JP2022178412A - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合層の加熱処理時の溶融金属による短絡防止及び過電圧印加時に隣接する半導体装置へのリーク電流を抑制する。【解決手段】第1の導電型を有し、下面に沿った第1の領域に形成され、かつ、第1の開口部OP1において露出した第2の導電型を有する第1のウェル領域81及び第1の導電型を有する第2のウェル領域82からなるダイオード構造部80を有する第1の基板11と、第1の基板11上に配され、半導体層を有する半導体素子40と、熱酸化膜17の下面に形成され、第1の開口部OP1にて第1のウェル領域と接する第1の外部電極21と、熱酸化膜17の下面に形成され、第1の外部電極21から離隔し、かつ、第2の開口部OP2にて第2のウェル領域と接する第2の外部電極22と、を含む。第2のウェル領域は、基板の下面に沿って、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2の中間線を越えて第1の開口部OP1の側にまで延在している。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
近年、発光素子等の半導体素子を搭載した半導体装置等において、当該半導体素子を搭載する搭載基板の内部に過電圧保護素子を内蔵した発光装置が普及している。
例えば、特許文献1には、全域が予めP型不純物を拡散されたシリコンからなる半導体基板(すなわち、P型シリコンの半導体基板)と、当該半導体基板内の上面である発光素子が実装される実装面側にN型不純物が注入されて拡散されたN層とからなる半導体素子としてのツェナーダイオードが形成されている半導体装置が開示されている。また、当該半導体装置において、半導体基板の上面上に形成された一対の上面側配線層上に発光素子が金(Au)からなるバンプを介してフリップチップの態様で接続されている。
特開2008-21987号公報
一般的に、発光素子等の半導体素子のアノード及びカソード電極間距離は半導体装置の外部側に形成された実装電極の電極間距離よりも小さい。そのため、特許文献1においては、半導体基板の上面側配線層と発光素子とを金錫(AuSn)合金のような溶融金属を接合層として接合を行う場合、接合時の加熱処理時において、一方の極性の電極上の溶融した接合層が半導体基板内の上面の側に形成された半導体素子(ツェナーダイオード)の他方の極性部分と接触し、半導体装置が短絡してしまう可能性がある。
また、特許文献1においては、半導体基板の全域が半導体素子(ツェナーダイオード)のP層として機能する。よって、実装基板に実装された半導体装置に過電圧が印加された場合、半導体素子(ツェナーダイオード)の電子なだれ降伏による電流が実装基板上の当該半導体装置に隣接する他の半導体素子又は半導体装置にリーク電流として伝わり、動作不良が発生する可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、接合層の加熱処理時の溶融金属による短絡を防ぐことが可能でありかつ、実装基板に実装された後に過電圧が印加された際に隣接する他の半導体装置へのリーク電流を抑制することが可能な半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体装置は、第1の導電型を有し、上面及び下面に熱酸化膜が形成され、前記下面に形成された前記熱酸化膜に互いに離間する第1の開口部及び第2の開口部が形成されており、前記下面に沿った第1の領域に形成されかつ前記第1の開口部において露出した前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1のウェル領域及び前記第1の領域内の前記下面に沿った第2の領域に形成されかつ前記第2の開口部において露出した前記第1の導電型を有する第2のウェル領域からなるダイオード構造部と、を有する単結晶シリコンからなる基板と、前記基板上に配され、半導体層を有する半導体素子と、前記熱酸化膜の下面に形成され、前記第1の開口部にて前記第1のウェル領域と接する第1の外部電極と、前記熱酸化膜の下面に形成され、前記第1の外部電極から離隔しかつ、前記第2の開口部にて前記第2のウェル領域と接する第2の外部電極と、を含み、前記第2のウェル領域は、前記基板の前記下面に沿って、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の中間線を越えて前記第1の開口部の側にまで延在していることを特徴としている。
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、第1の導電型を有する単結晶シリコンからなる基板を用意する工程と、前記基板の下面に沿った第1の領域に前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1のウェル領域を形成する第1の拡散工程と、前記第1の領域内の前記基板の前記下面に沿った第2の領域に前記第1の導電型を有する第2のウェル領域を形成する第2の拡散工程と、前記基板の前記下面に、前記第1のウェル領域を露出する第1の開口部及び前記第2のウェル領域を露出する第2の開口部を有する熱酸化膜を形成する熱酸化膜形成工程と、前記熱酸化膜の下面において、前記第1の開口部にて前記第1のウェル領域と接する第1の外部電極及び前記第1の外部電極から離隔しかつ前記第2の開口部にて前記第2のウェル領域と接する第2の外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含み、前記第2の拡散工程において、前記第2のウェル領域を前記基板の前記下面に沿って、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の中間線を越えて前記第1の開口部の側にまで延在するように形成することを特徴としている。
本発明の実施例1に係る半導体装置の上面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の素子載置面の拡大図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の複合基板とフリットガラスとの接合領域の断面の拡大図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置のダイオード構造部の断面の拡大図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造フローを示す図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造フローを示す図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造フローを示す図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例1に係る半導体装置の製造時の1ステップにおける断面図である。 本発明の実施例2に係る半導体装置のダイオード構造部の断面の拡大図である。
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。尚、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。尚、以下の説明において、「材料1/材料2」との記載は、材料1の上に材料2が積層された積層構造を示す。また、「材料1材料2」との記載は、材料1及び2による合金を示す。
図1は、実施例1に係る半導体装置100の上面図を示している。また、図2は、図1の半導体装置100のA-A線における断面図を示している。
半導体装置100は、上面に凹部としてのキャビティを有する複合基板10と、複合基板10のキャビティ底面である素子載置面13に載置された半導体素子40と、複合基板10の上面上に複合基板10のキャビティを覆うように形成された蓋部材50と、を有する。また、半導体装置100は、キャビティの底面から複合基板10の下面まで貫通する複数の貫通孔16を有する。また、半導体装置100は、複合基板10の底面に形成された一対の実装電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22と、複合基板10の複数の貫通孔16を充填しかつ第1の外部電極21及び第2の外部電極22と電気的に接続する複数の貫通電極30と、を有する。また、半導体装置100は、複合基板10の内部において、当該複合基板10の下面に沿った領域に形成されたダイオード構造部80を有する。なお、図1においては、各要素の構造及び位置関係を明確にするために、蓋部材50は省略している。また、図1においては、各要素の構造及び位置関係を明確にするために、半導体素子40を破線で示している。
基板としての複合基板10は、図2に示すように、例えば、主面が(100)の結晶面となる第1の導電型の単結晶シリコン(Si)からなる第1の基板11と、第1の基板11の上面上に形成された酸化シリコン(SiO)からなる埋め込み酸化膜(BOX:Buried Oxide)14と、主面が(100)の結晶面となる単結晶シリコン(Si)からなり第1の基板11の上面上に埋め込み酸化膜14を介して貼り合わせた第2の基板12と、を有するSOI(Silicon On Insulator)基板である。
第1の基板11は、例えば、Siにリン(P)又はヒ素(As)等のN型不純物がドープされた第1の導電型としてのN型の半導体基板である。また、第1の基板11は、例えば、キャリア密度が約1E15cm-3となるようにN型不純物がドープされている。また、第1の基板11は、例えば、約50μmの厚さを有する平板状の半導体基板である。
第2の基板12は、例えば、ノンドープの単結晶Siからなる基板である。また、第2の基板12は、例えば、約250μmの厚さを有する基板である。また、第2の基板12は、上面から下面まで貫通するように開口された上面開口部15が形成されている。言い換えれば、複合基板10は、上面に第2の基板12の上面から第1の基板11の上面まで貫通するように形成された上面開口部15を有する。
上面開口部15は、例えば、上面開口部15の内側面が第2の基板12の(111)の結晶面となるように、第2の基板12の上面から下面に向けて開口面が窄むように形成されている。具体的には、上面開口部15の内側面は、第1の基板11の上面に対して約54.74°の角度で形成されている。
複合基板10は、第1の基板11と第2の基板12の上面開口部15とからなるキャビティを形成している。すなわち、第2の基板12は、複合基板10のキャビティの側壁部として機能する。また、第2の基板12の上面開口部15から露出している第1の基板11の上面は、キャビティの底面でありかつ半導体素子40が載置される素子載置面13として機能する。
本実施例においては、第2の基板12がノンドープの単結晶Siからなる基板である場合について説明するが、第2の基板12が第1の基板11と同様の導電型を有する半導体基板であってもよい。
