。スルーゲート64にはスルー用入賞センサ64a(図7)が設けられており、当該入賞センサ64aによりスルーゲート64に入賞した遊技球が検知される。
スルーゲート64は、第2作動口63に設けられた上記普電役物63aを開放状態とするためのトリガとなっている。具体的には、スルーゲート64への入賞を契機として内部抽選が行われ、その内部抽選の結果が開放結果(サポート当選)となることで、普電役物63aを閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態に復帰させる役物開閉遊技(サポート実行モード)が実行される。
右ルートにおいて第2作動口63の下方(下流側)には可変入賞装置65が配置されている。可変入賞装置65の構成について図6を参照しながら説明する。
可変入賞装置65は、前方に開口する大入賞口65aと、当該大入賞口65aを開閉する開閉扉65bとを備えている。大入賞口65aは、正面視で横長の長方形状をなしており、複数個の遊技球が同時に入賞可能な大きさとなっている。大入賞口65aは、遊技盤60の背面側に設けられた案内通路65eと連通しており、大入賞口65aに入賞した遊技球は全て案内通路65eに導かれるように構成されている。案内通路65eには大入賞口用入賞センサ65cが設けられており、当該入賞センサ65cにより大入賞口65aに入賞した遊技球が検知される。
また、可変入賞装置65には、開閉扉65bを駆動する駆動部65dが設けられている。開閉扉65bは、駆動部65dにより図示しないリンク機構を通じて駆動されることで、大入賞口65aに遊技球が入賞不能な閉鎖状態(図6(a))と、大入賞口65aに遊技球が入賞可能な開放状態(図6(b))とに切り替えられる。具体的には、通常は開閉扉65bが閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(大当たり遊技)への移行に当選した場合に開放状態に切り替えられる。
開閉実行モードとは、大当たりに当選した場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置65の開放態様としては、大当たりである場合は、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば10ラウンド)を上限として可変入賞装置65が繰り返し開放される態様がある。
なお、上記構成では閉鎖状態である場合に大入賞口65aへの入賞が不可となるが、入賞可能な構成であってもよい。すなわち、閉鎖状態である場合に、大入賞口65aへの入賞が可能であるものの、開放状態よりも入賞しにくい(入賞困難となる)構成であってもよい。要は、開放状態と閉鎖状態とで大入賞口65aへの入賞しやすさが相違するものであればよく、閉鎖や開放の度合は任意である。
ここで、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65に対しては、右ルートを流下する遊技球のみが入賞可能となっている。よって、遊技者が第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を狙う場合には、遊技球が右ルートを流下するように遊技球を発射して遊技することになる。
図4に示すように、可変入賞装置65の下方には、主表示ユニット81が設けられている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面から前方に突出している。主表示ユニット81の前面には、所定の絵柄等が表示される特図用表示部43及び普図用表示部44が設けられている。これら各表示部43,44は、前扉枠14のガラスユニット22を通じて前方から視認可能となっている。なお、主表示ユニット81の前面とガラスユニット22との隙間寸法は遊技球の直径よりも小さくなっている。これにより、主表示ユニット81の前方を遊技球が通過することが回避されており、各種表示部43,44の視認性が担保されている。
特図用表示部43には、第1作動口62への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第1特図表示部ASと、第2作動口63への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する第2特図表示部BSとが設けられている。
第1特図表示部ASでは、第1作動口62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第1作動口62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第1作動口62への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第1特図表示部ASにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
第2特図表示部BSでは、第2作動口63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、第2作動口63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。第2作動口63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、第2特図表示部BSにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードに移行する。
以下においては、第1作動口62への入賞を契機に変動表示される絵柄と、第2作動口63への入賞を契機に変動表示される絵柄とを区別すべく、前者を第1特別図柄又は第1特図といい、後者を第2特別図柄又は第2特図ということがある。
ここで、いずれかの作動口62,63への入賞に基づいて、対応する特図表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが特図表示部AS,BSにおける遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット81には特図保留数表示部AMが設けられている。遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、特図保留数表示部AMには、第1特図(第1作動口62)の保留数と第2特図(第2作動口63)の保留数とを各別に表示可能となっている。
普図用表示部44は、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、普図用表示部44では、スルーゲート64への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート64への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート64への入賞に基づく内部抽選の結果が普電役物63aを開放させるサポート状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、サポート状態へ移行する。なお、スルーゲート64への入賞を契機に変動表示される絵柄を普通図柄又は普図ということがある。
ここで、スルーゲート64への入賞に基づいて、普図用表示部44にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが、普図用表示部44における遊技回の1回に相当する。以下においては、普図用表示部44における遊技回と特図表示部AS,BSにおける遊技回とを区別すべく、前者を普図遊技回といい、後者を特図遊技回ということがある。
また、普図用表示部44には普図保留数表示部FMが設けられている。遊技球がスルーゲート64に入賞した回数は最大4回まで保留されるようになっており、普図保留数表示部FMには普図(スルーゲート64)の保留数を表示可能となっている。
特図用表示部43及び普図用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置により構成されてもよい。
その他、図示を省略しているが、主表示ユニット81には、開閉実行モードでのラウンド数を明示するためのラウンド表示部が設けられている。ラウンド表示部では、開閉実行モードが開始される場合又は開始された場合に上記ラウンド数の表示が開始される。この表示は、開閉実行モードが実行されている間、表示内容を変更することなく継続して行われ、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に終了する。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切替表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置75は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置75には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置75における変動表示は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて開始される。すなわち、特図用表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置75においても変動表示が行われる。そして、可変入賞装置65が開放状態とされる大当たり遊技状態(開閉実行モード)に移行する場合には、図柄表示装置75では予め設定されている有効ライン上に所定の図柄組み合わせが停止表示される。
また、図柄表示装置75には、第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSに対応した保留表示が行われる。この保留表示では、所定の保留用画像が表示され、その表示個数により各作動口63,64の保留個数が示されるようになっている。なお、保留個数は、上記保留用画像により示されるものに限定されず、数字表示により示されるものであってもよい。また、図柄表示装置75に限らず、例えば、図柄表示装置75とは別に遊技盤60上に設けられた表示部(主表示ユニット81の各保留数表示部AM,FMとは別の表示部)や発光部(保留ランプ部)等により示される構成であってもよい。
再び図2を参照して内枠13の構成について説明する。樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111~113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えている。ベースプレート114は樹脂ベース50に固定されており、これにより、遊技球発射機構110が樹脂ベース50と一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが設けられている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源及び発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
図4に示すように、誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
図2に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより、両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間に所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制されつつ、ファール球となった遊技球が遊技者に返却される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具が複数設けられており、これら係止金具により樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして演出制御装置ユニット142が搭載されている。演出制御装置ユニット142は、演出制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に演出制御装置143が装着されている。
演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する入賞センサ(検知センサ)が設けられている。これら各種入賞センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。すなわち、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知する。入賞センサは、例えば、検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサにより構成されている。
これら各種入賞センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら入賞センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)を有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われたことを容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右側上部に外部出力端子213が設けられている。外部出力端子213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHC(管理制御装置)に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源及び発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置191は、基板ボックス内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
電源及び発射制御装置191には、電源を監視して停電等の電断状態の発生を検知する停電監視部(停電監視回路)315が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。また、電源及び発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162の主制御基板311には、MPU312が搭載されている。MPU312には、当該MPU312により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM313と、そのROM313内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM314と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
RAM314は、電断状態が発生した後においても電源及び発射制御装置191からのバックアップ電圧によりデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM314には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアとは別にバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、電断状態が発生した場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。電断状態からの復帰時(復電時)には、バックアップエリアの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電断前の状態に復帰できるようになっている。
なお、図7に示す構成では、MPU312に対してROM313及びRAM314を1チップ化しているが、これに限定されるものではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置162以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU312には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU312の入力側には、払出制御装置181と、電源及び発射制御装置191とが接続されている。また、MPU312の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、一般入賞口61、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64、可変入賞装置65への入賞を検知する一般入賞口用入賞センサ61a、第1作動口用入賞センサ62a、第2作動口用入賞センサ63c、スルー用入賞センサ64a、大入賞口用入賞センサ65c等が設けられている。MPU312では、これら各種センサ61a,62a,63c,364a,65cの検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)等を行う。また、MPU312では、第1作動口62、第2作動口63、スルーゲート64への入賞に基づいて、各種抽選を実行する。
MPU312の出力側には、払出制御装置181及び演出制御装置143等が接続されている。払出制御装置181には、例えば、賞球が払い出されることに対応する賞球対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU312の出力側には各種駆動部として、普電役物63a用の駆動部63b、可変入賞装置65用の駆動部65dが接続されている。主制御基板311には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU312は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、開閉実行モードへの移行が発生すると、可変入賞装置65の開閉扉65bが駆動されるようにMPU312において駆動部65dの駆動制御が実行される。また、サポート状態への移行が発生すると、普電役物63aの各可動片が駆動されるようにMPU312において駆動部63bの駆動制御が実行される。また、各特図遊技回に際しては、特図用表示部43における第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSの表示制御が実行される。また、普図遊技回に際しては、普図用表示部44の表示制御が実行される。
さらには、MPU312の出力側に上述した外部出力端子213が接続されており、この外部出力端子213を通じてホールコンピュータHCに対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
電源及び発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板311や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
電源及び発射制御装置191には停電監視部315が設けられており、この停電監視部315により電源及び発射制御装置191から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視部315は、電源及び発射制御装置191からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置162のMPU312に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置162は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。ちなみに、電源及び発射制御装置191にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、停電等が発生した場合やパチンコ機10の電源がOFF状態の場合には当該電断時用電源部から主制御装置162のRAM314に記憶保持用の電力が供給される。また、電源及び発射制御装置191は遊技球発射機構110の発射制御を担っており、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行う。
演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御したり、表示制御装置350を制御したりするものである。表示制御装置350では、演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置75の表示内容について図8~図10に基づいて説明する。
図8(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図9(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図9(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1~Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常4R大当たり結果又は10R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、10R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大4R当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
ここで、各図柄列の変動表示について図10を参照して補足説明する。遊技回が開始されると、先ず全図柄列Z1~Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄列が変動表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、図10(a)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が変動表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り替わる。そして、図10(b)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り替わる。そして、図10(c)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。全図柄列Z1~Z3の変動終了後には、所定の期間に亘ってその停止表示を維持して待機する停止表示期間が設けられている。
ところで、遊技機では、図柄表示装置75において図柄を停止表示させる際、最終停止列(本実施の形態では中図柄列Z2)の図柄を急停止させるのではなく、変動表示速度を低下させながら緩やかに停止させるのが一般的である。この場合、特図用表示部43での停止表示の開始に合わせて中図柄列Z2(最終停止列)の図柄を止め始めるように構成すると、図柄表示装置75において図柄が止まるまでの減速時間を要する分、図柄が止まっている状態の時間が短くなり、実質的な停止表示時間の短縮化を招く。
そこで、特図用表示部43での停止表示の開始前に、最終停止列も含めて図柄列Z1~Z3を停止(仮停止)させておき、その後、特図用表示部43での停止表示の開始タイミングに合わせて、仮停止させた図柄を本停止(確定表示)させるように構成されている。仮停止での図柄列Z1~Z3の表示態様は、確定表示でのそれとは異なったものとなっている。例えば、図柄列Z1~Z3の少なくとも1つが緩やかに往復微動したり、主図柄や副図柄を構成するタコ等のキャラクタ(図8)の少なくとも一部が動いていたりするものとなっている。つまり、仮停止は、一見すると図柄が止まっているように見えるものの、不完全な停止状態を保つように行われる(停留表示)。これに対し、確定表示は、上記往復微動やキャラクタの動作がなされず、完全な停止状態となるように行われる。
なお、図柄列Z1~Z3の仮停止表示は、当否抽選の結果や大当たり種類に対応した停止結果で開始され、その後、そのまま確定表示に移行するほか、当否抽選の結果や大当たり種類に対応しない停止結果で一旦停止表示された後、図柄列Z1~Z3の再変動表示を経て当否抽選の結果等に対応した停止結果に変更され、その後、確定表示に移行する場合もある。
ちなみに、特図用表示部43にて実行される特図遊技回では、絵柄の仮停止表示を行わず、変動表示させた絵柄を変動表示時間の経過に応じて急停止させ、その状態(絵柄を停止表示させた状態)を確定表示時間が経過するまで維持する。つまり、特図用表示部43での絵柄の停止表示はそのまま確定表示となる。このことは、普図用表示部44にて実行される普図遊技回においても同様である。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数、大当たりや外れに対応する図柄の組合せなどは適宜変更可能である。
図9(b)に示すように、表示画面Gの下部には、実行前の遊技回の保留数に対応した数の保留用画像を表示するための保留表示部200が設けられており、保留表示部200を視認することで上記保留数を遊技者が認識することが可能となっている。保留表示部200には、第1特図に対応した第1保留表示領域Gaと、第2特図に対応した第2保留表示領域Gbとが設定されている。
第1保留表示領域Gaでは、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1~Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第1作動口62に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1~第4単位保留表示領域Ga4の全てに所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域Gbでは、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1~Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみに所定の保留用画像が表示され、遊技球が第2作動口63に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1~第4単位保留表示領域Gb4の全てに所定の保留用画像が表示される。
また、第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとに挟まれるようにして実行表示領域Dが設定されている。実行表示領域Dには、実行される(実行中の)遊技回に対応した保留用画像が表示される。例えば、遊技回が終了して次の遊技回が開始される場合には、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1又は第2保留表示領域Gbの第1単位保留表示領域Gb1に表示されていた保留用画像が実行表示領域Dに移動表示される。これにより、保留されていた遊技回が実行されることを遊技者が認識することが可能となっている。
<主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置162のMPU312にて各種抽選を行うための電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU312は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図用表示部43の表示の設定、普図用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図11に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図用表示部43における各特図表示部AS,BSでの変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、第2作動口63の普電役物63aをサポート状態(開放状態)とするか否かの抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1~C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM314の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ314aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ314aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア314bに格納される。
保留球格納エリア314bは、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ314aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア~第4エリアには、第1作動口62又は第2作動口63への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口62又は第2作動口63への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア314bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口62又は第2作動口63への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、特図用表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0~199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり199)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~199)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM313における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア313aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図12を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」~「5」の5種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「17」,「27」,「37」,「47」の5種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」~「199」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い5個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/200であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/40であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合にその種別を振り分けるためのものであり、0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM313の種別テーブル記憶エリア313bに大当たり種別テーブルとして記憶されている。ここで、大当たり種別テーブルについて図13を参照して説明する。
大当たり種別テーブルとしては、第1特図用の大当たり種別テーブル(図13(a))と第2特図用の大当たり種別テーブル(図13(b))とが設定されている。第1作動口62への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第1特図用の大当たり種別テーブルが参照され、第2作動口63への入賞に基づいて大当たりとなった場合には第2特図用の大当たり種別テーブルが参照される。
図13(a)に示すように、第1特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、4R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。これらの大当たり結果はいずれも実行されるラウンド遊技の回数が4回となるものである。ここで、ラウンド遊技とは、可変入賞装置65を閉鎖状態から開放状態とし、その後、閉鎖状態とする可変入賞制御が少なくとも1回実行されるものである。本実施の形態では、1のラウンド遊技につき上記可変入賞制御が1回実行されるように構成されている。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モード及び高頻度サポートモードは次回の大当たりが発生するまで(次回の開閉実行モードが開始されるまで)継続される。ちなみに、開閉実行モードの実行中は抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
ここで、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードは、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口63への入賞頻度が相対的に高低となるように、普電役物63aの駆動態様が制御されるものである。具体的には、高頻度サポートモードでは、普図当たり乱数カウンタC3を用いた普図当否抽選の当選確率が低頻度サポートモードよりも高くなっており、普図当否抽選に当選した場合の普電役物63aの開放回数についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が多く、さらには1回の開放時間についても低頻度サポートモードよりも高頻度サポートモードの方が長くなっている。
このため、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口63よりも第1作動口62への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口62よりも第2作動口63への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口63への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを実現するための構成は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、両モードで普図当否抽選の当選確率を等しくした上で、高頻度サポートモードにおける普電役物63aの開放回数や1回の開放時間を低頻度サポートモードよりも優遇する構成としてもよい。要は、低頻度サポートモードよりも単位時間当たりの第2作動口63への入賞頻度が高くなるものであれば足り、普図当否抽選、開放回数及び開放時間のうちいずれか1条件又は任意の組合せの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成とすればよい。
4R通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高頻度サポートモードは、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで継続される。上限回数に達した場合は、高頻度サポートモードが終了し、抽選モードが低確率モードとされたまま、サポートモードが低頻度サポートモードに切り替わる。すなわち、抽選モードが低確率モードに設定され、サポートモードが低頻度サポートモードに設定される遊技状態(通常遊技状態)に移行する。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が4R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、4R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
図13(b)に示すように、第2特図用の大当たり種別テーブルでは、選択可能な大当たり種別として、10R確変大当たり結果と、4R通常大当たり結果とが設定されている。10R確変大当たり結果は、実行されるラウンド遊技の回数が10回となるものである。また、10R確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後、抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、第2作動口63の普電役物63aにおけるサポートモードが高頻度サポートモードに設定される大当たり結果である。この場合の高確率モード及び高頻度サポートモードは次回の大当たりが発生するまで継続される。
なお、第2特図用の大当たり種別テーブルで設定される4R通常大当たり結果は、第1特図用の大当たり種別で設定される4R通常大当たり結果と同様のものである。すなわち、第2作動口63への入賞を契機として4R通常大当たり結果となった場合、抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードに設定され、開閉実行モード後の遊技回の実行回数が予め定められた上限回数(例えば100回)に達するまで、その状態が継続される。
本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2の「0」~「64」が10R確変大当たり結果に対応し、「65」~「99」が4R通常大当たり結果に対応している。すなわち、10R確変大当たり結果に振り分けられる確率は65%、4R通常大当たり結果に振り分けられる確率は35%に設定されている。
このように、第1特図表示部の種別テーブルと第2特図表示部の種別テーブルとのいずれであっても、確変大当たり結果に振り分けられる確率は同一となっている。但し、確変大当たり結果が選択される場合に、第2特図表示部の種別テーブルでは16R大当たり結果となるのに対して、第1特図表示部の種別テーブルでは4R大当たり結果となるように設定されている。つまり、第2作動口63への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合は、第1作動口62への入賞に基づいて確変大当たり結果となった場合よりも開閉実行モードでのラウンド数が多くなり、より多くの遊技球の払い出しを期待することが可能になる。すなわち、第1作動口62に遊技球を入賞させる遊技よりも第2作動口63に遊技球を入賞させる遊技の方が遊技者にとって有利となっている。
以上のとおり、第1作動口62と第2作動口63とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は第1作動口62及び第2作動口63のうち、第2作動口63への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、第2作動口63への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、大当たり種別カウンタC2は、作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりになった場合に、各特図表示部AS,BSに停止表示される絵柄の停止結果の決定にも用いられる。停止結果の決定は、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して行われる。停止結果テーブルには、大当たり種別カウンタC2の値と対応させて、大当たりである場合の停止結果(各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄)のデータが複数設定されており、停止結果の決定に際しては、それら複数の停止結果のデータの中から、取得された大当たり種別カウンタC2に対応するものが読み出される。ここで、停止結果の決定と大当たり種別の決定とにはいずれも同じ大当たり種別カウンタC2を用いるため、各特図表示部AS,BSに停止表示される大当たり絵柄と、その大当たり時に決定される大当たり種別とは対応したものとなる。
変動種別カウンタCSは、例えば0~99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図用表示部43の第1特図表示部AS及び第2特図表示部BSにおける変動表示時間をMPU312において決定する上で用いられる。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が第1作動口62又は第2作動口63に入賞したタイミングでRAM314の保留球格納エリア314bに格納される。より詳しくは、第1作動口62に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第1特図用保留エリアRaに格納され、第2作動口63に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の第2特図用保留エリアRbに格納される。
変動種別カウンタCSに対する変動表示時間の振分先は、ROM313の変動表示時間テーブル記憶エリア313cに変動表示時間テーブルとして記憶されている。ここで、変動表示時間テーブルについて図14を参照して説明する。
変動表示時間テーブルとしては、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))と外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))とが設定されている。第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たりとなった場合には大当たり用の変動表示時間テーブルが参照され、上記各作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が外れとなった場合には外れ用の変動表示時間テーブルが参照される。
各変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの数値範囲と、変動パターンの情報とが対応付けられて設定されている。なお、図14では、理解の容易化を図るため、変動パターンとともに変動表示時間の情報を記載しているが、変動表示時間の情報は、各変動パターンに対応する時間情報として変動表示時間テーブルとは別にROM313に記憶されている。
図14(a)に示すように、大当たり用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1A(15sec)と、変動パターン2A(60sec)と、変動パターン3A(60sec)と、変動パターン4A(120sec)と、変動パターン5A(120sec)とが設定されている。変動種別カウンタCSを用いて変動パターンが選択された場合には、選択された変動パターンに対応する変動表示時間にて第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示が行われる。
また、変動パターンが選択された場合は、その変動パターンを示す情報が変動開始コマンドとして演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドに基づき、主制御装置162で選択された変動パターンを把握する。そして、その把握した変動パターンに対応する変動表示時間にて上記各図柄列Z1~Z3の変動表示が行われるように表示制御装置350を制御する。これにより、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSでの絵柄の変動表示に同期して図柄表示装置75にて各図柄列Z1~Z3が変動表示される。
また、各変動パターンは、図柄表示装置75で行われるリーチ演出等の遊技回演出にも対応している。具体的には、変動パターン1Aはノーマルリーチ当たり演出に対応し、変動パターン2AはSPリーチ(スーパーリーチ)A当たり演出に対応し、変動パターン3AはSPリーチB当たり演出に対応し、変動パターン4AはSPSPリーチA当たり演出に対応し、変動パターン5AはSPSPリーチB当たり演出に対応している。すなわち、演出制御装置143では、受信した変動開始コマンドから変動パターンを把握した場合に、その変動パターンに対応する遊技回演出が図柄表示装置75で行われるように表示制御装置350を制御する。
上記各リーチ当たり演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄が大当たりの図柄組み合わせで停止表示されるものである。ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果(大当たり結果)となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)となる遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たりの図組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、最終停止列の図柄が変動表示された状態で、表示画面G内の有効ライン上に最終停止列以外の図柄列の図柄を大当たりの図柄組み合わせを構成する態様で停止表示させることによりリーチラインを形成させることである。
ノーマルリーチ当たり演出は、上記リーチ表示が行われた後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、リーチラインの形成後にキャラクタ等が登場する所定演出が行われ、当該所定演出の後に大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。なお、SPリーチA演出とSPリーチB演出とでは、リーチライン形成後の上記所定演出の内容が異なる。SPSPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも上位のリーチ演出であり、SPリーチ演出から発展する発展演出が行われた後、大当たりの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。SPSPリーチA演出はSPリーチA演出から発展し、SPSPリーチB演出はリーチB演出から発展する。
なお、図14(a)における「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、変動表示時間テーブルに設定されるものではない。
図14(b)に示すように、外れ用の変動表示時間テーブルでは、選択可能な変動パターンとして変動パターン1Hと、変動パターン2H(15sec)と、変動パターン3H(60sec)と、変動パターン4H(60sec)と、変動パターン5A(120sec)と、変動パターン6H(120sec)とが設定されている。各変動パターンに対応して変動表示時間が定められている点は大当たり用の変動表示時間テーブルと同様であるが、変動パターン1Hに対応する変動表示時間については、そのときの第1特図又は第2特図の保留数によって変動するようになっている。具体的には、保留数が2個以下である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secとなり、保留数が3個以上である状況で変動パターン1Hが選択された場合には変動表示時間が8secよりも短い4secとなるように構成されている。
変動パターン1Hは図柄表示装置75での完全外れ演出に対応し、変動パターン2Hはノーマルリーチ外れ演出に対応し、変動パターン3HはSPリーチA外れ演出に対応し、変動パターン4HはSPリーチB外れ演出に対応し、変動パターン5HはSPSPリーチA外れ演出に対応し、変動パターン6HはSPSPリーチB外れ演出に対応している。
完全外れ演出は、リーチ表示が行われることなく、外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、上記各リーチ外れ演出は、リーチ表示が行われた後、図柄列Z1~Z3の各図柄がリーチ外れの図柄組み合わせ(リーチライン上に停止表示する最終停止列の図柄が、リーチ図柄との組み合わせにより大当たりを形成する図柄以外の図柄となる状態)で停止表示されるものである。なお、SPリーチA外れ演出は、SPリーチA当たり演出に対応するものであり、SPリーチA当たり演出と同種の所定演出が行われた後、リーチ外れの図柄組み合わせで図柄が停止表示されるものである。また、SPリーチB外れ演出、SPSPリーチA外れ演出及びSPSPリーチB外れ演出についても、それぞれSPリーチB当たり演出、SPSPリーチA当たり演出及びSPSPリーチB当たり演出に対応するものである。
大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」が変動パターン1Aに対応し、「1」~「12」が変動パターン2Aに対応し、「13」~「28」が変動パターン3Aに対応し、「29」~「63」が変動パターン4Aに対応し、「64」~「99」が変動パターン5Aに対応している。一方、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの「0」~「59」が変動パターン1Hに対応し、「60」~「79」が変動パターン2Hに対応し、「80」~「89」が変動パターン3Hに対応し、「90」~「96」が変動パターン4Hに対応し、「97」~「98」が変動パターン5Hに対応し、「99」が変動パターン6Hに対応している。
作動口62,63への入賞に基づく当否抽選の結果が大当たり結果である場合には、SPSPリーチB演出に対応する変動パターン5Aが最も選ばれやすく、上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、SPSPリーチB演出に対応する変動パターン6Hが最も選ばれにくくなっている。つまり、SPSPリーチB演出は、大当たりである場合に最も実行されやすく、外れである場合に最も実行されにくいリーチ演出となるため、大当たりの期待度が最も高い最上位のリーチ演出として機能することになる。
変動パターン5Aや変動パターン6H以外の変動パターンについても、上位リーチ演出に対応する変動パターンほど大当たりである場合に選ばれやすく、外れである場合に選ばれにくくなっている。すなわち、ノーマルリーチ演出<SPリーチA演出<SPリーチB演出<SPSPリーチA演出の順で大当たりの期待度が高くなっている。
普図当たり乱数カウンタC3は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。普図当たり乱数カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート64に遊技球が入賞したタイミングでRAM314の普図保留エリア314cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普図当たり乱数カウンタC3の値によって普電役物63aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0~190であれば、普電役物63aを開放状態に制御し、C4=191~250であれば、普電役物63aを開放状態に制御しない。
<主制御装置162にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置162のMPU312にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU312の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理及び通常処理を説明する。
<NMI割込み処理>
NMI割込処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、電源及び発射制御装置191の停電監視部315から停電信号がMPU312のNMI端子に出力され、MPU312は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。
NMI割込み処理では、先ずステップS11にて、MPU312に設けられた使用レジスタのデータをRAM314のバックアップエリアに退避させる。ステップS12では、上記バックアップエリアに停電フラグ(電断状態の発生情報)をセットする。ステップS13では、バックアップエリアに退避させたデータを再びMPU312の使用レジスタに復帰させ、その後、NMI割込み処理を終了する。なお、MPU312の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセットし得る場合には、ステップS11及びステップS13の処理を省略することが可能である。
NMI割込処理の実行後は、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に説明する。
<タイマ割込み処理>
タイマ割込み処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU312により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞センサの状態を読み込むとともに、当該入賞センサの状態(入賞センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、第1作動口62への入賞が発生したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第1特図用の入賞検知フラグを格納し、第2作動口63への入賞が発生したと判定した場合には、各種フラグ格納エリア314eに第2特図用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート64を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び普図当たり乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップS104では、スルーゲート64への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には普図保留エリア314cに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した普図当たり乱数カウンタC3の値を普図保留エリア314cに格納する。また、各種フラグ格納エリア314eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、作動口62,63への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップS105の作動口用の入賞処理について図17のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS201にて、遊技球が第1作動口62に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口用入賞センサ62aの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口62に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップS203では、第1作動口62に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1特図用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1特図用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップS201で否定判定した場合(第1作動口62への入賞が発生していない場合)は、ステップS206に進み、遊技球が第2作動口63に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口用入賞センサ63cの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口63に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置181に遊技球を1個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
ステップS208では、第2作動口63に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2特図用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
また、ステップS206で否定判定した場合(第2作動口63への入賞が発生していない場合)は、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202又はステップS207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理にて払出制御装置181に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する特図用保留エリアRa,Rbの始動保留記憶数Nを1インクリメントする。ステップS303では、総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
ステップS304では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する特図表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1特図用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第1特図用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1特図用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2特図用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を、第2特図用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2特図用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
ステップS305では、後述する保留予告演出を実行するための保留先読み処理を実行する。保留先読み処理の詳細については後述する。ステップS305の実行後は、本情報取得処理を終了する。
<メイン処理>
メイン処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。メイン処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合(外部電源が供給された状態でパチンコ機10の電源スイッチがオン操作された場合や、パチンコ機10の電源スイッチがオン状態とされた状態で外部電源が供給された場合)に実行されるものである。
先ずステップS2001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS2002では、RAM314のアクセスを許可する。
ステップS2003では、電源及び発射制御装置191のRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS2004ではRAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS2005ではRAM判定値を算出し、ステップS2006では、そのRAM判定値が正常であるか否かを判定する。具体的には、ステップS2005で算出したRAM判定値と、電断状態の発生時に保存したRAM判定値とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。そして、両者が一致する場合には、RAM判定値が正常であるとして、RAM314に記憶保持されているデータを有効なものとして認識する。逆に、両者が一致しない場合は、RAM判定値が異常であるとして、RAM314に記憶保持されているデータを無効なものとして認識する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM314の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
RAM判定値が正常である場合は、ステップS2007に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU312のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。ステップS2008では、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)を電断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。ステップS2009では、バックアップエリアに格納されている停電フラグを消去する。その後、ステップS2010にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ステップS2003で肯定判定した場合(RAM消去スイッチが押されている場合)又はステップS2006で否定判定した場合(RAM判定値が正常でない場合)は、ステップS2011に進み、サブ側の制御装置(払出制御装置181等)を初期化するために、初期化コマンドを出力する。ステップS2012ではRAM314の使用領域を0にクリアし、ステップS2013ではRAM314の初期化処理を実行する。その後、ステップS2010にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図20のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401~S408の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS409,S410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に対して送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置143に対して送信する。
ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するバッファ領域に格納する。
ステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、特図用表示部43の表示制御などを行う。
ステップS404では、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
ステップS405では、第2作動口63に設けられた普電役物63aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM314の普図保留エリア314cに格納されている普図当たり乱数カウンタC3から取得した数値情報を用いて普電役物63aを開放状態とするか否かの普図当否抽選を行うとともに、当選となった場合には普電役物63aの開閉処理を実行する。また、普図当否抽選の抽選結果を教示するように、普図用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、普電役物63aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、後述する遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、普電役物63aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり普電役物63aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置191から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
ステップS407では、RAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、電断状態の発生時に実行されるNMI割込み処理(図15)でセットされるものであり、電断状態の発生をMPU312が把握するためのものである。
停電フラグが格納されていない場合(電断状態が発生していない場合)は、ステップS408にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。また、ステップS410では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM314の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401~S408の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
上記ステップS407で肯定判定した場合(停電フラグが格納されている場合)は、ステップS411に進み、各割込み処理の発生を禁止する。ステップS412では、MPU312のスタックポインタの値をRAM314のバックアップエリアに記憶し、ステップS413では、上記バックアップエリアに停電フラグをセットする。
ステップS414ではRAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値は、例えばRAM314の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS415では、RAM314へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置191からRAM314のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM314に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<遊技回制御処理>
ステップS403の遊技回制御処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS501にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS502~ステップS505の遊技回開始用処理、ステップS506~ステップS507の遊技回進行用処理、ステップS508~ステップS509の遊技回終了用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口62,63への入賞が発生しているか否かに関係なく、特図遊技回が開始されることはない。
なお、スルーゲート64への入賞を契機とする当否抽選に基づく遊技回(普図遊技回)については、開閉実行モード中であるか否かにかかわらず、実行される。すなわち、開閉実行モード中は、特図遊技回の実行が制限されるものの、普図遊技回については開閉実行モード中ではない場合と同様に実行される。よって、開閉実行モード中において普図当否抽選の結果が当たり結果となった場合は、第2作動口63(普電役物63a)が開放状態とされる。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、特図用表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに変動表示中フラグが格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
特図用表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503に進み、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口62及び第2作動口63のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1特図用保留エリアRa又は第2特図用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて特図用表示部43における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS601では、第2特図用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602~ステップS608の第1特図(第1作動口62)用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS609~ステップS615の第2特図(第2作動口63)用のデータ設定処理を実行する。
既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合にデータ設定処理が行われるところ、データ設定処理が実行される状況とは、第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNの少なく一方が1以上であることを意味する。この場合にデータ設定処理では、先ず第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、第2始動保留記憶数RbNが「0」であること、すなわち、第2特図用の保留情報が存在しないことを条件として第1特図用の保留情報に関する処理を実行するように構成されている。このため、第1特図用保留エリアRa及び第2特図用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2特図用保留エリアRbに記憶されている第2特図(第2作動口63)用の保留情報が優先して処理されることになる。
第1特図用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1特図用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。ステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。ステップS604では、第1特図用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップS605では、第1特図用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。この処理では、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア~第4エリアのデータを下位側のエリアに順次移動させる処理を実行する。
ステップS606では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグは、第2作動口63の保留情報が存在することをMPU312が把握するためのものである。第2特図フラグが格納されている場合は、ステップS607にて第2特図フラグを消去する。
ステップS607の実行後又はステップS606で否定判定した場合(第2特図フラグが格納されていない場合)は、ステップS608に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置143に通知するためのシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1特図用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口62に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS608にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2特図用のデータ設定処理では、先ずステップS609にて、第2特図用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。ステップS610では共通保留数CRNを1ディクリメントする。ステップS611では、第2特図用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
ステップS612では、第2特図用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータ(大当たり乱数カウンタC1等の保留情報)をシフトさせる処理を実行する。ステップS613では、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合は、ステップS614にて第2特図フラグをセットする。
ステップS614の実行後又はステップS613で肯定判定した場合(第2特図フラグが格納されている場合)は、ステップS615に進み、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置143に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM313のコマンド情報記憶エリア313eから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2特図用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口63に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信したシフトコマンドに基づいて、図柄表示装置75の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS701では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグが格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、高確率モード中であることをMPU312が把握するためのものであり、高確率モードに移行する場合にセットされる。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、低確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「7」)と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、高確率モード用の大当たり当選として設定されている値(例えば「7」,「17」,「27」,「37」,「47」)と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の実行後は、ステップS704にて、ステップS702又はステップS703における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705にて、上記各種フラグ格納エリア314eに第2特図フラグが格納されているか否かを判定する。第2特図フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて、第1特図表示部用の種別テーブル(図13(a))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、4R確変大当たり結果の数値範囲と、4R通常大当たり結果の数値範囲とのいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2特図フラグが格納されている場合には、ステップS707にて、第2特図用の種別テーブル(図13(b))を参照して大当たり種別の抽選を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、10R確変大当たり結果の数値範囲と、4R通常大当たり結果の数値範囲とのいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の実行後は、ステップS708にて、S706又はステップS707の抽選により選択された大当たり種別を示す種別フラグを上記各種フラグ格納エリア314eに格納する。例えば、抽選により選択された大当たり種別が10R確変大当たりである場合は、10R確変大当たりフラグを格納する。
ステップS709では、ROM313の停止結果テーブル記憶エリア313dに記憶されている停止結果テーブルを参照して大当たり用の停止結果を設定する。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2に対応する停止結果を停止結果テーブルから読み出し、今回の遊技回の停止結果として設定する。
上記ステップS704で否定判定した場合(大当たり発生でない場合)は、ステップS710に進み、外れ用の停止結果を設定する。本実施の形態では、外れ用の停止結果が1種類のみ設けられており、ステップS710ではその停止結果を設定する。
ステップS709又はステップS710の実行後は、ステップS711にて、第1特図表示部AS又は第2特図表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
ここで、変動表示時間の設定処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS801では、今回の遊技回における当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。大当たりである場合には、ステップS802に進み、変動表示時間(変動パターン)を抽選するためのテーブルとして、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))を取得する。一方、大当たりでなく、外れである場合には、ステップS803に進み、外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))を取得する。
ステップS802又はステップS803の実行後は、ステップS804にて、ステップS802又はステップS803で取得した変動表示時間テーブルを用い、変動表示時間(変動パターン)の抽選処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルに設定されている変動パターン群の中から、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSに対応する1の変動パターンを特定する。
ステップS805では、上記ステップS804で特定した変動パターンに対応する変動表示時間を今回の遊技回の変動表示時間としてセットする。本ステップでは、特定した変動パターンに対応する変動表示時間の値を、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられた変動表示時間カウンタエリアにセットする。例えば、変動表示時間が15secである場合は、それに対応する値として上記変動表示時間カウンタエリアに7500をセットする。このセットされた値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される度に、1ディクリメントされる。ステップS805の実行後は変動表示時間の設定処理を終了する。
変動開始処理(図23)の説明に戻り、ステップS711の実行後は、ステップS712にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには変動パターンの情報が含まれる。変動パターンは、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため(図14)、演出制御装置143では、変動開始コマンドから変動パターンを解析することにより、主制御装置162で行われた当否判定の結果を判別することができる。つまり、変動開始コマンドには、変動表示時間に関する情報だけでなく、当否判定の結果に関する情報も含まれている。また、種別コマンドには大当たり種別の情報が含まれる。なお、種別コマンドは、当否判定の結果が大当たりである場合にのみ設定される。
ステップS712にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置143から表示制御装置350に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置350では、演出制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置75を表示制御する。
ステップS713では、特図用表示部43の変動表示を開始する。その際、RAM314の各種フラグ格納エリア314eを参照し、第2特図フラグが格納されている場合には、今回の遊技回が第2特図に対応するとして第2特図表示部BSの絵柄を変動表示させる。一方、第2特図フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回が第1特図に対応するとして第1特図表示部ASの絵柄を変動表示させる。ステップS713の実行後は本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図21)の説明に戻り、ステップS502で肯定判定した場合(特図用表示部43が変動表示中である場合)は、ステップS506に進み、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM314の各種カウンタエリアに設けられた変動表示時間カウンタエリアの値が「0」となったか否かを判定する。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る特図表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該特図表示部を表示制御(各表示用セグメントを発光制御)する。ステップS507の実行後は本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、変動表示されている絵柄が上記ステップS709又はステップS710で設定した停止結果で停止表示されるように各特図表示部AS,BSを制御する。
