JP2022174394A - 印刷物を検査するための画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】発生頻度が高く、目立ちづらい色版ずれを他の印刷欠陥と同じ精度で検査すると、過検知が多発し、印刷の生産性が低下してしまう。【解決手段】リファレンス画像から予め色版ずれを予測した画像を生成する。そして、色版ずれを予測した画像に基づいて、リファレンス画像と検査画像との照合を行うことで、色版ずれの過検知を抑制する。【選択図】図11
Description
本発明は、印刷物の検査技術に関する。
従来、印刷物の検査は人手によって行われてきたが、近年は検査をしながら印刷出力可能なインライン方式の検査装置を組み込んだ印刷システムが用いられている。このような印刷システムでは最初に、検査の際の基準となる画像(「リファレンス画像」や「正解画像」と呼ばれる。)を登録する。次に、印刷装置から出力された印刷物を読み取り、得られた読取画像と最初に登録したリファレンス画像とを比較することで印刷欠陥の検査を行う。そして、検査時には、まずリファレンス画像と読取画像との位置合わせを行い、次に位置合わせ後の両画像における対応する画素同士を比較して画素値の差分を抽出し、抽出された差分値が所定の閾値以上か否かを判定する閾値処理を行う。閾値処理の結果、差分値が閾値以上であれば欠陥画素として検出されることになる。
上述した閾値処理で用いる閾値は検査精度に関わる重要なものであるため、ユーザは適正な閾値を設定する必要がある。この点、印刷欠陥を再現したチャートを用意し、その読取画像に基づきユーザに検出したい欠陥レベルを選択させることで、ユーザが望む欠陥レベルに対応した閾値を設定する方法が提案されている(特許文献1)。
ところで、印刷処理の過程で発生する印刷欠陥には様々な種類がある。例えば、電子写真方式の印刷装置の場合、現像シミや搬送ローラのひっかき傷など部品の不良に起因する発生頻度が比較的低いものから、色版ずれや濃度不足など発生頻度が比較的高いものまで様々な印刷欠陥がある。ここで色版ずれは、レーザ露光装置の取付誤差や、用紙の搬送速度のムラ、回転体の偏心による回転ムラ等その原因は様々であるため、その完全な除去が困難である一方、画像内のエッジ部に発生するので、他の印刷欠陥に比べて目立ちづらいという性質がある。従って、発生頻度は高いものの目立ちづらいことからその程度によっては許容可能なことも少なくないといえる。このような特徴を持つ色版ずれを、他の印刷欠陥と同じ精度で検査した場合には、欠陥検出が多発し、それに伴って印刷処理の生産性が低下するという問題があった。
本開示に係る画像処理装置は、複数の色を用いて印刷された印刷済みシートを読み取って得た検査画像とそれに対応するリファレンス画像とに基づき、当該印刷済みシートを検査する画像処理装置であって、前記印刷において色版ずれが発生した場合に影響を受ける特定の画像領域を示す色版ずれ画像を、前記リファレンス画像から生成する生成手段と、前記印刷済みシートを読み取って得た検査画像、及び当該検査画像に対応する前記リファレンス画像を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された前記検査画像と前記リファレンス画像とを照合して、前記印刷済みシートにおける印刷欠陥を検出する照合手段と、を備え、前記照合手段は、前記色版ずれ画像に基づいて、前記印刷欠陥として前記色版ずれを検出しないようにする、ことを特徴とする。
本開示の技術によれば、色版ずれの過検知を抑制することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、各実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが必須のものとは限らない。尚、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る、インライン方式の検査装置を組み込んだ印刷システムの構成の一例を示す図である。図1の印刷システムは、画像形成装置10、プリントサーバ20、クライアントPC30が、ネットワーク40を介して相互に接続されている。
図1は、本実施形態に係る、インライン方式の検査装置を組み込んだ印刷システムの構成の一例を示す図である。図1の印刷システムは、画像形成装置10、プリントサーバ20、クライアントPC30が、ネットワーク40を介して相互に接続されている。
画像形成装置10は、プリントサーバ20やクライアントPC30から入力された画像データを用いて印刷処理を行い、印刷処理された用紙(印刷済みシート)を検査して出力する。画像形成装置10は、印刷処理を行う印刷モジュール11、印刷済みシートを検査する検査モジュール12、検査を終えた印刷済みシートに対してフィニッシング処理を行うフィニッシャ13で構成される。印刷モジュール11、検査モジュール12、フィニッシャ13は、通信ケーブルを介して相互に接続されている。本実施形態では、上述のような構成によって、印刷、検査、フィニッシングまでを一貫して行う画像形成装置を例に説明を行うが、印刷モジュール11、検査モジュール12、フィニッシャ13は、それぞれが独立した装置であってもよい。
<画像形成装置の構成>
≪印刷モジュールについて≫
図2は、画像形成装置10の印刷モジュール11の内部構成を示す図である。印刷モジュール11は、コントローラ201、UI部202、プリンタエンジン203を備える。
≪印刷モジュールについて≫
図2は、画像形成装置10の印刷モジュール11の内部構成を示す図である。印刷モジュール11は、コントローラ201、UI部202、プリンタエンジン203を備える。
印刷処理の対象となる画像データは、クライアントPC30又はプリントサーバ20にインストールされたプリンタドライバ等のアプリケーションによってPDLデータの形式で生成され、ネットワーク40を介して画像形成装置10に入力される。コントローラ201は、入力されたPDLデータをプリンタエンジン203で処理可能な印刷データに変換してプリンタエンジン203に渡す。プリンタエンジン203は、コントローラ201から受け取った印刷データに基づいて、プラスチックシートや紙等の記録媒体(以下、「用紙」又は「シート」と呼ぶ。)上に画像を所定の印刷方式で画像を形成して出力する。なお、本実施形態のプリンタエンジン203は、電子写真方式にて印刷処理を行うエンジンとする。ただし、印刷方式は、電子写真方式に限定されず、例えばインクジェット方式などの他の方式でもよい。UI部202は、ユーザにより操作され、種々の機能の選択や、操作指示を行うために使用される。UI部202は、表面にタッチパネルが設けられた液晶ディスプレイや、スタートキーやストップキー、テンキー等の各種キー等を配置したキーボード等を備えている。
次に、コントローラ201の詳細について説明する。コントローラ201はネットワークI/F(インタフェース)101、CPU102、RAM103、ROM104、画像処理部105、エンジンI/F106、内部バス107を有する。ネットワークI/F101は、クライアントPC30又はプリントサーバ20から送信されたPDLデータを受け取るためのインタフェースである。CPU102は、RAM103やROM104に格納されている制御プログラム等を用いて、印刷モジュール11を含む画像形成装置10全体の制御を行う。RAM103は、CPU102が各種処理を実行する際に用いるワークエリアとして機能する。ROM104は、後述の各種処理をCPU102に実行させるためのプログラムやデータ、また、コントローラ201の設定データなどを格納する。画像処理部105は、CPU102からの指示に従い、PDLデータに対してプリント用画像処理を行い、プリンタエンジン203で処理可能な印刷データを生成する。具体的には、PDLデータに対してラスタライズを行うことで、1画素あたり複数の色成分を持つビットマップ形式の画像データを生成する。ここで、複数の色成分とは、例えばRGB色空間における赤、緑、青といった、所定の色空間に従った独立した色成分のことである。ビットマップ画像データの各画素、1つの色成分につき8ビット(256階調)の値を持つ。また、ラスタライズにおいては、ビットマップ画像データの他に、各画素のオブジェクト属性を示す属性データも生成される。この属性データは、画素がどの種類のオブジェクトに属するかを示し、例えば文字(TEXT)や線(LINE)、グラフィック、イメージ、背景といったオブジェクトの種類を示す値によって表される。画像処理部105は、生成されたビットマップ画像データおよび属性データに基づき、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)色空間に変換する色変換処理やスクリーン処理などを施すことで、プリンタエンジン203が処理可能な印刷データを生成する。エンジンI/F106は、画像処理部105によって生成された印刷データを、プリンタエンジン203に渡すインタフェースである。内部バス107は、上述の各部を繋ぐシステムバスである。
≪プリンタエンジンについて≫
図3は、プリンタエンジン203の内部構成を示す図である。プリンタエンジン203は、スキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306、及び、これらを制御するエンジンコントローラ308を備える。
図3は、プリンタエンジン203の内部構成を示す図である。プリンタエンジン203は、スキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部306、及び、これらを制御するエンジンコントローラ308を備える。
スキャナ部301は、原稿台に置かれた文書に対して、照明を当てて文書を光学的に読み取り、読み取った像を電気信号に変換して文書画像を生成する。レーザ露光部302は、スキャナ部301で生成された文書画像に応じ、変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)307に入射させ、反射走査光として感光ドラム303に照射する。