上述の通り、半導体装置100は、第1の導電型であるN型の導電性を有する単結晶シリコンからなる複合基板10を含む。また、複合基板10は、板状の第1の導電型を有する単結晶シリコンからなる第1の基板11と、第1の基板11上に配されかつ第1の基板11の上面と共に凹部としてのキャビティを形成する内側面を有する上面開口部15を備えた第2の基板12とが貼り合わされて形成され、第1の基板11の第2の基板12の側の面には、埋め込み酸化膜14が形成されている。
複数の貫通孔16は、複合基板10の下面に第1の基板11の下面から素子載置面13まで柱状に貫通するように形成されている。また、複数の貫通孔16は、上面視においてキャビティの底面である素子載置面13内の領域内の所定の領域に形成されている。さらに、複数の貫通孔16は、当該所定の領域において規則的に配置されている。
熱酸化膜17は、第1の基板11の素子載置面13、下面及び複数の貫通孔16の内側面に第1の基板11を被覆するように形成されている。また、熱酸化膜18は、第2の基板12の上面及び上面開口部15の内側面に第2の基板12を被覆するように形成されている。言い換えれば、複合基板10には、上面及び下面に熱酸化膜17及び18が形成されている。
熱酸化膜17及び18の各々は、例えば、単結晶Siである第1の基板11及び第2の基板12に熱酸化処理を施して形成されたSiOからなる酸化膜である。熱酸化膜17及び18の各々は、例えば、約0.5μmの膜厚で形成されている。熱酸化膜17及び18の膜厚が小さい場合、特に第2の基板12の上面においては、後述の蓋部材50との接合層であるフリットガラス層60との接合部において、クラック等の不具合が発生する可能性がある。
また、貫通孔16の内側面に形成される熱酸化膜17においても、同様にその膜厚が約0.5μmの膜厚で形成されている。これにより、熱酸化膜17及び18は、複合基板10の表面を絶縁している。言い換えれば、複合基板10には、キャビティの底面から複合基板10の裏面まで柱状に貫通しかつ内側面が熱酸化膜17によって覆われている複数の貫通孔16が形成されている。
また、本実施例においては、半導体装置100は、ウェハ状の複合基板10上に格子状に連続して複数の半導体装置100を一括的に製造するウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer Level Package)の態様である。また、半導体装置100は、前後左右に連続して配列されるように当該ウェハ上でマトリクス状に形成される。その後、ウェハをダイシングによって個片化し、複数の半導体装置100を製造する。よって、半導体装置100の外側面である第1の基板11及び第2の基板12の側面は、ダイシングによる切断面となる。従って、第1の基板11及び第2の基板12の各々の外側面には、熱酸化膜17及び18は形成されていない。なお、第1の基板11及び第2の基板12の各々の外側面には、ダイシング工程後に自然酸化によるSiO膜が形成されているが、本説明においては自然酸化によるSiO膜の図示は省略する。
複数の貫通電極30の各々は、第1の基板11の下面から複数の貫通孔16を充填するようにかつ第1の基板11の素子載置面13から突出するように柱状に形成されている。また、複数の貫通電極30は、例えば、第1の基板11の下面からCu層31、Ni層32及び金属接合層としてのAuSn層33の順に積層されて形成されている。言い換えれば、複数の貫通孔16には、複合基板10の複数の貫通孔16を充填しかつキャビティの底面から突出した柱状の複数の貫通電極30が形成されている。
Cu層31は、例えば、複合基板10の下面から約49μmの厚さで複数の貫通孔16の各々の内部に充填されている。すなわち、Cu層31は、第1の基板11の下面から素子載置面13よりも低い高さまで充填されるように形成されている。
Ni層32は、例えば、Cu層31の上面上に約1μmの厚さで複数の貫通孔16の各々の内部に充填されている。すなわち、Ni層32は、図2に示すように、Ni層32の上面と素子載置面13の上面とが同一高さとなるように形成されている。
AuSn層33は、Ni層32の上面上に約5μmの厚さで素子載置面13の上面上より突出するように形成されている。すなわち、AuSn層33は、図2に示すように、Ni層32の上面形状に沿った上面形状を有するように形成されている。
AuSn層33は、加熱処理されることで溶融し、後述の半導体素子40の底面に形成されたアノード電極42又はカソード電極41と共晶接合する金属接合層として機能する。なお、Ni層32は、Cu層31とAuSn層33とが拡散混合することを抑制するバリア層として機能する。
なお、複数の貫通電極30のNi層32は、後述の半導体素子40との接合安定性を確保するため、その上面の高さ位置が第1の基板11の素子載置面13と同一又はそれよりも低い位置であることが好ましい。Ni層32が素子載置面13よりも高い位置にある場合、後述の半導体素子40を接合させる際に当該半導体素子40の電極とNi層32の接触等が発生し、半導体素子40の接合安定性に影響を及ぼす可能性がある。
また、複数の貫通電極30は、素子載置面13に規則的に配置された複数の貫通孔16の各々に形成され、複数の貫通電極30の各々が半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42と接合している。これにより、半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42と複数の貫通電極30の各々との間にボイドを発生することを防ぐことが可能となる。具体的には、半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42を略同等の形状の上面形状を有する内部電極と面同士で接合させる場合、溶融したAuSnに気泡が閉じ込められ意図しないランダム位置にボイドが発生する可能性がある。
第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々は、例えば、複合基板10の熱酸化膜17側からチタン(Ti)/銅(Cu)/ニッケル(Ni)/金(Au)の順で積層された金属層からなる電極である。第1の外部電極21及び第2の外部電極22は、互いに離間しつつ複合基板10の下面に形成された複数の貫通電極30の各々を覆うように形成されている。第1の外部電極21及び第2の外部電極22と複数の貫通電極30とは、複合基板10の下面において電気的に接触している。すなわち、半導体装置100は、下面の側が図示しない実装基板への実装面となり、第1の外部電極21及び第2の外部電極22は、当該実装基板への実装電極として機能する。
また、複数の貫通電極30の各々は、複数の貫通孔16の各々を充填するように形成されている。また、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々は、複合基板10の下面において複数の貫通電極30の各々を覆うように形成されている。言い換えれば、複数の貫通電極30は、半導体素子40の一対の電極の各々と第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々とを電気的に接続する。
これにより、複合基板10キャビティ内部は、複数の貫通孔16を介した複合基板10の下面の側に対して気密されている。
半導体素子40は、素子載置面13の上面上に載置されている。本実施例においては、半導体素子40は、例えば、アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)系の半導体層を発光層とする深紫外線の光を放射する発光素子である。具体的には、窒化アルミニウム(AlN)の基板上にN型のAlGaN半導体層、AlGaN活性層及びP型のAlGaN半導体層を積層させ、AlGaN活性層から深紫外線の光を放射する半導体素子である。本実施例においては、半導体素子40の上面の側からAlN基板、N型のAlGaN半導体層、AlGaN活性層及びP型のAlGaN半導体層が形成されている。言い換えれば、半導体装置100は、複合基板10上に配され、半導体層を有する半導体素子40を含む。また、半導体素子40は、半導体層から紫外光を放射する発光素子である。
また、半導体素子40は、N型のAlGaN半導体層と電気的に接続された金属からなるカソード電極41及びP型のAlGaN半導体層と電気的に接続された金属からなるアノード電極42が半導体素子40の下面に形成されている。
カソード電極41及びアノード電極42は、露出面にAuからなる金属層が被覆されている。すなわち、半導体素子40は、下面に一対の電極であるカソード電極41及びアノード電極42が形成されたフリップチップ接続の態様の半導体素子である。すなわち、半導体素子40は、下面に一対の電極としてのカソード電極41及びアノード電極42を備える。
よって、半導体素子40は、AlGaN活性層から放射される深紫外線の光がAlN基板を透過して半導体素子40の上面から放射される。すなわち、半導体素子40の上面であるAlN基板の上面が半導体素子40の光取り出し面として機能し、カソード電極41及びアノード電極42が形成された下面が複合基板10への実装面として機能する。
また、半導体素子40は、カソード電極41及びアノード電極42の各々が複数の貫通電極30の各々の上面上に載架されるように接合されている。具体的には、半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42の各々と貫通電極30の各々のAuSn層33とが接合されている。半導体素子40は、図2に示すように、カソード電極41が貫通電極30を介して第1の外部電極21と電気的に接続されており、アノード電極42が貫通電極30を介して第2の外部電極22と電気的に接続されている。すなわち、半導体装置100は、第1の外部電極21がカソード実装電極(負極)として機能し、第2の外部電極22がアノード実装電極(正極)として機能する。
本実施例においては、半導体素子40は、AlGaN活性層から紫外光を放射する発光素子である。半導体素子40は、アノード電極42からカソード電極41の方向(順方向電位)に6V以上の電圧値を印加して駆動する。
蓋部材50は、複合基板10の上面に複合基板10のキャビティを覆うように配されている。蓋部材50は、例えば、SiOを主原料とし、半導体素子40から放射される深紫外線を透過する深紫外線透過ガラスである。蓋部材50の熱膨張係数は、例えば、3×10-6/℃以上5×10-6/℃以下であり、単結晶Siである第1の基板11及び第2の基板12の熱膨張係数(3.9×10-6/℃)と整合するように形成されている。
また、蓋部材50は、フリットガラス層60を介して複合基板10の上面と接合されている。言い換えれば、半導体装置100は、複合基板10の上面にフリットガラス層60を介して接合されたガラスからなる蓋部材50をさらに含む。
フリットガラス層60は、例えば、粉体状のフリットガラスを含むペーストを原料としたガラス状の接合層である。フリットガラス層60は、原料であるペーストが蓋部材50の第2の基板12の上面に対向する面に複合基板10のキャビティの周囲を囲繞するように予め塗布されている。また、ペーストが塗布された蓋部材50は、複合基板10との接合前に約500℃で仮焼されている。
フリットガラス層60は、例えば、SiOを主原料としたガラスである。フリットガラス層60は、複合基板10のキャビティの周囲を囲繞するフリットガラス層60を加熱して溶融させることで蓋部材50と第2の基板12とを接合している。また、フリットガラス層60は、後述するレーザによって局所的にかつ短時間で加熱することで溶融されて蓋部材50と第2の基板12とを接合する。