ステップS509では、変動終了コマンドを設定し、その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、演出制御装置143に送信される。演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置350に送信する。表示制御装置350では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
ステップS404(図20)の遊技状態移行処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS901では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、各特図表示部AS,BSでの変動表示が終了(確定表示が終了)したタイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングでない場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したもの、すなわち、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。本ステップでは、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに種別フラグ(図23のステップS708)が格納されているか否かを参照することで大当たりであるか否かの判定を行う。今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応しないものである場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS903で肯定判定した場合(今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応するものである場合)は、ステップS904に進み、開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに開閉実行モードフラグを格納する。また、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま初回ラウンドの開始を待機するためのオープニング期間を設定する。さらに、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグや高頻度サポートフラグが格納されている場合は、これらのフラグを消去する処理を実行する。
ステップS905では、開閉実行モードのラウンド数を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。本ステップでは、上記各種フラグ格納エリア314eに格納されている種別フラグに基づいて今回の大当たり種別を把握し、その大当たり種別に対応するラウンド数が表示されるようにラウンド表示部を制御する。なお、ラウンド表示部におけるラウンド数の表示は、開閉実行モードが終了するまで継続される。
ステップS906では、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果であるか否かを判定する。10R確変大当たり結果でない場合、すなわち、4R確変大当たり又は4R通常大当たり結果のいずれかである場合は、ステップS907にて、RAM314の各種カウンタエリア314dに設けられたラウンドカウンタエリアRCに「4」をセットする。一方、今回の大当たり種別が10R確変大当たり結果である場合は、ステップS908にて、上記ラウンドカウンタエリアRCに「10」をセットする。
ステップS907又はステップS908の実行後は、ステップS909にて、オープニングの開始及びオープニング期間を演出制御装置143に通知するためのオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて、演出制御装置143に送信される。
ステップS910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子213に設けられた大当たり信号用の出力端子を出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
上記ステップS901で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップS911に進み、オープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング期間が経過している場合には、ステップS912にて大入賞口開閉処理を実行する。
ここで、大入賞口開閉処理について図26のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1001では、大入賞口65aを開放中であるか否かを判定する。この判定は駆動部65dの駆動状態に基づいて行う。大入賞口65aを開放中でない場合には、ステップS1002にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、実行すべきラウンド遊技が存在する場合は、ステップS1003にてRAM314の各種カウンタエリア344bに設けられたタイマエリアTの値が「0」であるか否かを判定する。この処理は、ラウンド間の待機期間(ラウンドインターバル期間)が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアTの値が「0」である場合は、ステップS1004に進み、1回のラウンド遊技での可変入賞装置65の上限開放時間(30sec)に対応する値として上記タイマエリアTに「15000」をセットする。ここでセットされた値は、タイマ割込み処理(図16)が起動される都度、1ディクリメントされる。ステップS1005では、1回のラウンド遊技における可変入賞装置65への上限入賞個数(10個)に対応する値として、上記各種カウンタエリア344bに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。
ステップS1006では、大入賞口65aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。ステップS1007では、大入賞口65a(可変入賞装置65)の開放が開始されたことを演出制御装置143に通知するための開放コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて演出制御装置143に送信される。
上記ステップS1002で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)又はステップS1003で否定判定した場合(タイマエリアTの値が0でない場合)は、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
また、上記ステップS1001で肯定判定した場合(大入賞口65aの開放中である場合)は、ステップS1008に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。この処理は、ステップS1004で設定した可変入賞装置65の上限開放時間が経過したか否かを判定するものである。
タイマエリアTの値が「0」でない場合は、ステップS1009に進み、大入賞口用入賞センサ65cの検知状態に基づいて大入賞口65aへの入賞が発生したか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1010にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントし、その後、ステップS1011にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。入賞カウンタエリアPCの値が「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
上記ステップS1008で肯定判定した場合(タイマエリアTの値が0である場合)又はステップS1011で肯定判定した場合(入賞カウンタエリアPCの値が0である場合)は、ステップS1012に進み、駆動部65dを非駆動状態に切り替えて大入賞口65aを閉鎖する。ステップS1013では、ラウンドカウンタエリアRCの値を1ディクリメントし、ステップS1014では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合、すなわち、残りのラウンド遊技が存在する場合は、ステップS1015に進み、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次のラウンド遊技の開始を待機する期間(2sec)に対応する値として、上記タイマエリアTに「1000」をセットする。
ステップS1016では、可変入賞装置65を閉鎖したこと(ラウンド遊技が終了したこと)を演出制御装置143に通知するための閉鎖コマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて演出制御装置143に送信される。
上記ステップS1014で肯定判定した場合(ラウンドカウンタエリアRCの値が0である場合)、すなわち、開閉実行モードの最終ラウンドが終了した場合は、ステップS1017に進み、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、可変入賞装置65を閉鎖状態としたまま次の遊技回(開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回)の開始を待機するエンディング期間を設定する。ステップS1018では、エンディングの開始及びエンディング期間を演出制御装置143に通知するためのエンディングコマンドを設定し、その後、本大入賞口開閉処理を終了する。設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて演出制御装置143に送信される。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップS912の大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS913にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合は、開閉実行モードを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合は、ステップS914に進み、エンディングが終了したか否か(エンディング期間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了していない場合は、エンディングを継続させるべく、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、エンディングが終了している場合は、ステップS915に進み、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について図27のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101では、RAM314の各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグを参照し、今回の大当たりが確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合は、ステップS1102にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高確率モードフラグをセットするとともに、ステップS1103にて、上記各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグをセットする。これにより、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(いわゆる電サポ付きの確変遊技状態)に移行する。この遊技状態は次回の大当たりが発生するまで継続する。ステップS1103の実行後は開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
上記ステップS1101で否定判定した場合(今回の大当たりが確変大当たり結果でない場合)、すなわち、今回の大当たりが通常大当たり結果である場合は、ステップS1104に進み、上記各種フラグ格納エリア314eに高頻度サポートフラグをセットする。今回の大当たりが通常大当たり結果である場合は、高確率モードフラグをセットしないため、ステップS1104の処理により、抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(いわゆる時短遊技状態)に移行する。続くステップS1105では、RAM314の各種カウンタエリア344bに設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。このセットされた値は、時短遊技状態である状況で特図遊技回が1回実行される毎に1ずつディクリメントされ、遊技回数カウンタエリアの値が「0」となった場合、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された高頻度サポートフラグが消去される。よって、上記時短遊技状態は100回の遊技回が行われることで終了し、その後は、抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態(通常遊技状態)に移行する。ステップS1105の実行後は開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図25)の説明に戻り、ステップS915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、特図用表示部43におけるラウンド表示部が消灯されるように当該ラウンド表示部を制御する。
ステップS917では、開閉実行モードの終了処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記各種フラグ格納エリア314eに格納された種別フラグ及び開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
<保留先読み処理>
ステップS305(図18)の保留先読み処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、第1作動口62又は第2作動口63への入賞に基づいて保留情報が取得された場合に実行されるものであり、取得された保留情報について、当該保留情報に対応する変動開始処理(図23)の実行に先立ち、大当たりの有無、大当たり種別及び変動パターンの抽選を行うものである。
先ずステップS1201では、保留球格納エリア314bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア314bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、それらの情報をMPU312のレジスタに記憶する。
ステップS1202では、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づき、ステップS304(図18)にて取得した保留情報に含まれる大当たり乱数カウンタC1の値(当否判定用の乱数値)を把握する。ステップS1203では、ステップS1202で把握した大当たり乱数カウンタC1の値を用いて当否判定を行う。この際、保留情報が取得されたときの抽選モードが低確率モードである場合は低確率モード用の当否テーブルを参照し、保留情報が取得されたときの抽選モードが高確率モードである場合は高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。
ステップS1204では、ステップS1202における当否判定の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップS1205にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別を抽選するための乱数)を把握する。
ステップS1206では、ステップS1205で把握した大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別の抽選を行う。この際、第1作動口62への入賞に基づく保留情報である場合は、第1特図用の種別テーブル(図13(a))を参照し、第2作動口63への入賞に基づく保留情報である場合は、第2特図用の種別テーブル(図13(b))を参照して、大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別を特定する。なお、ステップS1203~ステップS1206の処理は、変動開始処理(図23)におけるステップS701~ステップS707と同様のものである。
ステップS1207では、大当たりであることを示す大当たり情報と、ステップS1206で抽選された大当たり種別を示す種別情報とをMPU312のレジスタに記憶する。
ステップS1207の実行後又はステップS1204で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップS1208にて、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づいて取得した保留情報に含まれる変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップS1209では、ステップS1208で把握した変動種別カウンタCSの値を用いて変動パターン(変動表示時間)の抽選を行う。この際、取得した保留情報が大当たりに対応するものである場合は、大当たり用の変動表示時間テーブル(図14(a))を参照し、取得した保留情報が外れに対応するものである場合は、外れ用の変動表示時間テーブル(図14(b))を参照して、変動種別カウンタCSの値に対応する変動パターンを特定する。なお、本ステップの処理は、変動表示時間の設定処理におけるステップS801~ステップS804と同様のものである。
ステップS1210では、ステップS1209で抽選された変動パターンを示す変動パターン情報をMPU312のレジスタに記憶する。ステップS1211では、演出制御装置143への出力対象として保留コマンドをセットし、その後、保留先読み処理を終了する。保留コマンドには、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するのかを示す情報のほか、レジスタに記憶された各種情報(始動保留記憶数RaN,RbNの情報、共通保留数CRNの情報、大当たり情報、種別情報、変動パターン情報)が含まれる。なお、既に説明したように、大当たりの有無は変動パターンから把握することができるため、大当たり情報を含まないように保留コマンドを設定してもよい。ステップS1211にて設定された保留コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS401にて演出制御装置143に送信される。
<演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について>
演出制御装置143及び表示制御装置350の電気的構成について、図29のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置143に設けられた演出制御基板341には、MPU342が搭載されている。MPU342には、当該MPU342により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM343と、そのROM343内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM344と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU342には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU342の入力側には主制御装置162が接続されている。主制御装置162からは、シフトコマンド、保留コマンドといった保留表示制御用コマンドや、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンドなどの各種コマンドを受信する。
MPU342の出力側には、既に説明したように、前扉枠14に設けられたランプ部26~28やスピーカ部29が接続されているとともに、表示制御装置350が接続されている。
また、MPU342の入力側には、前扉枠14に設けられた演出用操作部36が接続されている。演出用操作部36には、当該演出用操作部36の操作を検知する検知センサが設けられており、当該検知センサからの検知情報(検知信号)が入力される。MPU342では、当該検知情報に基づいて演出用操作部36が操作されたか否かを判定したり、どのような操作が行われたかの操作態様の判別を行ったりする。
表示制御装置350は、プログラムROM373及びワークRAM374が複合的にチップ化されたMPU372と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)375と、キャラクタROM376と、ビデオRAM377とがそれぞれ搭載された表示制御基板351を備えている。
MPU372は、演出制御装置143から受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP375の制御(具体的にはVDP375に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM373は、MPU372により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM374は、MPU372による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM374の各エリアに記憶される。
VDP375は、図柄表示装置75に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP375はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP375は、MPU372、ビデオRAM377等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM377に記憶させる画像データを、キャラクタROM376から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置75に表示させる。
キャラクタROM376は、図柄表示装置75に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM376には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM376を複数設け、各キャラクタROM376に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM373に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM376に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM377は、図柄表示装置75に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM377の内容を書き替えることにより図柄表示装置75の表示内容が変更される。
<演出制御装置143にて実行される各種処理について>
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。
<演出設定処理>
演出設定処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。演出設定処理は、MPU342により所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
先ずステップS1301では、主制御装置162からの保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置162から受信する保留コマンドは、演出制御装置143のRAM344に設けられたコマンド格納エリア344aに格納される。コマンド格納エリア344aは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップS1301の判定に際しては、コマンド格納エリア344aにおける今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドが格納されているか否かを判定する。保留コマンドが格納されている場合(保留コマンドを受信している場合)には、ステップS1302にて、表示画面Gの保留表示部200(図9(b))に保留用画像を表示するための保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS1302の実行後又はステップS1301で否定判定した場合(保留コマンドを受信していない場合)は、ステップS1303にて、主制御装置162からのシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信している場合は、ステップS1304にて、保留表示部200に表示された保留用画像をシフトさせるためのシフト時コマンド対応処理を実行する。シフト時コマンド対応処理の詳細については後述する。
ステップS1304の実行後又はステップS1303で否定判定した場合(シフト時コマンドを受信していない場合)は、ステップS1305にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて図柄列Z1~Z3の変動表示等を行うための特図変動表示用処理を実行する。特図変動表示用処理の詳細については後述する。
ステップS1306では、開閉実行モード中の演出を行うための開閉実行モード用処理を実行する。開閉実行モード用処理では、開閉実行モード中のラウンド演出のほか、オープニング演出やエンディング演出、可変入賞装置65への入賞が発生した場合の入賞時演出等を行うための処理を実行する。
ステップS1307では、演出モードを切り替えるための演出モード切替用処理を実行する。演出モード切替用処理の詳細については後述する。
ステップS1308では、その他の処理を実行し、その後、演出設定処理を終了する。その他の処理では、始動入賞が所定期間に亘って発生しない場合のデモ画面表示や、図柄表示装置75の表示画面Gにおける映像表示を停止して低消費電力化を図る節電モードへの切り替え等を行うための処理を実行する。
<保留コマンド対応処理>
ステップS1302のコマンド対応処理について図31のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1401では、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、保留情報(大当たり情報、種別情報、変動パターン情報等)をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する。
図32に示すように、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の保留球格納エリア314bと対応させて第1特図用保留エリアSRaと第2特図用保留エリアSRbとが設けられている。各保留エリアSRa,SRbは、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。また、保留用記憶エリア344cには、主制御装置162側の実行エリアAEに対応させて実行エリアSAEが設けられている。
ステップS1401では、保留用コマンドに基づいて今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するものであるかと、対応する特図において何個目の保留情報であるかとをそれぞれ把握し、保留用記憶エリア344cの対応する記憶エリアに変動パターン情報(大当たりである場合はさらに大当たり情報及び種別情報)を記憶する。例えば、今回の保留情報が第1特図に対応する2個目の保留情報である場合は、第1特図用保留エリアSRaの第2記憶エリアに変動パターン情報等を記憶する。
ステップS1401の実行後はステップS1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントする。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、ステップS1402では、対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
ステップS1403では、保留予告演出を実行するための保留予告用の設定処理を実行する。ここで、保留予告演出について図33を参照しながら説明する。
本実施の形態では、表示画面Gの保留表示部200に表示される保留用画像の表示態様によって、当該保留用画像が対応する遊技回で大当たりが発生する期待度を報知又は示唆する保留予告演出を行うこととしている。保留用画像の表示態様としては、保留予告演出が行われない場合の通常表示態様と、保留予告演出が行われる場合の特定表示態様とが設定されており、さらに特定表示態様には複数の表示態様が設定されている。
本実施の形態では、保留用画像の表示色(色彩)により上記期待度を示唆するものとしている。具体的には、図33(a)に示すように、通常表示態様として主たる表示色が通常色(例えば白色)とされる通常表示態様HMaが設定されており、特定表示態様として、主たる表示色が青色とされる青色表示態様HMbと、緑色とされる緑色表示態様HMcと、赤色とされる赤色表示態様HMdと、虹色とされる虹色表示態様HMeとの4種類が設定されている。なお、図33(a)では、表示色の違いに合わせて異なるハッチングを付している。
特定表示態様では、青色表示態様HMbが大当たりの期待度が最も低く、以後、緑色表示態様HMc<赤色表示態様HMd<虹色表示態様HMeの順で大当たりの期待度が高くなっている。虹色表示態様HMeは大当たりを示唆するものとなっている。
また、各特定表示態様は、その保留用画像が対応する遊技回で実施される演出を示唆するものともなっている。具体的には、青色表示態様HMbは、その保留用画像が対応する遊技回でノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出(ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出のいずれか)が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcは、SPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdは、SPSPリーチ演出が行われることを示唆するものとなっている。
保留用画像を用いた上記保留予告演出は、当該演出の実施対象となる保留用画像の表示開始から表示終了までの期間、換言すれば、保留情報の発生からその保留情報の遊技回が終了するまでの期間の少なくとも一部を用いて行われる。保留用画像が第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbに表示されている期間(保留期間)での保留予告演出の実行タイミングは、その保留用画像の表示開始時やシフト時など複数のタイミングが設定されている。また、遊技回の実行中における保留予告演出の実行タイミングは、図33(b)に示すように、保留変化ポイントとして複数設定されている。各保留変化ポイントは、例えば、遊技回の開始タイミング(変動開始タイミング)や各種リーチ演出の開始タイミング、リーチ演出の発展タイミング等に合わせて設定されている。
保留コマンド対応処理(図31)の説明に戻り、ステップS1403の保留予告用の設定処理では、今回の保留情報について保留予告演出を実行するか否かの実行抽選や、保留予告演出を実行する場合の保留用画像の表示態様を設定する処理を実行したりする。保留予告用の設定処理の詳細については後述する。
ステップS1404では、保留予告演出を実行するための保留予告の第1実行用処理を実行する。保留予告の第1実行用処理では、ステップS1403の設定結果に基づいて保留予告演出の実行制御を行う。保留予告の第1実行用処理の詳細については後述する。
ステップS1405では、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbにおいて対応する単位保留表示領域に保留用画像が追加表示されるように保留表示コマンドを作成し、表示制御装置350への出力対象として設定する。当該保留表示コマンドには、今回の保留情報が第1特図又は第2特図のいずれに対応するかの情報や、何番目の保留情報であるかを示す情報が含まれる。ステップS1405の実行後は保留コマンド対応処理を終了する。
<保留予告用の設定処理>
ステップS1403の保留予告用の設定処理について図34のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、今回の保留情報における変動パターン等(先読み結果)を把握する。ステップS1502では、ステップS1501で把握した変動パターン等に基づき、今回の保留情報が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
大当たりに対応するものでない場合、すなわち、外れに対応する保留情報である場合は、ステップS1503に進み、その保留情報の変動パターンが変動パターン1H(完全外れに対応する変動パターン)であるか否かを判定する。ステップS1503で否定判定した場合(変動パターン1H以外の変動パターンである場合)又はステップS1502で肯定判定した場合(大当たりに対応する保留情報である場合)は、ステップS1504にて現在の演出モードを把握する。
ここで、演出モードについて図35を参照しながら説明する。本実施の形態では、表示画面Gで実行される遊技演出の演出モードとして演出モードAと演出モードBとが設定されている。これら演出モードA及び演出モードBは遊技者から見て識別が可能となっており、例えば、図柄列Z1~Z3や保留表示部200の奥側に表示される背景画像401が両演出モードで相違するものとなっている。
これら演出モードは、遊技者の操作により手動切り替えを行うことが可能となっており、具体的には、モード切替の有効期間において演出用操作部36(図1)にて所定の操作を行うことにより切り替えることが可能となっている。例えば、演出モードが演出モードAとなっている状況で演出用操作部36により所定の操作が行われた場合は演出モードが演出モードBに切り替わり、演出モードBとなっている状況で演出用操作部36により所定の操作が行われた場合は演出モードが演出モードAに切り替わるようになっている。
また、演出モードAと演出モードBとでは、上記保留予告演出の発生頻度が相違しており、演出モードAにおける保留予告演出の発生頻度が演出モードBのそれよりも高くなるように構成されている。保留予告演出の発生頻度を相違させるための構成は特に限定されるものではないが、例えば、いずれの演出モードにおいても実行抽選を介して保留予告演出を実行するようにした上で、演出モードBにおいて保留情報が外れに対応する場合の上記実行抽選の当選確率を演出モードAのそれよりも低くする構成が考えられる。
この場合、演出モードBでは、実行される保留予告演出のうち大当たりの先読みに対応するものが占める割合が演出モードAよりも高くなるため、保留予告演出が実行された場合の大当たり期待度が高くなる。すなわち、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能させ、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能させることができる。
なお、図35では図示を省略しているが、例えば、演出モードAでは遊技球を模した保留用画像が表示されるのに対し、演出モードBでは星を模した保留用画像が表示されるなど、演出モードAと演出モードBとで保留用画像のベース画像が異なる構成としてもよい。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップS1504にて現在の演出モードを把握した後は、ステップS1505にて、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する保留予告実行抽選テーブルを取得する。保留予告実行抽選テーブルは、大当たりの有無や演出モードに対応させて複数設定されている。例えば、今回の保留情報が大当たりである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。また、演出モードAに対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、演出モードBに対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。
ステップS1506では、ステップS1505で取得した保留予告実行抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う。ステップS1507では、ステップS1506の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。
上記抽選結果が実行当選である場合にはステップS1508に進み、対応する保留数を把握する。本ステップでは、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するかを把握するとともに、対応する特図の保留数を把握する。この場合の保留数は今回の保留情報を含めた数である。例えば、今回の保留情報が保留用記憶エリア344cにおける第1特図用保留エリアSRaの第3エリアに記憶されるものである場合は、当該保留情報が第1特図に対応し且つその保留数が3であると把握する。なお、今回の保留情報が第1特図用保留エリアSRaの第1エリアに記憶されている場合(1個目の保留情報である場合)において、実行エリアSAEに保留情報が記憶されている場合(遊技回が実行されている場合)は上記保留数として1を把握し、実行エリアSAEに保留情報が記憶されていない場合(遊技回が実行されていない場合)は上記保留数として0を把握する。
ステップS1509では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから最終表示態様抽選テーブルを取得する。本実施の形態では、保留用画像の表示態様を1回だけ変化させて保留予告演出を行うだけでなく、保留用画像の表示態様を複数回変化させて保留予告演出を行う場合もあるように構成されている。最終表示態様抽選テーブルは、保留予告演出における保留用画像の最終的な表示態様を抽選するためのテーブルである。
最終表示態様抽選テーブルでは、図36に示すように、各変動パターンに対応させて、選択可能な最終表示態様の範囲と各表示態様の選択確率とが設定されている。なお、図36において、各変動パターンに対応する遊技回演出を示す「備考(演出態様)」の項目は、便宜上付したものであり、最終表示態様抽選テーブルに設定されるものではない。
また、最終表示態様抽選テーブルでは、大当たり用の最終表示態様抽選テーブル(図36(a))と、外れ用の最終表示態様抽選テーブル(図36(b))とが設定されており、それら各抽選テーブルでは、各変動パターンに応じた最終表示態様の選択範囲や各選択肢の選択確率が異なっている。
大当たり用の最終表示態様抽選テーブルでは、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様の範囲として、今回の保留情報が変動パターン1A(ノーマルリーチ当たり)の場合は青色表示態様HMbと虹色表示態様HMe、変動パターン2A(SPリーチA当たり)又は変動パターン3A(SPリーチB当たり)の場合は青色表示態様HMbと緑色表示態様HMcと虹色表示態様HMe、変動パターン4A(SPSPリーチA当たり)又は変動パターン5A(SPSPリーチB当たり)の場合は青色表示態様HMbと緑色表示態様HMcと赤色表示態様HMdと虹色表示態様HMeが設定されている。よって、保留予告演出として青色表示態様HMbの保留用画像が表示された場合は、その保留用画像が対応する遊技回(保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回)においてノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcの保留用画像が表示された場合はSPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdの保留用画像が表示された場合はSPSPリーチ演出が行われることを示唆することになる。
また、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでも、保留予告演出として青色表示態様HMbの保留用画像が表示された場合は、その保留用画像が対応する遊技回においてノーマルリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、緑色表示態様HMcの保留用画像が表示された場合はSPリーチ演出以上の順位のリーチ演出が行われることを示唆し、赤色表示態様HMdの保留用画像が表示された場合はSPSPリーチ演出が行われることを示唆するように、各変動パターンに対応する最終表示態様の選択範囲が定められている。このため、保留予告演出が行われて青色、緑色又は赤色のいずれかの保留用画像が表示された場合には、遊技者はどのレベルのリーチ演出が行われるのかを予測することができる。但し、大当たりの有無までは判別できない。
なお、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでは、最終表示態様の選択肢として虹色表示態様HMeが設定されておらず、虹色表示態様HMeの保留用画像は大当たりである場合にのみ表示されるものとなっている。よって、虹色表示態様HMeの保留用画像は大当たりを示唆するものとなり、当該保留用画像が表示された場合、遊技者は、その保留用画像が対応する遊技回にて大当たりが発生することを予測することができる。
大当たり用の最終表示態様抽選テーブルにおいて虹色表示態様HMeの選択確率は、いずれの変動パターンでも小確率(例えば5%)に抑えられている。これは、虹色表示態様HMeの選択確率を高めると、遊技回の実行前に遊技者が大当たりを認識できる機会が頻発し、遊技回演出への関心が薄れてしまう懸念があることから、そのような不都合の発生を抑制するためである。それ以外の選択肢における選択確率は、各変動パターンにおいて下位の表示態様よりも上位の表示態様が選ばれやすくなっている。例えば、変動パターン3Aである場合であれば、青色表示態様HMbよりも緑色表示態様HMcの方が選択されやすいという具合である。
一方、外れ用の最終表示態様抽選テーブルでは、大当たり用の最終表示態様抽選テーブルの場合よりも上位の表示態様が選ばれにくくなっている。例えば、大当たり用の最終表示態様抽選テーブルにおけるSPSPリーチA演出に対応する変動パターン(変動パターン4A)では、赤色表示態様HMdの選択確率が55%であるのに対し、外れ用の最終表示態様抽選テーブルにおけるSPSPリーチB演出に対応する変動パターン(変動パターン5H)では、赤色表示態様HMdの選択確率が10%に留まっている。
大当たり用及び外れ用の各最終表示態様抽選テーブルにおいて、上記のように表示態様の選択傾向が設定されていることで、遊技回にて行われるリーチ演出の種別が同じであっても、その遊技回が対応する保留用画像として上位の表示態様が表示される場合の方が大当たりの期待度が高くなるものとなっている。
なお、本実施の形態では、大当たり用の最終表示態様抽選テーブル及び外れ用の最終表示態様抽選テーブルとして演出モードAと演出モードBとで共通のテーブルを用いるが、それら各演出モードで異なるテーブルを設定する構成としてもよい。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップS1509では、ステップS1501で把握した変動パターン等に基づき、保留情報の大当たり有無に対応する最終表示態様抽選テーブルを取得する。ステップS1510では、ステップS1501で把握した変動パターンと、ステップS1509で取得した最終表示態様抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における最終表示態様を抽選する。
なお、上記抽選用のカウンタは、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合、換言すれば、抽選処理の対象となる保留情報が発生した場合に取得される。このことは、演出制御装置143にて実行する他の抽選処理に用いるカウンタ(乱数値)についても同様である。
ステップS1511では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから演出シナリオ抽選テーブルを取得する。演出シナリオ抽選テーブルは、保留予告演出の演出シナリオを抽選するためのテーブルである。
演出シナリオ抽選テーブルでは、図37に示すように、保留数と保留予告演出の最終表示態様とに対応させて複数の演出シナリオが設定されている。詳しくは、保留数=0に対応する演出シナリオ0のグループから保留数=4に対応する演出シナリオ4までのグループが設定され、さらに各グループにおいて、青色、緑色、赤色及び虹色の最終表示態様に対応させて各色用の演出シナリオ群が設定されている。そして、1色分の演出シナリオ群をひとまとまりとして0~99の抽選用乱数値が割り当てられている。例えば、保留数が0であり、最終表示態様が青色表示態様HMbである場合は、演出シナリオ0青(1)と演出シナリオ0青(2)とが演出シナリオの選択対象となり、それらのうちから乱数値に対応するものが選択される。
各演出シナリオは、最終表示態様が決定された保留予告演出において保留用画像をどのタイミングでどの表示態様で表示するのかを規定するものとなっている。第1特図に対応する保留情報の先読みを行った場合において、その際の第1特図の保留数が4であり、最終表示態様として赤色表示態様HMdが抽選された場合の選択対象となる演出シナリオ4赤(1)を例にとると、当該シナリオは、第1保留表示領域Ga(図9(b))の第4単位保留表示領域Ga4に青色表示態様HMbで保留用画像を表示した後、その保留用画像を第2単位保留表示領域Ga2に移動表示させた場合に緑色表示態様HMcに変化させ、その後、その保留用画像を実行表示領域Dに表示している期間(その保留用画像に対応する遊技回の実行中)において赤色表示態様HMdに変化させることを規定したものとなっている。
図37では図示を省略しているが、実行表示領域Dで保留用画像の表示態様を変化させることを定めた演出シナリオでは、遊技回におけるどのタイミング(どの保留変化ポイント)で表示態様を変化させるのかについても規定されている。また、遊技回の実行中において複数回に亘って表示態様を変化させる演出シナリオもあり、例えば、演出シナリオ0緑(2)は、遊技回の実行中における先の保留変化ポイントで保留用画像を通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変化させた後、後の保留変化ポイントでさらに緑色表示態様HMcに変化させることを規定したものとなっている。
なお、図37の「備考(演出態様)」における「G4(保4)」~「G1(保1)」は、保留表示部200の各単位保留表示領域に保留用画像を表示する場合の表示態様を示している。また、「D(遊技回中)」は、第1単位保留表示領域から実行表示領域Dに保留用画像をシフトさせた場合の表示態様や、実行表示領域Dに保留用画像が表示されている期間での表示態様を示している。ちなみに、「備考(演出態様)」欄の項目は、便宜上付したものであり、演出シナリオ抽選テーブルに設定されるものではない。
また、演出シナリオ抽選テーブルとしては、大当たり用の演出シナリオ抽選テーブルと、外れ用の演出シナリオ抽選テーブルとが設定されている。本実施の形態では、大当たり用の演出シナリオ抽選テーブル及び外れ用の演出シナリオ抽選テーブルとして演出モードAと演出モードBとで共通のテーブルを用いるが、それら各演出モードで異なるテーブルを設定する構成としてもよい。なお、図37には大当たり用の演出シナリオ抽選テーブルの一例を示している。
保留予告用の設定処理(図34)の説明に戻り、ステップS1511では、ステップS1501で把握した変動パターン等に基づき、保留情報の大当たり有無に対応する演出シナリオ抽選テーブルを取得する。ステップS1512では、ステップS1508で把握した保留数と、ステップS1510で決定した最終表示態様と、ステップS1511で取得した演出シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における演出シナリオを抽選する。
ステップS1513では、ステップS1512で抽選された演出シナリオが実行されるように演出シナリオデータを設定する。ステップS1514では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の設定処理を終了する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
また、ステップS1503で肯定判定した場合(保留情報の変動パターンが変動パターン1H(完全外れ)である場合)又はステップS1507で否定判定した場合(保留予告演出の実行抽選で外れとなった場合)は、ステップS1515に進み、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。その後、保留予告用の設定処理を終了する。
<保留予告の第1実行用処理>
ステップS1404の保留予告の第1実行用処理について図38(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されていない場合、すなわち、保留予告演出を実行すべき状況でない場合は、そのまま保留予告の第1実行用処理を終了する。
一方、保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップS1602に進み、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像について、表示態様の変更タイミングであるか否かを判定する。すなわち、保留用画像を当初から特定表示態様で表示すべき状況であるか否かを判定する。本ステップでは、上記ステップS1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果を参照して上記判定を行う。表示態様の変更タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第1実行用処理を終了する。
一方、表示態様の変化タイミングである場合は、ステップS1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行う。変化示唆演出は、保留用画像の表示態様が変化(ランクアップ)することを示唆する演出である。変化示唆演出の態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、図39に示す態様にて変化示唆演出を行う。先ず、図39(a)に示すように、保留用画像が変化する前の所定タイミングにて保留表示部200の近傍に所定のキャラクタ画像402を表示する。なお、保留情報の発生タイミングに合わせて変化示唆演出を行う場合は、先ずは通常表示態様で保留用画像を表示し、その直後又は同時にキャラクタ画像402を表示する。その後、当該キャラクタが所定のアクションを行う映像を表示し、図39(b)に示すように、保留用画像の表示態様を上位の表示態様に変化させる。なお、キャラクタ画像402は、保留用画像の表示態様を変化させた後、消去する。
ステップS1603では、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された実行抽選用テーブルとに基づいて変化示唆演出の実行抽選を行う。ステップS1604では、ステップS1603の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が当選結果である場合は、ステップS1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力対象として変化示唆演出を実行すべき旨のコマンドをセットする。
なお、本実施の形態では、保留用画像の表示態様を変化させる場合にのみ変化示唆演出が実行され得る構成としているが、変化示唆演出は、保留用画像の表示態様を変化させない場合にも実行され得る構成としてもよい。すなわち、保留用画像の表示態様を変化させない場合にも変化示唆演出の実行抽選を行う構成としてもよい。
そのような場合の変化示唆演出としては、例えば、図39(a)のように所定のキャラクタ画像402を表示した後、当該キャラクタが所定のアクションを行わなかったり、当該アクションとは異なるアクションを行った後、保留用画像の表示態様を変化させずにキャラクタ画像402を消去し、キャラクタ画像402を表示する前の表示態様をそのまま維持する態様とすることが考えられる。但し、そのようなガセ演出が頻発すると、変化示唆演出に対する遊技者の期待感が失われかねないため、その実行頻度は低く抑えるとよい。具体的には、表示態様を変化させない場合における変化示唆演出の実行当選確率が表示態様を変化させる場合よりも低くなる、換言すれば、キャラクタ画像402が表示された際に保留用画像の表示態様が変化しない頻度が変化する頻度よりも低くなるようにするとよい。
ステップS1605の実行後又はステップS1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップS1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。具体的には、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMeのうち、いずれの特定表示態様で保留用画像を表示するかを把握する。
ステップS1607では、保留用画像の表示態様を上記ステップS1606で把握した表示態様に変更するように設定する。なお、本処理を保留コマンドの受信時(保留用画像の追加表示時)に行う場合は、追加表示する保留用画像の初期表示態様を上記ステップS1606で把握した表示態様とするように設定する。
その際、変化示唆演出を実行しない場合は、当初から演出シナリオにより示されるいずれかの特定表示態様で保留用画像を表示するように設定する。一方、変化示唆演出を実行する場合は、通常表示態様HMaで表示した後、演出シナリオにより示される特定表示態様に変化するように設定する。ステップS1607の設定処理を実行した場合、保留コマンド対応処理(図31)のステップS1405では、表示制御装置350への保留表示コマンドにおいてステップS1607で設定した表示態様の情報が含まれるように当該コマンドを設定する。
ステップS1608では、今回の保留用画像の表示態様を示す情報をRAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶する。図38(b)に示すように、表示態様記憶エリア344eでは、各特図のそれぞれの保留情報(保留用画像)及び遊技回を実行中の保留情報に対応させてエリアが設けられており、各エリアに保留用画像の表示態様を記憶可能となっている。例えば、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2に青色表示態様HMbを表示する場合、表示態様記憶エリア344eにおいて第1特図用の第2エリア(2番目の保留情報に対応するエリア)に青色表示態様HMbで表示されることの情報を記憶する。ちなみに変化示唆演出を実行する場合は、変化後の表示態様(表示色)を示す情報を記憶する。なお、表示態様記憶エリア344eを設けず、保留用記憶エリア344cの対応エリアに表示態様の情報を記憶する構成としてもよい。ステップS1608の実行後は保留予告の第1実行用処理を終了する。
<シフト時コマンド対応処理>
ステップS1304(図30)のシフト時コマンド対応処理について図40(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1701では、保留予告の第1実行用処理を実行する。この処理は、保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像について、その表示態様を当該保留用画像のシフト時に変化させるためものである。本ステップの処理は、ステップS1404(図31)の保留予告の第1実行用処理(図38(a))と基本的に同じものである。
図38(a)を援用して説明すると、ステップS1701の保留予告の第1実行用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップS1602にて、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像(各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像)について、今回のシフトタイミングが表示態様(表示色)の変更タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップS1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果に基づいて行う。
表示態様の変更タイミングである場合は、ステップS1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行い、その抽選に当選した場合は、ステップS1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。ステップS1605の実行後又はステップS1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップS1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。
ステップS1607では、保留用画像の表示態様をステップS1606で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの保留用画像の表示態様を変更するかを示す情報と、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報とを含ませるようにして、今回のシフトタイミングで保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。これにより、今回のシフトタイミングにて保留用画像の表示態様が演出シナリオの設定結果により定められる表示態様に変更される。
ステップS1608では、表示態様を変更する保留用画像について、変更後の表示態様の情報をRAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶する。例えば、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2に表示された青色表示態様HMbの保留用画像を第1単位保留表示領域Ga1へのシフト時に緑色表示態様HMcに変更する場合には、表示態様記憶エリア344eにおいて第1特図用の第2エリア(2番目の保留情報に対応するエリア)に記憶された青色表示の情報を消去した上で、同エリアに緑色表示の情報を記憶する。
シフト時コマンド対応処理(図40)の説明に戻り、ステップS1701の処理を実行した後は、ステップS1702にて保留予告の第2実行用処理を実行する。この処理は、ステップS1307(図30)の演出モード切替用処理と関連するため、当該切替用処理について説明した後に詳述する。
ステップS1703では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1ディクリメントする。各種カウンタエリア344bには、第1特図用の保留数カウンタと第2特図用の保留数カウンタとが設けられており、本ステップでは対応する側の始動保留記憶数SNを更新する。
ステップS1704では、保留用画像を移動表示させるためのシフト処理を実行し、その後、本シフト時コマンド対応処理を終了する。シフト処理では、RAM344の保留用記憶エリア344cの第1エリアに記憶されている保留情報を実行エリアSAEに移すとともに、第2エリア~第4エリアに記憶されている保留情報を下位エリア側に順にシフトさせる。この際、表示態様記憶エリア344eの各エリアに記憶されている表示態様の情報についても下位エリア側に順にシフトさせる。
また、シフト処理では、表示画面Gの保留表示部200における保留用画像の表示位置を下位側の単位保留表示領域に変更するように表示制御装置350を制御する。当該制御前の状態として、例えば、図40(b1)に示すように、第1保留表示領域Gaの第1単位保留表示領域Ga1及び第2単位保留表示領域Ga2に保留用画像が表示されている場合には、当該制御により、図40(b2)に示すように、それら保留用画像の表示位置が実行表示領域D及び第1単位保留表示領域Ga1に変更される。なお、ステップS1701の保留予告の第1実行用処理において保留用画像の表示態様を変化させる設定がなされている場合は、表示位置の変更と表示態様の変更とが併せて行われる。
<特図変動表示用処理>
ステップS1305(図30)の特図変動表示用処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1801では、遊技回の実行中であるか否かを判定する。具体的には、第1特図又は第2特図のいずれかの遊技回の実行中であるか否かを判定する。いずれの遊技回も実行中でない場合は、ステップS1802に進み、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。変動開始コマンドには、主制御装置162における変動表示時間の設定処理(図24)で抽選された変動パターンの情報が含まれる。
この変動パターンの情報を参照することで、主制御装置162にて表示制御される特図用表示部43での特図遊技回がいずれの変動表示時間で行われるのかを把握することができる。また、既に説明したように、大当たり用の変動パターンと外れ用の変動パターンとが各別に設定されるため、変動パターンから当否判定の結果を判別することもできる。
変動開始コマンドを受信していない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、変動開始コマンドを受信している場合は、ステップS1803に進み、遊技回用の演出を開始させるための変動開始用処理を実行し、その後、特図変動表示用処理を終了する。
変動開始用処理では、主制御装置162からの変動開始コマンドを解析し、今回の特図遊技回に関する変動パターンを特定する。さらに特定した変動パターンに基づいて今回の特図遊技回における変動表示時間を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、各変動パターンと対応付けて変動表示時間が定められた演出パターンテーブルが記憶されている。演出パターンテーブルで定められる変動表示時間は、主制御装置162において各変動パターン(図14)が対応する変動表示時間に対応しており、演出制御装置143と主制御装置162とでは、1つの変動パターンに対して共通の変動表示時間が割り当てられている。例えば、変動パターンが変動パターン1Aである場合、それに対応する変動表示時間は、演出制御装置143及び主制御装置162のいずれも15secとなる。変動開始用処理では、演出パターンテーブルを参照して変動開始コマンドから解析した変動パターンに対応する変動表示時間を特定し、これを今回の特図遊技回の変動表示時間として設定する。
また、演出パターンテーブルには、各変動パターンと対応付けて遊技回演出用の演出パターンが対応付けられている。それら各演出パターンとしては、変動表示時間テーブルの説明の際に述べたノーマルリーチ当たり、SPリーチA当たり、SPリーチB当たり、SPSPリーチA当たり、SPSPリーチB当たり、完全外れ、ノーマルリーチ外れ、SPリーチA外れ、SPリーチB外れ、SPSPリーチA外れ、SPSPリーチB外れが設定されている。変動パターンと演出パターンとの対応関係については、図14を参照して既に述べているため、説明を省略する。変動用開始処理では、演出パターンテーブルを参照して今回の変動パターンに対応する演出パターンを特定し、これを今回の特図遊技回の演出パターンとして設定する。
また、変動開始用処理では、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が大当たりである場合、主制御装置162からの種別コマンドに基づいて大当たり種別を特定する。大当たり種別が確変大当たりである場合は、図柄表示装置75の表示画面Gに表示される図柄列Z1~Z3の停止結果として確変大当たり用の停止結果を設定する。逆に、大当たり種別が通常大当たりである場合は、図柄列Z1~Z3の停止結果として通常大当たり用の停止結果を設定する。これらの場合、大当たり用の停止結果が停止表示される有効ラインL1~L5は抽選等によってランダムに決定される。
また、今回の特図遊技回に関する当否判定の結果が外れである場合は、図柄列Z1~Z3の各停止図柄をランダムに決定する。但し、変動パターンに対応する演出パターンがリーチ演出を行うものである場合は、抽選で決定した有効ラインL1~L5にリーチが形成されるように各停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ラインL1~L5上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として設定する。
変動開始用処理では、上記各処理を実行した後、表示制御装置350への出力対象として、今回の停止図柄の情報や演出パターンの情報を含むコマンドを設定する。表示制御装置350では、受信したコマンドに従い、演出制御装置143にて決定された停止結果で各図柄列Z1~Z3の図柄が停止したり、演出制御装置143にて決定された演出パターンで遊技回演出が行われたりするように図柄表示装置75を制御する。
ステップS1801で肯定判定した場合(遊技回の実行中である場合)は、ステップS1804に進み、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合は、今回の特図遊技回において変動表示時間が未経過の状態であることを意味する。この場合は、ステップS1805にて、変動中用処理を実行する。変動中用処理では、変動開始用処理により開始された図柄列Z1~Z3の変動表示を継続したり、各図柄列Z1~Z3の図柄を順番に仮停止表示させたり、各リーチ演出を実行したりするための処理を実行する。
ステップS1806では、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップS1807にて保留予告の第1実行用処理を実行する。この処理は、保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像について、その表示態様を当該保留情報の遊技回の実行中に変化させるためのものである。本ステップの処理は、ステップS1404(図31)の保留予告の第1実行用処理(図38(a))と基本的に同じである。
図38(a)を援用して説明すると、ステップS1807の保留予告の第1実行用処理では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されており、保留予告演出を実行すべき状況である場合は、ステップS1602にて、保留予告演出の契機となった保留情報に対応する保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)について、表示態様の変更タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップS1513(図34)で設定した保留予告演出の演出シナリオの設定結果に基づいて行う。
表示態様の変更タイミングである場合は、ステップS1603にて変化示唆演出を実行するか否かの実行抽選を行い、その抽選に当選した場合は、ステップS1605にて、図柄表示装置75の表示画面Gにて変化示唆演出が実行されるように設定する。ステップS1605の実行後又はステップS1604で否定判定した場合(変化示唆演出の実行抽選に非当選となった場合)は、ステップS1606に進み、演出シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様を把握する。
ステップS1607では、保留用画像の表示態様をステップS1606で把握した表示態様に変更するように設定する。これにより、遊技回中の所定の保留変化ポイントにて保留用画像の表示態様が演出シナリオの設定結果により定められる表示態様に変更される。続くステップS1608では、RAM344の表示態様記憶エリア344eにおける実行表示領域Dに対応するエリアに変更後の表示態様の情報を記憶する。
特図変動表示用処理(図41)の説明に戻り、ステップS1807の処理を実行した後は、ステップS1808にて保留予告の第3実行用処理を実行する。この処理は、ステップS1307(図30)の演出モード切替用処理と関連するため、当該切替用処理について説明した後に詳述する。ステップS1808の実行後は特図変動表示用処理を終了する。
ステップS1804で肯定判定した場合(変動終了コマンドを受信している場合)は、変動表示時間が経過したことを意味する。この場合はステップS1809に進み、変動用終了用処理を実行する。変動終了用処理では、各図柄列Z1~Z3の変動表示や実行されている演出を終了させる(各図柄列Z1~Z3の図柄を確定停止させる)。
ステップS1810では、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。一方、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップS1811にて、各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグ又は復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグの詳細については後述する。
保留予告フラグ又は復帰用待機フラグのいずれかが格納されている場合は、ステップS1812にて格納されているフラグを消去する。ステップS1812の実行後又はステップS1811で否定判定した場合(保留予告フラグと復帰用待機フラグのいずれも格納されていない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
なお、本実施の形態では、主制御装置162から変動終了コマンドを受信したか否かに基づいて変動表示時間が経過したか否かを判定する構成としたが、演出制御装置143において変動開始時に送信される変動開始コマンドから変動表示時間を把握できるため、その把握した変動表示時間に基づき、実行中の遊技回に係る変動表示時間が経過したか否かを判定する構成としてもよい。この場合、主制御装置162から変動終了コマンドを送信しない構成としてもよい。
<演出モード切替用処理>
ステップS1307(図30)の演出モード切替用処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。演出モード切替用処理は、既に説明した演出モードAと演出モードBの切り替えを行うためのものである。
先ずステップS1901では、演出モード切替の有効期間中であるか否かを判定する。本実施の形態では、特図遊技回においてSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が実行されている期間や、開閉実行モードが実行されている期間を演出モードを切り替えることができない無効期間としており、それ以外の期間は、特図遊技回の実行中も含めて演出モード切替の有効期間となっている。ステップS1901では、現在のタイミングが上記有効期間に属するものであるか否かを判定する。演出モード切替の有効期間中でない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
演出モード切替の有効期間中である場合は、ステップS1902に進み、演出用操作部36にて演出モードを切り替えるための所定操作が行われたか否かを判定する。所定操作が行われていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
所定操作が行われた場合は、ステップS1903に進み、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。なお、演出モードの切り替えは、上記所定操作が行われたタイミングに合わせて行ってもよいし、次の特図遊技回が開始されるタイミングに合わせて行ってもよい。
ステップS1904では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットする。本実施の形態では、演出モードA及び演出モードBにそれぞれ対応するフラグとしてモードAフラグ及びモードBフラグを設けており、例えば、演出モードAから演出モードBに演出モードを切り替える場合は、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されているモードAフラグを消去するとともに、モードBフラグを当該各種フラグ格納エリア344dに格納する。
ステップS1905では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグについては後述する。
復帰用待機フラグが格納されていない場合は、ステップS1906に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
一方、保留予告フラグが格納されている場合、すなわち、保留予告演出の実行中又はその待機状態である場合は、ステップS1907に進み、当該保留予告フラグを消去する。これにより、モード切替前において保留予告演出が実行されていた場合は、当該保留予告演出の継続がキャンセルされる。また、保留予告演出の待機状態であった場合は、待機中であった保留予告演出の実行がキャンセルされる。
ステップS1908では、保留予告演出の実行中であるか否か、すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。特定表示態様で表示されている保留用画像が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
一方、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合(保留予告演出の実行中である場合)は、ステップS1909に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。復帰用エリア344fでは、各特図の保留表示領域Ga1~Ga4,Gb1~Gb4及び実行表示領域Dに対応させてエリアが設定されており、各エリアに保留用画像の表示態様を記憶することが可能となっている。
ステップS1909では、その時点で表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報を復帰用エリア344fにも記憶する。このため、ステップS1909の処理時点では、表示態様記憶エリア344eと復帰用エリア344fとに同じ情報が記憶されている状態となる。
なお、表示態様の情報としては、表示態様を示す識別情報であってもよいし、表示色を示す識別情報であってもよい。要は、復帰用エリア344fに記憶された情報から保留用画像の表示態様を特定できるものであれば足り、保留用画像の表示態様に対応するものであればよい。
上記処理により、演出モードの切り替え後に復帰用エリア344fを参照することで、演出モードの切り替え前においていずれの保留用画像がどの表示態様で表示されていたのかを把握することができる。なお、復帰用エリア344fに表示態様の情報が記憶されている状態でシフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップS1704のシフト処理を実行する場合は、表示態様記憶エリア344eだけでなく、復帰用エリア344fの各エリアに記憶されている表示態様の情報についても下位エリア側に順にシフトさせる。
ステップS1910では、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が演出モードの切り替えに伴い、通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。なお、通常表示態様HMaへの切り替えは、演出モードの切り替えタイミングに合わせて行う。例えば、上記所定操作が行われたタイミングで演出モードが切り替わる場合は、そのタイミングで保留用画像が通常表示態様HMaに切り替わり、次の特図遊技回の開始タイミングで演出モードが切り替わる場合は、そのタイミングで保留用画像が通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。
また、ステップS1910の解除処理では、表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報をクリアする処理を実行する。このため、ステップS1910の処理時点では、復帰用エリア344fにのみ表示態様の情報が記憶されている状態となる。さらに、ステップS1910の解除処理では、保留予告用の設定処理(図34)のステップS1513で設定された演出シナリオデータについても消去する処理を実行する。
なお、本実施の形態では、演出モードが切り替えられた場合に、取得済みの保留情報、換言すれば、保留予告演出の実行抽選(図34の保留予告用の設定処理)が既に行われている保留情報について、再度の実行抽選を制限する構成としている。具体的には、改めて保留予告演出の実行抽選を行うことはせず、同一の保留情報(保留用画像)について演出モードの切り替え前と切り替え後で重複して実行抽選が行われないようにしている。
ステップS1911では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。本実施の形態では、演出モードの切り替え後、再び元の演出モードに切り替えられた場合に、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるように構成されている。復帰用待機フラグは、その復帰処理を待機している状態であることを示すフラグである。ステップS1911の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップS1905で肯定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されている場合)は、ステップS1912に進み、復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。ここで、ステップS1905で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で最初の演出モード切替が行われ、その後、モード切替の操作が再度行われた結果、元の演出モードに戻った状況であることを意味する。例えば、いずれかの保留用画像が特定表示態様で表示されている状況で演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替えられ、その後、再び演出モードAに切り替えられた状況である。その際、先のモード切り替え(演出モードAから演出モードBへの切り替え)に際しては、保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされた上で保留予告演出がキャンセルされるため、演出モードAで特定表示態様で表示されていた保留用画像は、演出モードBへの滞在中、通常表示態様HMaで表示され続けることになる。
なお、演出モードBへの切り替え後、演出モードAへの切り替え前に、その保留用画像(保留情報)の遊技回が終了することもある。この場合は、特図変動表示用処理(図41)のステップS1811、ステップS1812で復帰用待機フラグが消去されるため、上記ステップS1905で否定判定することになる。
ステップS1912の実行後はステップS1913にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。その後、演出モード切替用処理を終了する。
<演出モードの切り替えによる保留用画像の表示態様の変更について>
既に説明したように、本実施の形態では、保留用画像が特定表示態様で表示されている状況で、演出モードが切り替わった場合に、その保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaに変更され、保留予告演出が解除されるように構成されている。この場合、背景画像401だけでなく、保留表示部200も含めて表示状態が切り替わることで、遊技者から見て演出モードの変更を分かりやすくすることができる。
