JP2022060433A - 遊技機 - Google Patents

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Koichi Shibazaki
春香 松草
Haruka Matsukusa
佳祐 植田
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Abstract

【課題】遊技機の状態の報知を好適に行うことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】スロットマシン10は、ベット操作を行った後、スタートレバー41の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、ストップスイッチ42~44の操作によって対応するリールが停止し、抽選結果に応じた停止出目が停止してメダルの払出が発生し得る。2ベットゲームで当選可能な役として第2BB役が含まれており、第2BB役の当選状態を持ち越した状態で3ベットゲームを行うことが可能となっている。設定変更の終了操作が行われた場合に第2BB役の当選状態であるか否かを判定し、第2BB役の当選状態でないと判定された場合に内部状態報知を実行する。【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。
スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2008-295707号公報
ここで、上記例示等した遊技機においては遊技ホールの従業員に対して遊技機の状態を報知する上で未だ改良の余地がある。
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機の状態の報知を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、前方に開放された筐体と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体と、
を備えた遊技機であって、
複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役が含まれており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段と、
前記扉体を開状態とした場合に操作可能な位置に設けられた特定操作手段と、
前記特定操作手段の操作を含む所定操作が行われた場合又は前記所定操作が行われた後に特定操作が行われた場合に前記特定判定手段の判定結果に対応する特定報知が所定の報知手段にて行われるようにする特定報知実行手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技機の状態の報知を好適に行うことが可能となる。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 サブ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 (a)は回転演出処理を示すフローチャート、(b)は当選報知の一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 ゲーム数更新用処理を示すフローチャートである。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 第1ATモード移行用処理を示すフローチャートである。 第1ATモード終了用処理を示すフローチャートである。 第2ATモード用処理を示すフローチャートである。 第1ポイント抽選用処理を示すフローチャートである。 ポイント抽選テーブルの一例を示す図である。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 第2ポイント抽選用処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 有利区間の開始ゲーム及び終了ゲームと区間表示器の表示との関係を説明するための図である。 サブ制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 (a)はポイント用処理を示すフローチャート、(b)は放出用処理を示すフローチャートである。 ポイント演出実行用処理を示すフローチャートである。 種別抽選用テーブルの一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 ポイント示唆演出の流れを説明するための説明図である。 第1RAMクリア処理を示すフローチャートである。 設定変更処理を示すフローチャートである。 センサ監視処理を示すフローチャートである。 電源立ち上げ処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 設定変更用処理を示すフローチャートである。 内部状態報知用処理を示すフローチャートである。 扉開放報知用処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は音データの一例を示す図、(b)は音データテーブルの一例を示す図、(c)は再生音データ記憶エリアの一例を示す図である。 サウンドICによる音出力処理を示すフローチャートである。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)第1の実施の形態の変形例1に係る音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)第1の実施の形態の変形例2に係る音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)は第2の実施の形態に係るポイント演出実行用処理を示すフローチャート、(b)は使用ポイント用テーブルの一例を示す図である。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 第1ポイント用処理を示すフローチャートである。 第2ポイント用処理を示すフローチャートである。 ポイント示唆演出の流れを説明するための説明図である。 ポイント示唆演出の流れを説明するための説明図である。 第3の実施の形態に係るポイント用処理を示すフローチャートである。 (a)は第4の実施の形態に係るポイント演出実行用処理を示すフローチャート、(b)はランク情報用テーブルの一例を示す図である。 (a)はポイント用処理を示すフローチャート、(b)は放出用処理を示すフローチャートである。 第5の実施の形態に係る特典付与値及びポイント付与契機を説明するための説明図である。 (a)は第1ATモード終了用処理を示すフローチャート、(b)は区間表示第1処理を示すフローチャートである。 ゲーム数更新用処理を示すフローチャートである。 (a)は第1ポイント抽選用処理を示すフローチャート、(b)は第2ポイント抽選用処理を示すフローチャートである。 ポイント抽選テーブルの一例を示す図である。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 サブポイント抽選テーブルの一例を示す図である。 (a)はポイント情報記憶エリアの構成を示す図、(b)は契機用フラグを説明するための説明図である。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 付与示唆演出用処理を示すフローチャートである。 (a)は契機用フラグと種別抽選テーブルとの対応関係を示す図、(b)は演出種別と演出済みポイントとの対応関係を示す図である。 (a)は付与示唆演出用の種別抽選テーブルの一例を示す図、(b)は演出可能ポイントと種別振分との関係を説明するための説明図である。 トータル示唆演出用処理を示すフローチャートである。 トータル示唆演出の一例を示す図である。 トータル示唆演出用の種別抽選テーブルの一例を示す図である。 放出用処理を示すフローチャートである。 ポイント演出の流れを説明するための説明図である。 ポイント演出の流れを説明するための説明図である。 第6の実施の形態に係る連続演出の一例を説明するための説明図である。 特定役報知用処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 連続演出設定処理を示すフローチャートである。 (a)は全停止時演出設定処理を示すフローチャート、(b)は種別抽選テーブルの一例を示す図である。 (a)は全停止時演出設定処理を示すフローチャート、(b)は種別抽選テーブルの一例を示す図である。 第7の実施の形態に係る全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 (a)は高確率モード用の移行抽選テーブルの一例を示す図、(b)は高確率モード用の種別抽選テーブルの一例を示す図である。 付与示唆演出用処理を示すフローチャートである。 第8の実施の形態に係る開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 付与示唆演出用処理を示すフローチャートである。 種別抽選テーブルの一例を示す図である。 トータル示唆演出用処理を示すフローチャートである。 到達時用の種別抽選テーブルの一例を示す図である。 トータル示唆演出の流れを説明するための説明図である。 第9の実施の形態に係る内部状態報知用処理を示すフローチャートである。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 第10の実施の形態に係る内部状態報知用処理を示すフローチャートである。 内部状態報知の一例を示す図である。 (a)音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)第10の実施の形態の変形例1に係る音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)第10の実施の形態の変形例2に係る音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 (a)第10の実施の形態の変形例3に係る音データの一例を示す図、(b)は内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 第10の実施の形態の変形例4に係る音データの一例を示す図である。 セレクタの内部構造を示す図である。 メダル検出処理を示すフローチャートである。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 第11の実施の形態に係る内部状態報知用処理を示すフローチャートである。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 内部状態報知の流れを説明するための説明図である。 第12の実施の形態に係るメイン処理を示すフローチャートである。 電源投入報知処理を示すフローチャートである。 電源投入報知の一例を示す図である。 第13の実施の形態に係るサブ制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 内部状態報知用処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0~19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1~L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1~L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1~L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1~L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8~図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞~第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞~第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞~第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役~第32小役は、主に、第1小役~第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞~第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役~第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞~第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1~L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞~第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞~第10再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技~第10再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技及び第3再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第4再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第4再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第4再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第5再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第5再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第6再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第7再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞又は第10再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第8再遊技又は第10再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第8再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第10再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第8再遊技入賞と第10再遊技入賞とを区別することが可能である。第9再遊技は、これら第8再遊技や第10再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図13(e)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図13(f)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42~44が設けられている。各ストップスイッチ42~44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42~44には、それぞれストップ検出センサ42a~44a(図14)が接続されており、ストップ検出センサ42a~44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a~44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42~44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42~44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a~44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42~44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42~44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42~44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55が操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作し、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定され且つ特定枚数が3枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定され且つ特定枚数が2枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、規定枚数が3枚又は2枚として設定され且つ特定枚数が3枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定され且つ特定枚数が2枚として設定されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。
また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。
各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60~62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42~44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるためのサブ制御装置81が設けられている。
また、前面扉12の裏面側には、前面扉12が筐体11に対して開放されたことを検知する扉開放センサ27が設けられている。扉開放センサ27は、主制御装置101に電気的に接続されており、前面扉12が開放されているか否かを示す扉検知信号を出力する。扉検知信号は、前面扉12が開放された場合にオン状態となり、前面扉12が閉鎖された場合にオフ状態となる。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42~44よりも下方には、機種名や遊技機に関わるキャラクタなどが表示された下パネル67が設けられている。下パネル67の後方には、発光素子(LED等)が搭載された発光基板が配置されており、下パネル67を発光させることが可能になっている。以下においては、下パネル67と発光基板とをまとめて下表示部69という。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L~26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図14及び図15のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a、前面扉12の開放を検知する扉開放センサ27等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置101等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。
電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。具体的には、電源部91aから出力される駆動電圧(例えば直流12ボルトの安定化駆動電圧)を監視し、当該監視電圧が所定の下限値(例えば10ボルト)未満まで低下すると、電源が遮断されたものと判断して停電信号を主制御装置101の入出力ポート104に出力する。主制御装置101では、当該停電信号を受信することにより、停電の発生を認識し、後述する停電時処理を実行する。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
また、電源装置91には、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられている。停電の発生や電源スイッチ71のオフ操作によりスロットマシン10の電源が遮断された場合には、当該電断時用電源部から主制御装置101のRAM106に記憶保持用の電力(電断時用電力)が供給される。このため、電源が遮断された時点でRAM106に記憶されていた情報は、その後も電断時電力の供給が続く限り、そのままの状態で保持される。よって、電断状態から復電した際には電断時(電断前)の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了によりスロットマシン10をオフ状態とし、翌日、スロットマシン10をオン状態とした場合には、前日にオフ状態としたときと同じ内部状態でスロットマシン10を立ち上げることができる。なお、停電信号及び電断時用電力は、電断が発生した場合においてサブ制御装置81にも供給される。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、サブ制御装置81等が入出力ポート104を介して接続されている。また、主制御装置101の出力側には、外部集中端子板121が入出力ポート104を介して接続され、外部集中端子板121を通じて遊技ホール側のホールコンピュータHC(管理制御装置)に対して各種信号が出力される。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図16参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図15に示すように、サブ制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
サブ制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65及び下表示部69が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、補助表示部65及び下表示部69を駆動制御する。つまり、サブ制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
サブ制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60~62、68もサブ制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうちタイマ割込み処理とメイン処理とを説明する。
図16は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a、扉開放センサ27等の各種センサ(図14参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドをサブ制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60~62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、メイン処理について図17のフローチャートに基づいて説明する。
メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。なお、電源スイッチ71は、筐体11の内部に配置されているため(図3)、前面扉12が開放された場合に操作可能となる操作部であり、換言すれば、遊技ホールにおいて施錠装置20を解錠する権限を有する者(ホール従業員)だけが操作し得るものである。
先ずステップS11では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102内に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
ステップS12では、RAM106の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグがセットされている場合は、ステップS13にて、RAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0であるか否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合には、RAM106のデータは正常であると判定する。
RAM判定値が正常であると判定した場合には、ステップS14にて、設定値が正常であるか否かを判定する。具体的には、現在の設定値が1~6の範囲内に属するか否かを判定する。それらの範囲内に属する場合は設定値が正常であると判定し、当該範囲内に属さない場合(現在の設定値が0又は7以上である場合)は設定値が異常であると判定する。
上記ステップS12~ステップS14のいずれかで否定判定した場合、すなわち、停電フラグがセットされていない、RAM判定値が正常ではない、設定値が正常ではないのうちのいずれかに該当した場合には、ステップS15に進み、RAM106に記憶されたデータに異常があると認識してRAM異常を設定する。
ステップS14で肯定判定した場合(RAM106の記憶データが正常である場合)又はステップS15の実行後は、ステップS16に進み、設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてオン操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ73aからオン信号を受信しているか否かを判定する。設定キー挿入孔73は、筐体11の内部に配置されているため(図3)、前面扉12を開放した場合に操作可能となるものであり、換言すれば、遊技ホールにおいて施錠装置20を解錠する権限を有する者(ホール従業員)だけが操作し得るものである。
ここで、設定キー検出センサ73aは、正規の設定キーを設定キー挿入孔73に挿入しただけの状態ではオフ状態となっており、設定キー挿入孔73に挿入した設定キーを右側(オン側)に回すことでオン状態となる。つまり、設定キーのオン操作とは、設定キー挿入孔73に挿入した設定キーを右側に回す操作に相当する。なお、設定キーのオン状態ということがあるが、これは、設定キーを設定キー挿入孔73に挿入して右側に回している状態に相当する。また、設定キーのオフ状態ということもあるが、これは、設定キーを設定キー挿入孔73に挿入していない状態、又は、設定キー挿入孔73に挿入した設定キーを右側に回していない状態に相当する。
設定キーのオン操作がなされている場合にはステップS17に進み、前面扉12が開放されているか否かを判定する。前面扉12が開放されている場合には、ステップS18にて、RAM106に記憶されたデータをクリアするための第1RAMクリア処理を実行する。その後、ステップS19にて、スロットマシン10の設定値を変更するための設定変更処理を実行し、設定変更処理の実行後は、ステップS20にて、遊技に関わる主要な制御を行うための通常処理に移行する。ステップS18の第1RAMクリア処理、ステップS19の設定変更処理、ステップS20の通常処理の詳細については後述する。
ステップS16で否定判定した場合(設定キーのオン操作が行われていない場合)又はステップS17で否定判定した場合(前面扉12が開放されていない場合)は、ステップS21に進み、RAM異常が設定されているか否かを判定する。RAM異常が設定されていない場合には、ステップS22にて、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。
ステップS23では、復電コマンドをサブ制御装置81に送信する。復電コマンドは、電源投入(電断状態からの復帰)を通知するためのコマンドである。ステップS24では、スタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。ステップS25では、RAM106の停電フラグ格納エリアにセットされている停電フラグをクリアし、その後、電源遮断前の番地に戻る。これにより、タイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS104)が実行されることとなる。
ステップS21で肯定判定した場合(RAM異常が設定されている場合)は、RAM106のデータが損傷している可能性が高い。このような場合には、ステップS26~ステップS28の動作禁止処理を行う。動作禁止処理としては、先ずステップS26にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS27にて、入出力ポート104内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート104に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。続くステップS28では、外部集中端子板121を介して遊技ホールの管理制御装置HCにエラー信号を出力する。これにより、ホール管理者等にエラーの発生を報知する。ステップS28の実行後は、スロットマシン10の電源が遮断されるまで無限ループに移行する。
次に、ステップS20の通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、サブ制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。サブ制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203~ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にてサブ制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信したサブ制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0~65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている遊技状態用のフラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cにいずれのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。
また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のステップS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11~22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1~24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB当選前では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.50枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約1.50枚)、第1BB当選後の持ち越し状態では、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約2.10枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約2.10枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1~9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11~22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BB当選前では、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.24枚のメダル減少が期待でき(純増枚数マイナス約0.24枚)、第2BB当選後の持ち越し状態では、第2BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がない場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42~44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301~ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、サブ制御装置81に対してコマンドを送信しない。サブ制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第2再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にてゲーム数更新用処理を実行する。ゲーム数更新用処理では、前兆モードやCZモード、ATモードの残りゲーム数を更新する。ゲーム数更新用処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS315では、区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42~44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42~44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42~44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406~ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。
続くステップS407では、停止情報格納エリア106bにセットされている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42~44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0~4のいずれかの値を算出する。
その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11~22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42~44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42~44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42~44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42~44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42~44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42~44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42~44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。
本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42~44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42~44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止している場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS415にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役をサブ制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞~第10再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードである場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS414のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「90」が入力されることにより、90枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。
続くステップS509では、第1BB開始コマンドをサブ制御装置81への出力対象としてセットする。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることをサブ制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信したサブ制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、サブ制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当し、スタートレバー41の操作により各リール32L~32Rの回転を開始させることが可能となるベット枚数(換言すれば、ゲームを開始することが可能となるベット枚数)に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「90」を入力する処理を実行する。すなわち、90枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアし、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドをサブ制御装置81への出力対象としてセットする。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることをサブ制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信したサブ制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。第1BB開始コマンドや第2BB開始コマンドを受信した場合のサブ制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
なお、本実施の形態では第1BB入賞が成立した場合と第2BB入賞が成立した場合とで上記BBカウンタ(上限払出数)を同じ値に設定するが、これらは異なる値であってもよい。例えば、第1BB入賞が成立した場合に設定されるBBカウンタの値を第2BB入賞が成立した場合のそれよりも大きくしてもよいし、その逆であってもよい。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図26に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞~第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42~44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態では、各ゲームでメダルが減少し得る抽選テーブルを採用していることから、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できず、逆に、第1BB状態や第2BB状態を消化することで持ちメダルが減少することが想定される。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞~第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下である場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドをサブ制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信したサブ制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選していない通常遊技状態は、いわゆる非内部状態と称される状態である。この場合、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームの遊技と3ベットゲームの遊技とを行うことが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
第1BB役や第2BB役に当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した持ち越し状態となる。持ち越し状態においても、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームの遊技と3ベットゲームの遊技とを行うことが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
なお、以下においては、第1BB役に当選している状態と、第2BB役に当選している状態とを区別するため、前者を「3枚内部状態」といい、後者を「2枚内部状態」ということがある。
本スロットマシン10では、第1BB役に当選している3枚内部状態において、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BB役に当選している2枚内部状態において、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。
つまり、3ベットゲームにおいて第1BB役に当選した場合(3枚内部状態が成立した場合)に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BB役に当選後、2ベットゲームに切り替えると、第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BB役に当選した場合(2枚内部状態が成立した場合)に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BB役に当選後、3ベットゲームに切り替えると、第2BB入賞を成立させることができない。
そして、第1BB役や第2BB役は重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BB役に当選することはないし、重複して第2BB役に当選することもない。このため、第1BB役に当選している3枚内部状態である状況で2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している状態での遊技が延々と継続することになる。
また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BB役に当選することはないし、重複して第1BB役に当選することもない。よって、第2BB役に当選している2枚内部状態である状況で3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB入賞の成立により移行する第1BB状態や、第2BB入賞の成立により移行する第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役~第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42~44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。
つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞となる操作順序の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と、当該アシストを行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることができ、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において2ベットゲームでの遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BB役に当選する。第2BB役に当選すると、内部状態(2枚内部状態)となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BB役に当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
ここで、第1BB役の当選状態(3枚内部状態)であることを主制御装置101のCPU102が把握するための第1BB当選フラグは、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにおける通常用エリアに格納される。通常用エリアは、他の役の当選フラグなど各種一般的なフラグが格納されるエリアである。
通常用エリアに記憶されている各フラグは、スロットマシン10への電力供給が停止しても(電源がオフ状態とされても)バックアップ電力等により記憶保持される。そのため、例えば、遊技ホールの閉店時に電源をオフ状態としても、翌日、電源をオン状態とすれば、電源遮断前に記憶されていた通常用エリアの各種フラグが残された状態でスロットマシン10が起動される。よって、第1BB当選フラグがセットされた3枚内部状態でスロットマシン10の電源が遮断され、その後電源が投入された場合には、3枚内部状態が維持された状態でスロットマシン10が起動される。
但し、スロットマシン10の立ち上げ時に当選確率の設定処理が起動される場合(設定変更が行われる場合)、通常用エリアの初期化処理(クリア処理)が行われる。そのため、当選確率の設定処理が行われると、第1BB当選フラグは、これら通常用エリアに格納されている他のフラグとともにクリアされる。よって、スロットマシン10の起動後に設定変更が行われた場合は、3枚内部状態がクリアされて非内部状態となる。
一方、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であることを主制御装置101のCPU102が把握するための第2BB当選フラグは、各種フラグ格納エリア106dにおける保存用エリアに格納される。この保存用エリアは、通常用エリアと同様に電源遮断時のバックアップ処理の対象とされる。このため、保存用エリアに第2BB当選フラグがセットされた2枚内部状態でスロットマシン10の電源が遮断され、その後電源が投入された場合には、2枚内部状態が維持された状態でスロットマシン10が起動される。
保存用エリアは、通常用エリアとは異なり、設定変更時におけるデータクリア処理(初期化処理)の対象外とされる。よって、保存用エリアに第2BB当選フラグがセットされた2枚内部状態で設定変更が行われても、当該エリアにセットされている第2BB当選フラグはクリアされない。つまり、設定変更により変更された設定値の下、2枚内部状態が成立済みの状況で遊技が行われることになる。
このように、第2BB当選が持ち越される2枚内部状態での遊技を、スロットマシン10の電源オン/オフだけでなく、設定変更時においても継続させることが可能となる。そうすると、一旦、2ベットゲームにて第2BB当選とする(2枚内部状態を成立させる)ことで、その後は、基本的に第2BB入賞が成立して第2BB状態が行われない限り、その第2BB当選フラグが記憶保持(2枚内部状態が維持)されることとなる。このようにすることで、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を好適に実施させることが可能となる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601~ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握し、把握したベット数がそのときの遊技状態に対応する特定規定数に合致するか否かを判別する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。
既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数ではない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、本実施の形態では、非内部状態や内部状態の特定規定数を3としているところ、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、本実施の形態では、第1BB状態や第2BB状態の特定規定数を3としているところ、これらの各BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施の形態では、仮に内部状態である状況で2ベットゲームが行われた場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BB状態を持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間中のゲームであることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合は、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施の形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702~ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選している場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理(図27)の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされている場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグ又は第2ATフラグがセットされているか否かを判定する。
ここで、本実施の形態では、ATモードの継続ゲーム数やATモードゲーム数の上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されている。上記第1ATフラグ及び第2ATフラグは、ATモード中であること及びその種類をCPU102が把握するためのフラグである。これら各ATフラグはATモードへの移行時にセットされる。ステップS606にていずれのATフラグもセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
ステップS607のAT抽選用処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。
AT抽選用処理では、先ずステップS801にて今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップS802では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATフラグがセットされていない場合、すなわち、第1ATモード中でない場合は、ステップS803に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値が0であるか否かを判定する。本実施の形態では、有利区間に滞在している状況で第1ATモード移行抽選に非当選となったゲーム数(ハマリゲーム数)が所定の天井ゲーム数(例えば700ゲーム)に到達した場合、第1ATモード移行抽選の結果にかかわらず、第1ATモードに移行するように構成されている。上記天井カウンタは、天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのものであり、ステップS803の処理は、当該残りゲーム数が0になったか否か、すなわち、天井ゲーム数に到達したか否かを判別するものである。
ステップS803で否定判定した場合(天井カウンタの値が0ではない場合)には、ステップS804に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグはCZモード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、CZモードの開始時にセットされ、CZモードの終了時にクリアされる。本実施の形態では、有利区間であってATモードへの移行抽選に当選前の状態として、通常モードとCZ(チャンスゾーン)モードとが設けられており、CZモードは通常モードよりもATモードへの移行抽選に当選し易いモードとして設定されている。
ステップS804でCZフラグがセットされていない場合、すなわち、通常モードである場合は、ステップS805にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから通常用第1ATモード移行抽選テーブルを取得する。通常用第1ATモード移行抽選テーブルでは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて第1ATモードへの移行率(第1ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。
一方、上記ステップS804でCZフラグがセットされている場合、すなわち、CZモードである場合は、ステップS806にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZモード用第1ATモード移行抽選テーブルを取得する。CZモード用第1ATモード移行抽選テーブルにおいても、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて第1ATモードへの移行率が設定されている。
本実施の形態では、通常用第1ATモード移行抽選テーブル及びCZモード用第1ATモード移行抽選テーブルのいずれにおいても第1ATモード移行抽選の契機役として、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モード及びCZモードでの遊技においては、当選し得る全ての結果が第1ATモード移行抽選の契機役として設定されている。但し、CZ用第1ATモード移行抽選テーブルでは、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、スイカに当選した場合の第1ATモード移行率が通常用第1ATモード移行抽選テーブルの場合よりも高くなっており、第1ATモードへの移行率が優遇されている。
なお、第1ATモード移行抽選の契機役は上記に限定されるものではなく、例えば、一部のチャンス目に当選した場合にのみ第1ATモード移行抽選が実行されるなど、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モード及びCZモードでの遊技において当選し得る一部の結果についてのみ契機役となる構成としてもよい。
ステップS805又はステップS806の実行後はステップS807に進み、第1ATモード抽選処理を実行する。第1ATモード抽選処理では、第1ATモード移行抽選用の乱数を取得し、当該取得した乱数と、ステップS801で把握した抽選結果と、ステップS805又はステップS806で取得した第1ATモード移行抽選テーブルとを用いて第1ATモードの当否抽選を行う。続くステップS808では、ステップS807の第1ATモード抽選処理において第1ATモードへの移行に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップS809~ステップS813の第1ATモード当選用の処理を実行し、当選していない場合には、ステップS814~ステップS819の第1ATモード非当選用の処理を実行する。
ここで、第1ATモードは押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。第1ATモードに移行して押し順報知が発生するようになると、各押し順ベル当選時に第1小役入賞~第6小役入賞を成立させることが可能となる。本実施の形態において第1ATモード中の1ゲーム当たりの純増枚数はプラス約8.04枚となっている。第1ATモードは、初期ゲーム数を15ゲームとし、上乗せ抽選に当選することでその残りゲーム数の加算処理が行われる。上記残りゲーム数が0となると第1ATモードは終了する。
ステップS808で第1ATモード移行抽選に当選している場合、ステップS809にて、上記各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値をクリアする(値を0にする)処理を実行する。続くステップS810では、上記各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタの値が0であるか否かを判定する。なお、外れカウンタの役割については後述する。ステップS810で外れカウンタの値が0でない場合は、ステップS811にて、当該カウンタの値をクリアする。
ステップS811の実行後又はステップS810で肯定判定した場合(外れカウンタの値が0である場合)は、ステップS812にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1AT当選フラグをセットする。第1AT当選フラグは、第1ATモードの当選状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。続くステップS813では、サブ制御装置81への出力対象として第1AT当選コマンドをセットし、その後、本AT抽選用処理を終了する。第1AT当選コマンドは、第1ATモード移行抽選に当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
上記ステップS808で否定判定した場合(第1ATモードに当選していない場合)は、ステップS814に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグがセットされていない場合、すなわち、通常モード中である場合は、ステップS815にてROM105の各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得する。CZモード移行抽選テーブルでは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じてCZモードへの移行率(CZモード移行抽選の当選確率)が設定されている。本実施の形態では、CZモード移行抽選の契機役として、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モードでの遊技においては、当選し得る全ての結果がCZモード移行抽選の契機役として設定されている。
なお、CZモード移行抽選の契機役は上記に限定されるものではなく、例えば、一部のチャンス目に当選した場合にのみATモード移行抽選が実行されるなど、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モードでの遊技において当選し得る一部の結果についてのみ契機役となる構成としてもよい。
ステップS815でCZモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS816にてCZモード抽選処理を実行する。CZモード抽選処理では、上記取得したCZモード移行抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいてCZモードへの移行抽選を行う。ステップS817では、ステップS816のCZモード抽選処理においてCZモードへの移行に当選したか否かを判定する。
ステップS817でCZモード移行抽選に当選している場合は、ステップS818に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZ当選フラグをセットする。CZ当選フラグは、CZモード移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS819では、サブ制御装置81への出力対象としてCZ当選コマンドをセットし、その後、本AT抽選用処理を終了する。CZ当選コマンドは、CZモード移行抽選に当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
上記ステップS814で肯定判定した場合(CZモード中である場合)又はステップS817で否定判定した場合(CZモード移行抽選に当選していない場合)は、そのまま本AT抽選用処理を終了する。
上記ステップS802で肯定判定した場合(第1ATモード中である場合)は、ステップS820に進み、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第2ATモード移行抽選テーブルを取得する。すなわち、本実施の形態では、第1ATモードに滞在中である場合にのみ第2ATモードへの移行抽選を行うように構成されている。
第2ATモードは、第1ATモードと同様に押し順ベル当選時に第1小役~第6小役に対応する押し順報知が発生するモードであり、多くのメダル増加が期待できるモードである。第1ATモード及び第2ATモードのいずれにおいても、その滞在ゲーム数を上乗せするゲーム数上乗せ抽選が行われるが、第2ATモードでのゲーム数上乗せ率は、第1ATモードのそれよりも優遇されている。つまり、第2ATモードは、第1ATモードに対して上位のATモードになっており、換言すれば、第1ATモードよりも遊技者にとって有利なATモードになっている。
第2ATモード移行抽選テーブルでは、図30に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて第2ATモードへの移行率(第2ATモード移行抽選の当選確率)が設定されている。本実施の形態では、第2ATモード移行抽選の契機役として、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての第1ATモードでの遊技においては、当選し得る一部の結果が第2ATモード移行抽選の契機役として設定されている。
なお、第2ATモード移行抽選の契機役は上記に限定されるものではなく、例えば、第1ATモード移行抽選の場合と同様に、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常モードでの遊技において当選し得る全ての結果が契機役となる構成としてもよい。
ステップS820で第2ATモード移行抽選テーブルを取得した後は、ステップS21にて第2ATモード抽選処理を実行する。第2ATモード抽選処理では、上記取得した第2ATモード移行抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいて第2ATモードへの移行抽選を行う。ステップS822では、ステップS821の第2ATモード抽選処理に当選したか否かを判定する。
ステップS822で第2ATモード移行抽選に当選していない場合は、そのまま本AT抽選用処理を終了する。一方、第2ATモード移行抽選に当選している場合は、ステップS823に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第2AT当選フラグをセットする。第2AT当選フラグは、第2ATモード移行抽選に当選したことをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS824では、サブ制御装置81への出力対象として第2AT当選コマンドをセットし、その後、本AT抽選用処理を終了する。第2AT当選コマンドは、第2ATモード移行抽選に当選したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
<AT上乗せ用処理>
ステップS608のAT上乗せ用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップS902では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATフラグは、第1ATモード中であることをCPU102が把握するためのフラグである。
ステップS902で第1ATフラグがセットされている場合(第1ATモード中である場合)は、ステップS903にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する。一方、ステップS902で第1ATフラグがセットされていない場合は、第2ATモード中であることを意味する。この場合は、ステップS904に進み、上記各種テーブル記憶エリア105aから第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する。
各ATモード用の上乗せ抽選テーブルでは、図32に示すように、ゲームの抽選結果と、ATモードの種類とに応じて上乗せ当選率が設定されている。第1AT用上乗せ抽選テーブルと、第2AT用上乗せ抽選テーブルとを比較すると、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選の方が、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選よりも上乗せ抽選に当選しやすくなっている。例えば、チェリーBを契機とする上乗せ抽選において、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では15%の確率で当選するのに対して、第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた上乗せ抽選では30%の確率で当選し、ATモード移行後の状況において、第1ATモード中よりも第2ATモード中の方が上乗せ抽選の当選確率が高くなっている。
ステップS903又はステップS904で上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップS905にて上乗せ抽選処理を実行する。上乗せ抽選処理では、上記取得した各ATモード用の上乗せ抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいてゲーム数上乗せを行うか否かの抽選処理を行う。ステップS906では、ステップS905の上乗せ抽選処理においてゲーム数上乗せを行うことに当選したか否かを判定する。
ゲーム数上乗せに当選していない場合は、そのまま本AT上乗せ用処理を終了する。一方、ゲーム数上乗せに当選している場合は、ステップS907に進み、上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図32に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、通常リプBを契機として上乗せが行われる場合には平均100ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS908では、各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタに対し、ステップS907の上乗せゲーム数抽選処理により抽選された今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップS908の実行後は、ステップS909にて上乗せコマンドをサブ制御装置81への出力対象としてセットし、その後、本AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドには、ゲーム数上乗せを行う旨及び上乗せゲーム数を示す情報が含まれており、当該コマンドを受信したサブ制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
<回転演出処理>
ここで、リール制御処理(図22)におけるステップS401の回転演出処理について図33(a)のフローチャートを参照しながら説明する。本実施の形態では、各リール32L~32Rに対応する表示窓26L~26Rにおいて特定の図柄組合せを停止させることにより、第1ATモード当選を報知する構成としており、回転演出処理はそのための処理である。
先ずステップS1001では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグは、既に説明したように、CZモード中であることをCPU102が把握するためのものである。CZフラグがセットされていない場合(CZモード中でない場合)は、そのまま本回転演出処理を終了する。CZフラグがセットされている場合は、ステップS1002に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT当選フラグがセットされている否かを判定する。
第1AT当選フラグがセットされていない場合は、そのまま本回転演出処理を終了する。第1AT当選フラグがセットされている場合(第1ATモード移行抽選の当選状態である場合)は、ステップS1003にて第1AT当選フラグをクリアし、その後、ステップS1004にて、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT開始用フラグをセットする。第1AT開始用フラグは、第1ATモードを開始すべきであることをCPU102が把握するためのものである。
ステップS1004の実行後はステップS1005にて、第1AT報知用回転演出を実行するように設定する。第1AT報知用回転演出としては、例えば、各リール32L,32M,32Rの回転が開始された後、図33(b)に示すように、第1ATに対応する第1AT用図柄組合せとして、「赤7」図柄が所定ライン(右下がりラインL4)に一時停止(停留停止)し、その後、各リール32L~32Rの回転が再開する演出が設定されている。この第1AT報知用回転演出は、ゲームが開始されてからストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前の無効期間中に実施される演出である。なお、本実施の形態において第1ATモードは、いわゆる疑似ボーナスとなっている。
続くステップS1006では、サブ制御装置81への出力対象として第1AT報知コマンドをセットし、その後、本回転演出処理を終了する。第1AT報知コマンドは、今回のゲームにて第1AT報知用回転演出により第1ATモード当選を報知することをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
このように本実施の形態では、第1ATモードに当選したゲームの次のゲーム又はCZモードが終了した後のゲームにて、各リール32L~32Rを用いた第1AT報知用回転演出により第1ATモード当選が報知される。それとともに、第1ATモードへの移行を開始するための第1AT開始用フラグがセットされ、当選報知の次のゲームから第1ATモードに移行する。第1ATモードに移行すると、押し順ベル当選時のストップスイッチ42~44の操作順序の報知が発生し得るようになる。
ストップスイッチ42~44の操作順序の報知は、抽選結果対応処理(図27)における、ステップS609~ステップS612の処理にて実行される。すなわち、ステップS607又はステップS608の処理にてAT抽選用処理やAT上乗せ用処理を実行した後は、ステップS609~ステップS612にて押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
押し順報知用処理の説明に先立ち、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65はサブ制御装置81に接続されており、サブ制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図34を参照しながら説明する。図34(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図34(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図34(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1~N8が設けられている。各表示用セグメントN1~N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1~N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1~N8について詳細には、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、数字の「1」~「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」~「6」と、「1.」~「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1~N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1~N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1~N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1~N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図34(b)に示すように、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42~44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42~44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1~N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42~44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42~44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42~44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42~44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図35を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図35(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42~44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図35(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図35(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42~44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42~44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42~44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42~44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS609~ステップS612における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、第1ATフラグ又は第2ATフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATフラグがセットされている場合、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS612にて、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、サブ制御装置81への出力対象としてセットしてから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信したサブ制御装置81では、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
ステップS609にて押し順ベル当選ではない場合、又はステップS610にていずれのATフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<ゲーム数更新用処理>
抽選処理(図19)におけるステップS314のゲーム数更新用処理について、図36のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数更新用処理では、天井ゲーム数までの残りゲーム数、CZモードの残りゲーム数、ATモードの残りゲーム数等を更新する処理を実行する。
ゲーム数更新用処理では、先ずステップS1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1101~ステップS1103の処理は、上記ステップS601~ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。
ステップS1102及びステップS1103の各処理で否定判定した場合は、本ゲーム数更新用処理を終了する。一方、それらの処理で肯定判定した場合は、ステップS1104に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグは、有利区間中であることをCPU102が把握するためのものである。
有利区間フラグがセットされていない場合(有利区間中でない場合)は、そのまま本ゲーム数更新用処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合(有利区間中である場合)は、ステップS1105に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにいずれかのAT当選フラグがセットされているか否かを判定する。AT当選フラグは、AT移行抽選の当選状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。
いずれのAT当選フラグもセットされていない場合は、ステップS1106にて上記各種フラグ格納エリア106dにいずれかのATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグは、ATモード中であることをCPU102が把握するためのフラグである。いずれのATフラグもセットされていない場合は、ステップS1107に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの値を1減算して更新する。
続くステップS1108では、上記各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタの値を1減算して更新する。
ここで、外れカウンタについて説明する。本実施の形態では、遊技の進行に伴って内部的なポイントを付与し得る構成となっている。このポイントは、ポイントを付与するか否かの付与抽選と、付与する場合のポイント数を抽選するポイント数抽選とからなる付与抽選処理を経て付与されるものとなっている。ポイントが付与された場合、そのポイントは、1ゲーム限りのものではなく、累積加算されるようになっている。その合計ポイントが特典付与値(例えば5ポイント)に達した場合には、遊技者に対して所定の特典が付与される構成になっている。
遊技者にとって望ましくない事象が発生した場合にポイント付与抽選を行うこととしており、このような構成により、遊技者の落胆をポイントの付与により緩和することができる。本実施の形態では、そのようなポイント付与抽選の実行契機として複数の契機を設けており、そのうちの1つを、有利区間に滞在している状況で第1ATモード移行抽選に非当選となったゲーム数(ハマリゲーム数)が特定数(例えば600ゲーム)に到達することとしている。外れカウンタは、特定数までの残りゲーム数を計数するためのものであり、上記のとおり、有利区間に滞在している状況において第1ATモード移行抽選に非当選となるゲームが行われる都度、1ずつ減算される。なお、ポイント付与抽選や合計ポイントが特典付与値に到達した場合の特典については、後に詳細に説明する。
ステップS1108の実行後はステップS1109にて、上記外れカウンタの値が0であるか否かを判定する。外れカウンタの値が0であるとは、上記特定数までの残りゲーム数が0ゲームであることを意味し、換言すれば、上記ハマリゲーム数が上記特定数に到達したことを意味する。この場合は、ステップS1110に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグAをセットする。ポイント抽選用フラグAは、ポイント付与抽選の実行契機が成立したことをCPU102が把握するためのものである。ステップS1111では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント契機コマンドをセットする。ポイント契機コマンドは、ポイント付与抽選の実行契機(ポイント付与契機)が成立したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。なお、本実施の形態では、ポイント付与契機として複数の契機が設定されており、ポイント契機コマンドには、ポイント付与契機が成立したことを示す情報のほか、今回の付与契機がいずれの契機であるかを示す情報が含まれる。
ステップS1111の実行後、ステップS1105で肯定判定した場合(いずれかのAT当選フラグがセットされている場合)又はステップS1109で否定判定した場合(外れカウンタの値が0でない場合)は、ステップS1112に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグはCZモード中であることを示すフラグである。
CZフラグがセットされている場合(CZモード中である場合)は、ステップS1113にてCZカウンタの値を1減算する処理を実行する。これにより、CZモードの残りゲーム数が更新される。ステップS1114では、サブ制御装置81への出力対象としてCZゲーム数更新コマンドをセットする。CZゲーム数更新コマンドは、CZモードの残りゲーム数が更新されたことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。ステップS1114の実行後又はステップS1112で否定判定した場合(CZモード中でない場合)は、本ゲーム数更新用処理を終了する。
上記ステップS1106で肯定判定した場合(ATモード中である場合)は、ステップS1115にてATカウンタの値を1減算する処理を実行する。これにより、ATモードの残りゲーム数が更新される。ステップS1116では、サブ制御装置81への出力対象としてATゲーム数更新コマンドをセットし、その後、本ゲーム数更新用処理を終了する。ATゲーム数更新コマンドは、ATモードの残りゲーム数が更新されたことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
<入賞結果対応処理>
リール制御処理(図22)におけるステップS415の入賞結果対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、CZモードやATモード等を開始させたり終了させたりするための処理を行う。なお、本処理は、全てのリール32L~32Rが停止している場合(ゲームが終了した場合)に実行されるものである。
先ずステップS1201にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1202にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1203にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1201~ステップS1203の処理は、上記ステップS601~ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。
ステップS1202及びステップS1203の各処理で肯定判定した場合は、ステップS1204に進み、CZモードを開始させたり、CZモードを終了させるためのCZモード用処理を実行する。ステップS1205では、第1ATモードを開始させるための第1ATモード移行用処理を実行し、ステップS1206では、第1ATモードを終了させるための第1ATモード終了用処理を実行する。ステップS1207では、第2ATモードを開始させたり、第2ATモードを終了させるための第2ATモード用処理を実行する。ステップS1208では、ポイント付与抽選を行うための第1ポイント抽選用処理を実行する。ステップS1208の実行後、ステップS1202で否定判定した場合又はステップS1203で否定判定した場合は、本入賞結果対応処理を終了する。
<CZモード用処理>
ステップS1204のCZモード用処理について図38のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1301では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZ当選フラグがセットされているか否かを判定する。CZ当選フラグは、CZモード移行抽選の当選状態であることをCPU102が把握するためのものである。CZ当選フラグがセットされている場合は、ステップS1302に進み、当該当選フラグをクリアし、その後、ステップS1303にて上記各種フラグ格納エリア106dにCZフラグをセットする。これにより、CZモードが開始される(CZモードに移行する)。
ステップS1304では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタの初期値として所定値(例えば10ゲームに相当する値)を入力する処理を実行する。CZカウンタは、CZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。なお、CZカウンタの初期値(CZモードの初期ゲーム数)は必ずしも固定ゲーム数である必要はなく、例えば、ゲーム数抽選により複数種類のゲーム数が選択され得るものであってもよい。
ステップS1304の実行後はステップS1305にて、サブ制御装置81への出力対象としてCZ開始コマンドをセットし、その後、本CZモード用処理を終了する。CZ開始コマンドは、CZモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。CZ開始コマンドには、CZモードに移行したことを示す情報のほか、CZモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。よって、サブ制御装置81では、CZ開始コマンドを受信することで、CZモードに移行したことやCZモードのゲーム数を把握することが可能となる。
上記ステップS1301で否定判定した場合(CZ当選フラグがセットされていない場合)は、ステップS1306に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否か、すなわち、CZモード中であるか否かを判定する。CZフラグがセットされている場合(CZモード中である場合)は、ステップS1307にて上記各種カウンタエリア106eに設けられたCZカウンタの値が0であるか否かを判定する。
CZカウンタの値が0である場合(CZモードの残りゲーム数が0である場合)は、ステップS1308に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされているCZフラグをクリアする。これにより、CZモードが終了する。ステップS1309では、サブ制御装置81への出力対象としてCZ終了コマンドをセットする。CZ終了コマンドは、CZモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
ステップS1309の実行後はステップS1310にて、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1AT当選フラグは、第1ATモード移行抽選の当選状態であることをCPU102が把握するためのものである。第1AT当選フラグがセットされている場合、すなわち、CZモード中に第1ATモード移行抽選に当選している場合は、そのまま本CZモード用処理を終了する。
一方、第1AT当選フラグがセットされていない場合(CZモード中に第1ATモード移行抽選に当選しなかった場合)は、ステップS1311に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグBをセットする。ポイント抽選用フラグBは、ポイント付与抽選の実行契機が成立したことをCPU102が把握するためのものである。すなわち、本実施の形態では、CZモードに移行させることができたものの、第1ATモード移行抽選に当選することができないままCZモードが終了してしまったことを、ポイント付与抽選の実行契機の1つとしている。
続くステップS1312では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント契機コマンドをセットする。ポイント契機コマンドは、ポイント付与契機が成立したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。ステップS1312の実行後、ステップS1306で否定判定した場合(CZモード中でない場合)又はステップS1307で否定判定した場合(CZモードの残りゲーム数が0でない場合)は、本CZモード用処理を終了する。
<第1ATモード移行用処理>
ステップS1205の第1ATモード移行用処理について図39のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1401では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZフラグがセットされているか否かを判定する。CZフラグがセットされていない場合(CZモード中でない場合)は、ステップS1402に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT当選フラグ又はいずれかのATフラグがセットされているか否かを判定する。
第1AT当選フラグがセットされておらず、且つ、いずれのATフラグもセットされていない場合(第1ATモードの当選ゲームでもないし、ATモード中でもない場合)は、ステップS1403にて上記各種フラグ格納エリア106dに第1ATモード開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモード開始用フラグは第1ATモードを開始すべきであることをCPU102が把握するためのものである。
第1ATモード開始用フラグがセットされている場合は、ステップS1404に進んで第1ATモード開始用フラグをクリアするとともに、ステップS1405にて上記各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグをセットする。これにより、第1ATモードが開始される(第1ATモードに移行する)。ステップS1406では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの初期値として所定値(例えば15ゲームに相当する値)を入力する処理を実行する。ATカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。なお、ATカウンタの初期値(ATモードの初期ゲーム数)は必ずしも固定ゲーム数である必要はなく、例えば、ゲーム数抽選により複数種類のゲーム数が選択され得るものであってもよい。
ステップS1407では、サブ制御装置81への出力対象として第1AT開始コマンドをセットする。第1AT開始コマンドは、第1ATモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。第1AT開始コマンドには、第1ATモードに移行したことを示す情報のほか、第1ATモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。よって、サブ制御装置81では、第1AT開始コマンドを受信することで、第1ATモードに移行したことや第1ATモードのゲーム数を把握することが可能となる。
ステップS1407の実行後、ステップS1401で肯定判定した場合(CZモード中である場合)、ステップS1402で肯定判定した場合(第1AT当選フラグがセットされていたり、いずれかのATフラグがセットされていたりする場合)、ステップS1403で否定判定した場合(第1AT開始用フラグがセットされていない場合)は、本第1ATモード移行用処理を終了する。
<第1ATモード終了用処理>
ステップS1206の第1ATモード終了用処理について図40のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1501では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1ATフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATフラグがセットされていない場合(第1ATモード中でない場合)は、そのまま本第1ATモード終了用処理を終了する。第1ATフラグがセットされている場合(第1ATモード中である場合)は、ステップS1502に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの値が0であるか否かを判定する。ATカウンタの値が0でない場合、すなわち、第1ATモードの残りゲーム数が1以上である場合は、第1ATモードを継続させるべく、そのまま本第1ATモード終了用処理を終了する。一方、ATカウンタの値が0である場合(第1ATモードの残りゲーム数が0である場合)は、ステップS1503に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされている第1ATフラグをクリアする。これにより、第1ATモードが終了する。
ステップS1504では、上記各種フラグ格納エリア106dに第2AT当選フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT当選フラグは、第2ATモード移行抽選の当選状態であることをCPU102が把握するためのものである。第2AT当選フラグがセットされている場合、すなわち、第1ATモード中に第2ATモード移行抽選に当選した場合は、ステップS1505に進み、第2AT当選フラグをクリアする。ステップS1506では、上記各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットし、その後、本第1ATモード終了用処理を終了する。第2AT開始用フラグは、第2ATモードを開始すべきであることをCPU102が把握するためのものである。
上記ステップS1504で否定判定した場合(第2AT当選フラグがセットされていない場合)、すなわち、第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了した場合は、ステップS1507に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたPTカウンタの値が5以上であるか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、合計ポイントが特典付与値(例えば5ポイント)に到達した場合、遊技者に特典を付与するように構成されているところ、本ステップの処理は、合計ポイントが特典付与値に到達しているか否かを判定するものとなっている。
PTカウンタの値が5以上であり、合計ポイントが特典付与値に到達している場合は、ステップS1508に進み、上記PTカウンタの値を0にクリアする。ステップS1509では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント達成コマンドをセットする。ポイント達成コマンドは、合計ポイントが特典付与値に到達したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。ステップS1509の実行後はステップS1506に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグをセットする。
すなわち、本実施の形態では、第1ATモード中に第2ATモード移行抽選に当選しなくても、合計ポイントが特典付与値に到達していれば、第1ATモードの終了後に第2ATモードに移行するように構成されており、これが合計ポイントが特典付与値に到達した場合の特典となっている。なお、合計ポイントが特典付与値に到達している状況において第1ATモード中に第2ATモード移行抽選に当選する場合もある。その場合は、合計ポイントを消費することなく第2ATモードの移行が行われ、合計ポイントは次回以降の第1ATモードに持ち越される。
上記ステップS1507で否定判定した場合(PTカウンタの値が5未満である場合)、ステップS1510に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT終了フラグをセットする。第1AT終了フラグは第1ATモードが終了したことをCPU102が把握するためのものである。ステップS1511では、サブ制御装置81への出力対象として第1AT終了コマンドをセットする。第1AT終了コマンドは、第1ATモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
ステップS1512では、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグCをセットする。ポイント抽選用フラグCは、ポイント付与抽選の実行契機が成立したことをCPU102が把握するためのものである。すなわち、本実施の形態では、第1ATモードに移行させることができたものの、第2ATモード移行抽選に当選することができないまま第1ATモードが終了してしまったことを、ポイント付与抽選の実行契機の1つとしている。続くステップS1513では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント契機コマンドをセットし、その後、本第1ATモード終了用処理を終了する。
<第2ATモード用処理>
ステップS1207の第2ATモード用処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1601及びステップS1602にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにCZフラグ又は第1ATフラグがセットされているか否かを判定する。それらフラグのいずれかがセットされている場合(CZモード中又は第1ATモード中のいずれかである場合)は、そのまま本第2ATモード用処理を終了する。これに対し、CZフラグ、第1ATフラグのいずれもセットされていない場合(CZモード中又は第1ATモード中のいずれでもない場合)は、ステップS1603に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグがセットされているか否かを判定する。
第2ATフラグがセットされていない場合は、ステップS1604にて上記各種フラグ格納エリア106dに第2AT開始用フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT開始用フラグがセットされていない場合は、そのまま本第2ATモード用処理を終了する。一方、第2AT開始用フラグがセットされている場合は、ステップS1605に進んで第2AT開始用フラグをクリアするとともに、ステップS1606にて上記各種フラグ格納エリア106dに第2ATフラグをセットする。これにより、第2ATモードが開始される(第2ATモードに移行する)。
ステップS1607では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの初期値として所定値(例えば40ゲームに相当する値)を入力する処理を実行する。なお、第2ATモードにおけるATカウンタの初期値(ATモードの初期ゲーム数)は、必ずしも第1ATモードにおけるATカウンタの初期値よりも大きい必要はなく、同じ値としたり、第1ATモードにおけるATカウンタの初期値よりも小さい値としてもよい。また、第2ATモードにおけるATカウンタの初期値は、必ずしも固定ゲーム数である必要はなく、例えば、ゲーム数抽選により複数種類のゲーム数が選択され得るものであってもよい。
次いでステップS1608にて、サブ制御装置81への出力対象として第2AT開始コマンドをセットし、その後、本第2ATモード用処理を終了する。第2AT開始コマンドは、第2ATモードに移行したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。第2AT開始コマンドには、第2ATモードに移行したことを示す情報のほか、第2ATモードの初期ゲーム数を示す情報が含まれる。よって、サブ制御装置81では、第2AT開始コマンドを受信することで、第2ATモードに移行したことや第2ATモードのゲーム数を把握することが可能となる。
上記ステップS1603で肯定判定した場合(第2ATフラグがセットされている場合)は、ステップS1609に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたATカウンタの値が0であるか否かを判定する。ATカウンタの値が0でない場合、すなわち、第2ATモードの残りゲーム数が1以上である場合は、第2ATモードを継続させるべく、そのまま本第2ATモード用処理を終了する。一方、ATカウンタの値が0である場合(第2ATモードの残りゲーム数が0である場合)は、ステップS1610に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにセットされている第2ATフラグをクリアする。これにより、第2ATモードが終了する。
ステップS1611では、上記各種フラグ格納エリア106dに第2AT終了フラグをセットする。第2AT終了フラグは第2ATモードが終了したことをCPU102が把握するためのものである。ステップS1612では、サブ制御装置81への出力対象として第2AT終了コマンドをセットし、その後、本第2ATモード用処理を終了する。第2AT終了コマンドは、第2ATモードが終了したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
<第1ポイント抽選用処理>
ステップS1208の第1ポイント抽選用処理について図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1701にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのATフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのATフラグもセットされておらず、ATモード中でない場合は、ステップS1702に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグAがセットされているか否かを判定する。ポイント抽選用フラグAは、外れカウンタの値が0となり、ハマリゲーム数(第1ATモード移行抽選に非当選となったゲームの消化数)が特定数(例えば600ゲーム)に到達した場合に、ポイント付与抽選の実行契機が成立したとしてセットされるものである(図36のステップS1110)。
ポイント抽選用フラグAがセットされている場合は、ステップS1703に進み、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイント抽選テーブルAを取得する。ポイント抽選テーブルAでは、図43に示すように、0から5までのポイント数毎にその付与確率が設定されている。各ポイント数の付与確率は、ポイント数が0となる(ポイントが付与されない)確率が90%となっており、最も高くなっている。そして、ポイントが付与される10%においては、最高ポイントである5ポイントの付与確率が最も高く、ポイント数が小さくなるにつれて付与確率が低くなるようになっている。すなわち、ポイント抽選テーブルAでは、ポイントが付与される確率が低いものの、付与される場合には大きなポイント数が付与されやすくなっている。
上記ステップS1702で否定判定した場合(ポイント抽選用フラグAがセットされていない場合)は、ステップS1704に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグBがセットされているか否かを判定する。ポイント抽選用フラグBは、第1ATモード移行抽選に当選できないままCZモードが終了した場合に、ポイント付与抽選の実行契機が成立したとしてセットされるものである(図38のステップS1311)。
ポイント抽選用フラグBがセットされている場合は、ステップS1705に進み、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイント抽選テーブルBを取得する。図43に示すように、ポイント抽選テーブルBにおける各ポイント数の付与確率は、ポイント数が0となる(ポイントが付与されない)確率が50%となっており、ポイント付与率がポイント抽選テーブルAよりも高くなっている。その反面、ポイントが付与される場合のポイント数の振り分けとして、最低値である1ポイントの付与確率が最も高く、ポイント数が大きくなるにつれて付与確率が低くなるようになっている。すなわち、ポイント抽選テーブルBでは、ポイントが付与される確率が高いものの、付与される場合には小さなポイント数が付与されやすくなっている。
上記ステップS1704で否定判定した場合(ポイント抽選用フラグBがセットされていない場合)は、ステップS1706に進み、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグCがセットされているか否かを判定する。ポイント抽選用フラグCは、第2ATモード移行抽選に当選できないまま第1ATモードが終了した場合に、ポイント付与抽選の実行契機が成立したとしてセットされるものである(図40のステップS1512)。
ポイント抽選用フラグCがセットされている場合は、ステップS1707に進み、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイント抽選テーブルCを取得する。図43に示すように、ポイント抽選テーブルCにおける各ポイント数の付与確率は、ポイント抽選テーブルBと同様になっている。
上記ステップS1706で否定判定した場合(ポイント抽選用フラグCがセットされていない場合)、すなわち、ポイント抽選契機が成立していない場合は、そのまま本第1ポイント抽選用処理を終了する。
上記ステップS1703、ステップS1705又はステップS1707の実行後は、ステップS1708に進み、ポイント付与抽選処理を実行する。ポイント付与抽選処理では、上記取得したポイント抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいてポイント数の抽選を行う。ステップS1709では、ステップS1708の付与抽選処理においてポイント付与に当選したか否か(付与されるポイント数が1以上であるか否か)を判定する。
ポイント付与に当選していない場合(抽選されたポイント数が0ポイントであった場合)はそのまま本第1ポイント抽選用処理を終了する。ポイント付与に当選している場合は、ステップS1710にて、各種カウンタエリア106eに設けられたPTカウンタに対し、今回の付与抽選で付与されたポイント数に対応する値を加算する処理を実行する。PTカウンタは、蓄積されたポイント数(ポイント数の総和)をCPU102が把握するためのものである。ステップS1711では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント付与コマンドをセットする。ポイント付与コマンドは、ポイントが付与されたことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。ポイント付与コマンドには、ポイントが付与されたことを示す情報のほか、今回の付与抽選で付与されたポイント数や合計ポイント数を示す情報が含まれる。よって、サブ制御装置81では、ポイント付与コマンドを受信することで、ポイントが付与されたことだけでなく、付与されたポイント数や蓄積されている合計ポイント数を把握することが可能となる。
ステップS1711の実行後は本第1ポイント抽選用処理を終了する。また、上記ステップS1701で肯定判定した場合(いずれかのATフラグがセットされており、ATモード中である場合)も本第1ポイント抽選用処理を終了する。すなわち、ATモード中である場合はポイント付与抽選(ポイントの付与)を行わない。
<有利区間の管理>
区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図44を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS315にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1801では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1801にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中である場合、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。有利区間フラグがセットされていない場合、ステップS1803にて、有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1804にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする。そして、ステップS1805にて有利区間フラグをセットする。これにより、有利区間が開始される(有利区間に移行する)。
ステップS1806では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。
ステップS1807では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタの初期値として天井ゲーム数に対応した値(例えば700ゲームに相当する値)を入力する処理を実行する。ステップS1808では、各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタの初期値として所定値(例えば600ゲームに相当する値)を入力する処理を実行し、その後、ステップS1809にて第2ポイント抽選用処理を実行する。本実施の形態では、有利区間の開始をポイント付与抽選の実行契機の1つとしており、ステップS1809の処理は、当該実行契機の成立に基づくポイント付与抽選に対応するものである。
ここで、第2ポイント抽選用処理について図45のフローチャートを参照しながら説明する。第2ポイント抽選用処理では、先ずステップS1901にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにいずれかのATフラグがセットされているか否かを判定する。いずれのATフラグもセットされておらず、ATモード中でない場合は、ステップS1902に進み、サブ制御装置81への出力対象としてポイント契機コマンドをセットする。