蓋部材50がフリットガラス層60を介して第2の基板12の上面と接合されることにより、複合基板10のキャビティ内部は、蓋部材50及びフリットガラス層60を介した複合基板10の上面の側に対して気密されている。すなわち、半導体装置100は、第1の基板11及び第2の基板12によって形成されたキャビティの内部が気密に封止された収容空間HSを有する。また、収容空間HSには、例えば、紫外光で変質しない窒素(N)ガス等の封止ガスが充填されている。
また、蓋部材50及びフリットガラス層60は、複合基板10と同様に、ウェハ状の蓋部材50の複合基板10と対向する面に格子状に連続してフリットガラス層60が形成されている。すなわち、蓋部材50は、半導体装置100の製造時において、複合基板10上に格子状に形成された複数のキャビティを一括的に覆うようにフリットガラス層60を介して接合されている。また、蓋部材50は、製造時のダイシング工程において、複合基板10と同時に切断される。よって、半導体装置100は、複合基板10にウェハ状の複合基板10を用いることにより、ウェハ上に半導体装置100を格子状に形成するウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer Level Package)として製造することが可能となる。
従来においては、個々のAlNからなる基板を用い、当該基板を1つずつ気密封止する必要があったため、製造時のタクトやコストに難点があった。本実施例においては、半導体装置100は、ウェハ状の複合基板10上に格子状にキャビティを形成し、フリットガラス層60を形成した蓋部材50で一括に気密封止した後、ダイシングによる個片化をすることが可能となる。これにより、半導体装置100は、製造時のタクトやコストを向上させることが可能となる。
また、従来においては、AlN基板と蓋部材とをAuSnによる共晶接合を用いて気密封止を行っていた。そのため、半導体装置は素子載置部への半導体素子の接合及びAlN基板への蓋部材の接合の2度にわたってAuSnによる共晶接合を行っていた。この際、気密封止時である蓋部材の接合時の2度目のAuSn共晶接合時に、半導体素子を接合させたAuSnが再溶融して半導体素子の載置位置のずれ等の製造不良が発生する可能性があった。
本実施例においては、半導体装置100は、製造時にAuSnによる共晶接合を行う箇所が半導体素子40の接合のみでありかつ、蓋部材50をフリットガラス層60のレーザによって局所的にかつ短時間の加熱を行う。これにより、蓋部材50と複合基板10との接合時に半導体素子40と複数の貫通電極30の各々とのAuSnによる共晶接合層の再溶融を防止することができる。従って、半導体装置100は、製造時のAuSnの再溶融による半導体素子の載置位置のずれ等の製造不良を防止することが可能となる。
ダイオード構造部80は、第1の基板11内の下面に沿った領域に複数の貫通孔16と離間するように形成されている。ダイオード構造部80は、例えば、第1の基板11の下面において、第1の外部電極21及び第2の外部電極22に亘る第1の領域に第1の基板11の下面の側からホウ素(B)等のP型不純物が拡散された第2の導電型である第1のウェル領域としてのP型ウェル領域81を有する。また、ダイオード構造部80は、例えば、第1の基板11の下面において、第1の領域内の第2の領域に第1の基板11の下面の側からリン(P)等のN型不純物が拡散された第1の導電型である第2のウェル領域としてのN型ウェル領域82を有する。
また、P型ウェル領域81の下面に形成されている熱酸化膜17は、P型ウェル領域81の下面まで貫通するように開口された第1の開口部OP1が形成されている。また、第1の開口部OP1には、第1の外部電極21が充填されるように形成されている。すなわち、第1の開口部OP1において、P型ウェル領域81と第1の外部電極21とが電気的に接触している。
また、N型ウェル領域82の下面に形成されている熱酸化膜17は、N型ウェル領域82の下面まで貫通するように開口された第2の開口部OP2が形成されている。また、第2の開口部OP2には、第2の外部電極22が充填されるように形成されている。すなわち、第2の開口部OP2において、N型ウェル領域82と第2の外部電極22とが電気的に接触している。言い換えれば、半導体装置100は、複合基板10の下面に形成された熱酸化膜17に互いに離間する第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2が形成されており、複合基板10の下面に沿った第1の領域に形成されかつ第1の開口部OP1において露出した第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1のウェル領域としてのP型ウェル領域81及び第1の領域内の下面に沿った第2の領域に形成されかつ第2の開口部OP2において露出した第1の導電型を有する第2のウェル領域としてのN型ウェル領域82からなるダイオード構造部80を含む。
従って、ダイオード構造部80は、N型半導体基板である第1の基板11の内部において、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の間に形成されたP型ウェル領域81及びN型ウェル領域82からなるpn接合ダイオードである。
第1の外部電極21は、半導体素子40のカソード電極41及びダイオード構造部80のアノードであるP型ウェル領域81に接続されている。また、第2の外部電極22は、半導体素子40のアノード電極42及びダイオード構造部80のカソードであるN型ウェル領域82に接続されている。すなわち、ダイオード構造部80は、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の間で半導体素子40と並列にかつ逆極性に接続されたツェナーダイオードとして機能する。言い換えれば、半導体装置100は、熱酸化膜17の下面に形成され、第1の開口部OP1にてP型ウェル領域81と接する第1の外部電極21と、熱酸化膜17の下面に形成され、第1の外部電極21から離隔しかつ、第2の開口部OP2にてN型ウェル領域82と接する第2の外部電極22と、を含む。
また、P型ウェル領域81は、第1の基板11の下面の側からキャリア密度が約1E17cm-3となるようにP型不純物であるホウ素が拡散されている。また、N型ウェル領域82は、第1の基板11の下面の側からキャリア密度が約1E19cm-3となるようにN型不純物であるリンが拡散されている。すなわち、ダイオード構造部80は、P型ウェル領域81よりもN型ウェル領域82の方がキャリア密度が高い片側階段接合の構造を有するツェナーダイオードである。
ダイオード構造部80は、半導体素子40に外部から、例えば、静電気等の過電圧が印加された場合に、半導体素子40を保護するように動作する。具体的には、第2の外部電極22から第1の外部電極21の方向(順方向電位)に静電気による過電圧が印加された際に、ダイオード構造部80はカソードであるN型ウェル領域82からアノードであるP型ウェル領域81の方向に電流を流す。これにより、ダイオード構造部80は、半導体素子40の電位を一定に保ち、半導体素子40を保護することが可能となる。
半導体素子40は、上述の通り、アノード電極42及びカソード電極41に6V以上の電圧値を印加して駆動する半導体素子である。すなわち、片側階段接合の構造を有するダイオード構造部80は、過電圧が印加された際に電子なだれ降伏(アバランシェ降伏)が優位的に作用するツェナーダイオードである。すなわち、ダイオード構造部80は、ツェナーダイオード又はアバランシェダイオードである。
このように、本実施例においては、ツェナーダイオードをダイオード構造部80として半導体装置100の複合基板10の内部に形成する。これにより、複合基板10の凹部であるキャビティ内に半導体素子40と個別半導体のツェナーダイオードとを並置することなく、半導体素子40とツェナーダイオードとしてのダイオード構造部80とを備えることが可能となる。よって、複合基板10のキャビティ底面の面積を小さくすることができ、半導体装置100の外形も小さくすることが可能となる。発明者らの検証によれば、本実施例の半導体装置100は、個別半導体のツェナーダイオードと半導体素子40とをキャビティ内に並置する構造の半導体装置に比べ、半導体装置100の搭載面積(下面面積)を約50%低減することが可能となった。
また、本実施例においては、半導体素子40は半導体層から紫外光を放射する発光素子である。ツェナーダイオードをダイオード構造部80として半導体装置100の複合基板10の内部に形成することにより、半導体素子40をキャビティの中央に載置することが可能となる。これにより、半導体素子40から放射された光が上面開口部15の内側面に均一に照射され、半導体装置100から出光する光の輝度ムラや出光方向のずれを抑制することが可能となる。また、キャビティ内に半導体素子40と個別半導体のツェナーダイオードとを並置する場合と比べ、半導体素子40から放射された光が個別半導体のツェナーダイオードによる遮光及び吸光されることがないため、半導体装置100の光取り出し効率を向上させることが可能となる。発明者らの検証によれば、本実施例の半導体装置100は、個別半導体のツェナーダイオードと半導体素子40とをキャビティ内に並置する構造の半導体装置に比べ、半導体装置100の光出力を約14%向上させることが可能となった。
また、本実施例においては、半導体装置100は、ウェハ状の複合基板10上に格子状に連続して複数の半導体装置100を一括的に製造するウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer Level Package)の態様である。すなわち、ダイオード構造部80は、ウェハ状の複合基板10の各々の半導体装置100の製造領域の下面に一括的に形成される。これにより、本実施例の半導体装置100は、個別半導体のツェナーダイオードと半導体素子40とをキャビティ内に並置する構造の半導体装置に比べ、個別半導体のツェナーダイオードのダイシング工程、ダイボンド工程等を省略することが可能となる。よって、本実施例の半導体装置100は、生産性を向上させかつ、製造コストを低減させることが可能となる。
図3は、実施例1に係る半導体装置100の複数の貫通電極30の構造を示す素子載置面13の上面の拡大図である。尚、図3においては、複数の貫通電極30の構造を及び位置関係を明確にするために、半導体素子40、カソード電極41、アノード電極42及びダイオード構造部80を破線にて示している。
図3に示す通り、複数の貫通電極30の各々は、半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42の各々が載置される領域に形成されている。また、複数の貫通電極30の各々は、ダイオード構造部80が形成されている領域とはそれぞれ離間するように形成されている。すなわち、複数の貫通電極30とダイオード構造部80とは、複数の貫通孔16の内側面に形成されている熱酸化膜17によって絶縁されている。
複数の貫通電極30の各々は、例えば、直径が30μmの円柱状に形成されている。半導体素子40は、カソード電極41及びアノード電極42の各々の1の電極面に対して、複数の貫通電極30が接合されている。
