JP2022174597A - 近赤外線吸収組成物、それを用いた硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子、及び赤外線センサ - Google Patents

近赤外線吸収組成物、それを用いた硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子、及び赤外線センサ Download PDF

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Abstract

【課題】現像性に優れ、基材密着性及びソルベントショックに優れる硬化膜を形成できる近赤外吸収組成物の提供する。【解決手段】近赤外線吸収色素(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む近赤外線吸収組成物であって、バインダ樹脂(B)が、(メタ)アクリロイル基を有しガラス転移温度-50℃以上150℃未満のアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を含む、近赤外線吸収組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、近赤外線吸収組成物に関する。
ビデオカメラ、デジタルカメラ、スマートフォン等には、カラー画像の固体撮像素子であるCCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)が用いられている。これら固体撮像素子の受光部には、赤外線に感度を有するシリコンフォトダイオードを使用しているため、視感度補正を行うことが必要であり、赤外線カットフィルタ等が配置される。赤外線カットフィルタは、例えば、近赤外線吸収色素を含む組成物を用いて製造される。
従来、赤外線カットフィルタは、平坦膜として使用されていたが、近年、赤外線カットフィルタも、フォトリソグラフィー法でパターンを形成されている。
フォトリソグラフィー法でパターンを形成する場合、感光性組成物をガラス等の透明基板に塗工装置(例えば、スピンコーターやダイコーター)を使用して塗布し、乾燥により溶剤を除去した後、パターン露光を行い、次いで未露光部を現像工程で除去して所望のパターンを作製し、必要に応じて加熱処理を行う。それに加え、RGB各色のフィルタセグメントをフォリソグラフィー法で形成するため、同様の操作を全てのフィルタセグメントについて順次繰り返す。そのため現像性、および赤外線吸収パターンの基材への密着性は重要である。
感光性組成物を入れ替えるためには、塗工装置を洗浄溶剤で洗浄する必要がある。洗浄が不十分であると、前に塗工した感光性組成物と次の感光性組成物が混ざり、顔料の分散粒径が変化して光学特性が変化するなど所望の品質の光学フィルタが得られない。また、感光性組成物の一部が塗工装置中に付着物として残存してしまうと、塗布不良を引き起こす。そのため、より洗浄性が高いシクロヘキサンなどの溶剤が用いられることがある。
しかし、洗浄性が高いシクロヘキサンなどの溶剤が塗工装置に残留し、感光性組成物と混合すると組成物中の顔料の分散状態が壊れて凝集物が発生する、いわゆるソルベントショックが引き起こされ、塗布不良を引き起こすという問題があった。
上記問題を解決するために、例えば、特許文献1には、現像残渣抑制性に優れ、得られるパターンの形状及び耐熱性に優れるパターン形成用組成物として、ガラス転移温度が150℃~300℃である樹脂、またはガラス転移温度が150℃~300℃である樹脂の前駆体を含む組成物が開示されている。また、特許文献2には、耐溶剤性および耐熱衝撃耐性に優れた硬化膜を製造可能な近赤外線吸収組成物として、ガラス転移温度が0~100℃の樹脂を含む近赤外線吸収組成物が開示されている。
国際公開第2019/058882号 国際公開第2017/104735号
しかし、特許文献1、2に記載のいずれの組成物も、現像性、基材密着性、ソルベントショックの全てを満足するものではない。
本発明は、ソルベントショックが生じ難く、現像性が優れ、基材密着性に優れる硬化膜を形成できる近赤外吸収組成物の提供を目的とする。
本発明は、近赤外線吸収色素(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む近赤外線吸収組成物であって、
前記バインダ樹脂(B)が、(メタ)アクリロイル基を有しガラス転移温度-50℃以上150℃未満のアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を含む、近赤外線吸収組成物に関する。
上記の本発明によれば、ソルベントショックが生じ難く、現像性が優れ、基材密着性に優れる硬化膜を形成できる近赤外線吸収組成物を提供できる。また、本発明は、硬化膜、光学フィルタ、画像表示装置、固体撮像素子、赤外線センサを提供できる。
図1は、本発明の硬化膜を備えた画像表示装置の概略断面図を示す。 図2は、本発明の硬化膜を備えた固体撮像素子の概略断面図を示す。 図3は、本発明の硬化膜を備えた赤外線センサの概略断面図を示す。
以下、本発明の近赤外線吸収組成物を実施するための形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
本発明において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタアクリロイル」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。 単量体は、重合により樹脂を形成するエチレン性不飽和結合含有化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体を重合後に樹脂を形成している状態である。
本発明における化合物の分子量は、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<近赤外線吸収組成物>
本発明の近赤外線吸収組成物は、近赤外線吸収色素(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む近赤外線吸収組成物であって、
前記バインダ樹脂(B)が、(メタ)アクリロイル基を有しガラス転移温度-50℃以上150℃未満のアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を含む。
[近赤外線吸収色素A]
近赤外線吸収色素(A)は、波長700~2,000nmの範囲に極大吸収を有する化合物である。近赤外線吸収色素(A)は、顔料(近赤外線吸収顔料ともいう)または染料(近赤外線吸収染料ともいう)である。また、近赤外線吸収顔料と近赤外線吸収染料を併用してもよい。なお、近赤外線吸収色素(A)は、耐熱性の観点から、近赤外線吸収顔料が好ましい。
前記近赤外線吸収顔料の25℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度は、2g未満が好ましく、1g未満がより好ましく、0.5g以下がさらに好ましい。
近赤外線吸収色素(A)は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、インモニウム化合物、アントラキノン化合物、ピロロピロ-ル化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、ナフタロシアニン化合物、ピロロピロ-ル化合物、スクアリリウム化合物が好ましく、ナフタロシアニン化合物、スクアリリウム化合物がより好ましい。
シアニン化合物は、国際公開WO2006/006573号、国際公開WO2010/073857号、特開2013-241598号公報、特開2016-113501号公報、特開2016-113504号公報等;フタロシアニン化合物は、特開平4-23868号公報、特開平06-192584号公報、特開2000-63691号公報、国際公開WO2014/208514号等;ナフタロシアニン化合物は、特開平11-152414号公報、特開2000-86919号公報、特開2009-29955号公報、国際公開WO2018/186490号等;インジゴ化合物は、特開2013-230412号公報等;インモニウム化合物は、特開2005-336150号公報、特開2007-197492号公報、特開2008-88426号公報等;アントラキノン化合物は、特開昭62-903号公報、特開平1-172458号公報等;ピロロピロ-ル化合物は、特開2009-263614号公報、特開2010-90313号公報、特開2011-068731号公報;スクアリリウム化合物は、特開2011-132361号公報、特開2016-142891号公報、国際公開WO2017/135359号、国際公開WO2018/225837号、特開2019-001987号公報、国際公開WO2020/054718号等;クロコニウム化合物は、国際公開WO2019/021767号等に記載の化合物が挙げられる。
(スクアリリウム化合物)
スクアリリウム化合物は、下記一般式(10)で表される化合物が好ましい。
一般式(10)
Figure 2022174597000002

(一般式(10)中、R~Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-OCOR13、-NR1415、-NHCOR16、-CONR1718、-NHCONR1920、-NHCOOR21、-SR22、-SO23、-SOOR24、-NHSO25、-SONR2627、-B(OR28、および-NHBR2930を表す。R10~R30は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。)
「置換基」は、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR100、-COR101、-COOR102、-OCOR103、-NR104105、-NHCOR106、-CONR107108、-NHCONR109110、-NHCOOR111、-SR112、-SO113、-SOOR114、-NHSO115または-SONR116117が挙げられる。
100~R117は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、-COOR102のR102が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR114のR114が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がさらに好ましく、1~8がさらに好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8がさらに好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルキニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8がさらに好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~15がさらに好ましく、6~10がさらに好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7~40が好ましく、7~30がさらに好ましく、7~25がさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2~8の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2~4の縮合環がさらに好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がさらに好ましく、3~12がさらに好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基は置換基を有していても良く、無置換であっても良い。置換基は上述した「置換基」が挙げられる。
スクアリリウム化合物は、耐光性、耐熱性の観点から、下記一般式(11)で表される化合物がより好ましい。
一般式(11)
Figure 2022174597000003

(一般式(11)中、R~Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-OCOR53、-NR5455、-NHCOR56、-CONR5758、-NHCONR5960、-NHCOOR61、-SR62、-SO63、-SOOR64、-NHSO65または-SONR6667、-B(OR68、および-NHBR6970を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR64のR64が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。)
「置換基」は、上述の「置換基」と同様の意義である。
以下、スクアリリウム化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2022174597000004
Figure 2022174597000005
(ピロロピロール化合物)
ピロロピロ-ル化合物は、下記一般式(12)で表される化合物が好ましい。
一般式(12)
Figure 2022174597000006