続くステップS1903では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイント抽選テーブルDを取得する。図43に示すように、ポイント抽選テーブルDにおける各ポイント数の付与確率は、ポイント数が0となる(ポイントが付与されない)確率が30%となっており、ポイントが付与される確率が他のポイント抽選テーブルよりも高くなっている。また、ポイントが付与される場合のポイント数の振り分けは、大きいポイント数よりも小さいポイント数が付与されやすくなっている。
なお、本実施の形態におけるポイント抽選テーブルA~Dは一例に過ぎず、ポイント付与確率やポイント数の振り分けは任意に設定することができる。また、各契機の成立に対応して各別の抽選テーブルを用いる構成としているが、これに限られず、全ての契機に対応する共通の抽選テーブルを設ける構成(ポイントの付与確率及び各ポイント数の振分率に契機ごとの差を設けない構成)としてもよい。
ステップS1903の実行後はステップS1905~ステップS1907の処理を実行するが、これらは第1ポイント抽選用処理(図42)におけるステップS1708~ステップS1711と同様のものである。すなわち、上記取得したポイント抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいてポイント数の抽選を行い、ポイントが付与された場合には今回のポイント数を前回までのポイント数に加算する。
区間表示第1処理(図44)の説明に戻り、ステップS1809の第2ポイント抽選用処理の実行後は、ステップS1810にて、サブ制御装置81への出力対象として有利区間開始コマンドをセットする。有利区間開始コマンドは、有利区間が開始されることをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
ステップS1810の実行後、上記ステップS1802で肯定判定した場合(有利区間中である場合)又は上記ステップS1803で否定判定した場合(有利区間当選ゲームフラグがセットされていない場合)は、ステップS1811にて、いずれかのATモードフラグがセットされており、区間表示器の表示開始条件が成立している状況か否かの判定を行う。いずれかのATモードフラグがセットされている場合には、ステップS1812にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
このようにして区間表示器の表示を開始された後、上記ステップS1801にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中である場合は、ステップS1813に進み、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
上記ステップS1811にていずれのATモードフラグもセットされていない場合は、ステップS1814に進む。ステップS1814では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
また、上記ステップS1812又はステップS1813の処理を実行した後は、ステップS1815に進む。ステップS1815では、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1814又はステップS1815の処理を実行した後は、ステップS1816にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1817にて、ステップS1816の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77A、第2表示部77B、第3表示部77C、第4表示部77D、第5表示部77Eを有している。第1表示部77A~第5表示部77Eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1~N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1817では、ステップS1816の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77A~77Eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1817の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1816の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77Aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77Aを有さないようにしたり、第1表示部77Aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77Aと第2表示部77Bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
区間表示第2処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理(図22)のステップS417にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS2101では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合にはステップS2102にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。ステップS2102の処理を実行した後は、ステップS2103にて、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS2103のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS2103のMY更新処理を実行した後は、ステップS2104にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS2105にて、残枚数管理処理を実行する。
残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATカウンタ(ATモードの残りゲーム数)と、CZカウンタ(CZモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数以上又は上限ゲーム数より多い状況であるか否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。
残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の上限増加数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
続くステップS2106では、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS2107にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS2108では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。
ステップS2109では、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を行う。有利区間用情報の初期化処理では、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す。例えば、有利区間フラグや、AT当選フラグやATフラグ、各種CZフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、CZモード等の継続ゲーム数用のカウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関して、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化し、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う。
また、ステップS2109の初期化処理では、ポイント付与抽選処理に関するフラグや、付与されたポイントに関するカウンタをクリアする処理も行う。具体的には、いずれかのポイント抽選用フラグがセットされていれば、それらのフラグをクリアし、また、PTカウンタ(合計ポイント数を把握するためのカウンタ)の値が0より大きければ、その値を0にクリアする処理(合計ポイントを初期化する処理)を行う。
ステップS2110では、サブ制御装置81への出力対象として有利区間終了コマンド及び初期化コマンドをセットする。有利区間終了コマンドは有利区間が終了したことを通知するためのコマンドであり、初期化コマンドは初期化処理が行われたことを通知するためのコマンドである。
上記ステップS2106で否定判定した場合(有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していない場合)は、ステップS2111に進み、いずれかのAT終了フラグがセットされているか否かを判定する。AT終了フラグは、各ATモードの終了時にセットされるものである(図40のステップS1510、図41のステップS1611)。
AT終了フラグがセットされている場合には、ステップS2112にてAT終了フラグをクリアする。その後は、ステップS2107に進み、ステップS2107~ステップS2110の処理を実行して有利区間を終了させるための処理を行う。すなわち、本実施の形態では、有利区間中に移行したATモードが終了した場合、有利区間が終了するように構成されている。一方、ステップS2111で否定判定した場合(いずれのAT終了フラグもセットされていない場合)は、そのまま本区間表示第2処理を終了する。
なお、区間表示第2処理では、抽選結果対応処理(図27)のステップS601~ステップS603やゲーム数更新用処理(図36)のステップS1101~ステップS1103のように、ベット数が遊技状態に対応したものであるか否かの判定処理を実行しない。よって、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)や有利区間増減枚数MY(有利区間中のメダル払出枚数から有利区間中のメダル投入枚数を減算した差枚数)は、ゲームが行われたときのベット数にかかわらず、ゲームが実行される都度、更新される。つまり、有利区間で実行されたゲーム数やメダル増減数の更新処理は、ベット数を2としてゲームが行われた場合(ベット数が特定規定数に一致しない状態でゲームが行われた場合)でも実行される。
<押し順表示器及び区間表示器の表示とゲームの進行について>
有利区間の開始及び終了と区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示との関係を、図47を参照しながら説明する。
本スロットマシン10では、図47に示すように、有利区間ではない通常区間においては、区間表示器としての第8表示用セグメントN8は消灯している(点灯していない)。この通常区間においては、押し順報知は行われない。つまり、押し順報知等の指示機能に係る性能を有する有利区間に対し、通常区間は当該指示機能に係る有さない区間といえる。表示モードが通常モードである状況が、主に通常区間に対応する。
通常区間において、例えば、第7小役7(共通ベル)当選等によって有利区間への移行抽選に当選すると、当該当選契機となった遊技結果が成立するゲームの次ゲームから有利区間の実行ゲーム数の計測(有利区間ゲーム数AGのカウント)が開始される。そして、有利区間中においてATモードへの移行抽選に当選し、当選報知及びATフラグがセットされる等して押し順報知が発生し得る状況となると、区間表示器の表示の開始条件が成立したものとして、第8表示用セグメントN8が点灯する。
その後、第8表示用セグメントN8が点灯している状況で、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7を利用した押し順報知が発生する。この場合、上記のように第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7によって押し順情報(「1」~「6」)の表示がなされ、かかる押し順情報に基づいて、遊技者は押し順を把握することができる。押し順報知において、押し順情報は、当該ゲームにおいてスタートレバー41の操作時に表示が開始され、当該ゲームにおいて第3リール停止ON操作時にその表示が終了する。かかるゲームが有利区間の最終ゲームではない場合には、第3リール停止ON操作時においては、第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7による押し順情報の表示のみ終了し、第8表示用セグメントN8による有利区間の表示は継続される。そして、次ゲーム以降において再度押し順役に当選すると、その押し順役に対応する押し順情報が第1表示用セグメントN1~第7表示用セグメントN7にて表示される。
有利区間の継続ゲーム数が上限に達したり、有利区間のメダル増加数が上限増加数に達する等して、有利区間の最終ゲームとなると、第8表示用セグメントN8も消灯し、有利区間の報知が終了する。本実施の形態では、有利区間の最終ゲームにおいて、メダル払出が終了したタイミングで(払出判定処理の後の処理である区間表示第2処理により)、第8表示用セグメントN8が消灯する。なお、最終ゲームにおいてメダル払出が行われない場合には、第3リール停止OFF操作時に第8表示用セグメントN8が消灯する。これにより、遊技者は、当該ゲームが有利区間の最終ゲームであったことを明確に把握することができる。
上記のように、有利区間のゲーム数のカウントは、有利区間への移行抽選に当選したゲームの次ゲームから行われる一方、押し順報知は第8表示用セグメントN8が点灯している期間においてのみ発生する。言い換えると、有利区間であっても第8表示用セグメントN8が消灯している区間(非特定区間)においては、押し順報知は発生しない。つまり、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の点灯の有無を確認することで、有利区間のうち、少なくとも押し順報知による恩恵を享受可能な状況(特定区間、実質増加区間)であることを明確に把握することが可能となっている。このようにすることで、例えば、有利区間において押し順報知による恩恵を享受することでメダル増加が発生しているのか、有利区間ではないのにもかかわらず押し順報知による恩恵を不正に享受することでメダル増加を生じさせる不正行為が行われているのか等を、遊技ホールの管理者等が明確に確認することが可能となる。
<ポイントに関する演出について>
既に説明したように、本実施の形態では、遊技の進行に伴ってポイント付与抽選の実行契機が成立すると、ポイント付与抽選が実行される。ポイント付与抽選に当選すると、ポイントが付与され、付与ポイントが累積加算されていく。そして、付与ポイントの合計値(合計ポイント)が特典付与値に到達すると、遊技者に対して特典(第2ATモードへの移行)が付与される。この場合、合計ポイントが特典付与値に到達するまでの過程において、都度の合計ポイントを示唆等する演出(報知)を行えば、ポイントが貯まっている印象を遊技者が抱いたり、特典付与値までの残り数を予測等したりすることができるため、ポイントをさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
しかしながら、有利区間の終了に伴いPTカウンタの値が0にクリアされ、それまでに蓄積されたポイントが消失する構成にあっては、これをそのまま演出に反映させると、ポイント付与による遊技継続の意欲が有利区間中に留まり、有利区間の終了後はうまく喚起されなくなるおそれがある。そこで、本実施の形態では、有利区間の終了後もポイント付与による遊技継続の意欲が好適に喚起されるように、演出上の工夫を施している。以下、そのための具体的な構成について説明する。
<演出設定処理>
サブ制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図48のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS2201にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS2202にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS2201にて否定判定した場合、又はステップS2202の処理を実行した後は、ステップS2203にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理(図18)のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS2204にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS2203にて否定判定した場合、又はステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理(図19)のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)でセットされるCZ当選コマンド、AT当選コマンド、上乗せコマンドや、第2ポイント抽選用処理(図44、図45)でセットされるポイント付与コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS2206にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS2205にて否定判定した場合、又はステップS2206の処理を実行した後は、ステップS2207にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS405にてセットされる停止指令コマンドがある。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS2208にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS2207にて否定判定した場合、又はステップS2208の処理を実行した後は、ステップS2209にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS418にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図37)にてセットされるCZ開始コマンド、CZ終了コマンド、AT開始コマンド、AT終了コマンドや、第1ポイント抽選処理(図37、図42)にてセットされるポイント付与コマンド、第1ATモード終了用処理(図37、図40)にてセットされるポイント達成コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS2210にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS2209にて否定判定した場合、又はステップS2210の処理を実行した後は、ステップS2211にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS2211では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS2211では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS2206の開始時演出設定処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2302にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS2303に進み、第1小役入賞~第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS2301にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではない場合、ステップS2304にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施の形態では、チャンス目A~チャンス目C、チェリーA~チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図30に示すように、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選においては、特定役以外の抽選結果を契機とするよりもATモード移行当選となり易いように設定されている。
今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS2305にて、特定役報知用処理を実行する。特定役報知用処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることを示唆するチャンス演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。チャンス演出では、図54(c)に示すように、例えば、補助表示部65にて「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする。
ステップS2303、ステップS2305の実行後、ステップS2302で否定判定した場合(押し順報知コマンドを受信していない場合)又はステップS2304で否定判定した場合(特定役当選でない場合)は、ステップS2306にて、今回の開始時コマンドとして第1AT報知コマンド(図33(a)のステップS1006)を受信しているか否かを判定する。第1AT報知コマンドを受信している場合には、ステップS2307にて、第1ATモード移行抽選に当選したことを報知する疑似ボーナス当選演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。疑似ボーナス演出では、図54(d)に示すように、例えば、補助表示部65にて「V!!777」の表示を行うとともに、疑似ボーナス(第1ATモード)への当選を祝福する音声が出力されるようにする。
ステップS2307の実行後又はステップS2306で否定判定した場合(第1AT報知コマンドを受信していない場合)は、ステップS2308にて、今回の開始時コマンドとして第2AT当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2AT当選コマンドを受信している場合には、ステップS2309にて、第2ATモード移行抽選に当選したことを報知する昇格当選演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS2309の実行後又はステップS2308で否定判定した場合(第2AT当選コマンドを受信していない場合)は、ステップS2310にて、今回の開始時コマンドとして有利区間開始コマンド(図44のステップS1810)を受信しているか否かを判定する。有利区間開始コマンドを受信している場合には、ステップS2311にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに有利区間フラグをセットする。この有利区間フラグは有利区間中であることをCPU181が把握するためのものである。
ステップS2312では、今回の開始時コマンドとしてポイント付与コマンド(図45のステップS1907)を受信しているか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、主制御装置101において有利区間の開始時にポイント付与抽選を行うように構成されており、本ステップは、そのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、上記付与抽選でポイントが付与されている場合は、ステップS2313にて、主制御装置101側で蓄積されているポイントをCPU181(サブ制御装置81側)で管理したりするためのポイント用処理を実行する。ポイント用処理の詳細については後述する。
ステップS2313の実行後、ステップS2310で否定判定した場合(有利区間開始コマンドを受信していない場合)又はステップS2312で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS2314にてポイント演出実行用処理を実行する。ポイント演出実行用処理は、ポイントに関する演出を実行するためのものであり、上記ステップS2313や後述するステップS2405等(図50)のポイント用処理の処理結果に基づいて上記実行のための処理を行うものである。ポイント演出実行用処理の詳細については後述する。
次いでステップS2315にてその他の開始時演出設定処理を実行し、その後、本開始時演出設定処理を終了する。ステップS2315では、例えば、ゲームの開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知するための処理等を行う。
<全停止時演出設定処理>
ステップS2210の全停止時演出設定処理について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2401では、今回の全停止時コマンドとしてCZ開始コマンド(図38のステップS1305)を受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合は、ステップS2402にて、次のゲームでCZ開始演出が行われるように補助表示部65等を制御する。CZ開始演出では、例えば、図54(a)に示すように、補助表示部65にて「CZモード スタート」等のCZモードが開始されることを報知する文字表示を行う。
上記ステップS2401で否定判定した場合(CZ開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS2403にて、今回の全停止時コマンドとしてCZ終了コマンド(図38のステップS1309)を受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合は、ステップS2404に進み、今回の全停止時コマンドとしてポイント付与コマンド(図42のステップS1711)を受信しているか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、第1ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合、主制御装置101においてポイント付与抽選を行うように構成されており、本ステップは、そのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、上記付与抽選でポイントが付与されている場合は、ステップS2405にてポイント用処理を実行する。この処理は、ステップS2313のポイント用処理(図49)と同様のものである。
ステップS2405の実行後又はステップS2404で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS2406にて、今回のゲームでCZ終了演出が行われるように補助表示部65等を制御する。CZ終了演出では、例えば、図54(b)に示すように、補助表示部65にて「CZモード 終了」等のCZモードが終了したことを報知する文字表示を行う。
上記ステップS2403で否定判定した場合(CZ終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2407にて、今回の全停止時コマンドとして第1AT開始コマンド(図39のステップS1407)又は第2AT開始コマンド(図41のステップS1608)を受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合は、ステップS2408にて、対応するAT開始演出が次のゲームで行われるように補助表示部65等を制御する。第1AT開始演出(疑似ボーナス開始演出)では、例えば、図55(a)に示すように、補助表示部65にて「BONUS START」等の疑似ボーナスが開始されることを報知する文字表示を行う。また、第2AT開始演出では、例えば、図55(c)に示すように、補助表示部65にて「RUSH突入!!」等のATモードが開始されることを報知する文字表示を行う。
上記ステップS2407で否定判定した場合(AT開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS2409にて今回の全停止時コマンドとして第1AT終了コマンド(図40のステップS1511)を受信しているか否かを判定する。第1AT終了コマンドを受信している場合は、ステップS2410に進み、ポイント達成コマンド(図40のステップS1509)を受信しているか否かを判定する。ポイント達成コマンドは、主制御装置101のRAM106に記憶されている合計ポイントが特典付与値に達していることを示すものであり、当該コマンドを受信している場合は、ステップS2411にて放出用処理を実行する。放出用処理は、特典付与値への到達に基づく特典付与(第2ATモードへの移行)に合わせてポイント放出演出を実行するための処理である。ポイント放出演出の詳細については後述する。
一方、上記ステップS2410で否定判定した場合(ポイント達成コマンドを受信していない場合)は、ステップS2412に進み、今回の全停止時コマンドとしてポイント付与コマンド(図42のステップS1711)を受信しているか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、第2ATモード移行抽選に当選することなく第1ATモードが終了した場合、主制御装置101においてポイント付与抽選を行うように構成されており、本ステップは、そのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。ポイント付与コマンドを受信している場合は、ステップS2413にてポイント用処理を実行する。
ステップS2413の実行後又はステップS2412で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS2414にて今回のゲームで第1ATモード終了演出(疑似ボーナス終了演出)が行われるように補助表示部65等を制御する。第1ATモード終了演出では、例えば、図55(b)に示すように、補助表示部65にて「BONUS END」等の疑似ボーナスが終了したことを報知する文字表示のほか、疑似ボーナス中に獲得したメダル枚数等の実績を報知する文字表示を行う。
上記ステップS2409で否定判定した場合(第1AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2415に進み、今回の全停止時コマンドとして第2AT終了コマンド(図41のステップS1612)を受信しているか否かを判定する。第2AT終了コマンドを受信している場合は、ステップS2416にて今回のゲームで第2ATモード終了演出(RUSH終了演出)が行われるように補助表示部65等を制御する。第2ATモード終了演出では、例えば、図55(d)に示すように、補助表示部65にて「RUSH
END」等の第2ATモードが終了したことを報知する文字表示のほか、ATモードの継続ゲームや第1ATモード及び第2ATモードで獲得した総メダル枚数等の実績を報知する文字表示を行う。
上記ステップS2415で否定判定した場合(第2AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS2417にて今回の全停止時コマンドとしてポイント付与コマンド(図42のステップS1711)を受信しているか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、第1ATモード移行抽選に当選することなく600ゲームを消化した場合、主制御装置101においてポイント付与抽選を行うように構成されており、本ステップは、そのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。ポイント付与コマンドを受信している場合は、ステップS2418にてポイント用処理を実行する。
ステップS2417で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS2419にて今回の全停止時コマンドとして初期化コマンド(図46のステップS2110)を受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合は、ステップS2420にて、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている蓄積ポイントの情報を消去する処理を実行する。蓄積ポイントは、主制御装置101にて管理される合計ポイントに対応するものであり、具体的には合計ポイントと同じ値を示すものである。つまり、貯まっているポイントをサブ制御装置81側でCPU181が把握するためのものである。なお、本実施の形態では、蓄積ポイントと別に保持ポイントの情報をRAM183に記憶して管理する構成となっているが、この保持ポイントについては、初期化コマンドを受信した場合であっても、消去せずに保持する。保持ポイントの詳細については後述する。
上記ステップS2419で否定判定した場合(初期化コマンドを受信していない場合)は、ステップS2421にて今回の全停止時コマンドとして第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信しているか否かを判定する。これらのコマンドを受信している場合は、ステップS2422にて今回のゲームでボーナス終了演出が行われるように補助表示部65等を制御する。
ステップS2402、ステップS2406、ステップS2408、ステップS2411、ステップS2414、ステップS2416、ステップS2418、ステップS2420若しくはステップS2422の処理を実行した後、又はステップS2421で否定判定した場合は、ステップS2423にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2423では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<ポイント用処理>
ステップS2313、ステップS2405、ステップS2413、ステップS2418のポイント用処理について図51(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2601では、主制御装置101から受信したポイント付与コマンドに基づいて合計ポイント(主制御装置101側で貯まっているポイント数)を特定し、蓄積ポイントを把握する。なお、区別のために名称を異ならせているが、合計ポイントと蓄積ポイントは同じ情報を示すものである。ステップS2602では蓄積ポイントを更新する処理を実行する。具体的には、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている蓄積ポイント(前回の蓄積ポイント)を上記ステップS2601で把握した今回の蓄積ポイントに書き換える。
ステップS2603では、上記ポイント情報記憶エリア183dに記憶されている保持ポイントを読み出して把握する処理を実行する。保持ポイントは、当該ポイントが初期値(0)とされてから現在までの期間における蓄積ポイント(合計ポイント)の最高値を示すものである。既に説明したように、合計ポイントは有利区間が終了するごとに初期値(0)とされるところ、保持ポイントは、各有利区間で得られた合計ポイントのうち最も高いポイント数を示すものとなっている。例えば、前々回の有利区間での合計ポイントが3ポイントであり、前回の有利区間での合計ポイントが1ポイントであり、今回の有利区間において現在までの合計ポイントが2ポイントである場合、保持ポイントは3ポイントとなる。
ステップS2604では、上記ステップS2601で把握した蓄積ポイントの値が上記ステップS2603で把握した保持ポイントの値より大きいか否かを判定する。蓄積ポイントが保持ポイント以下である場合は、そのまま本ポイント用処理を終了する。一方、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい場合、すなわち、それまでの最高値よりも大きい蓄積ポイントが把握されている場合は、ステップS2605に進み、保持ポイントを更新する処理を実行する。具体的には、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている保持ポイントを上記ステップS2601で把握した蓄積ポイントに書き換える。
ステップS2606では、ポイント示唆演出を行う否かを抽選する演出実行抽選処理を行う。演出実行抽選処理では、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタと、ポイント示唆演出の有無を振り分けるための抽選テーブルとに基づいてポイント示唆演出の実行抽選を行う。ポイント示唆演出は、その時点での蓄積ポイント(合計ポイント)を示唆するものであるが、その詳細については後述する。なお、実行抽選での当選確率は特に限定されるものではなく、任意に設定することができるが、本実施の形態に係る各種ポイント付与契機は頻繁に成立するものではなく、ポイント示唆演出の機会も少なめとなっているため、実行当選の確率が非当選の確率よりも高くなるように設定されている。
ステップS2607では、ステップS2606の演出実行抽選処理においてポイント示唆演出の実行に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップS2608に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグをセットする。示唆演出フラグは、ポイント示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ステップS2608の実行後又はステップS2607で否定判定した場合(ポイント示唆演出の実行に当選していない場合)は、本ポイント用処理を終了する。
<放出用処理>
ステップS2411の放出用処理について図51(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2701では、蓄積ポイントをクリア(初期化)する処理を実行する。具体的には、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている蓄積ポイントの値を初期値(0)に変更するか、当該ポイントの情報を消去する。ステップS2702では、上記ポイント情報記憶エリア183dに記憶されている保持ポイントの値を初期値に変更するか、当該ポイントの情報を消去するかして保持ポイントをクリア(初期化)する。すなわち、保持ポイントは、合計ポイントが特典付与値に到達した場合、換言すれば、特典付与値への到達に基づく特典が付与される場合に初期化され、次の到達に至るまでの期間に亘って保持される。
次いでステップS2703にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに放出演出フラグをセットし、その後、本放出用処理を終了する。放出演出フラグは、ポイント放出演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。ポイント放出演出の詳細については後述する。
<ポイント演出実行用処理>
ステップS2314(図49)のポイント演出実行用処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2801では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグがセットされているか否かを判定する。示唆演出フラグがセットされている場合、すなわち、ポイント示唆演出を実行すべき状況である場合は、ステップS2802にて示唆演出フラグをクリアし、その後、ステップS2803にて、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから種別抽選用テーブルを取得する。
ここで、ポイント示唆演出について説明する。ポイント示唆演出は、ポイントが付与されたことに加え、その時点で貯まっている蓄積ポイント(合計ポイント)を報知するものとなっている。その際、貯まっている蓄積ポイントの報知は、ポイント数を示す数値等を明示するのではなく、補助表示部65に表示するアニメーション映像によって示唆するに留まるものとなっている。
ポイント示唆演出では、図56に示すように、補助表示部65にて複数の泡画像が表示され、それらの大きさによって蓄積ポイントの程度が示唆される。これら泡画像は、ゲームが開始される場合(スタートレバー41が操作された場合)に、補助表示部65の表示画面の下方から上方に向けて上昇するように表示され、また、泡画像が表示される際には、スピーカ64から所定の効果音が出力される。本実施の形態では、ポイント示唆演出の種別(態様)として、泡小演出(図56(a))、泡中演出(図56(b))、泡大演出(図56(c))及び泡特大演出(図56(d))からなる4つを設けている。
図56(a)に示すように、泡小演出は、極小サイズの泡画像201と小サイズの泡画像202とが表示されるものであり、蓄積ポイント数が少ないことを示唆するものとなっている。図56(b)に示すように、泡中演出は、小サイズの泡画像202と中サイズの泡画像203とが表示されるものであり、蓄積ポイント数が中程度であることを示唆するものとなっている。図56(c)に示すように、泡大演出は、中サイズの泡画像203と大サイズの泡画像204とが表示されるものであり、蓄積ポイントが多く貯まっており、特典付与値まであと僅かであることを示唆するものとなっている。図56(d)に示すように、泡特大演出は、泡画像204よりも大きい特大サイズの泡画像205が表示されるものであり、蓄積ポイントが特定付与値に到達したことを示唆するものとなっている。
ステップS2803で取得する示唆演出用テーブルは、上記各泡演出のうちのいずれを実行するかを抽選するためのものである。種別抽選用テーブルでは、図53に示すように、その時点での保持ポイントのポイント数と各泡演出の選択確率とが設定されており、保持ポイントが多いほど、上位の泡演出が選択されやすくなっている。一例を挙げると、保持ポイントが1ポイントである場合は、演出なし(ポイント示唆演出の不実行)と泡小演出とのいずれかが選択され、その際、演出なしよりも泡小演出が選択されやすくなっている。
なお、ポイント示唆演出は、泡演出に限定されるものではなく、他のアニメーションや静止画を用いたものであってもよい。また、その種別数も4個に限定されるものではなく、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
ステップS2803の実行後はステップS2804にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する種別抽選を実行する。本ステップでは、上記取得した種別抽選用テーブルと、図51のステップS2605で更新した保持ポイントと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいてポイント示唆演出の種別を抽選する処理を実行する。この際、保持ポイントと蓄積ポイントは同じ値となっているため、本ステップにおける抽選処理は、上記種別抽選用テーブルと、その時点での蓄積ポイントと、抽選用のカウンタとに基づいて行うということもできる。
ステップS2805では、上記ステップS2804で選択された種別のポイント示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。続くステップS2806では、上記設定された演出データに基づき、上記抽選されたポイント示唆演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。ステップS2806の実行後は本ポイント示唆演出実行用処理を終了する。
なお、本実施の形態では、ポイント示唆演出をゲーム開始時に実行するが、ゲームの開始タイミングから所定時間が経過した場合や、ゲーム開始後に所定の停止操作(例えば第1停止操作)が行われた場合、ゲーム終了時(最終停止操作が行われた場合)に実行する構成としてもよい。これらの場合、サブ制御装置81では、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、対応するタイミングにて当該演出データを読み出し、読み出したデータにて演出が行われるように、対応する報知手段を制御する。
上記ステップS2801で否定判定した場合(示唆演出フラグがセットされていない場合)は、ステップS2807に進み、上記各種フラグ格納エリア183aに放出演出フラグがセットされているか否かを判定する。放出演出フラグがセットされている場合、すなわち、ポイント放出演出を実行すべき場合は、ステップS2808にて放出演出フラグをクリアし、その後、ステップS2809にて、ポイント放出演出を実行するための演出データを設定する。
ポイント放出演出は、蓄積ポイント(合計ポイント)が特典付与値に到達したことにより、貯まっていたポイントが放出されて特典が付与されたことを報知するものである。本実施の形態では、第2ATモードへの移行を特典としており、また、その移行タイミング(特典の付与タイミング)を第1ATモードの終了時としている。これを踏まえ、ポイント付与演出を次のように構成している。先ず、遊技者に対して一旦、第1ATモードが終了したと見せかけるべく、図57(a)に示すように、補助表示部65にて第1ATモードの終了報知を行う。その後、図57(b)に示すように、多数の泡画像205(特大サイズの泡画像)が表示画面の下方から上昇するように表示され、それらの泡画像205により第1ATモードの終了画面が視認不能又は視認困難となるように覆い隠される。そして、全ての泡画像205が表示画面の上方に消え去ることで、図57(c)に示すように、第2ATモード開始報知が現れ、これにより、第2ATモードへの移行を報知する。
なお、ポイント放出演出の態様は、上記に限定されるものではなく、特典付与値への到達に基づいて特典が付与されたことを遊技者が認識できるものであれば、他の態様であってもよい。
続くステップS2810では、上記設定された演出データに基づき、ポイント放出演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。なお、本実施の形態では、ポイント放出演出をゲーム開始時に実行するが、ゲームの開始タイミングから所定時間が経過した場合や、ゲーム開始後に所定の停止操作(例えば第1停止操作)が行われた場合、ゲーム終了時(最終停止操作が行われた場合)に実行する構成としてもよい。ステップS2810の実行後又はステップS2807で否定判定した場合(放出演出フラグがセットされていない場合)は、本ポイント示唆演出実行用処理を終了する。
<ポイント示唆演出の流れ>
ポイント示唆演出の流れについて図58を参照しながら説明する。ここでは、合計ポイント(蓄積ポイント)が0ポイントの状態で1回目の有利区間Aが開始されたものとする。また、ポイントが付与された場合の演出実行抽選(ポイント示唆演出を実行するか否かの抽選)では、いずれも当選し、その際の演出種別は選択確率が高い側の種別が選択されたものとする。
タイミングt1において有利区間Aが開始された後、タイミングt2において第1ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了してポイント付与抽選の実行契機が成立すると、ポイント付与抽選が実行される。その際、1ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが1ポイントに更新されるとともに(図42のステップS1710)、サブ制御装置81において保持ポイントが1ポイントに更新される(図51(a)のステップS2605)。
また、タイミングt2では、ポイントが付与されたことに伴い、ポイント示唆演出の種別を抽選する種別抽選が実行される。この場合、保持ポイントは1ポイントであるため、ポイント示唆演出の態様として演出なしとするか、泡小演出とするかが抽選される(図53)。その結果、ポイント示唆演出として泡小演出が選択されたとすると、図58(a)に示すように、補助表示部65等にて泡小演出が実行される。これにより、ポイントが付与されたこと、その際の合計ポイント数はまだ少ないものであることが示唆される。なお、ポイント示唆演出は、全ての泡画像が表示画面を通り過ぎた時点で終了し、その期間は1ゲームの期間よりも短く設定されている。すなわち、ポイント示唆演出は、ゲーム開始に合わせて開始された後、そのゲームの途中で終了する。
その後、有利区間Aの途中タイミングであるタイミングt3において、ハマリゲーム数が600ゲームに達してポイント付与抽選の実行契機が成立すると、再び付与抽選が実行される。当該付与抽選により2ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが3ポイントに更新される。その際、サブ制御装置81では、その時点での蓄積ポイント(3ポイント)が保持ポイント(1ポイント)よりも大きいことに基づいて、保持ポイントが3ポイントに更新される(図51(a)のステップS2601~ステップS2605)。
また、タイミングt3では、ポイントが付与されたことに伴い種別抽選が実行される。この場合に付与されたポイント数は2ポイントであるが、種別抽選は、保持ポイント側のポイント数(3ポイント)を基準として実行される。その結果、図58(b)に示すように、補助表示部65等にて泡中演出が実行される。これにより、ポイントが付与されたこと、その際の合計ポイント数が中程度であること、換言すれば、貯まっているポイントが増えたことが示唆される。
タイミングt4において、第2ATモード移行抽選に当選することなく第1ATモードが終了すると、有利区間Aが終了する。それに伴い、主制御装置101において初期化処理(図46のステップS2109)が実行され、合計ポイントの値が初期値(0)とされる。その際、サブ制御装置81においても蓄積ポイントが初期値(0)とされるが、保持ポイントについては初期化されず、有利区間Aの終了時における値(3)がそのまま維持される。
タイミングt5において新たな有利区間Bが開始されると、主制御装置101においてポイント付与抽選が実行される(図45のステップS1904)。その抽選で1ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが1ポイントに更新される。その際、サブ制御装置81では、その時点での蓄積ポイント(1ポイント)と保持ポイント(3ポイント)とが比較されるが、蓄積ポイントの値が保持ポイントを超えていないため、保持ポイントは更新されず、3ポイントのままとされる。また、蓄積ポイントが保持ポイント以下であることに基づいてポイント示唆演出の実行が制限され、ポイント示唆演出が不実行とされる(図51(a)のステップS2604)。すなわち、蓄積ポイント(合計ポイント)が1ポイントであることに対応した示唆演出は実行されない。
なお、上記の場合では、合計ポイントの初期化を経た後、ポイント示唆演出の最初の実行契機にて当該演出の実行が制限されているが、現在の蓄積ポイントが保持ポイント以下となる状況(換言すれば、ポイント示唆演出の実行が制限されるべき状況)は、合計ポイントの初期化により始まることを考慮すると、演出実行の制限状態は、合計ポイントが初期化された場合に開始されるということもできる。
タイミングt6において、第2ATモード移行抽選に当選することなく第1ATモードが終了すると、有利区間Bが終了し、合計ポイントが初期値とされる。その直前の付与抽選で1ポイントが付与され、合計ポイント(蓄積ポイント)が2ポイントになったとしても、その時点での蓄積ポイントは依然として保持ポイントよりも小さいため、保持ポイントが更新されず、ポイント示唆演出も不実行とされる。つまり、ポイント示唆演出の実行制限が維持される。
タイミングt7において有利区間Cが開始された後、タイミングt8においてポイント付与抽選の契機が成立し、4ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが4ポイントとされる。それに伴い、サブ制御装置81側での蓄積ポイントがその時点での保持ポイント(3ポイント)よりも大きくなるため、保持ポイントが4ポイントに更新される。
また、タイミングt8では、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きくなったことに基づき、ポイント示唆演出の実行制限が解除され、種別抽選が実行される。その結果、図58(c)に示すように、補助表示部65等にて泡大演出が実行され、ポイントが付与されたこと、その際の合計ポイント数が大きくなっていることが示唆される。この際、実際の合計ポイントの変化は、一旦初期化されて0ポイントになってから1回の付与抽選で4ポイントまで増えたものであるが、蓄積ポイントが保持ポイント未満である間のポイント示唆演出が不実行とされていることで、遊技者の目線では、あたかも前回のポイント示唆演出(タイミングt3)で示唆された数値から合計ポイントが増えたかのように見える。
タイミングt9において再びポイント付与抽選の契機が成立し、1ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが5ポイントに更新されるとともに、サブ制御装置81において保持ポイントが5ポイントに更新される。また、タイミングt9では、保持ポイントが5ポイントであることに対応した種別抽選が実行され、図58(d)に示すように、補助表示部65等にて泡特大演出が実行される。これにより、合計ポイントが特典付与値に到達したことが示唆される。
タイミングt10において第1ATモードが終了し、特典付与契機が到来すると、特典(第2ATモードへの移行)が付与される。これに伴い、主制御装置101では合計ポイントが初期化され(図40のステップS1508)、サブ制御装置81においても保持ポイントが初期化される(図51(b)のステップS2702)。この際、補助表示部65等ではポイント放出演出(図57)が実行され、特典付与値への到達に基づく特典の付与が報知される。
<電源投入時の内部状態について>
既に説明したように本実施の形態に係るスロットマシン10では、2枚内部状態(第2BB当選フラグがセットされた状態)である状況で遊技者が3ベットゲームを行うことを前提として遊技設計がなされている。このため、3枚内部状態(第1BB当選フラグがセットされた状態)や第1BB状態、第2BB状態で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。
例えば、第1BB状態や第2BB状態では、表示モード用の処理(指示機能用の処理)が実行されず、またメダルの増減も生じないようにしてゲームが進められる。これら各BB状態は、ボーナス状態中の払い出し枚数が所定数(例えば90)に達するまで継続される。このため、それらのBB状態でスロットマシン10が立ち上がり、その状態で遊技者が遊技を開始すると、ATモード等への移行抽選を受けられず、メダルの増減も生じない状態での遊技を各BB状態が終了するまでの複数ゲームに亘って強いられることになる。
また、3枚内部状態では、3ベットゲームを行うことにより第1BB入賞が成立可能となり、第1BB入賞が成立した場合には第1BB状態に移行する。3枚内部状態での規定ベット数(遊技を開始させることが可能な賭数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームのいずれで遊技するかは遊技者に委ねられている。しかしながら、これから遊技を始める遊技者は3枚内部状態であることを把握しておらず、特に意識しない限りは3枚以上のメダルを投入して遊技を開始すると考えられる。このため、3枚内部状態でスロットマシン10が立ち上がり、その状態で遊技が開始される場合には、3ベットゲームで遊技が行われる可能性が高く、第1BB入賞が成立して第1BB状態に移行することが見込まれる。そして、第1BB状態に移行した場合には、上述のように、ATモード等への移行抽選を受けられず、メダルの増減も生じない状態での遊技を複数ゲームに亘って強いられることになる。
ちなみに3枚内部状態である状況では2ベットゲームを行うことで、第1BB入賞の成立(延いては第1BB状態への移行)を回避することができる。しかしながら、表示モード用の処理が実行されないため、遊技者からすると、ATモード等への移行抽選を受けられないことになる。つまり、2枚内部状態である状況で3ベットゲームを行う場合に比べて不利な状況での遊技となる。
また、2枚内部状態と3枚内部状態のいずれでもない非内部状態で遊技が開始される場合には、これから遊技を始める遊技者は非内部状態であることを把握していないことに加え、遊技者において3枚以上のメダル投入が習慣化されていることから、3ベットゲームで遊技が行われる可能性が高い。つまり、非内部状態で遊技が開始された後、第1BB役に当選して3枚内部状態となり、その後は、第1BB入賞が成立して第1BB状態に移行することが見込まれる。そして、第1BB状態に移行した場合には、上述のように、ATモード等への移行抽選を受けられず、メダルの増減も生じない状態での遊技を複数ゲームに亘って強いられることになる。さらに、第1BB状態の終了後は3枚内部状態がクリアされて再び非内部状態に移行するため、第1BB当選→第1BB入賞→第1BB状態の流れが繰り返されるおそれがある。
このように2枚内部状態でない状況(2枚内部状態の持ち越し状態ではない状況)で遊技が開始されると、遊技者において不利な状況での遊技を強いられることが想定される。そこで、本実施の形態では、そのような状態での遊技の開始が抑制されるように構成が工夫されている。以下、かかる構成について詳細に説明する。
<第1RAMクリア処理>
主制御装置101のCPU102にて実行される第1RAMクリア処理について図59を参照しながら説明する。第1RAMクリア処理は、図17のメイン処理におけるステップS18にて実行されるものであり、前面扉12が開放されつつ設定キーがオン操作された状態でスロットマシン10の電源が投入された場合に実行されるものである。
第1RAMクリア処理では、先ずステップS5201にてRAM異常が設定されているか否かを判定する。RAM異常は、電源投入時において、停電フラグがセットされていない、RAM判定値が正常ではない、設定値が正常ではないのうちのいずれかに該当した場合に設定される(図17のステップS15)。
RAM異常が設定されていない場合は、ステップS5202にてRAM106の各種フラグ格納エリア106d(保存用エリア)に第2BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。第2BB当選フラグは、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であることをCPU102が把握するためのものであり、ステップS5202の処理は、2枚内部状態であるか否かを判定するものとなる。
第2BB当選フラグがセットされていない場合は、ステップS5203に進み、各種フラグ格納エリア106d(通常用エリア)に第1BB当選フラグがセットされているか否かを判定する。第1BB当選フラグは、第1BB役の当選状態(3枚内部状態)であることをCPU102が把握するためのものであり、ステップS5203の処理は、3枚内部状態であるか否かを判定するものとなる。
第1BB当選フラグがセットされている場合には、ステップS5204に進み、各種フラグ格納エリア106dにセットされている第1BB当選フラグをクリアする。これにより、3枚内部状態から非当選状態に移行する。
ステップS5204の実行後又はステップS5202で肯定判定した場合(第2BB当選フラグがセットされている場合)は、ステップS5205にて、各種フラグ格納エリア106dに第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。第1BB状態フラグは第1BB状態であること、第2BB状態フラグは第2BB状態であることをそれぞれCPU102が把握するためのものである。なお、第2BB状態フラグは、第2BB当選フラグとは異なり、各種フラグ格納エリア106dの通常用エリアに格納される。
第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされている場合、すなわち、第1BB状態又は第2BB状態のいずれかである場合は、ステップS5206に進み、セットされているBB状態フラグをクリアする。これにより、ボーナス状態がクリアされる。
ステップS5206の実行後、ステップS5203で否定判定した場合(第2BB当選フラグ及び第1BB当選フラグのいずれもセットされていない場合)、又はステップS5205で否定判定した場合(第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない場合)は、ステップS5207にて、RAM106の使用領域に記憶された他のデータ(設定値を示す設定値情報等)をクリアし、その後、第1RAMクリア処理を終了する。
ステップS5201で肯定判定した場合(RAM異常が設定されている場合)は、ステップS5208に進み、強制的RAMクリア処理を実行する。強制的RAMクリア処理では、各種フラグ格納エリア106dの通常用エリアや、フラグ以外のデータが記憶されている使用領域のほか、第2BB当選フラグが格納される各種フラグ格納エリア106dの保存用エリアも対象にしてデータクリア処理を実行する。このため、第2BB当選フラグがセットされた2枚内部状態でスロットマシン10の電源が遮断され、その後、電源投入された際にRAM異常が設定された場合には、第2BB当選フラグがクリアされて非内部状態に移行する。ステップS5208の実行後は第1RAMクリア処理を終了する。
<設定変更処理>
ステップS19(図17)の設定変更処理について図60のフローチャートを参照しながら説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定変更処理は、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。この設定変更処理は、メイン処理において上記第1RAMクリア処理の後に実行される。
先ずステップS5301では、電源投入(電断状態からの復帰)を通知すべくサブ制御装置81に復電コマンドを送信する。復電コマンドには、復電したことを示す復電情報のほか、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを示すBB状態情報が含まれる。このことは、図17のステップS23で送信される復電コマンドについても同様である。
なお、本設定変更処理の前に行われる第1RAMクリア処理によりRAM106の各種フラグ格納エリア106d(通常用エリア)に格納される第1BB状態フラグや第2BB状態フグが初期値にクリアされるため、ステップS5301で送信される復電コマンドでは、第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない非BB状態であることに対応したBB状態情報が設定される。これに対し、ステップS23の復電コマンドの送信処理は、RAMクリア処理を経由せずに実行されるため、第1BB状態又は第2BB状態である状況で電源が遮断され、その後に復電した場合には、当該復電コマンドにおいて、第1BB状態又は第2BB状態であることに対応したBB状態情報が設定される。BB状態情報の値としては、第1BB状態であることに対応した値と、第2BB状態であることに対応した値と、それら各BB状態のいずれでもない非BB状態であることに対応した値とが準備されている。
ステップS5302では、設定変更開始コマンドをサブ制御装置81に送信する。設定変更開始コマンドは、設定変更が行われることを通知するためのコマンドである。
ステップS5303では、次回のタイマ割込みを許可し、ステップS5304では、現在の設定値を読み込む。ステップS3505では、ステップS5304で読み込んだ設定値に基づき、現在の設定値をクレジット表示部60に表示する。本設定変更処理の前に行われる第1RAMクリア処理により設定値情報が初期値にクリアされているため、この時点での設定値は「設定値1」となり、クレジット表示部60には設定値1に対応する表示が行われる。
ステップS5306では、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合は、ステップS5307にて、リセットスイッチ72がオン操作されたか否かを判定する。
リセットスイッチ72がオン操作されている場合は、ステップS5308に進み、現在の設定値に対して設定値を1更新する。例えば、現在の設定値が「1」である場合、設定値を「2」に変更する。ステップS5308の実行後は、ステップS5305に戻って変更後の設定値をクレジット表示部60に表示し、その後、ステップS5306以降の処理を繰り返す。つまり、リセットスイッチ72がオン操作される毎に設定値が1ずつ更新され、更新された設定値がクレジット表示部60に表示される。なお、設定値が「6」の状態でリセットスイッチ72がオン操作された場合は、設定値が「1」に変更される。
ステップS5307で否定判定した場合(リセットスイッチ72がオン操作されていない場合)は、設定値を更新することなく、ステップS5305以降の処理を実行する。
ステップS5306で肯定判定した場合(スタートレバー41がオン操作された場合)は、ステップS5309に進み、設定キーのオン状態が継続しているか否かを判定する。オン状態が継続している場合(設定キーのオフ操作が行われてない場合)は、オン状態が終了するまで待機する。オン状態が終了した場合(設定キーのオフ操作が行われた場合)は、ステップS5310にて、設定変更操作が終了したと認識して現在の設定値を示す設定値情報をRAM106に保存する。
ステップS5311では、設定変更終了コマンドをサブ制御装置81に送信する。設定変更終了コマンドは、設定変更が終了したことを通知するためのコマンドである。この設定変更終了コマンドには、設定変更が終了したことを示す設定変更終了情報のほか、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかを示す内部状態情報が含まれる。内部状態情報の値としては、第1BB役の当選状態(3枚内部状態)であることに対応した値と、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であることに対応した値と、それら各状態のいずれでもない非内部状態であることに対応した値とが準備されている。
なお、設定変更が終了する状態には、リセットスイッチ72を操作して実際に設定値を変更し、その変更後の設定値をスタートレバー41の操作により確定させる場合のほか、リセットスイッチ72を操作することなく(設定値を変更することなく)、設定変更の許容状態を終了させる場合も含まれる。そのような場合としては、例えば、設定キーをオン状態として電源投入することで、現在の設定値をクレジット表示部60に表示させて確認し、その後、設定キーをオフ状態として設定変更の許容状態を終了させるものなどがある。
ステップS5311の実行後はステップS5312にて、次回のタイマ割込みを禁止する。ステップS5313では、第2RAMクリア処理を実行する。第2RAMクリア処理では、保存用エリアに格納された第2BB当選フラグと、RAM106に保存された設定値情報とを除き、RAM106の使用領域に記憶されているデータをクリアする。
ステップS5313の実行後は設定変更処理を終了する。こうして設定変更処理が終了すると、図17のメイン処理に示すように、ステップS20の通常処理に移行する。通常処理では、図18に示すように、ステップS210の抽選処理やステップS211のリール制御処理を実行する。よって、設定変更が終了する前段階では、スタートレバー41を操作しても役抽選が行われず、各リール32L~32Rを回転させることもできない。すなわち、設定変更中は遊技(ゲーム)を行うことができない。
<センサ監視処理>
図16のステップS107で実行されるセンサ監視処理について図61のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは、センサ監視処理で実行される各種処理のうち、前面扉12の開閉に関連する処理について説明する。
ステップS5401では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグがセットされているか否かを判定する。扉開放フラグは、前面扉12が開放されていることをCPU102が把握するためのものである。
扉開放フラグがセットされていない場合は、ステップS5402にて扉開放センサ27がオン状態であるか否かを判定する。扉開放センサ27は前面扉12が開放された場合にオン状態となるため、ステップS5402の処理は、前面扉12が閉鎖状態から開放状態に切り替えられたか否かを判定するものとなる。
扉開放センサ27がオン状態である場合は、ステップS5403にて、扉開放コマンドをサブ制御装置81への出力対象として設定する。扉開放コマンドは、前面扉12が開放されたことを通知するためのコマンドである。ステップS5403で設定された扉開放コマンドは、タイマ割込み処理(図16)におけるステップS110のコマンド出力処理にてサブ制御装置81に送信される。続くステップS5404では、各種フラグ格納エリア106dに扉開放フラグをセットする。
ステップS5401で肯定判定した場合(扉開放フラグがセットされている場合)は、ステップS5405に進み、扉開放センサ27がオフ状態であるか否かを判定する。すなわち、前面扉12が開放状態から閉鎖状態に切り替えられたか否かを判定する。
扉開放センサ27がオフ状態である場合は、ステップS5406にて、扉閉鎖コマンドをサブ制御装置81への出力対象として設定する。扉閉鎖コマンドは、前面扉12が閉鎖されたことを通知するためのコマンドである。ステップS5406で設定された扉閉鎖コマンドは、ステップS110のコマンド出力処理にてサブ制御装置81に送信される。続くステップS5407では、各種フラグ格納エリア106dにセットされている扉開放フラグをクリアする。
ステップS5404の実行後、ステップS5407の実行後、ステップS5402で否定判定した場合(扉開放センサ27がオン状態でない場合)、又はステップS5405で否定判定した場合(扉開放センサ27がオフ状態でない場合)は、ステップS5408にてその他のセンサ監視処理を実行する。その他のセンサ監視処理では、ストップ検出センサ42a~44a等の扉開放センサ27以外のセンサの状態を読み込むなどの処理を実行する。
次に、サブ制御装置81のCPU181にて実行される各種処理について説明する。
<電源立ち上げ処理>
電源立ち上げ処理について図62のフローチャートを参照しながら説明する。電源立ち上げ処理は、スロットマシン10の電源がオン状態とされた場合に実行されるものである。
ステップS5501では電源投入に伴う初期設定処理を実行し、ステップS5502ではRAM183へのアクセスを許可する。ステップS5503ではRAM183の使用領域を0にクリアし、ステップS5504では初期化処理を実行する。初期化処理では、上部ランプ部63、スピーカ64、補助表示部65及び下表示部69に対する出力の初期化処理などを実行する。ステップS5504の実行後は、後述するメイン処理に移行する。
<メイン処理>
メイン処理について図63のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5601では、電源投入報知処理を実行する。この電源投入報知処理は、スロットマシン10の電源が投入された場合にのみ実行される。
電源投入報知処理では、スロットマシン10の電源が投入されたことに対応した電源投入報知が実行されるように、上部ランプ部63、スピーカ64及び補助表示部65を制御する。電源投入報知としては、補助表示部65等を用いた電源投入表示と、スピーカ64を用いた電源投入報知音の出力とを実行する。電源投入表示では、例えば「電源が投入されました」などのメッセージ表示を補助表示部65に表示するとともに、電源投入時用の表示色や表示パターンに設定された所定の発光態様で上部ランプ部63を発光させる。また、電源投入報知音の出力では、例えば「電源が投入されました」などの音声がスピーカ64を介して繰り返し出力される。これら電源投入表示及び報知音出力は、電源投入からの経過期間が所定期間に達するまで継続して実行される。
なお、設定キーをオン状態として電源が投入された場合は、電源投入報知音の出力は行わず、代わりに後述する設定変更報知音を出力する。すなわち、電源投入報知音が出力されるのは、設定キーをオフ状態として電源が投入された場合となる。
ステップS5601の実行後は、ステップS5602にて外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、前回のメイン処理で設定した各種信号(上部ランプ部63、スピーカ64、補助表示部65及び下表示部69を駆動制御するための制御信号等)を送信したりする。ステップS5603では、RAM183の各種カウンタエリア83bに設けられるカウンタ値を更新するカウンタ更新処理を実行する。このカウンタ値は、上述した付与ポイントの抽選等に用いられる。
ステップS5604ではコマンド判定処理を実行する。サブ制御装置81のメイン処理は主制御装置101のタイマ割込み処理(図16)や通常処理(図17)と非同期に実行されることから、主制御装置101からのコマンドを受信するコマンド受信処理自体は、図示しない割込み処理により実行される。当該割込み処理により受信した各種コマンドは、RAM183に設けられたコマンド格納エリア183eに格納される。コマンド格納エリア183eは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。よって、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行することができる。
ステップS5604では、コマンド格納エリア183eを参照して主制御装置101からコマンドを受信しているか否かを判定するとともに、コマンドを受信している場合、その受信コマンドがいずれのコマンドであるかを判定する。
ステップS5604の実行後は、ステップS5605~ステップS5607にて、設定変更用処理、内部状態報知用処理及び扉開放報知用処理を実行する。これら各処理の詳細については後述する。
ステップS5608ではエラー報知用処理を実行する。エラー報知用処理では、メダル投入エラーやメダル払出エラー(ホッパエンプティエラー)、予備タンク満杯エラー等の各種異常を示すエラーコマンドを主制御装置101から受信することに基づき、それら各種異常に対応したエラー報知が行われるように上部ランプ部63、スピーカ64及び補助表示部65等を制御する。
ステップS5609では、図48を参照して説明した演出設定処理を実行する。ステップS5610では、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち今回のメイン処理の開始から所定時間(2msec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過している場合は、ステップS5602に戻り、ステップS5602以降の処理を実行する。一方、所定時間が経過していない場合は、当該所定時間が経過するまで処理を待機する。
<設定変更用処理>
ステップS5605の設定変更用処理について図64のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置101での設定変更処理(図60)に対応させて実行されるものであり、設定変更中であることの報知である設定変更報知を行ったりするためのものである。
ステップS5701では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する。設定変更中フラグは、設定変更中であることをCPU181が把握するためのものである。設定変更フラグがセットされていない場合は、ステップS5702にて、今回の受信コマンドとして設定変更開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
設定変更開始コマンドを受信している場合、すなわち、設定変更が開始された場合には、ステップS5703に進み、設定変更報知音の設定処理を行う。設定変更報知音は、設定変更中であることを聴覚的に報知するものであり、設定変更報知音による報知は、例えば「設定変更中です」等の音声がスピーカ64から放出されるようにして行われる。ステップS5703では、設定変更報知音の出力を開始するようにスピーカ64を制御する。これにより、設定変更中であること、換言すれば、設定変更操作の受付状態であることが報知される。
ちなみに設定変更用表示(補助表示部65上での視覚的な報知)は行わない。すなわち、設定変更操作を行うにはスロットマシン10の電源を投入する必要があるため、設定変更操作を開始する時点では、補助表示部65に電源投入表示がなされているところ、本実施の形態では、設定変更操作が開始された以後も上記電源投入表示を継続して行うようにしている。
ステップS5703の実行後は、ステップS5704にて各種フラグ格納エリア183aに設定変更中フラグをセットする。ステップS5704の実行後又はステップS5702で否定判定した場合(設定変更開始コマンドを受信していない場合)は、設定変更用処理を終了する。
ステップS5701で設定変更中フラグがセットされていると判定した場合、すなわち、設定変更中である場合は、今回の受信コマンドとして設定変更終了コマンドを受信しているか否かを判定する。設定変更終了コマンドを受信している場合、すなわち、設定変更が終了した場合は、ステップS5706に進み、設定変更報知(設定変更報知音の出力)を終了するようにスピーカ64を制御する。
ステップS5707では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている設定変更中フラグをクリアし、続くステップS5708では、各種フラグ格納エリア183aに設定変更終了フラグをセットする。設定変更終了フラグは、設定変更が終了したことをCPU181が把握するためのものである。
ステップS5708の実行後又はステップS5705で否定判定した場合(設定変更終了コマンドを受信していない場合)は、設定変更用処理を終了する。
<内部状態報知用処理>
ステップS5606の内部状態報知用処理について図65のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、2枚内部状態でないことに対応した報知である内部状態報知を行うための処理である。
先ずステップS5801では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグがセットされているか否かを判定する。内部状態報知フラグは、内部状態報知の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。なお、内部状態報知の実行中には、後述する内部状態報知音の出力待機状態も含まれる。
内部状態報知フラグがセットされていない場合は、ステップS5802に進み、各種フラグ格納エリア183aに設定変更終了フラグがセットされているか否かを判定する。設定変更終了フラグセットされていない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
一方、設定変更終了フラグセットされている場合、すなわち、ホール従業員による設定変更操作が終了した場合は、ステップS5803にて当該設定変更終了フラグをクリアする処理を実行する。続くステップS5804では内部状態の把握処理を実行する。具体的には、主制御装置101から受信した設定変更終了コマンドに基づき、第1BB役又は第2BB役の当否に関する状態を把握する。既に説明したように、設定変更終了コマンドには、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかや、それらのいずれでもない非内部状態であることを示す内部状態情報が含まれる。
ステップS5805では、ステップS5804で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。第2BB役の当選状態でないと判定した場合は、ステップS5806にて内部状態表示の設定処理を行う。内部状態表示は、第2BB役の当選状態でないことを視覚的に報知するものである。内部状態表示は、電源投入表示が行われる補助表示部65とは異なる報知部にて実行され、具体的には下表示部69を発光させるようにして実行される。下表示部69の発光態様は特に限定されるものではないが、例えば、所定の点滅パターンで下表示部69を点滅させることにより内部状態表示が行われる。ステップS5806では、上記所定の点滅パターンで発光状態と消灯状態とを繰り返すように下表示部69を駆動制御する。
また、ステップS5806では、内部状態表示を継続する期間としての報知期間を設定する。この報知期間は、内部状態表示の上限実行時間を定めるものであり、内部状態表示は、当該表示を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。
ステップS5807では、内部状態報知音の設定処理を行う。内部状態報知音は、第2BB役の当選状態でないことを聴覚的に報知するものであり、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声の報知音がスピーカ64から放出されるようにして行われる。ステップS5807では、内部状態報知音の出力を開始するようにスピーカ64を制御する。これにより、第2BB役の当選状態でないことが報知される。内部状態報知音は、ステップS5807で設定される報知期間に亘って実行される。
ステップS5808では、各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグをセットし、その後、内部状態報知用処理を終了する。
ステップS5801で肯定判定した場合(内部状態フラグがセットされている場合)、すなわち、内部状態報知の実行中である場合は、ステップS5809に進み、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音)を開始してからの経過期間が上記報知期間に達したか否かを判定する。報知期間が経過していない場合には、ステップS5810にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2BB当選コマンドは、主制御装置101にて行われる抽選処理(図18)の結果、第2BB役に当選した場合に送信されるものであり、第2BB役への当選をサブ制御装置81に通知するコマンドである。よって、内部状態報知が実行されている状況で第2BB当選コマンドを受信する場合とは、第2BB役の当選状態ではない状態から第2BB役の当選状態に移行したことを意味する。
ステップS5809で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)、又はステップS5810で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS5811にて、内部状態報知を終了するように下表示部69及びスピーカ64を制御する。ステップS5812では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている内部状態報知フラグをクリアする。ステップS5812の実行後又はステップS5810で否定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信していない場合)は、内部状態報知用処理を終了する。
<扉開放報知用処理>
ステップS5607の扉開放報知用処理について図66のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、前面扉12が開放されていることの報知である扉開放報知を行うための処理である。
ステップS5901では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに扉開放フラグがセットされているか否かを判定する。扉開放フラグは、前面扉12が開放中であることをCPU181が把握するためのものである。
扉開放フラグがセットされていない場合は、ステップS5902に進み、今回の受信コマンドとして扉開放コマンド(ステップS5403)を受信しているか否かを判定する。扉開放コマンドを受信している場合、すなわち、前面扉12が開放されている状況でスロットマシン10の電源が投入された場合や前面扉12が閉鎖状態から開放状態に切り替えられた場合は、ステップS5903にて各種フラグ格納エリア183aに扉開放フラグをセットする。
ステップS5904では、扉開放表示の設定処理を行う。扉開放表示は、前面扉12が開放されていることを視覚的に報知するものである。扉開放表示では、例えば「扉が開いています」などのメッセージ表示を補助表示部65に表示するとともに、扉開放時用の表示色や表示パターンに設定された所定の発光態様で上部ランプ部63を発光させる。ステップS5904では、上記扉開放表示を開始するように補助表示部65及び上部ランプ部63を制御する。
ステップS5905では、扉開放報知音の設定処理を行う。扉開放報知音は、前面扉12が開放されていることを視覚的に報知するものであり、例えば「扉が開いています」等の音声がスピーカ64から出力されるようにして報知を行う。ステップS5905では、扉開放報知音の出力を開始するようにスピーカ64を制御する。ステップS5905の実行後又はステップS5902で否定判定した場合(扉開放コマンドを受信していない場合)は、扉開放報知用処理を終了する。
ステップS5901で肯定判定した場合(扉開放フラグがセットされている場合)は、ステップS5906に進み、今回の受信コマンドとして扉閉鎖コマンド(ステップS5406)を受信しているか否かを判定する。扉閉鎖コマンドを受信している場合は、ステップS5907にて、各種フラグ格納エリア183aにセットされている扉開放フラグをクリアする。ステップS5908では、扉開放報知(扉開放表示及び扉開放報知音)を終了するように上部ランプ部63、スピーカ64及び補助表示部65を制御する。ステップS5908の実行後又はステップS5906で否定判定した場合(扉閉鎖コマンドを受信していない場合)は、扉開放報知用処理を終了する。
<音出力に関するサブ制御装置81の電気的構成について>
音出力に関するサブ制御装置81の電気的構成について図67~図68を参照しながら説明する。
サブ制御装置81には、音の出力を制御するためのサウンドIC184a~184nが設けられている。本実施の形態では、スピーカ64として複数のスピーカ64a~64nが搭載されており、音の出力チャンネルとして複数のチャンネルが設定されている。サウンドIC184a~184nは、各チャンネルごとに設けられており、1つのスピーカ又は高音用と低音用とで対となる2つのスピーカに対して1つずつ配置されている。各サウンドIC184a~184nは、サブ制御装置81のCPU181と各スピーカ64a~64nとの間に設けられ、CPU181からの音声出力指示に基づき、各スピーカ64a~64nから所定の音声が出力されるように制御する。
サブ制御装置81の入力側には、スピーカ64a~64nから放出される音の音量を調整するための音量調整部として第1音量スイッチ255と第2音量スイッチ256とが接続されている。第1音量スイッチ255は、サブ制御装置81の表面部(前面扉12の裏面部)や筐体11の内部などスロットマシン10の内側に配置されており、ホール従業員が操作することを目的に設けられた音量調整部である。一方、第2音量スイッチ256は、前面扉12の前面部などスロットマシン10の外側に配置されており、ホール従業員と遊技者の両方が操作可能な音量調整部である。
サブ制御装置81(CPU181)のROM182には、複数の音データが記憶される音データ記憶エリア185が設けられている。図68(a)に示すように、各音データには、各音データに対して割り当てられる固有の識別情報と、音源となる音源データと、その音源を出力する際の音量を指定する音量情報と、出力チャンネルを指定するチャンネル情報と、優先度(レイヤ)を指定する優先度情報等が含まれる。
このうち、音量情報は、例えば0~99の範囲内で音量を指定するものであり、値が大きいほど出力音量が大きくなる。演出音に関する音量情報は、第1音量スイッチ255又は第2音量スイッチ256が中間値に設定されている場合の音量であり、第1音量スイッチ255又は第2音量スイッチ256を操作することで、音量を変更することが可能になっている。これに対して、設定変更報知音、扉開放報知音、内部状態報知音等の各種警報音に関する音量情報は、固定値となっており、第1音量スイッチ255又は第2音量スイッチ256を操作しても音量を変更することができないようになっている。
優先度情報は、数値によって各音声の優先度を規定するものであり、値が小さいほど優先度が高いことを示すものとなっている。この優先度情報は、同一チャンネル内で複数の音声の出力期間が重複した場合にいずれの音声を優先的に出力するかを定めるものであり、例えば、2種類の音声の出力期間が重複した場合には、上位側の音声のみが出力され、下位側の音声は出力されない。なお、優先度が同じ順位に設定されている複数の音声の出力期間が重複した場合は、それらの音声がミキシング(合成)されて出力される。
また、図67に示すように、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aには音データテーブル記憶エリア186が設けられ、この音データテーブル記憶エリア186には音データテーブルが記憶されている。図68(b)に示すように、音データテーブルでは、各音データに割り当てられた識別情報と対応付けて、各音データの記憶領域(ROM182のアドレス)を示すアドレス情報が記憶されている。
なお、図68(a)、(b)における「音種別」欄の項目は、便宜上付したものであり、音データ記憶エリア185や音データテーブル記憶エリア186に記憶されるものではない。
図67に示すように、サブ制御装置81(CPU181)のRAM183には、再生対象となる音データを記憶するための領域として再生音データ記憶エリア189が設けられている。図68(c)に示すように、再生音データ記憶エリア189には、各出力チャンネルに対応したチャンネル対応エリア189a~189nが設けられている。各チャンネル対応エリア189a~189nでは、複数の音データを記憶可能な容量が確保されており、同一チャンネルで複数の音声が出力対象として設定される場合は、1のチャンネル対応エリア189a~189nにおいて、それぞれの音声データに対応する複数の音データが記憶される。
CPU181では、スピーカ64からの出力音として例えば設定変更報知音を出力する場合、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶されている音データテーブルを参照し、設定変更報知音の音データが記憶されているアドレスを把握する。そして、把握したアドレスに基づいてROM182の音データ記憶エリア189から設定変更報知音の音データを読み出し、RAM183の再生音データ記憶エリア189に書き込む。
その際、音データにおいて、例えば設定変更報知音をチャンネル1とチャンネル2で出力するように指定されている場合には、ROM182から読み出した設定変更報知音の音データを、再生音データ記憶エリア189におけるチャンネル1用のチャンネル対応エリア189aとチャンネル2用のチャンネル対応エリア189bとに書き込む。その後、チャンネル1に対応するサウンドIC184aと、チャンネル2に対応するサウンドIC184bとに対し、音声を出力すべき旨の出力指示信号とともに、設定変更報知音の音データが記憶されているアドレス(RAM183のアドレス)を示すアドレス情報を送信する。
これら設定変更報知音の出力に関するCPU181の処理は、設定変更用処理(図64)におけるステップS5703の設定変更報知音の設定処理で行われる。このようにしてCPU181から出力指示がなされた後は、各サウンドIC184a~184nにて、指示された音声を出力するようにスピーカ64a~64nを駆動制御する。
<音出力処理>
サウンドIC184a~184nで実行される音出力処理について図69のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、CPU181からの出力指示に応じて自身が対応するスピーカ64a~64nを駆動制御するためのものである。本処理は、各サウンドIC184a~184nでそれぞれ実行され、予め定められた周期(例えば10msec)で定期的に起動される。
ステップS6601では、CPU181からの出力指示信号を受信したか否かを判定する。出力指示信号を受信した場合には、ステップS6602にて、出力対象である音声の音データを取得する。具体的には、CPU181から送信されるアドレス情報に基づいて音データが記憶されているアドレス(RAM183の再生音データ記憶エリア189のアドレス)を把握し、当該アドレスにより示される領域から音データを読み出す。続くステップS6603では、取得した音データに含まれる識別情報を把握し、ステップS6604では、取得した音データに含まれる音源データを再生する。続くステップS6605では、ステップS6602で取得した音データに基づき、出力対象である音声の優先度を把握する。
ステップS6601で否定判定した場合(出力指示信号を受信していない場合)は、ステップS6606にて、再生音の出力待機中であるか否かを判定する。再生音の出力待機については後述する。ステップS6605の実行後又はステップS6606で肯定判定した場合(再生音の出力待機中である場合)は、ステップS6607にて、優先度が上位である他の音声を出力中であるか否かを判定する。ここでいう音声の出力とは、自身が対応するチャンネルのスピーカ64a~64から音声が放出されている状態を意味する。
優先度が上位である他の音声を出力中でない場合は、ステップS6608に進み、ステップS6602で取得した音データに基づき、出力対象である音声の音量を設定する。続くステップS6609では、ステップS6604で再生が開始された音声の再生データをD/A変換部やアンプ部等を介して、対応するスピーカ64a~64nに出力する。これにより、音データにより指定される音声がスピーカ64a~64nから放出される。
一方、優先度が上位である他の音声を出力中である場合(ステップS6607で肯定判定した場合)は、ステップS6610に進み、今回の音データにより指定される音声の出力を待機する。具体的には、ステップS6604で再生が開始された音声の再生データを、対応するスピーカ64a~64nに出力しないようにする。このため、優先度が上位である他の音声の出力が継続され、今回の音データにより指定される音声は出力されないことになる。
また、ステップS6610では、ステップS6603で把握した識別情報に基づいて、出力を待機する音声の種類を把握し、その情報を出力待機を示す情報とともにサウンドIC184a~184n内の記憶媒体に記憶する。これにより、2種以上の音声の出力を待機することがあっても、出力待機中の各音声を区別して出力を待機することができる。
なお、ステップS6607で否定判定する場合(優先度が上位である他の音声を出力中でないと判定する場合)としては、今回の音データにより指定される音声の優先度が、スピーカ64a~64nから出力中である他の音声の優先度よりも高いケースがある。このような場合は、出力されている他の音声を出力待機状態に切り替え、今回の音データにより指定される音声を優先して出力する。
上記のようにして再生音の出力を待機した場合には、次回の音出力処理におけるステップS6606の判定処理にて肯定判定し、再びステップS6607の判定処理を実行する。そして、優先度が上位である他の音声の出力が終了した場合には、ステップS6607の判定処理で否定判定し、出力待機中の再生音についてステップS6608,ステップS6609の処理を実行する。これにより、出力待機中の再生音に対応する音声がスピーカ64a~64nから放出される。
その際、スピーカ64a~64nからの音声放出に先立ち音声の再生処理が行われているため、出力待機状態が解除された音声の放出は音源データの途中からとなる。このような構成とすることで、遊技者に不自然な印象を与えることを抑制できる。
例えば、BGMとして所定の楽曲音を各スピーカ64a~64nから放出している状況で、それよりも優先度が高い演出音の出力が割り込んできた場合、その演出音を各スピーカ64a~64nから放出している間、上記BGMの放出を待機することがなるが、その際、BGMの再生自体を待機すると、演出音の放出が終了した後、スピーカ64a~64nからは、演出音の放出により中断されたBGMの続きが放出されることになる。しかしながら、遊技者からすると、上記演出音の放出期間の分だけ上記BGMが進んでいるのが自然であるため、BGMがブツブツと途切れて流れているかのような印象を与えるおそれがある。この点、本構成であれば、BGMの放出が待機されている間もバックグラウンド処理でBGMが再生されているため、演出音の放出期間の分だけBGMを進めることができ、遊技者に対して途切れた印象を与えることを抑制できる。
なお、音声放出に先立って音声データの再生処理が行われることは必須の構成ではなく、出力待機状態が解除されてから音声データを再生する構成としてもよいし、音声の種類によって、出力待機の解除に先立ち再生を開始するか、出力待機が解除されてから再生を開始するかを使い分ける構成としてもよい。
ステップS6609の実行後、ステップS6610の実行後、又はステップS6606で否定判定した場合(再生音の出力待機中でない場合)は、ステップS6611にて、CPU181からの終了指示信号を受信したか否かを判定する。終了指示信号は、出力対象の音声の出力期間が終了した場合に、その出力の終了を指示するものとしてCPU181から出力されるものである。音声の出力期間が終了した際、CPU181からは、上記終了指示信号のほか、出力を終了すべき音声の種類を示す識別情報が出力される。
終了指示信号を受信した場合は、ステップS6612にて、識別情報により指定される音声の再生及び出力を終了する。なお、終了指示された音声が出力待機中の音声である場合は、その音声の再生を中止するとともに出力待機状態を解除し、その音声の出力を取り止める。ステップS6612の実行後又はステップS6611で否定判定した場合(終了指示信号を受信していない場合)は、音出力処理を終了する。
<内部状態報知の流れについて>
内部状態報知の流れについて図70~図72を参照して説明する。ここでは、主制御装置101のRAM106における各種フラグ格納エリア106dに第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグのいずれもセットされていない状態、すなわち、第1BB役又は第2BB役のいずれにも当選していない非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入された場合を例にとって説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオン状態(設定キー検出センサ73aがオン状態)とされた状況で、筐体11の内部に配置された電源スイッチ71がオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、ステップS5601(図63)の電源投入報知処理及びステップS5605の設定変更用処理が実行される。
既に説明したように、設定変更報知に際しては、補助表示部65等を用いた設定変更用表示を行わないため、上記各処理が実行されることにより電源投入表示が行われる。具体的には、図71(a)に示すように、例えば「電源が投入されました」等のメッセージ表示301が補助表示部65の表示画面に表示される。また、上部ランプ部63が電源投入時用の発光態様で発光するように駆動制御される。
また、設定キーがオン状態とされて電源が投入された場合は、電源投入報知音に代えて設定変更報知音を出力する構成としているため、スピーカ64a~64nからは設定変更報知音が放出される。この設定変更報知音による報知は、例えば「設定変更中です」等の音声を出力することで行われる。設定変更報知音の出力は、電源が投入されるタイミングt1から設定変更操作が終了するタイミングt2までの期間において行われ、この間において上記音声が所定間隔で繰り返し出力される(図70(e))。
なお、設定キーがオフ状態とされた状態でスロットマシン10の電源が投入された場合は、スピーカ64a~64nからは電源投入報知音が放出される。電源投入報知音による報知は、例えば「電源が投入されました」等の音声が出力されることにより行われる。
ちなみに電源投入表示及び設定変更報知音の出力は、電源の投入後、サブ制御装置81のCPU181が立ち上がってから行われる。このため、それらの報知は、電源投入後の立ち上がり期間が経過してから行われるが、図70では立ち上がり期間の図示を省略している。
タイミングt2において設定変更操作が終了すると、設定変更報知音の出力が終了する。なお、電源投入表示については、当該表示の開始タイミングから所定期間が経過することで終了する。このため、タイミングt2よりも前のタイミングで当該所定期間が経過した場合は、電源投入表示が設定変更報知音に先んじて終了し、タイミングt2の時点で当該所定期間が未経過の場合は、設定変更報知音の終了後も電源投入表示が継続される。
また、設定変更操作が終了することに伴い、主制御装置101からサブ制御装置81に対して設定変更終了コマンドが送信される。これにより、サブ制御装置81のCPU181では、内部状態の把握処理(ステップS5804)と、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かの判定処理(ステップS5805)とが行われる。
既に説明したように、設定変更終了コマンドには、設定変更が終了したことを示す設定変更終了情報のほか、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかを示す内部状態情報が含まれる。サブ制御装置81における上記把握処理及び判定処理は、主制御装置101から受信する設定変更終了コマンドを参照して行われる。
ここでは、非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記各処理の結果、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)ではないと判定され、内部状態報知が行われる。但し、この際、前面扉12が開放された状態にあるため、前面扉12の開放を報知するための扉開放報知と内部状態報知とが競合する。
それら各報知のうち、視覚的な報知である扉開放表示と内部状態表示とについては、それら両報知が異なる報知部にて行われることから、それぞれの報知部で並行して2つの報知が行われる(図70(f),(h))。そのうち扉開放表示としては、図71(b)に示すように、例えば「扉が開いています」等のメッセージ表示302が補助表示部65の表示画面に表示される。また、内部状態表示としては、図71(c)に示すように、下表示部69が所定の発光パターン(例えば点滅)で発光状態とされる。
一方、聴覚的な報知である扉開放報知音と内部状態報知音とについては、図68(a)に示すように、扉開放報知音の方が内部状態報知音よりも優先度が上位に設定されている。このため、扉開放報知音の出力が優先され、内部状態報知音の出力は待機される(図70(g),(i))。つまり、スピーカ64a~64nからは扉開放報知音が出力され、例えば「扉が開いています」等の音声が放出される。
扉開放表示及び扉開放報知音の出力は、前面扉12が閉鎖されるタイミングt3まで継続される。この際、扉開放表示は、上記メッセージ表示302が継続表示されるようにして行われ、扉開放報知音は、上記音声が所定間隔で繰り返し放出されるようにして行われる。これらの出力により、前面扉12が開放されていることが遊技ホールのホール従業員に報知される。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放報知音の出力が終了し、それに伴って内部状態報知音の出力が開始される(図70(i))。内部状態報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声が各スピーカ64a~64nから放出されることにより行われる。なお、内部状態報知音の態様は、電源投入報知音や設定変更報知音等の他の警報音との識別が可能であれば特に限定されるものではないが、例えば「2枚内部状態ではありません」等のメッセージ音声としたり、例えばピコンピコン等の所定の繰り返し音としたりすることが考えられる。
上記のようにして内部情報報知音が放出されることにより、遊技ホールのホール従業員に対し、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)でないことが聴覚的に報知される。なお、視覚的な報知である内部状態表示については、上述したように内部状態報知音の出力に先立って行われる。
ちなみに内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知による報知)は、通常遊技で行う規定数(3)とは異なる規定数(2)の内部状態でないことに対応した報知ということもできる。なお、通常遊技には、遊技者による遊技(より詳しくは遊技ホールの営業時間内にて遊技者が行う3ベットゲームでの遊技)が該当する。通常遊技には、有利区間中の遊技だけでなく、非有利区間中の遊技も含まれる。通常遊技に対して非通常遊技(通常遊技ではない遊技)には、遊技ホールの営業時間外にホール従業員が行う遊技(2枚内部状態をセットするために行う2ベットゲームでの遊技等)が該当する。
内部情報報知音が放出された後、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させると、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信される(タイミングt4)。これにより、サブ制御装置81において第2BB役の当選状態となったことが把握され、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音の出力)が終了する(図70(h),(i))。なお、第2BB当選コマンドが送信される前(第2BB役の当選状態となる前)に内部状態報知の報知期間が経過した場合にも、当該報知期間の経過を条件として内部状態報知が終了する。
上記の動作例では、非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されるものとしたが、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1BB当選フラグがセットされている状況(第1BB役の当選状態(3枚内部状態)である状況)で電源が投入された場合や、各種フラグ格納エリア106dに第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグがセットされている状況(第1BB状態又は第2BB状態である状況)で電源が投入された場合にも、設定変更終了時におけるサブ制御装置81での内部状態の把握処理(ステップS5804)が行われる。その際、当該把握処理では、3枚内部状態やBB状態ではなく、非内部状態であると認識される。
すなわち、主制御装置101のCPU181では、前面扉12が開放されている状況で設定キーがオン状態とされて電源が投入されたことを契機として、ステップS18(図17)の第1RAMクリア処理が実行される。この第1RAMクリア処理では、電源投入時においてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1BB当選フラグが格納されてスロットマシン10の状態が3枚内部状態にある場合や、第1BB状態フラグ又は第2BB状態フラグが格納されてそれらのボーナス状態にある場合に、セットされているフラグがクリアされて非内部状態に変更される。
そして、サブ制御装置81における内部状態の把握処理は、設定変更操作が行われたこと、換言すれば、前面扉12が開放されている状況で設定キーがオン状態とされて電源が投入され、その後、リセットスイッチ72、スタートレバー41が操作されたことを契機として実行される。これらの操作のうち、前面扉12の開放、設定キーのオン操作及び電源の投入操作については、上記第1RAMクリア処理の実行契機となる操作と重複している。つまり、図72に示すように、内部状態の把握処理の実行契機となる操作の一部により、第1RAMクリア処理の実行契機となる操作が構成されているため、電源投入時の状態が第1BB役の当選状態(3枚内部状態)、第1BB状態又は第2BB状態のいずれであっても、サブ制御装置81において内部状態の把握処理を実行するタイミングでは、非内部状態に変更されている。
このため、スロットマシン10の電源投入時点(又は電源投入前)では2枚内部状態でない状態として複数の状態が存在し得る状況であっても、内部状態報知の実行段階では、2枚内部状態でない状態を非内部状態に絞り込むことができる。よって、内部状態報知における報知の種類数を少なく抑えることができ(本実施の形態では1種類のみあれば足りる)、報知設計の作業負担を軽減することが可能となる。また、内部状態報知の種類数が少ないことで、ホール従業員の立場からすると、報知の種類を数多く覚えておかなくても済むというメリットもある。このため、内部状態報知が行われた際に何の報知であるのかを容易に察知しやすくなり、ホール従業員に対して分かりやすく注意喚起することができる。
さらに、状態が絞り込まれることで、内部状態報知が実行された場合の対応が多岐にわたることが抑制され、ホール従業員の負担を軽減することも可能となる。本実施の形態のように非内部状態に統一化される構成にあっては、3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態でスロットマシン10の電源が投入された場合であっても、非内部状態で電源が投入された場合と同じ操作で対応することができ、ホール従業員が簡単に対処することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、設定変更報知として設定変更表示を行わない構成としたが、当該表示を行う構成としてもよい。例えば、設定変更開始コマンドを受信することに基づき、補助表示部65において、電源投入用表示から設定変更用表示に画面表示が切り替えられたり、電源投入用表示に加えて設定変更用表示が行われたりするようにしてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施の形態では、付与条件の成立によりポイントが付与され、その合計値(合計ポイント)が特典付与値に達すると、遊技者に特典(第2ATモードへの移行)が付与される。都度の合計ポイントに対応した報知を行うことで、特典付与値に向けて合計ポイントが増えていくことを遊技者が認識することができ、ポイントをさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。しかしながら、有利区間の終了により合計ポイントが初期化され、それまでに蓄積されたポイントが消失する構成にあっては、合計ポイントの初期化をそのまま報知に反映させると、最初からの貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。
この点、本実施の形態では、主制御装置101にて合計ポイントが初期化されても、サブ制御装置81では、RAM183に記憶された保持ポイントを初期化せず、保持するようにした上で、その保持ポイントを参照してポイント示唆演出の実行制御を行う構成としている。このような構成であることで、合計ポイントの初期化後におけるポイント示唆演出に際して、初期化前の合計ポイントも加味しながらその実行制御を行うことができ、合計ポイントの初期化がそのまま示唆演出に反映されることを抑制できる。これにより、貯め直しの印象を遊技者に与えてしまうことが抑制され、遊技継続の意欲が低下することを抑制可能となる。