また、演出モードの切り替えが単なる表示映像の変更に留まる場合は、遊技者に対して各モードの違いを印象付けにくくなるが、本実施の形態であれば、モード間で保留予告演出の実行頻度を異ならせるため、演出モードの違いを際立たせることができる。但し、保留予告演出の実行頻度がモード間で異なる構成では、保留予告演出が行われている保留用画像の表示態様が同じであっても、当該表示態様により示唆される大当たり期待度が演出モードの種別によって相違することがある。このため、モード切替前の表示態様をモード切替後も維持すると、その保留情報の実際の期待度は切替前の演出モードに対応するにもかかわらず、あたかも切替後の演出モードに対応する期待度を示唆するかの如く表示されてしまうため、保留予告演出により示唆される期待度と実際の期待度との不整合が生じる懸念がある。この点、演出モードの切り替えに伴い保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、そのような期待度の不整合を好適に回避することができる。
このように、演出モードの切り替えに応じて保留予告演出の実行を解除することで、演出モードの変更を分かりやすくしたり、保留予告演出により示唆される期待度の不整合を回避したりすることができるが、その反面、遊技者によっては、保留予告演出が解除されたことで、その保留予告演出により示唆されていたチャンスまで消失してしまったと誤解し、落胆を招く懸念がある。
そこで、本実施の形態では、ステップS1913の予告復帰用の設定処理、ステップS1702の保留予告の第2実行用処理及びステップS1808の保留予告の第3実行用処理を設け、演出モードの切り替え後、再度の切り替えにより元の演出モードに戻った場合に、保留用画像の表示態様を復帰させるように構成している。以下、上記各ステップの処理について詳細に説明する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップS1913の予告復帰用の設定処理について図43のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2101では、各保留表示領域Ga,Gb及び実行表示領域Dに表示されている保留用画像について、特定表示態様が解除されて通常表示態様HMaとされる前の表示状況を把握する。例えば、第1特図用の4番目の保留用画像(第4単位保留表示領域Ga4の保留用画像)が青色表示態様HMbで表示されている状況で演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替えられ、その後、再び演出モードAに切り替えられた場合は、その保留用画像について青色表示態様HMbで表示されていたことを把握する。
その際、演出モードAから演出モードBへの切り替え後、遊技回の消化が進んで保留用画像が下位エリア側にシフトされている場合は、モード切替時に第4単位保留表示領域Ga4に表示されていた保留用画像に対応する保留用画像について、解除処理前に青色表示態様HMbで表示されていた旨を把握する。例えば、演出モードBへの切り替え後に2回の遊技回が消化されている場合は、第2単位保留表示領域Ga2に表示されている保留用画像について、モード切替時に青色表示態様HMbで表示されていたと把握する。この把握は、RAM344の復帰用エリア344fを参照して行う。
ステップS2102では、特定表示態様で表示されていた保留用画像(対象保留用画像)の遊技回を実行中であるか否かを判定する。すなわち、演出モードAから演出モードBへの切り替え後、遊技回が消化されて対象保留用画像の遊技回まで遊技が進んでいるか否かを判定する。遊技回の実行中でない場合は、ステップS2103に進み、対象保留用画像よりも前の保留情報の数(保留個数)を把握する。例えば、対象保留用画像が3番目の保留情報である場合は、それよりも前の保留個数として2個を把握する。なお、遊技回を実行中の保留情報については保留個数の対象としない。また、保留個数の把握は、第1特図と第2特図とで各別に行う。
ステップS2104では、上記ステップS2103で把握した保留個数が所定数(例えば1個)以上であるか否かを判定する。所定数以上である場合は、ステップS2105に進み、復帰シナリオの抽選処理を実行する。復帰シナリオは、対象保留用画像をいずれのシフトタイミングで元の特定表示態様に戻すかを定めるものである。
ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには、保留個数と元の特定表示態様とに対応させて、いずれのタイミングで保留用画像の表示態様を元に戻すかが定められた復帰シナリオテーブルが記憶されている。復帰シナリオテーブルでは、例えば、保留個数が2個である場合に対応させて、表示態様の復帰タイミングとして1回目のシフト時(第2単位保留表示領域Ga2へのシフト)と2回目のシフト時(第1単位保留表示領域Ga1へのシフト時)と3回目のシフト時(実行表示領域Dへのシフト時)を選択可能となっている。
また、復帰シナリオテーブルでは、元の表示態様が青色表示態様HMbよりも上位の特定表示態様である場合、通常表示態様HMaから直接元の特定表示態様に戻すのか、段階的に元の特定表示態様に戻すのかについても選択可能となっている。よって、1回の保留変化表示により解除前の特定表示態様に復帰する場合もあれば、複数回の保留変化表示を経て解除前の特定表示態様に復帰する場合もあるようになっている。
ステップS2105では、上記の復帰シナリオテーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留用画像における表示態様の復帰タイミング及び復帰態様を抽選する。
ステップS2105の実行後又はステップS2104で否定判定した場合(保留個数が1個未満である場合)は、ステップS2106にて復帰シナリオの設定処理を行う。ステップS2105で復帰シナリオの抽選処理を行った場合は、その抽選された復帰シナリオにて保留用画像の表示態様を復帰させるように設定し、保留用個数が1個未満である場合は、実行表示領域Dへのシフト時に保留用画像の表示態様を復帰させるように設定する。
ステップS2106の実行後又はステップS2102で肯定判定した場合(対象保留用画像の遊技回の実行中である場合)は、ステップS2107にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。ステップS2107の実行後は、予告復帰用の設定処理を終了する。
<保留予告の第2実行用処理>
ステップS1702(図40(a))の保留予告の第2実行用処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、シフト時コマンド対応処理の一環として行われるものであり、換言すれば、保留用画像のシフトタイミングにて実行される処理である。
先ずステップS2201では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグが格納されているか否かを判定する。予告復帰フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第2実行用処理を終了する。
予告復帰フラグが格納されている場合は、ステップS2202に進み、上記予告復帰用の設定処理におけるステップS2106で設定した復帰シナリオを把握する。ステップS2203では、ステップS2202で把握した復帰シナリオの設定結果に基づいて、今回のシフトタイミングが対象保留用画像の表示態様の復帰タイミングであるか否かを判定する。復帰タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第2実行用処理を終了する。
復帰タイミングである場合は、ステップS2204に進み、復帰シナリオの設定結果に基づいて変更先の表示態様を把握する。例えば、対象保留用画像の解除前の表示態様が緑色表示態様HMcである場合において、復帰シナリオにより定められた表示態様が緑色表示態様HMcである場合は、変更先の表示態様として緑色表示態様HMcを把握する。また、復帰シナリオにより定められた表示態様が緑色表示態様HMcへの前段階である青色表示態様HMbである場合は、変更先の表示態様として青色表示態様HMbを把握する。
ステップS2205では、対象保留用画像の表示態様をステップS2204で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、表示態様を変更する保留用画像を示す情報と、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報とを含ませるようにして、今回のシフトタイミングで保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。ステップS2205の実行後は、保留予告の第2実行用処理を終了する。
<保留予告の第3実行用処理>
ステップS1808(図41)の保留予告の第3実行用処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、特図変動表示用処理の一環として行われるものであり、換言すれば、遊技回の実行中に行われる処理である。
先ずステップS2301では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグが格納されているか否かを判定する。予告復帰フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
予告復帰フラグが格納されている場合は、ステップS2302に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグが格納されているか否かを判定する。昇格フラグについては後述する。
昇格フラグが格納されていない場合は、ステップS2303に進み、対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaであるか否かを判定する。なお、対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaである場合とは、対象保留用画像の遊技回の実行中に元の演出モードへの切り替え操作が行われた場合である。
現在の表示態様が通常表示態様HMaである場合は、ステップS2304に進み、進行中の遊技回において保留変化ポイントが残存しているか否かを判定する。例えば、対象保留用画像の遊技回の終盤で演出モードが変更された場合など、保留変化ポイントが残存していない状況である場合は、ステップS2314に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている予告復帰フラグを消去する。これにより、保留予告演出の復帰処理がキャンセルされ、その遊技回において対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)が通常表示態様HMaで表示され続ける。
保留変化ポイントが残存している場合は、ステップS2305にて、RAM344の復帰用エリア344fを参照して対象保留用画像における解除前の特定表示態様を把握し、これを変更先の表示態様として把握する。ステップS2306では、保留用画像の表示態様をステップS2305で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、どの表示態様(表示色)に変更するかを示す情報を含ませるようにして保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。これにより、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様が直近の保留変化ポイントにて解除前の特定表示態様に変更(復帰)される。
ステップS2306の実行後又はステップS2303で否定判定した場合(対象保留用画像における現在の表示態様が通常表示態様HMaでない場合)は、ステップS2307にて上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグが格納されているか否かを判定する。なお、対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)における現在の表示態様が通常表示態様HMaでない場合とは、当該保留用画像の表示態様が既に解除前の特定表示態様に変更されている状況である。
ステップS2307で判定済みフラグが格納されていると判定した場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。一方、判定済みフラグが格納されていない場合は、ステップS2308にて保留予告の昇格用処理を実行する。
ここで、ステップS2308の保留予告の昇格用処理について図46のフローチャートを参照しながら説明する。
昇格用処理では、先ずステップS2401にて、対象保留用画像の変動パターンを把握する。この把握は、対象保留用画像の遊技回(実行中の遊技回)の開始時に主制御装置162から送信された変動開始コマンド(図23のステップS712)に基づいて行う。
ステップS2402では、ステップS2401で把握した変動パターンと、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格判定用テーブルとに基づいて保留予告演出の昇格判定を行う。昇格判定は、対象保留用画像(実行表示領域Dに表示されている保留用画像)の表示態様をさらに上位の特定表示態様(解除前の表示態様よりも上位の表示態様)に変更することが可能か否かを判定するものである。
図47に示すように、昇格判定用テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン5Hであれば、赤色表示態様HMdまでの変更が許容されている。ちなみに大当たりに対応する各変動パターンの場合は、変動パターン1A~変動パターン5Aのいずれにおいても虹色表示態様HMeまでの変更が許容されている。
なお、昇格判定用テーブルは、図47に示す構成に限定されるものではなく、例えば、大当たりに対応する各変動パターンで上限表示態様が異なるなど、他の構成であってもよい。要は、その遊技回(変動パターン)の大当たり期待度に対応するように(換言すれば、大当たり期待度と整合するように)上限表示態様が定められるものであればよい。
ステップS2402では、上記昇格判定用テーブルを参照してステップS2401で把握した変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、対象保留用画像の現在の表示態様がその特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定する。その結果、現在の表示態様が上限表示態様よりも下位の表示態様である場合は表示態様の昇格を許容し、そうでない場合は昇格を不可とする。なお、上記ステップS2306で表示態様の変更設定を行っている場合は、その変更後の表示態様を対象として上記特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて昇格の可否を判定する。
ステップS2402の実行後はステップS2403にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグをセットする。判定済みフラグは昇格判定を実行済みであることをMPU342が把握するためのものであり、換言すれば、昇格判定の重複実施を回避するためのものである。
ステップS2404では、上記ステップS2402の昇格判定の結果が表示態様の昇格を許容するものであるか否かを判定する。昇格を許容しない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップS2314(図45)に進み、予告復帰フラグを消去して保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格を許容する場合は、ステップS2405に進み、昇格シナリオの抽選処理を実行する。昇格シナリオは、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像について、いずれのタイミング(保留変化ポイント)でいずれの表示態様に変更するかを定めるものである。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには昇格シナリオを抽選するための昇格シナリオ抽選テーブルが記憶されており、この昇格シナリオ抽選テーブルでは、昇格演出を実行するか否かを抽選するための実行抽選用の情報のほか、保留予告演出の各上限表示態様に対応させて複数種類の昇格シナリオが設定されている。ステップS2405では、上記昇格シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づき、表示態様を昇格させるか否かの実行抽選と、昇格させる場合のシナリオ抽選とを行う。
ステップS2406では、ステップS2405の抽選処理の結果が表示態様を昇格させるものであるか否かを判定する。昇格させない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップS2314(図45)に進み、予告復帰フラグを消去して保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格させる場合は、ステップS2407に進み、ステップS2405で抽選された昇格シナリオが実行されるように昇格シナリオデータを設定する。ステップS2407の実行後はステップS2408~ステップS2410において、変化示唆演出に関する処理を実行する。これらの処理は、保留予告の第1実行用処理(図38(a))におけるステップS1603~ステップS1605と同様のものであるため、説明を省略する。
ステップS2410の実行後又はステップS2409で否定判定した場合は、ステップS2411にて上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグをセットし、その後、保留予告の昇格用処理を終了する。昇格フラグは、対象保留用画像の表示態様を昇格すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
保留予告の第3実行用処理(図45)の説明に戻り、ステップS2308の保留予告の昇格用処理を実行した後は、保留予告の第3実行用処理を終了する。
上記ステップS2302で肯定判定した場合(昇格フラグが格納されている場合)は、ステップS2309に進み、表示態様の昇格タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップS2407における昇格シナリオの設定結果に基づいて行う。昇格タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
昇格タイミングである場合は、ステップS2310に進み、昇格シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様(上位の表示態様)を把握する。続くステップS2311では、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様をステップS2310で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの表示態様に変更するかを示す情報を含ませるようにして、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。
ステップS2312では、上記ステップS2310で把握した表示態様又は上記ステップS2311で変更先として設定した表示態様が昇格演出における最終表示態様であるか否かを判定する。例えば、複数回の変更処理により表示態様を多段的に昇格させるように昇格シナリオが設定されている場合において、今回の変更処理がその途中段階での処理である場合は、最終表示態様でないとして本ステップを否定判定し、そのまま保留予告の第3実行用処理を終了する。
最終表示態様である場合は、ステップS2313にて上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている昇格フラグを消去する。続くステップS2314では、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている予告復帰フラグを消去し、その後、保留予告の第3実行用処理を終了する。
<演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて>
演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて図48~図50を参照しながら説明する。
第1特図用の保留情報が3個取得されている状態で第1作動口62への入賞が発生し、4個目の保留情報(保留用画像HW)が取得されると、主制御装置162では、当該取得した保留情報に対する保留先読み処理(ステップS305)を実行する。ここでは、その結果として、当否判定が外れであり、変動パターンが変動パターン6H(SPSPリーチB外れ)である結果が先読みされたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162での先読み結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップS1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。それらの抽選の結果、最終表示態様として赤色表示態様HMdが選択され、演出シナリオとして表示当初は緑色表示態様HMcで表示し、後のシフトタイミングで赤色表示態様HMdに変更するシナリオが選択されたものとする。この場合、図48(a)に示すように、第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが表示される。
その後、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。その際、図48(b)に示すように、演出モードAにおいて緑色表示態様HMcとされていた保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。この場合、演出制御装置143では、モード切替前における保留用画像HWの表示態様(緑色表示態様HMc)を示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。なお、図48(b)には、保留用画像HWの保留情報が取得された遊技回の途中で演出モードが切り替わった場合を示している。
次の遊技回にて再びモード切替操作が行われ、演出モードが演出モードBから演出モードAに切り替わると、演出制御装置143では、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて予告復帰用の設定処理(ステップS1913)を実行し、元の表示態様(緑色表示態様HMc)の把握、復帰シナリオの抽選等を行う。シナリオ抽選の結果、最初は通常表示態様HMaで表示し、その後の変更タイミングで元の表示態様である緑色表示態様HMcに変更するシナリオが選択されたものとする。
この場合、図49(a)に示すように、演出モードAへの切り替え時点では、表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で保留用画像HWが表示される。そして、上記選択された復帰シナリオが保留用画像HWの表示態様を次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに変更し、さらに次のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに変更するものであった場合、図49(b)に示すように、保留用画像HWが第2単位保留表示領域Ga2までシフトされたタイミングで、当該保留用画像HWの表示態様が元の緑色表示態様HMcに戻される。これにより、演出モードBへの切り替わり時に通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示態様が演出モードBへの切り替わり前の表示態様に戻される。
なお、演出モードBから演出モードAへの切り替え後、保留用画像HWの遊技回が開始されるまでは、保留用画像の表示態様の変化(ランクアップ)を示唆する変化示唆演出(図39)の実行抽選が行われない。このため、上記青色表示態様HMbへの変更、緑色表示態様HMcへの変更に際しては変化示唆演出が行われない。
そして、図50(a)に示すように、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップS1808)を実行し、保留用画像HWの変動パターンの把握、その把握した変動パターンに対応する上限表示態様の把握、上位の表示態様への昇格判定等を行う。
保留用画像HWの変動パターンは変動パターン6Hであり、この場合の上限表示態様は赤色表示態様HMdであるため(図47)、昇格判定では、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)が上限表示態様より下位の態様であることに基づいて表示態様の昇格が許容される。その結果、図50(b)に示すように、保留用画像HWの遊技回における所定の保留変化ポイントにて、実行表示領域Dに表示されている保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMd、すなわち、元の表示態様より上位の態様に変更される。その際、変化示唆演出の実行抽選に当選した場合は、変化示唆演出が行われた上で、赤色表示態様HMdへの変更が行われる。
赤色表示態様HMdは、当該保留用画像の遊技回でSPSPリーチ演出が行われることを示唆するものである。ここで、保留用画像HWの変動パターンは、SPSPリーチB外れ演出に対応する変動パターン6Hであるため、保留用画像HWの遊技回ではSPSPリーチB演出が行われることになり、保留用画像HWによる示唆と実際の遊技回演出とが整合する。
なお、演出モードAから演出モードBへの切り替わり後、演出モードAへの再切り替わりが行われないまま、保留用画像HWの遊技回が終了する場合もある。この場合は、保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に復帰することなく、通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
演出モードの切り替えにより保留予告演出の実行が解除され、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaとされた場合、その後、元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、保留予告演出(保留用画像を特定表示態様とする演出)の実行中に演出モードが切り替えられることで、保留予告演出の実行を解除した場合、当該演出により報知又は示唆されていた期待度まで消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。この場合、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限することが考えられるが、演出モードの切り替え頻度が低下する事態を招き、複数種類の演出モードを設けた意義が損なわれるおそれがある。
この点、本構成では、演出モードの切り替えにより保留予告演出の実行が解除され、その状態で元の演出モードへの再切り換えが行われた場合、通常表示態様HMaに変更された対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させるようにしたため、期待度を改めて報知等することができる。これにより、期待度が消失していないことを遊技者に知らせることができ、演出モードの切り替えに制約を生じさせることなく、保留予告演出を実行することができる。つまり、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
保留予告演出が行われた場合の保留用画像の報知態様に対応する情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶可能とし、元の演出モードに移行した場合、RAM344の復帰用エリア344fに基づいて対象保留用画像HWの報知態様を設定する構成とした。これにより、元の演出モードに移行した場合に、通常表示態様HMaとされた保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に好適に復帰させることが可能になる。
上記設定の際、対象保留用画像について行われた保留先読み処理の結果にかかわらず、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。
例えば、演出モードAから演出モードBに移行し、その後、演出モードAに移行した場合において、対象保留用画像HWの表示態様を先の演出モードAで行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、先の演出モードAでの表示態様とは異なる態様に設定されることが想定される。この場合、後の演出モードAにおける対象保留用画像HWの表示態様が先の演出モードAでの表示態様と一致しないため、遊技者からすると、解除された保留予告演出が復帰されたことが分かりにくい。特に、保留用画像の表示態様を段階的に変化させ得る構成では、同じ先読み結果であっても、演出モードの切替タイミングによって切り替え時における保留用画像(保留予告演出)の表示態様に差異が生じ得るため、保留先読み処理の結果に基づいて後の演出モードAでの表示態様を設定すると、先の演出モードAでの表示態様とは異なる態様が設定されやすくなる。
この点、本構成では、保留先読み処理の結果ではなく、復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて表示態様を設定するため、後の演出モードAに移行した場合に、先の演出モードAで実際に表示された表示態様と同じ態様に設定することができる。これにより、先の演出モードAでの表示態様と後の演出モードBでの表示態様とを好適に整合させることができ、遊技者から見て表示態様(保留予告演出)が復帰したと認識させやすくすることが可能になる。
後の演出モードAへの移行により対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaから元の特定表示態様に変更するための演出シナリオ(復帰シナリオ)を再設定する構成とした。
後の演出モードAにて対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させる場合において、その直前の演出モードBでの滞在期間の長短により、後の演出モードAに切り替わってから対象保留用画像HWの遊技回が終了するまでの期間、すなわち、対象保留用画像HWが表示され続ける残存期間が変動することが想定される。この点、本構成では、対象保留用画像HWを元の特定表示態様に復帰させる場合に演出シナリオが再設定されるため、上記残存期間が変動する中でも対象保留用画像HWを元の特定表示態様に好適に変更することができる。
上記の際、対象保留用画像HWの前の保留数を把握し、その結果に基づいて演出シナリオを再設定する構成とした。
この場合、上記残存期間を適切に把握した上で演出シナリオを再設定することができ、演出モードBでの滞在期間にかかわらず、対象保留用画像HWを元の特定表示態様に好適に変更することができる。
後の演出モードAで対象保留用画像HWを元の特定表示態様とした後、それよりも上位の特定表示態様に昇格させることが可能な構成とした。
この場合、後の演出モードAでの表示態様(示唆される期待度)の範囲が先の演出モードAでの表示態様までに制限され、示唆可能な期待度の範囲が狭くなることを抑制できる。その際、いきなり上位の特定表示態様とすると、先の演出モードAでなされていた保留予告演出との対応関係が分かりにくく、演出が分かりにくくなるおそれがある。この点、本構成では、一旦元の特定表示態様としてから上位の表示態様に変更することが可能であるため、対象保留用画像HWの表示態様が復帰した(解除された保留予告演出が復帰した)と分かりやすくすることができ、遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
上記の際、対象保留用画像HWの表示態様をいたずらに昇格させるのではなく、対象保留用画像HWの変動パターンに基づいて上位の表示態様に昇格させるか否かの昇格判定を行い、その結果に基づいて上位態様とするか否かを振り分ける構成とした。これにより、対象保留用画像HWの遊技回にて実際に行われる遊技回演出(リーチ演出等)と整合させながら対象保留用画像HWの表示態様を昇格させることが可能になる。
保留用画像の表示態様が上位の態様に変化することを示唆する変化示唆演出を実行可能とするとともに、元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合には、当該変化示唆演出の実行を制限する構成とした。
変化示唆演出により上位の表示態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用画像への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、先の演出モードAで対象保留用画像HWが緑色表示態様HMcとされ、後の演出モードAにおいて通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更する場合に変化示唆演出を行うと、実際には元の特定表示態様に戻るだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する先の演出モードAでの特定表示態様(緑色表示態様HMc)を基準として上位の表示態様(赤色表示態様HMdや虹色表示態様HMe)を連想してしまうことが想定される。この場合、対象保留用画像HWにおける実際の表示態様(緑色表示態様HMc)が遊技者の連想する態様より下位の表示態様となるため、遊技者に不愉快な印象を与えるおそれがある。この点、本構成では、上位の表示態様への変更に該当するものであっても、先の演出モードAでの表示態様に戻すだけの場合は、変化示唆演出を不実行とするため、実際の表示態様よりも上位の態様を遊技者が連想することを抑制することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様としたまま(実行中の保留予告演出を継続した状態)で演出モードを切り替えると、対象保留用画像HWにより示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、演出モードの切り替えに伴い保留予告演出の実行を解除することで、そのような期待度の不整合を抑制することができるが、今度は、特定表示態様により示唆されていた期待度までが消失してしまったとの誤解や不安を遊技者に与える懸念が生じる。このような構成に対し、本実施の形態(元の演出モードに移行することで、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成等)を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、特定表示態様とされた保留用画像が存在する状態で、例えば、演出モードAと演出モードBの一方から他方への切り替えが行われた場合、その切替前における保留用画像の表示態様が記憶されるとともに、その保留用画像の表示態様が通常表示態様に変更される。その後、その保留用画像の遊技回が終了する前に再び元の演出モード(一方の演出モード)への切り替えが行われると、先の切り替え(他方の演出モードへの切り替え)時に記憶された表示態様の情報に基づいて、その保留用画像の表示態様の復帰処理が行われ、元の特定表示態様に変更されたり、それよりも上位の特定表示態様に変更されたりする。
先の切り替えが行われてから後の切り替え(元の演出モードへの再切り替え)が行われるまでの間、すなわち、表示態様の復帰処理が待機されている期間では、遊技者によって遊技が行われているため、新たな保留情報が発生し得る。本実施の形態では、この新たな保留情報に対する保留予告演出の取り扱いが上記第1の実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態について図51~図55を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
<保留コマンド対応処理>
本実施の形態に係る保留コマンド対応処理について図51のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143において保留コマンドを受信した場合(保留情報が発生した場合)に実行されるものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図51において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントすると、ステップS2601にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグは、復帰処理(保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に戻すための処理)を待機している状態であることをMPU342が把握するためのものであり、復帰処理の待機期間において各種フラグ格納エリア344dに格納される。復帰処理の待機期間には、演出モードAと演出モードBの一方から他方への切り替えが行われてから元の演出モードに再切り替えされるまでの期間(他方の演出モードへの滞在期間)のほか、他方の演出モードに切り替えられてから、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、対象の保留用画像(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回が終了するまでの期間がある。
ステップS2601で否定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されていない場合)は、ステップS1403に進み、保留予告用の設定処理(図34)を実行する。保留予告用の設定処理では、発生した保留情報を対象として保留予告演出を実行するための設定を行う。
ステップS2601で肯定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されている場合)は、ステップS1403の保留予告用の設定処理を実行することなく、ステップS2602に進み、発生した保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。すなわち、本実施の形態では、復帰処理の待機期間中に新たな保留情報が発生した場合、その保留情報についての保留予告演出の実行を制限する構成としている。
なお、その保留情報に対する保留先読み処理については、他の保留情報と同様に、主制御装置162の保留先読み処理(図26)にて行われる。よって、演出制御装置143では、上記のとおり保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに強制設定するものの、変動パターン等の先読み結果については主制御装置162からの保留コマンドにより取得した状態となっている。
ステップS2603では、発生した保留情報に対応させて制限中発生情報を記憶する。制限中発生情報は、制限期間中に発生した保留情報であることを示すものである。ステップS2603の処理は、例えば、RAM344の保留用記憶エリア344cに設けられた第1エリア~第4エリア(図32)に、上記制限中発生情報を変動パターン等の保留情報とともに記憶することで行う。このため、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップS1704のシフト処理を実行した場合、制限中発生情報は保留情報に付随して下位エリア側にシフトされる。これにより、シフト処理が行われて保留用画像の表示エリアがシフトされた場合でも、いずれの保留用画像が制限期間中に発生したものであるかを把握することができる。なお、制限中発生情報は、いずれの保留情報であるかを認識できるようにした上で、保留用記憶エリア344c以外の記憶領域に記憶されてもよい。
ステップS2603の実行後はステップS1405にて、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。上述のように、ステップS2602で表示態様が通常表示態様HMaに設定されているため、制限期間中に発生した保留情報の保留用画像は、通常表示態様HMaにて表示される。
なお、上記ステップS2601で否定判定し(制限期間中でない場合)、ステップS1403の保留予告用の設定処理やステップS1404の保留予告の第1実行用処理を経由してステップS1405に至った場合は、それらの処理で設定された表示態様にて保留用画像が表示される。
<演出モード切替用処理>
本実施の形態に係る演出モード切替用処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップS1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。図52において図42と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1903で演出モードの切替処理を実行した後は、ステップS1904にて切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをセットする。続くステップS1905では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。なお、ステップS1903の切替処理を実行した状況で上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されている状況とは、演出モードの切り替え(先の切り替え)が行われた後、元の演出モードへの再切り替えが行われた状況であることを意味する。逆に復帰用待機フラグが格納されていない状況とは、上記先の切り替えが行われた状況(元の演出モードへの再切り替えについては未だ行われていない状況)であることを意味する。
ステップS1905で復帰用待機フラグが格納されていないと判定した場合(先の切り替えが行われた場合)は、ステップS1906に進み、上記第1の実施の形態と同様にステップS1906~ステップS1911の処理を実行する。
一方、ステップS1905で復帰用待機フラグが格納されていると判定した場合(再切り替えが行われた場合)は、ステップS1912に進み、上記各種フラグ格納エリア344dの復帰用待機フラグを消去する。これにより、保留予告演出の制限状態が解除される。よって、当該解除の後に発生した保留情報については、保留情報の発生時(保留コマンドの受信時)において保留予告演出の設定処理(ステップS1403)等が実行される。
ステップS1913では予告復帰用の設定処理を実行し、続くステップS2701では、制限期間中に発生した保留情報が存在するか否かを判定する。この判定は、保留対応コマンド処理(図51)のステップS2603で記憶した制限中発生情報に基づいて行う。
制限期間中に発生した保留情報が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。一方、制限期間中に発生した保留情報が存在する場合は、ステップS2702にて保留予告用の第2設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。
<保留予告用の第2設定処理>
ステップS2702の保留予告用の第2設定処理について図53のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2801では、制限期間中に発生した保留情報を把握する。すなわち、制限中発生情報に基づき、その時点で存在している保留情報のうちいずれの保留情報が制限期間中に発生した保留情報であるかを特定する。
ステップS2801の処理を実行した後は、把握した制限期間中の発生保留を対象としてステップS2802以降の処理を実行する。なお、ステップS2802以降の処理は、その多くがステップS1403(図51)の保留予告用の設定処理(図34)における各処理と同様のものであるため、共通の処理については説明を簡略化し、異なる処理について詳細に説明する。
ステップS2802~ステップS2804では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して制限期間中の発生保留における変動パターンを把握したり、大当たり当選であるか否かを判定したりする。ステップS2805では、切替後の演出モードを把握する。例えば、再切り替えが演出モードBから演出モードAへの切り替えである場合は、切替後の演出モードとして演出モードAを把握する。
ステップS2806~ステップS2808では、ステップS2805で把握した切替後の演出モードに対応する保留予告実行抽選テーブルを取得し、保留予告演出の実行抽選を行う。当該実行抽選に当選した場合には、ステップS2809~ステップS2814にて、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様を決定したり、最終表示態様を表示するまでの過程(演出シナリオ)を決定したりする。
その際、最終表示態様を抽選するための最終表示態様抽選テーブルや、演出シナリオを抽選するための演出シナリオ抽選テーブルが各演出モードで異なる場合には、ステップS2805で把握した切替後の演出モードに対応するテーブルを取得して抽選を行う。制限期間中の発生保留は切替前の演出モード中に発生したものであるものの、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等については、切替後の演出モードに対して設定された条件を適用し、切替後の演出モードに対応させて行う。
ステップS2815では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の第2設定処理を終了する。このようにして保留予告フラグがセットされた後は、シフト時コマンド対応処理(図38(a))におけるステップS1701の保留予告の第1実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップS1807の保留予告の第1実行用処理にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に変更する処理が実行される。すなわち、モード切替前に発生した保留情報についての保留予告演出が切替後の演出モードにて行われることになる。
<特図変動表示用処理>
本実施の形態に係る特図変動表示用処理について図54のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップS1305で実行されるものであり、図41の特図変動表示用処理に代えて実行されるものである。図54において図41と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本処理は、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、対象の保留用画像(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回が終了した場合への対処として設けられるものである。
ステップS1809で変動終了用処理を実行した後は、ステップS1810にて、今回の特図遊技回が保留予告演出の契機となった保留情報(表示態様の復帰処理の対象となる保留用画像)の遊技回であるか否かを判定する。保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回である場合は、ステップS1811にて、各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグ又は復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグ又は復帰用待機フラグのいずれかが格納されている場合は、ステップS1812にて格納されているフラグを消去する。これにより、上記復帰処理がキャンセルされるとともに、保留予告演出の制限状態が解除される。
ステップS2901では、制限期間中に発生した保留情報が存在するか否かを判定する。制限期間中に発生した保留情報が存在する場合は、ステップS2902に進み、いずれの保留情報が制限期間中に発生した保留情報であるのかを把握する。ステップS2901及びステップS2902の各処理は、保留対応コマンド処理(図51)のステップS2603で記憶した制限中発生情報に基づいて行う。
ステップS2903では、ステップS2902で把握した制限期間中の発生保留を対象として保留予告用の設定処理を実行する。この処理は、ステップS1403(図51)の保留予告用の設定処理(図34)と同様のものであり、現在の演出モードに対応させて保留予告演出を実行するための設定処理を行うものとなる。
すなわち、元の演出モードへの再切り替えが行われることなく、制限状態が解除された場合は、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等について、その時点で滞在している演出モードに対して設定された条件を適用する。例えば、先の切り替えとして演出モードAから演出モードBへの切り替えが行われている場合は、演出モードBに対して設定された条件を適用して保留予告演出の実行抽選等を行う。ステップS2903の実行後又はステップS2902で否定判定した場合(制限期間中に発生した保留情報が存在しない場合)は、特図変動表示用処理を終了する。
<制限期間中の発生保留に対応する保留用画像の表示態様の流れについて>
制限期間中の発生保留に対応する保留用画像の表示態様の流れについて図55を参照しながら説明する。
演出モードAとされている状況で第1特図の4個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップS305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップS1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図55(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HAが第1保留表示領域Gaの第4単位保留表示領域Ga4に表示される。
保留用画像HAに対応する保留情報が取得された遊技回にて遊技者によりモード切替操作が行われると、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。この際、図55(b)に示すように、保留用画像HAの表示態様が緑色表示態様HMcから通常表示態様HMaに変更される。
そして、演出モードが演出モードBに維持されたまま、保留用画像HAが第2単位保留表示領域Ga2にシフトされるまでの期間において新たに2個の保留情報が発生したとする。これら新たに発生した保留情報に対しては、演出制御装置143による保留予告用の設定処理が行われず、表示態様が通常表示態様HMaに設定される。すなわち、保留予告演出の実行が制限された状態となるため、図55(c)に示すように、新たに発生した保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2は、その表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で第3単位保留表示領域Ga3,第4単位保留表示領域Ga4にそれぞれ表示される。
それら保留用画像HB1,HB2の保留情報に対する主制御装置162での保留先読み処理は、他の保留情報と同様に保留情報の取得タイミングで行われる。その先読み結果は、保留コマンドを通じて演出制御装置143に通知されるため、演出制御装置143では、保留予告用の設定処理を行わない状態であるものの、それらの保留情報に関する先読み結果については取得した状態にある。
次の遊技回にて再びモード切替操作が行われ、演出モードが演出モードBから演出モードAに切り替わると、演出制御装置143では、通常表示態様HMaで表示されている保留用画像HB1,HB2を対象として保留予告用の第2設定処理(ステップS2702)を実行する。保留予告用の第2設定処理は、保留情報の取得タイミングで主制御装置162から通知された先読み結果に基づいて、保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行うものである。それらの抽選を行う際、抽選用テーブルは、切替後の演出モードである演出モードAに対応するものを用いる。すなわち、保留用画像HB1,HB2の保留情報は、演出モードBである状況で取得されたものであるものの、それらに対する保留予告演出用の抽選には、保留予告演出の実行時のモードである演出モードAに対して設定された抽選条件を適用する。
上記抽選の結果、例えば、保留用画像HB1については保留予告演出を実行せず、保留用画像HB2については表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出を実行する旨の結果となった場合には、図55(d)に示すように、保留用画像HB1の表示態様が通常表示態様HMaに維持され、保留用画像HB2の表示態様が青色表示態様HMbに変更される。
なお、演出モードBに移行する前の演出モードAで取得された保留情報に対応する保留用画像HAについては、演出制御装置143による予告復帰用の設定処理(ステップS1913)、保留予告の第2実行用処理(ステップS1702)が行われることにより、元の表示態様である緑色表示態様HMcに変更される。
また、上記のように演出モードAへの切り替わりが行われた場合とは異なり、図55(c)の状態となった後、演出モードBが維持されたまま、保留用画像HAの遊技回(先の演出モードAで取得された最終の保留情報の遊技回)が終了した場合は、当該遊技回の終了を以って制限状態が終了する。この場合は、その遊技回の終了タイミングにて、保留用画像HB1,HB2を対象とする保留予告用の第2設定処理が実行される。この際、保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等の各種抽選は、演出モードBに対応する抽選テーブルを用いて行われる。すなわち、図55(d)の場合とは異なる抽選条件を適用する。
上記抽選の結果、例えば、保留用画像HB1については表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出を実行し、保留用画像HB2については保留予告演出を実行しない結果となった場合には、図55(e)に示すように、保留用画像HB1の表示態様が青色表示態様HMbに変更され、保留用画像HB1の表示態様が通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留予告演出の実行が制限される制限状態中に取得された保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2について、制限状態が終了した後の表示態様を制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて設定する構成とした。
本実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられた場合、元の演出モードへの再切り換えが行われるまでは保留予告演出の実行が制限される。その制限状態において新たな保留情報が取得された場合、そうような保留情報についてまで特定表示態様への変更が行われないものとすると、制限状態中に取得された保留情報について遊技者の期待感を喚起できなくなる懸念がある。
この点、本構成によれば、制限状態中に取得された保留情報に対応する保留用画像HB1,HB2の表示態様を制限状態の終了後に特定表示態様に変更することができるため、制限状態中に取得された保留情報について遊技者の期待感を喚起することができる。その際、制限状態後における特定表示態様への変更(保留予告演出の実行)を制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて行うため、制限状態ではない場合と同様にして保留先読み処理を行うことができる。すなわち、保留先読み処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された保留情報を契機とする保留予告演出を制限状態後に実行することが可能になる。
所得された保留情報についての保留先読み処理を制限状態であるか否かにかかわらず、保留情報の取得タイミングに合わせて行う構成とした。
この場合、制限状態である場合とそうではない場合とのいずれにおいても保留情報の取得タイミングに合わせて保留先読み処理を行うことができるため、前者の場合と後者の場合とで保留先読み処理を区別する必要がない。よって、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された保留情報を契機とする保留予告演出を制限状態後に実行することが可能になる。
制限状態後における保留用画像HB1,HB2の表示態様の設定(保留予告演出の設定)を制限状態の終了時に実行する構成とした。
例えば、制限状態中に実行された保留先読み処理の結果に基づいて制限状態後の表示態様を設定する場合に、その設定を制限状態中に実行できないこともない。しかしながら、表示態様を設定した保留用画像HB1,HB2の遊技回が制限状態中に実行された場合に、表示態様の設定が反映されないまま保留用画像の表示期間が終了することになり、設定が無駄になるおそれがある。この点、本構成では、表示態様の設定を制限状態の終了時に行うため、そのような無駄が発生することを抑制し、効率的な処理を行うことが可能になる。
制限状態中に保留情報が取得された場合、その保留情報が制限状態中に取得されたものであることを示す制限中発生情報をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する構成とした。
上記構成によれば、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶された制限中発生情報に基づき、その保留情報が制限状態中に取得されたものであることを制限状態後に把握することができる。このため、制限状態の終了後において、制限状態となる前に取得された保留情報と制限状態中に取得された保留情報とが混在する場合でも、制限状態中に取得された保留情報を簡単に特定することができる。これにより、制限状態後に各保留用画像の表示態様を設定する場合において、制限状態中に取得された保留情報と、そうではない保留情報とを識別し、制限状態中に取得された保留情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告演出の発生頻度が高い演出モード(演出モードA)から低い演出モード(演出モードB)に切り替えた場合と、低い演出モードから高い演出モードに切り替えた場合とを区別して保留用画像の表示態様を復帰させるように構成している。以下、本実施の形態について図56~図58を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、特定表示態様の保留用画像が存在する状況で演出モードの切り替えが行われ、その保留用画像が通常表示態様HMaとされた後、元の演出モードへの再切り替えが行われると、その保留用画像に対して表示態様の復帰処理を行うように構成されているが、本実施の形態では、元の演出モードへの再切り替えが行われなくても、その保留用画像に対する表示態様の復帰処理を行うように構成されている。ちなみに、演出モードAにおける保留予告演出の発生頻度(先読み結果が外れである場合の保留予告演出の実行確率)が演出モードBのそれよりも高い、換言すれば、同じ表示色の特定表示態様に対して演出モードAでの大当たり期待度が演出モードBのそれよりも低くなっている点については、上記第1の実施の形態と同様である。
<演出モード切替用処理>
本実施の形態に係る演出モード切替用処理について図56のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143における演出設定処理(図30)のステップS1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。図56において図42と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1903にて演出モードの切替処理を実行した後は、ステップS1904にて切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットする。演出モードフラグは、演出モードの切替前は切替後の演出モードを、演出モードの切替後は現在の演出モードをそれぞれMPU342が把握するためのものである。
ステップS3101では、上記各種フラグ格納エリアに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであること又は保留予告演出を実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
保留予告フラグが格納されていない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。一方、保留予告フラグが格納されている場合は、ステップS3102に進み、当該保留予告フラグを消去する。これにより、モード切替前に保留予告演出が実行されていた場合には、実行中の保留予告演出の継続がキャンセルされ、保留予告演出の待機状態であった場合には、保留予告演出の待機(実行予約)がキャンセルされる。
ステップS3103では、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。特定表示態様で表示されている保留用画像が存在しない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップS3104に進み、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えであるか否かを判定する。すなわち、保留予告演出の発生頻度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えであるか否か(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えであるか否か)を判定する。演出モードBへの切り替えである場合は、ステップS3105にて、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、特定表示態様で表示されている保留用画像の変動パターンを把握する。
ステップS3106では、ステップS3105で把握した変動パターンと、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された復帰判定用テーブルとに基づいて復帰用判定を行う。復帰用判定は、特定表示態様で表示されている保留用画像について演出モードの切り替え後に再び特定表示態様に復帰させることが可能か否かを判定するものである。
図57に示すように、復帰判定用テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン5Hであれば、緑色表示態様HMcまでの復帰(変更)が許容されている。演出モードBに滞在している状況で保留予告演出を実行する場合、変動パターン5Hに対応する上限表示態様は赤色表示態様HMdとされるが、復帰判定用テーブルでの上限表示態様はそれよりも下位の緑色表示態様HMcに制限されている。このことは、変動パターン3Hや変動パターン4Hなどの他の外れ対応変動パターンについても同様である。ちなみに大当たりに対応する各変動パターンの場合は、変動パターン1A~変動パターン5Aのいずれにおいても虹色表示態様HMeまでの変更が許容されている。なお、復帰判定用テーブルは、図57に示す構成に限定されるものではなく、例えば、大当たりに対応する各変動パターンで上限表示態様が異なるなど、他の構成であってもよい。
ステップS3106では、上記復帰判定用テーブルを参照してステップS3105で把握した変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、対象保留用画像の現在の表示態様がその特定した上限表示態様以下の表示態様であるか否かを判定する。その結果、現在の表示態様が上限表示態様以下の表示態様である場合は表示態様の復帰を許容し、そうでない場合は復帰を不可とする。
ステップS3107では、上記ステップS3106の復帰用判定の結果が表示態様の復帰を許容するものであるか否かを判定する。復帰を許容しない場合は、ステップS3108に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。すなわち、特定表示態様で表示されている保留用画像が演出モードの切り替えに伴い、通常表示態様HMaに切り替わるように設定する。また、ステップS3108の解除処理では、表示態様記憶エリア344eに記憶されている表示態様の情報や、保留予告用の設定処理(図34)のステップS1513で設定された演出シナリオデータについても消去する処理を実行する。ステップS3108の実行後は演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップS3107で肯定判定した場合(表示態様の復帰を許容する場合)は、ステップS3109にて、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各保留用画像の表示態様の情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。ステップS3110では、上記ステップS3108と同様に、特定表示態様で表示されている保留用画像について、その特定表示態様での表示を解除するための処理を実行する。
ステップS3111では予告復帰用の設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。ステップS3111の予告復帰用の設定処理は、上記第1の実施の形態に係る演出モード切替用処理(図42)のステップS1913における予告復帰用の設定処理(図43)と同様のものである。予告復帰用の設定処理では、演出モードBへの切替後、保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで復帰(変更)させるのかや、復帰のさせ方(1回の変更で復帰させるのか、それとも段階的な変更で復帰させるのか)などの設定処理を行う。
上記のようにして予告復帰用の設定処理が行われた場合、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップS1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップS1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(演出モードBへの切替前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
この際、参照される上限表示態様は、演出モードB用に設定されたもの(演出モードBでの保留予告演出の条件に即したもの)である。このため、演出モードBへの切り替えによる表示態様の復帰の時点で、復帰可能な表示態様が復帰判定用テーブルにより定められる低めの上限表示態様に制限されているとしても、最終的には演出モードBに適した上限表示態様の範囲内で対象保留用画像の表示態様を変更することができる。
また、上記ステップS3104で否定判定した場合(演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合)は、ステップS3105~ステップS3107の処理をスキップし、ステップS3109の処理に進む。すなわち、保留予告演出の発生頻度が低い側の演出モードBから高い側の演出モードAへの切り替えの場合は、演出モードBでの表示態様をモード切替後の演出モードAでもそのまま反映させるように構成されている。
<演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて>
演出モードが切り替わる場合における保留用画像の表示態様の流れについて図58を参照しながら説明する。ここでは、演出モードAから演出モードBに切り替わる場合について説明する。既に説明したように、演出モードAは保留予告演出の発生頻度が相対的に高く、演出モードBは保留予告演出の発生頻度が相対的に低いモードである。
演出モードAとされている状況で第1特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では、当該発生した保留情報に対する保留先読み処理(ステップS305)を実行する。ここでは、その結果として、当否判定が外れであり、変動パターンが変動パターン4H(SPリーチB外れ)である結果が先読みされたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162での先読み結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップS1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。それらの抽選の結果、最終表示態様として緑色表示態様HMcが選択され、演出シナリオとして表示当初は青色表示態様HMbで表示し、最初のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに変更するシナリオが選択されたものとする。この場合、図58(a1)に示すように、青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第1保留表示領域Gaの第3単位保留表示領域Ga3に表示される。
その後、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbとされた状態で、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、図58(a2)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わるとともに、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。
また、演出モードBへの切り替えに際し、演出制御装置143では、保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う(ステップS3106)。復帰用判定では、保留用画像HWの変動パターンを特定するとともに、その変動パターンに対応する上限表示態様を復帰判定用テーブル(図57)に基づいて把握し、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様が、その把握した上限表示態様以下の態様であるか否かを判定する。
ここで、保留用画像HWの変動パターンである変動パターン4Hの上限表示態様は青色表示態様HMbであり、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様は青色表示態様HMbであるため、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様は変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、予告復帰用の設定処理(ステップS3111)にて復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図58(a3)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
その後、青色表示態様HMbとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップS1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。この場合の昇格判定は演出モードBの判定条件を適用して行う。
例えば、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が演出モードAの場合よりも下位の青色表示態様HMbに設定されていた場合には、保留用画像HWの昇格が不許可とされ、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbに維持される。また、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が演出モードAの場合と同じく、緑色表示態様HMcに設定されていた場合には、昇格が許容され、保留用画像HWの遊技回における所定の保留変化ポイントにて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcに昇格される。
次に、演出モードAにおいて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状況で演出モードの切り替わりが行われた場合について説明する。
図58(a1)に示すように、第3単位保留表示領域Ga3に青色表示態様HMbの保留用画像HWが表示され、演出モードの切り替わりが行われることなく、保留用画像HWの表示位置が第2単位保留表示領域Ga2にシフトし、図58(b1)に示すように、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbから緑色表示態様HMcに変更されたとする。
その状態で、遊技者により演出用操作部36を用いてモード切替操作が行われると、図58(b2)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わるとともに、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される。
この際、演出制御装置143により復帰用判定が行われるが、演出モードBへの切り替わり前の保留用画像HWの表示態様が変動パターンに対応する上限表示態様より上位の表示態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。その結果、保留用画像HWの表示態様は、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間において通常表示態様HMaに維持される。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。例えば、演出モードBにおける変動パターン4Hの上限表示態様が青色表示態様HMbに設定されていた場合には、青色表示態様HMbまでの昇格が許容され、緑色表示態様HMcに設定されていた場合には、緑色表示態様HMcまでの昇格が許容される。なお、図58(b3)には、保留用画像HWの表示態様が青色表示態様HMbに昇格された場合を示している。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留用画像が特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で演出モードが切り替えられた場合、切替後の演出モードにおける対象保留用画像HWの表示態様を切替前の演出モードでの表示態様と同じ態様とするか否かを判定する構成とした。
本実施の形態では、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。その際、演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードとして設定されている。かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。
しかしながらその反面、保留用画像が特定表示態様とされている状況で演出モードAから演出モードBへの切替条件が成立した場合に、対象保留用画像HWの表示態様が維持されたまま演出モードの切り替わりがなされると、表示態様に変更がないにもかかわらず、対応する期待度だけが変動してしまう懸念がある。例えば、同じ緑色表示態様HMcの特定表示態様であっても演出モードBでの期待度は演出モードAのそれよりも高くなるため、対象保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされたままで演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、遊技者が緑色表示態様HMcの期待度をモード切替後の演出モードBでの期待度を基準に理解すると、遊技回にて実際に行われる遊技回演出(リーチ演出等)よりも高い期待度を連想してしまうおそれがある。
この点、本構成では、保留用画像が特定表示態様とされている状況で演出モードが切り替えられた場合、対象保留用画像HWの表示態様を切替前の演出モードでの表示態様と同じ態様とするか否かを判定する。このため、期待度の不整合が生じることを抑制でき、演出モードBへの移行後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
演出モードBへの移行時における対象保留用画像HWの表示態様を、演出モードBに対応して設定された上限表示態様と比較し、その結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前の表示態様と同じ態様とするか否かを判定する構成とした。
上記構成では、演出モードBへの移行時における表示態様と演出モードBに対応して設定された上限表示態様との比較により、演出モードAでの表示態様と同じ態様とすることの可否が判定される。これにより、演出モードBにおいて各態様(青色表示態様HMb等)が対応する期待度を踏まえて同じ態様とするか否かを振り分けることができ、演出モードBへの移行後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
上記の際、演出モードBでの上限表示態様を各変動パターンに対応させて複数設定し、それらのうち、対象保留用画像HWについて先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様を適用して上記判定を行う構成とした。これにより、対象保留用画像HWの先読み結果、つまりは、その対象保留用画像HWの遊技回で実際に報知される当否結果や当該遊技回で行われる遊技回演出(リーチ演出等)を踏まえて同じ態様とするか否かを振り分けることができる。
演出モードBでの対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前の演出モードAでの表示態様と同じ態様とする場合、対象保留用画像HWの通常表示態様HMaとしてから同じ態様に変更する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様をモード切替前と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能となっている。このような構成とすることで、モード切替前と同じ態様にする場合と同じ態様にしない場合とのいずれにおいても、対象保留用画像HWの表示態様が演出モードAから演出モードBへの切り替えに伴って通常表示態様HMaに切り替わる構成とできる。これにより、同じ態様にしないと判定されたことに起因して特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する構成とすることで、同じ態様にしないと判定された場合も含め、演出モードBへの移行後、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
演出モードBから演出モードAへの切替の場合は、上記判定を行うことなく、モード切替後の演出モードAにおける対象保留用画像の表示態様をモード切替前の演出モードAでの表示態様と同じ態様とする構成とした。
上記構成では、保留予告演出に対する期待度が高い側から低い側へのモード切替である場合、同じ態様とするか否かの判定を行わない。これにより、保留予告演出の継続(保留用画像の特定表示態様の維持)が過度に制限されることを抑制できるほか、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
<第4の実施の形態>
上記各実施の形態では、演出モード切替の前後における保留用画像の表示態様を対象とするが、本実施の形態では、開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様を対象とする。以下、本実施の形態について図59~図67を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、高確率モード且つ高頻度サポートモード(高確遊技状態)である場合の変動表示時間テーブルと、低確率モード且つ高頻度サポートモード(時短遊技状態)である場合の変動表示時間テーブルとが、低確率モード且つ低頻度サポートモード(通常遊技状態)である場合の変動表示時間テーブル(図14)とは別に設定されている。
高確遊技状態の変動表示時間テーブルでは、図59(a)、(b)に示すように、大当たり用と外れ用とがそれぞれ設定されている。大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、SPSPリーチA当たりに対応する変動パターン11Aと、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターン12Aとが設定されている。
また、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、完全外れに対応する変動パターン11Hと、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン12Hと、SPSPリーチB外れに対応する変動パターン13Hとが設定されている。変動種別カウンタCSの値が0~79の範囲内である場合、通常遊技状態では、完全外れ(変動パターン1H)とノーマルリーチ外れ(変動パターン2H)のいずれかが対応するが(図14(b))、高確遊技状態では、完全外れ(変動パターン11H)のみが対応する(図59(b))。つまり、変動種別カウンタCSが同じ値であっても通常遊技状態と高確遊技状態とでは異なる遊技回演出が実施され得るものとなっている。