仮に、素子載置面13に半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42と同等の形状の内部電極を形成する場合、当該内部電極とカソード電極41又はアノード電極42とは互いに1つの面同士でAuSn接合がなされる。この場合、内部電極とカソード電極41又はアノード電極42の接合面において、AuSnの接合層内部に予測できない又は制御できないボイドが発生する可能性がある。このボイドによって、製造後の半導体素子の駆動時の発熱時に接合層のクラック等の信頼性に影響を及ぼす恐れがある。
本実施例においては、複数の貫通電極30の各々は互いに離間されるように形成されている。また、半導体素子40は、当該複数の貫通電極30の各々の上面を載架するように接合されている。これにより、半導体素子40と複数の貫通電極30との接合界面に予測できない又は制御できないボイドの発生を抑制することができ、半導体装置100の製造後に半導体素子40と複数の貫通電極30の各々の接合部のボイドによる信頼性への影響を低減することが可能となる。
また、図3に示すように、複数の貫通電極30は、キャビティの底面において、各々が正三角形格子の格子点上に配されている。また、複数の貫通電極30の各々は、例えば、直径が30μmの円柱で形成されかつ、隣り合う貫通電極30の中心点同士の距離が60μmとなるように配置されている。上記のような配置で複数の貫通電極30を配することにより、複数の貫通電極30の各々は、1の貫通電極30とその周囲に配置された他の貫通電極30との離間する距離が統一されるように配置されている。
仮に、複数の貫通電極30が正方形格子の格子点上に配されたマトリクス状に形成されていた場合、上面視において1の貫通電極30と上下左右に配置される他の貫通電極30とは離間距離が等距離となる。しかし、1の貫通電極30の斜め方向に配置される他の貫通電極30との距離は異なる。これにより、半導体素子40の接合時や半導体素子40の駆動時等の発熱時等に、素子載置面13の上面の面内にかかる応力に偏りが生じ、第1の基板11に微小なクラック等が発生してキャビティ内の気密が破れる可能性がある。
本実施例においては、上記に通り、複数の貫通電極30の各々は、正三角形格子の格子点上に配置されている。これにより、半導体素子40の接合時や半導体素子40の駆動時の発熱時等において、素子載置面13の上面の面内にかかる応力が一様となる故、第1の基板11のクラック等を抑制することが可能となる。
また、本実施例のように、複数の貫通電極30の各々を正三角形格子の格子点上に配置することにより、複数の貫通電極30は、マトリクス状に複数の貫通電極30を配置するよりも多い数量の複数の貫通電極30を形成することが可能となる。これにより、半導体素子40の駆動時の発熱をより多く実装基板へ放熱することが可能となる。発明者らの検証によれば、本実施例のように複数の貫通電極30の各々を正三角形格子の格子点上に配置することにより、マトリクス状に複数の貫通電極30を配置するよりも1.2倍多数量の複数の貫通電極30を配置することが可能となる。
図4は、図2に示したフリットガラス層60と第2の基板12の接合部CAの拡大図である。
上述の通り、複合基板10は、フリットガラス層60を介して蓋部材50と接合されている。また、第2の基板12の上面上には、熱酸化膜18が形成されている。この時、フリットガラス層60と第2の基板12との間には、上方から順にフリットガラス層60と、熱酸化膜18とが相互に拡散した反応層としての相互拡散層70と、残存熱酸化膜18Rと、が形成されている。言い換えれば、複合基板10とフリットガラス層60との接合部分において、複合基板10とフリットガラス層60の間には、複合基板10の表面から熱酸化膜18の残存熱酸化膜18Rと、熱酸化膜18とフリットガラス層60との反応層である相互拡散層70とが順に形成されている。
相互拡散層70は、フリットガラス層60を加熱して溶融させることで第2の基板12の上面上に形成された熱酸化膜18のSiOとフリットガラス層60のSiOとが相互拡散をすることで形成される。すなわち、フリットガラス層60の接合部においては、第2の基板12の上面から順に残存熱酸化膜18R、相互拡散層70、フリットガラス層60が積層された構造となる。また、熱酸化膜18は、熱酸化処理において、熱酸化膜18の膜厚(T1)が約0.5μmの膜厚で形成されている。
残存熱酸化膜18Rの膜厚(T2)は、熱酸化膜18の膜厚(T1)の0.5倍以上の膜厚が残存することが好ましい。すなわち、残存熱酸化膜18Rの膜厚(T2)は、0.25μm以上の膜厚で残存することが好ましい。残存熱酸化膜18Rは、熱酸化膜18の膜厚を約0.5μmとすることにより、熱処理後の残存熱酸化膜18Rの残存を確実なものとすることができる。
残存熱酸化膜18Rの膜厚(T2)が薄い場合又は残存熱酸化膜18Rが形成されない場合、相互拡散層70の下端近傍にクラックが生じ、収容空間HSの気密封止が破られる可能性がある。
熱酸化膜18は、熱酸化処理によって単結晶Siである第2の基板12の表面から酸素が拡散されSiO膜として形成される。そのため、熱酸化膜18は、熱酸化膜18の上面から第2の基板12の上面に至るまで一様に完全なSiOとして形成されておらず、熱酸化膜18から下方に向かうに従ってSiOの酸素欠損量が上昇しつつ単結晶Siの結晶性に近づいていく。言い換えれば、第2の基板12の上面から上方に向けてSiに対するSiOの存在比が上昇しかつ、Si結晶性も失われていく。すなわち、第2の基板12の表面近傍の熱酸化膜18は、Siの結晶性を一部有しかつSiとSiOとが混在している。
また、熱酸化膜18とフリットガラス層60との相互拡散層70は、アモルファス構造のSiOである。すなわち、残存熱酸化膜18Rの膜厚(T2)が薄い場合、残存熱酸化膜18Rの上端においては、Siとその結晶性を一部有する可能性がある。
仮に、アモルファス構造を有するSiO層とSiとその結晶性を一部含むSiO層を接合させた場合、その接合界面において原子の配列が急激に変化する。この場合、当該接合界面の接合強度が低いことが予想される。これにより、半導体素子40の駆動時の発熱等により当該接合界面に応力が生じた場合、当該接合界面にクラックが生じて収容空間HSの気密封止が破られる可能性がある。これに対して、十分にアモルファス構造化させたSiO層同士を接合させた場合、両者とも結晶性は持たないため、原子配列の急激な変化は生じない故、発熱時等に応力が生じにくい。すなわち、残存熱酸化膜18Rは、第2の基板12及び相互拡散層70の間の格子不整合を緩和するバッファ層として機能する。
よって、残存熱酸化膜18Rは、十分にアモルファス構造となったSiOとなる以上の膜厚と推測される0.25μm以上の膜厚で残存することにより、複合基板10と蓋部材50とは、フリットガラス層60を介して高い接合強度で接合することが可能となる。
すなわち、残存熱酸化膜18Rは、単結晶シリコンである第2の基板12とアモルファス構造のSiOであるフリットガラス層60との結晶構造の差による内部応力を緩和するバッファ層として機能する。なお、残存熱酸化膜18Rの膜厚(T2)は、十分にアモルファス構造となったSiOとなる以上の膜厚であればよい。
上記のように、フリットガラス層60と第2の基板12の接合部において、第2の基板12の上面から残存熱酸化膜18R、相互拡散層70、フリットガラス層60の順で層が形成されることにより、収容空間HSの高い気密性を保持することが可能となる。発明者らの検証によれば、半導体装置100の収容空間HSは、日本産業規格JIS-Z2331にて規定されたヘリウム(He)リーク試験において、従来製品であるAlN基板と、AlN基板と蓋部材をAuSnにて接合させた製品と同等以上の気密性を得ることができた。
図5は、図2に示したダイオード構造部80を示すZD部の拡大図である。
上述の通り、ダイオード構造部80は、第1の基板11の内部の下面に沿った領域に形成されている。また、第1の基板11の下面には、ウェット熱酸化処理によって形成された熱酸化膜17が形成されている。また、熱酸化膜17の下面には、互いに離間するように形成された一対の外部電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22が形成されている。
また、ダイオード構造部80は、第1の基板11の下面において、第1の外部電極21及び第2の外部電極22に亘った領域に形成されたP型ウェル領域81と、P型ウェル領域81内に形成されたN型ウェル領域82と、からなる。
また、P型ウェル領域81は、第1の基板11の下面に沿った領域において、不純物であるホウ素が当該領域に偏析した高濃度ウェル領域としてのP偏析層81Hを有する。P偏析層81Hは、例えば、第1の基板11の下面から約数nm~10数nmの厚みで形成されている。また、P偏析層81Hは、例えば、キャリア密度が約1E19cm-3となるように不純物であるホウ素が偏析している。言い換えれば、P型ウェル領域81は、第1の開口部OP1に面した1の領域に他の領域よりもキャリア密度の高いP偏析層81Hを有する。
また、第1の基板11の下面に形成された熱酸化膜17には、P型ウェル領域81と第1の外部電極21とが重なり合う領域のうちの一部が熱酸化膜17の下面からP型ウェル領域81の下面まで貫通するように開口された第1の開口部OP1が形成されている。また、熱酸化膜17には、N型ウェル領域82と第2の外部電極22とが重なり合う領域のうちの一部が熱酸化膜17の下面からN型ウェル領域82の下面まで貫通するように除去された第2の開口部OP2が形成されている。すなわち、P型ウェル領域81のP偏析層81Hは第1の開口部OP1においてその下面が露出しており、N型ウェル領域82は第2の開口部OP2においてその下面が露出している。
第1の外部電極21は、熱酸化膜17の下面において、第1の開口部OP1を含む領域に形成されている。また、第2の外部電極22は、熱酸化膜17の下面において、第2の開口部OP2を含む領域に形成されている。第1の外部電極21及び第2の外部電極22は、熱酸化膜17の下面の側からチタン(Ti)からなるTiシード層21A及び22A、銅(Cu)からなるCuシード層21B及び22B、ニッケル(Ni)からなるNiめっき層21C及び22C、金錫(AuSn)合金からなるAuSnめっき層21D及び22Dが順に積層されて形成されている。また、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2において、Tiシード層21A及び22Aは、P偏析層81Hの下面の露出面、N型ウェル領域82の下面の露出面を覆うように形成されている。
すなわち、第1の外部電極21は、第1の開口部OP1において、Tiシード層21AとP偏析層81Hとが電気的に接触する第1のコンタクト部C1を形成する。また、第2の外部電極22は、第2の開口部OP2において、Tiシード層22AとN型ウェル領域82とが電気的に接触する第1のコンタクト部C1を形成する。言い換えれば、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々は、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2において、複合基板10の下面からTiシード層21A及び22A、Cuシード層21B及び22B、Niめっき層21C及び22Cがこの順に積層されている。