作像部304は、感光ドラム303を回転駆動し、帯電器によって帯電させ、レーザ露光部302によって感光ドラム303上に形成された潜像をトナーによって現像する。そして、得られたトナー像を用紙に転写する。本実施形態の作像部304は、このような一連の処理を行う現像ユニット(現像ステーション)を4連持つ。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4連の現像ユニットは、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにおける作像動作を順次実行していく。
定着部305は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、上記作像部によってトナー像が転写された用紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。給紙/搬送部306は、用紙カセットを一つ以上持っており、エンジンコントローラ308の指示に応じて用紙カセットに収納された複数の用紙の中から一枚を分離し、作像部304及び定着部305へ搬送する。搬送された用紙は前述の現像ステーションによって、各色のトナー像が転写され、最終的にフルカラートナー像が用紙上に形成される。
エンジンコントローラ308は、コントローラ201と通信して、その指示に応じて印刷処理に必要な様々な制御を実行する。また、エンジンコントローラ308は、上述のスキャナ部301、レーザ露光部302、感光ドラム303、作像部304、定着部305、給紙/搬送部6の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
≪検査モジュールについて≫
図4(a)は、検査モジュール12の内部構造を示す図である。印刷モジュール11から出力された印刷済みシート(印刷物)は、給紙ローラ401によって検査モジュール12内に引き込まれる。その後、印刷済みシートは、搬送ベルト402によって搬送されながら、搬送ベルト402上にあるセンサ403で読み取られる。センサ403で読み取られた画像(スキャン画像)は、コントローラ405において検査される。また、コントローラ405は、検査モジュール12全体の制御も行う。図5(a)は、コントローラ405の内部構成を示す図である。コントローラ405は、通信I/F111、CPU112、RAM113、ROM114、検査処理部115、内部バス116を有する。通信I/F111は、印刷モジュール11のコントローラ201と通信するためのインタフェースである。CPU112は、RAM113やROM114に格納されている制御プログラム等を用いて、検査モジュール12全体の制御を行う。RAM113は、CPU112が各種処理を実行する際に用いるワークエリアとして機能する。ROM114は、各種処理をCPU112に実行させるためのプログラムやデータ、また、コントローラ405の設定データなどを格納する。検査処理部115は、印刷モジュール11から搬送されてきた印刷済みシートをセンサ403で読み取り、得られたスキャン画像に対して所定の検査処理を行って印刷欠陥を検出する。検査処理部115の詳細については後述する。内部バス116は、上述の各部を繋ぐシステムバスである。検査を終えた印刷済みシートは、検査結果と共にフィニッシャ13に送られる。なお、印刷モジュール11のUI部202とは別に、検査モジュール12が独自のUI部を有する構成とし、検査結果の表示や検査レベル・項目の設定といった検査に関わる情報の表示や入力操作については独自のUI部にて行うような構成でもよい。
図4(a)は、検査モジュール12の内部構造を示す図である。印刷モジュール11から出力された印刷済みシート(印刷物)は、給紙ローラ401によって検査モジュール12内に引き込まれる。その後、印刷済みシートは、搬送ベルト402によって搬送されながら、搬送ベルト402上にあるセンサ403で読み取られる。センサ403で読み取られた画像(スキャン画像)は、コントローラ405において検査される。また、コントローラ405は、検査モジュール12全体の制御も行う。図5(a)は、コントローラ405の内部構成を示す図である。コントローラ405は、通信I/F111、CPU112、RAM113、ROM114、検査処理部115、内部バス116を有する。通信I/F111は、印刷モジュール11のコントローラ201と通信するためのインタフェースである。CPU112は、RAM113やROM114に格納されている制御プログラム等を用いて、検査モジュール12全体の制御を行う。RAM113は、CPU112が各種処理を実行する際に用いるワークエリアとして機能する。ROM114は、各種処理をCPU112に実行させるためのプログラムやデータ、また、コントローラ405の設定データなどを格納する。検査処理部115は、印刷モジュール11から搬送されてきた印刷済みシートをセンサ403で読み取り、得られたスキャン画像に対して所定の検査処理を行って印刷欠陥を検出する。検査処理部115の詳細については後述する。内部バス116は、上述の各部を繋ぐシステムバスである。検査を終えた印刷済みシートは、検査結果と共にフィニッシャ13に送られる。なお、印刷モジュール11のUI部202とは別に、検査モジュール12が独自のUI部を有する構成とし、検査結果の表示や検査レベル・項目の設定といった検査に関わる情報の表示や入力操作については独自のUI部にて行うような構成でもよい。
図4(b)は、搬送ベルト402を上面から見た図である。図4(b)に示すようにセンサ403は、搬送されてきた印刷済みシート410の全面をライン毎に読み取るラインセンサである。照射装置411は、センサ403で印刷済みシート410を読み取る際に印刷済みシート410を照射する。また、照射装置412は、印刷済みシートが搬送ベルト402上を搬送される際に用紙搬送方向に対して斜行しているかどうかを検知する際に印刷済みシート410を照射する。搬送される印刷済みシート410に対して斜め方向から照射することで、シート端部の影を読み取り、斜行を検知する。センサ403で読み取られた検査対象となるスキャン画像(以下、「検査画像」と呼ぶ。)はRAM113に保存される。また、検査に先立って通信I/F111が、印刷欠陥を検出する際の基準となる、検査画像に対応した画像(以下、「リファンレンス画像」と呼ぶ。)と検査制御情報をコントローラ201から取得する。ここで、検査制御情報には、印刷ジョブ情報・印刷部数情報・ページ順情報といった検査画像とリファレンス画像との対応を取るための同期情報の他、検査結果に伴い印刷モジュール11やフィニッシャ13の動作を制御する制御情報が含まれる。そして、検査処理部115が、検査制御情報の1つである同期情報に基づき、対応している検査画像とリファレンス画像とのペアを順次検査していく。検査処理部506の詳細については、後述する。検査が終了するとその結果は通信I/F111を介してコントローラ201に送られUI部202に表示される。また、検査によって印刷欠陥が検出された場合には、ユーザによって予め指定された方法で印刷モジュール11とフィニッシャ13の動作が制御される。例えば、印刷モジュール11における印刷処理を停止し、フィニッシャ13における印刷済みシートの排出先をエスケープトレイに切り替える、といった具合である。
≪検査処理部の詳細≫
図5(b)は、本実施形態に係る、検査処理部115の機能構成を示すブロック図である。検査処理部115は、斜向検知部501、画像差調整部502、解像度変換部503、画像変形部504、位置合わせ部505、照合部506、色版ずれ画像生成部507を有する。以下、各部について説明する。
図5(b)は、本実施形態に係る、検査処理部115の機能構成を示すブロック図である。検査処理部115は、斜向検知部501、画像差調整部502、解像度変換部503、画像変形部504、位置合わせ部505、照合部506、色版ずれ画像生成部507を有する。以下、各部について説明する。
斜向検知部501は、検査画像の斜行角度を検知する。検査画像はシート端部に影が出来るようにスキャンされている。これは、検査モジュール12内に引き込まれ、搬送ベルト402上を搬送される印刷済みシートに対して、斜行検知用用紙照射装置412によって照射された際にできるシート端部の影をセンサ403がスキャンするためである。この影を用いて斜向角度を検出し、後述する画像変形部504で変形処理を行う。
画像差調整部502は、検査画像とリファレンス画像との画像差を調整する。検査画像は、印刷済みシートをスキャンして得た画像であり、印刷欠陥が発生していなくても、リファレンス画像との間に差異が存在する。この差異は、印刷処理に先立つ画像処理の影響、印刷モジュール11の特性の影響、センサ403のスキャナ特性の影響などにより生じる。ここで、印刷処理に先立つ画像処理とは、色変換処理やガンマ処理やハーフトーン処理などである。印刷モジュール11の特性とは、色再現性やドットゲインやガンマ特性などである。スキャナ特性は、色再現性やS/NやスキャナMTFなどである。また、検査画像とリファレンス画像とでbit数が異なる場合もある。これらの影響を除去し、もし印刷欠陥が発生していなければ、検査画像とリファレンス画像との間に差がなくなるような画像処理を両画像に対して(或いはリファレンス画像のみに)施す。この場合の画像処理としては、色変換処理、ガンマ補正処理、フィルタ処理、bit幅調整処理などがある。
解像度変換部503は、検査画像やリファレンス画像に対し、解像度変換を行う。検査画像とリファレンス画像は、コントローラ405に入力された時点で解像度が異なっている場合がある。また、検査処理部506内の各部で利用される解像度と入力解像度が異なっている場合がある。そのような場合に解像度変換を行う。例えば、検査画像の解像度が主走査600DPI/副走査300DPIであり、リファレンス画像の解像度が主走査1200DPI/副走査1200DPIであったとする。この場合において、検査で必要とされる解像度が主走査・副走査ともに300DPIであった場合には、両画像を縮小変倍して、双方の画像解像度を主走査・副走査ともに300DPIに変換する。解像度変換の方法は、計算負荷と必要精度を勘案して、公知の方法を適用すればよい。例えば、SINC関数を利用した方法の場合は、計算負荷は重いが、高精度の変換画像を得ることができる。また、最近傍法の場合は、計算負荷は軽いが、低精度の変換画像となる。