時短遊技状態用の変動表示時間テーブルでは、図59(c)、(d)に示すように、大当たり用と外れ用とがそれぞれ設定されている。大当たり用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、SPリーチA当たりに対応する変動パターン21Aと、SPリーチB当たりに対応する変動パターン22Aと、SPSPリーチA当たりに対応する変動パターン23Aと、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターン24Aとが設定されている。
また、外れ用の変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSの値に対応させて、完全外れに対応する変動パターン21Hと、SPリーチA外れに対応する変動パターン22Hと、SPリーチB外れに対応する変動パターン23Hと、SPSPリーチA外れに対応する変動パターン24Hと、SPSPリーチB外れに対応する変動パターン25Hとが設定されている。時短遊技状態用の変動表示時間テーブルにおいても、変動種別カウンタCSを同じ値として比較した場合、通常遊技状態と高確遊技状態とは異なる遊技回演出が実施され得るものとなっている。時短遊技状態に対応する外れ用の変動表示時間テーブルでは、他の遊技状態に比べて完全外れの割合が少なくなっているが、これは、リーチ演出の発生頻度を高めることで、リーチ演出が発生しないまま時短遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。
なお、図59に示す各変動表示時間テーブルにおける変動パターンの種類数や変動種別カウンタCSの値との対応関係は一例に過ぎず、通常遊技状態、高確遊技状態及び時短遊技状態で異なる内容に設定されるものであれば、他の態様であってもよい。
<保留予告用の設定処理>
本実施の形態に係る保留予告用の設定処理について図60のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出制御装置143において主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行されるものである。本処理は、保留コマンド対応処理(図31)のステップS1403で実行されるものであり、図34の保留予告用の設定処理に代えて実行されるものである。図60において図34と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップS1501では、保留コマンド対応処理(図31)のステップS1401で記憶された保留情報に基づいて今回の保留情報についての変動パターン情報等を把握する。ステップS1502では、ステップS1501で把握した変動パターン情報等に基づき、今回の保留情報が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
大当たりに対応するものでない場合、すなわち、外れに対応する保留情報である場合は、ステップS3301に進み、その保留情報の変動パターンが変動パターン1H(通常遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)、変動パターン11H(高確遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)、変動パターン21H(時短遊技状態での完全外れに対応する変動パターン)のいずれかであるか否かを判定する。ステップS3301で否定判定した場合(変動パターン1H、変動パターン11H、変動パターン21Hのいずれでもない場合)又はステップS1502で肯定判定した場合(大当たりに対応する保留情報である場合)は、ステップS3302にて現在の遊技状態を把握する。具体的には、現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態のいずれであるかを把握する。
ステップS3303では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する保留予告実行抽選テーブルを取得する。保留予告実行抽選テーブルは、大当たりの有無や遊技状態に対応させて複数設定されている。例えば、今回の保留情報が大当たりである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルは、外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が高く設定されている。また、高確遊技状態に対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルでは、高確遊技状態でのガセ演出の発生を抑制すべく、通常遊技状態や時短遊技状態に対応し且つ今回の保留情報が外れである場合に対応する保留予告実行抽選テーブルよりも当選確率が低く設定されている。
なお、必ずしも遊技状態に対応させて保留予告演出の実行確率を異ならせる必要はなく、上記3状態又はそれらのうちの2状態で保留予告演出の実行確率を共通とする構成としてもよい。
ステップS1506では、ステップS3303で取得した保留予告実行抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う。ステップS1507では、ステップS1506の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。この抽選結果が実行当選である場合にはステップS1508に進み、対応する保留数を把握する。
ステップS3304では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから現在の遊技状態に対応する最終表示態様抽選テーブルを取得する。最終表示態様抽選テーブルでは、各変動パターンに対応させて、選択可能な最終表示態様の範囲と各表示態様の選択確率とが設定されている。本実施の形態では、遊技状態に応じて各別の変動パターンが設定されているため、最終表示態様抽選テーブルも各遊技状態に対応したものが各別に設定されている。
図61には、高確遊技状態での最終表示態様抽選テーブルの一例として大当たり用のテーブルと外れ用のテーブルとをそれぞれ示している。また、図62には、時短遊技状態での最終表示態様抽選テーブルの一例として大当たり用のテーブルと外れ用のテーブルとをそれぞれ示している。
ステップS1510では、ステップS1501で把握した変動パターンと、ステップS3304で取得した最終表示態様抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における最終表示態様を抽選する。ステップS1511では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから演出シナリオ抽選テーブルを取得する。ステップS1512では、ステップS1508で把握した保留数と、ステップS1510で決定した最終表示態様と、ステップS1511で取得した演出シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて、今回の保留予告演出における演出シナリオを抽選する。
ステップS1513では、ステップS1512で抽選された演出シナリオが実行されるように演出シナリオデータを設定する。ステップS1514では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の設定処理を終了する。保留予告フラグは、保留予告演出を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
上記のようにして保留予告用の設定処理が行われた場合、ステップS1513の設定結果に基づき、保留コマンド対応処理(図31)のステップS1404や、シフト時コマンド対応処理(図40)のステップS1701、特図変動表示用処理(図41)のステップS1807における保留予告の第1実行用処理(図38)にて、対象保留用画像の表示態様が変更される。
また、ステップS3301で肯定判定した場合(保留情報の変動パターンが完全外れ対の変動パターンである場合)は、ステップS1515に進み、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。その後、保留予告用の設定処理を終了する。
<開閉実行モード用処理>
本実施の形態に係る開閉実行モード用処理について図63を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップS1306にて実行されるものである。
先ずステップS3401では、開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップS3402にて主制御装置162からオープニングコマンド(図25のステップS909)を受信しているか否か、すなわち、開閉実行モードの開始タイミングであるか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
オープニングコマンドを受信している場合は、ステップS3403に進み、オープニング用処理を実行する。オープニング用処理では、図柄表示装置75の表示画面G等にて所定のオープニング演出が実行されるように表示制御装置350への送信コマンドを設定する。
ステップS3404では、保留個数(特1保留と特2保留の総数)が0個であるか否か、すなわち、保留が存在するか否かを判定する。保留個数が0個である場合(保留がない場合)は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
保留個数が0個でなく保留がある場合は、ステップS3405に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグが格納されているか否かを判定する。保留予告フラグが格納されている場合は、ステップS3406にて当該保留予告フラグを消去する。これにより、開閉実行モードの開始前において保留予告演出が実行されていた場合には、実行中の保留予告演出の継続がキャンセルされ、保留予告演出の待機状態であった場合には、保留予告演出の待機(実行予約)がキャンセルされる。
ステップS3407では、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。具体的には、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。この判定は、RAM344の表示態様記憶エリア344eに記憶されている各エリアの情報を参照して行う。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップS3408に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。続くステップS3409では、開閉実行モード前の遊技状態を示す情報をRAM344に記憶する。例えば、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態である場合は、通常遊技状態に対応する情報をRAM344の所定エリアに記憶する。なお、この情報は、現在の遊技状態を示す状態フラグと区別するため、当該フラグとは別の記憶エリアに記憶される。
ステップS3410では、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。復帰用待機フラグは、保留用画像の表示態様を元の特定表示態様に戻すための復帰処理を待機している状態であることをMPU342が把握するためのものである。続くステップS3411では、図柄表示装置75の表示画面G上から保留用画像を消去する処理を実行する。すなわち、本実施の形態では、保留表示部200に表示されている保留用画像を開閉実行モードの開始に伴い消去するように構成されている。ステップS3411の実行後は開閉実行モード用処理を終了する。
また、上記ステップS3405で否定判定した場合(保留予告フラグが格納されていない場合)やステップS3407で否定判定した場合(特定表示態様の保留用画像が存在しない場合)もステップS3411に進み、保留用画像の消去処理を実行する。すなわち、保留予告演出の実行中でない場合も、開閉実行モードの開始に伴い保留表示部200の保留用画像を消去する。
上記ステップS3401で肯定判定した場合(開閉実行モード中である場合)は、ステップS3412に進み、エンディング演出の開始から所定期間が経過したか否かを判定する。経過していない場合は、ステップS3413にて開閉実行モード中用処理を実行し、その後、開閉実行モード用処理を終了する。開閉実行モード中用処理では、図柄表示装置75の表示画面G等にて所定のラウンド演出や入賞時演出、エンディング演出等が実行されるように表示制御装置350への送信コマンドを設定する。
上記ステップS3412で肯定判定した場合(エンディング演出の開始から所定期間が経過した場合)は、ステップS3414に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用待機フラグが格納されていない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。
復帰用待機フラグが格納されている場合は、ステップS3415に進み、復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。ここで、ステップS3414で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で開閉実行モードが行われ、保留用画像の表示が消去された状況であることを意味する。この場合はステップS3416に進み、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。当該処理の詳細については後述する。
ステップS3416の実行後は、ステップS3417にて保留用画像を通常表示態様HMaで表示するための設定を行う。すなわち、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるに際して開閉実行モードの終了直後は、保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaとして表示を再開する。ステップS3417の実行後は開閉実行モード用処理を終了する。
上記ステップS3414で否定判定した場合(復帰用待機フラグが格納されていない場合)は、ステップS3418に進み、保留個数(特1保留と特2保留の総数)が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個であり、保留がない場合は、そのまま開閉実行モード用処理を終了する。一方、保留個数が0個でなく、保留がある場合は、ステップS3417にてそれらの保留についての保留用画像を通常表示態様HMaで表示する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップS3416の予告復帰用の設定処理について図64のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3501では、開閉実行モード前の遊技状態を把握する。この把握は、ステップS3409(図63)で記憶した情報に基づいて行う。ステップS3502では、今回の開閉実行モードの契機となった大当たりの大当たり種別を把握する。この把握は、変動開始コマンドを解析して得た保留情報に基づいて行う。
ステップS3503では、ステップS3501で把握した開閉実行モード前の遊技状態と、ステップS3502で把握した大当たり種別と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された復帰判定用テーブルとに基づいて表示態様の復帰用判定を行う。復帰用判定は、開閉実行モード前の遊技状態において特定表示態様とされた保留用画像について、開閉実行モード後の遊技状態において元の表示態様に復帰させるか否かを判定するものである。
図65に示すように、復帰判定用テーブルでは、開閉実行モード前の遊技状態と、今回の開閉実行モードの契機となった大当たりの大当たり種別とに対応させて、表示態様の復帰を許容するか否かが定められている。具体的には、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態であり、大当たり種別が通常大当たりである場合や、開閉実行モード前の遊技状態が高確遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合のように、開閉実行モードの前後において遊技状態が共通する場合は、保留用画像の表示態様の復帰を許容する。一方、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合や、開閉実行モード前の遊技状態が高確遊技状態であり、大当たり種別が通常大当たりである場合、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が時短遊技状態である場合のように、開閉実行モードの前後において遊技状態が異なる場合は、上記表示態様の復帰を規制する。
但し、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合は、対象保留用画像の先読み結果を参照して復帰の可否を判定する。具体的には、対象保留用画像の先読み結果が通常大当たり以外の結果である場合は上記表示態様の復帰を規制する一方で、対象保留用画像の先読み結果が通常大当たりである場合は上記表示態様の復帰を許容する。これは、高確遊技状態での遊技を遊技者が十分に堪能できないまま、高確遊技状態が終了してしまうことを抑制するためである。
すなわち、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、大当たり種別が確変大当たりである場合は、開閉実行モードを挟んで第1特図の遊技(左打ち遊技状態)から第2特図の遊技(右打ち遊技状態)に遊技態様が切り替わるが、その際、第1特図の保留の中に通常大当たりが存在し、その保留が消化されると、せっかく高確遊技状態に移行させることができたにもかかわらず、その状態が早期に終了してしまうことになる。そこで、そのようなおそれがある場合には、第1特の保留用画像の表示態様を特定表示態様に戻して遊技者に注意喚起し、第2作動口63(第2特図用の始動口)への速やかな入賞を促すようにしている。
なお、本実施の形態では、対象保留用画像の先読み結果が確変大当たりである場合に上記表示態様の復帰を規制する構成としているが、これを許容する構成としてもよい。
予告復帰用の設定処理(図64)の説明に戻り、ステップS3503の実行後はステップS3504にて、ステップS3503の判定処理の結果が表示態様の復帰を許容するものであったか否かを判定する。復帰を許容しないものであった場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。すなわち、開閉実行モード後の対象保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaのままとする。
復帰を許容するものであった場合は、ステップS3505にて、RAM344の復帰用エリア344fを参照し、開閉実行モード前の対象保留用画像の表示態様を把握する。ステップS3505の実行後はステップS3506~ステップS3510の処理を実行する。
これらの処理は、図43のステップS2103~ステップS2107と同様のものであり、対象保留用画像よりも前の保留個数に対応させて、対象保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで元の表示態様に復帰させるかを設定するものである。すなわち、ステップS3506では、対象保留用画像よりも前の保留個数を把握し、把握した保留個数が1以上である場合は、ステップS3508にて、ステップS3505で把握した表示態様とする際の復帰シナリオを抽選する。ステップS3509では、抽選された復帰シナリオが実行されるように復帰シナリオデータの設定を行い、ステップS3510では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
上記のようにして予告復帰用の設定処理が行われた場合、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップS1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップS1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
<開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様について>
開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で通常大当たりとなり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合と、開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に確変遊技状態に移行する場合とを例にとって説明する。
先ず開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で通常大当たりとなり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合について図66を参照しながら説明する。
時短遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップS305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップS1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図66(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、図66(b)に示すように、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、予告復帰用の設定処理(ステップS3416)を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。復帰用判定では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とを対比し、両者が一致するか否かを判定する。時短遊技状態で通常大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は時短遊技状態となるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致する。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの抽選を行う。
その結果、開閉実行モード後における2回目のシフトタイミングで緑色表示態様HMcに復帰させるシナリオが抽選されたとすると、図66(c)に示すように、開閉実行モードの終了時において、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で各保留用画像の表示が再開される。
その後、第3単位保留表示領域Gb3から第2単位保留表示領域Gb2への1回目のシフトタイミングでは、図66(d)に示すように、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。そして、第2単位保留表示領域Gb2から第1単位保留表示領域Gb1への2回目のシフトタイミングにおいて、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
次に開閉実行モード前の遊技状態が時短遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に確変遊技状態に移行する場合について図67を参照しながら説明する。
時短遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報が発生すると、主制御装置162による保留先読み処理(ステップS305)が行われるとともに、演出制御装置143による保留予告用の設定処理(ステップS1403)が行われる。その結果、表示態様を緑色表示態様HMcとする保留予告演出を実行するものとなった場合には、図67(a)に示すように、表示態様が緑色表示態様HMcとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で確変大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、図67(b)に示すように、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、予告復帰用の設定処理(ステップS3416)を実行して復帰用判定を行う。時短遊技状態で確変大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は高確遊技状態となるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致しない。この場合、特定表示態様への復帰を不許可とし、復帰処理を実行しない。
図67(c)に示すように、開閉実行モードの終了時において、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で各保留用画像の表示が再開される。その後、保留用画像HWが実行表示領域Dにシフトされるまでの期間において保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。つまり、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合は、基本的に開閉実行モード前になされた保留予告演出がキャンセルされた状態となり、開閉実行モード後において同じ保留用画像HWについての保留予告演出は不実行とされる。
その後、図67(d)に示すように、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップS1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、図67(e)に示すように、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。なお、図67(e)には、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcに昇格された場合を示している。
次に、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態である状況で確変大当たりとなり、開閉実行モード後に高確遊技状態に移行する場合について説明する。
この場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致しないため、上記の例に当て嵌めれば、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させないことになる。但し、第1作動口62への入賞を狙う低確遊技状態(左打ち遊技)から第2作動口63への入賞を狙う高確遊技状態(右打ち遊技)に切り替われる場合は、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果に基づいて表示態様を復帰させるか否かを切り替える。
具体的には、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果が通常大当たり結果である場合は、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させる。すなわち、第1特図に通常大当たり結果となる保留情報が存在する場合に、その保留情報の遊技回が実行されると、せっかく高確遊技状態に移行させることができたにもかかわらず、その状態が早期に終了してしまうため、第2作動口63への入賞を促すべく、表示態様を特定表示態様に変更する。
この場合、通常表示態様HMaから特定表示態様に変更するのではなく、当初から特定表示態様とした状態で保留用画像HWを表示してもよい。開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが一致することを契機として表示態様を復帰させる場合とは異なる表示形態とすることで、遊技者の気付きが促されることが期待される。また、当初から特定表示態様で表示することにより、第1特図に通常大当たり結果となる保留情報が存在することを遊技者が早く察知しやすくなり、対応しやすくなるというメリットもある。
一方、保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果が通常大当たり結果以外の結果である場合は、原則どおり、開閉実行モード後に保留用画像HWの表示態様を復帰させない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合に、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様と異ならせる構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、大当たり結果となって開閉実行モードが実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。
この点、本構成では、開閉実行モードの実行前に特定表示態様とされた対象保留用画像HWについて、開閉実行モードの実行前と実行後の遊技状態が異なる場合に、開閉実行モード後の表示態様が開閉実行モード前の表示態様と異なるものとされるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等が変化しても、対象保留用画像HWにより遊技者に誤解を与えることが抑制され、開閉実行モード後の遊技状態における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合と、そうでない場合とで、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を異ならせる構成とした。
前述のように、複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。この点、本構成では、開閉実行モードの実行前に特定表示態様とされた対象保留用画像HWについて、開閉実行モード後の遊技状態での表示態様を、開閉実行モードの実行前と実行後の遊技状態が同じであるか否かによって異ならせるため、遊技状態の違いに起因する当否判定の結果や遊技回演出の変化を踏まえて表示態様を設定することができ、開閉実行モード後の遊技状態における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。
上記構成により、開閉実行モード後において実際の期待度とは整合しない保留用画像が表示され、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常表示態様HMaとすることで、期待度の変化に合わせた表示態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なることに基づいて対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定した場合に、その後に、その対象保留用画像HWの表示態様を上位の表示態様(特定表示態様)に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を変更する構成とした。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、遊技状態の変化に起因する当否判定の結果や遊技回演出の変動を吸収できる反面、対象保留用画像HWに対応する保留情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常表示態様HMaとされた対象保留用画像HWについて、その後に特定表示態様に変化する機会が付与されるため、特定表示態様から通常表示態様HMaへと変更された場合であっても、事後的に特定表示態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
上記の際、通常表示態様HMaに設定した対象保留用画像HWの遊技回まで遊技が進んだ場合に、対象保留用画像HWのの表示態様を特定表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
対象保留用画像HWの遊技回が開始されてから対象保留用画像HWの表示態様を昇格させることで、遊技回に開始に際して取得・送信される当否判定の情報や遊技回演出に関する情報を活用して昇格判定を行うことができる。これらの情報は、開閉実行モード後の遊技状態に対応しているため、開閉実行モード後の遊技状態に適した態様で上記昇格を行うことができ、遊技者に期待度等の誤解を与えることなく、開閉実行モード後に通常表示態様HMaに設定された対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変化させることが可能になる。
特に、対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格されるか否かの判定を、主制御装置162において当否判定の実行(遊技回の開始)により特定された変動パターンに基づいて行うことで、対象保留用画像HWの遊技回で遊技回演出の選択に用いられるのと同じ情報を用いて昇格の可否を判定することができる。これにより、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合において、開閉実行モード後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変更することができる。
また、上記構成とすることで、開閉実行モードの終了後において、専ら対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格させるか否かの判定を行うためだけに、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターン(当否判定の結果や遊技回演出に関する情報)を送信する専用処理が追加されることを回避できる。すなわち、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの遊技回を実行する場合には、図柄表示装置75の表示画面Gでの図柄列Z1~Z3の変動表示を特図用表示部43における特図遊技回に同期させて実行させるために、主制御装置162から演出制御装置143に変動開始コマンドを送信する必要があるところ、この変動開始コマンドを活用して昇格判定を実行する構成とすることで、当該変動開始コマンドとは別の専用コマンドにより、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターンを主制御装置162から演出制御装置143に通知する必要がなくなる。よって、主制御装置162における既存の処理構成を利用して昇格判定を行うことができるばかりか、演出制御装置143においてもそのような専用コマンドを受信した場合の処理構成を搭載しなくても足り、処理構成が複雑化することを抑制できる。
保留予告演出が行われた場合の保留用画像の報知態様に対応する情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶可能とし、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を復帰用エリア344fに記憶された情報に基づいて設定する構成とした。
例えば、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定する構成であると、開閉実行モード前の表示態様とは異なる表示態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定表示態様とされた保留用画像が存在する状況で開閉実行モードが実行された場合、そのときの表示態様の情報を記憶し、その記憶された情報に基づいて開閉実行モード後の報表示態様を設定するため、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
このように開閉実行モード前の元の態様に復帰させることで、開閉実行モード前において特定表示態様への変更により遊技者の期待感を喚起した対象保留用画像HW(保留情報)について、開閉実行モード後においても同じように期待感を喚起することができる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じである場合において、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能な構成とした。
この場合、開閉実行モード後の遊技状態と開閉実行モード前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、開閉実行モードが実行されることに伴い、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更され得る。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する事象を生じさせることで、遊技状態が相違する場合も含め、開閉実行モード後の遊技状態において、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが同じであるか否かの同否判定を開閉実行モードの終了時に行う構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に如何なる態様とするかについて、開閉実行モード後に速やかに対応することができる。よって、開閉実行モード後において、対象保留用画像HWよりも前の保留数が少ない状況であっても、対象保留用画像HWの表示態様を好適に調整することができる。
開閉実行モードの実行中に保留用画像を非表示とする構成とした。
開閉実行モードの終了に伴い対象保留用画像HWの表示態様を変更する場合に、それまで行われていた対象保留用画像HWを開閉実行モードの終了時に突然、他の表示態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。特に通常表示態様HMaに格下げする場合は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、開閉実行モードにおいて保留用画像が非表示とされるため、対象保留用画像HWの表示態様を変更するにあたり、他の保留用画像も含めて保留用画像の表示自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、表示態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、保留用画像が非表示とされることで、開閉実行モード用の演出(大当たり遊技演出)に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
<第5の実施の形態>
上記第4の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態との関係に応じて、開閉実行モード前に特定表示態様とされた保留用画像についての開閉実行モード後の表示態様を決定する構成としたが、本実施の形態では、開閉実行モード前に特定表示態様とされた保留用画像について開閉実行モード後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて当該保留用画像の表示態様を決定するように構成されている。以下、本実施の形態について図68~図76を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
主制御装置162のMPU312にて行われる処理について説明する。
<情報取得処理>
本実施の形態に係る情報取得処理について図68(a)を参照しながら説明する。この処理は、作動口62,63への入賞が発生した場合に実行される(作動口用の入賞処理(図17)のステップS205で実行される)ものであり、図18の情報取得処理に代えて実行されるものである。図68(a)において図18と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS304にて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCSの各値を対応する特図表示部用保留エリアに格納した後は、ステップS4101にて保留コマンドの設定処理を実行する。ステップS4101の実行後は情報取得処理を終了する。ここで、ステップS4101の保留コマンドの設定処理について図68(b)のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS4201では、保留球格納エリア314bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア314bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、それらの情報をMPU312のレジスタに記憶する。ステップS4202~ステップS4204では、第1作動口62又は第2作動口63への今回の入賞に基づきステップS304(図68(a))にて取得した保留情報に含まれる大当たり乱数カウンタC1の値(当否判定用の乱数値)、大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別を抽選するための乱数)、変動種別カウンタCSの値(変動パターンを抽選するための乱数)をそれぞれ把握する。なお、ステップS4201~ステップS4204の処理は、上記第1の実施の形態に係る保留先読み処理(図28)のステップS1202、ステップS1205、ステップS1208の処理と同様のものである。
続くステップS4205では、演出制御装置143への出力対象として保留コマンドをセットし、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。保留コマンドには、今回の保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するのかを示す情報のほか、上記ステップS4202~ステップS4204で把握した各種カウンタC1,C2,CSの値を示す情報が含まれる。
すなわち、上記第1の実施の形態では、保留先読み処理(図28)にて、把握した各種カウンタC1,C2,CSの値に基づいて当否判定処理や変動パターンの抽選処理を行い、その結果を保留コマンドに含ませて演出制御装置143に送信する構成としていたが、本実施の形態では、当否判定処理や変動パターンの抽選処理の結果ではなく、把握した各種カウンタC1,C2,CSの情報(当否判定処理や変動パターンの抽選処理に用いる乱数情報)を保留コマンドに含ませて演出制御装置143に送信するように構成されている。
演出制御装置143のMPU342にて行われる処理について説明する。
<保留コマンド対応処理>
本実施の形態に係る保留コマンド対応処理について図69を参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行される(演出設定処理(図30)のステップS1302で実行される)ものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図69において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントした後は、ステップS4301に進み、第1保留先読み処理を実行する。第1保留先読み処理は、演出制御装置143にて行う保留先読み処理であり、主制御装置162からの保留コマンドに含まれる各種カウンタC1,C2,CSの情報に基づき、始動入賞の発生により取得された保留情報について当否判定の結果等を先読みするものである。ここで、ステップS4301の第1保留先読み処理について図70のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS4401では、現在の遊技状態を把握する。具体的には、現在の遊技状態が通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態のいずれであるかを把握する。ステップS4402では、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。ステップS4403では、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから当否判定テーブルを取得する。
本実施の形態では、演出制御装置143用の当否判定テーブルとして、主制御装置162のROM313(当否テーブル記憶エリア313a)に記憶されている当否判定テーブルと同一のテーブルデータが記憶されている。また、大当たり種別を抽選するための大当たり種別テーブルや、変動パターンを抽選するための変動表示時間テーブルについても、主制御装置162のROM313に記憶されている大当たり種別テーブル(図13)や変動表示時間テーブル(図14、図59)と同じテーブルデータが記憶されている。このため、主制御装置162での当否抽選や変動パターン抽選とは別に演出制御装置143でそれらの抽選処理を行ったとしても、抽選に用いる乱数値が同じ値であれば、同じ抽選結果が得られるようになっている。
当否判定テーブルには、低確率モード(通常遊技状態、時短遊技状態)用の当否判定テーブルと、高確率モード(高確率遊技状態)用の当否テーブルとが各別に設定されているため、ステップS4403では、ステップS4401で把握した遊技状態に対応するテーブルを取得する。
ステップS4404では、大当たりであるか否かの先読み処理として、ステップS4402で把握した大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS4403で取得した当否判定テーブルとに基づいて当否判定を行い、当否結果を把握する。ステップS4405では、ステップS4404で把握した当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップS4406にて、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における大当たり種別カウンタC2の値を把握する。
ステップS4407では、大当たり種別の先読み処理として、ステップS4406で把握した大当たり種別カウンタC2の値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された種別テーブルとに基づいて大当たり種別の抽選を行い、種別抽選の結果を把握する。この際、第1作動口62への入賞に基づく保留情報である場合は、第1特図用の種別テーブルを参照し、第2作動口63への入賞に基づく保留情報である場合は、第2特図用の種別テーブルを参照する。
ステップS4408では、ステップS4404で把握した大当たり結果を示す情報としての大当たり情報と、ステップS4407で把握した大当たり種別結果を示す情報としての種別情報とを記憶する。これらの情報は、RAM344の保留用記憶エリア344c(図32)において対応するエリアに記憶される。
なお、本実施の形態では、保留予告演出に大当たり種別の先読み結果を反映させないため、ステップS4406及びステップS4407の処理は省略してもよい。
ステップS4408の実行後又はステップS4405で否定判定した場合(大当たり当選でない場合)は、ステップS4409にて、主制御装置162からの保留コマンドを解析し、今回の保留情報における変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップS4410では、ステップS4401で把握した遊技状態と、ステップS4404で把握した当否抽選の結果とに基づき、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する変動表示時間テーブルを取得する。例えば、現在の遊技状態が時短遊技状態であり、ステップS4404の把握結果が外れ結果である場合には、時短遊技状態用の外れ用変動表示時間テーブル(図59(d))を取得する。
ステップS4411では、変動パターンの先読み処理として、ステップS4409で把握した変動種別カウンタCSの値と、ステップS4410で取得した変動表示時間テーブルとに基づいて変動パターンの抽選処理を行い、その結果を把握する。ステップS4412では、ステップS4411で把握した変動パターンを示す情報を上記保留用記憶エリア344cの対応するエリアに記憶する。ステップS4412の実行後は第1保留先読み処理を終了する。
保留コマンド対応処理(図69)の説明に戻り、ステップS4301で第1保留先読み処理を実行した後は、ステップS1403にて、ステップS4301の処理結果を用いて保留予告の設定処理を行う。保留予告の設定処理は、保留予告演出を実行するための設定処理である。
<開閉実行モード用処理>
本実施の形態に係る開閉実行モード用処理について図71のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップS1306にて実行されるものであり、図63の開閉実行モード用処理に代えて実行されるものである。図71において図63と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS3406にて保留予告フラグを消去した後は、ステップS3407にて、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。すなわち、開閉実行モードの開始タイミングにおいて、各保留表示領域Ga,Gbに表示されている保留用画像の中で、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様で表示されているものが存在するか否かを判定する。
特定表示態様で表示されている保留用画像が存在する場合は、ステップS3408に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像についていずれの態様で表示されているかを示す情報をRAM344の復帰用エリア344fに記憶する。ステップS3408の実行後は、ステップS3409(図63)の処理を行うことなく、ステップS3410にて、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグをセットする。すなわち、上記第5の実施の形態では、ステップS3409にて開閉実行モード前の遊技状態を記憶する処理を実行したが、本実施の形態では、当該処理を実行しない。
また、ステップS3414で肯定判定した場合(RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用待機フラグがセットされていると判定した場合)は、ステップS3415にて復帰用待機フラグを消去する処理を実行する。
ここで、ステップS3414で肯定判定される状況とは、保留予告演出が実行されている状況で開閉実行モードが行われ、保留用画像の表示が消去された状況であることを意味する。この場合は、ステップS4501にて、改めて保留先読みを行うための第2保留先読み処理を実行する。続くステップS4502では、保留用画像の表示態様を特定表示態様に復帰させるための予告復帰用の設定処理を実行する。ステップS4501の第2保留先読み処理及びステップS4502の予告復帰用の設定処理の詳細については後述する。
ステップS4502の実行後は、ステップS3417にて保留用画像を通常表示態様HMaで表示する処理を実行し、その後、開閉実行モード用処理を終了する。すなわち、本実施の形態においても、開閉実行モードの終了直後は保留用画像を通常表示態様HMaで表示する。
<第2保留先読み処理>
ステップS4501の第2保留先読み処理について図72のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4601では、開閉実行モード後の遊技状態を把握する。この判定は、開閉実行モードの契機となった今回の大当たりについての大当たり種別を参照して行う。例えば、今回の大当たりが確変大当たり結果である場合は、開閉実行モード後の遊技状態として確変遊技状態を把握し、通常大当たり結果である場合は、開閉実行モード後の遊技状態として時短遊技状態を把握する。
ステップS4602では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、当該記憶エリア344cに記憶されている各保留情報についての大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。なお、この処理は、保留用記憶エリア344cに記憶されている全ての保留情報を対象として行ってもよいし、復帰処理の対象となる保留情報(開閉実行モード前に特定表示態様で表示されていた保留用画像の保留情報)だけを対象として行ってもよい。
ステップS4603では、ステップS4601で把握した遊技状態に対応する当否判定テーブルを取得する。ステップS4604では、大当たりであるか否かの先読み処理として、ステップS4602で把握した大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS4603で取得した当否判定テーブルとに基づいて当否抽選を行い、当否結果を把握する。なお、ステップS4604の処理は、ステップS4602で大当たり乱数カウンタC1を把握した保留情報を対象として行う。このことは、ステップS4605以降の処理においても同様である。
ここで、ステップS4603及びステップS4604の処理は、始動入賞時(保留情報の取得時)に行う第1保留先読み処理(図70)のステップS4403及びステップS4404と同様のものである。但し、例えば、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態で、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態である場合など、開閉実行モードの前後で抽選モードが変化する場合は、ステップS4603で取得される当否判定テーブルが相違するため、第1保留先読み処理とは異なった抽選結果が得られる場合がある。例えば、通常遊技状態の下で確変大当たり結果に当選した場合において、保留されている保留情報についての大当たり乱数カウンタC1の値が「17」である場合には、上記確変大当たり結果に対応する開閉実行モードが行われる前の第1保留先読み処理では外れ結果が先読みされるが、開閉実行モード後の遊技状態を想定した第2保留先読み処理では当たり結果が先読みされる(図12)。
ステップS4605では、ステップS4604で把握した当否結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合は、ステップS4606にて、上記保留用記憶エリア344cを参照して大当たり種別カウンタC2の値を把握する。ステップS4607では、大当たり種別の先読み処理として、ステップS4606で把握した大当たり種別カウンタC2の値と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された種別テーブルとに基づいて大当たり種別の抽選を行い、種別抽選の結果を把握する。
ステップS4608では、ステップS4604で把握した大当たり結果を示す情報としての大当たり情報と、ステップS4607で把握した大当たり種別結果を示す情報としての種別情報とを上記保留用記憶エリア344cの対応する記憶エリアに記憶する。
ステップS4609では、上記保留用記憶エリア344cを参照して変動種別カウンタCSの値を把握する。ステップS4610では、ステップS4601で把握した遊技状態と、ステップS4604で把握した当否抽選の結果とに基づき、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aから対応する変動表示時間テーブルを取得する。例えば、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態であり、ステップS4604の把握結果が外れ結果である場合には、高確遊技状態用の外れ用変動表示時間テーブル(図59(b))を取得する。
ステップS4611では、変動パターンの先読み処理として、ステップS4609で把握した変動種別カウンタCSの値と、ステップS4610で取得した変動表示時間テーブルとに基づいて変動パターンの抽選処理を行い、その結果を把握する。ステップS4611の処理は、始動入賞時(保留情報の取得時)に行う第1保留先読み処理のステップS4411と同様のものであるが、開閉実行モードの前後で遊技状態が変化する場合は、ステップS4610で取得される変動表示時間テーブルが相違するため、第1保留先読み処理とは異なった抽選結果が得られる場合がある。
ステップS4612では、ステップS4611で把握した変動パターンを示す情報を上記保留用記憶エリア344cの対応するエリアに記憶し、その後、第2保留先読み処理を終了する。
<予告復帰用の設定処理>
ステップS4502の予告復帰用の設定処理について図73のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4701では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照し、対象保留用画像(開閉実行モード前に特定表示態様で表示されていた保留用画像)に対応する保留情報の変動パターンを把握する。この場合に把握される変動パターンは、上記第2保留先読み処理で把握された変動パターンである。
ステップS4702では、ステップS4701で把握した変動パターンが変動パターン1H、変動パターン11H又は変動パターン21Hのいずれかであるか否かを判定する。これらの変動パターンは完全外れに対応するものであり(図14、図59)、そのいずれかである場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。
ステップS4701で把握した変動パターンが変動パターン1H、変動パターン11H又は変動パターン21Hのいずれでもない場合は、ステップS4703に進み、ステップS4701で把握した変動パターン(第2保留先読み処理で先読みした変動パターン)に対応する上限表示態様を把握する。ROM343の各種テーブル記憶エリア343aには上限表示態様テーブルが記憶されている。図74に示すように、上限表示態様テーブルには、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められており、例えば、高確遊技状態でのSPSPリーチA外れに対応する変動パターン12Hでは、特定表示態様の上限として赤色表示態様HMdが設定されている。ステップS4703では、上限表示態様テーブルを参照し、開閉実行モード後の遊技状態での変動パターンに対応する上限表示態様を特定する。
ステップS4704では、RAM344の復帰用エリア344fを参照し、対象保留用画像について開閉実行モード前の表示態様を把握する。ステップS4705では、開閉実行モード後の遊技において対象保留用画像の表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かを判定する復帰用判定処理を行う。この処理では、ステップS4703で把握した上限表示態様と、ステップS4704で把握した開閉実行モード前の表示態様とを比較し、開閉実行モード前の表示態様が上限表示態様と同格又は下位の表示態様である場合は、復帰を許容する判定結果とし、開閉実行モード前の表示態様が上限表示態様より上位の表示態様である場合は、復帰を許容しない判定結果とする。
ステップS4706では、ステップS4705の復帰用判定の結果が復帰を許容するものであるか否かを判定する。復帰を許容しない判定結果である場合は、そのまま予告復帰用の設定処理を終了する。
復帰を許容する判定結果である場合は、ステップS4707~ステップS4711の処理を実行する。これらの処理は、図43のステップS2103~ステップS2107と同様のものであり、対象保留用画像よりも前の保留個数に対応させて、対象保留用画像の表示態様をいずれのタイミングで元の表示態様に復帰させるかを設定するものである。すなわち、ステップS4707では、対象保留用画像よりも前の保留個数を把握し、把握した保留個数が1以上である場合は、ステップS4709にて復帰シナリオの抽選処理を実行する。ステップS4710では、抽選された復帰シナリオが実行されるように復帰シナリオデータの設定を行う。
なお、開閉実行モードの終了時に第2保留先読み処理(ステップS4501)を実行するため、開閉実行モードの終了後、特定表示態様とした状態で保留用画像の表示を開始することも可能であるが、本実施の形態では、開閉実行モードの終了直後は一律に通常表示態様HMaとする(ステップS3417)。すなわち、開閉実行モード後に対象保留用画像を特定表示態様とする場合でも、一旦、通常表示態様HMaで表示してから事後的に特定表示態様に変化させる。このような構成とするのは、開閉実行モードが終了した直後のタイミングでは遊技球の払い出しが継続している可能性が高く、下皿34等の遊技球を排出するなど、遊技者がその対応を行っている場合があり、そのような場合には保留用画像への注意力の低下が想定されることを踏まえたものである。そのようなタイミングでの特定表示態様の表示を避けることで、遊技者から見て知らない間に特定表示態様になっていることを抑制することができる。
ステップS4710の実行後は、ステップS4711にてRAM344の各種フラグ格納エリア344dに予告復帰フラグをセットする。予告復帰フラグは、保留用画像の表示態様を元に戻すための処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。
ステップS4711の実行後は予告復帰用の設定処理を終了する。その後は、図71に示すように、ステップS3417にて、対象保留用画像も含め、開閉実行モードの終了時点で存在する全ての保留について保留用画像を通常表示態様HMaで表示するように設定する。すなわち、復帰処理が行われる場合でも、開閉実行モードの終了直後は、通常表示態様HMaとされた状態で対象保留用画像が表示される。
そして、シフト時コマンド対応処理(図40(a))のステップS1702における保留予告の第2実行用処理(図44)や、特図変動表示用処理(図41)のステップS1808における保留予告の第3実行用処理(図45)にて、対象保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。この際、保留予告の第2実行用処理では、対象保留用画像の表示態様を元の特定表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様)に復帰させるように処理を実行する。
また、保留予告の第3実行用処理では、対象保留用画像の遊技回において当該対象保留用画像の現在の表示態様(復帰処理により復帰された表示態様)と、当該対象保留用画像の変動パターンが対応する上限表示態様とが比較され、より上位の表示態様への変更(昇格)が可能であるか否かが判定される。そして、そのような変更が可能な場合には、昇格判定及び昇格抽選を経て表示態様の昇格処理が行われる。
<開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様の流れについて>
開閉実行モードの前後における保留用画像の表示態様の流れについて説明する。先ず、開閉実行モードの前後で当否判定の先読み結果は変化しないものの、変動パターンの先読み結果が変化する場合について図75を参照しながら説明する。
図75(a)に示すように、高確遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では情報取得処理(図68(a))を実行する。その結果、大当たり乱数カウンタC1の値として25、変動種別カウンタCSの値として80が取得されたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162の情報取得処理の結果に基づいて第1保留先読み処理(ステップS4301)を実行する。第1保留先読み処理では、その時点での遊技状態、すなわち、高確遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=25に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=80に対応する変動パターンは変動パターン12Hであるため(図59(b))、第1保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン12Hとなる。変動パターン12Hは、SPSPリーチA外れに対応する変動パターンである。
さらに、演出制御装置143では、第1保留先読み処理の結果に基づいて保留予告用の設定処理(ステップS1403)を実行し、保留用画像HWについての保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等を行う。変動パターン12Hに対応する最終表示態様の選択範囲は、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMdであるところ(図61(b))、ここでは、上記各種抽選の結果、最終表示態様として赤色表示態様HMdが抽選され、当初の表示態様を青色表示態様HMbとする演出シナリオが抽選されたものとする。この場合、表示態様が青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、上記第5の実施の形態と同様に、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報に基づいて第2保留先読み処理(ステップS4501)を実行する。通常大当たり結果となった場合、開閉実行モード後の遊技状態は時短遊技状態となるところ、第2保留先読み処理では、時短遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=25に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=80に対応する変動パターンは変動パターン23Hであるため(図59(d))、第2保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン23Hとなる。変動パターン23Hは、SPSPリーチA外れではなく、当該リーチ演出よりも下位となるSPリーチB外れに対応する変動パターンである。
また、演出制御装置143では、第2保留先読み処理の結果に基づいて予告復帰用の設定処理(ステップS4502)を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。復帰用判定では、第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様を上限表示態様テーブル(図74)に基づいて把握し、開閉実行モード前の保留用画像HWの表示態様が、その把握した上限表示態様以下の態様であるか否かを判定する。
ここで、第2保留先読み処理により先読みされた変動パターン23Hの上限表示態様は緑色表示態様HMcであるため(図74)、開閉実行モード前の表示態様である青色表示態様HMbは変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図75(b)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
なお、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcであった場合も、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となるため、開閉実行モードの終了後、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
これらに対し、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMdであった場合は、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。すなわち、開閉実行モードが開始されたときの保留用画像HWの表示態様によって特定表示態様に復帰するか否かが異なる。
特定表示態様への復帰が不許可となった場合、保留用画像HWは、開閉実行モード終了時に通常表示態様HMaで表示が再開された後、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間においてその状態が維持される(図75(c))。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理(ステップS1808)を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。例えば、昇格判定における変動パターン23Hの上限表示態様が緑色表示態様HMcに設定されている場合は、緑色表示態様HMcまでの範囲において保留用画像HWの表示態様が昇格される。
次に、開閉実行モードの前後で当否判定の先読み結果が変化する場合について図76を参照しながら説明する。
図76(a)に示すように、高確遊技状態とされている状況で第2特図の3個目の保留情報(保留用画像HW)が発生すると、主制御装置162では情報取得処理を実行する。その結果、大当たり乱数カウンタC1の値として17、変動種別カウンタCSの値として45が取得されたとする。
また、演出制御装置143では、主制御装置162の情報取得処理の結果に基づいて第1保留先読み処理を実行する。高確遊技状態での大当たり乱数カウンタC1=17に対応する当否結果は当たり結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=45に対応する変動パターンは変動パターン12Aであるため(図59(a))、第1保留先読み処理の結果は、当たりで且つ変動パターン12Aとなる。変動パターン12Aは、SPSPリーチB当たりに対応する変動パターンである。
さらに、演出制御装置143では、第1保留先読み処理の結果に基づいて保留予告用の設定処理を実行する。変動パターン12Aに対応する最終表示態様の選択範囲は、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMeであるところ(図61(a))、ここでは、上記各種抽選の結果、最終表示態様として虹色表示態様HMeが抽選され、当初の表示態様を青色表示態様HMbとする演出シナリオが抽選されたものとする。この場合、表示態様が青色表示態様HMbとされた保留用画像HWが第2保留表示領域Gbの第3単位保留表示領域Gb3に表示される。
保留用画像HWが取得された遊技回で通常大当たり結果となり、開閉実行モードに移行すると、保留用画像HWを含む全ての保留用画像の表示が消去される。この状態は、エンディング演出の開始から所定期間が経過するまで維持される。
そして、エンディング演出の開始から所定期間が経過すると、演出制御装置143では、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報に基づいて第2保留先読み処理を実行する。第2保留先読み処理では、時短遊技状態用の当否判定テーブルや変動表示時間テーブルを用いて先読み処理を実行する。大当たり乱数カウンタC1=17に対応する当否結果は外れ結果であり(図12)、変動種別カウンタCS=45に対応する変動パターンは変動パターン22Hであるため(図59(d))、第2保留先読み処理の結果は、外れで且つ変動パターン22Hとなる。変動パターン22Hは、リーチ当たりに対応する変動パターンではなく、リーチ外れ(SPリーチA外れ)に対応する変動パターンである。
また、演出制御装置143では、第2保留先読み処理の結果に基づいて予告復帰用の設定処理を実行し、保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様に復帰させるか否かの復帰用判定を行う。第2保留先読み処理により先読みされた変動パターン22Hの上限表示態様は緑色表示態様HMcであるため(図74)、開閉実行モード前の表示態様である青色表示態様HMbは変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となる。この場合、特定表示態様への復帰を許容し、復帰シナリオの設定を行う。
その結果、次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに復帰させるシナリオが設定されたとすると、図76(b)に示すように、保留用画像HWの表示位置が第3単位保留表示領域Ga3から第2単位保留表示領域Ga2にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。
なお、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcであった場合も、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様となるため、開閉実行モードの終了後、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから緑色表示態様HMcに変更される。
これらに対し、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeであった場合は、開閉実行モード前の表示態様が第2保留先読み処理により先読みされた変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様となる。この場合は、特定表示態様への復帰を不許可とする。すなわち、開閉実行モードの前後で当否が変化する場合も、開閉実行モードが開始されたときの保留用画像HWの表示態様によって特定表示態様に復帰するか否かが異なる。
特定表示態様への復帰が不許可となった場合、保留用画像HWは、開閉実行モード終了時に通常表示態様HMaで表示が再開された後、実行表示領域Dにシフトされるまでの期間においてその状態が維持される(図76(c))。
その後、通常表示態様HMaとされた保留用画像HWの表示位置が実行表示領域Dにシフトし、保留用画像HWの遊技回が開始されると、演出制御装置143では、保留予告の第3実行用処理を実行し、上位の表示態様への昇格判定を行う。その結果、上位の表示態様への昇格が抽選された場合は、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaから特定表示態様に変更される。
なお、保留用画像HWの変動種別カウンタCSの値によっては、開閉実行モード前の遊技状態における第1保留先読み処理の結果が当たりで且つリーチ演出以上の変動パターンであっても、開閉実行モード終了時の第2保留先読み処理の結果が外れで且つ完全外れに対応する変動パターンに変化する場合もある(例えば、上記のように高確遊技状態で通常大当たり結果となり、開閉実行モード後に時短遊技状態に移行する場合において、保留用画像HWの保留情報における大当たり乱数カウンタC1の値が17であり、変動種別カウンタCSの値が10である場合)。このような場合は、開閉実行モード後の遊技状態において表示態様の復帰処理が行われず、保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに維持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で開閉実行モードに移行した場合、開閉実行モード後に再度の保留先読み処理(第2保留先読み処理)を実行し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様が特定表示態様とされるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、大当たり結果となって開閉実行モードが実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、当否判定に用いられる保留情報が同じでも遊技状態によって当否の結果や遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)に差異が生じることがある。
この点、本構成では、保留予告演出の実行中に開閉実行モードに移行した場合、その保留予告演出の契機となった保留情報を対象として開閉実行モード後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて対象保留用画像HW(保留予告演出の契機となった保留情報の保留用画像)の表示態様を設定する。このため、開閉実行モード前に保留予告演出が行われていた対象保留用画像HWについて、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード後の遊技状態に適した態様となるように調整することができ、開閉実行モード後における保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード後における再度の保留先読み処理に際し、開閉実行モード後の遊技状態に対応する当否判定条件や演出選択条件を適用して先読みを行う構成とした。これにより、開閉実行モード後に行われる対象保留用画像HWの遊技回で実際に報知される当否結果や当該遊技回で実際に行われる遊技回演出と整合させつつ、対象保留用画像HWの表示態様を調整することができる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を、開閉実行モード後の再度の保留先読み処理の結果と、開閉実行モード前の対象保留用画像HWの表示態様とに基づいて設定する構成とした。
例えば、開閉実行モードへの移行に伴い保留用画像の表示態様が頻繁に変化する構成であると、遊技者が違和感を抱く懸念がある。この点、本構成では、再度の先読み結果だけではなく、開閉実行モード前の表示態様も加味して開閉実行モード後の表示態様を設定するため、例えば、開閉実行モード前の表示態様を再度の先読み結果に照らし、開閉実行モード後も同じ表示態様としても支障がなければ、開閉実行モード前の表示態様を引き継ぐといった運用を行うことができる。これにより、開閉実行モードを境として保留用画像の表示態様が過度に変化することを抑制でき、自然な態様で開閉実行モード後の保留用画像の表示を行うことが可能になる。
各遊技状態の変動パターンに対応させて複数の上限表示態様を設定し、それらのうち、開閉実行モード後の再度の先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様と、開閉実行モード前の表示態様とを比較し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成とした。より具体的には、開閉実行モード前の表示態様が変動パターンから導出された上限表示態様以下の態様である場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様と同じ態様とする構成とした。
本実施の形態では、保留用画像の特定表示態様(保留予告演出での報知態様)として、大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このように期待度を段階的に設定して多数の表示態様を設けた構成にあっては、1の表示態様が対応する期待度の範囲が狭くなるため、開閉実行モード前の表示態様で開閉実行モード後の保留用画像の表示を行うと、開閉実行モードの前後で示唆する期待度に差異が生じやすい。この点、本構成とすることで、多数の表示態様が設定されている状況でも、期待度を整合させて開閉実行モード後の保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード前の表示態様が変動パターンから導出された上限表示態様よりも上位の表示態様である場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。これにより、開閉実行モード後の表示態様が開閉実行モード前の遊技状態で対応する期待度を超えることを抑制でき、開閉実行モード後の保留用画像の表示を好適に行うことが可能になる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を特定表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更することで、遊技状態の変化に起因する当否判定の結果や遊技回演出の変動を吸収できる反面、対象保留用画像HWに対応する保留情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常表示態様HMaとされた対象保留用画像HWについて、その対象保留用画像HWの遊技回まで遊技が進むことにより特定表示態様への変更機会が付与される。このため、表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaへと変更された場合であっても、事後的に特定表示態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
上記の際、対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格されるか否かの判定を、主制御装置162において当否判定の実行(遊技回の開始)により特定された変動パターンに基づいて行う構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの遊技回で遊技回演出の選択に用いられるのと同じ情報を用いて昇格の可否が判定されるため、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とが異なる場合において、開閉実行モード後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、対象保留用画像HWの表示態様を特定表示態様に変更することができる。