通常、P型半導体、特にキャリア密度が約1E17cm-3のP型半導体とTi等の金属層との間でオーミック接触をなすように接合させる場合、当該P型半導体と金属層とを接合界面で合金化させるように加熱処理又はレーザ照射処理等を施してオーミック接触させる。
本実施例においては、P型ウェル領域81は、P型ウェル領域81とTiシード層21Aとの接触領域において、キャリア密度が約1E19cm-3のP偏析層81Hが約数nm~10数nmの厚みで形成されている。これにより、P偏析層81HとTiシード層21Aの間の空乏層の幅を小さくすることができ、P偏析層81HとTiシード層21Aの間の空乏層でトンネル効果を起こすことにより、オーミック接触を実現することが可能である。
具体的には、P型ウェル領域81に不純物として含まれるホウ素は、単結晶シリコンの内部においてその偏析係数が0.8と、半導体に用いられる不純物の中では大きい部類に入る。そのため、P型ウェル領域81に含まれるホウ素は、後述の製造方法において複数回処理されるウェット熱酸化(約950℃)による熱酸化膜形成工程において熱酸化膜17の界面近傍に偏析し、P偏析層81Hを形成する。これにより、第1のコンタクト部C1において、キャリア密度の高いP偏析層81HとTiシード層21Aとが接合され、オーミック接触を実現することが可能となる。
発明者らによれば、本実施例のダイオード構造部80に7Vの逆電圧(第2の外部電極22から第1の外部電極21の方向の電圧)を印加した際に、ダイオード構造部80に流れるリーク電流が94nAと小さいリーク電流であることを確認した。すなわち、ダイオード構造部80は、P型ウェル領域81とN型ウェル領域82との良好なPN接合が得られかつ、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2において良好なオーミック接触が得られていることを示した。
なお、N型ウェル領域82のキャリア密度は、約1E19cm-3であるため、Tiシード層21Aとオーミック接触を実現することが可能である。
また、ダイオード構造部80の動作時において、キャリアの移動は第1の外部電極21に電気的に接触したP型ウェル領域81と第2の外部電極22に電気的に接触したN型ウェル領域82との間で行われる。P型ウェル領域81とN型半導体基板である第1の基板11との接合界面においては、内部電場による空乏層が形成されている。すなわち、第1の基板11は、P型ウェル領域81と実質絶縁されかつ電気的にフローティング状態となっている。これにより、半導体装置100は、実装基板上で過電圧が印加された際に、第1の基板11の側面から当該実装基板上の隣接する他の半導体装置へのリーク電流を抑制することが可能となる。
また、一対の実装電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22の電極間距離D1は、例えば、約0.5mmである。第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の各々は、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々の対抗する辺から第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々の内方に位置するように形成される。第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の各々の間の距離D2は、例えば、0.7mmである。
第1の外部電極21及び第2の外部電極22の電極間において、ダイオード構造部80は熱酸化膜17によって覆われている。すなわち、ダイオード構造部80は、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2を除く領域において熱酸化膜17によって絶縁されている。従って、半導体装置100は、実装基板に実装する際に、第1の外部電極21及び第2の外部電極22をAuSn又ははんだ等の溶融金属を用いて接合する場合においても、ダイオード構造部80へのリーク電流を抑制することが可能となる。
また、上述の通り、半導体素子40は、6V以上の電圧値を印加して駆動する発光素子である。そのため、ダイオード構造部80は、半導体素子40の駆動電圧の電圧印加方向と逆方向に2倍以上の電圧値の降伏電圧を有することが好ましい。
本実施例において、ダイオード構造部80は、P型ウェル領域81と、当該P型ウェル領域81よりもキャリア密度の高いN型ウェル領域82と、からなる片側階段接合の構造を有するツェナーダイオードである。ダイオード構造部80は、片側階段接合の構造を有することにより、アバランシェ降伏が優位的に作用するツェナーダイオードとなり、高い降伏電圧を確保することが可能となる。
また、本実施例においては、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の間において、N型ウェル領域82を第2のコンタクト部C2から第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の中間よりも第1のコンタクト部C1の側まで延在するように形成されている。言い換えれば、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の間におけるN型ウェル領域82の幅D3は、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の各々の間の距離D2の0.5倍以上の幅で形成されている。言い換えれば、N型ウェル領域82は、複合基板10の下面に沿って、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2の中間線を越えて第1の開口部OP1の側にまで延在している。
これにより、ダイオード構造部80がアバランシェ降伏を起こす電圧(耐圧)を高くすることが可能となる。発明者らによれば、本実施例のダイオード構造部80に逆電圧(第2の外部電極22から第1の外部電極21の方向の電圧)を印加した際に、-33.5Vの降伏電圧を得ることが可能であることを検証した。
次に、図6~8及び図9~24を用いて、本願の実施例1に係る半導体装置100の製造手順について説明する。
図6~8は、本発明の実施例1に係る半導体装置100の製造フローを示す図である。また、図9~24は、図6~8に示す製造手順の各ステップにおける半導体装置100の断面図を示す。図9~24においては、図2と同様に、図1に示したA-A線における断面を用いて説明する。なお、本実施例においては、上述の通り、半導体装置100は、ウェハ状の複合基板10上に半導体装置100を格子状に形成するWLPである。よって、複合基板10は、ウェハ状の複合基板10上において格子状の所定の分割ラインCLによって画定された複数の素子載置領域R1を有する。すなわち、以下に説明する各ステップの処理は、ウェハ状の複合基板10上に格子状に連続してなされている。また、以下の各ステップの処理の説明においては、基本的に1の素子載置領域R1に対して処理を行う場合にて説明する。
まず、図9に示すように、単結晶Siからなる第1の基板11にSiOからなる埋め込み酸化膜14を介して単結晶Siからなる第2の基板12が貼り合わされた複合基板10を準備する基板を用意する工程を行う(ステップS101:基板準備工程)。なお、第1の基板11の上面及び第2の基板12の下面には、熱酸化膜17A及び18Aが形成されている。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、第1の導電型を有する単結晶シリコンからなる第1の基板11を含む複合基板10を用意する工程を含む。
次に、図10に示すように、複合基板10の下面に沿った第1の領域にホウ素を拡散させ、P型ウェル領域81を形成する第1の拡散工程を行う(ステップS102:第1拡散工程)。本ステップにおいては、まず、複合基板10の下面に形成された熱酸化膜17Aの第1の領域を下面の側からバッファードフッ酸(BHF)を用いてエッチングし、第1の領域に第1の基板11の下面を露出させる。次に、例えば、複合基板10の下面に窒素雰囲気下にて900℃、1hでボロンシリケートガラス(BSG)を形成して第1の基板11の第1の領域にホウ素を付着させる。その後、BSG及び熱酸化膜17A並びに18Aを除去し、窒素雰囲気下にて1100℃、2.5hのドライブイン熱処理を行いホウ素を第1の基板11の内部に拡散させる。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複合基板10の下面に沿った第1の領域に第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するP型ウェル領域81を形成する第1の拡散工程を含む。また、第1の拡散工程において、第1の領域の複合基板10の下面にボロンシリケートガラスを形成してホウ素を第1の基板11の内部に固相拡散させる。
なお、本実施例においては、第1の基板11の第1の領域にBSGを形成する固相拡散を用いる場合について説明するが、ホウ素を第1の基板11に拡散させる方法はこれに限定されない。例えば、第1の領域の下方からホウ素イオンを注入するイオン注入法等の他の拡散方法を用いてもよい。
次に、図11に示すように、第1の基板11の下面及び第2の基板12の上面に熱酸化膜17B及び18Bを形成する(ステップS103:第1熱酸化工程)。本ステップにおいては、P型ウェル領域81が形成されたウェハを酸素(O)及び水(HO)雰囲気下にて950℃、2.5hのウェット熱酸化処理を施して熱酸化膜17B及び18Bを形成する。
次に、図12に示すように、第1の領域の複合基板10の下面に沿った第2の領域にリンを拡散させ、N型ウェル領域82を形成する第2の拡散工程を行う(ステップS104:第2拡散工程)。本ステップにおいては、まず、複合基板10の下面に形成された熱酸化膜17Bの第2の領域を下面の側からBHFを用いてエッチングし、第2の領域にP型ウェル領域81の下面を露出させる。次に、例えば、複合基板10の下面に窒素雰囲気下にて900℃、1hでリンシリケートガラス(PSG)を形成してP型ウェル領域81内の第2の領域にリンを付着させる。その後、PSG及び熱酸化膜17B並びに18Bを除去し、窒素雰囲気下にて1100℃、2.5hのドライブイン熱処理を行いリンをP型ウェル領域81の内部に拡散させる。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、P型ウェル領域81内の複合基板10の下面に沿った第2の領域に第1の導電型を有するN型ウェル領域82を形成する第2の拡散工程を含む。また、第2の拡散工程において、第2の領域の複合基板10の下面にリンシリケートガラスを形成してリンを第1の基板11の内部に固相拡散させる。
なお、本実施例においても、ステップS102と同様に、P型ウェル領域81の第2の領域にPSGを形成する固相拡散を用いる場合について説明するが、第2の領域の下方からリンイオンを注入するイオン注入法等の他の拡散方法を用いてもよい。言い換えれば、第1の拡散工程及び前記第2の拡散工程において、イオン注入法を用いて複合基板10の下面から当該複合基板10の内部にドーパントを拡散させる。