(一般式(12)中、R1x及びR1yは、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよく、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、-BR4x4y又は金属原子を表し、Rは、R1x、R1y及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つと共有結合又は配位結合してもよく、R4x4yは各々独立に、置換基を表す。一般式(12)で表される化合物は、特開2009-263614号公報、特開2011-68731号公報、国際公開第2015/166873号に記載されている。
1x及びR1yは、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。また、R1x及びR1yが表すアルキル基、アリール基が及びヘテロアリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13等が挙げられる。R11~R13は、各々独立に、炭化水素基又はヘテロアリール基を表す。また、置換基は、特開2009-263614号公報の段落0020~0022に記載の置換基が挙げられる。なかでも、置換基は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13が好ましい。R1x及びR1yで表される基は、分岐アルキル基を有するアルコキシ基、又は-OCOR11で表される基を置換基として有するアリール基であることが好ましい。分岐アルキル基の炭素数は、3~30が好ましく、3~20がより好ましい。
及びRの少なくとも一方は電子吸引性基が好ましく、Rは電子吸引性基を表し、Rはヘテロアリール基を表すことがより好ましい。ヘテロアリール基は、5員環又は6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環又は縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~8の縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1~3が好ましく、1~2がより好ましい。ヘテロ原子は、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。ヘテロアリール基は、窒素原子を1個以上有することが好ましい。一般式(12)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、一般式(12)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は-BR4x4yで表される基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、又は-BR4x4yで表される基がより好ましく、-BR4x4yで表される基がさらに好ましい。R4x4yが表す置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基がより好ましく、アリール基がさらに好ましい。これらの基は、更に置換基を有してもよい。一般式(12)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。
以下、ピロロピロ-ル化合物の具体例を示す。以下の構造式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。また、ピロロピロ-ル化合物は、特開2009-263614号公報の段落0016~0058、特開2011-68731号公報の段落0037~0052、特開2014-130343号公報の段落0014~0027、国際公開第2015/166873号の段落0010~0033に記載の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2022174597000007
(ナフタロシアニン化合物)
ナフタロシアニン化合物は、下記一般式(40)で表される化合物が好ましい。
一般式(40)
Figure 2022174597000008
式(40)中、R~R24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有する若しくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換基を有する若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基、置換基を有する若しくは無置換の炭素原子数4~20の複素環基、-OR25または-SR26を表し、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有する若しくは無置換の炭素原子数1~20のアルキル基、
置換基を有する若しくは無置換の炭素原子数6~20のアリール基を表す。
式(40)のR~R24が表すハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、炭素原子数1~20からなる飽和の脂肪族炭化水素基であれば制限されない。該アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチル-プロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、n-ヘプチル基、iso-ヘプチル基、sec-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-メチル-1-イソプロピルブチル基、1-t-ブチル-2-メチルプロピル基、n-ノニル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、n-デシル基、n-ドデシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロペンチルメチル基及びシクロペンチルエチル基等が挙げられる。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~12のアルキル基が好ましく、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基がより好ましい。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基は、例えば、アルコキシ基、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。なお、これらに限定されない。
尚、本明細書において置換基を有する炭素数1~20のアルキル基における「置換基を有する」との語句は、炭素数1~20からなる飽和の脂肪族炭化水素基が有する1つ又は2つ以上の水素原子が例えば前記のアルコキシ基、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等の置換基で置換されていることを意味し、「無置換の」との語句は、炭素数1~20からなる飽和の脂肪族炭化水素基が有する水素原子がアルコキシ基、ハロゲン基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基等の置換基で置換されていないことを意味する。本明細書において、以降では、「置換基を有する」及び「無置換の」は、ここで説明したのと同様の意味で用いられる。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数6~20のアリール基は、炭素原子数6~20からなる芳香族環から水素原子1つを除いた残基であれば制限されない。例えばフェニル基、フェネチル基、o-、m-若しくはp-トリル基、2,3-若しくは2,4-キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基及びピレニル基等が挙げられる。フェニル基が特に好ましい。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数6~20のアリール基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基は式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数4~20の複素環基は、炭素原子数4~20からなる複素環から水素原子1つを除いた残基であれば制限されない。例えばピリジル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピラゾリル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾ
イミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、プリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基及びフェノチアジニル基等が挙げられる。ピリジル基が特に好ましい。
式(40)のR~R24が表す炭素原子数4~20の複素環基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基は式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(40)のR25及びR26が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基と同じものが挙げられる。
式(40)のR25及びR26が表す炭素原子数1~20のアルキル基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基は式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(40)のR25及びR26が表す炭素原子数6~20のアリール基は、式(40)のR~R24が表す炭素原子数6~20のアリール基と同じものが挙げられる。
式(40)のR25及びR26が表す炭素原子数6~20のアリール基は置換基を有していてもよい。該有していてもよい置換基は式(40)のR~R24が表す炭素原子数1~20のアルキル基が有していてもよい置換基と同じものが挙げられる。
式(40)におけるR~R24は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有する若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基であることが好ましい。R~R24の全てが水素原子であるか、又はR、R~R、R、R~R11、R13、R14~R17、R19及びR20~R23が水素原子であって、R、R12、R18及びR24が無置換の炭素数6~20のアリール基であるか、若しくはR~R、R、R~R11、R12、R14~R17、R18、R20~R23及びR24が水素原子であって、R、R、R13及びR19が無置換の炭素数6~20のアリール基であることがより好ましい。R~R24の全てが水素原子であるか、又はR、R~R、R、R~R11、R13、R14~R17、R19及びR20~R23が水素原子であって、R、R12、R18及びR24がフェニル基であるか、若しくはR~R、R、R~R11、R12、R14~R17、R18、R20~R23及びR24が水素原子であって、R、R、R13及びR19がフェニル基であることが更に好ましい。
式(40)中、Mは2個の水素原子、金属原子、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表す。Mが2個の水素原子を表す場合、式(40)中のN-M-Nの部分が2つのN-Hとして示される構造が形成される。
式(40)のMが表す金属原子は、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム及び錫等が挙げられる。
式(40)のMが表す金属酸化物は、チタニル及びバナジル等が挙げられる。
式(40)のMが表す金属ハロゲン化物は、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニウム、塩化錫(II)、塩化錫(IV)及び塩化珪素等が挙げられる。
式(1)におけるMは、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、バナジル、チタニル、塩化インジウム又は塩化錫(II)が好ましく、銅、亜鉛、バナジル又はチタニルがより好ましく、バナジルがさらに好ましい。
次に式(40)で表される化合物の製造方法について説明する。式(40)で表される化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適当に利用することができる。例えば、金属化合物の共存下、対応するナフタレンジカルボン酸またはその誘導体(酸無水物、ジアミド、ジニトリル等)から中心に金属を有するナフタロシアニンを直接環化反応により合成する方法が知られている(例えば、ケミストリー-A・ヨーロピアン・ジャーナル、9巻、5123~5134頁(2003年発行)参照)。このとき触媒(例えばモリブデン酸アンモニウム)と尿素を共存させることが好ましい。或いはリチウム化合物を用いて一度ナフタロシアニンの無金属体を合成した後、後述のとおり金属化合物を用いて合成することもできる。
上記環化反応は無溶媒中でも行なえるが、有機溶媒中が好ましい。環化反応に用い得る有機溶媒は、出発原料としてのナフタレンジカルボン酸またはその誘導体との反応性の低いものであれば特に限定されないが、反応性を示さない不活性な溶媒が好ましい。有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、o-クロロトルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1-クロロナフタレン、1-メチルナフタレン、エチレングリコール及びベンゾニトリル等の不活性溶媒;メタノール、エタノール、1-プロパノ-ル、2-プロパノ-ル、1-ブタノール、1-ヘキサノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール;ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリジノン、N,N-ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ジメチルスルホキシド及びスルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらのうち、1-クロロナフタレン、1-メチルナフタレン、1-オクタノール、ジクロロベンゼン、ベンゾニトリル及びスルホランが好ましく、1-オクタノール、ジクロロベンゼン、ベンゾニトリル及びスルホランがより好ましい。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
環化反応に用いるナフタレンジカルボン酸またはその誘導体および金属化合物の使用量は、当該反応が進行しさえすれれば特に限定されるものではないが、例えば、有機溶媒100質量部に対して、上記ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体を通常1~500質量部、好ましくは10~350質量部の範囲で用い、かつ該ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体1モルに対して、金属化合物を通常0.25~0.5モル、好ましくは0.25~0.4モルの範囲で用いる。また、環化反応の条件も特に限定されるものではないが、反応温度は30~250℃の範囲が好ましく、80~200℃の範囲であることがより好ましい。反応時間は1~30時間であることが好ましい。また、環化反応は、大気雰囲気中で行なってもよいが、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの流通下)で、行なわれることが好ましい。
ナフタロシアニンの無金属体と金属化合物を用いて式(40)で表される化合物を合成する際の原料の使用比率は、ナフタロシアニンの無金属体1モルに対して、金属化合物を0.1~10モル用いること好ましく、0.5~5モル用いることがより好ましく、1~3モル用いることが更に好ましい。金属化合物は無機および有機金属化合物を用いることができ、例えばハロゲン化物(例えば塩素化物、臭素化物)、硫酸塩、酢酸塩、金属のアセチルアセトナート体等が挙げられる。好ましくはハロゲン化物、酢酸塩であり、より好ましくはハロゲン化物である。
上記の反応で得られた化合物には、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥等を施してもよい。
このような操作により、式(40)で表されるナフタロシアニン化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
以下に、式(40)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2022174597000009
Figure 2022174597000010



Figure 2022174597000011
Figure 2022174597000012
Figure 2022174597000013
Figure 2022174597000014
Figure 2022174597000015
Figure 2022174597000016
式(40)で表されるナフタロシアニン化合物は、単独又は複数種を組み合わせて用いることもできる。
式(40)で表されるナフタロシアニン化合物は、750~1500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、780~1000nmの波長領域に極大吸収波長を有するものがより好ましい。
また、ナフタロシアニン化合物は、下記一般式(13)で表される化合物が好ましい。
一般式(13)
Figure 2022174597000017

(一般式(13)中、R~R24は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
Zは、一般式(14)で示す単量体単位を含む重合体部位、または一般式(15)で表すリン化合物部位である。)
Figure 2022174597000018
(一般式(14)中、Xは、-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、-COO-R28-O-、R25~R28は、炭素原子と炭素原子の間が、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていても良いアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。R31は水素または、メチル基を表す。nは0または1~10の整数である。*は、Alとの結合手である。)
(一般式(15)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形成しても良い。*は、Alとの結合手である。)
以下、一般式(13)で表される化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2022174597000019