また、上記構成とすることで、開閉実行モードの終了後において、専ら対象保留用画像HWを特定表示態様に昇格させるか否かの判定を行うためだけに、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターン(当否判定の結果や遊技回演出に関する情報)を送信する専用処理が追加されることを回避できる。すなわち、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの遊技回を実行する場合には、図柄表示装置75の表示画面Gでの図柄列Z1~Z3の変動表示を特図用表示部43における特図遊技回に同期させて実行させるために、主制御装置162から演出制御装置143に変動開始コマンドを送信する必要があるところ、この変動開始コマンドを活用して昇格判定を実行する構成とすることで、当該変動開始コマンドとは別の専用コマンドにより、開閉実行モード後の遊技状態に対応する変動パターンを主制御装置162から演出制御装置143に通知する必要がなくなる。よって、主制御装置162における既存の処理構成を利用して昇格判定を行うことができるばかりか、演出制御装置143においてもそのような専用コマンドを受信した場合の処理構成を搭載しなくても足り、処理構成が複雑化することを抑制できる。
開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の特定表示態様と同じ態様とする場合に、一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更することが可能な構成とした。
この場合、対象保留用画像HWの表示態様が同じ態様に復帰されるか否かにかかわらず、開閉実行モードが実行されることに伴い、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更され得る。これにより、同じ態様に復帰させないと判定されたことに起因して通常表示態様HMaに変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常表示態様HMaとなってから特定表示態様に変化する事象を生じさせることで、同じ態様に復帰させないと判定された場合も含め、開閉実行モード後の遊技状態において、通常表示態様HMaとされた保留用画像が特定表示態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用画像(保留情報)への期待感を持続させることが可能になる。
開閉実行モードの実行中に保留用画像を非表示とする構成とした。
開閉実行モードの終了に伴い対象保留用画像HWの表示態様を変更する場合に、それまで行われていた対象保留用画像HWを開閉実行モードの終了時に突然、他の表示態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。特に通常表示態様HMaに格下げする場合は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、開閉実行モードにおいて保留用画像が非表示とされるため、対象保留用画像HWの表示態様を変更するにあたり、他の保留用画像も含めて保留用画像の表示自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、表示態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、保留用画像が非表示とされることで、開閉実行モード用の演出(大当たり遊技演出)に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、電断状態の発生前における保留用画像の表示態様と、電断状態からの復帰時における保留用画像の表示態様とを対象とする。以下、本実施の形態について図77~図86を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記各実施の形態では、電源及び発射制御装置191の停電監視部315により電断状態の発生が検知された場合、主制御装置162のRAM314に設けられたバックアップエリアに停電フラグ(電断状態の発生情報)がセットされるとともに、電源及び発射制御装置191のバックアップ用電源部316から上記RAM314に電断時用電力が供給される。すなわち、電断状態が発生した場合、電断状態の発生時に進行途中であった主表示ユニット81での特図及び普図の遊技回や、電断状態の発生時に主制御装置162のRAM314に記憶されていた保留情報等を保持できるようにRAM314に電力が供給され、RAM314のデータがバックアップされる。本実施の形態では、それに加え、演出制御装置143においてもRAM344に記憶されているデータがバックアップされる。
但し、演出制御装置143では主制御装置162よりも扱うデータ量が多いため、演出制御装置143に搭載されるRAM344は、主制御装置162のRAM314より容量が大きく、大規模なものとなっている。このため、演出制御装置143のRAM344に記憶されているデータを全てそのままバックアップしようとすると、電断状態下での電力消費量が大きくなる。その結果、バックアップ用電源部316に蓄電された電力が短期間で消費され、データの保持期間(バックアップ期間)が短くなったり、蓄電量の大きいバックアップ用電源部316が必要となってコスト増を招いたりする懸念がある。
そこで、本実施の形態では、RAM344に記憶されていたデータの全体をバックアップするのではなく、その一部として、保留用記憶エリア344cに記憶されている保留情報等の保留用画像に関する情報をバックアップするように構成されている。そのための電気的構成について図77を参照しながら説明する。
演出制御装置143には、RAM344とは別に、バックアップ専用の記憶媒体としてバックアップRAM345が設けられている。バックアップRAM345の容量は、RAM344のそれより小さく、保留用画像に関する情報を記憶可能な程度となっている。なお、バックアップRAM345は、RAM344と同様に、MPU342と1チップ化されたものであってもよいし、MPU342やRAM344とは別にチップ化されたものであってもよい。
RAM344及びバックアップRAM345には、バックアップ用電源部316からの電断時用電力が供給される。本実施の形態では、電断状態が発生した場合、RAM344に記憶されているデータのうち保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶(コピー)するようにしており、RAM344への電断時電力の供給は、当該RAM344に記憶されている保留用画像に関する情報を読み出すのに必要な電力を供給するためのものである。よって、当該読み出し処理(バックアップRAM345への書き込み処理)が終了した後は、RAM344への電断時電力の供給が停止される。
一方、バックアップRAM345に対しては、保留用画像に関する情報の書き込み処理が終了した後も電断時電力の供給が継続される。このように、電断状態が発生した場合に、バックアップ対象の情報をRAM344とは別に設けられた小規模の記憶媒体に記憶し、その記憶媒体に対して電断時電力を供給する構成としたため、データ保持のための電力消費量を少なく抑えることができる。これにより、データの保持期間が短くなったり、蓄電量の大きいバックアップ用電源部316が必要となったりすることを抑制できる。
図示を省略しているが、電源及び発射制御装置191又は演出制御装置143には、RAM344への電断時電力の供給状態を切り替える切替部(スイッチ回路)が設けられている。切替部は、少なくともRAM344から保留用画像に関する情報を読み出してバックアップRAM345に書き込む間、バックアップ用電源部316からの電断時電力をRAM344に供給し、バックアップRAM345への保留用画像に関する情報の書き込みが終了した後、RAM344への電断時電力の供給を停止するように動作する。
演出制御装置143には、主制御装置162と同様にNMI端子が設けられており、当該NMI端子には電源及び発射制御装置191における停電監視部315からの停電信号が出力される。すなわち、本実施の形態では、停電監視部315から停電信号が出力された場合、主制御装置162と演出制御装置143の双方で電断時用処理が実行される。
次に、演出制御装置143のMPU342にて実行される各制御処理を説明する。かかるMPU342の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、演出制御のための通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。このうちNMI割込み処理については、主制御装置162におけるNMI割込み処理(図15)とほぼ同様であるため、図15を援用して説明する。
<NMI割込み処理>
図15に示すように、NMI割込み処理では、先ずステップS11にて、MPU342に設けられた使用レジスタのデータをRAM344の所定記憶エリア又はバックアップRAM345に退避させる。ステップS12では、停電フラグをバックアップRAM345にセットする。ステップS13では、退避させたデータを再びMPU342の使用レジスタに復帰させ、その後、NMI割込み処理を終了する。なお、MPU342の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセットし得る場合には、ステップS11及びステップS13の処理を省略することが可能である。
<メイン処理>
メイン処理について図78のフローチャートを参照しながら説明する。メイン処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合(外部電源が供給された状態でパチンコ機10の電源スイッチがオン操作された場合や、パチンコ機10の電源スイッチがオン状態とされた状態で外部電源が供給された場合)に実行されるものである。
ステップS5101では電源投入に伴う初期設定処理を実行し、ステップS5102ではRAM344及びバックアップRAM345のアクセスを許可する。ステップS5103ではRAM344の使用領域を0にクリアし、ステップS5104ではRAM344の初期化処理を実行する。その後、メイン処理を終了し、後述する通常処理に移行する。
<通常処理>
通常処理について図79のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5201では、電源投入報知処理を実行する。電源投入報知処理は、パチンコ機10の電源が投入されたことに対応した電源投入報知を行うものである。
電源投入前の状態として遊技回の実行中でない状況で電断状態が発生した場合は、上記電源投入報知として、例えば「電源が投入されました」などのメッセージ表示が図柄表示装置75の表示画面Gにてなされる。このメッセージ表示は所定期間に亘って継続され、その後、所定のデモ映像が表示される。
また、遊技回の途中で電断状態が発生し、電源投入後(復電後)にその続きが再開される場合は、電源投入報知として、例えば「まもなく画面が復帰します」などのメッセージ表示が表示画面Gにてなされる。その際、主表示ユニット81では続きの遊技回が実行される状態となるが、表示画面G上では図柄列Z1~Z3が表示されず、それらによる変動表示は行われない。かかる変動表示が行われるのは、電源投入後(復電後)における次の遊技回(電源投入後に開始される遊技回)の開始タイミングからとなる。なお、上記メッセージ表示は、続きの遊技回が終了した場合(次の遊技回が開始される場合)に消去される。
また、遊技回の実行中でない状況で電断状態が発生した場合及び遊技回の途中で電断状態が発生した場合のいずれにおいても、電源投入報知の実行中は、スピーカ部29からの音出力がなされず無音状態が維持される。音出力が行われるのは、電源投入後に開始される遊技回(復電時に続きの遊技回が行われる場合はその次の遊技回)の開始タイミングからとなる。このような構成とすることで、遊技ホールでの営業準備時等において、複数のパチンコ機10が接続されたホール電源をオン状態とし、それらパチンコ機10を同時に立ち上げた場合に、各パチンコ機10から一斉に音が出力されて騒音化することを抑制できる。
ステップS5202では、保留用画像を電断前の表示態様で表示するための保留予告の復帰用処理を実行する。当該処理の詳細については後述する。なお、ステップS5201及びステップS5202の処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合にのみ実行される。
ステップS5202の実行後は、ステップS5203にて外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、前回の通常処理で設定したコマンドを表示制御装置350を送信したり、各種ランプ部26~28やスピーカ部29を駆動制御するための制御信号等を送信したりする。ステップS5204では、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられるカウンタ値を更新するカウンタ更新処理を実行する。
ステップS5205では、主制御装置162からのコマンドを受信するコマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理により受信されたコマンドは、既に説明したように、RAM344のコマンド格納エリア344aに格納される。ステップS5206では、図30を参照して説明した演出設定処理を実行する。
ステップS5207では、バックアップRAM345に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされていない場合、すなわち、電断状態が発生していない場合は、ステップS5208に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では2msec)が経過したか否かを判定する。
所定時間が経過している場合は、ステップS5203に戻り、ステップS5203以降の処理を実行する。一方、所定時間が経過していない場合は、当該所定時間が経過するまで処理を待機する。この場合、主制御装置162での通常処理(図20)と同様に、残余時間を利用して各種カウンタの値を更新する構成としてもよい。
また、上記ステップS5207で肯定判定した場合(停電フラグがセットされている場合)は、電断状態が発生したことを意味する。この場合は、ステップS5209に進み、電断状態の発生前(発生直前)において各保留用画像がいずれの表示態様で表示されていたのかを示す保留用画像情報を作成する。本ステップでは、RAM344に記憶されている保留予告演出用の演出シナリオデータ等を参照し、特定表示態様で表示されている保留用画像が存在するかや、そのような保留用画像が存在する場合、いずれの態様で表示されているか等を把握し、その把握結果に基づいて保留用画像情報を作成する。
ステップS5210では、保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶する。その際、上記ステップS5209で作成した保留用画像情報に加えて、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶されている情報もバックアップRAM345に記憶し、それらの情報を復電時に保留用画像を表示するための情報として記憶保持する。保留用記憶エリア344cに記憶されている情報には、第1特図及び第2特図用に設定された各エリアに記憶される保留情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCSの各値等)のほか、保留個数を示す情報が含まれる。
なお、ステップS5209で作成した保留用画像情報の記憶処理と、保留用記憶エリア344cに記憶されている情報の記憶処理とは必ずしも同一ステップで実行する必要はなく、いずれか一方の記憶処理を実行した後、他方の記憶処理を実行してもよい。
ステップS5211ではRAM判定値を算出し、バックアップRAM345に保存する。RAM判定値は、例えば、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報のチェックサム値である。ステップS5212では、RAM344及びバックアップRAM345へのアクセスを禁止し、その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<保留予告の復帰用処理>
ステップS5202の保留予告の復帰用処理について図80のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5301では、バックアップRAM345に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、バックアップ用電源部316に蓄電された電力が尽きてバックアップRAM345に記憶されたデータが消失したことを意味する。この場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。
停電フラグが格納されている場合は、ステップS5302に進み、RAM判定値を算出する。続くステップS5303では、そのRAM判定値が正常であるか否かを判定する。具体的には、ステップS5302で算出したRAM判定値と、電断状態の発生時に保存したRAM判定値(ステップS5211)とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。
両者が一致しない場合は、RAM判定値が異常であるとして、バックアップRAM345に記憶保持されているデータを無効なものとして認識する。この場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。なお、バックアップRAM345に記憶保持されたデータの有効性は、バックアップRAM345の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより判断することも可能である。
一方、両者が一致する場合には、RAM判定値が正常であるとして、バックアップRAM345に記憶保持されているデータを有効なものとして認識する。この場合は、ステップS5304に進み、バックアップRAM345に記憶されているデータを参照し、電断状態の発生時における保留個数を把握する。
ステップS5305では、ステップS5304で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個である場合、すなわち、保留が存在しない状況で電断状態が発生していた場合は、そのまま保留予告の復帰用処理を終了する。
保留個数が0個でない場合は、ステップS5306に進み、表示態様の設定処理を実行する。この処理は、復電後に表示する保留用画像の表示態様を設定するためのものである。ここで、ステップS5306の表示態様の設定処理について図81のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS5401では、バックアップRAM345に記憶されているデータを参照し、電断状態の発生前(発生直前)における各保留用画像の表示態様を把握する。ステップS5402では、ステップS5401の把握結果に基づき、特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在するか否かを判定する。特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在しない場合は、ステップS5403に進み、全ての保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在する場合は、ステップS5404に進み、その保留用画像(対象保留用画像)の表示態様が所定表示態様(例えば、赤色表示態様HMd)以上のものであるか否かを判定する。対象保留用画像の表示態様が所定表示態様より下位の態様(例えば、緑色表示態様HMc又は青色表示態様HMb)である場合は、ステップS5405に進み、その保留用画像の表示態様を電断前の特定表示態様に設定する。ステップS5406では、対象保留用画像以外の保留用画像についてその表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
対象保留用画像の表示態様が所定表示態様以上のもの(例えば、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMe)である場合は、ステップS5407に進み、保留用画像の表示態様を所定表示態様より下位の表示態様(例えば、緑色表示態様HMc)に設定する。すなわち、対象保留用画像の表示態様が所定表示態様以上のものである場合は、復電時における対象保留用画像の表示態様を電断前の特定表示態様よりも下位の態様に制限する。
ステップS5408では、対象保留用画像以外の保留用画像についてその表示態様を通常表示態様HMaに設定する。ステップS5409では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用予告フラグをセットする。復帰用予告フラグの役割については後述する。
保留予告の復帰用処理(図80)の説明に戻り、ステップS5306の表示態様の設定処理を実行した後は、ステップS5307にて、各保留用画像がステップS5306で設定した表示態様にて表示されるように表示制御装置350を制御する。ステップS5308では、バックアップRAM345に記憶されている保留情報等をRAM344の対応するエリアに記憶する(復帰させる)。ステップS5309では、バックアップRAM345に格納されている停電フラグを消去し、その後、保留予告の復帰用処理を終了する。
<特図変動表示用処理>
本実施の形態に係る特図変動表示用処理について図82を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップS1305で実行されるものであり、図41の特図変動表示用処理に代えて実行されるものである。図82において図41と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。なお、図82では、便宜上、保留予告の第1実行用処理等の記載を省略する。
ステップS1804で否定判定し、変動表示中である場合は、ステップS1805にて変動中用処理を実行する。ステップS5501では、今回の特図遊技回が電断前に特定表示態様で表示されていた保留用画像(対象保留用画像)の遊技回であるか否かを判定する。対象保留用画像の遊技回でない場合は、そのまま特図変動表示用処理を終了する。
対象保留用画像の遊技回である場合は、ステップS5502にて保留予告の第4実行用処理を行い、その後、特図変動表示用処理を終了する。保留予告の第4実行用処理は、対象保留用画像の遊技回において当該保留用画像の表示態様を上位の態様に昇格させるためのものである。
<保留予告の第4実行用処理>
ステップS5502の保留予告の第4実行用処理について図83のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5601では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに復帰用予告フラグが格納されているか否かを判定する。復帰用予告フラグは、復電時において、電断前の特定表示態様より下位の表示態様とされた保留用画像について、その表示態様を上位の態様に変化させる処理を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。復帰用予告フラグが格納されていない場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
復帰用予告フラグが格納されている場合は、ステップS5602に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグが格納されているか否かを判定する。昇格フラグは、対象保留用画像の表示態様を昇格すべきであることをMPU342が把握するためのものであり、上記第1の実施の形態に係る昇格フラグと同様のものである。
昇格フラグが格納されていない場合は、ステップS5603にて、上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグが格納されているか否かを判定する。判定済みフラグが格納されている場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
判定済みフラグが格納されていない場合は、ステップS5604に進み、進行中の遊技回において保留変化ポイントが残存しているか否かを判定する。保留変化ポイントが残存していない状況である場合は、ステップS5611に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている復帰用予告フラグを消去し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。
保留変化ポイントが残存している場合は、ステップS5605に進んで保留予告の昇格用処理を実行し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。ここで、保留予告の昇格用処理について図84のフローチャートを参照しながら説明する。
昇格用処理では、先ずステップS5701にて、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像の現在の表示態様を把握する。なお、現在の表示態様は、表示態様の設定処理(図81)のステップS5407で設定された表示態様である。
ステップS5702では、対象保留用画像の変動パターンを把握する。この把握は、対象保留用画像の遊技回(実行中の遊技回)の開始時に主制御装置162から送信された変動開始コマンド(図23のステップS712)に基づいて行う。
ステップS5703では、ステップS5701で把握した変動パターンと、ステップS5702で把握した現在の表示態様と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格判定用テーブルとに基づいて保留予告演出の昇格判定を行う。昇格判定は、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像の表示態様を現状より上位の特定表示態様に変更することが可能か否かを判定するものである。
昇格用判定テーブルには、上記第1の実施の形態に係る昇格用判定テーブル(図47)と同様に、各変動パターンに対応させて表示態様の上限が定められている。ステップS5703では、昇格用判定テーブルを参照して変動パターンに対応する上限表示態様を特定し、現在の表示態様がその特定した上限表示態様よりも下位の表示態様であるか否かを判定する。その結果、下位の表示態様である場合は表示態様の昇格を許容し、そうでない場合は昇格を不可とする。
ステップS5703の実行後は、ステップS5704にて上記各種フラグ格納エリア344dに判定済みフラグをセットする。判定済みフラグは昇格判定を実行済みであることをMPU342が把握するためのものである。
ステップS5705では、上記ステップS5703の昇格判定の結果が表示態様の昇格を許容するものであるか否かを判定する。昇格を許容しない場合は、保留予告の昇格用処理を抜けてステップS5611(図83)に進み、復帰用予告フラグを消去して保留予告の第4実行用処理を終了する。
昇格を許容する場合は、ステップS5706に進み、昇格シナリオの抽選処理を実行する。昇格シナリオは、実行表示領域Dに表示されている対象保留用画像について、いずれのタイミング(保留変化ポイント)でいずれの表示態様に変更するかを定めるものである。昇格シナリオの抽選は、上記第1の実施の形態に係るステップS2405(図46)と同様に、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された昇格シナリオ抽選テーブルと、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)とに基づいて行う。
ステップS5707では、ステップS5706で抽選された昇格シナリオが実行されるように昇格シナリオデータを設定する。ステップS5708では、上記各種フラグ格納エリア344dに昇格フラグをセットし、その後、保留予告の昇格用処理を終了する。
保留予告の第4実行用処理(図83)の説明に戻り、ステップS5602で肯定判定した場合(昇格フラグが格納されている場合)は、ステップS5606に進み、表示態様の昇格タイミングであるか否かを判定する。この判定は、ステップS5707における昇格シナリオの設定結果に基づいて行う。昇格タイミングでない場合は、そのまま保留予告の第4実行用処理を終了する。
昇格タイミングである場合は、ステップS5607に進み、昇格シナリオの設定結果に基づいて今回の変更処理における変更先の表示態様(上位の表示態様)を把握する。続くステップS5608では、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様をステップS5607で把握した表示態様に変更するように設定する。具体的には、表示制御装置350への出力コマンドとして、いずれの表示態様に変更するかを示す情報を含ませるようにして、実行表示領域Dに表示されている保留用画像の表示態様を変更すべき旨のコマンドを設定する。
ステップS5609では、上記ステップS5607で把握した表示態様又は上記ステップS5608で変更先として設定した表示態様が昇格演出における最終表示態様であるか否かを判定する。例えば、複数回の変更処理により表示態様を多段的に昇格させるように昇格シナリオが設定されている場合において、今回の変更処理がその途中段階での処理である場合は、最終表示態様でないとして本ステップを否定判定し、保留予告の第4実行用処理を終了する。
最終表示態様である場合は、ステップS5610にて上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている昇格フラグを消去する。続くステップS5611では、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている復帰用予告フラグを消去し、その後、保留予告の第4実行用処理を終了する。
<電断前と復電後における保留用画像の表示態様について>
電断前と復電後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは先ず、電断状態の発生前において緑色表示態様HMcとされた保留用画像が存在していた場合について図85を参照しながら説明する。
図85(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが緑色表示態様HMcで表示されているとする。その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。これに伴い、保留用画像HWを含む全ての保留用画像が表示されていない状態となる。
この際、演出制御装置143では、保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶する。バックアップRAM345には、データ保持用の電断時電力が電源及び発射制御装置191から供給されるため、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報等は、電断状態である間も保持される。
その後、電断状態が解消されて復電すると、主制御装置162では、RAM314に記憶保持されたデータに基づいて復電時用処理(図19のステップS2004~ステップS2010)を実行する。これにより、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
復電の際、演出制御装置143では、電源投入報知を実施するための電源投入報知処理(ステップS5201)を実行する。これにより、表示画面Gには、例えば「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示される。
また、演出制御装置143では、保留用画像の表示を復帰させるための保留予告の復帰用処理(ステップS5202)を実行する。保留予告の復帰用処理では、バックアップRAM345に記憶保持された保留用画像に関する情報等に基づいて、電断状態の発生前における保留個数、各保留用画像の表示態様を把握するとともに、把握された保留用画像の中に特定表示態様で表示されていたものが存在するか否かを判定する。特定表示態様で表示されていた保留用画像が存在する場合には、その表示態様が所定表示態様(例えば赤色表示態様HMd)以上の態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて復電時における表示態様を設定する。
ここでは、電断状態の発生前の表示態様が緑色表示態様HMcであり、所定表示態様よりも下位の態様であるため、保留用画像HWの表示態様を電断状態の発生前の表示態様とするように設定する。この結果、図85(b)に示すように、表示画面Gには、電断状態が発生したときと同じ状態で各保留用画像が表示される。
なお、図柄列Z1~Z3の変動表示に関する情報はバックアップされないため、上記の際、図柄列Z1~Z3の変動表示は表示されない。このため、電源投入報知としての文字表示461と、バックアップRAM345に記憶された保留用画像に関する情報等に基づいて復帰される各保留用画像とは、図柄列Z1~Z3が変動表示されるときの背景とは異なる復電時用背景462上に表示される。復電時用背景462は、例えば、所定の表示色(例えば黒色)による単色表示の背景とされる。
その後、再開された続きの遊技回が終了すると、図85(c)に示すように、各保留用画像が下位側の単位保留表示領域にシフトされる。次の遊技回が開始されることに伴い、表示画面Gにて図柄列Z1~Z3が変動表示され、画面が復帰する。
次に、電断状態の発生前において赤色表示態様HMdとされた保留用画像が存在していた場合について図86を参照しながら説明する。
図86(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3に表示されている保留用画像HWが赤色表示態様HMdで表示されているとする。その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。
その後、電断状態が解消されて復電すると、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。また、演出制御装置143では、保留予告の復帰用処理を実行し、電断状態の発生前における保留用画像HWの特定表示態様が所定表示態様以上のものであるか否かを判定する。
ここでは、電断状態の発生前における保留用画像HWの表示態様が赤色表示態様HMdであり、所定表示態様以上の態様となるため、復電時における保留用画像HWの表示態様が電断前の表示態様よりも下位の緑色表示態様HMcに設定される。これにより、図86(b)に示すように、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状態で各保留用画像の表示が復帰される。
その後、保留用画像HWの遊技回の開始タイミングとなると、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される変動開始コマンドに基づき、保留用画像HWに対応する保留情報の変動パターンを把握する。そして、その変動パターンに基づき、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)よりも上位の表示態様に昇格させるか否かを判定する。
すなわち、電断状態の発生前における表示態様が所定表示態様以上の場合は、一旦、電断前の表示態様よりも下位の表示態様で復帰させ、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいてその保留用画像HWの表示態様を設定し直す。その結果、赤色表示態様HMd(上位の表示態様)への昇格が判定された場合には、図86(c)に示すように、実行表示領域Dにおいて保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcから赤色表示態様HMdに変更される。なお、保留用画像HWの遊技回で実施される遊技回演出(リーチ演出等)は、変動開始コマンドから解析される変動パターンに基づいて決定されるため、当該変動パターンを前提として昇格が判定された保留用画像HWの表示態様は、上記遊技回演出に整合するものとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で電断異常が発生し、その後、電断異常が解消されて復電した場合において、電断前の対象保留用画像HWの表示態様に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、保留予告演出を再実行する構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成の下、保留予告演出の実行中に電断異常が発生し、その後、復電した場合には、異常発生前に行われていた保留予告演出が再実行される。これにより、異常解消後に保留予告演出を復帰させることができ、異常の発生により保留予告演出が消滅してしまうことが抑制される。その際、対象保留用画像HWの表示態様が異常発生前の表示態様に基づいて設定されるため、電断前に行われていた保留予告演出を好適に復帰させることが可能になる。
電断状態が発生した場合に保留用画像に関する情報をバックアップRAM345に記憶することで、保留用画像の表示態様に対応する情報を電断状態の発生後も保持可能とする構成とした。
上記構成によれば、電断状態の発生により遊技機への電源供給が停止され、保留用画像に関する制御が停止された状態となっても、復電後において、バックアップRAM345に保持された情報を参照することで、電断前の対象保留用画像HWの表示態様を把握することができる。これにより、復電後に保留予告演出を再実行する場合に、対象保留用画像HWの表示態様を電断前の表示態様に好適に復帰させることが可能になる。
電断前における対象保留用画像HWの表示態様が所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、復電後の対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下に制限する構成とした。
例えば、電断異常の影響により保留球格納エリア314bに記憶されていた保留情報に変化が生じた場合、電断前に行われた保留先読みの結果と、復電後の遊技回で行われる当否判定の結果や遊技回演出の選択結果とに不整合が生じる。このような場合に、電断前において保留予告演出により高い期待度を示唆しており、復電後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(当否判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、保留予告演出により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。
この点、上記構成では、電断発生時になされていた特定表示態様の種類が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の表示態様に制限して保留予告演出を再実行する。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が保留予告演出により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下の表示態様に制限した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を上位の表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様が所定態様以下の表示態様に制限された場合でも、対象保留用画像HWの遊技回が行われることで、上位の表示態様への昇格が果たされるため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなることが回避される。
上記の際、上位の表示態様に昇格させるか否かの判定を遊技回の契機として行われる当否判定の結果や変動パターンの選択結果に基づいて行う構成とした。
上記構成では、当否判定や遊技回演出の選択について復電後の結果を判断材料として、対象保留用画像HWの表示態様を昇格させるか否かの判定が行われる。これにより、復電後の遊技回で実際に行われる報知結果等と整合させながら上記昇格を行うことができる。
電断状態から復電した場合に実行される復電処理において、保留予告演出を再実行するための設定処理(保留予告の復帰処理)を実行する構成とした。
この場合、電断状態が解消されて復電した際に速やかに保留予告演出を再実行することができる。これにより、遊技回の途中で電断状態が発生し、復電してから表示画面Gでの図柄変動表示が行われない期間が生じる場合において、当該図柄変動表示の復帰に先立って保留予告演出を再実行することができる。
<第7の実施の形態>
上記第6の実施の形態では、演出制御装置143にバックアップRAM345が設けられていたが、本実施の形態では、それが設けられておらず、演出制御装置143がバックアップ機能を備えていない。以下、本実施の形態について図87~図91を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る演出制御装置143は、上記第1の実施の形態に係る演出制御装置143と同様の電気的構成を有し、バックアップRAM345が設けられていない。また、RAM344に記憶されているデータをバックアップする機能も備えていない。このため、保留が存在している状況(保留表示部200に保留用画像が表示されている状況)で電断状態が発生した場合は、演出制御装置143側で保有している保留情報等が消失する。
なお、本実施の形態では、発射制御装置191の停電監視部315から出力される停電信号を伝送する信号線が演出制御装置143に接続されておらず、上記停電信号が演出制御装置143に入力されないように構成されている。
また、本実施の形態では、主制御装置162の保留先読み処理(図28)において、その処理結果(変動パターン抽選等の先読み結果)をRAM314の保留球格納エリア314b(図11)に記憶する。すなわち、保留球格納エリア314bに設定された各エリアには、保留情報(大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCSの各値)のほか、その保留情報を対象として行われた保留先読みの結果が記憶される。
保留球格納エリア314bに記憶された先読み処理の結果に関する情報は、当該情報を演出制御装置143に送信した後も、消去されずにRAM314に保存され続ける。このような構成とするのは、電断状態が発生してその後復電した場合に、電断状態の発生前に行われた保留先読み処理の結果を把握できるようにするためである。
すなわち、通常のパチンコ機では、主制御装置162にて保留先読み処理を実行し、その結果を保留コマンド等として演出制御装置143に送信した後は、当該先読み結果を主制御装置162側の制御処理に利用しないため、当該情報を主制御装置162側に残しておく必要がない。このため、演出制御装置143への送信後は、先読み結果に関する情報が記憶されていたエリアを解放し、後続の保留情報に対する先読み結果等を上書きするなどして当該情報を消去するのが一般的である。
これに対し、本実施の形態では、先読み結果に関する情報を演出制御装置143に送信した後も、その情報をRAM314に保存しておく構成とする。電断状態が発生した場合には、電源及び発射制御装置191から電断時用電力がRAM314に供給され、RAM314内の情報が消去されずに保持される。このため、本実施の形態のような構成とすることで、電断状態が発生した場合に先読み結果に関する情報を保持することが可能となり、電断後の復電時において、電断状態の発生前に行われた保留先読み処理の結果を把握できるようになる。
なお、RAM314に記憶された先読み結果に関する情報は、恒久的に記憶され続けるわけではなく、保留情報が消去されることに伴って消去される。すなわち、保留先読み処理の対象となった保留情報の遊技回が実行されることに応じて、RAM314内の先読み結果に関する情報が消去される。
ちなみに、先読み結果に関する情報の記憶エリアを保留球格納エリア314bとするのは、先読み結果に関する情報がいずれの保留情報に対応するのかを把握したり、不用意に他の情報が上書きされないように記憶エリアの割り当てを行ったりする上での利便性を考慮したものである。よって、当該情報の記憶エリアは、必ずしも保留球格納エリア314bである必要はなく、RAM314における他の記憶領域であってもよい。
主制御装置162のMPU312にて行われる処理について説明する。
<メイン処理>
本実施の形態に係るメイン処理について図87(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、パチンコ機10の電源が投入された場合に実行されるものであり、図19のメイン処理に代えて実行されるものである。図87(a)において図19と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2003で否定判定した場合(RAM消去スイッチが押されていない場合)は、ステップS2004にてRAM314のバックアップエリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されている場合、すなわち、電断状態の発生後、RAM314のデータが記憶保持されている状態で復電した場合は、ステップS2005にてRAM判定値を算出する。
ステップS2006ではRAM判定値が正常であるか否かを判定し、正常である場合は、ステップS2007にてスタックポインタを復帰させる。ステップS2008では復電コマンドを出力する。
ステップS6101では、RAM314の保留球格納エリア314bに記憶保持されている情報に基づいて復電時保留コマンドを設定し、演出制御装置143に出力する。復電時保留用コマンドには、電断状態の発生時における保留個数を示す情報や、電断状態の発生前に行われた保留先読みの結果を示す情報等が含まれる。ステップS6101の実行後は、ステップS2009の処理(停電フラグの消去)を実行する。
演出制御装置143のMPU342にて行われる処理について説明する。
<通常処理>
本実施の形態に係る通常処理について図87(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、図79の通常処理に代えて実行されるものである。図87(b)に示すように、本実施の形態に係る通常処理では、電断状態が発生した場合の保留情報のバックアップ処理が設けられていない。
具体的には、上記第6の実施の形態に係る図79の通常処理では、ステップS5207にてバックアップRAM345に停電フラグが格納されているか否かを確認して電断状態の有無を判定し、停電フラグが格納されている場合(電断状態が発生した場合)は、ステップS5209~ステップS5212の処理を実行したが、本実施の形態に係る図87(b)の通常処理では、これらの処理が設けられていない。また、上記第6の実施の形態に係る図79の通常処理では、パチンコ機10の電源が投入された場合にステップS5202で保留予告の復帰用処理を実行するが、本実施の形態に係る図87(b)の通常処理では、そのような処理が設けられておらず、ステップS5201の電源投入報知処理を実行した後、ステップS5203の外部出力処理を実行する。
<演出設定処理>
本実施の形態に係る演出設定処理について図88のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、通常処理(図87(b))のステップS5206で実行されるものであり、図30の演出設定処理に代えて実行されるものである。図88において図30と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
先ずステップS6201では、主制御装置162からの復電時保留コマンドを受信しているか否かを判定する。復電時保留コマンドは、電断状態から復電した場合に出力されるものであり(図87(a)のステップS6101)、当該コマンドには、電断状態の発生時における保留個数を示す情報や、電断状態の発生前に行われた保留先読みの結果を示す情報等が含まれる。
復電時保留コマンドを受信している場合は、ステップS6202に進み、主制御装置162からの復電時保留コマンドに基づいて電断状態の発生時における保留個数を把握する。ステップS6203では、ステップS6202で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個でない場合は、ステップS6204に進み、復電後における保留用画像の表示態様を設定するための表示態様の設定処理を実行する。ここで、表示態様の設定処理について図89のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS6301では、主制御装置162からの復電時保留コマンドに基づいて各保留情報の変動パターンを把握する。この変動パターンは、電断状態の発生前において主制御装置162の保留先読み処理(図28)により先読みされたものである。復電時保留コマンドには、ステップS6202で把握した保留個数分の変動パターンの情報が含まれるため、本ステップでは、それらの変動パターンを全て把握する。
なお、保留個数分の変動パターンの情報を含ませて復電時保留コマンドを送信する場合、データ量が大きくなったり、変動パターンの情報を収めきれなかったりすることが想定されるため、それらの情報を複数回に分けて送信してもよい。具体的には、先ず、変動パターンの情報を含まない形態で復電時保留コマンドを送信し、当該コマンドに続いて各保留情報の変動パターンの情報を順次送信する構成としてもよい。
ステップS6302では、ステップS6301の把握結果に基づき、大当たりの保留情報が存在するか否かを判定する。具体的には、ステップS6301で把握した変動パターンの中に大当たりに対応する変動パターンが含まれているか否かを確認し、電断状態の発生前において大当たりが先読みされた保留情報が存在するか否かを判定する。
大当たりの保留情報が存在する場合は、ステップS6303に進み、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を第1特定表示態様に設定する。第1特定表示態様は、大当たりが先読みされた場合に選択される最終表示態様の上限である虹色表示態様HMeより下位の特定表示態様であり、例えば、緑色表示態様HMcである。
ステップS6304では、その保留用画像(対象保留用画像)に対応させて復帰用予告フラグをセットする。復帰用予告フラグは、対象保留用画像の遊技回にて当該保留用画像の表示態様を変化させる処理(昇格処理)を実行すべきであることをMPU342が把握するためのものである。なお、復帰用予告フラグは、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに格納してもよいし、対象保留用画像の保留情報とセットでシフトされるように、RAM344の保留用記憶エリア344cにおける対応エリア(対象保留用画像が対応するエリア)に格納してもよい。
ステップS6304の実行後又はステップS6302で否定判定した場合(大当たりの保留情報が存在しない場合)は、ステップS6305にて、ステップS6301で把握した変動パターンにおいて、SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在するか否かを判定する。具体的には、変動パターン5H、変動パターン6H、変動パターン12H、変動パターン13H、変動パターン24H、変動パターン25Hのいずれかに該当するものが存在するか否かを判定する。本ステップは、電断前の先読み結果が外れ結果である保留情報の中に、大当たり期待度の順位が所定以上であるリーチ演出に対応するものが含まれているか否かを判定するものである。
SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在する場合は、ステップS6306に進み、その変動パターンが先読みされている保留情報に対応する保留用画像の表示態様を第2特定表示態様に設定する。第2特定表示態様は、第1特定表示態様より下位の表示態様であり、例えば、青色表示態様HMbである。ステップS6307では、その保留用画像に対応させて復帰用予告フラグをセットする。
ステップS6307の実行後又はステップS6305で否定判定した場合(SPSPリーチ演出に対応する変動パターンが存在しない場合)は、ステップS6308にて、ステップS6301で変動パターンを把握できない保留情報が存在するか否かを判定する。なお、変動パターンを把握できない場合としては、電断状態の発生により先読み結果を示す情報の一部が破損したり、復電時保留コマンドの送信時にノイズ等の影響により一部のデータが破損したりした場合等が考えられる。
変動パターンを把握できない保留情報が存在する場合は、ステップS6309に進み、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。ステップS6310では、その保留用画像に対応させて復帰用予告フラグをセットする。
ステップS6310の実行後又はステップS6308で否定判定した場合(変動パターンを把握できない保留情報が存在しない場合)は、ステップS6311にて、残りの保留用画像(ステップS6302~ステップS6310により表示態様が設定されてない保留用画像)の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
演出設定処理(図88)の説明に戻り、ステップS6204の表示態様の設定処理を実行した後は、ステップS6205にて、当該設定処理にて設定された表示態様の保留用画像が表示画面Gに表示されるように表示制御装置350を制御する。ステップS6205の実行後はステップS1301に進み、以後、ステップS1301~ステップS1308の処理を実行する。
ステップS6201で否定判定した場合(復電時保留コマンドを受信していない場合)は、ステップS6202~ステップS6205の処理をスキップしてステップS1301に進む。また、ステップS6203で否定判定した場合(保留個数が0個である場合)は、ステップS6204及びステップS6205の処理をスキップしてステップS1301に進む。
以上の処理により、電断状態の発生後に復電した場合には、大当たり結果が先読みされていた保留情報の保留用画像が第1特定表示態様で表示され、大当たり期待度が高めのリーチ演出に対応する外れ結果が先読みされていた保留情報の保留用画像が第2特定表示態様で表示される。その後は、特定変動表示用処理(図82)におけるステップS5502の保留予告の第4実行用処理が行われることにより、対象保留用画像の表示態様が昇格される。すなわち、復電後に送信される変動開始コマンドに基づいて対象保留用画像の表示態様が再設定される。なお、保留予告の第4実行用処理については上記第6の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
<電断前と復電後における保留用画像の表示態様について>
電断前と復電後における保留用画像の表示態様について説明する。ここでは先ず、電断状態の発生前において大当たり結果が先読みされていた場合について図90を参照しながら説明する。
図90(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが赤色表示態様HMdで表示されていたとする。保留用画像HWに対応する保留情報の先読み結果は大当たり結果であり、他の保留用画像に対応する保留情報の先読み結果はいずれも外れ結果(完全外れ)である。
その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。これに伴い、保留用画像HWを含む全ての保留用画像が表示されていない状態となる。
この際、主制御装置162のRAM314には、データ保持用の電断時電力が電源及び発射制御装置191から供給されるため、RAM314に記憶されているデータは、電断状態である間も保持される。なお、RAM314に記憶されているデータには、電断状態の発生前において上記各保留用画像の保留情報に対して行った保留先読み処理(ステップS305)の処理結果が含まれている。
その後、電断状態が解消されて復電すると、主制御装置162では、RAM314に記憶保持されたデータに基づいて復電時用処理(ステップS2004~ステップS2010)を実行する。これにより、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
また、復電時において主制御装置162では、RAM314に記憶されているデータのうち、保留個数を示す情報、各保留情報が第1特図と第2特図のいずれに対応するかの情報、各保留情報に対する保留先読み処理の結果情報(変動パターン)等を読み出し、復電時保留コマンドとして演出制御装置143に送信する(ステップS6101)。
演出制御装置143では、主制御装置162から送信される上記各種情報に基づき、保留用画像の表示を復帰させるための処理を実行する(ステップS6202~ステップS6205)。かかる処理では、大当たり結果が先読みされていた保留用画像HWの表示態様を第1特定表示態様(緑色表示態様HMc)に設定し、他の保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。この際、変動パターンを把握できない保留情報が存在した場合には、その保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
これにより、図90(b)に示すように、保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされ、他の保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされた状態で、各保留用画像の表示が復帰される。復電の際、演出制御装置143では、電源投入報知を実施するための電源投入報知処理(ステップS5201)を実行するため、表示画面Gには、例えば「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示される。このため、表示が復帰された各保留用画像は上記文字表示461とともに表示される。
その後、保留用画像HWの遊技回の開始タイミングとなると、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される変動開始コマンドに基づき、保留用画像HWに対応する保留情報の変動パターンを把握する。そして、その変動パターンに基づき、現状の表示態様(緑色表示態様HMc)よりも上位の表示態様に昇格させるか否かを判定する。
すなわち、電断状態の発生前において大当たり結果が先読みされた保留情報の保留用画像HWについては、一旦、所定以下の表示態様(第1特定表示態様)に制限して表示し、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいてその保留用画像HWの表示態様を設定し直す。その結果、上位の表示態様(赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMe)への昇格が判定された場合には、図90(c)に示すように、実行表示領域Dにおいて保留用画像HWの表示態様が上位の態様(例えば赤色表示態様HMd)に変更される。
なお、保留用画像HWの遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドから把握される変動パターンが大当たりに対応したものでない場合、すなわち、当該遊技回にて大当たりが報知されない状態となっている場合は、上位の表示態様への昇格が不許可とされ、実行表示領域Dの保留用画像HWの表示態様が第1特定表示態様に維持される。
次に、電断状態の発生前においてSPリーチ外れ結果、SPSPリーチ外れ結果が先読みされていた場合について図91を参照しながら説明する。
図91(a)に示すように、第1特図の遊技回が実行されている状況で、それとは別に第1特図の保留情報が3個存在し、第1単位保留表示領域Ga1の保留用画像HW1が青色表示態様HMbで表示され、第3単位保留表示領域Ga3の保留用画像HWが緑色表示態様HMcで表示されていたとする。
保留用画像HW1に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン3H(SPリーチA外れ)であり、保留用画像HW2に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン6H(SPSPリーチB外れ)である。なお、第2単位保留表示領域Ga2の保留用画像に対応する保留情報の先読み結果は変動パターン1H(完全外れ)である。
その状態で電断状態が発生すると、パチンコ機10がオフ状態となり、表示画面G上の表示が消える。その後、電断状態が解消されて復電すると、電断状態の発生時に中断された遊技回(第1特図の遊技回)の続きが特図用表示部43にて再開される。
また、演出制御装置143では、主制御装置162から送信される復電時保留コマンドに基づき、保留用画像の表示を復帰させるための処理を実行する(ステップS6202~ステップS6205)。この際、SPリーチ外れに対応する変動パターン(変動パターン3H)が先読みされていた保留用画像HW1については、その表示態様を通常表示態様HMaに設定し、それよりも上位のSPSPリーチ外れに対応する変動パターン(変動パターン6H)が先読みされていた保留用画像HW2については、その表示態様を第2特定表示態様(青色表示態様HMb)に設定する。
これにより、図91(b)に示すように、保留用画像HW1の表示態様が通常表示態様HMaとされ、保留用画像HW2の表示態様が青色表示態様HMbとされた状態で、各保留用画像の表示が復帰される。すなわち、所定順位より下位のリーチ外れ演出に対応する保留情報の保留用画像については、電断状態の発生前に特定表示態様で表示されていたか否かにかかわらず、通常表示態様HMaで表示し、所定順位以上のリーチ演出に対応する保留情報の保留用画像については、所定以下の表示態様(第2特定表示態様)に制限して表示する。
保留用画像HW2の遊技回が実行される場合に、上位の表示態様への昇格判定が行われる点については、図90を参照して説明した大当たり結果が先読みされていた場合と同様であるため、説明を省略する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
対象保留用画像HWが特定表示態様とされている状況(保留予告演出が実行されている状況)で電断異常が発生し、その後、電断異常が解消されて復電した場合において、電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、保留予告演出を再実行する構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定表示態様として大当たり期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成の下、保留予告演出の実行中に電断異常が発生し、その後、復電した場合には、異常発生前に行われていた保留予告演出が再実行される。これにより、異常解消後に保留予告演出を復帰させることができ、異常の発生により保留予告演出が消滅してしまうことが抑制される。その際、対象保留用画像HWの表示態様が異常発生前の保留先読み処理の結果に基づいて設定されるため、復電後における保留予告演出の再実行を好適に行うことが可能になる。
保留先読み処理により先読みされた当否結果や変動パターン等をRAM314の保留球格納エリア314bに記憶することで、上記先読み結果に対応する情報を電断状態の発生後も保持可能とする構成とした。
上記構成では、電断状態が発生した場合に先読み結果に対応する情報が消失せずに保持されるため、復電後において、RAM314に保持された情報に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を決定することができ、復電後における保留予告演出の再実行を好適に行うことが可能になる。
復電後に保留予告演出を実行する場合において、対象保留用画像HWの表示態様を所定態様(緑色表示態様HMc)以下に制限する構成とした。
例えば、電断異常の影響により保留球格納エリア314bに記憶されていた保留情報に変化が生じた場合、電断前に行われた保留先読みの結果と、復電後の遊技回で行われる当否判定の結果や遊技回演出の選択結果とに不整合が生じる。このような場合に、電断前において保留予告演出により高い期待度を示唆しており、復電後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(当否判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、保留予告演出により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、電断発生時になされていた特定表示態様の種類が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の表示態様に制限して保留予告演出を再実行する。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が保留予告演出により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
対象保留用画像HWの表示態様を所定態様以下の表示態様に制限した場合に、対象保留用画像HWの遊技回においてその表示態様を上位の表示態様に昇格させるか否かを判定し、その結果に基づいて当該昇格を実行する構成とした。
上記構成では、対象保留用画像HWの表示態様が所定態様以下の表示態様に制限された場合でも、対象保留用画像HWの遊技回が行われることで、上位の表示態様への昇格が果たされるため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなることが回避される。
上記の際、上位の表示態様に昇格させるか否かの判定を遊技回の契機として行われる当否判定の結果や変動パターンの選択結果に基づいて行う構成とした。
上記構成では、当否判定や遊技回演出の選択について復電後の結果を判断材料として、対象保留用画像HWの表示態様を昇格させるか否かの判定が行われる。これにより、復電後の遊技回で実際に行われる報知結果等と整合させながら上記昇格を行うことができる。
復電後において、電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できない場合、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成とした。
例えば、一部の保留用画像について電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できない場合に、その保留用画像の表示自体を取り止めると、遊技者に対して保留数を適切に報知できなくなる懸念がある。また、保留先読み処理の結果を特定できた保留用画像で保留予告演出を再実行する(その保留用画像の表示態様を特定表示態様とする)場合に、保留先読み処理の結果を特定できない保留用画像の表示が欠損することで、特定表示態様とされた保留用画像と遊技回の順番がずれてしまい、別の遊技回に対応するようにして期待度が示唆される結果を招くおそれもある。この点、本構成では、電断前に行われた保留先読み処理の結果を特定できる保留用画像と、特定できない保留用画像とを識別し、後者については表示態様を通常表示態様HMaとして再表示する構成としたため、遊技者に対して保留数を適切に報知しつつ、他の保留用画像における保留予告演出を好適に行うことが可能になる。
電断状態から復電した場合に主制御装置162から演出制御装置143に復電時保留コマンドを出力し、演出制御装置143において復電時保留コマンドを受信したことに基づき、保留予告演出を再実行するための設定処理(表示態様の設定処理)を実行する構成とした。
この場合、電断状態が解消されて復電した際に速やかに保留予告演出を再実行することができる。これにより、遊技回の途中で電断状態が発生し、復電してから表示画面Gでの図柄変動表示が行われない期間が生じる場合において、当該図柄変動表示の復帰に先立って保留予告演出を再実行することができる。
<第8の実施の形態>
本実施の形態では、保留用画像が特定表示態様で表示されている場合に演出モードの切替を制限するように構成されている。以下、本実施の形態について図92~図94を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、手動操作により演出モードが切り替えられるように構成されていたが、本実施の形態では、演出用操作部36の操作を介することなく、自動で演出モードが切り替えられるように構成されている。なお、演出モードとしては演出モードAと演出モードBとを有し、これらは、上記第1の実施の形態と同様に、保留予告演出の発生頻度が相違するものとなっている。具体的には、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能し、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能するように構成されている。
<演出モード切替用処理>
本実施の形態に係る演出モード切替用処理について図92を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップS1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。
先ずステップS7101では、演出モード切替の抽選タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、所定状態(例えば、通常遊技状態であり且つ連続演出等の複数の遊技回を跨いで行われる演出が行われていない状態)である期間を演出モードの切替有効期間としており、その切替有効期間では、各遊技回における所定タイミング(例えば遊技回の開始タイミング)で演出モードの切替抽選を行うように構成されている。本ステップでは、その切替抽選の実行タイミングであるか否かを判定する。演出モード切替の抽選タイミングでない場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
演出モード切替の抽選タイミングである場合は、ステップS7102に進み、演出モード切替の実行抽選を行う第1モード切替抽選を実行する。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された第1モード切替抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。第1モード切替抽選用テーブルは、演出モードを切り替えるか否かを抽選するための抽選用テーブルである。なお、本テーブルは、滞在している演出モードの種類にかかわらず共通の当選確率となるものであってもよいし、滞在している演出モードによって当選確率が変動するものであってもよい。
ステップS7103では、ステップS7102の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップS7104に進み、モード切替用判定処理を実行する。モード切替用判定処理は、演出モードの切り替えを許容するか否かを判定するものである。ここで、ステップS7104のモード切替用判定処理について図93のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS7201では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して現在の保留個数を把握する。ステップS7202では、ステップS7201で把握した保留個数が0個であるか否かを判定する。保留個数が0個である場合は、ステップS7203にて演出モード切替を許容すると判定し、その後、モード切替用判定処理を終了する。
保留個数が0個でない場合は、ステップS7204にて各保留用画像の現在の表示態様を把握する。続くステップS7205では、ステップS7204の把握結果に基づいて特定表示態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd又は虹色表示態様HMeのいずれかの態様)で表示されている保留用画像が存在するか否かを判定する。特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、ステップS7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、ステップS7206にて、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えであるか否かを判定する。すなわち、保留予告演出の発生頻度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えであるか否か(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えであるか否か)を判定する。
演出モードBへの切り替えである場合は、ステップS7207に進み、特定表示態様で表示されている保留用画像の保留情報に対する先読み結果が大当たり結果であるか否かを判定する。先読み結果が大当たり結果でない場合は、ステップS7208にて演出モード切替を許容しないと判定し、その後、モード切替用判定処理を終了する。一般に当否判定においては外れ確率の方が当選確率(大当たり確率)よりもはるかに高く、保留先読みの結果は殆どが外れ結果となるため、上記ステップS7207での判定結果は大半が否定判定となって演出モード切替が許容されないことになる。すなわち、演出モードBへの切り替えである場合において特定表示態様の保留用画像が存在する状況下では、基本的に演出モードの切り替えが許容されず、制限されることになる。
上記ステップS7207で肯定判定した場合(先読み結果が大当たり結果である場合)は、ステップS7209に進み、モード切替の再抽選を行う第2モード切替抽選を実行する。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された第2モード切替抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。第2モード切替抽選用テーブルは、第1モード切替抽選用テーブルと同様に、演出モードを切り替えるか否かを抽選するための抽選用テーブルである。第2モード切替抽選用テーブルでの当選確率は、第1モード切替抽選用テーブルでの当選確率と同じでもよいし、異なっていてもよい。
ステップS7210では、ステップS7209の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、ステップS7208に進み、演出モード切替を許容しないと判定する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップS7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。すなわち、先読み結果が大当たり結果である場合の一部については、特定表示態様の保留用画像が表示された状況であっても、例外的に演出モードの切り替えが許容される。
既に説明したように、特定表示態様の保留用画像が存在する状況で大当たりの先読み保留が存在しない場合は、演出モードの切り替えが許容されず、また、大当たりの先読み保留が存在する場合であっても第2モード切替抽選に外れた場合は、演出モードの切り替えが許容されない。すなわち、特定表示態様の保留用画像が存在する状況において演出モードの切り替えが許容されるのは稀なケースとなるため、遊技者には法則崩れと認識され、大当たりが確定する演出となる。
上記ステップS7206で否定判定した場合(演出モードBから演出モードAへの切り替えである場合)、すなわち、保留予告演出の発生頻度が低い側の演出モードから高い側の演出モードへの切り替えである場合(換言すれば、保留予告演出の大当たり期待度が高い側の演出モードから低い側の演出モードへの切り替えである場合)は、ステップS7211にて、特定表示態様で表示されている保留用画像の表示態様が所定態様(例えば、緑色表示態様HMc)以上のものであるか否かを判定する。
表示態様が所定態様より下位の態様(例えば、青色表示態様HMb)である場合は、ステップS7203に進み、演出モード切替を許容すると判定する。すなわち、演出モードAへの切り替えである場合は、特定表示態様の保留用画像が表示されている状況であっても、所定態様より下位の表示態様であれば、演出モードの切り替えが許容される。この場合は、その保留用画像の特定表示態様が維持された状態で演出モードの切り替えが行われる。なお、演出モードによって保留用画像の形態が変化する場合は、当該形態が変更されつつ、その表示色がモード切替前と同じ表示色に設定される。
上記ステップS7211で肯定判定した場合(表示態様が所定態様以上である場合)は、ステップS7207にて、表示態様が所定態様以上である保留用画像について、その保留情報の先読み結果が大当たり結果であるか否かを判定する。その後は、ステップS7208~ステップS7210の処理を実行し、第2モード切替抽選に当選したことを条件として演出モードの切り替えを許容する。
演出モード切替用処理(図92)の説明に戻り、ステップS7104のモード切替用判定処理を実行した後は、ステップS7105にて、ステップS7104の判定処理の結果がモード切替を許容するものであるか否かを判定する。モード切替を許容しない結果である場合は、現状の演出モードを維持すべく、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
モード切替を許容する結果である場合は、ステップS7106に進み、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。なお、演出モードの切り替えは、遊技回の開始タイミングに行ってもよいし、遊技回の途中で行ってもよい。
ステップS7107では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグをRAM344の各種フラグ格納エリア344dにセットし、その後、演出モード切替用処理を終了する。
なお、本実施の形態では、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップS1702の保留予告の第2実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップS1808の第3実行用処理、それらに付随する処理等は実行されない。
<演出モードの切替制限について>
演出モードの切替制限の態様について図94を参照しながら説明する。先ず、演出モードAから演出モードBに切り替える場合について図94(a)を参照しながら説明する。
演出モードの切替タイミングとなった場合において、保留が存在しない場合、保留が存在しても特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、演出モードの切り替わりが許容される。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、基本的に演出モードの切り替わりが許容されない。すなわち、保留予告演出の発生頻度が相対的に高い演出モードA(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に低い演出モード)から相対的に低い演出モードB(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に高い演出モード)に切り替える場合は、特定表示態様の保留用画像が存在することを条件として演出モードの切り替わりが制限される。
但し、特定表示態様の保留用画像が存在する場合でも、その中に大当たり結果が先読みされたものが存在する場合は、例外的に演出モードの切り替わりが許容される。この場合は、既に説明したように、演出矛盾で大当たりが確定する演出となる。なお、大当たり結果が先読みされた保留情報が存在する場合において、その表示態様が通常表示態様HMaである場合は、特定表示態様の保留用画像が存在しないとして演出モードの切り替わりが許容される。
次に、演出モードBから演出モードAに切り替える場合について図94(b)を参照しながら説明する。
演出モードの切替タイミングとなった場合において、保留が存在しない場合、保留が存在しても特定表示態様の保留用画像が存在しない場合は、演出モードAから演出モードBに切り替える場合と同様に、演出モードの切り替わりが許容される。
特定表示態様の保留用画像が存在する場合は、その表示態様によってモード切替が許容されるか否かが異なる。具体的には、特定表示態様で表示された保留用画像の表示態様が所定表示態様より下位の表示態様(青色表示態様HMb)である場合は、演出モードの切り替わりが許容される。すなわち、保留予告演出の発生頻度が相対的に低い演出モードB(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に高い演出モード)から相対的に高い演出モードA(保留予告演出の大当たり期待度が相対的に低い演出モード)に切り替える場合は、その逆である場合よりも切替制限が緩和される。この場合、保留用画用の表示態様は、通常表示態様HMaに変更されることなく、モード切替前の特定表示態様が維持される。