現在の合計ポイント(蓄積ポイント)と保持される保持ポイントとに基づいてポイント示唆演出の実行可否を制御し、現在の合計ポイントが保持ポイント以下である場合にポイント示唆演出の実行を制限する構成とした。
上記構成によれば、現在の合計ポイントが保持ポイントよりも大きい状況ではポイント示唆演出の実行が許容される一方、保持ポイント以下である状況ではポイント示唆演出の実行が制限される。つまり、ポイント付与ごとの各ポイント示唆演出のうち保持ポイント以下の値を報知するものが間引きされた状態でポイント示唆演出が行われるため、実際には初期化の影響で合計ポイントが減少していても、遊技者の目線では合計ポイントが次第に増えていっているかのように見せることができる。これにより、合計値が消失したような印象を与えることが抑制され、合計ポイントの初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
実行抽選を経てからポイント示唆演出を行うものとした上で、ポイント示唆演出の実行が制限されている状態では、上記実行抽選を行うことなくポイント示唆演出を不実行とする構成とした。すなわち、ポイント示唆演出の実行を強制的に禁止したため、初期化された合計ポイントを反映した示唆演出が行われることを好適に抑制することが可能になる。
現在の合計ポイント(蓄積ポイント)がRAM183に保持された保持ポイントよりも大きい場合、その合計ポイントを新たな保持ポイントとして更新する構成とした。この構成によれば、それまでの遊技により得られた合計ポイントのうちの最高値に基づいてポイント示唆演出の実行制限を行うことができる。これにより、それまでの最高値を更新する合計ポイントが得られた場合に限定してポイント示唆演出を実行することが可能になり、遊技者に対して合計ポイントが増え続けている印象を好適に抱かせることができる。
設定変更が終了した場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態でないと判定した場合に内部状態報知を行う構成とした。
本実施の形態に係るスロットマシン10は、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計されている。このような場合、2枚内部状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、2枚内部状態であるか否かが遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。
この点、本実施の形態では、2枚内部状態でない状況でスロットマシン10が立ち上げられた際、設定変更が終了したことを契機として内部状態報知が実行される。設定変更やその終了操作はホール従業員により行われるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
また、設定値の変更は、遊技ホールの営業開始前、換言すれば、遊技者が遊技ホールにいない状況で行われるのが一般的である。よって、設定変更の終了を契機として内部状態報知が実行されることで、ホール従業員を対象とする内部状態報知が遊技者の目前で行われることを抑制できる。これにより、遊技者が内部状態報知を見るなどした場合に当該報知が気になって遊技に集中しにくくなったり、2枚内部状態でないことが不用意に遊技者に知らされてしまったりすることを抑制できる。
設定変更の開始時や実行中ではなく、設定変更の終了時に内部状態報知を行う構成とした。
第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要がある。つまり、設定変更を終了させてからスタートレバー41を操作する必要があるため、ホール従業員からすると、設定変更開始時や設定変更の途中で2枚内部状態でないことを知らされても直ちに対処することができない。この点、本実施の形態のように設定変更の終了を契機として内部状態報知が実行される構成では、第2BB役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから内部状態報知が行われるものとなる。よって、ホール従業員にとって好適なタイミングで2枚内部状態でないことを知らせることが可能になる。
また、本実施の形態に係るスロットマシン10のように、設定変更の許容状態とされたり、設定変更が行われたりする場合に設定変更報知を実行する構成では、設定変更の開始時や設定変更の途中で内部状態報知を実行すると、設定変更報知と内部状態報知との重複が生じる。その際、それらの報知を重複して実行すると、複数の報知が同時に行われることで各報知の識別性が低下する懸念があり、逆に、両報知の期間を切り分けて実行すると、報知設計に際してその調整を行う必要が生じ、設計負担が増大するおそれがある。この点、設定変更の終了を契機として内部状態報知を実行することで、設定変更の終了を待ってから内部状態報知を実行することができる。これにより、設計段階での調整を要することなく両報知が重複することを回避でき、報知設計の作業負担を軽減しながら各報知の識別性を高めることが可能になる。
内部状態情報を設定変更終了コマンドに含ませてサブ制御装置81に送信する構成とした。
上記構成によれば、設定変更が終了することに伴い、設定変更終了の通知とともに内部状態をサブ制御装置81に通知することができる。よって、設定変更の終了と同時にサブ制御装置81が内部状態を把握することができ、内部状態報知を良好に行うことが可能になる。
また、例えば、内部状態情報を対象とした専用コマンドを出力する構成の場合には、コマンドの種類が増える結果、主制御装置101のROM105に記憶されるコマンドデータの数が増大するため、その記憶容量を圧迫する懸念がある。この点、内部状態情報を設定変更終了コマンドに含ませて出力することで、コマンドデータ数の増大が抑制され、容量消費の節約を図ることが可能になる。そればかりか、コマンド授受頻度の低下にも繋がり、コマンド制御に関する処理負荷を軽減することも可能になる。
2枚内部状態であるか否かの判定契機となる操作が行われると、3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態をクリアして非内部状態への移行契機となる操作も行われるように、各契機操作を設定した。換言すれば、非内部状態への移行契機となる操作によりその一部が構成されるように判定契機となる操作を設定した。具体的には、設定キーをオン状態としてスロットマシン10の電源を投入すると、3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態から非内部状態への移行が行われ、さらにスタートレバー41をオン状態として設定変更の終了操作が行われると、2枚内部状態であるか否かが判定される構成とした。
2枚内部状態でない状態としては、非内部状態、3枚内部状態、第1BB状態及び第2BB状態からなる複数種の状態が存在している。そのような場合において内部状態報知の態様を異ならせて個々の状態を知らせようとすると、内部状態報知の種類数が増えることに繋がる。内部状態報知の種類数が増えると、ホール従業員から見て分かりにくくなるだけでなく、報知設計の場面でも設計者の作業負担が増すことが想定される。また、2枚内部状態でない場合として複数種の状態が存在する場合は、2枚内部状態に変更するための対処方法の数も増えるため、複数種の状態のうちのいずれであるかにより、ホール従業員が異なる対応を強いられる結果、その作業負担が増大する懸念もある。
この点、本構成では、3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態である状況で判定契機となる操作を行うと、それら各状態を非内部状態に移行させる操作も行われるように構成されている。この場合、判定契機となる操作をホール従業員が行うことで、自ずと非内部状態に変更されるため、非内部状態に一本化して内部状態報知を実行することができる。よって、内部状態報知が多様化することが抑制され、報知を分かりやすくしたり、報知設計の負担を少なく抑えたりすることができる。また、2枚内部状態でない場合の対処方法の数も少なく抑えることができるため、ホール従業員の作業負担を軽減することも可能になる。
その際、判定契機となる操作を非内部状態への移行契機となる操作と完全一致させず、判定契機の成立に必要な操作のうちその前半操作を移行契機となる操作と共通化する構成とした。
この場合、非内部状態への移行が行われてから、2枚内部状態であるか否かが判定されるため、判定処理の実行前に非内部状態への移行を行わせることができる。これにより、非内部状態への移行が行われていない状況で判定処理や内部状態報知が行われることが回避され、好適に報知対象を非内部状態に絞り込むことが可能になる。
2枚内部状態であるか否かの判定契機となる操作と、非内部状態への移行契機となる操作とのそれぞれにおいて、前面扉12を開放した場合に操作可能になる設定キー挿入孔73や電源スイッチ71の操作を要するものとした。
前面扉12を開放して設定キー挿入孔73や電源スイッチ71を操作し得るのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員が遊技機に触れていたり、遊技機のすぐ近くにいたりする状況で内部状態報知を行うことができる。また、非内部状態への移行についてもそれらの操作手段の操作を要件とするため、遊技者の操作により内部部状態への移行が行われてしまうことを抑制できるほか、非内部状態への移行が不正行為を行おうとする者により行われ、悪用されることを抑制できる。
扉開放報知音による報知期間と内部状態報知音による報知期間とが重複する場合に、内部状態報知音よりも扉開放報知音を優先してスピーカ64a~64nから放出する構成とした。
本実施の形態に係るスロットマシン10では、設定変更の終了を契機として内部状態報知が実行されるため、扉開放報知音による報知期間と内部状態報知音による報知期間とが重複することが想定される。このような場合に前面扉12が開放されていることを報知する扉開放報知音の放出が優先されるため、前面扉12の閉め忘れが抑制され、不正行為の助長に繋がることを抑制できる。
また、扉開放報知音の放出を優先させることで、内部状態報知音の放出タイミングを好適化できるという利点もある。前述のとおり、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要があるため、設定変更中の前面扉12が開いている状況で内部状態報知音が放出されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。よって、前面扉12が開放されている状況では、扉開放報知音の放出により前面扉12の閉鎖を促し、その閉鎖が行われてから内部状態報知音を放出することで、ホール従業員としては、対処が可能となってから2枚内部状態でないことが知らされるものとなる。よって、ホール従業員にとって好ましいタイミングでの内部状態報知音の放出が可能となる。
その際、内部状態表示については、扉開放報知(扉開放表示及び扉開放報知音)に合わせて実行し、内部状態報知音による報知よりも先行して実行する構成とした。
聴覚的な報知である扉開放報知音と内部状態報知音とについては、前者を後者よりも優先することで、各報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。しかしながら、内部状態報知音の開始を遅らせる分、2枚内部状態でないことの報知期間が短くなることが懸念される。この点、本構成では、比較的に識別が容易な視覚的な報知である内部状態表示については、扉開放報知と併せて実行され、内部状態報知音による報知よりも先行して行われるため、報知期間が不足することを好適に抑制可能となる。
扉開放表示と内部状態表示を異なる表示部で実行する構成とした。
上記構成とすることで、ホール従業員からすると、表示内容(報知態様)まで詳しく確認しなくても、表示箇所(報知箇所)の違いを参酌することで、前面扉12の開放に対応した報知であるのか、それとも2枚内部状態でないことに対応した報知であるのかの簡単な識別を行うことができる。つまり、いずれの報知であるのかをホール従業員が迅速に判断可能となり、準備作業に追われている開店前の期間に内部状態報知を実行する上で、ホール従業員にとって利便性の良い構成とすることができる。
扉開放報知音と内部状態報知音との各音データにおいて優先度情報を設定する構成とした。
この場合、スピーカ64a~64nからの音出力を制御するに際し、各音データに設定された優先度情報を参照していずれの報知音を優先させるのかを決めることができる。このため、個々の報知ごとにいずれを優先させるのかを逐一制御プログラムに組み込む必要がなく、報知音を出力制御するためのプログラムを簡単化することが可能になる。このような構成は、出力期間が競合する報知音の数が多くなるほど効果的となる。
<変形例1>
上記第1の実施の形態の変形例1について図73を参照しながら説明する。
図73(a)に示すように、本変形例では、扉開放報知音と内部状態報知音との優先度が同順位に設定されている。このため、扉開放報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、それらの音声がミキシングされて出力される。つまり、扉開放報知音と内部状態報知音との両方が同一のスピーカ64a~64nから放出される。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて図73(b)を参照しながら説明する。ここでは、第1BB役又は第2BB役のいずれにも当選していない非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されたものとする。なお、スロットマシン10の電源が投入されてから設定変更操作が終了するまでの流れについては、上記第1の実施の形態に係る図70の場合と同様であるため、その説明を省略又は簡略化する。
タイミングt2において設定変更操作が終了すると、主制御装置101からサブ制御装置81に対して設定変更終了コマンドが送信され、サブ制御装置81のCPU181において、内部状態の把握処理(ステップS5804)と、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かの判定処理(ステップS5805)とが行われる。
ここでは、非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記各処理の結果、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)ではないと判定され、内部状態報知が行われる。但し、前面扉12が開放された状態にあるため、前面扉12の開放を報知するための扉開放報知と内部状態報知とが競合する。
この際、視覚的な報知である扉開放表示と内部状態表示とについては、補助表示部65と下表示部69のそれぞれにおいて両報知が並行して行われる(図73(b-6),(b-8))。また、聴覚的な報知である扉開放報知音と内部状態報知音とについても、本変形例では、それら両報知音の優先度が同順位に設定されているため、両者が並行して行われる(図73(b-7),(b-9))。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。一方、内部状態表示及び内部状態報知音の出力については引き続き実行され、その後、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過するまで継続される。つまり、前面扉12が閉鎖された後は、スピーカ64a~64nからは内部状態報知音のみが放出される。
このように本変形例においても、設定変更が終了したことを契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、内部状態報知音と扉開放報知音とがミキシングされて同時にスピーカ64a~64nから放出されるため、2枚内部状態でないことの音声報知を早く開始できるほか、その放出期間を長く確保することが可能になる。
<変形例2>
上記第1の実施の形態の変形例2について図74を参照しながら説明する。
図74(a)に示すように、本変形例では、内部状態報知音の優先度が扉開放報知音の優先度よりも高く設定されている。このため、扉開放報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、内部状態報知音が優先的に出力される。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて図74(b)を参照しながら説明する。ここでは、第1BB役又は第2BB役のいずれにも当選していない非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されたものとする。なお、スロットマシン10の電源が投入されてから設定変更操作が終了するまでの流れについては、上記第1の実施の形態に係る図70の場合と同様であるため、その説明を省略又は簡略化する。
タイミングt2において設定変更操作が終了すると、主制御装置101からサブ制御装置81に対して設定変更終了コマンドが送信され、サブ制御装置81のCPU181において、内部状態の把握処理(ステップS5804)と、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かの判定処理(ステップS5805)とが行われる。
ここでは、非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記各処理の結果、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)ではないと判定され、内部状態報知が行われる。但し、前面扉12が開放された状態にあるため、前面扉12の開放を報知するための扉開放報知と内部状態報知とが競合する。この際、視覚的な報知である扉開放表示と内部状態表示とについては、補助表示部65と下表示部69のそれぞれにおいて両報知が並行して行われる(図74(b-6),(b-8))。
一方、聴覚的な報知である扉開放報知音と内部状態報知音とについては、内部状態報知音の方が扉開放報知音よりも優先度が上位に設定されている。このため、内部状態報知音の出力が優先され、扉開放報知音の出力は待機される(図74(b-7),(b-9))。つまり、前面扉12が開放されている状況であっても、スピーカ64a~64nからは内部状態報知音が放出される。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示が終了する(図74(b-6))。その際、扉開放報知音については、前面扉12の閉鎖により出力待機状態が解除され、そのまま出力が終了する。つまり、本変形例において扉開放報知音は、設定変更操作が終了した場合において2枚内部状態である場合は出力されるものの、2枚内部状態以外の状態である場合は出力されない。
一方、内部状態表示及び内部状態報知音の出力については引き続き実行される。そして、タイミングt4において主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過すると、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する(図74(b-8),(b-9))。
このように本変形例においても、設定変更が終了したことを契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、扉開放報知音よりも優先して内部状態報知音が放出されるため、2枚内部状態でないことの音声報知を早く開始できるほか、その放出期間を長く確保することが可能になる。さらに、扉開放報知音による報知との重複実施が回避されるため、内部状態報知音を聞き取りやすくして報知を行うことが可能になる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、ポイント示唆演出の実行機会が拡充されるように構成が工夫されている。本実施の形態について図75~図81を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<ポイント演出実行用処理>
本実施の形態に係るポイント演出実行用処理について図75(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における開始時演出設定処理(図49)のステップS2314で実行されるものであり、図52のポイント演出実行用処理に代えて実行されるものである。なお、図75(a)において図52と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2801では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグがセットされているか否かを判定する。示唆演出フラグは、ポイント示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。示唆演出フラグがセットされている場合は、ステップS2802にて当該フラグをクリアし、その後、ステップS2803にて種別抽選用テーブル(図53)を取得する。ステップS2804では、取得した種別抽選用テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいてポイント示唆演出の抽選処理を実行する。
ステップS3101では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶された使用ポイント用テーブルを参照し、上記抽選処理により振り分けられた示唆演出の種別(態様)に対応する使用ポイントを特定する。使用ポイント用テーブルでは、図75(b)に示すように、ポイント示唆演出の各態様に対して固有の使用ポイントが定められており、上位の示唆演出ほど大きい使用ポイントが割り当てられている。例えば、演出なしに対して0ポイント、泡小演出(図56(a))に対して1ポイント、泡中演出(図56(b))に対して3ポイント、泡大演出(図56(c))に対して4ポイント、泡特大演出(図56(d))に対して5ポイントがそれぞれ割り当てられている。使用ポイントは、今回実行される示唆演出(抽選により選ばれた演出)が何点分のポイントに相当するのかを示す情報である。
ステップS3102では、その時点での蓄積ポイントから上記特定した使用ポイントを減算し、差分値を算出する。算出された差分値はRAM183の所定領域に記憶される。なお、上記では、使用ポイントを蓄積ポイントから減算するとしているが、本ステップが実行される場合(ポイント示唆演出を実行すべきとして示唆演出フラグがセットされ、ステップS2801で肯定判定される場合)は、保持ポイントが蓄積ポイントにより更新され、両者が同じ値となっているため(図51(a)のステップS2604~ステップS2608)、本ステップの処理は、保持ポイントから使用ポイントを減算するものということもできる。
ステップS3102の実行後はステップS2805にて、上記ステップS2804で抽選されたポイント示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。なお、本実施の形態では、ステップS2805の実行前に使用ポイントの特定処理及び差分値の算出処理を行っているが、これら各処理の実行タイミングは、示唆演出態様の抽選後でさえあれば足りるため、ステップS2805の実行後に行ってもよい。
<開始時演出設定処理>
本実施の形態に係る開始時演出設定処理について図76のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、図49の開始時演出設定処理に代えて実行されるものである。なお、図76において図49と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2309(第2AT当選演出の設定処理)の実行後又はステップS2308で否定判定した場合(今回の開始時コマンドとして第2AT当選コマンドを受信していない場合)は、ステップS2310にて、今回の開始時コマンドとして有利区間開始コマンドを受信しているか否かを判定する。有利区間開始コマンドを受信している場合は、ステップS2311にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに有利区間フラグをセットする。
ステップS2312では、今回の開始時コマンドとしてポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定する。上記第1の実施の形態にて説明したように、本実施の形態では、主制御装置101において有利区間の開始時にポイント付与抽選を行うように構成されており、本ステップは、そのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。なお、ポイント付与コマンドには、ポイントが付与されたことを示す情報のほか、今回の付与抽選で付与されたポイント数や合計ポイント数を示す情報が含まれている。
ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、今回の付与抽選処理でポイントが付与されている場合は、ステップS3201にて第1ポイント用処理を実行する。一方、ポイント付与コマンドを受信してない場合(ポイントが付与されていない場合)は、ステップS3202にて第2ポイント用処理を実行する。これら第1ポイント用処理及び第2ポイント用処理の詳細については後述する。ステップS3201又はステップS3202の実行後はステップS2314(ポイント演出実行用処理)に進む。
上記ステップS2310で否定判定した場合(有利区間開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS3203に進み、今回の開始時コマンドとしてポイント契機コマンド(図36のステップS1111)を受信しているか否かを判定する。上記第1の実施の形態にて説明したように、本実施の形態では、有利区間に滞在している状況で第1ATモード移行抽選に非当選となったゲーム数(ハマリゲーム数)が特定数(例えば600ゲーム)に到達した場合、主制御装置101においてポイント付与抽選の実行契機が成立したと認定し、ポイント契機コマンドを送信するように構成されている。本ステップは、当該契機が成立したか否かを判定するものである。
ポイント契機コマンドを受信している場合は、ステップS3204にて上記各種フラグ格納エリア183aに契機成立フラグがセットする。契機成立フラグは、ハマリゲーム数が特定数に到達したことに基づくポイント付与抽選の契機が成立したことをCPU181が把握するためのものである。ステップS3204の実行後又はステップS3203で否定判定した場合(ポイント契機コマンドを受信していない場合)は、ステップS2314(ポイント演出実行用処理)に進む。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図77のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、図50の全停止時演出設定処理に代えて実行されるものである。なお、図77において図50と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2403で肯定判定した場合(CZ終了コマンドを受信している場合)又はステップS2410で否定判定した場合(ポイント達成コマンドを受信していない場合)は、ステップS2404又はステップS2412にて、今回の全停止時コマンドとしてポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定する。上記第1の実施の形態にて説明したように、本実施の形態では、第1ATモード移行抽選に当選することなくCZモードが終了した場合と、第2ATモード移行抽選に当選することなく第1ATモードが終了した場合とにそれぞれ、主制御装置101においてポイント付与抽選を行うこととしており、ステップS2404又はステップS2412は、それらのポイント付与抽選でポイントが付与されたか否かを判定するものである。
ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、今回の付与抽選処理でポイントが付与されている場合は、ステップS3301にて第1ポイント用処理を実行する。一方、ポイント付与コマンドを受信してない場合(ポイントが付与されていない場合)は、ステップS3302にて第2ポイント用処理を実行する。これら第1ポイント用処理及び第2ポイント用処理は、上記開始時演出設定処理(図76)の第1ポイント用処理及び第2ポイント用処理と同様のものである。ステップS3301又はステップS3302の実行後は、ステップS2406(CZ終了演出の設定処理)又はステップS2414(第1AT終了演出の設定処理)に進む。
また、ステップS2415で否定判定した場合(第2AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS3303にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに契機成立フラグがセットされているか否かを判定する。契機成立フラグが成立されている場合、すなわち、ハマリゲーム数が特定数に到達したことに基づくポイント付与抽選の契機が成立している場合は、ステップS3304にて契機成立フラグをクリアし、その後、ステップS3305にて今回の全停止時コマンドとしてポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定する。
ポイント付与コマンドを受信している場合は、ステップS3306にて第1ポイント用処理を実行し、ポイント付与コマンドを受信してない場合は、ステップS3307にて第2ポイント用処理を実行する。これら第1ポイント用処理及び第2ポイント用処理は、上記開始時演出設定処理(図76)の第1ポイント用処理及び第2ポイント用処理と同様のものである。ステップS3306又はステップS3307の実行後はステップS2423(その他の全停止時演出設定処理)に進む。
<第1ポイント用処理>
ステップS3201、ステップS3301、ステップS3306の第1ポイント用処理について図78のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図78において図51(a)のポイント用処理と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2604で蓄積ポイントが保持ポイントより大きい場合は、ステップS2605にて保持ポイントを更新する処理を実行する。その後、ステップS2606にて、ポイント示唆演出を行う否かの演出実行抽選処理を行う。実行抽選に当選した場合、ポイント演出実行用処理(図75)のステップS2804において、種別抽選用テーブル(図53)と、保持ポイントと、抽選用のカウンタとを用いてポイント示唆演出の種別抽選(いずれのポイント示唆演出を行うかの抽選処理)を行う。この場合の種別抽選は、ステップS2605で更新した最新の保持ポイントを用いて行う。
一方、ステップS2604で否定判定した場合(蓄積ポイントが保持ポイント以下である場合)は、ステップS3401に進み、差分値(図75のステップS3102)が所定値(例えば1)以上であるか否かを判定する。差分値が所定値以上である場合は、ステップS2606に進んで演出実行抽選処理を行う。すなわち、上記第1の実施の形態では、蓄積ポイントが保持ポイント以下である場合、一律にポイント示唆演出を実行しない構成としたが、本実施の形態では、蓄積ポイントが保持ポイント以下であっても差分値が所定値以上であれば、ポイント示唆演出の実行を許容するように構成されている。この場合の演出実行抽選は、蓄積ポイントが保持ポイントより大きい場合の実行抽選(図78のステップS2604で肯定判定した場合の流れ)と同様の当選確率で行う。
そして、その実行抽選で当選した場合は、ポイント演出実行用処理(図75)のステップS2804において、種別抽選用テーブル(図53)と、保持ポイントと、抽選用のカウンタとに用いたポイント示唆演出の種別抽選を行う。但し、差分値が所定値以上であることに基づいてポイント示唆演出の実行を許容する場合は、保持ポイントが更新されないため、この場合における種別抽選は、その時点で保持されている従前からの保持ポイントを用いて行う。
<第2ポイント用処理>
ステップS3202、ステップS3302、ステップS3307の第2ポイント用処理について図79のフローチャートを参照しながら説明する。これらの処理はいずれも、ポイント付与抽選の契機が成立したものの、ポイントが付与されなかった場合に実行されるものである。
ステップS3501では、差分値(図75のステップS3102)が所定値(例えば1)以上であるか否かを判定する。差分値が所定値より小さい場合は、そのまま本第2ポイント用処理を終了する。差分値が所定値以上である場合は、ステップS3502~ステップS3504の処理を実行する。これらの処理は図78のステップS2606~ステップS2608と同様のものである。すなわち、ポイント示唆演出の実行抽選を行い、実行に当選した場合はRAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグをセットする。
<ポイント示唆演出の流れ>
本実施の形態に係るポイント示唆演出の流れについて図80、図81を参照しながら説明する。ここでは、ポイントが付与された場合の演出実行抽選において、いずれもポイント示唆演出の実行に当選したものとする。
先ず、ポイントが付与されたものの、その時点での蓄積ポイントが保持ポイント(最高値)に満たなかった場合の流れについて図80を参照しながら説明する。
タイミングt1において、有利区間Aの途中にポイント付与抽選の実行契機が成立すると、主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その際、3ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが3ポイントに更新されるとともに(図42のステップS1710)、サブ制御装置81において保持ポイントが3ポイントに更新される(図78のステップS2605)。
また、タイミングt1では、種別抽選用テーブル(図53)を用い、保持ポイントが3ポイントであることに対応した種別抽選が実行される。その際、ポイント示唆演出の種別として選択確率が30%の泡小演出が選択されたものとする。この場合、サブ制御装置81では、泡小演出に対応する使用ポイントとして1ポイントが導出される(図75(a)のステップS3101、図75(b))。そして、蓄積ポイント(3ポイント)から使用ポイント(1ポイント)が減算され、差分値として2ポイントが算出される(図75(a)のステップS3102)。また、タイミングt1では、図80(a)に示すように、補助表示部65等にて泡小演出が実行される。
タイミングt2において有利区間Aが終了すると、主制御装置101において初期化処理(図46のステップS2109)が実行され、合計ポイントの値が初期値(0)とされる。その際、サブ制御装置81においても蓄積ポイントが初期値(0)とされるが、保持ポイントについては初期化されず、有利区間Aの終了時における値(3)がそのまま維持される。また、差分値についても初期化されず、有利区間Aの終了時における値(2)がそのまま維持される。
タイミングt3において、次の有利区間Bの途中にポイント付与抽選の実行契機が成立すると、主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その際、1ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが1ポイントに更新される。その際、サブ制御装置81では、その時点での蓄積ポイント(1ポイント)が保持ポイント(3ポイント)よりも小さいことから、保持ポイントの更新が行われず、3ポイントのままとされる。
この場合、上記第1の実施の形態では、ポイント示唆演出の実行を制限すべきとして演出実行抽選を行わないが、本実施の形態では、差分値が所定値(例えば1)以上であることに基づいて演出実行抽選を行う(図78のステップS2604、ステップS3401)。このときの演出実行抽選では、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい場合の演出実行抽選と同じ抽選用テーブルが用いられる。よって、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい場合と同じ確率でポイント示唆演出が行われることになる。
上記演出実行抽選にてポイント示唆演出の実行に当選したとすると、その後の種別抽選では、その時点での保持ポイント(3ポイント)に対応した抽選処理が実行される。その際、ポイント示唆演出の種別として70%の泡中演出が選択されたものとする。この場合、サブ制御装置81では、泡中演出に対応する使用ポイントとして3ポイントが導出され(図75(b))、蓄積ポイント(3ポイント)から使用ポイント(3ポイント)を減算した差分値として0ポイントが算出される。また、タイミングt3では、図80(b)に示すように、補助表示部65等にて泡中演出が実行される。
有利区間Bのタイミングt4において、ポイント付与抽選の実行契機が成立すると、再び主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その結果、1ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが2ポイントに更新される。タイミングt3の場合と同じく、その時点での蓄積ポイント(2ポイント)が保持ポイント(3ポイント)よりも小さい状況となるが、この場合は差分値(0)が所定値未満となるため、ポイント示唆演出の実行が制限される。すなわち、ポイント示唆演出は実行されない。
次に、ポイント付与抽選の実行契機が成立したものの、ポイントが付与されなかった場合の流れについて図81を参照しながら説明する。
タイミングt1においてポイント付与抽選の実行契機が成立すると、主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その際、3ポイントが付与されたとすると、主制御装置101において合計ポイントが3ポイントに更新されるとともに、サブ制御装置81において保持ポイントが3ポイントに更新される。
また、タイミングt1では、種別抽選用テーブルを用い、保持ポイントが3ポイントであることに対応した種別抽選が実行される。その際、ポイント示唆演出の種別として選択確率が30%の泡小演出が選択されたものとする。この場合、サブ制御装置81では、泡小演出に対応する使用ポイントとして1ポイントが導出され、蓄積ポイント(3ポイント)から使用ポイント(1ポイント)を減算した差分値として2ポイントが算出される。また、タイミングt1では、図81(a)に示すように、補助表示部65等にて泡小演出が実行される。
タイミングt2においてポイント付与抽選の実行契機が成立すると、主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その際、ポイントが付与されなかったものとする。この場合、上記第1の実施の形態では、一律にポイント示唆演出を実行しないものとしたが、本実施の形態では、差分値が所定値(例えば1)以上であることに基づいて演出実行抽選を行う(図77のステップS3302、ステップS3307、図79)。このときの演出実行抽選では、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい場合の演出実行抽選と同じ抽選用テーブルが用いられる。
上記演出実行抽選にてポイント示唆演出の実行に当選したとすると、その後の種別抽選では、その時点での保持ポイント(3ポイント)に対応した抽選処理が実行される。その際、ポイント示唆演出の種別として70%の泡中演出が選択されたものとする。この場合、サブ制御装置81では、泡中演出に対応する使用ポイントとして3ポイントが導出され、蓄積ポイント(3ポイント)から使用ポイント(3ポイント)を減算した差分値として0ポイントが算出される。また、タイミングt2では、図81(b)に示すように、補助表示部65等にて泡中演出が実行される。
タイミングt3において再びポイント付与抽選の実行契機が成立すると、主制御装置101にてポイント付与抽選が実行される。その際、ポイントが付与されなかったものとする。タイミングt2の場合と同じく、その時点での蓄積ポイント(2ポイント)が保持ポイント(3ポイント)よりも小さい状況となるが、この場合は差分値(0)が所定値未満となるため、演出実行抽選が行われずポイント示唆演出が不実行とされる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
先のポイント示唆演出が実行された後、そのポイント示唆演出が対応する使用ポイントと、当該演出が行われるときの合計ポイント(蓄積ポイント)との差分値を導出し、その差分値に基づいて後のポイント示唆演出を実行する構成とした。
上記第1の実施の形態で述べたように、有利区間の終了により合計ポイントを初期化する構成において、その時点の合計ポイントが保持ポイント以下である場合にポイント示唆演出の実行を制限することで、合計ポイントが初期化された印象を遊技者に与えることが抑制可能となる。しかしながらその反面、実行制限によりポイント示唆演出の実行頻度が低くなると、ポイントの存在を遊技者が意識する機会が減るため、ポイントに対する遊技者の関心が次第に低下する懸念がある。この場合、制限状態でのポイント示唆演出の実行頻度を高めることが考えられるが、その際、実際の合計ポイント(初期化により減少した合計ポイント)に対応させて示唆演出を行う構成とすると、合計ポイントが消失した印象を遊技者に与えてしまい、演出実行を制限した本来の意義が損なわれてしまうおそれがある。逆に、保持ポイントに対応させて示唆演出を行うと、実際の合計ポイントとは乖離した態様の報知を誘発することになり、報知に対する遊技者の信頼を低下させることになりかねない。
この点、本構成では、先のポイント示唆演が対応する使用ポイントと保持ポイントとの差分値に基づくポイント示唆演出が上記制限状態の下で行われる。後の示唆演出は、実行済みの示唆演出に対する合計ポイントの余裕分を活用したものであるため、そのような演出を制限状態において実行することで、ポイント示唆演出の態様を実際の合計ポイントと整合させながら示唆演出の実行頻度を高めることができる。よって、制限状態の創設に起因する上記不都合に対して好適に対処することが可能になる。
主制御装置101において合計ポイントが初期化されても上記差分値を保持する構成とした。この構成では、合計ポイントが初期化された場合に差分値が消失せず、その後も維持されるため、ポイント示唆演出の実行制限に際し、初期化を跨いで差分値を利用することが可能になる。これにより、初期化前のポイント示唆演出により生じた差分値を初期化後に活用してポイント示唆演出を実行し得るものとなり、有利区間の終了により合計ポイントが初期化される構成において、ポイント示唆演出の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
上記差分値に基づくポイント示唆演出をポイントが付与されていない場合に実行する構成とした。この構成によれば、ポイントが付与されていない場合でもポイント示唆演出を行うことができ、当該示唆演出の実行頻度を好適に高めることが可能になる。なお、この場合の報知は、必ずしも制限状態の下で行う必要はなく、例えば、付与抽選契機が成立したものの、ポイント付与抽選に外れた場合など、非制限状態の下で行ってもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい状況でも保持ポイントが更新されない場合が生じるようにした点で、上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図82を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<第1ポイント抽選用処理>
本実施の形態に係る第1ポイント抽選用処理について図42を援用して説明する。ステップS1710(PTカウンタの値(蓄積ポイント)に付与ポイントを加算する処理)を実行した後、ステップS1711にて、サブ制御装置81への出力対象としてポイント付与コマンドをセットする。本実施の形態に係るポイント付与コマンドでは、ポイントが付与されたことの情報、今回の付与抽選で付与されたポイント数を示す情報、合計ポイント数を示す情報のほか、いずれの抽選契機によりポイントが付与されたかの情報が含まれる。なお、この情報は、ポイント付与コマンドに代えて又は加えて、ポイント付与契機の成立時にセットされるポイント契機コマンドに含まれてもよい。
<ポイント用処理>
本実施の形態に係るポイント用処理について図82のフローチャートを参照して説明する。この処理は、サブ制御装置81における開始時演出設定処理(図49)のステップS2313、全停止時演出設定処理(図50)のステップS2405、ステップS2413、ステップS2418で実行されるものであり、図51(a)のポイント用処理に代えて実行されるものである。なお、図82において図51(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2603(保持ポイントの把握)を実行した後はステップS2604にて、ステップS2601で把握した蓄積ポイントの値がステップS2603で把握した保持ポイントの値より大きいか否かを判定する。蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きい場合、すなわち、それまでの最高値よりも大きい蓄積ポイントが把握されている場合は、ステップS3601に進み、今回のポイント付与が第1ATモードの終了(第2ATモード移行抽選に非当選の状態での第1ATモードの終了)に基づくものであるか否かを判定する。第1ATモードの終了に基づく付与契機(付与抽選の契機)は、有利区間で成立し得る最終の契機であるところ、本ステップは、今回のポイント付与が有利区間の終了前(蓄積ポイントの初期化前)における最終の契機によりなされたものであるか否かを判定するものとなる。
今回のポイント付与が第1ATモードの終了に基づくものではない場合、ステップS2605に進み、保持ポイントを更新する処理を実行する。一方、今回のポイント付与が第1ATモードの終了に基づくものである場合は、ステップS3602に進み、その時点での蓄積ポイントが所定値(例えば3)以上であるか否かを判定する。なお、本ポイント用処理は、蓄積ポイントが特典付与値(例えば5)に到達していない場合に実行されるため(図50のステップS2410)、蓄積ポイントが所定値(例えば3)以上であるとは、当該ポイントが所定値以上で且つ特典付与値未満であることを意味する。
蓄積ポイントが所定値以上でない場合は、ステップS2605に進んで保持ポイントの更新処理を実行する。逆に、蓄積ポイントが所定値以上である場合は、ステップS2605の処理をスキップし、保持ポイントの更新処理を実行しない。例えば、ポイント付与前の保持ポイントが1ポイントであり、ポイント付与後の蓄積ポイントが4ポイントである場合は、保持ポイントを更新せず、1ポイントに維持する。ステップS2605の実行後又はステップS3602で肯定判定した場合は、ステップS2606に進み、ポイント示唆演出の実行抽選を行う。
<ポイント演出実行用処理>
本実施の形態に係るポイント演出実行用処理について図52のフローチャートを援用して説明する。ステップS2801で示唆演出フラグがセットされている場合、すなわち、ポイント示唆演出を実行すべき状況である場合は、ステップS2804にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する演出種別抽選を実行する。演出種別抽選は、種別抽選用テーブル(図53)と、保持ポイントと、抽選用のカウンタ(乱数)とを用いて行うが、先のポイント用処理(図82)で保持ポイントが更新されている場合は、抽選時に用いる保持ポイントとして更新後のポイントを用いる。例えば、ポイント付与前の保持ポイントが1ポイントであり、ポイント付与後の蓄積ポイントが4ポイントである状況で、保持ポイントが更新されている場合は、抽選時の保持ポイントとして4ポイントを用い、泡中演出と泡大演出のうちから演出種別を選択する。
一方、先のポイント用処理で保持ポイントが更新されていない場合は、抽選時に用いる保持ポイントとしてポイント付与前の保持ポイントを用いる。すなわち、第1ATモード終了時のポイント付与契機によりポイントが付与され、その付与ポイントにより蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きくなったとしても、蓄積ポイントが所定値(例えば3ポイント)以上であることにより、保持ポイントの更新が制限された場合(先のポイント用処理(図82)におけるステップS2604でYES、ステップS3601でYES、ステップS3602でYESの流れ)は、その時点での蓄積ポイントではなく、それよりも小さい値である従前からの保持ポイントを用いてポイント示唆演出の種別抽選を行う。例えば、ポイント付与前の保持ポイントが1ポイントであり、ポイント付与後の蓄積ポイントが4ポイントである状況で、保持ポイントが更新されていない場合は、抽選時の保持ポイントとして1ポイントを用い、演出なしと泡小演出のうちから演出種別を選択する。つまり、前回のポイント示唆演出の実行時に用いた保持ポイントと同じポイント数を用いて演出種別抽選を行い、選択される演出の種別に今回の付与ポイントが反映されないようにする。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上記第1の実施の形態で述べたように、それまでの遊技で得られた最高値を保持ポイントとすることで、遊技者に対して合計ポイントが増えている印象を好適に与えることが可能になる。しかしながらその反面、都度の最高値を常に保持ポイントとして反映させると、合計ポイントが初期化された場合の初期値とのギャップが大きくなりやすくなる。その結果、実際の合計ポイントが保持ポイントに追い付くまでの期間が長期化し、ポイント示唆演出の実行頻度が大きく低下しやすくなる。
この点、本実施の形態では、合計ポイントが保持ポイントを越えていても、一部の場合については保持ポイントを更新しない構成としたため、初期化された場合の初期値とのギャップが拡大することが抑制される。これにより、ポイント示唆演出の実行頻度が大きく低下し、ポイントに対する遊技者の関心が薄れることを抑制可能となる。
合計ポイントの初期化前における最終の付与契機でポイントが付与された場合、その合計ポイントが保持ポイントを越えていても保持ポイントを更新しない構成とした。
初期化前の最終の付与契機によりポイントが付与された後は、初期化までの間に新たなポイントが付与されないため、初期化前に特典付与値への到達が達成されることはない。そして、最終契機でのポイントは、その後の初期化により無かったものとされ、結局のところ特典付与値への到達に寄与しない。このような特性を踏まえ、本実施の形態では、ポイントが付与された付与契機が初期化前の最終契機である場合、その付与されたポイントを保持ポイントに反映させない構成としており、これにより、初期値とのギャップが無駄に拡がることを抑制可能となる。なお、最終契機でのポイントは、上記のとおり特典付与値への到達に寄与しないものであるから、そのようなポイントに対応した示唆演出が行われなくても、遊技者が特典付与値への到達を目指す上で問題にならないといえる。つまり、本構成によれば、遊技者の遊技に支障を来すことなく、ギャップの拡大を抑制することが可能となる。
保持ポイントを更新しなかった場合、その際に実行されるポイント示唆演出の種別をポイント付与前の保持ポイントに基づいて決定する構成とした。
例えば、更新制限により保持ポイントの更新が行われない場合において、ポイント示唆演出の種別を実際の合計ポイント(付与されたポイントが反映された状態の合計ポイント)に基づいて決定すると、合計ポイントと保持ポイントとの値が異なることから、ポイント示唆演出の種別と保持ポイントとが整合しなくなり、遊技者の混乱を招くおそれがある。この点、本実施の形態では、ポイント付与前の保持ポイント(更新が見送られた状態の保持ポイント)に基づいてポイント示唆演出の種別が決定されるため、ポイント示唆演出の種別と保持ポイントとを好適に整合させることが可能になる。
保持ポイントの更新制限の対象となる付与契機であっても、合計ポイントが所定値より小さい場合は、更新制限を行わずに保持ポイントを更新する構成とした。
更新制限の対象である付与契機の場合に常に保持ポイントを更新しない構成とすると、その契機では、合計ポイントが増えたことの報知が行われなくなるため、遊技者に対してその契機ではポイントが付与される可能性がない(換言すれば、その契機では合計ポイントが増えることがない)という印象を与えかねない。この点、本実施の形態では、その契機で付与されたポイントを反映させた合計ポイントが所定値以上である場合に限定して保持ポイントの更新を制限する構成としている。この場合、合計ポイントが所定値以上であり、初期化された場合の初期値とのギャップが大きくなることが見込まれる状況では、その合計ポイントが保持ポイントに反映されることが回避される一方、合計ポイントが所定値未満であれば、保持ポイントが更新され、合計ポイントが増えたことの報知が行われ得る。よって、初期化時の初期値とのギャップが過大となることを抑制しながら、合計ポイントが増えたことの報知を実行する機会を確保することが可能になる。
なお、上記実施の形態では、本実施の形態を上記第1の実施の形態に適用した構成について説明したが、本実施の形態は上記第2の実施の形態に適用することも可能である。
<第4の実施の形態>
上記各実施の形態では、サブ制御装置81にてポイントに対応する情報を記憶するようにしたが、本実施の形態では、実行したポイント示唆演出の種別に対応する情報を記憶するようにしている。本実施の形態について図83及び図84を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<ポイント演出実行用処理>
本実施の形態に係るポイント演出実行用処理について図83(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における開始時演出設定処理(図49)のステップS2314で実行されるものであり、図52のポイント演出実行用処理に代えて実行されるものである。なお、図83(a)において図52と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2801で示唆演出フラグがセットされている場合、すなわち、ポイント示唆演出を実行すべき状況である場合は、ステップS2804にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する演出種別抽選を実行する。この際、本実施の形態では、保持ポイントに代えて蓄積ポイントを用いる。すなわち、取得した種別抽選用テーブル(図53)と、今回の蓄積ポイントと、抽選用のカウンタ(乱数)とに基づいてポイント示唆演出の種別を抽選する。
続くステップS3701では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aに記憶されたランク情報用テーブルを参照し、ステップS2804の種別抽選にて振り分けられた種別のランク情報を把握する。図83(b)に示すように、ランク情報用テーブルでは、各演出種別に対応するランク情報が設定されている。例えば、ステップS2804で振り分けられたポイント示唆演出の種別が泡小演出である場合、ランク情報として1を導出する。
ステップS3702では、上記ステップS3701で把握されたランク情報を新たな保持ランク情報として更新する処理を実行する。具体的には、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されているランク情報(前回のランク情報)を上記ステップS3701で把握した今回のランク情報に書き換える。ステップS3702の実行後はステップS2805にて、上記ステップS2804で抽選されたポイント示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。
なお、本実施の形態では、ランク情報の把握処理及び更新処理をステップS2805の実行前に行っているが、これら各処理の実行タイミングは、示唆演出態様の抽選後でさえあれば足りるため、ステップS2805の実行後に行ってもよい。
<ポイント用処理>
本実施の形態に係るポイント用処理について図84(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における開始時演出設定処理(図49)のステップS2313、全停止時演出設定処理(図50)のステップS2405、ステップS2413、ステップS2418で実行されるものであり、図51(a)のポイント用処理に代えて実行されるものである。なお、図84(a)において図51(a)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2601では、主制御装置101から受信したポイント付与コマンドに基づいて合計ポイント(主制御装置101側で貯まっているポイント数)を特定し、蓄積ポイントを把握する。ステップS2602では、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている蓄積ポイントを上記ステップS2601で把握した蓄積ポイントに更新する。
ステップS3801では、上記ポイント情報記憶エリア183dに記憶されている保持ランク情報を読み出して把握する。なお、本ポイント用処理は、図83(a)のポイント演出実行用処理に先立って行われるため、ステップS3801で把握する保持ランク情報は、前回のポイント示唆演出の実行時に更新された保持ランク情報となる。
ステップS3802では、上記ランク情報用テーブル(図83(b))を参照して保持ランク情報に対応する対応ポイントを特定し、ステップS2602で更新された蓄積ポイントが対応ポイントよりも大きいか否かを判定する。例えば、保持ランク情報が1である場合は、対応ポイントとして2ポイントを特定し、蓄積ポイントが2ポイントよりも大きいか否かを判定する。ここで、対応ポイントは、前回に実行されたポイント示唆演出が何ポイント分に相当するかを示すものであるため、本ステップの処理は、今回の蓄積ポイントが前回のポイント示唆演出で示唆したポイントよりも大きいか否かを判定するものということもできる。
蓄積ポイントが対応ポイントよりも大きい場合は、ステップS2606に進み、ポイント示唆演出を行う否かを抽選する演出実行抽選処理を実行する。すなわち、前回のポイント示唆演出で示唆したポイントを基準とした場合に今回の蓄積ポイントが増えていると認められれば、ポイント示唆演出の実行を許容する。
これに対し、上記ステップS3802で否定判定した場合(蓄積ポイントが対応ポイント以下である場合)は、ステップS2606以降の処理を実行することなく、本ポイント用処理を終了する。すなわち、前回のポイント示唆演出で示唆したポイントから見て今回の蓄積ポイントが同数であったり、減少していたりしている場合は、ポイント示唆演出の実行を制限して不実行とする。
上にも述べたように、図83(a)のポイント演出実行用処理は、本ポイント用処理の終了後に行われる。このため、ポイント演出実行用処理でのステップS2804の演出種別抽選は、ステップS2602で更新された蓄積ポイント(今回の付与契機で付与されたポイントが反映された状態の蓄積ポイント)を用いて行われる。つまり、ポイント示唆演出を実行するか否かの判断は前回のポイント示唆演出との比較により行うが、実行するとした場合の種別抽選は最新の蓄積ポイントに対応させて行う。よって、今回のポイント示唆演出の種別としては、前回のポイント示唆演出よりも上位のものが選択されやすくなる。
<放出用処理>
本実施の形態に係る放出用処理について図84(b)のフローチャートを参照して説明する。この処理は、サブ制御装置81における全停止時演出設定処理(図50)のステップS2411で実行されるものであり、ステップS2702に代えてステップS3901を実行する点を除き、図51(b)の放出用処理と同様である。
ステップS3901では、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されている保持ランク情報をクリア(初期化)する処理を実行する。すなわち、保持ランク情報は、合計ポイントが特典付与値に到達した場合、換言すれば、特典付与値への到達に基づく特典が付与される場合に初期化され、次の到達に至るまでの期間に亘って保持される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
実行されたポイント示唆演出の種別に対応するランク情報を記憶するとともに、これを合計ポイントが初期化された場合も保持ランク情報として保持し、この保持ランク情報に基づいてポイント示唆演出の実行制限を行う構成とした。この構成によれば、合計ポイントが初期化された後において、初期化前に実行されたポイント示唆演出よりも下位の演出が行われることを抑制することができ、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、ポイントではなく、実行されたポイント示唆演出のランク(換言すれば、実行されたポイント示唆演出の種別)を基準にしてポイント示唆演出の実行制限が行われるため、上記第1の実施の形態の場合よりも制限が緩和され、ポイント示唆演出の実行頻度の低下が抑えられることを期待できる。例えば、先のポイント示唆演出で実際の合計ポイントよりも小さい値に対応する種別が抽選されれば、保持ランク情報として実際の合計ポイントよりも小さい値に対応するものが保持されるため、その後のポイント示唆演出の実行契機で合計ポイントが増えていない状態にあっても、合計ポイント(蓄積ポイント)が対応ポイントを上回るものとなり、ポイント示唆演出の実行が許容される。つまり、ポイントが付与されていない状態でもポイント示唆演出を実行できる場合が生じる。
なお、本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係る保持ポイントに代えて保持ランク情報を用いるものとして説明したが、本実施の形態に対して上記第2の実施の形態や上記第3の実施の形態を適用することも可能である。例えば、第3の実施の形態であれば、初期化前の最終契機にて実行されるポイント示唆演出のランク情報により保持ランク情報が更新されることを制限する構成とすればよい。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置101にて付与されるポイントとは別にサブ制御装置81がポイントを付与し、かかるサブ制御装置81側のポイントと上記主制御装置101側のポイントとの両方を参照してポイント演出を実行するように構成されている。本実施の形態について図85~図100を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態では、特典付与値及びポイント付与契機が上記各実施の形態と異なっているため、その違いについて図85を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る特典付与値は20ポイントとなっている。よって、主制御装置101にて付与されるポイントが20ポイント以上である場合に特典が付与される。なお、特典の内容は上記各実施の形態と同様に第2ATモードへの移行であり、特典の付与契機についても上記各実施の形態と同じく第1ATモードの終了時である。
本実施の形態では、ポイント付与契機として6個の契機が設定されており、上記各実施の形態に係る付与契機に対して200ゲームハマリ時の付与契機と400ゲームハマリ時の付与契機とが追加されている。なお、各付与契機でのポイント付与率等については後に詳細に説明する。
次に、上記ポイント付与構成及び特典付与構成を実現すべく主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。
<第1ATモード終了用処理>
本実施の形態に係る第1ATモード終了用処理について図86(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、主制御装置101における入賞結果対応処理(図37)のステップS1206で実行されるものであり、図40の第1AT終了用処理に代えて実行されるものである。なお、図86(a)において図40と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1503(第1ATフラグをクリアする処理)を実行した後は、ステップS1504に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第2AT当選フラグがセットされているか否かを判定する。第2AT当選フラグは、第2ATモード移行抽選の当選状態であることをCPU102が把握するためのものである。第2AT当選フラグがセットされていない場合、すなわち、第1ATモード中に第2ATモード移行抽選に当選しなかった場合は、ステップS4101に進み、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたPTカウンタの値が20以上であるか否かを判定する。
PTカウンタの値が20以上である場合(合計ポイントが特典付与値に到達している場合)は、ステップS1508に進み、PTカウンタの値を0にクリアする。ステップS1509では、サブ制御装置81への出力対象としてポイント達成コマンドをセットし、その後、ステップS1506(第2AT開始用フラグをセットする処理)に進む。
上記ステップS4101で否定判定した場合(PTカウンタの値が20未満であり、合計ポイントが特典付与値に到達していない場合)は、ステップS1510に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに第1AT終了フラグをセットする。第1AT終了フラグは第1ATモードが終了したことをCPU102が把握するためのものである。
ステップS1511では、サブ制御装置81への出力対象として第1AT終了コマンドをセットし、その後、ステップS4102にて、上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグEをセットする。ポイント抽選用フラグは、ポイント付与抽選の実行契機が成立したことをCPU102が把握するためのものとして複数種類が設定されている。その1つであるポイント抽選用フラグEは、今回の付与抽選契機が第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了したことに基づく契機であることを示すものである(図85)。ステップS4102の実行後はステップS1513(ポイント契機コマンドをセットする処理)に進む。
<区間表示第1処理>
本実施の形態に係る区間表示第1処理について図86(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、抽選処理(図19)のステップS315で実行されるものであり、図44の区間表示第1処理に代えて実行されるものである。図86(b)において図44と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1807の処理(天井カウンタに700をセットする処理)を実行した後はステップS4201にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタに200を入力する処理を実行する。外れカウンタは、有利区間に滞在している状況において第1ATモード移行抽選に非当選となったゲーム数を計数するためのものである。ステップS4202では、RAM106の各フラグ格納エリア106dに200Gフラグをセットする。200Gフラグは、上記外れカウンタを用いたゲーム数の計数期間が200ゲームまでの期間であることをCPU102が把握するためのものである。ステップS4202の実行後はステップS4203の第2ポイント抽選用処理を実行する。第2ポイント抽選用処理の詳細については後述する。
<ゲーム数更新用処理>
本実施の形態に係るゲーム数更新用処理について図87のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、抽選処理(図19)のステップS314で実行されるものであり、図36のゲーム数更新用処理に代えて実行されるものである。図87において図36と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1108では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた外れカウンタの値を1減算して更新し、その後、ステップS1109にて、上記外れカウンタの値が0であるか否かを判定する。外れカウンタの値が0である場合は、ステップS4301にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dに200Gフラグがセットされているか否かを判定する。200Gフラグがセットされている場合、ハマリゲーム数が200ゲームに到達したことを意味するところ、この場合は、ステップS4302にて上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグAをセットする。ポイント抽選用フラグAは、今回の付与抽選契機がハマリゲーム数が200ゲームに到達したことに基づく契機であることをCPU102が把握するためのものである(図85)。
ステップS4302の実行後はステップS4303にて、上記各種フラグ格納エリア106dの200Gフラグをクリアした上で当該エリア106dに400Gフラグをセットし、その後、ステップS4304にて、上記各種カウンタエリア106eの外れカウンタに200を入力する処理を実行する。なお、400Gフラグは、外れカウンタを用いたゲーム数の計数期間が201ゲームから400ゲームまでの期間であることをCPU102が把握するためのものである。
上記ステップS4301で否定判定した場合(200Gフラグがセットされていない場合)は、ステップS4305に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに400Gフラグがセットされているか否かを判定する。400Gフラグがセットされている場合、ハマリゲーム数が400ゲームに到達したことを意味するところ、この場合は、ステップS4306にて上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグBをセットする。ポイント抽選用フラグBは、今回の付与抽選契機がハマリゲーム数が400ゲームに到達したことに基づく契機であることをCPU102が把握するためのものである(図85)。
ステップS4306の実行後はステップS4307にて、上記各種フラグ格納エリア106dの400Gフラグをクリアした上で当該エリア106dに600Gフラグをセットし、その後、ステップS4304にて、上記各種カウンタエリア106eの外れカウンタに200を入力する処理を実行する。なお、600Gフラグは、外れカウンタを用いたゲーム数の計数期間が401ゲームから600ゲームまでの期間であることをCPU102が把握するためのものである。
上記ステップS4305で否定判定した場合(400Gフラグがセットされていない場合)は、ステップS4308に進み、上記各種フラグ格納エリア106dに600Gフラグがセットされているか否かを判定する。600Gフラグがセットされている場合、ハマリゲーム数が600ゲームに到達したことを意味するところ、この場合は、ステップS4309にて上記各種フラグ格納エリア106dにポイント抽選用フラグCをセットする。ポイント抽選用フラグCは、今回の付与抽選契機がハマリゲーム数が600ゲームに到達したことに基づく契機であることをCPU102が把握するためのものである(図85)。ステップS4310では600Gフラグをクリアし、その後、ステップS1111の処理(ポイント契機フラグをセットする処理)を実行する。
<第1ポイント抽選用処理>
本実施の形態に係る第1ポイント抽選用処理について図88(a)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、入賞結果対応処理(図37)のステップS1208で実行されるものであり、図42の第1ポイント抽選用処理に代えて実行されるものである。図88(a)において図42と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1701で否定判定した場合(いずれのATフラグもセットされていない場合)は、ステップS4401に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106にいずれかのポイント抽選用フラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのポイント抽選用フラグがセットされている場合は、ステップS4402にて、ポイント抽選用フラグに対応したポイント抽選テーブルをROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。ポイント抽選テーブルは、図89に示すように、ポイントを付与するか否かの付与実行抽選と、ポイントを付与する場合、何ポイントを付与するかのポイント数抽選とを併せて行うためのテーブルである。本実施の形態では、付与するポイント数として5ポイント、10ポイント、20ポイントの3種類が設定されている。
ステップS4402では、例えば、ポイント抽選用フラグAがセットされている場合、それに対応するものとしてポイント抽選テーブルAを取得する(図89)。ポイント抽選テーブルAは、200ゲームハマリ時用として設定されたものである。当該テーブルAでは、ポイント数が0となる(ポイントが付与されない)確率が70%となっており、最も高くなっている。また、5ポイント、10ポイント、20ポイントが付与される確率は等しくなっており、それぞれ10%に設定されている。また、400ゲームハマリ時用のポイント抽選テーブルBにおいても、ポイントの付与確率及び各ポイント数の振分率がポイント抽選テーブルAと同じ確率に設定されている。
600ゲームハマリ時用のポイント抽選テーブルCでは、ポイント数が0となる確率が50%となっており、ポイント抽選テーブルA、Bに比べて低く設定されている。すなわち、ハマリゲーム数が多い場合、ポイントが付与されやすくなっている。ポイントが付与される場合のポイント数については、5ポイント及び10ポイントが同確率になっており、特典付与値に対応する20ポイントについてはそれらよりも低く設定されている。
また、第1ATモード移行抽選に当選しないままCZモードが終了したときのポイント抽選テーブルDや、第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了したときのポイント抽選テーブルEにおいても、ポイントの付与確率及び各ポイント数の振分率がポイント抽選テーブルCと同じに設定されている。
なお、上記ポイント抽選テーブルA~Eは一例に過ぎず、ポイント付与確率やポイント数の振分確率は任意に設定することができる。また、各契機の成立に対応して各別の抽選テーブルを用いる構成としているが、これに限られず、全ての契機に対応する共通の抽選テーブルを設ける構成(ポイントの付与確率及び各ポイント数の振分率に契機ごとの差を設けない構成)としてもよい。
第1ポイント抽選用処理(図88(a))の説明に戻り、ステップS4402でポイント抽選テーブルを取得した後は、ステップS1708にてポイント付与抽選処理を実行する。ポイント付与抽選処理では、上記取得したポイント抽選テーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとに基づいてポイント数の抽選を行う。
<第2ポイント抽選用処理>
本実施の形態に係る第2ポイント抽選用処理について図88(b)のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、区間表示第1処理(図86(b))のステップS4203で実行されるものであり、図45の第2ポイント抽選用処理に代えて実行されるものである。図88(b)において図45と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS1902でポイント契機コマンドをセットした後は、ステップS4501にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからポイント抽選テーブルFを取得する。なお、第2ポイント抽選用処理は有利区間の開始時に実行されるため(図44、図88(b)を参照)、ステップS4501の処理は、今回の付与抽選契機が有利区間の開始時に基づくものであるとして、それに対応したポイント抽選テーブルを取得するものとなっている。ポイント抽選テーブルFでは、図89に示すように、ポイント数が0となる(ポイントが付与されない)確率が70%となっており、ポイント抽選テーブルA、Bと同様にポイント付与確率が低めに設定されている。但し、ポイントが付与される場合のポイント数の振り分けは、5ポイントが0%になっており、その分、10ポイントの振分率が高くなっている。つまり、有利区間開始時の付与契機では、ポイントが付与されにくいものの、付与される場合は高めのポイント数が付与されるようになっている。なお、ポイント抽選テーブルFについても他のポイント抽選テーブルと同様に一例に過ぎず、ポイント付与確率やポイント数の振り分けは任意に設定することができる。
次に、本実施の形態においてサブ制御装置81のCPU181により実行される各制御処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
本実施の形態に係る開始時演出設定処理について図90のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における演出設定処理(図48)のステップS2206にて実行されるものであり、図49の開始時演出設定処理に代えて実行されるものである。図90において図49と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2310では、今回の開始時コマンドとして有利区間開始コマンド(図44のステップS1810)を受信しているか否かを判定する。有利区間開始コマンドを受信している場合には、ステップS2311にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに有利区間フラグをセットする。
ステップS4601では、主制御装置101において有利区間開始時のポイント付与契機で付与されたポイント数(付与ポイント)を把握する。この処理は、主制御装置101から送信されるポイント付与コマンド(図45のステップS1907)に基づいて行う。なお、ポイント付与コマンドには、ポイントが付与されたことを示す情報のほか、今回の付与抽選で付与されたポイント数や合計ポイント数を示す情報が含まれる。
本ステップでは、今回の開始時コマンドとしてポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定し、受信していない場合は、付与ポイントを0ポイントとして把握する。一方、ポイント付与コマンドを受信している場合は、当該コマンドを解析して付与ポイントを把握する。既に説明したように、主制御装置101における有利区間開始時のポイント付与抽選では、5ポイントの付与確率が0%に設定されているため(図89)、ここで把握される付与ポイントは0ポイント、10ポイント又は20ポイントのいずれかとなる。
ステップS4602では、ステップS4601で把握した付与ポイントに対応するサブポイント抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する。サブポイントは、主制御装置101側の付与ポイントとは別にサブ制御装置81が付与するポイントであり、サブポイント抽選テーブルは、ポイント付与の有無やポイント数を抽選するためのテーブルである。
図91に示すように、サブポイント抽選テーブルでは、1回の付与処理で付与可能なポイント数として複数種類のポイント数が設定され、それら各ポイント数ごとに選択確率が設定されている。本実施の形態では、付与可能なポイント数として、0ポイント(サブポイントの付与無し)、10ポイント、20ポイント、30ポイントの4種類が設定されている。
また、上記各種テーブル記憶エリア182aには、主制御装置101にて付与される付与ポイントの大きさに対応させて複数のサブポイント抽選テーブルが設けられている。既に説明したように、有利区間開始時のポイント付与契機で付与される付与ポイントは0ポイント、10ポイント又は20ポイントのいずれかであるところ、本実施の形態では、サブポイント抽選テーブルとして、付与ポイントが0ポイント用のテーブルと、付与ポイントが10ポイント用のテーブルと、付与ポイントが20ポイント用のテーブルとの3種類が設けられている。
主制御装置101側の付与ポイントが0ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでは、サブポイントが0となる(サブポイントが付与されない)確率が40%となっており、10ポイント、20ポイント、30ポイントとなる確率がいずれも20%となっている。また、付与ポイントが10ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでは、サブポイントが0ポイントとなる確率が40%となっており、10ポイント、20ポイント、30ポイントとなる確率がそれぞれ30%、20%、10%となっている。また、付与ポイントが20ポイントでのサブポイント抽選テーブルでは、サブポイントが0ポイントとなる確率が50%となっており、10ポイント、20ポイント、30ポイントとなる確率がそれぞれ20%、20%、10%となっている。
ここで、サブポイントが付与される場合のポイント数の振分率を各抽選テーブル間で比較すると、付与ポイントが10ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでは、10ポイントのサブポイントが付与される確率が50%となっており、付与ポイントが0ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでの確率(33.3%)や、付与ポイントが20ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでの確率(40%)よりも高くなっている。また、付与ポイントが20ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでは、20ポイントのサブポイントが付与される確率が40%となっており、付与ポイントが0ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでの確率(33.3%)や、付与ポイントが10ポイントである場合のサブポイント抽選テーブルでの確率(33.3%)よりも高くなっている。
つまり、主制御装置101側の付与ポイントが10ポイントである場合、他のポイント数である場合に比べて10ポイントのサブポイントが選ばれやすく、主制御装置101側の付与ポイントが20ポイントである場合、他のポイント数である場合に比べて20ポイントのサブポイントが選ばれやすくなっている。すなわち、サブポイントが付与される場合には、主制御装置101側の付与ポイントが大きいほど、大きいサブポイントが付与されやすくなっている。
なお、サブポイントのポイント数やサブポイント抽選テーブルについての上記各数値は、一例に過ぎず、上記に限定されるものではない。サブポイントのポイント数やポイント数の種別数、サブポイントの付与確率、各ポイント数の振分確率については任意に設定することができる。
開始時演出設定処理(図90)の説明に戻り、ステップS4602でサブポイント抽選テーブルを取得した後は、ステップS4603にてサブポイント抽選処理を実行する。サブポイント抽選処理では、上記取得したサブポイント抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいてサブポイントの抽選を行う。
ステップS4604では、上記ステップS4601で把握した付与ポイントに対し、ステップS4603で抽選されたサブポイントを加算する。例えば、付与ポイントとして10ポイントが把握され、サブポイントとして10ポイントが抽選されている場合は、それらの加算値として20ポイントを導出する。
ステップS4605及びステップS4606では、ステップS4604の加算結果をそれぞれ演出可能ポイント、トータルポイントとしてRAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶する。図92(a)に示すように、ポイント情報記憶エリア183dには、演出可能ポイント記憶エリア183eとトータルポイント記憶エリア183fとが設けられており、ステップS4605では、演出可能ポイントとしての上記加算結果を演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶し、ステップS4606では、トータルポイントとしての上記加算結果をトータルポイント記憶エリア183fに記憶する。演出可能ポイント及びトータルポイントの詳細については後述する。
なお、上記ステップS4601で把握した付与ポイントが0ポイントである場合は、ステップS4605及びステップS4606で記憶する加算結果は、上記ステップS4603の抽選により得られたサブポイントとなる。
ステップS4607では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに契機用フラグAをセットする。契機用フラグは今回のポイント付与契機(主制御装置101側のポイント付与契機)がいずれのものであるかをCPU181が把握するためのものであり、図92(b)に示すように、各付与契機に対応して契機用フラグA~契機用フラグFが設定されている。契機用フラグAは、今回のポイント付与契機が有利区間の開始に基づく付与契機であることを示すものである。
ステップS4607の実行後は、ステップS4608にて付与示唆演出用処理を実行し、その後、ステップS4609にてトータル示唆演出用処理を実行する。本実施の形態では、ポイントに関する演出として、ポイントが付与されたこと及びそのときに付与された付与ポイントのポイント数(1回のポイント付与処理で付与されたポイント数)を示唆する付与示唆演出と、付与ポイントの合計値(合計ポイント)を示唆するトータル示唆演出との2種類が設定されている。ステップS4608の付与示唆演出用処理は付与示唆演出を実行するための処理であり、ステップS4609のトータル示唆演出用処理はトータル示唆演出を実行するための処理である。これら各処理の詳細については後述する。
ステップS4609の実行後はステップS2315のその他の開始時演出設定処理を実行し、その後、本開始時演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図93のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における演出設定処理(図48)のステップS2210にて実行されるものであり、図50の全停止時演出設定処理に代えて実行されるものである。図93において図50と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図93(a)に示すように、ステップS2401で否定判定した場合(CZ開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS2403にて、今回の全停止時コマンドとしてCZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合は、ステップS4701に進み、今回の全停止時コマンドとしてポイント契機コマンド(図38のステップS1312)を受信しているか否かを判定する。ポイント契機コマンドには、ポイント付与契機が成立したことを示す情報のほか、今回の付与契機がいずれの契機であるかを示す情報が含まれている。
ポイント契機コマンドを受信している場合は、ステップS4702に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに契機用フラグEをセットする。契機用フラグEは、第1ATモード移行抽選に当選しないままCZモードが終了したことに基づくポイント付与契機が成立したことをCPU181が把握するためのものである(図92(b))。ステップS4703では付与示唆演出用処理を実行する。この処理は上記ステップS4608と同様のものである。ステップS4703の実行後又は上記ステップS4701で否定判定した場合(ポイント契機コマンドを受信していない場合)は、ステップS2406に進み、CZ終了演出の設定処理を実行する。
また、図93(b)に示すように、ステップS2407で否定判定した場合(第1AT開始コマンド又は第2AT開始コマンドのいずれも受信していない場合)は、ステップS2409にて今回の全停止時コマンドとして第1AT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。第1AT終了コマンドを受信している場合は、ステップS4704に進み、ポイント達成コマンドを受信しているか否かを判定する。ポイント達成コマンドを受信している場合は、ステップS4705にて放出用処理を実行し、その後、ステップS2423のその他の全停止時演出設定処理を実行する。なお、ステップS4705の放出用処理については後述する。
一方、ポイント達成コマンドを受信していない場合は、ステップS4706にてポイント契機コマンド(図40のステップS1513)を受信しているか否かを判定する。ポイント契機コマンドを受信している場合は、ステップS4707に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに契機用フラグFをセットする。契機用フラグFは、第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了したことに基づくポイント付与契機が成立したことをCPU181が把握するためのものである(図92(b))。
続くステップS4708では、付与示唆演出用処理を実行する。この処理は上記ステップS4608と同様のものである。ステップS4708の実行後又は上記ステップS4706で否定判定した場合(ポイント契機コマンドを受信していない場合)は、ステップS2414に進み、第1AT終了演出の設定処理を実行する。
また、図93(c)に示すように、ステップS2415で否定判定した場合(第2AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS4709にて、今回の全停止時コマンドとしてポイント契機コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したように、本実施の形態では、200ゲーム、400ゲーム、600ゲームを消化した場合、主制御装置101にてポイント付与契機が成立するように構成されており、本ステップは、それらの付与契機が成立したか否かを判定するものである。
ポイント契機コマンドを受信している場合は、ステップS4710に進み、対応する契機用フラグを上記各種フラグ格納エリア183aにセットする。ステップS4710では、受信したポイント契機コマンドに基づき、成立した付与契機が200ゲームハマリ、400ゲームハマリ、600ゲームハマリのいずれであるかを把握する。そして、200ゲームハマリである場合は契機用フラグBを、400ゲームハマリである場合は契機用フラグCを、600ゲームハマリである場合は契機用フラグDをそれぞれセットする(図92(b))。
ステップS4711では、付与示唆演出用処理を実行する。この処理は上記ステップS4608と同様のものである。
上記ステップS4709で否定判定した場合(ポイント契機コマンドを受信していない場合)は、ステップS2419にて初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合は、ステップS4712に進み、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されたポイント情報(演出可能ポイント及びトータルポイント等)を消去する。ステップS4711又はステップS4712の実行後は、ステップS2423に進み、その他の全停止時演出設定処理を実行する。
<付与示唆演出用処理>
ステップS4608、ステップS4703、ステップS4708、ステップS4711の付与示唆演出用処理について図94のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4801では、主制御装置101からのポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定する。ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、主制御装置101側でポイントが付与されている場合は、ステップS4802に進み、現在の演出可能ポイントに付与ポイントを加算する処理を実行する。本ステップでは、受信したポイント付与コマンドに基づいて主制御装置101側の付与ポイントを把握し、その把握した付与ポイントをRAM183の演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶されている現在の演出可能ポイントに加算する。例えば、把握された付与ポイントが5ポイントであり、現在の演出可能ポイントが10ポイントである場合は、それらの加算結果として15ポイントを導出する。続くステップS4803では、ステップS4802で導出した加算結果を新たな演出可能ポイントとして演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶し、演出可能ポイントを更新する。
ここで、付与示唆演出及び演出可能ポイントについてそれぞれ説明する。
先ず付与示唆演出について説明する。既に説明したように、付与示唆演出は、付与ポイントが付与されたこと及びその付与ポイントのポイント数(1回のポイント付与処理で付与されたポイント数)を示唆するものである。なお、詳細は後述するが、付与示唆演出は、実際の付与ポイントと完全にリンクするものではなく、演出上の位置付けとして付与ポイントを示唆する演出として機能するものである。
付与示唆演出の具体的な態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係るポイント示唆演出(図56)を援用することとしている。すなわち、上記第1の実施の形態に係るポイント示唆演出は、泡画像の大きさによって、そのときの蓄積ポイント(合計ポイント)を示唆するものとなっていたが、本実施の形態に係る付与示唆演出は、泡画像の大きさによって、今回の付与契機で付与された付与ポイントのポイント数を示唆するように構成されている。付与示唆演出の種別としては、泡小演出(図56(a))、泡中演出(図56(b))、泡大演出(図56(c))、泡特大演出(図56(d))が設けられており、表示される泡画像が大きいほど今回の付与ポイントが大きいことを示唆するものとなっている。
なお、付与示唆演出は、数字等によりポイント数を明示するものではないため、遊技者としては、上記各演出のいずれかが実行されても具体的なポイント数までは把握することができない。すなわち、付与示唆演出を見ることで、付与ポイントが多めであるか、少なめであるかなどの大まかな量を予測できる程度の態様となっている。
次に演出可能ポイントについて説明する。演出可能ポイントは、付与示唆演出を行うための持ち点のようなものであり、本実施の形態では、演出可能ポイントを消費して付与示唆演出を実行する構成となっている。具体的には、図95(c)に示すように、付与示唆演出の種別ごとに演出済みポイント(使用ポイント)が設定されており、付与示唆演出が実行される場合、その種別に対応した演出済みポイントが演出可能ポイントから差し引かれる。例えば、泡小演出の付与示唆演出が実行される場合、演出済みポイントである5ポイントがそのときの演出可能ポイントから差し引かれ、その残りが次の付与示唆演出を実行するための持ち点となる。よって、付与示唆演出は、演出可能ポイントの範囲内で実行されることになる。
そして、持ち点としての演出可能ポイントは、既に説明したように、有利区間の開始時において、主制御装置101側の付与ポイントとサブ制御装置81側のサブポイントとの合計値として与えられる(図90のステップS4603~ステップS4605)。但し、初回時のみの付与で終了するわけではなく、その後に主制御装置101において新たな付与ポイントが付与された場合には、その分のポイント数が演出可能ポイントに累積加算されていく。上記ステップS4801~ステップS4803の処理は、その累積加算の処理に対応するものである。
ステップS4803の実行後又はステップS4801で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS4804にて現在の演出可能ポイントが所定値(例えば5)以上であるか否かを判定する。この処理は、現在の演出可能ポイントとして、付与示唆演出を実行し得る程度のポイント数が確保されているか否かを判定するものである。よって、本ステップでの所定値には、付与示唆演出を実行するのに必要な最低限度のポイント数、換言すれば、付与示唆演出を実行する場合における演出済みポイントの最小値(5ポイント。図95(b))を用いる。
演出可能ポイントが所定値以上である場合は、ステップS4805に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにセットされている契機用フラグに対応する種別抽選テーブルを取得する。種別抽選テーブルは、付与示唆演出を実行するか否かの演出実行抽選と、付与示唆演出を実行する場合の種別(態様)を抽選する種別抽選とを併せて行うためのテーブルである。
図96(a)に示すように、付与示唆演出用の種別抽選テーブルは、ポイント付与契機ごとに設定されており、有利区間開始時の付与契機に対応した種別抽選テーブルAでは、付与示唆演出が実行される確率が10%(不実行となる確率が90%)に設定され、付与示唆演出が実行される場合の種別の振り分け確率が、泡小演出~泡大演出となる確率がそれぞれ3%、泡特大演出となる確率が1%に設定されている。
但し、付与示唆演出の実行が選択された場合の種別の振り分けは、その時点での演出可能ポイントの範囲内で行われる。例えば、その時点での演出可能ポイントが10ポイントである場合は、図96(b)に示すように、演出済みポイントが10ポイントを超える泡大演出及び泡特大演出が選択対象外とされ、演出済みポイントが5ポイントである泡小演出と、演出済みポイントが10ポイントである泡中演出との中から付与示唆演出の種別が選択される。その際、泡大演出に割り当てられていた3%と、泡特大演出に割り当てられていた1%とは、演出済みポイントが最小の泡小演出に付け替えられ、泡小演出が7%と泡中演出が3%との振分により種別抽選が行われる。すなわち、一部の種別が選択対象外となる場合、演出済みポイントが小さい側の種別が選択されやすくなる。
図96(a)に示すように、他の契機に対応する抽選テーブルでも付与示唆演出の実行確率と、付与示唆演出が実行される場合の種別の振り分け確率とが設定されている。具体的には、200ゲームハマリの付与契機に対応した種別抽選テーブルB及び400ゲームハマリの付与契機に対応した種別抽選テーブルCでは、付与示唆演出の実行確率が20%(不実行となる確率が80%)に設定され、600ゲームハマリの付与契機に対応した種別抽選テーブルDでは、付与示唆演出の実行確率が30%(不実行となる確率70%)に設定されている。すなわち、ハマリゲーム数に基づく付与契機の場合は、有利区間の開始からのゲーム数が進むほど(換言すれば、有利区間の終盤に近付くほど)、付与示唆演出が実行されやすくなっている。
また、第1ATモード移行抽選に当選しないままCZモードが終了した場合の付与契機に対応した種別抽選テーブルEと、第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了した場合の付与契機に対応した種別抽選テーブルFとでは、付与示唆演出の実行確率が40%(不実行となる確率が60%)に設定されている。
図96(a)では図示を省略しているが、上記種別抽選テーブルB~Fにおいても各種別の選択確率が各別に設定されている。そして、付与示唆演出の実行が選択された場合の種別の振り分けは、有利区間開始時の付与契機の場合と同様に、その時点での演出可能ポイントの範囲内で行われる。その際、選択対象外となる種別に割り当てられていた確率は、演出済みポイントが最小の泡小演出に付け替えられる。
なお、上記各種別抽選テーブルは一例に過ぎず、上記の構成に限定されるものではない。付与示唆演出の実行確率や各種別の振分確率については任意に設定することができる。
付与示唆演出処理(図94)の説明に戻り、ステップS4805で種別抽選テーブルを取得した後は、ステップS4806にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する種別抽選を実行する。本ステップでは、上記取得した種別抽選用テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタと、ステップS4803で更新した演出可能ポイントとに基づいて付与示唆演出の演出種別抽選を行う。
ステップS4807では、ステップS4806の抽選により選択された種別の付与示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。続くステップS4808では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに付与示唆フラグをセットする。付与示唆フラグは、付与示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。このように付与示唆フラグをセットした場合には、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、上記設定された演出データに基づき、上記抽選された態様の付与示唆演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。その際、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされた付与示唆フラグをクリアする。
なお、付与示唆演出の実行タイミングは特に限定されるものではなく、ゲームの開始タイミング(レバーオンのタイミングやリール回転の開始タイミング)でもよいし、ゲームの途中タイミング(所定の停止操作が行われたタイミングやゲームの開始から所定期間が経過したタイミング)でもよいし、ゲームの終了タイミング(リール32L~32Rの全停止時)でもよい。
ステップS4808の実行後はステップS4809にて、演出種別の抽選結果に対応した演出済みポイントを把握する。例えば、選択された種別が泡小演出である場合は演出済みポイントとして5ポイントを把握する。ステップS4810では、ステップS4809で把握した演出済みポイントを現在の演出可能ポイントから減算する。ステップS4811では、その減算結果を新たな演出可能ポイントとして演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶し、演出可能ポイントを更新する。上記ステップS4809~ステップS4811の処理により、今回の付与示唆演出の実行分が演出可能ポイントに反映される。ステップS4811の実行後は、本付与示唆演出用処理を終了する。
また、上記ステップS4804で否定判定した場合(演出可能ポイントが所定値未満である場合)は、演出可能ポイントが足りないため、付与示唆演出を実行しないとして上記ステップS4805~ステップS4811の処理をスキップし、本付与示唆演出用処理を終了する。
<トータル示唆演出用処理>
ステップS4609のトータル示唆演出用処理について図97のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4901では、主制御装置101からのポイント付与コマンドを受信しているか否かを判定する。ポイント付与コマンドを受信している場合、すなわち、主制御装置101側でポイントが付与されている場合は、ステップS4902に進み、現在のトータルポイントに付与ポイントを加算する処理を実行する。本ステップでは、受信したポイント付与コマンドに基づいて主制御装置101側の付与ポイントを把握し、その把握した付与ポイントをRAM183のトータルポイント記憶エリア183fに記憶されている現在のトータルポイントに加算する。続くステップS4903では、ステップS4902で導出した加算結果を新たなトータルポイントとしてトータルポイント記憶エリア183fに記憶し、トータルポイントを更新する。
ここで、トータル示唆演出及びトータルポイントについて説明する。トータル示唆演出は、既に説明したように、付与ポイントの合計値(合計ポイント)を示唆するものである。すなわち、本実施の形態では、上述した付与示唆演出により、ポイントの追加を遊技者に意識させることで、ポイントを貯める遊技への関心を高めつつ、トータル示唆演出により、付与されたポイントの全体量がどの程度まで達したかを見せることで、例えば、あともう少しであるなどの印象を遊技者に抱かせるものとしており、これらの演出を組み合わせて遊技継続の意欲を喚起する構成としている。
トータル示唆演出の具体的態様は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、上部ランプ63の発光色により合計ポイントを示唆する構成としている。詳しくは、先ず、図98(a)に示すように、「演出ボタンを押して」などの演出スイッチ66の操作を促す報知を補助表示部65にて行う。この報知は、ゲームの開始タイミングやゲーム途中における所定タイミングにて行う。その後、図98(b)に示すように、遊技者が演出スイッチ66を操作すると、図98(c)に示すように、上部ランプ63が発光する。この場合の発光色としては、青色、黄色、緑色及び赤色の4種類があり、青色から赤色にかけて合計ポイントが多いことを示唆するものなっている。トータル示唆演出は、数字等によりポイント数を明示するものではないため、遊技者としては、上部ランプ63の発光色を見ても具体的なポイント数までは把握することができない。すなわち、トータル示唆演出を見ることで、合計ポイントが多めであるか、少なめであるかなどの大まかな量を予測できる程度となっている。
上部ランプ63の発光色は、ポイントの合計値に対応させて選択するが、本実施の形態では、主制御装置101側の合計ポイントとサブ制御装置81側のサブポイントとを加算したトータルポイントに対応させて上記選択を行う。その際、主制御装置101で新たにポイントが付与された場合は、その付与ポイントをトータルポイントに反映させるようにしており、上記ステップS4901~ステップS4903は、そのための処理である。
なお、演出可能ポイントの場合とは異なり、トータル示唆演出を実行しても、その分のポイントをトータルポイントから減算することはない。すなわち、トータルポイントは、有利区間の開始時において、主制御装置101側の付与ポイントとサブ制御装置81側のサブポイントとの合計により開始値が与えられた後は、主制御装置101側で付与ポイントが付与される都度、増え続けていくものとなる。
トータル示唆演出用処理(図97)の説明に戻り、ステップS4903の実行後又はステップS4901で否定判定した場合(ポイント付与コマンドを受信していない場合)は、ステップS4904にて、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグがセットされているか否かを判定する。示唆演出フラグがセットされていない場合は、ステップS4905に進み、トータル示唆演出を実行するか否かを抽選する演出実行抽選を実行する。本ステップでは、トータル示唆演出用の実行抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得し、その抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて上記抽選を行う。
演出実行抽選に際しての当選確率は特に限定されるものではないが、本実施の形態のように各ゲームで実行抽選を行う場合は、当選確率を不当選の確率よりも低くすることが好ましい。なお、例えば、リール32L~32Rにおいて特定の出目が停止したり、有利区間開始からのゲーム数が所定数に達したりしたなど、所定契機が成立した場合にトータル示唆演出の演出実行抽選を行う構成としてもよい。
ステップS4906では、ステップS4905の演出実行抽選処理においてトータル示唆演出の実行に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップS4907に進み、RAM183のトータルポイント記憶エリア183fに記憶されている現在のトータルポイントを把握する。ステップS4908では、把握したトータルポイントに対応した種別抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する。
本実施の形態では、図99に示すように、トータル示唆演出用の種別抽選テーブルとして、トータルポイントのポイント数に応じた複数のテーブルを設定しており、ステップS4907では、それらのテーブルの中から現在のトータルポイントに対応したものを取得する。図99に示す各種別抽選テーブルでは、トータルポイントの区分けとして、24ポイント未満、25ポイント~39ポイント、40ポイント~49、50ポイント以上としているが、これらは、トータルポイントのポイント数を、少なめ、中程度、多め、特典付与値以上に対応させて区分したものである。
トータル示唆演出用の種別抽選テーブルでは、演出態様(上部ランプ63の発光色)の選択確率が設定されている。例えば、トータルポイントが24ポイント未満である場合に対応した種別抽選テーブルでは、緑色及び赤色が選択対象外とされた上で、青色となる確率が67%、黄色となる確率が33%に設定されている。各種別抽選テーブルについての細かい数値設定の説明は割愛するが、トータル示唆演出用の種別抽選テーブルでは、トータルポイントのポイント数が大きくなるほど、上位の発光色が選択されやすくなるように各発光色の選択確率が設定されている。
なお、上記各種別抽選テーブルは一例に過ぎず、各区分のポイント数の割り当てや各発光色の選択確率については任意に設定することができる。
ステップS4908で種別抽選テーブルを取得した後は、ステップS4909にて、取得した種別抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいてトータル示唆演出の種別抽選を行う。ステップS4910では、ステップS4909の種別抽選により選択された種別のトータル示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。
ステップS4911では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにトータル示唆フラグをセットする。トータル示唆フラグは、トータル示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。このようにトータル示唆フラグをセットした場合には、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、上記設定された演出データに基づき、上記抽選された態様のトータル示唆演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。その際、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされたトータル示唆フラグをクリアする。
なお、トータル示唆演出の実行タイミングは特に限定されるものではなく、ゲームの開始タイミング(レバーオンのタイミングやリール回転の開始タイミング)でもよいし、ゲームの途中タイミング(所定の停止操作が行われたタイミングやゲームの開始から所定期間が経過したタイミング)でもよいし、ゲームの終了タイミング(リール32L~32Rの全停止時)でもよい。