Figure 2022174597000020
近赤外線吸収色素(A)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。2種類以上併用して用いる場合、極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を用いることが好ましい。これにより、1種類の近赤外線吸収色素(A)を使用した場合に比べて、吸収スペクトルの波形が広がり、幅広い波長範囲の近赤外線を吸収できる。
近赤外線吸収色素(A)の含有量は、近赤外線吸収の観点から、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.5~70質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。
[バインダ樹脂(B)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、バインダ樹脂(B)として、(メタ)アクリロイル基を有し、かつガラス転移温度が-50~150℃であるアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を含む。これにより、現像性に優れ、基材密着性及びソルベントショックが良好な硬化膜が得られる。
(アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1))
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)は、ガラス転移温度が-50~150℃、かつアルカリ現像液に溶解する樹脂であればよく、公知の樹脂を使用できる。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)のガラス転移温度は、洗浄溶剤耐性、現像性(残渣、基材密着性)の観点から、-50~150℃が好ましく、-30~120℃がより好ましく、-20~80℃がさらに好ましい。
ガラス転移温度(以下、Tgともいう)は、実測によって得えられる測定Tgを適用できる。具体的には、測定Tgは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定された値を使用できる。
ただし、樹脂の分解等により測定が困難な場合は、下記式で求められる計算Tgを適用する。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・・・+W/Tg
ここで、計算対象となる樹脂は、W~Wまでのn種の単量体成分が共重合しているとし、Wはn番目の単量体の重量分率、Tgはn番目の単量体の単独重合体のガラス転移温度(是絶対温度)である。なお、各単量体の単独重合体(以下、ホモポリマーともいう)のガラス転移温度の値は、Brandrup,J.Immergut,E.H.編集「Polymer Handbook,Third edition,John wiley & sons,1989」に示された値を使用する。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)は、現像性、基材密着性及びソルベントショックの観点から、(メタ)アクリロイル基を有する。(メタ)アクリロイル基は、エポキシ基含有単量体に由来する(メタ)アクリロイル基を有する構造単位(b1-1)であることが好ましい。。なお、エポキシ基含有単量体に由来する構造単位は、エポキシ基含有単量体中のエポキシ基をカルボキシル基と反応させて得られる構造単位である。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)に、(メタ)アクリロイル基を含有させる方法は、例えば、以下に示す(i)~(iii)の方法がある。
<方法(i)>
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)に含まれるエポキシ基含有単量体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させる方法(i)がある。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル( メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル( メタ)アクリレートグリシジエーテル、3 ,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3-メチル- 3 ,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、3-エチル- 3 ,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、4-メチル-4,5-エポキシペンチル(メタ)アクリレート、5-メチル-5,6-エポキシヘキシル(メタ)アクリレート、α-エチルアクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、クロトニルグリシジルエール、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ) アクリレート、N-(3,5-ジメチル-4-グリシジル)ベンジルアクリルアミド、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o- ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル- p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3- ジグリシジルオキシメチルスチレン、2 ,4-ジグリシジルオキシメチルスチレン、2 ,5-ジグリシジルオキシメチルスチレン、2 ,6-ジグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,4-トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,5-トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,3,6-トリグリシジルオキシメチルスチレン、3,4,5-トリグリシジルオキシメチルスチレン、2,4,6-トリグリシジルオキシメチルスチレンなどが挙げられる。工業品の入手の容易さという点から、下記一般式(3)で表される、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルが好ましく、エチレン性不飽和基の濃度を上げることができ、近赤外線吸収組成物から形成される塗膜中での紫外線硬化が進みやすい点で、グリシジル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
一般式(3):
Figure 2022174597000021

(一般式(3)中、R6 は水素原子もしくはメチル基であり、l は0または1の整数である。)
カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有単量体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させた部位を合成し、更に、多塩基酸無水物を反応させた部位を多塩基酸無水物に由来する構造単位(b1-2)と呼ぶ。ソルベントショックおよび現像性の観点から、構造単位(b1-2)はエポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)として好ましい。
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
〔エポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)〕
エポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)の含有量は、現像耐性、基材密着性の観点から、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)全構成単位に占めるモル比として、ソルベントショック耐性と現像性の観点から、2~90モル%とすることが好ましい。また、耐熱性の観点から二重結合当量が、200~1200となるように調整することが好ましく、200~800がより好ましく、200~700がさらに好ましい。
二重結合当量とは、樹脂のエチレン性不飽和二重結合1モルあたりの重量であり、下記式で算出できる。
二重結合当量=樹脂の重量(g)/樹脂のエチレン性不飽和二重結合の量(mol)
<方法(ii)>
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)に含まれるカルボキシル基含有構造単位(b4)のカルボキシル基に、エポキシ基含有単量体のエポキシ基を付加させる方法(ii)が挙げられる。
<方法(iii)>
例えば、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)に含まれる水酸基含有単量体単位の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法(iii)が挙げられる。
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体はバインダ樹脂(B)を形成する工程で共重合成分として用いても良いし、バインダ樹脂が有するカルボキシル基に対して付加反応させてバインダ樹脂に導入しても良い。エポキシ基、あるいはカルボキシル基との付加反応で生じる水酸基が顔料の分散安定性に寄与し、ソルベントショック耐性を高める。
〔芳香族環を有する構造単位(b2)〕
芳香族環を有する構造単位(b2)は、一般式(1)または一般式(2)に示す芳香族環による環状構造を有し、顔料および色素または顔料および色素と分散剤等とからなる顔料組成物に対する親和性部位として機能する。芳香族環を有する構造単位(b2)の含有量は、バインダ樹脂(B)の全構造単位中、2~80モル%が好ましい。これにより現像性が向上し、ソルベントショックをさらに抑制できる。
Figure 2022174597000022

[一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である。一般式(2)中の破線部は、ベンゼン環に隣あう、置換基を有しても良い一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を示す。]
芳香族環を有する構造単位(b2)を構成する単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、アセチルナフテン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル等のモノマー・オリゴマー、または一般式(4)に示す単量体等が挙げられる。
一般式(4):
Figure 2022174597000023

[一般式(4)中、R1は、水素原子、またはメチル基であり、R2は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R3は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基であり、nは、1~15の整数である。]
一般式(4)で示す単量体は、例えば、第一工業製薬社製ニューフロンティアCEA〔EO変性クレゾールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:メチル基、n=1または2、〕、NP-2〔n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n=2〕、N-177E〔n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n=16~17〕、若しくはPHE〔フェノキシエチルアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、
ダイセル社製、IRR169〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO1mol)、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、またはEbecryl110〔エトキシ化フェニルアクリレート(EO2mol)、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=2〕、
東亞合成社製アロニックスM-101A〔フェノールEO変性(n≒2)アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒2〕、M-102〔フェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒4〕、M-110〔パラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:パラクミル、n≒1〕、M-111〔n-ノニルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n≒1〕、M-113〔n-ノニルフェノールEO変性(n≒4)アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n≒4〕、若しくはM-117〔n-ノニルフェノールPO変性(n≒2.5)アクリレート、R1:水素原子、R2:プロピレン基、R3:n-ノニル基、n≒2.5〕、
共栄社製ライトアクリレートPO-A〔フェノキシエチルアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、P-200A〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒2〕、NP-4EA〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n≒4〕、若しくはNP-8EA〔〔ノニルフェノールEO付加物アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n≒8〕、またはライトエステルPO〔フェノキシエチルメタクリレート、R1:メチル基、R2:プロピレン基、R3:水素原子、n=1〕、
日油社製ブレンマーANE-300〔ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基、n≒5〕、ANP-300〔ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:プロピレン基、R3:n-ノニル基、n≒5〕、43ANEP-500〔ノニルフェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基及びプロピレン基、R3:n-ノニル基、n≒5+5〕、70ANEP-550〔ノニルフェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基及びプロピレン基、R3:n-ノニル基、n≒9+3〕、75ANEP-600〔ノニルフェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-アクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基及びプロピレン基、R3:n-ノニル基、n≒5+2〕、AAE-50〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、AAE-300〔フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒5.5〕、PAE-50〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R1:メチル基、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、PAE-100〔フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、R1:メチル基、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=2〕、若しくは43PAPE-600B〔フェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-メタクリレート、R1:メチル基、R2:エチレン基及びプロピレン基、R3:水素原子、n≒6+6〕、
新中村化学社製NKESTER AMP-10G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO1mol)、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、AMP-20G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO2mol)、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒2〕、AMP-60G〔フェノキシエチレングリコールアクリレート(EO6mol)、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n≒6〕、PHE-1G〔フェノキシエチレングリコールメタクリレート(EO1mol)、R1:メチル基、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、
大阪有機化学社製ビスコート#192〔フェノキシエチルアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕、あるいは、
日本化薬製SR-339A〔2-フェノキシエチレングリコールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:水素原子、n=1〕,若しくはSR-504(エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、R3:n-ノニル基〕等が挙げられる。
一般式(4)で示す単量体において、R3のアルキル基の炭素数は1~20であるが、より好ましくは1~10である。アルキル基は、直鎖状アルキル基だけでなく、分岐状アルキル基及び置換基としてベンゼン環を有するアルキル基も含まれる。R3のアルキル基の炭素数が1~10のときはアルキル基が障害となり樹脂同士の接近を抑制し、顔料への吸着/配向を促進するが、炭素数が10を超えると、アルキル基の立体障害効果が高くなり、ベンゼン環の顔料への吸着/配向までをも妨げる傾向を示す。この傾向は、R3のアルキル基の炭素鎖長が長くなるに従い顕著となり、炭素数が20を超えると、ベンゼン環の吸着/配向が極端に低下する。R3で表されるベンゼン環を有するアルキル基は、ベンジル基、2-フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。側鎖ベンゼン環が一つ増えることによって、溶媒親和性及び顔料配向性がより改善され、分散性だけでなく、現像性も向上する。
一般式(4)で示す単量体において、nは、1~15の整数が好ましい。nが15を越えると、親水性が増して溶媒和の効果が小さくなると共に、ビニル系樹脂の粘度が高くなり、これを用いた着色組成物の粘度も高くなり、流動性に影響を与える場合がある。溶媒和の観点から、nは、1~4がさらに好ましい。
芳香族環を有する構造単位(b2)の前駆体は、他の前駆体との共重合性の観点、及び顔料分散性の観点から、スチレン、α-メチルスチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、または一般式(4)で示す単量体が好ましい。樹脂(B1)の側鎖にベンゼン環を導入することよって、側鎖ベンゼン環が、顔料に配向するため、顔料への樹脂吸着を促し、更に顔料の凝集を抑える働きもする。更に、ベンジルアクリレート及び/またはベンジルメタクリレートは、現像性と分散安定性、ソルベントショックの観点から、好ましい。
芳香族環を有する構成単位(b2)の含有量は、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)全構造単位中、ソルベントショック耐性と現像性の観点から、2~80モル%が好ましく、2~60モル%がより好ましく、2~40モル%がさらに好ましい。適量含有すると現像耐性、基材密着性がより向上する。
〔脂肪族環を有する構造単位(b3)〕
脂肪族環を有する構造単位(b3)は、下記式(3)及び式(4)に示す脂肪族環による環状構造を有する。これらは、顔料および色素の分散剤に対する親和性部位として、及び、アルカリ現像液に対して親和しない。脂肪族環を有する構造単位(b3)の含有量は、バインダ樹脂(B1)の全構造単位中、2~80モル%が好ましい。これにより現像性が向上し、ソルベントショックをより抑制できる。
脂肪族環を有する構造単位(b3)が構造中に有しているジシクロペンタン部位は、環が平面構造を取る事がなく、フィルタセグメント中の分子相互の凝集状態に対して立体障害を与える事が期待できる。
Figure 2022174597000024
脂肪族環を有する構造単位(b3)の前駆体は、一般式(5)に示す単量体、または一般式(6)に示す単量体等が挙げられる。
一般式(5): 一般式(6):
Figure 2022174597000025