一方、保留用画像の表示態様が所定表示態様以上の表示態様である場合は、大当たり結果が先読みされたものが存在する場合を除き、演出モードの切り替わりが許容されない。つまり、保留予告演出により、ある程度の期待度を遊技者に報知している場合は、演出モードの切り替わりが制限される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出の実行中である場合、演出モードの切り替えを制限する構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられると、演出モードの変更に気を取られて保留予告演出への注目度が低下したり、逆に保留予告演出に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出モードが変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成では、保留予告演出の実行中である場合は演出モードの切り替えを制限するため、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとが重複することを抑制できる。これにより、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出モードが実行中の保留予告演出に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、保留予告演出を実行したままで演出モードを切り替えると、その保留予告演出により示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出モードにおいて保留予告演出により示唆される期待度と実際に報知される当否判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、本実施の形態(保留予告演出の実行中である場合、演出モードの切り替えを制限する構成)を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードであり、演出モードAで保留予告演出が実行されている場合に演出モードBへの切替を制限する構成とした。
演出モードBにおける保留予告演出の実行されやすさが演出モードAのそれよりも低い場合において、保留予告演出を実行したままで演出モードAから演出モードBに切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出が対応する期待度が相対的に低い)演出モードAから保留予告演出が実行されにくい(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)演出モードBへの切替に際し、保留予告演出の実行中である場合は当該切替の実行を制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
演出モードAで保留予告演出が実行中である場合は基本的に演出モードBへの切替を制限しつつ、その保留予告演出と契機となった保留先読み結果が大当たり結果である場合は例外的に演出モードBへの切替を許容する構成とした。
この場合、本来は演出モードの切り替えが行われない状況であるにもかかわらず、当該切り替えが生じることで、遊技者から見て法則崩れとなり、大当たりを示唆することができる。つまり、演出モードの切り替えを期待度示唆演出の1つとして活用することが可能になる。
演出モードBで保留予告演出が実行中である場合において演出モードAへの切替条件が成立した場合、切替条件が成立したときの特定表示態様の種類によって、演出モードAへの切替を制限するか否かを異ならせる構成とした。
保留予告演出が実行中である場合、画一的に演出モードの切替を制限する構成すると、演出モードの切り替えが過剰に制限されたり、保留予告演出の実行頻度が少なく抑えられたりするおそれがあり、複数種類の演出モードを設けた意義や保留予告演出の実行機能を搭載した意義が薄れてしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が対応する期待度が高い演出モードBから保留予告演出が対応する期待度が低い演出モードAへの切替の場合は、モード切替の制限を緩和し、切替条件が成立したときの特定表示態様が所定態様(緑色表示態様HMc)以下であることを条件として切替を許容する。このため、演出モードの切り替えや保留予告演出の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、演出モードが切り替えられる場合に保留予告演出の実行が制限されるように構成されている。以下、本実施の形態について図95~図99を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、演出モードの切替有効期間において切替案内報知が行われ、当該報知が行われている状況で遊技者が演出用操作部36を操作すると、次の遊技回から演出モードが切り替わるように構成されている。ここで、そのようなモード切替の一例について説明する。
図95(a)に示すように、演出モードの切替有効期間中の所定遊技回において、図柄表示装置75の表示画面G上に切替案内報知としての切替案内画像451が表示される。この切替案内画像451は、所定期間(例えば、その遊技回が終了するまでの期間)に亘って表示される。
図95(a)では、切替案内画像451の表示例として、表示画面Gにおいて図柄列Z1~Z3の上方に、「演出ボタンを押すと演出モードが切り替わるよ」といった文字表示がテロップ表示される構成を示している。なお、切替案内報知は、これに限定されるものではなく、上記文字表示が行われたウィンドウが表示されたり、切替案内に対応させた所定の発光部を発光させたりするものでもあってもよい。また、必ずしも視覚的な報知に限らず、スピーカ部29を用いた音声案内であってもよい。
そのような状態で、遊技者が演出用操作部36により所定操作を行うと、切替待機報知が行われる。切替待機報知は、演出モードの切り替えが待機されている状態であることを報知するものである。切替待機報知の具体的態様は特に限定されるものではないが、例えば、図95(b)に示すように、表示画面Gにて「モードチェンジ準備中」などの文字が表示された切替待機中画像452を表示するものが考えられる。
切替待機中画像452が表示された遊技回が終了し、次の遊技回に移行すると、図95(c)に示すように、切替待機中画像452の表示が消去されるとともに、演出モードが切り替わる。
また、図95(a)の切替案内画像451の表示期間において遊技者により演出用操作部36が操作されなかった場合は、演出モードが切り替えられることなく、次の遊技回に移行しても現状の演出モードが維持される。
なお、演出モードとしては演出モードAと演出モードBとを有し、これらは、上記第1の実施の形態と同様に、保留予告演出の発生頻度が相違するものとなっている。具体的には、演出モードAについては、保留予告演出が実行されやすく、当該演出を楽しみやすいモードとして機能し、演出モードBについては、保留予告演出が実行されにくいものの、実行された場合の大当たり期待度が高いモードとして機能するように構成されている。
<演出モード切替用処理>
本実施の形態に係る演出モード切替用処理について図96を参照しながら説明する。この処理は、演出設定処理(図30)のステップS1307で実行されるものであり、図42の演出モード切替用処理に代えて実行されるものである。
先ずステップS8101では、演出モードの切替有効期間中であるか否かを判定する。本実施の形態においても、上記第8の実施の形態と同様に、所定状態(例えば、通常遊技状態であり且つ連続演出等の複数の遊技回を跨いで行われる演出が行われていない状態)である期間を演出モードの切替有効期間として設定している。演出モードの切替有効期間中でない場合は、現状の演出モードを維持すべく演出モード切替用処理を終了する。
演出モードの切替有効期間中である場合は、ステップS8102に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグが格納されているか否かを判定する。切替待機フラグは、モード切替を待機している状態であること、換言すれば、その後に演出モードが切り替わることをMPU342が把握するためのものである。
切替待機フラグが格納されていない場合、すなわち、モード切替の待機状態でない場合は、ステップS8103に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに案内表示フラグが格納されているか否かを判定する。案内報知フラグは、切替案内報知の実行中であることをMPU342が把握するためのものである。
案内報知フラグが格納されていない場合、すなわち、切替案内報知の実行中でない場合は、ステップS8104に進み、切替案内報知の実行抽選の実行タイミングであるか否かを判定する。切替案内報知の実行抽選は、切替案内報知を実行するか否かを抽選する処理である。切替案内報知の抽選タイミングは特に限定されるものではないが、本実施の形態では、遊技回の開始タイミングを上記抽選タイミングに設定している。抽選タイミングでない場合は、そのまま演出モード切替用処理を終了する。
抽選タイミングである場合は、ステップS8105に進み、切替案内報知の実行抽選を行う。本ステップでは、RAM344の各カウンタエリア344bから取得した抽選用のカウンタ(乱数値)と、ROM343の各種テーブル記憶エリア343aに記憶された切替案内抽選用テーブルとに基づいて上記抽選を行う。ステップS8106では、ステップS8105の抽選結果が当選結果であるか否かを判定する。抽選結果が外れ結果である場合は、切替案内報知を不実行とすべく演出モード切替用処理を終了する。
抽選結果が当選結果である場合は、ステップS8107に進み、切替案内報知としての切替案内画像451を表示すべく、表示制御装置350を制御する。具体的には、表示制御装置350への送信コマンドとして切替案内画像451を表示すべき旨のコマンドを設定する。これにより、表示画面Gに切替案内画像451が表示される。ステップS8108では、上記各種フラグ格納エリア344dに案内報知フラグをセットし、その後、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップS8103で肯定判定した場合(案内報知フラグが格納されている場合)、すなわち、切替案内報知の実行中である場合は、ステップS8109に進み、演出用操作部36にて演出モードを切り替えるための所定操作が行われたか否かを判定する。所定操作が行われた場合は、ステップS8110に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている案内報知フラグを消去する。
ステップS8111では、上記各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグをセットする。これにより、モード切替の待機状態に移行する。ステップS8112では、切替待機報知としての切替待機中画像452を表示すべく、表示制御装置350を制御する。具体的には、表示制御装置350への送信コマンドとして切替待機中画像452を表示すべき旨のコマンドを設定する。これにより、表示画面Gに切替待機中画像452が表示される。ステップS8112の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップS8109で否定判定した場合(所定操作が行われていない場合)は、ステップS8113に進み、切替案内画像451の表示期間(切替案内報知の報知期間)が経過したか否かを判定する。表示期間が経過していない場合は、切替案内画像451の表示を継続すべく演出モード切替用処理を終了する。
表示期間が経過している場合は、ステップS8114に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている案内報知フラグを消去する。これにより、演出モードの切替操作の受付期間が終了する。また、ステップS8114では、切替案内画像451を消去するように表示制御装置350を制御する。ステップS8114の実行後は、演出モード切替用処理を終了する。
上記ステップS8102で肯定判定した場合(切替待機フラグが格納されている場合)、すなわち、モード切替の待機状態である場合は、ステップS8115に進み、モード切替の実行タイミングであるか否かを判定する。演出モードの切替タイミングは待機状態への移行後におけるタイミングであれば特に限定されるものではないが、本実施の形態では、切替操作がなされた遊技回の終了後に行われる次の遊技回の開始タイミングを上記切替タイミングに設定している。切替タイミングでない場合は、モード切替の待機状態を継続すべく演出モード切替用処理を終了する。
切替タイミングである場合は、ステップS8116に進み、上記各種フラグ格納エリア344dに格納されている切替待機フラグを消去する。これにより、モード切替の待機状態が終了する。ステップS8117では、演出モードを切り替えるための切替処理を実行する。例えば、現在の演出モードが演出モードAである場合は、演出モードBに切り替わるように演出データを設定する。
ステップS8118では、切替後の演出モードに対応する演出モードフラグを上記各種フラグ格納エリア344dにセットする。ステップS8119では、保留予告の第2設定処理を実行し、その後、演出モード切替用処理を終了する。保留予告の第2設定処理は、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を対象として保留予告演出の実行設定を行うものである。当該設定処理の詳細については後述する。
<保留コマンド対応処理>
本実施の形態に係る保留コマンド対応処理について図97のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置162からの保留コマンドを受信した場合に実行される(演出設定処理(図30)のステップS1302で実行される)ものであり、図31の保留コマンド対応処理に代えて実行されるものである。図97において図31と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1402にて、RAM344の各種カウンタエリア344bに設けられた保留数カウンタの値(始動保留記憶数SN)を1インクリメントした後は、ステップS8201に進み、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに切替待機フラグが格納されているか否かを判定する。切替待機フラグが格納されていない場合、すなわち、モード切替の待機状態でない場合は、ステップS1403に進み、保留予告用の設定処理(図34)を実行する。保留予告用の設定処理では、発生した保留情報を対象として保留予告演出を実行するための設定を行う。
切替待機フラグが格納されている場合(モード切替の待機状態である)場合は、ステップS8202に進み、発生した保留情報に対応する保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。すなわち、本実施の形態では、モード切替の待機期間中に新たな保留情報が発生した場合、その保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限する。
なお、その保留情報に対する先読みについては、他の保留情報と同様に、主制御装置162の保留先読み処理(図26)にて行われる。よって、演出制御装置143では、ステップS1403の保留予告用の設定処理を実行せず、保留用画像の表示態様を強制的に通常表示態様HMaとするものの、変動パターン等の先読み結果については主制御装置162からの保留コマンドにより取得した状態となっている。
ステップS8203では、発生した保留情報に対応させて待機期間中に発生した保留情報であることを示す待機中発生情報を記憶する。この処理は、例えば、RAM344の保留用記憶エリア344cに設けられた第1エリア~第4エリア(図32)に、上記待機中発生情報を記憶することで行う。このため、シフト時コマンド対応処理(図40)におけるステップS1704のシフト処理を実行した場合、待機中発生情報は保留情報(変動パターン情報等)に付随して下位エリア側にシフトされる。これにより、シフト処理が行われて保留用画像の表示エリアがシフトされた場合でも、いずれの保留用画像が待機期間中に発生したものであるかを把握することができる。なお、待機中発生情報は、いずれの保留情報を対象とするかを認識できるものであれば、RAM344の保留用記憶エリア344c以外の記憶領域に記憶されてもよい。
ステップS8203の実行後はステップS1405にて、表示画面Gの保留表示部200に保留用画像を表示するための処理を実行する。上述のように、ステップS8202で表示態様が通常表示態様HMaに設定されているため、待機期間中に発生した保留情報の保留用画像は、通常表示態様HMaにて表示される。
<保留予告用の第2設定処理>
ステップS8119の保留予告用の第2設定処理について図98のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告用の第2設定処理は、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を対象として保留予告演出の実行設定を行うものである。
先ずステップS8301では、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を把握する。すなわち、待機中発生情報に基づき、その時点で存在している保留情報のうち、いずれの保留情報が待機期間中に発生した保留情報であるかを特定する。
ステップS8301の処理を実行した後は、把握した待機期間中の発生保留を対象としてステップS8302以降の処理を実行する。なお、ステップS8302以降の処理は、その多くが保留予告用の設定処理(図34)における各処理と同様のものであるため、共通の処理については説明を簡略化し、異なる処理について詳細に説明する。
ステップS8302~ステップS8304では、RAM344の保留用記憶エリア344cを参照して待機期間中の発生保留における変動パターンを把握したり、大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS8305では、切替後の演出モードを把握する。例えば、今回のモード切替が演出モードAから演出モードBへの切り替えである場合は、切替後の演出モードとして演出モードBを把握する。
ステップS8306~ステップS8308では、ステップS8305で把握した切替後の演出モードに対応する保留予告実行抽選テーブルを取得し、保留予告演出の実行抽選を行う。当該実行抽選に当選した場合には、ステップS8309~ステップS8314にて、保留予告演出における保留用画像の最終表示態様を決定したり、演出シナリオを決定したりする。その際、最終表示態様を抽選するための最終表示態様抽選テーブルや、演出シナリオを抽選するための演出シナリオ抽選テーブルとして各演出モードで異なるテーブルが設定されている場合には、ステップS8305で把握した切替後の演出モードに対応するテーブルを取得して抽選を行う。
このように本実施の形態では、モード切替の待機期間中に発生した保留情報については、待機状態が解除された場合に保留予告演出の設定(先読み結果に基づく表示態様の設定処理)を行う。その際、待機期間中の発生保留は切替前の演出モード中に発生したものであるものの、保留予告演出の実行抽選や最終表示態様の抽選等については、切替後の演出モードに対して設定された条件を適用し、切替後の演出モードに対応させて行う。
ステップS8315では、RAM344の各種フラグ格納エリア344dに保留予告フラグをセットし、その後、保留予告用の第2設定処理を終了する。このようにして保留予告フラグがセットされた後は、シフト時コマンド対応処理(図38(a))におけるステップS1701の保留予告の第1実行用処理や、特図変動表示用処理(図41)におけるステップS1807の保留予告の第1実行用処理にて、保留用画像の表示態様を特定表示態様に変更する処理が実行される。すなわち、モード切替の待機期間中に発生した保留情報についての保留予告演出は、演出モードが切り替えられた後に行われる。
<演出モードが切り替わる場合の保留用画像の表示態様について>
演出モードが切り替わる場合の保留用画像の表示態様について図95及び図99を参照しながら説明する。ここでは、演出モードAから演出モードBに切り替わる場合を例にとって説明する。
モード切替の切替有効期間中において切替案内報知の実行抽選に当選すると、図95(a)に示すように、図柄表示装置75の表示画面Gに切替案内画像451が表示される。その状態で遊技者が演出用操作部36によりモード切替操作を行うと、モード切替の待機状態(後にモード切替が行われることを把握している状態)に移行し、図99(a)に示すように、表示画面Gに切替待機中画像452が表示される。なお、モード切替の待機状態は、モード切替タイミング(次の遊技回の開始タイミング)となることで終了する。
待機期間中において新たな保留情報が2個発生したとすると、主制御装置162では、待機期間中ではない状況で発生した保留情報と同様に保留先読み処理(ステップS305)を実行し、それら各保留情報についての変動パターン等を先読みする。また、演出制御装置143では、それら各保留情報を対象とした保留予告用の設定処理(ステップS1403)を実行せず、それらに対応する保留用画像HW1,HW2の表示態様を通常表示態様HMaに設定する。
これにより、図99(b)に示すように、第1保留表示領域Gaの第2単位保留表示領域Ga2及び第3単位保留表示領域Ga3に通常表示態様HMaとされた保留用画像HW1,HW2が表示される。保留用画像HW1,HW2の表示態様を通常表示態様HMaとする状態は、少なくも待機状態が終了するまで継続される。
次の遊技回が開始されることに伴いモード切替タイミングとなると、モード切替の待機状態が終了し、図99(c)に示すように、演出モードが演出モードAから演出モードBに切り替わる。この際、演出制御装置143では、待機期間中に発生した保留情報(保留用画像HW1,HW2)を対象として保留予告用の第2設定処理(ステップS8119)を実行する。
保留予告用の第2設定処理では、それら保留情報が取得された際に実行された保留先読み処理の結果に基づき、保留予告演出を実行するための各種抽選(保留予告演出の実行抽選、最終表示態様の抽選、演出シナリオの抽選等)を行う。その際、それらの抽選には、切替後の演出モードである演出モードB用に設定された抽選テーブルを用いる。
保留予告用の第2設定処理の結果、保留用画像HW1については保留予告演出を実行せず、保留用画像HW2については次のシフトタイミングで青色表示態様HMbに変更する結果が抽選されたとすると、図99(d)に示すように、保留用画像HW2が第2単位保留表示領域Ga2から第1単位保留表示領域Ga1にシフトされる際に、その表示態様が通常表示態様HMaから青色表示態様HMbに変更される。すなわち、モード切替の待機期間中に発生した保留情報を契機とする保留予告演出がモード切替後に実行される。
なお、保留予告演出の実行中に切替案内報知の実行抽選に当選し、保留予告演出が実行されている状況で切替案内画像451(図95(a))が表示される場合もある。この場合の保留予告演出は実行制限の対象とならず、当該保留予告演出が継続された状態で待機状態に移行する。
また、切替案内画像451が表示されてから切替操作が行われるまでの間(待機状態に移行するまでの間)において保留情報が発生し、当該保留情報を契機として保留予告演出が実行される場合もある。すなわち、切替案内画像451の表示後に取得された保留情報の保留用画像が特定表示態様とされた状態で待機状態に移行する場合もある。この場合も当該保留予告演出は実行制限の対象とならず、当該保留予告演出が継続された状態で待機状態に移行する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏することができる。
演出モードの切替条件が成立して待機状態に移行し、その後、切替タイミングとなった場合に演出モードを切り替える構成において、待機状態である間、保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出の実行を制限する構成とした。
本実施の形態では、保留先読み処理の結果に基づいて保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出が実行されるため、遊技回の開始前から大当たり結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。また、演出モードAと演出モードBとでモード切替が行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替えられると、演出モードの変更に気を取られて保留予告演出への注目度が低下したり、逆に保留予告演出に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出モードが変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成によれば、後に演出モードが切り替わることを把握している状態(モード切り替えの待機状態)では、保留予告演出の実行を制限するため、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わることを抑制できる。これにより、保留予告演出の実行と演出モードの切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出モードが実行中の保留予告演出に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
待機状態中に取得された保留情報を対象として保留予告演出の実行を制限する構成とした。
上記構成により、保留予告演出の制限対象となる特別状態の範囲が広くなり、保留予告演出の実行が過度に制限されることを抑制できる。特に、切替案内画像451の表示後、待機状態に移行するまでの間に取得された保留情報を保留予告演出の実行制限の対象とすると、演出モードの切り替えが実際になされるのか不確定な状況で取得された保留情報についてまで保留予告演出の実行が制限されることになる。この場合、遊技者が切替操作を実行せず、演出モードの切り替えがなされなかった場合には、結果的に、制限する必要がなかった保留情報について保留予告演出の実行を制限してしまうことになるが、本構成によれば、そのような無駄な制限を抑制することが可能になる。
保留先読み処理の結果にかかわらず、保留予告演出の実行を制限する構成とした。
上記構成によれば、保留先読み処理の結果とは無関係に保留予告演出の実行を強制的に制限することができる。これにより、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わることを好適に抑制できる。また、保留予告演出の実行制限が保留先読み処理の結果に影響されないことから、待機状態(保留予告演出の制限期間中)であっても、非待機状態である場合と同様に保留先読み処理を進めることができる。すなわち、保留先読み処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、待機状態中の保留予告演出の実行を制限することができる。
演出モードAと演出モードBとで保留予告演出の実行されやすさが異なる構成とした。
かかる構成の場合、演出モードが切り替わることで、大当たり期待度の示唆に関する演出特性が変化するため、背景画像やキャラクタ画像の変更等による見た目だけの変更に留まる場合に比べ、演出モードの違いを遊技者に強く印象付けることができる。しかしながらその反面、保留予告演出を実行したままで演出モードを切り替えると、その保留予告演出により示唆される期待度が演出モードの切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出モードにおいて保留予告演出により示唆される期待度と実際に報知される当否判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、本実施の形態(演出モードの切替準備中である待機状態である場合において、保留予告演出の実行を制限する構成)を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
演出モードBは、演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい演出モードであり、演出モードAで保留予告演出が実行されている場合に演出モードBへの切替を制限する構成とした。
演出モードBにおける保留予告演出の実行されやすさが演出モードAのそれよりも低い場合において、保留予告演出を実行したままで演出モードAから演出モードBに切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出が対応する期待度が相対的に低い)演出モードAから保留予告演出が実行されにくい(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)演出モードBへの切替に際し、当該モードへの切替準備中である場合は保留予告演出の実行を制限する。これにより、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わることが抑制され、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
待機状態中に取得された保留情報に対応する保留予告演出を演出モードの切り替え後に実行する構成とした。これにより、待機状態中に取得された保留情報について保留予告演出の実行が制限されたままとなり、期待度示唆が行えなくなることを抑制できる。
上記の際、モード切替後の保留予告演出を待機状態中に行われた保留先読み処理(保留情報が取得されたときの保留先読み処理)の結果に基づいて実行する構成とした。この場合、演出モードの切り替わり後に改めて保留先読み処理を実行しなくても、待機状態中に取得された保留情報に対応する保留予告演出を実行することができる。これにより、主制御装置162の保留先読み処理について既存の構成をそのまま用いることができ、構成が複雑化することを抑制できる。
待機状態中に取得された保留情報について演出モードの切替後に保留予告演出を実行するか否かの実行抽選を行う構成とした上で、当該実行抽選の抽選条件(当選確率等)として切替後の演出モードに対応させて設定された条件を適用する構成とした。
上記構成では、演出モードの切替後に保留予告演出を実行するか否かを抽選するに際し、対象となる保留情報が取得されたときの抽選条件(切り替わり前の演出モードに対応させて設定された抽選条件)ではなく、切り替わり後の演出モードに対応させて設定された抽選条件が適用される。これにより、待機状態中(演出モードの切り替わり前)に取得された保留情報であっても、切り替わり後の演出モードに対応させて保留予告演出を行うことが可能になる。
待機状態中に保留情報が取得された場合、その保留情報が待機状態中に取得されたものであることを示す待機中発生情報をRAM344の保留用記憶エリア344cに記憶する構成とした。
上記構成によれば、RAM344の保留用記憶エリア344cに記憶された待機中発生情報に基づき、その保留情報が待機状態中に取得されたものであることを待機状態後に把握することができる。このため、待機状態の終了後において、待機状態となる前に取得された保留情報と待機状態中に取得された保留情報とが混在する場合でも、待機状態中に取得された保留情報を簡単に特定することができる。これにより、モード切替後に保留予告演出を実行する場合において、待機状態中に取得された保留情報と、そうではない保留情報とを識別し、待機状態中に取得された保留情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
(1)上記各実施の形態では、第1作動口62への入賞に基づく保留情報が4個を上限として記憶される構成としたが、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数についても、4個未満であってもよいし(1個であってもよい)、5個以上であってもよい。また、各作動口62,63への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(2)上記各実施の形態では、第1作動口62及び第2作動口63への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、第2作動口63への入賞に基づく保留情報のほうが、第1作動口62への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であったり、入賞順に当否判定が行われたりする構成であってもよい。
(3)上記各実施の形態では、右ルートを流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成としたが、左ルートを流下する遊技球のみが通過又は入賞可能となる構成としてもよいし、右ルートと左ルートのいずれからでも通過又は入賞可能となる構成としてもよい。但し、遊技のメリハリを付ける上では、右ルートと左ルートの一方を流下する遊技球のみが第1作動口62に入賞可能となり、右ルートと左ルートの他方を流下する遊技球のみがスルーゲート64、第2作動口63を通過又は入賞可能となる構成とするとよい。
(4)上記各実施の形態では、図柄表示装置75の表示画面Gに保留用画像を表示することで、遊技者が保留数を認識することが可能な保留用報知を行ったが、図柄表示装置75とは別の表示部に保留用画像を表示してもよいし、上限記憶数に対応した数で設けられた保留ランプ部(発光部)を発光させ、発光した保留ランプ部の数により保留数を報知したりする構成としてもよい。保留ランプ部を発光させる場合にあっては、保留先読み処理の結果に基づいて発光態様(例えば発光色)を通常発光態様とは異なる特定発光態様とすることで、保留予告演出を行う構成とすることができる。
(5)上記各実施の形態では、当否判定の結果が大当たり結果となることにより大当たり遊技(開閉実行モード)に移行する構成としたが、いわゆる1種2種混合機のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、小当たり遊技(内部にV入賞口を有する又はV入賞口及び外れ口を有する可変入賞装置が開閉される遊技状態)においてV入賞口(V入賞センサ)を遊技球が通過した場合(付与判定の結果が所定結果となり、所定の遊技結果となった場合)に大当たり遊技に移行する構成としてもよい。
なお、本発明における「付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能」や、「付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる」には、上記のように、当否判定の結果が小当たり結果となり、V入賞を介して大当たり遊技に移行する場合も含まれると解することができる。
(6)上記各実施の形態では、特定報知として、保留用画像の表示態様を特定表示態様とする保留予告演出を実行したが、保留用画像を用いた保留予告演出に代えて、保留先読み処理の結果に基づいて複数回の遊技回に亘って実行される遊技回演出(いわゆる連続予告演出や先読みゾーン演出)を対象として各実施の形態の構成を適用してもよい。
(7)上記各実施の形態では、特定報知として遊技回を跨ぐ演出を実行したが、特定報知は必ずしも遊技回を跨ぐものである必要はなく、1回の遊技回の中で行われるものであってもよい。例えば、上記第1の実施の形態であれば、遊技回の途中で演出モードが複数回に亘って切り替えられることが想定されるためである。この場合、当該1回の遊技回の中で行われる演出は、必ずしも保留先読み処理の結果を契機とするものである必要はなく、当該遊技回の開始時に行われる当否判定等の結果に基づくものであってもよい。
(8)上記各実施の形態では、図柄表示装置75の表示画面Gにて変動表示される図柄が左右方向にスクロールする構成としたが、左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される構成としてもよい。すなわち、図柄の並び方向やスクロール方向は特に限定されるものではない。また、図柄の数(図柄列の列数)についても3個に限定されるものではなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(9)上記各実施の形態では、保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識可能となる報知を行うものとして実行表示領域Dを設けたが、実行表示領域Dを備えない構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、保留予告演出を実行する場合、実行表示領域Dでの報知期間を含めて演出シナリオを設定する構成としたが、対象保留用画像HWが実行表示領域Dに表示される前の期間(対象保留用画像HWの遊技回が保留中である期間)を対象として演出シナリオを設定する構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、保留予告演出を実行する場合、保留用画像の最終表示態様を決定してから演出シナリオを設定するといった具合に段階的に設定を行う構成としたが、1の処理で最終表示態様及び演出シナリオを設定する構成としてもよい。例えば、1のテーブルにより最終表示態様と演出シナリオとの両方を決定する構成としてもよい。
(12)上記各実施の形態では、主制御装置162で実行した保留先読み処理の結果を演出制御装置143に通知する場合に変動パターンの情報を送信する構成としたが、送信コマンドのデータ容量が大きくなることを抑制すべく、当該変動パターンよりもデータ量の小さい所定情報(変動パターンに対応する識別子や、変動パターンを期待度に応じてランク分けした場合のランク情報等)を送信する構成としてもよい。このことは、上記第6の実施の形態における復電時保留コマンド等においても同様である。
(13)上記各実施の形態では、変動パターンに基づいて遊技回演出(演出パターン)を決定するが、変動種別カウンタCSや大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて遊技回演出を決定する構成としてもよい。この場合、主制御装置162にて保留先読み処理を実行せず、主制御装置162からの保留コマンド(変動種別カウンタCSや大当たり乱数カウンタC1の値を示す情報)に基づき、演出制御装置143にて保留先読み処理(当否判定の結果や遊技回演出を先読みする処理)を実行する構成とするとよい。
(14)上記各実施の形態では、保留先読み処理により特定された変動パターンに基づいて保留予告演出の態様(保留用画像の表示態様)を設定するが、演出制御装置143において、主制御装置162から送信される変動パターン(保留先読み処理により特定された変動パターン)の情報に基づいて演出パターン(遊技回演出)を先読みし、その結果に基づいて保留予告演出の態様を設定する構成としてもよい。このような構成は、例えば、1の変動パターンに対して複数種類の演出パターン(遊技回演出)が対応する場合に特に有効となる。
(15)上記第1~第4、第6~第9の実施の形態では、保留先読み処理を主制御装置162で行う構成としたが、演出制御装置143や表示制御装置350で行う構成としてもよい。演出制御装置143にて保留先読み処理を実行する場合、上記第5の実施の形態のように、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値(取得乱数)に対応する情報を主制御装置162から演出制御装置143に送信し、演出制御装置143にて当否判定の結果や変動パターンの抽選結果等を先読みする構成とするとよい。また、上記第5の実施の形態において、第1保留先読み処理及び第2保留先読み処理の少なくとも一方を主制御装置162にて行う構成としてもよい。
(16)上記第1~第5の実施の形態では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させてから上位の表示態様に昇格させる構成としたが、元の特定表示態様に復帰させることなく、上位の表示態様に昇格させる構成としてもよい。また、元の特定表示態様に復帰させてから上位の表示態様に昇格させる場合と、元の特定表示態様に復帰させることなく、上位の表示態様に昇格させる場合との両方が生じ得る構成としてもよい。
(17)上記第1~第5の実施の形態では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に、対象保留用画像HWの表示態様を段階的に復帰させる場合が生じる構成としたが、段階的な復帰態様が生じない構成としてもよい。すなわち、一律に表示態様の1回の変化で元の特定表示態様に復帰させる構成としてもよい。
(18)上記第1~第5の実施の形態では、実行表示領域Dでの表示期間も含めて復帰シナリオを設定する構成としたが、第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbの表示期間のみを対象として(実行表示領域Dでの表示期間を含めないで)復帰シナリオを設定する構成としてもよい。
(19)上記第1~第5の実施の形態において、対象保留用画像HWの昇格処理を実行しない構成としてもよい。
(20)上記第1~第5の実施の形態では、対象保留用画像HWが第1保留表示領域Ga又は第2保留表示領域Gbに表示されている期間(保留期間)にて元の特定表示態様に復帰させ、その後、対象保留用画像HWの遊技回にて上位の表示態様に昇格させる構成としたが、必ずしも対象保留用画像HWの遊技回まで昇格を待機する必要はなく、上記保留期間にて昇格が行われ得る構成としてもよい。遊技回が開始される前に昇格処理を行う場合には、変動開始時に主制御装置162から送信される変動開始コマンドではなく、対象保留用画像HW(保留情報)について行われた保留先読み処理の結果を参照するとよい。
(21)上記第1~第5の実施の形態では、対象保留用画像HWの遊技回にて上位の表示態様に昇格させる場合に、変動開始時に主制御装置162から送信される変動開始コマンドを参照する構成としたが、対象保留用画像HW(保留情報)について行われた保留先読み処理の結果に基づいて上記昇格を行う構成としてもよい。
(22)上記第1~第3の実施の形態では、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としたが、上記第8の実施の形態のように、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。
(23)上記第1~第3の実施の形態では、遊技回中に演出モードが切り替わる構成としたが、開閉実行モード(大当たり遊技)を介して演出モードが切り替わる構成としてもよい。例えば、高確遊技状態用の演出モードとして複数の演出モードが設定されており、いずれの演出モードで遊技するかをその直前の開閉実行モードにて遊技者が選択可能となっている構成に対し、第1~第3の実施の形態に係る構成を適用してもよい。
例えば、第1の実施の形態に係る構成を適用する場合には、次の構成とすることができる。高確遊技状態中の演出モードAにおいて対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様とされ、対象保留用画像HWよりも前の保留情報の遊技回で確変大当たりとなって開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード中に演出モードAとは異なる演出モードBが選択されると、当該開閉実行モード後の演出モードB(高確遊技状態)で対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに設定される。そして、対象保留用画像HWよりも前の保留情報の遊技回で再び確変大当たりとなって開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モード中に演出モードAが選択されると、当該開閉実行モード後の演出モードA(高確遊技状態)で対象保留用画像HWの表示態様が元の特定表示態様に設定される。
なお、上記の構成において、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる場合に限らず、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。
(24)上記第1~第3の実施の形態では、演出モードAと演出モードBで保留予告演出の実行されやすさ(実行確率)が異なる構成としたが、これらの演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(25)上記第1~第3の実施の形態では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、演出モードの切替に伴って対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされる構成としてもよい。つまり、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えと、異なる演出モード間での切り替えとを区別しない構成としてもよい。
また、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいては、異なる演出モード間での切り替えとは異なり、演出モードが切り替わっても通常表示態様HMaに変更されず、モード切替前の特定表示態様が維持される構成としてもよい。つまり、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えと、異なる演出モード間での切り替えとを区別し、両者で保留予告演出の取り扱いを異ならせる構成としてもよい。
(26)上記第1~第3の実施の形態では、保留予告演出が実行されにくい演出モードBにおいて保留予告演出が実行され得る構成としたが、演出モードBにおいて保留予告演出が実行されない構成としてもよい。すなわち、本発明の「特定報知が実行されにくい演出状態」には、保留予告演出の実行確率が低い演出モードだけでなく、保留予告演出が不実行とされる演出モードも含まれると解することができる。
(27)上記第1~第3の実施の形態では、保留情報が外れに対応する場合の保留予告演出の実行確率を異ならせることで、演出モードAと演出モードBでの保留予告演出の実行されやすさを異ならせる構成としたが、保留情報が大当たりに対応する場合の保留予告演出の実行確率を異ならせたり、外れに対応する場合及び当たりに対応する場合の両方の実行確率を異ならせることで、それら演出モードでの保留予告演出の実行されやすさを異ならせる構成としてもよい。
(28)上記第1~第3の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードが切り替わる場合、実行表示領域Dに表示されている保留用画像も対象として通常表示態様HMaに変更する構成としたが、第1保留表示領域Ga及び第2保留表示領域Gbと実行表示領域Dとを区別し、実行表示領域Dに表示されている保留用画像を通常表示態様HMaに変更しない構成としてもよい。
(29)上記第1~第3の実施の形態では、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる場合に変化示唆演出の実行を制限する構成としたが、復帰させることに対応した専用演出(変化示唆演出とは異なるもの)を実行する構成としてもよい。このような構成とすることで、保留用画像の表示態様が純粋に上位の表示態様に変更される場合と、復帰処理に伴い保留用画像が元の特定表示態様に復帰される場合とを遊技者が識別しやすくすることができる。
(30)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに移行し、その後、再び演出モードAに移行した場合(保留予告演出が実行されていた元の演出モードに戻った場合)に対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としたが、例えば、演出モードとして演出モードA~Cを備えた構成において、演出モードAで保留予告演出が実行中である状況で演出モードBに切り替わって対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされ、その後、対象保留用画像HWの遊技回が終了する前に演出モードC(演出モードAとは異なる演出モード)に切り替わった場合に、元の特定表示態様に復帰される構成としてもよい。
上記の場合、演出モードAと演出モードCとで保留予告演出の実行されやすさが同じであったり、演出モードCが演出モードAよりも保留予告演出が実行されやすい(保留予告演出に対する期待度が低い)演出モードであったりすることが好ましい。但し、これらに限定されるものではなく、演出モードCが演出モードAよりも保留予告演出が実行されにくい構成であってもよい。その際、演出モードCは、演出モードBよりも保留予告演出が実行されやすい演出モードであってもよいし、実行されにくい演出モードであってもよいし、演出モードBと保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードであってもよい。また、演出モードA、演出モードB及び演出モードCで保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(31)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わる場合と、保留予告演出の実行中に演出モードBから演出モードAに切り替わる場合との双方で、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更する構成としたが、後者の場合、すなわち、保留予告演出に対応する期待度が高い演出モードから期待度が低い演出モードに切り替わる場合は、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に維持される(通常表示態様HMaに変更されない)構成としてもよい。
(32)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わり、その後、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が終了する前に演出モードAに切り替わった場合に、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としたが、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が開始される前に演出モードAに切り替わった場合に、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の契機となった保留情報の遊技回が開始された後に演出モードAに切り替わった場合は、対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させない構成としてもよい。
(33)上記第1の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わり、演出モードBに滞在している状況で新たな保留情報が発生した場合に、演出モードBにおいてその保留情報を契機とする保留予告演出を実行しない構成としたが、演出モードBに対応して設定された条件にて保留予告演出の実行抽選を行い、当該抽選に当選することで保留予告演出を実行する構成としてもよい。
但し、演出モードBに切り替わる前の演出モードAにおいて特定表示態様とされていた保留用画像が演出モードBへの切り替わりにより通常表示態様HMaに変更される一方で、演出モードBで発生した保留情報について保留予告演出が行われると、通常表示態様HMaとされた保留用画像(保留情報)について大当たりや期待度まで消失してしまったのではないかとの遊技者の不安感をより一層煽ってしまう懸念がある。また、演出モードBで開始された保留予告演出の実行中に再び演出モードAに切り替えられた場合、その保留予告演出をどう扱うべきかの問題も生じ、全体として処理が煩雑化する懸念がある。
そのような意味では、上記第1の実施の形態のように、演出モードBに滞在している状態(換言すれば、先の演出モードAにて特定表示態様とされた対象保留用画像HWの表示態様を元の表示態様に復帰させる復帰処理を待機している状態)で新たに発生した保留情報については、保留予告演出の実行を制限するのが好ましい。なお、保留予告演出の実行中ではない状況で演出モードAから演出モードBに切り替えられた場合については、演出モードBで新たに発生した保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限しなくてもよい。
(34)上記第1の実施の形態では、ステップS1508にて今回の保留情報を含めた保留数を把握するが、今回の保留情報よりも前の保留情報を対象として保留数を把握する構成としてもよい。
(35)上記第2の実施の形態では、制限状態における対象保留用画像HB1,HB2(制限状態中に発生した保留情報の保留用画像)を通常表示態様HMaとするが、通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示態様(例えば黒色表示態様)とする構成としてもよい。この場合、保留予告演出の制限状態であることを遊技者に分かりやすくすることができ、換言すれば、当該制限状態が終了することで特定表示態様に変更される可能性があることを遊技者に知らせることが可能になる。
(36)上記第2の実施の形態において、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、すなわち、保留予告演出の制限状態に移行した場合に、制限状態であることに対応するものであって保留用画像とは異なる報知(例えば、制限状態中であることを教示する所定表示等)を行う構成としてもよい。
(37)上記第2の実施の形態において、制限状態中に保留用画像の表示を不実行とする構成としてもよい。より詳しくは、演出モードAで特定表示態様とされた保留用画像HAや演出モードBで発生した保留情報の保留用画像HB1,HB2だけでなく、他の保留用画像を含む全ての保留用画像についてその表示を不実行とする構成としてもよい。
その際、遊技者が保留数を認識できなくなることを抑制するため、数字表示等の別表示(保留用画像とは別の保留数報知)により保留数を報知する構成としてもよい。但し、唐突に上記別表示に切り替わると、遊技者にとって分かりにくくなるため、例えば、保留用画像と数字表示等の別表示との両方によって保留数を報知する構成としておき、保留予告の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合は、演出モードBにおいて、保留用画像の表示だけを消去する構成とするとよい。この場合、遊技者が別表示を見失うことを抑制すべく、当該別表示の表示箇所を変更しないことが好ましい。
(38)上記第2の実施の形態では、制限状態中に発生した保留情報を契機とする保留予告演出の態様を制限期間の終了時に設定する構成としたが(ステップS2702)、制限期間中に設定してもよいし、制限期間の終了後に設定してもよい。
(39)上記第2の実施の形態では、制限状態中に保留情報が取得された場合に保留先読み処理を実行し、制限状態の終了後、制限状態中に行った保留先読み処理の結果に基づいて対象保留用画像HB1,HB2の表示態様を設定する構成としたが、制限状態中に取得された保留情報についての保留先読み処理を制限状態後に実行し、その結果に基づいて制限状態後における対象保留用画像HB1,HB2の表示態様を設定する構成としてもよい。この際、当該保留先読み処理は、主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。また、制限状態中に保留情報が取得された場合の保留先読み処理を不実行としてもよいし、実行する構成としてもよい。
(40)上記第3の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、演出モードBにおいて演出モードAのときと同じ表示態様とする構成としたが、演出モードAと演出モードBとで保留用画像の報知態様が区別されている場合等においては、必ずしも同じ特定表示態様に復帰させる必要はなく、遊技者が同格の表示態様であると認識することが可能な表示態様に変更する構成としてもよい。例えば、演出モードAでは、青色表示態様HMb<緑色表示態様HMc<赤色表示態様HMd<虹色表示態様HMeの順番で順位付けされている一方で、演出モードBでは、黄色表示態様<茶色表示態様<紫色表示態様<虹色表示態様の順番で順位付けされている構成において、対象保留用画像HWの表示態様が緑色表示態様HMcとされた状態で演出モードAから演出モードBに切り替わった場合に、演出モードBにおいて対象保留用画像HWの表示態様を茶色表示態様とする構成としてもよい。
また、保留用画像を所定のキャラクタ画像に変更することで期待度を示唆する遊技機において、演出モードによりキャラクタの衣装やポーズ、表情等が異なるように設定された構成にあっては、対象保留用画像HWが演出モードAに対応する衣装等のキャラクタ画像に変更されている状態(保留予告演出が実行されている状態)で演出モードAから演出モードBに切り替わった場合、演出モードBにおいて対象保留用画像HWを演出モードAのときと同じキャラクタ画像に復帰させつつ、衣装等については演出モードBに対応するものとしてもよい。
要は、演出モードBでの対象保留用画像HWの表示態様が演出モードAでの表示態様と同格であると遊技者が認識できるものであればよい。このことは、演出モードBにおいて対象保留用画像HWの表示態様を上位の表示態様に昇格させる場合についても同様である。すなわち、遊技者から見て上位の表示態様であると認識できるものであればよい。上記の例でいえば、対象保留用画像HWの表示態様を茶色表示態様とした後、紫色表示態様に昇格させるといった具合である。
なお、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態における、元の演出モードAに戻ることを契機として対象保留用画像HWの表示態様を元の特定表示態様に復帰させる構成や、上記第4の実施の形態における、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態が同じである場合に、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前と同じ特定表示態様とする構成、上記第5の実施の形態における、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様以下の態様である場合、開閉実行モード後の対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前と同じ特定表示態様とする構成、上記第6の実施の形態における、復電後において対象保留用画像HWの表示態様を電断時の表示態様と同じ特定表示態様とする構成等についても、対象保留用画像HWの表示態様を遊技者が同格であると認識することが可能な表示態様に復帰させる具体例といえるものである。
(41)上記第3の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードAから演出モードBへの切り替わった場合に、一旦、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに変更したが、通常表示態様HMaに変更しない構成としてもよい。すなわち、演出モードBにおいて同格の表示態様を表示する旨の判定結果となった場合(ステップS3107で肯定判定した場合)に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとすることなく(ステップS3110の処理を実行することなく)、同格の表示態様とする構成としてもよい。
(42)上記第3の実施の形態では、演出モードBにおいて同格の表示態様を表示しない旨の判定結果となった場合(ステップS3107で否定判定した場合)に、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成としたが、実際の期待度を超えない範囲で特定表示態様に設定してもよい。具体的には、演出モード切替前の対象保留用画像HWの特定表示態様が復帰判定用テーブルに設定された上限表示態様よりも上位の態様である場合に、その上限表示態様以下となる表示態様(演出モード切替前の特定表示態様よりも下位の表示態様)で特定表示態様とする構成としてもよい。
(43)上記第4~第5の実施の形態では、遊技状態として通常遊技状態、高確遊技状態及び時短遊技状態の3種類の遊技状態を備えるが、例えば、通常遊技状態及び高確遊技状態の2種類の遊技状態を備えるなど、3種類以外の遊技状態を備える構成であってもよい。すなわち、複数種類の遊技状態を備えるものであれば足りる。
(44)上記第4~第5の実施の形態では、開閉実行モード中に保留用画像の表示を不実行とする構成としたが、保留用画像を表示する構成としてもよい。この場合、開閉実行モード中での保留用画像の表示態様が通常表示態様HMaとされる構成としてもよいし、開閉実行モード前の特定表示態様とされる構成としてもよい。また、通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示態様(例えば黒色表示態様)とされる構成としてもよい。この場合の所定表示態様は、各保留情報の大当たり期待度等に対応しないもの(期待度等を示唆しないもの)としてもよい。
(45)上記第4~第5の実施の形態では、エンディング期間中に保留用画像の表示が再開される構成としたが、エンディング期間の開始前に保留用画像の表示が再開される構成としてもよいし、エンディング期間の終了後(例えば、開閉実行モードが終了した後の最初の遊技回が開始される場合)に保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(46)上記第4~第5の実施の形態では、開閉実行モード後の遊技状態において対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaから特定表示態様に変更する構成としたが、通常表示態様HMaとすることなく、特定表示対象で表示する構成としてもよい。すなわち、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様とされた状態で保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(47)上記第4~第5の実施の形態では、適用対象となる構成として、複数回のラウンド遊技が実行される開閉実行モードを介して遊技状態(変動パターンテーブル)が変更される構成を例示したが、小当たり遊技(1回のラウンド遊技が実行される開閉実行モード)を介して変動パターンテーブルが変更される構成についても適用することが可能である。なお、変動パターンテーブルの変更は、当否判定の結果が当たり結果となることや開閉実行モード(可変入賞装置65を開閉する遊技状態)が実行されることを契機とするものに限らず、例えば、当否判定の結果が外れ結果となった遊技回の回数が所定回数に達したなどの予め定められた所定条件が成立したことに基づいて行われてもよい。
(48)上記第4~第5の実施の形態では、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値が同じであっても抽選により得られる結果に差異が生じる構成として、開閉実行モードを契機として遊技状態が変更されるものを例示したが、開閉実行モード以外の事象を契機として上記差異が生じるものであってもよい。そのような事象としては、例えば、当否判定の結果が外れ結果となった遊技回の回数が所定回数に達したことや、何らかの抽選に当選したことなどが考えられる。つまり、如何なるものが契機であるかは任意であり、要は何らかの事象の発生により上記差異が生じる状態となるものであればよい。また、上記差異は、遊技状態の変更により生じるものに限られず、例えば、大当たり確率の変動等を伴わない演出状態の変更により生じるものであってもよい。
(49)上記第4の実施の形態では、開閉実行モードが開始される場合に保留用画像の表示態様を記憶するが、表示態様の記憶タイミングは特に限定されるものではない。例えば、当該開閉実行モードの契機となる当選遊技回で記憶する構成としてもよい。
但し、保留予告演出において保留用画像の表示態様を段階的に昇格させる構成とした場合には、当選遊技回の実行中に保留用画像の表示態様が変化する可能性があるため、表示態様が確定した状態、換言すれば、表示態様の変化が制限された状態となってから表示態様を記憶することが好ましい。具体的には、上記第4の実施の形態のように開閉実行モードが開始される場合(当選遊技回が終了する場合)に記憶することが好ましい。
(50)上記第4の実施の形態では、エンディング期間中に復帰判定や復帰処理の設定(ステップS3416)を実行するが、これらの処理は開閉実行モードの終了後に行ってもよい。また、開閉実行モードの開始後、エンディング期間の開始前に行ってもよい。
なお、上記各処理を開閉実行モード中に行う場合は、オープニング期間やエンディング期間、ラウンドインターバル期間等の可変入賞装置65が閉鎖状態とされている期間にて行うのがよい。開閉実行モードにおいて可変入賞装置65が開放状態となっている場合、可変入賞装置65への入賞発生に基づく入賞演出を行うための処理を行う必要があるなど処理負荷が比較的高い状態となっていることが想定される。そのような期間を利用して復帰判定や復帰処理の設定を行うと、一層の高負荷を招く懸念がある。この点、可変入賞装置65が閉鎖状態とされている期間を利用して上記各処理を行う構成とすることで、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
(51)上記第4の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態が通常遊技状態であり、開閉実行モード後の遊技状態が高確遊技状態である場合において、保留先読み処理の結果が通常大当たり結果である場合に対象保留用画像HWの表示態様を復帰させる構成としたが、通常大当たり結果であるか、確変大当たり結果であるかを問わず、保留用先読み処理により大当たり結果が先読みされた場合、対象保留用画像HWの表示態様を復帰させる構成としてもよい。
(52)上記第5の実施の形態では、大当たり乱数カウンタC1や変動種別カウンタCSの値等の取得乱数自体を主制御装置162から演出制御装置143に送信する構成としたが、送信コマンドのデータ容量が大きくなることを抑制すべく、それらの取得乱数よりもデータ量の小さい所定情報(乱数に対応する識別子等)を送信する構成としてもよい。
(53)上記第5の実施の形態では、第2保留先読み処理を開閉実行モードの終了時に行うが、開閉実行モードの終了後に行う構成としてもよい。また、開閉実行モードの実行中に行ったり、開閉実行モードの開始前(当選遊技回の開始されてから開閉実行モードが開始されるまでの期間)に行ったりする構成としてもよい。
(54)上記第5の実施の形態では、第1保留先読み処理及び第2保留先読み処理において変動パターンを先読みする構成としたが、演出パターン(遊技回演出)を先読みする構成としてもよい。このような構成は、例えば、1の変動パターンに対して複数種類の演出パターン(遊技回演出)が対応する場合に特に有効となる。
(55)上記第5の実施の形態では、上限表示態様テーブルにおいて変動パターンに対応させて上限表示態様を設定するが、変動種別カウンタCSの値に対応させて上限表示態様を設定する構成としてもよい。
(56)上記第5の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態とにおいて、取得された大当たり乱数カウンタC1に対する当否結果が変動する場合でも、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に特定表示態様とする構成としたが、特定表示態様としない構成としてもよい。具体的には、第1保留先読み処理の結果が大当たりであり、第2保留先読み処理の結果が外れ結果である場合には、対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード後に特定表示態様としない構成としてもよい。
(57)上記第5の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様と、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様とを比較し、その結果に基づいて開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としたが、上記比較を行わず(開閉実行モード前の表示態様にかかわらず)、第2保留先読み処理の結果に基づいて表示態様を設定する構成としてもよい。
(58)上記第5の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様である場合に、開閉実行モード後の遊技状態における対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaに設定する構成としたが、実際の期待度を超えない範囲で特定表示態様に設定してもよい。具体的には、開閉実行モード前の遊技状態における対象保留用画像HWの特定表示態様が、第2保留先読み処理により特定された変動パターンに対応する上限表示態様よりも上位の態様である場合に、上限表示態様以下となる表示態様(開閉実行モード前の特定表示態様よりも下位の表示態様)で特定表示態様とする構成としてもよい。
(59)上記第5の実施の形態では、開閉実行モード前の遊技状態と開閉実行モード後の遊技状態との異同にかかわらず、第2保留先読み処理を実行する構成としたが、上記各遊技状態が同じである場合は、第2保留先読み処理を実行せず、開閉実行モード後における対象保留用画像HWの表示態様を開閉実行モード前の表示態様に基づいて設定する構成としてもよい。具体的には、開閉実行モード後の表示態様を開閉実行モード前の表示態様と同じ態様に設定してもよい。この場合、一旦、通常表示態様HMaとしてから開閉実行モード前の表示態様に変化させてもよいし、当初から開閉実行モード前の表示態様で表示させてもよい。
(60)上記第6~第7の実施の形態では、所定の異常として電断異常を例示したが、例えば、磁気センサ異常や振動センサ異常等の他の異常であってもよい。その際、所定の異常は、遊技進行が停止するものに限らず、遊技進行が継続されるものであってもよい。
(61)上記第6~第7の実施の形態では、電断異常が解消されて復電した場合に、対象保留用画像HWが特定表示態様とされた状態で保留用画像の表示が再開されるが、復電時における初期段階では対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaとされ、その後、電断状態の発生前における表示態様や電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定された特定表示態様に変更される構成としてもよい。
また、復電時における初期段階では対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMa及び特定表示態様のいずれとも異なる所定表示対象(復電時専用の表示態様であって、例えば紫色表示態様)とされ、その後、電断状態の発生前における表示態様や電断前に行われた保留先読み処理の結果に基づいて設定された特定表示態様に変更される構成としてもよい。その際、所定表示態様とされた保留用画像を一旦通常表示態様HMaとしてから特定表示態様に変更する構成としてもよい。
(62)上記第6~第7の実施の形態では、電断異常が解消されて復電した場合に、図柄表示装置75の画面状態が復帰待機画面(「まもなく画面が復帰します」などの文字表示461が表示された画面)となっている状況で保留用画像の表示が再開される構成としたが、復帰待機画面状態では保留用画像の表示を行わず、画面復帰(図柄列Z1~Z3の図柄変動表示の復帰)される場合(又は画面復帰された場合)に保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。かかる場合には、保留用画像の表示数を更新した状態(各保留用画像を下位側にシフトさせ、保留数を1個減らした状態)で保留用画像の表示を再開する。
また、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合と、遊技回の実行中に発生した場合とで保留用画像の表示タイミングを異ならせる構成としてもよい。具体的には、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合は、電源投入画面(「電源が投入されました」などの文字表示が表示された画面)となっている状況で保留用画像の表示が再開され、電断異常が遊技回の実行中に発生した場合には、復帰待機画面状態では保留用画像の表示が行われず、画面復帰に合わせて保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。つまり、電断異常が遊技回の非実行中に発生した場合は、遊技回の実行中に発生した場合よりも早いタイミング(電力供給の開始からの経過時間が短いタイミング)で保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(63)上記第6~第7の実施の形態では、遊技回の実行中や非実行中に電断異常が発生した場合を例示したが、開閉実行モードの実行中に電断異常が発生した場合にも適用することが可能である。その際、電源投入画面状態や復帰待機画面状態にて対象保留用画像の表示が再開される構成としてもよいし、復電後において続きの開閉実行モードが行われている期間は保留用画像の表示が不実行とされ、開閉実行モード後における最初の遊技回の開始タイミングに合わせて対象保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。また、復帰待機画面状態とされている期間において保留用画像の表示が不実行とされ、画面復帰に合わせて保留用画像の表示が再開される構成としてもよい。
(64)上記第6~第7の実施の形態では、停電監視部315を電源及び発射制御装置191に設けたが、主制御装置162や演出制御装置143に設ける構成としてもよい。この場合、第6の実施の形態においては、上記停電監視部315を主制御装置162と演出制御装置143のそれぞれに設けてもよいし、主制御装置162と演出制御装置143の一方に設け、当該停電監視部315からの停電信号又は一方の制御装置からの停電コマンド(電断状態の発生を示すコマンド)を他方の制御装置に送信する構成としてもよい。
(65)上記第6~第7の実施の形態では、復電後における対象保留用画像HWの表示態様の設定処理(ステップS5202の保留予告の復帰用処理やステップS6204の表示態様の設定処理)を復電時に実行するが、復電後に実行してもよい。具体的には、復電後において対象保留用画像HWの遊技回が開始されるまでの期間における所定タイミングで実行する構成としてもよい。
(66)上記第6の実施の形態では、対象保留用画像HWの表示態様を示す情報をバックアップし、復電後にその情報に基づいて電断発生前の表示態様を把握して復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定し、上記第7の実施の形態では、先読み結果を示す情報をバックアップし、復電後にその情報に基づいて電断発生前の先読み結果を把握して復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定したが、復電後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて復電後の対象保留用画像HWの表示態様を設定してもよい。その際、復電後の先読み処理は主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。
上記の場合、複数の保留用画像が表示されている状況においていずれの保留用画像が特定表示態様とされているかを把握することが可能な変化箇所情報を記憶し、電断状態が発生してもその変化箇所情報をバックアップ(記憶保持)する構成とするとよい。このような構成とすることで、電断発生前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていたかを復電後に把握することが可能になる。変化箇所情報は、主制御装置162のRAM314に記憶して主制御装置162がバックアップする構成としてもよいし、演出制御装置143のRAM344又はバックアップRAM345に記憶して演出制御装置143がバックアップする構成としてもよい。
上記の際、電断前に特定表示態様とされていたと把握された保留用画像(保留情報)を対象にして復電後の先読み処理を実行するとよい。この場合、電断前に特定表示態様とされていなかった保留用画像まで復電後の先読み処理により特定表示態様とされ、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することができる。さらに、復電後に存在する全ての保留情報を対象として再度の先読み処理を行う場合に比べ、先読み処理の実行回数を少なく抑えることができ、復電時の処理負荷を軽減することが可能になる。
ここで、電断前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていたかを把握するとは、電断前にいずれの保留用画像が特定表示態様で表示されていなかったかを把握するとも言い換えることができるが、その把握により、特定表示態様で表示されていなかったとして把握された保留用画像について、その表示態様を通常表示態様に設定する構成としてもよい。この場合の処理は、復電後の先読み処理の対象とならなかった保留用画像について、その表示態様を通常表示態様に設定するものでもよいし、全ての保留用画像を対象に復電後の先読み処理を行った上で、特定表示態様で表示されていなかったとして把握された保留用画像については、その先読み処理の結果にかかわらず、その表示態様を通常表示態様に強制設定するものでもよい。
また、復電後の先読み結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成において、上記第6の実施の形態や上記第7の実施の形態と同様に、その表示態様を一定以下の特定表示態様(例えば緑色表示態様HMcや青色表示態様HMb)に制限して設定する構成としてもよい。
なお、復電後の先読み処理は、復電時に行われてもよいし、電断前に特定表示態様とされていた保留用画像(保留情報)の遊技回が開始される前であれば、復電後に行われてもよい。
また、復電後の先読み処理を実行せず、電断前に特定表示態様とされていたと把握された保留用画像について、その表示態様を予め定められた所定の特定表示態様(例えば青色表示態様HMb)に設定する構成としてもよい。
(67)上記第6の実施の形態では、バックアップRAM345を設け、保留用画像に関する情報をバックアップ(記憶保持)する構成としたが、バックアップRAM345を設けることなく、RAM344に記憶された全ての情報を対象としてバックアップする構成としてもよい。また、バックアップRAM345を設けることなく、RAM344に記憶された一部の情報(保留用画像に関する情報)をバックアップする構成としてもよい。
(68)上記第6の実施の形態では、停電監視部315からの停電信号を主制御装置162と演出制御装置143に送信する構成としたが、主制御装置162のみに送信する構成としてもよい。かかる構成では、停電監視部315からの停電信号が主制御装置162に入力された場合に、主制御装置162から演出制御装置143に停電コマンドを送信し、演出制御装置143では停電コマンドを受信することを契機として停電処理(ステップS11~ステップS13の処理等)を実行する構成とするとよい。
(69)上記第6の実施の形態では、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様が所定表示態様(緑色表示態様HMc)以上の表示態様である場合(ステップS5404で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を所定表示態様より下位の特定表示態様に制限する構成としたが、対象保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする(特定表示態様を解除する)構成としてもよい。
(70)上記第6の実施の形態では、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様よりも下位の特定表示態様に設定した場合を対象として、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としたが(ステップS5409,ステップS5601)、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様とした場合にも、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。また、復電後における対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。
(71)上記第7の実施の形態では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合(ステップS6302で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を画一的に第1特定表示態様(緑色表示態様HMc)に設定する構成としたが、第1特定表示態様に設定されやすい構成としてもよい。具体的には、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaや、第1特定表示態様よりも下位の特定表示態様に設定される場合も生じ得る構成とした上で、それらの表示態様となる確率よりも第1特定表示態様とされる確率が高く設定された構成としてもよい。
また、第1特定表示態様といった制限を設けることなく、把握された保留先読み結果(電断前に行われた保留先読み処理の結果)に基づいて電断前と同様の保留予告用の設定処理を実行し、保留予告演出の実行抽選や保留用画像の表示態様の抽選処理を行う構成としてもよい。
これらのことは、期待度が高い外れ結果が先読みされた場合(ステップS6305で肯定判定した場合)についても同様である。