画像変形部504は、検査画像やリファレンス画像に対し変形処理を行う。検査画像とリファレンス画像との間には、印刷処理時の用紙の伸縮や斜向、スキャン時の斜向により、幾何的な相違が存在する。画像変形部504は、斜向検知部501や後述する位置合わせ部505で得られた情報を基に、画像を変形させる処理を行うことにより、その幾何的な相違を補正する。幾何的な相違はアフィン変換として表現可能であり、アフィン変換パラメータを斜向検知部501や位置合わせ部505から得ることにより補正を行うことが可能となる。
位置合わせ部505は、検査画像とリファレンス画像との間の位置合わせを行う。位置合わせの時点では、検査画像とリファレンス画像とが同じ画像解像度であることが前提である。なお、画像解像度が高いほど、位置合わせの精度が向上するが、計算負荷は大きくなる。位置合わせで得られたパラメータを基に、画像変形部504で補正を行うことにより、後述する照合部506で利用する検査画像とリファレンス画像を得ることが可能となる。位置合わせには任意の手法を適用可能であるが、ここでは、画像内の一部領域の情報を利用して画像全面の位置合わせを行う手法を利用する。本実施形態の位置合わせは、3つのステップ、すなわち、位置合わせ用パッチの選択、パッチ毎の位置合わせ、アフィン変換パラメータの推定から成る。以下、それぞれのステップについて説明する。
・ステップ1:位置合わせ用パッチの選択
まず「パッチ」とは、画像内の矩形領域を指すこととする。位置合わせ用パッチの選択では、リファレンス画像から、位置合わせに適した複数個のパッチの選択を行う。位置合わせに適したパッチとしては、パッチ内のコーナー特徴量が大きいパッチが考えられる。コーナー特徴とは、ある局所近傍で方向の異なる2つの際立ったエッジが存在するような特徴(2つのエッジの交点)である。コーナー特徴量は、このエッジ特徴の強さを表す特徴量である。「エッジ特徴」のモデル化の違いに基づき、様々な手法が考案されている。コーナー特徴量を計算する公知の方法の1つにHarrisのコーナー検出法がある。Harrisのコーナー検出法は、水平方向の微分画像(水平方向のエッジ特徴量画像)と、垂直方向の微分画像(垂直方向のエッジ特徴量画像)から、コーナー特徴量画像を計算によって求める。このコーナー特徴量画像は、コーナー特徴を構成する2つのエッジのうち弱い方のエッジ量を表現した画像となっている。コーナー特徴は2つのエッジのどちらも強いエッジであるはずなので、相対的に弱い方のエッジであっても強いエッジ量を持っているどうかでコーナー特徴量の大きさを表現している。リファレンス画像からコーナー特徴量画像を求め、大きなコーナー特徴量を持つ部分を位置合わせに適したパッチとして選択する。なお、単純にコーナー特徴量が大きい領域から順番にパッチとして選択すると、偏った領域からのみパッチが選択される場合がある。この場合、周辺にパッチが存在しない領域が増え、その領域の画像変形情報を利用できないことになるので、画像全体の位置合わせをするのに適さない。そこで、パッチを選択する際には、コーナー特徴量の大きさだけではなく、パッチが画像内に分散して配置されることも考慮する。具体的には、あるパッチ候補領域のコーナー特徴量が、画像全体において相対的にそれほど大きくなかったとしても、画像の局所的な領域内で大きければ、パッチとして選択するようにする。こうすることにより、リファレンス画像内にパッチを分散配置することが可能となる。パッチ選択の際のパラメータとしては、パッチの大きさ、パッチの個数(または密度)がある。パッチが大きくなり、パッチの個数が多くなると、位置合わせの精度が向上するが、計算負荷は大きくなる。
まず「パッチ」とは、画像内の矩形領域を指すこととする。位置合わせ用パッチの選択では、リファレンス画像から、位置合わせに適した複数個のパッチの選択を行う。位置合わせに適したパッチとしては、パッチ内のコーナー特徴量が大きいパッチが考えられる。コーナー特徴とは、ある局所近傍で方向の異なる2つの際立ったエッジが存在するような特徴(2つのエッジの交点)である。コーナー特徴量は、このエッジ特徴の強さを表す特徴量である。「エッジ特徴」のモデル化の違いに基づき、様々な手法が考案されている。コーナー特徴量を計算する公知の方法の1つにHarrisのコーナー検出法がある。Harrisのコーナー検出法は、水平方向の微分画像(水平方向のエッジ特徴量画像)と、垂直方向の微分画像(垂直方向のエッジ特徴量画像)から、コーナー特徴量画像を計算によって求める。このコーナー特徴量画像は、コーナー特徴を構成する2つのエッジのうち弱い方のエッジ量を表現した画像となっている。コーナー特徴は2つのエッジのどちらも強いエッジであるはずなので、相対的に弱い方のエッジであっても強いエッジ量を持っているどうかでコーナー特徴量の大きさを表現している。リファレンス画像からコーナー特徴量画像を求め、大きなコーナー特徴量を持つ部分を位置合わせに適したパッチとして選択する。なお、単純にコーナー特徴量が大きい領域から順番にパッチとして選択すると、偏った領域からのみパッチが選択される場合がある。この場合、周辺にパッチが存在しない領域が増え、その領域の画像変形情報を利用できないことになるので、画像全体の位置合わせをするのに適さない。そこで、パッチを選択する際には、コーナー特徴量の大きさだけではなく、パッチが画像内に分散して配置されることも考慮する。具体的には、あるパッチ候補領域のコーナー特徴量が、画像全体において相対的にそれほど大きくなかったとしても、画像の局所的な領域内で大きければ、パッチとして選択するようにする。こうすることにより、リファレンス画像内にパッチを分散配置することが可能となる。パッチ選択の際のパラメータとしては、パッチの大きさ、パッチの個数(または密度)がある。パッチが大きくなり、パッチの個数が多くなると、位置合わせの精度が向上するが、計算負荷は大きくなる。
・ステップ2:パッチ毎の位置合わせ
パッチ毎の位置合わせでは、ステップ1で選択したリファレンス画像内の位置合わせ用パッチと、それに対応する検査画像内のパッチとの間で位置合わせを行っていく。この位置合わせの結果として、得られる情報には2種類あり、1つ目は、i番目(i=1~N、Nはパッチ数)のリファレンス画像内の位置合わせ用パッチの中心座標(refpX_i,refpY_i)である。2つ目は、その中心座標のスキャン画像内での位置(scanpX_i,scanpY_i)である。位置合わせ手法は、(refpX_i,refpY_i)と(scanpX_i,scanpY_i)の関係が得られるようなシフト量推定方法であれば、どのような手法であってもよい。例えば、FFTを用いて、位置合わせ用パッチと対応するパッチを周波数空間上に持っていき、そこでの相関をとり、シフト量を推定する方法などがある。
パッチ毎の位置合わせでは、ステップ1で選択したリファレンス画像内の位置合わせ用パッチと、それに対応する検査画像内のパッチとの間で位置合わせを行っていく。この位置合わせの結果として、得られる情報には2種類あり、1つ目は、i番目(i=1~N、Nはパッチ数)のリファレンス画像内の位置合わせ用パッチの中心座標(refpX_i,refpY_i)である。2つ目は、その中心座標のスキャン画像内での位置(scanpX_i,scanpY_i)である。位置合わせ手法は、(refpX_i,refpY_i)と(scanpX_i,scanpY_i)の関係が得られるようなシフト量推定方法であれば、どのような手法であってもよい。例えば、FFTを用いて、位置合わせ用パッチと対応するパッチを周波数空間上に持っていき、そこでの相関をとり、シフト量を推定する方法などがある。
・ステップ3:アフィン変換パラメータの推定
アフィン変換は、下記の式(1)で表現される座標変換方法である。
アフィン変換は、下記の式(1)で表現される座標変換方法である。
上記式(1)において、アフィン変換パラメータは、a,b,c,d,e,fの6種類が存在する。ここで、(x,y)は(refpX_i,refpY_i)に対応し、(x',y')は(scanpX_i,scanpY_i)に対応する。N個のパッチから得られる、上記対応関係を用いて、アフィン変換パラメータを推定する。推定には、例えば最小二乗法を用いればよい。求めたアフィン変換パラメータを基に、画像変形部504でリファレンス画像または検査画像を変形することで、照合部506で利用するリファレンス画像と検査画像のペアを得ることが可能となる。
照合部506は、検査画像とリファレンス画像とを照合して、印刷欠陥を検出する処理(照合処理)を行う。照合処理においても、検査画像とリファレンス画像とが同じ画像解像度であることが前提である。また、画像同士の比較が可能なように、位置合わせ部505得られた情報を基に、リファレンス画像または検査画像が画像変形部504で補正されていることが前提である。照合処理の詳細については後述する。
色版ずれ画像生成部507は、印刷処理において色版ずれが発生した場合にその影響を受ける画素(以下、「色版ずれ画素」と呼ぶ。)をリファレンス画像から予測して、当該予測された画素から成る特定の画像領域を示す画像(以下、「色版ずれ画像」と呼ぶ。)を生成する。入力されるリファレンス画像の解像度は、照合部506に入力される両画像の解像度と同じである。また、入力されるリファレンス画像は、画像変形部504にて補正されていることも前提となる。色版ずれ画像生成部507は、まず、色版毎のリファレンス画像から各色版におけるエッジ画像を生成する。そして、生成した色版毎のエッジ画像において、2色以上がエッジ画素であると判定された画素を色版ずれ画素とする。これは、色版ずれが2色以上のエッジが隣接する画素に発生するためである。色版ずれ画像生成処理の詳細については後述する。
<検査処理の流れ>
続いて、検査モジュール12が行う検査処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、図6のフローチャートが示す一連の処理は、CPU112が、ROM114に格納された制御プログラムをRAM113に展開してこれを実行することで実現される。また、各ステップで処理された結果はRAM113で保持され、後続の処理で利用される。なお、以下の説明において記号「S」はステップを意味する。