[一般式(5)、および一般式(6)中、R4は、水素原子、またはメチル基であり、R5は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、mは、0~2の整数である。]
一般式(5)で示す単量体は、例えば、日立化成社製ファンクリル FA-513A〔ジシクロペンタニルアクリレート、R1:水素原子、R2:なし、m=0〕、またはFA-513M〔ジシクロペンタニルメタクリレート、R1:水素原子、R2:なし、m=0〕等が挙げられる。が、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
一般式(6)で示す単量体は、例えば、日立化成社製ファンクリル FA-511A〔ジシクロペンテニルアクリレート、R1:水素原子、R2:なし、m=0〕、FA-512A〔ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、R1:水素原子、R2:エチレン基、m=1〕、FA-512M〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R1:メチル基、R2:エチレン基、m=1〕、またはFA-512MT〔ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、R1:メチル基、R2:エチレン基、m=1〕等が挙げられる。
脂肪族環を有する構造単位(b3)の含有量は、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)の全構造単位中、2~80モル%が好ましく、2~60モル%がさらに好ましく、2~40モル%がさらに好ましい。適度に含有すると現像性、現像耐性、基材密着性が向上し、ソルベントショックをより抑制できる。
〔カルボキシル基含有構造単位(b4)〕
カルボキシル基含有構造単位(b4)は、カルボキシル基を有し、現像時、アルカリ可溶性部位として機能する。カルボキシル基含有構造単位(b4)は、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)の全構造単位中2~60モル%が好ましい。適度に含有する現像性、現像耐性、基材密着性が向上し、ソルベントショックをより抑制できる。
カルボキシル基含有構造単位(b4)の前駆体は、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、若しくはα-クロルアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、またはマレイン酸、若しくはフマル酸等の不飽和ジカルボン酸等のカルボキシル基含有単量体が挙げられる。また、無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸の無水物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した化合物も挙げられる。この中でも、重合性(分子量等のコントロールしやすさ)の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
原料の段階でカルボキシル基を含有する前駆体であっても、バインダ樹脂(B)を形成する工程でカルボキシル基がエステル結合などに変化した場合は、本明細書における構造単位(b4)には該当しない。
〔その他単量体単位(b5)〕
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)は、(b1)~(b4)以外のその他単量体単位(b5)を含有できる。
その他単量体単位(b5)を形成する単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエ-ト、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナ-ト、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラ-ト、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノア-ト、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、上述した水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基に、たとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物等のリン酸エステル基含有(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を合成する原料は、それぞれ単独または2種類以上併用できる。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)の含有量は、現像性、基材密着性の観点から、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B)100質量%中5質量%以上95質量%以下が好ましく、10質量%以上90質量%以下がより好ましい。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)は、耐熱性の観点から、4,000~80,000が好ましく、5,000~30,000がより好ましい。
アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)の酸価は、現像性の観点から、20~200mgKOH/gが好ましく、40~150mgKOH/gがより好ましい。
(アルカリ可溶性バインダ樹脂(B2))
本発明の近赤外線吸収組成物は、バインダ樹脂(B)として、本発明の効果を損なわない範囲でアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)以外のアルカリ可溶性バインダ樹脂(B2)を含有することができる。
バインダ樹脂(B)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、1~80質量%が好ましく、2~70質量%がより好ましく、3~60質量%がさらに好ましい。
[重合性化合物(C)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合性化合物(C)を含む。重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を有し、光硬化により膜を形成する化合物である。
重合性化合物(C)は、モノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。重合性化合物(C)は、例えば、ラクトン変性された重合性化合物、酸基を有する重合性化合物、ウレタン結合を有する重合性化合物、その他重合性化合物等が挙げられる。
(ラクトン変性された重合性化合物)
本発明の近赤外線吸収組成物は、耐熱性の観点から、ラクトン変性された重合性化合物を含むことが好ましい。
ラクトン変性された重合性化合物は、分子内にラクトンで変性された構造を有する化合物である。ラクトン変性された重合性化合物は、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエチスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメトロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε-カプロラクトンもしくはその他のラクトン化合物をエステル化することにより得られる。ラクトン変性された重合性化合物は、下記一般式(20)で表される化合物が好ましい。
一般式(20)
Figure 2022174597000026
一般式(20)中、6個のRは全て下記一般式(21)で表される基、または6個のRのうち1~5個が下記一般式(21)で表される基であり、残りが下記一般式(22)で表される基である。
一般式(21)
Figure 2022174597000027
一般式(21)中、Rは水素原子、またはメチル基を表し、mは1、または2の整数であり、*は一般式(20)の酸素原子と結合する結合手である。
一般式(22)
Figure 2022174597000028
一般式(22)中、Rは水素原子、またはメチル基を表し、*は一般式(20)の酸素原子と結合する結合手である。
ラクトン変性された重合性化合物は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA-20(上記一般式(20)~(22)において、m=1、一般式(21)に表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA-30(上記一般式一般式(20)~(22)において、m=1、一般式(21)に表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA-60(上記一般式(20)~(22)において、m=1、一般式(21)に表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA-120(上記一般式(20)~(22)において、m=2、一般式(21)に表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
ラクトン変性された重合性化合物は、塗膜耐性の観点から、上記一般式(20)~(22)において、m=1、一般式(21)に表される基の数=2~6、Rが全て水素原子である化合物が好ましく、上記一般式(20)~(22)において、m=1、一般式(21)に表される基の数=2又は3、Rが全て水素原子である化合物がより好ましい。
ラクトン変性された重合性化合物の含有量は、耐熱性の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、20~60質量%であることがさらに好ましい。
(酸基を有する重合性化合物)
本発明の近赤外線吸収組成物は、現像性、パターン形成の観点から、酸基を有する重合性化合物を含むことが好ましい。酸基を有する重合性化合物の酸基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基が好ましい。
酸基を有する重合性化合物は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げられる。
多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
ジカルボン酸類は、例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、フタル酸イタコン酸等が挙げられる。
多価カルボン酸は、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
酸基を有する重合性化合物の市販品は、大阪有機社製のビスコート#2500P、東亞合成社製アロニックスM-5300,M-5400,M-5700,M-510,M-520,M-521等が挙げられる。
酸基を有する重合性化合物の含有量は、現像性、パターン形成の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、5~95質量%が好ましく、10~90質量部%がより好ましく、15~80質量%がさらに好ましい。
(ウレタン結合を有する重合性化合物)
本発明の近赤外線吸収組成物は、パターン形成の観点から、重合性化合物(C)としてウレタン結合を有する重合性化合物を含むことが好ましい。
ウレタン結合を有する重合性化合物は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
上記多官能イソシアネートは、例えば、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
ウレタン結合を有する重合性化合物は、現像性の観点から、更に、酸基を有することも好ましい。酸基は、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等を挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
ウレタン結合を有する重合性化合物に酸基を導入する方法は、例えば、まず、上記水酸基を有する(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させる。次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させる方法で合成できる。
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。