(72)上記第7の実施の形態では、電断前の保留先読み処理が大当たり結果であるか、外れ結果であるかにより、復電後における対象保留用画像HWの上限表示態様を異ならせる構成としたが、そのような区別を行わない構成としてもよい。具体的には、当否にかかわらず、復電後における対象保留用画像HWの上限表示態様を一律に所定の特態表示態様に設定する構成としてもよい。
(73)上記第7の実施の形態では、電断前の保留先読み処理により特定された変動パターンを把握できない場合(ステップS6308で否定判定した場合)に、その保留情報に対応する保留用画像を通常表示態様HMaに設定して表示する構成としたが、エラー扱いとして保留用画像の表示を不実行とする構成としてもよい。その際、変動パターンを把握できない保留情報に対応する保留用画像を非表示としてもよいし、他の保留用画像も含めて全ての保留用画像を表示しない構成としてもよい。
(74)上記第7の実施の形態では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合(ステップS6302で肯定判定した場合)に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を第1特定表示態様に設定するが、通常表示態様HMaに設定する構成としてもよい。すなわち、電断前に大当たり結果が先読みされていたことに基づいて復電後に期待度が高めの特定表示態様に設定すると、電断異常の影響により保留先読み結果と遊技回での当否判定の結果とに不整合が生じた場合に、遊技者に与える影響が大きいことが想定される。この点、復電後における保留用画像の表示態様をひとまず通常表示態様HMaとしておき、遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいて表示態様を変更する構成とすることで、復電後における保留用画像の表示態様を安全に設定することが可能になる。このことは、期待度が高い外れ結果が先読みされた場合(ステップS6305で肯定判定した場合)についても同様である。
(75)上記第7の実施の形態では、電断前の保留先読み処理により大当たり結果が先読みされている場合や、SPSPリーチ外れ以上のリーチ外れ演出に対応する変動パターンが先読みされている場合を対象として、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としたが(ステップS6304,ステップS6307)、他の先読み結果である場合(SPリーチ外れのリーチ外れ演出等)にも、対象保留用画像HWの遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。また、先読み結果にかかわらず、遊技回での昇格処理を実行する構成としてもよい。
(76)上記第7の実施の形態において、電断前に行われた保留先読み処理の結果に対応する情報だけでなく、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様に対応する情報もバックアップし、それら両方の情報に基づいて復電後における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としてもよい。例えば、復電後における特定表示態様の上限(上限表示態様)を変動パターンに対応させて複数種類設定しておき、電断前における対象保留用画像HWの特定表示態様(バックアップされた特定表示態様)が電断前の保留先読み処理で先読みされた変動パターン(バックアップされた保留先読み結果)に対応する上限表示態様以下の態様である場合に、復電後における対象保留用画像HWの表示態様を電断前の特定表示態様と同じ態様に設定する構成としてもよい。
(77)上記第7の実施の形態では、電断前に行われた保留先読み処理の結果に対応する情報を主制御装置162にてバックアップする構成としたが、演出制御装置143や表示制御装置350にてバックアップする構成としてもよい。演出制御装置143にてバックアップする場合には、上記第6の実施の形態のように、演出制御装置143にバックアップRAMを設けるなどしてバックアップ機能を搭載した上で、主制御装置162から送信される保留先読み処理の結果に対応する情報を演出制御装置143のRAM344に記憶し、電断状態が発生した場合には当該情報をバックアップRAMに書き込んだり、RAM344に記憶された上記情報が電断中も保持されたりする構成とするとよい。かかる構成では、電断状態が解消されて復電した場合に、演出制御装置143に保持されている情報(保留先読み処理の結果に対応する情報)に基づき、電断前に行われた保留先読み処理の結果を把握することができる。
上記の際、主制御装置162における保留先読み処理の結果に対応する情報のバックアップは行ってもよいし、行わなくてもよい。ちなみに、主制御装置162と演出制御装置143の両方で保留先読み処理の結果に対応する情報をバックアップする構成とした場合には、両制御装置162,143でバックアップされた各情報の比較結果に基づいて当該情報の正常性を判定する構成をさらに備えてもよい。具体的には、電断状態が解消されて復電した場合に、主制御装置162でバックアップされた保留先読み処理の結果に対応する情報を演出制御装置143に送信し、演出制御装置143にて、自らがバックアップする情報(保留先読み処理の結果に対応する情報)と、主制御装置162から送信された情報とを比較する。その結果、両情報が対応するものである場合は、バックアップされた情報が正常であると判定し、当該情報を有効なものと認識して復電後における保留予告演出の設定(復帰)に利用する。逆に、両情報が対応しないものである場合は、バックアップされた情報が正常ではないと判定し、当該情報を無効なものとして保留予告演出の復帰処理(当該情報を利用した保留予告演出の設定)を実行しない。
ここで、主制御装置162から送信された情報と、演出制御装置143でバックアップされた情報とが対応するとは、それら両情報の値が一致する場合のほか、記憶時における情報の形態(例えば値)が両制御装置162,143で異なるなど、情報そのものの対比では一致しないものの、それら各情報が実質的に意味する内容は同じである場合などが考えられる。
なお、情報の対比は、演出制御装置143に限らず、主制御装置162や表示制御装置350にて行ってもよい。主制御装置162にて対比を行う場合は、電断状態が解消されて復電した際に、演出制御装置143でバックアップされた情報を主制御装置162に送信する。
また、主制御装置162と演出制御装置143のそれぞれでバックアップした結果の対比(照合)により正常性を判定する情報は、必ずしも保留先読み処理の結果に限定されるものではなく、例えば、当否判定の結果や保留数に関する情報など、他の情報であってもよい。ちなみに、主制御装置162でバックアップされた保留数に関する情報と、演出制御装置143でバックアップされた保留数に関する情報とが対応しない場合は、異常であるとしてエラー報知を実行してもよいし、それに代えて又は加えて、主制御装置162でバックアップされた情報に基づいて保留数を報知する(主制御装置162でバックアップされた情報を優先する)構成としてもよい。
(78)上記第8~第9の実施の形態では、演出モードAと演出モードBで保留予告演出の実行されやすさ(実行確率)が異なる構成としたが、これらの演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよい。
(79)上記第8~第9の実施の形態では、保留予告演出が実行されにくい演出モードBにおいて保留予告演出が実行され得る構成としたが、演出モードBにおいて保留予告演出が実行されない構成としてもよい。すなわち、本発明の「特定報知が実行されにくい演出状態」には、保留予告演出の実行確率が低い演出モードだけでなく、保留予告演出が不実行とされる演出モードも含まれると解することができる。
(80)上記第8の実施の形態では、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としたが、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としてもよい。この場合、保留予告演出の実行中は演出モードの切替操作が無効化される構成とするとよい。
(81)上記第8の実施の形態では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限する構成としてもよいし、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えの場合は、保留予告演出の実行中であっても演出モードの切り替えを許容する構成としてもよい。
(82)上記第8の実施の形態では、切替抽選タイミングとなった場合(ステップS7101で肯定判定した場合)に演出モードの切替抽選(ステップS7102の第1モード切替抽選)を実行し、当該抽選で当選した場合に保留予告演出の実行中であるか否かを判定し、実行中である場合に演出モードの切替処理を実行しない構成としたが、切替抽選タイミングとなった場合(ステップS7101で肯定判定した場合)に保留予告演出を実行中であるか否かを判定し、実行中である場合に演出モードの切替抽選を行わずにモード切替を不実行とする構成としてもよい。
(83)上記第8の実施の形態では、保留予告演出が実行されやすい演出モードAから保留予告演出が実行されにくい演出モードBへの切り替えだけでなく、演出モードBから演出モードAへの切り替えについても、保留予告演出の実行中は演出モードの切り替えを制限する構成としたが、演出モードBから演出モードAへの切り替えについては保留予告演出の実行中であっても許容する構成としてもよい。
(84)上記第8の実施の形態では、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合に、保留予告演出が実行されている対象保留用画像HWの表示態様が所定表示態様(緑色表示態様HMc)以上の表示態様であるか否かを判定し、その結果に基づいて演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としたが、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合と同様に、対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、保留予告演出の実行中であれば演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。
(85)上記第8の実施の形態では、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合に、対象保留用画像HWの表示態様にかかわらず、保留予告演出の実行中であれば演出モードの切り替えを制限する構成としたが、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合と同様に、対象保留用画像HWの表示態様に基づいて演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としてもよい。
上記の際、演出モードの切り替えを許容するか否かの基準(境界)となる所定表示態様は、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合と同格の表示態様としてもよいし、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合とは異なる表示態様としてもよい。異なる表示態様とする場合は、演出モードBから演出モードAへの切り替えの場合よりも上位の表示態様とすることが好ましい。
(86)上記第8の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードBから演出モードAへの切り替えを許容する場合に、対象保留用画像HWの表示態様が特定表示態様に維持されたまま、演出モードが切り替えられる構成としたが、演出モードの切り替えに伴い対象保留用画像HWの表示態様が通常表示態様HMaに変更される構成としてもよい。この場合、対象保留用画像HWの遊技回が開始されるまで又は終了するまで通常表示態様HMaに維持される構成としてもよいし、上記第1~第3の実施の形態のように、対象保留用画像HWの遊技回が開始される前又は終了する前に特定表示態様に変更される構成としてもよい。
(87)上記第8の実施の形態において、保留先読み処理の結果に基づいて演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。例えば、保留先読み処理により所定結果(例えば、大当たり結果やSPSPリーチ演出以上の外れ結果)が先読みされた場合に、その保留情報の遊技回が終了するまで演出モードの切り替えを制限する構成としてもよい。
例えば、大当たり結果や、SPSPリーチ演出等の期待度が高い外れ結果が先読みされた場合、その保留情報の遊技回が開始される前から遊技者の期待感を煽る予告演出等の煽り演出(保留用画像を用いた保留予告演出とは別の演出)が行われることが想定される。その煽り演出の実行中に演出モードの切り替えを挟むと、遊技者から見て当該煽り演出が分かりにくくなったりするおそれがある。この際、保留予告演出の実行中であるか否かにかかわらず、保留予告演出の契機となる保留先読み処理の結果に基づいて演出モードの切り替えを制限する構成とした場合には、煽り演出の途中で演出モードが切り替わることを好適に抑制可能となる。また、保留予告演出の実行前に演出モード切替を制限することができるため、演出モードの切り替えタイミングと、保留予告演出の開始タイミングとが重複した場合でも、演出モードの切り替えと保留予告演出の実行とが同時に行われることを抑制できる。
(88)上記第8の実施の形態では、保留予告演出の実行中に演出モードの切替条件が成立した場合(演出モードの切替タイミングとなり、第1モード切替抽選に当選した場合)において、保留予告演出が実行されている保留用画像(保留情報)の先読み結果が大当たり結果である場合に演出モードの切り替えを許容する構成としたが、これに代えて又は加えて、所定の外れ結果(例えば、SPSPリーチ演出以上の外れ結果)が先読みされた場合に演出モードの切り替えを許容する構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の実行中は原則として演出モードが切り替えられないものの、演出モードが切り替えられた場合には、その保留予告演出の対象となっている保留情報の期待度が高いことを示唆することができる。
なお、上記のような例外的に演出モード切替を許容する構成は必須のものではなく、上記第8の実施の形態において、保留先読み処理の結果を参照せず、保留予告演出が実行中であるか否かやそのときの特定表示態様の種類を判断材料として演出モードの切り替えを許容するか否かを振り分ける構成としてもよい。
(89)上記第8の実施の形態では、第2モード切替抽選に当選したことを条件として演出モードの切り替えを許容する構成としたが、そのような抽選を経ないでモード切替を許容する構成としてもよい。すなわち、保留予告演出の実行中に演出モードの切替条件が成立した場合においてその保留情報の先読み結果が大当たり結果である場合には、必ず演出モードの切り替えが許容させる構成としてもよい。
(90)上記第9の実施の形態では、遊技者の操作(手動)により演出モードが切り替わる構成としたが、遊技者の操作によらずに自動で演出モードが切り替わる構成としてもよい。このような構成としては、例えば、保留先読み処理により所定結果が先読みされたことに基づいて演出モードの切り替えが事前設定され、その後、切替実行条件が成立することで演出モードの自動切替が行われるものが考えられる。なお、切替実行条件としては、例えば、所定結果が先読みされた保留情報の遊技回が開始されることや、当該遊技回に対して所定回前の遊技回が開始されることなどが考えられる。
(91)上記第9の実施の形態では、複数種類の演出状態として演出モードAと演出モードBの2種類の演出モードを備える構成としたが、3種類以上の演出モードを備える構成としてもよい。その際、例えば、3種類以上の演出状態として演出モードA~演出モードCを備える構成において、演出モードA>演出モードB>演出モードCの順で保留予告演出が実行されにくくなるなど、それら各演出モードにおいて保留予告演出の実行されやすさが相互に異なる構成としてもよいし、演出モードA~演出モードCでいずれも保留予告演出の実行されやすさが同じである構成としてもよいし、演出モードAと演出モードCは保留予告演出の実行されやすさが同じであるものの、演出モードBは保留予告演出が実行されにくいなど、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成としてもよい。
なお、保留予告演出の実行されやすさが同じである演出モードと、実行されやすさが異なる演出モードとが混在する構成にあっては、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えにおいても、異なる演出モード間での切り替えと同様に、演出モード切替の待機状態である間は保留予告演出の実行を制限する構成としてもよいし、実行されやすさが同じである演出モード間の切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態であっても保留予告演出の実行を許容する構成としてもよい。
(92)上記第9の実施の形態では、演出モード切替の待機状態である場合に一律に保留予告演出の実行を制限する構成としたが、所定以上の特定表示態様を表示する保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。例えば、演出モード切替の待機状態である場合において、保留用画像の表示態様を青色表示態様HMbとする保留予告演出の実行を許容する一方で、保留用画像の表示態様を緑色表示態様HMc以上の表示態様とする保留予告演出が実行されないようにする構成としてもよい。
(93)上記第9の実施の形態では、切替先の演出モードにかかわらず、演出モード切替の待機状態である場合は保留予告演出の実行を制限する構成としたが、切替先の演出モードによって制限態様を異ならせてもよい。例えば、保留予告演出が実行されにくい演出モードBから保留予告演出が実行されやすい演出モードAへの切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態において一律に保留予告演出の実行を制限する一方で、演出モードAから演出モードBへの切り替えの場合は、演出モード切替の待機状態であっても保留予告演出の実行を許容したり、所定表示態様(例えば青色表示態様HMb)よりも上位の特定表示態様とする保留予告演出の実行は制限するものの、所定表示態様以下の特定表示態様とする保留予告演出の実行については許容したりする構成としてもよい。
(94)上記第9の実施の形態では、演出モード切替後の対象保留用画像HWの表示態様を待機状態が終了する場合に設定する構成としたが、待機状態が終了した後(演出モードが切り替わった後)であって対象保留用画像HWの遊技回が開始又は終了するまでの期間における所定タイミングで設定する構成としてもよい。なお、対象保留用画像HWの遊技回中に設定する場合は、対象保留用画像HWの保留先読み処理の結果に基づいて表示態様を設定してもよいし、対象保留用画像HWの遊技回の開始時に送信される変動開始コマンドに基づいて表示態様を設定してもよい。
(95)上記第9の実施の形態では、切替案内画像451の表示前に取得された保留情報について保留予告演出の実行を制限しない構成としたが、保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。すなわち、待機状態中に限らず、待機状態に移行する前も保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。
具体的には、保留予告演出の実行中に切替案内画像451が表示された場合に、切替案内画像451が表示されてから演出モードが切り替えられるまでの期間における所定タイミングで、保留予告演出の実行対象である保留用画像の表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される構成とすることが考えられる。なお、特定表示態様から通常表示態様HMaへの具体的な変更タイミングとしては、切替案内画像451の表示タイミングや、待機状態への移行タイミング、演出モードの切替タイミングなどが想定される。
(96)上記第9の実施の形態では、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報について保留予告演出の実行を制限しない構成としたが、保留予告演出の実行を制限する構成としてもよい。
この場合、切替案内画像451が表示されること(切替案内状態に移行する)ことに基づき、待機状態への移行に先立って保留予告演出の実行制限が開始される構成としてもよい。すなわち、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報を契機とする保留予告演出が、待機状態への移行前や待機状態において実行されない構成としてもよい。
また、待機状態への移行前に一時的に保留予告演出が実行されるものの、待機状態に移行した場合に当該保留予告演出の実行が解除される構成としてもよい。具体的には、切替案内画像451の表示後、待機状態への移行前に取得された保留情報を契機とする保留予告演出が待機状態への移行前に実行された後、保留予告演出の実行対象である保留用画像の表示態様が特定表示態様から通常表示態様HMaに変更される構成としてもよい。なお、特定表示態様から通常表示態様HMaへの具体的な変更タイミングとしては、待機状態への移行タイミングや演出モードの切替タイミングなどが考えられる。
(97)上記第9の実施の形態では、待機状態中に保留情報が取得された場合に保留先読み処理を実行し、待機状態の終了後、待機状態中に行った保留先読み処理の結果に基づいて対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としたが、待機状態中に取得された保留情報についての保留先読み処理を待機状態後に実行し、その結果に基づいて待機状態後における対象保留用画像HWの表示態様を設定する構成としてもよい。この際、当該保留先読み処理は、主制御装置162にて行ってもよいし、演出制御装置143にて行ってもよい。また、待機状態中に保留情報が取得された場合の保留先読み処理を不実行としてもよいし、実行する構成としてもよい。
(98)上記第9の実施の形態において、上記第8の実施の形態に係る構成を適用し、保留予告演出の実行中は切替案内状態への移行を制限する構成としてもよい。具体的には、保留予告演出の実行中は、切替案内抽選の実行タイミングとなっても当該抽選を行わない構成としたり、当該抽選に当選しても切替案内画像451の表示や案内報知フラグのセットを行わない構成としたり、切替案内抽選の実行タイミングであるか否かを判定しない構成としたりしてもよい。
(99)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、所定の抽選契機に基づいて抽選処理を実行し、その抽選結果が特定結果となった場合、遊技者に所定の特典を付与するものが知られている(例えば特開2004-81853号公報)。」という背景技術について、「ここで、上記例示したような遊技機等においては遊技演出を行う上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(第1~第4の実施の形態、第6~第7の実施の形態において主制御装置162による保留先読み処理を実行する機能、第5の実施の形態において主制御装置162による保留コマンドの設定処理、演出制御装置143による第1保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(第1~第7の実施の形態において演出制御装置143により保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記保留用報知の報知態様が特定態様とされた状態で所定事象が発生した場合(第1~第3の実施の形態において演出モードが切り替えられた場合、第4~第5の実施の形態において開閉実行モードが行われた場合、第6~第7の実施の形態において電断状態が発生した場合)、少なくとも特定態様とされた保留用報知について特定態様又は保留用報知が不実行とされた特定状態となるように構成されており(第1~第3の実施の形態において演出モードの切り替えにより保留用画像の表示態様を通常表示態様HMaに変更する構成、第4~第5の実施の形態において開閉実行モードの実行により保留用画像を非表示とする構成、第6~第7の実施の形態において電断状態の発生により保留用画像が消えた状態となる構成)、
前記特定状態の終了後、当該特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定事象が発生する前の報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な所定の第1態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)又は前記所定事象が発生する前の報知態様より上位であると遊技者が認識することが可能な所定の第2態様(上位の特定表示態様等)とすることが可能な特定手段(第1~第5の実施の形態において演出制御装置143による予告復帰用の設定処理、保留予告の第2実行用処理、保留予告の第3実行用処理を実行する機能、第6の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の復帰用処理、保留予告の第4実行用処理を実行する機能、第7の実施の形態において演出制御装置143による表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、遊技回の開始前から付与対応結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。さらに、特定態様として付与対応結果の期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感を喚起する上で有利な構成とすることができる。このような構成において、保留用報知が特定態様とされた状況で所定事象が発生した場合、その特定態様又は保留用報知が不実行とされた特定状態に移行する。この場合、特定態様等の不実行により特定態様により示唆される期待度までが消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。この点、本構成では、特定状態の終了後において、所定事象の発生前の報知態様と同格の第1態様又はそれよりも上位の第2態様として保留用報知を実施するため、改めて期待度を示唆することができ、付与対応結果となることへの期待感を持続させることが可能になる。
特徴A2.少なくとも特定態様とされた保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記所定の第1態様とする手段(第1~第5の実施の形態において演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能、第6の実施の形態において表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様に対応する情報が記憶されるとともに、特定状態の終了後、その記憶された情報に基づいて特定報知の報知態様が設定される。これにより、特定状態の終了後において、保留用報知の報知態様を特定状態となる前(所定事象の発生前)と同格の態様に好適に復帰させることが可能になる。
特徴A3.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように所定報知(実行表示領域Dへの保留用画像の表示)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、前記特定状態の対象となった保留用報知に対応する特別情報の遊技回において、前記実行用報知部にて行われる所定報知の態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とすることが可能な特定用手段(第1~第5の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、第6~第7の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了後において、所定事象の発生前の報知態様と同格の第1態様又はそれよりも上位の第2態様とする処理を実施する場合に、特定状態の対象となった保留用報知の遊技回までその実施期間に含めることができる。これにより、報知態様を同格の態様等に復帰させるための処理期間を長く確保することができ、例えば、特定態様とされた保留用報知の遊技回が開始される直前に所定事象が発生した場合でも、特定状態の終了後における遊技回の実行期間を利用して復帰処理を行うことができる。よって、特定状態の終了後における期待度の示唆を好適に行うことが可能になる。
特徴A4.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記特定用手段は、前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とする場合、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定の第2態様とする手段(第1~第5の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、第6~第7の実施の形態において保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
例えば、特定状態の終了後に報知態様を同格の態様に戻すだけであると、所定事象の発生前に示唆していた以上の期待度を示唆することができない。かと言って報知態様をいたずらに上位のものに設定すると、遊技回にて実際に行われる遊技回演出と整合しなくなり、却って遊技者の信頼を損なう結果を招くおそれがある。この点、本構成では、特定状態の対象となった保留用報知の遊技回において遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づいて、当該保留用報知に対応する所定報知の報知態様を所定事象の発生前よりも上位の態様に昇格させる。これにより、所定報知の報知態様が遊技回にて実際に行われる遊技回演出と整合しなくなることを抑制しつつ、所定報知の報知態様を昇格させることが可能になる。
特徴A5.前記特定用手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とするか否かを判定する判定手段(第1~第5の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の第3実行処理を実行する機能、第6~第7の実施の形態において保留予告の第4実行処理を実行する機能)を備え、当該判定手段により前記所定の第2態様とすると判定された場合、前記所定報知の報知態様を前記所定の第2態様とすることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づいて上位の態様とするか否かが判定され、その判定により上位態様への昇格が許容された場合に、昇格処理が行われる。これにより、特定状態の終了後、実際に行われる遊技回演出の期待度を超えない範囲で所定報知の報知態様を昇格させることができる。
特徴A6.前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様としてから前記所定の第2態様とする手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれかに記載の遊技機。
特定状態の終了後において保留用報知の報知態様を元の態様よりも上位の態様とする場合に、いきなり上位の態様に設定すると、遊技者から見て所定事象の発生前になされていた特定態様との対応関係が分かりにくく、混乱を招くおそれがある。この点、本構成では、一旦同格の報知態様としてから上位の報知態様に変更するため、報知態様が復帰したと分かりやすくすることができ、上記混乱を抑制することが可能になる。
特徴A7.前記特定態様手段は、保留用報知の報知態様を特定態様とする場合、当該保留用報知の報知態様を特定態様とするための報知シナリオ(演出シナリオ)を設定する第1シナリオ設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とする場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とするための報知シナリオ(復帰シナリオ)を設定する第2シナリオ設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定状態において遊技が可能な構成にあっては、特定状態中に遊技回が消化されるため、所定事象の発生前に特定態様とされた保留用報知における特定状態後の実行期間(残存期間)が、特定状態への滞在期間の長短により変動することが想定される。この点、本構成では、所定事象の発生前に設定された報知シナリオとは別に、特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知を同格の態様等とするための報知シナリオが再設定されるため、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも保留用報知の報知態様を同格の態様等に好適に変更することができる。
特徴A8.前記特定状態の終了後において、前記特定状態の対象となった保留用報知に対応する特別情報以前又はそれより前の遊技回の保留数を把握する保留数把握手段(ステップS2103の処理を実行する機能)を備え、
前記第2シナリオ設定手段は、前記保留数把握手段により把握された保留数に基づいて前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様とするための報知シナリオを設定することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態が終了した場合、保留数を把握し、その結果を加味して同格の態様等とするための報知シナリオが再設定されるため、特定状態への滞在期間にかかわらず、保留用報知の報知態様を同格の態様等に好適に変更することができる。
特徴A9.前記特定状態は、少なくとも特定態様とされた保留用報知について、その報知態様が前記通常態様となるものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更(格下げ)された場合、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失したとの誤解や不安を遊技者に与えやすくなる。このような構成に対し、上記特徴A1から特徴A8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、特定状態にて保留用報知を通常態様とする場合、特定状態の終了後において通常態様から同格の態様等に変更(格上げ)する処理が必要となるが、本特徴を特徴A7又は特徴A8に適用することで、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも、通常態様から同格の態様等への変更を好適に行うことができる。
特徴A10.前記特定状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知について、前記特定状態において前記特定態様の実行が制限されるようにする手段(演出モードBで取得された保留情報を契機とする保留予告演出の実行を制限する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
例えば、特定態様とされていた保留用報知の報知態様を特定状態にて通常態様とする一方で、特定状態中に取得された特別情報については特定態様への変更が行われる構成とすると、特定状態前に取得された特別情報と特定状態中に取得された特別情報とで扱いを区別する必要があるため、処理が煩雑化する懸念がある。また、特定態様から通常態様に変更された保留用報知が存在するにもかかわらず、それよりも後に取得された特別情報の保留用報知が特定態様とされると、先の保留用報知における通常態様への変更について期待度が消失してしまったのではないかとの不安感をより一層煽るおそれもある。この点、本構成では、特定状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知について、特定状態において特定態様への変更を制限するため、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴A11.前記特定態様の実行が制限された保留用報知について、前記特定状態の終了後に前記特定態様手段による処理が行われるようにする手段(第2の実施の形態における保留予告用の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記特徴A10の効果で述べたように、特定状態中に取得された特別情報について特定態様への変更を制限することで、先の保留用報知における通常態様への変更について期待度が消失してしまったのではないかとの不安感を煽ってしまうことを抑制できる。しかしながらその反面、特定状態中に取得された特別情報について期待度示唆の機会が失われてしまう懸念がある。この点、上記構成では、そのような制限を課した保留用報知について特定状態の終了後に特定態様への変更が許容されるため、期待度示唆の機会を確保することができる。
特徴A12.前記特定状態は、少なくとも特定態様とされた保留用報知について、その保留用報知が不実行となるものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が不実行とされた場合、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失したとの誤解や不安を遊技者に与えやすくなる。このような構成に対し、上記特徴A1から特徴A8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴A13.前記特定状態が終了した後、当該特定状態の対象となった保留用報知が前記通常態様で実行されるように構成されており、
前記特定手段は、前記通常態様とされた保留用報知の報知態様が前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様に変更されるようにする手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特定状態への移行に伴って保留用報知の報知態様が不実行とされた後、通常態様とされた状態で保留用報知が再開されると、所定事象の発生前において特定態様により示唆されていた期待度が消失してしまったのではないかとの不安感をより一層煽るおそれがある。このような構成に対し、上記特徴A1から特徴A8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、特定状態にて保留用報知を不実行とし、特定状態の終了後に通常態様とされた状態で保留用報知が復帰する構成の場合、特定状態の終了後において通常態様から同格の態様等に変更(格上げ)する処理が必要となるが、本特徴を特徴A7又は特徴A8に適用することで、特定状態後における保留用報知の残存期間が変動する中でも、通常態様から同格の態様等への変更を好適に行うことができる。
なお、本特徴は、「前記特定手段は、前記特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知が前記通常態様で実行された後、前記所定の第1態様又は前記所定の第2態様に変更されるようにする手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えている」と表現することもできる。
特徴A14.保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップS1603~ステップS1605の処理を実行する機能)と、
前記特定状態の終了後において、特定状態の対象となった保留用報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、特定状態の終了後に同格の態様とする場合に特定演出を行うと、実際には同格の態様となるだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する報知態様(所定事象の発生前の態様)を基準として上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、実際の報知態様が遊技者の連想する態様と一致しなくなるため、特定演出への遊技者の信頼を損なうおそれがある。この点、本構成では、特定状態の終了後に同格の態様とする場合は、特定演出の実行を制限するため、実際の報知態様よりも上位の態様を遊技者が連想することが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴A1乃至A14の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
所定の実行契機(先読み結果)に基づいて、所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)が行われるようにする特定報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知の報知態様を複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)のいずれかに設定する第1報知態様設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)を備え、前記第1報知態様設定手段の設定結果に基づいて前記特定報知を実行するように構成されており、
所定の移行条件が成立した場合(演出用操作部36により所定操作が行われた場合)、所定演出状態を含む複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態に移行させる演出状態移行手段(演出制御装置143における演出モード切替用処理を実行する機能)と、
前記特定報知(保留用画像HWによる保留予告演出)の実行中に前記所定演出状態から他の演出状態に移行し、その後、前記所定演出状態に移行した場合に、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における特定報知の報知態様に基づいて設定する第2報知態様設定手段(第1の実施の形態において演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、複数種類の演出状態が設けられ、所定の移行条件が成立することで、演出状態の切り替えが行われる。これにより、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた際に特定報知の実行が解除される構成とした場合、特定報知により報知又は示唆されていたチャンスまで消失したとの誤解や不安を遊技者に与える懸念がある。このような場合、特定報知の実行中は演出状態の切り替えを制限することが考えられるが、演出状態の切り替え頻度が低下する事態を招き、複数種類の演出状態を設けた意義が損なわれるおそれがある。
この点、本特徴では、特定報知の実行中に所定演出状態から他の演出状態に移行し、その後、所定演出状態に移行した場合に、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における報知態様に基づいて設定するため、演出状態が元の状態に戻ることで特定報知を元の報知態様に復帰させることができる。これにより、チャンスが消失していないことを遊技者に知らせることができ、演出状態の切り替えに制約を生じさせることなく、特定報知を実行することができる。つまり、特定報知の実行と演出状態の切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
特徴B2.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。このような構成に対し、上記特徴B1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴的において「前記演出状態移行手段は、演出状態の切り替えを遊技回の実行に合わせて行う手段を備えている」という特徴を備えていてもよい。特定報知が遊技回を跨いで行われつつ、遊技回の区切りに合わせて演出状態が切り替えられる構成では、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が特に生じやすくなるため、特徴B1の上記効果をより一層好適に発揮させることが可能になる。
特徴B3.前記特定報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記第2報知態様設定手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて後の所定演出状態での特定報知の報知態様を設定することを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様が記憶されるとともに、後の所定演出状態に移行した場合に、その記憶された情報に基づいて特定報知の報知態様が設定される。これにより、後の所定演出状態での特定報知を先の所定演出状態で実行されていた元の報知態様に好適に復帰させることができる。
特徴B4.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、前記先特定処理の結果に基づいて、当該先特定処理の対象となった特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に前記特定報知を実行可能に構成されており、
前記特定報知手段は、特定の特別情報(対象保留用画像HWの保留情報)を契機とする特定報知の実行中に先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行し、その後、前記特定の特別情報の遊技回が終了する前又は前記特定の特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となる前に後の所定演出状態に移行した場合、後の所定演出状態において、前記特定の特別情報に対応させて特定報知を実行する特定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理、保留予告の第2実行用処理、保留予告の第3実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて特定報知が実行されるため、特定報知の報知態様によって付与判定の結果が付与対応結果となることへの期待度を示唆し、付与判定が行われる事前に付与対応結果となることへの遊技者の期待感を好適に喚起することができる。このような場合、上述のように演出状態の切り替えに伴って特定報知の実行が解除される構成した場合、遊技者に対して付与対応結果が消失した又はその期待度が低下したとの誤解を与える懸念がある。
この点、本構成によれば、特定報知の契機となった特別情報の遊技回が終了する前又は当該特別情報が付与判定の対象となる前に元の演出状態に戻った場合、元の報知態様に対応させて特定報知の報知態様を設定する。このため、付与対応結果が消失していないこと等を遊技者に知らせることができるほか、特定報知の契機となった特別情報についての付与判定結果が報知される前に、当該特別情報に対する期待度を改めて示唆することができる。よって、上記懸念に対して好適に対処することができ、特定報知の実行と演出状態の切り替えとを好適に両立させることが可能になる。
特徴B5.前記第2報知態様設定手段は、先の所定演出状態での前記先特定処理の結果にかかわらず、先の所定演出状態における特定報知の報知態様に基づいて後の所定演出状態での特定報知の報知態様を設定することを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
例えば、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態で行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、先の所定演出状態での特定報知の報知態様とは異なる態様が設定されることが想定される。また、特定報知の報知態様を段階的に変化させる(ランクアップさせる)構成では、同じ先読み結果であっても、演出状態の切替タイミングによって切り替え時における特定報知の報知態様に差異が生じ得るため、保留先読みの結果に基づいて後の所定演出状態での報知態様を設定すると、先の所定演出状態での特定報知の報知態様とは異なる態様が設定されやすくなる。
この点、本構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態で行われた保留先読みの結果ではなく、当該演出状態から他の演出状態に切り替わるときの特定報知の報知態様に基づいて設定するため、演出状態が元の状態に戻った場合、実際に報知された特定報知と同様の報知態様に設定することができる。これにより、先の所定演出状態での報知態様と後の所定演出状態での報知態様とを好適に整合させることができ、遊技者から見て報知態様が復帰したと認識させやすくすることが可能になる。
特徴B6.前記特定報知手段は、
先の所定演出状態において前記特定の特別情報を契機とする特定報知を行う場合、当該特定報知の報知態様を変更するための報知シナリオ(演出シナリオ)を設定する第1シナリオ設定手段(保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
後の所定演出状態において前記特定の特別情報に対応させて特定報知を行う場合、当該特定報知の報知態様を変更するための報知シナリオ(復帰シナリオ)を再設定する第2シナリオ設定手段(予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
後の所定演出状態にて特定報知を行う場合において、他の演出状態での滞在期間の長短により、後の所定演出状態に切り替わってから、その特定報知が対応する特別情報の遊技回が開始又は終了するまでの期間、すなわち、特定報知を実行できる期間が変動することが想定される。この点、本構成では、後の所定演出状態にて特定報知を行う場合、報知態様を変更するための報知シナリオが再設定されるため、上記期間が変動する中でも特定報知の報知態様を元の態様に好適に変更することができる。
特徴B7.後の所定演出状態に移行した場合、前記特定の特別情報以前又はそれよりも前の遊技回の保留数を把握する保留数把握手段(ステップS2103の処理を実行する機能)を備え、
前記第2シナリオ設定手段は、前記保留数把握手段により把握された保留数に基づいて前記報知シナリオを再設定することを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態に切り替わった場合、保留数を把握し、その結果を加味して特定報知の報知シナリオが再設定されるため、他の演出状態での滞在期間にかかわらず、特定報知の報知態様を元の態様に好適に変更することができる。
特徴B8.特定報知の実行中に先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行した場合、その特定報知の継続を制限する手段(保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴いそれまで実行されていた特定報知の継続が制限(規制)されるため、チャンスが消失してしまったとの誤解を遊技者に与えやすい。このような構成に対し、上記特徴B1から特徴B7のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴B9.前記所定演出状態は、前記他の演出状態とは前記特定報知の実行されやすさが異なる演出状態であることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度等が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、演出状態の切り替えに伴い特定報知の実行を解除することで、そのような期待度等の不整合を抑制することができる。しかしながらその反面、特定報知により示唆されていたチャンスが消失してしまったとの誤解や不安を遊技者に与える懸念が生じる。このような構成に対し、上記特徴B1から特徴B8のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴における「前記所定演出状態は、前記他の演出状態とは前記特定報知の実行されやすさが異なる演出状態である」には、他の演出状態が特定報知を実行し得る状態として設定される構成だけでなく、他の演出状態が特定報知を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴B10.前記特定報知における複数種類の報知態様は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして設定されるものであり、
前記第2報知態様設定手段は、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を先の所定演出状態における特定報知の報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な所定の第1態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第1手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態における報知態様と同格であると遊技者が認識することが可能な態様に設定するため、特定報知が復帰したと遊技者に認識させやすくすることができる。
特徴B11.前記第2報知態様設定手段は、後の所定演出状態において特定報知の報知態様を前記所定の第1態様に設定した後、先の所定演出状態における特定報知の報知態様より上位であると遊技者が認識することが可能な所定の第2態様(上位の特定表示態様等)に設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理)を備えていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成では、後の所定演出状態での特定報知の報知態様を、先の所定演出状態における報知態様より上位の報知態様とすることができるため、後の所定演出状態での報知態様が先の所定演出状態での報知態様までに制限され、示唆可能な期待度等の範囲が狭くなることを抑制できる。その際、いきなり上位の報知態様とすると、先の所定演出状態でなされていた報知態様との対応関係が分かりにくく、演出が分かりにくくなるおそれがある。この点、本構成では、一旦同格の報知態様としてから上位の報知態様に変更するため、報知態様が復帰したと分かりやすくすることができ、遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
特徴B12.前記特定報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップS1603~ステップS1605の処理を実行する機能)と、
後の所定演出状態において特定報知の報知態様を前記所定の第1態様とする場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B10又は特徴B11に記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により特定報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の態様に変化することへの期待感が喚起され、特定報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、特定報知の報知態様を同格の態様とする場合に特定演出を行うと、実際には同格の態様となるだけにもかかわらず、遊技者が自身の記憶する先の所定演出状態での報知態様を基準として上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、実際の報知態様が遊技者の連想する態様と一致しなくなるため、特定演出への遊技者の信頼を損なうおそれがある。この点、本構成では、上位の報知態様への変更に該当するものであっても、先の所定演出状態での報知態様に戻すだけの場合は、特定演出の実行を制限するため、実際の報知態様よりも上位の態様を遊技者が連想することを抑制することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴B13.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い特定報知の実行が解除された場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴B1から特徴B12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴B14.特定の特別情報(保留用画像HWの保留情報)に対応する前記保留用報知の報知態様を特定態様としている状況で先の所定演出状態から前記他の演出状態に移行した場合、前記特定の特別情報に対応する前記保留用報知の報知態様を前記通常態様に設定する手段(保留用画像HWの表示態様を通常表示態様HMaとする機能)を備えていることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴いそれまで特定態様とされていた保留用報知が通常態様に変更されるため、遊技者からすると、格下げされた印象を受けやすく、期待度が低下したとの誤解を与えやすい。このような構成に対し、上記特徴B1から特徴B12のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴B1乃至B14の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とする特定態様処理を実行することが可能な特定態様手段(第2の実施の形態において演出制御装置143における保留予告用の設定処理及び保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
予め定められた所定条件が成立した場合(演出モードAから演出モードBに切り替えられた場合)、前記特定態様又は前記保留用報知の実行が制限される制限状態に移行するように構成されており、
前記制限状態中に取得された特別情報に対応する前記保留用報知について、前記制限状態後の報知態様を前記制限状態中に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定する設定手段(第2の実施の形態において演出制御装置143による保留予告用の第2設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、遊技回の開始前から付与対応結果となることへの遊技者の期待感を喚起することができる。このような構成の下、既に特定態様とされている保留用報知について特定態様又は保留用報知の実行を制限する制限状態を設ける場合がある。しかしながら、その制限状態において新たな特別情報が取得された場合、そうような特別情報についてまで特定態様への変更が行われないものとすると、制限状態中に取得された特別情報について遊技者の期待感を喚起できなくなる懸念がある。
この点、本構成によれば、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態の終了後に特定態様に変更することができるため、制限状態中に取得された特別情報について遊技者の期待感を喚起することができる。その際、制限状態後における特定態様への変更を制限状態中に実行された先特定処理(保留先読み処理)の結果に基づいて行うため、制限状態ではない場合と同様にして先特定処理を行うことができる。すなわち、先特定処理の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態後に変更することが可能になる。
特徴C2.前記先特定手段は、取得された特別情報についての前記先特定処理を、前記制限状態であるか否かにかかわらず、特別情報の取得タイミングに合わせて行うように構成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態である場合とそうではない場合とのいずれにおいても特別情報の取得タイミングに合わせて先特定処理を行うことができるため、前者の場合と後者の場合とで先特定処理を区別する必要がない。よって、構成が複雑化することを抑制しながら、制限状態中に取得された特別情報に対応する保留用報知の報知態様を制限状態後に変更することが可能になる。
特徴C3.前記設定手段は、前記設定を前記制限状態が終了する場合又は前記制限状態が終了した後に実行することを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
例えば、制限状態中に実行された先特定処理の結果に基づいて制限状態後の報知態様を設定する場合にその設定を制限状態中に行う構成とすると、報知態様を設定した保留用報知に対応する特別情報の遊技回が制限状態中に実行された場合、報知態様の設定が反映されないまま保留用報知が終了し、設定が無駄になるおそれがある。この点、本構成では、報知態様の設定を制限状態の終了時又は終了後に行うため、そのような無駄が発生することを抑制し、効率的な処理を行うことが可能になる。
特徴C4.前記制限状態は前記特定態様の実行を制限するものであり、
前記制限状態中に取得された特別情報に対応する前記保留用報知について、前記制限状態中の報知態様を前記通常態様、又は前記通常態様及び前記特定態様のいずれとも異なる所定態様(黒色表示態様)とする手段(保留用画像HB1,HB2の表示態様を通常表示態様HMa又は黒色表示態様に強制設定する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定態様の実行が制限される制限状態において保留用報知が通常態様、又は通常態様と特定態様のいずれとも異なる所定態様で行われるため、遊技者が遊技回の保留数を認識できるようにしながら特定態様を不実行とすることができる。このような構成に対し、上記特徴C1から特徴C3のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴C5.前記制限状態中に特別情報が取得された場合、その特別情報が前記制限状態中に取得されたものであることを前記制限状態後に把握できるように所定の情報(制限期間中の発生保留であることの情報)を所定の記憶部(RAM344の保留用記憶エリア344c)に記憶可能に構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態の終了後において、制限状態となる前に取得された特別情報と制限状態中に取得された特別情報とが混在する場合でも、所定の記憶部に記憶された所定の情報に基づいて制限状態中に取得された特別情報を特定することができる。これにより、特徴C1に係る設定手段において、制限状態中に取得された特別情報と、そうではない特別情報とを識別し、制限状態中に取得された特別情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
特徴C6.演出状態として、第1演出状態(演出モードA)と第2演出状態(演出モードB)とを含む複数の演出状態が設定されており、
所定の移行条件が成立した場合(演出用操作部36により所定操作が行われた場合)、複数種類の演出状態のうちの1の演出状態から他の演出状態に移行させる演出状態移行手段(演出制御装置143における演出モード切替用処理を実行する機能)を備え、
前記第1演出状態から前記第2演出状態に移行した場合、前記制限状態に移行するように構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えに伴い制限状態に移行する。この場合、切り替え後の演出状態において遊技者が遊技を行うと考えられるため、制限状態中に特別情報が取得されることが想定される。このような構成に対し、上記特徴C1から特徴C5のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴C7.前記第2演出状態は、前記第1演出状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる演出状態であることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
演出状態によって特定態様への変更されやすさが異なる構成の場合、特定態様を維持した状態で演出状態を切り替えると、その切り替え前後で特定態様が示唆する期待度が整合しなくなるおそれがある。この場合、第1演出状態から第2演出状態への移行に伴い特定態様や保留用報知の実行を制限することで、そのような期待度の不整合を抑制することができる。しかしながら、第2演出状態への移行前に特定態様とされていた保留用報知に対して上記制限を適用するとしても、第2演出状態で特別情報が取得されることにより行われる新たな保留用報知についてはどのように扱うべきであるかという懸念が生じる。このような構成に対し、上記特徴C1から特徴C6のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる演出状態である」には、第1演出状態と第2演出状態の双方で特定報知が実行され得るものとなっており、それら各演出状態で特定報知の実行頻度(実行確率)が相違する場合だけでなく、第1演出状態と第2演出状態の一方で特定報知が実行されない構成も含まれると解することができる。
特徴C8.前記第2演出状態が終了した場合、前記制限状態が終了するように構成されていることを特徴とする特徴C6又は特徴C7に記載の遊技機。
上記構成では、第2演出状態が終了した場合に制限状態が解除されるため、第2演出状態中に取得された特別情報の保留用報知について、第2演出状態中は特定態様又は保留用報知の実行を制限し、その後、第2演出状態の終了に応じて特定態様とすることができる。
特徴C9.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記制限状態中に取得された特別情報の遊技回が前記制限状態中に行われた場合、その特別情報に対応するものであって前記実行用報知部にて行われる前記所定報知の報知態様を、前記制限状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて通常態様とは異なる特定態様に設定する手段(ステップS2901~ステップS2903の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、制限状態への移行により報知態様の変更が制限された保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更が許容される。このため、制限状態中に取得された特別情報の遊技回が制限状態中に実行される場合でも、その特別情報についての期待度を示唆することができる。
なお、上記特徴C1乃至C9の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
所定の実行契機(先読み結果)に基づいて、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とする特定態様処理を実行することが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
第1状態(演出モードA)と、前記第1状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる第2状態(演出モードB)とを含む複数種類の状態が設定されており、
前記第1状態において前記特定態様処理が実行され、前記保留用報知の報知態様が複数種類の態様のうちのいずれかとされた後に前記第2状態に移行した場合、その保留用報知の報知態様を前記第1状態での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)とするか否かを判定する態様判定手段(第3の実施の形態における演出制御装置143による演出モード切替用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様が特定態様とされ、その特定態様には、付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このため、保留用報知をいずれかの特定態様とすることで期待度を示唆することができ、付与対応結果となることへの遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、第1状態と、第1状態とは特定態様への変更されやすさが異なる第2状態とを含む複数種類の状態が設定されている。それら状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。
そのような構成の下、特定態様の保留用報知が行われている状況で第1状態から第2状態に移行した場合、特定態様を維持すると、その種類によっては、対応する期待度が第2状態への移行前と懸け離れたものとなり、遊技者の誤解を招くおそれがある。この点、本構成では、そのような移行が生じた場合、第2状態への移行後においてその保留用報知の報知態様を第1状態での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするか否かを判定する。これにより、期待度の不整合が生じることを抑制でき、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴における「前記第1状態とは前記特定態様処理の実行されやすさが異なる第2状態」には、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行し得る状態として設定される構成だけでなく、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴D2.前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成では、第2状態は、第1状態よりも保留用報知が特定態様とされにくくなっているため、保留用報知の報知態様が特定態様に変更された場合の付与対応結果への期待度を比較すると、第1状態よりも第2状態の方が高くなることが想定される。この場合、第1状態から第2状態への移行が、特定態様に対する付与対応結果への期待度が低い状態から高い状態への移行するものとなるが、このような移行に対し、上記特徴D1の構成を適用することで、期待度の不整合を抑制し、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態である」には、第2状態において保留用報知が特定態様とされる確率が第1状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2状態が保留用報知の特定態様への変更を実行しない状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴D3.前記態様判定手段は、前記第2状態に移行する場合の前記保留用報知の報知態様が所定の報知態様(上限表示態様)より上位の態様である場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定態様とすることを許容しないと判定し、前記第2状態に移行する場合の前記保留用報知の報知態様が前記所定の報知態様以下の態様である場合、当該保留用報知の報知態様を前記所定態様とすることを許容すると判定することを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成では、第2状態への移行時における報知態様と第2状態に対応して設定された所定の報知態様との比較により、第1状態での報知態様と同格の態様とすることの可否が判定される。これにより、第2状態において各態様が対応する期待度を踏まえて同格の態様とするか否かを振り分けることができ、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴において「所定の報知態様」を「前記第2状態に対応して設定される所定の報知態様」と表現することもできる。
特徴D4.前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)を備え、
前記特定態様手段は、前記先特定処理の結果に基づいて前記特定態様処理を実行するように構成されており、
前記態様判定手段は、当該態様判定手段の判定対象となる保留用報知が対応する特別情報についての前記先特定処理の結果に基づいて前記判定を行うことを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定態様への変更が先特定処理の結果(いわゆる先読み結果)に基づいて行われる。そして、態様判定手段により同格の態様とするか否かを判定する場合には、その判定対象である保留用報知の先読み結果に基づいて上記判定が行われる。これにより、その保留用報知の先読み結果、つまりは、その保留用報知の特別情報が付与判定手段の判定対象となった場合に実行される遊技回での報知結果や当該遊技回での遊技回演出を踏まえて、同格の態様とするか否かを判定することができる。
特徴D5.前記先特定処理の結果に対応させて複数種類の上限態様(上限表示態様)が設定されており(復帰判定用テーブル)、
前記態様判定手段は、
当該態様判定手段の判定対象となる保留用報知が対応する特別情報について前記先特定処理の結果を把握する把握手段(ステップS3105の処理を実行する機能)と、
前記複数種類の態様のうち前記把握手段により把握された結果に対応する上限態様に基づいて前記判定を行う手段(ステップS3106の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成では、先読み結果に対応させて複数種類の上限態様が設定され、態様判定手段により同格の態様とするか否かを判定する場合には、その判定対象である保留用報知の先読み結果に対応する上限態様が適用されて上記判定が行われる。これにより、第2状態に移行した場合の保留用報知の報知態様が、第1状態で対応する期待度を超えないようにして、同格の態様とするか否かを判定することができる。
特徴D6.前記特定態様手段は、前記特定態様処理を実行する場合、前記複数種類の態様のうちのいずれかの態様である第1特定態様(青色表示態様HMb)で前記保留用報知を実行した後、当該保留用報知の報知態様を前記第1特定態様より上位の第2特定態様(緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)に変更する手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様が特定態様とされた後、その報知態様が段階的に上位の態様に変更される。このような構成では、第1状態で保留用報知の報知態様を特定態様とする処理が行われた場合において、例えば、特定態様にされてからの序盤で第2状態への移行が生じた場合には、そのときの特定態様は比較的に下位の態様(期待度が低い態様)となることが想定され、逆に終盤で上記移行が生じた場合には、比較的に上位の態様(期待度が高い態様)となることが想定される。つまり、第2状態への移行タイミングによって、保留用報知における特定態様がいずれの態様となっているかに差異が生じる。このように構成に対し、特徴D1からD5のいずれかの構成を適用することで、都度の報知態様に応じて同格の態様とするか否かを振り分けることができ、第2状態への移行後における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴において「前記態様判定手段は、前記第2状態に移行する直前の前記第1態様での報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様とするか否かを判定する手段を備えている」という特徴をさらに備えていてもよい。
特徴D7.前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定態様処理が実行されにくい状態であり、
前記第2状態において前記特定態様処理が実行され、前記保留用報知の報知態様が複数種類の態様のうちのいずれかとされた後に前記第1状態に移行した場合、前記態様判定手段による前記判定を不実行とする手段(ステップS3104で否定判定した場合にステップS3105~ステップS3107の処理をスキップする機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知が相対的に特定態様とされにくい第2状態から、相対的に特定態様とされやすい第1状態への移行、すなわち、特定態様に対する付与対応結果への期待度が高い状態から低い状態への切り替わりである場合、同格の態様するか否かを判定しない構成としている。これにより、保留用報知の報知態様が維持される機会が過度に制限されることを抑制できるほか、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
特徴D8.前記態様判定手段により前記所定態様にすると判定された場合、当該判定の対象となった前記保留用報知の報知態様を前記通常態様としてから前記所定態様に変更する変更手段(ステップS3110の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、保留用報知の報知態様を同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更される。この場合、同格の態様にする場合と同格の態様にしない場合とのいずれにおいても、保留用報知の報知態様が第1状態から第2状態への切り替えに伴って通常態様に切り替わる構成とできる。これにより、同格の態様にしないと判定されたことに起因して特定態様から通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、同格の態様にしないと判定された場合も含め、第2状態への移行後、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
特徴D9.前記保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することを示唆する特定演出(変化示唆演出)を実行する特定演出手段(ステップS1603~ステップS1605の処理を実行する機能)と、
前記変更手段により前記保留用報知の報知態様が前記所定態様に変更される場合、前記特定演出の実行が制限されるようにする手段(変化示唆演出の実行が制限されるようにする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成では、特定演出により保留用報知の報知態様が上位の報知態様に変化することが示唆されるため、上位の報知態様に変化することへの期待感が喚起され、保留用報知への遊技者の注目度を高めることができる。このような構成において、例えば、同格の態様に変更する場合に特定演出を行うと、遊技者が記憶している第1状態での報知態様を基準とし、それよりも上位の報知態様を連想してしまうことが想定される。この場合、特定演出が行われたにもかかわらず、元の態様に戻っただけではないかといった不自然な印象を与える懸念がある。この点、本構成では、上位の報知態様に変更されるものであっても、通常態様から同格の態様に変更する場合は、特定演出の実行を制限するため、そのような不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴D10.前記態様判定手段により前記所定態様にしないと判定された場合、当該判定の対象となった保留用報知の報知態様を前記通常態様とするか、前記所定態様より下位の報知態様とする手段(ステップS3108の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、同格の態様にしないと判定された場合、判定対象となった保留用報知の報知態様を通常態様又は下位の報知態様とするため、第2状態に移行した場合の保留用報知の報知態様が第1状態で対応する期待度を超えることを抑制でき、第2状態への移行後おける保留用報知を好適に行うことが可能になる。
なお、上記特徴D1乃至D10の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、を備え、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合に前記特別遊技状態後の報知態様が前記特別遊技状態前の報知態様とは異なる態様となるようにする特定手段(第4の実施の形態における演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、付与判定手段の判定結果が付与対応結果となり、特別遊技状態が実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、付与判定に用いられる特別情報が同じでも遊技状態によって付与判定の結果や遊技回にて行われる遊技回演出等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特別遊技状態の実行前に特定態様とされた保留用報知について、特別遊技状態の実行前と実行後の遊技状態が異なる場合に、特別遊技状態後の報知態様が特別遊技状態前の報知態様と異なるものとされるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等が変化しても、保留用報知により遊技者に誤解を与えることが抑制され、移行後の遊技状態における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