ステップS4911の実行後、ステップS4904で肯定判定した場合(示唆演出フラグがセットされている場合)又はステップS4906で否定判定した場合(演出実行抽選で非当選となった場合)は、本トータル示唆演出用処理を終了する。なお、示唆演出フラグがセットされている場合にステップS4905以降の処理をスキップするのは、付与示唆演出との重複実施を回避するためである。
<放出用処理>
ステップS4705の放出用処理について図100のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS5101では、ポイント放出演出を実行するための演出データを設定する。なお、ポイント放出演出は、上記第1の実施の形態に係るポイント放出演出(図57)と同様のものである。ステップS5102では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに放出演出フラグをセットする。放出演出フラグは、ポイント放出演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものであり、ポイント放出演出の実行時にクリアされる。
ステップS5103では、RAM183のポイント情報記憶エリア183dに記憶されているポイント情報をクリア(初期化)する処理を実行する。具体的には、演出可能ポイント記憶エリア183e及びトータルポイント記憶エリア183fにそれぞれ記憶されている演出可能ポイント及びトータルポイントを初期値(0)に変更するか、それらポイントの情報を消去する。すなわち、演出可能ポイント及びトータルポイントは、合計ポイントが特典付与値に到達した場合、換言すれば、特典付与値への到達に基づく特典が付与される場合に初期化される。ステップS5103の実行後は本放出用処理を終了する。
<ポイント演出の流れについて>
ポイント示唆演出の流れについて図101を参照しながら説明する。
先ず有利区間開始時の付与契機a1では、主制御装置101側ではポイントが付与されず、サブ制御装置81側では20ポイントのサブポイントが付与されたとする。この場合、サブ制御装置81の演出可能ポイントはそれらを加算した20ポイントとなり、また、トータルポイントについても20ポイントとなる。
付与契機a1では付与示唆演出の種別抽選が行われるが、この種別抽選は20ポイントの演出可能ポイントに基づいて行われる。すなわち、演出済みポイントが20ポイント以下である泡小演出、泡中演出、泡大演出が選択対象とされ(図95(b))、それらのうちから種別を選択するようにして行われる。また、この種別抽選では、当該演出の実行抽選と種別抽選とが併せて行われる(図96)。
上記抽選の結果、付与示唆演出として泡小演出が選択されたとする(事象a2)。例えば、実際の合計ポイントに基づいて付与示唆演出の種別抽選を行った場合には、合計ポイントが0ポイントであることから、付与示唆演出を実行することができない。この点、本実施の形態では、サブポイントを加算した加算値に基づいて種別抽選を行うため、付与示唆演出を実行することが可能になる。すなわち、実際の合計ポイントよりも大きい数値情報に基づいて付与示唆演出の実行抽選や種別抽選を行うため、主制御装置101側でポイントが付与されていない場合にも付与示唆演出を行うことが可能になる。
付与示唆演出として泡小演出が選択された場合は、それに対応する演出済みポイントとして5ポイントが把握される。そして、その5ポイントがその時点での演出可能ポイントである20ポイントから減算され、演出可能ポイントが15ポイントに更新される。この場合、トータルポイントについては種別抽選前の20ポイントが維持される。このため、次の付与契機b1が到来するまでの間においてトータル示唆演出の実行抽選に当選した場合には、トータル示唆演出の種別抽選テーブルとして24ポイント未満用のテーブルが取得され(図99)、トータル示唆演出の種別として青色発光と黄色発光のいずれかが選択される。
次の付与契機b1では、主制御装置101側で10ポイントのポイントが付与されたとする。この場合、その時点での演出可能ポイント(15ポイント)にその付与ポイント(10ポイント)が加算され、演出可能ポイントが25ポイントに更新される。このため、付与契機b1における付与示唆演出の種別抽選は、25ポイントの演出可能ポイントに基づいて行われる。この場合、演出済みポイントが20ポイント以下である泡小演出、泡中演出、泡大演出が選択対象とされ、それらのうちから付与示唆演出の種別が選択される。
上記抽選の結果、付与示唆演出として泡中演出が選択されたとすると(事象b2)、それに対応する演出済みポイントである10ポイントが把握される。そして、その10ポイントが25ポイントである演出可能ポイントから減算され、演出可能ポイントが15ポイントに更新される。
また、付与契機b1では、主制御装置101側で付与された10ポイントが、その時点でのトータルポイント(20ポイント)に加算され、トータルポイントが30ポイントに更新される。このため、次の付与契機c1が到来するまでの間においてトータル示唆演出の実行抽選に当選した場合には、トータル示唆演出の種別抽選テーブルとして25ポイント~39ポイント用のテーブル(図99)が取得され、トータル示唆演出の種別として青色発光と黄色発光のいずれかが選択される。この際、トータルポイントが24ポイント未満の場合に比べて黄色発光が選択されやすくなり、合計ポイントが増加していることの示唆が行われやすくなる。
次の付与契機c1では、主制御装置101側でポイントが付与されなかったとする。この場合、演出可能ポイントは変化せず、15ポイントのままとなる。そして、この演出可能ポイントに基づき、付与契機c1での付与示唆演出の種別抽選が行われる(事象c2)。この場合、演出済みポイントが15ポイント以下である泡小演出、泡中演出が選択対象とされ、それらのうちから付与示唆演出の種別が選択される。よって、主制御装置101側でポイントが付与されていない状況であるにもかかわらず、泡小演出又は泡中演出のいずれかの態様である付与示唆演出を実行することができる。
このように本実施の形態では、付与示唆演出の実行分に対応する演出済みポイントを演出可能ポイントから減算し、その残りの演出可能ポイントに基づいて次の演出実行契機での付与示唆演出の実行制御を行う構成としている。ここで、そのような構成の利点について図102を参照しながら説明する。ここでは、説明を分かりやすくするため、サブ制御装置81においてサブポイントを付与しないものとした上で、主制御装置101では、最初の付与契機Aで10ポイントが付与され、2回目の付与契機Bで5ポイントが付与され、3回目の付与契機Cではポイントが付与されなかったものとする。
図102(a)に示すように、例えば、各回の付与ポイント単位で付与示唆演出の実行制御を行う構成(各回の付与ごとに1回分の付与ポイントに基づいて付与示唆演出を実行する構成)では、10ポイントが付与された最初の付与契機Aで5ポイント分の付与示唆演出231が行われたとすると、残り分232である5ポイントの未使用分はその後使用されることなく終了する。このため、次の付与契機Bでは、新たな付与ポイント233である5ポイントの範囲内でしか付与示唆演出234を実行することができず、また、さらに次の付与契機Cでは、その前提(ベース)となる付与ポイント自体がないため、付与示唆演出を実行することができない。つまり、付与示唆演出として利用されたポイントは、付与契機Aから付与契機Cまでに付与されたポイントの総和である15ポイントのうちの10ポイントだけということになる。
これに対し、本実施の形態では、図102(b)に示すように、10ポイントが付与された最初の付与契機Aで5ポイント分の付与示唆演出231が行われたとすると、残り分232である5ポイントは、次の付与示唆演出を実行するためのポイントとして残される。このため、次の付与契機Bでは、前回契機の残り分232である5ポイントと、新たな付与ポイント233である5ポイントとの合計である10ポイントにまで範囲を広げて付与示唆演出を実行することができる。その際、5ポイント分の付与示唆演出234が行われたとすると、その残り分235である5ポイントは、さらに次の付与示唆演出を実行するためのポイントとして残される。よって、次の付与契機Cでは、ポイントが付与されていないにもかかわらず、5ポイントの範囲内で付与示唆演出を実行することができる。つまり、付与契機Aから付与契機Cまでに付与されたポイントの総和である15ポイントの全てを付与示唆演出を実行するためのポイントとして利用することができる。
このように本実施の形態によれば、付与示唆演出として使用されなかったポイントが後の付与示唆演出のためのポイントとして有効活用されるため、未使用分が無駄となることが抑制され、付与されたポイントに対して効率的に付与示唆演出を実行することが可能になる。これにより、実際の付与ポイントよりも大きいポイント数を前提として付与示唆演出を実行したり、ポイントが付与されていない中でも付与示唆演出を実行したりすることができる。特に、特典付与値への到達により特典を付与するという遊技では、ポイント付与の頻度を高めて付与示唆演出の機会を増やそうとすると、特典付与値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得なくなり、遊技者への訴求力が低下するため、ポイント付与の頻度をあまり高めることができないという制約がある。そのような事情を踏まえると、本実施の形態における、ポイント付与の頻度を抑えながら付与示唆演出の機会を高めることができるという効果は、より好ましいものといえる。
ポイント演出の流れ(図101)の説明に戻り、その後の付与契機n1では、主制御装置101側でポイントが付与されず、その際の演出可能ポイントは0ポイントであったとする。この場合、演出可能ポイントが付与示唆演出を実行するのに必要なポイント数に満たないため、付与示唆演出は実行されない。このように演出可能ポイントとの関係で付与示唆演出の実行が制限されるため、いたずらに付与示唆演出の頻度が高められるのではなく、主制御装置101側の合計ポイント及びサブ制御装置81側のサブポイントの合計値との整合が図られた状態で付与示唆演出が行われる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施の形態では、付与条件の成立によりポイントが付与され、その合計値(合計ポイント)が特典付与値に達すると、遊技者に特典(第2ATモードへの移行)が付与される。加えて、付与ポイントが付与されたことを示唆等する報知として付与示唆演出が行われるため、特典付与値に向けて合計ポイントが増えていくことを遊技者が認識することができ、ポイントをさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
このような構成において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、主制御装置101でのポイントの付与機会を多くして付与示唆演出の頻度を高め、ポイントへの遊技者の関心を高めることが好ましい。しかしながらその反面、ポイントの付与機会を多くすると、特典付与値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得ず、遊技者への訴求力が低下してしまうおそれがある。つまり、特定報知の頻度を高めようとすると、却ってポイントを用いた遊技の魅力が損なわれてしまう懸念がある。
この点、本構成では、主制御装置101にて付与された付与ポイントと別に、付与ポイントよりも大きい値の演出可能ポイントを導出し、この演出可能ポイントに基づいて付与示唆演出を実行する構成としている。この場合、実際の付与ポイントよりも大きい数値を前提として付与示唆演出を実行できるため、当該演出の頻度を高めることが可能になる。その際、演出可能ポイントは、専らサブ制御装置81にて付与示唆演出の実行制御に用いるに過ぎず、主制御装置101での特典の付与には関与しないため、特典付与値への到達難易度が低下することを抑制できる。よって、ポイントを用いた遊技の魅力が損なわれることを抑制しながら、報知頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
また、本実施の形態では、合計ポイントを示唆等する報知としてのトータル示唆演出についても、実際の合計ポイントを前提とするのではなく、当該合計ポイントよりも大きいトータルポイントを前提として実行制御する構成としている。例えば、実際の合計ポイントが0ポイントである場合、トータル示唆演出を行うことができなくなる懸念があるが、本構成によれば、実際の合計ポイントが0ポイントである状況であってもトータル示唆演出を行うことができる。つまり、本実施の形態によれば、付与示唆演出に留まらず、トータル示唆演出の頻度も向上させることが可能になる。
主制御装置101側で付与される付与ポイントと、サブ制御装置81側で導出されるサブポイントとを加算して演出可能ポイントを得る構成とした。
付与示唆演出を行う構成にあたっては、都度の演出内容から遊技者が付与されたポイント(付与量)を予測し、それらを遊技者自らが合計して凡その合計ポイントを予測することが想定される。このため、付与ポイントとは異なる数値を前提として付与示唆演出の実行制御を行うと、実際の付与ポイントとは懸け離れた付与示唆演出が実行されることで、遊技者が実際の合計ポイントと大きく乖離する合計値を予測してしまうおそれがある。この点、本構成によれば、演出可能ポイントの導出に付与ポイントを用いるため、実際に付与された付与ポイントとの関連性を確保しながら演出可能ポイントを導出することができる。よって、付与ポイントとは異なる演出可能ポイントを用いる構成でありながらも、付与示唆演出の内容が付与ポイントの実態と大きく乖離することを抑制することができ、付与示唆演出から遊技者が予測する合計値と、実際の合計ポイントとを整合させたり、近付けたりすることが可能になる。
また、付与ポイントとサブポイントとの加算結果を用いるため、付与ポイントが0ポイントである場合でも演出可能ポイントとして少なくともサブポイント分の数値を確保することができる。よって、付与契機において実際に付与ポイントが付与されたかを問わず付与示唆演出を実行することが可能になり、付与示唆演出の頻度を好適に高めることが可能になる。
また、トータルポイントについても、初回の付与ポイントとサブポイントとの加算値に対して新たに付与された付与ポイントを逐次上乗せする構成としており、実質的に付与ポイントの合計値とサブポイントとの加算値により導出する構成としているため、上にも述べたように、実際の合計ポイントが0ポイントである状況でもトータル示唆演出を実行することが可能になり、トータル示唆演出の頻度を好適に高めることが可能になる。
付与ポイントの大きさに基づいて演出可能ポイントの大きさを決定する構成とした。具体的には、付与ポイントが大きくなるほど大きいサブポイントが導出されやすくなり、演出可能ポイントが大きくなりやすい構成とした。
上記構成では、付与された付与ポイントが大きいほど、付与示唆演出の頻度や付与示唆演出により示される付与量が高まることになるため、付与示唆演出から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている付与ポイントとが乖離することを抑制可能となる。つまり、ポイントの付与量や蓄積量が大きいほど遊技者の期待感がより強く喚起されるものとなるため、いたずらに付与示唆演出の頻度が高められただけのものとはならず、実際の付与量や蓄積量を反映させつつ付与示唆演出の頻度を高めることが可能になる。
有利区間の開始時にサブポイントを導出する構成とした。この構成では、有利区間の開始タイミングに合わせてサブポイントを導出し、これを付与ポイントに加算して演出可能ポイントを得るため、演出可能ポイントを潤沢な状態にして有利区間での遊技を開始させることが可能になる。よって、有利区間の初期から付与示唆演出の頻度を高めることが可能になり、特典付与値への到達を期待する遊技者の期待感を好適に高めながら、有利区間での遊技を進行させることが可能になる。
サブ制御装置81においてサブポイントを導出する構成としたため、主制御装置101の処理負荷が増大することを抑制しながら付与示唆演出の頻度を高めることができる。一般に主制御装置101においては、サブ制御装置81に比べて不正に対する対策が強化されていることに鑑み、本実施の形態では、遊技を進行させるめの一般制御や、ポイントの付与、その合計が特典付与値に到達した場合の特典付与の制御といった遊技者の利益に関わる処理を主制御装置101に委ねる構成としているが、この場合、主制御装置101の処理負荷が高くなることが想定される。そのような状況で付与示唆演出の実行制御やサブポイントの導出処理まで主制御装置101に委ねる構成とすると、処理落ち等が発生して遊技に支障を来す懸念があるが、本構成によれば、そのような不都合の発生を抑制することができる。
また、本構成によれば、主制御装置101の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら付与示唆演出の頻度を高めることができ、主制御装置101に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
演出可能ポイントから先に実行した付与示唆演出の演出済みポイントを減算して演出可能ポイントを更新し、その更新した演出可能ポイントに基づいての後の付与示唆演出を実行する構成とした。
図102を参照して説明したように、例えば、各回の付与ごとに1回分の付与ポイントに基づいて付与示唆演出を実行する構成では、そのときの付与ポイントよりも小さい値に対応する付与示唆演出が行われた場合に、その未使用分はその後使用されることなく終了する。これに対して本構成では、演出可能ポイントよりも小さい演出済みポイントの付与示唆演出が行われた場合のポイント未使用分が後の付与示唆演出を実行するための数値として残され、無駄となることが抑制される。つまり、先の付与示唆演出で使用されなかったポイントを後の付与示唆演出の実行分として有効活用できるため、与えられた演出可能ポイントに対して効率的に付与示唆演出を実行することが可能になる。よって、実際に付与された付与ポイントよりも大きい値の演出可能ポイントを前提として付与示唆演出を実行する構成に対して本構成を適用することで、付与示唆演出の頻度を一層好適に高めることが可能となる。
付与示唆演出の各態様(泡小演出、泡中演出、泡大演出、泡特大演出)に対してそれぞれ演出済みポイントを設定し、実行された特定演出の態様に対応する演出済みポイントを演出可能ポイントから減算する構成とした。具体的には、付与示唆演出の各態様に対してそれぞれの態様が示す付与量の大きさ(換言すれば、遊技者の期待度)に対応する固有の演出済みポイントを設定する構成とした。
付与示唆演出として複数の態様を設けた場合、都度の付与示唆演出がいずれの態様で実行されるかにより、付与ポイントの大きさを示唆等することができる。そのような構成の下、例えば、付与示唆演出の演出済みポイントを報知態様にかかわらず一律の大きさとすると、更新後の演出可能ポイントに基づいて実行制御される後の付与示唆演出の態様が先の付与示唆演出の態様と無関係に選択されることになる。その結果、都度の付与示唆演出から遊技者が予測する合計ポイントと実際の合計ポイントとが大きく乖離し、付与示唆演出に対する遊技者の信頼が低下する懸念がある。
この点、本構成では、先の付与示唆演出の態様に応じた大きさの演出可能ポイントが演出可能ポイントから減算されるため、先の付与示唆演出の態様と関連させて後の付与示唆演出の態様を選択することができる。よって、都度の付与示唆演出から遊技者が予測する合計ポイントと実際の合計ポイントとを整合させたり、近付けたりすることができる。すなわち、付与示唆演出に対する遊技者の信頼が低下することを抑制しながら、付与示唆演出の頻度を高めることが可能になる。
更新後の演出可能ポイントの範囲内で後の付与示唆演出の態様を決定する構成とした。具体的には、付与示唆演出の複数の態様のうち、その時点での演出可能ポイント以下である態様から後の付与示唆演出の態様を決定する構成とした。
上記構成では、その時点での演出可能ポイントを超える値に対応した態様が選択対象外とされるため、実際の合計ポイントと乖離して後の付与示唆演出の態様が選択されることが抑制される。これにより、都度の付与示唆演出から遊技者が予測する合計ポイントと実際の合計ポイントとを整合させたり、近付けたりすることができる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態は、主制御装置101でのポイント付与契機が成立していない状況で付与示唆演出を実行する点で、上記第5の実施の形態と異なっている。本実施の形態について図103~図108を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態では、CZゲームやATモードへの移行抽選に当選したことを報知する演出として連続演出を実行するように構成されている。連続演出は、複数回のゲームに亘って一連の演出として行われるものであり、その最終ゲームにてCZモード等への移行抽選に当選したか否かを報知するように構成されている。
ここで、連続演出の一例について図103を参照しながら説明する。ここでは3ゲームに亘って行われる連続演出を例にとって説明する。
連続演出が開始されるゲーム(1ゲーム目のゲーム)では開始演出が実行される。この開始演出では、図103(a)に示すように、補助表示部65の表示画面において、少女キャラクタ251とともに、例えば「魔法使いに変身できたら当り」などの文字画像252が表示される。この開始演出は、例えば、連続演出の開始ゲームにおいてスタートレバー41が操作された際に実行される。
その後のゲームでは、少女キャラクタ251が魔法使いキャラクタ253に変身できるか否かにより、CZモード等への移行抽選に当選したか否かを報知する。具体的には、2ゲーム目のゲームでは、図103(b)に示すように、補助表示部65の表示画面において少女キャラクタ251が魔法使いキャラクタ253に変身する過程の映像が表示される。そして、3ゲーム目のゲーム(連続演出での最終ゲーム)では、変身に成功したか否かの結果映像を表示し、これによって、当選の有無を報知する。その際、CZモード等への移行に当選している場合は、図103(c1)に示すように、変身に成功した魔法使いキャラクタ253が現れる映像を表示する。一方、CZモード等への移行に当選していない場合は、図103(c2)に示すように、変身に失敗した少女キャラクタ251が現れる映像を表示する。
上に述べた映像演出は、連続演出としての演出態様の一例に過ぎず、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが登場し、それらが戦った勝敗によりCZモード等の当選の有無を報知するなど、他の態様であってもよい。また、連続演出のゲーム数は3ゲームに限定されず、2ゲームであったり、4ゲームであったりしてもよい。
なお、成功結末や勝利結末の連続演出を実行する場合、主制御装置101では、CZモード等に当選したことに基づき、前兆ゲーム数を設定して前兆モードに移行する。前兆モードに移行した場合には、前兆ゲーム数の残りゲーム数が0となるまでCZモード等への移行が待機される。サブ制御装置81では、前兆モード中、すなわち、CZモード等の当選後、当該モードへの移行が待機されている期間において上記連続演出を実行するように制御する。例えば、前兆ゲーム数が5ゲームに設定された場合において3ゲームの連続演出を実行する場合は、前兆モードの残りゲーム数が3ゲームとなったタイミングから連続演出を開始するように制御する。これにより、前兆モードの最終ゲームでCZモード等の当選報知を行うことができる。上記の際、連続演出を開始する前の2ゲームにおいては予告演出等の連続演出以外の演出を実行し、いわゆる煽りを行う。
次に、本実施の形態においてサブ制御装置81のCPU181により実行される各制御処理について説明する。
<特定役報知用処理>
本実施の形態に係る特定役報知用処理について図104のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における開始時演出設定処理(図49)のステップS2305で実行されるものであり、詳しくは、特定役(所謂レア役)に当選した場合に実行されるものである。特定役報知用処理は、疑似前兆用の連続演出(CZモード等の非当選を報知する連続演出)の設定処理を行ったりするものである。
先ずステップS6101にて、チャンス演出を今回のゲームの演出として設定するか否かのチャンス演出実行抽選を行う。チャンス演出では、例えば、補助表示部65にて「チャンス!!」という文字表示を行うとともに、ビックリマークが付されたキャラクタを各リール32L,32M,32Rに対応させてそれぞれ表示するようにする(図54(c))。なお、チャンス演出実行抽選の当選確率が特定役の種類や遊技状態、設定値等によって異なる構成としてもよい。
ステップS6102では、ステップS6101の抽選処理に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS6103にて今回のゲームの演出として上記チャンス演出が行われるように設定する。
ステップS6103の実行後又はステップS6102で否定判定した場合(チャンス演出実行抽選で非当選となった場合)は、ステップS6104にて、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドは、主制御装置101において前兆モードに移行する場合、換言すれば、CZモード等への移行に当選している場合に送信されるものである。なお、前兆コマンドには、前兆モードに移行したことを示す情報のほか、前兆ゲーム数を示す情報が含まれる。
前兆コマンドを受信していない場合は、ステップS6105にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグは、前兆モード中であることをCPU181が把握するためのものであり、上記前兆コマンドを受信した場合にセットされ、前兆モードが終了した場合にクリアされる。
前兆フラグがセットされていない場合は、ステップS6106にて上記各種フラグ格納エリア183aに疑似フラグがセットされているか否かを判定する。疑似フラグは、疑似前兆モード中であることをCPU181が把握するためのものである。疑似前兆モードは、実際には前兆モードに移行していないものの、遊技者に対して上記移行がなされた(換言すれば、CZモード等に当選した)ことを期待させるためのモードであり、この疑似前兆モードの期間を利用してCZモード等の非当選を報知するための連続演出を実行する。なお、疑似前兆モードの継続ゲーム数としては、前兆モードの場合と同様に、連続演出のゲーム数よりも多いゲーム数が設定される場合が多く発生する。その際、連続演出の開始前の期間において遊技者に当選を期待させる煽り演出(連続演出以外の演出)が行われる。この煽り演出は、程度の差はあるものの、前兆モードにおける連続演出開始前の期間でも行われるため、遊技者から見て前兆モードと疑似前兆モードとの明確な識別は不可又は困難となっている。
擬似フラグがセットされていない場合は、ステップS6107に進み、疑似前兆モードの実行抽選を行う。本ステップでは、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得した疑似前兆モード抽選用のテーブルと、各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて上記抽選を行う。疑似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している移行契機役の種類に応じて疑似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも疑似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS6108では、ステップS6107の処理結果に基づいて疑似前兆モードの実行抽選に当選したか否かを判定する。当該抽選に当選していない場合はそのまま本特定役報知用処理を終了する一方、当選している場合は、ステップS6109にて疑似前兆モードのゲーム数(疑似前兆ゲーム数)の抽選処理を行う。ステップS6110では、ステップS6109で選択された疑似前兆ゲーム数を各種カウンタエリア183bに設けられた疑似前兆カウンタにセットする。疑似前兆カウンタは、疑似前兆モードの残りゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。
ステップS6111では、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタに連続演出のゲーム数をセットする。連続演出カウンタは、連続演出の残りゲーム数をCPU181が把握するためのものである。ステップS6112では、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似フラグをセットし、その後、本特定役報知用処理を終了する。また、上記ステップS6104~ステップS6106のいずれかで肯定判定した場合(前兆コマンドを受信している場合、又は前兆フラグ若しくは疑似フラグのいずれかがセットされている場合)は、前兆用の連続演出や、既に実行されている疑似前兆用の連続演出との重複実施を避けるべく、ステップS6107以降の処理をスキップして本特定役報知用処理を終了する。
<開始時演出設定処理>
本実施の形態に係る特定役報知用処理について図105のフローチャートを参照しながら説明する。本実施の形態では、ステップS4609(図90)の後段にステップS6201の連続演出設定処理が設けられている。連続演出設定処理は、連続演出を実行するための設定を行うものである。
<連続演出設定処理>
ステップS6201の連続演出設定処理について図106のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS6301では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信している場合は、ステップS6302にてRAM183の各種カウンタエリア183bに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数をセットする。ステップS6303では、上記各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタに連続演出のゲーム数をセットする。
ステップS6303の実行後又はステップS6301で否定判定した場合(前兆コマンドを受信していない場合)は、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグは、連続演出の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。連続演出フラグがセットされている場合、すなわち、連続演出の実行中である場合は、ステップS6305に進み、連続演出カウンタの値を1減算して更新する。
一方、連続演出フラグがセットされていない場合、すなわち、連続演出の実行中でない場合は、ステップS6306にて連続演出の実行タイミング(開始タイミング)であるか否かを判定する。連続演出の実行タイミングでない場合は、そのまま本連続演出設定処理を終了する一方、連続演出の実行タイミングである場合は、ステップS6307にて、上記各種フラグ格納エリア183aに連続演出フラグをセットする。
ステップS6305又はステップS6307の実行後は、ステップS6308にて上記フラグ格納エリア183aに疑似フラグがセットされているか否かを判定する。疑似フラグがセットされていない場合、すなわち、前兆用の連続演出を実行すべき状況である場合は、ステップS6309に進み、前兆用の連続演出の演出データを設定する。本ステップでは、連続演出カウンタの値を参照して今回のゲームが連続演出での何ゲーム目に該当するかを把握し、その把握したゲームに対応する演出データを設定する。例えば、1ゲーム目のゲームであれば、上述した開始演出の演出データを設定し、最終ゲームであれば、変身に成功する結果映像の演出データを設定する。
ステップS6308で肯定判定した場合(疑似フラグがセットされている場合)は、ステップS6310に進み、疑似前兆用の連続演出の演出データを設定する。本ステップにおいても、連続演出カウンタの値を参照して今回のゲームが連続演出での何ゲーム目に該当するかを把握し、その把握したゲームに対応する演出データを設定する。その際、連続演出の最終ゲームが把握されれば、変身に失敗する結果映像の演出データを設定する。
ステップS6309又はステップS6310の実行後はステップS6311にて、連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合は、ステップS6312にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされた連続演出フラグをクリアする。
ステップS6313では、上記各種フラグ格納エリア183aに疑似フラグがセットされているか否かを判定する。疑似フラグがセットされている場合は、ステップS6314にて疑似フラグをクリアするとともに、ステップS6315にて上記各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆終了フラグをセットする。疑似前兆終了フラグは、疑似前兆用の連続演出が終了することをCPU181が把握するためのものである。ステップS6315の実行後、ステップS6311で否定判定した場合(連続演出カウンタが0でない場合)又はステップS6313で否定判定した場合(疑似フラグがセットされていない場合)は、本連続演出設定処理を終了する。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図107(a)のフローチャートを参照しながら説明する。図107(a)に示す処理は、上記第5の実施の形態に係る全停止時演出設定処理(図93)において、ステップS2421(図50)で否定判定した場合に実行される処理として設けられるものである。
ステップS2421で否定判定した場合(第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドのいずれも受信していない場合)は、ステップS6401に進み、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに疑似前兆終了フラグがセットされているか否かを判定する。疑似前兆終了フラグは、上述のように、疑似前兆用の連続演出における最終ゲームでセットされるものであるため、本ステップの処理は、今回のゲームが疑似前兆用の連続演出での最終ゲームであるか否かを判定するものとなる。
疑似前兆終了フラグがセットされている場合は、ステップS6402にて疑似前兆終了フラグをクリアした後、ステップS6403にて、現在の演出可能ポイントが所定値(例えば5)以上であるか否かを判定する。この処理は、現在の演出可能ポイントとして、付与示唆演出を実行し得る程度のポイント数が確保されているか否かを判定するものである。
演出可能ポイントが所定値以上である場合は、ステップS6404に進み、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから疑似前兆用の連続演出終了時に対応した種別抽選テーブルを取得する。この種別テーブルは、付与示唆演出を実行するか否かの演出実行抽選と、付与示唆演出を実行する場合の種別(態様)を抽選する種別抽選とを併せて行うためのテーブルである。すなわち、本実施の形態では、失敗の結末となる連続演出の終了時において、主制御装置101でのポイント付与契機ではないものの、サブ制御装置81側で独自に付与示唆演出を実行するように構成されている。
連続演出終了時用の種別抽選テーブルでは、図107(b)に示すように、付与示唆演出が実行される確率が10%(不実行となる確率が90%)に設定されており、上記第5の実施の形態に係る種別抽選テーブルAと同様に他の種別抽選テーブルB~Fに比べて低めに設定されている。また、付与示唆演出の実行が選択された場合の種別の振り分けは、上記第5の実施の形態に係る種別抽選テーブルAと同様に、その時点での演出可能ポイントの範囲内で行われる。例えば、その時点での演出可能ポイントが10ポイントである場合は、演出済みポイントが10ポイントを超える泡大演出及び泡特大演出が選択対象外とされ、演出済みポイントが5ポイントである泡小演出と、演出済みポイントが10ポイントである泡中演出との中から付与示唆演出の種別が選択される。
ステップS6404で種別抽選テーブルを取得した後は、ステップS6405にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する種別抽選を実行する。本ステップでは、上記取得した種別抽選用テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタ(乱数)とに基づいて付与示唆演出の種別抽選を行う。
ステップS6406では、ステップS6405の抽選により選択された種別の付与示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。ステップS6407では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに付与示唆フラグをセットする。付与示唆フラグは、付与示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。このように付与示唆フラグをセットした場合には、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、上記設定された演出データに基づき、上記抽選された態様の付与示唆演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。本実施の形態では、上記付与示唆演出が疑似前兆用の連続演出における最終ゲームのゲーム終了時(リール32L~32Rの全停止時)に実行されるように制御する。その際、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされた付与示唆フラグをクリアする。
ステップS6407の実行後はステップS6408にて、演出種別の抽選結果に対応した演出済みポイントを把握し、これを現在の演出可能ポイントから減算する。ステップS6409では、その減算結果を新たな演出可能ポイントとして演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶し、演出可能ポイントの更新を行う。ステップS6409の実行後、上記ステップS6401で否定判定した場合(疑似前兆終了フラグがセットされていない場合)又は上記ステップS6403で否定判定した場合(演出可能ポイントが所定値未満である場合)は、ステップS2423に進み、その他の全停止時演出設定処理を実行する。
このように本実施の形態では、演出可能ポイントを利用し、疑似前兆用の連続演出の終了時に付与示唆演出の実行機会を設けるが、それに加えてさらに第1ATモードへの移行時にも付与示唆演出の実行機会を設ける構成としている。そのための構成について図108(a)のフローチャートを参照しながら説明する。図108(a)の処理は、上記第5の実施の形態に係る全停止時演出設定処理(図93)において、ステップS2403(図50)で否定判定した場合に実行される処理として設けられるものである。
ステップS2403で否定判定した場合(CZ終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS6501にて、今回の全停止時コマンドとして第1AT開始コマンド(図39のステップS1407)を受信しているか否かを判定する。第1AT開始コマンドを受信している場合は、ステップS6502~ステップS6508の処理を実行する。これらの処理は、図107(a)のステップS6403~ステップS6409と同様のものであり、付与示唆演出を実行するためのものである。
但し、種別抽選テーブルを取得するステップS6503では、連続演出終了用の種別抽選テーブルに代えて、第1ATモード開始時に対応した種別抽選テーブルを取得する。第1AT開始時用の抽選テーブルでは、図108(b)に示すように、付与示唆演出が実行される確率が50%(不実行となる確率が50%)に設定されており、連続演出終了時の種別抽選テーブルや付与契機に伴う種別抽選テーブルA~Fに比べて高めに設定されている。このように高めの実行確率を設定しているのは、特典付与値に到達した場合に付与される特典が第1ATモードの終了後に第2ATモードに移行(昇格)することであるところ、第1ATモードの開始時に積極的に付与示唆演出を行うことで、遊技者が第2ATモードへの移行に対する期待感を高く持って第1ATモードを遊技できるようになり、第1ATモードでの遊技をより楽しめると考えられるためである。
なお、連続演出終了用のものも含めて上述した種別演出テーブルは一例に過ぎず、上記の構成に限定されるものではない。例えば、連続演出終了用と第1AT開始時用とで共通の実行確率としたり、第1AT開始時用の演出実行確率を連続演出終了用のそれよりも低くしたりするなど、その具体的な確率は任意に設定することができる。
上記ステップS6501で否定判定した場合(第1AT開始コマンドを受信していない場合)は、ステップS6502に進み、今回の全停止時コマンドとして第2AT開始コマンド(図41のステップS1608)を受信しているか否かを判定する。第2AT開始コマンドを受信している場合は、ステップS2408の処理(第2ATモードの開始演出の設定処理)に進み、第2AT開始コマンドを受信していない場合は、ステップS2409の処理(第1AT終了コマンドを受信しているか否かの判定処理)に進む。
<付与示唆演出の流れについて>
本実施の形態に係る付与示唆演出の流れについて説明する。なお、上記第5の実施の形態と同様の流れについては説明を省略又は簡略化する。
図101の場合と同様に、有利区間開始時の付与契機a1において、主制御装置101側ではポイントが付与されず、サブ制御装置81側では20ポイントのサブポイントが付与されたとする。この場合、サブ制御装置81の演出可能ポイントはそれらを加算した20ポイントとなる。そして、上記付与契機a1において、付与示唆演出として泡小演出が選択されたとする(事象a2)。この場合、泡小演出に対応する5ポイントの演出済みポイントが20ポイントの演出可能ポイントから減算され、演出可能ポイントが15ポイントに更新される。
その後、付与契機b1となる前に疑似前兆用の連続演出(図103)が実行されると、その最終ゲームにおいて疑似前兆終了フラグがセットされる。その結果、主制御装置101における付与ポイントの付与契機ではないものの、上記最終ゲームの終了時において付与示唆演出の種別抽選が実行される。この種別抽選は、付与示唆演出を実行するか否かと、実行する場合の態様の選択とを兼ねたものである。また、この種別抽選では、その時点での演出可能ポイントの範囲内で付与示唆演出の種別を選択するように行われ、具体的には、演出済みポイントが演出可能ポイント(15ポイント)以下である泡小演出、泡中演出のみが選択対象とされ(図95(b))、それ以外の泡大演出、泡特大演出が選択対象外とされる。
上記抽選の結果、泡中演出が選択されたとすると、当該演出が補助表示部65等にて上記最終ゲームの終了時に実行される。また、泡中演出が対応する演出済みポイント(10ポイント)がその時点での演出可能ポイント(15ポイント)から減算され、演出可能ポイントが5ポイントに更新される。
その後、付与契機b1において、主制御装置101側で10ポイントが付与されたとすると、その付与ポイントが演出可能ポイントに加えられ、演出可能ポイントが15ポイントに更新される。このため、付与契機b1では、演出可能ポイントを15ポイントとして付与示唆演出の種別抽選が実行される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ポイントの付与契機ではない場合に付与示唆演出を実行する構成としたため、ポイントの付与契機を増加させなくても、付与示唆演出の実行頻度を高めることが可能になる。よって、付与契機の増加により特典の程度が低くなることを抑制しながら、付与示唆演出の頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
また、その場合の付与示唆演出の実行制御を演出可能ポイントに基づいて行う構成とした。これにより、いたずらに付与示唆演出の頻度を高めるだけのものにならず、実際の合計ポイントに対応させながら付与示唆演出の頻度を高めることが可能になる。
付与契機ではない場合の付与示唆演出を疑似前兆用の連続演出の実行に合わせて行う構成とした。連続演出ではCZモード等への当選有無が報知されるため、連続演出が行われる場合、遊技者は、当該演出に高い関心を寄せて見ていることが想定される。本構成では、連続演出の実行に合わせて付与示唆演出を実行する構成としたため、付与示唆演出に注目させやすくすることができ、ポイントへの関心を効果的に高めることが可能になる。
加えて、本構成では、前兆用の連続演出ではなく、疑似前兆用の連続演出に対応させて付与示唆演出を行う構成としている。例えば、前兆用の連続演出に対応させて付与示唆演出を行う構成によっても、付与示唆演出への注目度が高まることを期待できるが、この構成では、連続演出後に移行するCZモード等との関係も踏まえて付与示唆演出の態様や実行タイミング等を上手く調整しないと、付与示唆演出による演出効果を適切に発揮できなかったり、CZモード等の始まりが曖昧となって遊技者の混乱を招いたりする懸念がある。この点、本構成によれば、そのような面倒な調整が不要となるため、演出設計の手間が増大することを抑制しながら、付与示唆演出への注目度を高めることが可能になる。
疑似前兆の連続演出の実行制御をサブ制御装置81が行う上で、当該演出の終了に合わせて付与示唆演出を実行する構成としたため、付与契機ではない場合の付与示唆演出の実行制御にあたって主制御装置101の寄与度を低く抑えることができる。よって、主制御装置101の処理負荷が増大することを抑制しながら付与示唆演出の頻度を高めることができる。また、本構成によれば、主制御装置101の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら付与示唆演出の頻度を高めることができ、主制御装置101に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態は、付与示唆演出の実行確率が高くなる高確率モードが設けられている点で上記第5の実施の形態と異なっている。本実施の形態について図109~図111を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<全停止時演出設定処理>
本実施の形態に係る全停止時演出設定処理について図109のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、上記第5の実施の形態に係る図93(c)の全停止時演出設定処理に代えて実行されるものである。図109において図93(c)と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS2415で否定判定した場合(第2AT終了コマンドを受信していない場合)は、ステップS4709にて、今回の全停止時コマンドとしてポイント契機コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明したように、上記第5の実施の形態では、200ゲーム、400ゲーム、600ゲームを消化した場合、主制御装置101にてポイント付与契機が成立するように構成されており、本ステップは、それらの付与契機が成立したか否かを判定するものである。
ポイント契機コマンドを受信している場合は、ステップS4710に進み、対応する契機用フラグをRAM183の各種フラグ格納エリア183aにセットする。ステップS4710では、受信したポイント契機コマンドに基づき、成立した付与契機が200ゲームハマリ、400ゲームハマリ、600ゲームハマリのいずれであるかを把握する。そして、200ゲームハマリである場合は契機用フラグBを、400ゲームハマリである場合は契機用フラグCを、600ゲームハマリである場合は契機用フラグDをそれぞれセットする(図92(b))。
ステップS7101では、RAM183の演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶されている現在の演出可能ポイントが所定値(例えば5)以上であるか否かを判定する。演出可能ポイントが所定値以上である場合は、ステップS7102に進み、高確率モードに移行するか否かを抽選する高確率モード移行抽選を行う。高確率モードは、通常モード(低確率モード)に比べて付与示唆演出の実行抽選に当選しやすく、当該演出の実行頻度が高められるモードである。本ステップでは、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから高確率モード用の移行抽選テーブルを取得し、その取得した抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて上記抽選処理を行う。
高確率モード用の移行抽選テーブルでは、図110(a)に示すように、ハマリゲーム数に対応して高確率モードへの移行率が設定されている。具体的には、200ゲームハマリ及び400ゲームハマリの場合は高確率モードへの移行率が5%となり、600ゲームハマリの場合は上記移行率が10%となるように設定されている。なお、上記移行率は一例に過ぎず、その具体的な数値は任意に設定することができる。
ステップS7103では、ステップS7102の処理結果に基づいて、高確率モード移行抽選に当選したか否かを判定する。当該抽選に当選している場合は、ステップS7104に進み、高確率モード用の演出データを設定する。高確率モード中である場合、ポイントが付与されやすい状態であることを報知する専用演出を補助表示部65等にて行うこととしており、上記演出データはその専用演出を実行するためのものである。なお、ポイントが付与されやすい状態であることの報知としては、例えば、「ポイント高確率中」といった文字表示等を行うものが考えられる。
ステップS7105では、上記各種フラグ格納エリア183aに高確率フラグをセットする。高確率フラグは、高確率モード中であることをCPU181が把握するためのものである。よって、高確率フラグをセットすることで、付与示唆演出の実行抽選モードが高確率モードに移行する。
また、高確率フラグをセットした場合には、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、上記設定された演出データに基づき、高確率モード用の演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。本実施の形態では、高確率モード用の演出が次のゲームの開始時から実行されるように制御する。
ステップS7105の実行後、ステップS7101で否定判定した場合(演出可能ポイントが所定値未満である場合)又はステップS7103で否定判定した場合(高確率モード移行抽選に当選していない場合)は、ステップS7106にて付与示唆演出用処理を実行し、その後、ステップS2423のその他の全停止時演出設定処理を実行する。
<付与示唆演出用処理>
本実施の形態に係る付与示唆演出用処理について図111のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ステップS4608(図90)、ステップS4703(図93(a))、ステップS4708(図93(b))及びステップS7106(図109)にて行われるものである。なお、図111において図94の付与示唆演出用処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS4803(演出可能ポイントの更新)の実行後又はステップS4801で否定判定した場合(ポイントが付与されていない場合)は、ステップS7201にてRAM183の各種フラグ格納エリア183aに高確率フラグがセットされているか否かを判定する。高確率フラグがセットされていない場合、すなわち、高確率モード中でない場合は、ステップS4804(図94)以降の処理を実行する。一方、高確率フラグがセットされている場合は、ステップS7202に進み、現在の演出可能ポイントが所定値(例えば5)以上であるか否かを判定する。
現在の演出可能ポイントが所定値以上である場合は、ステップS7203にて、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから高確率モード用の種別抽選テーブルを取得する。高確率モード用の種別抽選テーブルでは、図110(b)に示すように、付与示唆演出の実行が100%(不実行となる確率が0%)に設定されており、通常モードの場合よりも高くなっている。また、種別の振り分け確率は、泡小演出~泡大演出となる確率がそれぞれ30%、泡特大演出となる確率が10%に設定されている。
ステップS7204では、ステップS7203で取得した種別抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて付与示唆演出の種別抽選を行う。その際、泡小演出、泡中演出、泡大演出、泡特大演出のうちのいずれを選択するかは、ステップS4806(図94)の演出種別抽選の場合と同様に、演出可能ポイントの範囲内で行う。例えば、その時点での演出可能ポイントが10ポイントである場合は、演出済みポイントが10ポイントを超える泡大演出及び泡特大演出が選択対象外とされ、演出済みポイントが5ポイントである泡小演出と、演出済みポイントが10ポイントである泡中演出との中から付与示唆演出の種別が選択される。この場合、泡大演出に割り当てられていた30%と、泡特大演出に割り当てられていた10%とは、演出済みポイントが最小の泡小演出に付け替えられ、泡小演出が70%と泡中演出が30%との振分により種別抽選が行われる。
なお、上述した高確率モード用の種別抽選テーブルは一例に過ぎず、上記の構成に限定されるものではない。例えば、付与示唆演出の実行確率は必ずしも100%である必要はなく、通常モード時よりも高いものであれば100%未満の確率であってもよい。また、各種別の振分確率についても任意に設定することができる。
ステップS7204の実行後はステップS7205~ステップS7208の処理を実行する。これらの処理については、図94の付与示唆演出用処理におけるステップS4807~ステップS4811と同様であるため、説明を省略する。
ステップS7208の実行後はステップS7209にて、今回のポイント付与契機が高確率モードに移行してからの初回目の契機であるか否かを判定する。本実施の形態では、高確率モードへの移行契機とポイント付与契機とが同じゲームで成立する構成となっているため、本ステップの処理は、今回のゲームが高確率モードへの移行ゲームであるか否かを判定するものともいえる。
初回目の契機でない場合は、ステップS7210にて高確率モードの継続抽選を行う。継続抽選では、高確率モードの継続確率を所定確率(例えば70%)とした上で、各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタを用いて抽選処理を行う。ステップS7211では、ステップS7210の処理結果に基づいて継続抽選に当選したか否かを判定する。継続抽選に当選している場合は、高確率モードを継続するとしてそのまま本付与示唆演出用処理を終了する。また、ステップS7209で初回目の契機である場合も、高確率モードを継続させるべく、ステップS7210及びステップS7211の処理をスキップして本付与示唆演出用処理を終了する。
ステップS7211で否定判定した場合(継続抽選に当選していない場合)は、ステップS7212にて、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされている高確率フラグをクリアする。これにより、高確率モードが終了し、通常モードに移行する。また、上記ステップS7202で演出可能ポイントが所定値以上でない場合も、ステップS7212に進んで高確率フラグをクリアする。すなわち、演出可能ポイントが不足している場合は、高確率モードを終了させる。ステップS7212の実行後は本付与示唆演出用処理を終了する。
このように本実施の形態では、所定の移行条件が成立することで、付与示唆演出の実行確率が高められた高確率モードに移行する構成となっている。高確率モードでは、付与示唆演出の頻度が高められるため、合計ポイントが特典付与値に到達することへの遊技者の期待感が高められ、遊技継続の意欲を好適に高めることが可能になる。
なお、上記実施の形態では、本実施の形態を上記第5の実施の形態に適用した構成について説明したが、本実施の形態は上記第6の実施の形態に適用することも可能である。かかる構成では、高確率モードに移行している場合、付与契機でない場合の付与示唆演出の実行確率についても通常モードの場合に比べて高くなる。
<第8の実施の形態>
上記第5の実施の形態では、主制御装置101側の付与ポイントとサブ制御装置81側のサブポイントとの合計値によりトータルポイント(トータル示唆演出を実行する場合に参照する数値情報)を導出する構成としたが、本実施の形態では、サブ制御装置81側の演出済みポイントに基づいてトータルポイントを導出する構成となっている。本実施の形態について図112~図117を参照しながら説明する。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
<開始時演出設定処理>
本実施の形態に係る開始時演出設定処理について図112のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81における演出設定処理(図48)のステップS2206にて実行されるものであり、図90の開始時演出設定処理に代えて実行されるものである。図112において図90と同様の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
上記第5の実施の形態に係る図90の開始時演出設定処理では、ステップS4606にて付与ポイントとサブポイントとの加算結果をトータルポイントとして記憶する処理が設けられていたが、本実施の形態に係る図112の開始時演出設定処理では、そのような処理が設けられていない。すなわち、本実施の形態では、ステップS4605にて付与ポイントとサブポイントとの加算結果を演出可能ポイントとして記憶した後、トータルポイントの記憶処理を実行せず、ステップS4607に進んでRAM183の各種フラグ格納エリア183aに契機用フラグAをセットする。契機用フラグAは、今回のポイント付与契機が有利区間の開始に基づく付与契機であることを示すものである。
ステップS4607の実行後はステップS8101にて、付与示唆演出を実行するための付与示唆演出用処理を実行する。続くステップS8102では、トータル示唆演出を実行するためのトータル示唆演出用処理を実行し、その後、ステップS2315にてその他の開始時演出設定処理を実行する。
<付与示唆演出用処理>
本実施の形態に係る付与示唆演出用処理について図113のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、ステップS8101(図112)、ステップS4703(図93(a))、ステップS4708(図93(b))及びステップS4711(図93(c))にて行われるものである。なお、図113において図94の付与示唆演出用処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ステップS4803(演出可能ポイントの更新)の実行後又はステップS4801で否定判定した場合(ポイントが付与されていない場合)は、ステップS4804にて現在の演出可能ポイントが所定値(例えば5)以上であるか否かを判定する。この処理は、現在の演出可能ポイントが付与示唆演出を実行し得る程度であるか否かを判定するものである。演出可能ポイントが所定値以上である場合は、ステップS8201に進み、現在の演出可能ポイントに対応した種別抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する。
本実施の形態では、図114に示すように、付与示唆演出の種別抽選テーブルとして演出可能ポイントのポイント数に応じた複数のテーブルを設定しており、ステップS8201では、それらのテーブルの中から現在のトータルポイントに対応したものを取得する。図114に示す各種別抽選テーブルでは、演出可能ポイントの区分けとして、6ポイント~10ポイント、11ポイント~20ポイント、21ポイント以上が設定されており、演出可能ポイントが大きいほど付与示唆演出の実行確率が高くなるように設定されている。付与示唆演出の実行が選択された場合の種別の振り分けについては、上記第5の実施の形態におけるステップS4806の場合と同様に、その時点での演出可能ポイントの範囲内とされる。例えば、その時点での演出可能ポイントが10ポイントである場合は、演出済みポイントが5ポイントである泡小演出と、演出済みポイントが10ポイントである泡中演出との中から付与示唆演出の種別が選択される。
なお、図114の種別抽選テーブルにおける各種数値は一例に過ぎず、図示のものに限定されるものではない。また、演出可能ポイントの区分についても、2区分としてもよいし、4以上の区分としてもよい。
ステップS8201で種別抽選テーブルを取得した後は、ステップS8202にて、ポイント示唆演出の種別を抽選する種別抽選を実行する。本ステップでは、上記取得した種別抽選用テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて付与示唆演出の演出種別抽選を行う。その後、ステップS4807にて、ステップS8202の抽選により選択された種別の付与示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。ステップS4808では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに付与示唆フラグをセットし、ステップS4809では、演出種別の抽選結果に対応した演出済みポイントを把握する。例えば、選択された種別が泡小演出である場合は演出済みポイントとして5ポイントを把握する。
ステップS4810では、ステップS4809で把握した演出済みポイントを現在の演出可能ポイントから減算する。ステップS4811では、その減算結果を新たな演出可能ポイントとして演出可能ポイント記憶エリア183eに記憶し、演出可能ポイントを更新する。
ステップS4811の実行後はステップS8203にて、ステップS4809で把握した演出済みポイントを現在のトータルポイントに加算する。例えば、その時点でのトータルポイントが10ポイントである状況において今回の演出済みポイントとして5ポイントが把握されている場合は、それらの加算結果として15ポイントを導出する。なお、その時点でのトータルポイントが0ポイントである場合は、ステップS4809で把握した今回の演出済みポイントが加算結果となる。
ステップS8204では、ステップS8203で導出した加算結果を新たなトータルポイントとしてRAM183のトータルポイント記憶エリア183fに記憶する。すなわち、本実施の形態では、演出済みポイントの累積加算値によりトータルポイントを導出する構成となっている。ステップS8204の実行後又はステップS4804で否定判定した場合(演出可能ポイントが所定値未満である場合)は、本付与示唆演出用処理を終了する。
<トータル示唆演出用処理>
ステップS8102のトータル示唆演出用処理について図115のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS8301では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに示唆演出フラグがセットされているか否かを判定する。示唆演出フラグは、付与示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。示唆演出フラグがセットされていない場合は、ステップS8302に進み、トータル示唆演出を実行するか否かを抽選する演出実行抽選を行う。本ステップでは、トータル示唆演出用の実行抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得し、その抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいて上記抽選を行う。
ステップS8303では、ステップS8302の演出実行抽選処理においてトータル示唆演出の実行に当選したか否かを判定する。当選している場合は、ステップS8304に進み、主制御装置101側で付与される付与ポイントの合計値(合計ポイント)が特典付与値(20ポイント)以上であるか否かを判定する。合計ポイントが特定付与値以上でない場合は、ステップS8305にて、RAM183のトータルポイント記憶エリア183fに記憶されている現在のトータルポイントを把握する。ステップS8306では、把握したトータルポイントに対応した種別抽選テーブルをROM182の各種テーブル記憶エリア182aから取得する。この場合に取得する種別抽選テーブルとしては、上記第5の実施の形態に係るトータル示唆演出用処理(図97)のステップS4908で取得する種別抽選テーブル(図99)と同様のものを用いることができる。すなわち、トータルポイントのポイント数に応じて設定された複数のテーブルの中から現在のトータルポイントに対応したものを取得する。
ここで、本実施の形態では、トータルポイントとして演出済みポイントの累積加算値を用いる構成としている。すなわち、演出済みポイントの合計に基づいてトータル示唆演出の種別が選択されるため、トータル示唆演出の前に実行された付与示唆演出の実績をトータル示唆演出の種別に反映させることができる。なお、トータルポイントは、合計ポイントが初期化された場合に初期化されるため、上記累積加算値は、初期化後に実行された付与示唆演出が対応する演出済みポイントの累積加算値となる。
一方、上記ステップS8304で肯定判定した場合は、ステップS8307にて、合計ポイントが特定付与値以上である場合に対応した到達時用の種別抽選テーブルを上記各種テーブル記憶エリア182aから取得する。この種別抽選テーブルでは、図116に示すように、付与示唆演出の実行回数と対応付けてトータル示唆演出における各演出態様(上部ランプ63の発光色)の選択確率が設定されている。
例えば、付与示唆演出の実行回数が0回である場合は、青色となる確率が0%、黄色となる確率が0%、緑色となる確率が20%、赤色となる確率が80%に設定されている。また、付与示唆演出の実行回数が1回以上である場合は、青色となる確率が10%、黄色となる確率が30%、緑色となる確率が30%、赤色となる確率が30%に設定されている。すなわち、付与示唆演出が実行されていない場合、付与示唆演出が実行されている場合よりも上位の演出態様が選択されやすくなっている。付与示唆演出が実行されていない場合、遊技者としてはポイントが蓄積されていない印象を受けやすく、特典付与値への到達をあまり期待していないことが想定されるが、そのような中で、ポイントの蓄積量が多いことを示す上位のトータル示唆演出が実行されることで、遊技者の驚きと喜びを好適に喚起することが可能になる。
なお、上記種別抽選テーブルは一例に過ぎず、上記構成に限定されるものではない。例えば、付与示唆演出の実行回数が0回である場合に赤色となる確率を100%としてもよいし、例えば、付与示唆演出の実行回数が2回未満の場合は、2回以上である場合よりも上位の演出態様が選択されやすくなるなど、0回以外の回数を基準として選択確率を異ならせる構成としてもよい。また、上位の演出態様が選択されやすいものであれば、付与示唆演出の実行回数にかかわらず、一律の選択確率でトータル示唆演出を抽選するものであってもよい。
ステップS8306又はステップS8307の実行後はステップS8308にて、取得した種別抽選テーブルと、RAM183の各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとに基づいてトータル示唆演出の種別抽選を行う。ステップS8309では、ステップS8308の抽選により選択された種別のトータル示唆演出が実行されるように、その演出データの設定処理を行う。
ステップS8310では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにトータル示唆フラグをセットする。トータル示唆フラグは、トータル示唆演出を実行すべきであることをCPU181が把握するためのものである。このようにトータル示唆フラグをセットした場合には、演出設定処理(図48)におけるステップS2211のその他の処理において、上記設定された演出データに基づき、上記抽選された態様のトータル示唆演出が実行されるように、対応する報知手段(補助表示部65やスピーカ64)を制御する。その際、上記各種フラグ格納エリア183aにセットされたトータル示唆フラグをクリアする。
ステップS8310の実行後、ステップS8301で肯定判定した場合(示唆演出フラグがセットされている場合)又はステップS8303で否定判定した場合(演出実行抽選で非当選となった場合)は、本トータル示唆演出用処理を終了する。
<トータル示唆演出の流れについて>
トータル示唆演出の流れについて説明する。主制御装置101にて付与されるポイントの合計値(合計ポイント)が特典付与値未満である場合と、特典付与値以上になった場合とでトータル示唆演出の流れが異なるため、ここでは、先ず前者の場合の流れについて図117を参照しながら説明する。
有利区間開始時の付与契機a1では、主制御装置101側ではポイントが付与されず、サブ制御装置81側では20ポイントのサブポイントが付与されたとする。この場合、サブ制御装置81の演出可能ポイントはそれらを加算した20ポイントとなる。そして、付与契機a1での付与示唆演出として演出済みポイントが5ポイントの泡小演出が選択されたとすると(事象a2)、トータルポイントは5ポイントとなる。
このため、次の付与契機b1までの間においてトータル示唆演出の実行抽選に当選した場合には、トータルポイントを5ポイントとしてトータル示唆演出の種別抽選が行われる。具体的には、トータル示唆演出の種別抽選テーブルとして24ポイント未満用のテーブル(図99)が取得され、トータル示唆演出の種別として青色発光と黄色発光のいずれかが選択される。
次の付与契機b1にて演出済みポイントが10ポイントの泡中演出が選択されたとすると(事象b2)、その時点でのトータルポイントである5ポイントと、泡中演出の演出済みポイントである10ポイントとが加算され、トータルポイントが15ポイントとなる。また、さらに次の付与契機c1にて演出済みポイントが10ポイントの泡中演出が選択されたとすると(事象c2)、その時点でのトータルポイントである15ポイントと、泡中演出の演出済みポイントである10ポイントとが加算され、トータルポイントが25ポイントとなる。
この場合、さらに次の付与契機までの間においてトータル示唆演出の実行抽選に当選すると、トータルポイントを25ポイントとしてトータル示唆演出の種別抽選が行われる。具体的には、トータル示唆演出の種別抽選テーブルとして25ポイント~39ポイント用のテーブル(図99)が取得され、トータル示唆演出の種別として青色発光と黄色発光のいずれかが選択される。この際、トータルポイントが24ポイント未満の場合に比べて黄色発光が選択されやすくなり、合計ポイントが増加していることの示唆が行われやすくなる。
このように本実施の形態では、選択された付与示唆演出が対応する演出済みポイントに基づいてトータルポイントを導出し、それを基準としてトータル示唆演出の種別抽選を行う。トータル示唆演出の種別抽選では、トータルポイントとトータル示唆演出の演出態様とを1対1で対応させるわけではなく、両者を1対複数の関係で対応させ、複数の選択肢の中から演出態様を選択する構成としているため、完全には一致しないが、本実施の形態の構成とすることで、実際に遊技者に見せた付与示唆演出に対応させてトータル示唆演出を行うことができる。よって、各回の付与示唆演出から遊技者が受ける印象(換言すれば、各回の付与示唆演出から遊技者が予測する合計ポイント)と、トータル示唆演出の演出態様とを近づけることができ、両者を整合させやすくすることが可能になる。
次に、主制御装置101にて付与されるポイントの合計値(合計ポイント)が特典付与値以上になった場合のトータル示唆演出の流れについて説明する。ここでは、付与契機a1において主制御装置101側でポイントが付与されず、また、付与示唆演出も実行されなかったものとする。
付与契機b1にて主制御装置101側で20ポイントの付与ポイントが付与され、合計ポイントが特典付与値以上になった後、次の付与契機c1までの間においてトータル示唆演出の実行抽選に当選した場合は、トータル示唆演出の種別抽選テーブルとして到達時用の種別抽選テーブル(図116)が取得される。この種別抽選テーブルは、その時点でのトータルポイントにかかわらず、トータル示唆演出の演出態様を選択するものとなっており、合計ポイントが特典付与値未満である場合の種別抽選テーブルよりも上位の演出態様が選択されやすいものとなっている。すなわち、合計ポイントが特典付与値以上になった場合には、それまでに見せた付与示唆演出とは無関係に、合計ポイントに応じた種別選択を行う構成としている。
演出済みポイントの累積加算により導出したトータルポイントに基づいてトータル示唆演出の実行制御を行う構成(図117を参照して説明した構成)にあっては、各回の付与示唆演出とトータル示唆演出の演出態様とをリンクさせやすくなるが、その反面、付与示唆演出が実行されていなかったり、その回数が少なかったりしてトータルポイントが少ない状況では、合計ポイントが特典付与値に到達していても、合計ポイントの蓄積量が多くなっていることに対応したトータル示唆演出を行うことができないという不都合が生じる。この場合、せっかく特典付与値に到達しているにもかかわらず、それが遊技者に報知されない結果、期待感がうまく喚起されず、遊技者が遊技をやめてしまう懸念がある。
この点、本構成を付加することで、付与示唆演出が実行されていなかったり、その回数が少なかったりしてトータルポイントの蓄積量が少ない状況であっても、合計ポイントの蓄積量が多くなっていることに対応したトータル示唆演出を行うことが可能になる。すなわち、各回の付与示唆演出とトータル示唆演出の演出態様とをリンクさせやすくしつつも、合計ポイントが一定以上になった場合には、合計ポイントが多くなっていることへの遊技者の期待感を好適に喚起し、遊技継続を促すことが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ポイントの付与に対応した付与示唆演出では複数の種別が設けられるため、いずれの種別で付与示唆演出が行われるかにより付与ポイントの大きさを示唆等することができる。また、当該付与示唆演出とは別に合計ポイントに対応した報知としてのトータル示唆演出が行われ、トータル示唆演出の種別により合計ポイントを示唆等することができる。それら両報知がそれぞれ実行されることにより、特典付与値に向けて合計ポイントが増えていくことを遊技者が認識することができ、ポイントをさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
そのような構成の下、例えば、実行抽選を経て付与示唆演出を行う構成では、実際には主制御装置101側でポイントが付与されていても付与示唆演出が行われない場合があるため、付与示唆演出からすると合計ポイントがさほど蓄積されていないはずなのに、トータル示唆演出では大きい合計ポイントが示唆等されるなど、遊技者が付与示唆演出から予測する合計ポイントと、トータル示唆演出から予測する合計ポイントとが大きく乖離する事態が生じ得る。この場合、遊技者としてはいずれの示唆演出を信頼してよいか分からず、混乱するおそれがある。この点、本構成では、先に実行された付与示唆演出の種別、すなわち、付与示唆演出の実績に基づいてトータル示唆演出の種別を決定するため、トータル示唆演出により示唆等される合計ポイントを付与示唆演出からの予測合計値と整合又は近付けることができ、遊技者の混乱を好適に抑制することが可能になる。
その時点での演出可能ポイントに基づいて付与示唆演出の実行抽選を行い、演出可能ポイントが大きいほど付与示唆演出が実行されやすくなる構成とした。演出可能ポイントが大きくなる場合とは、実際の合計ポイントが大きくなっているにもかかわらず、付与示唆演出の実行頻度が低かったり、付与示唆演出の種別として小さいポイントに対応する種別に偏って選択されたりした結果、演出可能ポイントの余剰分が大きくなったケースが想定される。そのような場合、遊技者が遊技をやめて損をしてしまうことを抑制するうえでは、積極的に遊技継続を促すことが好ましい。この点、本構成では、演出可能ポイントが大きいほど付与示唆演出が実行されやすくなるため、付与示唆演出の頻度が高まることにより、合計ポイントが増えていることが遊技者に報知されやすくなるとともに、付与示唆演出の実績も増加することで、トータル示唆演出として大きな値を報知しやすくなる。すなわち、付与示唆演出からの予測合計値よりも実際の合計ポイントが大きいことが想定される状況において付与示唆演出の頻度を高めたり、トータル示唆演出により示唆等する合計ポイントを大きくすることが可能になる。
合計ポイントが所定値(特典付与値)以上となった場合、付与示唆演出の実績にかかわらず、トータル示唆演出の種別を決定する構成とした。例えば、1回の付与契機で大きなポイントが付与された場合等では、合計ポイントが急激に増加する。この場合、増加した合計ポイントに対して付与示唆演出の実績が不足がちとなり、トータル示唆演出において小さな値しか報知できなくなる懸念がある。この点、本構成では、状況によっては、付与示唆演出の実績とは無関係にトータル示唆演出の種別を決定できるため、付与示唆演出の実績が乏しくてもトータル示唆演出において大きな値を報知することが可能になる。よって、合計ポイントが急激に増加した場合等に対して好適に対処することが可能になる。
<第9の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、設定変更操作の終了を契機として内部状態報知が行われるが、本実施の形態では、設定変更操作の終了後に前面扉12が閉鎖されたことを契機として上記報知が行われるように構成されている。本実施の形態について図118及び図119を参照しながら説明する。
<内部状態報知用処理>
本実施の形態に係る内部状態報知用処理について図118を参照しながら説明する。この処理は、2枚内部状態でないことの報知である内部状態報知を行うための処理である。本処理は、サブ制御装置81におけるメイン処理(図63)のステップS5606にて実行されるものであり、図65の内部状態報知用処理に代えて実行される。
先ずステップS6801では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグがセットされているか否かを判定する。内部状態報知フラグは、内部状態報知の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。
内部状態報知フラグがセットされていない場合は、ステップS6802に進み、各種フラグ格納エリア183aに設定変更終了フラグがセットされているか否かを判定する。設定変更終了フラグは、設定変更が終了したことをCPU181が把握するためのものである(図64のステップS5708)。設定変更終了フラグがセットされていない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
一方、設定変更終了フラグがセットされている場合、すなわち、ホール従業員による設定変更操作が終了した場合は、ステップS6803に進み、扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。扉閉鎖コマンドは、前面扉12が開放状態から閉鎖状態に切り替えられた場合(扉開放センサ27がオン状態からオフ状態に切り替わった場合)に、主制御装置101から送信されるものであり(図61のステップS5406)、前面扉12が閉鎖されたことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。
扉閉鎖コマンドを受信していない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。一方、扉閉鎖コマンドを受信している場合、すなわち、前面扉12が閉鎖された場合は、ステップS6804にて、各種フラグ格納エリア183aにセットされている設定変更終了フラグをクリアする。
上記のように、各種フラグ格納エリア183aに設定変更終了フラグがセットされている場合に前面扉12が閉鎖されたか否かの判定処理を実行し、当該判定処理により前面扉12が閉鎖されたと判定した場合に設定変更終了フラグを消去する構成としている。このため、設定変更操作が終了した場合(設定変更終了フラグがセットされた場合)には、当該操作の終了後における前面扉12の閉鎖が行われるまで当該閉鎖の有無判定がメイン処理の実行周期で繰り返されることになる。なお、設定変更の終了後に前面扉12が閉鎖された後、再び前面扉12が開閉されることが想定されるが、ステップS6803の判定処理は設定変更終了フラグがセットされていることを前提とするため、そのような2回目以降の閉鎖については上記判定処理の対象とはならない。つまり、ステップS6803の判定処理は、設定変更が終了した後に前面扉12の初回目の閉鎖が行われたかを判定するものとなる。
なお、スタートレバー41を操作して設定変更を終了させる(変更後の設定値を確定させる)に際しては、スタートレバー41を操作してから前面扉12を閉鎖する場合(設定変更の終了後に前面扉12が閉まる場合)と、前面扉12を閉鎖してからスタートレバー41を操作する場合(前面扉12が閉じた状態で設定変更が終了する場合)とが想定される。前者の場合は、前面扉12を閉鎖したタイミングでステップS6803を肯定判定し、後者の場合は、スタートレバー41を操作したタイミング(設定変更の終了タイミング)でステップS6803を肯定判定する。
ステップS6804の実行後は、ステップS6805にて内部状態の把握処理を実行する。具体的には、主制御装置101から受信した設定変更終了コマンドに基づき、第1BB役又は第2BB役の当否に関する状態を把握する。既に説明したように、設定変更終了コマンドには、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかや、それらのいずれでもない非内部状態であることを示す内部状態情報が含まれる。
ステップS6806では、ステップS6805で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。第2BB役の当選状態でないと判定した場合は、ステップS6807にて内部状態表示の設定処理を行う。内部状態表示は、第2BB役の当選状態でないことを視覚的に報知するものである。内部状態表示は、電源投入表示が行われる補助表示部65とは異なる報知部にて実行され、具体的には下表示部69を発光させるようにして実行される。下表示部69の発光態様は特に限定されるものではないが、例えば、所定の点滅パターンで下表示部69を点滅させることにより内部状態表示が行われる。ステップS6807では、上記所定の点滅パターンで発光状態と消灯状態とを繰り返すように下表示部69を駆動制御する。
また、ステップS6807では、内部状態表示を継続する期間としての報知期間を設定する。この報知期間は、内部状態表示の上限実行時間を定めるものであり、内部状態表示は、当該表示を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。
ステップS6808では、内部状態報知音の設定処理を行う。内部状態報知音は、第2BB役の当選状態でないことを聴覚的に報知するものであり、当該報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声の報知音がスピーカ64a~64nから放出されるようにして行われる。ステップS6808では、RAM183の再生音データ記憶エリア189に内部状態報知音の音データを設定したり、各サウンドIC184a~184nへの出力指示の設定を行う。内部状態報知音は、ステップS6807で設定される報知期間に亘って実行される。
ステップS6809では、各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグをセットし、その後、内部状態報知用処理を終了する。
ステップS6801で肯定判定した場合(内部状態フラグがセットされている場合)、すなわち、内部状態報知の実行中である場合は、ステップS6810に進み、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音)を開始してからの経過期間が上記報知期間に達したか否かを判定する。報知期間が経過していない場合には、ステップS6811にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2BB当選コマンドは、主制御装置101にて行われる抽選処理(図18)の結果、第2BB役に当選した場合に送信されるものであり、第2BB役への当選をサブ制御装置81に通知するコマンドである。よって、内部状態報知が実行されている状況で第2BB当選コマンドを受信する場合とは、第2BB役の当選状態ではない状態から第2BB役の当選状態に移行したことを意味する。
ステップS6810で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)、又はステップS6811で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS6812にて、内部状態報知を終了するように下表示部69及びスピーカ64を制御する。ステップS6813では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている内部状態報知フラグをクリアする。ステップS6813の実行後又はステップS6811で否定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信していない場合)は、内部状態報知用処理を終了する。
<内部状態報知の流れについて>
内部状態報知の流れについて図119を参照して説明する。ここでは、主制御装置101のRAM106における各種フラグ格納エリア106dに第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグのいずれもセットされていない状態、すなわち、第1BB役又は第2BB役のいずれにも当選していない非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入された場合を例にとって説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオン状態(設定キー検出センサ73aがオン状態)とされた状況で、筐体11の内部に配置された電源スイッチ71がオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、ステップS5601(図63)の電源投入報知処理及びステップS5605の設定変更用処理が実行される。
既に説明したように、設定変更報知に際しては、補助表示部65等を用いた設定変更用表示を行わないため、上記各処理が実行されることにより電源投入表示が行われる。具体的には、例えば「電源が投入されました」等のメッセージ表示301が補助表示部65の表示画面に表示される(図71(a))。また、上部ランプ部63が電源投入時用の発光態様で発光するように駆動制御される。
また、設定キーをオン状態として電源が投入された場合は、電源投入報知音を出力しない構成としているため、スピーカ64a~64nからは設定変更報知音が放出される。この設定変更報知音としては、例えば「設定変更中です」等の音声が出力される。設定変更報知音の出力は、電源が投入されるタイミングt1から設定変更操作が終了するタイミングt2までの期間において行われ、この間において上記音声が所定間隔で繰り返し出力される(図119(e))。
なお、設定キーをオフ状態とした状態でスロットマシン10の電源が投入された場合は、スピーカ64a~64nからは電源投入報知音が放出される。電源投入報知音としては、例えば「電源が投入されました」等の音声が出力される。
タイミングt2において設定変更操作が終了すると、設定変更報知音の出力が終了する。そして、前面扉12が開放状態であることに基づき、前面扉12の開放を示す扉開放表示が補助表示部65にて実行されるとともに、スピーカ64a~64nから扉開放報知音が出力される(図119(f),(g))。扉開放表示では、例えば「扉が開いています」等のメッセージ表示302が補助表示部65の表示画面に表示され(図71(b))、扉開放報知音の出力では、例えば「扉が開いています」等の音声がスピーカ64a~64nから放出される。
また、設定変更操作が終了することに伴い、主制御装置101からサブ制御装置81に対して設定変更終了コマンドが送信される。この設定変更終了コマンドには、設定変更が終了したことを示す設定変更終了情報のほか、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかを示す内部状態情報が含まれる。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。また、前面扉12が閉鎖された場合には、サブ制御装置81のCPU181にて、内部状態の把握処理(ステップS6805)と、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かの判定処理(ステップS6806)とが行われる。これらの処理は、主制御装置101から受信した設定変更終了コマンドに含まれる内部状態情報に基づいて行われる。
ここでは、非内部状態である状況でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記各処理の結果、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)ではないと判定され、内部状態報知が行われる(図119(h),(i))。内部状態報知としては、下表示部69を用いた内部状態表示と、スピーカ64a~64nを用いた内部状態報知音の出力とが行われる。内部状態表示による報知は、下表示部69が所定の発光パターン(例えば点滅)で発光することで行われ(図71(c))、内部状態報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声がスピーカ64a~64nから放出することで行われる。これらの報知により、遊技ホールのホール従業員に対し、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)でないことが報知される。
なお、前面扉12を閉鎖してから設定変更を終了させることも想定されるが、その場合は、前面扉12の閉鎖タイミングでは内部状態報知が行われず、設定変更が終了した時点で内部状態報知が行われる。
2枚内部状態でないことが報知された後、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させると、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信される(タイミングt4)。これにより、サブ制御装置81において第2BB役の当選状態となったことが把握され、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音の出力)が終了する(図119(h),(i))。第2BB当選コマンドが送信される前(第2BB役の当選状態となる前)に内部状態報知の報知期間が経過した場合にも、当該報知期間の経過を条件として内部状態報知が終了する。
なお、本実施の形態では、扉開放報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複しないため、それら各報知の優先度については任意に設定することができる。例えば、第1の実施の形態のように、扉開放報知音の方が内部状態報知音よりも優先度が高い構成としてもよいし、その変形例1のように、両報知音の優先度を等しくしてもよいし、変形例2のように、内部状態報知音の方が扉開放報知音よりも優先度が高い構成としてもよい。いずれの場合も内部状態報知の流れとしては、図119を参照して説明した上記流れと同様になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
設定変更が終了して前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態でないと判定した場合に内部状態報知を行う構成とした。
設定変更を終了させて前面扉12を閉めるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることができ、延いては2枚内部状態でない状況で遊技が行われることを抑制できる。
また、前面扉12が閉鎖された場合に内部状態報知を行うことで、内部状態報知の実行タイミングを好適化することもできる。すなわち、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要があるため、前面扉12が開いている状況で内部状態報知が実行されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。この点、前面扉12の閉鎖を待って内部状態報知が実行される本構成では、第2BB役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから内部状態報知が行われるものとなるため、ホール従業員にとって好適なタイミングで2枚内部状態でないことを知らせることが可能になる。
さらに、前面扉12が開放されている状況では扉開放報知が実行されるため、扉開放報知と内部状態報知との重複が想定される。その場合、それら各報知の期間を切り分けて行おうとすると、報知の設計に際してその調整が必要となる。この点、本構成では、前面扉12が閉鎖されてから内部状態報知が実行されるため、それら両報知の報知期間が重複すること自体を回避できる。よって、設計時における期間調整が不要となり、報知設計の作業負担を少なく抑えることが可能になる。
設定変更が終了してから前面扉12の初回目の閉鎖を対象として内部状態報知を行う構成とした。
この場合、設定変更が終了して前面扉12を閉める操作が行われることに応じて内部状態報知を実行することができる。このような操作が行われるのは、ホール開店前の期間に限られるため、内部状態報知が遊技者の目前で行われることを抑制できる。これにより、遊技者が内部状態報知を見るなどした場合に当該報知が気になって遊技に集中しにくくなったり、2枚内部状態でないことが不用意に遊技者に知らされてしまったりすることを抑制できる。
前面扉12の前面部に設けられた表示部(下表示部69)にて内部状態表示を実行する構成とした。
この構成によれば、前面扉12を閉めたホール従業員の正面で内部状態表示を行うことができる。これにより、2枚内部状態であるか否かを分かりやすく報知できるほか、内部状態表示に気付きやすくすることができ、当該表示の見落としを好適に抑制することが可能になる。
その際、内部状態表示を実行する表示部として、扉開放表示を実行する上部ランプ部63とは異なる下表示部69を用いる構成とした。この場合、表示箇所(報知箇所)の違いから、前面扉12の開放に対応した報知であるのか、それとも2枚内部状態でないことに対応した報知であるのかをホール従業員が迅速に判断し得るものとなり、ホール従業員にとって利便性の良い構成とすることができる。
<第10の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、設定変更操作の終了を契機として内部状態報知が行われるが、本実施の形態では、スロットマシン10の電源投入を契機として上記報知が行われるように構成されている。本実施の形態について図120~図123を参照しながら説明する。
上記のように本実施の形態では、スロットマシン10の電源が投入された場合に内部状態の判定処理や内部状態報知の実行処理が行われる。具体的には、主制御装置101からの復電コマンドをサブ制御装置81が受信した場合に、サブ制御装置81において上記各処理が実行される。復電コマンドは、スロットマシン10の電源が投入された場合に主制御装置101から出力されるものであり、電源投入(電断状態からの復帰)をサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。この復電コマンドには、復電したことを示す復電情報のほか、第1BB役又は第2BB役の当選状態であるかを示す内部状態情報と、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを示すBB状態情報とが含まれる。
主制御装置101において復電コマンドを出力する機会としては、電源投入に伴って実行されるメイン処理(図17)において、ステップS16で否定判定した場合(設定キーがオン状態ではない場合)に行われるステップS23の処理時と、ステップS16で肯定判定した場合(設定キーがオン状態である場合)に行われるステップS19(図60の設定変更処理におけるステップS5301)の処理時とがある。すなわち、復電コマンドは、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合と、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合とのそれぞれで出力される。
このうち設定変更が許容されるようにして電源投入された場合に出力される復電コマンドは、メイン処理におけるステップS18の第1RAMクリア処理の実行後に出力される。第1RAMクリア処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに第1BB当選フラグ(第1BB役の当選状態(3枚内部状態)であることを示すフラグ)、第1BB状態フラグ(第1BB状態であることを示すフラグ)、第2BB状態フラグ(第2BB状態であることを示すフラグ)がセットされていた場合に、それらのフラグをクリアする処理が実行される(図59のステップS5203~ステップS5206)。このため、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)ではない状況で電源投入された場合は、当該復電コマンドに含まれる内部状態情報は非内部状態を示し、BB状態情報は非BB状態(第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもないこと)を示すものとなる。
なお、ステップS18の第1RAMクリア処理では、各種フラグ格納エリア106dに第2BB当選フラグ(2枚内部状態であることを示すフラグ)がセットされている場合に、RAM異常が生じている場合を除いて当該フラグがクリアされない。よって、2枚内部状態で電源投入された場合には、当該復電コマンドに含まれる内部状態情報は基本的に2枚内部状態を示すものとなる。
一方、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合に出力される復電コマンドは、上記のようなRAMクリア処理が事前に行われないため、電源投入時の状態がそのまま反映されたものとなる。すなわち、3枚内部状態である状況で電源投入されると、復電コマンドの内部状態情報が3枚内部状態を示す値となり、第1BB状態又は第2BB状態である状況で電源投入されると、復電コマンドのBB状態情報が第1BB状態又は第2BB状態を示す値となる。
<内部状態報知用処理>
本実施の形態に係る内部状態報知用処理について図120を参照しながら説明する。この処理は、2枚内部状態でないことの報知である内部状態報知を行うための処理である。本処理は、サブ制御装置81におけるメイン処理(図63)のステップS5606にて実行されるものであり、図65の内部状態報知用処理に代えて実行される。
先ずステップS7301では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグがセットされているか否かを判定する。内部状態報知フラグは、内部状態報知の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。
内部状態報知フラグがセットされていない場合は、ステップS7302に進み、今回の受信コマンドとして復電コマンド(図17のステップS23、図60のステップS5301)を受信しているか否かを判定する。復電コマンドを受信していない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
復電コマンドを受信している場合は、ステップS7303にて、その受信した復電コマンドに基づき、BB状態及び内部状態を把握する。ステップS7304では、ステップS7303の把握結果に基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない場合は、ステップS7305に進み、ステップS7303で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。第2BB役の当選状態であると判定した場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
第2BB役の当選状態でないと判定した場合、又はステップS7304で肯定判定した場合(第1BB状態又は第2BB状態のいずれかである場合)は、ステップS7306にて内部状態表示の設定処理を行う。上述したように、受信する復電コマンドから把握され得る状態として、非内部状態、2枚内部状態、3枚内部状態、第1BB状態及び第2BB状態の5種類があり、2枚内部状態を除く4種類の状態が内部状態表示の実行対象となる。
そこで、ステップS7306では、今回の内部状態表示の契機となった状態が上記4種類のうちのいずれであるかに対応させて内部状態表示の設定を行う。具体的には、把握した状態が非内部状態である場合には、非内部状態であることを示す状態画像311(図121(a))を表示し、把握した状態が3枚内部状態である場合には、3枚内部状態であることを示す状態画像312(図121(b))を表示し、把握した状態が第1BB状態又は第2BB状態である場合には、ゼロボーナス状態(メダルの増減が生じないBB状態)であることを示す状態画像313(図121(c))を表示するように設定する。
これら各状態画像311~313は、補助表示部65の表示画面上に表示される。その際、電源投入表示や扉開放表示等の他の表示が行われる表示領域とは異なる所定表示領域(例えば隅部)に各状態画像311~313を表示することで、各状態画像311~313と上記他の表示とが重なって相互の識別性が低下することを抑制する。また、各状態画像311~313の表示に際しては、上記他の表示よりも小さい表示サイズで表示し、他の表示の方が目立つようにして表示する。
また、ステップS7306では、上記各状態画像311~313と併せて行われる内部状態表示として、下表示部69を所定の点滅パターンで点滅させるように設定する。下表示部69による内部状態表示は、発光色や点滅パターンを状態ごとに異ならせるようにして各状態に固有の発光態様で行われてもよいし、上記4種類の状態のいずれであるかにかかわらず、共通の発光色及び点滅パターンとし、2枚内部状態以外の状態であることを示す報知として機能させてもよい。
また、ステップS7306では、内部状態表示を継続する期間としての報知期間を設定する。この報知期間は、内部状態表示の上限実行時間を定めるものであり、内部状態表示は、当該表示を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。
ステップS7306の実行後は、ステップS7307にて内部状態報知音の設定処理を行う。内部状態報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声の報知音がスピーカ64a~64nから放出されるようにして行われる。ステップS7307では、RAM183の再生音データ記憶エリア189に内部状態報知音の音データを設定したり、各サウンドIC184a~184nへの出力指示の設定を行う。本実施の形態に係る音データでは、図122(a)に示すように、内部状態報知音<扉開放報知音<設定変更報知音の順で優先度が高くなるように設定されている。
なお、内部状態報知音は、2枚内部状態を除く上記4種類の状態ごとに異なる報知音が出力され、個々の状態を示す報知として機能するものであってもよいし、いずれの状態であるかにかかわらず、共通の報知音が出力され、2枚内部状態以外の状態であることを示す報知として機能するものであってもよい。内部状態報知音による報知は、ステップS7306で設定される報知期間に亘って実行される。
ステップS7307の実行後は、ステップS7308にて各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグをセットし、その後、内部状態報知用処理を終了する。
ステップS7301で肯定判定した場合(内部状態フラグがセットされている場合)、すなわち、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音)の実行中である場合は、ステップS7309に進み、内部状態報知を開始してからの経過期間が上記報知期間に達したか否かを判定する。報知期間が経過していない場合には、ステップS7310にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS7309で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)、又はステップS7310で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS7311にて、内部状態報知を終了するように補助表示部65、下表示部69及びスピーカ64を制御する。ステップS7312では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている内部状態報知フラグをクリアする。ステップS7312の実行後又はステップS7310で否定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信していない場合)は、内部状態報知用処理を終了する。
<内部状態報知の流れについて>
内部状態報知の流れについて説明する。ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されたものとする。先ず、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合について図122(b)を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオフ状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、前面扉12が開放状態であることに基づき、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が行われる(図122(b-3),(b-4))。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。この判定は、復電コマンドに含まれる内部状態情報やBB状態情報に基づいて行われる。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。このうち内部状態表示については、補助表示部65及び上部ランプ部63での扉開放表示と併せ、補助表示部65及び下表示部69にて実行される。その際、補助表示部65での内部情報表示(状態画像311~313)は、扉開放表示として補助表示部65に表示されるメッセージ表示302(図71)と重ならないように、その表示位置及び表示サイズが設定される。
内部状態報知音については、その優先度が扉開放報知音よりも低く設定されている。このため、扉開放報知音が優先して出力され、内部状態報知音の出力が待機状態とされる(図122(b-4),(b-6))。よって、スピーカ64a~64nからは扉開放報知音のみが放出される。
なお、扉開放表示及び扉開放報知音の出力や復電コマンドの送信等の上記各処理は、所定の立ち上がり期間が経過してから行われるが、図122(b)では、その立ち上がり期間の図示を省略している。また、扉開放表示及び扉開放報知音の出力に先立ち、所定期間に亘って電源投入表示及び電源投入報知音の出力が行われるが、これらの報知についても図示を省略している。
タイミングt2において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が開始される。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が行われる。
設定変更が許容されない場合における2枚内部状態でない状態としては、非内部状態、3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態がある。このうち非内部状態である場合は、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。また、3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態である場合は、スロットマシン10の電源を落とした後、設定キーをオン状態として電源を再投入することで、それら各状態をクリアして一旦非内部状態に移行させ、その後、2ベットゲームにより第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。タイミングt3において2ベットゲームによる第2BB役の当選が行われたとすると、当該タイミングで内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する。
次に、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合について図123を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、ステップS18(図17)の第1RAMクリア処理が実行される。3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態であった場合は、当該第1RAMクリア処理によりそれら各状態がクリアされ、非内部状態となる。
また、設定キーがオン状態となっていることに基づき、設定変更報知が行われる。この報知は、例えば「設定変更中です」等の音声がスピーカ64a~64nから放出される態様で行われ、これにより、設定変更中であることが聴覚的に報知される。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。
上記のとおり非内部状態となっているため、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。この際、設定変更報知音の出力と内部状態報知音の出力とが競合するが、設定変更報知音の方が内部状態報知音よりも優先度が高く設定されている(図122(a))。このため、スピーカ64a~64nからは設定変更報知音が優先して放出され、内部状態報知音の放出は待機状態とされる。
その後、タイミングt2において設定変更操作が終了すると、設定変更報知が終了し、扉開放表示が開始される(図123(f))。扉開放報知音については内部状態報知音の出力期間と重複するが、扉開放報知音の方が内部状態報知音よりも優先度が高く設定されているため、扉開放報知音の出力が優先的に行われる。すなわち、内部状態報知音は出力待機状態とされ、スピーカ64a~64nからは扉開放報知音が放出される(図123(g))。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が開始される。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が行われる。
設定変更が行われる場合における2枚内部状態でない状態は、非内部状態のみとなる。この場合、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。タイミングt4においてそのような操作が行われたとすると、当該タイミングで内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