ウレタン結合を有する重合性化合物の重合性不飽和基数は、パターン形成の観点から、3~15個が好ましく、5~12個がより好ましい。
ウレタン結合を有する重合性化合物の含有量は、パターン形成の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、5~80質量%が好ましく、10~70質量部%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい。
(その他重合性化合物)
その他重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロ-ルプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ-ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオ-ルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロ-ル化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
その他重合性化合物の市販品は、例えば、日本化薬社製のKAYARAD R-128H、R526、PEG400DA、MAND、NPGDA、R-167、HX-220、R-551、R712、R-604、R-684、GPO-303、TMPTA、DPHA、DPEA-12、DPHA-2C、D-310、D-330、及び東亞合成社製のアロニックスM-303、M-305、M-306、M-309、M-310、M-321、M-325、M-350、M-360、M-313、M-315、M-400、M-402、M-403、M-404、M-405、M-406、M-450、M-452、M-408、M-211B、M-101A、大阪有機社製のビスコート#310HP、#335HP、#700、#295、#330、#360、#GPT、#400、#405、新中村化学社製のNKエステルA-9300,ABE-300,A-DOG,A-DCP,A-BPE-4、ダイセル・オルネクス社製のEBECRY40,130,140,145、共栄社化学社製のAH-600、AT-600、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,0300等が挙げられる。
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(C)は、現像性、パターン形成、及び耐熱性の観点から、ラクトン変性された重合性化合物、酸基を有する重合性化合物、およびウレタン結合を有する重合性化合物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
重合性化合物(C)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、1~70質量%が好ましく、2~50質量%がより好ましい。
[光重合開始剤(D)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、光重合開始剤(D)を含む。光重合開始剤(D)を含むことで、近赤外線吸収組成物を紫外線照射により硬化させ、硬化膜を形成できる。
光重合開始剤(D)は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製の「Omnirad 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「Omnirad 369E」(2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン)、「Omnirad 379EG」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン)、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製の「Omnirad 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO」(ジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド)、オキシム系化合物として、BASF社製の1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE-01)、エタノーン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(IRGACURE OXE-02)、IRGACURE OXE-03、IRGACURE OXE-04、ADEKA社製のN-1919、NCI-730、NCI-831、NCI-930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-304、TRONLY TR-PBG-305、TRONLY TR-PBG-309、TRONLY TR-PBG-345、TRONLY TR-PBG-3054等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開WO2015/036910号等に記載のオキシム系化合物も挙げられる。
これらの中でも、パターン形成性、基材密着性の観点から、Omnirad 907やオキシム系化合物が好ましく、なかでもIRGACURE OXE-04、TRONLY TR-PBG-345、NCI-831がより好ましい。
光重合開始剤(D)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤(D)の含有量は、近赤外線吸収色素(A)100質量部に対して、光硬化性、現像性の観点から、0.04~200質量部が好ましく、0.1~100質量部がより好ましい。
[増感剤(E)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、パターン形成の観点から、増感剤(E)を含むことが好ましい。
増感剤(E)は、例えば、カルコン系化合物、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン系化合物、ベンゾイン系化合物、フルオレン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、キサンテン系化合物、チオキサンテン系化合物、キサントン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物、ケトクマリン系化合物、シアニン系化合物、メロシアニン系化合物、オキソノール系化合物等のポリメチン色素、アクリジン系化合物、アジン系化合物、チアジン系化合物、オキサジン系化合物、インドリン系化合物、アズレン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラフェニルポルフィリン系化合物、トリアリールメタン系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、テトラピラジノポルフィラジン系化合物、フタロシアニン系化合物、テトラアザポルフィラジン系化合物、テトラキノキサリロポルフィラジン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、テトラフィリン系化合物、アヌレン系化合物、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物、チオスピロピラン系化合物、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、パターン形成の観点から、チオキサントン系化合物(E1)、又はベンゾフェノン系化合物(E2)が好ましく、ベンゾフェノン系化合物(E2)がより好ましい。
(チオキサントン系化合物(E1))
チオキサントン系化合物(E1)は、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4-ジエチルチオキサントンが好ましい。
(ベンゾフェノン系化合物(E2))
ベンゾフェノン系化合物(E2)は、例えば、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-アミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの中でも、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
増感剤(E)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤(E)の含有量は、パターン形成の観点から、光重合開始剤(D)100質量部に対して、10~400質量部が好ましく、20~300質量部がより好ましい。
[着色剤(F)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、着色剤(F)を含有できる。これにより、各波長領域の透過率の制御をすることができ、硬化膜の透過波長を制御し易くなる。
着色剤(F)は、顔料、及び染料のいずれでもよく、併用できる。
(顔料)
顔料は、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物である。
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐光性、及び透過率の観点から、C.I.ピグメントレッド48:1,122,177,224,242,269,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177,254,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料がさらに好ましい。
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー138,139,150,185,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が好ましい。
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントグリーン36、58、59、62、63が好ましい。
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6が好ましい。
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントバイオレット19,23が好ましい。
黒色顔料は、具体的には、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。また、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、及び紫色顔料から選ばれる少なくとも2種以上の顔料を用いて黒色着色剤としてもよい。
顔料の中で無機顔料は、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。
(染料)
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、これらの誘導体や、染料をレーキ化したレーキ顔料も挙げられる。
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。また、酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物等の含窒素化合物との塩である造塩化合物が好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸またはその金属塩と塩を形成する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造が挙げられる。
これらの中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。
着色剤(F)は、単独、または2種類以上を併用して使用することができる。
着色剤(F)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
(顔料の微細化)
顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対して、50~2,000質量部が好ましく、300~1,000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤の使用量は、顔料100質量部に対して、5~1,000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性が好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
[分散樹脂(G)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、分散樹脂(G)を含有できる。分散樹脂(G)は、近赤外線吸収色素(A)に親和性が高い吸着基を有している樹脂が好ましい。吸着基は、塩基性基、及び酸性基のうち1種以上有していることが好ましい。
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニア塩基、および含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
分散樹脂(G)の樹脂種は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
分散樹脂(G)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、および星型構造等が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ブロック構造、またはくし型構造が好ましい。
分散樹脂(G)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,103,107,108,110,111,116,130,140,154,161,162,163,164,165,166,167,168,170,171,174,180,181,182,183,184,185,190,2000,2001,2009,2010,2020,2025,2050,2070,2095,2150,2155,2163,2164、またはAnti-Terra-U203,204、またはBYK-P104,P104S,220S、またはLactimon、Lactimon-WS、またはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,9000,13000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,24000,26000,27000,28000,31845,32000,32500,32550,33500,32600,34750,35100,36600,38500,41000,41090,53095,55000,56000,76500等、BASFジャパン社製のEFKA-46,47,48,452,4008,4009,4010,4015,4020,4047,4050,4055,4060,4080,4400,4401,4402,4403,4406,4408,4300,4310,4320,4330,4340,450,451,453,4540,4550,4560,4800,5010,5065,5066,5070,7500,7554,1101,120,150,1501,1502,1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスーパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、国際公開2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
分散樹脂(G)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
分散樹脂(G)の含有量は、分散安定性の観点から、近赤外線吸収色素(A)100質量部に対して、3~200質量部が好ましく、5~100質量部がより好ましい。
[色素誘導体(H)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、色素誘導体(H)を含有できる。
色素誘導体(H)は、特に制限はなく、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物が挙げられる。色素誘導体(H)は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、およびこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノーン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノーン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体は、特開2001-220520号公報、国際公開第2009/081930号、国際公開第2011/052617号、国際公開第2012/102399号、特開2017-156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体は、特開2007-226161号公報、国際公開第2016/163351号、特開2017-165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体は、特開昭63-264674号公報、特開平09-272812号公報、特開平10-245501号公報、特開平10-265697号公報、特開2007-079094号公報、国際公開第2009/025325号、キナクリドン系色素誘導体は、特開昭48-54128号公報、特開平03-9961号公報、特開2000-273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体は、特開2011-162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体は、特開2007-314785号公報、トリアジン系色素誘導体は、特開昭61-246261号公報、特開平11-199796号公報、特開2003-165922号公報、特開2003-168208号公報、特開2004-217842号公報、特開2007-314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体は、特開2009-57478号公報、キノフタロン系色素誘導体は、特開2003-167112号公報、特開2006-291194号公報、特開2008-31281号公報、特開2012-226110号公報、ナフトール系色素誘導体は、特開2012-208329号公報、特開2014-5439号公報、アゾ系色素誘導体は、特開2001-172520号公報、特開2012-172092号公報、酸性置換基は、特開2004-307854号公報、塩基性置換基は、特開2002-201377号公報、特開2003-171594号公報、特開2005-181383号公報、特開2005-213404号公報等に記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なお、これらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
色素誘導体(H)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
色素誘導体(H)の含有量は、近赤外線吸収色素(A)100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、2~10質量部がより好ましい。
[熱硬化性化合物(I)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、熱硬化性化合物(I)を含有できる。これにより、加熱工程で熱硬化性化合物(I)が反応し、架橋密度が高まるため耐熱性が向上する。
熱硬化性化合物(I)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(I)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
(エポキシ化合物(I1))
エポキシ化合物(I1)は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノールボルナジエン、ビニルノールボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S等が挙げられる。
エポキシ化合物(I1)の含有量は、硬化膜の耐熱性の観点から、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量部に対して、0.5~30質量部が好ましく、1.0~20質量部がより好ましい。
(オキセタン化合物(I2))
オキセタン化合物(I2)は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、 (3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
市販品は、例えば、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP、OXTP、東亞合成社製OXT-121,221等が挙げられる。
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)や前述のOXE-30のような(メタ)アクリルモノマーをラジカル重合させて得られる重合体が挙げられる。
オキセタン化合物(I2)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.5~50質量%が好ましく、1~40質量%がより好ましい。
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロ-ル型やエーテル型の化合物が好ましく、メラミン環1個当たりのメチロ-ル基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物がより好ましい。適度にメチロ-ル基やエーテル基数を有すると過不足ない耐熱性が得やすい。
市販品は、例えば、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MS-001,MX-002,MX-730,MX-750,MX-708,MX-706,MX-042,MX-45,MX-500,MX-520,MX-43,MX-417,MX-410、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370等が挙げられる。
これらの中でもメラミン環1個当たりのメチロ-ル基、及び/又は、エーテル基数が平均5.0以上である、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM、MW-390、MW-100LM、MX-750LM、MW-30M、MW-30、MW-22、MS-21、MS-11、MW-24X、MX-45、日本サイテックインダストリ-ズ社製のサイメル232,235,236,238,300,301,303,350等は、架橋密度を高められる面で好ましい。
熱硬化性化合物(I)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、熱硬化性化合物(I)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を併用できる。硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
硬化剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(I)100質量部に対して、0.01~15質量部が好ましい。
[チオール系連鎖移動剤(J)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、チオール系連鎖移動剤(J)を含有できる。チオール系連鎖移動剤(J)は、光重合開始剤(D)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、近赤外線吸収組成物の光感度が向上する。
チオール系連鎖移動剤(J)は、チオール基(SH基)を2以上有する多官能チオールが好ましく、4以上有する多官能チオールがより好ましい。官能基数が増えると膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオ-ルビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオ-ルビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオグリコレート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロ-ルプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤(J)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤(J)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、1~10質量%が好ましく、2~8質量%がより好ましい。適量含有すると光感度が向上し、硬化膜の表面にシワが発生し難くなる。
[重合禁止剤(K)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、重合禁止剤(K)を含有できる。
重合禁止剤(K)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノーン、プロピルヒドロキノーン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロ-ル、フロログルシン等が挙げられる。