次に、図13に示すように、第1の基板11の下面及び第2の基板12の上面に熱酸化膜17C及び18Cを形成する(ステップS105:第2熱酸化工程)。本ステップにおいては、P型ウェル領域81が形成されたウェハを酸素(O)及び水(HO)雰囲気下にて950℃、2.5hのウェット熱酸化処理を施して熱酸化膜17B及び18Bを形成する。
次に、図14に示すように、複合基板10の下面の側からエッチングを行い、以後のステップで複数の貫通孔16となる柱状の複数の穴部16Aを形成する穴部形成工程を行う(ステップS106:穴部形成工程)。本ステップにおいては、複数の穴部16Aの各々を第1の基板11の下面の側からボッシュプロセスによる深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)にて形成する。また、DRIEは、複数の穴部16Aにおいて埋め込み酸化膜14の下面が露出するまで行われる。この際、埋め込み酸化膜14はエッチストッパとして機能する。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複合基板10の下面のP型ウェル領域81を除く領域に下面から柱状の複数の穴部16Aを形成する穴部形成工程を含む。
なお、複数の穴部16Aの各々は、P型ウェル領域81と離間した領域でかつ、後述する素子載置工程において半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42に対応する領域の各々に形成される。なお、図示していないが、本ステップにおいては、複合基板10の下面へのフォトレジストの塗布、当該フォトレジストに複数の穴部16Aの各々の領域を除去する露光及び当該領域のフォトレジストの除去、フォトレジスト開口部分の第1の基板11のエッチング及びフォトレジストの除去工程を含む。
次に、図15に示すように、複数の穴部16Aの内側面に熱酸化膜17Dを形成する(ステップS107:第3熱酸化工程)。本ステップにおいては、複数の穴部16Aを形成したウェハを酸素(O)及び水(HO)雰囲気下にて950℃、2.5hのウェット熱酸化処理を施して当該複数の穴部16Aの内側面に熱酸化膜17Dを形成する。なお、本ステップにおいて、複数の穴部16Aは、内側面に熱酸化膜17Dが形成されて複数の穴部16Bとなる。
次に、図16に示すように、複合基板10の上面の側からエッチングを行い、複合基板10の上面に凹部を形成する(ステップS108:凹部形成工程)。本ステップにおいては、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)を用いた結晶異方性ウェットエッチングを用いて第2の基板12の上面に上面開口部15Aを形成する。また、上面開口部15Aの形成は、第2の基板12の上面から当該第2の基板を貫通しかつ埋め込み酸化膜14の上面を露出するまでエッチングを行う。また、上面開口部15Aの形成は、複数の穴部16Aの各々を形成した領域を含む領域を当該凹部の底面として形成する。また、上面開口部15Aは、その内側面が第2の基板12である単結晶シリコンの(111)の結晶面となるようにエッチングを行う。なお、本ステップは、第2の基板12の上面へのフォトレジストの塗布、当該フォトレジストにそれぞれの凹部の領域を除去する露光及び当該領域のフォトレジストの除去、フォトレジスト開口部分の熱酸化膜18B及び第2の基板12のエッチング及びフォトレジストの除去工程を含む。
次に、図17に示すように、第1の基板11に形成された熱酸化膜17D、第2の基板12に形成された熱酸化膜18C及び上面開口部15Aの底面に露出した埋め込み酸化膜14を除去する(ステップS109:熱酸化膜除去工程)。本ステップにおいては、これらの酸化膜をBHFを用いて除去する。これにより、上面開口部15Aの底面に露出した埋め込み酸化膜14を除去して複数の穴部16Bの各々と上面開口部15Aの底面を連通させる。
また、本ステップにおいて、複数の穴部16Bは、内側面に形成された熱酸化膜17Dが除去されかつ上面開口部15Aの底面を連通されて複数の貫通孔16Cとなる。すなわち、ステップS108及びステップS109により、複合基板10に底面が複数の貫通孔16Cと連通させたキャビティを形成するキャビティ形成工程として処理される。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複合基板10の上面から複数の穴部16Bを含む領域を底面としかつ、当該底面と複数の穴部16Bとを連通させるように凹部を形成するキャビティ形成工程を含む。
次に、図18に示すように、第1の基板11の露出面及び第2の基板12の露出面に熱酸化膜17及び18を形成する(ステップS110:第4熱酸化工程)。具体的には、熱酸化膜17を第1の基板11の下面、上面開口部15Aの底面に露出した第1の基板11の上面及び複数の貫通孔16の各々の内側面に形成する。また、熱酸化膜18を第2の基板12の上面及び上面開口部15Aの内側面に形成する。本ステップにおいては、熱酸化膜17D及び18Cが除去されたウェハを酸素(O)及び水(HO)雰囲気下にて950℃、2.5hのウェット熱酸化処理を施して第1の基板11の露出面及び第2の基板12の露出面に熱酸化膜17及び18を形成する。
なお、本ステップにおいて、複数の貫通孔16Cは、内側面に熱酸化膜17が形成されて複数の貫通孔16となる。また、上面開口部15Aは、内側面に熱酸化膜18が形成されて上面開口部15となる。これにより、第1の基板11と上面開口部15とに囲まれた空間が複合基板10のキャビティとして機能する。
次に、図19に示すように、第1の基板11の下面に形成された熱酸化膜17に互いに離間する領域の各々に第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2を形成する(ステップS111:熱酸化膜開口工程)。本ステップにおいては、P型ウェル領域81及びN型ウェル領域82の各々の下面を露出するように熱酸化膜17に第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2を開口させる。また、本ステップにおいては、これらの酸化膜の除去をBHFを用いて除去する。
上記のステップS110及びステップS111を行うことにより、複合基板10の下面に第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2が設けられた熱酸化膜17を形成する熱酸化膜形成工程として処理される。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複合基板10の下面に、P型ウェル領域81を露出する第1の開口部OP1及びN型ウェル領域82を露出する第2の開口部OP2を有する熱酸化膜17を形成する熱酸化膜形成工程を含む。
なお、ステップS104の第2拡散工程において、N型ウェル領域82は、図5に示したように、ステップS111の熱酸化膜開口工程において、熱酸化膜17に第1の開口部OP1から第2の開口部OP2までの間の中間点を超えて延在するようにN型ウェル領域82が形成される。言い換えれば、第2の拡散工程において、N型ウェル領域82を複合基板10の下面に沿って、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2の中間線を越えて第1の開口部OP1の側にまで延在するように形成する。
なお、上記のステップS103、S105、S107及びS110の第1~第4の熱酸化工程におけるウェット熱酸化処理によって、図5に示したように、P型ウェル領域81の下面の側の近傍にホウ素を偏析させ、P偏析層81Hを形成する。言い換えれば、第1の拡散工程及び第2の拡散工程にてP型ウェル領域81及びN型ウェル領域82の各々を形成した後、P型ウェル領域81及びN型ウェル領域82の各々の下面にウェット熱酸化によって熱酸化膜17B、17C、17D及び17を形成すると共に、P型ウェル領域81の第1の開口部OP1に面した1の領域に他の領域よりもキャリア密度の高いP偏析層81Hを形成する。
次に、第1の基板11の下面の側からTiシード層及びCuシード層を形成する(ステップS112:スパッタ工程)。本ステップにおいては、スパッタ成膜により熱酸化膜17の下面の全体に亘って、熱酸化膜17の下面の側からチタンシード層、銅シード層の順に形成する。なお、チタンシード層及び銅シード層は、第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2において、各々の開口部に露出したP型ウェル領域81及びN+型ウェル領域82を覆うように各々のウェル領域の下面から順に積層されて形成される。また、チタンシード層及び銅シード層は、複数の貫通孔16において、複数の貫通孔16の各々の下面の側の内側面の一部に順に積層されて形成される。
次に、図20に示すように、複数の貫通孔16の各々の内部にCu層31、Ni層32及びAuSn層33からなる複数の貫通電極30を形成する貫通電極形成工程を行う(ステップS113:第1めっき工程)。本ステップにおいては、複合基板10の下面をマスクし、複数の貫通孔16の各々の内部に複合基板10の下面からCu、Ni、AuSnの順に電解めっきによってCu層31、Ni層32及びAuSn層33を形成する。また、複数の貫通電極30は、AuSn層33を熱酸化膜17から突出するように形成する。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複数の貫通孔16の各々の内部を充填しかつキャビティの底面から突出するように柱状の複数の貫通電極30を電界めっきによって形成する貫通電極形成工程を含む。
また、複数の貫通電極30が形成されることにより、上面開口部15の底面である第1の基板11の上面が素子載置面13として機能する。その後、第1の基板11の下面のマスクを除去することにより、第1の基板11の下面に複数の貫通電極30の各々のCu層31が露出する。
次に、図21に示すように、複合基板10の下面に第1の外部電極21及び第2の外部電極22を形成する(ステップS114:第2めっき工程)。本ステップにおいては、まず、複合基板10の下面の第1の外部電極21及び第2の外部電極22の形成領域を開口させたレジストによるマスクを施す。次に、当該レジストの開口領域に露出した銅シード層及び複数の貫通電極30のCu層31の各々の下面に電界めっきを用いてNiめっき層21C及び22C、AuSnめっき層21D及び22Dの順で積層する。これにより、Niめっき層21C及び22Cの各々と複数の貫通電極30の下面であるCu層31の下面の各々とが電気的に接触させる。
その後、レジストを除去し、熱酸化膜17の下面の各々のNiめっき層21C並びに22C、AuSnめっき層21D並びに22Dが形成された領域を除く領域に残存するTiシード層及び銅シード層を除去する。これにより、図5に示したように、Tiシード層及び銅シード層が、互いに離間されたTiシード層21A並びに22A及びCuシード層21B並びに22Bとなる。すなわち、本ステップにおいて、電気的に絶縁された一対の外部電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22を形成する。