スロットマシン10の電源が投入された場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態でないと判定した場合に内部状態報知を行う構成とした。
電源スイッチ71を操作してスロットマシン10の電源が投入できるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることができ、延いては2枚内部状態でない状況で遊技が行われることを抑制できる。
また、本構成では、電源投入を契機とするため、スロットマシン10の設定値を変更しない場合でも内部状態報知を実行することができる。さらに、スロットマシン10の電源投入は各営業日において毎日行われるため、2枚内部状態であるか否かの確認が遊技ホールでの日常点検に組み込まれるように促すことができる。
非内部状態である場合と、3枚内部状態である場合と、第1BB状態又は第2BB状態である場合とで、内部状態報知の報知態様を異ならせる構成としたため、各状態のうちのいずれであるかをホール従業員に知らせることができる。それら各状態ごとに2枚内部状態への変更方法が異なることを踏まえれば、状態ごとに内部状態報知の報知態様を相違させることで、ホール従業員の迅速かつ円滑な対応をサポートすることが可能になる。
内部状態情報やBB状態情報を復電コマンドに含ませてサブ制御装置81に送信する構成とした。
上記構成によれば、電源が投入されることに伴い、電源投入の通知とともに内部状態やBB状態をサブ制御装置81に通知することができる。よって、電源投入と同時にサブ制御装置81が内部状態やBB状態を把握することができ、内部状態報知を良好に行うことが可能になる。
また、例えば、内部状態情報やBB状態情報を対象とした専用コマンドを出力する構成の場合には、コマンドの種類が増える結果、主制御装置101のROM105に記憶されるコマンドデータの数が増大するため、その記憶容量を圧迫する懸念がある。この点、内部状態情報等を設定変更終了コマンドに含ませて出力することで、コマンドデータ数の増大が抑制され、容量消費の節約を図ることが可能になる。そればかりか、コマンド授受頻度の低下にも繋がり、コマンド制御に関する処理負荷を軽減することも可能になる。
扉開放報知音による報知期間と内部状態報知音による報知期間とが重複する場合に、内部状態報知音よりも扉開放報知音を優先してスピーカ64a~64nから放出する構成とした。
本実施の形態に係るスロットマシン10では、電源投入を契機として内部状態報知が実行されるため、扉開放報知音による報知期間と内部状態報知音による報知期間とが重複することが想定される。このような場合に前面扉12の開放を知らせる扉開放報知音の放出が優先されるため、前面扉12の閉め忘れが抑制され、不正行為の助長に繋がることを抑制できる。
また、扉開放報知音の放出を優先させることで、内部状態報知音の放出タイミングを好適化できるという利点もある。前述のとおり、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要があるため、前面扉12が開いている状況で内部状態報知音が放出されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。よって、前面扉12が開放されている状況では、扉開放報知音の放出により前面扉12の閉鎖を促し、その閉鎖が行われてから内部状態報知音を放出することで、ホール従業員としては、対処が可能となってから2枚内部状態でないことが知らされるものとなる。よって、ホール従業員にとって好ましいタイミングでの内部状態報知音の放出が可能となる。
その際、内部状態表示については、扉開放報知(扉開放表示及び扉開放報知音)に合わせて実行し、内部状態報知音による報知よりも先行して実行する構成とした。
聴覚的な報知である扉開放報知音と内部状態報知音とについては、前者を後者よりも優先することで、各報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。しかしながら、内部状態報知音の開始を遅らせる分、2枚内部状態でないことの報知期間が短くなることが懸念される。この点、本構成では、比較的に識別が容易な視覚的な報知である内部状態表示については、扉開放報知と併せて実行され、内部状態報知音による報知よりも先行して行われるため、報知期間が不足することを好適に抑制可能となる。
<変形例1>
上記第10の実施の形態の変形例1について図124を参照しながら説明する。
図124(a)に示すように、本変形例では、扉開放報知音と内部状態報知音との優先度が同順位に設定されている。このため、扉開放報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、それらの音声がミキシングされて出力される。つまり、扉開放報知音と内部状態報知音との両方が同一のスピーカ64a~64nから放出される。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて図124(b)を参照しながら説明する。ここでは、2枚内部状態以外の状態である状況で設定キーをオフ状態としてスロットマシン10の電源が投入された場合を例にとって説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオフ状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、前面扉12が開放状態であることに基づき、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が行われる(図124(b-3),(b-4))。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。このうち内部状態表示については、補助表示部65及び上部ランプ部63での扉開放表示と併せ、補助表示部65及び下表示部69にて実行される。また、内部状態報知音についても、本変形例では、内部情報報知音と扉開放報知音との優先度が同順位に設定されているため、扉開放報知音と併せて出力される(図124(b-4),(b-6))。
タイミングt2において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。一方、内部状態表示及び内部状態報知音の出力については引き続き実行され、その後、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過するまで継続される。つまり、前面扉12が閉鎖された後は、スピーカ64a~64nからは内部状態報知音のみが放出される。
なお、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入された場合も、扉開放表示及び扉開放報知音の出力と、内部情報表示及び内部状態報知音の出力とが並行して行われる。このうち扉開放表示及び扉開放報知音の出力については前面扉12が閉鎖された場合に終了し、内部情報表示及び内部状態報知音の出力については、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過した場合に終了する。
このように本変形例においても、スロットマシン10の電源投入を契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、内部状態報知音と扉開放報知音とがミキシングされて同時にスピーカ64a~64nから放出されるため、2枚内部状態でないことの音声報知を早く開始できるほか、その放出期間を長く確保することが可能になる。
<変形例2>
上記第10の実施の形態の変形例2について図125を参照しながら説明する。
図125(a)に示すように、本変形例では、内部状態報知音の優先度が扉開放報知音の優先度よりも高く設定されている。このため、扉開放報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、内部状態報知音が優先的に出力される。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて図125(b)を参照しながら説明する。ここでは、2枚内部状態以外の状態である状況で設定キーをオフ状態としてスロットマシン10の電源が投入された場合を例にとって説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオフ状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、前面扉12が開放状態であることに基づき、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が行われる(図125(b-3),(b-4))。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。このうち内部状態表示については、補助表示部65及び上部ランプ部63での扉開放表示と併せ、補助表示部65及び下表示部69にて実行される。
内部状態報知音については、その優先度が扉開放報知音よりも高く設定されている。このため、内部状態報知音が優先して出力され、扉開放報知音の出力が待機状態とされる(図125(b-4),(b-6))。よって、スピーカ64a~64nからは内部状態報知音のみが放出される。
タイミングt2において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。その際、扉開放報知音については、前面扉12の閉鎖により出力待機状態が解除され、そのまま出力が終了する。つまり、本変形例において扉開放報知音は、スロットマシン10の電源が投入された場合において2枚内部状態である場合は出力されるものの、2枚内部状態以外の状態である場合は出力されない。
一方、内部状態表示及び内部状態報知音の出力については引き続き実行される。そして、タイミングt3において主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過すると、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する(図125(b-5),(b-6))。
なお、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入された場合も、扉開放表示と内部情報表示とが並行して行われる一方で、内部状態報知音が扉開放報知音よりも優先して出力される。このうち扉開放表示については前面扉12が閉鎖された場合に終了し、内部情報表示及び内部状態報知音の出力については、主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過した場合に終了する。
このように本変形例においても、スロットマシン10の電源投入を契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、扉開放報知音よりも優先して内部状態報知音が放出されるため、2枚内部状態でないことの音声報知を早く開始できるほか、その放出期間を長く確保することが可能になる。さらに、扉開放報知音による報知との重複実施が回避されるため、内部状態報知音を聞き取りやすくして報知を行うことが可能になる。
<変形例3>
上記第10の実施の形態の変形例3について図126及び図127を参照しながら説明する。
本変形例では、図126(a)に示すように、内部状態報知音と電源投入報知音とで優先度に差異が設けられている。具体的には、電源投入報知音の優先度が内部状態報知音の優先度よりも高くなっている。このため、電源投入報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、電源投入報知音が優先的に出力される。
また、内部状態報知音と設定変更報知音の間においても優先度に差異が設けられている。具体的には、設定変更報知音の優先度が内部状態報知音の優先度よりも高くなっている。このため、設定変更報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、設定変更報知音が優先的に出力される。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて説明する。ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されたものとする。先ず、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合について図126(b)を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオフ状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、電源投入表示及び電源投入報知音の出力が行われる(図126(b-3),(b-4))。電源投入表示では、例えば「電源が投入されました」などのメッセージ表示301(図71)が補助表示部65に表示されるとともに、所定の発光態様で発光するように上部ランプ部63が駆動制御される。また、電源投入報知音による報知は、例えば「電源が投入されました」などの音声がスピーカ64a~64nから放出されることで行われる。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。このうち内部状態表示については、補助表示部65及び上部ランプ部63での電源投入表示と併せ、補助表示部65及び下表示部69にて実行される。その際、補助表示部65での内部情報表示(状態画像311~313)は、補助表示部65に表示されるメッセージ表示301と重ならないように、その表示位置及び表示サイズが設定される。
内部状態報知音については、その優先度が電源投入報知音よりも低く設定されている。このため、電源投入報知音が優先して出力され、内部状態報知音の出力が待機状態とされる(図126(b-4),(b-6))。よって、スピーカ64a~64nからは電源投入報知音のみが放出される。
タイミングt2において電源投入表示及び電源投入報知音の出力から所定期間が経過すると、それら各報知が終了する。それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が開始される。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が行われる。
なお、電源投入表示及び電源投入報知音の出力が終了した場合には、前面扉12が開放状態であることに基づいて扉開放表示及び扉開放報知音の出力が行われるが、これらについては図示を省略している。ちなみに図126(a)に示すように、内部状態報知音の優先度と扉開放報知音の優先度とが同順位に設定されている場合には、内部状態報知音及び扉開放報知音の両方がスピーカ64a~64nから放出される。
その後、タイミングt3において主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過すると、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する(図126(b-5),(b-6))。
次に、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合について図127を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、電源投入表示及び設定変更報知音の出力が行われる(図127(e))。設定変更報知音による報知は、例えば「設定変更中です」等の音声がスピーカ64a~64nから放出されることで行われ、これにより、設定変更中(設定変更の許容状態)であることが聴覚的に報知される。
また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。サブ制御装置81のCPU181では、復電コマンドを受信することに基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。このうち内部状態表示については、補助表示部65及び上部ランプ部63での電源投入表示と併せ、補助表示部65及び下表示部69にて実行される(図127(f))。
内部状態報知音については、その優先度が設定変更報知音よりも低く設定されている。このため、設定変更報知音が優先して出力され、内部状態報知音の出力が待機状態とされる(図127(e),(g))。よって、スピーカ64a~64nからは設定変更報知音のみが放出される。
タイミングt2において設定変更操作が終了すると、設定変更報知音の出力が終了する。この際、電源投入表示も併せて終了してもよいし、所定期間が経過するまで電源投入表示が継続されてもよい。設定変更報知音の出力が終了すると、それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が開始される。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が行われる。
その後、タイミングt3において主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過すると、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する(図127(f),(g))。
このように本変形例においても、スロットマシン10の電源投入を契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、内部状態報知音よりも電源投入報知音が優先されてスピーカ64a~64nから放出される。ホール従業員が電源スイッチ71を操作した場合には、先ずはスイッチ操作が有効に機能してスロットマシン10が正しく起動されたか否かについての関心が高いと考えられるため、そのような要請に対して好適に応えることができる。
また、電源投入報知音を優先させることで、内部状態報知音の放出タイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、スロットマシン10が立ち上がってスタートレバー41の操作が有効化されてからスタートレバー41を操作し、主制御装置101における役抽選を実行させる必要があるため、スロットマシン10の電源が投入された直後の状態で内部状態報知音が放出されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。このため、電源投入報知音の放出を優先し、内部状態報知音を遅れて放出させることで、ホール従業員にとって好ましいタイミングで内部状態報知音を放出することが可能になる。
本変形例において、設定変更が許容されるようにしてスロットマシン10の電源が投入された場合には、内部状態報知音よりも設定変更報知音が優先されてスピーカ64a~64nから放出される。ホール従業員が設定キー挿入孔73を操作した場合には、かかる操作によりスロットマシン10が設定変更の許容状態となったかや設定変更が正しく受け付けられたかを先ずは知りたくなると考えられるため、そのような要請に対して好適に応えることができる。
また、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、少なくとも設定変更の許容状態ではない状況でスタートレバー41を操作して役抽選を実行させる必要があるため、設定変更報知音の放出を優先し、内部状態報知音を遅れて放出させることで、ホール従業員にとって好ましいタイミングで内部状態報知音を放出することが可能になる。
<変形例4>
上記第10の実施の形態の変形例4について図128~図131を参照しながら説明する。
本変形例では、図128に示すように、内部状態報知音と投入エラー報知音とで優先度に差異が設けられている。具体的には、投入エラー報知音の優先度が内部状態報知音の優先度よりも高くなっている。このため、投入エラー報知音の出力期間と内部状態報知音の出力期間とが重複した場合には、投入エラー報知音が優先的に出力される。なお、投入エラー報知音とは、メダル投入口45から投入したメダルによりセレクタ46の内部でメダル詰まりが発生した場合等に出力されるエラー報知音である。
ここで、セレクタ46の内部構造について図129を参照しながら説明する。なお、図中の二点鎖線は、メダルの通過経路を示したものである。
セレクタ46には、メダル投入口45から投入されたメダルを貯留用通路47へ導くための案内通路401が形成されている。案内通路401は、メダルが1列で通行可能なようにして、その上端部から斜め下方に弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ46を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条402が設けられており、その突条402に沿って案内通路401が形成されている。これにより、案内通路401に到達したメダルは、突条402上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
案内通路401の途中位置にはメダル通路切替部材403が設けられている。メダル通路切替部材403は、案内通路401の上流部に設けられ該案内通路401に対して出没可能な通路切替片404と、この通路切替片404を動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路401内に通路切替片404が突出し、貯留用通路47へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条402を乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路48に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路401外に通路切替片404が没する。これにより、メダルは案内通路401に沿って流れ、貯留用通路47に導かれる。
通路切替片404の下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ405と、第2投入メダル検出センサ406とが案内通路401の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材403のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路401の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ405,407によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材403のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ405,406によりメダルの通過が順次検出される。
<メダル検出処理>
主制御装置101のCPU102にて実行されるメダル投入処理について図130のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、タイマ割込み処理(図16)におけるステップS107のセンサ監視処理にて実行されるものであり、メダル投入口45へのメダル投入を検知したり、その検知結果に基づいてベット数を更新したりするための処理である。
先ずステップS7401では、メダルをスロットマシン内部に投入することが可能なメダル投入許可状態であるか否かを判定する。メダル投入許可状態であるか否かの判定は、メダル通路切替部材403のソレノイドを励磁しているか否かを確認することで行う。例えば、スタートレバー41が操作されてゲームの実行中である場合や、現在のベット数が最大値(上限数である3枚)に達しており且つクレジット数が最大値(50)に達している場合は、メダル投入の受付を不許可とすべく、メダル通路切替部材403のソレノイドが非励磁となっている。この状態を確認することで、メダル投入の不許可状態であると判定することができる。
メダル投入許可状態である場合には、ステップS7402にて、各投入メダル検出センサ405,406の出力状態に基づいてメダルを検知しているか否かを判定する。ステップS7401又はステップS7402で否定判定した場合(メダル投入の不許可状態である場合やメダルの検知状態でない場合)は、そのままメダル検出処理を終了する。
ステップS7402で肯定判定した場合(メダルの検知状態である場合)は、ステップS7403にて、各投入メダル検出センサ405,406の検知領域をメダルが所定期間内に通過したか否かを判定する。セレクタ46内の案内通路401を貯留用通路47に向けて流れる場合には、第1投入メダル検出センサ405がオン→第2投入メダル検出センサ406がオン→両投入メダル検出センサ405,406がオフの流れで各投入メダル検出センサ405,406の出力状態が変化するところ、それら一連の変化が予め定められた期間内に生じているか否かを判定する。
所定期間内に通過していない場合は、ステップS7404に進み、セレクタ46の内部でメダルが滞留している(メダル詰まりが発生している)として、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに投入エラーフラグをセットする。投入エラーフラグがセットされた場合には、前面扉12の前面側に設けられたクレジット表示部60にて、メダル投入エラー(セレクタエラー)に対応する所定のエラー表示がなされる。なお、メダル投入エラーは、前面扉12を開放した状態(扉開放センサ27がオン状態)でリセットスイッチ72を操作し、当該スイッチ72をオン状態とすることで、解除することができる。
ステップS7405では、投入エラーコマンドをサブ制御装置81に送信する。投入エラーコマンドは、メダル投入エラーが発生したことをサブ制御装置81に通知するためのコマンドである。サブ制御装置81では、投入エラーコマンドを受信すると、メダル投入エラー表示及び投入エラー報知音が出力されるように補助表示部65及びスピーカ64a~64n等を制御する。
ステップS7406では、外部集中端子板121を介して遊技ホールの管理制御装置HCに所定のエラー信号を出力する。これにより、メダル投入エラーの発生が管理制御装置HCに通知される。ステップS7406の実行後は、メダル検出処理を終了する。
ステップS7403で肯定判定した場合(メダルが所定期間内に通過している場合)は、ステップS7407にて、各投入メダル検出センサ405,406の出力状態が所定順序で変化しているか否かを判定する。メダル投入口45に投入されたメダルが貯留用通路47に向けて上流側から下流側に向けて流れる場合には、第1投入メダル検出センサ405がオン→第2投入メダル検出センサ406がオン→両投入メダル検出センサ405,406がオフの順序で各投入メダル検出センサ405,406の出力状態が変化するところ、ステップS7407では、第2投入メダル検出センサ406がオンした後に第1投入メダル検出センサ405がオンするなど、正規の順序とは異なる順序で各投入メダル検出センサ405,406の出力状態が変化しているか否かを判定する。
所定順序で変化していない場合は、セレクタ46内を物体が逆流している(不正具が挿入されている)などの不正が行われている可能性があるとして、ステップS7404に進み、投入エラーフラグをセットする。なお、本実施の形態では、ステップS7403で否定判定した場合と、ステップS7407で否定判定した場合とで同種のエラーフラグをセットする構成としているが、それら各事象を区別して認識できるように異なる種類のエラーフラグをセットする構成としてもよい。この場合、サブ制御装置81に送信するエラーコマンドについても異なる種類のコマンドを送信する。
ステップS7407で肯定判定した場合(所定順序で変化している場合)は、ステップS7408にて現在のベット数が最大値(上限数)に達しているか否かを判定する。既に説明したように、規定ベット数は、非内部状態、2枚内部状態、3枚内部状態、第1BB状態、第2BB状態のいずれにおいても2枚又は3枚が設定されているため、ベット数の最大値は3枚である。
ベット数が最大値に達していない場合には、ステップS7409にて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたベットカウンタの値を1インクリメントして更新する。ベットカウンタは、CPU102がベット数を把握するためのカウンタ値であり、当該カウンタ値の更新により、投入されたメダルがベット(賭数)として受け付けられる。
ベット数が最大値に達している場合には、ステップS7410にて、各種カウンタエリア106eに設けられたクレジットカウンタの値を1インクリメントして更新する。クレジットカウンタは、CPU102がクレジット数を把握するためのカウンタ値であり、当該カウンタ値の更新により、投入されたメダルがクレジット(貯留メダル)として受け付けられる。ステップS7409又はステップS7410の実行後はメダル検出処理を終了する。
<内部状態報知の流れについて>
本変形例に係る内部状態報知の流れについて図131を参照しながら説明する。ここでは、非内部状態である状況で設定キーをオフ状態としてスロットマシン10の電源が投入された場合を例にとって説明する。なお、電源投入してから電源投入報知が終了するまでの流れは、図126(b)を参照して説明した変形例3におけるタイミングt1からタイミングt2までの流れと同様であるため、その説明を省略する。
タイミングt2において電源投入表示及び電源投入報知音の出力から所定期間が経過すると、それら各報知が終了する(図131(c))。それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が開始される(図131(h))。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が行われる。
非内部状態である場合は、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。タイミングt3において、メダルを投入する過程でセレクタ46内でメダル詰まりが発生し、メダル投入エラーが検知されたとすると、主制御装置101からサブ制御装置81に対して投入エラーコマンドが送信される。
サブ制御装置81が投入エラーコマンドを受信すると、メダル投入エラーに対応した投入エラー表示が補助表示部65等にて行われる。この投入エラー表示は、例えば「セレクターエラー」等のメッセージ表示が補助表示部65に表示されるとともに、上部ランプ部63が所定の発光態様で発光することで行われる。その際、投入エラー表示は、内部状態表示と並行して行われる。
また、サブ制御装置81が投入エラーコマンドを受信した場合には、メダル投入エラーに対応した投入エラー報知音を出力すべく、音データの設定処理やサウンドIC184a~184nへの出力指示が行われる。ここで、投入エラー報知音の優先度は内部状態報知音の優先度よりも高く設定されているため、投入エラー報知音が優先して出力され、内部状態報知音の出力が待機状態とされる(図131(f),(h))。つまり、メダル投入エラーの発生に伴い内部状態報知音の出力が中断され、スピーカ64a~64nからは投入エラー報知音が放出される。
これにより、メダル投入エラーの発生が聴覚的に報知される。よって、内部状態表示及び内部状態報知音の出力により非内部状態であることが知らされた後の対応処理においてメダル詰まりが発生した場合に、ホール従業員に対してメダル詰まりの発生に気付かせやすくすることができる。なお、投入エラー報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音、内部状態報知音とは異なる所定の警報音をスピーカ64a~64nから放出することで行われる。
ホール従業員がセレクタ46内でのメダル詰まりを解消した後、タイミングt4においてリセットスイッチ72をオン状態とすると、投入エラー状態が解除され、投入エラー表示及び投入エラー報知音の出力が終了する。それに伴い、内部状態報知音の出力待機状態が解除され、当該報知音の出力が再開される。これにより、スピーカ64a~64nから内部状態報知音が放出され、2枚内部状態でないことの聴覚的な報知が再び行われる。
その後、タイミングt5において主制御装置101からサブ制御装置81に対して第2BB当選コマンドが送信されるか、予め定められた報知期間が経過すると、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する(図131(g),(h))。
なお、3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態である場合は、ホール従業員がスロットマシン10の電源を落とした後、設定キーをオン状態として電源を再投入することで、それら各状態をクリアして一旦非内部状態に移行させる。その後は、第2BB役に当選させるべく、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入するが、その過程でメダル詰まりが発生した場合には、図131を参照して説明した流れと同様に投入エラー報知音が優先して出力される。すなわち、先の電源投入時において3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態である場合にも投入エラーの発生を好適に知らせることが可能となる。
また、先の電源投入時において設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入された場合(設定変更が行われる場合)も、非内部状態から2枚内部状態に移行させるべく、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入する際にメダル詰まりが発生した場合には、投入エラー報知音が優先して出力される。
このように本変形例においても、スロットマシン10の電源投入を契機として内部状態報知が行われるため、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
本変形例では、エラー報知音による報知と内部状態報知音による報知とが重複する場合に、前者が優先されてエラー報知音がスピーカ64a~64nから放出される。
2枚内部状態ではない状況において、ホール従業員がスタートレバー41を操作して主制御装置101による役抽選を実行させようとした際に、スロットマシン10に何らかの異常が生じて役抽選が行われず、2枚内部状態への変更が思うように進まないことがあり得る。このような場合において例えば内部状態報知音が優先されると、ホール従業員が異常の発生に気付かずに困惑する懸念がある。この点、エラー報知音の放出が優先されることで、スロットマシン10で異常が生じていることを速やかに知らせることができ、ホール開店前の準備作業に遅れが生じることを抑制できる。
特に本変形例では、投入エラー報知音を内部状態報知音よりも優先させる構成としている。第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)への変更に際しては、メダル投入口45に2枚のメダルを投入して2ベットゲームを行う必要があるところ、メダル投入の過程でメダル詰まりが発生する可能性がある。このような場合に対して本構成を適用することで、内部状態報知音の放出により投入エラー報知音の放出が妨げられることが抑制され、メダル詰まりの発生を速やかに知らせて当該詰まりの解消を促すことができる。よって、第2BB役の非当選状態から当選状態に変更している最中にメダル詰まりが発生しても、当該変更のための作業を円滑に行うことが可能になる。
<第11の実施の形態>
上記第10の実施の形態では、スロットマシン10の電源投入を契機として内部状態報知が行われるが、本実施の形態では、電源投入後に前面扉12が閉鎖されたことを契機として上記報知が行われるように構成されている。本実施の形態について図132~図134を参照しながら説明する。
<内部状態報知用処理>
本実施の形態に係る内部状態報知用処理について図132を参照しながら説明する。この処理は、2枚内部状態でないことの報知である内部状態報知を行うための処理である。本処理は、サブ制御装置81におけるメイン処理(図63)のステップS5606にて実行されるものであり、図120の内部状態報知用処理に代えて実行される。
先ずステップS7601では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグがセットされているか否かを判定する。内部状態報知フラグがセットされていない場合は、ステップS7602に進み、各種フラグ格納エリア183aに復電フラグがセットされているか否かを判定する。復電フラグは、主制御装置101からの復電コマンド(図17のステップS23、図60のステップS5301)を受信していることをCPU181が把握するためのものである。
復電フラグがセットされていない場合は、ステップS7603にて、今回の受信コマンドとして復電コマンドを受信しているか否かを判定する。復電コマンドを受信している場合は、ステップS7604にて、前面扉12が開放されているか否かを判定する。この判定は、主制御装置101から扉開放コマンドを受信しているか否かを判定することにより行う。なお、復電コマンドと扉開放コマンドとが同時に送信されず、復電コマンドの送信から扉開放コマンドの送信までの間にタイムラグが生じる構成の場合もある。その場合は、そのタイムラグを考慮した所定の監視期間を設定し、復電コマンドの受信後、その監視期間の範囲内で扉開放コマンドを受信したか否かを判定する。
ステップS7604で前面扉12が開放されていると判定した場合は、停電から復帰ではなく、電源スイッチ71の操作による電源投入であると推定する。この場合は、ステップS7605に進み、各種フラグ格納エリア183aに復電フラグをセットする。ステップS7603で否定判定した場合(復電コマンドを受信していない場合)又はステップS7604で否定判定した場合(前面扉12が開放されていない場合)は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
ステップS7605の実行後又はステップS7602で肯定判定した場合(復電フラグがセットされている場合)は、ステップS7606に進み、今回の受信コマンドとして扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。扉閉鎖コマンドを受信していない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。一方、扉閉鎖コマンドを受信している場合、すなわち、前面扉12が開放状態から閉鎖状態に切り替わった場合は、ステップS7607にて、各種フラグ格納エリア183aにセットされている復電フラグをクリアする。
上記のように、各種フラグ格納エリア183aに復電フラグがセットされている場合に前面扉12が閉鎖されたか否かの判定処理を実行し、当該判定処理により前面扉12が閉鎖されたと判定した場合に復電フラグを消去する構成としている。このため、スロットマシン10の電源が投入された場合(復電フラグがセットされた場合)には、電源投入後における前面扉12の閉鎖が行われるまで当該閉鎖の有無判定がメイン処理の実行周期で繰り返されることになる。なお、電源投入後に前面扉12が閉鎖された後、再び前面扉12が開閉されることが想定されるが、ステップS7606の判定処理は復電フラグの存在を前提とするため、そのような2回目以降の閉鎖については上記判定処理の対象とはならない。つまり、ステップS7606の判定処理は、電源投入後に前面扉12の初回目の閉鎖が行われたかを判定するものとなる。
ステップS7607の実行後は、ステップS7608にて、主制御装置101から受信した復電コマンドに基づいてBB状態及び内部状態を把握する。ステップS7609では、ステップS7608の把握結果に基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない場合は、ステップS7610に進み、ステップS7608で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。第2BB役の当選状態であると判定した場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
第2BB役の当選状態でないと判定した場合、又はステップS7609で肯定判定した場合(第1BB状態又は第2BB状態のいずれかである場合)は、ステップS7611にて内部状態表示の設定処理を行う。また、ステップS7611では、内部状態表示を継続する期間としての報知期間を設定する。内部状態表示は、当該表示を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。
続くステップS7612では内部状態報知音の設定処理を行う。具体的には、RAM183の再生音データ記憶エリア189に内部状態報知音の音データを設定したり、各サウンドIC184a~184nへの出力指示の設定を行ったりする。内部状態報知音による報知は、ステップS7611で設定される報知期間に亘って実行される。ステップS7613では、各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグをセットし、その後、内部状態報知用処理を終了する。
ステップS7601で肯定判定した場合(内部状態フラグがセットされている場合)、すなわち、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音)の実行中である場合は、ステップS7614に進み、内部状態報知を開始してからの経過期間が上記報知期間に達したか否かを判定する。報知期間が経過していない場合には、ステップS7615にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS7614で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)又はステップS7615で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS7616にて、内部状態報知を終了するように補助表示部65、下表示部69及びスピーカ64を制御する。ステップS7617では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている内部状態報知フラグをクリアする。ステップS7617の実行後又はステップS7615で否定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信していない場合)は、内部状態報知用処理を終了する。
<内部状態報知の流れについて>
内部状態報知の流れについて説明する。ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されたものとする。先ず、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合について図133を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオフ状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、前面扉12が開放状態であることに基づき、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が行われる(図133(a),(b))。また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。
なお、扉開放表示及び扉開放報知音の出力や復電コマンドの送信等の上記各処理は、所定の立ち上がり期間が経過してから行われるが、図133では、その立ち上がり期間の図示を省略している。また、扉開放表示及び扉開放報知音の出力に先立ち、所定期間に亘って電源投入表示及び電源投入報知音の出力が行われるが、これらの報知についても図示を省略している。
タイミングt2において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。また、前面扉12が閉鎖された場合には、サブ制御装置81にて第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。この判定は、主制御装置101から受信した復電コマンドに含まれる内部状態情報やBB状態情報に基づいて行われる。
ここでは、2枚内部状態以外の状態でスロットマシン10の電源が投入されているため、上記判定の結果として内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる。内部状態表示による報知は、下表示部69が所定の発光パターン(点滅)で発光したり、補助表示部65に各状態画像311~313(図121)が表示されたりすることで行われ、内部状態報知音による報知は、電源投入報知音や設定変更報知音とは異なる音声がスピーカ64a~64nから放出することで行われる。これらの報知により、遊技ホールのホール従業員に対し、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)でないことが報知される。
設定変更が許容されない場合における2枚内部状態でない状態としては、非内部状態、3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態がある。このうち非内部状態である場合は、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。また、3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態である場合は、スロットマシン10の電源を落とした後、設定キーをオン状態として電源を再投入することで、それら各状態をクリアして一旦非内部状態に移行させ、その後、2ベットゲームにより第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。タイミングt3において2ベットゲームによる第2BB役の当選が行われたとすると、当該タイミングで内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する。
次に、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合について図134を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されていない状態から前面扉12が開放され、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入されると(タイミングt1)、ステップS18(図17)の第1RAMクリア処理が実行される。3枚内部状態、第1BB状態又は第2BB状態であった場合は、当該第1RAMクリア処理によりそれら各状態がクリアされ、非内部状態となる。
また、設定キーがオン状態となっていることに基づき、設定変更報知が行われる(図134(e))。この報知は、例えば「設定変更中です」等の音声がスピーカ64a~64nから放出される態様で行われ、これにより、設定変更中であることが聴覚的に報知される。また、電源が投入された場合には、主制御装置101からサブ制御装置81に対して復電コマンドが送信される。
その後、タイミングt2において設定変更操作が終了すると、設定変更報知が終了する。それに伴い、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が開始される(図134(f),(g))。
タイミングt3において前面扉12が閉鎖されると、扉開放表示及び扉開放報知音の出力が終了する。また、前面扉12が閉鎖された場合には、サブ制御装置81にて第1BB状態又は第2BB状態であるかや、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かが判定される。上記のとおり非内部状態となっているため、内部状態表示及び内部状態報知音の出力が行われる(図134(h),(j))。これらの報知により、遊技ホールのホール従業員に対し、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)でないことが報知される。
設定変更が許容される場合における2枚内部状態でない状態は、非内部状態のみとなる。この場合、ホール従業員がメダル投入口45にメダルを2枚投入してスタートレバー41を操作し、2ベットゲームを行って第2BB役に当選させることで、2枚内部状態に移行させることができる。タイミングt4においてそのような操作が行われたとすると、当該タイミングで内部状態表示及び内部状態報知音の出力が終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電源投入後に前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態でないと判定した場合に内部状態報知を行う構成とした。
電源スイッチ71の操作と前面扉12を閉める操作との両方を行えるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることができ、延いては2枚内部状態でない状況で遊技が行われることを抑制できる。
また、前面扉12が閉鎖された場合に内部状態報知を行うことで、内部状態報知の実行タイミングを好適化することもできる。すなわち、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要があるため、前面扉12が開いている状況で内部状態報知が実行されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。この点、前面扉12の閉鎖を待って内部状態報知が実行される本構成では、第2BB役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから内部状態報知が行われるものとなるため、ホール従業員にとって好適なタイミングで2枚内部状態でないことを知らせることが可能になる。
さらに、前面扉12が開放されている状況では扉開放報知が実行されるため、扉開放報知と内部状態報知との重複が想定される。その場合、それら各報知の期間を切り分けて行おうとすると、報知の設計に際してその調整が必要となる。この点、本構成では、前面扉12が閉鎖されてから内部状態報知が実行されるため、それら両報知の報知期間が重複すること自体を回避できる。よって、設計時における期間調整が不要となり、報知設計の作業負担を少なく抑えることが可能になる。
電源が投入された場合に前面扉12が開放されているか否かを判定し、前面扉12が開放されていない場合に内部状態報知の実行を制限する構成とした。
スロットマシン10への電源投入は、電源スイッチ71が操作された場合に限らず、停電により遊技ホールへの外部電力の供給が遮断された後、送電設備の復旧により外部電力の供給が再開された場合にも生じる。そのような停電からの復帰による電源投入の場合は、スロットマシン10の近くに遊技者がいる可能性があるため、ホール従業員を対象とする内部状態報知が遊技者の目前で行われるおそれがある。
その際、停電からの復帰による電源投入の場合は、前面扉12が閉鎖された状態で電源投入が行われると想定されるため、電源が投入されたときに前面扉12が開放されている場合を内部状態報知の実行対象とすることで、停電からの復帰による電源投入を除外して内部状態報知を実行することができる。これにより、内部状態報知が遊技者の目前で行われることが抑制され、遊技者が内部状態報知を見るなどした場合に当該報知が気になって遊技に集中しにくくなったり、2枚内部状態でないことが不用意に遊技者に知らされてしまったりすることを抑制可能となる。なお、本構成は上記第10の実施の形態にも適用することができる。
電源が投入されてから前面扉12の初回目の閉鎖を対象として内部状態報知を行う構成とした。
この場合、電源が投入されて前面扉12を閉める操作が行われることに応じて内部状態報知を実行することができる。このような操作が行われるのは、基本的にホール開店前の期間に限られるため、内部状態報知が遊技者の目前で行われることを抑制できる。
<第12の実施の形態>
上記第10の実施の形態では、内部状態報知により2枚内部状態でないことが報知されるが、本実施の形態では、電源投入報知により2枚内部状態でないことが報知されるように構成されている。本実施の形態について図135~図137を参照しながら説明する。
<メイン処理>
本実施の形態に係るメイン処理について図135のフローチャートを参照しながら説明する。この処理は、サブ制御装置81のCPU181にて実行されるものであり、図63のメイン処理に代えて実行されるものである。なお、図135において図63のメイン処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施の形態に係るメイン処理では、ステップS5606(図63)の内部状態報知用処理が省略され、当該処理の機能がステップS7701の電源投入報知処理に組み込まれている。ステップS7701の電源投入報知処理は、メイン処理における定期処理の一環として実行され、所定周期(例えば2msec)で繰り返し実行される。
<電源投入報知処理>
ステップS7701の電源投入報知処理について図136のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS7801では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに第1報知フラグ又は第2報知フラグがセットされているか否かを判定する。第1報知フラグは、後述する第1電源投入報知の実行中であることをCPU181が把握するためのものであり、第2報知フラグは、後述する第2電源投入報知の実行中であることをCPU181が把握するためのものである。
それら各報知フラグのいずれもセットされていない場合は、ステップS7802にて、今回の受信コマンドとして復電コマンドを受信しているか否かを判定する。復電コマンドを受信していない場合は、そのまま電源投入報知処理を終了する。
復電コマンドを受信している場合は、ステップS7803に進み、前面扉12が開放されているか否かを判定する。この判定は、主制御装置101から扉開放コマンドを受信しているか否かを判定することにより行う。なお、復電コマンドと扉開放コマンドとが同時に送信されず、復電コマンドの送信から扉開放コマンドの送信までの間にタイムラグが生じる構成の場合もある。その場合は、そのタイムラグを考慮した所定の監視期間を設定し、復電コマンドの受信後、その監視期間の範囲内で扉開放コマンドを受信したか否かを判定する。
ステップS7803で前面扉12が開放されていると判定した場合は、停電から復帰ではなく、電源スイッチ71の操作による電源投入であると推定する。この場合は、ステップS7804に進み、BB状態及び内部状態を把握する。これら各状態は、主制御装置101からの復電コマンドに含まれる内部状態情報及びBB状態情報に基づいて把握する。
ステップS7805では、ステップS7804の把握結果に基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない場合は、ステップS7806に進み、ステップS7804で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。
第2BB役の当選状態であると判定した場合、又はステップS7803で否定判定した場合(前面扉12が開放されていない場合)は、ステップS7807に進む。なお、前面扉12が開放されていない場合とは、例えば、遊技ホールの営業時間内に発生した停電から復電した場合のように、電源スイッチ71が操作されないでスロットマシン10の電源が投入されたことを意味する。
ステップS7807では、電源投入報知として第1電源投入報知が行われるように設定処理を行う。第1電源投入報知は、スロットマシン10の電源が投入されたことを報知するものである。第1電源投入報知としては、視覚的な報知である電源投入表示(第1電源投入表示)と、聴覚的な報知である電源投入報知音(第1電源投入報知音)の出力とを行う。第1電源投入表示は、補助表示部65及び上部ランプ部63を用いて行い、第2電源投入報知音の出力は、スピーカ64a~64nを用いて行う。なお、これら各報知の具体例については後述する。
また、ステップS7807では、第1電源投入報知を継続する期間としての報知期間を設定する。この報知期間は、第1電源投入報知の上限実行期間を定めるものであり、第1電源投入報知は、当該報知を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。続くステップS7808では、各種フラグ格納エリア183aに第1報知フラグをセットし、その後、電源投入報知処理を終了する。
ステップS7805で肯定判定した場合(第1BB状態又は第2BB状態のいずれかである場合)、又はステップS7806で否定判定した場合(第2BB役の当選状態でないと判定した場合)は、ステップS7809に進み、電源投入報知として第2電源投入報知が行われるように設定処理を行う。
第2電源投入報知は、スロットマシン10の電源が投入されたことのほか、2枚内部状態でないことを報知するものである。第2電源投入報知としては、視覚的な報知である電源投入表示(第2電源投入表示)と、聴覚的な報知である電源投入報知音(第2電源投入報知音)の出力とを行う。このうち電源投入表示は補助表示部65及び上部ランプ部63を用いて行う。その際、補助表示部65の表示画面には、上記第1電源投入表示とは異なる態様の報知画像が表示される。また、上部ランプ部63についても、上記第1電源投入表示とは異なる発光態様で当該ランプ部63が発光するように設定される。また、第2電源投入報知音の出力は、スピーカ64a~64nを用いて行うが、その際の音声は上記第1電源投入報知音とは異なる音声とされる。これら各報知の具体例については後述する。
また、ステップS7809では、第2電源投入報知を継続する期間としての報知期間を設定する。この報知期間は、第2電源投入報知の上限実行期間を定めるものであり、第2電源投入報知は、当該報知を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。なお、第2電源投入報知に関する報知期間の長さは特に限定されるものでないが、例えば、ステップS7807における第1電源投入報知の報知期間と同じ長さに設定する。続くステップS7810では、各種フラグ格納エリア183aに第2報知フラグをセットし、その後、電源投入報知処理を終了する。
ステップS7801で肯定判定した場合(第1報知フラグ又は第2報知フラグがセットされている場合)、すなわち、第1電源投入報知又は第2電源投入報知の実行中である場合は、ステップS7811に進み、セットされている報知フラグが第2報知フラグであるか否かを判定する。ステップS7811で肯定判定した場合、すなわち、第2電源投入報知の実行中である場合は、ステップS7812にて、ステップS7809で設定した報知期間が経過したか否かを判定する。
報知期間が経過していない場合は、ステップS7813にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。第2BB当選コマンドを受信していない場合は、そのまま電源投入報知処理を終了する。
ステップS7812で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)又はステップS7813で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS7814にて、第2電源投入報知を終了するように補助表示部65、上部ランプ部63及びスピーカ64を制御する。続くステップS7815では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている第2報知フラグをクリアする。
ステップS7816では、上記報知期間が経過しているか否かを判定する。報知期間が経過している場合、すなわち、報知期間の経過により第2電源投入報知を終了している場合は、そのまま電源投入報知処理を終了する。
一方、報知期間が経過していない場合、すなわち、報知期間の経過前に第2BB当選コマンドを受信している場合は、第2電源投入報知から第1電源投入報知に電源投入報知を切り替えるべく、ステップS7807に進む。ステップS7807では、ステップS7809で設定した報知期間の残り期間にて第1電源投入報知が実行されるように設定する。
ステップS7811で否定判定した場合(第2報知フラグがセットされていない場合)は、第1電源投入報知の実行中であることを意味する。この場合は、ステップS7817に進み、ステップS7807で設定した報知期間が経過しているか否かを判定する。報知期間が経過していない場合は、そのまま電源投入報知処理を終了する。
一方、報知期間が経過している場合は、ステップS7818にて、第1電源投入報知を終了するように補助表示部65、上部ランプ部63及びスピーカ64を制御する。続くステップS7819では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている第1報知フラグをクリアし、その後、電源投入報知処理を終了する。
<電源投入報知の流れについて>
電源投入報知の流れについて図137を参照しながら説明する。
スロットマシン10の電源が投入されると、電源投入報知が実行される。この際、第2BB役の当選状態(2枚内部状態)である場合には、電源投入報知として第1電源投入報知が行われる。第1電源投入報知では、補助表示部65及び上部ランプ部63を用いた第1電源投入表示と、スピーカ64a~64nを用いた第1電源投入報知音の出力とが行われる。
図137に示すように、第1電源投入表示では、電源が投入されたことを報知する報知画像として、例えば「電源が投入されました」等のメッセージ表示Aが補助表示部65の表示画面に表示されるとともに、発光色A(例えば赤色)で発光するように上部ランプ部63が駆動制御される。また、第1電源投入報知音の出力では、電源が投入されたことを報知する音声報知として、例えば「電源が投入されました」等の報知音Aがスピーカ64a~64nから放出される。
これら第1電源投入表示及び第1電源投入報知音の出力は、予め定められた所定期間(報知期間)が経過することで終了する。なお、それら各報知の実行中において前面扉12が閉鎖されたか否かを判定し、前面扉12が閉鎖された場合にそれら各報知を終了する構成としてもよい。その際、報知期間の経過に代えて前面扉12の閉鎖により報知を終了する(換言すれば、前面扉12が開放されている間は報知が継続する)構成としてもよいし、報知期間の経過と前面扉12の閉鎖とを併せて判定する構成としてもよい。そのような構成としては、報知期間の経過前においては前面扉12の閉鎖を条件として報知を終了し、報知期間が経過した場合には前面扉12が閉鎖されていなくても報知を終了する構成とすることが考えられる。
また、スロットマシン10の電源が投入された際、第2BB役の非当選状態である(2枚内部状態でない)場合は、電源投入報知として、上記第1電源投入報知とは異なる第2電源投入報知が行われる。第2電源投入報知では、補助表示部65及び上部ランプ部63を用いた第2電源投入表示と、スピーカ64a~64nを用いた第2電源投入報知音の出力とが行われる。
ここで、第2BB役の非当選状態である場合には、第1BB役又は第2BB役のいずれにも当選していない非内部状態と、第1BB役の当選状態である3枚内部状態と、第1BB状態又は第2BB状態とがある。本実施の形態では、これら各状態ごとに第2電源投入表示及び第2電源投入報知音の態様を異ならせている。
図137に示すように、非内部状態である場合には、第2電源投入表示として、例えば「電源が投入されました。非内部状態です」等のメッセージ表示Bが補助表示部65の表示画面に表示される。このメッセージ表示Bは、電源が投入されたこと及び非内部状態であることの報知画像である。上記表示と併せ、第2電源投入表示では、2枚内部状態である場合の発光色Aとは異なる発光色B(例えば青色)で発光するように上部ランプ部63が駆動制御される。また、第2電源投入報知音の出力では、例えば「電源が投入されました。非内部状態です」等の報知音B(電源が投入されたこと及び非内部状態であることを報知する音声)がスピーカ64a~64nから放出される。
3枚内部状態である場合には、第2電源投入表示として、例えば「電源が投入されました。3枚内部状態です」等のメッセージ表示C(電源が投入されたこと及び3枚内部状態であることの報知画像)が補助表示部65の表示画面に表示されるとともに、発光色C(例えば黄色)で発光するように上部ランプ部63が駆動制御される。また、第2電源投入報知音の出力では、例えば「電源が投入されました。3枚内部状態です」等の報知音C(電源が投入されたこと及び3枚内部状態であることを報知する音声)がスピーカ64a~64nから放出される。
第1BB状態又は第2BB状態である場合には、第2電源投入表示として、例えば「電源が投入されました。ゼロボーナス状態です」等のメッセージ表示D(電源が投入されたこと及びメダルの増減が生じないBB状態であることの報知画像)が補助表示部65の表示画面に表示されるとともに、発光色D(例えば緑色)で発光するように上部ランプ部63が駆動制御される。また、第2電源投入報知音の出力では、例えば「電源が投入されました。ゼロボーナス状態です」等の報知音D(電源が投入されたこと及びメダルの増減が生じないBB状態であることを報知する音声)がスピーカ64a~64nから放出される。
これら第2電源投入表示及び第2電源投入報知音の出力は、予め定められた所定期間(報知期間)が経過することで終了する。但し、当該期間の経過前に第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に移行した場合、換言すれば、第2BB役の非当選状態が終了した場合には、それら各報知が第1電源投入表示及び第1電源投入報知音に切り替えられる。この切替後の第1電源投入報知は、上記報知期間の残りを利用して行われる。
上記第1電源投入報知の場合と同様に、報知期間の経過に代えて又は加えて前面扉12が閉鎖されたことにより、第2電源投入表示及び第2電源投入報知音の出力が終了する構成としてもよい。
なお、上述した各電源投入表示及び電源投入報知音は一例に過ぎず、図137に示す態様に限定されるものではない。例えば、第2電源投入表示では、電源が投入されたことの報知画像(「電源が投入されました」等)とともに、非内部状態や3枚内部状態等の各状態に対応する所定の絵柄画像(例えば、非内部状態であれば星を模した画像、3枚内部状態であればハートを模した画像等)が表示されるものであってもよい。また、上部ランプ部63においても、発光色の相違に代えて又は加えて各状態に対応する発光パターン(点滅の有無や点滅の間隔等が異なる複数種類の発光パターン)で発光するようにしてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
スロットマシン10の電源が投入された場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態であると判定した場合に第1電源投入報知を実行し、2枚内部状態でないと判定した場合に第2電源投入報知を実行する構成とした。
電源スイッチ71を操作してスロットマシン10の電源が投入できるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることができ、延いては2枚内部状態でない状況で遊技が行われることを抑制できる。
また、本構成では、電源投入報知における報知態様の違いにより2枚内部状態でないことを報知するため、1の報知によって、電源が投入されたことと2枚内部状態でないこととの両方をホール従業員に知らせることができる。この際、2枚内部状態でないことの報知を電源投入報知の報知期間を利用して行うことができるため、それら各報知を各別に行う場合のような期間調整の作業が不要となり、報知設計の作業負担を軽減することが可能になる。
電源が投入された場合に前面扉12が開放されているか否かを判定し、前面扉12が開放されていない場合には、第2電源投入報知の実行を制限して第1電源投入報知を実行する構成とした。
スロットマシン10への電源投入は、電源スイッチ71が操作された場合に限らず、停電により遊技ホールへの外部電力の供給が遮断された後、送電設備の復旧により外部電力の供給が再開された場合にも生じる。そのような停電からの復帰による電源投入の場合は、スロットマシン10の近くに遊技者がいる可能性があるため、ホール従業員を対象とする第2電源投入報知が遊技者の目前で行われるおそれがある。
その際、停電からの復帰による電源投入の場合は、前面扉12が閉鎖された状態で電源投入が行われると想定されるため、電源が投入されたときに前面扉12が開放されている場合を第2電源投入報知の実行対象とすることで、停電からの復帰による電源投入を除外して第2電源投入報知を実行することができる。これにより、内部状態報知が遊技者の目前で行われることが抑制され、遊技者が内部状態報知を見るなどした場合に当該報知が気になって遊技に集中しにくくなったり、2枚内部状態でないことが不用意に遊技者に知らされてしまったりすることを抑制可能となる。
第2電源投入報知の実行中に2枚内部状態に移行した場合に第1電源投入報知に切り替える構成とした。
電源投入されたことを適切に知らせる上では、その報知期間としてある程度の長さを確保することが好ましい。そのような事情の下、例えば、第2電源投入報知の実行中に2枚内部状態に移行した場合に、それに伴って当該報知を終了させると、電源投入の報知期間が短くなる懸念があり、逆に、2枚内部状態への移行が生じてもそのまま第2電源投入報知を継続していると、2枚内部状態への移行をホール従業員が把握できないおそれがある。この点、本構成によれば、電源投入に対応した報知を継続しながら2枚内部状態に移行したことを報知できるため、電源投入報知の期間確保と2枚内部状態への移行の報知とを好適に両立させることが可能になる。
第2電源投入報知から第1電源投入報知に切り替えた際、報知期間の残り期間を超えない範囲で切り替え後の第1電源投入報知が実行される構成とした。
例えば、電源投入報知の期間があまりにも長くなると、ホール従業員が隣のスロットマシンの点検作業に移った場合に、そのスロットマシンで実行される電源投入報知と、直前に点検したスロットマシンでの電源投入報知とが重複し、報知が分かりにくくなる懸念がある。このような場合、直前のスロットマシンでの電源投入報知が終了してから次のスロットマシンの点検作業を始めればよいが、それでは点検に要する時間が長くなり、作業性の低下を招くおそれがある。
この点、本構成では、先の第2電源投入報知に対応して設定された報知期間が経過することで、切り替え後の第1電源投入報知が終了するため、第2電源投入報知から第1電源投入報知への切り替え後において、第1電源投入報知用の報知期間がそのまま上乗せされることが抑制される。これにより、先の第2電源投入報知と後の第1電源投入報知との合計期間が当初に設定された報知期間よりも長くなることが抑制され、電源投入報知の期間が過度に長くなることを回避できる。
<第13の実施の形態>
上記各実施の形態では、設定変更操作の終了や電源投入を主たる契機として内部状態報知が行われるが、本実施の形態では、前面扉12が閉鎖されたことを主たる契機として内部状態報知が行われるように構成されている。本実施の形態について図138及び図139を参照しながら説明する。
図138に示すように、本実施の形態においてサブ制御装置81には、時刻情報を出力するRTC(リアルタイムクロック)321が設けられている。RTC321はCPU181の入出力ポートに接続されており、RTC321から出力される時刻情報はCPU181に入力される。なお、RTC321はバックアップ電源を備えている。これにより、スロットマシン10の電源遮断時においても時刻経過を管理できるようになっている。
サブ制御装置81の入力側には、内部状態報知の対象期間を設定するための操作部として期間設定用操作部322が接続されている。期間設定用操作部322を操作することで、内部状態報知の実行を許容する期間を、時刻を指定して設定することが可能となっている。期間設定用操作部322は、サブ制御装置81の表面部(前面扉12の裏面部)や筐体11の内部などスロットマシン10の内側に配置されており、ホール従業員が操作可能なものとなっている。なお、期間設定用操作部322により設定される対象期間は、遊技ホールの営業時間外における所定期間とされることが想定され、例えば、午後11時頃から翌日の午前9時頃までの間における所定の時刻範囲が指定されることが考えられる。
図示を省略しているが、期間設定用操作部322により設定される対象期間を目視確認できるようにするための対象期間表示部が設けられる。対象期間表示部はCPU181に接続されており、期間設定用操作部322の操作により指定される期間(時刻)や、CPU181に設定されている現在の対象期間などが対象期間表示部に表示される。対象期間表示部は、前面扉12を開放した場合に視認可能となる位置に配置され、具体的には前面扉12の裏面部(例えばサブ制御装置81上)や筐体11の内部に設けられている。よって、基本的にホール従業員のみが対象期間表部の表示内容を視認可能となっている。
<内部状態報知用処理>
本実施の形態に係る内部状態報知用処理について図139を参照しながら説明する。この処理は、2枚内部状態でないことの報知である内部状態報知を行うための処理である。本処理は、サブ制御装置81におけるメイン処理(図63)のステップS5606にて実行されるものであり、図65の内部状態報知用処理に代えて実行される。
先ずステップS8001では、RAM183の各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグがセットされているか否かを判定する。内部状態報知フラグがセットされていない場合は、ステップS8002に進み、今回の受信コマンドとして扉閉鎖コマンドを受信しているか否かを判定する。扉閉鎖コマンドを受信していない場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
一方、扉閉鎖コマンドを受信している場合は、ステップS8003にてRTC321から出力される時刻情報を取得する。ステップS8004では、ステップS8003で取得した時刻情報により示される時刻(現時刻)が、期間設定用操作部322により設定された内部状態報知の対象期間(内部状態報知の実行を許容する期間)に属するか否かを判定する。現時刻が対象期間外である場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
現時刻が対象期間内である場合は、ステップS8005に進み、BB状態及び内部状態を把握する。これらの状態の把握は、主制御装置101からの復電コマンドに含まれる内部情報及びBB状態情報に基づいて行うほか、第1BB役や第2BB役の当選時等に送信される各種コマンドの受信履歴や、各種フラグ格納エリア183aにセットされている各種フラグの設定状況等に基づいて行う。
ステップS8006では、ステップS8005の把握結果に基づき、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。第1BB状態又は第2BB状態のいずれでもない場合は、ステップS8007に進み、ステップS8005で把握した内部状態が第2BB役の当選状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する。第2BB役の当選状態であると判定した場合は、そのまま内部状態報知用処理を終了する。
第2BB役の当選状態でないと判定した場合、又はステップS8006で肯定判定した場合(第1BB状態又は第2BB状態のいずれかである場合)は、ステップS8008にて内部状態表示の設定処理を行う。また、ステップS8008では、内部状態表示を継続する期間としての報知期間を設定する。内部状態表示は、当該表示を開始してからの経過期間が上記報知期間に達することで終了する。
続くステップS8009では内部状態報知音の設定処理を行う。具体的には、RAM183の再生音データ記憶エリア189に内部状態報知音の音データを設定したり、各サウンドIC184a~184nへの出力指示の設定を行ったりする。内部状態報知音による報知は、ステップS8008で設定される報知期間に亘って実行される。ステップS8010では、各種フラグ格納エリア183aに内部状態報知フラグをセットし、その後、内部状態報知用処理を終了する。
ステップS8001で肯定判定した場合(内部状態フラグがセットされている場合)、すなわち、内部状態報知(内部状態表示及び内部状態報知音)の実行中である場合は、ステップS8011に進み、内部状態報知を開始してからの経過期間が上記報知期間に達したか否かを判定する。報知期間が経過していない場合には、ステップS8012にて、今回の受信コマンドとして第2BB当選コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS8011で肯定判定した場合(報知期間が経過している場合)、又はステップS8012で肯定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信している場合)は、ステップS8013にて、内部状態報知を終了するように補助表示部65、下表示部69及びスピーカ64を制御する。ステップS8014では、各種フラグ格納エリア183aにセットされている内部状態報知フラグをクリアする。ステップS8014の実行後又はステップS8012で否定判定した場合(第2BB当選コマンドを受信していない場合)は、内部状態報知用処理を終了する。
本実施の形態では、内部状態報知の対象期間内に前面扉12が閉鎖されると、第1BB状態又は第2BB状態であるか否かや、2枚内部状態であるか否かが判定され、その結果に基づいて内部状態報知が実行される。一方、前面扉12が閉鎖されたタイミングが内部状態報知の対象期間外である場合は、上記各判定が行われず、内部状態報知の実行もなされない。なお、スロットマシン10の電源が遮断された状態で前面扉12が開閉される場合もあり得るが、この場合は、図139に示す内部情報報知用処理が起動しないため、内部状態報知が行われない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態でない場合に内部状態報知を実行する構成とした。
前面扉12を開閉できるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を行うことができる。これにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に対して好適に知らせることができ、延いては2枚内部状態でない状況で遊技が行われることを抑制できる。
前面扉12が開放された場合でなく、前面扉12が閉鎖された場合を対象として内部状態報知を実行する構成とした。
例えば、前面扉12が開放された場合に内部状態報知を実行する構成では、扉開放報知と内部状態報知が重複するため、報知の設計に際してその調整が必要となると考えられる。この点、本構成によれば、そのような重複自体を回避できるため、報知設計の負担増を抑制することが可能になる。
また、前面扉12が閉鎖された場合に内部状態報知を行うことで、内部状態報知の実行タイミングを好適化することもできる。すなわち、第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)に変更するには、役抽選を実行させて第2BB役に当選させる必要があるため、前面扉12が開いている状況で内部状態報知が実行されても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。この点、前面扉12の閉鎖を待って内部状態報知が実行される本構成では、第2BB役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから内部状態報知が行われるものとなるため、ホール従業員にとって好適なタイミングで2枚内部状態でないことを知らせることが可能になる。
前面扉12の閉鎖タイミングが予め設定した報知対象期間内のものであるか否かを判定し、報知対象期間内である場合に内部状態報知を実行する構成とした。
上記構成によれば、報知対象期間としてホール開店前の期間を設定することで、ホール開店前に前面扉12が閉鎖された場合を対象として内部状態報知を実行することができる。これにより、遊技者の目前で内部状態報知が行われることを抑制可能となる。
RTC321からの時刻情報に基づいて前面扉12が閉鎖された時刻を把握し、その把握した時刻が報知対象期間に属するか否かを判定する構成とした。
この場合、時刻を用いて報知対象期間を定めることができるため、当該期間の設定を容易に行えるほか、各遊技ホールや各営業日の開店時間に合わせて報知対象期間を設定することができる。これにより、各遊技ホールで開店時間にばらつきがある場合や、開店時間を異ならせた特殊営業日を設ける場合でも、遊技者の目前で内部状態報知が行われることを抑制可能となる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。
(1)上記各実施の形態では、合計ポイントが特典付与値に到達した場合の特典を第2ATモードへの移行としたが、遊技者にとって有利なものであれば(換言すれば、遊技者にとって合計ポイントを貯めようとする契機になり得るものであれば)、特に限定されるものではない。例えば、付与ポイントが特典付与値に到達していない場合は、第1ATモードの終了時に第2ATモード移行抽選が行われない一方で、合計ポイントが特典付与値に到達している場合は、その特典として第1ATモードの終了時に第2ATモード移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合、当該移行抽選における当選確率を、第1ATモード中の移行抽選(第1ATモード中の特定役に当選した場合に行われる第2ATモード移行抽選)の当選確率と同じにしてもよいし、第1ATモード中の移行抽選よりも優遇して第2ATモードへの移行期待度が高まる構成としてもよい。
また、合計ポイントが特典付与値に到達していない状況でも、第1ATモードの終了時に第2ATモード移行抽選が行われ得る構成としてもよい。この場合、合計ポイントが特典付与値に到達した状態での第2ATモード移行抽選における当選確率が、合計ポイントが特典付与値に到達していない状況での第2ATモード移行抽選よりも優遇される構成とするとよい。
また、合計ポイントが特典付与値に到達した場合の特典として、第1ATモードの引き戻しが優遇される構成としてもよい。具体的には、合計ポイントが特典付与値に到達している状態で第1ATモードが終了する場合又は終了した後に、第1ATモードへの移行期待度が高くなるモード(引き戻しゾーン)に移行し、当該モードが所定ゲーム数に亘って又は所定の終了条件(転落抽選に当選するなど)が成立するまで継続する構成とする。第1ATモードへの移行期待度が高くなるモードとしては、第1ATモードの引き戻しが確定したり、第1ATモード移行抽選が小役当選の有無や当選役にかかわらず毎ゲーム行われたり、通常モードでは第1ATモードへの移行契機役とはならない当選役が引き戻し特化ゾーンでは移行契機役となったり、各当選役に対する第1ATモードへの当選確率が通常モードの場合(図30)よりも高く設定されたりする構成等が考えられる。
また、合計ポイントが特典付与値に到達していない状態で第1ATモードが終了した場合にも第1ATモードの引き戻しゾーンに移行し得る構成とした上で、合計ポイントが特典付与値に到達している状態で第1ATモードが終了した場合は、到達していない場合よりも上記引き戻しゾーンにおける第1ATモードへの移行確率(引き戻し確率)が優遇される構成としてもよい。
また、第1ATモードの引き戻しに代えて又は加えて、第2ATモードが終了する場合又は終了した後に、第2ATモードへの移行期待度が高くなるモード(引き戻しゾーン)に移行する構成としてもよい。この場合、第2ATモードの引き戻しゾーンへの移行を特典としてもよいし、合計ポイントが特典付与値に到達していない状態で第2ATモードが終了した場合にも第2ATモードの引き戻しゾーンに移行し得る構成とした上で、合計ポイントが特典付与値に到達している状態で第2ATモードが終了した場合は、到達していない場合よりも上記引き戻しゾーンにおける第2ATモードへの移行確率(引き戻し確率)が優遇される構成としてもよい。
その他、合計ポイントが特典付与値に到達した場合の特典としては、第1ATモード又は第2ATモードのゲーム数が上乗せされるものであってもよいし、セット数が上乗せされるものであってもよい。
(2)上記各実施の形態では、第1ATモード中にポイント付与契機を設けない構成としたが、第1ATモード中にポイント付与契機を設け、第1ATモードの開始後に合計ポイントが増加し得る構成としてもよい。この場合、合計ポイントが特典付与値に到達していない状態で第1ATモードが開始されても第1ATモードの遊技中に合計ポイントを特典付与値まで増やすことができるため、合計ポイントを特典付与値に到達させることを目標の1つとして第1ATモードを遊技することができ、第1ATモードの楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。なお、第1ATモード中のポイント付与契機に設ける構成としては、例えば、特定役に当選した場合に有利な特別モード(例えば、ATゲーム数の上乗せが優遇された特化ゾーン)に移行し得る構成とした上で、特定役に当選したものの特別モード移行抽選に当選しなかった場合に主制御装置101にてポイントを付与したりする構成が考えられる。
(3)上記各実施の形態では、特定状態として有利区間を例示したが、所定条件の成立により合計ポイントが初期化されるものであれば、有利区間以外の遊技状態を特定状態としてもよい。この場合、当該有利区間以外の遊技状態が終了する場合に合計ポイントが初期化されてもよいし、当該状態の終了以外の初期化条件の成立により合計ポイントが初期化されてもよい。
(4)上記各実施の形態では、有利区間の終了により合計ポイントが初期化される構成としたが、有利区間の終了以外の初期化条件の成立により有利区間の途中で合計ポイントが初期化される構成としてもよい。
(5)上記各実施の形態では、合計ポイントが初期化された場合の初期値を0ポイントとしたが、初期化前の合計ポイントよりも少ない1以上の値であってもよい。なお、初期化処理は合計ポイントを低減させる処理と見ることもできるため、初期化処理を低減処理と言い換えてもよい。
また、初期化とは別に合計ポイントを低減させる低減契機を設けた構成としてもよい。例えば、初期化の場合は合計ポイントが0ポイントになるが、低減処理では、その時点の合計ポイントから所定値が減算されて合計ポイントが減少する構成としてもよい。その場合において、初期化処理の実行時と低減処理の実行時との両方で保持ポイントを保持する構成としてもよいし、低減処理の実行時は保持ポイントを保持するが、初期化処理の実行時は保持ポイントを保持しない構成としてもよいし、その逆であってもよい。
(6)上記各実施の形態では、有利区間が終了する場合に合計ポイントが初期化される構成としたが、有利区間が終了してから合計ポイントが初期化される構成としてもよい。具体的には、区間表示第2処理(図46)において有利区間フラグをクリアしてから合計ポイントを初期化する処理を実行してもよい。また、有利区間が終了した次のゲームにて上記初期化が行われる構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態において、有利区間が終了しても合計ポイントが初期化されない構成としてもよい。すなわち、合計ポイントが特典付与値に到達した場合と、電断状態(スロットマシン10に電力が供給されていない場合やスロットマシン10の電源スイッチ71がオフされた場合)や人為的な操作(RAMクリア操作)によりRAM106のデータが消去された場合とを除き、合計ポイントが初期化されない構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態では、第1ATモードを疑似ボーナスとして構成したが、第1ATモードは疑似ボーナスでなくてもよい。
(9)上記各実施の形態では、第1ATモードを経由して第2ATモードに移行する構成としたが、これに代えて又は加えて、第1ATモードを経由することなく第2ATモードに移行し得る構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、主制御装置101におけるポイント付与契機を複数設けるが、当該契機の数は複数である必要はなく、有利区間においてポイント付与契機が1回しか成立し得ない構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、遊技者にとって望ましくない状況が発生した場合にポイント付与契機が成立する構成としたが、付与契機の成立条件はこれに限定されるものではない。例えば、リール32L~32Rにおいてチャンス目等の特定の絵柄組合せが停止した場合に上記付与契機が成立したり、所定役に当選した場合にポイントを付与するか否かを抽選し、当該抽選に当選した場合に上記付与契機が成立したりする構成としてもよい。
(12)上記各実施の形態において、有利区間の開始時におけるポイント付与契機(先のポイント付与契機)にて、それよりも後又はそれ以降の付与契機よりも付与ポイントが付与されやすい構成としてもよい。例えば、有利区間の開始時のポイント付与契機では付与ポイントの付与確率が70%に設定され、200ゲームハマリ時のポイント付与契機での付与確率が40%に設定される構成としてもよい。このような構成とすることで、上記第1~第4の実施の形態では、現在の合計ポイントが保持ポイントに追い付くまでの期間を短縮化することができ、ポイント演出の実行が制限される制限状態の期間が長期化することを抑制できる。また、上記第5~第8の実施の形態では、演出可能ポイントを大きくして有利区間を開始することができるため、有利区間の序盤で付与示唆演出を実行しやすくなり、有利区間の終了後に様子見で遊技を継続した遊技者がさらに遊技を継続する契機として機能させることができる。
なお、有利区間の開始時をポイント付与契機としない構成とすることも考えられるが、その場合は、有利区間の開始後における先(好ましくは最初)のポイント付与契機にて、それよりも後又はそれ以降の付与契機よりも付与ポイントが付与されやすい構成とするとよい。
(13)上記各実施の形態において、有利区間の開始時におけるポイント付与契機にて、それよりも後又はそれ以降の付与契機よりも大きい付与ポイントが付与されやすい構成としてよい。例えば、上記第1~第4の実施の形態において、有利区間の開始時におけるポイント付与契機では、3ポイント以上の付与ポイントが付与される確率が2ポイント以下の付与ポイントが付与される確率よりも高い一方で、200ゲームハマリ時のポイント付与契機では、その逆になっている構成としてもよい。このような構成とすることで、上記(12)の構成と同様の効果を奏することが可能になる。なお、有利区間の開始時をポイント付与契機としない構成では、有利区間の開始後における先(好ましくは最初)のポイント付与契機にて、それよりも後又はそれ以降の付与契機よりも大きい付与ポイントが付与されやすい構成とするとよい。
(14)上記各実施の形態では、ポイント付与契機が成立しても付与ポイントが付与されない場合(ポイント付与抽選により0ポイントが選択される場合)が生じる構成としたが、ポイント付与契機が成立すれば必ず1以上の付与ポイントが付与される構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、付与ポイントの付与確率や各ポイント数の選択確率を付与契機に応じて異ならせる構成としたが、合計ポイントに応じてそれらのうちの少なくとも一方を異ならせる構成としてもよい。例えば、合計ポイントが所定値以上の場合は、所定値未満の場合に比べて付与ポイントが付与されやすくなる構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、ポイント示唆演出や付与示唆演出を補助表示部65にて実行する構成としたが、これらの演出は、LED等の発光手段を用いた発光演出であってもよいし、可動演出用の装飾可動体(可動役物)を用いた役物演出であってもよい。さらに、必ずしも視覚的なものである必要はなく、例えば、効果音を用いた聴覚的なものであってもよい。このことは上記第6の実施の形態に係る連続演出についても同様である。また、トータル示唆演出を補助表示部65にて行う構成としてもよいし、効果音を用いた聴覚的な演出により構成してもよい。
また、上記各実施の形態では、ポイント示唆演出や付与示唆演出を付与ポイントが付与されたゲームでのみ実行する構成としたが、それ以外のゲームで実行する構成としてもよい。例えば、付与ポイントが付与されたゲームよりも後のゲームで実行されてもよいし、付与ポイントが付与されたゲームを含めて複数回のゲームに亘って実行されてもよい。
(17)上記各実施の形態において、ポイント示唆演出やトータル示唆演出によりポイントの蓄積量を数値等により明示する構成としてもよい。また、付与示唆演出においてもポイントの付与量を数値等により明示する構成としてもよい。
(18)上記各実施の形態では、遊技者にとって有利な特定事象としてCZモード、ATモード、ATモードのゲーム数上乗せを例示したが、特定事象はこれらに限定されるものではなく、例えば、ARTモードやボーナスゲーム等であってもよい。
(19)上記第1の実施の形態では、ポイント示唆演出により、付与ポイントが付与されたことと、現在の合計ポイントとを示唆等する構成としたが、付与ポイントが付与されたことと、付与された付与ポイントの大きさ(付与量)とを示唆等する付与ポイント示唆演出を実行する構成としてもよい。この場合、合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイント以下である場合に上記付与ポイント示唆演出の実行を制限し、合計ポイントが保持ポイントよりも大きい場合に上記付与ポイント示唆演出の実行を許容する構成とするとよい。
また、現在の合計ポイントを示唆等する一方で、ポイントが付与されたことの示唆等としては機能しない合計ポイント示唆演出を行う構成としてもよい。この場合、合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイント以下である場合に上記合計ポイント示唆演出の実行を制限し、合計ポイントが保持ポイントよりも大きい場合に上記合計ポイント示唆演出の実行を許容する構成とするとよい。その際、合計ポイント示唆演出の実行契機は、必ずしもポイント付与契機である必要はなく、ポイント付与契機以外の契機の成立により合計ポイント示唆演出が実行される構成としてもよい。
(20)上記第1の実施の形態では、合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイント以下である場合にポイント示唆演出の実行を制限する構成としたが、合計ポイントが保持ポイントよりも小さい場合にポイント示唆演出の実行を制限する構成としてもよい。すなわち、合計ポイントと保持ポイントとが同じ値である場合にポイント示唆演出の実行を許容する構成としてもよい。このことは上記第4の実施の形態においても同様であり、蓄積ポイントが対応ポイント以上である場合にポイント示唆演出の実行を許容する構成としてもよい。
(21)上記第1の実施の形態では、合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイントよりも大きくなった場合にポイント示唆演出の実行を許容する構成としたが、保持ポイントから所定値(例えば1ポイント)を減算した減算値よりも合計ポイントが大きくなった場合にポイント示唆演出の実行を許容する構成としてもよい。また、保持ポイントが小さい場合には合計ポイントの初期値とのギャップがさほどではなく、合計ポイントが保持ポイントに追い付くまでの期間が短くなることが見込まれる一方で、保持ポイントが大きくなるほど合計ポイントの初期値とのギャップが大きくなり、ポイント示唆演出の実行が制限される期間が長期化しやすいことが想定される。これを踏まえ、保持ポイントが特定値(例えば3ポイント)未満の状況では、合計ポイントが保持ポイントよりも大きくなった場合にポイント示唆演出の実行を許容し、保持ポイントが特定値以上の状況では、合計ポイントが保持ポイント(例えば1ポイント)から所定値を減算した減算値よりも大きくなった場合にポイント示唆演出の実行を許容する構成としてもよい。
(22)上記第1の実施の形態では、ポイント示唆演出の制限状態である場合(合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイント未満である場合)に当該演出を不実行とするが、制限状態ではない場合に比べて当該演出が実行されにくい(制限状態である場合に非制限状態である場合よりもポイント示唆演出の実行確率が低くなる)構成としてもよい。制限状態でポイント示唆演出を不実行とした構成では、制限期間が長期化した場合に、遊技者のポイントへの関心が希薄化するおそれがあるが、本構成によれば、そのような不都合の発生を抑制可能となる。
(23)上記第1の実施の形態では、ポイント示唆演出の制限状態である場合に当該演出を実行するか否かの実行抽選を行わない構成としたが、制限状態である場合に実行抽選を行った上で、その結果にかかわらずポイント示唆演出の実行を制限する構成としてもよい。このことは上記第4の実施の形態でも同様であり、合計ポイント(蓄積ポイント)が対応ポイント未満である場合にポイント示唆演出の実行抽選を行った上で、その結果にかかわらずポイント示唆演出の実行を制限する構成としてもよい。
(24)上記第1の実施の形態では、合計ポイント(蓄積ポイント)が保持ポイントよりも大きくなることに基づいて制限状態を解除する構成としたが、制限状態の解除条件はこれに限定されるものではない。例えば、前回のポイント示唆演出の実行時からのゲーム数が所定ゲーム数になることに基づいて制限状態を解除する構成としてもよい。
(25)上記第2の実施の形態において、保持ポイントを用いない(導出しない)構成としてもよい。すなわち、実際の合計ポイントと、先のポイント示唆演出の使用ポイントとの差分を用いて後のポイント示唆演出を実行する構成としてもよい。例えば、実際の合計ポイントが3ポイントである場合において先のポイント示唆演出として2ポイント分の演出を実行した場合に、先のポイント示唆演出により遊技者に示唆等したポイントが実際の合計ポイントよりも少ないこと(換言すれば、差分値が1以上であること)に基づき、合計ポイントが変わらない状況下でも後のポイント示唆演出(3ポイントの合計ポイントに対応した演出)を行うといった具合である。この場合、次のような効果が見込まれる。
ポイントを用いた遊技において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、ポイントの付与機会を多くしてポイント示唆演出の頻度を高め、ポイントへの遊技者の関心を高めることが好ましい。しかしながらその反面、ポイントの付与機会を多くすると、特典付与値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得ず、遊技者への訴求力が低下してしまうおそれがある。つまり、ポイント示唆演出の頻度を高めようとすると、却ってポイントを用いた遊技の魅力が損なわれてしまう懸念がある。この点、(25)の構成によれば、実際にはポイントが付与されていなくても、合計ポイントと先のポイント示唆演出との差分に基づいてポイント示唆演出を行うことができる。このため、ポイントの付与機会を増やさなくても(換言すれば、特典付与値への到達難易度を低下させなくても)、ポイント示唆演出の実行機会を拡充することが可能になる。これにより、特典の程度を維持したまま、報知の頻度を高めて遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
また、保持ポイントを導出しない構成において、各回の付与ポイントに基づいてポイント示唆演出により付与量(1回分の付与ポイントの付与量)を示唆等する構成とした上で、1回分の付与ポイントと、先のポイント示唆演出の使用ポイントとの差分値を導出し、その差分値に基づいて後のポイント示唆演出を実行する構成としてもよい。例えば、2ポイントの付与ポイントが付与された場合において先のポイント示唆演出として1ポイント分の演出を行った場合、後のポイント示唆演出として、実際に付与された付与ポイントと先のポイント示唆演出で使用した分との差分である1ポイント分の演出を実行するといった具合である。この場合、ポイントが付与されていなくても後のポイント示唆演出を実行することが可能になり、ポイント示唆演出の頻度を好適に高めることが可能になる。
(26)上記第2の実施の形態では、差分値が所定値(例えば1)以上である場合に、差分に基づかないでポイント演出の実行制御を行う場合(図78のステップS2604で肯定判定した場合の流れ)と同様の当選確率でポイント示唆演出の実行抽選を行う構成としたが、差分値に基づくポイント演出の実行制御と、差分値に基づかないポイント演出の実行制御とで演出実行抽選の当選確率を異ならせてもよい。具体的には、前者の場合に後者の場合よりもポイント示唆演出が実行されやすくなるように当選確率が設定された構成としてもよい。このような構成とすることで、先のポイント示唆演出により導出された差分値が積極的に活用されるものとなり、合計ポイントが増えた感を好適に演出することが可能になる。
(27)上記第2の実施の形態において、保持ポイントよりも小さい使用ポイントのポイント示唆演出が実行される確率を保持ポイントの大きさに応じて異ならせる構成としてもよい。具体的には、保持ポイントが第1の値(例えば4ポイント)である場合に、第1の値よりも小さい第2の値(例えば2ポイント)である場合に比べ、保持ポイントよりも小さい使用ポイントのポイント示唆演出が実行されやすくなる構成としてもよい。
先のポイント示唆演出を保持ポイントよりも小さい値に対応させることで、後のポイント示唆演出のための余裕分を確保する都合上、先のポイント示唆演出があまりにも小さい合計ポイントを示唆等しがちとなり、遊技継続の意欲をうまく喚起できなくなる懸念がある。この点、本構成では、そもそもの保持ポイントが大きい場合ほど、保持ポイントよりも小さい値に対応する種別が選択されやすく、後のポイント示唆演出のための差分が確保されやすくなっているため、先のポイント示唆演出が貧素となることを好適に抑制できる。よって、先のポイント示唆演出と、後のポイント示唆演出との両方で相応の合計ポイントを示唆等をすることができ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
なお、上記(25)のように、保持ポイントを導出せず、実際の合計ポイントや付与ポイントと、先のポイント示唆演出の使用ポイントとの差分を用いて後のポイント示唆演出を実行する構成にあっては、実際の合計ポイント等が大きい方が小さい場合よりも、合計ポイント等よりも小さい使用ポイントのポイント示唆演出が実行されやすくなる構成とするとよい。
(28)上記第2の実施の形態において、先のポイント示唆演出により導出された差分値に基づいて複数回のポイント示唆演出を実行する構成としてもよい。すなわち、上記差分値の一部を用いて1回目のポイント示唆演出を実行した後、差分値の残りを用いて2回目のポイントを示唆演出を実行する構成としてもよい。
(29)上記第3の実施の形態では、第1ATモード終了時の付与契機で付与ポイントが付与された後の合計ポイント(蓄積ポイント)が所定値(例えば3ポイント)以上である場合に保持ポイントを更新しない構成としたが、合計ポイントにかかわらず、第1ATモード終了時の付与契機にて保持ポイントを更新しない構成としてもよい。
(30)上記第3の実施の形態において、主制御装置101でのポイント付与契機にかかわらず保持ポイントを更新しない構成としてもよい。例えば、有利区間の消化ゲーム数又は残りゲーム数に応じて保持ポイントを更新するか否かを切り替える構成としてもよい。有利区間が終了するまで(合計ポイントの初期化)までのゲーム数が少ない場合など、特典付与値に到達できない可能性が高い場合に保持ポイントの更新を制限する状態に移行することで、初期化された場合の合計ポイントの初期値と保持ポイントとのギャップが過度に拡がることを抑制できる。
(31)上記第3の実施の形態において、現在の保持ポイントと、初期化された場合の合計ポイントの初期値との差分が所定値以上となった場合に、保持ポイントの更新を制限する構成としてもよい。この構成によれば、保持ポイントと合計ポイントの初期値とのギャップを所定値以下に抑えることができ、ポイント示唆演出の制限期間が長期化することを抑制することが可能になる。
(32)上記第3の実施の形態では、保持ポイントを更新しない場合にポイント示唆演出の実行抽選を行う(ポイント示唆演出が実行され得る)構成としたが、保持ポイントを更新しない場合にポイント示唆演出の実行抽選を行わない又は行っても強制的に不実行とする(ポイント示唆演出が実行されない)構成としてもよい。
また、保持ポイントを更新しない場合にポイント示唆演出の種別抽選を実行せず、前回のポイント示唆演出と同じ種別のポイント示唆演出を実行する構成としてもよい。すなわち、前回のポイント示唆演出の種別に基づいて保持ポイントを更新しない場合のポイント示唆演出の種別を決定する構成としてもよい。
(33)上記第5の実施の形態では、付与ポイントとサブポイントとを加算して演出可能ポイントを導出したが、演出可能ポイントとして付与ポイントよりも大きい値を導出できるものであれば、これに限定されるものでない。例えば、付与ポイントとは別に所定数値として1より大きい係数を導出し、この係数を付与ポイントに乗算することによって演出可能ポイントを導出する構成としてもよい。なお、付与ポイントとサブポイントとの加算値により演出可能ポイントを導出する場合には、付与ポイントが付与されていない場合でも演出可能ポイントとして少なくともサブポイント分の数値を確保することができ、付与示唆演出を実行可能となるため、そのような意味では上記第5の実施の形態の構成とすることが好ましい。
(34)上記第5の実施の形態において、各回の付与ポイント単位で付与示唆演出の実行制御を行う構成(各回の付与ごとに1回分の付与ポイントに基づいて付与示唆演出を実行する構成)とした上で、各回の付与ポイントにサブポイントを加算して演出可能ポイントを導出し、導出した演出可能ポイントに基づいて付与示唆演出を実行する構成としてもよい。この場合、付与ポイントが付与されていない状態でも付与示唆演出を行うことができるとともに、実際の付与量よりも大きいポイントを示唆等するようにして付与示唆演出を行うことができ、特典付与値への到達に対する遊技者の期待感を好適に喚起することが可能になる。
(35)上記第5の実施の形態では、有利区間の開始時にサブポイントを付与する構成としたが、演出可能ポイントが予め定められた所定値以下である場合にサブポイントを付与する構成としてもよい。この構成によれば、有利区間の開始時における付与契機で付与ポイントが付与された状況では、その付与ポイントを演出可能ポイントとして付与示唆演出を実行し、その後、付与示唆演出の実行により演出可能ポイントが減少して不足した場合に、その不足分をサブポイントにより補う構成とすることができる。
また、有利区間の途中でサブポイントを付与する構成としてもよい。具体的には、有利区間の開始後、予め定められた所定契機が成立することで、サブポイントを付与する構成としてもよい。例えば、特典付与値への到達に対して一定程度の難易度を確保すべく、ポイント付与契機がある程度抑えられている構成にあっては、有利区間の中盤や終盤でポイントがなかなか付与されず、付与示唆演出を行いにくくなる結果、ポイントに対する遊技者の関心を持続させることが困難となる懸念がある。この点、本構成によれば、有利区間の中盤や終盤での付与示唆演出の頻度を高めることができ、ポイントに対する遊技者の関心を好適に持続させることが可能になる。上記所定契機としては、演出可能ポイントが予め定められた所定値以下となることのほか、有利区間の開始タイミングや前回の付与示唆演出からのゲーム数が所定ゲーム数になった場合等が考えられる。
なお、サブポイントを有利区間の途中で付与する場合、トータルポイントについては、それまでの付与ポイントの累積加算値、すなわち、合計ポイントに対してサブポイントを付与して導出すればよい。
(36)上記第5の実施の形態において、有利区間の開始時にポイント付与契機が成立しない構成とした上で、有利区間における最初の付与契機に合わせてサブポイントを付与する構成としてもよい。この場合も、有利区間の開始時のポイント付与契機でサブポイントを付与する場合と同様に、有利区間の初期から付与示唆演出の頻度を高めることが可能になる。
(37)上記第5の実施の形態では、有利区間の開始時に付与された付与ポイントが大きい方(例えば20ポイント)が小さい場合(例えば10ポイント)よりも、大きいサブポイントが導出されやすい構成としたが、付与ポイントが小さい方が大きい場合よりも、大きいサブポイントが導出されやすい構成としてもよい。このような構成によれば、付与された付与ポイントが十分な場合には、サブポイントを小さくして実際の合計ポイントとの隔たりを少なく抑える一方で、付与された付与ポイントが少なく、付与示唆演出を実行できない場合や十分な実行頻度を確保できない場合には、サブポイントを大きくして不足分を補うことができ、付与ポイントが小さい場合に付与示唆演出の実行頻度を高める上で好適な構成とすることができる。
(38)上記第5の実施の形態では、有利区間において1回のみサブポイントを付与する構成としたが、複数回に亘ってサブポイントを付与する構成としてもよい。この場合、付与ポイントの付与契機に合わせてサブポイントを付与してもよいし、付与契機ではないゲームで所定条件が成立した場合に付与してもよい。なお、所定条件としては、付与契機で付与ポイントが付与されなかった場合や、その付与ポイントの値が所定値以下であった場合、有利区間の開始タイミングや前回の付与示唆演出からのゲーム数が所定ゲーム数になった場合、所定役に当選した場合、所定役当選を契機するポイント付与抽選で当選した場合、リール32L~32Rにおいてチャンス目等の特定の絵柄組合せが停止した場合等が考えられる。
(39)上記第5の実施の形態では、サブポイントの付与契機にてサブポイントを付与するか否かの付与抽選を行い、その付与抽選に当選した場合にサブポイントを付与する構成としたが、サブポイントの付与契機にて必ずサブポイントを付与する構成としてもよい。
(40)上記第5の実施の形態では、サブ制御装置81にてサブポイントを導出する構成としたが、主制御装置101にて付与ポイントとは別にサブポイントとしての所定数値情報を導出する構成としてもよい。この場合、付与ポイントに所定数値情を加算する処理は、サブ制御装置81にて行ってもよいし、主制御装置101にて行ってもよい。
(41)上記第5の実施の形態においてサブポイントを導出せず、付与された付与ポイントをそのまま演出可能ポイントとして用いる構成としてもよい。すなわち、付与ポイントから導出した演出可能ポイントから実行済みの付与示唆演出の演出済みポイントを減算して演出可能ポイントを更新し、その更新結果に基づいて後の付与示唆演出を実行する構成としてもよい。この場合、トータルポイントについてもサブポイントを付与せず、合計ポイント(付与ポイントの合計値)をそのままトータルポイントとして用いる構成としてもよい。
(42)上記第5の実施の形態では、ポイント付与契機の種別に応じて付与示唆演出の実行確率が異なる構成としたが、演出可能ポイントに応じて付与示唆演出の実行確率が異なる構成としてもよい。具体的には、演出可能ポイントが第1の値(例えば20ポイント)である場合に、第1の値よりも小さい第2の値(例えば10ポイント)である場合よりも付与示唆演出が実行されやすくなる構成としてもよい。この場合、付与示唆演出の実行に使用されずに残存する演出可能ポイントを低減することができ、演出可能ポイントを効率的に使用することが可能になる。
(43)上記第5の実施の形態において、サブポイントを付与することなくトータルポイントを導出する構成としてもよい。すなわち、付与示唆演出については、サブポイントが加算された演出可能ポイントに基づいて実行する一方で、トータル示唆演出については実際の合計ポイントに基づいて実行する構成としてもよい。サブポイントを用いる場合、実際の付与ポイントとは別の数値を加味して付与示唆演出やトータル示唆演出の態様を選択するため、それら演出により示唆等されるポイントにおいて実際の合計ポイントとの乖離が生じやすい。付与示唆演出については各回の付与量を通じて遊技者が間接的に合計ポイントを予測し得るに留まるのに対し、トータル示唆演出については直接的に合計ポイントを示唆等するため、遊技者が遊技を継続するか否かを判断する際の指標となりやすく、実際の合計ポイントとのずれによる遊技への影響が大きくなることが想定される。この点、本構成とすることで、付与示唆演出についてはサブポイントを加味した演出可能ポイントにより当該演出の頻度を高めながらも、実際の合計ポイントに即したトータル示唆演出を行うことが可能になる。