重合禁止剤(K)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量中が好ましい。
[紫外線吸収剤(L)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、紫外線吸収剤(L)を含有できる。
紫外線吸収剤(L)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 102、BASFジャパン社製のTINUVIN 400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社製のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノーン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB 10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB 101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤(L)の含有量は、光重合開始剤(D)と紫外線吸収剤(L)との合計100質量%中、5~90質量%が好ましい。
[酸化防止剤(M)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、酸化防止剤(M)を含有できる。酸化防止剤(M)は、光重合開始剤(D)や熱硬化性化合物(I)が、熱硬化やITOアニ-ル時の熱工程によって酸化する黄変を防ぐ。特に、近赤外線吸収色素(A)濃度が高い場合、相対的に重合性化合物(C)の含有量が減少するため、光重合開始剤(D)の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると硬化膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による硬化膜の黄変を防止する。酸化防止剤(M)は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
酸化防止剤(M)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物等が挙げられる。これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダ-ドフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソ-ブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
酸化防止剤(M)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
酸化防止剤(M)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。適量含有すると透過率、分光特性、及び感度が向上する。
[レベリング剤(N)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、レベリング剤(N)を含有できる。これにより、塗工時の基板に対する濡れ性、及び乾燥性がより向上する。レベリング剤(N)は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコ-ニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテ-ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ-ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロ-ルモノステアレート、グリセロ-ルモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフロ-No.75,No.90,No.95等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
レベリング剤(N)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
レベリング剤(N)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。適量含有すると近赤外線吸収組成物の塗工性と密着性のバランスがより向上する。
[貯蔵安定剤(O)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、貯蔵安定剤(O)を含有できる。これにより、近赤外線吸収組成物の経時粘度が安定化する。貯蔵安定剤(O)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤(O)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.01~5質量%が好ましい。
[密着向上剤(P)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、密着向上剤(P)を含有できる。これにより、硬化膜と基材の密着性が向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。
密着向上剤(P)は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤が挙げられる。
密着向上剤(P)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
密着向上剤(P)の含有量は、近赤外線吸収組成物の不揮発分100質量%中、0.01~30質量%が好ましく、0.1~20質量%がより好ましい。
[有機溶剤(Q)]
本発明の近赤外線吸収組成物は、有機溶剤(Q)を含有できる。
有機溶剤(Q)は、例えば、1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオ-ル、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノーン、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオ-ル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノーン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトールエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトールエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、顔料の分散性、アルカリ可溶樹脂の溶解性の観点から、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール等のアルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類が好ましい。
有機溶剤(Q)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
[近赤外線吸収組成物の製造方法]
本発明の近赤外線吸収組成物は、例えば、近赤外線吸収色素(A)、分散樹脂(G)、及び有機溶剤(Q)等を加えて分散処理を行うことで、分散体を製造する。その後、前記分散体に、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)等を配合し混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロ-ルミル、3本ロールミル、ボ-ルミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビ-ズミル、又はアトライター等が挙げられる。
分散体中の近赤外線吸収色素(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い近赤外線吸収組成物が得やすい。
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
近赤外線吸収組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、および混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の近赤外線吸収組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
<硬化膜>
本発明の硬化膜は、本発明の近赤外線吸収組成物を用いて形成された膜を露光などの処理で硬化して得られる。
[硬化膜の製造方法]
硬化膜の製造方法は、特に限定されず、例えば、基板上に近赤外線吸収組成物を塗布し組成物の層を形成する工程(1)、前記層に、マスクを介してパターン状に露光する工程(2)、未露光部分をアルカリ現像しパターン状の硬化膜を形成する工程(3)、前記パターンを加熱処理(ポストベーク)する工程(4)を行い作製できる。
以下、硬化膜の製造方法を詳細に説明する。
(工程(1))
組成物の層を形成する工程(1)は、近赤外線吸収組成物を基板上に、例えば、回転塗布、ロ-ル塗布、スリット塗布、流延塗布、またはインクジェット塗布等の方法で塗布し、必要に応じてオーブン、ホットプレート等を用いて、50~120℃の温度で10~120秒乾燥(プリベーク)する。
前記基板は、例えば、ガラス基板、シリコン基板等が挙げられる。シリコン基板は、例えば、表面にCCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基板上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
層の膜厚は、乾燥後0.05~10.0μmとなるように塗布することが好ましく、0.3~5μmとなるように塗布することがより好ましい。
(工程(2))
露光工程は、工程(1)で得られた層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより硬化膜が得られる。
露光に用いる放射線は、例えば、g線、h線、i線等の紫外線が挙げられる。
(工程(3))
工程(2)で得られた硬化膜は、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の組成物の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の硬化膜が得られる。
現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロ-ル、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。
アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドール法等が挙げられる。現像温度は15~40℃ が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
(工程(4))
加熱処理(ポストベーク)は、工程(3)で得られたパターン状の硬化膜を加熱により十分に硬化させる。ポストベークの加熱温度は、100~300℃が好ましく、150~250℃がより好ましい。また、加熱時間は、2分間~1時間程度が好ましく、3分間~30分間程度がより好ましい。
<光学フィルタ>
本発明の硬化膜は、光学フィルタに使用できる。光学フィルタの中でも赤外線カットフィルタ、赤外線透過フィルタが好ましい。本明細書で光学フィルタの製造は、上述の硬化膜と同様の方法で製造できる。
<画像表示装置>
本発明の硬化膜は、画像表示装置に使用できる。画像表示装置に用いる形態は、特に制限されないが、近赤外線カットフィルタ、近赤外線パスフィルタ、カラーフィルタ、ブラックマトリックスとして使用できる。
ブラックマトリックスは、固体撮像素子、液晶表示装置等の画像表示装置の周縁部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状、及び/又はストライプ状の黒色部分や、TFT遮光のためのドット上、及び/又は線状の黒色のパターン等が挙げられる。
本発明の画像表示装置の例について説明する。
画像表示装置は、本発明の硬化膜と、光源とを具備する。光源は、冷陰極管(CCFL),白色LEDが挙げられるが、本発明においては赤の再現領域が広がるという点で、白色LEDを使用することが好ましい。図1は、本発明の硬化膜を備えた画像表示装置の構成例を示す概略断面図である。図1に示す画像表示装置10は、離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶LCが封入されている。
第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、カラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
液晶LCは、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In‐Plane スイッチング)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、カラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色のフィルタセグメントは、ブラックマトリックス(図示せず)により分離されている。
カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。
また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、バックライトユニット30が設けられている。
白色LED光源は、青色LEDの表面に蛍光フィルタを形成したものや、青色LEDの樹脂パッケージに蛍光体を含有させたものがあり、430nm~485nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ3)を有し、530nm~580nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ4)を有し、600nm~650nmの範囲内で発光強度が極大となる波長(λ5)を有し、かつ波長λ3における発光強度I3と波長λ4における発光強度I4の比(I4/I3)が0.2以上0.4以下であり、波長λ3における発光強度I3と波長λ5における発光強度I5の比(I5/I3)が0.1以上1.3以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED1)や、430nm~485nmの範囲内に発光強度が最大となる波長(λ1)を有し、530nm~580nmの範囲内に第2の発光強度のピーク波長(λ2)を有し、波長λ1における発光強度I1と波長λ2における発光強度I2の比(I2/I1)が0.2以上0.7以下である分光特性を持つ白色LED光源(LED2)が好ましい。
LED1は、具体的にはNSSW306D-HG-V1(日亜化学社製)、NSSW304D-HG-V1(日亜化学社製)等が挙げられる。
LED2は、具体的にはNSSW440(日亜化学社製)、NSSW304D(日亜化学社製)等が挙げられる。
<固体撮像素子>
本発明の硬化膜は、固体撮像素子に使用できる。固体撮像素子に用いる形態は、特に制限されないが、例えば、基板上に、固体撮像素子(CCDイメ-ジセンサ、CMOSイメ-ジセンサ、または有機CMOSイメ-ジセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオ-ド、およびポリシリコン等からなる受光素子を有し、受光素子形成面側又は形成面の反対側に、本発明の硬化膜を有する形態が挙げられる。図2は、本発明の硬化膜を備えた固体撮像素子の構成例を示す概略断面図である。
図2に示すように、固体撮像装置200は、矩形状の固体撮像素子201と、固体撮像素子201の上方に保持され、この固体撮像素子201を封止する透明なカバーガラス203とを備えている。更に、このカバーガラス203上には、スペーサー104を介してレンズ層211が重ねて設けられている。レンズ層211は、支持体213とレンズ材212とで構成されている。レンズ層211の周縁領域に迷光が入射すると光の拡散によりレンズ材212での集光の効果が弱くなり、撮像部202に届く光が低減する。また、迷光によるノイズの発生も生じる。そのため、このレンズ層211の周縁領域は、本発明の硬化膜214が設けられて遮光されている。
固体撮像素子201は、その受光面となる撮像部202で結像した光学像を光電変換して、画像信号として出力する。この固体撮像素子201は、2枚の基板を積層した積層基板205を備えている。積層基板205は、同サイズの矩形状のチップ基板206及び回路基板207からなり、チップ基板206の裏面に回路基板207が積層されている。
チップ基板206の表面中央部には、撮像部202が設けられている。また、撮像部202の周縁領域に迷光が入射すると、この周縁領域内の回路から暗電流(ノイズ)が発生するため、この周縁領域は、本発明の硬化膜(遮光)215が設けられて遮光されている。
チップ基板206の表面縁部には、複数の電極パッド208が設けられている。電極パッド208は、チップ基板206の表面に設けられた図示しない信号線を介して、撮像部202に電気的に接続されている。
回路基板207の裏面には、各電極パッド208の略下方位置にそれぞれ外部接続端子209が設けられている。各外部接続端子209は、積層基板205を垂直に貫通する貫通電極210を介して、それぞれ電極パッド208に接続されている。また、各外部接続端子209は、図示しない配線を介して、固体撮像素子201の駆動を制御する制御回路、及び、固体撮像素子201から出力される撮像信号に画像処理を施す画像処理回路等に接続されている。
<赤外線センサ>
本発明の硬化膜は、赤外線センサに使用できる。図3は、本発明の硬化膜を備えた赤外線センサの構成例を示す概略断面図である。図3に示す赤外線センサは300、固体撮像素子310を備える。
固体撮像素子310上に設けられている撮像領域は、赤外線カットフィルタ311とカラーフィルタ312とを組み合せて構成されている。
赤外線吸収フィルタ311は、可視光領域の光(例えば、波長400~700nmの光)を透過し、赤外領域の光(例えば、波長800~1300nmの光)を遮蔽する。
カラーフィルタ312は、可視光領域における特定波長の光を透過及び吸収する画素が形成されたカラーフィルタであって、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が形成されたカラーフィルタ等が用いられる。
赤外線透過フィルタ313と固体撮像素子310との間には、赤外線透過フィルタ313を透過した波長の光を透過可能な樹脂膜314が配置されている。
赤外線透過フィルタ313は、可視光遮蔽性を有し、かつ、特定波長の赤外線を透過させるフィルタであって、上述した近赤外線吸収色素(A)を含有した本発明の硬化膜が使用できる。赤外線透過フィルタ113は、例えば、波長400~830nmの光を遮光し、波長900~1300nmの光を透過させることが好ましい。
カラーフィルタ312、及び赤外線透過フィルタ313の入射光側には、マイクロレンズ315が配置されている。マイクロレンズ315を覆うように平坦化膜316が形成されている。
図3に示す形態では、樹脂膜314が配置されているが、樹脂膜314に代えて赤外線透過フィルタ313を形成してもよい。
本発明の硬化膜は、赤外線カットフィルタ311の表面の端部及び/又は側面等の遮光膜として使用できるほか、赤外線センサの装置内壁に用いれば、内部反射及び/又は受光部への意味しない光の入射を防ぎ、感度を向上させられる。
この赤外線センサによれば、画像情報を同時に取り込めるため、動きを検知する対象を認識したモーションセンシング等が可能である。また、この赤外線センサによれば、距離情報を取得できるため、3D情報を含んだ画像の撮影等も可能である。更に、この赤外線センサは、生体認証センサとしても使用できる。
また、本発明の硬化膜は、着色スペーサーにも使用できる。例えば、スペーサーをTFT型LCDに使用する場合、TFTに入射する光によりスイッチング素子としてTFTが誤作動を起こすことがあり、着色スペーサーはこれを防止するために用いられる。着色スペーサーは、着色スペーサー用のマスクを用いる以外は上述のブラックマトリックスと同様の方法で形成することができる。
また、本発明の硬化膜は、マイクロLED(Light Emitting Diode)やマイクロOLED(Organic Light Emitting Diode)などの用途にも使用できる。特に限定されないが、マイクロLEDおよびマイクロOLEDに使用される光学フィルタおよび光学フィルムのほか、遮光性および反射防止性を付与する部材に対して好適に用いられる。
マイクロLEDおよびマイクロOLEDの例は、特表2015-500562号公報、および特表2014-533890号公報に記載のものが挙げられる。
また、本発明の硬化膜は、量子ドットディスプレイなどの用途にも使用できる。特に限定されないが、量子ドットディスプレイに使用される光学フィルタおよび光学フィルムのほか、遮光性および反射防止性を付与する部材に対して好適に用いられる。
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。また、本発明において、不揮発分もしくは不揮発分濃度は、280℃で30分間オーブン静置後の、質量残分をいう。
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(mgKOH/g)、アミン価(mgKOH/g)、及びガラス転移温度(Tg)の測定は、以下の通りである。
(バインダ樹脂、及び分散樹脂の平均分子量)
バインダ樹脂、及び分散樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1wt%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
(バインダ樹脂、及び分散樹脂の酸価)
バインダ樹脂、及び分散樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
(分散樹脂のアミン価)
分散樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
(ガラス転移温度)
バインダ樹脂(B)のガラス転移温度は、示差走査熱測定装置を用いて、サンプルパンにサンプルを5mg秤量し、窒素気流下で-20~200℃まで昇温速度10℃/分で測定した。
<近赤外線吸収色素(A)の製造>
(近赤外線吸収色素(A-1))
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、3,5-ジメチルシクロヘキサノン32.2部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により反応系中から除去した。
反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、下記化学式(17)で表される近赤外線吸収色素(A-1)を得た。得られた近赤外線吸収色素(A-1)50部、塩化ナトリウム500部、ジエチレングリコール60部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所製)中に仕込み、60℃ で12時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃ に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状として、濾過および水洗をして塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ粉砕することにより、微細化した近赤外線吸収色素(A-1)を得た。
化学式(17)
Figure 2022174597000029
(近赤外線吸収色素(A-2))
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、2-ヒドロキシ-9-フルオレノン50.1部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、下記化学式(18)で表される近赤外線吸収色素(A-2)を得た。近赤外線吸収色素(A-1)を同様の方法で、微細化した近赤外線吸収色素(A-2)を得た。
化学式(18)
Figure 2022174597000030
(近赤外線吸収色素(A-3))
反応容器中で、n-アミルアルコール890部、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)137部、2,3―ジシアノナフタレン178部と塩化アルミニウム無水物40部を混合攪拌し、昇温後136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部からなる混合溶媒で洗浄、乾燥し、下記化学式(19)の化合物を得た。
N-メチルピロリドン200部に5部のジフェニルリン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱した。この溶液に、10部の下記化学式(19)の化合物を少しずつ添加した後、90℃で120分攪拌した。その後、この反応溶液を水2000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗の順で処理を行い、乾燥して、下記化学式(20)で表される近赤外線吸収色素(A-3)を得た。近赤外線吸収色素(A-1)を同様の方法で、微細化した近赤外線吸収色素(A-3)を得た。
Figure 2022174597000031
(近赤外線吸収色素(A-4))
国際公開第2019/058882の記載に従い、下記化学式(21)で表される近赤外線吸収色素(A-4)を得た。近赤外線吸収色素(A-1)を同様の方法で、微細化した近赤外線吸収色素(A-4)を得た。
化学式(21)
Figure 2022174597000032