続いて、検査モジュール12が行う検査処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。なお、図6のフローチャートが示す一連の処理は、CPU112が、ROM114に格納された制御プログラムをRAM113に展開してこれを実行することで実現される。また、各ステップで処理された結果はRAM113で保持され、後続の処理で利用される。なお、以下の説明において記号「S」はステップを意味する。
S601では、検査準備処理として、リファレンス画像から色版ずれ画像を生成する処理が行われる。この検査準備処理は、ジョブ単位で実行される。例えば、1部が5ページから成る原稿を100部印刷するジョブの場合は、5ページ分の色版ずれ画像が1回だけ生成されることになる。色版ずれ画像生成処理の詳細については後述する。生成した各ページに対応する色版ずれ画像のデータはRAM113で保持され、照合部506によって利用される。
S602では、RAM113に保持されている検査制御情報に含まれるジョブIDとページ番号を用いて、処理対象となる検査画像とそれに対応するリファレンス画像との画像ペアが取得される。
S603では、S602で取得した画像ペアに対して、後で行う照合処理に適した状態にするための各種処理が施される。具体的には、まず、斜向検知部501によって検査画像の傾きがチェックされる。そして、その結果である傾き情報に基づいて、画像変形部504によって、検査画像及び/又はリファレンス画像に対しアフィン変換等の変形処理が施される。さらに、これと並行して、画像差調整部502によって、リファレンス画像に対し検査画像との画像差を小さくするための調整処理が施される。さらに、解像度変換部503によって、調整処理が施された両画像に対し所定の解像度(例えば、300DPI×300DPI)に変換する解像度変換処理が行われる。そして、所定の解像度となった検査画像とリファレンス画像を位置合わせ部505で処理し、アフィン変換パラメータを得る。そして、画像変形部504によって、アフィン変換パラメータを用いてリファレンス画像に対し変形処理を行って検査画像と同じ座標系にする。こうして、照合処理に適した検査画像とリファレンス画像とが得られることになる。
S604では、照合部506によって、S603で得られた検査画像とリファレンス画像とを照合して、印刷欠陥を検出する処理が行われる。その際、S601で得られた色版ずれ画像が参照される。照合処理の詳細については後述する。
S605では、S604における照合処理の結果が通信I/F111を介してコントローラ201に送信されUI部202に表示される。この結果表示においては、検出された印刷欠陥の位置をユーザが把握できるような態様で、検査画像上に重畳表示するなどすればよい。
<色版ずれ画像生成処理の詳細>
続いて、検査準備処理(S601)としての色版ずれ画像生成処理について詳しく説明する。図7は、色版ずれ画像生成部507の内部構成を示すブロック図である。色版ずれ画像生成部507は、4つのエッジ判定部701C~701Kとエッジ合成部702とから構成される。なお、リファレンス画像がRGB色空間で表現されている場合はCMYK色空間に変換した後に、CMYK各色版のリファレンス画像が、4つのエッジ判定部701C~701Kそれぞれに入力されることになる。
続いて、検査準備処理(S601)としての色版ずれ画像生成処理について詳しく説明する。図7は、色版ずれ画像生成部507の内部構成を示すブロック図である。色版ずれ画像生成部507は、4つのエッジ判定部701C~701Kとエッジ合成部702とから構成される。なお、リファレンス画像がRGB色空間で表現されている場合はCMYK色空間に変換した後に、CMYK各色版のリファレンス画像が、4つのエッジ判定部701C~701Kそれぞれに入力されることになる。
エッジ判定部701C~701Kはそれぞれ、担当する色版のリファレンス画像を入力とし、リファレンス画像内の注目画素について、その周辺領域を参照して、オブジェクトのエッジ部に該当する画素(以下、「エッジ画素」と呼ぶ。)であるか否かの判定を行う。ここで、周辺領域の範囲は、注目画素を中心とする例えば3×3画素或いは5×5画素の領域とすればよい。また、エッジ画素とは、オブジェクトと背景との境界に接する、オブジェクト内側の画素とオブジェクト外側の画素のことである。参照される周辺領域が3×3画素の場合、オブジェクトと背景との境界(信号値の段差)から1画素を検出できるので、境界から内側の1画素と外側の1画素の計2画素がエッジ画素となる。参照される周辺領域が5×5画素の場合は、オブジェクトと背景との境界から2画素を検出できるので、境界から内側の2画素と外側の2画素の計4画素がエッジ画素となる。エッジ画素の検出方法は、上記で述べた手法に限定するものではなく、ラプラシアンなどの2次微分フィルタを用いて検出してもよい。そして、エッジ判定の結果を示す画像(以下、「エッジ画像」と呼ぶ)を、エッジ合成部702へ出力する。エッジ判定処理の詳細については後述する。
エッジ合成部702は、色版毎のエッジ判定部701C~701Kのそれぞれから入力された4枚のエッジ画像を合成して、色版ずれ画像を生成する。合成においては、各色版に共通の注目画素について、2色以上のエッジ画像においてエッジ画素であった場合に、当該注目画素を色版ずれ画素とする。
図8は、色版ずれ画像生成処理の詳細を示すフローチャートである。図示されるように、図8のフローにおいてS801~S810の処理はエッジ判定部701C~701Kにおいてそれぞれ実行され、S811及びS812はエッジ合成部702において実行される。以下、図8のフローチャートを参照して詳しく説明する。
まず、S801では、各エッジ判定部701C~701Kから出力されることになるエッジ画像が初期化される。具体的には、エッジ画像の各画素に対し、非エッジ画素を表す画素値“0”が設定される。
次にS802では、入力されたリファレンス画像を構成する各画素のうち、エッジ判定処理の対象として注目する画素が決定される。続くS803では、S802にて決定された注目画素の周辺領域(ここでは注目画素を中心とする3×3画素の範囲にある9画素)の中から、最も大きい画素値(最大値[MAX])が取得される。そして、次のS804では、S802にて決定された注目画素の上記周辺領域の中で、最も小さい画素値(最小値[MIN])が取得される。S803及びS804の処理は、参照する周辺領域内における画素値の段差を導出するために行う。
そして、S805では、S803で取得した最大値[MAX]からS804で取得した最小値[MIN]を減算する処理を行って、コントラスト値[CONT]が取得される。これにより、参照する周辺領域における画素値の段差量が求まる。
次のS805では、S805で求めたコントラスト値[CONT]と、予め定めたエッジ判定値[Sub]とを比較して、コントラスト値[CONT]の方が大きいかどうかが判定される。エッジ判定値[Sub]は、処理対象となる検査画像の特徴などを踏まえ、ユーザが経験則に基づき設定しておく。画素値が8ビット(0~255)で表現される場合のエッジ判定値としては例えば“60”といった値が設定される。判定の結果、エッジ判定値[Sub]よりもコントラスト値[CONT]の方が大きい場合にはS807に進む。一方、エッジ判定値[Sub]よりもコントラスト値[CONT]の方が大きくない場合(コントラスト値がエッジ判定値以下の場合)にはS808に進む。ここで、エッジ判定値[Sub]よりもコントラスト値[CONT]の方が大きくない場合は、エッジ部についての照合結果を修正する必要がないと判断できる。
S807では、注目画素がエッジ画素であると判定され、上記エッジ画像内の対応画素の画素値が、エッジ画素であることを表す画素値“1(ON)”に決定される。すなわち、この場合は、初期値“0”が“1”に変更される。一方S808では、注目画素がエッジ画素でないと判定され、上記エッジ画像内の対応画素の画素値が、非エッジ画素であることを表す画素値“0(OFF)”に決定される。すなわち、この場合は初期値“0”が維持されることになる。
S809では、入力されたリファレンス画像を構成する全ての画素について処理が行われたか否かが判定される。未処理の画素がある場合はS802へ戻って次の注目画素が決定されて処理が続行される。一方、全ての画素について処理が完了していた場合は、本処理を終了する。
以上が、エッジ判定処理の内容である。ここで、図9(a)~(c)を参照して、エッジ判定処理の具体的な適用例を説明する。なお、参照する周辺領域は、注目画素を中心とする3×3画素の範囲とする。
図9(a)は、位置合わせ後のCMYK各色版のリファレンス画像を示している。図9(a)において画素群901を構成する各画素は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)の画素値を有している。そして、注目画素902を含むその他の画素は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)の画素値を有している。以下、C版に着目して説明を行う。
いま、注目画素902を中心とする周辺領域903の中で、最大画素値は“255”であり、最小画素値は“0”である。よって、注目画素902におけるコントラスト値[CONT]は、MAX-MIN=255となる。この場合、コントラスト値[CONT]はエッジ判定値[Sub]の“60”よりも大きいので、注目画素902はエッジ画素と判定され、エッジ画像における対応画素の画素値は“1”となる。図9(a)に示す画像の全画素に対して同様の処理を行って得られたエッジ画像が図9(b)であり、エッジ画素群904が得られている。他の色版についても同様に処理を実施すると、M版についても同じエッジ画素群904が得られる。一方、Y版とK版については全画素値が“0”なのでエッジ画素群は得られず、非エッジ画素のみで構成されるエッジ画像となる。
そして、エッジ合成部702において、CMYK各版のエッジ画像を合成する処理が行われる。いま、C版とM版のエッジ画像には共通のエッジ画素群904が存在する。よって、C版とM版の2色に共通するエッジ画素群904を色版ずれ画素とした、図9(c)に示すような画素群905を有する色版ずれ画像が出力されることになる。
<検査設定について>