また、上記第5の実施の形態において、付与示唆演出については、サブポイントが付与されていない演出可能ポイントに基づいて実行する一方で、トータル示唆演出については実際の合計ポイントにサブポイントが付与されたトータルポイントに基づいて実行する構成としてもよい。
(44)上記第5の実施の形態では、付与示唆演出とトータル示唆演出とを異なる報知手段(前者について補助表示部65、後者については上部ランプ63)にて実行する構成としたが、それらを同一の報知手段(例えば補助表示部65)にて実行する構成としてもよい。
(45)上記第5の実施の形態では、先の付与示唆演出を実行する場合に当該演出の演出済みポイントを演出可能ポイントから減算する構成としたが、先の付与示唆演出を実行した後に減算する構成としてもよい。
(46)上記第5の実施の形態では、付与示唆演出の種別ごとに固有の演出済みポイントを設定する構成としたが、種別にかかわらず一律の演出済みポイントを設定する構成としてもよい。
(47)上記第5の実施の形態では、付与示唆演出を実行するか否かを判断する際の所定値(図94のステップS4804)を付与示唆演出を実行するのに最低限必要な数値(5ポイント)としたが、上記所定値を最低限必要な数値よりも大きい値としてもよい。
(48)上記第5の実施の形態では、トータルポイントのポイント数に対してトータル示唆演出の種別を複数対応させる構成としたが、トータルポイントのポイント数とトータル示唆演出の種別とが1対1で対応する構成としてもよい。このことは、演出済みポイントの累積加算値に基づいてトータルポイントを導出する上記第8の実施の形態についても同様である。
(49)上記第6の実施の形態では、連続演出の最終ゲームで付与示唆演出を実行する構成としたが、連続演出が終了した後で付与示唆演出を実行する構成としてもよい。この場合、連続演出との関連性を遊技者が理解しやすいようにすべく、連続演出が終了した後の次のゲームで付与示唆演出を実行するとよい。その際、当該次のゲームでのスタートレバー41の操作時や各リール32L~32Rの回転開始時のように次のゲームが開始される場合又は開始された場合に付与示唆演出を行ってもよいし、例えば、第1停止操作が行われた場合など当該次のゲームの途中における所定タイミングで行ってもよいし、最終停止操作が行われた場合など当該次のゲームが終了する場合又は終了した場合に付与示唆演出を行ってもよい。
(50)上記第6の実施の形態では、複数回のゲームに亘って行われる連続連出の実行に合わせて付与示唆演出を実行する構成としたが、1回のゲームにおいて行われる特定演出の実行に合わせて付与示唆演出を実行する構成としてもよい。その際、付与示唆演出への遊技者の注目度を高める上では、上記特定演出を遊技者に有利な特定事象(CZモードやATモード等)への当選の有無を報知する演出とするとよい。
また、連続演出に限らず、例えば、前回の付与示唆演出や前回の付与契機、有利区間の開始タイミング、電源投入時からのゲーム数をサブ制御装置81がカウントし、そのゲーム数が所定数に到達した場合に付与示唆演出を実行するなど、サブ制御装置81において所定の処理が行われることに基づいて付与示唆演出を実行する構成としてもよい。
(51)上記第6の実施の形態では、疑似前兆用の連続演出の実行に合わせて付与示唆演出を行う構成としたが、前兆用の連続演出の実行に合わせて付与示唆演出を行う構成としてもよい。
(52)上記第6の実施の形態において、付与契機に基づかない付与示唆演出を差枚数に応じて実行する構成としてもよい。例えば、差枚数が所定数以下となった場合に上記付与示唆演出を実行する構成とすれば、持ちメダルが無くなりそうな状況で付与示唆演出を行うことが可能になり、遊技者が遊技をやめがちな状況で遊技継続の意欲を喚起することが可能になる。
また、付与契機に基づかない付与示唆演出を実際の合計ポイント又はトータルポイントに応じて実行する構成としてもよい。具体的には、実際の合計ポイント又はトータルポイントが所定値以上である場合に上記付与示唆演出を実行したり、実際の合計ポイント又はトータルポイントが所定値以上である場合、所定値未満である場合よりも上記付与示唆演出が実行されやすくなったりする構成としてもよい。このような構成によれば、合計ポイントが特典付与値に近付いた場合に付与示唆演出の頻度を高めることができ、遊技の継続を好適に促すことが可能になる。
(53)上記第7の実施の形態では、ゲーム数に基づいて高確率モードに移行する又はその移行抽選を行う構成としたが、これに代えて又は加えて、演出可能ポイントが特定値以上となることに基づいて上記移行抽選を行う構成としてもよい。その際、特定値としては、複数回分の付与示唆演出が実行可能な数値とすることが考えられる。この構成によれば、複数回の付与示唆演出が実行される期間に亘って高確率モードを継続させることができ、当該モードの演出効果を高めることが可能になる。
また、合計ポイント又はトータルポイントが所定値以上となることに基づいて高確率モードに移行する又はその移行抽選を行う構成としてもよい。その際、所定値を特典付与値に近い値とすれば、高確率モード中に特典付与値に到達する可能性が高まるため、遊技者において高確率モードと特典付与値への到達とが結び付けられやすくなり、当該モードの魅力をさらに高めることが可能になる。また、上記所定値を特典付与値としてもよい。この場合、実際には特典付与値に到達している状態で高確率モードに移行するため、付与示唆演出の頻度を高めて遊技者の期待感を煽った上で特典付与値への到達を報知することが可能になる。
(54)上記第7の実施の形態では、ポイント付与契機が成立するゲームで高確率モード移行抽選を行う構成としたが、ポイント付与契機が成立するゲームとは異なるゲームで高確率モード移行抽選を行う構成としてもよい。
(55)上記第7の実施の形態では、高確率モード移行抽選をゲーム開始時に実行する構成としたが、ゲームの途中(例えば、第1停止操作や第2停止操作が行われた場合等)やゲーム終了時(最終停止操作が行われた場合)に実行する構成としてもよい。
(56)上記第7の実施の形態では、通常モードと高確率モードとの2種類を有する構成としたが、例えば、通常モードと、通常モードよりも付与示唆演出の実行確率が高められた第1高確率モードと、付与示唆演出の実行確率がさらに高められた第2高確率モードとを有するなど、3種類以上の状態を有する構成としてもよい。
(57)上記第8の実施の形態では、トータル示唆演出の実行にあたって合計ポイントが特典付与値以上である場合に、合計ポイントに応じたトータル示唆演出に切り替える構成としたが、特典付与値よりも小さい所定値以上である場合に合計ポイントに応じたトータル示唆演出に切り替える構成としてもよい。
また、上記第8の実施の形態において、演出済みポイントの累積加算値に基づく第1トータルポイントと、上記第5の実施の形態に係るトータルポイントと同様の第2トータルポイントとを導出し、合計ポイントが特典付与値以上又は所定値以上である場合に上記第2トータルポイントに応じたトータル示唆演出を実行する構成としてもよい。
(58)上記第8の実施の形態において、付与示唆演出の実行回数に応じてトータル示唆演出を実行するか否かを決定する構成としてもよい。具体的には、付与示唆演出の実行回数が所定回数以上となった場合にトータル示唆演出を実行したり、付与示唆演出の実行回数が所定回数である場合、それよりも少ない数である場合よりもトータル示唆演出が実行されやすくなる構成としてもよい。この場合、付与示唆演出の実績が増えてトータルポイントが大きくなるほどトータル示唆演出が積極的に実行されるものとなり、特典付与値への到達を期待する遊技者の期待感を好適に喚起することが可能になる。
(59)上記各実施の形態では、前面扉12が開放された場合に操作可能な位置に設けられる特定操作手段として設定キー挿入孔73や電源スイッチ71を例示したが、例えば、リセットスイッチ72が特定操作手段であってもよい。また、2枚内部状態であるか否かの判定又は内部状態報知を実行するための専用操作部を設け、この専用操作部が特定操作手段であってもよい。なお、これら設定キー挿入孔73や電源スイッチ71、リセットスイッチ72等の各操作部は、筐体11の内側に限らず、前面扉12の裏面側に設けられてもよい。
(60)上記各実施の形態では、内部状態報知の終了条件として、報知期間の終了と2枚内部状態への移行との2つの条件を設定し、それら条件のいずれかが成立すると、内部状態報知が終了する構成としたが、それら各条件の一方のみを内部状態報知の終了条件としてもよいし、それら各条件の両方が成立することで内部状態報知が終了する構成としてもよい。
(61)上記各実施の形態では、2枚内部状態であるか否かの判定結果が2枚内部状態でないことの結果である場合に内部状態報知を実行する構成としたが、上記判定結果が2枚内部状態であることの結果である場合に内部状態報知を実行する構成としてもよい。この場合の内部状態報知は、ホール従業員に対して2枚内部状態(通常遊技で行う規定数とは異なる規定数の内部状態)であることを知らせるものとなる。また、上記判定結果が2枚内部状態でないことの結果である場合に第1内部状態報知を実行し、上記判定結果が2枚内部状態であることの結果である場合に第1内部状態報知とは異なる第2内部状態報知を実行する構成としてもよい。
(62)上記各実施の形態では、内部状態表示と内部状態報知音との両方により内部状態報知を実行するが、内部状態報知は、内部状態表示だけで行われてもよいし、内部状態報知音だけで行われてもよい。
(63)上記各実施の形態では、内部状態報知音による報知と、音声による他の報知との間で優先度を設定する構成としたが、内部状態表示と、視覚的なものによる他の報知との間で優先度を設定する構成としてもよい。この場合の優先度の順位は、上記各実施の形態で説明した音声による報知の場合と同様の順位とすることができる。例えば、上記第1の実施の形態における扉開放報知音と内部状態報知音の関係に従う場合であれば、扉開放表示を内部状態表示よりも優先して実行するものとなる。
(64)上記各実施の形態では、下表示部69にて内部状態報知を実行するが、電源投入報知や扉開放報知等と同様に補助表示部65や上部ランプ部63にて実行してもよい。補助表示部65にて内部状態報知を行う場合は、文字等により2枚内部状態でないことを明示してもよいし、例えばハートや星を模した所定の記号や絵柄等を表示することで、2枚内部状態でないことを明示しないようにしてもよい。後者の場合には、遊技者から見て2枚内部状態でないことを分かりにくくすることができるため、遊技者の目前で内部状態報知が行われることがあっても、遊技者が内部状態報知に気付きにくくすることができる。
また、補助表示部65にて内部状態報知を行う場合には、電源投入表示や扉開放表示等に比べて内部状態表示が暗く又は薄く表示される構成としてもよい。このような構成によっても、内部状態報知を目立ちにくくすることができる。
なお、電源投入報知や扉開放報知等と同じ表示部にて内部状態報知を実行すると、それら各報知の識別性が低下し、報知が分かりにくくなる懸念がある。そのような観点では、上記各実施の形態のように、電源投入報知や扉開放報知等と異なる表示部にて内部状態報知を実行することが好ましい。
また、内部状態報知用の専用報知部を設け、その専用報知部により内部状態報知を実行してもよい。その際、内部状態報知用の報知部は、電源投入報知や扉開放報知等が実行される補助表示部65や上部ランプ部63よりもサイズを小さくしたり、それらよりも下方に配置したりするなど、補助表示部65や上部ランプ部63に比べて内部状態報知用の報知部が目立ちにくい構成とするとよい。このような構成とすることで、遊技者の目前で内部状態報知が行われることがあっても、遊技者が内部状態報知に気付きにくくすることができる。
(65)上記各実施の形態では、内部状態報知音よりも優先して他の報知音をスピーカ64a~64nから放出する場合に、内部状態報知音の放出を待機する構成としたが、それら各報知の両方を放出した上で、他の報知音よりも内部状態報知音の音量を小さくすることで、優先化を図る構成としてもよい。このことは、他の報知音よりも優先して内部状態報知音を放出する場合も同様である。すなわち、内部状態報知音よりも他の報知音の音量を小さくすることで、優先化を図る構成としてもよい。本構成は下記(90)~(92)にも適用することが可能である。
(66)上記各実施の形態では、優先度情報が音データの中に含まれることで、各報知音と優先度との対応付けがなされる構成としたが、音データとは別に各報知音に対応させて優先度情報(優先度データ)が設定される構成としてもよい。
(67)上記各実施の形態では、内部状態報知の実行中に2枚内部状態に移行した場合に内部状態報知(2枚内部状態でないことに対応した報知)を終了させ、その後、2枚内部状態であるか否かに関する報知を実行しない構成としたが、2枚内部状態への移行により内部状態報知を終了させた後、2枚内部状態であることに対応した報知を実行し、2枚内部状態への変更が完了したことを積極的に知らせる構成としてもよい。これにより、2枚内部状態となったことをホール従業員がより明確に把握することが可能になる。
この報知は、予め定められた所定期間が経過したり、所定操作手段の操作が行われたりすることで、終了させる構成とするとよい。後者の構成にあっては、2枚内部状態への変更が完了した後(前面扉12が閉鎖された後)にそのような操作が行われることを考慮すると、上記所定操作手段を前面扉12の前面部に設けることが好ましい。その際、当該操作手段は、既存の操作手段(例えば演出スイッチ66や精算スイッチ59など)が兼用されるものでもよいし、専用の操作手段により構成されるものでもよい。
(68)上記各実施の形態では、2枚内部状態であるか否かの判定と、内部状態報知の実行制御とをサブ制御装置81により行う構成としたが、それら各処理の少なくとも一部を主制御装置101にて行う構成としてもよい。主制御装置101により内部状態報知の実行制御を行う場合は、内部状態報知が行われる報知部が主制御装置101に直接接続されてもよいし、サブ制御装置81を介して主制御装置101と接続されてもよい。
(69)上記各実施の形態では、前面扉12が開放されている場合に扉開放センサ27がオン状態となる構成としたが、前面扉12が閉鎖されている場合に扉開放センサ27がオン状態となる構成としてもよい。また、前面扉12の開放に対応して扉開放センサ27の出力が第1オン状態となり、閉鎖に対応して第1オン状態とは異なる第2オン状態となる構成としてもよい。つまり、扉開放センサ27により開状態と閉状態の両方を検知できる構成としてもよい。要は、扉開放センサ27により開状態と閉状態の少なくとも一方を検知できる構成であればよい。
(70)上記各実施の形態では、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合において、スタートレバー41を操作した後に設定キー(設定キー挿入孔73)のオフ状態が把握された場合に設定変更終了コマンドを送信するが、設定キーのオフ状態が把握される前又は設定キーのオフ状態であるか否かにかかわらず、スタートレバー41が操作されたことに基づいて設定変更終了コマンドを送信してもよい。
(71)上記各実施の形態では、電源が投入された際に設定キーのオン状態と前面扉12の開放との両方が把握された場合にステップS18の第1RAMクリア処理を実行するが、必ずしも前面扉12の開放を第1RAMクリア処理の実行条件の1つとする必要はなく、電源投入時において設定キーのオン状態が把握された場合に第1RAMクリア処理を実行してもよい。設定キーがオン状態である場合は前面扉12が開放状態であると推定できるからである。このことは、ステップS19の設定変更処理についても同様である。
(72)上記各実施の形態において、電源投入時や設定変更時(設定キーがオン状態とされて電源が投入された場合)は、前面扉12が開放されていても扉開放報知が実行されない構成としてもよい。具体的には、電源投入時や設定変更時ではない状況で前面扉12の開放が把握された場合(例えば、電源投入から所定期間の経過後に開放状態が検出された場合や、電源投入後の2回目以降の開放状態が検出された場合)には扉開放報知が実行され、電源投入時や設定変更時に前面扉12の開放が把握された場合(例えば、電源投入から所定期間内に開放状態が検出された場合や、電源投入後の最初の開放状態が検出された場合)には扉開放報知の実行が制限される構成としてもよい。このような構成とすることで、設定変更の終了を内部状態報知の契機とする第1の実施の形態や、電源投入を内部状態報知の契機とする第10の実施の形態にあっては、内部状態報知と扉開放報知の重複を回避することができる。
(73)上記各実施の形態において、スロットマシン10の電源が投入された場合に、2枚内部状態でないこと又は2枚内部状態であることの情報信号を、外部集中端子板121を通じて遊技ホールの管理制御装置HCに外部出力する構成としてもよい。この構成によれば、スロットマシン10での内部状態報知と上記管理制御装置HCへの外部出力との両方により2枚内部状態でないことを通知することができ、2枚内部状態でない状態で遊技が開始されることをより好適に抑制可能となる。
(74)上記各実施の形態において、扉開放センサ27をサブ制御装置81の入力側に接続し、サブ制御装置81にて前面扉12が開放されているか否かを判定してもよい。この場合、上記第9、第11の実施の形態では、サブ制御装置81により前面扉12の閉鎖が判定されることに基づいて内部状態報知が行われる構成とするとよい。
(75)上記第1及び第9の実施の形態では、2枚内部状態であるか否かを示す内部状態情報を設定変更終了コマンドに含ませてサブ制御装置81に送信するが、設定変更開始コマンドや復電コマンドなどの他のコマンドに含ませてもよいし、2枚内部状態であるか否かを通知するための専用コマンドを設けてもよい。また、上記第11及び第13の実施の形態においても、内部状態を復電コマンドとは異なるコマンドに含ませてもよいし、2枚内部状態であるか否かを通知するための専用コマンドを設けてもよい。これらの場合において、専用コマンドを用いる場合には、設定変更終了コマンドや復電コマンドの送信を契機として当該専用コマンドを送信してもよいし、設定変更終了コマンドや復電コマンドの送信にかかわらず、電源投入から2枚内部状態であるか否かの判定の実行タイミング(第1の実施の形態では設定変更の終了時、第9、第11及び第13の実施の形態では前面扉12の閉鎖時)までの期間における所定のタイミング(例えば電源投入タイミングや、電源投入から所定期間が経過したタイミング等)で送信してもよい。
(76)上記第1の実施の形態では、設定変更が終了した場合に内部状態報知を実行するが、設定変更の許容状態とされた場合(設定キーをオン状態として電源が投入された場合)や、設定変更が行われた場合(設定変更の許容状態でリセットスイッチ72が操作された場合)等に内部状態報知を実行する構成としてもよい。これら場合でも各種操作を行えるのはホール従業員に限られるため、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を実行することが可能になる。
また、現在の設定値が設定値表示部(クレジット表示部60)に表示される場合(現在の設定値を設定値表示部に表示させる操作が行われた場合)や、設定値の表示状態から非表示状態に切り替えられた場合(設定値表示の終了操作が行われた場合)に内部状態報知を実行する構成としてもよい。なお、設定値の表示は、設定キーがオン状態とされてスロットマシン10の電源が投入された場合のほか、スロットマシン10がオン状態(電源が投入されている状態)である状況で設定キーがオン状態とされた場合にも実施させることができる。また、そのようにして行われた設定値の表示は、設定キーがオン状態からオフ状態に切り替えられることで終了させることができる。これらの操作を行えるのはホール従業員に限られるため、ホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を実行することが可能になる。
なお、設定変更の許容状態とされた場合や設定変更が行われた場合、設定値が表示された場合、設定値表示が終了した場合を契機として行われる上記各内部状態報知は、当該報知の開始から予め定められた報知期間が経過するか、2枚内部状態への変更が行われたことを契機として終了させるとよい。
また、上記第9の実施の形態において、設定変更の許容状態とされた後や設定変更が行われた後、設定値が表示された後、設定値表示が終了した後に前面扉12が閉鎖された場合に内部状態報知を実行する構成としてもよい。換言すれば、設定変更の許容状態とする操作等が行われたことを前提として前面扉12を開放状態から閉鎖状態に切り替える操作が行われた場合に内部状態報知を実行する構成としてもよい。
(77)上記第1の実施の形態では、設定変更が終了した場合に2枚内部状態であるか否かを判定するが、設定変更の終了前に当該判定を実行してもよい。電源が投入されてからゲームが実行されるまでの間は、2枚内部状態であるか否かに関して状態が変化しないため、そのような構成であっても電源投入時の状態を内部状態報知に反映させることができる。要は、電源投入から設定変更の終了タイミング(内部状態報知の実行タイミング)までの期間における所定のタイミングで上記判定が行われればよい。なお、所定のタイミングとしては、上記第1の実施の形態で例示した設定変更の終了タイミングのほか、電源投入タイミング、電源投入から所定期間が経過したタイミング等が考えられる。
(78)上記第1の実施の形態では、内部状態表示を内部状態報知音よりも先行して実行するが、内部状態報知音による報知の開始タイミングに合わせて内部状態表示を開始してもよいし、内部状態報知音による報知の開始から遅れて内部状態表示を開始してもよい。
(79)上記第1の実施の形態では、前面扉12が開放されている状況で内部状態表示が開始されるところ、当該表示を実行する表示部を筐体11の内側や前面扉12の裏面側に設けてもよい。このような構成とすることで、前面扉12の開放状態でホール従業員から視認しやすいようにして内部状態表示を行うことができ、2枚内部状態でないことに早く気付かせることが可能になる。このことは、第10の実施の形態、第12の実施の形態における第2電源投入表示についても同様である。
なお、筐体11の内側や前面扉12の裏面側での内部状態表示は、前面扉12の前面側での内部状態表示に代えて行ってもよいし、これに加えて行ってもよい。後者の場合には、仮に前面扉12の開放状態で内部状態表示をホール従業員が見落とすことがあっても、前面扉12を閉めた際に内部状態表示が見えることで、内部状態表示の見逃しを抑制することが可能になる。
また、当該表示部を筐体11の内側と前面扉12の裏面側とのいずれに設けるかについては、現在の設定値が表示される設定表示部が設けられている側とすることが好ましい。つまり、設定変更時にホール従業員が注目する側に内部状態表示用の表示部を配置することで、設定表示部を見ることで自ずと内部状態表示も目に入ることになり、内部状態表示の見落としを抑制することが可能になる。
(80)上記第1の実施の形態では、2枚内部状態であるか否かの判定契機の成立に必要な操作のうち前半操作を、3枚内部状態等から非内部状態への移行契機となる操作と共通化させたが、判定契機の成立に必要な全操作を移行契機となる操作と共通化させてもよいし、後半操作を移行契機となる操作と共通化させてもよい。但し、非内部状態に移行してから2枚内部状態であるか否かが判定されるようにする上では、前半操作を共通化させることが好ましい。なお、判定契機の成立に必要な全操作を移行契機となる操作と共通化させた場合は、非内部状態への移行が行われてから判定が行われるように制御上の処理順番を定めるとよい。
(81)上記第1の実施の形態の変形例1では、扉開放報知音と内部状態報知音とがミキシング(合成)されて放出されるが、それら各報知音が交互に放出される構成としてもよい。また、扉開放報知音と内部状態報知音とが異なるスピーカ64a~64nから放出される構成としてもよい。
(82)上記第9の実施の形態では、前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かを判定するが、前面扉12の閉鎖前に当該判定を実行してもよい。要は、電源投入から前面扉12の閉鎖タイミング(内部状態報知の実行タイミング)までの期間における所定のタイミングで実行すればよい。このことは、上記第11、第13の実施の形態においても同様である。
(83)上記第9の実施の形態では、サブ制御装置81が設定変更の終了と前面扉12の閉鎖とを把握した場合(設定変更終了コマンド及び扉閉鎖コマンドを受信した場合)に内部状態報知を実行するが、設定変更の終了に代えて、電源投入や設定変更の開始(設定変更の許容状態での電源投入)、設定変更の実行(許容状態でのリセットスイッチ72の操作)を内部状態報知の実行条件としてもよい。但し、設定変更の終了と前面扉12の閉鎖とを条件に内部状態報知を実行することで、設定変更途中での前面扉12の閉鎖を内部状態報知の実行対象から除くことができるため、そのような意味では上記第9の実施の形態の構成とすることが好ましい。
(84)上記第9の実施の形態では、設定変更後の初回目の前面扉12の閉鎖に限り内部状態報知を実行したが、設定変更後の前面扉12の閉鎖回数をカウントし、その回数が所定回数(例えば2回)以内である場合に内部状態報知を実行してもよい。このことは上記第11の実施の形態においても同様である。
(85)上記第10の実施の形態では、設定変更が許容されないようにして電源投入された場合と、設定変更が許容されるようにして電源投入された場合との両方で、内部状態情報やBB状態情報を復電コマンドに含ませて送信したが、後者の場合において、内部状態情報やBB状態情報を設定変更開始コマンドに含ませて送信してもよい。このような構成によっても、電源が投入されることに伴いサブ制御装置81が各状態を把握することができる。
(86)上記第10の実施の形態において、3枚内部状態である場合と、第1BB状態又は第2BB状態である場合とで、内部状態表示の態様を同じにしてもよい。これらの状態では、2枚内部状態への変更方法が同じだからである。また、非内部状態と、3枚内部状態と、第1BB状態又は第2BB状態とで内部状態表示の態様を同じにしてもよい。
(87)上記第10の実施の形態において、2枚内部状態でない場合に、2枚内部状態への変更方法(対処方法)を表示又は音声により案内してもよい。電源投入を契機として内部状態報知を実行する場合、2枚内部状態でない状態として、非内部状態と、3枚内部状態と、第1BB状態又は第2BB状態とがあるところ、各状態で対処方法が異なるため、上記案内報知を行うことで、ホール従業員による円滑な対処をサポートすることができる。なお、この案内報知は、2枚内部状態でない状況で行うとよく、具体的には内部状態報知と併せて行うとよい。
(88)上記第10の実施の形態の変形例3において、2枚内部状態である場合と2枚内部状態でない場合とで電源投入報知音の放出期間を異ならせてもよい。具体的には、前者よりも後者の方が放出期間が短くなる構成としてもよい。このような構成とすることで、電源投入報知音が終了した後の内部状態報知音の放出期間を長く確保することが可能になる。
(89)上記第10の実施の形態の変形例3では、電源投入報知音を内部状態報知音よりも優先して放出したが、電源投入報知音の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報を内部状態報知の音データに設定し、内部状態報知の放出期間と電源投入報知音の放出期間とが重複した場合に、電源投入報知音が出力待機状態とされ、内部状態報知音が優先的に放出される構成としてもよい。この場合、2枚内部状態でないことの報知期間を長く確保することが可能になる。
また、内部状態報知の音データに設定される優先度情報と同順位の優先度情報を電源投入報知音の音データに設定し、内部状態報知と電源投入報知音とが重複して放出される構成としてもよい。この場合、2枚内部状態でないことと電源が投入されたこととの両方をホール従業員に知らせることが可能になる。
(90)上記第10の実施の形態の変形例4では、エラー報知音として投入エラー報知音を例示し、投入エラー報知音を内部状態報知音よりも優先して放出したが、これに代えて又は加えて、メダル異常通過報知音を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。メダル異常通過報知音は、各投入メダル検出センサ405,406の出力状態が正規の順序とは異なる順序で変化している場合(ステップS7407で否定判定した場合)に、メダルの通過順序に異常があるとしてスピーカ64a~64nから放出されるものである。本構成では、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報をメダル異常通過報知音の音データに設定することで、内部状態報知の放出期間とメダル異常通過報知音の放出期間とが重複した場合に、内部状態報知が出力待機状態とされ、メダル異常通過報知音が優先的に放出されるようにする。ちなみに投入エラー報知音とメダル異常通過報知音の両方を内部状態報知音よりも優先させる場合、投入エラー報知音とメダル異常通過報知音との間での優先順位は任意に設定することができる。
また、上記に代えて又は加えて、メダル払出エラー報知音(ホッパエンプティエラー報知音)を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。メダル払出エラー報知音は、ホッパ装置51が空になった(ホッパ装置51内の貯留メダルが所定量以下になった)ことを報知するものであり、具体的には、主制御装置101による払出指示がなされてから予め定められた所定期間が経過しても、ホッパ装置51からメダル受け皿50までのメダル払出通路の途中位置に設けられた払出メダル検出センサにて、メダルの払出(通過)が検出されなかった場合に、メダル払出を適切に行えないとしてスピーカ64a~64nから放出されるものである。本構成では、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報をメダル払出エラー報知音の音データに設定することで、内部状態報知の放出期間とメダル払出エラー報知音の放出期間とが重複した場合に、内部状態報知が出力待機状態とされ、メダル払出エラー報知音が優先的に放出されるようにする。
また、上記に代えて又は加えて、予備タンク満杯エラー報知音を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。予備タンク満杯エラー報知音は、予備タンク54の配置位置に対応するようにして筐体11の後壁部の表面(内面)側に設けられたメダルセンサ(満杯センサ)により、予備タンク54内に貯留されたメダルの高さ位置が所定位置に達したことが検出された場合に、予備タンク54が満杯状態(予備タンク54内の貯留メダルが所定量以上)であるとしてスピーカ64a~64nから放出されるものである。本構成では、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報を予備タンク満杯エラー報知音の音データに設定することで、内部状態報知の放出期間と予備タンク満杯エラー報知音の放出期間とが重複した場合に、内部状態報知が出力待機状態とされ、予備タンク満杯エラー報知音が優先的に放出されるようにする。
その他、エラー報知音としてRAM異常エラー報知音等の他のエラー報知音を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。
また、上記各種構成において、投入エラー報知音、メダル異常通過報知音等の各エラー報知音よりも内部状態報知音を優先して放出する構成としてもよい。また、上記各エラー報知音と内部状態報知音の優先度を同順位とし、各エラー報知音と内部状態報知音とがミキシングされて放出される構成としてもよい。
(91)上記第10の実施の形態の変形例4において、投入エラー報知音を内部状態報知音よりも優先して放出する構成に代えて又は加えて、清算報知音(メダル返却報知音)を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。具体的には、精算スイッチ59の操作に基づき、例えば「精算中です」などの音声からなる精算報知音をスピーカ64a~64nから放出可能とした上で、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報を清算報知音の音データに設定する。これにより、内部状態報知の放出期間と精算報知音の放出期間とが重複した場合には、内部状態報知が出力待機状態とされ、清算報知音が優先的に放出される。
2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)への変更には、メダル投入口45に2数のメダルを投入してスタートレバー41を操作し、主制御装置101による役抽選を実行させる必要がある。その際、必要数より多くのメダルを投入してしまい、精算スイッチ59を操作してベット受け付けを解除したい場合がある。本構成では、そのような操作が行われてベット受け付けが解除される場合に、清算報知音が内部状態報知音よりも優先して放出されるため、上記変更を行おうとしているホール従業員に対してベット受け付けが解除されたことを速やかに知らせることができる。
特に上記各実施の形態では、3ベットゲームにて第2BB役に当選させることができない構成となっており、このような構成では、ホール従業員が2BB役の非当選状態から当選状態に変更しようとした際に、3枚のメダルを投入してベット数が3になってしまうと、スタートレバー41を操作して役抽選を実行させても第2BB役に当選させることができない。このため、精算スイッチ59を操作してベット受け付けを解除し、再度、2枚のメダルを投入せざるを得ない。このような場合に本構成とすることで、ベット受け付けが解除されたことを速やかに知らせることができ、ホール従業員にとって利便性のよい構成とすることができる。ちなみに本構成において清算報知音は、精算スイッチ59が操作された場合に(メダルが払い出されているか否かにかかわらず)スピーカ64a~64nから放出されてもよいし、精算スイッチ59の操作に基づくメダルの払出中に放出されてもよい。
なお、本構成において、内部状態報知の音データに設定される優先度情報と同順位の優先度情報を清算報知音の音データに設定し、内部状態報知と精算報知音とが重複して放出される構成としてもよい。この場合、内部状態報知音と精算報知音とがミキシングされて同時にスピーカ64a~64nから放出されるため、ベット受け付けが解除されたことと2枚内部状態でないこととの両方を知らせることができる。
また、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報を清算報知音の音データに設定し、内部状態報知の放出期間と精算報知音の放出期間とが重複した場合に、精算報知音が出力待機状態とされ、内部状態報知音が優先的に放出される構成としてもよい。この場合、内部状態報知が途切れたり、聞こえなくなったりすることで、2枚内部状態への変更が完了したとホール従業員が誤解することを抑制できる。
(92)上記(91)に代えて又は加えて、ベット受け付けされる際のベット報知音(ベット受け付け報知音)を内部状態報知音よりも優先して放出する構成としてもよい。具体的には、メダル投入口45へのメダルの投入によりベット受け付けがなされた場合(好ましくは1ベットごと)に所定音声からなるベット報知音をスピーカ64a~64nから放出可能とした上で、内部状態報知の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報をベット報知音の音データに設定する。第2BB役の非当選状態から第2BB役の当選状態(2枚内部状態)への変更には、メダル投入口45に2数のメダルを投入する必要があるところ、上記変更に際してベット報知音が聞こえやすいことで、スロットマシン10でベット受け付けがなされたことをホール従業員が把握しやすくすることができる。
なお、本構成において、内部状態報知の音データに設定される優先度情報と同順位の優先度情報をベット報知音の音データに設定し、内部状態報知とベット報知音とが重複して放出される構成としてもよい。この場合、内部状態報知音とベット報知音とがミキシングされて同時にスピーカ64a~64nから放出されるため、ベット受け付けがなされたことと2枚内部状態でないこととの両方を知らせることができる。
また、ベット報知音の音データに設定される優先度情報よりも上位の優先度情報を内部状態報知の音データに設定し、内部状態報知の放出期間とベット報知音の放出期間とが重複する場合に、ベット報知音が出力待機状態とされ、内部状態報知音が優先的に放出される構成としてもよい。この場合、内部状態報知が途切れたり、聞こえなくなったりすることで、2枚内部状態への変更が完了したとホール従業員が誤解することを抑制できる。
なお、上記(90)~(92)の各種構成は、上記第10の実施の形態に限らず、他の実施の形態にも適用することが可能である。
(93)上記第12の実施の形態では、第1電源投入報知と第2電源投入報知とにおいて電源投入表示と電源投入報知音の両方を異ならせたが、それらの一方のみを異ならせてもよい。なお、上記各電源投入報知は、前面扉12が開放された状態で行われるため、報知の初期段階では電源投入表示がホール従業員から視認しにくくなることが想定される。このような観点からすると、少なくとも電源投入報知音の態様を異ならせることが好ましい。
(94)上記第12の実施の形態では、第2電投入報知に2枚内部状態でないことの報知が含まれるが、第1電源投入報知と第2電源投入報知とで表示内容や音声を異ならせたり(例えば、前者はセリフにより電源投入が報知され、後者がセリフ以外の所定の音声で電源投入が報知されるなど)、上部ランプ部63等での発光態様を異ならせたりした上で、2枚内部状態でないことの報知が含まれない構成としてもよい。
また、第2電投入報知に2枚内部状態でないことの報知が含まれることに代えて、第1電源投入報知に2枚内部状態であることの報知が含まれてもよい。つまり、電源投入報知として第1電源投入報知が報知されないことにより、2枚内部状態でないことをホール従業員に知らせる構成としてもよい。また、第2電投入報知に2枚内部状態でないことの報知が含まれ、第1電源投入報知に2枚内部状態であることの報知が含まれてもよい。
(95)上記第12の実施の形態では、第1電源投入報知と第2電源投入報知とが同じ報知部にて実行されるが、これらの報知が異なる報知部にて実行されてもよい。このような構成とすることで、報知態様の違いだけではなく、報知箇所の違いによっても2枚内部状態でないことを報知することができ、2枚内部状態でないことにホール従業員が気付きやすくすることが可能になる。
なお、上記各報知が複数の報知部で実行される場合には、それら複数の報知部の一部が異なる構成としてもよいし、全てが異なる構成としてもよい。但し、後者の場合には、報知部の数を多く確保する必要があることから製造コストが高騰する懸念があるほか、ホール従業員の見るべき箇所が散在する結果、却って報知に気付きにくくなるおそれもあるため、そのような観点からすると、前者の構成とすることが好ましい。
(96)上記第12の実施の形態において、第1電源投入報知と第2電源投入報知とで報知部の数を異ならせてもよい。例えば、第1電源投入報知よりも第2電源投入報知の報知部の数を多くしてもよい。このような構成によれば、2枚内部状態でないことを目立つようにして報知することができ、2枚内部状態でないことへの注意喚起を好適に行うことが可能になる。
(97)上記第12の実施の形態において、第1電源投入報知と第2電源投入報知とで報知期間を異ならせてもよい。例えば、第1電源投入報知よりも第2電源投入報知の報知期間を長くしてもよく、かかる構成により、2枚内部状態でないことへの注意喚起を好適に行うことが可能になる。
(98)上記第12の実施の形態では、2枚内部状態でない場合に第2電源投入報知が行われるが、当初は第1電源投入報知を実行し、途中から第2電源投入報知を実行する構成としてもよい。例えば、前面扉12が閉鎖された場合や設定変更が終了した場合に第2電源投入報知への切り替えを行う構成とすれば、2枚内部状態への変更が可能となってから第2電源投入報知が行われるものとなり、ホール従業員によって好適なタイミングで2枚内部状態でないことを知らせることが可能になる。
(99)上記第12の実施の形態では、第2電源投入報知の実行中に2枚内部状態に移行した場合に第1電源投入報知を切り替えるが、第1電源投入報知に代えて又は加えて、2枚内部状態であることの報知を実行する構成としてもよい。
(100)上記第12の実施の形態では、第2電源投入報知から切り替えられた第1電源投入報知を報知期間の残り期間で実行するが、当該残り期間よりも短い期間で実行してもよい。要は先の第2電源投入報知と後の第1電源投入報知との合計期間が、第2電源投入報知の開始時に設定された報知期間以下となるものであればよい。
(101)上記第12の実施の形態において、電源投入タイミングから所定期間に亘り電源投入報知の実行が待機される待機期間を設け、この待機期間が経過した場合に電源投入報知が開始される構成としてもよい。
(102)上記第12の実施の形態では、電源投入報知により2枚内部状態でないことを報知したが、これに代えて又は加えて、扉開放報知により2枚内部状態でないことを報知してもよい。具体的には、電源投入時に2枚内部状態であるか否かを判定し、2枚内部状態である場合に第1扉開放報知を実行し、2枚内部状態でない場合に第1扉開放報知とは異なる第2扉開放報知を実行してもよい。その際、第2扉開放報知に2枚内部状態でないことの報知が含まれてもよいし、第1扉開放報知に2枚内部状態であることの報知が含まれてもよい。
それら各扉開放報知は、電源投入された場合や、電源投入から所定期間(例えば電源投入報知の報知期間)が経過した場合に実行するとよい。なお、所定期間後に報知が実行される場合は、電源が投入されてから所定期間が経過するまでの期間における所定のタイミングで、2枚内部状態であるか否かの判定が行われればよい。
(103)上記第13の実施の形態において、時刻情報の取得及び報知対象期間内であるか否かの判定を実行せず、前面扉12の閉鎖タイミングにかかわらず、内部状態報知が実行される構成としてもよい。すなわち、2枚内部状態でない状況で前面扉12が開放状態から閉鎖状態に切り替えられたことのみを条件とし、内部状態報知が実行されてもよい。
(104)上記第13の実施の形態において、前面扉12が閉鎖された場合に代えて、前面扉12が開放状態である状況で内部状態報知が実行される構成としてもよい。前面扉12を開放できるのは基本的にホール従業員に限られるため、本構成によってもホール従業員の立ち合いの下で内部状態報知を実行することが可能になる。その際、時刻情報の取得及び報知対象期間内であるか否かの判定を実行せず、前面扉12が開放状態であることのみを条件として内部状態報知が実行される構成としてもよい。
また、上記第11の実施の形態において、前面扉12が開放状態から閉鎖状態に切り替えられたことに代えて、前面扉12が開放状態であることを条件として内部状態報知が実行されてもよい。すなわち、電源が投入された場合に前面扉12が開放されているか否かが判定され、開放されていると判定された場合に内部状態報知が実行される構成としてもよい。
(105)上記各実施の形態では、第2BB役の当選状態である状況で3ベットゲームを行うと、第2BB役に対応する絵柄組合せ(第2BB入賞成立の絵柄組合せ)が停止不可となるようにリール制御される構成としたが、第2BB役に対応する絵柄組合せを停止可能とした上で第2BB入賞が無効化されて第2BB状態への移行が制限される構成としてもよい。
(106)上記各実施の形態では、有利区間の上限ゲーム数を予め定められた1つの固定値としたが、複数の上限ゲーム数を設け、それらのうちから抽選や設定値等により選択された上限ゲーム数により有利区間が終了する構成としてもよい。また、上限増加数についても予め定められた1つの固定値に限定されるものではなく、複数の上限ゲーム数を設け、それらのうちから抽選や設定値等により選択された上限増加数により有利区間が終了する構成としてもよい。
(107)上記各実施の形態では、通常区間と有利区間との2種類を有する構成としたが、例えば、第1ATモード等に移行しない通常区間と、第1ATモード等への移行が可能な第1有利区間と、第1ATモード等への移行しやすさが第1有利区間よりも優遇された第2有利区間とを有するなど、3種類以上の状態を有する構成としてもよい。
(108)有利区間移行抽選の当選確率や、有利区間移行抽選の契機となる遊技結果は、上記各実施の形態で例示したものに限定されない。
また、有利区間移行抽選に当選したゲームにて有利区間に移行させる構成としたが、有利区間移行抽選に当選したゲームの次のゲームにて有利区間に移行させる構成としてもよく、有利区間移行抽選に当選したゲームと有利区間へ移行するゲームとの間に所定数のゲームが存在し得る構成としてもよい。
更に、有利区間に移行させるゲームにて区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を開始させる構成としたが、有利区間に移行させるゲームの次のゲームにて第8表示用セグメントN8の表示を開始させる構成としてもよく、有利区間に移行させるゲームと第8表示用セグメントN8の表示を開始させるゲームとの間に所定数のゲームが存在し得る構成としてもよい。
(109)上記各実施の形態では、ボーナスゲームとしてメダル数が増えない(増減がない)ボーナスゲームを例示したが、メダル数が減少するものとしてもよいし、微増するもの(ATモード中よりもメダルの増加率が低いもの)であってもよい。なお、微増するボーナスゲームとしては、1ゲーム当たりの期待純増枚数が0.5未満のものとしてもよい。また、微増ではなく、普通にメダルが増えるもの(遊技者にとって有利なもの)であってもよい。
(110)上記各実施の形態において、通常区間でもATモード移行抽選が行われる構成としてもよい。この場合、有利区間よりも通常区間の方がATモード移行当選となりにくい構成とすることで、有利区間の優位性が担保される。
(111)上記各実施の形態では、2ベットゲームにて当選した第2BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技として説明したが、3ベットゲームにて当選した第1BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBや第2BBを持ち越すことなく行う第2ベットゲームや第3ベットゲームを通常遊技としてもよい。また、第2BBを持ち越した状態で行う2ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよいし、第1BBを持ち越した状態で行う3ベットゲームによる遊技を通常遊技としてもよい。更に、これらの各遊技を遊技状況によって切り替えながら遊技が進行される構成としてもよい。具体的には、第1切り替え契機に基づいて、例えば2ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技から、3ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技に切り替え、第2切り替え契機に基づいて、例えば、3ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技から、2ベットゲームにて行う上記いずれかの遊技に切り替えることを通常遊技としてもよい。
(112)上記各実施の形態では、各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(113)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(114)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
例えば、パチンコ機や球使用回胴式遊技機において、出玉率等に変化を与える設定値を複数段階有する構成とし、これらの設定値の示唆や教示演出として、上記各発明を適用してもよい。この場合、大当たり確率が高低となる高確率状態と低確率状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間、CZモード、ATモードを高確率状態として適用してもよく、所定の入球部への入球率が高低となる高入球状態と低入球状態とを有するパチンコ機においては、上記スロットマシン10における有利区間、CZモード、ATモードを高入球状態として、上記各発明を適用してもよい。また、パチンコ機においては、前兆モード、CZモード等の待機期間にて3ベットゲームが行われる期間(それら各モードの残りゲーム数が更新される期間)を第1特図の遊技(第1特図の変動表示)が行われる期間と第2特図の遊技(第2特図の変動表示)が行われる期間との一方に適用し、上記待機期間にて2ベットゲームや第2BB状態のボーナスゲームが行われる期間(上記各モードの残りゲーム数が更新されない期間)を第1特図の遊技が行われる期間と第2特図の遊技が行われる期間との他方に適用してもよい。
(115)上記各実施の形態では、遊技媒体としてのメダルを投入するとベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
下記の特徴A群~特徴H群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われる構成が知られている(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備えた遊技機において、
前記第1制御手段は、
予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値(特典付与値)となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
予め定められた所定条件(有利区間の終了)が成立した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
特典用数値の合計値に対応する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
特典用数値の合計値又は実行された前記特定報知の態様に対応する特定情報(保持ポイント又は保持ランク情報)が記憶される記憶手段(サブ制御装置81のRAM183の各種カウンタエリア183b)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記記憶手段の前記特定情報を参照して前記特定報知の実行制御を行うように構成されており、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段の前記初期化手段により特典用数値の合計値が初期化された場合、前記記憶手段の前記特定情報を初期化することなく保持可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。都度の合計値に対応した報知を行うことで、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
しかしながら、上記構成では、所定条件が成立すると特典用数値の合計値が初期化され、それまでに蓄積された特典用数値の少なくとも一部が消失するように構成されている。この場合、合計値の初期化をそのまま報知に反映させると、改めての貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。この点、本構成では、遊技演出の制御を担う第2制御手段において、第1制御手段側で合計値が初期化されても、記憶手段に記憶された特定情報(合計値や実行済みの報知に対応する情報)を保持するものとし、特定報知の実行制御に際しては、その保持された特定情報を参照するように構成されている。この構成では、合計値の初期化後における特定報知に際して、初期化前の合計値等も加味しながらその実行制御を行うことができ、合計値の初期化がそのまま報知に反映されることを抑制可能となる。これにより、貯め直しの印象を遊技者に与えてしまうことが抑制され、遊技継続の意欲が低下することを抑制可能となる。
なお、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴A2.前記特定報知実行手段は、前記初期化手段による初期化後の前記合計値(蓄積ポイント)と、前記記憶手段に保持される前記特定情報(保持ポイント又は保持ランク情報)とに基づいて前記特定報知の実行制御を行うことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
本構成では、初期化前の合計値等と、初期化後の合計値との両方を加味して特定報知の実行制御が行われるため、合計値の初期化後において、初期化前の合計値の状況だけでなく初期化後の合計値の状況も反映させた特定報知を行うことが可能になる。
特徴A3.前記特定報知実行手段は、前記記憶手段に保持される前記特定情報を参照して前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604、ステップS3802の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
上記構成では、記憶手段に保持される特定情報を参照して特定報知の実行が制限されるため、上記保持された特定情報により示される従前の合計値を基準として特定報知の実行有無を切り替えることができる。これにより、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知が行われることが抑制され、貯め直しの印象を遊技者に与えることを抑制可能となる。
特徴A4.前記初期化手段による初期化後の前記合計値(蓄積ポイント)と、前記記憶手段に保持される前記特定情報(保持ポイント又は保持ランク情報)とに基づいて前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604、ステップS3802の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値と、記憶手段に保持される特定情報とに基づいて特定報知の実行が制限されるため、例えば、初期化後において特定報知の実行契機が生じた場合に、上記保持される特定情報により示される従前の合計値を基準としてそのときの合計値の大小を判断し、小さい場合に当該特定報知の実行を取り止めることが可能になる。つまり、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知の実行が抑制されるため、実際には初期化の影響で合計値の減少が生じていても、遊技者の目線では合計値が次第に増えていっているかのごとく特定報知を行うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴A5.前記制限手段は、前記初期化手段による初期化後の前記合計値が前記記憶手段に保持される前記特定情報の値以下又は当該特定情報の値よりも小さい場合、前記特定報知の実行を制限することを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値が、保持される特定情報により示される初期化前の合計値以下又はそれよりも小さい期間に亘って特定報知の実行が制限されるため、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知の実行が抑制される。これにより、実際には初期化の影響で合計値の減少が生じていても、遊技者の目線では合計値が次第に増えていっているかのごとく特定報知を行うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴A6.前記特定報知実行手段は、前記制限手段による制限状態である場合、前記特定報知を不実行とする又は前記制限状態ではない場合に比べて前記特定報知が実行されにくくするように構成されたことを特徴とする特徴A4又は特徴A5に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行制限により、当該報知を不実行としたり、実行頻度を低く抑えたりすることができるため、上記特徴A4又は特徴A5の構成における上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴A7.前記初期化手段による初期化後の前記合計値(蓄積ポイント)又は初期化後の前記特定報知の態様に対応する値(選択された種別のランク情報が対応する対応ポイント)が、前記記憶手段に保持される前記特定情報(保持ポイント又は保持ランク情報)の値よりも大きい場合、初期化後の前記合計値又は初期化後の前記特定報知の態様に対応する値を新たな前記特定情報として更新する更新手段(サブ制御装置81によるステップS2605、ステップS3702の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値等が、保持される特定情報の値よりも大きい場合に、その合計値等が新たな特定情報として保持されるため、それまでの遊技により得られた合計値等のうちの最高値に基づいて特定報知の実行制御を行うことができる。これにより、最高値よりも小さい合計値に対応する特定報知の実行が抑制される結果、それまでの最高値を更新する合計値が得られた場合に特定報知を実行することが可能になる。よって、遊技者に対して合計値が増え続けている印象を抱かせることができ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴A8.前記特定報知実行手段は、前記記憶手段に保持される前記特定情報に基づいて前記特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、記憶手段に保持される特定情報により示される合計値等に対応した特定報知を行うことができる。これにより、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知の実行が抑制され、貯め直しの印象を遊技者に与えてしまうことを抑制可能となる。
特徴A9.前記特定報知実行手段は、
前記特定報知として前記記憶手段に保持される前記特定情報が対応する値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)と、
前記第1手段により前記特定報知が実行された後、前記第1手段による当該特定報知と、前記特定情報が対応する値(蓄積ポイント)との差分(使用ポイントと蓄積ポイントとの差分値)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1手段により実行される特定報知が対応する値と、保持される特定情報との差分、すなわち、実行済みの特定報知に対する保持情報の余裕分を活用して、第2手段による特定報知が実行される。特定報知の実行頻度が低くなると、特典用数値の存在を遊技者が意識する機会が減るため、特典用数値に対する関心が次第に薄れる懸念があるが、本構成とすることで、特定報知の実行頻度を高めることができ、そのような不都合の発生を抑制することが可能になる。
なお、本特徴において「前記特定報知として前記合計値よりも小さい値に対応した報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)」は、「前記特定報知として前記合計値よりも小さい数値を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴A10.前記特定報知実行手段は、前記第1手段による前記特定報知の実行後、前記合計値が増加していない状況又は前記合計値の増加が所定値(保持ポイントとの差分)以下である状況において、前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値が付与されていない場合や、付与された特典用数値が小さい場合に、第2手段による特定報知が実行されるため、特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴A11.前記特定報知実行手段は、
前記初期化手段による初期化後の前記合計値が前記記憶手段に保持される前記特定情報の値以下又は当該特定情報の値よりも小さい場合、前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604、ステップS3802の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段による制限状態である状況において前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値が、保持される特定情報により示される初期化前の合計値以下又はそれよりも小さい状況では、特定報知の実行が制限されるため、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知の実行が抑制される。これにより、実際には初期化の影響で合計値の減少が生じていても、遊技者の目線では合計値が次第に増えていっているかのごとく特定報知を行うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
しかしながらその反面、特定報知の実行頻度が低くなると、特典用数値の存在を遊技者が意識する機会が減るため、特典用数値に対する遊技者の関心が次第に低下する懸念がある。この場合、制限状態での特定報知の実行頻度を高めることが考えられるが、その際、実際の合計値(初期化により減少した合計値)に対応させて特定報知を行うと、合計値が消失した印象を遊技者に与えてしまい、報知実行を制限した本来の意義が損なわれてしまうおそれがある。逆に、保持される特定情報(初期化前の合計値)に対応させて特定報知を行うと、実際の合計値とは乖離した態様の報知を誘発することになり、報知に対する遊技者の信頼を低下させることになりかねない。
この点、本構成では、上記制限状態において、実行済みの特定報知に対する保持情報の余裕分を活用した第2手段による特定報知が行われるため、特定報知の態様を実際の合計値と整合させながら特定報知の実行頻度を高めることができる。よって、制限状態の創設に起因する上記不都合に対して好適に対処することが可能になる。
特徴A12.前記第2制御手段は、前記初期化手段により前記第1制御手段において前記合計値が初期化されても、前記差分を初期化せずに保持する手段(サブ制御装置81による差分値を保持する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9乃至特徴A11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1制御手段側で合計値が初期化された場合に差分が消失せず、その後も維持されるため、特定報知の実行制限に際し、初期化を跨いで差分を利用することが可能になる。これにより、初期化前の特定報知により生じた差分を初期化後に活用して特定報知を実行し得るものとなり、所定条件の成立により合計値が初期化される構成において、特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴A13.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記初期化手段は、前記特定状態が終了する場合又は終了した場合に前記初期化を行うものであり、
前記特定報知実行手段は、前記初期化手段による初期化後の前記特定状態において、初期化前の前記特定状態で導出された前記差分の少なくとも一部に基づいて前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴A9乃至特徴A12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先の特定状態での特定報知により生じた余裕分を活用して後の特定状態において特定報知を実行できるため、特定状態の終了により合計値が初期化される構成において、特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴A14.前記初期化手段による初期化後の前記合計値が前記記憶手段に保持される前記特定情報の値以下又は当該特定情報よりも小さい場合、前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604、ステップS3802の処理を実行する機能)と、
所定の更新条件(蓄積ポイントが保持ポイントよりも大きいこと)が成立した場合、前記記憶手段に保持される前記特定情報を更新する更新手段(サブ制御装置81によるステップS2605の処理を実行する機能)と、
前記所定の更新条件が成立している場合であっても、所定の場合(第1ATモードの終了時で且つ蓄積ポイントが3以上である場合)に前記更新手段による前記特定情報の更新を制限する更新制限手段(サブ制御装置81によるステップS3602の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値が、保持される特定情報により示される初期化前の合計値以下又はそれよりも小さい状況では特定報知の実行が制限されるため、初期化前の合計値よりも小さい合計値を報知する特定報知の実行が抑制される。これにより、実際には初期化の影響で合計値の減少が生じていても、遊技者の目線では合計値が次第に増えていっているかのごとく特定報知を行うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
しかしながらその反面、保持される特定情報の値(保持値)が高くなると、合計値が初期化された場合の初期値とのギャップが大きくなる。その結果、実際の合計値が保持値に追い付くまでの期間が長期化し、特定報知の実行頻度が大きく低下しやすくなる。この場合、特典用数値の存在を遊技者が意識する機会が減るため、特典用数値に対する関心が次第に薄れていき、遊技継続への貢献が果たされにくくなる懸念がある。この点、本構成では、更新条件が成立している場合であっても、状況によっては保持値の更新が制限されるため、初期化時の初期値とのギャップが拡大することが抑制される。これにより、特定報知の実行頻度が大きく低下し、特典用数値に対する遊技者の関心が薄れることを抑制可能となる。
特徴A15.前記更新条件には、前記初期化手段による初期化後の前記合計値(蓄積ポイント)又は前記初期化後の前記特定報知の態様に対応する値(選択された種別のランク情報が対応する対応ポイント)が、前記記憶手段に保持される前記特定情報(保持ポイント又は保持ランク情報)の値よりも大きいことが含まれることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値等が、保持される特定情報の値よりも大きい場合に、その合計値等が新たな特定情報として保持されるため、それまでの遊技により得られた合計値等のうちの最高値を保持値とすることができる。これにより、最高値よりも小さい合計値に対応する特定報知の実行を抑制することができる結果、それまでの最高値を更新する合計値が得られた場合に限定して特定報知を実行することが可能になる。よって、遊技者に対して合計値が増え続けている印象を抱かせることができ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
しかしながらその反面、都度の最高値を常に保持値として反映させると、合計値が初期化された場合の初期値とのギャップが大きくなりやすく、特徴A14で述べた上記不都合が生じやすい。この点、本構成では、それまでの最高値を上回る合計値が得られた場合でも、状況によっては保持値が更新されないため、初期化された場合の初期値とのギャップが過大となることを抑制できる。これにより、特定報知の実行頻度が大きく低下し、特典用数値に対する遊技者の関心が薄れることを抑制可能となる。
特徴A16.前記数値付与手段による前記特典用数値の付与契機として複数の付与契機が設けられており、
前記更新制限手段は、複数の付与契機のうちの所定の付与契機(第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了したことに基づく付与抽選の実行契機)により前記特典用数値が付与された場合、前記更新手段による前記特定情報の更新を制限することを特徴とする特徴A14又は特徴A15に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値が付与される複数の付与契機のうちいずれの契機であるかによって、保持値の更新が制限される。これにより、例えば、特典用数値が付与された付与契機が初期化の間際の契機であるような場合に、その付与された特典用数値が保持値に反映されないようにすることができ、初期化された場合の初期値とのギャップが過大となることを抑制可能となる。
特徴A17.前記所定の付与契機は、前記初期化手段による初期化の前の最後の契機であることを特徴とする特徴A16に記載の遊技機。
初期化前の最後の付与契機により特典用数値が付与された後は、初期化までの間に新たな特典用数値が付与されないため、初期化前に付与対応値への到達が達成されることはない。そして、最終契機での特典用数値は、その後の初期化により無かったものとされ、結局のところ付与対応値への到達に寄与しない。このような特性を踏まえ、本構成では、特典用数値が付与された付与契機が初期化前の最終契機である場合、その付与された特典用数値を保持値に反映させない構成としており、これにより、初期値とのギャップが無駄に拡がることを抑制可能となる。なお、最終契機での特典用数値は、上記のとおり付与対応値への到達に寄与しないものであるから、そのような特典用数値に対応した報知が行われなくても、遊技者が付与対応値への到達を目指す上で問題にならないといえる。つまり、本構成によれば、遊技者の遊技に支障を来すことなく、ギャップの拡大を抑制することが可能となる。
特徴A18.前記所定の付与契機により前記特典用数値が付与され、且つ当該付与された前記特典用数値を反映させた前記合計値が前記付与対応値よりも小さい場合、前記更新手段による前記特定情報の更新を制限することを特徴とする特徴A16又は特徴A17に記載の遊技機。
例えば、付与された特典用数値により合計値が付与対応値に到達した状況で保持値を更新しない構成とすると、付与対応値に到達したことに対応する報知を適切に行えなくなる懸念がある。この点、本構成では、保持値更新の制限対象となる付与契機である場合に常に保持値の更新を制限するのではなく、その契機で付与された特典用数値を反映させた合計値が付与対応値に未到達である場合に限定して制限する構成としている。これにより、付与対応値に到達したことに対応する報知が行えなくなる不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
特徴A19.前記更新制限手段は、前記所定の付与契機により前記特典用数値が付与され、且つ当該付与された前記特典用数値を反映させた前記合計値が所定値(3)以上である場合、前記更新手段による前記特定情報の更新を制限することを特徴とする特徴A16乃至特徴A18のいずれかに記載の遊技機。
保持値更新の制限対象である付与契機の場合に常に保持値を更新しない構成とすると、その契機では、合計値が増えたことの報知が行われなくなるため、遊技者に対してその契機では特典用数値が付与される可能性がない(換言すれば、その契機では合計値が増えることがない)という印象を与えかねない。この点、本構成では、その契機で付与された特典用数値を反映させた合計値が所定値以上である場合に限定して制限する構成としている。この場合、合計値が所定値以上であり、初期化時の初期値とのギャップが大きくなることが見込まれる状況では、その合計値が保持値に反映されることが回避される一方、合計値が所定値未満であれば、保持値が更新され、合計値が増えたことの報知が行われ得る。よって、初期化時の初期値とのギャップが過大となることを抑制しながら、合計値が増えたことの報知を実行する機会を確保することが可能になる。
特徴A20.前記特定報知実行手段は、前記更新制限手段により前記特定情報の更新が制限された場合、そのときの前記合計値ではなく、更新されない状態で保持される前記特定情報に基づいて前記特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14乃至特徴A19のいずれかに記載の遊技機。
例えば、更新制限により更新が行われない場合において、特定報知の態様を合計値(付与された特典用数値が反映された状態の合計値)に基づいて決定すると、特定報知の態様と保持値とが整合しなくなり、遊技者の混乱を招くおそれがある。この点、本構成では、更新が見送られた状態の保持値(特典用数値が付与される前の保持値)に基づいて特定報知の態様が決定されるため、特定報知の態様と保持値とを適切に整合させることが可能になる。
特徴A21.前記第2制御手段は、前記特典付与手段により前記所定の特典が付与される場合、前記記憶手段に保持される前記特定情報を初期化する第2初期化手段(サブ制御装置81によるステップS2702、ステップS3901の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A20のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、記憶手段に保持される特定情報が特典付与を契機として初期化されるため、特典付与されるまでの期間を区切りとして、貯め直しの印象を遊技者に与えたりすることを抑制することが可能になる。
特徴A22.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記第1制御手段は、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記初期化手段は、前記特定状態が終了する場合又は終了した場合に前記合計値を初期化するものであることを特徴とする特徴A1乃至特徴A21のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。そのような構成において、上記特徴A1乃至特徴A21のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴A23.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A22のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴A1乃至特徴A22のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴A1乃至A23の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
予め定められた所定条件(有利区間の終了)が成立した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
所定の制限条件(蓄積ポイントが保持ポイントに未達であること)が成立した場合、前記数値付与手段により特典用数値が付与された場合であっても、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限することが可能な制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。都度の合計値や、付与された特典用数値に対応した報知を行うことで、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
しかしながら、上記構成では、所定条件が成立すると特典用数値の合計値が初期化され、それまでに蓄積された特典用数値の少なくとも一部が消失するように構成されている。この場合、例えば、特典用数値に関する報知として合計値に対応する報知を行う構成にあっては、合計値の初期化をそのまま報知に反映させると、改めての貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。また、付与された特典用数値に対応する報知を行う構成にあっては、報知された付与値から遊技者が予測する合計値と、実際の合計値とが乖離する結果、報知に対する遊技者の信頼が低下するおそれがある。この点、本構成では、特典用数値が付与された場合であっても、制限条件の成立により特定報知の実行が制限されるため、初期化された合計値が反映された特定報知が行われたり、実際の合計値と整合しない付与値が報知されたりすることを抑制でき、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
なお、本特徴において「特典用数値に関する報知」は、「特典用数値の合計値に対応する報知又は特典用数値の付与に対応する報知」と表現することもできる。また、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴B2.前記特定報知実行手段は、
前記数値付与手段による特典用数値の付与に基づいて前記特定報知を実行するか否かを判定する実行用判定手段(サブ制御装置81によるステップS2606の処理を実行する機能)と、
前記実行用判定手段により実行すると判定された場合、前記特定報知を実行する実行手段(サブ制御装置81によるステップS2608の処理、ポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記制限手段による制限状態である場合、前記数値付与手段により特典用数値が付与された場合であっても、前記実行用判定手段の判定結果にかかわらず又は前記実行用判定手段の判定処理が行われることなく前記特定報知の実行が制限されるように構成されたことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値が付与された場合、特定報知を実行するか否かの実行用判定を経て特定報知が実行されるところ、制限手段により制限状態が設定されている場合は、実行用判定の結果にかかわらず又は実行用判定が行われることなく特定報知の実行が制限される。すなわち、特定報知の実行が強制的に禁止されるため、初期化された合計値が反映された特定報知が行われたり、実際の合計値と整合しない付与値が報知されたりすることを好適に抑制することが可能になる。
特徴B3.前記制限条件は、前記初期化手段により前記合計値が初期化されることを含むことを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行を制限する制限状態を合計値が初期化された場合に開始させることができる。これにより、初期化された合計値が反映された特定報知が行われたりすることを好適に抑制できる。
特徴B4.前記初期化手段により前記合計値が初期化された場合、当該初期化前の前記合計値を保持値(保持ポイント)として当該初期化後も保持可能な保持手段(サブ制御装置81による保持ポイントを保持する機能)を備え、
前記制限手段による制限状態は、初期化後の前記合計値が前記保持手段により保持される前記保持値若しくはこれに対応する値(保持ポイントから所定値を減算した減算値)以上、又はそれらの値より大きくなった場合に解除され得るものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値が保持値若しくはこれに対応する値以上又はそれらの値より大きくなることで、制限状態が解除される。つまり、合計値が保持値に追い付くまでの間は特定報知の実行が制限され、追い付いた後はその制限が解除される。この場合、合計値に対応する報知を行う構成にあっては、実際には初期化の影響で合計値の減少が生じていても、遊技者の目線では合計値が次第に増えていっているかのごとく特定報知を行うことができる。また、付与された特典用数値に対応する報知を行う構成にあっては、報知された付与値から遊技者が予測する合計値と、実際の合計値とを整合させることができる。これらのことより、合計値の初期化後においても遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴B5.前記特定報知実行手段は、前記制限手段による制限状態である場合、前記特定報知を不実行とする又は前記制限状態ではない場合に比べて前記特定報知が実行されにくくなるように構成されたことを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行制限により、当該報知を不実行としたり、実行頻度を低く抑えたりすることができるため、上記特徴B1乃至特徴B4の構成における上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴B6.前記特定報知実行手段は、
前記特定報知として前記合計値又は付与された前記特典用数値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)と、
前記第1手段により前記特定報知が実行された後、前記第1手段による当該特定報知と、特典用数値の合計値(保持ポイント)との差分(使用ポイントと蓄積ポイントとの差分値)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)と、を備え、
前記制限手段による制限状態である状況において前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれかに記載の遊技機。
特定報知の実行を制限することで、上記特徴B1乃至特徴B5の各効果を得ることができる。しかしながらその反面、実行制限により特定報知の実行頻度が低くなると、特典用数値の存在を遊技者が意識する機会が減るため、特典用数値に対する遊技者の関心が次第に低下する懸念がある。この場合、制限状態での特定報知の実行頻度を高めることが考えられるが、その際、実際の合計値(初期化により減少した合計値)に対応させて特定報知を行う構成とすると、合計値が消失した印象を遊技者に与えてしまい、報知実行を制限した本来の意義が損なわれてしまうおそれがある。
この点、本構成では、第1手段による特定報知の実績値と合計値との差分に基づいて第2手段により特定報知が行われるとともに、その特定報知が制限状態の下で行われる。第2手段による特定報知は、実行済みの特定報知に対する合計値の余裕分を活用したものであるため、そのような報知を制限状態において実行することで、特定報知の態様を実際の合計値と整合させながら特定報知の実行頻度を高めることができる。よって、制限状態の創設に起因する上記不都合に対して好適に対処することが可能になる。
特徴B7.前記初期化手段により特典用数値の合計値が初期化された場合、当該初期化前の前記差分を当該初期化後も保持する手段(サブ制御装置81による差分値を保持する機能)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成では、合計値が初期化されても差分が消失せず、その後も維持されるため、特定報知の実行制限に際し、初期化を跨いで差分を利用することが可能になる。これにより、初期化前の特定報知により生じた差分を初期化後に活用して特定報知を実行し得るものとなり、所定条件の成立により合計値が初期化される構成において、特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴B8.前記制限条件は、前記合計値が所定の基準値(保持ポイント)以下又はそれよりも小さいことを含み、
前記基準値を遊技の状況に応じて変更可能な変更手段(サブ制御装置81によるステップS2605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、合計値が所定の基準値以下又はそれよりも小さい場合に特定報知の実行を制限するものとした上で、その基準値を遊技の状況に応じて変更するようにしたため、都度の状況に合わせて制限の有無を切り替えることができる。これにより、例えば、それまでの合計値よりも大きな合計値が得られた場合に、それに合わせて基準値を変更すれば、最高値よりも小さい値に対応した特定報知が行われることを抑制でき、合計値が消失したような印象を遊技者に与えにくくすることが可能になる。
特徴B9.前記変更手段は、前記基準値を前記合計値に応じて変更可能なものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
本構成によれば、都度の合計値の変化に追従させて基準値を変更することができるため、例えば、それまでの合計値よりも大きな合計値が得られた場合に、それに合わせて基準値を変更することができる。これにより、最高値よりも小さい値に対応した特定報知が行われることを抑制でき、合計値が消失したような印象を遊技者に与えにくくすることが可能になる。
特徴B10.前記初期化手段により前記合計値が初期化された場合、当該初期化前の前記合計値又はこれに対応する値(保持ポイントから所定値を減算した減算値)を前記基準値として当該初期化後も保持可能な保持手段(サブ制御装置81による保持ポイントを保持する機能)を備え、
前記変更手段として、初期化後の前記合計値が前記基準値よりも大きくなった場合、その合計値を新たな基準値として更新する更新手段(サブ制御装置81によるステップS2605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8又は特徴B9に記載の遊技機。
上記構成では、初期化後の合計値が、保持される基準値よりも大きくなった場合に、その合計値が新たな基準値として保持されるため、それまでの遊技により得られた合計値のうちの最高値が基準値となる。よって、最高値が更新される都度、基準値を変更することができ、都度の最高値より合計値が低い状況で特定報知が行われることを抑制可能となる。一方で、都度の最高値を上回る合計値が得られた場合には、特定報知の実行が制限されないため、そのような合計値に達したことを遊技者に知らせることができる。つまり、合計値が消失した印象を遊技者に与えることを抑制しながらも、合計値が増えたことを報知して遊技継続の意欲を喚起することが可能になる。
特徴B11.所定の場合(第1ATモードの終了時で且つ蓄積ポイントが3以上である場合)に前記変更手段による前記基準値の変更を制限可能な変更制限手段(サブ制御装置81によるステップS3602の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8乃至特徴B10のいずれかに記載の遊技機。
例えば、特定報知の実行がより制限されやすくなるように基準値を変更した場合、特定報知の実行頻度を低下させ、合計値が消失したような印象を遊技者に与えることを抑制できるが、その反面、報知頻度の低下により特典用数値に対する遊技者の関心が薄れるおそれがある。この点、本構成では、基準値の変更を制限し得るため、報知頻度の低下を抑えることができ、上記不都合の発生を抑制することが可能になる。
特徴B12.前記数値付与手段による前記特典用数値の付与契機として複数の付与契機が設けられており、
前記変更制限手段は、複数の付与契機のうちの所定の付与契機(第2ATモード移行抽選に当選しないまま第1ATモードが終了したことに基づく付与抽選の実行契機)により前記特典用数値が付与された場合、前記基準値の変更を制限可能なものであることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
例えば、それまでの合計値よりも大きな合計値が得られた場合に、その得られた合計値に合わせて基準値を変更することで、都度の合計値の変化に合わせて特定報知の実行を制限できるようになる。しかしながらその反面、初期化されたときの初期値とのギャップを拡大させ、その後の報知頻度を大きく低下させることにも繋がる。この点、本構成では、特典用数値が付与される複数の付与契機のうちいずれの契機であるかによって、基準値の変更が制限される。これにより、例えば、特典用数値が付与された付与契機が初期化の間際の契機であるような場合に、その付与された特典用数値が基準値に反映されないようにすることができ、初期化時の初期値とのギャップが過大となることを抑制可能となる。
特徴B13.前記所定の付与契機は、前記初期化手段による初期化の前の最終契機であることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
初期化前の最終の付与契機により特典用数値が付与された後は、初期化までの間に新たな特典用数値が付与されないため、初期化前に付与対応値への到達が達成されることはない。そのため、最終契機での特典用数値は、その後の初期化により無かったものとされ、結局のところ付与対応値への到達に貢献しない。このような特性を踏まえ、本構成では、特典用数値が付与された付与契機が初期化前の最終契機である場合、その付与された特典用数値を基準値に反映させない構成としており、これにより、初期値とのギャップが無駄に拡がることを抑制可能となる。なお、最終契機での特典用数値は、上記のとおり付与対応値への到達に貢献しないものであるから、そのような特典用数値に対応した報知が行われなくても、遊技者が付与対応値への到達を目指す上で問題とならない。つまり、本構成によれば、遊技者の遊技に支障を与えることなく、ギャップの拡大を抑制することが可能となる。
特徴B14.前記特典付与手段により前記所定の特典が付与される場合、前記基準値を初期化する初期化手段(サブ制御装置81によるステップS2702、ステップS3901の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B8乃至特徴B13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特典付与を契機として基準値が初期化されるため、特典付与されるまでの期間を区切りとして、貯め直しの印象を遊技者に与えたりすることを抑制することが可能になる。
特徴B15.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
予め定められた所定条件(有利区間の終了)が成立した場合、前記合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
前記初期化手段による前記合計値の初期化後における前記特定報知の実行頻度が初期化前における前記特定報知の実行頻度よりも低くなるようにする特定手段(サブ制御装置81によるステップS2604の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。都度の合計値や、付与された特典用数値に対応した報知を行うことで、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
しかしながら、上記構成では、所定条件が成立すると特典用数値の合計値が初期化され、それまでに蓄積された特典用数値が消失するように構成されている。この場合、例えば、特典用数値に関する報知として合計値に対応する報知を行う構成にあっては、合計値の初期化をそのまま報知に反映させると、改めての貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。また、付与された特典用数値に対応する報知を行う構成にあっては、報知された付与値から遊技者が予測する合計値と、実際の合計値とが乖離する結果、報知に対する遊技者の信頼が低下するおそれがある。この点、本構成では、初期化後における特定報知の実行頻度が初期化前に比べて低くなるように構成されているため、合計値が初期化されたことを遊技者に悟られにくくすることができ、上記不都合の発生を好適に抑制可能となる。
なお、本特徴において「特典用数値に関する報知」は、「前記合計値に対応する報知又は特典用数値の付与に対応する報知」と表現することもできる。また、本特徴に対して上記特徴B1乃至特徴B15のいずれかの構成を適用することができる。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴B16.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記数値付与手段は、前記特定状態において前記付与契機に基づいて特典用数値を付与するものであり、
前記初期化手段は、前記特定状態が終了する場合又は終了した場合に前記初期化を行うものであり、
前記特定手段は、前記初期化後の前記特定状態における前記特定報知の実行頻度が前記初期化前の前記特定状態における前記特定報知の実行頻度よりも低くなるようにするものであることを特徴とする特徴B15に記載の遊技機。
本構成によれば、特定状態の終了により合計値が初期化される構成において、先の特定状態よりも後の特定状態での特定報知の実行頻度が低く抑えられるため、合計値が初期化されたことを遊技者に悟られにくくすることができ、上記不都合の発生を好適に抑制可能となる。
特徴B17.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記初期化手段は、前記特定状態が終了する場合に前記合計値を初期化するものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。そのような構成において、上記特徴B1乃至特徴B17のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴B18.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴B1乃至特徴B17のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴B1乃至特徴B18の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定報知として特典用数値の合計値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)と、
前記第1手段による前記特定報知が実行された後、前記第1手段による当該特定報知と、当該特定報知が実行されたときの前記合計値との差分(使用ポイントと蓄積ポイントとの差分値)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。加えて、都度の合計値に対応する報知として特定報知が行われるため、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
このような構成において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、特典用数値の付与機会を多くして特定報知の頻度を高め、特典用数値への遊技者の関心を高めることが好ましい。しかしながらその反面、特典用数値の付与機会を多くすると、付与対応値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得ず、遊技者への訴求力が低下してしまうおそれがある。つまり、特定報知の頻度を高めようとすると、却って特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれてしまう懸念がある。
この点、本構成では、第1手段により実行される特定報知と特典用数値の合計値との差分、すなわち、実行済みの特定報知に対する合計値の余裕分を活用して、第2手段による特定報知が実行される。この場合、実際には特典用数値が付与されていなくても特定報知を行うことができるため、付与対応値への到達難易度を低下させることなく、特定報知の実行機会を拡充することが可能になる。これにより、特典の程度を維持したまま、報知の頻度を高めて遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
なお、本特徴において「前記第1手段による前記特定報知が実行された後、前記第1手段による当該特定報知と、当該特定報知が実行されたときの前記合計値との差分(使用ポイントと蓄積ポイントとの差分)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)」は、「前記第1手段による前記特定報知が実行された後、前記第1手段による当該特定報知が対応する値(使用ポイント)と、当該特定報知が実行されたときの前記合計値(蓄積ポイント)との差分(差分値)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴C2.前記第1手段は、前記数値付与手段による前記特典用数値の付与に基づいて、前記特定報知として特典用数値の合計値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能なものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典用数値が付与されて合計値が増えたときの一部を活用して第2手段による特定報知を行うことができる。これにより、差分として大きな値を確保しやすくなり、第2手段による特定報知にて合計値が大きく増えたように見せたり、第2手段による特定報知の回数を増やしたりすることが可能になる。
特徴C3.前記特定報知実行手段は、前記数値付与手段により前記特典用数値が付与されていない状況において、前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典用数値が付与されていない状況で第2手段による特定報知を行うため、特典用数値の付与機会を増やすことなく特定報知の機会を確保することができる。これにより、付与対応値への到達に基づく特典の程度が低下することを抑制しながら、特定報知の実行頻度を高めることが可能になる。
特徴C4.前記特定報知実行手段は、前記第1手段による前記特定報知の実行後、前記合計値が増加していない状況において、前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1手段による特定報知が行われた時点から合計値が増えていない状況で第2手段による特定報知を行うため、特典用数値の付与機会を増やすことなく特定報知の機会を確保することができる。これにより、付与対応値への到達に基づく特典の程度が低下することを抑制しながら、特定報知の実行頻度を高めることが可能になる。
特徴C5.前記第2手段による前記特定報知の態様を、前記第1手段による前記特定報知の実行された場合の前記合計値に基づいて決定する手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C3又は特徴C4に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定報知の態様を、第1手段による特定報知が行われたときの合計値に基づいて決定するため、第2手段による特定報知により示される合計値と、そのときの実際の合計値とを整合させることができる。よって、付与対応値への到達を目指す遊技に支障を来すことを抑制しつつ、特典用数値が付与されていない状況で特定報知を行うことが可能になる。
特徴C6.前記特定報知の態様として複数の態様(泡小演出、泡中演出、泡大演出、泡特大演出)が設定されており、
前記第1手段は、複数の態様のうちから選択されたいずれかの態様により前記特定報知を実行するように構成されており、
前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の報知態様の選択態様を、前記第1手段により前記特定報知を実行する場合に付与された前記特典用数値又は前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の前記合計値に応じて異ならせる特定手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C5のいずれかに記載の遊技機。
先の第1手段による特定報知を実際の合計値よりも小さい値に対応させることで、後の第2手段による特定報知のための余裕分を確保する都合上、先の第1手段による特定報知があまりにも小さい合計値を示すものとなり、遊技継続の意欲をうまく喚起できなくなる懸念がある。この点、本構成では、第1手段による特定報知を行う場合の報知態様の選択態様が、その際に付与された特典用数値又はその際の合計値によって異なるように構成されている。例えば、付与された特典用数値や合計値が大きいほど、合計値よりも小さい値に対応した報知態様が選択されやすい構成とすれば、そもそもの合計値が大きいことから、それよりも小さい値に対応させて第1手段による特定報知を行っても、当該報知が貧素になることを好適に抑制できる。よって、第1手段による特定報知と、第2手段による特定報知との両方で相応の合計値を示すことができ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴C7.前記特定手段は、前記第1手段により前記特定報知を実行する場合に付与された前記特典用数値又は前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の前記合計値が第1の値(4ポイント)である場合、前記第1の値よりも小さい第2の値(2ポイント)である場合に比べ、特典用数値の合計値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知が行われやすくなるように前記選択態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
本構成によれば、第1手段による特定報知の報知態様を選択する場合の選択態様として、付与された特典用数値や合計値が大きいほど、合計値よりも小さい値に対応した報知態様が選択されやすいものとなっている。すなわち、そもそもの合計値が大きい場合ほど、合計値よりも小さい値に対応する態様が選択されやすく、第2手段による特定報知のための差分が確保されやすくなっているため、第1手段による特定報知が貧素となることを好適に抑制できる。よって、第1手段による特定報知と、第2手段による特定報知との両方で相応の合計値を示すことができ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴C8.所定の制限条件(蓄積ポイントが保持ポイントに未達であること)が成立した場合、前記特定報知実行手段による前記特定報知の実行を制限することが可能な制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段による制限状態において前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴C1乃至特徴C7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の制限条件が成立した場合に特定報知の実行が制限される。この場合、制限状態において特定報知が全く実行されなくなってしまうと、特典用数値に対する遊技者の関心が低下してしまう懸念がある。この点、本構成では、第2手段による特定報知を制限状態の下で行うため、制限状態における特定報知の実行機会を確保することが可能になる。
なお、本特徴の「所定の制限状態が成立した場合」を「前記合計値が所定値(保持ポイント又は保持ポイントから所定値を減算した値)以下である場合」と言い換えてもよい。この場合、「第2手段による特定報知は、過去に得られた合計値に基づいて行うものであるため、当該報知の実行時点における合計値の制約を受けずに実行することができる。すなわち、合計値が幾つかであるかにより特定報知の実行が制限される状況においても、問題なく実行できるという特性を有している。そのような特性を活かし、第2手段による特定報知を制限状態での特定報知として用いることで、当該状態における特定報知の実行機会を好適に確保することが可能になる。」という効果を期待できる。
特徴C9.前記制限手段による制限状態とされる前に前記第1手段により行われた前記特定報知により導出される前記差分の少なくとも一部に基づき、前記制限状態において前記第2手段による前記特定報知を実行可能とされたことを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
制限状態にて第2手段による特定報知を行うには、その前提となる差分が必要となるが、本構成では、それを非制限状態での第1手段による特定報知から導出する。非制限状態では特定報知の実行が制限されておらず、特定報知が行われやすい状況にあるため、本構成とすることで、上記差分を好適に確保することが可能になる。
特徴C10.予め定められた所定条件(有利区間の終了)が成立した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8又は特徴C9に記載の遊技機。
上記構成では、所定条件が成立すると特典用数値の合計値が初期化され、それまでに蓄積された特典用数値が消失するように構成されている。この場合、合計値の初期化をそのまま報知に反映させると、改めての貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。このような構成に対し、初期化後における合計値が小さい状況では特定報知の実行を制限することが有効となるが、その反面、報知頻度が低下することで遊技者が特典用数値を意識する機会が減り、特典用数値に対する関心が薄らいでしまう懸念がある。このような場合に上記特徴C8又は特徴C9の構成を適用することで、合計値が初期化された印象を与えにくくしながら、制限状態での特定報知の実行頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴C11.前記特定報知の態様として複数の態様(泡小演出、泡中演出、泡大演出、泡特大演出)が設定されており、
前記第1手段は、複数の態様のうちから選択されたいずれかの態様により前記特定報知を実行するように構成されており、
前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の報知態様の選択態様を、前記第1手段により前記特定報知を実行する場合に付与された前記特典用数値又は前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の前記合計値に応じて異ならせる特定手段を備えていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
大きな特典用数値が得られた場合、合計値も大きくなるが、合計値が大きくなるほど、合計値が初期化されたときの初期値とのギャップが大きくなる。そのような大きなギャップは、その後の遊技で制限状態が長期化することに繋がる。この点、本構成では、第1手段による特定報知を行う場合の報知態様の選択態様が、その際に付与された特典用数値又はその際の合計値によって異なるように構成されている。合計値よりも小さい値に対応した報知態様が選択されやすい状況では、その後の第2手段による特定報知のための差分を確保しやすくなるところ、そのような状況が、付与された特典用数値や合計値が大きいほど生じやすくなる構成とすれば、制限状態が長期化しやすい状況であるほど、第2手段による特定報知のための差分が確保されやすい構成とできる。よって、特定報知の実行頻度を高めるニーズが生じやすい長い制限状態において、第2手段による特定報知を行いやすくすることが可能になる。
特徴C12.前記特定手段は、前記第1手段により前記特定報知を実行する場合に付与された前記特典用数値又は前記第1手段により前記特定報知を実行する場合の前記合計値が第1の値(3ポイント)である場合、前記第1の値よりも小さい第2の値(2ポイント)である場合に比べ、特典用数値の合計値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知が行われやすくなるように前記選択態様を異ならせるものであることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
本構成によれば、第1手段による特定報知の報知態様を選択する場合の選択態様として、付与された特典用数値や合計値が大きいほど、合計値よりも小さい値に対応した報知態様が選択されやすいものとなっている。これにより、制限状態が長期化しやすい状況であるほど、第2手段による特定報知のための差分が確保されやすい構成とできる。よって、特定報知の実行頻度を高めるニーズが生じやすい長い制限状態において、第2手段による特定報知を行いやすくすることが可能になる。
特徴C13.前記初期化手段により特典用数値の合計値が初期化された場合、当該初期化前の前記差分を当該初期化後も保持する手段(サブ制御装置81による差分値を保持する機能)を備えていることを特徴とする特徴C10乃至特徴C12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、合計値が初期化された場合に差分が消失せず、その後も維持されるため、特定報知の実行制限に際し、初期化を跨いで差分を利用することが可能になる。これにより、初期化前の特定報知により生じた差分を初期化後に活用して特定報知を実行し得るものとなり、所定条件の成立により合計値が初期化される構成において、特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴C14.前記特定報知は、特典用数値を明示しないものであることを特徴とする特徴C1乃至特徴C13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知において特典用数値が明示されないため、第1手段による特定報知において実際の合計値との間にずれが生じていても遊技者が気付きにくく、報知に対する遊技者の信頼が低下することを抑制できる。
特徴C15.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合に前記合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。そのような構成において、上記特徴C1乃至特徴C13のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴C16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴C1乃至特徴C15のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴C1乃至特徴C16の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、遊技の状況に応じて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、所定の前記特定状態で付与された特典用数値の少なくとも一部に基づいて、所定の前記特定状態よりも後の前記特定状態において前記特定報知を実行する特定手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、遊技の状況に応じて特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。都度の合計値や、付与された特典用数値に対応した報知を行うことで、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
しかしながら、上記構成では、特定状態が終了すると特典用数値の合計値が初期化され、それまでに蓄積された特典用数値の少なくとも一部が消失するように構成されている。この場合、合計値の初期化をそのまま報知に反映させると、改めての貯め直しが強いられる印象を遊技者に与えてしまい、遊技継続の意欲を低下させてしまう懸念がある。この点、本構成では、特典用数値に関する特定報知を行うにあたり、所定の特定状態において付与された特典用数値の少なくとも一部に基づいて、それより後の特定状態における特定報知が行われるため、合計値の初期化がそのまま報知に反映されることが抑制され、初期化後も遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