上記のステップS112及びステップS114を行うことにより、複合基板10の下面に、当該下面からTiシード層21A及び22A、Cuシード層21B及び22B、Niめっき層21C及び22Cを順に積層しかつ互いに離間させた一対の外部電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22を形成する外部電極形成工程として処理される。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、熱酸化膜17の下面において、第1の開口部OP1にてP型ウェル領域81と接する第1の外部電極21及び第1の外部電極21から離隔しかつ第2の開口部OP2にてN型ウェル領域82と接する第2の外部電極22を形成する外部電極形成工程を含む。また、外部電極形成工程において、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の各々を第1の開口部OP1及び第2の開口部OP2において複合基板10の下面からTiシード層21A及び22A、Cuシード層21B及び22B、Niめっき層21C及び22Cの順に積層して形成する。
次に、図22に示すように、複合基板10をダイボンド装置にセットして素子載置面13に半導体素子40を載置するダイボンド工程を行う(ステップS115:素子接合工程)。本ステップにおいては、半導体素子40のカソード電極41を第1の外部電極21に電気的に接続した貫通電極30に対応させかつ、半導体素子40のアノード電極42を第2の外部電極22に電気的に接続した貫通電極30に対応させるように位置合わせを行い、半導体素子40を載置する。その後、半導体素子40が載置されたウェハを窒素(N)雰囲気下で340℃で30秒加熱して複数の貫通電極30のAuSn層33を溶融させ、複数の貫通電極30の各々と半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42とを接合させる。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、凹部の底面に半導体素子40を載置するダイボンド工程を含む。
次に、図23に示すように、第2の基板12の上面上に蓋部材50をフリットガラス層60を介して接合させる蓋部材接合工程を行う(ステップS116:蓋部材接合工程)。本ステップにおいては、まず、第2の基板12の上面に対向する面に予めフリットガラス層60が形成された蓋部材50を用意する。フリットガラス層60は、ウェハ状の蓋部材50の第2の基板12に対向する面に上面開口部15を囲繞するようにプリントされ、酸素(O2)雰囲気下で約500℃の温度で1時間仮焼されている。蓋部材50は、上面開口部15を囲繞しかつ複合基板10の分割ラインCLに重複しない位置に位置合わせされて載置される。
次に、蓋部材50が載置された複合基板10に上方からレーザを照射し、フリットガラス層60を溶融させて複合基板10と蓋部材50とを接合させる。レーザは、例えば、近赤外線の波長を有するレーザ光である。レーザをN雰囲気下でフリットガラス層60に照射し、フリットガラス層60を局所加熱し溶融させることで複合基板10と接合させる。この時、図4で説明した通り、溶融したフリットガラス層60と第2の基板12上面上の熱酸化膜18とが相互拡散して相互拡散層70を形成する。これにより、キャビティ内部が不活性ガスであるNで充填されかつ気密に封止された収容空間HSが形成される。言い換えれば、半導体装置100の製造方法は、複合基板10の上面と対向する1の面にフリットガラス層60を有するガラスからなる蓋部材50を凹部を覆うように複合基板10の上面に載置し、上方からフリットガラス層60にレーザを凹部の周囲に沿って走査して複合基板10の上面に蓋部材50を接合する蓋部材接合工程を含む。
本ステップにおいて、レーザの照射条件は、相互拡散層70の形成後に残存熱酸化膜18Rが形成されるように各種条件を設定する。すなわち、レーザの照射条件は、第2の基板12とフリットガラス層60との接合部において、第2の基板12の上面から順に残存熱酸化膜18R、相互拡散層70、フリットガラス層60が積層された構造となるように条件を設定する。
また、本実施例においては、レーザをキャビティを囲繞するフリットガラス層60をキャビティの周囲に沿って走査する。レーザの走査時間は、1の半導体装置100あたり約2~3秒である。レーザの照射によるフリットガラス層60の溶融接合を行うことにより、フリットガラス層60の接合部を局所的にかつ短時間で加熱してフリットガラス層60を接合する。これにより、半導体素子40との接合部である貫通電極30のAuSn層33の過加熱による再溶融を防止することができ、半導体素子40の位置ずれ等の製造不良を抑制することが可能となる。
また、キャビティ内部はNの気体で満たされた空間であり、熱伝導率は単結晶Siを主材料とする複合基板10と比較して非常に小さい。また、素子載置面13の熱は、単結晶Siの高い熱伝導率によって複合基板10の下面の側(例えば、レーザ照射装置の載置テーブル等)へと放熱され、AuSn層33の過加熱をより抑制することが可能となる。なお、発明者らの検証によれば、レーザの照射時の素子載置面13の温度は250℃以下であった。
次に、図24に示すように、蓋部材50が接合された複合基板10をダイシング装置にセットし、分割ラインCLに沿って複合基板10及び蓋部材50を切断して個片化する(ステップS117:ダイシング工程)。これにより、ウェハを半導体装置100の個々の単位にダイシングし、複数の半導体装置100を製造する。
本実施例によれば、半導体装置100は、複合基板10の内部において、当該複合基板10の下面に沿った領域に形成されたダイオード構造部80を有する。また、ダイオード構造部80は、複合基板10の下面において、第1の外部電極21及び第2の外部電極22に亘る第1の領域に第1の基板11の下面の側からホウ素(B)等のP型不純物が拡散された第2の導電型であるP型ウェル領域81を有する。
ダイオード構造部80は、例えば、第1の基板11の下面において、第1の領域内の第2の領域に第1の基板11の下面の側からリン(P)等のN型不純物が拡散された第1の導電型であるN型ウェル領域82を有する。また、ダイオード構造部80は、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の間で半導体素子40と並列にかつ逆極性に接続されたツェナーダイオードとして機能する。
ダイオード構造部80は、P型ウェル領域81よりもN型ウェル領域82の方がキャリア密度が高い片側階段接合の構造を有するツェナーダイオードであり、N型ウェル領域82からP型ウェル領域81の方向に過電圧が印加された際にアバランシェ降伏が優位的に作用するツェナーダイオードである。また、ダイオード構造部80は、第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の間におけるN型ウェル領域82の幅D3が第1のコンタクト部C1及び第2のコンタクト部C2の各々の間の距離D2の0.5倍以上の幅で形成されている。これらの構成を有することにより、ダイオード構造部80は、高い降伏電圧を有するツェナーダイオードとして機能することが可能となる。
また、ダイオード構造部80の下面は、第1の外部電極21及び第2の外部電極22の電極間において、熱酸化膜17によって覆われ絶縁されている。この構成を有することにより、半導体装置100は、実装基板に実装する際に、第1の外部電極21及び第2の外部電極22をAuSn又ははんだ等の溶融金属を用いて接合する場合において、ダイオード構造部80へのリーク電流を抑制することが可能となる。
また、ダイオード構造部80のP型ウェル領域81と第1の基板11との間は、内部電場による空乏層が形成されており、実質的に互いに絶縁されている。この構成を有することにより、第1の基板11は、P型ウェル領域81と実質絶縁されかつ電気的にフローティング状態となっている。これにより、半導体装置100は、実装基板上で過電圧が印加された際に、第1の基板11の側面から当該実装基板上の隣接する他の半導体装置へのリーク電流を抑制することが可能となる。
上記のように本実施例の半導体装置100は、接合層の加熱処理時の溶融金属による短絡を防ぐことが可能でありかつ、実装基板に実装された後に過電圧が印加された際に隣接する他の半導体装置へのリーク電流を抑制することが可能な半導体装置100及び半導体装置100の製造方法を提供することが可能となる。
図25は、本発明の実施例2に係る半導体装置100Aのダイオード構造部80Aの拡大断面図である。なお、図25は、図2に示したZD部に相当する位置における断面拡大図である。
半導体装置100Aは、実施例1の半導体装置100と基本的に同様の構成であり、同様の外観を有する。半導体装置100Aは、ダイオード構造部80の下面に形成された熱酸化膜17において、P型ウェル領域81とN型ウェル領域82の接合界面に相当する領域が開口された界面開口部EXが形成されている点で実施例1と異なる。
実施例1においては、カソードであるN型ウェル領域82からP型ウェル領域81の方向に静電気等の過電圧を印加され、ダイオード構造部80がアバランシェ降伏を起こし電流が流れる。この際、アバランシェ降伏による熱電子がP型ウェル領域81とN型ウェル領域82の接合界面に相当する領域の熱酸化膜17にトラップされ、当該領域の熱酸化膜17が帯電する可能性がある。P型ウェル領域81とN型ウェル領域82の接合界面の近傍の熱酸化膜17に熱電子がトラップされると、ダイオード構造部80がアバランシェ降伏しやすくなり、ダイオード構造部80の実効的な降伏電圧が低下する可能性がある。すなわち、半導体装置100に複数回過電圧が印加されるとダイオード構造部80の降伏電圧が低下していき、降伏電圧が半導体素子40の駆動電圧を下回ると、半導体素子40の駆動に影響を及ぼす可能性がある。
実施例2においては、P型ウェル領域81とN型ウェル領域82の接合界面に相当する領域の熱酸化膜17に界面開口部EXを設けることにより、ダイオード構造部80がアバランシェ降伏を起こした際に当該領域の熱酸化膜17への熱電子のトラップを抑制することが可能となる。すなわち、半導体装置100に複数回過電圧が印加されてもダイオード構造部80の降伏電圧を所望の電圧値に保つことが可能となる。
界面開口部EXの内部において、P型ウェル領域81及びN型ウェル領域82の露出面は、Siの自然酸化膜のみによって絶縁されている。よって、界面開口部EXの内部の絶縁性は、熱酸化膜17が形成されている領域よりも絶縁性が低い。しかし、P型ウェル領域81及びN型ウェル領域82の接合界面に形成される空乏層の幅を鑑みても、界面開口部EXの開口される幅は約数μmであるため、半導体装置100を実装基板に実装する際のはんだ等の接合部材が入り込み、当該接合部材がP型ウェル領域81及びN型ウェル領域82に接触する可能性は低い。
また、実施例2の半導体装置100Aは、界面開口部EX以外の構成は実施例1と同様である。すなわち、P型ウェル領域81と第1の基板11の界面には空乏層が形成されるため、ダイオード構造部80と第1の基板11は実質的に絶縁される。