ユーザは、UI部202(或いは検査モジュール12独自のUI部)に表示される、図10に示すような検査設定用のUI画面を介して、検査レベルの選択に加え、検査項目から色版ずれを除外するかしないかを選択することができる。図10のUI画面では、ユーザが調整可能な検査レベルとして、Level1~Level5の5段階が用意されている。本実施形態では、例えばLevel1が選択されると、リファレンス画像と検査画像とのコントラスト値(信号値差)が“32”以上であるときに、汚れやキズに相当する欠陥画素であると判定する。一方、Level5が選択されると、リファレンス画像と検査画像とのコントラスト値が“200”以上であるときに、汚れやキズに相当する欠陥画素であると判定する。なお、ここでは、両画像の画素値が8ビットで表現されていることを前提としている。このようにLevel値が小さいほど、わずかな汚れやキズ等であっても印刷欠陥として検出される。Level値に応じた閾値(以下、「コントラストパラメータ」と呼ぶ。)は、各検査レベルに予め対応付けされている。そして、ユーザが選択した検査レベルに対応したコントラストパラメータが照合部506へ通知されて、照合処理において用いられることになる。このように、ユーザが任意のLevel値を選択することで、検査レベルを調整することが可能となっている。
ユーザは、UI部202(或いは検査モジュール12独自のUI部)に表示される、図10に示すような検査設定用のUI画面を介して、検査レベルの選択に加え、検査項目から色版ずれを除外するかしないかを選択することができる。図10のUI画面では、ユーザが調整可能な検査レベルとして、Level1~Level5の5段階が用意されている。本実施形態では、例えばLevel1が選択されると、リファレンス画像と検査画像とのコントラスト値(信号値差)が“32”以上であるときに、汚れやキズに相当する欠陥画素であると判定する。一方、Level5が選択されると、リファレンス画像と検査画像とのコントラスト値が“200”以上であるときに、汚れやキズに相当する欠陥画素であると判定する。なお、ここでは、両画像の画素値が8ビットで表現されていることを前提としている。このようにLevel値が小さいほど、わずかな汚れやキズ等であっても印刷欠陥として検出される。Level値に応じた閾値(以下、「コントラストパラメータ」と呼ぶ。)は、各検査レベルに予め対応付けされている。そして、ユーザが選択した検査レベルに対応したコントラストパラメータが照合部506へ通知されて、照合処理において用いられることになる。このように、ユーザが任意のLevel値を選択することで、検査レベルを調整することが可能となっている。
色版ずれを検査項目から除外するかしないかは、UI画面上の「する」ボタン、「しない」ボタンのいずれかの選択によって受け付ける。「する」ボタンが選択された場合、色版ずれは検査項目から除外される。「しない」ボタンが選択された場合、色版ずれは検査項目となる。「する」ボタンが選択された場合、色版ずれを検査項目から除外する旨の設定信号が照合部506へ通知されて、色版ずれの検出を抑制した照合処理が行われることになる。このように、色版ずれの過検知を抑制したいユーザは「する」ボタンを選択し、印刷品質を重視して色版ずれについても印刷欠陥として検出したいユーザは「しない」ボタンを選択すればよいことになる。
なお、上述の例では、「する」ボタンと「しない」ボタンの2択によって、色版ずれを検査項目から除外するかどうかを選べるようにしていたが、例えば、色版ずれを含む検出可能な全検査項目のリストを表示して、その中から検出したい検査項目だけを選択できるようにしてもよい。要は、色版ずれの検査を行うかどうかをユーザが選択できるようなUI画面構成になっていればよい。また、上述の例では、検査レベルの調整によって、どの程度の汚れやキズを検出するかを選択可能にしていたが、さらに検出対象の汚れやキズのサイズ(例えば、0.1mm~3mm)をユーザが設定できるようにしてもよい。
<照合処理の詳細>
続いて、照合処理(S604)について詳しく説明する。図11は、本実施形態に係る、照合処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートを参照して詳しく説明する。
続いて、照合処理(S604)について詳しく説明する。図11は、本実施形態に係る、照合処理の流れを示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートを参照して詳しく説明する。
S1101では、リファレンス画像と検査画像との差分を表す差分画像が生成される。差分画像は、例えば以下の式(2)によって求めることができる。
差分画像(x,y)=DIS(リファレンス画像(x,y)-検査画像(x,y)) ・・・式(2)
差分画像(x,y)=DIS(リファレンス画像(x,y)-検査画像(x,y)) ・・・式(2)
上記式(2)において、(x,y)は画素位置を示す座標で、DIS()は画素値間の距離を求める関数である。DIS()は、グレースケール画像であれば、単純な差の絶対値でもよいし、ガンマを考慮した差の絶対値を求める関数であってもよい。カラー画像の場合は色差を求める関数とすればよい。
S1102では、S1101にて得られた差分画像に対し、特定形状の欠陥を強調するためのフィルタ処理が行われる。図12(a)は点状欠陥を強調するためのフィルタ特性を示す図、図12(b)は、線状欠陥を強調するためのフィルタ特性を示す図である。
S1103では、フィルタ処理が施された差分画像に対し、入力値(差分値)が上述のコントラストパラメータ以上なら出力値を“1(欠陥画素)”、コントラストパラメータ以下なら出力値を“0(非欠陥画素)”とする二値化処理を行う。これにより、各画素が“1”又は“0”の値を持つ、暫定的な照合結果を表す二値画像(以下、「暫定照合画像」と呼ぶ。)が得られる。
S1104~S1107は、S1103で得られた暫定照合画像を、S601で生成された色版ずれ画像に基づいて修正して、最終的な照合結果を示す画像(以下、「照合画像」)を生成する処理である。
まずS1104では、暫定照合画像を構成する画素のうち注目する画素が決定される。次にS1105では、決定された注目画素が色版ずれ画素であるか否かによって処理の振り分けがなされる。具体的には、色版ずれ画像における、注目画素に対応する画素の画素値が“1”であれば、注目画素は色版ずれ画素であると判定して、S1106に進む。続くS1106では、暫定照合画像における注目画素の画素値が“1”であれば“0”に変更する処理が行われる。もし、注目画素の画素値が“0”であればそのまま維持される。S1006の画素値変更処理が終わるとS1007に進む。一方、S1005において、色版ずれ画像における、注目画素に対応する画素の画素値が“0”であれば、注目画素は色版ずれ画素ではないと判定し、S1006をスキップしてS1107に進む。つまり、色版ずれ画像における、注目画素に対応する画素の画素値が“0”の場合は、注目画素は色版ずれ画素でないと判定して、暫定照合画像における注目画素の画素値が維持される。
そして、S1107では、暫定照合画像内の全ての画素が処理されたか否かが判定される。判定の結果、未処理の画素があればS1104に戻って次の注目画素を決定して処理が続行される。一方、全ての画素について処理が完了していればS1108に進む。
S1108では、ここまでの処理により、色版ずれ画素と判定された画素の画素値を変更した修正済みの暫定照合画像が、照合画像として出力されて、本処理が終了する。
以上が、本実施形態に係る、照合処理の内容である。ここで、図13(a)~(e)を参照して、照合前処理及び照合処理の具体的な適用例を説明する。図13(a)は、位置合わせ後のRGB色空間のリファレンス画像を示している。いま、図13(a)において画素群1301を構成する各画素は、(R,G,B)=(0,0,255)の画素値を有している。そして、図13(b)は、位置合わせ後のRGB色空間の検査画像を示している。なお、リファレンス画像と検査画像はいずれも画像解像度が300DPIであるものとする。そして、ここでは、CMYKの4つの版のうちC版が、基準の位置に対して一画素だけ上方向にずれた場合を例に説明を行うものとする。図13(b)において、左下がり斜線の画素群1302はC版のみの画像領域を示し、グレーの画素群1303はC版とM版とが重なった画像領域を示し、斜め格子の画素群1304はM版のみの画像領域を示している。また、右下がり斜線の画素群1305は、部品の不具合が原因で発生した汚れを示している。
まず、フィルタ処理された差分画像に対してコントラストパラメータに基づく二値化処理を行って、図13(c)に示す暫定照合画像が生成される(S1103)。図13(c)の暫定照合画像において、画素群1306、1307、1308は、図13(b)の検査画像における画素群1302、1304、1305にそれぞれ対応している。そして、図13(d)に示す色版ずれ画像に基づいて、図13(c)の暫定照合画像が修正される(S1104)。なお、図13(d)は、図9(c)と同一である。いま、図13(c)の暫定照合画像において、画素群1306及び1307は、色版ずれ画像における画素群906と重なる位置にあるので、色版ずれによる印刷欠陥であると判定される(S1105でYes)。よって、暫定照合画像内の画素群1306及び1307の画素値が欠陥画素を示す値“1”から非欠陥画素を示す値“0”に変更される(S1106)。一方、画素群1308は、色版ずれ画像における画素群906とは重なる位置には存在しないので、色版ずれとは異なる原因による印刷欠陥であると判定される(S1105でNo)。よって、暫定照合画像内の画素群1308の欠陥画素を示す値“1”が、変更されることなくそのまま出力される。これらの結果、図13(f)に示す修正済みの暫定照合画像が照合画像として出力される。このように、色版ずれ画像に基づく修正によって、色版ずれ以外の印刷欠陥を示す二値画像が得られることが分かる。
以上のとおり本実施形態によれば、色版ずれの発生位置を予測した画像に基づき、検査画像とリファレンス画像との照合結果を修正する。これにより色版ずれによる過検知を抑制することが可能となる。
[実施形態2]