<バインダ樹脂(B)の製造>
(アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1-1)溶液)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン(以下、St)5.2部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)85.3部、ジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPMA)11.2部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸(以下、AA)43.2部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応させた。これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させ、エポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)(以下、GMA+AAと表す)を導入した。
さらにテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)60.9部、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。これにより、GMA-AAの水酸基とTPHAをエステル化反応させ、脂肪酸無水物変性した多塩基酸無水物に由来する構造(b1-2)(以下、GMA+AA+THPAと表す)を導入した。その後、不揮発分が20%になるようにPGMAcを添加して、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1-1)溶液を調製した。
(アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1-2)~(B1-13)、及び(B2-1)~(B2-3)溶液))
表1に記載の原料、構成比率になるように配合種、及び量を変え、アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1-2)~(B1-14)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を20%とした。なお、表中の数値はモル%である。
Figure 2022174597000033
表1に記載の原料は、以下の通りである。
パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM-110」)
表1に記載のMAA+GMAは、バインダ樹脂に含まれる単量体単位であるメタクリル酸(MAA)のカルボキシル基に、グルシジルメタクリレートのエポキシ基を付加させたエポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)を表す。
表1に記載のバインダ樹脂のTgの範囲は、以下の通りである。
A:-50℃以上-10℃以下
B:-10℃を超え80℃以下
C:80℃を超え150℃未満
D:-50℃未満、又は150℃以上
<重合性化合物(C)の製造>
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C-1))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部とPGMAc66部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2180cm-のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させた。不揮発分が50質量%となるように調整し、平均重合性不飽和基数9のウレタン結合を有する重合性化合物(C-1)溶液を得た。
<着色剤(F)の製造>
(微細化した緑色顔料(F-1))
C.I.ピグメントグリーン58を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、粉砕することにより微細化した緑色顔料(F-1)を得た。
(微細化した緑色顔料(F-2))
C.I.ピグメントグリーン63を100部、塩化ナトリウム1,200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)中に仕込み、60℃で6時間混練した。次に、混練した混合物を温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで1時間攪拌してスラリー状として、濾過・水洗をして塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥させ、粉砕することにより微細化した赤色顔料(F-2)を得た。
(微細化した青色顔料(F-3))
C.I.Pigment Blue15:3を100部、塩化ナトリウム1,000部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、50℃で12時間混練した。この混合物を温水3,000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、粉砕することにより微細化した青色顔料(F-3)を得た。
<分散樹脂(G)の製造>
(分散樹脂(G-1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート40部、nーブチルメタクリレート10部、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、開始剤としてブロモイソ酪酸エチル9.3部、触媒として塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、PGMAc50部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート40部、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド10部を投入し、110℃で窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。GPC測定の結果、ポリマーの質量平均分子量20,000、分子量分布Mw/Mnが1.4であり、反応転化率は98.5%であった。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が169.8mgKOH/gの分散樹脂(G-1)を得た。室温まで冷却した後、不揮発分を測定し、不揮発分が30質量%になるようにPGMAcを添加して分散樹脂(G-1)溶液を調製した。
(分散樹脂(G-2)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート30部、nーブチルメタクリレート30部、ヒドロキシエチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとして1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート20部(日立化成工業社製、ファンクリルFA-711MM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、不揮発分当たりのアミン価が57mgKOH/g、数平均分子量4,500(Mn)の分散樹脂(G-2)溶液を得た。
(分散樹脂(G-3)溶液)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分測定で不揮発分30%となるようPGMAcを加えて希釈し、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500の分散樹脂(G-3)溶液を得た。
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。有機溶剤(Q-1)は、PGMAcである。
近赤外線吸収色素(A-1) :20.0部
分散樹脂(G-1) :10.0部
有機溶剤(Q-1) :70.0部
(分散体2~7)
表2に記載した原料、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~7を作製した。
Figure 2022174597000034
<近赤外線吸収組成物の製造>
[実施例1]
(近赤外線吸収組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して近赤外線吸収組成物1を得た。
分散体1 :20.45部
バインダ樹脂(B1-1)溶液 :30.50部
重合性化合物(C) :4.50部
光重合開始剤(D) :0.27部
増感剤(E) :0.03部
レベリング剤(N) :1.0部
有機溶剤(Q) :43.25部
[実施例2~23、比較例1~2]
(近赤外線吸収組成物2~25)
実施例1の近赤外線吸収組成物1を、表3-1~表3-3に記載した原料、量に変えた以外は、実施例1と同様にして近赤外線吸収組成物2~25を作製した。
Figure 2022174597000035
Figure 2022174597000036
Figure 2022174597000037
表3-1~表3-3に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。
[アルカリ可溶性樹脂(B2)]
B2-1:国際公開第2019/058882号の実施例の樹脂B-4(アリル基含有)
[非アルカリ可溶性樹脂(B3)]
B3-1:国際公開第2017/104735号の実施例3記載の樹脂A-3(酸基なし)
[重合性化合物(C)]
C-1:前記ウレタン結合を有する重合性化合物(C-1)
C-2:KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製、ラクトン変性した重合性化合物)
C-3:アロニックスM-521(東亞合成社製、酸基を有する重合性化合物)
C-4:KAYARAD DPHA(日本化薬社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物)
C-5:NKオリゴ UA-1100H(新中村化学社製、ウレタンアクリレート)
C-6:アロニックスM-306(東亞合成社製、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物)
C-7:オグソールEA-0200(大阪ガスケミカル社製、フルオレンアクリレート)
以上、(C-1)~(C-7)をそれぞれ同量混合し、重合性化合物(C)とした。
[光重合開始剤(D)]
D-1:イルガキュア907(BASFジャパン社製)
D-2:イルガキュア379(BASFジャパン社製)
D-3:イルガキュアOXE01(BASFジャパン社製)
D-4:イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)
D-5:イルガキュアOXE04(BASFジャパン社製)
以上、(D-1)~(D-5)をそれぞれ同量混合し、光重合開始剤(D)とした。
[増感剤(E)]
(チオキサントン系化合物(E1))
E1-1:2,4-ジエチルチオキサントン
(ベンゾフェノン系化合物(E2))
E2-1:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
以上、(E1-1)~(E2-1)をそれぞれ同量混合し、増感剤(E)とした。
[エポキシ化合物(I-1)]
I-1-1:EHPE-3150(ダイセル社製)
I-1-2: デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)
I-1-3:イソシアヌル酸トリグリシジル
以上、(I-1-1)~(I-1-3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(I-1)とした。
[オキセタン化合物(I-2)]
I-2-1:アロンオキセタンOXT-221(東亞合成社製)
[チオール系連鎖移動剤(J)]
J-1:トリメチロ-ルエタントリス(3-メルカプトブチレート)
J-2:トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
J-3:ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
J-4:トリメチロ-ルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
J-5:トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
以上、(J-1)~(J-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(J)とした。
[重合禁止剤(K)]
K-1:3-メチルカテコール
K-2:メチルヒドロキノン
K-3:t-ブチルヒドロキノン
以上、(K-1)~(K-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(K)とした。
[紫外線吸収剤(L)]
L-1:TINUVIN400(BASFジャパン社製)
L-2: TINUVIN900(BASFジャパン社製)
以上、(L-1)、(L-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(L)とした。
[酸化防止剤(M)]
M-1:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
M-2:3,3'-チオジプロパン酸ジオクタデシル
M-3:トリス[2,4-ジ-(t)-ブチルフェニル]ホスフィン
M-4:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
M-5:サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(M-1)~(M-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(M)とした。
[レベリング剤(N)]
N-1:BYK-330(ビックケミー社製)
N-2:メガファックF-551(DIC社製)
以上、(N-1)、(N-2)をそれぞれ0.5部混合し、PGMAc99部に溶解させた混合溶液をレベリング剤(N)とした。
[有機溶剤(Q)]
Q-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 30部
Q-2:シクロヘキサノン 30部
Q-3:3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
Q-4:プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
Q-5:シクロヘキサノールアセテート 10部
Q-6:ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(Q-1)~(Q-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、有機溶剤(Q)とした。
[貯蔵安定剤(O)]
O-1:2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール
O-2:トリフェニルホスフィン
以上、(O-1)、(O-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(O)とした。
[密着向上剤(P)]
P-1:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
P-2:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
P-3:3-アミノプロピルトリメトキシシラン
以上、(P-1)~(P-3)をそれぞれ同量にて混合し、密着向上剤(P)とした。
<近赤外線吸収組成物の評価>
得られた近赤外線吸収組成物1~25(実施例1~23、比較例1~2)について、ソルベントショック、現像性、基材密着性、近赤外線吸収性の評価を下記の方法で行った。評価結果を表4に示す。
[現像性評価]
得られた近赤外線吸収組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、スピンコータを用いて乾燥膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、超高圧水銀ランプを用い、照度30mW/cm、250mJ/cmで、100μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。さらに、この基板を室温に冷却後、23℃の有機アルカリ現像液NMD-3(東京応化工業社製)を用いて、現像時間2水準(40秒、70秒)でスプレー現像し、イオン交換水で洗浄して風乾した。得られた基板をクリーンオーブン中で、220℃で30分間ポストベークを行い、基板上にストライプ状のパターンを形成した。パターンを光学顕微鏡にて観察し、未露光部の現像残渣、および欠けの有無を評価した。評価基準は、以下の通りであり、2以上が実用可能である。
3:現像時間70秒において、未露光部の現像残渣が無く、パターン欠けがなかった。
2:現像時間70秒において、未露光部に現像残渣が発生またはパターン欠けが発生した。
1:現像時間40秒において、未露光部に現像残渣が発生またはパターン欠けが発生した。
[基材密着性評価]
得られた近赤外線吸収組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、幅5~25μmまで5μm幅刻みのストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm、250mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の有機アルカリ現像液NMD-3(東京応化工業社製)を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中220℃で30分間加熱し密着性評価用基板を得た。スプレー現像は、それぞれの近赤外線吸収組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。
密着性評価用基板のパターンのうち幅5~25μmの細線パターンについて、光学顕微鏡で観察し、残存した細線パターンの最小線幅を確認した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能である。
5:10μm以下の細線が残存している。
4:10μmを超え15μm以下の細線が残存している。
3:15μmを超え20μm以下の細線が残存している。
2:20μmを超え25μm以下の細線が残存している。
1:細線が残存していない。
[ソルベントショック評価]
得られた近赤外線吸収組成物とシクロヘキサノンを1:100の割合にて混合し、室温で24時間静置した。その後、0.8μmのメンブレンフィルタにてろ過し、メンブレンフィルタ上に捕捉された凝集異物を光学顕微鏡(×250倍)にて観察し、異物の個数をカウントした。
5:凝集異物の数が5個未満
4:凝集異物の数が5個以上、10個未満
3:凝集異物の数が10個以上、50個未満
2:凝集異物の数が50個以上、100個未満
1:凝集異物の数が100個以上
前記密着性評価用基板上のパターンを用いて、近赤外線フィルタの適性有無を評価した。フィルタの機能は、例えば、近赤外線の透過が可能か否か、およびそれ以外の波長領域の光線をカットできるか否かである。
以下、850nmの透過率、ならびに400~700nmの波長域の吸収性を評価した。
[吸収性および透過性評価]
得られた近赤外線吸収組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が1.0μmとなるように塗工し、70℃1分間ホットプレートで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、高圧水銀灯ランプを用い、照度30mW/cm、250mJ/cmで露光した。その後、この基板を23℃の有機アルカリ現像液NMD-3(東京応化工業社製)を用いて30秒間スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中220℃で30分間加熱し吸収性および透過性評価用基板を得た。
(750~900nm吸収性)
得られた密着性評価用基板上のパターンに対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて750~900nmの波長範囲の透過スペクトルを測定し、最小透過率を求めた。
3:750~900nmにおける、最小透過率が10%未満
2:750~900nmにおける、最小透過率が10%以上20%未満
1:750~900nmにおける、最小透過率が20%以上
(900~1000nm透過性)
得られた密着性評価用基板上のパターンに対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて900~1000nmの波長範囲の透過スペクトルを測定し、最大透過率を求めた。
3:900~1000nmにおける、最大透過率が80%以上
2:900~1000nmにおける、最大透過率が65%以上80%未満
1:900~1000nmにおける、最大透過率が65%未満
Figure 2022174597000038
10 画像表示装置
11 透明基板
12 TFTアレイ
13 透明電極層
14 配向層
15 偏光板
21 透明基板
22 カラーフィルタ
23 透明電極層
24 配向層
25 偏光板
30 バックライトユニット
31 白色LED光源
LC 液晶
200 固体撮像装置
201 固体撮像素子
202 撮像部
203 カバーガラス
204 スペーサー
205 積層基板
206 チップ基板
207 回路基板
208 電極パット
209 外部接続端子
210 貫通電極
211 レンズ層
212 レンズ材
213 支持体
214 硬化膜
215 硬化膜
300 赤外線センサ
310 固体撮像素子
311 赤外線カットフィルタ
312 カラーフィルタ
313 赤外線吸収透過フィルタ
314 樹脂膜
315 マイクロレンズ
316 平坦膜