よって、実施例2においても、接合層の加熱処理時の溶融金属による短絡を防ぎつつ、実装基板上で過電圧が印加された際に他の半導体装置へのリーク電流を抑制することが可能な半導体装置及び半導体装置を提供することが可能となる。
また、本実施例においては、半導体装置100に搭載された半導体素子40が紫外光を放射する発光素子である場合について説明した。しかし、半導体装置100に搭載される半導体素子40はこれに限定されない。半導体素子40は、例えば、レーザダイオード等の他の発光素子であってもよいし、フォトダイオード等の受光素子であってもよい。
また、本実施例においては、半導体装置100に搭載された半導体素子40がアノード及びカソードからなる一対の電極を有する2端子素子の半導体素子である場合について説明した。しかし、半導体素子40は、3の電極を有する3端子素子の半導体素子であってもよい。また、半導体装置100に備える外部電極においても3の電極を形成するようにしてもよい。また、その場合、ダイオード構造部80は、所望の電極間に任意に形成することができる。
また、本実施例においては、蓋部材50が所望の波長の光を透過する透光部材である場合について説明した。しかし、蓋部材50はこれに限定されず、半導体素子40が光に関わらない素子である場合は、蓋部材50は金属又はセラミックからなる蓋部材であってもよい。金属又はセラミックからなる蓋部材50であっても、フリットガラスによって複合基板10と接合することにより、キャビティ内の収容空間HSを気密に封止することができる。
また、本実施例においては、半導体素子40が素子載置面13から突出するように形成された複数の貫通電極30に載架されるように配されている場合について説明した。しかし、半導体素子40の載置方法はこれに限定されない。例えば、素子載置面13の上面上に半導体素子40のカソード電極41及びアノード電極42の下面形状と略同等の上面形状を有するブロック状の素子載置電極を形成してもよい。この場合、複数の貫通孔16の内部にめっきによってCu等の金属を充填して複数の貫通電極を形成し、当該複数の貫通電極の各々の上面と接するようにNi、AuSnの順でめっきを施してブロック状の一対の素子載置電極を形成する。これにより、素子接合工程において半導体素子40の載置位置をセルフアライメントすることが可能となる。
100 半導体装置
10 基板
11 第1の基板
12 第2の基板
13 素子載置面
14 埋め込み酸化膜
15 開口部
16 貫通孔
17、18 熱酸化膜
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
30 貫通電極
31 Cu層
32 Ni層
33 AuSn層
40 半導体素子
41 アノード電極
42 カソード電極
50 蓋部材
60 フリットガラス層
70 相互拡散層
80 ダイオード構造部
81 P型ウェル領域
82 N型ウェル領域

Claims (17)

  1. 第1の導電型を有し、上面及び下面に熱酸化膜が形成され、前記下面に形成された前記熱酸化膜に互いに離間する第1の開口部及び第2の開口部が形成されており、前記下面に沿った第1の領域に形成されかつ前記第1の開口部において露出した前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1のウェル領域及び前記第1の領域内の前記下面に沿った第2の領域に形成されかつ前記第2の開口部において露出した前記第1の導電型を有する第2のウェル領域からなるダイオード構造部と、を有する単結晶シリコンからなる基板と、
    前記基板上に配され、半導体層を有する半導体素子と、
    前記熱酸化膜の下面に形成され、前記第1の開口部にて前記第1のウェル領域と接する第1の外部電極と、
    前記熱酸化膜の下面に形成され、前記第1の外部電極から離隔しかつ、前記第2の開口部にて前記第2のウェル領域と接する第2の外部電極と、を含み、
    前記第2のウェル領域は、前記基板の前記下面に沿って、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の中間線を越えて前記第1の開口部の側にまで延在していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極の各々は、前記第1の開口部及び前記第2の開口部において、前記基板の前記下面からチタンシード層、銅シード層、ニッケルめっき層がこの順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2のウェル領域は、前記第2の開口部に面した1の領域に他の領域よりもキャリア密度の高い高濃度ウェル領域を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ダイオード構造部は、ツェナーダイオード又はアバランシェダイオードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記第1のウェル領域には、ホウ素がドープされ、
    前記第2のウェル領域には、リンがドープされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記基板は、板状の前記第1の導電型を有する単結晶シリコンからなる第1の基板と、前記第1の基板上に配されかつ前記第1の基板の上面と共に凹部を形成する内側面を有する開口を備えた第2の基板とが貼り合わされて形成され、
    前記第1の基板の前記第2の基板の側の面には、酸化膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体素子は、下面に一対の電極を備え、
    前記基板には、前記凹部の底面から前記基板の裏面まで柱状に貫通しかつ内側面が前記熱酸化膜によって覆われている複数の貫通孔が形成されており、
    前記複数の貫通孔には、前記基板の前記複数の貫通孔を充填しかつ前記底面から突出した柱状の複数の貫通電極が形成されており、
    前記複数の貫通電極は、前記半導体素子の前記一対の電極の各々と前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極の各々とを電気的に接続することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
  8. 前記複数の貫通電極は、前記凹部の前記底面において、各々が正三角形格子の格子点上に配されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記基板の前記上面にフリットガラス層を介して接合されたガラスからなる蓋部材をさらに含み、
    前記基板と前記フリットガラス層との接合部分において、前記基板と前記フリットガラス層の間には、前記基板の表面から前記熱酸化膜と、前記熱酸化膜と前記フリットガラス層との反応層とが順に形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置。
  10. 前記半導体素子は、前記半導体層から紫外光を放射する発光素子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
  11. 半導体装置の製造方法であって、
    第1の導電型を有する単結晶シリコンからなる基板を用意する工程と、
    前記基板の下面に沿った第1の領域に前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する第1のウェル領域を形成する第1の拡散工程と、
    前記第1の領域内の前記基板の前記下面に沿った第2の領域に前記第1の導電型を有する第2のウェル領域を形成する第2の拡散工程と、
    前記基板の前記下面に、前記第1のウェル領域を露出する第1の開口部及び前記第2のウェル領域を露出する第2の開口部を有する熱酸化膜を形成する熱酸化膜形成工程と、
    前記熱酸化膜の下面において、前記第1の開口部にて前記第1のウェル領域と接する第1の外部電極及び前記第1の外部電極から離隔しかつ前記第2の開口部にて前記第2のウェル領域と接する第2の外部電極を形成する外部電極形成工程と、を含み、
    前記第2の拡散工程において、前記第2のウェル領域を前記基板の前記下面に沿って、前記第1の開口部及び前記第2の開口部の中間線を越えて前記第1の開口部の側にまで延在するように形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記外部電極形成工程において、前記第1の外部電極及び前記第2の外部電極の各々を前記第1の開口部及び前記第2の開口部において前記基板の前記下面からチタンシード層、銅シード層、ニッケルめっき層の順に積層して形成することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第1の拡散工程において、前記第1の領域の前記基板の前記下面にボロンシリケートガラスを形成してホウ素を前記基板の内部に固相拡散させ、
    前記第2の拡散工程において、前記第2の領域の前記基板の前記下面にリンシリケートガラスを形成してリンを前記基板の内部に固相拡散させることを特徴とする請求項11又は12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第1の拡散工程及び前記第2の拡散工程において、イオン注入法を用いて前記基板の前記下面から前記基板の内部にドーパントを拡散させることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第1の拡散工程及び前記第2の拡散工程にて前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の各々を形成した後、前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域の各々の下面にウェット熱酸化によって前記熱酸化膜を形成すると共に、前記第1のウェル領域の前記第1の開口部に面した1の領域に他の領域よりもキャリア密度の高い高濃度ウェル領域を形成することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記基板の前記下面の前記第1の領域を除く領域に前記下面から柱状の複数の穴部を形成する穴部形成工程と、
    前記基板の上面から前記複数の穴部を含む領域を底面としかつ、当該底面と前記複数の穴部とを連通させるように凹部を形成するキャビティ形成工程と、
    前記複数の穴部の各々の内部を充填しかつ前記底面から突出するように柱状の複数の貫通電極を電界めっきによって形成する貫通電極形成工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記凹部の前記底面に半導体素子を載置するダイボンド工程と、
    前記基板の前記上面と対向する1の面にフリットガラス層を有するガラスからなる蓋部材を前記凹部を覆うように前記基板の前記上面に載置し、上方から前記フリットガラス層にレーザを前記凹部の周囲に沿って走査して前記基板の前記上面に前記蓋部材を接合する蓋部材接合工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

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