実施形態1では、暫定照合画像を構成する画素のうち色版ずれ画素であると判定された画素については一律に非欠陥画素として扱われることになる。その結果、色版ずれ画素と判定された画素位置に汚れ等の他の種類の印刷欠陥が発生していた場合、当該印刷欠陥を検出できなくなってしまう。エッジ部に生じる印刷欠陥は一般的に目立ちづらいが、周辺の色とは全く異なる色の汚れ(例えばハイライト領域に生じた真っ黒な汚れ)などは目立ってしまう。そこで、色版ずれ画素に発生した色版ずれ以外の印刷欠陥を検知できるようにするのが実施形態2である。具体的には、まず、色版ずれ画素に関して色版ずれが発生した場合の画素値を予測し、予測結果に基づき、色版ずれ以外の印刷欠陥を検出可能な閾値を導出する。そして、色版ずれ画素に関しては、検査レベルに応じたコントラストパラメータに代えて、導出された閾値を用いて照合処理を行う。これにより、色版ずれ画素に発生した色版ずれ以外の印刷欠陥を検知できるようにする。なお、実施形態1と共通する内容についてはその説明を省略することとし、以下では差異点を中心に説明を行うこととする。
実施形態1では、暫定照合画像を構成する画素のうち色版ずれ画素であると判定された画素については一律に非欠陥画素として扱われることになる。その結果、色版ずれ画素と判定された画素位置に汚れ等の他の種類の印刷欠陥が発生していた場合、当該印刷欠陥を検出できなくなってしまう。エッジ部に生じる印刷欠陥は一般的に目立ちづらいが、周辺の色とは全く異なる色の汚れ(例えばハイライト領域に生じた真っ黒な汚れ)などは目立ってしまう。そこで、色版ずれ画素に発生した色版ずれ以外の印刷欠陥を検知できるようにするのが実施形態2である。具体的には、まず、色版ずれ画素に関して色版ずれが発生した場合の画素値を予測し、予測結果に基づき、色版ずれ以外の印刷欠陥を検出可能な閾値を導出する。そして、色版ずれ画素に関しては、検査レベルに応じたコントラストパラメータに代えて、導出された閾値を用いて照合処理を行う。これにより、色版ずれ画素に発生した色版ずれ以外の印刷欠陥を検知できるようにする。なお、実施形態1と共通する内容についてはその説明を省略することとし、以下では差異点を中心に説明を行うこととする。
<検査処理部の詳細>
図14は、本実施形態に係る、検査処理部115’の機能構成を示すブロック図である。実施形態1の検査処理部115との違いは、閾値生成部508が追加されている点である。閾値生成部508は、CMYK各色版のリファレンス画像及び色版ずれ画像に基づき、上述の閾値を画素単位で格納した同一解像度の画像(以下、「閾値画像」と呼ぶ。)を生成する。なお、閾値生成部508に入力されるリファレンス画像の解像度と色版ずれ画像の解像度は同一であるものとする。図15は、閾値生成部514における閾値生成処理の流れを示すフローチャートである。この閾値生成処理は、前述した検査準備処理(S601)の一部として、色版ずれ画像生成処理に続いて実行され、色版ずれ画像と同様、ページ毎に閾値の生成が行われる。以下、本実施形態の特徴である閾値生成処理ついて、図15のフローチャートを参照して説明する。
図14は、本実施形態に係る、検査処理部115’の機能構成を示すブロック図である。実施形態1の検査処理部115との違いは、閾値生成部508が追加されている点である。閾値生成部508は、CMYK各色版のリファレンス画像及び色版ずれ画像に基づき、上述の閾値を画素単位で格納した同一解像度の画像(以下、「閾値画像」と呼ぶ。)を生成する。なお、閾値生成部508に入力されるリファレンス画像の解像度と色版ずれ画像の解像度は同一であるものとする。図15は、閾値生成部514における閾値生成処理の流れを示すフローチャートである。この閾値生成処理は、前述した検査準備処理(S601)の一部として、色版ずれ画像生成処理に続いて実行され、色版ずれ画像と同様、ページ毎に閾値の生成が行われる。以下、本実施形態の特徴である閾値生成処理ついて、図15のフローチャートを参照して説明する。
まず、S1501では、閾値画像が初期化される。本実施形態では、リファレンス画像と検査画像のいずれも、各画素が8ビット(0~255)の画素値を有しているものとする。ここでは、閾値画像の各画素に対し、初期値(仮の閾値)として“0”が設定される。
次にS1502では、入力されたリファレンス画像を構成する各画素のうち、閾値生成処理の対象として注目する画素が決定される。続くS1503では、S1502にて決定された注目画素について、その周辺画素を含めたすべての画素(ここでは注目画素を中心とする3×3画素の範囲にある9画素)の中から、最も大きい画素値(最大値[MAX])が取得される。これは、色版ずれが発生した場合の欠陥画素を予測するためである。いま、色版はCMYKの4色あるので、発生し得る色版ずれの組み合わせは複数存在する。本実施形態では、4つの色版における注目画素の周辺画素の画素値のうち最大値を取得することで、それらの組み合わせの中で一番濃く変化する場合を予測する。発生し得る色版ずれの中で一番濃くなる場合を検知できれば、変化が薄い場合もカバーできるためである。
S1504では、S1503にて取得された最大値と各色版のリファレンス画像における注目画素の画素値との差分を示す値が算出される。この差分値は以下の式(3)によって求められる。
差分DIFF(x,y)=DIS(最大値M(x,y)-注目画素値(x,y)) ・・・式(3)
差分DIFF(x,y)=DIS(最大値M(x,y)-注目画素値(x,y)) ・・・式(3)
上記式(3)において、(x,y)は画素位置を示す座標で、DIS()は、上記式(2)と同様、画素値間の距離を求める関数である。
S1505では、S1504にて算出した差分値に所定のマージンMarを加算した値が、注目画素に対する閾値として設定される。ここで、マージンMarは、ユーザが経験則などに基づき予め定めた値であり、例えば汚れが酷い場合を検知したいときはマージンMarの値を大きくすればよい。また、マージンMarは、検査レベルと連動させてもよい。例えば、コントラストパラメータの値の半分の値をマージンの値にするといった具合である。例えば、前述の図10の例では、検査レベル1であればコントラストパラメータの値が“32”なのでマージンの値はその半分の“16”、検査レベル5であればコントラストパラメータの値が“200”なのでマージンの値はその半分の“100”といった具合である。S1504にて算出した差分値は、色版ずれが発生した場合の差分値である。従って、この差分値よりも大きい値を閾値として設定すれば、色版ずれによる印刷欠陥については検知することなく、色版ずれ以外の印刷欠陥を検出することが可能となる。本実施形態では、そこにロバスト性を持たせるためにマージンMarを加算している。設定される閾値は、以下の式(4)で表される。
閾値Thr(x,y)=差分値DIFF(x,y)+マージンMar ・・・式(4)
閾値Thr(x,y)=差分値DIFF(x,y)+マージンMar ・・・式(4)
こうして算出された注目画素についての閾値が、閾値画像における対応する画素位置に格納されることになる。
S1506では、リファレンス画像内の全ての画素が処理されたか否かが判定される。判定の結果、未処理の画素があればS1502に戻って次の注目画素を決定して処理が続行される。一方、全ての画素について処理が完了していればS1507に進む。
S1507では、画素毎の閾値を格納した閾値画像が照合部506へ出力されて、本処理が終了する。
以上が、閾値生成処理の内容である。ここで、図17(a)及び(b)を参照して、閾値生成処理の具体的な適用例を説明する。図17(a)は、位置合わせ後のCMYK色区間のリファレンス画像を示している。いま、図17(a)において画素群1701を構成する各画素の画素値は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)であり、注目画素が画素1702であるものとする。枠1703は、注目画素を中心とする周辺の3×3画素の範囲を示している。いま、注目画素1702、その左上、上、右上、左、左下、下の6つの画素の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)である。そして、注目画素1702の右上、右、右下の3つの画素の画素値は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)である。よって、C版とM版における最大値は“255”となる。一方、Y版とK版における最大値は“0”となる。以上から、S1503で得られる注目画素1702についての最大値[MAX]は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)となる。
次に、注目画素1702についての最大値[MAX]と注目画素1702の画素値との差分値が算出される(S1504)。いま、注目画素1702の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)である。本実施形態では、CMYK値をRGB値へ変換した後、さらに輝度値に変換して、輝度値ベースで差分値を得る場合について説明する。
まず、CMYK値をRGB値に変換する。この色変換には、例えば以下の変換式を用いる。
R=255-min(255,C×(1-K/255)+K)・・・式(5)
G=255-min(255,M×(1-K/255)+K)・・・式(6)
B=255-min(255,Y×(1-K/255)+K)・・・式(7)
R=255-min(255,C×(1-K/255)+K)・・・式(5)
G=255-min(255,M×(1-K/255)+K)・・・式(6)
B=255-min(255,Y×(1-K/255)+K)・・・式(7)
上記各式(5)~(7)において、min()は、最小値を求める関数である。
いま、注目画素1702についての最大画素値は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)なので、
・R=255-min(255,255×(1-0/255)+0)
=255-min(255,255)
=255-255
=0
・G=255-min(255,255×(1-0/255)+0)
=255-min(255,255)
=255-255
=0
・B=255-min(255,0×(1-0/255)+0)
=255-min(255,0)
=255-0
=255