Claims (13)

  1. 近赤外線吸収色素(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む近赤外線吸収組成物であって、
    前記バインダ樹脂(B)が、(メタ)アクリロイル基を有しガラス転移温度-50℃以上150℃未満のアルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)を含む、近赤外線吸収組成物。
  2. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、エポキシ基含有単量体に由来する(メタ)アクリロイル基を有する構造単位(b1-1)を含む樹脂である、請求項1に記載の近赤外線吸収組成物。
  3. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、芳香族環含有構成単位(b2)を2~80モル%を含む樹脂である、請求項1または2に記載の近赤外線吸収組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、脂肪族環含有構成単位(b3)を2~80モル%を含む樹脂である、請求項1~3いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  5. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、エポキシ基含有単量体に由来する構造単位(b1-1)を2~90モル%を含む樹脂である、請求項1~4いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、一般式(1)または一般式(2)に示す環を有する芳香族環含有構成単位(b2)と、式(3)または式(4)に示す環を有する脂肪族環含有構成単位(b3)とを有する、請求項1~5いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
    Figure 2022174597000039
    [一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、水素原子、またはベンゼン環を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である。一般式(2)中の破線部は、ベンゼン環に隣あう、置換基を有しても良い一個以上の飽和または不飽和の複素環を含む環状構造を示す。]
    式(3): 式(4):
    Figure 2022174597000040
  7. 前記アルカリ可溶性バインダ樹脂(B1)が、さらに多塩基酸無水物に由来する構造(b1-2)を含む、請求項1~6いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  8. 更に、着色剤(F)を含む、請求項1~7いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物。
  9. 請求項1~8いずれか1項に記載の近赤外線吸収組成物の硬化物である、硬化膜。
  10. 請求項9に記載の硬化膜を有する、光学フィルタ。
  11. 請求項9に記載の硬化膜を有する画像表示装置。
  12. 請求項9に記載の硬化膜を有する、固体撮像素子。
  13. 請求項9に記載の硬化膜を有する、赤外線センサ。
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