なお、本特徴において「特典用数値に関する報知」は、「前記合計値に対応する報知又は特典用数値の付与に対応する報知」と表現することもできる。また、本特徴において「前記特定状態が終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「前記特定状態が終了した場合、特典用数値の合計値を低減させる低減化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴D2.前記特定手段は、所定の前記特定状態よりも後の前記特定状態での前記合計値が所定値(保持ポイント)以下である場合、所定の前記特定状態で付与された特典用数値の少なくとも一部に基づく前記特定報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定状態での合計値が少ない状況である場合に、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が実行される。これにより、合計値が増えるまでの間の特定報知を当該報知により補うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴D3.前記所定値は、所定の前記特定状態での前記合計値であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定状態での合計値が先の特定状態での合計値に満たない状況である場合に、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が実行される。これにより、合計値が追いつくまでの間の特定報知を当該報知により補うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴D4.前記所定値は、所定の前記特定状態での前記合計値における初期化前の最高値であることを特徴とする特徴D2又は特徴D3に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定状態での合計値が初期化前における最高値に満たない状況である場合に、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が実行される。これにより、合計値が最高値に追いつくまでの間の特定報知を当該報知により補うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴D5.前記特定報知実行手段は、所定の前記特定状態よりも後の前記特定状態にて前記数値付与手段により特典用数値が付与されていない状況において、所定の前記特定状態で付与された特典用数値の少なくとも一部に基づく前記特定報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至特徴D4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、後の特定状態において特典用数値が付与されていない状況において、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が実行される。これにより、合計値が増えるまでの間の特定報知を当該報知により補うことができ、合計値の初期化後における遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴D6.所定の前記特定状態よりも後の前記特定状態において所定の場合(蓄積ポイントが保持ポイントより小さい場合)に前記特定報知の実行を制限可能な制限手段(サブ制御装置81によるステップS2604の処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記制限手段による制限状態において、所定の前記特定状態で付与された特典用数値の少なくとも一部に基づく前記特定報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至特徴D5のいずれかに記載の遊技機。
例えば、後の特定状態での合計値が先の特定状態の合計値より小さい状況において特定報知の実行を制限することで、合計値が減少したことの報知が行われることを抑制でき、遊技者に改めての貯め直しの印象を与えないようにする上で好ましい。しかしながらその反面、特定報知の実行頻度が低くなり、遊技者が特典用数値を意識する機会が減る結果、特典用数値への関心が低下してしまう懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行が制限されている状況で、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が行われるため、制限状態での特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴D7.前記特定手段は、所定の前記特定状態で付与された特典用数値の少なくとも一部に基づく前記特定報知を複数回実行することを特徴とする特徴D1乃至特徴D6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、先の特定状態で付与された特典用数値に基づく特定報知が複数回に亘って行われるため、後の特定状態での特定報知の実行頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴D8.前記特定報知実行手段は、
所定の前記特定状態において、前記特定報知として特典用数値の合計値よりも小さい数値又は量を遊技者が認識可能な報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるステップS2804の処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記第1手段による前記特定報知と、当該特定報知が実行されたときの前記合計値(蓄積ポイント)との差分(使用ポイントと蓄積ポイントとの差分値)の少なくとも一部に基づいて前記特定報知を実行する第2手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先の特定状態において生じた特定報知が対応する値と合計値との差分を活用して後の特定状態における特定報知を行うため、当該報知により報知される合計値と、実際の合計値とが乖離することを好適に抑制可能となる。
特徴D9.前記初期化手段により前記合計値が初期化された場合、当該初期化前の前記差分を当該初期化後も保持する手段(サブ制御装置81による差分値を保持する機能)を備えていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成では、合計値が初期化されても差分が消失せず、その後も維持されるため、初期化を跨いで差分を利用することが可能になる。これにより、初期化前の特定報知により生じた差分を、初期化後の特定報知を実行する上で有効に活用することが可能になる。
特徴D10.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る前記特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。そのような構成において、上記特徴D1乃至特徴D9のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴D11.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至特徴D10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴D1乃至特徴D10のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴D12.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、遊技の状況に応じて特定情報(合計ポイント)を変化させることが可能な特定情報可変手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理においてポイントを付与する機能)と、
前記特定情報が所定の内容(特典付与値)となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了した場合、前記特定情報を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理において初期化処理を実行する機能)と、
前記特定情報に関する報知として特定報知(ポイント示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、所定の前記特定状態における初期化前の前記特定情報の少なくとも一部に基づいて、所定の前記特定状態よりも後の前記特定状態において前記特定報知を実行する手段(サブ制御装置81によるステップS3401、ステップS3501の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、上記特徴D1と同様の効果を奏することができる。なお、本特徴に対して上記特徴D1乃至特徴D11のいずれかの構成を適用することができる。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴D1乃至特徴D12の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値(特典付与値)となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(付与示唆演出、トータル示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値(付与ポイント)又は特典用数値の合計値(合計ポイント)よりも大きい値に対応した特定情報(演出可能ポイント、トータルポイント)に基づいて前記特定報知の実行制御を行う特定手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4609、ステップS4801~ステップS4811、ステップS4901~ステップS4911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。加えて、特典用数値に関する報知として特定報知が行われるため、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
このような構成において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、特典用数値の付与機会を多くして特定報知の頻度を高め、特典用数値への遊技者の関心を高めることが好ましい。しかしながらその反面、特典用数値の付与機会を多くすると、付与対応値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得ず、遊技者への訴求力が低下してしまうおそれがある。つまり、特定報知の頻度を高めようとすると、却って特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれてしまう懸念がある。
この点、本構成では、付与契機により付与される特典用数値とは別に、当該特典用数値又はその合計値よりも大きい値に対応した特定情報を導出し、この特定情報に基づいて特定報知の実行制御を行う構成としている。この場合、実際の特典用数値やその合計値よりも大きい数値を前提として特定報知を実行できるため、特定報知の頻度を高めることが可能になる。その際、特定情報は、専ら特定報知の実行制御に用いるに過ぎず、特典の付与には関与しないため、付与対応値への到達難易度が低下することを抑制できる。よって、特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれることを抑制しながら、報知頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
なお、本特徴において「特典用数値に関する報知」は、「前記合計値に対応する報知又は特典用数値の付与に対応する報知」と表現することもできる。
特徴E2.前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント、所定係数)とに基づいて前記特定情報を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成では、特定情報の導出に特典用数値を用いるため、実際に付与された特典用数値との関連性を確保しながら特定情報を導出することができる。よって、特典用数値とは異なる特定情報を用いる構成でありながらも、特定報知の内容が特典用数値の実態と大きく乖離することを抑制することができ、特定報知から遊技者が予測する合計値と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とを整合させたり、近付けたりすることが可能になる。
特徴E3.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と前記所定数値とを加算して前記特定情報を導出することを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成では、付与される特典用数値と所定数値との加算結果により特定情報を得るため、特典用数値がない場合でも特定情報として少なくとも所定数値分の値を確保することができる。よって、付与契機において実際に特典用数値が付与されたかを問わず特定報知を実行することが可能になり、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴E4.前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて前記特定情報の値を決定する決定手段(付与ポイントの大きさに応じた複数のサブポイント抽選テーブルが設けられ、それらの中から実際の付与ポイントに応じたものを取得してサブポイントを抽選する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値に応じて特定情報の値が決定されるため、特典用数値の大きさと特定情報の大きさとをリンクさせることができ、例えば、付与された特典用数値が大きい場合は、それに合わせて特定情報を大きくすることができる。この場合、付与された特典用数値が大きいほど、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まることになるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制可能となる。
なお、本特徴は「前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント)とに基づいて前記特定情報を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4606の処理を実行する機能)と、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて複数の数値(0ポイント、10ポイント等)のうち1の数値を前記所定数値として決定する決定手段(付与ポイントの大きさに応じた複数のサブポイント抽選テーブルが設けられ、それらの中から実際の付与ポイントに応じたものを取得してサブポイントを抽選する機能)と、を備えていることを特徴とする」と表現することもできる。
特徴E5.前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値(20ポイント)である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値(10ポイント)である場合よりも、大きい値の前記特定情報を導出する又は導出しやすいように構成されたことを特徴とする特徴E1乃至特徴E4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、付与された特典用数値が大きいほど特定情報が大きくなり(又はなりやすくなり)、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制できる。つまり、付与量や蓄積量が大きいほど遊技者の期待感がより強く喚起されるものとなるため、いたずらに特定報知の頻度が高められただけのものとはならず、実際の付与量や蓄積量を反映させつつ特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記決定手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値である場合よりも、前記所定数値として大きい数値を決定する又は決定しやすいことを特徴とする特徴E4に記載の遊技機」と表現することもできる。
特徴E6.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、前記特定状態は、所定の開始条件(有利区間への移行に当選したこと)が成立した場合に開始され、所定の終了条件(有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したこと、有利区間増減枚数MYが上限増加枚数に到達したこと、ATモードが終了したこと)が成立した場合に終了するものであり、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値とは別に所定数値(サブポイント又は係数)を導出する第1導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4603の処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記第1導出手段により導出された前記所定数値とに基づいて前記特定情報を導出する第2導出手段(サブ制御装置81によるステップS4604~ステップS4606の処理を実行する機能)と、を備え、
前記第1導出手段は、前記特定状態の開始タイミング又は前記特定状態における最初の前記付与契機に合わせて前記所定数値を導出する手段(ステップS4601~ステップS4603の処理を有利区間の開始時に実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、1の特定状態の中で付与された特典用数値を対象として付与対応値に到達したか否かが判断され、その結果に応じて所定の特典が付与される。そのような構成の下、特定状態の開始タイミング又は特定状態における最初の付与契機に合わせて所定数値を導出するため、特定状態の初期から特定報知の頻度を高めることが可能になる。これにより、特典用数値が付与対応値に到達することへの遊技者の期待感を好適に高めながら、特定状態での遊技を進行させることが可能になる。
特徴E7.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、前記特定状態は、所定の開始条件(有利区間への移行抽選に当選したこと)が成立した場合に開始され、所定の終了条件(有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したこと、有利区間増減枚数MYが上限増加枚数に到達したこと、ATモードが終了したこと)が成立した場合に終了するものであり、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値とは別に所定数値(サブポイント又は係数)を導出する第1導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4603の処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記第1導出手段により導出された前記所定数値とに基づいて前記特定情報を導出する第2導出手段(サブ制御装置81によるステップS4604~ステップS4606の処理を実行する機能)と、を備え、
前記第1導出手段は、前記特定状態が開始された後、予め定められた所定契機(演出可能ポイントが所定値以下となる場合や、有利区間の開始タイミング等からのゲーム数が所定ゲーム数になった場合)に基づいて前記所定数値を導出する手段(ステップS4601~ステップS4603の処理を有利区間の途中で実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、1の特定状態の中で付与された特典用数値を対象として付与対応値に到達したか否かが判断され、その結果に応じて所定の特典が付与される。そのような構成の下、特定状態の途中タイミングで成立する所定契機により所定数値を導出するため、例えば、特定状態の途中で特典用数値が不足するような場合に、それを所定数値(特定情報)により補うことができる。例えば、付与対応値への到達に対して一定程度の難易度を確保すべく、特典用数値の付与契機がある程度抑えられている構成にあっては、特定状態の中盤や終盤で特典用数値がなかなか付与されず、特定報知を行いにくくなる結果、特典用数値に対する遊技者の関心を持続させることが困難となる懸念がある。この点、本構成によれば、特定状態の中盤や終盤での特定報知の頻度を高めることができ、特典用数値に対する遊技者の関心を好適に持続させることが可能になる。
特徴E8.前記所定契機は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が予め定められた所定値以下であることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典用数値が不足する場合に、それを所定数値(特定情報)により補って特定報知を実行することが可能になる。
特徴E9.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備え、
前記第1制御手段は、前記数値付与手段と、前記特典付与手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記特定報知実行手段と、前記特定情報を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4606の処理を実行する機能)とを備え、
前記特定手段は、前記導出手段により導出された前記特定情報に基づいて前記特定報知の実行制御を行うことを特徴とする特徴E1乃至特徴E8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行制御だけでなく、特定情報の導出処理についても第2制御手段側に委ねる構成としているため、第1制御手段の処理負荷が増大することを抑制しながら特定報知の頻度を高めることができる。一般に第1制御手段においては、第2制御手段に比べて不正に対する対策が強化されていることに鑑み、本構成では、遊技を進行させるめの一般制御や、特典用数値の付与、特典用数値が付与対応値に到達した場合の特典付与の制御といった遊技者の利益に関わる処理を第1制御手段に委ねる構成としているが、この場合、第1制御手段の処理負荷が高くなることが想定される。そのような状況で特定報知の実行制御や特定情報の導出処理まで第1制御手段に委ねる構成とすると、処理落ち等が発生して遊技に支障を来す懸念があるが、本特徴によれば、そのような不都合の発生を抑制することができる。
また、本特徴によれば、第1制御手段の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら特定報知の頻度を高めることができ、第1制御手段に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
特徴E10.前記特定報知実行手段は、所定の実行契機に基づいて前記特定報知を実行するか否かを判定する実行判定手段(サブ制御装置81によるステップS4804~4806、ステップS7203~ステップS7204の処理を実行する機能)を備え、前記実行判定手段により前記特定報知を実行すると判定された場合、前記特定報知を実行するように構成されており、
前記特定報知に関する状態として、第1状態(低確率モード)と、前記第1状態よりも前記実行判定手段にて前記特定報知を実行すると判定されやすい第2状態(高確率モード)とを含む複数の状態が設けられており、
前記第1状態において所定の移行条件(高確率モード移行抽選に当選したこと)が成立した場合、前記第2状態に移行させる状態移行手段(サブ制御装置81によるステップS7105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の移行条件が成立することで、特定報知の実行確率が高められた第2状態に移行する。第2状態では、特定報知の頻度が高められるため、特典用数値の合計が付与対応値に到達することへの遊技者の期待感が高められ、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴E11.前記特定手段は、
所定の前記特定報知を行う場合又は行った場合、当該所定の特定報知が対応する値(演出済みポイント)を前記特定情報(演出可能ポイント)から減算して前記特定情報を更新する第1手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4811の処理を実行する機能)と、
前記第1手段により更新された特定情報を含む所定情報(減算による演出可能ポイントの更新後に新たな付与ポイントが付与されていない場合は更新後の演出可能ポイント、新たな付与ポイントが付与されている場合はその付与ポイントを更新後の演出可能ポイントに加算した加算値)に基づいて所定の前記特定報知より後の前記特定報知の実行制御を行う第2手段(サブ制御装置81による更新後の演出可能ポイントに基づいて付与示唆演出の実行制御を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の特定報知を行う場合又は行った場合、その特定報知が対応する値を特定情報から減算し、その残りを後の特定報知を実行するための数値として活用する構成としている。例えば、特典用数値の各回の付与ごとに1回分の特典用数値に基づいて特定報知を実行する構成では、そのときの特典用数値よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合に、その未使用分はその後使用されることなく終了する。これに対して本特徴では、特定情報よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合の未使用分が後の特定報知を実行するための数値として残され、無駄となることが抑制される。つまり、先の特定報知で使用されなかった特定情報を後の特定報知の実行分として有効活用できるため、導出された特定情報に対して効率的に特定報知を実行することが可能になる。これにより、特定報知の実行頻度を高めることができ、特典用数値への遊技者の関心を好適に向上させることが可能になる。
特徴E12.前記特定報知の態様として第1態様(泡小演出)と第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、
前記特定報知に対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値とは異なる第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の態様として複数の態様が設けられているため、都度の特定報知がいずれの態様で実行されるかにより、特典用数値の付与量を示唆等することができる。そのような構成の下、例えば、特定報知に対応する値(特定情報から減算される値)を報知態様にかかわらず一律の大きさとすると、所定情報に基づいて実行制御される後の特定報知の態様が先の特定報知の態様と無関係に選択されることになる。その結果、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とが大きく乖離し、特定報知に対する遊技者の信頼が低下する懸念がある。
この点、本特徴では、先の特定報知の態様に応じた大きさの値が特定情報から減算されるため、先の特定報知の態様と関連させて後の特定報知の態様を選択することができる。よって、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。すなわち、特定報知に対する遊技者の信頼が低下することを抑制しながら、特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記特定報知の態様として、第1態様(泡小演出)と、前記第1態様よりも大きい特典用数値が付与されたことを遊技者に期待させる第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、前記特定報知に対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値よりも大きい第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする」と表現することもできる。
特徴E13.前記第2手段は、前記特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4807の処理を実行する機能)を備え、前記態様決定手段により決定された態様の前記特定報知を実行するように構成されており、
前記態様決定手段は、後の前記特定報知を実行する場合、前記所定情報の範囲内で当該後の特定報知の態様を決定する手段を備えていることを特徴とする特徴E12に記載の遊技機。
上記構成では、所定情報に基づく後の特定報知の実行制御が行われる場合、当該特定報知の態様が所定情報の範囲内で選択される。これにより、実際の特典用数値の蓄積量と乖離して後の特定報知の態様が選択されることが抑制され、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。
特徴E14.前記態様決定手段は、後の前記特定報知を実行する場合、複数の態様のうち前記対応する値が前記所定情報以下の態様から当該後の特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定報知の態様を選択するにあたって、選択肢として予め準備された複数の態様のうち、その時点での所定情報を超える値に対応した態様が選択対象外とされる。これにより、所定情報の範囲内での態様選択を簡単な構成で且つ好適に行うことができ、上記特徴E13の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴E15.前記第1手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されていない場合、前記第1手段により更新された特定情報を前記所定情報とし、
前記第1手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されている場合、当該付与された特典用数値を前記第1手段により更新された特定情報に加算した加算結果を前記所定情報とするように構成されたことを特徴とする特徴E11乃至特徴E14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、実行済みの特定報知に対応する値が減算されて特定情報が更新された後、数値付与手段により新たな特典用数値が付与された場合には、その付与された特典用数値が更新後の特定情報に上乗せされて所定情報が導出される。この場合、そのような上乗せがない場合に比べて所定情報が大きくなるため、結果的に後の特定報知を実行されやすくすることができ、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴E16.前記特定手段は、
前記数値付与手段により特典用数値が付与された場合、前記特定報知を実行することが可能な第1特定手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機に付与示唆演出を実行する機能)と、
前記付与契機が成立したか否か又は前記数値付与手段により特典用数値が付与されたか否かにかかわらず、所定契機(疑似前兆用の連続演出が終了した場合、第1ATモードに移行する場合)に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2特定手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機ではない状況で付与示唆演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、数値付与手段により特典用数値が付与された場合に特定報知を実行する第1特定手段だけでなく、付与契機が成立しているか否かや特典用数値が付与されているか否かにかかわらず、特定報知を実行する第2特定手段を備えている。このため、特典用数値の付与機会を増加させなくても、特定報知の実行頻度を高めることができる。よって、特典用数値の付与機会の増加により特典の程度が低くなることを抑制しながら、報知頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴E17.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備え、
前記第1制御手段は、前記数値付与手段と、前記特典付与手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記特定報知実行手段を備え、
前記第2制御手段において所定の処理(疑似前兆用の連続演出の実行制御)が行われることに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴E16に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定手段による特定報知の実行契機となる所定契機が第2制御手段による所定の処理の実行により成立するため、第2特定手段による特定報知(付与契機が成立していない状況や特典用数値が付与されていない状況での特定報知)の実行制御にあたって、第1制御手段の寄与度を低く抑えることができる。よって、第1制御手段の処理負荷が増大することを抑制しながら、特定報知の頻度を高めることができる。また、本特徴によれば、第1制御手段の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら特定報知の頻度を高めることができ、第1制御手段に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
特徴E18.遊技者にとって有利な特定事象(CZモード、第1ATモード)を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段により前記特定判定が行われた後、当該特定判定の結果に対応した特定演出(連続演出)が実行されるように制御する特定演出実行手段(サブ制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応しない非特定結果であることに対応した態様の前記特定演出(疑似前兆用の連続演出)が行われること又は行われたことに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴E16又は特徴E17に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定手段の判定結果を遊技者に知らせる特定演出が実行される。特定判定手段の判定結果が特定結果となった場合、遊技者に有利な特定事象が発生するため、上記特定演出が行われる場合、遊技者は、当該演出に高い関心を寄せて見ていることが想定される。そのような構成の下、本特徴では、上記特定演出の実行に合わせて第2特定手段による特定報知を実行する構成としたため、特定報知に注目させやすくすることができ、特典用数値への関心を効果的に高めることが可能になる。
加えて、本特徴では、特定演出のうち非特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2特定手段による特定報知を行う構成としている。例えば、特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2特定手段による特定報知を行う構成によっても、特定報知への注目度が高まることが期待されるが、この構成では、特定演出後に発生する特定事象との関係も踏まえて特定報知の態様や実行タイミング等を上手く調整しないと、特定報知による演出効果を適切に発揮できなかったり、特定事象との境界が曖昧となって遊技者の混乱を招いたりする懸念がある。この点、本特徴によれば、そのような面倒な調整が不要となるため、演出設計の手間が増大することを抑制しながら、特定報知への注目度を高めることが可能になる。
なお、本特徴を特徴E17に適用する場合は「前記第1制御手段は、前記特定判定手段と、前記特定事象手段とをさらに備え、前記第2制御手段は、前記特定演出実行手段をさらに備えている」という構成を備えていてもよい。
特徴E19.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E18のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化されるように構成されている。この場合、遊技ホールの営業時間を通して特典用数値を貯めていく場合と比べると、遊技者が特典用数値を増やしていける期間が短縮されるため、結果的に付与対応値への到達頻度が低くなりがちとなる。このため、特典用数値を貯めることへの遊技者の関心が低下し、付与対応値への到達を目指す遊技により遊技者の遊技継続の意欲を高めることが困難となる。そのような状況において上記特徴E1乃至特徴E18のいずれかの構成を適用することで、特定状態中の特定報知の頻度を高めたりすることができ、特定状態の終了により特典用数値が初期化される遊技機に対して特に有益な構成を提供することができる。
なお、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴E20.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る前記特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E19のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。また、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化される構成となっており、遊技ホールの営業時間を通して特典用数値を貯めていく場合と比べ、特典用数値が貯まりにくくなっている。そのような構成において、上記特徴E1乃至特徴E19のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴E21.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E20のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴E1乃至特徴E20のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴E1乃至特徴E21の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(付与示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
特定数値情報(演出可能ポイント)を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)と、
所定の前記特定報知を行う場合又は行った場合、当該所定の特定報知が対応する値(演出済みポイント)を前記導出手段により導出された特定数値情報から減算して特定数値情報を更新する更新手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4811の処理を実行する機能)と、
前記更新手段により更新された特定数値情報を含む所定情報(減算による演出可能ポイントの更新後に新たな付与ポイントが付与されていない場合は更新後の演出可能ポイント、新たな付与ポイントが付与されている場合はその付与ポイントを更新後の演出可能ポイントに加算した加算値)に基づいて所定の前記特定報知より後の前記特定報知の実行制御を行う特定手段(サブ制御装置81による更新後の演出可能ポイントに基づいて付与示唆演出の実行制御を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。加えて、特典用数値に関する報知として特定報知が行われるため、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
このような構成において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、特典用数値の付与機会を多くして特定報知の頻度を高め、特典用数値への遊技者の関心を高めることが好ましい。この点、本構成では、所定の特定報知を行う場合又は行った場合、その特定報知が対応する値を特定数値情報から減算し、その残りを後の特定報知を実行するための数値として活用する構成としている。
例えば、特典用数値の各回の付与ごとに1回分の特典用数値に基づいて特定報知を実行する構成では、そのときの特典用数値よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合に、その未使用分はその後使用されることなく終了する。これに対して本特徴では、特定数値情報よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合の未使用分が後の特定報知を実行するための数値として残され、無駄となることが抑制される。つまり、先の特定報知で使用されなかった特定数値情報を後の特定報知の実行分として有効活用できるため、導出された特定数値情報に対して効率的に特定報知を実行することが可能になる。これにより、特定報知の実行頻度を高めることができ、特典用数値への遊技者の関心を好適に向上させることが可能になる。
なお、本特徴において「特定数値情報(演出可能ポイント)を導出する導出手段」を「前記数値付与手段により付与された特典用数値を用いて特定数値情報(演出可能ポイント)を導出する導出手段」と表現することもできる。
特徴F2.前記特典付与手段は、前記特定数値情報にかかわらず、前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与することを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
本構成では、所定の特典を付与するに際して特定数値情報が参照されず、特定数値情報はあくまでも特定報知を実行するためのものとしか扱われない。つまり、特典用数値を用いた特典の付与と、特定数値情報を用いた特定報知の実行制御とが独立しているため、例えば、特典付与の難易度が低下するなどの不都合が生じることを抑制しつつ、特定報知の実行頻度を高めることが可能となる。
特徴F3.前記特定報知は、特典用数値の付与に対応した報知であることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記特徴F1により特定報知の頻度を高めることができるところ、本特徴の構成によれば、そのような特定報知として特典用数値が付与されたことの報知の頻度を高めることが可能になる。特典用数値が付与されたことの報知が多く行われた場合、特典用数値の合計値が増えている印象を遊技者が抱きやすくなると想定されるため、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴F4.前記特定報知の態様として第1態様(泡小演出)と第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、
前記対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値とは異なる第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする特徴F1乃至特徴F3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の態様として複数の態様が設けられているため、都度の特定報知がいずれの態様で実行されるかにより、特典用数値の付与量を示唆等することができる。そのような構成の下、例えば、特定報知に対応する値(特定数値情報から減算される値)を報知態様にかかわらず一律の大きさとすると、所定情報に基づいて実行制御される後の特定報知の態様が先の特定報知の態様と無関係に選択されることになる。その結果、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とが大きく乖離し、特定報知に対する遊技者の信頼が低下する懸念がある。
この点、本特徴では、先の特定報知の態様に応じた大きさの値が特定数値情報から減算されるため、先の特定報知の態様と関連させて後の特定報知の態様を選択することができる。よって、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。すなわち、特定報知に対する遊技者の信頼が低下することを抑制しながら、特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記特定報知の態様として、第1態様(泡小演出)と、前記第1態様よりも大きい特典用数値の付与を遊技者に期待させることに対応した第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、前記対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値よりも大きい第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする」と表現することもできる。
特徴F5.前記特定手段は、前記特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4807の処理を実行する機能)を備え、前記態様決定手段により決定された態様の前記特定報知を実行するように構成されており、
前記態様決定手段は、後の前記特定報知を実行する場合、前記所定情報の範囲内で当該後の特定報知の態様を決定する手段を備えていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成では、所定情報に基づく後の特定報知の実行制御が行われる場合、当該特定報知の態様が所定情報の範囲内で選択される。これにより、実際の特典用数値の蓄積量と乖離して後の特定報知の態様が選択されることが抑制され、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。
特徴F6.前記態様決定手段は、後の前記特定報知を実行する場合、複数の態様のうち前記対応する値が前記所定情報以下の態様から当該後の特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定報知の態様を選択するにあたって、選択肢として予め準備された複数の態様のうち、その時点での所定情報を超える値に対応した態様が選択対象外とされる。これにより、所定情報の範囲内での態様選択を簡単な構成で且つ好適に行うことができ、上記特徴F5の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴F7.前記特定報知実行手段は、前記所定情報が予め定められた特定値(5ポイント)より小さい場合、前記所定情報に基づく前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS4804の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定情報が十分に確保されていない場合には特定報知の実行が制限されるため、いたずらに特定報知の頻度が高まるものとはならず、実際の特典用数値の蓄積量との乖離を好適に抑制しながら特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「予め定められた特定値」は「前記特定報知の実行に必要最小限の値以上である特定値」と表現することもできる。
特徴F8.前記特定手段は、前記所定情報に基づいて後の前記特定報知を実行するか否かを決定する実行決定手段を備え、前記実行決定手段により後の前記特定報知を実行すると決定された場合、後の前記特定報知を実行することを特徴とする特徴F1乃至特徴F7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定情報に基づいて後の特定報知を実行するか否かを決定するため、当該報知の実行されやすさを所定情報の大小に応じて変化させることができる。例えば、所定情報が大きいほど特定報知の実行確率が高まる構成とすれば、特定報知の実行に使用されずに残存する所定情報を低減することができ、所定情報を効率的に使用することが可能になる。
特徴F9.前記実行決定手段は、前記所定情報が第1の値(20ポイント)である場合、前記所定情報が第2の値(10ポイント)である場合よりも後の前記特定報知を実行すると決定しやすいように構成されたことを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定情報が大きいほど特定報知が積極的に実行されるため、特定報知の実行に使用されずに残存する所定情報を低減することができ、所定情報を効率的に使用することが可能になる。
特徴F10.前記更新手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されていない場合、前記更新手段により更新された特定数値情報を前記所定情報とし、
前記更新手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されている場合、当該付与された特典用数値を前記更新手段により更新された特定数値情報に加算した加算結果を前記所定情報とするように構成されたことを特徴とする特徴F1乃至特徴F9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、実行済みの特定報知に対応する値が減算されて特定数値情報が更新された後、数値付与手段により新たな特典用数値が付与された場合には、その付与された特典用数値が更新後の特定数値情報に上乗せされて所定情報が導出される。この場合、そのような上乗せがない場合に比べて所定情報が大きくなるため、結果的に後の特定報知を実行されやすくすることができ、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴F11.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント、所定係数)とに基づいて前記特定数値情報を導出することを特徴とする特徴F1乃至特徴F10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定数値情報の導出に特典用数値を用いるため、実際に付与された特典用数値との関連性を確保しながら特定数値情報を導出することができる。よって、特典用数値とは異なる特定数値情報を用いる構成でありながらも、特定報知の内容が特典用数値の実態と大きく乖離することを抑制することができ、特定報知から遊技者が予測する合計値と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とを整合させたり、近付けたりすることが可能になる。
特徴F12.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と前記所定数値とを加算して前記特定数値情報を導出することを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
上記構成では、付与される特典用数値と所定数値との加算結果により特定数値情報を得るため、実際に付与された特典用数値よりも大きい数値を前提として特定報知を実行することができる。よって、本特徴を上記特徴F1の構成と組み合わせることで、特定報知の実行頻度を一層好適に高めることが可能になる。さらに本構成では、加算結果により特定数値情報を得るため、特典用数値がない場合でも特定数値情報として少なくとも所定数値分の値を確保することができる。よって、付与契機において実際に特典用数値が付与されたかを問わず特定報知を実行することが可能になり、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴F13.前記特定報知は、特典用数値の付与に対応した報知であり、
特典用数値の合計値に対応した第2特定報知(トータル示唆演出)が前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段にて実行されるように制御する第2特定報知実行手段(サブ制御装置81によるトータル示唆演出用処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定報知実行手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と前記所定数値との加算結果(トータルポイント)に基づいて前記第2特定報知の実行制御を行う手段(サブ制御装置81によるステップS4606、ステップS4907~ステップS4911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F12に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値の付与に対応した特定報知の前提となる特定数値情報と、特典用数値の合計値に対応した第2特定報知の前提となる加算結果とのいずれもが、数値付与手段により付与された特典用数値と所定数値との合計から得られる。すなわち、上記各報知において前提となる数値が揃えられるため、特典用数値の付与に対応した特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計値と、第2特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計値とを整合又は近付けることができる。
特徴F14.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて前記特定数値情報の値(演出可能ポイントのポイント数)を決定する決定手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値に応じて特定数値情報の値が決定されるため、特典用数値の大きさと特定数値情報の大きさとをリンクさせることができ、例えば、付与された特典用数値が大きい場合は、それに合わせて特典数値情報を大きくすることができる。この場合、付与された特典用数値が大きいほど、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まることになるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制可能となる。
なお、本特徴は「前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント)とに基づいて前記特定数値情報を導出するものであり、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて複数の数値(0ポイント、10ポイント等)のうち1の数値を前記所定数値として決定する決定手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする」と表現することもできる。
特徴F15.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値(20ポイント)である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値(10ポイント)である場合よりも、大きい値の前記特定数値情報を導出する又は導出しやすいことを特徴とする特徴F1乃至特徴F14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、付与された特典用数値が大きいほど特定数値情報が大きくなり(又はなりやすくなり)、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制できる。つまり、付与量や蓄積量が大きいほど遊技者の期待感がより強く喚起されるものとなるため、いたずらに特定報知の頻度が高められただけのものとはならず、実際の付与量や蓄積量を反映させつつ特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記決定手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値である場合よりも、前記所定数値として大きい数値を決定する又は決定しやすいことを特徴とする特徴F14に記載の遊技機」と表現することもできる。
特徴F16.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、前記特定状態は、所定の開始条件(有利区間への移行に当選したこと)が成立した場合に開始され、所定の終了条件(有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数に到達したこと、有利区間増減枚数MYが上限増加枚数に到達したこと、ATモードが終了したこと)が成立した場合に終了するものであり、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値とは別に所定数値(サブポイント又は係数)を導出する第1導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4603の処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記第1導出手段により導出された前記所定数値とに基づいて前記特定数値情報を導出する第2導出手段(サブ制御装置81によるステップS4604~ステップS4606の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1導出手段は、前記特定状態の開始タイミングに合わせて前記所定数値を導出する手段(ステップS4601~ステップS4603の処理を有利区間の開始時に実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、1の特定状態の中で付与された特典用数値を対象として付与対応値に到達したか否かが判断され、その結果に応じて所定の特典が付与される。そのような構成の下、特定状態の開始タイミング又は特定状態における最初の付与契機に合わせて所定数値を導出するため、特定状態の初期から特定報知の頻度を高めることが可能になる。これにより、特典用数値が付与対応値に到達することへの遊技者の期待感を好適に高めながら、特定状態での遊技を進行させることが可能になる。
特徴F17.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備え、
前記第1制御手段は、前記数値付与手段と、前記特典付与手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記特定報知実行手段を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定数値情報の導出、実行済みの特定報知が対応する値の減算による特定数値情報の更新、更新後の特定数値情報を含む所定情報に基づく特定報知の実行制御のいずれも第2制御手段側に委ねる構成としているため、第1制御手段の処理負荷が増大することを抑制しながら特定報知の頻度を高めることができる。一般に第1制御手段においては、第2制御手段に比べて不正に対する対策が強化されていることに鑑み、本構成では、遊技を進行させるめの一般制御や、特典用数値の付与、特典用数値が付与対応値に到達した場合の特典付与の制御といった遊技者の利益に関わる処理を第1制御手段に委ねる構成としているが、この場合、第1制御手段の処理負荷が高くなることが想定される。そのような状況で特定数値情報の導出等の各処理まで第1制御手段に委ねる構成とすると、処理落ち等が発生して遊技に支障を来す懸念があるが、本特徴によれば、そのような不都合の発生を抑制することができる。
また、本特徴によれば、第1制御手段の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら特定報知の頻度を高めることができ、第1制御手段に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
特徴F18.前記特定報知実行手段は、前記数値付与手段により特典用数値が付与された場合、前記特定報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機に付与示唆演出を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記付与契機が成立したか否か又は前記数値付与手段により特典用数値が付与されたか否かにかかわらず、所定契機(疑似前兆用の連続演出が終了した場合、第1ATモードに移行する場合)が成立した場合、前記所定情報に基づいて後の前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機ではない状況で付与示唆演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、数値付与手段により特典用数値が付与された場合に特定報知を実行する第1手段だけでなく、付与契機が成立しているか否かや特典用数値が付与されているか否かにかかわらず、特定報知を実行する第2手段を備えている。このため、特典用数値の付与機会を増加させなくても、特定報知の実行頻度を高めることができる。よって、特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれてしまうことを抑制しながら、報知頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴F19.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備え、
前記第1制御手段は、前記数値付与手段と、前記特典付与手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記特定報知実行手段を備え、
前記第2制御手段において所定の処理(疑似前兆用の連続演出の実行制御)が行われることに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴F18に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定手段による特定報知の実行契機となる所定契機が第2制御手段による所定の処理の実行により成立するため、第2特定手段による特定報知(付与契機が成立していない状況や特典用数値が付与されていない状況での特定報知)の実行制御にあたって、第1制御手段の寄与度を低く抑えることができる。また、本特徴によれば、第1制御手段の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら特定報知の頻度を高めることができ、第1制御手段に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
特徴F20.遊技者にとって有利な特定事象(CZモード、第1ATモード)を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段により前記特定判定が行われた後、当該特定判定の結果に対応した特定演出(連続演出)が実行されるように制御する特定演出実行手段(サブ制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応しない非特定結果であることに対応した態様の前記特定演出(疑似前兆用の連続演出)が行われること又は行われたことに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴F18又は特徴F19に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定手段の判定結果を遊技者に知らせる特定演出が実行される。特定判定手段の判定結果が特定結果となった場合、遊技者に有利な特定事象が発生するため、上記特定演出が行われる場合、遊技者は、当該演出に高い関心を寄せて見ていることが想定される。そのような構成の下、本特徴では、上記特定演出の実行に合わせて第2特定手段による特定報知を実行する構成としたため、特定報知に注目させやすくすることができ、特典用数値への関心を効果的に高めることが可能になる。
加えて、本特徴では、特定演出のうち非特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2特定手段による特定報知を行う構成としている。例えば、特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2特定手段による特定報知を行う構成によっても、特定報知への注目度が高まることが期待されるが、この構成では、特定演出後に発生する特定事象との関係も踏まえて特定報知の態様や実行タイミング等を上手く調整しないと、特定報知による演出効果を適切に発揮できなかったり、特定事象との境界が曖昧となって遊技者の混乱を招いたりする懸念がある。この点、本特徴によれば、そのような面倒な調整が不要となるため、演出設計の手間が増大することを抑制しながら、特定報知への注目度を高めることが可能になる。
特徴F21.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F20のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化されるように構成されている。この場合、遊技ホールの営業時間を通して特典用数値を貯めていく場合と比べると、遊技者が特典用数値を増やしていける期間が短縮されるため、結果的に付与対応値への到達頻度が低くなりがちとなる。このため、特典用数値を貯めることへの遊技者の関心が低下し、付与対応値への到達を目指す遊技により遊技者の遊技継続の意欲を高めることが困難となる。そのような状況において上記特徴F1乃至特徴F20のいずれかの構成を適用することで、特定状態中の特定報知の頻度を高めたりすることができ、特定状態の終了により特典用数値が初期化される遊技機に対して特に有益な構成を提供することができる。
なお、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴F22.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る前記特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F21のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。また、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化される構成となっており、遊技ホールの1営業日を通して特典用数値を貯めていく場合と比べ、特典用数値が貯まりにくくなっている。そのような構成において、上記特徴F1乃至特徴F21のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴F23.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至特徴F22のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴F1乃至特徴F22のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴F1乃至F23の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
特典用数値の付与に対応する報知として特定報知(付与示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記数値付与手段により特典用数値が付与された場合、前記特定報知を実行することが可能な第1手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機に付与示唆演出を実行する機能)と、
前記付与契機が成立したか否か又は前記数値付与手段により特典用数値が付与されたか否かにかかわらず、所定契機(疑似前兆用の連続演出が終了した場合、第1ATモードに移行する場合)に基づいて前記特定報知を実行することが可能な第2手段(サブ制御装置81によるポイント付与契機ではない状況で付与示唆演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。加えて、特典用数値の付与に対応する報知として特定報知が行われるため、遊技者は、都度の特定報知により特典用数値が付与されたことを認識でき、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを認識することが可能になる。これにより、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起され、遊技の継続を促すことが可能になる。
このような構成において、遊技継続の意欲を強く喚起する上では、特典用数値の付与機会を多くして特定報知の頻度を高め、特典用数値への遊技者の関心を高めることが好ましい。しかしながらその反面、特典用数値の付与機会を多くすると、付与対応値への到達難易度が低くなる結果、特典の程度を低く抑えざるを得ず、遊技者への訴求力が低下してしまうおそれがある。つまり、特定報知の頻度を高めようとすると、却って特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれてしまう懸念がある。
この点、本特徴では、数値付与手段により特典用数値が付与された場合に特定報知を実行する第1手段だけでなく、付与契機が成立しているか否かや特典用数値が付与されているか否かにかかわらず、特定報知を実行する第2手段を備えている。このため、特典用数値の付与機会を増加させなくても、特定報知の実行頻度を高めることができる。よって、特典用数値を用いた遊技の魅力が損なわれてしまうことを抑制しながら、報知頻度の向上により遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴G2.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した遊技演出が実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備え、
前記第1制御手段は、前記数値付与手段と、前記特典付与手段とを備え、
前記第2制御手段は、前記特定報知実行手段を備え、
前記第2制御手段において所定の処理(疑似前兆用の連続演出の実行制御)が行われることに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成では、第2手段による特定報知の実行契機となる所定契機が第2制御手段による所定の処理の実行により成立するため、第2手段による特定報知(付与契機が成立していない状況や特典用数値が付与されていない状況での特定報知)の実行制御にあたって第1制御手段の寄与度を低く抑えることができる。よって、第1制御手段の処理負荷が増大することを抑制しながら、特定報知の頻度を高めることができる。一般に第1制御手段においては、第2制御手段に比べて不正に対する対策が強化されていることに鑑み、本構成では、遊技を進行させるめの一般制御や、特典用数値の付与、特典用数値が付与対応値に到達した場合の特典付与の制御といった遊技者の利益に関わる処理を第1制御手段に委ねる構成としているが、この場合、第1制御手段の処理負荷が高くなることが想定される。そのような状況で、第2手段による特定報知の実行制御まで第1制御手段に委ねる構成とすると、処理落ち等が発生して遊技に支障を来す懸念があるが、本特徴によれば、そのような不都合の発生を抑制することができる。
また、本特徴によれば、第1制御手段の処理構成が複雑化することを回避し、制御プログラムを簡略化することもできる。このため、プログラム容量の増大を抑制しながら特定報知の頻度を高めることができ、第1制御手段に搭載可能な記憶容量が限られている遊技機において好適な構成とすることができる。
特徴G3.遊技者にとって有利な特定事象(CZモード、第1ATモード)を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段により前記特定判定が行われた後、当該特定判定の結果に対応した特定演出(連続演出)が実行されるように制御する特定演出実行手段(サブ制御装置81による連続演出設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応しない非特定結果であることに対応した態様の前記特定演出(疑似前兆用の連続演出)が行われること又は行われたことに基づいて前記所定契機が成立するように構成されたことを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成では、特定判定手段の判定結果を遊技者に知らせる特定演出が実行される。特定判定手段の判定結果が特定結果となった場合、遊技者に有利な特定事象が発生するため、上記特定演出が行われる場合、遊技者は、当該演出に高い関心を寄せて見ていることが想定される。そのような構成の下、本特徴では、上記特定演出の実行に合わせて第2手段による特定報知を実行する構成としたため、特定報知に注目させやすくすることができ、特典用数値への関心を効果的に高めることが可能になる。
加えて、本特徴では、特定演出のうち非特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2手段による特定報知を行う構成としている。例えば、特定結果に対応した態様の特定演出に対応させて第2手段による特定報知を行う構成によっても、特定報知への注目度が高まることを期待できるが、この構成では、特定演出後に発生する特定事象との関係も踏まえて特定報知の態様や実行タイミング等を上手く調整しないと、特定報知による演出効果を適切に発揮できなかったり、特定事象との境界が曖昧となって遊技者の混乱を招いたりする懸念がある。この点、本特徴によれば、そのような面倒な調整が不要となるため、演出設計の手間が増大することを抑制しながら、特定報知への注目度を高めることが可能になる。
なお、本特徴を特徴G2に適用する場合は「前記第1制御手段は、前記特定判定手段と、前記特定事象手段とをさらに備え、前記第2制御手段は、前記特定演出実行手段をさらに備えている」という構成を備えていてもよい。
特徴G4.始動条件が成立した場合に絵柄(図柄)が可変表示され、停止条件が成立した場合に前記絵柄の可変表示が停止される複数の可変表示領域(表示窓26L、26M、26Lを通じて視認可能な各リール32L、32M、32Rの領域)を備え、
前記特定演出は、複数の前記可変表示領域において前記絵柄の可変表示が開始され、その後、複数の前記可変表示領域において前記絵柄の可変表示が停止されるゲームが複数回行われる期間に亘って実行されるものであることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定演出が複数回のゲームに亘って行われるため、特定演出を他の演出よりも目立ちやすくすることができる。このような構成の下、非特定結果に対応した態様の特定演出が行われること又は行われたことに基づいて特典用数値の付与に対応する特定報知を実行するため、特定報知に遊技者を注目させやすくすることができ、特典用数値への関心を効果的に高めることが可能になる。
なお、本特徴において「前記第2手段は、前記特定演出の最終ゲーム又は当該最終ゲームの次のゲームにて前記特定報知を実行する」という構成をさらに備えてもよい。この場合、遊技者が特定演出の結末に見てから特定報知を見ることができ、特定演出と特定報知との混同を抑制することが可能となる。
特徴G5.始動条件が成立した場合に絵柄(図柄)が可変表示され、停止条件が成立した場合に前記絵柄の可変表示が停止される複数の可変表示領域(表示窓26L、26M、26Lを通じて視認可能な各リール32L、32M、32Rの領域)を備え、複数の前記可変表示領域において前記絵柄の可変表示が開始され、その後、複数の前記可変表示領域において前記絵柄の可変表示が停止されるゲームが行われるように構成されており、
予め定められた所定タイミング(前回の付与示唆演出の実行ゲームや付与契機の成立ゲーム、有利区間の開始ゲーム、電源投入時等)からの前記ゲームの回数が所定回数となった場合、前記所定契機が成立するように構成されていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、例えば、所定タイミングを前回の特定報知の実行ゲームとすることで、特定報知間の間隔が長くなり、特典用数値への遊技者の関心が薄れることを抑制できる。
特徴G6.前記第1手段により実行される前記特定報知の態様と前記第2手段により実行される前記特定報知の態様とが、それら各前記特定報知を遊技者が識別不可となるように構成されたことを特徴とする特徴G1乃至特徴G5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1手段による特定報知と第2手段による特定報知との見分けが付かないため、第2手段による特定報知を実行した場合に、特典用数値が付与されたと遊技者に思わせることができる。これにより、実際には特典用数値が付与されていなかったり、付与契機が成立していなかったりする中でも、特典用数値への遊技者の関心を高め、遊技継続の意欲を好適に喚起することが可能になる。
特徴G7.前記特定報知実行手段は、
特定数値情報(演出可能ポイント)を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)と、
前記第1手段により前記特定報知を行う場合又は行った場合、当該特定報知が対応する値(演出済みポイント)を前記導出手段により導出された特定数値情報から減算して特定数値情報を更新する更新手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4811の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2手段は、前記更新手段により更新された特定数値情報を含む所定情報(減算による演出可能ポイントの更新後に新たな付与ポイントが付与されていない場合は更新後の演出可能ポイント、新たな付与ポイントが付与されている場合はその付与ポイントを更新後の演出可能ポイントに加算した加算値)に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴G1乃至特徴G6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定の特定報知を行う場合又は行った場合、その特定報知が対応する値を特定数値情報から減算し、その残りを後の特定報知を実行するための数値として活用する構成としている。例えば、特典用数値の各回の付与ごとに1回分の特典用数値に基づいて特定報知を実行する構成では、そのときの特典用数値よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合に、その未使用分はその後使用されることなく終了する。これに対して本特徴では、特定数値情報よりも小さい値に対応する特定報知が行われた場合の未使用分が後の特定報知を実行するための数値として残され、無駄となることが抑制される。つまり、先の特定報知で使用されなかった特定数値情報を後の特定報知の実行分として有効活用できるため、導出された特定数値情報に対して効率的に特定報知を実行することが可能になる。これにより、特定報知の実行頻度を高めることができ、特典用数値への遊技者の関心を好適に向上させることが可能になる。
特徴G8.前記特定報知の態様として第1態様(泡小演出)と第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、
前記特定報知に対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値とは異なる第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の態様として複数の態様が設けられているため、都度の特定報知がいずれの態様で実行されるかにより、特典用数値の付与量を示唆等することができる。そのような構成の下、例えば、特定報知に対応する値(特定数値情報から減算される値)を報知態様にかかわらず一律の大きさとすると、所定情報に基づいて実行制御される後の特定報知の態様が先の特定報知の態様と無関係に選択されることになる。その結果、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とが大きく乖離し、特定報知に対する遊技者の信頼が低下する懸念がある。
この点、本特徴では、先の特定報知の態様に応じた大きさの値が特定数値情報から減算されるため、先の特定報知の態様と関連させて後の特定報知の態様を選択することができる。よって、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。すなわち、特定報知に対する遊技者の信頼が低下することを抑制しながら、特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記特定報知の態様として、第1態様(泡小演出)と、前記第1態様よりも大きい特典用数値が付与されたことを遊技者に期待させる第2態様(泡中演出)と含む複数の態様が設定されており、前記特定報知に対応する値として、前記第1態様の前記特定報知に対して第1所定値(5ポイント)が対応し、前記第2態様の前記特定報知に対して前記第1所定値よりも大きい第2所定値(10ポイント)が対応するように構成されたことを特徴とする」と表現することもできる。
特徴G9.前記第2手段は、前記特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS4805~ステップS4807の処理を実行する機能)を備え、前記態様決定手段により決定された態様の前記特定報知を実行するように構成されており、
前記態様決定手段は、前記所定情報の範囲内で前記特定報知の態様を決定する手段を備えていることを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
上記構成では、所定情報に基づく後の特定報知の実行制御が行われる場合、当該特定報知の態様が所定情報の範囲内で選択される。これにより、実際の特典用数値の蓄積量と乖離して後の特定報知の態様が選択されることが抑制され、都度の特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計と、実際の特典用数値の蓄積量とを整合させたり、近付けたりすることができる。
特徴G10.前記態様決定手段は、後の前記特定報知を実行する場合、複数の態様のうち前記対応する値が前記所定情報以下の態様から当該後の特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴G9に記載の遊技機。
上記構成では、後の特定報知の態様を選択するにあたって、選択肢として予め準備された複数の態様のうち、その時点での所定情報を超える値に対応した態様が選択対象外とされる。これにより、所定情報の範囲内での態様選択を簡単な構成で且つ好適に行うことができ、上記特徴G9の構成を実現する上で好ましい態様とすることができる。
特徴G11.前記特定報知実行手段は、前記所定情報が予め定められた特定値(5ポイント)より小さい場合、前記第2手段による前記特定報知の実行を制限する制限手段(サブ制御装置81によるステップS4804の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G7乃至特徴G10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定情報が十分に確保されていない場合には特定報知の実行が制限されるため、いたずらに特定報知の頻度が高まるものとはならず、実際の特典用数値の蓄積量との乖離を好適に抑制しながら特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴の「予め定められた特定値」は「前記特定報知の実行に必要最小限の値以上である特定値」と表現することもできる。
特徴G12.前記更新手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されていない場合、前記更新手段により更新された特定数値情報を前記所定情報とし、
前記更新手段による前記更新が行われた後、前記数値付与手段により特典用数値が付与されている場合、当該付与された特典用数値を前記更新手段により更新された特定数値情報に加算した加算結果を前記所定情報とするように構成されたことを特徴とする特徴G7乃至特徴G11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、実行済みの特定報知に対応する値が減算されて特定数値情報が更新された後、数値付与手段により新たな特典用数値が付与された場合には、その付与された特典用数値が更新後の特定数値情報に上乗せされて所定情報が導出される。この場合、そのような上乗せがない場合に比べて所定情報が大きくなるため、結果的に後の特定報知を実行されやすくすることができ、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴G13.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント、所定係数)とを加算して前記特定数値情報を導出することを特徴とする特徴G7乃至特徴G12のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、付与される特典用数値と所定数値との加算結果により特定数値情報を得るため、実際に付与された特典用数値よりも大きい数値を前提として特定報知を実行することができる。よって、本特徴を上記特徴G1の構成と組み合わせることで、特定報知の実行頻度を一層好適に高めることが可能になる。
この場合において、特定数値情報の導出に特典用数値を用いるため、実際に付与された特典用数値との関連性を確保しながら特定数値情報を導出することができる。よって、特典用数値とは異なる特定数値情報を用いる構成でありながらも、特定報知の内容が特典用数値の実態と大きく乖離することを抑制することができ、特定報知から遊技者が予測する合計値と、実際の特典用数値の蓄積量(合計値)とを整合させたり、近付けたりすることが可能になる。
また、付与される特典用数値と所定数値との加算結果により特定数値情報を得るため、特典用数値がない場合でも特定数値情報として少なくとも所定数値分の値を確保することができる。よって、付与契機において実際に特典用数値が付与されたかを問わず特定報知を実行することが可能になり、特定報知の頻度を好適に高めることが可能になる。
特徴G14.特典用数値の合計値に対応した第2特定報知(トータル示唆演出)が前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段にて実行されるように制御する第2特定報知実行手段(サブ制御装置81によるトータル示唆演出用処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定報知実行手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と前記所定数値との加算結果(トータルポイント)に基づいて前記第2特定報知の実行制御を行う手段(サブ制御装置81によるステップS4606、ステップS4907~ステップS4911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G13に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値の付与に対応した特定報知の前提となる特定数値情報と、特典用数値の合計値に対応した第2特定報知の前提となる加算結果とのいずれもが、数値付与手段により付与された特典用数値と所定数値との合計から得られる。すなわち、上記各報知において前提となる数値が揃えられるため、特典用数値の付与に対応した特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計値と、第2特定報知から遊技者が予測する特典用数値の合計値とを整合又は近付けることができる。
特徴G15.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて前記特定数値情報の値(演出可能ポイントのポイント数)を決定する決定手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G7乃至特徴G14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値に応じて特定数値情報の値が決定されるため、特典用数値の大きさと特定数値情報の大きさとをリンクさせることができ、例えば、付与された特典用数値が大きい場合は、それに合わせて特典数値情報を大きくすることができる。この場合、付与された特典用数値が大きいほど、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まることになるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制可能となる。
なお、本特徴は「前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値と、前記特典用数値又はその合計値とは別の所定数値(サブポイント)とに基づいて前記特定数値情報を導出するものであり、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値に基づいて複数の数値(0ポイント、10ポイント等)のうち1の数値を前記所定数値として決定する決定手段(サブ制御装置81によるステップS4601~ステップS4605の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする」と表現することもできる。
特徴G16.前記導出手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値(20ポイント)である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値(10ポイント)である場合よりも、大きい値の前記特定数値情報を導出する又は導出しやすいことを特徴とする特徴G7乃至特徴G15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、付与された特典用数値が大きいほど特定数値情報が大きくなり(又はなりやすくなり)、特定報知の頻度や特定報知により示される付与量(蓄積量)が高まるため、特定報知から受ける遊技者の印象と、実際に蓄積されている特典用数値とが乖離することを抑制できる。つまり、付与量や蓄積量が大きいほど遊技者の期待感がより強く喚起されるものとなるため、いたずらに特定報知の頻度が高められただけのものとはならず、実際の付与量や蓄積量を反映させつつ特定報知の頻度を高めることが可能になる。
なお、本特徴は「前記決定手段は、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が第1所定値である場合、前記数値付与手段により付与された特典用数値又はその合計値が前記第1所定値よりも小さい第2所定値である場合よりも、前記所定数値として大きい数値を決定する又は決定しやすいことを特徴とする特徴G15に記載の遊技機」と表現することもできる。
特徴G17.遊技状態として少なくとも特定状態(有利区間)を含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特典付与手段は、前記特定状態において前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値が前記付与対応値となった場合、所定の特典を付与可能となるものであり、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化されるように構成されている。この場合、遊技ホールの営業時間を通して特典用数値を貯めていく場合と比べると、遊技者が特典用数値を増やしていける期間が短くなるため、結果的に付与対応値への到達頻度が低くなりがちとなる。このため、特典用数値を貯めることへの遊技者の関心が低下し、付与対応値への到達を目指す遊技により遊技者の遊技継続の意欲を高めることが困難となる。そのような状況において上記特徴G1乃至特徴G16のいずれかの構成を適用することで、特定状態の終了に伴って特典用数値の合計が初期化される中でも遊技継続の意欲を好適に高めることが可能になる。
なお、本特徴において「特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」は、「特典用数値の合計値を低減させる低減手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)」と表現することもできる。
特徴G18.遊技状態として、少なくとも、遊技者にとって有利な特定事象(ATモード移行、押し順報知)が生じ得る前記特定状態(有利区間)と、当該特定事象が生じない通常状態(通常区間)とを含む複数の遊技状態が設定されており、
前記特定状態において、前記特定事象を生じさせるか否かの特定判定を実行可能な特定判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段による特定判定の結果が前記特定事象を生じさせることに対応する特定結果である場合、前記特定事象を生じさせる特定事象手段(主制御装置101によるATモードへ移行させるための処理、入賞結果対応処理を実行する機能)と、
予め定められた移行条件が成立した場合、遊技状態を前記特定状態へ移行させる特定状態移行手段(主制御装置101による区間表示第1処理において有利区間へ移行させる処理を実行する機能)と、
予め定められた終了条件が成立した場合、前記特定状態を終了させる特定状態終了手段(主制御装置101による区間表示第2処理において有利区間を終了させる処理を実行する機能)と、
前記特定状態が終了する場合又は終了した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技者にとって有利な特定事象の発生や特典用数値の付与を特定状態に限定して受けられるものとなっており、遊技の面白みを享受できる状況として特定状態が強調されている。また、特定状態の終了に伴って特典用数値が初期化される構成となっており、遊技ホールの1営業日を通して特典用数値を貯めていく場合と比べ、特典用数値が貯まりにくくなっている。そのような構成において、上記特徴G1乃至特徴G17のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴G19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて所定の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する数の遊技媒体の払出を行う払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴G1乃至特徴G18のいずれかに記載の遊技機。
上記構成を有するスロットマシンに上記特徴G1乃至特徴G18のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
なお、上記特徴G1乃至特徴G19の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.予め定められた付与契機(ポイント付与契機)に基づいて特典用数値(ポイント)を付与可能な数値付与手段(主制御装置101による第1ポイント抽選用処理及び第2ポイント抽選用処理を実行する機能)と、
前記数値付与手段により付与された特典用数値の合計値(合計ポイント)が特典の付与に対応した付与対応値となった場合、遊技者に所定の特典(第2ATモードへの移行)を付与可能な特典付与手段(主制御装置101による第1ATモード終了用処理を実行する機能)と、
特典用数値に関する報知として特定報知(付与示唆演出)が所定の報知手段(補助表示部65)にて実行されるように制御する特定報知実行手段(サブ制御装置81によるポイント用処理及びポイント演出実行用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定報知として、前記数値付与手段により付与された特典用数値に対応する報知としての第1特定報知(付与示唆演出)を実行する第1手段(サブ制御装置81による付与示唆演出用処理を実行する機能)と、
前記特定報知として、特典用数値の合計値に対応する報知としての第2特定報知(トータル示唆演出)を実行する第2手段(サブ制御装置81によるトータル示唆演出用処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定報知の態様として複数の態様(泡小演出、泡中演出、泡大演出、泡特大演出)が設定されており、
前記第2手段は、先に実行された前記第1特定報知の態様に基づいて前記第2特定報知の態様を決定する態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS8201、ステップS8202、ステップS8305、ステップS8306、ステップS8308~ステップS8310の処理を実行する機能)を備え、前記態様決定手段により決定された態様の前記第2特定報知を実行することを特徴とする遊技機。
本構成では、付与契機の成立により特典用数値が付与され、その合計値が付与対応値に達すると、遊技者に所定の特典が付与される。加えて、特典用数値の付与に対応した第1特定報知では複数の態様が設けられるため、いずれの態様で第1特定報知が行われるかにより特典用数値の付与量を示唆等することができる。また、当該第1特定報知とは別に、付与された特典用数値の合計値に対応した報知としての第2特定報知が行われる。それら両報知がそれぞれ実行されることにより、付与対応値に向けて合計値が増えていくことを遊技者が認識することができ、特典用数値をさらに増やしていこうとする意欲が喚起される。つまり、遊技の継続を促すことができる。
そのような構成の下、例えば、実行抽選を経て第1特定報知を行う構成では、実際には特典用数値が付与されていても第1特定報知が行われない場合があるため、第1特定報知からすると特典付与値がさほど蓄積されていないはずなのに、第2特定報知では大きい合計値が示唆等されるなど、遊技者が第1特定報知から予測する合計値と、第2特定報知から予測する合計値とが大きく乖離する事態が生じ得る。この場合、遊技者としてはいずれの特定報知を信頼してよいか分からず、混乱するおそれがある。この点、本特徴では、先に実行された第1特定報知の態様、すなわち、第1特定報知の実績に基づいて第2特定報知の態様を決定するため、第2特定報知により示唆等される合計値を第1特定報知からの予測合計値と整合又は近付けることができ、遊技者の混乱を好適に抑制することが可能になる。
特徴H2.前記第1特定報知の各態様には値(演出済みポイント)が設定されており、
前記特定報知実行手段は、先に実行された前記第1特定報知の態様に対応する値の累積加算値(トータルポイント)を導出する導出手段(サブ制御装置81によるステップS8203、ステップS8204の処理を実行する機能)を備え、
前記態様決定手段は、前記導出手段により導出された累積加算値に基づいて前記第2特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定報知の各態様に対して固有の値が設定されており、先に実行された第1特定報知の態様に対応する値の累積加算値を導出することで、実行された第1特定報知の実績を簡単に把握することができる。よって、この累積加算値に基づいて第2特定報知の態様を決定することで、第1特定報知の実績に基づく第2特定報知を好適に実施することが可能となる。
特徴H3.予め定められた所定条件(有利区間の終了)が成立した場合、特典用数値の合計値を初期化する初期化手段(主制御装置101による区間表示第2処理においてステップS2109の処理を実行する機能)を備え、
前記態様決定手段は、前記初期化手段による初期化後に行われ且つ先に実行された前記第1特定報知の態様に基づいて前記第2特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値の合計値が初期化されてからの第1特定報知の実績に基づいて第2特定報知が実行される。この場合、初期化前における第1特定報知の実績は、第2特定報知の態様を決定する場合に参照されなくなるため、第2特定報知により実際の特定用数値の合計よりも大きい値が示されることが抑制され、実際の特典用数値の合計値に見合った第2特定報知を実行することが可能となる。
なお、本特徴を上記特徴H2に適用した場合、「前記初期化手段により特典用数値の合計が初期化された場合、前記導出手段により導出された累積加算値を初期化する第2初期化手段を備えている」という構成をさらに備えていてもよい。
特徴H4.前記第2手段は、
前記態様決定手段としての第1態様決定手段と、
所定の場合(付与ポイントの合計値が特典対応値以上となった場合)、先に実行された前記第1特定報知の態様にかかわらず、前記第2特定報知の態様を決定する第2態様決定手段(サブ制御装置81によるステップS8304、ステップS8307の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴H1乃至特徴H3のいずれかに記載の遊技機。
例えば、1回の付与契機で大きな特典用数値が付与された場合等では、特典用数値の合計値に急激に増加する。この場合、増加した特典用数値の合計値に対して第1特定報知の実績が不足がちとなり、第2特定報知において小さな値しか報知できなくなる懸念がある。この点、本構成では、状況によっては、第1特定報知の実績とは無関係に第2特定報知の態様を決定できるため、第1特定報知の実績が乏しくても第2特定報知において大きな値を報知することが可能になる。よって、特典用数値の合計値が急激に増加した場合等に対して好適に対処することが可能になる。
特徴H5.前記第2態様決定手段は、特典用数値の合計値又は当該合計値に対応する値(抽選さ5たサブポイントを付与ポイントの合計値に加算した値)が予め定められた所定値(特典付与値、抽選されたサブポイントを特典付与値に加算した値)以上となった場合、先に実行された前記第1特定報知の態様にかかわらず、前記第2特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値の合計値等が所定値以上となった場合、第1特定報知の実績にかかわらず、第2特定報知の態様を決定するため、1回の付与契機で大きな特典用数値が付与されて急激に特典用数値の合計値が増加した場合等に、第2特定報知により大きな値を報知することが可能になる。
特徴H6.前記第2態様決定手段は、特典用数値の合計値が前記付与対応値以上となった場合又は前記合計値に対応する値が前記付与対応値に対応する値(抽選されたサブポイントを特典付与値に加算した値)以上となった場合、先に実行された前記第1特定報知の態様にかかわらず、前記第2特定報知の態様を決定することを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
上記構成では、特典用数値の合計値が付与対応値以上になった場合、第1特定報知の実績にかかわらず、第2特定報知の態様が決定されるため、第1特定報知の実績が十分でない状況でも付与対応値以上になったことに対応する報知を実行することが可能になる。
なお、上記特徴H1乃至H6の各構成に対して、特徴A1乃至A23、特徴B1乃至B18、特徴C1乃至C16、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E21、特徴F1乃至F23、特徴G1乃至G19、特徴H1乃至H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
下記の特徴I群~M群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008-295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技ホールの従業員に対して遊技機の状態を報知する上で未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴I群>
特徴I1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
を備えた遊技機であって、
複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
前記扉体を開状態とした場合に操作可能な位置に設けられた特定操作手段(設定キー挿入孔73、電源スイッチ71、リセットスイッチ72)と、
前記特定操作手段の操作を含む所定操作(設定変更の開始操作、設定変更操作、電源投入操作、設定値の表示操作、設定値表示の終了操作)が行われた場合又は前記所定操作が行われた後に特定操作(設定変更の終了操作、前面扉12の閉操作)が行われた場合に前記特定判定手段の判定結果に対応する特定報知(内部状態報知)が所定の報知手段(下表示部69、補助表示部65、スピーカ64a~64n)にて行われるようにする特定報知実行手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。
この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かが判定され、その結果に対応した特定報知が所定の報知手段にて行われる。その際の特定報知は、扉体を開放した場合に操作可能な特定操作手段により所定操作が行われたこと又はその所定操作が行われた後に特定操作が行われたことを契機として行われる。扉体を開放して特定操作手段を操作し得るのは基本的にホール従業員に限られるため、上記構成とすることで、ホール従業員が遊技機に触れていたり、遊技機のすぐ近くにいたりする状況で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
なお、本特徴の「前記所定操作が行われた後に特定操作が行われた場合」について、「前記所定操作が行われた後に、前記抽選手段による抽選処理の契機となる操作とは異なる特定操作が行われた場合」という構成を備えてもよい。
特徴I2.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記特定操作手段(設定キー挿入孔73、リセットスイッチ72)は、前記設定値の設定を変更する場合に操作されるものであることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成では、特定操作手段として設定変更に用いる操作手段が操作された場合に特定報知が実行される。設定値の変更はホール従業員により行われるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
また、設定値の変更は、遊技ホールの営業開始前、換言すれば、遊技者が遊技ホールにいない状況で行われるのが一般的である。よって、本構成とすることで、ホール従業員を対象とする特定報知が遊技者の目前で行われることを抑制できる。これにより、遊技者が特定報知を見るなどした場合に当該報知が気になって遊技に集中しにくくなったり、特定役の当選状態であるか否かが不用意に遊技者に知らされてしまったりすることを抑制できる。
特徴I3.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記所定操作は、前記設定値の変更が許容される状態とする操作(設定変更の開始操作(設定キーをオン状態として電源を投入する操作))、前記設定値を変更する操作(設定変更操作(設定キーをオン状態として電源を投入した後、リセットスイッチ72を押し下げする操作))、現在の前記設定値を所定表示部(クレジット表示部60)に表示させる操作(設定値の表示操作(設定キーをオン状態とする操作))又は前記所定表示部における前記設定値の表示を終了させる操作(設定値表示の終了操作(設定キーをオン状態からオフ状態に切り替える操作))を含む操作であることを特徴とする特徴I1又は特徴I2に記載の遊技機。
上記構成では、設定値の変更を許容状態とする操作又は実際に設定値を変更する操作を特定報知の実行契機としている。これにより、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことができ、さらには、特定報知が遊技者の目前で行われることを抑制できる。
特徴I4.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記特定報知実行手段は、前記特定操作が行われた場合に前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記特定操作は、前記設定値の変更が許容される状態から前記設定値の変更が制限される状態に移行させる操作(設定変更終了操作(設定変更を行った後にスタートレバー41をオン状態とする操作))であることを特徴とする特徴I1乃至特徴I3のいずれかに記載の遊技機。
特定役の非当選状態から当選状態に変更するには、抽選手段の抽選処理を実行させて特定役に当選させる必要がある。つまり、設定変更を終了させてから第1操作手段を操作する必要があるため、ホール従業員からすると、設定変更の途中で特定役の当選状態であるか否かを知らされても直ちに対処することができない。この点、本構成では、設定値変更の許容状態から当該変更の制限状態への移行操作、すなわち、設定変更を終了させる操作が行われた場合に特定報知が実行される。これにより、特定役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから特定報知が実行されるものとなり、ホール従業員にとって好適なタイミングで特定役の当選状態であるか否かを知らせることが可能になる。
また、遊技機によっては、設定変更の許容状態とされたり、設定変更が行われたりする場合に、それらの状態を報知するものとして設定変更報知を実行するものがある。このようなタイプの遊技機において、設定変更の開始時や設定変更の途中で特定報知を実行すると、設定変更報知と特定報知との重複が生じる。その際、それらの報知を重複して実行する構成とした場合には、複数の報知が同時に行われることで各報知の識別性が低下する懸念があり、逆に、両報知の期間を切り分けて実行する構成とした場合には、報知設計に際してその調整を行う必要が生じ、設計負担が増大するおそれがある。この点、本構成によれば、設定変更の終了を待って特定報知が実行されるため、設計段階での調整を要することなく、両報知が重複することを回避できる。よって、報知設計の作業負担を軽減しながら各報知の識別性を高めることが可能になる。
特徴I5.前記特定操作手段は、当該遊技機の電源を投入するための電源用操作部(第10、第11の実施の形態に係る電源スイッチ71)であり、
前記所定操作は、前記電源用操作部を用いて当該遊技機の電源を投入する操作であることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成では、電源用操作部が操作された場合に特定報知が実行される。遊技機への電源投入はホール従業員により行われるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。また、遊技機の電源投入は各営業日において毎日行われるため、特定役の当選状態であるか否かの確認が遊技ホールでの日常点検に組み込まれるように促すことができる。これにより、特定役の当選状態でない状況で遊技が行われることを好適に抑制できる。
特徴I6.前記扉体の開状態又は閉状態の少なくとも一方を検知することが可能な扉体用検知手段(扉開放センサ27)と、
前記特定報知実行手段は、当該遊技機の電源が投入され、前記扉体用検知手段により前記扉体の開状態が検知された場合に、前記特定報知が実行されるようにする手段(前面扉12が開放されている状況で電源投入された場合に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