となって、注目画素1702についての変換後の最大画素値は(R,G,B)=(0,0,255)となる。そして、注目画素1702の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)なので、変換後の注目画素値は(R,G,B)=(255,255,255)となる。
いま、注目画素1702についての最大画素値は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)なので、
・R=255-min(255,255×(1-0/255)+0)
=255-min(255,255)
=255-255
=0
・G=255-min(255,255×(1-0/255)+0)
=255-min(255,255)
=255-255
=0
・B=255-min(255,0×(1-0/255)+0)
=255-min(255,0)
=255-0
=255
となって、注目画素1702についての変換後の最大画素値は(R,G,B)=(0,0,255)となる。そして、注目画素1702の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)なので、変換後の注目画素値は(R,G,B)=(255,255,255)となる。
こうして得られた、RGB色空間に変換された最大画素値と注目画素値を、次に、輝度値に変換する。輝度値への変換には、例えば以下の変換式を用いる。
輝度L=0.3×R+0.6×G+0.1×B ・・・式(8)
輝度L=0.3×R+0.6×G+0.1×B ・・・式(8)
上記式(8)によって、最大画素値である(R,G,B)=(0,0,255)と注目画素値(R,G,B)=(255,255,255)は、それぞれ以下の輝度値に変換される。
・最大画素値の輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26(小数点以下四捨五入)
・注目画素値の輝度L=0.3×255+0.6×255+0.1×255=255
・最大画素値の輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26(小数点以下四捨五入)
・注目画素値の輝度L=0.3×255+0.6×255+0.1×255=255
そして、上記2つの輝度Lから以下の式(9)を用いて差分値を算出する。
差分Sub=ABS(最大画素値の輝度L-注目画素値の輝度L)・・・式(9)
差分Sub=ABS(最大画素値の輝度L-注目画素値の輝度L)・・・式(9)
上記式(9)において、ABS()は、絶対値を算出する関数である。
いま、最大画素値の輝度L=26、注目画素値の輝度L=255なので、差分Sub=229となる。
いま、最大画素値の輝度L=26、注目画素値の輝度L=255なので、差分Sub=229となる。
最後に、算出された差分値にマージンMarが加算されて、閾値が生成される(S1505)。いま、注目画素値について算出された差分値は“229”であり、マージンMarの値が“10”であるとする。よって、上記式(4)から、閾値Thr=229+10=239となる。このような処理を、図17(a)のリファレンス画像の全画素に対して行った結果が図17(b)に示す閾値画像である。いま、図17(b)の閾値画像における画素群1713の画素値(閾値)は“239”である。
<照合処理>
続いて、本実施形態の照合処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
続いて、本実施形態の照合処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
S1601及びS1602は、実施形態1の図11のフローにおけるS1101及びS1102にそれぞれ相当する。すなわち、まず、リファレンス画像と検査画像との差分を表す差分画像が生成され(S1601)、次に、得られた差分画像に対し、特定形状の欠陥を強調するためのフィルタ処理が行われる(S1602)。
そして、S1603では、選択された検査レベルに応じたコントラストパラメータ、検査準備処理にて生成された色版ずれ画像及び閾値画像に基づいて、次の二値化処理で用いる閾値(検査閾値)が、画素単位で決定される。具体的には、色版ずれ画像における画素値が“1”の画素については、閾値画像における閾値を検査閾値として採用し、色版ずれ画像における画素値が“0”の画素については、コントラストパラメータを検査閾値として採用する処理が行われる。
S1604では、強調処理を行った差分画像に対し、S1603で画素毎に決定された検査閾値を用いた二値化処理が行われる。具体的には、差分画像内の注目する画素の画素値(入力値)が、検査閾値以上であれば“1”、検査閾値より小さければ“0”を出力値とする処理を行なう。そして、このような二値化処理によって得られた画像が、照合画像として出力される。
以上が、本実施形態に係る、照合処理の内容である。ここで、図17(a)~(f)を参照して、本実施形態の照合処理の具体的な適用例を説明する。図17(a)は、前述した位置合わせ後のCMYK色空間のリファレンス画像を示している。いま、図17(a)において画素群1701を構成する各画素は、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)である。図17(c)は、位置合わせ後のRGB色空間の検査画像を示している。なお、実施形態1と同様、リファレンス画像と検査画像はいずれも画像解像度が300DPIであり、C版が基準に対して一画素だけ上方向にずれた場合を例に説明を行うものとする。図17(c)において、右下がり斜線の画素群1704は、ずれたC版のみの画像領域を示す。グレーの画素群1706はC版とM版とが重なった画像領域を示し、左下がりの斜線の画素群1705及び画素群1708は、色版ずれではなく、部品の不具合で発生した汚れを示している。
まず、リファレンス画像と検査画像との差分を示す、図7(d)に示す差分画像が生成される(S1601)。本実施形態では、リファレンス画像のCMYK値をRGB値に色変換した後、両画像の画素値(RGB値)を輝度値に変換してその差分を取ることで差分画像が生成される。まず、リファレンス画像と検査画像の双方から以下のような輝度値が取得される。
≪検査画像の輝度値≫
いま、検査画像における各画素群1704~1708が、それぞれ以下に示す画素値を有するものとする。
・画素群1704:(R,G,B)=(0,255,255)
・画素群1705:(R,G,B)=(0,0,0)
・画素群1706:(R,G,B)=(0,0,255)
・画素群1707:(R,G,B)=(255,0,255)
・画素群1708:(R,G,B)=(0,0,0)
いま、検査画像における各画素群1704~1708が、それぞれ以下に示す画素値を有するものとする。
・画素群1704:(R,G,B)=(0,255,255)
・画素群1705:(R,G,B)=(0,0,0)
・画素群1706:(R,G,B)=(0,0,255)
・画素群1707:(R,G,B)=(255,0,255)
・画素群1708:(R,G,B)=(0,0,0)
従って、輝度変換後の画素値(輝度L)は以下のようになる。なお、小数点以下は四捨五入している。
・画素群1704:輝度L=0.3×0+0.6×255+0.1×255=179
・画素群1705:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×0=0
・画素群1706:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26
・画素群1707:輝度L=0.3×255+0.6×0+0.1×255=102
・画素群1708:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×0=0
・画素群1704:輝度L=0.3×0+0.6×255+0.1×255=179
・画素群1705:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×0=0
・画素群1706:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26
・画素群1707:輝度L=0.3×255+0.6×0+0.1×255=102
・画素群1708:輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×0=0
≪リファレンス画像の輝度値≫
いま、リファレンス画像における画素群1701の画素値は、前述のとおり、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)である。これに色変換を行うと、(R,G,B)=(0,0,255)となる。よって、輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26となる。なお、この場合も小数点以下は四捨五入している。そして、画素群1701以外の画像領域の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)である。これに色変換を行うと、(R,G,B)=(255,255,255)となる。よって、輝度L=0.3×255+0.6×255+0.1×255=255となる。
いま、リファレンス画像における画素群1701の画素値は、前述のとおり、(C,M,Y,K)=(255,255,0,0)である。これに色変換を行うと、(R,G,B)=(0,0,255)となる。よって、輝度L=0.3×0+0.6×0+0.1×255=26となる。なお、この場合も小数点以下は四捨五入している。そして、画素群1701以外の画像領域の画素値は、(C,M,Y,K)=(0,0,0,0)である。これに色変換を行うと、(R,G,B)=(255,255,255)となる。よって、輝度L=0.3×255+0.6×255+0.1×255=255となる。
≪差分画像の生成≫
次に、リファレンス画像と検査画像との間の差分を示す差分画像を以下のようにして取得する。
次に、リファレンス画像と検査画像との間の差分を示す差分画像を以下のようにして取得する。