特徴E2.前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する手段(ステップS3504で否定判定した後、ステップS3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合、通常態様に変更されて保留用報知が行われる。これにより、特別遊技状態後において実際の期待度とは整合しない保留用報知が行われ、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常態様とすることで、期待度の変化に合わせた報知態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
特徴E3.前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により前記通常態様とされた後、前記通常態様とされた前記保留用報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて当該保留用報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成によれば、通常態様とされた保留用報知について、その後に特定態様に変化する機会が付与されるため、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴E4.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により通常態様とされた保留用報知の遊技回において、当該保留用報知に対応する前記所定報知の報知態様を通常態様とは異なる特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて前記所定報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E2又は特徴E3に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常態様とされた保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更機会が付与される。このため、報知態様が特定態様から通常態様へと変更された場合であっても、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴E5.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定することを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出設定手段にて遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づき、所定報知の報知態様を特定態様とするか否かが判定される。これにより、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なる場合において、特別遊技状態後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、所定報知の報知態様を特定態様に変更することができる。
なお、本特徴を上記特徴E2に適用する場合、「前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」を「前記第2手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報にかかわらず、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」と表現することができる。
特徴E6.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特別遊技状態の実行前に特定態様とされた前記保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前に行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、特別遊技状態前の報知態様とは異なる報知態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定態様の保留用報知が存在する状況で特別遊技状態が実行された場合、そのときの報知態様の情報を記憶し、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、その記憶された情報に基づいて特別遊技状態後の報知態様を設定する。これにより、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
なお、本特徴において「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」を「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記先特定処理の結果にかかわらず、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」と表現することもできる。
特徴E7.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするため、特別遊技状態前において特定態様への変更により遊技者の期待感を喚起した保留用報知について、特別遊技状態後においても同じように期待感を喚起することができる。
特徴E8.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する第1手段(ステップS3504で否定判定した後、ステップS3417の処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2手段は、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定した後、前記所定態様に設定することが可能な手段(ステップS3507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更する。この場合、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、特別遊技状態が実行されることに伴い、保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更される。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、遊技状態が相違する場合も含め、特別遊技状態後の遊技状態において、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
特徴E9.前記特定手段は、前記特別遊技状態において又は前記特別遊技状態が終了する場合に、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じであるか否かを判定する遊技状態判定手段(ステップS3416の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技状態が同じであるか否かの同否判定が特別遊技状態の実行中又は特別遊技状態が終了する場合に行われる。これにより、特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を特別遊技状態後に如何なる態様とするかについて、特別遊技状態後に速やかに対応することができる。よって、特別遊技状態後において、その保留用報知よりも前の保留数が少ない状況であっても、当該保留用報知の報知態様を好適に調整することができる。
特徴E10.遊技球が入球可能又は入球しやすい第1状態(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1状態よりも入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置65)と、
前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、前記第2状態とする切替制御を実行する切替制御手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、少なくとも1回の前記切替制御が行われる状態であり、
前記遊技状態判定手段は、前記判定を前記可変入球手段が前記第2状態とされている期間において行うものであることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
特別遊技状態において可変入球手段が第1状態となっている場合、可変入球手段への遊技球の入球に基づく演出等を行う必要があるなど処理負荷が比較的高い状態となっていることが想定される。そのような期間を利用して同否判定を行うと、一層の高負荷を招く懸念がある。この点、本構成では、可変入球手段が第2状態とされている期間を利用して同否判定を行うため、処理負荷の軽減を図ることが可能になる。
特徴E11.前記付与判定手段は、特別情報に含まれる第1情報(大当たり乱数カウンタC1の値)に基づいて前記付与判定を行うものであり、
前記特別情報に含まれる第2情報(変動種別カウンタCSの値)又は当該第2情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記先特定処理は、前記情報取得手段により取得された所定の特別情報に含まれる前記第2情報又は当該第2情報に対応する前記特定情報を、前記所定の特別情報に含まれる前記第1情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定するものであり、
前記複数種類の遊技状態は、第1遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態のいずれか)と、所定の第2情報(値が80である変動種別カウンタCS)に対応する遊技回演出又は特定情報が前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態、高確遊技状態のいずれかであって第1遊技状態とは異なる遊技状態)とを含むものであることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別情報に含まれる第2情報に基づいて遊技回演出が設定されるとともに、第1遊技状態と第2遊技状態とでは、第2情報の値が同じであっても対応する遊技回演出が相違するように構成されている。このため、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合に、保留用報知における特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同じにすると、特別遊技状態前と特別遊技状態後とで保留用報知により示唆される遊技回演出が整合しなくなるおそれがある。このような構成に対し、上記特徴E1から特徴E9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴E12.前記特別遊技状態において前記保留用報知を不実行とする手段(ステップS3411の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態の終了に伴い保留用報知の報知態様を変更する場合に、それまで行われていた保留用報知を特別遊技状態の終了時に突然、他の態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。例えば、保留用報知の報知態様を通常態様や下位の報知態様に格下げする場合等は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、特別遊技状態において保留用報知が不実行とされるため、報知態様を変更するにあたり、他の保留用報知も含めて保留用報知自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、報知態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、特定報知が不実行とされることで、特別遊技状態用の演出に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
特徴E13.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段(図柄表示装置75)を制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とすることが可能な特定態様手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、を備え、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合とそうでない場合とで異ならせる特定手段(第4の実施の形態における演出制御装置143による予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる保留先読みの結果に基づいて保留用報知の報知態様が特定態様とされるため、付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、本構成では、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定され、付与判定手段の判定結果が付与対応結果となり、特別遊技状態が実行された場合、それら複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行される。このように複数種類の遊技状態を設けた構成にあっては、付与判定に用いられる特別情報が同じでも遊技状態によって付与判定の結果や遊技回にて行われる遊技回演出等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特別遊技状態の実行前に特定態様とされた保留用報知について、特別遊技状態後の遊技状態での報知態様を、特別遊技状態の実行前と実行後の遊技状態が同じであるか否かによって異ならせるため、遊技状態の違いに起因する付与判定結果や遊技回演出等の変化を踏まえて報知態様を設定することができ、移行後の遊技状態における保留用報知を好適に行うことが可能になる。
特徴E14.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特別遊技状態の実行前に特定態様とされた前記保留用報知の報知態様に対応する情報を所定の記憶部(RAM344の復帰用エリア344f)に記憶可能な構成となっており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
例えば、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前に行われた保留先読みの結果に基づいて設定する構成であると、特別遊技状態前の報知態様とは異なる報知態様に設定される懸念がある。この点、本構成では、特定態様の保留用報知が存在する状況で特別遊技状態が実行された場合、そのときの報知態様の情報を記憶し、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、その記憶された情報に基づいて特別遊技状態後の報知態様を設定する。これにより、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の元の態様に好適に復帰させることが可能になる。
なお、本特徴において「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」を「前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記先特定処理の結果にかかわらず、前記所定の記憶部に記憶された情報に基づいて前記特別遊技状態後の報知態様を設定する態様設定手段」と表現することもできる。
特徴E15.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する態様設定手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E13又は特徴E14に記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と同じである場合、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするため、特別遊技状態前において特定態様への変更により遊技者の期待感を喚起した保留用報知について、特別遊技状態後においても同じように期待感を喚起することができる。
特徴E16.前記特定手段は、前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する手段(ステップS3504で否定判定した後、ステップS3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E13乃至E15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の遊技状態が特別遊技状態前の遊技状態と異なる場合、通常態様に変更されて保留用報知が行われる。これにより、特別遊技状態後において実際の期待度とは整合しない保留用報知が行われ、遊技者の誤解を招くことを好適に抑制できる。また、一律に通常態様とすることで、期待度の変化に合わせた報知態様の細かな調整を不要化することができ、処理構成の簡単化を図ることも可能になる。
特徴E17.保留されていた遊技回の実行を遊技者が認識できるように前記保留用報知に対応する所定報知(実行表示領域Dに保留用画像を表示すること)が行われる実行用報知部(実行表示領域D)を備え、
前記特定手段は、
前記通常態様に設定する手段としての第1手段と、
前記第1手段により通常態様とされた保留用報知の遊技回において、当該保留用報知に対応する前記所定報知の報知態様を通常態様とは異なる特定態様とするか否かを判定し、その結果に基づいて前記所定報知の報知態様を設定する第2手段(保留予告の第3実行用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E16に記載の遊技機。
特別遊技状態前に特定態様とされた保留用報知の報知態様を、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なることに基づき、特別遊技状態後に通常態様に変更することで、遊技状態の変化に起因する付与判定結果や遊技回演出等の変動を吸収できる反面、その保留用報知に対応する特別情報の期待度を報知又は示唆できなくなってしまう懸念がある。この点、本構成では、通常態様とされた保留用報知について、その保留用報知の遊技回まで遊技が進むことにより特定態様への変更機会が付与される。このため、報知態様が特定態様から通常態様へと変更された場合であっても、事後的に特定態様へと昇格させることができ、期待度を報知等することが可能になる。
特徴E18.遊技回が実行される場合、当該遊技回の契機である前記付与判定の対象となった特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて前記遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定することを特徴とする特徴E17に記載の遊技機。
上記構成では、遊技回演出設定手段にて遊技回演出の設定に用いられる特別情報又は特定情報に基づき、所定報知の報知態様を特定態様とするか否かが判定される。これにより、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが異なる場合において、特別遊技状態後の遊技回にて実際に行われる遊技回演出に適合させながら、所定報知の報知態様を特定態様に変更することができる。
なお、本特徴を上記特徴E2に適用する場合、「前記第2手段は、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」を「前記第2手段は、前記所定の記憶部に記憶された情報にかかわらず、前記遊技回演出設定手段にて参照される前記特別情報又は前記特定情報に基づいて前記所定報知の報知態様を特定態様とするか否かを判定する」と表現することができる。
特徴E19.前記特定態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが同じである場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記特別遊技状態前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)に設定する第1手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態前の遊技状態と前記特別遊技状態後の遊技状態とが異なる場合、前記特別遊技状態前に特定態様とされた前記保留用報知について、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定する第2手段(ステップS3504で否定判定した後、ステップS3417の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1手段は、前記特別遊技状態後の報知態様を前記通常態様に設定した後、前記所定態様に設定することが可能な手段(ステップS3507の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E13乃至E18のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別遊技状態後の報知態様を特別遊技状態前の報知態様と同格の態様にする場合に、一旦通常態様としてから同格の態様に変更する。この場合、特別遊技状態後の遊技状態と特別遊技状態前の遊技状態とが同じであるか否かにかかわらず、特別遊技状態が実行されることに伴い、保留用報知の報知態様が特定態様から通常態様に変更される。これにより、遊技状態が相違することに起因して通常態様に変更される場合の不自然さを軽減することが可能になる。また、通常態様となってから特定態様に変化する構成とすることで、遊技状態が相違する場合も含め、特別遊技状態後の遊技状態において、通常態様とされた保留用報知が特定態様に変更されるのではないかとの期待感を喚起することができ、その保留用報知への期待感を持続させることが可能になる。
なお、上記特徴E13から特徴E19に対して上記特徴E9から特徴E12の構成を適用することが可能である。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴E1乃至E19の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報(保留情報)を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報に対応する特定報知(保留用画像の表示)を当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前に実行する特定報知手段(演出制御装置143における保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前の所定タイミング(保留情報の取得タイミング)において特定する第1先特定手段(第5の実施の形態において演出制御装置143による第1保留先読み処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報に対応する特定報知の実行中に所定事象(開閉実行モード等)が発生した場合、前記所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報(変動パターン等)を、前記所定事象後である特定タイミング(開閉実行モードの終了タイミング等)において特定する第2先特定手段(第5の実施の形態において演出制御装置143による第2保留先読み処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知手段は、
前記第1先特定手段の特定結果に基づいて前記所定事象前における前記所定の特別情報に対応する特定報知の報知態様を設定する第1手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)と、
前記第2先特定手段の特定結果に基づいて前記所定事象後における前記所定の特別情報に対応する特定報知の報知態様を設定する第2手段(演出制御装置143における予告復帰用の設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。このような構成において、所定事象の発生に伴い状態が変化し、付与判定に用いる特別情報の値が同じであっても、所定事象の前後で付与判定の結果等に差異が生じることがある。この点、本構成では、特定報知の実行中に所定事象が発生した場合、その特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行し、その結果に基づいて特定報知の報知態様を設定する。このため、所定事象前に行われていた特定報知の報知態様を所定事象後に適した態様となるように調整することができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F2.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に所定事象が発生する事態を招きやすい。このような構成に対し、上記特徴F1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
特徴F3.前記所定事象前と前記所定事象後とで、前記付与情報(大当たりに対応する乱数値)又は前記付与判定手段での判定条件(当選確率)が異なり得るように構成されていることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成では、特別情報の値が同じであっても、所定事象前と所定事象後とで付与判定の結果に差異が生じ得る。このため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、遊技回で実際に報知される報知結果(付与判定の結果)とは異なる結果を示唆する事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴F1又はF2の構成を適用することで、遊技回での実際の報知結果と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F4.前記第2先特定手段は、前記所定事象後に対応する前記付与情報又は前記判定条件を適用して前記特定を行うことを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行する場合に、所定事象後の状態に対応する付与情報や判定条件が適用されて先読み処理が行われる。これにより、所定事象前に行われていた特定報知について、遊技回での実際の報知結果と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F5.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
特別情報(保留情報)又は当該特別情報から導出される特定情報(変動パターン)に基づいて遊技回にて行われる遊技回演出(リーチ演出等)を設定する遊技回演出設定手段(演出制御装置143における特図変動表示用処理を実行する機能)と、
を備え、
所定の特別情報又は当該所定の特別情報から導出される所定の特定情報(値が80の変動パターン)に対応する遊技回演出が前記所定事象前と前記所定事象後とで異なり得るように構成されていることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特別情報又は特定情報の値が同じであっても、所定事象前と所定事象後とで遊技回設定手段により設定される遊技回演出に差異が生じ得る。このため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、遊技回で実際に行われる遊技回演出とは別の演出を示唆する事態を招く懸念がある。このような構成に対し、上記特徴F1からF4のいずれかに記載の構成を適用することで、所定事象前に行われていた特定報知について、実際の遊技回演出と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F6.前記第1先特定手段及び前記第2先特定手段は、前記判定結果に対応する情報として、前記所定の特別情報に対応する遊技回演出又は前記所定の特別情報に対応する特定情報を特定する手段を備え、
前記第2先特定手段は、前記所定事象後に対応させて前記所定の特別情報に対応する遊技回演出又は前記所定の特別情報に対応する特定情報を特定することを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった特別情報を対象として所定事象後に改めて先読み処理を実行する場合に、所定事象後の状態に対応させて遊技回演出や特定情報が先読みされる。これにより、所定事象前に行われていた特定報知について、実際の遊技回演出と整合するように報知態様を調整して所定事象後の報知を行うことができ、所定事象後における特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F7.前記第2手段は、前記所定事象前の報知態様と前記第2先特定手段の特定結果とに基づいて前記所定事象後の報知態様を設定することを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、所定事象の発生に伴い特定報知の報知態様が頻繁に変化する構成であると、遊技者が違和感を抱く懸念がある。この点、本構成では、第2先特定手段の特定結果だけではなく、所定事象前の報知態様も加味して所定事象後の報知態様を設定するため、例えば、所定事象前の報知態様を第2先特定手段の特定結果に照らし、所定事象後も同じ態様としても支障がなければ、所定事象前の報知態様を引き継いで特定報知を行うことができる。これにより、所定事象を境として報知態様が過度に変化することを抑制でき、自然な態様で所定事象後の特定報知を実行することが可能になる。
特徴F8.前記特定報知には、前記付与判定の結果が前記付与情報に対応しているとする付与判定結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(通常表示態様HMa、青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記第2手段は、前記所定事象前の報知態様と前記第2先特定手段の特定結果とに基づいて、前記所定事象後の報知態様を前記所定事象前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な所定態様(同じ特定表示態様、同順位の表示態様、同じキャラクタ等)とするか否かを判定する態様判定手段(ステップS4703~ステップS4705の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様として、付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様が設定されている。このように期待度を段階的に設定して多数の報知態様を設けた構成にあっては、1の報知態様が対応する期待度の範囲が狭くなるため、所定事象前の報知態様で所定事象後の特定報知を行うと、所定事象の前後で示唆する期待度に差異が生じやすい。この点、本構成では、所定事象前の報知態様と第2先特定手段の特定結果とに基づいて、所定事象後の報知態様を所定事象前の報知態様と遊技者が同格であると認識することが可能な態様とするか否かを判定するため、多数の報知態様が設定されている状況でも、期待度を整合させて所定事象後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F9.前記第2手段は、前記態様判定手段により前記所定態様にしないと判定された場合、前記所定事象後の報知態様を通常態様(通常表示態様HMa)又は前記所定事象前の報知態様より下位の報知態様に設定する手段(ステップS4706で否定判定した後、ステップS3417の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成では、同格の態様としないと判定された場合、判定対象となった特定報知の報知態様を通常態様又は下位の報知態様とするため、所定事象後の報知態様が所定事象前で対応する期待度を超えることを抑制でき、所定事象後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴F10.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)と、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知は前記保留用報知であることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に所定事象が発生する事態が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、所定事象の前後で期待度に差異が生じる場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴F1から特徴F9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴F11.前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させる特別遊技状態(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態とは別に、遊技状態として複数種類の遊技状態(通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態)が設定されており、
前記付与判定手段の判定結果が前記付与対応結果となり、前記特別遊技状態が実行された場合、前記複数種類の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行させる状態移行手段(主制御装置162における開閉実行モード終了時の移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定事象は前記特別遊技状態であることを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれかに記載の遊技機。
特別遊技状態への移行を契機として、通常遊技状態、高確遊技状態、時短遊技状態等の遊技状態に移行する遊技機がある。このような遊技機では、特別遊技状態前の遊技状態と特別遊技状態後の遊技状態とで、付与判定に用いる特別情報の値が同じであっても、特別遊技状態の前後で付与判定の結果等に差異が生じることがある。このような構成に対し、上記特徴F1から特徴F10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴F12.特定報知の実行中に前記特別遊技状態に移行した場合、当該特別遊技状態において前記特定報知を不実行とする手段(ステップS3411の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
特別遊技状態の終了に伴い特定報知の報知態様を変更する場合に、それまで行われていた特定報知を特別遊技状態の終了時に突然、他の態様に変更すると、遊技者が不自然な印象を受ける懸念がある。例えば、特定報知の報知態様を通常態様や下位の報知態様に格下げする場合等は遊技者の目に付きやすく、不自然な印象を与えやすいことが想定される。この点、本構成では、特別遊技状態において特定報知が不実行とされるため、報知態様を変更するにあたって特定報知自体が行われない期間を介在させることができる。これにより、報知態様の変更が目立つことが抑制され、不自然さを緩和することが可能になる。また、特定報知が不実行とされることで、特別遊技状態用の演出に遊技者を注目させやすくなるというメリットもある。
なお、上記特徴F1乃至F12の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75)にて特定報知(保留予告演出)が実行されるようにする第1特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知手段は、前記特定報知の報知態様を複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)のいずれかの態様に設定する第1報知態様設定手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理を実行する機能)を備え、前記第1報知態様設定手段の設定結果に基づいて前記特定報知を実行するように構成されており、
前記特定報知の実行中に所定の異常(電断状態)が発生した場合、前記所定の異常が解消された後に前記特定報知を再実行する第2特定報知手段(第6の実施の形態において演出制御装置143による保留予告の復帰用処理を実行する機能、第7の実施の形態において演出制御装置143による演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定報知手段は、所定の異常が解消した後に再実行される前記特定報知の報知態様を、所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様、所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果、又は所定の異常が解消した後に行われる前記先特定処理の結果に基づいて設定する第2報知態様設定手段(第6~第7の実施の形態において演出制御装置143による表示態様の設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。その際、特定報知の報知態様として複数種類の態様が設定されるため、それら複数種類の態様のいずれかに設定して特定報知を実行することにより、上記期待度に大小を付与して示唆することができる。このような構成の下、特定報知が行われている状況で所定の異常が発生し、その後、当該異常が解消された場合には、異常発生前に実行されていた特定報知が再実行される。これにより、異常解消後に特定報知を復帰させることができ、異常の発生により特定報知が消滅してしまうことが抑制される。その際、再実行される特定報知の報知態様が異常発生前の報知態様、異常発生前に行われた先読み結果又は異常発生後に改めて行われる先読み結果に基づいて設定されるため、異常発生前に行われていた特定報知を好適に復帰させることが可能になる。
特徴G2.特定報知の実行中に前記所定の異常が発生した場合、当該特定報知が不実行となるように構成されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
異常の発生により特定報知が不実行となる構成では、特定報知だけでなく、その特定報知に付随する期待度までが消滅してしまったのではないかとの遊技者の不安感を招きやすい。このような構成に対し、上記特徴G1の構成を適用することで、その特徴を有効に機能させ、上記効果を好適に発揮させることができる。
特徴G3.前記第2報知態様設定手段は、前記所定の異常が解消してから前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となるまでの期間における所定タイミングで前記設定を行うことを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成では、再実行される特定報知の報知態様が異常解消から当該特定報知の契機となった特別情報の遊技回が開始されるまでの期間において設定される。このため、特別情報の遊技回が開始される前に特定報知の報知態様を異常発生前の態様に復帰させることができ、当該遊技回の前に期待度を示唆することが可能になる。
特徴G4.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様に基づいて設定するものであり、
特定報知の報知態様に対応する情報(保留用画像に関する情報)を所定の記憶部(バックアップRAM345)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様に対応する情報が所定の記憶部に記憶されるとともに、当該記憶部に記憶された情報が異常発生時に消失せずに保持される。このため、異常解消後において上記記憶部の情報に基づいて特定報知の報知態様を決定することができ、異常解消後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴G5.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様に基づいて設定するものであり、
前記特定報知は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして前記複数種類の報知態様が設定されており、
所定の異常が発生する前の前記特定報知の報知態様が予め定められた所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、前記再実行される前記特定報知の報知態様を前記所定態様以下の報知態様に設定するか(ステップS5407の処理を実行する機能)、又は前記特定報知を不実行とする(異常解消後の保留予告演出を不実行とする機能)特定手段を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれかに記載の遊技機。
例えば、異常の影響により取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報に変化が生じた場合、異常発生前に行われた先読み結果と、異常解消後に行われる付与判定の結果とに不整合が生じる。このような場合に、異常発生前において特定報知により高い期待度を示唆しており、異常解消後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(付与判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、特定報知により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、異常発生時に行われていた特定報知の報知態様が所定以上の態様であり、ある程度の期待度を示唆していた場合は、下位の報知態様に制限して特定報知を再実行するか、特定報知自体を不実行とする。これにより、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が特定報知により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴G6.前記所定の異常が発生した場合、前記取得情報記憶手段に記憶された特別情報を保持可能に構成されており、
前記所定の異常が解消された後に前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となった場合、前記特定手段により前記所定態様以下の報知態様に設定された特定報知又は不実行とされた特定報知の報知態様を前記付与判定手段の判定結果に基づいて設定する設定手段(演出制御装置143における保留予告の第4実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
上記構成では、所定解消後において下位の報知態様に制限されて特定報知が再実行されたり、特定報知が不実行とされたりした場合でも、特定報知の契機となった特別情報が付与判定の対象となることで、特定報知の報知態様が再設定されたり、不実行とされた特定報知が実行されたりする。このため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなったり、特定報知が完全に消失してしまったりすることが回避される。その際、付与判定の結果に基づいて報知態様の再設定等が行われるため、遊技回での報知結果等と整合する適切な態様とされた状態で特定報知を実行することができる。
特徴G7.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記先特定処理の結果に対応する情報(変動パターン等)を所定の記憶部(RAM344)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先読み結果に対応する情報が所定の記憶部に記憶されるとともに、当該記憶部に記憶された情報が異常発生時に消失せずに保持される。このため、異常解消後において上記記憶部の情報に基づいて特定報知の報知態様を決定することができ、異常解消後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴G8.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記特定報知は、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして前記複数種類の報知態様が設定されており、
前記所定の異常の発生前において前記先特定手段の特定結果が所定結果(当たり結果)となった場合、前記特定報知の報知態様を所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様(赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)とすることが許容されており、
前記再実行される前記特定報知の報知態様を前記所定態様以下の報知態様に制限して設定するか(ステップS6303の処理を実行する機能)、又は所定の異常が発生する前に実行された前記先特定処理の結果が所定結果である場合、前記特定報知を不実行とする(異常解消後の保留予告演出を不実行とする機能)特定手段を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。
例えば、異常の影響により取得情報記憶手段に記憶されていた特別情報に変化が生じた場合、異常発生前に行われた先読み結果と、異常解消後に行われる付与判定の結果とに不整合が生じる。このような場合に、異常発生前において特定報知により高い期待度を示唆しており、異常解消後もそれをそのまま再実行すると、遊技回での報知結果(付与判定の結果)や遊技回で行われる遊技回演出が、特定報知により示唆される期待度と整合しないものとなり、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。この点、上記構成では、異常解消後の特定報知を所定態様以下に制限して実行するか、異常発生前の先読み結果が所定結果である場合、異常解消後の特定報知を不実行とするため、遊技回での報知結果等に適合しない期待度が特定報知により示唆されることが抑制され、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。
特徴G9.前記所定の異常が発生した場合、前記取得情報記憶手段に記憶された特別情報を保持可能に構成されており、
前記所定の異常が解消された後に前記特定報知の契機となった特別情報が前記付与判定手段による前記付与判定の対象となった場合、前記特定手段により前記所定態様以下の報知態様に設定された特定報知又は不実行とされた特定報知の報知態様を前記付与判定手段の判定結果に基づいて設定する設定手段(演出制御装置143における保留予告の第4実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成では、所定解消後において下位の報知態様に制限されて特定報知が再実行されたり、特定報知が不実行とされたりした場合でも、特定報知の契機となった特別情報が付与判定の対象となることで、特定報知の報知態様が再設定されたり、不実行とされた特定報知が実行されたりする。このため、示唆される期待度が低く抑えられた状態のままとなったり、特定報知が完全に消失してしまったりすることが回避される。その際、付与判定の結果に基づいて報知態様の再設定等が行われるため、遊技回での報知結果等と整合する適切な態様とされた状態で特定報知を実行することができる。
特徴G10.前記特定報知の実行中に所定の異常が発生した場合において、当該所定の異常が解消された後に異常発生前に行われた前記先特定処理の結果を特定できない場合、異常解消後の前記特定報知の実行が制限されるようにする手段(ステップS6308で否定判定した場合、ステップS6311に移行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行中に異常が発生した場合において、当該報知の基となった先読み結果を異常解消後に特定できない場合、異常解消後における特定報知の実行を制限するため、誤った期待度が示唆されることを抑制できる。
特徴G11.前記第2特定報知手段は、前記再実行される前記特定報知の報知態様を所定の異常が解消した後に行われる前記先特定処理の結果に基づいて設定するものであり、
前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
実行が保留されている遊技回の数に対応させて保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定報知手段は、前記特定報知として、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであり、
複数の前記保留用報知が行われている状況において前記特定報知が行われている前記保留用報知を把握することが可能な特定情報(変化箇所情報)を所定の記憶部(RAM314、RAM344、バックアップRAM345)に記憶可能な構成とされており、
前記所定の異常が発生した場合、前記所定の記憶部に記憶された情報を保持可能に構成されていることを特徴とする特徴G1乃至G10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、いずれの保留用報知にて特定報知が行われているかが所定の記憶部に記憶され、その情報が異常発生時にバックアップされるため、異常解消後において、異常発生前にいずれの保留用報知にて特定報知が行われていたかを好適に把握することができる。
特徴G12.所定の異常が解消した後、前記所定の記憶部に保持される前記特定情報に基づいて、所定の異常が発生する前に前記特定報知が行われていた前記保留用報知を把握し、その把握した前記保留用報知を対象として前記特定処理を実行することを特徴とする特徴G11に記載の遊技機。
上記構成では、異常発生前に特定報知が行われていた保留用報知を対象として異常解消後の先特定処理が実行されるため、異常発生前に特定報知が行われていなかった保留用報知まで異常解消後に特定報知が行われ、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制することができる。さらに、異常解消後に行われる全ての保留用報知を対象に先特定処理を行う場合に比べ、先特定処理の実行回数を少なく抑えることができ、復帰時の処理負荷を軽減することが可能になる。
特徴G13.所定の異常が解消した後、前記所定の記憶部に保持される前記特定情報に基づいて、所定の異常が発生する前に前記特定報知が行われていなかった前記保留用報知を把握し、その把握した前記保留用報知の報知態様を通常態様に設定する手段を備えていることを特徴とする特徴G11又は特徴G12に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常発生前に特定報知が行われていなかった保留用報知について異常解消後に特定報知が行われることが抑制され、異常発生の前後において報知態様の整合を図ることが可能になる。
特徴G14.前記所定の異常は電断状態であることを特徴とする特徴G1乃至G13のいずれかに記載の遊技機。
特定報知の実行中に電断状態が発生した場合、遊技機への電力供給が断たれるため、それまで行われていた特定報知が突然消える状態となる。この場合、遊技者としては、電断状態からの復帰後において、電断前に示唆された期待度が消失せずに復電後も残存しているのか不安になることが想定される。このような構成に対し、上記特徴G1から特徴G113のいずれかの構成を適用することで、復電後における特定報知の再実行を好適に行うことができ、それら各特徴を有効に機能させることができる。
なお、本特徴の「電断状態」は、「外部電源(商用電源)から遊技機に電力が供給されていない電断状態」と表現することもできる。
特徴G15.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであり、
前記特定態様には前記複数種類の報知態様が設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G14のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に異常が発生する事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、異常の発生に伴い特定報知を継続できなくなった場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴G1から特徴G14のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴G1乃至G15の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)を実行することが可能な特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
予め定められた所定条件が成立した場合(第8の実施の形態において第1モード切替抽選に当選した場合)、複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態に切り替えるための処理を実行する演出状態切替手段(第8の実施の形態において演出制御装置143による演出モードの切替処理を実行する機能)と、
特定報知の実行中である場合に前記演出状態切替手段による演出状態の切り替えが制限されるようにすることが可能な切替制限手段(第8の実施の形態において演出制御装置143によるモード切替用判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、複数種類の演出状態が設けられ、それら演出状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた場合、演出状態の変更に気を取られて特定報知への注目度が低下したり、逆に特定報知に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出状態が変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成では、特定報知の実行中である場合は演出状態の切り替えを制限するため、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複することを抑制できる。これにより、特定報知の実行と演出状態の切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出状態が実行中の特定報知に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
特徴H2.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記切替制限手段は、前記第1演出状態で特定報知の実行中である場合、前記第2演出状態への切り替えを制限する手段を備えていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出状態において特定報知により示唆される期待度と実際に報知される付与判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、上記特徴H1の構成を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴における「前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態」には、第2演出状態が特定報知を実行し得る演出状態として設定される構成だけでなく、第2状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴H3.前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態であることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
第2演出状態における特定報知の実行されやすさが第1演出状態のそれよりも低い場合において、特定報知を実行したままで第1演出状態から第2演出状態に切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行されやすさが相対的に高い(特定報知が対応する期待度が相対的に低い)第1演出状態から特定報知の実行されやすさが低い(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)第2演出状態の切替に際し、特定報知の実行中である場合は当該切替の実行を制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態である」には、第2演出状態において特定報知が実行される確率が第1演出状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴H4.前記切替制限手段は、特定報知の契機となった前記先特定処理の結果に基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップS7207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の契機となった先読み処理の結果に基づいて演出状態の切り替えを制限する。例えば、大当たりが先読みされた場合等の特定報知が行われる可能性が高い場合に、当該先読みが行われたことに基づいて、その先読みが行われた特別情報の遊技回が終了するまで演出状態の切り替えを制限する構成とすることができる。この場合、切り替えの制限を迅速に行うことができ、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複することを好適に抑制できる。また、かかる構成とすることで、次の効果を期待することもできる。先読み結果が大当たり等である場合、その特別情報が付与判定の対象となる前から遊技者の期待感を煽る予告演出等の煽り演出が行われることが想定される。その煽り演出の実行中に演出状態の切り替えを挟むと、遊技者から見て当該煽り演出が分かりにくくなったりするおそれがある。この際、大当たり等が先読みされたことに基づいて演出状態の切り替えを制限することで、煽り演出の途中で演出状態が切り替わることを抑制でき、当該演出が分かりにくくなることを好適に抑制可能となる。
また、例えば、特定報知の実行中は基本的に演出状態の切り替えを許容しないものとしつつ、大当たりが先読みされた場合等の特別な場合に演出状態の切り替えを許容する構成とすることもできる。この場合、本来は演出状態の切り替えが行われない状況であるにもかかわらず、当該切り替えが生じることで、遊技者から見て法則崩れとなり、大当たり等を示唆することができる。つまり、演出状態の切り替えを期待度示唆演出の1つとして活用することが可能になる。
なお、本特徴の「切り替えを制限する手段」は、「切り替えを制限するか否かを異ならせる手段」と表現することもできる。
特徴H5.前記切替制限手段は、特定報知の契機となった前記先特定処理の結果が前記付与対応結果に対応する所定の第1結果(大当たりの先読み結果)又は前記付与対応結果となる期待度として所定の期待度に対応する所定の第2結果(SPSPリーチ演出の先読み結果)であるか否かに基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップS7207の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
先読み結果が大当たり結果(第1結果)や高期待度の結果(第2結果)である場合に演出状態の切り替えを制限したり、逆に許容したりすることで、特徴H4の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴H6.前記特定報知には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記切替制限手段は、特定報知の報知態様に基づいて演出状態の切り替えを制限する手段(ステップS7211)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定報知の実行中は画一的に演出状態の切り替えを制限する構成とした場合、演出状態の切り替えが過剰に制限されたり、特定報知の実行頻度が少なく抑えられたりするおそれがあり、複数種類の演出状態を設けた意義や特定報知の実行機能を搭載した意義が薄れてしまう懸念がある。この点、上記構成では、実行中の特定報知の報知態様に基づいて演出状態の切り替えを制限するため、例えば、一定以下の期待度に対応する特定報知の場合は演出状態の切り替えを制限せず、当該切り替えを許容するといった運用が可能となる。これにより、演出状態の切り替えや特定報知の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴H7.前記制限する手段は、特定報知の報知態様が所定態様(緑色表示態様HMc)より上位の報知態様である場合、演出状態の切り替えを制限し、特定報知の報知態様が所定態様以下の態様である場合、演出状態の切り替えを許容するものであることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定態様以上の特定報知が実行されている場合に限定して演出状態の切り替えを制限することができる。これにより、演出状態の切り替えや特定報知の実行が過度に制限されることを抑制でき、それらの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴H8.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態より特定報知の実行頻度が低くなるように設定された第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記特定報知には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の報知態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記切替制限手段は、
前記第1演出状態で特定報知の実行中である場合、特定報知の報知態様にかかわらず、前記第2演出状態への切り替えを制限する第1手段(ステップS7206で肯定判定した場合の処理を実行する機能)と、
前記第2演出状態で特定報知の実行中である場合、特定報知の報知態様に基づいて前記第1演出状態への切り替えを制限する第2手段(ステップS7206で否定判定し、ステップS7211の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が対応する期待度が相対的に低くなる演出状態(第1演出状態)から特定報知が対応する期待度が相対的に高くなる演出状態(第2演出状態)への切り替えの場合は、一律に演出状態の切り替えを制限するため、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制できる。逆に、特定報知が対応する期待度が相対的に高くなる演出状態(第2演出状態)から特定報知が対応する期待度が相対的に低くなる演出状態(第1演出状態)への切り替えの場合は、一部の報知態様に限定して演出状態の切り替えを制限するため、演出状態の切り替えが過度に制限されることが抑制され、当該切り替えの機会を好適に確保することが可能になる。
特徴H9.前記演出状態切替手段は、
所定契機(切替抽選タイミングとなること)に基づいて演出状態を切り替えるか否かを判定する切替判定手段(ステップS7102の処理を実行する機能)と、
前記切替判定手段により切り替えると判定された場合、演出状態の切り替えを実行する切替実行手段(ステップS7106の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切替制限手段は、前記切替判定手段による前記判定と前記切替実行手段による前記実行との少なくとも一方を制限することを特徴とする特徴H1乃至H8のいずれかの遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えを制限する場合に、演出状態を切り替えるか否かの切替判定と、切り替えを実行するか否かの実行処理との少なくとも一方を制限するため、演出状態の切り替えを好適に制限することが可能になる。
特徴H10.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴H1乃至H9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わる事象が生じやすくなる。このような構成に対し、上記特徴H1からH9のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴H11.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴H1乃至H10のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行中に演出状態の切り替わる事象が生じやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い示唆する期待度が変動する場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴H1から特徴H10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴H1乃至H11の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴I群>
特徴I1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア314b)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置162における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(主制御装置162における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を実行する先特定手段(主制御装置162における保留先読み処理を実行する機能)と、
前記先特定処理の結果に基づいて所定の報知手段(図柄表示装置75、保留ランプ部)にて特定報知(保留予告演出)を実行することが可能な特定報知手段(演出制御装置143における保留予告用の設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)と、
複数種類の演出状態(演出モードA、演出モードB)のうちの1の演出状態から他の演出状態への演出状態の切り替えを行う演出状態切替手段(第9の実施の形態において演出制御装置143による演出モードの切替処理を実行する機能)と、
を備え、
前記演出状態切替手段は、
予め定められた所定の第1条件が成立した場合(第9の実施の形態においてステップS8109の判定処理で肯定判定した場合)、その後に演出状態が切り替わることを把握している特定状態(待機状態)とする第1手段(第9の実施の形態においてステップS8111の処理を実行する機能)と、
前記特定状態である状況で前記所定の第1条件とは異なる所定の第2条件が成立した場合(第9の実施の形態においてステップS8115の判定処理で肯定判定した場合)、演出状態の切り替えを実行する第2手段(第9の実施の形態においてステップS8117の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態である場合に特定報知の実行が制限されるようにすることが可能な制限手段(第9の実施の形態においてステップS8203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、いわゆる先読み処理の結果に基づいて特定報知が行われるため、特定報知により付与対応結果となることへの期待度を示唆することができ、遊技者の期待感を好適に喚起することができる。また、複数種類の演出状態が設けられ、それら演出状態間での切り替えが行われるため、遊技中に遊技者の気分転換が図られ、遊技への飽きを抑制することができる。このような構成において、例えば、特定報知の実行中に演出状態が切り替えられた場合、演出状態の変更に気を取られて特定報知への注目が低下したり、逆に特定報知に集中していた結果、遊技者が気付かないまま演出状態が変更され、混乱を招いたりする懸念がある。
この点、本構成によれば、その後に演出状態が切り替わることを把握している特定状態の下では特定報知の実行を制限するため、特定報知の実行中に演出状態が切り替わることを抑制できる。これにより、特定報知の実行と演出状態の切り替えとのそれぞれについて遊技者が注目しやすいように実施することができ、上記不都合の発生を好適に抑制することが可能になる。また、切替後の演出状態が実行中の特定報知に適さないものである場合、演出設計に際して両者を適合させるための事前調整が必要となるが、本構成によれば、そのような調整が不要となり、設計時の負担を軽減できるという利点もある。
特徴I2.前記制限手段は、前記特定状態中に取得された特別情報に対応する特定報知の実行を制限可能な手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成では、演出状態の切り替えが待機される特定状態である期間に取得された特別情報を対象として特定報知の実行を制限することができる。これにより、特定報知の制限対象となる特別情報の範囲が広くなり、特定報知の実行機会が過度に制限されることを抑制できる。
特徴I3.前記制限手段は、前記特定状態中に取得された特別情報に対する前記先特定処理の結果にかかわらず、当該特別情報に対応する特定報知の実行を制限可能であることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、先読み処理の結果とは無関係に特定報知の実行を強制的に制限することができる。これにより、特定報知の実行中に演出状態が切り替わることを好適に抑制できる。また、特定報知の実行制限が先読み処理の結果に影響されないことから、特定状態(特定報知の待機期間中)であっても、非特定状態である場合と同様に先読み処理を進めることができる。すなわち、先読み処理(先特定処理)の構成を変更する必要がないため、構成が複雑化することを抑制しながら、特定状態中の特定報知を制限することができる。
特徴I4.複数種類の演出状態には、第1演出状態(演出モードA)と、前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態(演出モードB)とが含まれており、
前記制限手段は、少なくとも前記第1演出状態から前記第2演出状態への切り替えについて前記特定状態である場合、特定報知の実行を制限可能なものであることを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれかに記載の遊技機。
演出状態によって特定報知の実行されやすさが異なる構成の場合、特定報知を実行したままで演出状態を切り替えると、その特定報知により示唆される期待度が演出状態の切替前後で相違する事態を招くおそれがある。この場合、切替後の演出状態において特定報知により示唆される期待度と実際に報知される付与判定の結果とが食い違い、遊技者に不愉快な印象を与える懸念がある。このような構成に対し、上記特徴I1からI3のいずれかの構成を適用することで、上記食い違いの発生が回避され、遊技者に不愉快な印象を与えることを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴における「前記第1演出状態とは特定報知の実行されやすさが異なる第2演出状態」には、第2演出状態が特定報知を実行し得る演出状態として設定される構成だけでなく、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴I5.前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態であることを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
第2演出状態における特定報知の実行されやすさが第1演出状態のそれよりも低い場合において、特定報知を実行したままで第1演出状態から第2演出状態に切り替えると、見かけ上の期待度が高まってしまい、実際よりも高い期待度を遊技者に示してしまう懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行されやすさが相対的に高い(特定報知が対応する期待度が相対的に低い)第1演出状態から特定報知の実行されやすさが低い(特定報知が対応する期待度が相対的に高い)第2演出状態に切り替えるための特定状態である場合に特定報知の実行を制限する。これにより、特定報知の実行中に第1演出状態から第2演出状態に切り替わることが抑制され、実際よりも高い期待度が示唆されることを好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴における「前記第2演出状態は、前記第1演出状態より特定報知が実行されにくいように設定された演出状態である」には、第2演出状態において特定報知が実行される確率が第1演出状態のそれよりも低くなるように設定される構成のほか、第2演出状態が特定報知を実行しない演出状態として設定される構成も含まれると解することができる。
特徴I6.前記特定状態中に取得された特別情報に対応する特定報知が前記制限手段により制限された場合、当該特別情報に対応する特定報知を特定状態後又は演出状態の切り替わり後に実行する特定手段(演出制御装置143における保留予告用の第2設定処理、保留予告の第1実行用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定状態に起因して実行が制限された特定報知を特定状態後又は演出状態の切り替え後に実行するため、特定状態中に取得された特別情報について特定報知の実行が制限されたままとなり、期待度示唆が行えなくなることを抑制できる。
特徴I7.前記特定手段は、前記制限手段により特定報知の実行が制限された特別情報について、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を前記特定状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて実行する手段(ステップS8302の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、演出状態の切り替わり後の特定報知が特定状態中に行われた先読み結果に基づいて行われるため、演出状態の切り替わり後に改めて先読み処理を実行しなくても特定報知を実行することができる。これにより、先読み処理(先特定処理)について既存の構成をそのまま用いることができ、構成が複雑化することを抑制できる。
特徴I8.前記特定手段は、前記制限手段により特定報知の実行が制限された特別情報について、前記特定状態中に行われた前記先特定処理の結果に基づいて特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行するか否かを判定する特定判定手段(ステップS8307の処理を実行する機能)を備え、前記特定判定手段により実行すると判定された場合、特定報知を実行するように構成されており、
前記特定判定手段は、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された判定条件(実行当選確率)を適用して前記判定を行うことを特徴とする特徴I6又は特徴I7に記載の遊技機。
上記構成では、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行するか否かが判定され、実行すると判定された場合に当該特定報知が実行される。その際、上記判定に際しては、特別情報が取得されたときの判定条件(切り替わり前の演出状態に対応させて設定された判定条件)ではなく、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された判定条件が適用される。これにより、切替前の演出状態と切替後の演出状態とで特定報知の実行されやすさが異なる場合でも、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴I9.前記特定報知の報知態様には、前記付与対応結果となることへの期待度が異なるようにして複数種類の態様(青色表示態様HMb、緑色表示態様HMc、赤色表示態様HMd、虹色表示態様HMe)が設定されており、
前記特定手段は、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行する場合、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された抽選条件(シナリオ抽選テーブル等)を適用して前記複数種類の態様からいずれかの態様を抽選する手段(ステップS8310~ステップS8313の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I6乃至I8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の報知態様として複数種類の態様が設定されるため、期待度に大小を付与して示唆することができ、遊技者の期待感をより好適に喚起することができる。そのような構成の下、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を実行する場合に、切り替わり後の演出状態に対応させて設定された抽選条件を適用して報知態様を抽選するため、切替前の演出状態と切替後の演出状態とで各報知態様が対応する期待度が相違する場合でも、特定状態後又は演出状態の切り替わり後の特定報知を好適に行うことが可能になる。
特徴I10.前記特定状態中に特別情報が取得された場合、当該取得された特別情報が前記特定状態中に取得されたものであることを前記特定状態後に把握できるように所定の情報(待機中発生情報)を所定の記憶部(RAM344の保留用記憶エリア344c)に記憶するように構成されていることを特徴とする特徴I6乃至I9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態後や演出状態の切り替わり後において、特定状態となる前に取得された特別情報と特定状態中に取得された特別情報とが混在する場合でも、所定の記憶部に記憶された所定の情報に基づいて特定状態中に取得された特別情報を特定することができる。これにより、特定状態中に取得された特別情報と、そうではない特別情報とを識別し、特定状態中に取得された特別情報のみを対象として処理を行うことが可能になる。
特徴I11.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記特定報知を遊技回を跨いで実行することが可能に構成されていることを特徴とする特徴I1乃至I10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知が比較的長い期間に亘って行われるため、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複しやすくなる。このような構成に対し、上記特徴I1からI10のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
特徴I12.前記付与判定手段により付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記遊技回用動作が行われるように制御する遊技回制御手段(主制御装置162における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
少なくとも実行前の遊技回の保留数を遊技者が認識できるように保留用報知(保留用画像)を行う保留用報知手段(演出制御装置143における保留コマンド対応処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知は、前記保留用報知の報知態様を通常態様(通常表示態様)とは異なる特定態様(特定表示態様)とするものであることを特徴とする特徴I1乃至I11のいずれかに記載の遊技機。
保留用報知を利用して特定報知を行う場合、特定報知の実行期間が比較的長く、特定報知の実行と演出状態の切り替えとが重複しやすくなる。加えて、特定報知が示唆する期待度等の対象がいずれの特別情報であるかが明確となるため、演出状態の切り替えに伴い示唆する期待度が変動する場合の影響が大きいことが想定される。このような構成に対し、上記特徴I1から特徴I11のいずれかの構成を適用することで、それら各特徴を有効に機能させ、上記各効果を好適に発揮させることができる。
なお、上記特徴I1乃至I12の各構成に対して、特徴A1乃至A14、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D10、特徴E1乃至E19、特徴F1乃至F12、特徴G1乃至G15、特徴H1乃至H11、特徴I1乃至I12のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴I群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴I群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。