遊技機への電源投入は、特定操作手段が操作された場合に限らず、停電により遊技ホールへの外部電力の供給が遮断された後、送電設備の復旧により外部電力の供給が再開された場合にも生じる。そのような停電からの復帰による電源投入の場合は、遊技機の近くに遊技者がいる可能性があるため、特定報知が遊技者の目前で行われるおそれがある。このような場合、特定操作手段が操作されて電源投入されたのか、そのような操作を伴わずに電源投入されたのかを遊技機が判別し、前者を対象として特定報知を行う構成とすることが好ましい。しかしながら、特定操作手段が操作される直前状態では遊技機がオフ状態(動作していない状態)にあるため、そのような判別を行うことは必ずしも容易ではない。
この点、本構成では、電源が投入されたときに扉体の開状態が検知された場合を、特定操作手段の操作により電源が投入された状態であると推定し、この場合を対象として特定報知を実行する構成としている。停電状態からの復帰の場合は扉体が閉じられた状態で電源が投入されると想定されるため、本構成とすることで、遊技者の目前で特定報知が実行されることを好適に抑制することが可能になる。
特徴I7.前記特定判定手段は、前記所定操作が行われた場合に又は当該遊技機の電源が投入されてから前記特定操作が行われるまでの期間における所定のタイミング(設定変更の終了タイミング、電源投入のタイミング、前面扉12の閉鎖タイミング等)で前記特定役の当選状態であるか否かを判定する手段(第1、9~11の実施の形態に係る設定変更又は電源投入が行われた場合に2枚内部状態であるか否かの判定を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記判定が行われた後に前記特定報知が実行されるようにする手段(第1、9~11の実施の形態に係る内部状態の把握処理の実行後に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、扉体が開状態とされた後、所定操作が行われたこと又は特定操作が行われるまでの期間における所定のタイミングとなることを契機として特定役の当選状態であるか否かが判定される。これにより、遊技機の最新の状態を反映させた特定報知を好適に行うことが可能になる。
なお、本特徴を特徴I2から特徴I4のいずれかの構成に適用する場合には、本特徴の「前記所定操作が行われた場合に又は当該遊技機の電源が投入されてから前記特定操作が行われるまでの期間における所定のタイミング」を「当該遊技機の電源が投入されてから前記所定操作又は前記特定操作が行われるまでの期間における所定のタイミング」と言い換えることができる。遊技機の電源が投入されてから所定操作又は特定操作が行われるまでの期間においては遊技(ゲーム)が進行しないため、遊技機の電源が投入される都度、電源投入時の遊技機の状態を対象として特定役の当選状態であるか否かを判定することができる。これにより、電源投入時の状態を反映させた特定報知を行うことができる。
特徴I8.前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記特定役の非当選状態であると判定された場合に前記特定報知が実行されるようにする手段(2枚内部状態でない場合に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定役の非当選状態である場合(特定役の当選状態でない場合)に特定報知が実行される。これにより、ホール従業員に対して特定役の当選状態でないことを好適に知らせることが可能になる。
特徴I9.前記扉体が開状態である場合に前記特定報知とは異なる所定報知(扉開放報知)が実行されるようにする所定報知実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示及び扉開放報知音の出力を実行する機能)と、
前記所定報知の実行期間と前記特定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知よりも優先して実行されるようにする優先化手段(第1、第10の実施の形態に係るサウンドIC184a~184nによる音出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I8のいずれかに記載の遊技機。
本特徴が前提とする構成では、扉体が開状態である状況で操作可能な特定操作手段が操作されたことを契機として特定報知が行われるため、特定報知の実行期間と、所定報知(扉開放に対応する報知)の実行期間とが重複することが想定される。本構成では、そのような場合に、特定報知よりも所定報知が優先して実行され、扉体が開状態であることがホール従業員に知らされる。これにより、扉体の閉め忘れが抑制され、不正行為の助長に繋がることを抑制できる。
また、所定報知(扉開放報知)を優先させることで、特定報知のタイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、特定役の非当選状態から当選状態への変更には、扉体を閉状態としてから第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要がある。このため、扉体が開状態である状況で特定報知が積極的になされても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。よって、扉が開状態である状況では、扉開放報知の実行により扉体の閉鎖を促し、その閉鎖が行われてから特定報知を実行することで、ホール従業員としては、対処が可能となってから特定役の当選・非当選の状況が知らされるものとなり、ホール従業員にとって好ましいタイミングでの報知が可能となる。
なお、本特徴において「前記所定報知が優先的に実行された後又は前記扉体が閉状態とされた場合に前記特定報知が実行されるようにする手段を備えている」という構成をさらに備えていてもよい。この構成によれば、所定報知が優先的に出力された後、所定報知が終了すること又は扉体が閉状態となることに応じて非優先側の特定報知(特定役の当選状態であるか否かの報知)が実行される。これにより、所定報知が優先化される状況でも、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に知らせることができる。
特徴I10.前記所定報知実行手段は、前記所定報知が前記所定の報知手段(スピーカ64a~64n)にて実行されるようにするものであり、
前記所定報知及び前記特定報知が音による報知(扉開放報知音及び内部状態報知音)であることを特徴とする特徴I9に記載の遊技機。
聴覚的な報知において複数の報知が併せて実行されると、ホール従業員が個々の報知を聞き取りにくくなることが想定される。この点、本構成では、所定音声報知と特定音声報知との重複実施が回避され、前者の報知音が優先的に出力されるため、報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。
特徴I11.前記所定報知実行手段は、
前記所定報知に対応した所定表示(扉開放表示)が実行されるようにする所定表示実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示を実行する機能)と、
前記所定報知に対応した所定音声報知(扉開放報知音)が前記所定の報知手段としての音声出力部(スピーカ64a~64n)から出力されるようにする所定音声報知実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放報知音を出力する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定報知に対応した特定表示(内部状態表示)が実行されるようにする特定表示実行手段(第1、第10の実施の形態に係る内部状態表示を実行する機能)と、
前記特定報知に対応した特定音声報知(内部状態報知音)が前記音声出力部から出力されるようにする特定音声報知実行手段(第1、第10の実施の形態に係る内部状態報知音を出力する機能)と、
を備え、
前記所定報知の実行期間と前記特定報知の実行期間とが重複する場合において、前記所定表示と前記特定表示とを並行して実行可能に構成されており(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示を補助表示部65にて行い、内部状態表示を下表示部69にて行う構成)、
前記優先化手段は、前記所定音声報知が前記特定音声報知よりも優先して出力されるようにするものであることを特徴とする特徴I9又は特徴I10に記載の遊技機。
聴覚的な報知である所定音声報知と特定音声報知とについては、前者を後者よりも優先することで、各報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。しかしながら、特定音声報知の開始を遅らせる分、特定役の当選状態であるか否かの報知期間が短くなることが懸念される。この点、本構成では、特定音声報知を所定音声報知から遅らせて実行する一方で、視覚的な報知である所定表示と特定表示とについては並行して実行する構成としている。つまり、特定音声報知の実行に先行して特定表示が実行されるため、報知期間が不足することを好適に抑制可能となる。
なお、本特徴においてさらに「前記所定表示と前記特定表示とを異なる表示部(補助表示部65と下表示部69)にて並行して実行可能に構成されている」という特徴を備えてもよい。この構成によれば、所定表示と特定表示とが並行して行われる場合において、表示領域の制約により各報知の表示サイズが小さくなって視認性が低下することが抑制され、それら両報知の識別性を高めることが可能になる。
特徴I12.前記特定報知実行手段は、前記特定報知としての特定表示が前記所定の報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記扉体が開状態である場合に前記特定表示とは異なる所定表示(扉開放表示)が前記所定の報知手段(下表示部69)とは異なる報知手段(上部ランプ部63)にて実行されるようにする所定表示実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定表示(扉開放に対応する表示)と特定表示(特定役の当選状態であるか否かに対応する表示)とが異なる報知手段にて実行されるため、それら各報知の実行期間が重複した場合でも両者を区別して実行することができる。
なお、本特徴において「前記異なる報知手段は、前記所定の報知手段よりも当該遊技機において上側に配置される」という特徴をさらに備えてもよい。この構成によれば、所定表示を特定表示よりも目立つようにして報知することができ、不正行為を防止する上で好ましい態様とすることができる。
特徴I13.前記特定報知実行手段は、前記特定操作が行われた場合に前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記特定操作は、前記扉体を開状態から閉状態に切り替える操作であることを特徴とする特徴I1乃至特徴I8のいずれかに記載の遊技機。
特定役の非当選状態から特定役の当選状態に移行させるには、抽選手段の抽選処理を実行させて特定役に当選させる必要がある。つまり、扉体を閉めてから第1操作手段を操作する必要があるため、ホール従業員からすると、扉体が開いている状況で特定役の当選状態であるか否かを知らされても直ちに対処することができない。この点、本構成では、扉体が開状態から閉状態とされた場合に特定報知が実行されるため、対処が可能な適切なタイミングで特定役の当選状態であるか否かを知らせることができる。
また、扉体が開状態である状況では、それに対応した扉開放報知が実行されるため、特定報知と扉開放報知の重複が想定される。このため、報知の設計に際してその調整が必要となると考えられるが、本構成であれば、そのような重複を回避することができるため、報知設計の負担増を抑制することが可能になる。
特徴I14.前記所定の報知手段が前記扉体の前面部に設けられていることを特徴とする特徴I13に記載の遊技機。
上記構成では、扉体の前面部に設けられた報知部を介して特定報知が行われるため、扉体を閉めたホール従業員の正面で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かを分かりやすく報知できるほか、特定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見落としを好適に抑制することが可能になる。
特徴I15.前記特定判定手段は、当該遊技機の電源が投入されてから前記扉体の開状態から閉状態への切り替えが行われるまでの期間における所定のタイミング(前面扉12の閉鎖タイミング、電源投入タイミング、電源投入から所定期間が経過したタイミング等)で前記特定役の当選状態であるか否かを判定する手段(第9及び第11の実施の形態に係る前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かの判定を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記判定が行われた後に前記特定報知が実行されるようにする手段(第9及び第11の実施の形態に係る2枚内部状態の判定後に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I13又は特徴I14に記載の遊技機。
遊技機の電源が投入されてから扉体が閉状態となるまでの期間においては遊技が進行されず、特定役の当選状態であるか否かについて状態が変化しないと想定される。よって、遊技機の電源が投入されてから扉体が閉状態となるまでの期間における所定のタイミングで特定役の当選状態であるか否かを判定することで、電源投入時の状態を対象として当該判定を行うことができる。これにより、遊技ホールの開店前において特定役の当選状態でない場合はそれを確実に報知することができ、特定役に当選していない状況で遊技者による遊技が行われることを抑制できる。
特徴I16.前記特定役の非当選状態として、第1状態(非内部状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態)とを含む複数種の状態を有しており、
前記第2状態において前記特定操作手段の操作を含む特定の操作(設定キーがオン状態とされた状況で電源が投入されること)が行われた場合に前記第1状態となるように特定処理(第3内部状態、第1BB状態、第2BB状態をクリアする処理)を実行する特定処理実行手段(主制御装置101による第1RAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記所定操作の少なくとも一部と前記特定の操作とが同じ操作であることを特徴とする特徴I1乃至特徴I15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在しており、そのような場合において特定報知の態様を異ならせて個々の状態を知らせようとすると、特定報知の種類数が増えることに繋がる。特定報知の種類数が増えると、ホール従業員から見て分かりにくくなるだけでなく、報知設計の場面でも設計者の作業負担が増すことが想定される。また、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在する場合は、特定役の非当選状態を解消するための対処方法の数も増えるため、複数種の状態のうちのいずれであるかにより、ホール従業員が異なる対応を強いられる結果、その作業負担が増大する懸念もある。
この点、本構成では、特定役の非当選状態の1つである第2状態である状況で特定の操作が行われると、上記非当選状態の他の1つである第1状態に移行するように構成され、その上で、特定報知の実行契機となる所定操作の少なくとも一部と、第2状態から第1状態への移行契機である特定の操作とが共通するように両操作が設定されている。これにより、遊技機の電源投入時に第2状態である場合に、特定報知の契機となる操作をホール従業員が行うことで、自ずと第1状態に変更されるものとなり、非当選状態の種類数を減らして特定報知を実行することができる。よって、特定報知が多様化することが抑制され、報知を分かりやすくしたり、報知設計の負担を少なく抑えたりすることができる。また、特定役の非当選状態である場合の対処方法の数も少なく抑えることができるため、ホール従業員の作業負担を軽減することも可能になる。
特徴I17.前記特定役の当選状態は、通常遊技で行う第1規定数(3)とは異なる第2規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であり、
前記特定報知は、前記内部状態であること又は当該内部状態ではないことに対応した報知であることを特徴とする特徴I1乃至特徴I16のいずれかに記載の遊技機。
第2規定数の内部状態に移行した後、通常遊技にて遊技者が第1規定数で遊技を行うことにより当該内部状態を持ち越して遊技を続けることを前提として遊技設計が行われている遊技機がある。このような遊技機において、特徴I1から特徴I16のいずれかの構成を適用することで、第2規定数の内部状態ではない状況で遊技者による遊技が行われることを好適に抑制することが可能になる。
なお、本特徴を特徴I1に適用した場合には、「前方に開放された筐体(筐体11)と、前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、を備えた遊技機であって、複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、を備え、通常遊技で行う規定数(3)とは異なる規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、前記扉体を開状態とした場合に操作可能な位置に設けられた特定操作手段(設定キー挿入孔73、電源スイッチ71、リセットスイッチ72)と、前記特定操作手段の操作を含む所定操作(設定変更の開始操作、設定変更操作、電源投入操作)が行われた場合又は前記所定操作が行われた後に特定操作(設定変更の終了操作、前面扉12の閉操作)が行われた場合に前記特定判定手段の判定結果に対応する特定報知(内部状態報知)が所定の報知手段(下表示部69、補助表示部65、スピーカ64a~64n)にて行われるようにする特定報知実行手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。」と表現することができる。
特徴I18.前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役として前記特定役(第2BB役)が設定されており、
遊技の賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段の抽選結果が前記特定役の当選結果となり、前記有効位置に前記特定役に対応する特定の絵柄組み合わせ(第2BBの絵柄組み合わせ)が停止した場合に、遊技状態を特定遊技状態(第2BB状態)に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定役の当選状態である状況で前記有効位置に前記特定の絵柄組み合わせが停止しなかった場合に、前記特定役の当選状態を留保可能な留保手段(主制御装置101による第2BB役の当選状態を持ち越す機能)と、
を備え、
前記留保手段により前記特定役の当選状態が留保されている特定留保状態である状況で遊技の賭数を前記第1賭数とは異なる第2賭数(3ベット)として遊技することが可能であり、前記特定留保状態である状況で前記第2賭数により遊技が行われる場合に前記有効位置への前記特定の絵柄組み合わせの停止又は前記特定遊技状態への移行が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴I1乃至特徴I17のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1賭数で特定役の当選状態とした後、遊技の賭数を第2賭数として遊技を行っている状況では特定遊技状態へ移行せず、上記当選状態を持ち越したまま遊技を続けることが可能になる。そのような遊技を前提として遊技設計が行われている遊技機があり、このような遊技機において特定役の非当選状態である状況では、遊技者が遊技を行う事前に、その旨がホール従業員に報知されて対処されることが望ましい。このような構成に対して特徴I1から特徴I17のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴I19.前記特定役の当選状態で前記第2賭数により遊技が行われるよりも前記特定役の非当選状態で前記第2賭数により遊技が行われる方が遊技者にとって不利となるように構成されていることを特徴とする特徴I18に記載の遊技機。
上記構成では、特定役の当選状態で第2賭数により遊技が行われるよりも特定役の非当選状態で遊技が行われる方が不利となっており、このような構成に対して特徴I1から特徴I16のいずれかの構成を適用することで、そのような不利な状況で遊技者が遊技する事態となることを好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴I1乃至I19の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴J群>
特徴J1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
第1条件(設定変更の終了操作が行われること、設定変更の終了後に前面扉12が閉鎖されること)が成立した場合に前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第9の実施の形態に係る内部状態報知用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段の判定結果に対応した特定報知(内部状態報知)が所定の報知手段(下表示部69、補助表示部65、スピーカ64a~64n)にて行われるようにする特定報知実行手段(第1、第9の実施の形態に係る内部状態報知用処理を実行する機能)と、を備え、
前記特定役の非当選状態として、第1状態(非内部状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態)とを含む複数種の状態を有しており、
前記第2状態において第2条件(設定キーがオン状態とされた状況で電源が投入されること)が成立した場合に前記第1状態となるように特定処理(第3内部状態、第1BB状態、第2BB状態をクリアする処理)を実行する特定処理実行手段(主制御装置101による第1RAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記第1条件が成立すると前記第2条件も成立するように前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。この点、上記構成では、第1条件の成立により、特定役の当選状態であるか否かが判定され、その結果に対応した特定報知が所定の報知手段にて行われる。これにより、上記当選状態であるか否かがホール従業員に報知され、特定役の非当選状態である場合には当選状態への変更を促すことが可能になる。
しかしながら、上記構成では、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在しており、そのような場合において特定報知の態様を異ならせて個々の状態を知らせようとすると、特定報知の種類数が増えることに繋がる。特定報知の種類数が増えると、ホール従業員から見て分かりにくくなるだけでなく、報知設計の場面でも遊技機設計者の作業負担が増すことが想定される。また、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在する場合は、特定役の非当選状態を解消するための対処方法の数も増えるため、複数種の状態のうちのいずれであるかにより、ホール従業員が異なる対応を強いられる結果、その作業負担が増大する懸念もある。
この点、本構成では、特定役の非当選状態の1つである第2状態である状況で第2条件が成立すると、上記非当選状態の他の1つである第1状態に移行するように構成され、その上で、特定役の当選状態であるか否かの判定契機である第1条件が成立すると、上記第2条件も成立するように、それら各条件が設定されている。これにより、遊技機の電源投入時に第2状態である場合において、特定役の当選状態であるか否かが判定される際には、自ずと第1状態に変更されるものとなり、非当選状態の種類数を減らして特定報知を実行することができる。よって、特定報知が多様化することが抑制され、報知を分かりやすくしたり、報知設計の負担を少なく抑えたりすることができる。また、特定役の非当選状態である場合の対処方法の数も少なく抑えることができるため、ホール従業員の作業負担を軽減することも可能になる。
特徴J2.前記第1条件の成立要素の少なくとも一部に前記第2条件の成立要素が含まれるように前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成では、第1条件の成立要素の少なくとも一部に第2条件の成立要素が含まれるため、第1条件が成立した時点で第2状態を成立済みの状態とすることができる。よって、遊技機の電源投入時に第2状態である場合に第1状態に変更して特定報知を実行することが可能になる。
特徴J3.前記第1条件の成立要素の一部と前記第2条件の成立要素とが共通するように前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
上記構成では、第1条件の成立要素の一部と第2条件とが共通するため、第2条件が成立してから第1条件を成立させることができる。これにより、遊技機の電源投入時に第2状態である場合において、第1状態に変更してから特定役の当選状態であるか否かの判定を行うことができる。よって、第1状態に絞り込んで特定報知を実行することができ、特定報知や対処方法の種類数が増えることを好適に抑制することが可能になる。
特徴J4.前記第1条件の成立要素には、所定第1条件(設定キーがオン状態とされた状況で電源が投入されること)と、前記所定第1条件が成立した場合に成立可能となる所定第2条件(設定変更の終了操作が行われること、設定変更の終了後に前面扉12が閉鎖されること)とが含まれており、
前記所定第1条件と前記第2条件とが共通するように前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする特徴J1乃至特徴J3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立する事前に第2条件を成立させることができるため、遊技機の電源投入時に第2状態である場合において、第1状態に変更してから特定役の当選状態であるか否かの判定を行うことができる。よって、第1状態に絞り込んで特定報知を実行することができ、特定報知や対処方法の種類数が増えることを好適に抑制することが可能になる。
特徴J5.前記第1条件と前記第2条件とが成立した場合に前記特定処理実行手段による前記特定処理が実行されてから前記特定判定手段による前記判定が実行されるように構成されていることを特徴とする特徴J1乃至特徴J4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件と第2条件の両方が成立した場合に、第2状態から第1条件への変更が行われてから特定役の当選状態であるか否かの判定が行われる。よって、第1状態に絞り込んで特定報知を実行することができ、特定報知や対処方法の種類数が増えることを好適に抑制することが可能になる。
特徴J6.前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として、前記特定役としての第1特定役(第2BB役)と、前記第1特定役とは異なる第2特定役(第1BB役)とが含まれており、前記第1特定役と前記第2特定役とは重複して当選状態とならないように構成されており、
前記第1状態は、前記第1特定役の非当選状態で且つ前記第2特定役の非当選状態であり、前記第2状態は、前記第2特定役の当選状態であることを特徴とする特徴J1乃至特徴J5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1状態が第1特定役の非当選状態で且つ第2特定役の非当選状態となっており、第2状態が第2特定役の当選状態となっている。この場合、第2状態から第1状態への変更は、第2特定役の当選状態をクリアして非当選状態に変えるだけで足りるため、第2状態から第1状態への変更を簡単に行うことができる。また、特定報知が行われた場合も、ホール従業員としては抽選処理を実行させて第1特役の当選状態に移行させるだけでよく、対処も簡単な操作で済むものとなる。
特徴J7.前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記特定役の非当選状態であると判定された場合に前記特定報知を実行する手段(2枚内部状態でない場合に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至特徴J6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定役の非当選状態である場合(特定役の当選状態でない場合)に特定報知が実行される。これにより、ホール従業員に対して特定役の当選状態でないことを好適に知らせることが可能になる。この場合において本特徴が前提とする特徴J1から特徴J6の構成では、第2状態から第1状態に変更されて特定報知が行われるため、本構成によれば、種類数を少なく抑えた上で、特定役の当選状態でないことの報知(特定報知)を実行することが可能になる。
特徴J8.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
前記扉体を開状態とした場合に操作可能な位置に設けられた特定操作手段(設定キー挿入孔73、電源スイッチ71、リセットスイッチ72)と、
を備え、
前記特定操作手段の操作を含む第1所定操作(設定キーをオン状態として電源投入する操作)が行われた場合に前記第2条件が成立し、前記第1所定操作と、当該第1所定操作とは異なる第2所定操作(設定変更操作、設定変更の終了操作、前面扉12の閉操作)とが行われた場合に前記第1条件が成立するように、前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする特徴J1乃至特徴J7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、扉体を開放した場合に操作可能な特定操作手段が操作された場合に特定役の当選状態であるか否かが判定され、特定報知が実行される。扉体を開放して特定操作手段を操作し得るのは基本的にホール従業員に限られるため、上記構成とすることで、ホール従業員が遊技機に触れていたり、遊技機のすぐ近くにいたりする状況で特定報知を行うことができる。これにより、遊技者による遊技の事前に特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。また、上記構成では、第2状態から第1状態への変更についても、扉体の開放時に操作可能な特定操作手段の操作を要件とするため、第2状態から第1状態への変更が不正行為を行おうとする者により行われ、悪用されることを抑制できる。
特徴J9.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記特定操作手段(設定キー挿入孔73、リセットスイッチ72)は、前記設定値の設定を変更する場合に操作されるものであることを特徴とする特徴J8に記載の遊技機。
上記構成では、特定操作手段として設定変更に用いる操作手段が操作された場合に第2状態から第1状態への変更や特定報知が実行される。設定値の変更はホール従業員により行われるため、本構成とすることで、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことができるとともに、第2状態から第1状態への変更が不正行為者により行われることを抑制できる。
特徴J10.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記第1所定操作は、前記設定値の変更が許容される状態とする操作(設定キーをオン状態として電源を投入する操作)又は前記設定値を変更する操作(設定キーをオン状態として電源を投入した後、リセットスイッチ72を押し下げする操作)を含む操作であることを特徴とする特徴J8又は特徴J9に記載の遊技機。
上記構成では、設定値の変更を許容状態とする操作又は実際に設定値を変更する操作を特定報知の実行契機として、第2状態から第1状態への変更や特定報知が実行される。これにより、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことができるとともに、第2状態から第1状態への変更が不正行為者により行われることを抑制できる。
特徴J11.前記第1条件は、前記第1所定操作と前記第2所定操作とが行われた場合に成立するものであり、
前記第2所定操作は、前記設定値の変更が許容される状態から前記設定値の変更が制限される状態に移行させる操作(設定変更を行った後にスタートレバー41をオン状態とする操作)であることを特徴とする特徴J10に記載の遊技機。
特定役の非当選状態から当選状態に変更するには、抽選手段の抽選処理を実行させて特定役に当選させる必要がある。つまり、設定変更を終了させてから第1操作手段を操作する必要があるため、ホール従業員からすると、設定変更の途中で特定役の当選状態であるか否かを知らされても直ちに対処することができない。この点、本構成では、本構成では、設定値変更の許容状態から当該変更の制限状態への移行操作、すなわち、設定変更を終了させる操作が行われた場合に特定報知が実行される。これにより、特定役の非当選状態から当選状態への変更が可能となってから特定報知が実行されるものとなり、ホール従業員にとって好適なタイミングで特定役の当選状態であるか否かを知らせることが可能になる。
また、遊技機によっては、設定変更の許容状態とされたり、設定変更が行われたりする場合に、それらの状態を報知するものとして設定変更報知を実行するものがある。このようなタイプの遊技機において、設定変更の開始時や設定変更の途中で特定報知を実行すると、設定変更報知と特定報知とが重複する。その際、それらの報知を重複して実行する構成とした場合には、複数の報知が同時に行われることで各報知の識別性が低下する懸念があり、逆に、両報知の期間を切り分けて実行する構成とした場合には、報知設計に際してその調整を行う必要が生じ、設計負担が増大するおそれがある。この点、本構成によれば、設定変更の終了を待って特定報知が実行されるため、設計段階での調整を要することなく、両報知が重複することを回避できる。これにより、報知設計の負担増を抑制しながら各報知の識別性を高めることが可能になる。
特徴J12.前記扉体が開状態である場合に前記特定報知とは異なる所定報知(扉開放報知)が実行されるようにする所定報知実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示及び扉開放報知音の出力を実行する機能)と、
前記所定報知の実行期間と前記特定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知よりも優先して実行されるようにする優先化手段(第1、第10の実施の形態に係るサウンドIC184a~184nによる音出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴J8乃至特徴J11のいずれかに記載の遊技機。
本特徴が前提とする構成では、扉体が開状態である状況で操作可能な特定操作手段が操作されたことを契機として特定報知が行われるため、特定報知の実行期間と、所定報知(扉開放に対応する報知)の実行期間とが重複することが想定される。本構成では、そのような場合に、特定報知よりも所定報知が優先して実行され、扉体が開状態であることがホール従業員に知らされる。これにより、扉体の閉め忘れが抑制され、不正行為の助長に繋がることを抑制できる。
また、所定報知(扉開放報知)を優先させることで、特定報知のタイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、特定役の非当選状態から当選状態への変更には、扉体を閉状態としてから第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要がある。このため、扉体が開状態である状況で特定報知が積極的になされても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。よって、扉が開状態である状況では、扉開放報知の実行により扉体の閉鎖を促し、その閉鎖が行われてから特定報知を実行することで、ホール従業員としては、対処が可能となってから特定役の当選・非当選の状況が知らされるものとなり、ホール従業員にとって好ましいタイミングでの報知が可能となる。
なお、本特徴において「前記所定報知が優先的に実行された後又は前記扉体が閉状態とされた場合に前記特定報知が実行されるようにする手段を備えている」という構成をさらに備えていてもよい。この構成によれば、所定報知が優先的に出力された後、所定報知が終了すること又は扉体が閉状態となることに応じて非優先側の特定報知(特定役の当選状態であるか否かの報知)が実行される。これにより、所定報知が優先化される状況でも、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に知らせることができる。
特徴J13.前記所定報知実行手段は、前記所定報知が前記所定の報知手段(スピーカ64a~64n)にて実行されるようにするものであり、
前記所定報知及び前記特定報知が音による報知(扉開放報知音及び内部状態報知音)であることを特徴とする特徴J12に記載の遊技機。
聴覚的な報知において複数の報知が併せて実行されると、ホール従業員が個々の報知を聞き取りにくくなることが想定される。この点、本構成では、所定音声報知と特定音声報知との重複実施が回避され、前者の報知音が優先的に出力されるため、報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。
特徴J14.前記特定報知実行手段は、前記特定報知としての特定表示が前記所定の報知手段にて実行されるようにするものであり、
前記扉体が開状態である場合に前記特定表示とは異なる所定表示(扉開放表示)が前記所定の報知手段とは異なる報知手段にて実行されるようにする所定表示実行手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放表示を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J8乃至特徴J13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、所定表示(扉開放に対応する表示)と特定表示(特定役の当選状態であるか否かに対応する表示)とが異なる報知手段にて実行されるため、それら各報知の実行期間が重複した場合でも両者を区別して実行することができる。
なお、本特徴において「前記異なる報知手段は、前記所定の報知手段よりも当該遊技機において上側に配置される」という特徴をさらに備えてもよい。この構成によれば、所定表示を特定表示よりも目立つようにして報知することができ、不正行為を防止する上で好ましい態様とすることができる。
特徴J15.前記第1条件は、前記第1所定操作と前記第2所定操作とが行われた場合に成立するものであり、
前記第2所定操作は、前記扉体を開状態から閉状態に切り替える操作であることを特徴とする特徴J10に記載の遊技機。
特定役の非当選状態から特定役の当選状態に移行させるには、抽選手段の抽選処理を実行させて特定役に当選させる必要がある。つまり、扉体を閉めてから第1操作手段を操作する必要があるため、ホール従業員からすると、扉体が開いている状況で特定役の当選状態であるか否かを知らされても直ちに対処することができない。この点、本構成では、扉体が開状態から閉状態とされた場合に特定役の当選状態であるか否かが判定され、特定報知が実行されるため、対処が可能な適切なタイミングで特定役の当選状態であるか否かを知らせることができる。
また、扉体が開状態である状況では、それに対応した扉開放報知が実行されるため、特定報知と扉開放報知の重複が想定される。このため、報知の設計に際してその調整が必要となると考えられるが、本構成であれば、そのような重複を回避することができるため、報知設計の負担増を抑制することが可能になる。
特徴J16.前記特定役の当選状態は、通常遊技で行う第1規定数(3)とは異なる第2規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であり、
前記特定報知は、前記内部状態であること又は当該内部状態ではないことに対応した報知であることを特徴とする特徴J1乃至特徴J14のいずれかに記載の遊技機。
第2規定数の内部状態に移行した後、通常遊技にて遊技者が第1規定数で遊技を行うことにより当該内部状態を持ち越して遊技を続けることを前提として遊技設計が行われている遊技機がある。このような遊技機において、特徴J1から特徴J14のいずれかの構成を適用することで、第2規定数の内部状態ではない状況で遊技者による遊技が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴J17.前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役として前記特定役(第2BB役)が設定されており、
遊技の賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段の抽選結果が前記特定役の当選結果となり、前記有効位置に前記特定役に対応する特定の絵柄組み合わせ(第2BBの絵柄組み合わせ)が停止した場合に、遊技状態を特定遊技状態(第2BB状態)に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定役の当選状態である状況で前記有効位置に前記特定の絵柄組み合わせが停止しなかった場合に、前記特定役の当選状態を留保可能な留保手段(主制御装置101による第2BB役の当選状態を持ち越す機能)と、
を備え、
前記留保手段により前記特定役の当選状態が留保されている特定留保状態である状況で遊技の賭数を前記第1賭数とは異なる第2賭数(3ベット)として遊技することが可能であり、前記特定留保状態である状況で前記第2賭数により遊技が行われる場合に前記有効位置への前記特定の絵柄組み合わせの停止又は前記特定遊技状態への移行が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴J1乃至特徴J16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1賭数で特定役の当選状態とした後、遊技の賭数を第2賭数として遊技を行っている状況では特定遊技状態へ移行せず、上記当選状態を持ち越したまま遊技を続けることが可能になる。そのような遊技を前提として遊技設計が行われている遊技機があり、このような遊技機において特定役の非当選状態である状況では、遊技者が遊技を行う事前に、その旨がホール従業員に報知されて対処されることが望ましい。このような構成に対して特徴J1から特徴J16のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴J18.前記特定役の当選状態で前記第2賭数により遊技が行われるよりも前記特定役の非当選状態で前記第2賭数により遊技が行われる方が遊技者にとって不利となるように構成されていることを特徴とする特徴J17に記載の遊技機。
上記構成では、特定役の当選状態で第2賭数により遊技が行われるよりも特定役の非当選状態で遊技が行われる方が不利となっており、このような構成に対して特徴J1から特徴J16のいずれかの構成を適用することで、そのような不利な状況で遊技者が遊技する事態となることを好適に抑制することが可能になる。
特徴J19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
第1条件(設定変更操作が終了すること、設定変更操作の終了後に前面扉12が閉鎖されること)が成立した場合に前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第9の実施の形態に係る内部状態報知用処理を実行する機能)を備え、
前記特定役の非当選状態として、第1状態(非内部状態)と、前記第1状態とは異なる第2状態(3枚内部状態や第1BB状態、第2BB状態)とを含む複数種の状態が存在しており、
前記第2状態において第2条件(設定キーがオン状態とされた状況で電源が投入されること)が成立した場合に前記第1状態となるように特定処理(第3内部状態、第1BB状態、第2BB状態をクリアする処理)を実行する特定処理実行手段(主制御装置101による第1RAMクリア処理を実行する機能)を備え、
前記第1条件が成立すると前記第2条件も成立するように前記第1条件及び前記第2条件が設定されていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。この点、上記構成では、第1条件の成立により特定役の当選状態であるか否かが判定されるため、この判定に対応した特定報知を行うことで、上記当選状態であるか否かをホール従業員に知らせることが可能になる。
しかしながら、上記構成では、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在しており、そのような場合において特定報知の態様を異ならせて個々の状態を知らせようとすると、特定報知の種類数が増えることに繋がる。特定報知の種類数が増えると、ホール従業員から見て分かりにくくなるだけでなく、報知設計の場面でも遊技機設計者の作業負担が増すことが想定される。また、特定役の非当選状態として複数種の状態が存在する場合は、特定役の非当選状態を解消するための対処方法の数も増えるため、複数種の状態のうちのいずれであるかにより、ホール従業員が異なる対応を強いられる結果、その作業負担が増大する懸念もある。
この点、本構成では、特定役の非当選状態の1つである第2状態である状況で第2条件が成立すると、上記非当選状態の他の1つである第1状態に移行するように構成され、その上で、特定役の当選状態であるか否かの判定契機である第1条件が成立すると、第2状態から第1状態への移行契機である第2条件も成立するように、それら各条件が設定されている。これにより、遊技機の電源投入時に第2状態である場合において、特定役の当選状態であるか否かが判定される際には、自ずと第1状態に変更されるものとなり、非当選状態の種類数を減らして特定報知を実行することができる。よって、特定報知が多様化することが抑制され、報知を分かりやすくしたり、報知設計の負担を少なく抑えたりすることができる。また、特定役の非当選状態である場合の対処方法の数も少なく抑えることができるため、ホール従業員の作業負担を軽減することも可能になる。
なお、本特徴に対して上記特徴J2乃至特徴J18のいずれかの構成を適用することができる。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴J1乃至特徴J19の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴K群>
特徴K1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第10の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
当該遊技機の電源が投入された場合又は電源投入後に特定操作(設定変更の開始操作、設定変更操作、設定変更の終了操作、設定値の表示操作、設定値表示の終了操作、前面扉12の閉操作)が行われた場合に前記特定判定手段の判定結果に対応した特定報知(内部状態表示、内部状態報知音)が所定の報知手段(下表示部69,スピーカ64a~64n)にて行われるようにする第1報知実行手段(第1、第10の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
所定事象(前面扉12の開放、設定変更、電源投入、メダル投入エラー等)が発生した場合に前記特定報知とは異なる所定報知(扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知、投入エラー報知等)が前記所定の報知手段(スピーカ64a~64n)又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段(補助表示部65)にて行われるようにする第2報知実行手段(サブ制御装置81による扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知、投入エラー報知等を行う機能)と、
前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に、前記所定報知又は前記特定報知の一方の報知が前記所定報知又は前記特定報知の他方の報知に対して優先的に行われるようにする特定手段(内部状態報知、扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知等に対して優先度を設けた構成)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技の事前に遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。
この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かが判定され、遊技機の電源が投入された場合又は電源投入後に特定操作が行われた場合に上記判定の結果に対応した特定報知が行われる。これにより、遊技者が遊技を行う前に上記当選状態であるか否かがホール従業員に報知され、特定役の非当選状態である場合には当選状態への変更を促すことが可能になる。しかしながら、そのような特定報知と、所定事象の発生に対応して実行される所定報知の実行期間とが重複することが想定され、そのような場合には、各報知が分かりにくくなる懸念がある。この点、本構成では、そのような特定報知と所定報知との重複が生じた場合には、それら報知の一方が他方よりも優先して行われるため、報知が分かりにくくなることを抑制できる。
なお、本特徴の「電源投入後に特定操作が行われた場合」について「電源が投入された後に、前記抽選手段による抽選の契機となる操作とは異なる特定操作が行われた場合」という構成、又は「電源が投入されてから前記抽選手段による抽選が未だ行われていない状況で当該抽選の契機となる操作とは異なる特定操作が行われた場合」という構成を備えてもよい。このような構成によれば、電源投入から特定操作が行われるまでの間において、特定役の当選状態である否かの状態が変化しないため、特定操作を契機として特定報知を実行することで、特定役の当選状態である否かについて電源投入時の状態を反映させた特定報知を実行することが可能になる。
特徴K2.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
を備え、
前記第2報知実行手段として、前記扉体が開状態である場合に前記所定報知が実行されるようにする手段(第1、第10の実施の形態に係る扉開放報知を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行期間が所定報知(扉開放報知)の実行期間と重複した場合に、特定報知よりも扉開放報知が優先して実行され、扉体が開状態であることがホール従業員に知らされる。これにより、扉体の閉め忘れが抑制され、不正行為の助長に繋がることを抑制できる。
また、扉開放報知を優先させることで、特定報知のタイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、特定役の非当選状態から当選状態への変更には、扉体を閉状態としてから第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要があるため、扉体が開状態である状況で特定報知が積極的になされても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。このため、扉が開状態である状況では、扉開放報知の実行により扉体の閉鎖を促し、その閉鎖が行われてから特定報知を実行することで、ホール従業員としては、対処が可能となってから特定役の当選・非当選の状況が知らされるものとなる。つまり、ホール従業員にとって好ましいタイミングで特定報知を行うことが可能になる。
特徴K3.前記第2報知実行手段として、当該遊技機の電源が投入された場合に前記所定報知(電源投入報知)が実行されるようにする手段(第10の実施の形態の変形例3に係るサブ制御装置81による電源投入報知を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行期間が所定報知(電源投入報知)の実行期間と重複した場合に、特定報知よりも電源投入報知が優先して実行される。ホール従業員が遊技機に搭載された電源スイッチ等の電源投入手段を操作した場合には、先ずはスイッチ操作が有効に機能して遊技機が正しく起動されたか否かについての関心が高いと考えられるため、そのような要請に対して好適に応えることができる。
また、電源投入報知を優先させることで、特定報知のタイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、特定役の非当選状態から当選状態への変更には、遊技機が立ち上がって第1操作手段の操作が有効化されてから第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要があるため、遊技機の電源が投入された直後の状態で特定報知が積極的になされても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。このため、電源投入報知を優先し、特定報知を遅らせることで、ホール従業員にとって好ましいタイミングで特定報知を行うことが可能になる。
特徴K4.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記第2報知実行手段として、前記設定値の変更の許容状態とされた場合又は前記設定値が変更された場合に前記所定報知(設定変更報知)が実行されるようにする手段(第1の実施の形態に係るサブ制御装置81による設定変更報知を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行期間が所定報知(設定変更報知)の実行期間と重複した場合に、特定報知よりも設定変更報知が優先して実行される。ホール従業員が遊技機に搭載された設定キー挿入部等の設定変更操作手段を操作した場合には、かかる操作により遊技機が設定変更の許容状態となったかや設定変更が正しく受け付けられたかを先ずは知りたくなると考えられるため、そのような要請に対して好適に応えることができる。
また、設定変更報知を優先させることで、特定報知のタイミングを好適化できるという利点もある。すなわち、特定役の非当選状態から当選状態への変更には、少なくとも設定変更の許容状態ではない状況で第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要があるため、設定変更中に特定報知が積極的になされても、ホール従業員としては直ちに対処することができない。このため、設定変更報知を優先し、特定報知を遅らせることで、ホール従業員にとって好ましいタイミングで特定報知を行うことが可能になる。
特徴K5.異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(投入メダル検出センサ45a等)を備え、
前記第2報知実行手段として、前記異常検知手段により所定の異常が検知された場合に前記所定報知(メダル投入エラー報知、メダル払出エラー報知等)が実行されるようにする手段を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
例えば、遊技機の状態が特定役の非当選状態である状況において、ホール従業員が第1操作手段を操作して抽選手段による抽選処理を実行させようとした際に、遊技機に何らかの異常が生じて抽選処理が行われず、特定役の当選状態への変更が思うように進まないことがあり得る。このような場合において例えば特定報知が優先されると、ホール従業員が異常の発生に気付かずに困惑する懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行期間が所定報知(異常報知)の実行期間と重複した場合に、特定報知よりも異常報知が優先して実行されるため、遊技機で異常が生じていることを速やかに知らせることが可能になる。
特徴K6.所定の遊技媒体を受入可能な受入手段(メダル投入口45)と、
前記受入手段に受け入れられた遊技媒体が通過する通路部(案内通路401)と、
前記通路部を通過する遊技媒体を検知可能な検知手段(投入メダル検出センサ45a)と、
前記検知手段の検知結果に基づいて遊技媒体の停留状態を判定する停留判定手段(主制御装置101によるメダル検出処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2報知実行手段として、前記停留判定手段により所定状態(メダル詰まり状態)が判定された場合に前記所定報知が実行されるようにする手段(第10の実施の形態の変形例4に係る投入エラー報知を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特定役の非当選状態から当選状態への変更には、受入手段に所定数の遊技媒体を投入して第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要がある。その際、遊技媒体を投入する過程で遊技媒体の停留(遊技媒体の詰まり)が生じると、遊技機に受け付けられる遊技媒体の数が抽選処理を実行する必要数に到達しないことから、第1操作手段を操作しても抽選処理が行われないことが想定される。このような場合において、例えば特定報知が優先されると、遊技媒体の詰まりに気付かずにホール従業員が困惑したり、特定役の当選状態への変更が速やかに行えないことで開店前の準備作業に遅れが生じたりする懸念がある。この点、本構成では、特定報知の実行期間が所定報知(停留異常報知)の実行期間と重複した場合に、特定報知よりも停留異常報知が優先して実行されるため、通路部内で遊技媒体が詰まっていることを速やかに知らせることができ、ホール従業員が困惑したり、開店前の準備作業に遅れが生じたりすることを抑制することが可能になる。
特徴K7.所定の遊技媒体を受入可能な受入手段(メダル投入口45)と、
前記受入手段に受け入れられた遊技媒体を賭数として受付可能な受付手段(主制御装置101によるステップS109の処理を実行する機能)と、
所定の操作手段(精算スイッチ59)が操作された場合に賭数としての受け付けを解除し、解除された賭数に対応する数の遊技媒体を払い出すことが可能な払出手段(主制御装置101によるメダル返却処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2報知実行手段として、前記所定の操作手段が操作された場合又は当該操作に基づく遊技媒体の払い出しが行われる場合に前記所定報知(清算報知)が実行されるようにする手段(サブ制御装置81による精算報知を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特定役の非当選状態から当選状態への変更には、受入手段に所定数の遊技媒体を投入して第1操作手段を操作し、抽選手段による抽選処理を実行させる必要がある。その際、必要数より多くの遊技媒体を投入してしまい、所定の操作手段を操作して賭数としての受け付け(ベット受け付け)を解除したい場合がある。本構成では、所定の操作手段が操作された場合又は当該操作に基づく遊技媒体の払い出し(返却)が行われる場合に、所定報知(清算報知)が特定報知よりも優先して行われるため、上記変更を行おうとしているホール従業員に対して賭数としての受け付けが解除されたことを速やかに知らせることができる。
なお、本特徴においてさらに「前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役に前記特定役(第2BB役)が含まれ、遊技の賭数が前記第1賭数より多い第2賭数(3ベット)である状況で当選可能な役に前記特定役が含まれない構成となっており」という特徴を備えてもよい。このような構成では、ホール従業員が特定役の非当選状態から当選状態に変更しようとした際に、第1賭数よりも多く遊技媒体を投入してしまい、遊技の賭数が第2賭数になってしまうと、第1操作手段を操作して抽選処理を実行させても特定役の当選状態とすることができない。このため、所定の操作手段を操作して賭数としての受け付けを解除し、再度、第1賭数に対応した数の遊技媒体を投入せざるを得ない。このような場合に本構成とすることで、賭数としての受け付けが解除されたことを速やかに知らせることができ、ホール従業員にとって利便性のよい構成とすることができる。
特徴K8.前記特定手段は、前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に、前記所定の報知手段での前記特定報知の実行を待機状態とする手段(サウンドIC184a~184nによる音出力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K2乃至特徴K7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定報知の実行期間と所定報知の実行期間とが重複する場合に特定報知の実行が取り止められるのではなく、所定報知が優先して行われる期間において特定報知の実行が待機状態とされる。これにより、所定報知が終了することに応じて特定報知を開始することができ、所定報知が優先化された場合でも、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に知らせることができる。
なお、本特徴においてさらに「前記特定報知の実行が待機状態とされている状況で前記所定報知が終了した場合に前記待機状態を解除して前記特定報知の実行状態に移行させる手段(サウンドIC184a~184nによる音出力処理を実行する機能)」という特徴を備えてもよい。この構成によれば、所定報知の終了に伴い、所定の報知手段にて特定報知を速やかに実行することができる。
特徴K9.前記特定報知及び前記所定報知は音による報知であることを特徴とする特徴K2乃至特徴K8のいずれかに記載の遊技機。
所定報知音と特定報知音が併せて放出されると、ホール従業員が個々の報知を聞き取りにくくなり、対応に遅れが生じる懸念があるが、特徴K2から特徴K8のいずれかの構成を採用することで、両報知音が同時に放出されることが回避され、報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。つまり、特徴K2から特徴K8のいずれかの構成は、音による所定報知と音による特定報知との関係において特に有益となり、所定報知を優先側とすることによる各上記効果を奏しつつ、各報知を聞き取りやすくすることが可能になる。
特徴K10.前記所定報知が前記所定の報知手段にて行われることを特徴とする特徴K9に記載の遊技機。
所定報知音と特定報知音が同一報知部から同時に放出されると、個々の報知の聞き取りが特に行いにくくなることが想定される。このような場合に特徴K2から特徴K8のいずれかの構成を採用することで、両報知音が同時に放出されることが回避され、報知が聞き取りにくくなることを抑制できる。
特徴K11.複数種の音情報(音データ)が記憶される記憶手段(ROM182の音データ記憶エリア185)を備え、
前記第1報知実行手段は、前記記憶手段に記憶される前記特定報知に対応する前記音情報(内部状態報知音の音データ)に基づいて前記特定報知を実行するものであり、
前記第2報知実行手段は、前記記憶手段に記憶される前記所定報知に対応する前記音情報(扉開放報知音等の音データ)に基づいて前記所定報知を実行するものであり、
前記特定報知よりも前記所定報知の方が上位となるようにして、各前記報知の出力優先度に対応する所定情報(優先度情報)が各前記音情報に対応して設定されており、
前記特定手段は、前記所定情報に基づいて前記所定報知が前記特定報知に対して優先的に行われるようにするものであることを特徴とする特徴K9又は特徴K10に記載の遊技機。
上記構成では、各報知の音情報に対応させて出力優先度を示す所定情報が設定されているため、優先制御に際し、当該所定情報を参照していずれの報知音を優先させるのかを決めることができる。このため、個々の報知ごとにいずれを優先させるのかを逐一制御プログラムに組み込む必要がなく、報知音を出力制御するためのプログラムを簡単化することが可能になる。
特徴K12.前記第1報知実行手段は、前記特定判定手段により前記特定役の非当選状態であると判定された場合に前記特定報知が実行されるようにする手段(2枚内部状態でない場合に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至特徴K11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定役の非当選状態である場合(特定役の当選状態でない場合)に特定報知が実行される。これにより、ホール従業員に対して特定役の当選状態でないことを好適に知らせることが可能になる。
特徴K13.前記特定役の当選状態は、通常遊技で行う第1規定数(3)とは異なる第2規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であり、
前記特定報知は、前記内部状態であること又は当該内部状態ではないことに対応した報知であることを特徴とする特徴K1乃至特徴K12のいずれかに記載の遊技機。
第2規定数の内部状態に移行した後、通常遊技にて遊技者が第1規定数で遊技を行うことにより当該内部状態を持ち越して遊技を続けることを前提として遊技設計が行われている遊技機がある。このような遊技機において、特徴K1から特徴K12のいずれかの構成を適用することで、第2規定数の内部状態ではない状況で遊技者による遊技が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴K14.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役として特定役(第2BB役)が設定されており、
遊技の賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段の抽選結果が前記特定役の当選結果となり、前記有効位置に前記特定役に対応する特定の絵柄組み合わせ(第2BBの絵柄組み合わせ)が停止した場合に、遊技状態を特定遊技状態(第2BB状態)に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定役の当選状態である状況で前記有効位置に前記特定の絵柄組み合わせが停止しなかった場合、前記特定役の当選状態を留保可能な留保手段(主制御装置101による第2BB役の当選状態を持ち越す機能)と、
を備え、
前記留保手段により前記特定役の当選状態が留保されている特定留保状態である状況で遊技の賭数を前記第1賭数とは異なる第2賭数(3ベット)として遊技することが可能であり、前記特定留保状態である状況で前記第2賭数により遊技が行われる場合に前記有効位置への前記特定の絵柄組み合わせの停止又は前記特定遊技状態への移行が制限されるように構成されており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
前記特定判定手段の判定結果に対応した特定報知(内部状態報知音)が所定の報知手段(スピーカ64a~64n)にて行われるようにする第1報知実行手段(第1、第9~第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
所定事象(前面扉12の閉鎖、設定変更、電源投入、メダル投入エラー等)の発生を検知可能な検知手段(扉開放センサ27、設定キー挿入孔73、電源スイッチ71、メダル検出センサ45a等)と、
前記検知手段により前記所定事象の発生が検知されたことに基づいて前記特定報知とは異なる所定報知(扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知、投入エラー報知等)が前記所定の報知手段又は当該所定の報知手段とは異なる報知手段にて行われるようにする第2報知実行手段(サブ制御装置81による扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知、投入エラー報知等を行う機能)と、
前記特定報知の実行期間と前記所定報知の実行期間とが重複する場合に、前記所定報知又は前記特定報知の一方の報知が前記所定報知又は前記特定報知の他方の報知に対して優先的に行われるようにする特定手段(内部状態報知、扉開放報知、設定変更報知、電源投入報知等に対して優先度を設けた構成)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
本特徴によれば、上記特徴K1と同様の効果を奏することができる。なお、本特徴に対して上記特徴K2乃至特徴K12のいずれかの構成を適用することができる。この場合、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴K1乃至特徴K14の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴L群>
特徴L1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第10及び第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
当該遊技機の電源が投入された場合又は電源投入から所定期間が経過した場合に特定報知(電源投入報知、扉開放報知等)が実行されるようにする特定報知実行手段(第12の実施の形態に係るサブ制御装置81による電源投入報知処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、
前記特定判定手段により前記特定役の当選状態であると判定された場合に第1態様の特定報知(第1電源投入報知、第1扉開放報知等)を実行することが可能な第1手段(第1電源投入報知の設定処理を実行する機能等)と、
前記特定判定手段により前記特定役の当選状態でないと判定された場合に前記第1態様とは異なる第2態様の特定報知(第2電源投入報知、第2扉開放報知等)を実行することが可能な第2手段(第2電源投入報知の設定処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技の事前に遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。
この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かが判定され、その結果が、遊技機の電源が投入された場合に行われる電源投入報知や、電源投入から所定期間の経過後に行われる扉開放報知等の特定報知に反映される。具体的には、上記判定により特定役の当選状態であると判定された場合には第1態様の特定報知が実行され、特定役の当選状態でないと判定された場合には、上記第1態様とは異なる第2態様の特定報知が実行される。遊技機の電源を投入し得るのは基本的にホール従業員に限られるため、上記構成とすることで、ホール従業員が遊技機に触れていたり、遊技機のすぐ近くにいたりする状況で、各態様の特定報知を通じ、特定役の当選状態であるか否かを知らせることができる。これにより、遊技者により遊技が行われる前段階で、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に知らせることが可能になる。
特徴L2.前記特定報知には、電源が投入されたことに対応した電源投入報知が含まれることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、電源投入報知を利用して特定役の当選状態であるか否かを報知することができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
また、例えば電源投入報知と、特定役の当選状態であるか否かの報知とを各別に行う構成では、それら各報知の報知期間をどのように切り分けるかの調整を報知設計の段階で行う必要があり、設計作業の負担増を招く懸念がある。この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かの報知期間として電源投入報知の報知期間を利用することができるため、上記のような期間調整が不要となり、報知設計の作業負担を軽減することが可能になる。
特徴L3.前記第2態様の特定報知には、前記電源投入報知と、前記特定役の非当選状態であることに対応した所定報知(例えば「非内部状態です」の報知)とが含まれることを特徴とする特徴L2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定役の非当選状態であることに対応した所定報知が、電源投入に対応した電源投入報知とセットにされて第2態様の特定報知の中に含まれるため、電源投入と併せ、特定役の当選状態でないことを明確に知らせることができる。
特徴L4.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
前記扉体が閉状態とされた状況で当該遊技機の電源が投入された場合に前記特定判定手段による前記判定又は前記特定報知実行手段による前記第2態様の特定報知の実行が制限されるようにする制限手段(サブ制御装置81によるステップS7803の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L3のいずれかに記載の遊技機。
遊技機への電源投入は、ホール従業員の電源投入操作が行われた場合に限らず、停電により遊技ホールへの外部電力の供給が遮断された後、送電設備の復旧により外部電力の供給が再開された場合にも生じる。そのような停電からの復帰による電源投入の場合は、遊技機の近くに遊技者がいる可能性があるため、特定役の当選状態でないことが遊技者に知らされるおそれがある。このような場合、ホール従業員の電源投入操作により電源投入されたのか、そのような操作を伴わずに電源投入されたのかを遊技機が判別し、前者を対象として特定役の当選状態であるか否かを知らせることが好ましい。しかしながら、電源投入される前段階では遊技機がオフ状態(動作していない状態)にあるため、そのような判別を行うことは必ずしも容易ではない。
この点、本構成では、遊技機の電源が投入されたときに扉体が閉状態である場合を、停電状態からの復帰による電源投入であると推定し、この場合を対象として特定役の当選状態であるか否かの判定や第2態様の特定報知の実行を制限する構成としている。これにより、遊技者の目前で第2態様の特定報知が実行されることが抑制され、特定役の当選状態でないことが遊技者に知らされることを抑制できる。
特徴L5.前記第2態様の特定報知の実行中に前記特定役の当選状態に移行した場合に前記第1態様の特定報知に切り替わるようにする切替手段(サブ制御装置81によるステップS7813~ステップS7816の処理を実行する機能、第2電源投入報知の実行中に第2BB当選コマンドを受信した場合に2枚内部状態であることの報知に切り替える機能等)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2態様の特定報知の実行中に特定役の当選状態に移行した場合に第1態様の特定報知に切り替えられるため、特定報知を継続しながら特定役の当選状態に移行したことを報知することが可能になる。
なお、本特徴を特徴L2に適用した場合には、「電源投入されたことを適切に知らせる上では、その報知期間としてある程度の長さを確保することが好ましい。そのような事情の下、例えば、第2態様の特定報知の実行中に特定役の当選状態に移行した場合に、それに伴って当該報知を終了させると、電源投入の報知期間が短くなる懸念があり、逆に、上記当選状態への移行が生じてもそのまま第2態様の特定報知を継続していると、上記当選状態への移行をホール従業員が把握できないおそれがある。この点、上記構成によれば、電源投入に対応した報知を継続しながら特定役の当選状態に移行したことを報知できるため、電源投入報知の期間確保と上記当選状態への移行の報知とを好適に両立させることが可能になる。」という効果が期待される。
特徴L6.前記特定報知実行手段は、前記第2態様の特定報知の実行期間が所定報知期間となった場合に当該第2態様の特定報知が終了されるようにする報知終了手段(サブ制御装置81によるステップS7812~ステップS7814の処理を実行する機能)を備え、
前記切替手段は、切り替え後の前記第1態様の特定報知が前記所定報知期間における残り期間を超過しないようにして実行されるようにする手段(サブ制御装置81によるステップS7816、ステップS7807の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L5に記載の遊技機。
例えば、電源投入報知等の特定報知の期間があまりにも長くなると、ホール従業員が隣の遊技機の点検作業に移った場合に、その遊技機で実行される特定報知と、直前に点検した遊技機での特定報知とが重複し、報知が分かりにくくなる懸念がある。このような場合、直前の遊技機での特定報知が終了してから次の遊技機の点検作業を始めればよいが、それでは点検に要する時間が長くなり、作業性の低下を招くおそれがある。
この点、上記構成では、切り替え後の第1態様の特定報知が所定報知期間における残り期間の範囲内で実行されるため、第2態様から第1態様に切り替えられて特定報知が行われる場合に、第1態様の特定報知用として予め定められた報知期間がそのまま上乗せされることが抑制される。これにより、先の第2態様の特定報知と後の第1態様の特定報知との合計期間が当初に設定された報知期間よりも長くなることが抑制され、特定報知の期間が過度に長くなることを抑制可能となる。
特徴L7.前記第1態様の特定報知が実行される報知手段(補助表示部65)とは異なる所定の報知手段(下表示部69)にて前記第2態様の特定報知が実行されることを特徴とする特徴L1乃至特徴L6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第2態様の特定報知が第1態様の特定報知とは異なる報知部にて行われる。これにより、報知態様の違いだけではなく、報知箇所の違いによっても特定役の当選状態であるか否かを報知することができ、特定役の当選状態ではないことにホール従業員が気付きやすくすることが可能になる。
特徴L8.前記第2態様の特定報知が前記第1態様の特定報知より多くの報知手段にて実行されるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1態様の特定報知よりも多くの報知部で第2態様の特定報知が行われる。これにより、特定役の当選状態ではないことを目立つようにして報知することができ、上記当選状態ではないことへの注意喚起を好適に行うことが可能になる。
特徴L9.前記特定判定手段は、当該遊技機の電源が投入された場合に前記特定役の当選状態であるか否かを判定する手段(サブ制御装置81によるステップS7802、ステップS7804の処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記判定が行われた後に前記特定報知が実行されるようにする手段(サブ制御装置81によるステップS7808、ステップS7809の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技機の電源が投入された場合に特定判定手段による判定が行われるため、遊技機の電源が投入される都度、電源投入時の遊技機の状態を対象として特定役の当選状態であるか否かを判定することができる。これにより、電源投入時の状態を反映させた特定報知を行うことができる。
特徴L10.前記特定報知実行手段は、当該遊技機の電源が投入されてから前記所定期間が経過した場合に前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記特定判定手段は、当該遊技機の電源が投入されてから前記所定期間が経過するまでの期間における所定のタイミング(電源投入タイミング、電源投入から予め定めた期間が経過したタイミング)で前記特定役の当選状態であるか否かを判定する手段を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記判定が行われた後に前記特定報知が実行されるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、遊技機の電源が投入されてから所定期間が経過するまでの期間(特定報知の実行タイミングとなるまでの期間)における所定のタイミングで特定判定手段による判定が行われる。これにより、特定役の当選状態であるか否かに関して最新の状態を反映させた特定報知を行うことができる。
特徴L11.遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段(主制御装置101)と、
前記第1制御手段の処理結果に対応した報知が所定の報知手段(補助表示部65、上部ランプ部63、スピーカ64a~64n、下表示部69等)にて実行されるように制御を行う第2制御手段(サブ制御装置81)とを備えた遊技機において、
前記第1制御手段は、前記抽選手段を備え、
前記第2制御手段は、前記特定判定手段と、前記特定報知実行手段とを備え、
前記第1制御手段は、電源が投入された場合に所定コマンド情報(復電コマンド)を前記第2制御手段に出力する出力手段(主制御装置101による復電コマンドを送信する機能)を備え、
前記特定役の当選状態であるか否かを把握することが可能な所定情報(内部状態情報等)が前記所定コマンド情報に含まれるか、前記所定コマンド情報の出力を契機として前記所定情報が前記第2制御手段に出力されることを特徴とする特徴L9又は特徴L10に記載の遊技機。
上記構成では、遊技の進行に関する制御を行う第1制御手段と、その第1制御手段の処理結果に対応させて報知の制御を第2制御手段とを備え、遊技機の動作制御に関する処理負荷をそれら両制御手段に分散させる構成としている。この場合、役抽選を行う抽選手段が第1制御手段に設けられるため、特定役の当否を直接把握できるのは第1制御手段のみとなる。よって、特定役の当否結果に対応する報知を行うには、当否に関する情報を第2制御手段に出力する必要がある。
そのような構成の下、本特徴では、特定役の当否を示す所定情報が、遊技機の電源が投入されたことを通知すべく第1制御手段から第2制御手段に出力される所定コマンド情報に含まれるようにして送信されたり、当該所定コマンド情報の出力を契機として上記所定情報が第2制御手段に出力されたりする構成としている。これにより、遊技機の電源が投入されることに伴い、特定役の当選状態であるか否かを第2制御手段に伝達することができ、特定報知における第1態様及び第2態様の使い分けを好適に行うことが可能になる。
また、例えば、所定情報を対象とした専用のコマンド情報を出力する構成では、コマンド情報の種類が増えて第1制御手段に搭載された記憶手段の容量を圧迫する懸念があるが、所定情報を所定コマンド情報に含ませて出力することで、コマンド情報数の増大を抑制することができる。そればかりか、第1制御手段からのコマンド情報の出力頻度を低下させることができ、コマンド制御に関する処理負荷を軽減することも可能になる。
特徴L12.前記第1態様の特定報知には、前記電源投入報知と、前記特定役の当選状態であることに対応した所定態様報知(例えば「2枚内部状態です」等の報知)が含まれることを特徴とする特徴L2又は特徴L3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定役の当選状態であることに対応した所定態様報知が、電源投入に対応した電源投入報知とセットにされて第1態様の特定報知の中に含まれるため、電源投入と併せ、特定役の当選状態であることを明確に知らせることができる。
本特徴に対して上記特徴L4から特徴L11のいずれかの構成を適用することができ、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴L13.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記扉体が開状態である状況で前記特定報知が実行されるようにするものであり、
前記特定報知には、前記扉体が開状態であることに対応した扉開放報知(例えば「扉が開いています」の報知)が含まれることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、扉開放報知を利用して特定役の当選状態であるか否かを報知することができる。扉体を開放できるのは基本的にホール従業員に限られるため、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
また、例えば扉開放報知と、特定役の当選状態であるか否かの報知とを各別に行う構成では、それら各報知の報知期間をどのように切り分けるかの調整を報知設計の段階で行う必要があり、設計作業の負担増を招く懸念がある。この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かの報知期間として扉開放報知の報知期間を利用することができるため、上記のような期間調整が不要となり、報知設計の作業負担を軽減することが可能になる。
本特徴に対して上記特徴L4から特徴L11のいずれかの構成を適用することができ、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴L14.前記第2態様の特定報知には、前記扉開放報知と、前記特定役の非当選状態であることに対応した所定態様報知(例えば「非内部状態です」の報知)とが含まれることを特徴とする特徴L13に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定役の非当選状態であることに対応した所定報知が、扉体が開状態であることに対応した扉開放報知とセットにされて第2態様の特定報知の中に含まれるため、扉が開いていることと併せ、特定役の当選状態でないことを明確に知らせることができる。
特徴L15.前記第1態様の特定報知には、前記扉開放報知と、前記特定役の当選状態であることに対応した所定態様報知(例えば「2枚内部状態です」等の報知)が含まれることを特徴とする特徴L13又は特徴L14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定役の当選状態であることに対応した所定態様報知が、扉体が開状態であることに対応した扉開放報知とセットにされて第1態様の特定報知の中に含まれるため、扉が開いていることと併せ、特定役の当選状態であることを明確に知らせることができる。
上記特徴L14又は特徴L15に対して上記特徴L4乃至特徴L11のいずれかの構成を適用することができ、これらの構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。なお、特徴L6の適用にあたっては、特徴L6における「前記第2態様の特定報知の実行期間が所定報知期間となった場合に当該第2態様の特定報知が終了されるようにする報知終了手段」及び「前記所定報知期間における残り期間を超過しないようにして実行されるようにする手段」を、「前記扉体の開状態から閉状態への切り替えが行われた場合に前記第2態様の特定報知が終了されるようにする報知終了手段」及び「前記切り替えが行われた場合に終了されるようにする手段」と読み替えることができる。
特徴L16.前記特定役の当選状態は、通常遊技で行う第1規定数(3)とは異なる第2規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であり、
前記特定報知は、前記内部状態であること又は当該内部状態ではないことに対応した報知であることを特徴とする特徴L1乃至特徴L15のいずれかに記載の遊技機。
第2規定数の内部状態に移行した後、通常遊技にて遊技者が第1規定数で遊技を行うことにより当該内部状態を持ち越して遊技を続けることを前提として遊技設計が行われている遊技機がある。このような遊技機において、特徴L1から特徴L15のいずれかの構成を適用することで、第2規定数の内部状態ではない状況で遊技者による遊技が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴L17.前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役として前記特定役(第2BB役)が設定されており、
遊技の賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段の抽選結果が前記特定役の当選結果となり、前記有効位置に前記特定役に対応する特定の絵柄組み合わせ(第2BBの絵柄組み合わせ)が停止した場合に、遊技状態を特定遊技状態(第2BB状態)に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定役の当選状態である状況で前記有効位置に前記特定の絵柄組み合わせが停止しなかった場合、前記特定役の当選状態を留保可能な留保手段(主制御装置101による第2BB役の当選状態を持ち越す機能)と、
を備え、
前記留保手段により前記特定役の当選状態が留保されている特定留保状態である状況で遊技の賭数を前記第1賭数とは異なる第2賭数(3ベット)として遊技することが可能であり、前記特定留保状態である状況で前記第2賭数により遊技が行われる場合に前記有効位置への前記特定の絵柄組み合わせの停止又は前記特定遊技状態への移行が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴L1乃至特徴L16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1賭数で特定役の当選状態とした後、遊技の賭数を第2賭数として遊技を行っている状況では特定遊技状態へ移行せず、上記当選状態を持ち越したまま遊技を続けることが可能になる。そのような遊技を前提として遊技設計が行われている遊技機があり、このような遊技機において特定役の非当選状態である状況では、遊技者が遊技を行う事前に、その旨がホール従業員に報知されて対処されることが望ましい。このような構成に対して特徴L1から特徴L15のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴L18.前記特定役の当選状態で前記第2賭数により遊技が行われるよりも前記特定役の非当選状態で前記第2賭数により遊技が行われる方が遊技者にとって不利となるように構成されていることを特徴とする特徴L17に記載の遊技機。
上記構成では、特定役の当選状態で第2賭数により遊技が行われるよりも特定役の非当選状態で遊技が行われる方が不利となっており、このような構成に対して特徴L1から特徴L15のいずれかの構成を適用することで、そのような不利な状況で遊技者が遊技する事態となることを好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴L1乃至特徴L18の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴M群>
特徴M1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体(前面扉12)と、
を備えた遊技機であって、
複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段(スタートレバー41)と、
前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段(ストップスイッチ42~44)と、
前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役(第2BB役)が含まれており、
前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段(第10、第11及び第12の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
前記扉体の開状態から閉状態への切り替えが行われた場合に又は前記扉体が前記開状態である状況で前記特定判定手段の判定結果に対応する特定報知(内部状態報知)が所定の報知手段(下表示部69、補助表示部65、スピーカ64a~64n)にて行われるようにする特定報知実行手段(第9、第11及び第13の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特定役の当選状態を持ち越した状態で遊技者が遊技を行うことを前提に遊技性が設計された遊技機がある。このような遊技機では、特定役の当選状態ではない状況で遊技が行われると、意図した遊技性が適切に発揮されないおそれがある。このため、特定役の当選状態であるか否かが遊技ホールのホール従業員に知らされることが望ましい。
この点、上記構成では、特定役の当選状態であるか否かが判定され、その結果に対応した特定報知が所定の報知手段にて行われる。その際、扉体が開状態から閉状態に切り替えられた場合や扉体が開状態である状況で特定報知が行われる。扉体を開閉できるのは基本的にホール従業員に限られるため、上記構成とすることで、ホール従業員が遊技機に触れていたり、遊技機のすぐ近くにいたりする状況で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かをホール従業員に対して好適に知らせることが可能になる。
特徴M2.前記特定報知実行手段は、前記扉体の開状態から閉状態への切り替えが行われた場合に前記特定報知が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
扉体が開状態である場合に扉開放報知を実行して注意喚起する遊技機がある。このようなタイプの遊技機において扉体の開放中に特定報知を実行すると、扉開放報知と特定報知とが重複する。その際、それらの報知を重複して実行する構成とした場合には、複数の報知が同時に行われることで各報知の識別性が低下する懸念があり、逆に、両報知の期間を切り替わけて実行する構成とした場合には、報知設計に際してその調整を行う必要が生じ、設計負担が増大するおそれがある。この点、本構成では、扉体が閉鎖されるのを待って特定報知が実行されるため、設計段階での調整を要することなく、両報知が重複することを回避できる。これにより、報知設計の負担増を抑制しながら各報知の識別性を高めることが可能になる。
特徴M3.前記特定報知実行手段は、当該遊技機の電源が投入されてからの前記切り替えの回数が所定の第1回数(1回又は2回)である場合に前記特定報知の実行が許容され、前記切り替えの回数が前記第1回数より多い所定の第2回数(1回又は2回より多い回数)である場合に前記特定報知の実行が制限されるようにする手段(第11の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M2に記載の遊技機。
遊技者が遊技を行っている途中で遊技機に何らかの異常が発生した場合に、ホール従業員が遊技機の状態確認を行ったりする目的で扉体を開閉する場合がある。そのような場合に特定報知が行われると、遊技者の目前で特定報知が行われるおそれがある。この点、本構成では、遊技機の電源を投入してからの扉体の閉鎖回数が第1回数である場合を対象として特定報知が実行される。遊技機の電源投入は基本的に遊技ホールの開店前に行われるため、電源投入から一定回数(第1回数)内での扉閉鎖に限定して特定報知を実行することで、ホール開店前での閉操作を対象として特定報知を実行することができる。これにより、遊技者の目前で特定報知が行われることを抑制可能となる。
特徴M4.前記第1回数が1回であることを特徴とする特徴M2に記載の遊技機。
上記構成によれば、電源投入後の初回目の閉鎖に限定して特定報知を実行することができる。これにより、ホール開店前の日常点検が終了してホール従業員が扉体を閉めた場合に限り特定報知が行われるものとなり、遊技者の目前で特定報知が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴M5.前記抽選手段による抽選処理の当選確率に対応するように複数段階の設定値(設定値1~設定値6)が設けられており、前記複数段階の設定値のうちの1の設定値に設定して遊技を行うことが可能に構成されており、
前記特定報知実行手段は、前記設定値の変更の許容状態とされてから又は前記設定値の変更が行われてからの前記切り替えの回数が所定の第1回数(1回又は2回)である場合に前記特定報知の実行が許容され、前記切り替えの回数が前記第1回数より多い所定の第2回数(1回又は2回より多い回数)である場合に前記特定報知の実行が制限されるようにする手段(第9の実施の形態に係るサブ制御装置81による内部状態報知用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M2に記載の遊技機。
遊技者が遊技を行っている途中で遊技機に何らかの異常が発生した場合に、ホール従業員が遊技機の状態確認を行ったりする目的で扉体を開閉する場合がある。そのような場合に特定報知が行われると、遊技者の目前で特定報知が行われるおそれがある。この点、本構成では、設定変更の許容状態とされてから又は設定変更が行われてからの扉体の閉鎖回数が第1回数である場合を対象として特定報知が実行される。設定変更の許容状態としたり、設定変更を行ったりする操作は、基本的に遊技ホールの開店前に行われるため、この操作を基準として一定回数(第1回数)内での扉閉鎖に限定して特定報知を実行することで、ホール開店前での閉操作を対象として特定報知を実行することができる。これにより、遊技者の目前で特定報知が行われることを抑制可能となる。
なお、本特徴においてさらに「前記第1回数が1回である」という構成を備えてもよい。この構成によれば、ホール開店前の設定変更作業が終了してホール従業員が扉体を閉めた場合に限り特定報知が行われるものとなり、遊技者の目前で特定報知が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴M6.前記特定判定手段は、前記扉体が開状態とされてから閉状態とされるまでの期間における所定のタイミング(前面扉12の閉鎖タイミング、電源投入タイミング、電源投入から所定期間が経過したタイミング等)で前記特定役の当選状態であるか否かを判定する手段(第9、第11及び第13の実施の形態に係る前面扉12が閉鎖された場合に2枚内部状態であるか否かの判定を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記判定が行われた後に前記特定報知が実行されるようにする手段(第9、第11及び第13の実施の形態に係る2枚内部状態の判定後に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M2乃至特徴M5のいずれかに記載の遊技機。
扉体が開状態とされてから閉状態とされるまでの期間においては遊技が進行されず、特定役の当選状態であるか否かについて状態が変化しないと想定される。よって、開状態から閉状態への切り替えが行われるまでの期間における所定のタイミングで特定役の当選状態であるか否かを判定することで、扉体が閉状態とされる直前の状態を反映させた特定報知を実行することが可能になる。
特徴M7.前記所定の報知手段が前記扉体の前面部に設けられていることを特徴とする特徴M2乃至特徴M5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、扉体の前面部に設けられた報知部を介して特定報知が行われるため、扉体を閉めたホール従業員の正面で特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かを分かりやすく報知できるほか、特定報知に気付きやすくすることができ、当該報知の見落としを好適に抑制することが可能になる。
特徴M8.前記特定報知実行手段は、前記扉体が前記開状態である状況で前記特定報知が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
扉体を開状態とできるのは基本的にホール従業員に限られることに加え、扉体を開状態としている状況ではホール従業員が遊技機のすぐ近くにいることが想定される。よって、扉体が開状態である場合に特定報知を実行することで、ホール従業員の立ち合いの下で特定報知を行うことが可能になる。
特徴M9.前記扉体の開状態又は閉状態の少なくとも一方を検知することが可能な扉体用検知手段(扉開放センサ27)と、
当該遊技機の電源が投入された場合に、前記扉体用検知手段の検知結果に基づいて前記扉体が開状態である否かを判定する扉体用判定手段と、
を備え、
前記特定報知実行手段は、前記扉体用判定手段により開状態であると判定された場合に前記特定報知が実行されるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴M8に記載の遊技機。
上記構成では、遊技機の電源が投入された場合に扉体が開状態であるか否かが判定され、開状態であると判定された場合に特定報知が実行されるため、扉体を開けて電源投入された場合を対象として特定報知を実行することができる。扉体を開放して遊技機の電源を投入するのは基本的にホール開店前に限られるため、本構成とすることで、遊技者の目前で特定報知が行われることを抑制できる。
特徴M10.前記扉体が開状態である場合に扉開放報知が実行されるようにする扉開放報知手段を備え、
前記扉開放報知手段は、
前記特定判定手段により前記特定役の当選状態であると判定された場合に第1態様の扉開放報知を実行することが可能な第1手段と、
前記特定判定手段により前記特定役の当選状態でないと判定された場合に前記第1態様とは異なる第2態様の扉開放報知を実行することとが可能な第2手段と、
を備え、
前記第1態様の扉開放報知又は前記第2態様の扉開放報知の一方により前記特定報知が行われることを特徴とする特徴M8又は特徴M9に記載の遊技機。
上記構成によれば、扉開放報知により特定役の当選状態であるか否かの特定報知を兼用するため、扉開放報知の報知期間を利用して特定報知を実行することが可能になる。例えば、扉開放報知と特定報知とを各別に行う構成では、それら各報知の報知期間をどのように切り替わけるかの調整を報知設計の段階で行う必要があり、設計作業の負担増を招く懸念がある。この点、本構成によれば、そのような期間調整が不要となり、報知設計の作業負担を軽減することが可能になる。
特徴M11.前記所定の報知手段が前記扉体の裏面側又は前記筐体の内側に設けられることを特徴とする特徴M8乃至特徴M10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、扉体の裏面部又は筐体の内側に設けられた報知部を介して特定報知が行われるため、扉体を開けたホール従業員から視認しやすいようにして特定報知を行うことができる。これにより、特定役の当選状態であるか否かを分かりやすく報知できるほか、特定報知に気付きやすくすることができる。
特徴M12.前記開状態と前記閉状態との一方から他方への切り替えが予め定められた報知対象期間内に行われたか否かを判定する期間判定手段(サブ制御装置81によるステップS8004の処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記期間判定手段により前記切り替えが前記報知対象期間内に行われたと判定された場合に前記特定報知が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴M1乃至特徴M11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、扉体が開状態又は閉状態とされたタイミングが、予め定められた報知対象期間内のものであるか否かを判定し、報知対象期間内であると判定された場合に特定報知が実行される。この際、その報知対象期間としてホール開店前の期間を設定すれば、ホール開店前に扉体が開放された場合や閉鎖された場合に限定して特定報知を実行することが可能になる。これにより、遊技者の目前で特定報知が行われることを抑制可能となる。
特徴M13.時刻情報を出力する時刻情報出力手段(RTC321)と、
前記時刻情報出力手段の出力結果に基づいて前記切り替えが行われたときの時刻を把握する時刻把握手段(サブ制御装置81によるステップS8003の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間判定手段は、前記時刻把握手段により把握された時刻が前記報知対象期間に含まれるか否かを判定する手段(サブ制御装置81によるステップS8004の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M12に記載の遊技機。
上記構成によれば、時刻を用いて報知対象期間を定めることができるため、当該期間の設定を容易に行えるほか、各遊技ホールや各営業日の開店時間に合わせて報知対象期間を設定することができる。これにより、各遊技ホールで開店時間にばらつきがある場合や、開店時間を異ならせた特殊営業日を設ける場合でも、遊技者の目前で特定報知が行われることを抑制可能となる。
特徴M14.前記特定報知実行手段は、前記特定判定手段により前記特定役の非当選状態であると判定された場合に前記特定報知が実行されるようにする手段(2枚内部状態でない場合に内部状態報知を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴M1乃至特徴M13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定役の非当選状態である場合(特定役の当選状態でない場合)に特定報知が実行される。これにより、ホール従業員に対して特定役の当選状態でないことを好適に知らせることが可能になる。
特徴M15.前記特定役の当選状態は、通常遊技で行う第1規定数(3)とは異なる第2規定数(2)の内部状態(2枚内部状態)であり、
前記特定報知は、前記内部状態であること又は当該内部状態ではないことに対応した報知であることを特徴とする特徴M1乃至特徴M14のいずれかに記載の遊技機。
第2規定数の内部状態に移行した後、通常遊技にて遊技者が第1規定数で遊技を行うことにより当該内部状態を持ち越して遊技を続けることを前提として遊技設計が行われている遊技機がある。このような遊技機において、特徴M1から特徴M14のいずれかの構成を適用することで、第2規定数の内部状態ではない状況で遊技者による遊技が行われることを好適に抑制することが可能になる。
特徴M16.前記抽選手段は遊技の賭数に応じて役の抽選を行うものであり、遊技の賭数が第1賭数(2ベット)である状況で当選可能な役として前記特定役(第2BB役)が設定されており、
遊技の賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段の抽選結果が前記特定役の当選結果となり、前記有効位置に前記特定役に対応する特定の絵柄組み合わせ(第2BBの絵柄組み合わせ)が停止した場合に、遊技状態を特定遊技状態(第2BB状態)に移行させる特定遊技状態移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
前記特定役の当選状態である状況で前記有効位置に前記特定の絵柄組み合わせが停止しなかった場合、前記特定役の当選状態を留保可能な留保手段(主制御装置101による第2BB役の当選状態を持ち越す機能)と、
を備え、
前記留保手段により前記特定役の当選状態が留保されている特定留保状態である状況で遊技の賭数を前記第1賭数とは異なる第2賭数(3ベット)として遊技することが可能であり、前記特定留保状態である状況で前記第2賭数により遊技が行われる場合に前記有効位置への前記特定の絵柄組み合わせの停止又は前記特定遊技状態への移行が制限されるように構成されていることを特徴とする特徴M1乃至特徴M15のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1賭数で特定役の当選状態とした後、遊技の賭数を第2賭数として遊技を行っている状況では特定遊技状態へ移行せず、上記当選状態を持ち越したまま遊技を続けることが可能になる。そのような遊技を前提として遊技設計が行われている遊技機があり、このような遊技機において特定役の非当選状態である状況では、遊技者が遊技を行う事前に、その旨がホール従業員に報知されて対処されることが望ましい。このような構成に対し、特徴M1から特徴M15のいずれかの構成を適用することで、各特徴の上記各効果を好適に発揮させることが可能になる。
特徴M17.前記特定役の当選状態で前記第2賭数により遊技が行われるよりも前記特定役の非当選状態で前記第2賭数により遊技が行われる方が遊技者にとって不利となるように構成されていることを特徴とする特徴M16に記載の遊技機。
上記構成では、特定役の当選状態で第2賭数により遊技が行われるよりも特定役の非当選状態で遊技が行われる方が不利となっており、このような構成に対して特徴M1から特徴M14のいずれかの構成を適用することで、そのような不利な状況で遊技者が遊技する事態となることを好適に抑制することが可能になる。
なお、上記特徴M1乃至特徴M17の各構成に対して、特徴A1乃至特徴A23、特徴B1乃至特徴B18、特徴C1乃至特徴C16、特徴D1乃至特徴D12、特徴E1乃至特徴E21、特徴F1乃至特徴F23、特徴G1乃至特徴G19、特徴H1乃至特徴H6、特徴I1乃至特徴I19、特徴J1乃至特徴J19、特徴K1乃至特徴K14、特徴L1乃至特徴L18、特徴M1乃至特徴M17のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴M群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴M群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。なお、上記各特徴をパチンコ遊技機に適用する場合、各特徴に係るゲーム(1ゲーム)は変動(1変動)であると解することができる。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…スロットマシン、11…筐体、12…前面扉、32…リール、41…スタートレバー、42~44…ストップスイッチ、45…メダル投入口、45a…投入メダル検出センサ、64…スピーカ、65…補助表示部、71…電源スイッチ、73…設定キー挿入孔、81…サブ制御装置、101…主制御装置、184…サウンドIC。

Claims (1)

  1. 前方に開放された筐体と、
    前記筐体の前面側開口部を開閉可能に設けられた扉体と、
    を備えた遊技機であって、
    複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
    各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が開始される第1操作手段と、
    前記第1操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が停止される第2操作手段と、
    前記第1操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記第2操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
    前記抽選手段の抽選結果が所定役の当選結果であって、前記表示部を介して絵柄を視認可能な位置に設定される有効位置に、前記所定役に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定役に対応する遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、
    を備え、
    前記抽選手段による抽選処理にて当選可能な役として特定役が含まれており、
    前記特定役の当選状態であるか否かを判定する特定判定手段と、
    前記扉体を開状態とした場合に操作可能な位置に設けられた特定操作手段と、
    前記特定操作手段の操作を含む所定操作が行われた場合又は前記所定操作が行われた後に特定操作が行われた場合に前記特定判定手段の判定結果に対応する特定報知が所定の報知手段にて行われるようにする特定報知実行手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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