まず、検査画像の画素群1704に着目すると、リファレンス画像における対応画素群の輝度値は“255”である。画素群1704の輝度値は“179”なので、図17(d)の差分画像の画素群1709の差分値は“76”となる。
次に、検査画像の画素群1705に着目すると、リファレンス画像における対応画素群の輝度値は“255”である。画素群1705の輝度値は“0”なので、図17(d)の差分画像の画素群1710の差分値は“255”となる。
次に、検査画像の画素群1706に着目すると、リファレンス画像における対応画素群1701の輝度値は“26”である。画素群1706の輝度値は“26”なので、図17(d)の差分画像における差分値は“0”となる。
次に、検査画像の画素群1707に着目すると、リファレンス画像における対応画素群1701の輝度値は“26”である。画素群1707の輝度値は“102”なので、図17(d)の差分画像の画素群1711の差分値は“76”となる。
最後に、検査画像の画素群1708に着目すると、リファレンス画像における対応画素群の輝度値は“255”である。画素群1708の輝度値は“0”なので、図17(d)の差分画像の画素群1710の差分値は“255”となる。
≪検査閾値の決定と二値化処理≫
上記のようにして得られた差分画像に対してフィルタ処理(S1602)が施された後、検査閾値の決定処理を行って(S1603)、当該決定された検査閾値を用いて二値化処理が行われる(S1604)。
上記のようにして得られた差分画像に対してフィルタ処理(S1602)が施された後、検査閾値の決定処理を行って(S1603)、当該決定された検査閾値を用いて二値化処理が行われる(S1604)。
いま、図17(b)に示す閾値画像によって、画素群1713に対応する画素についての検査閾値は“239”に決定され、画素群1713以外の領域に対応する画素についての検査閾値は“128”に決定される。そして、図17(d)に示す差分画像の各画素値と、対応する各検査閾値とが比較されて、照合画像が生成される。具体的には以下のとおりである。
まず、差分画像の画素群1709の輝度値は“76”で、対応する検査閾値“239”よりも小さい。よって、二値化処理の出力値は“0”となる。
次に、差分画像の画素群1710の輝度値は“255”で、対応する検査閾値“239”よりも大きい。よって、二値化処理の出力値は“1”となる。
次に、差分画像の画素群1711の輝度値は“76”で、対応する検査閾値“239”よりも小さい。よって、二値化処理の出力値は“0”となる。
次に、差分画像の画素群1712の輝度値は“255”で検査閾値“128”よりも大きい。よって、二値化処理の出力値は“1”となる。
このような二値化処理の結果が、図17(e)に示す照合画像である。図17(e)の照合画像において、左下がりの斜線で示す画素群1715と右下がりの斜線で示す画素群1716が、画素値“1”を持つ画素群であり、それ以外の領域の画素の画素値は“0”である。図17(c)の検査画像において画素群1705は、色版ずれ画素に生じた汚れであった。この色版ずれ画素に生じた汚れについても、図17(e)の照合画像の画素群1715が示すように、その他の場所(画素群1708)に生じた汚れと同様に検知できていることが分かる。
以上のとおり本実施形態によれば、色版ずれ画素に関して、色版ずれが発生した場合の画素値を予測し、予測結果に予め定めたマージンを加算して、色版ずれ以外の印刷欠陥を検出可能な閾値を求める。そして、色版ずれ画素に関しては、当該求めた閾値を用いて二値化処理を行う。これにより、色版ずれ画素に発生した色版ずれ以外の印刷欠陥についても検知することが可能となる。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (15)
- 複数の色を用いて印刷された印刷済みシートを読み取って得た検査画像とそれに対応するリファレンス画像とに基づき、当該印刷済みシートを検査する画像処理装置であって、
前記印刷において色版ずれが発生した場合に影響を受ける特定の画像領域を示す色版ずれ画像を、前記リファレンス画像から生成する生成手段と、
前記印刷済みシートを読み取って得た検査画像、及び当該検査画像に対応する前記リファレンス画像を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得された前記検査画像と前記リファレンス画像とを照合して、前記印刷済みシートにおける印刷欠陥を検出する照合手段と、
を備え、
前記照合手段は、前記色版ずれ画像に基づいて、前記印刷欠陥として前記色版ずれを検出しないようにする、
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記生成手段は、
前記リファレンス画像の色版毎に、オブジェクトのエッジ部を判定する判定手段と、
色版毎の前記判定の結果を合成して、前記色版ずれ画像を生成する合成手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記合成手段は、前記判定手段によって2色以上の色版において前記エッジ部に該当すると判定されたエッジ画素を前記特定の画像領域を構成する画素として、前記色版ずれ画像を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記エッジ画素は、前記リファレンス画像を構成する画素のうちオブジェクトと背景との境界に接する、オブジェクト内側の画素とオブジェクト外側の画素である、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、
前記リファレンス画像を構成する画素の中から注目する画素を決定し、
前記注目する画素の周辺領域を参照して、前記注目する画素が前記エッジ画素であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、
前記注目する画素についての前記周辺領域の中から、画素値の最大値と最小値を取得し、
前記最大値から前記最小値を減算して、コントラスト値を取得し、
前記コントラスト値と、予め定めたエッジ判定値とを比較し、
前記エッジ判定値よりも前記コントラスト値の方が大きい場合に、前記注目する画素がエッジ画素であると判定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。 - 前記照合手段は、
前記検査画像と前記リファレンス画像との差分を示す差分画像に対して二値化処理を行って、暫定的な照合結果を示す画像を生成し、
前記暫定的な照合結果を示す画像のうち、前記色版ずれ画像における前記特定の画像領域を構成する画素に対応する画素が、前記印刷欠陥が発生していることを示す画素であった場合、当該画素を前記印刷欠陥が発生していないことを示す画素に変更する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記照合手段は、
前記色版ずれ画像における前記特定の画像領域において前記色版ずれが発生した場合の画素値を予測し、
予測結果に基づき、前記検査画像と前記リファレンス画像との差分を示す差分画像に対して二値化処理を行うための、色版ずれ以外の印刷欠陥を検出可能な閾値を導出し、
前記特定の画像領域を構成する画素に関しては、予め用意された閾値に代えて、導出された前記閾値を用いて前記二値化処理を行って、照合結果を示す画像を生成する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記照合手段は、
前記リファレンス画像を構成する画素の中から注目する画素を決定し、
前記注目する画素の周辺領域の中から、画素値の最大値を取得し、
前記最大値と各色版の前記リファレンス画像における前記注目する画素の画素値との差分を算出して、前記色版ずれ以外の印刷欠陥を検出可能な閾値を導出する、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 - 前記照合手段は、前記最大値と各色版の前記リファレンス画像における前記注目する画素の画素値との差分を、輝度値ベースで算出することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
- 前記照合手段は、算出した前記差分にマージンを加算した値を、前記二値化処理のための前記閾値とすることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
- 前記マージンは、検査レベルに連動した値であることを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
- 前記照合手段が、前記印刷欠陥として前記色版ずれを検出しないようにする処理を行うか否かを、ユーザが選択するためのユーザインタフェースをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 複数の色を用いて印刷された印刷済みシートを読み取って得た検査画像とそれに対応するリファレンス画像とに基づき、当該印刷済みシートを検査する画像処理方法であって、
前記印刷において色版ずれが発生した場合に影響を受ける特定の画像領域を示す色版ずれ画像を、前記リファレンス画像から生成する生成ステップと、
前記印刷済みシートを読み取って得た検査画像、及び当該検査画像に対応する前記リファレンス画像を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得された前記検査画像と前記リファレンス画像とを照合して、前記印刷済みシートにおける印刷欠陥を検出する照合ステップと、
を含み、
前記照合ステップでは、前記色版ずれ画像に基づいて、前記印刷欠陥として前記色版ずれを検出しないようにする、
ことを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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- 2021-05-11 JP JP2021080157A patent/JP2022174394A/ja active Pending
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